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#1
第120回国会 予算委員会第四分科会 第2号
平成三年三月十二日(火曜日)
    午前九時開議
 出席分科員
   主 査 粟屋 敏信君
      大石 千八君    古賀  誠君
      長勢 甚遠君    加藤 繁秋君
      小林  守君    佐々木秀典君
      田中 昭一君    長谷百合子君
      和田 静夫君
   兼務 大畠 章宏君 兼務 鈴木  久君
   兼務 河上 覃雄君 兼務 竹内 勝彦君
   兼務 鳥居 一雄君 兼務 吉井 光照君
   兼務 菅野 悦子君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 下条進一郎君
 出席政府委員
        厚生大臣官房総
        務審議官    熊代 昭彦君
        厚生大臣官房審
        議官      市川 和孝君
        厚生大臣官房会
        計課長     近藤純五郎君
        厚生大臣官房老
        人保健福祉部長 岡光 序治君
        厚生省健康政策
        局長      長谷川慧重君
        厚生省生活衛生
        局長      目黒 克己君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部長 小林 康彦君
        厚生省薬務局長 川崎 幸雄君
        厚生省社会局長 長尾 立子君
        厚生省児童家庭
        局長      土井  豊君
        厚生省保険局長 黒木 武弘君
        厚生省年金局長 末次  彬君
        厚生省援護局長 岸本 正裕君
        社会保険庁次長 加藤 栄一君
        社会保険庁運営
        部長      大西 孝夫君
 分科員外の出席者
        環境庁自然保護
        局保護管理課長 小原 豊明君
        大蔵省主計局主
        計官      渡辺 裕泰君
        文部省高等教育
        局医学教育課長 草原 克豪君
        文部省体育局学
        校健康教育課長 富岡 賢治君
        労働省労働基準
        局安全衛生部計
        画課長     青木  功君
        労働省婦人局婦
        人労働課長   鈴木 佑治君
        労働省職業安定
        局庶務課長   戸苅 利和君
        自治省行政局公
        務員部公務員課
        長       金子善次郎君
        自治省財政局交
        付税課長    谷本 正憲君
        予算委員会調査
        室長      多田 俊幸君
    ─────────────
分科員の異動
三月十二日
 辞任         補欠選任
  古賀  誠君     長勢 甚遠君
  和田 静夫君     加藤 繁秋君
同日
 辞任         補欠選任
  長勢 甚遠君     古賀  誠君
  加藤 繁秋君     田中 昭一君
同日
 辞任         補欠選任
  田中 昭一君     小林  守君
同日
 辞任         補欠選任
  小林  守君     佐々木秀典君
同日
 辞任         補欠選任
  佐々木秀典君     長谷百合子君
同日
 辞任         補欠選任
  長谷百合子君     和田 静夫君
同日
 第一分科員河上覃雄君、第二分科員吉井光照君
 、菅野悦子君、第三分科員竹内勝彦君、鳥居一
 雄君、第八分科員大畠章宏君及び鈴木久君が本
 分科兼務となった。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 平成三年度一般会計予算
 平成三年度特別会計予算
 平成三年度政府関係機関予算
 (厚生省所管)
     ────◇─────
#2
○粟屋主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。
 平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算及び平成三年度政府関係機関予算中厚生省所管について、政府から説明を聴取いたします。下条厚生大臣。
#3
○下条国務大臣 平成三年度厚生省所管一般会計及び特別会計予算の概要について御説明申し上げます。
 平成三年度厚生省所管一般会計予算の総額は十二兆一千八百十九億円でありまして、これを平成二年度当初予算額十一兆五千六百五十二億円と比較いたしますと六千百六十七億円、五・三%の増加となっており、国の一般会計予算総額に対し一七・三%、一般歳出に対し三二・九%の割合を占めております。
 平成三年度一般会計予算につきましては、公債依存度の引き下げを図るため、さらに歳出の徹底した見直し、合理化に取り組むという方針のもとに編成されております。
 厚生省予算につきましては、そのような厳しい財政事情のもとにあっても、二十一世紀の本格的な高齢社会を間近に控えて、国民だれもが健康で生きがいを持ち、安心して暮らせるような長寿・福祉社会の基盤をつくり上げるため、第二年次を迎える「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の着実な展開を図るとともに、老人保健制度の見直し等を盛り込んでおります。
 また、児童手当制度の見直し等次代を担う子供が健やかに生まれ育つための環境づくりを推進するとともに、廃棄物処理対策、看護職員確保対策や救急医療体制の充実強化など緊急を要する行政課題に対処する諸施策についても必要な予算を確保したところであります。
 この機会に委員各位の御支援に対し衷心より感謝申し上げますとともに、今後とも国民の健康と福祉の向上を図る厚生行政の進展に一層の努力を傾注する決意でありますので、よろしくお願い申し上げます。
 以下、平成三年度厚生省予算における主要施策につき御説明申し上げます。
 第一に、高齢化社会をすべての国民が安心して老後を送ることができるように「高齢者保健福祉推進十か年戦略」に基づき、ホームヘルプサービス事業、デイサービス事業等のいわゆる在宅三本柱や特別養護老人ホーム、老人保健施設等の高齢者のための施設の整備について大幅な拡充を図るほか、寝たきり老人の問題について、新たに、都道府県に寝たきりゼロ推進本部を設置し普及啓発
に努めるなど高齢者の保健福祉施策の強力な推進を図ることといたしております。
 また、在宅福祉サービスについては、市町村における普及定着及び利用促進を図るための在宅福祉サービス推進等事業を創設するとともに、ホームヘルパーについて、高齢者の多様なニーズに応じ適切なサービスを提供していくためのチーム方式を導入することといたしております。
 さらに、十カ年戦略を着実に展開していくためには、これを担う福祉マンパワー対策を強力に推進する必要があるため、福祉マンパワーの登録、あっせん等を行う福祉人材情報センターを都道府県に設置するなど新たな事業を実施することといたしております。
 このほか、痴呆性老人対策、長寿科学総合研究等の大幅な拡充を図ることといたしております。
 第二に、老人保健制度につきましては、介護体制の充実を図るため、老人訪問看護制度の創設等を行うとともに、老人保健制度の長期的安定を目指す観点から、介護に着目した公費負担割合の引き上げ、必要な受診を抑制しない程度の患者の一部負担の見直し等を内容とする制度改正を行うことといたしております。
 第三に、児童福祉対策について申し上げます。
 児童手当制度につきましては、今後の我が国を担う児童が健やかに生まれ育つための環境づくりの重要な柱として、世代間の助け合いや育児支援の強化という観点から、第一子への対象拡大、手当額の倍増、三歳未満への給付の重点化等を内容とする制度改正を行うことといたしております。
 また、地域における児童健全育成の拠点の整備や放課後児童対策の充実を図るなど児童健全育成対策を推進するとともに、就労形態の多様化に対応し、乳児保育、一時的保育などの充実を図るほか、新たに、夜十時ころまでの長時間保育サービスを実施するなどきめ細かな保育サービスを実施することといたしております。
 第四に、生活環境対策につきましては、増大かつ多様化する廃棄物の処理に対応するため、平成三年度を初年度とする第七次廃棄物処理施設整備計画を策定し、ごみ処理施設、最終処分場、合併処理浄化槽等の計画的整備を推進するとともに、廃棄物の減量化、再生利用の促進、廃棄物処理施設の整備の促進、廃棄物処理に係る規制の強化等を内容とする廃棄物の処理及び清掃に関する法律の抜本的な改正を行うことといたしております。また、水道施設につきましても、安全でおいしい水を安定して供給するため、引き続き所要の施設の整備を推進することといたしております。
 第五に、医療供給体制の整備につきましては、看護職員の確保対策について、養成力の拡充、再就業の促進、離職の防止のための事業等を強力に推進するとともに、看護に対する国民の理解を深めるため看護の日を制定することといたしております。また、救急医療体制の整備につきましては、救急現場、搬送途上における医療の充実を図るため、新たに、医療機関と救急車の間のホットラインシステム等の活用による救急現場医療確保事業等を推進することといたしております。
 健康づくり対策につきましては、健康のための運動普及事業の推進を図り、特定疾病対策につきましては、骨髄データバンク事業を創設するなど、これらの施策の推進を図ることといたしております。
 以上のほか、医療保険及び年金制度の安定、充実を図るほか、障害者福祉対策、食品等の安全対策、安全な医薬品等の確保対策、原爆被爆者対策、WHO等を通じた国際協力などの諸施策の推進を図ることといたしております。
 以下、厚生省所管一般会計予算及び特別会計予算の概要を御説明申し上げるべきではございますが、委員各位のお手元に資料を配付いたしてございますので、お許しを得て、説明を省略させていただきたいと存じます。
 何とぞ、格別の御協力を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。よろしくお願いいたします。
#4
○粟屋主査 この際、お諮りいたします。
 厚生省所管関係予算の重点項目については、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○粟屋主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
  〔下条国務大臣の説明を省略した部分〕
 次に、平成三年度厚生省所管一般会計予算の概要を主要経費別にご説明申し上げます。
 第一は、社会保障関係費のうち、生活保護費であります。
 生活扶助基準につきまして、国民生活の動向等を勘案し、平成二年度に比し、三・四%引き上げることとしたほか、教育扶助基準等の改善を行うこととし、総額一兆七百四十一億円を計上いたしております。
 なお、生活保護につきましては、引き続き制度の趣旨に沿って適正な運用を図ってまいります。
 第二に、社会福祉費であります。
 老人福祉関係では、主要施策で申し上げた在宅三本柱をはじめとする諸施策の推進及び老人保健制度の見直しのほか、明るい長寿社会づくり推進機構、ふるさと21健康長寿のまちづくり事業等の推進を図ることとしております。
 心身障害者等の福祉施策につきましては、障害者が家庭や地域社会の中で自立し、社会参加ができるような条件を整備するため、「障害者の明るいくらし」促進事業、在宅障害者デイサービス事業、いわゆる小規模作業所に対する助成事業及び精神薄弱者地域生活援助事業等の拡充を図るほか、身体障害者自立支援事業及び精神薄弱者生活支援事業を新たに実施するとともに、聴覚障害者情報提供施設に対する補助制度を新設することといたしております。また、「住みよい福祉のまちづくり」事業、日常生活用具給付等事業、心身障害児通園事業等を拡充強化することといたしております。
 家庭支援・児童健全育成対策につきましては、家庭と子育てをめぐる国民的議論を展開するための二十一世紀の子どもと家庭フォーラムの開催、父子家庭等児童夜間養護事業(トワイライトステイ)の実施、近年、ますます増加傾向にある不登校児童に対するひきこもり・不登校児童福祉対策モデル事業の実施等総合的な施策を推進することといたしております。
 保育対策及び母子・寡婦等福祉対策につきましては、一時的保育事業等の特別保育対策の充実や児童扶養手当の引上げを図るほか、乳幼児健全発達支援相談指導事業、母子栄養健康づくり事業を新たに実施するなど市町村における母子保健事業の充実を図ることといたしております。
 社会福祉施設整備につきましては、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」に基づき、所要の施設の整備の促進を図るとともに、待機者の多い重度障害者施設について緊急に整備をすることといたしております。
 また、社会福祉施設の運営の改善につきましては、新たに主任寮母制度を創設するほか、職員の業務省力化等勤務条件の改善を進めるとともに、生活費の引上げ等入所者の処遇改善、入所定数の増加、施設職員の給与改善等を図ることといたしております。
 以上のほか、地域における民間社会福祉活動を推進するため、学童・生徒のボランティア活動普及事業、ボラントピア事業の拡充のほか、新たに地域社会のボランティアを活用したふれあいのまちづくり事業(地域福祉総合推進事業)を実施することとし、また、婦人保護事業及び地域改善事業の実施等につきましても所要の措置を講じております。
 以上申し上げました社会福祉費の総額は二兆五千九百十五億円であります。
 第三は、社会保険費であります。
 まず、社会保険国庫負担金でありますが、政府管掌健康保険につきましては、高額療養費の自己負担額の改定を行うとともに、医療費支出の適正
化対策を引き続き強力に進めることとして、九千十七億円の国庫補助繰入れ、船員保険につきましては、七十億円の国庫補助繰入れをそれぞれ計上しており、総額一兆六十五億円を計上いたしております。
 次に、厚生年金保険国庫負担金につきましては、平成三年四月から二年暦年の消費者物価上昇率に応じて年金額の引上げを行うこととして二兆三千七百三十九億円を計上いたしております。
 次に、国民年金国庫負担金でありますが、国民年金につきまして、平成三年四月から厚生年金と同様、拠出制国民年金額及び基礎年金額の引上げを行うことといたしております。
 また、福祉年金につきましても、同様に平成三年四月から年金額の引上げを行うことといたしております。
 これらの結果、国民年金特別会計への繰入れに必要な経費として一兆四千九百五十七億円を計上いたしております。
 国民健康保険制度につきましては、療養給付費等負担金一兆八千九百十億円、療養給付費等補助金二千百六十三億円及び財政調整交付金四千六百八億円を計上し、国民健康保険助成費として総額二兆五千七百二十六億円を計上いたしております。
 以上のほか、健康保険組合の助成につきましては、運営の安定化対策を講じ、平成三年度に発足する国民年金基金については、その運営に必要な経費を助成することといたしております。さらに、制度改正の内容を盛り込んだ児童手当国庫負担等に要する経費を含め社会保険費の総額は七兆四千九百十二億円であります。
 第四は、保健衛生対策費であります。
 本格的な高齢社会の到来を間近にひかえて、明るく活力のある長寿社会を築くため、生涯を通じる健康づくりは、ますます重要となっております。このような観点から、運動習慣の普及を重視した健康づくり対策を積極的に推進することといたしております。
 また、老人保健事業につきましては、引き続き健康教育、健康相談、機能訓練等の充実を図ることといたしております。
 地域保健医療対策につきましては、まず、看護婦等の養成等確保対策につきまして、養成所運営費・施設整備費補助の拡充、貸費生貸与費の充実、ナースバンク事業の拡充強化を推進するとともに、国立病院・療養所における夜間看護手当等の処遇改善を行うことといたしております。
 救急医療対策につきましては、初期、二次及び三次救急医療体制を拡充整備するとともに、救急現場・搬送途上での医療の充実を図る事業を実施することといたしております。
 このほか、へき地保健医療対策につきましては、へき地中核病院を中心としたへき地保健医療対策を推進するための諸施策の充実を図ることといたしております。
 特定疾病対策につきましては、がん、難病、循環器疾患等に関する研究費の充実、専門医療機関の整備を進めるとともに、引き続き腎移植推進体制の整備、エイズ対策の推進を図ることといたしております。
 精神保健対策につきましては、精神障害者の社会復帰対策を充実するため、新たに、精神障害者入所授産施設を整備するなど精神障害者社会復帰施設の体系的整備の促進等を図ることといたしております。
 食品等の安全対策につきましては、ますます増大する輸入食品の安全性を確保するため、輸入食品・検疫検査センター(仮称)を新設するなど検疫所の監視体制を充実強化するとともに、化学物質の安全性点検等を実施することといたしております。
 原爆被爆者対策につきましては、被爆者の高齢化に対応するため諸手当の大幅な改善を図るとともに、新たに、原爆死没者の慰霊等のための諸事業を行うことといたしております。
 以上のほか、保健所の運営費につきましては、その活動の充実を図るために必要な経費を計上したほか、公的病院の助成費、保健・医療施設の整備、血液対策推進費、麻薬・覚せい剤対策費などの経費を計上いたしており、保健衛生対策費の総額は六千七十四億円であります。
 第五は、恩給関係費のうち、遺族及び留守家族等援護費であります。
 戦傷病者戦没者遺族等に対する遺族年金等につきましては、恩給の引上げに準じて額の引上げを行うことといたしております。
 また、中国残留孤児等の援護対策につきましては、帰国孤児等に対する自立支援体制の強化を図るとともに、中国残留婦人等につきましては、一時帰国援護の円滑化を図るため、滞在費を支給することといたしております。
 このほか、昭和五十八年四月二日から平成三年四月一日までの間に、新たに、戦傷病者等の妻となった者及び昭和五十八年四月一日から昭和六十一年九月三十日までの間に戦傷病者等が平病死した妻に対し、交付国債による特別給付金の支給を行うことといたしております。これら、遺族及び留守家族等援護費として、総額一千三百三十億円を計上いたしております。
 第六は、公共事業関係費のうち、環境衛生施設整備費であります。
 水道施設整備費につきましては、簡易水道及び水道水源開発等の整備を引き続き推進するとともに、新たに、緊急時給水拠点確保事業を進めることとして九百三十九億円を計上いたしております。
 廃棄物処理施設整備費につきましては、「第七次廃棄物処理施設整備計画」に基づき、所要の施設の整備を大幅に促進するとともに、新たに、廃棄物処理センターに対する補助制度を創設することとして六百九十四億円を計上いたしており、環境衛生施設整備費の総額は一千六百三十三億円であります。
 以上、平成三年度厚生省所管一般会計予算の概要を申し上げました。
 次に、平成三年度厚生省所管特別会計予算について申し上げます。
 第一に、厚生保険特別会計につきましては、一般会計から三兆四千二十四億円の繰入れを行い、各勘定の歳入歳出予算を計上いたしております。
 第二に、船員保険特別会計につきましては、平成三年度から保険料率を疾病部門のうち職務上は千分の三十六、職務外は千分の八十八、年金部門は千分の三十六と改定することとし、一般会計から七十億円の繰入れを行い、歳入歳出予算を計上いたしております。
 第三に、国立病院特別会計につきましては、一般会計から二千百八十八億円の繰入れを行い、各勘定の歳入歳出予算を計上いたしております。
 第四に、国民年金特別会計につきましては、一般会計から一兆四千九百五十七億円の繰入れを行い、各勘定の歳入歳出予算を計上いたしております。
 以上、平成三年度厚生省所管特別会計予算について申し上げました。
 何とぞ、格別のご協力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。
    ─────────────
#6
○粟屋主査 以上をもちまして厚生省所管についての説明は終わりました。
    ─────────────
#7
○粟屋主査 この際、分科員各位に申し上げます。
 質疑時間はこれを厳守せられ、議事の進行に御協力を賜りますようお願いを申し上げます。
 なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。和田静夫君。
#8
○和田(静)分科員 午前中の時間的な制約が大変厳しいようでありますから、少しスピードを上げ
た質問をいたしますが、まず児童手当制度であります。政府案は支給対象を現行の第二子から第一子に拡大するという点では進歩があると思いますが、第一子への拡大に伴って支給期間を現在の義務教育就学前から三歳未満に限定しようとする点では、これは大幅な後退だろう、もはや児童手当とは言えないのではないだろうか。私は、特に武蔵野市の児童手当づくり以来この国における児童手当制度の創設に深くかかわってきた者として、このことを痛感をするのであります。
 児童手当制度の設立の趣旨は、有子家庭に対する所得保障と児童の健全育成である。このことを踏まえますと、児童手当の支給対象が第一子からとなるべきことはこれは当然であります。また支給期間も原則的には児童福祉法の対象年齢であるところの満十八歳未満までとするべきでありましょう。支給対象児童を三歳未満に引き下げることは児童手当制度の設立の趣旨にも私は反すると思う。人間形成の基礎となる極めて重要な時期であるところの三歳未満の時期について重点化が必要であるとするならば、私は別途乳幼児手当のような制度を考究し、設けるべきである、そういうふうに考えます。
 支給金額について今回の改正では第一子と第二子には五千円、第三子以降には一万円となっていますが、金額の設定根拠は何か、私は明らかにしていただきたいと思う。児童手当の額については、申すまでもなく、児童手当法第六条二項に「国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定の措置」を講ずると定められているわけでありますから、今回の改定は一体どのような基準をもとにして行われるのだろうか。生活費その他の消費活動全般に課税される消費税の導入があったわけですが、児童の養育費にも多大な影響を与えているわけであって、その点は今回の改正において考慮されているのかどうか、まず以上をお聞きいたします。
#9
○土井政府委員 まず最初の、年齢を三歳未満にするという観点でございますけれども、私ども、中央児童福祉審議会におきまして一年有余にわたりましてこの問題について審議を願い、その結果として第一子に拡大するということを今回の改正の最重要のねらいとして位置づけ、それに加えてさらに、昭和五十年に設定されました支給金額、これもその後の経済状況等を踏まえて大幅な改定をするということを基本に置きまして、全体として制度の所要財源等々も総合的に勘案して、その結果として、年齢については三歳未満にすることもやむを得ないというような御意見をちょうだいいたしまして、それに基づいて改正案をまとめたところでございますので、その間の経緯について御了解を賜りたいと思います。なお、全体として支給総額は約三割の増というような制度改正になっております。
 なお次に、一万円、五千円の根拠でございますけれども、昭和五十年に第三子以降五千円というものが、その後約十五年間における家計消費支出の伸びを計算いたしますと約二倍になるということを根拠にいたしまして一万円という金額を設定し、その倍率を二千五百円に適用して五千円とする、新しく対象になる第一子については五千円という第二子と同額を支給する、そういうような形で金額の案を固めたところでございますので、御理解を賜りたいと思います。
#10
○和田(静)分科員 児童手当は、児童を養育している方の生活の安定に寄与することを一つの目的としているということを考えてみますと、その額については、児童の養育費の一定水準を賄えるものとされるべきでありましょう。そのための明確な基準を設定して支給額を決定することが必要であろうと私は思う。また、その実質価値を確保するために完全自動物価スライド制を導入すべきであります。後ほど私も触れますが、政府は老人保健法の改正によって医療費の一部負担にスライド制を導入する。ところが、この児童手当についてはそのような方針を示されない。一体どういうわけだろう。第一問。
 所得制限の緩和策として実施されているのが特例給付でありますが、これは当分の間延長するということなのですけれども、特例給付については事業主のみの拠出金による制度であるから、これは企業等において不満があることは事実であります。児童手当制度との整合性が問われるのでありますが、特例給付による自営業者とサラリーマン等との格差の解消という面からも延長が必要と判断されたようですが、今後の見通しはどうなりますか。この二問について。
#11
○土井政府委員 まず、最近における子供の養育費でございますけれども、ピジョンという民間の会社で平成二年に調べたものがありますが、約二万三千円という金額が示されております。また、野村証券におきまして家計と子育て費用調査、これは教育費と食料費を除かれた調査でございますけれども、乳幼児については約一万三百円というような調査結果が出ております。そういったものを照らし考えますと、今回の一万円という金額につきましては、乳幼児の子育て費用のおおむね二分の一程度に相当するのではないかというふうに考えております。ただ、私ども、今回の金額は先ほど申しましたような考え方で積算をしておりまして、あくまで最近における今言ったような調査は十分参考にしながら今回の金額を定めたという経緯でございます。
 それから、今後どうするのかという点につきまして、自動物価スライドのお話がございましたが、年金等の、従来の所得を補てんするという観点が児童手当にあるのかないのかという点については、私ども消極的な考え方をとっております。ただ、御指摘のとおり著しい経済情勢の変化があった場合にはこれに対応することが必要であるというふうに考えておりまして、今後ともそのようなスタンスで取り組んでまいりたいと思っております。
 特例給付につきましては、お話しのとおり自営業者とサラリーマンの支給割合が同じ所得制限であると大きく違うということから、やむを得ない措置として導入されたものでございまして、これにつきましては当分の間継続せざるを得ないというふうに考えているところでございます。
#12
○和田(静)分科員 児童手当制度が広く児童の健全な育成を目的にしている以上は、所得制限についてはこれを廃止して、すべての児童が給付対象とされるべきものでありましょう。それが私は児童手当制度の本来の姿であると考えているのでありますが、その点についての見解をまず承りたい。
 同時に、この児童手当制度というのは、ヨーロッパの社会保障制度と比較して最も立ちおくれた日本の制度ではなかろうか。その制度化も昭和四十七年にやっと行われたもので、まだまだ充実されていかなければならない点が多い。しかも、この四十七年に国が政策として取り上げるまでに、私たちは特に革新自治体を中心として幾つかの児童手当制度というものを試みてきたわけであります。それらの集積の上で成り立ってきたのでありますが、支給期間も当初こそ欧米の社会保障先進国とほぼ同じ義務教育終了前までであったのでありますけれども、支給対象は第三子以降とされた不十分なものであったわけですね。そこで、その後の改正のたびに所得制限が強化をされて、支給対象を拡大するかわりに支給期間が短縮されるという、財政面のみを重視した事実上の後退を繰り返しているのではないだろうか。今回の改正もこの傾向を踏襲している。改正のたびにこのようなことが繰り返されるのは、政府が将来的には児童手当制度をさらに縮小あるいは廃止することを考えているのではないかという疑念を抱かざるを得ない。
 また、全額国費負担の国が多い中で、日本の場合には国費負担がわずかに二割であって、地方公共団体の負担を加えても三割でしかないというのが大きな問題であります。今後は全額国費負担に近づけていくということが必要であろうと私はなお考えていますし、それに伴って、特例給付を廃止するためにも所得制限を廃止し、全児童を対象
に少なくとも義務教育終了前という当初定められた支給期間給付を受けられる制度に変えていく必要がある。その意味では、私は政府に前向きな取り組みを求めたいと思いますが、前段は局長答弁で結構ですが、後段のところは大臣、ぜひ所信を承りたい。
#13
○土井政府委員 まず所得制限の問題でございますけれども、これは先生御案内のとおり、一定の限られた財源をどういう形で使うかという点から、やはり必要度の高い、また効用の高いところに給付を行うという趣旨から、やむを得ない制限であるというふうに私ども認識しておりまして、将来においても必要であろうというふうに考えております。
 ヨーロッパ等との比較の問題で、年齢等につきましての御指摘がございましたが、御案内のとおり、例えばスウェーデンにおきましては税制における所得控除を廃止してその財源を児童手当に振り向けるといったような経緯で児童手当の創設あるいは充実を図ってきたというような経緯がヨーロッパの幾つかの国にございます。そういうことを考えますと、我が国におきましては所得税、住民税の税制面における扶養控除の問題、あるいは賃金構造における家族に対する手当の問題等々の要素がございまして、単純にヨーロッパと比較をするというわけにはまいるまいというふうに考えております。今回、全体として給付を改善するという趣旨から、第一子拡大を基本に置きまして先ほど申しましたような考え方で改正案をお願いしているところでございますので、御理解のほどを賜りたいと思います。
#14
○下条国務大臣 和田委員にお答え申し上げます。
 もう委員は長らく本件の問題を重要視され、また取り組んでこられたことをよく承知いたしております。
 ただいまの児童手当の問題につきましては、今局長からも説明がありましたように、この制度自体、私たちといたしましてもむしろ充実を図っていこうという観点で、特に第一子を重視し、さらにまた全体の手当額をふやす。しかも、それを母親に一番負担がかかる時期に集中しようというような観点からの改正を行ったわけでございますし、それからまた、この改正により実際の全体の予算の規模も三割ばかり膨らむというようなことで、重視していることは御了承いただきたいと思う次第でございます。
 この趣旨は、委員もよく御承知でございますけれども、やはり健やかに生み育てる、子供の大事さ、重要さ、これを我々は特に念頭に置きながら、いかにしてそういう環境づくりをしていくか、これは大変に重要なもので、この制度だけではとても十分ではございませんけれども、そういう全体の環境づくりの中の一つの重要な位置づけであるということで重視して今回の改正に取り組んだわけでございます。
 なお、この面についての委員から御指摘のいろいろな問題につきましては、先ほど話も出ましたように、諸外国との比較ということになりますと、日本の給与体系との違いあるいはまた税制上の措置、それらを全般的にごらんいただいて、ほどよきところに落ちついているのではなかろうかということで御理解を賜ればと思う次第でございます。
#15
○和田(静)分科員 次に、老人保健法に入りますが、国民医療費は平成三年度は約二十一兆七千億円、国民所得の六・一%程度と推計をされ、老人医療費も約六兆三千億円、国民医療費の約三〇%に迫りつつあります。高齢化、医療内容の高度化、医療機器等の普及、新薬の開発など医療費を押し上げる要因が多々あるために、今後も医療費の増加は避けられないと私は思いますが、医療費の適正化は必須条件であります。
 医療費は自己負担、保険料、公費負担により賄われておりますが、最終的には国民の負担となるために、医療費の伸びを適正な範囲内にとどめる、国民の負担が過大なものとならないように不断の政策努力が必要でありましょう。そこで、政府は医療費の適正化対策をどのように進めているのか、まずお聞きします。
#16
○岡光政府委員 まず、狭い意味ではレセプトを点検して、ふさわしい医療が行われているかどうかという医療内容のチェックを行っております。それからまた、医療費のお知らせ通知を出しまして、それぞれの受診をした患者にあなたの医療費はこれくらいかかりましたよということで注意を喚起して、そして健康の自己管理をしていただこうじゃないかというふうなことを適正化対策としてはやっております。
 それから老人医療費につきましては、お年寄りの心身の特性という問題がございまして、病気にかかりやすいとか慢性化しやすいとかいろいろな特性がございますので、そういう特性にふさわしい医療が行われるようにということで、そのような医療内容が行われるように医療機関を御指導するなり、あるいはお年寄りに対してもそういう観点から、病気にならないように、それから日常生活においてもこんなことを注意してくださいというふうな御指導を万般申し上げているという格好で、質を確保しながらむだのないような医療が行われるようにということで種々の施策を行っているところでございます。
#17
○和田(静)分科員 公費負担の引き上げについては、老人保健施設、介護体制の整った老人病院の入院医療費に限って三割から五割としていますが、その所要額は大体七百五十億円。また、全体での公費負担割合は平年度ベース三一・一%増という状態です。そこで患者の一部負担の引き上げですが、これによる財政効果というのは大体千百八十億円。これによって、約六兆円の老人医療費に占める一部負担比率は現在の三・二%から五%程度に引き上げられることになります。これに比べて公費負担の増額は非常に低いと言わざるを得ないのではないでしょうか。三百九十億円の増、実質引き上げ率〇・六二%、老人医療における公的責任がその意味では全く欠落をしています。
 また、現在の老人保健法が対象としている高齢者に対する医療等給付の費用は、国が十分の二、地方公共団体が十分の一、そして医療保険の保険者が十分の七の負担とするという形ですから、これは保険が主であって公費が従というシステムになっている、よって健保組合等にとって過大な負担になる。この負担が保険料の引き上げという形で被保険者にさらに負担をかけるということになる。
 高齢者への適切な医療を将来にわたって確保するためには、医療費の適正化はもとより、公費負担の一層の引き上げ等によって国の責任と負担をもっと明確にし、確固たる方針を策定すべきではありませんか。
#18
○岡光政府委員 どの程度医療費に対して公費負担を行うかというのはいろいろ議論のあるところでございます。
 それから先生御承知のように、医療保険各制度におきましても健康保険組合に対しましては原則として公費を入れていない。ただし、比較的中小企業であるとか低所得者が多いという政府管掌の健康保険には一六・四%入れておりますし、それから国民健康保険の場合には、事業主がいないとか低所得者が多いとかいう理由から給付費に対する五〇%の国庫負担を入れておる。そんなふうなことでございまして、それぞれの制度に応じてふさわしい国庫負担が行われている。
 この老人保健につきましても、どの程度の公費のかかわり方をするかというのは制度創設のときに大変議論があったところでございますが、いずれにしましても、お年寄りは病気にかかりやすい、それから低所得者が多いということもいろいろ考えまして、先生から御指摘がありました国・地方合わせて十分の三の公費を投入しているところでございます。
 今回の改正では一部負担の改定による効果額に対して公費負担の引き上げ額が少ないではないか、こういう御指摘でございますが、いずれにしましても老人医療費の中でどのような部分に公費を増加していくかというのはいろいろと考えなけ
ればいけない。要するに、全般的に公費を上げていくというのではなくて、やはり考え方が必要だと思っておりまして、私どもはこれから特にお年寄りには介護が必要だ、お年寄りが自立した生活を送れるようにするために他からの支援が必要である、その介護部分に着目をしまして、その部分を三割から五割に引き上げる、こういう措置を行うことがまず必要ではないだろうかというので、先ほど御指摘がありましたが七百五十億円のアップを考えているわけでございます。
 おっしゃいますように、老人医療費につきましては十分の七の拠出金がございまして、若い人たちがそれによって大変な負担になっております。したがって、現役世代に対して負担緩和策を講じなければいかぬ。そのために、今までは九百億円の負担緩和策を講じておりましたが、これも百億増をいたしまして一千億の負担緩和策を講ずる。こういうことと両々相まちまして、できるだけ現役世代の拠出金負担を緩和するという方向も図りたい。それぞれの趣旨、目的に沿いながら公費を適切に投入していく、そういう発想にしておるつもりでございます。
#19
○和田(静)分科員 患者の一部負担を、外来一月八百円から一千円に、入院一日四百円から八百円に引き上げることになっているわけでありますが、特に入院の場合は一挙に倍の月二万四千円を負担しなければならなくなる。例えば老齢基礎年金の既裁定受給者の平均年金月額が、これは九〇年五月現在ですが、三万一千五百七十二円であることを考えてみますと、年金のおよそ八割を一部負担として支払わなければならなくなる。後ほど私は保険外負担を述べますが、そうすると、もう年金額ではとても間に合わない。さらに一部負担が医療費にスライドして上昇すれば、患者の過重負担を招くことになりかねない。患者が高齢者であることや、老人保健審議会の答申で「過度な負担を避けつつ必要な受診を抑制しない程度」として記していることから見ても、余り大幅な引き上げには問題がある。特に、入院を一日八百円としたのは余りにも大幅な引き上げではないのだろうか。私はその根拠とスライド制導入の理由というのを聞いておきたい。
#20
○岡光政府委員 まず、今回の一部負担の改定の根拠でございますが、外来の月八百円を千円にということでございますが、若い人たちが健康保険の本人の場合には一〇%の一部負担をしておるわけでございますが、そういった人とのバランスを考えて、おおむね五%程度の負担をしていただきたい。ただし、お年寄りの生活実態を考えますと、定額の一部負担制度をやはり現在と同じように維持すべきではないだろうか。それで若い人とのバランスを考えて、外来の医療費につきましても、医療費の実績を考えながらその五%程度をということで千円というのを算出いたしました。また入院につきましても同じように、一月あたりどのような入院医療費がかかっておるかという実績がございますので、それに応じまして五%程度というのを算出して、これは一日四百円という格好でございますから、一日の額を計算しまして八百円という数字を得ているところでございます。
 そういう意味で、私ども、若い人とのバランスをまずとろうではないか、それからお年寄りの中でも在宅で療養生活をしている人であるとか、あるいは老人保健施設であるとか、そういった関係の施設に入っている人たちとの負担のバランスをあわせ考える必要がある。そういうことを考えて、私どもは今御提案をしておりますような数字を設定したわけでございます。
 なお、御指摘のありましたような、老齢福祉年金を受給して市町村民税が非課税であるようないわゆる低所得者につきましては、現在の入院につきまして一日三百円、二カ月間限りの一部負担という、これは維持をする、そのままいじらない、こういうことも内容では盛り込んでおるところでございます。かつ、今回の改定は昭和六十一年改定から考えて四年もたっておりますので、そういったことの医療費の推移を考えまして、今のような一部負担の改定額を考えておるわけでございます。
 それからスライドにつきましては、ただいま申し上げましたように定額の一部負担制を維持するわけでございますので、医療費の方は毎年六%ないし七%程度伸びておる実績でございます。そういたしますと、医療費全体に占める一部負担額の実質的な割合が実は低下をしている。やはり今申し上げましたような若い人とのバランスであるとかお年寄り同士のバランスを考えた場合には、その一部負担の水準というのは医療費に対して一定の水準を維持するということが必要なのではないだろうか、こう考えまして、医療費の伸びに応じて一部負担額を改定する、そういう仕組みをこの際導入をしたいと考える次第でございます。
#21
○和田(静)分科員 今後この一部負担を医療費、特に老人医療費の伸びにスライドさせていく場合、医療費の過去数年の実績からして、毎年五、六%程度が自動的に引き上げられることになるのではなかろうか。国民医療費の伸びは、ここ数年の数値で見れば、国民所得の伸び及び消費者物価の伸びよりも高い。一部負担が医療費にスライドして上昇すれば、物価スライド制を採用している老齢基礎年金の引き上げよりも高い率で引き上げられることになるでしょう。患者の過重負担を招くことは明らかでありまして、これは私たちとしては、大臣、認めるわけにはまいりません。
 さらに、老人保健施設利用料金やら特別養護老人ホーム平均負担月額とのバランスというのが一部負担引き上げの一つの根拠になっているようでありますけれども、この際無視できないのが、先ほども触れました入院の際の多種多様な保険外負担の問題であります。差額ベッド代と付添看護料を除いても、厚生省の「老人病院における保険外負担の状況」という八五年十二月の調査によりますと、入院患者一人当たり一月当たりの平均負担額というのは二万七千五百円になっているわけですよ。保険外負担の問題について厚生省としては今後どういうような対策を講ぜられるのであろうか。こうした保険外負担の実態を放置したままでさらに一部負担の大幅な増額は、ただただこれは患者の負担を過大にするものであって大変認めがたいところですが、見解を承ります。
#22
○岡光政府委員 まず先生御指摘の前段のスライドのシステムでございますが、御指摘がありましたように、老人医療費全体では五%とか七%程度伸びておるわけでございますが、これは要素として二つございます。一つは、お年寄りの人数がふえていく、要するに老齢人口がふえるということによって押し上げる割合がございます。それから、一人当たりの医療費単価が上がっていくというのと二つの要素から合算いたしまして、五%ないし七%のアップ率になっているわけでございますが、人数の増というものまで負担に転嫁するというのはおかしいと考えておりまして、一人当たりの単価のアップに応じてスライドをしていくということを考えるべきだというふうに私どもは考えて、そのような法律の規定にしているところでございます。これで考えますと、一人当たりの単価のアップは大体二%ないし三%程度というのがこれまでの実績でございまして、そういうことからいたしますと、御指摘のありましたように、物価スライドの額も今年度で国民年金の物価スライド三%というふうなこともありますので、そういったことを考えますと、それぞれ所得の伸びと医療費の伸びは違ってまいりますから一概には申せませんが、近時の数字で申し上げますとかなりバランスがとれておるのではないだろうかというふうに考えておる次第でございます。
 それから、保険外負担の問題でございますが、おっしゃいますようにいわゆるおむつ代等の保険外負担が昭和六十年の調査で、御指摘がありましたように二万七千五百円程度の負担になっておりますが、平成二年の調査では二万二千五百円ということで、五千円ほど低下をしておる状況でございます。これは、いわゆるお世話料という名目のはっきりしないものは取らないようにしなさいという指導をしておりますので、それでこういう調査結果が出ているのではないだろうかと思ってお
りますが、そのほかに付添看護の問題であるとかあるいは差額ベッドの問題であるとか、いわゆる保険外負担の問題は多うございまして、それぞれ差額ベッドについては一人部屋ないし二人部屋に限定をしろとか、その程度も適切にしろとかという指導をしておりますし、また付添看護につきましても、診療報酬の改定のたびに看護料の引き上げを図るなどしてその適正化を進めていこうと考えておりますが、いずれにしましても、その保険外負担の問題は一部負担を論じるときには大変重大な問題だというふうに認識しておりまして、その全般の適正化には努力をしたいというふうに考えおります。
#23
○和田(静)分科員 現行老人保健法による訪問指導ですが、これは寝たきり等の家族に対する看護、介護方法などに関する指導助言であるわけですね。政府案のこの訪問看護は新たに六十五歳以上の在宅寝たきり老人に対する訪問看護サービスを実施するものであるが、この老人保健法においては訪問指導を含んだ訪問看護として一元化すべきではないだろうか、そしてその対象年齢ももっと引き下げるべきではなかろうか、これが一つです。また、ケアつき住宅についても統一された施策のもとでその確保を図るべきではないだろうかと思うのですが、この二点について。
#24
○岡光政府委員 御指摘のまず訪問指導は、いわゆるヘルス事業、老人保険事業でやっておるものでございまして、補助率も変わっております。これは、要するに四十歳ごろから健康管理をして健やかに老いていこうという発想で行われているものでございます。今回制度化を図りたいとしております在宅老人の訪問看護制度につきましては、いわゆる看護婦を在宅のお年寄りのところに行かせまして必要な看護指導を行う、もちろんホームヘルパーも派遣をしますので、そういう家事援助であるとか介護ということをやるわけでございますから、そういう在宅サービスの一環として看護婦によるサービスを制度化したいというものでございます。先生おっしゃいますように、ヘルス事業とこの老人保健制度の給付と整合性を図る必要があろうかと思いますので、その辺は連携を十分考えながら、とりあえず運営を図っていきたいと考えております。
 それから、ケアつき住宅の問題でございますが、おっしゃいますようにいろいろなタイプのものが今出ております。公営住宅でいわゆるシルバーハウジング・プロジェクトということで建設省と私の方で進めておりますようなプロジェクトもございますし、それから、私どものやっておる軽費老人ホームの中でケアハウスというタイプのものもセットしよう、あるいは民間でやっております有料老人ホームでそういったケアを考えた有料老人ホームも相当出てきております。そういったことでいろいろなタイプのものが出ておりますが、いずれにしましても、お年寄りが住みやすい格好でそういう住まいの確保ということが必要だと考えておりまして、その辺は御指摘のようにしっかりと整合性を保ちながら、また国民全体にふさわしい住まいが確保されるという観点から考えていかなければいけないと思っております。
 特に、有料老人ホームにつきましては、昨年老人福祉法の改正をいただきまして、ことしの四月から有料老人ホームにつきましては着工する事前に届け出をする、それから実際に運営に入りましてもその調査に入れますし、また事業内容についてもチェックできる、そしてどうしても指導に従わない場合には罰金を伴った指導をしたり、場合によってはストップさせるということも考えて、サービス内容がよりお年寄りにふさわしくなるように指導するということを考えておるところでございます。
#25
○和田(静)分科員 今後高齢化が進む中で、家族による介護についても政府の施策面での援助が当然必要となります。その一つとして、私は育児休暇と同様に介護休暇についてもその制度化が必要であるというふうに今考えます。同時に、こういう状態の中で、私は介護手当制度などというものが考究されてもよい時期に来ているのではないだろうかというふうに考えているのですが、何らかの準備を進めていらっしゃいますか、それとも大臣に一つの見解がございましょうか。
#26
○岡光政府委員 まず介護手当について御答弁申し上げますと、私どもは直ちに介護手当制度を制度化するというところまでは実は踏み切れておりません。しかし、在宅で御苦労なさっている方々に何らかの経済面からも応援の措置が要るだろうというふうに考えておりまして、御指摘がありましたように介護休暇というのも一つの手だと思っておりますし、それから、いろいろ在宅で頑張っている場合には諸経費がかかりますので、それは現在のところは税制の面でいろいろ工夫をして、そういう諸経費については必要経費として対応するというふうなことを考えているわけでございます。
 いずれにしましても、まだ介護手当を出す、制度化するには条件が熟していないのじゃないだろうか。したがいまして、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」をベースにいたしまして、家族を支援するためのサービス体系を整える、あるいは施設を整えて必要な人はそういう施設をどんどん利用できるというふうな内容をまず整える、そして、なお家庭で頑張っていらっしゃる方にどのような対応をしたらいいのかということを、そういうことと並行しながら考えていきたいというふうに思っております。
#27
○下条国務大臣 今委員のお尋ねの家族が実際に介護に非常に苦労していらっしゃる問題、これはもう全国的に大変深刻な問題だと思います。その家族はそのために働きにも出られないし、また家事の問題でも非常な負担になるということでありますので、この問題についてこれからも真剣に取り組み、我々としてもできる限りの一つの対策を講ずることができるようにしなければならないという考えは持っております。しかし、その具体的な問題については、ただいま部長から御説明申し上げましたように、まだまだいろいろな実情あるいはまたそれに対する具体的な対策でほかの措置との整合性を考える等々の検討すべき問題が多々ございますので、今のところは先ほどお話がありましたように税の控除の問題等々のものが一歩前進はしておりますけれども、全体的にはまだ十分整っておらないということで、これからも鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。
#28
○和田(静)分科員 最後に廃棄物問題に入りますが、現在の清掃事業について見ますと、中曽根内閣の民活以来の情勢と人手不足も手伝いまして民活論が支配的になりつつあります。昭和五十七年から平成元年までの七年間で、直営は二・二%の減、全体で許可業者は五・一%の増、ごみ処理については直営が六・一%減で許可業者が二・八%増加、全体で一六・四%に今なっています。現行の廃棄物処理法の根本理念は言うまでもなく市町村長の義務となっているわけでありまして、固有行政である以上は直営で行うことが本当であります。財政事情や長年の慣行で時に委託や許可業者があってもよいというだけのものでありました。三割自治などと言われる日本の自治体においては、国の委任事務が多くて自治体固有の行政というものが甚だ少ない。その三割に含まれる数少ない固有の事務、固有行政が清掃事業ということになります。
 環境保全と公衆衛生の向上を目的とする清掃事業は、利益優先の民間企業に任せるべきものではなくて、行政として責任あるものとしなければならないのは当然だろうと私は思うのです。例えば廃棄物の不法投棄などは、経済効率という民間企業の避けて通れない課題もその一因と言えましょう。しかし、公営事業であるから非能率、非経済性が許されるというものではもちろんありません。市民へのサービスの向上という問題とあわせて、今後の清掃事業における課題であることは避けられません。我々としては、地方自治体の固有の行政の確保という立場から、今後清掃を直営事業として堅持することが必要であると考えております。まず政府としてこの見解について見解を求めます。
#29
○小林(康)政府委員 一般廃棄物の処理に関しましては、市町村長がその処理計画を策定する義務を負っております。その処理計画に基づきまして、市町村長が直営あるいは一部を委託する等適正処理に努めているわけでございまして、私どもは、その市町村長の判断を尊重しながら行政を進めていきたいというふうに考えております。
#30
○和田(静)分科員 大臣、ここのところは一言だけ答弁をいただきたいのですが、政府内部には、例えば、処分場の広域化に伴って産業廃棄物及び一般廃棄物ともに国がもっと主導権を発揮できる体制をつくるべきだとする考え方がある。それは妥当だとしても、これが清掃行政を自治体の固有行政でなくすものにつながっていくというようなことであってはならないし、さらには、民間委託、民活論につながるものであってもならないわけであります。そういう間違った方向に行かないようにしっかりした見解を持っておいていただきたいと思うのですが、いかがですか。
#31
○下条国務大臣 廃棄物の処理について今のお尋ねは一般廃棄物の問題だと思いますが、これはお話がありましたように市町村の重要な施策の一つであるということで、従来大変に御協力いただいておるわけでありますが、この内容が、今非常に量がふえるばかりでなく、種類も異なって非常に処理に困難なものがふえてきたということでありますので、私たちは市町村の御協力を得ながら、新しい観点からこの廃棄物処理のさらに徹底した制度の拡充を図ろうということで、今度法案の改正をお願いしておりますが、その中で、市町村が占める位置は従来と同じように責任を持ってやっていただくということになっておるわけでございます。
#32
○和田(静)分科員 自治省の見解も求めたいところでありますが、厚生大臣の考え方もはっきりしていますから先に行きますが、乾電池、蛍光灯など水銀による環境汚染が考えられる有害物質を含む適正処理困難物について分別収集を市町村に義務づける、水銀処理のために広域処理施設を建設するとともに、そういう適正処理困難物について将来的にその使用を禁止できるように各業界とも連携して代替品の開発、実用化に努力する必要があると思うのです。生産者責任の明確化の立場から、製品についてその処理方法の明記を義務づけるなどの措置も講ずべきであると私は思いますが、いかがでしょう。
#33
○小林(康)政府委員 お話のございました乾電池につきましては、その製品中の水銀を極力減らすこと、あるいは水銀を使用しない乾電池の開発に努めること、こうした方向がまず第一に必要と考え、今まで業界に協力を求めてきたところでございます。
 適正処理困難物につきまして製造者の責任をというお話がございまして、私どももその線での検討を進めてきておるわけでございますが、廃棄物処理法の改正とあわせまして再生資源利用促進法の新しい立法化の動きがございまして、その法律の中で、廃棄物になった場合を考えましての表示を行う制度ができております。このため、廃棄物処理法におきましては厚生大臣が所管大臣を通じまして事業者にそうした表示をすることを求めることができるという規定を入れまして、お話の趣旨を法律の中に入れ込んでおるところでございます。
#34
○和田(静)分科員 あわせ通産からの答弁も求めたいところですが、時間の関係で省略させていただきますが、私が述べた趣旨の徹底を図られるように、両省にこの機会に求めておきます。
 そこで、産業廃棄物の排出事業者処理責任の徹底と有害物の排出規制やチェック体制の強化を図って、公共関与の必要な産業廃棄物については地方公共団体の事務としてその処理施策を確立することが求められるのではないだろうか。また、産業廃棄物の不法投棄、不適正処理等を防止するために、廃棄物の排出規制から最終処分まで行政監視、指導体制を確立することが必要でありましょう、そのために、地方自治体における環境衛生指導員の配置等拡充強化に今後も努力することが私は求められると思うのです。それとともに、許可業者の許認可については厳格に行うことが必要であります。
 ここのところの見解を求めると同時に、廃棄物の処理施設、最終処分場の整備を促進するために、現行の国庫補助制度の内容改善と拡充を行って、地方自治体の超過負担の解消を図ることは緊急な問題として重要であります。それに伴う措置として、例えば焼却工場の廃熱の利用や埋立処分場で発生するメタンガスの利用などによる地域への電力供給事業なども認められることによって、自治体の財政負担の軽減とともに省エネルギーの推進にもなろうと私は考えるのですが、政府として何らか方針をお持ちでしょうか。
#35
○小林(康)政府委員 まず、環境に問題の多い廃棄物につきましては、従来の有害産業廃棄物に加えまして、今回爆発性、感染性の要素も加えた特別管理廃棄物の概念を導入いたしまして、その処理の徹底を図ることにしております。
 産業廃棄物の不法投棄の未然防止のための措置も今回の法改正で組み込みまして、その実施のための自治体での環境衛生指導員の配置、拡充について地方公共団体におきます適正な配置も期待をしておるところでございます。産業廃棄物に対する公共関与の必要性が強く指摘され、地方公共団体からの御要望もございますので、今回廃棄物処理センターの制度を設けまして、処理の困難な一般廃棄物にあわせ産業廃棄物の広域的な体制を公共が関与して行う制度の設立を図ることにしておるわけでございます。産業廃棄物の処理業の許可につきましては、その期間でございますとか許可の要件でございますとか、今回強化をすることにしております。補助制度につきましては、当面額の増大を中心に図っていきたいというふうに考えております。電力等の事業につきましては、現在もごみ発電による施設に一部補助をしておりますけれども、今後もその拡充を求めていきたいというふうに思っております。
#36
○和田(静)分科員 全国の清掃職場においては、直営、下請を問わず労働災害が非常に多発いたしています。事故があるのは収集のときだけではなくて、処理場においても事故が起きる。さらに、有害物質や有毒物質の問題もある。また、医療系廃棄物の処理には危険が伴っています。政府は、こういうような清掃事業における労働災害の実態について、労働省、どの程度把握されていますか。また、こういうような労働災害の防止のためにはどのような措置を講じようとしていますか。
#37
○青木説明員 お答え申し上げます。
 清掃事業における労働災害の現状でございますけれども、先生おっしゃいました民間関係でございますが、これは私ども休業四日以上の死傷者数としてとらえておりますが、清掃業におきましては、昭和六十二年において九百六十三件、それから平成元年では千八件ということで若干増加をいたしております。また、自治体関係、これは地方公務員災害補償基金のデータを私ども用いておりますが、不休災害、つまり休業を一日もしない災害も含むわけでございますが、六十二年度では五千三百五十六人、平成元年度では四千八百二十四人というふうにデータが届いております。
 また、これの対策でございますけれども、清掃事業における労働災害の防止の基本は、主といたしまして従来より酸素欠乏症あるいは硫化水素中毒の防止といったものを中心にやってまいりましたけれども、昭和五十七年七月に清掃事業における安全衛生管理要綱というものを定めまして、都道府県労働基準局それから都道府県、市町村の自治体の担当部局と連携を密にして対策を講じているところでございます。
 以上でございます。
#38
○和田(静)分科員 清掃作業の安全確保というのは重大な問題であります。各種廃棄物処理施設構造指針については、労働災害の再発防止を最重点にした内容として、実際に現場で有毒物質や有害物質を直接に扱い、またあらゆる事故の危険に遭遇している労働者の意見を反映できるようにする必要があろうと思うのですね。その点、ぜひ前向
きに取り組んでもらいたいと思います。
 また、労働災害の予防措置の一環として、ごみ収集車一台当たりの交付税基準を現行の二・六人から前のように三人に戻すというような地方交付税の中での労働災害対策の予算措置の充実、これを私は求めたいと思うのですが、自治省、見解ありますか。
#39
○谷本説明員 先生御指摘のありました清掃費の清掃車一台当たりの乗務人員でございますが、これについては実は昭和五十八年度までは三人の収集職員を配置しておったわけでございますが、五十八年度に直営でごみの収集をやっております全市町村に対して実態調査を行ったわけでございます。その結果、車の大きさ、規格等もいろいろあったわけでございますが、一人乗車から二人、三人、四人といろいろございまして、その平均的な実態というのが二・六人ということになっているということが明らかになったわけでございます。これを踏まえまして、私どもは激変も避けなきゃいかぬだろうということで実は五十九年度に二・八人、昭和六十年度からは二・六人という形で交付税上は積算をしておるということでございます。
#40
○和田(静)分科員 いや、それで前に戻したらどうだと言っているのです。
#41
○谷本説明員 これにつきましては、私どもいわゆる労働災害の防止対策という面につきましては、交付税の算定上も、講習会の開催経費でございますとか防止対策のためのいろいろな備品購入経費、こういったものについては交付税の算定上充実を図ってきておるところでございます。
#42
○和田(静)分科員 政府は、ごみの最終処分場の不足の問題などにかんがみて今国会に廃棄物の再利用を目玉にした法案を幾つかお出しになっています。しかしながら、再利用というのはまず出される廃棄物が再利用可能であるものであることがこれは大臣、必須条件なんですね。そのためには製品を送り出す企業に再利用できないような材質の製品の生産をなくしてもらうことが必要であります。現状で再利用がほとんどされていないプラスチック容器などはほとんどが消費者の利便性を考えたものでありますから、製造者のみならず消費者についても、多少の不便があってもごみになるようなものは使わないという意識を持ってもらうように働きかけていく、そういうことも必要でしょう。また衣類など流行に左右される商品の売れ残りが廃棄処分で直接埋め立て処分地に持ち込まれる。保存食にまで賞味期間の表示があって、その期間内であっても少しでも製造日が古くなると売れ残りとしてスーパーなどから返品され廃棄処分される。今日のようなこの日本の消費生活そのものを改善していくことが廃棄物の減量のために私は不可欠の要件であろうと思う。廃棄物の量を減らす最良の方法は、各個人が使い捨てをしないという自覚を持つことであることを念頭に置いて今後の廃棄物対策を行っていくことが、再利用を効果的に行うための、分別収集の実現においても、また再利用できないような製品を減らすためにも必要だろう、こう思うのです。この辺を総括的に大臣に施策を求めたいのですが、いかがでしょう。
#43
○下条国務大臣 ごみの問題が極めて深刻な状態になっておる、これはもう委員の御指摘のとおりであり、その認識は私も全く同じでございます。この問題の処理につきましては、これはもう各般の段階でそれぞれの対策を講じていかなければ、一カ所をいじっただけで処理ができるという問題ではございません。したがいまして、今委員御指摘のような消費者の段階からまず御協力をいただくことが必要でありますし、その意味においては使い捨ての問題とかあるいは消費者がいろいろ理解を持って分別収集に協力するとか、そういったような態勢から始まりまして、その消費者が利用される品物についての御意見も今ございましたけれども、メーカーの段階で廃棄物が余計出ないような、また処理が可能であるような御協力もまた得ながら、あわせてごみの問題の処理の一つの方策を立てていくということが必要と考えておるわけでございます。
#44
○和田(静)分科員 終わります。
#45
○粟屋主査 これにて和田静夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、加藤繁秋君。
#46
○加藤(繁)分科員 先ほど和田先輩から産業廃棄物の問題についてお伺いしたのですが、私も実は産業廃棄物の問題についてお伺いをしたいのですが、先ほど大臣が、相当深刻な問題と受けとめているということですから、恐らく前向きなぴしゃっとした回答が得られるのじゃないかと期待していますので、ひとつよろしくどうぞお願いします。
 実はきょう環境庁と厚生省にお伺いをするわけですが、大臣、香川県の小豆島というのがあるのですけれども、その小豆島のすぐ隣の島で豊島というのがあるのです。その豊島に豊島総合観光開発という、松浦きよ子さんというのが取締役をしているのですが、これが産業廃棄物、実は有価物だといいまして、シュレッダーダストなど大体十九万八千トンぐらい捨てられていたわけなんです。その結果、十九万八千トン捨てられていますから、その中で野焼きをしたりとか、野焼きすれば当然煙が出ますから、あるいは臭いという問題が起こるし、ばい煙それから汚泥の中の油が海水に流れ出るという問題とか、そういう中で住民から随分と苦情が出ているし、調べましてもカドミウムなどの有害物質も検出される、そういう問題になりまして、現在でも大体十七万一千トンですか、残っているわけなんです。
 こうした問題について我々としてどうするかということで、実は商工部会長の水田団長を初めとして、国会議員十人と現地十五名で現地調査を行ったのです。私も事務局長で行ったわけなんですが、住民からも意見を聞いたのですが、今回の問題は、結局その豊島総合観光開発というところが兵庫や滋賀や岡山、その他の多くの県から産業廃棄物を買って再生処理をしていた、こういう主張をするわけなんです。しかし、よく調べますと、この再生処理の方法、それから採算性から見て本当に再生処理かどうかという問題、そしてそれに対する県の対応の問題、それから野焼き、ばい煙、こういう環境問題、こういうことが実は論点になって、県としてもこの問題についてなかなか踏み切らなかったわけなんです。きょうは私はその問題について幾つか厚生省と環境庁に意見をお伺いして、指導を強めていただきたいなということで参ったのです。
 最初に環境庁の方にお伺いをしたいのですが、この豊島というのは実は瀬戸内海国立公園でありまして、特別地域ではないのですが、普通地域に指定されているわけなんですが、こういう国立公園の中に産業廃棄物の不法投棄が行われて、しかも形状変更という半ば埋め立てのような状況になっているという問題、そして、環境が汚染されて、著しく景観が失われているという問題について環境庁としてどのように受けとめているか、お伺いをします。
#47
○小原説明員 ただいま先生御指摘になりました豊島総合観光開発株式会社が産業廃棄物を投棄しましたその場所は、瀬戸内海国立公園の普通地域に該当いたしております。このことにつきましては、香川県、それから私どもの出先でございます国立公園管理事務所の所員等が現地を調査した結果、確認いたしております。
 今回のようなシュレッダーダスト等の廃棄、堆積等につきましては、自然公園法の二十条の規定によりまして、あらかじめ届け出が必要とされる土地の形状変更に該当するというふうに考えております。今回の行為は無届けで実施されておりますので、自然公園法違反に当たると考えております。
#48
○加藤(繁)分科員 言われるとおりこの二十条に違反しているわけなんですが、そうしますと、この違反している事実に対して、この間随分と歳月がたっていますけれども、環境庁としてどのような指導を県に対してしたか、そして、この違反に対してどういう態度で臨もうとしているのかとい
うことをお伺いします。
#49
○小原説明員 普通地域内におきます届け出行為につきましては、県知事にその権限が委任されております。そういうことから、私どもといたしましては、香川県に対しまして、風景の保護の観点から適切な措置を講ずるよう指導をしております。県におきましては、現地調査を行ったり事情聴取を行ったりしまして状況の把握に努めるとともに、県庁の中で関係部局七部局十二課に及びます豊島問題対策連絡会議というものを設置しまして、その中で関係部局の調整を図りながら、その対策を協議しているところでございます。自然公園法上の措置も、その一環として措置を講ずるように話を聞いておりまして、私どもとしては、その情報を得ながら、今後とも適切な措置を講ずるように県を指導してまいりたいと思っております。
#50
○加藤(繁)分科員 県を指導したというのですが、いつどのような形で指導をしたかということをお伺いしたいということ。そしてもう一つは、自然公園法違反ですから、その法律違反に対して環境庁としては、県に任すのではなくて、強く指導しなければいけないのじゃないですか、あるいは告発するとか。そういう態度があるかないかお聞きします。
#51
○小原説明員 私ども新聞情報等によりまして、この違反が、この事実が発覚しました直後及び先生方が私どもの大臣の方に申し入れに来られましたその後、そのほか県からこちらにも職員等が参りました。その折々にきちんと対応するように県を指導しております。それで、この権限はあくまで知事でございますので、私どもが直接違反者に対してあれこれと指示することはできないというふうに考えております。
#52
○加藤(繁)分科員 知事に責任があると言って環境庁は逃げるのですか。自然公園法は環境庁の所管でしょう。そうすると、自然公園法に違反すれば環境庁として、いや、あれは知事なんです。しかし、知事であったとしても、その知事というのは国の機関の一部としての知事でしょう。団体の知事じゃないでしょう。そうすると、やはりあなたは勝手にやりなさいということではいかぬでしょう。したがって、この法律違反ということは明確になっているのですから、そのことについて指導は多分口頭で言ったと思うのです。そうでしょう。口頭ではなしに、これは法律違反なんだから、しっかりとやりなさいと、ちゃんと文書で指導するということが必要なのじゃないですか。
 同時に、私も環境庁長官に会いましたけれども、そのときに申し入れに行きました。二点申し上げたのですが、そのときに、同時にこの法律違反の問題も私申し上げたと思うのですが、この三点について、もう一度どういうふうになっているのか、お伺いします。
#53
○小原説明員 環境庁として、別に逃げるつもりはもちろんございませんけれども、やはり権限が知事になっておりますので、県が、県知事が状況に応じて必要な措置を講ずる。私ども、もちろん相談を受けますといろいろ指導するのは当然でございますけれども、決して逃げているわけではございません。それで、先生方が大臣のところに来られまして、いろいろ申し入れがございましたけれども、それを踏まえて私ども県に対してきちんと対応するように指導しているところでございます。
#54
○加藤(繁)分科員 そうすると、法律違反の問題について県からどのような返事がありましたか。
#55
○小原説明員 この件は自然保護上の問題だけではなくて、廃棄物処理法その他関係するところがたくさんございまして、自然公園法だけでの措置を講ずるのは適切でない。例えば、廃棄物処理法で措置命令等を出しますと、それとそごを来すようなことはできない、同じ知事さんでございますから。それと調整のとれた指示等をしなければならないというふうに考えておりますので、自然公園法だけではなくて、廃棄物処理法その他の法律と調整をとりつつ適切な指示をしていきたいというふうに考えております。
#56
○加藤(繁)分科員 私は、何も自然公園法だけでいかぬということを言いたいのじゃないのです。後で廃掃法の問題も言いますが、しかし、法律違反が明確になっていることについて、その他の法律と調整しなければいけないというような回答は、ちょっとおかしいのじゃないですか。やはり私は、法律違反は法律違反です。こっちもあります、こっちもあります、したがって、全体として一つ一つやらないといけないのじゃないか。その結果総合的に問題が解決されるのじゃないかなと思いますので、今の回答は法律を所管しているところとしてはちょっと適切な回答じゃないと私思うのですが、訂正していただきたいですね。
#57
○小原説明員 自然公園法違反はそのとおりでございまして、そのことは業者に対しても厳しく申し渡しております。ただ、後どのように措置するかということに関しましては、廃棄物処理法等のいろいろな指示や命令等もございます。それとそごを来さないようにしていかなければならない。そういうことから、自然公園法だけの処分を先んじて行うことはできないというふうに申し上げておりまして、決してしないとかということではございません。
#58
○加藤(繁)分科員 わかりました。ぜひそれは強く指導していただきたいですね、法律違反を見逃すようなことをしないように。私、リサイクル法案でも質問したのですが、環境庁、姿勢がやや及び腰ですから、そうないようにひとつ強い姿勢で臨んでいただきたいということをお願いします。
 それで、先ほど言われましたように、問題は廃棄物が残されている問題ですね。厚生省にお伺いしたいのですが、実はこの廃棄物が豊島に捨てられているという問題について、一番最初、香川県は有価物だとこれを主張したのです。よその兵庫県警が取り締まるというような、我々香川県としては情けないのですけれども、実は香川県は、後で有価物ではなくて廃棄物だというふうに直したのですが、この最初の有価物だということを香川県が主張したことについて、厚生省として一体どういうふうに考えているか、お伺いします。
#59
○小林(康)政府委員 ある物が廃棄物処理法に規定をいたします廃棄物に該当するか否かにつきましては、それを占有しております者の意思あるいはその性状等を総合的に勘案して判断することとされております。
 御指摘の香川県豊島の事件におきまして問題となっておりますシュレッダーダストにつきましては、当初香川県では、処理業者が有償で買い取ってきたということで金属回収を行うという事業、したがいまして廃棄物でない、こういうふうに取り扱っていたようでございますが、その後の現地の調査の結果、現在ございます当該物を廃棄物として取り扱い、措置命令等の必要な措置を講じた、こういうふうに報告を受けております。
#60
○加藤(繁)分科員 そうすると、最初の有価物だとして考えたことは間違いであった、こういうことですね。
#61
○小林(康)政府委員 当時、この株式会社が集めておりましたこの時点で、廃棄物でないという判断をされる状況があったろうというふうに考えております。しかし、昨年の十二月時点で県が廃棄物と認定をして措置を講じた。私どもは、県の措置が不適正なものとは考えておりません。
#62
○加藤(繁)分科員 いや、集めた段階で有価物だったと言いますけれども、私、調査に行ったのは十二月四日なんです。十二月四日のときに県に聞き取り調査したら、有価物だから問題ない、こういうふうに答えているのですよ。しかも、この厚生省の政令の第九条の第三号「都道府県知事の指定を受けた者が、再生利用されることが確実であると都道府県知事が認めた産業廃棄物のみの収集、運搬又は処分を業として行う場合」に初めて届け出が要らないのです。したがって、こういう届け出が要るのですけれども、この政令事項による届け出は出てないということ。
 そしてもう一つ、「有用物及び産業廃棄物の廃棄物処理法上の取扱い」の「(注3)有用物と産業
廃棄物が分離されない状態で存在し、全体が有用物と考えられない場合には、その全体を産業廃棄物とみなして取り扱うこと。」とあるのです。私、行きましたら、タイヤの野積み、これは明らかに産業廃棄物なんです。タイヤが産業廃棄物であるというのは、裁判所の判例をまたなくても明らかですね。したがって、両方混在している場合には産業廃棄物というのは、この厚生省の政令に見ても明らかなんです。したがって、最初の県の指導が間違っていたのじゃないか。それに対する厚生省の指導として一体どうだったのかということをお伺いしたいということなんです。
#63
○小林(康)政府委員 最初の再生利用の指定の部分でございますが、この部分につきましては、無償で引き取りあるいは廃棄物として引き取った物についてでございまして、原料として購入をした物について適用しておるところではございません。
 この豊島総合観光開発株式会社、五十三年にミミズによる土壌改良化処分及び収集、運搬の産業廃棄物処理業の許可をとっておりますが、あわせて行っておりました金属くずの購入につきましては、それが購入をされていたという観点から、廃棄物でないという解釈を県はしておったようでございます。その購入をしました物でも、他の廃棄物と混在をして、全体として廃棄物になるという状態はあり得るだろうと思っております。その経緯がございますので、県が調査の結果、現実に即した判断を十二月に下したものというふうに解しております。
#64
○加藤(繁)分科員 この問題はこれ以上言いませんが、問題は、そういうふうにして廃棄物だと認めた。そうすると残った廃棄物、これは処理業者もなかなか難しいんじゃないか。全部処理するのに大体十七億円ぐらいかかると言われているのです。しかも県は代執行を考えていない、こう言う。そうすると、結局一体どこが責任を持つかという問題ですけれども、お伺いします。
#65
○小林(康)政府委員 責任は、まずこの物を集め、不適正に保管をしております豊島総合観光開発株式会社でございます。県は十二月の二十八日に廃棄物処理案の許可を取り消しますとともに、事業場内にございます廃酸、シュレッダーダスト受びシュレッダーダスト内に混在する形でございます汚泥等の産業廃棄物の撤去及び適正処理を命じ、かつ事業場内にある産業廃棄物及び水の飛散、流出及び浸出を防止する措置を講ずることという措置命令を発しております。責任は明らかにこの豊島総合観光開発株式会社にございまして、まず第一には、この者が適切な処理を講ずる責任を有し、県はその観点で指導、措置命令を発しておるところでございます。
#66
○加藤(繁)分科員 措置命令、廃掃法の十九条の二です。このときの「都道府県知事」というのは国の機関としての知事なんですか、それとも団体としての知事なんですか、どっちですか。
#67
○小林(康)政府委員 国の機関委任事務としての事務というふうに解しております。
#68
○加藤(繁)分科員 そうしますと、国の機関委任事務ですから、国としては当然この問題について指導しなきゃいけないという立場にあるわけですね。そうしますと、先ほど申し上げましたように、残された産業廃棄物は処理業者の責任だ、このようにおっしゃいますけれども、それでは処理業者が処理できないという状況、例えば倒産をするということとか、あるいは計画書を出すという方向らしいのですけれども、その計画書がなかなか出ない場合にずっとほっておかれる。そういう場合について、あくまでも処理業者に責任があるのだから国はもう知らぬよという態度で臨むということですか。
#69
○小林(康)政府委員 国の機関委任事務でございますが、その具体的な執行につきましては県知事に委任をしておるところでございますので、まず県知事の判断を尊重し、それを支援する形というのが国の立場というふうに考えております。
 不法投棄を行って、その回復措置の該当者に資力がない場合等につきまして、行政代執行法に従って都道府県知事等がみずから当該措置を実施することができることとされておりますが、これを適用するか否かにつきましては、まず県知事の判断によるものというふうに考え、県知事としては現在のところ処理業者をして事に当たらせる、こういう判断をしておりますので、その判断を見守っておるところでございます。
#70
○加藤(繁)分科員 先ほど言われましたように、厚生省としては県を支援するのだ。したがって、どのような形で支援をするかという所見を今お伺いしているのですが、今香川県は、確かに計画書待ちですね。そうすると、計画書待ちだけれども、松浦さんという豊島総合観光開発株式会社、これが十七億円もかかる産業廃棄物を今からのけるという計画書を出す。先ほど言ったように、計画書が二月の末までに出るというのがなかなか出なかった。一月の末か、出なかった。それでずっと延びて、今でもまだ延びているということですから、この計画書待ちという姿勢だけでいいかどうかという問題なんです。
 地域の住民や瀬戸内海の環境汚染ということから考えた場合に、先ほど大臣がおっしゃったように、今日大変深刻な問題になっておるという認識があるならば、県としてはむしろ積極的に一緒に計画書をつくって、そして、県としてはいつまでにこれをのけるべきだというガイドラインを持って指導すべきじゃないかというふうに私は思うのです。ただ、今の姿勢は、いやいや業者から計画書が出てきます、それを待っているのです。県議会でもそういうふうに答えている。それを答えられると県議会ではもうどうにもならないですから、そうじゃなしに、その計画書を一緒につくるという、その積極的な姿勢を厚生省として促す気持ちがあるかどうかということをお伺いします。
#71
○小林(康)政府委員 国の援助といいましょうか、県との関係でございますが、現在のところ、廃棄物処理法の適用の関係でございますとか、あるいは回復措置につきまして技術的に御相談がある場合に乗っている、こういう段階でございます。県から求めがございましたらそれ以上の協力もやぶさかではございませんが、現在のところ県として努力をしているという報告でございますので、もうしばらく見守りたいと思っております。
#72
○加藤(繁)分科員 そうしますと、大臣、お伺いしますけれども、今おっしゃったように、もう少し見守る、こう言うのです。産業廃棄物が捨てられている大きな問題は、福島県も炭鉱跡にドラム缶が捨てられている。藤沢市ではカドミウムが捨てられている。藤沢市は代執行したんですね。ただ問題は、一億円かかって代執行したけれども、回収が一千万しかなくて、九千万は県の持ち出し、そういうことになっています。したがって、その他たくさん不法投棄の問題があるのですけれども、今言われていますように、言ってくるまでじっと傍観しているんだ、こういう態度で果たして厚生省として、大臣として、この産業廃棄物処理の問題についてやっていこうということが適切かどうかということについて大臣にお伺いします。
#73
○下条国務大臣 私も香川県に住んだことがございまして、自然の豊かなところでこのような不法な廃棄物の投棄が行われているということで、伺っておりまして心の痛む思いでございます。やはり環境を大事にし、また国民、県民の生活を守るという観点からも廃棄物の適正処理が最も大事である、このことは委員のお考えと全く同感でございます。
 それで、本件の豊島の事件についてのいろいろの御質問の中で、今後厚生省はどうするかということでございますが、ただいま部長から御説明いたしましたように、本件につきましては昨年の十二月に県が措置命令を出しておりますし、また、その措置命令を出すに当たりましても、厚生省として絶えず連携をとりながら状況の把握に努めておりますので、今後とも県を通じ、本件の処理に当たっての適切な処理が行われるように指導してまいる、このように考えております。
#74
○加藤(繁)分科員 適切な処理が行われるように
していただきたいのですが、私は一香川県民として、そして豊島に住んでいる人たちの気持ちを代表して申し上げますけれども、措置命令を出しているから待っているのです、計画書を待っているのです、こういう態度で、一般住民から見た県とか国とかというのは、それで言い逃れしているじゃないか、何の責任も果たしてないじゃないか、こういう気持ちはほとんどの人が持っているんです。これは県は知っているはずなんです、香川県に陳情に来ていますから。したがって、そういう気持ちを持って見ているということですから、これはやはり国の行政の信頼の回復とか、あるいはそれだけじゃなしに、この産業廃棄物の問題についてやるという問題について、今大臣おっしゃったように、ぜひ適切な指導を速やかに県に対して、そして業者に対して行っていただきたいということ、そういう気持ちでいいですか。
#75
○下条国務大臣 ただいまの処理については、厚生省としては今後とも誠意を持って指導に当たってまいる所存でございます。
#76
○加藤(繁)分科員 誠意を持って当たって、また私は聞きに行きますので、ひとつどうぞよろしくお願いします。
 もう一つの問題があるのですが、代執行の問題です。県がなかなか踏み切れない、今後も県は代執行は今のところは考えてないというのですが、私この問題をどうして言うかといいますと、代執行した場合に、処理業者も何もない、資力がない。そして、本来は排出業者に対する責任をしっかりと明確にしなければいけないということが本来の筋だと思うのですが、今度の廃掃法の中にもそれは明記されてないということですから、したがって、それは本当にしてほしいということをもちろん申し上げておきますが、現段階において処理業者に任すといってもできない場合、県が代執行しない場合はずっとほっておかれる。したがって、私は国として、もし県が代執行した場合は、業者からもちろん回収しますが、回収できなかった金額の半分は国が持ちましょう、半分は県が持ってください、そういうような制度を今後つくらなければいけないと思うのですが、その点について大臣、どのようにお考えですか。
#77
○小林(康)政府委員 今回の法改正におきましては、委託基準の強化等によりまして不法投棄の未然防止対策を強化することにしております。
 現在の法律のもとでの代執行につきましては、幾つかの条件、例えばその不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるとき等条件がございまして、知事がその措置を実施する制度でございますが、その適用の可否につきましては、知事が個々の事例の内容に即して判断すべきものというふうに考えております。
 代執行いたしました場合の財源措置でございますが、これはお話しのようにいろいろの問題がございまして、今回の法改正の中でも私どもも検討したところでございますが、新しい制度として御提案するには至っておりません。現実的な解決方法につきまして県ともよく相談をしてまいりたいというふうに思っております。
#78
○加藤(繁)分科員 私きょう質問したことは、法律解釈でなくて現実問題ですから、したがって、この十七万トンの産業廃棄物、厚生省としてできるだけ善処するということですから、私そのように豊島の方々にも言いますので、ひとつ速やかに解決できるようにお願いしまして、私の質問を終わります。
#79
○粟屋主査 これにて加藤繁秋君の質疑は終了いたしました。
 次に、吉井光照君。
    〔主査退席、和田(静)主査代理着席〕
#80
○吉井(光)分科員 私は、四、五歳児の歯科健診の問題につきましてお尋ねをしたいと思います。
 厚生省の幼児期における歯科保健指導の手引き、これを拝見いたしますというと、幼児期における歯科保健状況の改善は、その子の一生を通じての歯の健康づくりを進めていく基盤であるとした上で、幼児期の虫歯は乳歯の虫歯が急増する時期で、後に続く永久歯の虫歯の発生を誘発し、間接的には幼児の心や行動にも悪影響を与えたり、成人した後のあご、顔面の発育や歯の健康にも影響を及ぼす、このように指摘がされているわけでございますが、特に三歳児から五歳児では、一人当たりの乳歯の平均虫歯は、一九七五年の二・九本から八七年には約三・六本、このように上昇傾向を示しているわけでございます。五歳児では九〇%が虫歯にかかっているとして、その原因は保護者の養育態度にある、このように警告もされているわけでございます。これと同時に、虫歯予防法として、定期的に歯科の健康診査を受け、早期治療の必要性、こうしたことも強く訴えられているわけでございます。
 そこで、幼児の歯科健診の実施状況を見ますというと、一歳六カ月と三歳児はここ数年それぞれ百十万件を突破をしているのに対しまして、乳児を含むところの四、五歳児、これが三十万件前後、このように言われております。ということは、結局三分の一以下ということですね。これはやはり就学前の四、五歳児の歯科健診の空白期間を意味しているのではないかと思うのですが、まずここらについて厚生省の御見解をお伺いしたいと思います。
#81
○土井政府委員 ただいま御指摘の乳幼児期における、特に四、五歳の年齢期における歯科の問題は、御指摘のとおり非常に重要な問題だと私ども認識しております。
 先生御指摘の四、五感児の年間の保健所における歯科健診の件数は、約三十万件という御指摘のとおりでございます。ただ、この場合に、四、五歳児の子供たちは保育所とか幼稚園に通園している子供もかなり多うございまして、全体として見ると必ずしもこの三十万件だけではありませんで、相当程度までいっているのではないだろうかという一面もございます。ただ、いずれにしましても大変重要な時期の歯科健診でございますので、今後とも私ども最大限の努力を払ってまいりたいというふうに考えております。
#82
○吉井(光)分科員 そこで、母子保健法十三条、これについてちょっと申し上げたいのですが、先ほどの厚生省の手引きによりますと、「一般には三歳を過ぎると就学時の健康診断を受診するまで、歯科検診及び歯科保健指導を受ける機会がないままに過ごす場合が多い。一方、四〜五歳の幼児では、乳歯に軽度なむし歯が発生しても永久歯と交換する歯だからということで、痛みがなければこれを放置する保護者も少なくない。」このように指摘がされているわけでございます。こうした点を考慮いたしますと、定期的な歯科健診を受診するよう指導するだけではなくして、現在のこの母子保健法第十三条によって必要に応じて保健所で実施する努力規定になっているわけでございますが、この四、五歳児の歯科健診を同法第十二条の三歳児健診と同様に義務規定化ができないものか。たしかこの三歳児につきましてはぴしっと義務規定化がされているわけですが、そういう点どうですか。
#83
○土井政府委員 おっしゃるとおり、母子保健法十三条におきまして三歳児の健康診査、これは人生全体にとって非常に重要な時期という位置づけで、法律上義務化をいたしております。それ以外にも、例えば一歳半健診とか、あるいは四、五歳児を中心にしました保育園等におけるいろいろな健診についての指導というような形でやっております。したがいまして、現時点で私ども、三歳児についての十三条の中にさらにそれ以外のものを取り込んで規定をしたらどうかという点については、今日の段階ではそこまで義務化をするということは考えてはおりませんけれども、しかし、それ以外の現実の健診の実施という点については、今後とも最大限努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#84
○吉井(光)分科員 いずれにしても、幼児期といいますか、非常に大事な時期でございまして、やはり生活環境、また食の習慣、そうしたものも昔とは随分変わってきているわけですから、ひとつこういったところにも十分力を入れていただきたいと思うのですが、確かにおっしゃるように、
これを義務規定にするということはいろいろな面において難しい面があるかもしれません。そうであるならば、今おっしゃるようにこの運用面での工夫ができないものか。例えば、事業主体はそのまま保健所、そして実施に当たっては近くの歯科医に委託をして、そして親も同席して保育所で歯科健診を実施してもらう、こういうことはできないですか。
#85
○土井政府委員 運用面における工夫についての御提言でございますが、私ども一番歯科健診が受けやすいような方法については、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 それで、今御指摘がありましたのは、保育所等を活用した形でできないか、それも一つの工夫であろうと思いますし、保健所だけにこだわることなく、例えば母子健康センターでありますとか市町村の保健センターでありますとか、いろいろな子供のための健康教育等々を行う場所が各地にできておりますので、そういったものを十分考えながら、地域の実情に即した形で、自主的に歯科健診の成績が上がるということをにらみまして、よく地域の実情も聞きながら今後とも努力してまいりたいと考えております。
#86
○吉井(光)分科員 一方、行政サービスの面から考えますと、現在、御承知のように幼児を抱える親は、やはり三十代が中心だろうと思うのですね。そうなりますと夫婦共働き、こういう世帯が非常に多くなっているわけでございまして、なかなか時間的に、いわば生活になかなか暇がないという現状でございます。したがって、こうした人たちへの配慮として、保健所業務の受け付け時間や受け付け日、例えば土日も、休日手当や平日休日も導入して利便性をよくしていく、そういった検討はできないのですか。
#87
○土井政府委員 保健所の業務の運営の仕方の工夫についての御提言だと思います。おっしゃるようなことはごもっともな事情だと思いますので、私ども、直接保健所のあり方自体について児童家庭局で指導監督をしているという立場ではございませんけれども、ただいまの御提言を受けまして、今後とも地域の実情に即したような運営が可能かどうかという点についてよく検討してまいりたいと考えております。
#88
○吉井(光)分科員 この点は現在の社会情勢に応じて、やはり相手が、小学生ぐらいならまだしも、小さな子供ですから、どうしても親が付き添わなければならない、こういう実情にあるわけですから、ひとつ御検討をお願いしたいと思います。
 そこで、今度は保育所におけるところの歯科健診についてお尋ねをしておきたいのですが、公立、私立別に保育所におけるところの歯科健診の実施状況、これをひとつお聞かせ願いたいと思います。
#89
○土井政府委員 保育所における歯科の健康診断の実施状況でございますけれども、これは昭和六十三年度の数字が手元にありますので、それで申し上げたいと思います。
 四歳児以上について申し上げますと、公立におきましては九〇・七%の保育所、それから私立も率にして全く同じでございまして、九〇・七%の保育所におきまして歯科健診を実施しているという数字が昭和六十三年度の、これは全数調査ではございませんでサンプル調査でございますが、約九割という状況になっております。
 なお、年齢別に若干補足して申し上げますと、総計でゼロ歳児は七四%、一歳児が七九%、二歳児が八六%、三歳児は八八%、そんな状況になっておりまして、四歳児以上の子供については約九割の保育所が実施している、そんな統計に相なっております。
#90
○吉井(光)分科員 九割の実施といえば非常に成績がいいようですけれども、私が住んでおりますところの山口県の公立保育所の歯科健診実施率を見ますと、施設数が百七十三に対して実施施設数が百三十で、これは七五%です。山口県は非常に悪いと言われればそれまでですが、私立の実施率を見ますと百七十七中百八、六一%です。したがって、これを平均で見ますと三百五十中二百三十八で六八%。九〇%から比べれば非常に低率でございます。
 県下全十四市の公立保育所の歯科健診は、二つの市が実施をしていません。中には、実施をしていても、総合診断の名目で、いわゆる内科医のお医者さんが兼務している市もあるわけですね。それから健診回数も、内科の健診は全市で年二回実施しているのに対して、歯科の方は年二回実施しているのはたった二市だけです。歯科医師への基本料、相談料等についても、各市ごとに相当のばらつきがあるわけですよ。これは非常に複雑な背景があるといえばそれまでですけれども、国からの措置費、そうしたものをとっても、何か非常に入り組んでややこしい問題が介在をしているわけです。
 したがって、これは私の憶測でございますが、これが私立になりますともっと悪いのではないか、このように予測をするわけでございます。全国レベルよりやや悪い実施状況の県であってもこうした実態がある。これが実態ですから、これが間違いない以上、この際国が全自治体と協力して、この実態の把握、そして歯科健診というものがどうしてこのように実施されないのか、そういった原因究明のために全国調査をぜひ実施していただきたいと私は思うのです。でなければ、正確な実態の分析に裏づけされたところの行政指導などはあり得ないと思うのですね。
 先ほど申し上げましたように、今から十年前、二十年前とでは子供の状況というのが本当にうんと変わってきています。私は非常に速い速度で変わりつつあると思うのです。しかも手引きの中にあるように、これがいわゆる成人してもその人の健康自体に非常に大きく影響を及ぼすという事態であるだけに、ぜひともひとつ全国調査をきちんと、これはもう毎年とまではいかないまでも、せめて二年に一回、三年に一回くらいはきちんとやっていただけないものか。この点についての御意見をお聞かせ願いたいと思います。
#91
○土井政府委員 お話がございましたように、先生の地元の山口県における実施率というのは全国的に、私の手元に幾つかの県の実態が出ておりますけれども、一〇〇%の実施率の県もあれば、比較的悪いところもある。その悪い方の一つがそういう山口県に当たると考えております。恐らく県当局におきましては、それぞれの県の歯科医師会等ともいろいろと話をしながら、また、市町村段階におきましてはその地域の歯医者さんの方々と協議をしながら、この事務は進めているんだと思いますので、私どもも全国レベルで、日本歯科医師会に対してさらにお願いなり協力の要請というものを今後努力してまいりたいと思いますし、また、県に対してもそういう協力体制をとれるように努力をお願い申し上げたいと思っております。
 それと同時に、地域地域におけるそういうばらつきが相当あるということを踏まえて、全国的な実態調査をすべきではないかという御提言につきましては、今後の問題として検討させていただきたいと思います。
#92
○吉井(光)分科員 今おっしゃったように、片方は一〇〇%、片方は六八%、もっと下のところがあるかもしれません。これがやはり片方は一〇〇%、片方は九〇%、ほぼ同レベルであれば、私は実態調査云々とは言わないのですけれども、余りにもこれは差があり過ぎます。したがって、実施率の悪いところについては、協力とまでは言わないまでも、ひとつ適切な指導をよろしくお願いしたいと思います。
 そこで、保育所は、児童福祉施設最低基準第十二条を根拠に健診を実施されているわけです。ところが、この規定は学校保健法に準じて健診をすることになっているわけですね。ところが、この準じてということは、これはまあほぼ大体同じという意味のようですが、この十二項目すべてについて健診していなければ児童福祉法違反となるものではないわけです。つまり、悪く言えば、歯科健診の項目ぐらいはなくてもいいんじゃないか、こういうことにも解釈できるわけですが、これで
は幾ら行政指導、行政指導と言ったところで、やはりざる法ではこれはもうどうしようもないわけで、ひとつ思い切ってこの十二条を義務規定化できないですか。
#93
○土井政府委員 御指摘の児童福祉施設の最低基準の十二条の問題でございますが、お話しのとおり、学校保健法に準じて実施しなければならないということで、実施すること自体は義務化をしていますけれども、内容的には学校保健法の内容に準じてということで、若干の弾力性が残るという点は御指摘のとおりだと思います。
 ただ、十二条の規定自体の意味は、保育所のみならず児童福祉施設全般に関する最低基準の規定ということでございまして、そういう意味から申しますと、例えば、御案内のとおり養護施設というようなものも児童福祉施設の一つにありますけれども、そこの子供たちはむしろ学校に通学しているというような子供たちがありまして、その子供たちは施設の中じゃなくて、学校において学校保健法の対象として、歯科健診を含めたいろんな健診事業をやっていただいているというような全体を網羅する規定でございますので、保育所だけを取り出してこれを義務化するというのは、なかなか実態にそぐわない一面もあるというようなことでございます。
 ただ、内容的には、先生御指摘のように、これは保育所に通っている子供たちについては歯科を含めた健診をきちっとやっていただくという趣旨でございますので、その趣旨の徹底につきましては今後とも遺漏がないように、さらに格段の努力をしてまいりたいと考えております。
#94
○吉井(光)分科員 では次に、幼稚園におけるところの実態について文部省にお尋ねをしたいと思います。
 この幼稚園におけるところの歯科健診、まあ私立それから公立を合わせて約一万五千カ所、園児数が両方合わせますと約二百一万人。ところが、幼児人口減で六十二万人の定員割れを起こしていると言われています。また、公立離れ、これも起きております。文部省は十年計画で三歳児の幼稚園入園を奨励していく、このように聞いているんですが、こうした動きの中で公立と私立別の歯科健診の実施状況はどうなっているのか、まずお尋ねをしたいと思います。
#95
○富岡説明員 先生御指摘のように、歯科の健診あるいは歯科の指導ということは、幼稚園ももちろんでございますが、小中高校、大事な問題だという認識を持っております。
 幼児の歯科健診ということでございますが、先生御案内のように、学校保健法に基づきまして、定期健康診断で歯及び口腔の疾病、異常の有無について実施することとされておるわけでございますが、これはすべての幼稚園において行うこととされておりまして、具体的に個々の幼稚園で実施の形態とか内容について私どもの方が全国調査とか、把握しているという実情はございません。したがいまして、公私立との区別等についての調査はございません。
#96
○吉井(光)分科員 ところが、これも山口県の非常にレベルが低いというか、先ほどの話じゃないけれども悪い例かもしれませんが、山口県下の歯科健診の実施状況を見ますというと、国立が一、県立が一、市町村立が六十六、計六十八カ所中六十七カ所で実施をされておりまして、実施されていないのが一カ所、こういうことでございます。しかし、これが私立となりますと、これは県ではデータなんかないわけですね。そこで、ある市を調べてみますというと、公立は四施設すべてが年一回の健診を行っている。ところが、私立は二つの施設とも入園時に一回健診をしますと、後はもう毎年一回の検便を除いて実施をされておりません。同じ学校教育の一環でありながら、なぜ公立と私立でこれだけの実施差といいますか、こういった差を生じるのか、これもやはり私は問題だと思うんですよ。したがって、こうしたことについても、先ほどの保育所のように、文部省においても全国の実態調査をおやりになってはいかがですか。
#97
○富岡説明員 先生御指摘の点につきましては、私どもといたしましては全公立、私立を通じまして、健康診断についてはしっかりやっていただくという体制になっておるわけでございますが、その実態について必ずしも十分な形でなされてない。特に私立の幼稚園につきまして、そういう問題点があるという御指摘をいただいたわけでございます。
 私どもは、そういう環境衛生と学校保健の管理ということにつきまして、従前からいろんな形で指導してまいったわけでございますけれども、特に学校保健法に基づきますそういう保健管理とか衛生管理が必ずしも十分万全になされてない私立学校等があるということがわかりまして、文部省といたしましては、例えばことし一月でございますけれども、都道府県知事とか教育委員会等にあてまして、保健管理の徹底を図るように、また環境衛生の徹底を図るように通知等をいたしまして、それぞれの主管部課長会議等を通じまして指導を行ったばかりでございます。したがいまして、今先生御指摘いただきましたような健康診断におきます歯科健診ということにつきましてそういう問題があるということについては、重い問題だという認識を持ちまして、関係のいろんな課長会議等におきましてよく御相談してやってまいりたい、こういうように思っておるところでございます。
#98
○吉井(光)分科員 幼稚園でのこの歯科健診、これはもう先ほどからいろいろ話が出ましたように、学校保健法第六条第一項及び同施行規則第四条第一項によって、公立、私立の区別なく義務規定となっているわけですね。ところが、これに違反した場合はどうなるんですか。これは、罰則規定がなければ何らかのペナルティーを科すべきではないかと思うんですが、この点をひとつお聞きしたいと思います。
#99
○富岡説明員 先生御案内のように、学校保健法はいろいろな義務規定等を置いてあるわけでございますけれども、罰則規定を置いてないわけでございます。これは公立、私立を通じまして学校の設置者あるいは学校の管理者等を対象にしたものでございまして、それに基づきます健康の保持、増進を進めるということでございますので、罰則規定ということになじまないという考え方で現行法になっておるわけでございます。
 私は、先生の御指摘のように、基本的な学校管理運営の基本を十分やってないということに尽きるんではなかろうか、こう思うわけでございますので、問題はそういう学校経営者なり学校設置者が管理運営をしっかりやる、特にそういう保健管理という大事な問題について、おろそかにしないということの指導の全体の中できちっとやっていくということが大事だと思いますので、そういう指導を強めていきたい、こういうように思っておるわけでございます。
#100
○吉井(光)分科員 最後に一つ要望といいますか、お願いをしておきたいのですが、我が国の行政といいますか、これは長い間のいわゆる慣習で、上からやかましく言われないとなかなかやらない。例えば、県は国がやかましく言わなければなかなかやらない、市町村も県がやかましく言わないとなかなかやらない。まあこれはいいか悪いか知りませんけれども、ずうっとそういった慣習があるわけですね。したがって、こうした健康に関する問題、特に最近はこうした歯科の問題が非常に重要視されているときになってきているわけですから、ひとつ国の方も各自治体に対してやかましいくらいに督促、激励、指導をしていただきたいことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#101
○和田(静)主査代理 これにて吉井光照君の質疑は終了いたしました。
 次に、長勢甚遠君。
#102
○長勢分科員 質問の機会を与えていただきましてありがとうございます。
 現在、世界に類例のない高齢者社会時代を迎えまして、厚生行政の役割は大変大きいものがある
わけでございます。大臣、大変御苦労されておりますことに敬意を表しますとともに、私ども大いに積極的に取り組んでまいる決意でございますので、ひとつその観点から二、三質問やらお願いやらをさせていただきたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。
 一つは、福祉の人材確保の問題であります。これからの我が国の最重要施策でありますゴールドプラン、これを何としてでも達成をしていかなければならない。その中で一つのネックが人材確保の問題であろうと言われておるわけであります。既に各種施設等の人手不足というものも深刻になっておるわけでありますが、ぜひきめ細かく積極的に取り組んでいただきたいと思っております。
 そこで、厚生省さんでは明年度から、こういう観点も含めまして福祉人材情報センターの設置を進められるというふうに伺っておるわけでございますが、これがこれからの福祉人材の確保にとってどういう位置づけでどれくらいの規模、どういう方向を目指しておいでになるのか、その趣旨、内容、また、これを各県につくられると聞いておりますが、どういうような計画でおつくりになるのか、簡単に御説明をいただきたいと思います。
#103
○長尾政府委員 福祉人材情報センターについてのお尋ねでございますが、平成三年度の予算案におきまして、今お話がございました「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の着実な実施を図るための福祉マンパワー確保対策の一つの事業として実施をしたいというふうに考えておるわけでございます。
 この福祉人材情報センターの事業でございますが、私どもは大体四つ程度の柱を考えておるわけでございます。第一は、福祉マンパワーの啓発・広報事業というものでございます。二番目が、潜在福祉マンパワーの活用講習会の実施でございます。三番目が福祉入門日曜教室の開催。四番目といたしまして福祉人材バンクの設置というふうに考えておるわけでございます。
 このような内容を考えました趣旨でございますが、福祉のマンパワーの確保のためには、福祉についての一般的な啓発・広報といった事業と関連づけながら実施をする必要があるのではないかと思っております。地域福祉サービスへの理解と関心を高めるために、地域や家庭において身近でわかりやすく、かつ親しみやすい福祉等に関するテーマを取り上げまして入門教室を開催するといったこと。また、福祉サービス事業に従事した経験を持っておられる方々が、もう一度就労していただくための意欲を喚起するための、また再就職を容易にするための講習会を実施するというようなこと。また、これらの事業を通じまして、こういった福祉サービス事業へ就労を希望される方の登録を行いましてあっせんをいたしたい、そのための福祉人材バンクを設置をいたすという考え方でおるわけでございます。
 どういう考え方でこの人材情報センターを設置していくかというお尋ねでございますが、この人材情報センターは、今申し上げました意味では、単にそのバンクをつくる、就業紹介をするということだけでございませんで、地域全体の福祉マンパワー対策の中の大きな柱として実施をしていただくということが非常に必要ではないかと思っておるわけでございます。
 福祉人材情報センター事業は、都道府県単位に設置をいたしますが、これに関連いたしますものといたしまして、市レベルの福祉人材バンクというものを考えておるわけでございますが、こういったものとの連携がうまくとれているか、それから福祉マンパワーについてのその他の養成計画が十分に確保されているか、例えば介護福祉士等の養成施設の設置について積極的なお取り組みをいただいているかどうか、それから市町村、関係機関、団体との協力体制がどうかといった基盤整備の整ったところを考えておりまして、また緊急性の高いものから順次採択をいたしたい、基本的にはそのように考えております。
#104
○長勢分科員 福祉に従事する人材の養成、研修、またその需給の円滑化ということは大変時宜を得たものでありますので、大いにその成果に期待するわけでありますけれども、一方また、福祉従事者の確保につきましてはいろいろな関係機関、労働省その他もありますので、そういう連携もとりながら、せっかくのこの人材センターが十分な役割を果たしますように、従来の制度にとらわれずに積極的に取り組んでいただきますようにお願いを申し上げたい、また工夫をしていただきたいと思う次第であります。
 また、設置につきまして今お話がございました。理解はできるわけでございますが、逆に、養成なりそういうシステムのないところとの格差がますます大きくなるということも、今のお考えだと起こるのではないかなという心配もいたします。我が富山県もぜひ設置をということで要望申し上げておりますが、今局長さんがおっしゃった意味でない部分につきましても、早急に設置が認められるように御要望を申し上げたいと思う次第であります。
 しかし、この福祉の人材確保に当たって、今お話しのような点の前に、実は福祉に従事する方々の処遇というものがある程度ないと、せっかくの御努力も十分な形にならないということを心配するものであります。いろいろなことを私も耳にするわけでありますが、一つの例を挙げますと、市町村社協の福祉活動専門員の方々の国の人件費補助基準というものは、何か百六、七十万円程度と聞いておりますけれども、これではどうにもならないのではないか。現実に、ほかのところへ引き抜かれたとかあるいは採用しても来てもらえなかったといったような話も聞くわけであります。ぜひこういう福祉従事者の処遇の改善について抜本的な検討をやるべき時期に来ているのではないだろうかというふうに考えるわけでありますので、この処遇改善についてのお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
 また、職場自体も三Kだとかいろいろなことが言われておるわけでありますが、それと一緒に、職場に魅力がないというような話もよく聞くわけであります。この社会的な地位の向上なり職場内での昇進とかそういうような意味での魅力ある職場づくり、福祉施設その他がそういう場になるようにという方向で何かお考えがあればお聞かせいただきたい、取り組みの方向をお聞かせいただきたいと思います。
#105
○長尾政府委員 御指摘のとおり、福祉マンパワーの確保はこの情報センターを設置しただけでは十分でないというのは、本当に御指摘のとおりだと思っております。
 この確保の観点では、多角的な取り組みということが必要であると私どもも思っておるわけでございます。単なる処遇の改善、これはもちろん処遇の改善に努力しなくてはならないわけでございますが、魅力ある職場づくり、それからおっしゃいました社会的な評価、この福祉の仕事に対する国民の皆様の評価ということ、こういった点も大変重要であるということは御指摘のとおりだと思っております。
 このために具体的にはどういう対策をとるべきかということ、これは一挙に来年度の施策でこうというのはなかなか難しい面もあると思うのでございますが、昨年八月に省内に保健医療・福祉マンパワー対策本部を設けまして、今御指摘のような全体のマンパワー対策、多角的な対策、養成力の強化、イメージの向上、処遇の改善、就業の促進といったことについて総合的に検討を進めているところでございまして、御指摘の方向は私どもとして、大変ごもっともであるというふうに考えております。
#106
○長勢分科員 ちょっと例として挙げましたその市町村社協の福祉活動専門員という方々の額というのは大変低いように思うのですが、御努力はされておるんだと思いますが、これはどういうことになっているのでしょうか。
#107
○長尾政府委員 市町村社協の福祉活動専門員についてのお尋ねかと思います。実は、市町村社会福祉協議会の活動につきましては、これは全体の民間事業の中でいわば後発の部分でございまし
て、法制化をいたしましたのが昭和五十九年だったかと思いますが、現在でも全国の市町村社協にこの活動専門員がまだ全員設置をされておりません。私どもとしては、この未設置市町村を中心にいたしまして増員を図るという計画を一方でやっておりまして、平成三年度は百名の増員を図ることといたしております。確かに御指摘のように、活動専門員の処遇改善問題、これはなかなか、こういった民間の活動事業でございますので大変難しいわけでございますが、今回国家公務員の給与改定率に準じた引き上げを図っておるところでございます。
#108
○長勢分科員 予算もあり、なかなか大変だとは思うのでございますが、大変大事な問題でございますので、この処遇改善についてぜひまたひとつ大臣、大いに力を注いでいただきたい。私どもも頑張りますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 またその中で、特に看護婦さんの不足ということが、私の仲間にも医者がたくさんおりますが、悲鳴に近いような形で聞かされております。それに関連して、何点かお伺いをいたしたいと思います。
 看護婦さんの不足を解消するということになると、まず、なり手をふやす。なり手をふやすということは、なりたい人を確保するということと、それを十分養成をするというシステムが必要だと思うのでございますが、なり手をふやす、また、現在就業している人に引き続き就業してもらう、退職した人にも復帰をしてもらうといったようなことが必要になるわけでございますけれども、いずれにしても、これは看護婦さんになりたい人がいなければどうしようもないわけであります。
 しかし、看護婦さんの職場というものは、三Kから五Kなったと言われておるような状況であり、夜勤があるとか休みがないとか大変きついというようなことで、御承知のとおりますます深刻化が進んでいるのではないかというふうに認識をいたしております。こうなりますと、こういう処遇、就労条件といったようなものを改善をしていかない限りは抜本的な解決は図られないということは言うをまたないところであります。
 この看護婦不足についていろいろな政策を講じておいでになるわけでございますが、この処遇の改善について具体的にどんなようなことを今取り組んでおられ、進めていかれるのか、お伺いをいたしたいと思います。
#109
○黒木政府委員 看護婦の問題はいろいろな角度から検討が要るわけでございますけれども、養成確保にあわせまして、御指摘の処遇の改善、大変重要な事柄だと認識をいたしております。その原資になりますものは社会保険診療報酬でございまして、これをどうするかということでございます。
 もう委員御指摘のように、私どもは昨年四月の診療報酬改定におきまして、看護婦さんの給与の動向だとかあるいは社会全体の労働時間の短縮の動向、つまり四週六休の普及の状況等を見まして、看護料の大幅なアップ、私どもは一〇%程度の大幅な引き上げを行ったところでございます。今後ともこの方向で、診療報酬上の対応ということにつきましては、診療報酬全体に関します中央社会保険医療協議会の御議論を踏まえながら今後とも検討してまいりたいと考えております。
#110
○長勢分科員 看護婦さんの特に給与等の処遇の改善は、社会保険診療報酬に、いわゆる財源の問題で病院なりお医者さんなりでお決めになるわけでございますから、その内容が大変大きな影響を持つんだろうと思うのであります。いろいろな現場のお医者さん等から不満も聞くわけでございますが、私自身は余り専門家でもないものですから正確に理解ができないのでございますが、聞いていると、従来のやり方だけでいいのかなというような気もしないわけでもありません。ここで、私の意見が特にありませんのでこれ以上は申し上げませんが、ぜひ看護婦さんの処遇改善に資するような方向での工夫を一層進めていただきますように御検討をお願いをいたしたいと思います。
 それから、この処遇の改善にあわせまして、看護婦さんの養成体制というものも充実を図っていく必要があると思うわけであります。
 養成体制は、御案内のとおり病院、国立または団体等で養成施設を持っておられるわけでありますけれども、最近言われておる一つの問題として、医師会などでやっておる看護学校というか養成施設が大変経営が苦しくなっておる。私の知っておるところでは、年間何千万もの赤字になるというようなことも言われております。また、入学生がどんどん減少しておるとか、せっかく養成をしても医師会の会員のところには行かないで専ら公的施設だとか大病院に行ってしまって、何のための医師会立の看護学校かわからないといったような会員の不満も高くなって、閉所さえも検討しなければならぬというような話も聞いておりますと、大変残念に思うわけであります。こういう団体立の養成施設というものも、社会に看護婦さんを供給するという意味で大変重要な役割を果たしていっていただかなければならぬのだと思うわけでございますが、その養成施設の充実強化を図る上で従来からも国等の助成もあると思うのでございますが、一層の改善を図る余地はないものなのか、そこら辺についてお考えをお伺いをいたしたいと思います。
#111
○下条国務大臣 先ほどからマンパワーの拡充についていろいろな御意見を承っておりますが、特に看護職員の充実についてのいろいろな御所見を承りまして、非常にこれは今緊要な、緊急な問題であると私も認識しておるわけでございます。これは、新しく養成する人をふやしていくということ、それからまた養成した方が就職をしてやめないということ、既におられる方が定着するということ、それから既にやめられた方にまた来ていただく、いろいろなことに対して環境を整備していく、こういうことに相なろうと思いますが、今お尋ねの養成の問題につきましては、これは要するに正看の方式と准看の方式がありまして、今具体的な例をおっしゃったのは恐らく医師会所属の准看の方式だと思いますが、まあかなり最近はいろいろな条件を整えて赤字の解消等に努力していただいて、改善は進んでおるというふうにも聞いております。ただ、経営の厳しさということはあるようにもまた承っておりますので、それらの改善は図っていかなければならないと考えております。
 また、養成所の運営につきましては、従来補助金四十四億円でありましたけれども、今度の平成三年度の予算ではこれは六十二億円に、四割増の大幅な増を配慮しておるということでございますし、また、施設の補助金につきましても、これは四十億から四十四億にするということにしておりますし、それからまた、先ほどの私の説明の中にありましたように、要するに看護婦さんの全体の情報を把握しまして、過去の経験者がその生活の度合いあるいはまた条件に合った形で再就職ができるようにするためにも、センターを各県に設けて連係プレーを滑らかにするように努力をして充実を図っていこう、こういうふうに配慮しておるわけでございます。
#112
○長勢分科員 大変御苦労いただいておるわけでございますが、実態がそういうことでございますので、また一層の御努力をお願い申し上げたいと思います。
 看護婦さんに関しまして、特に医療技術が大変高度化をしてきておるわけでありまして、そういう中で高等看護養成施設をぜひ拡充をしていただきたいということも急務になっておるのではなかろうか。看護系の四年制大学あるいは短期大学は相当数ふえてきておると聞いておりますけれども、我が富山県は、残念なことに看護系の大学、短大が一つもないという数少ない県の一つであります。これは文部省の所管であると聞いておりますが、こういう看護系の大学、短大の設置をぜひ計画的にお進めいただきたいと思うわけでございます。そういう中で、ぜひこの富山県も早急につくっていただきたいと思うのでございますが、この看護系の大学の設置についての方針なり見通し
なりがありましたらお聞かせをいただきたいと思います。
#113
○草原説明員 看護婦等の医療技術者の養成は、従来主として専修学校あるいは各種学校において行われてきているわけでございますけれども、先生御指摘のように、近年の医学、医療の進歩、発展には目覚ましいものがありまして、これに対応できるような幅広い知識と高度の技術を持った看護職員の養成が求められているのでございます。文部省としては、このような観点から、昭和四十二年度以来国立大学に既設の専修学校等の改組、転換を図りまして、これまでに二十二の国立の医療技術短期大学部の設置を進めてきたところでございます。
 また、大学・学部レベルにおける看護教育につきましては、指導的な役割を果たす看護婦や看護教員の養成という観点から大変重要でございまして、現在のところ、国立、公立、私立合わせまして十一の大学に看護系の課程が設けられているところでございます。
 なお、御指摘のように、今後はこれまで以上に大学レベルにおける看護教育の充実を図っていく必要があるというふうに私どもも認識しているところでございます。国立については、既設の医療技術短期大学部の改組等による学部レベルの看護教育の充実ということが今後の新しい課題になってくるものというふうに認識しておりますので、これに適切に対応してまいりたいと思っております。また、公立あるいは私立大学の設置についても、そのような申請があれば積極的に対応してまいりたいと考えております。
#114
○長勢分科員 我が富山県には医科薬科大学というのがあるわけでございますが、御案内のとおり、養成施設もないわけであります。お答えは要りませんが、ぜひ富山県をお忘れなくよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 この看護婦問題、大病院あるいは小さな病院、医院それぞれに問題を抱えておるわけでございますけれども、これから医療体系というものも整備をしていくということでお考えになっておられる中の相当重要な部分をなす、基礎をなすプライマリーケアを担当されるいわゆる開業医といいますか、そこら辺のところでの看護婦というものがほとんど採用できないということになれば、このプライマリーケアの体制というものはどうなるのだろう、そうなればこの医療体系全体も大変大きな支障を来すことになるのではないかということを心配するわけであります。人手不足で廃業するというような医者がどんどん出てくるようではどうしようもないのではないかなと思うわけでございます。そういう意味で、この看護婦不足の問題の中での特に医院段階での看護婦確保について目を向けてもらわなければならないのではないかなと思うわけでございますが、御所見がございましたらお伺いをいたしたいと思います。
#115
○長谷川(慧)政府委員 看護婦問題につきましては、先ほど大臣から御答弁いただきましたように、総体的に非常に数が少ない。先生のお話がございましたように、どちらかというと公的病院の方がまず充足をいたしまして、それからいわゆる医院、開業医さんの方にはなかなか回っていかないというような実情がいろいろあるというぐあいに聞いております。そういう面で、私どもといたしましては、総体的に看護婦さんの数をふやす。そのためには、大臣もお話し申し上げましたように、養成数をふやすとかあるいは現在勤めている方々が引き続き勤められるようにいろいろ考えるとか、それからやめている方々に対しまして就職あっせん等をやる。それ以外に、新しく看護の日というものを制定いたしまして看護に対します国民の全般的なイメージアップを図りたいというようなもろもろの施策を講じまして、総体的に看護婦さんの数をふやしてまいりたい、かように考えているわけでございます。
 それ以外に、先ほど先生のお尋ねのございましたように、やはり処遇の問題でございますとか、かなり勤務条件の厳しさというような問題等々もございますので、そういう面で総体的に看護を取り巻きますいろいろな問題につきまして十分検討を加えながら改善、適正な措置を講じてまいりたいというぐあいに思っている次第でございます。
#116
○長勢分科員 おっしゃるとおりでありますが、ぜひ医院といいますか開業医の方についても目を向けていただきたいということをお願いを申し上げます。
 あと、細かい点になるかと思いますが、一、二点だけお伺いをして質問を終わらせていただきたいと思います。
 一つは、福祉基金というものを来年度予算でお組みになっている。地方交付税で地域福祉基金として二千百億円が措置されているやに聞いております。県段階ではこの予算化も進んでおるようでありますけれども、私の県で聞いてみますと、市町村段階では予定をしていないというものも見受けられるわけであります。もちろん、市町村の財政状況その他の中で困難なケースもあるということであろうと思いますから、強制をするというようなわけにはいかない制度であるとは聞いておりますけれども、住民福祉の充実というものはこれからの最重要課題であります。ぜひこの制度を理解をしていただいて、できる限り基金を設置していただくように、厚生省においても積極的に取り組んでいただきたいと思うわけでございますが、この状況、また見通しについて御説明をお願いいたします。
#117
○熊代政府委員 先生御指摘のように、来年度の地方交付税措置によりまして、都道府県七百億円、それから市町村千四百億円、合計二千百億円の地域福祉基金が設置されることとなっておりますが、この基金につきましては、在宅福祉の向上や健康づくり、ボランティア活動の促進とかいうことを目的としました民間活動に対しまして地方公共団体がきめ細かい支援をしていくための基金ということで、国の七百億円の基金に対応する基金ということで、非常に重要な基金であるというように考えております。
 御指摘の、今後の設置でございますけれども、厚生省といたしましても、自治省と協力いたしまして、基金の設置が円滑に図られるように、これまで関係部長会議等の機会を通じまして、地方公共団体に対しまして基金設置の趣旨を説明してその設置を促進するということで十分努力をいたしてきたところでございます。特に、市町村という御指摘でございましたので、それも含めまして、今後とも引き続きその趣旨につきまして地方公共団体の理解を得るというようなことで努力をしてまいりたい、できる限り多数の市町村におきまして基金が設置されるように努力してまいりたいというふうに考えております。
#118
○長勢分科員 どうもありがとうございました。時間が来ましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#119
○和田(静)主査代理 これにて長勢甚遠君の質疑は終了いたしました。
 次に、鳥居一雄君。
#120
○鳥居分科員 急速な長寿社会が進行しているわけでありますが、十カ年戦略、平成二年から始まりましてちょうど一年が経過しようとしている時点におきまして、さまざまな角度からぜひ御質問を申し上げ、お答えをいただきたいと思います。
 厚生省の説明によりますと、我が国が現在の北欧並みの高齢化社会に急激に変化する二十世紀最後の十年の間に、特に高齢者の保健福祉サービスの分野における基盤を早急に整備することが必要である、こう述べられているわけであります。
 しかし、この十カ年戦略に基づきました都道府県あるいは市町村の目標ですね、各年度ごとに何をどの程度にするのか、こういう計画が実は大事だろうと思うわけですが、私の調査によりますと、全く不明というような状況にあると思います。厚生省の責任のもとに実施計画を早急に作成する必要があると思うわけですが、施設をつくる、あるいは要員を確保するのだ、こう言ったところで、実施段階におきまして単なる絵にかいたモチのような、そんな十カ年戦略であってはならないと思うわけで、具体的に各部道府県、市町
村、この取り組みについて、厚生省として実施計画をどういうふうにつくるのか、伺いたいと思います。
#121
○下条国務大臣 長寿社会が刻々と進んでおり、二十一世紀に向かってさらにそれがまたテンポを速めていくというような状態の中で、御承知のようにゴールドプラン、十カ年戦略が策定されまして二年目になるわけでございます。したがいまして、我が国のこういう高齢化社会の保健福祉の分野におきます公共サービスの基盤整備を進めるためには、在宅福祉、施設福祉等の事業について今世紀中に実現を図るべき目標を掲げたわけでございます。
 自治体のレベルの問題も非常に関係が深いわけでございまして、そのレベルでの保健福祉サービスについては、高齢者対策を計画的に推進し、かつ、地域の多様な実情を十分調査し、それを参考とする必要もございますので、そういうことから老人福祉法及び老人保健法に基づいて、平成五年度から各市町村、都道府県において老人保健福祉計画を策定することが義務づけられておるわけでございます。これによりまして、住民に身近な自治体が地域のニーズを把握した上で、それぞれの実情に応じた保健福祉サービスの整備目標が策定されることに相なっておるわけでございます。
 厚生省といたしましては、市町村の事業量の目標を定めることに当たってしんしゃくすべき標準の設定や、計画策定のガイドラインの策定等により、自治体による老人保健福祉計画の策定及び実施を適時適切に支援してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
#122
○鳥居分科員 具体的にデイサービスにつきまして、これに注目をしてみたいと思うわけですが、実情というのは大変お寒い限りだと思います。厚生省は年間利用率という指標をお示しになるわけでありますが、六十五歳以上の年齢の方々がこの施設なり、あるいはサービスを受ける、この六十五歳以上の人が一年間に延べ何回利用したか、こういう年間利用率という指標をお持ちです。デイサービスにつきまして見てみました。全国平均が十・三、かなりいいところで石川県の三十四・一、最低というのが京都で一・一、私どもの千葉県が七・三。七・三というのは、六十五歳以上の非常に数の多い分母です。それから、分子の方は延べの利用回数ということになるわけで、一つは、年間利用率が全く無意味ではないのかという問題提起をしたいと思うのです。
 そして、デイサービスの次にホームヘルパーにつきまして具体的に申し上げたいと思うわけですが、今全国に三千二百四十五の市町村が、平成二年の四月一日現在ございます。デイサービスという業務をやっている市町村が六百七十七市町村、つまり、日本全国の市町村の二〇・八%しかこのサービスがないというのが現状ですね。どうやって一万カ所つくろうということなのでしょうか。
#123
○岡光政府委員 先生御指摘のように、在宅対策としてホームヘルプサービスあるいは短期間収容して利用するようなショートステイサービス、それから日々利用するデイサービスとあるわけでございますが、これまでの定着状況からしますと、このデイサービスの仕事が一番全国市町村に普及をしていないサービスでございます。どうしても在宅サービスを充実していかなければいけないということで、私どもはこれを在宅三本柱と称しまして、十カ年計画でこの三つの仕事をそれぞれの市町村の実情に即するような形で体制を整えてくれということで、計画を組んでいるわけでございます。
 おっしゃいますように、デイサービスセンターにつきましては、平成三年度で二千六百三十カ所の整備数の合計がございますが、これを一万カ所にしようということで、平成四年度から十一年度までの八年間で残りの七千四百カ所を整備していかなければいかぬ。したがいまして、年間平均で割ってみますと、九百二十カ所になるわけでございますが、これは例えば平成三年度では八百五十カ所を増したようなことでございまして、相当これは一生懸命やっていかなければいけないというふうに考えております。
 いずれにしましても、先生御指摘の、大臣も御答弁申し上げましたが、平成五年の四月から全市町村で保健福祉計画をつくってもらうということにしておりますので、そういう中でそれぞれの市町村の整備状況を考えながら、在宅サービスが十分届くようにということで、このデイサービスセンターの整備を進めてもらうということになっておりますので、ガイドラインであるとか経費の面では国も大いに応援をするつもりでございますが、市町村の理解を得た上で、先生おっしゃいますような十分なサービスができるような体制を整えていきたいというふうに考えております。
#124
○鳥居分科員 今デイサービスということで的を絞って、一万カ所が果たしてできるのかどうかという問題提起をしているわけですが、このデイサービスにつきまして、十年という目標ですね。しかも制度上単年度方式になっているわけですから、十分の一、一年間の達成目標というのが常識的な考え方だと思うのですね。それで、計画ができ上がった平成五年というのはもう既に計画年次三分の一経過した段階で、それで前倒しにしてこそ実現のめどというのがむしろあるのであって、こんな後ろ倒しの計画で、計画倒れの心配はないですか。
#125
○岡光政府委員 これは経過のあるお話でありまして、デイサービスにつきましては私ども、昭和六十三年の十月に「長寿・福祉社会を実現するための施策の基本的考え方と目標について」というので福祉ビジョンを問題提起いたしました。そのときに、将来的には一万カ所を整備したい、こういうふうに申し上げた。それで、昭和六十三年十一月に公明党が御主張になりまして、もう少し政策を進めるべきではないか、平成三年度に二千五百カ所の整備をしよう、こういうふうな御指摘があって、公党間でいろいろと御協議をいただいた上で、今回の十カ年戦略で平成十一年までに一万カ所というふうな経緯のあるお話でございます。
 平成三年度までに二千六百三十カ所整備をするということにしましたので、公党間の平成三年度二千五百カ所というオーダーは一応達するというふうに考えております。先ほども申し上げましたが、平成十一年までの一万カ所という整備目標に向かって大いに進めたいと考えておるわけでございます。各年度平均の整備数は、ただいま申し上げましたように例えば平成二年度では七百カ所でございますが、平成三年度は八百五十カ所、今後は九百二十カ所というふうに、単年度における整備数も相当増加した格好でこの整備を一生懸命進めていきたい考えでございます。
#126
○鳥居分科員 結構だと思います。しかし、実際には非常に厳しいのではないのか、こういう認識を私は持っております。
 例えば千葉県に当てはめて考えてみますと、八十市町村のうちの二十九市町村ですね、三六%、今デイサービスが現にあるというところですね。目標の一万カ所というのはおおよそ一中学校区に一カ所、中学の数分だけできなければ目標の達成はできないという、非常におもしろい指標が中学校の数だと思います。千葉県下には中学が三百六十九、実際に三百六十九校に対しまして今デイサービスがあるのが三十六。一割、こういう状況ですね。ですから、今目標が達成できるのかできないのか、これはひとつ厚生省の迫力だろうと思うのです。達成するためにどういう取り組みをしていくのか、この迫力で我々が納得をするのかしないのかということなんだろうと思うのですね。
 御決意のほどを伺いたいと思います。
#127
○岡光政府委員 おっしゃいますように、このデイサービス事業はおくれておりましたので、相当な迫力でやっていかなければいけないと思っておりまして、補助基準につきましても、例えば前年対比二〇%伸ばすとか、内容改善には相当努めてきているつもりでございます。
 それから、地域の実態に応じていろいろなタイプのデイサービスのあり方があっていいのじゃないかということで、補助基準につきましても柔軟化するような格好で、例えばいろいろなサービス
を全面的にやるような重介護型、あるいは標準タイプ、それからいわば介護の部分については軽いタイプ、要するに軽装備のタイプと三つにタイプ分けをいたしまして、地域の実情に応じてそういうものが採択できるように柔軟化をしているつもりでございます。
 そういうことで、補助内容の改善とあわせまして、地域の実情に対応できるようないろいろなタイプのものに対応して、できるだけ数が整備できるように、御指摘がありましたように中学校区に一カ所というような数になりますので、それが達成できるように努力をしてまいりたいと考えております。
#128
○鳥居分科員 ホームヘルパーについて伺ってまいりたいと思います。
 ホームヘルパーの普及の現状といいますか、これはホームヘルパーの年間利用率で示されているわけですね。ところが、六十五歳以上の人口を分母にいたしまして、年間延べにして何回利用したのか、それで利用率をはじかれているわけですけれども、これは全く無意味だと思うのです。ホームヘルパーを必要としている、介護を必要とする数、この実態を厚生省としては正確につかまなければいけないのではないのか。要介護の数といいますと、在宅、それから既に施設にいらっしゃる、トータルで要介護は大体このぐらいだというつかみ方ですね。もう既に介護を受けている、施設にいらっしゃる、その数を抜いてホームヘルパーの介護を必要としている数、これが実はホームヘルパーの非常にお寒い現状だという数字になるわけですけれども、どういうわけだか厚生省はこの点についてははっきり表示をされようとしない。年間利用率というのを、むしろ分母を在宅寝たきりのお年寄り、そしてもう一つは、一年間の延べの接触をした数ではなくて、在宅介護を必要としている方は最低週二回はどんなことがあっても訪問してもらわなければ困るというのが実態なわけですから、週二回という計算でどういう状況になっているのか、こういう数字をつかまなければ意味がないと思いますが、どうでしょうか。
#129
○岡光政府委員 市町村で保健福祉計画をつくっていただく際には、先生おっしゃいましたように、当該の市町村で在宅で要介護の御老人が何名いらっしゃるのか、それからどのような介護サービスを必要としておるのか、例えば一人で生活をしている場合、老人夫婦で生活をしている場合、あるいは三世代同居している場合で皆違ってまいりますし、あるいは三世代同居の場合でも若い人が仕事に出ているというふうな場合も全部事情が変わってまいります。そういうことで、当該の市町村における要介護の種類と量につきまして具体的に把握をする、そしてそれに対してホームヘルパーを何人整備しなければならないかというのは、先生おっしゃいますように、それぞれの要介護の状態に応じまして週何回行かなければいけないのかというのを想定するわけでございます。それでホームヘルプサービスの絶対量を計算いたしまして、それから供給側として現状でどの程度のことができるのか、トータルのニーズにどうやって対応するかということで増員計画を把握する、そんなふうなことを私ども具体的な計画としては立てたいと思っております。
 ちなみに、私ども予算上の計算では、寝たきり老人については、一回三時間程度行くとして週一、二回、痴呆性の御老人にはやはり週一、二回、一人暮らし老人の場合には週に二回程度というふうに一応の基準をつくっております。そういうことで、具体的な市町村計画をつくるときにはそのような計算基礎で計画をつくってもらおうと思っておりますが、先生御指摘の利用率ということで人口百人当たりの延べの利用者数というのは、実はそういった各市町村ごとの需要把握がまだ全国的に十分進んでいないものですから、全国で比較できる数字は何だろうかということでとったのがたまたまこの数字でございまして、これは全国比較をしてそれぞれの県なり市町村がどの程度進んでいるのかおくれているのかという指標としてつかまえようとしたものでございます。したがいまして、政策の中身としましては、先生御指摘の、それぞれの需要に応じてどの程度のサービスが要るのかというきめ細かい対応をした上で総量の把握をし、それに対応する整備計画を立てなければならないというふうに考えております。
#130
○鳥居分科員 一定の条件をつけまして、これをどんなふうに必要とされているか、これを計算してみました。一年間五十三週、一週間に二回の訪問を受けたい、最低二回は受けたいということで二回といたしました。それで、施設にいらっしゃる方を除いて、在宅寝たきりの方が実績の上からいって実際にどのぐらい受けられたか、こういう数字です。利用率。全国平均が十八・七、つまり、百人の寝たきりの方が要求をしていながら、一週間に二回来てもらえるという人が十八・七人しかいない、こういう数字です。千葉県の場合には十三・二、非常にお寒い現状だと思います。これは、百人の方に応じられるという数字が出てこなければならないと思うのですね。高齢化がどんどん進んでいる、分母がどんどんふえる、そういう状況の中でホームヘルパーの増強をしていこうという状況になっているだろうと思います。現状は全国平均で十八・七、千葉県の場合には十三・二、この数字をお認めになりますか。率直な御感想をぜひ伺いたいと思います。
#131
○岡光政府委員 先生おっしゃいましたように、週二回利用する、そして在宅の寝たきり老人百人当たりでの利用回数はとおっしゃいました数は、そのような仮定計算をしますと御指摘のとおりの数字でございます。
 したがいまして、私どもは、まずホームヘルパーを、数を整備しなければいけない。それから利用する側も、他人に自分のうちを見られるということに対して非常な抵抗感があるという地域なり考え方もあるわけでございまして、その辺はもっと割り切った考え方をしなければならないし、周りの人たちもそれを受け入れる必要があるであろう。そういうことで利用者側の意識も変えていかなければならない。そういったことを積み重ねまして、おっしゃいますようにもっともっとニーズに必要なサービス体系が気持ちよく届くようにということを考えたいと思っております。
#132
○鳥居分科員 これは十万人に増強するというのは容易ならないことだと思います。人手不足の中でどのようにしてホームヘルパーの確保をしていくのか、こういう課題にぜひ真剣に取り組んでいただきたいと思うのです。
 先ほども出ておりましたが、やはり一つは処遇の改善、これに尽きるんではないかと思うわけです。月額雇用者を初めホームヘルパーの手当、これは経験年数が加味されるべきだと思うわけです。これが第一点。それから時間給雇用者、パートさん、この道もぜひ開いていくべきではないのかと思います。雇用を拡大するという意味で、処遇の改善というのは極めて大事だと思います。中年主婦層の皆さんがこのホームヘルパーにどんどん集ってこられるような形、今採用には三段階の基準があると思いますけれども、この一定の基準をもうちょっと広げた形で、講習の受講時間等でこれを免許制度にしているわけですけれども、これも弾力的に、もうちょっと実情に合わせた対応策をとっていいのではないか、こんなことを思うのですが、いかがでしょうか。
#133
○岡光政府委員 まず処遇改善ということで、御指摘がありましたように手当額の引き上げを逐年図っているところでございます。それから、経験年数という意味で、私ども基幹的な、中核になるようなホームヘルパーにつきましては手当額の加算をしようということで、来年度の予算でそれをお願いしたいと思っております。そういう意味では、中核になる経験の豊かなホームヘルパーさんには報いられるような手当が、来年度予算実現できれば可能になってくると思っております。
 それから、おっしゃいますようにパートヘルパーの道を開かなければいかぬということで、まず研修につきまして、これまでは三百六十時間研修しかありませんでしたが、それを四十時間なり九十時間なりということで、研修内容に応じまして
コースを複数化いたしまして、より参加がいただけるような研修体制を整えることにしております。
 それから、パートヘルパーさんお一人では仕事をするのになかなか自信を持って当たれないということもありますので、基幹的な経験豊かなホームヘルパーとパートヘルパーとチームを組んで、安心して仕事が行えるように、かつ、看護婦さんであるとかケースワーカーであるとか、そういう関連の職種の人とも連携を図りながらしっかりとした仕事ができるようにというチーム方式をこの際取り入れたいということで、おっしゃいますようにいろんな方に参画をいただけるような方法をこれから講じていきたいと考えております。
#134
○鳥居分科員 千葉県船橋市を例にとりますと、在宅寝たきりの方が四百六十人いらっしゃいます。その中でホームヘルパーの来訪を受けている方が八人。何でこんなに低いのかということで調べてみました。恐らくPR不足だろう、これが一つ。もう一つは、家庭の中は第三者に入られたくないという思いがあるのではないのか、こういうことが推察されているわけです。現場におけるそういうさまざまな問題の解決をしない限り、十万人幾ら急いだとしてもこれは障害が大きいなと言わなければならないと思うのです。問われているのは実情に見合うきめの細かさが実は勝負なんではないのか、こういうふうに思います。十万の目標をぜひ達成していただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#135
○和田(静)主査代理 これにて鳥居一雄君の質疑は終了いたしました。
 午後二時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時五十八分休憩
     ────◇─────
    午後二時三十分開議
#136
○粟屋主査 休憩前に引き続き会議を開きます。
 厚生省所管について質疑を続行いたします。河上覃雄君。
#137
○河上分科員 時間に限りがございますので、端的に御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、ゴールドプラン策定後、ホームヘルパー、ショートステイ、デイサービスは平成二年度でどのぐらいふえたのかお尋ねしたいと思います。
#138
○岡光政府委員 現時点で把握している状況について申し上げます。
 まず、ホームヘルパーにつきましては、予算上三万五千九百五人を確保するということに対しまして実績は約四万一千人でございます。それから、デイサービスにつきましては、予算上は千七百八十カ所でございますが、これに対しまして実績は約一千六百カ所でございます。それから、ショートステイでございますが、予算上は八千六百七十四床に対しまして実績は約九千六百床、こういうふうに見込んでおります。
#139
○河上分科員 次に、ボランティアの確保という観点から。このボランティア、どのような施策を講じていらっしゃるのか、具体的にお尋ねをいたしたいと思います。
#140
○岡光政府委員 ホームヘルパーの仕事につきまして、そういう仕事をしてみたいという方が随分いらっしゃいます。参画をしやすくするという意味で、研修時間につきまして、これは平成三年度からでございますが、四十時間コースであるとか九十時間コースであるとか、そういう短い時間で研修を受けられる道を開きたいと思っております。
 それから、実際の仕事に当たりまして、そういう素人グループだけで仕事をするというのは非常に不安でございますので、ベテランのホームヘルパーさんとそのなりたてのヘルパーさんとがチームを組んで、お互いタイアップしながら、安心していい仕事ができるような、そういうチーム方式も導入したいと考えておりまして、そういう意味で広くヘルパーの仕事に御参画いただくような道を開きたいと考えております。
#141
○河上分科員 今もお話が出ましたホームヘルパー、これは地位の向上を図るべきだと思っておりますし、給与の側面あるいは労働条件の改善、さらには、社会的に大切な仕事になるわけでございますので、もう少ししっかりとした認知も必要ではないか、こう考えますが、御見解を伺いたいと思います。
#142
○岡光政府委員 御指摘のように、処遇改善ということで、手当額であるとか活動費の引き上げにつきまして逐年努力をしているつもりでございます。それから、先ほど申し上げましたように、チームで仕事をして、仕事のしやすい環境もこしらえようというふうにも考えております。それから、御指摘のありましたように、社会的な評価を高めなければいけない、そういうふうに考えておりますので、まず、この仕事につきまして国民広く御理解をいただく。そして、できればそういった仕事に御参画もいただきながら、一生懸命仕事をしていただいたホームヘルパーさんには表彰を行うとか、そんなふうなこともしながら社会的な評価の向上に努めたいと考えております。それから、身分資格としましては介護福祉士の制度をつくっておりまして、そういう資格を獲得するという道も開けてまいりましたので、ホームヘルプの仕事をしながら身分資格の獲得ということにつながるような、そういう仕事の対応というのも可能になってまいった次第でございます。
#143
○河上分科員 家庭における介護者はマンパワーの一環であろう、こんなふうに私は考えます。現在、寝たきりの高齢者を抱えている在宅福祉において八〇%くらいが家庭による介護、これが現状ではないかと思っておりますが、その意味では、介護者自身の疲れの問題だとかさまざまな問題も出てきておりまして、非常に大変な実情。これから高齢化がさらに進むことに伴ってさまざまな面が出てくると思われます。その意味で、東京や千葉、都道府県では一部導入されておるわけでありますが、介護手当の導入ということ、これをぜひとも今後考えていくべきではなかろうか、こう思いますが、いかがでございましょうか。
#144
○岡光政府委員 まず、お宅でお年寄りを介護する、そういう仕事に携わっていらっしゃる家庭人につきまして何とか疲れをいやすようにということで、リフレッシュ事業というのを始めております。これは、温泉であるとか景勝の地に一泊二日程度で行ってもらいまして、お互い悩みを語り合ったり、あるいは実際の介護の仕事について指導してもらったり、そんなことで介護疲れをいやすということで、かなり評判がようございますので、これは大いに進めたいと思っております。
 それから、もう一点先生おっしゃいました介護手当の導入の点でございますが、我が国の場合には、まず「高齢者保健福祉推進十か年戦略」のような在宅でお世話をする体制を整えていく必要があるのだろうと思っております。この在宅対策につきましては、まだ走り始めたところでございまして、全国的に見ますと、よくやっている市町村と、そうでない市町村と非常にアンバランスがございますので、まず、その辺をならしていって全国的に体制を整えていくということ。あわせまして、必要な施設の整備を図って、体のぐあいあるいはお世話をする家庭の状況等を勘案いたしまして、いつでも施設を利用できる、そういう条件をまずつくっていかなければいけないと思います。そういう条件づくりがまず初めにあるのではないだろうか。後に、在宅でお世話されるときに介護手当をどうするのかという問題が出てくるのだと思いますが、あわせて介護休暇の問題も出てまいりますし、どうももう少し総合的にこの問題については考えていかなければいけないと思っております。
 当面は、家庭で介護をする場合にどうしても必要な出費が出てまいりますので、そういったものを中心に、税金の面で必要経費を控除するということでとりあえずは対応しているところでございますが、御指摘の介護手当の導入の問題は大きな問題として認識をしております。とりあえずはそういう環境条件の整備をまず始めたいということ
で進めておる次第でございます。
#145
○河上分科員 現状でもかなり大変なんですね。特に、家庭における介護者は、配偶者の親御さん、そして自分自身の親、この人たちが多いわけであります。男性と女性の年齢差もありますから必然的に女性の方が面倒を見る、女性の負荷が大変高くなるのではないか。その分だけさまざまな活動を全般にわたって広くその方自身共有でき得ない、こういう現実もあるわけであります。その中で最も大変なことはというと、どうしても寝たきりの方の食事、排せつ、入浴がやはり大変だ、こう訴えております。
 実は私の知り得る人物の中にも、母親の苦労が大変だ、そして、父親が寝たきりになってしまったものですから、見るに見かねて子供たちで相談いたしまして、我が家を改造しよう、そういう話が持ち上がったそうであります。食事、排せつ、入浴、これが家の中においても一直線上にあることが最も望ましい、寝たきりの方にとって大切な要件だ、こういうアドバイスもいただきながら、廊下の低い部分に手すりをつけ、そして家を改造してそのような直線コースをつくったようでございます。それに伴って、今まで一人が一室持っていたのが空間も薄まったわけでありまして、父親の空間が全体の二分の一を占めるような状況になったけれども、母親の苦労から考えればこれはいい、みんなでそう決めて、家庭の中において在宅における福祉という観点をとらえながら改造したような話も直接的に伺っております。
 そういう意味で私は、寝たきりの高齢者を抱えるこうした居住を増改築するような考え方が今後また幅広く定着していく可能性もあると思うし、また、そのような努力も私どももしていかなくてはならないとは思っておりますけれども、こうした場合、さまざまな側面からいろいろと具体的な措置を考えたらどうだろうか。先ほどもちょっとお話が出ましたけれども、税制上の特典等も考えていかなくてはならないなと私は必要性を思っているわけでありますが、住宅を高齢者用に民間の方の手によってつくった場合には税法上の特典等を与えるような作業も必要であろう、こんなふうな感想を持っておりますが、ここでは今申し上げたような事例に基づいて、こうした場合この方々に対する何か具体的な、こちら側として対応できるような施策はないものだろうか、この点について御見解をお願いしたいと思います。
#146
○下条国務大臣 お年寄りがお体が御不自由になられた場合、介護のあり方として、やはりお宅で面倒を見てもらいたいという御本人の気持ち、また、家族もできれば身近でお手伝いをしたいというお気持ちで在宅ケアのいろいろな形で御苦労していらっしゃることはよく承知いたしております。その方々に対して御負担をいかに軽減するか、そしてまた、介護の実が上がるように御協力していくにはどうしたらよろしいか、こういう問題は絶えず検討を進めていかなければならない問題でございますが、その一つとして、今のように御不自由なお体の方に住まいの構造をより適した形に改良していくということは至るところで御要望の高いことでございます。そのために高齢者住宅整備資金貸付事業というものを実施いたしておりまして、御承知かと思いますが十年以内の期間、低利三%、そして総額二百八万一千円の範囲で、十分でないかとも思いますけれども、階段のところとか手すりとか一部の改良にとどまってまだまだ御不自由な部分も、十分直し切れない面も残ると思いますけれども、一応そういう形でお使いいただくような制度を今活用していただくようになっているわけでございます。
#147
○河上分科員 今のお話を承りました。もう少し額を上げていただくともっとありがたいわけでございますが、これは要望しておきたいと思います。
 寝たきり老人の方の所在を考えますと、在宅が約四割を占めております。もちろんこの中にはさっき申し上げましたように家族と同居なさっている方等もいらっしゃる。しかし、やはりこれはさまざまな家庭の事情等ありまして、いろいろと問題があろうとは思いますが、六十五歳以上の老夫婦のみの世帯、これも核家族化、転勤であるとかさまざまな要件によってふえていく傾向にあるのではないか、こんなふうに考えております。この老夫婦のみの世帯におきましては、やはり特別な支援というものを考えなくてはならないと思います。しかし、現実を考えてみますと、余りこれら的確な情報が今の福祉の体制の中にシステム化されていないんじゃないか。まず、その最先端である情報という側面から考えても、なかなかつかみ得てないのではないか。そういう意味で、今後ますます高齢化が進んでいくわけでございますし、今からでも遅くないと私はいつも申し上げるのですが、地域の力というものもかりながら、きめ細かな実態を掌握し得るようなシステムづくりというものを考えていかなくてはならないんではないか、こう私は思うところでございますが、これに対するお考えをお願いしたいと思います。
#148
○長尾政府委員 地域の中でのいろいろな問題点をくみ上げて、その相談に応じ、必要な対策を講じていくということのいわばネットワークづくりでございますが、これは大変重要なことであると思っております。活力ある福祉社会ということになりますと、やはり地域の福祉活動が本当に根づいたものになっていくということが大変必要ではないかと思っております。そういう意味では、従来から、例えば市町村社会福祉協議会でございますとか民生委員でございますとか、それから、いろいろなお立場の相談員の方とか、いろいろな方がおられるわけでございますが、実はこういった方々のネットワークが余り十分でない、ある方のところに持ち込まれた問題点が解決されないままにほかの方に伝わってない、いろいろな問題があるように思うわけでございます。
 それで、今御審議をいただいております平成三年度の予算案におきまして、こういった地域のニーズに応じて相談、情報提供を行いますとともに、こういった方々のネットワークづくり、いわば地域をもう少し有機的につなげ、情報なり皆様のこういったことに対する御協力が効率的、総合的に提供していただけるような体制をつくりたいということで、ふれあいのまちづくり事業、地域福祉総合推進事業と私ども言っておりますが、その創設を行うことといたしておるわけでございまして、そういう方向に沿いまして各市町村を中心に努力していただきたいと思っておるわけでございます。
#149
○河上分科員 私、今行政に基づく在宅の福祉あるいは施設による福祉、これも整備拡大を図るということは大切な要件だと思っていますが、それに増して地域における福祉、そしてさらに、企業における福祉、こうした側面がやはりこれから大切なんではないか。今地域における福祉の部分についてネットワークづくりという観点からお願いしたわけでありますけれども、住民本位の地域福祉を確立しながら、そこにおいて一定のマンパワーの確保ということまで含めて、幅広くこうした運動あるいは啓蒙を推進しながらきちっとした体制をつくっていかなくてはならないんではないか、この点は強く要望したいと思うわけでございます。
 その上に立ちまして一点、今後さらに高齢化社会の進行に伴いまして、企業の地域社会への貢献という側面もございますし、これは少数でありますけれども、既に企業の中においても現実的にこうした福祉の側面、例えば介護休暇の問題であるとか従業員のボランティアの参加の問題であるとか、そして、社員並びに社員の家族まで広く含めて介護のノーハウを与える情報提供サービスであるとか、さまざまな側面で行われ始めているところもございます。私は、むしろこの観点、視点も大切であり、今後ますます企業の福祉、この観点を幅広く進めていく必要があるのではないか、こう考えますが、厚生省としてはこうした考えを推進していく方向にあるのか、御見解をいただきたいと思います。
#150
○長尾政府委員 今先生からお話しございましたように、最近企業がボランティア活動に積極的に
かかわっていただくという動きがございまして、私どもとして大変ありがたいと思っております。どれくらいの数の企業がどういった形の活動をしておられるのか、私どもとして正確には把握をしておりませんけれども、全国社会福祉協議会が一応調査したところによりますと、今先生からお話がございましたボランティア休暇というような形のものを含めまして、七十ぐらいの企業、これは労働組合という形でやっていただいているものもあるようでございますが、そういう御活動をしていただいておるというふうに伺っておりまして、福祉が広い意味で住民の皆様に支えられていかなければならないということを考えますと、大変ありがたいことであるというふうに考えております。
 私どもは社会福祉協議会の中にボランティアセンターを設けまして、いろいろなボランティアの相談ですとか、こういう分野でボランティアの活動を希望しているところがあるという、何といいますかコーディネーター的な役割、こういうことをやっておるわけでございますが、こういう中に企業のそういった皆様の活躍が、参加していただいておりまして、大変ありがたいことだと思っております。ボランティア大会を私ども開催をいたしまして、大変ユニークなボランティア活動をしていただいている方とか、すばらしいボランティア活動をしていただいている個人、団体の表彰ですとか、それから、皆様の研究討議ということをやっていただいておりますが、その中にも今先生お話がありました企業または労働組合の中ですばらしい活躍をしていただいている方が表彰を受けられたということも記憶いたしておりまして、こういった多くの方々のボランタリーな活動が非常にふえていくということは大変すばらしいことであると思っております。
#151
○河上分科員 次に移りたいと思います。
 社会福祉関係大学、現在ある入学定員数およそ四千名。公立が六校で定員が二百四十四名になっているそうでございます。それに対しまして私立が二十三校で三千七百十名、合計しますと二十九大学で約四千名と、今申し上げたとおりでございますが、これを見ますと、私立に対して学校数あるいは定員数とも公立が極めて少ない、こんな実感を持っております。
 私は、一貫した福祉の流れというものを、今後意識形成の中においても、そして一人の方の人生全般をとらえても、福祉というものに対する考え方、見つめ方をしっかりさせていく必要は大いにあるであろう、こういうふうな考え方を持っております。そうした中で今、社会福祉関係大学の定数も学校数も足りないと申し上げましたが、これも公立の部分を多くするというところをよく考えていただくとともに、あわせて一般の大学、むしろ福祉学部等を積極的に設置すべきではないか。さらに、高、中、小、この教育を通じてむしろ福祉教科といいますか、福祉学科といいますか、それらのものを必須科目にしながら、こうした課程の中に導入していくような考え方、これは文部省さんの考え方も伺わなくてはならないと思いますが、こうした考えに対して厚生省といたしましてはどのような感想、あるいはこれは進めていこうという意向であるか、いろいろあると思いますが、見解を伺わせていただきたいと思います。
#152
○長尾政府委員 ただいま先生からお話がございました社会福祉関係の大学については少ないのではないかということでございますが、福祉関係につきまして、御承知のように、社会福祉士、介護福祉士という身分制度がある意味ではスタートしたばかりでございまして、現在介護福祉士の養成施設につきましてはいわば短大、それから短大レベルの養成校ということになりますが、これは非常な勢いでふえておるわけでございます。社会福祉士の養成校も少しではございますが発足いたしておりまして、こういう方向で、身分制度の発足を一つの柱といたしまして、こういった教育の分野への関心が非常に高まっていただけるのではないかという期待をいたしております。
 もう一方の小、中、高の部分でございますが、実は福祉教育という先生のお話でございましたけれども、福祉についての教育をしていただきたいということは、これは厚生大臣から文部大臣に申し入れをしておるところでございますが、一方におきましてボランティア協力校というものをお願いをいたしておりまして、これはある一定の助成をいたしまして、小学校の方、中学校の生徒さん等が福祉施設といろいろな形で交流を持っていただく、ある意味ではボランティアに行っていただく、高校生の場合には例えば保育所に行っていただいて、子供さんと接することの少ない最近の方が子供さんと接する、こういうような機会をふやしていただくということが将来福祉の分野に進もうかとか、福祉のことについての御理解を深めていただけるとか、そういうことができるのではないかという期待を持ってお願いをいたしておりまして、全国の小中学校の四分の一を目標にボランティア協力校になっていただきたいということで進めておるところでございます。
#153
○河上分科員 いろいろ伺いましたけれども、福祉の先進国の実例やら、あるいは日本固有の問題等もたくさんございますが、これは将来の高齢化社会のピーク時に向けまして、みんなで知恵を出し合いながら、しっかりと今から着実なる施策を講じていかなければ手おくれになってしまうことにもなるのではないか、その意味でできるところからできる施策をしっかりと講じていただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#154
○粟屋主査 これにて河上覃雄君の質疑は終了いたしました。
 次に、田中昭一君。
#155
○田中(昭)分科員 私は、今非常に社会的な問題になっております水俣病の問題につきまして、厚生省の御見解をお聞きをする立場で質問を申し上げたいと思います。
 実はきょう、司法の側からの要請がございまして、和解の場に被害者の考え方を提起をしてほしい、こういうことで、本日、裁判所に被害者の考え方を提起をした、あすは関係各大臣にも、官房を含めまして要請行動などがなされるというふうに聞いております。きょうも四時から患者団体四十名ほど国会に来るようになっておるのですが、大きな節目を迎えております。
 水俣病の国家賠償訴訟というのはもう御承知のとおり、規制の権限を履行したのかどうなのか、これを問う裁判になっておるわけですが、厚生省もその責任を問われている省庁の一つになっておるわけであります。これはもう御承知のとおりだと思います。水俣病はこれも御承知のとおり、世界公害事件の原点であると言われておりまして、今日三十五年経過をいたしましても解決の目途が立たないわけであります。患者は苦しみの中に高齢化をいたしまして、もう既に七十歳になろうとしている、こういう状況です。生きているうちに何とか救済をという悲痛な叫びの中で、今裁判が和解協議で解決をするというぎりぎり大きな節目を迎えている、御承知のとおりだと思います。
 この和解協議、裁判の経過の中で、裁判所の側が和解勧告を出して和解協議が進められておる、熊本県もチッソ企業も和解に応じて協議が今進んでおる、しかし、この中で国だけがこの和解協議に参加をしてない、こういう状況になっているわけであります。
 これももう私が言う必要ないと思いますけれども、日本挙げてこの水俣病問題については和解で解決をしなければ解決の目途は立たない。これはもう大臣も御承知と思いますけれども、日本の各マスコミ、新聞の社説で、和解協議で何とかしなければいけない、こういうことが報道されたのは初めてじゃないかという状況になっております。また、学者、文化人と言われるいわゆる国の良識も、挙げて水俣病の問題についてはこの和解協議を逃せば解決はできない、こういう主張を強くしておるわけでありまして、そういう意味では国が和解を拒否しておるということでは、これはもう解決のめどがつかないわけであります。そういう
意味で、私どもは環境庁が窓口ということで環境庁との間には随分接触をしてきたわけですけれども、先ほど申し上げましたように、厚生省としても国家賠償責任を問われている一員として、この水俣病問題については何らかの形できちんとした対応をとっていただきたいという強い気持ちを実は持っているわけです。
 これももう私がここで言う必要ないと思いますけれども、水俣病が公式発見されまして半年ぐらいたちまして、これはもう裁判の中で明らかになっておるわけですが、熊本県は、食品衛生法第四条に基づいて、水俣湾でとれる魚介類などについてはこれをとってはいけない、あるいは販売をしてはいけない、こういう措置をしなければこれは拡大をする、こういう決意を実はしたわけですね。しかし、厚生省はこれを拒否したわけです。食品衛生法の適用を妨害した、そして、その後も魚介類をとることあるいはこれを販売してはいけないということについて、また、企業チッソの排水を調査する、こういうようなことについてもただひたすらに何もしなかった、こういう状況になっているわけです。これももう御承知のように、熊本地裁の第三次訴訟なり東京高裁の訴訟においても明らかになっているわけですね。これに対して、国は当時大変悔しい思いをしたということが裁判の中でも明らかにされておるわけです。そういう意味では、今国家賠償責任を問われておるわけで、環境庁任せということでなくて、厚生省としてもやはり一定の責任を果たすべきじゃないかな、私はこう思っております。
 ただ、きょうは三十分の間ですから、この責任論あるいは今裁判で中心になっておる病像論などについてここでお互いに意見を言い合ったとしても、これは三十五年たっても解決つかない問題ですから、簡単には解決がつかないと思うわけです。そういう意味では、今裁判で決着がつかないから司法としても和解勧告を出して和解で何とかしなければいけない、こういう態度をとったことについて、和解の場に参加をして、この水俣病問題については解決をしようとする、そういう意思が本当に全く厚生省の側にもないのかどうなのかという点を含めまして、まず基本的なお考え方をお聞きしたい、こういうふうに思います。
#156
○目黒政府委員 先生御指摘のように、水俣病の問題については長い経緯がございます。また、三十五年という時間がたっているわけでございます。
 また、先生のお話にもありましたような当初食品衛生法によります熊本県における指導の実態、それから私どもの判断といったようなこと、今先生がおっしゃったようなことについても裁判で争われながら事実関係を含めて争っていることであることは事実でございます。特に、水俣病問題をめぐります訴訟で判決を下す裁判所が和解を勧告しているのに国側が判決を求めている、国の姿勢は矛盾しているのではないかというような御趣旨に私は伺っておるわけでございますが、この水俣病問題をめぐります訴訟におきましては、厚生省の関係では、食品衛生法の権限の行使等、食品保健行政上の法的な責任のあるなしが争点となっているのでございまして、その結果いかんでは、今後の食品保健行政に大きな影響を及ぼすものと私ども考えているのでございます。
 当時の時点のことでございますが、簡単に申し上げますと、熊本県から昭和三十二年の八月に照会がございましたことに対しまして、私どもは御指摘のように、行政指導という判断をいたしたわけでございます。このように、食品衛生法を含めまして、国の法的な責任のあるなしが争点となっておりますこの訴訟におきましては、いかなる場合において権限を行使したらいいか等、法に基づきます国の行政のあり方の根幹にかかわる問題でございます。原告との間で妥協を図るということができるような性質のものではないということでございまして、国といたしましては、裁判所の和解勧告に応じられないということで、そういう判断をし、そういう回答をいたしてまいったところでございます。
#157
○田中(昭)分科員 先ほど水俣病問題の実態については簡単に申し上げたわけですが、時間がありませんので詳しく申し上げませんけれども、今答弁がございました。厚生大臣としては、この水俣病の解決については一体どうすればいいのか、どういう御見解をお持ちなのか、これをお聞きしたいと思います。
#158
○下条国務大臣 水俣病の被害者の方々に対しましては、本当に御同情申し上げ、また、その救済が適切に行われることを期待するわけでございます。
 ただ、本件につきましては、先生御承知のように、水俣病の中でも既に二千九百人の方々は公健法に基づいて認定されて救済されているところでございますけれども、この事件による被害者の方々の中でまだ係争中の方が多数いらっしゃる、その解決がついていないということで、大変に問題は深刻である、このように受けとめております。また、先ほどお話がございましたように、被害者の方々の中に高齢化が進んで、さらにお気の毒な状態であるということで、これはまことに遺憾である、このように思っております。
 この問題につきましては、御承知のように、各裁判所が和解を勧告していることはよく承知いたしております。が、厚生省といたしましては、食品保健行政上の法的責任はないという考えを今のところとっておりますし、法的責任の存在を前提として和解の協議に入るという判断をすることは今困難である、このような考えが前提になっております。なお、本件、先ほど委員がお触れになりましたけれども、環境庁において水俣病問題の早期解決のための行政施策として所要の対策について検討を進めておりますので、厚生省といたしましては、その検討状況を見守って今後対処してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
#159
○田中(昭)分科員 先ほど申し上げましたように、食品衛生法などを含めての法的な問題、いわゆる一般的に言われる責任論についてはここで私は議論しても仕方がないと思います、時間がありません。それをおきますけれども、しかし、現に水俣病問題については三十五年間解決をしてない、実態は非常に悲惨な状態になっておる、何とかしなければいけない。今厚生大臣もそう言われておる。かつて水俣病が発生したとき、時の厚生大臣園田直先生が、何とかしなければいけない、こう言われた。その後も、例えば大石武一環境庁長官、あるいは石原環境庁長官、近くは北川環境庁長官など、たくさん来られました。大臣はいろいろ意見を聞いたりあるいは患者の実態を見ながら、何とかしなければいけない、こういうことを皆さん言われた。にもかかわらず、三十五年間未解決のままになっておる。患者は高齢化し、たくさんの死亡者も出ておる。こういう状況の中で、環境庁ともいろいろ話し合ってきましたけれども、判決をいただきたい、判決が出ればそれに従う、こう言われているわけであります。私も、裁判の中できちんとした判決が出されて、その判決に国がきちんと従うという解決ができれば、それが一番いいと思います。しかし、現に係争中でありまして、そして、その解決の目途が立たないというのを司法当局が言っているわけですね。だから、何とかしなければならぬと言いますけれども、何とかしなければならないけれども、しかし、判決をいただきたいという司法の側が、いろいろな調査をし検討した結果、この問題について責任論あるいは病像論含めまして、きちんとしたそういう解決策を導き出すことは困難だ。仮に一審判決が出たとしても、これは現に熊本地裁などの第三次訴訟などでは一定の結論が出ているわけです。しかし、これは上告したり控訴したりする権利が国の側にもあるわけですから、国が、例えば東京地裁などで結審した部分について判決が出されたならば、それは不服であっても従います、ですから、直近の判決が出るのを待っていますという態度が明らかになるとすれば、それはそれなりに理解することができると思うのです。しかし、そうはならない。判決が出ても、それは上告したり控訴を
する、最高裁までいく、あと何十年たつかわからぬ、未解決のままだ、こういう状況の中では、責任論はおくにしても、紛争の当事者としてこの問題について一定の解決をつけなければならない、そういう立場に立たなければいけないんじゃないかな。皆さん方が判決を求めておる司法の側が、率直に申し上げますと、判決を出すということについてさじを投げて、これは和解で解決すべきであるという和解勧告を出したという現実の中では、そこまで考えなければ、この問題については未来永劫解決ができないんじゃないかな、こういうことを切実に私どもは考えるわけですね。
 ですから、そういう意味では、行政の筋を通すなどということについても、それはそれなりに理解できない点もないわけではありませんけれども、しかし、今日のこの悲惨な水俣病の患者を生きているうちに救済をするという立場に立つならば、今和解が進んでいるわけです。この和解も、国の委任業務で大変苦労してきた、県債の発行などもいろいろやってきた、そういう熊本県自体が、もう和解でないと解決がつくことは不可能だ、そして、これはぎりぎりのところまで来ておるという判断に立って、企業を含めて和解の場に臨んで、そして和解協議が具体的に進んでおる。こういう現状を考えた場合に、やはり国としてはここで一定の決断をする、そういう時期を迎えているんではないかな、こういうふうに考えるわけですが、この点についてもう一度御見解を明らかにしてほしいと思います。
#160
○目黒政府委員 裁判による救済は時間がかかる、早急な問題の解決には和解協議に参加するしかない、だからどのように私どもは考えるか、こういう御質問の御趣旨と承りますが、この原点になっております食品衛生法の最初の経緯でございますが、簡単にちょっと言わせていただきますと、これが一番法廷で争っているものでございますので、厚生省の公衆衛生局長が昭和三十二年の段階で、熊本県からの照会に当たりまして、私どもの方では、この水俣湾内の特定地域の魚介類を摂取することは原因不明の中枢神経系疾患を発生するおそれがあるので、今後とも摂取されないよう指導されたい。しかし、水俣湾内特定地域の魚介類のすべてが有毒化しているという明らかな根拠が認められないので、当該特定地域において漁獲された魚介類のすべてに対して食品衛生法の第四条第二号を適用することはできないと考えるという回答を行ったと同時に、行政指導を他方で行ったわけでございまして、この回答をしました基本的な理由が、先ほど来るる述べているものの中の一つの根拠になっているわけでございます。
 水俣湾内の魚介類の危険性について、食品衛生法の適用を可能ならしめるだけの科学的知見が当時集積していなかったことにあったのは疑いない。その背景には、被告県の行政指導とか、あるいは水俣湾内魚介類の危険性に関する認識が浸透した結果、当時の行政指導の後、あれほど激烈をきわめました水俣病の発生が九カ月間にわたって途絶えているといったような状況もある。私ども、このようなことを、先生御承知のように、法廷において事実関係を含めて争ってきたところでございます。
 このような点につきまして、この訴訟について、私ども国の行政のあり方の根幹にかかわる問題でございまして、単に食品衛生法の責任というだけではなくて、権限と申しましょうか、そういうものも含めた非常に基本的な根幹にかかわる問題でございますために、原告との間で妥協を図るというような性質のものではないのでございます。また、厚生省といたしましても、食品保健行政上の法的な責任の存在を前提といたしまして、このような和解の協議に入るという判断をすることは私どもとしては非常に難しい、このように考えておりまして、私ども終始このような考え方でおりますことを御理解いただきたい、このように思っている次第でございます。
#161
○田中(昭)分科員 この食品衛生法の適用の問題、厚生省の国家賠償責任の問題は、先ほどから何回も言うように、きょうはちょっとおきます。
 ただ私は、先ほどから言っているように、現に患者が何千名とおるわけです。年をとられて水俣病で苦しんでいるわけです。生活にも苦しんでいるわけです。その人たちが、生きているうちに何とか救済をしてほしい、切実な叫び、悲痛な叫び、裁判に訴えて三十五年間やってきているわけです、ところが、解決つかないわけですよ。裁判所も膨大な資料を集めていろいろやってきましたけれども、裁判所自体が、どちらの言い分が正しいのか、きちんとした判断をすることは不可能だ、こう言っているわけです。現に、水俣病問題をめぐって、国と患者との間に大変な紛争状態が起きているわけです。これを何とかしなければならない、こういう立場に立つならば、おっしゃるように国が行政の筋を通すということについてそれなりに理解をしたとしても、私は、別の意味で、行政の筋を通すというのは国民の福祉を考える、国民の生活を考える、これを重視する、そして基本的人権を尊重する、こういうところが国の行政の筋だ、そういうスタンスに立つべきではないかな、こう思うのです。
 おっしゃられていることをそのまま受けとめますと、水俣病問題については未来永劫解決がつかないということにつながるわけですよ。皆さんがおっしゃっておる立場で進んでいきますと、和解にも応じない、裁判で仮に判決が出たとしても、国が納得できる判決が出ない限りは上告し、控訴をする。ということは、水俣病については解決ができないということになる。患者は高齢化して、年をとって死んでしまう。患者が死ぬのを待つということにつながるのですよ。これが国の行政の筋を通すということについては、私どもとしては納得できないわけです。国が行政の筋を通すというのは、そういう本当に大変な悲惨な状況の中で生活に困っている人たち、そういう人たちをどう救済をするのか、基本的人権をどう守っていくのか、ここのところに視点を置かなければ、おっしゃっていることは大変きれいですよ。しかし、大臣はさっき、何とかしなければいけないと言った。代々の環境庁長官もそう言われた。しかし、結果的にはこれは切り捨ててしまう、死ぬのを待つということにしかならないのじゃないですか。こういう国の態度が行政の筋であるとするならば、私は、国民というのは大変不幸せだと思いますよ。この点いかがですか。
#162
○目黒政府委員 先生御承知のように、本件、七つの裁判で現在争われているわけでございますが、その中で主として国の責任論とそれから病像論、この二つが大きく分けて争われているわけでございます。この国の責任論のうちの食品衛生法にかかわるところが私どもの厚生省としての一つの争点でございます。で、先生がおっしゃいます患者の救済の問題あるいはしかるべきいろいろな措置を検討するということにつきましては、これは病像論につきましては主として環境庁で今対応をいたしておるところでございます。また、この点につきましては、先ほど大臣の方からもお答え申し上げましたように、環境庁においても既にしかるべき対策の検討に入ったというふうに私ども聞いているわけでございます。したがいまして、私どもの国の責任の問題について法廷において意見が分かれるということだけがすべての患者の救済策の道を閉ざす、このようには私ども考えてないのでございます。また、この患者の病像論あるいは一人一人の患者さんが水俣病に起因するか否かという問題についてもこれは環境庁の方で対応している件でございます。
 私どもの方といたしましては、先ほど来先生がおっしゃって、繰り返して大変恐縮でございますけれども、やはり国の行政の根幹をなす一つの食品衛生法の権限と、この責任の問題ということになるのでございますので、この辺のことについては私ども、厚生省の立場から国の責任論ということからは現在の考え方を変えるということは極めて困難であるということでぜひ御理解を賜りたい、このように思っている次第でございます。
#163
○田中(昭)分科員 国の責任の問題ですけれども、それでは、それはどこでシロクロをつけたい
と思っているんですか。これはやはり裁判の判決を待つという態度ですか。これをはっきりしてください。
#164
○目黒政府委員 国の行政の根幹にかかわることでございますので、やはり判決を待つということになろうか、このように考えておる次第でございます。
#165
○田中(昭)分科員 その判決が出された場合に、国が納得できない判決が出る可能性がこの場合非常に強い。それに従いますか。控訴、上告しませんか。これをはっきりしてください。
#166
○目黒政府委員 先ほど来申し上げておりますように、国の行政の基本の問題を私ども争っているわけでございますが、裁判所が判決においてどんな判断を下されるかということは大変私どもは関心を持って重要なことと考えております。しかしながら、御指摘の不利な判決が出たとしても私どもが従うかどうかといったような点につきましては、判決の判断の内容を十分検討の上、関係省庁とも十分協議をいたしまして判断すべきものと考えているのでございます。したがいまして、現在の時点におきましては、大変恐縮ですが、コメントを差し控えさせていただきたい、このように考えている次第でございます。
#167
○田中(昭)分科員 局長が言われる裁判所というのはどこの裁判所ですか。日本の裁判所ですか、アメリカの裁判所ですか。
#168
○目黒政府委員 先生御指摘のように現在、東京地裁、京都地裁、大阪地裁、福岡高裁、福岡地裁、熊本地裁、新潟地裁でそれぞれ争われているものでございまして、当然、先生のお言葉をおかりいたしますれば、まあ日本のこれらの七つの裁判所の判断に従う。失礼しました。裁判所の判断を待ちながら私ども慎重に検討してまいりたい。したがいまして、この判断のいかんによっては私どもは十分各省庁と検討した上でこの判断をどうするか、取り扱いについて十分慎重に検討してまいりたい。したがいまして、先ほど、判断に従うとちょっと申し上げましたそういう意味ではなくて、判断を十分慎重に検討した上でないと私どもは何とも今申し上げられない、こういうような状況でございます。
#169
○田中(昭)分科員 先ほど申し上げましたけれども、東京地裁、熊本地裁、福岡地裁、京都地裁、福岡高裁、皆さんが判決をいただきたいと言っている裁判所が長い間かかっていろんな証人調べ、証拠調べをやった結果として、これは裁判でシロクロをつけるということはもう不可能だ、これをやれば水俣病の解決は不可能だという判断に立ってその裁判所が和解勧告を出しているわけです。これに対して県もチッソも和解に応じなければ、そして和解の場でいろいろ言いたいことを主張して和解で解決つけなければこれは解決不可能だという態度に立っているわけですね。そのことを、先ほども言ったように日本の国の良識と言われる方々、日弁連を含めてあるいは文化人、学者を含めて、これこそやはり和解で解決すべきであるという態度を明確にしておる。あらゆる日本の良識あるマスコミ、新聞がこれを支持する、こういう状況になっているわけですね。そうでしょう。そうしますと、裁判所から判決をいただきたい、そうしなければ責任の問題についてはシロクロつかないという、裁判所が国に対して和解に応じなさいという態度を今とっているわけであります。これはもうまさに矛盾なんですよ。皆さん方が判決をいただきたいと言っている裁判所が長い間苦労して証人調べ、証拠調べをやった結果困難だ、だから和解で解決をした方がいい、国も和解の場に出てきなさいということをしきりに今主張しているわけです。これは矛盾だと思いませんか。矛盾ですよ。これは。
#170
○目黒政府委員 現在裁判所の法廷でのやりとりの中で先生御指摘のような和解という提案が裁判所からなされていることは事実でございますが、相争っている私どもとしてはやはり裁判所の判断をもらいたい、こういう考え方をいたしておるわけでございまして、この点については私どもそれは和解を求めるというのも一つの考え方であろうが、私ども厚生省としてはやはりこの司法の、裁判所の判断をいただきたいというのが私どもの考え方でございまして、ぜひこの点について御理解を賜りたい、このように思っておる次第でございます。
#171
○田中(昭)分科員 全く納得ができません。しかし、質問の時間が終わったそうですから、これで終わります。ありがとうございました。
#172
○粟屋主査 これにて田中昭一君の質疑は終了いたしました。
 次に、小林守君。
#173
○小林(守)分科員 社会党の小林守であります。早速質問に入らせていただきます。
 昨年の十二月十日に出されました生活環境審議会の答申を受けまして、このたび厚生省から廃棄物処理法の大幅な改正案が出されるわけでございます。既に閣議決定も済んでいるというふうにお聞きしておりますけれども、この法案の内容等について逐次質問をさせていただきますが、その前に、今日のごみ問題につきまして、そして今何が一番問題なのか、そういう観点に立って、大臣の方から今日のごみ問題の全般的な問題、そしてどう解決しようとしていくのか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。
    〔主査退席、古賀(誠)主査代理着席〕
#174
○下条国務大臣 委員にお答え申し上げます。
 昨今のごみの問題は、これはやはり最近の経済の高度成長、それから消費の促進あるいは物を大事にしない、使い捨て、それやあれやのいろんな問題が重なり合いまして、量においても、また種類においても非常に膨大な形でごみが出てきておるわけでございます。
 私も実はつい先日、焼却炉あるいは埋立地を見てまいりました。その膨大さに唖然とした次第でございます。これは今のような原因でございますけれども、これを解決するためには、委員御承知のように、一般の廃棄物と産業廃棄物をはっきり分けまして、二つの系統で処理をしていくということになりますけれども、その系統に入る前においても、物がつくられる段階から最終的に廃棄物を少なくするような配慮がまず必要である。そこらがまず大きな改革の観点として尊重されなければならないと思います。
 さらにまた、それを使う場合には、過剰包装は避けなければならないとか、使っておられる方々が物を大事にして、使い捨てをしないように配慮されるということなども一般廃棄物の場合には非常に大事でございます。そして、出た以上は、それをできる限りリサイクルに持っていく、こういうことも非常に大事でございます。オフィスビルの廃棄物は八割が紙でございます。家庭の廃棄物は四割が紙でございます。そういう面から見ますと、紙の扱いも大変大きな量を占めており、問題でございます。したがって、それの分別収集に今以上に徹する必要がございまして、その上でリサイクルに持ち込む。
 また一方、巨大な産業廃棄物の方につきましても、非常な量になってきております。したがって、これにつきましては、先ほど最初に触れましたように、メーカーの段階でその廃棄物が回収されやすいような形での製作に意を払いながら、出たところから最後までのリンクがうまくいくように配慮していかなければならない。さらにまた、これらの最後の廃棄物の処理に当たっての焼却炉等につきましても、これはなかなか高度の温度を要するものでありますので、その高度化、それからまたそこで出てまいりますところのガスの問題、こういったものの配慮もそれぞれ十分意を尽くしながら対策を講じていかなければならないということで、万般にわたってこれは大変なものでございます。
 また同時に、そういうごみ処理の場所を選定するに当たりましては、一県だけではとても処理ができない。非常に幅広い地域との協調の中で、市町村あるいは県をまたがっての協調の中で処理していかなければならないということもございますので、今度の廃棄物処理に当たりましては広域的な処理ができるような条件を整えていこうという
ことで、各般の問題にわたって改正をいたし、また御理解をいただいて、今後その実施に移してまいりたい、このようにお願いしているところでございます。
#175
○小林(守)分科員 それでは個別的な課題に入りたいと思いますが、今お話がありましたように、何といってもごみの入り口の段階での減量化、また再生利用というような推進方策を強力に進めなければならぬ、そのように考えるところであります。また、不法投棄等の不適正な処理が最終処分場の確保対策をさらに困難にしているとか、さらには環境汚染の問題、住民の不安というものが大きな社会問題になっている現状にある。そういう状況の中で、何といっても減量化や再生のための推進方策を強力に進めなければならないという形で法改正が進められると思うわけでございます。
 法の中に、御説明いただいてきたわけなのですが、市町村に減量等の推進審議会を設ける、さらに減量等の推進員を設置するというようなことが一つ出ておると思います。これらについて、推進員の身分はどのような取り扱いになるのか、その辺を明らかにしていただいて、果たして行政的な責任体制がしっかりと確保できるのかどうか、その辺が心配になるわけでありまして、身分上の問題はどうなのか、まず最初にお聞きしたいと思います。
#176
○小林(康)政府委員 お話しのように、今回の改正案の中に廃棄物減量等推進員という制度を設けております。この推進員は、市町村の行います廃棄物減量の施策への協力とあわせまして、地域におけるリサイクル活動への寄与などを通じまして、市民の自主的な廃棄物減量等の活動を活性化する役割を担っていただきたい、こういう考えのもとの制度でございます。
 このため、推進員は、自由な発想に基づきまして、枠にとらわれない幅広い活動を行うことを私ども期待をしているわけでございまして、特別職公務員として位置づけることが必ずしも適当でない。いわば廃棄物に非常に熱心なボランティア的な方を中心に、廃棄物の地域的なあり方を考えてその推進役になっていただく、こういう役割を期待しておるところでございます。
#177
○小林(守)分科員 大変結構なことだとは思うのですが、実際に不法投棄の問題とか、さらには住民が忙しい、例えば共稼ぎの家庭とか、時間を争うような生活形態が多いわけでありますから、その方たちがどう指導的な役割を果たせるのかということになりますと、あくまでもボランティアということになりますと、どういう権限で言うのだという反発とかいうものも想像されるわけであります。
 特にお聞きしたいのは、不法投棄等について監視的な役割もするのかどうか。それから、実際に分別収集が決まりどおりに行われていない場合にはどのような役割を果たすのか、この辺についていかがでしょうか。
#178
○小林(康)政府委員 不法投棄の監視につきましては、環境衛生指導員というような行政上の名称を持ちました公務員がございますし、一般の地域の活動の中でそうした不法投棄の監視を定常的に行っていくのはかなり困難でございます。
 この推進員といいますのは、廃棄物の減量化、あるいは資源になります瓶とか紙とか缶のたぐい、これらを適切に地域の活動の中で分別をし、市町村が資源ごみとして分別収集いたします場合には、それに対する地域のリーダー役としての活躍、あるいは市町村の行政の中で、市の側ではなかなか思いつかないような点につきまして、地域住民の立場からヒントをいただきながら減量化に努めていく、こういう役割を期待しておるところでございます。
 今までの廃棄物の地域でのリサイクルを見ますと、強制的にやったからうまくいくというものではございませんで、地域の創意工夫のもとに皆さんが力を合わせておやりになっているところがうまくいっておるケースでございますので、今後も地域ぐるみで、それも強制的ということでなくて、それぞれが自発的に廃棄物の減量あるいは再生に努めるように、こういう方向の上での推進員の制度でございます。
#179
○小林(守)分科員 それでは次にお伺いしたいのですが、いわゆるリサイクルへの市町村の取り組み、また住民ボランティア等の取り組みに協力するような意味で、優良再生事業者の登録制度を導入されるとお聞きしておるわけです。今日まで再生業者が採算が合わないのでどんどんやめていく、そういう中でごみの増大という問題があらわれてきているのも現実だと思うのです。こういう状況になりますと、幾ら再生事業者を登録しても、採算の合わないものについてはやはりなかなか協力が得られないということもあると思います。
 また、答申の中では、再生事業というか静脈産業、それらについては市況の不安定と再生品市場の対策が課題だというようなことも盛られているわけでありまして、市況の不安定や再生品市場の対策がしっかりとなされていない限り、幾ら登録しても無意味になってしまうのではないか、そのように思いますが、これらについての対策はどう考えているのか、お伺いします。
#180
○小林(康)政府委員 優良な廃棄物再生事業者を知事の登録といたしまして、市町村の行います一般廃棄物の再生に協力していただこう、こういう制度を現在盛り込んでいるわけでございます。再生資源の業に関しましては、非常にこのマーケットが不安定なことあるいは価格が低迷していること等もございまして、その業、必ずしも上り坂というわけではございません。
 一方で、地域の皆さんは瓶なら瓶を集めたといたしましても、それを回収してくれる人がどこにいるかわからないというような現状もございます。登録制度によりましてそうした再生事業に当たっております方々の存在を明らかにいたしまして、市町村あるいは地域の方が安心してお願いをできるように、それから、現在のそうした事業での大きなネックは、市況の低迷とともに、ある程度量をまとめるところまでが大変でございまして、一軒一軒回るのではもうコストがかかり過ぎて採算に合わない、こういう点がございますので、地域でまとめる、あるいは市町村が分別収集によりまして量的にまとめる、まとめた後こうした優良な再生事業者にお願いをしていくということで、業の活性化あるいは民間の企業の活動の方でのコストの低減にも役立つ制度というふうに考えております。
 なお、地域によりましては、こうした業の方々に助成をいたしまして、処理料金との見合いで、助成をして活躍をいただいた方がトータルとして経費が安いという判断から、助成をされている地域もございますので、それぞれの地域で工夫をしていただきながら、廃棄物に回るこうした資源の量を極力減らすように、地域的な活動を強化するための一つの有力な手段になるだろうと思っております。
#181
○小林(守)分科員 それでは次に、答申では「分別収集の徹底」という項目の中で、分別収集については市町村に義務づけることが適当であるというふうに答申されております。しかしながら、今回の法案ではいわゆる分別収集の徹底という形になりまして、義務化という答申の趣旨は生かされていないのではないか、そのように思います。その点について。
 それから、同じようにリサイクルプラザの積極的な推進が必要だ、このような市町村のリサイクルにかかわる公的な関与、これが積極的に進められるように答申されていますが、これらについて法案に盛られていないということを考えますと、どうなったのかということをお聞きしたいと思います。
#182
○小林(康)政府委員 廃棄物の分別につきましては、処理の一つの分野といたしまして分別という行為が含まれるということで、廃棄物処理法の中に「分別」という言葉を入れまして、これからの廃棄物処理のあり方というのは再生を含めた取り組みが必要だということを明記をしてございます。それから、市町村が策定をいたします一般廃棄物
処理計画の中に定めます項目といたしまして、分別収集という項目を立てまして明示をしたところでございます。
 廃棄物の処理は、市町村長の判断で行うべきところが多い部分でございますので、それぞれの地域に即しまして分別につきましても取り組む必要がございますので、法律の上で義務的な表現は必ずしも適当でないということで、全体の方向性、あるいは具体的に市町村が取り組みます場合にそのよって立つべきところを法律上明確にいたしまして、その方向で市町村に努力していただこう、こういう仕組みで提案をしておるところでございます。
#183
○小林(守)分科員 それでは、別の項目に移りたいと思います。
 今日、社会的な問題として、不法投棄等の不適正処理が大きな社会問題になっているわけでございまして、不適正処理とか不法投棄の多くの部分が建設廃材だというようなことも言われているところでありますが、この不法投棄防止対策について今度の法案ではどのような取り組みがなされるのか、不法投棄が防止できるのかどうか、この辺について法案ではどのように整備されてくるのか、お聞かせ願いたいと思います。
#184
○小林(康)政府委員 先ほどの答弁でリサイクルプラザにつきましてお答えを落としましたが、リサイクルプラザにつきましては平成元年度から補助制度を創設いたしまして、住民参加を得ながら、再生等の事業に高齢者等の人材活用を図りながら、地域の実情に応じた施設の整備及び事業を実施することにしておりまして、こうした予算措置を通じまして、ごみの資源化、有効利用の一層の推進を図ることとしております。
 不法投棄予防のために今回の改正法で入れております新たな規定といたしましては、一つは、処理が困難な、環境に対して特別配慮を要する廃棄物につきまして、特別管理一般廃棄物、特別管理産業廃棄物という区分を導入いたしまして、規制を強化することにしております。それから、特別管理産業廃棄物につきまして管理伝票、管理票をつけまして、俗にマニフェストと言っておりますが、廃棄物とともに伝票が常について回り、最後に処理が終わりました段階で最後の伝票が排出事業者に戻ることで、処分が完了したということを確認する制度を入れております。
 それから、廃棄物処理業者に対しまして、許可要件の強化あるいは更新制の導入等、規制の強化を図ることとしております。さらに、事業者、処理業者にかかわります廃棄物の処理の委託基準を強化いたしますとともに、罰則の全般的強化を図ることにしております。万一不適正な処理が行われました場合、改善命令を拡充し、措置命令の要件を緩和する。逆に言いますと措置命令をかけやすい状態にする、以上が改正法で盛り込んでおる内容でございます。
#185
○小林(守)分科員 特定管理廃棄物等については、一廃も産廃も含めましてマニフェストがつけられるということになろうかと思いますが、不法投棄防止という観点からしますと、特定の管理廃棄物、爆発性とか有害性とか感染性とか、そういう観点で、そういう点では確かにより厳重な処理体制をしかなければならないものだとは思いますけれども、不法投棄全体を見ますと、それよりも特定がつかない、むしろマニフェストから漏れてしまうようなものが不法投棄されている現状にあると思います。
 そういうことになりますと、マニフェスト適用が外されるという問題について、なぜさらにマニフェストを拡大して――我々の場合、全部やっていいのではないか、そのように考えているところなんですが、部分的にしたのはなぜかということですね。そして、不法投棄対策として手落ちになるのではないか、そのように考えますが、いかがですか。
#186
○小林(康)政府委員 マニフェストにつきましては、生活環境に与えます影響及び実際マニフェストを行いますと大変手数のかかる制度でございますので、そうした排出事業者等への負担を勘案いたしまして、法律に基づきます実施といたしましては特別管理廃棄物でスタートをしよう、こういうことで制度を仕組んでおるものでございます。その他の廃棄物につきましても、このマニフェストの制度が不法投棄の防止に大変役に立つと考えておりまして、従前から行っております行政指導を引き続き実施することによりまして、そうした制度の定着を図ってまいりたいというふうに考えております。
#187
○小林(守)分科員 万一不法投棄が発見されますと、その事業者に対していろいろな処分や罰則の強化があるわけでありますが、要は生活環境審議会の答申の中では、排出事業者に対しても民事上の損害賠償責任の強化が検討されるべきである、そのように示されているわけなのですが、排出事業者の民事上の損害賠償責任についてどう検討されたのか。というのは、要は不法投棄した業者が判明すればいいわけですけれども、判明されなかった場合、しかも品物についてはどこの製品だというようなものがわかった場合、これは民事上の責任が問えるのではないか、そのように思うのですが、これらについてどう生活環境審議会の答申の中身が検討されたかということですね。
 それからもう一つ、やはり生活環境審議会答申の中にありますように、不法投棄者が明らかでない場合、原状回復に備えるため、公と民が共同による基金の造成を図ってその原状回復をやるのだ、やるべきだというような答申がなされていますけれども、この二点についてどう検討され、法案の中に盛り込まれているのか、お聞きしたいと思います。
#188
○小林(康)政府委員 廃棄物の不法投棄の問題につきましては、答申の中で、排出事業者の民事上の損害賠償責任を強化するという御指摘がございましたけれども、検討の結果、現段階でそこまで踏み切るわけにいかないということで、強化までには至っておりません。
 それから、原状回復のときの基金の造成につきましての御指摘もいただいておりますけれども、現在のところ、基金の拠出者とその不法行為を行いました人との間の関係がないという状態でございますので、基金をつくってという合意まで至っていないという状況でございます。
 そうした点が今回見送ったところでございますが、不法投棄防止策といたしまして、事業者の委託基準の強化等、先ほど申し上げた予防措置を強化いたしますとともに、不法投棄がありました場合の対策といたしまして、不適正処理に対します改善命令を強化すること、処理基準に従わない処分が行われ、それが生活環境の保全上支障が生じ、あるいは生じるおそれが認められる場合の支障の除去等の措置命令の強化が図れる、こういう形で対応しよう、こういう規定でございます。
#189
○小林(守)分科員 不十分な感じは否めないと思いますけれども、次に、これは私の地元、栃木県の鹿沼市で昨年八月に起こった有機塩素溶剤テトラクロロエチレンの地下水汚染の問題なのです。
 栃木キャノン鹿沼工場のレンズを研磨する溶剤として使われていたテトラクロロエチレンが長年にわたって地下水を汚染してきたということが発覚して、周辺の五十六個の井戸水から検出をされて、基準値の数十倍の平均値が出たというような形で大変な問題になったわけなのですが、実は厳密に法的に言いますと、厚生省の方で指定をして基準値が決められましたね。その以前に汚染が相当広く広がっていたという事実なのですね。
 そういうことになりますと、法指定前の汚染の問題についてどうなのかということを考えますと、これは現実に、法指定後においても汚染の基準値も若干超えているデータも出ていますので、栃木キャノンさんの方ではそれなりの責任を感じて、改善命令とかいろいろやっていますけれども、それ以前に別の会社が同じような作業をやっていたのですね。そのころの貯留槽、貯水槽というか、廃液をためておく槽が余り完壁なものではなかったということで、それからの流出ということが十分考えられるわけなのですが、そういうことになりますと、さかのぼって環境汚染、地下水
汚染の原状回復が求められないという問題があるわけなのですね。
 しかしながら、井戸水を飲んでいる人たちにとっては、これはとんでもない話なのですが、そこで原状回復について、法指定前の問題について例えば業者に対して協力義務、これは命令とか何かはできないと思うのですね、法以前ですから。しかしながら、社会的責任というか、そういう観点に立つならば、法的に協力義務的な要請はしてもいいのではないか、こういう考え方に立って、今度の法改正も含めて考えていってはどうか、そのように思うわけなのです。命令とか勧告とかそういうことではなくて、社会的に法改正前の問題についても、原状回復のための協力義務があるのだというような観点がとれないかどうか、そこをお聞きしたいと思います。
#190
○小林(康)政府委員 地下水の汚染につきましては、有機塩素系の溶剤等によります汚染が懸念されるようになってまいりましたので、昭和六十二年に飲用井戸等衛生対策要領を出しまして指導してきておるところでございます。水道水の暫定基準を飲料水の場合も適用しているわけでございますが、時々その基準を超える汚染が現在も見られているという状況でございます。
 水道といたしましては、その汚染がいつ始まったかは別にいたしまして、当面煮沸等の指導をするとともに、極力早く水道施設、水道を引いて安心して飲み水が確保できるようにという施策をとりまして、そのための補助制度も創設をして運用しているところでございます。
 地下水汚染の原因者が明確な場合、あるいはある程度疑わしいという状態の場合に、水道側からいきますと、法律に基づいて補償あるいは資金の負担ということは求めることはできませんが、各地で話し合いによりまして、適切な負担のもとに水道工事の費用を一部負担していただきましたり、協力していただいたりというケースがかなりございます。いわば地域地域での解決が図られているというのが通常でございます。
 あと、法律関係でいいますと、地下水の水質保全は水質汚濁防止法の改正によりまして規制をかけるということになってきておりまして、水道側でもそうした環境保全での規制の効果が上がり、安心した水源として活用できることを期待しているところでございます。
#191
○小林(守)分科員 時間が参りましたので、以上で終わりにしますが、その汚染地域の上水道につきましては、市の方でも積極的に――給水制限区域外なそうなものですから、厚生省の許可をもらわないとできないのだというお話もあります。後日、近日中に要請に参りたいというようなことも聞いておりますので、ぜひ認可の方をお願いできたらありがたいなと思っております。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#192
○古賀(誠)主査代理 これにて小林守君の質疑は終了いたしました。
 次に、大畠章宏君。
#193
○大畠分科員 日本社会党の大畠でございます。厚生省関係について四点ほど御質問させていただきたいと思いますが、ひょっとすると時間的な配分で、一つ質問することができないかもしれません。御準備いただいた方にはおわび申し上げたいと思いますけれども、まず最初に、今の医療問題の中で一番大きな社会的な問題、看護婦さんの問題について御質問したいと思います。
 フランスの方で今の社会の中で一番役立っている職業は何だと思いますかというアンケートをとったところが、一番が看護婦さんだというアンケート調査がありました。議員はどうかというのは、かなりランクが下なのでここでは言いませんけれども、それくらい看護婦さんに対する社会の期待というものは大変大きいものでありますし、また一たん病気になりますと、本当に看護婦さんというのは天使のように思えるということでございますが、その天使という見方をされています看護婦さんが大変不足して、看護婦さん自体も疲れ切っているというのも事実と思います。
 そういうことから、この日本の医療を支えている看護婦さんの不足の現状と今後の見通し、それをどういうふうに考えておられるか、まず最初にその点からお伺いしたいと思います。
    〔古賀(誠)主査代理退席、大石(千)主査代理着席〕
#194
○下条国務大臣 大畠分科員の御質問にお答えいたします。
 確かに、今いろいろな医療の制度の中で非常に大きく問題になっておりますのは、看護婦さんの不足ということであると思います。現在、看護婦さん、看護士さん、それらを含めた看護職員、ちょうど八十万二千人ということになっておりますが、これに対する要望はそれをはるかに上回るということでありまして、とても充足にまだ追いつかないというのが現状でございます。
 そこで、厚生省といたしましては、まず一つは、養成をさらに促進するということが第一でございます。このためには、養成の制度あるいはまたそれの施設を充実するということで、それらを含めまして、平成三年度の予算で約四割の関連予算を増加させるということで配慮しているわけでございます。
 それから、いよいよ今度就職をされる、あるいは現在おられる看護婦さんが非常に勤務がきつい、長時間の労働である、また、この問題については例えば休日の問題、夜勤の問題、個々の問題がいろいろございます。この合理化の問題があるわけでございますけれども、また同時に、看護婦さんがやっておられる仕事と看護婦さんがやらなくてもいい仕事、この境目の問題をいかにうまく合理化して分担していくかという問題もあるわけでございます。そこらの問題をやはり検討し、また解決を図りながら、現在いる、あるいは新たに就職をされた看護婦さんがやめていかないようにしなければならない。これは非常に大事なことでございます。そのために、五月十二日はナイチンゲールの生まれた日でありますので、ことし初めて看護の日というものを設けて、要するに看護婦さんのイメージアップ、またそれに対するいろいろな面での支援をする体制づくりということで、大いにこれを一つの起爆剤にしようということで準備を進めておるわけでございます。
 さらに、看護婦さんが例えば結婚されるとかその他のことでおやめになって家庭に入られる、しかし、その方が今度お子さんが大きくなられて、再就職をしてもいいじゃないかということになられる場合があるわけです。その情報を的確に把握して、しかも医療の技術はどんどん進んでおりますから、前に勤めたときのままの御経験ではちょっと入りにくい場合も出てくる。そこらをうまく連係プレーできるようにするために、県においてそれぞれに看護センターを設けて、そういう一度退かれた方の的確な情報を把握する。それとの連係プレーで、随時暇な時間を選んでいただいて、その方に合うような形で看護の仕事についていただくというような緻密な連係プレーをやるというようなことで、各般の条件を整えながらやってまいりたいと思っております。
 また同時に、具体的に言えば、やはりお手当が多い方がいいわけですから、そういう点では、国立大学の場合も夜勤手当を今度は大分ふやしました。たしか二千六百円を三千二百円ですかに上げたというようなことをやっております。それからまた、一般の看護職の方の問題については、昨年の基準の改定のときに一応改定させていただいたわけでございまして、いろいろな総合的な対策を講じながら、何としても看護の大きな勢力が医療の中において大事に扱われるように、そして患者さんに喜んでいただけるように、また御本人も安心して勤務できるようにというようなことについて配慮している次第でございます。
#195
○大畠分科員 今大臣の方から、看護婦さんの不足している現状に対して、これからこうしていきたいというような基本的なお考えが示されました。
 私も今大臣のお話を伺っておりまして、社会的にも看護婦さんというもの、どうも私ども空気のような存在、もう本当にお世話になったときは看
護婦さんどうもありがとうと言うのだけれども、それがなくなると何となく存在を忘れてしまうという意味では、今お話がありましたように五月十二日、看護の日を設けていただいたということでありますが、社会的にもみんなで看護婦さんの役割というものを認識しながら理解をしていく、そういうことをぜひ強めていただきたいと思います。
 また、看護婦さんの処遇についてもできるだけアップしていきたい、そういうお話もございました。いろいろ基本的なお話があったわけでございますが、ぜひ今後とも積極的に改善のために努力をしていただきたいと思います。
 そこで、具体的な話に入りますが、今大臣の方から看護婦さんについての云々があったのですが、今一体看護婦さんというのは全国で何人ぐらい必要なんだけれども実態としては何人不足している、そういうデータを厚生省としてつかまえておられるのか、それから、その不足している看護婦さんをどういう形で今後補充していこうと考えておられるのか、そういう計画がありましたら教えていただきたいと思います。
#196
○長谷川(慧)政府委員 看護婦さんの数の問題でございますが、厚生省におきましては、平成元年の五月に平成六年までの需給見通しというのを立てたわけでございます。その中の数字で、先ほど大臣がお答えいただきましたように、平成元年では需要数は八十五万一千人で、年末就業者数は八十万二千人ということで、約五万人不足いたしておりますが、平成六年におきましては需要数が九十三万五千人で、平成六年までの間に年次的に数をふやして、需要数、供給数を合わせたいというぐあいに考えて、平成元年に策定いたしたわけでございます。
 その後、いわゆるゴールドプラン、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」あるいは勤務条件の改善等が問題になっておりますので、そういう面で、現時点におきまして新たな需給計画を立てるべく作業をいろいろ進めているところでございます。現在、厚生省の中におきまして、新たな見通しを立てるに当たってはどういうところを要件として各県の方に作業をお願いするかについての検討をいたしているわけでございまして、そういう面で今月いっぱいには方針を立てて、各県に指導してまいりたいというぐあいに考えているところでございます。
 それから、養成の確保につきましては、先ほど大臣から御答弁いただきましたように、まず基本的には養成の総数をふやしていくということ、それから、現在働いている方々につきましては、労働条件あるいは育児の点についてもいろいろ便宜を図って、できるだけやめないように、引き続き勤めていただくような方策を講ずること、それから、現在やめられている方々に対しましては、その就職条件等を聞きながら、できるだけ再就職の方に持っていくような努力をすること、それから、看護の日ということで看護に関する国民の関心をいろいろ喚起して、さらに看護婦さんに対しての国民の気持ちを盛り上げようというようなことをいろいろ総合的にやってまいりたいと考えております。
#197
○大畠分科員 計画上は平成六年ぐらいまでには解消されるということでございますけれども、いろいろ細かい問題点があるかと思うのですが、乗り越えて、ぜひこれは実施していただきたいと思うのです。
 それからもう一つ、ちょっとまた細かいのですけれども、いろいろな病院がありますね。いろいろな病院があって、看護婦さんが非常に少なくて、てんてこ舞いしながらやっているという病院もあるのですね。いわゆるその病院の看護婦さんの定数というもの、本来このベット数ならばこれだけ看護婦さんが必要ですよというものと、実際の看護婦さんの数とが合わないところも私は全国的にかなりあると思うのです。そういうところに対しては厚生省としてどういう指導をされているのか。いわゆるプライベートな病院についてはその方が医療的にもうかるわけですから、なかなか定数があったとしても補充をしないで、何とか無理してでも運営しちゃって、収益を上げるということも考えられないことはないのですね。そういうことの犠牲になるのは看護婦さんなんですよ。それで、看護婦さんがそうやって忙しくやっていると、今度は患者さんの方に対する配慮なんかがなくなって、結局患者さんが非常に困るという現象なんです。小さなことかもしれませんけれども、そういうものに対しては厚生省はどういう形で指導されていますか。
#198
○長谷川(慧)政府委員 医療法上におきましては、医療従事者の配置基準、いわゆる看護婦さんの配置数というのを決めておるわけでございます。現在四床当たりに一人の看護婦さんを置くようにということで基準は決めているわけでございますけれども、先生お話しございましたように、その基準が守られてない病院、あるいは基準以上に非常に高度な医療、高度な看護を必要とする場合には四対一から二対一というようなぐあいに、非常に看護婦さんの数の多い病院といいますか、そういう病院がいろいろさまざまでございます。
 私どもといたしましては、基本的にはまず四対一の看護婦さんの配置をきちっと守っていただきたいということで、都道府県を通じましていろいろな病院にお願いいたしているわけでございますが、なかなかそれがまだ至ってない状況にございます。一方におきましては、医療の程度によりまして、あるいは三対一あるいは二対一という配置数があるところもございまして、そういうところはいわゆる診療報酬上に、そういう濃厚な看護婦さんを配置するところにつきましては、それなりの手当てというものを講じまして、そちらはそちらの方で推進しておるという状況でございます。
#199
○大畠分科員 これはなかなか大変なんですね。悪い話じゃないですが、脱税行為と同じで、割とそういう行為をしているところまで踏み込むにはなかなか人手も必要だし、お金も必要なんですが、やはり日本の医療というものの水準を保つために、規定どおりの看護婦さんを最低でも置かないとだめですよ。これは本当は、地方の責任かもしれませんけれども、厚生省としても一生懸命これを最低限守らせる、そういう強い意思表示をしながら、かつ、時には直接入って実態を調査する、非常に悪質な場合には強制的に指導をする、そのくらいの気構えでこの問題については対応していただきたい。ぜひお願いいたしたいと思います。
 それから、この看護婦さんの対策でございますけれども、幾つか現在の問題点について申し上げたいと思うのですけれども、いずれにしても先ほど厚生大臣の方からもお話がございましたOBといいますか、結婚されて子供さんができて、子供さんの保育、育児をしているためになかなか看護婦さんに戻れない、そういう方々もおられると思うのです。そういう意味では二十四時間の保育所といいますか、看護婦さんは三交代していますので、言ってみれば二十四時間の保育所体制を整えてほしいという要望もかなり多く出ています。そういうことでは、特にそういう専用というところまでいくかどうかわかりませんが、いずれにしても看護婦さん確保のための保育所、二十四時間体制の保育所というものを整備していくべきだと思いますし、そこに対してはぜひ国としても補助をして運営を助けていくべきだと思いますが、この二十四時間営業の保育所についてどういうふうに今対応されているか、お伺いしたいと思います。
#200
○土井政府委員 地域の保育所でございますけれども、御案内のとおり、夕方の六時までというのが保育所のオープンしている時間帯でございます。これにつきまして延長保育ということで、一時間ないし二時間延長するようにということで、以前から必要に応じて実施してきているところでございます。さらにまた、平成三年度におきましては、ことしの秋から夜十時ごろまで保育所を開くという新しいタイプの保育サービスを提供するという形で、いろいろな保育需要に適切に対応できるように、その多様化を逐次図って今日に至っているところでございます。
 ただ、今先生お話しの看護婦さんのために二十四時間体制の保育所運営ができないかという点につきましては、今度は保育所側の事情を考えますと、実際問題としてはなかなか困難ではないかというふうに、地域の保育所としてはお答えせざるを得ないというのが今日の実情であろうと考えております。
#201
○大畠分科員 通常のいわゆる看護婦さん対象じゃない保育所についてはそのとおりだと私は思うのです。私がもしも保育所を運営していたとしても、夜までの保育所というのは大変ですよ。しかし、本当にこの医療問題で看護婦さんが足らないということで必死に、先ほどのように平成六年までに今のままでいけばいいんですよという形ならいいのですが、多分未達で終わるのじゃないかと私は思うのですよ。私どもの知っている看護婦さんなんかを見ましても、子供さんができたりなんかすると大変だ。それで、なるべく夜間勤務にならないように配置は配慮しておりますが、それでもやはり難しいところがあるのですね。したがって、私はこれからの課題として、せめて例えば国立病院ですとかそういう大きな病院には二十四時間営業の保育所ぐらいは設置する、そのくらいの腹づもりでかからないと、統計上は何とかつじつまが合うような形になったとしても、現実上合わなくなってくるのじゃないか。私は、ぜひ二十四時間営業の保育所なんかもこれからの対応の中に、検討課題の中に入れていただきたいと思います。
 それから、これは保育所なんですが、通常保育所については国庫補助が出るのですけれども、私企業の病院の中の看護婦さん用の保育所については、私企業だからということで排除されているのですね。しかしながら、私企業の病院といっても、普通の市民の皆さんのところの方も半分ぐらい入っているわけでありまして、そういう意味では、通常の公約な病院と何ら変わらない地域に対しての貢献はしているわけです。それに対して、私企業の病院だからといって補助対象にならないというのはちょっとどうかなと思いますし、私企業としても年間何千万という赤字を出しながらの病院経営をやっていますので、そこら辺はもっとそういう場合に対する配慮をすべきじゃないかと思うのですが、そういうものに対してはどうでしょう、ちょっと細かい話ですが。
#202
○長谷川(慧)政府委員 現在の病院内の保育施設に対します国庫補助につきましては、先生お話しございましたように、いわゆる個人病院、それから私企業といいますか、株式会社立の病院の保育所につきましては援助の対象にいたしておりません。それは、先生の方からもいろいろ御説明がございましたように、いろいろな観点からそういうものにつきましてはそこまでの補助対象にせずに、それ以外の一般的な広域を主体とする病院に対しまして、院内保育所に対しまして国庫補助をやっておるという状況にございます。
#203
○大畠分科員 それはわかりますが、私も茨城県で、各地域の、都市ごとの中核病院をやりますね。ただし、ある私企業の大きな病院がある場合には中核病院はつくらないのですね。もうその病院に医療のセンター頼みますよということで、ほとんど頼んでしまう。それで、その私企業に任せきりになっちゃうのですよ。それで、片方では国立病院あるいは県立病院というものにはかなりの補助をしている。ただし、地域に対しては同じような貢献をしているのですよ。
 そこで、私は余り多くは申しませんけれども、もう一回そういう基準を見直すべきじゃないか。例えば二十万都市、三十万都市があった場合、私企業の病院がそこにあった。そこは本来は、その病院がなければ公的な病院を配置しなければならないのですね。ところが、その病院があるからといって、県全体の医療計画の中にはセンターになっている。いろいろな意味で委託、委嘱しているのですけれども、これは私企業のものだからというので公的な補助なんかが得られない。しかし、その病院としては、採算性を考えてやらなければなりませんけれども、赤字のために企業の方から年間六千万、七千万という金を補てんしながらの運営をしている、そういう実態もそのとおりだと思うのです。それでやっているんだからいいじゃないかということかもしれませんけれども、医療全体を考えた場合にそういうものでいいのかどうか。そういう企業といいますか、地域のその病院の貢献のあり方というものをベースに、ぜひもう一回そういう問題についても検討していただきたいなと思います。これはその程度でとどめたいと思います。
 それから、福祉医療施設のあり方についての質問に移らせていただきたいと思います。
 今、介護福祉士というものを養成するものに対して助成制度があるのですけれども、理学療法士、それから作業療法士等は市町村の保健センターに配置が求められておりますけれども、現在どういう状況にあるかというのを厚生省ではつかまえておられるでしょうか。
#204
○長谷川(慧)政府委員 理学療法士、作業療法士に関するお尋ねでございますけれども、現在両療法士の免許の取得者の数は、平成元年末で理学療法士が八千九百七十六人、作業療法士が四千八十一人でございます。このうちの多くの方々は医療機関あるいは社会福祉施設に勤務しているわけでございますけれども、一部の方々につきましては、市町村に所属している方もいらっしゃるわけでございます。これからもこういう高齢者対策あるいは国民の健康づくりというような観点からも、市町村保健センターあるいは老人保健制度などに基づきます健康教育、健康相談、健康診査あるいは機能訓練などの対人保健サービスを総合的に行う拠点として、市町村保健センターの整備を進めてまいってきているわけでございますが、市町村なりあるいは医療機関の保健婦、理学療法士、作業療法士等がこれらの市町村保健センター等におきまして必要な対人保健サービスを提供していく必要があるというぐあいに思っておるわけでございます。
 そういうことで、現在理学療法士、作業療法士につきましては、従来から需給計画を定めまして、その養成確保に努めているところでございますけれども、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の実施などによりまして新たな需要要因が見込まれておりまして、またいろいろな方面から不足が言われているところでございます。そういうことから、現在私どもにおきましては需給計画を総合的に見直すことといたしておりまして、いろいろ作業を進めているところでございます。
#205
○大畠分科員 私のいろいろ得ている情報では、ペーパーではそういう配置をすることとなっておりますが、現実にそういう養成のための施設ですとか、あるいはそういうものの運営ですとかが非常に弱いということで、どんなに決めてもそういう方々が生まれてこなければ配置できませんので、そこら辺ペーパー上じゃなくて現実にどうなんだというものをつかまえて、ぜひ改善するように、これは私は非常に必要な措置だと思うのです。ぜひそういうことをやっていただきたいと思います。
 それから、またちょっと話は飛びますが、福祉問題の中の心身障害者の方の課題でございます。
 私もいろいろ福祉関係について県会議員時代から携わってきたのですが、一番困っているのは何ですかという話を聞くと、虫歯なのですね、虫歯の治療。心身障害者の方の虫歯の治療を受けてくれる歯医者さんがないのですよ。茨城県でも水戸しか、一カ所しかありませんでした、正直言いまして。今三カ所ぐらいあるいは五カ所ぐらいつくろう、二十万都市ぐらいでは一カ所ぐらいつくろうとしておるのですけれども、歯医者さんの立場になりますと、これは大変なのですよ。きちっとしていただいておりませんから動いてしまいますし、どうやったらいいか非常に難しいので、拒否してしまうというケースが多いのです。あるいは車いすだけでもだめだというところがあります。この心身障害者の方の歯科治療センターというものを私は五十万人に一カ所ぐらいずつのベースで中核都市には配置すべきじゃないかと思うのです
けれども、今厚生省としてはこの問題についてどういうふうに取り組もうとされているのか、お伺いしたいと思います。
#206
○長谷川(慧)政府委員 心身障害児者の歯科治療につきましては、先生お話しございましたように、いろいろな問題がございますことは私ども十分承知いたしております。そういう面で、私どもにおきましては、一部の口腔保健センター等で心身障害児者の歯科診療を行っているところでございます。昭和六十二年現在におきましては、心身障害児者の歯科治療を行っている口腔保健センターは全国で三十二県、六十七カ所という形になっております。
 それから、先生お話しございましたように、心身障害児者の口腔の衛生状態は、その身体的な特性から歯口清掃状況は極めて不十分である等、虫歯や歯周疾患の多発を招くことが多くあるわけでございまして、その治療に当たりましては、高度の技術なり経験が必要であるというぐあいに思っておるわけでございます。
 そのため、従来より、都道府県や歯科医師会が設置いたしております口腔保健センター等におきます障害児者のための歯科治療部門の整備の助成、あるいは歯科衛生士養成所におきます教育の一環といたしまして、身体障害者療護施設等への歯科巡回臨床実習教育事業の実施、それから児童福祉施設等は入所しております障害児者の歯科医療を確保するための費用の措置費計上というようなことをいろいろ行っているところでございまして、今後ともこれらの施策を通じまして、障害者児に対します歯科保健医療の確保を図ってまいりたいというぐあいに考えております。
#207
○大畠分科員 努力されているのはわかりますが、いずれにしても三十二県。ですから、四十七都道府県としますと、十五府県にはそういう治療室がないということなんですね。これは厚生省も一生懸命頑張っておられるかもしれないけれども、どうもかゆいところに手が届いてないんじゃないか。要するに、大きなところに目を奪われて、そういう心身障害者の方の本当に困っているようなところにどう対処するかという熱意が足らないんじゃないか。ちょっときつい言葉で申しわけないのですが、虫歯は大臣もなったことあると思うのですが、なかなか大変なんですよ。それを治療するのに自分の県の中にない。隣の県まで行かなければならない。それも、隣の県でもせいぜい一カ所か二カ所しかない。そうしたら、もう並んでますから、隣の県のやつなんかとても診てられないよという形になると思いますので、ぜひこの問題については、少なくとも各県一カ所ぐらいは指定して、お医者さんも大変ですから、助成しながらやるということに改善していただきたいと思います。
 それから、時間が来てしまいましたけれども、最後にドクターカーの問題についてお伺いしたいと思います。
 今ヨーロッパ、アメリカ等でもって、ドクターカーで随分いわゆる救命率が高まっているというのです。日本でもやっと最近ドクターカーの制度が普及し始めたと聞いておりますけれども、このドクターカー、救急車にお医者さんが乗ることについては法的な問題はもうなくなったと考えていいんでしょうかというのと、もう一つ、今後のこのドクターカーの推進といいますか、地域での普及計画等についてお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#208
○長谷川(慧)政府委員 救急の場合に、医師が車に乗りまして救急の患者の発生地まで赴きまして治療をするというドクターカー制度につきましては、私どもも基本的には法的には何ら問題はない。ただ、現実問題といたしましては、なかなかお医者さんの確保が難しいというようなことで、ドクターカーが思うように動いてないという現状にあるというぐあいに思っております。
 そのような意味もございまして、来年度の新しい事業ということで、このドクターカー制度の普及をモデル的に実施してまいりたい。全国にございます救命救急センターに、ドクターカーに乗っかってお医者さんが現地まで赴くようなことをモデル的にいろいろ実施してみてまいりたいというぐあいに考えております。これからもそういう面で、ドクターカーの普及とあわせまして、ドクターの補助をする新たな資格制度についても検討してまいりたいというぐあいに思っておる次第でございます。
#209
○大畠分科員 これで質問を終わりますが、いずれにしても福祉問題に対する医療のあり方、これをみんな期待しておりますので、ぜひきめ細かな配慮を持った対策をとっていただくよう要望しまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#210
○大石(千)主査代理 これにて大畠章宏君の質疑は終了いたしました。
 次に、佐々木秀典君。
#211
○佐々木分科員 佐々木でございます。
 時間の制約がございますので、ほかにも考えておったのですが、きょうは主として朝鮮人の方を中心にした強制連行の調査の問題についてお尋ねをしたいと思います。前置きなしで端的にお尋ねをしたいと思いますので、できるだけこれまたお答えも端的にお願いできればと思っております。
 昨年、韓国の盧泰愚大統領か我が国に来られた。それと相呼応して中山外務大臣と韓国の外務大臣とのお話し合いがあり、そのときの韓国側からの御要望もあって、それを受けて政府は、この戦前の朝鮮の方々の強制連行、あるいは強制労働に従事された方々の名簿、これを収集して韓国側にお渡しをするという調査事業に取り組まれたわけです。これにつきましては、昨年の八月七日までに十七件分七万九千五百七十八人分の名簿が確認をされた。これについては目録が大使館に対して提出済みになっているわけです。私どもとしてはこれでこの調査を終わりにされるのではないかと懸念をしていたのですが、幸いというか、御努力があって、引き続き政府はこの調査を継続しておられるということで、この三月五日分として二十四件分、人数で九万八百四名分、韓国大使館の方にこの名簿をお渡ししたということが報ぜられております。
 そこで、まず確認ですけれども、今申し上げた昨年分の件数、人数分とこのたびの二十四件九万八百四名分とは別なものなのか、昨年の分が含まれているのか。まず、これを当局にお確かめをしたいと思います。
#212
○戸苅説明員 昨年の分に加えまして、その後昨年の八月七日以降新たに労働省の方で調査し把握いたしました分を合わせたものでございます。
 もう少し正確に申し上げますと、実は昨年八月七日に韓国大使館の方にお渡しした名簿の目録をさらに精査しまして、若干の増減がございました。日本人の方がまじっていたり、あるいは数え間違いがあったり、そのあたりを修正したものになっております。
#213
○佐々木分科員 単純に引き算をしますと、加わっておるわけですね。そうすると、今度の分から昨年の分を引き算いたしますと、一万一千二百二十六という数字が出てまいりますが、昨年にその後これだけの分が加わったもの、これを加えて今度はお渡しした、こういうようにお聞きしていいですか。
#214
○戸苅説明員 基本的にはそういうお話でございます。
#215
○佐々木分科員 そこで、これはどれだけの方が、いわゆる強制連行の範疇、概念として言われている昭和十三年の国家総動員法、これに基づいて、その後昭和十四年の閣議に基づいて最初は募集という形、それから官あっせんの形、最後には徴用令という形になって多くの朝鮮人労務者の方が日本に移入をされてくる。これらも強制連行の範疇のものとしてとらえておられるようなわけですけれども、実数がなかなかつかめておりませんね。少なくともしかし、一九四五年、昭和二十年八月十五日、戦争が終わった段階で日本におられた朝鮮人の方の数というのは二百万人を超えると言われているわけですね。これはもちろん、いわゆる強制連行されてきた労務者の方々ばかりでな
くて、それに伴って来られた家族の方だとかあるいは子供さんたちだとかいろいろある。そうした数が膨大な数に上っているのだろうと思われるわけです。それにしても、さまざまな観点から、少なくともいわゆる強制連行の概念に入る方々は六十万を下らないだろうということが言われている。これは、終戦直後のGHQが行った調査でも数字が出ているのですね。私どもとしては、もっともっと実数は多かろう、百万を超えるのではないかと考えているのですけれども、そういう点から見ますと、今度の調査で昨年よりもふえたとはいってもまだ十万に満たないわけですから、極めて少ない数。記録が、古いことでもあり散逸したりなくなっているということがあるにしても、もっともっとやりようによっては発掘できるのではないかとも考えているわけですね。これは調査のやり方だとかその意欲などによってまだまだこうしたものが、古いものとは言いながら発掘できるのではないかと私は考えているわけです。
 昨年参議院の予算委員会でも竹村議員ですとかあるいは本岡議員などがこれについてのお尋ねをしておりますね。例えば昨年五月三十日の参議院予算委員会で、竹村議員がこの種の資料を国会図書館に所蔵していないかということを質問されております。これに対して図書館長が、国立国会図書館に所蔵いたしております資料の中にはお尋ねのような関係の名簿などはございませんというお答えをしているわけです。ところが、その後、これは新聞報道でも報じられていますから御承知だろうと思いますけれども、実は国会図書館の中に所蔵されているマイクロフィルムの中に強制連行者と思われる朝鮮人の方々の名簿約五万人分が発見をされたということが報じられておるのですが、こうした事実については労働省御承知になっておられますか。
#216
○戸苅説明員 新聞で報道されましたので、私どもの方もそれは承知いたしております。
#217
○佐々木分科員 知っただけではなくて、その点国立国会図書館の方にはお問い合わせはなさいましたか。
#218
○戸苅説明員 実は労働省の調査、これは労働省が中心になりまして関係省庁の協力を得て調査をしようということでやってきたものでありまして、先生御存じのように、国会図書館は国会の機関でございまして、労働省としてどうするかということでいろいろ考えたわけでございますが、これにつきましては内閣官房を通じまして国会図書館の方に当たっていただいております。私どもの方はその後どうなったかちょっと聞いておりませんが、恐らく国会図書館と関係省庁とで相談の上、いろいろ対応しているのではないかというふうに考えております。
#219
○佐々木分科員 といたしますと、今回韓国大使館にお渡しになった九万八百四名の名簿の中には、その国会図書館のマイクロフィルムに収蔵されている名簿は入っているのか入っていないのか、この点はどうでずか。
#220
○戸苅説明員 先ほど申し上げたような状況でございまして、まだ関係省庁を通じてあるいは国会図書館の方から直接にしても、私どもの方に届いておりません。ですから、我々もそれが名簿に該当するのかどうなのか、中身まで確認いたしておりませんので、そういったことで今回の中には含めておりません。
#221
○佐々木分科員 そうすると、中には今度の名簿とのあるいはタブりといいますか、重複というものもあるかもしれない。しかし相当な数ですよね。これについてはまだその照合などはされておらない、こういうことになるわけですね。
 これは要望にもなりますけれども、ぜひ調査を継続されてその照合などもやっていただきたい。それが強制連行者の名簿だと思われるということになるとその分がまた追加になる、こういうことになるわけですね。この点、よろしいですね。
    〔大石(千)主査代理退席、古賀(誠)主査代理着席〕
#222
○戸苅説明員 先生おっしゃるとおりと我々認識しておりまして、国会図書館の方の資料が私どもに届きましたら、先生おっしゃるようなことで内容を点検した上でできる範囲の、できる限り重複等もチェックをいたしたいというふうに考えております。
#223
○佐々木分科員 そこで、この今度の調査結果の発表の文書、三月五日付のものを労働省からいただきましたし、それからまた、昨年内閣官房がこの調査を始めるときに、労働、外務、厚生、法務等の各省庁関係者を集めて、政府として鋭意調査することを確認し、そして労働省が中心になって各方面と連絡をしながらやろう、こういうことになった。その上で、昨年の平成二年の六月二十日付で労働省の職業安定局庶務課長名義で各都道府県職業安定課(部)長あてに「いわゆる朝鮮人徴用者に係る名簿の調査について」という調査の通達といいますか依頼といいますか、そういう指示を出されておるわけですね。それに基づいていろいろ上がってきたその資料など、その結果について昨年の平成二年の八月七日付で労働省が庶務課長さんの名義で文書を発表されましたね。そして、またさらに今度の追加の件に関して、三月五日付で同じような趣旨の発表をなすっている。
 この二つの文書を見ますと、先ほど読み上げましたように調査の依頼の文書ですけれども、これには表題として「いわゆる朝鮮人徴用者に係る名簿の」、こうなっています。ところが、調査結果の報告の方といいますか、それについて発表した文書の表題には、「いわゆる朝鮮人徴用者等に関する」という「等」の字がございます。そして、表題だけではなしに、その内容として書かれるところでも、この調査依頼の方については「徴用者」と限定されているのですけれども、二つの発表文書はいずれも「等」「等」、こうなっているわけですね。この違いはどうしてこうなっているのですか。
#224
○戸苅説明員 昨年五月二十五日の日韓外相会談の際に韓国政府から協力要請がありましたのが、終戦前に徴用された方々の名簿を入手してほしいということであったわけでありまして、労働省としては関係省庁と相談した上で労働省が中心になって調査をしようということになったわけでございますけれども、その際、そういった協力要請を受けまして、いわゆる朝鮮人徴用者名簿についての調査を行おうという指示を発したところであります。ところが、その後、その調査によりまして把握いたしました名簿の大部分が、入国の経路が明らかでなかったわけでございます。ごく一部、その徴用者であるとかあるいは官あっせんであるとかということがわかったのがあるのですが、それ以外は一切わからなかったということでございまして、そういったことのものですから、少し対象を広げまして、入国経路にかかわらず国内の事業所で労働に従事していた朝鮮人の労働者の方まで含めて幅広く写しを提供する対象にいたしたいということで考えて対応したものですから、そういった意味でその後の新聞発表等々の資料は「等」をつけておるわけでございます。
#225
○佐々木分科員 そこで、この発表によりますと、この三月の五日の分でいきますと、労働省の保有関係分は十六県とされているのですね。人数も必ずしも多くないわけですけれども、これは、この調査依頼の文書にもありますように、戦争が終わった直後に厚生省では、恐らくこれ、占領下ですからGHQですとかあるいは占領軍司令部の方ともいろいろ打ち合わせあるいはその示唆もあったのだろうかと思いますけれども、朝鮮人の強制連行者について、いろいろな調査をしておる。そしてまた、未払い賃金の点についてもどうなっているか調べるというようなことがあったりして、いろいろな通牒も出されておる。そして、そういうことに基づいて昭和二十一年中に全国的な調査が、その当時の各地の勤労署、今の職業安定所に当たるのですが、その前身とも言われる各地の勤労署を単位にしながら全国的な調査を行っていることがはっきりしていますね。恐らくそれに基づいた調査の記録なども利用されているのじゃないかと思いますが、そうだといたしますと、これはもう全国各地、各県にまたがって調査が行われ、その報告も上がってきたはずだと思われるわけで
す。中にはもちろん朝鮮人の強制連行者が少なかったという地域もあるかもしれないけれども、しかしこの十六県分とされる中に北海道の分なんというのはないわけですね。
 ところが、これは言うまでもなく北海道の朝鮮人強制連行者の数というのは物すごく多くて、私、今石炭対策特別委員もやっておりますけれども、炭鉱なんかもう本当になくなってしまいましたが、本当に炭鉱というのは多かったわけです。しかも、石炭というのは戦争中の最大のエネルギー源として、とにかく掘れや掘れやで大変で、労働力が本当に不足していた。そのほかに鉱山がある。それから軍事基地がある。ダムがある。さまざまな地下工場だとか、もういわばありとあらゆるところに朝鮮人の労務者というのは働かされていたということがはっきりしている。私も、実はもう十七、八年前になりますけれども、その種の調査をいたしまして、実はこういう本にもまとめているんですけれども、そのころ鉱山、炭鉱、それから鉄道ですとかいろいろなところを歩きました。私どもが調べて入手した名簿だけでも相当な数に上っていますけれども、恐らくもう十万を超える朝鮮人の方々が戦争中の一番多いときにはそういうところで働かせられていたということははっきりしているわけです。にもかかわらず、この発表の中では北海道の分が欠落しているというのはどういう事情ですか。
#226
○戸苅説明員 先生御指摘の資料につきましては、先生おっしゃるとおり昭和二十一年の六月に厚生省の勤労局長の指示によってそれぞれの県が行った朝鮮人労務者に関する調査結果であろうと我々も推測いたしております。この資料につきましては、新聞発表資料等でごらんのとおり、十六県分しか労働省の倉庫から出てこなかったというのが実情でございまして、労働省としても倉庫を初めとして省内徹底的に調査いたしたわけでありますけれども、遺憾ながら岩手県初め十六県分で、北海道の資料が見つからなかったということでございます。
#227
○佐々木分科員 本当にこの辺は解せないのですよね。ですから私は、さっき冒頭申し上げましたように、意欲を持って、そして調査の方法を考えながらやることによってもっとそういうものは出てくるのではないかと思っているわけです。
 御承知かもしれませんが、実は昨年社会党は特に強制連行の調査委員会をつくりまして、私も今その事務局長をやっております。先月、松代の大本営の跡地と兵庫県の現地調査に行ってまいりました。兵庫県の西宮市ですけれども、西宮市もその調査になかなか協力的で、あそこには甲陽園というところに地下工場の跡が幾つもあって、現にあるのですね、そこも見てきました。それの調査、保存などについて市としても大変力を入れているのですが、ただ、自治体だけではやり切れない、国の援助がどうしても欲しいという要望があるのです。
 その際に実は、尼崎の資料館があるのですが、その資料館の書庫の中に戦前のものがたくさんあるということで、御了解をいただいて私も入って見たのです。そうしましたら、かなり古いもの、例えば昭和十一年の労働状況についての資料の中にその地域で働いていた朝鮮人の女工さんの名前なんかも出てきたり、それからまた昭和十六年ごろの朝鮮人の方の労務名簿が出てきたり、ぱらぱらとそこで十分ぐらい見ただけなのですよ、それだけでもそういうものが出てくるのですよ。ですから、意欲を持って、そしてやり方によってはまだまだ発掘できるのじゃないかと考えているものですから、ぜひそういうことをまだ継続して、意欲的にやっていただきたい、こう思うわけです。
 それともう一つ労働省に、厚生省にもお聞きしなければならないので端的にお答えいただきたいのですが、今度の三月五日の発表に関して、調査に関してということになりますか、これは北海道新聞の三月八日の夕刊なんですけれども、この調査に絡んで北海道で、これはまた道内の各自治体も協力をしていただいた上でなんですが、戦時中の埋火葬認許証などをもとに調査して、そして道庁を通じて労働省にこの強制連行者の名簿をお出ししている。ところが、そのお出しした名簿の中で二百七十六名分について労働省は名簿の登載から除外をした。出したのは一万五百人くらいの名簿、こういうふうになっているのですけれども、この除外の事実があるかどうか、あるとすれば除外の理由、これは端的におっしゃっていただきたい。
#228
○戸苅説明員 除外をいたしております。
 理由につきましては、先ほどもお答えいたしましたように、韓国政府の方から協力要請がありましたのは終戦前に徴用された方の名簿の入手ということでありましたけれども、その幅を先ほど申し上げたような事情からさらに広げまして、入国経緯にかかわらずとにかく全体として朝鮮人労働者であることが明らかな名簿、それについては写しを韓国政府に提出申し上げようということで考えて、今回そういたしたわけであります。これは関係省庁とも協議の上いたしたところでございます。
 それからもう一つ、今回二百七十六名、外したものがございますが、これは、実は公にされている刊行物に掲載されている名簿が幾つかございまして、これについても外してございます。これは、韓国政府の要請の趣旨が、国内に埋もれている名簿を調査するという趣旨だったというふうに我々受けとめておりまして、そういった意味で、御指摘の二百七十六名のうち八十五名の方については埋火葬許可証関係あるいは寺院に納骨された方の関係で、これについては、先ほど申し上げたように労働者であるかどうかが明確でないということで外してございます。それから、残りの百九十一名の方については、公にされている刊行物に掲載されたものであるということで今回は除外してございます。
#229
○佐々木分科員 先ほどあなたが言われたような対象ですね、例の「等」に関して言われたことと、今これを除外したということとは僕はちょっとそごが出てくるのではないか、趣旨に合わないのではないかと思うのです。むしろ最初にあなたの言われたように、そんな範囲などというのは限定しないで、後でそれは仕分けしていけばいいことなんで、余りとらわれてはいかぬのではないか。むしろ、そういうように限定することによって、それからまた調査依頼を受けた自治体にしても何にしても非常にそれを狭めてやろうとしてしまうことになるので、僕は好ましくないと思っているのです。ですから、これはまた機会を改めてお聞きしたいと思っておりますけれども、その点はむしろ広げて考えるようにしていただきたいということを要望しておきます。
 厚生省にお尋ねいたします。
 厚生省は軍人軍属についての朝鮮人の方々の名簿を約五万名分保管しているということがよく言われているのですが、これは現実にありますか。
#230
○岸本政府委員 今お尋ねにございました朝鮮半島出身の旧軍人軍属の名簿につきましては、昨年八月に韓国政府からいわゆる徴用者とは別に引き渡しの要請が行われたわけでございます。厚生省といたしましては、この要請の趣旨に沿って協力すべく、旧陸海軍から引き継いだ軍人軍属名簿の調査作業を直ちに開始をいたしました。既に韓国政府に引き渡すための名簿コピー等の作業に取りかかっているところでございます。
 なお、名簿のコピー等が終了し次第韓国政府に対しまして引き渡しを行いたいと考えております。
 今先生の御質問の中にございました五万名という数でございますけれども、私ども、軍人軍属の名簿は数はまだいろいろな重複もございますので確定的なことは申し上げられませんが、五万という数ではなくてもっと相当多いのではないかというふうに考えております。
#231
○佐々木分科員 大まかに言って、もっと多いというのはどのくらいですか。概算で結構です。
#232
○岸本政府委員 これは厳密に数えるのは相当な時間がかかりまして、余りそごのある数字を申し上げるのはどうかと思っておるわけでございます
が、ごく大まかにということでございますので、二十数万人ということではなかろうかというふうに考えております。
#233
○佐々木分科員 遺骨の問題などもお聞きしようと思ったのですが、時間がなくなりましたからこれははしょります。
 それで、例えば、これも今年三月九日の北海道新聞の夕刊なのですけれども、北海道の標津というところの基地建設に絡んで朝鮮人の八歳の男が作業員として働かされていたという記録が出てきたというようなこともあります。先ほどの話ではありませんけれども、事ほどさようにこの強制連行の者の概念というのは、例えば成人の労務者に限り徴用された人などということになると非常に狭くなってしまうのです。戦後処理の問題としてはそれだけでは済まない、そういうことではいかないのではないか、こう私は思っております。
 それと、どうもこれもはっきりしているようですからお答えは要りません、そのとおりだったらうなずくだけでいいのですけれども、関係省庁という中には警察は入っていないのですね、警察関係、今までは、去年は。――ないのですね。ではいいです。(戸苅説明員「入っております」と呼ぶ)
 それと、もう時間がありませんから、厚生大臣せっかくいらっしゃいますので最後にお聞きをしたいのです。
 これはとにかく労働省が中心になってやっているとは言いながら、去年調査を始めるに当たっては、総理大臣の御答弁もあり、総理府として各省庁間でやろうということになって、労働省が当面その作業の中心になろうということになったことであるけれども、各省庁間で協議して協力してやろうやということですね。だから厚生省も、今の軍人軍属の名簿もある、遺骨のこともありですから、戦後処理の問題として日韓、日朝の関係を本当に今後考えてやるとすれば、これは真剣に取り組んでいくことが政府としても必要だろうと思いますので、この分野はどこに任せるというのではなくて政府として全体的に、一体的に今後も調査を継続して頑張っていただきたい。そして官と民とが一緒になってやるような、そういうような姿勢を持っていただき、また協力も要請したりなどということが必要になってくるのではないかと思うのですけれども、最後にこの問題について、厚生大臣、お考えがございましたら一言お願いしたいと思います。
#234
○下条国務大臣 戦時中の、大変に今とは想像のつかない悪条件の中で苦労された方々の、朝鮮から来られた方々の名簿をいかに的確に処理するかという問題に絡んでいると思いますが、このことにつきましては、厚生省といたしましてはこの間の日韓の協議の中の合意事項に基づきまして、陸海軍から引き継いだ名簿に関しては、先ほど御答弁申し上げたように誠心誠意その整備を整え、できる限り早くお渡しするように今作業を進めておる、そういう状態でございます。
#235
○佐々木分科員 もうお答えは要りません。時間になりましたので終わりますけれども、韓国から言われたからやろうというのではなくて、やはり日本の戦争責任の問題として本当に戦後処理の問題として、日朝、日韓の関係をよくしていくのだということからはどうしても避けて通れない問題ですから、我々日本人にとってはつらいことではあっても、どうしても、今、大臣お話しのように、誠意を持ってこれからも引き続き対処していただきたいということを心からお願いをいたしまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#236
○古賀(誠)主査代理 これにて佐々木秀典君の質疑は終了いたしました。
 次に、菅野悦子君。
#237
○菅野分科員 全国保険医団体連合会というお医者さんの組織があるのですけれども、その先生方が「学齢期シンドロームを考える」という研究集会をやっていらっしゃるのです。それはなぜかといいますと、日常診療とか学校検診の場におきまして八六%、ほとんどの先生方が、近ごろの子供は何かおかしいというふうに感じられた。しかも、それが地域による差はなくて、全国的な現象、子供たちの体が何かおかしいということで研究をされたという中身なのですけれども、その中で、とりわけアレルギー性疾患が非常にふえてきているということがあるわけです。中でも突出しているのがアトピー性皮膚炎という状況だという報告があるわけですけれども、私はその点でぜひお聞きをしたいというふうに思うわけです。
 近年、子供たちの間にこのアトピー性皮膚炎というアレルギーが急速に広がっている。それも、ここ数年大変な勢いで広がっているということがあるわけです。大阪府が、一昨年の七月に零歳から三歳の乳幼児を対象に調査を行っておりますけれども、それで見ますと、この湿疹の有病率が全体で二九・一%、生後六カ月では三六・三%に上っているという数字が出ているわけです。この湿疹の中で、かゆみを伴うものというのは、六カ月児で二三・七%、三歳児で一二・五%というふうな大変な数字です。私どもも、このお母さんたちが集まっているところに行きますと、もうそこでは子供のアトピーが大変という話で持ち切りなんですね。ですから、そういう点では本当に大変な状況がある。これが、数がふえているというだけでなくて、実はこれは原因がはっきりしていない、治療法もさまざまで、これだというものがないというふうに言われております。それだけに、お母さんたちの中に不安や困惑が非常に広がっているというのが今の実態だというふうに思うわけです。
 それで、一日も早くこの原因を明らかにしていただいて、治療法を確立してほしいという強い願いがあるわけなんですけれども、この点では厚生省におかれましてもこの間大変御苦労いただいておるというふうに聞いております。しかし、まだ、その確たる調査結果が出ているかというと、どうもそうでもないようにも思えるのですね。この点では、七年前に社会労働委員会におきまして我が党の田中美智子議員が質問をしております。そのときの厚生大臣に、調査について前向きに答弁をいただいているわけなんですけれども、残念ながら以後それほど事は進んでいないのではないかと思うわけです。この問題の広がり、あるいは深刻さから見て、国の対応を急いでいただきたいし、強めていただきたいということを本当に思うわけです。
 それで、この実態調査などの現状がどんな状況になっているのかということを含めて、ぜひ厚生省としてのお考えを伺いたいと思います。
#238
○土井政府委員 まず、アトピー性皮層炎及び関連病態という形で、私どもの方で患者調査というものを毎年十月の一日を決めまして把握をしておりますが、最近の状況を申し上げますと、昭和五十四、五年ころは約一万五千人、それから最近は、昭和五十八年が二万六千四百人、昭和五十九年が二万三百人、昭和六十二年が二万八千五百人、そんなふうな数字が出ております。
 ただ、これは十月のある一日における患者数の把握、しかも今お話にもありましたけれども、アトピー性皮膚炎なのかあるいは一般の皮膚炎なのかといったような違いがなかなか、医学的にも明確な基準がまだ出ていないというような背景もございまして、はっきりしないという点はございます。また、お話にありましたようないろいろな研究等も出ておりますけれども、アトピー性皮膚炎の発生頻度につきまして三%から二十数%というふうにかなり地域差も大きく出ている。その原因としましては、地域ごとに本当にそういう違いがあるのかというと、むしろ各お医者さんの判断基準が果たしてどうなのかというあたりの影響が出ているのではないかというふうにも言われているところでございます。
 私どもといたしましては、このアトピー性皮膚炎の問題につきましていろいろな形で、現段階におきましては研究費という形でそれぞれ専門の先生方に依頼をしまして、その診断基準なりあるいはいろいろな原因解明、ひいては治療指針というものにだんだん発展していくんだと思いますけれども、そういう研究を委託しているというのが今
日の段階でございます。
#239
○菅野分科員 今のお話にもありましたように、アトピーの定義がはっきりしない、判断基準が非常にまちまちだというふうなお話でしたけれども、ここにもアトピー性皮膚炎の問題の深刻さが逆にあらわれているのじゃなかろうかというふうに思うわけです。
 それで、今のお話にもありました原因究明のための研究などもるるやっていただいているようでございますけれども、このアトピー対策としてどのような予算を組んでどのような程度の調査などをやっていただいているのか、簡単でよろしゅうございますから御説明をいただきたいと思います。
#240
○土井政府委員 心身障害研究というのがございますけれども、その中で小児期のアレルギー疾患に関する研究ということで平成元年度、二年度は五百万円の研究費を委託をしております。三年度もその予定でおります。
 それからまた、もう一つは小児医療研究委託費というのがございますけれども、昭和六十三年度二千万、元年度も同額、平成二年度一千八百万ということで、これも委託研究を行っているという状況でございます。
#241
○菅野分科員 今のお話にありましたように一年間に五百万あるいは一千八百万というふうな状況でございまして、とりわけ小児研究委託費の方は三年度の予算がまだはっきりしていないのですかね、そういう状況だということでございますけれども、やはり事は相当深刻だと私は思うのですね、依然としてその原因とか定義がまだはっきりしていないのですから。だからそういう点で、未来を担う子供たちのために、徹底して調査研究、それで、必要な対策のために十分な予算をつけていただきたいというふうに思うわけです。この問題の広がりと深刻さ、これを非常によく認識していただきたいということを切に思うのです。
 それぞれのところによって大分違うとおっしゃっておられましたが、今、五人に一人とか三人に一人と言われるほどの広がり、大阪府の調査でもこの辺は裏づけられているわけですけれども、しかし、実態としては、現場は相当混乱があるのですね。例えば、除去食によって発育不全が見られたり、それからステロイド系の薬の副作用などへの不安も広がっている。調査するための定義がはっきりしていないわけで、対応や指導も非常にまちまちだというふうな状況があるわけです。
 それで、私は、国の取り組みをぜひ抜本的に強化していただきたいということをとりわけ大臣にも切実にお訴えをしたいというふうに思うのですが、アトピーの子供を抱えているお母さん方の思いというのは、もう本当に深刻で大変だということを私ども痛感しております。私どものところにもたくさんのお母さん方から訴えをいただいているのですけれども、全部御紹介したいのですが、一部ちょっとぜひ紹介させていただきます。
 あるお母さんですが、こんなふうに言っていますね。
  食べてはいけないものが体に入ると、かゆみを増し、泣きながらかきむしっています。身がえぐれて血があふれているのにその傷の部分をかきむしっているのです。
  朝起きると、シーツ、パジャマに血が何ケ所もついているという状態でした。
  そんなかゆみのつらさを知っているので、無理をいって「たべる」といったことは一度もありません。
  生まれて、まだ二年もたたないうちから、おかしも母から与えられるもの以外は口にせず、知らない人がおかしを「あげよう」とさし出しても「いらない」「たべられへん」と押し返していました。何かをたべる時には、「これたべれる?」とかならず母にきくのです。そのききわけの良さがたまらなくかわいそうで、いっそ、「たべたーい!」と泣きわめいてくれた方が親として楽だと思うことさえあります。
こういうふうにお母さんはおっしゃっています。
 添加物や残留農薬のために安心して食べられるものがないという訴えが非常に多いのですけれども、中には、米一粒食べても翌日体にぽつりと出てくる、食事を食べている途中に目の周りがじゅくじゅくになってというふうな具体的な訴えが非常に多いのですね。そして、「市場にあふれんばかりに出回っているものは、添加物や農薬などで、ほとんど食べられるものがなく、」それを食べたら症状が出てくるというふうなことで、「特別な店から購入していますが、その店も近くにはなく、宅配してもらっている状態です。」というふうに、非常に多くのお母さん方が苦労されているというふうな実態があるわけです。
 吹田市の勇気君という二歳の男の子なんかは、まだ二歳というちっちゃな子供がこう訴えているのです。「ゆうちゃんは卵が食べられへん。卵食べたらお化けになるねん」。そういうふうに、アトピーの状況がすごく出てきて、自分の顔というのですか、体がお化けというふうな表現をみずからがする、そういう訴えをしているというふうな状況があるわけですね。そして、お母さんの中には、「今は政治の光が当たるだけでも救われた気持ちになるのが現状です。行政側の努力でできることはすぐ実現してほしいと切に願っています。」というふうに、何よりも政治、行政への要望、これを強く求めていらっしゃるのです。
 そこで、私は本当に大臣にお聞きしたいのですけれども、政治の光をというふうな訴えがあるわけですが、お母ちゃんたちのこの率直な訴え、これについてどういうふうな御感想をお持ちか、ぜひお伺いをしたいと思います。
#242
○下条国務大臣 ただいまのアトピー皮膚炎につきましては、るる御説明もありましたとおり、大変重要な問題だと受けとめております。ただ、これにつきましては、統一した診断基準とかそういったものが確立されておりませんので、現在それぞれの所管のところに検討を御依頼いたしておりますので、その検討の線に沿って我が方も適切に処理してまいりたいと考えております。
#243
○菅野分科員 ぜひ大臣の今の御答弁の方向で強めていただく、急いでいただくということをお願いをしておきたいというふうに思います。
 これは家庭だけではないわけで、具体的な問題としては、保育所などでの対応でもいろいろと大変な状況が出てきております。地方自治体や保育園の職員などの努力でアトピーの子供も保育所に受け入れられているわけなんですけれども、ここでは、親と連絡をとりながら除去食の給食をつくったりということで努力をしているところも少なくありません。
 ところが、その現場の声を聞きますと、それがまた大変なんですよ。例えば大豆がだめということになりますと、みそとかしょうゆとか、これがまた全部だめということになりますし、子供ですから、やっぱり見かけは同じものを別の材料でつくらぬとあかん、材料も調味料も別のものを使わぬとあかんということで、しかもそれだけでなくて、調理用具まで別のものを使わないとすぐに発病するというふうなことで、大変な手間がかかっているようでございます。
 そこで、政治がぜひ配慮していただきたいというふうに思うのですけれども、例えば保育所などの措置費にしても、全員が同じものを食べるということが大前提になっておりますから、保育所へということで、とりわけアトピーの子供を受け入れて頑張っているところでも全く援助など考えられていないわけですね。ですから、その辺でちょっと何らかの手の差し伸べ方ができないものだろうかというふうにすごく思うわけです。
 また、アレルギー用のミルクでないとこの子供たちはもう受け付けないわけで、ところがそれが非常に高価なんですね。ミルク代だけでも一月に三万円から四万円かかるというふうに訴えられているのです。これに対しても補助ができないものだろうか。アレルギー患者用の特別なミルクなんですから医療費控除の対象にするなど、最低でもこういう措置がとれないものかどうだろうかということなど、ぜひお考えいただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#244
○土井政府委員 保育所等において、子供さんたちが何十人かいまして、そのうちの何人かが今のお話のようなアトピー性の皮膚炎にかかっているという場合の対応の仕方というのは、現実問題として大変苦労して今日まで至っているわけでございます。
 と申しますのも、何人かそういう子供たちがおられた場合でも、人によってその原因が、この子は卵がだめだ、こちらは牛乳がいかぬ、あるいはまた、そういう食べ物ではなくてその他の原因がある、いろいろなことで、今日においては現実問題として保育所における対応というのも限界があるんではないか。したがって私どもは、まずはさておいて、先ほど来申しておりますようないろいろな研究面をできるだけ早く進めていって、そういうような科学的、医学的な解明を一日も早く急ぐということが必要なのではないかと考えております。
 なお、そういうようなことを背景として、特別の助成とかあるいは保育所に対する措置費のかさ上げというものにつきましては、今日の段階では私どもとしては考えておりません。
#245
○菅野分科員 今おっしゃいましたように本当に大変なんですよね。除去食でもいろいろ子供によって違うわけです。ですから、本当に苦労されているというのは多分御承知おきいただいていると思うのですけれども、そういうアトピーの子供たちがふえているという中で、保育所としてもやっぱり一定数受け入れざるを得ないという状況があるわけです。そして今、国がそれに補助をしないということは、全部現場に、そこのところを負担として、努力を下に転嫁しているという状況があるわけですから、この急速なふえ方ということも考えていきますと、やはり近々その辺の保育所に対する対応などもお考えいただくことになるのじゃなかろうかということで、ぜひ前向きの御検討を引き続きお願いをしておきたいというふうに思うわけでございます。
 そしてさらに、ぜひお尋ねをしたいと思うのですけれども、今小さい子供を抱えているお母さんたちが集まればアトピーの話になるというぐらいの状況で、不安とか焦りの中で確かな情報もなく悩み、迷い、せめて情報が欲しいという切実な気持ちというのは非常に強いと思うのですね。そして、じゅくじゅくの子供を抱えて、よいと言われる医者を渡り歩いているというふうな状況もあるわけですから、ぜひこういうことはできないか。例えば、保健所とか母子保健事業の中で、アトピーとは何かとか、どんな症状があり得るのかとか、例えば除去食の子供たちの食品を扱っている店はどこにあるか、そういうふうな情報提供、これぐらいのことはやれないものでしょうか。そうしたら、今若干パニック状態とすら言えるような状況を少しでも緩和することになるのじゃなかろうかというふうに思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。
#246
○土井政府委員 まずアトピーの定義といいますか、そのこと自体が医学的にもいろいろな、要するにアトピーというのは、どこからどこがアトピーでというようなきちっとした定義がなかなか定まらないところが基本的な背景としてあるのだと思うのです。そういう意味で、行政としてどういう形でこれに対応すればいいのかというその第一歩がいまだ踏み出されていないというのが率直な現状かと思います。いろいろ御提言がございましたが、私どももいろいろ研究者に委託をして勉強をしているところでございますので、御意見もよく参考にしながら、今後とも勉強をしていきたいというふうに思います。
#247
○菅野分科員 もう一度さらに大臣にお願いを申し上げたいと思うのですけれども、最近NHKが三夜連続で特集を組みましたね。アトピー初めぜんそくとか花粉症などアレルギー症状というのが日本の国民に本当に急速に広がっている。そういうことで、国民の関心とか不安が非常に大きいという現状があるわけです。
 その原因としては、大気汚染とか農薬とか食品添加物が加わった食品とか、あるいは密閉性の高い部屋に特に多く発生すると言われるダニなどとか、原因も非常にたくさん挙げられているという状況で、複雑になっているわけですけれども、既に因果関係が立証されているものも少なくないというふうに思うわけです。これらは、私たちが生きるために欠かせない空気であったり食べ物であったり住まいであったりということがあるわけで、そこに不安が出てくるわけなのです。ですから、このアトピーの子供たちの姿を見るにつけ、私たちの今の食べ物、空気、住まいというふうな点での子供たちが警告を発しているということではないかなというふうな思いがするわけです。
 ですから、そういう点で、国民の健康を守る厚生省としては、これは厚生省だけでなくて関係省庁一体となった対策に乗り出していただけるということをぜひ考えていただいたらどうだろうかというふうに思うわけですね。ですから、厚生省がぜひ音頭をとっていただいて、そういう広範囲なプロジェクトチームなどもつくって対応を急いでいただきたいというふうに再度お願いを申し上げたいのですが、大臣から一言御答弁をお願いします。
#248
○土井政府委員 いろいろ御指摘の点はあるわけでございますけれども、例えば原因につきましても、食べ物のアレルゲンあるいはハウスダストとかイエダニとかいろいろな原因、そういったものが原因ではないかというふうに推定はされておりますけれども、これも研究者によって、あるいは人によって一律にこれだというふうにまだはっきりしたところがわかっていないというところが現段階のレベルではないかというふうに認識しておりまして、私ども、一日も早く研究を進めてそういうものの解明に努力したいというのが今日の段階でございまして、今後とも専門家、いろいろな研究者の方々、医学者の方々の協力を求めながらそういう方向で努力してまいりたいと思っております。
#249
○菅野分科員 それでは続きまして、余り時間がないのですけれども、看護婦問題について一、二お伺いをしたいと思います。
 この問題では、私、さきに総括質問でも御質問させていただいておりますので、関連して伺いたいのですが、日本の看護婦配置が先進諸国に比較して非常に低いという状況があるわけですね。この患者四人対看護婦一人という配置基準を原則二対一に見直しても、イギリス並みにも追いつかないという状況があるわけですが、この実態を見ても、どれほど看護婦さんの負担あるいは犠牲が大きいかということがわかると思うのです。せめて先進国並みの二対一の基準に見直すべきではないかというふうに思うのですが、その点でも関連して診療報酬の問題があるのだろうと思います。
 例えば、手術室とか外来の看護料が今認められておりませんね。この手術や外来には看護婦が不要ということなのでしょうか。その点の、手術あるいは外来の看護料を新設するという考えはないかどうか。それで診療報酬の適正化が図られなければ、私は看護婦さんの労働条件の改善はあり得ないのじゃなかろうかと思うのですけれども、この辺の看護料新設の考えをぜひお伺いしたいと思います。
#250
○長谷川(慧)政府委員 看護婦さんの百床当たりの職員数につきましては、外国によりましてもいろいろな統計の数字がございまして、一概になかなか比較は困難でございます。先生がおっしゃられましたように、イギリスにおきましては百床当たり百四人というような数もございますし、あるいはフランス、西ドイツあたりでは四十四人とか三十一人という数もございまして、国によりましてそのとらえ方によってかなりの差があるところでございますので、一概に比較はなかなか困難であるという状況にございます。
 我が国におきましては、先生御存じのとおり基本的には四対一ということをまず充足してまいりたいというぐあいに考えておりまして、そういう面で看護職員の数の確保につきましての努力を重ねておるところでございます。
#251
○黒木政府委員 看護料のお話が出たわけでござ
います。外来、手術室には看護婦さん特有の点数がないということで、不要なのかという厳しいお尋ねでございますけれども、もう御案内のように、入院サービスにつきましては看護婦さんの業務ということで、法律上でいいますと、固有の療養上の世話という形で業務が確立しているわけでございます。そこで、看護料という形で入院部門には点数を設定いたしておるわけでございますけれども、外来とか手術室というのは、いわば診療の補助という形でお医者さんあるいは他の関連するいろいろな職種の方と共同して診療なり手術なり処置なりが行われているわけでございます。したがいまして、診療報酬上は看護料のような形での特掲という形ではなくて、それぞれ処置料とか手術料とか検査料の中にお医者さんの技術料も込み込みで入っているということで御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#252
○菅野分科員 今外来でいらっしゃる方は多いと思うのですけれども、病院へ行って、そこでやはり看護婦さんが頑張っていらっしゃるわけで、その看護料が正当な評価がないというのが実は看護婦不足という問題に大きく影響していると私は思うわけですね。先ほどのあれでは、不足でもいろいろ各国の比較ではそれぞれ基準が違いましたというお話もございましたけれども、やはり今の日本の実態から見て不足という問題はとらえていただく必要があるのじゃなかろうかと思いますし、看護婦養成に政府が責任を持っていただかなければ、この問題は解消しないというふうに思うわけです。
 高齢者福祉十カ年計画でも政府は五万人の看護婦増と言っていらっしゃいますが、日本看護協会の試算ではそのほかに四万人が必要になると見ています。試算の大きな食い違いがすべての計画をずさんなものにするのじゃないかということで、その辺ぜひしっかりと現実を踏まえてやっていただきたいと思うわけです。
 ここにも全国保険医団体連合会の診療所調査、これがございます。そこの先生方の調査によりますと、一人も看護婦のいない診療所は、近畿地方で三七%、関東では三二%、東海では一八%、さらに民間病院の場合、基準看護がとれない病院というのは全体の六七%もあるのです。ですから、こういうふうな、今おっしゃっていたような状況で、実態の不足に対する認識のずれといいますか、そういうふうなことがこういう深刻な事態を生んでいるのではなかろうかと思うわけですけれども、このような大変な事態、本当に三分の一が看護婦さんがいないみたいな状況があるわけですけれども、こういう事態にどう対応してくださるつもりなのでしょうか、ぜひお伺いしたいと思います。
#253
○長谷川(慧)政府委員 看護婦さんの数の不足につきましてはいろいろなところで御指摘がございまして、現在私どもが持っておりますいわゆる平成元年の設定いたしました看護婦需給見通しにつきましては、かなり足りないのではないかという御指摘がございます。そのような点から、私どもといたしましては、新しい需要増、いわゆるゴールドプランの関係あるいは労働条件の改善等を見ながら新しく需給計画の見直しを行いたいということで鋭意作業に努めている段階でございます。
 その中におきましては、先生お話ございましたように、病院におきます看護婦さんの問題あるいは診療所におきます看護婦さんの問題も当然必要数、あるいはゴールドプランの関係におきます老健施設等の必要な看護婦数というものを十分織り込みながら今後の需給計画を立ててまいりたいというぐあいに考えております。
 基本的には、看護婦さんの数の確保の問題につきましては、まず養成数の増の問題、それから現在勤めていらっしゃる看護婦さんがやめないで引き続き働いていただけるような労働条件の改善の問題、それからやめられた方々に対しましては再就業の促進というようなことを通じまして、看護婦さんの数、全体数の確保を図ってまいりたいというぐあいに考えております。
#254
○菅野分科員 時間が参りましたので、今おっしゃいましたように需給計画の策定中でございますので、格段の努力をお願いして、終わります。
#255
○古賀(誠)主査代理 これにて菅野悦子君の質疑は終了いたしました。
 次に、長谷百合子君。
    〔古賀(誠)主査代理退席、主査着席〕
#256
○長谷分科員 本日は、三つの案件について御質問を申し上げます。
 時間の制約がございますので、順次具体的に質問させていただきます。
 まず最初に、地方公営企業の競走場、具体的に申しますと地方競馬場、競艇場、競輪場、オートレース場に従事されています労働者に対する社会保険の適用について厚生省にお伺いしたいと思います。
 私が申し上げるまでもなく、年金保険や健康保険など社会保険は福祉国家における最も重要な柱であり、体系的かつ包括的な制度として展開されるべきであろうと考えております。しかしながら、先ほど申し上げました競走労働者の雇用実態を見ますと、例えば厚生年金法の条文をどう読みましても、競走場は厚生年金の強制適用事業所であり、かつ被保険者資格も十分に備えている労働者がたくさんいらっしゃいます。しかし、厚生年金制度が現実には適用されておりません。
 具体的な例を申し上げますと、東京都の府中市に多摩川競艇場という競走場がございます。ここで働く労働者は総勢千三百名ほどに上ります。そのうち千名近くが正規の登録従業員として働いています。勤務日数は一般従業員で一カ月十六日で年間百九十二日以上勤務し、平均勤続年数は二十一年を超えております。ここで働く人々は、一般の継続雇用の労働者と同じように定年退職制度、それから永年勤続表彰、年次有給休暇制度をも適用されておりますし、賃金におきましても定期昇給もあれば一時金もございます。また、一般の雇用保険制度が適用されております。これについては、一九九〇年三月十九日の労働省職安局通達により、競走労働者が長期にわたる継続雇用の実態にあることを理由に日雇い保険から一般の被雇用保険に移行させているといった経過がございます。
 このように、実態を見ますと当然に社会保険を適用すべきものと考えられますが、この問題についてどのようにお考えでしょうか。
#257
○大西政府委員 お答え申し上げます。
 私ども、健康保険法及び厚生年金保険法の適用につきましては、御承知のとおりですが、法人事業所のすべて、それから常時五人以上の従業員を使用している一定の個人事業所において使用されている方を被保険者としているわけでございますが、幾つかの適用除外事例がございます。その一つに、「二月以内の期間を定めて使用される者」あるいは「日々雇い入れられる者」というような形で法律上適用除外として特定されている分野がございます。
 今御質問の多摩川競艇等のいわゆる競走事業の場合に、これは一般的にとまだ私ども言い切れないのですが、多くの場合、開催期間中の短期の契約で雇用される形態が多いと伺っておりまして、大体一週間から二週間ぐらいの期間で雇用契約がなされておるという実態があるようでございます。これがいわゆる法律上の適用除外事例に当たります「二月以内の期間を定めて使用される者」ということで自動的に適用除外になるという点がございまして、これが現在まで適用されていない一つの大きな原因かと思います。
 御指摘のような勤務上の実態面を見ると常用雇用的な要素もあるというふうに、私ども自身いろいろ団体の方から伺いましてそういう要素もあることも気づいておりますが、今の法形式上からいいますと、その適用除外の段階で既に処遇が決まるという形式になっております。
#258
○長谷分科員 競走労働者に対する厚生省の判断は大体わかりましたけれども、伺いましたところ、社会保険庁は競走労働者の社会保険の適用に関して全国の実態調査をなさっているということですけれども、その集計結果並びにそれに基づい
た一定の判断といったものが出ると思うのですが、これはいつごろになったら私たちが知ることができるのでしょうか。
#259
○大西政府委員 実は昨年団体の方々からいろいろ御要望賜りまして、この件について判断するについては私ども自身実態を少し知る必要があると考えまして、昨年九月に全国の事務所を通じまして調査を行ったところでございます。現在その調査結果が上がってまいっておりまして、これを取りまとめておりますが、なお一部について再度調査をお願いするような項目もございまして、残念ながら現時点ではまだ取りまとめという段階まで来ておりませんが、そう遠くない将来にまとめられると考えております。
 私どもとしてはこの結果を一応踏まえて、その上で、いろいろな勤務形態があると思いますが、社会保険の適用が可能であるかどうか、あるいは可能でないとした場合に、例えば勤務形態の変更等ができれば適用できるようになるかという点を少しじっくり検討してみたいと考えております。
#260
○長谷分科員 厚生年金制度が施行されて三十七年が経過しております。制定当時は、現在十万人と言われておりますけれども、競走労働者の登場を予定していなかったというのは全く当然のことと推測できるわけです。また、法律上細部にわたって法文化できていないことも承知しております。しかし、時代の変化とともに産業の形態も移り変わり、産業の労働人口も変化してまいりました。現在、競走事業による収益は地方自治体の有力な資金源になり、福祉行政などに広く貢献し、大衆娯楽としても社会的にも定着してきました。それに伴い、そこで働く人々の雇用実態は継続雇用となり、また継続性がなければ競走場の開催運営もできない状態です。法の精神に返るならば、形式的な法解釈ではなく、実態に即した解釈なり運用が求められているというふうに思います。また、そう判断されたからこそ社会保険庁は実態調査に踏み切ったものと私は理解させていただいております。多摩川競艇場を初め競走場に従事する労働者に対しても一日も早く社会保険が適用されるよう、その可能性をぜひ探っていただきたいと思いますけれども、御見解をお願いいたします。
#261
○大西政府委員 私どもも、単に機械的に法律を適用するというスタンスはとりたくないと思っておりまして、いろいろな業態の実態を踏まえつつ、その法の精神が生かされるような方向で運営したいと思っております。今回の件につきましても、私ども自身、正直申しまして実態について疎いということもございまして実態調査したわけでございますが、法の枠組みの中に取り込めるものについては取り込むという姿勢でフランクに、公平な目でこの実態を見て判断をいたしたいと思っております。
#262
○長谷分科員 ぜひその方向でやっていただけることをお願いいたします。
 続きまして、パート労働についてお伺いいたしますけれども、労働省から一九八九年六月二十三日に労働大臣名で出されております労働省告示三十九号、これは「パートタイム労働者の処遇及び労働条件等について考慮すべき事項に関する指針」、通称パートタイム指針についてまず労働省にお伺いしたいと思います。
 近年、パート労働者、特に女性パート労働者が急増してまいりましたが、労働条件をめぐって慎重かつ早急な行政としての対応が求められてきました。その意味ではまだ不十分ではあるものの、今回の指針は一定の方向性を打ち出したという意味では評価に値するものだというふうに思っております。しかし、問題はこの指針をどう生かし、守らせるかということだと思います。
 まず、この指針の作成の経過と作成に加わったメンバーの構成、そして、この指針が今までどのように生かされ、守られてきたのか、簡単にお答えいただけますでしょうか。
#263
○鈴木説明員 指針の作成の経緯等についてでございますが、労働省におきましては、昭和五十九年にパートタイム労働対策要綱を定めまして、これに基づいて啓発指導をしてまいってきたところでございます。その後、パートタイム労働者の増加等がございまして、昭和六十三年に、学識経験者に労使団体からの推薦をいただきました委員を加えましてパートタイム労働問題専門家会議を設けまして、今後のパートタイム労働対策のあり方について検討していただき、その意見を踏まえて平成元年六月二十三日に先生御指摘のパートタイム労働指針を定めたところでございます。この指針につきましては、パートタイム労働者を雇用する企業におきまして、できるだけこの指針を守っていただきたい、定着させていきたいというふうに考えておりまして、そのための啓発指導に努めておるところでございます。
#264
○長谷分科員 国の機関や地方公共団体の中にも最近はパートの労働者が増加してきていますが、このような団体に対してはその指針をどのように周知し、指導されておいでになったのでしょうか。
#265
○鈴木説明員 このパートタイム労働指針の啓発指導ということにつきましては、指針と同時に定めました総合的パートタイム労働対策に基づきましてあらゆる機会を通じて指導啓発してまいってきているところでございます。特に、毎年十一月にパートタイム労働旬間を設けまして、その中で集中的な啓発指導を行っておるところでございます。
 都道府県等に対しましては、労働省の立場からパートタイム労働指針の周知徹底に努めるように通達しております。そのほか、パートタイム労働旬間の実施に当たりまして各種の協力をお願いしているということでございます。
#266
○長谷分科員 次に、自治省にお伺いいたします。
 今のように地方自治体においても臨時職員あるいはパート労働者が大勢いらっしゃると思いますけれども、先ほどちょっと取り上げました競走労働者及びそこに働くフルタイムのパート労働者についての身分は法的にどういうふうに扱われているのでしょうか。そして、それらの労働関係についてどの法律が適用されているのか、伺いたいと思います。
 私としては、競走場に働く方たちはより民間労働者に近く、労働基準法にかかわる部分が大きい職場と理解し、今回のこのパート労働者指針をパート労働者に十分に適用すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#267
○金子説明員 公営競技の従事員の地方公務員法上の身分的位置づけについてでございます。一概には言えない面もございますが、公営競技開催期間中など一定の期間を限って短期間雇用されているのが通常でございまして、一般的には臨時的任用による一般職に属する地方公務員でございまして、法的には地方公務員法五十七条におおむね該当いたすものというふうに考えております。「単純な労務に雇用される者」というふうに規定されているわけでございます。
 したがいまして、その身分取り扱い等についてでございますが、先生御指摘の関連法令というようなことでございますが、地方公務員法、地方公営企業法、地方公営企業労働関係法、それと労働基準法等が適用されることになるものでございます。任命権者におきましては、それらの関係法令の規定に従った身分取り扱い等が適正に行われるべきものと考えております。
 次に、いわゆるパートタイム労働指針でございますが、この件につきましては、御案内のとおり労働省の施策として行われる行政指導等に関する基本方針を示したものであると理解しておりますが、地方公共団体におきましては各施行団体の実情に応じまして留意されるべきものというふうに考えております。
#268
○長谷分科員 どうもありがとうございました。
 続きまして、最後の質問になるかと思いますが、同和地区における老人福祉についてお伺いいたします。
 近年急速な高齢化が進行し、社会的な問題に発展してきております。同和地区においても同様の傾向が見られ、高齢者の保健福祉対策が重要な課
題となってきております。厚生省としてこのような同和地区の老人の生活実態を果たして把握しているのかどうなのか、それに対してどのような対策をとってこられたのか、お伺いしたいと思います。
 また、八九年に策定されました「高齢者保健福祉推進十か年戦略」において同和地区の老人の生活実態がどのように生かされ、実態に即した推進計画になるのか、あわせてお答えいただきたいと思います。
#269
○岡光政府委員 まず実態でございますが、昭和六十年度に総務庁が行いました地域改善対策対象地域における高齢者の実態でございますけれども、全国平均に比べまして、まず第一点は高齢者世帯の割合が若干高いという状況にございます。それから六十五歳以上の人たちの健康状態でございますが、健康であるという人が多いという一面がございますが、一方で病弱であるとか床につきっきりという方の数も一般に比べまして若干多くなっております。また、就労の状況でございますが、高齢者の有業率が若干低いという状況認識をいたしております。
 御指摘のありましたように平成二年度から「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を実施しておりますが、この施策自体、市町村の置かれている状況に応じて最も適切に施策を進めていかなければならない、そんなふうに考えておるところでございます。対象地域における在宅福祉施策の事業の実施につきましては、今申し上げましたようなそれぞれの地域の実情がございますので、そういう実情に即するように施策を展開していきたい。もちろん優先採択をするとか重点実施をするとかそういうことを行いまして、当該地域の高齢者の福祉増進に努めてまいりたい、そんなふうに考えております。
#270
○長谷分科員 今の優先的、重点的にという御答弁でございますけれども、何を同和地域に対して優先的、重点的に対策をされていらっしゃるのか、もう少しよくわかりません。何を優先的、重点的にすべきなのか、実態を正確に把握されていないのではないかなというふうに思わざるを得ないところもあるわけです。
 現在、同和地域ではひとり暮らしの老人が大変多い。今の御答弁の中にもございました。さらには寝たきり老人の比率が高まっております。ホームヘルパーの配置やデイサービスセンターの設置、ショートステイの確保など在宅福祉の整備を緊急に行う必要があると思います。いろいろ設備をつくっていただくとかそういうことはあったかと思うのですけれども、そこが必ずしも十分な運用がされていない、ソフトの面でまだまだ改善する余地があるのじゃないかというふうに思っておるわけです。前にもやられたと伺っておりますけれども、今後厚生省の方でさらに実態調査という形で各市町村を指導し、また大臣みずからが先頭に立って実態を見ていただき、特別対策を立てられることを大いに期待しておるわけです。そのことに対しまして大臣の御決意をお聞かせ願えますでしょうか。
#271
○下条国務大臣 同和問題は、憲法に保障されております基本的人権にかかわる重要な問題であります。また同時に、これは国民的な課題でもありますので、今後ともこの問題の重要性にかんがみ、その解決のために厚生省としても最善の努力をしてまいりたいと考えております。
 なお、現地視察の問題につきましては、私もまだよく現地を承知しておりませんので、機会があれば伺って見させていただきたい、こう考えております。
#272
○長谷分科員 ぜひ今大臣の御答弁のように前向きに、しかも大臣みずからという形で積極的にやっていただきたいということをお願い申し上げて、きょうはいろいろなあちこちの質問になりましたけれども、各省庁の皆様、本当に御協力ありがとうございました。これをもちまして質問を終わらせていただきます。
#273
○粟屋主査 これにて長谷百合子君の質疑は終了いたしました。
 次に、竹内勝彦君。
#274
○竹内(勝)分科員 最初に、昭和六十一年までは母子年金あるいは準母子年金、遺児年金というような形で支給されておったものでございますけれども、それが六十一年四月一日以降は遺族基礎年金、こういう形で支給されておりますが、これの支給額と人数、それの推移についてお伺いしておきたいと思います。
#275
○大西政府委員 お答えを申し上げます。
 妻に対します遺族基礎年金、それから旧法の母子年金、準母子年金の受給権者数は、合計で申しますと、昭和六十一年度末で十一万人、六十二年度末十一万五千人、六十三年度末十一万五千人、平成元年度末十一万六千人となっております。
 それから、給付費の総額でございますが、昭和六十一年度末で九百十三億円、六十二年度末九百七十四億円、六十三年度末九百八十七億円、平成元年度末千五十四億円となっております。
 それから、遺族基礎年金に限りますがその年金額をちょっと申し上げますと、十八歳末満の子供が一人いるというときの妻の場合で、昭和六十一年度六万七千四百六十七円、六十二年度で六万七千八百六十七円、六十三年度六万七千九百四十二円、平成元年度七万一千五百円、二年度七万三千百四十二円となっております。
#276
○竹内(勝)分科員 一人に関してのものも御答弁いただきましたけれども、こういういわゆる遺族基礎年金に関しては基準というものはどういうようなもので定められているのでしょうか。その範囲ですか、そういったものを概略御説明ください。
#277
○末次政府委員 お尋ねの趣旨はいわゆる支給要件かというふうに理解いたしますが、遺族基礎年金は死亡いたしました被保険者により生計を維持されていた者に支給されるわけでございまして、その者が子を有する妻の場合には、子がすべて十八歳に達したときに失権いたします。また、子が受給する遺族基礎年金につきましては、その子供自身が十八歳に達したときに失権するということになっております。
#278
○竹内(勝)分科員 前にも問題になったと思いますけれども、高校三年の在学中に十八歳になり年金が打ち切られる。例えば高校三年になった、それで四月の終わりなりあるいは五月に十八歳になった、こういう形になって、その後は結局年金がもらえないわけですね。どういうように把握していますか。そういうような人が高校卒業までは何とかならぬものかということでいろいろと私どもの方にも要望がございますし、その状況をどのように掌握しておるのか、御答弁いただきたいと思います。
#279
○大西政府委員 子供さんが十八歳に達した場合に打ち切られる、あるいは養子縁組等で失権するというケースにつきまして、遺族基礎年金あるいは母子年金等の受給権を失った配偶者の数ということで申し上げますと、平成元年度中で約一万五千人でございます。
#280
○竹内(勝)分科員 そこで、こういう問題に関して何とか高校在学中、ですから一年未満ですね。幾ら多い人でも一年間ということですから一年未満、例えば十八歳で高校三年になった、それでその時点で打ち切るのではなくして、その翌年の三月三十一日まで何とか延期してもらいたい、こういうようなものに関していろいろ過去におきましても要望があったわけでございます。これは何とかならぬかということで、今までも検討しておったと思いますけれども、現在どういうようなお考えでおるのか、御答弁いただきたいと思います。
#281
○末次政府委員 高校を卒業するまで延長してはどうかというお話でございますが、年金制度といいますのは基準は年齢到達というのが一つの考え方になっております。また、この年齢につきまして十八歳未満ということを要件にいたしておりますのは、各種の年金、共済のほか災害補償、手当等々極めて広範囲にわたっておりまして、これを一律に高校卒業まで、十八歳に到達した後の三月三十一日まで延長するということにつきましては、なかなか難しい問題もあろうかというふうに
考えておるところでございます。
#282
○竹内(勝)分科員 そういうのが通り一遍の温かみのない役人の考え方になるんですよ、これは何も今回初めてこういうものを取り上げて言っておるわけじゃないのですから。例えば十八歳で母子年金という形で、現在は遺族基礎年金という形、それでいただいておったものが、卒業まであと半年だ、その半年、とにかくお母さんしかいないわけですから、あるいはそういう形でその年金に頼って生活してきている、そういう立場の者であるがゆえに、そういったところのきめ細かな対策というのがどうしても必要なんです。
 そこで、大臣にお伺いしておきますが、こういう考え方、どうですか、そんなに莫大な費用がかかるというものでもないですよね、そんなに大勢この対象者がおるわけじゃないですから。まずそれを調査していただいて、そして十八歳になったならば、初めての三月三十一日を迎えるまで何か特別な措置ができないものか、そういったものをぜひ調査なり研究なりしていただく必要が私はあると思いますが、大臣、御所見をお伺いしておきます。
#283
○下条国務大臣 遺族基礎年金の問題につきましていろいろ御提言がございました。確かに十八歳のところで機械的に切れるということで、ちょうど高校の変わり目の大事なところでございますので、今御説明のような実情もあろうかと思います。
 ただ、このことにつきましては、今担当の局長が御説明申し上げましたように、この制度につきましては他の年金や手当、子供の範囲等の問題のいろいろなかかわり合いもございますので、すぐにこれを実行に移して改正するということには至りませんが、今お話しのように、実態はどうかという問題については十分我々の方としても検討してみたい、このように考えております。
#284
○竹内(勝)分科員 それはそうと、では実態はどうですか。例えば十八歳になって打ち切られた、人によってはまるまる一年の人もあるでしょうけれども、これは少ないですよね。半年なり三カ月なりと減ってくるわけですけれども、そういうものでもしも支給した場合はどういう状況になりますか。何人おって、どれくらいの予算になるというようなことを調べていますか。
#285
○末次政府委員 先ほど申し上げましたように、これに関連いたします年金、共済等々大変広範囲にわたっておりまして、例えば年金について見ましても、昭和六十年改正前より支給されております国民年金の母子年金、準母子年金あるいは障害年金の子の加算、厚生年金の遺族年金等につきましてそれぞれの支給期間の延長はどうであるか、あるいは障害基礎年金の子の加算の支給期間の延長はどうであるか等々、関連する部分が非常に多岐にわたるわけでございまして、その実態を直ちに御報告することは難しかろうと考えております。
#286
○竹内(勝)分科員 過去においてもこういうものを問題にしたわけなんですから、それならば、その後どういう対応をしたのですか、それを伺っておきます。今初めて聞いたことじゃないでしょう。
#287
○末次政府委員 この問題につきまして、私ども一応制度問題として考えておりまして、関連する分野、制度が大変多岐にわたっております。したがいまして、それぞれにつきましてどういう実態と申しますか、件数あるいは金額がどうであるかということについては私どもつまびらかにいたしておりません。
 ただいま大臣が申し上げましたように、今後この問題につきまして制度問題としてどういうあり方が望ましいかということについては、さらに勉強させていただきたいと思っております。
#288
○竹内(勝)分科員 それでは大臣、恐縮ですが、もう一度調査をするということで、その実態を見ていただいて、これは政府として可能性があるならば、私が申し上げておるようなそういうかわいそうな立場なのですから、もう半年なり三カ月なり何とかしてやれば非常に伸び伸びと高校生活が送れるじゃないか。大きく重要な時期ですから、将来に影響しますよ。そういうときに国のそういった温かい仕組みのもとに伸び伸びと学んで、そして大きくはぐくんでいく、こういう意味からも重要なことだと私は思いますので、大臣として、もう一度調査をした上で、可能性があるならば、どういうような考えを持っておるのか、それを御答弁いただきたいと思います。
#289
○下条国務大臣 先ほどもお話し申し上げましたように、本件、他の年金や手当制度における子供の範囲とのバランス等もございますし、すぐに改正を前面に打ち出すということはなかなか困難かと思いますけれども、先生の熱意ある御説明によりまして問題も明らかになっておりますので、その点について実態はどうかということを関係の各年金にわたりまして検討させていただきたいと思っております。
#290
○竹内(勝)分科員 次の問題に移ります。
 私は、昭和五十三年三月二日、社会労働委員会におきまして当時の薬務局長である中野徹雄さんに対し、化粧品の問題で、化粧品に関していろいろ危険なものが含まれておったというようなことから、その実態調査並びに化粧品の成分表示をそろそろ考えるべきではないか、こういうことで要望いたしました。おかげさまで、その後、成分表示に関しましては、昭和五十五年九月にまず九十八成分が指定され、それから六十二年五月に二成分がさらに追加され、現在百成分が指定されておりますけれども、これはどういうような経過をもってこの九十八になり、あるいはさらに二品目がどうして追加になったのか。そして、現在百成分が指定されておるわけでございますが、聞くところによれば幾つもある、三千種類もあるというような成分だと伺っておりますけれども、なぜその中のわずか百成分だけをこういう形で成分表示にしたのか、そういった理由も含めて、今までの経過を御説明いただきたいと思います。
#291
○川崎政府委員 化粧品の成分表示の制度につきましては、ただいま先生から御説明ございましたように、消費者が医師などからの情報をもとにみずからアレルギーを起こすおそれのある化粧品を避けることができるよう、そのようなおそれのある成分の表示を義務づけたものでございます。
 お話がございましたように、そういった観点から、昭和五十五年、このような化粧品の成分として九十八成分を指定されたところでございます。さらに、昭和六十二年に二成分を追加しておりますが、これは昭和五十五年の指定以後に化粧品の新規原料として申請されましたもののうち、アレルギーを起こすおそれがあるとの専門家の知見が示されました二成分につき、新たに化粧品成分表示を義務づけたものでございます。
 ただいま先生のお話のように、化粧品の成分として現在ございますのは三千品目程度あろうと思われますが、そのうちこういった百成分につきまして表示を義務づけているわけでございます。化粧品は、もともと作用が緩やかな成分を主体にしておりまして、しかし、中には使用者によってアレルギー作用を起こすということがあるわけでございますが、現在の成分表示制度は、ただいま申し上げましたように、消費者が医師などからの情報をもとにアレルギー性の皮膚障害を起こすおそれのある製品の使用をみずから避けることができるよう設けられたものでありまして、その意味では、表示制度は消費者にとってもできる限りわかりやすいものであるということも大事なことであろうかと思います。
 そういった観点から、現在注意すべき成分という意味で百品目を表示するように義務づけているわけでございます。
#292
○竹内(勝)分科員 そうすると、九十八成分のときは、これはやはり注意した方がいい、こういう成分が入っているとアレルギーなどで問題になるのだということで、そういうものが余り使われないようにという意味から、九十八成分が指定されたのでしょうか。もう一度御答弁ください。
#293
○川崎政府委員 そういうような意味よりも、むしろ人によってはアレルギー作用を起こすおそれ
もある、こういった成分として認められたために、こういった成分を表示しておいた方が適当であろう、こういう考え方でございます。
#294
○竹内(勝)分科員 そうすると、六十二年の五月の二成分に関しても同じ考えでございましょうか。
#295
○川崎政府委員 この六十二年の追加いたしました二成分につきましても、専門家の知見が示されまして、こういった取り扱いをしたということでございます。
#296
○竹内(勝)分科員 もう一度、ちょっとくどいようですが、その六十二年のときの二成分も、人によってアレルギー性が出てくる、こういう意味で表示した、そうではなくて、これは全般的にこの二成分はおかしいのだ、余り使わぬ方がいいのだ、こういうように解釈していいのか、どちらですか。
#297
○川崎政府委員 六十二年の二成分につきましても、一般的に起こるわけではございませんけれども、中にはある人によってそういった症状を起こすおそれがある、こういった考え方でございます。
#298
○竹内(勝)分科員 おかしいですね。三千種類あるのですよ。三千種類あって、わずか今百種類、あとの二千九百種類というのは一般的に全部大丈夫、こう解釈していいのですね。そう断定していいのですね。それをはっきりしてください。
#299
○川崎政府委員 従来の知見からそういったようなおそれがあるといったようなことが聞かれなかったといったようなことで、義務づけをしていないわけでございます。
#300
○竹内(勝)分科員 この六十二年の二成分は結局七年間経過してわかったわけですね。そうすると、今後経過する中で、これはやはりおかしいというようなことが出てくる可能性が十分あるということではないでしょうか。
#301
○川崎政府委員 おっしゃるとおり、今後推移の中で新たな知見というものが出ました場合には、これは当然さらに成分表示の中に追加をしていくということになるわけでございます。
#302
○竹内(勝)分科員 そうすると、これは考え方がちょっとおかしいですよ。それはやはり人間が使うのですから、人間が使っている間に実験されているようなものになってしまうのだ。七年たって、ああやはりおかしい、十年たって、やはりおかしくなったから、これはまあ人によってではあるけれども注意した方がいいよというようなものであってはならないと私は思うのです。むしろ、この三千種類の中でこれは全く関係がない、水分だとかミルクだとか、私もよくわかりまぜんが、そういうようなもので、全く一般的に考えて何ら問題ないというものは省いてもいいのですが、場合によって少しでも出てくるかもわからないというものは、成分表示に加えた方がいいのじゃないでしょうか、二千九百も残しておくよりも。何も百種類だけにとらわれる必要は私はないと思うのですね。むしろ全部オープンにした方がいいですよ。そういう意味で、今後百種類をもっとふやした方がいいと私は思いますが、お考えはどうでしょうか。
#303
○川崎政府委員 ただいま申し上げましたように、これまでの知見でわかったものについてこれは注意しなければならない、そういった意味で成分表示を義務づけているわけでございまして、これをすべて、三千に及ぶ成分を必ず表示しなければならないといったようなことにすることは、消費者のわかりやすさという意味からもいかがなものかというふうに考えるわけでございますけれども、しかし、先生のおっしゃるように、消費者の立場に立ってというお話だと思いますので、私どもは消費者保護の見地に立って適切に対応するようにこれからも努力をしてまいりたいと思います。
#304
○竹内(勝)分科員 ぜひその点お願いしたいと思います。そういう意味では、今や消費者、国民はみんなもうどんどん進んでいるのですよ。いろいろ勉強しているのです。だから、自分にはどういう化粧品がいいとか、どういうものがいいとかということで、非常に高度な判断をやはり持つようになってきておりますよ。
 そういう意味におきましても、三千種類もあるのにわずか百種類だけで事足れりというようなものであっては、結局後になって二種類出てきておるわけでございますから、いや、また五種類ちょっとおかしかったですとか、十種類おかしかったですというようなものよりも、少しでも成分としてこれは表示した方がいいのじゃないかというようなものに関してはぜひ表示をふやしていただきたい、私はこれを重ねて要望しておきます。これは御答弁は結構でございます。
 もう一点、時間の関係で大事な点でございますので、お伺いしておきます。
 看護婦不足の現状、非常に厳しい状況でございますが、特に全国の大まかな現状と、それから京都ではどうなっておるのか、その二点に関してまずお伺いしておきたいと思います。
#305
○長谷川(慧)政府委員 看護婦さんの数の問題でございますが、看護職員需給見通しによります全国ベースにおきます看護職員の需要数といいますのは、六十三年で申し上げますと八十三万一千人でございます。その年の就業者数が七十七万八千人でございますので、約五万人が不足しておるという状況にございます。
 それから、京都府の状況でございますが、同じ六十三年の京都府の看護職員の需要数は二万一千人というぐあいに推計されておりまして、同年の就業者数が一万七千人余ということでございますので、約四千人が不足しているという状況にあるかというぐあいに思うわけでございます。
#306
○竹内(勝)分科員 本院におきましても、この看護婦不足の実態に関してはいろいろと議論がなされました。そこで、この看護婦不足を解消していく最も大事な点はどこにあるのですか、どのようにとらえておりますか、御答弁ください。
#307
○長谷川(慧)政府委員 現在の看護婦さんの不足の問題につきましては、いろいろな要因が指摘されているところでございます。いわゆる高度な医療の進展によりまして看護婦さんの必要数が増してまいった、あるいは高齢者に対する対策のために看護婦さんの数が必要になってきておる、あるいは医療計画に基づきます駆け込み増床の関係で看護婦さんが足りなくなっておる等々、いろいろな要因もあるわけでございますので、この要因がそれぞれ相絡み合って現在の状況になっているというぐあいに思うわけでございます。
 そういう面で、これらの要因の解決ということで、基本的には看護婦さんの絶対数をふやすということが一番基本的な解決方策であろうというぐあいに思うわけでございます。私どもといたしましては、看護婦さんの養成数の増加、あるいは現在就業していらっしゃる看護婦さんがやめないような対策を講ずる、あるいは現在やめていらっしゃる看護婦さんに再就業のあっせんをするというようなこと等、いろいろ対策を講じてまいりまして、看護婦さんの全体数の確保を図ってまいりたいというふうに思っている次第でございます。
#308
○竹内(勝)分科員 絶対数の不足解消には看護学校、準看護学校、こういったものをふやしていく以外にないのですよ。そこの定員をふやすなり、そういった学校をさらにふやしていく、そういうものが大事になってくると思いますが、その点はどのように進めておりますか。
#309
○長谷川(慧)政府委員 先生御指摘の看護婦さん養成の数をふやすということも非常に大事な点であるというぐあいに思っておるところでございます。そういう面で、平成三年度においても、看護施設の施設整備補助金については既存の四十億円から四十四億円にふやすという予算も計上いたしているわけでございます。また、あわせて看護婦さんの養成所の運営経費についても不十分であるというような御指摘等もいろいろございますので、既存の運営経費についても約四割の予算増を平成三年度予算案に計上いたしまして、今後とも看護婦さんの養成増を図ってまいりたいというぐあいに考えておるところでございます。
#310
○竹内(勝)分科員 時間ですので最後に大臣に御
答弁いただきたいのですが、まず看護婦さんの実態は何といいましても増員ですね。それから大変な夜勤の回数、夜勤、深夜勤というのですか、非常に過激な労働でございます。したがいまして、看護職員の増加、それから給料をよくしていく、待遇をよくしていく。それから週休二日制なり、今ニーズはそうなってきております。いわゆる時間短縮ですね、そういったもの。それから、そういうことをやっていくことによって夜勤回数を減らしていく、あるいは一度看護婦をやめられた方がまた復帰してくるような体制をつくっておく。やめなくてもいいようにというものもあるわけでございます。例えば保育所など子育てを病院の中でどういうふうにやっていくのかというようなものも、そういうものに付随してあると私は思うのです。
 そういういろいろな条件があると思いますけれども、とにかく高齢化社会が進んでいきます。日本の人口の状況は四十代後半、五十代、この辺が今一番膨れているわけですね。そうすると、この人たちが十年後、二十年後、高齢化社会の一番中心になっていく人で、いわゆる看護が必要になる。だれだって人間は体がおかしくなりますし、死ぬまでぴんぴんしていることは絶対あり得ないことですね。そういう意味から、どうしても看護婦というものは状況をよくしていかなければならない。そういう意味におきまして、大臣として早急な対策をとっていく必要があると私は思いますので、最後にその御決意をお伺いいたしまして、質問を終わります。
#311
○下条国務大臣 看護職員の数の充実、また資質の向上、これは長寿社会の諸計画を実施するに当たっては欠かせない重要な施策でございます。
 現状は、先ほど来お話が出ておりますように需要に供給が追いつかないという状況でございますので、それぞれにつきましては、今委員からお話がありましたように養成所の強化をする、これについても平成三年度の予算の中で格段に手当てをいたしておりますが、それのみで十分ではございませんので、おっしゃったように、既に就職した方々がきついがためにおやめになるということがないように、定着を高めるために勤務条件をさらに改善していくことが当然必要であります。また、やめられた方が随時その御家庭の状況に応じてまた働いてみようというときに、その連絡を密に、具体的に就職をやっていただける導火線になるような看護センターの機能の充実、あるいはまた先ほどお話がありましたように、働きながら子育てもやるという保育所の充実等にそれぞれ万般の配慮をいたしながら、看護職員の充実にさらに努めていくように努力してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#312
○竹内(勝)分科員 終わります。
#313
○粟屋主査 これにて竹内勝彦君の質疑は終了いたしました。
 次に、鈴木久君。
#314
○鈴木(久)分科員 大変遅くまで御苦労さまでございます。私が最後のようでございますから、端的に質問を行っていきたいと思います。
 昨年の四月も同じ問題を取り上げまして一年たつわけでございますけれども、実は私の地元でございます福島県のいわき市で、昭和六十四年から平成元年にかけて相次ぐ産業廃棄物の不法投棄事件が起きました。もう既に皆さん御承知のとおりであります。一つは、田人の荷路夫という牧野にドラム缶で四千三百五十六本、十八リットル入り缶で一万一千四百六十二本。さらに、いわき市の勿来町の原野にドラム缶九百五十本、同じいわき市山田町の山林に五百本、田村郡常葉町山林に二千四百本、田村郡小野町に五百本、これで都合四千三百五十本。さらに、いわき市沼部町というところの旧羽幌炭鉱の廃坑の中にドラム缶で三万七千本。そして、これを行った中間処理業者と言われる大谷総業という株式会社があるのです。この敷地内に四万五千本野積みということで、合計九万本近いトリクロロエチレン入りの産業廃棄物が不法投棄ないしは野積み、野ざらし、大事件になりました。
 今もって、特に廃坑跡の三万七千本については未回収でございます。もう一年有余たっています。これをくみ上げる技術的な問題は、ボーリングをおろしてこれをやって、技術的には全部可能だというところまできたのであります。しかし、何せ投棄をした業者というのは、最末端でやった業者は大松工業というところと山野辺建設という、いずれも無許可の業者でございます。その後ろにいたのが中間処理業者の大谷総業、これは許可業者でございますけれども、問題はこの回収には莫大な金がかかるということで、結局のところ回収能力がないわけですね。この業者には回収能力がないというふうに端的に言い切って私はいいと思うのですよ。それでずうっと待っていましたけれども、このまま放置しておけば、これはトリクロロエチレンですから、地下にどんどん浸透していくわけです。回収しなければならないということは重々承知の上で、今日一年有余このままの状態になっているということに対しては、その周辺住民の皆さんは、これでいいのか、何をやっているんだというふうになるのは当然でありまして、今県当局はこれをどうするのかいろいろ悩んでいらっしゃると思う。
 私は、去年もここで代執行したらいいだろうということを明確に申し上げたつもりです。これは代執行しかないのですね、回収する方法は。その辺まず厚生省サイドから、検討についてどんなふうな話になっているのか私は十分承知しておりませんけれども、代執行ありやなしや。それをやるしかない、こういうふうに思うのですけれども、まずその辺の認識について厚生省の考え方をお尋ねしておきたいと思います。
#315
○小林(康)政府委員 お話しのいわき市の大谷総業等によります廃油などの不法投棄事件につきましては、事件が発覚いたしました平成元年八月に、大谷総業の敷地内に四万九百六十三本のドラム缶等が処理の見通しが立たないまま不適正に保管をされ、また、炭鉱の廃坑内にドラム缶四万四千八百八十本相当分の廃油が投棄されておる事件と承知をしております。
 これら廃油等の処理につきましては、福島県が大谷総業等に対しまして回収の指導を現在行っておるところでございます。お話しの代執行は現在県としてはとっておりませんで、この指導によりまして、実質的に廃油の回収及び処理を行うという道を県としては採用されておるというふうに承知をしております。その結果、敷地内に保管をされましたドラム缶等につきまして順次処理が進んでまいりまして、平成三年一月末現在に残されておりますドラム缶が二万九千八百七十五本になっているというふうに報告を受けております。
#316
○鈴木(久)分科員 それは敷地内にあった四万五千本が二万九千八百七十五本というふうに減った。それは一年間にあの会社は大体一万五千本が限度でしょう、処理能力自身が。一万五千本くらいしか処理能力がない業者が、敷地内に九万本近い不法投棄をやったのですよ。何年かかりますか、あと。廃坑内の四万本前後のやつを吸い上げて、それを処理するといったら、とてもじゃないが何年たったってできないじゃないですか。私言っているのは、敷地内の方はもちろん責任でやらせるのは当たり前。
 問題は廃坑ですよ。廃坑は地下浸透して、トリクロロエチレンがずっと周辺の井戸に具体的に出てくるわけですよ。廃坑跡というのはレベルが高いのですから、どんどん地下浸透していく。勿来の町の全域に恐らくこれは地下浸透して、それでなくてもトリクロロエチレンは普通いろいろな洗浄剤に使われている、あるいは洗濯屋さんの出されるやつでさえ井戸水を汚染しているという状況ですから、これだけべらぼうな廃坑跡に埋まったままの処理をしないというのは、全くおかしいのですよ。
 今、代執行はやらないような方針だというけれども、大谷総業にこれをくみ上げて処理する能力なんかは全然ないですよ。こんなことをやっていたら、行政不信が物すごく住民から募るばかりだというふうに私は思うのですね。これをそのまま
放置しておかないで、早急に代執行すべきであろうというふうに私自身は考えています。それは、今県ではありませんから、皆さん方からしますなんて回答をいただけないのかもしれませんけれども、厚生省としても、今産業廃棄物問題がこれだけ大きな国内世論になって、皆さん自身も法改正に踏み切っていらっしゃるという時期だけに、この問題についてはもっとしっかりした対応をしていただきたいというふうに思います。これは今御回答いただかなくても結構ですから、強くそのことは申し上げておきたいと思うのです。
 それで、この不法投棄事件と香川県のあの豊島の不法投棄事件、両方を見ますと共通した問題があるのです。それは、どちらもこういう不法投棄事件をやるのは無許可業者なんです。回収能力なんか全然ない連中なんだ。それでもう野積みになったり、野ざらしになったり、環境汚染したりしているということがありました。
 じゃ、これを代執行もしなければ、そのままの状態で置かれる。ことに今の法の不備があるでしょう。私どもも、その排出企業責任というものを問えないのだろうかということがこの間の大きなテーマだったと思う。これができれば、いわゆる代執行しても債務負担を企業に求めることができるということになるのだけれども、今の法律はそうなってない。この辺のところを今度の法改正で一体どのように考えていらっしゃるのか。私は、むしろ法改正の最大のポイントになってくるのじゃないかと思うのですよ。そこをぜひお答えいただきたいのです。
 もう一つは、皆さんは今度はマニフェストシステムをつくって、産業廃棄物をずっと追っかけるからいいんだ、こういうお話でございますけれども、これにはマニフェストシステムを導入する――産業廃案物には一応限定があるでしょう。いわゆる感染性の物あるいは有害廃棄物というふうに限定がある。不法投棄の八割以上は大体建築廃材と言われている。その辺の山はいっぱい。悪徳業者も含めて、これはもうどうしようもない。ここはマニフェストでもクリアできない。だからこそ、私はマニフェストもできるだけ多くの産業廃棄物に適用して、これからはごみがどういう流れをしているかということを排出者から最終処分場に行くまで、そして戻ってきたものについては排出企業の責任を問えるようにすべきなのだろうと思うのです。
 社会党の方も、実はこの厚生省案が出る前に一生懸命法案づくりをいたしてまいりました。この問題については、今社会党案としては、文字どおり排出企業の責任、そして代執行制も入れて、代執行した場合に、最終的には排出企業からもちゃんとその負担分を取るという制度にしなきゃだめなんだというふうに考えて、法案づくりをしてきたわけなんです。厚生省の案はどうもそうなってないというふうに私は仄聞をしておりますけれども、どんなふうなんでしょうか。この辺も含めて御回答いただきたい。
#317
○小林(康)政府委員 廃坑内へ不法投棄されました廃油等の処理の現状でございますが、平成二年八月及び十一月にドラム缶六十本分相当は回収をされ、それから周辺部の水質の監視を県が行っておるところでございます。残っております廃坑内の廃油につきまして、汚染の状況の確認及び回収方法を踏まえまして、処理業者等に対し回収の指導を行っているというのが現状でございます。
 本件に関しまして、排出事業者から大谷総業に対します委託の部分につきましては、法律違反、委託基準違反はないというふうに県の調査でなっております。したがいまして、責任を問えるのは大谷総業までというのが現行法での扱いでございます。
 廃棄物処理法におきましては、排出事業者の委託に当たりまして、委託の基準を強化をする。現在のところ廃棄物許可業は一本の許可業という制度でございますが、それを処分と収集運搬というふうに区分をはっきりさせまして、受けられます分野を明確にし、それを確認をしながらという制度を一つ入れております。
 それから、お話しのございましたマニフェスト、特別管理産業廃棄物管理票でございますが、それを採用いたしまして、排出事業者が最後の処分が行われたところまで確認をする制度をマニフェストで特別管理廃棄物につきまして制度化したいというふうにしております。ただ、広く産業廃棄物全般にマニフェストをかけるには、その事務量の増大及び扱っておりますものの生活環境に与える影響等を考えますと、現時点ではまだそれだけの準備ができないというような事情がございますので、従前指導で行っておりますマニフェストの部分は継続をして充実を図り、その定着を図った上で次のステップとして考えたいということにしております。
 さらに、産業廃棄物の処理業者に対します規制を強化する。具体的には、許可要件を強化いたしまして、かつ更新制の導入等によりまして業者の規制を強化し、不適正な処理、不法投棄等に対します罰則の全般的強化で、不法投棄の防止策を強化したいというふうに考えております。
 万一不法投棄が行われました場合の措置でございますが、都道府県知事等が発します改善命令等の適用関係を充実させますとともに、措置命令の要件の緩和、措置命令が発動しやすい形での改正とすることとしておるわけでございます。
#318
○鈴木(久)分科員 大臣、今ちょっとお聞きになっていて状況だけは認識されたと思うのです。実はこのいわきの不法投棄事件と最近の豊島の問題、特徴的なことですよ。これが産業廃棄物問題では一つの大きな契機になって、これはこのままでは、今の法体系のもとではどうしようもない。だから法律を改正することも強く求めてまいりましたし、私ども自身もそういう努力をしてきたつもりでございまして、厚生省も昨年から、この法改正をしなければだめだというふうになってきたと思うのですね。
 ところが、これから法改正のとき本格的な議論があるとは思いますよ。しかし、この不法投棄事件に見られるような問題について、今度の法改正をしたらこれは十分にクリアできるのかということになると、どうもそこは疑問符がついて回ってしょうがないのですね。ですから、もう少し明確に、マニフェストの導入をできるだけ統一的に、例えば国から全部やれと言えないかもしれないけれども、少なからずそれぞれの県でそういう努力をさせるとか、全産業廃棄物に適用させる。それは確かに要員も必要でしょう、それだけ全部チェックするのですから。いきなりできないかもしれないけれども、そういう方向へ向けて、そして、そのごみの流れを全部チェックできるというふうにしなければ、これらの問題は根本的解決はないと思うのですよ。
 そして排出事業者に、こういう事態を起こした場合は企業にも最終的な責任を負わせることのできるような法体系というものを築き上げなければ、結局野ざらしでしょう。豊島はどうするのですか。だれが始末するのですか。多分ここで議論になったと思うのですよ。いわきのあれだって、もう一年半も過ぎたってあのままですよ。廃坑跡をだれがやるのですか。恐らくこれは今の代執行をしない限り、何年たったってこのまま放置、野ざらし、これが続くことになると思う。
 今度の法改正になったきっかけとも言えるこれらの不法投棄事件の内容からいって、どうですか。今も私が申し上げましたようなことについて、法改正に当たっての中身の中で、どうか充実をしていっていただきたいということを私は強く求めたいと思うのですけれども、大臣の基本的な考え方でも結構ですから、お示しいただきたいと思うのです。
#319
○下条国務大臣 今の具体的な四国とおたくの選挙区のお話、大変深刻な問題だと私も受けとめております。
 それで、今回の廃棄物処理法の改正は、いろいろな状況を踏まえて関係各省とも十分煮詰めたところで、今の段階でとり得る最上の措置ということで法案をまとめた次第でございますので、御審議をよろしくお願いしたいと思う次第でございま
す。
 それで今度の改正案では、爆発性、毒性、感染性等の性状により特別な管理を要する廃棄物について規制を強化する。第二点といたしましては、特別な管理を要する産業廃棄物の処理の委託について、先ほどお話がございましたマニフェストシステムを制度化し、廃棄物の処理の流れを確認しなければならないと義務化しておることでございます。第三点は、処理の委託は、委託内容に応じて収集運搬業者と処分業者にそれぞれ委託しなければならないということにしております。また、これらに伴いまして、罰則を強化するということにいたしております。
 こういうことの措置によりまして、不法投棄に係る排出事業者の責任を強化し、不法投棄の防止を図る、それをねらっておる次第でございます。
#320
○鈴木(久)分科員 時間がありませんから、この問題ではいっぱい議論したいのですが、いずれ法律論議もあるでしょうからこれでやめますけれども、どんどんごみは首都圏から南も北も、私の方にもどんどん北上してきまして、大臣の方までずっとごみは北上しているのじゃないですか。ですから、一極集中のツケみたいなものが地方にまた来るということで、地方の方は大分憤慨をいたしておりますので、どうかしっかりした対応ができるように、これからも、法改正の後もいいものはどんどん取り入れて、しっかりした対策をとれるようにぜひお願いをしたいと思っております。
 もう一点、ゴルフ場、リゾート開発に関連して、水道資源の汚染問題についてちょっとただしておきたいと思うのです。
 私どもの方も今ゴルフ場の建設ラッシュでして、一つの市に三十一も二もゴルフ場をつくるなんということは考えられないことですけれども、そういう話が今具体的に進行いたしております。
 その一つに、いわき市の水道のかなりの部分を占める好間川という水のきれいな川があるのですけれども、この上流に市川総業という株式会社がゴルフ場をつくるということで、最初、市はこれを多少の条件つきで認めてもいいということを県に送りました。ところが、市民から猛烈に反発がありまして、大体市民にきれいな水を供給しなければならない市が、みずからの水道水源地を汚してもいいみたいなことを許可するのは一体どういうことか。市民運動も巻き起こりました。署名になる、そして広がっていって請願運動になる。県までどんどん行くものですから、県は今度はびっくりしまして、何だ、いわき市、どうなっているか、もう一回この問題について再検討しろということを市にバックしてきた。
 市は今度はいろいろな条件を、今こういう運動になっています、こういうことが起きていますということをもう一度県に送って、県で判断してくださいというふうになっている。福島県内でも、いわき市だけでなくて、かなりのところでこういう問題が起きておりまして、許可条件をこれからいろいろ変えよう、資本力もしっかりしたものでないと認めないようにしようということなどを含めて、いろいろ議論になっています。いわき市は、これから新しいものは全部凍結するということを決めたようでございます。
 いずれにしても、この問題は一つの特徴ですけれども、私が申し上げたいのは、水道法第二条でも、水源地の保護のためにいろいろな施策を講ずるということを明確に法的にも言っております。ところが、開発の方が優先でなかなか守られていない。ですから、どんどん水道水源が各地で汚染されている、汚されているという実態があらわれて、市によってはみずから条例をつくって、伊東市や幾つかの市がもう既にそういう条例をつくって、そういうところはやらせないぞというふうに網をかぶせているところもございます。しかしそれは、それぞれの市の努力で、団体でやっておるわけですね。
 私は、少なからず水道事業全体を指導する厚生省が、本来であればもう少しこの種の問題に対する前向きの、もう一歩前に出た、水を汚してはならないぞ、水源地を汚染してはならないぞという意味での法的な措置をしてほしいと思う。それができなくても、少なからず行政的な指導ということで、必ずそういう問題が、水源地を汚染されるようなことがあったら、それは水道事業者の許可をそれなりに受けなければ、そういうものは出さないというぐらいのことをしっかりやりなさいということを指導しなければ、これはどんどんやられますよ。開発優先でどんどんやられます。今の全国的な動き、現状、そしてそういう問題に対する今後の指導のあり方などについて、これは積極的に検討していただきたいと私は思うのですけれども、方針はございますか。
#321
○小林(康)政府委員 ゴルフ場の開発に伴いまして水道水源の汚染が懸念される状況もございましたので、ゴルフ場使用農薬に対します水道水の安全確保を図りますために、平成二年五月にゴルフ場で使用されております主要農薬二十一種類につきまして暫定的に水質目標を設定いたしますとともに、懸念のございます水道での水道水の測定を指導してきているところでございます。現在のところ、この基準から見まして懸念のある値というのは出ていないというふうに承知をしております。
 また、ゴルフ場での農薬使用につきましては農林水産省で指導をし、排出水の水質につきましては環境庁が指導をしという形で、役割を分担しながら、ゴルフ場が環境を汚染をしないように政府としては措置をしておるところでございます。現在のところ、ゴルフ場が水道水質の汚染源になっているという懸念は余りないというふうに認識をしておりますが、水道としては、より上質の水源が望ましいことは言うまでもございません。しかしながら、ゴルフ場の持っておりますその他の効用等考えますと、開発をどのように進めるか、それに対して地域でどういう条件でそれを認めあるいは認めないかといいますのは、それぞれの地域で十分御検討いただき、判断をいただくべき事柄というふうに考えておりまして、水道の立場で全国一律にその開発に対してブレーキをかける、あるいは規制をするというのは妥当でないというふうに判断をしております。
#322
○鈴木(久)分科員 もう時間が来ましたので、終わります。
#323
○粟屋主査 これにて鈴木久君の質疑は終了いたしました。
 次回は、明十三日水曜日午前九時から開会し、引き続き厚生省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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