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#1
第120回国会 予算委員会第五分科会 第3号
平成三年三月十三日(水曜日)
    午前九時開議
 出席分科員
   主査代理 町村 信孝君
      狩野  勝君    五十嵐広三君
      上野 建一君    嶋崎  譲君
      田中 昭一君
   兼務 川島  實君 兼務 小岩井 清君
   兼務 斉藤 一雄君 兼務 沢田  広君
   兼務 新村 勝雄君 兼務 安田 修三君
   兼務 貝沼 次郎君 兼務 竹内 勝彦君
   兼務 藤原 房雄君 兼務 小沢 和秋君
   兼務 木島日出夫君 兼務 江田 五月君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 愛知 和男君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        長       森  仁美君
        環境庁長官官房
        会計課長    井上  毅君
        環境庁企画調整
        局長      渡辺  修君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 柳沢健一郎君
        環境庁自然保護
        局長      伊藤 卓雄君
        環境庁大気保全
        局長      古市 圭治君
        環境庁水質保全
        局長      武智 敏夫君
 分科員外の出席者
        国土庁地方振興
        局総務課長   磐城 博司君
        大蔵省主計局主
        計官      浜中秀一郎君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部環
        境整備課長   坂本 弘道君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部環
        境整備課浄化槽
        対策室長    佐藤 文友君
        農林水産省構造
        改善局建設部防
        災課長     岡本 芳郎君
        水産庁振興部沿
        岸課遊漁対策室
        長       川本 省自君
        水産庁振興部振
        興課長     海老沢志朗君
        通商産業省立地
        公害局環境政策
        課地球環境対策
        室地球環境企画
        官       富田 育男君
        工業技術院総務
        部総括研究開発
        官       河面慶四郎君
        運輸大臣官房国
        有鉄道改革推進
        部業務課長   楠木 行雄君
        運輸大臣官房国
        有鉄道改革推進
        部施設課新幹線
        環境対策室長  倉本 東三君
        運輸省港湾局計
        画課長     木本 英明君
        運輸省港湾局環
        境整備課長   高井 俊郎君
        建設省都市局下
        水道部流域下水
        道課長     松井 大悟君
        建設省河川局治
        水課長     日野 峻栄君
        建設省河川局治
        水課都市河川室
        長       脇  雅史君
        建設省道路局企
        画課道路環境対
        策室長     井上 靖武君
        自治省財政局準
        公営企業室長  西川 一誠君
        参  考  人
        (日本道路公団
        理事)     山下 宣博君
        環境委員会調査
        室長      高橋 昭伍君
        予算委員会調査
        室長      多田 俊幸君
    ─────────────
分科員の異動
三月十三日
 辞任         補欠選任
  町村 信孝君     狩野  勝君
  五十嵐広三君     上野 建一君
  嶋崎  譲君     沢藤礼次郎君
同日
 辞任         補欠選任
  狩野  勝君     町村 信孝君
  上野 建一君     田中 昭一君
  沢藤礼次郎君     元信  堯君
同日
 辞任         補欠選任
  田中 昭一君     五十嵐広三君
  元信  堯君     嶋崎  譲君
同日
 第一分科員新村勝雄君、木島日出夫君、江田五
 月君、第二分科員竹内勝彦君、藤原房雄君、小
 沢和秋君、第三分科員小岩井清君、貝沼次郎君
 、第六分科員安田修三君、第七分科員川島實君
 、斉藤一雄君及び第八分科員沢田広君が本分科
 兼務となった。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 平成三年度一般会計予算
 平成三年度特別会計予算
 平成三年度政府関係機関予算
 〔総理府所管(環境庁)〕
     ────◇─────
#2
○町村主査代理 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。
 主査所用のため、その指名により私が主査の職務を行います。よろしくお願いいたします。
 平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算及び平成三年度政府関係機関予算中総理府所管環境庁について、政府から説明を聴取いたします。愛知国務大臣。
#3
○愛知国務大臣 平成三年度の環境庁関係予算案について、その概要を御説明申し上げます。
 平成三年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、環境庁予算要求額は五百三十八億二千三百七十四万円であり、これを前年度の当初予算額四百九十六億八千四百二十二万円と比較すると、四十一億三千九百五十一万円、八・三%の増額となっております。
 予算要求額の主要な項目について御説明申し上げます。
 第一に、環境保全の企画調整等については、地球温暖化を初めとする地球環境問題に取り組むため、地球環境保全に関する関係閣僚会議が決定した地球温暖化防止行動計画の推進及び国際会議の開催や開発途上国等の環境保全計画づくりの支援等の国際環境協力の推進に努めるほか、国民各界各層に対する環境教育の強化、先端技術の進展と化学物質の使用拡大に対応した環境保全施策の充実を図るとともに、環境影響評価及び公害防止計画の策定の推進に必要な経費など、合わせて九億二千五百六十八万円を計上しているところであります。
 第二に、公害による健康被害者の救済等については、従来に引き続き、公害健康被害補償制度の適正かつ円滑な実施を図るとともに、公害健康被害補償予防協会に設けられている基金を活用した健康被害予防事業や総合的な環境保健施策を推進するほか、水俣病の認定業務を促進することとし、これらの経費として二百二十八億千六百三万円を計上しております。
 第三に、大気汚染等の防止については、窒素酸化物対策として、自動車排出ガス総量抑制方策の検討、低公害車の普及推進等を進めるほか、オゾン層保護対策として、フロンガス等の監視及び調査研究の推進等、酸性雨対策として監視測定体制の整備等に努めるとともに、未規制大気汚染物質対策、脱スパイクタイヤ対策及びアスベスト対策の推進を図ることとしております。
 また、騒音、振動及び悪臭対策についても、一層の推進を図ることとし、これらの経費として八億三千七百十三万円を計上しております。
 第四に、水質汚濁の防止については、生活排水対策を推進するため、市町村の生活排水対策推進計画策定及び水質保全等施設の整備の助成並びに地下水質の保全対策を推進するほか、水質総量規制の推進、湖沼水質の保全等の対策を推進するための経費として八億八千六百二十六万円を計上しております。
 このほか、地盤沈下防止及び廃棄物対策費として一億三千五百六十万円、土壌汚染防止及び農薬対策費として一億八千百七十八万円をそれぞれ計上しております。
 第五に、公害防止事業団については、事業団の事業運営に必要な事務費等の助成費として四十億四百二十一万円を計上しております。
 第六に、公害監視等設備の整備については、地方公共団体の監視測定体制等の整備を助成するために必要な経費として八億二千八百八十四万円を計上しております。
 第七に、環境保全に関する調査研究の推進のための経費については、総額四十九億二千三百七万円を計上しております。
 この内訳としては、まず、国立試験研究機関等の公害防止等試験研究費として十九億二千八百四万円を環境庁において一括計上するとともに、環境保全総合調査研究促進調整費として一億九百万円を計上し、関係省庁が所管する各種の環境保全に関する調査研究の総合的調整を行うほか、地球環境研究総合推進費として十七億円を計上し、関係省庁の所管する国立試験研究機関等が行う各種の地球環境保全に関する調査研究の総合的推進を図ることとしております。
 また、地球観測衛星アデオスに搭載する成層圏オゾン等の観測機器の開発、光化学スモッグや公害による健康被害の解明、その他大気汚染、水質汚濁、自然保護等に関する調査研究費についても十一億八千六百三万円を計上し、必要な調査研究を進めることとしております。
 第八に、自然環境の保全対策及び施設整備について申し上げます。
 まず、自然環境の保全対策及び自然公園等の維持管理等については、自然環境保全基礎調査を初めとする調査研究を実施するとともに、国立公園等の保護管理の強化を図ることとしております。
 また、野生生物の保護対策については、絶滅のおそれのある野生生物種の監視調査等を実施するとともに、国設鳥獣保護区の管理強化等を図ることとしております。
 これらに必要な経費として、合わせて十七億二千五百八万円を計上しているところであります。
 次に、自然公園等の施設の整備については、国民の快適で安全な利用を図るため、国立・国定公園の利用施設や長距離自然歩道の整備を推進するほか、野生生物保護管理施設等の整備に必要な経費として四十一億八千二百六十二万円を計上しております。
 第九に、国立環境研究所については、地球環境問題等環境全般にわたる研究を積極的に推進するため、地球環境研究センターの研究体制の拡充強化を図るために必要な経費として五十五億三千五百八十二万円を計上しております。
 また、国立水俣病研究センターの運営等に必要な経費として四億四千百二十一万円を計上しております。
 以上、平成三年度環境庁関係予算案の概要につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ、本予算案の成立につきましては、格別の御協力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。
#4
○町村主査代理 以上をもちまして総理府所管中環境庁についての説明は終わりました。
    ─────────────
#5
○町村主査代理 質疑に入るに先立ちまして、政府当局に申し上げます。質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。狩野勝君。
#6
○狩野分科員 自由民主党の狩野勝でございます。愛知環境庁長官を初め関係部署の皆さん方に、環境問題、とりわけ手賀沼の浄化について質問をいたしたいと思います。
 時間が大分ないようでございますけれども、今所信が述べられたわけでございますが、地球環境の問題が世界的規模でここ数年大きくクローズアップされております。地球温暖化を初め、一般的な海洋汚染や森林破壊、また、国内的にも水質汚濁を初めとして種々の環境問題が横たわっております。こういった中にあって、近年国民の認識が高まっている国の内外の環境問題について、ただいまもお話があったわけでございますけれども、環境庁長官としての取り組んでいく御所見をお伺いをいたしたいと思います。
#7
○愛知国務大臣 御指摘のように、環境行政には課題が山積をいたしております。特に社会経済活動の高度化に伴いまして、国民一人一人の生活が環境問題と深くかかわっていると認識をいたしております。
 内外ということでございますが、国内的には、例えば大都市における窒素酸化物による大気汚染、生活排水等による水質汚濁などのいわゆる都市・生活型公害への対策が大きな課題となっております。
 また一方では、オゾン層の保護や地球温暖化防止などの地球環境問題に対しては、我が国として世界の主導的役割を発揮するとともに、我々のライフスタイルそのものを見直すことによって、環境保全型の社会経済構造へと転換を図っていく必要があるのではないかと認識しております。
 私といたしましては、このようなことを総合いたしまして、「地球規模で考え、地域から行動を」、こういうことをスローガンといたしまして、こういう考え方に立ちまして、一つ一つの課題にきめ細かく対応する一方で、国際的地位にふさわしい積極的な環境外交を進めることによりまして、世界に先駆けて環境保全型社会の実現に努力してまいりたい、このようなことを考えております。
#8
○狩野分科員 国際性を有する環境庁長官に大いに期待をいたしたいと思います。
 実は日本で一番汚染の高い湖沼は、残念ながら我が千葉県の手賀沼であります。昭和五十九年に湖沼水質保全特別措置法が制定されて以来、環境基準が悪い九つの指定湖沼がなされておりますけれども、その二つが我が千葉県であり、しかもその一つが手賀沼でございますし、ワーストワンであります。
 ここは、かつて明治末から昭和二十年ごろまで北の鎌倉とも言われ、自然豊かな手賀沼周辺には、志賀直哉あるいはまた武者小路実篤、滝井孝作などの文化人が多く住む、文化の薫り高い地で実はあったわけでございます。昭和三十年ごろまでは沼に多くの生物も生息しておったわけでございますが、今日は大変少なくなってもおります。しかし今、手賀沼の水質汚濁は十七年間もワーストワンを続けておる。十七年間も変わらないこの現状を長官はどう認識されますか、お伺いをいたします。
#9
○武智政府委員 今お尋ねの手賀沼の問題でございますけれども、先生御承知のとおり、平均水深が一メートルもないというようなことに加えまして、あの周辺の人口が相当ふえてきております。そんなこともございまして、汚濁負荷量が大幅にふえたというようなことから、五十年代半ばにCODで三十ミリグラム・パー・リットルを超えるというようなことで、非常に水質が悪化したことも先生の御指摘のとおりでございます。
 そういうことも踏まえまして、昭和六十一年度に特別法に基づきまして湖沼に指定されまして、その後計画に基づいて下水道の整備ですとかあるいは排水規制等の強化を図ってまいったわけでございます。
 その結果、手賀沼の水質は、六十年度にはCODで二十九ミリグラム・パー・リットルであったわけでございますけれども、平成元年度で見ますと、半分とまではまだまいりませんが十七ミリグラム・パー・リットルというようなことで、かなり改善を見てきております。これは県を初めとしまして関係の市町村あるいは関係の住民の方々の努力がそれなりに実ってきているのじゃないかというふうに考えております。
 ただ、そうは言いましても、絶対水準としましてはなお不十分であるというようなことでございますので、来年度から千葉県におきまして湖沼水質保全計画の見直しが行われるということになっておりますので、環境庁といたしましても、その際、さらに一層の水質の改善が行われますように、関係省庁にも協力してもらって努力してまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
#10
○狩野分科員 文明社会は自然や地球を目いっぱい利用して今日があるわけでありまして、しかもそれを全部皆享受をいたしておるわけでございます。そういうことを考えますと、だれをも責めるわけには私はいかないと思います。問題は、これからどう施策を講ずるかだと思います。
 今お話もございましたけれども、この手賀沼は面積六百五十ヘクタール、最大水深三・八メートルと非常に浅く、ヘドロがもういつも一メートルないしは二メートルも堆積した沼であるが、周辺人口の増加により大変不名誉な記録が続いておるわけでございます。流域人口は約四十四万人であり、このうち約四八%に当たる約二十一万人が下水道処理人口である。残りの二十三万人の生活系排水が河川を通じて沼に流入しているわけであります。
 手賀沼における発生源別COD汚濁負荷量を見ると、生活系が七七%、産業系が五%、自然系が一七%であり、圧倒的に生活系の汚濁負荷量が多くなっておるわけでございます。
 そこで、昨年六月の水質汚濁防止法の改正に伴い、流域の市町村は生活排水対策重点地域の指定を受け、生活排水対策推進計画を定め、計画的に生活排水対策を推進することとなるが、国が行おうとしている技術上あるいはまた財政上の援助はどのようなことを考えているのか、お伺いいたしたいと思います。
#11
○武智政府委員 昨年の六月に水質汚濁防止法を改正いたしまして、生活排水対策に係ります行政なり住民の責務等を決めますと同時に、水質環境が非常に悪いようなところにつきましては都道府県知事さんに生活排水対策重点地域というのを指定してもらいまして、その指定された関係の市町村におきまして生活排水対策推進計画を策定していただく、それによりまして、ハードの面の生活排水施設の整備、それからソフトの面の啓発指導をやっていただくというふうにいたしたわけでございます。
 お尋ねの、国の技術上の援助の問題でございますけれども、この計画を策定する際に参考となります、例えば具体的な計画例を国が提示いたしますとか、あるいは各地域におきましていろいろな努力をいたしておるような優良事例がございます。そういったような事例の紹介等の情報提供をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
 それから、もう一つの財政上の援助措置でございますが、これは関係省庁におきまして下水道の整備なり農業集落排水施設なり、あるいはコミュニティープラント、合併処理浄化槽等各種の生活排水処理施設の整備につきましていろいろ御努力を願っておるわけでございますので、こういったものを重点的にやっていただくように関係省庁にも働きかけてまいりたいというふうに思っております。
 それから、環境庁独自の施策といたしましても来年度、現在御審議いただいております平成三年度の予算におきまして生活排水対策推進計画を決めるときに、それらに対して何がしかの補助をするような制度もつくっておりますし、一部の都市的なところで汚濁した水路、小さな水路でございますが、そういったものに対しましても何らかの援助措置ができるような予算も計上いたしておりますので、これらを通じて努力していきたいというふうに考えております。
#12
○狩野分科員 手賀沼に流入する汚濁負荷量の七七%が、今申し上げましたように生活系排水であることから、家庭における浄化対策については機会をとらえての住民啓発活動が必要であり、また千葉県や地元市等でも行っておるわけでございますが、しかし、そういう中にありましてなかなか浸透いたしません。手賀沼の汚濁の主因である生活排水対策を進めるためには、住民の普及啓発も大変重要であるけれども、こういう点はどのように取り組んでおられますか、お伺いをいたしたいと思います。
#13
○武智政府委員 先ほど先生お話しございましたとおり、この地域の七割以上が生活排水系からの汚濁負荷でございますので、この地域の水質汚濁の改善を図っていきますためには、やはり家庭内の対策が極めて重要であるというふうに考えております。
 私もせんだって見せていただいたわけでございますが、例えば千葉県の柏市におきます「雑排水美人」ということで、いわゆる家庭雑排水につきまして非常に御努力されておる御婦人の方を表彰するような制度も行っておりますし、滋賀県におきましては非常に目の細かいストレーナーを台所に設置するというような運動も進めておりますし、それからまた、これは全国各地でやっておりますけれども、てんぷら油を回収いたしまして石けんとして再生するということで、水を汚さないというような運動が全国的に行われております。そういったことで全国それぞれ創意に満ちた活発なる運動が行われておるところでございますので、我々環境庁といたしましても積極的に支援していきたいというふうに思っております。
 また、この法律に基づきます生活排水対策推進計画におきましては、ハードの面の施設整備に関するようなものとあわせまして、いわゆるソフトの啓発活動に関する事項も定めることになっておりますし、また先ほど申しましたとおり、これらの策定に要する経費につきましても、何がしかの援助ができるようなことで予算も計上いたしておるわけでございます。また、各地で今行われておりますようないろいろな運動の成果も踏まえまして、我々環境庁といたしましても直接的に活発な啓発活動をやりますために、啓発用のパンフレットを作成いたしましたり、全国の実践活動の優良事例を紹介したり、あるいはテレビなり雑誌なりのメディアを通じました政府広報等によりまして全国的な啓発活動、現在もやっておりますけれども、今後ともそういった面で力を入れていきたいというふうに思っておる次第でございます。
#14
○狩野分科員 千葉県においては、県全体の生活排水対策の一環として、市町村の実施する都市排水路浄化施設に対しましては施設設置費の二分の一、限度額一千万円の県費補助をいたしております。
 なお、現在手賀沼流域には五カ所に都市排水路浄化施設が設置されておるわけでございますが、そこで、このような施設の設置及び維持管理に関し、国として国庫補助制度を創設して整備促進を図る考えはないか、あるいはまた平成三年度の湖沼水質汚濁対策予算案にはどのようなものが盛り込まれておるか、ちょっとお伺いをいたします。
#15
○武智政府委員 環境庁で直接的にやっております湖沼の水質対策の予算について御説明いたしたいと思います。
 先生御指摘の話では、生活排水対策は下水道の整備ですとか、これは八千七百億ぐらい計上いたしておりますし、農村集落排水事業等についても六百億円を超えるような予算も計上いたしておりますし、あるいは合併処理浄化槽等々いろいろ各省で計上いたしておりますが、我々環境庁の予算に関しましては、まず調査研究の面でございますが、湖沼の水質保全計画におきまして窒素、燐の対策についてのシミュレーションモデルをするというような予算千二百万円強でございます。それからそのほか、窒素、燐に係ります規制対象事業場からの排出実態を把握いたしまして規制の効果の把握等を行いますような、湖沼の富栄養化対策につきまして六百万円強。それから、国立環境研究所の特別研究といたしまして、環境容量から見ました水域の機能評価と新管理手法に関する研究ということで二千七百万円強を計上いたしておるわけでございます。
 先ほど申しましたとおり、この地域は特に生活排水との関連が高うございますので、昨年改正されました水濁法に基づきましていろいろな施策を推進していきたいというふうに考えておるわけでございます。それらに関連するものといたしましては、先ほど申し上げましたようなPRに関する費用としまして七百六十万円強。それから、各市町村におきまして具体的に生活排水対策推進計画を策定するための補助としまして、これは新たに平成三年度から設けたものでございますが、八千六百万円弱。それから、大がかりなものではございませんけれども、汚濁水路を浄化できるようなちょっとした施設でございますが、そういったものに対しての水質保全等施設整備費五千万円というようなことで計上いたしておりまして、これらをもって湖沼の水質保全に活用していきたいというふうに考えている次第でございます。
#16
○狩野分科員 平成三年度から新たな助成費が盛り込まれたようでございまして、大変感謝いたしておるわけでございます。
 次に、千葉県の手賀沼流域では、流域下水道終末処理場の処理能力等を勘案しながら、日に一万トンの雑排水を下水道本管に直接導入して暫定的な生活排水の処理を実施しているわけでございますが、このような事業にも国として何か支援する考えはないかどうかお伺いいたします。
#17
○松井説明員 お答えいたします。
 建設省としましては、閉鎖性水域の水質保全には日ごろから非常に関心を持っておりまして、まず下水道の整備が一番肝要と考えておりまして、その整備を推進しております。
 しかしながら、先生御指摘のとおり、下水道未整備地区がまだ存在しております。その中の雑排水に関しまして、もしその終末処理場の余裕がございましたら、その雑排水を一時処理場に取り込んで処理をするという制度を、実は昭和五十九年度から湖沼等における雑排水対策緊急モデル事業として実施しております。この事業は、現在、琵琶湖、手賀沼等を中心にしまして全国で十四カ所実施しております。地元の方からも御要望がございましたら、ぜひこの事業を推進してまいりたいと思っております。
#18
○狩野分科員 先ほど来お話しのように、手賀沼には大量のヘドロが堆積しておりまして、深いところでは、先ほど申し上げましたように二メートル以上もあるわけでございますが、このヘドロが水質悪化の大変な原因にもなっております。千葉県では毎年しゅんせつ除去を行っておりますが、このしゅんせつ汚泥を始末するところに大変困っているわけでございます。
 そこで、しゅんせつ汚泥の再資源化でありますとかあるいは有効利用につきまして、国においては検討が何かなされておるか、ちょっとお伺いをいたします。
#19
○脇説明員 手賀沼のヘドロしゅんせつにつきましては、御指摘のとおり、昭和五十一年度から千葉県によりまして河川浄化事業として鋭意実施されてきたところでございます。平成元年度末までに約四十二万立米がしゅんせつされているところでございます。
 このヘドロの捨て場所の確保はしゅんせつ事業を円滑に行う上で重要な課題でございますが、地元の協力を得ながら、その確保がこれまでなされてきたところでございます。しかしながら、沼周辺での処分地の確保が年々難しくなってきておりまして、今後は、固化や脱水等による効率的な処理方法あるいは盛り土材等への有効利用について、経済性とあわせまして検討がなされていると聞いておりまして、建設省といたしましても、資源の有効活用という観点から、しゅんせつ残土の処理について適切に対処してまいりたいと考えております。
#20
○狩野分科員 都市・生活型公害など、日常生活に起因した環境問題に対応するために、千葉県では環境学習を推進することになり、第一回の検討委員会を過般開いたところでございます。
 従来の産業型公害にかわって、最近の環境汚染の原因が、生活排水あるいはごみ、車の排気ガスなど、都市・生活型の日常生活に起因したものが問題視されるわけであり、それには、先ほどもお話がございましたように、県民一人一人の意識革命が不可欠だと思います。そういう意味では、幼児からお年寄りまでを含めた環境学習を生涯学習として位置づける必要があると私は思いますが、環境教育及び環境学習への取り組みについてお伺いをいたしたいと思います。
#21
○渡辺(修)政府委員 先生御指摘のとおりでございます。
 都市・生活型公害ですとか、地球環境問題もそうでございますが、こうした問題は、国民の生活様式の変化に深くかかわり合いがあるものでございまして、国民の一人一人が環境とのかかわりについて理解を深めて、環境に配慮した責任ある生活行動を行うようにしていくことが必要でございます。
 こういう認識に立ちまして、私どもとしても昭和六十三年に、加藤一郎元東大学長を座長にお願いをして環境教育懇談会というものを設けました。そこでは、情報提供ネットワークの整備、情報内容の充実、学習拠点づくりなど、行政と民間の連携による環境教育システムの構築、生涯学習としての環境教育の充実、環境科学を基礎とした環境教育を行うといったような基本的な方向についての御提言をちょうだいいたしました。環境庁としてはこの御提言に沿いまして、地方公共団体等への教材や情報の提供、民間活動の支援、さらに、生涯学習としての環境教育の充実が図られますように、文部省とも連携を密にしているところでございます。
 これからもこれらの措置を通じて、環境教育の一層の推進に努めてまいりたいと考えております。
#22
○狩野分科員 手賀沼に関しましては、実は大変ヘドロも多くて流れの悪い沼でございまして、抜本的な改善には何といっても、利根川から水を流し込む、十万トンを流し込んでというあの北千葉導水事業の早期完成が望まれるわけであります。たしか平成二年度にはできるわけが、五年間延長されております。できれば五年より短縮できないかということの要望ですけれども、短縮できなければ、少なくともまた延長ということがないように、これは建設省によろしく要望いたしたいと思います。
 時間がないので急ぎますけれども、手賀沼を初めとする湖沼水質汚濁対策への環境庁長官の決意をお伺いいたしたいと思うわけでございます。
 実は私は、この原稿を書いている間に、指定湖沼の水質もそうでございますし、廃棄物処理対策を含めまして、これは環境庁だけじゃなくて、建設省、厚生省、関係省庁とも大変連携を密にしなければ環境対策はなかなかできないなということも痛感をいたしたわけでございますけれども、いずれにいたしましても、水質汚濁対策についての長官の決意と、そしてまた、ワーストワンと言われる手賀沼に、ぜひとも環境庁長官に現地視察に来ていただくことを要望いたしたいと思いますが、ひとつお願いいたします。
#23
○愛知国務大臣 手賀沼が十六年間ワーストワンだということでございますが、私どもといたしましても、大変これは残念なことだと思いまして、いろいろ施策を講じているわけでございます。しかし、一つの望みは、ワーストワンではあっても、この間の著しい改善の跡が見られるということでございまして、それには地元の皆様方の御努力が実っていると思いますし、先生も地元の御出身ということでその先頭に立ってこられたと思います。この機会に改めて敬意を表させていただきますが、同時に、私どもといたしましても、今後とも全力を挙げまして一層の水質改善が図られるように努力してまいりたい。
 特に、今年度をもちまして湖沼水質保全計画を見直すことになっておりまして、手賀沼に関しましても見直すことになっておりますので、なお一層、これを機会に水質改善が図られるように努力を続けてまいりたいと決意を申し上げさせていただきます。
 なお、視察をせよというお話でございますが、確かに前長官のときには日程の関係があって視察ができなかったようでございますので、ぜひ私は視察をさせていただきまして、現地を直接見させていただくと同時に、今日まで取り組んでこられた方々に敬意も表し、また御激励も申し上げたい、こういうふうに考えております。日程につきましては、今のこの時点ではちょっと申し上げることはできませんけれども、ぜひお訪ねしてみたいと思っておりますので、またその節は御相談させていただきたいと思っております。
#24
○狩野分科員 どうもありがとうございました。
#25
○町村主査代理 これにて狩野勝君の質疑は終了いたしました。
 次に、新村勝雄君。
#26
○新村分科員 まず大臣にお伺いいたしますが、環境行政に御努力をいただいておりまして敬意を表するわけでありますが、この環境行政、環境庁のお仕事については、他の省庁に比べてどうも弱いのではないかというような印象を持つわけであります。大臣以下大変努力はされておりますけれども、組織上あるいは権限上の問題があるのかどうか、どうも環境行政が他の省庁の力に場合によっては圧倒されるケースが多いという印象を持つわけであります。
 そこで、これからの環境行政は、国内の問題だけではなくて地球規模で、いわゆるグローバルな立場からも最大の行政課題であると言われておりますが、そういう面から見て、まず大臣の御決意について伺いたいと思います。
#27
○愛知国務大臣 環境庁ができましてことしで二十年ということで、まだ大変若い役所でございますのが一つ、またその性格、位置づけが総合調整官庁という位置づけでございます。
 そういったようなこと等々がございまして、ほかの省庁とは役割が多少違っておるということもございまして、私どもも正直言って苦労するところでございますが、しかし一般的な世間の状況といたしまして、環境に対する国民の認識が非常に高まっておりますし、また世界的な、地球規模におきましても環境問題が非常にクローズアップされておる昨今でございますので、そういう社会の情勢を背景にいたしまして、私どもの持てる範囲の中で最大限の努力をしていきたい。また、将来方向としましては、やはり環境庁がいろいろな意味で力を発揮していくべきである、このように私も個人的に感じておりまして、そういう方向へ向かって精いっぱいの努力をさせていただきたいと思います。
#28
○新村分科員 大臣のお話によりましても調整官庁であるというお話でありますけれども、単に政策の調整ではなくて、やはりこれからの環境行政は、実際に地域における環境行政を地域に即して進めていくという、いわゆる執行体制を強化しなければ本当の成果は上がらないのではないかという感じがするわけであります。
 そういう点からしますと、例えば厚生省は全国に保健所を持ち、労働省はそれぞれに執行体制を進める出先を持っておるわけですが、環境庁は残念ながらそういう体制が全くないわけでありまして、地域における環境のアセスあるいは実際に環境行政を地域において進める手足を地域に持っておられないということが一つの大きな弱点になっているのではないかと思いますけれども、そういう点ではいかがでしょうか。
#29
○森(仁)政府委員 ただいまお話しのように、環境行政におきましても地域における諸問題との密着性というのは大変高うございます。そういう意味で、環境庁といたしましても、これまで地方自治体との連携強化に随分と意を用いてまいったわけでございます。
 一方、昭和四十九年七月、環境庁発足間もない時点でございますが、総務庁の出先機関でございます管区行政監察局それから行政監察事務所に環境問題を専管する調査官を配置いたしておりまして、これを環境庁が直接的に指揮監督するという仕組みをとってまいっております。これまでこういう総務庁の機関を使いまして、多角的、広域的な地方の情報収集等に当たってまいりました。
 いずれにいたしましても、地域に密着したきめ細かな行政というのは環境行政のこれからの一つの大変重要なポイントであるということは、先生御指摘のとおりでございます。今後とも、既存の体制の充実強化ということを基本としながら、環境行政の足腰の強化を図ってまいりたいと考えております。
#30
○新村分科員 現状では自治体及び総務庁に協力を求めるというか、そこに依存をしておられるのだということでありますが、やはりこれからの環境行政は恐らく行政の中心的な大きな課題あるいは使命を持つと思うのです。そうなりますと、自治体に依存する、あるいは総務庁等の他の省庁に依存をするということでは、本当の意味の環境行政はできないのではないかという気がするわけであります。これは直ちにというわけには難しいでありましょうし、行政改革あるいは合理化が進められている状況でありますから、大幅に職員をふやす、あるいは機構をふやすということは難しいでしょうけれども、将来の課題としては、やはり環境庁、あるいは環境庁ではなくて環境省くらいにして、実際に独自で自分の組織を地域に張りめぐらして強力な行政を進めることが望ましいと思いますけれども、そういう構想なり展望なりはお持ちになりませんか。
#31
○森(仁)政府委員 先ほども申し上げましたような仕組みでこれまでやってまいっておりますが、環境庁自体の役割、スキームを考えていく際には、先生御指摘の問題点、これは大変重要な問題であろうと私ども考えております。ただ一方で、厳しい行財政事情あるいは行政効率といった観点からの検討もまた必要な点でございますので、十分に検討をしてまいりたいと思っております。
#32
○新村分科員 それに関連をして、今議会に廃棄物の問題についての新しい法律あるいは改正法案が出ておりますが、この法案の作成の過程においても、環境庁は将来のごみ行政のために積極的に関与をされて重要な役割を果たされようとしたというふうに聞いておりますが、その環境庁の構想がこの立法の、立法というか草案をつくる過程で大幅に後退したというようなことが言われておるわけでありますけれども、そういう点もやはり環境庁の位置づけなり組織的な一つの問題点がそこにあるのではないかと思うのですが、環境行政を強力に進めるためには環境庁の位置づけなり権限なりを強化するということが先決であると思いますけれども、大臣はそういう点ではいかがですか。
#33
○愛知国務大臣 ただいま官房長からお答えを申し上げましたけれども、環境庁の問題というよりも行政全体のあり方、こういうことになりましょうから、簡単に解決ができることとは思いませんが、私、ほかの国の状況がどうなっているかということで興味を持ちまして、先刻イギリスの大臣に会う機会がございましたので話を聞きましたら、イギリスはもちろん環境省であり、しかもその管轄している部分が日本の建設省と自治省を合わせたようなところを環境省が所管をしている、こういうことでございました。そういう意味で非常にそうかなと思ったのでありますが、こんなことを参考にしながら、これから環境庁の力を増すというよりも、国の行政全体のあり方がどういうのがいいのか、こういうことだと思うのでございますが、私も政治家としても鋭意研究を続けていきたい、前向きに取り組んでまいりたい、このように考えております。
#34
○新村分科員 ただいまイギリスの話が出まして、大臣のお話によりましても明らかにイギリスよりもおくれをとっているということではお話にならないわけでありまして、日本は工業化の点においても、それから急速に工業化したという点においても、先進国のうちでも一番環境問題が大きいわけでありますから、そういう点からして、現在のような位置づけあるいは現在のような組織では、いかに大臣が努力をされましてもなかなか実効が上がらない。お話のように環境庁だけの問題ではなくて行政全体の問題であるし、日本の国政の中に環境行政をどう位置づけるかという問題でありますから、他の先進国におくれをとるのではなくて、日本を見てくれと言われるような環境行政をぜひ大臣のお力で確立をしていただきたい。それにはやはり真っ先に環境省くらいにして、権限も、現在は厚生省あるいは通産省と各省にわたっておる、その間に、言っては失礼ですけれども埋没してしまうというおそれがあるわけでありますから、そういうことのないようにぜひ御努力をいただきたいと思います。
 それからもう一つの問題としては、他の行政には例えば中期防衛計画とか、公共事業については河川についても道路についても長期計画というのがありますね。ところが環境については、中長期の環境保全計画というものがないように思います。これはほかの仕事のように、建設をするあるいは整備をするということとは若干違うとは思いますけれども、それにしても中長期の環境保全計画というもの、これはあってしかるべきであるし、つくることができると思いますね。ところが、そういうものがないようでありますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
#35
○渡辺(修)政府委員 環境行政全般にわたりましては、環境庁において長期的視野に立ちながら昭和六十年代の環境政策を推進するための指針として、中央公害対策審議会及び自然環境保全審議会での御審議、答申を経て、実は環境保全長期構想というものを昭和六十一年十二月に策定をしております。こういうものでございます。先生御指摘の環境保全の長期十年間にわたる構想というものは策定をしているところでございます。
 また、環境保全の各分野につきましては、公害対策基本法に基づきます公害防止計画、あるいは大気汚染防止法、水質汚濁防止法等による総量規制計画などを定めて行政を推進しております。また下水道、廃棄物処理施設、都市公園等の環境保全に関する事業、道路、空港、港湾など個別分野の公共事業に関する計画についても、その都度私ども環境庁が協議を受けまして、環境保全の観点から関与をしているところでございます。
 それから地球環境問題につきましても、今後二十年にわたる計画である地球温暖化防止行動計画の取りまとめに、私ども積極的な役割を果たしたと考えているところでございます。これからも環境政策の推進に当たりましては、中長期的視野に立って関係省庁と連携した取り組みを進めてまいりたいと思っております。
#36
○新村分科員 例えば長良川の問題であるとか、個別の問題として浮かび上がってくるわけでありますが、他の、特に建設省関係が多いのだと思いますけれども、河川であるとかあるいは道路の長期計画、その長期計画に伴う、こういう事業をすればこういう環境の変化がある、こういう他の省庁の計画に伴うアセス、こういったものが、その計画と一体となるものとしてのアセスが必ずしも十分ではないという気がするわけですが、そういう点ではいかがでしょうか。
#37
○渡辺(修)政府委員 先生今例に挙げられました個々の事業につきましては、それぞれ個別の法律なりあるいは閣議決定によります要綱による環境影響評価制度というものがございまして、これにつきましては、その都度環境影響評価が行われ、それぞれの所管省から意見を聞かれた場合には環境庁として十分審査をし、必要な御意見を申し上げているということで対応をしているところでございます。
#38
○新村分科員 他の省庁の政策と一体となった環境評価、これについては必ずしも十分でないような感じがするわけでありますけれども、やっていらっしゃるということでありますから、その点については一層他の省庁の事務事業、特に事業ですね、事業と一体となった環境アセス、この体系をぜひ一層十分につくっていただきたいと思いますけれども、大臣の御決意を。
#39
○渡辺(修)政府委員 ちょっと補足をさせていただきますが、私が先ほどお答え申しましたのは個々の事業を実施する段階の話でございます。
 各省が政策を立案するというのは、典型的にはそれぞれの省が関係の法律を立案するという形で出てくるかと思いますが、現在の我が国の仕組みといたしましては、各省が法案を提出する際には、政府案として取りまとめるに当たりまして関係各省に協議を行う、この協議の中で、環境庁としては環境保全の観点から十分に御意見を申し上げている。それからいろいろな法律に基づいて各種事業が実施される場合には、さっき申しましたとおり、私どもなりに意見を申し上げているところでございますが、先生御指摘のように、さらに政策立案、事業の実施、この両面にわたって私どもとしての役割が果たせますように努力をしてまいりたいと思っております。
#40
○愛知国務大臣 他省庁と環境庁との関係、過去はなかなかしっくりいかないといいましょうか、時には対立をするような関係にあった時期もあったようでございますが、最近では他省庁の認識も大幅に変わってまいりまして、むしろ積極的に環境庁の意見を求めてくる、あるいは環境庁と一緒になって住民なり国民の期待にこたえていくという雰囲気が非常に急速に高まってきた、こういうふうな認識でございまして、私どもとしましても大変ありがたいことと思っておりますが、なお、そういう中で他省庁との連絡をさらに密にしながら、環境という観点をそれぞれ省庁の施策にも十分反映してもらえるように努力を続けてまいりたいと思います。
#41
○新村分科員 大臣が言われるように、この環境問題というのはここ十年あるいは二十年の間に起こった問題でしょうから、それまでは各省はそれぞれその省の考えに基づいて事業を進めていたわけでありますから、その時代には環境問題ということについて配慮をする必要はほとんどなかったわけですが、最近になってというか、環境問題が起こってきた、環境庁というか環境行政というのはそういう既成の執行体制の中へ割り込んでいった、そういう形があると思うのですね。ですから、土木あるいは建設、要するに建設事業をする方々からすれば、割り込んできてうるさいことを言うなという、言ってみればそういう感じがあったのですね。
 ところが、そうではなくて、これからの環境行政というのは、既存の体系、建設の既存の体系の中へ割り込んでいくのではなくて、環境行政がまずあって、その環境行政に基づいてあるいは環境行政の長期計画に基づいて、計画というか環境の長期構想に基づいて、その中で、その枠の中で建設を進めるということにならなければ本当ではないと思うのですね。今までは建設が主体であったけれども、それで環境なんというのはほとんど顧みられることもなかった。ところが、これからは環境の構想がまずあって、その枠内で建設をする、そういうことにならなければ、主客が転倒しなければ本当はいけないと思うのですよ。そういう意味からして、大臣におかれては、そういう意気込みで、他の建設行政を環境庁がまずリードする、こういう意気込みでひとつ御奮闘いただきたいと思うのですね。
 それで、あと時間がありませんので、廃棄物でありますけれども、この廃棄物についても残念ながら環境庁がちょっと影が薄いという感じがするわけであります。
 今、第一線の自治体ではこの問題で非常に困っております。政府におかれても新しく改正法及び新法を提案されたようでありますけれども、不法投棄の問題が一つあります。それからもう一つは、不法投棄をせざるを得ない状況、それが特に大型の廃棄物、車なんかをその辺に置いていってしまうのですね。これは非常に困るわけです。それから、大型の家電製品、冷蔵庫なんかもどうにもしようがないのでその辺に置いてしまう、こういう不法投棄が非常にふえておりますが、それについては我々は製造業者、メーカーにもっと責任を持ってもらうべきではないかということを主張したわけでありますし、政府も当初はその考えでおられたようでありますが、これが引っ込んでしまったということでちょっと失望しているわけです。
 不法投棄の問題、それから大型ごみの問題、こういった問題については、環境庁がこれから主導的な立場にお立ちになってこの問題についての解決をお図りになるべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#42
○坂本説明員 まず最初に不法投棄の防止でございますが、これまでも監視指導の強化や処理業者の育成等の措置を講じているところでございます。
 今回の廃棄物処理法の改正案におきまして五点ばかり挙げておりますが、一つは特別な管理を要する廃棄物に関する規制の強化、二点目が特別な管理を要する産業廃棄物の積み荷目録、マニフェストと言っておりますが、これの制度化、第三点目が廃棄物処理業者に対する規制の強化、四点目は事業者及び処理業者に係る委託基準の強化、それから罰則の全般的強化等によりまして、不法投棄の防止に係る措置を強化することといたしております。
 それからもう一点、大型廃棄物等の点でございますが、今回の廃棄物処理法改正で、市町村において処理が困難となっております一般廃棄物につきましては、その製品の製造者等の事業者の協力を得てその処理を行う旨の規定を設けております。
 具体的に申し上げますと、三点ばかりございますが、第一点目は、厚生大臣が市町村の設備及び技術に照らしましてその適正処理が全国各地で困難となっていると認められる一般廃棄物を指定いたします。第二点目でございますが、市町村長がこの指定に係る製品の製造等を行う事業者に対しまして、その処理について必要な協力を求めることができるというのが二点目でございます。第三点目、厚生大臣は指定に係る製品の製造等の事業を所管する大臣に対しまして、市町村が事業者の協力を得ることができるよう必要な措置を講ずることを要請することができる、こういうことになっております。
 かつまた、廃棄物となった製品の再生につきましてもいろいろ考えておりまして、例えば今の改正案では、廃棄物の適正処理の観点から、厚生大臣が事業所管大臣に対しまして、製品に材質等の表示を行わせるほか、必要な措置を講ずるようにその製造者等を指導することができることとしておりますなど、再生資源の利用の促進に関する法律案というのが別途出ておりますが、これとの調整を図り、両方相まって再生利用を推進していくこととしております。
#43
○渡辺(修)政府委員 不法投棄の問題ですとか大型ごみの事業者責任の問題について、環境庁としてどう考えるかという御質問でございました。
 今厚生省から答弁ございましたように、不法投棄に対する規制、適正処理の推進のための関係規定が廃棄物処理法で大幅に強化をされた、それからリサイクル法、再生資源の利用の促進に関する法律を私ども俗にリサイクル法と呼んでおりますけれども、今この国会で御審議いただいているリサイクル法案ともども、大型ごみの回収につきましてもかなりの前進が見られると期待をしておるところでございまして、厚生省の廃棄物処理法改正についての協議を受けるに当たり、それからまた、リサイクル法案は主務大臣の一人として環境庁も参画をしております。そういう意味で、不法投棄につきましても、大型ごみの事業者責任の問題につきましても前進が図られているというふうに評価をしているところでございます。
#44
○新村分科員 時間がありませんので、水質の問題については前の質問者がおやりになったようでありますから簡単に一言だけ申し上げておきます。
 実は、千葉県の手賀沼、これは有名でありまして、全国ワーストワンということ、しかも厚生省の資料によりましても飛び抜けて悪いのですね。しかも、その変化も激しい、その程度も飛び抜けて悪いわけでありまして、例えば琵琶湖であるとか中海、宍道湖、こういうところとは周辺の開発の状況も全く違いますし、水量も違うし、表面積も違うということですから、そういう点でもちろん比較にはなりませんけれども、手賀沼がもう十数年来ワーストワンをずっと続けている。いろいろ行政のお力によって、昭和六十三年でようやく五十一年の水準まで戻った、こういうことである程度の改善はされておるわけですが、極めて悪いわけであります。
 これには、県や地元の市におきましてもかなり努力をされておりますが、具体的に水質改善についての国の施策については、確かに下水道あるいは導水路の事業があります。それから公共下水道も一定のテンポで進んではおりますけれども、水そのものを、湖水そのものをどう管理し、どう改善していくかということについては必ずしも十分な施策がされておらないわけですね。そういった点で何とか考えていただきたいということ、これが一つ。
 それから、先ほどの質問者も言っておられましたけれども、歴代の長官が必ずあそこを視察されて、それで日本の湖沼の水質の悪化についての認識をあそこで新たにしていただくということをずっと今までやっておられたわけであります。前の長官はお見えにならなかったようでありますけれども、ずっとお見えになっておりますので、現長官もぜひ御視察をいただくように、私からもお願いしておきたいと思います。
 以上で終わります。
#45
○町村主査代理 御苦労さまでした。
 これにて新村勝雄君の質疑は終了いたしました。
 次に、沢田広君。
#46
○沢田分科員 予算委員会の段階では、環境庁というのは、戦争終わってから幾らかあったかもしれませんが、余り質問もなくて精力余ってしまっているんじゃないかと思うのですが、そこで、環境庁の重責を担って的確な御答弁をお願いいたしたいと思うのです。
 いわゆる環境アセスメントと言われている言葉、そのことは大臣、まずどういうふうに認識されておられますか。
#47
○渡辺(修)政府委員 環境アセスメントについての私どもの理解でございますが、ある行為が行われる場合に、事前にその環境に与える影響を評価いたしますとともに、それを一般に公開をしまして関係者の意向が反映されるような手続をとり、それをまた環境影響評価にフィードバックをしていく、そういう形で、ある行為が環境保全上問題がないことを確保するための手続を意味するものというふうに理解をしております。
#48
○沢田分科員 大臣、今のがほぼ大体言われている言葉です。今度は聞かれる場合があるかと思いますから、覚えておいてもらった方がいいと思います。
 そこで、各省庁がいろいろな仕事をやるわけですが、そのときには必ず環境庁を通して、これは余り長く置いておくわけにはまいりませんが、一応環境庁としては環境アセスメントをチェックして、この仕事、例えばダムをつくる、あるいは原子力発電所をつくる、あるいは河川の横堤をつくるとか、いろいろあるでしょう。そういう場合にも必ず環境庁を通して、環境庁はあらゆる能力をそこで集中して、これにはどういう障害が起きるかということをチェックして仕事にかかるということが必要だと思うのですよ。環境庁は、言うならば、その意味においては重要な事前の、会計検査院は後で金の方の検査をやるところであり、事業の性格の質をどうするかということについては環境庁が責任を持つ、言うならば、そういう総理直轄の機関の体制を必要とするわけです。今までは何かあったならば、住民運動が起きたり反対運動が起きたら環境庁が、こういうことで、言うならば、車にひかれて人が死んだら信号がくっつくというような仕事をしておるので、全く気力のない、活力のない環境庁の職員ではないかと僕は思っているのですが、だから、活力を与えるためには、とにかくおれのところを通さなければ仕事はできないんだ、こういうことを閣内できちっとさせる。これが今後あらゆる問題の、後で言いわけ言ったってどうにもならないのですから、先にそこでチェックする、こういう機能を、一度に全部できないでしょう、今急にもらったってどうにもならないですから。少しずつ、この分野からでもというものを、環境庁として自信の持てるものから順次発動していく、そして拡大強化をして、事前にそこを通って仕事にかかるということが大変必要だ、こういうふうに思うのでありますが、その点は愛知さんのときにこうなったよという、ひとつ歴史に残そうじゃないですか。決意のほどを、どうですか。
#49
○愛知国務大臣 沢田委員、初当選のときに御一緒で、大蔵委員会で御一緒させていただきました。その御縁もありましてでしょうか、御激励をいただきまして大変感謝を申し上げております。
 それはそれといたしまして、環境庁の二十年の歴史、最初は公害防止というところからスタートした。公害を出しているところに対して、それに対応していくということでできた役所でございまして、従来は対応型の仕事が主でございました。それが昨今大変変わってまいりまして、おっしゃるように、未然に防ぐというところに重点を置かなければ本来の役割は果たせないではないかという認識が非常に高まってまいりました。そういう使命を果たしていくべく、今役所、元気がないということでございましたが、そうではございませんで、大変意欲に燃えております。
 これからの環境庁の役割、確かに非常に大きくなってまいりましたし、権限その他の点でも大きくしていかなければいけない、こういうことを私自身も感じておりまして、先ほどもちょっと申し上げたのですが、イギリスの環境省というのは、日本の建設省と自治省の部分を合わせたような役所となっていると聞いておりまして、これはまさに今先生言われましたように、環境省というところであらかじめ全部調整した上で地域の開発なり何なりをやる、こういうような仕組みにイギリスでは既になっているようであります。
 こんなようなことをよく勉強させていただきながら、将来方向としてはそういう方向にできたらいい、こう思いまして、私も政治家としてもそういうことの努力をこれからもさせていただきたいと思っております。今後ともよろしく御指導のほどをお願い申し上げます。
#50
○沢田分科員 そこで一つ提案なんでありますが、これは私の地元でも、仙台あるいは宮城でも同じでしょうが、私の選挙区ではありませんが、浦和には鷺山というのがありました。昔は枝もたわわにといいますか、真っ白になるくらいにいたのであります。その後、当時も騒がれておりましたが、農薬が出てきて、いつの間にかサギは全然いなくなってしまいました。今どこに行ってしまっているか私もよく知りませんが、皆無ですね。
 要するに、環境庁というものは、先ほども言われたように、ある一定のものを予測しながら、その予測に対して的確なものを指示していくということが必要なんで、私一つ例示をしますと、ガードレールありますね。あのガードレールは建設省でやっているわけです。裏のボルトはみんなさびついてしまっていますね。表はきれいに塗っているように見えておりますが、何で自動車の方がすべすべしていて、人が歩く方がボルトが出ているのかなんて、これは大臣答えられますか。自動車の方はすべすべ光っているけれども、人間が歩く方がでこぼこして、着物なんか着ていればひっかかって破ってしまう。自動車の方が人間より偉いんだなと錯覚を起こすような、あれだって環境庁が一言文句言ったって悪くはないと思うのです。気がつかないとすれば、やはり職務に幾らか気がうつろなところがあるのじゃないかと思うのです。だって自動車がすべすべしたところにぶつかっても安全なようにして、人間の方はけがをするように置かれている。例えばそこの中で、じゃ、あのガードレールは耐用年数は何年だろうかとこう一つ考えてみる。恐らく十年なら十年ぐらいのものだろう。事故を起こされれば別として、それくらいだと思うのですね。
 そこで私が提案したいのは、通産でやっているでありましょうし、大蔵でやっているでありましょう耐用年数、原発もそうなのですね。耐用年数というものはグローバルに見るのですね。建物なら二十五年、鉄筋なら六十年、自動車なら六年、こういうふうにグローバルに見る。しかし部分、部分に見ると、耐用年数の短い部分があるわけです。海岸べりで、トタンじゃないでしょうが、今鉄でつくればさびちゃいますね。さびはもう三年くらいでさびちゃう。それを二十五年もつとこう言ってみたって、これはもたないのです。ですから、そういう部分的な耐用年数というものをきちんとさせるというのも環境庁の大きな仕事だと思うのですね。だから、今になってああいう原発の問題になって出てくるのですね。例えば、ボルトならボルトは三年でもうだめよというふうに決めなければ、二十五年もつんだからといって、いかにも原子力発電で電気は安いんだという印象を与えるために苦労するわけですね。だから無理が伴う。
 人間だってそうでしょう。一番悪くなってくるのはやはり足であるとか耳であるとか、あるいはがんになっていくとかというふうに、悪くなるところがあるのです。平均八十二であったってやはり早く悪くなるところがあるわけですよ。だから、同じように通産省で言う、大蔵省で言う耐用年数というのは、それぞれ手当てをされながら、そこを修理をしながら、病気を直しながら、最後までもつのが二十五年とこう言っていたり六十年と言っているわけですから、その間におけるチェック機能をきちっとさせる、これが環境庁の仕事だと思うのですね。これは事前の審査なんです。
 だから、例えばこの間も、夏が終わって国会へ来まして、国会の宿舎の水を飲んだら腹下し起こしちゃった。これは国会の職員が怒られてはかわいそうですが、起こしてしまったけれども黙っていましたが、結果的にはタンクの中の掃除が悪いということになるのですね。これは東京都の中におけるタンクというものは現存しているけれども、タンクの中にさびがわきあるいは不純物が積もる。これだってだんだん大きくなれば、恐らく環境庁の仕事になってくる。だからそういう予測と、そしてそれに対する的確な判断というものが環境庁の大きな仕事なんだ。そういう位置づけを、大臣はもういい、今度はあなたに聞きます。そういうことを環境庁の仕事としてしなければいけない。そこまでいかなければいかぬと思っているかどうか。割り当てられた法律の分で、縦割りなんだし、これはそこまではいかなくてもいい、こう思っていますか。これは大臣じゃなくてあなた方の見解を聞きたい。
#51
○渡辺(修)政府委員 大変難しい御質問でございます。大きくは政府が法律として政策を立案する場合に、これは環境庁みずから立案するか、各省が立案するかもございますが、ほかの省が立案する場合でも、十分な協議を受けて政府として方針を決めるわけでございます。私どもはそれなりに環境保全の立場から物を言う。それから大きな事業につきましては、冒頭お尋ねありましたように、それぞれの法律に基づいて、あるいはそういう法律がない場合には閣議決定に基づきまして、環境アセスメントを実施するという仕組みができております。
 ただ、先生がおっしゃったような、もう少し末端の水のタンクですとかあるいは発電所の一部の装置についてまで環境庁として先を見越して考えるべきではないかということでございます。一つのお考えかとは思いますけれども、今の中央省庁の仕組みは、それぞれの所掌の事務というのを決めて分担して事に当たっておりますので、それとの兼ね合いをどうするかという問題もあろうかと思います。私どもは、今与えられた環境庁の役目の中で果たすべきことはきちんと果たしていかなければならないと思っております。直接のお答えにならないかもしれませんけれども、すべて環境庁がやるというわけにはいかないのではないかなという感じもいたしているところでございます。
#52
○沢田分科員 そこがもう大体、これは大臣に求めなかったけれども、職員がそこまで卑屈になっちゃった。さっき言ったでしょう。金の結果を見るのは会計検査院が見る、行政の内部においては。予算において予期せざる事態に対してチェックをするのは、環境庁がチェックをする。それは自分の職掌であるとかないとかの問題じゃない。国民の生命と財産、そして環境を守るというところにあなたの省の任務はあるんだ。おれの方の仕事なんだ。だから、それは手にさわるとかさわらないとかじゃなくて、これは我々の当然の義務である、そういう認識がまず欠けていることに問題があるんだよ。金で縛られているんじゃないか。予算がそこについているからやるのであって、なければやらない、こういった発想なんだな。言うならば、本当に私は言葉は悪いですよ、小役人根性というのはそこなんだ。
 もし国民が主人公であって、国民の環境を守ろうということを考えるならば、そんな縄張りとかの問題じゃないんだ。だから事前に仕事については、一週間でいいわ、とにかく一週間おくらせてひとつ環境庁を通してくれ、それぐらいのプランを世間に問うて、そしてそういうふうにして環境庁を通してから、それぞれの事業部隊は住民説明をやるなりあるいはそれぞれの仕事をやっていく、こういう施設もつくるというところに大きな問題があるんだと思うのです。これは本当に私もお世話になった立場ですけれども、環境庁が大臣のときにそういうふうな一つの輪郭をつくっていった、確かにこれはチェックする機能はないかもしれぬ、とめる機能はないかもしれぬ、しかし、そこで事前にはチェックして、こういう問題がありますよということを相手に伝えるということぐらいは環境庁の仕事として受けとめていいのじゃないか、こういうふうに思います。大臣、これは一言決意のほどをお聞かせください。
#53
○愛知国務大臣 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、環境庁も二十年というまだ若い役所であり、過去の役割が役割でございましたことから、まだまだ不十分な点があるかもしれません。また、環境庁二十年の歴史の中で、従来はほかの役所からの出向といいましょうか、人の面でもそういう寄せ集め的なところがございましたが、最近その辺は優秀なプロパーの人材も育ってまいりましたし、随分環境庁としての認識も変わってきた、このように思います。
 また同時に、ほかの役所の方、ほかの行政の認識も非常に著しい変化がある、このように思っておりまして、従来はどちらかといいますと、言葉は悪うございますが、環境庁にいろいろかかわり合いを持たれるのは迷惑だ、こういうふうな認識を持っていた役所も多かったと思いますが、最近では、むしろ積極的に環境庁の意見を求めてくるなり、環境庁と一緒に取り組んでいこうという認識も高まってきたように認識をいたしております。
 なお、そういう私どもにとりましてはある意味の追い風の世の中となりましたので、それを背景にしましてぜひ制度の面でも環境庁の力が十分発揮できるように、また環境庁の中のモラールという点から申しましても、大いに意気を高めて積極的に仕事に取り組むような雰囲気づくりなど、私も微力ながら先頭に立って頑張っていきたい、このように考えます。
#54
○沢田分科員 ぜひ、予防医学という言葉がありますが、臨床医学は今日のように社会保障として非常に発達していますが、予防医学については日本もまだまだ十分でない、そういう日本の特性があるとは思います。しかし、そういうものに一歩進めて、大臣の方であらゆる分野に予想し得るものを予想して注意をしていくということの仕事を進めることが大変大切だ、こういうことを特にお願い申し上げまして、次に行きます。
 きょう予算の説明と趣旨説明を見ましたが、この地価税、簡単に言って地価税であります、この外す場所が、これは国土利用計画法で決めるのですか、都市計画法の分野で決めるのですか、あるいは政治的に決めるのですか。これは事務当局ですね。――これは急な質問だったから前に言ってないことだから、もう戸惑っているのだから、考えている間後の方に行きます。
 続いて、今関東地方、これは仙台もそうなってきていると思いますが、宮城もそうでしょうが、この辺は、言うならば城跡というところはいずれにしても山あり谷ありぬかるみがあり、攻め込まれないように大体土地の悪いところに城というのはできているのですね。相手から攻めるに攻めにくい場所を選んでいる。だから、その後整地しようがしまいが極めて悪い場所であることは決まっている、城のある場所というのは。仙台城にしても、瑞巌寺にしてみてもそのとおり、第二の城でしょうが、大体同じようになかなか攻めにくく、海からも来にくく陸からも来にくくというようなところにつくってある。ここも永田町何坂というふうに四百、五百の坂があるところへつくって、ぬかるみを歩かなければ攻め込まれないような、だからこの辺の地盤というのはともかくよくないということだけは間違いないのです。だから、雨が降ればもう溢水する、こういうことになるわけです。
 そこで、この辺のいいところはどこかといったら、水が浦賀水脈というか関東水脈というのがあって、地下水が豊富である、こう言われてきたのですが、これも環境庁のこれからの仕事なのですが、いわゆる関東砂漠と私は言っているのです。舗装して、結果、だんだん緑が少なくなって、石が粉に、粉が微粒子になって、そして空中に飛ぶ、こういう形になってきて非常に砂漠化が進んでいる。地下水への水の浸透度が悪いということで、農林省関係、建設省も呼んで、いわゆる水を、冬の用水を確保しろときのうは主張してきたのです。そうすると、空気の乾燥も助かるだろうし、緑も助かるだろうし、あるいは言うならば花粉病も幾らかなくなるだろうしということで、砂漠化を防いでいくことに冬の水を有効に利用しよう、必要によったら消防にも利用できるというふうに考えていきなさい、こういうことを提案をしたのですが、それと同じように地下水がだんだんと下がっていっている。下がっていっているということは、地下水と表面との間の砂れき層なりそういうものの土壌が乾燥して、これもまた粉になって風で飛ぶという、こういう層になっていってしまうということなのですね、乾燥度が強かったら。だから、どうしても乾燥度を高めないためには地下水の水位というのを従前のような水位に保っていく、そういうことを考えなければ関東そのものが、そのうちには東京を移ってしまえば構いませんけれども、移るまでの間そういう問題は起きてくるということが予想されるわけです。
 これは新しい課題だと思うのですが、おれは仙台のことを考えていれば選挙は心配ないのだからまあいいというのではなくて、これから総理にもなろうという人なのでしょうから、どうぞそういう立場では全日本、全土における地下水への――日本は水がいいところが世界一自信が持てるところなのですから、そういう意味においての地下水の保護、そして涵養、こういうことを考えていかなければならぬのではないか、こう思いますが、その点お答えをいただきたいと思います。
 以上、二点で大体三十分で、新村さんが幾らか何分か過ぎたようだったですが、私の質問は回答をもらって、余り不適当だったらやりますよ、だけれども、満足する回答が出たら一応終わりにしたいと思います。それぞれお願いします。
#55
○武智政府委員 地下水の問題からお答えいたしたいと思います。
 先生御指摘ございましたとおり、地下水は我が国の水の使用量の六分の一ぐらいを占めておりますし、特に上水ですとか工業用水ですとか、そういった都市用水につきまして三分の一ぐらい占めております。したがいまして、水道だけで見まして三千万人分ぐらいの飲料水の供給になっておるというようなことでございまして、身近な貴重な資源として非常に大事にしていかなければならないというふうに思っております。まさに環境を構成する要素の一つとしての資源でもあるということで、これは次代にも引き継いでいかなければならないというふうに我々も思っておるわけでございます。
 環境庁としましては、水質の保全なり地盤沈下というような所掌を所管いたしておるわけでございますが、そういったような観点で、従来から工業用水法なり、建築物用地下水の採取の規制に関する法律ということで、ビル用水法と称しておりますが、それらの法律によりましてかなり規制をいたしておりまして、全国的には地盤沈下といいますか地下水の低下も、一時に比べますとかなり改善を見てきておるというふうに我々は認識してきております。
 ただ、関東の特に埼玉の北部と栃木と群馬を結ぶいわゆる渡良瀬遊水池の周辺が、かなり地下水が急激に低下をいたしておるというふうに我々認識いたしておりまして、これは国土庁が所管いたしておりますが、全体の水需給との関連もあろうかというふうに思っておりますので、国土庁その他の関係省庁、建設、農林その他とも相談いたしまして、要はあの地域の地盤沈下、地下水の低下をどうやって防ぐかというようなことにつきまして現在鋭意検討いたしておるところでございますので、これらによりまして何らかの早急な対策を打ちたいというふうに考えておる次第でございます。
#56
○森(仁)政府委員 先ほど土地税制の関係のお尋ねでございました。
 開発を規制されるような土地、すなわち自然環境保全を行うために、国立公園あるいは国定公園の中の特別地域といったようなものが開発を規制されている特別の地域に当たるわけでございますが、こういう土地につきまして地価税を非課税にするというものでございます。法律的な形では地価税法の中で対処をいたします。地価税法の中に、例えば自然公園法の規定によるかれこれかれこれの地域、それについては非課税でやる、こういうような仕組みになろうと考えております。
#57
○沢田分科員 消極的ですね。さっき言った砂漠化もそうです、地下水もそうですが、やはり森なり木が少なくなれば、これはいかに地下水を蓄えようと思ってもたまっていかないのですね。やはり森林を、フランスもそうですが、いわゆる杜の都という仙台もそうですが、それだけの木を多くしなければ、地下水をためようと思ってもたまっていかない仕組みになっていますね、これは。これはもう初歩的な学問だと思うのです。
 ですから、今おっしゃっているような今の規制のもの以外に、例えば森林地区を地下水の保全のための、これは台風の洪水の防止にもつながるわけですから、そういう多目的な意味においての環境保全、こういうものを考えていかないと、単発的なものを積み重ねてもだめなんですね。ですから、それは総合的に、この首都圏という言葉がいいかどうかわかりませんが、例えば首都圏なら首都圏の現状を守る、そういう立場に立って、これも必要だ、これも必要だ、これも必要だ、こういう立場で環境庁が臨んでいただきたいと思います。
 これは大臣に、私はきょうお説教するつもりで来たわけじゃありませんが、そういう現実の進んでいる状況をしっかり把握してもらって、もっとグローバルな立場で対応してもらうということが必要だ、こういうことをお願いして私の方の質問は終わりますが、大臣、決意だけひとつ、三十秒ぐらいありますから、それだけ言ってみていただきたい。
#58
○愛知国務大臣 大変適切な御指摘をいただきまして、大変ありがとうございました。
 これを機会にまたさらに気持ちを新たに取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。
#59
○沢田分科員 終わります。
#60
○町村主査代理 これにて沢田広君の質疑は終了いたしました。
 次に、藤原房雄君。
#61
○藤原分科員 限られた時間でございますので、端的に申し上げますが、公害問題も地域のことだけではなくしてグローバルに見なければならない大変な時代になりました。それらの幅広い諸問題から、さらにまた、先は種の絶滅、生物の絶滅、こういうことが叫ばれておるわけでございます。去年、私ども北海道の天売町の調査をいたしまして環境庁にもいろいろ申し入れをいたしたところでございますが、この「レッドデータブック」の絶滅危惧種二十七種の中の一つに数えられておりますウミガラス、通常オロロン鳥と言っておりますが、この問題について最初にお尋ねをしておきたいと思うのであります。
 かつては八千羽ぐらいいましたウミガラスが、一昨年は百二十七羽、昨年は六十羽、もう本当に絶滅寸前という状況になっておることはよく御存じのことと思うのであります。これらに対しまして、何らかのといいますか諸対策を講ずべきだということで、環境庁にも申し入れましたし、環境庁も取り組んでいらっしゃる様子については私ども存じておる次第でありますが、本年度の予算でこれがどういう対応をなさるのか、この点、きょうは予算委員会の分科会という予算にかかわることですから、まず最初にお聞きしておきます。
#62
○伊藤(卓)政府委員 ただいま先生お尋ねのウミガラス、これは御紹介いただきましたようにオロロン鳥とも言われております。その鳴き声からそういう名前がついておるようでございますが、ウミスズメ科の海鳥ということで、北太平洋あるいは北大西洋に分布しておりますけれども、これも先生御指摘のように、昭和三十年代の末期には八千羽程度いたという記録がございますが、最近では天売島にのみ数十羽ぐらいしかいないのではないかというような状態でございますので、私ども大変心配をいたしております。
 それで、これも御案内かと思いますが、五十七年に、私どもといたしましては、国設鳥獣保護区に設定いたしまして以来、北海道それから地元羽幌町とともに保護のために普及啓発事業をやってまいりましたけれども、平成三年度には、新規事業といたしましてウミガラスの営巣誘致事業というものをやろうという計画をいたしております。すなわち、これは大体岩壁に住んでおる鳥でございますけれども、冬になりますと北の方に行くというような鳥でございますので、その途中でその巣にできるだけ寄りついてもらうというような計画でございます。具体的には、岩壁にウミガラスの模型を置きまして、さらに鳴き声を人工的に流していく、そういう形で、ここは安全だからすみついてもいいよというような状態をつくり出そうというものでございます。さらにあわせまして、繁殖期におきますえさをどの範囲でとっておるかという採餌範囲調査というものを予定いたしております。
 なお、北海道におきましても、学識経験者を委員といたしますウミガラス保護対策検討会というものを設けておりますので、私どももそれに協力いたしてまいりますが、さらに、ここではウミガラスに関します諸情報の収集を考えております。さらにはウミガラスの天敵排除のための調査。天敵といたしましてオオセグロカモメというものが非常に勢力を張っておりまして、これとの調和をどう図らせるかという問題がありますので、この天敵対策もあわせて調査をやるという計画でございますので、その点、北海道と協力をしながら保護対策を進めてまいりたいというふうに考えております。
#63
○藤原分科員 今までのように、捕獲禁止とかそういう消極的なことじゃなくて、積極的に営巣問題とか食餌問題、そういうことで進めていこうという一つのあらわれだろうと思います。そういう点では、二百五十万の予算ということでありますけれども、一つの端緒が開かれた、こんな感じがするのですが、何せもう一昨年百二十七羽が去年は六十羽という現状でございまして、もう本当に絶滅、危惧というよりも絶滅寸前にある、こういう状況であることをぜひひとつ御認識いただきまして、最善の努力を払いませんと、体制ばかりつくっておりますうちに本当にいなくなってしまう、絶滅してしまうのではないか、こういう危惧を持つわけであります。
 この鳥は、生態的に、海上で生活する期間が長かったり、それからまた潜水、魚をとるのもほかの鳥とは違う、いろいろなことがありますし、また営巣もほかの鳥にねらわれやすい、こういう状況の中で卵を産む、こんなこともございまして、非常に難しいということは、私ども現地へ行っていろいろ調査をしてまいりましたのでよく存じておるのですが、現在の体制として、これの調査とか実態把握とかということにつきましては、善意の方々に支えられて、こういう調査とかいろいろなことをしておるのが実態であります。町とか北海道におきましても、そうあってはならぬということで、また環境庁とも連携をとりながらいろいろな対策を進めていることは事実ですけれども、現場的には善意の方々の善意に支えられてこういう観測とかいろいろなことをなされておるというのが実態でありまして、そういう点では、ことしこういう営巣とか音声を発するようなもの等でより効果的な方法を模索するということでありますから、さらにこういう体制を、ぜひひとつその是非を見きわめた上で、諸外国のいろいろな鳥獣の実態等を把握しまして、適切な処置をしまして、この絶滅寸前にありますオロロン鳥を保護していただく手だてをやっていただきたい、こう思うのです。
 島に参りますと、本当に小さい島でありますが、去年はかつてない観光客が参りましたし、そういう点ではいらっしゃった方々は非常に関心をお持ちになっていらっしゃる。ツル公園みたいな大きなものを考えているわけでは決してないのですけれども、やはりビジターセンターとかネーチャーセンターといいますか、そういういらっしゃった方々に――いつもいるわけじゃなくて、三、四、五月ぐらいまでしかいないわけですから、どういう生態のものであってどんなに貴重なものであるかということ等をPRするとか、それから教育、啓蒙、こういうことのために島に何らかのそういうものがあってしかるべきじゃないか。すばらしい風光明媚な、そしてまた、これらの海鳥が繁殖するにふさわしい適地というのはだんだん少なくなっているわけでありますし、この地域にとりまして、この自然を守るということや、またこの実態、生態というものを知っていただく、こういうことに対しましてもっと力を入れる、そういうことのためにはビジターセンターのようなものを、ぜひ小規模であっても、そういうこととともに、人的にも善意に支えられるだけではなくして、本格的な取り組みということで、ぜひひとつ設けていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
#64
○伊藤(卓)政府委員 地元でも大変このウミガラスの保護に御熱心でございまして、確かにある程度善意に支えられている部分もあろうかと思いますけれども、やはりこういったその土地その土地の自然というのは、地元の御熱心な方あるいは学識のある方々のお力によらざるを得ないのがたくさんあろうかと思います。
 ただ、私どもといたしましては、さらにそれを支えるという形をいろいろ考えなければならないというふうに考えておりますが、この天売の場合ですと、五十九年度に海鳥の観察舎と遊歩道を整備したところでございます。さらに平成二年度には、国設鳥獣保護区案内板あるいは国定公園になりましたので、その案内標識といったものでとりあえずの普及啓発事業をやっておりますけれども、さらには、こういったウミガラスを含めた天売のすばらしい自然をどういうふうに保護し、また世間にも御紹介していくか、それを地元の意向も踏まえながら検討してまいりたいというふうに考えます。
#65
○藤原分科員 決して環境庁としても地元にお任せするわけじゃない、いろいろな政策をしていることはよく存じておりますけれども、もう一歩踏み込んで、さらに教育とかそれから啓蒙、こういう多角的な幅広いPRが必要だろうと思いますし、また調査等につきましても、もう少し本格的な体制をつくりませんと、本当に絶滅する危惧が非常に大きい、こういうことを痛感するものですから御提起を申し上げておるわけであります。
 昨年、国定公園にさせていただきました。こういうことからしまして、当然自然が残っていて海鳥が生息するにふさわしい地形というものを守り育て、そしてまた、人々にそれを認識させる、こういう啓蒙ということが非常に貴重な存在になってきたのではないかと思います。私は小樽ですけれども、昔海鳥なんてもうどこでもたくさんいたものですけれども、最近はだんだん生息する種類やなんか変わってきていることは事実でありまして、国定公園になったということ等もあわせ、そういう一つの啓蒙というか教育、特に私は思うのですけれども、地方における自然とか文化というものを大事にする、環境庁としてはそういうことに本当にもう力を入れていただきたい。これはもちろん環境庁だけでできることじゃないのですけれども、地元の町村、それから都道府県、こういうものとタイアップして、そういう推進をすることが望まれるわけでありますが、国定公園でもある、こういうことの中で鳥獣保護区である。ただ鳥獣保護区ということだけではなくて、さらにもう一歩も二歩も進めまして、こういうビジターセンターのような形のもので、それは小さくても、そこへ行けばいろいろなことが知れるという、今はパンフレットやなんかもありますし、いろいろなことをやっていることを私も知っていますけれども、まだまだ認識の度合い、PRの問題につきまして非常に薄いのじゃないか。自然と文化を大事にする、こういう観点でぜひ環境庁としましては、この問題に真剣にお取り組みいただきたい、私はこう思うのですけれども、局長さんのお話はわかりますが、大臣、どうでしょう。これはぜひひとつ政治的な御判断でお取り組みいただきたいと思うのですが……。
    〔町村主査代理退席、嶋崎主査代理着席〕
#66
○愛知国務大臣 人と野生生物の共存を図っていくということは、自然保護行政の基本原則だ、このように認識しております。また、今お触れになりました教育、人づくりという点から申しましても、これは極めて大切なことだ、このように認識しております。
 実は昨日もこの国会周辺に鳥の巣箱をこの近くの小学生と一緒につけるということをやらせていただきましたが、いずれにいたしましても、教育という面でも大変大事なことと認識をいたしているわけであります。中でも絶滅のおそれのあるこのウミガラスのお話を例としてお話しになりましたけれども、絶滅してしまいますと、もうそれきりでございますから、これは絶滅をしないようにあらゆる手を講じていかなきゃいけない、こういうことで今局長から御答弁申し上げましたようないろんなことを環境庁としてやらせていただいておりますが、なお、その運動を広めてまいりまして、各方面の御協力をいただきながら推進をしてまいりたいと考えております。
 そしてまた、この野生生物の保護の取り組み方ということにつきましては、国際的にも非常に注目をされていることでございまして、特に、御承知のとおり、ワシントン条約あるいはラムサール条約の締約国会議がそれぞれ日本で開かれることになっておりますし、そういう意味から申しましても、日本は積極的にこういう問題に取り組んでいくという姿勢を示すことが大事だ、このような認識をいたしております。そういう基本的な認識のもとに今後とも鋭意努力を続けてまいりたいと考えております。
#67
○藤原分科員 環境庁も今までは国内の水質調査とか環境にかかわる諸問題についてのことが中心であったろうと思うのでありますが、今やグローバルにいろいろなことをしなければならぬ。そういうことでは非常に役割が大きいし、大きな使命を持ってお仕事をなさっている中でありますが、今大臣からお話がございましたように、種を守るという上からも、もう二けた台になったということでありますから、予算とか行政というのは年度ごとかもしれませんけれども、鳥の方は待っておりませんから、実態調査をもとにしまして、地元の要望とか地元のいろいろな動き等に対しまして積極的な支援をしまして、やはりだめだったなんというようなことのないような最善の御努力をぜひひとついただきたい、このことを要望いたしておきます。
 それから、ラムサール条約の会議が平成五年に釧路で開かれるということでありますが、釧路湿原について――加盟国六十カ国でありますけれども、九十カ国以上の方々が参加するのではないかということで、国際的にも非常に関心を持たれておるということでございます。これは本年度の予算というより明年度の、平成四年度の予算にこれらのことについていろいろ御検討なさることになるのだろうと思います。もう私が長々申し上げるまでもなく、東南アジアにおきましては、この湿原というのは非常に少ないということであります。参加国も少ない。こういうことからいいまして、アジア、日本の国で国際会議が開かれるという意義というのは非常に大きいと思うわけであります。
 それから、湿原のことについていろいろ言われておりますけれども、日本国内におきましても、関係者に与える認識というのは非常に大きな影響を与えるものだろうと思います。こういうことで、ぜひこの釧路における国際会議が成功できますよう、予算措置やなにかにつきましても万全の態勢でお取り組みをいただきたいし、この湿原につきましても、日本の国にもそうたくさんあるわけじゃございませんで、北海道でも苫小牧のウトナイ湖なんかは申請をいたしていろいろ検討いただいておるところでありますが、実態に即した形で一日も早く、この湿原というものが開発のはざまの中で、また観光ブームの中で汚染されたり問題の起きることのないように、早急にひとつ指定をするとか対応を御検討いただきたい。今あります自然というものを本当に大事にする、先ほど大臣からもお話がございましたけれども、自然と文化、こういうことに対しましても、日本の政治としてもぜひひとつお取り組みをいただきたい。ラムサール条約について、明年に控えました予算を初めとします対応、それから新しく申請をいたしておりますウトナイ湖等につきましてのこれらの問題をどういうように今御検討なさっていらっしゃるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#68
○伊藤(卓)政府委員 まず第一点の平成五年に予定しておりますラムサール条約締約国会議でございますけれども、これは先ほど先生御指摘のような我が国の今後の野生生物保護への積極的な取り組みをPRする時期でもあろうと思っております。既に地元と準備会を設けまして、着々準備を進めたところでございます。国内的には、御案内のように登録しておりますのがまだ三カ所でございますので、もう少しこれをふやしていく、ホスト国としてそういった努力も必要かと思っております。さらには、御指摘のように、東南アジア地域におきましてはベトナム国しか加盟しておらないというような事情もございますので、この地域におきます各国への働きかけというようなことも相まって、この会議への努力を続けていきたいというふうに思っております。
 二点目のウトナイ湖の登録地としての手続でございますけれども、ここは渡り鳥の中継地として非常に有数の湿地である、それで国際的にも重要なものであるという認識を持っております。なお、既に国設鳥獣保護区の特別保護地区というものに指定されておりまして、この登録の要件といたしましての国内法で担保されることという条件も満たしておるというふうに考えております。これからまだいろいろ調査等も必要でございますけれども、基本的には北海道からの正式な要請がありますれば、それを踏まえて手続を進めていくということになろうと考えております。
    〔嶋崎主査代理退席、町村主査代理着席〕
#69
○藤原分科員 時間がありませんから、次に進みますが、こういう鳥獣にいたしましても、また湿原にいたしましても、汚染から守らなければならぬということであります。そういうことから、直接は関係ないのかもしれませんけれども、水質の問題、こういうことについてちょっとお尋ねしたいと思います。
 海洋汚染ということについて、海洋汚染もいろいろな物質がございまして多岐にわたります。指定化学物質に指定になっておりますTPT、劇物の有機すず化合物、これは船の船底の塗料とか漁網防汚剤ということで使われておるわけでありますけれども、この劇物指定物質でありますTPTにつきまして、これは環境庁としましては、全国に五十カ所、港湾とか河口等で調査をしておるということでありますが、一応このTPTにつきましては、監視をするということが主なる定めであって、現実的に規制というのは現在のところはないことになっておりますね。業界等におきましては、自主規制、こういうことを言われておるわけでありますけれども、現在まだ積極的な取り組みというのはないわけでありますが、こういう現状を踏まえまして、全国五十カ所の検査体制、こういうことでこの実態把握の現状はいいのかどうか。現在の調査の状況からいたしまして、汚染状況は進みつつあるのか、また減少傾向にあるのか、こういう傾向性。それから今後のTPTに対します規制ということについては、環境庁としては、実際は水産庁とか通産省になるんだと思うのですけれども、どういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。白血球を減少させるとか難分解性がある劇物指定物質である、こういうことを言われておるTPTにつきまして、環境庁の御見解をお伺いしておきたいと思います。
#70
○柳沢(健)政府委員 有機すず化合物についてのお尋ねでございますけれども、このうちトリブチルすず化合物につきましては、昭和六十年度からは魚類等の生物を用いて環境中の濃度の経年的な監視をしているところでございます。今日までの測定結果によりますと、内海の地域、内湾、内海域を中心に検出されておりまして、その濃度はおおむね横ばいということでございます。この環境汚染状況につきまして、中央公害対策審議会の化学物質専門委員会、こちらの方におきましていろいろ評価をしていただいてございます。それによりますと、現在の汚染レベルが直ちに危険な状況にあるということは考えられないけれども、今後とも環境汚染の状況を監視していくことが必要である、そういうことになっておるわけでございます。
 それからまた、トリフェニルすず化合物につきましては、昭和六十三年度に実施いたしました調査の結果、特に魚類におきまして高い濃度で検出されたところでございまして、業界が自主的に製品の出荷を取りやめるとともに、関係省庁から使用自粛の指導が行われているところでございます。
#71
○藤原分科員 北海道では、夕張ですけれども、散弾の鉛を食べた鳥がばたばたと死んだとか、それからまた最近、こういう地下水とか海洋汚染とか非常に汚染が進んでいることのためにいろんな問題が起きている。問題が起きる寸前の数値がいろいろ出ていて、大きな被害を及ぼすような状況ではない、こんなことだろうといろいろ言われておるわけでありますが、今のお話ですと、横ばい状態、これはそれぞれの省庁でこれを禁止するとか規制、自粛、こういうことで横ばいであるということは、そういう規制はありながら、まだ使用している実態があるから減少傾向にはないということになるのではないか。こういうことを考えますと、濃度は調査時点でいろいろな数値が出て、去年、おととしから――これは前に調査したときには高い濃度のものが出たということで非常に問題になっておったし、また八〇%から魚類なんかから検出されたということで非常に注目を浴びて、それでこういういろんなことが議論になったんだろうと思います。
 観測地点、それから水質でも海洋汚染でもそうですけれども、環境庁が独自に調査をする体制にないわけでありまして、地方自治体に依頼をして調査の費用を出して調査をしてもらっておるという実態でありまして、これは迅速な全国を網羅する調査体制ということと、それの適切な迅速な対応がなければ、自分のところでやっているんでないだけに、いろんな調査項目とか何か設けてやっておることはよく知っておりますが、事故が起きたり問題が起きてからでなければなかなか我々の耳に達しないという傾向がありますので、ひとつ観測地点、観測網というものをより充実させるということや、そういう出たものにつきまして、適切な対応というものを早急に立てるということで事前に事故を防いでいく、こういうことが必要ではないかと思います。
 それからまた、自主規制ということでありながら減少傾向にないということ。そういう原因等につきましても、さらにまた究明していただきまして、減少をさせるためにはどうあるべきか、こういうこと等についても関係省庁と連携をとり合って万遺漏なきを期すべきではないか、こういうように思うのですが、大臣、一言これらのことについて。
#72
○愛知国務大臣 御指摘のように、出てからでは遅いわけでございまして、未然に防止するということでモニタリングの体制をより強化し、関係省庁ともあるいは地方自治体等々の御協力をいただきながら万全を期してまいりたいと考えます。
#73
○藤原分科員 では、終わります。
#74
○町村主査代理 御苦労さまでした。
 これにて藤原房雄君の質疑は終了いたしました。
 次に、江田五月君。
#75
○江田分科員 環境行政について伺います。
 今自然環境の問題というのは非常に重要になっておりまして、環境庁長官の役割は大変重要になってきておると思います。かつて大石武一環境庁長官、厳密には二代目ということになりますかが活躍された当時に、尾瀬に登って、有料道路建設をとめたということがありました。現地へ行ってみますと、道路があるところですぱっと切れてみなびっくりしたわけでありますが、そのときに、これは何か新しい問題が生じてきているぞ、考え方を変えなければいけないときが来ているということがああいう行動によって国民にアピールされたわけですね。環境と開発という非常に難しい課題、そう簡単にきれいな形で解決つかない、やはり少々手荒なことがあっても、どこかで環境という視点から開発をとめなければならぬという事態が生じてくるという、そういうことがああいうことによって示されたのだと思いますが、サステイナブルディベロップメント、地球環境というものがしっかり受けとめることのできる開発でなければこれからいけませんよ、環境に優しいあるいは地球に優しい社会システムをつくっていこうということにだんだんなってきているかと思います。
 そんな中で、政策整合性ということはもちろん大切なわけですが、しかし、ある程度国民に目を覚ましていただくというか、ちょっと僣越な言い方になってしまうかもしれないけれども、国民の意識を覚せいしていく、そういう行動もまた必要なときが来ているわけで、科学的な知見が十分に明らかになった後に対応するというのでは、もう間に合わないということもいろいろなところで言われている。政策決定をしていく場合の価値基準を変えていかなければならぬ。環境という観点からいろいろなパラダイムシフトが必要な、そういう時代が来ているかと思います。
 そんな中で、今回愛知長官誕生ということになりまして、愛知長官はこれまでもグローブ・ジャパン、これはバランスのとれた環境のための地球的な議員の組織、まあ何と訳すのですか地球環境国際議員会議と訳すのでしょうか、こういう会議の仲間でもありまして、ことしの七月には東京でアメリカ、EC、日本、ソ連も含んで国会議員が集まって地球環境問題を討議するということになったりもしているわけで、そういう会議の中でも大変積極的に活躍をされておられる愛知さんが長官になられて、まさに最適任者の登場だと思います。名環境庁長官になられるものと期待をしているのですが、まあ分科会というところでちょっとおかしいかもしれませんが、私どもほかに場所がないものですから、環境庁長官としての取り組む決意をまず聞かしてもらいたいと思います。
#76
○愛知国務大臣 江田委員とは今お話のとおり、グローブなどを通じて御一緒に勉強させていただいてまいりました。日ごろ江田委員の御見識に対しまして私も大変尊敬申し上げておるわけでございますが、きょうも大変高い見識からのお話がございまして大変ありがとうございました。また御激励もいただきました。感謝を申し上げております。
 環境の問題というのが日本国内のみならず地球という規模での大きな課題になっておりまして、それだけに私どもの責任が大きい。また、これは環境庁の責任というよりも国全体としての責任が非常に大きい。このような認識をいたしておりまして、それにこたえるべく全力を挙げて取り組んでいかなければならないと思っております。
 来年は、御承知のとおり、環境と開発に関する国連会議がブラジルで開催されますが、先ほどちょっとお触れになりました環境と開発というそのバランスをどうとるか、非常にこれは大きな課題でありまして、こういう問題を追求していきますと、それぞれライフスタイルのお話にまでまいりますし、ある意味でいうと極めて哲学的なところまでさかのぼらねばならない課題かと思いますが、私も、甚だ非力、微力でございますので、どこまでできるかわかりませんが、とにかく全力を挙げて使命を果たしていきたいと思っております。どうぞ今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
#77
○江田分科員 強い決意を伺わしていただいて心強いのですが、国内の問題のみならず地球環境自体が問題になってきたという御認識、地球環境、オゾン層の問題、酸性雨あるいは温暖化ガス、熱帯雨林、海洋汚染その他といっぱいあるわけですが、どうも私は、逆に最近の政府の姿勢は、地球環境問題はかなり広報などでも熱心になってきている、しかし足元の環境問題というのは、どうも及び腰じゃないかという気がして仕方がないのですね。例えば石垣島のサンゴ礁問題、これは最近はもう空港問題だけではなくて公共事業による土壌流出、それによる海洋汚染。私も現地へ行ってみましたけれども、大変大規模な観光開発、それからもう一つ農業開発と行われておりまして、一体石垣島というところがどうなってしまうのだろうと大変心配をいたします。長良川河口堰の問題もある。リゾート法で開発がどんどん進んで、自然環境が破壊されるという、そういう心配も出てきているのです。
 私のきょうの質問のテーマは、ゴルフ場のことを聞こうと思っているのですが、これも心配ですね。私の地元では、岡山ですが、岡山市内の旭川という河川の放水路、百間川という川がありまして、この河川敷でゴルフ場をつくる。市民が、飲み水の取水口近くにできるということで、水質の汚染を大変心配をしております。あるいは加茂町というところでは、リゾート法の適用を受けて森林を広範囲につぶしてしまうという問題が起きている。児島湖という、これは人工でつくられた締め切り堤防で湖になっているところなんですが、ここは水質の汚濁が今全国でも有名になってしまっているのですが、この湖に注ぐ河川の流域のゴルフ場がさらに一層湖の水質を悪化させるのじゃないかということで心配をされている。これはほんの一例で、全国でどうもゴルフ場が環境問題の中の重要課題になっています。
 私は別にゴルフが悪いと言うわけじゃありません。下手ですが、私もゴルフをしますし、ゴルフ場というもの自体が別に悪いのじゃないのだろうけれども、そのゴルフ場をどこにつくるか、どういう形でつくるか、あるいはどういう調査の上でつくるか、どういう調整をするのか、そうした問題が随分足りない点がたくさんある。政府においてもゴルフ場関係省庁連絡会議を設けたとも聞いておりますが、環境庁長官、ゴルフ場問題について基本的にどういう姿勢をお持ちですか、伺いたいと思います。
#78
○愛知国務大臣 御指摘のように、ゴルフ場の建設は、大規模な自然の改変を伴いますし、また農薬による水質汚濁も心配されておりますので、環境へ悪影響が生じないよう十分な配慮が必要であると認識をいたしております。
 環境庁では、昨年の五月にゴルフ場使用農薬に係る暫定指導指針というものを策定いたしまして都道府県に通知をいたしました。また、さかのぼって昭和四十九年以降国立公園、国定公園の特別地域でのゴルフ場の建設は認めておりません。さらに、これに加えまして、昨年六月には特別地域以外の普通地域における指導指針を新たに策定いたしまして都道府県に通知をいたしております。
 今後とも、これら指針の適切な運用に努めるとともに、今御指摘のゴルフ場関係省庁連絡会議、これは九つの省庁でできておりますが、これらの場を初め関係省庁とも十分連携をとりまして、自然環境の保全や環境汚染の未然防止を図るという観点から、これらの問題に適切に対処してまいりたいと考えております。
#79
○江田分科員 私はあるゴルフ場のプロモーションビデオを見たことがあります。これは、できた後に会員権を募集する、会員を募集するためですか、そのためのプロモーションビデオなんですが、こういうふうにして今つくっている工事の最中ですというビデオを見てもうびっくりしましたね。とにかく緑の山林を、完全に緑をうがっていくわけですね。大規模な土地が全部赤裸の赤土がそのまま露出をした土地になってしまう。そして、山を削り谷を埋めて、全く今までと違った情景をそこにつくり出すわけですね。この規模の大きさ、これほど大きな規模でやっているんだということを誇りにしておる。しかも、今度はいかに水はけがいいか、雨が降ったすぐ後でもゴルフができるというのを売り物にするために、太い管や暗渠でだあっと水を流す装置を入れる、これに今度細い枝をいっぱいつけて。ですから、森林なんというのは保水力というのが非常に重要だと思いますが、逆に、これほど保水しないということをこれまた売り物にしておる、農薬の問題ももちろんありますけれども。つまり、そういうことを見ますと、ゴルフ場をつくっている皆さんの価値観というものは、自然環境を大切にするというものから見た価値観と全く逆の価値観に立って、どれほど大規模に自然を改変するか、どれほど保水なんというようなものを無視するかということにむしろ価値を置いているというふうに見えるわけですね。これはやはりその思想自体を変えていただかないといけないんじゃないかという気がするのです。
 そこで、ゴルフ場について基本的に今の長官のお話、大規模な自然改変が起きたり、農薬の問題もあったり、環境への悪影響が重要であるから、これはよく注意をしなければならぬという――そうですね。そういうお考えを聞いて本当にほっとしたのですが、現在地方公共団体で規制強化の機運もある程度高まっていて、都道府県単位などで総量規制をするところも出てきております。岡山県でいえば、河川水系流域内の森林総面積の二%以内、かつ当該市町村総面積の二%以内という、いろいろ例外もついておりますが、一応総量規制をしております。環境庁は、ゴルフ場について総量規制という規制の仕方をどのように考えていらっしゃいますか。環境アセスメントの実施のように、自治体の取り組みがいろいろあるわけですが、こうした自治体の取り組みを積極的に支援をしていくというお考えはないんでしょうか、お伺いをいたします。
#80
○渡辺(修)政府委員 地方自治体におきましては、先生がおっしゃいましたように、ゴルフ場の立地、建設に関しまして、県土面積に占めるゴルフ場面積の割合の設定、これがいわゆる総量規制でございます。それから環境アセスメントを実施させる、さらには個々のゴルフ場事業者と環境保全協定を締結する、こういった形での環境保全のための措置が講じられております。
 いわゆる総量規制についてどうかということでございますが、私どもとしては、各地域の置かれている自然的、社会的条件が区々さまざまでございますので、それぞれの地方自治体でその実情を踏まえて適切に対処していただくということが基本だとは考えております。しかしながら、御指摘のように、地方自治体におけるさまざまな取り組み状況を環境庁として把握をいたしまして、各自治体への情報提供を行う、こういうことによってゴルフ場に関します環境保全施策を支援しております。また、もう一つの例といたしましては、今年度から三カ年計画でゴルフ場をつくる場合の環境アセスメントの指針づくりとでも申しましょうか、こういうものも手がけているところでございます。
 各自治体でそれぞれ御対応いただくというのを基本としながらも、環境庁として、環境保全の見地からできるだけの支援をしていきたい、こう思っております。
#81
○江田分科員 環境保全の見地から的確に指導をしていくというところをひとつぜひお忘れにならないようにお願いをいたします。
 ゴルフ場問題の典型的な事例、まあ典型と言えるかどうか、一つの事例を挙げて伺ってみたいのですが、日光にあります霧降高原ゴルフ場建設問題というのがあります。ここは、昨年の秋に、元環境庁長官の鯨岡兵輔先生、そして私、これは御一緒できなかったので別の日だったのですが、現地の見学もいたしました。ぜひ取りやめということにしてほしいのですが、もう建設工事は始まっている。この霧降高原ゴルフ場、私は石垣島と長良川と並んで日本の環境問題の三大シンボルという感じがしておるのです。そのほかにももっとひどい事例もいっぱいあるけれども、今環境問題の中でシンボル化しているという意味で三大シンボルだと思いますが、ある意味では日本のゴルフ場問題が集約されているとも言えます。
 五つ大きな問題点があると思います。第一に、国立公園の中のゴルフ場だ、普通地域ではありますが。第二に、水源地につくられるゴルフ場だ。第三に、一〇〇%樹林地で動植物にとって豊かな自然環境を破壊するゴルフ場だ。第四に、治山治水上有害で危険なゴルフ場のおそれがある。第五に、リゾート法適用対象ゴルフ場である。リゾート法という問題点。これもいろいろ見方があると思いますが、リゾート法によってむしろゴルフ場を規制する立場の県が、これを推進、促進する側に回ってしまうという問題点があろうかと思います。
 まず第一の国立公園内のゴルフ場ということについて伺いますが、昭和四十八年の政令改正で国立公園の特別地域でのゴルフ場建設は事実上禁止された。そして昨年六月の指導指針で普通地域内におけるガイドラインが示された。しかし、これはどうも事実上は国立公園内でのゴルフ場建設を一定の条件のもとで容認している、そういう機能を果たしているかに見えます。我が国の代表的な自然環境である国立公園の中、これは普通地域と
いえどもゴルフ場を建設することは好ましくないと私は思うのですが、環境庁長官、いかがでしょう。
#82
○愛知国務大臣 我が国の国立公園と申しますのは、民有地を含めて土地の所有形態にかかわりなく指定できるというものでございまして、多目的な土地利用を前提として存在しているということでございます。こうした中で、自然景観の保護と土地所有権等の財産権の尊重との調整をどう図るかなどの観点から、国立公園を特別地域と普通地域とに区別して、両者で規制の差異を設けている、このようなわけでございまして、ゴルフ場の開発につきましても、このような制度の差の一環の中で位置づけられる問題と考えておりまして、特別地域と同様の規制を普通地域にまで適用するということは、そういう意味でちょっと無理ではないか、指導指針に適合しておれば認めることはやむを得ないと考えているわけであります。
#83
○江田分科員 特別地域と普通地域の違いがあることは、そのとおりだと思うのですけれども、ただ、普通地域の場合でも、やはり国民みんなにとってこの自然環境というものは大切に守っていこうじゃないかということで国立公園というものを指定をしているわけで、そして国立公園ごとにいろいろなバラエティーがありますから、どこも同じにというわけにはいかないだろうが、私権の制限も自然環境を守っていくという点でやはりある程度は仕方のない、あるいはそのことが今要請されている、そういう時代にもなっているわけで、私は、物を考えるスタートラインとしては、やはり普通地域であっても、先ほども申し上げたようなゴルフ場のような大規模な自然改変、しかも、例えば排水などはいい方がよろしいという、そういう土地利用の仕方というものは、国立公園というものに似つかわしくないんだという一番基本的なスタンスは持っておかれることが必要だと思っております。
 さて、四十八年の政令改正のとき、自然保護局長通知の中では、
 最近、国立公園等の自然性の高い風景地にあっても、ゴルフ場の設置が多数計画されているが、ゴルフ場の設置は広い面積にわたる木竹の伐採、土地の形状変更等の行為を伴い、自然の現況を大幅に改変すること、さらに当該地域が少数者に排他的に利用されることなどからみて、国立公園等の利用者が増大している今日においては、公園施設として現在以上にゴルフ場を設置することは適当でないと認められる
と書いてあるわけで、これは特別地域のことですが、しかし、普通地域も含めて国立公園というのは、広く国民すべてのために自然を残そうというところなんで、こういう広く国民のために設定された国立公園というものが、自然環境に与える影響自体はある程度受容できるものであったとしても、利用形態として会員制利用形態になってしまう。私は、国立公園の利用というのは、会員は、日本国民であるという会員で十分だ、それ以上の会員に限定することは、国立公園の設置目的からいうとおかしいのじゃないかと思うのですが、普通地域の場合であっても、会員制の利用施設というものをつくる、少数者の排他的利用になるというものは、どうも正義に反すると思うのですが、長官、いかがですか。
#84
○愛知国務大臣 先生の御指摘の点は、確かに説得力のある話でございまして、私どもとしましても、御趣旨をよく踏まえまして、制度として法的な規制をするということは、先ほど申し上げましたような観点から無理ではございますが、指導指針というものをさらに強化するなどいたしまして、その趣旨が生かされるように努力をしてまいりたいと思います。
#85
○江田分科員 長官、ぎりぎりのところをお答えくださったと思います。本当によろしくお願いします。
 もう余り時間がありませんが、もう一つ、日光の霧降高原ゴルフ場建設予定地というのは鳥獣保護区の指定を受けているのですね。実際私が見に行ったときもたくさんのシカや、それから多分キセキレイという鳥だと思いますが、鳥もいました。トウホクサンショウウオという生物の生息の南限地だそうで、まさに鳥獣保護区にふさわしいところです。そこにゴルフ場ができる。
 昨日環境庁の方の説明を伺ったのですが、鳥獣保護区というのは狩猟から動物を守る規定である、それ以上ではないということなんですが、さあ一体そういうことでいいのか。そういう地域に生息しておれば、鳥獣、鳥もけものも安心して生息できるという、そういう地域にしてほしいと思うのですが、鉄砲を持って入っていくのでなければ、ブルドーザーでもって入っていこうが何を持って入っていこうが鳥やけものは黙ってなさい、水場にも行けない、食べ物をとる環境も激変する、これではちょっと鳥獣保護区の設定の意味がなくなると思うのです。この日光霧降高原の場合には、ガイドラインで「野鳥、昆虫、水生生物等の生息環境の保全、創出についても、適切な配慮が行われるものであること。」と書いてありますが、例えば、シカの生息環境への配慮は、この霧降高原の場合はあるのでしょうか。
#86
○伊藤(卓)政府委員 ただいま御指摘の鳥獣保護区に設定されておりまして、確かに捕獲の禁止等ということで、いわゆる土地の改変行為に対する規制はできていないわけでございますけれども、私どもとしては、やはり法律的には開発行為そのものを規制することはなかなか難しいわけでございますけれども、そこにおける生息への影響を最小限に食いとめる配慮が必要だということは、基本的な考え方として持っておりまして、栃木県でも環境影響調査に基づく保護のための措置を講ずるように考えておるというふうに聞いております。
 例えば、シカが自由に移動できるようにというような配慮から、ゴルフ場の周囲にはできるだけ垣根をしないといいますか囲障を設置しない、自由に出入りができるようにする、あるいは鳥獣が利用できる水場、そういったものを設定する、それからあと植樹、緑化につきましても、郷土種をできるだけ利用する、そういったことは配慮の中として考えられておるようでございます。
#87
○江田分科員 囲障を設置しない。私が見に行ったときには、御丁寧にも、ここから入っちゃいけませんといって、まあ囲障じゃありませんが、ひもをちゃんと設置をされておりまして、私はそこから中には入りませんでしたが、シカは入れますかね。
 もう時間がありません。この霧降高原ゴルフ場を見に行ったときの現地視察の折に、鯨岡先生が、金もうけのための自然環境破壊はもってのほかだ、こう言われたそうです。そしてもう一つ、自分の環境庁長官時代の心残りとして、環境アセスメント法をぜひつくっておきたかった、こうおっしゃったそうですが、愛知環境庁長官、ひとつ長官時代の業績として環境アセスメント法制定にぜひリーダーシップを発揮していただきたい。
 それから、環境問題で国民の中でいろいろな人がいろいろなことを言うと思うのですね。現在の法制上できることできないこと、あるいは政策全体を考えてできることできないこと、いろいろあると思いますが、環境問題について現地の人たちが、あるいは現地でなくても、関心ある人たちがいろいろな警告を発する、いろいろな運動をする、環境について国民の注意を喚起する運動をする、こういうものは環境庁としては非常に大切な歓迎すべき国民の声だと私は思うのです。そういうものもぜひ大切にしていただきたい。
 最後は御要望申し上げて、質問を終わります。
#88
○町村主査代理 これにて江田五月君の質疑は終了いたしました。
 次に、川島實君。
#89
○川島分科員 私は既に通告をしております湖沼等環境保全について、以下お尋ねいたします。
 第一に、三河湾の浄化対策と環境保全についてであります。
 三河湾は、知多半島と渥美半島に囲まれ、北西部に矢作川などの注ぐ衣浦湾、東部に豊川などの注ぐ渥美湾から成る面積約六百平方キロメートルの波静かな内湾でございます。この海域は、古くから良好な港を抱え、交通、物流の拠点として、またノリや魚介類など海産物の生産の場として重要な役割を果たすとともに、釣り、潮干狩り、海水浴や観光の場として、地域の人々はもとより全国の人々に親しまれてまいりました。また、近年では臨海工業地域の中核としてあるいは海洋性スポーツ、レクリエーションの場としても重要性を増してきております。一方、三河湾は海水の交換が少ない閉鎖性水域であるため、汚濁物質が蓄積しやすく、海水の富栄養化等が進み、赤潮の発生する地域となり、かつての美しく恵み多き母なる海の姿が消えうせようといたしております。
 そこで、平成二年七月、美しい三河湾を再び取り戻し、その海を利用して、その恩恵を引き出しつつ豊かで恵まれた環境、生活を創造することが今に生きる我々の使命であり責務であるといって、三河ベイサミットが、愛知県と豊橋市初め七市十町が三河湾浄化推進協議会を結成し、今日まで努力が続けられてまいりました。現在、三河湾の生活環境を守るための環境基準は、三地域に分けてCODの基準が定められておりますけれども、海の汚れがひどく、環境基準達成率は七一%となっております。赤潮や苦潮が多発して水産物への被害も出ております。昨年夏、私もこの三河湾の夜のクルージングに参加をいたしましたが、海岸にたくさんの小さな魚が死んで打ち上げられ悪臭を放ち、夜景の美しさとは裏腹に、こうした美しさを半減さすさんざんな思いをいたしました。国においては既に調査費もつけて、地元では六十億で浄化工事が始まると喜んでおりますけれども、これからの工事概要についてまずお伺いをいたします。
#90
○武智政府委員 三河湾についての全般的なお話にまずお答えしたいと思いますけれども、先生お話がございましたとおり、三河湾は広域的、閉鎖的な水域でございます。おっしゃったとおり、海水の交換が非常に困難であるというような地形的な要因もございますし、それからあの地域の周辺、人口なり産業もかなりふえております。そういうことから環境基準の達成が必ずしも十分でないというようなことでございますので、水質汚濁防止法に基づきます、これは一般的には濃度規制でやっておるわけでございますが、例えば東京湾ですとか瀬戸内海等と同じような形で総量規制ということで絶対的な数量の規制をやっておるわけでございます。平成元年度は、五十九年度を基準年度といたして第二次の総量規制を五カ年でやってまいったわけでございまして、愛知県の場合には、五十九年度当初一日当たりでCODで百六十三トン出ておったわけでございますが、これを十トンカットして、平成元年度の目標を百五十三トン・パー・デーというようなことでやってまいったわけでございますが、皆さんそれぞれの方々の努力によりまして、一応総量規制は一〇〇%達成はいたしたわけでございます。
 とはいいますものの、先生おっしゃいましたとおり、閉鎖性が非常に強いというようなこと等もございまして、依然としていまだに水質自体が全体的には改善されていないということもございますので、東京湾なり瀬戸内海とあわせまして、ことしの一月に新たに平成六年度を目標年度といたします第三次の総量削減基本方針を先般内閣で決めたところでございます。これは三河湾を含みます伊勢湾ということでやっております。したがいまして、県も岐阜県と三重県と広がっていくわけでございますけれども、全体的にはさらに十トンばかり減らしまして、全体として八%ぐらい現在よりも厳しくするというような計画にいたしておるわけでございます。特に愛知県の場合におきましては、汚濁負荷量の七%強を減らしていこうということで、これから計画を、現在県で進めてもらっておりまして、今年度、もう三月も間もなく終わるわけでございますが、今月中にこれらの県の計画を承認するということにいたしたいと思っております。
 これらの中におきまして、下水道の整備、これは非常に大きなものでございますので、そういったような生活排水処理施設の整備を促進していく、あるいは各産業に対する規制も強化するというような形、両方相まちまして、さらなる改善をやっていかなければいかぬというふうに思っておりますし、関係省庁にもそういうことで協力をお願いしたいというふうに思っておる次第でございます。
#91
○川島分科員 地元で言っております、これらの生活排水等の規制はもちろんでございますけれども、海に砂を一・五メートル、この六百平方キロメートルを六十億で埋めて、この水を取り戻そう、この件についてはいかがになっておりますか。
#92
○武智政府委員 いわゆる底質といいますか底泥のしゅんせつの問題でございますけれども、この港湾区域におきまして、平成三年度から新たに海域環境創造事業と港湾水域環境整備事業という二つがあるようでございますが、それらの事業に基づきまして、いわゆるしゅんせつなりあるいは地域によっては砂をかける、覆砂と言っておるようでございますが、これらをやることにいたしておるというふうに報告を受けております。それからまた、沿岸域につきまして大規模の漁場改良事業あるいは三河湾の底質改良事業、こういう事業によりましてしゅんせつなり覆砂をやっていくというふうに聞いております。
#93
○川島分科員 余り的確な把握をしてないようでございますが、非常に残念に思います。
 次に、建設省では、この三河湾岸地域全体をリゾート地域として指定することに今月末に決定がなされると聞いております。この場合、県立自然公園や、先ほどお話がございましたように、国立公園等ここは大分指定がございますが、それらの関係だとか、既にございます工場地域、ヨットハーバー等多くの施設が湾岸にずっとあるわけでございますけれども、これと計画との整合性についてはどのようになっておりますか。
#94
○渡辺(修)政府委員 総合保養地域整備法に基づきます三河湾地域のリゾート構想につきましては、主務大臣が県の基本構想を承認するに際しまして環境庁に協議をするということになっております。しかしながら、愛知県の基本構想については、まだ私ども協議を受けておりませんで、この協議を受けましたら、県内の国定公園の保護と適正な公園の利用の確保あるいは貴重な動植物の保護、公共用水域の汚濁の防止、環境アセスメントの実施といったような環境保全上の見地から、十分審査の上、必要に応じて意見を申し述べたいと考えております。これからもこういった措置を通じまして、また自治体の協力も得ながら、環境保全の見地から適切に対応していきたいと思っております。
#95
○川島分科員 再度お伺いしますけれども、それでは、リゾート地域として指定がなされた以後に環境庁としては協議をする、こういうふうに受けとめていいのですか。建設省は既に各省庁と打ち合わせをして、現在大分進んでおる、少なくとも三月の末までにはこれについて結論を出します、決定をしますとおっしゃっているわけですけれども、それとの整合性はどうなっていますか。
#96
○渡辺(修)政府委員 法律上の仕組みは、先ほど申し上げましたとおりでございます。
 しかし、実際問題として、私ども、基本構想を県が作成いたします段階から、十分に環境保全上の配慮がなされるように、県の環境保全部局を通じて指導しているところでございます。これからも実質的にはなるべく早い段階から県の環境保全担当部局を通じて指導をする、それによって環境保全上の配慮が十分に行われるように県に対します指導助言を行っていきたいと思っております。
#97
○川島分科員 次に、西三河山間部の水道水源の汚濁防止対策についてお尋ねをいたします。
 先ほどもお話がございましたように、近年ゴルフ場が使用する農薬が水道水源を脅かし、全国的にも困ったことだと話題を広げております。特に、西三河においても同じような現象が生まれておりまして、山林の伐採による水道の汚濁だとか土壌の崩壊等による汚濁等水道水源環境は極めて悪化をしている状況でございます。当局は西三河山岳地域における環境保全、とりわけ水質悪化防止対策をどのように行っておるのか、お伺いをいたしたいと思います。
#98
○武智政府委員 私の立場から農薬との関連で御答弁させていただきたいと思います。
 かねてからといいますか、数年前からゴルフ場の建設等に伴いまして、あるいはゴルフ場に散布する農薬等に伴いまして、水道水源への悪影響があるのではないかというような懸念がございました。そういうこともございますので、去年の五月にゴルフ場から出る水についての農薬の濃度についての暫定指導指針を決めまして、都道府県知事に通達をいたしたところでございます。現在各都道府県におきまして、この方針に基づきまして、ゴルフ場から排出される水質の監視と農薬使用量の削減等ゴルフ場に関する指導が行われておるわけでございます。
 他方、ゴルフ場の農薬問題につきましては、先生おっしゃいました水道用水との関連もございますので、厚生省におきましても、昨年同じ時期に水道水の安全性を確保する観点から暫定水質目標を設定いたしますと同時に、農林水産省におきましても、農薬の適正使用、要は余分に使わないというようなことで適正指導をやることにいたしておりまして、環境庁、厚生省、農林水産省、三省あわせてゴルフ場の農薬による水質汚濁等に対する対応をやっておるわけでございます。
 これを受けまして、愛知県におきましては、愛知県ゴルフ場農薬適正使用指導要綱というものをつくっておりまして、これに基づきまして、水質の監視なり農薬の適正使用指導がやられておるというふうに聞いております。特に、先生御指摘ございました西三河地区を含みます矢作川流域につきましては、関係市町村は十七市町村のようでございますし、ゴルフ場も三十もあるようでございますが、それらの間におきましてより厳しい基準、国の基準に対しまして必要な場合には上乗せできるというふうな基準にいたしておるわけでございますけれども、この国の基準よりもさらに二分の一上乗せをいたしました基準をつくっておるというふうに聞いております。そういった両者の間におきましてゴルフ場における農薬使用に関する協定が結ばれておるというふうに理解いたしております。
 環境庁といたしましては、水質保全の観点から、今後とも去年出しました指導指針に基づきまして、実態把握なり指導を強めてまいりたい。ゴルフ場によりまして水質等が悪化しないように対応したいと考えております。
#99
○川島分科員 今お話がございましたように、現地では、矢作川水域は民間の皆さんがボランティアでいろいろ監視を続けております。子供たちも毎月きちっとはかりながら、この地域は非常にきれいな水で頑張っておるわけでございますけれども、問題はゴルフ場で、一般的な規制ということよりも、水道水源として使われる、その上部にあります山だとか森林、それからそこにつくるゴルフ場、既につくってあるゴルフ場で使う農薬の規制を厳格にやらなければ、人体に影響するわけでございますから、一般的な部分じゃなくて、市町村がそこから水を引いている、それに直接関係するところについての規制をきちっと禁止させるぐらいの形で取り扱ってしかるべきだと思うわけでございます。環境庁長官、この辺の御所見はいかがでございますか。
#100
○武智政府委員 先ほど申しましたとおり、この問題につきましては、厚生省で水道水の水質目標というのを決めておりまして、水道に適するといいますか飲料水に適するものとしては、このぐらいのものでなければなりませんよというのを実は決めております。そういうような基準が適用されるような基準を環境庁で昨年暫定指針というのを決めたわけでございますので、環境庁で決めた暫定指針の数量が守られておりますれば、一般的な地域におきましては、その水道水で決めました水質目標が守られるということでございますけれども、ゴルフ場の立地といわゆる飲料水の取水口の位置関係は地域によって違いますし、全部それぞれの地域で全く違うわけでございますので、そういうことのためにそれぞれの地域で必要に応じて上乗せできるというような格好にいたしたわけでございます。特に矢作川の流域におきましては、私も理事長さんともお会いいたしましたけれども非常に熱心で、全国の中では有数の地域ではないかというふうに思っております。この農薬問題、そのほかの水質問題を皆さんの協力を得ながら進めておるのではないかと我々思っておりまして、先生御指摘のようなことがないように、我々としても今後とも努力していかなければならないというふうに思っております。
#101
○川島分科員 時間もございませんので、今後の問題として要望いたしておきますけれども、一般的な形の規制、そしてゴルフ場の審査などのときには、それが水源等に、上流にかかっているかどうか、これらのことを考えながらきちっとした取り組みをやっていただかないといけないと思うわけでございます。私どももう非常に古くからゴルフをやっておりますが、昔はこんな農薬なんてほとんど使われておりません。今幾ら規制をしても、ゴルフ場の経営者の考え方によって使い方に非常にバランスが崩れているところがございますので、そういう点を考えますと、本当に水源の近くの場所についてはきちっと禁止をする、このくらいの決意をひとつお願いをしておきたいと思うわけでございます。
 次に油ケ淵の浄化対策についてお尋ねをいたします。
 安城市と碧南市にまたがる愛知県最大の天然湖沼油ケ淵は、海水と淡水がまじり合った汽水湖で、水深三・一メーターあり、この湖沼に流入する水は、安城市から流れる長田川、半場川、朝鮮川の三河川であり、油ケ淵から出る水は碧南市の新川、高浜市の高浜川を通じ衣浦港に注いでおります。
 この湖沼の汚染は、集水人口約五万人の八割を占める安城市の下水道が全く整備されていないのが最大の原因で、生活排水が流入するためであります。昨年度の環境庁による湖沼水質測定の結果では、COD、化学的酸素要求量が基準の五ppmの倍以上にもなる一三ppmを記録され、全国で四番目の汚染湖沼として指名されております。しかし、周辺は子供たちの遊び場にもなり、フナ、コイ、ボラなどの漁業にも影響を与えております。さらに、これらの河川から流入する水によって、過去に、昭和四十七年の台風二十号、四十九年の豪雨、五十一年の台風十七号等異常気象による浸水、湛水被害が続発し、地域住民の生活を不安に陥れております。これらの災害に対しては、昭和五十年度からこの地域に高潮対策事業も行われつつあり、油ケ淵の堤防も改修されているが、全体事業ははや十年を過ぎてもまだ見通しすらできていない状況でございます。
 そこで、お尋ねをいたしますけれども、油ケ淵の水質浄化に対する建設省の対応はどのようになっているのか、まずお伺いをさせていただきます。
#102
○脇説明員 油ケ淵の水質浄化対策に対します建設省の考え方をお話しさせていただきます。
 油ケ淵の水質状況につきましては、支川等から流入いたします汚濁負荷によりCODで環境基準値の五ミリグラム・パー・リッターを大きく超えます十ないし十六ミリグラム・パー・リッターの状況となっております。この水質を改善するためには、長年にわたって堆積いたしました底泥からの溶出等を抑制いたします湖内の浄化対策と流域からの汚濁負荷を削減する水質保全対策の両方が必要不可欠と考えられます。水質浄化対策につきましては、底泥の除去が一般的に有効と考えられますが、油ケ淵の浄化しゅんせつに当たっては、大量の底泥の処分方策の検討、治水施設等の安全性の確保などさまざまな課題を克服する必要がありまして、これらの検討を進めるために、先般愛知県が総合的な調査に着手したと伺っておるところでございます。建設省といたしましては、この調査結果を踏まえながら必要に応じて対応してまいりたいと考えております。
#103
○川島分科員 次に、この流域の水質汚濁に関係をいたします下水道整備の状況は、一体現在どのようになっておりますか。
#104
○松井説明員 油ケ淵の流域の水質保全のために、愛知県におきましては、その最大の汚濁源となっております安城市並びに下流の高浜市、碧南市等を対象にいたしまして、矢作川・境川流域下水道の矢作川処理区と衣浦東部処理区の事業に着手し、現在その整備に努めているところでございます。残念ながらまだ供用には至っておりません。
 それから、今後の見通しでございますが、まず安城市等を対象にいたします矢作川処理区は平成四年度に供用を開始するよう整備を進めております。また安城市におきましては、平成五年度からを予定しております。さらに高浜市、碧南市等を対象にいたします衣浦東部処理区は、現在改定を予定しております第七次下水道整備五カ年計画中に供用を開始すると聞いておりますので、建設省といたしましても、その事業の推進を図ってまいりたいと思っております。
#105
○川島分科員 次に、高潮対策事業も水質に関係すると考えられますので、その現状と見通しをお願いをいたします。
#106
○脇説明員 油ケ淵にかかわります高潮対策事業につきましては、昭和三十四年の伊勢湾台風時の高潮実績に対処し得る治水安全度を確保することを目標にいたしまして、昭和五十年度に補助事業として採択いたしました。以後鋭意事業の進捗に努めているところでございます。
 事業の内容といたしましては、築堤及び堤体強化、水門改築、排水機場の建設、そして河床掘削が挙げられておりますが、平成二年度には新水門が完成いたしまして、来年度以降排水機場の整備と油ケ淵の周囲の堤体の強化策の検討等に取り組むと伺っております。
 油ケ淵のしゅんせつにつきましては、治水上と環境上の二つの観点から必要とされておるものでございます。すなわち、高潮時の水門閉鎖に伴います流水の一時貯留機能の確保と底質汚泥の除去によります水質浄化を目的とするものであります。しかしながら、油ケ淵は全体が非常に軟弱な地盤上にございまして、また油ケ淵の堤防の現況が十分な強度を有していない状況にあるということから、しゅんせつを行いますためには、堤防の強化対策が事前に必要になるということで、愛知県におかれまして当面の堤体の強化工法等が検討されていると伺っているところでございます。
#107
○川島分科員 この油ケ淵の浄化の問題は、もう十数年も前から話題になっているわけです。それで、工事も上流部の河川等が、関係河川五河川、十何年前から工事が進んできております。ところが一向にこの環境基準に合わないわけですね。今回も県会の中でいろいろ議論があって抜本的に調査を始めるというような発表になっているわけでございますけれども、環境庁としても、こういう全国ワーストテンに入っているようなところの改善については、もう少し力を入れて、年度計画を立てて、私が今質問をいたしまして各省庁から返事も来ました。この辺のところときちっと詰めながら、いつごろこれらのワーストテンの状況が改正できるのかどうか、やはりこのことを肝に銘じて環境庁として取り組みを頑張ってもらわなければ、その存在価値が問われるわけでございますので、その辺のところの御所見をお伺いして、終わりたいと思います。
#108
○武智政府委員 この油ケ淵の水質の浄化の問題につきましては、愛知県を初め関係の市町村におきまして油ケ淵水質保全対策推進協議会というのを設置いたしておるようでございますし、去年の二月にはその水質保全計画を策定いたしたというふうに聞いております。
 具体的には平成十年度を目標にいたしまして、現在の十三ないし十六ミリグラム・パー・リットルを十ミリグラム・パー・リットルにするというふうに聞いております。先生のお話にもございましたとおり、この油ケ淵の水質汚濁の主要な原因の七割以上がいわゆる家庭の雑排水である、住民の方々から出てくる汚水等が原因であるというようなこともございますし、先ほど建設省の課長さんからもお話がございましたとおり、下水道が全く整備されていないというようなこともございまして、こういうような状況になっておるのじゃないかというふうに思っております。したがいまして、これから下水道の整備を中心にやっていくことが必要であると同時に、いわゆる生活雑排水、住民の方々それぞれが努力していくことが必要なんじゃないかというふうに思っております。
 我々環境庁としましても、この油ケ淵だけでございませんで、けさ以来いろいろ先生方が御質問されておりますけれども、いろいろな湖沼でその生活排水が中心になりまして依然として水質が浄化されていないというようなところがございますので、昨年水質汚濁防止法を改正していただきまして、国なり県なりあるいは市町村なり国民の責務を明確にいたしますと同時に、いわゆる環境基準を達成する上で必要不可欠であるような地域につきましては、都道府県におきまして生活排水対策重点地域というふうに指定いたしまして、当該地域に含まれる市町村が生活排水対策推進計画というのをつくる、その中で下水道の整備なり合併処理浄化槽の整備なり、そういったいわゆるハード面の整備計画と、それからやはり住民の方々がみずからの汚水を出さないというような意味での啓発普及といいますか、そういったソフトの面での計画、両々相まった計画をつくっていただくようにいたしております。現在関係県、全国にお願いいたしておりまして、愛知県でもどの地域を指定するかということを現在検討をいたしておるようでございますが、そういった計画をつくる際に、環境庁としても平成三年度から新たに若干の経費に対して助成するというような仕組みも組んだところでございまして、生活排水対策につきましては、これからまさに腹を入れてやっていかぬといかぬのじゃないかというふうに思っておる次第でございます。
#109
○川島分科員 ありがとうございました。
#110
○町村主査代理 これにて川島實君の質疑は終了いたしました。
 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    正午休憩
     ────◇─────
    午後一時開議
#111
○嶋崎主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。小岩井清君。
#112
○小岩井分科員 日本社会党の小岩井清でございます。
 私は、地球環境問題と日本の対応についてお伺いしたいと思います。
 地球環境問題については、一つとしてオゾン層の破壊、二つとして地球の温暖化、三つとして酸性雨、四つとして有害廃棄物の越境移動、五つ目として海洋汚染、六つ目として野生生物の種の減少、七つ目として熱帯林の減少、八つ目として砂漠化、九つ目としては開発途上国の公害問題、この九点が挙げられておりますけれども、先日、オゾン層の保護については環境庁長官も御出席の合同審査会で特定フロン等の規制についての質疑を行いましたが、ここでは地球の温暖化と酸性雨の問題について、現状と対策について質問をしたいと思います。
 地球の温暖化対策については、平成二年十月二十三日の地球環境保全に関する関係閣僚会議において、地球温暖化防止行動計画が決定をされております。その行動目標について一つずつ御質問したいというふうに思います。
 二酸化炭素、CO2の問題ですけれども、先進諸国がその排出抑制のために共通の努力を行うことを前提にして目標が定められております。官民挙げての最大限の努力によって、本行動計画に盛り込まれた広範な対策を実施可能なものから着実に推進し、一人当たり二酸化炭素排出量について、二〇〇〇年以降おおむね一九九〇年レベルでの安定化を図るということになっております。この点について最初に質問したいというふうに思います。
 一人当たりの二酸化炭素について、おおむね一九九〇年レベルで二〇〇〇年以降安定化を図るということでありますけれども、さきにエネルギーの長期需給見通しが出ているわけですね、この関連と整合性はどうなっているか。
 若干内容的に申し上げますと、長期需給見通しの主な留意事項として、CO2の排出量、一九八八年は二億九千四百万トン、二〇〇〇年については三億四千万トンで一六%増、二〇一〇年は三億四千五百万トンとして一七%増、これは省エネルギーと非化石エネルギーの導入によって横ばいにするという見通しになっているわけですね。ここで今、行動計画目標に言うおおむね一九九〇年レベルで二〇〇〇年以降安定化を図るということになりますと、一九八八年から比較して二〇〇〇年は一六%増になるわけですね。これは明らかに長期需給見通しと行動計画目標との差異がここにあるというふうに思うのですけれども、この点についての関連性、整合性はどうなっているか、お答えいただきたいと思います。
#113
○渡辺(修)政府委員 一九九〇年の一人当たりの二酸化炭素の排出量はほぼ二・五トン程度と見込まれておりまして、地球温暖化防止行動計画第一項に申しております二酸化炭素排出抑制レベルは、この二・五トン程度で二〇〇〇年以降安定化を図るということを定めたものでございます。
 他方、先生がお触れになりました長期エネルギー需給見通しの数字は、昨年六月に総合エネルギー調査会が報告をされたものの中の数字だと存じます。
 この二つの間には、まず、総合エネルギー調査会の方の基準年次は一九八八年でございますが、八九年、九〇年と、この二年間に相当に消費量が伸びております。そこが一つございます。それから、政府として、昨年の十月三十日、行動計画の一週間ほど後でございますが、石油代替エネルギー供給目標というものを閣議決定いたしました。その際に、この行動計画との間で六月の長期エネルギー需給見通しの調整を行いまして、十月中旬の温暖化防止行動計画との整合性が図られているわけでございます。
 しかしながら、私どもとしては、この一人当たり二・五トン程度という一九九〇年レベルに二酸化炭素の排出量を二〇〇〇年以降安定化させるということ自身、大変厳しい目標だと認識をしておりまして、行動計画にもございますように、官民挙げての最大限の努力によって、この行動計画に盛り込まれたまさに広範な対策を実施可能なものから着実に推進していくということで、これ自身厳しいと思っておりますが、さらに総量の安定化にも努めるということで、行動計画の目標には第二項がつけ加わっているわけでございます。大変厳しいところではございますが、最大限の努力をして安定化を図っていかなければいけないと考えております。
#114
○小岩井分科員 一九九〇年で一人当たり二・五トン。総量で長期需給見通しでは一九八八年二億九千四百万トンですね。二年間伸びているという御答弁が今ありましたけれども、一人当たりに直すと、一九九〇年、幾らですか。通産省、ちょっと答えてください。
#115
○富田説明員 二〇〇〇年以降も二・五トンで安定化していこうということになっておると理解しております。
#116
○小岩井分科員 ちょっと質問をよく聞いておいてください。要するに一人当たり二・五トンでしょう。数字は一九八八年二億九千四百万トンと出ているんですよ。二年間伸びている数字があるでしょう。その数字がなければ、この二億九千四百万トンというのは一人幾らになるでしょうか。二・五トンで間違いない、どうですか。
#117
○富田説明員 一九八八年ベースで日本の一人当たりの二酸化炭素排出量が二・四五トンで、一九九〇年レベルにつきましてはまだ確定した数字が出ておりませんけれども、おおむね二・五トンになるのではないかと考えております。
#118
○小岩井分科員 二酸化炭素、CO2の排出量を抑えていかなければ、温暖化から地球環境を守れない。ところが、整合性はどうなっているかというふうに聞いて、昨年の十月三十日に調整して整合性を図った、目標は非常に厳しいけれども一人当たり二・五トン程度で二〇〇〇年以降もそのレベルで安定化を図る、先ほどこういう答弁でしたね。ところが、長期需給見通しでは、二〇〇〇年三億四千万トンと出ているのですよ。一六%増になっている。これとの整合性を具体的に数字を挙げて聞いたのです。三億四千万トンだと一人当たりで幾らになりますか。二〇一〇年だと三億四千五百万トンになって、一九八八年対比で一七%増になるのです。これは厳しい目標ではなくて、設定に無理があるのじゃないですかね。その点のところをきちっと最初に伺っておきたいということで質問しているのです。
#119
○渡辺(修)政府委員 私が申しましたのは、八八年と九〇年の二年の差と、それから九〇年から二〇〇〇年までの人口の伸びと、二つの要素がございます。それに加えて、行動計画と長期需給見通しなり石油代替エネルギー供給目標についての整合性を図るための調整、この三つの要素によりまして、一九九〇年の一人当たりおおむね二・五トンというレベルに二〇〇〇年にも排出を抑制をするというふうに理解をしております。二年のずれと人口増、それから調整。その第三点目の調整の中身としては、一部下方に見直しをしたということを含めて調整が図られたというふうに理解をしているところでございます。
#120
○小岩井分科員 二年のずれ、それから人口増、調整、三点で整合性を図ったということですね。CO2排出が総量で一六%ふえる。二年のずれといい、人口といい、調整を図って一六%――人口そんなにふえますか、一六%も。これは明らかに数字上無理がある。だから、きちっとしてもらわないと、これ以降の質問の前提が崩れちゃうんですよ。
#121
○渡辺(修)政府委員 まず、一九八八年から八九年、九〇年にかけて年間四%台の需要、消費の伸びがございます。それから、もう一つの人口の方は、厚生省の人口統計によりますと、十年間でほぼ六%ぐらい人口が伸びる、こういうことでございまして、かなりの部分がこの二つの要素で調整されるといいますか、差が縮まる。それに加えてエネルギーの需給見通し自体も一部見直しをした、こういうことでございます。
#122
○小岩井分科員 通産省に聞きますけれども、一部見直しをしたというのは、二〇〇〇年で幾らにしたのですか。見直しをしたと今おっしゃったから。これは別に困らせようと思って質問しているのじゃないんですよ。きちっと地球環境を守っていく、その前提としてCO2の排出を幾らにしていくかということ、これは一番大事な問題ですから、ここではっきりしてもらいたいと思うのです。――資源エネルギー庁が来ていないようですが、いずれにしても、環境庁を主管官庁とする地球温暖化防止行動計画の内容と、通産省を主管官庁とするエネルギーの長期需給見通しとの間に明らかに差があるんですよ。整合性を図れないくらいの差があるのです。ですから、これはきちっと調整をしておかないと、この目的達成にいかないのじゃないかと思うのです。ですから、今後どうするか、これは省庁間の問題もあるから、長官から答えてください。
#123
○愛知国務大臣 この地球温暖化防止行動計画を政府として決定するまでにいろいろな経緯があったと聞いておりますが、その段階で、ただいま局長からも答弁申し上げましたけれども、エネルギーの長期需給見通し等も一部見直し、政府全体として整合性がとれたものとしてこの行動計画をつくったと私は聞いておりますが、なお先生御指摘でございますので、その辺もう少し詳しく調べまして、きちっと御説明できるように内容を整えて御報告をさせていただきたいと思います。
#124
○小岩井分科員 これ以上進みませんから、次の質問にいきますが、CO2を排出する化石燃料、化石エネルギーではなくて、CO2を排出しない非化石燃料をふやしていくことによって地球を温暖化から守っていこうということになるわけですけれども、太陽光だとか水素などの新エネルギーの開発ですね。新エネルギーは太陽光と水素だけではありませんけれども、新エネルギー開発の現状、今後の見通し、研究、技術開発に関しての民間に対する国の援助について伺いたいと思います。
#125
○河面説明員 御説明をいたします。
 先生御高承のとおり、当省では、昭和四十九年以来、サンシャイン計画ということで、今お示しになりました太陽光、水素等々非常にクリーンなエネルギー、新エネルギー技術開発というのをやってきておるところでございます。
 これらの新エネルギーは、環境に対する負荷が非常に少ないという非常なる利点を有しているのでありますが、その一方、開発利用に際しまして、例えば太陽等につきましては、エネルギー密度が希薄だとか、あるいは自然条件に左右されやすいということがございまして、現時点ではコストが割高という制約を受けておりまして、これらに対応した技術開発が現在やられております。具体的には、太陽の光発電につきましては、太陽電池製造技術あるいはトータル発電システムを組んだ開発、水素につきましては、水素の製造あるいは輸送、貯蔵、さらには利用技術というものの研究開発をやっておるところでございます。
 今後の問題としまして、太陽光発電は、先ほど申し上げましたように、まだ割高でございますけれども、私ども、この発電コストを西暦二〇〇〇年におきまして既存の発電システムと同程度の経済性を有するレベルにしたい、こういう目標で頑張っておるところでございます。
 一方、水素エネルギーの導入につきましては、これまた今のところ水の電気分解ということで、低コスト化等々が非常に重要な技術開発課題でございますけれども、将来水素を供給するということになりますと、その社会基盤と申しますか配給体制と申しますか、そういうものも必要であろうと思います。
 私ども、今後ともこれらの新エネルギーの開発導入に向けて着実な努力を重ねてまいりたいと思っております。
#126
○小岩井分科員 質問項目がかなりあるのですけれども、さっきもたもたしたからもう二十分過ぎてしまったので、まとめて聞きます。
 二酸化炭素の固定化等の技術開発の現状、そして将来の開発と実用化の見通しについて伺いたいということが第一点。
 続いて、「メタンについては、現状の排出の程度を超えないこととする。」というふうになっておりますが、「亜酸化窒素等その他の温室効果ガスについても、極力その排出を増加させない」、こうしておりますけれども、具体的な対策を示していただきたいと思います。
#127
○富田説明員 まず、CO2の固定化、有効利用についてお答えさせていただきたいと思います。
 通産省といたしましては、地球温暖化対策として、長期的には、排出された炭酸ガスを分離、固定化して、有効利用していくことが非常に重要だと考えておりまして、このために、細菌あるいは藻類等を活用いたしました生物的な炭酸ガスの固定、有効利用技術でありますとか、あるいは水素を直接接触させまして有効物質に変えていくという技術開発に取り組んでおります。これらの技術開発は、工業技術院傘下の試験研究機関でありますとか、昨年七月に産官学の協調のもとに設立されました財団法人の地球環境産業技術研究機構において、まさに研究開発に着手したところでございます。
 今後の見通しに関連してでございますが、これら革新的な技術開発というのは、国際的にも研究開発の緒についたばかりでございまして、技術的な見通しを得るまでには長期の研究開発が必要になっております。したがいまして、実用化が期待できますのは二十一世紀になってからではないかと考えておりますけれども、いずれにいたしましても、このような革新的な技術の創造を通じて我が国が国際的な環境問題に貢献していくということの必要性から、今すぐにでも着手していくべき重要な課題だというふうに考えております。
#128
○渡辺(修)政府委員 メタンと亜酸化窒素等について御説明を申し上げます。
 まず、メタンの主な排出源は、水田、廃棄物の埋立地、家畜、石炭採掘、化石燃料の燃焼等でございますが、廃棄物につきましては、その資源化、再利用によりまして減量化を図っていく、それから、廃棄物埋立地から出ますメタンを回収し、できればそれを利用していく、さらには、家畜ふん尿の好気性処理によってメタンの発生を抑制する、石炭採掘についてもメタンの回収を図るというようなことを考えております。とりわけ、一般廃棄物について、中間処理が行われない場合にメタンが出ますので、可燃ごみ、燃えるごみはできるだけ焼却をするということで、埋立地からの排出量の削減を目指しているところでございます。水田についても改善策を検討しております。
 第二に、亜酸化窒素でございますが、この亜酸化窒素につきましては、排出の実態なり対策についての知見が乏しいわけでございまして、窒素肥料を施した土壌からの放出につきましては、実態の把握を進めながら、窒素肥料の利用管理技術などの対策について検討を進める。化石燃料の燃焼によります排出につきましても、排出抑制対策の導入を目指して調査研究、技術開発を進めていくということを考えているところでございます。
 このほか、大気中のメタンや温室効果ガスの一つである対流圏のオゾンの増加を促す一酸化炭素、非メタン炭化水素、窒素酸化物、こういうものにつきましても、従来から行われている各種の大気汚染防止対策の推進に努めていきたいと思っております。
#129
○小岩井分科員 続いて伺いますけれども、二酸化炭素の吸収源、これについては森林、緑の保全等があるわけです。この森林、緑をめぐる世界の動向、国内の動向、森林の状況がどうなっているかですね。森林面積がどんどん減少していくという中で、森林あるいは緑の保護をする、拡大をするということは、施策として積極的に推進しなければならないと思うのですけれども、この対策について伺いたい。
 それから、続いて全部伺いますが、森林の保全と造成に大きな障害になる、森林被害をもたらすものに酸性雨がありますね。これまた、地球環境の問題として直接大問題になる。pHが低下をして酸性度の強い雨、酸性雨が世界的規模で問題化してきております。この点について、世界と日本の現状を伺いたい。そして、世界と日本においてはどのような影響と被害が出ているか。さらに、酸性雨による影響と被害をなくすための国際的取り組みと、日本の取り組みと対策について具体的にお示しいただきたい。
 以上まとめて答弁してください。
#130
○渡辺(修)政府委員 まず森林問題について私からお答え申し上げたいと思います。
 世界の森林面積は、一九八七年現在で約四十億七千万ヘクタールでございまして、十五年前の一九七二年に比べて、七二年の面積を一〇〇といたしますと、十五年間で九七にまで落ち込んでおります。特に熱帯林の減少がひどうございまして、毎年千百三十万ヘクタール、日本でいえば本州の約半分に相当するような面積が減少していると言われているところでございます。
 これに対する保全の対策でございますが、世界の森林、とりわけ熱帯林の保全、造成につきまして、我が国としては、国際協力事業団を通じた二国間協力をまず進める。それからFAOですとかUNEP、さらには日本に本部がございますITTOといった国際機関の活動を積極的に推進していきたい。
 そしてさらに、国際的な取り組みとして、来年ブラジルで開催予定の「環境と開発に関する国連会議」へ向けまして、現在、世界の森林保全に関する何らかの合意づくりをしようということで検討が行われているところでございまして、日本としても、熱帯林の存する途上国の主権を尊重しながら、世界的に森林の保全が図られるように努力をしてまいりたいと思っております。
#131
○古市政府委員 酸性雨の関係について一括お答えいたします。
 世界及び日本の酸性雨の現状でございますが、ヨーロッパにつきましては、ヨーロッパ測定評価計画の一九八八年の測定によりますと、ヨーロッパのほぼ全域でpHの年平均値五・〇以下の酸性雨が降っておりまして、ポーランド付近を中心に東欧から北欧にかけて、及び英国の東岸北海付近ではpHの年平均値が四・四以下になっています。
 北米におきましては、米国酸性雨評価計画の一九八五年のデータによりますと、東部工業地帯を中心に広い範囲でpHの年平均値五・〇以下の酸性雨が観測されております。
 また、データは少ないわけですが、近年、アジア各国におきましても酸性雨が報告されておりまして、中国南西部の重慶、貴陽等の都市地域では比較的強い酸性雨が降っております。
 我が国におきましては、一九八三年から八七年度にかけまして、初の全国的な第一次酸性雨調査を実施いたしました。この結果、全国二十九の測定点で降水を測定しました結果、全国的にpHの年平均値が四・四から五・五という欧米並みの酸性雨が降っていることが明らかになりました。
 次に、世界及び日本の酸性雨の被害状況でございますが、欧米では、酸性雨による影響として、森林の衰退、湖沼の酸性化及び魚類の消滅等が報告されております。
 一方、我が国におきましては、今申し上げました五十八年度からの五カ年計画では、第一次酸性雨調査の結果、欧米と異なりまして、酸性雨による湖沼、土壌等の生態系に対する影響は、現在のところは顕在化していないということが明らかになっております。
 被害をなくすための国際的な取り組み及び日本の取り組み方いかんということでございますが、国際的には、一九七九年、酸性雨に関する国際条約といたしまして長距離越境大気汚染条約が締結されました。それに基づきまして議定書が締結され、それぞれ各国で対策が行われているわけでございます。
 一方、我が国におきましては、五十八年度からの第一次調査に引き続きまして、六十三年度よりさらに森林等も対象にいたしまして、新たに第二次五カ年計画を策定いたしまして、現在それに基づいて測定を続けているということでございます。
 このように、環境庁といたしまして、現在、酸性雨原因物質の排出低減に資する対策、自動車排ガス対策、いろいろやっているわけでございますが、この第二次酸性雨対策調査の結果も踏まえまして、今後さらに適切な対策を講じたいと思っております。
#132
○小岩井分科員 日本もヨーロッパ並みの酸性雨の現状だ、四・四を記録しているということでありますけれども、酸性雨対策について日本の対応は、日本だけではどうにもならないのです。周辺諸国、中国、ソ連、韓国あるいは朝鮮民主主義人民共和国、台湾など、国際的広域対策として取り組まなければ効果は上がらないと思うわけですね。この点について、現状と対応を伺っておきたいということと、あわせ、時間が来ておりますからもう少しですけれども、地球環境を守っていこうという、その地球環境を守るリーダーシップを日本はとるべきだと思うのですが、日本の積極的対応についての決意を最後に環境庁長官から伺いたい。
 以上二点です。
#133
○渡辺(修)政府委員 まず私から、中国、韓国等周辺諸国との国際協力についての日本の取り組みについて申し上げたいと思います。
 環境分野における中国、韓国等との技術協力、経済協力につきましては、酸性雨のみならず地球環境保全の見地から大変重要でございまして、懸命に推進しているところでございます。
 まず、中国とは、日中科学技術協力協定におきまして、私どもの国立環境研究所が窓口になって酸性雨の共同研究プロジェクトを進めております。また、環境庁所管のODA予算によって、酸性雨を含む環境保全情報の整備、環境保全計画の策定、こういったものを支援するために平成元年度から二年度にかけて調査を実施をいたしました。さらに、日本の無償資金協力によって、日中友好環境保全センターの建設計画も進めているところでございます。
 また、韓国との協力は、やはり日韓間の科学技術協力協定によりまして、酸性雨の調査研究協力がなされておりますし、昭和六十三年からは定期的に日韓環境シンポジウムというものを開催して、酸性雨問題に関する情報交換を行っております。
 今後とも、関係の機関とも連絡をとりながら、周辺諸国との協力を進めてまいりたいと思っております。
#134
○愛知国務大臣 先生御指摘のとおり地球環境問題と申しますのは、国境、あるいはその背景にあります歴史とか文化とか人種とかあらゆるものを乗り越えて、一体となって取り組んでいかなければならない課題である、御指摘のとおりだと思います。
 我が国では、公害防止等の分野でいろいろな経験をいたしました。また、その経験の中でいろいろすぐれた技術力も培ってまいりました。人材も育ってまいりました。こういうものを総動員いたしまして、環境問題で世界に貢献するというのは日本にとっても大変大切な役割ではなかろうか、このように認識をいたしております。
 一つは、国連などを中心にしました国際機関の中で重要な役割を果たしていくこと、また、発展途上国に対しまして、特にアジアの諸国等に対しまして、日本が培ってまいりました技術力等々を移転をしていくというようなことも大変大事な役割であろうと思います。
 いずれにいたしましても、来年は「環境と開発に関する国連会議」などが開かれることもございますし、全力を挙げて我が国としての役割を果たすべく努力をしてまいりたいと考えます。
#135
○小岩井分科員 時間が参りましたので、積極的な対応を要望して終わります。ありがとうございました。
#136
○嶋崎主査代理 これにて小岩井清君の質疑は終了いたしました。
 次に、貝沼次郎君。
    〔嶋崎主査代理退席、町村主査代理着席〕
#137
○貝沼分科員 環境庁長官、今の質疑を私聞いておりまして、これは通告はしていないのですけれども、極めて基本的なことでありますから、ちょっと一言、二言お伺いしておきたいと思います、答弁はどなたでも結構ですけれども。
 地球の温暖化というのは、環境庁としては悪ととらえるのですか、善ととらえておるのですか。
#138
○愛知国務大臣 悪か善かという割り切りから言えば、これはよくないことだ、悪と言っては言い過ぎかもしれませんけれども、とにかく防止しなければならない、こういう認識をもとにしまして対応しているところでございます。
#139
○貝沼分科員 私も逆らう気はないのですが、度合いの問題があるのじゃないかと思っております。
 例えば、温暖化のときに発生してくる問題は、雨量がふえるということだろうと思いますね。そうすると、やはり砂漠地帯は潤うわけでありまして、地球規模で言うと、島の国は陸地は少なくなるけれども、しかし砂漠地帯にはまたそれなりのメリットもあるわけでありますから、グローバルに考えてどう判断すべきなのかな、ただその度合いの問題があるのかな、こんなふうに考えておるわけですが、何もかも悪いんだということだけではないのではないのか、こう考えますが、その辺いかがですか。
#140
○渡辺(修)政府委員 地球の温暖化の問題につきましては、気候変動に関する政府間パネル、IPCCというものが数年前にUNEPとWMO等によりまして設立をされまして、各国政府の専門家が集まって何回にもわたって会合を重ねて、一応昨年の八月に中間的な報告を取りまとめたところでございます。
 IPCCは、科学的な知見をまとめる作業部会、それから、その影響がどうだろうかという作業部会、それから、それに対する対策を検討する部会、三つの作業部会で検討されました。おっしゃるとおり第二の、影響を考える作業部会では、プラスの面の影響も出てくるケースがある、しかし、全体として見るとマイナスがはるかに大きいということで、地球の温暖化を防止する、そのために炭酸ガスその他の温室効果ガスの排出抑制をしていくというのが世界的な流れになっているということでございます。
#141
○貝沼分科員 そうだと思いますが、それで度合いの問題があるだろう、こう私は言っているわけでございます。
 それからもう一点、これも基本的なことですから。
 地球環境を保全すると言っていますが、地球は大分歴史が長いわけですが、いつの時点のことを保全するという基本的な考えに立つのでしょうか。ことしの今の時点なんでしょうか、去年のでしょうか、あと十年後のなんでしょうか、十年前なんでしょうか。
#142
○渡辺(修)政府委員 いつの時点というのは、直接お答えしにくいわけでございますけれども、やはり現在、そこは幅があると思いますが、現在より悪くしないようにしていこう、一言で申し上げればそういうことだろうと思うのですね。
#143
○貝沼分科員 私がこの質問をしておりますのは、現在悪いところがあるので、それがそのまま保全されるとぐあいが悪いのですね。ですから、悪いところは直しながら、ある理想的なところを一応目安をつくって、あそこまでは戻さなければならないとか、そういうある程度細かい目標値みたいなものがあっていいのではないのか、そういう感じがしたものですから、ちょっとつまらぬことを質問いたしました。
 それでは、通告してあります問題に入りたいと思います。
 これは、瀬戸大橋の騒音の問題でございます。
 平成二年十二月十七日から十八日にかけて騒音測定をした結果、評価値七十八ないし八十ホンが出た。時間がありませんから詳しいことは言いませんが、七十八ないし八十と出ております。辛うじて努力目標は達成されたけれども、しかし、これが将来にわたって遵守されるかどうか大変心配である、確証が得られないというような心配が出ております。
 そこで、岡山県は緊急に申し入れをいたしました。例えば車輪を削る旋盤の問題とか、あるいは新車両の導入の問題とか、それから騒音発生の主な原因となるフラット検知システムの開発導入の問題とか、いろいろ言っております。そしてまた、さらにいろいろな防音装置もすべきであるというようなことを言っておりますが、この点について環境庁としてはどういうふうに受けとめておられますか。また、現在これに対してどういうふうな対策を講じておられますか。
#144
○古市政府委員 今先生がお話しされたとおりの状況でございまして、地元の岡山県とJR四国との間で努力目標を八十ホンということでいろいろな施策をやった結果、現在それが守られているということでございます。
 将来に向かいましても、車両の軽量化、また、車を真円に磨く、また、それがゆがんだ場合には、すぐオンラインでそれをさらに適正にするという通知ができる通報システムを設ける、いろいろなことが協議されているわけでございまして、私どもは、必要の都度、岡山県、さらにJR四国、運輸省を通して、JR四国等にこの騒音の基準というものが守られるように要請、指導をしているということでございます。
#145
○貝沼分科員 その御努力は多といたしますが、この七十八ないし八十ホンという絶対値、これも環境庁の基本的な考え方を聞いておかなければなりませんが、要するに、騒音の規制に絶対値を用いておるということですね。ところが、東京のようにいろんな音がある。それで、ガードの下を通っても、電車の通る音というのはそれほど気にならない。気にはなるのだけれども、比較的ならない。ところが、こういう海辺のところは全く音がないぐらい静かで、そこへ八十ホンがばあっと来るわけですから、その差といいますか、相対的な数字というのは非常に大きいわけですね。感じる我々の方は人間なんですね。決して機械ではない、計器ではない。計器ならばそれは絶対値でいいと私は思いますが、人間はやはりそういうものを感じて、やかましいとか、やかましくないとかという動物でありますから、したがって、この八十ホンという数字そのものもまず問題がありますが、八十ホンならば問題ないという判断に立っていらっしゃるのでしょうか、その辺をお伺いしたいと思います。
#146
○古市政府委員 問題は残っているという認識のもとに行政を進めているわけでございます。ちなみに、新幹線、新しいところに鉄道を敷いた場合には、七十なり七十五という努力目標、基準を設けてやっているわけでございまして、この瀬戸大橋は、技術的に非常に大きな橋梁をかけて、その下に下津井の漁港があるということでございまして、非常に技術的な制約もあるということから、まずは八十ホンを確保しましょうということで現在の状況にいる、騒音はもっと低ければ望ましい、このような認識でおります。
#147
○貝沼分科員 私も、八十ホンはああいう場所では高いと思いますね。むしろこの基準の数字の決め方について、こういう絶対値ではなしに、例えばオーディオなんかではデシベルという単位を用いますが、そういう相対的な、体に感じる相対的なものであらわす方法が環境庁に最もふさわしいやり方ではないか、私はこう感じておるわけでありますが、この辺の考えはなかったのでしょうか。
#148
○古市政府委員 なかったわけではございませんで、これは新しいところに敷設する鉄道ではございませんで、在来線のところにいろいろな工事があって、状況が変わるとか本数がふえるとかいうことで、在来線の環境基準というものはどうあるべきかという点から現在も検討をしているということでございまして、これが唯一正しいことだということだとは思っておりません。
#149
○貝沼分科員 ということは、将来そういう相対的な数字による基準というものも考える可能性があるということをお答えになったのですか。
#150
○古市政府委員 瀬戸大橋のこの件につきましては、現在の八十ホンということで一応両者の了解が立って、さらに努力をしていくということでございますが、一般論としては、在来線の環境基準はいかにあるべきか、例えば航空機騒音等のうるささ指数で便数を加味する、ウエートづけする、いろいろな方法がございますが、そういうことも含めて検討をしているということでございます。
#151
○貝沼分科員 時間の都合で進みますが、これは運輸省にお尋ねいたしますが、それで地元の希望としましては、とにかく遠く走るから音が高い、減速すれば音は低い、したがって橋の上は減速してもらう、減速をしてもどこかでスピードを上げないと、やっぱり岡山から高松へ行くまでの時間は延びてしまうわけでありますから、せっかくの橋がまた生きないではないかというようなところから、例えば岡山―茶屋町間、今地上を走っておりますけれども、これを高架にして複線にすれば、それはスピードアップできて、そして橋のところはスピードを落としても、これはちゃんとその時間に間に合うので騒音対策としては有効ではないのかという考えがたくさんあるわけでありますけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。
#152
○倉本説明員 まず茶屋町―岡山間の複線化の前に、瀬戸大橋の、当方としてJRを指導してまいりました経緯を簡単に申し上げておきたいと思うのです。
 瀬戸大橋線の騒音対策としましては、先生御指摘のように、諸種の施設、車両各面にわたります対策を施してまいりました。しかし、御案内のように、何分にも過去に経験のない非常な長大橋梁でございます。そこで、今おっしゃられました暫定的な減速という措置を現在とっておりまして、これで一応努力目標値は現在達成しております。今後、この努力目標値の遵守ということが特に非常に重要かと考えておりまして、これにつきましては、さらに施設、車両の改善、これには当然技術開発等も考えてございますけれども、こういうもので努力目標値を遵守していきたい。
 そこで、御指摘の宇野線の茶屋町―岡山間の高架複々線の関連でございますけれども、JRの高架とか複々線、電化といったような施設整備につきましては、基本的には、個々のプロジェクトごとにその需要動向あるいは投資採算性、こういったものを勘案しながら各社の経営判断によって行われるべきではないか、このように考えてございます。
 そこで、具体的に申し上げますと、宇野線と本四備讃線の開通によりまして、岡山側の単線区間でございますけれども、元年七月に妹尾駅、これは当時から行き違いがございましたけれども、ここでの列車の離合の性能といいますか待ち合わせ時間等を少なくするという意味合いから、この行き違い設備を多少複線部分を長くしまして改良いたしました。そして、この結果につきまして西日本で調査いたしましたところ、相当効果が上がってきたということでございまして、JR西といたしましては、今後とも複々線化等につきましては、需要動向を見きわめた上で検討していく考えというふうに聞いてございます。
 ちなみに、現在宇野線の線路容量、これは線路に列車をどれぐらい通せるかといった考え方のものでございます。これには、設計上は百四十本ぐらいのところに対して現在百二十本ぐらいということで、まだまだ多少余裕がございます。そういうことで、高架・複線化については今後検討していく課題であろう、かように考えております。
#153
○貝沼分科員 これは旧国鉄のときはえらい前向きだったのですね。JRになった途端に後ろ向きになってしまったのです。それで言っているわけです。何か採算ばかり考えて、どうも住民のことを余り考えないのじゃないかという声もある。しかし、人の商売ですから私がどうのこうの言うわけにはいきませんけれども、とにかくそうでもしなければ騒音は大変難しいと思います。もともと鉄でつくった橋ですから、それも上の方を走るのならいいけれども真ん中を走って、それで音の反響もあるわけですから、それは音が出るのは当たり前なのです。だから初めから音が出ることを予想してつくったのだろうと私は思いますが、海の上だから聞こえるのは魚ぐらいかなと思ったのか。しかし、昔から騒音対策というのは国鉄にありますね。その騒音対策の基本は、乗っておる人がいかに静かであるかということが基本であった。それが今や質を求める時代になってきて、外からの問題が出てきて、ちょうどそういう移り変わりの時点ですからこういう問題が出たのだろうと思うのです。かといって、あのつり橋にいろいろなものをくっつけてやるということが、これもまた大変損なやり方なのですね。早い話が、一番簡単なのはトンネルが長ければいいのです、海まで出てしまえば。しかしそうもいきませんから、スピードを下げるということになるのでしょうけれども、とにかく積極的に、地元が納得いくようにひとつお願いをしたいと思っております。
 時間がありませんから、最後に、JR問題では、暫定措置として減速されたディーゼル特急の速度復元は地元関係者の調整、合意のもとに実施してもらいたいという県からの要請が出ております。それからもう一つは、騒音対策のため減速したディーゼル特急を児島駅に全便停車してもらいたいという要望が出ておるはずでありますが、この二点についてちょっとお考えをお述べいただきたいと思います。
#154
○倉本説明員 まず一点目の、減速の回復等について地域住民の方の御理解の点でございますけれども、我々、これはJRに限りませんで各社におきまして、騒音問題以外においても鉄道というものは地域と協調してやっていくことが、事業運営上のみならず鉄道の使命といった点からも非常に重要かと考えておりますので、御指摘の点につきまして日ごろから指導はしておりますけれども、今後ともその方向で努力していきたいと考えております。
#155
○貝沼分科員 もう一点だけ。JR関係でありますが、山陽新幹線についても騒音問題が、もうくどくど述べる時間がありませんから、当局がよく御存じですから、出ております。したがって、この騒音対策を早く進めていただきたい。先般調査したところによると、例えば備前市であるとか岡山市の東平島とか倉敷市の上東とか金光町とか、こういうところは随分騒音が高いようでございますので、その対策を早急に実現してもらいたいという要請が出ておりますが、これについてお願いいたします。
#156
○倉本説明員 個々の細かな事例について、今おっしゃられた全部について当方で聞き及んでいない点もございますけれども、先ほども申し上げましたように、振動も含めてでございますけれども、騒音対策をより効果的に、地域の方に御満足いただくために地域の要望を常に酌んで対応していくということが非常に重要なことであり、最優先に検討せよということで日ごろから指導しておりますので、その方向で今後とも努めてまいりたいと考えております。
#157
○貝沼分科員 日本道路公団の方においでいただいていると思いますが、中国縦貫自動車道、こちらの方も最近は交通量が大分ふえてまいりまして、騒音がやはり問題になっております。したがって、これも地元から防音壁その他をやっていただきたいという要請が出ておるわけでありますが、まだ全部終わったわけではございません。そこで、その実現を早期に図っていただきたいという要望でございますが、これについてどのようにお考えですか。
#158
○山下参考人 先生御指摘の点の、まず岡山県下におきます高速道路でございますが、供用中の道路が現在百六十四・九キロございます。約三分の二が中国縦貫自動車道でございまして、残りが山陽自動車道でございます。
 高速道路における騒音対策といたしまして、供用中の道路の場合、原則として各自治体が、騒音規制法に従いまして測定されました結果をもとにいたしまして、各自治体と協議しながら騒音規制法の許容限度を下回るよう必要な対策を講じておるところでございます。また、実施に当たりましては、騒音の程度、沿道状況などを勘案いたしまして、順次対策を行っております。
 供用中の路線での遮音壁の設置延長でございますが、中国縦貫自動車道におきましては、平成元年度時点で三十六キロメーター、平成二年度におきまして一・三キロを設置いたしております。一方、山陽自動車道では、平成元年度までに八・七キロメーター、平成二年度に〇・三キロメーターを設置いたしておりまして、総延長といたしましては四十六・三キロでございます。
 このほか、防音助成工事というのも行っておりまして、これは、遮音壁を立てた区間あるいは立てない区間で、建物に対して直接防音対策を施そうというものでございますが、平成二年度までに岡山県下で五十七区実施いたしております。
 先生御指摘のとおり、まだ騒音対策の完了していない箇所もございますし、交通量の伸びも予想されますので、今後とも必要な箇所につきまして引き続き関係自治体と協議しながら順次対策を実施してまいりたいと考えております。
#159
○貝沼分科員 ぜひ早く実現できるようにお願いいたします。
 それでは次の問題に移ります。
 児島湖の環境保全対策の問題でございます。
 もう時間がありませんので説明はこちらでいたしませんけれども、児島湖の現況は簡単にどうなっておりますか。
#160
○武智政府委員 先生も御承知のとおりでございますが、湖沼水質保全計画というのを県が定めたわけでございますけれども、もともと、湖沼そのものが汚濁しますと改善が非常に進みにくいという基本的な問題があるわけでございますが、そのほか、児島湖につきましては、周辺の人口もかなりふえておるようなこともございまして、計画をつくった当時、リットル当たり十ミリグラムであったわけでございますが、現在も残念ながら改善が進んでいなくて、同じような状況で推移しているというのが現状でございます。
#161
○貝沼分科員 そうなんです。余り進んでいない。特に燐などはほとんど変わっていないですね。ですから、これはやはり急がないといけません。
 そこで、もう余り時間がありませんから、まとめて申し上げます。
 県からの要請として既に出ておる話ですが、児島湖の水辺環境整備事業の国庫補助事業への採択等というのがございまして、児島湖の環境整備事業については、現在、県において、児島湖及びその周辺を、流域住民を初め県民が憩える楽しい水辺として整備するため、関係市町村等と連携をとりながらマスタープランの検討を進めている。また、農水省においては、児島湖浄化対策として泥のしゅんせつを緊急課題として取り組んでおり、平成三年度予算の中で、国営農地防災事業として調査費と試験施行を含めた全体実施設計の概算要求の運びとなっておるというふうに聞いております。
 これらの事業との連携も図りながら、県のマスタープランが実施できるよう、事業化できるようにということで進めていくわけでありますが、そのための国庫補助事業への採択等をぜひとも要望したい、こういうのが出ておると思います。
 それからもう一点は、湖沼水質保全対策事業に対する国の財政上の特別措置等については、湖沼水質保全特別措置法に基づいて策定する児島湖に係る湖沼水質保全計画に盛り込まれる公共下水道等の水質保全対策事業について、国庫補助率の引き上げ、地方債、地方交付税の特別措置が図られるよう、制度化を図るよう要望しているということでございますので、これについて環境庁、農水省、自治省、おのおの簡単に答弁をいただきたいと思います。
#162
○武智政府委員 児島湖につきましては、今年度末、今月末で一応現在の計画の終期が到来するということになっておりまして、次年度から新しい計画につきまして岡山県で検討するということになっているわけでございます。
 したがいまして、その検討過程におきまして、先生おっしゃいました下水道の整備ですとかあるいは農村集落排水施設ですとかその他につきまして、県の意向を踏まえながら、関係省庁に採択について協力を求めていきたいというふうに考えております。
#163
○岡本説明員 農林水産省といたしましては、児島湖の締め切り堤防が農林省の事業によって造成されたこと等にかんがみまして、岡山県の児島湖環境保全対策の推進に協力すべく従来より検討を重ねてきたところでございます。
 平成三年度におきましては、県が第二次水質保全計画を策定する予定と聞いておりますが、農林水産省としましても、これに合わせて児島湖のヘドロしゅんせつ及び浄化施設の整備等を行います国営総合農地防災事業の調査全計地区として平成三年度に新たに児島湖沿岸地区という名前で採択を予定しております。
 今後、県営水質障害対策事業等の新規事業の導入、あるいはこれまで実施してまいりました農業集落排水事業等についても引き続き推進することによりまして、児島湖の水質浄化について積極的に努めてまいりたいと考えております。
#164
○西川説明員 自治省でございます。
 お尋ねの水質保全のために必要な下水道の高度処理に係る各種経費に対する財源措置でございますが、昭和六十一年度から交付税で新しく財源措置を講じる等、自治省としても各種の対策を行っているところでございます。
 なお、湖沼地域の下水道推進につきましては、特に当該地域において事業用の積極的かつ重点的な投入が必要でございますので、実施団体において過重な財政負担が生じないよう、地方債あるいは地方交付税等、今後とも財源の確保等、財政支援措置を図ってまいりたいと思います。なお、特に湖沼地域におきましては、面整備を積極的に進める必要があると思います。
 そういう意味で自治省としては、平成三年度から面整備の推進に必要な普及率向上のための財政支援措置を一層強化するための新しい制度を設ける、こういうことを考えているところでございます。
#165
○貝沼分科員 終わります。
#166
○町村主査代理 これにて貝沼次郎君の質疑は終了いたしました。
 次に、安田修三君。
#167
○安田(修)分科員 それでは、初めに長官にお尋ねするわけであります。
 御存じのように、カドミ汚染による富山県神通川流域におけるイタイイタイ病は、昭和四十二年以来今日まで、認定患者が百五十三名、そのうち死亡百四十一名、生存患者十二名となっております。大変大規模な汚染によってこのように大量の患者が出たわけでございます。また、要観察者は今日まで三百八十七名、そのうち三十七名がこの中から患者に認定されてきたわけです。
 これに対しまして環境庁は、カドミウムに係る今後の環境保健対策確立のための基礎資料を得る目的、こういうことにいたしまして、カドミウムによる環境汚染が地域住民に及ぼす健康影響を疫学的及び臨床医学的に究明することとし、昭和五十一年から五十三年度にかけて七県で、環境庁委託等による調査を行ってきたのであります。
 さらに、昭和五十四年から五十九年度にかけまして、富山県神通川流域の住民健康調査が実施されまして、双方まとめて実態調査の結果報告が一昨年四月八日に行われました。
 また、これらを含めまして、イタイイタイ病及び慢性カドミウム中毒についての調査研究が、同日、イタイイタイ病及び慢性カドミウム中毒に関する総合的研究結果の中間的取りまとめ報告として実は行われました。
 環境庁は、この結果や報告に基づいてどのように対処されるか。さきに質問主意書を出しましたら、この中間報告が出てから対処をしたいということでございましたので、まずそれを先にお伺いしたいと思います。
#168
○柳沢(健)政府委員 今先生御指摘の両研究調査、すなわち、カドミウムによる環境汚染地地域住民健康調査と、それから、イタイイタイ病及び慢性カドミウム中毒に関する総合的研究結果につきましては、仰せのとおり一昨年四月八日に中間的取りまとめ報告がなされたわけでございます。
 この研究は、長期間にわたりまして、イタイイタイ病及び慢性カドミウム中毒の発生機序を解明するということを目的にいたしまして研究してまいったわけでございます。
 この研究の結果、カドミウム暴露と腎機能との関連性につきましてより明らかにされた部分もございますけれども、イタイイタイ病患者等に見られる、やや専門的な言葉で申しますならば、近位尿細管機能異常や骨病変の発生機序、あるいはイタイイタイ病患者や近位尿細管機能異常の見られた症例の予後、それから可逆性の問題など、まだまだこれから解明しなければならない問題も多いわけでございます。
 このために、神通川流域におきまして、引き続き現在も住民健康調査を実施しているところでございます。それからまた、老化、妊娠あるいは栄養の要因を考慮しつつ、例えば猿などの動物実験を行いまして、イタイイタイ病及び慢性カドミウム中毒の発生機序を明らかにしよう、それからカドミウム環境汚染地域住民に観察されました近位尿細管機能異常の所見について、可逆性や予後に関する調査研究を環境庁として継続しているところでございます。
#169
○安田(修)分科員 今局長から近位尿細管機能異常の問題について触れられましたが、そこでこの調査の結果、富山県では第三次検診を受けた人というのは汚染地域で三百三十人、非汚染地域で四人、この中で、汚染地域の二百七十六人、非汚染地域の一人が、今おっしゃいました近位尿細管機能異常の疑いということになっているようでございます。さらに、汚染地域の二百七十六人のうち百六十二人に近位尿細管機能異常の存在が認められたと報告書に出てまいっております。これらのうち、さらに九十八人は尿細管燐再吸収率及び血中重炭酸イオン濃度の低下が高度であって、医師の指導を受けることが望ましい、こういうことにされたと報告されております。
 このように、機能異常が三段階に分類されております。九十八人が「医師の指導を受ける者」となるが、これは中には、そうじゃない、これは治療を要するのだという見解をおっしゃっている方もございますが、何といいましても医学的な高度なことでございまして、我々素人には到底判断するわけにはまいりません。中には、こうした研究をなさっている方の中にも、そのようにおっしゃっていることも聞こえてまいります。
 さて、医師の指導を受けるというのは那辺のことをおっしゃっているのか、また治療を要するところまでいっていないのかどうか、ここら辺をお聞かせいただきたいと思います。
#170
○柳沢(健)政府委員 「医師の指導が望ましい者」というカテゴリーについてでございます。これは、この方々は専門医の指導を仰ぐよう指示された方々ということになるわけでございますので、医師の治療を開始するかどうか、医師の治療をすぐ必要とするか否かにつきましては、当該専門医が精密検査等を実施いたした後に決定すべきものであるというふうに考えているわけでございます。したがいまして、住民健康調査の結果のみにおいて、直ちに医療を要すると判断されるというふうには考えておらないわけであります。
#171
○安田(修)分科員 そこで、どうなんでしょう。医師の指導ということは、今おっしゃったように、実は今専門医の指導を受けているということなんでございましょうが、例えばその中から、今おっしゃった言葉からすれば、治療を要するというような人が出ているのか出ていないのか、そこはどうなんでしょうか。
#172
○柳沢(健)政府委員 私どもは、その辺の最終的な統計、データの把握はいたしておりませんけれども、専門医の精密検査の結果、治療を要するという方も出てまいりますし、治療を要さないという方も出てまいろうかと考えております。
#173
○安田(修)分科員 結局は、医師の指導を受けるというのは、そういう点では、今おっしゃったように治療を要するという人たちも中には含まれていくということで解釈していいわけですね。
#174
○柳沢(健)政府委員 それは一にかかって当該専門医の精密検査実施結果のいかんにかかわると思います。
#175
○安田(修)分科員 さてそこで、住民健康調査、実は五十歳以上で行われたわけですが、県が単独事業としてそれに加えて行った調査は、四十五歳から四十九歳まででありました。それぞれ二次、三次の精密検査を要する者を発見したわけでございますが、そこで、この第一回の調査以後、既に五十歳に達した人たちはかなりの数に上っておるわけでございます。五十四年からの調査でございますので、既に当時、いずれの網にもかからなかった人たちもおるわけでございます。
 そこで、これは引き続いて健康調査を行う必要があるのではないか。特にこの種のことが制度化された方が一番いいのでございますけれども、環境庁で引き続いての健康調査をやるお考えを持っていただきたいと思いますけれども、どうでございましょうか。
#176
○柳沢(健)政府委員 昭和六十年度以降の住民健康調査についてでございますけれども、これは昭和五十四年度から五十九年度に受診された方の中で尿検査の結果、一定の所見の見られた方々をいわゆるフォローアップするということでもって住民健康調査をやっているわけでございます。したがいまして、その意味におきましては、その調査以降五十歳に達した人たちに対しての健康調査というのは、フォローアップを目的とするという意味においては外れることもやむを得ないというふうに考えておりまして、現に環境庁の調査としては、そのようにいたしているわけでございます。
 ただし、今先生がおっしゃった方々については、平成二年度以降、富山県の県単独事業として実施している住民健康調査におきまして、四十五歳から五十五歳の住民を対象として、つまり住民の加齢の影響も加味しながら継続的調査を実施しているというふうに伺っているところでございまして、結果的には、先生の御指摘の年齢層の方に対しても健康調査が実施されているということになろうかと存じます。
#177
○安田(修)分科員 私の聞いておりますのは、健康被害の問題は、環境庁、県には機関委任事務として、皆さん何か聞くと、機関委任事務だからということで、微妙な問題はときどき県にかっつけたり、県の方はまた環境庁に伺わなければならぬということになってくるわけでございますが、環境庁として、さきに質問主意書を出したときには、この研究の結果、報告書が出た段階で対処をしたいということで出ておるのですね。だから、出た結果、それでは引き続きこういう調査が必要になるのじゃないか。第一回の調査の結果、いろいろなことが出たわけですから、そうすればそのときに網の目を離れた人たちを環境庁としてどうするか、このことを聞いておるわけですね。県も単独でやるときには環境庁とも御相談してということを県議会でも答弁しておったわけでございますが、そのことを聞いておるのでして、環境庁がやるのかやらないのか、またやってもらいたいという住民側の希望もあるわけでございますが、その点を聞いておるわけです。
#178
○柳沢(健)政府委員 環境庁としては、先ほど申し上げましたように、フォローアップするというのが非常に大きな目的でございますので、今後ともそういう方針でこの調査研究を続けたいと思うのでございますけれども、先生のせっかくの御意見でございますので、県当局と十分協議をさせていただきたいと存じます。
#179
○安田(修)分科員 私は、やはりこの問題は単に初めの調査されたことのフォローアップだけではなくして、こうしたことについて、ずっと永遠に続くのではないのでございまして、カドミの摂取ということがイタイイタイ病の原因だとされてきた以上はそう長くずっと続くわけではございませんので、そういう点では、かなり加齢された人たちに対しての健康調査ということについては当然やっていただく必要があると思いますので、局長がおっしゃったようにぜひひとつそういうことでは検討いただきたいと思います。
 さて、そこで県の単独事業、先ほどからも出ておりますが、四十五歳から行った経緯がございます。その後も環境庁と相談して県単事業が行われております。そこで、成人の老健法の検診に合わせて四十歳からこの種の調査をこの中に組み入れることはできないかどうか、これは当然県と相談されなきゃならぬことになりますが、その方が住民にとっては非常にやりやすいという意見もあるわけでございます。その点はどうでございましょう。
#180
○柳沢(健)政府委員 現在、四十歳以上の地域住民に対しましては、これは厚生省の方の老人保健法に基づく健康診査が実施されているわけでございます。尿検査等の測定により腎機能障害のスクリーニングも実施されているわけでございます。
 このような検診によりまして尿たんぱく等の所見が見られた方につきましては、地域の保健婦等による受診勧告あるいは経過観察に基づく保健指導が腎機能障害のスクリーニングに効果を上げているというふうにも聞いているわけでございます。
 したがいまして、環境庁といたしましては、このような健康診査を活用することが一番望ましいというふうに考えておりまして、今後ともこういう形でもって対処いたしてまいりたいというふうに考えております。
#181
○安田(修)分科員 ぜひ、手近な方法でございますので、今おっしゃったようにひとつ対処していただきたいと思います。
 さて、そこで、これも同じように関連するのですけれども、学童検診に腎炎、腎盂炎、この関係の早期発見のための尿検査というのは、富山県の場合でも県単で入ってまいっております。神通川流域の場合、この尿検査にカドミ関係の検査項目を加えた方が早期に観察できるのではなかろうかという専門的な意見もございます。こういうこともひとつどうでしょう、実施された方が手軽で、そして将来に向かっていいのじゃなかろうかと思いますが、どうでしょうか。
#182
○柳沢(健)政府委員 現在、小学校の一年生から高校の三年生までは、これは文部省の学校保健法に基づきまして検診が行われておりまして、尿検査もそれに基づいて行われているわけでございます。この検査におきまして、腎機能障害のスクリーニングも実質的に行われている、実施されているというふうに聞いているわけでございます。先ほどの地域住民の保健婦による指導と同じように、学校養護教諭の判断による受診勧告であるとか、あるいは経過観察に基づく生活指導もかなり効果を上げているというふうに聞いておりますので、環境庁といたしましては、当面は、ただいまの学校検診を活用するということで対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#183
○安田(修)分科員 さて、イタイイタイ病の認定条件に認定審査会が内規を持っているということで、かねがね環境庁にも私はお伺いしたこともございますし、県の方でもいろいろと今日まで問題になっております。この内規は、認定条件を具体化するための一つの条件であるのかどうかという点でございますが、これはどうなんでございましょう。
#184
○柳沢(健)政府委員 富山県の公害健康被害認定審査会、ここがいわゆる内規を作成して認定審査に用いているということは聞き及んでいるところでございます。
 このいわゆる内規につきましては、国が通知で示しております認定基準につきまして、具体的運用を行うための取り扱いの申し合わせ事項であるというふうに環境庁としては理解しておるところでございます。
#185
○安田(修)分科員 そこで、その申し合わせというのは一体どういうことかということが実は議論になるわけなのです。申し合わせであってガイドラインだという、ではガイドラインならやはり一つのそこのハードルを越えなければならぬという条件なのかという、いろんな議論があるわけでございますが、近年の認定では、申請者のほとんどが患者として認定されなかった実績がございます。これは数字を見ていただけば非常にはっきりしているわけでございまして、申請してもゼロ、ゼロ、ゼロというのがずっと続いておりました。たまたま不服審査申し立てが行えた後からは認定率がふえておるわけでございます。そこで、認定申請に当たりまして、同一医師の長年にわたる診断と検査から申請しておりまして、審査結果に大きな落差が出ておるということは認定条件に変化があるからじゃないだろうか、こういうぐあいに実は思われる節が出てくるわけでございます。こうしたことは、どちらかといえば不信感ということになるわけでございますが、そうしたことにこたえるために認定が純医学的な知見に基づいて当然行われているのでありましょうから、審査方法、すなわち今の内規というべきか、あるいは申し合わせだと言われておりますが、こうしたものを公表していいんじゃなかろうか。素人がどうのこうの議論のできる問題じゃございませんで、また医学的にそれは当然審査会としてまとめたことでございますから、公表していいんじゃなかろうかと私は思うのでございますが、どうでしょうか。
#186
○柳沢(健)政府委員 御指摘の不服申し立てが行われた時期というのは恐らく昭和六十三年というふうに理解いたすわけでございます。この昭和六十三年以降についていえば、認定された人は十九名中六名ということでございまして、それ以前の昭和五十八年は例えば二十一名中十名、それから昭和六十一年は十三名中四名という人たちが認定されているわけでございまして、不服審査申し立て後に時に認定がふえているということはないというふうに理解しているわけでございます。また、認定条件に変化があったというふうにも考えておらないところでございます。したがいまして、認定審査は適正に行われているというふうに理解しているわけでございます。
 それから、いわゆる内規の公表等の扱いにつきましては、これは富山県公害健康被害認定審査会の判断が第一義であるというふうに考えているところでございます。
#187
○安田(修)分科員 私、今申請者の数字をちょっと置いてきましたので、これは議論になりませんが、内規の公表、今おっしゃったのは審査会の判断という意味なんでございましょう。そういうぐあいにおっかぶせられるということになりますと、例えば近く地方自治法の一部を改正する法律案が修正して成立する見込みになってまいりました。確実に成立をいたします。その中に、地方議会での参考人制度が今度は法制化されます。今までは任意でございましたが、今度は法制化されます。その際に、県議会が審査委員長を参考人として招聘して内規の公表を要求した場合には、それじゃ環境庁はそれを阻まないということになりますね。どうでしょうか。
#188
○柳沢(健)政府委員 今おっしゃいました地方自治法改正案が成立して、県の認定審査会会長が参考人として出頭を求められる、そうしてその内規の公表について意見を聞かれるというようなことになった場合のことでございますが、その判断は、先ほども申し上げましたけれども、第一義的には、審査会委員の意見を踏まえて審査会会長が判断すべきものだというふうに考えておるわけでございます。
 しからば、そのときに環境庁の態度はということでございますけれども、環境庁といたしましては、その取り扱いについて県の方から相談があれば、その時点で十分検討させていただいた上で判断いたしたいというふうに考えているわけでございます。
#189
○安田(修)分科員 法制化されて、今度はきっちりとした制度になれば、当然先ほどの局長の前段の答弁が生きてくるのだろうと私は思います。相談された場合に環境庁が阻むということになると、これは変なことになってまいりまして、審査会で自主的に判断したもの、そういうことでございますので、私はそれ以上は聞きません。それからまた、県が環境庁に相談する、環境庁は県の方だという今までの論争も、ここら辺で終止符を打たなければならぬことだろうと思います。そういうことで、この程度でとどめておきたいと思います。
 さて、そこで長官にお伺いしたいのでございますが、先般の湾岸戦争に際しまして、イラクの原油流出による環境破壊について、国際社会が今後このようなことを繰り返さないように国連決議で禁止したいと昨日発表されたようでございます。こういう発言をされたこと、いわゆる国連で決議をしたい、これはまことに結構でございまして、ぜひそういうことは推進してもらいたい。
 それでは、いつの時点でこういうことが行われるのか。そういう根回しということもあるので、単なるアドバルーンではなく。それからまた、日本政府として、湾岸の汚染について、また環境への影響についてどのように把握しておられるのか。また、調査は一体行うのか。対処の方法をお伺いしたい、こう思います。
#190
○愛知国務大臣 今回のイラクの行為であのような環境破壊が行われましてまことに遺憾であると思うわけでございまして、こういうことが再び起こされないように、国際社会で何らかの意思の確認をしておく必要があるのではないか、こういうことでございまして、いろいろな機会にいろいろな国々あるいは立場にある人がこの問題に触れてはおりますけれども、はっきりした決議とか何か国際社会としてのまとまった意思表示があるべきではなかろうか、こう思いまして、昨日そんな発言をしたわけでございます。
 その第一歩といたしまして、現在ナイロビで国連環境計画、UNEPと申します機関の、これは国連の機関でございますが大臣会議をやっております。私が出席すべきところではございますが、国会もございますので、かわりに政務次官が今それに出席をいたしておりますが、私のような考え方をその会議で発言をしてもらっております。これを最初のステップといたしまして、国際社会の中でそういうような機運をつくっていきたい、こう思っております。私ども環境庁だけがこれをやれる話じゃなくて、もちろん外交でございますから外務省が中心になってやっていただく必要もございます。したがいまして、いつ、どういう時点でそういうことをやるのかという御質問に対しましては、この時点ですぐお答えはできませんけれども、こういう事態が起きましたこのタイミングをぜひ失しないように、二度と再びこういうことがあってはいけない、こういう認識のもとに、ただ単なるアドバルーンではなくて、ぜひ頑張っていきたいと考えている次第であります。
 また、湾岸の問題につきましては、あそこでいろいろと戦闘行為が行われておりましたことから現状がなかなか把握できなかったわけでありますが、戦闘行為も幸いにして終わりましたので、早速数日前に政府の調査団を派遣いたしまして、我が環境庁からも専門家が四名これに参加をいたしまして、今現地に行っております。まだ現状はよくわかっておりませんが、あと数日で帰ってまいりますので、帰ってまいりましたら至急その調査の結果をまとめまして、我が国としての対応を考えていきたい。いずれにいたしましても、ぜひ積極的にこの問題に取り組んでいきたいと考えております。
#191
○安田(修)分科員 先ほどから局長答弁等ございましたが、長官もカドミ問題はよく御存じでございますので、ぜひひとつ前進していただきますようにお願いして、質問を終わります。
#192
○町村主査代理 これにて安田修三君の質疑は終了いたしました。
 次に、木島日出夫君。
#193
○木島分科員 私は、長野県の中央部にあります諏訪湖の浄化の問題について質問をいたします。
 諏訪湖につきましては、昭和六十一年十一月七日に湖沼水質保全特別措置法、いわゆる湖沼法に基づいて指定湖沼として指定がありました。そして昭和六十三年一月二十六日に湖沼水質保全計画の策定がなされたわけであります。
 その計画によれば、環境基準はCOD三以下でありますが、平成三年度末までに達成すべき水質目標値は、COD水質で五・七以下、年平均値は四・九以下となっております。また全窒素Nは〇・六以下、暫定基準は一以下、それから全燐は〇・〇五以下であり、暫定基準は〇・一以下という目標値になっているわけであります。その目標達成のための事業として、下水道の整備や底泥のしゅんせつ、水質保全のための排水対策、汚泥負荷対策等が進められているわけであります。来年度が五カ年計画の最終年度となるわけでありますので、まず最初に、今日の水質の現状と来年度末までに目標値が達成できる見通しがあるのか、お伺いをいたします。
#194
○武智政府委員 先生お尋ねの諏訪湖の水質浄化の問題でございますが、お話がございましたとおり、六十三年一月に県が湖沼水質保全計画を策定いたしまして、自来、環境庁が中心になりまして、関係省庁、事業等を進めてまいったわけでございます。それぞれ下水道の整備でございますとかあるいはそのほか排水処理施設の整備でございますとか家畜ふん尿処理の適正化、小水路の清掃促進とか施肥法、水田の水管理、そういったような事業を今までやってきたわけでございます。
 その結果、諏訪湖の水質につきましては、CODの値、七五%値でございますが、湖沼水質保全計画がスタートする前、六十一年度に九・三ミリグラム・パー・リットルであったわけでございますが、平成元年度には七・〇ミリグラム・パー・リットルというようなことになっておりまして、一応着実な改善が見られておるというふうに考えておりますが、先ほどの御指摘のとおり、環境基準達成は三ミリグラム・パー・リットルでございますので、まだ高い状況にございます。いわゆる一応の当面の目標でございます五・七ミリグラム・パー・リットルに到達するかどうか微妙なところといいますか、一応着実な改善の方向はとっておるというふうに思っております。
 そういうこともございますので、一応来年度、来年度といいますか平成四年度に、この諏訪湖についての見直しが行われるというようなことにもなっておりますので、そういったような状況も踏まえまして対応していきたいというふうに考えておるのが現状でございます。
#195
○木島分科員 あと一年あるわけでありますから、予測でありますが、当初計画のCOD値が五・七というのがかなり厳しいんじゃないかと見ておるわけであります。湖沼法四条によれば、水質保全計画は五年ごとに定めなきゃならぬとあるわけでありますが、ちょっと法律解釈についてお伺いしますが、そうしますと、諏訪湖に関しては来年度末が計画最終年度であるわけですが、次期保全計画はいつまでに策定しなければならぬと環境庁としては考えておるのですか。
#196
○武智政府委員 御説明します。
 一応来年度末、平成三年度末でございますので、その平成三年度末といいますか、平成三年度末から平成四年度の初めにかけてできれば設定するような方向で努力したいというふうに思っております。
#197
○木島分科員 間に空白があっても、それは法律上構わないという考えなのでしょうか。
#198
○武智政府委員 一応計画は五年計画でございまして、それが仮に終わりましたら形式的には穴があくというようなことになるわけでございますが、引き続いて翌年度からの計画をつくるということでございまして、例えば下水道にしましても、何カ年かかけてやりますし、ほかの事業につきましても、ぱっと計画が終わってぱっと事業が終わるというような性格のものじゃございませんので、そこは継続して引き継がれていくというふうに考えております。
#199
○木島分科員 ぜひ次期計画をつくるに際しては、おのおのの事業の持つ科学的な意味等について十分な調査をされた上で、しっかりした計画をつくっていただきたいというふうに、まず要望しておきます。
 具体的な問題について幾つかお伺いをいたします。
 まず最初に、下水道の整備の問題でありますが、これは着実に進められているわけであります。問題は、水処理方法等、処理された水の放流場所の問題でありますが、諏訪湖流域下水道事業の水処理方式は標準活性汚泥方式であります。いわゆる第二次処理にとどまっているわけであります。放流水質についてCODの値、窒素、燐の値、どういう現状になっているか、建設省、お願いいたします。
#200
○松井説明員 お答えいたします。
 ちょっと現在手元に資料を持ち合わせておりませんが、下水道法に定められております基準はCODが二〇ppm以下と聞いております。
#201
○木島分科員 長野県の諏訪湖流域下水道事務所が最近出しました下水道維持管理年報によりますと、平成元年度の水処理状況ですが、放流水について、CODについては十一、これは流入水に対する除去率は七八%、窒素につきましては二十一、除去率が二八%、燐含有量につきましては、放流水につきまして三・二、除去率が一一%という数字になっているわけであります。
 今お答えにありましたように、確かに水質汚濁防止法上の特定施設としての排水基準は満足しているということはそのとおりでありましょうが、先ほど私が最初に述べました湖沼水質保全計画の目標数値よりははるかに高い。要するに、汚染された水が放流されていることは間違いありません。特に窒素と燐についてはほとんど除去されていない。そういう水が諏訪湖の中に放流されているわけですね。そこで、どうしても第三次処理が急務だと私は考えるわけでありますが、それについての環境庁のお考え並びに実施官庁としての建設省のお考え、それぞれどうなのでしょうか。お伺いいたしたいと思います。
#202
○武智政府委員 先生御指摘のとおり、湖沼の水質保全にとりまして、窒素、燐、これを除くことが非常に重要であるというふうに考えておりまして、そういう方向で事業が進められていくことが望ましいというふうに思っております。
 ただ、現実に諏訪湖の下水道の普及率について見ますと、六二%ということになっておりまして、ほかの地域に比べますと高いわけではございますけれども、いわゆる汚濁負荷の割合のうち四割強が生活排水系というようなこともございますので、一方では下水道の普及率も高めていかなければならないというふうに思っております。したがいまして、必ずしも三次処理を進めることと下水道の普及率を高めるということは矛盾することではないと思っておりますけれども、財政上の事情等いろいろあろうと思いますので、県の要望等も聞きながら、また関係省庁にもお願いしていきたいというふうに思っております。
#203
○松井説明員 諏訪湖におきます高度処理の建設省の考え方についてお答えいたします。
 長野県からの情報によりますと、諏訪湖流域下水道の放流先が釜口水門の直上流ということで、一応湖に戻らないような地域で放流されておると聞いております。今長野県は、当面川の汚濁に一番重要であるCODの除去、すなわちに二次処理に全力を挙げていると聞いております。
#204
○木島分科員 放流の場所については、諏訪地方と諏訪湖の下流、天竜川流域である上伊那地方、下伊那地方とのいろいろな難しい問題があることは私承知しております。そういういろいろな難しい問題があって、放流場所が諏訪湖の中に設定されたと私も理解をしております。ただ、長野県がおっしゃっておりますように、放流場所が釜口水門から約三十メートル諏訪湖の中ということでありまして、県はこの角度からいって、その水は諏訪湖を汚していない、直接天竜川に放流されているとおっしゃっておりますが、そういう科学的な裏づけがあっての話なのか、私は必ずしもそういうふうには見えないと思うわけであります。そこで三次処理の必要性についての建設省のお考えを聞いているのです。それに絞ってお答えください。
#205
○松井説明員 建設省におきましては、閉鎖性水域におきます水質保全について高度処理が非常に有力だと考えております。しかし、これはその場所場所、その地域の条件によりまして、どういった処理法――その放流先等によりまして、十分地元の情勢を勘案しながら、その採用あるいは推進に努めてまいりたい、これが現状でございます。
#206
○木島分科員 環境庁にもう一度お伺いいたしますが、財政的な問題があることは間違いないでしょう。ただ、諏訪湖浄化にとって、流域下水道から放流される水が今二次処理だ、三次処理が必要なのかどうか、環境庁の立場から、諏訪湖の水をよくするという観点からどうなのか、もう一度絞ってお伺いします。
#207
○武智政府委員 窒素、燐を除去することが必要でございまして、そのためにはまず三次処理を推進することがその一つの大きな推進力であるというふうに思っております。
#208
○木島分科員 これは長野県の方からそういう要請が国に上がった場合には、十分に財政上の裏づけもつけていただきたいと思うわけであります。
 次に、底泥のしゅんせつの問題について伺います。
 最初に建設省に、これまでに行ってきたしゅんせつ事業の概要、そして水質保全計画によるしゅんせつ事業の計画はどんなものであったか、簡潔で結構ですからお答え願いたいと思います。
#209
○脇説明員 諏訪湖においては、御指摘のように、昭和三十年代後半から汚濁が急速に進んできたわけでございます。この水質汚濁の要因といたしましては、流域からの外部負荷としての生活排水、工場排水等のほかに、内部負荷として過去長年月にわたって堆積した底泥からの窒素、燐等の溶出も大きく影響していると考えられるわけでございます。
 この諏訪湖の水質浄化を図るため、下水道整備等の流域対策を進めるとともに、湖内の浄化対策として、昭和四十四年度から、長野県によりまして河川浄化事業として底泥しゅんせつが進められてきたところでございます。これまで、平成元年度末まででございますが、約二百五十万立米のヘドロの除去を行っております。このしゅんせつの効果といたしましては、この底泥を除去したことによりまして、富栄養化の原因となります窒素や燐等の汚濁負荷の溶出が抑制され、アオコの発生の低減等、水質改善に所要の効果を発揮していると考えているところでございます。
#210
○木島分科員 最近、科学者の方から現在行われているしゅんせつ事業に対して重大な疑問が呈されているわけであります。その辺の疑問については承知しておりますか。
#211
○脇説明員 浄化対策としてのヘドロのしゅんせつについていろいろな説があるということは存じております。
#212
○木島分科員 そういう説に対してどういうお考えでしょうか。
#213
○脇説明員 建設省といたしましては、これはよその事例でございますが、霞ケ浦でいろいろ実験等を進めておりますが、状況によりましては、底泥からの溶出によって水質が非常に悪くなるという実験結果を得ております。
#214
○木島分科員 科学者が指摘している点を端的に述べますと、諏訪湖においては、窒素、燐、N、Pについては、底泥の水と接する表層部の深さ約三センチから二センチの浅いところから溶出する。長野県のデータによりますと、底泥にたまった窒素、燐は、六ないし十二センチという層の泥に高濃度の隣あるいは窒素が含まれておる。それより低いところ、深いところはそれほどではない、窒素、燐の量はかなり低いという前提に立って、その泥を除去することがNとPの除去に大変効果があるという前提に立っておるわけですね。
 ところが信州大学の一九八一年の調査では、実はNとPはもっと深いところにも存在している。特にあの地域が昭和三十九年に新産業都市の指定を受けたとき以来、急速にその時期にカドミウムなど重金属がたまった。その後、水質汚濁防止法によってそれが規制されましたから、その重金属の上には重金属を含まない普通の泥がまた蓄積されておる。そして溶け出すのは上から二、三センチの表面ということになりますと、下手なしゅんせつをいたしますとかえって悪化のための促進剤となってしまう、それを一つ指摘しているわけです。かなり科学的な根拠のある指摘なわけであります。
 もう一つは、諏訪湖の湖辺につきまして、かつて水生植物が繁茂していた。ヨシ、アシ帯、これがしゅんせつ事業によって全部取られてしまったということで、それが逆に自然浄化力をなくしている。
 この二つの点から、諏訪湖に関する限り、しゅんせつ事業の今後の継続については大きな疑問が科学的裏づけを持って呈されているわけです。これに対して建設省は今どういう考えなのでしょう。
#215
○脇説明員 ただいま御指摘の後半の点でございますが、ヨシ等による浄化能力があるのではないかという御指摘でございますが、これにつきましても、霞ケ浦等で試験的に進めておりまして、流入河川等の汚濁負荷削減には効果があるという結果を得ております。したがいまして、いろいろな湖沼におきましても、ヨシの生育条件等のかなうところでは、そういったことも一つの方策として考えてまいりたいと思っております。
#216
○木島分科員 前半部分はどうですか。
#217
○脇説明員 底泥からの溶出によります水質の汚濁というのは、実際の湖面の条件を再現するというのがなかなか難しいものですから、私どももいろいろ試験を進めておりますが、今先生の言われました御指摘を受けながら、さらに検討を進めて、より有効な対策を進めたいと考えております。
#218
○木島分科員 確かに難しい問題が多々あると思うのです。少なくとも湖底の泥の地質調査。どういうところにどのくらいのどういう物質があるのか、どういう条件で溶け出すのか。そして、それがしゅんせつ可能なのか。しゅんせつによってプラスになるのかマイナスになるのか。科学的にも大変興味のある、しかも重要な――やはり調査が基本になって、その調査の裏づけをしっかり持って、予算をつけて、必要であればきちんとしたしゅんせつをする、そういう事前の環境影響調査がしゅんせつについてはなければならぬと私は思うわけであります。
 そこで、いよいよ来年度末が第一次水質保全計画の最終時期なんで、これから第二次計画の策定作業に入っていくわけですから、まさに今私が述べたことをやらなければいかぬと思うのですが、そういう綿密な調査が次期しゅんせつ計画の是非、善悪について必要だというふうに思うのですが、環境庁はどうでしょう。あるいは建設省はどうでしょう。
#219
○武智政府委員 我々としましても、湖底のしゅんせつにつきましては、有効に富栄養化の要因となるものを取り除くことであると思っておるわけでございますが、先生のお話も踏まえて、いろいろ御意見があることは承知いたしております。そういうことでございますので、再来年に向けての計画改定に当たりましては、当然県の中にもいろいろ審議会を設けて議論されていくことになるわけでございますけれども、そういう過程におきまして、そのしゅんせつ事業についてそういう問題点があるということを念頭に置いて、かつ必要な調査等もやることによりまして、次のステップに進んでいきたいと思っております。
#220
○木島分科員 ぜひそのようにお願いしたいと思います。
 次に、湖辺の環境の問題について質問いたしますが、自然度の非常に高い河川や湖沼の水質保全に及ぼす機能については、最近は国内でも、さらには西ヨーロッパ、ドイツなどでも非常に評価が再認識されておるということは御存じのとおりだろうと思うわけです。諏訪湖におきましても、湖沼の沿岸帯の植物群落が持つ水質浄化の機能について科学者による研究が非常に進んできております。ところが保全計画を読みますと、どういうことが書いてあるかといいますと、「このような自然の有する機能を研究するなどの取り組みを図るものとする」という段階なんですね。これはいよいよ研究の段階から実施の段階に入るべきではないかと思うわけであります。最近、環境庁が行いました全国の自然度の調査によりますと、諏訪湖は一〇〇%自然の沿岸がなくなってしまった、完全な人工の湖になってしまった、こうあるわけであります。
 そこで、これは環境庁にお伺いいたしますが、次期の水質保全計画の策定に当たっては、ぜひとも湖岸帯の問題について掘り下げた自然力の浄化を基本に据えた計画にしていただきたいと思うのですが、どうでしょう。
#221
○武智政府委員 御指摘のとおり、アシ等の水生植物がかなり湖沼の水質保全に役立つというようなことが最近また見直されているといいますか、新たな観点から言い出されていることは我々も承知いたしております。先輩格といえば変でございますけれども、一年先に見直される琵琶湖等におきましても、現時点で実験的な事業等も進められておることもございますので、そういうことも参考にしながら、また諏訪湖の対策についても考えていきたいと思っております。
 環境庁としましても、水生植物を活用いたしましたかねてからの湖沼の水質保全対策につきましては、いろいろコメントをいたしておるわけでございまして、結論その他についてはまだきちんとしたものができておりませんけれども、それらの情報につきまして、また公共団体にも情報提供するという形をもちまして、次に進んでいきたいと思っております。
#222
○木島分科員 諏訪湖周辺がほぼ一〇〇%コンクリートと鋼矢板によって固められてしまったのを、今から自然の湖岸に修復していくのは財政的な面でも大変な事業になると思われるわけであります。長野県からそういう要望が上がったときに、あるいは環境庁からも今御答弁がありましたように、水質浄化のためにも大変大事だという状況になった場合には、ぜひとも実施官庁としての建設省サイドにおかれましても、その事業を是として多額の予算をつけていただきたいと思うわけなんですが、どうなんでしょう、建設省。
#223
○脇説明員 諏訪湖の湖岸整備につきましては、湖周辺の治水を目的といたしまして昭和四十二年度から着工しております。平成二年度に水際部の護岸工事は一応完成するわけでございます。その間水生植物群落としてまとまった一連の地区、これは諏訪市の豊田地区でございますが、そういったところについては保存をするなど自然との調和にも配慮してまいっております。
 なお、建設省におきましては、計画的な治水施設の整備に当たって、生物の生育環境に配慮し、あわせて美しい自然景観を保全あるいは創造する、多自然型川づくりと呼んでおりますが、これを平成二年度の重点施策として掲げて、積極的に調査を実施しながら、全国においてパイロット工事を進めておるところでございます。
#224
○木島分科員 最後に二つほどお願いをしておきたいのですが、一つは水質保全計画に基づいて行う事業について、どうしても財政上の裏づけがなければどんな立派な計画を立てても実行できないということであります。これは環境庁長官にお願いしたいのですが、そういう事業については、公害防止計画に基づいて行う事業と同様の財政上の特別措置をどうしてもつくってもらいたい。環境庁は大変すばらしい計画はつくるけれども、財政上の力がないのでうまく進まないというふうな印象を私は持っておりますので、どうでしょう長官、財政上の特別措置を湖沼法の保全計画についてもつくるという点についてお伺いしたいと思います。長官、お願いします。
#225
○愛知国務大臣 諏訪湖の湖沼水質保全計画は平成四年度に見直されることになっております。先ほど御論議がございましたが、この策定に当たりましては、県の公害対策審議会において科学技術的な観点からの審議を了して、また必要に応じて学識経験者等より成る専門的な委員会を設けて検討が行われるものと承知しております。
 環境庁におきましても、湖沼水質保全対策について各種の調査検討を実施してきておりまして、その成果は随時関係地方公共団体にも提供しております。今後の計画の見通しに当たりまして、直接的な財政の援助、こういうことでございましたが、現在の仕組みでは直接財政的な援助を行うことは残念ながら困難な情勢にございますが、当面収集した情報や知見の提供、検討会への国の研究者の派遣等を積極的に行いまして、県に対する支援に努めてまいりたい、このように考えます。
#226
○木島分科員 現在の財政上の制度ではだめだから、長官の力で新しい制度をつくってほしいというのが私の希望なんですよ。これは環境庁長官の実力が試される問題だと思うので、ぜひともお願いしたい。
 最後になりますが、もう一つのお願いは、諏訪湖は湖の面積が十四・一平方キロに対して受水面積が五百三十一・二平方キロで、湖の面積の約四十倍に達するという点で非常に広く、琵琶湖などと全く違う特質を持っている。それからまた、この地域は、先ほど述べましたが、昭和三十九年に内陸部唯一の新産都市に指定されて、急速に水質が汚濁したということ。それから昭和五十四年十月から一部供用開始された公共下水道の進捗によってCOD値がかなり改善が見られるということ。また、科学者なんかの話を聞きますと、諏訪湖は地形上、湖自体が持つ自然浄化力が非常に高い湖だと言われているわけなのですね。そういう諏訪湖の置かれたもろもろの地位から見ますと、研究対象として取り上げるに非常にふさわしい資質を持った湖だと言われているわけであります。
 ところが、残念ながらその研究機関は国にありません。信州大学の臨湖実験所というのがありまして、そこで粘り強い長い研究が進められているだけであります。長野県も衛生公害研究所、衛公研というのがあるわけですが、これは諏訪湖周辺には置かれていない。最後のお願いなんですが、こういう諏訪湖の持っている特質にかんがみ、国立の機関か、あるいは財団法人か、ぜひとも国のバックアップによって研究機関をこの諏訪湖周辺に一つつくってほしいと思うわけです。環境庁長官、どうでしょうか。
#227
○愛知国務大臣 御要望として伺っておきたいと思います。
#228
○木島分科員 終わります。
#229
○町村主査代理 これにて木島日出夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、斉藤一雄君。
#230
○斉藤(一)分科員 東京湾横断道路の環境影響評価に関連をして幾つか質問申し上げたいと思うのです。
 最初に、環境影響評価の実施についての閣議決定を踏まえまして、建設省におかれては建設省所管道路事業環境影響評価技術指針というのを出しているわけであります。その中で水質汚濁に絞って見てみますと、水質汚濁の現状調査の調査項目はBOD、COD、SSだけになっているわけですが、技術指針でなぜこの項目だけに絞られているのか、その辺をまずお伺いしたいと思います。
#231
○井上説明員 お答え申し上げます。
 道路事業環境影響評価技術指針におきましては、サービスエリア、パーキングエリア等からの排水、または工事の実施が公共用水域の水質保全上支障を及ぼすことがないように、水質汚濁を調査等を行う環境要素の一つとしております。
 道路の建設を行う場合に、河川、湖沼、海域の水質に変化を与える可能性が高い要因といたしましては、一つとしては、工事中の土砂掘削、盛り土などから土粒子が流出することでございます。二つ目は、供用時にサービスエリアなどからの生活系の排水が流出すること。この二点であるというふうに考えております。
 環境影響評価におきます現状調査は、予測、評価を行うかどうかの判断資料を収集するとともに、予測、評価を行う際の基本データを収集、整理することを目的としておりますことから、現状調査の水質に係る項目は、一般には河川についてはBOD及びSS、湖沼、海域についてはCOD及びSSというふうになります。
 また、水質汚濁物質の排出による影響が予想される公共用水域の水象等についての資料も収集、整理するとともに、必要に応じ、汚濁発生源の状況、規制等の状況、防止対策の状況等についての資料も収集いたします。
 窒素、燐等は含まれてないじゃないかという御指摘でございましたけれども、これらは普通水中に存在するだけでは支障になりませんけれども、閉鎖性の水域におきましては、このような栄養塩類とその他の条件などによりまして、植物プランクトンの異常な増殖等のいわゆる富栄養化の現象が生ずる場合がございます。水質に係るアセスメントにおきましては、これらの現象は最終的に河川においてはBOD、海域とか湖沼においてはCODによって評価することで包合されますので、現行技術指針の基本的な考え方で問題がないというふうに考えてはおります。
 ただ、東京湾のように、富栄養化が重要な問題となっている、このような水域に影響を及ぼす道路事業を行う場合には、水域の富栄養化の現状、あるいは対象事業が与える窒素、燐等の負荷の大きさ、環境基準の指定状況といったことを考慮いたしまして、必要に応じて東京湾横断道路の場合のように現状調査を行うこともございます。
#232
○斉藤(一)分科員 ですから、この技術指針では、先ほどの項目に限定されているわけでありまして、したがって、事業者においてほかの項目、窒素、燐等含めて調査をするというのが義務づけられていないということになると思うのです。全く事業者の任意に任されている。そういうことで技術指針と言えるのかどうか大変疑問でもありますし、ずさんでもあると思いますし、それに基づく環境影響評価というのは、全く国民の合意を得られない、そういう気がするわけですが、その点についていま一度お答えいただきたいと思うのです。
#233
○井上説明員 建設省道路事業環境影響評価技術指針は、一般的な道路の整備に伴う環境影響評価が効率的かつ適正に行われるために必要な技術的事項について基本的な指針を定めたものでございます。技術指針には必要な調査等の項目を定めておりますが、地域の特性に応じて技術指針に定める項目を基本としながら現状調査を行うこととしております。地域条件等が特殊な道路事業にありましては、必要に応じ適宜調査等の項目を補足するということを妨げるものではございませんで、したがいまして、柔軟に対応可能だというふうに考えております。
#234
○斉藤(一)分科員 これは東京都もそうなんですが、各自治体でもすべて環境アセスメント条例を持っているわけですが、その中の技術指針でかなり具体的な調査項目を設定しまして、その上で環境アセスメントを行っているわけです。国の方は、法律がないからということがありますけれども、極めておくれている。少なくとも地方自治体と整合性のあるようなものを早急に設定する必要があるというふうに私は思うわけです。そうしなければ、地方自治体を説得することもできない、理解と協力を得ることもできないというふうに思いますが、今後の問題としてどうお考えでしょうか。
#235
○井上説明員 先ほど申しましたように、この指針は、地域条件等が特殊な道路事業にあっては、ただいま先生おっしゃいましたように、必要に応じて道路事業者が地方自治体等の意見も十分に踏まえて判断するということで、ある程度の応用をきかせるということで運用できるというふうに考えております。
#236
○斉藤(一)分科員 全く不十分でして、これではもう問題にならぬと思うのですが、時間がありませんので、次へ進めさせていただきたいと思います。
 環境影響評価の中で必ず出てくる言葉は、環境保全目標を満足しているという表現であります。この環境保全目標というのは、具体的にどういうことを指すのでしょうか。お伺いしたいと思うのです。
#237
○井上説明員 ただいま水質の話題でございますので、水質でお答え申し上げます。
 建設省道路事業環境影響評価技術指針におきましては、水質汚濁における環境目標は、公共用水域の水質保全上支障を及ぼすものではないこと、こういうことにしております。ただ、環境基準との関係はどうかということはございますが、ここで環境基準を保全目標として明記していない、このことは環境基準の設定がすべての水域についてなされていない、そういう実態を考慮したものでございます。
#238
○斉藤(一)分科員 「環境基準が設定されているものについては、その達成と維持に支障を及ぼさないこと」というふうになっているわけでありますが、環境基準そのものを目標にしているわけではないわけです。「その達成と維持に支障を及ぼさないこと」。これは建設省の方が任意に、この程度の汚濁ならばいいだろうということを勝手に判断をして、そして環境影響評価書に明記をされている、こういうものであることは間違いないわけです。この辺も非常にあいまいであるわけでして、国民に説明できるような記述なり説明なりをぜひともしていただきたい。これは、その人その人によって支障がないというような判断をされたのではたまったものじゃない。環境影響評価にならぬわけでありますから、そのことについてお伺いしておきたいと思います。
 それからもう一つは、関連してですが、環境基準が設定されていないものについては、「科学的知見や地域の特性に着目して環境保全目標を設定する」。これもまたいいかげんな内容でして、科学的知見、地域の特性、これはもうどうにでもなる話であります。しかも、先ほど申し上げた、それで環境保全目標を設定するんだということで、環境保全目標自体がまたあいまいですから、この内容というのは二重の意味で全くあいまいでありでたらめだと言わざるを得ない。この二点についていま一度お答えいただきたいと思います。
#239
○井上説明員 水質汚濁に係る環境基準の設定されていない水域があるために、環境基準自体を環境保全目標というふうにはしておりませんが、現状の水域の利用状況に照らして、公共用水域の水質保全に支障を及ぼさないことを保全目標とする旨を技術指針に定めております。
 そこで、水域の利用といたしましては、海水浴などのレクリエーションの利用あるいは水産等の利用が考えられるわけでございますが、これらの水域の具体的な利用目的、どうあるべきかという利用目的あるいは利用実態、現状、こういったものに照らして影響を及ぼさない程度という見方で判断するというものでございます。
 なお、環境基準が設定されております水域につきましては、その維持・達成に支障がないか否か、これを十分に配慮して判断することになります。
#240
○斉藤(一)分科員 全然理解もできませんし納得できないので、また今後の問題にしたいと思います。
 次に、東京湾横断道路の水質汚濁への影響です。
 閉鎖性水域でありまして、海水の交流も極めて困難であるという中で、仮に横断道路ができた場合に、その海水の交流を妨害するとかあるいは潮流に変化が出てくるということが大変心配されるわけですが、簡単で結構ですけれども、基本的にどうお考えか、お伺いしておきます。
#241
○井上説明員 東京湾横断道路の通過いたします対象水域の流れでございますが、海面の上層部では湾奥から湾口に向かって、下層におきましては湾口から湾の奥に向かって流れております。これは平均的な流れでございます。人工島ができることによりまして、人工島より南側の水域では、下層の水が構造物にぶつかるといいますか阻害されることが出るわけですが、水質への影響としては、このとき上昇流が発生いたしまして、したがって、下の層の低濃度水が上層に運ばれるために、上層では希釈されることになりまして、COD濃度が低下するというふうな現象がこの場合には見受けられます。
#242
○斉藤(一)分科員 先ほども議論が出ておりましたけれども、東京湾はいわゆる窒素、燐などによります栄養過多で赤潮の発生が年々増加してきていると思うのですが、どのように推移しているか、これも簡単で結構ですけれども、お伺いしたい。あわせて、東京湾の水質汚濁の現況について、これも簡単に御説明をいただきたいと思います。
#243
○武智政府委員 まず、窒素、燐の関連による赤潮の発生でございますが、東京湾の窒素、燐につきましては、ほかの海域より若干高いというような状況になっておりまして、窒素につきましては近年やや横ばいないし微増、燐については微減というような状況になっております。赤潮の発生状況そのものにつきましては、この五年ぐらいをとってみますと、横ばいないし若干減っているというようなことでございまして、平成元年度を見ますと十四件、六十九日発生いたしておるというような状況になっております。
 それから、東京湾のうち、東京港に係る水質の汚濁でございますが、CODの年度平均で見ますと三・三ミリグラム・パー・リットルというようなことになっておりまして、東京湾全体に比べますと、これが二・九ミリグラム・パー・リットルでございますので、全体よりは東京港の方がわずかであるが悪いというような状況になっておりますけれども、この五年ぐらいをとってみますと、例えば六十年度をとってみますと四・八ミリグラム・パー・リットルから元年度では三・三ミリグラム・パー・リットルということで、徐々にではありますけれども、少しはよくなっておるわけでございますが、環境基準等の達成率いかんと言われますと、まだ十分でないというようなことでございますので、今後とも力を入れていかなければならないというような状況でございます。
#244
○斉藤(一)分科員 この横断道路の工事が進みますと、当然ヘドロを攪乱することになっていくと思うのですが、この影響は極めて大きいと私は思いますが、そういう心配について基本的にどうお考えになっておるのでしょうか。
#245
○井上説明員 東京湾横断道路事業が水質に及ぼす影響ということでございますが、現在、東京湾横断道路の工事につきましては、平成元年度に本格着工いたしまして、しゅんせつ工事が最盛期を迎えたところでございます。追跡調査と申しまして、環境影響評価におきまして、工事中において必要な項目を調査するようにということでお示ししておりますので、これについて追跡調査しております。
 濁度につきましては、工事箇所近傍の調査地点と、それから工事箇所から約一・五キロメートル離れました周辺地点の比較を行うことによって、濁りに対してどのような影響を与えているかということを確認しておりますが、濁度の差が最大となりました平成元年二月あるいは三月の調査結果を詳細に分析しましたところ、この差は調査地点近傍での漁業活動によるものであることが確認されております。通常の数字といたしましては、最大で濁度が大体三・一の差がございますが、これは、この数値の季節変動幅が大体五・五でございますので、この範囲内であるということで、大きな濁りの影響を与えていないということが確認されております。
#246
○斉藤(一)分科員 東京港については、特に港湾計画の改定が行われているわけでして、港湾審議会でも六十三年六月二十一日に議案がかけられているわけです。東京港は、御承知のように、埠頭の整備であるとかあるいは小型船だまり、マリーナ、新交通システムの整備、東京港連絡橋の延伸、副都心整備を前提とした土地利用再編、有明貯木場等の埋め立て、さらに将来的には最終処分場のための埋め立てというふうに、東京港が東京臨海部の再開発の先導役といいますか表玄関といいますか、そういう状況になっていくわけであります。したがって、東京港自体が、例えば工場の誘致も行われてきますし、住宅もふえてくる、家庭排水もどんどん出てくる、船舶からのし尿の垂れ流しだとか、さまざまな開発が行われてくるわけであります。こういう状況を踏まえたときに、東京港の開発、そして東京湾の環境、特に水質に及ぼす影響ははかり知れないものがあるというのが私の認識であります。
 そこで、そういう港湾計画の改定に絡んで、あるいは再開発計画に絡んで、これは大臣にお聞きしたいところなんですが、現状を踏まえて相当な環境破壊、環境悪化をもたらすという私の認識に対して、どういうような準備をされているのか、またどういう見通しを持っておられるのかという点をひとつこの機会にお聞きしておきたいと思います。
#247
○渡辺(修)政府委員 重要港湾の港湾計画の決定、変更につきましては、私ども環境庁も港湾審議会の委員として関与をしております。六十三年六月に改定をされました東京港の港湾計画につきましては、環境庁として、大気汚染、水質汚濁等の防止のための所要の対策の実施、長期的な環境予測調査の実施とこれを踏まえた環境保全上の配慮、こういうものを要請しているところでございます。
 私ども環境庁としては、東京湾が首都圏における限られた貴重な水面であり空間である、かけがえのない自然環境であるという認識のもとに、首都圏の広域環境管理の考え方に立ちまして、これからも関係行政機関と連携を図りながら、環境アセスメントの適切な実施、あるいは各種開発計画における環境配慮の充実ということを求めまして、東京湾地域の総合的な環境保全に努めてまいりたいと思っておるところでございます。
#248
○斉藤(一)分科員 東京港の港湾計画あるいは再開発に伴って、漁業への影響というものが非常に大きいというふうに私は考えているわけであります。東京港、東京湾もそうですけれども、特にカレイであるとかハゼ、アナゴといったような水揚げが年額十三億円というようなことも言われているわけでありまして、漁民も八百人もおられるというようなことを聞いたことがあるわけでありますが、そういうことを考えますと、東京港の水質汚濁というものが、先ほど申し上げたように、どんどん進んでいく、まさしく漁民にとっては死活問題ということになろうかと思うのですが、その対策を進められているのかどうか、また、どういう問題点をお感じになっておるのかということをお聞きしたい。
 特に、東京港では、ノリの品質が極めて低下をする、あるいはアサリなどの貝類が死滅をしている、こういう状況は明らかでありまして、この点と水質汚濁との関係で考えたときに、環境庁の責任も重大でありますし、開発をどんどん進めている政府の施策も極めて問題があろうかと思うのですが、この辺についてお考えをお聞きしておきたいというふうに思います。
#249
○渡辺(修)政府委員 漁業問題でございまして、本来水産庁の所管かと思いますが、私ども環境庁として一般的に申し上げますれば、この東京港の港湾計画によりまして、港湾区域内の海域の一部が埋め立てられるわけでございますけれども、この計画による潮流なり水質への影響はそれほど大きくはない、水生生物への影響も比較的軽微であるということでございまして、私どもとしてはそのように理解をしているところでございます。
 具体的なお答えは、ちょっとお答え申し上げる立場にないと思います。
#250
○斉藤(一)分科員 東京湾の問題にしろ東京港の問題にしろ、環境アセスメント、影響評価をやりますと、必ず影響は小さいということにされてしまっているわけでありますが、最初に申し上げたように、環境保全目標の立て方にしても、あるいは技術指針の合い方にしても、極めて政府の任意な判断ですべての環境影響評価が、影響が少ない、環境保全目標を満足できるといったような一方的な内容になっておりまして、我々議員としても全く納得しておりませんし、地域の住民、国民にとっても何ら説得ある説明が聞けない、こういう状況であります。
 時間があれば一つ一つお尋ねしたいのですけれども、大体時間も参りましたので、次の機会に譲りまして、以上で質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
#251
○町村主査代理 御苦労さまでした。
 これにて斉藤一雄君の質疑は終了いたしました。
 次に、小沢和秋君。
#252
○小沢(和)分科員 まず最初に、大臣にお尋ねをいたします。
 四年前、リゾート法が制定された当時、我が党は、これが列島改造論のリゾート版にほかならず、新たな大企業のもうけ口をつくり出すものであること、大規模な自然破壊、環境悪化をもたらすこと、土地買い占め、地価上昇を招くこと、関係自治体に多大な財政負担を押しつけ、地方財政を破綻させることなどを指摘して反対をいたしました。残念ながら、その後の現実は私たちの予見どおりになっておると思います。私の地元でも大変な状態になっておるのですが、特に深刻な自然破壊、環境悪化が問題になっております。こういう状況について長官はどうお考えでしょうか。
#253
○愛知国務大臣 総合保養地域整備法、いわゆるリゾート法でございますが、これに基づくリゾート開発につきましては、良好な自然環境を生かすべきリゾート地の整備が環境破壊につながらないよう、その実施に当たり、自然環境の保全を初めとして環境の保全に十分配慮する必要があると考えております。
 このような観点から、このリゾート法では、主務大臣が都道府県の基本構想を承認するに際しまして、環境庁に協議をしなければならないということになっております。環境庁としては、この協議の際に、構想の内容を十分審査し、必要に応じ意見を述べるなど、環境の保全が図られるよう全力を尽くしてまいりたい。御指摘のようなことのないように、環境庁の立場から努力をしてまいりたいと考えております。
#254
○小沢(和)分科員 ここで国土庁にお尋ねをしたいと思います。
 私の地元では、玄海レク・リゾート構想が既に国の承認を受けて推進されております。その一番手が芦屋町のタウン・リゾート計画であります。ところが今この計画をめぐって町を二分する深刻な反対運動が展開されております。この計画は、これまでの海水浴場をほとんど埋め立て、そこに七階建てのリゾートホテル、二十四階建てのマンション二棟などを建て、マリーナ基地、海浜公園などをつくるというものであります。私が聞いて驚いたのは、その料金の高さであります。ホテルはハイシーズンの休日一泊で二万五千円、マンション一戸平均で五千八百三十万円、海浜公園の入場料二千五百円などとなっております。一体これはどういう人たちが利用する施設でしょうか。
#255
○磐城説明員 今先生御指摘の玄海レク・リゾート構想の中の芦屋町のタウン・リゾート計画についてお話がございましたが、私ども、現在承知しておりますのは、埋め立ての問題を初めといたしまして、基本構想に基づきます諸手続をこれから進め、さらに埋め立ての事業の見通しを立てつつ、そこにどのような施設をどのような形で配置していくかという最終的な基本コンセプトを煮詰めていく段階にあるというようなことでスケジュールを伺っているわけでございます。したがって、今それぞれ具体に数字を挙げて御指摘いただきましたが、私どもとして、現在の段階で、特に御指摘のありました料金等の問題については、具体の情報を持っておらないというのが現実でございます。
 いずれにいたしましても、リゾート法の精神というものは、国民だれもが利用できる総合的な機能を備えた総合保養地域を整備するということにございます。中には高料金のものもあろうかと思いますが、全体といたしまして、家族が適正な料金で利用できるようなペンションとか貸し別荘というようなものも含めまして、総合的に整備をしていってもらいたいというのがこの基本方針の考え方でございます。
 特に、この玄海レク・リゾート構想につきましては、立地場所と申しますのが北九州市と福岡市という大都市の間に挟まれた地域でございまして、それぞれの地域のリゾート整備の進め方はいろいろな考え方があろうかと思いますが、特に大都市周辺のリゾート構想の場合には、どのような人を対象にして施設を整備していくかということが前提になろうかと思います。まだまだ日本は長期的な休暇がとれないような状況の中でございますし、一方で週休二日制等も徐々に普及しております関係から申しまして、特にこの地域につきましては、週末利用型のリゾート整備というものが当面念頭に置かれるものではないかと思っております。さらに、大都市から一時間以内という至近距離を考えますと、宿泊ということを前提にするよりは、むしろ日帰りのリゾートということも十分想定し得るような立地条件にあるのではないかと思っております。県の方でいろいろ御検討いただいておりますリゾート構想におきましても、このような立地条件を踏まえながら種々の施設の整備に当たっておられるもの、このように考えております。
#256
○小沢(和)分科員 今お話があったように、一般の勤労者が家族連れで安く安心して滞在できるような施設ということがリゾート法の精神なんだろうと思うのです。そういう人たちが利用できるかどうかという点で、私は国土庁にもう一つお尋ねしたいのですが、今一般の国民が一年間に余暇に振り向ける平均の金額、宿泊日数、大体どれぐらいだというふうにつかんでおられるのでしょう。
#257
○磐城説明員 具体的には私どもも掌握しておりませんが、特に年代層によってその数字というものは相当差があるというのが民間のさまざまな調査結果で出ておりまして、施設の整備に当たりましても、どのような年代層あるいはどの地域のお客さんを対象にするかということで施設内容に相当の差異が出ているというように承知しております。
#258
○小沢(和)分科員 私の手元にある資料では、一年間に五万二千円ぐらい、そして泊まれる日数というのが三・二日という程度だというふうになっております。これで考えてみると、さっきのホテル代あるいはマンション代、こういうようなものが全くこういうごく平均的な勤労者にとって手の届かないようなものであることはもう明らかではないでしょうか。そういう点でも私は、この計画自体が再検討を必要としているのではないか、この金額の面からでもそういうことを感ずるのですが、どうですか。
#259
○磐城説明員 御指摘のように、リゾート整備というものは民間の事業者の活力を利用しながら整備していくということになっておりますし、また、そういう中で非常に多額の初期投資を必要とする整備事業でございますので、どうしても民間の方では収益性の高いものあるいは資金回収が早期に見込めるものということを施設整備の前面に押し出して、当面の段階は進んでいるところが多いというのが実際の姿ではないかと思っております。ただ、そういうことだけでは、先ほど申しましたような家族が適正な料金で利用できるというリゾート法の考え方にはマッチいたしませんので、そういう点から、基本構想の中でも多様な宿泊施設等が整備できるように、県の方で構想を立てていただくようにしているわけでございます。
#260
○小沢(和)分科員 こういうような非常に高い料金の施設ということになれば、ごく一部の人しか利用できないのではないか。そうすると、お客さんも余り来ないで、この計画自体が赤字になるのではないかというような心配が地元でも非常に高まっているわけです。これが反対の一つの理由になっております。
 この事業のためには、第三セクターということで町もお金を出すのです。そして当面でも二十九億円ぐらいは町がお金を出す必要があるだろうと言われているのですが、大した財政力もない町がそれだけのお金をつぎ込んで、もしこれがうまくいかないということになったら、一体だれが責任をとることになるわけでしょう。
#261
○磐城説明員 私どもといたしましては、このような施設の整備につきまして、先ほど申しましたように、どのようなお客さんを想定しているかということで、その方面に特に情報なり経験をお持ちの民間の企業者、それから公的な責任を担保するという意味で町なりあるいは県なりが一定の出資をするという形での第三セクターをケースケースによって設立し、整備されるよう一つのパターンとして推奨いたしているわけであります。そういう点で、今後どのような形になっていくかということにつきましては、県なりあるいは地元の町と将来の期間にわたる収支見通しもしっかり立てていただいて整備をしていただく必要がある、このように考えております。
#262
○小沢(和)分科員 ここで環境庁にまたお尋ねをしたいのですが、今私が申し上げております芦屋町のタウン・リゾート計画というのは、あそこの玄界灘の海岸沿いに、ずっといわゆる国定公園に指定をされているのですが、ちょうど今問題になっている地域というのは、河口あるいは町部というような事情があってだろうと思うのですが、そこのところだけ指定が切れているのですね。その切れているところに、今申し上げているような施設が建つ。しかし、今申し上げたような二十四階建てというようなものが建てば、この地域の景観全体にも非常に大きな被害を与えるという点で、国定公園の管理者として無関心であってはならないのではないか、何らかの意味で物を申す必要があるのではないかというふうに私は考えますが、いかがでしょうか。
#263
○伊藤(卓)政府委員 ただいま御指摘の玄海国定公園との関連でございますけれども、まず総合保養地域整備法に基づきます基本構想の策定の段階、それから事業の具体化の段階、それぞれにおきまして、私どもといたしましては、その担当部局が環境部局と十分に調整を図っていただくということが前提となりまして、そのように指導しているわけでございますが、さらにその基本構想の中で重点整備地区を設定する場合、国立・国定公園内と重複するような場合には、特別保護地区あるいは第一種特別地域であれば、それと重複しないようにということを指導しております。また、その地域以外のところにおいて特定施設を設置する場合におきましても、当該地域における公園計画との調和を図るようにということをあわせて指導しているところでございます。
 今御指摘の特定施設というのが、ちょうどお話がございましたように、公園区域外に設置されておるわけでございますが、この公園区域外に設置されております場合に、自然公園法の観点からは意見を申し述べる立場にないわけでございますけれども、基本的に基本構想の承認に際して行われる主務省庁からの協議の際に、その回答の中で、施設の整備に当たっては、当該地域の景観との調和に配慮しつつ、緑化、修景等を行うよう留意するようにというふうに申してありまして、それに沿って適切な対処がなされるものと思っております。
#264
○小沢(和)分科員 そうすると、今最後に言われたような観点からこの計画を見守って、必要があればそういう立場から物を申すというふうに理解してよろしいですね。
#265
○伊藤(卓)政府委員 具体的に物を申すということになるかどうか、これは実際に私ども申し上げたようなことで配慮がなされれば、そこには至らないのじゃないかというふうに考えております。
#266
○小沢(和)分科員 いや、だから私はどうもそういう配慮がなされるような建物にならぬのじゃないかと思う。そうすると、自然景観などに非常に大きな打撃を与えるということでここで申し上げているわけであります。ぜひ大きな関心を払っていただきたいと思います。
 運輸省にもお尋ねをしたいと思います。
 今まで申し上げてまいりましたこの芦屋町のタウン・リゾート計画、住民の反対運動が非常に強いにもかかわらず、当局は近く海岸の埋め立ての手続をしようとしております。ここは県営港湾の区域内なので、その許可は知事の権限でありますけれども、地元の人々は、申請者が行ったアセスメントでは、埋め立てによって海流がどう変わり、あるいは港湾機能にどういう影響が出るかなど余り検討されておらず、信用できないと心配をしておるわけであります。少なくとも住民の不安が解消されるよう十分なアセスメントを行えというような指導を県に対してしていただきたいと思いますが、どうお考えでしょうか。
#267
○木本説明員 お答え申し上げます。
 埋め立ての問題でございますが、運輸省といたしましては、従来から埋立免許に当たりまして、公有水面埋立法の免許基準であります環境保全及び災害防止について十分配慮されたものであるかどうかにつきまして慎重に審査するよう免許権者に対しまして通達等によりまして常日ごろからいろいろ指導してきているわけでございます。本件埋め立てにつきまして、運輸大臣の認可にかかわるものではありませんけれども、福岡県に照会いたしましたところ、ただいま先生御指摘されました潮流の変化だとかあるいは港湾機能に与える影響について、現在慎重に審査をされておる、こういうふうに聞いておるところでございます。
#268
○小沢(和)分科員 だから、もちろん県にそういう慎重なチェックを求めたいと思いますけれども、国の方からも、そういうアセスメントを十分に行うようにということで、ここでも問題になったということを、ぜひまた伝えていただきたいと思います。
 次の問題に入りたいと思います。
 これは、また国土庁にお尋ねしたいのですが、芦屋町の隣に岡垣町というところがございまして、今ここでゴルフ場の建設が問題になっております。これに対してもやはり反対運動が起こっております。この問題の地域というのは、山林でありますけれども、町の上水の水源地、あるいは失矧川、戸切川などの源流にもなっている地域でありまして、町としても岡垣町地下水の水質保全に関する指導要綱などをつくって保護に努めている地域であります。ここが農薬によって汚染されては大変だというのが住民の不安です。
 確認しておきたいのでありますけれども、ここは玄海レク・リゾート構想の特定地域内ではあるが、重点整備地区には入っていないというふうに私理解しておるのですが、それでよろしいでしょうか。
#269
○磐城説明員 今先生御指摘のとおり、このゴルフ場につきましては、岡垣町全体が特定地域には含まれておりますけれども、このゴルフ場自体は重点整備地区に含まれておりませんで、したがって、総合保養地域整備法に基づく特定施設とは位置づけられておりません。
#270
○小沢(和)分科員 そうすると、この中には農業振興地域とかゴルフ場建設のために行わなければならない指定解除の手続を要するものがいろいろあるようですけれども、今確認していただいたように、重点整備地区ではないということになれば、一般の地域と全く同じような手続を行うということになるんだと私理解しましたが、それでいいでしょうか。
#271
○磐城説明員 リゾート法に基づく重点整備地区の場合にも法律上配慮規定はございますが、手続としては、重点整備地区に指定されているからといって、特段、ある手続を免除するとか、そのようなことにはなっておりません。したがって、当然に重点整備地区外であるこのゴルフ場につきましては、通常の法律に基づき、それぞれ所轄省庁サイドでの許可手続、認可手続を得る必要があるもの、そのように考えております。
#272
○小沢(和)分科員 次に、また環境庁にお尋ねしたいのですが、玄海レク・リゾートに含まれてはいないのですが、同じ私の地元に筑穂町というところがありまして、ここでもやはりゴルフ場が計画されているわけです。とにかくこういう問題がたくさん起こっているわけなんですね。ここも岡垣町と同じように、上水が農薬によって汚染されるのではないかということで反対運動が起こっているわけであります。ただし、ここで反対しているのは、その上水を利用している下流の桂川町の町民であります。既に町議会も反対を決議し、区長会などが中心になって住民を守る会をつくって、地域住民を挙げての反対運動を展開しているわけであります。これに対し、建設を計画しているJR九州リゾート開発株式会社は、オルガノ社が開発した活性炭による農薬吸着の施設をするから大丈夫というふうに言っております。
 そこで、この技術は全国でどの程度ゴルフ場などで既に利用されているのか、その信頼度はどうか、お尋ねいたします。
#273
○武智政府委員 今お尋ねのオルガノの新技術の件につきましてお答え申し上げたいと思います。
 ゴルフ場で使用します農薬が六十三年ごろからいろいろ問題になったわけでございまして、民間におきましても、その農薬をどうやって削減するかということについて各会社あるいは団体等におきましていろいろ研究開発を進めておるわけでございまして、この会社のものもその一つの形態であろうかというふうに思っております。
 活性炭そのものは、先生も御承知だと思いますけれども、いわゆる組織の中に微小な空間があるわけでございまして、化学物質を吸着する作用を持っておるわけでございます。我々の冷蔵庫の脱臭剤なんかもその一部でございまして、それを使ってゴルフ場のグリーンですとかその他の場所で農薬を吸収しようという試みのようでございます。したがいまして、これは一般論でございますけれども、こういう活性炭を使って処理いたしますれば、排水中の農薬が相当程度除去される効果を持っておるというふうに我々は考えておりますが、まだ現段階におきましては、開発されて間もないことでございますので、ゴルフ場の立地条件ですとか構造ですとか農薬の使用方法ですとかいろいろなこともございますので、まだ現地の実情に即したモニタリングを行うような段階であるのじゃないかというふうに思っております。これは当該会社直接ではございませんが、我々が当該企業がどの程度使っておるかを聞いたところでございますと、現在では二ないし三のゴルフ場に納入した実績があるというのが現状かと思っております。
#274
○小沢(和)分科員 そうすると、ゴルフ場に農薬を使うことが水の汚染の大きな原因になるということで大問題になってきたことが比較的最近だということもありますし、まだ技術的に確立されたとか、もう既に長期にわたってその安全性が立証されてきているとかいうような段階ではないというふうに今の答弁を伺いましたが、そうでしょうか。
#275
○武智政府委員 我々の知る限りでは、そういうふうに理解いたしております。
#276
○小沢(和)分科員 ここで運輸省にお尋ねをいたしたいと思います。
 JR九州リゾート開発株式会社は、もう名前ですぐわかるようにJR九州の子会社であります。民営化されたとはいえ、一〇〇%国が出資し、基金などの形で今でも国民の税金で支えられている企業の子会社であります。ここがそのような住民の反対を押し切ってゴルフ場建設を着工したとは、余りにその立場を忘れた行為ではないかと思います。同じJRでも、これは新聞で承知をしたことですけれども、JR西日本は、石川県河内村に計画したゴルフ場がやはり農薬による上水源汚染を心配する反対運動にぶつかり、三億円に上る投資をしておったのですが、あえてその段階で計画を断念しておるようです。このような態度こそJRにふさわしいのではないか。運輸省はJR九州に対し、この計画を断念するよう指導していただきたいが、いかがでしょうか。
#277
○楠木説明員 お答えいたします。
 ただいま先生から御指摘がございましたように、JR九州の子会社でありますJR九州リゾート開発株式会社、ここが計画をしているわけでございます。私たち、昨日お話を承りまして調べましたところ、これが計画をしておりますゴルフ場につきましては、この会社が地元の筑穂町の協力を得て開発しているものでありまして、各種の許認可を初めとして必要な手続も進展をいたしまして、用地取得も地権者全員の同意を得て完了している、平成四年秋開業予定と聞いたわけでございます。
 しかし今お話を伺いますと、先生御指摘のように一部の住民に農薬汚染防止の観点から反対の意見があるということでございますので、運輸省といたしましても、地域において十分話し合って調整するように、親会社でありますJR九州を通じて指導してまいりたいと思います。
#278
○小沢(和)分科員 さっきも私自身が申し上げたように、今反対運動が起こっているのはこの筑穂町の下の方の町の人たちなのです。最初、上の方で、自分の水源地に当たるところでそういうようなゴルフ場の話が進んでいるなどということは下の人たちは知らなくて、いよいよ許可が出たということになって知って、それから騒ぎになっているわけです。ですから、今言われましたとおり筑穂町はもちろん協力をしたでしょう、自分たちのところでは固定資産税が入ってくるとかそういう話もあるわけですから。ところが、その下流の人たちは全く被害だけを受けるということになったのではたまらないということで、それから問題になっているわけです。
 私は、今も質問でお尋ねをしたとおり、この活性炭による吸着で解決するからというのも今まだ試しにやっているような段階の技術で、本当にその点で住民の人たちを納得させることは非常に困難ではないかというようにも考えますし、JR西日本が断念したという先例も一つできているわけですから、ぜひ積極的な指導をしていただきたい。
 時間が来たようですから、では、きょうはこれで終わります。
#279
○町村主査代理 御苦労さまでした。
 これにて小沢和秋君の質疑は終了いたしました。
 次に、竹内勝彦君。
#280
○竹内(勝)分科員 関係の皆さん、連日御苦労さまでございます。また、環境庁長官、本当に毎日御苦労さまです。国の発展のために、また地球環境の浄化のためにぜひ頑張っていただきたい、もうしばらくですから、何とぞよろしくお願いしたいと思います。
 最初にお伺いしたい点は、湾岸戦争の結果、油井が何百カ所ですか、九百とか千とか言っている人もおりますし、それから油の流出、あらゆる破壊、そういうものであらゆる生物が、サンゴ礁やジュゴンやマングローブ、ウミガメ、いろいろ死滅していっておる。さらに、何よりも生態系がおかしくなっていく。それから人類の生存にかかわってくる。例えば太陽光線が遮断されて地球の局地的な寒冷化、そして今度はCO2を初めあらゆるガスの充満、そういうものの結果、地球の温暖化、こうなってくると地球自体が危ない、生命の生存が危ぶまれてくる、こういう形になってくるわけでございますので、この湾岸に関しましてはどうしても早急な手を打たなければならない。
 そこで、日本政府として特にどういうことをやろうとしており、そして今既にどういうことをやっておるのか、今後どのようなことをしていこうと考えておるのか、それを御説明いただきたいと思います。
#281
○愛知国務大臣 今先生御指摘のとおり、この湾岸の環境問題につきましては、私どもといたしましても極めて憂慮すべき事態と認識をいたしております。あの事態が発生しましてから今日まで、環境庁の中にプロジェクトチームを設置いたしましたりあるいは私自身がOECDの環境大臣会議へ、日帰りでございましたが行ってまいったりいたしてまいりましたが、あの地域で戦闘行為が行われておりましたのでなかなか実情が把握できませんでした。
 御指摘のとおりいろいろな説がございまして、実態はよくわからなかったわけでございますが、幸いにして戦闘行為も終わりましたので、早速政府といたしまして、去る八日に環境調査団を派遣いたしました。この調査団は関係の省庁の混成部隊でございますが、その目的が環境調査ということもございまして、環境庁からも地球環境部長を団長としまして四人の専門家をこの調査団に参加をさせまして、ただいま現地に行っているところでございます。今から一週間ほどで帰ってまいる予定になっておりますが、帰ってまいりましたら早速その調査結果を踏まえまして、これからの対応策を策定していきたいと思っておりますが、現地からの電話連絡等によりますと、聞きしにまさる状況だというような話でございまして、まことに憂慮しているわけであります。
 早く結論を出しまして、我が国としての対応、またこれは我が国だけで対応できるような規模の環境破壊ではございませんで、世界に呼びかけまして、国連その他の国際機関あるいはアメリカを初めとするほかの国々にも呼びかけて、一緒になってこの問題に対応していくべきであろうと考えますが、いずれにしても積極的に取り組んでいきたい、このように考えております。
#282
○竹内(勝)分科員 意欲ある長官の御答弁をお聞きしまして、ぜひひとつこの問題に関しては日本がイニシアチブをとっていただきたい。
 長官ももう御承知のとおりですが、例えばこの湾岸戦争に関しまして、一番最初はあの国連平和協力隊、こういった問題でいろいろ論議しました。しかし、これは結局実らずに今後のものになったわけですね。そして、その後お金の支援というもので、最初に二十億ドル、続いて九十億ドル、こういう形で決まりまして、いろいろ論議が行われ、そして現在の結果になっておるわけでございます。そのほか、自衛隊機の問題やらいろいろなものがございました。そういう中で、日本は努力しておるにもかかわらず、世界におきましてはその評価は、ある新聞の報道によりますと、勝者と敗者と分けておるその敗者の方に日本が入っている、それはその貢献度とかいろいろな問題が含まれておるのだと思いますけれども。それから、アメリカの世論などにおきましては、日本は当てにならない、こういう世論が前よりも多くなってしまった。
 こういうようなことを考えると、今回のこの問題に関しては、環境庁長官、ぜひひとつ日本がイニシアチブをとる。関係各国と連携をとる、これは結構なことです。しかし、今回は、今度は人も物も金も、どういうように意欲を持ってやっていくのか。もうちょっとその面の具体面を入れて御答弁ください。
#283
○渡辺(修)政府委員 何分にも、八日に私どもの地球環境部長を初めとする十四名の関係省庁の調査団が派遣されたばかりでございます。この政府調査団の報告を得た上で、それからまた、UNEP、国連環境計画を初めとする関係諸機関との連携を図りながら、具体的には湾岸地域の環境汚染のモニタリング、それからその改善についての提言、国際協力の推進、抽象的ではございますが、そういった面で積極的な役割を果たしていかなければいけないと思っております。
 より具体的な細部につきましては、調査団の報告を得た上で決めていきたいと思っております。
#284
○竹内(勝)分科員 もちろんそうです。だから、それをどういうようにより積極的に、そして意欲を持ってやっていこうとしておるのか。やはりこれは環境庁長官、もう一度御答弁ください。
#285
○愛知国務大臣 先生御指摘のとおり、日本が世界に貢献する分野で、この環境という切り口は大変日本にふさわしい切り口だと思いますし、日本の評価を高めていくという点でも大いにやるべき分野だと思っております。
 今局長からもお答え申し上げましたが、実際、具体策につきましてはこれからでございますが、大いに意欲を燃やして、またその責任の大きさを自覚しながら頑張ってまいりたいと考えます。
#286
○竹内(勝)分科員 それでは次の問題に移らせてもらいますが、私はほとんど毎年この問題を取り上げてきました。それは近畿一千五百万の人たちが水がめとしておる琵琶湖の問題です。
 私は、昭和五十一年に本院に議席を得させていただいた、長官とも同期生でございます。その五十一年以来ずっとこの水の問題それから空気、食べ物、これはもう人間にとって最も大事なもの、すべての地球上においてのあらゆる環境をよくしていく、そういう中で万物の生存という問題に関して重要な問題でございますので、私は取り上げてまいりました。
 そして、その中で琵琶湖の問題を取り上げてきたのですが、特に湖沼法、これは公明党が一番最初に湖沼環境水質保全法という形で本院に提案させていただきました。それがインパクトになりまして、環境という言葉はとれましたけれども湖沼水質保全法、こういう形でこれが昭和六十年三月に施行されていった、こういう形ですよね。既に施行以来、これがもう六年目に入りましたね。そういう経過を持つわけでございますので、この湖沼法に関して、特に琵琶湖がどういうように指定湖沼になって、どのような対策を持って、そしてこういうような結果になってきたのだという確固たる何らかの実証というものが出てこなければならないと思うのですよ。
 そういう意味で、概略で結構でございます、その推移を明らかにしていただきたい。
#287
○武智政府委員 ただいま先生から御指摘ございましたとおり、五十九年度が夏が非常に暑かったこともございまして、全国各地の湖沼の水質汚濁が非常に目立ったというようなこともございまして、そのほかのいろいろな社会的事情もございまして、湖沼水質保全特別措置法が生まれたというふうに聞いております。そのときに、全国のうち、いろいろな湖沼があるわけでございますけれども、日本一でございます琵琶湖ですとか、第二位の霞ケ浦ですとか、朝から出ております手賀沼あるいは児島湖といった五つの湖沼が第一次で指定を受けまして、それに基づきましてそれぞれ関係県において湖沼水質保全計画をつくりまして、自来五年間、事業を進めてきたわけでございます。
 これはそれぞれの湖沼によりまして、産業系がやや多いところもございますが、一般的には生活系のウエートが多いところが多いわけでございますけれども、それらの特定のそれぞれの事情に応じて、いろいろな水質をきれいにするための事業を入れてきたわけでございます。下水道事業ですとか、合併処理事業ですとか、啓発事業ですとか、しゅんせつですとか、農業の一部の田植えのやり方ですとか、養魚をやっておるようなところについてはそれに対するえさのやり方ですとか、いろいろそれぞれの湖沼に応じた対応策をとってきたわけでございます。
 お尋ねの琵琶湖につきましては、そういうことでやってまいったわけでございますが、琵琶湖の北湖で見ますと、計画策定前には二・四ミリグラム・パー・リットルであったわけでございますが、現時点では二・六ミリグラム・パー・リットルということでございますし、南湖の方におきましては、計画前が三・七ミリグラム・パー・リットルであったわけでございますが、現時点では四・二ミリグラム・パー・リットルということで、近年の琵琶湖の水質状況につきましては横ばいないしやや悪化というような、残念でございますが、それが現実でございます。
#288
○竹内(勝)分科員 もう一点、琵琶湖に関して、滋賀県の下水道普及率の経緯はどういうふうになっていますか。最近四、五年のもので結構でございます。
#289
○松井説明員 湖沼法が始まります昭和六十年末では一二%でございまして、自来、六十一年度一五%、六十二年度一七%、六十三年度二〇%、平成元年末が二三%と約倍になっております。
#290
○竹内(勝)分科員 全国平均はどういうようになっているのですか。最近のものでいいです。
#291
○松井説明員 平成元年末で四二%でございます。
#292
○竹内(勝)分科員 どうしてこんなに開きがあるのですか。滋賀県のように、琵琶湖へ下水というものが、あらゆるものが全部流れ込んでくる。その琵琶湖の水を京都、奈良の一部、大阪それから兵庫、この近畿のほとんどの人たちが淀川を通してそれを飲んでいるのです。その水がめになっているのだよ。そういうところに引かれなければまずいと思うのですけれども、この原因は何ですか。
#293
○松井説明員 我が国の下水道は人口の規模別に非常に格差がございまして、例えば人口百万以上の場合は九〇%でございますが、人口十万未満におきますと約八%と非常に低うございます。もともと我が国におきましては、人口規模の小さい都市の下水道の着手がおくれたことが一番大きな原因でございます。
 琵琶湖に関して申しますと、昭和四十六年から琵総が始まりましたけれども、その時点でやっと計画ができまして、下水道に着手し、昭和五十七年度から下水道の普及をやっておるということでございまして、第一の原因はやはり着手がおくれたことだろうと思っております。
#294
○竹内(勝)分科員 それでは、これの改善のためにぜひ意欲的に取り組んでもらいたいのですが、その御決意を伺っておきたいと思います。
#295
○松井説明員 現在、第六次の下水道整備五カ年計画が平成二年度で終了いたしまして、新しく第七次下水道整備五カ年計画を政府としては来年度から始めようとしております。
 この計画の中で、従来から力を入れてまいりましたけれども、琵琶湖等湖沼に関します水質保全については、最重点でその投資を行っていきたいと思います。さらに、先ほどから話題になっておりますように、琵琶湖の新しい水質保全計画が定められましたら、その趣旨に乗りまして、下水道事業の推進を図っていきたい、こういうように思っております。
#296
○竹内(勝)分科員 それから、この琵琶湖に関して滋賀県は努力しております。例えば昭和五十五年七月には滋賀県独自の琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例を制定し、努力を重ねておるとか、あるいは三角コーナーのところへストレーナーというものを設けて、全世帯がそこで一たん浄化をして、そして下水の方へ流していく、こういうような努力をしてどんどん普及させていっておる。いろいろな努力があるわけでございますけれども、この湖沼を抱えておる滋賀県といたしましても、例えば湖沼水質保全計画、これは第一次、第二次と進めております。
 これからは第二次に入っていくわけでございますが、これに関して、例えば策定費補助制度の新設あるいは技術的、財政的な援助、調査研究の充実、それから南湖における南湖水質改善総合対策事業、こういったものに対する財政的、技術的援助、それから、いまだ規制されてない小規模事業場、いわゆる排水日量が三十トン未満のものの排水処理対策としての簡易な排水処理技術手法の開発及び維持管理方法の確立等々要望が出ておりますね。
 そのほか生活雑排水対策の推進につきましては、し尿浄化槽についても、窒素、燐の除去技術を確立していくこと、構造基準を制定するよう要望しております。それから、生活雑排水処理施設の整備等に対する助成制度の拡充、生活雑排水最適処理システム、し尿との合併処理を含むわけですが、この調査、研究開発の促進等の要望が出ておりますけれども、こういったものに関して、今後の対策としてどう取り組んでいくか、関係省庁より御答弁をいただきたいと思います。
#297
○武智政府委員 たくさんございますので一部漏れようかと思いますが、御承知のとおり、琵琶湖保全計画につきまして今年度末をもって終わることになっております。したがいまして、次年度に向けて新たな第二期の保全計画をつくろうというふうな方向で進められております。したがいまして、各事業に対するいろいろな要望等も、県の要望を踏まえて、関係省庁に対して働きかけていきたいというふうに思っております。
 その際に、先生から計画策定費についての面倒を見たらいいじゃないかというお話もございましたけれども、残念ながら、財政的な措置を直ちにやるということにつきましては昨今の財政状況からかなり厳しいと我々は思っておりますけれども、都道府県、本件でいえば滋賀県に当たるわけでございますが、必要な情報あるいは知見といった技術的なものにつきましては当然に情報提供をしたいと思っておりますし、それぞれの事業の要望等につきましては我が方から関係省庁に働きかけたいというふうに思っております。
 それから、琵琶湖の場合に、四割ぐらいは家庭雑排水が寄与いたしておるわけでございますので、施設の整備のほかに、地域におきまして住民の皆さん方の協力によって汚濁を少なくすることが肝要であろうというふうに思っております。これらにつきましては、昨年の水濁法の改正によりまして一応生活排水対策についての枠組みができておりますので、これに基づきまして現在滋賀県で検討いたしてもらっております。
 これらにつきましては、重点地域に指定されますれば、市町村が計画をつくる際には何がしかの援助もできるというようなシステムもできておりますし、金額はそれほど大きくございませんが、汚濁水路を改修するような、小さな規模でなければならぬわけでございますけれども、そういった場合には若干の助成措置も平成三年度の予算要求の中に入れておりますので、そういうものも活用していただければよろしいのではないかと思っております。
#298
○佐藤説明員 厚生省では、浄化槽のうちのトイレの排水と台所あるいはふろ場などから出る生活雑排水を合わせて処理します合併処理浄化槽につきまして、六十二年度から補助制度を設けまして、湖沼のような生活雑排水対策が特に必要な地域につきましては重点的にこの事業を進めておりまして、今後ともこの補助事業を鋭意推進していきたいと思っております。
 ちなみに、滋賀県におきましては、平成二年度現在二十四の市町村がこの事業を実施しております。
#299
○竹内(勝)分科員 それでは長官、この琵琶湖に関していろいろな対策、今関係省庁から話をいただきました。
 私が今まで取り上げてきたものの中で、一部でございますが、例えば原環境庁長官、これは昭和五十七年でございますけれども、湖沼の、特に琵琶湖、水質保全というものがおくれておる、むしろ悪化しておる、そういう中から何とかして守っていかなければならないという趣旨の答弁をいただいております。それからまた、これは昭和六十年、石本環境庁長官のときでございますが、国民の健康を守るという観点からいたしましても、この有害化学物質による環境汚染の未然防止、こういうものに重点を置いて取り組んでまいります、このとき私は地下水の問題も取り上げましたが、そういう御答弁をいただいております。それから、これは昭和六十三年、このときは堀内環境庁長官でございますが、同じく、非常に問題だと思う、数字を見てもよくないということから、根本的に洗い直して、琵琶湖をどうするかという問題をもっと大きな次元で考えなければいかぬのじゃないかなという気持ちを私は持っております、というような答弁もいただいております。
 先ほど環境庁から御答弁いただきましたように、琵琶湖に関してはあれだけでかいものが汚れたのですから、水が入れかわるには十九年かかるそうでございます。しかし、まずその汚れの入りを、その汚れたものをとめなければいけない、きれいなものを入れていかなければいけない、そういう意味におきましても、この下水の対策やらあらゆる対策は最も力を入れてやっていかなければならぬ問題ではないかと思いますので、ひとつ長官、御決意を一言お願いしたいと思います。
#300
○愛知国務大臣 琵琶湖の水質改善を図っていくためには、滋賀県はもとよりでございますが、関係機関等が一丸となって各般の対策の充実に努めていく必要があると思います。
 湖沼水質保全計画はことしをもって見直すということになりますので、この機会に環境庁といたしましても、各種の水質保全事業や事業場等に対する規制の充実に向けて一層実効のある計画が策定されるよう滋賀県を指導、支援し、関係省庁とも連携を図りつつ、水質の着実な改善が図られるよう努力してまいりたいと思います。
 なお、冒頭に湾岸の問題にお触れになりましたが、我が国の国際貢献というお話をされましたけれども、国連の機関でUNEP、国連環境計画というのがございます。このUNEPの環境保全技術センターというものを日本に誘致したいという運動を今いたしておりますが、これを滋賀県に誘致したい。実は大阪と滋賀県の二カ所にこれを誘致したい、こういう計画でおりますが、そんなことも含めまして、琵琶湖の水質改善のためには最大限の努力をしてまいりたいと思います。
#301
○竹内(勝)分科員 それでは、次の問題に移らせてもらいます。
 現在、釣り人口が非常にふえております。いわゆる海面遊漁者数というのですか、これは延べ三千五百万人でございます。そのうち釣り人口というのは二千九百万人というデータが出ておりますけれども、それほど余暇の充実した過ごし方、生活のレクリエーションといいますか、そういうものでこの釣り人口がますますふえていっておる。こういうことから、釣りの人たちにぜひ安心して釣りを楽しんでもらえるようにその対策をひとつお願いしたいと思います。時間でございますので、各省庁あわせて御答弁をいただきたいと思います。
 まず一つは、価値ある釣りというものを政府として今後も振興に寄与していかなければならないと思いますので、どのようにそれに取り組んでいくか、それがまず一点。これは農水省さんですか、御答弁をいただきたいと思います。
 もう一点は、一級河川敷にゴルフやテニス、これは地方自治体にもよく施設はございますね、そういうものがございますが、例えば釣り堀じゃなくても釣り場を一級河川敷に、危険じゃなくて安心して、釣りに行ったら誤って危険なところで今度はけがをしたとかあるいは命を落としたとかいろいろなものはあるわけでございます。したがいまして、ぜひ安心して釣りができるそういう釣り場、家族団らんを兼ねて釣りができるようなそういう対策、これは建設省でございますね、御答弁いただきたい。
 もう一つは、釣り堀などの釣り場の確保として、今後また港湾施設のところを整備する。釣りに行こうと思ってもいろいろな施設がございまして、どうしても入れないのだね。海岸でもそうでございますけれども入れない。そういったものが余計ございますので、ぜひ釣りができるような態勢をつくっていただきたい。これは運輸省港湾局ですか、そういったところを整備の面におきましてもお願いしたいと思いますので、あわせて御答弁をいただきたいと思います。
#302
○町村主査代理 時間が到来しておりますので、簡潔によろしくお願いいたします。
#303
○川本説明員 先生御指摘のとおり、国民の余暇時間の増大を背景にいたしまして、釣り人口、海面、内水面合わせまして延べ四千万人になっております。
 このような国民の釣りに対する需要の増大に対しまして、私どもとしましては、まず第一に釣り人の安全確保が必要であろう、こういうふうに考えておりまして、そのために遊漁船業の適正化に関する法律というところで、釣り舟に乗ります客の安全の確保のために釣り舟業者を都道府県知事への届け出制といたしまして、これに対しまして乗客名簿の作成など安全確保のための義務をつけているわけでございます。
 それから二つ目に、これだけ釣り客がふえますと、沿岸の漁業者とのいろいろな漁業紛争等を惹起しておりますので、釣りのマナーそれから漁業関係法令などの漁場利用に必要な知識につきまして、遊漁者に対しましてPR活動を行っておりまして、あわせまして、今後とも漁業との調和を図りながら健全な釣りの発展に努めてまいりたい、こういうように考えております。
 以上でございます。
#304
○日野説明員 御説明申し上げます。
 ただいま釣り堀と釣り場の二つございましたので、まず釣り堀の方から御説明させていただきます。
 釣り堀を設置する目的で占用の申請がなされました場合は、河川環境管理基本計画との整合とか治水上の観点、あるいは利水上あるいは水質等の環境上の観点もろもろ、あとは営利を目的としないとか管理運営方法など判断することになるわけでございますが、河川ごといろいろ状況が変わりますので、にわかに今ここで結論を得ることは困難でございます。
 釣り場の方でございますと、今でも既に河川改修の中で良好な河川環境の整備の一環としまして、自然に優しい川づくりとか魚に優しい川づくり、こういう多自然型川づくりの推進を進めておりまして、魚釣りにつきましても地域等の御要望を踏まえまして、テラスをつくったり階段護岸をつくったり、あるいは緩やかな勾配の護岸をつくったり、こういう河川整備を行っておりますので、これらにつきましては推進を図ってまいりたいと考えております。
#305
○高井説明員 港湾におきましては、昭和六十一年度から緑地等施設の整備の一環としまして、魚釣り施設の整備を進めております。これまでの整備状況は、平成二年度末完成予定を含めまして三つの港で整備済みでございまして、現在整備途上にありますものが十港ございます。これからも港湾管理者の要望に基づきまして、魚釣り施設の整備を進めてまいりたいと思います。
 また、港湾施設を魚釣り施設として利用する場合の問題でございますが、波が来たりしまして大変危険が伴うことがございます。安全確保が可能なものにつきまして開放するよう、港湾管理者を指導してまいりたいと思います。
#306
○町村主査代理 これにて竹内勝彦君の質疑は終了いたしました。
 次に、上野建一君。
#307
○上野分科員 私の方からは、東京湾の浄化、保全について質問をしていきたいと思います。
 まず長官にお伺いしたいのでありますけれども、東京湾の汚れその他については後ほどいろいろ御意見をいただきますが、その前に、東京湾というのを考えてみますと、湾岸地域の人口を大変多く抱えておりまして、その人たちにとって大変重要な場所であります。
 ここに一つの、船橋の青年会議所などで議論をした中で船橋宣言というのが出ているのですけれども、短いですからちょっと読ませてもらいますと、「東京湾及び湾岸域の開発と保全に関して、東京湾岸で生活をする多くの人々の為に、また、「新時代」に生きる私達の子供達の為に、整合された施策がとられるように、国及び関係自治体は早急に、仮称〈東京湾開発調整協議会〉なる組織を作り、地域特性にあった湾岸の利用、並びに東京湾全体の基本計画を策定し、それに基づいて効果的な開発、並びに保全計画を実施すること。」こういう船橋宣言がございます。
 私どもの社会党も、東京湾保全法を何とか早くつくりたい、こう考えております。これはもう既に長官御承知のとおり、東京湾開発が縦割りでばらばらに行われている。同じ海域であっても、港の区域内に入っているところは運輸省が埋め立ての許可権を持っている、ちょっと外れると建設省だ、こういうこと。それから、各自治体でばらばらに開発をされている。そういうことから来る大変な東京湾の乱開発が進んでおります。東京都で、東京都政の中では副都心の問題でも何か議論があるようでありますけれども、いずれにせよ、そういう中でこの船橋宣言に見られるように整合性のあるしかも一貫した国の方針、それに基づく自治体の体制、そういうものを確立しない限り、東京湾の保全、浄化というのは大変危機的な状態に来ている、こう思います。
 これは私が申し上げるだけじゃなくて、世の識者あるいは専門家の方々が共通して述べている点でありますので、この点について、この船橋宣言など含めて、環境庁長官はどういう所見を持たれているか、まず冒頭にお伺いしておきたいと思います。
#308
○愛知国務大臣 東京湾につきましては、首都圏における限られた貴重な水面及び空間でありまして、かけがえのない自然環境であるという認識でございます。
 しかし、残念ながら東京湾地域につきましては、依然として赤潮とか青潮が発生するなど水質保全上の課題を抱えている上に、各種プロジェクトによる開発が構想、実施されております。今先生御指摘のとおりでございます。このような中で東京湾地域の環境を守るためには、東京湾を含む首都圏の広域環境管理の考え方に立って適正に環境を保全していくことが重要であると思います。基本的に先生お述べになりましたと同じような認識かと存じます。
 環境庁といたしましては、従来より東京湾の水質改善のため総量規制を実施するなど各般の水質保全対策に努めてきているところでございますが、今後ともこうした施策を一層推進していくと同時に、関係行政機関と連携を図りつつ、環境アセスメントの適切な実施、首都圏整備計画等各種開発計画における環境配慮の充実等によりまして、東京湾地域の総合的な環境保全に努めてまいる所存でございます。
#309
○上野分科員 長官、大変積極的な御意見をいただいてありがとうございます。ぜひその方向で、あらゆる力を結集してこの対策をお願いいたしたいと思います。
 そこで、総量規制が今まで行われてきていますが、残念ながらどうも、余り悪くはなっていないけれどもよくもなっておらない、こういう実態のようですが、水質汚濁の現状について明らかにしていただきたいと思います。
#310
○武智政府委員 東京湾の水質でございますけれども、去年の暮れに発表しました平成元年度の数値によりますと、いわゆる有機汚濁の代表的な水質指標でございますCODで見ますと、年度平均で二・九ミリグラム・パー・リットルということになっております。この数年間ほどをとってみますと、若干ではございますけれども改善の傾向にあるという数字になっております。具体的に、六十年度三・五ミリグラム・パー・リットルでありましたのが、元年度二・九ミリグラム・パー・リットルということで〇・五ミリグラム・パー・リットルぐらいよくなっております。
 ただ、そうは言いましても、環境基準、東京湾の中を十九ぐらいの海域に分けてそれぞれA海域からC海域まで設定いたしておるわけでございますけれども、その環境基準達成率について見ますと、まだ六三%というようなことになっておりまして、基準達成しておりますのは十二水域、達成していないのは七水域ということになっております。
 そのほかにも、今長官が申し上げましたとおり、赤潮の進行ですとかあるいは青潮の発生ですとかそういったようなこともございますので、これからもなお一層改善を図っていかなければならないというふうに思っておるところでございます。
#311
○上野分科員 そこで、今お伺いしたように横ばいと言った方がいいと思うのですね。少しはよくなっていることはわかりますが、数値が小さいですから、これは横ばいという状態です。
 そこで、これは何とかしなければならぬのですが、時間がありませんから具体的な問題へ入りますが、青潮対策、後で申し上げますが、特に東京湾の漁業との関連において、青潮の発生によってアサリが全滅する。アサリというのは、東京、神奈川、千葉にとって、たんぱく源として欠けてならない重要な漁業の一つなので特に問題があると思いますし、また青潮によってあらゆる生物が死んでしまう、こういう状態であります。
 そこで、青潮の発生以来環境庁はこの調査をやられてきておりまして、たしか来年度くらいで終わりになる、五年間をかけてやっているようでございますが、その四年が終わるわけですから、そろそろそのメカニズムというか発生の原因を、中間的で結構ですから、明らかにしていただきたいのがまず第一点です。
 それから、それとの関連で、埋め立てに土砂を使ったために東京湾は穴ぼこだらけなのですね。埋め立てに砂をとったものですから、その穴の底に酸素のない海水が入り込んでいる、このこともまた事実のようで、ただ環境庁はこの穴ぼこについては余り関心がなさそうにも思うのですが、その点も含めて中間報告をお願いしたいと思います。
#312
○武智政府委員 先生からお話がございましたとおり、環境庁におきましては、六十二年度から五カ年計画で青潮の発生機構について、現在調査を進めております。したがいまして、現在も継続中ではございますけれども、今までわかったことにつきまして要点だけ申し上げさせていただきたいと思います。
 閉鎖性水域、東京湾もそうでございますが、こういうところにおきまして春から秋にかけて、特に夏でございますけれども、いわゆる海水の表層部が非常に熱せられるというようなこともございまして、通常であれば底まで循環するようなものが循環しなくなるというような現象が起こってくるわけでございますが、それは成層と言っておりますけれども、その成層が比較的短期間で発達するといいますか、でき上がりまして、いわば上の方の水と底層の方の水との交換がなくなるわけでございます。したがいまして、底層への酸素供給がなくなるような状態が一つ生ずるわけでございます。
 そういうことに加えまして、いわゆる外から入ってくる、主として河川からでございますが、入ってきます有機物質や、上層において藻類の増殖によりましてプランクトンの死骸等がまた底に沈殿してまいります。それがまたそこで分解されるときに酸素を消費することになるわけでございます。
 その二つの要因等が重なりまして、夏場におきまして、底層で生成されましたいわゆる酸素のない状態、貧酸素水塊というふうに言っておりますけれども、それが風等の影響で沿岸等に至りまして湧昇いたしまして、いわゆる青いといいますか、白濁色といいますか、そういった青潮になるというふうに考えられております。
 環境庁といたしましても、青潮の原因でございます貧酸素水塊の形成過程そのものの解明に当てまして現在調査をやっておるところでございまして、これからも引き続いて研究者の皆さん方と一緒に研究していきたいというふうに思っております。
 それからもう一つ、御指摘のありました東京湾の中の穴ぼこといいますか、くぼ地でございますが、我々が知っておる限りでは、現在千葉県沖に六つのしゅんせつくぼ地があるというふうに理解いたしております。これは東京湾を埋め立てする際に土砂を採取したときのくぼ地でございまして、有名なのは検見川沖であったり、あるいは幕張沖であったり、茜浜沖であったり、浦安沖であったりするようでございます。容量が全体で一億一千二百万立米ぐらいの、十五メートルから三十メートルぐらいのくぼ地になっておるというふうに聞いております。
 この問題につきましては、やはりいろいろ廃棄物の最終埋立地がないというようなことでありますとか、あるいは東京湾の横断道路のしゅんせつした汚泥といいますか、砂をどこにまた埋めるかというような問題等もあるわけでございますけれども、要はこれを埋め戻した方がいいというような、船橋漁協の方なんかもそういうふうに言っておるというふうに聞いておりますけれども、したがいまして、千葉県におきまして現在いろいろな事業を活用いたしまして、そのくぼ地につきまして埋めるようなことをいたしております。
 当然その際には、また埋めるときには環境上の問題が出てくるわけでございますので、いわゆる埋め戻すときに汚濁防止のためのフェンスを設置するというようなことで、逆に埋めることに伴う悪影響を防止しなければならないというふうに思っておりますし、それから、埋めるときに使う砂等につきましても、変な砂で埋めますと、また海底にいろいろの悪影響を及ぼすというようなこともございますので、これも千葉県等においていろいろ努力しながら、埋め立て用の材については適正なものに限定しますとか、あるいは漁業に及ぼす影響等もございますので、埋め戻すときには漁業者による監視の措置も講ずるというような措置を千葉県においてとっておるというふうに理解いたしております。
#313
○上野分科員 そこで、環境庁は本来日本の今日の状態から考えますと、もっと力を持ってもらっていいのだと思いますけれども、例えば原因がわかった、それに対する対策をどうするかということを前に進めてもらう、そういう点も含めてこれからますます、環境庁というのは重要な役所ですし、これは力を持たせてもらわなければ困る、こう思います。大蔵省とどこかの間に挟まって、現地との間に挟まって大変困るような状態、これは一日も早く解決してもらいたい、こう思います。
    〔町村主査代理退席、五十嵐主査代理着席〕
 そこで、今大体のことはわかりましたが、このくぼ地はやはり埋めなければだめだろうと思うのです。ただ、最近埋めている形を見ますと、東京湾横断道で余った土で、埋め戻すのに適している土砂かどうかなんて関係なく、いわゆる東京湾横断道で余った土を入れているのが現状です。こういうことではなくて、やはりこの海底を改良するという意味で、ぜひ埋め戻しを本気になって考えてもらいたい。今やっているのは、今申し上げた横断道の余った泥みたいなもので埋めていますけれども、これは余りよくない。今もおっしゃいましたが、その埋め立てているところからまた新たな泥濁が生まれるわけで、そこら辺のことも含めて、第一点、やっていただきたい点であります。
 それから、青潮対策ということになりますと、皆さんの方の調査結果を見ますと、東京湾の奥の部分、船橋市とか千葉市とか市川とか海岸に近いところ、その奥のところが随分、しかもその海の底、東京湾の底が汚れている。ヘドロがいっぱいたまっているところも大きな原因だと考えていいようであります。
 そこで、今言った開発のために土を取った穴を埋めてもらうのと同時に、二つ目は、これは大変な仕事だと思いますけれども、東京湾のヘドロをやはり取らないと、東京湾の浄化というのには最終的には到達できない。確かに東京湾に流れ込むいろいろな河川の水の汚れを、下水道の普及などによって防止をする。このことは総量規制の中でいろいろやられているわけですけれども、やはり東京湾は本格的に浄化しようとしたらヘドロを取る必要がある。これはもう大変なヘドロで、時折テレビなんかにも海底に潜って、海中カメラがありますけれども、それを見ましてもほとんど映らないぐらいに汚れているのです。そんなに深く底に行かなくてもヘドロだらけです。だから、ヘドロを取る方向というのを考えられないかどうか。これをやらないと本当の意味の浄化にならないのですが、その点が二つ目です。
 それから、三つ目は、人工干潟も含めて干潟の造成をやらなければならぬと思います。今まだ決定されておりませんが、今度、船橋二期、市川二期の埋め立てが計画されているのですね。その中に一部は人工干潟がありますけれども、本格的な干潟の造成というのは考えられておらない。もう埋め立て自体が無理なのですけれども、どうしてもやらなければならぬ状態の中では、この干潟を本格的につくる。ある意味では干潟をつくるために東京湾最後の埋め立てをやるぐらいの、そういうことがなければいかぬのじゃないだろうか、こう思いますが、環境庁は、こういう考え方については積極的に取り上げる御意思がないかどうか、何とかならぬものかと思いますが、どうでしょうか。
#314
○武智政府委員 先生もお話がございましたように、東京湾をどうするかという問題、正直言いまして、これは関係省庁たくさんまたがるわけでございまして、我々どちらかと言えば、東京湾に流れ込む水質といいますか、東京湾の水質をよくするために流れ込む方の河川サイドでどうやってきれいにしようかというようなこと、あるいは内部で発生するいわゆる窒素、燐等によります汚濁をどうやって改善するかというような観点で従来対応してきておるわけでございますけれども、先生御指摘のようなことでいろいろな埋立計画もございますし、あるいはそのほかのいろいろなプロジェクト等もたくさんございます。
 したがって、全体的には関係省庁みんなで協力していかなければ難しい問題ではないかというふうに思っておりますが、ひとつ我々、くぼ地の問題につきましても、私どもの権限かどうかは別といたしまして、かねてからの県とも連絡をとったりしながら、かつ漁業者の方の意見等も聞いたりしながら勉強会をやる過程でそういう問題等も知りまして、そういうような方向で埋めるときにはまた漁業への悪影響も生じないような形でやらなければならないというようなことで、県とも連絡をとってやっているわけでございます。
 正直言って、しゅんせつの問題につきましても御指摘を御指摘として私受けとめて、また、関係省庁といいますか、我々正直言いまして、環境庁自身はみずからの事業を残念ながらやっていないというようなこともございまして、関係省庁総合調整ということで、建設省にお願いしたり、運輸省にお願いしたり、それぞれつかさつかさございますので、そういうところに今お願いするような方向で行くしかないのじゃないかというふうに思っております。
 それから、最後の干潟の問題でございますけれども、我々、東京湾の水質をよくするためには当然流入するところから考えなければいかぬわけでございますが、いわゆる昔でありますと非常にたくさんの干潟が東京湾に存しておった。それがその後干潟がなくなることによりましてかなり悪化したことの一つの要因にもなっておるのじゃないかというように我々思っておるわけでございます。したがいまして、どこまで回復できるかの問題がございますけれども、一部東京都等におきましては、人工干潟をまたつくるというようなことによりまして東京湾の水質の保全に寄与するというようなことも考えておるようでございますので、我々もそういうような方向で一緒になって考えていきたいというふうに思っております。
#315
○上野分科員 そこで、長官にもう一度答弁をいただきたいのは、今おっしゃいましたように環境庁というのは仕事をやるというよりも、こういう悪い点があるからこの点はこう直しなさいという指導官庁的なものなのですね。実体は調整官庁で、その調整のやり方でいろいろ文句を言われているようですけれども、しかしもっと本格的な指導官庁への脱皮を求められているのが現状だろうと思います。
 そこで、そういうものを助ける意味でも、例えばこの東京湾だけに限ってみても、どうしてもこの官庁ばらばらな状態から一歩抜け出さないと、環境庁が幾らいろいろいいことを考えてもなかなか通らないという状態ですから、やはりこれは東京湾保全法というような、名前はいろいろ変わってもいいのですが、私どもはそういうふうにとりあえずつけておりますので、そういうものが必要だろうと思うのですがね。そしてもっと環境庁にも権限を持たせる。そして本当の意味で東京湾をきれいにして後世に残す。現状では、今まで乱開発を続けてきたのは今の世代ですから、これを何とか一定のところまでは復旧させる、あるいは改善して後世に残すということはどうしても必要だろうと思いますし、また環境ということを考えた場合に、東京湾の浄化それから改善なしに環境の改善というのは、もう事実上関東においては考えられないと言っても言い過ぎではないと思いますので、その点で長官はぜひこの東京湾保全法というようなものを検討する方向で御努力願いたいと思いますが、どうでしょうか。
#316
○愛知国務大臣 先生御指摘の点は私どももよく理解できるところも非常に多うございまして、環境庁のいろいろな意味での力をもっとつけなければいけないということは日ごろ私どもも痛感しているところでございますが、行政全体の中での役割をどうするかということにつきましてはなかなか簡単にいく話でもございませんので、しかしながら、なおあきらめずに前向きに努力をしてまいりたいと思っております。
 なお、東京湾環境保全法といったようなものが必要ではないかというお話でございます。その御趣旨は大変理解できるところではございますが、当面は既存の法体系のもとで最大限東京湾の環境保全が図られるよう努力していく所存でございますが、あわせて関係行政機関における取り組みの成果を十分調査、分析の上、東京湾の環境保全の推進の方策につきまして研究してまいりたいと思います。なお検討課題とさせていただきたいと思います。
#317
○上野分科員 そこで、最後に東京湾の漁業についてお願いしたいと思います。
 実は東京湾に魚がいて、もともといたのですけれども相当少なくなっていますが、あのような大変汚れた海ではありますけれども、今なおノリは二万二千トン以上とれていますし、アサリは一万五千トン、一万六千トン近くとれている。その他の魚類、これは必ずしも正確じゃないようですが、調査した段階では約一万四千トン、これらの漁業が存在をしています。したがって、この漁業をやろうという人も最近また随分ふえてきています、イワシなどもとれるというようなことで。東京湾の漁業というのは大変重要なわけなんですが、御承知のとおり、水産庁に聞きますと、東京湾の漁業を振興しようとすれば東京湾の汚れを何とかしてもらわなければ困る、今のような状態じゃどうにもならぬというのが率直な意見のようです。
 そこで、私どもは、水産庁にはそんな弱気にならないで積極的に東京湾の漁業を振興するために何が必要なのかということを出して頑張るべきだ、こう思っていますが、まず水産庁に東京湾の漁業についてどう考えておられるか、簡単で結構ですからお願いしたいと思います。
#318
○海老沢説明員 お答え申し上げます。
 水産庁といたしましては、今先生の御指摘ございましたように、東京湾ではノリとかアサリを中心に特徴ある漁業を行っておりまして、また首都圏というような日本最大の人口の住んでおります大きな胃袋を控えておるわけでございまして、漁業振興に一生懸命努めているというのが現実でございます。
#319
○上野分科員 振興に努めていると言っても具体的じゃないんですね、正直申し上げて。
 ここに千葉県議会からの意見書が出ています。この意見書は、八千余名の漁業者が従事している重要な地場産業だ、しかも、県内はもとより首都圏への水産たんぱく質の安定供給に極めて重要な役割を果たしているんで何とかしてくれ、こういう意見書であります。その具体的な問題としては、新沿岸漁業構造改善対策事業の優先採択、二つ目は、第三次沿岸漁場整備開発事業の優先採択と繰り上げ実施、三つ目は、第八次漁港整備長期計画の財源確保と優先採択、こういう要求が出されています。
    〔五十嵐主査代理退席、町村主査代理着席〕
 そこで私としては、水産庁にぜひお願いしたいのは、東京湾の漁業を振興するためには何と何が今必要なんだ。例えばもう埋め立てはやったらだめですよ。船橋のところには三番瀬という重要な場所があるのですが、今度埋立計画の中に入っているのですね。これがつぶれますとえらいことになるのですが、そういうようなことを含めて、漁業振興の立場から水産庁はもっと積極的な振興計画を立てて、各自治体あるいは各官庁との折衝もあるでしょうし、そういうものをやってもらいたい。そしてこれからは、東京湾の漁業が振興しないような環境では東京湾はいつになってもよくなりませんし、これに関係する各都県も環境は改善されない、こういうことでもあると思いますので、その点について水産庁としてより積極的な姿勢を示していただきたいと思いますが、どうでしょうか。
#320
○海老沢説明員 お答えいたします。
 ここに出されております、先生今御指摘になりました点でございますけれども、こうした陳情書というか意見書が出ているのも承知しております。それに関連しまして、例えばここに書いてございますように、新沿岸漁業構造改善対策事業でございますと、平成二年度につきましては漁場の耕うんであるとかつきいそであるとか、あるいは種苗生産施設であるとか、千葉県においては事業費で約二億円程度、また神奈川県においても一億五千万円程度の事業費をつぎ込みまして鋭意振興に努めております。また漁港の整備につきましても、千葉県におきましては七つの港、また神奈川県においても三港について事業費をつぎ込みまして、改修であるとか修築であるとかそういうことを行っております。
#321
○上野分科員 最後に一言だけ。今いろいろ言われましたが、いずれも予算は少ないし、実際には余り効果を上げてない。したがって、ぜひもっと予算も多くしていただきたいし、それは東京湾の漁業のあり方、そういうものも含めてひとつ明確に示していただいて、その上に立った振興策というものをお願いしたいと思うのです。ところが、どうもそれもないのですね、ただ、今あるのをちょっとやるぐらいのもので。そういうことじゃなくて、やはり東京湾の何を育ててどう漁業を守るんだという方針を示されて、それに全部協力しろ、あるいは水産庁が積極的に予算をつける、こういうことでお願いしたいと思います。
 時間がありませんので、どうもありがとうございました。
#322
○町村主査代理 これにて上野建一君の質疑は終了いたしました。
 次に、田中昭一君。
#323
○田中(昭)分科員 大変お疲れだと思いますけれども、私は、水俣病の問題について環境庁の御見解をぜひいただきたい、こういう立場で質問させていただきたいと思います。
 前任者の北川長官、山内局長、最終的にきちんと合意はできませんでしたけれども、しかし水俣病問題の解決のためにそれなりに積極的な努力をされた、こういうふうに思っております。長官、局長はかわられましたけれども、この水俣病問題は世界の公害事件の原点である、こう言われておりまして、既に公式発見以来三十五年が経過をしている、今大きな節目を迎えているのではないかな、こういう立場から、何としてもこの時期に解決を図りたい、私どもとしてはこういう強い希望を持っておるわけでありまして、積極的な御対応をよろしくお願いを申し上げたいと冒頭に申し上げておきたいと思います。
 そこでまず第一ですが、御承知のように三十五年経過をして、今訴訟が起こされております。しかし、このままいきますと解決の見通しが全く立たない、こういう状況になっております。もう長官も御存じだと思いますけれども、患者の平均年齢はやがて七十歳に近づこうとしているわけでありまして、患者の中にも死亡者が続出をしておる、生きているうちに何としても救済をしてほしい、こういう悲痛な叫びが実はあるわけであります。そういう意味ではぐずぐずしてはおれない、こういう気持ちでございまして、緊急に解決を図らなければならない。しかし今の政府の態度ではこの解決が図られない、こういう状況だというふうに私は思っているわけであります。そういう意味では、水俣病の現状というものをどういうふうに認識をして、そして大きな節目を迎えている今日の時点でどういう解決を図ろうとしておるのか、この基本的な見解をまず長官からお聞きをしたいと思います。
#324
○愛知国務大臣 水俣病問題は我が国の公害問題の原点であるという御認識を先生お述べになりましたが、私どももその認識は同じくしているつもりでございまして、今日におきましても環境行政の重要課題の一つとして認識をいたしております。
 国といたしましても水俣病問題の早期解決に向けて努力をすべきものと考えておりますが、そのためには行政施策として所要の対策を着実に進めていくことが肝要であると認識をいたしております。
 このため、今後とも国、県一体となりまして水俣病患者の認定業務の促進に努めていくということがまず大事だと思いますが、さらに残された問題の早期解決を図るための総合的な対策につきまして、平成四年度からの実施を目途といたしまして検討を進めることといたしております。
 以上が基本的な対応でございます。
#325
○田中(昭)分科員 環境庁が平成四年に向けてやろうとしている施策についても私はよく存じております。それから中公審に対して答申を求めている点についても理解をいたしております。しかし、今水俣病問題というのは発生以来三十五年を経過して解決がつかずに、その間、例えば、もう亡くなられましたけれども、当時の園田直厚生大臣が来られ、あるいはその後も大石武一環境庁長官、石原環境庁長官、近くは北川長官も水俣に来られたわけですが、何とかしなければいけない、こういう態度を明らかにしながら、今まさに水俣病は紛争の状態にあるわけです。
 そういう意味では、今環境庁が言われたような観点で解決が可能なのかどうなのか。私は、加害者といいますか、これは責任論、平等論については今対立がございます。ですから裁判で争われているわけですから、私はこの短い時間で責任論とか平等論について合意を求めようという気持ちはありません。しかし、この紛争の解決といった場合には、被害者の立場、被害者の主張を尊重しなければ、幾ら加害者の論理、加害者の立場でいろいろな施策を講じたとしてもこの紛争の状態というものは片づかない、こういうふうに考えております。
 そこで、今も国、県一体となって解決に努力する、こう言われておりますけれども、もう御承知のように、この紛争状態、訴訟の中で今和解協議が現実に進められておるわけです。熊本県がこの水俣病に対して国の委任業務として大変苦労をしてきた、あるいは県債発行などもやってきたというこの熊本県が、このままの状態では解決は不可能だという立場に立ちまして、司法の側から出されてきた和解の勧告に乗って、これをもってこの水俣病の問題については解決を図ろう、こういう態度に立っているわけです。これも御存じのように、熊本県の場合には知事ももう政治生命をかける、そしてこの和解協議を何とか成立させたい、こういう立場、これはもう御存じのとおりです。それから熊本県議会でも与野党満場一致で決議をしておる。それから市町村の場合にも、これはおおむね一〇〇%近い市町村がこの水俣病解決について決議をしておる。こういう状況でありまして、そういう意味では、地元でいろいろ苦労してきた、そしてこの司法の側から出されてきた和解勧告によって和解をしなければ、今のままの状態では紛争状態の解決は不可能だ、こういう態度に立っているわけで、そういう意味でやはり今までいろいろ苦労して具体的にやってきた、それは熊本県庁の場合には公害部があります。これはほかの県庁にはないと思います。そういう意味では大変苦労してきた熊本県の考え方に、国としてきちんと認識を合わせるということが不可能なのかどうなのか。
 そういう点を含めまして、私は先ほど言ったように、裁判ですから、原告被告という立場ですから加害者という言葉を使わせていただきますけれども、そういう意味では被害者の立場、態度というものを踏まえた方向で解決に向かわなければ、行政の立場で一方的な施策だけで相手を納得させて解決を図るということでは、私は未来永劫解決は不可能だと思っているわけです。ですからそういう意味で、県が和解に応じて、和解で解決をしたい、こういう立場を明確にしたということから、国としてそういう立場に同調することができないのかどうなのか。この点について、長官の見解をもう一度お聞きをしたいと思います。
#326
○柳沢(健)政府委員 先生もお述べくださったように、水俣病の救済につきましては公健法、公害健康被害の補償等に関する法律によりまして既に二千九百人、正確には二千九百二十九人の患者の方々を今日までに認定してまいり、公正な救済を進めてきたところでございます。一時は六千人からの申請者がおられたわけでございますけれども、熊本県が非常に努力されまして、年間一千人以上の認定なりあるいは棄却なりという処分を進めたりいたしたこともございまして、今日では三千人を切りまして二千九百十六人の申請中の患者を残すというところまで参ったわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、まだそのような数の認定申請中の方がおられる、そういうような点に関しましては、先ほど大臣もお述べになっていましたように行政施策を鋭意検討してそれに当たらなければならないというふうに考えているわけでございます。
 一方、おっしゃるように訴訟の問題、これは熊本県は国とはやや考え方を変えておるわけでございますけれども、国の立場といたしましては、訴訟におきましては認定されていない方々が水俣病による被害を受けたとして国に損害賠償を求めておられるわけでございますから、国は訴訟当事者すなわち被告として対応を求められているところでございます。これに対しまして国といたしましては、国には損害賠償の責任がないということ、それから国の水俣病の判断条件は適切なものであるということを主張しているわけでございます。
 このような争点につきましては、国の行政のあり方の根幹にかかわる問題でございますので、裁判所の判決をいただいた上で判断をしていくべきものというふうに考えておりまして、現時点において和解勧告に応じることは困難であるという考え方に立っているわけでございまして、その点、県の方と立場を異にするということでございます。
#327
○田中(昭)分科員 部長言われる、判決をいただいてという発言なんですね。きのうも厚生省の方もそういう発言がございました。私は矛盾だと思っているわけですね。なぜかといいますと、判決を出すのは裁判所、司法の側ですよ。司法の側が判決を出せば従うと言いますけれども、一審判決で従いますか。水俣の、熊本地裁の三次訴訟では、一審判決、出ているわけです。仮に直近の、例えば東京地裁の結審をした部分の判決が出されたとした場合に、国は、中身の問題はともかく、今から出されるわけですからわかりませんけれども、従いますか。従わないと思いますよ、私は。上告もする、控訴もする、これは権利ですからそういう態度に出てくるだろうと思います。御存じのように、そういう形になれば、これは最高裁まで行ってしまうとすれば、十年かかるのか十五年かかるのか二十年かかるのか。
 だから私は、判決でこの問題解決を図ろうとすれば、裏を返せば水俣病の問題は解決がつかない、紛争状態は解決がつかない。司法の側は、これはもう部長は十分御存じのように、和解勧告の中で、簡単に申し上げますと四つ言っているわけですね。
 一つは、今申し上げましたように、裁判は長期にわたるだろう、数多くの証人調べ、証拠調べもやったけれども、この裁判で決着をつけることは裁判所としては不可能だと判断をした、これが一つですね。
 それから国の賠償責任、きのうも厚生省と食品衛生法四条二号の適用の問題で若干議論もいたしましたけれども、国の賠償責任の問題については、事実の認定であるとか法理論の面からもこれも大変難しい問題である、こう裁判所は言っているわけですね。
 それから病像論などについては、和解の場で一定の見解は出ていますけれども、これはもう医学上の問題であって、病像論について最終的な決着をつけるというのは永久に結論は出ないだろう、司法の側がこう言っているわけです。
 それからまた、今部長言われましたように、既存の公健法、公健法に基づく補償制度ではこの水俣病の問題についての解決は不可能だ、こういうことを論拠にして、国が判決を求めている司法の側が、これでは解決が不可能だから和解をすべきであるということで和解勧告を出された、こういう経過になっているわけですね。それに県もチッソも参加をするということなんです。和解なんです。
 ですから、私はあえてきょう、この短い時間の中で病像論とか責任論についての議論を交わしたくないのは一つはそこにもあるわけですね。そうしなければ、今言ったように判決を求めるなどということになれば、あと十年、十五年、私は二十年以上かかると思いますね。これは水俣病の解決が不可能だということを断定することにつながるだろう、こういうふうに思いますから、そういう意味ではこの水俣病の紛争状態を解決する、何とかするという場合には、環境庁がやっておる保健福祉的ないろいろな施策というものも必要でしょうけれども、しかし、和解の中で主張すべきは主張をして和解を成立させる、そして最終的には司法の判断を行政の側も受けとめる、こういう考え方に立たなければ水俣病は未来永劫解決はしないだろう、こういうふうに思うわけです。
 私が言っておることは決して無理じゃないと思うのです。私も水俣に居住をしたこともございます。水俣病の問題についてはずっとかかわり合ってきた、こういう経過からすれば、この時期を逃せば水俣病問題というのは本当に解決が不可能になる、世界の物笑いになるだろう、こういうふうに思うわけで、ここの点をもう少し見解をお聞きしたいと思うのです。
#328
○柳沢(健)政府委員 今先生、るるおっしゃったようなことがあるからこそ、国の立場としては和解に応じられないということを申し上げざるを得ないわけでございます。
 すなわち、責任の問題につきましては、当時の制度では法的な規制権限はなく、国は当時、水俣病の原因物質も明らかでなかった、行政指導を中心にできる限りの対応をしてまいったというようなところから、この責任の問題は国民の活動をどこまで規制するかという国の行政のあり方の根幹にかかわる問題であるので、和解の席上の話し合いによって妥協を図ることのできる性質のものではないというふうに考えているわけでございますし、それから水俣病であるかどうかという判断は医学的な根拠を離れては対応できない。したがって、国の水俣病の判断条件は、医学界の定説を踏まえた、医学的に水俣病と認められる者は広く認定する、適切なものであるというふうに考えているわけでございますし、水俣病の判断につきまして、医学的な根拠を離れて和解の場で交渉等により中間的な基準を設けられるものではないというふうに考えているわけでございます。
 しかし、だからといって水俣病の解決を遠のかせていいのかという点に関しましては、被害者の早期救済を図るべき国としても行政施策について鋭意検討を進めなければならないということで、先ほどお話がございましたように、先般、中公審にこの水俣病に関する専門委員会等を設置して検討を開始したところでございまして、平成四年度を目途にその成案を得るべく、全力を尽くしているところでございます。
#329
○田中(昭)分科員 中公審などを全く私は無視する気持ちはありません。中公審のメンバーはだれが選んだのですか。今国家賠償責任を問われておる国の側が選んでいるわけですよ。内容が出されない前に断定するのはいけないことでしょうけれども、これではやはり私は解決は不可能だと思います。
 ですから、そういう意味では先ほどから何回も言うように、例えば国の規制権限の不行使だという国家賠償責任というのは、これは熊本地裁の三次訴訟などでは明らかになっているわけです。これはもう御承知のとおり、食品衛生法だけじゃなくて、例えば漁業法の問題であるとか水質保全法であるとか、これは環境庁だけじゃなくて農水省、厚生省、関係のある通産省を含めましていろいろあるわけです。今ここでそんなことを言ってもしようがないですけれども、しかしだからといって、先ほども言うように、では一審判決が仮に出た場合に、それで解決するという態度をここではっきりすることができるのですか。最高裁まで行ってしまうのではないでしょうか。ここのところ、はっきり言えますか。
 例えば、東京地裁の六十数名、もう結審していますよ。判決を出そうと思えば出せない状態にないと私は思いますよ。しかし、東京地裁も、それでは解決はできないだろうということで、これはさきにも言ったように、国の場合でも上告する、控訴するという権限を持っているわけですから、だからこれでは解決不可能だろうということで和解勧告をして和解の場で決着をつけよう、この東京地裁の態度、これは東京地裁だけじゃありません。熊本地裁も福岡地裁も、あるいは京都地裁も福岡高裁もそうなんです。司法なべてそうなんですよ。しかし、今ここで環境庁が、いや、東京で結審した部分について、部分結審ですけれども、一審判決が出れば内容はともかくとしてもこれに従うということであれば、十年も十五年も二十年も解決のめどは立たない、こういう状態にならないでしょう。そう言い切れますか。言い切れないでしょう。十年も十五年もかかっても、二十年かかった場合には水俣病の問題はついに解決不可能、紛争の状態のままずっと続いていくわけです。これで近代国家日本のメンツが保たれると思いますか。この問題には世界が注視しているのです。一審判決が出たら従いますということが言えますか。いかがですか。
#330
○柳沢(健)政府委員 判決が出たら従うのかという御質問でございますけれども、判決が出た場合の対応につきましては、判決を見てその段階で判断すべきことであり、あらかじめ申し上げることはできないということでございます。判決をいただいた上で、争点となっております問題についての判決の内容、これを十分検討いたしまして、水俣病問題の早期解決に向けてどのような対応があり得るのか、検討していくということになろうかと存じます。
#331
○田中(昭)分科員 それは水俣病問題については解決ができないということに通じるのですよ。このことをきちんと受けとめてほしいと思います。 時間もございませんけれども、先ほど行政として筋を通すんだ、こういう意味のことを言われました。環境庁としては再三そういう態度を明らかにしていますが、私は、行政の筋を通すということは一体何かということをもう一回考え直さなければならないのじゃないかと思います。国が行政の筋を通すということは、やはりその根底は憲法に基づいて国民の生活を守る、国民の福祉を守る、基本的人権を守る、ここのところを基本にして行政の筋を通さなければ、一審で判決が出てもそれに従わずに、国は責任逃れだけで、もう年齢も高くなってきた、だらだら延ばしていけばそのうち死んでしまってこの問題は雲散霧消するだろう、こういう態度が国の行政の筋を通すということであるとするならば、私は日本国民というのは非常に不幸せだと思いますよ。そういう意味では、行政の筋を通すということは一体何なのですか。もう一回はっきりしてください。
#332
○柳沢(健)政府委員 行政の筋を通すという言葉でございますけれども、これは北川前大臣が御答弁されたものでございます。その御趣旨は、昨年の十月二十九日の関係閣僚会議に報告いたしました水俣病訴訟に関する国の見解、これにおきまして示されている、すなわち、この訴訟のような場合に国の賠償責任を認めるかどうかは、国は国民の活動にどの段階で、あるいはどこまで介入すべきかという国の行政の根幹にかかわる問題であり、原告との間で妥協を図ることのできる性質の問題ではなく、このような法に基づく国の行政のあり方の根幹にもかかわる紛争の解決は、判決を踏まえてなされるべきものと考えている、という内容を述べられたものというふうに理解しているところでございます。
#333
○田中(昭)分科員 判決が出れば従うというその論拠は、水俣病は解決できないことにつながるということだけははっきり申し上げておきたいと思うのです。
 時間もございませんから、私は、いろいろこういう問題で紛争状態、なかなか解決がつかない、解決のめどもつかない場合に一体どういう対応をすべきかという点では、先ほど申し上げましたように、その水俣病問題に本当に長い間具体的に携わってきた自治体、県の意向を十分に尊重すべきであるということが一つ。それから、もう一つは、日本の民主政治は三権分立という立場に立っているわけですから、三権分立の解釈についても食い違いが出てくるかもわかりませんけれども、しかし、司法の態度というものを行政の側も大事にする、尊重する、この立場は極めて重要ではないか。
 それから、三つ目に、国全体の政治をやっていく場合に、日本国の良識というものに従わなければいけないということを私は申し上げたいわけです。日本国の良識とは何かといいますと、一つは、あの水俣病の和解勧告が出た際に日本の有数の学者、文化人が、この水俣病は和解で解決しなければ解決は不可能になる、何とかすべきであるというアピールを発表しましたね。これは部長も、長官も御存じのとおりだと思います。私は、これは日本国の良識だと思います。これをやはり尊重しなければいけない。それから、もう一つ言いたいのは、マスコミです。この問題に限っては、日本の有数の新聞という新聞は、この際この和解で水俣病は解決すべきであるという社説を全部掲げておるのです。地方紙も含めてこれほど各社がこの問題を社説に取り上げて一貫した論理で報道したことは一回もなかったのではないか、こういうふうに私は思います。それから、去年の百十九回臨時国会に多くの請願が出されていますけれども、一番多かった請願は、この水俣病問題なのです。国連平和協力法じゃないのですね。それほど国民が大変関心を持っておる。こういうことを総体的に考えた場合には、これは日本の国民の良識挙げて、世界の公害の原点であるという水俣病問題、これに何としても解決をつけなければいけない、その解決というのはこの機を逃してはない、こういう判断を下しているからであろうと私は思います。
 そういう意味では、先ほど申し上げましたように、行政の筋を通すということだけでなくて、判決を待つ、判決が出ても気に入った判決が出なければ上告し、控訴もする、これは解決不可能につながるという場合には、司法の判断を尊重するという立場に立ちながら、この和解の中に入っていって和解の中で国の主張を言いながら、そして和解ですから、ぼけてくるところも出てくるかもわかりませんけれども、最終的に決着をつける、こういう態度に立たなければこの水俣病問題は未来永劫解決がつかないのじゃないかというふうに思います。そういう立場で、私どもは今後とも努力をしたいと思います。
 きょうも、海部総理あてに要望書を手渡してきました。それから厚生、環境にも来られたと思いますけれども、やはり何としてもこの機に水俣病を解決する、そういう立場に立って被害者の意見も十分に聞く、相手の言い分にも耳を傾ける、こういう謙虚な姿勢にぜひ環境庁、全体を取りまとめるわけですから、そういう立場に立っていただきたい。そういう立場から、新しい長官にも期待をしたいと私は思っております。そういう意味で、ぜひお願いをしたいと思います。
 最後に、時間がございませんから、長官の決意などもお聞かせいただきたいと思います。
#334
○愛知国務大臣 先生のこの問題を早く解決したいというお気持ちがほとばしり出るようなお話を聞かせていただきまして、非常に感銘を受けております。また、患者の皆様方あるいは県、長い間この問題に取り組んでこられた方々の御心情などもよく理解ができるところでございますが、しかしながら、この問題の解決の方法としまして、和解という形でこれを解決するということにつきましては、先ほど来部長が御答弁申し上げておりますように、この問題がこの事件限りで完結するものではございませんで、他の行政のあり方にも広く影響が及ぶ、こういう性質を持っておりますので、和解という形で解決をするというのはなかなか難しい、こういうことを申し上げざるを得ないわけでございます。
 しからばどうするかということに関しましては、早く解決をしなければいけないということについては基本認識は同じでございまして、行政施策としての所要の対策を進めていく、そのために、総合対策を平成四年度から実施するという形でこれをやらせていただきたい。私どもの取り組み方も決して消極的ではございませんで、可能な限りこの問題の早期解決に取り組んでいきたい、そういう姿勢もぜひ御理解をいただきたいと存じます。
 なお、熊本県の知事も新しくおなりになりまして、私ども国会議員に同時にならせていただいた方で、個人的にも親しくしておりまして、この間もお見えになりましたが、意思の疎通をよく図りながら一体となって取り組んでいきたいと考えております。
#335
○田中(昭)分科員 時間が参りましたので終わりますけれども、大きな節目にある、環境庁としても積極的に対応してほしいということだけ申し上げまして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#336
○町村主査代理 これにて田中昭一君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして、総理府所管中環境庁についての質疑は終了いたしました。
 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 分科員各位の御協力により、本分科会の議事を滞りなく終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。
 これにて散会いたします。
    午後五時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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