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#1
第120回国会 本会議 第10号
平成三年二月二十二日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十号
    ―――――――――――――
  平成三年二月二十二日
   午前十時 本会議
    ―――――――――――――
 第一 国の補助金等の臨時特例等に関する法律案(趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(土屋義彦君) これより会議を開きます。
 日程第一 国の補助金等の臨時特例等に関する法律案(趣旨説明)
 本案について提出者の趣旨説明を求めます。橋本大蔵大臣。
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま議題となりました国の補助金等の臨時特例等に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、最近における財政状況及び社会経済情勢並びに累次の臨時行政調査会及び臨時行政改革推進審議会の答申等の趣旨を踏まえ、財政資金の効率的使用を図るため、平成元年度の国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律に盛り込まれた措置のうち、平成二年度末に期限が到来するすべての暫定措置について、改めて一体的、総合的検討を行い、所要の立法措置を定めるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、平成二年度まで暫定措置が講じられてきた事業に係る補助率等に関して、まず、公共事業に係る補助率等については、平成五年度までの暫定措置として、昭和六十一年度に適用されていた補助率等まで復元することとしております。また、義務教育費国庫負担金に係る経費のうち共済費追加費用に要する経費等に係る補助率等については、平成五年度までの暫定措置として、引き続き昭和六十一年度に適用された補助率等を適用することとしております。なお、今回の補助率等の特例措置の対象となる地方公共団体に対しましては、その事務事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう財政金融上の措置を講ずることとしております。
 第二に、地震再保険及び自賠責再保険に係る一般会計から特別会計への事務費の繰り入れについて、平成五年度までの暫定措置として、所要の特例を定めることとしております。
 以上、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(土屋義彦君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。野別隆俊君。
   〔野別隆俊君登壇、拍手〕
#6
○野別隆俊君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました国の補助金等の臨時特例等に関する法律案につきまして質問をいたします。
 まず、この質問に入ります前に、中東湾岸戦争の成り行きを世界の国民は注目いたしておるところであります。けさのモスクワ放送によりますと、ゴルバチョフ・アジズ会談で、イラクは無条件で撤退するほか、数項目の合意がなされておりますが、総理はこれをどう受けとめておられるか。日本政府といたしましても、この内容を支持し、アメリカに対してもこれを受け入れるよう、そして平和実現の努力を緊急に行うべきであると思いますが、総理のお考えをまずただしておきたいと思います。
 提案されました本案は、三十三本の法律を一くくりにしたものであり、補助金、負担金の一律カットを求めたものであります。そもそも、これらの国庫負担金と補助金は、それぞれの根拠に基づいて定められたものであり、性質的にも異なっており、その事業の性格に基づいて補助率が決められているのであります。これらの認識の上に立てば、当然個別に提案、審議が行われるべきものであります。
 また、衆議院においては本件の審議が異常な早さで行われましたが、本件はいわゆる日切れ法案でもなく、逆に予算関連法案として予算と一体で審議されるべきものであります。平成三年度予算は現在衆議院において審議中であり、本院ではまだ論議もされていません。このような状況の中において仮に本案が参議院で審議、採決されることになれば、予算審議の位置づけが著しく損なわれるのではないでしょうか。なぜ政府は、予算案の審議もせずに予算関連法案の審議を急がれるのでしょうか。本来、政府としては、予算案について慎重審議を尽くし、その上で法案審議を求めるというのが立法府の審議権を尊重した姿勢ではないでしょうか。海部総理大臣の御所見をお伺いいたします。
 次に、今回の国庫補助負担率の特例暫定措置の性格についてお伺いいたします。
 過去の補助負担率のカットは、国の財政再建という大義名分のもとで地方自治体に犠牲を強いてきたものであります。地方団体から見れば、国の赤字公債縮減のためという理由そのものが理不尽であると言わざるを得ません。ましてや今回の特例は、平成二年度から特例公債の発行は回避でき、財政再建の目標は一応達成された後の措置であり、既に地方団体に協力を求めるという理由は全くありません。
 また、昨年十二月の財政制度審議会の報告によると、財政改革を一層推進するためには、まずもって歳出の徹底した節減合理化に努めることが基本であるとし、社会保障、文教、防衛、公共事業、農業、鉄道等の施策全般にわたって歳出節減を求めています。この報告と補助金負担率カットはどのような連関性があるのか、地方へ財政負担転嫁を行う原因は何であるのか、国の歳出節減努力は具体的にはどのような形で行われ、かつ国費が何によって不足するか、その起こった原因等について大蔵大臣から説明をいただきたいと存じます。
 また、昭和五十七年度以降今回の暫定期間とされている平成五年度まで、実に十二年間にわたって暫定措置が続くことになるのであります。国庫負担金は国の責務に基づいて支出しているものであり、それが十年間以上も削減されるということは異例中の異例だと言わざるを得ません。国の責務の変更と、国と地方の財政関係の大きな変更を意味すると受け取るのが当然ではないでしょうか。国と地方の財政負担関係を見直すのであれば、当然事務事業の配分見直しや、行政権限や税財源配分も並行して検討さるべきものであると思いますが、いかがでありますか。
 また、毎年地方六団体から再三にわたる五十九年度ベースに戻せとの強い要請にもこたえられず、また補助金の整理統合も幾たびか指摘を受けておるにもかかわらず遅々として実効は上がっていません。今回の特例の性格、国庫負担金制度の意義、国と地方との関係、財政秩序の維持につきまして、大蔵大臣、自治大臣に明快な御見解を伺います。
 次に、海部総理にお尋ねいたします。
 過去四回の暫定措置については、政府は地方団体にどのような説明と約束をしてこられたのか。その都度、三年限り、一年限り、三年限り、二年限りと約束をしたのではないでしょうか。中曽根内閣以来、歴代内閣はその都度地方に対してどのような説明をしてこられたのか。また、内閣の継承者として、海部総理、あなたはどのような責任を自覚しておられるのか、お伺いをいたします。
 さらに、今回の特例法案は、再三にわたって約束を破り、補助負担率を五十九年度水準に戻そうともせず、六十一年水準のカットを三年間も続けようとする改悪の上塗りの法案と受けとめざるを得ません。大蔵省筋においては、現状のカットがよりよくなる改良法案であるとの認識の説明がされているやに伺っておるのでありますが、本法案が成立しなければ、当然、本来の補助率である五十九年度水準に復元することになるのであります。五十九年度と比較すると、平成三年においては八千九百五十七億円という金額がカットによって地方負担として転嫁されてくるのであります。
 また、昨年五月二十四日、衆議院地方行政委員会で、補助金カットの復元問題で我が党の谷村啓介議員の質問に対し、奥田自治大臣は、あくまでも五十九年度水準に戻すというのが本筋であり、基本的スタンスであると答弁をなされているのであります。五十九年度べースに一体いつになったら引き戻される考えか、大蔵大臣並びに新自治大臣の見解をお聞かせ願いたいと思います。
 また、今回の特例は、地方が国より財政的に裕福であるとの認識に立っておられるのでありましょうか。財政審報告は、社会保障、文教等を含めて地方負担強化を示唆しておりますが、地方財政は決してそのような状態にはありません。地方の財政の窮状を見るとき、昭和五十年度以降の地方財政の構造と今日の公債費負担比率の上昇問題、高齢化社会に対応する地域福祉システムの整備という課題、さらに四百三十兆の公共投資といいながら過去の公共投資の六割は地方負担であるという実態を考えますと、今後ますます地方財政の負担は重くなってくることが考えられます。
 また、地方財政計画では地方税の構成比は四〇%を超えておりますが、実際の地方財政はそのようなものではありません。
 すなわち、全国三千二百四十五市町村のうち税収が四割を超す市町村はわずか六百八十六市町村でありまして、他の八割の二千五百五十九の市町村は四割以下、約七割の市町村は三割自治にも満たない状況にあります。特に、これらの地方の行政需要は一層増大の傾向にあり、相対的には自主財源の不足からやりたい事業がやれず、徹底した見直しと抑制を図っているのが今日の現状であります。総理と自治大臣は、このような地方財政の現状をどう認識しておられますか。富裕論の立場に立って今回の提案を行っていられるのではありませんか。率直な御答弁を求めるものであります。
 今こそ、国と地方の役割分担を明確にし、地方財政の確立に積極的に取り組むべきだと思いますが、現状認識も含めて海部総理を初め両大臣にお伺いいたします。
 次に、第百十八特別国会において、衆参地方行政委員会においては特別決議が付せられております。本院の地方行政委員会においても、「平成三年度以降における公共事業の拡大等の緊要性にかんがみ、公共事業に係る国庫補助負担率の暫定措置の廃止等を図り、国庫補助負担制度の充実を期すること。」との決議が行われているのでありますが、今回の補助負担率カットはこの決議を全く無視されたことになりますが、自治大臣はどのような責任を感じておられるのか。また、海部総理は国会の決議の尊重についてどのように認識をしておられるのか、お伺いをいたします。
 私ども日本社会党・護憲共同は、今後の法案処理に対する態度の参考にさせていただきたいと存じますので、明確にお答えを願いたい。
 次に、今回でカットは五回目であり、地方との約束は再三再四破られ、国会の決議も踏みにじられたことを考えるとき、三年後に廃止するという保証はどこにあるのでしょうか。今回で五回目、三年間の暫定措置という異例、遺憾な事態を考えれば、今後再びかかる措置は行わないことを地方と国会に海部総理は明確にすべきだと思いますが、明確なお答えを願いたいと存じます。
 最後に、社会党・護憲共同は、地方自治の本旨にのっとり、国と地方の財政秩序と財政民主主義を守り、地方財政健全化など基本的な政策スタンスから過去一貫してカット法案に反対してまいりましたが、今回まず六十一年ベースに乗せたことについては一定程度認めますけれども、基本的には納得のいくものではありません。最終的な法案に対する態度の判断は審議の中で決めることを表明いたしまして、私の質問といたします。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(海部俊樹君) 野別議員にお答えを申し上げます。
 最初の御質問でありますが、私は、けさ未明のフセイン大統領の演説と比べて、先ほどテレビで見ておりましたが、ゴルバチョフ・アジズ会談の記者発表は、トーンがいささか変わってきておりました。
 その中で、完全無条件な撤退ということは私は一定の進展と受けとめますが、無条件ではなくて実にたくさんの条件がついておって、それに対する協議が今なお継続中ということでありますから、その真意をきちっと見定めなければなりませんけれども、いずれにいたしましても、昨夜来、米国初め関係諸国と常に連絡、協議をしておりますが、真意をきちっと見定めて、いずれにしても、イラクが安全保障理事会の決議に従ってクウェートから無条件に撤退することが平和へのかぎになるわけでありますから、一日も早く平和回復が実現するように皆さんとともに考えて、政府としては努力を続けてまいりたいと考えております。
 また、補助金等の臨時特例法案の作成に当たって一括化をしたとおっしゃいますが、とろうとする政策の趣旨、目的を明確にする上においても、またそれに基づいてとられる措置を総合的に把握していただく上においても、個別に立案するよりも適切であると考えられる場合には、従来からしばしば法案を一括化してきたところでございます。
 国会審議の問題は、最終的には国会でお決めいただくことでありますけれども、今回の法案は平成三年度予算と一体不可分の重要な関連法案でありますことをどうぞ御理解賜りたいと考えます。
 地方公共団体に対する説明については、厳しい財政事情が続く中、これまで事業量確保などのため、補助率等の引き下げ等につき地方団体の御協力をいただいてきたところでありますが、六十一年度の補助率等まで復元した上、暫定措置を継続していきたいという立場に立って、今回も財政状況や事業量確保の強い要請等を踏まえ、地方公共団体にも御説明をしました。その影響額については、建設地方債の増発等により地方財政の運営に支障が生じないように措置をしているところでございます。
 地方財政はどう認識するかと仰せられますが、近年、中期的な財政健全化のための措置が講じられてきているものの、なお多額の借入金残高を抱えている現状と認識をいたします。このため、平成三年度においては、地方財政の円滑な運営に支障が生じないよう所要の地方一般財源を確保するとともに、地方財政の中期的な健全化を図ることといたしているところであります。
 今後とも、国と地方の役割分担の適正化を推進するとともに、地方財政の安定的な確保のため適切な措置を講じて、地方財政の確立を図っていく必要があると考えております。
 また、国会の決議のことにもお触れになりましたが、今回の取り扱いは、先ほども申し上げましたとおり、関係省庁間で総合的検討を行い、そのぎりぎりの結論として、依然極めて厳しい状況にある財政事情、事業費確保の強い要請その他を踏まえながら、過去の経緯、御指摘の国会決議等にも配慮して、公共事業に係る補助率等を六十一年度に適用された補助率等まで復元する措置を講ずることとしたものであります。どうぞ御理解をいただきたいと思います。
 また、今回の補助率等の将来の取り扱いをどうするかということでございましたが、今回は各省庁間の総合的検討の結論に従い、行革審答申等を踏まえ、体系化、簡素化等の観点から各省庁間で総合的検討を進めて、暫定期間内に結論を得るよう最大限に努力をし、その上で経済・財政事情、各公共施設の整備状況等を踏まえつつ、可能なものから逐次実施に移すことにしているところでございます。
 残余の質問につきましては関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(橋本龍太郎君) 野別議員にお答え申し上げます。
 まず第一に財政審答申との関連でありますが、平成二年十二月の財政審、「歳出の節減合理化の方策に関する報告」におきましては、歳出全般にわたり一層の節減合理化を進めることが必要と、そうした趣旨の指摘がなされております。その中で、公共事業などに係る補助率等の平成三年度以降の取り扱いにつきましては、「社会経済情勢の変化、国と地方の機能分担・費用負担の在り方、国と地方の財政事情、公共事業に係る事業費確保の要請等を勘案し、幅広い観点から総合的に検討して適切に対処する必要がある。」と指摘をされておりまして、今回の取り扱いは、かかる御指摘をも踏まえながら、関係省庁間におきまして文字どおり総合的に検討を重ねた結論によるものでございます。
 政府は、これまでも歳出の節減合理化につきましては、行財政改革を進めていきます過程において毎年度の予算編成や執行過程で常に努力をしてきたところでありまして、例えば年金・医療制度の改革、地方財政対策の改革、食管制度の合理化といったぎりぎりの節減合理化の措置を講じてまいりました。この結果、平成二年度予算におきましては特例公債脱却を実現し、また平成三年度予算におきましては公債発行額を二年度当初予算に比しまして二千五百二億円縮減し、公債依存度を七・六%にまで下げることができたわけであります。
 しかしながら、我が国の財政は、多額の公債残高、三年度末には百六十八兆円に達する残高を抱えておりまして、国債費が歳出の二割を超え、政策的経費を圧迫している状況など、依然として極めて厳しい状況にあります。したがって、今後の財政運営に当たりましても、後世代に多大の負担を残さず、再び特例公債を発行しないことを基本として、公債依存度の引き下げに努めることなどにより、行財政改革を引き続き強力に推進していかなければならないと考えております。
 また、国庫負担金制度につきまして、その負担割合につきましては、補助金の補助率と同じく、そのときどきの財政事情、国と地方の機能分担、費用負担のあり方などを踏まえながら必要な見直しを行っていくべきものと考えております。こうした見地から、国庫負担金の負担割合を含めまして補助率などについては、昭和六十年度以降、臨調・行革審答申を踏まえ、事務事業などを見直しながら、地方公共団体の財政運営などに支障を生ずることのないように適切な措置を講じながら、その総合的な見直しを行ってまいりました。
 平成二年度まで暫定措置が講じられてまいりました補助率などの平成三年度以降の取り扱いにつきましても、このような考え方に立ち、関係省庁間において、国、地方の財政事情、国と地方の機能分担、費用負担のあり方、公共事業などに係る事業費確保の要請などを勘案しながら、幅広い視点から総合的に検討を行ってまいった次第であります。
 今回の取り扱いにつきましては、自治省などを通じまして地方公共団体の御要望をも十分伺わせていただきました上、関係省庁間で総合的検討を重ねた結論として、依然極めて厳しい財政状況、事業費確保の強い御要請などを踏まえながら、地方の要望、過去の経緯などにも配慮し、財政当局としては大変厳しいものがありましたけれども、本法案の内容にもありますとおり、公共事業に係る補助率等を六十一年度に適用されました補助率などまで復元する等、暫定措置を講ずることとしたものでございます。
 なお、地方の負担に関する議員の御指摘及び公共事業などの補助率などの将来の取り扱いにつきましては、総理の御答弁と同じ考え方でございます。
 地方財政計画ベースで全体として最近の地方財政の状況を眺めますと、公債依存度、公債費比率などの指標は従来よりかなり低い水準となってきておるところでありまして、また、平成元年度、二年度に引き続き、三年度におきましても大幅な財源余剰も見込まれておるわけでありまして、以前に比べますと健全な財政状況になってきていると思われます。しかし、いずれにいたしましても、国と地方というものはこれは車の両輪であり、ともに行財政改革を積極的に推進していくことが必要であると考えております。(拍手)
   〔国務大臣吹田ナ君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(吹田ナ君) 野別議員にお答えします。新大臣でありますが、よろしく。
 最初に、国庫補助負担率の暫定措置の性格ということについてお尋ねがありましたが、これについてまずお答えをいたしたいと思います。
 国庫負担の問題でありますが、これにつきましては、国と地方との役割分担等を見直すことなく単に負担を転嫁するようなことは、国、地方の財政秩序維持の観点から適当でないと考えているところであります。今回も、自治省としましては、この基本的な立場に立ちまして、国と地方の信頼関係が損なわれることがないよう、また暫定措置を解消し、適切な補助負担率とするよう主張してきたところでありますが、厳しい財政の制約のもとで事業量確保の極めて強い要請もこれあり、補助率を一部復元した上で暫定措置を継続することとしたものであります。これによる影響額については臨時財政特例債等によりまして補てんし、地方団体の財政運営には支障が生じないように措置しているところであります。
 次に、前大臣の五十九年度の水準に云々という地方行政委員会での答弁を引用されましてお話がございましたが、このことにつきましては、国庫補助負担率の今後の取り扱いにつきましては、今回の決着に当たりまして、体系化、簡素化等の観点から関係省庁間で総合的検討を進め、平成五年度までの暫定期間内に結論を得るよう最大限努力し、可能なものから逐次実施に移すこととしております。地方団体の主張としては五十九年度水準への復元ということが原点となるものでありますが、自治省としましては、この総合的検討において、国と地方の信頼関係が損なわれることのないよう、適切な補助負担率とすべく最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
 三番目は、地方財政の現状認識についてのお話でありますが、このことにつきましては、地方財政は実は六十八兆円を超える巨額の借入金を抱えております。財政支出の面では、社会資本整備の充実、高齢化社会の進展への対応など、重要政策課題のために地方団体が今後やらなければならない仕事が山積しております。多額の財政需要がそういった意味からは見込まれるわけであります。また、地方財政は、国と異なり、三千三百の地方団体の財政の総体であり、財政事情もそれぞれの団体ごとにおのずと異なっております。財政力の弱い市町村が大多数を占めておるという御指摘でありましたが、そのとおりであります。これらの点をあわせ考えれば、地方財政は決して楽観できる状況にはないものと認識いたしております。
 今回の措置は、国の財政状況、事業量確保の要請等を踏まえたものでありまして、地方財政に余裕があるとの認識のもとに行われたものでは決してございません。今後とも、地方団体が住民生活に直結した社会資本の整備や地域住民の福祉の向上を積極的に展開し得るように、地方財政の健全化を図りつつ、地方税、地方交付税等の地方一般財源の充実強化に努めまして、地方財政の基盤の確立に向けて引き続き最大限の努力をしてまいる所存であります。
 最後になりましたが、地方行政委員会特別決議についてのお尋ねであります。
 このことにつきましては、補助負担率の取り扱いを決めるに当たりましては、第百十八回国会における特別決議を踏まえまして、自治省として、暫定措置を解消し、適切な補助負担率とするよう主張してまいったところであります。さきに申し上げましたように、現下の厳しい財政状況のもとでは、公共投資基本計画の目標を達成する等のため事業量の確保の極めて強い要請もこれあり、暫定措置を継続することとしたものであります。御了解と御理解を願いたいと存じます。
 以上であります。(拍手)
#10
○議長(土屋義彦君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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