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#1
第120回国会 本会議 第22号
平成三年四月二十六日(金曜日)
   午前十時二分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十二号
  平成三年四月二十六日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(自衛隊掃海艇等のペルシャ湾への派遣に関する報告について)
 第二 故李方子女史(英親王妃)に由来する服飾等の譲渡に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 第三 麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 第四 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法案(内閣提出、衆議院送付)
 第五 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第六 日本国有鉄道清算事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第七 日本放送協会昭和六十二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書
 第八 日本放送協会昭和六十三年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書
 第九 競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第一〇 行政事務に関する国と地方の関係等の整理及び合理化に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第一一 育児休業等に関する法律案(内閣提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 以下議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(土屋義彦君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 中西珠子君から海外旅行のため十一日間の請暇の申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(土屋義彦君) 日程第一 国務大臣の報告に関する件(自衛隊掃海艇等のペルシャ湾への派遣に関する報告について)
 内閣総理大臣から発言を求められております。発言を許します。海部内閣総理大臣。
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(海部俊樹君) 一昨日、臨時閣議において、自衛隊掃海艇等のペルシャ湾への派遣を決定いたしましたので、御報告申し上げ、御理解と御協力をいただきたいと存じます。
 御承知のとおり、昨年八月二日のイラクのクウェートに対する不法な侵攻及びその併合に始まった湾岸危機については、イラクが正式停戦のための国際連合安全保障理事会決議六百八十七を受諾したことに伴い、正式停戦が成立いたしました。
 ペルシャ湾には、この湾岸危機の間に、イラクにより多数の機雷が敷設され、これらがこの海域における我が国のタンカーを含む船舶の航行の重大な障害となっております。このため、米国、英国、フランス、ドイツ、ベルギー、サウジアラビア、イタリア及びオランダは、掃海艇等を派遣し、機雷の早期除去に努力しているところでありますが、なお広域に多数の機雷が残存しており、これらの処理を終えるには相当の日月を要する状況にあります。
 ペルシャ湾は、世界の原油の主要な輸送経路の一つに当たっており、この海域における船舶の航行の安全が一日も早く回復されることが、国際社会の要請となっております。
 この海域における船舶の航行の安全の確保に努めることは、今般の湾岸危機により災害をこうむった国の復興等に寄与するものであり、同時に、国民生活、ひいては国の存立のために必要不可欠な原油の相当部分をペルシャ湾岸地域からの輸入に依存する我が国にとっても、喫緊の課題であります。
 こうした状況を踏まえて、政府は、一昨日、安全保障会議及びこれに続く閣議において、自衛隊法第九十九条に基づく措置として、我が国船舶の航行の安全を確保するために、ペルシャ湾における機雷の除去及びその処理を行わせるために、海上自衛隊の掃海艇等をこの海域に派遣することを決定いたしました。
 できるだけ速やかに準備を整え、関係諸国の理解と協力を得て、実行することといたしたいと存じます。
 今回の措置は、正式停戦が成立し、湾岸に平和が回復した状況のもとで、我が国船舶の航行の安全を確保するため、海上に遺棄されたと認められる機雷を除去するものであり、武力行使の目的を持つものではなく、これは憲法の禁止する海外派兵に当たるものではありません。
 歴史の深い反省に立って誓った「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」という平和国家の理念を将来にわたり堅持する決意に変わりはありません。
 国際社会において大きな責任を果たすことが求められている我が国としては、資金、物資の面での支援のみならず、これらとあわせて人的な支援を行っていくことが必要であることは広く御理解をいただいているところでありますが、今回の措置は、船舶の航行の安全の確保及び被災国の復興という平和的、人道的な目的を有する人的貢献策の一つとしても、意義を有するものと考えます。
 重ねて、皆さんの御理解と御協力を切に希望するものであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○議長(土屋義彦君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。竹山裕君。
   〔竹山裕君登壇、拍手〕
#8
○竹山裕君 私は、自由民主党を代表して、ただいま総理から報告のあった掃海艇派遣に関しまして、総理に若干の質問をいたします。
 昨年八月二日に始まりました湾岸戦争は、去る十二日、正式停戦が確認されました。この間、アメリカを初めとする多国籍軍は、国連の安保理決議に基づいて、国際正義にのっとり、イラクの暴挙を排撃、クウェートの主権回復のため血と汗による活動を展開した結果、湾岸に平和がよみがえったことを喜ぶものであります。日本としては、憲法上の制約があって、武力の行使を伴う直接の平和回復の活動には参加できませんでした。しかし、平和回復と復興のための資金として都合二回にわたり百十億ドル相当額を拠出したほか、湾岸周辺国に対し二十億ドルの経済協力を行い、国民に痛みを伴う税制改革による及ばずながらの国際貢献を果たしたことは、それなりの実績として評価できるものであります。
 今回の湾岸戦争を顧みて、いろいろな教訓が残されました。それを私なりに整理すれば、その一つは、憲法の前文にある「いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」ということを身をもって実践すべきということであります。今日、世界が相互に依存する関係にあって、日本は国際的に孤立してはその存在はあり得ません。これまで我が国はとかく、国際的な支援については、金は出すが人は出さないという立場をとり、国際的に批判を受けてきておりました。我が国憲法の希求する平和は、祈るだけや口先で唱えるだけでは求められるものではありません。国際情勢の現実に立脚した、それに対する責任も当然ながら果たさねばなりません。我が国として、これまでの人的貢献については、ややもするとその決断において多少おくれがちでありました。総理は、我が国として果たさなければならない国際的な人的貢献をどう考えておられるのか、御所見を承りたいわけであります。
 さて、湾岸戦争は終結いたしましたものの、ペルシャ湾にはイラクの敷設した多数の機雷が今なお残っており、このため我が国のタンカーを含む船舶の航行が不可能となっております。資源の乏しい我が国が年間輸入する原油量は、二億二千七百六十八万キロリットル、それは実に東京ドームの百八十四杯分に当たる膨大な量であります。中東にその七割を依存し、ペルシャ湾はその主要な輸送経路の一つであります。その海域における船舶の安全航行の受益を最大に受けている日本が、その持てる機雷除去能力を発揮することは、湾岸復興への具体的貢献策の一環として、これに協力することは当然のことと考えます。
 ペルシャ湾では、既にアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、サウジアラビアなどは掃海作業を展開し、機雷の除去に努めており、機雷掃海をめぐる国際協力は大きな広がりを見せております。こうした内外の情勢を踏まえるならば、私はむしろ湾岸原油の最大の受益国日本としては掃海艇の派遣は遅きに失したと思うくらいであります。同湾における船舶の安全の確保に努めることは、資源のない我が国の原油の安定供給に通じ、これは国家と国民生活を守る上から極めて重要であるばかりか、湾岸戦争により被害を受けた国々の復興にも役立ち得る具体的な人的貢献策であります。こう考えるならば、今回の措置は私は憲法の理念に合致し適合するものと確信いたしますが、総理の御所見を承りたい。
 そこで、掃海艇は、けさ午前九時、既に出動しております。政府は、この根拠法規を自衛隊法第九十九条に求め、ペルシャ湾における機雷の除去並びに処理を行うもので、この行為は武力行使を伴うものではなく、また海外派兵に当たるものでないと私は十分理解しておりますが、国民の一部にこれらについて不安を抱いている向きもあります。私は、今回の掃海艇の派遣は、かつての輸送機の派遣論議のときとはかなり情勢を異にしており、平時におけるペルシャ湾の掃海であって、しかも海上に置き去りにされた機雷であり、船舶の航行の安全のためのものであるからには問題はないと思います。また、第九十九条が、第二次大戦時に敷設された日本近海の機雷掃海だけに限定する必要はないと考えます。この際、国民の疑問解消のため、明快な御説明をいただきたい。
 今回の派遣に当たって、諸外国はおおむね我が国の決断に評価を示しておりますが、特にアジア諸国には、さきの第二次大戦における我が国の行為に対する思い入れがあるだけに、今回の派遣の真意を十分理解していただくことが肝要と思います。幸い、総理はあす二十七日からASEAN各国を歴訪されますので、その際、誠意を持って対応していただきたいと考えます。さらに、湾岸まで一万三千キロ、厳しい遠洋航海が続きますが、数カ所にわたる寄港先諸国の理解も必要なことであります。これらについても総理の御所見を伺いたいわけであります。
 なお、我が国の掃海艇の現地到着は一カ月余り後と言われております。既にアメリカを初め八カ国の掃海作業が着々と進んでおり、その場において果たして我が国がその持てる掃海能力を十分発揮できる場があるのかどうか、政府として残存機雷の状況をどう見通しているのか、関係国による作業の進捗状況について御報告を願います。また、現地における我が国の掃海分担作業はどうなっているのか、その際の指揮命令系統についてもお考えをお示しいただきたいと思います。
 今回の派遣に当たって隊員の士気が大いに上がっていると聞き、私としても感慨新たなるものを覚えます。それだけに、国家の期待を担って機雷除去という最も危険度の高い任務を担当する自衛隊員諸君が、後顧の憂いなく、安心してその任務が全うできるよう、処遇面で万全を期すべきだと考えますが、総理のお考えをお伺いいたします。
 終わりに、自衛隊は創設以来これまで国内の災害派遣に二万一千件の出動をし、派遣人員も延べ四百二十万人に上り、被災地の救援、復興に多大の貢献をしてきましたが、今日、ペルシャ湾における船舶の安全確保という平和目的のため、日本みずからの意思で自衛隊の掃海艇が初めて海外に派遣されることになりました。私は、国際社会における実質的貢献の第一歩としてこの意義を高く評価するものであり、また、自衛隊の歴史に新しい任務を開くものとして、これに大きな期待を持っております。どうか、政府の格段の御努力をお願いするとともに、任地に赴く派遣隊員各位におかれましては、御健康で任務を完遂され、御無事で帰国されることを心から念じて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(海部俊樹君) 竹山議員にお答えをいたします。
 我が国としては、国際国家として今日世界の秩序の中でここまでの大きな役割を果たすことができる国となり、また世界の経済総生産においてはその一四%を占める、影響力を持つ国となっておることを謙虚に自覚し、みずからの役割と責任を持って、平和憲法のもと、持てる経済力、技術力、経験等を生かして積極的に国際社会の新しい枠組みづくりに貢献をしなければならないと基本的に考えております。
 また、今回の措置は、我が国を含む世界の国々にとって、多くの国が中東地域の原油に頼っております。このことは国民生活を推持していく上においても必要不可欠なものであります。お触れになりましたように、あの地域が国連の決議によって平和が戻ってきた。そこに、イラクによって約千二百個とも言われる機雷が敷設されておる。それをすべての国々が、能力のあるものが集まって航海上の危険を除去するということは大切な国際協調の一つであり、お示しになったように、自国のことのみに専念し他国を無視してはならないという憲法の国際協調主義にも合致するものであり、同時に、憲法が禁止しておるのは海外派兵でありますから、武力による威嚇、武力の行使を伴う戦闘部隊の派遣ではございませんから、この点をもって日本の行為が憲法に違反するというのは当たらないと私は考えております。
 また、アジアの国々及び寄港先の国々にも御理解を得るべく、停戦が成立した後において精力的にいろいろと事情を説明してまいりました。おおむね好意的な御理解をいただき、補給の便宜を図っていただくという返事もいただいておりますが、一部の国が持っておられる、これは軍事大国への道ではないかとか、あるいは海外派兵につながるのではないかという御懸念に対しては、そういったものは断じてないということを、歴史の反省に立っての日本の誓いを誠意を持って御説明して、御理解をいただきたい、このように考えております。
 また、残存機雷の状況は、イラク側の発表による敷設した地域とか千二百個余りということはわかっておりますが、現在、既に米、英、仏、独、ベルギー、サウジアラビア、イタリア及びオランダの八カ国が掃海作業を行っておるところでありますが、多国籍軍に参加して武力行使に参加できなかった日本は、平和決議を契機としてこの作業に協力するものであり、現地において必要な実務的な協議を行うこともあり得ると考えますが、あくまで、我が国の機雷の掃海行為は、我が国の指揮、判断のもとに行っていくものでございます。
 この機雷除去という最も危険の大きい任務でありますが、今日まで、我が国の海上自衛隊は七千個にも及ぶと言われる大量の機雷を長年にわたって処理してきた経験を持っております。しかし、危険度の高い任務であることもこれは事実でありますから、派遣する隊員の処遇の問題について、あるいは手当の問題について、そういったことについては万全を期して対応をするように政府としては指示をいたしております。
 任務を果たして国際貢献の実を上げ、また我が国の国民生活に必要不可欠な原油を輸送する重要な航海路の安全確保のために任務を果たしてこられることを心から期待いたしまして、私の御答弁といたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#10
○議長(土屋義彦君) 深田肇君。
   〔深田肇君登壇、拍手〕
#11
○深田肇君 私は、日本社会党・護憲共同を代表するとともに、自衛隊の掃海部隊の海外派遣について疑問を持ち、さらに法的にも納得できないとして反対の意思を抱いている数多い国民の声を代弁しながら発言をいたしたいと存じます。
 特に、報道で明らかなように、自衛隊の隊員の中に掃海活動への拒否反応があること、そして昨日のように、隊員が法による基本的な権利として今次の政府決定の撤回を求める行動を行ったことなどを考えながら発言をしていきたいと存じます。
 一昨日の四月二十四日政府が決定して、二十六日の本日出発する自衛隊の掃海部隊の海外派遣、ペルシャ湾の機雷除去のための活動を行うことは、憲法並びに自衛隊法に照らし合わせ、また国会での論議が不足して、手続上から考えても容認することはできません。絶対に反対であります。直ちに撤回することを強く要求いたしたいと存じます。二十六日、本日九時に自衛隊の部隊が出発することを決め、実施しているこのときに、後追いでこの本会議で質疑、討論を行うことは、まさに形式主義であり、国会軽視、国会無視で、断じて許すことのできないことでもあります。数多い国会論議を期待しておられる国民に対して、その責任が十分果たせないことはまことに残念であり、海部総理の今日までの進め方などに対して怒りの表明を率直にいたしておきたいと存じます。
 それにつけても、二十四日の夜のテレビに映し出された総理の閣議終了後のあの大笑いしている姿を見たとき、私は、国論が二分し、平和、国際貢献のあり方などを真剣に考えている国民を何と考えているのかと、みずからの目を疑ったほどでありました。もし、してやったりと満足感の笑い顔なら、本当に情けなく、悲しみさえ感じるのであります。意見の違いがあっても相手の心の中を思い合意を求める姿勢を失った総理、あなたに大きな失望を感じているところであります。思い起こせば、朝鮮半島の懸案事項について、社会党幹部の提言に対して耳を傾け、尊敬と信頼の上で話し合っておられたあの誠実さあふれる総理は、いずこに消えてしまったのでありましょうか。法も手続も軽視し、国会の論議の場を積極的に保証しなかった総理、あなたが非民主的で人の心が通じなくなったことに対して悲しむものであります。
 さて、昨年の国会での自衛隊派遣を含む国連平和協力法案が、国民の反対により国民的合意が得られず、ついに廃案になりました。続いて、国会の意思や審議の経過をまるで無視し、避難民を救済するとして特例政令を強引に制定し、自衛隊機の海外派遣を準備されました。続いて、今回の機雷撤去を理由にした決定は、憲法上、自衛隊法上従来の解釈などからも絶対に認められないものであり、国会の審議を避け強引に決めてしまったことは、まさに黙ってついてこいと言わんがごとき、その非民主的な権力的手法は断じて許せないものであります。必ずや、多くの国民から総理のあなたは怒りを込めた反撃を受けることでありましょう。
 報道によれば、自民党の信頼できる有力な先輩政治家の中に、ペルシャ湾派遣は自衛隊の設置目的に沿っているのか、自衛隊法に掃海艇の長期、遠方活動の規定はない、機雷撤去は交戦国の義務である、またアジア諸国への配慮が必要であるなど、実に感銘に値する発言を公式的にされていることに救いを感じ、勇気が出てくるものであります。総理、あなたの御感想はいかがですか。お答えいただけますか。
 次に、総理、日本国民の多くの人たちが、武力でなく、平和を守り、国際的貢献をしようとする新しい視点に立って、自衛隊の海外派遣からなし崩し的に海外派兵への道を進み戦争に加担する流れだけはとめたい、再び加害者にはならないと決意をして積極的に行動していることを忘れないでほしい。かつてのあなたと同じようにやっているわけであります。それらの中の一つに、自衛隊機派遣をやめさせるために、みずからが資金を集め、提供し、人を派遣するという献身的な運動が、民間機をチャーターするなどして、その救援の成果を上げてきたところであります。あのエネルギーとその情熱を総理はどのように考えておられますか。そして、自衛隊機は飛ばなかったのであります。
 次に、この間の政府決定の具体的事項の若干の部分について指摘をいたしたいと存じます。
 まず、掃海が国際社会への共通の利益であるならば、国連で協議することではありませんか。常任理事国に働きかけるなど、特にアジアの隣国であるいろいろな懸念を表明されている中国などに働きかけるとともに、国連関係機関に対して強く提起するべきではないかと思いますが、いかがですか。また、戦時に配置された機雷は、戦後速やかに交戦国が撤去することが国際法の原則ではありませんか。法の解釈を曲げてまでなぜやるのですか、だれかに協力要請をされたのですか、疑いたくなる心境であります。伺ったところによると、ペルシャ湾における機雷配置の現状などの情報収集は出発する本日までのところ実に不十分なようでありまして、だれもが不安に思っているところだと思います。
 さて次に、法的根拠について意見を申し上げておきたいと思います。自衛隊法第三条は自衛隊の基本規定であります。政府は、第九十九条をこの第三条の範囲内の規定とする考えをとらないわけであります。ここがどうしても無理なことで、総理が何と強弁をしても、法の体系からして国民は理解できませんから、だからだめだと言っているわけであります。もし政府の言うとおりとすれば、従来の定着した自衛隊法解釈の重大な変更であり、新解釈であるということになります。物事をわかりやすくするために、正直に新解釈だと認められたらいかがですか。
 さて、第九十九条に地理的範囲を規定していないという説明もあります。これは第三条の範囲内であることを前提としたものでありますから、無制限規定ではないと思います。もし第九十九条だけをこのように解釈し得るとするならば、時間や条件について規定がないのでありますから、他国の戦争のときであっても法的には派遣ができるということになってしまうわけであります。このような一点だけを考えてみても、第九十九条の単独・無制限解釈は、憲法にも違反し、違法であることは明白であり、政府の今回の新解釈を認めることはできないのであります。だから、常識ある自民党の先輩議員の中に、法の改正が必要だという指摘が出ているのではないでしょうか。
 最後に、私は、かつての日本の軍国主義の犠牲となったアジアの諸国の人々に対し、この政府決定を総理がいかに武力行使ではないと説明しても、この海域を、あの日の丸、日章旗を掲げて日本の軍隊の船団が進むのを見たときに、あの侵略戦争への怒りを再び思い起こすことは当然だと思います。軍事大国化の日本、そして日本の新軍国主義の復活などと脅威を感ずるのは当然ではないでありましょうか。私たち日本は、みずからの歴史の過ちの部分は率直に反省をし、新しい誓いを立てて平和のために戦後四十五年間努力をしてきたところであります。その上で、アジア諸国との間の信頼と友情を築き上げたところであります。その意味からも、疑われるような行動は慎み、何よりも信頼を大切にするべきだと思います。
 総理、あなたが法を曲げて解釈し、国会での十分な論議もなく、国民の合意形成に努めることもしない今回の措置とそしてそのやり方は、戦後、世界に誇る平和憲法のもとでつくり上げてきた平和国家日本の歴史と信頼を、一挙に汚し失うことになると思います。この大損失を何として償うつもりでございますか。私は、今からでも遅くない、再考されて、総理が平和主義者、民主主義者として優しい顔、美しい顔を持った総理、政治家に戻って、私たち国民に対してよい夢を与えてくれることを最後に強く切望して、終わりたいと存じます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(海部俊樹君) 深田議員にお答えを申し上げます。
 今回の派遣につきましては、国会における今日までのいろいろな御議論とか、私は各党党首の皆様にも考え方を御説明したり、またシビリアンコントロールの立場を考えて、安保会議、閣議においても慎重に検討した結果、決定したものでございます。
 なお、憲法、自衛隊法についての議論でありますが、このことについては、昭和六十二年九月二十九日に、いろいろな国会の御議論を経て質問書をいただいたのに対して、政府の方から当時の参議院議長を経由してお答え申し上げました文書の中にも、「公海上に遺棄されたと認められる機雷について、それが我が国船舶の航行の安全にとつて障害となつている場合に、その航行の安全を確保するために、これを除去する行為は武力の行使に当たるものではなく、自衛隊法上可能である」という答弁書も差し上げてあるわけでありまして、我が国船舶の航行の安全を図るという目的でありましたが、当時はあのイラン・イラク戦争のさなかでありましたから、紛争地域に直接入ることは紛争に巻き込まれるという重大な懸念があるので政策的に派遣をしなかったということが、当時の記録やその他の記録によって明らかにされておるところであります。
 今回は、四月の十二日に国連における決議が成立し、イラク側もこれを受け入れ、イラク自身がみずから敷設した千二百個に及ぶという機雷の位置まで示しておるわけでありますから、これらの懸念は私は当たらず、憲法に違反しないことは武力行使でない平和目的であるということ、同時に、自衛隊法第三条の目的のほかに、九十九条にも機雷の除去ということが条文上明記されておるわけでありますから、日本船舶の安全を確保するという立場に立って今回の派遣は決定いたしたわけでございます。また、平和時の平和目的に限ることは、これは当然のことでありますし、同時に、日本に死活的影響の及ぶ地域についての問題でありますから、いつでもどんなときでも、事情にも状況にも構わずというものではございません。このことは、政府声明においても明確にしておいたところであります。
 また、日本としては今日まで、いろいろ御指摘がありましたけれども、民間の航空機を利用してアジアの方々の本国への移送事業を行ったことも事実でありますし、民間レベルの、平和のための貢献のためチャーターの資金をお出し願った方があることもよく承知いたしております。しかし、今、率直に申し上げて、医療の問題も第三班まで派遣いたしましたけれども、諸外国と比べて極めて数が少ない。原油の除去作業も、オイルスキマーを三十台送って、二十五人の技術者が汗を流しておっていただきますが、極めてまだ諸外国と比べて少ないわけでありますから、民間の皆様にも私はこのことについて、政府もやりますが、積極的に御協力を願いたいということを真剣に過日の記者会見の最後にお願いを申し上げたところでございます。
 また、国連に対しましては、今後とも積極的な働きかけを行うことはもちろんでありますが、あのような無謀な状況をペルシャ湾に実現させたイラクのフセイン大統領のような指導者が二度とあらわれないように、その根源を追求するためには、地域でずば抜けた力、兵器を持つ国ができることはいけないというので、五月には国連を中心とした軍縮会議を日本がイニシアチブをとって京都で再開し、原油の処理、機雷の処理、その他についても率直に私は申し上げるとともに、そのもとになる兵器の移転というものを、もっと節度を持って、公明に透明性を持ってやっていくようにしなければならぬということも根源に触れて主張するつもりであります。
 なお、アジアの諸国の皆様には誠心誠意事情をお伝えいたします。昨日も私から韓国の外務大臣にも、平和目的であること、通商航海路の安全確保を図ること、これらのことについて積極的に御説明を申し上げ、それなりの御理解をいただきました。今後ともアジアの国々には説明を続けて、御理解をいただく努力を続けていくつもりでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#13
○議長(土屋義彦君) 太田淳夫君。
   〔太田淳夫君登壇、拍手〕
#14
○太田淳夫君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました自衛隊掃海艇等のペルシャ湾への派遣に関する報告に対して、総理に質問をいたします。
 政府が今回実施する自衛隊の組織としての海外派遣は、昭和二十九年の自衛隊創設以来初めてのことであり、自衛隊政策だけではなく、国家の基本政策の重要な変更を意味するものと言わなければなりません。こうした重要問題が、国会での十分な論議も行われず、政府の裁量によって一方的に決定されることは到底認められないのであります。
 質問の第一点は、自衛隊の海外派遣に道を開こうとした国連平和協力法案が廃案となり、PKOに関する三党合意に至った経緯、C130輸送機派遣のための特例政令の制定とそれが実際に機能しなかった事実は、自衛隊の海外派遣に対する国民の反対の意思として生まれたものであるということであります。
 総理は、こうしたことをどう認識しておられるのか、明らかにしていただきたいのであります。国民世論無視の政府のやり方は、何が何でも「初めに自衛隊派遣ありき」との批判を免れないと思うのであります。こうしたことが認められるならば、法治国家として極めて問題であります。そればかりか、我が国内のみならず、アジア諸国、世界の国々から不信の目が向けられるおそれすらあります。この点について、総理の見解をしかと承りたいと思います。
 第二点は、何ゆえ今、だれの要請から、急いでペルシャ湾まで自衛隊の掃海艇を派遣しなければならないかの必然性が極めて不明瞭であるということであります。
 国連などの国際機関からの要請があったというのであればまだしも、湾岸諸国や我が国の経済界が望んでいるといった理由だけでは国民は納得できませんし、我が国による侵略の記憶が残るアジア諸国の懸念と不安を払拭することはできません。中東石油に対する我が国の依存度は極めて高いものがありますが、だからといって、それが直ちに掃海艇の派遣を正当化するものではありません。むしろ、国際貢献というよりは、世界の国々からは単に石油欲しさに派遣したと受けとめられる可能性が大であることを知るべきでありますが、総理の見解を求めるものであります。
 第三点は、掃海艇を派遣する法的根拠があいまいであるということであります。より正確に言えば、法的根拠がないにもかかわらず派遣しようとしている点であります。
 政府は、自衛隊法第九十九条を根拠にするということでありますが、これは第二次大戦後の日本周辺の機雷を除去するために、「雑則」として定められたものであります。日本の内水や周辺海域の機雷除去について規定したこの第九十九条でもって一万三千キロも離れたペルシャ湾の機雷除去に当たらせようということは、政府みずからの拡大解釈によって国会が定めた法律の重さを突き崩そうとすることであり、認めるわけにはいかないのであります。
 もし、掃海艇を派遣することがどうしても我が国の国益上避けて通れないものであると政府が判断したのであれば、正々堂々と国会に対し自衛隊法の改正を求めるべきものであります。あるいは、派遣する地域、期間、規模などを限定した特別時限立法を行い、そこに国民と国会の意思を反映させるべきであります。自衛隊の基本的運用は、シビリアンコントロールのもとに置かれるべきであり、それが民主主義国家の鉄則であります。防衛政策の根本的変更とも言うべき自衛隊の海外派遣について、国会の立法措置も経ずに政府限りの措置で済まそうとする姿勢は、まさにシビリアンコントロールを無視するものであり、民主主義の否定につながりかねない危険なものと言わざるを得ないのでありますが、総理の明確な答弁を伺いたいのであります。
 第四点は、仮に国内の懸念を無視し、無理押しの形で掃海艇を派遣したとしても、どれだけの効果を期待できるのであろうかという疑問であります。
 我が海上自衛隊の機雷処理能力は世界でも第一級と言われていることは承知しております。ただ、海上自衛隊は、これまで国内の海底地形や海洋気象を熟知した沿岸で機雷処置に従事していたにとどまり、これまで蓄積されてきた経験、技術が、事情に疎いペルシャ湾でどれだけ通用するのか全く未知数であります。また、報道によれば、米国等が既に八百個近くを処理済みであり、残るは五百個程度と言われています。掃海艇は、機雷処理という特殊な任務に従事するために小型の木造船舶であり、これが一万三千キロの外洋を航海してペルシャ湾に到着するまでには一カ月を要すると言われています。一カ月後には残る機雷の相当数が処理されてしまっているのではないかとも考えられますが、政府からは最新の情報が聞かれません。これでは掃海艇派遣の必要性が本当にあるのかどうか、判断しがたい面があります。政府は現状をどのように把握しておられるのか、伺いたいと思います。
 第五点は、武力紛争終結後であれば紛争に巻き込まれるおそれがないから自衛隊の海外派遣が可能であるとの論理が、今後無原則に使われることへの疑念をぬぐい切れないことであります。
 この論理でいけば、要請があればクウェートの地雷処理にも、また和平が実現した場合には、カンボジア国内の地雷処理にも陸上自衛隊を派遣することにもなりかねません。また、プルトニウムの運搬船護衛のために自衛艦の派遣を行うことにもなりかねないなど、歯どめなく自衛隊の海外派遣が可能ということになります。平和時の自衛隊の海外派遣について歯どめはあるのかどうか、明確にしていただきたい。自衛隊の運用、なかんずくその海外派遣については、慎重かつ冷静な議論を行い、国民のコンセンサスを得るルールをつくり上げることと、アジア諸国民の理解を得ることが絶対的要件であります。総理の明確な答弁を求めます。
 次に、防衛庁の幹部が臨時行政改革推進審議会のヒアリングにおいて、湾岸貢献策における自衛隊の派遣論議について、法解釈で自衛隊がおもちゃにされている、自衛隊内の不満は爆発寸前と発言したと報道されております。私は、政府がこれまで明確な自衛隊政策を示し、国民に理解を求め、民主的な手続を踏んで対応してこなかった結果、このような発言につながったと思うのであります。政府のあいまいな自衛隊政策が国民の信頼をなくし、自衛隊内の不満を生み、また士気を損なっていることを自衛隊の最高責任者として総理は反省すべきでありますが、総理の見解を伺いたいのであります。
 掃海業務は、事実上かなりの危険を伴う業務であり、しかもインド洋のはるかかなたでの業務であり、派遣される自衛隊員の労苦ははかり知れません。派遣を命ずる総理は、その責任を片時も忘れることは許されません。同時に、海外派遣についての国民的合意も得られないまま危険な業務に従事させられる隊員の心中や御家族の気持ちをどう考えておられるのでしょうか。なぜ、もっと議論し、その目的、意義について国民の理解を求め、国民大多数の支援のもとに決定できないのでしょうか。このような政府のこそくなやり方に不安を抱き、一部の隊員の派遣辞退すら起こっているのが実情であります。総理は最高責任者としてどう考えられるのか、伺いたいのであります。
 以上、総理の明快な見解を求めるとともに、政府の独断による自衛隊の海外派遣には強く反対することを表明いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(海部俊樹君) 太田議員にお答えをいたします。
 国連平和協力法案の審議の経緯を踏まえてPKO三党合意が行われておることは私もよく承知いたしておりますけれども、その問題と今回のこの問題とはあくまで別に考えていただきたいと私はお願いをいたします。国連の国際社会への協力の一環としてPKOをどのようにしていくかということは、三党合意に従って今後も鋭意お話し合いを続け、作業をしていきたいと思っております。
 また、なぜ出すかとおっしゃいますが、これは国民生活に必要不可欠な原油の通商航海路の安全確保ということでありますから、これは国民生活の確保という大きな目的がそこにあるわけでございます。同時に、そのことは、日本だけがあの地域から油を買っておるわけじゃありませんから、ペルシャ湾、あの地域からは日本が二割ですけれども、油を出さない多くのアジアの国々もあそこの油に頼っておるわけであります。結果として、国際協調につながることも、国際貢献になることも、また油井の炎上なんかを助けていくための、あの地域の経済復興にも大きく役立つものと私は考えておるところであります。
 また、法的根拠についてお尋ねになりましたが、先ほども申し上げたように、昭和六十二年当時国会で十分御議論がございました。あらゆる角度の御議論を踏まえて御質問書に答え、政府は当時の議長のところに答弁書を提出いたしましたが、これは、ペルシャ湾において公海上に遺棄されたと認められる機雷について、我が国船舶の航行の安全にとり障害となっている場合に、その航行の安全を確保するために、これを除去する行為は武力の行使ではなく、自衛隊法上可能であるという、こういう答弁書が出ておりますし、また、申し上げたとおり国民生活を維持していくためにも極めて大切な問題でございます。掃海艇を派遣すればどれだけの効果が期待できるかとおっしゃいますが、御承知のように日本は長年の経験と実績を持っておりますので、これは世界の国々が認めておるところであり、その効果は十分期待できると思いますし、また、イラク自身が千二百個ほど敷設したと言われる機雷はいろいろな種類になっておって、係留機雷ばかりでもなく浮遊しておるものもあることは、日々のテレビの画面で処理作業等の実態を見て御理解願っておると思いますが、具体なことは現地に行って、念には念を入れて、今日までの経験を生かしてしっかりと任務を果たしてくるものと私は期待をいたしておるところであります。
 今後、無原則に紛争地帯や戦場へ出すことは絶対に考えておりませんから、政府声明の第四パラグラフにもそのことは明らかにしておるところであり、その一番の歯どめは憲法の九条だと私は思っております。
 また、国民の士気をなくするとおっしゃるが、国会における論議や白書を通じてこれほど防衛政策や防衛の態度を世界に明らかにしている国はないわけでありまして、このことについて国民に幅広く御理解されておるものと考えますし、また、御理解を深めていただいたがために最近の世論調査では派遣を認めてくださるお方の率が過半数を超えておるというこの事実も、私は謙虚に受けとめさせていただいて、まことにありがたい御理解だと考え、国際協力を平和時に限って、人道的な面に限って行っていくつもりでございますから、どうぞ隊員の皆さんは経験を生かして任務を果たしてくださるように、また御家族の方々も今回の任務の重要性を御理解していただき、隊員の努力を見守っていただきますように、御激励を賜りますように心からお願いを申し上げる次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#16
○議長(土屋義彦君) 吉岡吉典君。
   〔吉岡吉典君登壇、拍手〕
#17
○吉岡吉典君 日本共産党を代表して、自衛隊掃海艇派遣の政府決定に関し質問いたします。
 最初に、政府が自衛隊掃海艇のペルシャ湾派遣を決定し本日出動させたことに強く抗議し、直ちに中止するよう要求するものであります。
 海部総理、一九九一年という年は、あなたの内閣によって戦後史を画する重大な年になろうとしています。戦争放棄と戦力を保有しないという平和原則を明記した憲法のもとで、初めて戦争の経費を直接分担したのに次いで、自衛隊の掃海部隊をペルシャ湾に派遣することを決定し、本日二十六日には出動させたからであります。ことしは、真珠湾奇襲攻撃による太平洋戦争開始五十周年であります。この年を、戦争からの教訓に学び、平和、民主主義の土台を固める年にするのではなく、海部内閣によって憲法じゅうりんの新たな段階を画する年にすることを我々は許すわけにはいきません。
 そもそも日本国憲法は、いかなる名称によるものであれ、軍事組織の創設も軍事組織による国際的役割分担も想定しておりません。このことは法制局もはっきり認めざるを得なかったのであります。自衛隊の海外派遣など、全く憲法が想定するところではありません。もとより、自衛隊が憲法違反の軍隊であることは明白であります。この憲法違反の自衛隊法すら自衛隊による国際貢献は想定していないことを、防衛庁自身も認めざるを得ませんでした。今回のペルシャ湾への派遣が、自衛隊法にも違反するものであることは明らかであります。総理、あなたも自衛隊法が自衛隊の海外派遣による国際的役割分担を想定しているとは言えないだろうと思います。明確な答弁を求めます。
 武装した掃海艇六隻、五百人以上の海上自衛隊の掃海部隊が一万三千キロも離れたペルシャ湾に出動して、米英など八カ国の掃海部隊と協議、協力、分担を決めて関係国の領海を含む機雷海域で掃海行動を展開することが、主たる任務を我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つことに限った自衛隊法第三条をも踏み越えるものであることは、議論の余地のないところではありませんか。そこで政府は、掃海は自衛隊法第九十九条によるもので、第三条の任務とは無関係な警察活動だなどというとんでもない詭弁をもって言い逃れようとしております。
 しかし、政府自身、自衛隊法第九十九条の立法の趣旨は、第二次大戦のときに何万個も瀬戸内海沿岸にたくさん機雷が敷設されましたので、その掃海の任務を与えるために置かれたものであると答弁しております。そして、この立法の趣旨に沿って、国連からの要請がありましても、それがいかに平和的なものであっても機雷掃海のために自衛隊の海外派遣はしないという答弁も行われております。掃海部隊のペルシャ湾派遣は、これらの政府答弁でも明らかにされている立法の趣旨に照らしても許されないものであります。
 ところが、政府は、これらの答弁が都合が悪くなったために、さきの答弁書以来この答弁を勝手に変え、今国会でも、ベトナム戦争が行われている経緯において出されたものなどと言っていますが、前記答弁は、戦時、平時を問わず掃海のための自衛隊の海外派遣があり得ないという立法の趣旨に沿ったもので、だれもそれを勝手に変えることはできません。これは法治主義の否定であり、憲法の国民主権、民主的原則の抹殺ではありませんか。総理は、立法の趣旨を自己流にねじ曲げようとするのですか。さらに、憲法、法律の解釈、運用は、政府のそのときどきの勝手な解釈によって情勢の変化とともに変わるというのですか。明確に答弁願います。
 イラクのクウェート侵略、併合による昨年八月以来の湾岸危機、さらに湾岸戦争という事態に直面して、日本が行うべきことは、何よりもイラクの撤退を求め、軍事的手段、戦争によるのではなく、非軍事的制裁の徹底による平和的解決への努力でした。また、国連憲章、日本国憲法に沿って国民が一致して支持できる人的、物的、財政的貢献であるべきでありました。
 ところが、この間、海部内閣が最大の力を注いだのは、戦費分担と自衛隊派遣でした。昨年の国連平和協力法案が廃案になると、一月の特例政令による難民輸送のための自衛隊機派遣決定、そして今回の掃海部隊の派遣であります。総理が何と説明しようと、これは、中東に日の丸を、日本も血を流せというアメリカの要請にこたえるものであることは否定できません。これが今後の自衛隊海外派兵に道を開く危険な第一歩であることへの憂慮が、内外で表明されているのは当然のことであります。政府声明に「今回限り」と歯どめが明記されると言われていたのが織り込まれなかったばかりか、同様の事態が起こればどこへでも派遣するという趣旨の答弁をしています。何の歯どめもないではありませんか。疑問の余地がないよう明確にしてもらいたい。
 最後に、武力行使を目的とするものではないという政府の弁明に関して言えば、かつての日本の朝鮮、中国への軍事進出も、戦争、武力行使のためと言って出動したのではなく、居留民の生命、財産の保護ということだったことを思い起こさざるを得ません。この歴史的事実は総理も否定できないでしょう。こういう歴史を知っているアジア諸国民は、自衛隊のペルシャ湾派遣を中止し、自衛隊の海外派遣はしないのだという実を示さなければ、武力行使を目的とするものではないと言うだけでは、掃海部隊の派遣がいつかは自衛隊派兵にまでつながりかねないという不安を解消しないでしょう。特に日本は、三百十万人の自国民、二千万人以上のアジア諸国民を犠牲にした第二次世界大戦をしかけた国であります。しかも、サンフランシスコ平和会議で、侵略に対するアジア諸国代表の厳しい糾弾を受けながら、日本の吉田首相は、受諾演説で謝罪をしなかったばかりか、このことに言及さえしなかったのであります。反省どころか、その後、大東亜戦争はアジア独立の戦争だと主張してきた政治家が総理大臣になりました。
 しかも、今日、日本は世界第三位の軍事費を持つに至っております。日本の軍事予算は、中国を除くアジア諸国の軍事費総額に匹敵する額になっております。だから、アジア諸国から、侵略戦争への反省がない上に軍事大国化への不安が生まれているのであります。今回の自衛隊掃海部隊の湾岸派遣が、アジア諸国民の不安を拡大こそすれ解消するものではないことは明白であります。総理は、アジア諸国民のこの不安にどうこたえますか。
 私は、自衛隊法違反の掃海部隊派遣強行の中止を重ねて要求して、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(海部俊樹君) 吉岡議員にお答えをいたします。
 私は、自衛隊法の第三条というのは、自衛隊の本来の任務として我が国の防衛と公共の秩序の維持を規定しておりますが、一方、第八章においては、機雷の除去は第九十九条で海上自衛隊の権限として明記されておるものでありまして、イラクが原油を垂れ流したり、油井を炎上させたり、機雷をたくさん敷設したりというそういった無謀な行為に、これは平和回復直後に、平和時に行おうというものでありますから、海外派兵の御心配はもちろんのこと、自衛隊の解釈を勝手に自己流に曲げたものでは断じてございません。もともと私は自衛隊を合憲なものとして認め、これを大切に考えておりますが、自衛隊そのものを憲法違反というお立場のあなたとはどうしても議論はかみ合わないのでありますが、しかし、その問題は横に置いても、国際社会に貢献したいという平和時における今度の活動を個人でねじ曲げたという御発言は、これは私は間違いだと思います。
 政府の答弁では、きちっと、何回もここで申し上げております昭和六十二年に参議院に出したのがあるわけでありますから、海外派兵に道を開く危険な一歩でもありませんし、また今回は、国連決議を受けて平和が回復されたことをイラクもきちっと認めて、ここに機雷を出しましたということを答えて、それに対する必要不可欠な航路の安全確保という面でやっておるわけでありますし、日本の利益のみならず、アジアの国々を含む世界の多くの国があのルートを使って原油を入れておるということ、原油は国民生活にとって必要不可欠な問題であるということを考えますと、今度の行為は国際社会に対する人的貢献の一つである、こう考え、昨日の政府声明でもそのことを明確に発表したところでございます。(拍手)
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#19
○議長(土屋義彦君) 高井和伸君。
   〔高井和伸君登壇、拍手〕
#20
○高井和伸君 私は、連合参議院を代表して、ただいま海部総理大臣から報告がありました自衛隊掃海艇等のペルシャ湾への派遣について、海部総理大臣並びに関係大臣に質問をいたします。
 まず、政府の決定に対して、連合参議院の基本的態度を表明いたします。
 自衛隊掃海艇のペルシャ湾への派遣は海外派兵に当たり、専守防衛を定める自衛隊法第三条に違反し、昭和二十九年の参議院で決議された「自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議」に反するものであって、政府に、直ちに掃海艇の派遣を中止することを求めるものであります。さらに、今回の決定が国会の関与なしでなされ、国民にとって掃海艇派遣の必要性も緊急性もわからないままの決定であり、自衛隊の海外派遣の歯どめがなされないままになっている点からも、自衛隊法の際限のない拡大解釈の道を開くものとして、今回の決定に反対するものであります。
 以上の観点に立って、以下質問いたします。
 まず、総理に質問いたします。
 私は、自衛隊の海外派遣がいかなる形態によるにしろ、シビリアンコントロールを貫徹するために国権の最高機関たる国会の何らかの関与を経ることが必要と考えますが、政府は、前回の自衛隊機の派遣においては特例政令の制定という国会が全く関与しない手法を用い、また今回も同様に、単に政府声明を出して掃海艇の派遣を決めました。
   〔議長退席、副議長着席〕
こうした政府の対応を見るとき、立法機関たる国会の関与抜きで自衛隊の海外派遣の実績を積み重ねているように見受けられますが、国会の関与なしで自衛隊を派遣するとシビリアンコントロールがないがしろになるのではないかとお考えになりませんか、この点お尋ねいたします。また、今回の決定は、これまで政府がとってきた自衛隊を海外派兵しないという国是を変更するものとの御認識がないのか、お尋ねいたします。
 続いて、掃海艇の派遣の必要性について、総理に質問いたします。
 自衛隊掃海艇について、国民はペルシャ湾という一万三千キロも離れた場所に派遣することは大丈夫かしらと心配しております。こうした国民に対して、総理には、明白かつ緊急な機雷の掃海の必要性があったと十分説明し、納得させる責務があると考えます。総理は、この点についてどのように考えられるのか、そして国会や国民への説明を十分したとお考えか、お尋ねいたします。また、派遣の緊急性について、モンスーンの到来前に掃海の必要があるとの説明もなされていますが、それならば、停戦が実現した直後から掃海艇の派遣を検討する時間も十分ありましたし、国会での議論の時間もありました。それなのに、なぜ今日になって急いで派遣を決定したのか、その理由をお尋ねいたします。
 関連して、関係大臣に質問いたします。
 一つ、ペルシャ湾に現在日本の船舶がどの程度航行しているのか。二つ、日本のタンカーがペルシャ湾を航行してクウェート、イラクの石油の積み出しを現在行っておらず、イランの石油についてもアカバ湾から積み出しており、機雷の敷設されている海域を航行することはないと聞いていますが、この事実に誤りはありませんか。三つ、機雷の残存数は現在五百個と聞いておりますが、どの海域に残存しているのか、それは公海上にすべてあるのか、外国の領海にある場合でも機雷を掃海するのか。四つ、現在も各国の手によって掃海作業が続けられていると聞きますが、日を追うごとに掃海の必要性がなくなっていくのではありませんか。
 次に、掃海作業の危険性について、総理に質問いたします。
 これまで総理は、自衛隊機の派遣に当たって、繰り返し、安全な場所に派遣することを強調してこられました。今回の掃海艇の派遣は、機雷という危険なものを扱うものでありますから、これまでの自衛隊の海外派遣の条件としての安全な場所への派遣という趣旨と食い違うことにはなりませんか。この点お尋ねいたします。
 関連して、関係大臣にお尋ねいたします。
 一つ、掃海活動の日数、活動海域、掃海艇などの乗組員の休養、帰還予定日はどのような要素で決定されるのか。そして、現地での最大長期の滞在期間はどの程度になるのか。二つ、現在、入手した掃海のために必要な情報量はどの程度のものか。掃海における危険性はどの程度か。三つ、多国籍軍との共同行為に入ることがないのか。四つ、あるとすれば、そうした場合の指揮命令系統はどのようになるのか。
 続いて、自衛隊の海外派遣の歯どめの必要性について、総理にお尋ねいたします。
 自衛隊の海外への派遣について、その限界を示すことが総理の責務であると考えます。あらゆる形態を含め、総理は、自衛隊の海外への派遣の限界はどこまでであるか、国民に十分説明される必要があると思います。総理の御見解をお聞きしたいと思います。
 また、政府声明の第四項の前段の文言、すなわち「正式停戦が成立し、湾岸に平和が回復した状況の下で、我が国船舶の航行の安全を確保するため、海上に遺棄されたと認められる機雷の除去」を歯どめと読めばよろしいのか。また、政府声明には今回限りの措置であるとの明言がありませんが、そのように理解してよろしいのか。さらに、政府の自衛隊法第九十九条の解釈を前提にすれば、第九十九条には地理的な拘束はないのですから、掃海のためならばあらゆる海域の公海に自衛隊の掃海艇を派遣できることになりますが、そのとおりでしょうか、お尋ねいたします。
 財政面について、関係大臣にお尋ねいたします。
 一つ、掃海艇派遣の経費は幾らと見積もられますか。二つ、予備費の支出を考えておられますか。三つ、補正予算による手当てをお考えでございますか。以上、三点についてお答えください。
 総理に対する最後の質問になりますが、日本の過去の歴史を振り返るとき、アジア諸国に対する説明を初め、世界各国に対する説明が必要不可欠と考えます。どのような対応をされるのか、総理にお尋ねいたします。さらに、政府声明には、航行の安全の確保が「国際社会の要請」であると抽象的に述べられております。この「国際社会の要請」とは具体的にどのような事実を指すのか、そして、日本もいよいよ軍事大国の道をあからさまに歩み始めたという外国の反応に対してどのように対処されるのか、お尋ねします。
 以上の質問を終わるに当たって、的確な答弁をいただくために、冒頭に申し述べました連合参議院の考えを再度敷衍したいと思います。
 本日ただいま既に掃海艇が日本を離れているときに、私は、今回の一連の政府の措置に対して国会が何ら関与できなかった姿が、戦前の軍部の独走を抑制できなかった国会の姿と二重写しになるのであります。同じ掃海艇の出港でも、国会のコントロール下においての出港と、そうでない、行政サイドのみの独断による出港とは、天と地の開きがあります。今回の政府の対応は、「初めに自衛隊の海外派遣ありき」というものでございました。そして、そのために自衛隊法が政府のゆがんだ解釈によって矮小化され、結果として自衛隊の海外派遣の実績を何の歯どめもなしに、国会のコントロールなしで行われた点、日本の政治システムが全く機能していないことを悲しみ、民主主義の破壊と考えるものであります。
 自衛隊海外派遣のときに、平和憲法を書きかえようと呼びかける人が、疑惑事件で謹慎中の身でありながら、突如自民党に復党するのは歴史の皮肉でしょうか。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(海部俊樹君) 高井議員にお答えを申し上げます。
 自衛隊の海外派遣につきましては、これはそれぞれの状況に応じて我々は法律をきちっと解釈して行わなければならぬのは当然のことでありますけれども、第三条の本来の任務のほかに、第九十九条に警察行動として海上自衛隊に機雷の除去の権限が付与されておりますから、私はこの九十九条の権限を行使すべきである、こう考えましたし、自衛隊の海外派兵をしないという国是を変える転換ではないかとおっしゃいましたが、海外派兵ではございません、これは何回も申し上げているように。平和目的の問題であり、海外派兵というのは武力による威嚇または武力の行使を目的として出すものでありますから、そこの明確な考えは区別を願いたいと思います。
 同時に、戦後我が国は一国平和主義をとっていくのではなく、そろそろ、世界の中でこれだけの経済的な地位を得るに至れば、好むと好まざるとにかかわらず、世界の国々の恩恵も受ける相互依存の関係の中の社会でありますから、私はそれに対して、あの地域から油を買っておるのは日本が原油の二割ですけれども、その他の八割はそれ以外の国々が国民生活にとって必要不可欠な要素を持っておるわけでありますから、そこの航行の安全を図ることは、ただ単に我が国のみならずそれらの国々の要請でもあるというのが私の国際的な要請であるという言葉の考え方でございます。
 同時にまた、千二百個に及ぶ機雷を敷設したということを当のイラクが国連に言っておることでありますし、また八カ国に及ぶ国がそれに対して積極的に除去作業に現在入っておるわけでありますから、その必要性は十分でございますし、また国連の決議を受けてあの地域に正式に平和が回復したということを確認いたしましたので、政府は慎重にこれらの状況を検討して必要を認め、決定をいたしたわけであります。また、危険な地域というのは、現に交戦が行われておるとか紛争が行われておるとかいうところであって、攻撃を受ける危険があるかもしれないということは、これは十分前提として考えなければなりませんから国連決議を待ちましたけれども、機雷掃海の問題は、遺棄された機雷を除去する作業でありまして、また今日まで自衛隊の皆さんは長年にわたって多くの機雷を処理してきたという経験と実績がございますので、これに私は信頼をして、国際社会の重要な航路の安全確保のために出動を命じたわけでございます。
 また、今回限りの措置という歯どめがないではないかとおっしゃいますが、私はあのサダム・フセインのような無謀な行為が二度と行われないことを強く願っておりますが、今回の措置はこれに対して政府声明第四項において歯どめの問題については明確に書いておきましたので、どうぞ御理解をいただきたいと思います。
 また、九十九条の解釈を前提にすればあらゆる地域に掃海艇を派遣するのかというお尋ねでありますが、これも政府声明にも書きましたように、我が国船舶が死活的に重要だと考えるものを輸入する航路の安全確保であるということでありますから、戦時ではないということと、国民生活のために必要不可欠なものを運ぶ航路であるということが、今回の派遣に踏み切った大きな理由でございます。
 また、アジア諸国に対しましては、誠意を持ってこういった事情の説明を続けてまいりますし、また、今後、国際社会に対して日本がどのような立場で協力、貢献ができるかということを積極的に考え、三党合意の枠内で新たなる枠組みも築いていきたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣中山太郎君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(中山太郎君) 高井議員にお答えを申し上げます。
 ペルシャ湾に日本船舶が現在どの程度航行しているのかというお尋ねでございましたが、この三月以降、ペルシャ湾には毎日平均十五隻程度の日本の船舶が就航していると承知をしております。
 また第二のお尋ねは、日本のタンカーが機雷の敷設されている海域を航行することは現在ないと聞いているが、この事実に誤りはないかということでございました。イラクにより敷設された機雷は、主にイラク及びクウェートの近海に広範囲に位置しており、クウェートの諸港、さらにはイラクのファオへの主要航路をふさぐ形となっていますため、御指摘のとおりこれまでのところ日本関係船舶がこれら諸港に航行ができず、その行き先はサウジアラビアのジュベイル、ラスタヌラ及びイランのカーグ島までと相なっております。しかしながら、これらの諸港に至る航路につきましては、クウェートの復興、原油生産の再開等が進むにつれて、クウェートへの復旧物資の輸送、原油の搬出を初めとする通商一般の拡大が予想され、今後我が国関係船舶が航行する必要性が高まるものと考えられております。こうした点にかんがみますと、機雷の除去作業による航路の安全の確保は、我が国関係船舶の安全な航行を確保する上で極めて重要であると考えております。
 第三のお尋ねは、機雷の残存数が現在五百個と聞いているが領海内の機雷は掃海するのかということでございますが、イラクにより敷設された約千二百個の機雷は、北緯二十八度三十分以北かつ東経四十九度三十分以西のペルシャ湾海域におおむね敷設されており、これまで約六百個が処理されたものと承知をしております。機雷敷設地域は、一部クウェート等の領海に含まれておりますが、他は公海上と承知をいたしております。ペルシャ湾のどの海域について我が国掃海艇による機雷の除去が必要なのか等については、今後さらに情報収集を行う必要がありますが、一般的な法律論で申しますと、他国の領海においても当該国の同意があれば機雷の除去を行うことは可能であると考えております。
 第四は、現在も掃海作業が続けられていると聞くが、日を追うごとに掃海の必要性がなくなるのではないかというお尋ねでございました。ペルシャ湾北西部におきましては、現在、アメリカ、イギリス等八カ国が掃海艇を派遣して掃海作業を行っておりますが、機雷の掃海作業は処理の容易なものから実施されるのが通常でありまして、その作業は次第に困難さを増し、かつ長い時間を必要とするようになるものと思われます。したがって、残りの機雷を除去するためにはまだ相当の時間が必要と言われており、我が国掃海艇を現地に派遣する必要性は引き続き存在するものと考えられます。(拍手)
   〔国務大臣池田行彦君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(池田行彦君) 高井議員にお答え申し上げます。
 まず、掃海活動の日数、活動海域、帰還予定日等についてのお尋ねでございますけれども、このようなことは、まさに、機雷の数量、種類、敷設の位置、それから現地の気象条件、掃海艇を派遣している各国の掃海作業の進捗状況等、こういったもので変わってくるわけでございます。したがいまして、現段階で確たることは申し上げがたいところでございますけれども、いずれにいたしましても任務の特性上相当長期にわたることも予想されますので、隊員の休養についても十分配慮してまいりたい、このように考えております。
 次に、入手した情報量、それから掃海における危険度いかんというお尋ねでございました。機雷の状況等につきましては、掃海艇を派遣している各国等から外交ルートを通じていろいろその情報を得ているところでございまして、例えば、先ほど外務大臣からもお答えございましたけれども、千二百個ぐらい敷設されたけれどもほぼその半数ぐらいがこれまでに処理されておりますし、また、現在残っておりますものは非常に処理の難しいものでございますので、今後もかなりの期間除去の作業が必要とされている、こういうふうに見込まれるところでございます。いずれにいたしましても、今後とも引き続き情報の収集には努力してまいるところでございます。それから掃海作業は、そもそも爆発性の危険物を対象とする仕事でございますので、危険を伴わないとは申せませんけれども、事故防止対策には万全を尽くして安全の確保に最大限配慮してまいる所存でございます。
 第三に、多国籍軍との共同行為に入ることはないのか、こういうお尋ねでございました。現地での作業は、現在掃海を行っております諸国との協力のもとに行われることになりますので、必要な実務的な協議や調整が行われるということはこれはあり得ると思います。しかしながら、他国の指揮系統に入るというようなことはあり得ないことは当然でございます。
 最後に、経費に関するお尋ねがございましたが、これも、今回の掃海艇の派遣期間等につきまして流動的な要素がございまして、現段階において確たることは申し上げられませんけれども、その必要な経費といたしましては、油の購入費であるとか糧食費であるとか諸手当等が考えられるわけでございまして、一定の前提のもとにあえて試算をしてみますと、全体で十一億円程度と現在見込んでおります。なお、この経費は既定予算の中で賄うことが可能と思われますので、予備費の使用とかあるいは補正予算の提出ということは、現段階で考えておりません。(拍手)
    ―――――――――――――
#24
○副議長(小山一平君) 寺崎昭久君。
   〔寺崎昭久君登壇、拍手〕
#25
○寺崎昭久君 私は、民社党・スポーツ・国民連合を代表して、自衛隊掃海艇のペルシャ湾派遣問題を中心に、総理に緊急質問を行うものであります。
 昨年八月二日のイラクによるクウェート侵略以来、その不法、不当な行為により、クウェートのみならず、世界じゅうが甚大な被害をこうむりました。クウェートの油井はいまだ炎上を続けており、原油流出による環境破壊ははかり知れません。また、ペルシャ湾に敷設された機雷によって、船舶航行の安全が脅かされております。こうした状況の中で、政府は、一昨日、これらの機雷を除去するため、自衛隊の掃海艇をペルシャ湾に派遣することを決定いたしました。
 既に、アメリカ、イギリス、ドイツ、サウジアラビアなど各国は、ペルシャ湾に掃海艇を派遣し、掃海作業を進めております。エネルギーの七割を石油に頼り、ホルムズ海峡を通るタンカーの六割が我が国向け原油を積載しているという事実からも明らかなように、ペルシャ湾は我が国経済の生命線とも言える極めて重要な地域であります。湾岸戦争を通じて、イラクがこの地域に敷設した機雷を他国に取り除かせ、ひとり我が国のみは船舶を安全に航行させ、その恩恵に浴しようという姿勢は、国際社会では通用せず、国際国家としての資格を失うものであると言わなければなりません。我が党は、政府の今回の措置は当然であり、妥当なものと評価するものであります。私は、この際、掃海艇の派遣を機に、世界の平和と安全を守るために我が国が何をすべきかについて国会で論議を深め、要すれば法律改正を行うなどの手順を踏んで、必要な体制整備を図ることこそ国際国家日本の喫緊の課題であると考えますが、この点について総理の御所見をまずお伺いいたします。
 四月十二日に正式停戦が成立し、現在は完全に平時の状態にあり、掃海艇は戦場に赴くものではありません。したがってまた、戦争に巻き込まれる可能性もありません。機雷除去は、ペルシャ湾を航行する船舶の安全を確保するという人道上の活動であり、全日本海員組合など、乗組員を擁する労働組合からも強く求められているところであります。掃海艇派遣は、武力の行使を目的とするものではなく、憲法違反に当たらないばかりか、「国際社会において、名誉ある地位を占めたい」とする憲法の精神に沿うものであります。また、自衛隊法第九十九条に、海上における機雷その他の爆発性の危険物の除去、処理は自衛隊の任務として規定されており、今回の派遣は明らかに法的根拠があると考えます。
 しかし、掃海艇の遠距離派遣は、我が国にとって初めてのケースであり、今後これが自衛隊の海外派兵に拡大していくのではないかという内外の一部の懸念を払拭するためにも、単に政府声明で根拠や合法性を列挙するだけでなく、この際、派遣の要件や派遣可能とする海域の定義などについて、立法措置あるいは国会決議をもって基本原則として明示する必要があると思います。また、この際、報道関係者に掃海艇同乗を認め、あるいは便宜供与を行うなどして、国民理解の増進に資するべきだと思いますが、これらの点について海部総理の御答弁を求めます。
 今回、掃海艇とともに約五百名の自衛隊員が派遣されると伝えられております。隊員は、我が国の生命線である通商ルートの安全を確保し、各国の船舶及び乗務員の生命と安全を守るという名誉ある任務を遂行するため本国を離れるわけであります。私は、国民とともに、隊員の皆さんの無事と任務の成功を心から祈りたいと思います。同時に、隊員が後顧の憂いなく、使命感に燃えて出動できる態勢をつくることこそ、政府の責務であると思います。その一環として、掃海部隊隊員の派遣に当たり、自衛隊の最高指揮官として、また国民の代表として激励してやる心づもりはあるのかどうか、また、あるとすれば具体的に何をやるのか、総理に伺います。
 我が国の掃海技術は世界一流であるとはいえ、これまでの経験から推して、掃海作業に多くの危険が伴うことは避けられません。政府は、劣悪な環境下で危険かつ困難な任務に従事する隊員に対して、特殊な環境における手当や万一の場合の補償を約束するとともに、事故防止対策に万全を期するべきであると思います。総理は十分考慮せよと指示されている旨の報道がなされておりますが、この点について具体的にどのような施策を考えておられるのか、総理の見解をお聞かせいただきたいのであります。
 湾岸戦争は、中東地域に大きなつめ跡を残しました。我が国としても、ポスト湾岸の国際貢献について積極的な役割を果たしていくことが必要であるものと考えられます。この見地から、総理に幾つかお尋ねいたします。
 一つは、クルド難民の救済についてであります。我が国の貢献策は小出し追加型であり、これが国際社会からの評価を低からしめる一因となっております。私は、クルド難民救済のため、既にイランに派遣した数名単位の医療チームに加え、この際、医師、看護婦、看護士を中心とするさらに大規模な国際緊急援助隊を編成し、現地派遣に努めるべきであり、またトルコ側難民についても、トルコ政府が受け入れる場合には国際緊急援助隊を派遣すべきであると考えます。
 また、湾岸環境汚染対策も強化すべきであります。油回収船団の派遣など原油の回収支援、海水プラント保全を強化するとともに、大気汚染の影響下にある地域に対し調査団を派遣すべきであります。
 さらに、イラク・クウェートの国境紛争の解決、イスラエルの占領地からの撤退、パレスチナ人の権利擁護など、中東地域の平和と秩序のための包括的な枠組みづくりのために、我が国としても積極的に協力していくことが必要であると考えます。特に、核・生物・化学兵器を初めとする軍備管理等を推進していくことが必要であります。
 以上の諸点について総理の御所見をお伺いいたします。
 最後に、PKOへの協力についてお伺いいたします。
 湾岸戦争が終結し、国連はイラク・クウェート国境に停戦監視団を派遣することになりました。しかし、我が国からはわずかに国連職員一名が参加するのみであり、それも国連を通じての派遣ということで、日本は停戦監視団への派遣国としてカウントされていないというのが実態であります。国連の平和活動への参加は、昨年の三党合意によりその必要性が確認されたものの、いまだに具体的な立法作業には入っておりません。カンボジア和平など、今後の国際情勢を展望しても、PKOへの参加のための条件整備を急がなければならないと思うのでありますが、この点について総理の決意をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(海部俊樹君) 寺崎議員にお答えを申し上げます。
 御質問の中でお述べになりました国際社会に対する貢献のあり方、そして日本がなすべきこと、それらについての御意見は私も全く同感の部分がたくさんございまして、御激励をいただいたものと受けとめながら、心して拝聴させていただきました。
 今後は、どのような状況が起こったときにどうしたらいいかということは、これは最後の御質問ともダブるお答えになるかと思いますが、今、どのような世界の状況が起こってくるのか全く不透明な状況の中で、日本として許される国際貢献のあり方は何かということについて、新しい国際社会に対する協力のあり方について成案を得るべく努力を続けておるところであり、国際国家としての責任を果たしていくべきだと考えております。
 また、掃海艇の派遣は決して海外派兵への道を開くものではございません。この懸念を払拭するために私どもはいろいろと法規に従って行っておるわけでありますが、党首会談でも政府の考え方を各党にお伝えし、またこうして衆参の本会議でも御説明を申し上げ、また周辺の諸国に対しては、政府声明を誠意を持って説明することによって、海外派兵への道を開くものではないということは政府声明の第四項にも明らかにしたところでございます。
 また、報道関係者に掃海艇同乗を認めて便宜供与を行ったらどうかという御提案でございます。私は、できる限りこういった平和活動は国民の皆さんに広く御理解と御認識をいただくことが必要だと考えておりますので、防衛庁において適切な処置をとるものと思いますが、あの小さい掃海艇は居住スペースも決まっておりますので、長い間全行程を御同乗願うことはできないとしても、実施方法等については現地においてどうしたらいいかということについて便宜供与をし、国民の皆様にも報道を通じて実態を御理解いただきたい、このように考えております。
 また、私は掃海艇の派遣に当たり御激励を申し上げるつもりがいっぱいございましたが、きょう、残念ながらこの時間は私の代理で副長官が現場へ飛んでおりますし、また二十四日には海幕長に直接防衛庁長官とともに私のところへ来てもらって、重要な作業であるのでしっかり頑張ってきていただきたいと。国内でも、今日まで自衛隊の災害復旧活動等においてあの献身的な不眠不休の努力がいかに多くの認識と評価を国民に与えたかということを思い起こせば、今回の場合も、戦時ではなく平時の国際協力でありますが、これは世界の国々の重要な通商航海路の安全確保という平和目的のところで、しかも機雷の除去という経験のある仕事をやるのでありますから、重要な任務と心得、しっかり頑張ってもらうように申し伝えたところでありますが、改めて本日はすべての艦長に電報をもって私のこの気持ちを伝えるつもりでございます。
 なお、クルド難民救済にお触れになりましたが、先ごろ、日本から難民高等弁務官になってもらった緒方さんが現地を視察して帰ってこられました。その御報告を聞いて、私はできる限りの協力、努力をすべきであるというので、従来行っておりましたクルド難民救援のために既に派遣をした小規模医療チームに加えて、第二陣、第三陣と出すことを決定いたし、本日までに三陣を入れると合計三十名になっておりますが、残念ながらトルコ政府との間ではまだこれらの問題についての協議や合意が得られておりませんので、トルコ政府との合意が得られ、どのような協力が可能かが判明し次第、これは積極的に参加をしていくつもりでございます。
 そのほかの問題につきましては、例えば原油回収団の派遣は、オイルフェンスの提供やオイルスキマー三十台を技術者とともに既に派遣いたしまして、原油回収作業に今現在全力を挙げて取り組んでおるところでございますし、また海水プラント保全を強化するためには十二名の技術者が参っております。
 また、油井炎上に対する調査団を派遣すべきではないかということでございました。油井炎上については、日本ではそれを消しとめる技術は経験としても能力としてもないようでありますけれども、それ以外のことで、健康管理の面や周辺の環境処理について何が御協力できるのか、昨日六名の調査団を派遣いたしましたので、その報告を聞きながら適切な対応をしてまいりたいと思っております。
 三党合意のPKOについては、さらに成案を得るべく努力を促進いたします。(拍手)
#27
○副議長(小山一平君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#28
○副議長(小山一平君) 日程第二 故李方子女史(英親王妃)に由来する服飾等の譲渡に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第三 麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約の締結について承認を求めるの件
  (いずれも衆議院送付)
 以上両件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長岡野裕君。
    ━━━━━━━━━━━━━
   〔岡野裕君登壇、拍手〕
#29
○岡野裕君 ただいま議題となりました条約二件につきまして、外務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、故李方子女史に由来する服飾等の譲渡に関する韓国との協定は、日韓両国の友好・協力関係の発展に資するため、我が国政府が故李方子女史に由来する服飾等二百二十七点を韓国政府に対して対価なしに譲渡すること等について規定しております。
 次に、麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国連条約は、麻薬及び向精神薬の不正取引の処罰、不正取引による収益等の没収、犯罪人引き渡し等について国際的な枠組みを定めるものであります。
 委員会におきましては、故李方子女史に由来する服飾等を韓国に譲渡することとした理由、韓国における本件服飾等の展示の方法、薬物乱用の現況と防止対策、薬物問題に関する国際協力、マネーロンダリングに対する規制策、監視つき移転による薬物犯罪捜査の実効性等の諸問題について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終え、採決の結果、両件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#30
○副議長(小山一平君) これより両件を一括して採決いたします。
 両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#31
○副議長(小山一平君) 総員起立と認めます。
 よって、両件は全会一致をもって承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#32
○副議長(小山一平君) 日程第四 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長矢原秀男君。
    ━━━━━━━━━━━━━
   〔矢原秀男君登壇、拍手〕
#33
○矢原秀男君 ただいま議題となりました日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法案につきまして、法務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、終戦前から引き続き我が国に居住し、昭和二十七年の日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した在日韓国・朝鮮人及び台湾人並びにその子孫を対象として、その歴史的経緯及び我が国における定住性を考慮し、その法的地位をより一層安定させるため、出入国管理及び難民認定法の特例を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、本法律案提出の経緯、退去強制の要件、再入国許可の有効期間等の諸問題につきまして熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#34
○副議長(小山一平君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#35
○副議長(小山一平君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#36
○副議長(小山一平君) 日程第五 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長野田哲君。
    ━━━━━━━━━━━━━
   〔野田哲君登壇、拍手〕
#37
○野田哲君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案の主な内容は、まず、平成三年度分の地方交付税総額について、法第六条第二項の額から、特例措置額四千五百二億四千万円、昭和六十年度分の地方交付税の総額の特例に係る一部返済額四百九十七億六千万円、交付税特別会計借入金利子支払い額六百二十七億円及び同特別会計借入金償還額一兆七百十八億九千五百万円を控除した額とすること、また、後年度の地方交付税の総額について、特例措置額四千五百二億四千万円に相当する額及び五千八百十一億円を加算すること、次に、普通交付税の算定について、地域振興、福祉施策、公共施設の整備及び維持管理、教育施策等に要する経費の財源を措置するほか、土地開発基金費、地域福祉基金費、財源対策債償還基金費を設けること、さらに、新産業都市等の建設並びに首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備に関する国の財政上の特別措置に関する法律について、法律の適用期間を五年間延長すること等であります。
 委員会におきましては、政府より趣旨説明を聴取した後、地方交付税の性格、地方交付税の減額問題、公共投資基本計画と地方負担、地方財政の現状認識、過疎団体の財政の現状と財源対策等の諸問題について熱心な質疑が行われ、またその間、参考人の意見聴取を行いました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して神谷委員より反対、日本社会党・護憲共同を代表して岩本委員より賛成の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#38
○副議長(小山一平君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#39
○副議長(小山一平君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#40
○副議長(小山一平君) 日程第六 日本国有鉄道清算事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長中川嘉美君。
    ━━━━━━━━━━━━━
   〔中川嘉美君登壇、拍手〕
#41
○中川嘉美君 ただいま議題となりました法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、日本国有鉄道清算事業団の所有する相当規模の一団の土地の円滑な処分を図り、その債務の処理を推進するため、同事業団が、当該土地の現物出資により取得する株式との交換を行うことができる権利を付した日本国有鉄道清算事業団特別債券を発行することができることとしようとするものであります。
 委員会におきましては、国鉄長期債務処理の進め方、清算事業団特別債券の仕組みと発行のあり方、汐留地区における事業団出資会社の経営問題等各般にわたる質疑が行われましたが、その詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の小笠原委員より反対の意見が述べられ、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、渕上理事より、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の共同提案に係る附帯決議案が提出され、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#42
○副議長(小山一平君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#43
○副議長(小山一平君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#44
○副議長(小山一平君) 日程第七 日本放送協会昭和六十二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書
 日程第八 日本放送協会昭和六十三年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書
 以上両件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長一井淳治君。
    ━━━━━━━━━━━━━
   〔一井淳治君登壇、拍手〕
#45
○一井淳治君 ただいま議題となりました昭和六十二年度及び昭和六十三年度の日本放送協会の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書につきまして、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 両件は、放送法の定めるところにより、会計検査院の検査を経て、内閣から提出されたものであります。
 まず、昭和六十二年度決算の概要を申し上げますと、昭和六十二年度末における財務状況は、資産総額三千五百八十億五千九百万円、負債総額千六百四十五億九千百万円、資本総額千九百三十四億六千八百万円となっております。当年度中の損益の状況は、事業収入三千五百四十五億四千百万円に対し、事業支出は三千四百八十七億三千百万円で、当期事業収支差金は五十八億一千万円となっております。
 なお、この当期事業収支差金は、昭和六十三年度以降の財政安定化のための財源に充てられております。
 次に、昭和六十三年度決算の概要を申し上げますと、昭和六十三年度末における財務状況は、資産総額三千五百六十六億八千百万円、負債総額千七百十二億千八百万円、資本総額千八百五十四億六千三百万円となっております。当年度中の損益の状況は、事業収入三千五百四十七億八千万円に対し、事業支出は三千六百二十七億八千五百万円で、当期事業収支差金は八十億五百万円の欠損となっております。
 なお、この欠損金は昭和六十二年度からの繰越金により補てんされております。
 また、両件には、会計検査院の「記述すべき意見はない。」旨の検査結果が付されております。
 委員会におきましては、両件を一括して審査し、収支予算が適正かつ効率的に執行されたかを初め、放送衛星の故障、補完衛星の打ち上げ失敗による衛星放送への影響、受信料免除措置の取り扱い、関連団体のあり方等について質疑を行いました。
 両件につき、質疑、討論を終了し、採決の結果、日本放送協会昭和六十二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書につきましては、全会一致をもって是認すべきものと議決いたしました。
 また、日本放送協会昭和六十三年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書につきましては、多数をもってこれを是認すべきものと議決いたしました。なお、本件につきましては、日本共産党を代表して山中委員より反対する旨の意見が述べられております。
 以上、御報告いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#46
○副議長(小山一平君) これより採決をいたします。
 まず、日本放送協会昭和六十二年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の採決をいたします。
 本件は委員長報告のとおり是認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#47
○副議長(小山一平君) 総員起立と認めます。
 よって、本件は全会一致をもって委員長報告のとおり是認することに決しました。
 次に、日本放送協会昭和六十三年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の採決をいたします。
 本件は委員長報告のとおり是認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#48
○副議長(小山一平君) 過半数と認めます。
 よって、本件は委員長報告のとおり是認することに決しました。
     ―――――・―――――
#49
○副議長(小山一平君) 日程第九 競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長吉川博君。
    ━━━━━━━━━━━━━
   〔吉川博君登壇、拍手〕
#50
○吉川博君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、競馬の公正の確保のための体制の整備を図るとともに、日本中央競馬会に特別振興資金を設けて競馬の健全な発展を図るための業務及び畜産の振興に資するための業務を行うことができることとする等所要の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人を招いてその意見を聴取するとともに、競馬の運営等の現状とそのあり方、競馬の公正確保の強化、日本中央競馬会の益金の有効活用、地方競馬の振興、軽種馬生産対策、場外馬券発売所設置問題等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑終局の後、日本共産党を代表して林委員より修正案が提出されました。
 採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し七項目にわたる附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#51
○副議長(小山一平君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#52
○副議長(小山一平君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#53
○副議長(小山一平君) 日程第一〇 行政事務に関する国と地方の関係等の整理及び合理化に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長井上孝君。
    ━━━━━━━━━━━━━
   〔井上孝君登壇、拍手〕
#54
○井上孝君 ただいま議題となりました法律案につきまして御報告申し上げます。
 本法律案は、平成元年十二月に臨時行政改革推進審議会が行いました国と地方の関係等に関する答申を具体化するため、森林法等十八法律の一部改正を行いますとともに、許可認可等臨時措置法を廃止し、同法の実効性を有している部分を恒久化するため、民法等十五法律の一部改正を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、行革審答申に対する政府の基本姿勢、国と地方の機能分担のあり方、国から地方への権限委譲の実態等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終わりましたところ、日本共産党の吉川理事より、本法律案のうち農地法等六法律の一部改正にかかわる条文の削除を内容とする修正案が提出されました。
 次いで討論に入りましたところ、日本共産党の吉岡委員より修正案に賛成、原案に反対の旨の意見が述べられました。
 次いで採決の結果、修正案は否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し六項目から成る附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#55
○副議長(小山一平君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#56
○副議長(小山一平君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#57
○副議長(小山一平君) 日程第一一 育児休業等に関する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長福間知之君。
    ━━━━━━━━━━━━━
   〔福間知之君登壇、拍手〕
#58
○福間知之君 ただいま議題となりました育児休業等に関する法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 育児休業制度については、本委員会育児休業制度検討小委員会において、各会派の熱心な審議を経て、昨年十二月、その法制化の必要性と法案の作成を政府に行わせることで各会派の意見が一致いたしました。
 本案は、その意向を受け、本年三月政府より本院に提出されるに至ったものであります。
 次に、本法律案の主な内容について申し上げます。
 最近における我が国の社会経済情勢にかんがみ、子を養育する労働者の雇用の継続を促進し、あわせて次代を担う者の健全な育成に資するため、男女労働者を対象とし、子が一歳に達するまでの間を限度とする育児休業制度を設けるとともに、子を養育する労働者の勤務時間の短縮等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、休業中の所得保障のあり方、不利益取り扱いの禁止、原則原職復帰、代替要員の確保、適用猶予事業所に対する援助措置等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わりましたところ、前島理事より、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合、参院クラブの六会派共同提案に係る検討規定を追加する旨の修正案が、また沓脱委員より、日本共産党を代表して、不利益取り扱いの禁止等を法制化する旨の修正案が、それぞれ提出されました。
 沓脱委員提出の修正案は、予算を伴うものでありますので、内閣の意見を聴取いたしましたところ、小里労働大臣より、政府としては反対である旨の意見が述べられました。
 次いで討論に入りましたところ、木庭委員より、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合、参院クラブを代表し、原案並びに前島理事提出の修正案に賛成、沓脱委員提出の修正案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、沓脱委員提出の修正案は賛成少数をもって否決され、前島理事提出の修正案並びに修正部分を除く原案は全会一致をもって可決され、本法律案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#59
○副議長(小山一平君) ただいま議院運営委員会の理事が協議中でございます。しばらくお待ちください。
    ―――――――――――――
#60
○副議長(小山一平君) これより採決をいたします。
 本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
 本案を委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#61
○副議長(小山一平君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって委員長報告のとおり修正議決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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