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#1
第120回国会 地方行政委員会 第4号
平成三年三月二十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     井上 章平君     吉川 芳男君
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     吉川 芳男君     井上 章平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         野田  哲君
    理 事
                竹山  裕君
                松浦  功君
                渡辺 四郎君
                諫山  博君
    委 員
                井上 章平君
                岩崎 純三君
                大塚清次郎君
                加藤 武徳君
                後藤 正夫君
                須藤良太郎君
                野村 五男君
                岩本 久人君
                栗村 和夫君
                篠崎 年子君
                野別 隆俊君
                常松 克安君
                神谷信之助君
                高井 和伸君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    吹田  ナ君
   政府委員
       自治大臣官房長  森  繁一君
       自治大臣官房審
       議官
       兼内閣審議官   谷口 恒夫君
       自治省行政局長  浅野大三郎君
       自治省行政局公
       務員部長     滝   実君
       自治省財政局長  小林  実君
       自治省税務局長  湯浅 利夫君
       消防庁長官    木村  仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹村  晟君
   説明員
       総務庁長官官房
       参事官      内藤  勇君
       国土庁土地局土
       地政策課長    鈴木 省三君
       国土庁土地局地
       価調査課長    生田 長人君
       大蔵省主計局主
       計官       太田 省三君
       大蔵省主税局税
       制第三課長    大武健一郎君
       国税庁直税部資
       産評価企画官   品川 芳宣君
       文部省高等教育
       局医学教育課長  草原 克豪君
       厚生大臣官房老
       人保健福祉部企
       画課長      大塚 義治君
       厚生省健康政策
       局指導課長    篠崎 英夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○地方自治法の一部を改正する法律案(第百十八回国会内閣提出、第百二十回国会衆議院送付)
○公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○過疎地域活性化特別措置法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
○地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○地方行政の改革に関する調査
 (固定資産税に係る評価等の適正化に関する決議の件)
    ─────────────
#2
○委員長(野田哲君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、去る三月十五日に質疑を終局しておりますので、これより直ちに討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#3
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、地方自治法の一部を改正する法律案に対して、反対の討論をします。
 反対の第一の理由は、現行の職務執行命令訴訟制度に規定されている二つの裁判を一つに省略することであります。
 機関委任事務は、国の事務とされているものを地方自治体の長に執行させるもので、地方自治体の自主性を否定し、本質的に地方自治の本旨になじまないものであります。したがって、機関委任事務の執行を地方自治体にかわって国が執行する場合には、地方自治体の自主性が侵されることのないよう万全の配慮がされなければなりません。砂川事件の最高裁判決が、機関委任事務の執行に当たって国の行政機構内部の指揮監督の方法と同様の方法を採用することは、自治体の長の自主独立性を害し、憲法の地方自治の本旨に反するとの見解を示したのは、地方自治を尊重する当然の立場であります。
 現行の職務執行命令訴訟制度が、職務執行を命ずる裁判と命令不履行を確認する裁判の二つを国みずからに提起させ、その二つの提訴の適否を裁判所の判断にゆだねているのは、そのことで自治体の長の自主独立性を確保しようとしたものであります。この質的にも異なる二つの裁判を一つに省略することは、地方自治の根幹に係る制度の後退を許すことであり、容認できないものであります。
 罷免制度は、従来から違憲の疑いが強いもので、廃止されるのは当然のことであります。しかし、この制度の廃止をもって、二つの裁判を一つに省略するという制度の後退を合理化することは、極めて不当であります。
 第二の理由は、自治体の長の兼業禁止の緩和などの改正であります。これは、一層の民間委託と料金値上げによって、民活利用の弊害と住民負担が促進されることが明らかであります。
 改正案では、出資率が五〇%以上の法人であるなら、請負関係があっても自治体の首長などがこの法人の取締役などの役員を兼務できるとされています。第三セクターに絡む人事の天下りや粉飾決算、汚職腐敗などの不祥事件が多発しており、第三セクター役員の兼務がこの傾向を増大させ、行政と民間企業の癒着を一層進めることは間違いありません。
 さらに、公の施設の管理責任は当然地方自治体にあるのが原則にもかかわらず、営利追求を原則とする株式会社形態の第三セクターに公の施設の管理委託を可能にしていることであります。現行では公の施設の料金は使用料として議会の承認を必要としておりますが、ここでは、「条例の定めるところにより」という一定の歯どめはあるものの「利用料金」と言いかえることで営利を目的とする管理受託者の自由な料金値上げが容認されており、委託された施設の料金値上げは必至であります。以上が反対理由であります。
 なお、本改正案の特別の休日制度に関する部分については積極的に賛成でありますし、地方公務員等の在籍専従期間に関する部分についても、七年という上限をつけることは問題であるにしても、内容上は同意できるところであります。
 これらの賛成部分があるとはいえ、先に述べた職務執行命令訴訟制度上の改悪は地方自治の根幹に係る重大な問題であり、このような制度の後退を容認することはできず、全体として本法案に対して反対の態度をとるものであります。
 以上です。
#4
○委員長(野田哲君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方自治法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#5
○委員長(野田哲君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(野田哲君) 次に、公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、去る三月十五日に質疑を終局しておりますので、これより直ちに討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#8
○委員長(野田哲君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#10
○委員長(野田哲君) 次に、過疎地域活性化特別措置鶴の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、去る三月十五日に質疑を終局しておりますので、これより直ちに討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 過疎地域活性化特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#11
○委員長(野田哲君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#13
○委員長(野田哲君) 次に、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。吹田自治大臣。
#14
○国務大臣(吹田ナ君) おはようございます。
 説明の前に、ただいま三法案に対しまして、皆様方から御採決いただきまして採択を賜りましたことにつきまして、改めてここでお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 ただいま議題となりました地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。
 住民負担の軽減及び合理化等を図るため、個人住民税の税率の適用区分の見直し及び基礎控除額等の引き上げ、土地の評価がえに伴う固定資産税及び都市計画税の負担の調整並びに特別地方消費税の免税点の引き上げ等を行うとともに、土地に関する税負担の一層の公平を確保し、かつ、その適正化を図りつつ、土地政策に資するため、市街化区域農地に対する固定資産税等の課税の適正化、特別土地保有税の全般的見直し及び遊休土地に対する課税の強化並びに住民税の土地譲渡益課税の見直しを行うこととし、あわせて、国有資産等所在市町村交付金等について所要の改正を行う必要があります。
 以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 第一は、地方税法の改正に関する事項であります。
 その一は、道府県民税及び市町村民税についての改正であります。
 個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、中堅所得者層の税負担の軽減を図ることを主眼に、平成三年度において、所得割の税率の適用を改めるとともに、基礎控除、配偶者控除、扶養控除及び配偶者特別控除の額を引き上げることといたしております。また、低所得者層の税負担に配慮するため、所得割の非課税限度額の引き上げを行うほか、住所地の都道府県の日本赤十字社の支部に対する寄附金について所得控除を設けること等の措置を講ずることといたしております。
 土地譲渡益課税につきましては、長期譲渡所得に対する税率を引き上げるとともに、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得についての軽減税率の引き下げ等を行うことといたしております。
 その二は、事業税についての改正であります。
 事業税につきましては、新聞業等七事業に係る非課税措置の廃止に伴う経過措置を一年度間延長することといたしております。
 その三は、特別地方消費税についての改正であります。
 特別地方消費税につきましては、免税点を飲食等に係るものにあっては七千五百円、宿泊等に係るものにあっては一万五千円に引き上げるほか、外国の大使等に対する特別地方消費税について、一定の要件のもとに非課税とする等の措置を講ずるとともに、道府県から市町村に対し、その収入額の五分の一に相当する額の範囲内における額を交付することといたしております。
 その四は、自動車税、軽自動車税及び自動車取得税についての改正であります。
 自動車税、軽自動車税及び自動車取得税につきましては、電気自動車に係る税率の軽減措置を二年度間延長する等の措置を講ずることといたしております。
 その五は、固定資産税及び都市計画税についての改正であります。
 まず、平成三年度から平成五年度までの各年度分の土地に係る固定資産税及び都市計画税の額につきましては、評価がえに伴う税負担の調整を図るため、平成三年度評価額の平成二年度分の課税標準額に対する上昇率の区分に応じて定める負担調整率を前年度の税額に乗じて求めた額を限度とすることとし、特に住宅用地に配慮して適切な負担調整を講ずることといたしております。
 次に、三大都市圏の特定市に所在する市街化区域農地につきましては、長期営農継続農地制度を平成三年度限りで廃止し、改正後の生産緑地法に基づく生産緑地地区内の農地を除き、平成四年度以降宅地並み課税の対象とし、この場合、市街化区域農地の所有者が計画的な宅地化のための手続を開始し、宅地化のための計画策定等がなされた場合におきましては、軽減措置を講ずるとともに、市街化区域農地を転用して新築した貸し家住宅に係る減額措置の延長及び拡充を行うことといたしております。
 その他、免税点の引き上げ、新築住宅に係る減額措置の適用期限の延長等の措置を講ずることといたしております。
 その六は、特別土地保有税についての改正であります。
 まず、三大都市圏の特定市において、昭和六十一年一月一日以後に取得した土地の保有並びに平成三年四月一日以後に取得した土地の取得及び保有に係る特別土地保有税につきましては、十年間に限り、免税点を引き下げるとともに、土地自体の利用を主たる目的とする一定の特定施設の用に供する土地を納税義務の免除の対象としないことといたしております。
 次に、市街化区域内に所在する土地で、昭和五十七年四月一日以後に取得した土地につきましては、当該土地の取得後十年を経過したものについても特別土地保有税を課することといたしております。
 また、都市計画法に規定する遊休土地転換利用促進地区の区域内に所在する土地で同一の者が一月一日に所有する一団の土地の面積が千平方メートル以上であるものに対しましては、土地に対して課する特別土地保有税のほか、当該土地の時価等を課税標準として、遊休土地に係る特別土地保有税を課することといたしております。
 その七は、国民健康保険税についての改正であります。
 国民健康保険税につきましては、課税限度額を現行の四十二万円から四十四万円に引き上げることといたしております。
 第二は、国有資産等所在市町村交付金法の改正に関する事項であります。
 平成四年度から平成六年度までの各年度分の市町村交付金につきまして、固定資産税の土地の評価がえに伴う負担調整措置等の改正にあわせて、所要の改正を行うことといたしております。
 以上が、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#15
○委員長(野田哲君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 なお、政府委員からの補足説明につきましては、理事会で協議いたしました結果、説明の聴取を行わず、会議録に掲載することといたしました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#16
○岩本久人君 おはようございます。
 私は、ただいま提案がありました地方税法等を改正する法律案を中心に質問をいたします。
 まず最初に、吹田自治大臣にお伺いをしたいと思います。
 自治大臣は、もちろん私を御存じないと思うのですが、私は大臣のことをよく知っております。今からちょうど三十年前、昭和三十六年の暮れ、実質的には三十七年春からですが、七年間ほど私はあなたのお隣りの益田の県税事務所に勤めておりました。その七年間、私はほとんど徴収の仕事をしておりました、後半は課税に変わりましたが。そのときに、当時あなたが県会議員をやっておられた熊毛郡選挙区に何回も足を運びました。もちろん、そこに島根県の県税の滞納者がおられたということなんですが、その都度、ついでに踊る宗教という北村サヨさんのところも一緒に回ってみながら帰ったことを覚えています。私たちから見れば、あなたは、村長さん、町長さん、県会議員を長くやられて、そして国政の場に出られ、ついに自治大臣になられたという文字どおりの地方政治の神様みたいな人でございます。
 地方税を論ずる場合、やはり地方自治というものについての基本的な認識がどうであるかがとても重要だと思うんです。今、全国一斉に地方自治体選挙というものが熾烈に戦われているんですが、候補者のほとんどの方が中央対地方ということを盛んに言っておられます。振り返ってみると、私も十二、三年前に県会議員の選挙に出たときに、いわゆる地方の時代ということをその前置きの第一に位置づけたことがあるんですが、その言葉が一般に市民権を得てからもう久しいということを考えた場合、地方の時代の到来ということは、言うはやすいけれどもなかなか難しいことだな、こう思っております。
 したがいまして、まず自治大臣に、いわゆる地方の時代という言葉の持つ意味、大臣はどのように受けとめておられるか、お伺いしたいと思います。
#17
○国務大臣(吹田ナ君) ただいま岩本先生から、過去、私が地方自治に携わっておりましたことについてお触れになりましたが、まさに私も地方自治を、小さな村や町の首長ですが、これも務めましたし、さらにまた県議会という県政の一翼に関係してきたわけでありますが、そういった経験を経まして国政に出たということは間違いございません。
 しかし私は、若いときからそうした地方自治に関係してきた者としまして、常に地方の時代というものをつくるということを主張してきたわけであります。それは、言うてみれば、それぞれの地域社会というものは、状況が違いますけれども、その特色というものをやはり生かしていかなきゃならぬということが一つ。それから、住民の福祉と地域の発展というのが地方自治の本旨であるという前提から考えますと、国の機関委任事務というようなものが地方自治体の任務として、主たる仕事としてこれが移っていくというようなことで、できるだけの権能というものを地方自治体に持たせていくべきであろう。そして、自主あるいは主体性というものをその関係市町村や都道府県が多く持つことによってその特色がさらに生かされていくんではないかな、こういう考え方でありますし、特に市町村段階においては政党政治というものが私は現在進んでおるように思いますが、それは本質的には私はそうあってはならない、むしろ地域の発展と住民の福祉という建前からいきますと、そうした政党政治的国政の姿というものが地方にそのまま踏み絵のような形で行われているということは決していいことではないなという感じは今日も持っておりますし、今後もそういうふうに思うわけであります。
 そういう意味で、今日まで地方行政というものに携わってきた者としましての経験からしますと、そういう気持ちで、この三十八万平方キロの日本国の土地条件の違う中で、環境の違う中でそれぞれの首長が選挙で選ばれ、そして議会が選ばれて、そこでそれぞれの地域住民の福祉とその行政が執行されていくということが正常な姿で運営されることを私は特に希望しておるわけでありますが、そういう点に特に深い関心を持っておるわけでございます。
#18
○岩本久人君 東京一極集中という言葉に象徴されますように、我が国は、世界に類を見ない、すべての権能が東京、特にこの永田町、霞が関に集約されたという文字どおりの中央集権体制の中で、いわゆる地方が、地方の住民が主人公になる、そうした願いを込めて私は地方自治の強化ということが叫ばれているのではないか、こういうぐあいに思うんですが、いわゆる地方自治ということについての基本的な認識をお伺いしたいと思います。
#19
○国務大臣(吹田ナ君) 一極集中を排して多極分散という問題は、こうした情報化社会でありますから、これからもさらに情報化社会は進展していくだろうと思いますが、情報を提供する側と情報を受ける側とに分かれるわけでありますが、一極集中という今日のような状況になりますと、すべての情報は東京から地方に流れていくという一方行きの方向づけにされておりますが、こういった点が願わくば多極分散の姿になりまして、地方からも中央へ情報は流れていくんだ、地方の情報というものは非常に大事になって、その情報が中央に吸収されていくということで国政というものが進んでいくことも、これまた非常に大事な問題ではないかという意味で、一極集中を排して多極分散という問題をそういう意味でも私はとらまえております。もちろんそれ以外にも行政の移管あるいは経済の地方への分散ということ等を考えての問題であることは言うをまちませんけれども、そういった意味からいたしますと、今後の地方行政というものは大事な問題である。
 特に地方自治という問題につきましては、先ほどもちょっと触れましたように、地方自治法にも示しておりますように、地域の住民の福祉を増進する、そして地域の発展というものを進めていく、言うてみれば、自治省が三年前から唱えておりますふるさと創成の哲学、まさにみずから考えみずから推進する、そして国がこれにできるだけの支援をいたしましょう、こういう考え方でありますが、それがまさに一口で言えば地方自治という考え方ではなかろうかな、こう思っておるわけでございます。
#20
○岩本久人君 ありがとうございました。
 そこで、本題の地方税の問題に入りたいんですが、国税と地方税という大きく分けて二つの税金が我が国に存在するわけでありますが、地方税という税が我が国日本でよって立つその理念、それはどういうことになるんですか、大臣にお伺いしたいと思います。
#21
○国務大臣(吹田ナ君) 私は税の専門家でありませんから総論だけを申し上げますと、少なくとも地方税というのは地方自治体の主体をなす税である、これが基本であります。これがなくしては地方自治の基本が崩れるわけでありますから、地方自治体の財政の基本というものは地方税によって賄われておる、こう言っていいと思うんでありますが、そういった意味におきましての活力ある地域社会の実現のためにそれが極めて重要なものである、こういう考え方でありまして、そういう意味で自治省としては、地方税というものを極めて大事に取り扱っていかなきゃならぬ、こう思っております。
#22
○岩本久人君 そこで、今度は税務局長にお伺いいたしますが、今自治大臣のおっしゃった大事に取り扱っていくというこの地方税の問題で、現在まさに全国民の注目を集めて熾烈に戦われております東京都知事選挙において、地方税なかんずく都民税の問題というのが大きくクローズアップをされてきたわけです。マスコミの報道も連日どこかではこの問題を、まさにトピカルな問題でありますから、扱っておるという状況下でございますので、一、二この点についての自治省としての見解を承りたいと思います。
 その一つは、現在候補者として頑張っておられます磯村尚徳候補が、自分が知事になったら、東京都の都民税を税率を半分にして五年間で一兆円の減税をするということを高々と公約として掲げられまして、もちろん選挙でありますから評価というのはまちまちでありますが、その後日を追うごとにそのことを訴えるトーンが高くなっている。大変な自信を持ってやっておられるということだと思うんですが、そのことについて私は大きな疑問を持つものでありますのでお伺いしたいと思うんです。
 ごく最近の新聞報道を見ますと、磯村候補は都民税の問題でこう言っておるわけです。私が知事になったら、個人の都民税は現在年に四千六百億円あるのでこれを税率を半分にする、そうすると年間二千数百億円減税できる、これに四年を掛けると一兆円の減税になる。私にできて鈴木さんにできない最大のものは減税だと思う、必ず実現できるということを言っておられます。そこで新聞記者の方が、税収がトータルとして伸び悩んでおる中で、こうした大きな減税というものは都の財政の足かせになるのではないか、あるいはせっかく都の行政が順調に行っているときにサービスが低下するのではないか、そういった質問をされたところ、磯村尚徳候補は、必要とあれば起債で賄う、このように言っておられるのであります。これは新聞に出た記事をそのまま読んだものであります。
 そこで、私は、先ほど自治大臣が言われた地方税というものに対する評価と位置づけ等からして、果たしてこういうことが知事の権限において本当になされるものであるか、まず可能性があるのかどうか、そしてそのことの持つ影響はどういうことになるのか。特に地方財政法五条との関連で起債制限ということも私はあると思うんですが、まずそういったことについての自治省としての見解をお伺いしてみたいと思うんです。
#23
○政府委員(湯浅利夫君) 今回の都知事選挙の候補者のお一人の方が都民税の減税を公約されているというお話につきましては、新聞、テレビ等によりまして報道されている範囲内で私どもも承知しているわけでございますが、既に選挙も告示をされまして、候補者間でこの公約をめぐりましていろいろと政策論議が行われているという選挙活動の最中でもございますので、お一方の候補者の公約につきまして意見を申し上げるということは差し控えさしていただきたいと思っているわけでございます。
 ただ、現行の地方税制度を申し上げますならば、個人住民税につきましては、税率は地方税法で決めていただいておりますのは標準税率でございまして、特別の必要があるとそれぞれの地方自治体が認める場合にこれを下回る税率を定めることは法的には可能でございます。しかし、その場合には地方財政法第五条第一項第五号の規定によりまして、学校、道路、港湾などの公共施設や公用施設の建設事業費等の財源とするための地方債を起こすことができないことになっております。また、都がこの起債制限に該当する場合には、特別区におきましても地方債を建設事業費等の財源とすることができなくなるということが地方財政法第五条第二項に規定されているところでございます。なお、個人住民税の税率適用区分、いわゆるブラケットでございますとか、あるいは各種の所得控除、扶養控除とか基礎控除とかという額は、これはいずれも地方税法による法定事項でございまして、地方自治体の独自の政策判断によって地方税法と異なる定めをすることはできないこととなっているわけでございます。こういう制度に現在なっているところでございます。
#24
○岩本久人君 地方財政法五条の五号、私今ここに持っておりますが、これを下回るということになれば起債の制限を受けるということですが、現在の東京都の税率は標準税率ですか、それともどうなっていますか。
#25
○政府委員(湯浅利夫君) 東京都におきます都民税の税率は、標準税率を使って課税をいたしております。
#26
○岩本久人君 ということになりますと、それを半額にしようということでありますから、明確に地方財政法五条五号に基づいて、先ほど言われたような学校、保育所、厚生施設、消防施設、道路、河川、港湾その他公共用に供する用地の取得、そういったものに対する起債が受けられなくなる、そういうことになりますね。
#27
○政府委員(小林実君) 普通税の税率が標準税率未満の団体につきましては地方債の発行が制限されるわけでございまして、地方財政法第五条第一項第五号に掲げる経費の財源につきまして、具体的に申し上げますと、「学校その他の文教施設、保育所その他の厚生施設、消防施設、道路、河川、港湾その他の土木施設等の公共施設又は公用施設の建設事業費並びに公共用若しくは公用に供する土地又はその代替地としてあらかじめ取得する土地の購入費」につきまして地方債の発行が制限されることになっております。
#28
○岩本久人君 先ほども言われましたように、それは東京都だけでなくて二十三区全部受けられなくなるということですね。改めて確認します。
#29
○政府委員(小林実君) 地方財政法第五条第二項の規定がございまして、「特別区が地方債をもって」先ほど申し上げましたような「事業費及び購入費の財源とすることができる場合は、東京都が地方債をもつてその財源とすることができる場合でなければならない。」というふうにされておりますので、御指摘のとおりでございます。
#30
○岩本久人君 その場合、それぞれの事業の執行に当たって地方債が受けられないということになると、具体的に例えば学校あるいは道路、河川等の建設事業でどの程度の影響が出るのか、お伺いしたいと思います。
#31
○政府委員(小林実君) 地方団体が公共施設等の整備を行う場合の起債につきましては、起債の充当率というのを決めてございます。したがいまして、例えば小中学校施設あるいは高等学校施設等につきましては、校舎でございますと七五%の起債充当率が定められておりまして、それによりまして起債が認められるわけであります。学校施設の用地につきましては九〇%、こういうようなことになっております。保育所などの社会福祉施設につきましては七五%、体育館とかあるいは文化会館等につきましては七〇%、ごみ、し尿処理施設等につきましては七五%、港湾、河川等につきましては交付税措置もございまして起債の充当率は二〇%、それぞれ起債の充当率が決まっておりまして、事業を実施する場合に起債の許可が行われるわけでございますが、今申し上げましたようなことになりますと、これはどの団体に限らずこれを認めることができない、こういうことになるわけでございます。
#32
○岩本久人君 要するに、この一兆円減税というものを公約として掲げられたということ、しかもそれが知事選挙といういわゆる地方の選挙で公約とされた。私の記憶では恐らく地方選挙でそういった大きなものが公約として出てきたというのは初めてではないか、こう思うんです。もちろん国政選挙では各政党が国の立法機関に携わっているわけでありますから、それぞれいろんな政策を押し立てて戦ってこられたということはあるのですが、地方ではそういったことは初めてではないかと思うのですが、そこで大蔵省にお伺いしたいんです。大蔵省の方おられますか。
 各自治体の選挙等において、それぞれの首長選挙でこうしたことが公約として掲げられ、公約ですから間違いなくそれは実行されなければなりません。実行された場合、大蔵省としてのその地方団体に対する評価はどういうことになるんですか、お伺いいたします。
#33
○説明員(太田省三君) 現在の地方自治のもとで各地方団体がいろんな政策をおやりになることについては、特に大蔵省としていろんなことを申し上げるということはないわけでございますが、国の政策に反するようなこと、そういったようなことはやはり不適当ではないかというふうには考えております。
#34
○岩本久人君 今言われた国の政策に反することというのは何ですか。
#35
○説明員(太田省三君) 特に具体的に何か念頭に置いて申し上げているわけではございませんが、現在いろんな選挙公約の中で、一部新聞報道に伝えられておりますような例えば老人医療費の無料化でありますとかそういったようなことにつきましては、これは厚生省の判断になるかもしれませんが、従来から国の制度では一部自己負担というようなことを前提としておりますので、そういうことにつきましてはいかがなものかというふうなことは申し上げられるということでございます。
#36
○岩本久人君 地方税、いわゆる住民税の減税を大幅にするということに関係しての歳入不足というようなことについては、交付税を増額するといったようなことは考えられるんですか。
#37
○説明員(太田省三君) 先生御案内のように、地方団体の歳入歳出につきましては、毎年度地方財政計画あるいはその前提となります地方財政収支見通しを組みまして、これは地方税に限りませんで、譲与税でありますとかあるいは交付税、それから国庫支出金といったような歳入項目、それからいろんな歳出項目を見積もった上で、財源不足に陥らないように収支見通しを通じまして所要の手当てをするということになっておりまして、それは個々の地方団体がどういう減税制度をとられるかということではなくて、マクロできちっと地方団体の財政運営に支障がないように措置するということになっております。
#38
○岩本久人君 不十分な点もありますが、今この問題、選挙の真っ最中でもありますので、法的な問題点について疑義がありましたのでその点をちょっとただしてみたということでありまして、もちろん私たちも住民税を大幅に減税するということについては何ら異論はないわけでありますが、その点について参考までにこの際お伺いしたということでございますので、この問題は以上でおきたいと思います。
 次に、地価税についてお伺いいたしますが、今回地価税というものが創設されるということになっておるんですが、これによって地価がどれくらい下がるというふうに見込んでおられるか、大蔵省と国土庁の見解を伺いたいと思います。
#39
○説明員(大武健一郎君) お答えさしていただきます。
 ただいま御質問の地価税創設の地価引き下げ効果でございますが、このたびの土地税制は、地価税以外にも固定資産税評価の適正化、均衡化とか、譲渡課税の負担の適正化など、保有、譲渡、取得の各段階における総合的、抜本的な見直しとなっておりまして、全体として有効利用の促進等が図られ、地価の抑制、、低下につながっていくだろうということを期待しているわけでございます。
 ただ、どの程度地価が低下するかということにつきましては、導入時の景気状況あるいは金融動向あるいは税制以外の土地政策の推進状況等に加えまして、最近著しい地価の上昇を見たところであるかどうかといった個々の地点ごとの地価水準、土地取引の状況にも依存するものでございまして、定量的に申し上げるということは難しいということを御理解いただきたいと存じます。
#40
○説明員(鈴木省三君) お答えいたします。
 地価税の創設は、土地の資産としての有利性を縮減し、二度と地価高騰を起こさないための制度的な枠組みをつくろうとする点に大きな意義があると考えます。地価税の導入によりまして、税負担に応じて土地の収益性が低下し、値上がり期待が縮小することとなるので、地価の低下に資するものと考えられます。
 さらに地価税の創設に加えまして固定資産税の適正化も考えられておりまして、また譲渡益課税、特別土地保有税の強化等をすることとされており、これら土地税制全体の見直しにより地価の引き下げ、投機的取引の抑制、土地の供給及び有効利用の促進等、広範な土地対策上の効果が期待できるものと認識しております。
#41
○岩本久人君 二人とももうちょっと大きな声で言ってください、ちょっと聞きにくいから。
 定量的な評価は難しいと今言われた。では、東京だけで考えてみてどの程度期待できるのか、国土庁と大蔵省、両方に聞きたいと思います。
#42
○説明員(大武健一郎君) 今申し上げましたとおり、地価税だけをとりまして例えばどの程度下がるかというようなことにつきましては、今申し上げましたとおり景気動向とかあるいは他の土地政策の推進状況その他と密接に絡んでいる問題でございまして、具体的にどの程度下がるかというようなことはなかなか一義的には申しにくいということでございます。
#43
○説明員(鈴木省三君) 国土庁におきましても、今大蔵省が申し上げたとおりでございまして、私どもも定量的に今どのくらい下がるかというのは明確に申し上げることはできないということでございます。
#44
○岩本久人君 しかし、この地価税というのは言うまでもなく目的税でしょう。地価を下げるんだということでいろんな難関を乗り越えて入れてきた。明確な目標というものがなくて税を新しくつくるということはあり得ない話です。もちろんその他の要因があることもわかりますが、しかし地価税を導入した、実施に移すということにおいて、それに影響されていろんな問題も恐らく好転してくるであろうというようなことも含めて考えた場合どの程度の効果があるか、こう質問しておるわけでありますので、大蔵省、国土庁も含めてお願いします。
#45
○説明員(大武健一郎君) 私どもとしましてもどの程度具体的に下がるかということが一義的に申し上げれれば非常に好ましいことなんでございますが、経済理論で申しましても、例えば地価は将来にわたる土地の収益率、収益を一定の割引率で割り戻した現在価値に等しくなるように決定されるというようなことで御存じのとおり理論は成り立っているわけですが、こうした定式化によって理論地価を求めようとする場合でも、具体的にその割引率としてどのような係数を用いたらいいのかというような問題、あるいは伝統的な理論では土地のストックは供給が一定であるというようなことを前提にしているわけですが、現実には農地、林地等から宅地への転換等というようなものも行われるわけでございまして、このようなことを含めた定式化を行うことが難しいというような点がございます。かといって、じゃ具体的に定量的に示さないから下がらないのかということではないだろうというのは、先ほど国土庁の申したとおりだと思っております。
#46
○説明員(鈴木省三君) お答えいたします。
 現在の地価水準は東京圏を中心に非常に高いということを認識してございます。去る一月二十五日に閣議決定されました総合土地政策推進要綱におきまして土地政策の目標の一つとして掲げておりますように、土地の利用価値に相応した適正な水準まで地価を引き下げたいということで総合的土地対策を推進させていただいておるわけでございまして、その一環として今回の土地税制及び地価税の創設等があろうかと思いますが、いずれにいたしましても、総合的な土地政策を推進することによってあるべき適正水準にまで引き下げたいというように考えております。
#47
○岩本久人君 今の答弁では、少なくともこれが法律で決まって実施に移される、払わなかったら重加算税もつけられるという罰則もついておるわけでしょう。そうすると納税者は納得せぬと思うんですよ。やはり、苦しい中でもこれだけの税金を納めることにおいて社会全体にどれだけのいい効果を生んだかという使命感といいますか、そういったものなくしてやはり新しい税の合意というものは私は得られないと思うんです。したがって、このままじゃ、それ以上難しいということなのかもわかりませんが、そこのところを私自身がまず納得できるように、きょうあすのうちにでも後から来てひとつ説明してもらいたいということで、この問題一応おきたいと思います。
 次に、同じく地価税の問題ですが、今までの土地に絡む税金というのは、それぞれ、固定資産税にしろ都市計画税にしろ、特別土地保有税にしろ、すべて地方税だった。しかし、この地価税だけは国税とされたということですが、その理由についてお伺いをしたいと思います。
#48
○説明員(大武健一郎君) 地価税につきましては、地域あるいは市町村を問わずに、国内において納税者が有されますすべての土地を資産価値として合計いたしまして、その合計額に対し基礎控除を適用した上で負担を求めるものであるということ、それから土地の資産価値の評価につきましても、統一的な評価水準に基づき負担を求める必要があるということ等に照らしまして国税として創設することとさせていただいたということでございます。
#49
○岩本久人君 統一的な評価をするということは、無理に国税にしなくてもなると思うんですね。例えば、国のある一人の人が全部やるんならそれは理屈は成り立つ。そうでないわけ。全部分担されるわけでしょう。そうすることを考えれば、それぞれの地方税にしたところで、一つの基準について厳格にそれに携わる職員が全うしていけば、それはなると思うんです。だから、私はそれは全く理由にならないと思うんですね。
 それと、私は、先ほど来から言う趣旨からして、この資産課税で出た税については当然地方に譲与するというのが税のあり方だと思うんですが、その点についてはどのように思われますか。
#50
○説明員(大武健一郎君) 地価税の税収の使途につきまして、税制調査会の「土地税制のあり方についての基本答申」におきまして、「土地税制の見直しは、」「増収を目的とするものではない。」「新税創設の際には、所得課税の減税を合わせて検討することが適当である。なお、新税の税収について、その一部は、土地対策等に資するという観点から、歳出を通じ国民生活に還元することが適当ではないかとの意見もあった。」という御提言をいただいております。
 また、「平成三年度の税制改正に関する答申」におきましても、今の基本答申の考え方に沿いまして、「平成四年度の税制改正・予算編成時までに検討すべき」旨提言を受けておりまして、政府といたしましても税制調査会の答申を踏まえて適切に対処していきたいというふうに考えております。
#51
○岩本久人君 全く大臣の答弁を聞いておるようでわかりにくいんだが、またもう一回後から伺います。
 次に、固定資産税の問題について伺います。
 今度の三年度の評価がえに基づく税収というのは、平年度で六千五百億ということが言われておりますね。それで、特に大都市を中心に引き上げられるということで、激変緩和ということから負担調整措置が設けられております。しかし、長い将来見た場合このことだけでいいのかどうか。私は、特に住宅用地とか小規模住宅用地については、例の法の三百四十九条の三の二にあるところの調整率でなくて、特例でもって二分の一にするとか四分の一にするとかという、そのことの方がなじむと思うんですが、そのことについての自治省の見解を伺いたいと思います。
#52
○政府委員(湯浅利夫君) 今回の評価がえにおきましては、最近の地価高騰の影響を受けまして特に大都市地域におきましてかなり評価の上昇率が高くなっているわけでございます。こういうことを受けまして、従来から評価に伴います税負担を直ちに引き上げることのないように負担調整措置を講じていたわけでございますが、今回は特に住宅用地につきましてこの負担調整を、できるだけなだらかに負担が増加していくようなそういう措置を講じたところでございます。
 具体的には、従来は三年に一回の評価がえでございますから、三年目には評価額で課税をできるような負担調整措置をしたんですが、今回はこれを五年ぐらいの期間をかけて評価額課税にするような、そういう負担調整措置を住宅用地についてはいたしたところでございます。
 逆に、法人の持っている非住宅用地につきましては、最近の議論にもございますように、保有課税を強化すべきだという議論もございましたので、この点については逆に負担調整措置を厳しくするということで、住宅用地、それから法人の持っている非住宅用地、その他の宅地というふうに宅地を三つに区分いたしまして負担調整措置を講ずるという従来よりもきめの細かい措置を講じたところでございます。
 こういうことによりまして、住宅用地につきましてはほとんどの住宅用地が前回の六十三年度評価がえのときと同様に負担調整率一・一までの範囲内にとどまるということになりましたので、今回はこの負担調整措置の改正ということで評価がえに伴う税負担の増加を調整してまいりたいということで、御指摘のように住宅用地につきましては現在二百平米までは四分の一、それから二百平米を超える部分につきましては二分の一という形で特例措置を講じているわけでございますが、これにつきましては今回はいじらずに負担調整措置というものを、特に住宅用地についての負担調整措置を講ずるということによりましてほぼ前回と同じような負担の増加で済むのではないかということで、住宅用地についての特例措置などについては今回は見送らせていただいたところでございます。
 御指摘のように、将来、平成六年度以降の評価がえにおきましての評価の内容についての検討も今いろいろといたしておりますので、こういうものと関連いたしまして、また将来的な問題として住宅用地の特例措置につきましても検討してまいらなければならないと思うわけでございますが、今回の平成三年度の評価がえにおきましては、この点については特に措置を講じないで負担調整措置だけでやってまいりたい、こういうことでございます。
#53
○岩本久人君 今局長さん言われた負担調整の期間も五年ほどにした、きめを細かくしたということで今回は対応するということですね。私が言ったのは、それよりか特例を引き上げた方がいいのではないかということを言ったわけですね。それで、どうも特例引き上げということについて消極的だということを思うにつけて、私は関連して一つ質問したいと思うんです。
 日経新聞のことしの三月十一日号に「自治省税務局長湯浅利夫氏」ということで「キーパーソン」という囲みの記事があります。これ見られたことがありますね、局長さん。ここにこう書いてありますね。「自治省と地方自治体による評価替え作業はほぼ終わった。地価高騰を反映して評価額は相当上昇する見込みだが、負担調整措置の強化などで税負担の急増は本当に避けられるのか。今後の固定資産税のあり方をどうするのか。作業の陣頭指揮にあたった自治省税務局長の湯浅利夫氏に聞いた。」ということから、あなたが一生懸命訴えておられることがずっと書いてある。その中に最後にこういうのがあるんです。「新しい土地保有税である地価税は土地の保有コストを高めるための政策税制。固定資産税と合わせた保有税全体の税負担を考慮して、必要ならば積極的に見直すべきだ」と。つまり、この地価税というものをできるだけ近い将来見直したいという気持ちが自治省にあるということから先ほどのことに関連をしておるんではないか、このように私は思うんですが、あなたの意見が正確にここには伝わっておると思うんですが、もし真意が伝わっていなかったらそのことも含めて、今私が言った基本的な問題について答えていただきたいと思います。
#54
○政府委員(湯浅利夫君) 地価税の創設につきましては、先ほど大蔵省の方からの御答弁もございましたように、今回国税として創設しようということで今御提案がなされているところでございますが、一方におきまして固定資産税は、昭和二十五年のシャウプ税制の勧告以来地方税として、安定的な税制であるということで市町村の基幹的な税として位置づけられているわけでございます。この固定資産税を今後も適正に運用することによりまして、市町村の基幹的な税目としての地位というものをきちんとしたものにしていくということが市町村税の充実というためには一番必要なのではないかというふうに私ども考えているところでございます。
 そこで、他方で地価税ができたということになりますと、両者との関係をどう考えるかという問題は当然出てこようかと思います。そういうことを受けて、今回の地価税法の法案の附則の第八条にもございますけれども、地価税の負担のあり方については、少なくとも五年ごとに内容を検討して、そしてそのあり方について必要に応じて地価税の課税対象、税率等について所要の措置を講ずるべきだという規定が入っているわけでございます。
 そういうことを考えますと、地価税のこの規定の考え方というものは、今後固定資産税の適正化によりまして充実をしていくということになりますと、土地保有に対する税負担全体がどうなってくるかということが問題になってくるわけですから、それを五年ごとに全体がどうなっているかということを検討してその上で地価税のあり方というものを見直していくべきだ、こういうふうにこの法律の附則にも出ているわけでございますので、そういう法律の精神というものを私どもなりに考えると、やはり五年ごとの見直しというものをきちんきちんとやっていくべきだ、こういうつもりでこのときのインタビューには私申し上げた記憶がございます。
#55
○岩本久人君 はい、その点はわかりました。
 次に、固定資産の評価の引き上げと住民税減税との関係についてお伺いします。
 今回の措置によって住民税を減税するという基本的なパターンというのは平成六年度以降も継続をするということでありますから、そこで私は大いに問題があるのではないか、こう思うんです。それは、固定資産税を引き上げられて納税する者とそれから住民税を減税される者が必ずしも一致してないという問題です。もちろん税目が違うわけですからその点はわからないではないんですが、そこのところについてはそう響きよく私たちには伝わらないわけですね。これについてどのような見解を持っておられますか、お伺いします。
#56
○政府委員(湯浅利夫君) 平成六年度の前に、今回の平成三年度の評価がえにおきまして、今回の評価がえが非常に上昇率が高いということもございまして、これによる増収分を全額個人住民税の減税に充てることにいたしたわけでございます。この考え方は、今御指摘のように、固定資産税の負担をされている方と住民税を負担されている方とは一致しているわけじゃございませんけれども、地方税全体の負担が一挙に上がってくるということは、国民経済的に見ました場合に地方税の負担というものはやはり一定の水準というものがおのずから決まってくるわけでございましょうから、これを急激に上昇させるということは住民負担の増加につながるわけでございますから、これは検討しなければならない。
 その場合に、それでは一体何をもって調整をするかということでいろいろ検討いたしました結果、この固定資産税の評価がえに伴う増収分を今一番地方税で負担感が大きいと言われている個人住民税の減税に充てるべきではないかということにしたわけでございます。したがいまして、固定資産税の評価がえに伴うものは、個人の増収分それから法人の持っている土地の増収分もあるわけでございますけれども、これをすべて個人住民税の減税に充てるという、これは一つの政策判断ではないかと思うわけでございますが、そういうことで現在負担感が重いと言われている個人住民税にこの分を全額減税に充てるという形にしたわけでございます。
 そこで、次の平成六年度の評価がえにおきましても、今後この評価の適正化、均衡化を図っていくということをやってまいりますと、固定資産税の税負担というものは上昇していく可能性がある。その上昇していった場合にその増収分を一体どうしていったらいいのか。これをそのままいただいて、それを地方税源の充実に充てるというのも一つの方策でございますけれども、しかし相当大規模な税の負担がふえるということになるとすれば、やはり同じように地方税負担の調整をしていく必要があるだろう。その場合の一つの選択肢といたしまして、今回行ったような個人住民税の減税というものも一つの選択肢としてあるのではないか。ただこれだけではない。やはりこれは一つの選択肢ではないかと思うわけでございますが、そういうものも念頭に入れて今後平成六年度以降の評価がえにおきまして増収の出てきた分の税負担全体の調整をどうしていくかということを考えていきたい、こういうことでございます。
#57
○岩本久人君 一つの選択肢であるというふうに言われると私も十分理解できるんです。言いたかったのは、固定資産税は年金生活者でも上がる、しかし住民税の減税には当たらないということ、そういう方々のためにはどうなるか、そういうことを聞きたかったんですが、今の話を聞きまして理解できましたのでまた御配慮をお願いしたいと思います。
 次に、今の案でいくと財政力の脆弱な自治体の財政基盤というものが一層弱くなるのではないかということが懸念をされております。というのは、既に公示価格の水準で課税をしている市町村等については、固定資産税の増はそう多く望めないけれども減税だけはくるということになってくると、小さい県は大変苦しくなるというようなことになると思うんです。そういった点について、このことは特に大都市圏との格差を考えたらより明白だというふうに考えるわけですが、その点についての見解を伺いたいと思います。
#58
○政府委員(湯浅利夫君) 固定資産税の評価がえを実施いたしますと、今回のような大都市を中心にして地価が上昇している場合には、御指摘のように固定資産税の税源が大都市の方にだんだんと集まってくる、しかも他方で住民税の減税は一般的に効いてくるということになりますと、税源が大都市地域にだんだんと寄ってくるんじゃないかという御指摘はまことにごもっともな御指摘だと思います。しかし、他方、先ほども申しましたように、住民税に対する住民の負担感というものを軽減していくという一つの政策目的と申しますか、そういう要請というものにもこたえる必要があるという点を考えますと、こちらの方もなおざりにできないんじゃないか。
 全体として税源が偏在をしてきたという場合に、やはり基本的には地方交付税の制度によってこれを調整していただくということしか現在の制度としては考えられないわけでございますが、この地価の上昇というものが一定の地域だけに限られるということは、我が国の国土の発展という点から見ますとやはりそれは異常なものだとも思われますし、将来に向かっては、この一極集中というものを排除して均衡ある国土の発展というものを考えて、それぞれの地域が均衡ある発展を遂げることによって地価もバランスがとれて上昇するということになりますと、そういう御懸念もなくなってくるのではないかと思うわけでございまして、地価の鎮静化というものを私どもは将来の問題として、一つの大きな政策目的としてこれをぜひともやり遂げなきゃならないわけでございますが、それを前提にした上での固定資産税の見直しということも考えていかなければならないというふうに考えているところでございます。
#59
○岩本久人君 と申しますのも、私のところの島根県を例にとると、既にその目標とされる七割の評価をしているというところが随分あるんです。例の岩國市長がおるところの出雲市も七〇%。それから木次、瑞穂、石見、それから江津市、大東町、掛合、大社、弥栄、匹見と、七割近いところあるいはそれを超えるところにもう既に達している。これはなぜかというと、先ほどあなたもおっしゃったように、固定資産税の評価を高めることによって自主財源の確保を図ってきた。この結果こうなってきたということになってくると、さっきも言ったように、今回の見直しでも税収が伸びるということがそう大きく期待できない、しかし一方で減税は来るということでありますから、自主財源の確保をどうするかということが実は基盤の弱いそれぞれの自治体にとっての大きな問題なんだ。
 そこで、あなたがおっしゃったのは、それをフォローするのは例えば地方交付税だ、こういうぐあいに言われますが、自治省はこの地方交付税を自主財源だというふうに明確に位置づけておる、こういうことなんですか、お伺いしたい。
#60
○政府委員(湯浅利夫君) 地方交付税は私の所管外ではございますけれども、地方交付税というものは私の知る範囲では自主財源という位置づけはしておりません。これはあくまでもみずからが課税をするようなそういうような税ではございませんから自主財源というものではございませんけれども、一定の基準に基づいてそれぞれの自治体が財政運営ができるように保障するという観点から見ますと、交付税というのは、自主財源ではございませんが、自治体が自主的に使途を決められる財源として税に次ぐ非常に重要な地位を占める財源だというふうに私ども理解いたしております。
#61
○岩本久人君 でありますが、そうは言ってもそれぞれの自治体にとっては自主財源ではなくて自主税源をどう拡大をしていけるものか、その可能性をいろいろ追求しておるというのが実は現状深刻な問題になっております。
 この固定資産税の評価がえということが今後ずっとそういう方向で続いていけば自主税源イコール自主財源にもなるわけですが、それの基本的な土壌の強さ弱さから大都市、東京とか、こういったところとそれから地方では、田舎では、過疎地ではもうだんだん格差が広がるということになってくるわけなんですが、それはどういうふうに評価されるのか。それはやむを得ないことなんだと思われるのか、あるいは他に有効な手だてを考えて少しでもそういった悩み多いそれぞれの自治体の要望にこたえることが可能なのかどうか、その点についてひとつ自治省の見解をお伺いしたいと思います。
#62
○政府委員(湯浅利夫君) 地方税は、冒頭大臣からもお話しのとおり、地方自治を運営するためのまず基本になるものでございますから、これをできるだけそれぞれの自治体が確保できるようなそういう税制をつくっていくということが私どもに与えられた任務だと思っております。
 そういう意味で極力各地域で税源の偏在のないようなそういう税目を選んで、そしてそれぞれの自治体に課税できるような努力を続けているわけでございますけれども、現在の国土の状況を見ますとどうしても地域ごとに経済力が違ってきている、こういうことがございまして、その差がこの税源偏在という形につながってくるわけでございます。これをやはり全くなくすということができないということで一方で地方交付税制度というものはできているわけでございますが、他方においてやはりそれぞれの地域が均衡ある発展を遂げることによりましてそれぞれの地域に税源を涵養していくという努力はそれぞれの自治体でも行っていかなければならない問題だと思っております。
 最近では、例えばリゾートを開発していくとか、従来からの企業の誘致だとかいろいろな形で地方自治体も努力をしているわけでございまして、そういう中でみずからも現行の制度の中で税源を涵養していく、そしてまた私どもとしても将来に向かってできるだけ地方に税源がまんべんなく行き渡るような税制をこれからも考えていかなきゃならない、こういうことでやっていかなければならないと思うわけでございます。
 他方、税を負担していただく方々の負担感というものをどういうふうに和らげていくかということも別の意味でまた重要な問題でもございますので、それやこれやのことを総合的に考えながらこれからも努力をしてまいらなければならないと思っております。
#63
○岩本久人君 そこで、今も強調されております、私も申し上げました地方税源の偏在是正措置として、超過課税の見直しとか事業税の分割基準の見直しとかあるいは地方譲与税の配分基準の見直しといったようなことを考えておるということがこの法にも書いてあるわけですが、その中身を説明してもらいたいと思う。具体的な中身。
#64
○政府委員(湯浅利夫君) 地方税を仕組む場合にはできるだけ偏在のないようにしていかなければならないということでやっておりますが、どうしても偏在が出てくる。その偏在が出てくるのは、やはり基本的には地方交付税でお願いをするという部分が大きいわけでございますけれども、しかしこの税源の偏在というものを是正するための努力を地方税の立場からもやはりやっていかなきゃならないだろうということがそれぞれの方々からも御意見として出ております。
 一つの考え方といたしましては税制そのものをどう仕組んでいくかということもございますけれども、現在ございますいろいろな制度の中で直せるものがないかどうか。例えば、臨時行政改革推進審議会の中では、消費譲与税について富裕団体には譲与制限をしてその余った財源を財源不足の団体に回したらどうだろうか、こういうような御意見も出てきております。
 それから、主として税源偏在が大きく出てくるのはやはり企業がたくさんある地域でございまして、この企業のある地域の税というものをどういうふうに分けていくかという法人関係税の分割基準と申しますか、二以上にまたがる法人の法人関係税をどういう形で税を二つ以上の自治体に公平に分けていくかといういわゆる分割基準の問題、これは税の理屈から言えば税源をいかに適正に帰属させるかという議論だと思うのでございますが、それが結果的には税源偏在是正に非常に役立つという場合が多いわけでございますので、こういう法人関係税の分割基準の見直しというようなものはできるだけ見直していかなければならない。数年前も一回お願いをしたわけでございますが、この点については絶えず見直していく必要があるだろう。
 また御指摘のように超過課税を行っている団体の中でかなり財政的に富裕な団体もございますので、そういうところについては、自主的な御判断ではございますけれども、できるだけ超過課税というものをやめていただくというようなことも必要なのではないか。特に法人事業税を超過課税いたしますとこれが法人税の関係では損金に算入されるということで、実質的に法人税が減ってしまう、それがめぐりめぐって交付税が減ってしまうというようなことにもつながってまいりますので、こういう超過課税を見直していただくということは、これはやはりそれぞれの自治体の御判断ではございますけれども、私どもとしても御要請をしていくということが必要じゃないかなというふうに考えているわけでございます。
#65
○岩本久人君 今言われた法人事業税の分割基準の見直しという問題、私も二十数年前に法人の担当をやっておったときに一生懸命汗をかいて調査してかけるけれども、最終的には本社で一括納税だということで歯がゆい思いをしたことがあるんですが、そのことなんですか、今言っておられるのは。それはいつごろからやられることになるわけですか。
#66
○政府委員(湯浅利夫君) 法人事業税の分割基準につきましては、これは特に製造業を中心にいたしまして、例えば東京に本社があって地方に工場があるというようなところで、最近はこの工場がだんだんとロボット化されたり無人化されたということで、現在は従業員割でやっているわけでございますけれども、従業員割でやっておりますと地方の工場の方がだんだんと分割分が減ってくるんじゃないかというような御指摘もございまして、これはやはりロボット化された、あるいは省力化されたというようなものを何らかの形で加味をして、そして工場のある地域の府県の方にその事業税を回すことができないかという研究をいたしまして、その改正をたしか一昨年だったと思いますけれども一部改正をさせてもらいました。
 これについては、これでいいということではございませんので、絶えず分割基準を見直していくということで、製造業は今回見直した、じゃ、その他の業種はどうだろうかというような形でこれからも見直しをして、これが結果的に税源偏在の是正につながっていけば非常にいいんじゃないか。前回の製造業の場合にもかなり税源偏在の是正につながったということも言われておりますので、今回以降もこの問題については積極的に見直しをしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#67
○岩本久人君 今の問題は私も非常に大事なことだと思いますので、積極的にひとつお願いいたします。
 再度固定資産税の評価の問題に返りますが、自治省の従来の基本的な考え方は、固定資産については税の性格上他の要素を加味しないということであったと思うんですが、公示価格の六割とか七割を目指すということはそれに矛盾するのではないか、こう思うんですが、現在の基本的な考え方として収益還元価格をとられるのか、先般ごろから盛んに言われる公示価格の七割ということでやられるのか、あるいはその中間でやられるのか、そのことについてまず基本的なスタンスをお伺いしたいと思います。
#68
○政府委員(湯浅利夫君) 固定資産税の評価に当たりましては、固定資産税の評価基準に基づいて各自治体に評価をお願いしているところでございますが、基本的な土地に対する評価の考え方は、売買実例価格を基本にいたしまして、これから例えば期待利益とかあるいは投機的な要素というようなもの、不正常な要因を排除して正常売買価格で評価をするということ、これが固定資産税の評価基準で定められている土地の評価の考え方でございます。
 こういう考え方を基本的に持っているわけでございますが、やはりこの固定資産税の性格というものを考えてみますと、これは毎年毎年税負担をしていただく、土地をずっと継続して持っていただくことを前提にして税負担をお願いするということで、それを税負担ができないから売ってその税を払うというようなそういう追い出し税的なものでは決してないということを考えますと、この固定資産税の評価額というものは、今御指摘のように、収益還元価格というようなものを一つの評価として、この性格と固定資産税の考え方から見てそういう形でやるのが適当ではないかという御指摘が出ているのは、これは従来からの考え方だと思います。
 しかし、考えてみますと、その他の評価、地価公示とかあるいは相続税評価というものも、基本的な考え方を見てみますと、やはり適正な地価というものを評定していこうという点では一致をしているわけでございまして、地価の安定しているところではこの三つの評価というものが比較的均衡がとれているということが言われているわけでございます。特に一昨年の十二月に成立いたしました土地基本法におきましては、この公的土地評価の相互の均衡と適正化を図るように努めるべきだという規定ができたわけでございまして、同じ土地評価をするのに、それぞれの立場でそれぞれ主張だけしてそれをばらばらで評価をするということはいかがかという、そういう御指摘もあるわけでございまして、それぞれの評価に足らざる点がいろいろあればそれを改善しながらやはり均衡化、適正化を将来図っていく必要があるんじゃないか、こういうことでございます。
 そういう意味で、平成三年度において地価公示とそれから固定資産税との評価においてはかなりばらつきがございますけれども、これを平成六年度以降におきましては地価公示の制度もいろいろと改善をしていただくということを前提にいたしまして、地価公示の一定割合を目標にしてひとつ評価の均衡化、適正化をやっていくべきだ、こういうことを今回の一月二十五日の総合土地政策推進要綱にも決めていただいたわけでございます。
 一定割合については、いろいろとまだ御意見がございます。今御指摘のように、地価公示と固定資産税の評価というのは、もともと制度の性格が違うわけですからこれを一元化するわけにはいかないわけでございますが、先ほど言いましたような均衡化をとることは可能だろう。その場合に、実は昭和五十年代の非常に地価の安定していた時期に、固定資産税の評価というものが地価公示のおおむね七割近くにいっていたというようなこともございまして、例えば七割という線はどうだろうかという議論をしたことがございます。しかし、これはまだ問題があるのでもう少し詰めるべきだということで、先ほど閣議決定におきましても一定割合ということで決めていただきまして、この一定割合をできるだけ早く決めていきたいというふうに考えているところでございます。
 そういう意味で、固定資産税の性格あるいは公的土地評価のそれぞれの性格というものを考えながらこの間の均衡化、適正化というものを図っていくということを考えた場合に、今申しましたようなそういう考え方を目標にして次の評価がえ以降できるだけ早い機会に均衡化、適正化を図ってまいりたい、こういうことでございます。
#69
○岩本久人君 今言われた一定割合という表現ですが、見通しとしては大体何割ぐらいになるのか、また私は、その割合を極度な格差が出ておるこの日本全土にかぶせるということ自体に無理があるのではないかという気がするんですが、そのことについてお伺いいたします。
#70
○政府委員(湯浅利夫君) 先ほども申しましたように、平成六年度以降の評価がえに当たりましては、地価公示価格の一定割合を目標にするということで、この一定割合という点については具体的にはなるべく早く詰めようということでございますが、固定資産税の評価と地価公示との間にはやはりどうしても性格的な違いがあるから一致することは無理だろう、これは言えると思います。
 と同時に、昭和五十年代の地価の安定していたときの固定資産税の評価の水準というものが地価公示のおおむね七割の段階までいっていたということを考えますと、やはり七割というのが一つの数字として考えられるものではないかというふうには思われますけれども、今御指摘のような点もございまして、地方においては現在でもかなり高い水準になっている。それから大都市周辺では非常に低くなってきているということでございますので、こういうところを七割という水準に一挙に上げられるかどうかという点について、私どもももう少し検討すべきであろうということでここでは一定割合ということにしたわけでございまして、七割という数字にはこだわらないわけでございます。
 ただ、やはり公的土地評価の間で均衡と適正化を図るということを土地基本法で言われている以上は、この均衡化というのが地価公示の二割、三割でいいんだというような低い水準を目標にしているのではないんじゃないかというふうに考えます。ですから、やはりそれなりに適切な水準というものを目標にしたものが一定割合になるんじゃないかというふうに今の段階では考えているところでございます。
#71
○岩本久人君 わかりました。
 それで、既に三年度の評価がえが終わって通知書を出す段階に入るわけですが、六年度の見直し等を含めて考えてみた場合、全国一斉にこれを完全に実行に移すということにもなかなか難しい問題が絡むんではないか。中には自治体としてこれに追随をすることがなかなか難しいといったようなところも出てきているのではないかと予想するんですが、そういった点についての私の心配が杞憂に終わっているのかどうか、その点についてちょっとお伺いしたいと思います。
#72
○政府委員(湯浅利夫君) 固定資産税を市町村税として運用したのが昭和二十五年からでございますからかなりの年数がたっているわけでございますが、固定資産税を各市町村が評価がえをして税負担をお願いするということにはなかなか苦労が多かったことも事実でございます。現在も非常に苦労しながら評価がえをし税負担を求めているというのが実態だと思います。そういう点から考えますと、この評価がえの目標というものを、地価公示の一定割合に目標を置いて均衡化、適正化を図っていくということは、これはなかなか容易なことでないことは事実でございます。
 しかし、昨年来の税制調査会などの土地税制論議というものを踏まえまして、地方自治体は地方自治体なりにやはり保有課税というものをもっと適正なものにしていかなければなかなか大変なことになるという、こういうこともだんだんと理解されてきたのではないかというふうにも思っておりますし、やはり固定資産税というのは市町村税の基幹的な税でございますから、非常に苦しいことではございますけれども、やはり一緒になってこの税制を適正化し、そして守っていく、住民にも理解をしてもらうという努力をしながら守っていくということがどうしても必要でございます。そのためには、土地基本法に言われている公的土地評価の均衡化、適正化というものを避けて通るわけにはいかないわけでございますから、これを地方自治体の皆さん方とよく御協議をしながら、これから進めていかなければならないと思っているわけでございます。
 ただ、評価をそういう形で持っていったから、これをそのまま直ちに税負担に結びつけられるかどうか、これはまた別の問題でございます。評価は評価としてやった場合に、それでは今度は税負担がたえられるものかどうかということをもう一度検討しなきゃならない。特に住宅用地につきましては、評価がえによって大幅に評価額がふえたのをそのまま税負担に結びつけるということが果たしてできるかどうか、これは十分検討しなきゃいけない。そのためには先ほども御指摘のような住宅用地の特例制度というようなものがこのままでいいのかどうかというような問題、あるいは負担調整措置というものを、三年間で負担調整措置をやったものを今回五年間にしたけれども、果たしてこのままの状態でいいのかどうかというような問題、そういうものをやはり総合的に考えて、税負担は税負担として検討していくという、そういう必要性は当然あるんじゃないかというふうに考えています。
#73
○岩本久人君 先ほど来から何回も出ております公示価格というものについての評価でありますが、自治省としては、この公示価格にいわゆる世でいうバブルという部分が含まれていると考えておられますかどうですか、その点をまずお伺いしたい。
#74
○政府委員(湯浅利夫君) 地価公示の中というのは、基本的には土地取引の一つの指標として使われるという考え方からいきますと、従来から言われておりますが、固定資産税というのは期待価格というものを全く除去して評価するということから考えますと、地価公示の場合にはある程度の期待価格というものが含まれているんではないかなというふうに考えますけれども、今御指摘のようなバブルといいますかそういうものまで含まれているかどうかについては私どもが即断することはできないと思います。
 ただ、これは昨年の十月でございますが、土地基本法に基づく土地政策審議会という審議会が答申をされたわけでございますが、その中で、どうも最近の地価公示は高い地価を追認しているんではないかという意見があるという形でたしか指摘がなされていたような記憶がございます。そういうようなことも地価公示を考える場合の一つの参考になるんじゃないかなと私は考えているわけでございます。
#75
○岩本久人君 幾ら厳正にされたようでも、一人の人間がやるわけでないからね。それから、全国各地域のいろんな事情というものがありますから、やはりそれなりに含んでおると見る方が正しいのではないかと私は思っております。
 国土庁に伺いますが、同じ質問で、公示価格というものに含んでいるかどうかお伺いいたします。
#76
○説明員(生田長人君) お答え申し上げます。
 先生御承知のとおり、地価公示制度には、一般の土地取引に対する指標を与えるという目的のほかに、収用における補償であるとか、あるいは公共事業の用に供する土地に対する適正な補償金の算定に資する、こういった目的を持っております。したがいまして、地価公示におきまして公示されます正常価格は、地価公示法の第二条第二項におきまして、合理的な市場において「自由な取引が行なわれるとした場合におけるその取引」「において通常成立すると認められる価格」と、かようにされているわけでございます。換言いたしますと、売り手と買い手の双方に例えば買い進みであるとか売り急ぎであるとか、そういった特殊の事情がないというぐあいに考えた場合に通常成立すると考えられる市場価格というぐあいにされているわけでございます。
 先生御指摘のバブルという点についてでございますけれども、公示価格の算定に当たりましては、御承知のとおり三方式と申しまして、一つには近傍類地の取引価格から比準した価格、それから地代などの収益から算定される収益価格、それから同等の効用を有する不動産の造成等に要する積算価格、この三つを総合的に勘案して定めるということにされているわけでございますけれども、特に取引事例の採用に当たりまして、例えば不当なつけ値があるとか、あるいは転がしがあるとか、そういった実需に結びつかないいわゆる投機的な事例、こういったものにつきましてはすべて排除せよということを言っておりまして、今回の新しい鑑定評価基準におきましてもその点を明確にしたところでございます。
 こういうことで、地価公示法の目的の一つでございます一般の土地取引に対する適切な指標としての役割を果たすように措置をしたところでございまして、私どもとしては今後ともその基準に基づきましてより適切な評価に努めていきたいというふうに考えております。
#77
○岩本久人君 国土庁に再度質問ですが、不動産鑑定士という人がいますね、全国に。その方たちの意見というのが公示価格設定に当たってどの程度の影響があるのか伺いたいと思います。
#78
○説明員(生田長人君) 地価公示の標準地、一万七千地点ございますけれども、これを現在大体千八百人の不動産鑑定士の方々によって鑑定をしていただいております。一地点につきまして二人の鑑定士がつき、独立に鑑定をいたしまして、その結果を調整いたしまして、それを土地鑑定委員会というのにかけるということになっております。したがいまして、基礎となります価格につきましては、不動産鑑定士が鑑定評価をしたその結果をもとにして出しておるところでございます。
#79
○岩本久人君 今の不動産鑑定士、それぞれの地点で二名の人の意見を聞いて決めるということですが、ここ数年、同じ土地でありながら不動産鑑定士によってかなり極端に違う評価が出ているということに基づくいろんな問題が生じておるということについて御承知ですか。
#80
○説明員(生田長人君) 地価公示制度に関する公示価格の評定に関する限りにつきましては、私ども鑑定評価書等について見ておりますけれども、要するにさほどの差がないというのが実態でございます。
#81
○岩本久人君 通告していなかったので、今からのことは要望ほどにしておきますが、実は不動産鑑定士がかなり差のある、ギャップのある査定をした、評価をしたということに基づいて、いろんな金融機関絡みで問題になっておるケースというものが物すごくたくさんあるんです、現在。それで、現在我が国には不動産鑑定士の資格を持った者が何人おるかということと、それからそれの研修とか監督はどうなっておるのか、それが社会正義に反する内容の評価をしたときにはどのような罰則があるのかというようなことも含めて、後からでいいですからひとつ、今わかればなんですが、お願いしたいと思います。
#82
○説明員(生田長人君) 現在、不動産鑑定士の資格を持った者は、全国で約六千人ほどございます。ただし、不動産鑑定業務に従事している者はその約半数に当たります三千五百人ほどだと記憶しております。それから、監督につきましては、ただいま先生御指摘の、不当な鑑定評価というのがございました場合には、私どもとしては、例えば登録を消除する等の監督をすることにしております。
#83
○岩本久人君 ありがとうございました。
 次に進みますが、去年の十月二十九日に出された土地政策審議会の答申、ここでいわゆる収益価格の公示の問題が出ておりました。地価公示と収益価格の同時公表ということが一つの問題になっていたんですが、これが同時公表できなかったということですが、その理由についてお伺いしたいと思います。
#84
○説明員(生田長人君) 収益価格の公表につきましては、先生御指摘のとおり昨年十月二十九日に行われました土地政策審議会の答申におきまして、地価が急激に上昇するような一定の地域におきましては、「平均的な収益価格を示すことによって、市場において土地の利用価値を超えた値付けがなされている場合にはその実態を明らかにする方法を確立することが望ましい。」かような答申をいただいているところでございます。これは私どもといたしましては収益価格の水準との乖離が一時的に大きくなる場合に、市場に対して警鐘を鳴らすことを求めたものであるというぐあいに考えております。
 私ども国土庁といたしましては、現在これを受けまして、地価公示とは別の制度になると思いますけれども、地価上昇の著しい地域になど一定の地域につきましてはゾーン単位で平均的な収益価格水準というべきものを示す方法で検討を行っているところでございます。
#85
○岩本久人君 以下自治大臣にお伺いいたします。
 まず、最初の問題ですね。三月七日の地方行政委員会で「固定資産税に係る評価等の適正化に関する件」が決議をされておりますが、こうした委員会の決議はどの程度の効果を持つものだと思われますか。
#86
○国務大臣(吹田ナ君) 簡潔に申し上げれば、委員会の決議というものは政府はそれなりに尊重して、大事にこれを実行に移せるものから移していくというのは、これは基本的姿勢であると思います。
 特に、今回の衆議院の地方行政委員会で決議されました問題は税制の問題等でありますが、この六項目の決議につきましては、内容的に極めて大事な問題を含んでおりますし、私どもも適切に対応しなきゃならぬ、かように考えておるわけであります。
 固定資産税の問題は、市町村の安定した財源でありまして、これが基幹税目であるということに着目して考えていかなきゃならぬ問題でありまして、特に中長期的に充実を図る方向へ考えますが、詳細には局長からまた答弁もさせますが、基本的な考え方を短絡的に申しますとそういうふうな感じで、これからも議会の決議というものは、我々政府というものは尊重していくというのは、これは大事な姿勢だと思っております。
#87
○岩本久人君 言葉じりをとらえるわけじゃないんですが、それなりに尊重と言われましたね、今。
#88
○国務大臣(吹田ナ君) ええ。
#89
○岩本久人君 言葉じりをとらえるわけじゃありませんが、私も今までのこの種の決議というものを後からチェックしてみると、まさにそれなりの尊重にしかなってないわけですよね。補助率の復元の問題だとか、大事な問題いろいろあったでしょう。だから、これはそう簡単には言えないかもわかりませんが、率で言えば何割ぐらいなんですか、それは。今までは三割方と思っておるものだから、ちょっと。
#90
○国務大臣(吹田ナ君) いや、それなりのというのは、言うてみれば予算が伴う財政的な問題ということと、それから政策的な問題というふうに分けて考えた場合に、政策的な問題はそれなりに政府としてまた考えられますが、予算に係る財政的な問題というもの、あるいは財政法に基づくもの、そういったものにつきましては、議会でお決めになることは我々には、政府側には制約をされないで決定されるわけでありますから、時に実行が非常に難しいという問題も出てくるわけですよ、そこには。時間的な余裕を必要とするという問題も出てまいりますから、それなりにというふうな表現をしたわけでありまして、決してそれで何もかもごまかしていこうとか、そんな気持ちは毛頭ないわけですから、御理解いただきたいと思います。
#91
○岩本久人君 ひとつ最大限頑張っていただきたいと思います。
 時間が大分なくなりましたので、今の決意表明に基づいて、一項から六項までありますが、大臣に答弁をと思っていたんですが、局長さんでもいいですが、簡潔に、それぞれ具体的にはどうされようとしておるのかということについての基本的な考え方をお願いします。一々申し上げたいんですが、時間がありませんので、見ていただいてひとつよろしくお願いします。
#92
○政府委員(湯浅利夫君) 衆議院の地方行政委員会の決議につきまして、いろいろと御指摘をいただきましたけれども、要は固定資産税の平成六年度以降の評価というものを考えた場合にどうやっていくかということ、これが基本になってこようかと思います。
 この評価の均衡化、適正化に当たって、特に個人住宅用地について納税者の負担に配慮することが必要だという観点から、第一項の住宅用地・小規模住宅用地の特例の見直しなどの所要の措置を講ずるという問題、それから第三項に当たりますか、居住用家屋についての経年減価の見直しなどの次回評価がえまでの改善とか、あるいは第五項でございますが、都市計画税における住宅用地の負担のあり方を見直す、こういうようなもの、この三つが個人住宅用地について今後評価の均衡化、適正化を図っていくに当たりまして、納税者の負担を十分配慮していくべきだという趣旨から決議されていることではないかと思っております。
 それからまた、第二項は、急激に地価が下落したというような場合に、これについて固定資産税に適切な配慮をするようにという御決議でございます。これについても今後の地価の動向を踏まえて適切な措置を講じなければならないと考えておりますし、また第四項目の路線価の公開につきましては、これは実は平成三年度の評価がえのときから一部実施をしたいと思っているわけでございます。できるだけ早い時期に全路線価の公開ができるように、これも地方自治体の皆さん方と今いろいろと御協議をしているところでございますけれども、平成三年度からその一部をやってまいりたいということで、できるだけ早い時期に全路線価を公開すべく私どもも努力してまいりたいということでございまして、それぞれの御決議を私ども重く受けとめまして、今後努力してまいりたいと思っておるところでございます。
#93
○岩本久人君 きょうのこうした審議を受けて我が参議院でも決議をするという予定でありますので、ひとつ精いっぱい、最大限の努力をして実施されますように、大臣にこの点は特に要望しておきたいと思います。
 最後に、課税ミスの問題についてお伺いいたします。
 自治体の固定資産税の課税ミスについて私もここで二回ほど取り上げたことがありますが、その後自治省の指導もあって、東京都では二十一年ぶりに台帳と登記簿を照合したということが載っております。また、京都市も課税ミスを全体に総ざらいして時効分も含めて返還をする、こういうことがマスコミの報道に載っております。また、先般の委員会でも議論になりましたように、神戸市、横浜市、それぞれ対応の仕方は違いますけれども、いずれにしても間違いだったということを正式に認めて納税者に還付をする手続がなされておるのであります。
 私は、たまたまマスコミに報道されるされないは別にして、多かれ少なかれ全国の自治体でかなりの可能性があるものだと思っておりますので、還付請求権の五年という問題もあるでありましょうが、まず総力を挙げて実態調査を急がせて適正な措置、つまり時効になっていようとも法改正してでも返還をするということが今我が国でやっている税制改革全般に対する国民の信頼を回復することにつながる、このように思っておるところでありますが、この点についての自治省の基本的な見解をお伺いしたいと思います。
#94
○政府委員(湯浅利夫君) 固定資産税の課税誤りが各都市で見られることにつきましては、私どもも大変申しわけなく存じているところでございまして、現地調査の徹底をするとか、あるいは電算システムによるチェック体制を整備するとか、あるいは航空写真などを使って調査の徹底を補完するとか、いろいろと会議の都度御指導をしているところでございますけれども、これに並行いたしまして、今回横浜市なり神戸市なりその他の地域で課税誤りが発見された大きな要因といたしまして、課税資産の内訳を納税通知書を通知するときに添付した、これで自分の課税されている資産がどういうものかということがわかったということで、これを納税者の方々がごらんになって、これはちょっと間違いじゃないかというようなことが発端になったというものがかなりあった。横浜市の場合も神戸市の場合もそういうことではなかったかと思うわけでございます。そういう意味からいきまして、課税当局が調査の徹底をすることは当然ではございますけれども、と同時に、体制の整ったところから納税通知書を出すときには課税資産の内訳をできるだけ添付するように、こういうことを私どもとしては御指導を始めているところでございます。
 この課税資産の内訳は、短期間に納税通知書を出すという関係上、相当事務体制がきちっとしていないとなかなか難しいという問題がございますので、その体制をできるだけ早く整備をしてほしい。そして、納税通知書を出すときにこの内訳を添付していく、こういうことによって、課税当局自身も誤りのないようにしなきゃいけませんが、納税者の方々にもそのチェックをしていただくということをやっていくことがこの固定資産税の課税誤りを防ぐ非常に有効な手段ではないかというふうに考えておりますので、これは私どもも積極的にこれから指導してまいりたいというふうに考えております。
 そういうことによりまして誤りが発見された、それが既に五年間の時効を超えてしまっているというような場合でございますが、法律制度といたしましては、やはり他の税目と同じように消滅時効というものは五年間、こういう課税債権について固定資産税だけの特例を設けるということは税制度としてなかなか難しい問題がございますが、その他の方法で納税者の信頼を確保するためにほかに何かいい手だてがないかということでいろいろと検討を進めたわけでございます。横浜市におきましても神戸市におきましても、そのために研究会をつくりまして、法律の専門家なども入ってもらって、その上でいろいろな議論をした結果、五年を過ぎた分につきましても地方自治法第二百三十二条の二の規定に基づく補てん、あるいは国家賠償法に基づく損害賠償というような形でやることができるのではないか、こういうことを踏まえまして、既に予算化をいたしましてこのお返しをするというようなことまで行っているところでございます。こういうそれぞれの自治体の検討というものを踏まえて、返還と申しますか、こういうものについてそれぞれの自治体から御相談があれば私どもは適切に指導してまいりたいと思っております。
 何せ固定資産税は市町村の方から税額を示すということで、それぞれの住民の方々は市町村のやっていることは間違いないだろうと思ってそれに基づいて納めていただいているわけでございますから、その税額に誤りがあるということは、これは住民感情といたしましても、また納税者の考え方からいたしましてもやはりどうしても納得できない問題がありましょうから、信頼を確保する意味からも適切な措置を今後とも講じていかなければならないというふうに考えております。そういう意味で、それぞれ自治体の事情が違うことが考えられますので、画一的な指導はなかなか難しいと思いますけれども、いろいろな自治体の個別の事情に応じまして適切な対応ができるように私どもといたしましても指導してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#95
○岩本久人君 現段階、全国の自治体で課税ミスが一件でも見つかったところというのは幾らありますか。調査をしてもらうように頼んでおいたから、答えが出ぬとおかしい。
#96
○政府委員(湯浅利夫君) まことに申しわけございませんけれども、悉皆で調査をしたものは実はまだ持っておりません。いろいろと御相談の照会とか、そういうようなものを通じて幾つかの市におきまして課税誤りが出ているということは承知しているわけでございますが、悉皆調査という形で実はまだやっておりませんので、この点については今後善処してまいりたいというふうに考えます。
#97
○岩本久人君 先ほど私言ったように、税というものに対する住民の信頼をいかに確立するかということは永遠の課題だ、私はこう思うんですね。その意味からも、各県に聞けばわかることですから、早急に調査をされて、少なくとも自治省として把握しておく必要があると思いますので、そのようにやってもらいたいということが一つと、それから時効の過ぎたものについての対応の仕方がまちまちだというのは私は好ましいと思わぬのです。それについても私は自治省として統一をした指導をされることの方が望ましいと思っておりますので、その点についての御意見を伺いたいと思います。
#98
○政府委員(湯浅利夫君) 課税ミスの問題については、それぞれの自治体の課税事務の態様によりましていろいろとまちまちな状態が出てまいっておるものですから、これを一律に自治省として指導するというのがいかがかなという感じを実は私は今持っているわけです。それよりもむしろ、それぞれ出てきた問題というものに適切に対応するにはどうしたらいいだろうかという観点から考えていく方が実態に合うんじゃないかなということを今の段階では考えているわけです。例えば、課税資料の保存という問題を一つとりましても、ある団体では時効が過ぎた五年間でこれを廃棄してしまうというようなところもございますし、そうではなくてかなりの期間、時効過ぎても保存しているというようなところもあるというようなことで、それぞれの事務の実態も統一していないというようなこともございますので、これを一律に統一して指導するということが現段階でできるかどうか、むしろそれよりも課税の実態というものをよくお聞きした上でそれに合った措置を一緒に考えていくという方でどうかなという感じを実は今持っているわけでございます。この点については、よく御意見もお伺いして、今私の考えの間違っている点はまた御指摘いただいて、私ども善処してまいりたいと思います。
#99
○岩本久人君 私の持ち時間あと四分ありますが、年度末でありますので、過去一年間四分ほどオーバーしておりますので返上させてもらって、以上で終わりたいと思います。
#100
○委員長(野田哲君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分まで休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時十五分開会
#101
○委員長(野田哲君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#102
○野別隆俊君 私は、地方税法の一部を改正する法律案をめぐる諸問題についてこれから質問いたしますが、我が党の岩本議員から専門的な立場で深く突っ込んだ質問がございました。また、重複をする部分もあるかと思いますが、できるだけ重複を避けまして質問をいたしたいと思います。
 具体的内容に入ります前に、吹田自治大臣に地方自治と自治体の使命、地方財政の現状の認識、大臣の抱負等についてまずお伺いをいたしたいと思います。
#103
○国務大臣(吹田ナ君) ただいま先生お話しございました地方自治の使命の問題あるいは地方自治団体の現状の財政問題ということについてお答えをさせていただきますが、先ほどもお答え申し上げたんですけれども、地方自治体というものは民主主義政治の根幹でありますし、我が国の内政の基盤でもあるというふうに認識をいたしておりますし、近時の社会経済情勢の変化に対応しながら、住民の福祉の向上を図っていくために、国土の均衡ある発展ということに特に留意しなきゃならぬと思っておりますが、さらにまた個性豊かな地域づくりという問題を積極的に進めていくというのが地方自治体の使命でもあろうと思っております。
 また、地方の分権問題、地方分権を基本理念として地方公共団体の自主性それから自律性、こういったものを強化して、地方自治の一層の充実、発展を図ろうということがねらいとしておるところであります。
 ただ、財政問題になってまいりますと、現在なお六十八兆円を超える多額の借入残高を抱えておる状況でございます。財政支出の面では、社会資本の整備充実、高齢化社会への対応などの多額の財政需要がこれから見込まれるわけであります。特に単独事業等においての主体性を持っていこうということになりますと、その需要はさらに拡大していくであろうというふうなことも考えられます。したがいまして、今後とも地方公共団体の自主的主体性を持った地域づくりというものの推進、住民の生活に直結した、先ほどから申し上げる社会資本の充実整備、こういったことに力を注いでいきたいものであるというふうに思っているわけであります。財政問題につきましては、今申しましたようなことで、なかなか厳しい状況ではありますが、さらに一層の努力をしていかなければならない、かように考えておるところであります。
#104
○野別隆俊君 大臣の答弁で地方分権の確立をするという御答弁がございましたが、今日の政治はかなり偏った政治になってきている。それは何かと言えば陳情政治の弊害であります。陳情、陳情で政治を進めていくならば、せっかく組まれた予算まで変形していくようなことになるのではないか、こういう心配があるのであります。そしてまた、陳情政治の弊害は、金のあるところがどうしても強くなっていくということです。財政力のないところは陳情にもなかなか行けない。こういう状態の市町村もあるわけであります。町村長は行くけれども、大挙して行くようなことが過疎地帯などの町村ではできないのだ。そういう面から、この陳情政治に対する自治大臣の御見解をお伺いしたい。
#105
○国務大臣(吹田ナ君) 陳情政治ということで解釈すれば、決してこれは表現としましてはいいことではないと思っております。しかし、民主主義というものは世論政治ですから、世論を反映するんだという解釈からすれば決して悪いことではないと思いますが、今現実の姿で行われておる姿を、とかく私どもも陳情、陳情と申しますが、陳情政治だということであるとすれば、これはやはり改めていくべき多くの問題を抱えておる、こう思っておりまして、そういう点では確かに先生のおっしゃるとおりである。
 ただ、その世論を形成していく上におきましての一つの活動として、それを表現するという意味においての状況として把握すれば、決してそれを誤解してはならない、こう思いますが、ただ、そのために裕福な市町村は有利であって弱小町村が不利を見るというわけのものでもない。その点はそうきちっとけじめのついた問題でもないと私は思いますが、世論としての声というものは尊重する必要があるわけでございますから、陳情という言葉で表現することがいいか悪いか別にしまして、それを世論の声であるというふうに把握するとすれば、必ずしも私は否定するものではございません。
#106
○野別隆俊君 私も、陳情そのものがすべて悪いと言っているんではありませんが、陳情政治は世論を背景ということになれば、やっぱりどうしても数の多い世論の方を政治は取り上げるようになるんじゃないかと思うんです。そしてまた、一つ問題があるのは、行政の姿勢がはっきりしていないとどうしても政治家の力関係によっていろいろな事業が動いていく、こういうことがあってはならない。そういう面ではやっぱりぴしっとした市町村から県、国が積み上げられた行政でいろいろな判断をしてこれは決めるはずでありますが、場合によっては陳情政治によってゆがめられることがないとは言えないと思うんですが、その辺はどうですか。それを世論ということでおっしゃるかどうかということでありますが、私はそこら辺にやっぱり問題があると思いますが、どうですか。
#107
○国務大臣(吹田ナ君) これは非常に微妙な話ですから、誤解を招くと私も非常に困るわけですけれども、確かに一つのきちっとした物差しとしての行政の基準というものがあることは、これはもう承知しておりますし、また市町村にしましてもあるいは都道府県にいたしましても、そういったことは皆よく承知しておるわけでありまして、その点は行政に携わっておる者はそれを基本に仕事をしておるわけですから一番よく承知していただいておるわけですけれども、ただ許される範囲内の枠というものもあるわけでありますから、そういう面においての世論というものが反映することによってさらにそれにどのような考え方を持つかという、その両面から見ていくということも必要なわけでありますから、一概には悪いというわけじゃないと思うんですけれども、ただ力で強引にこれを曲げていくなどというようなことは、もう到底認めるべきところではございません。したがいまして、そういう意味における陳情政治というものの弊害であるということを指摘しておられるとすれば、それは先生のお話のとおりだと思っております。
#108
○野別隆俊君 この前ちょっと笑い話がございまして、陳情に行った。それも何人も行っているわけです。陳情に行ってもらった金と旅費とを計算したら旅費の方が高くなっているような陳情がございます。これは事実あるのであります、ですから、これは自治省としてはやっぱり公平な予算を組ませるためにも一定度の陳情については、陳情の費用というのは年間何百億じゃないでしょうか、自粛を呼びかけることが必要じゃないかと思うんでございますが、その辺はどうでしょうか。
#109
○国務大臣(吹田ナ君) 私どもも先生もよくそういう面には遭遇されると思うんですけれども、地方自治体が上京してこられるということは予算期になりますともう非常に多いわけですね。あるいは、年度末の事業配分の時期になりますと、これまた非常にふえてくるわけでありますし、そういう面につきましては痛感しておるところでありますが、確かに一極集中を排して多極分散型にしなきゃなりませんし、また国の権限と地方権限という面についての地方分権制度というものを確立しないとそういった形で問題が出てくるわけでございますから、さらにこれから自治省としましては、関係省庁にもまた御協議しながら、そういう点の弊害を取り除くように努力していかなきゃならぬ、こういうふうに思っておりまして、私も政治家としてそういう点については特に留意してこれからの政治活動をいたしたい、かように考えます。
#110
○野別隆俊君 次に、地方財政富裕論の問題についてお尋ねいたします。
 橋本大蔵大臣の大蔵委員会におきましての答弁の中で、平成二年度の地方財政収支見通しにおきましては、元年度、二年度に引き続き大幅財源余剰が見込まれております。以上のような状況からいわゆる地方交付税法第六条の三第二項に該当する事態であるという認識のような発言があっております。確かに税収の比率が高まって平均指数が四六・一%という高い指数になっておりまして、大蔵大臣の指摘のような地域も出ておりますから、大臣の御意見を私は真っ向から否定するものではありませんが、この高い指数があながち平均でとらえられると大きな問題でございます。大都市の指数の物すごく高いところがこれは背負っているのでありまして、そして同時に、最近県庁の所在市、工業都市、こういうところは大変指数が高くなっております。
 ことしの調査でも、地方税収比率が四〇%以上がどのくらいあるかといいますと六百八十六団体になっております。これは全体の二〇%、ここら辺が全体を背負い込んできているわけであります。しかし、全国の三千二百六十八団体の中で地方税の歳入構成比率を見ますと、三〇%以下の市町村は二千百十三ございます。全体の六五%であります。これはこの数年間の状態から見ると少しもよくなっていない。数字から挙げますと、そういうふうに悪い市町村がかなりふえているような状態にあるのではないか。それから、三〇%以上が千百五十五団体でございますから三五%であります。全体の六五%は三割自治以下でございます。特に問題なのは、二〇%以下の市町村がかなりあるのであります。千五百十二市町村あります。これは四七%です。二〇%以下がまさに半分近い数字になってきておるわけであります。
 それから、そういうところはまた公債費比率も非常に高うございます。平均一二、三、ほとんど一〇から一二、三のところに公債費比率もありまして、中には一五%を超すところも相当ございます。二〇%以上でもかなりな数がございます。まさに一部よくなっているところも、今までと違いまして行政改革や節減合理化を徹底して見直していく、そういう状態で、一定度保てるところもあるわけでありますが、こういった数字からいけば、全体の六五%というのは三割自治以下でございますから、これでなぜ地方自治体富裕論というものがあるのかということ、大蔵省の見解をまずひとつお伺いいたしたいと思います。
 それから同時に、自治大臣はこのことについてどう思っておられるのかお尋ねをいたします。
#111
○説明員(太田省三君) 今先生御指摘の点でございますが、まず地方財政を、先生も御指摘のように、マクロで地方財政計画ベース全体で見てみますと、最近の状況といいますのは、いわゆる公債依存度でありますとか公債比率等のフローの指標は以前よりもかなりよくなってきております。また、平成三年度の地方財政収支見通しにおきましても、元年度、二年度に引き続きましていわゆる財源余剰が大きなものが出ましたために、過去の債務の返済というようなことを進めまして地方の財政健全化策も講じてきておりまして、マクロでは非常に健全な財政状況になってきているということが言えるかと思います。
 ただ、ミクロで見ますと、三千三百ございますので中には今御指摘のように地方税収の割合が非常に低いとかいったことが多々あると思います。この点につきましては、いわゆるマクロの地方財政は最初に申し上げましたように健全になってきておるわけでありますから、ミクロにいかに配分をするか、いかにうまく地方団体間の財政調整といいますか、地方税収のあり方を含めましてそれをいかにうまく切り分けていくかという問題が今後の重要な問題であろうというふうに認識をいたしております。
#112
○政府委員(小林実君) 地方財政の最近の傾向につきましての御質問でございます。
 毎年度の地方財政対策におきましては、各地方団体が抱えております政策課題等に十分に対応し得るような財政措置を講ずることを基本といたしております。これも各年にわたりまして安定的に確保できるようなことに重点を置いておるわけでございます。ここ二、三年の傾向といたしましては、一つは地方財政の健全化を図ることに力点を置いております。それからもう一つは、歳出面におきまして、最近のことで言いますと、一極集中の是正あるいはふるさと創生関係の経費とか、あるいは公共投資基本計画関係の経費とか、あるいは高齢者保健福祉推進十カ年戦略に絡む経費等につきまして、補助事業も含めますが、単独事業につきましてもその充実を図ってきておるわけでございます。
 特に前者の財政の健全化の面で、五十年代あるいは六十年度以降増発を余儀なくされました地方債とかあるいは交付税特会の借金につきまして、ここ二、三年交付税特会の返済やあるいは財源対策債等の償還基金の積み立てをいたしております。その面をとらえまして、これは言葉の問題だと思いますが、大幅な財源余剰があるとかいうような言葉が聞かれたりなんかするわけでございますが、これは私どもといたしましては、過去地方がみずからの負担で借り入れた巨額の特例的な借金を解消するための措置でございまして、いわば地方財政の健全化を図るために講じたものでございまして、決して地方財政に何か財源余剰があるというような認識で行っているものではございません。これは歳出面におきまして、ふるさと創生あるいは社会資本の整備あるいは地域福祉の充実を図るために財政措置を講じておるのと同じレベルの評価をいたしまして行っているということを御理解いただきたいと思います。
 確かにここ二、三年、我が国の経済状況を反映いたしまして税収等が好調でございまして改善の兆しがあるわけでございます。健全化措置も行われておるわけでございますが、なお地方財政につきましては六十八兆を超える借金を抱えておりますし、今後やらなければいけない事業が山積をいたしておるわけでございまして、決して地方財政は楽観できる状況にはない、こういうふうに思っておるわけでございます。
 特に、御指摘がございました中で地方団体間の問題で、税源等があるところは非常によくなっているけれども、そうでない団体が大変ではないかというお話がございました。そのとおりであると思います。地方財政は、国と異なりまして三千三百の地方団体がございまして地域、背景が異なりますし、特に一極集中の結果一部の団体に特に税収等が偏って上がっておる、格差が拡大してきておったということにつきまして問題意識を持っておるわけでございます。今後とも、税収等が余り伸びない団体につきまして交付税その他の財政措置を講じまして、地域住民の要望、要請にこたえられるような財政運営ができるように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#113
○野別隆俊君 私は、さらに地方財政が危機に入っているということを裏づけるために、まことに恐縮ですけれども、これから少し私の県の問題を取り上げます。
 地方財政の非常に厳しい宮崎県、これはもう全国でも下から三、四番目ぐらいのところでございまして大変厳しい実態でございます。我が宮崎県は大変貧乏県ではありますが、人情味は非常に豊かなところでもあり、また日本のふるさとでありまして、歴史上からいきますと日本発祥の地でありますが、発祥の地でありながら大変厳しい地域であります。しかも、経済の中心が、我が国の国民を養うための食糧基地であり、また林業県でございますから林産物の供給県でもあり、そういうことですから第一次産業を中心にした県でございます。
 私も、本県の財政を見てびっくりしたんでありますが、四十四市町村の中で地方税収入比率が三〇%以下が何と三十七市町村であります、八五%でございます。これを昭和五十六、七、八年と比較をいたしてみても、これは全く前進味がない、一番厳しいときと変わらない。むしろ二〇%以下などはふえているというような状況であります。三〇%以下は、六五%が全国平均ですが、宮崎県の場合は八五%、しかも税収入が全国平均四六・一%でありながら、四〇%以上というのはわずか三市町村、七%でございます。ですから、大部分が二〇%以下の自主財源という実態でございます。
 しかも、一方では公債費比率がふえておりまして、高いところでは一八%にも上昇しています。二〇%以上が随分ありましたが、この一、二年は少し公債費比率が減っていることは事実でございますけれども、一七、八%、平均でやっぱり一二、三%という状態が出ているわけであります。
 私は、こういう状態を考えると、その原因を追及しないと、ただこれからよくなるんじゃないか、現実によくなりつつあるところもあるわけですから、そういうところと同列に考えられると困るわけでありまして、一次産業地帯は、まず農業でも林業でもでございますが、後継者が減っているわけです。高齢化が進んでいるわけであります。ですから、産業としての発展性というのは、一次産業ではこれから加工工場などがいろいろ検討されておるようでございますけれども、これはなかなか発展性の方向ではない。それから、一部の都市を除けば地価はむしろ下がっていくんじゃないか。税収の方も結局、若い人がいない、年寄りで生活保護もしくは年金生活、こういう人たちが林業、農業を支えてきているわけですから、新しい家もできない、税収も上がるようなものがない。こういうことでいきますと、これはますます深刻な方向に行くのではないか。これはひとり宮崎県だけではないと私は思うんです。
 例えば、九州の中にも幾つかあります、鹿児島もあれば大分、それから四国、東北、北陸、山陰、こういう同じような食糧供給基地のような地帯は、逆に深刻な方向に追い込まれていくのではないか。いわゆる日本の経済がこういった行政の中にも大きく二極分化をしていくのではないか。一極の方は数少ない市町村であって、二極の弱い方向に行くものの方が数が多くなっていく。今申し上げましたように、宮崎県の場合でも、もう既に二〇%ですよ、自主財源二〇%、三〇%じゃありませんから三割自治じゃない、二〇%以下が六五%も出ているという現実であります。
 そこら辺から見ても、財政の富裕論などということは私はどう計算しても出てこないと思うんです。さっきの話のように、一部の地帯はよくなっている。しかし、今大部分は悪い方向に進んでいやしないか。この辺をもう一回、そういうことは現実に数字で挙がっているわけですから、これらのところがどの程度あるのかでもいいですから、大蔵省、調べておればお聞かせ願いたいと思います。
#114
○政府委員(小林実君) ただいま宮崎県の市町村の例での御質問がございまして、六十三年度の決算をもとに、歳入に占める税収が三〇%未満の団体等につきましての御指摘がございました。確かに全国に比べまして宮崎県におきましては、税収の割合が低い団体が多い、また公債費の負担比率も全国の平均よりも明らかに高いというような結果になっておるわけであります。また、私ども最近憂慮いたしておりますのは、この間の国政調査によりまして、人口が減りました団体も数多く出てきておるということでございます。
 大きな経済の流れを変えるのは大変なことでございますが、そのような中で今言った御指摘の点を何とかはね返そうということで努力をしてまいっておるわけでございます。雇用増とかあるいは産業の振興とか重要なことにつきましては、国土政策あるいは産業政策の話でございまして、これは各省とも力を注いでおるわけでございます。私どもなりにふるさと創生というようなことで、今まででございますと財政措置もそうしていなかった分野の部面におきましても、地方債あるいは交付税措置をするような努力もしてきておるわけでございます。特に過疎地域におきましては、地域振興とか過疎対策、高齢化対策等々大変な問題を抱えておりますので、ふるさと創生関係あるいは過疎法なんかも改正をしていただきまして、起債の対象事業、対象範囲を広げていただくとか、あるいは起債の額もふやすようなこともしてまいりまして、何とか多極分散型国土の形成を目指して、さらにまた、各団体におきまして産業の振興なりあるいは雇用増に結びつくような施策を展開してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
#115
○野別隆俊君 この点について自治大臣にお伺いをしたいのでありますが、過疎地帯と申しますか、非常に財源の乏しい、そして財源がなかなか現状のままでは確保できない、しかし農山村では加工工場などをつくったり、これからやっぱり一次産品だけで出すんじゃなくて、二次、三次加工まで持っていって、そういうところに手当てをする、こういうことが私はこれから重要な施策の一端であろうと思います。同時に、当面やっぱり厳しいところは、私どもの田舎の人は借金で子供を学校出させても、働く場所はみんな東京とか大都市でございます。田舎は金を出すだけでございます。だから、ますます窮乏のどん底におり、その人たちがなかなか帰ってきてはくれない。こういう実態なんです。いわゆる人間養成所に山村がなっている。こういう状態でもございますから、これから大事なことは、山を守り農業を守っていかなきゃならぬ、それらに対する手当て、それから苦しい市町村に対する財政対策についてどのようにお考えか、お尋ねいたします。
#116
○国務大臣(吹田ナ君) 先生が宮崎県のことについて非常に愛県のお気持ちからるる御説明になりましたし、切実な問題として受けとめております。特に、日本国の発祥の地である、何と心得るかというようなお話でございますが、全く私もそういうふうに思っております。私は、その宮崎から豊後水道を通って出たところが山口県でありますから、そういう意味では大体同じ地域に先祖も生存をしておったんではないかな、こういう気持ちがいたしますが、いずれにしましても宮崎県が財政力が非常に低い、二六%前後であるというようなことは、私から見ましてもいかにも県としまして残念なことであります。
 特に第一次産業を中心としております土地条件から見ましての地域というのは、どうしても財政力に非常な大きな弱さがそこに露呈しておるわけであります。ですから、そういう点につきましては、自治省も今日まで基準財政需要額に対する不足分というものに対しては最大限の努力をして交付税で賄ってきておるわけでありますが、さらに今後そういう地域においては環境の整備というものを特段に配慮していかなきゃならぬと思うんです。いわゆる過密で環境が悪くなったところと、だんだんと人口が減少するという過疎問題、いわゆるその地域における環境の不整備というものからくるものと、二通り地方自治体にはあると思うんですけれども、宮崎県の場合は後者の場合、地域環境というものの不整備、社会資本の充実というものに対する不足、こういったものがさらに加速度化してしまうということも考えられます。
 そういった意味から、若人をその地域社会にとどめる、足をとどめて、そうしてその地域に貢献してくれる活力になってもらう、そういった考え方に立とうとしますと、これからは社会資本をさらに充実していかなきゃならぬと思うんです。そして、田舎におりましても、町におりましても生活の環境というものは同じなような態度で推進できる、こういった状況を実現していかなきゃならぬと思いますが、それにはよほど大きな公共事業や財政を必要といたします。これらについて、できるだけ財源を賦与していかなきゃなりません。私はそういった意味で、関係省庁の御協力もいただくように自治省からお願いもしなきゃなりませんが、自治省独自で配慮すべき財政的な面につきましては、これからも全力を挙げて御協力いたしたい。そうして、全国のそうした財政力の弱い地域社会に対して同じような、均衡化された条件をつくっていく必要がある、こう思っておりますので、今後いろいろな面がございますが、ぜひひとつそうした弱小町村、あるいは財政力の弱い県、これに対しまして御理解と御協力を願いたいわけであります。
 大蔵大臣がどのようなお話を大蔵委員会でなすったかということは承知いたしておりませんが、もしも大蔵大臣が地方財政というものは非常に富裕であるということをお話になったとすれば、それは私から言えば認識不足でありまして、私の方も大蔵大臣に対して、それは一般論としては違いますよ、そういう地域もありますよということを機会を通してお話を申し上げ、現実の姿というものは確かに大蔵大臣はよく承知の上で、私は何か言葉のあやでそういった発言をされたんであろうと思いますが、むしろよく承知でありますから手違いはないと思いますが、これからもまたひとつそういった点については大蔵省とよく協議をしながら、自治省が受け持っておる役割というものを御理解願う、こういうふうにしていきたいものだと思います。
#117
○野別隆俊君 大変御丁寧な答弁をいただきました。
 自治省は、全国三千二百六十八の市町村と、それから四十四県がバックアップをしている省でもございますから、またすべての団体が自治省の動き方に非常に関心を持っているわけでもございます。自治大臣は地方におられたわけでありますし、また大変勉強されて詳しい自治大臣でもございます。ぜひひとつ、吹田さんのこれからの御健闘を、そして今申されたような問題、ぜひ自治省独自の事業も考えていただきますように心からお願いをしておきたいと思います。
 次は、地価税に移りたいと思います。
 今回提案されております地価税については、さっき岩本議員からも御質問がございましたから重複をできるだけ避けますが、私は、この税は基本的には、シャウプ勧告でも明らかなように、当時の不動産、土地家屋税、これであると思うわけであります、この税の性質というものは。しかもこれは、土地の収益から地方の経費を賄うためにつくられたものがこの不動産、土地家屋税、こういうふうになってきたわけであります。世界の常識からいきましても、やっぱりシャウプ税制というものはその面では正しかった、この基本に沿ったものでなければならぬというふうにまだ今も考えているわけであります。また、市町村としてもこれに大きな期待をかけてきたと思うんでありますが、現実にはそういうことにはなっていません。これについて政府、大蔵省として、地方税的性格のものではないかというのを私はもうずっと考えてきているわけでありますが、なぜ国税にしなきゃならなかったかという根拠、これについてちょっとお尋ねをしたいと思います。
#118
○説明員(大武健一郎君) お答えさしていただきます。
 地価税につきましては、土地基本法を踏まえまして土地の資産価値に応じた負担を求める、そして土地の資産としての有利性を政策的に縮減するというような観点から設けることを考えたものでございまして、その意味で、地域を問わず国内において納税者が有するすべての土地の資産価値を合計しまして、その合計額に対し基礎控除を適用した上で負担を求めるもの、すなわち、納税者ごとに名寄せをする必要があるというようなこと。それから、評価につきましても、資産価値、すなわち時価に応じた統一的な評価水準に基づくということが適当だというようなことに照らしまして、国税として創設させていただくということを考えているところでございます。
#119
○野別隆俊君 この点は岩本さんからも質問があったようですから、これ以上申し上げません。
 次は、同じ地価税でございますが、今度の地価税は、土地価格を安定させなきゃならぬ、そういう面から創設されたと思うんであります。国民の期待といいますか、税制でこういったことを専門的に勉強されている方々も大体一%程度は取るべきだと、また国民の皆さんもそういうふうに思っていたと思います。最悪であってもやっぱり〇・五%程度は地価税というものは取って、所得の公平と土地をできるだけ国民に供給できる体制をつくろうということでありましたが、実際出てきたのは自民党税調の見解そのままであり、〇・三%、当面は〇・二%、こういうことでございます。しかもまた、土地の評価額も、平米当たりは非常に高く見積もられたまま出てきております。私どもから見ると、これは骨抜きになったんじゃないか、我々だけじゃありませんが、国民やマスコミまでそういうふうに取り上げてきたわけでありますから、この点についてどうです、大蔵省はこれで十分地価抑制の効果が上がると思われているのかどうか、この辺についてお尋ねします。
#120
○説明員(大武健一郎君) 地価税の効果につきましては、この地価税が毎年評価される土地の資産価値に応じて新たに毎年負担を求めるというものであること、それからまた、新税の導入に加えまして、固定資産税評価の一層の均衡化、適正化が行われるということになっていることなどから、全体としまして土地の保有コストの増大によりまして地価の低下、抑制あるいは有効利用の促進など、相当の効果が上げられるのではないかと期待をしております。それからまた、今回の地価税の導入といいますか、議論を通じまして、土地の保有コストについての認識を国民の中に持っていただけるということも今後の地価抑制に資するんではないかというふうに思っております。
 なお、今般の土地税制改革は、単に地価税だけでなく、保有、譲渡、所得すべての段階で土地の資産としての有利性の縮減ということに着目して改革を行っておるものでございまして、地価の抑制、低下につながっていくことが期待できるのじゃないかと思っているわけでございます。
#121
○野別隆俊君 まだ大分ありますから、時間がありませんので次に進みます。
 この問題では、昨年の十二月一日に自民党の税制調査会長であります塩川さんが朝日新聞で、税収の半分は市町村の財源として配分していくことが正しいという私案を示されたのでありますが、大蔵省、自治省としてはこのことについてどのようにお考えか、少なくとも税制の責任者の方がそういうふうに言われておるのでありますが、この点についてどうお考えか、お尋ねします。
#122
○説明員(大武健一郎君) 「土地税制のあり方についての基本答申」を昨年の十月三十日に政府税制調査会からいただきました。
 そこで、「土地税制の見直しは、土地に対する負担の公平を確保するとともに、土地の資産としての有利性を縮減し、もって、税体系における所得、消費、資産等に対する課税の間での均衡を図る観点から行うものであり、増収を目的とするものではない。そうした観点から、土地保有税(仮称)を創設する際には、所得課税の減税を合わせて検討することが適当である。なお、新税の税収について、その一部は所得課税の減税と合わせ、土地対策等に資するという観点から、歳出を通じ国民生活に還元することが適当ではないかとの意見もあった。」という御答申を実はいただいております。
 それを踏まえまして、さらに年末の答申におきましてもう一度、「土地税制の見直しは増収を目的とするものではない。土地保有税(仮称)による純増収分の使途については、」今申し上げた「基本答申の示した考え方に沿って、平成四年度の税制改正・予算編成時までに検討すべきである。」という御答申をいただいております。
 したがいまして、税調のこうした答申を踏まえまして平成四年度の税制改正・予算編成時までに適切に対処していきたいと考えているところでございます。
#123
○野別隆俊君 この問題については、さっきから論議をいたしましたように基本的には地方税的性格のものであるのでぜひひとつ、少なくとも塩川提案のような方向で政府としても検討して、最低この線は守る、こういうことでお進みを願いたい、これは強く要望をいたしておきたいと思います。
 次に、消費税について申し上げたいのであります。
 消費税は、そのままもう二年越しになるわけでありますが、両院の話し合いがつかないために結論が出ない状態で、このまま定着することになると国民の政治に対する不信、それから政治に対する不満というものは非常に強くなる。私どもが地方に帰りましても、何でこのままにしているんだ、こういう強い怒りの声を聞くわけであります。
 特に、国民が払った税金がずっと国庫に入らないままになっている益税。一年間もらった金が二回にしか入らない。そのためにその金で事業運営ができるという、事業を助けるような税制になっている運用益問題。それからいわゆる年金生活者や生活保護を受けている方々も大金持ちの人も同じ税金でございます、これは逆進性の非常に強い税制。所得のない人にまでこういう税金が、しかも国が所得保障をしている人も同じ税金を払えという税制ですから、これは当然見直すべきであると思うのでありますが、欠陥を背負ったままこの税制がひとり歩きをしているわけです。
 これは両院の問題はございますが、私は野党の廃止案、自民党の見直し案、この両方の起点から出発をして、自民党の見直し案でも一兆一千億円前後でございます。ここがやっぱり最低の基準に置かれて話し合いをすべきではないかというふうに考えているわけでありますが、これは何としても早く話し合いをつけて国民の期待にこたえていかなきゃならぬと思いますが、政府としてはこのことについてどのようにお考えか、お伺いをいたします。
#124
○説明員(大武健一郎君) ただいまの消費税についての問題でございますが、先生も言われましたとおり、百十八回国会におきます法案処理の結果を踏まえまして、与野党がその責任を果たすというお立場から、国会に税制問題等に関する両院合同協議会が設置されたわけでございまして、立法府として消費税の問題について結論を得べく御協議を行っておられるわけでございます。したがいまして、政府としまして税制問題等に関する両院合同協議会において消費税の必要性を踏まえつつ、国民の全体的、長期的な利益といった高い次元から協議が行われて、建設的、具体的合意が早急に得られるということを期待しているわけでございます。政府としましては、その協議会において具体的合意が得られれば、その趣旨に沿って誠実かつ迅速に対応していきたいと考えているところでございます。
#125
○野別隆俊君 この問題は、両院協議会専門者会議が行われております。二十四回も既にやられているわけでありますが、これから政府もひとつこれを積極的に推進して、この専門者会議の中で早急に結論を出していただくように要望をいたしておきます。
 次は、消費税の中の料飲等消費税、これは六十一年度に創設されて、標準税率百分の十から百分の三に引き下げられ、また宿泊、飲食等の免税点を倍に改正され、四千八百億円強の大幅な税率引き下げが行われた税目であります。さらに今回も、免税点五千円を七千五百円、宿泊を一万円から一万五千円、約五割程度の免税点の引き上げが行われ、六百億程度の減収が見込まれるわけでありますが、この減収になった分をどのように補てんされる考えか。特にこの税制は県税関係に非常に影響のある税収であります。これは以前は、県によっては財源の七%から一〇%を占めている県が相当数ある、いわゆる基幹的な地方の税目でございます。しかし、今日ではもう全く存在意義がないような税制になっているわけですが、この税制の六百億減税を補てんができるような税目を持っているのか、ここをお尋ねしたいと思います。
#126
○政府委員(小林実君) 消費税の創設に伴いまして、従来ありました地方の消費税につきまして、その関連で改正がされまして、改廃された部分があるわけでございまして、それは基本的には消費譲与税というものになりまして、そちらの方で補てんといいますか、されたわけでございますが、御質問の特別地方消費税につきまして平成三年度さらに見直しをお願いいたしておりまして、その六百億円の減収についてのお話かと思います。
 今回平成三年度におきまして、減収額約六百億を見込んでおるわけでございますが、これにつきましては地方財政計画の策定を通じまして、全体といたしまして地方財政の収支のバランスを図ったわけでございます。これによりまして、地方財政を円滑に運営できるように措置をいたしたところでございます。
 個別の地方団体によりまして減収の影響が変わってくるわけでございますが、これは特別地方消費税に限らず、税制改正がございました場合には個別の団体ごとに影響が変わってくることが過去におきましてもあったわけでございます。これにつきましては、交付税算定におきまして各地方団体ごとに基準財政需要額を算定し、それから基準財政収入額を算定いたしまして、その差額に応じまして減収の影響につきましては財政措置が交付税措置を通じてなされておるわけでございまして、それぞれの団体につきましては交付税の算定を通じまして、仕組みを通じまして減収額が補てんされておりますので、そういうことで御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#127
○野別隆俊君 さらに、今回特別地方消費税の五分の一に相当する額を納税地の市町村に交付する、この制度が新しく創設されたわけでありますが、これは私は当然のことだと思うんです。清掃から何から市町村がほとんどやっているんです、県は金を取るというだけのことでございましたから。しかし、これはやっぱりそうなればなるように根拠法などがはっきりしていると思います。そこで、五分の一というこの決め方について、どういう考えでこういうふうに決められたのかお伺いしたいと思います。
#128
○政府委員(湯浅利夫君) 特別地方消費税につきましては、今回免税点の引き上げの改正をお願いいたしますと同時に、ただいま御指摘のような市町村に対する交付金制度を設けていただくようにお願いしているところでございます。この点につきましては、御指摘のとおり、市町村から従来からも非常に強い要望がございましたが、その根拠となりますのは、やはりこういう関係市町村は観光客や何かがおいでになりますと、ごみ処理をしなきゃならぬ、あるいは消防、道路を整備しなきゃいけないとかというようないろんな行政サービスとの関連があるので、これに相応する経費を特別地方消費税から一部を交付してほしいという御要望であったわけでございます。
 かねがね要望がございましたけれども、今回の改正でこれを実施することでお願いをいたしておりまして、これを当面税収の五分の一をその納税地の市町村に交付をするということにいたしたわけでございます。五分の一という率は、数字的にこういうことで五分の一だというようなそういう性格ではございませんで、いろんな要素を総合的に勘案いたしまして、当初の措置として五分の一ということをお願いしたわけでございます。
 一つの参考となりましたのは、現在ゴルフ場の利用税につきまして、徴収額の十分の七をゴルフ場の所在市町村に交付しておりますが、この制度が最初に始まったときの率が六分の一という率でございました。こういう当初始まった率なども勘案し、都道府県の税収に余り激変が生じないようにという意味もございまして、まず当初発足の際五分の一ということからお願いをしたいと思っているところでございます。
#129
○野別隆俊君 時間が参りましたので、まだ固定資産税、地方財源問題がございますが、最後に一つお尋ねをしておきたいと思います。
 六十年から暫定措置で地方税のカットをされてきたわけでありますが、この七年間で七兆三千億円、これだけ地方の税金はカットをされてきたと私は思いますが、これは政府は後で認められれば認めて対応をしていただきたいのでありますが、こういうふうにカットが行われて、今後地方としては、さきも自治大臣からも話がございましたように、次々に大きなプロジェクトが入ってくるわけであります。公共事業、下水道をやらなきゃならぬ、公園もつくらなきゃならぬ、高齢化福祉をやっていかなきゃならぬ、たくさんな課題を抱えているわけであります。そういう状況でございますから、またこれから三年間ということをやられるともう十年間カットが続くことになるわけでありますが、何としても自治大臣、三年間待つことにならないように、途中で影響力の大きいものは全部もうもとに戻したよ、五十九年ベースに戻したよというような状態をつくっていただきたいわけであります。
 それと同時に、国の三税についても、今三二%の配分でありますが、これをやっぱりある程度高めて、地方分権の責務をうんと持たせるような地方の財源を確保するためには、国税三税の配分の三二%もひとつ三六から三八ぐらいまで引き上げる、こういうことをひとつ検討していただいて実現を図っていただきたいと思います。その点について最後にお尋ねをいたします。
#130
○国務大臣(吹田ナ君) 先生お話のことは本当に各先生方からも、衆議院におきましても地方行政委員会でも出ておりましたし、参議院の予算委員会でもこの問題は質疑として出ておりましたが、私もまさに願わくは一日も早く五十九年度の状態に復元すべきであるというふうな気持ちは同じ気持ちであります。
 ただ、やはり国の財政という問題もありますし、したがいまして一定の財政規模というものから算出してまいりますと、事業量をとるのかそれとも補助率を大幅にふやす方法をとるのかという問題になりますとなかなか難しいところであります。したがいまして、そういう意味では、今日の地方公共団体の責任者の皆さん方の御意見を私どもが直接聞いてみますと、何といってもやっぱり事業量をとりたいという気持ちが非常に強いものですから、事業量の方にある程度のウエートが置かれておる。したがって、六十一年度状態のところまで復元をしまして、この三年間というもので逐次是正できるものは復元できるように考えていこうということに今なっておるわけでありますが、確かに先生のお話しのとおりでありますし、今後も自治省としましては、やるべきことは関係市町村にたくさんあるということを承知しておりますから、そういう面で財政的に自治省でカバーできる点はまたカバーしながらこの点について努力をしていきたいものである、こう思っておりますし、残余につきましては、局長おりますから、局長から答弁をさせます。
#131
○野別隆俊君 じゃ、時間が来ましたからやめます。ありがとうございました。
#132
○常松克安君 冒頭からまことに申しわけございませんが、後ろの席に座っていらっしゃる方、昨夜の疲れをここでとるような格好にひとつならないように。私にとってはこの三十分間は戦場なんです。真剣勝負なんです。大臣のおつきのお二人見てごらんなさい、ぴしっとしている。メモとるでもなし、とらぬでもなし。その辺のところをひとつ深い御理解をいただいて、ぴしっとしていただきたいということを心を込めてお願いやら御要望を申し上げておきます。
 じゃ、質問に入ります。
 厚生省にお伺いします。十二月号のこの「税」という本の中で、三十六ページにこういうふうに字句がしたためられております、「高齢者保健福祉推進十か年戦略を推進するため、次の措置を講ずること」。言うならそういう施設の固定資産税を無税とする、非課税とする、こういうふうな要望をお出しになりましたか。
#133
○説明員(大塚義治君) 先生御指摘のように、私ども今後の高齢社会に向けての介護体制づくりその他、高齢者の福祉の推進のためにさまざまな施策を講じておるところでございますが、その中で、老人保健施設の整備というのが一つの大きな柱になっておるわけでございます。このために、国庫補助でございますとか低利の融資も実施しておるわけでございますが、あわせて税制面からもこれを促進する、そういう観点から、固定資産税につきまして平成三年度の税制改正要望の中でその軽減を図っていただきたい、こういうお願いをした経緯がございます。
#134
○常松克安君 それを受けて、自治省はどういうふうに協議されましたか。
#135
○政府委員(湯浅利夫君) 老人保健施設につきまして、厚生省から税制改正の要望があったわけでございますけれども、基本的には各省からその時期にはいろいろな形で税制改正要望が出てくるわけでございます。それを、それぞれの税制の性格を踏まえて実施可能かどうかということを判断させていただいて、それぞれの御要望に対する措置を決めさせていただくわけでございますが、固定資産税などの非課税範囲につきましては、御案内のとおり、固定資産税というものはその地域の市町村の基幹的な税目としてできるだけ広く負担を求めるという性格のものでございますので、極力非課税措置につきましては限定してお願いをするということをしているわけでございます。
 そういう意味から、今度の老人保健施設につきましても種々検討したわけでございますけれども、まず国や地方公共団体、健保組合など公的主体が所有して、かつ経営する老人保健施設については、これは病院と同様に非課税措置の対象となっているわけでございます。それ以外のものにつきましては、一つは病院との均衡というようなものを考えますと、税負担の公平の観点からこれ以上の非課税措置を拡大するということは慎重に対処すべきではないかというふうに考えたところでございます。しかしながら、高齢化社会の到来に伴いまして、老人保健施設の市町村の保健福祉サービスに占める比重が非常に高まってきているというようなことも考えまして、平成三年度の税制改正におきまして、現在非課税措置の対象となっていない医療法人などの設置する老人保健施設につきましても、その用に供する家屋、償却資産に限りまして、取得後五年間、固定資産税を四分の一軽減する減免措置を講ずるように、これは通達で市町村を指導したいということで、今いろいろと関係省庁とも御協議をし、詰めているところでございます。
#136
○常松克安君 まことに御丁寧な御答弁で、なるだけ簡要に縮めていただきますように御協力のほどをお願いします。
 じゃ、それに対して厚生省はのんだのですか。
#137
○説明員(大塚義治君) ただいま御答弁がございましたように、従来非課税となっていなかった医療法人に対しまして今回の改善措置が講ぜられるわけでございまして、現状では老人保健施設のおよそ三分の二は医療法人による経営でございます。そういう傾向を考えますと、今回の改善措置は今後の老人保健施設の整備の促進に寄与するものと考えております。またあわせまして、私ども、税制に限りませんで、国庫補助でございますとか融資その他の措置も鋭意実行してまいりたい、改善を図ってまいりたいと思います。
#138
○常松克安君 私はさようなことを聞いているんじゃないんです。満足しているのかと聞いておるんです。ですから、減免、非課税なら非課税を、今後ともそれを来年度も再来年度も要求して交渉する、これが十カ年の基本に対する厚生省の態度じゃなかろうか、かように思っているものですから。
 じゃ、自治省、もう一度お伺いします。この軽減は市町村において自主的に処理をするという事項になっておりますが、そうすると市町村は自主的に実施だから、私たちはもうお断りというところはなし、やるところだけ、手を挙げるところだけ、こういう意味でしょうか。
#139
○政府委員(湯浅利夫君) 基本的には自主的に行うということで、それぞれの市町村の御意思によって行っていただくということでございますが、私どもとしても通達でそれを各市町村にお願いするということをしているわけでございます。
#140
○常松克安君 この件について厚生省にもう一度申し上げておきます。答弁要りません。
 そういうことですから、固定資産税が減ると市町村は困るんです。ですから、市町村はこういうことで自主的判断ですから、私たちようやりませんと言ったらそのままなんです。そういうこともあり得ますので、通達だけでこの減免措置が生かされるということはまことに不可能な率が高いんです。このことをよく存念をしておいていただきまして、来年度、再来年度もこの辺のところの詰めをよくしていただきたい、こう申し上げておきます。
 じゃ、次にいきます。
 第二番目は、駐車場の減免措置についてでありますけれども、これは前大臣とここでの警察庁の駐車違反、これらをともにして、どうしても駐車場というものに対しては、これは早急に国家的な立場でやらなければいかぬ。しかし、その税の問題、そのときは課長さんでしたかどなたでしたか、そう一遍にいくというわけにはいかぬがと。大臣はそれをとめられて、たとえ事務当局がどう言おうとも、駐車場に対しては当然これは非課税という扱いにせぬことには大量のそういうものはつくり上げられないと、答弁を差し押さえられてまで大臣がおっしゃった経緯があるんですが、いかがでしょうか。
#141
○政府委員(湯浅利夫君) 私から事務的に御答弁させていただきますが、仰せのように駐車場の問題は非常に重要な問題だということで認識をしているわけでございますが、この駐車場につきましては、今回の税制改正におきましても、都市計画駐車場につきまして、従来地下式のものだけが対象になっていた軽減措置を、今回立体式の都市計画駐車場を加えるというようなことも改正の中に織り込んでいるところでございますし、また今国会に提出されております駐車場法の一部改正、この中におきまして市町村が新たに駐車場整備地区における駐車場整備計画を定めた場合には、その地区内の地下式、立体式の路外駐車場である届け出駐車場については、これは固定資産税の特例措置を講ずるということで、非常に程度の高い駐車場につきましてはそれぞれ軽減措置を講ずるということにいたしたところでございます。
 駐車場については、他方では青空駐車場や何かということで土地の値上がり待ちをしているんじゃないかというふうな御批判もございまして、そういう問題についても勘案いたしまして、今回の措置としてはこういうことをお願いしているところでございます。
#142
○常松克安君 答弁になってないと思います、私は。
 次に入ります。
 特別土地保有税の徴収実績及び免除額の推移について、六十三年度、平成元年度、数的に教えてください。
#143
○政府委員(湯浅利夫君) 昭和六十三年度の特別土地保有税の徴収額は七百七十八億円でございます。免除額は千八百九十四億円でございます。それから平成元年度でございますが、徴収額は九百六十二億円、それに対して免除額は二千六百六十七億円でございます。
#144
○常松克安君 その数字からどういうことを推理されるでしょうか。
#145
○政府委員(湯浅利夫君) 特別土地保有税につきましては、当初は土地の投機的取引の抑制ということを図る観点から土地の有効利用に関する視点が欠けていたわけでございますが、昭和五十三年度の改正によりまして、土地の有効利用をしている場合には特別土地保有税を免除していこう、こういう制度が導入されたわけでございます。
 この特別土地保有税の免除制度につきまして、これは土地の有効利用をしている以上は課税をする必要がない、こういう判断からこの制度は設けられたものでございますけれども、それが一部その運用の面で問題があったというようなこともいろいろ指摘されているところでございまして、この免除額というのは土地の有効利用をするということを前提にいたしますと、これは政策税制でございますからそういう免除額があるのもある程度うなずけるわけでございますが、その中にはそういう問題が指摘されている部分が入っているということを、私どももいろいろな御審議の中で御指摘を受けているところでございます。
#146
○常松克安君 少なくとも免税が徴収の二倍になっているということ。二倍。政策税制というものがこれは用を足していない、目的を達していないとも、切り口から言えるわけです。よって、NHKはプロジェクトをつくりまして、こういうふうな問題を検証しまして、「特例措置という免除制度が骨抜きにした土地税制に土地問題の解決策を見い出せるか? 特別土地保有税」こうなっているんです。
 こういうふうな観点に立って、一省だけに見解を求めるのは非常に酷なことでございましょうけれども、今日自治省の、こういうことが今回の土地高騰に関して十分な機能を果たせなかった、これに対しての反省はございませんでしょうか。
#147
○政府委員(湯浅利夫君) 特別土地保有税については、投機的土地取引の抑制と有効利用の促進というものを図るための政策税制としてこの制度をお願いしているところでございますけれども、有効利用をしているかしていないかという基準、こういうものについての、基準そのものの考え方ということについては一つの考え方が示されたわけでございますが、それの基準が果たして明確であったかどうか、あるいはその基準がうまく機能したのかどうか、こういう点についての反省は私どもにもあるわけでございます。特に、土地を取得して、そしてそれを有効利用しないで、例えば青空駐車場にする、あるいは資材置き場にするというような形で有効利用したと称してこの特別土地保有税の免除を受けていたというようなことも指摘されているわけでございまして、こういうことについての反省から、今回の特別土地保有税の見直しもお願いしているところでございます。
#148
○常松克安君 今、いみじくもみずからの言葉でおっしゃいましたが、駐車場、資材置き場等についての明確な基準というのが非常にあいまいであったがために、運用を各地方の方面に委任されたというようなことから、今日の一つの大きな混乱これあり。あるいはまた、次の建物をつくるためにこっちは買うた、地上げ屋。ところがこれを買わぬことには大きなスペースとれぬ。これを急遽駐車場にして次のものを待つ。このときに、やはりそちらの通達というものがどうしても、管理の状況及び具体の駐車の状況等を総合的に勘案すべきものであるという注があります。通達一、二、三という課長通達がございます。この辺のところが、今日大きなざる法と言われるようなゆえんにしてしまったという指摘があるわけですけれども、さあ、それでその反省がある。次は、見直しを今回お願いしておる。見直しではなく、一律課税の基本的な法ができ上がったところに一拠に戻す、この考えはいかがですか。
#149
○政府委員(湯浅利夫君) この特別土地保有税の政策税制としての機能をどう考えるかということにもよるわけでございますが、この税制は投機的土地取引の抑制を図ると同時に土地の有効利用の促進を図るという観点からもこの税制を活用したいというのが今の考え方でございます。そうなりますと、土地の有効利用をきちんとやったというところに対しましてこの特別土地保有税の課税を続けるというのは、これはいかがなものかな、こういう意味で、一律にこの免除制度をやめるということは、土地の有効利用の促進という観点からはこれはちょっと難しいんじゃないか。むしろ、現在行われている免除基準というものをもっと厳格にして、そして特に三大都市圏のような土地の需給の逼迫している地域につきましては、この免除基準というものを厳しいものにして、それで運用していく方がいいのではないかということで今回の改正をお願いしているところでございます。
#150
○常松克安君 じゃあ、今度は答弁求めません。求めませんが、一律課税に戻せない、もう一度、その基準というものはあいまい性を省いて改めて通達を出す、しっかりとしたですよ、そういうものを出すことによってこの見直しを少し見て、またそれがうまくいかなければ一巡という、もとに返すことも考えられる、こういうふうに自己判断して質問を終わっておきます。
 じゃあ次に行きます。
 前もってお断りいたします。文部省及び厚生省の方に、そこまで行かない場合はお許しください。
 次は、総務庁おいででございましょうか。じゃ、総務庁の方にまずお伺いいたします。
 今回お出しになりました中央交通安全対策会議の中心者はどなたですか。
#151
○説明員(内藤勇君) お答えいたします。
 去る十二日の中央交通安全対策会議におきまして交通安全基本計画を策定したわけでございますが、中央交通安全対策会議の議長は内閣総理大臣ということになっております。
#152
○常松克安君 しからば、この案文に事間違いがあれば内閣総理大臣の責任である、こう断定してもいいですか。
#153
○説明員(内藤勇君) お答えいたします。
 中央交通安全対策会議は合議体でありますが、議長である内閣総理大臣もその責任の一端を担っておるというふうに解されております。
#154
○常松克安君 しからば、高速道路におけるところの救急医療に対しての問題が前回から流れてきておるんですが、ここにも明確にされましたが、このものは四六の協議の決定、あるいはそれを確認した五一の決定、そのまま横すべりで載せているんですか。もしくは、各省庁の連絡会議を持ってきちっとした審議し直されたような――今様の時代に合わない、今までのことは。そのことによって改めておつくりになったことが流れているのか、お答え願いたい。
#155
○説明員(内藤勇君) お答えいたします。
 今回の交通安全基本計画策定に当たりまして、関係省庁あるいは関係団体から事前に事情を聴取し、あるいは協議をいたしまして、昨今の実情を踏まえた形の上でこの交通安全基本計画を策定しておるわけでございます。
#156
○常松克安君 じゃ、もう一度お伺いします。
 高速道路上におけるところの諸般の問題、特に救急医療についての責任所在は、高速道路公団なのか消防庁なのか、はっきりしてください。
#157
○説明員(内藤勇君) お答えいたします。
 先生御指摘の高速自動車国道におきます救急体制の整備につきましては、日本道路公団及び沿線市町村において実施することとされておるわけでございます。
#158
○常松克安君 どっちが上なんですか。どっちが主人なんですか。それをはっきり言ってください。今の答えではわからぬ。
#159
○説明員(内藤勇君) お答えいたします。
 原則的には沿線市町村において行うべきものと思われますが、日本道路公団が道路交通管理業務と一元的に自主救急をするという立場から、日本道路公団も救急体制の整備につきまして沿線市町村とともに相協力して行うこととされているというふうに解されます。
#160
○常松克安君 非常に小ざかしい言い方をして勘弁願いたいところがあるんです。といいますのは、これは大変なことを言っていらっしゃるんですよ。これから交通事故死が一万一千から一万三千予想される。年々ふえていくだろう。推測です。しかし、それを五年以内に一万名を切る、それに主眼を置かれて、いまだかつてない、救急医療が全面的にこの論題の中に入ってきたわけです。ドクターカーという問題の視点よりも、むしろ救急救命士を、国家試験を受けた人の処置を大いに待っていらっしゃる。しかし申し上げますが、しからばそういう調整の上にあるところの総務庁において、高速道路における約七百名の死亡者、これは三百名と二つに分かれるんです。この人たちが、この中でDOA患者が万が一にも救急医療の充実があったならば少しは救命率が上がったろうな、命が助かっただろうな、そこまでの研さんのものはこれは残念ながら無理なんです、そこでは。これは厚生省に聞き、消防庁に聞き、いろんなことを総合しなきゃいけません。しかし、そういうふうなここでの問題、一万名までにとどめるというような努力目標とまずしておきましょう。こんなことで、一々立てた目標が完遂できなきゃ責任どうしてくれる、そんなことじゃないんです。しかし、ここに至るまでは、物すごく大きな国家的見地の体制づくりというものがなくちゃこれは不可能と私は主張したいんです。
 そこで、おっしゃるように、例えば高速道路において両輪のように、一人に目が二つあって中心が見える、だから二つが協力し合う、こういうことだけで、縦割り縦割りで今まで制度上で難儀したものをこの命に関して一万以内におさめるということは、時代を、二十一世紀を超越するような物すごく大きなものがなくちゃならない。そういう意味で、じゃここで具体的に、失礼な言い方をしますが聞きましょう。
 例えば、救急ヘリが高速へおりるためには直径何メートルの面積が必要ですか。――いやいいんです、わからなきゃわからないでいいんです。そう言ってもらえばいいです、私が説明しますから。
#161
○説明員(内藤勇君) 現在資料を持ち合わせておりませんのでお答えできません。
#162
○常松克安君 失礼いたしました。それはこっちが通告していないから無理もございません。
 三十メーター必要なんです。今の東京消防庁のヘリがその地点へおりるのに直径三十メートルの面積がなくては、風圧、いろんな計算をいたしまして、飛行機の力学の上からいっておりられないんです。だから、そのおりる場所からしてこれはまだ論議はしていない。例えば、国際空港というところの成田にはあるんです。しかし、そちらで統括していらっしゃる大阪の伊丹、ここでは救護室はあってもそういうふうな救急医療にふさわしいものはセットはされていないんです。あるいは飛行機が九時間、十時間以上にフライトする場合について、そこにどういう立場の免許を所持した人が飛行機内におらなきゃならないか。それもまだこれから精査せにゃいかぬのです。そういうことにおいて、非常に御苦労かけますけれども、後日また予算委員会の方で総務庁長官にいろいろお尋ねしますから、よく精査の上でひとつ臨んでいただきますようにお願いしたいと思います。
 じゃ、質問を変えます。時間があと三分ですね。五分よろしゅうございましょうか。御支援をいただきましてありがとうございます。
 厚生省に簡潔にお伺いします。救急救命士法案の中でこの括弧六月というのは、法律ではいろいろ精査されていますけれども、国始まって以来の法律だと思います。この括弧六月について簡潔にお願いします。
 それから、第五番目にありますが、アメリカのパラメディックの試験を通った者が日本へ帰ってきたら、もしもできたらそれに対して救急救命士の試験を受けさせる。しかし、アメリカの教育内容は全部精査していらっしゃると思いますが、ある一点日本と全然逆なことを教えております。そういうようなことを知った上で本法案の中に入るのかどうか。
 それからあとは第三点目、気管内挿管につきましては結論だけ聞かせてください。これは一年たとうが五年たとうが絶対だめだというのではなくして、いろいろ慎重に検討し、そういうふうなものを訓練した上で何とか開ける道でのお考えが基本なのか。三点を簡潔にお願いします。
#163
○説明員(篠崎英夫君) 六月の問題でございますが、救急救命士を早期に養成、確保するため、同じカリキュラムの教育を六月の期間に短縮して行うことができる特例を設けたものでございます。
 それから外国の学校のことでございますが、外国でもアメリカ等、似たような時間数のところがございます。したがいまして、そういうものを個別に精査いたしまして受験資格を与えるものといたしました。
 それから気管内挿管につきましては、気道の確保の一つでございますが、気道の確保につきましては、専門家の間でも、これは非常に効果的だからぜひやるべきだという御意見と、そうではあるけれどもいろいろな二次的な障害もあり得るので慎重にすべきだというように御意見が分かれておるような状況でございますので、今後、具体的なこういう処置につきましては省令で書くことになりますが、専門家の御意見を承りながら、慎重にこの是非について、含めるかどうかについて検討してまいりたいと考えております。
#164
○常松克安君 簡潔に申し上げまして、この資格試験の括弧六月というのは、救急隊員の熱意のあるところを厚生省は深く理解してあげていただきたいと思うんです。普通の看護士とかはいろいろ春休み、夏休みあるし、土曜日は休めるが、これはそんなことじゃいかぬ。こんな立派なものを万が一つくっていただけるならば、我々は全力を挙げて、百名受けたら九五%合格するかしないか、問題はこの法案に対する我々の期待度をより示すことだと物すごく熱意が上がっておるんです。土曜日も三時間、週日一日七時間、休みもとらぬで一生懸命やって、一刻を待たれることなんです。こうしたことで、一千時間をお示しならば大体六カ月でいけるんじゃなかろうか、そこまでのことのきつい御要望を受けて今日この法案に入れていただきました厚生省の恩情に感謝するわけであります。このことだけひとつつけ加えさせていただいておきます。
 気管内挿管、ちょっと答弁は不満足なんですけれども、後ほどまたいたします。
 あと一点だけ、委員長よろしいでしょうか。――簡潔に申し上げます。
 文部省にお願いします。
 国立大学における救急講座の設置がなぜだめなのか、このネックになっておることをはっきりおっしゃってください。文書で通告してくれと、いただいた文書は全然答弁になっていないんです。
 なぜ救急講座が国立大学においてだめなのか。この救急問題が、病院はオーケー、救急救命士オーケー、ドクターカーオーケー。しかし専門医が全医者の一%しかいない、その突破口を文部省が全部握りつぶしておる、こういうふうなことにこれは必ずなります。そういう上に立って申し上げておるんです。なぜ救急講座が国立大学で設置困難なのか、それだけ教えてください。
#165
○説明員(草原克豪君) 現在七十九の医学系大学で救急医学に関する講座が設置されておりますのは、国立三、公立一、私立六の計十大学でございます。
 先生既に御案内のとおり、それ以外の大学におきましても、外科学あるいは麻酔学などの講座が中心となりまして実際には救急医学に関する授業あるいは病院の救急部における実習等が行われておりますが、この現状につきましては、私ども、救急医学については今後ますます重要になるというふうに考えておりまして、昭和六十二年に文部省で取りまとめた医学教育の改善に関する調査研究協力者会議のまとめにおきましても、今後要請が高まる分野というふうに位置づけております。私どもは、これに沿って各大学に教育内容の改善に取り組むように指導をしているところでございます。
 具体の救急医学に関する組織といたしましては、国立大学につきましては実はまだ附属病院において救急部が設置されていないところが残っております。私どもは、大学附属病院の救急部というのは実際の救急医療を体験する貴重な場であるというふうに認識いたしておりまして、病院における救急部の整備ということを当面優先させなければならないというふうに考えている次第でございます。
#166
○常松克安君 はっきり申し上げておきます。
 スクラップ・アンド・ビルドを大学に言うからできないんです。
 以上、結構です。終わりました。
#167
○神谷信之助君 時間の関係で、地方税法の方では固定資産税関係に絞ります。それから、国有資産等所在市町村交付金の方で一問お尋ねをしたいと思います。
 まず、今回の住民税減税が固定資産税の増収分に見合った額なんだという説明を聞いているのですけれども、それはどうしてそういう措置をなされておるのか、その理由、それをまずお聞きしたいと思います。
#168
○政府委員(湯浅利夫君) 今回土地の評価がえを実施することになるわけでございますが、これの増収分についてその全額を個人住民税の減税に充てるということにさせていただいております。このことは、一つは平成三年度の固定資産税の土地の評価がえというものが近年の地価の動向等を反映いたしまして大幅な上昇が見られている。これに伴いまして、このままいきますと固定資産税の増収が相当の規模になるということが見込まれるために、住民の地方税負担全体に配慮する必要があるのではないかということが一つでございます。
 それでは、なぜその場合に個人住民税を選んだかということにつきましては、個人住民税に対する国民の負担感が、やはり住民税は高いという声がかなり強いということもございまして、そういう国民の声に配慮する必要があるんじゃないかというふうに考えた点が個人住民税を減税する大きな理由でございますが、またこういうことの措置を講ずることを通しましてこの評価がえを円滑にやってまいりたい、こういうようなこともございまして今回の減税をお願いしているところでございます。
 なお、この減税の時期につきましては、減税効果を高めるというために平成三年度に一括行いたいということでございます。評価がえに伴う増収は、負担調整措置がございますので徐々にしか増収はございませんけれども、この点を思い切って前倒しして平成三年度に一度に住民税の減税を行いたい、こういう形で今回お願いしているものでございます。
#169
○神谷信之助君 固定資産税の方は、今おっしゃったように地価の高騰で物すごくふえてくる。急激な固定資産税の増額になる。この点で国民の不満が大きくなる。一方、住民税の方はこれは負担感が強い。けれども、これは全然課税対象が違うでしょう。課税目的も違えば課税対象も違う。それで相殺をしようとしても私は筋が通らぬと思います。だからこの点は後でまた触れていきたいと思います。
 今度やられた負担調整は新しい措置ですね、今まで三年で分割したものを五年にしてならすという。これもやはり大幅な地価の高騰に伴う負担の軽減措置という同じ理由によるわけですか。
#170
○政府委員(湯浅利夫君) 今回の固定資産税の評価がえに伴いまして、最近の地価の高騰を反映して大都市を中心にして相当の上昇率を見ているわけでございます。これをそのまま税負担に結びつけていきますとかなりの増税になってしまうということで、従来負担調整措置を宅地については一本化してやっていたものを、特に住宅用地につきましては負担の増加をできるだけなだらかなものにしていくという意味で、今御指摘のように三年目に評価額課税にならなくてもやむを得ないということで、できるだけなだらかな負担調整措置を講じさせていただいております。
 反面、法人所有の非住宅用地につきましては、最近の御論議にもございますように保有課税の強化という問題がございますので、従来よりむしろ負担調整措置を強化するというようなことで、宅地の中でその用途に従いましてきめ細かく配慮をするということをしたわけでございます。
#171
○神谷信之助君 質問のところだけやってください。いろんな余分を言われると時間がなくなるのです。
 そこでもう一つ知らせてほしいのですが、地財計画ベースで一九八二年の個人住民税及び固定資産税の額及び来年度の地財計画における個人住民税及び固定資産税の額、そしてその増減額、これを言ってください。
#172
○政府委員(谷口恒夫君) お尋ねの平成三年度の地方財政計画における利子割を除いたところの個人住民税の収入見込み額でございますが、八兆五千百八十四億でございます。それに対します昭和五十七年度の数字は五兆四千七百八十八億、一五五・五%、三兆三百九十六億円の増ということになってございます。同じく平成三年度の固定資産税の収入見込み額は六兆四千八百二十億円でございまして、昭和五十七年度は三兆二千百八十億円ございまして三兆二千十億円、一九七・六%の増というふうになってございます。
#173
○神谷信之助君 今の固定資産税の方は、自治省からもらったやつでは三兆二千八百十億となっているが、ひっくり返っているね、百八十ですね。
#174
○政府委員(谷口恒夫君) 百八十です。
#175
○神谷信之助君 はい、わかりました。
 それでは、これでわかりますように臨調行革が始まって十年たっています。その十年間に固定資産税は三兆二千億円余り増になりました。ほぼ倍増ですね、一・九八倍。それから個人住民税の方も、今回の減税措置を加えても約三兆円余りの増になっている。一・五五倍になっています。これは時間の関係でこちらで言いますが、いずれも同じ地財ベースで歳入総額の上昇率を見ますと一・五一倍ですが、それを上回っているわけです。その一方、国庫支出金の方は逆に二千億円減少の〇・九八倍、こうなっています。
 ですから、この臨調行革十年というのは、財政負担の側面から見ますと、明らかに国庫支出金を減らして、それから個人住民税と固定資産税などの住民負担をふやしている、これが実態だったということが非常に歴然としているというように思うのです。だから、とりわけ今度の地価高騰でそういう負担調整の新しい措置とか住民税減税をやらなきゃならぬということも、この十年間の経緯の中からもそういう措置をやらなきゃならぬというふうになってきたんだというふうに思います。断っておきますが、もちろん私どもは住民税減税あるいは負担軽減措置そのものに反対だと言っているわけじゃないということははっきりしておきたいと思います。不十分ではありますけれども、これは当然だというように思っています。
 そこでお聞きしますけれども、住民税減税をやれば、来年度は昨年に比して個人住民税は全体として減額になりますか、増額になりますか。どのぐらいの増額ですか。
#176
○政府委員(湯浅利夫君) 平成三年度におきます個人住民税の税収見込みは、前年度に比べまして減税後におきましても増収の予定でございます。
#177
○神谷信之助君 幾らですか。
#178
○政府委員(湯浅利夫君) 道府県民税におきまして一三・六%、それから市町村民税におきまして六・九%の増加見込みでございます。
#179
○神谷信之助君 自治省の話ですと、六千七百七十五億円の増収になるようです。だから五千五百五十五億円個人住民税の減税やったといっても、それを引いてもらってもまだ六千七百七十五億円も住民税は増収というんですか、市民の側からいったら増税になっているというのが実態です。だから、減税分より増収分の方が上回っているんです。これは、最近本格的な住民税減税がやられていない、それがたまりにたまってきているということも証明しているというように思います。
 そこで大臣にお伺いしますけれども、今申し上げましたように、最近は本格的な住民税減税はやっていない。固定資産税の方は、先ほど言いましたように、この十年間にほぼ倍の三兆二千億円もふえてきている。個人住民税も、減税措置を加えてみても約三兆円余り増税、税収としては増収になっています。こういう状態で、それで固定資産税が大幅に上がるから、冒頭も言いましたように、違う課税対象です、税金払う人が違うんだから。その住民税減税をほぼ同じぐらいやるからそれでのど元を通りやすいようにするといったって、これは話が筋道が合わぬというように思うんです。
 大体地価高騰の犯人というのが土地投機で大もうけをした大企業であり金融資本であることはもうはっきりしているんです。それだけではなしに、民活路線と金融緩和政策を進めてきたところの政府の責任も極めて私は重大だと思うんです。ところが、そっちの方の犯人の方はほったらかしで、被害者である一般住民の方が固定資産税の負担が大きくなってくる。だから負担調整もしなければいかぬという状況が生まれてくる。これは道理に合わぬやり方です。違うんだから、課税対象が。
 したがって、多くの市町村議会でも凍結の意見書が出ているし、請願も国会にたくさん出てきます。地方議会でもたくさん請願が出されている。あるいは新聞の投書欄を見ましても、被害者の我々が何で増税、税金をようけ出さなければいかぬのかという趣旨の投書もあちこちに出ているんです。したがって、これを解決しようと思ったら、住民税減税で肩がわりしようというのは筋が違うんで、凍結する以外にないというのが我々の主張なんです。これはやる気があったらやれるんで、過去にもその前例はあるわけで、この点についてひとつ大臣の見解を聞いておきたいと思います。
#180
○政府委員(湯浅利夫君) 事務的に私からまず答弁させていただきたいと思います。
 まず、住民税減税が最近本格的にやられていないんではないかという御指摘でございますが、私から申し上げるまでもなく、最近におきまして、昭和六十二年度において平年度ベース約六千六百億円の減税、それから六十三年の税制改革を行った際の住民税の減税として、平年度ベース九千四百億の減税を行いました。これらによって、諸控除の引き上げ、あるいはそれまでは税率段階区分が非常に多かったんですが、これを簡素化するということもやってきておりますし、今回さらにそれに上乗せして平年度約六千五百億の減税をお願いする、こういうことでございまして、住民負担の軽減のための住民税減税につきましては、私どもは機会あるごとに努力をしているつもりでございます。
 また、固定資産税の評価がえに伴うものと住民税の減税とは性格が違うではないか。これは仰せのとおり税目が違い、その税の性格が違うわけでございますから、固定資産税の負担の増加が即住民税の減税に結びつく、一人一人の個人について見た場合にそういうことはもともと予定をしていないわけでございます。ただ、今回の固定資産税の評価がえに伴って税収が平年度ベースで非常に多くなる。このことは地方税負担全体が国民経済にとって大きくなり過ぎるんじゃないか、一挙に大きくなり過ぎるんじゃないか。それをやはり調整する必要がある。その調整を何でするかということでいろいろと検討した結果、個人住民税が非常に負担感が大きいということで、これを特に選んでこれに全額この増収の財源を充てるということにしたわけでございます。
 したがいまして、固定資産税の評価がえに伴う法人の分、法人からいただく増収分もすべて個人住民税の減税に充てる、こういうような形で、これは政策的な一つの選択としてやらせていただいたものでございまして、御指摘のように個人住民税の減税と固定資産税の評価がえの増収が、これが常に論理的に一致するものだということを私ども主張しているものではございません。
#181
○神谷信之助君 大臣の答弁の前に、今住民税減税をやったとおっしゃるんだけれども、個人住民税で、年間の地財ベースで、収入分というんですか、収入予定総額というのは一遍も、どの年度をとっても減っていませんよ、毎年ふえています。減っているのは法人住民税で、六十二年度が六十一年度に比べて約二千億ほど減っています。だから、私が言っているのは、前年に比べて個人の住民税減税で収入が実際減るというぐらいの本格的な減税というのは最近ないじゃないか、やっても全部実際には入ってくる税金はふえてくる、だから違いますよと言っているんです。もうそれはそれでいい。これ論争していたんじゃ時間がない。事実そういう数字なんだから。
 それで大臣に答弁求めます。
#182
○国務大臣(吹田ナ君) 先生がおっしゃることは私どもが言わなきゃならぬ立場から見ると非常に不思議に思うんです。一般サラリーマンのいわゆる資産は持ってなくってもその住民税を減税しよう、こういうわけですから、資産を持っている法人……
#183
○神谷信之助君 いや、住民税もっと減税せいと言っているんだよ。
#184
○国務大臣(吹田ナ君) それは減税をするにこしたことはありませんが、やはり財源の問題ですから、そうめちゃめちゃにそんなことを言ったって、それだけでも大変な振りかえを住民税の方にやっているわけでありますから、これは資産があるなしにかかわらず住民税の方の減税をやるわけでありますから、それ以上の減税をさらにまだやれというのについては、これはまた時間的な余裕をいただかなきゃならぬ、こう思っておるわけでありまして、今回のこの方法は、三年分を前倒しでやるわけですから、私どもは非常な善政だ、こう思っているわけです。
#185
○神谷信之助君 どうも大臣はよく話を聞いてないんだな。私は住民税減税をもっとやれと言っている。話が違いますよ、固定資産税をこっちへすりかえてごまかしたってだめですよと言っているんです。固定資産税は固定資産税の問題で処理しなさい、それを処理しようと思ったら凍結以外にないじゃないか、そういう要望も多いじゃないか、こう言っている。住民税減税は、そんなみみっちい五千五百五十五億というようなことじゃなしにもっとやるべきでしょう。十年間でこんな二倍にもふえているじゃないか、だから思い切って住民税減税をやりなさいと言っている。そういうことを言っているんですから、全体の予算の中でどうするかというのは、それはあなた、大臣の仕事ではないか。我々の言っているのは、軍事費をもっと減らしたらいい、要らぬものを。そんな戦争の準備なんかする必要ない。それを削ったら、半額にでも減らしたらあなた、すぐにばーんとできるんだから。
 次は、土地評価の問題に移ります。
 これは午前中にも同僚議員からいろいろ出ていましたが、土地の公的評価として国土庁の地価公示、国税庁の相続税評価、自治省の固定資産税評価、この三つがある。そこで、国土庁の公示価格を一〇〇といたしますと、それぞれ一体どういう水準になるのか、国税庁及び自治省の方から答えていただきたいと思います。まず国税庁そして自治省というふうに言ってください。
#186
○説明員(品川芳宣君) お答えいたします。
 相続税における土地の評価に当たりましては、従来から地価公示価格との均衡を保つよう努めているところでございますが、土地の価格には相当の値幅があり、その他……
#187
○神谷信之助君 いやいや、何ぼになるかという数字だけ言うたらいいのです。理由は後で聞きます。
#188
○説明員(品川芳宣君) はい。
 そういうことで、地価公示価格と同水準の価格の七〇%という評価割合をめどとしてかた目の評価をしているわけでございますが、平成三年分の評価額につきましては、土地評価の柱となっております都道府県庁所在四十七都市の最高路線価の平均について見ますと、地価公示価格と同水準の価格の六九・八%となっておりまして、めどとしている水準にほぼ達しております。
#189
○神谷信之助君 自治省。
#190
○政府委員(湯浅利夫君) 平成三年度におきます宅地の、指定市町村でございます県庁所在地の最高路線価と平成元年の地価公示最高価格との割合は、全国単純平均で三六%でございます。
#191
○神谷信之助君 それぞれ使用目的が違いますから違いが出てくるのはわかるんですが、その違いが出てくる原因は一体どこにあるのか。どうお考えになっているのか。違いがあるのはわかっていますよ。それぞれ、取引上の問題とか固定資産税の性質の問題とか相続税の性質とか違いますから、だからその違いはわかっています。違いがわかった上で、それはどこにあるのか、この辺はどうお考えですか。国土庁、国税庁、自治省というふうに順番に言ってください。
#192
○説明員(生田長人君) お答え申し上げます。
 地価公示制度につきましては、先ほどお答えいたしましたように、一般土地取引に対しまして適切な指標を与えるという目的のほかに、収用における補償金の算定に資するといった目的を持っておりまして、したがいまして地価公示制度におきまして公示する正常価格は、合理的な市場で形成されると考えられております市場価値を適正に表示したものと考えております。
 これに対しまして、相続税評価、固定資産税評価につきましては、課税のための評価という目的から、先ほど先生御指摘のとおり、それぞれの税が持っております性格であるとかあるいは歴史的な経緯であるとかあるいは評価方法等の違いを反映いたしまして現在の状況になっているものと理解しております。
#193
○説明員(品川芳宣君) お答えいたします。
 相続税におきます土地の価格は、相続税法第二十二条の規定によりまして時価によって評価することとされておりますが、その時価とは客観的な交換価格を意味するものと理解されるところから、その評価に当たりましては、一般の土地取引における取引価格の指標等となっております地価公示価格との均衡を保つよう努めているところでございます。しかしながら、相続税の土地の評価におきましては、課税上のものであるとともに、土地の取引価格には相当の値幅があることを考慮いたしますと、ある程度評価上の安全性にも配慮する必要があると考えられますので、前述のように地価公示価格水準に対する評価割合を七〇%として評価に努めているところでございます。
#194
○政府委員(湯浅利夫君) 固定資産税の土地の評価につきましては、評価基準によりまして、売買実例価格から不正常な要因を除いた正常売買価格に基づいて評価をするというのが基本的な評価の考え方でございます。
 一方、固定資産税については、毎年継続して土地を保有するということを前提にいたしまして税負担を求めるということでございまして、そういう意味から土地を売却して税負担を求めるという性格ではもともとないというようなことから、最近の地価高騰などの影響を受けまして大都市周辺におきましてはかなり地価公示との間で不均衡が生じてきたということが言えようかと思うわけでございます。この点を今後適正化の対象として均衡化、適正化を図っていくということを今考えているところでございます。
#195
○神谷信之助君 それでは国土庁に聞きますが、市場価値を中心にして決定をするという評価をしておられるんですが、これには期待価値とか投機の要素とか、そういう不正常な取引の価格というのはどの程度含まれているんですか。含まれていることは含まれているんでしょうか。
#196
○説明員(生田長人君) 地価公示価格につきましては、投機的な要素につきましては事例の収集の段階から排除せよというぐあいに言っておりますので含まれていないというぐあいに考えておりますが、将来の効用増といいましょうか、そういうものにつきましては、当然近傍類地の取引価格からの比準あるいは地代あるいは収益から算定される収益価格の中には入り得るというように考えております。
#197
○神谷信之助君 それから国税庁の方に聞きますが、国税庁の方は取引の値幅も考慮して評価上の安全性を判断して七割と言う。それで、七割ということは、それだけの値幅があってその中には流動性があるということは、期待価値もあれば投機的要素もある。そういった部分は除いているというように理解していいですか。
#198
○説明員(品川芳宣君) お答えいたします。
 私どもで評価割合は一応七割をめどとしておりますということは、一つは相続税と申しますのは現在の法制度のもとでは死亡してから六カ月以内に納付しなければならないという建前になっておりますので、その六カ月以内に納税するためには売り急いで土地等を処分しなければならない場合もある。そういうことを考慮して評価額が処分価格を上回ることのないようにというふうな安全性を見ることが最大の理由でございまして、先ほど御議論のありました投機取引云々という問題につきましては、私どもは公示価格を一つの基準にしておりますので、そういうレベルのもとで先ほど申し上げましたような客観的な交換価値が地価公示価格の中であらわされているものであろうということで、それに対して七割程度のめどで比準しているところでございます。
#199
○神谷信之助君 簡単に言うたら、結局売り急ぐ要素が非常に強い、それを考慮せざるを得ないということでしょう。
 そこで、今度は自治省に聞きますけれども、先ほどからも出ておりました土地政策審議会の昨年十月の答申、これで「公的土地評価の均衡化、適正化」として、「地価公示、相続税評価及び固定資産税評価の公的土地評価については、相互の均衡と適正化を図るべき」だ、こういうように言っておりますが、具体的に自治省としてはこれにどう対処しようとされますか。
#200
○政府委員(湯浅利夫君) 固定資産税の評価につきましては、先ほど申しましたように、地価高騰下におきまして、大都市地域を中心に地価公示価格との乖離が非常に目立ってきたというようなことでございまして、今後公的土地評価の相互間の均衡と適正化を図るように努めるべきだと答申にもございますし、もともとこれは一昨年の十二月に成立いたしました土地基本法の第十六条の規定によりましてこういうことに努めるということになっているわけでございますので、この趣旨に沿いまして固定資産税の土地の評価につきましても一定の均衡を図る。その場合に一つの目安といたしまして地価公示価格の一定割合を目標にして均衡化、適正化を図るように努めたいということをことしの一月の二十五日の閣議決定で決めていただいているところでございます。
 この一定割合の中身につきましてはこれから十分詰めていかなければなりませんけれども、昭和五十年代におきましては地価が鎮静していたということもございましてやはり七割程度の率を確保していたわけでございますので、こういうものが一つの参考になるのではないかということにはなるわけでございますが、この点については今後よく検討いたしまして決めてまいりたいということでございます。
#201
○神谷信之助君 ちょっとおかしいのじゃないですか。先ほど言いましたように、それぞれ使用目的が違うし、だから評価の仕方も違ってくる。それはそれなりに私は、その程度はどうかという問題は別にしても、合理性はあると思う。ただ、それの均衡と適正化を図れと。そこで、今度は相続税の地価公示に対する七割という目安、これを一応の一定割合の目安にしてこれから研究したいと。だけれども、相続税の方の七割というのは早く売らなきゃならぬという状況が加味されて、いわゆる売り急ぎの状況にある、こっちの固定資産税の方は継続して保有している、そういう状況であるという。全然違うわけです、一つの土地という物件について。それを七割に近づけるというのはどうしたって理屈が立たぬと私は思うんだけれども、いかがですか。
#202
○政府委員(湯浅利夫君) 仰せのように、相続税の評価の考え方と固定資産税の評価の考え方とでは、これは考え方が違うわけでございますので、これを無理に一致させるというつもりは私どもございません。そういうことで、固定資産税の評価を考えていく場合にも、しかし同じ土地の評価をするということでございますれば、やはりそれなりに公的土地評価の間に一定の均衡を図るべきではないか、当然均衡が図られてしかるべきではないかという議論も、これもまた素直に考えればそういうことになるわけでございますので、この間の均衡をどういうふうに考えていくかということだと思うんです。
 それは地価公示価格の一定割合というものを一つのめどにするということで、地価公示そのものも地価が今後安定していく過程でいろいろな改善も講じられていくというようなことも一つにはあって、それからまた固定資産税においても、不正常要因というものの算定の方式というものをもっと合理化していくというようなことも考えながら、やはり一定の均衡というものを考えていく必要があるだろう。そういう意味で、公的土地評価の相互の均衡を図るという点で私どもも一つの努力をしていかなきゃならない。その努力の仕方として、地価公示価格の一定割合を目標にしたいということでございますが、一定割合については、これは相続税とは別の観点から、やはり固定資産税独自のものとして検討していくべきものでございますので、議論の過程では七割というものも出ましたけれども、これは七割というものにこだわらずに、専門家の方々の御意見も聞きながら、できるだけ早い時期に一定割合の内容を詰めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#203
○神谷信之助君 先ほど地価公示に対して三六%、結局いずれにしても三六%から七割までいくかどうか、それに近づいていくということには間違いないわけですか。
#204
○政府委員(湯浅利夫君) 公的土地評価の相互の均衡を図るという場合に、その均衡というものをどういうふうに考えるかということだと思うのでございますが、私どもはこの均衡を地価公示の二割とか三割とかというようなところで求めるべきものではないんじゃないか、また地価公示というものはそれほど高い水準でこれからも続けられるというものではないんじゃないかというようなことを考えますと、それなりにやはり均衡化を図るための数値というものは出てくるのじゃないかというふうに考えているわけでございますが、いずれにしましても地方におきましては既にかなり高くなっておりますが、大都市地域におきましては現在かなり地価公示に対して低い水準でございますので、これを一定割合に上げていくということになりますと相当の評価のアップになるということは言えようかと思います。
 しかし、その評価は評価といたしまして、それをそのまま税負担に結びつけるかどうか、これはまた別の問題でございます。これを税負担にどう結びつけるかということについては、負担調整措置をどうするか、あるいは住宅用地に対して講じられている現在の特例措置はこのままでいいかどうかというようなものを含めまして総合的に検討いたしまして、特に住宅用地については負担の急増にならないようなそういう措置を当然講じながら評価の均衡化、適正化を図っていかなければならないものだと考えております。
#205
○神谷信之助君 いや、固定資産の評価について、自治省の今までの説明では、売買実例によります、しかしその中から不正常な取引、投機的な要素だとかあるいは期待価値とか、そういったものは省きます、だから今自治省のやっている固定資産の評価は正常な取引価格でございます、こう言っているんです。正常な取引価格というものを上げる、今の三六を五〇なら五〇に上げる、これは不正常な取引も一部取り込みますよと。
 あなた方の方からもらった資料で土地係数を出しています。そうしますと、国民総生産に対する土地の資産総額というものが上の線でだあっと上がっていくわけだ、これはもう御承知のとおりです。ところが、それに対して、国民総生産に対する固定資産税の土地総評価額というのは大体ずっと真っすぐになっておる。アメリカの土地係数も同じでございますという資料をくれているわけです。だから、私ども自治省がやっている固定資産の評価は極めて正常な評価であって、しかも一定の水準を保っております、若干のでこぼこがあるにしても、ここはやっているんだよと。
 これを今度はここへこういうふうに上げるというわけだ。この間の差額というのは、言うたらバブルでしょう。投機の要素とか期待価値だとか、そういったものが、いわゆる自治省が言っている不正常な取引の価格が入っているから、これをこう上げるというならそれを取り込むということだ。それじゃ今まで自治省の言ったのは間違っているのか。変えるのかね。
#206
○政府委員(湯浅利夫君) 土地の評価につきましては、固定資産税の評価の考え方をいろいろと検討すると同時に、先ほど来お話のございますように、地価公示に対する考え方、これにつきましてもいろいろと御意見が出て、それを踏まえて改善をしていこうという動きがあるというふうに私どもは聞いております。現に昨年の十月二十九日の土地政策審議会の答申の中で地価公示についてのいろいろな御意見も出ているわけでございまして、こういうものを踏まえて、地価公示は地価公示そのものの中で今までの考え方をだんだんと見直して、そして評価をしていく。その中では、不動産鑑定基準も見直していこうというようなこともございます。こういうようなことで、今までの延長線上で地価公示をやっていこうということでは私どもはないというふうに理解しているわけです。
 そうなりますと、固定資産税の評価の考え方というものとだんだんとすり合わせがくるんじゃないか。地価公示の制度の見直しあるいは改善というものを踏まえて、私どもは私どもなりに固定資産税の今までの評価というものについての反省を込めて、全体として均衡をとっていくようなことを考えていく、こういうことが言えるのじゃないかと思いまして、公的土地評価を、固定資産税だけを近づけていくというふうに考えられますと、何か今までと変わったことをやるということになるんだと思うのでございますけれども公的土地評価それぞれがやはり均衡化のための努力をしていくということがこの土地基本法の規定の中に出ているわけでございますから、そういうことを踏まえて私どもは地価公示に対してこれからいろいろと御意見も申し上げていきたいと思っておりますので、そういうことでだんだんと均衡がとれてくるものだと思っております。
#207
○神谷信之助君 性格が違うんだよ。地価公示の方は、先ほども話があったように、用地買収の価格にもなっているんでしょう。だから、それは実際に、ある程度そういったいろいろな投機的要素を排除するといっても、含まざるを得ない。そうでないと売ってもらえない。実際の取引の一つの保証にもなる。だから違うんだよ。税の方の評価と、相続税及び固定資産税の評価の問題と地価公示とは違うんだよ。それに合わそうというのは、違うものは違うものとしてバランスをとるわけです。違っている方がバランスがとれているんだよ。水平にするのがバランスがとれているんじゃない。そこをやっぱり一つはっきり申し上げておきたいんだ。
 それからもう一つは、先ほど午前中の同僚議員の質問に対する答弁の中にも出ておりましたけれども、したがって自治省自身も今までの評価方式でいいのか、先ほども局長から出ていたけれども、収益還元方式を入れるかどうかというような意見も出ているという話だったが、そういったいろいろなことをもう一遍この際考えてみてやってもらいたい。いずれにしても、地価公示価格を基準にしてバランスをとろうとすれば、どうやっても現在の評価額は引き上げる方向に働かざるを得ない。それは自治省の今まで言ってきた理論の自殺行為になる。我々は、それを認めるわけにいかぬという点を申し上げておいて、次の問題に移ります。もう時間が余りありませんから、あとの問題は具体的な問題なので簡潔にお願いします、事前に通告、説明をしておりますから。
 一つは、兵庫県赤穂郡上郡町の播磨自然高原カントリー倶楽部の私道部分の償却資産の問題。これは、地方税法の第三百四十八条第二項第五号の「公共の用に供する道路」、これについてお聞きしますけれども、まずこの部分の償却資産について「事業の用に供する」かどうかという問題で照会があって、自治省は回答されたようですが、その内容を簡潔に結論的に答えてもらいたいと思います。
#208
○政府委員(谷口恒夫君) 御質問の私道の課税の件でございますが、兵庫県を通じましてその実態については聞いておるところでございます。
 お尋ねのとおり、上郡町内にある播磨自然高原カントリー倶楽部、播磨興産という株式会社が所有する私道でございますが、舗装済み部分が十六・五キロ存在するというふうに聞いてございます。地方税法三百四十八条第二項第五号の「公共の用に供する道路」にこれが当たるかどうかというのが焦点でございます。もしそれに当たるということになりますと、固定資産税が非課税ということになるわけでございますが、上郡町あるいは兵庫県を通じて聞きますと、その実態は当該道路にゲートを設けている、あるいはその管理を行っている等々、非課税の対象となる「公共の用に供する道路」には該当しないのではないかというようなことの報告を受けておるところでございます。
 なお、申しわけございませんが一言。先ほど私が御答弁申し上げました地財計画の昭和五十七年度の固定資産税の数字を先生から御確認ありましたのに三兆二千百八十億円と申しましたが、三兆二千八百十億円が正解でございますので、おわびして訂正させていただきます。
#209
○神谷信之助君 それが一問です。
 それから二つ目の問題は、工場における製造機械の固定資産税問題であります。これも事前に内容については自治省に通告をしております。
 一般論としてお伺いしたいと思いますけれども、行政実例によりますと、試運転を実施することが通常であると認められる資産については、試運転が完了し、事業の目的に供し得る状態に至ったときをもって「事業の用に供することができる資産」になったものとして取り扱うのが適当である、こうなっていますね。試運転の完了の問題です。その工場が第一工程から第五工程と五つの工程がある。その場合、第一工程、第二工程は年内に試運転が完了している。第三工程が年末から年を越して試運転をやるという計画である。その後に第四工程、第五工程と続く、こういう状態。したがって、第一工程及び第二工程は年内に試運転は完了している。それで、引き続いて次々と次の工程に移っている。第一工程の試運転が完了したころには、もう今度は実際の製品用の工程が始まり出している。だから、試運転が終わると、その後今度は本格操業が始まってきている、こういう関係になっている。そういう場合に、少なくとも第一工程、第二工程の製造機械については、償却資産の課税客体になるかどうかという問題であります。
 行政実例を見ていますと、その機械が稼働しているか休んでいるか、それには関係なしに課税客体になるというようになっていますね。だから、この点は一体どういうように自治省としては判断をされるのか。結局はその実態についての町の判断ということになるのか、これも含めて答えていただきたいというように思います。
#210
○政府委員(谷口恒夫君) 具体的な町からの照会はまだございませんので一般論として申し上げたいと思いますが、御指摘のように、試運転が数工程ある、賦課期日現在で例えば試運転の完了したものと完了していないものがあるというような場合は、ポイントになりますのは、その全体を一体の設備として課税客体と認定するかどうか、当然そこが問題になるわけでございます。各工程が連続した生産工程でありまして、工程の一部分が欠けることによって全体として稼働することができないいわゆる一貫作業系統というようなものにつきましては、全体を一つの設備として課税客体として考えなければならない。また、その五つの生産工程が途中で分断できるような、つまり一貫作業系統でないような作業であるとすれば、それはまたそこで分離できるであろうということになってまいります。御指摘がありました行政実例というのもその辺の考え方で示されているものでございますので、その一般的な考え方に基づいて具体のものをはめ込んで判断していくということになろうかと思います。
#211
○神谷信之助君 今おっしゃった一貫性の問題ですけれども、一貫性というのはどういうように理解していいのか。年を越して第五工程まで全部完了しました。それで今度はずっと本格的生産に入ります。もう現実に一貫作業に入っている。課税時期というのは十二月末になります。だからその場合、第一工程、第二工程というのは分離しようと思えば分離できる。こういった問題ですが、その辺まで区分けはちょっと難しいかと思いますが、大体実態に合わせてやるということでいいですか。
#212
○政府委員(谷口恒夫君) 先ほど申しましたように、五つの工程がある場合にそのうちの二つが例えば賦課期日前に終わっておる、三つの工程が賦課期日後に行われておるというようなケースの場合は、先ほど言いましたように一貫して行わなければ意味をなさない工程であれば、その一貫した工程が全部終わるという時点で完結したと判断しなければなりませんし、第一工程、第二工程がそれぞれ別のものというふうに実態として判断できるならば、それは賦課期日前のものと後のものと分離できるというところで、その辺の実態を見て判断するというふうなことが必要であろうというふうに思います。
#213
○神谷信之助君 じゃ、その次の問題に移ります。
 岡山県の国有資産等所在市町村交付金の問題。これについても事前にいろいろ説明を求めておりますが、本件の報告をしてもらいたいと思います。
#214
○政府委員(谷口恒夫君) お尋ねの問題は、交付金法第二条第一項第一号に規定する貸付資産に該当するかどうか、岡山県のケースのお尋ねだろうと思いますが、岡山県におきまして交付金の客体漏れが生じていたのではないかということが問題になりまして、漁港施設、港湾施設を民間あるいは漁協等に独占排他的に使用させている場合、こういう場合におきましても、交付金の運用通達がございますが、その中で全体として施設の「公用又は公共用資産としての効用を高めるもの」、そういうものに該当するというふうに解釈した、あるいはその漁業協同組合が通達でいうところの市長会、町村会、消防協会、そういった地方公共団体の事務事業の遂行に密接な関連を有する事務を行う団体と同じなものであるというふうに考えたという二点におきまして解釈を誤っていたのではないかというふうに県が判断しております。したがいまして、その辺は判断の誤りを認めて適切な措置がとられるというふうに聞いております。
#215
○神谷信之助君 具体的に対象はどれだけでどれだけの金額になりますか。
#216
○政府委員(谷口恒夫君) 岡山市など九市町でございますが、交付金総トータルで七千百万ぐらいになるのではないかというふうに聞いております。平成二年度におきましては七千七百万になるというふうに聞いております。
#217
○神谷信之助君 結局対象というのは五市四町で、岡山市、倉敷市、玉野市、笠岡市、備前市、それから日生町、牛窓町、邑久町、寄島町。間違いないですか。
#218
○政府委員(谷口恒夫君) そのとおりでございます。
#219
○神谷信之助君 これは、埋め立てを県がやってその土地が県有地になって、その県有地をいろんな団体に貸して、それで借りた団体がまた民間の水産会社なんかに貸しているという事例なんです。漁協やその他にも貸しています。県の方はちゃんと使用料を徴収している。それで、使用料を徴収している場合でも、今審議官が言ったように、例えばスポーツグラウンドで喫茶店をやっているというのは、公共用資産としての効用を高めるものといって交付金の対象にはならないという通達が出てきていますね。それを誤ってやったというんだけれども、使用料も取りながら市町村に交付しない。
 これは自治省、一般に固定資産は厳しくそれぞれ課税をする。その固定資産税に相当するこの交付金については、県の方が自分でやってこれだけだといって市町村に言って、それに基づいて市町村が請求をしてもらう、こうなるわけでしょう。だから県がごまかしておったら、あるいは仮にごまかそうという悪意がなくてミスだったとしても、市町村の方で気がつかなかったらわからぬわけです。これは長期にわたって、しょうがないからとにかくさかのぼるのは五年だと。五年分で今の九市町で七千百万円、そのうち倉敷市が一番多くて三千五百万円くらいになりますけれども、そういう状況になっているんです。今たまたまそれが見つかって議会で問題になっている。
 そこで大臣、もう最後ですが、大臣の気持ちをまずお聞きしておきたいと思うんです。大臣は、村長さん、町長さんまた県会議員もやられているのでお感じになっているんじゃないかと思いますけれども、この問題が倉敷で問題になってそれで県に照会したら、県の方は、細かいことを言うな、おまえのところにようけ補助金やら何やら県の金をつぎ込んでおるじゃないかという話があったんです、実は。初めは相手にしなかった。そんなばかなことがあるかといって市の担当者が頑張って話をした。そうしたら今度は、先ほど言いましたこの通達で、審議官が言ったこれで除外されているんだと。これは読み違えているんですね。それでまたやっさもっさやって自治省にも照会したりして、それで解釈の間違いが初めてわかった。そうしたら今度はその次に出てきたのは、さかのぼるのも今までのやつはパアにしてくれ、来年からにしてくれと。それで自治省にそんなことができるのかと言ったら、自治省はそれはできませんと言って県を指導しておやりになった。
 それで、これは県が言わなければ市町村は請求額さえもわからない。請求できないわけでしょう、県が言った額を請求しているわけですから。だから、それを見つけられて言われたら開き直ったり、あるいは補助金を減らすぞと言っていじめてやるぞと言わんばかりのことを言ったりやられると、これは地方自治に対する不当な侵害であり干渉になってくる。自治省はそういった点では、府県、市町村に対する指導と助言については、行き過ぎのないように、地方自治を守るために、厳しく当委員会でも何遍も言っています。これは大臣の方もそういう経験は多かれ少なかれお持ちだろうと思いますけれども、県から市町村に対するそういう指導と助言というものも地方自治を害するようなことがあっちゃならぬという点では厳しく私は指導すべきであると思う。指導という開き直った、かみしも着た言い方でなくても、陰に陽にやっぱりその点は援助をすることをもっと重点に置かなければいかぬというように私は思うんですが、この辺最後に大臣のお気持ちを聞かせてください。
#220
○国務大臣(吹田ナ君) ただいまのお話はごもっともですが、私もそういう点につきましては、今のお話のように県と市町村というお互いの地方自治体の中にあって、いわば上級機関というようなことを言われておりますけれども、そうでなしにできるだけ相互に理解と協力をし合って、そういう点の理解はきちっといくような姿で県も考えてもらわなきゃならぬと思いますし、特に第一線の市町村という立場を県は十分理解してやるという立場をとっていくように、これからも自治省としましても関係方面に十分連絡をしながら、地方自治体同士のそうしたいさかいの起こらないような方法を考えていきたいものだと思っております。
#221
○神谷信之助君 終わります。
#222
○高井和伸君 先ほど当委員会で採決されました地方自治法の一部を改正する法律案の中にございます地縁による団体、二百六十条の二でございますが、この所有物に関する固定資産税の課税の改正前と改正後はどんなふうに違うんでしょうか、それとも一致しているんでしょうか。
#223
○政府委員(湯浅利夫君) 固定資産税につきましては、この税の性格上例外を定めないでできるだけ広く税負担をいただくということが基本でございますが、私有財産でございましても無償で広く一般の用に供されているものなどは特段の公益性が認められるという場合があるわけでございまして、こういう場合には各市町村におきまして条例によって個別に減免措置がとられるということが行われるわけでございます。
 それで、今御指摘の従来自治会などが自主的に所有している資産につきましては、これは悉皆調査はしておりませんけれども、多くの場合はその用途の公共性、公益性にかんがみまして、市町村の条例によって減免措置が講じられているようでございます。今回の地方自治法の改正によりましてこの点についての税制の改正はいたしておりませんけれども、ただいまのような取り扱いが現実に行われておりますので、この自治法の改正後におきまして、仮に法人格が付与されたといたしましても、法人格のあるなしにかかわらず、所有の実態あるいは資産の用途の実態というものに応じまして適切な措置が市町村において講じられるのではないかというふうに考えているところでございます。
#224
○高井和伸君 念のために、この改正地方自治法の二百六十条の二の十六項というのを見ますと、この地縁による団体は法人税法上などでは公益法人などとみなす、このようにぱっと変えちゃったんですが、これは今の話とは全然摩擦はないんですね。
#225
○政府委員(湯浅利夫君) 実は、法人格を持つ前の団体はいわば人格なき社団という形で扱われていたわけでございます。人格なき社団につきましては、法人税法上は収益事業に対してのみ課税をするということになっておりまして、地方税の場合にもそれに準じて行っているわけでございます。今回この地方自治法によりまして法人格が与えられますと、今度は人格なき社団としての扱いができなくなりますので、それでこのことによって課税上不利が生じては困るというようなことがございましてその規定が入れられたというふうに私どもは理解しております。したがいまして、改正の後と先とではその利益は変わらないというためにその規定が入ったというふうに理解しております。
#226
○高井和伸君 私の二番目の質問事項として通知しておきました公益法人の公益性の認定、そして税の減免の認定権者はだれか、その基準は何かというようなことについては、今のお話によれば条例によって定めるということになるわけですね。そういう場合に、先ほどもちらちら答弁の中に出てきましたけれども、自治省としては通達のようなもので指導するということはあるんですか。
#227
○政府委員(湯浅利夫君) 地方税の条例による減免につきましては、地方税法に規定が置かれておりますから、それに基づいてそれぞれの市町村が独自に御判断をしていただくというのが基本でございます。ただ、いろいろと各省からの御要請で、こういうものは全国的にも非常に意味のあるものだから指導してほしいというようなものもございます。そういうようなものにつきましては、関係省庁とも協議をして通達などで、こういうことをやったらいかがでしょうかとか、あるいはやっていただきたいというようなことを申し上げるときもございますが、基本的にはこれはそれぞれの自治体の御判断でやっていただくということになります。
#228
○高井和伸君 続きまして、今回の法律案の二つ目の国有資産等所在市町村交付金法に基づく交付金、これを交付する理由は何なんでしょうか。立法趣旨は何かということを、当たり前のような質問ですけれども、ちょっとお尋ねいたします。
#229
○政府委員(谷口恒夫君) お尋ねの国有資産等所在市町村交付金制度でございますが、これは地方税法において固定資産税を課することができないとされている例えば国でありますとか地方公共団体、こういうものが所有する固定資産のうちで貸付資産として他の者に使用させている、あるいは空港用とか国有林野、発電施設、上水道、工業用水道、ダム資産等、こういったものにつきまして、その使用状況や当該固定資産の所在する市町村との受益関係が固定資産税の課税客体となっている類似の固定資産と同様である、あるいはその資産が空港等のように広大な面積を有して、かつこれらの施設が所在することによって市町村の税財政に著しい影響を及ぼしているというようなことを勘案いたしまして、これらの資産についても固定資産税に相当する負担を求めるということで同種の固定資産税との負担の均衡を確保する、あるいは地方の自主財源を確保する、そういう趣旨でできた制度でございます。
#230
○高井和伸君 世に言う第三セクターが今いろいろ活動しておられますが、そういったところの固定資産税というのは、一般的には通常の固定資産税と同じように考えればよろしいのか、それともそれなりの手当てが具体的になされているのか。条例でやっている場合があるでしょうし、また法律の場合もあるでしょうし、エトセトラと。一般的にはどうなっているでしょうか。
#231
○政府委員(谷口恒夫君) 一般的に第三セクターと申しましても、その中で株式会社形態でそれ自体として営利事業を行うというようなものもありますし、そういう意味で具体的な態様というのは非常にさまざまでございます。その事業の用に供する固定資産について一律に非課税等の特例措置を講ずることは、他の固定資産との均衡ということを考えますと適当ではない。そういう観点から、この第三セクターを一くくりにしての特例措置というものは現在考えていないわけでございます。
 なお、公益のために直接占用する固定資産、こういうものについては、市町村長が条例の定めるところによりまして固定資産税を減免できるということが地方税法三百六十七条で規定しておりますので、その用途に特段の公益性が認められるという場合には、この規定に基づいて市町村が個別に減免措置をとるというケースが考えられるわけでございます。
#232
○高井和伸君 今までの細かい質問と今までの各委員の御質問の中で出てきたことで、私がこの地方税法の仕組みについて考えるときに、税率をいじらないがために全部いろんなことで無理しているという面と、それからいろんな政策目的を突っ込むから、いろいろ細かい非課税団体だとか例外措置だとか特例だとか減免措置だとか、さらに法律でやるのかと思えば条例でやる、さらにまた行政指導もしているというような非常に複雑な地方税法にしてしまっている。基本的な原因は、私はある意味では政策目的を入れ過ぎているんじゃないか、固定資産税の中に。うれしいことに税務局長さんの当初の答弁の中に、例外を定めない方向でやっていく、これが本来の地方税の、固定資産税も同じですが、原則だと。我々こういう分厚い法案をいただいても、非常に細かい問題にすべて頭を突っ込めといったって無理なわけですね。それだけ日本の税制に対する対応をこれ大臣もよく聞いていただきたいのですが、またかわられたものですから、前の大臣にも同じように申し上げたんですけれども、非常に複雑にしちゃっている。最大の原因は、私は税率を変えれば先ほどの固定資産税の評価の問題全部氷解すると思うんです。税率というのは、公的な土地の評価の三つを一つにしてしまえばいい、そしてそれに合わせて税率を変えればいい。そうすればいろんな税制が、多種多様な国のいろんな政策がすごくやりやすくなるはずで、一々例外的なことに気を配らなくてもよろしい。法制局の御厄介になる度合いが少なくなるような法案にしておくのが筋じゃなかろうか。
 先ほどの固定資産税の課税標準の算出についての議論も、結局は適正な時価という概念ですし、それから公示価格だって同じことですし、相続価格だってちょっと要素はありますけれども同じことで、あとは掛け算の問題です。幾らか補整率というんですか、現金と違うんだから、売る時間それから手数もいろいろかかるだろうからそういう不安定要素を〇・七掛けにするだとか、それから長期に持っておられる方からいただく税金なんだから〇・三六掛けにするだとか、そういうふうにしてしまえば何らそれほど問題のないことを、いろいろやられるものですから、今回のような非常に細かい区分をされまして住宅用地、それから住宅用地以外の宅地で法人の所有に係るもの、その他の宅地等、農地などという非常に複雑しかもいろんな細かい数字を入れて、簡単に言うと素人にわからなくなってしまっているような税制になっている。あとは額だけ見れば大体どのぐらいかなということがわかるんでしょうけれども、こういうことになってしまっている。いろんな審議会だとか閣議決定だとか、すべてそれぞれの制度三つが各人にあることを前提にしていろんな調整を図れ、均衡と適正化を図れ、こういう言葉になっております。
 私に言わせれば、そういう制度をいじらないという前提だからそうなるんでしょうけれども、抜本的にやるにはやっぱりもう少し、固定資産税だけに限定すれば、例外措置はまた別のところでやるシステムをつくるべきではなかろうか、こう思うわけです。こういう一般論についていかがでございますか。
#233
○政府委員(湯浅利夫君) おっしゃるとおり、固定資産税を含めて各税制には非課税等特別措置といいますか、そういうものがいろいろあるわけでございます。基本的には、先ほど申しましたように税制というものは例外なく一つの基準によって税負担をしていただくというのが一番望ましいわけでございますけれども、やはりいろいろな政策目的を税制でやっていこうというようなことから、固定産税におきましてもそういう政策的な要請からのいろんな措置が講じられるということになるわけでございます。
 それを一つ一つ税率でやるというのも一つの考え方ではございますけれども、現在行っているこういう政策税制というものは、主として課税標準をどういうふうに特例をつくっていくかというような形でやっていくのが一般的なものでございますので、固定資産税におきましても基本的には課税標準の特例を設けて、それによって政策的な効果を出していくというのが一般的なやり方になっているわけでございます。数の少ないものでございますと、今お仰せのような税率だけでやるということもできると思うんですが、政策税制としての中身もかなり数が多いということもございまして、税率をいじらずに、むしろ課税標準をいろいろと調整していくという措置によらざるを得ないというのが実情でございます。
 かねてからそういう特別措置あるいは政策税制というものはなるべく整理をしていくべきだということについては極力今後もやっていかなきゃならないと思いますが、別にやはり新しい社会経済情勢に応じた政策的な配慮の要請もかなり出てきているというようなことで、今のところそういう措置でお願いを申し上げたいというところでございます。
#234
○高井和伸君 一般論として、課税標準を政策目的でいじることは、事務当局としてはいいんでしょうか、悪いんでしょうか。
#235
○政府委員(湯浅利夫君) 先ほども申しましたように、税負担はできるだけ広く例外なく求めるというのが税として一番望ましいわけでございますので、これが基本になろうかと思います。それに、先ほど申しましたようないろいろな政策目的による特例措置というものを加味せざるを得ないというのが現実の姿ではないかと思っております。
#236
○高井和伸君 ちょっと視点を変えて言いますと、固定資産税の課税標準というのは、おばあちゃんなんかに言わせれば、例えば悪い不動産屋さんが、おばあちゃん、国は固定資産税の評価額このように決めているからこの値段ならば買うよとかなんとか言ってやれば一つの信用力あるわけですよ。そういうことと、どこの国民も普通の人がこんな高級な議論をしていないわけです。国の権威をもって判定というのですか、評価している土地の値段というのは、これはものすごく絶対的なものだと、公、国のことに対して信用が非常に高いわけです。それが実勢価格の何割かだとかというようなことで世間に言われるのは、これは不動産屋のプロだけであって、普通の人はそういう感覚がないわけです。税金をいただくという以上、一・四%というような税率があった場合、じゃ百万円の土地の一・四%かというのは、これは普通の人の発想なんですよ。幾つも変化球を加えてやるような、国民から税金をいただくわけで、納税者がちっともわからない税制になってしまっているということを私は言いたいわけです。
 逆に、ひとつぱちっと質問しますと、自分の固定資産税がどのように課税されているのか、納税者が検証する方法はどうなっているんですか。どういうふうに評価されてどうなっているのかということは、どうやったらわかるんでしょうか。
#237
○政府委員(湯浅利夫君) 現行の税制におきましては、評価をした結果については、たしか三月から四月だと思いますが、約一カ月間ぐらい、固定資産税の課税台帳の縦覧を行っております。したがいまして、その縦覧期間に固定資産税の課税台帳を見ていただきますと、その方の持っておられる土地、家屋の状態あるいはそれに対する固定資産税の評価額がすべてわかるような形になっておりますから、それに基づいてそれに税率を掛ければ税額がどのぐらいになるということが判明するわけでございます。
 それは制度的には今そういう縦覧制度というのがあるわけでございますが、これだけではなかなか実際問題として市民の方々が市役所に行ってごらんになるということが少ないわけでございますので、そこで納税通知書を納税者の方々に出すときに、課税資産の内訳をつけて通知を出すことをしたらどうかということで今指導を始めているところでございます。一部の市ではそれをもう実施しているわけでございまして、その課税の内訳をごらんになれば、自分のところでどういう資産にどういう課税がなされているかということがわかるわけでございますので、これをやはり全団体ができるだけ早くそういうことができるように私ども指導をしてまいりたいと思うわけでございますが、短期間にそれだけの事務をやるというためには相当なやはり事務体制が必要でございます。そういう事務体制の整ったところから逐次やっていただくように、これは強く私どもも要請しているところでございます。
#238
○高井和伸君 そうすると、今の内訳というのは、想像するところ、あなたの土地は平米当たり幾ら幾らと見ていますよ、あなたの所有平米は三百三十平米ですよ、したがって幾らですよというような、こういうことですか。
#239
○政府委員(湯浅利夫君) 今仰せのようなそういう内訳が固定資産税課税台帳には全部載っているわけでございます。それをごらんになればよくわかるわけでございます。
#240
○高井和伸君 路線価の公開の問題とつながると思いますが、先ほどの縦覧の期間、他人のところは見られないんですね、基本的には。一応確認しておきます。
#241
○政府委員(湯浅利夫君) 固定資産税の課税台帳は、これは税務資料でございまして、税務資料につきましては守秘義務が課されておりますので、第三者はそれを見ることはできないわけでございます。
#242
○高井和伸君 質問の順番は狂いますけれども、今度の地方税法の改正で、路線価の公開をやっていく、指導していく、このような追加書きがございますけれども、これは具体的にはどういうふうなことをお考えなんでしょうか。
#243
○政府委員(湯浅利夫君) 平成三年度の評価がえを機会に、今まで路線価の公開はほとんど行っておりませんでしたけれども、これを地価公示地点数にも配慮しながら、できるだけ多くの地点を平成三年度の評価がえにおきまして路線価の公開を実施してまいりたい。そして、それ以後できるだけ早い機会に全路線価が公開できるように市町村の関係者の方々と御協議をしていきたいということで、既に平成三年度の公開地点についての御協議を今ずっと進めているところでございます。
 その具体的な方法につきましては、基準地とそれから代表的な標準地の所在と路線価につきまして納税者以外の方々も含めて広くわかるような方法、これをとってもらうように、これは具体的な方法は市町村のそれぞれにお任せせざるを得ないと思うんでございますが、例えば広報のようなものを使うという手もあろうかと思います。そういうようなもので広く第三者の方々にもわかるようなそういう方式をとっていただきたいということで今お願いしているところでございます。平成三年度初めてでございますので、この課税台帳の縦覧後の四、五月中から開始をしていただく、こんなところで今関係市町村と御協議を続けているところでございます。
#244
○高井和伸君 進行中ということでございますから質問してもむだかもしれませんが、公示価格の地点が先ほどですと一万七千地点ぐらいある。私のイメージではこれよりは多くなるんだろうと思っていますが、そうでしょうか。
#245
○政府委員(湯浅利夫君) 平成三年度の初めての公開地点数につきましても、私どもとしては地価公示の地点数を上回る地点数をぜひ公開してほしいということで市町村に今お願いをしているところでございます。具体的な地点数はまだ申し上げられませんけれども、現在の地価公示の地点数よりも数は多くなるんじゃないかということを期待しているところでございます。
#246
○高井和伸君 あとちょっと細かい質問ですが、路線価というのはどういうぐあいになりますか。
#247
○政府委員(湯浅利夫君) 通常路線価と申しますのは、それぞれの市街地の中で道路に面しているところの一平米当たりの単価は幾らですというのを示したものを路線価と言っているというふうに理解しております。ですから、具体的な土地にその路線価をどう当てはめて評価をするかというのは、これはまたいろいろ技術的な問題がございますが、一つの目安として、その路線に沿っている土地の平米当たりの単価は幾らですというのを示したものが路線価だというぐあいに理解しております。
#248
○高井和伸君 あともう一つ今の問題で、納税者のプライバシーの保護ということで、自分の土地がどれぐらい税金がかかっているのか、どれぐらいの値打ちなのか、あの人は金持ちだ、この人は貧乏だというような話が明らかになっちゃうおそれがあるということに配慮するという場面があるわけですけれども、プライバシーの保護はどの程度配慮しなきゃいけないかということになりますとどうなりますか。
#249
○政府委員(湯浅利夫君) この問題は行政資料の公開の問題とも関連いたしますので非常に難しい問題でございますが、税の資料に関する問題になりますと、課税というものは行政執行の中でも最も権力的な行政でございます。そういう権力を使って収集するデータというものはやはりそれなりにプライバシーを保護する必要があるという観点から、地方税法によりましても課税資料につきましてはすべて守秘義務が基本的には課せられている、法律で例外を規定しているもの以外はやはり守秘義務の対象になっている、こういうふうに私どもでは理解しているわけでございます。ですから、そういう守秘義務が課されている中でどこまで行政資料を公開できるかという点につきましては、これは一つ一つの問題、それぞれの方々のプライバシーの尊重という問題との兼ね合いで検討をしていかなければならない問題ではないかというふうに考えております。
#250
○高井和伸君 今まで質問してきた中で、土地の固定資産税の課税標準という言葉が法律に使われておりますが、この課税標準の額について、例えば裁判所で裁判を起こすときに、所有権の確認を求めるというときは、そのものの価格であるということで収入印紙を張るようになっています。そのものの価格とは何かというと、地方税法の三百四十九条の規定による「基準年度の価格」である。こういうことによって課税標準が、これは最高裁判所の民事局長通知という内部的なものでございますけれども、対外的には客観性を持った数字として扱われているわけです。それが先ほどの話で、公示価格の三六%であるということがわかりますと大変、泣くに泣けない人が出てくる。細かい話ですが、一千万の請求をする場合は一千万払いますけれども、一千万の土地を訴訟に持っていく場合はそれの〇・三六掛けで収入印紙が済むというようなことになるわけですね。しかもそれは相続の場面でも同じで、現金で持っているのは損で、不動産で持っていると公示価格は七割評価になっているから三割もうけるというようなことが世間の話としてあるわけですよ。
 そういったことからすると、固定資産税というのは、自治省が考えているようにいろんな目的を持った制度だと言ったところで、ひとり歩きするわけですよ。ひとり歩きする以上は、やっぱり国民から見て非常に例外のない普通のとおりの、国が評価すればそれはもう当たり前で、相続税もその価格、公示価格も同じ価格だと、これが日本国が一番すばらしい国になる基本のところじゃないか。いろんな土地税制やるときだってわけのわからぬ審議をせずに済むわけです。年々、じゃことしは固定資産税率を何%にしようかということで、これは選挙をやるときは、私は〇・五でいきます、私は〇・八でいきますだとか、そういうことでものすごくやりやすくなる仕組みなのです、国の制度としては。それができない理由は何なのだろうかということを思いながら大臣の御所見を伺います。
#251
○政府委員(湯浅利夫君) 私から事務的にちょっと申し上げたいと思います。
 今おっしゃるように、評価についてはそれぞれの制度によって違いがある、これがやはり困るじゃないかという点は、先ほど来の御議論にもございましたように、土地基本法の第十六条によって公的土地評価については均衡と適正化を図っていけということにもつながってくるわけでございまして、それぞれ独自の制度を主張しているだけではなかなか国民の理解が得られないということがあの規定を生んだ一つの原因ではないかと思っております。
 そういう意味で、それぞれの評価がそれぞれ協力をして、それで本来なら一元化するというのが一番望ましいわけでございましょうけれども、しかし一元化はいろいろ議論していくとやっぱりどうしても難しい。難しいのであれば、その次善の策としてまず均衡をとるということが必要であろうというようなことで、今回の固定資産税の評価については、地価公示価格の一定割合を目標にして評価を進めていく、こういうことで均衡化を図ってまいりたいというふうに考えておりますので、そこの御理解を賜りたいと思うわけでございます。
#252
○高井和伸君 大臣に一言。
#253
○国務大臣(吹田ナ君) 非常に難しい問題ですが、私も実は大臣就任までは、先生と同じようにこの辺は一本化できないものかなというようなこともしばしば自治省にもお伺いして話したこともあるわけでありますから、私もそういう点につきましては極めて疑問は持っておるのですけれども、いろいろ専門的な話を伺ってみますと、なかなか難しい問題もあるのだなということが今日わかってきておるのですが、それにしましても、今おっしゃるように非常に複雑でありますから、できるだけわかりやすい方法というものがとれるように、しかもそれが適正な方法で公平に進むような方法はこれからもさらに検討していかなきゃならぬ問題であろう、こういうふうに思いますが、いずれにしましても先ほど局長から答弁しておりますような事情もこれあり、御理解いただきたい、こう思います。
#254
○高井和伸君 終わります。
#255
○委員長(野田哲君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#256
○諫山博君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の地方税法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 改正案には、個人住民税の減税、固定資産税の新たな負担調整措置、特別地方消費税の免税点の引き上げ等、当然とるべき措置も含まれています。しかし、住民にとって見過ごせない問題があり、次の理由で反対します。
 反対理由の第一は、基準地価の評価がえに伴う固定資産税の大幅増税を容認していることであります。
 地価高騰の責任は、大企業、銀行資本等による土地投機であり、民活路線と金融緩和政策で投機を誘発、容認してきた政府自身であります。こうした地価高騰によって、ここ十年間で固定資産税はほぼ倍増しており、全く責任のない住民が多大な負担を強いられる結果になっています。
 特に今回の基準地の評価額は、三年前に比べて全国平均で二八・五%増という列島改造時以来の高騰であり、とりわけ三大都市圏、政令指定都市は、京都市の八五・一%を初め平均五八・一%もの異常な高騰であります。住民にとって固定資産税負担は既に耐えがたいものとなっており、固定資産税の凍結が切実に求められています。
 第二は、農地の宅地並み課税の歯どめになっている長期営農継続農地制度を廃止することであります。
 市街化区域内の農地は、長期営農継続農地制度によって、農民の営農意思に基づき農地として利用している土地について、宅地並みに課税せず、農地として課税することになっています。今回、この制度を廃止し、保全すべき農地として認定された土地についてだけ農地として課税することにしています。ところが、保全すべき農地としての認定要件を厳しくし、場合によっては営農をあきらめることを誘導し、農民の営農意思が尊重されないことになりかねません。
 都市近郊農業は、都市住民に安くて新鮮な食料品を供給し、都市計画、防災上の観点からも守り、発展させることが重要であります。営農意思のある農民の意向を踏みにじるような農地つぶしには断固反対です。
 第三は、国民健康保険税の課税限度額を四十二万円から四十四万円に引き上げることであります。
 国民健康保険の財政は、八四年度、国庫補助負担率の引き下げられたのを契機に、国保料及び税が急速に引き上げられる結果になりました。国庫補助負担率の引き下げ以前の八三年度と八九年度の決算を比較すると、収入に占める国庫支出金の比率は五六・一%から三九・六%と一六・五%ダウンしたのに対し、国保料及び税の比率は三六%から三九・二%と逆に三・二%アップし、額にして八千五百四十九億円の増額となっています。国保料及び税の引き上げによる加入者負担は既に限界にきており、このことは政府自身が国会答弁でしばしば認めていることであります。一方、国保会計の八九年度決算では、積立金を前年度より四百億円ふやし、二千四百二十一億円もの基金が積み立てられています。
 課税限度額を引き上げて国保料及び税の引き上げを誘導するようなことは行うべきではありません。国庫負担率をもとに戻し、基金の取り崩しによって加入者負担を軽減することが先決です。
 第四は、担税力のある大企業への優遇税制を温存していることであります。
 大企業関係の事業所税の非課税措置、営業用大型倉庫に係る固定資産税の減額特例の延長、民活法、リゾート法、産業構造転換円滑化臨時措置法、関西文化学術研究都市建設促進法、多極分散型国土形成促進法などに基づく固定資産税の減額特例の延長など、担税力のある大企業に対しての優遇税制は廃止すべきです。
 以上、反対理由を述べて討論を終わります。
#257
○委員長(野田哲君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#258
○委員長(野田哲君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#259
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#260
○委員長(野田哲君) 次に、地方行政の改革に関する調査を議題といたします。
 渡辺君から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺君。
#261
○渡辺四郎君 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院の各派共同提案による固定資産税に係る評価等の適正化に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    固定資産税に係る評価等の適正化に関する決議(案)
  政府は、最近の地価高騰の状況にかんがみ、固定資産税に係る評価等の適正化を推進するとともに、税負担が急増することのないよう、左の諸点について善処すべきである。
 一、固定資産税に係る評価と地価公示価格の均衡を図る場合においては、固定資産税の性格と独立税としての体系を踏まえて検討を行うこととし、特に住宅用地に係る税負担が急増することのないよう、住宅用地・小規模住宅用地の特例の見直しなど所要の措置を講ずること。
 二、土地税制改革をはじめとする総合的土地対策の推進等により、著しく地価が下落した場合においては、必要に応じ、固定資産税に係る評価において適切な措置を検討すること。
 三、居住用家屋の評価について、経年減価の見直しなど次回評価替えまでに改善を検討すること。
 四、実施が予定されている評価地点の公開については、次回から、着実に公開地点数を拡大するとともに、納税者の理解に資するよう公開方法及びその時期についても改善を図ること。
 五、都市計画税については、固定資産税負担の状況等を勘案しつつ、住宅用地に係る負担のあり方を検討すること。
 六、固定資産税は、わが国の土地保有課税の根幹であり、自主財源としての市町村税の基幹税目であることを踏まえ、その適正化を推進すること。
  右決議する。
 以上でございます。
#262
○委員長(野田哲君) ただいまの渡辺君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#263
○委員長(野田哲君) 多数と認めます。よって、本決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、吹田自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。吹田自治大臣。
#264
○国務大臣(吹田ナ君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。
 ありがとうございました。
#265
○委員長(野田哲君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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