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#1
第120回国会 交通安全対策特別委員会 第8号
平成三年三月十五日(金曜日)
    午後一時開議
 出席委員
   委員長 長田 武士君
   理事 加藤 卓二君 理事 片岡 武司君
   理事 久野統一郎君 理事 鴻池 祥肇君
   理事 柳沢 伯夫君 理事 山下八洲夫君
   理事 竹内 勝彦君 
      石破  茂君    岩村卯一郎君
      河村 建夫君    前田  正君
      増田 敏男君    御法川英文君
      遠藤  登君    関山 信之君
      辻  第一君    和田 一仁君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 佐々木 満君
 出席政府委員
        総務庁長官官房
        交通安全対策室
        長       徳宿 恭男君
 委員外の出席者
        特別委員会第一
        調査室長    直江 鷹郎君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 交通安全対策に関する件(交通安全基本計画)
     ────◇─────
#2
○長田委員長 これより会議を開きます。
 交通安全対策に関する件について調査を進めます。
 この際、交通安全基本計画について、政府から説明を聴取いたします。佐々木総務庁長官。
#3
○佐々木国務大臣 第五次交通安全基本計画につきまして御説明をさせていただきます。
 この第五次交通安全基本計画は、陸上、海上及び航空交通の安全に関する施策の大綱を定めたものでございまして、交通安全対策基本法第二十二条の規定に基づきまして、去る三月十二日、中央交通安全対策会議において決定されたものでございます。
 昭和四十五年に一万六千人以上を数えました道路交通事故死者数は、昭和四十六年度以降、交通安全基本計画を作成し、国、地方公共団体を通じて交通安全対策を強力に推進しました結果、昭和五十四年まで着実に減少し、ほぼ半減するに至りました。しかしながら、その後増勢に転じまして、平成二年には、前年に引き続きまして一万一千人を上回り、極めて憂慮される状況にあります。
 近年の死亡事故の状況を見ますと、自動車乗車中の死者数の増加、高齢者や若者の死者数の増加、夜間や高速道路における死亡事故の増加等の特徴が見られます。
 また、鉄軌道交通、海上交通及び航空交通の事故につきましては、長期的には大きく減少傾向にございますが、一たび事故が発生しました場合には、多数の人命が失われるおそれがあり、さらに、近年は、プレジャーボート等の海難の増加やヘリコプターの死亡事故増加の兆しが見られるところでございます。
 このように、交通事故の防止は、従来にも増して、国、地方公共団体、関係民間団体、さらには国民一人一人が全力を挙げて取り組まなければならない緊急かつ重要な課題でありますので、引き続き、平成三年度から平成七年度までの五年間につきまして、第五次の交通安全基本計画を作成し、交通安全対策を総合的かつ強力に推進することとしたものでございます。
 第五次交通安全基本計画におきましては、人命尊重の理念のもと、道路交通に関しては、安全かつ円滑、快適な交通社会を実現することを目標に、官民の連携を一層緊密にしつつ、各般にわたる交通安全対策を総合的かつ計画的に推進することとしております。
 もとより、交通事故により国民のとうとい生命が一瞬にして失われてしまうようなことはあってはならず、交通事故根絶が究極目標ではございますが、道路交通事故につきましては、当面、平成七年の死者数を年間一万人以下に抑止することを目指しております。
 また、鉄軌道交通、海上交通及び航空交通につきましては、交通の量的拡大、多様化等に対応して、各般の安全対策を総合的に推進することにより、交通事故の一層の防止に努めることといたしております。
 この基本計画に基づきまして、国の関係行政機関及び地方公共団体においては、交通の状況や地域の実情に即して、交通の安全に関する施策を具体的に定め、これを強力に実施することとしておりますので、今後とも委員の皆様の御理解と御協力を賜りたく、お願いを申し上げます。
 なお、基本計画の概要につきましては、交通安全対策室長から御説明を申し上げますので、よろしくお聞き取りをお願い申し上げたいと思います。
 ありがとうございました。
#4
○長田委員長 引き続き補足説明を聴取いたします。徳宿総務庁長官官房交通安全対策室長。
#5
○徳宿政府委員 第五次交通安全基本計画の概要につきまして、お手元に配付してございます「第五次交通安全基本計画について」という資料に基づきまして御説明を申し上げます。
 交通安全のための施策を講ずるに当たりましては、人命尊重の理念のもと、死傷事故根絶の究極目標を目指す立場に立って、経済社会情勢の変化を踏まえつつ、交通事故の実態に対応した安全施策を講じていく必要があります。
 このような観点から、この基本計画では、陸上、海上及び航空交通の各分野ごとに、車両、船舶、航空機等の交通機関、それを運転、運航する人間及びそれらが活動する場としての交通環境という三つの要素について、それら相互の関連を考慮しながら、科学的な交通事故の調査分析の成果をも踏まえ、適切な施策を総合的に策定し、かつ、これを官民一体となって強力に推進することを基本としております。
 まず、陸上交通の分野につきましては、道路、鉄軌道及び踏切道における交通安全対策を取り上げております。
 道路交通につきましては、道路交通環境の整備、交通安全思想の普及徹底、安全運転の確保、車両の安全性の確保、道路交通秩序の維持、救助・救急体制の整備、損害賠償等の適正化、科学技術の振興等の各般の交通安全対策を講ずることとしておりますが、特に、次の重点施策及び新規施策を強力に推進することとしております。
 第一に、交通安全対策の原点となる交通事故の総合的な調査研究の推進でありますが、統計分析の高度化を図るとともに、工学、医学、心理学等の分野の専門家等との連携、協力のもと、科学的アプローチによる交通事故の総合的な調査研究を推進することとしております。
 第二に、車両の安全性の確保でありますが、車両の安全基準を総合的に見直し、これに沿って車両の保安基準の拡充強化を図るとともに、安全性の一層の向上を図った自動車の開発、自動車の技術安全情報のユーザーへの提供などを推進することとしております。
 第三に、安全かつ円滑な道路交通環境の整備でありますが、道路の新改築による交通安全対策を推進するほか、第五次交通安全施設等整備事業五カ年計画の推進により、歩道、自転車道、歩行者用信号機等の整備など、歩行者、自転車利用者等の安全確保を図るとともに、交通管制システム・信号機の高性能化、交差点改良、付加車線、簡易パーキングエリア、キロポスト等の整備など、自動車交通の安全と円滑化を図ることとしております。また、高速道路における交通安全施設等の整備、総合的な駐車対策の推進、新しいメディアを活用した道路交通情報通信システムの構築、地域交通の特性に応じた効果的な交通規制などを推進することとしております。
 第四に、交通安全教育の推進でありますが、まず、幼児から高齢者に至るまでの交通安全教育の一貫性の確保及び家庭、学校、職場、地域等の領域別の教育相互の有機的な連携を図ることとしております。また、自動車教習所の教育、初心運転者講習等の運転者に対する再教育、民間団体等による自主的な安全運転講習等を充実し、実践的な運転者教育を推進するとともに、過積載、過労運転の防止、長距離バス、トラック、タクシー等の安全運行の確保、シートベルトの正しい着用の徹底などを推進することとしております。
 第五に、効果的な指導取り締まりの実施でありますが、悪質性、危険性、迷惑性の高い違反に重点を置いた効果的な指導取り締まりの実施などを推進することとしております。
 第六に、救助・救急体制の整備でありますが、救急隊員の行う応急処置範囲の拡大、救急救命士の創設、医師、看護婦等の救急現場への出動システムの構築等により、搬送途上等における応急処置等の充実を図るとともに、救助・救急設備の整備、救急隊員等の教育訓練の充実、救急医療担当の医師、看護婦等の養成などを図ることとしております。また、事故現場に居合わせた関係者等による迅速、適切な応急手当てが必要不可欠であるため、心肺蘇生法等の応急手当ての一層の普及に努めることとしております。
 第七に、交通安全推進体制の充実強化でありますが、関係省庁、地方公共団体等のより一層緊密な連携を図るとともに、民間における交通安全活動の役割の重要性にかんがみ、各種交通安全団体とともに、地域団体、車両製造・販売団体、ユーザー団体等における交通安全活動を一層推進することとしております。また、国、地方公共団体及び民間団体等による官民一体となった交通安全活動推進体制を一層強化し、交通安全に関する国民挙げての活動の展開や地域の自主的な活力ある交通安全活動の推進を図ることとしております。
 第八に、近年の事故状況を勘案して、増加の顕著な事故態様及び死者数の多い事故態様に対応した諸対策、すなわち、自動車乗車中の死傷者数減少方策、高齢者の交通安全対策、若者の交通安全対策、夜間事故対策及び高速道路における事故対策を強力に推進することとしております。
 以上が道路交通についての重点施策及び新規施策でありますが、これらの諸施策を総合的かつ強力に推進することにより、交通事故の増加傾向に歯どめをかけ、特に死亡事故の防止には格段の意を注ぎ、交通事故死者数の減少に努め、ただいま大臣からもございましたとおり、平成七年の死者数を年間一万人以下に抑止することを目指しております。
 この目標につきましては、今回の基本計画の作成に当たり、その参考とするために、総務庁が調査研究機関に委託して交通事故発生状況の長期予測等に関する調査研究を実施いたしましたところ、自動車走行台キロの伸び等事故発生の諸要因を一定の前提のもとに推定し、平成七年の交通事故を予測いたしますと、死者数は一万三千五百人程度にも達すると見込まれるとの結果を得ましたが、さきに御説明いたしました重点施策、新規施策を初めとする各般の交通安全施策を強力に推進することにより、大変厳しい目標ではありますが、平成七年の死者数を一万人以下に抑止することを目標として示しております。
 鉄軌道交通の安全対策につきましては、列車運行の高速化、高密度化に対応して、自動列車停止装置の設置等の施設整備、列車の運行管理体制及び運転関係従事者の教育訓練の充実、鉄軌道の安全に関する知識の普及等の諸対策を推進し、運転事故の防止に努めるとともに、また、踏切道における交通安全対策につきましては、踏切道改良促進法の延長を図るとともに、第五次踏切事故防止総合対策に基づき、踏切道の立体交差化、構造改良、踏切保安設備の整備、交通規制の実施、踏切道の統廃合の促進等の諸施策を推進し、踏切事故の防止に努めることとしております。
 海上交通の安全対策につきましては、海域利用の多様化、海上交通の複雑化に対応しまして、第一に、船員の資質向上、運航管理体制の適正化、国民全般への海難防止思想の普及等、人為的要因による海難の防止対策、第二に、第八次港湾整備五カ年計画等に基づく交通安全施設の整備、実態に即した効果的な交通規制、海上交通に関する情報提供の充実等、船舶交通がふくそうする海域における安全対策、第三に、マリーナの整備、海洋レジャーの安全に関する指導、プレジャーボート等の通信システムの普及促進等、海洋レジャーの安全対策、第四に、国際条約の要請等による海難救助体制等の強化など、各般の安全対策を推進し、海難の防止に努めることとしております。
 航空交通の安全対策につきましては、航空機数や航空交通量の増加、航空機の大型化、高速化、ヘリコプター等の小型機の利用の増加等による航空交通の多様化等に対応して、第一に、第六次空港整備五カ年計画に基づく航空保安システム及び空港の整備、第二に、航空従事者の技量の充実及び小型航空機等に関する指導の強化等航空機の安全な運航の確保、第三に、航空機の経年化対策の強化等航空機の安全性の確保、第四に、ニアミス防止対策の一層の充実強化など、各般の安全対策を推進し、航空事故の絶滅を図ることとしております。
 以上が第五次交通安全基本計画の概要でございます。
#6
○長田委員長 以上で説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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