くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第120回国会 内閣委員会 第1号
平成二年十二月十八日(火曜日)
   午後一時四十一分開会
    ─────────────
  委員氏名
    委員長         井上  孝君
    理 事         板垣  正君
    理 事         高橋 清孝君
    理 事         小川 仁一君
    理 事         吉川 春子君
                大島 友治君
                大城 眞順君
                岡田  広君
                田村 秀昭君
                永野 茂門君
                村上 正邦君
                翫  正敏君
                角田 義一君
                深田  肇君
                三石 久江君
                山口 哲夫君
                太田 淳夫君
                吉岡 吉典君
                磯村  修君
                田渕 哲也君
    ─────────────
   委員の異動
 十二月十七日
    辞任         補欠選任
     深田  肇君     山田 健一君
     磯村  修君     星川 保松君
 十二月十八日
    辞任         補欠選任
     大島 友治君     尾辻 秀久君
     永野 茂門君     真島 一男君
    ─────────────
 出席者は左のとおり。
    委員長         井上  孝君
    理 事
                板垣  正君
                高橋 清孝君
                小川 仁一君
                吉川 春子君
    委 員
                尾辻 秀久君
                大城 眞順君
                岡田  広君
                田村 秀昭君
                永野 茂門君
                真島 一男君
                村上 正邦君
                翫  正敏君
                角田 義一君
                三石 久江君
                山口 哲夫君
                山田 健一君
                太田 淳夫君
                吉岡 吉典君
                星川 保松君
                田渕 哲也君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  塩崎  潤君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  石川 要三君
   政府委員
       内閣法制局第一
       部長       大森 政輔君
       人事院総裁    弥富啓之助君
       人事院事務総局
       管理局長     菅野  雄君
       人事院事務総局
       給与局長     森園 幸男君
       人事院事務総局
       職員局長     大城 二郎君
       総務庁人事局長  石川 雅嗣君
       総務庁行政管理
       局長       増島 俊之君
       防衛庁参事官   内田 勝久君
       防衛庁参事官   宝珠山 昇君
       防衛庁長官官房
       長        日吉  章君
       防衛庁防衛局長  畠山  蕃君
       防衛庁教育訓練
       局長       小池 清彦君
       防衛庁人事局長  坪井 龍文君
       防衛庁経理局長  村田 直昭君
       防衛施設庁総務
       部長       箭内慶次郎君
       外務大臣官房審
       議官       丹波  實君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        原   度君
   説明員
       外務省北米局安
       全保障課長    森  敏光君
       外務省国際連合
       局国連政策課長  高須 幸雄君
       文部大臣官房人
       事課長      中林 勝男君
       文部省教育助成
       局財務課長    小林 敬治君
       厚生省保健医療
       局管理課長    真野  章君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○一般職の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特別職の職員の給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(井上孝君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十七日、深田肇君が委員を辞任され、その補欠として山田健一君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(井上孝君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(井上孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(井上孝君) 一般職の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。塩崎総務庁長官。
#6
○国務大臣(塩崎潤君) ただいま議題となりました一般職の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について、一括してその提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 まず、一般職の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 本年八月七日、一般職の職員の給与の改定を内容とする人事院勧告が行われました。政府としては、その内容を検討した結果、人事院勧告どおり実施することが適当であると考え、一般職の職員の給与等に関する法律について所要の改正を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 次に、法律案の内容について、その概要を申し上げます。
 第一に、全俸給表の全俸給月額を人事院勧告どおりそれぞれ引き上げることといたしております。
 第二に、初任給調整手当について、医師及び歯科医師に対する支給月額の限度額を二十六万五千円に引き上げるとともに、いわゆる医系教官等に対する支給月額の限度額を四万七千円に引き上げることといたしております。
 第三に、住居手当について、その支給月額の限度額を二万三千円に引き上げることといたしております。
 第四に、期末手当の支給割合について、三月期を百分の五十五に、六月期を百分の百六十に、十二月期を百分の二百に引き上げるとともに「係長級以上の職員の期末手当及び勤勉手当の算定基礎額について、官職の職制上の段階、職務の級等を考慮した区分に応じ、俸給及びこれに対する調整手当の月額の合計額の百分の二十以内の額を加算する措置を導入することといたしております。
 第五に、非常勤の委員、顧問、参与等に支給する手当について、支給の限度額を日額三万千百円に引き上げることといたしております。
 第六に、通勤による災害を受けた職員の給与上の取り扱いについて、公務上の災害を受けた場合と同様とするよう改めることといたしております。
 以上のほか、附則において、施行期日、適用日、この法律の施行に関し必要な経過措置等について規定することといたしております。
 続きまして、特別職の職員の給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 この法律案は、ただいま御説明申し上げました一般職の職員の給与改定にあわせて特別職の職員の給与について所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、内閣総理大臣等の特別職の職員の俸給月額を、一般職の職員の給与改定に準じ、引き上げることといたしております。
 第二に、特別職の職員の期末手当及び勤勉手当について、一般職の職員の期末手当及び勤勉手当に関する措置と同様の措置を講ずるための改定を行うことといたしております。
 第三に、その他、常勤及び非常勤の委員に支給する日額手当の支給限度額を、一般職の委員の日額手当の改定に準じ引き上げるほか、調整手当の特例措置を廃止することといたしております。
 第四に、国際花と緑の博覧会政府代表の俸給月額を、一般職の職員の給与改定に準じ、引き上げることといたしております。
 以上のほか、附則において、この法律の施行期日、適用日等について規定することといたしております。
 以上が、これらの法律案の提案理由及びその内客の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#7
○委員長(井上孝君) 石川防衛庁長官。
#8
○国務大臣(石川要三君) ただいま議題となりました防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、このたび提出された一般職の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案に準じて防衛庁職員の給与の改定等を行うものであります。
 防衛庁職員の給与の改定等につきましては、参事官等及び自衛官の俸給並びに防衛大学校及び防衛医科大学校の学生の学生手当を一般職の職員の給与改定の例に準じて改定し、あわせて営外手当について改定するほか、通勤による災害を受けた職員の給与上の取り扱いについて、公務上の災害を受けた場合と同様とすること及び期末・勤勉手当の算定基礎額に加算措置を講ずることについても一般職におけると同様としております。
 以上のほか、附則において、施行期日、適用日、俸給表の改定に伴う所要の切りかえ措置等について規定しております。
 なお、一般職の職員の給与等に関する法律の規定を準用し、またはその例によることとされている事務官等の俸給、住居手当、医師及び歯科医師に対する初任給調整手当等につきましては、同法の改正によって、一般職の職員と同様の改定が防衛庁職員についても行われることとなります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#9
○委員長(井上孝君) 以上で三案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○山口哲夫君 きょうは給与問題が中心でございますけれども、最初に防衛庁長官に次期防の策定問題について一つだけお聞きしておきたいと思います。
 あす安全保障会議で二十三兆円前後の次期防の策定を決定したいという、そういう報道がなされております。二十三兆円と申しますと、中期防に対しまして毎年約一兆円の増額になります。これは大変な軍拡だと思うわけです。大蔵省では来年度の予算編成に大変苦慮をしておるようでして、自治体から五千億円も交付金を減額しなきゃならないなんというそんな話まで出ている中で、なぜ次期防の策定を急がなければならないのか、疑問でなりません。
 私は、次の三つの考えで反対であります。一つは、ことしで終わります中期防、これの達成で防衛計画大綱の水準は大体達成されているという考え方が一つ。二つ目は、今、世界全体が軍縮の方向にあります。新しい国際情勢の認識に立つならば、三年ないし五年の防衛費を先取りするというやり方は非常におかしい、そう思います。三つ目には、ゴルバチョフ・ソ連大統領が明春来日する予定です。恐らく軍縮の提案もなされるだろうと言われておりますけれども、その前に軍拡を盛り込んだ防衛力の整備計画を持つということはいかにもこれは不自然なことである、こういう考え方から私は反対でありますけれども、単年度予算方式でなぜだめなのか。
 それからもう一つは、ソ連がもし軍縮の提案をしてきた場合に、仮に次期防が決定されていた場合でも、それに当然修正を加えていかなければならないと思うけれども、そういう考え方に立つのか。
 それから、ソ連は既にもう軍縮を行っているわけでして、日本にとっては脅威の存在では全くない、そう考えるけれども、どうでしょうか。
#11
○国務大臣(石川要三君) 短時間でございますから、単刀直入に私の考え方をお答えさせていただきたいと思います。
 まず、今三点の立場から先生は御反対の意思を表明されました。
 一つは、中期防が達成されたからいいじゃないかということでございます。この点につきましては、確かに中期防でおおむね達成されたことは事実でありますけれども、やはりこれをキープする、維持するということがこれからの必要な課題ではないかな、私はこんなふうに思っているわけであります。そうなりますと、当然やはり量的なものよりも質的な向上、あるいはまた今までどちらかというと正面に追われた感のある、そしておくれておると言われる後方の整備、こういったようなものをやる必要がある、こういうことで、防衛というものの性格上、計画的あるいはまた継続的、そういう性格がございますので、現在のような中期防をやはり持つ必要があるんではなかろうか。こういうことでございますが、これはいずれにしましてもまだ決定ではございません、私の一つの意見でありますが、いずれにしましてもあした、あさってあたりの時点におきましてこれが安保会議で決定される、こういうことでございます。
 それから二番目の、今、世界が軍縮方向に向かっている、それを先取りするようなことはおかしい、こういうことでございます。
 確かに、先生の御指摘のように、今、国際情勢は全くもう私どもの想像を超えた歴史的な大きな変革であることは私は正直に認めるものでございます。しかしその反面、かつての米ソの二つの大きな対峙といいますか、そういうことによる、それが対峙の結果、逆に抑止が働いて平和も保たれてきたということがございますが、ある意味ではそういうパターンは非常に薄まっていることは事実だと思います。イデオロギー的にそういう対峙が希薄になっていることは事実であります。しかしその反面、第三国と言われる、要するに民族的なあるいは宗教的な意味の、そういう理由からの紛争が起こりやすい可能性というものがあるということも事実でございまして、そういうようなことから見て、私どもは元来からいわゆる脅威論に立つものではなくして、いわゆる大綱に基づく節度ある防衛というものは当然必要ではなかろうか、こんなふうに思っております。
 それから三番目に、ゴルバチョフ大統領がおいでになる、その際に当然いろいろと軍縮の提案が想像されるわけでありますが、そういうことを前提にした場合に、軍拡の性格のこの次期防というものはおかしいじゃないかということでございますが、その点が私は先生と認識がかなり違うわけでありまして、国際情勢の大きな変化を前提として、やはり節度ある防衛力ということでございますので、軍拡という言葉には当たらないんではなかろうか。これは認識の相違でございますが、そういうことでございますので、不自然という認識は持たないわけでございます。
 いずれにしましても、そういう三つの点につきまして私の見解を申し上げ、そしてさらに、一つには、単年度方式がだめだという理由は、一番初めに申し上げましたような理由から、やはり中期防のような一つの三年なり五年なりという、そういうスパンの計画の防衛整備というものが必要であらう、かように思うわけでございます。
 それから二番目に、今後の修正、特にゴルバチョフ等の訪日によりましてのいろんな修正でございますが、私はそれがために修正という性質のものではなかろう、かように思うわけでございます。
 そして三番目に、脅威論でございますが、それは今回の防衛白書にも示したとおりでございまして、従来から見ればいわゆるソ連の脅威論というものは言葉が不適当ではあろうということで削除した、こういうことでございます。
#12
○山口哲夫君 最後のソ連は軍縮をやっているから脅威ではないだろうということについて答えていないんですが。
#13
○国務大臣(石川要三君) 従来ソ連の脅威論というものを、脅威という言葉を使っておったわけでございますが、先生も御指摘のように、確かに極東におけるソ連の軍事力というものは量的は削減をされつつあるということは、私もこれを否定するものではございません。しかし、内容をさらに精査いたしますと、世代的にかなり近代化されているということも事実でありまして、そういう点も一部認められておりますけれども、やはり最近のゴルバチョフ大統領の一つの新思考外交という、こういう点に特に私どもは期待をいたしましていわゆる従来の認識から変えまして脅威論という言葉を削除しておる、こういうことでございます。
#14
○山口哲夫君 いずれゆっくりやることにしまして、きょうは一問だけということですから、これ以上はあれですけれども、例えば、現在の防衛計画の大綱の水準というものを維持していくとおっしゃっているけれども、それならば専守防衛にはふさわしくないようなE3Aの購入を四機もしようとしている。これはアメリカの考え方からいくと攻撃的なものに使われている。今サウジアラビアに配置されているんです。あれは専守防衛のために行っているんじゃないんです。攻撃のために持っていっているE3Aまで日本は新たに四機ですか、買おうとしている。現状維持じゃないじゃないですか。軍拡でないと言っているけれども、予算は一兆円もふえるんですよ。これが軍拡でないとは言えないと思う。
 それから、ソ連の脅威については、脅威がなくなったから今回は防衛白書で削除したと。しかし、削除したならばそれなりの軍縮をしていかなければならないんであって、全然脅威を感じていないのにあえてまた軍拡をやろうというのは、これは全然筋が通らないわけです。
 そういうことからいって、ぜひ考え直して、あすの安全保障会議でもって決定するように報道されているけれども、そんなことをやったら日本の将来に禍根を残すことになると私は思いますから、本当に真剣に論議してほしいと思うんです。そのことだけを申し上げて、次に給与問題に移ります。
 給与問題、もう三十分しかありませんが、総務庁長官、先ほど衆議院の内閣委員会を私は傍聴させてもらいました。その中で長官は、給与の改善費を当初予算に組みなさいという我が党の北川議員の質問に対しまして、財政にゆとりがあったときには組んだことがあるんだ、こう言っています。これは間違いです。政府は財政が苦しいときに組んであるんです。
 例えば、財政が苦しいかどうかということを国債発行依存度に一例をとって私は調べてみました。そうしますと、五%を当初予算に計上していたときに、例えば昭和五十二年度、国債依存度が三二・九%ですよ。現在はゼロですからね、念のために言っておきますけれども。こんなに苦しいときに五%組んでいる。二・五%組んだときも三四・七%、二%組んだときも三二・六%、一%組んだときも二九・七%、ずっと大体そのくらいの依存度になっているわけです。財政が苦しいときに組んでいるじゃないですか。そして、ゼロになったときには何と、二一%、一六・三、一一・六、一〇・七、八・四、ゼロ、財政がだんだん楽になったときに組んでないんですよ。どうですか、違いませんか。
#15
○国務大臣(塩崎潤君) 財政の苦しさの見方もいろいろあると思うんですけれども、私の見たところは、まず第一に財政上に今に比べてまだゆとりがあり、そしてもう一つ、大体一〇%を超えるような勧告が出ていた時代で、恐らく前年あるいはその前の実績を見てその半分程度の給与改善費を計上してきた、こんなふうに私は見たわけでございます。私の想像が入っているかもわかりませんけれども、そのような考え方で私は考え、しかもその給与改善費の計上については私が申し上げましたような理由があるので、ともかくも給与法の早期提案、早期成立が重要だ、こういうふうに申し上げたつもりでございます。
#16
○山口哲夫君 財政にゆとりがあるときには組んだとはっきりお答えになっているんです。財政のゆとりがあるかないかはいろいろな見方があると言うけれども、国債発行依存度というのは非常に大事な見方でしょう。あなたは大蔵省にいらっしゃっていただけに御存じだと思うんです。ずっと昭和五十年代から六十年代にかけて財政再建に一生懸命力を入れていたわけでしょう、苦しくて。そのときにちゃんと何%も組んでいるじゃないですか。赤字財政をやっと脱却したという、ゼロになって何で全然組まないということになるんですか。今一番財政が豊かになっているときでしょう、ここ一、二年は依存度ゼロなんですから。そのときに組んでいないというのはまことにおかしい。前言を取り消していただけませんか、衆議院でのお答え。
#17
○国務大臣(塩崎潤君) 私は、財政の苦しさを国債の依存度だけで見ることは、一つの考え方だと思いまするけれども、同時に財政におけるところの公債費負担、これがまたもう一つの大きな苦しさを見る基準だと思うわけでございます。御承知のように、だんだんと公債費負担率が高くなってきて二〇%を超えるようになってきたのは最近のことではないでしょうか。まだまだ赤字公債がふえる過程において、公債費率の高かった時代はあるにしても、当初の財政を組む苦しさというものは公債費負担率に比べれば苦しさが違う、こういうふうな私の判断でございます。
#18
○山口哲夫君 財政論議だけやっていたら大変なんですが、ちょっと長官のお答えは私はおかしいと思います。
 それから、もう一つおかしいのがある。人事院勧告が確定しない前に当初予算に計上するのはおかしい、こうおっしゃっていますね。言っていますよ。人事院勧告がまだ決まってもいないのにその一部を当初予算に人件費として組むのは変じゃないかということをちゃんとおっしゃっている。それはちょっと間違いだと思うんです。なぜならば、人事院の勧告の率というのはその年の経済見通しによって大体わかってくるんです。経済見通しというのは前の年に出しますね。たしか二、三日後に来年の経済見通しを出すんじゃないですか。三・七%くらいだろうと言われている。
 ずっと人事院勧告と比較してみたんです。当初の経済見通しを昭和六十一年から見ますと、四%のときに人事院勧告は二・三一%やっている。六十二年度は、三・五%の見通しのときに、ちょっと減ったので人勧が一・四七%。それから六十三年は、三・八%の見通しに対して今度は上がって二・三五%。それから元年は、四%の経済見通しに対して三・一一%の人勧。平成二年は、四%の見通しに対して三・六七になった。来年の経済見通しはこの程度だなということがわかれば人事院勧告というのは大体のところはわかるわけです。そんなに正確なところはわからないですよ、いろいろな要素が入りますから。しかし、今までの経過をずっとたどってみるとある程度わかることになっているんです。
 ですから、そういうことから考えたら来年だって三・七%、ことしより経済見通しはちょっと低いわけですが、恐らく人事院勧告は、まあ余り数字を言うのは何かと思うんですけれども、この数字からいけば三%以上は出るんではないかなというふうに見込みができるわけです。どうですか、そういう中でどうして組めないんですか。
#19
○国務大臣(塩崎潤君) 給与改善費を組むのがおかしいという言葉を使ったとすれば余り適切な表現ではないと思いますが、私は、そういう予算の組み方もあり得るし、そのことは給与改善のためには望ましいことであると思うんですけれども、予算というものは、私は主計局に一年ばかりいただけで判断する力もありませんけれども、やはり確定した債務を上げるという考え方、確定する債務を上げる考え方の方が普通の考え方ではないか。将来あり得るところの勧告を想定してこれをあらかじめ控えていくことは、確かにそのことが違法とかなんとかということではないかと思いまするけれども、国民の税金を使うときにはやはり緊迫した、はっきりしたものを計上するということの方が国民に対する理解を得る上においてより適当ではないか、こんな趣旨で私は申し上げたつもりでございます。
#20
○山口哲夫君 給与担当大臣として今のお答えは私はちょっと不適切だと思います。なぜならば、昭和四十四年から当初予算に計上することになったんです。そのときどういう意味で計上するようになったかといえば、これは昭和四十三年十二月の給与関係閣僚会議の方針として、年度途中で補正要因が大幅になると財政上いろいろ問題が起きるから事前に若干は組んでおいた方がいいという給与関係閣僚会議の決定に基づいて組むようになったんじゃないですか。担当大臣として今のお答えはおかしくないですか。
#21
○国務大臣(塩崎潤君) 私は、その点はまだ十分に研究はいたしておりませんけれども、そのような決定があったとは思います。思いますが、今給与改善費を計上していない理由は私が申し上げた理由もある、こんなふうに考えて私は申し上げたつもりでございます。
#22
○山口哲夫君 今三つの理由からおかしいと私は指摘したんですけれども、この三つの考え方に立つならば、給与担当大臣として当然これは当初予算に組む私は責任があると思うんです。そう思いませんか。
#23
○国務大臣(塩崎潤君) 私は、六十一年から給与改善費を計上していないことが違法とも思いませんし、しかもまた総務庁長官の責任となるとも思いません。そしてまた、計上していなくても給与法を成立させて勧告どおり実施いたしますことによって十分人事院勧告尊重の基本精神は貫かれている、こういうふうに考えております。
#24
○山口哲夫君 そんなことはないんじゃないですか。ことしの三月ですか、一%の予算も組んでいなかったために結局支払う金がなくて公務員に対して一回払いしなきゃならないものを二度に分けて払ったという、そういう違法措置までしたわけでしょう。だから、当然やっぱり組んでおかなきゃならないことなんですよ。だから、長官の今までのお答えからすると全くこれはおかしいと思うんで、どうですか、今後組むべきだとお思いになりませんか。
#25
○国務大臣(塩崎潤君) 私はそのときの総務庁長官でございました。三月には補正予算が成立しないために支払い財源がないという理由で二回払いにさせていただいたわけでございます。給与改善費でそれが直ちに対応できるかといえば、それは給与改善費の金額いかんにもよりましょうけれども、できる場合もあるしできない場合もある。やはり確実なる財源を計上していただくことが最も適切な方法だと考えております。
#26
○山口哲夫君 今のような答弁ですと、この問題でそれこそ一時間でもやっていたいくらいですよ。だって、長官の言っていることと現実とは全然違うんですから、違うことばかりお答えされたんじゃかなわないんで、非常に問題があると思いますよ。しかも、給与担当大臣が四十三年のこの給与関係閣僚会議、閣議の決定も知らないということは私は非常に問題があると思うんです。
 結局、長官は衆議院のお答えでは、早期決定、早期実施が最重点だ、こう盛んにおっしゃっていましたよね。たしか二、三回おっしゃっていた。しかし、お言葉ではありますけれども、本当に人事院勧告の重みを御存じなのかなと私はそれを聞いていて思ったんです。公務員から労働基本権を剥奪した代償として人事院勧告はつくったわけでしょう。本来ならドイツのように労使で決めることです。ドイツは、労使で決まったことは国会はそれを尊重するからお金がすぐ出るわけです。だから、人事院が勧告を出したら、労使で決定したと同じ重みを持つんですよ。だから、長官がおっしゃるように、もう最重点に早期実施をやらなきゃならないというのは当然のことなんで、お言葉はそうだけれども、やっていることは全然違うんだね。そういうことから考えれば、私は、今後人事院勧告が出たら直ちにこれは閣議決定をするべきだ、そう思います。そのことをお答えいただきたい。
 それと、ちょっと細かくなって嫌みに聞こえるかもしれないけれども、大体十二月支給なんというのはおかしいんで、本来であれば利子をつけて払ってもらわなきゃ困るんです。公務員行(一)表と(二)表の平均賃金で、四月からちゃんとさかのぼって出していればいいのに、一遍に差額を支給するために一体どのぐらい公務員が損をしているのかなと思って調べてみた。平均賃金の人で二千六百五十八円です。そうすると、約四十八万人の公務員、十三億円、政府はこれをポケットに入れておることになるんです。とんでもない話ですよ。差額をつけて支給してくださいと言いたいくらいです。そういうことを考えたら、閣議の決定は直ちに行うべきだと思います。今後そういう面で努力をしていただきたいと思うし、内閣改造があるようでございますので、新しい給与担当大臣にそのことをきちっと引き継いでいただきたいと思う。
#27
○国務大臣(塩崎潤君) 改造内閣の前に答弁するのも申しわけないような気がいたしますが、早期に閣議決定をし、そしてまた早期に成立をさせていただきたい、それはもう一つ私の努力の方向としてやっていきたいと思うところでございます。ですから、できる限り支払いも迅速にいたすように、しかしながら法律が通らなければ支払えない給与でありますだけに、これの利子というような計算というものはどうもなじまないような気がいたします。ですから、もうできる限り早期に成立をひとつお願いして、早期に支払いさせていただきたい。これは必ず総務庁長官にも、いかに改造がありましても、私は伝えておくことにいたしたいと思います。
#28
○山口哲夫君 本来であれば、人勧が決まったらすぐ出してほしいけれども、できれば八〇%から九〇%くらい内払いしてもいいんじゃないかな、そのぐらいの制度は検討に値すると思う。まあそれは時間がないからやめます。
 一時金の問題です。これには非常に多くの問題があると思うんですけれども、しかし次の一つだけお答えください、人事院。この職務段階別加算制度、これは民間や公務員の賃金の支給内容に大きな変化がない限り、相当の期間支給率に変更がないものと見てよろしゅうございますね。
#29
○政府委員(弥富啓之助君) ただいまの御質問にお答えを申し上げます。
 当面、まず民間の役職段階別の配分傾向に急激な変化があるとはちょっと考えられていないということが第一点。それから第二点は、また特別給の算定方式上の問題に関しても、先生御承知のとおりのいわゆる分子、分母のすき間が新たな措置が必要なほど変化するということは、ちょっと将来考えられないこと。また三番目として「今回の措置は各省庁間の人事当局及び職員団体と事前に十分な意見交換を重ねた上で総合的に判断を加えて策定されたものであるようなことなどから、加算率については今後当分の間は改正する必要はないというふうに考えております。
#30
○山口哲夫君 わかりました。
 次に、国立病院の週休二日制に移ります。
 九月四日の内閣委、この席上で総務庁長官に、国立病院の週休二日制をやっていないんだけれどもどうするんですかと言ったら、総務庁長官は、厚生省にその点は十分話をして、やるように努力する、こういうふうにお答えになったんですけれども、厚生省は余りやっていないように見えるんですけれども、一体いつから試行に入るのか、それから計画は一体あるのか、お答えください。
#31
○説明員(真野章君) 九月に先生から御質問がございました。そのときにもお答え申し上げたところでございますが、現在の交代制職員の週四十時間勤務制の試行につきましては、国立病院・療養所におきましては、現行の体制では看護婦さんなどの勤務ローテーションを組むことができないということで試行を見送らざるを得ないという状況でございます。
 そのときにも申し上げましたが、業務の見直しや合理化を含めて検討を進めてまいる所存でございますが、病院の職務の特殊性など非常に厳しい状況がございますので、関係省庁と協議しつつ条件整備を進めてまいりたいということを申し上げました。さらに条件整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
#32
○山口哲夫君 いつから入るんですかというふうにお聞きしているんです。その入るための計画はあるんですかということをお聞きしているんですけれども、それに答えてください。
#33
○説明員(真野章君) 現在のところ今申し上げましたような状況でございまして、私ども試行に入る時期、できるだけ早くとはいうふうに努力をしてまいりたいと思っておりますが、今明確にお答えができる状況ではございません。
#34
○山口哲夫君 非常に不誠意なんですね。
 総務庁長官の方から厚生大臣に対して、試行に入るべきだ、努力せいということは言われたんでしょう。
#35
○国務大臣(塩崎潤君) 努力方につきましてはお願いいたしました。
#36
○山口哲夫君 国を挙げて今週休二日制を実行しようというんですよ。日本政府にとってはこれは国際的公約ですよ。それを厚生省だけがやらない。ほかの方はみんな一生懸命頑張っているんです。
 週休二日制懇談会の報告書、答申がきのう出ましたね。それを読みますと、国立病院等については、業務の内容の再検討、勤務体制、人員配置の見直しなどの検討を深め、できるだけ早期に週四十時間勤務制の試行を実施することが必要、はっきり国立病院という名指しでやれというふうに言っているんです。こういう答申が出てでもやる意思はないんですか。
#37
○説明員(真野章君) もちろん勤務体制全体の問題でございまして、政府全体が取り組んでおる中で国立病院・療養所が現在試行に入れていない段階でございます。私ども勤務体制その他から考えまして週休二日制に入らないというようなことを決して申し上げているわけではございませんで、ただ、国立病院・療養所におきましては勤務の特殊性から非常に難しい状況にある。関係省庁といろいろ協議をしているけれども、なかなか今具体的な時期をお示しするほど内容が詰まってきていないということを申し上げておるわけでございます。
#38
○山口哲夫君 努力していると言うんですけれども、計画さえ示していないわけでしょう。どういうふうにしたらできるんだという計画まで出していないんでしょう。それだったらまるっきりやる意思がないというふうにとられたってしょうがないんじゃないですか。そこはどうですか。
#39
○説明員(真野章君) 国立病院・療養所は数多くございますし、勤務の状況も入所しております患者さんの状態その他によりまして大変まちまちでございます。計画がないということでございますが、そういう今非常に厳しい環境の中でできるだけの検討を行いまして、私どもとしても早期に試行ができるように努力をしていきたいというふうに思っております。
#40
○山口哲夫君 どこの部門でどのぐらい足りなくて、どのぐらいの看護婦さんをふやせば何とか試行に入れるんだ、そういう計画さえないわけでしょう。そうしたら、まるっきりやる意思がないんじゃないですか、そういうふうにとられたって仕方がないでしょう。どうですか。
#41
○説明員(真野章君) 計画全体につきましてはまだお示しできるような状況でございませんが、私ども、実際の看護婦さんの勤務をどういうふうに組むかというようなことから、いろいろ関係省庁と御相談をしておるわけでございまして、できるだけ早く試行というようなものに取りかかれるように努力をしたいというふうに考えております。
#42
○山口哲夫君 関係省庁と相談しているということは、ある程度ふやしてくれる可能性はあるわけですね。そうすればやれるということなんですね。
#43
○説明員(真野章君) 先生御承知のとおり、週休二日制につきましては、また一方で、現行の予算、定員の枠内で行う、また急激な公務サービスの低下は来さないという制約といいますか、政府としての方針がございまして、その中でたくさんの従業員を抱えます国立病院・療養所といたしましてはぎりぎりの、私どもできる範囲の業務の見直し、合理化、そういう自助努力を行いまして、いわばそういう自助努力とあわせて関係省庁の御理解を得て条件整備をしたいというふうに考えておるわけでございます。
#44
○山口哲夫君 関係省庁というのはどこですか。
#45
○説明員(真野章君) 定員なり予算なりということになりますので、財政当局並びに定員の査定官庁と御相談を申し上げている状況でございます。
#46
○山口哲夫君 それでは試行期日までには何とか見通しが立つわけですね。
#47
○説明員(真野章君) 試行期日がいつかということでございますが、三月に閣議決定を行いましたものは平成二年度における試行ということになっております。ことしの四月から試行に入ったわけでございますが、ただ、今申し上げましたように、予算、定員、それからサービスの低下を来さないということからまいりますと、ことしの四月時点に試行に入れませんでした国立病院・療養所といたしましては今年度中の試行というのは、その条件に変化がないわけでございますので、大変難しいんではないかというふうに考えております。
#48
○山口哲夫君 総務庁長官、人事院の報告で試行期日まで決められているのに、それさえ厚生省はやろうとしないわけです。本当に誠意があったならば、試行ですからとにかくやってみて、やったんだけれども、ここがどうしてもこのぐらい足りないんだ、何とかふやしてもらいたいんだと。しかも、勧告の中では人員の配置をやっぱり考えろと書いてあるんです、交代制職場においては。要するにふやせということですよ。
 そういう勧告まで出ている中なんですから、それは政府全体としても考えるかもしれない。しかし、計画さえつくっていない。本来であれば、やる気があったら、こういう計画でやりたいんだけれども、ここは何人足りないんです、ふやしてくれれば何とか試行に入れるんです、何とか都合つけてくれませんかといって厚生省が総務庁に言っていかなきゃならないはずなんです。そういうことを一つもやっていない。だから、もうまるっきりやる意思がないというふうに判断せざるを得ないわけです。これは政府全体としてゆゆしき問題だと思いますので、総務庁長官、ここはやっぱり何としても実行させるように努力をしていただきたい、私はそう思いますけれども、よろしゅうございますか。
#49
○国務大臣(塩崎潤君) 厚生省はそれなりに、今の大変厳しい時代の中で御努力をされていると思っております。したがって、今のお話にありますように、関係方面と連絡という言葉がございましたが、私どものところにも、予算上ではございまするけれども、定員要求の申し出があるということを考えますれば、これらの問題は配慮しての定員の増加要求であり、そしてまた交代制問題の実施の一つの準備であろう、私はこんなふうに考えております。
#50
○山口哲夫君 定数の要請等があるのであれば、そういうものをつけなければ試行できないという場合には、緊急にやっぱり人員をふやして試行させるべきだと思うんです。そういうことも検討しますね。
#51
○国務大臣(塩崎潤君) 国立病院の看護婦部門等についての定員については、私どもは最も重点を置いて研究していきたいと思っております。
#52
○山口哲夫君 ぜひ早急に検討していただきたいと思います。
 人事院にお聞きしますけれども、これは九一年度中に実施しなければならない。そうすると、来年の人事院勧告には当然これは載せなければならないことだと思うんですけれども、一部のこんな病院が試行がやれなかったからといって、足並みそろわないからといって全体の実施がおくれるなんということにはならないでしょうね。
#53
○政府委員(大城二郎君) 私ども、試行というのは、やはり完全週休二日制実施のための重要な条件整備であると考えております。したがって、一日も早く試行に入っていただくということで関係省庁にお願いしているわけでございますが、その点が全体の完全週休二日制への移行についてどういうふうな関係になるか、その点まではまだ現段階でははっきりした見通しを立てておりません。私どもとすれば、一日も早く試行を実施していただいて、それによって条件整備が整う、その結果として完全週休二日制への移行に向かって手続が進むということを期待して作業は進めてまいりたいと考えております。
#54
○山口哲夫君 そんな答弁では、これはちょっと問題があるんじゃないですか。
 総裁にお聞きしますけれども、これは閣議の決定ですよね。九一年度中に実施する、閣議決定です。しかも、これは国際的な公約です。それを、一部がやっていないからといってその時点で検討するような、今の局長のような話なら話にならぬじゃないですか。当然これは、人事院勧告の中で、何としても実行するように勧告というものは出していかなければならないんで、そんな甘い考え方でいいですか。総裁、いかがですか。
#55
○政府委員(大城二郎君) ただいま申し上げたとおりでございますが、病院関係のウエートというのはやはりかなり大きなものがございます。したがって、その部分が実施できないということで果たして国民の理解が得られるかどうか、その辺は問題視しているわけでございます。私どもとすれば、そういう観点からいたしますと、やはり何とか試行に入っていただきたい、その上で全体の判断ができるということを期待して作業としては進めてまいりたいということを申し上げているわけでございます。
#56
○山口哲夫君 ちょっと総裁からもお答えください、随分あいまいなお答えなんで。
#57
○政府委員(弥富啓之助君) ただいまの問題が今一番問題になっておるところでございまして、御存じのとおりに、ただいま交代制勤務の中で交代制実施の実施計画をもう既に終わっているもの、あるいはただいま実施計画に乗って実施計画を実行している数、それは十二月一日現在で全体で二十一万ちょっとぐらいの交代制勤務者の中の十二万ちょっとでございまして、六割ぐらいは試行を既に終わり、また試行中でございます。
 ただ、その中におきまして、まだ計画が立っておりませんのが、一番中心になりますのがただいま言われております国立の病院の問題でございます。これにつきましては、ことしの人事院の報告におきましても特に一項を設けまして、各省庁、所管省庁のみならず政府全体でこれは考えるべきことであるということを特に申し上げて我々としても進んでいるわけでございまして、私自身も厚生省の大臣にもお話を申し上げたこともございます。
 ただ、我々としては何としても、今職員局長の方から申し上げましたとおりに、公務における完全週休二日制実現のためにこれはなし遂げていかなければならない、そういう固い意志は持っておりますが、今厚生省の方から、あるいは総務庁長官の方からもいろいろお話のありましたような問題がやはりあるようでございますが、我々人事院といたしましては、何としても公務の完全週休こ日制を経済運営五カ年計画の政府の完全週休二日制達成の期間内に達成していただきたい、強く望んでいるところでございます。
#58
○山口哲夫君 終わります。
#59
○翫正敏君 防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案に関連して質問をいたします。
 私、前に質問いたしましたときに、下級の自衛隊の隊員というものは、何か防衛庁また政府の中では消耗品のように見ているのではないかという疑問を禁じ得ないということを申し上げまして、その例として一つは小松基地における事故の例を挙げまして、そのときの基地司令の対応について質問しました。
 それからもう一点としては、上の方の人は定年制というふうになっているけれども、士以下の下級の人は二年ないし三年の任期になっていて、やめさせられる場合もある、そういうことについて質問したわけであります。
 それで、防衛庁の方から下の方の職員、自衛官の任用の場合について明確に確かめておきたいんですが、継続任用する士については継続任用志願書を任免権者に提出して、そしてこの当該志願者の身体、体力の状況、職務遂行能力などについて審査をしてその諾否を決定する、こういうふうにございますけれども、身体、体力というものについてのことで審査をされるということはよくわかると私は思いますが、職務遂行能力ということについては漠然としているのでお尋ねしておきたいんです。
 最近数年間におきましても、毎年志願者数のうち二十三人ないし二十四人ぐらいの方が不適格者として採用されていないということがございますが、これについて具体的に、例えば思想、信条というようなものにかかわって不適格とされた人はいないのかとか、どのような状況によって不適格とされたのかということについて御説明願いたいと思います。
#60
○政府委員(坪井龍文君) お答えいたします。
 今、先生が御指摘のとおり、過去志願者数というのが五年ほど見てみまして大体一万七千とか一万八千とございますが、その中から継続任用に不適格者として挙がっている数字が大体十何名から二十名程度でございまして、それはいずれも身体的な状況あるいは勤務成績等が隊の遂行にたえられないといったようなことで不適格になっているということでございまして、先生が今おっしゃいました思想、信条といったようなことからその人を継続任用しないという事例はないというふうに承知しております。
#61
○翫正敏君 例えば、自衛隊の海外派兵の関連法案が、国連平和協力法でありますが、出ましたときなどにも、マスコミ等に匿名で下級自衛官の人の声が出まして、できれば行きたくない、そういう声が出ました。それは極めてもっともな声だというふうに私は受けとめたわけでありますけれども、そういう考え方の人をチェックしたりするような方法を通じて、これもやっぱり思想、信条にかかわることだと私は思いますけれども、自衛隊に入ったのは専ら守るばかりである、専守防衛であるということで、日本の国土が急迫不正の侵害を受けたときに立ち上がるという、そういうことになっていたので、海外へ出ていくというようなことは夢想だにしていなかったというような、そういうことで今ほど新聞の記事を紹介しましたような御意見もあったのだと思いますが、今後も含めてそんなようなことなどが再任されないというような理由になるということは万一にもあり得ない、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
#62
○政府委員(坪井龍文君) 最近のデータは持ち合わせておりませんので確たることは申し上げられませんが、過去の私どもの継続任用の事例から見まして、そういった身体的な状況とか勤務に不適当であるといったようなことを除いての理由というのはまず考えられないというふうに私は考えております。
#63
○翫正敏君 関連して、石川防衛庁長官にお尋ねしておきたいんですが、新聞の報道を見ますと、国連平和協力法案の最終的な内容が確定する直前の十月九日の閣議の後、長官と首相が会話をしたという報道がされておりまして、それを見ますと、ちょっとここを読みますと、
  防衛庁長官 あなたの政治思想、政治信条を貫きなさいよ。
  首相 どういうことですか。
  長官 自衛隊を(平和協力隊から)はずせということですよ。
  首相 いまさらそんなことはできません。
こういうやりとりが報道されているわけですけれども、こういうことも、やはり自衛隊員の方々が消耗品のように扱われてはいけない、こういう趣旨でおっしゃったのではないかと私はこれを読んで受けとめたんですが、そんなことでしょうか。
#64
○国務大臣(石川要三君) 私と総理とのいろんな会話は、そのお尋ねの内容の件にかかわらずいろんなことがあるわけでありますから、その一々につきましてはコメントを差し控えさせていただきます。
#65
○翫正敏君 ぜひコメントしていただきたかったんですが、残念でありますが、コメントできないとおっしゃるものをそれ以上言いましても水かけ論になると思いますけれども、そういう会話があったということは事実ではありますね。
#66
○国務大臣(石川要三君) 私も大臣になりましてわずかな期間でございますが、少なくとも自衛隊を消耗品扱いなどということは常に毛頭考えていないことだけはここではっきり申し上げます。
#67
○翫正敏君 軍事費の問題と人件費の問題について前に私も少し考えておりましたら、質問に関連して自民党の議員さんの方から、日本の防衛費がいわゆる軍事費大国と言われるように上昇している非常に大きな要素の一つは人件費の比率が高いことであるというような、そういう不規則発言などを聞きまして、私はそのとき実情を詳しくわかりませんでしたので、そうなのかなというふうに思いましたんですけれども、調べてみましたところ必ずしもそうではないようなので、これを確認していただきたいんです。
 日本の防衛費に占める人件費の割合が四〇%ということでありまして、米国、フランス、イギリス、西ドイツというところを比べてみますと、イギリスにおきましてもやはり四〇%、そして西ドイツにおきましても四〇%、こういう数字であると思いますが、間違いないでしょうか。フランスにおいては三二%というふうに若干低くて、アメリカにおいては人件費は二七%と相当低いということなんですが、この数字。それから、もう一方の軍事大国でありますソ連のことについては、私はちょっと資料が見つかりませんでしたのでわかりませんが、大体どれくらいと把握しておられるか、その辺を御説明ください。
#68
○政府委員(村田直昭君) お答えいたします。
 まず、各国の防衛費に占める人件費の割合でございますが、そもそもそれぞれの定義あるいは範囲というものが国によって大変異なっておりますので、外部にあらわれた計数のみで単純に比較することにはまず問題があるということが前提でございますが、あえて先生お尋ねの点についてお答えしますと、一九九〇年度におきまして比較しますと、我が国はおっしゃるとおり四〇・一%、イギリスは四一・四%、先生が言われる四〇%、それから西ドイツも先生言われた四〇%ですが、詳しくは四四・一%というような状況にあります。それから、御指摘のフランスについてはおっしゃるとおり三二・五%、米国の方は二六・二%というような状況になっております。
 それから、ソ連でございますが、ソ連の人件費比率ということにつきましては、ソ連のデータが非常に不確かなデータでございまして、一応政府の発表をもとにして申し上げますと、ソ連の公式国防費については一九九〇年度で約七百九・七億ルーブルと言われております。ただ、これは御承知のとおりでございますが、西側の推計によれば実際にはその二倍程度であるというようなことが言われておりますが、いわゆる政府の公式発表であります七百九・七億ルーブルという国防費。
 それから、人件費につきましてはいろいろな書籍を見ましても記述がございません。ただ、その同じ一九九〇年度の七百九・七億ルーブルの内訳としてバビエフ・ソ連国防省経理局長という人が発言したものがありまして、その発言によりますと六十八億ルーブル、九・六%ということにカウントしますとなりますけれども、これはあくまでその担当局長が発言したものを我々が収集したものでございます。
#69
○翫正敏君 ソ連の人件費は九・六%なんですね。
#70
○政府委員(村田直昭君) 今申し上げましたとおり、この局長が言いましたのが六十八億ルーブルと言っておりますので、九・六%に当たることになります。
#71
○翫正敏君 ソ連が極端に低いようでありますけれども、アメリカも低い。この両軍事超大国については、やはり世界のお互いの陣営を守る警察官的役割を果たす中で軍事費に特段の費用を割いている、パーセントも非常に高いという、そういうところから人件費の比率が低いというふうに思いますが、その他の今ほど言いましたフランス、イギリス、日本、西ドイツは比べてもそんなに差があるわけではないので、日本の防衛費の金額の問題を考えるときに、人件費が高いから防衛費が上がっているんだ、高いんだ、そういうふうなことは言えないと、こういうふうに理解してよろしいですね。簡単にお願いします。
#72
○政府委員(村田直昭君) どういう場で人件費が高いから防衛費が高いということが言われたのかは私は存じませんが、要するに必要な人員に対し所要の経費を計上しておるということでございまして、それだけのことでございます。
#73
○翫正敏君 それで、ミリタリー・バランスによってNATO諸国の標準定義によって防衛費というのを比較すると、一として正規軍にかかわるすべての支出、二として他国に対する軍事援助、装備及び訓練の供与も含む、三、軍人恩給、四、駐留部隊に対する受け入れ国政府の負担経費、NATO施設経費、五として文官スタッフの経費がすべて含まれ、準軍隊にかかわる経費は除外されるということで比較されております。
 この比較でいきますと、一九八八年及び一九八九年のこの比較をしますと、一位米国、二位ソ連、三位フランス、四位イギリス、五位日本、六位西ドイツ、こういう防衛費の順番になるのですか。
#74
○政府委員(村田直昭君) まず、今御指摘のミリタリー・バランスには先生が今読み上げられましたような記述がございます。ただ、あくまでNATO自身はその定義を秘扱いとしておりまして、私どもとしてNATOがそういうふうにしておるんだというようなことは確認することが困難であるということで、それを前提といたしまして一九八八年度のいわゆる防衛費を国際比較してみますが、その前に、先生まだおっしゃらなかったわけですけれども、先生のおっしゃった中には軍人恩給なんかの問題について日本がどう扱っているかというお示しがなかったわけで、その点がちょっと私どもとしては理解をしがたいわけで、もしそれを入れるのかどうか、そういう点が御指摘があればまた……
#75
○翫正敏君 だから、さっき言いましたようにNATOは三番として軍人恩給を入れるという、日本の政府ではその何%かを計算するような感じに受けとめておられると思うんですけれども、要するに順位ですね、時間もありませんので、概略として八八年、八九年については日本は上から数えて五番目、こういうことですかと、それを簡単にお答えください、次にほかのことで聞きたいことがあるので。
#76
○政府委員(村田直昭君) 簡単にお答えしますと誤解を生じますから正確に申しますと、今御指摘のような軍人恩給のうち普通恩給及び扶助料というようなものを仮にNATO定義と同じものとして推定した上で加えて御指摘の試算をしますと、一九八八年度及び一九八九年度についてはいずれも日本が世界第五位の水準にあるということは言えるわけであります。
#77
○翫正敏君 一九九〇年はこれが二つ上がって三位になっている、そういうふうに一部の資料には書いてあるんですが、大体そういうふうに上がっていますか。
#78
○政府委員(村田直昭君) 今お答えしましたものはすべてミリタリー・バランスによってお答えしておるわけでございますが、と申しますと、一九九〇年度についてはいまだNATO定義国防費が公表されておりませんので比べようがないということでございます。
#79
○翫正敏君 やがて出ると思いますので、出たらまた確めたいと思いますが、きっちり把握しておいていただきたいと思います。
 次に、質問はちょっと変わりますが、防衛白書に書いてある記述について防衛庁に質問いたします。
 防衛白書の九十九ページを見ますと「武力行使の目的をもって武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣するいわゆる海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないと考えている。」、こういうふうに記述がありますが、このとおりだろうと思いますけれども、その「他国の領土、領海、領空」ではないところ、そして我が国の領土、領海、領空においては自衛権の発動であって合憲であるというのが政府の解釈であろうと思いますが、私は自衛隊そのものが憲法違反だとは思っておりますけれども、それはともかくとしまして、そのいずれでもないところ、つまり公海上においてはどういうふうに考えているのか、それをお答えいただきたいと思います。
#80
○政府委員(大森政輔君) 防衛庁に対するお尋ねでございますが、憲法問題でございますので法制局からお答えをいたします。
 我が国が外部からの武力攻撃を受けた場合に、我が国が自衛権の行使として我が国を防衛するため必要最小限度の実力を行使することができる地理的範囲いかんという問題でございますが、これはただいま御指摘ございましたように、必ずしも我が国の領土、領海、領空に限られるものではない、公海及び公空にも及び得るということは、衆議院議員森清議員の質問主意書に対する昭和六十年九月二十七日付の答弁書その他累次の機会におきましてたびたび申し上げてきたとおりでございます。
#81
○翫正敏君 今までもたびたびお答えになっているかもしれませんが、念のために聞きますけれども、ペルシャ湾の公海部分において日本の船舶が攻撃を受けたという場合には違憲とされる海外派兵には当たらない、自衛権の行使である、こういうふうになりますか。
#82
○政府委員(大森政輔君) まず、一般的な基準についてお答えいたしますと、ただいま申し上げましたように、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲内で公海上においても我が国として自衛権を行使することが認められるということになるわけでございます。
 そこで、お尋ねのケースがただいまのような場合に当たるのかどうかということでございますが、これは具体的な事情に基づいて個々の事案ごとに判断すべき事柄でございまして、ただペルシャ湾の公海上で船舶が攻撃を受けたという所与の条件だけでどうこうということを仮定的に申し上げるのはいかがかと思いますので、一般論として申し上げるには適しないのではなかろうかというふうに考える次第でございます。
#83
○翫正敏君 憲法上許されない行動であるというわけではないというふうに考えているのですか。
#84
○政府委員(大森政輔君) ただいまの私の答えをそのようにお受け取りいただくのは、いささか意図するところと違います。要するに、具体的な事情に基づいて個々的に判断すべきであるということではございますけれども、公海においても自衛権を行使できるといいますのは、あくまで我が国を防衛するために必要最小限度の範囲内においてであるということでございますので、どうしても一般論を言え、一般的な結論を言えということになりますと、御質問のような場合は、まずこの自衛権を行使できる場合には当たらない場合が多い、ほとんどまず当たらないであろう、これも一般論でございますが、ということは言うことができるのではなかろうかと思う次第でございます。
#85
○翫正敏君 防衛白書の百ページのところには、
 憲法第九条第二項は、「国の交戦権は、これを認めない」と規定しているが、わが国は、自衛権の行使に当たっては、既に述べたように、わが国を防衛するため必要最小限度の実力を行使することが当然に認められており、その行使は交戦権の行使とは別のものである。
というふうに記述がございますので、これも憲法上の解釈で簡単にお答え願いたいのですが、交戦権というのは、それではどういう権利なのかを説明してください。
#86
○政府委員(大森政輔君) 憲法九条第二項は、ただいま御指摘のような規定をしているわけでございますが、同条に言う交戦権とは、戦いを交える権利という意味ではなくて、交戦国が国際法上有する種々の権利の総称でありまして、相手国兵力の殺傷及び破壊、相手国の領土の占領、そこにおける占領行政、中立国船舶の臨検、敵性船舶の拿捕等を行うことを含むものであると解しているわけでございます。このような権利は、これを認めないというのが憲法の法意でございます。
#87
○翫正敏君 次回にまた機会あるときにこの憲法の問題はもう少しやりたいというふうに思います。
 時間が全然なくなったのでほかのことを聞きます。
 昭和三十二年五月に国防会議及び閣議で決定された「国防の基本方針」の一番目に、まず「国際連合の活動を支持し、国際間の協調をはかり、世界平和の実現を期する。」ということが書いてありまして、四番目に行きまして、「外部からの侵略に対しては、将来国際連合が有効にこれを阻止する機能を果し得るに至るまでは、米国との安全保障体制を基調としてこれに対処する。」、こういうふうに書かれております。
 国際連合が有効にその機能を果たすというのは、具体的にはどういうことを言っているのか例示していただきたいのです。例えば、今回の湾岸危機というようなものが国連の諸活動によってもしも平和的に解決されるというようなことになりますと、そういう事例の積み重ねが国連が有効に寄与するということになるのではないかと私は考えておりますが、そう理解してよいか。そういうことが積み重ねられていくと、米国との間の安全保障体制というものは国連中心の方にシフトが変わっていく、こういうふうに理解してよろしいですか。
#88
○説明員(高須幸雄君) お答え申し上げます。
 国際の平和と安全の維持を主要な目的といたしまして国連はできたわけでございますけれども、これまで東西対立という国際社会の基本的な構造に阻まれまして、本来の役割を十分に果たすことができないという状況が続いてきたわけでございます。しかしながら、最近の米ソの協調関係の進展を初めといたしまして、東西関係が変化いたしておりますので、世界各地の地域紛争解決に向けまして国連が積極的に役割を果たせ、機能を高めろという期待が非常に高くなっていることは確かでございます。こういうことで、国連の平和持機能がさらに強化されるということは、新しい展望が開けつつあるということだと思います。
 しかしながら、国際社会の平和と安全は依然として力の均衡と抑止によって維持されているということは厳然たる事実でございまして、政府としましては、我が国に対する外部からの侵略を阻止する機能まで現在の国連が有効に果たしているかということまでは考えておりません。極東の平和と安全の維持をすべて国連にゆだねることができるという状況にもいまだ至っていないと言わざるを得ないと考えております。
#89
○翫正敏君 いまだ至っていないということをおっしゃるのを聞いているんではなくて、例えば今回の危機的状況というものを国連を通じて解決していけるというようなことになった場合、そういうことが積み重ねられていくような事例の中で国連の機能が有効に発揮されるような事態ということになって、そしてそれは米国との間の安全保障というものから国連中心に変わっていくという、つまり日米安保条約はだんだん要らなくなる、そういうふうに考えてよろしいのですかと聞いているわけです。ここに書いてあるのはそういう意味ですかというふうに聞いているわけです。
#90
○説明員(森敏光君) ただいま国連局の国連政策課長から御説明いたしましたように、私どもといたしましては、国際情勢は変化を遂げておるわけでございますけれども、国際社会の平和と安全が依然として力の均衡と抑止により維持されているという認識を持っております。
 このような状況の中で、日米安全保障体制というのは、引き続き極めて重要な役割を我が国の安全及び極東の平和と安全のために果たしておると考えております。したがいまして、このような我が国及び極東における平和及び安全の維持にとりまして、現在の状況でもなお安保体制の有する意義はいささかも失われていない、かように考えております。
#91
○翫正敏君 私はこれからのことについて聞いたので、すれ違いになりますから、そのうち時間があるときにまたやらしていただきます。
 関連して、在日米軍の駐留経費の問題で防衛庁長官にお聞きしたいんですが、アメリカの下院本会議では、九月十二日に在日米軍経費の全額負担を要求する決議を三百七十対五十三の大差で可決をして、あわせて、日本がこれに応じない場合は毎年五千人の米兵を引き揚げると、こういうふうにしたわけでありますけれども、この決議を防衛庁長官としてどのようにそのとき受けとめられたかをお聞かせ願いたいと思います。
#92
○国務大臣(石川要三君) ただいまの件でございますが、御指摘のような決議が九月の十二日に下院本会議でなされた、その後所要のプロセスを経て十一月十五日に大統領によって署名されたことは承知しております。
 米国の議会の動きにかかわることなのでコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしましても米軍駐留経費、この問題については私はやはり今後も努力をしてできるだけ御協力していく、こういう基本的な姿勢は必要ではないか、かように思います。
#93
○翫正敏君 私は、在日米軍というのは第二次世界大戦後の占領軍がそのまま日本に居座っておるものであって、それが日米安保条約というものを根拠として日本に基地を保有している、こういうのがずるずると戦後今日まで四十五年間続いている、こういうものにすぎないのであって、毎年五千人ずつ米兵が引き揚げるということならば、どうぞお帰りくださいと、こういう気持ちなんですけれども、長官のそのときのお気持ち、今はどうか知りませんが、そのときどういうお気持ちだったか、ひとつお聞かせください。
#94
○国務大臣(石川要三君) 今の御質問のように、第二次世界大戦後、米軍が日本に入ってきてそのまま何となくずるずる居座ってしまったというような、そういう認識は私は持っておりません。やはり今日までの平和が続き、日本が今日までのこのような繁栄をもたらすことができたということには、米軍の存在があった、大きくその効果があったということはこれは私は認めているわけでありますし、またこれはいつまでと言うことはできませんけれども、今日のアジアの情勢から見て、依然としてやはり引き続き駐留は必要である、このように考えております。
 ただ、私はいつか、あなたも知っていると思いますが、新聞のコメントに出たことだと思いますけれども、要するにこれをしなければこうするぞと言わんばかりのこういうことにつきましては、国民感情として非常にこれは重要な問題がある、こういうことを私は申し上げたわけであります。
#95
○翫正敏君 あのときの新聞記事を読みまして全く同感の気持ちでありましたので、今のことをお聞きしたかったわけであります。
 そのことに関連して、日米世論調査というものがアメリカのハリス社と日本の朝日新聞と共同でことしの四月から五月にかけて行われたというのが公表されております。
 もうこの点だけお聞きして終わりますが、この第五問というのを見ますと、「日本は現在、国内に駐留しているアメリカ軍の経費のうち、およそ四割を負担しています。「これをさらに増やし、アメリカの負担をもっと軽くすべきだ」という意見があります。この意見に、あなたは、賛成ですか。反対ですか。」、こういう問いで、米国の調査においては「日本が防衛費をもっと増やせば、米国がいま日本の防衛のために使っている約四十億ドルのかなりの部分を、米国は削減することができる」という形で聞いたというのに対して、「賛成」であるという日本の調査が一六、「反対」が七一、「その他・答えない」が一三ということになっております。全く逆に、アメリカの方の調査が「賛成」七八、「反対」一八、「その他・答えない」四ということで、「その他・答えない」が日本の方が多くてアメリカの方がかなり少ないのは、アメリカの人の方が物をはっきり言う人が多いということだろうと思いますが、それを除いて見ますと全く完全に逆転した数字になっているわけです。
 このことを踏まえた上でも、私は、やはり日本の国民感情、国民世論というものを重視して、長官がさっきおっしゃったような視点から今後物を進めていった方がいいと思うんです。アメリカの方は逆に七八%の賛成世論に乗って日本に駐留経費のさらなる増大を要求してきていると思いますが、もう一度この世論調査の結果を聞いての御感想をお聞かせください。
#96
○国務大臣(石川要三君) 駐留経費をめぐっての日米のアンケートの答えはまさしく日米が逆になっているわけですが、これは当たり前だと思うんです。アメリカから見れば日本にもっと持ってもらいたい、日本から見れば少なくしたい、そんなことはもうだれでも当たり前だと思う。ただ問題は、失礼ですが、このアンケートの設問の仕方が少し粗っぽいんじゃないかと。この駐留経費の問題は、先ほど申し上げましたように、我が国の平和とアジアの平和のためにアメリカのプレゼンスが必要かどうかということからあくまでも判断すべきであって、ただどっちが多いか少ないかがいいかといったら、だれだって、アメリカ人は多くして日本人は少ない方がいいと言うのは当たり前のことで、ちょっと私は設問自体が少し粗っぽ過ぎるなという感じがします。
 いずれにしましても、私はそういうことでありますが、ただ、先ほど一番あなたのお聞きしたかった点のお帰りなさいという問題については、アメリカが、たとえ行政府でない議会の立場としてもああいう一つの決議は十分これは考えるべきものではないか。それとアメリカのプレゼンス必要性というのはこれは次元が違うわけでありますから、その点は御理解いただきたい。
#97
○翫正敏君 終わります。
#98
○小川仁一君 防衛庁の給与に限って御質問いたします。
 今回の防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案に「理由」として「一般職の国家公務員の例に準じて」、こういう言葉があります。そしてまた、大臣が先ほど提案理由をべられましたが、この中にも、今度は「法律の一部を改正する法律案に準じて防衛庁職員の給与の改定」、それからさらに「一般職の職員の給与改定の例に準じて改定し、」、また期末・勤勉手当については「一般職におけると同様」としております。そして最後に、事務官の部分については、「一般職の職員と同様の改定が防衛庁職員についても行われることとなります。」、こういうふうにいろいろ書き分けてあるんです。書き分けてあるということは何か理由があるんですか。この提案理由の「例に準じて」ということが最大で、そのほかに幾つもの用語というのは何か法律的に意味があるのか、あるいは思惑があるのかはっきりしませんので、これは長官でも結構ですし、いろいろ給与改定をなさった事務の責任者の方でも結構ですから、この点について御説明願いたいと思います。
#99
○政府委員(坪井龍文君) お答えいたします。
 今、先生がまさに御指摘のように、法案の「理由」であるとか提案理由におきまして、「準じて」あるいは「例に準じて」、または「例による」等々の用語を用いておりますけれども、私ども正確にこの用語の定義をする立場にございませんが、過去に法制局の方でも国会におきまして御答弁している例がございますので、換用させていただきながらお答えいたしますと、「準じて」という場合には、本来そのものと全く同じではないが、性質とか内容において類似している場合にその準じられているものと類似の取り扱いをする場合に用いられるのが通常であるというふうに私ども承知しております。また、「例に準じて」という場合におきましては、通常広くある制度ないし一連の法令の規定に包括的、総体的にのっとりつつも、さらに個別の事項につきましてはその類似点に着目して類似の取り扱いをするという場合に用いているのが通例であるというふうに承知しております。
 ところで、防衛庁職員の給与につきましては、先生御案内のとおりでございますが、従来から職務の類似する他の国家公務員の給与と相互に均衡がとれるように定めているところでございます。例えば、自衛官の俸給につきましては、職務の内容が比較的類似する公安職等の俸給を基準として定めるなど一般職との均衡を考慮しながら類似の取り扱いをしているということでございます。
#100
○小川仁一君 「同様」というのは。
#101
○政府委員(坪井龍文君) 「同様」というのは、全く同じような扱い、原則としましてそのまま包括的に同種の事項に当てはめようとする場合に私ども用いているということでございます。
#102
○小川仁一君 お答えは六十年に私が質問したのよりちょっとまた違った面もありますけれども、そのころは「同様」という言葉をお使いにならなかった。「同様」という言葉は二カ所使われておりますが、加算措置が「同様」です。事務職員の給与が「同様」ですが、その「同様」に措置されたことの給与の中身、加算措置の中身が違うようなんで、この「同様」というのと内容との問題についてきっちりお答え願いたいと思います。
#103
○政府委員(坪井龍文君) 今、先生がおっしゃいました例えば事務官等につきましては、一般職の行政(一)なりその他の俸給をそのまま適用させていただくという意味で「同様」というふうに使っておりますし、自衛官あるいは参事官等の俸給表におきましては、御案内のように調整率であるとか調整手当を組み込む等によって俸給表をつくっている。そういう意味で全体の一般職の改定に準じている点、そういう意味でそれに準じて我々の俸給表をつくっているということでございます。
#104
○小川仁一君 一般職の職員と同様の改定が防衛庁職員について行われることになりますというのは、これは事務官の方です。これはイコールですね。
#105
○政府委員(坪井龍文君) そうでございます。
#106
○小川仁一君 そうすると、「同様」というのはイコールと解釈していいですか。
#107
○政府委員(坪井龍文君) 私どもがこの給与法の改定の中ではそういう意味で使っているということでございます。
#108
○小川仁一君 そうすると、前に戻って、「期末・勤勉手当の算定基礎額に加算措置を講ずることについても一般職におけると同様としております。」というのも一般職と同じと考えていいですか。
#109
○政府委員(坪井龍文君) ちょっと正確を欠いているかもしれませんが、今の「同様」という意味が若干広くというか内容的に同じものを意味しているということで、私どもそういう使い方をしております。
#110
○小川仁一君 二つの「同様」の使い方が解釈が違うんですか。同じじゃないんですか。
#111
○政府委員(坪井龍文君) 言葉自体というのは違いませんが、その中に含まれている意味としましては、今言った内容においても同じ内容のものにするという意味での意味合いを「同様」という言葉で使っている。それから、そっくり同じものももちろん当然ある。
#112
○小川仁一君 それで、同じような言葉を二カ所ずつ使っていますから、これからよくお考えになってこういう言葉をお使いになるようにしないと、私たち見ている者が困難を生じますから今後ひとついろいろ御検討願いたいと思いますが、今あるものは同じものという考え方でお聞きをいたします。
 そういたしますと、自衛官にも加算措置が行われてまいるわけでありますが、自衛官の加算率は公務員の加算率と率が違いますね。
#113
○政府委員(坪井龍文君) はい、違っております。
#114
○小川仁一君 「同様」ということとのかかわりは。
#115
○政府委員(坪井龍文君) 先生御案内のとおり、自衛官の俸給表の中には、調整率としまして超過勤務手当等の相当分というものが含まれております。さらに、調整手当につきましても、一定のパーセンテージで俸給の中に含めておりますので、その分を減ずるというか、そういう意味でパーセンテージを違えているということでございます。
#116
○小川仁一君 初めからそれを引いて同じ率にしないで、そして調整率があるから支給率のパーセントの方を低くすると、こういう考え方になるわけですね。
#117
○政府委員(坪井龍文君) と申しますと、全体の年間の収入というものを一般職と先ほどの「同様」というので一緒にするという意味から逆にはじいていきますと、先ほど申し上げております調整率の分というのは多くなるわけでございますので、その分を今の加算措置の率につきましても逆算してはじいて減じておるということでございます。
#118
○小川仁一君 自衛隊の勤務状況の中でいろいろな特殊な手当があることはわかっております。ただ、一般公務員について人事院が一つの勧告を行ったものを皆さんの方で変えようとするなら、逆に基礎の方を変えておいて同じ率にするという方が妥当性を持つと思いますが、そういうことはできないんですか。
#119
○政府委員(坪井龍文君) 今、先生がおっしゃることも大変もっともな御意見なんでございますが、私ども予備隊発足以来、自衛官の俸給表というものを一般職公務員との均衡を図りながら、かつ自衛隊の職務の特殊性というものに着目しまして、そういったものを織り込んだ俸給表というのが現在のところまで我々としては最も妥当なものじゃないかというふうに考えているわけでございます。それ以外に本来自衛官の俸給表として理想的なものが仮にあり得るとするならば、そういったものも追求しなきゃならないと思うんですが、現在我々としてはいろいろ勉強させていただいておりますけれども、これまでの我々のやり方が最もいいんじゃないかというふうに考えている次第でございます。
#120
○小川仁一君 同率でいきますと一般公務員よりも自衛隊はかなり多額の加算措置になるわけですから、遠慮なさったと、こんなふうに解釈をしながら、しかしやっぱり、先ほど「同様」という言葉をお使いになったり、「準じて」という言葉をお使いになったりすると、特殊的な勤務における一つの特殊性の手当とかその他の問題と、基本的な物の考え方とは区別して考えられるのが今後の給与体系の基礎になるのではないかという私は考え方を持っております。
 続いてお聞きしますが、加算率、防大卒で一選抜に必要な経験年数三年ぐらいで二尉になりますが、二尉になると在職三年以上で五%の加算がつく。これと、一般職の場合は公務員試験を受けてキャリアでも、トップでも五年なければ五%の加算がつきません。教員の場合ですと、これは免許状を持った専門職でありますが、十二年たたなければ五%の経験年数による加算がつかないというふうに聞いていますが、防大を終わって三年で五%つくというのも常識ないんじゃないですか。
#121
○政府委員(坪井龍文君) 今、先生がおっしゃいましたように、二尉につきましては在職三年ということでございまして、防大あるいは一般大学で防衛庁に入る試験を受けて入った一般幹部候補生が三尉になりますと三年ということで、確かに今、先生がおっしゃるとおりのことでございます。
#122
○小川仁一君 先ほどから優位になることを恐れていらっしゃるんですから、やっぱり特権的と、こういう言い方をされてもやむを得ない要素もあると思いますから、まあこれは政令ですから変えることが可能ですから、同じように再検討していただきたいし、さっき言ったように率を減らしていくとすれば、一〇%の率のところが九%になっておりますが、五%のところには四%になっていない。ここだけが五%、こういう矛盾もありますから、非常に御都合主義の加算だというふうに感じます。
 大臣、いかがでしょうか、こんなふうにみんな違い過ぎるとひどいんですが、御感想を後でお述べ願いたいと思います。
#123
○政府委員(坪井龍文君) 今、特権的とおっしゃられましたが、私ども公安職の方とのリンクで考えさせていただいておりますので、そのことが一点。それから、二尉のところ、要するに幹部候補生、うちの内部の幹部として上がっていく経過階級でもあると同時に、また二士で入ってきた場合に、そこ等にたどり着くという場合と両方あり得るわけでございますが、この二尉のところというのは、陸の場合で申しますと小隊長といった約三十人ぐらいの部下を持つといった職でございまして、この二尉の階級のところには我々としてはぜひ役職加算というものをしていただきたいというのが念願でございました。そういうことで、いろいろ調整の結果こういうことになったということでございます。
#124
○小川仁一君 時間が過ぎまして済みません。最後に二つだけ要望いたします。
 期末・勤勉手当の加算措置について、公務員の特殊性を考慮して、支給格差による新たな問題が生じないよう慎重な配慮を行うとともに、今後はその対象の拡大に努めること。もう一つは、国家公務員の給与改善見込み額については当初の予算に計上するように努めること。特に財源問題が近年難しくなっておりますので、ぜひお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
#125
○吉川春子君 給与法改定についてお伺いいたします。
 政府は、今回人勧に基づきまして期末・勤勉手当に役職段階別加算措置、すなわち差別支給制度を導入しました。
 まず、公務員の期末・勤勉手当とは何でしょうか、伺います。一九八七年八月二十七日、当時の給与局長が、標準生計費に関する私の質問に答えて期末・勤勉手当も生活費の一部であると答弁されておりますが、生活費の一部というふうに理解してよろしいわけですか。
#126
○政府委員(森園幸男君) 生活費であるかどうかという御指摘でございますが、例えば俸給月額につきましても「職務と責任に応じてこれをなす。」ということにはなっておりますが、一面から見ますと労働再生産の糧としての生活費の側面を持っているということでございまして、一概に一つの給与種目を生活給一点張りで他の要素はないというふうな評価を私どもはいたしておりません。
#127
○吉川春子君 そうしますと、他の要素というとどういうことが加味されますか。
#128
○政府委員(森園幸男君) 民間の一時金を公務部内の特別給として導入したものが期末・勤勉手当でございますけれども、民間の一時金は、企業の利益の配分でありますとかあるいは功績報賞、それからもちろん生計費の補てんといういろんな趣旨とか目的から支給されておるものでございまして、またそれの趣旨、目的を反映いたしまして、その算定の仕方につきましても企業によって若干の差異がございます。
 私どもの公務の特別給は、このような民間の一時金の支給の動機というものを直接そのまま取り入れるということではございませんで、あくまで経験的な事実といたしまして、民間におきまして賞与等の一時金が広く支給されておる、これがまた年間給与の中で相当高いウエートを占めているという現実があるということでございますので、したがいまして、職員に支給されます給与額について、実質的な官民均衡を図るとするならば、公務員においてもいわゆる期末・勤勉手当としてこれを制度化する必要があるとして導入したものでございます。したがいまして、その支給の性格が一様ではないという民間の制度を背景にしておるものでございますから、これを何々給という形で特に特定することはなかなか困難である、こういうふうに考えております。
#129
○吉川春子君 私がこれから伺おうとすることまで先にちょっと答弁含めておっしゃられましたけれども、公務員の一時金の性格について伺っているわけなんですけれども、生活給プラスアルファがあるとすれば公務員の一時金のプラスアルファの性格というものはどういうものを含むのか。民間のことはまたこれから聞きますが、そこだけに限ってお答えいただきたいと思います。
#130
○政府委員(森園幸男君) 実定法に則して判断することが必要かと思いますけれども、現在の期末・勤勉手当は、基準日に在職する職員に対しまして一定の算定基礎給に支給月数とかあるいは在職期間、勤勉手当でいいますと成績率、こういうものを乗じて算出するという仕組みでございますから、ある意味でその算定基礎給比例的な部分とかそういう要素を持っている。そういう意味ではかなり職務給といいますか、そういう要素を払拭したものではない、こういうことでございます。
#131
○吉川春子君 ちょっと席が遠いのでよく語尾まで聞き取れないので大きな声で言ってほしいんですけれども、そうしますと、民間のボーナスが利益配分あるいは業務成績というようなものを含むとおっしゃいましたけれども、それと公務員の一時金というのは性格は同じなのか違うのか、端的にお答えください。
#132
○政府委員(森園幸男君) 支給の動機そのものが、例えば利益配分という色彩の強い企業と比べますと、公務におきましては利益配分という要素はないとこれは申し上げざるを得ないわけです。先ほども言いましたように、一時金というものが現実に支給されておる。その背景は、公務と企業とはそれは違いはございましょう。ございましょうが、これを放置いたしますと年間給与におきまして官民の均衡を保てないということから制度化されたものでございますから、その性格を逐一対比的に申し上げることはなかなか難しい、こういうふうに申し上げているわけです。
#133
○吉川春子君 だから、公務員の一時金の性格をおっしゃれないわけなんですよ。利益配分的なものはないと今明確におっしゃいましたけれども、民間で出されているいわゆるボーナスの性格が、いい悪いは私はこの際言いませんけれども、利益率とか業務成績とかその配分、そういうものを含んで役職にかなり分厚く加算されている。
 ところが、利益配分とかそういうものを持たない公務員において、民間準拠ということで今度一時金の役職段階別加算制度を導入するということは、理屈では言えないとおっしゃるけれども、こういうものを導入するときにまず理屈を考えないで導入することはあり得ないんで、そこに矛盾があると思うんです。だから、今度の加算制度というものが、公務の一時金ということの性格からは説明できないと今お認めになったように、そういうことだけから説明できないものであり、こういうものは導入すべきではないということを私は最初に指摘しておきます。
 それで、重ねて伺いますけれども、係長以上の役職者に五%から二〇%の役職加算を行うものですけれども、今度はその加算を受けられる公務員と受けられない公務員にはっきり分かれるわけなんです。それで私たち差別支給と言っているんですけれども、公務員全体の中でこの加算支給を受けられる公務員の率、受けられない公務員の率を男女別の数字でお示しいただきたいと思います。
#134
○政府委員(森園幸男君) まず、加算の対象とならない職員でございます。概数でございますが、全俸給表で申しますと加算の対象とならない職員が男子で約三十八万四千八百人中十二万九千三百人、それから女子が九万九千五百人中六万三千七百人でございまして、加算の支給を受けない職員は男子が三三・六%、女子が六四・〇%、このようになります。
#135
○吉川春子君 つまり、女子の国家公務員の六四%が今度の加算措置の対象外に置かれると。ちょうど男性の数と逆転するわけなんですね。だから、私はこれは大変女性に対する差別である制度だということを指摘したいと思います。
 総務庁長官にこの点はぜひお答えいただきたいんですけれども、去年の十一月十六日に本委員会で私は総理府統計局の問題を取り上げました。今まさに国勢調査の事務をやっている。ここは七割が女性なんですけれども、係長が男性が五八%、女性は五%にすぎなかったんです。今度こういうことが行われますと、このことがもろに女性にかかって、まさに女性は、今まで級で差別されていたのが、さらに今度は一時金でも非常に打撃を受けることになるわけなんです。ますます給与の差が開くわけです。
 政府は男女差別撤廃条約を批准して、そして昇給昇進の格差、そういうものを一斉に取り払うということをいわば国是として総理大臣が本部長となってこれを進めているわけなんです。私は、こういう女子の昇進差別を国家公務員からなくせということを質問しましたけれども、その改善をしないで、事もあろうに今度はさらに格差を拡大するような一時金の差別支給を導入した。全くけしからぬと思うんです。この点について給与担当大臣としてはどういうふうに言うんですか。だめですよ、これは大臣に答弁してもらいます。これは事務でわかることではありませんので、大臣がこの問題についてどういうふうにお考えで、どういうふうに改善するのか、私は女子公務員の怒りを代弁して大臣にお伺いします。
#136
○国務大臣(塩崎潤君) 人事院の給与局長さんが答弁されたことでおわかりのように、男女を意識してそのような差別をつくった一時金では、一時手当ではないことはもう御案内のとおりでございます。結果としてそのようなことになったということを言っておられるんだと思いますけれども、またいずれこのような方々も給与が上がり、そして割り増しされた手当を受けるような資格を持つようになることは今の社会では当然あり得ることだと。したがって、結果として民間給与とのバランスをとった、それがまた大きな基準となっております人事院勧告ではもうこれは当然のことというよりも、仕方のないことであり必然的なことではないか、私はこんなふうに思っております。
#137
○吉川春子君 とんでもないことですね。つまり、女子を意識せずにおやりになったと言うけれども、そこがけしからぬですよ。女子を意識しなきゃならないんです。そういう低いランクに女性がたくさん置かれているということを意識して、それを引き上げることに政府は心を砕かなきゃいけないんです。それが条約批准の政府の責務じゃないですか。そのことをほったらかしておいて、今度さらに差別を拡大するようなそういうことは絶対に許されないんです。
 今ちょっと大臣がおっしゃられましたけれども、差別支給の問題と同時に女子の級の引き上げ、そういうことについて本当に真剣に改善していただきたいと思います。その点についてはいかがですか。いや、大臣です、これは政策的なものだから事務の人はだめです。
#138
○国務大臣(塩崎潤君) 私は女子が特に差別されているとは思いませんけれども、給与の改善につきましては、ともかくも男女を問わず公務員全般について努力をしていきたいと考えております。
#139
○吉川春子君 今、女子が特に低い位置にあるんですから、特段に女子について引き上げる責務がある、そのことを指摘しておきます。
 文部省お見えですか。
 今回の役職加算は、教育現場でも教員間の差別を拡大し、合意と協力に基づくはずの学校運営を非常に困難にするものです。
 教員については大卒十二年で五%がつく、一〇%加算は経験三十年となりますから、教員採用の現状から、実態から、多くの平の教員は五十代半ば過ぎで一〇%がつくかあるいはつかないでそのまま終わるか、こういうところに置かれるわけなんです。一〇%、一五%の加算がつこうと思えば教頭や校長になる、そういう方向に教員は一層目を向けるということを露骨にねらった制度だと私は思います。既に持ち込まれている主任制度、管理職加算などと結びつき、しかも今回の格差は主任制度の額の比じゃないです。そういうものをちらつかせて教諭の勤務評定による新たな職階制の導入、差別賃金体系の拡大強化に道を開いて教諭の間での分断をもたらすことになるわけです。
 教員以外の職員についてはもっと深刻なんです。事務職と現業職、すなわち教育の現場で環境整備、学校給食の充実など子供の教育を支えるために日夜頑張っておられるそういう職員の格差が開く。そしてまた、加算措置が絶対につかないという職種も生じるわけです。今以上に給与体系も複雑になります。
 きょうは時間の関係から私は養護学校で児童生徒の指導に当たっている寮母について伺います。去年私は、実習助手、寮母の給与改善に関する質問主意書を出しまして、総理から答弁をいただきました。その中で「実習助手及び寮母の職務は一級とされており、二級に昇格させることは困難である。」、こういうふうに答えているんですね。そうしますと、今度一級はもう絶対に五%の加算もつかないわけです、定年になるまで。この寮母の問題について文部省は一体どういうふうに改善されていくのか、実習助手の問題についてどういうお考えなのか、その点はいかがですか。
#140
○説明員(小林敬治君) お答えをいたします。
 寮母さんの期末・勤勉手当に係る役職段階別の加算措置につきましては、人事院から、大学卒業者について経験年数で二十五年以上、それから高等学校卒業者については経験年数二十九年以上の方を加算対象にするというふうに伺っておるところでございます。
 それから、寮母さんにつきまして二級に昇格させるべきではないかという御意見でございますが、この点につきましては、御案内のように現在の盲学校、聾学校、養護学校の教職員につきましては、教育職俸給表の(二)が適用されているところでございますが、この教育職俸給表の(二)の職務の級は、人事院規則に定めるところによりまして、校長が四級、教頭が三級、それから教諭が二級、寮母さんは一級というふうに職名と級がぴったりと対応するように定められておるところでございます。したがいまして、寮母さんにつきまして、職責の異なる教諭の級である二級に格付することは困難であるというふうに考えている次第でございます。
 ただ、寮母さん方の一級職員の給与改善につきましては、昭和六十年以降、給与表の改善によりまして合計六号俸の号俸の増設を行っていただいたりしておるところでございます。今後とも寮母の給与改善については努力してまいりたいと考えております。
#141
○吉川春子君 寮母は一級ではあるけれども五%の加算措置は一定の条件のもとでつけるという今答弁だったと思います。
 あわせて、やはり各自治体でやっているところも多いいわゆるわたりの問題、そういう改善措置をしませんと、本当に日夜御苦労なさっているそういう教育を支えている方々に光が当たらないわけで、引き続き文部省としてはこの点を人事院、総務庁に強く要求して改善を図るように私は強く要望しておきます。
 それから次ですけれども、人勧は公務員労働者の憲法二十八条の労働基本権制約の代償措置と言われているわけですけれども、ことしも非常に低額の勧告で、それに基づく給与法改定は公務員労働者の生活実態の改善に背を向けている、私はそのことを指摘します。
 例を国立大学にとって伺います。東京大学職員組合作成の資料によりますと、国立大学職員は、私大職員と二十五歳で九十九万五千、三十五歳で百七十七万、四十五歳で二百五十九万、五十五歳で三百五万差がつきます。民間全産業平均と比較しますと、これが二十五歳で五十四万、三十五歳で百十七万、四十五歳で二百六十七万、五十五歳で三百八十七万も差がつきます。資料はきのうお渡ししましたが、公務員給与の水準の低さ、それから文部省の国立大学職員の他省庁との格差も相まってこういう結果になっているわけです。
 日経連労政部調査という表を私いただきましたが、この調査によりますと、五百人以上の規模の企業の九〇年度の基準内賃金、全産業平均は二十五万二千百七十三円ですけれども、これが規模を百人から三百人としますと二十一万三千四十六円、百人未満では二十一万百一円となっています。すなわち、企業規模がだんだん小さくなるに従って給与水準も低くなっていく。ですから、千人以上でとるともっとその較差が開くということは明らかなわけなんです。人事院は百人規模の企業を公務員給与の基礎としているわけですけれども、この是非はやりましたのできょうはそこに入りませんが、公務員給与を低い水準に抑える結果になっている、そのことはお認めになりますね。
#142
○政府委員(森園幸男君) この民間給与調査の対象規模のとり方は、別に公務員給与を低く据え置くための手段としてやっているわけではございませんで、百人以上の民間企業の従事労働者、これが大体会社組織の常雇用労働者の六割弱ぐらいで圧倒的多数を占めているわけでありまして、そういう多数の民間の賃金サンプルを比較の対象とすることが国民の理解を得られるゆえんである、このように理解をしてきておりまして、現在のような取り扱いをしているわけでございます。
#143
○吉川春子君 何を目的としてやっているかどうかということはきょうは入りませんが、企業の規模が大きくなるに従って給与の水準も高くなるということは人事院もお認めでしょう。だから、百人規模というところで給与の低いところに合わせれば、それを民間準拠と称して言えば、結果としては公務員給与もそこの水準に合ったものになる、そのことは事実としてはそういうふうになりますでしょう。どうですか。
#144
○政府委員(森園幸男君) 民間企業の賃金が企業規模によって相当差異があることは事実として承知しております。
#145
○吉川春子君 ですから、低いところに合わせているから公務員の給与も、今国立大学の職員を例にとって言いましたけれども、全産業で比べると民間とのこういう較差が生ずるわけなんです。ですから、私は引き続きこの問題やりますけれども、百人規模で公務員の給与の水準を決めるということは全く不当である、そのことを指摘しておきます。
 それで、同時に大学の先生の問題なんですけれども、それもお渡しいたしましたけれども、国立大学の教授の年間賃金は、民間の全産業との差が五十歳で五十八万五千、同級生でも銀行に就職した人と比べますと二百九十五万、基本給で較差があるわけなんです。国立大学の教授の賃金が全産業の水準にも達しないというのでは、将来的にも学術文化水準を保つ上で非常にゆゆしい問題だと思いますが、文部省、いかがお考えですか。
#146
○説明員(中林勝男君) 文部省が承知いたしております国立・私立大学教員の給与の状況でございますけれども、六十一年度が新しいデータでございまして、教授が平均年齢五十四・七歳で四十四万八千百円、助教授が四十三・六歳の平均年齢でございまして三十二万八千五百円、助手が三十六・二歳でございまして、給料月額が二十三万七千円。私立の方は、教授が平均年齢五十七・四、給料月額が四十六万三百円ということでございます。助教授は平均年齢四十四・五歳で給料月額三十六万三千六百円。それから、助手につきましては平均年齢三十三・五歳、給料月額二十二万二千七百円。こういうふうになっているわけでございます。
 この国立の教員と私立大学の教員の給与の比較でございますけれども、私立大学は、御承知のように大都市部に集中いたしておりまして、地域間による給与の差もございます。また、規模も私立大学はまちまちでございまして、例えば年齢構成につきましても、国立は定年が大体六十三歳、私立は七十歳というようなこともございまして、一概に国立の教員と私立の教員を比較するのは難しい、このように思われるわけでございます。
 しかし、国立大学の教員についてできるだけ優秀な人材を確保していくということは大変大切でございますので、毎年人事院に対しましては文部大臣の名でもって要望を行っておりまして、ことしの人勧につきましても俸給表について相当の御理解をいただいている、このように考えているところでございます。今後とも教員の待遇改善につきましては、人事院と緊密な連携をとりながら我々としては努力をしてまいりたい、このように思っているところでございます。
#147
○吉川春子君 文部省は三年に一回民間と比較するんですけれども、今も数字を詳しくおっしゃいましたけれども、民間というか私立と比べるんですけれども、三年前の数字とやっぱり較差があるわけです、余り前進していないわけなんです。産業別に比べるともっと較差が開くと思うんですけれども、総務庁長官、給与担当大臣として、国立大学の教授が全産業の平均よりも低い給料しかもらっていない、さっきも言いましたけれども、学術文化水準を保つ上でこれはやはり非常にゆゆしい問題だと思うんです。文部省の調査でやっぱりはっきり差があるということが出ていますから、そういう問題について引き上げるために努力をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#148
○国務大臣(塩崎潤君) 国立大学の教授、助教授は、もちろん公務員として人事院が公正に給与について研究をし検討し、私どもに勧告しているわけでございます。私どもは人事院勧告の基本的な尊重を考えております。人事院でまたよくこの点については検討をされるかと思いますが、私どもは、人事院勧告を尊重して、そして給与の改善を図っていきたい、こんなふうに考えております。
#149
○吉川春子君 それならば、人事院どうですか、総裁にお答えいただきたい。
#150
○政府委員(森園幸男君) ちょっと事前に一言ですが、先ほど来全産業の平均に比べて云々と盛んにおっしゃっておりますけれども、昨日いただきました資料で、今おっしゃっている数字でございますが、全産業とおっしゃいますのは、中労委の賃金事情調査、すなわち規模千人以上、資本金五億円以上、非常に大企業に偏した御指摘でございますので、ちょっと誤解されないように申し上げておきたいと思います。
#151
○政府委員(弥富啓之助君) ただいま委員の方から御指摘がございました。本年の勧告におきましても、ただいま文部省の方から言われましたように、国立大学の先生方につきましては特別に配慮をいたしておるところでございますので、委員の言われること、その他いろいろ勘案いたしまして適正に処置をしてまいりたいと存じております。
#152
○吉川春子君 時間がなくなってしまいましたけれども、要するに国家公務員の給与水準というのは地方公務員、生活保護、年金、恩給の基準、そういうものに非常に大きな影響を持ち込むもので、不当に低いということになるとそういうところにマイナスの影響を及ぼすということを私は指摘しておきます。
 その貴重な財源を、事もあろうに政府は、イラク問題に事寄せて湾岸平和基金を通して憲法上疑義のある米軍への財政援助に使おうとしているんですね。これは全く許されないことです。
 それで、残された時間はわずかですが、外務省にお伺いいたしますけれども、今度の米軍への援助の問題ですけれども、交換公文において武器、弾薬の調達にこれが使われる危険があるんじゃないか。ないとおっしゃるならば、交換公文の上でどうしてそのことを明記しなかったのか、その点いかがですか。
#153
○政府委員(丹波實君) 御承知のとおり、今般の中東におきます事態に対処するために、日本政府といたしまして八月二十九日にいかなる協力を行うかということを発表しておるわけですが、大きく分けまして二つございまして、一つは湾岸におきまするところの平和回復活動に対する協力、これに二十億ドルを拠出いたし、かつ昨日補正予算で御承認いただきましたので、今後二つ目の十億ドルを湾岸基金に拠出するということになっております。そのほか中東関係諸国に対する支援として、御承知のとおり周辺国支援として二十億ドルの一部を拠出し、これからまた残りを実施していくということになっております。そのほか難民機関に対しまして二千五百万ドルの援助をいたしております。
 先生の御質問は、最初の予備費を使わせていただいて湾岸基金に拠出いたしました十億ドルに関しますところの交換公文のことを御提起と思いますけれども、この交換公文の二項におきまして、「この拠出金は、適切に、かつ、専ら、湾岸の平和と安定の回復のため」に使用される、そのために運営委員会がそういう適切な使用を決定するということが書かれてございまして、具体的には「資金協力」「資機材の調達、輸送及び据付けに係る協力」、私たち二つの言葉で資金協力及び物資協力と呼んでおりますが、そういう規定ぶりになっておりまして、私たちは現在、先生が御提起された弾薬、武器の問題については、交換公文の実施上心配のないような取り決めになっておるというふうに考えております。
#154
○吉川春子君 時間が短いので端的に質問しますけれども、武器、弾薬に日本のお金が使われるということはあり得ないということですね。
#155
○政府委員(丹波實君) 九月四日にまさに当委員会におきまして先生と私との間にやりとりがございまして、議事録に載っておりますけれども、幾つかに分けてそのときも申し上げたつもりでございますが、まず輸送協力、これは日本政府が直轄のいわば事業と申しますか、日本政府自体が民間の航空機、船舶をチャーターいたしまして輸送する。その場合に、日本政府といたしましては武器、弾薬、兵員の輸送はいたしませんということを当時申し上げて、現在もそういう方針でやってきております。
 それから、物資協力でございますが、これは日本政府が湾岸基金に拠出いたしましたその基金を使ってGCCの運営委員会が活動を行う過程で物資の協力を行うわけですが、この物資協力に当たりましては、物資協力の対象に武器、弾薬が含まれないということにつきまして、運営委員会が協力の相手国に対して確認しておりまして、そういう意味でも武器、弾薬の問題が物資協力の関係で入ってくるということはないようになっておるということを御説明申し上げたいと思います。
#156
○吉川春子君 そうしますと、その運営委員会というのは何人で構成されていて、規約はどうなっているのか、それに関する資料がありますか。あったら提出してください。
#157
○政府委員(丹波實君) 先ほど申し上げました交換公文の第三項に「基金の運用に責任を有する機関として、運営委員会が設置される。委員会は、日本国政府及び理事会のそれぞれの代表から構成され、日本側代表は在サウディ・アラビア王国日本国大使とし、理事会側代表は理事会事務局長とする。」ということで、日本国側としてはサウジにおります恩田大使、それから理事会側としては理事会の事務局長という二人で運営委員会が構成されるということが交換公文に明記されております。
#158
○委員長(井上孝君) 吉川君、時間ですから、そろそろまとめてください。
#159
○吉川春子君 交換公文なんてわかっているから、それを読まれると時間がなくなるんです。
 それで、委員会とおっしゃるけれども、委員会というと何人か集まるようだけれども、日本の大使とそれからGCCの事務局長、二人の委員会でしょう。そして、PTAだって運営委員会の規約があるのに運営委員会の規約もない。そこで武器、弾薬に使われないということが担保されているとかなんとかといっても、アメリカのリクエストは直接外務省にも来るんでしょう。だから、そういうことを考えますと、この貴重な日本の財源が武器、弾薬に使われないという担保は何もないんです。そういうところで多額のお金を出すということは全く不当だ、例えば全部の公務員の給与を引き上げるためにそっちのお金を使うべきだ、そういうことを指摘して、時間ですから終わります。
#160
○太田淳夫君 きょうは国家公務員給与法改正案についての審議なんでございますが、当委員会でも前々から同僚委員からも話がありますし、私たちも申し上げてきましたけれども、人事院勧告が出ましたら早く閣議決定をして給与改正案を早く国会に出してもらいたい、これは毎年毎年言っているんです。先ほども同僚委員からそういう話がありましたね。これは公務員の皆様方にとりましても、合計すれば十何億円の損害だというんですね、利子だけでも。そういうような損害を与えておきながら毎年毎年これは繰り返されてくるわけです。また十二月の末です。
 これは十月の臨時国会の前の当委員会でも論議がございまして、早く給与法案の閣議決定をして給与法案を提出してもらいたいということで、ほとんど全委員の方からそういう強い要望が出されたんです。それにもかかわりませず、臨時国会には出されずに今国会、それもぎりぎりのときになって今こうやって審議をするわけです。給与担当大臣として相当な努力をされたと思いますけれども、先ほどちらりと決意らしきものを述べておみえになりましたけれども、来年からはそういうことのないようにぜひともしていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。
#161
○国務大臣(塩崎潤君) たびたび申し上げましたように、給与法案の早期決定、早期提案、そしてまた早期成立は最も重要なことでございまして、総務庁長官の努力が足りなかったことをおわびしなきゃなりませんけれども、ともかくも、国政全般への影響ももちろん考えなきゃなりませんが、早急に提案し、早急に成立する努力を払っていきたいと思います。
#162
○太田淳夫君 今、大臣がおっしゃった国政全般への影響を考えながら云々ということで、前々からもそうい」ことは再三再四おっしゃっているわけでして、少しも説明にならない。先ほどそれも同僚委員から話がございました。国家公務員の皆さん方の労働基本権を制約された代償でございますから、これを実施することは政府として当然の義務ではないかと思うんです。
 今度平成三年度の本予算案がいろいろとこれから決定しようという段階でございますけれども、この平成三年度予算案の取り扱いについてはどうなっているんでしょうか。この委員会でも今までもありましたが、六十一年以前は給与改善費というものを当初予算にのせておりましたけれども、最近それがずっと見えませんけれども、その問題についてやはり閣内でもいろいろ論議していただきたい、給与担当大臣としてこれは相当な決意で臨んでもらいたいと思うんです。ただ、大臣も大蔵省の出身でございますから、大蔵省側の意見に立たれてしまう可能性もあると思いますけれども、予算編成の中で大臣としてどのように御指導されますか。
#163
○国務大臣(塩崎潤君) たびたび申し上げたことを繰り返すことになって申しわけありません。しかし、平成三年度の予算案については、給与法が成立いたしますれば、その給与法に基づいてベースアップされたところの金額で計上されることはもう当然でございます。
 そこで、給与改善費がどうだというお話でございましょうが、私がたびたび申し上げてまいりましたように、給与法の早期決定、早期成立が最も重要な総務庁長官の任務だと思っておりますし、給与改善費を計上しなくても、過去の実績が示しておりますように、人事院の勧告どおり実施されておりますことを考え、平成三年度において給与改善費を今のところ要求はいたしておりません。
#164
○太田淳夫君 この委員会でもそのことは論議されてまいりましたけれども、昭和六十一年以前は多少にかかわらずその計上はされてきたわけですね。六十一年以後これは削られてきているわけでございますから、財政事情の動向云々とかいろんなことを理由として掲げておりますが、そういう理由に立たれてそういうことをおっしゃるんじゃなくて、やはり給与改善費というものはある程度見込んでおいて、その上で進めていただきたい、それが我々の意見ですが、もう一度どうですか。
#165
○国務大臣(塩崎潤君) 私は過去の実績を調べてみました。昭和二十三年から人事院勧告が実施されてもう既に四十三年になるわけでございますが、二度人事院勧告を実施されなかったことがあるばかりでございます。したがいまして、私は慣習法とまでは言い切るつもりはありませんけれども、長らくの慣行を尊重される国会においてはこれまでの慣行は当然守られると。給与改善費の計上があったのは四十四年以降の期間だけでございます。四十三年間の長い歴史が、私は給与改善費がなくても人事院勧告は実現されるものと慣行的に、慣習法的に考えていただいて結構である、こんなふうなことを言えるかと思います。
#166
○太田淳夫君 「ものと」なんて、何となく含みがあるような話ですが、完全実施は必ず政府として約束する、こうとってよろしいですね。
#167
○国務大臣(塩崎潤君) 私どもは、基本的に人事院勧告を尊重することはもう当然のことでございます。そして、今申しましたように、過去の実例を十分にごしんしゃく願えれば、私どものこれまでの努力は十分そのとおり実現されてきた、こういうことが言えるかと思います。
#168
○太田淳夫君 それでは、時間もないんですけれども、人事院の方にちょっとお尋ねしますけれども、先ほど同僚委員の質疑であなたが御答弁されていた中で、人事院の調査の問題で、百人以上の民間企業で大体六〇%がカバーできるからそれでよろしいんだというお話がありました。
 そこで、いろいろと比べた場合に、やはりそういう百人以上の企業ではいろいろと比較をする給与のレベルが非常に低いということもあなたはお感じになっていらっしゃるんですね。あるいは、最近のいろんな経済情勢の変化で業種によっても随分これは変わってきているんじゃないかと思うんです。人事院でもいろいろ苦労されてその点の調査を進めておみえであろうと私たち思っておりますけれども、やはりそういういろんな給与の比較をされる、調査をされるその対象というものも、時代の変化によって、いろいろな景気の好不況もあろうと思いますけれども、やはり人事院としても百人ということにいつまでもとらわれておみえにならないで、やはりある程度の変更というのを考えてしかるべきじゃないかと思いますが、その点どうでしょうか。
#169
○政府委員(森園幸男君) この比較対象規模のとり方につきましては従来からいろんな意見が寄せられております。御指摘のとおり、現在企業規模による給与の差というのは相当大きゅうございますから、その取り扱いいかんでかなり較差が違ってくる、こういうことは事実でございます。そこで、従来は、労働団体は大体千人以上を超すべきであるという主張でございますし、片や小規模企業をもうちょっと入れるべきじゃないかという意見もございます。そういう中にありまして、先ほど申し上げましたとおり、現在、企業規模百人以上、事業所規模五十人以上でやっておりますが、これでカバーされる常雇用の労働者というものが全国の約六割弱だ、相当多数を占めている、これが国民の公務員に対する比較の対象として大体理解を得られるところではないか、両方の意見のある中でございますから、現時点においてはそのように考えております。
 御指摘のとおり、例えば入り口での人材の確保ということを考えますと、試験の区分などによりましては非常に大企業と競争して採用しなければならないものもございます。そういうものもございますが、この比較対象規模との関係において一体どういう工夫をすれば国民の信の得られるような内容となり得るかということについては、私どもも問題意識を持っておりますし、検討はする必要がある、このように考えております。
#170
○太田淳夫君 やはりそれは十分検討してもらいたいと思います。
 私ども、いろんな関係でいろんな企業の方ともいろいろとお話ししますけれども、あるいは公務員の皆様方の友人等いろいろとありますけれども、いろんな場でちょっとその点で調べてみますと、先ほどの指摘じゃありませんけれども、逆官民較差という、逆な格差があるんじゃないかというような感じがしてならないわけでございますから、その点の調査の方法等についても十分にまた検討していただきたいと思います。
 それで、時間が余りございませんのでもう一点だけお聞きしておきますけれども、年次休暇の問題について人事院報告の中にも「より有効な活用がなされるよう計画的な使用の促進に更に努める必要がある。」という御指摘をされているわけですが、この点についてはどのようにお考えですか。
#171
○政府委員(大城二郎君) 年次休暇の消化が進まないということから、やはり計画的な使用を積極的に進めるべきではないかという考え方からそういう御報告をいたしました。
   〔委員長退席、理事板垣正君着席〕
 年次休暇の計画的使用につきましては、いわゆる夏季における年次休暇のまとめ取りにつきまして人事管理運営協議会等において各省の関係者に既にそういう点の御理解をいただいておりまして、積極的に進められてきているわけでございますが、来年からいわゆる夏季休暇を設定いたしますということとあわせまして、計画的使用をさらに進めるということによって年次休暇の消化が促進されるように今後努めてまいりたいと考えております。
#172
○太田淳夫君 おたくの出された報告もいただいておりますけれども、この年次休暇の平均を見ましても、そんなに皆様とっておいでにならないんですけれども、平均で十二・〇日ですか、この取得日数をどこまで伸ばすのが好ましいとお考えですか。
#173
○政府委員(大城二郎君) 基本的には二十日与えられる休暇日数が完全消化されることを目指して進めたいと考えております。
#174
○太田淳夫君 私、最後に御提案申し上げるわけでございますけれども、この取得日数が伸びない原因としては、幾つか分析をされて挙げておみえになりますけれども、やはり公務員の皆様方が、万一の場合に備えて、心理的にもあるいは実際的にもある程度の日数の年次休暇を残しておきたい、こう考えていること、あるいはお仕事の面もいろいろとあろうと思います。
 そこで、年次休暇の取得日数を大幅にふやすためには、年次休暇の繰越日数を例えば十日から二十日にふやすとか、そういうことも考えていかれるべきではないか、こう思うわけですけれども、それについてはいろんな疑問を持たれる方もおみえになろうと思います。年次休暇の繰り越しを増大させることが個々の公務員の方にとりましては年次休暇のいわば繰越貯金と申しますか、そういうことをふやすことになりますので、それがふえてきた暁には資産効果と申しますか、年次休暇の取得が着実にふえていくんじゃないだろうか。民間では強制的にもこの年次休暇をとらせるような方策を今いろいろと練っているわけでございますから、その点についてのお考えをちょっとお聞きしておきます。
   〔理事板垣正君退席、委員長着席〕
#175
○政府委員(大城二郎君) 年次休暇の取得を阻害する要因といたしまして、御指摘のありましたような不測の事態に備えるためにある程度の日数を残しておくという向きがあることを承知しております。そういうことからいたしますと、確かに繰越日数をふやすという考え方もあり得ると思いますけれども、ただやはり基本的には、年次休暇は本来的にその年にできるだけ有効に利用されるというのが本来の姿であろうと思います。したがって、そういう方向で、まずは使用の促進を図っていきたいというふうに考えているわけでございます。
 その場合に、いわゆる不測の事態に備えると申しましても、やはりそれにも限度があろうかと思いますし、十日分の繰り越しが認められれば新たにその年に付与される二十日と合わせて三十日の日数があるわけでございますから、ある程度それでカバーできるのではないか。また、その分を削ってまで消化をしない、十日にも満たないような消化状況になるというのは、やはりいろいろ健康の面の問題等も起こり得ることだと思います。やはりある程度の消化はしていただく。それで十日の繰越日数が翌年に必要ならば有効に活用されるという現在の姿、そういう姿の中で使用促進に努めるというのが当面の行き方ではなかろうかというふうに考えております。
#176
○太田淳夫君 最後に、通勤手当の限度額の問題についてちょっとお尋ねしておきますけれども、この限度額ほどうなっておりますか。
#177
○政府委員(森園幸男君) まず、交通機関等の場合でありましょうからそれで申しますと、現在全額支給限度が三万円でございます。それから、四万円までは残り一万円の半分ということでございますので、対応する運賃額四万円のところが最高の三万五千円、これが最高の支給額でございます。
#178
○太田淳夫君 この通勤手当も、いろいろと民間を調査して比較をされて、いわゆる民間準拠ということでやはりやっていらっしゃるんですね、どうですか。
#179
○政府委員(森園幸男君) 御指摘のとおりでございます。
#180
○太田淳夫君 所得税法の非課税限度額は今五万円まで引き上げられておりますね。私は、通勤手当について、やはり実費弁償的な性格のものでございますから、そういう民間準拠、民間を調べて云々じゃなくて、かかったものは通勤手当として支給をしてしかるべきじゃないか、こう思うんですが、その点はどうでしょうか。
#181
○政府委員(森園幸男君) 昨年の所得税法の取り扱いの上におきます効果が民間企業の通勤手当の支給限度額の上昇に結びつきまして、それがまた昨年の私どもの通勤手当の大幅改善というのに結びついたということをまず申し上げておきたいと思います。
 そこで、実費弁償的な性格のものであるから全額支給すべきではないかという御指摘でございます。おっしゃるとおり、通勤手当はその通勤に要する経費を補てんする、こういう趣旨のものでございますが、民間企業におきましても、支給形態いろいろございますが、給与として位置づけられておりますので、私どもも従来から官民給与較差の配分問題として対処してきたわけでございます。
 そこで、現在の公務員の実情でございますが、先ほど申しました全額支給限度額三万円、これでカバーされておるのが大体九三・三%の職員でございます。それから三万五千円、最高支給限度額でございますが、これでカバーされておるのが九九%ということで、おおむね常識的な社会通念上の通勤圏から通っている人については大体カバーをされているという実態にございます。
 片や民間企業でございますけれども、全額支給制をとっている割合といいますのがようやく半ばを超した、五二%台でございまして、残りはまだ制限支給制でございます。そういう実情もございますので、今直ちに実費弁償的な性格から全額支給へ移行するということはまだ適当ではないんじゃないか、こういうふうに考えております。
#182
○太田淳夫君 最後になりますが、今お話しのように、最高支給限度額によるカバリッジは九九%と改善されてきたというお話ですが、一%でもその範囲に入らない人がいらっしゃるわけですから、その点の御検討をお願いして、質問を終わります。
#183
○星川保松君 防衛庁の職員の給与改正に関連してまず質問をいたします。
 今、防衛庁職員の陸海空の充足率がどのようになっていますか、お尋ねします。
#184
○政府委員(日吉章君) お答え申し上げます。
 陸上自衛隊が八四・五、それから海上自衛隊と航空自衛隊が九四%でございます。
#185
○星川保松君 この充足率を、今後子供さんたちも少なくなっていくという中で、果たして充足できるというふうにお考えでしょうか。あるいは、完全充足するのはもう無理ではないかということからだと思いますが、いわゆる定数の見直しをしなければならないというような声も聞こえてまいりますが、その点についてお考えをお願いします。
#186
○政府委員(坪井龍文君) 募集の状況、見通しにつきまして今お尋ねがございましたので、私の方からお答え申します。
 御案内のとおり、現在の景気の拡大に伴いまして民間企業の大幅な求人の増加等、そういった影響を受けまして、各任用区分の応募者数、例えばこの秋に行われましたいろんな試験でございますが、こういったものに対しましても元年度に比しまして約一割程度減少しているというようなこと等もありまして、大変厳しい環境にございます。さらに、将来的には採用人員の大部分を占める二士男子の募集適齢人口が減少をしていくことが見込まれておりまして、こうしたことも今後自衛官の募集環境をより厳しくさせていく大きな要因と考えております。
 このため、現在私どもの方では広報活動の積極的な実施等募集施策の一層の充実等を図るとともに、将来の募集適齢人口の減少に対処すべく、採用人員の大部分を占める二士の募集対象年齢を拡大した。これは平成二年度からでございますが、拡大したところでございます。さらに、自衛隊をより魅力ある職場とし、隊員がその任務に誇りを持ち安心して職務に精励できるようにするために、隊舎であるとか宿舎等の生活関連諸施設の改善等、隊員の処遇改善を進めているところでございますし、さらに准尉曹までの生涯管理を前提とした曹候補士という制度を設けることにいたしております。
 そういったことで困難な募集状況に対応していき、充足率の確保に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#187
○星川保松君 充足率の確保に努力をしているということはわかりますけれども、例えば陸自の場合は十八万定数に対して今十五万三千ですか、というようなことで、到底これは満杯の見込みはないのではないかということで、定数を直そうかというような声もあるというふうに聞いておりますので、その点の御見解をお聞きしたいと思います。
#188
○国務大臣(石川要三君) 今、隊員の募集状況についての厳しさにつきましては政府委員から説明したとおりでございます。これはこの次の次の次期防がもしつくられるとすればさらに厳しくなるような傾向にあるわけでありますが、いずれにしましても、今当面作業中でございます次期防の策定の中では、定数につきまして、これから決定するわけでありますが、基本的には、私個人としては、やはり基盤的な防衛という観点から見て、一つの組織という前提から見て、直ちにこれを減らすということは個人的には私は考えておりませんが、最終的にはあしたかあさってのうちに決まる、かように考えております。
#189
○星川保松君 次期防について今見直しをしなければならないということになっておると思いますが、その理由の一つとして国際情勢の変化ということがあるわけでございます。いわゆる東西の冷戦構造の終結ということからして、日本の防衛のあり方というものは当然変わってこなければならないというふうに思うわけであります。
 東西の冷戦構造の終結ということから、一番大きく日本の防衛について影響を受けるのはやはり極東ソ連軍の潜在的脅威が少なくなったということだろうと私は思います。ということで、いわゆる防衛大綱に基づいて毎年の、九〇年までの防衛白書がつくられてきたと思うのでありますけれども、その中で極東ソ連軍の潜在的脅威という言葉が削除されたということになったわけであります。
 そういうことから考えますと、特に今の陸上自衛隊の配備状況を見ますと、北の脅威に対する対応ということから北海道に重点的に配備されておるわけでございます。旧軍時代は北海道にはわずか一個師団しか配備されておらなかった。ところが、今一個方面隊、四個師団、その中には陸上自衛隊唯一の機甲師団第七師団が入っておりますし、この方面隊直轄の隊を含めれば五万人を超える配備がなされておるということになりますと、全陸上自衛隊の約三分の一が北海道に配置展開されておるということになるわけであります。そういうことで、冷戦構造が今度変わってきて、北からの脅威がなくなった、少なくなったということになれば、この北海道に配備されている配備状況についても私は見直しがされて当然だ、こう思うのでありますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
#190
○国務大臣(石川要三君) 理屈の上といいますか、理論的には我が国の防衛は脅威論に対応して作成されているわけではございませんから、そういう意味では北の、特にソビエトの極東の脅威論ということに直ちに連動して配置が変わるというものではございません。しかし、我が国の細長い列島の防衛上、しからばどういうふうな配備になっているかということにつきましては、官房長の方から答えさせます。
#191
○政府委員(日吉章君) 自衛隊の地理的な配置の状況でございますけれども、委員の方からただいま戦前の旧軍との比較等の例におきまして御指摘があったわけでございますが、旧軍とは基本的に違いますのは、旧軍はどちらかといいますと外征軍的な性格を持っていたと思います。ところが、我が国の戦後におきます自衛隊はまさに専守防衛に徹しました我が国土を防衛する、外敵からの侵入を防衛するというような形でございます。したがいまして、ただいま大臣からも御説明ございましたような我が国の細長い地形に対応した形で、その地理的特性を勘案した上で配置をしているつもりでございます。
 今後、国際情勢等が変化してまいりますと、やはりその変化の状況も見る必要はございますけれども、基本的にはくまなく適正に配置していくということが妥当ではないか、かように考えておる次第でございます。
#192
○星川保松君 北の脅威に特に対処している配置ではないというのは私ども納得いかないわけであります、北海道に三分の一近くも陸上自衛隊の勢力を差し向けておるわけでありますから。ですから、防衛白書の中から極東ソ連軍の潜在的脅威という言葉を削除したならば、当然言葉の削除だけでなくてそれなりの内容の見直しがあってしかるべきだ、私はこう思うんですが、それについていかがですか。
#193
○政府委員(日吉章君) 私どもは、脅威に対しまして、それに直接対処するというような形で防衛力を整備しているわけではないわけでございますけれども、やはり我が国の地理的な特性を見ますと、隣国との関係がどういうふうな地理的な関係になっているか、あるいはまた上陸適地のようなものがどういうところにあるかというようなことはそれぞれ念頭に置きながら配備をする必要があろうか、かように考えているわけでございます。
 それから、極東ソ連軍でございますけれども、確かにソ連は大変な政治上の改革が行われているわけでございまして、その点でソ連政府自身が今外国に対して侵攻を企てるような状況にないということは事実かもしれません。したがいまして、その点につきましては、私どもはソ連に対しまして対抗するというようなことはそもそも考えていないわけでございますが、極東ソ連軍の兵力そのものにつきましては、累次御説明申し上げておりますように、量的には若干減少の傾向は見られますけれども、質的には強化されておりまして、その点の能力というものにつきましては基本的に変化がないという点は前々からも御説明申し上げているとおりでございます。
#194
○星川保松君 それでは、防衛白書の中から極東ソ連軍の潜在的脅威という言葉を削除したということについて、国民の受け取る気持ちを裏切るのではないかと私は思います。こういう言葉がなくなったということはそれなりの内容の変更があって当然だというふうに国民は見るわけでありますが、そこの点をひとつもう一遍私はよく考えていただきたいと思います。
 それから、私は前から非常に不思議に思っていることが一つあるんです。といいますのは、北海道の実態を見てもそうでありますように、陸上自衛隊の主力が戦車になっているわけですね。それで、戦車というものが防衛の上でどういうふうな活動をするのかということを考えてみた場合、攻めてきたのを北海道に入れて北海道の中で戦おうとしているのか、それではちょっと防衛としてはおかしいんじゃないか。実は金丸信さんが、戦車中心はおかしいと言ったのは私はもっともだ、こう思ったわけでありますけれども、それはどういう考えのもとにそうやっているのか。
 それから、戦車というのは大陸で非常な威力を発揮しているわけですよ。ですから、大陸の中で、いわゆる地べたの上に国境線のあるところでは大変な威力を発揮しておりますし、それの訓練も徹底してやっていますし、戦車そのものの改良も非常に進んでいるわけですね。ですから、ソ連は戦車としては世界一のレベルにあるんじゃないかと私は思うんです。ですから、それを脅威として見た場合、相手の最も強いものを中へ入れて防衛をするというのは私はいかがなものだろうかな、こう思っているわけです。ですから、古来から孫子の兵法には、敵という言葉は相手を知りおのれを知れば百戦危うからずということでありますから、相手の強いものを引き入れてやるというのは私は防衛のやり方としては極めて効率が悪いのじゃないか、こう思ってきておるわけです。一体どういうふうにその戦車を中心にして防衛をするという構想になっているのか、そこのところをひとつ説明していただけませんか。
#195
○政府委員(日吉章君) 防衛力といいますものは、ある種の性能にのみ偏るということなくまんべんなく防衛力を備えておるということが基本的に必要でございます。諸外国の地上軍の例にとりますと、戦車というものがその地上打撃力の中核をなしております。そういう意味で、日本の陸上自衛隊におきましても戦車というものは欠かすことはできないものだと思います。
 ただ、委員がただいま御指摘になられましたように、日本の地理的特性を考えますと、仮に外国から着上陸侵攻されるというようなことになりますと、水際でそれを撃破するということが最も重要でございます。そういう意味で、我が国の陸海空の防衛力の重点は水際でそれを撃破するということに重きが置かれていることはお気づきいただけると思います。ところが、不幸にしてその水際で防ぎ切れない場合の縦深性を保つというような意味から戦車を装備しているわけでございまして、大陸国家におきます戦車の保有台数等々を比べていただきますと、決して多いものではない、むしろ少ないという点はよく御理解いただけると思います。そういうような形で戦車というものを保有しているというふうに御理解いただきたいと思います。
 なお、第二次世界大戦の戦史によりますと、島嶼部におきます戦いにおきましても戦車というものが大変な威力を発揮したということが一つの教訓として残っております。
#196
○星川保松君 帯広にいわゆる第一対戦車ヘリコプター隊というヘリ二十機を持っているそうですね。これは、物の本によりますと対戦車戦闘能力は戦車に換算すると二百五十両分に当たるということですね。ですから、このヘリの方を考えてみても、戦車そのものを見ても、とにかく戦車が中心になって北海道の陸上の防衛が進められておるということは明らかだと私は思うんです。ですから、そういうことで果たしていいのか、いわゆる相手の弱いところをとらえてこっちは装備をしていかなければ私はならないと思うんです。
 話によりますと、模擬作戦をやったところがたちまちにしてソ連戦車軍に自衛隊の戦車隊が負けたという話がありますが、そういうことはありましたか。
#197
○政府委員(日吉章君) 最後の御質問につきましては、そのような点は私は承知いたしておりません。
 対戦車ヘリコプターについての御指摘もございましたが、これはまさに相手側が戦車でもって上陸してきますものに対しまして、戦車といいますものは概して上部から、上からの攻撃に脆弱性を持っているわけでございまして、戦車に対抗するに当たりましてはヘリコプターというものが極めて有効な防御システムでございますので、そういう意味で対戦車ヘリコプターの整備に努めているということでございまして、これは戦車そのもの、戦車に代替するということでは必ずしもないというふうにお考えいただきたいと思います。
#198
○星川保松君 時間がなくなりましたので、人事院に一つだけお尋ねをしたいと思います。
 といいますのは、いわゆる週休二日制の普及でありますが、これがどうも遅々として進まないということでみんなしびれを切らしておるわけでありますけれども、その中身として、予算はふやすな、それから人はふやすな、サービスは低下させるなというような、とにかく三つのハードルを前にして早く走ろうといっても、これは私は不可能なことじゃないかと思うんです。ですから、もっと前に進むにはこのハードルを低くするか、それともどの一つか二つかハードルを取り除くか、こうしなければ私は到底進めるものじゃないと思うんです。不可能なことを何とかしようとしているところに進まない原因があると思うんですが、ここのところをどのようにお考えなんですか。
#199
○政府委員(弥富啓之助君) 公務における完全週休二日制につきましては、先ほど来の御議論、それから私も御答弁申し上げましたが、国全体の労働時間短縮の経過期間内であります平成四年度まで速やかな実現を目標に条件整備に取り組んでいるところではございます。
 その一環といたしまして、本年四月から御承知のとおりに交代制動務の職員につき週四十時間勤務の試行を実施いたしているところでございます。現在のところ一部の部門においては、先ほどから申し上げておりますように、試行実施の見通しが立っていない状況にございます。この完全週休二日制の実現につきましては、まずこれらの部門における早急な試行を実施することが極めて重要でございます。
 今、先生の方からハードルの話がございましたが、試行を通じて問題点を把握いたしまして、必要な整備を行うことによりまして目標としている国全体の労働時間短縮の経過期間内における完全週休二日制の実現に最大限の努力をいたしたい、かように考えているところでございます。
#200
○星川保松君 終わります。
    ─────────────
#201
○委員長(井上孝君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、永野茂門君、大島友治君が委員を辞任され、その補欠として真島一男君、尾辻秀久君がそれぞれ選任されました。
    ─────────────
#202
○田渕哲也君 まず初めに、総務庁長官に対しまして、国税職員の定数増についてお伺いしたいと思います。
 これは前に当委員会において同僚委員から取り上げられたこともございますし、大臣自身専門家でございますからよく御承知のことと思いますが、最近は日本経済の発展、それによって納税人口が激増しておりますし、また個々の取引規模も大型化しつつあります。さらに取引内容が複雑多様化しつつある。さらに業務の国際化も進みつつある。それに加えて、平成元年四月から消費税が導入されたことによる事務量の増加もあります。このようにいわゆる徴税業務というものはどんどん膨れ上がっておるのに国税職員の定数は十年前と比べてもほとんど横ばい状態、確かに昨年度並びに本年度従来に比べると若干多く定数をふやしていただきましたけれども、しかしまことに微々たるものであります。
 また、このような結果が税の執行面での不公平というものを生んでおります。これが税の公平負担の原則をゆがめてきておる。国民の税に対する信頼も損なわれる。それに加えて、国税職員の労働条件が極めて厳しいものになりつつある。このような状態を生んでおるわけでありますけれども、この国税職員の要員確保についてどう考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
#203
○国務大臣(塩崎潤君) 私は衆議院議員の在職期間よりも税務の在職期間の方が長い者でございます。今の国税職員についての御心配は大変ありがたく思うところでございますし、私どもは、平成三年度におきますところの定員の再編成の問題に当たっては、税務職員については考慮の対象として研究をしていかなければならない、こんなふうに思うところでございます。
 しかし、看護職員についてあのような大変緊急な事態の定員要求があることを申されましたように、どこの分野でも、パーキンソンの法則というんでしょうか、公務員は膨張の法則はもう常にあるんだということも言われます。そしてまた、税務の方々も確かに税制改正、そして納税者の増大で人員の増加の要求が最も切実に感ぜられましょうけれども、一方アダム・スミスの徴税費最小の原則というこの原則はやっぱり大事な、国民にとって必要な永遠不変の哲理みたいな原則だと思うところでございます。私は、増員を考えます一方、何といっても事務を合理化していただき、そして根本は、調査をしなくても誠実な申告ができるような体制、やっぱり調査もやらなきゃなりませんが、同時にまた納税者を信頼してその方に指導していくということのやり方、これはもう私は税務でまず考えなければならないことだと思います。
 それから第二は、税制改正も消費税あるいは土地保有税というようなことで、納税人員がふえて税務職員は大変苦しむだろうと思うんですけれども、一方、帳簿もなかなかできないような所得の少ない層を課税最低限を引き上げることによって外し、その他のところでやっぱり同じような税収を上げるということも十分可能である。殊に、納税思想を上げればそういうことも可能でございましょうから、こういった施策と相まって、これはもう税務職員の定員の増加の問題はひとつ考えていかなければならない、こんなふうに私は考えておりますし、今度の平成三年度におけるところの定員や再編成についての大きな問題であることを私は認識しているところでございます。
#204
○田渕哲也君 大臣がおっしゃられましたように、徴税全般の改善に対する施策は今の御答弁のとおりだと思います。
 ただ現在、ちょうど平成三年度の予算が大詰めに来ておりますし、定員の問題も大詰めに来ておるわけであります。したがって、私はここのところでまずこの定員増ということについて強くお訴えをしたいのであります。申告する人がきちんとやってくれれば一番いいということは仰せのとおりですが、しかしやっぱり人間でありますから、全く税務の調査が入らないとついルーズになりがちのものであります。やっぱりきちんとした実地調査が行われることによって国民の納税意識というものも正しく目覚めてくる、こういうこともあるわけであります。
 実調率につきましても、過去十年間を見ますと、申告所得については二十五年に一回しか実調ができない。まあこれは数字の上で計算すればですね。法人についても十年に一回ということになっておるわけであります。しかも、この実調率がだんだん低下しつつある。私は、むしろ実調率を上げていかなくてはならないのではないかと思いますけれども、最近の傾向を見ますとだんだんこれが低下しつつある。理想的に言うならば、国税の時効が七年ということですから、やはり七年に一回ぐらいは実地調査が入るということですと、納める方もきちんとやらなければならないという緊張感が生まれるのではないか。
 こういう点から考えますと、もし七年に一回の実地調査が行われるようにするにはということで定数を計算してみると、現在の国税職員の大体倍ぐらい要るということになるわけであります。そういう点から考えて、私は基本的に国税職員の定数を考え直さないといけないのではないかと思いますが、この点についてどうお考えですか。
#205
○国務大臣(塩崎潤君) 田渕委員のおっしゃる点はまことにごもっともでございまして、やはり人間の弱さと申しますか、調査があって初めて緊張をし、そして公平な誠実な所得を申告するようになることも事実でございまして、私どもはその点は常に心がけていかなければならぬと思います。
 しかし、今の税制のもとでは納税者はふえる一方でございますから、実調率を上げていくにはよほどの数をふやさなければいけないことになる。私は、ここで大きな工夫を凝らし、また意識革命でもしていくようなぐらいの気持ちで税務調査に当たっていただかなければ到底――土地保有税をやり消費税をやろうとしているわけでございますから、やはり国民全体の関心を集中させて、そして誠実な申告が出てくるようにしていくことが必要だと思います。
 私はもう過去の昭和十六年ぐらいからその仕事をやってまいりましたが、戦前に比べ、そして戦後のしばらくの間に比べ、今の納税協力というものははるかによくなってきている、新聞紙上で言われるような状態とは違う、私はこんなふうに思うわけでございます。これは税務職員の努力によるところでございますが、ますます税務職員の努力によって申告を自主的に誠実にするような協力体制をつくっていくことがまだまだ可能である、私はこんなふうに考えております。
#206
○田渕哲也君 消費税もだんだん本格的な運営ということになってくるわけでありますし、それに加えて消費税の欠陥是正というものも各党で協議されておるような状態です。来年度予算でこれは間に合わないという状態だと言われておりますが、いずれ是正しなければならないだろうと思いますね、簡易税制とか免税点とか。そういうこともあるし、あるいは逆進性を是正するために食料品をどう扱うかという問題もある。こういう改善がされれば、さらに事務量というものはふえてくるだろう。
 そこへ加えて、新土地保有税が仮に平成四年度から導入されるにしても、もう来年あたりから土地の評価とか調査というものは始めなければならない。こういうことをすると、これにもたくさんの人が要るわけです。こういう点を考えた場合に、少なくとも来年度からかなりの増員をしてもらわないときちんとできないのではないかというふうに思いますが、この点はいかがですか。
#207
○国務大臣(塩崎潤君) 確かに、今おっしゃったような、公平をねらえばねらうほど今の簡易税制の問題のように、なおこれを少し制限することによって本来の税制、つまり複雑な仕入れというようなことが必要になってくるわけでございます。ですから、公平と税法の簡素化、徴税費の低下ということは相反するようなことになっているのが今ではないか。
 そのような公平を図りながら、しかし一方それは事務をふやすことでございます。しかし、どこか別の方向で、今アメリカでは国会で簡素化の問題で特別な委員会をつくり、民間全体から意見を求めて研究をしているようでございますが、そういった観点を税制の上でも国会の中でもひとつ研究していただくようにしていただければ、この定員の問題も非常に考えやすくなるのではないか、私はこんなふうに思っております。
#208
○田渕哲也君 アメリカのまねをされるのも結構ですが、そのアメリカでは一九八三年に非常な財政危機の中で、内国歳入庁の定員を一挙に五千人ふやしております。そのうち四千人は徴税職員、千人は調査官に充てられたわけです。アメリカではこういう思い切った政策をとるわけです。そして、徴税のための予算も、財政が非常に窮迫した中でも大体一〇%以上増ぐらいの予算をつけておるのです。これは、やっぱり税務行政にかけるコストは新たな収入を生む特別の経費である、こういう認識がなされておるわけであります。
 日本の場合は、財政が窮迫して、行政改革で公務員の定数減だからというので国税職員の方も抑えられる、こういうような横並びでやってきたけれども、こういう発想そのものが私はもう機動性を欠いておると思うのです。こういうときは、やっぱり税の収入を適正にし、あるいはふやすための部署はふやす、税をばかすか使うところを減らす、こうすれば財政は均衡するわけであります。それに加えてやっぱりクロヨンとかそういう不公平を生むもとにもなっているわけですから、アメリカのまねをされるのならば、こういう八三年の例も見習われてこの際思い切った政策をとってもらうようにしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#209
○国務大臣(塩崎潤君) おっしゃる点ももっともで、かつての税務公務員としては大変私はありがたく思うところでございます。しかしながら、今申し上げておりますように、とにかく納税者が多いことが実調率を引き下げ、税務職員の増大の要請であるとすれば、私はこの点は別の観点からの改正も考え、簡素化を考えていただきたい。そして、やっぱり何と申しますか、生産性を上げる税務職場になっていただく方法がまだまだあるんではないか。
 アメリカは五千人ふやされたと言いますけれども、アメリカは申告所得税で日本のような年末調整、給与源泉所得税がありませんから、給与所得者まで含めて五千万、六千万人の納税者だと。日本はそれは年末調整で済ましておりますから三百万人で済んでいるということを考えますれば、私は調査をしなければ公平な申告は期待できないんだというような、こんなことが言われなくても済むような誠実な申告ができるような体制を税務の職場の方から、そしてまた国会から、国民の立場から考えていかなければ、ますます人が要る一方だろう、こんなふうに思っております。
#210
○田渕哲也君 大臣の遠大な構想は結構ですけれども、しかしここ十年間見ても執行面の不公平というのは余り是正されていないと思います。やっぱりそれをきちんとしないと国民の税に対する信頼感は出てこない。そういった面で、当面、来年度の国税職員の増員について、これは国税庁からもいろいろ要請が行っておると思いますけれども、ぜひ総務庁長官の御英断をお願いしたいと思います。
 それから、時間もなくなりましたので、最後に人事院に対して一括して質問をいたしたいと思います。
 公務員の給料は民間準拠が基本であると言われておりますが、本当に民間準拠になっておるのかどうか。この点、若干私は疑問に感ずる点がありますので申し上げたいと思います。
 まず、今回初任給が大幅に引き上げられましたけれども、大幅に引き上げた理由として、「既に官民の間に相当の差がある中で」云々ということが書いてあります。ということは既に官民の間に初任給の相当の差がある状態というものが継続しておることを認められておるわけですね。本来、民間準拠をきちんとやっておられるならばこういうことは起こり得ないと思うのに、「既に官民の間に相当の差がある中で、民間企業では更に大幅な初任給の上昇がみられる」、だから相当な差を今まで是認されてきたということになるのではないか。
 それから、今回初任給が引き上げられたけれども、なおかつ民間に比べるとこれでもまだ較差がある。民間企業の新卒、大卒の初任給は十六万六千四百十九円ということでありますけれども、国家公務員のU種大学卒の初任給は、今回の改善措置が講じられ、しかも一〇%の調整手当を加算しても十五万七千四百十円ということであります。したがって、民間準拠が基本であるならばまだまだ不十分ではないかということをお伺いしたいと思います。
 それからもう一つは、特別給の支給割合の算定は、民間の場合は通勤手当や住宅手当を含むすべての手当が含まれた額で算定をしておるわけであります。公務員の場合は俸給、扶養手当、調整手当のいわゆる三者給ということであります。したがって、民間企業の特別給の支給割合を算定する場合の基礎と、公務員の期末・勤勉手当の算定の基礎額は異なっておるわけでありまして、今までこのことはそのままにして月数で民間準拠にしてこられた。今回、このすき間を利用して期末・勤勉手当に役職段階別加算措置を講じようということにされたと思いますけれども、今までこういう状態を放置されたというのはやはり民間準拠から見ておかしいのではないか。
 それから最後に、今回は期末・勤勉手当に役職段階別加算措置を導入することにされました。これも民間との比較ということでこういう措置をとられたわけでありますけれども、民間でこういう特別給の支給割合について役職段階や年齢階層による格差の存在は今始まったことではありません。既に昭和四十五年の報告において今回のような役職による加算措置の導入を検討することにしておりますが、今日までこれが実現せずに放置されたというのはどういう理由なのか。また、この放置されたものを今回是正されるというのは、その理由は何かお伺いしたいと思います。
#211
○政府委員(森園幸男君) 初任給に関する部分でございますが、御指摘のとおり、確かにことしの報告文では「相当の差がある中で」ということを申し上げております。
 公務員給与の民間準拠ということでございますが、基本的には私どもは平均的な公務員の改善率を官民較差をもって行うという意味においてまず具体的な意味での民間準拠を図ろうと、こういうことをしておるわけでございます。したがいまして、その部分部分、例えば初任給でありますとか係長給とか課長給という部分につきましては、官民のそれぞれの人的構成の違いなどもございますから、逐一は必ずしもマッチしない、これはやむを得ない面がございます。
 そうした中で、初任給につきましては、昭和五十年代の前半あたりに、民間の景気動向等もございましたが、公務員希望者が一番ピークを迎えた、非常に殺到した時期がございまして、そのあたりからいわゆる人材確保という観点から初任給の水準を民間とイコールにすることをややちゅうちょしたといいますか、在職者給与の延長上に初任給のポイントを置いたという取り扱いをいたしてまいりました。
 その後、だんだんと開いてまいりましたので、近年、ここ数年は私どもも初任給につきましては在職者給与以上の改善を図ってきたわけでございますけれども、時節柄ちょうど民間の景気拡大期にございまして、大変な求人難の中で民間の初任給も相当伸びてきたわけでございますので、なかなか追いつかなかったということでございます。そこで今回特別の大幅な改善をお願いをした、こういう事情でございます。
 しからば、現在今回の改善勧告で十分なのかと、こういう御指摘でございますが、ただいま御指摘ございましたように、いまだ民間の水準に達していないものがあるのは重々承知をいたしております。初任給の改善をいたしますと、一年先輩、二年先輩との給与の逆転というのもやはり避けなきゃならないことでございますので、初任給の大幅な改善には在職者の調整というのも必要でございます。そういうことをやりますと若年層に厚い配分がいく結果、較差原資の中で中高年層以上に配分する内容が非常に薄くならざるを得ないという事情もございますので、中高年との相対的な均衡ということもまた念頭に置かなければならないということでございますから、今直ちに初任給を完全に官民較差を埋め尽くすということは大変至難なことでございますが、中高年とのバランスを考慮しながらなお改善の必要があるというふうに考えております。
 それから、特別給のことでございますが、いわゆる分子、分母問題のすき間を長年放置した点でございます。このことにつきましては、期末・勤勉手当制度がそもそも導入された当初におきましては、いわゆる公務員給与の三者給、俸給、扶養手当、調整手当でございますが、これを基礎とする期末・勤勉手当の算定といいますのが、ちょうどいわゆる分子、分母に対してはすき間がないということでございましたけれども、その後通勤手当とか住居手当の新設、あるいはその内容の拡充ということが逐次行われました結果、いわゆるすき間が顕在化してまいりまして、昭和五十年代の初めごろでは、国会におきましても、その問題については人事院としても問題意識を持っていると。ただし、これについて……
#212
○委員長(井上孝君) 森園局長、答弁は簡潔に願います。
#213
○政府委員(森園幸男君) はい。
 官民を合わせるということでありますれば、その配分におきましても、これはやはり官民の均衡を図らなきゃならないという問題指摘をしてまいったわけでございます。
 その後、非常に公務員給与本体の抑制といいますか、完全に実施されない時期等も続きましたし、また期末・勤勉手当の支給月数も動かなかったということでございまして、これはやはり月数が上がる時期でないと改善がしにくいわけでございまして、ことしそのタイミングを得たということで改善の勧告を申し上げた、こういうことでございます。
#214
○委員長(井上孝君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#215
○委員長(井上孝君) 御異議ないと認めます。
 一般職の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案の修正について吉川君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。吉川春子君。
#216
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、一般職の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 本修正案は、政府提出法案のうち、期末・勤勉手当に役職別加算措置を導入する部分を削除し、その財源を全職員均等に配分して、期末手当に上乗せしようとするものであります。
 政府は、期末・勤勉手当の役職別加算措置の導入について、民間企業のボーナスの配分傾向に準拠させることを理由としていますが、これは、公務員給与における一時金の性格と民間企業のボーナスの性格の違いを意図的に無視するものであります。
 この役職別加算措置の導入は、まず第一に、公務員制度に給与面から成績主義と差別を持ち込んで職員間の分断と競争を一層あおるものであり、国民本位の民主的行政を推進すべき公務員の職務に、新たな障害をつくり出すことは必定です。
 第二に、政府は既に昭和四十六年、期末・勤勉手当に特別調整額、いわゆる管理職手当の加算措置を導入して職務給制を強化しましたが、今回の措置はこれに加えての改悪であり、上級官僚を優遇する上厚下薄の職務給制をより一層強化するものであります。
 第三に、役職別加算の財源は、もともと一時金の官民比較で公務員が低く算出される、いわゆるすき間を埋めるため関係労働組合が長年にわたって要求してきたものです。それを今回すき間を埋めると称して逆に、一般公務員に薄く、上級官僚に厚くするなどもってのほかです。この財源は、事の経過からいっても全職員に一律に配分すべきものであります。
 本修正案の内容は、期末・勤勉手当に役職別加算措置を導入する規定を削除し、この役職別加算措置導入に充てる財源を、全職員の期末手当に均等に〇・三一力自分上乗せし、合計五・六六カ月支給することとするものであります。なお、その配分方法は、十二月支給分に〇・二一カ月、六月支給分に〇・一カ月上乗せするものです。
 委員各位の御賛同をいただき、速やかに可決されるよう要望して、本修正案の趣旨説明を終わります。
#217
○委員長(井上孝君) それでは、これより三案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#218
○吉岡吉典君 私は、日本共産党を代表して、一般職の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成、特別職の職員の給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案並びに防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 まず、一般職の職員給与法改正案についてですが、公務員労働者の生活実態と要求から見てこの引き上げでは不十分であり、さらに今回新たに導入されようとしている期末・勤勉手当の役職別加算措置は、現状でも上に厚く下に薄い給与配分体系をさらに強化し、高級官僚を初め管理職を一層優遇するものであり、我が党は修正を求めました。
 次に、特別職の給与法改正案であります。
 秘書官の給与引き上げは、生活の維持改善に必要ではありますが、現状でさえ高額な国務大臣等の給与を一般職を上回る率で引き上げた上、期末・勤勉手当への加算措置導入によって上厚下薄の給与格差をさらに拡大するものであり、国民一般の生活水準、消費税を初め不公平税制のもとで犠牲を強いられている国民の生活実態に照らして、到底賛成できないのであります。
 次に、防衛庁職員給与法改正案であります。
 我が党は、一般職員、曹士隊員、下級幹部等とその家族の生活保障は必要であると考えますが、政府・自民党は今日、軍事費において既に世界第三位となっている自衛隊を次期防の策定によって一層強化しようとしています。さらに、今回の湾岸危機に対する米国の政策に追随して結局は憲法違反の自衛隊海外派兵に通ずる新規立法の制定さえ企図している現状のもとで、この防衛庁・自衛隊職員の給与の引き上げは軍縮を願う国民感情を無視したものであり、我が党は反対するものであります。
 以上申し述べまして、討論を終わります。
#219
○委員長(井上孝君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#220
○委員長(井上孝君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 初めに、一般職の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 まず、吉川君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#221
○委員長(井上孝君) 少数と認めます。よって、
 吉川君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#222
○委員長(井上孝君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#223
○委員長(井上孝君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#224
○委員長(井上孝君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#225
○委員長(井上孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時七分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト