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#1
第120回国会 本会議 第2号
平成二年十二月十一日(火曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二号
  平成二年十二月十一日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 第二 国務大臣の報告に関する件(昭和六十三年度決算の概要について)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(土屋義彦君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 昨日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。細谷昭雄君。
   〔細谷昭雄君登壇、拍手〕
#4
○細谷昭雄君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、政府の財政演説及び関連する諸問題について質問いたします。
 激動する内外の諸情勢、特に中東問題が重大な局面にあって、国連の武力容認決議が行われた一方で、米国の新提案とイラクの受諾と突然の人質全員解放等、目まぐるしく動いています。解放された方々の帰国を喜ぶとともに、現地で解放に努力された各位の労をねぎらいたいと思います。
 それにしても、必死の戦争回避の努力が関係諸国間で続けられているとき、我が国政府は一体何をしようとしているのか、その外交努力や方針は全く不透明であります。また、さきの国会での国連平和協力法案廃案の責任をどういう形でとろうとされるのか、また今後どうなさるおつもりか、これを国民の前に明らかにするのが総理の責任ではありませんか。
 海部総理、あなたは今こそ日本の総理として、国民のいら立ち、失望、そして政治不信を払拭するために、本国会で所信を表明すべきではありませんか。先月二十九日、本議場において厳粛に議会開設百年記念式典が挙行され、我々議会人は決意を新たに、我が国民主政治の充実強化と憲政のさらなる発展を誓い合ったのであります。改めて総理の御見解と政治責任のあり方を問うものであります。
 次に、我が国の経済の動向と財政金融政策についてであります。
 四年の長期にわたってきた我が国経済の拡大も、湾岸情勢、屈折点を迎えている米国、ソ連・東欧の動静を反映して、鈍化する傾向が見られます。今後とも、内需を中心としたインフレなき持続的成長を確保するために、政府はどのような施策をとろうとしておられるのかを伺いたいのであります。
 金融について見ますと、太陽神戸銀行と三井銀行、協和銀行と埼玉銀行の合併が相次いで行われております。保有する株式と土地のバブルがはじけた穴埋めのために規模の利益を追求する余り、公共性の強い金融機関の合併が果たして預金者である大衆の利益につながるのかどうか極めて疑問であります。大企業や資産家の大口預金には高利を、一般庶民の小口預金には低利をという預金金利の自由化もまた、ただこれを推し進めるだけでいいのでしょうか。地価高騰を招いた元凶である無差別の土地関連融資を、もはやどうにもならない状況に立ち至ってようやく規制する無策、そしてまたノンバンクを通ずる土地融資が今なお行われているのにその実態さえ把握できない体制は、国民の不信をいやが上にも高めています。
 土地税制についても同様であります。土地税制はこれまで、他の総合的な施策の一環だとして、土地狂乱を惹起して五年目に入る今日に至るまで放置されてきました。この間、地価の暴騰は全国化し、特に都市部では庶民は一生働いても一軒の家さえ持てない一方、地価暴騰を奇貨として不動産業、銀行、大企業は天文学的な利得を得て、空前の資産格差を生んだのであります。
 総理、このような実態を放置して公平な社会の建設などと言えるのでしょうか。海部総理、あなたは総理として自民党の反国民的な新土地保有税骨抜きの策謀をはねのけ、断々固として政府税調の基本答申を法案化すべきであります。総理の決意を率直にお示しください。
 次に、消費税の取り扱いについて伺います。
 御承知のとおり、我が党は今日まで一貫して消費税廃止の方針のもと、闘いを続けてまいりました。第百十六回国会で参議院において消費税廃止関連法案が可決されて以来の消費税をめぐる与野党の攻防の結果、現在、衆参両院合同協議会の場でその取り扱いが論議されております。そして現在、緊急暫定措置として消費税の欠陥を是正するための処方せんをつくるべく努力が重ねられております。
 しかし、これはあくまでも平成三年度の税制改正に間に合わせるため、現在のままの消費税が存続し続けることの悪弊を除去しようとするための手段であることは言うまでもありません。緊急是正措置により欠陥だらけの消費税は多少なりとも是正されるでありましょう。しかし、強い逆進性、益税すなわち事業者の筋違いの利得、大企業等の税額納付までの運用益、そしてまた、取引上、力の弱い中小零細企業の転嫁不能という実態は、消費税が存続する限り消滅しないのであります。緊急暫定措置の帰趨は現在のところ明らかではありませんが、政府自体は消費税が両院合同協議会の俎上にのせられていることをどのように受けとめているか、仮に緊急暫定措置が具体化するとして、その後の消費税をどのような姿にしていこうとするのかをお伺いいたします。
 次に、提案された補正予算を中心に財政問題についてただします。
 まず、財政法第二十九条の補正予算編成要件に照らし妥当性を欠く経費が計上されていることを指摘せざるを得ません。それは湾岸平和基金拠出金千三百億円であります。周知のとおり、歳出の補正は政策的経費を排除し、義務的緊急的経費に限定することが法の趣旨であります。しかるに、極めて政策的要素が強く、かつまた国会の審議も承認も受けていない交換公文による経費を支出しようとしているのであります。これは明らかに財政法二十九条の精神に違反すると言わなければなりません。また、平成元年度の補正予算と同様、補正段階で基金づくりのための経費を計上していることであります。
 このような手法は、各年度当初予算編成の基軸であるシーリングを実質的に破り、しり抜けにする予算計上方式であることからも、財政運用を乱すことは明らかであります。来年度予算があと二十日足らずで編成されようとしている今日の時点において、補正計上しなければならないどのような緊急性があるというのでしょうか、納得できません。二つの基金がどこで運用され、どう使われるかも含め、明確な御答弁を求めます。
 また、歳入の補正についても大きな疑義があります。
 その一つは、消費税が二兆九千七百三十億円の増加となっておりますが、これは政府が国民に公約した大幅所得税減税が全くのまやかしであったことが実証されたと言わざるを得ません。当初予算を一四%も上回って納税させられた勤労者からは、取りやすいところから取る不公平税制が今もって改善されていないとしか受け取れないのであります。このような所得税重課の状況をもって、政府の言う所得、消費、資産のバランスのとれた税負担と言えるのでしょうか。所信を明らかにされたいのであります。
 また、消費税を導入してなお、当初予算で示した三ポイントの直間比率の是正も吹き飛んでしまったではありませんか。政府の描いた税制改革の姿と今回の補正とをどのように関連づけているのか、具体的な答弁を求めます。
 二つ目は、建設国債の増発七千五百億円についてであります。
 本年度は、税収増により、政府の悲願であった赤字国債の発行をゼロにした予算を編成することができました。そして、建設国債についてもこれを縮減していく方針を掲げ、百六十四兆円の国債残高の削減を新しい財政再建の目標とすることを明示したはずであります。しかるに、当初予算でその目標に沿うべく国債発行を圧縮しておいて、補正段階では増発するというばかげたことで一体財政再建が達成されるのでしょうか。しかも、増発の理由を災害が多発したからと説明しておりますが、災害復旧費を千二百二十二億円も超過して増発しようとしているのでありますから、これをどう説明されるおつもりですか。財政法第四条を安易に解釈し、後世代に負担を負わせる弊害は厳粛に正さなければなりません。このこと自体が、政府の言う赤字国債脱却後の新しい財政再建の目標であったのではありませんか。蔵相の明確な答弁を求めます。
 次に、災害対策について伺いたい。
 七月初めの梅雨前線豪雨や八月から十月にかけての大型台風の被害が全国各地に発生し、人命、財産に多大の損害を与えました。
 この際、政府に要望したいことは、災害救助法に基づく救助活動に対する国の補助基準が厳しく、例えば応急仮設住宅の基準や被災地の実態にそぐわないなどの不満が強く、社会生活の変化に対応せざるを得ない地元自治体の持ち出しが増高している実情から、早急に災害救助活動の国庫補助対象の拡大と補助単価の改善を行うべきであります。また、再度の災害防止の見地から、原形復旧から改良復旧を原則とするように積極的に姿勢の転換を求めたいと思います。蔵相の御所見を伺います。
 次に、国家公務員の給与改定と労働時間短縮についてでありますが、給与改定財源は予想できるものであり、本来、当初予算に計上確保すべきであります。近年、全く計上されない理由を明確にしていただきたいし、来年度当初予算には一定の改善経費を計上すべきと考えますが、御見解を伺います。
 また、労働時間の短縮については、政府においても経済運営五カ年計画として平成四年をめどに年間労働時間を一千八百時間程度に短縮することを決定しました。公務員についても、この方針のもとに平成四年までに完全週休二日制、週四十時間制の達成が目標にされているのであります。そこでお伺いしたいことは、目標達成の日程計画と、国立病院等一部交代制職場での週休二日制の実施は難しいのではと危惧されています。政府はこれから交代制職場の時短にどう取り組み、週休二日制の実現を図るか、伺います。
 公務員の中でも教員は、国、地方を問わず、現在一般公務員の四週六休体制のもとでも夏休み等にまとめ取りをするように行政指導されております。まとめ取りは週休二日制、時間短縮の趣旨に反するものであります。学校の現場では休みをとれない実態であり、一般公務員並みに週休二日制を実施するためには定数増は不可欠であります。教員の週休二日制に向けての条件整備をどう考えておられるのか、御所見を伺いたいと思います。
 さらに、教員の週休二日制は、今日、別の視点から検討されております学校五日制の課題と切り離せない関係を持っております。学校五日制は、過度に学校教育に比重が置かれ、知育偏重に陥っている我が国教育の現状を是正し、家庭、地域社会、学校のそれぞれのバランスのとれた教育を保障するためにも早期実施が求められるべきであると考えますが、総理の御所見を求めます。
 次に、平成三年度の予算編成方針について伺います。
 中曽根内閣以来突出を続けてきた防衛費の増大と、中小企業、公共事業の削減縮小、文教、社会保障費の実質横ばいは、いわゆる二極分化の予算編成のパターンとなってきました。これを逆転させることこそ今日求められておるのではないでしょうか。ゆとりの感じられる生活環境、自然保護、超高齢化社会への対応準備等々、予算編成の軸足を変えることなしには不可能であります。
 具体的にお伺いしますが、今年度の防衛予算は、隊員の給与改定の結果、GNPの一%を超えることになり、直ちに見直しが必要となっています。また、ポスト次期防のあり方は、伸び率の削減だけでは不十分であり、絶対額を中期防の十八兆四千億円以下に抑制すべきであります。
 在日駐留軍の日本側負担経費も、米軍の削減、在日基地の縮小を図ることで、米国の増額要求を軍縮に対応して根元のところできっぱり拒否すべきであります。民生部門への軸足を移す予算編成を今こそ総理は勇気を奮って実行すべきであると信じますが、決意をお聞かせください。
 次に、日米構造協議の結果、四百三十兆円の公共投資計画の初年度予算をどうなさいますか。財政当局は二千億円の生活関連投資枠を新しく設けましたが、各省庁の概算要求は一兆一千五百億円を超えると聞いております。これをどのような順位をつけ、財源の重点配分を行おうとするのか伺います。加えて、新公共投資計画は東京一極集中の排除が目的の一つになっているはずであり、財源の地方への手厚い傾斜配分の方針でなければなりません。さらに、地方公共団体の財源措置をどう考えておられるのかも明らかにしていただきたい。
 また、財政再建の第一段階で行った補助率切り下げの復元でお尋ねします。
 中央政府の財政再建のために負担を地方に転嫁した結果、利子負担を別にして地方は四兆円近い負担を強いられています。昨年より補助率の一部復元を見たものの、来年度予算編成では大蔵省は五十九年度補助基準に戻すことに難色を示しているやに聞き、地方六団体の強い反発を買っています。私の地元秋田県だけで六十一年度補助率と五十九年度のそれでは県の全体予算で百億円の補助減額が見込まれ、過疎地域では大変な問題であります。六十一年度基準では地方は実に五千五百億円余りの負担が残ることになります。国の財政再建が一応のめどがついた今日、補助率の完全復元は当然の措置であります。蔵相の明確な答弁を求めます。
 次に、農林業問題について質問いたします。
 十二月三日より開催されたガット閣僚会議は、予定されていた年内の最終合意を断念して閉会になりました。当初から難航が懸念された農業部門であり、かつまた米の行方に重大な意味を持つことから国民の関心も強かったのであります。我が党は、日本農業を守る立場から、ブリュッセルに議員団を派遣し、政府代表団と連携し、激励したところであります。報道によれば、交渉期間を延長し、来年一月にもジュネーブで協議再開かと報じていますが、一部マスコミでは、農業分野での米国とECの対立が激しく、交渉は最大の危機を迎えたとし、今回の交渉不調により、米国のやり場のないいら立ちと怒りが日本に向けられるおそれがあり、日米二国間協議に入れば日本不利との予測さえも出しております。三たびにわたる国会決議は重く、我が国の米の重要性につけ加える何物もありません。
 十一月、全国の消費者団体は東京で第二十九回の全国消費者大会を開き、米の輸入自由化反対の決議を上げました。そして、国民の健康な食生活を守るには安全な食品ときれいな水と緑の環境が必須条件であり、農林業は地域と国家の自立と安全保障に不可欠であると宣言しています。我が国は、世界最大の食糧輸入国であり、カロリーベースで四九%という先進工業国では例のない最低の食糧自給率であります。一日国民一人当たり一千四百キロカロリーを外国輸入食品に依存していることに、消費者の不安が米と農業、林業を守る国民的要求として高まっているのであります。今や農林業は生産農民だけのものではなくなっています。
 こうした背景のもとでガット閣僚会議に臨まれた山本農相の労を多としながら、農相から、交渉の問題点と今後の方策を含め、国会決議に象徴される米の自由化を許さない決意のほどをお示し願いたい。また、総理に対しましても、特に閣内不一致のそしりを受けないための決意をお聞かせ願いたいと思います。
 また、有用国産材の確保と国土・地球環境保全の両面で林野行政は新たな視点での対応が求められています。殊に国民共通の財産である国有林の果たすべき役割分担が飛躍的に大きくなっています。政府は、この際、構想を一新して、国有林の再生に立ち上がるべきです。独立採算制度の撤廃、累積債務の肩がわり等、国有林野財政の見直しと強力な公共投資の投入が必要であると考えるが、農相と蔵相の御所見を求めます。
 次に、育児休業法について伺います。
 育児休業制度の法制化は男女全労働者の切なる願いであります。この問題については、本院社会労働委員会の小委員会において、今月七日、通常国会で法制化を実現すべき旨与野党の意見の一致を見るとともに、政府において法案の作成に当たっていただく旨、合意いたしました。
 こうした経過を踏まえ、育児休業法制化の実現について、総理は一体いかなる御決意で取り組まれるかをお伺いしたい。
 次は、季節労働者、つまり出稼ぎ労働者対策について伺います。
 ことしも二十万を下らない人たちが、東北、北海道、沖縄、南九州から首都圏、東海、近畿圏へと単身で出稼ぎに出ています。人手不足は深刻で、求人が急増し、出稼ぎ者の高齢化も進み、建設現場では平均六十歳が当たり前になっています。しかし、依然として劣悪な労働条件と宿舎環境のもとで、労働災害、発病、過労死、トラブルの増加等々、種々の問題が続発しています。特に建設業下請業者に就業している多くの出稼ぎ労働者は労働基準法や社会保険制度の恩恵さえ受けていない場合が多い実情を、私は二十二年の間、現場訪問でこの目でつぶさに見てきたのであります。
 政府は、寄せ場を含めて、建設現場に働く労働者の実態調査を計画的、速やかに実施すべきであります。
 成人病検診や休日の実施状況、安全衛生や宿舎の状況、年次有給休暇制度や建設業退職金共済制度への加入実態等々、労働行政の手の行き届いていない実情を声を大にして訴えたいと思います。塚原労働大臣が現場の視察に出かけられたことに敬意を表しつつ、具体的な対策を伺いたいのであります。
 また、人手不足は十万から二十万人とも言われる多くの不法外国人労働者の流入をもたらしていますが、外国人労働者の受け入れを望むのは建設、サービス、中小零細業者であり、押しなべて労働条件は前述のように劣悪であります。日本人労働者の労働環境をまずきっちりと合法的なものに引き上げない限り、このままの受け入れでは一層劣悪な労働条件に外国人労働者をほうり込み、間違いなく国際問題になります。人権を守り、違法な労働条件や雇用にどう対処するおつもりか、国際的な視野できちんとした方策を求めます。
 終わりに当たり、総理に要請いたします。
 ソ連は今、深刻な食糧不足に市民が苦しんでいると伝えられています。ソ連に対し、人道的立場で緊急食糧援助の手を打つべきではないでしょうか。今、ソ連は政治、経済とも大転換の激流に翻弄され、一時的な現象とは思われますが、隣国として見過ごすわけにはまいりません。
 私は今、昭和三十五年前後、日本で小児麻痺が大流行し、多くの乳幼児が罹患し、日本全国が恐怖に陥ったとき、総評など民間団体がソ連に要請し、日本の子供たちのために生ワクチン一千万人分を特に譲り受け、数百万の乳幼児に投与され、多くの子供の命を救った事実を忘れることができません。
 社会体制の相違を超えて、こうした支援こそ本物の信頼につながることを確信し、総理の速やかなる決断を願って、私の質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(海部俊樹君) 細谷議員にお答えを申し上げます。
 湾岸危機の、最近は例えば人質解放の朗報があったり、あるいはイラクと米国との直接対話の機運が開かれてきたり、いろいろな動きがございます。我が国は、当初より、あの地域の安保理決議の完全実施を基礎にした平和的な解決を強く願ってきたものでありますから、特にイラクと米国との直接対話のようなことがさらに外交的努力の一層の推進のために役立ち、平和解決になることを強く願っておる次第でございます。
 また、国連平和協力法案についてのお尋ねがございましたが、私は廃案になりましたということを厳しく受けとめて、国連を中心とする国際協力のあり方について、社公民、皆さん方はそれぞれ立場は違うけれどもいろいろな御意見を出された。社会党の出された国連平和協力機構というのも、人の協力は必要だということは強く認めて、いろいろな輸送だとかその他の協力問題、医療の問題等についての案をお示しになられております。また、公明党、民社党の皆さんとは、自由民主党と三党合意による国際協力の新しいあり方六項目についてお取り決めをいただきました。
 私は、これらの御意見を十分踏まえながら、さらに新しい国際協力のあり方について研究、努力を続けていきたいと考えておりますので、どうぞよろしく御協力をお願いいたしたいと思います。
 経済運営の問題についてお尋ねがありましたが、日本は御承知のように四十八カ月という長期にわたって内需主導型で景気を維持してまいりました。ただ、最近湾岸危機による国際石油価格の上昇やアメリカにおける景気の減速がございますから、環境変化が生じておることも事実でありますけれども、しかしこれに対して、政府としましては物価の安定というものを中心にして、主要国との経済政策の協調にも十分に配慮しながら、経済活動の自律的発展、雇用の安定、対外不均衡の是正、為替レートの安定などを図り、従来同様に内需を中心とした景気の拡大をできるだけ息の長いものにするよう努めてまいりたいと考えております。
 土地税制につきましては、政府税調より基本答申をいただき、また自民党においても具体的な土地税制改革大綱を党議決定されました。
 政府としましては、現在政府税制調査会において行われている審議の結果を踏まえつつ、いろいろな御意見をよく承って、土地税制の改革のための所要の法律案を取りまとめ、今国会に提出して実現を図るべく最善の努力を傾けていく所存でございます。
 公務員の完全週休二日制につきましては、経済運営五カ年計画を踏まえて、その一環として、本年四月から交代制などの職員について週四十時間勤務制の試行を順次施行しておるところであります。国家公務員の時短、完全週休二日制については、この試行の円滑な実施に努めるとともに、民間における週休二日制の普及状況や国民世論の動向などを勘案しながら、さらに検討を進めてまいりたいと考えております。
 学校公務員についてお触れになりましたが、教員の週休二日制に向けての条件整備については、学校活動との関連で児童生徒が登校します土曜日に休みとすることが困難なことから、夏休み等に休みをまとめ取り方式でただいま実施しておるところでありますが、学校問題は、学校五日制の問題の中に現在、教育水準の維持や学校運営のあり方、国民世論の動向などにも配慮しつつ、文部省において調査研究を行い、平成三年度末までに一応の結論を期待しておるところでございますが、今後の進め方については、学校五日制と密接に関連する問題である週休二日制の問題ともどもに、その調査研究の状況等を勘案しながら取り進めてまいりたいと考えております。
 次期防についてお触れになりましたが、平成三年度以降の防衛力整備については、国際情勢及び経済財政事情等を勘案し、先月末、安全保障会議において中期的な計画を作成することにつき意見の一致を見たところであります。今後、経費規模を含め精力的に検討を進めてまいりますが、いずれにせよ、昭和五十一年度の閣議決定の際の節度ある防衛力の整備を行うという精神を引き続き尊重してまいります。
 在日駐留軍の日本側経費負担の問題については、在日米軍が、従来から、我が国の安全保障にとって不可欠な日米安全保障体制の効果的運用を確保していく、このことは極めて重要であるという観点から、我が国が自主的にできる限りの努力を払ってきているところでございます。政府は、この件につきましては次期防整備計画策定作業の中で引き続き検討をしてまいりたいと考えております。
 予算編成の軸足を民生部門に移すべきではないかとの御指摘でございますが、私もそのお考えについては、これまでも厳しい財政状況の中で生活に関連する分野等についても重点的に配慮をしてきたところでありますが、今後とも豊かさの実感できる国民生活の質の向上に一層留意をしながら、限られた財源の重点的な配分に努めていくことが重要であると認識をいたしております。
 育児休業の問題については、仰せられたとおり、子供を養育する勤労者にとって、その能力と経験を生かしながら職業生活と家庭生活を調和させていくということが大切であり、その環境を整備することが政府としては必要であると考えておりましたが、十二月七日に当院社労育児休業制度検討小委員会において法的整備について政府で検討、立案せよとの結論をいただいたこともよく承知をいたしております。この点を踏まえまして、制度の確立に向けて鋭意努力を続けてまいります。
 また、最後の、ソ連での食糧事情の不足問題については、政府としてもこれを注目いたしております。ソ連国内の動向につきましては鋭意情報を収集するとともに、対ソ緊急支援については、人道上考慮すべきさまざまな問題がありますが、いかなる対応が可能であるかを考えてまいりたいと思います。
 残余の御質問につきましては関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(橋本龍太郎君) 細谷議員からの御指摘に対し、順次お答えを申し上げます。
 第一点は、金融機関の合併につきましてのお尋ねでありました。
 金融機関の合併は、金融機関それぞれの経営判断により自主的に判断されるべきことではありますが、基本的には、経営基盤の安定強化というものを通じて広く国民により質の高いサービスを提供するという点も期待をされるところであります。大蔵省といたしましては、例えば独禁法等関係法規に照らし適切な合併に関しましては、従来から前向きに対応してまいりました。
 また、大口預金、小口預金を例示に挙げられながら、預金金利の自由化についてのお尋ねがございました。
 預金金利の自由化につきましては、信用秩序の維持に配慮をしながら、大口定期預金から逐次これを進めてまいりましたが、小口の定期預金につきましても、小口の預金者層に自由化のメリットが享受できるように、預金者間の公平の観点から積極的に自由化に取り組んでいるところでございます。
 預金の金利の自由化は、より一層の競争原理が働きますことにより、金融サービス水準の一層の向上また金融機関経営の効率化等を通じまして国民経済の発展に資するものと考えておりまして、今後とも前向きに対応してまいりたいと考えております。
 また、平成三年度の予算編成に合わせ、消費税の御論議を提起されました。
 消費税は、御承知のように、第百十八回国会での法案処理の結果を踏まえ、与野党がその責任を果たすというお立場から税制問題等に関する両院合同協議会が設けられ、現在その専門者会議を中心に精力的な御論議が行われているところでございます。政府の立場からいたしますと、この両院合同協議会におきまして、消費税の必要性を踏まえながら、国民の全体的、長期的な利益といった高い次元から協議が行われ、建設的な合意が得られることを期待しておるところでございまして、院の作業でありますから、私どもとしてはこれを見守らせていただきたいと考えております。
 また、補正予算案に含まれる湾岸平和基金拠出金についてのお尋ねがございました。
 国際社会は、現在、イラクによるクウェートへの侵攻及びその併合に対しまして、これを強く糾弾し、毅然とした態度をとっております。そして、その一環として、先般国連安全保障理事会は、イラクに対しクウェートからの即時無条件撤退などを求める累次の安保理決議を履行することにより問題を平和的に解決する最後の機会を与える決議六七八を採択されました。
 我が国といたしましても、湾岸地域の平和と安定を回復するための国際的努力は貢献していくという視点から、中東貢献策を発表し、今回その一環として、二年度補正予算に湾岸平和基金に対する一千三百億円の拠出金を計上しているわけでございます。これが我が国の貢献策の一環として効果的に実施され、かつ各国に対する協力の実を上げますためには緊急に支出する必要がありまして、三年度当初予算の成立を待っていたのでは時期を逸するおそれがございます。このため、今回補正予算により手当てをすることとしたわけでありまして、財政法第二十九条に定められました補正事由に合致するものと考えております。
 また、基金についてのお尋ねがございました。
 二年度の補正予算におきましては、例えば日米親善交流事業、またスポーツ振興基金の創設などについての措置を講じております。
 日米親善交流事業につきましては、両国政府間におきまして日米親善交流基金創設の機運が高まってきていることを背景とし、日米親善交流の推進を目的として、各界知的指導者の招聘、派遣、あるいは草の根交流支援など、日米間の交流事業を行うため国際交流基金に対し追加出資を行うものであります。
 また、スポーツ振興基金につきましては、我が国の競技水準の向上などを図るための対応策を緊急に講ずる必要があるという機運が高まっております中で、民間から、スポーツ振興基金設立の提唱とそのための民間拠出の表明及び政府負担の要請等がありましたことを受け、スポーツ団体の行う競技水準の向上を図るための活動に対する援助などを行うために、日本体育・学校健康センターに対して出資を行うことにいたしたものでございます。
 いずれも、最近における諸情勢の変化に適切に対応するために特に緊要性を有する経費を計上したものでありまして、財政法二十九条に定められた補正事由に合致するものと考えております。
 なお、予算要求を行いますに当たって設定する概算要求基準と予算作成後に生じた補正事由に基づき編成いたします補正予算とは別の事柄でありまして、おのおのの趣旨を踏まえ適切に運用してきておるつもりでございます。
 また、税収についての幾点かのお尋ねがございました。
 今回の補正予算におきましては、所得税のうち、まず源泉分につきまして、給与の堅調な伸びに加え、自由金利預金の増加や金利引き上げの効果を反映いたしました利子の好調などによりまして一兆八千七百七十億円の増収を見込みますとともに、申告分につきまして、土地譲渡の高水準などにより一兆九百六十億円の増収を見込むことによりまして、合わせて二兆九千七百三十億円の増収となっております。
 一方、所得課税のもう一つの項目であります法人税につきましては、電力、銀行、証券を中心とした収益の悪化などによりまして一兆七百四十億円の減収となっております。
 二年度の所得税収が補正予算におきまして増額修正になりましたのは、以上のような所得の増加などの経済情勢を反映したものでありまして、所得税重課の不公平税制が改善されていないといった御指摘は私は当たらないものと考えております。
 また、平成二年度の直間比率が、当初予算の七〇・九対二九・一から補正後七二・五対二七・五へと、やや直接税の比率が高いものになりましたことは御指摘のとおりでございます。しかし、これは今申しましたように、給与の堅調な伸びなどの経済情勢を反映したものでありまして、もし従来の税制を放置して税制改革の一環であります所得税減税というものを行っていなかった場合、直接税の比率がもっと高まっていたことを考えれば、税制改革の意義は十分あったと考えておりますが、いずれにしても、今後ともより公平で均衡のとれた税制の実現を目指して努力を続けてまいりたいと考えております。
 また、建設国債について数点のお尋ねをちょうだいいたしました。
 今回の補正予算におきましては、ここ数年来のような大幅な税収増の期待しがたい中におきまして、大幅な災害復旧等事業費や出資金の追加など多額の追加的財政需要について措置を講ずる必要が生じましたため、やむを得ずぎりぎりの選択として、公債発行対象経費の範囲内で七千五百億円の建設公債の追加発行を決断したものでございます。
 我が国の経済は、平成二年度におきまして特例公債を発行せずに予算が編成できましたものの、御指摘のとおりに、二年度末の公債残高は百六十四兆円にも達する見込みでありまして、国債費が歳出予算の二割を超えるなど依然として極めて厳しい状況にあることは御指摘のとおりであります。加えて、多額の建設公債に依存しております現在の財政構造というものは、一度景気の落ち込み等により大幅な税収の鈍化が生じました場合には、再び特例公債の発行に陥らざるを得ないという脆弱な構造を有していることもそのとおりであります。
 また、今後急速に進展する人口の高齢化あるいは国際社会における責任の増大など今後の社会経済情勢の変化に財政が弾力的に対応してまいりますためには、再び特例公債を発行しないことを基本とし、公債依存度の引き下げなどにより公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていくことが緊要な課題であると認識をいたしております。
 したがって、今回の建設公債の追加発行は現下の財政事情のもとにおけるぎりぎりのやむを得ない選択でありますが、今後の財政運営に当たりましては、引き続き歳出全般の徹底した節減合理化に努め、公債依存度の引き下げなどに最大限の努力を払ってまいりたいと考えております。
 また、災害救助についてのお尋ねをちょうだいいたしました。
 災害救助法によります救助は、災害のため一定の規模以上の被害が生じました場合、被災者が現に応急的救助を必要とする場合に行われるものでありまして、救助実施上迅速に対応するため一定の基準を設けておるところでございます。
 しかしながら、災害の態様というのはさまざまでありますから、補助対象については、やむを得ない事情がある場合には市町村間の融通、特例の設定など弾力的な対応を認める等、適切に対応してまいりました。
 また、災害救助法によります各種救助種目の補助単価につきましても、毎年消費者物価等の変動に応じて所要の改善を行っておるところでございまして、御理解をいただきたいと存じます。
 同時に、災害復旧につきまして、用地補償などの処理に日時を要するもの、他の改良工事との調整を要するものなど、被災年度に着工のできないものもございます。これらの事情を総合的に勘案しながら復旧進度を決めてまいりました。しかし、最近は、極力その早期復旧というものを図ることとして初年度の復旧割合を高めております。
 また、災害復旧事業は、被災施設を原形に復旧することを原則といたしておりますけれども、被害が激甚な場合、再度災害防止の見地から必要に応じて災害関連事業により改良復旧事業を実施いたしておるところでありますし、降雨等により荒廃し災害発生のおそれの大きい場合、災害防止、民生安定の見地から施設被害がなくても施行される災害関連緊急事業を昭和六十二年度に拡大、創設をいたしまして、災害対策の強化を図ってまいりました。
 また、実際の復旧事業につきましては、特に緊急を要する箇所などについては初年度に完了させるなど、それぞれの被害状況を勘案して、実情に合った執行に努めておることも御理解いただきたいと思うのであります。
 また、公務員給与についてのお尋ねをいただいております。
 給与改善費は、公務員給与改定に備えるための財源措置でありますけれども、翌年度の公務員給与改定幅というものが具体的にどうなるか予算編成時に予測できませんために、従来から、毎年度の財政事情を勘案しながらその額が決定されるという経緯がございました。
 昭和六十一年度以降は、厳しい財政事情を勘案し給与改善費は当初予算に計上されておりませんけれども、政府は、人事院勧告制度尊重の基本的な姿勢に立って、この間、毎年、勧告の完全実施を行ってきておるところでございます。
 三年度の当初予算に給与改善費を計上するかどうかは、現在の財政事情等を総合的に勘案しながら、今後適切に判断をしてまいりたいと考えております。
 また、明年度予算編成につき補助率の御指摘をちょうだいいたしました。
 公共事業など平成二年度まで暫定措置が講じられてまいりました事業に係る補助率などの平成三年度以降の取り扱いにつきましては、現在、公共事業などの補助率等に関し検討会を設置するなど、関係省庁間におきまして、社会経済情勢の変化、国と地方との機能分担・費用負担のあり方、国、地方の財政事情、公共事業の事業費確保の要請などを勘案しながら、幅広い観点から検討を行っておるところでありまして、今後の予算編成過程において結論を得たいと考えております。
 しかし、先ほど議員も御指摘をいただきましたように、我が国の財政は、平成二年度予算においてようやく特例公債を発行しないで済むことができましたものの、公債残高が年度末には百六十四兆円程度にも達するといった極めて厳しい状況の中で、国債費が歳出予算の二割を超えるといった状況にあることもぜひ御理解をいただきたいと思うのであります。
 平成三年度の概算要求につきましては、過去の経緯などを踏まえまして、例外事項扱いとして、公共事業の補助率等につきましては、昭和六十一年度における補助率等で要求することに伴う影響額を加算するといったことも考えてまいったところであります。
 最後に、国有林野事業につきましてのお尋ねであります。
 国有林野事業につきましては、経営の効率性を追求しつつ森林管理を行うということから、独立採算を基本とする企業特別会計制度のもとで運営をされてまいりました。現下の厳しい国有林野事業の財務状況にかんがみまして、臨時的なものとして一般会計からの繰り入れを実施しておることも御承知のとおりであります。
 現在、林政審におきまして国有林野事業の経営の健全性を確保するための対策について検討が行われていると聞いておりますが、いずれにいたしましても、引き続き自主的改善努力の一層の徹底を前提としながら、所要の財政措置を講じることにより、国有林野事業の経営の健全性確立に必要な基本的条件の整備を図ってまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣中山太郎君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(中山太郎君) 細谷議員にお答え申し上げます。
 湾岸平和基金に追加拠出されます資金の具体的使途につきましては、今後、各国の要請等を総合的に勘案しながら、基金の運営に責任を有しております運営委員会により決定されることと相なりますが、前回の拠出金と同様、湾岸の平和と安定の回復のため国際連合安全保障理事会の関連諸決議を受けまして活動しております各国を支援するための資金協力及び物資協力に用いられることに相なるわけでございます。(拍手)
   〔国務大臣塚原俊平君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(塚原俊平君) 細谷議員から三点御質問をいただきました。
 出稼ぎ労働者の実態調査を行えと。出稼ぎ労働者につきましては、近年における経済社会の変化によって、その雇用就業環境にさまざまな変化が生じるとともに、主な就業先である建設業において労働災害の発生等を見ているところであります。このため、労働省といたしましては、従来から出稼ぎ労働者の就業等の実態について必要な調査を行ってまいりましたが、今後とも建設業に働く出稼ぎ労働者の実態把握に引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
 また、出稼ぎ労働者につきまして、雇用関係の明確化、労働災害の防止、寄宿舎の安全衛生の確保等の労働条件面において、なお改善を要する問題が少なくない現状にございます。従来より、これら労働者の労働条件を確保するため、監督指導を実施する等により改善に努力をしているところであります。
 今後におきましても、まず安全衛生確保対策につきましては、助成制度の活用等により健康診断の実施を促進するとともに、出稼ぎ労働者が多く就労している建設業について重点的に監督指導を実施し、法定労働条件の履行確保状況を確認し指導を行うことといたします。
 また、有給休暇制度につきましては、就労月数に応じた日数の有給休暇を付与するよう関係業界等に対する啓発指導を行うとともに、関係機関との連携を図りながら建設業退職金共済制度の加入促進に引き続き努めることなどにより、出稼ぎ労働者の労働条件の改善に努めてまいりたいと考えております。
 また、外国人労働者の違法な労働条件や雇用にどう対応するつもりかという御質問でございましたが、外国人の不法就労問題につきましては、国内の労働市場や賃金など労働条件等の改善に悪影響を与えるということも懸念をされております。不法就労対策につきましては、まず、事業主の正しい理解と協力を得ることが必要であると考えておりまして、今後とも事業主に対する積極的な指導に努めてまいりたいと思います。
 また、御指摘の労働条件の問題につきましては、これまでも適法な就業であるか否かを問わず労働関係法令の適用については適正に対処してきているところでございますが、今後とも労働基準法等が遵守されるよう的確な対応に努めるとともに、雇用環境の整備を初めとする対策の推進に全力を尽くしてまいる所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣山本富雄君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(山本富雄君) 細谷議員の御質問にお答え申し上げます。
 先週、ウルグアイ・ラウンドを終結させるための閣僚会議がブラッセルで開かれましたが、農業交渉につきましては、従来からの輸出補助金等をめぐる米、ECの対立が依然として厳しく、個別事項の検討に入ることなく、会議が延期されることになりました。このため、引き続きジュネーブで交渉が続けられることになっておりますが、我が国といたしましては、食糧輸入国としての従来の立場を踏まえ適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
 次に、米の自由化阻止についてであります。
 米は日本国民の主食であり、かつ我が国農業の基幹をなすものであります。また、水田稲作は、国土や自然環境の保全、地域経済上不可欠の役割を果たしております。このような米及び水田稲作の格別の重要性にかんがみ、国会における決議等の趣旨を体し、今後とも国内産で自給するとの基本的な方針で対処してまいりたいと考えております。
 次に、国有林野事業について申し上げます。
 先ほど大蔵大臣からもるるお話がございましたが、国有林野事業は、木材の生産はもとより、国土・自然環境の保全、水資源の涵養等の公益的な機能の発揮、農山村地域の振興等重要な使命を担っております。しかしながら、その経営状況は、累積債務が平成元年度末で二兆円を超えるなど、極めて厳しい状態であります。このため、林政審議会におきまして経営の健全性を確立するための対策について検討を願っているところでありまして、その結論を踏まえて、実効の上がる対策を樹立し、経営改善に全力を尽くしてまいる考えであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#10
○議長(土屋義彦君) 梶原清君。
   〔梶原清君登壇、拍手〕
#11
○梶原清君 私は、自由民主党を代表して、財政演説に対し、総理及び関係大臣に質問をいたします。
 さきに国会は、開設百年の記念すべき日を迎えました。今日ある日本を築かれました先人の御労苦に対し深甚なる敬意と感謝の意を表するとともに、今、議席を有する我々の責任の重きを痛感し、決意を新たにするものであります。
 さて、このところ世界情勢は目まぐるしく揺れ動いており、ソ連のペレストロイカに端を発した改革の動きは、ソ連・東欧諸国の共産主義独裁体制の崩壊や、東ドイツが西ドイツの旗のもとに吸収され統一ドイツが実現するなど、東西関係はこれまでの冷戦の発想を超えて、軍事から経済へ、対立から協調へと新しい国際秩序への模索が始まっております。
 こうしたとき、去る八月、イラクのクウェート侵攻により発生した湾岸危機の勃発は、新しい世界平和への展望を打ち砕く暴挙であり、これに国連が素早く対処し、関係国が安全保障理事会の決議に基づき国際の平和と安全の確保のために行動を起こしたことは、国際正義を守るための当然なる対応であります。
 我が国としても、国際法違反のイラクの行動を断じて認めることなく、湾岸地域の平和の回復になし得る当面の貢献策として、物資、輸送、資金などの協力や避難民に対する援助など、いわゆる中東貢献策を決定いたしました。そして、単に物、金だけの協力でなく、人的な面での国際貢献を行うべく、国際連合が行う決議を受けて行われる国際連合平和維持活動等に協力するため、平和協力隊の海外派遣の実施体制を規定した国際連合平和協力法案をさきの臨時国会に提案しました。この法律案は廃案になりましたものの、その審議の過程を通じて、冷戦後の新たな紛争に我が国も憲法の平和原則、国連中心の外交方針のもとで人的貢献の必要性があるとのコンセンサスができ上がったことは実りある成果であったと思うのであります。
 また、中曽根元総理とともに我が党派遣団がイラクを訪問し、二十六時間を徹し、イラクのフセイン大統領及び首脳に全人類の平和維持のためクウェートからの即時撤退と人質解放を切々と訴えたことは、我が国の平和努力を理解させるとともに、今般の全人質解放につながったものとして意義ある派遣であったと思うのであります。
 中東危機は、発生以来四カ月、膠着状態を続けておりますが、去る十一月二十九日、国連安全保障理事会はイラクに対する武力行使を容認する決議を採択し、中東情勢はまた新たな局面を迎えました。ブッシュ大統領のアメリカ、イラク両国の外相による相互訪問提唱とイラクの同提案受諾及び人質全員解放の発表によって即武力衝突の危険はひとまず遠のいたと思われますが、両国外相の相互訪問による和平会談が成功するか否か、まだ予断は許さないと思うのであります。
 もし武力衝突が起こればその被害が甚大かつ広範に及ぶことを心から憂う者として、武力によらない平和的解決のために我が国がなし得る最大限の努力をお願いしたいと存じます。
 総理は事態の変化をどう受けとめ、これに対処する決意であるか、御所見を伺います。
 今回の中東危機は、期せずして我が国の危機管理の対応の欠如を露呈いたしました。アメリカやヨーロッパを中心とした多国籍軍が直ちに行動をとったことにより、イラク軍の周辺諸国への武力行使の波及を食いとめるという平和維持にとって極めて重要な役割を果たしました。
 これに対し、我が国の場合は、世界の紛争、危機に対し、これまで憲法上の制約から、人的な面からの積極的な貢献は全くと言っていいほど行ってこなかったのであります。今や相互依存の世界において、経済大国となった我が国に対し、金さえ出せば済むのかと、世界じゅうから日本の国際的貢献の甘い姿勢に対し厳しい目が注がれております。今後も起こり得る世界の紛争や危機に対し、単なるスローガンでなく、日本が具体的にどのような貢献ができるのかが問われております。
 今回のとうとい経験を踏まえて、政府は危機管理についてどう考えているのか、その方針をお伺いします。
 さきにも述べましたように、国連平和協力法案は我が国が国際的な紛争に対し人的な面からの貢献策を憲法の枠内でぎりぎりの線まで盛り込んだものでありましたが、その審議の過程を通じて明確になったことは、自衛隊とは別個に国連の平和維持活動への人的な派遣については国会及び国民的コンセンサスができ上がったことであります。戦後四十有余年、世界の平和をどう維持し我が国としてどのような貢献をするかほとんど議論をしてこなかった分野であるだけに、中東紛争をきっかけに国民の認識が高まったことは、今後の我が国の外交政策を決める上で極めて重要な意味を持ち、高く評価するものであります。
 審議の最終段階で自公民三党の覚書が合意されましたが、今後これに基づく法案づくりをどうするのか、総理より決意をお伺いします。
 今や東西冷戦構造は終結し、米ソを中心に東西諸国は互いに手を携えて共存共栄の道を歩もうとしております。しかし、余りに急激な改革のあらしの中で、ソ連、東欧諸国の混乱と経済的疲弊は頂点に達し、資金不足、食糧不足が深刻化して越冬の不安さえ報じられており、既にドイツ、アメリカなどが食糧援助について具体的行動を起こしつつあり、さらにアメリカの金融支援の可能性すら伝えられております。
 政府は、さきにソ連向けの医薬品の緊急援助を決定されましたが、今後どのような方針で対処されるのか、総理の御所見をお伺いします。
 また、来年四月にはソ連ゴルバチョフ大統領の訪日を控え、我が国民の悲願である北方領土返還問題やシベリア開発、経済支援等々、日ソ関係の改善に大きな期待が寄せられておりますが、総理は、具体的にゴルバチョフ大統領の訪日に何を期待しておられるのか、また、大統領の訪日前に我が国としてなすべきことは何だと考えておられるのか、お伺いします。
 さきの大戦直後、多くの我が同胞が骨も凍る酷寒のシベリアの地に抑留され、長年にわたり極めて過酷な強制労働を強いられました。かの地に骨を埋めた同胞もおびただしい数に上っております。これまでも多くの文献が余りにも悲惨な、余りにも残酷なシベリア抑留者の状況を伝えておりましたが、最近公開されつつある資料を見て、胸の痛む思いを禁じ得ないのであります。
 この問題は、当然、ゴルバチョフ大統領訪日の機に我が国民の納得のいく位置づけをなされなければならないと存じますが、総理の御所見をあわせてお伺いいたします。
 次に、経済、財政問題について伺います。
 昭和六十二年初めから景気が本格的に上昇し始め、今月で景気拡大は四十九カ月目を迎え、五十七カ月に及んだイザナギ景気に迫ろうとしております。この間、物価上昇率はゼロないし二%と世界でも屈指の超安定ぶりを示し、また、金利も昭和六十二年以降公定歩合を史上最低の二・五%に引き下げたことが新イザナギ景気と呼ばれる典型的な数量景気をつくり出しました。この大型数量景気は、同時に大幅な自然増収を生み出し、堅実な財政運営と相まって、平成二年度赤字公債依存体質からの脱却という当面の財政再建目標を達成することができました。
 しかし、本年夏以降、アメリカ経済を初め世界経済が鈍化の傾向を強めると同時に、中東情勢の緊迫化が原油価格の急騰を招き、それが金利の上昇あるいは株価の低迷を長引かせております。かつての金利安、原油安、株高といった好条件は消え、経済環境は一変しております。このような経済環境の変化が今後の税収にどうはね返ってくるか楽観を許さないのではないかと存じます。
 第二段階を迎えた今後の財政再建に政府はどう取り組むお考えか、総理の御見解をお伺いします。
 政府は、今回の湾岸危機に際して、イラクに対し経済制裁措置を行うとともに、湾岸地域の平和と安定の回復のために、八月三十日に十億ドル、九月十四日に十億ドルの協力を行う旨を決定し、先の十億ドルは予備費で湾岸平和基金に拠出されたようでありますが、これがどのように使われ貢献しているか、フォローしていただきたいと存じます。また、追加の十億ドルについては今回の補正予算で措置されようとしておられますが、これについて大蔵大臣から御説明願いたいと存じます。
 次に、目下与野党の税制問題等に関する両院合同協議会において鋭意検討が進められている消費税の見直しについてであります。
 消費税は、特に中堅サラリーマンの重税感緩和に重点を置いた大幅な所得税減税を行う一方、従来の個別間接税が抱えていた矛盾、不公平、ひずみなどの欠陥を根本的に是正するため広く浅く課税する消費税が導入されたもので、課税の公平の見地からも、二十一世紀の超高齢化社会への対応という見地からも絶対不可欠のものであります。消費税は既に国民の間に定着しておりますが、その後の執行状況を踏まえて、よりよい方向への見直しを国民が強く望んでおりますので、この協議会での早急な合意を強く期待するものであります。政府としての対応についてお伺いいたします。
 総理は、土地対策は内政の最重要課題と申されております。異常な地価の高騰は、社会的不公平を招来し、社会資本投資の障害となっております。
 我が党は、去る十一月十三日に総合的な土地対策の推進を党議決定し、戦後四たび地価高騰は許さじとのかたい決意を持って土地取引の規制、ノンバンク等土地関連融資の規制、土地利用計画の整備、土地税制の強化等の政策を総合的かつ強力に展開することと決定いたしました。土地を持っていればもうかるという土地神話を速やかに打破し、都市に住むサラリーマンに、働けばいつかは住宅を持てるというささやかな夢の実現に向かって政府は英断を果たすべきと存じます。これに対する総理の御決意をお伺いいたします。
 これに関連し、土地新税の導入に当たっては、国民の十分なる理解を得るとともに、中小企業の経営や産業経済への影響を十分配意すべきは申すまでもありません。
 特に今回の地価高騰の要因は、昭和六十一年以降三年有余、金利緩和のもとで過剰流動性が発生、この結果、大量の資金が土地市場に流れたことによる影響が極めて大であります。これまでも適正な融資のため総量規制を行っていますが、ノンバンクによる融資はその枠外であるため実効が上がっておりません。土地に対する融資の適正化を早急かつ強力に推進する必要があると考えますが、大蔵大臣の御所見をお伺いいたします。
 過般の日米構造協議を受けて、政府は本年六月、公共投資基本計画を策定し、生活の中に豊かさやゆとりを求める国民のニーズにこたえるため、産業関連と生活関連公共事業の割合を従来の五分五分から四分六分へと生活重視型に軸足を移していく方針を打ち出されました。
 公共投資拡大による国民生活向上の考え方は既にいわゆる前川レポートでも指摘されているところでありますが、現在編成中の平成三年度予算において二千億円の生活関連枠が設けられ、これに対し各省からその五・八倍、総額一兆一千五百億円を超える要求が提出されております。我が国の生活関連社会資本、特に住宅、下水道、都市公園等の整備水準が欧米諸国に比べ立ちおくれていることは残念ながら事実でありますが、次年度予算で、政府はこれら社会資本整備にどのような優先順位をつけようとしておられるのか。
 従来の配分枠にとらわれない公共事業予算の編成が国民生活に豊かさとゆとりをもたらし、日米間の摩擦解消にもつながるものと存じますが、大蔵大臣の御所見をお伺いいたします。
 財政再建は、特例国債依存体質から脱却して第二段階を迎えました。これまで大型景気を支えてきた好条件は次第に姿を消し、景気拡大、税収増加というパターンから景気の鈍化、税収の伸び悩みへとその様相を変えようとしておりますが、本年度せっかくなし遂げた財政再建をわずか一年で終わらせては絶対になりません。
 こうした中にあって、国民的合意と国際公約を背負った財政の果たす役割を考えます上で、建設国債についてどのような考え方で臨むのか極めて重要であると存じます。大蔵大臣の御所見をお伺いいたします。
 また、ウルグアイ・ラウンドについては、米国とECとの農業問題をめぐり妥結に至らず、交渉は展望のないまま来年に持ち越されました。これは今後の自由貿易推進にとって遺憾なことであります。今回の経緯及び今後の見通しを考えると、我が国として厳しい対応を迫られそうであります。どうか我が国としては、不測の事態に備えて基礎的食糧は自給するという食糧の安全保障の上から、また世界最大の農産物輸入国の立場から、毅然たる態度で従前方針を堅持すべきと思います。
 政府は、今回の交渉中断の経過をどう踏まえ、今後に対処する方針でありますか。総理及び農林水産大臣の御見解をお伺いして、私の代表質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(海部俊樹君) 梶原議員にお答えを申し上げます。
 中東危機の昨今の変化をどう受けとめるかということでございますが、あくまで平和的解決を願って努力をしてきた政府といたしましては、最近のアメリカのイニシアチブによるイラクとの対話の機運が生まれてきたこと、また、決議はありましたけれども、それにこたえるように人質の解放もあり、また一層の外交努力が続けられておるというこの変化を見ますと、あくまで粘り強い外交努力によって平和的に解決が行われるということを強く希望し、期待し、また日本としてでき得る限りの対応をしてまいりたいと考えておるところであります。
 今度の危機について政府は何を感じたかということでありますが、内閣官房や外務省及び関係省庁の機能を活用して一体となって対応してまいりましたが、今回のこのとうとい経験を踏まえて、いろいろな場合を想定し、それぞれその際どのように対応したらいいのかという検討も今後常に研究をし努力をし、政府が一体となって迅速に的確に対応できるように経験を生かしていかなければならないと考えております。
 また、自公民三党合意に関して今後はどのような対応をするかというお尋ねでございましたが、政府といたしましては、国際連合の平和維持活動に対する協力を推進するために、三党間の合意を尊重して新たな国際社会への協力のあり方についてできるだけ早い機会に成案を得ていくべく、目下検討を続けておるところでございます。
 また、対ソ支援の方針をお尋ねになりましたが、基本的にはソ連のペレストロイカを積極的に支持して、その成功のためにできるだけの協力をしていきたいということであります。現在の混乱したソ連経済に対して有効な協力は何かといえば、改革の青写真を描くための技術的支援と考えておりますし、また、ソ連からのたびたびの経済調査団が訪れておりますが、これは積極的に受け入れる。また、我が国からも各種の経済専門家の派遣など適切な協力は今後とも引き続き行ってまいります。
 また、人道的観点から、チェルノブイリ原子力発電所事故の影響緩和のため、今般WHOに対する拠出金を補正予算に計上した次第であります。
 また、金融支援等につきましては、これはヒューストン・サミットでも指摘されておりますように、今後のソ連の十分な経済改革、軍事費削減、対外軍事援助費削減、さらに北方領土問題を含む日ソ関係全般を勘案しながら、慎重に検討をしていくべきものと考えて対処してまいりたいと思います。
 ゴルバチョフ大統領の訪日をどうとらえるかということでありますが、最も大切なことは、北方領土問題を解決して平和条約を締結するというこの国民的な願いを最重要課題として、日ソ関係全体を均衡のとれた形で拡大させることによってその抜本的な改善を図るというのが我が国の基本的な考え方でございます。明年四月のゴルバチョフ大統領訪日がこのような改善の重要な契機となり、日ソ関係が質的に新しい段階に入ることを強く期待しております。このような観点から、今後外相協議等を通じて、領土問題を含む平和条約、二国間実務関係、国際問題のそれぞれの面で、日ソ双方で真剣な準備作業を進めていく考えでおります。
 抑留者問題につきましては、御指摘のとおり、私も胸痛む思いで承っておりました。
 我が国政府は、シベリア抑留に関する死亡者リストの引き渡し、墓地の調査、遺骨の引き取りなどの問題は人道的な見地からぜひとも早急に解決されなければならないとの考えに立って、これまでの日ソ間協議においても繰り返しソ連側に提起をしてきた問題でございます。本年九月のシェワルナゼ外相訪日の際にも、日ソ政府間でこの問題解決のための枠組みをつくるべく政府間文書を作成することを我が方より提案した次第であります。
 ソ連政府においても、我が国政府の働きかけに呼応してこの問題を真剣に取り上げる気配が見られ、政府間文書についてもゴルバチョフ大統領訪日の際作成する方向で検討中であるとの前向きな姿勢も見てとることができるわけでありますから、いずれにしましても、適切な結果が出ることを期待しながら、誠意を持って話し合いを続けていきたいと考えております。
 財政再建の第二段階についてのお尋ねでありましたが、私は、特例公債依存体質脱却後の財政運営は、高齢化社会に多大な負担を残すことなく、再び特例公債を発行しないことを基本として、国債残高が累増しないような財政体質をつくり上げることに全力を挙げなければならないと考えております。
 土地対策につきましては、「今後の土地対策の重点実施方針」に沿って、土地取引の規制、土地関連融資の規制、住宅宅地の供給促進、土地の有効・高度利用の促進などの各般の施策の実施を行い、また現在、去る十月二十九日に土地政策審議会から出された答申を踏まえてその提言の具体化を図っているところであります。いずれにしろ、議員御指摘のありましたとおり、土地を持っていればもうかるといういわゆる土地神話を打破してこの問題を解決するため、政府一体となった取り組みを展開してまいる決意であります。
 最後に、米の問題にお触れになりましたが、今回のガット・ウルグアイ・ラウンド閣僚会議において、農業につきましてはECと米国、ケアンズ・グループとの基本的立場の相違に関する論争が行われ、我が国の米のような個別問題が議論されたわけではございませんが、我が国としては米問題について、我が国における米及び稲作の格別の重要性にかんがみて従来の基本的な立場を主張し理解を求める、その態度で今後とも臨んでいく決意でありますが、国内産で米は自給するという基本的な方針で対処してまいる所存であります。
 残余の問題につきましては関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(橋本龍太郎君) 梶原議員からの御質問にお答えを申し上げます。
 まず第一に、湾岸地域の平和、安定回復のために支出した内容についてのお問い合わせであります。
 中東貢献策のうち、八月三十日に発表いたしました十億ドルの使途につきましては、まず政府が民間航空機、船舶を借り上げ、輸送協力を行う経費として百十八億円、医療団を緊急に派遣する体制を整備するための経費として二十三億円、物資協力及び資金協力のための湾岸アラブ諸国協力理事会、GCCに設けられました湾岸平和基金への拠出金として千二百二十九億円、計千三百七十億円となっております。
 また、今回補正計上いたしております千三百億円は九月十四日に表明いたしました追加的協力を行うものでありまして、全額湾岸平和基金に拠出することといたしておりまして、湾岸の平和と安定の回復のため国連安保理の関連諸決議を受けて活動している各国を支援するための、航空機及び船舶の借り上げ経費等を対象とする資金協力及び防暑機材、水関連機材等を対象とする物資協力に用いられる予定であります。
 次に、消費税の見直しについての御質問でございますが、先般の税制改革は、従来の税制が持っておりましたさまざまなゆがみやサラリーマン層を中心とする重税感の是正とともに、高齢化の進展を踏まえた安定的な税体系を確立することを目的として行われたものでありまして、その一環としての消費税の創設は正しい選択であったと確信をいたしております。政府としては、今後ともその一層の定着に努力してまいる所存であります。
 現在、国会の両院合同協議会専門者会議を中心に消費税について精力的な御論議が行われているわけでありますが、政府としては、この協議会におきまして、消費税の必要性を踏まえながら、国民の全体的、長期的な利益といった高い次元からの協議が行われ、建設的な合意が得られることを期待いたしているところであります。
 また、金融機関の土地関連の融資についての御質問でありました。
 金融機関の土地関連融資につきましては、投機的土地取引などに係る融資の排除のため従来からさまざまな措置をとってきたわけでありますが、本年四月にはいわゆる総量規制を導入いたしますなど、かねてからその適正化に努めてきたところでありまして、現在、その効果は着実に浸透しつつあるものと思われます。今後につきましては、その効果を見守りながら、引き続き金融機関の土地関連融資の適正化について厳正な指導に努めてまいりたいと考えております。
 特に、御指摘をいただきましたノンバンクにつきましては、その業務内容が多岐にわたっておりますこと、一律の規制になじみにくいものがありますが、今後、その実態を把握し、より実効ある指導を行えるような方策のあり方について検討してまいりたいと考えております。
 また、社会資本整備についてのお尋ねでございますが、公共事業の事業別配分につきましては、これまでも経済社会の動向、おのおのの社会資本の整備状況などを踏まえながら適切に対処してきたつもりでありますし、今後の社会資本整備のあり方につきましては、日米構造問題協議の最終報告及び公共投資基本計画などにおきまして、その基本的方向が示されております。すなわち、公共投資の配分に当たりましては、国民生活の質の向上に重点を置いた分野にできる限り配慮してまいる所存であります。
 平成三年度予算におきましては、その概算要求についての閣議了解で、生活に密接に関連する投資的経費については、各省庁の要望を踏まえ、予算編成過程において総額二千億円の範囲内で追加を行うとしたところでありまして、現在、関係省庁と協議を行っているさなかでございます。
 最後に、特例公債依存体質から脱却した今後において、建設国債にどう臨むかという御指摘でありました。
 財政は、今後高齢化、国際化の進展等に伴う財政需要に適切に対応しながら、本格的高齢化社会が到来する二十一世紀を見据えて、着実に社会資本の整備を図るなど、効率的な資源配分を行っていく必要があります。
 そのための財源として、税収のみならず建設公債をある程度活用させていただくということは、建設公債の発行の対象とされる公共支出が見合い資産を形成し、現世代のみならず後世代にも便益を及ぼすということから考えれば、一定の合理性はあるものと考えております。
 しかし一方では、我が国は先進国中最高水準の国債残高を抱えているわけでありまして、確実に到来する高齢化社会へ大きな負担を残さないようにするためには、国債残高の累増を抑制する、これは我が国にとって極めて重要な政策課題であります。
 この観点から、特例公債の発行下におきまして続けられてきた建設公債を公債発行限度額いっぱい発行するという財政運営は、その当時の緊急避難的な措置としてはやむを得なかったものでありますけれども、世代間の負担の公平を確保して、再び特例公債を発行する事態に陥らないということを考えてまいりますと、特例公債依存体質脱却後においては、早急にこれを是正し、社会資本整備の財源として税財源を充当し、公債依存度を引き下げていく必要があると考えております。
 私どもといたしましては、今後におきまして再び特例公債に頼ることのない財政構造の確立を目指しながら、公債依存度の引き下げにより、国債残高が累増しないような財政体質をつくり上げることにまず全力を尽くしたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣山本富雄君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(山本富雄君) 梶原議員の御質問にお答え申し上げます。
 今月三日からベルギーのブラッセルで開かれましたウルグアイ・ラウンドの閣僚会議には、私も外務、通産両大臣ともども出席してまいりました。
 今回の農業交渉では、従来からの輸出補助金等をめぐるECと米国、ケアンズ・グループとの対立が厳しく、我が国の米のような個別問題の検討に入ることなく会議が延期されることとなりました。
 先ほど総理からも御答弁がございましたが、我が国といたしましては、今後とも、米につきましては、我が国における米及び水田稲作の格別の重要性にかんがみ、国会における決議等の趣旨を体し、国内産で自給するとの基本的な方針で対処してまいる所存であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#15
○議長(土屋義彦君) 白浜一良君。
   〔白浜一良君登壇、拍手〕
#16
○白浜一良君 私は、公明党・国民会議を代表して、財政演説及び当面する重要課題について、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 まず初めに、中東湾岸危機について伺います。
 湾岸情勢は、イラクの人質全員解放の決定によって大きな節目を迎えました。これを契機として戦争が回避され、早期の平和解決がなされるよう、我が国も最大限の努力を払わねばなりません。総理、伝えられているところによりますと、イラクは紛争解決への仲介を我が国に求めていると言われています。ぜひイラクに意向を確かめ、なし得るすべての努力を講じるべきであります。総理の御所見を伺いたい。
 なお、中東貢献策として決定したGCCへの拠出金については、この拠出の根拠と、これがどのように使用されたのかを国民に明らかにすることを強く求めます。また、ODAによる周辺諸国援助については、全額をどのような計画のもとに支出されるのか。中東へ重点配分されるなら、それによって援助のおくれる諸国へはどう対応するのか、お答えいただきたい。
 全欧安保協力会議での不戦宣言に見られるヨーロッパの軍縮、平和への流れを考えるとき、このアジアにおいても、大きな時代の変化と平和への波をもたらすことが極めて大事であります。
 そのためには、まず第一に、朝鮮半島の緊張緩和が不可欠であります。現在進行しつつある南北の直接対話の進展を見守るとともに、関係諸国の緊張緩和のための環境づくりが重要であります。このたび、我が党石田委員長の訪韓において、盧泰愚大統領は、北朝鮮が韓国との対話を進め平和的統一が進むようソ連の影響力行使を求めたいと発言、また金泳三氏は、中国の態度次第で北に好影響を及ぼすことは十分考えられると我が党に尽力を要請されました。
   〔議長退席、副議長着席〕
 そこで、総理に伺います。ソ連、中国に対して何らかの働きかけをされる意思があるのかどうか、明確なお答えをいただきたい。
 第二に、カンボジア問題の解決についてであります。この平和的な解決への見通しと我が国の役割について、総理のお考えを伺います。
 第三に、アジアの平和創出のためには、我が国がアジア諸国の信頼をかち取ることこそ不可欠であります。
 さきの国連平和協力法案審議のときには、アジア諸国の強い懸念がありましたし、このたびの我が党の訪韓でも、金大中氏の、日本には軍事大国の兆候が見え、これを心配しているとの声がありました。私は、防衛費の削減はもとよりのこと、日本こそ率先してアジア諸国に軍縮、平和への確かな流れを示すことが大事だと思います。
 総理は、こうしたアジア諸国の懸念をどう受けとめられるのか、またアジアの平和創出のためどのように努力されようとしているのか、お伺いしたい。
 近年の異常な地価高騰は、土地を持てる者と持たざる者との資産格差を拡大し、国民の間に不公平、不平等感を募らせています。また、大都市地域等におけるサラリーマンは、一生まじめに働いてもマイホームを持つことは困難となっています。さらに、地価高騰のあおりは民間賃貸住宅の家賃にも大きくはね返り、勤労者の生活を圧迫しています。
 土地問題の解決は、税制を含む諸施策を総合的に講じなければなりません。中でも、新土地保有税は、地価の引き下げと土地の有効利用を促進するために主導的な役割を果たす税制であります。ところが、自民党の土地税制改革大綱における新税の税率は、大蔵省でさえ土地政策の実効を上げるためのぎりぎりの線とした〇・五%を下回り、基礎控除も当初の二倍の十億円、さらに一平方メートル当たり三万円以下の土地も非課税等々、大幅に後退したものとなっています。
 新税の最大のポイントは地価を引き下げることにあります。そして、まじめに働けばマイホームを持てる、また安価な賃貸住宅に住めるところにあります。総理、この自民党の土地税制改革大綱の内容を実行すれば、果たして地価が下がるのでしょうか。地価の引き下げを願う国民の期待にこたえることができるのでしょうか、お答えいただきたい。
 次に、財政再建、景気対策についてであります。
 過去七カ年に及ぶ財政再建の末、我が国の財政は今年度ようやく特例国債依存体質から脱却いたしました。しかし、これは政府の財政再建努力によるものでなく、大幅な自然増収と政府の意図的とも思われる税収の過小見積もりによるものであります。いわばバブル経済の恩恵を享受した企業からの税収増がもたらした結果であったと言わざるを得ません。
 しかし、このバブル経済は国民生活に深刻な影響をもたらしています。また、現在、収束しつつありますが、そのツケは景気の先行きを不透明にし、税収の伸び悩みとなってはね返ろうとしています。達成した赤字国債の脱却も再びもとのもくあみになりかねません。建設国債発行削減と百六十四兆円の国債残高の減額を公約した第二次財政再建方針をほごにしかねない七千五百億円の建設国債の追加発行が、それを雄弁に物語っています。加えて、景気の動向は、七―九月期が堅調な伸びを示したとはいえ、中東紛争による原油の高騰や金融引き締めの影響は十月以降に本格化し、好調な住宅投資も、金利の先高観や新土地保有税への懸念から駆け込み的に需要が集中したものと言われています。
 総理並びに経企庁長官、大蔵大臣に財政再建の見通し、景気の動向について明確な答弁を求めます。
 我が国が経済大国となりながら生活小国であることは、今日も変わりはありません。その上、狂乱的な株価と地価の高騰によって著しい資産の格差が生じてまいりました。このひずみの解消は政治の急務であります。その意味で、来年度予算は生活者優先、福祉の拡充に力点を置かねばなりません。総理の御所見を伺います。
 特に、日米構造協議を受けた生活関連公共事業費拡大について、我が党は九月、生活関連公共事業費の割合を政府案の六割からさらに高め、七割とする提言を示しました。政府は、豊かさを実感できる社会資本整備を三年度予算でどの程度にしようとされているのか、お答えをいただきたい。
 また、高齢化社会を目前に控えて、人に優しい社会の実現こそ福祉国家を目指す我が国の目標と言えましょう。政府のゴールドプランの中から三年度予算では何を中心に据え、かつまた、ゴールドプラン実現に不可欠でありながら政策推進策があいまいなマンパワー確保に向けてどのような予算措置をなさるのか、御答弁をいただきたい。
 最後に、空港整備計画について伺います。
 国際化時代を迎え、ますます海外との交流が盛んになり、我が国の空港は極度の過密状況にあります。そこで、我が国の空港整備を急がねばなりません。特に、我が国初の二十四時間空港として開港が待たれる関西新空港を全体構想を含めて計画どおりに完成するよう、政府は特段の努力を図るべきであります。しかしながら、現在、予想以上の地盤沈下で第一期の開港でさえ一年三カ月ほどおくれると報告されています。航空需要への対応がおくれるのはもちろんのこと、国際的な信用問題にもなりかねません。
 総理並びに運輸大臣の御所見を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(海部俊樹君) 白浜議員にお答えを申し上げます。
 湾岸紛争の平和的解決につきましては、政府も今日までさまざまなレベルでいろいろな国との対話を通じてその平和的解決が図られるように努力を続けてきたところでありますが、御指摘のように、今回既にアメリカがイラクとの対話の提案を行い、イラクがアメリカによる呼びかけに応じて両国間の直接対話が開始されようとしております。人質の解放の問題、これも朗報の一つでございますが、問題は、決議に従った公正な抜本的な平和解決が図られるように、我が国としては、この米イラクの直接対話がさらに促進していくように、なし得ることが何であるか、その方策を探求して、できる限りの支援と努力を続けていきたい、こう考えております。
 また、GCCへの拠出の根拠につきましては、去る九月二十一日、我が国と湾岸アラブ諸国協力理事会との間で交換公文を行い、これに基づいて拠出したものであります。そしてこの平和基金としては、右我が国の拠出資金によって物資の調達等にかかる物資協力及び輸送関連経費に充てられる資金協力になっておるところであります。
 ODAによる周辺国援助はどのような計画でなされ、それは援助のおくれる諸国へはどう対応するのかという御質問でございましたが、我が国は、中東関係国に対する支援については、今度の湾岸事態によって深刻な経済的損失をこうむったエジプト、トルコ、ジョルダンといった周辺諸国に対して総額二十億ドル程度の経済協力を実施する旨を決定し、このうちエジプト、トルコ、ジョルダンに対しては、先般の中東訪問の際、今次非常事態に対する例外措置として総額六億ドルを緊急商品借款を含む経済協力として実施したところであり、その他の途上国に対する援助につきましては、各国の事情に応じて、西側諸国及びIMF、世界銀行等の国際機関を含めた国際的協調体制のもとに支援を具体化していくことを含めて、今後、諸情勢を見きわめつつ、我が国の経済協力の枠組みの中で適切に対応してまいりたいと考えております。
 朝鮮半島の問題は、御指摘のように、第一義的にはやはり南北両当事者間の直接的対話によって平和的に解決されるべきものであるというのが我が国の基本的な立場でございます。
 ただ、最近の新たな情勢を踏まえて、南北対話の促進ひいては統一にとり好ましい環境づくりのために、ソ連、中国などの関係国とも緊密に連絡をして、できる限りの貢献を行っていきたいと考えます。
 さらに、カンボジア問題にもお触れになりましたが、アジアに残された最大の地域問題であるカンボジア問題は、過去一年間の関係国の努力の結果、十一月には包括的和平の合意文書案の作成に至り、和平プロセスも最終局面を迎えるに至っておりますが、残念なことに、肝心のカンボジア各派の立場には依然として隔たりがあり、関係国の努力とともに、カンボジア当事者間の和解へ向けての一層の努力が求められておるところであります。
 我が国も、和平の早期実現へ向けて政治的役割を果たすべく、例えば本年六月のカンボジアに関する東京会議の開催などはその一例でありましたが、今後ともアジアの一国としてでき得る限り早期和平実現へ向けて役割を果たしていきたいと考えております。
 また、軍事大国化の懸念についてお触れになりましたが、我が国は、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にならないという基本理念に従って、日米安保体制を堅持するとともに、文民統制を確保して節度ある防衛力を自主的に整備してきたところであります。
 我が国としては、アジア地域の平和と安定の強化のためには、まず個々の政治的対立・紛争の解決に向かい努力していくことが重要と考えておりますから、日朝関係の改善への取り組み、カンボジア問題の解決など、引き続きアジアの平和と安定のために努力を続けていく考えでございます。
 自民党がつくりました土地税制改革大綱にお触れになりましたが、あの大綱は、新土地保有税の導入のほかにも固定資産税の評価の適正化、均衡化、譲渡課税負担の適正化、土地の相続税評価の適正化、三大都市圏の農地課税の見直し、土地を利用した節税策への対応、優良な住宅地の供給促進のための譲渡課税の問題など、保有、譲渡、取得の各段階における総合的、抜本的な見直しをも含んでおるものであるということでございます。
 これにより、全体として、土地の資産としての有利性の縮減、有効利用の促進、仮需要の抑制、住宅地の供給促進などが図られ、地価の抑制、低下につながっていくことを強く期待しておるところであります。
 財政再建の見通しにつきましては、我が国財政は今年度末の公債残高が百六十四兆円程度にも達する見込みであり、国債費が歳出予算の二割を超えるなど、依然として極めて厳しい状況であります。今後の社会経済情勢に財政が弾力的に対応していくためには、後世に多大な負担を残さず、再び特例公債を発行しないことを基本として、公債依存度の引き下げ等により、財政体質を健全につくり上げていくことが緊要の課題であろうと考えております。
 景気の動向についてもお尋ねがありましたが、我が国は既に四十八カ月の長期にわたって内需主導型で景気拡大を持続いたしております。原油価格の動向等に不透明な面もありますが、現実には個人消費や設備投資が堅調に推移すると見込まれること、また、過去の二回にわたる石油危機に比べると、我が国経済の石油に対する依存度が大きく低下しておることなどから、その影響については比較的小さいものになると考えられますが、引き続いて内需を中心として堅調に推移するように政策努力を続けてまいる考えであります。
 来年度予算編成に当たって生活者優先、福祉の拡充に重点を置くべきではないかとのお尋ねでありますが、今後とも一層国民生活の質の向上等に留意しながら、限られた財源ではありますが、重点的に効率的に配分を続けていくことが重要であると、このように考えて、生活者優先、福祉の充実にはさらに重点を置いていきたいと思っております。
 また、豊かさを実感できる社会資本整備のためには、公共投資基本計画を指針として、国民生活に重点を置いた分野にできる限り配慮してまいる所存であり、現在、予算編成過程において、生活関連重点化枠二千億円を設け、その範囲内で生活に密接に関連する投資的経費について調整を行っているところでございます。
 なお、ゴールドプラン、いわゆる二十一世紀の本格的な高齢化社会を明るく活力のある長寿福祉社会とするための十カ年計画につきましては、平成三年度においても在宅福祉サービスの拡充を初め、必要な事業の推進を図り、また、御指摘のように保健医療、福祉分野の人材を確保し、資質の向上を図ることが極めて重要だと考え、今後ともその必要な対策については対処してまいる所存でございます。
 最後の関西国際空港の問題につきましては、私も第一期計画については予想以上の地盤沈下もあって工程の見直し中と聞いております。いずれにしましても、早期開港に向けて努力をしていきたいと考えますが、全体構想につきましては、空港計画、採算などの諸問題について今後十分調査検討が必要であると思います。
 残余の御質問につきましては関係大臣から御答弁いたします。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(橋本龍太郎君) 白浜議員の御質問、総理が御答弁になりましたものを一点補足させていただきます。
 議員が御指摘になりましたように、多額の建設公債に依存する現在の財政構造というものが、一度景気の落ち込みなどにより大幅な税収の鈍化が生じた場合、再び特例公債の発行に陥らざるを得ないという脆弱性を有しているという点はそのとおりであります。
 そうした中におきまして、今回の補正予算におきましては、ここ数年来のような大幅な税収増が期待しがたい状況の中で、大規模な災害復旧等事業費の追加など多額の追加的財政需要について措置を講ずる必要が生じたために、やむを得ざるぎりぎりの選択として七千五百億円の建設公債の追加発行を決断いたしました。今後とも引き続き、歳出全般の徹底した節減合理化に努めながら、中期的財政運営の新しい努力目標の達成に向け、公債依存度の引き下げに最大限の努力を払ってまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣相沢英之君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(相沢英之君) 我が国経済は、湾岸危機に伴う石油製品価格の上昇、株価の下落、金利の上昇など景気に対するマイナスの要因はございますけれども、幸いに油の輸入は量的に十分確保されておりますし、個人消費、企業設備投資を中心に国内の需要はおおむね堅調に推移し、企業収益は引き続き増加しており、景気の拡大は十一月現在で既に四十八カ月に達しているのでございます。
 今後のことでありますけれども、湾岸情勢を背景とした原油価格の動向あるいはアメリカ経済の低迷等不透明な部分もございますけれども、個人消費が雇用者所得の伸び等を背景に着実に増加するものと考えられますほか、設備投資につきましても、技術革新や情報化の進展等を背景として堅調に推移するものと見込まれること。それからまた、石油価格の上昇が我が国経済に与える影響につきましても、過去二回の石油危機のときに比べますと、我が国経済の石油に対する依存度が大きく低下している。実質GNP原単位におきまして大体昭和四十八年の約半分以下になっております。そういうこと等から影響は比較的小さなものになると考えられること等によりまして、引き続き内需を中心として堅調に推移するものと考えております。
 政府といたしましては、今後とも、物価の安定を基礎としつつ、現在の内需を中心とした景気拡大をできるだけ息の長いものにするように、適切かつ機動的な経済運営に努めてまいる考えでございます。(拍手)
   〔国務大臣大野明君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(大野明君) お答えいたします。
 関西国際空港の第一期計画の完成時期は、関西国際空港株式会社において地盤沈下の見通し及び対策についての技術専門家の意見を参考にしつつ現在工程等を調整中であります。地盤沈下につきましては不可抗力でやむを得ないものと考えております。工程の見直しにつきましては、安全性を十分に配慮し、近日中に結論が得られることとなっております。
 なお、関西国際空港の全体構想につきましては、先般航空審議会の中間取りまとめが行われたところでございますので、この中間取りまとめの趣旨を勘案し、十分検討してまいる所存でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#21
○副議長(小山一平君) 近藤忠孝君。
   〔近藤忠孝君登壇、拍手〕
#22
○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表して、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 イラクの人質解放は、これを強く求めてきた国際世論と経済制裁の結果によるものでありますが、クウェートに対する侵略、併合の無法行為についての反省はありません。イラクは直ちにクウェートから無条件で撤退し、その主権を回復させるべきであります。
 安保理事会は、十一月二十九日、多国籍軍の武力行使を認める決議六百七十八を採択しました。この決議について総理は、イラクに最終の機会を与えるもので、平和を守るためのものだと述べています。しかし、この決議は国連憲章の根本精神や条文そのものを踏みにじり、一月十五日以降、アメリカの武力行使にフリーハンドを与えるものであり、我々は断じて容認いたしません。
 そのアメリカはどう言っているのか。ベーカー国務長官も既に米議会の証言で、軍事力が使用されるとすれば突然に大規模にかつ決定的に使用されようと述べているのであります。この決議がどうして平和のためと言えますか。しかも、ブッシュ大統領は八日の記者会見で、事もあろうに、人質の解放により武力行使の決断が容易になったとまで言っているではありませんか。もし武力行使になれば、核兵器、毒ガス、細菌兵器を含む最新兵器を持つ双方で百万にも及ぶ軍隊が衝突し、悲惨な大戦争に突入することは必至であります。この危険な情勢について総理はどのように認識しているのか、しかと伺いたいのであります。
 現在、国連決議に基づく経済制裁は、米国際経済研究所が、対イラク制裁を第一次大戦以降に実施された経済制裁と比較検討した結果、これまでのどの経済制裁よりも成功率が高く、イラクが受ける経済的打撃は国民総生産の約四〇%と、過去の成功例の二十倍近い効果を上げると報告しているように、着実に効果を上げているのであります。この経済制裁をあくまで徹底して、平和解決を図るべきであります。にもかかわらず武力行使を容認するのは、国際紛争の平和的手段による解決を原則とし、武力行使は経済制裁が効果がない場合に限るとする国連憲章に違反すること、明白ではありませんか。
 総理は湾岸平和基金は平和を実現するための支出だなどと答弁していますが、具体的に検討しますと、既に予備費から多国籍軍支援のために拠出された一千二百三十億円のうち、米軍用の支出四百八十億円の中には四輪駆動車、給水車に加え、兵舎も含まれております。これは軍事行動の支援にほかなりません。これにとどまらず、さらに武器弾薬など軍事物資の購入費やその輸送費も含まれているのではありませんか。輸送協力といえども武力行使と一体となったものであれば憲法上許されないと政府もさきの国会で答弁しましたが、これらへの支出は右答弁に照らしても憲法上許されないではありませんか。
 これまでの支出及び今後の支出項目、品目は何か。この際、その詳細な資料を国会に提出することを求めるものであります。
 さらに、補正予算に計上されている一千三百億円の支出については、一月十五日以降もしも米軍が武力行使を行うとなれば、それは明白に戦争への財政的参加にほかならず、憲法違反は余りにも明らかでございます。総理の明確な見解を求めます。
 さきの国会で、自衛隊の海外派兵に反対する強い国民の声の前に、国連平和協力法案は廃案となりました。ところが、今また、国連の平和維持活動への協力を口実に新たな法案が検討されようとしております。総理は、人の協力が必要だという認識が深まった、北欧などの国連待機軍を参考にしたいなどと答弁しましたが、平和維持活動といえども、選挙監視以外の平和維持軍、停戦監視団はいずれも軍事要員を中心に構成され、軍事活動が基本となっていることは、本年八月、国連事務総長の権限で作成された平和維持活動に関する公式報告書、「ブルーヘルメット」で確認されており、これへの参加は憲法上許されません。一方、選挙監視など純粋な非軍事的な活動への参加は、現在の法律で可能であります。それにもかかわらず、あえて新しい法律をつくるとすれば、それは必然的に軍事行動への参加とならざるを得ないのであります。
 我が国憲法は、前文で、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こらないようにすることを決意し、第九条で、武力の行使と一切の戦力を放棄しています。この憲法があるからこそ、戦後四十五年間、自衛隊の海外派兵は許さないという国民の切実なる願いが守り続けられてきたのではありませんか。憲法違反の新たな立法作業は直ちに中止すべきだと考えますが、総理の見解を求めます。
 次に、税制問題です。
 消費税実施一年半の実態は、物価への影響は過去四年間の上昇率に匹敵し、逆進性が強く、一世帯年間平均十万円以上の負担増となった反面、消費税カルテルで業界ぐるみの値上げラッシュとなっています。また、消費税が残る限り将来の税率引き上げは必至であり、今回の多国籍軍への支出のように、軍事行動への協力費などの財源とされることは不可避であります。消費税は廃止以外にないのであります。総理の見解を求めます。
 同時に、国会の力関係で廃止が直ちに実現しない状況下での緊急措置として、国民の切実な要求に基づき、すべての生活必需品・関連サービスについて完全非課税、電気ガスについて基礎控除、政党機関紙の非課税を政府に強く要求いたします。両院税制協の協議をまつまでもなく、政府は責任ある対応をすべきであります。答弁を求めます。
 土地税制については、今日の異常な地価をつくり出した加害者とその被害者を明確に区別すべきであります。加害者は、土地の買い占め、投機に狂奔した大企業と、その背後で資金を提供してこれを促進した大銀行、さらには民活路線と金融緩和策で投機をあおり立ててきた政府自身ではありませんか。庶民はその一方的な被害者です。
 しかるに、十二月六日の自民党土地税制大綱は、新土地保有税について、一平方メートルにつき三万円という単価控除を認めて大企業保有の土地の多くを課税対象から外し、税率も当面〇・二%とし、その上損金算入を認めて実質負担率を半減させるなど、政府税調の答申すらさらに骨抜きにしてしまいました。これでは加害者である大企業の思うがままであり、地価引き下げなどの土地対策には全く役立たないではありませんか。さらに、来年の評価がえによる固定資産税の大増税を被害者たる庶民に押しつけることは許せません。
 我が党は、この中止を強く求めるとともに、営農意思を無視した農地の宅地並み課税の強化もやめるよう重ねて要求しますが、答弁を求めます。
 最後に、水俣病問題です。
 環境庁長官は、現地を視察し、患者から切実な訴えを聞いてその深刻さを認識されたはずであります。しかし、なぜ国は依然としてたび重なる裁判所の和解勧告をかたくなに拒否し、道理に反し非人道的な態度をとり続けるのですか。もし国が早期解決の態度をとっておれば、環境庁の水俣病担当局長の自殺という痛ましい事態も防ぎ得たに違いありません。苦難の中にある患者を命あるうちに救済するために、直ちに和解のテーブルに着くべきではありませんか。政府の決意を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(海部俊樹君) 近藤議員にお答えを申し上げます。
 イラクに対して累次の安保理決議を履行することによって問題を平和的に解決したい、これが私どもの基本的な考えであります。
 決議六百七十八は、これまでの安保理を中心とする国際社会の努力を強化するものとして、またイラクに対して平和に対する最後の決断を求める機会として私はこれを支持しておりますが、同時に、米国がイラクとの直接対話の提案を既に行っており、イラクもその提案を受けて直接対話が開始されようとしておるのでありますから、イラクが国連の総意にこたえて、世界の総意にこたえてクウェートから撤退するという決断のもとに今度の問題の平和的解決のための外交努力が一層強化されることを私は強く期待いたします。
 戦争か平和かの解決の道はあくまで経済制裁の貫徹による平和的解決を目指すべきであるとのことですが、私もそれができれば最もふさわしい道だと思って、そのとおりの努力を今日までも続けてきておるところでございますから、そうなることを強く願っておるところであります。
 また、湾岸平和基金に拠出された資金のうち、資機材の調達、輸送、備えつけにかかる協力については、これは武器弾薬の購入に使用されることはないものでございます。
 また、補正予算に計上された千三百億円については、これは軍事行動への直接の参加ではなく、仮定の質問に答えることは必ずしも適当でないと思いますけれども、実力の行使に係る概念として、我が国は湾岸の平和の回復活動のために費用を支出するということでありますから、これは戦争になったらという仮定の上に立っての実力の行使とはちょっと角度の違う問題でありますので、私はこれは実力の行使には当たらない、平和的な諸活動が行われることを重ねて願っておる、その支援であります。
 また、先般の臨時国会において廃案となりました国連平和協力法案の問題については、いかなる国際協力ができるのか、これは民社党、公明党とともに自民党の三党合意の趣旨に従って、いかなる協力が可能か、今後検討を続けていきたいと考えております。
 消費税につきましては、両院合同協議会において御議論を願っておるところであり、適切な結論を期待しておるところであります。
 また、今回の土地問題につきましては、投機的取引等が金融緩和状況等を背景として複合的に影響して発生したものと思いますが、これは総合土地対策要綱などに従って極力これの引き締めに対して施策を続けておるところであり、自民党の土地税制改革大綱についてもお触れになりましたが、土地保有税の導入を図るのみではなくて、そのほかにも固定資産税の評価の適正化、均衡化、譲渡課税の負担の適正化、相続税評価の適正化、三大都市圏の農地課税の見直し、土地を利用した節税対策への対応、優良な住宅地の供給促進のため等、保有、譲渡、取得の各段階におけるいろいろな問題が総合的に組み込まれているものでありますから、私はその成果を期待しておるところであり、政府としても新たなる法案作成に取り組んでおるところであります。
 また、固定資産税の評価がえは負担の公平を図ろうとするものであって、評価の見直しを行わないことはかえって負担の不公平を生じ、適正ではないと考えておるところであります。
 また、農地の宅地並み課税については、都市計画の中で保全すべき農地と宅地化すべき農地とに明確に区分して、それぞれの区分に従って課税を行うことになります。
 最後に、水俣病訴訟については、裁判所の和解に従えということでありますが、公害健康被害の補償等に関する法律によってこれまでに二千九百名の患者の方々を認定し、医学を基礎として公正な救済を推進しているところであります。政府は、水俣病に関する関係閣僚会議を設置し、各種対策の実施に努めております。
 訴訟に関しましては、当事者間の主張が余りにも隔たっており、現時点で和解勧告に応ずることは困難な実情であることを御理解いただきたいと思います。
 残余は関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(橋本龍太郎君) 近藤議員の御質問にお答えをいたします。
 総理からもお答えを申し上げましたように、今回、湾岸地域の平和と安定を回復するための国際努力に積極的に貢献していくとの観点から、中東貢献策を発表し、その一環として湾岸平和基金に対する千三百億円の拠出金を計上しているものは、湾岸の平和と安定の回復のために活動している各国に対する協力でありまして、我が国憲法の平和主義の理念にかなうものと考えております。
 また、消費税につきまして御論議をちょうだいしたわけでありますが、現在、税制問題等に関する両院合同協議会が設けられ、その専門者会議を中心に精力的な御論議が行われているところでありまして、政府といたしましては、消費税の存続を前提に、この両院合同協議会におきまして、国民の全体的、長期的な利益といった高い次元から建設的な合意が得られることを期待いたしておるところでございます。
 また、新土地保有税に関してのお尋ねがございました。
 自民党の土地税制改革大綱に示されております新土地保有税の基礎控除や税率などは、土地の資産としての有利性を政策的に縮減するという観点と、現在の我が国の経済や国民生活に過大な負担を与えないように配慮するという観点を総合的に勘案し、決められたものであると承知をいたしております。
 このような新土地保有税の効果につきましては、新税は毎年評価される土地の資産価値に応じ、新たに毎年負担を求めるものであること、基礎控除などにより納税義務者の数が相当限定されたものになるとしても、土地保有で相当のウエートを占めていると見られる大規模土地保有者に適切な負担を求めるものであること、加えて、新税の導入に加え固定資産税評価の一層の均衡化、適正化が行われることになっていることなどから、全体として土地の保有コストの増大により地価の低下、抑制、有効利用促進などに相応の効果を上げるものと期待をいたしております。
 このたびの土地税制改革は、新土地保有税の導入のほかにも、固定資産税の評価の適正化、均衡化、譲渡課税の負担の適正化、土地の相続税評価の適正化、三大都市圏の農地課税の見直し、土地を利用した節税策への対応、優良な住宅地の供給促進のための譲渡課税の軽減など、保有、譲渡、取得の各段階における総合的かつ抜本的な見直しを含むものでありまして、これらが相まって、全体として土地の資産としての有利性の縮減、有効利用の促進、仮需の抑制、住宅地の供給促進などが図られ、地価の抑制、低下につながっていくことを期待いたしております。
 いずれにせよ、政府としては、現在税制調査会において行われている審議の結果を踏まえ、与党とも十分相談の上、具体的な見直し案を取りまとめて、所要の法律案を今国会に提出し、その実現を図るべく努力してまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣中山太郎君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(中山太郎君) 近藤議員にお答え申し上げます。
 湾岸平和基金に関しましては、総理及び大蔵大臣から既にお話がございましたが、第一に、集団的自衛権を含めまして、およそ自衛権とは国家による実力の行使にかかわる概念でございますので、我が国が単に資金を支出するということは、実力の行使に当たらず、我が国憲法第九条の解釈上認められない集団的自衛権の行使には当たらないものと考えております。
 湾岸平和基金に拠出された資金のうち、資機材の調達、輸送及び備えつけにかかわる協力については、防暑機材、水関連機材を対象としておりまして、武器弾薬の購入に使用されてはおりません。したがって、そのような武器弾薬が輸送されるような仕組みにもなっておりません。
 湾岸における各国の活動は、累次の国連安保理の決議を受け、湾岸地域、ひいては国際社会全体の平和と安全の維持に積極的に貢献するものであり、かかる活動に対して資金を拠出することが憲法の掲げる平和主義に反するものとは考えておりません。
 資金協力、物資協力のため湾岸平和基金に拠出した約千二百二十九億円につきましては、既に過半を執行済みでありまして、具体的には、物資協力においては四輪駆動車等の車両、事務用機器、その他建設用機材等が関係国に提供されつつあります。また、資金協力については、各国の輸送関連経費に充てられております。
 政府といたしましては、従来から、可能な範囲を明らかにするように努めているところでございます。(拍手)
   〔国務大臣奥田敬和君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(奥田敬和君) お答えいたします。
 総理から答弁もございましたので、重複を避けて簡潔にお答え申し上げます。
 明年は固定資産税の三年ごとの見直し年に当たります。見直しの中止はかえって負担の不公平を生じ、適当ではないと思います。
 しかし、固定資産税は追い出し税であってはならず、特に住宅用地に対して負担調整の措置を適切に講じてまいる所存でございます。
 次に、三大都市圏の市街化農地についてでございました。
 保全すべき農地につきましては、転用制限の強化等、保全を担保する措置を強化した上で農地並み課税といたします。一方、宅地化すべき農地については、宅地並み課税の適用対象とすべきものと考えているところでございます。(拍手)
   〔国務大臣北川石松君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(北川石松君) 近藤議員の御質問にお答え申し上げます。
 水俣病担当大臣といたしまして、山内企画調整局長の死に至ったことは、まことにみずからの不徳、不明であると同時に、そのような思いをしておる局長を、私が抱いて、どうしてだと言うことができなかったことは申しわけないと思っております。
 本人が水俣病問題について日夜苦労に苦労を重ねておったことを思いますと、私は殉職にも相当するのじゃないかと思い、その冥福を祈る心でいっぱいでございます。
 ただ、私はみずから水俣を訪問いたしまして、患者の方、また水俣市、いろいろな方にお会いをし、さまざまな御意見を聞いてまいりました。水俣病問題の早期解決に向けて努力すべきものと強く認識をいたした次第でございます。
 しかしながら、行政を預かる立場からいたしますれば、国に損害賠償の責任がある、裁判の中での和解ということはまことに困難でございまして、私は、行政の筋を通し、まことに難しい問題でありまするが、現時点においては和解勧告に応じることは困難であるということを御答弁いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#28
○副議長(小山一平君) 池田治君。
   〔池田治君登壇、拍手〕
#29
○池田治君 私は、連合参議院を代表して、橋本大蔵大臣の財政演説に対して次の質問をいたします。
 まず第一に、財政法第二十九条と本補正予算案についてであります。
 本補正予算案について、当初大蔵省は、昨年度と異なり、義務的経費に限定することを強調されておりました。また、大蔵大臣は財政の非常事態を宣言されて、各省庁に対して経費の節約を要請されておりました。これにこたえて各省庁は事務用品を配給制にするなどして七百億円もの節約の効果を生み出しております。ところが、ふたをあけてみると、公務員給与改善費や災害復旧事業費なども計上されておりますが、日米親善交流基金やスポーツ振興基金など、補正予算には元来なじまない性格のものが数多く計上されているのでございます。
 財政法第二十九条には、補正予算は国の義務的経費及び特に緊要となった経費に限定すると規定しているにもかかわらず、なぜこのような補正予算になったか理解に苦しむのでございます。大蔵当局が自民党の政治要求を抑え切れず、財政法に違反する本補正予算を計上したとするならば、これを強いた自民党は法治国家の原理を無視した独善的な行政支配を行っていると言っても過言ではございません。総理並びに大蔵大臣は、この事実をどのように理解し、どのように解釈されているか、国民の前に明らかにしていただきたい。
 第二、湾岸平和拠出金についてであります。
 本補正予算案には、湾岸平和拠出金の千三百億円も計上されております。イラクがクウェートという主権国家を武力で侵略し一方的な併合を宣言したことは、国際法上許すことのできない暴挙でございます。また、世界の埋蔵石油資源の大部分を占め、我が国の原油輸入量の七〇%をこの地域に依存していることを思うとき、ペルシャ湾岸の平和と安全、安定を確保することは我が国の産業経済や国民生活にとって重大な課題であります。したがって、国連安保理の決議に従った要請であれば、我が国は進んで資金の提供をすべきでございます。
 しかしながら、さきの国連平和協力法案の審議で明らかになったように、湾岸平和拠出金とはいっても、国連決議に従ったものではなく、アメリカを中心とした多国籍軍への拠出金でございます。この拠出金は、多国籍軍の軍事的展開を容易ならしめる戦争協力資金の疑いがございまして、また平和憲法の理念にも反し、拠出金の根拠法もない現状では簡単に認めることはできないのではないかと思っております。この点について大蔵大臣の御所見をお願いいたします。
 第三、防衛費についてであります。
 防衛庁は、次期防衛力整備計画に当たって大綱を変更しない方針であったということでございますが、最近国際情勢の進展に応じて防衛体制や具体的規模を見直す方針になったとのことでございます。まことに当然のことと受けとめております。
 ペルシャ湾岸に戦争の火種は残っているものの、国際社会は軍拡の時代から軍縮の時代へと変化しております。そしてまた、冷戦の時代から対話と協調の時代へと変化しております。
 本年七月、私は、本院の梶原敬義、岩本久人両議員とともにハバロフスクのソ連極東軍管区司令部を訪れ、ビクトル・ノボジロフ司令官やマルティニュク太平洋艦隊副司令官と会談する機会を得ました。
 その際、ノボジロフ司令官は、極東軍の兵力は約十五万人であったが、昨年二万人を、ことし一万五千人を削減した、戦車は二個師団置いているが、サハリンや千島列島には一台も配置していないと語っております。また、マルティニュク副司令官は、太平洋艦隊は原子力潜水艦を含めて過去二年間に三十九隻の軍艦をスクラップにした、最近カナダ艦隊がウラジオストクを表敬訪問しソ連の艦隊を視察して帰った、日本の自衛艦隊は一度も来たことがない、こう申しております。我々にはペレストロイカ以降は情報を公開する義務があり、秘密はないと語っております。軍縮と平和、友好の態度で一貫しておるのも事実でございます。日本の自衛艦隊はまだ一度もソビエトに訪問していない、この事実は問題でございます。
 我が国も防衛予算は一%を堅持して、ソ連その他の近隣国と話し合い、協調し、ともに思い切った軍縮を断行して、平和への道を歩むことこそ肝要でございます。この点についての総理並びに防衛庁長官の御所見をお願いいたします。
 第四、農業問題についてであります。
 本補正予算には水田農業確立対策費として百七億百万円が計上されております。我が国の食糧自給率は、穀物で三〇%、カロリー計算にして四九%という極めて低い数値である一方、農業収入より兼業の収入の方が多い農家が六六%になっており、現在の農業経営だけでは農家経済が極めて困難であることを示しております。したがって、我が国農業の崩壊を防ぎ、食糧自給率を高めるためには、国際的な競争力のある農業を育成することが肝要だと思っております。
 このためには、減反政策の凍結を継続し、農地の有効利用と流動化を促進して営農規模の拡大を図るとともに、農地の基盤整備等の予算を増額することが急務でございます。水田農業確立対策も不必要とは申しませんが、減反した水田を稲作から他の作物へ転作する対策費ということであれば、農業の基本的改革や国際化を推進することには役立たず、単なるその場しのぎのごまかし補助金農政にすぎないのではないかと思っております。
 また、ウルグアイ・ラウンドの農業交渉は来年に延期されたとのことでございますが、これに臨む政府の方針に従来と変更はないのか、農水大臣に御所見をお伺いいたします。
 第五、土地税制についてであります。
 本通常国会には土地税制の見直しが提案されるとお伺いいたしました。三菱総研の調査によると、皇居の地価の評価はカナダ一国の土地の評価に値し、日本全土ではアメリカの二倍半の土地の評価に匹敵する、こういう異常な地価でございます。都市圏における土地の高騰は、持てる者と持たざる者との資産格差を著しくしたと同時に、国民の大多数を占めるサラリーマンは一生働いても自分の住む家さえ持てない現実となってしまいました。このような事態は経済大国となった我が国のあるべき姿ではございません。
 したがって、土地税制の見直しは、土地基本法の理念に従い、土地の公共性を重視して、保有、譲渡、取得に適切、公平な税負担を求め、土地資産の有利性を減少させることによって、投機的取引を抑制し、土地の有効利用を促進するというものでなければなりません。
 自民党税調の土地税制改革大綱は、政府税調の答申をねじ曲げて、非課税対象は公共用地等必要最小限度にとどめるべきであるのに、その範囲を拡大し、税率を低くし、基礎控除額を大幅に引き上げること等によって答申を骨抜きにしております。自民党の中には、いや、骨は初めからなく、あれはイカだとかタコだったとか、こう申す者もございますが、まさしく私は、自民党税調の大綱はクラゲのように波のまにまをさまよう大綱になったと言っても過言ではないと思っております。
 土地税制の見直しを形骸化することなく、資産格差を解消し、土地の有効利用に役立つ法案とするよう総理並びに大蔵大臣に対し強く要求して、私の質問を終わります。(拍手、発言する者多し)
#30
○副議長(小山一平君) 御静粛に願います。
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(海部俊樹君) 池田議員にお答えをいたします。
 補正予算は、財政法第二十九条に定められた補正事由に合致するものと考えます。詳細は大蔵大臣からお答えを申し上げます。
 また、防衛力について申されましたけれども、我が国が平時から保有すべき防衛力の水準につきましては、平成三年度以降の防衛力整備につき、国際情勢及び経済財政事情等を勘案しつつ、安全保障会議を中心に目下検討をしておるさなかでありますが、いずれにしましても、昭和五十一年の閣議決定の節度ある防衛力の整備を行うという精神を引き続き尊重してまいりたいと考えております。
 土地税制の見直しにつきましては、政府としては、現在政府税調において行われておる審議の結果を踏まえ、与党を初めとする各方面の御意見を承って、土地税制の改革のための所要の法案を取りまとめ、今国会に提出し、実現を図るべく最善の努力を傾けてまいる考えであります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(橋本龍太郎君) 池田議員からのお尋ねにお答えを申し上げます。
 まず、財政法二十九条と補正予算の内容につきましての御意見がございました。
 二年度の補正予算におきましては、スポーツ振興基金など幾つかの財政需要につきまして措置を講じております。
 例えばスポーツ振興基金につきましては、先般のアジア大会における不振などを受け、我が国の競技水準の向上を図るための対応策を緊急に講ずる必要があるとの機運が高まっている中、民間から、スポーツ振興のための基金設立の提唱とそのための民間資金拠出の表明、政府に対する応分の負担の要請等がありましたことを受け、日本体育・学校健康センターに対して出資を行うものであります。
 また、日米親善交流事業につきましては、日米政府間におきまして日米親善交流基金創設の機運が高まってきていることを背景として、日米親善交流の推進を目的として、各界知的指導者の招聘、派遣、あるいは草の根交流支援など、日米間の交流事業を行うために国際交流基金に対して追加出資を行うものであります。
 また、水田農業確立対策費につきましては、稲から他作物への転作面積が二年度当初計画を上回ったことなどに伴い、転作を実施された農業者に対する水田農業確立助成補助金の追加が必要になったものといったように、いずれも最近における諸情勢の変化に適切に対応するため特に緊要性を有する経費を計上したものでありまして、財政法第二十九条に定められた補正事由に合致するものと考えております。
 また、湾岸平和拠出金についての御意見がございました。
 我が国として、湾岸地域の平和と安定を回復するための国際的努力に積極的に貢献していくとの観点から、中東貢献策を発表し、今回、その一環として、二年度補正予算に湾岸平和基金に対する一千三百億円の拠出金を計上したところでありますが、これは国連安保理の関連諸決議を受けて湾岸の平和と安定の回復のために活動する各国に対する協力でありまして、我が国憲法の平和主義の理念にかなうものと考えております。
 また、土地税制について幾つかの御意見がございました。
 土地税制の見直しにつきましては、去る十月三十日、政府税制調査会から「土地税制のあり方についての基本答申」をいただいております。また、十二月六日、自由民主党におかれても土地税制改革大綱を党議決定され、税負担の公平の観点及び土地選好を弱めていく観点から、土地の有利性を縮減することが必要であるとして、土地保有税の創設を初めとする土地の保有、譲渡、取得の各面にわたる具体的な見直し案を提案されております。
 新たな土地保有税の具体的仕組みの検討に当たり、政府税制調査会の答申には、公共的、公益的用途による非課税、小規模な店舗の用地などへの配慮として課税最低限を設定すべき旨、税率の水準については土地の資産としての有利性を縮減する観点や事業経営の継続に配意する観点などを総合的に勘案して定めるべき旨が指摘をされておるところであります。
 いずれにいたしましても、政府としては、現在政府税制調査会において行われている審議の結果を踏まえ、与党とも十分御相談をいたしながら、具体的な見直し案を取りまとめて、所要の法律案を今国会に提出し、その実現を図るべく努力をしてまいる所存であります。(拍手)
   〔国務大臣石川要三君登壇、拍手〕
#33
○国務大臣(石川要三君) 平成三年度以降の我が国の防衛力の整備につきましては、先ほど総理からお答えをされましたとおりのわけでございますので、重複を避けて省略をさせていただきます。
 ただ、この整備に当たりまして、当然国際情勢が前提になるわけでありますが、議員も御指摘のように、今日の国際情勢というものは、欧州を中心に歴史的な変革期を迎えておりまして、東西関係というものは冷戦の発想を超えて本格的な対話、協調という時代に移行しつつあることは事実でございます。また、軍事面におきましても、東西関係の変化を背景に各種の軍備管理・軍縮交渉が進展を見せているわけでございます。
 しかし、一方、我が国の周辺はどうかといいますと、韓ソ国交樹立など注目すべき変化というものもあるわけでありますが、欧州に比べて複雑であり、依然として不安定かつ流動的な状況にあるということも事実であるわけであります。また、極東ソ連軍の存在につきましては、これは確かに量的には削減の方途をたどっているわけでありますが、しかし、近代化等も行われているわけでありまして、その軍事的な存在というものはこの地域の軍事情勢に厳しいものがあるということも、これはまた冷厳な事実でございます。
 私は、このような国際情勢を前提に、先ほど総理が言ったような基本的な考えを持ちまして今後の中期防を策定していくわけでございます。
 なお、我が国の防衛力の整備を初めとする防衛政策等につきましては、可能な限り近隣諸国の理解を得ることは重要なことであるわけでありまして、このようなことから私も五月には東南アジアを訪問し、今回また韓国を訪問したのもそういうような観点からであります。(拍手)
   〔国務大臣山本富雄君登壇、拍手〕
#34
○国務大臣(山本富雄君) 池田議員の御質問にお答え申し上げます。
 現在推進している水田農業確立対策は、稲から他作物への転換を重視した従来の対策にかえまして、生産組織の育成や農地流動化を通ずる規模拡大を進めながら生産性の高い水田農業を確立する観点から、昭和六十二年度に発足したものであります。平成三年度におきましても、今年度と同様の八十三万ヘクタールの転作等目標面積のもと、対策の一層の推進を図ることとしております。
 次に、営農規模の拡大及び土地基盤整備について申し上げます。
 土地利用型農業の規模拡大につきましては、先般公表いたしました九〇年センサスによりますと規模の大きな農家の着実な増加が見られておりますが、まだ十分に進んでいるとは申せません。今後とも、地域の実情に即した農地の売買や貸借、農作業の受委託等の促進により、中核的担い手の規模拡大をさらに進めてまいりたいと考えております。
 また、土地基盤の整備につきましては、大区画圃場整備事業等生産性の向上に主眼を置いた事業の重点化を図ってまいりたいというふうに考えておる次第であります。
 次に、ウルグアイ・ラウンド農業交渉に臨む政府の方針についてお答えを申し上げます。
 ウルグアイ・ラウンド農業交渉におきまして、我が国は、農業生産の持つ特殊性や農業が果たしている多様な役割が交渉結果に十分配慮されることが不可欠との基本的考え方に立って積極的に対応しているところであります。九月末、このような基本的方針に基づくオファーを提出したところでありまして、先週のブラッセルでの閣僚会議におきましてもこの立場を踏まえ対処したところでございます。今後とも、我が国といたしましては、食糧輸入国としての立場を反映した交渉結果が確保されますよう全力を挙げまして取り組んでまいることをここで申し上げる次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#35
○副議長(小山一平君) 三治重信君。
   〔三治重信君登壇、拍手〕
#36
○三治重信君 私は、民社党・スポーツ・国民連合を代表して、大蔵大臣の財政演説並びに当面する国政の重要課題について政府に質問いたします。
 まず、中東紛争問題についてお尋ねいたします。
 我が国は、最も重要なエネルギー源である石油の全輸入量の七〇%を中東地域から輸入しております。もし戦火がサウジアラビア等湾岸諸国まで広がりますれば、我が国の産業及び国民生活は致命的な打撃を負うことになります。幸い、米国を初め湾岸多国籍軍のサウジアラビア国境への展開によりまして、イラクのクウェートへの侵攻、占領にとどまるとともに、サラジ・湾岸諸国の石油の一割の増産によりまして、石油供給に重大な支障を来してはおりません。
 猪木議員の努力のかいもありまして、イラクの人質全員解放を見たことは喜ばしいことであります。
 いまだ経済封鎖が続き、イラクの出方によっては戦火が起こるかもわかりません。政府は、できる限りの平和的解決に努力をいたすべきであります。総理の御決意をお伺いいたします。
 また一方、中東紛争は長引くことを覚悟して臨機応変の対処方針を確立しておくことが必要であります。政府は、中東情勢の情報収集に努め、安全保障会議等において情勢を公表し、逐次、対策方針を国民に示すことが必要と考えます。イラク・クウェートの在留邦人に対する情勢及び状況判断の政府の指示が極めて拙劣かつ不十分であったと指摘されております。今後、世界各地で活躍しております在留邦人に対して、危機管理対策を研究すべきであります。
 中東情勢の正確な把握には、中東諸国への防衛庁関係職員の増員が必要と考えるが、現在駐在官は何人いるのか、また大使館員の増員はできないのか、お尋ねいたします。
 政府は、中東紛争に対し四十億ドルの拠出を決定し、このたびの補正予算に対しても十億ドル相当、千三百億円を計上されていますが、二十億ドルの予算は主に湾岸諸国理事会の湾岸平和基金への拠出となっておりますが、湾岸諸国理事会を構成しておる諸国名と、湾岸平和基金へ我が国以外の国の拠出金額と、その基金の主な支出項目と金額を、我が国の貢献度を知るためにお伺いいたしたいと思います。
 また、二十億ドルの経済協力の諸国名と金額について、実施したものと計画中のものをお示し願いたいと思います。
 四十億ドルの中東貢献策は、さらに追加することはないものと理解してよいか。
 我が国の今後として、武力行使または威嚇を伴わない国連協力は、外務省補正予算に計上されておりますカンボジア難民避難民帰還計画拠出金十・七億円や国際連合平和維持活動関連分担金三十八・一億円という予算負担のみでなく、国連のこの二つの活動に直接参加を考えているということか。自公民三党の合意を政府はどのように理解しているのか、御質問いたします。
 次に、土地問題についてお尋ねします。
 現在、日本の経済は世界経済の一四%を占めるに至ったにもかかわらず、多くの国民は生活の実態が少しもよくならないことに強い不満を持っております。このことは、住宅取得の年収倍率が欧米諸国では四倍程度なのに対し日本では七倍を超えていることから、サラリーマンの給与限度いっぱいの住宅ローンを組んでも住宅の取得が極めて困難な状況にあることから明らかであります。
 土地神話を解消するには、地価を引き下げることが必要であります。土地の保有が銀行預金の金利より高い予想収益が得られ、その上、土地を担保にすれば地価の一〇〇%の融資が得られるという雪だるま式財テクが可能だからであります。したがって、まず土地への融資規制が行われますと地価上昇はとまりました。しかし、保有税たる固定資産税が地価の急激な上昇に対して地価の適正価格を極めて低く定めるとともに、三年間の段階的に引き上げる緩慢な処置をとってきたことであります。もちろん、住宅や会社施設の保有土地は売却不能の潜在利益であるので、急激な地価上昇に見合った固定資産税の増徴は困難を伴います。したがって、土地の税の急激な引き上げに対し、かわりに家屋税か住民税、法人住民税を引き下げることによって資産と所得の税負担の均衡を保つことができます。
 東京都を中心に大都市への地価の高騰は固定資産税では対応できない状態となったためと、異常な地価の上昇を引き下げるための国の土地保有課税が政府税調で取り上げられまして、地価対策の有効策と言われましたが、自民党税調は、地価十億円以上、税率〇・三%という小範囲に縮めた案といたしました。これでは地価対策とならないし、保有税を所得税、法人税の引き下げに充て、増税しないとする当初の考え方から逸脱していると考えるが、総理及び大蔵大臣のお考えをお聞きしたい。
 さらに、宅地及び地価対策は、土地基本法に沿って対処するとともに、都市計画法、建築基準法を改正し区画整理や都市再開発を進めるためにも大幅に権限を地方に譲渡することが必要であります。建ぺい率を引き上げ、高さ制限の撤廃を用途地別に再検討するとともに、土地の有効利用の増進を図るべきであると考えますが、総理の所見をお伺いします。
 次に、労働力不足問題について御質問します。
 大店法規制緩和にかかわる中小商業対策が今回の補正予算に盛り込まれたことは前進でありますが、労働力不足問題は中小企業初め企業の死活問題となっております。政府の単純労働者の移入禁止措置は英断だったと思います。しかし、この措置により労働力不足は一層深刻化を増したことは事実でありまして、容易ならざる事態となっております。
 そこで、青少年の急激な減少を迎えて、熟練労働力の不足が将来にわたって深刻な状態を招くことは目に見えております。東南アジア各国と政府レベルの計画のもとに、職業訓練計画を拡大し、半年または一年の職業訓練の学習は公共職業訓練機関が施し、実地訓練を三ないし四年間民間企業で行うことにより、熟練労働力の不足を補うとともに東南アジア各国の基幹熟練労働力の養成に役立つ一石二鳥の効果をねらって大々的に取り組んでいただきたく、要望いたします。総理の御所見をお伺いします。
 最後に、経済運営の基本的態度についてお伺いいたします。
 高度経済成長が続き、過去のイザナギ景気より長く続くのではないかと考えられたが、消費者物価指数が十一月は前年同月比三・九%の物価上昇となっていること、株価が高値から四〇%程度も下落をし、多くの企業が財テク欠損を多く計上せざるを得ないこと、利子の高騰によって金融が株の下落に伴い不如意となったこと、地価、マンションの価格に低落傾向が見えてきたこと、海外では、中東紛争が長引くこと、ウルグアイ・ラウンドの不安定、米国及び欧州の景気下降が言われ出したこと等、内外の景気の見通しは薄曇りとなってきました。
 経済大国日本の景気動向が世界の景気の動向の主軸と言われております。政府は、世界の経済の動向に配慮しつつ、我が国経済をいかに誘導していくお考えかをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#37
○国務大臣(海部俊樹君) 三治議員にお答えを申し上げます。
 安全保障理事会諸決議の完全実施に向けて国際社会が一致してイラクに求めたこと、そして湾岸の平和的解決が強く求められていること、御指摘のとおりでございます。
 米国とイラクとの対話が外交的一層の努力によって平和解決のために役立つことを強く望むとともに、我が国としてもできる限りの対応をしてまいりたいと考えます。
 また、政府としては、国民の皆さんの幅広い理解と支持を得るべく、国会の場においていろいろ議論をし、政府関係の広報活動等を通じていろいろな問題を明らかにしてまいりましたが、今後とも安全保障の問題、中東情勢の情報等についても、できる限り外務省を窓口として関係各省協力して情報を集め、できる限り提供できるようにしたいと考えます。
 また、幸い今回は邦人のすべての釈放が決まり、これは国際社会の一致協力しての行動と、人道的な解決をせよという多くの国連決議等に絡む問題であって、邦人がすべて解放されたことに私はそれは今回の措置としては安堵をいたしておりますが、しかし今後、今回のこの経験を踏まえまして、邦人の安全確保に関する問題については、どのようなときにどのような対応をすべきであるかということについては、今後さらに今回の出来事を反省し検討、研究を政府としても続けてまいりたいと考えております。
 なお、湾岸情勢の緊迫化を踏まえ、今後とも外交実施体制の整備には努力をしなければならないのは御指摘のとおりだと思います。
 カンボジア難民避難民問題については、国連事務総長の緊急アピールにこたえ、今回の補正予算においても約十一億円を計上いたしました。また、国連の平和維持活動分担金としては約三十八億円を計上しておりますが、これは資金面に関する協力でございます。
 土地に関する固定資産税についてお話がありましたが、評価の適正化に伴い土地の固定資産税の負担が急激に上昇することとなる場合には、家屋に対する固定資産税の調整、あるいは住民税との調整といったことも検討さるべき課題であると考えます。
 土地保有税についての御指摘に対しましては、政府の答弁は、現在政府税調で行われておる審議の結果を踏まえ、与党を初めとする各方面の御意見をよく承って、所要の法案を取りまとめ、今国会に提出するつもりでおりますし、また、都市の土地利用規制のあり方につきましては、本年十月の土地政策審議会の答申の趣旨を十分に踏まえて、検討を進めてまいる考えでございます。
 熟練労働者の不足解消のため、アジア各国の人々を政府レベルで招待すべきではないかという御指摘でございましたが、外国人研修生の受け入れが技能あるいは知識の移転を通じてそれらの国々の人づくりに役立つものであるということにかんがみ、我が国は官民一体となって研修生の受け入れを推進していく考えでございます。
 我が国経済をいかに誘導しようとしておるかという御指摘でございましたが、内需主導型の景気が現在四十八カ月にわたって持続しております。政府としては、これを背景に物価の安定を図ることを基礎としながら、内需を中心とした景気の拡大をできるだけ息の長いものにするように努めていきたい、このように考えておるところでございます。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#38
○国務大臣(橋本龍太郎君) 三治議員から御指摘をいただきました問題点は二点でございました。
 一つは、固定資産税との関連において新たに考えられている土地保有税はどうとらえていいのかということでございます。
 新税は、土地という公共性を有する資産の保有に関して、負担の公平を確保しながら、土地の資産としての有利性を縮減するために、資産価値に応じた御負担を願うものでございます。これに対し固定資産税は、資産保有と市町村の行政サービスとの間に存する受益関係に着目し、その使用収益し得る価値に応じた負担を求める。このように両税は全く趣旨、性格を異にいたしております。
 また、新税に今構想されております中身からまいりますならば、居住用地は原則非課税とされており、また控除により小規模事業用地等を非課税としていることなどからも、課税対象となる土地の範囲は固定資産税に比べまして相当限定されたものになることなどから、両税は趣旨、仕組みを基本的に異にし、二重課税になるといった御指摘のような問題はなかろうと、そのように考えております。
 また、土地税制の見直しに関連しての御意見をちょうだいしたわけでありますが、去る十月三十日、政府税制調査会から「土地税制のあり方についての基本答申」をちょうだいいたしております。また、自由民主党におかれても、十二月六日、土地税制改革大綱を党議決定されまして、税負担の公平の観点及び土地選好を弱めていくという観点から、土地の有利性を縮減することが必要であるとして、土地保有税の創設を初めとする土地の保有、譲渡、取得の各面にわたる具体的な見直し案を決定されております。
 政府といたしましては、現在政府税制調査会において行われている御審議の結果を踏まえ、党とも十分御相談をしながら具体的な見直し案を取りまとめ、所要の法律案を今国会に提出いたしまして、その実現を図るべく最善の努力を払ってまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣中山太郎君登壇、拍手〕
#39
○国務大臣(中山太郎君) 三治議員にお答えを申し上げます。
 湾岸諸国理事会を構成している国名をお尋ねでございますが、構成しておる国家は、バハレーン、カタール、オマーン、クウェート、サウジアラビア、アラブ首長国連邦でございます。
 次に、我が国を除いて湾岸平和基金への拠出をしている国はどうかというお尋ねでございますが、我が国を除いて湾岸平和基金への拠出をしている国はございません。
 湾岸平和基金の主な支出項目、金額をお尋ねでございます。資金協力、物資協力のため湾岸平和基金に拠出した約千二百二十九億円につきましては、既に過半を執行済みでございまして、具体的には車両、事務用機器等の調達に係る物資協力を行いますとともに、各国の輸送関連経費に充てられる資金を供与いたしております。
 なお、中東貢献策に関しまして、四十億ドルの拠出のほかに追加措置を考えているかというお尋ねでございます。我が国といたしましては、今後につきましては、今回の十億ドルを含めて既に発表いたしました貢献策につきまして、可能な措置から速やかに実施していく方針でございます。(拍手)
#40
○副議長(小山一平君) これにて質疑は終了いたしました。
 これにて午後二時十分まで休憩いたします。
   午後一時十分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十二分開議
#41
○議長(土屋義彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第二 国務大臣の報告に関する件(昭和六十三年度決算の概要について)
 大蔵大臣から発言を求められております。発言を許します。橋本大蔵大臣。
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#42
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昭和六十三年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきまして歳入の決算額は六十四兆六千七十三億円余、歳出の決算額は六十一兆四千七百十億円余でありまして、差し引き三兆千三百六十三億円余の剰余を生じました。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の平成元年度の歳入に繰り入れ済みであります。
 なお、昭和六十三年度における財政法第六条の純剰余金は一兆七千三百二十一億円余となります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額六十一兆八千五百十七億円余に比べて二兆七千五百五十六億円余の増加となりますが、この増加額には、前年度剰余金受け入れが予算額に比べて増加した額六千八百三十億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、歳入の純増加額は二兆七百二十五億円余となります。その内訳は、租税及び印紙収入等における増加額二兆八千八百七十一億円余、公債金における減少額八千百四十五億円余となっております。
 一方、歳出につきましては、予算額六十一兆八千五百十七億円余に、昭和六十二年度からの繰越額六千二百八十八億円余を加えました歳出予算現額六十二兆四千八百五億円余に対しまして、支出済み歳出額は六十一兆四千七百十億円余でありまして、その差額一兆九十四億円余のうち、平成元年度に繰り越しました額は六千六百五十三億円余となっており、不用となりました額は三千四百四十一億円余となっております。
 次に、予備費でありますが、昭和六十三年度一般会計における予備費の予算額は二千億円であり、その使用額は千三百八十一億円余であります。
 次に、昭和六十三年度の特別会計の決算でありますが、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。
 次に、昭和六十三年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は五十一兆八千五百九十五億円余でありまして、この資金からの一般会計等の歳入への組み入れ額等は五十一兆八千四百八十一億円余でありますので、差し引き百十四億円余が昭和六十三年度末の資金残額となります。これは、主として国税に係る還付金として支払い決定済みのもので、年度内に支払いを終わらなかったものであります。
 次に、昭和六十三年度の政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。
 以上が昭和六十三年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書の概要であります。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#43
○議長(土屋義彦君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。種田誠君。
   〔種田誠君登壇、拍手〕
#44
○種田誠君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました昭和六十三年度決算及び当面する我が国の諸問題につきまして、海部総理と関係各大臣に質問いたします。
 さて、このたび、イラクにおいて人質として拘束されていた在留邦人全員が解放されました。長期間における抑留生活を送られた皆さんと御家族の苦しみを思い、全員の解放をともに喜びたいと存じます。
 このことに関連し、まず第一に海部総理にお尋ねしたいことは、国連において来年一月十五日までのイラクのクウェートからの撤退を求める決議が採択されるなど、深刻化する中東湾岸危機に対する我が国の平和協力問題であります。
 国連平和協力の美名のもとに我が国の自衛隊を海外派兵することをもくろんだ国連平和協力法案は、反対世論の盛り上がりの中、さきの国会において廃案となりました。この後、新たな平和協力のあり方についての模索が行われ、自民、公明、民社三党による合意文書もつくられました。この合意は、我が党として評価できる点もありますが、なお自民党は自衛隊を海外派兵しようとする野望を捨ててはいないようであります。
 我が党は、こうした自民党の策動には強く反対するとともに、非軍事・民生協力を基本とする真の国連平和協力ができるよう、国連平和協力機構を設置するための法案を準備中であります。
 政府としても、自衛隊やこれにかわる武装集団を海外派遣しようとする野望を捨て、我が国の平和憲法にふさわしい協力のあり方を確立すべきであります。海部総理大臣の明快な御答弁をお願い申し上げます。
 次に指摘しておかなければならない問題は、昭和六十三年以来国政の大問題となっておりますリクルート疑惑、政治改革と消費税の問題であります。
 この年の夏ごろから政界に広がったリクルート疑惑は、当時の竹下首相を初め政府・自民党の首脳部がすべてリクルートの汚れた資金に汚染されていたことを白日のもとに明らかにし、国民の間に深刻な政治不信を引き起こしました。
 海部総理、あなたは一年前、政治改革に政治生命をかける、このことを誓って総理大臣の重責を担われたはずであります。今、政治腐敗防止など国民の期待する政治改革は何一つ実現せず、自民党の党利党略のみに立脚した選挙制度改革論議に逃げ込んでいるありさまです。しかも、次の内閣改造ではリクルート、ロッキード両事件の関係者の入閣さえうわさされております。一年前の初心に立ち返り、企業献金の禁止を初め政治浄化に邁進すべきではありませんか。総理の御答弁をお願いいたします。
 また、消費税は導入から一年半が経過し、その逆進性、税が国庫に入らないなどの構造的欠陥はだれの目にも明らかになっております。総理は抜本的見直しを公約されたはずでありますが、さきの特別国会に提出された見直し案は、国民の期待を裏切った全く小手先のものであり、本院において廃案となったのは当然であります。既に来年度予算編成の時期となっておりますが、最悪の消費税をこのまま放置するつもりですか。
 現在、税制問題に関する両院合同協議会の専門者会議において、我が党は消費税の廃止を求めつつも、欠陥消費税がこのまま存続するという最悪の事態を回避するため、飲食料品の全段階非課税、いわゆる益税の縮小などの緊急是正を要求しておりますが、自民党はなお小手先の手直しにこだわり、国民の期待にこたえようとはしておりません。国民の願う最低限の緊急是正が実現できるよう、自民党総裁でもある海部総理は決断をすべきではありませんか。明快な御答弁をお願い申し上げます。
 次に、昭和六十三年度を含む財政経済運営の結果生じた地価問題について伺います。
 昭和六十三年度の経済は、実質五・一%の成長率を達成し、物価も安定していたので、表面的には非難の余地がないように思われがちであります。しかし、表の華やかさの中で、経済の内実がバブル化し、国民の間に羨望とあきらめが定着したのではないでしょうか。
 金融界で土地騰貴の浮利を追い、出資法違反により逮捕されるという某銀行元支店長らの事件があり、会長の責任引退となりました。こうした法違反には至らないでも、浮利を追う経営が財テクとして称賛される傾向にあったのではないでしょうか。そして、自民党政治はそれに便乗しているというのが国民の認識であり、政治不信の経済的基盤ではありませんか。
 今回の地価高騰は、昭和六十一年から六十二年にかけての東京圏における急激な地価上昇が、六十二年から六十三年にかけて地方へ広がっていったものであります。
 去る十月末に、土地政策審議会答申、税制調査会の土地税制のあり方に関する答申が相次いで出されました。税調答申では、新土地保有税の新設を初めとして、土地の保有、譲渡、取得の全般で課税を強化する方向を打ち出しました。土地保有課税、土地譲渡所得課税の強化、固定資産税の改革など、我が党の提案を受け入れている部分も多く、評価すべき内容を持つものでありました。
 ところが、政府・与党内部では、経済界の反発を反映してか、土地保有税の税率や非課税範囲をめぐって異論が出され、自民党の税制改正大綱では税率〇・三%、課税最低限十億円とされるなど、事実上骨抜きにされています。これでは地価を引き下げるという政策目標は達成できません。これに対し、国民から非難の声が沸き上がっていることは当然のことであります。
 抜本的な土地対策の一歩として、全国一律、税率一%など、最低限の枠は堅持し、実効性のある土地税制改革を進めるという総理の決意をお示しいただきたい。
 土地政策審議会答申でも、地価引き下げを政策目標として打ち出していますが、国民の期待にこたえるため、総理及び国土庁長官から地価引き下げを達成する御決意を伺いたいと思います。
 次に、昭和六十三年度の税収見積もり問題について伺います。
 昭和六十二年度決算に引き続き、六十三年度決算も税収見積もりの雑駁さが目につきます。当初予算に比べての税収見積もりの誤差率を見ますと、六十二年度は一三・六%、六十三年度は一二・七%となっており、二年連続して大幅なものであります。
 確かに、率こそ六十三年度は若干低減しておりますが、金額的にはむしろ増加しております。六十二年度は五兆六千億円の過小見積もりであるのに対して、六十三年度は五兆七千三百億円と、千三百億円も増加しております。さらに、六十二年度は一兆八千億円、六十三年度は二兆円の減税が行われたわけでありますから、これを含めて考えれば、誤差率はさらに拡大いたします。
 見積誤差の原因の一つは、旧態依然として資産格差の増大、土地税制の放置などを許し、時宜に適した財政運営を行わなかった政府の責任の結果です。もう一つは、税収の年度区分の復元を放てきしている財政当局の怠慢の結果であります。
 総理、あなたは政府の財政運営の失敗が税収見積もりにも影響を与えた責任をどのようにお考えになりますか。
 大蔵大臣、速やかに税収の年度区分を復元させるお考えはありませんか。
 次は、ODA、政府開発援助の決算審査についてです。
 昭和六十三年度ODA予算は、一般会計で七千十億円、総援助額は一兆三千四百八十七億円に達しています。ODAを語るとき、マルコス不正蓄財を初め、後を絶たない数々の疑惑がODAの不透明さを浮き彫りにしていることはまことに不幸な事態です。最近のバングラデシュ大統領の失脚問題にも、日本のODAにかかわる汚職事件が関係しているという報道がなされております。ODAの額が大きくなればなるほど、これらを負担する国民の理解と協力が必要であり、そのためには、開かれた国会での審議を担保することが不可欠です。我が党がODA理念の明確化、実施体制の整備、ODA計画の承認、国会意思の反映等を盛り込んだODA基本法の制定を強く訴えるのもこのためです。
 まず、総理大臣に、ODA運用の透明性、明確な決算の必要性に関し、基本的認識をお聞きいたします。
 次に、外務大臣にお伺いいたします。
 会計検査院は、六十三年度の検査報告で初めてODA問題を取り上げ、適切でない事態を特記事項として指摘いたしました。この中には、相手国の事情により供与機材の据えつけがおくれたケースもありましたが、事前調査、実施調査の段階で把握できなかったものでしょうか。供与側として我が国の責任も免れないのではありませんか。
 外務大臣は、過日の参議院決算委員会で、ODAの執行に関連し、事前評価及び事後の評価制度について検討中である旨の答弁をされました。その後、どのように詰められたのでしょうか。また、ODA決算に当たり、外務省は積極的に会計検査院に協力すべきであり、外交上の配慮のみを優先させることがあってはならないと考えます。
 外務大臣のODA決算に対する評価及び姿勢について伺います。
 次に、六十一年度決算不承認に対する内閣の責任と決算審査促進の必要性について伺います。
 昭和六十一年度決算は本院において是認されませんでした。内閣の責任者である総理に、六十一年度決算不承認についての内閣の政治的責任の御認識を伺いたいと思います。
 また、六十一年度決算議了に当たって警告決議が行い得なかったことは極めて遺憾なことであると存じます。変更とか修正とかがあり得ない決算については、次期予算編成に審査の成果をどのように反映させていくか、このことが最も重要なことであります。仮に、六十二年度決算議了に当たって成案が得られた場合は、内閣におかれましても積極的な対応をとられるべきであると考えますが、総理の御決意をお伺いいたします。
 最後にお尋ねしたいことは、決算審査の促進問題であります。
 本院においてもいまだ昭和六十二年度決算の審査を行っている段階であります。これは政府の決算審査軽視、非協力的な態度にもその一因があり、さらに制度的にも、前年度の決算が年末の通常国会召集冒頭に提出され、決算審査が事実上翌年の五月以降にならなければ始められないという問題があります。憲法が特に一条を割いて決算について規定しておりますのは、予算の執行について国会に監視の責めを負わせるとともに、決算の審査結果を次期予算編成及び審査に反映させるためであります。
 こうした事態を打開し、決算審査を促進するため、いかなる方策をとるべきか、総理のお考えをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#45
○国務大臣(海部俊樹君) 種田議員にお答えをいたします。
 先般の臨時国会において平和協力法案が廃案になりましたことは残念でありますが、これを厳しく受けとめ、国連平和協力というものはお金と物だけではいけないという御議論が高まったこと、その認識が高まったことは私はその成果であったと受けとめさせていただき、民社党、公明党と自民党の三党の間でできました合意事項や社会党から提案された国連平和機構案も、これは人の協力に関する国際協力の具体像がいろいろ出ておるわけでありますから、我が党としては、三党合意を尊重して新たな国際協力のあり方についてできるだけ早い時期に成案を得たいと考えております。
 政治改革につきましては、個々の政治家の政治倫理の確立はもとより大切な大前提であります。同時に、金のかからない、政党本位、政策本位の選挙を実現できるよう選挙制度及び政治資金制度の抜本的な改革を図ることが重要であると考えております。政府は、選挙制度審議会からの答申の趣旨を尊重して、これらの改革を一体のものとして実現するようにその成案化に向けて不退転の決意で努力を続けておるところでございます。
 消費税の問題につきましては、現在両院合同協議会において精力的な各党の御議論を願っておるところでありますが、消費税の必要性を踏まえつつ、建設的な合意が得られますことを心から御期待させていただいております。
 土地税制につきましては、政府は現在、税制調査会で行われておる審議の結果を踏まえ、与党を初めとする各方面の意見を踏まえながら、土地税制の改革のための所要の法案を取りまとめて今国会に提出し、実現を図るべく最善の努力を傾けていく決意でございます。
 地価引き下げに向けて総理の決意はどうかと、こういうお尋ねでございますが、内政上の重要課題でありますし、また、昨年末の土地基本法の制定を踏まえ、需給両面にわたる各般の施策を総合的に推進いたしております。いずれにせよ、私は、土地を持っていればもうかるという土地神話を打破して、この問題を解決するため、政府は一体となった取り組みを展開していかなきゃならぬと決意をいたしております。
 また、昭和六十三年度において税収の大幅な見積誤差があったこと、御指摘のとおりでございます。
 これはしかし、実体的な生産活動が非常に好調であったということ、それに加えて、昭和六十一年度以降進行しました株高、土地高、円高、原油安、金利安、三高二安と言われる一時的な性格を有する要因が非常に大きかったものでありまして、このような現象を事前に見通すことはなかなか困難なものであろうと私も思います。
 なお、各年度の財政運営が直ちに税収の見積誤差の原因になったとは考えておりませんけれども、今後は適切に機動的な財政運営を行っていくように心がけていかなければならない、こう考えております。
 ODAの透明性、明確な決算の必要性につきましては、これは基本的方向は全く同じでございます。そうして、経済協力の実施のためには国民の広い理解と協力が不可欠と認識もしておりますし、国会に対しましても、相手国の立場も配慮しながら、随時、所要の報告、資料の提出、情報の公開にも努めているところでございます。
 また、昭和六十一年度決算不承認についてのお話もございましたが、衆議院では御理解を得られましたが、参議院では御理解を得られなかったことにつきましてはまことに遺憾だと思っております。
 予算の適正かつ効率的な執行に努め、今後国会の御理解をいただけるように適切に対処してまいりたいと考えております。
 また、警告決議に関する御指摘もありましたが、予算措置を含めその改善を図ってきており、措置状況は国会に報告しているところであります。今後とも、国会審査の重要性を十分認識し、国政に反映させるよう誠意を持って対処してまいります。
 決算審査の促進をするためいかなる方策をとるべきかということでございますが、政府は、決算の重要性にかんがみ、その審査についてはできる限りの御協力を行うという基本姿勢でまいりましたが、今後ともそのように対処してまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#46
○国務大臣(橋本龍太郎君) 種田議員から御指摘を受けました点、お答えを申し上げます。
 現行の税収の年度所属区分につきましては、発生主義的な考え方に立って整理をされていることなどから、年度内に納税義務が成立している税収は極力その年度の所属とすべく、受け入れ期限を翌年度の五月三十一日として、三月期決算法人に係る法人税を中心とする翌年度五月税収を取り込んでいるところ、御指摘のとおりであります。
 この年度所属区分は、会計処理の観点からは、発生主義の立場をより徹底したものと考えることもできますし、また昭和五十三年度の受け入れ期限についての改正以来既に十年以上経過して定着したものと考えられます。
 しかし、御指摘のように、この仕組みが税収見積もりを非常に難しくしているということは否めない事実でありまして、それを否定するつもりはありません。ただ、直ちに旧に復するためには、現在のような厳しい財政事情のもとにおきましてはその財源として再び特例公債の発行によらざるを得ないと考えております。
 いずれにいたしましても、年度所属区分の変更は今後の重要な研究課題として認識をいたしておりますし、例えば景気によりまして税収が大きく変動する法人税について旧に復する可能性を探っていくなど、さまざまな可能性を今後探っていきたいと考えております。問題は認識をいたしております。ただ、当面手をつける状況には財政状態が許さない。この点は御理解をいただきたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣佐藤守良君登壇、拍手〕
#47
○国務大臣(佐藤守良君) 種田議員にお答えいたします。
 今回の地価高騰に対する対策としましては、これまでも総合土地対策要綱、今後の土地対策の重点実施方針などに従いまして、監視区域の的確な運用、土地関連融資の規制、住宅宅地の供給の促進、土地の有効・高度利用の促進、東京からの機能分散の促進などの需給両面にわたる各般の施策を実施してまいりました。
 また、土地政策審議会の答申では、土地基本法の成立を機に、土地政策全般のあり方につきまして改めて見直し、土地基本法の基本理念にのっとりましたより総合的な土地対策を確立し、その効果的な推進を図ることが必要としており、達成すべき土地政策の目標としては、土地神話の打破、適正な地価水準の実現及び適正かつ合理的な土地利用の確保の三点を掲げております。
 現在、この提言の具体化を図っているところでございますが、今後は、この答申を踏まえまして、構造的な対策を含めた総合的な土地対策の一層強力な展開を図り、土地政策の目標を早期に実現できるよう努力してまいります。(拍手)
   〔国務大臣中山太郎君登壇、拍手〕
#48
○国務大臣(中山太郎君) 種田議員にお答え申し上げます。
 政府のやっております援助の効果的、効率的な実施を期するために、これまでも案件の実施に先立ちまして、政府及び実施機関の調査団の派遣等による事前調査の充実に努めておりますが、近年その件数を増加しているのみでなく、調査範囲を広げる等の努力もいたしております。
 また、援助案件の終了後には評価を行い、そのフォローアップとアフターケアの充実に努めておりますが、かかる評価の実施に当たりましては、とりわけ有識者等の第三者のさらなる活用、被援助国並びに先進国援助機関、国際機関との合同評価等を通じ、公正な客観的な評価の充実に努めているところでございます。
 また、来年度予算にも具体的に反映するよう事務当局に努力方を指示しておりまして、既に本年度より、評価体制の強化を図るために当省に評価室、JICAに評価監理課を設置し、より組織的な努力を可能とするよう体制を整えております。
 次に、ODA決算に当たって、外務省は積極的に検査院に協力すべきであり、外交上の配慮のみを優先させてはならないというお尋ねでございます。
 ODAに関しましては、会計検査院は外務省を初めとする関係省庁及び実施機関に対して会計検査を実施しております。また、経済協力の実情に関する理解を深めるため、相手国政府の同意のもと、海外のODA案件の実情を視察しているものと承知をいたしております。外務省といたしましては、相手国政府機関の了解取りつけ等を含め、右には積極的に協力をいたしております。
 しかし、一方、経済協力は開発途上国の経済開発のための自助努力に対して行われるものでございまして、その実施主体が相手国の政府にあることは御存じのとおりであります。我が国が供与する援助資金の使用は基本的に相手国自身の責任において行われるものでありまして、相手国政府関係機関等に対して我が国の会計検査院が検査を行うとの考え方は、援助のあり方としても、また相手国の立場、権利の尊重の関係からしても、これは不適当と考えております。
 そこで、先般、九月の国連総会におきまして、私は、日本政府の演説の中で次のように提案をいたしております。
 我が国のODA総額が昨年世界最大となるのと軌を一にして、これら援助が真に途上国の開発ニーズと合致しているか、開発プロジェクトにおいて環境破壊の問題に十分配慮しているか、援助効果が上がっているかにつきしばしば質問を受ける機会がふえております。今後ますます、援助効果の評価を行うシステム、さらには援助国と受益国の間で政策、内容についての対話の強化が望まれると思います。この面で、国連及びUNDP等の関係機関の果たす指導的役割は極めて重要であり、可能な措置を着実に強化していくように提案をいたします、このように申しております。(拍手)
    ―――――――――――――
#49
○議長(土屋義彦君) 木庭健太郎君。
   〔木庭健太郎君登壇、拍手〕
#50
○木庭健太郎君 私は、公明党・国民会議を代表し、ただいま議題となりました昭和六十三年度決算と、これに関連して当面する諸問題について、海部総理大臣並びに関係大臣に質問いたします。
 まず、土地問題について伺います。
 総選挙後、総理御自身が土地問題は内政の緊急課題だと何回もおっしゃりながら、現実には、土地税制の柱となる新土地保有税は自民党税調で全くの骨抜きとされ、その他具体的対応策も進まない現状にあります。
 我が党は、まず政府が襟を正し、具体的に実行できる対策をと考え、本年七月に東京、大阪にある国家公務員宿舎用地の利用実態調査を行いました。この結果、東京ドーム約五十九個分もの土地がむだ遣いされていることを指摘させていただきました。政府は、庶民感覚を逆なでするこの実態をどう認識し、いつまでにどう具体的に有効利用されるお考えなのか。私は優先的に公共賃貸住宅用地として提供すべきと考えますが、大蔵大臣の明確な御答弁をいただきたい。
 また、もっと問題なのは、国有財産の未利用地の問題であります。本年五月に政府の出した一億円以上の国有財産未利用地の保有状況を見ますと、現在全く計画もなく遊んだままの未利用地が東京だけで約六十二万五千平方メートル、こちらは東京ドーム約四十六個分でございます。政府として本気で有効利用に取り組まれるお考えなのか、はっきりしていただきたい。
 国会もみずから、この土地問題、なかんずく東京の一極集中打破のため、さきの臨時国会で国会移転決議を行いました。東京は管理機能、金融機能、情報機能及び文化教育機能が集中していると言われますが、国会が移転することにより、どのような機能がどの程度分散すると考えるのか。また、国会移転に伴う行政府の移転についての考えはどうか。さらに、総理は国会も含め首都機能移転問題にどういう決意で臨まれるのか、お伺いしたい。
 土地問題は、突き詰めれば住宅問題であります。大都市では、マイホームの取得どころか高い家賃に耐えられず、若者や年金生活者が周辺地域への転居を余儀なくされ、極めて狭い住居に押し込められているという深刻な事態に直面しています。すべての国民に適正な住居費負担で快適なゆとりのある住居を保障する住宅権を確保するためには、国の責務を明確にする住宅基本法の早期制定が不可欠と考えますが、総理の御見解を明らかにしていただきたい。
 次に、山積する外交問題のうち、差し迫った課題である韓国問題についてお伺いします。
 総理は来月、大韓民国を訪問されるとのことですが、先日訪韓した我が党の石田委員長に盧泰愚大統領は、総理が訪韓の際には過去の問題がきれいに片づけられ、明るい青空のような両国関係になることを望んでいるとのメッセージを託されました。総理はこのメッセージをどう受けとめ、どのような歴史認識を持って訪韓されるのですか。
 特に、日韓の今回の最大の問題は、在日韓国人一世、二世の指紋押捺問題の解決であります。押捺義務を免除するといっても、具体的にいつなのか、代替手段は何か、免除までの間はどう対処するのかが明示されなければ全くの空手形であり、総理は訪韓の際きちんとした具体策を示すお考えなのか、はっきりさせていただきたい。また、一般職公務員等への採用に対しても道を開くべきであると考えますが、今後どのように取り組まれるのか、お伺いしたい。
 次に、六十一年度決算について、昨年十二月、本院は国会史上初めて、これを是認しないという議決を行いました。海部総理は、内閣の最高責任者としてこの点についてどう受けとめ、具体的にどのような形で責任をおとりになったのか、御説明いただきたいのであります。
 また、ただいまの大蔵大臣の概要説明を伺いますと、六十三年度の予備費使用決定額のうち予備費使用調書(その1)として国会の承諾を求められた部分について、既に本院の承諾が得られなかったという事実があるにもかかわらず、一言も言及されませんでした。これは、とりもなおさず、決算及び予備費の国会審議を軽視するものではないでしょうか。今すぐ決算書の補修を行い、予備費不承諾の事実を記載することが決算を重視するという内閣の姿勢をあらわすものと思いますが、その考えはあるか、承りたいのであります。
 さて、昭和六十三年度の税収見込み違いについて伺います。
 歳入は国民の税金です。正確な歳入見積もりは、予算編成の基本であり、より有効な予算配分への王道です。ところが、六十三年度決算の税収結果は五兆七千億円余、一二・七%もの過小見積もりとなっております。六十二年度決算でも五兆六千億円余、一三・六%と大幅な過小見積もりでありました。二年連続して大幅な過小見積もりを行った政府の責任は重大です。しかも、その一方で六十三年度に消費税導入を強引に決定し、六十四年度から国民に新たな負担を押しつけてきました。これでは消費税導入のために意識的に過小見積もりを行ったと言われても仕方がありません。大蔵大臣、過小見積もりの責任はどうしますか。今後正確な税収見積もりの実現にどのように取り組まれますか。
 また、消費税についてフォローアップ小委員会の報告でもその構造的欠陥が明らかになっており、現行消費税が残ることは最悪の事態です。あるべき間接税の確立を図ることを前提として、当面消費税の欠陥を少しでも緩和することに全力で取り組むべきであると考えますが、総理の見解を伺います。
 次は、会計検査院の指摘事項についてであります。
 昭和六十三年度も二百二件の事項と百五十一億円を超える金額が指摘されており、相変わらずのむだ遣いが明らかとなりました。政府は毎年再発防止を約束されておりますが、どのように具体的措置をとられたのか、明らかにしていただきたい。
 こうした報告の中で、特徴的なものがありました。特記事項としてODAが初めて掲記されたのであります。その意義は極めて大きいと思います。会計検査院が調査した五十六事業のうち、一割以上もの六事業が適切を欠くと指摘された事実は重大であります。政府はこれをどう受けとめますか。仮に全事業に敷衍すれば指摘事業数は相当数に上ると推測され、これまでも問題視されてきたODAの事前調査、事後評価のあり方を根本的に見直す必要があります。
 今や世界一となった我が国のODAは、世界注視の中にあります。国民に、そして現地の人々に本当に納得できる意義ある援助とするためにも、会計検査院の機能充実はもちろん、ODAの基本的な法体系及び実施体制の整備が不可欠です。ODA問題が検査報告に特記されたこの機会に、総理のODA運用方式の改善に対する御決意をお伺いして、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#51
○国務大臣(海部俊樹君) 木庭議員にお答え申し上げます。
 去る十一月七日、衆参両院におきまして、各党派の合意により国会等の移転に関する決議が行われました。私は、この国会が率先して、現下の内政上の重要課題である東京一極集中是正のきっかけを与えていただいたものと理解をいたしております。
 政府といたしましては、この決議を受けて、首都圏機能移転に関する諸問題について、国民的合意の醸成を図るため、検討の場として、私が首都機能移転問題を考える有識者会議を開催することを決めました。今後とも、国会と歩調を合わせて検討を深めさせていただきたいと思っております。
 住宅基本法の問題につきましては、国民及び各党間のコンセンサスがいまだ未形成であると思われますが、政府といたしましては、国民の居住水準向上のため、住宅建設計画法に基づき次期住宅建設五カ年計画の作成作業中でありまして、今後とも住宅政策の充実に努力をいたしてまいります。
 また、韓国の問題についてお触れになりましたが、本年五月盧泰愚大統領来日の際の私との首脳会談の成果に立って、未来志向的な世界的視野に立った新たな日韓関係を構築できるよう最大限努力していくということでお互いに共通の認識を持つことができました。
 したがいまして、先般の日韓閣僚会議において日本側より、指紋押捺にかわる手段をできる限り早い機会に開発し、これによって在日韓国人一世及び二世についても三世以下の子孫と同様に指紋押捺を行わないこととするとの方針を説明し、韓国側の評価を得たところであります。かわる手段については、目下鋭意開発に努力をしておりますが、できる限り早期に行うよう努力を続けてまいる所存であります。
 また、一般職公務員等への在日韓国人採用に対しても道を開くべきではないかとのお尋ねでございます。
 公務員採用については、御承知のように、公権力の行使または公の意思の形成への参画に携わる公務員には日本国籍を必要とするとの、公務員に関する当然の法理の範囲内で採用の機会の拡大については検討をする所存でございます。
 昭和六十一年度決算不承認につきましては、まことに遺憾でございます。政府としては、国会の御指摘を踏まえまして、今後とも予算の適正かつ効率的な執行に努め、国会の御理解をいただけるよう適切に対処を続けてまいりたいと考えております。
 消費税問題につきましては、現在両院合同協議会において御議論を続けていただいておりますが、政府は、消費税の必要性を踏まえつつ、高い次元からの協議が行われ、建設的な合意が得られますことを心から期待させていただいております。
 会計検査院に指摘された不当事項等につきましては、その周知徹底を図るなど、再発防止に努めるとともに、予算の執行に当たる者のモラルの一層の確立に今後とも努力を続けてまいりたいと思います。
 ODA関連五十六事業のうち六事業が適切を欠くと指摘されたことをどう受けとめるかという御指摘でございました。
 調べてみましたが、主として相手国の事情によるとはいえ、一部の案件について援助効果が十分に発現しなかったり、供与された機材が十分に活用されなかった例が生じておりますことはまことに残念でございます。
 ただし、御指摘の六事業につきましては、会計検査院報告の趣旨を踏まえて、必要に応じて、相手国に対する改善方の申し入れ、追加的な協力の実施などの措置をとったことによりまして、執行状況は大幅に改善されておるのであります。今後とも細心の注意を払っていきたいと考えます。
 なお、ODAを意義ある援助とするために会計検査院の機能拡充はどうかというお尋ねでございましたが、本来、外務省の本省、国際協力事業団、海外経済協力基金が他の会計経理と同様に検査院の検査を受けているところであり、ODAの対象事業が実施されておる海外においては、会計検査院の機能が及ばないところでありますが、会計検査院が必要とする現地視察につきましては、これが十分行えるように会計検査院の外国旅費を増額するなど、政府として最大限の努力をしておるところでございます。
 我が国経済協力の実施体制は、全体としては順調に機能しておると考えますが、経済協力の一層の効果的効率的実施のため、現行の関係法令等の枠内でその運用や改善をこれからも図ってまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#52
○国務大臣(橋本龍太郎君) 木庭議員の御指摘にお答えを申し上げます。
 まず、公明党から御提起を受けました国家公務員宿舎用地につきましてお答えを申し上げます。
 その使用の実態調査をもとにした御提言を、私どもとしてはまことにごもっともなものとしてちょうだいをいたしました。現下の大都市地域における土地問題を踏まえますと、公務員宿舎用地につき効率的使用を図るべしという御指摘でございます。私どもとしても、現在行っております公務員宿舎用地の点検作業の結果をできるだけ早期に取りまとめ、その結果、非効率とされました宿舎につきましてはより効率的な利用を図ってまいりたいと考えております。
 その有効利用を図りますため、先般、ほぼ全省庁にわたります公務員宿舎用地効率使用推進連絡会議を設置いたしまして、現在各省各庁と個別具体的な問題について協議を行っておるところであります。年度末までには取りまとめを行おうと考えております。
 また、非効率宿舎の統廃合の受け皿となる合同宿舎の確保を図るため、集約高層化長期計画を策定することといたしました。
 公務員宿舎の設置に当たりましては、従来から老朽、狭隘な宿舎を中心に集約高層化を進めてきたわけでありますが、今後とも、国有地の有効活用を図るという観点から、公務の遂行に支障が生じないよう必要な宿舎用地を確保しつつ、集約高層化を推進し、その結果生じる余剰地につきましては、他の用途に転用を図るなど有効活用を図ってまいりたいと考えております。
 また、国有地と申しますものは、これは国民共有の財産でございます。それだけに公的部門において活用することを基本としておりまして、将来とも国の利用が見込まれない国有地を処分するに当たりましては、公用、公共用優先という原則のもとに、地方公共団体などに対し優先的処分に配慮してまいりました。
 また、大都市地域の国有地につきましては、平成元年十二月の「今後の土地対策の重点実施方針」などの趣旨を踏まえまして、公共用地の確保に努めながら、都市施設などの用地としての活用その他の有効活用を図ろうとしているところでございます。
 それから、予備費についての御質問をちょうだいいたしました。
 昨年十二月一日の参議院本会議におきまして、予備費の使用について院の承諾を得られなかったことにつきましては、まことに遺憾であると考えております。政府は予備費について、これまでもその節度ある使用に留意してきたつもりでありますし、みだりに流されることのないようその適正な処理に努めてまいりましたが、事態を真剣に受けとめ、今後とも予備費の使用に当たりまして、その適正な使用に一層努力してまいる所存でございます。
 なお、御注意をいただいたところではありますけれども、歳入歳出決算書においての予備費使用につきましては、所管別、組織別にその使用状況を報告しているところでありまして、その内容につきましては別途予備費使用調書によって承諾をお願いしておるところでありまして、決算書に予備費不承諾の事実を記載するというのは、決算書の性格からなじまないものと考えております。
 また、税収見積もりについての責任と今後の取り組みについて御注意をいただきました。
 毎年度の税収見積もりにつきましては、見積もり時点における政府経済見通しなどをもとに、利用可能な資料の限界の中で最大限の努力を行ってきているところでございます。しかし、一般的に、見積もり後の経済状況の変化など、見積もり時点で予測しがたい状況の変化が税収に反映し、結果的に予算額に対しある程度の増減が生じることは御了解がいただけるのではないかと考えております。
 しかし、昭和六十二年度、六十三年度につきましての大幅な見積誤差が生じましたのは、私どもとしても本当に残念でありますし、おわびを申し上げる以外に方法がありません。この原因を今さら云々いたすつもりはありませんが、こうした事態に立ち至ります状況を事前に見通すことがなかなか困難であったということについても御理解をいただきたいと思います。
 いずれにせよ、今後とも資料の収集、推計方法につきまして、絶えず工夫を凝らしながら、より適正な見積もりを行うべく努力していきたいと考えております。(拍手)
#53
○議長(土屋義彦君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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