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#1
第120回国会 本会議 第20号
平成三年四月十九日(金曜日)
   午前十時二分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十号
  平成三年四月十九日
   午前十時開議
 第一 再生資源の利用の促進に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第二 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 日本開発銀行法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第五 外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第六 国民金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第七 生産緑地法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第八 新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第九 鉄道整備基金法案(内閣提出、衆議院送付)
 第一〇 全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第一一 国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第一二 森林法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、国務大臣の報告に関する件(平成三年度地方財政計画について)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 一、地価税法案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(土屋義彦君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 平成三年度地方財政計画についての国務大臣の報告及び地方交付税法等の一部を改正する法律案についての趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。吹田自治大臣。
   〔国務大臣吹田ナ君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(吹田ナ君) 平成三年度の地方財政計画の概要及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し土げます。
 平成三年度の地方財政につきましては、近年中期的な財政の健全化のための措置が講じられてきたものの、なお多額の借入金残高を抱えている状況にあることにかんがみ、おおむね国と同一の基調により、歳入面においては、地方債の抑制に努めるとともに、地方一般財源の所要額の確保を図り、歳出面においては、地域の特色を生かした自主的、主体的な地域づくり、住民生活の質の向上のための社会資本の整備及び地域住民の福祉の充実などを積極的に推進するため必要な事業費を確保するなど、限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹することを基本といたしております。
 以下、平成三年度の地方財政計画の策定方針について御説明申し上げます。
 第一に、地方税については、住民負担の軽減及び合理化等を図るとともに、土地に関する税負担の公平、適正化を図りつつ、土地政策に資するため必要な措置を講じることといたしております。
 第二に、地方交付税については、地方財政の円滑な運営に支障が生じないよう、その総額を確保するとともに、地方財政の中期的健全化を図ることとし、交付税特別会計借入金の返済措置のほか、五千億円を減額する特例措置を講じることといたしております。
 第三に、国庫補助負担率の見直しにおいて暫定措置とされたものに係る影響額については、地方債等により所要の補てん措置を講じ、地方団体の財政運営に支障が生じることのないよう措置しております。
 第四に、地域経済の振興や雇用の安定を図りつつ、地域づくりを進めるとともに、公共投資基本計画を踏まえた住民生活に直結した社会資本の整備、地域住民の福祉の充実、住民生活の安全の確保等を図るため必要な事業費の確保等、所要の措置を講じることといたしております。
 第五に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るため、定員管理の合理化及び一般行政経費等の抑制を行うとともに、国庫補助負担金について補助負担基準の改善を進めることといたしております。
 以上の方針のもとに平成三年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は七十兆八千八百四十八億円となり、前年度に比し三兆七千四百四十六億円、五・六%の増加となっております。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 第一に、平成三年度分の地方交付税の総額につきましては、地方交付税法第六条第二項の額から、同法附則第三条の規定に基づく特例措置額四千五百二億円、昭和六十年度分の地方交付税の総額の特例に係る一部返済額四百九十八億円、交付税特別会計借入金利子支払い額六百二十七億円及び同特別会計借入金償還額一兆七百十九億円を控除した額とすることといたした結果、十四兆八千四百四億円となっております。
 また、このうち特例措置額四千五百二億円に相当する額については、平成四年度から平成十三年度までの地方交付税の総額に加算するほか、五千八百十一億円を平成六年度から平成十一年度までの地方交付税の総額に加算することといたしております。
 さらに、平成三年度分の普通交付税の算定につきましては、自主的な地域づくりの推進、高齢者の保健福祉の増進等、地方団体が必要とする経費の財源を措置することとするほか、土地開発基金費、地域福祉基金費及び財源対策債償還基金費を設けるため単位費用を改定すること等としております。
 第二に、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置並びに首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置につきましては、都道府県分の利子補給措置及び市町村分の国庫補助負担率のかさ上げ措置について見直しを行った上、それぞれの適用期間を五年間延長することとしております。
 以上が平成三年度の地方財政計画の概要及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 何とぞよろしくお願いいたします。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#6
○議長(土屋義彦君) ただいまの報告及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。岩本久人君。
   〔岩本久人君登壇、拍手〕
#7
○岩本久人君 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、ただいま議題となりました平成三年度地方財政計画及び地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、海部総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 質問の第一は、海部総理の政治姿勢についてであります。
 御存じのように、第十二回の統一自治体選挙は、さきの前半戦、知事・県議選に引き続き、現在その後半戦が全国一斉に熾烈に戦われております。
 今回の選挙の争点は、いろいろ言われておりますが、その特徴の大きなものの一つには、中央対地方という構図の中で、いわゆる地方の時代とは何か、地方自治とは何かが問われていると思うのであります。この際、海部総理の、地方自治とは何か、そしてそれはどうあるべきかについての基本的な見解を伺うものであります。
 また、これに関連し、全国的に注目されたあの東京都知事選、中でも一兆円減税問題について伺います。
 御存じのように、先般の東京都知事選に立候補された磯村尚徳氏は、告示前の三月六日の記者会見で、その政策の目玉公約として、地方税である東京都民税の一兆円減税を掲げられました。選挙に出る者、だれがどのような公約を挙げようが全く自由であり、その責任のすべてはその候補者自身に帰属をいたします。しかし、その内容が地方財政法、地方自治法との深いかかわりなしには実現不可能であるにもかかわらず、時の総理大臣がそれを保証されたということになると、単なる出来事として見過ごすわけにはまいりません。しかも、もし本当に一兆円減税が実施されれば間違いなく起債が制限されるのではないかという心配に対しては、自治体が本来持っている課税自主権を行使しにくくしている現在の起債制限制度を撤廃するために努力するという具体的方針まで示されたわけでありますので、その思いは一層であります。もちろん、このこと自体、実は私どもも長年にわたり強く要望してきたことでありますので全く異論はありません。
 この際、海部総理にはこの問題について今後具体的にどのように対応されていくのかお伺いをいたします。同時にまた、この点についての自治大臣の見解も伺うものであります。
 質問の第二は、政府の地方自治尊重に対する基本姿勢についてであります。
 いわゆる行政改革が天の声のように言われ、第二臨調が設置されてから早いものでもう十年が経過をいたしました。しかし、この十年を振り返ってみますと、国と地方との関係においては、まだまだ多くの国民の期待に反し、基本的な問題では何ら改善されていない分野が余りにも数多く残されております。その中で、私は特に三つの例を挙げさせていただきます。
 その第一は、いわゆる陳情行政と言われるものについてであります。
 平成三年度の政府一般会計における補助金制度の件数は、御存じのとおり二千三百件、その総額は十五兆六千五百六十一億円に及びます。そして、この十数省庁にまたがる補助金を獲得するために、全国の自治体を初めとする各種団体等は年がら年じゅう大変な時間と経費をかけて熾烈な陳情合戦を展開しているのであります。
 例えば私の地元、山陰は島根から一人一回上京するのにどれだけのお金がかかるのか。実は少なく見積もっても十万円はかかるのでありますが、これを果たして一年間に延べ何百人いや何千人動員しているのか。また、それを全国三千三百の自治体や各種団体等に拡大すると一体どれほどになるのか。関係当局の試算では、その経費は一年間に実に数百億円に上ると言われているのであります。しかもその間、各県や議会の幹部、市町村長、さらには農林・漁業・建設団体等の長等は、それぞれの自治体やその守るべき部署を不在にするわけでありますから、勢い行政や経済に大きな弊害が出ておるのであります。この陳情にかかわる莫大なエネルギーを少しでも減少させることはできないか、無理とむだの多いこの無秩序な陳情合戦を何とかやめさせることはできないかということを、私は、過去約三十年間に及ぶ地方の県庁職員、県議会議員としての経験を通し、真剣に考えてまいりました。しかし、私の願いとは裏腹に、その実情は年々御存じのようにエスカレートしているのであります。
 したがいまして、私はまず、こうした問題についての海部総理の基本的な見解を伺いたいと思うのであります。
 次に、第二の例として指摘をしたいのは、いわゆる天下り人事であります。
 全国のすべての都道府県や大きな市の主要ポストが中央の各省庁の縄張りとされ、入れかわり立ちかわり中央の官僚が腰かけでポストを占めております。自治体の中には、知事や市長を含め、その主要ポストのほとんどが天下りや中央の押しつけ人事である場合も多く見られ、結果として、そのことが東京一極集中に象徴される中央集権効果をより深めていると思うのであります。
 海部総理には、この天下り人事というものについてはどのような見解をお持ちか、その現状を含めお答えをいただきたいのであります。
 そして第三が、国と地方の行政的、財政的な役割分担とその負担の問題であります。
 御存じのとおり、地方六団体は、ここ十数年、毎年のように機関委任事務や許認可事務の整理、行政事務の再配分を強く求め続けておりますが、政府は、そうした要望には応ぜず、補助負担率の削減や今回のような交付税の特例減額など、国の財政事情をまず優先させ、そして地方財政への負担転嫁を再三押しつけているのであります。
 こうした地方自治軽視の現状をどのように認識されているのか、また、今後これをどう改革されるおつもりなのか、海部総理の見解を求めます。
 また、国と地方の財源配分を見ますと、平成二年度の税源等でいう形式配分は、国が六四・六%に対し地方が三五・四%であります。その上、地方税の現状を見ますと、過去政府の税調において懸案事項とされてきた課題が、そのまま今日においてもなお多く残っているのであります。例えば、事業税における医師の社会保険診療報酬の非課税措置、株式譲渡益課税において源泉分離が選択された場合地方税が非課税となること、法人事業税の外形標準課税、事業所税の課税団体の拡大等の問題が放置されているのであります。
 一方で不公平税制の是正が叫ばれ、地方税源の拡充が要請されながら、現実は逆行すらしているという現状を、大蔵大臣、自治大臣はどのように把握され、そしてこれをどう改革されようとしておるのか、税源の不均衡問題を含めて具体的にお伺いをいたします。
 質問の第三は、今回提案をされている地方交付税の特例減額五千億円に関する問題についてであります。
 現在の地方財政の現況は、約六十八兆円に上る借入金残高を抱えながら、一方では高齢化社会への対応、生活環境施設の整備などの政策課題が山積しており、とても地方交付税を減額するなどという余裕は全くあり得ないものと私は思っておりますが、総理並びに大蔵大臣のこの点についての現状認識と、同時に、なぜ今回特例減額を行うのか、その理由をお伺いいたします。
 また、今回のように国の財政上の一方的な都合によって地方団体共有の固有財源である地方交付税が不当に減額をされる、このことは附則第三条の趣旨からも許されないことだと思います。同時にまた、この点については、先般の国会答弁でも、大蔵大臣は、五十九年度改正はあくまでも当分の間の暫定措置であり、法第六条の三第二項の本則は今日においても厳然と生きていると述べられておるのであります。大変重要な問題でありますので、以下三点について、改めて自治大臣の見解を求めるものであります。
 その一つは、附則第三条は、交付税制度について国と地方の間の年度間調整を規定したものであるのかどうか。そうであるなら、借り入れをやめて特例措置を行うとしたことのどこが制度改正だと言えるのであろうか。その二は、借入金の繰り上げ償還は地方財政の健全化に入ると思いますが、一般的な貸借も健全化と考えられるのか。その三は、附則第三条でいう「当分の間」とは、どういう状況で定められ、どのような状況になれば発動しなくなるのか。
 以上、明快な答弁をお願いする次第であります。
 質問の第四は、地域福祉基金の拡充等、高齢者保健福祉対策についてであります。
 御存じのように、政府は、高齢者保健福祉推進十カ年戦略を樹立し、高齢者の保健福祉分野での施設整備を進めることとしておりますが、地域が求めているホームヘルパーや看護婦、保健婦などソフト面での対応が必ずしも十分ではありません。今回、新たに各都道府県や市町村に地域福祉基金を設け、総額二千百億円が地方交付税により財源措置されたこと、それはそれなりに評価するものであります。しかし、基金への算入も市町村の標準団体で約八千万円程度であり、その運用益も五百万円程度にしかならず、これでは万全の対策とはなり得ません。縦割り行政の枠を越えて地域福祉を充実するためには、使途を民間活動の助成に限定せず、官民の福祉マンパワー養成等にも使用できるようにするとともに、この基金については今後一層の拡充をしていくべきではないかと思いますが、この点についての自治大臣の見解を伺います。
 また、高齢者保健福祉等の増進を図るためには、地方財政計画において、言うまでもなく必要な保健、医療、福祉関係職員の人員を確保するとともに、処遇改善についても適切に措置すべきと思いますが、自治大臣、厚生大臣のお考えを伺います。
 さらに、平成元年度において千百四億円の赤字を抱え、二百四十七市町村で赤字となっている国民健康保険制度についても、住民負担の軽減を図る立場から財政措置を抜本的に改める必要があると思いますが、自治大臣、厚生大臣の見解を伺います。
 質問の第五は、地方財政計画の的確な策定についてであります。
 計画と決算との乖離については、これまでもたびたび指摘をされました。毎年度の見込み額の策定に当たっては、地方団体の代表の意見を聴取することを制度化するとともに、財政需要額を的確に反映させるよう努めるべきだと思いますが、自治大臣の見解を伺います。
 質問の第六は、地方公共事業と地方公営企業対策の充実強化についてであります。
 昨年策定されました基本計画によりますと、国民の日常生活に密接に関連した社会資本を重点的に整備していくものとしております。そのためには、特に立ちおくれている下水道等、公共施設の整備のための財源措置を積極的に充実させる。第七次下水道整備五カ年計画では、国、地方の財源措置はどのように改善されるのか、特に中小規模市町村に対する財源対策はどうか、また初年度に当たる平成三年度では国庫補助制度等の改善を含めどうされるのか、自治大臣、建設大臣にお伺いいたします。
 また、上下水道、交通、病院事業に対する一般会計からの繰り出し金の充実を図ること等が必要ではないかと考えますが、自治大臣の見解を求めます。
 最後に、地方自治体におきましては、特に近年、住民のニーズの多様化により次々と新しい行政需要が増大しており、他方、地域の経済力格差による新たな地域間の財政力格差が拡大し、看過し得ない状況になっております。政府は、今こそ従来の発想を転換し、我が国の経済構造の変化に対応した思い切った……
#8
○議長(土屋義彦君) 岩本君、時間が超過いたしております。簡単に願います。
#9
○岩本久人君(続) 地方税財政制度の改革や基準財政需要額の抜本的見直しを行い、地方と地方自治体の要望にこたえるべきであると思います。海部総理大臣の基本的見解をお伺いし、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(海部俊樹君) 岩本議員にお答えをいたします。
 地方自治は民主政治の基盤であり、私は、住民に最も近い立場にある地方公共団体が自主性、自律性の強化を図っていくべきことが大切と考えております。
 また、都知事選においての問題にお触れになりましたが、私は減税そのものには賛成の立場を述べて候補を激励したわけでありますが、結果があのようなことになり、厳粛に受けとめております。
 また、陳情行政に対する考え方については、国の補助金等の配分は合理的、客観的な基準により行われるべきことが基本であります。各地方団体においても、みずからの創意と工夫によって地域の実情に即した計画的、総合的な行政運営を行うことが強く望まれるところであります。
 各省庁の人事のあっせんは、地方公共団体の要請に基づいて行われているものと承知しますが、このような人事の交流は、国と地方が相互理解を深める上でも有益な成果を上げているものと思料します。
 次に、地方交付税の特例減額は、所要の地方交付税総額を確保した上で年度間調整の措置として行ったものであります。公共事業に係る補助率等の扱いについては、関係省庁において諸事情を勘案した上、六十一年度に適用された補助率等まで復元することとしております。地方団体の財政運営に支障の生ずることのないよう、所要の措置を講ずることとしております。
 地方財政は、健全化のための措置が講じられてきたものの、なお多額の借入金を抱えている現状と認識しておりますが、今後とも国と地方の役割分担の適正化を推進し、地方財源の安定的な確保のため適切な措置を講じていく必要があると私も考えております。
 地方団体間の財政力の格差に対しては、従来から地方交付税制度を通じて財源の均てん化に努めております。今後とも、地方税源の地域的偏在の是正に資するための措置について検討してまいりたいと考えます。
 残余の質問は関係大臣から答弁いたします。(拍手)
   〔国務大臣吹田ナ君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(吹田ナ君) 岩本先生にお答えをいたします。
 都知事選挙における公約については、自治省としましては特に申し上げることはありません。
 また、地方債の発行に関する地方財政法等の規定の趣旨は、世代間の負担の公平や財政の健全性の確保という地方財政運営の基本原則に基づくものでありまして、地方制度調査会などの御意見をお聞きしながら、慎重に検討してまいりたいと考えております。
 次に、国、地方間の税財源の配分でありますが、個性豊かな活力ある地域社会の形成と住民福祉の向上を図る上で、地方税源の充実は引き続き重要な課題であると考えておりますが、この問題につきましては、国、地方を通ずる事務配分などに関連する地方行財政制度全般のあり方とも関連する問題でありますので、地方制度調査会、税制調査会などの御審議を煩わしつつ、適切に対処してまいる所存であります。
 次に、地方交付税の減額措置は、「交付税の総額の安定的な確保」と規定しておる地方交付税法の附則第三条に基づき講じたものでありまして、規定の趣旨から見まして適切を欠くものではないと考えております。
 次に、地方交付税の年度間調整と国との貸し借りなどについてのお尋ねでありましたが、一つ目に、昭和五十九年度の改正によって地方交付税法の附則第三条が設けられたところでありますが、この改正は同法第六条の三第二項の地方行財政制度の改正に当たるものと考えております。二つ目に、附則第三条は、これをもって直ちに年度間調整制度と言うことはできませんが、結果として交付税総額の年度間の調整という効果を生ずる場合もあるものであります。三つ目に、また附則第三条の特例措置は、交付税の総額の安定的な確保に資する観点から講じたものであります。
 次に、地方交付税法附則第三条は、国、地方間の恒久的な財源配分の変更が困難であり、他方、従来の借入金方式を続けることも適当でないという状況のもとに、当分の間の暫定的な制度として設けられたものでありまして、その後この規定の趣旨に則して各年度適切な措置を講じているところでございます。
 地域福祉基金についてでありますが、地方団体が直接実施する諸施策に対しては別途地方交付税等の財源措置を行いますので、この基金の使途は民間事業を想定しているものであります。今後の取り扱いにつきましては、地方団体の取り組み状況等を見ながら検討してまいりたいと存じておりますが、できるだけ積極的な姿勢で考えております。
 次に、高齢者保健福祉対策についてその推進を図ることは、国、地方を通じて重要な課題であり、今後とも、関係省庁の要望等を踏まえつつ、地方団体の施策の推進に支障が生ずることのないように対処する考えでおります。
 次に、国保についてでありますが、国保財政は引き続き厳しい状況にあります。住民負担の状況等にもかんがみ、自治省としては、的確な対策が必要であると考えており、今後とも関係省庁と連携し努力してまいりたいと存じております。
 次に、地方財政計画の策定に当たっては、かねてより地方団体の意見を十分踏まえて対処しているところであります。今後とも、地方団体の計画的な行政の運営を保障するため、地方団体の財政需要を的確に把握して地方財政計画の一層の充実を図ってまいります。
 次に、下水道の整備につきましては、中小市町村における事業の円滑な実施についても留意しろと、こういうことでありましたが、これにつきましては、十分留意し、平成三年度以降においても所要の財政措置を積極的に講じてまいり、促進ができますように考えておる所存であります。
 最後でありますが、地方公営企業に対する一般会計繰り出しについては、これまでもその充実を図ってきたところであります。今後とも、事業の実態等を踏まえまして適切に対処してまいりたいと考えております。
 以上で御了承いただきたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(橋本龍太郎君) 岩本議員から私に対するお尋ねは二点ございました。
 まず第一に、国、地方間の税源配分の問題につきましては、これは単に地方税だけではなく、地方交付税や国庫支出金など、さまざまな制度のあり方にかかわる問題であり、今後とも国と地方の機能分担及び費用負担のあり方の見直し、あるいは国と地方の財政状況などを踏まえながら、幅広い見地から検討をすべきものだと考えております。いずれにいたしましても、地方財政につきましては、その円滑な運営に支障のないよう従来から配慮してきているところでありまして、今後とも適切な措置を講じたいと考えております。
 また、現状認識についてのお尋ねがございました。これは、地方財政計画のベースで全体として最近の地方財政の状況を見ますと、公債依存度、公債費比率などの指標は従前よりかなり低い水準になってきているところでありまして、また、平成元年度、二年度に引き続き、三年度におきましても大幅な財源余剰が見込まれており、健全な財政状況になってきている、そのように考えております。平成三年度の地方財政収支見通しにおきましては、歳入面において地方税、地方交付税の高い伸びが見込まれます一方で、歳出面におきましては、国、地方等をあわせた公共投資の伸びを確保するため、投資単独事業の大幅な伸びを見込むほかに、高齢者福祉や社会資本整備のための所要の歳出を見込んでおります。このような円滑な地方財政運営のための所要の交付税総額を確保いたしましても、なお大幅な財源余剰が見込まれることから、地方財政の中期的な健全化を図りますため、まず交付税特会借入金の繰り上げ償還を行うなど、地方財源不足時代などに生じた特例的な借金の返済を実質的に完了させた上で、いわゆる年度間調整としての地方交付税の特例減額などを行うものとしたものであります。(拍手)
   〔国務大臣下条進一郎君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(下条進一郎君) 岩本議員にお答え申し上げます。
 お尋ねは二点でございますので、第一点についてまず最初にお答え申し上げます。
 第一点は、地方財政計画等における保健、医療、福祉職員等の人員の確保についての件でございます。
 御承知のように、二十一世紀の本格的な高齢化社会に向けて高齢者保健福祉の推進を図るためには、これに必要なマンパワーの確保が最重要でございますし、今後とも、地方財政上の措置を含め関係省庁と連絡をとりながら、必要な人員の確保に努めてまいりたいと考えております。また、保健医療・福祉マンパワーの確保を図るための職員の処遇の改善等の対策につきましては、平成三年度においても必要な施策を実施することとしているところでありますが、厚生省に設置している保健医療・福祉マンパワー対策本部が先般公表いたしました中間報告に沿いまして、さらに検討を進めて充実を図ってまいりたい、このように考えております。
 第二点は、国民健康保険制度についても財政措置を抜本的に改める必要があるのではないかというようなお尋ねでございます。
 この保険は我が国の皆保険体制の基礎をなす重要な制度であると認識しておりますが、加入者の年齢構成が高い等の要因によりまして医療費が高くなっておりまして、保険料、また一部税でございますが、その負担も高くなっております。このため、これまで老人保健制度や退職者医療制度の創設等、一連の制度改革を実施してきたほか、昨年六月に国民健康保険法の改正を行いまして、保険基盤安定制度の確立、国庫負担の増額等の措置を講じたところであります。こうした制度改正の効果を踏まえまして、高齢者保健福祉推進十カ年戦略、いわゆるゴールドプランを着実に実施するなど、総合的な対策を講じることによりまして国民健康保険制度の安定化に努めてまいりたいと考えております。
 なお、今国会に提出しております老人保健法の改正案が成立いたしますれば国保財政にも資することになりますので、法案の早期成立をぜひともお願いしたいと思います。よろしくお願いします。(拍手)
   〔国務大臣大塚雄司君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(大塚雄司君) お答え申し上げます。
 財源措置等につきましては自治大臣からお答えをしたところでありますが、建設省といたしましては、新たに平成三年度を初年度とする第七次下水道整備五カ年計画を策定いたしまして、平成七年度末までに下水道の処理人口普及率を現在の四四%から五四%に引き上げることを目標といたしまして、計画的な下水道の整備を推進する考えでございます。新五カ年計画の総投資額は十六兆五千億円、前五カ年計画の一・三五倍でありますが、このうち国庫補助の対象となる一般公共事業は十兆円でございまして一・五倍となっているところでございます。特に普及のおくれている中小市町村の整備を促進するために、過疎市町村が実施する下水道事業の都道府県代行制度、また下水道未着手市町村の新規着手を促進するための下水道基本計画策定費補助制度等の制度創設を行ったところでございます。これらの施策の着実な推進によりまして、おくれている下水道整備を積極的に推進してまいりたいと存じます。(拍手)
#15
○議長(土屋義彦君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#16
○議長(土屋義彦君) この際、日程に追加して、
 地価税法案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。橋本大蔵大臣。
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま議題となりました地価税法案の趣旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、土地税制改革の一環として、土地基本法に定められた土地についての基本理念にのっとり、土地に対する適正公平な税負担を確保しつつ、土地の資産としての有利性を縮減し土地政策に資するため、土地の資産価値に応じて負担を求める地価税を創設するものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、地価税の納税義務者は、国内にある土地及び借地権等を有する個人または法人としております。
 第二に、課税の対象は、個人または法人がその年一月一日の課税時期において有する土地等としております。
 第三に、非課税とされる土地等については、国、地方公共団体その他の公共法人が有する土地等及び公益法人等がその業務目的に関し有する土地等のほか、自然・国土保全、医療・社会福祉、文化・教育、交通・通信、水道・エネルギー等に関する一定の公益的な用途に供されている土地等を非課税としております。
 また、みずから所有し居住している住宅や他人に貸し付けられている住宅の用に供されている千平方メートル以下の部分の土地等を非課税とすることとしております。
 以上のほか、一平方メートル当たりの更地の価額が三万円以下である土地等について非課税とすることといたしております。
 第四に、課税価格は、個人または法人が課税時期において有する土地等の価額の合計額としております。
 なお、優良住宅分譲予定地等については、課税価格に算入する金額を土地等の価額の五分の一とし、また、協同組合等の有する土地等その他一定の土地等については、二分の一に軽減する特例措置を講ずることとしております。
 第五に、課税価格から控除する基礎控除は、資本の金額が一億円を超える法人にあっては十億円とし、個人及び中小法人等にあっては十五億円としております。なお、非課税とされるもの以外の保有土地の面積に三万円を乗じて計算した金額が十億円または十五億円を上回る場合には、この計算した金額によることとしています。
 第六に、税率は、千分の三としております。なお、平成四年については千分の二といたしております。
 第七に、土地等の価額の評価については、相続税と同様に、課税時期における時価によることとしております。
 第八に、地価税の申告、納付については、その年の十月一日から同月三十一日までの間に申告し、地価税の額の二分の一に相当する金額を申告書の提出期限までに、その残額を翌年三月三十一日までに納付することとしております。なお、平成四年の申告書の提出期限については、平成四年十一月十六日から十二月十五日までとしております。
 その他、税務署長等に対する固定資産課税台帳等の供覧規定など所要の規定を設けることとしております。
 さらに、地価税の負担のあり方については、少なくとも五年ごとに、固定資産税の土地の評価の適正化等を勘案しつつ土地の保有に対する税負担全体の状況等を踏まえて検討するものとし、必要があると認めるときは、地価税の課税対象及び税率等について所要の措置を講ずるものとすることとしております。
 なお、この法律は平成四年以後の課税時期において個人または法人が有する土地等に係る地価税について適用することとし、施行に当たり所要の経過措置を設けております。
 以上、地価税法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#19
○議長(土屋義彦君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。三上隆雄君。
   〔三上隆雄君登壇、拍手〕
#20
○三上隆雄君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました地価税法案について、総理及び関係大臣に対して質問を行います。
 それに先立ちまして、まず、今般行われました日ソ首脳交渉に当たって、大変厳しい複雑な状況の中で、日夜を徹し交渉に当たられた御労苦に対して心から敬意を表する次第であります。
 そこで、総理は、国会決議や国民の大きな期待にどうこたえたのか、総理自身の御見解をお尋ねいたします。
 言うまでもなく、国民生活の基盤は家庭であり、国民が安心して生涯計画を設計できる社会を維持発展させることが政府の最重要課題であります。ところが、政府の戦後政策の重点は産業振興、大企業優遇に終始し、土地住宅政策は貧困の一語に尽きるものであります。今回の地価暴騰は、歴代自民党政権が我が国経済の発展を支えてきた勤労者の切実なる要求である土地政策を放置してきた当然の帰結であります。これまでの政府の土地住宅政策を振り返って、総理の率直な御所見をお尋ねいたします。
 今回の大都市圏を中心とする地価高騰に端を発した土地問題は、岩戸景気の一九五〇年代、そして日本列島改造ブームの一九七〇年代前半に続く、戦後三度目の大きな地価高騰であります。今度こそ地価高騰の原因を究明し、今後このような事態が再発しないよう断固たる措置が求められているところであります。中曽根内閣が誘導した民活ブーム、国際都市東京への企業集中を契機としたオフィス需要の増大が火つけ役となり、国民に根強い土地神話、金融緩和とこれに乗じた金融機関や不動産業者の反社会的な土地投機、そして持てる者に有利な土地税制が増幅要因となって地価は上昇の一途をたどり、土地は国民の手の届かないものとなったのであります。国民の生活権を侵すような今回の事態を総理はどう受けとめ、また土地政策の責任者である国土庁長官、そして金融、税制の責任者である大蔵大臣はどう受けとめているのか、御所見を伺いたいと思います。
 このような状況の中で、土地政策において、土地税制を従来の補完的立場から主役の一つとしてその重要性を認め、抜本的な改革を図ることが土地税制改革の目的のはずであります。しかし、その内容は不明確、不十分であると言わざるを得ません。
 以下、その幾つかの問題点について明確な御答弁を求めます。
 政府税制調査会の答申によれば、今回の土地税制改革の視点は、土地基本法に基づき土地の公共性を優先し、土地神話の打破、土地の税制上の有効性の縮減、税負担の適正公平の確保の実現であるとされております。
 まず、地価税の地価引き下げ効果について伺います。
 先日発表された地価公示によれば、地価の横ばいあるいは下落傾向が見られますけれども、現在の地価と正常な地価水準との間にはまだまだ大きな開きがあります。このバブル現象の解消が必要であり、地価税導入によってこのバブルを一掃できるのでありましょうか。政府は、消費税導入に際しては、物価に与える影響、家計負担に及ぼす影響を提示しながら、地価税については、前提の置き方が難しいとか必要書類が整備されていないなどを理由として、何らの影響予測をも行っておりません。しかし、それは国民無視も甚だしいものであります。予測すれば、民間研究機関や財政学者が指摘するように、当然効果がないことを認めることになるからではありませんか。また、資料不備とすれば、そのような状態で地価税を適正に実施できるのでしょうか。総理、大蔵両大臣はこの点をどのように考えているのか、お尋ねをいたします。
 次に、地価税の今後の地価高騰に対する歯どめ措置についてであります。
 現在の地価の上昇鈍化傾向は、不動産融資の総量規制と貸出金利の上昇という一時的な現象であります。地価の長期的抑制のために、土地の税制上の有利性の縮減、税負担の適正化といった根本的・恒久的措置は不可欠であります。この地価税にはそれを期待できるのでしょうか、大蔵大臣の御所見を伺いたいと思います。
 地価税の我が国経済に対する影響が不透明なのは、地価税の基本要件である税率、基礎控除、そして非課税範囲を、政府税調の答申で言われていたものを、自民党税調の審議の中で骨抜きにしたからであります。地価税の基本的部分が政治的な取引材料となるさまは、まさに売上税や消費税の決定過程の再現であります。国民生活に直結した地価税であればこそ、税率水準、基礎控除及び非課税範囲には明確で合理的な基準があってしかるべきであります。これらはどのような根拠に基づき設定されているのか、大蔵大臣の具体的な説明を求めます。
 まず、税率については、政府税調は「事業経営の継続に配意すると同時に土地の資産としての有利性を縮減する程度のもの」と答申し、それは一%と言われていました。しかし、現在提案されている〇・三%の税率は、政府税調が考えていた一%に対し、土地の有利性を残したまま企業に大幅譲歩した不十分なものと言わざるを得ません。大蔵大臣から、〇・三%でなければならない理由、根拠を示していただきたいと思います。
 次に、基礎控除についてであります。基礎控除額の基準を法人の十億円あるいは個人等の十五億円とした根拠、そしてまた、一平方メートル当たり三万円という単価控除の設定は、何のために、どのような基準で決定されたのかをお伺いいたします。
 それに、非課税範囲であります。その中に居住用の土地等も含まれ、その面積要件は一千平米以下となっております。この要件は広過ぎるのではありませんか。
 このような基本的な仕組みに問題を抱えている地価税では、資産格差を拡大し、税負担の公平性確保が期待できません。地価高騰は、持てる者と持たざる者との格差、あるいは法人と個人との格差の拡大をもたらしました。低成長時代に入り賃金の伸びが低くなる中で、地価が急上昇したため、年収の五倍と言われてきた住宅購入の目標額が一挙に十倍前後にまではね上がってしまいました。持たざる勤労者は働く意欲を失い、その一方で、持てる者は不動産投資や節税対策による財テクゲームに走ったのであります。これに追い打ちをかけたのが、所得税率の累進課税緩和、消費税導入といった一連の税制改悪であります。その結果は、持てる者や高額所得者に厚く持たざる者や低所得者には冷たい、税収確保優先型の租税制度となったのであります。
 そこで、政府は資産格差の現状をどのようにとらえているのか。また、今回の地価税を含めた土地税制改革は資産格差の是正にどれだけ実効性があるのか。さらに、その他の土地対策とあわせて、地価は総合土地対策要綱でいう勤労者の住宅取得が可能な水準まで低下するのか。また、その場合の地価水準とはどの程度なのかについて、大蔵大臣の御答弁を求めます。
 現行税制では保有課税は地方税だけであり、その代表である固定資産税は主要な地方財源となっております。保有課税の検討に当たっては、この固定資産税の評価の適正化、地域間格差の是正を行えば十分であり、国税としての地価税を導入するのは屋上屋を重ねることであるというのが自治省などの見解でありました。このような地方サイドからの意見をも踏まえて、本法律案には固定資産税の負担状況等を勘案した地価税の五年ごとの検討規定が盛り込まれております。
 そこで、自治大臣には、地価税に対する評価と今後の固定資産税評価の適正化の実現性について、また大蔵大臣には、固定資産税評価の適正化が実現された場合に地価税は廃止される運命にあるのか、それとも税率の引き上げ等はあっても全国一律の保有税である地価税の存在意義は消滅しないと考えているのか、それぞれの御答弁を求めます。
 最後に、土地対策としての金融政策についてお尋ねいたします。
 現在、地価対策としては、国土利用計画法による監視区域制度、そして不動産融資の総量規制など、一時的に抑止抑制効果が働いていると言えるでしょう。本来金融政策と地価政策は別のものでありますが、バブルが完全に崩壊していない以上、地価政策としての総量規制は継続すべきであり、地価の徹底的な引き下げと不祥事を起こした金融機関への断固たる処置など、金融制度からの適切な措置が肝要と考えます。その再発防止対策について大蔵大臣の御所見を伺います。
 以上述べてまいりましたが、土地問題は、国民の勤労意欲、社会的公正公平、その他社会生活に及ぼす影響は甚大なものがあります。同時に、都市の緑地空間をこれ以上減少させずに、しかも都市機能と都市環境を維持するためにも、大都市を中心とした一極集中がもたらす過密の諸条件を排除し、過疎化の進む地方への社会資本の整備、経済基盤の拡充をすることが人口の分散を可能とするものであります。それが四全総の求める均衡ある国土づくりであります。それがまた土地対策の根本的解決の道だと思います。
 そこで、国民の生活権防衛のため、総理の土地対策に取り組む決意のほどをお伺いして、私の代表質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(海部俊樹君) 三上議員にお答えを申し上げます。
 最初に、温かいお言葉で激励をいただき、ありがとうございました。
 続いて、御質問の土地政策についてお答えいたしますが、このため、これまでも土地取引規制、土地関連融資の規制、住宅宅地供給の促進、土地の高度有効利用の促進など、各般にわたる施策を今日まで行い続けてまいりましたが、それは土地基本法を踏まえて、今年一月二十五日には、総合土地政策推進要綱を閣議決定いたしました。近時においては、東京、大阪等で地価の鎮静化傾向が見られるなど、土地対策の成果の兆しが見えてきておりますが、予断を許しません。今後とも注目して政策努力を続けていかなければならないと決意をいたしております。
 また、今回の地価高騰は、御指摘のように、資産格差の拡大、そうして不公平感を世の中にもたらし、社会経済に深刻な影響を与えたことは十分認識をいたしております。今後は、税制、金融、土地利用計画等について総合的に強力な対策を行い、土地神話を崩すよう政府一体となった取り組みを展開していく考えでおります。
 住宅政策にお触れになりましたが、戦後四百二十万戸の住宅不足からスタートした我が国は、その後の活発な住宅建設によって住宅数だけで見れば世帯の数を一割超えるところまでになり、量の問題はほぼ解決したと考えておりますが、質の問題において解決すべき問題がたくさん残っております。住宅建設五カ年計画に基づいて、生活水準、居住水準、それぞれ向上を目指して住宅対策を積極的に行わなければならないと思います。しかしながら、大都市地域を中心とした地価高騰によって良質な住宅の確保が困難となっているところから、総合土地政策推進要綱に基づき住宅対策を総合的に進めていかなければならないと考えております。
 地価税は、土地の保有コストを増大させ、土地の有利性の低下や中長期的な土地の有効利用を通じて地価の低下をもたらす効果があるものと考えておりますが、このたびの土地税制の改革は、この地価税の導入のほか、固定資産税、譲渡課税、農地課税の見直しなど総合的な見直しを含むものであり、これらが相まって全体として土地の資産としての有利性の縮減、有効利用の促進などによって地価の抑制低下につながっていくことを私どもは強く期待をし、努力を続けてまいりたいと思います。
 最後に、土地問題に取り組む決意いかんということでございますが、土地基本法を踏まえた今後の総合的な土地政策の指針は、総合土地政策推進要綱として閣議決定をし、お示ししたところであります。今後はこれに従って、税制、金融、土地利用計画などを着実に総合的に推進し、政府一体となって取り組んでいく決意であります。
 残余は関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(橋本龍太郎君) 三上議員にお答えを申し上げます。
 まず第一点は、今回の地価高騰、土地問題について、金融、税制の責任者としてどう受けとめているかという御指摘でありました。私は、近年の地価高騰に際し、私どもの所管する部分における対応というものがそれを助長した責任を全く認めないというようなことを申し上げるつもりはございません。むしろ私どもとしては、そうした反省の上に立ちまして、平成元年十二月に制定されました土地基本法というものを受け、土地についての公共の福祉優先、適正かつ計画に従った利用、投機的取引というものを抑制する、こうした基本理念が定められましたものを受け、我々としての対策をより強固なものにしていきたい、そのように考えております。また、この土地基本法に盛り込まれたその精神を受け総合土地政策推進要綱を決定いたしたわけでありますが、この中におきまして、土地税制、金融機関の土地関連融資問題、あるいは国有地の利活用、こうした私どもの関連する分野について円滑かつ着実に実施してまいりたいと考えております。
 地価税の導入により地価の引き下げ効果はどうかという御指摘であります。今回の地価税の導入を含みます土地税制改革は、定性的には、土地の収益性の低下、過大な値上がり期待の縮小、あるいは中長期的な土地の有効利用促進というものを通じ、地価の低下をもたらす効果があると考えております。しかし、それがどの程度ということになりますと、景気の動向や金融の動向、税制以外の土地政策の推進状況等に加え、最近特に著しい地価の上昇を見た地域であるかどうかといった個々の地点における地価水準、また土地取引の状況等にも依存する部分が大変多いものでありますから、定量的に申し上げることが難しいことは御理解をいただきたいと思います。
 また、今回の土地税制改革と申しますものは、土地基本法の理念を踏まえ、土地に対する有効適正な公平な税負担というものを確保しながら、その資産としての有利性を縮減し、土地政策に資するという観点から、保有、譲渡、取得の各段階にわたり総合的な見直しを行ってまいりました。地価税は、こうした観点に立ちまして、土地の資産価値に応じた負担を求める税として運用期限を限ることなしに創設するものでありまして、今回の、また今後の土地税制の重要な柱をなすものであります。地価税の創設は、他の土地税制の見直しや各般の土地対策と相まって、地価の抑制低下、土地の有効利用の促進等に資するものと考えております。
 また、地価税の税率についての御意見をちょうだいしたわけでありますが、議員御承知のように、政府税制調査会は数字は示しておらないわけであります。私どもは、この地価税に係る税率というものを、土地の有利性を政策的に縮減していくという観点と同時に、我が国の経済に与える影響や個々の納税者に対する負担に配慮するという観点を総合的に考え〇・三%とすることを考えたわけでありまして、適正なものと考えておる次第であります。
 また、地価税に対する基礎控除につきましては、税制調査会の「土地税制のあり方についての基本答申」の提言を踏まえ、土地の資産価値に応じた税負担を求めるという地価税の趣旨に照らせば、一定の資産価値以下の土地については課税対象から除外することが適当である、そうした考え方に基づきまして設定したものでありまして、その具体的な水準については、土地の資産としての有利性を縮減するという観点のほか、個々の納税者に対する負担や我が国経済に与える影響というものにも配慮する、こうした観点も十分配慮して設定したものであります。
 また、居住用地につきましては、国民の生活の本拠として不可欠のものであることに当然のことながら我々が配慮すべきことであると考えております。そして、そうしたことを考えますならば、原則として非課税とすることが適当と考えられ、この場合、大規模な邸宅の敷地を除いて、ほとんどの居住用地の所有者が非課税となるような水準として一千平米までの部分を非課税とすることとしたものであります。
 また、資産格差の問題についてどのような考え方を持っているのかという御指摘がございました。資産格差の動向に関しましては、経済白書や国民生活白書におきまして、金融資産の格差については近年拡大傾向は見られないとしておりますが、土地資産の格差につきましては、近年の地価高騰や地域間の地価上昇の不均衡などを背景にしまして、ここ数年で大幅に拡大したと指摘をされております。土地の保有の有無により資金調達力、事業拡張の難易などさまざまな経済的対応力の格差が拡大しております。このような状況を踏まえて行われました地価税の創設を初めとする今回の土地税制改革によりまして、土地に対する適正公平な税負担の確保とともに、地価高騰を背景とする資産格差の是正も図られることになると考えております。
 また、他の土地政策とあわせ、地価が一体どの程度の水準になることを期待するか、こうした御指摘がございました。勤労者の住宅取得可能水準は、一般的には中堅勤労者の年収の五、六倍程度と言われておりますことは承知をいたしております。いずれにせよ、総合的な土地政策が実施されました場合に地価水準がどの程度になるかにつきましては、地価というものが、景気や金融の動向並びに個々の地域の地価水準や土地取引の状況など、さまざまな要因により決定されるものと心得ており、定量的にこれを申し上げることは困難であります。
 また、固定資産税評価に関連してのお尋ねがございました。地価税の負担のあり方につきましては、税制調査会の答申などを踏まえ、少なくとも五年ごとに、固定資産税の評価の適正化等を勘案しつつ土地保有に対する税負担全体の状況等を踏まえて検討するものとし、必要があると認めるときは、課税対象及び税率等につき所要の措置を講ずるものとするとの検討規定が設けられております。地価税の見直しの方向につきましては、その見直しの時点におきまして固定資産税の評価の適正化等の状況を勘案しながら検討していくべき課題でありまして、現段階で確たることを申し上げるわけにはまいりませんが、いずれにしても地価税に期待される役割を踏まえて検討されるべきものであると考えております。
 また、金融機関について御発言がございました。金融機関の土地関連融資につきましては、昨年四月、いわゆる総量規制を導入するなど、この適正化に努めてきたところでありまして、現在その効果は着実に浸透しつつあると考えております。大蔵省といたしましては、公共性の発揮を求められる金融機関が社会の信頼を損ねることのないように、その適正な業務運営の確保につき引き続き厳正な指導に努めてまいると同時に、将来におきまして再び金融が地価高騰の要因の一つとなることのないよう、今後の土地関連融資につきましては、先般閣議決定されました総合土地政策推進要綱に沿い、適切に対応してまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣西田司君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(西田司君) お答えをいたします。
 近年の地価高騰は、国民の住宅取得の夢を奪い、資産格差の拡大による不公平感の増大をもたらす等、我が国経済社会に重大な支障を生じさせていると認識しているところであり、経済大国と言われる中にあって国民が豊かさを実感できない要因の一つでもあると承知しているところであります。このため、今回の地価高騰に対する対策としては、これまでも監視区域の的確な運用、土地関連融資の規制、住宅宅地の供給の促進、土地の有効高度利用の促進、東京からの機能分散の促進などの需給両面にわたる各般の施策を実施してまいりました。また、去る一月二十五日には、土地基本法を踏まえた今後の総合的な土地政策の基本指針として総合土地政策推進要綱を閣議決定したところであります。今後は、この要綱に従い、土地神話の打破と適正な地価水準の実現等を目標として、税制、金融、土地利用計画等について構造的かつ総合的な対策を一層強力に展開してまいる所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣吹田ナ君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(吹田ナ君) 三上先生にお答えいたします。
 まず、地価税については、土地の資産としての有利性を政策的に縮減する観点から、国税として創設しようとするものであると私どもは理解いたしております。広く土地保有一般に対し毎年経常的に課税する固定資産税とは、その税の趣旨、それから性格、こういったものを異にするものであると考えております。
 次に、今後の評価の適正化についてでありますが、市町村長は自治大臣の定める固定資産評価基準によって固定資産の価格を決定するものとされておりまして、また、この評価基準において、自治大臣は県庁所在の市の最高路線価の調整や平均価額の指示等を行うこととされておるわけであります。したがって、これらの仕組みや手続を通じまして、国の方針に基づいた全国的な評価の均衡化、適正化が確保されるものと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#25
○議長(土屋義彦君) 中野鉄造君。
   〔中野鉄造君登壇、拍手〕
#26
○中野鉄造君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました地価税法案に対し、総理並びに関係各大臣に質問を行うものであります。
 近年の異常な地価暴騰は、サラリーマンの住宅取得の夢を打ち砕き、家賃の高騰を招くなど国民生活に重大な影響を及ぼしております。また、土地を持つ者と持たざる者との資産格差の拡大や大企業に土地が集中するなど、社会的不公平、不公正は目に余るものがございます。このような状況の中で、税制面からの抜本的改革を行おうとした政府税調の答申は、これまで補完的立場に置かれてきた土地税制を総合的土地対策の主役の一つとして掲げたものであり、税調答申に対する国民の期待は大きく、その法案化が注目されていたところであります。先日発表された地価公示でも、地価は高どまりしており、国民のふんまんは極限に達しております。
 今日、土地税制に求められている課題は、保有、譲渡についての適正な対策であります。我が党は、赤字法人を利用しての税逃れの防止や遊休土地対策、市街化区域内農地の宅地並み課税及び相続税猶予の廃止などをこれまで主張してまいりました。先般、租税特別措置法並びに地方税法の改正でこれらが是正されることになりましたが、その措置はおおむね評価できるものであります。今回提案されている地価税の創設は、これら一連の土地税制の改正とともに、地価対策の糸口となるものであり、一歩前進であると考えます。しかし、税率、基礎控除など、検討すべき課題は少なくありません。
 以下、本法案についての問題点及び検討課題につき、政政の見解をお伺いしたいと思います。
 総理は、施政方針演説において、土地対策を内政の最重要課題と位置づけることを明言し、また、政府も中堅サラリーマンの住宅取得が可能な地価水準の実現に努力することを明確にいたしました。
 そこでまずお伺いしますが、今日このように地価が暴騰するに至った原因を総理はどのように考えておられるのか、また、現在の高値安定の地価を正常な水準まで引き下げるためどのような決意をお持ちなのか、お伺いするものであります。
 さて、地価税は、税率が〇・三%、基礎控除については金額基準が十億円、面積基準は一平方メートル当たり三万円の単価控除となっております。また、非課税範囲も広く、地価の引き下げや資産格差の是正に実効性があるのかどうか懸念されているところであります。この点について、三年度税制改革に対する政府税調の答申でも、税率が低いことや基礎控除が高いことなどに対し、税の負担水準が土地の資産としての有利性を縮減する上で不十分ではないかとの強い指摘がなされております。本法案による地価引き下げ及び土地利用促進の効果をどの程度見込んでいるのか、総理の御見解をお尋ねいたします。
 次に、土地保有に対する税負担のあり方についてお伺いいたします。
 ニューヨークやロンドンでは、土地資産額に対する固定資産税の実効税率は、居住用で一%、事業用で二%から四%だと言われております。これに対し我が国では、固定資産税、都市計画税、特別土地保有税を含めた保有課税は、平均実効税率で見ても〇・一%ないし〇・二%程度で、地価の高い首都圏ではわずか〇・〇五%程度にすぎません。こうした保有コストの低さが土地の資産としての有利性を高め、その結果、土地投機を誘発し、地価高騰に結びついたのであります。地価税導入のねらいは、まさにこのような土地の税制上の有利性の縮減にあったはずであります。したがって、この点から見ても地価税の税率は低いのではないかと考えるものであります。また、地価税の実効税率は表面税率の約二分の一となっており、他の保有税分を合わせても欧米諸国の水準にはかなりの隔たりがあります。大蔵大臣及び自治大臣は、土地の保有に係る税負担の水準についてどの程度が妥当と考えておられるのか、お尋ねいたします。
 さらに、単価控除についての問題点を指摘いたします。
 本法案創設の趣旨から見れば、課税対象は極めて少なく、政府税調答申から大きく後退した内容となっております。特に単価控除制度の創設により、地方に大規模工場や広大な保有土地を抱える大企業ほど恩典が大きく、当初二、三十万人と試算されていた納税義務者もわずか五万人程度と大幅に減少しております。これでは格差是正や土地供給の促進には結びつかず、かえって地方での土地買い占めを助長する結果にもなりかねません。単価控除を含めた基礎控除制度について再検討が必要と考えますが、見解を伺いたいのであります。
 以上、地価税法案についての問題点を申し述べてまいりましたが、特に私は見直し規定を重視しております。
 すなわち、法律案附則第八条では、地価税の負担のあり方について少なくとも五年ごとに検討することとなっており、必要があると認めるときは、地価税の課税対象、税率等について所要の措置を講ずると規定しております。これは、地価が適正な水準に下がらない場合は、課税対象や税率を強化するとの趣旨と理解いたしますが、大蔵大臣及び自治大臣はどのような見解をお持ちなのか。さらに、大蔵大臣には、検討する場合の具体的メルクマールをどこに求めるのかもあわせてお伺いいたします。
 次に、地価税収の使途について未決定である点も問題であります。
 政府の住宅政策は、持ち家取得者に対しては住宅取得促進税制あるいは住宅金融公庫の融資等々、税制、金融両面からの国の財源による助成措置がとられております。これに対し、民間の賃貸住宅には何の措置もとられておりません。地価税導入の趣旨からも、税収を土地住宅対策に充当すべきだと思います。私は、この際、民間の賃貸住宅に住む人々に対し家賃補助制度を設け、その財源に充てるべきであると考えるものでありますが、所見を伺います。
 最後に、土地税制を含む総合的土地対策を行うには、土地情報の整備・公開が不可欠であります。土地に関する情報、資料の不備不足は甚だしく、土地評価の一元化の必要性が求められております。今後これらの点についてどのように対応される所存なのか、見解をお伺いいたします。
 以上、重点項目に絞って質問をしてまいりましたが、今回の地価税導入は土地税制改革の第一歩であります。今後、生活者の立場を配慮した土地税制の確立に向けさらに努力を続けることを強く要求し、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(海部俊樹君) 中野議員にお答えを申し上げます。
 地価高騰の原因についてのお尋ねでありますが、私は、大都市圏、特に都心部の業務用地の需要の急激な増大、金余り現象、こういった状況の中で住宅地の買いかえ需要がふえ、これらの需要の増大を見込んだ投機的取引を招いたことが主たる原因となって生じたものではないかと考えております。この地価高騰は、おっしゃるように資産格差の拡大による不公平感の増大をもたらしており、経済社会にも重大な支障を与えていると認識いたしております。
 このため、近時においては、各般の施策によって東京、大阪などで地価の鎮静化傾向が見られるなど、土地対策の成果の兆しが見えてきておるところであり、対策としては総合土地政策推進要綱を閣議決定し、この要綱に従ってさらに一層総合的な強力な対策を展開していく必要があると考えております。
 どの程度下がるかと具体的にお尋ねでありますが、地価の低下や住宅地の供給促進の程度については、景気や金融の動向や個々の地域の状況に依存するところも多く、具体的に数量的に申し上げることは極めて難しい問題でありますが、今回の地価税は他の税制改正や金融措置や土地利用促進とともに相乗的に効果が上がってくるものと考えており、政府はさらに積極的に政策努力を続けていく決意でございます。
 また、土地情報の整備と土地評価の一元化についてお触れになりましたが、土地の所有、利用、取引、地価などに関する情報を系統的に一元化する必要があり、現在、土地政策審議会において審議をお願いしておるところでありますし、公的土地評価制度につきましては、要綱に従って、相続税については地価公示価格を基準として評価割合を引き上げるとともに、固定資産税評価につきましては、地価公示価格の一定割合を目標とし、それぞれ均衡、適正化を速やかに推進することとしているところでありますが、今後とも、御指摘の方向に沿って公的評価の均衡と適正化を推進してまいらなければならないと考えております。
 残余は関係大臣から答弁いたします。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(橋本龍太郎君) 中野議員にお答えをいたします。
 第一点は、地価税の税率、また税負担の水準という御指摘でありました。地価税に係ります税率として、私どもは土地の有利性を政策的に縮減するという観点と同時に、我が国の経済に与える影響や、また固定資産税評価の適正化が行われることなど個々の納税者に対する負担に配慮するという観点を総合的に勘案し〇・三%という水準を決定したものでありまして、適正なものだと考えております。
 また、地価税に係る基礎控除につきましては、税制調査会の「土地税制のあり方についての基本答申」の提言を踏まえまして、土地の資産価値に応じた税負担を求めるという地価税の趣旨に照らせば、一定の資産価値以下の土地につきましては課税対象から除外することが適当であるとの考え方に基づいて設定したものでありまして、その具体的な水準につきましては、土地の資産としての有利性を縮減するという観点のほかに、個々の納税者に対する負担や我が国経済に与える影響に配慮するという観点も十分配慮して設定したものでありまして、適切なものと考えております。
 また、附則第八条についてのお尋ねがございました。地価税の負担のあり方につきましては、見直し規定を設けることによりまして、少なくとも五年ごとに、固定資産税評価の適正化の状況や地価の動向、水準などを勘案しながら、土地に対する税負担全体の状況を踏まえて検討することを明らかにいたしております。こうした検討の結果、地価の高騰のうかがわれる事態など、必要があると認められますときには機動的、弾力的に見直しを行っていくことが必要でありまして、地価税の課税対象や税率等につきましても所要の措置を講ずることとしております。
 また、その使途についての御質問が御意見を交えてございました。地価税の税収の使途につきましては、税制調査会の平成三年度の税制改正に関する答申におきまして、平成四年度の税制改正、予算編成時までに検討すべき旨提言されているところでありまして、政府といたしましては、税制調査会の答申を踏まえながら、また国会における御議論等も参考とさせていただきながら、その内容を適切に決めてまいりたいと考えております。私どもといたしましては、その場合、家賃補助あるいは家賃控除という方向よりも、住宅費負担の軽減という観点から政府として行うべき役割は、公的住宅などの建設、融資、税制の活用等による良質な賃貸住宅の供給コストの低減などに努めていく方向であると考えておるということを申し添えさせていただきたいと存じます。(拍手)
   〔国務大臣吹田ナ君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(吹田ナ君) 中野先生にお答えいたします。
 固定資産税については、土地基本法の第十六条の規定の趣旨を踏まえまして、相続税評価との均衡にも配慮しつつ、地価公示価格の一定割合を目標に土地の評価の均衡化、適正化を推進し、中長期的に固定資産税の充実を図る方向を基本とすべきであると考えております。
 次に、地価税のあり方についてでありますが、土地保有税の基本である固定資産税の評価の均衡化、適正化に伴う税負担と地価税の税負担とを合わせた土地保有に対する税負担全体の状況を踏まえつつ、地価の動向等も勘案しながら必要に応じ地価税の課税対象及び税率等について所要の見直しが行われるべきものであると考えております。
 以上であります。(拍手)
#30
○議長(土屋義彦君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#31
○議長(土屋義彦君) 日程第一 再生資源の利用の促進に関する法律案
 日程第二 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長名尾良孝君。
    ━━━━━━━━━━━━━
   〔名尾良孝君登壇、拍手〕
#32
○名尾良孝君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、再生資源の利用の促進に関する法律案は、近年、再生資源の発生量が増加し、その相当部分が廃棄されている状況に対応して、資源の有効な利用の確保を図るとともに、廃棄物の発生の抑制及び環境の保全に資するため、再生資源の利用の促進に関する所要の措置を講ずることにより、国民経済の健全な発展に寄与しようとするものであります。
 委員会におきましては、再生資源の利用の促進に関する基本方針及び判断基準の内容、地方自治体独自のリサイクル行政と本法案との関係、政令指定の対象となる業種及び製品等の諸問題について質疑が行われるとともに、地方行政委員会、社会労働委員会及び環境特別委員会との連合審査会を開会するなど慎重に審査を進めてまいりましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、政府は地方自治体が当該地域の実情に応じた施策を実施できるよう、積極的に支援すること等を内容とする附帯決議を行いました。
 次に、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案は、最近における企業体質の変化、国際化の進展といった経済情勢等にかんがみ、公正かつ自由な競争の促進による国民経済の一層の発展に資するため、不当な取引制限等に対する課徴金の額を引き上げる等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、課徴金算定の根拠、今後の刑事罰制度の検討方向、望ましい損害賠償請求訴訟制度のあり方等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、違法カルテルの抑止に資するため、公正取引委員会と検察庁との連携体制を一層強化し、刑事告発を積極的に活用すること等を内容とする附帯決議を行いました。
 以上、御報告いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#33
○議長(土屋義彦君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#34
○議長(土屋義彦君) 総員起立と認めます。
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#35
○議長(土屋義彦君) 日程第三 日本開発銀行法等の一部を改正する法律案
 日程第四 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第五 外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案
 日程第六 国民金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上四案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長大河原太一郎君。
    ━━━━━━━━━━━━━
   〔大河原太一郎君登壇、拍手〕
#36
○大河原太一郎君 ただいま議題となりました四法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、日本開発銀行法等の一部を改正する法律案は、日本開発銀行等を通じて国からの無利子の貸付金を財源の一部に充てて行う低利の貸付制度を創設する等、社会資本整備の促進を政策金融の面から助成しようとするものであります。
 次に、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案は、国際通貨基金に対する出資の額が増額されることとなるのに伴い、これに応ずるための措置を講じようとするものであります。
 次に、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案は、対内直接投資及び技術導入に関する外国為替及び外国貿易管理法上の手続を事前届け出制から原則として事後報告制に改める等、より開放的かつ透明なものとしようとするものであります。
 次に、国民金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案は、国民金融公庫等の進学資金貸付制度を教育資金貸付制度に改め、新たに在学中に必要な資金の貸し付けを行うことができるようにしようとするものであります。
 委員会におきましては、四法律案を一括して議題とし質疑を行いましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して近藤忠孝委員より国民金融公庫法等改正案を除く三法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、順次採決の結果、日本開発銀行法等改正案、国際通貨基金等加盟措置法改正案及び外国為替・外国貿易管理法改正案の三法律案はいずれも多数をもって、また国民金融公庫法等改正案は全会一致をもって、それぞれ原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#37
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 まず、日本開発銀行法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#38
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 次に、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案及び外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#39
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、両案は可決されました。
 次に、国民金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#40
○議長(土屋義彦君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#41
○議長(土屋義彦君) 日程第七 生産緑地法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長矢田部理君。
    ━━━━━━━━━━━━━
   〔矢田部理君登壇、拍手〕
#42
○矢田部理君 ただいま議題となりました生産緑地法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、市街化区域内における農地等の計画的な保全を図ることにより農林漁業と調和した良好な都市環境の形成に資するため、第一種生産緑地地区及び第二種生産緑地地区を統合するとともに、生産緑地地区の面積要件の緩和、生産緑地に係る権利制限の見直し等の措置を講じようとするものであります。
 委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、日本共産党を代表して上田委員より生産緑地地区の面積要件の引き下げ等を内容とする修正案が提出され、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議を付することに決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#43
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#44
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#45
○議長(土屋義彦君) 日程第八 新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案
 日程第九 鉄道整備基金法案
 日程第一〇 全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長中川嘉美君。
    ━━━━━━━━━━━━━
   〔中川嘉美君登壇、拍手〕
#46
○中川嘉美君 ただいま議題となりました三法案につきまして、運輸委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案は、新幹線鉄道に係る旅客鉄道事業を経営する旅客鉄道株式会社の株式の売却を円滑かつ適切に実施する上で必要とされる環境の整備を図るため、新幹線鉄道保有機構が一括して保有する新幹線鉄道に係る鉄道施設を当該旅客鉄道株式会社に譲渡すること等、所要の規定を定めるものであります。
 次に、鉄道整備基金法案は、国土の均衡ある発展と大都市の機能の維持及び増進を図る観点から、新幹線鉄道、主要幹線鉄道及び都市鉄道の計画的かつ着実な整備を促進することが緊要な課題となっていること等にかんがみ、これらの鉄道の整備に関する助成の拡充強化を図るとともに、鉄道事業者等に対する助成を総合的かつ効率的に行うための鉄道整備基金を設立しようとするものであります。
 次に、全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案は、新幹線鉄道による全国的な鉄道網の一部を暫定的に構成する新幹線鉄道に準ずる高速鉄道の円滑な整備を図るため、その建設に係る手続その他所要の事項について定めるものであります。
 委員会におきましては、鉄道整備における公的財源の確保、既設新幹線譲渡によるJR会社の経営への影響、JR株式上場のあり方、整備新幹線の建設問題と並行在来線の取り扱い及び大都市圏における通勤通学混雑緩和対策等、各般にわたる質疑が行われましたが、その詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、三法案に対し、日本共産党小笠原委員より反対の意見が述べられました。
 次いで、順次採決の結果、三法案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、三法案に対し、渕上理事より、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の共同提案に係る附帯決議案が提出され、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#47
○議長(土屋義彦君) これより三案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#48
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、三案は可決されました。
     ―――――・―――――
#49
○議長(土屋義彦君) 日程第一一 国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案
 日程第一二 森林法等の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長吉川博君。
    ━━━━━━━━━━━━━
   〔吉川博君登壇、拍手〕
#50
○吉川博君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案は、国有林野事業の経営改善を推進するため、改めて改善計画を策定するとともに、一般会計からの繰り入れの対象の拡大、土地売り払い等収入の累積債務への充当、退職促進のための特別給付金の支給等について所要の措置を講じようとするものであります。
 また、森林法等の一部を改正する法律案は、特定森林施業計画制度及び森林施業の共同化を促進するための協定制度を創設するとともに、緊急に間伐等を要する森林の整備のための制度及び民有林についての開発許可制度等について所要の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、参考人を招いてその意見を聴取するとともに、地球環境問題への我が国の対応、森林整備五カ年計画の策定、森林施業代行制度の導入、間伐材の利用促進、国有林野事業の収支改善策、特別給付金の支給等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して林委員より反対である旨の発言がありました。
 討論終局の後、採決の結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両法律案に対しそれぞれ附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#51
○議長(土屋義彦君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#52
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、両案は可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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