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#1
第120回国会 大蔵委員会 第12号
平成三年五月八日(水曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     真島 一男君     下条進一郎君
     村田 誠醇君     岩本 久人君
 五月一日
    辞任         補欠選任
     岩本 久人君     村田 誠醇君
 五月八日
    辞任         補欠選任
     下条進一郎君     真島 一男君
     中村 太郎君     田村 秀昭君
     峯山 昭範君     白浜 一良君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長        大河原太一郎君
    理 事
                梶原  清君
                倉田 寛之君
                鈴木 和美君
                本岡 昭次君
                白浜 一良君
                峯山 昭範君
    委 員
                石川  弘君
                大島 慶久君
                斎藤栄三郎君
                田村 秀昭君
                中村 太郎君
                野末 陳平君
                藤田 雄山君
                真島 一男君
                宮崎 秀樹君
                吉川 芳男君
                赤桐  操君
                稲村 稔夫君
                久保  亘君
                前畑 幸子君
                村田 誠醇君
                和田 教美君
                近藤 忠孝君
                古川太三郎君
                三治 重信君
                下村  泰君
   衆議院議員
       大蔵委員長    平沼 赳夫君
       発  議  者  加藤 六月君
   政府委員
       大蔵政務次官   上杉 光弘君
       大蔵大臣官房審
       議官       石坂 匡身君
       大蔵省主税局長  尾崎  護君
       大蔵省証券局長  松野 允彦君
       大蔵省銀行局長  土田 正顕君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        下村 純典君
   説明員
       国土庁土地局土
       地政策課長    鈴木 省三君
       通商産業省産業
       政策局商政課商
       務室長      佐藤 哲哉君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○貸金業の規制等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
○消費税法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
○理事補欠選任の件
○消費税の廃止に関する請願(第三二号外一件)
○消費税の廃止、国民本位の税制改革に関する請願(第二三三号)
○消費税廃止に関する請願(第五五三号)
○たばこの箱の両面に表示する警告文に関する請願(第一八六七号)
○消費税の早期見直しに関する請願(第一八九三号)
○所得税の課税最低限の大幅是正に関する請願(第二〇一五号外七件)
○身体障害者用自動車に関する消費税の減免に関する請願(第二四六三号外二二件)
○課税最低限引上げ、自家労賃実現、消費税廃止に関する請願(第三〇六九号外一三件)
○継続調査要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(大河原太一郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 貸金業の規制等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、提出者衆議院大蔵委員長平沼赳夫君から趣旨説明を聴取いたします。平沼赳夫君。
#3
○衆議院議員(平沼赳夫君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及び概要を御説明申し上げます。
 御承知のように、いわゆるノンバンクは、国民生活や産業社会の多方面において広く金融サービスを提供しており、その融資業務は、量的拡大、質的充実とともに、我が国の金融システムの中でますます重要な地位を占めるようになってきております。しかしながら、ノンバンクの実態把握や指導監督は十分に行われておらず、最近における地価高騰問題において金融面からの対策が求められている中でノンバンクに対して直接的な指導監督を行うことが必要であるとされております。
 このような状況を踏まえ、先般来、衆議院大蔵委員会の理事会等において協議いたしました結果、所要の立法措置を講ずることで合意に達しました。
 衆議院大蔵委員会におきましては、昨日、起草案を提出、全会一致をもってこれを成案とし、同時に委員会提出の法律案とするに決したものであります。
 なお、昨日の衆議院本会議においても全会一致をもって可決されました。
 以下、本法律案の概要を申し述べます。
 第一に、貸金業の規制等に関する法律の目的として、現行の資金需要者等の利益の保護を図ることのほかに、国民経済の適切な運営に資することを追加することにしております。
 第二に、貸金業者は、事業年度末日の貸付残高が政令で定める額を超えるときは、貸金業に係る事業報告書を作成し、二カ月以内に大蔵大臣または都道府県知事に提出しなければならないことにしております。
 第三に、報告徴収及び立入検査の規定を明確にすることにしております。すなわち、大蔵大臣または都道府県知事は、貸金業者に対して、改正後の法律を施行するため必要があると認めるときは、その業務に関し報告をさせることができるものとし、立入検査についてはこれまでと同様、資金需要者等の利益の保護を図るため必要があると認めるときは、その職員に営業所または事務所に立ち入り、帳簿、書類その他業務に関係のある物件を検査し、または関係者に質問させることができるとするものであります。
 第四に、以上の改正に伴い、罰則規定を整備することにしております。
 第五に、国民経済の適切な運営に資するための
貸金業に係る事業報告書及び報告徴収の規定の運用に当たっては、土地に係る貸金業者の貸し付けの実態把握及び適正化のため、必要な最小限度において行われなければならないことにしております。
 以上が本法律案の趣旨及び概要であります。
 何とぞ速やかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
#4
○委員長(大河原太一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○鈴木和美君 私は、ただいまの委員長の提案についての質問の前に、大蔵省に事実関係を先に御質問したいと思います。
 その一つは、全国銀行といわゆるノンバンクに分けて、一つは不動産に融資している金額、割合つまり構成比、貸付金の担保内訳の数字をお知らせいただきたいと思います。二つ目は、貸付金の業種別残高の中で不動産と建設業の内訳はどうなっているのか、数字を示していただきたいと思います。
#6
○政府委員(土田正顕君) 事実関係のお尋ねでございます。
 第一点は、全国銀行とノンバンクの業種別、担保別融資の実態でございますが、ノンバンクにつきましては網羅的な統計を所持しておりませんので、上位二百社につきまして調査いたしました結果に即しまして申し上げます。
 二百社のうちで有効回答がありましたものは百九十六社でございましたが、この百九十六社の平成二年九月末の不動産業向け貸付金は二十兆円でありまして、貸付金全体の三五・七%を占めております。他方、全国銀行、すなわち都銀、地銀、信託等の不動産業向け貸出金は四十二兆円でありまして、貸出金全体の一一・三%を占めております。
 なお、その規模につきまして申しますと、大手ノンバンクの貨付金規模は全国銀行の一五%でございますが、その中で不動産業向け貨付金を取り出して申し上げますと、その規模は全国銀行の四八%に相当いたしまして、それへのいわば特化が顕著なように思います。
 それから次に、この担保別の内訳でございますが、大手ノンバンクの貸付金の中の六二%、三十四兆円が不動産担保でございます。これに対しまして、全国銀行の貸出金の二五%、百二十兆円が不動産担保である。大手ノンバンクの場合には六二%、全国銀行の場合は二五%が不動産担保であるという数字に相なっております。
#7
○鈴木和美君 私も、ノンバンク研究会報告書、平成三年四月十八日、大蔵省が出した書類でございますが、それを見させてもらったところ、今局長から述べられた数字とほぼ一致していると思うんです。
 さて、そういう数字を頭に置いておきますと、今やノンバンクという業種が全国銀行以上にもう大変な社会的な影響力を持っている業種だと思うんです。とりわけ土地の高騰の問題で議論をされてきたときに、金融面におけるそういう影響、悪影響などなどが多々議論されてきましたので、どうしても早くノンバンクの規制、実態の調査などはしなきゃならぬと思っていたところでございます。
 今回この法案が提出されたということにつきまして率直な私の感想を申し上げますと、ないよりはましだという感じなんです。もう少し徹底した実態の調査と、それから規制の条件というものを強めるべきじゃないのかというのが私の見解なのでございます。そう考えたときに、ないよりはいいという意味で社会党は賛成しますけれども、このままでいいのかということに対して大変私は疑問を今でも抱いているんです。
 そこで、大変恐縮でございますが、大蔵委員長にお尋ねいたします。
 本来であれば役所というか省、政府がこういう問題の法案の整備とか提案とかいうものを私はすべきだと思うんですが、なぜ今回議員立法という形になったのか、その背景と経過などについて御所見を伺っておきたいと思います。
#8
○衆議院議員(平沼赳夫君) 議員立法になぜしたかというお問いでございますけれども、それに関しましては、委員も御承知のように、この貸金業規制法というのは昭和五十八年に議員立法で行ったという経緯がございます。その一部改正であるという観点から、今回も議員立法という形にさせていただきました。
 それともう一つは、今回の法改正の趣旨は、今御指摘のとおり現在問題となっておりますノンバンクの土地関連融資、これがいろいろ社会的に大きな問題を惹起しておりますので、その緊急性という面に配慮いたしますと政府提案より議員立法が望ましい、こういう考え方で議員立法で提案をさせていただきました。
 そういう次第でございます。
#9
○鈴木和美君 もう一つ問題だと思うのは、逆に国土庁に先にお尋ねしますが、この前の貸金業の規制の法案というものはどちらかというと消費者保護という立場から我々審議して成立させたわけですね。ですから、消費者保護という立場。しかし今度は、土地の高騰を招くような融資、その業界というか、そこの規制を考えるもので、質的にちょっと違うと思うんですね。そういう意味では、土地基本法の十三条というのがあるんだから、土地の融資に関する規制とかそういうものというのは、精神規定であるあの土地基本法の十三条の精神を生かした新法というかそういうものをもって対応すべきじゃないか、私はそう思っているんですが、国土庁の見解はいかがですか。
#10
○説明員(鈴木省三君) 土地基本法の第十三条の規定は、先生御案内のように、土地は投機的取引の対象とされてはならないという土地についての基本理念を受け、土地に関する施策の展開方法として土地の取引規制等に関する規定を定めたものでございます。本条の規定はこのように施策の展開方法を抽象的に示すもので、具体的施策につきましては個別の法律等により措置すべきものでございますが、これまでもこの規定に基づきまして、国土利用計画法を改正して監視区域における投機的取引に対する勧告の特例の創設であるとか、遊休土地制度の対象範囲の拡大を図るとか、金融に関しましても不動産業向け融資の総量規制の実施等の措置を講じてきたところでございます。
 御指摘のノンバンクの土地関連融資の規制につきましては、土地基本法を踏まえた今後の土地政策の基本指針として去る一月二十五日に閣議決定いたしました総合土地政策推進要綱におきまして「より実効ある指導を行えるような方策のあり方について検討する。」とされております。国土庁といたしましては、所管省庁においてこのような検討がなされ適切な措置が講じられることを期待していたところでございます。
#11
○鈴木和美君 全国に対しては、つまり行政指導とか行政監督とかそういうことをしなければならないようなところに対しては今までに総量規制の問題は通達が発せられてやったわけですが、ノンバンクに対しては何にもないわけでしょう。ですから、ノンバンクについて土地基本法十三条の精神を受けた何らかの手当てをすべきじゃないかと私は言っているんです。あなたの話を聞いておりますと、それにはお答えになっていませんな。
#12
○説明員(鈴木省三君) ただいま申し上げましたように、一月二十五日の総合土地政策推進要綱におきましてノンバンクについてのしかるべき措置を講ずるということが示されてございますので、それにのっとってしかるべき措置が講ぜられるべきであるというふうには思っているわけでございます。
#13
○鈴木和美君 時間がありませんから、私は不満ですけれども、後からまた総論で締めくくります。
 大蔵省にちょっと尋ねますが、今国土庁が述べられた土地基本法の十三条を受けての具体的な対応ということになるんですが、大蔵省として、議員立法で今回出されたということと、それから土
地基本法絡みで見たときにノンバンクに対する規制というのは一体どうあるべきかという問題と、このノンバンクについて日本でも非常に問題であるけれども、私の調べたところでも今諸外国でも大変問題になっているんで、余り長くなくていいですから外国の例もちょっと説明してくれませんか。私の言ったことを繰り返して言わなくたっていいですから、その分だけ時間を節約してください。
#14
○政府委員(土田正顕君) 前段の、銀行やノンバンクに対して土地基本法の精神を生かしてどのようにやってまいったかということでございますが、これは現在私どもに与えられております権限の中でそれぞれベストを尽くしてきたつもりでございます。端的に申しますと、銀行に対しましては、たび重なる指導、さらには昨年の四月以来のいわゆる総量規制の実施というようなことをやってまいりましたし、またノンバンクにつきましては、一昨年の十月以来、ノンバンクに対する融資の実態の把握とかそのためのヒアリングないしはノンバンク業界に対する要請を繰り返してまいりました。ただし、そのような点のみではなかなか十分な効果を上げられないと思っておりましたところ、今回、関係の議員の方々によりまして貸金業規制法の一部改正法案が提案されるに至ったというふうに了解をしておるわけでございます。
 次に諸外国の問題でございますが、ごく簡単に申しますと、例えばフランスやスイスではそもそも与信業務、すなわち貸し出し等のそういう業務を行うために銀行免許が必要とされております。したがいまして、金融会社に対しましても銀行と同様の規制が課されております。またイギリスでは、金融会社の営業そのものには銀行免許は必要はございませんが、実際には銀行免許を取得している者や銀行の子会社が多いというふうに理解をしております。もう一つ米国につきまして申しますと、米国は銀行に対しまして業務分野の規制とか州際業務の規制が非常に厳しいというようなこともございますので、むしろそのようなことも一つの原因となりまして銀行業としての規制を受けない金融会社が発達を見ておるわけでございます。この金融会社に対しましては、連邦レベルでの規制は存在しておりませんが、州政府レベルでは消費者保護などの観点から規制が行われているというふうに聞いております。
#15
○鈴木和美君 私が今お尋ねしたのは、大蔵委員長にも聞いていただきたいんですが、緊急性ということで議員立法になったということはある面ではよくわかります。本質的なものとしては、ノンバンクと言われる業界に対してもやっぱり新たな立法措置をもってきちっとした規制の対応というものを私はすべきだと思うんですよ。けれども、今の局長のお話のように、諸外国の例を見てもなかなか難しいですね。そして時間がかかるんですね。だから、そういう時間がかかるという意味では今回何らかの規制をするということの緊急性ということは認めるんです。
 そこでもう一回局長に尋ねますが、私自身は、ノンバンクのこの社会的な状態の中で是非を考えたときに、やっぱりないよりはあった方がいいという私は見解なんです。よくわかりませんけれども、小口とかすき間とか、ニッチというのがありますな。ニッチなんてにっちもさっちもいかないニッチだろうと私は冷やかしたんですが、そういうような状況を見て、つまり既存の銀行などになかなか行けない状態の中で、まあ質屋もそうでしょうけれども、そういう小口とかすき間を埋めるというような意味ではあった方がいいという理解です。
 けれども、先ほどの数字が示すように、規制を受ける全国銀行以外の融資が膨大にどんどん進んでいってそれが土地高騰を招いたというような認識であるならば、ますます私は新しい立法というものをつくるべきだと思うんです。ましてや、経済界が金利の引き下げを今要求なさっておりますが、金利が下がるということになれば、その分の需要はまた多くなってくるわけでしょう。そういう循環を考えたときに、今から対応しておかなければ、単に今回、貸金業規制法の四十二条を国民生活や国民経済のためにということでちょっといじるというだけで済まされる問題ではないんじゃないかという認識ですが、大蔵省の見解はいかがですか。
#16
○政府委員(土田正顕君) 非常に大きなお尋ねでございますが、御指摘のように、確かにノンバンクはその規模の拡大、質的な充実とともに我が国の金融システムないしは金融政策、ひいては経済社会に与える影響も大きくなってきておるわけでございますし、ノンバンクが今後とも適正な資金仲介機能を果たすことを私どもとしては期待したいと思います。
 しかし他方、いわばノンバンクの特徴であります積極的な業務展開、さらには業務の多様性というものにつきましては、これはその企業活動の自由度の高さに基づくものでありますので、今後ともその活力が減殺されることのないよう自主的な経営努力が十分尊重される必要もあると考えられます。したがいまして、ノンバンクを我が国金融システムの中にどのように位置づけるかというようなことにつきましては、今後さらに引き続きいろいろな意味での検討を必要とするものであり、早急に具体的な委員の御満足のいくようなそういう結論に到達することはなかなか難しいと申しますか、時間がかかるものと思われます。
 その点もございまして、かたがた土地対策の緊急性にかんがみて今回このような議員提案がなされたものと理解しておりますが、この議員提案の中身によりましても法律に基づいて報告を徴収することができますし、そしてその報告につきましては例えば虚偽の記載に対する罰則の適用などそれなりの重みがあるわけでございますから、したがいまして、限界はございますが、ある程度まではノンバンクに対する直接指導などは可能であると考えております。
 そのようなことも考えまして、今後さらにいろいろな議論を研究しなければいかぬとは思いますけれども、ノンバンクに対しましてまずは緩やかな規制の導入により直接指導を始めるということも適当ではないかと考えておる次第でございます。
#17
○鈴木和美君 その点は根本的な認識という面では私もそう食い違っていないんじゃないかと思うんです。
 ただ、業界の活性化とか業界の営業を余り拘束するということはいかがなものかという局長の見解ですが、それはそれで一般論としてわかりますけれども、現状の状態というものは異常な状態だと私は思うんですね。こういう融資の状態というのは全く異常だと思うんです。後ほど報告書の問題と立入検査の問題については質問いたしますが、私はこの部分においてはきちっと将来を展望したもう少し勉強というか検討というか、そういうものを、国土庁にも先ほど申し上げましたように、十三条の精神規定を受けて、個別法案も出さにゃならぬのですから、これは各省庁にまたがる問題がたくさんあると思うんですが、そういうものを余り時間を置かないで研究しながら成案を得るようにぜひ努力をしてもらいたいということを私はお願い申し上げておきたいと思うんです。
 さてその次は、最近、四月二十二日だったでしょうか、日経新聞に総量規制という問題が緩和されるようなニュアンスの報道があったんですが、私はやっぱり、ノンバンクという問題の実態の解明や規制の条件などが具体化しないうちに総量規制というものを外すということは適当でないと思うんです。今、土地の状態は、鎮静化という言葉を使っている人がおりますけれども、私は実態はまだまだそういう状態でないと思うんです。したがって、この総量規制というものは今後も続けていくべきだと思うんですが、これに対する将来の取り組みの展望というのはどうなりましょうか。
#18
○政府委員(土田正顕君) 総量規制を導入しました経緯につきましては御案内のとおりでございます。
 その後、この総量規制導入前に比べますと、全
国銀行の不動産業向け貸出残高の伸びは急速に低下しております。さらに一部で地価下落の動きが報じられますなど、総量規制の効果は着実に浸透しつつあるものと思われるわけでございますが、私どもといたしましては現在なおその効果を注意深く見守っておりますところでございまして、現時点におきまして総量規制を解除する考えはございません。
 ただ、今後の取り扱いにつきましては、これはかねがね申し上げているところでございますけれども、地価の動向に加えまして、いろいろ御指摘もありましたような金融経済情勢、さらに私どもが見ております金融機関の融資動向、それから他省庁とも関連いたしますが土地政策全般の推進状況、それらを総合的に勘案しながら適切に対処してまいりたいと思っております。
 なお、解除するときにどのような対応が必要であるかということにつきましては、総合土地政策推進要綱に若干触れられているところでございますが、なお現在鋭意検討を進めているところでございます。
#19
○鈴木和美君 局長、これは日経新聞ですけれども、一番頭のところに「解除しても再発動」と書いてありますよ。これは新聞報道の自由だと言ってしまえばそれまでかもしれませんけれども、今も局長はいみじくもおっしゃったでしょう、どういうときに解除するかということは検討してみなきゃならぬと。そういうお話をされると、受ける方の側は、ああこれは解除もあるんだなというようにとるのは当然でしょう。だから、余りそこのところはおしゃべりにならぬ方がいいと思うんです。つまり、前段の方の引き続き続けていきますよだけでいいんじゃないですか。ちょっと親切過ぎると思うんですが、それが誤解を招く私は原因だと思うから十分留意していただきたいと思うんです。
 それからもう一つ、日経に書いてあったこういうものに対して大蔵省としての認識はいかがですか。日銀幹部が「不動産投資に走ったバブル型企業の大半が、依然として持ちこたえているのは、まだ銀行が本気で融資体制の見直しをしていない証拠」、こういうふうに語ったという報道なんですが、これに対する省の見解はいかがですか。
#20
○政府委員(土田正顕君) 実は私はその新聞の裏づけとなったどのような言動がありましたかについて、承知しておらないわけでございます。したがいまして的確なコメントは申しかねるわけでございますが、土地を持ちこたえておるかどうかということは、それによってもうかるもうからないというようなそういう議論もございましょうが、そのほかに、土地を売る、したがってその相手は土地を買う、そういう土地を買うような場合に資金繰りがつきやすいかどうかというようないわばその資金繰り的な要素もかなり考えなければいけない。昨今資金繰りがかなり窮迫しておるということはいろいろ耳にするわけでございまして、一方で土地を売ろうという者がありましても他方でその土地を買おうという者が資金手当てができない、そのようなことで土地取引が停滞しておる、そういうこともあるいはあるのかもしれないと考えておるわけでございます。
 銀行の融資姿勢そのものにつきましては、先ほど申し上げましたような不動産業向け融資の伸び率の急速な低下などから見て、急速に銀行の融資姿勢は改まりつつあるものと私どもは認識しております。
#21
○鈴木和美君 新聞報道ですから自由だと思うんですが、先ほどの省の見解が総量規制はこれからも続けていくというお話でございますので、ぜひその点は堅持していただきたいと思っています。
 さてその次は、ノンバンクに立入検査が認められなかった、除かれた、この背景をちょっと尋ねたいんですが、これは大蔵委員長、今回、四十二条の一項、二項と問題を分けて法案化されましたね。その中で、先ほども申し上げましたように、全国銀行並みというか、もうそれに匹敵するようなノンバンク業界に対して報告書を義務づける。確かにないよりはいいかもしれませんね。それから、立入検査といっても、消費者の側から見て非常に問題だという場合には立入検査は認められていますね。だけれども、その融資をしている状態が不正融資というか、適切でないと思われるようなものに対して、立入検査までは今回は認めていないわけですね。この点の衆議院での議論というのをもし差し支えがなかったら御紹介していただくと大変ありがたいんですが、いかがでしょうか。
#22
○衆議院議員(平沼赳夫君) 立入検査の件に関して衆議院での議論はどうであったかということでございますけれども、先生御承知のように衆議院ではいわゆる質疑ということを行っておりません。ただ、理事会の話し合いの中でいろいろ御意見が出たことは事実でありますが、その立入検査について異議が出たというようなことはございませんでした。
 ただ、先生も御承知のとおり、貸金業規制法というのはあくまでも資金需要者を保護するというそもそもの立法趣旨がございまして、それにこういう事態を踏まえて、やはりノンバンクに対して監督の目が行き届くようにしなきゃいかぬということで、第一歩といたしまして今回こういう形で報告徴収義務というのを付与したわけでございまして、衆議院の理事会、理事懇の議論の中でも特に出ませんでした。
#23
○鈴木和美君 これはだれに質問していいか私も困っているのですが、お答えは要らないという前提に立って申し上げます。
 過般、自民党の金融問題調査会のノンバンク小委員会では、金融機関等の融資状況を常時詳細に把握し、徹底した個別指導や総量規制などを適時適切に行える体制の整備を図るとともに、ノンバンクに対しても金融機関と同様に土地関連融資について行政指導等を直接行える体制の整備を図る、これが自民党の金融のこれに関する当初の態度だったように私は聞いているんです。それがいつの間にか、直接行政指導が行えるような体制つまり立入検査、そういうものが抹消されちゃったということはどうも解せないんですね。
 それで、これはうわさ話ですから事実の関係はわかりませんが、何かこういう問題が議論をされているときに業界筋の方からえらい圧力がかかっちゃって、立入検査をやられたんでは困る、それをやられるようでは業界の活性化にならないとかというようないろんな圧力があって、それでこれが打ち消されちゃった、そういうようなうわさ話も実は聞いているわけなんですが、私は、本来であればもう少し全国銀行並みの検査体制が行われるというようなことまで期待しているんです。
 先ほど局長は、報告書をとるようになったから今までよりは多少監視というか点検というか、そういうものは行えるようになったという点を力説されておったんですが、私に言わせるとそれは手前みそじゃないかと思うんですよ。片方の手をもがれておって、それで右ききの人が左手だけでやれと言われて、まあないよりはいいですよという答弁に私には聞こえるんですが、立入検査までやらないで、業務報告書だけで本当に地価高騰が抑えられるような融資規制になると局長は自信を持って言えますか。いかがですか。
#24
○政府委員(土田正顕君) 自民党の方の話につきまして直接コメントを申し上げる立場ではございませんが、政府の方針を定めましたのは総合土地政策推進要綱という一月二十五日の閣議決定でございまして、そこで「いわゆるノンバンクたる貸金業者の土地関連融資の実態を把握し、より実効ある指導を行えるような方策のあり方について検討する。」と書かれておりますので、私どももその方向での検討を進めておったわけでございます。
 その問題の緊急性にかんがみまして今般議員提案の運びとなり、その内容につきましては、先ほどから御議論ありますように、立入検査ができないというようなそういう内容になってはおります。しかしながら、先ほど申しましたことの繰り返しになりますが、やはり罰則の適用もあり得るような報告徴収ができるということはそれなりの重みがあり、直接指導を可能にするものであると
考えております。
 さらに、検査というような話につきましては、これは私どもの方もさらに一歩進みまして、まずノンバンクのあり方につきましてその実態を把握した後でこれを金融システムの中でいかに位置づけるかというようなことを十分議論をし、その際にもしどうしても必要であるというようなことであれば、立入検査というようなものが実際に行い得るのかどうか、その辺につきましても検討を進める機会があるのではないかと考えておるわけでございまして、当面はまずはいわば緩やかな規制の導入により、しかし直接に指導するということで、この内容で一歩前進であり適当であると考えておるものでございます。
#25
○鈴木和美君 私も既にさっき言ったように、ないよりはましだと言っているんですよ。一歩前進だとか二歩前進もいいんです。それはそれで評価しているんです。何もけちをつけているわけじゃないんですよ。そうじゃなくて、それで大丈夫なのか、こう聞いているんです。
 ましてや、現在見てごらんなさい、先ほどの報告じゃないですけれども、ノンバンクの貸付残高は約七十兆円でしょう。信用金庫は五十四兆円、第二地銀は四十五兆円ですよ。この数字を見ても、ノンバンクが貨し出し市場に与える社会的な影響というのはとっても大きいわけでしょう。それで、片方は立入検査の対象になっておって片方は対象になっていないというような状況は、大分おかしいというように私は思うのですよ。
 だから、今の局長の答弁みたいに、プロセスを踏んでいく過程の中で実態をよくつかんで調査をして問題があれば検討をするということも一つの手だてなんだけれども、私はその前に、こういう状態なんだから危ない状態にあることを認識する、それで立入検査というものは必要だと思うよ、しかしそれを直ちに適用するということはどうか、こういうことならまだわかるんですよ。それを全然なしにしておいて、問題があればやりますよというその発想が気に食わないんです。はっきり言えば気に食わないんですよ。
 そこのところをもう少し大蔵省のアクセントというか姿勢というか、そこをきちっとしておかないと、大蔵省はあるところからこの立入検査について押し切られちゃった、巷間こういううわさだってあるんですから、上手な答弁もありがたいけれども、その基本的な姿勢について、局長、もう一回聞かせてくれませんか。
#26
○政府委員(土田正顕君) ノンバンクの内容についてどのように評価をするか、危ないとか危なくないとかいう議論を一概に申し上げることは適当でないと思います。私どもは、今後さらにいろんな議論を続け、実態を把握し、かつそれが金融システムの中でどのような位置づけを占めることが適当かということを十分考えてまいりたいと思っております。
 なお、確かに貸し金の規模におきましてはノンバンクは著しい成長を遂げておるのでございますが、したがって信用金庫や第二地方銀行の貸出量も超えておるわけではございます。
 しかし、信用金庫その他と違いまして、預金を直接集めてはおらない、不特定多数の大衆から小口性の資金を吸収しておらないというような点は金融機関とはかなり質的な相違があるように思いますし、それから決済機能の中心としての位置づけを持っているような金融機関ともその面では非常に違っておる。もっとも、いろいろな技術的な開発が進んでおりますので、これは将来ある程度決済機能に代替する機能を持たないことがないとは言えないわけではございますが、現時点では、ノンバンクはずうたいは大きいけれども、しょせん主として貸金業オンリーであるというようなところで、金融機関の持っております多面的な機能とはなおかなり趣を異にしておると思うわけでございます。
 なお、今後幅広い金融システムの中でどのように位置づけるかということについては、宿題として私ども鋭意研究してまいりたいと思っております。
#27
○鈴木和美君 もう一つ、ついでにと言っては恐縮ですが、罰則についてです。
 現在の罰則というのは、虚偽の報告が行われたときに罰則を科すというんでしょう。そうすると、虚偽の報告であったのかないのかということはどうやって調べて、罰則を科すんですか。
#28
○政府委員(土田正顕君) 一般的にいろいろな事例について罰則規定があるわけでございますが、必ずしも検査の規定を伴わず罰則が設けられている例も多々あるのではないかと思っておりまして、私どもも、直接その報告を求めることができるようになります以上は、いろいろな出来事の推移をよく注目しながら報告を求め、それがしかも結果的に後で虚偽の報告であるということがわかるというような不幸な事態も建前論としてはあり得ないではありませんので、そのようなときには司法当局と相談の上しかるべき処置を求めたいというふうに考えておるわけでございます。
 したがいまして、検査機能がなければ罰則の適用が実際上動かないというふうには必ずしも考えておらない次第でございます。
#29
○鈴木和美君 どうもそこがよくわからないんですが、報告がおかしいと思うのは主観で判断するんですか、何回か報告をとり直すということなのか。何回も報告をとり直すということは、これは一種の検査ですね。局長の話は、何回も報告をとり直すんですか一回なんですか、おかしいと思ったらすぐおかしいかどうかというのがわからないから司法の手をかりるというようなものなんですか、そこの点がちょっとはっきりしないんですけれども、いかがですか。
#30
○政府委員(土田正顕君) 報告をとるということは実態を明らかにする一つの手段ではございますが、検査と申しますのは、営業所または事務所に職員が立ち入り、帳簿、書類その他業務に関係ある物件を検査し、または関係者に質問させるという具体的な立ち入った行動を意味するわけでございまして、そのような立入検査というような行動はとらなくても、いろいろな報告、世間で報道されますような事実の発生等照らし合わせてその背景に虚偽の報告があったという事実を突きとめることは、必ずしも不可能ではないと考えておるわけでございます。
#31
○鈴木和美君 別の角度からちょっと今の問題に触れますけれども、ノンバンクの業界にコマーシャルペーパーを認めていく方向というか、そういうことが報道されているんですが、これに対する対応というのは今どういうふうに考えられているんですか。
#32
○政府委員(土田正顕君) コマーシャルペーパーの問題につきましてもいろいろと話題が出ておるところでございますが、これにつきましては、大蔵省の方で関係の学識経験者や業界の方々に集まっていただきましたノンバンク研究会におきましてもいろいろな研究がなされ、結論的には引き続き検討が必要であるというような位置づけになっておるわけでございます。
 私どもはこのコマーシャルペーパーの問題と今回ただいま御審議が行われております貸金業規制法の改正問題とが関連する問題であるというふうには認識しておりませんので、コマーシャルペーパーの問題につきましては、例えばその研究会の報告では、ノンバンクが金融システムの中で明確に位置づけられ、それに見合った指導監督体制が整備されるのであれば、コマーシャルペーパーの発行については政策当局において前向きに検討していく必要がある、そういう趣旨の提言もいただいております。
 これも一つの意見でございますし、そのほか関係する意見をいろいろ研究いたしまして、今後さらに検討してまいりたいと思っておりますが、今回のこの法律案の取り扱いとは直接関係するものではないというふうに考えております。
#33
○鈴木和美君 先ほど立入検査をやるかやらないかという区分けの御答弁の中で、例えば地銀とか銀行は不特定多数の者から預金、貸し出しをやっている、片方は特定である、そういうこととの関係において立入検査は同じように見なくたってい
いんじゃないかという御答弁がありましたですな。
 そうすると、このコマーシャルペーパーという問題は、出資法上から考えたときに何ら問題はないんですか。私は若干問題を感ずるんですよ。例えばノンバンクでコマーシャルペーパーというものが認められるような状態になっているときに、出資法上解明がつかないまま放置するということは、銀行には立入検査は行われているのに片方には行われないというのは、どうも釈然としないんです。コマーシャルペーパーと出資法上の関係というのはどういうふうに考えたらいいのか教えてください。
#34
○政府委員(土田正顕君) コマーシャルペーパーと出資法との関連の問題も今後研究を重ねるべき問題であると考えております。
 その点多少立ち入って申しますと、コマーシャルペーパーは現在手形であるという法制をとっておりますので、これが預金その他とは性格を異にするという一応の説明はございます。また、出資法上ノンバンクのコマーシャルペーパー発行を禁止する明文の規定はございません。
 ただ、これは一つの指摘でございますが、ノンバンクのほとんどが融資業務を行っております現状から見ますと、コマーシャルペーパーの発行によりまして不特定かつ多数の者から貸付資金を調達するということになりますと機能として銀行と同様の経済的機能を持つことにならないか。また、出資法に主として金銭の貸付けの業務を営む株式会社が社債の発行により不特定かつ多数の者から貸付資金を受け入れることは禁止するというような規定がございまして、ここには社債とは書いてございますけれども、コマーシャルペーパーとは書いてございませんが、コマーシャルペーパーと社債とは法律的性格を異にするという議論もあるわけでございますが、やはりこのような出資法の禁止規定の理念、さらには先ほど申しましたような経済的機能に着目した場合の金融制度の整合性などの観点から、なお議論が必要であるという指摘もございます。
 そのような問題もあり、今後とも私どもは引き続き検討が必要である課題であるというふうに思っております。
#35
○鈴木和美君 おっしゃるとおり、コマーシャルペーパーというのは約束手形みたいなものですね。だから、約束手形が乱発されて行ったり来たり行ったり来たりするような場面だって私は想定できるんです。そういうような状態だとすると、リース会社の静岡の例じゃないですけれども、どうも系列のああいう社会不安というのが非常に引き起こる土壌を容認するということになるような気がするんです。だから、もう一回翻って立入検査というものはやっぱり必要じゃないのかというところに私は落ちつくんですがね。
 それからもう一つ、これは通産省に聞いた方がいいのかもしらぬけれども、後ほど商品ファンドもやろうと思うんですが、出資法上不特定多数ということではだめだということのために匿名であるとか任意組合ならいいんじゃないかというような説もあるんですね。だけれども、これもずっと議論を詰めていくと、私はどうも、ノンバンクに対する調査とか規制とかをきちっとしないうちにそういうものがどんどん拡大をしていくということは、危険をさらに拡大させていってしまって、早いうちに治療すれば治るものが大きくなってしまってから大手術だというような状態になりかねない、そういうことを非常に憂えているんです。
 これは通産でもいいし大蔵でもいいですが、そういうことに関する見解をちょっと聞かしていただけませんか。
#36
○説明員(佐藤哲哉君) ただいまのお尋ねでございますが、出資法第一条に関することかと存じます。
 出資法第一条におきましては、出資を受けて事業等行う場合には、預金などと異なりまして一般に元本が確保されているとは限らないというものでありますので、不特定多数の者を対象に元本の保証をして出資を募ることを禁止しているものと存じております。
 現在の商品ファンドでございますが、これは現在行っております先物取引、オプション取引などのような商品投資に関しまして、これを合同して運用するという仕組みでございます。したがいまして、現在、商社、リース会社等が販売しております商品ファンドにつきましては、投資対象商品の組み合わせなどによりまして安定性を相当程度高め、結果として元本がほぼ確保されるようなファンドを組成している場合が多いわけでございますが、顧客に対しましては元本の返還を約束しておりません。したがいまして、出資法第一条の趣旨には反していないものというふうに考えております。
 他方、その運用によりまして大幅に元本割れを起こすような商品ファンドは、投資家保護の観点から逆に好ましいものではないというふうに考えてもおります。したがいまして、通産省といたしましては、これまでも出資法その他の法令に違反しない範囲内で大幅な元本割れを起こすことのないよう商品ファンドを運用するように今まで指導しておるところでございまして、今後ともこのような指導を継続してまいりたいと考えております。
#37
○鈴木和美君 もう一度、今度は大蔵省に尋ねます。
 今の通産の考えは考えでそれはわかるんですが、その是非というのは商工委員会で随分議論されているようですから、ここで私は蒸し返すつもりはないんですけれども、大蔵省に尋ねたいことは、先ほどから言っているように、ノンバンクの実態であるとか状況であるとか運用の経過とかというものをきちっとつかまないうちに、疑問を持ちながらも片方でどんどこ業務が拡大をしていくということに関して、大蔵省は何の懸念も持たないんですか。そこのところを聞きたいんです。
#38
○政府委員(土田正顕君) このノンバンクの問題は、実は私どもは、ノンバンクが行っておりますところの貸付金、貸出金業務、貸金業者としての活動という面に着目いたしまして、それが一般の金融システムの中で他の金融機関の活動とどのような関係を持つか、また、例えばただいま御議論が出ておりますような出資法との関連はどういうふうに理解したらよいかという問題意識を持っておるわけでございます。そのような問題意識はもちろん、近年のような急速な貸出金の量的拡大が続きます間は、私どもさらに一層注目する必要があると思っておるわけでございます。
 ただし、ここで申し添えますと、ノンバンクというものは、一般の金融機関と異なりまして、いろいろな営業を自由に同時に兼業できるわけでございます。金融機関につきましては、全般的にその営業範囲を限定しておりまして、一言で申せば他業を禁止しておるわけでございます。
 したがいまして、金融機関に対するいろいろな実態把握の作業というものは、比較的特定の活動についての定型的な観察であるということで、手なれた体制を組みやすいのでございますが、ノンバンクの活動を貸出金のみならず全体として把握するということになりますと、これはなかなか、単に権限問題のみならず、実際問題として非常に実態把握というものは難しかろうと思います。その点がノンバンクと一般の金融機関との間の事情の大きな違いであろうと思っておるわけでございます。
 ただ、その中の一部分ではございますが、貸出金業務を行っており、それが殊に事業者金融、その背景には土地融資が非常に大きく伸びたという背景はあったかと思いますが、事業者金融という面におきまして急速に伸びてきたというところに注目をいたしまして、いろいろとさらに金融システムの中の位置づけを議論してまいるつもりでございますし、その方面の懸念は私どもも十分持ち合わせておるつもりでございます。
#39
○鈴木和美君 今お話しの出資法上の問題が非常に難しい問題も絡んでいるんですが、ノンバンクの運営の状態というものがおかしいなと先ほどから指摘しているのは、やっぱり不動産とか建設業
に大変なお金が回っているというところが一番問題なんで、そのためにこういう規制というものを行わなきゃならぬというようになってきているわけです。
 私は、何回も言うようですが、確かにノンバンク全体を把握し検討するというのは時間がかかるでしょう、大変だと思うんだけれども、大変だということをもって逃げちゃいかぬと思うんですよ。大変だといって逃げて、こういうことをやったんだからいいじゃないですかという単なる国会審議上のテクニックであっては私はいかぬと思うんですね。それは大蔵省もこれから長い道のりかもしらぬけれども、これはしっかりやっていただきたいと思うんです。
 そこで、証券局にちょっとお尋ね申し上げますが、先ほど通産から、商品ファンドについて、商品ファンドというものは新しい証取法との関係でどうも規制の対象になるんじゃないかというように私は聞いておったんですが、ところが、今度は外されたということになると、その経過と、これから一体そのときの消費者保護というのはどういうふうに考えられるのか、この点について答弁してください。
#40
○政府委員(松野允彦君) 御指摘のように、今、証券取引審議会におきまして、急速に伸展しております金融の証券化への対応というテーマの中で、現在の証取法の有価証券概念の見直しというものを検討していただいているわけでございます。
 その検討に当たりましては、御存じのように証券取引法というのは投資者保護というのを基本理念にいたしておりますので、投資者保護の対象となる有価証券あるいは投資者保護を図る必要がある有価証券というものは基本的にどういうものかということを中心にして議論を進めているわけでございまして、当然のことですけれども、まず投資対象になるものであるということ、それから証券取引法の場合には証券の円滑な流通というのが法の目的に掲げてございますものですから、やはり流通性がある有価証券であるということ、この二つの点を中心にして有価証券概念の見直しの検討が進められているわけでございます。
 御指摘の今般のいわゆる商品ファンドでございますが、これにつきましては、非常に新しい商品である、それからややリスクのある面もあるというようなこともございまして、これが投資家の間で転々流通するということについては、不測の損害を与えるおそれもあるんではないかということで、今回の法律を受けて政令で、商品ファンドについては流通性を禁止するといいますか、流通性のないものということで考えておりますものですから、先ほど申し上げました、今の証券取引法上の有価証券概念の見直しの中の流通性という問題が一応認められないということで、私どもとしては、現在のそういう商品ファンドにつきましては、現在審議しております証券取引法の有価証券概念とは別のものであるというふうに認識をしているわけでございます。
#41
○鈴木和美君 これは日経新聞に書いてあったんですが、いわゆる商品ファンドというものと株式とか債券は非常に類似している、だからその線引きがなかなか難しいんだ、これは今後の検討課題となっているんだというふうに書いてあったんですが、今の局長の話によると、それはもう決まっている、もう違う概念で整理したということですか。
#42
○政府委員(松野允彦君) 今申し上げましたように、現在の法律で予定しております商品ファンドは流通性が全くないということでございますので、その点で証取法上の有価証券とは区別しているというふうに考えているわけでございます。
#43
○鈴木和美君 通産省にちょっと尋ねますが、商品ファンドは、一番最初は一口一億円ぐらいで認めていきたい、そのうちに、一億円ではちょっと額が大きい、小口化して一千万ぐらいでどうやというような話も今出ているわけでしょう。そうすると、そういう小口化も認めていくという方針なのですかということを聞きたいわけです。
 それと関連して銀行局長に聞きたいことは、一口一千万というような小口化になると銀行の大口定期預金と金額が似てくるんですが、銀行界は小口化を非常に反対しているんじゃないですか。そういうものの調整はもうついたんですか、これから調整をつけるんですか。
 まず通産省から答えてください。
#44
○説明員(佐藤哲哉君) 現在販売されております商品ファンドにおきましては、原則として一億円が販売単位となっているところでございます。
 販売単位の小口化につきましては、二つの観点から検討が必要ではないかと考えております。その一つは投資家保護の観点でございます。販売単位を小口化いたしますと、十分な資力、知識や経験を有していない一般投資家が不用意に参入し、不測の損害が生ずる可能性がございます。この点は否定できません。もう一つの点は、投資機会の提供や商品ファンド業の発展の観点でございます。商品ファンドの販売単位を大口のままにしておきますと、大口の商品ファンドを購入するだけの資産を有していない一般投資家の商品ファンドに対する投資を事実上不可能にするということになりかねません。したがいまして、国民の投資機会均等の観点からも問題がございます。
 商品ファンドの小口化につきましては、今後この二つの点を十分考慮いたしまして、今後の商品ファンドの普及状況、販売状況、それから種々の金融商品の導入時の取り扱いなどを総合的に勘案いたしまして、段階的に関係省庁と御議論をしながら進めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#45
○政府委員(土田正顕君) 小口化についての通産省当局の慎重なお考えがただいま披露されたわけでございますが、私どもの方から見ますと、この商品ファンドというのは二つの性格があるように思います。
 一つは、これは商品に対する投資でございます。そういう商品としての性格にかんがみますと、物資を所管しております通産大臣さらには農林大臣が必要な監督を行っていかれるということは当然であろうと思います。ただ片一方で、これは委員からいろいろ御指摘の点もございましたが、多数の者から金銭を受け入れて運用するといういわば金融的な性格も持っておりますので、その点は金融を所管しております大蔵大臣の方がいろいろと金融の円滑とか顧客保護の観点から監督を行うという立場もあろうかと思っております。
 いずれにいたしましても、この商品ファンドの今後の運営につきましては三大臣共管という形になっておるわけでございます。
 さらに、銀行は小口化に反対しているか云々というお話につきましては、余り明確に銀行界の意見を聞いたこともございません。ただ、預金金利というものは全般的に自由化が急速に進みつつありまして、現在は一千万円以上の大口定期が完全に金利が自由化されておりますが、さらにことしの秋ごろには三百万円以上の定期預金につきましても金利が自由化されるというような形勢でございまして、いわば定期預金の金利の自由化が急速に進みつつあるという観点からまいりますと、それぞれの金融市場の金利情勢に即応しながら、銀行において自分たちの営業戦略に適応した個別の判断に基づく自主的な金利設定をしていく、こういうようなことがこれからの預金金利の定め方になるのではないかと思っております。
 そのようなときに、一面においては競合する商品が多数出てくるということも自由化という大勢から見れば一つの必然の動向でございまして、あと、問題といたしましては、その自由化のスピード、進度調整、さらにはいろいろ関連する関係業界の調整というようなものがあれば、それは今後とも私どもも状況によりまして関係省庁とも相談をしながら円滑を期してまいりたいと思っておるわけでございます。
#46
○鈴木和美君 最後ですが、もう答えは要りません。時間がありませんから、ずっと述べて終わります。
 大変複雑な問題と危険な問題をはらんでいると
いうのが私はノンバンクの実態だと思うんですね。それだけに、メスを入れることがなかなか難しいということもあるだろうし、営業の自由を侵しちゃいかぬというような問題等もありましょう。それから、大蔵省も人が最近足りないからそこまで研究するのもなかなかままならぬという定員の問題などもありましょう。いろいろあるけれども、やっぱりこの問題は慎重にいつも目を光らせておかないと大変なことになると私は思うんです。したがいまして、必ずしも私の言ったことが適切かどうかは別にして、ぜひ心配の点だけは酌み取っていただいて、今後十分検討を急いでもらいたいと思うんです。
 なお、衆議院の大蔵委員長にも参議院の大蔵委員長にもお願い申し上げますが、この法案は通ってしまうかもしれません。しかし、先ほど言ったように、ないよりはあった方がいいということで賛成でございますが、これからも、閉会中であろうと何であろうと、問題が起き次第委員会を開いて究明するというような前向きの姿勢をとることをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
#47
○峯山昭範君 初めに銀行局長にお伺いします。
 昨年の四月に局長の私的研究会としてノンバンク研究会が発足をいたしまして、ことしの四月に報告書が提出されておりますが、これはどういう法律に基づいて研究会を発足させ、どういうところからお金を出し、そしてこの報告書の内容はどういうふうにされるわけですか。
#48
○政府委員(土田正顕君) 世間でいわゆるノンバンク研究会と言われております集まりは、昨年の四月十一日に初会合を開き、ことしの四月十八日まで十四回にわたって会合を持っていただきまして、それの一つの締めくくりとして報告書をまとめていただいたというものでございます。その性格は、私ども銀行局がこのノンバンク問題についての今後の行政のあり方を検討していくにつきまして、業界の方々とか学識経験者の方々にいろいろ事実関係を説明していただき、それから論点について研究をしていただくという私的な集まりでございます。
 私的な集まりではございますけれども、かなり有力な関係業界の代表的な方々も参加していただきましたし、学者その他の方々も入っていただきましたので、その報告書の内容は、いわば今後におけるノンバンク問題、殊にノンバンクの金融システムの中における位置づけを考えるに当たりまして、非常に参考となる内容になっているのではないかと思っておる次第でございます。
#49
○峯山昭範君 私はそういうことを聞きたいと思ったんじゃなくて、大臣がこういう私的諮問機関をつくるときには、国家行政組織法の第八条に基づいてきちっとした法律的な手続に基づいてやるわけでありますが、私的とはいいながら、これは銀行行政にとって非常に重要な部門の答申を受けているわけであります。したがって、私的であろうと何であろうと、銀行局長がこういうことをやるときには、例えば大蔵省設置法の第何条に基づいてというふうにきちっとした手続に基づいてやらないといけないわけでしょう。私的だからといって、局長のポケットマネーでこの費用を出したわけじゃないと私は思うんですね。そこら辺の根拠はやっぱりきちっとしておかないといけないと私は思うんです。
#50
○政府委員(土田正顕君) もちろん正規の調査会というようなものではないということでございますので、その結論につきまして、正規の諮問機関のお出しいただいた結論ほどの格式と申しますか拘束力と申しますか、そのようなものはないと思っておりますが、この後、この内容の中で行政上とるべき点は取り上げ、そして今後の議論の参考にしたい、そういう性格のものであると思っております。
 それから、活動につきましての位置づけは、当然大蔵省設置法の許容する範囲内であると了解しております。いわば最小限度の会議費的なものは正規の予算の中から払われているのではないかと思っております。
#51
○峯山昭範君 特別に私はこの問題について追及しようとは思っておりませんが、行政というものはそういうものであると私は認識をしておりますから申し上げているわけでございます。出てきた報告書の内容は相当大事なことが報告されているわけでございます。しかしながら、行政のあり方としては、私は人を選ぶ選び方にいたしましてもきちっとした選び方をして、自分の都合のいいような報告書をつくらせるなんということがあってはならないという基本的な考え方があるから、私は申し上げているわけであります。
 そこで、きょう今審議をいたしております法律とのかかわり合いなんですが、この法律は議員立法で、衆議院の方からわざわざおいでいただいて御説明があったわけでございますが、我々は替成なのでございますが、これは、第一条「目的」のところでも、いわゆる公共性の部分が盛り込まれただけでございます。盛り込まれただけと言うとこれは語弊がありますが、非常に大事な点が盛り込まれたと申し上げておきましょう。それからもう一つは報告の問題、これは非常に大事な問題ではありますが、先ほどから議論がありました立入検査の問題等が抜けている部分もあるわけであります。これで本当に今大きな社会的な問題になっておりますいわゆるノンバンクの土地に対する融資がきちっと指導できるのかどうかということを、非常に私は心配をしているわけでございます。
 後段の問題は別といたしまして、ノンバンク研究会の報告書と今回の法案とのかかわりは局長はいかがお考えでございますか。
#52
○政府委員(土田正顕君) まず、行政のあり方につきまして御注意がございました点は、十分今後とも気をつけてまいりたいと思っております。
 このノンバンク研究会の報告の中身でございますが、一言で申しますと、ノンバンクの資金仲介の実態とかその意義などにつきまして、金融システムとのかかわりを中心として幅広く調査検討するため、こういうような問題意識で御議論を願ったわけでございます。したがいまして、これはいわばノンバンク問題の全体を正面から議論しようとしたものでございます。
 今回御提案がございました貸金業規制法の改正案は、それとは若干観点を異にいたしまして、当面の急務でありまする土地対策の中の一つの柱としましての土地関連融資の適正化という観点から、緊急を要する手当てを提案していただいているものと了解をしております。そのような観点ということもございますので、経緯的にはこの両者は関係はございません。
 ただ、今回の土地関連融資の対策という観点からの御提案の中身につきましては、第一歩であるとか不十分であるとかいろいろな御議論もございますけれども、方向としてはノンバンク研究会の報告書の提案しております今後の検討の方向におおむね一致しているものではないかと考えておる次第でございます。
    ─────────────
#53
○委員長(大河原太一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 ただいま下条進一郎君が委員を辞任され、その補欠として真島一男君が選任されました。
    ─────────────
#54
○峯山昭範君 そこで、土地関連融資の対策あるいは規制の問題と絡みまして、これは非常に重大な問題が潜んでいると私は思っております。金融機関に対しましては、いわゆる土地関連融資につきまして総量規制を初めいろんな規制がかけられているわけでございますが、ノンバンクに対してはそれが余りかかってない。余りかかってないというより、かかってないと言った方がいいと思います。そこで、今回の法律改正によりまして、実際問題としてどういうふうな実効が上がるとお考えでございましょうか。
#55
○政府委員(土田正顕君) 今回の御提案が立法化されました暁には、この法律の改正の内容にありますように、貸金業者に対しまして、殊にその中の大口の貸金業者に対してでございますが、報告
を徴収をするというようなことを初め、いろいろと直接に接触をしその実態把握及び適正化のための活動を始めることができるわけでございます。もちろんこの活動は、この法律案にもございますように、「土地に係る貸金業者の貸付けの実態把握及び適正化のため必要な最小限度において」ということではございますが、これまで私どもはこのような観点から貸金業者に対して直接に接触することができませんでしたのが、限られた方法の範囲内にいたしましても、直接接触をし適正化を促す努力ができるということは大変効果はあると思っております。
 ただし、もちろん金融機関と違いまして、ノンバンクの持つ特異な性格、これは先ほども若干御説明申し上げましたところでありますが、貸金業を行うのみならず幅広くいろいろな事業を行っておるということ、それからその会社の全体を監督しているというそういう当局が存在しないということ、そのような観点からしましていろいろと実態把握なり適正化のための努力にも限界はあるかと思いますが、しかし限られたものにいたしましても、これだけのいわば活動範囲が広がりますということは私どもにとっては一つの前進であると考えておりますし、精いっぱいそれの円滑な運用に努力をしたいと思っております。
#56
○峯山昭範君 ぜひこの法律に基づいてやってください。
 私どももいろんな角度から検討さしていただきましたし勉強さしていただきましたけれども、余り実効が上がるとは思っていないわけです。これは非常に遺憾なことでございます。
 その点から申し上げますと、最後に局長にお伺いしておきたいことがあるんですが、その前に私は、銀行、金融行政として一番大きな問題は、大手の都銀、大手の銀行、こういうようなところが不動産に対する総量規制はやってはおりますけれども、それはあくまでも表だけのしり抜けであって、実際は大手の銀行がノンバンクを通して不動産に融資をする、それがきちっと監督できるようにならなければどうしようもない問題ではないのか、そう私は思うんです。
 これは、一般的にそこが悪いとかいいとかいう問題は別にいたしまして、私どもの手元に来ておりますいろんな資料によりましても、いわゆる直系のノンバンク、例えば第一勧銀は東京リースという会社を持っておりますし、住友は住銀リース、富士銀行は芙蓉総合リース、三菱はダイヤモンドリース、東海銀行はセントラルリースというように、それぞれしり抜けになっているわけですね。
 そういうふうなことがないように、そこら辺のところの指導監督というのがきちっとできるようにならなければこの問題は解決しない。従来の総量規制もあらゆる規制も、銀行から不動産という直の規制は表立っての問題ですからきちっとやっておられると私は思うんですが、実際問題としては、銀行、ノンバンク、不動産という形で間にぽんと挟まった場合、きちっとお金の流れやいろんな問題をきちっとできるようにしないと、今バブルがはじけていろんな問題が起きてきておりますが、その構図は私は変わらないと思うんですよね。
 こういうふうな問題についてはいかがお考えか、一遍お伺いしておきたいと思います。
#57
○政府委員(土田正顕君) ノンバンクの中身は多種多様でございますが、一部には御指摘のような大手の金融機関と直結した活動をするものもあろうかと存じます。
 これに対しまして従来私どもがとってまいりました措置は、一般的な金融機関に対する指導のほかに、特に一昨年の十月でございましたか、金融機関のノンバンク向け融資につきまして一連の指導を発しまして、ノンバンク向けの融資が投機的な土地取引などに利用されることを防止するために、資金使途について十分な審査を行うように指導するとか、特別ヒアリングを実施するとか、さらに検査でも関連の活動をいたしますとか、それからノンバンク関係の協会の代表的なものに対しまして自粛要請を行うとかいうような手だてを講じたわけでございます。
 さらに、昨年の四月以来の総量規制におきましては、この不動産業向けの融資規制に合わせまして、金融機関のノンバンク向けの融資について融資の残高を報告するように求めたわけでございまして、それが総貸し出しの伸び率とどのような関係にあるかを注意しながら見ておるわけでございます。昨年の四月以降これまで三回計数を把握しておりますけれども、いずれも総貸し出しの伸び率を下回るノンバンク向け融資の伸び率ということで、やや抑えられた動きになっておるわけでございます。
 これが現状でございますが、さらに今回の御提案が立法化されました暁には、この大手のいわば土地融資関連のノンバンクに対し直接に報告を求めることができる、つまり金融機関の方から出ていく金の流れをチェックするということにとどまらず、それを受け入れるノンバンクの方の金の貸し出しの状況について直接報告を求めることができるということで、さらに実態の把握については前進をすると思います。それの状況を見ましてさらに適切な対策も考えてまいることができるのではないかと期待をしております。
 ただ、一言申し添えますと、確かに親会社的な意味での銀行があり、それが人的、資本的に支配している賃金業者がおるということが典型的な構図ではございますけれども、私どもが近ごろ感じておりますのは、余りにも急激に融資量が増大し、したがいましてそれに伴って金融機関や他のノンバンクからの借り入れも増大いたしましたために、その借り入れ先が、一つのノンバンクの場合、幾つにもまたがるというような例が珍しくなくなりました。そのような場合に、親銀行というか、実質的にその内容を把握し監督できる銀行は一体存在するのかというのがやや疑わしい、そういうような事例が、これは私どもの日常の行政を通じての体験でございますが、幾多散見されておるわけでございまして、いわば銀行を通じてノンバンクをコントロールするという武器がきかなくなりつつあるということも最近感じております。
 そのような状況のもとでございますので、ノンバンクから直接報告を求めることができるということは、非常にこの際意義のあるものだと考えておるわけでございます。
#58
○峯山昭範君 もう時間が参りましたので、これは何らかの機会をいただきましてどこかで議論をしたいと私は思っておりますが、最後に局長に二点ほどお伺いしておきたいと思います。
 一つは、将来的に政府として、議員立法じゃなしに、ノンバンク並びにノンバンクに関連するそれぞれの企業に対してそれなりの立法化をしないといけないんじゃないか、こういうように私は思っておりますが、この点に対してのお考えをお伺いしておきたいと思います。
 それからもう一つは、先般の静信リースの倒産に絡みまして、倒産じゃありませんが、私は具体的に最近危ないノンバンクというのを幾つか知っております。これはすべて大手です。大阪でもいろんな事件が起きておりますが、大手の銀行が全部絡んでいる。要するに、小さな信金だとか信用組合だとか、そういうところに導入預金といいましょうか大型の何千億というような預金を持ち込んで、本来ならば大手の銀行が直接やるべきところを信金や信用組合に資金を持ち込んで、その資金を迂回して企業に融資をしている。しかも、それは土地関連とかバブルな部分が非常に多い。
 それを大手の銀行がやっているわけです。ところが、実際そういう問題が表に出てくると、そういう銀行はさっと逃げちゃうんです。そういうところが、今表に出た銀行以外にもたくさんある。そういう事例を知っているわけですね。そういう点考えてみますと、私は本当にそんなことは許せない。表に出て締めつけられるのは、皆、中小の信用組合とかあるいは信金とかそんなところばっかりですよ。そんなんでは本当に困るんでありまして、そういうような実態が現実にあるわけですから、がっちり指導していただきたいと思いま
す。
 もうちょっと言いますと、静信リースじゃありませんけれども、もっと大きなそういうことをやっている会社、危ない会社はないと銀行局長はお考えですか。この一週間以内にいっぱいそういうバブルがはじけて倒産しそうな会社があるということは、実際情報としても入っております。そういう点、非常に問題が大き過ぎると私は思っております。
 そういうような意味で、御答弁をお伺いして終わりたいと思います。
#59
○政府委員(土田正顕君) 最初の今後に臨む基本的な考え方のお尋ねにつきまして簡単に申し上げますと、今度御提案になっております法律案の趣旨はノンバンクによる土地関連融資を適正化することでありまして、そのための必要最小限の改正であるというふうに承知をしております。
 それで、今後さらにどのような取り組み方をすべきかという点につきましては、いろいろ委員の御指摘もあり、また先般御披露いたしましたノンバンク研究会の報告書でも正面からの問題提起もなされておりますので、今後の大きな検討課題であると考えております。
 それからその次に、やや個別の問題になるわけでございますが、具体的なリース会社のお名前も出てまいりましたけれども、まさにそのようなものは、これは金融機関の関連会社であるといたしましても、現状ではその経営について当局が直接指導監督を行っているわけではございません。したがいまして、その実態について把握不十分であることは事実でございます。その点につきましては、今度法改正が行われましても、報告をとれるという意味において前進ではございますが、しかしながら、いろいろな複合的な活動をしておりますノンバンクという会社全体の動向を把握するには至らない。その点は、依然として我々が把握できない部分が残るんではないかというふうには考えております。
 それから最後に、これはいろいろ報道もございまして、迂回融資をさせたのか、それとも、資金をあっせんした金融機関、これは確かに大手の金融機関の名前が取りざたされておりますが、その金融機関は全く融資先については関知しなかったのか、一応そういう報告も受けている例もございますが、そこのところはやや私どもこの場で直接御説明申し上げる立場にはございません。いずれにいたしましても、ノンバンクの融資業務が適正に行われることは必要なことでありまして、もしそうでございませんと、これは金融システムの不安定要因になると私ども懸念をしておるわけでございます。できる限りの注意をもって動向を見てまいりたいと思います。
 ただ、どの会社が危ないか危なくないかというようなことについては、私どもは直接知り得る状況にございませんし、またなかなかそのようなことを的確にコメントを申し上げることもできませんので、この際は御容赦いただきたいと思うわけでございます。
#60
○近藤忠孝君 今までこの委員会あるいは決算委員会で、ノンバンクの社会に与える否定的問題を幾つか取り上げてまいりました。しかし、いずれも権限がないというそっけない答弁でした。
   〔委員長退席、理事梶原清君着席〕
 今後は一定の限度でそっけない答弁ができなくなったという限りにおいて、賛成いたします。しかし、今の局長の答弁を聞いておりましても、相当広範囲でしかも重要な問題についてまたまた権限、法的根拠がないということから調査においても不十分な問題なども出てくるんじゃなかろうかということで、今までとかなり共通する問題意識でありますけれども、若干角度を変えて質問をしたいと思います。
 既に指摘されたように、ノンバンクの貸付残高の約四割が不動産・建設業に向けられている。それが最近の土地高騰の大きな原因をつくっていることは間違いないと思うんです。金融機関に対してはおくればせながら昨年四月から不動産融資に対する総量規制が行われて、これによって私はある程度効果は上がってきていると思うんです。ところが、ノンバンクに対してはその網がかかっていない。ですから、せっかくの総量規制がしり抜けになっていると思うんですね。
 大蔵省としても、この総量規制の枠組みの中にノンバンクを取り入れることが必要だとお考えだと思うんですが、その点はどうですか。
#61
○政府委員(土田正顕君) 昨年四月以来の総量規制の中心は、不動産業向け融資の残高の伸び率を貸し出し全体の残高の伸び率以下に抑えるようにということでございました。あわせて、関連する措置といたしまして、ノンバンクに対する貸付残高の状況も報告を求めるということで、私どもとして十分この動向をウオッチするという姿勢を示したものでございます。それはそれなりに効果が上がっておると思うわけでございます。
 さらに、今回の御提案の法律案が可決を見ますと、限られた範囲内ではございますけれども、ノンバンクに対して直接に接触することが可能になるという意味で、これは一つの前進であろうと思っております。
   〔理事梶原清君退席、委員長着席〕
 ただ、総量規制の全体の進め方につきましては、先ほど御注意もございましたが、私どもは現在この総量規制を撤廃する考え方は持っておりません。今後についていろいろ仕組み方なりテクニックについていろいろ考えなきゃいかぬと思っておりますが、これもまだ検討中でございますので、具体的に新たにこういう方法をとりたいというふうにここで申し上げるまでの勉強は進んでおりません。ただ、全体といたしまして、総量規制においてしり抜けになっておるというようなことはないように、私ども十分注意してまいりたいと思っております。
#62
○近藤忠孝君 注意したって、現実に一定限度以上はまだ権限ないわけだから、本当にこの総量規制が徹底しないということは指摘せざるを得ないと思うんです。
 次に提案者に対して質問をいたしますが、これは昨年十一月十三日の自民党緊急土地問題協議会の「「総合的な土地対策の推進」発表」という中で、ずっと書いてありまして、土地関連融資規制についても触れ、そして「ノンバンクについても、土地関連融資については同様の」、銀行と同様ということですね、「同様の指導等を直接行える体制の整備を図る。」、こういう指摘があります。これは評価してまいりました。その後も、例えば三月二十一日ごろまでの新聞ですと、この法案について、政府・自民党の方針として、検査導入の明記、この検査導入というのは今度新しくふえた部分の分野で、今まで指摘があったところです。そして、そうですね、三月二十四日ごろまでその報道がずうっとあるんです。それで、期待をしておったんですが、ところが三月二十八日から一転しまして、全部だめになった。総量規制見送り、立入検査見送り、となりますと、これはやっぱり大幅に後退をしたわけです。
 なぜ後退をしたのか。先ほど鈴木委員はうわさと申しましたけれども、私はうわさ以上に、報道があるんだから、うわさじゃこういう報道はできないと思うんですけれども、通産省やノンバンク業界からの大蔵省による規制強化を懸念する声が根強く調整が難航、党というのは自民党でしょう、党商工部会幹部らとの最終調整の結果、立入検査はしないとの条件をつけた。この結果、今私が指摘したような幾つかの問題が極めて不十分になったという指摘もあるわけであります。だから、明らかにやっぱり後退をしたわけですね。なぜ後退をしたんだろうか。この点についての御回答をお願いしたいと思います。
#63
○衆議院議員(平沼赳夫君) いろいろ新聞報道をもとにしての御指摘があったわけでありますけれども、私も自民党の部会あるいは調査会でいろいろ議論があったことは承知いたしております。ただ、私は、大蔵委員長という立場でございますので、その議論には参画はしておりませんでした。したがいまして、つまびらかには承知しておりません。
 ただ、私どもといたしましては、その圧力によってそういう形で方針が変わったというふうには聞いておりません。我々としては、今回の非常に社会的な大きな問題を惹起したノンバンクの問題に対しては緊急的に一歩前進ということで一つの措置をしなけりゃいかぬということで、各党の合意をいただいて議員立法としてこの法案を取りまとめたわけでございまして、現に提案者たる委員長の私自身にもそういう業界からの圧力等はじかにはなかったわけでございまして、そういうことで、我々としてはあくまでも議員提案ということで今回の法律を提案さしていただきました。
 したがいまして、その圧力に関しましては、私が責任持ってお答えできる立場にないということは御了解をいただきたいと思います。
#64
○近藤忠孝君 私はこの法案の立法過程について一つの意見を持っております。我が党は提案に加わらなかったわけでありますけれども、かなり骨抜きになったものが自民党案として出され、そして、先ほどのお話のように衆議院では議論がないまま議員立法となった。大蔵委員長提案になったこと自身も問題があると思うんですけれども、まあ実質的議論がなかったことはお話があったとおりです。
 そこで私は、幾つかの論点がある場合には、やっぱり国会の審議が極めて大事だと思うんですね。この点はむしろ参議院の大蔵委員長に申し上げたいと思うんです。
 と申しますのは、同じ貸金業法につきまして、かつてサラ金法案がありました。衆議院の方は我が党の方も全部賛成で比較的簡単な審議で進んでまいりましたが、当委員会で、当時、社会党の寺田熊雄議員がおりまして、同じ弁護士だったこともあって、サラ金の被害に大変懸念を示しまして、それで継続になって、そしてその後反対に変わられましたね。ですから、相当長時間にわたって当委員会では、むしろ野党側は反対の立場でかなり真剣な議論がありました。参考人も何人も呼びました。その結果、銀行局長の答弁は、さっきのような答弁じゃなくて、こちらの指摘に対して、いや、そうじゃないことをちゃんとやりますというかなり前向きの答弁がありました。
 私、その後見ておりましたら、その前向きの答弁が大蔵省の通達になりましたね。これは、我々反対側の議論が相当この通達に反映したんです。私はこの通達を見まして、これを褒めました。余り大蔵省を褒めることはないんだけれども、褒めたんです。その結果、サラ金問題の大きな問題はかなりなくなりましたね。
 そういう意味で、私はこの委員会の議論というのは大変大事だと思うんです。これは先ほども意見があったけれども、継続審査も含めてもっともっと問題点を議論してほしいということを委員長に申し上げ、委員長が御意見があれば承って、質問を終わりたいと思います。
#65
○委員長(大河原太一郎君) 格段ございません。
#66
○古川太三郎君 銀行局に対しては大変失礼な質問かもしれませんけれども、最近、銀行の不祥事が相当発覚しておりますね。先ほど峯山委員の指摘されたとおりの事実もたくさん私たちは見てきてもおるわけなんです。そういう中で、なおノンバンクについて銀行局がその調査までする能力があるんですか。能力と言っては大変失礼ですけれども、人が足りるんですか、どうですか。それが必要だからもっと人員が必要になってくるというふうなことはないんですか。
#67
○政府委員(土田正顕君) 仰せをまつまでもなく、金融の自由化によりまして新しい現象が起きまして、本省、財務局を通じて繁忙に追われている実態でございます。したがいまして、もちろん事務の執行体制が整備充実されることは担当者としては大変ありがたいことなんでございますが、ただ、そこは全体の統制もございますので、銀行局長の立場から見れば大変ありがたい御指摘であるということを申し述べるのみにとどめさせていただきたいと思っております。
    ─────────────
#68
○委員長(大河原太一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 ただいま中村太郎君が委員を辞任され、その補欠として田村秀昭君が選任されました。
    ─────────────
#69
○古川太三郎君 先ほどからの議論にもありますけれども、権限だけはあるけれどもなかなかそれを実行しないというようなことになりますと、それは余り意味がないどころか、非常に悪い結果になっていくような方向にもなるわけなんです。
 そこで提案者にお聞きしますけれども、先ほどからの議論を踏まえて、こういった役所の権限が多くなっていくこと、それは必要であるかもしれません。しかし、それは、営業の自由を侵害するとか、一つの毒であることも間違いないんですよね。そういった意味で、その毒消しが必要じゃないか。これが政府提案ならばいざ知らず、議員立法であるならば、調査した結果を公表するとかそういったものも毅然とした態度で、法人の権利でも侵害した部分はカバーできるような、こういう調査をしたけれどもこういう結果だったとか、そういう部分が欠けているんですけれども、その点はいかがなんですか。
#70
○衆議院議員(平沼赳夫君) 今回の議員による提案というのは、問題の非常な重大性にかんがみまして、委員御承知のとおり、緊急でそして何とか適正な措置を打たなきゃいかぬ、こういう趣旨で行いました。
 今御指摘のそういう点も確かにあると思いますけれども、しかし今回は、今までの状況から少しでもよく状況を改善しよう、こういうことで行いまして、今回はそういう形の提案にとどまっておりますけれども、そういう御意見も確かに検討の必要がある、こういうふうに感じております。
#71
○古川太三郎君 また銀行局にお聞きしますけれども、不動産の値上がりというものについては、ノンバンクまで手を広げなくても、銀行だけを調査していて十分につかめただろうと私は思うんです。さっきは親銀行とかいうような形の話になっていましたけれども、これはそういう親子関係がなくても相当多くクッションを入れて、むしろ銀行がノンバンクを紹介しながらそこから融資させていたというような事実も相当あったことは事実なんで、そういう意味から、銀行だけを本当に調査していればそれは十分に押さえられたことではないかと思うんですが、その点はいかがですか。
#72
○政府委員(土田正顕君) 銀行に対しましては昭和六十一年前後から指導を続け、だんだんそれを強化し、ついに総量規制ということにまで踏み込んだわけでございます。その効果は非常に上がっておると思います。ただ、それは直接に不動産業向けに融資するものに限られておりました。しかし同時に、いわば結果的に迂回融資に当たるような、そういう貸金業者を通じて同じような方向に金が向かうのではないかという問題意識はかねがね持っておりまして、それにつきましてもある程度の指導はしたつもりでございますが、必ずしも十分ではなかったかと思います。その点につきましては、今度土地融資を中心といたしまして貸金業者に直接接触できるということは明らかに一つの前進であろうと思っております。
 その際に銀行だけをしっかり見ておれば貸金業者がこれほど大きくなりかつ巨額の土地融資をすることもなかったんではないかという御指摘でございますが、ここは、私どももちろん努力が十分であったとは申しませんけれども、できる限りの努力を払いました過程において感じましたのは、先ほどもちょっと申し上げましたが、大型の貸金業者はそれ自体独立した存在になりつつあるというような印象を強くしたということでございまして、この点は今度の法律案の成立に期待をしておるわけでございます。
#73
○古川太三郎君 時間もなくなりましたので最後に要望だけ申し上げますけれども、やはりこういう役所の権限が多くなっていくということに対しては相当歯どめが必要だと思うんです。そういう意味から、この権限を行使された結果についてのオープンな報告、そういったものの整備をしていただきたい。これは行政手続法とかそういったも
のがない限りなかなか難しいとは思いますけれども、特にこういう権限が多くなっていく分については、そこを注意してもらわないと大変な権利侵害になってしまう。そしてまた、それは権利侵害だけじゃなくて、むしろ行政と業者との癒着になる可能性も出てくる。そういう嫌な目で見られないような部分をやっぱり考えてもらわないといけないんじゃないか、こう思います。
 そういう意見を申し上げて、終わりたいと思います。
#74
○三治重信君 まず、衆議院の大蔵委員長の御提案について、私は非常に時宜を得た議員立法だと思うんです。大蔵省の方ではノンバンク研究会まで開いて、いろいろ報告を受けながら、これに対して具体的な法改正の措置をとろうとはしない、そういうところを委員会の方で自民党を中心にやられたということについて、これこそ本当の立法機関の土地問題についての積極的な役割を果たしてもらった、こういう意味において私は非常に高い尊敬を持つものでございます。本当にありがとうございました。
 そこで、この総量規制がノンバンクの方に行われているという報告なんですが、クレジット業界からいろいろ聞くというと、クレジット業界はほとんど不動産関係には融資はしていないんだが、それでもノンバンクの総量規制ということで規制されている、だからこういうのは何とか解除してもらえぬものだろうか、こういうふうなことを我々が懇談したときには言われたわけなんです。ノンバンクの総量規制について、ノンバンクの業界の中でも不動産に融資をしてないクレジット産業みたいなのは外す、そういうようなことは指導技術上できないものですか。
#75
○政府委員(土田正顕君) いわゆるクレジットカードそのものの取り扱いその他につきましては、それは余り土地関連融資と関係はなかろうかと思いますが、クレジット関連業種がつくっております協会に参加しておるメンバーなどを見ますと、構成員の中には事業者向け貸金業者、リース会社、それからクレジットカード会社であっても土地関連融資を行っているようなノンバンクが含まれております。そのほか、一般金融機関で参加している向きもあるようでございますので、ある協会に参加しているからその企業は土地関連融資を行ってはいないということは少なくとも言いがたいわけでございます。
 ただし、その御指摘の点もいろいろ今後考えていかなければならない点もございまして、土地関連融資だけに焦点を集めた報告の徴収なり規制なりというものができるかどうか、そういうような組み立て方も考えまして、当面総量規制そのものについてこれをいじる意向はないんでございますが、今後の問題としてはそういうテクニックもいろいろ考えてまいりたいと思っております。
#76
○三治重信君 事業報告をとるからには、それが十分利用できるような方向でひとつお願いします。
 この報告の徴収及び立入検査ということで、立入検査については不動産融資に関係しての立入検査はできないようなことになっておるようですが、報告の徴収というのは不動産金融に関係するものだけの報告徴収をする、こういう内容ですか。それで、この報告の中身は、一般のノンバンク全業種についての報告を考えているんですか、不動産融資についての業務報告ということで考えておられるんですか。
#77
○政府委員(土田正顕君) 報告の中身につきましては、この法律の趣旨、すなわち土地に係る賃金業者の貸し付けの実態把握及び適正化のために必要な最小限度のものとするという趣旨を十分踏まえてまいりたいと思いますが、他方におきまして貸し付けの実態把握というような観点もあるわけでございまして、業種別の貸し付けの内訳とか担保別の貸し付けの内訳とかというようなものは少なくとも必要であろうと思っておるわけでございます。
 なお、今後事務的に検討してまいりたいと思っております。
#78
○三治重信君 次に、土地の融資とは直接関係ないんですが、CPの発行ということが問題になっているように報告書にはあるわけなんですが、このノンバンクの報告書には事業者向け貸金業者には手形割引業者を含むというふうになっていて、これはCPをやっているということなんでしょう。そうすると、どのような業種に新しくCPを認めようという問題になっているのか。この手形割引業者を含むという事業者向け貸金業者のCPとこのCP、報告書のCPというのは違うんですか。
#79
○政府委員(土田正顕君) まず、いわゆるノンバンクのCP発行につきましては、今回の法律案の御審議とは別個の問題として議論されるべきであろう。今回のこの法律案というものはあくまでもノンバンクの行う土地関連融資の適正化という観点からの御議論である。それに対しまして、コマーシャルペーパーにつきましては、ノンバンク研究会の議論にもございますが、いろいろと金融システムの中におけるノンバンクの位置づけまでさかのぼった議論が必要であろうと思っております。
 なお、ノンバンクの中の手形割引業者という業態はございますが、これはコマーシャルペーパーと一義的には関係ないわけでございまして、要するに貸し付けの一形態、信用供与の一形態として手形割引を行っておる、その手形割引の残高が貸付残高の中の五割以上のものをこの業態に分類しておるということでございまして、直接コマーシャルペーパーに結びつく話ではございません。
    ─────────────
#80
○委員長(大河原太一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 ただいま峯山昭範君が委員を辞任され、その補欠として白浜一良君が選任されました。
    ─────────────
#81
○下村泰君 賛成法案でございますので、別にたくさんの質問をする必要がないと思いますが、一つだけさせてください。
 おととしの五月に市民バンクというのができまして、これは身体障害者にとっては利用の価値が大変高い。銀行といえば、こちらが銭を預けに行くときはにこにこして迎えてくれますけれども、借りるときになると大変渋々こわもてになりますね。ですから、ある人なんかよく言いますわ。銀行なんて飲み屋と一緒、銭を持っていくときは喜ばれるけれども、銭がなくなるとシカの十で横向く、そう言われております。
 ところが、今度できました市民バンクというのは、同じ金融機関でも随分違うんですね。銀行の方は土地の投機なんかにはどんどん融資したりなんかして、貸金業者はばかばかこれで土地転がしをしたりなんかします。しかし、今度の市民バンクについてちょっと私は私なりに研究してみたんですけれども、ここにある新聞記事をちょっと読ませていただきます。
  「市民バンクのおかげで、やっと一息つけそうです」と、笑顔を見せるのはハンディホイーラーの会・代表の中村陽子さん。
  同会は平たく言えば、障害者のためのタクシー会社。雨の日は車イスで通勤している人たちから依頼の電話が相次ぐ。晴れている日でさえ、車イスの人はタクシーをつかまえられないから、雨の日は同会に頼まないと身動きがとれない。
  中村さん自身、足が不自由なため、車イスを使う生活。「現在の行政サービスは、障害者のニーズに応じていません。だからこそ障害者の人たちが使いたい時に頼めるタクシーが必要」と考え、四年前に設立した。
  会がスタートした当初は、メンバーの乗用車二台を改造して使っていたが、昨年、ワゴン車、乗用車など三台の車を購入した。この購入資金を銀行から借りようと思ったが、「担保もないうえ、任意団体ですから無理」と、冷たく断られた。仕方なく車のディーラーから一四%という高い金利で借り、月々、十二万円払い続けていた。
  今回、市民バンクから残金の四百五十万円を五・七%の金利で借りることができた。
  中村さんは「ローンの支払いが今までの半分の六万円になりました。私たちのような福祉関係の仕事に、融資してくれる銀行は少ないので、市民バンクは心強い味方です」
こう話していらっしゃるんですが、こういう記事をお聞きになりまして、いわゆる市民バンクのあり方と銀行のあり方、これに対して大蔵省がどういう御意見をお持ちか聞かせていただいて、おしまいにします。
#82
○政府委員(土田正顕君) ただいまのお話は、私どもも概略承知しております。経営者の自主的な判断による創意工夫を生かして公共性に結びついたイメージを生かす意義深い試み、企画であると考えております。
 ただ、もちろん私どもは金融機関の経営の中身を監督する立場にございますので、これは、当然その金融機関自身が御注意になるべきところでありますけれども、蛇足でございますが、この回収の確実性とか、それから金融資産としての健全性にも適切な留意を払った上でこのような企てに積極的に力をかしていくというのは、一つの金融機関の経営のあり方であるというふうに考えるわけでございます。
#83
○委員長(大河原太一郎君) 以上で質疑は終局いたしました。
 これより討論に入ります。
 別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 貸金業の規制等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#84
○委員長(大河原太一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#85
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#86
○委員長(大河原太一郎君) 次に、消費税法の一部を改正する法律案を議題とし、発議者衆議院議員加藤六月君から趣旨説明を聴取いたします。加藤六月君。
#87
○衆議院議員(加藤六月君) ただいま議題となりました消費税法の一部を改正する法律案は、消費税の問題について協議を行ってまいりました税制問題等に関する両院合同協議会の構成メンバー及び衆議院大蔵委員会の委員長、理事等のうち日本共産党を除く各党会派所属の衆議院議員、具体的に申し上げますれば、日本社会党・護憲共同の山口鶴男君、大出俊君、伊藤茂君、中村正男君、早川勝君、公明党・国民会議の市川雄一君、神崎武法君、二見伸明君、宮地正介君、日笠勝之君、民社党の米沢隆君、神田厚君、中野寛成君、中井洽君、進歩民主連合の阿部昭吾君、菅直人君、並びに自由民主党の小渕恵三君、梶山静六君、中島源太郎君、野田毅君、平沼赳夫君、尾身幸次君、大石正光君、田中秀征君、村井仁君、村上誠一郎君及び加藤六月の二十七名によって発議し、発議者の属する各党会派所属の全衆議院議員の賛同のもとに衆議院に提出されたものであります。
 私は、この法律案につきまして、提案者を代表して、提案の理由及び概要を御説明申し上げます。
 消費税の問題につきましては、昨年六月に設置されました税制問題等に関する両院合同協議会において、各党会派の衆参両院にわたる代表者各位によって精力的に協議が重ねられてまいりましたが、去る四月二十五日に開催された同協議会において、日本共産党を除く各党会派の間で消費税に関する緊急措置についての合意が得られ、その内容に沿って、直ちに議員立法の手続をとり、法案の今国会中の成立を図る旨合意したところであります。
 また、この協議の結果につきましては、同日、協議会会長から衆参両院の議長への報告が行われましたことを申し添えます。
 以上のように、この法律案は、本院の所属議員である斎藤十朗君、久保亘君、中村鋭一君、井上吉夫君、安恒良一君、峯山昭範君、古川太三郎君、勝木健司君の各位をも含めた衆参両院にわたる日本共産党を除く各党会派の代表者各位の合意に基づいて提案されているものでありますが、手続上、先ほど申し上げましたように、衆議院所属の議員による法律案提出という形となりました事情につきまして、御理解を賜りたいと考えます。
 以下、この法律案の概要について簡潔に御説明申し上げます。
 第一に、老人福祉センター経営事業やホームヘルパーなどの在宅サービスを初めとする第二種社会福祉事業、助産費用、火葬・埋葬料、一定の身体障害者用物品のほか、学校教育に係る入学金、施設設備費等及び教科書並びに住宅家賃を非課税とすることとしております。
 第二に、簡易課税制度について、この制度の適用を受けることができる限度額を五億円から四億円に引き下げるとともに、みなし仕入れ率については、政令事項とすることとしております。
 第三に、限界控除制度について、この制度の適用を受けることができる限度額を現行の六千万円から五千万円に引き下げることとしております。
 第四に、申告・納付回数について、年税額が五百万円を超える場合には、確定申告と中間申告とを合わせて年四回に増加する措置を講ずることとしております。
 最後に、この法律は平成三年十月一日から施行することとし、簡易課税制度、限界控除制度及び中間申告・納付制度の見直しについては同日以後に開始する課税期間から適用することとしております。
 以上が消費税法の一部を改正する法律案の概要であります。
 何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#88
○委員長(大河原太一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 質疑、討論もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 消費税法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#89
○委員長(大河原太一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#90
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#91
○委員長(大河原太一郎君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#92
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に白浜一良君を指名いたします。
    ─────────────
#93
○委員長(大河原太一郎君) 次に、請願の審査を行います。
 第三二号消費税の廃止に関する請願外五十件を議題といたします。
 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、いずれも保留とすることに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#94
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ─────────────
#95
○委員長(大河原太一郎君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 租税及び金融等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#96
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#97
○委員長(大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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