くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第120回国会 予算委員会第三分科会 第3号
平成三年三月十三日(水曜日)
    午前九時開議
 出席分科員
   主 査 津島 雄二君
      近藤 鉄雄君    佐田玄一郎君
      田邉 國男君    田辺 広雄君
      武部  勤君    森  英介君
      加藤 万吉君    辻  一彦君
      筒井 信隆君    常松 裕志君
      松本  龍君    貝沼 次郎君
      日笠 勝之君    菅原喜重郎君
   兼務 上野 建一君 兼務 沢藤礼次郎君
   兼務 渋谷  修君 兼務 関  晴正君
   兼務 永井 孝信君 兼務 山中 末治君
   兼務 辻  第一君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 吹田  ナ君
 出席政府委員
        警察庁警務局長 安藤 忠夫君
        警察庁刑事局長 國松 孝次君
        警察庁交通局長 関根 謙一君
        自治大臣官房長 森  繁一君
        自治大臣官房総
        務審議官    紀内 隆宏君
        自治大臣官房審
        議官      二橋 正弘君
        自治省行政局長 浅野大三郎君
        自治省行政局選
        挙部長     吉田 弘正君
        自治省財政局長 小林  実君
        自治省税務局長 湯浅 利夫君
        消防庁長官   木村  仁君
 分科員外の出席者
        警察庁刑事局捜
        査第一課長   石川 重明君
        国土庁計画・調
        整局計画課長  柳沢  勝君
        国土庁計画・調
        整局総合交通課
        長       小浪 博英君
        法務省民事局第
        二課長     房村 精一君
        法務省民事局第
        三課長     山崎  潮君
        大蔵省主計局主
        計官      太田 省三君
        文部省高等教育
        局企画課長   加藤 孝治君
        文部省高等教育
        局医学教育課長 草原 克豪君
        厚生省健康政策
        局指導課長   篠崎 英夫君
        運輸省地域交通
        局交通整備課長 岩村  敬君
        運輸省航空局飛
        行場部計画課長 小坂 英治君
        労働省労働基準
        局安全衛生部計
        画課長     青木  功君
        建設省住宅局住
        宅・都市整備公
        団監理官    竹本 直一君
        自治省財政局財
        政課長     湊  和夫君
        地方行政委員会
        調査室長    渡辺  功君
        予算委員会調査
        室長      多田 俊幸君
    ─────────────
分科員の異動
三月十三日
 辞任         補欠選任
  武部  勤君     森  英介君
  加藤 万吉君     松本  龍君
  辻  一彦君     小岩井 清君
  日笠 勝之君     貝沼 次郎君
  中野 寛成君     川端 達夫君
同日
 辞任         補欠選任
  森  英介君     佐田玄一郎君
  小岩井 清君     細川 律夫君
  松本  龍君     常松 裕志君
  貝沼 次郎君     薮仲 義彦君
  川端 達夫君     柳田  稔君
同日
 辞任         補欠選任
  佐田玄一郎君     田辺 広雄君
  常松 裕志君     筒井 信隆君
  細川 律夫君     小松 定男君
  薮仲 義彦君     玉城 栄一君
  柳田  稔君     伊藤 英成君
同日
 辞任         補欠選任
  田辺 広雄君     武部  勤君
  小松 定男君     辻  一彦君
  筒井 信隆君     加藤 万吉君
  玉城 栄一君     倉田 栄喜君
  伊藤 英成君     菅原喜重郎君
同日
 辞任         補欠選任
  倉田 栄喜君     日笠 勝之君
  菅原喜重郎君     米沢  隆君
同日
 辞任         補欠選任
  米沢  隆君     高木 義明君
同日
 辞任         補欠選任
  高木 義明君     中野 寛成君
同日
 第二分科員関晴正君、永井孝信君、辻第一君、
 第五分科員上野建一君、沢藤礼次郎君、第六分
 科員渋谷修君及び山中末治君が本分科兼務とな
 った。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 平成三年度一般会計予算
 平成三年度特別会計予算
 平成三年度政府関係機関予算
 (自治省所管)
     ────◇─────
#2
○津島主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。
 平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算及び平成三年度政府関係機関予算中自治省所管について、政府から説明を聴取いたします。吹田自治大臣。
#3
○吹田国務大臣 おはようございます。
 平成三年度の自治省関係の歳入歳出予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 一般会計予算につきましては、歳入三千百万円、歳出十六兆四百二十四億四千九百万円を計上いたしております。
 歳出予算額は、前年度の予算額十五兆九千九百八十八億円と比較し、四百三十六億四千九百万円の増額となっております。
 また、この歳出予算額の組織別の額を申し上げますと、自治本省は十六兆二百五十三億四千八百万円、消防庁は百七十一億百万円となっております。
 以下、主要な事項につきましては、委員各位のお許しを得まして、説明を省略させていただきたいと存じます。
 よろしくお願いをいたします。
#4
○津島主査 この際、お諮りいたします。
 ただいま自治大臣から申し出がありました自治省所管関係予算の概要につきましては、その詳細は説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○津島主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
    〔吹田国務大臣の説明を省略した部分〕
 以下、この歳出予算額のうち、主な事項につきまして、内容の御説明を申し上げます。
 最初に、自治本省につきまして、御説明を申し上げます。
 まず、地方交付税交付金財源の繰入れに必要な経費でありますが、十五兆九千七百四十九億一千万円を計上いたしております。
 これは、平成三年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額、消費税(消費譲与税に係るものを除く。)の収入見込額の百分の二十四に相当する金額並びにたばこ税の収入見込額の百分の二十五に相当する金額の合算額十六兆四千七百四十九億一千万円から、平成三年度特例措置に係る額四千五百二億四千万円及び「昭和六十年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律」附則第二項の規定による減額四百九十七億六千万円を控除した額を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるためのものであります。
 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に必要な経費でありますが、二百七億五千万円を計上いたしております。
 これは、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し、助成交付金を交付するためのものであります。
 次に、施設等所在市町村調整交付金に必要な経費でありますが、五十四億円を計上いたしております。
 これは、特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上特別の影響を受ける施設等所在市町村に対し、調整交付金を交付するためのものであります。
 次に、新産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費として、三十一億八千四百万円を計上いたしております。
 これは、新産業都市、工業整備特別地域等の建設、整備の促進を図るため、建設事業債の特別調整分について利子補給金を交付するためのものであります。
 次に、公営地下高速鉄道事業助成に必要な経費でありますが、五十億四千六百万円を計上いたしております。
 これは、昭和四十七年度から昭和五十一年度までの間において発行された公営地下高速鉄道事業債の支払利子に相当するものとして発行を認めた特例債の利子の一部について、地方公共団体に助成金を交付するためのものであります。
 次に、公営企業金融公庫の補給金に必要な経費でありますが、八十四億九千三百万円を計上いたしております。
 これは、公営企業金融公庫の上水道事業、下水道事業、工業用水道事業、交通事業、市場事業、電気事業及びガス事業に対する貸付利率の引下げに関連し、同公庫に対し補給金を交付するためのものであります。
 次に、広域市町村圏等の整備の推進に必要な経費でありますが、六億四千二百万円を計上いたしております。
 これは、広域市町村圏等において、田園都市構想の推進を図るための地方公共団体に対する田園都市構想推進事業助成交付金の交付に必要な経費であります。
 次に、明るい選挙の推進に必要な経費でありますが、十六億二千八百万円を計上いたしております。
 これは、選挙人の政治常識の向上を図り、明るい選挙を推進するために要する経費について、都道府県に対し補助する等のために必要な経費であります。
 以上が自治本省についてであります。
 次に、消防庁について、御説明申し上げます。
 消防防災施設等整備に必要な経費として、百四十八億二千八百万円を計上いたしております。
 これは、市町村の消防力の充実強化を図るとともに震災等大規模災害に備えるため、消防車、防火水そう、救急高度化推進のための設備及び耐震性貯水そうなどの震災対策のための諸施設を地域の実情に応じて重点的に整備するために必要な経費であります。
 第二に、特別会計予算につきまして、御説明を申し上げます。
 自治省関係の特別会計といたしましては、交付税及び譲与税配付金特別会計があり、交付税及び譲与税配付金勘定と交通安全対策特別交付金勘定があります。
 まず、交付税及び譲与税配付金勘定の歳入予定額は、十八兆四千九百五十五億六千六百万円、歳出予定額は、十八兆二千九十七億六千六百万円となっております。
 歳入は、「交付税及び譲与税配付金特別会計法」に基づく一般会計からの受入れ見込額、消費税の収入見込額の五分の一に相当する額、地方道路税の収入見込額、石油ガス税の収入見込額の二分の一に相当する額、航空機燃料税の収入見込額の十三分の二に相当する額、自動車重量税の収入見込額の四分の一に相当する額、特別とん税の収入見込額等を計上いたしております。
 歳出は、地方交付税交付金、地方譲与税譲与金及び借入金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰入れ等に必要な経費であります。
 次に、交通安全対策特別交付金勘定の歳入予定額は、八百十六億一千九百万円、歳出予定額は、七百五十六億二千六百万円となっております。
 歳入は、交通反則者納金の収入見込額等を計上いたしております。
 歳出は、交通安全対策特別交付金等に必要な経費であります。
 以上、平成三年度の自治省関係の一般会計及び特別会計予算の概要を御説明申し上げました。
    ─────────────
#6
○津島主査 以上をもちまして自治省所管についての説明は終わりました。
    ─────────────
#7
○津島主査 この際、分科員各位に申し上げます。
 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森英介君。
#8
○森(英)分科員 おはようございます。自民党所属議員の森英介でございます。
 昭和六十二年三月三日付の自治導第十七号として、自治省財政局長名で各都道府県知事並びに各政令指定都市市長あてに出されている通達、すなわち「国鉄民営化後の各旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に対する地方公共団体の寄附金等の支出について」という通達について、自治大臣並びに自治省の御所見を伺いたいと思います。
 まず、国鉄時代には、地方財政再建促進特別措置法、いわゆる再建法の第二十四条第二項によりまして、地方公共団体の国鉄に対する寄附金等が原則として禁止されておりましたが、国鉄民営化後はさきの通達によって、その法律の趣旨がJR等新会社に対する寄附金等の支出に対しても継承されるべきものであり、新会社に対する寄附金などの取り扱いについても、当分の間、従前の国鉄に対する寄附金等の支出制限の制度に準じた運用を行うこととされております。この通達のねらいについてお聞かせいただきたいと思います。
#9
○小林(実)政府委員 地方団体から国または公団等への寄附金等の支出につきましては、地方財政再建促進特別措置法第二十四条第二項によりまして原則禁止の制限となっておるわけでございます。御質問のJRについてでございますが、国鉄の分割・民営化に伴いまして新たに発足したJR各社につきましては、この制限の対象とはならなくなったわけであります。そのかわり、日本国有鉄道清算事業団、あるいは新幹線鉄道保有機構は制限の対象の方に追加されたわけでございます。
 この問題につきましては、自治省といたしましては、特に国会における決議がございまして、地方公共団体に対し、法律二十四条第二項の趣旨を超えるような負担を求めないことという決議がございます。また、従来の経緯、地方財政の状況等にかんがみまして、分割・民営後でございましても、当分の間は、従前の国鉄に対する寄附金等の支出制限に準じて対処することが妥当であると考えたわけでございます。そのような趣旨を踏まえまして、財政局長通知といたしまして地方団体にお示ししたところでございまして、現在におきましてもこの趣旨は妥当なものというふうに考えておるわけでございます。
#10
○森(英)分科員 ただいまの御説明で私なりに解釈いたしますと、要するに、JRは企業努力で事業展開をすることを促して、なるべく地方公共団体に財政的な負担、しわ寄せを及ぼさないための防波堤的な意味合いの通達であるというふうに理解してよろしゅうございますか。
#11
○小林(実)政府委員 地方財政の立場からは、国あるいは地方団体間の財政秩序といいますか、そういうものを重視する立場で参っておりまして、それと、国に準じた組織ないしはそれを継承したJRでございますけれども、私どもといたしましてはやはり、ある施策を行う場合あるいは講じられる場合、その財政負担区分というのは、法律、政令等で決まったものに従いまして厳しく対処すべきである、こういう面がございまして、特に、従来から申し上げますと、まず地方団体の負担ありきという形で地方団体に負担を求めて、それを条件にして事業を行うとか、そういうことが行われてまいりまして、そういうことにつきましてきちっとした財政秩序のもとで仕事をしていただく、こういうことで参っておるわけでございまして、再建法の二十四条二項もその趣旨から定められておるものでございます。
 JRにつきましては、民営化もいたしたわけでございますので、当然自己の努力によりまして最大限の努力をすべきであるというふうに思っております。私どもといたしましては、JRにつきましては他の民間鉄道以上の固定資産税につきましての特例等も設けておるわけでございまして、そういうところも御理解をいただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#12
○森(英)分科員 しかし、JR等の新会社が民間企業になった以上、採算性や利潤の追求を優先するというのは無理からぬことだと考えます。そうなりますと、いろいろ財政秩序等の条件があるにしても、早い話が、もうかる地域あるいはもうかる路線については自己努力で鉄道の整備拡充が進むけれども、当面採算のとれない路線についてはいつまでたっても改善されないということにならないか、そういうことを懸念するものでございます。
 しかし鉄道事業というのは、本来公共的な側面があるということもまた一方で否定できない事実ではないかというふうに考えるわけでございます。地域振興のために鉄道の整備拡充が不可欠であり、また、地方公共団体がその費用の一部を負担してもぜひ実施したいというようなケースもあると思います。実際、私の選挙区であります千葉三区にはJRの外房線というのが走っているわけです。この外房線は、一ノ宮というところから南はまだ単線でございます。それで国鉄時代には一ノ宮―勝浦間について、これを複線化しようという計画が具体化されまして、実際半ば以上の資本投下もなされて、トンネルを掘ったり土地を買収したりということが進められたわけです。ちょうどその時点で国鉄が民営化されましてJRになったのを機に、その複線化の計画が凍結されてきょうに至っているわけで、地元の私たちとしては何とか複線化を実現したい、凍結を解除してもらいたいという悲願があるわけです。こういう場合に、地方公共団体がその費用の一部を負担してもぜひ実施したいということを考えたとしても、この通達によりますと原則として費用負担ができないというふうに受けとられるわけでございますけれども、やはりそういうことになるのでしょうか。
#13
○小林(実)政府委員 地方財政再建促進特別措置法二十四条二項の取り扱いでございますが、政令におきまして、地方団体が国、公団等に寄附等を行うことを承認できる場合が列挙されております。政令に幾つか挙がっておるわけてございます。私どもが、JRとの関係で最近多く起きている、この規定に基づく寄附承認を行っている事例は、地元が新しく駅を設置したいという請願駅あるいは駅舎を橋上化して双方から通行できるようにするという場合に認めておるわけでございます。政令におきましては、専ら当該団体の利用に供され、または主として当該団体を利することとなる施設で、一般的な設置基準を超えるものの設置につきまして承認ができるといいますか、承認のこともあるべしという規定があるわけでございます。そういう事例が出てまいりました場合には、個別に協議を受けて認めるということにいたしておるわけでございます。
 外房線のお話についてでございますが、地元の市を中心にいたしまして、その実現方について熱心な動きがあるということは承知しておるところでございます。この問題につきましては、JRに対する県を含めた地元地方団体の態度がどうなるか、地方団体の助成等につきましての構想がある程度固まってまいりませんと何とも申し上げられないわけでございます。そういうことがある程度具体化してきた段階で、この法律の趣旨等も総合的に勘案して判断してまいらなければならないのではないかというふうに考えておるところでございます。
#14
○森(英)分科員 ありがとうございました。
 私は今外房線については一つの事例としてちょっと挙げたつもりなんです。先ほどから申し上げているように、これは一般的に言って、JRという新会社になって、営利企業ですから、この通達が余り厳密に運用されますと、交通体系の未整備な地域というのはいつまでたってもその状況が改善されませんで、極端に言うと、この通達によって間接的に地域の発展が阻害される、そういう要因になりかねないのじゃないかということを危惧しております。これは、今大きな課題となっております一極集中の緩和ですとか多極分散の推進、こういった面からも好ましいことではないと思うのです。したがいまして、今局長のお話にもありましたけれども、この通達の運用に当たっては、当該地域あるいは当該路線等の実情とか特性ということを十分しんしゃくしていただいて、ぜひ弾力的に運用していただきたいというふうに要望いたします。また同時に、この点について再度自治省のお考えを伺わせていただきたいと思います。
#15
○小林(実)政府委員 具体の事例につきましてどういう話が進んでいるのか、確としたことはお聞きいたしておりませんので申し上げられないわけでございます。しかし一般的に申し上げまして、御質問にございましたように、特にこれから地域開発を進めなければいけない地域におきまして、JR網の整備をしたいという御意向の強いこともよく承知しております。ただ、そういうところにおきまして、もうかるところはJRが自前でやりますが、そうでないところは地元の負担等を求めてくる、そういう団体は大体財政力のない地域でございまして、相矛盾するといいますか、私どもといたしましても非常につらい立場に立つわけでございます。民営化いたして以降の取り扱いにつきましては、特に県も含めて地元の話をよく聞きまして、先ほど言いました政令の五号というのがございますので、その趣旨を踏まえて対応をいたしておるわけでございます。
 従来ややもいたしますと、JRの前身でございます国鉄の時代には特に、こういった事例が一つ出てきますとそれが当然のごとくの話になりまして、もう地方負担がなければ何もしないという態度で出てきた事例がございまして、そういうことを私どもは懸念をいたしておるわけでございます。
#16
○吹田国務大臣 ちょっと私からもお答えをいたします。
 先ほどから局長が御答弁申し上げております通達もございますし、一つの方針もございますが、今先生のおっしゃるような考え方は政治家としては基本でなければならぬと思うのです。ですから、採算がとれるとかとれないとかいうことでなしに、少なくとも日本国家全域にわたってそこに住民が生活し生計を営んでおるということに対して、国政なり県政なり市町村行政という一つの行政の力あるいは政治の力によって、採算を度外視してその地域で幸せな生活が送れるような方途を講じていくということは当然至極のことである、こう思っておるわけです。ですが、今のような規制もありますから、そういった面等も勘案しながら進めていくということになれば、その地域社会における住民の要望の度合いというものが一つの大きな物差しになってくるであろうと私は思うのです。
 そういう意味において、千葉県の場合を例におとりになりましたけれども、そういう場合であれば、千葉県知事さんを初め関係市町村長さんなり、そういった関係の皆さん方の御協議によってこの問題を進めていこうということであるとすれば、それなりの運動が展開されるであろう、あるいはまた自治省も地方公共団体を支援する立場にあるわけでありますから、できるだけの御協力を申し上げなければならぬという立場に立っておる自治省としましては、そういった運動を極めて適当な声として取り上げるということになってまいればそれなりの配慮をしていかなければならぬ、こう思っておるわけであります。御趣旨の点は十分わかりますので、私も政治家として配慮できることはいたしたい、かように考えます。
#17
○森(英)分科員 大変ありがたい前向きのお言葉をいただきましてありがとうございました。
 ちょっとまた通達に戻るのですけれども、本来これはJRですとか日本貨物鉄道株式会社というのは「支出制限の対象法人とならない」という記述もございますし、また「当分の間」というふうな表現もありますし、これはある過渡的なというか暫定的な措置であるというふうにも受けとれるのですが、将来的にはこの通達はどういうふうな形にされようと考えておられるか、ここら辺についてお聞かせいただきたいと思います。
#18
○小林(実)政府委員 この通達は国会の決議を受けまして出しておるものでございます。それから、この法律ができました趣旨というものは、本来ある団体が行うべき事業についてどうしても陳情するといいますか、そういう地方団体に当然のごとく財政負担を求めて、それを条件にして仕事をするということにつきまして、経費の負担区分を明確にするということから規定されておるものでございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、時間的にどうこうということはちょっと今申し上げられる段階ではないと思いますが、地方団体の財政負担ありきというのは当然という発想、そういう体質をまず変えていただく必要がある。その中で、実際に政令で定められておるような考えに従って、許されるものにつきましてはなるべくそれに対応してまいりたい、こう思っておるわけでございまして、私どもは今言ったようなことで、国会の決議に基づいてやっておる、こういうことで御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#19
○森(英)分科員 今の御説明の趣旨はよくわかりますし、国会決議を経ているということもありますけれども、これはJRの民営化の趣旨をまた一方で考えてみますと、やはりいつまでもこういうことで制限を加えるということは、私はちょっとできにくいのじゃないかなというふうに思うわけです。それと、先ほど公共的な色彩というか側面がどうしても鉄道事業にはあるということもありますので、そこら辺のバランスが非常に難しいと思うのですけれども、こういうことでやっていると結局議論の蒸し返しになるのですが、結局、何しろ採算のとれる地域、路線にすべて目が行ってしまうということで、先ほど大臣からもお話がありましたけれども、本来の地方分権、あるいは多極分散、あるいは地方の自治を守るという観点からすると、長期的に見ると何となくこれは逆に手かせ足かせになってくるのじゃないかなということを懸念いたしますので、ぜひこれまた最初に立ち返って、より将来に向けて、あるべき姿というのを御検討いただければ大変ありがたいなというふうに思います。
 少々時間が余っておりますけれども、用意した質問は以上でございますので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#20
○津島主査 これにて森英介君の質疑は終了いたしました。
 次に、関晴正君。
#21
○関分科員 私は、過般行われました青森県の知事選挙について、この選挙は非常に乱れた選挙であった、こう思います。乱れに乱れて行われた選挙であった。特に自由民主党の幹事長を初めとして、青森県の知事選挙を勝利しなければならない、こういうところから、いろいろな手だてが講ぜられまして、とにかく過去にあった青森県の選挙の中では、これは最大に汚された選挙であった。金の部面において、物の部面において、人の部面において著しい姿があった、こう見るわけであります。ところが、不思議なことにこの選挙における供応、買収の部面について、ただの一件も選挙の事犯がなかった。事犯がなかったということは行為がなかったということとイコールではない、私はこう思っておりますが、今もってあの知事選挙における買収、供応の事実というものは一つも挙がらないままでおるのかということについて、ひとつ先に聞いておきたいと思っております。
#22
○吹田国務大臣 今青森県知事選挙について御指摘がありましたが、特定の自由民主党ということを挙げられましたものですから、私も自治大臣でありますと同時に自由民主党に所属しておる国会議員でありますので、これはやはり自民党の立場に立っても一言申し上げなきゃならぬと思うのですけれども、それだけの乱れに乱れた、最も不都合千万な選挙違反があったというふうには私は受けとめていません。どこかそういうような記事が出たというのも見ておりませんものですから、東京で承知いたしておりませんが、青森県内においてそういうことがあったとは決して思われないわけですけれども、先生は青森県にいらっしゃるわけでありますから私よりは青森県内のことははるかに詳しいわけでありますので、もしもそういう点があるとすれば、それは私どもも十分注意しなきゃならぬことだと思いますが、私どもが知り得ておることからすれば、決して乱れに乱れた選挙であったというふうには、特にそれが自由民主党によって乱されたとか汚されたというような表現は私も非常に残念に思うわけでありまして、その点は私は素直にそのまま受けとることができないわけであります。
#23
○國松政府委員 青森県知事選挙におきます私どもの青森県警察における取り締まりにつきましてちょっと御説明をいたします。
 青森県警察におきましては、昨年十二月二十一日に本部及び各警察署に事前運動取締本部を設置いたしまして違反取り締まりに当たり、本年一月八日には署長会議を開催いたしまして、同月十一日には取締本部を設置するなど、鋭意取り締まりを行ったところであります。その結果、三百四十三名に対する警告を行いました。一件一名を虚偽事項公表罪で送致をいたしておるところでございます。
#24
○関分科員 私は、今度の選挙は大変な金の流れた選挙である。どこから金が流れたのか。それは青森県は核燃のサイクル施設建設に当たって、これを推進しようという電気事業団体連合会の側、そうしてそれを受けて、その先頭に立って働いておる知事、そうして自由民主党、それらの諸君がどれほどの金を使い、どれほどの金をここに投入してやったかということになると、おびただしい金だったということだけは間違いがない。しかもその金がどの程度使われたかということは、これは青森県に投じられた金の統計を後刻調べることによって一つのものを見ることはできるであろう、こう思います。だがしかし、県外に働いておられる青森県人、県民、それらの方々にも、選挙のためにひとつ行ってこい、旅費も支度してあげる、運動もお願いしたい、こういうことでお願いされて青森県に帰ってきて投票した人たちというのも相当な数である。こういうように、金をくれて、そうして出張させて、そうして選挙の運動に働いてもらうということは許されることですかどうですか、ひとつ伺っておきます。
#25
○吉田(弘)政府委員 一般的に、企業は社会的な存在として選挙運動を含む相応の政治活動を行うことは許されていると考えているわけでございます。今お話がございました旅費等を企業が出しているというようなことでございますが、一般的に、社員が出張を命ぜられました場合には、企業等の旅費規定というものから恐らくその旅費が支払われておるということを考えるのが通常でございましょう。そういたしますと、直ちにこれが選挙運動に対する報酬的な性格を有するというふうに言うことはなかなかできないのではないかと思うわけでございます。
 なお、具体の事実が法令に違反するかどうかということは、行為の実態に即して個々に判断されるべき問題でございますので、私の方から、具体の事実を十分承知しておりませんので、その法的判断についての御答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
#26
○関分科員 とにかく金も流れたし、金も使われたし、不思議なことに、そういうことについてただの一件も摘発することがなかった。こういうことについて警察というのがあるんだろうかという不信の目が非常に強いわけであります。そういう意味においては、私はやはり、警察は、権力がやっている選挙であるからといって手を抜くなんということは絶対にしてはならない、余計に目を大きくして選挙事犯については当たるようにしなければならない、こう思っておりますので、そのことは希望意見として申し上げておきます。
 そういう意味で、私は先ほど自民党と申し上げました。大臣いたく御感情を悪くされたようでありますが、自民党でなければ選挙違反はやらないものだというのが大体私の考え方でございますし、また、実質的に見るとほとんど買収、供応はその部類に属してきていることから見ても、これは言えることだと思うのです。
 そこで私は、自由民主党幹事長小沢一郎、この人の名前で出された文書について、これは明らかに選挙法上からいっても許されない行為ではないのか、こう思いますので、ひとつ申し上げてみたいと思うのであります。
 平成三年一月の日付で、自由民主党小沢一郎、全国組織委員長渡辺秀央、この両名の名前で出された文書、あて先「千代田区霞ケ関三ノ三ノ二 新霞ケ関ビル内 全国保育協議会会長 水岡薫殿」の文書であります。
 拝啓
  厳寒の砌、貴台におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
  平素よりわが党に対しまして、貴台はじめ関係各位のご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
  さて、このたび、任期満了にともなう青森県知事選挙が一月十四日告示、二月三日投票の日程で施行されることとなりました。わが党は、現知事北村正哉君を公認候補者として擁立し、挙党体制のもと全力を尽くして必勝を期す決意であります。
  この選挙は、二十一世紀に向って、活力に満ちた地域産業の振興と、新しい雇用の場の創出、うるおいのある心のふるさと青森の発展はもとより、四月に施行される統一地方選挙の帰趨を左右するきわめて重要な意義を持つものであります。
  つきましては、ご多忙のところ誠に恐縮に存じますが、青森県内における貴団体関係者の皆様に対し強力なご支援方につき、ご伝達を賜りますよう衷心よりお願い申し上げます。
  本来ならば拝眉のうえ、お願い申し上げるところでありますが、取り急ぎ書中をもってかえさせていただきます。
                    敬具
 平成三年一月
        自由民主党
         幹  事  長 小沢 一郎
         全国組織委員長 渡辺 秀央
この文書を受けまして、またこの文書が保育団体に参りましたものですから、青森県の保育連合会の会長工藤峰俊氏から、この管轄下にあるところの「正会員・準会員各位殿」ということで「お知らせ」であります。
    お知らせ
  正会員並びに準会員の皆様には、ますますご健勝のことと、お慶び申し上げます。
  さて、青森県保育連合会の事業推進にあたり日頃特段のご協力を賜り厚く感謝申し上げます。
  つきましてはこの度、全国保育協議会会長から本会に別添依頼文のことを会員各位に伝達くださるよう連絡がありましたのでお知らせいたします。
   平成三年一月二十二日
             青森県保育連合会
              会長 工藤 峰俊
  正会員・準会員各位殿
こういう要請があり、そういう内容があって、それぞれ機関から機関に文書が来ているわけです。
 こういうことが特に名指しで、公明選挙をきちっとお互いやれという要請ならばわかります。北村正哉君のために一生懸命やってくれ、こういうことです。そうして、その機関の中にそれぞれこれを伝えてくれ、こういうことです。こういうような文書は、出す方も受ける方も、受けてまた流す方も、そこにはいろいろ問題があると私は思うのです。こういうような、福祉団体に対する弱点を握って、そうして選挙で働けということは、大変な行き過ぎではないのか、こう思うわけであります。しかも、自由民主党の小沢幹事長の名前であります。
 これはこれだけにとどまらないと思います。権力的な選挙であったということは、極めて権力的な部面にこうしたことが広がっておったということも多々あったわけです。そういう意味において私は、この事実とこの行為について自治大臣はどう見るのか、また、担当の選挙法を扱っている側の選挙管理委員会の方から、選挙法に携わっておられる方々からも見て、これは適当なものだと思われるのかどうか、その点について伺っておきます。
#27
○吹田国務大臣 個々の問題につきしては専門家から御答弁いたしますが、前段の選挙違反、買収、供応という悪質なものはすべて自由民主党であるというような言い方は、私は大変党に対して適当な言葉ではないと思う。これはそのままそっくりお返ししなければならぬと思うわけであります。選挙違反というものは、それは確かに各地域でその選挙の都度行われますが、いろいろな種類の選挙違反がありますことも私も承知しております。私も四十年も選挙をやってきた政治家の一人、端くれでありますからよく承知しておりますが、自由民主党が選挙違反の権化であるかのような物の言い方というのは、やはり私は公党に対して余りにも言葉が過ぎるのではないかなというふうに申し上げるわけですから、そのままお返しすると申し上げたのであります。自由民主党がそれではすべて選挙違反をやってないかというと、それは決して否定するものではありません。それは私も確かに関先生のおっしゃることについてある一定のものを認めないものではありませんけれども、これは各党にそういった事例というのはあるわけであります。ですから、それは一人一人の選挙の候補者になった者あるいはその関係の運動員の意思、行為の問題でありますから、一概に党でどうするこうするという問題ではない、こういうふうに御理解を願わないと非常に困ると思うのであります。それが一点。
 もう一つは、一体青森県警というのは何をやっているんだ、信頼されないじゃないか、こうおっしゃいますが、私は国家公安委員長の立場から申し上げましても、そういう信頼されない警察ということになりますと、その他の仕事というものが全然できなくなりますから、すべて警察というものは県民の生命、財産、治安ということに全力を挙げておるところでありまして、昼夜を分かたず第一線の警察官というのは涙ぐましい努力をしておるわけであります。しかし、今のような選挙違反の問題で全く選挙違反が挙がらない、いろいろな問題が乱れに乱れておるのにもかかわらず挙がってないではないかということをもって警察が非常に信頼を失っておるというような御意見については、私はそうは思わないのでありまして、決して今回の選挙のことによって、地域の意見も先生のこうした御意見があることもいろいろ聞きましたものですから、各地域で意見聴取をいろいろな形でとりましたけれども、警察に対する信頼度は極めて高いというのが私の感触でありまして、一概に先生のおっしゃるように、これをもってすべてもう警察の信頼は失われておるというようなことについてはいかがであろうかな、私はこう思っておるわけであります。現実の問題として選挙違反があれば警察はびしびしとやっておるわけでありますし、決して、自民党とかあるいは保守党だからとか、あるいはこれは革新であるからということで手かげんを加えておるなどということは、私は国家公安委員長として、あるまじきことである、こう思っておりまして、そういうことは絶対にない、こう信じておるわけであります。
 細部のいろいろの、細部と申しましたのは失礼でありますが、具体的な問題につきましての問題は、当局から御答弁させます。
#28
○吉田(弘)政府委員 一般的なお答えになりますが、政党が政治活動の一態様として支援団体に対しまして推薦依頼でございますとかあるいは推薦の決定の通知を通常の方法で行うことについては、これは許されているものと考えられるわけでございます。また、団体等が候補者の推薦決定をし、そういう事実を下部の団体とか構成員に通常の方法で通知することも許されていると考えられるわけでございます。もちろん、これが事前運動にわたるような行為であれば、公職選挙法百二十九条の規定によりまして禁止をされるわけでございます。
 そういうことで、個々の具体が法令に違反するかどうかというものは、個々の行為についてそのときの態様、すなわち時期、場所、方法、対象等も総合的に勘案して検討すべき事柄である、検討して判断すべき事柄であると考えておるわけでございまして、私ども先ほど申しましたように、具体の事実を十分承知をしておりませんで、これについてのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
#29
○関分科員 政党が正当な方法によって各団体に推薦の依頼をする、これは許されていますよね。また、自分たちの内部について、こういう推薦をしたのでひとつ御通知いたします、これも許されていますし、また、それぞれの組合が、今回我が団体ではこうしたことを推薦したので、所属する会員の皆さんあるいは組合の皆さんよろしく、これも許されている。これは私も何も問題だと言っているのではありません。今のように、具体的に保育団体、連合会、これは全部国費、県費の恩典に浴している団体ですよね。そういう団体に、自由民主党が青森県の北村知事をよろしくというそういうお願いがあったということをそれぞれの機関に流してくれ、こういう要請ですよ。こういうことは行き過ぎじゃありませんか。自由民主党というのは今日、時の政府、政権の最高の機関でしょう。権力機関と言ってもいいくらいのものでしょう、自由民主党の政治なんですから。今大臣は胸を張って先ほどの私の質問に対して御不満の意を表明しておられましたけれども、これは、それなりにわかります、絶対と言われれば、絶対というものはないんですからね。そういうことは私もわかります。ただ、こういう権力の地位にある者が、しかも毎年毎年予算要求のときに、保育にかかわる制度改善の費用をよろしくだとか、あるいは保育単価を上げろとかということで来るわけです。自民党へ参りますよ。そうして、それぞれまた受けて対処していただいております。そういうことの地位を、利用してと言えばなんですが、もちろん地位利用の禁止の規定というのはあります。教育者の地位利用、これは法律に明文化されておりますが、言うならば権力的地位を利用してその関係団体に対して、特に全国の組織団体に対して青森県を名指しして、青森県の知事選挙についてよろしくという文書ですよ。御推薦賜りたいとかなんとかということではありませんよ。選挙をよろしくということですよ、これは。明らかに事前運動じゃありませんか。事前運動のたぐいにも属するし、それからそういう行為そのものが、こういう文書を出すということは、許されている文書の内容からいけば問題のある文書じゃありませんか。知事の必勝のためにやってくれというんですよ。やってくれということをそれぞれの下部機関にも伝達してくれということですよ。あった文書全部そのまま伝えてくれということです。伝えてくれなんということは行き過ぎじゃありませんか。自分たちの方で要請するならばそれぞれの団体で、自由民主党はこの人を推したからよろしくという文書ならば、全部に出したらいいでしょう。出すこと自体問題があると思いますけれども、人に出してくれということの依頼は、これ、適正ですか。しかも、その団体が候補を決めていれば別ですよ。全国保育協議会が、青森県の選挙においては知事北村を推す、こう決めているならばこれは別ですよ。何も決めていない。また、そういう文書が来て、今度は青森県の保育連合会、これだって何も決めていませんよ、北村を推すなんて。決めてもいないのに上から来た文書だからそのまま流して、明らかな選挙運動でしょう、これ。選挙のさなかですよ。この文書は一月二十四日ですから、あと一週間もあれば選挙が終わるというその直前ですよ。選挙前に出したからといって許されるかといえば問題もあるし、選挙のさなかに出しているということになるとなおさら問題がある。許されていることでも選挙中には文書として出せないものがあるわけです。そういうものに私はこれは該当すると思う。そういうことを自由民主党の天下だからというて自由民主党幹事長小沢一郎の名前で出して平気でいる。これはあっていいことですか。許容範囲に属するものだと認定しますか。大臣どうですか。
#30
○吹田国務大臣 この事案というふうにおっしゃった問題につきましてのことにつきましては、私も実は十分承知しておりませんものですから、今ここで直ちにこうである、ああであるということを私が申し上げることもできませんが、これからよくまたそういった問題につきましては私なりに調べましてみたいと思っております。
#31
○吉田(弘)政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、一般的に申しまして、政党は政治活動の一態様として支援団体を通しての推薦依頼等の働きかけは許されているわけでございますし、それからまた、その団体がそれぞれの下部の団体構成員に対してその決定の通知をするということも許されているわけでございます。事柄が選挙運動に当たるか当たらないかということは、先ほど申し上げましたように、その行為全体を総合的に勘案して判断すべき事柄であるということでございまして、その時期、場所、方法、対象等を総合的に検討の上に判断さるべきものであるということでございます。私どもこれについての具体的な事実を十分承知しておりませんし、またそれを承知する立場でもございませんので、具体の問題についての法的判断は差し控えさせていただきたいということでございます。
#32
○関分科員 私は、今選挙部長が、それぞれの下部団体、それが団体として決議して、あるいは団体として要請され、それにこたえて一つの推薦をしていく、そういうことでこれをやっているというならば、さっきから申し上げているようにこれは何も問いません。しかし、こういうような権力を利用して、そして弱い機関の者について、これは極めて高飛車的なものだと思うのです。「つきましては、ご多忙のところ誠に恐縮に存じますが、青森県内における貴団体関係者の皆様に対し強力なご支援方につき、ご伝達を賜りますよう」、選挙運動でしょう、これは。「強力なご支援方につき、ご伝達を」、これは選挙運動をするように伝えてくれということですよ、別な言葉で言えば。こんなことが公然と一党の幹事長から出されていいと考えますか。自治大臣どうですか、これ、あなた先ほど胸張って私に答えたが。そしてなお言いたいことは、これに限らない。どれだけこれに類するものを出しておるかわかりませんので、早急に調べてもらう必要があるのじゃないかと私は思うのですが、そのことについてどうですか。
#33
○吉田(弘)政府委員 先生御承知のように、選挙運動とは、端的に言いますと、投票依頼を目的として選挙人に働きかける行為ということでございます。先ほど来お話がありました文書についてお聞きしておりまして、直ちにこれが選挙運動性があるというふうには断定はしがたいのではないかと思います。
 ただ、当該ある行為が選挙運動に当たるか当たらないかというのは、先ほど申し上げましたように、その行為の総合的判断をして行うということでございますので、私どもその実態をよく承知しておりませんし、また実態を私どもが実質的に調査するという立場にもございませんので、これについての明確な法的なお答えは差し控えさせていただきたいということでございます。
#34
○吹田国務大臣 一党の幹事長が出しました文書というのを今お読みになりましたので私も伺いまして、初めて伺ったわけでありますが、非常に立派なものであるとは申しません。けれども、それが違反であるか違反でないかという問題については、これは私の判断ですることではありませんので何とも申し上げられませんが、できるだけそういった選挙違反に類する行為ではないかなどというような疑いを持たれるような行為はしない方がよろしいということだけははっきり申し上げておきます。
#35
○関分科員 私は、これは今、全国保育協議会にだけ来たものだとは思っておりません。したがいまして自治大臣は、まあ自治大臣も自民党の方ですから、こういうような文書がどんなに出ているものかも握っておく必要もあるだろうと思うのです、それで、言われてみて、これは大丈夫なものだとは言えないにしても、だからといって絶対に違反するものだとも言いかねるので検討させてくれというのがまた御趣旨のようでもあります。
 こういうようなたぐいの文書を出していいのだということになりますと、これはいろいろな部面に影響してきます。どんどんこれをやってもいいんだよ、自治大臣だって何もとがめていないし選挙部長も意に介していないようだ、こうなりますと与える影響というものは相当なものになるであろう。特に国費、県費、市町村費というものをちょうだいする諸団体がこういうものを受ければ、みんな伝達してやらなければならなくなってしまいます。それでいいというならば別です。そういうようなところにもこれは発展していく要素を持っていると思いますし、やはり選挙に対する姿勢というものは厳然としなければならない。そうして、とにかく文書掲示の問題についてはいろいろ警察も取り上げておったことはそのとおりでありまして、何もしないとは申し上げません。でも、肝心の権力的な者のやっている行為、あるいはまた金銭的なことにかかわる問題についての買収、供応の部面ということになるとちっとも警察は作用していないのではないかというのが先ほど申し上げたような批判にもなり、また不信にもなっているわけなんでありまして、とにかく選挙の公正を期する、そういうことにおいて、取り締まり、普及活動する担当の大臣のところでもありますので、私は十二分にこれは気をつけていただきたい。そうして、この問題をよすがとしてそれぞれの部面についても目を配っていただいて、こういうような問題が起こらぬように、取り締まっていくと申しましょうか整理していくといいましょうか、表現をちょっと知らないのですけれども、対処してもらわなければならぬのではないだろうか、こう私は思いますので、一つの問題として御検討していただきますようお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。
#36
○吹田国務大臣 関先生のお言葉に最後にお答えいたします。
 これからいよいよ地方統一選挙も行われますし、極めて大事な時期に入っております。御注意がありましたことは十分関係の機関に私からも御指示をいたしまして、そうして国民の皆さん方から不信感を持たれたり、いやしくも警察自体がそのことで信頼を失うなどということがないようにいたさなければならぬ、こう思っておりますので、選挙につきましては厳正な立場で対処していきますように配慮していきたいものだと思っております。
#37
○津島主査 これにて関晴正君の質疑は終了いたしました。
 次に、松本龍君。
#38
○松本(龍)分科員 松本です。
 早速質問に移らせていただきたいと思います。
 ここ数年ゆゆしき不祥事が、また許すべからざる不祥事が多発をしているわけですけれども、その内容を申しますと、一九八五年、にせの弁護士による戸籍謄本の不正入手事件が発覚をいたしました。同じ年にまたにせの税理士による不正入手事件も起こってきたわけであります。さらに、一九八九年、一昨年ですけれども、今度は基本的人権を擁護しなければならない、また社会正義を実現しなければならないということを使命としている本物の弁護士が統一請求用紙を横流ししている事件が発覚をいたしました。さらに昨年の九月には、今度は有資格者である行政書士、社会保険労務士がみずから戸籍謄本を不正に入手し、興信所等に横流しをしている事件が発覚をしてきたわけであります。
 いずれにしましてもこういう事件がだんだんエスカレートしている、多発をしている。さらに、モグラたたきのようにこちらをたたけばまた次にこちらが出てくるというふうな事件が発覚をいたしているわけでありますけれども、戸籍謄本等は機関委任事務であります。しかし住民票はまさに現場の窓口で自治体職員が対応されている。そういう中で、所管であります自治大臣、こういう事件が法的な規制、また、そういうところとは別な問題として現場の窓口で担当している職員を媒体として起こっているということにかんがみて、どういう思いをされているか、御所見をお伺いしたいと思います。
#39
○吹田国務大臣 ただいま御指摘がございましたような事件につきましては、まことに私も遺憾に思っております。特に、こういったような不正事件というものは許すべからざることでありますし、住民のプライバシーを守る意味からも大事な問題でありますだけに、今後、こういったことが二度と起きないように、窓口関係を担当しております市町村というものに対しましてさらに一層厳正な対処を行いますように、私の方からも引き続き指導を強化していきたい、こう思っております。
#40
○松本(龍)分科員 今お言葉を聞いたわけでありますけれども、先般来日立市で山林火災が起こりました。被災家屋は十六棟が全半焼という事態が起こったわけであります。
 その次の朝、閣議の中で自治大臣は、いわゆる防火林道の建設の促進を言われた、まさに素早い対応だと思われるわけですけれども、このことに関してもしっかりと素早い対応を即行っていただきたいというふうにまず申し上げておきたいと思います。
 次に、法務省にお聞きをしたいのですが、この五、六年間こういう事件が多発をいたしております。また、エスカレートしています。なぜこういう事件が起こっているのか、その社会的な背景なり社会的な情勢なりをどういうふうに見ておられるのか、お伺いをしたいと思います。
#41
○房村説明員 それでは私の方からお答えいたします。
 社会的な背景といいますと非常に難しい面もございますが、先生御承知のとおり、我が国の戸籍制度は、国民の身分関係を登録、公証するものとして、その内容が非常に正確であり、かつ、身分関係を網羅的に記載しております。そういう意味で、登録、公証という機能から見ますと、非常にすぐれた優秀な制度でございますが、同時に、それだけ個人のプライバシーに属する事柄も多く記載されております。そういうことから戸籍制度におきましては、登録、公証の機能を果たすために、これを公開をすると同時に、歯どめをかけまして、正当な目的がある場合に限ってその戸籍謄抄本を請求できる、こういうことにいたしております。
 ところが、ただいま申しましたように、非常に正確な記載がなされているということのために、ある人の身分関係等を調査したい場合には、戸籍謄本を入手するのが最も確実であり、また、最も容易な方法である、こういうことから、法の定めております正当な目的を有しない場合であってもどうしてもこれを入手したいという、いわば不正な利用のために供したいという人たちが後を絶たない、こういう実情にあるわけでございます。私どもとしては、そういう戸籍が不当な差別に使われるとか個人のプライバシーの侵害に使われるということを防止するために戸籍法が不正な目的で公開を制限しておりますその趣旨を徹底して、そのような事態を防ぎたいと種々努力いたしておりますが、結局そのような、ある意味で戸籍が正確であるだけになかなかそういう需要が後を絶たないということになっているのではないかと理解しております。
#42
○松本(龍)分科員 私がお聞きしたのは、そういう戸籍の正確さであるとか、何が戸籍の中に書いてあるかではなくて、ここ数年間非常に多発している、つまりそれをビジネスにする人たちがいる、そしてそれを利用する人たちがいる、そういう人たちがなぜここ数年間ふえてきているのか、その社会的な要請なり時代背景をお聞きしているわけです。そこのところの分析をしないと、なぜこれが起きているかというのは言えないのじゃないですか。もう一度お尋ねします。
#43
○房村説明員 社会的背景ということになりますと、長期的にどういう対策を講ずるかという意味ではそういう分析も欠かせないということは、確かに先生のおっしゃるとおりであろうと思っておりますが、現在のところどうも私どもとしてはっきりとした原因等あるいは社会的背景というものを把握しているとは言いがたい状況にありますので、今後、さらにその点について研究を進めたいというぐあいに考えております。
#44
○松本(龍)分科員 この事件の起こることによって、例えばどういう人たちの基本的人権が侵されているか、どういう人たちのプライバシーが侵されているか、そこのところをもう一度お聞きします。
#45
○房村説明員 ただいま申し上げましたように、戸籍謄本にはまさにプライバシーに触れる事柄が多く記載されておりますので、その戸籍謄本が不正に入手され、あるいは他に交付されるというような事態が生ずれば、それはもちろんそこに記載されている人たちのプライバシーが侵害されたということになりますし、また、その戸籍が何らかの差別等のために利用されているという可能性も否定し切れないわけで、非常に重大な事柄であるというぐあいに認識しております。
#46
○松本(龍)分科員 重大な事柄であると今おっしゃいましたけれども、これはそういう侵害をされた、差別をされた人たちにとってはまさに生き死にの問題にかかわってくることもあり得るわけです。ですから、そういうところの社会的な背景をしっかり踏まえるとともに、これは何としても防止をする手だてを講じていただきたいと思うわけです。
 先ほど私が申し上げました、福岡で起こりましたおととしの九月の弁護士による事件でありますけれども、九月二十一日の新聞の記事をちょっと読ませていただきます。この事件が起こった後に法務省民事局第二課の談話があるわけですけれども、「これまで戸籍謄本などの不正入手がないよう各団体に依頼していただけに、今回の事件は残念だ。事件の詳しい内容はまだ把握していないが、今後も同様の事件が多発するようであれば、統一用紙制度の見直しも含めて何らかの措置を検討することになる」という談話が載っています。これと全く同じとは言いませんけれども、同じような談話が地元の西日本新聞にも載っているわけです。これはどなたの発言であるか特定はできないとしても、同様の見解を法務省は持たれているのかということをお聞きいたします。
#47
○房村説明員 この統一請求用紙制度は、弁護士あるいは司法書士等有資格者の団体の協力を得て、有資格者が職務上の請求をする場合に限って使用するということで行っている制度でございまして、これが悪用されるということは極めて遺憾なことであるということは先生御指摘のとおりでございます。
 私どもとしては、もちろんこのような有資格者による統一請求用紙の利用の制度というものは、それなりの合理性があって実施しているところでございますので、これを悪用するような事件が二度と起こらないように、その事件をきっかけといたしまして関係団体に対する指導を強化して、種々対策を講じているところでございます。例えば、統一請求用紙に連続番号を付しましてどの者にどういう番号の用紙が渡ったということを各会で記録をしていただいておく、こういう制度を取り入れたところもございます。まあ統一請求用紙制度そのものの見直しということにつきましては、このような事件が余り頻発するようであればさらに検討する必要もあるいはあるかとは思っておりますが、現在のところは、そういう指導の強化ということで不正請求事件を根絶するための努力をしたいというぐあいに考えております。
#48
○松本(龍)分科員 私がお聞きしたのは、今の新聞の談話、見解が法務省と同様の見解なのかということをお聞きしたわけで、そこのところをちょっともう一度答えてください。
#49
○房村説明員 基本的には新聞報道されたことと変わってはおりません。
#50
○松本(龍)分科員 それでは、この新聞にある「多発するようであれば」という多発とはどういうことですか。
#51
○房村説明員 特に定義というのはありませんが、やはりそれは非常に頻繁に起こるということであろうと思いますが。
#52
○松本(龍)分科員 頻繁に起こるとか多発するとかということを言われる。つまり法的な弁護士とか税理士とか弁理士、特定八業種というのはほかに行政書士、司法書士、海事代理士、土地家屋調査士、社会保険労務士とあるわけですけれども、そういう人たちがこういう事件を起こしているという中で、多発ということはいかにも問題が大きい。これは、これによって被害を受ける人、これによって差別をされる人、これによって人権が侵害される人、そういう人たちの立場に立てば、千に一つ、万に一つでもあってはいけないことなんですよ。そういうことを多発という言葉で言われたのじゃ、私は非常に憤慨をいたします。もう一度お答えください。
#53
○房村説明員 先生おっしゃるとおり、確かにその不正請求そのものは極めて遺憾なことで、重大な結果を招くこともあるわけで、そのために私どもといたしましても不正請求事件の再発防止のために種々対策を講じているところでございます。
 しかし、現在の法律で有資格者について一定の制度を設けているということについてこれを見直すということになれば、これはそのような制度を設けていることに背馳するような事件が多発するような場合に初めてこれを見直すということになろうかと思っております。もちろん、多発するまで何もしないということではございませんので、それは各不正請求事件についてそれぞれ厳正に対処する、あるいは、例えば市町村の窓口において不正請求の疑いがある場合には直ちに監督法務局に連絡をしていただき、監督法務局で所要の調査をするというような体制を整えております。そういう意味で、決して事件が少なかったら何もしないということではございません。
#54
○松本(龍)分科員 その後、福岡の事件から一年もたたないうちに、東京の行政書士、社会保険労務士の事件が起こったわけです。内容はもう申し上げませんけれども、いかにも対応がおくれている。この事件に対する見解、その後の経過をお聞きしたいのですけれども、去年の九月十二日の読売新聞で「法務省は全国の自治体に二人の謄本請求実態を照会する異例の措置を検討している。」と書いてあったのですが、その後どうなっているのかお聞きをします。
#55
○房村説明員 八王子所在の行政書士及び社会保険労務士が戸籍謄本を不正に請求して、これを興信所の者に横流しをしたという新聞報道がなされまして、これを契機に、私どもでも当該行政書士本人に対する調査等所要の調査を行いまして、不正請求をしたという事実を認めましたので、管轄の簡易裁判所に対して過料の制裁がされるように通知をいたしました。委員の御指摘の全国一斉の調査ということは調査の過程では行っておりません。
#56
○松本(龍)分科員 速やかにこの問題に対しては対応していただきたいと思っています。
 次に、自治省にお尋ねをいたしますけれども、自治省ではこの間どういう対応をしてきたかお聞きをします。
#57
○浅野政府委員 お答えを申し上げます。
 まず、先ほどの福岡県の弁護士の事件の関係でございますが、こういう事件が発覚いたしましたので、私どもといたしましては、住民基本台帳を所管しております立場から、関係の有資格者の団体に対して十分注意を喚起するべく指導いたしますとともに、これは市町村が窓口としてやっておりますので、市町村窓口での対応につきまして指導させていただきました。
 それから、東京都の行政書士の問題でございますが、これは行政書士に対する監督は都道府県知事がやることになっております。それで、東京都の方でこの行政書士に対していろいろ事情聴取等のことをやってまいってきておるということでございます。
#58
○松本(龍)分科員 昨年の五月の十六日に行政局の振興課長から各都府県の総務部長あてに通達が出ています。これを私も拝見をいたしました。まさにその後東京の事件が起こったわけですけれども、この文章を読ませていただきますと、こういうことが行われたらあらゆる人たちの人権やプライバシーが侵されるんだといういわゆる啓発の部分が、自治体職員に対する啓発の部分が一切抜け落ちているわけです。さかのぼって日弁連が各弁護士会あてに出した文章でも、ここにありますけれども、まず事件の経過を言われている。統一用紙を使用する趣旨、目的が書かれて、「ところで、今後、今回報道されたようなことが発生するならば、法務省や自治省から弁護士の請求についても一般人と同様な取扱いをされる恐れがあり、弁護士の業務に重大な支障を来すこととなります。」こういうことが書いてあります。つまり、特権を奪われるからこういうことは困るんだということ、まさにここにも、こういうことによってさまざまな人たちが被害をこうむることに対する人権意識が欠落をしている。私は自治省の先ほどの通達にも人権意識が欠如しているというふうに言わざるを得ないと思います。そういった中で郵送での請求に対してどういうふうに対応されているか、もう一度お聞きをしたい。
#59
○浅野政府委員 住民基本台帳のこれは写しになるわけで、いわば住民票の写しになるわけでございますが、それを郵便で請求することについてのお尋ねかと存じます。これは、郵便での請求も認めるという制度にいたしております。ただその場合、やはり請求事由等は明らかにしていただかなければいけないという前提でございます。
#60
○松本(龍)分科員 郵便での対応も今言われたとおり通達を出されているというふうに言われましたけれども、この新聞記事をちょっと読ませていただきます。去年の十月四日の読売新聞で、ある大手業者は、「公務員を通じて取り寄せたことを示す「公用」印のある謄本を山積みにしている興信所もあった」、まさに大胆な発言をしているわけであります。
 さらに去年の九月三日の同じく読売の夕刊ですけれども、大分県のある町役場の場合は、「窓口では、請求書に使用目的を記入することさえ要求をしていない。」長崎県では、「使用目的の記入は求めるものの、関係書類などは不要だった。」というふうな新聞記事が載っているわけです。
 東京でも、本籍地や生年月日が合っていれば、窓口業務が忙しいので特にそれ以上のチェックはしないというふうなことが載っているわけですけれども、いかにも私は通達の後、対応がおくれているというふうに言わざるを得ないのですが、そこのところもう一度各自治体あてに何らかの通達を出すのか、そこのところをお聞きをします。
#61
○浅野政府委員 私どもといたしましては、これまでも十分な指導をするよう努めてきたつもりではございますが、ただいまいろいろ具体の事例などもお挙げになりましての御指摘でございます。どういう形で指導を徹底すべきか十分考えまして、しっかりと対応してまいりたいと思います。
#62
○松本(龍)分科員 お言葉どおりしっかり対応していただきたいと思います。このことはずっと深く考えてまいりますと、興信所がいわゆる調査を安く上げていきたいということ、そのためには戸籍謄本なり住民票、二百円か三百円ですけれども、これがあるかないかで、信用度が非常に増してくるわけです。二百円か三百円で信用度が増してくる。つまりこれが、だんだん興信所なり探偵社なり、そこに大きなストックをされてくるわけです。すると、これは十年、二十年後の子供たちの人権などにも大きな侵害を与えていくということが予想される。現実にそういうことを言っている興信所もあるわけです。つまり、公文書や行政サービスが差別を行う商いの道具になっている、ビジネスの道具になっているという事実があるわけです。ですから、これは、本当に決意を持って早いうちに初動でこういう事件をつぶしていかないと将来に大きな禍根を残す、禍根というよりも非常に大きな侵害になってくるというふうに言わざるを得ない。
 そこで、時間がありませんから、しっかり対応していただきたい、法務省もしっかり対応していただきたいということを申し上げます。
 このことに関してさまざまな試みが、例えば福山とか、大阪の部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例が出たり、自治省発表でも九〇年四月一日現在では六百九十二の地方公共団体が個人情報の保護条例を制定している。自治省とか法務省がおくれている割には各自治体が先取りをしながらこれらの保護をしていこうということを今行っている。OECDの勧告にも、個人データの収集には制限がなければならず、また可能ならば、データ対象となる本人の知る状態で、またはその同意を得て収集されなければならないことを明示しているわけです。
 そういった中で、これからこういうことが多発しないようにするためには、福山市の条例の案文の最後にあるように、「プライバシーの保護の問題は、限られた地方公共団体が条例化し、そのエリアの中だけで対応していたのでは、決して実効性の確保ができません。全国のどの市町村でも、同様の総合的な保護制度によってプライバシーが守られる状況を作らない限り、本質的には、市民の人格的利益の保護を保障することはできない」、私もまさにこのとおりだと思います。
 そこで、最後に大臣にお尋ねを申し上げます。
 これらの一連の事件であらゆる人たちの人権が侵害をされていることは、今までのお話で御承知だと思います。とりわけ部落問題についてお伺いをしたいのですが、現在ハード面は少しく前進をしておりますけれども、今なお結婚や就職や教育の面でおくれている、そういう中でこういう事件が起こってきたわけです。
 戸籍に関して先般中野寛成議員も大阪の差別事件のことを取り上げられたわけですけれども、ある一面では、姓を変えたり、つまり部落に住んでおられる方が、何とか差別の厳しさから逃れよう、娘が生まれたり息子が生まれたりして子供たちのためにこの部落から逃れようということで、結婚をして籍を奥さんの方に入れられたり、地域から出られたりしておられる方がたくさんおられます。自分が生まれついてずっと育ってきたふるさとを捨てたり、今までの友達から何でおまえは姓が変わったんだと言われたり、そして外に出ていっても、娘が結婚したり息子が結婚するときにばれないだろうかという気持ちを持ちながら一生過ごしていかなければならないわけです。
 そして、差別事件とか、目に見える差別事象は氷山の一角だということをもう一度言いたいわけですけれども、つまり、男と女が信頼関係で結ばれて将来を誓い合うとします。男性が部落の出身であり、女性が部落外の出身である、そういったときに、女性の両親が、あるいは親戚が結婚に反対する。そして結婚式の出席を拒んだりする。そして、これは男性にとっては将来の義理の父親や義理の親戚になってくるわけです。そういったときにこれが差別事件として上に上がってくるか。将来ずっと連れ添っていかなければならない妻の両親を何らかの形で訴えることができるか。これはできないわけです。こういうことが日常茶飯事にずっと起こっておるわけであります。こういう問題は、一現象とか一事象とかと呼べない、その人の全人生がそういうことによってずっと厳しい人生を送っていかなければならないということがあるわけです。
 そういった中で、大臣も山口県の出身でありますし、また同対審答申が一九六五年の八月に出されました。佐藤総理大臣のもとでできたわけでありますし、岸元総理もこの問題に関しては大変御熱心でいらっしゃったわけです。地方自治に精通されておられますし、また自治体の財政が厳しいことも大臣十分御承知だと思いますけれども、こういった中で、これからの部落問題、また、同和行政に対する決意のほどをお聞きしたいと思うのです。
#63
○吹田国務大臣 ただいま松本先生のお話を伺っておりまして、同和の問題というのは私は本当に残念なことであると思っております。ありきたりなことで言えば、憲法に保障されておる個人の人権ということで、基本的な人権を守らなければならぬということになりますが、そういったありきたりの話でなしに、現実に私も村長や町長を務めてきて、現実に私の町内会にそういった状況もありまして、その中で村長を務め、町長を務めておる、そういう経験者としまして私は非常に残念に思っております。全くのゆえなき差別であります。こういったものが今日も厳然としてあるんだということを否定できないということもまた非常に苦しいことであります。
 今先生おっしゃるように、就職問題では相当緩和されまして、そういう事実も非常に少なくなってきたと思います。それから特に本籍なんかを言わないようにする。本籍を調べるということは、そもそもはそういうものを前提としておるのではないかということすら危惧されておるわけでありますから、そういう就職問題等でも本籍は問わないという前提で事が進められておる。特に国家公務員の場合におきましても地方公務員の場合でも本籍というものは余り明記されてないと思うのであります。
 そういうようなことまで最近は非常に進んできたことは事実でありますが、婚姻関係にまだ残っておることを私は残念ながら認めざるを得ない。このことは日常の茶飯事としてよく話を伺います。こういった点を一日も早く解消するように挙げて政治家、行政関係者が努力していかなければならぬと思います。
 今いろいろと同和問題についての教育問題で、このことについて全くゆえなき差別であるよということを副読本その他で努力をしておりますが、なかなかそのことが十分理解されない。場合によってはそれが逆作用をして、そういうものがあるのかということを子供がそのことで承知したというようなことまで言われるようなことがありまして、この問題がなかなか一朝一夕、すぐ手のひらを返したような状態ができませんことを非常に遺憾に思いますが、これはやはりうまずたゆまず努力をして、こういう差別問題というものが絶対にあってはならぬし、そういうことについては厳しい態度で臨んでいくということが必要であると思っております。
 そういった意味で、私も党に入りましてからずっとこの十数年間というものは同和問題の特別委員会に入りまして、そこで一生懸命関係議員先生と勉強しながら来ましたし、今日の法律の施行にまでずっとそれを見守りながら、あるいは現地を調査しながらしてきておるわけでありますが、残念ながらまだ自治大臣としまして現地調査しておりませんが、これからそういう点につきましても調査しなければならぬと思います。
 ただ一点、私をして言わしめれば、もう少し関係町内会の皆さん方も、これだけせっかく政府が実施しておる、これを善意に受けとめてもらってこの事業というものを積極的に取り上げてもらう。私が過般調査しました件におきましても、実施してくれるはずの事業費をつけましても、いろいろな関係があるのでしょうけれども、それがなかなか施行されないということでおくれておる問題もありますね。ですから、環境整備もしなければなりませんし、言い方がもしも誤解があったら勘弁願いたいのですが、さっき先生のおっしゃったようなことからいたしますと、むしろ混住する。みんながそういう隔たりを持たないように、地域に、部落とか部落でないとかということでなしに、みんなそこに入って生活ができるようなそういう状態をつくる制度というものを進めようではないかということを言って、現在のこの法律の中にはそういう制度も入れて配慮したと、当時の記憶で私は覚えておりますが、これからも一生懸命に頑張りまして、皆さん方の御期待に沿うように、特に私もそういう地域を私の村なり町に持っておりまして、経験者でありますだけに切実に感じておりますし、先生のお気持ちを体しまして努力することをここにお誓いをするわけであります。
#64
○津島主査 これにて松本龍君の質疑は終了いたしました。
 次に、貝沼次郎君。
#65
○貝沼分科員 御存じのように、岡山、倉敷との間に瀬戸大橋ができまして、そして今までお互いに海で隔たっておったところが陸となりました。瀬戸大橋のたもとにある児島の駅を中心にいたしまして、岡山市がすっぽり入るような円を描きますと、高松とかあるいは福山方面までも入りまして、経済圏としては名古屋に匹敵するぐらいの人口のところになるわけでございます。そういうような場所になる岡山、倉敷でありますが、それならそれなりにやはり責任ある行政あるいは対応というものをしなければならないというところから、岡山県としてもいろいろ考えております。
 本日は、時間も制約されておりますので、もう端的に申し上げますが、瀬戸大橋の架橋、それから岡山空港の開港、これを契機といたしまして、中国、四国地方における拠点性を飛躍的に高めた。また、新しい交流と発展の時代を迎えた岡山県にとって、やはり高等教育機関の整備というものが大変重要な課題である。現在高校でも、倉敷の方に四国から通っておる人が、瀬戸大橋を通って通っている人が既におるわけであります。このため、二十一世紀に向けて多様な社会的、時代的要請に的確に対応できるすぐれた人材を養成し、福祉と文化の向上や産業の振興に寄与することを使命とする県立大学の建設ということを計画をし、そして準備を進めてきたところでございます。
 この県立大学の建学の理念、これは議事録の関係もありますから少し読んでおきますが一つは、
  瀬戸大橋、新空港等の建設により、本県はその拠点性を飛躍的に高め、今後の西日本が必要とする情報、技術、文化、物流等、人と物と情報の集積基地、発信基地としての役割を果たすことが期待される。
二番目として、
  本県が、多くの先駆者、指導者を輩出してきた伝統を生かし、二十一世紀に向けて飛躍するためには、新しい県立大学の整備による有為な人材の一層の養成が緊要である。
三番目は、
  県内の高等教育機関に対しては、@高齢化に対応し、保健医療と社会福祉に総合的に対応し得る人材の養成、A情報化に対応し、ハードウェア、ソフトウェアにわたり情報処理に秀でた人材の養成、Bデザイン技術の急速な発展と表現媒体の多様化等に対応できる優れたデザイナーの養成が要請されている。
 (四) 県立大学は、このような多様な社会的、時代的要請に的確に対応できる優れた人材を養成するとともに、地域との連携を一層深めていくことにより、本県の福祉と文化の向上や産業の振興に寄与することを使命として設立される必要がある。
 (五) 地域社会で健康・福祉活動を実践する有為な人材を養成するため、県立大学との有機的連携のうえに総合的な人材供給を図る観点から、短期大学部を併設する必要がある。
 こういう建学の理念を持ちまして、今、文部省並びに自治省の方に陳情をしておるわけでございますが、この件につきまして、まず文部省の方から、文部省の方、いらしていると思いますが、文部省の方からは二点だけお願いしたいと思います。
 一点は、このような県立大学、あるいは倉敷には市立大学というのもありますが、こういう県立大学とか市立大学の要請があった場合に、一般論としてどういうふうに対応をされるのか。どういうお考えで対応されるのか。この点を一点。
 それからもう一つは、ただいま申し上げました岡山県立大学の建設、これにつきましてどのように今取り組んでおられるのか、この二点についてお伺いをいたします。
#66
○加藤説明員 お答えいたします。
 今先生おっしゃいましたように、岡山県におきましては、県立大学構想検討委員会を設けられまして、人材養成のために四年制の県立大学を計画しておられると承っております。
 一般的に県立大学、市立大学等の計画につきましては、時代の要請もさることながら、当該地域の発展のために特に必要なものについては、御申請があれば、制度といたしまして大学設置・学校法人審議会というのがございまして、そこに文部省としては諮問をし、その答申を得て認可、不認可の対応を決めるという制度になっておりますので、この計画につきましても、構想が具体的にまとまり、申請がありますればそういう対応になると思っております。
 県の方から聞いておりますのは、総社市の方に何かつくるという計画をお聞きしておるところでございます。
#67
○貝沼分科員 今文部省の方では、その検討はどこまでいっているのでしょうか。
#68
○加藤説明員 そういう計画を県の担当者の方、これは県立大学建設準備室というのができておりまして、そこの担当室長その他の方々が何度か文部省にお見えになりまして構想を説明していかれております。
 我々といたしましては、県の構想が、カリキュラムでありますとか教員確保、建物の建設、そういうものについての県の計画が今後どのように煮詰まるのかということを今文部省としては見守っておるというところでございまして、具体の申請その他はまだこれからであると考えております。
#69
○貝沼分科員 そういたしますと、今後の計画を見守っているということですから、それがうまくいけばその実現性はかなり高いと見てよろしいですか。
#70
○加藤説明員 具体的に計画がまとまりまして申請がございますれば、先ほど申し上げましたように、制度上、大学設置・学校法人審議会という審議会に諮問いたしまして、審査の結果答申をいただきますので、それに基づいて対応するということになります。
#71
○貝沼分科員 ぜひこれがうまくいくようにこの場で陳情しておきたいと思います。
 なお、自治省にお尋ねいたしますが、自治省もこの話は既によくお聞きになっておると思います。この県立大学の整備について、結局予算の確保ということが問題になってまいります。そこで、自治省と今後起債の額等の相談が県の方からあると思いますけれども、そういうことについての対応はどうお考えですか。
#72
○湊説明員 お答えを申し上げます。
 構想につきましては、財政局としてもお話を県の方からいろいろお伺いをいたしております。具体化しました段階で、大学設置のために必要な事業につきましては地方債等の充当も可能でございますので、十分そういった点は私どもとしても配慮してまいりたいというふうに思っております。
#73
○貝沼分科員 ぜひお願いしたいと思います。
 それから、もう急ぎますが、次の問題は、コンビナート防災の点でお尋ねしたいと思います。
 このコンビナート防災の話は、私が初めて衆議院に当選したのが昭和四十四年十二月でございました。その後、コンビナートはやはり大事にしなくてはいけないというところから、たしか四十五、六年ごろコンビナート防災の質問をしたわけでございます。そのことがありまして、その後、水島の油の流出等がきっかけになりまして、一挙にコンビナート防災の法律ができ上がってきて大変よかったと思いますが、そのことについて私が大きく考えておりますのは、例えばこういうコンビナートとか巨大技術ですね、コンビナートあるいは原発とかあるいは宇宙開発とかいろいろありますが、そういうようなものが、要するに手づくりでつくり上げてきた時代の人、それからその技術、施設、これは今までつくった人がオペレーターとしてやっておりましたので、あらゆることを知っているわけですね。したがって、それはうまくいったと思うのですけれども、もうだんだん何十年かたってまいりますと、そろそろ設備そのものもある意味において老朽化してきておる、そしてまた、オペレーターそのものが交代の時期に入っておる、こういうようなときにアメリカのチャレンジャーみたいな事故が起こりかねないというような心配があるものですから、私が本日お尋ねしようと思っている点は、このコンビナート防災という法律はあるけれども、しかし、もっと消防法上からとか、そういう面からチェックをしてみる必要があるのではないかというのが本論でございます。
 そこで、法の建前上、あくまで企業努力に任せざるを得ないという部分が多いということ、それから、法規制を受けている施設に対して点検整備の対象とするのはもちろんだけれども、全体の防災を考えると、法規制を受けていない施設に対しても前向きに指導する必要がある。したがって、防災に対する人的な教育が非常に大切になってきておるのではないか、こういうようなところから防災に対する人的な教育を今後どうするのか、今までどおりでいいとお考えなのか、それとも、今そういう時代の流れあるいは設備の老朽化というものを考えたときに、もう一度人的な教育のあり方が問われていいのではないか、私はこう考えておるわけでありますが、いかがでしょうか。
#74
○木村政府委員 御指摘のように、コンビナート法ができまして随分時間がたっております。いろいろな施設につきましても、その保守点検等についてさらに力を入れますとともに、要員の教育等についても新たな努力を必要とする段階に達しているという御認識は、そのとおりではないかと存じます。
 消防庁といたしましても、石油コンビナート法とともに消防法の個々の危険物施設の保安を確保する観点から、いろいろな機会に研修等を行いますとともに、自主防災組織の整備等にもさらに力を入れ、さらには保安検査等、危険物保安技術協会等の陣容を充実いたしまして点検の徹底を図っているところでございます。
 御指摘のように、今後は新しい人材の教育ということにも力を入れていかなければならないと存じます。
#75
○貝沼分科員 それで、ちょっとデータ、話だけではなんですから、最近の事故発生件数はどういうふうになっておりますか。
#76
○木村政府委員 事故発生件数の推移でございますが、昭和五十一年からずっと平成元年までを比べてみますと、総件数でいたしまして、五十一年の百五十七件から平成元年には四十六件に減少いたしております。昭和五十八年、日本海中部地震によりまして四十七件が発生、そういう大きな事故がありますとふえてまいりますけれども、全体的な傾向としては、保安体制が整ってきて減少の傾向にあるというふうに考えております。
#77
○貝沼分科員 その資料を私いただいておりますが、この表を見ますと、今五十八年度のことを特に顕著に申されましたが、六十二年、六十三年がやはりちょっとふえております。ですから、この辺が横ばいになっておりますので、そろそろ施設の影響が出ておるのではないかと私は見ておるわけです。
 それからもう一つは、火災が余り減ってないのですね。コンビナートですから、何か起これば火災になるのでしょうけれども、余り減っておらないというようなところから、やはり消防関係の仕事というのは一番多いのだろうと思います。
 ただ、ここで倉敷の例を申し上げますと、倉敷では、やはり防災という観点から考えると、火災が起きた、爆発が起きたというときにすっ飛んでいくだけではまずい、やはり防災はやらなければいけない。そのために災害防止対策として防災診断というのを昭和六十年、六十一年の二年がかりで行っております。その結果、事故件数はぐんと少なくなって、非常に効果があった、こういうようなことから総合的防災診断の実施計画というものをつくろうとしておりますが、これも全国的にそういう考え方でやっているのかもしれませんが、取り入れて災害を少なくする必要があるのではないかと考えますが、この辺はいかがでしょうか。
#78
○木村政府委員 委員御指摘のとおりであろうと思います。そのような計画に基づいて安全を図るようになっているわけでございますが、計画及び訓練あるいは機材の整備、人員の教育、こういう点につきましても計画的に進めるよう指導してまいりたいと存じます。
#79
○貝沼分科員 そこで、教育は大事だということはみんなわかっているわけですが、しかし、教育を受ける人ですね。やる人じゃなしに受ける人の側なのですが、従業員の教育、それから下請の作業員の教育、こうなってくるわけですが、その下請等の作業員の教育の方が大変やりにくいというところで、これをどうするのか。実際にそこにおる人たちはそういう方々でありますから、そういう方々が本当に防災の知識がないとこれは事故が起こるわけであります。したがって、努力はしておるけれどもなかなかうまくいかないという面があるのですが、これについてはどういうふうに対応されますか。
#80
○木村政府委員 御指摘のように、会社の首脳あるいは責任者の啓発が十分行われていても、末端の作業員等の教育が十分でなければ事故が起こるということでございますので、従来も、これは危険物取扱者の教育という面からも、かなり教育、講習等を行っているところでございます。そういった問題について、現在平成二年に教育訓練指針を作成しようということで、二年度の終わりには委員会の報告が出ることになっております。そういうことからさらに新たな努力を続けてまいりたいと存じます。
#81
○貝沼分科員 先ほど申し上げましたように、老朽化の現象も何ぼか見られます。例えば、堤防があって油が流出しないようにちゃんとつくってありますが、そこにひびが入って、油がにじみ出て初めてああ割れておるなというのがわかるわけでありまして、そういう面から考えると、もう一回何らかの形で全国的に、本庁としてはこのコンビナートの状況を見る必要があるのじゃないかと考えますけれども、この点はいかがでしょうか。
#82
○木村政府委員 最初にお答えいたしましたように、石油コンビナート地域の危険物の保安につきましては万全の体制で臨んでおるところでございますが、御指摘のようなことがあると申しますか、もう一度十分検討をして、そういうことも考えてみる時期に来ていると考えますので、検討させていただきたいと存じます。
#83
○貝沼分科員 じゃ、あと何分もありませんが、大臣はいろいろな経験がございますから、大臣にちょっとお尋ねしたいと思います。
 例えば消防吏員、団員、消防教育に従事する職員の方がいらっしゃいます。あるいはこれと同じような立場で警察官もいらっしゃいます。この人たちは使命感だけで実は頑張っているというのが私の気持ちです。かつて広島県呉の灰ケ峰の山火事がございまして、あのとき私は言ったことがありますが、消防士が何人か焼け死にました。そのときに賞じゅつ金がどうなっておるのかという議論を私は国会でやりました。ところが、余りにも少なかったということで、賞じゅつ金を上げてもらった、増額してもらったということもあるわけですが、この春にまた、消防庁の方はあるのかどうか私よく存じませんが、例えば合同慰霊祭とかそういったものはあるのでしょうか。大臣はそれに御出席になったことはありますか。
#84
○木村政府委員 全国的なレベルで合同慰霊祭というものをやっておりますのは、日本消防協会が毎年やっておりますが、各県単位にすべて行っていると存じます。
#85
○貝沼分科員 私、やれと言っているわけじゃありません。そうじゃなしに、ただ、かつての警察官のときの姿を見ますと、二十代の若いお母さんが子供の手をつないで喪服を着ておる姿は見るに忍びないものがあるわけでございます。しかしながら、命をかけて頑張っておられる方々に対する賞じゅつ金は大変心もとないといいますか、残念な数字になっておるわけですね。今大体どれぐらいの金額になっておりますか。
#86
○木村政府委員 死亡した場合の賞じゅつ金につきましては、いろいろございますが、三百三十万から最高千七百万。そして消防庁長官の特別功労章を授与される功績があった方に対しては最高二千万ということになっております。
#87
○貝沼分科員 消防表彰規程の第六条の二に二千万円の数字が出ておりますけれども、自賠責では、これはまた四月に自賠責の金額が三千万とも言われておるわけですが、これと比べてこの差があり過ぎるのはどういうふうにお考えですか。
#88
○木村政府委員 この表彰規程の六条に最高の金額を定めましたのは昭和五十八年度からでございまして、昭和六十年度に一度千五百万から二千万の引き上げをいたしております。そのときに、自賠責の金額が引き上げられたことを参考としたと聞いておりますけれども、まだ歴史も新しゅうございまして、両者の関連は必ずしも明らかでございません。私どもとしては、自賠責の金額の上昇あるいは給与の改定の状況等を見ながら引き上げに努力をしてまいりたいと考えております。
#89
○貝沼分科員 物価とかなんとか言ってみてもこれは余り意味がないと思うので、自賠責というのはいろいろな面から結果的にそういう数字になっておるわけですから、自賠責がそこまで上がるのであれば、賞じゅつ金はやはり上げていくようにこれは当局にも御努力をいただきたい、こう思っておるわけでございます。大臣、どうですか。
#90
○吹田国務大臣 ただいま貝沼先生お説ございましたが、警察官にしましても消防署員にいたしましても、交渉権も持たないで、まさに使命感で頑張っている、これはもうお説のとおりであります。したがいまして、私もそういう方々に対しましての思いやりと申しましょうか、十分なことは国家としてやるべきことである、かように考えております。したがいまして、一般的な給与の問題も、危険性の問題等も加味して今後さらに改善の方向に持っていかなければならぬ問題である、こう思いますし、また、今お話がありましたような殉職した場合の問題等は、さらにこれから大いに検討の余地があるのではないか、こう思っておりますから、関係者と協議をいたしまして、これの引き上げの問題について前向きに検討していきたいものだと思います。
#91
○貝沼分科員 大臣から大変力強いお言葉をいただきまして、これをぜひ実現していただきたいと思います。
 これを私が特に言っておりますのは、最近の火災の質の問題ですね。化学兵器というのは最近有名になりましたけれども、あれ以上の毒ガスがたくさん出る場合があるわけでありますし、それから高層化とか人口密度の問題を考えると大変危険が多い。そういう仕事にも喜んで人が集まってくるような環境を整備しておかないといけないのではないか、私はこう思ってきょうは質問をさせていただきました。どうぞひとつよろしくお願いいたします。
 終わります。
#92
○津島主査 これにて貝沼次郎君の質疑は終了いたしました。
 次に、山中末治君
#93
○山中(末)分科員 きょうは、価値は大分吹田大臣の方が上なんですが、私と同じような道を歩んできました、地方行政を担当してきました立場から御質問を申し上げたい、このように存じております。
 同和対策事業特別措置法以来二十三年が経過をいたしました。現在の地対財特法もあと一年余りを残すのみとなりました。この間、私は、昭和三十一年から昭和五十五年まで町長、市長等を仰せつかりまして、努力、微力を尽くしてまいったわけでありますが、当時は、同和対策の関係につきましては、大臣も御承知のように地方改善事業という名称がございまして、これで同和対策事業に取り組んできた経験がございます。このときには実は法律的なものはありませんで、御承知のように地方改善事業につきましては補助金は二分の一以内ということが決められていた程度のことであります。それに要する補助金も、二分の一以内ですから、その事業採択の数が多ければ、補助金が予算の範囲内で配られますので、二分の一必ずしも確保できなかったということもありますし、また、現在のように、起債が発行許可されましたけれども、それの元利償還を交付税で認められる、こういう制度もなかったときであります。非常に困難な中で差別の解消のためにお互いに微力を尽くしてきた経験があるわけでございます。
 その後、昭和四十年に至りまして、同和対策事業特別措置法が施行され、同和対策事業は国と地方がともに責任を持って取り組むべきだ、このようなお考え方で方針が出されまして、その当時行政担当をいたしておりました私としましては非常に大きな前進だというふうに存じまして、元気が出てきたわけでございます。この法律でも百点満点というわけじゃございませんけれども、飛躍的に進歩した、こういう記憶が実は生々しくあるわけであります。
 それから、大臣も御承知だと思いますので余り多くのことを申し上げる必要はないと思うのですが、地方公共団体で同和対策事業を推進してきたところは皆同じような苦労と努力をされていまして、でき得るならば地元の市民、住民の方もいろいろな意見を言ってもらって、そして有効な財源の投入に努力したところでございます。
 私の認識では自治省というのは各省の中でも一番地方公共団体のもろもろの事情についてよく知っておられて指導もされるわけですが、そういう立場を生かして、昭和三十一年ごろから、連年地方公共団体の進展のために、あるいはまた財源付与のために、いろいろな御苦労をなさってきた、こういう立場でございます。
 現在、私たちは、地対財特法があと一年余りを残すのみになったこういう時点で、ちょうどこの分科会を活用させていただいて歩んできた足跡を振り返ってみるのも非常に意義のあることじゃないか、このように存じまして、分科会の質問に出させてもらったわけでありますが、そのやさきに、全国の非常に多くの自治体から同和対策の存続について強い要望が政府へ出されているということを私はお聞きいたしました。私、直接聞いたのは全国市長会とか全国町村会とか今まで関係があったところで聞いたのですが、これはもう少し精査すると地方六団体それぞれが御要望されているのではないか、このように存じまして、時宜に適した要望だなというふうに考えています。大臣として、このような経過の中で地方自治体を中心として、議会ももちろん入っていますが、こういう強い要望が出ていることをどのように受けとめられておられますか、まず御所見をお聞かせいただきたいと思います。
#94
○吹田国務大臣 同和問題につきましては、ただいま先生のお話もございましたが、格からいえば、私は村長、町長の務めでありますし先生は町長、市長でありますから、格はむしろ先生の方が高いわけでありまして、全く逆だと思います。いずれにしましても、私もそういう自治体の経験者としまして、そしてまたその問題に、実は若いときだけに正義感を持って飛び込んで、全力投球でこのゆえなき差別問題というのに熱心に活動したことを今でも生々しく思って、記憶は明らかでありますが、いずれにしましても、地域の皆さんが非常な差別を長い期間にわたって受けておられた、これを解消するというのが戦後の問題であります。
 それだけに私も昭和二十年代からの自治体の長としまして熱心に頑張ってきたわけでありますが、かなりの改善を見ておることは間違いありません。それと、こうした法律が出ましてだんだんと財政的な援助も加えることになりましたものですから、その地域、地域における環境が非常によくなったということも事実であります。ただ、いろいろな事情がそれなりに地域にあるのだと思いますが、その事業が非常に促進された地域と促進されていない地域が現存しておる。私も奈良県や和歌山県等も既に何回か視察をいたしておりますから、現状も承知しておるわけでありますが、こういったこと等は、やはり地域の皆さん方が関係町村長等とよくお話し合いされて、その事業推進に御協力してもらわなければならぬと思うのであります。そういう点に若干の問題があることを私は認めざるを得ないと思っております。
 同時に、財政問題につきましては、今日国としましても非常に援助を加えております。この法律の提案されたときの状況からいたしまして今回をもってこれを最終的な法律だというふうな構えをしておるわけでありますが、いよいよ期限が来年に迫ってまいりました段階で、今お話がありましたように各方面からさらにこれを延長してもらいたいとか、あるいは新しい方法で援助の手を伸ばしてくれというような意見も出ております。私もこの点については実情を知っておるだけに理解ができるわけであります。
 特に、今日一番大きな問題になっております、自治省の立場から申し上げますと自治体の首長が非常に困っているわけでありますが、援助はせっかくしたのですけれども、それの償還問題が滞って、結局は個人でなしに村役場や町役場や市役所というものがそれをかわって返済しなくてはならぬというような事実もありまして、非常に苦労しておられるということも承知しておりますものですから、こういった点等も含めて今後の問題というのは検討に値するものであるというふうに考えております。ただ、現時点で私がこれ以上のことを申し上げるのはどうかなと思っておりますものですから、この程度で一応私の考え方というものはやめますが、これからの基本的な姿勢としましては、この差別問題というのを日本国から払拭しなければならぬ、これだけはほっておけない、これだけは私の政治活動の上で最も大きな要素として、国会に出ましても十数年間この問題にはずっと党内で取り組んできておるところでありますから、今後も取り組みながら頑張っていきたいものだと思っております。
#95
○山中(末)分科員 どうもありがとうこざいました。やはり先輩だけのことはあると思うのです。敬服いたしました。
 私は、先ほど申し上げましたように、二十三年振り返ってみて、ここで自治体の抱えている問題を提起しておかねばならない、このように考えております。
 今大臣おっしゃったことはよく理解できるのですが、償還しなければならない問題もある。これは確かにありますね。私らも随分努力してきましたけれども、やはり引き続いて努力しなければいかぬという問題も確かにあります。しかし、最初におっしゃった差別を払拭しなければならぬ、そういう決意のほどは、これは課題として十分持っている、こういうお力強い御回答がございましたので、私は、自治体の抱えているごくありふれた形の問題を申し上げて、問題提起をしたい、このように存じます。
 一つは、例えば全国の隣保館の問題でございます。これは今、同和行政の第一線の機関として相談、啓発、地域福祉、教育、文化等各種事業に取り組んでこられました。これからもいかれると思うのですが、そういうことを考えますと、同和問題解決のための重要な一翼を担っていることは否定できないと思います。現在九百四十五館隣保館が全国であるようですが、そのうちの七百九十六館、実に八四・二%が同和対策事業特別措置法ができてから建設をされた、このように伺っています。その意味では、隣保館建設が同和行政施策の大きな柱の一つでもあったなというふうに反省をしているわけであります。
 まあ例でありますが、隣保館をめぐって考えてみましても、今大臣は来年度が最終年度という構えがあるけれどもというお話をちょっとおっしゃいましたが、そうなってきますと、隣保館も法ができてもう二十三年でございますから、これはいよいよ老朽化が出てまいりますね。それから、改造を要するところも出てまいります。早く建てたところは、老人対策とか福祉対策とかそういう面の施設も加味されたものではないというところもございます。そうすると、これの建てかえとか増改築とか小修理、こういうことを考えていきますと、大臣、来年度が最終だというふうな構えがあるとおっしゃいましたけれども、その辺の問題は一体どうなるのか。これはもう例はたくさんあるのですが、隣保館だけをいいますとそういう心配が実は出てきているのです。小学校、中学校のようなものは、これは御存じのように、新築しましてから二、三十年たって老朽化してくると、改築もできますし、大修理もできます。そういう制度が法律的に整備されているわけですが、ことしで最終だという構えがあるということになってくると、このあたりが将来、小学校、中学校のようにうまく改築できていくのか、改造できていくのか、これがはっきりしてこないと、今度は、ことし限りだ、最終年度という構えでいきますと、地方自治体も、同和対策というもの、差別解消というものをこれでなくするわけじゃございませんで、まだまだやらなければいかぬものがある。そうすると隣保館はこれからも続けていかなければいかぬ。続けていかなければいかぬという中には、新築、改築、一部修理等の問題も出てまいりますね。これが一体どうなるのか、そういう面で僕は非常に心配しているのです。それから、私は余り悲観はしていないのですが、率直に見ると、老朽化してこの隣保館は廃屋にならざるを得ないのかなという心配も実はちょっと心の隅にあるのですね。
 もう一つは隣保館の運営です。今、県を通じて政府の方から運営管理の補助が出ていますね。これがことし限りだというふうな構えになってくると、市町村としては同和対策事業は、ハードの面もソフトの面もございますがやはり進めていかなければならぬ。そうすると、今国から来ている県を通じてのそういう運営管理の補助が一体どうなるのかな、こう思いますね。
 それから波及していきますと、同和対策の保育所、この問題も実は同じような問題で、いわゆる加配というのがございますね、同和の加配の先生。その保育所もある。そうしたら教育集会所もそういう運営管理等含めて人の問題が出てきます。もちろん小中学校の、私らやらせてもらっている時分はいわゆる教育困難校というような名前を使っていましたけれども、同和加配の先生の配置というものがございます。
 こういう今まで二十数年かかって国も地方公共団体もそこの住民の方も一緒に力を合わせてやってきた、そのやってきた成果が形となって残り、あるいはまたソフトの面でも残ってきていますね。これをぷつっと今切ってしまうということはできませんから、やはり続けていかなければならぬ。その場合、これは保育所もありますけれども、改築、修理を含めた後の運営費ですね、この辺の問題を市町村が抱えていきますとこれはもう大変なことになってしまう。今でもそれで来ているわけです。それで一生懸命やっているわけですから、だから大臣、最終年度という構えだというふうにおっしゃいましたけれども、それは大臣の考えではなしに国全体としてどうお考えになっているのかよくわかりませんが、そういう面が残ってきている、非常に心配だと私は思うのです。先ほどおっしゃったように、確かにハード面ではいろいろな事業が大分進みました、費用も大分入りましたから、それはだれも認めているわけですが、それから後を続けていかなければならぬ問題について、一つ大きな問題があるのではないかというふうに思うわけです。
 それと並行しまして、本来同和対策事業は、事業採択されますと、これはお釈迦様に説法のようなものですけれども、補助率が三分の二で、残額は充当率の高い起債でありまして、その起債につきましても後年度において交付税等で元利償還がある、こういうことですから、私の経験では、大体一つのハードの事業をやる場合に市町村が単費をもってかからなければならぬというのは最初は一割程度かなということでずっと進んできたわけですね。これが差別解消のための事業の大きな潮流のようになってきましてどんどん進んできたということです。これが、大臣うまく言われたけれどもことしが最終年度という構えということになりますと、これは事業面だけがストップするとかいう心配だけじゃなしに、それに伴ってきた人件費とか運営管理費、それから先ほど申し上げた修理等の問題が残されてしまうんじゃないか。非常に実は心配しているわけで、ちょっと言い方は悪うございますけれども、諸施設の維持管理の更新等が非常に困難になってきて、二十三年間の国及び自治体プラス住民が進めてきた部落差別をなくするための施策というものは、言葉では残っていくように思うけれども、ぷつっと切られてしまうのではないか、音を立てて崩れていくのではないかと、実は非常に心配しておるのです。
 これは、一番初めに申し上げましたように、地方改善事業ということで施策をやらせてもらった。そのときにそういう法律がなかったので、二分の一補助ですよと言われたけれども、よく見たら二分の一以内の補助と書いてあった。だから、私も大きい経験があるのですけれども、約一千万ぐらいの仕事をやらせてもらった。二分の一以内の補助だからということで、二分の一以内なら五百万か四百五十万ぐらいは来るだろうと思っていましたら、これは文部省の関係でしたけれども、百万しか来なかった。これだったら十分の一じゃないですかということで、その当時文部省に行きまして泣きついたことがあるのですが、ことし限りというとらえ方をしますと、そういうことになってしまうおそれが非常に強い。
 そういう面について、余り長くなってもいけませんので、そこら二、三点について、これは大臣に御答弁いただければありがたいですが、専門家がお隣におられますので、それを管轄しそれに対応していくという立場の自治省ではございませんけれども、市町村の立場を一番よく理解していただいているという自治省の立場で、私どもの考えている心配に対して説明がいただければありがたい、このように思います。
#96
○小林(実)政府委員 地対財特法につきましては、最初に大臣から御答弁がありましたとおり、今回の期限切れというのを来年度迎えるわけでございますが、現行法につきましては、一般対策への円滑な移行のための最終特別法として提案されて成立したという経緯があるわけでございまして、現在、この短い期間の中で事業を実施するよう最大限の努力をしているところでございます。
 御指摘のような問題がいろいろあるわけでございますが、法期限後の対応につきましては、一般対策への円滑な移行を図るという観点から、地域改善対策協議会で検討をしていただいておるわけでございます。その場で広く関係者の御意見も伺いながら検討されるわけでございます。もちろん、地方団体の方からも、今いろいろ御指摘がありましたような点につきましての御意見の開陳があるかと思うわけでございます。それぞれの所管省のことに及びますので、御指摘がありましたことについて私からあれこれ言う資格もないわけでございますが、この地対協の答申が出てまいりましょうから、それの結果を踏まえて、政府全体としてどうするかということを検討すべきものというふうに考えております。
 自治省といたしましては、十分地方団体の御意見も聞いていただきまして、また、私の方は財政を所管しておりますので、円滑な財政運営ができるようにということは考えておるわけでございます。そういう点につきましての配慮をされることが基本というふうには考えておりますが、何せ政府全体としての対応がございますので、その中でお互いに協議をしてまいりたい、こういう気持ちでおるわけでございます。しかし、基本的には一般対策への円滑な移行を図るという観点からの議論になっておりますので、御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#97
○山中(末)分科員 私しゃべり過ぎまして時間を余計とってしまいましたけれども、今小林局長さんの方からのお答え、よく御存じの方でございますのでお言葉を信用していますが、事業をやらなければいかぬわけですから、事業をやった場合の例えば地方債の元利償還を交付税で見られるような状況というもの、これが本当にできるのかどうか。
 それからもう一つは、自治体の一般財源で同和対策のための事業もあるわけです。これは国の補助金の採択基準に合わない。しかし、その地域にとってはどうしてもやらなければならぬ。ですから、それは単費でやる、こうなりますね。その場合に、法律がありますと、これは県のいわゆる振興補助金とか県単の補助金とか、こういうもので処置されてきた経過がございます。そして、市町村単費分については、これは交付税の対象にも何にもならないから、結局最終的には特別交付税の中でこの要素を拾い上げてもらって対応をしてきたという経過がございます。これは法律がなくなれば、この辺の問題が、元利償還の問題も含めて交付税で見てくれるという問題、こういうものがなくなっていくのじゃないかという心配をしているのですよ。そうすると、財政的な要素だけをいいましても、がたがたと崩れていく可能性がある。これを非常に心配しているのです。
 今、小林局長さんの方からお話がありましたけれども、そういうもろもろの問題、ことしが最終年度という構えというニュアンスですから、そういうことをまともに受けますと、こういう問題が非常にたくさん残っている。私申し上げたのは、三十分の中ですから、ごくわずかしか、さわりだけしか申し上げられませんけれども、こういう要素がたくさんあるわけですよ。よその省庁がどうだこうだとは言いませんけれども、先ほど申し上げたように、自治省の方が、府県市町村の抱えている財政的なしんどさ、問題点等をよく御存じですから、こういう問題点がたくさんあるということをここで、大臣大先輩でありますから申し上げているのです。ひとつ大臣みずから御認識を願いたいと思いますが、いかがでございますか。
#98
○吹田国務大臣 先生のお話は私も十分理解できるわけであります。先ほど局長からも答弁いたしておりますが、地域改善対策協議会で進めております。いろいろ検討しておりますが、特に総務庁が担当しておりますものですから、今日時点でどの程度の残量を持っておるかということも私実はまだ把握しておりませんものですから、何とも言えませんが、昭和四十四年、佐藤内閣時代からこれが出発した対策事業であります。私の地元中の地元の大先輩の佐藤総理がこの問題に取り組んでこられたわけでありますが、それからだんだんと拡大強化されてきまして今日に至っている。そうして、長い期間を通して実施をいたしましたものですから、相当の地域においての環境整備は相当できたと思いますね。ただ、さっき私も触れましたように、まだ不十分な地区があるということも率直に認めておるわけであります。
 同時に、先ほどの先生のお話をとって失礼ですけれども、これからの隣保館にしても保育園にしても、いろいろな施設についての維持管理、あるいはまた改築、増築、そういったフォローについて、それはまた大変なんだよというお話でありますが、それは確かにそうだと思います。ですけれども、それにつきましては、地方自治体というのは、御案内のようにまず自主独立、自主的に運営していくということが基本でありますから、そういう地方自治体の基本理念というものだけはきちっと持っておかなければならぬのではないか。何もかも国に頼むの拝むのというような話は、これは自治体のとるべき態度ではないと思います。
 ただ、こういう特別な、政策的に我が国としてとらなければならなかった大きな問題というのは、確かにこれを認めなければならぬわけでありますから、そこに今日特別な財政的な援助が加えられてきたことも事実でありますし、これを平たく言えば、ようかんをきちっと切ったような形で、あしたからだめよ、こういうことは困るよというのが先生の言い分だと思うのです。確かに期限が来たからもうそれで全部だめよと言われたのでは、地域の皆さんも大変お困りであるし、特に、市町村長がお困りになるだろうと思うのです。そういう点は私も理解できるわけであります。だからといって、今法律を延長するとかしないとかということの論議をここで私は申し上げる立場でもありませんし、これは十分頭にとめ置きまして、これからの協議の際に一閣僚としても検討し、できるだけ地域の皆さんのお気持ちに沿える形がどうすればとれるかということを考えていかなければならぬ。
 それから、よしんば法律がなくなっても全く困るではないかということにはならないように、その点は自治省としてはまたそれなりの努力を、十分財政的な協力はしていかなければならぬ。一般行政としての構えからも特にそういう地域を持っておる市町村に対して協力するということは、今日も特別交付金の配分においても最も大きな要素になっておりますように、これからも大きな要素として考えていかなければならぬであろうと思っておるわけでありまして、自治省の立場というのは地方自治体と全く同じ、一心同体でやっていこうという気持ちの役所でありますから、その点だけは御理解がいただければと思っております。
#99
○山中(末)分科員 時間が少し経過しまして申しわけありません。
 私が今申し上げたのは、地方自治体は自主独立だと大臣おっしゃったけれども、自主独立なら自主独立だけの財源を与えるべきじゃないか、財源も与えないで自主独立と言うたってあかんやないかというのが一つあるのですよ。これはお互いにそういう経験があるでしょう。だから、それならそれで財源を与えるべきだ。それから、ようかんを切るようにすぱっと切れない、これは困るということをおっしゃいましたが、私は、法律がなかったらだめだ、こういう考え方で言っているのですよ。
 それと、もう時間が超過しましたから結論を申し上げます。結論というか、要望になると思うのですけれども、例えば、上水道は普及率がずっと高くなりましたから大体普及している。下水道はこれからでしょう。私の住んでいるところでも下水道に取りかかってもらっているのですけれども、まだできていないのですよ。これから新しく下水道をつくるところの同和地域に対して一体どうするのか。これは自主独立といったってなかなかそういきませんね。だからその問題をどうするのかという問題があります。
 それからもう一つは、先ほど申し上げたけれども、補助採択基準に乗らないけれども、地元の都道府県、市町村がみずからやらなければならない差別解消のための同和対策事業、これはハードの面もソフトの面もあるのですよ。そういうものが今までは取り上げられておらない。私の町、地元でもありまして、自動車の廃車が年間八万台入ってくるのですよ。同和地域の方がそれを分解して何か非鉄金属と金属とに分けたりして、そしてまた出荷しているのです。これが随分長い歴史がありまして、地元の同和産業的なものになっているのです。ところが、公害の問題が出てきておるのですね。だからこれに対応するのに一体どうしたらいいのか。零細の、これは企業でなしに生業でございますから、自分の家庭でやっておるわけですから、公害に対応する財源というのは、そんなものはなかなか出てこない。そうすると、やはり行政がそこに知恵をかし、力をかさなければならぬという問題が実はあるのです。こういう問題についても、最近厚生省、通産省等がいわゆる資源の再利用というようなことで法案を考えておられるようですね。
#100
○津島主査 山中君、時間が参りましたので簡潔にお願いします。
#101
○山中(末)分科員 はい、わかりました。
 それで、そういう市町村特有の問題、やらなければならぬものが全然手がついていないところが全国にたくさんある、こういう課題も残しておるということをひとつ御認識賜りたい。
 そのほかに就職の問題、それから定職につく問題、こういう問題もソフトの面としてたくさんありますから、こういう問題を進めていこうとしたら、やはり法律という後ろ盾がなければ私の経験ではどうしてもうまくいかないので、ひとつ大臣に頑張っていただいて、こういう問題があるということの解決のために一層尽力をしていただきたい、このように要望しまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#102
○津島主査 これにて山中末治君の質疑は終了いたしました。
 次に、永井孝信君。
#103
○永井分科員 短い時間でございますから、端的に問題点だけをお伺いいたしたいと思うわけであります。
 今、全国に自治会とか町内会とかが、名前、呼び方はいろいろ違いますけれども、現実的に地域の住民にとってなくてはならない組織として存在しています。この自治会の総数は、正確な数字であるかどうかはもちろんわかりかねますけれども、自治省の調査されました報告資料によりますと二十七万七千八十六という数字が挙がっております。大変な数ですね。この自治会組織は、戦前は戦争協力ということもあったのでしょうけれども隣組ということで組織をされてきました。しかし、現在の自治会組織、町内会組織というのは事実上住民の行政に対するいわば窓口のような任務を背負っております。あるいは、住みよい町づくりという観点からいきますと、地域における住民のいろいろな要望を、市議会や県議会もありますけれども、直接行政との間で問題点を提起してその解決をしてもらう、そういう重要な役割を持っているわけです。私の地元におきましても定例的に行政懇談会というのが行われております。これは、地域の市長さんを初めとして各関係の幹部の方々といわゆる町内会の会長さんあたりが定例的に会合を持って、その町内における諸問題についてどのように対応していくかということを協議をしているわけでありますが、そういう自治会の果たしている役割について、自治省、自治大臣としてはどのように評価をされておられますか、まず冒頭にお伺いしておきたい。
#104
○浅野政府委員 自治会、町内会と言われるものは、ただいま御指摘もありましたように、いろいろな活動をしておられるわけでございますが、私どもも、地域の一つの共同体として非常に大事な役制を果たしておられるというふうに認識をいたしております。
#105
○永井分科員 そこで、実は大臣も自治省の幹部の皆さんも先刻御承知でありますし、後で触れますが、きのうの地方行政委員会でも法改正が可決されたということを聞きました。自治会が持っておる問題点を今度の法改正で的確にどう反映させたかということが問題になっていくわけでありますが、ここに全国自治会連合会の陳情書というものがございます。すべての府県が入っているとは思えないのでありますが、ここに挙がっている府県別でいきますと十九都府県が入っております。その十九都府県の自治会で全国自治会組織が結成されていると思うのです。詳しいことはわかりません、もっといらっしゃるかもわかりませんけれども、陳情書には十九都府県になっているのです。
 この中で言われていることは、全部の書面を紹介する時間はございませんから問題点だけ紹介するのですが、「私たち」、私たちというのは自治会のことです。「私たちは関係行政機関と相協力して住民福祉の向上、青少年の健全育成、環境美化運動、暴力の追放、コミュニティづくり等、広範かつ多岐にわたる活動を展開している」というふうに言われています。そのとおりだと思う。私も今町内会の隣保長という役割を受け持っておりまして、わずか二十七軒ばかりですが、その束ねをさせていただいておるのです。その町内会がいろいろな活動をするために集会所であるとかあるいは公民館等、こういうものを自治会として持っていらっしゃいます。あるいは私の住んでいるところでは、わずかでありますけれども山林も持っています、昔、ずっと戦前は村でしたから。村有林ということで、昔は今と違って石油のない時代ですから、薪などは一日山を開放して村人が自由に枯れ枝あるいは下草なんかをとってよろしい、こういうことで私もよく山へ行った経験を持っておりますが、そういう共有財産を持っています。ところが、御承知かと思いますが、そういう共有財産の財産権をめぐってもうずっと前から大変な問題が生じてきているわけです。
 ちなみに全国自治会の資料によりますと、集会所や公民館など、そういう町有財産を所有している自治会は全体の七五%、このように言われています。あるいは都市部では三一%、農村部では五四%が今言ったように山林を含めて不動産を所有している、これは総理府の調査であります。
 ところでその不動産の登記は自治会、町内会の代表者の個人名義になっているわけですね。ここが問題で、私も歴代の自治大臣といろいろな折衝を重ねてきた経過を持っているわけでありますが、そのために問題が起きている。この資料で見ますと、戦前の隣組といっておった当時の自治会組織は全部で七万九千二百十五という数字が出ています。戦後ずっと町内会がふえてまいりまして、今言ったように二十七万という数字になっているわけですね。ところが戦後、そういう自治会の持つ共有財産の登記名義が当時の町内会長、ほとんどがそうなんですね。町内会長の個人名義でないと登記できなかったということから、戦後四十六年もたっているわけですから、名義人が死亡したりいろいろなことがありまして、その相続権をめぐって実は大変な問題になっているのですが、この実態について自治省はどのように把握をされておりますか。
#106
○浅野政府委員 ただいま質問の中で御指摘のありました件は、そういう連合会の方からもいろいろお調べになった事例を聞いております。そのほか私どもといたしましても、これは直接自治会、町内会に対して調査票を送るというわけにまいりませんので、都道府県、市町村を通じて調査させていただきましたけれども、その中で特にこれは財産権の問題でございますが、いろいろなトラブルの事例が紹介されておりました。
 幾つか申し上げますと、登記名義者が死亡した場合に相続人との間で所有権の争いが生じた、あるいは登記名義者の債権者が不動産を差し押さえて競売してしまったとか、それから多数人による共有として登記しているため、登記名義者が転出するたびにその都度変更登記をしなければいけなくて、大変手続が煩雑である。ほかにもいろいろございますけれども、例えばそういうような事例を報告を受けております。しかも、全国的にこれはかなり多く見られるということでございます。
#107
○永井分科員 そこが問題でございまして、冒頭に私が申し上げましたように、現在の自治会組織というのはかなりの自治会がそこの自治体から、市町村から行政委託金をいただいたり補助金をもらったりして活動している。それはそれだけの、委託金や補助金をもらうだけのことをしているわけですね。
 例えば私の地元でいいますと、市民税の納付は市役所の窓口へ行きますともうパンクしますから、自治会ごとに公民館などに市役所からも出張してきてもらい、あるいは町内会の役員も出て、そこで町内会で市民税の徴収をするとか固定資産税の徴収をするとか、そういうことまで実際行政のお手伝いをさせてもらっているわけですね。それは、一つには行政改革などもあって市役所等の職員もむやみやたらに定数をふやすわけにはいかぬということから、地元における知恵としてそういうことをやっていらっしゃるわけです。そのためにはそういう公共施設が必要になってくる。その公共施設が事実上、町有財産になっている。これがなかったら町の活動はなかなかできにくいということになってしまう。それだけにこの相続権をめぐっての争いなどが随所で起きていることは極めて遺憾なことなんですね。ところが、現状の法制下ではこれはどうにも扱いようがない。今も局長がお答えになりましたけれども、登記名義者が死亡した場合にそのための所有権争いが生じているというのが、これは全国の調査ではありませんから全部の数ではないと思うのでありますが、わかっているだけでも四百件を超える係争事件が起きています。あるいは町内会長だけではなくて、町内会の当時の役員が共同で登記をするという手続をとっているために、その後いろいろな転出者などがあって、仮に町内会の役員が変わったときにそれを名義変更しようとしてもなかなかその所在がつかめずに登記ができないとか、あるいは今言われたように大変な問題でありますが、登記名義者が自分の名義になっているからということで、特に山林なんか、その例が私の地元にもあるわけでありますが、勝手に処分してしまうのですね。後で町内会があわてふためいてみても、もう第三者、第四者の手に渡ってしまっているという問題の紛争もあります。あるいは登記名義者が債権のための差し押さえを受けて、そのためにその町内会共有の財産が競売されてしまった、これだって全国でわかっているだけでも百件近く出てきているわけです。
 だから前々から要望しておったことでありますが、きのう、地方行政委員会でそのための法改正がなされたと聞くわけですね。では、この法改正でこれらの諸問題がどのように具体的に、まあ成立はしていませんよ、法律は成立していませんけれども、あえて私はお尋ねするのですが、この法改正によってそれらの問題が実際はどのように解決できるのか、これについてお答えをいただきたい。
#108
○浅野政府委員 ただいま例としてお挙げになりましたような事例、あるいは私が先ほどお答えを申し上げましたような事例、そういうものは結局のところ、不動産の登記がその自治会なり町内会としてその名義でできないというところに起因しているのだろうと思うわけでございます。
 昨日、地方行政委員会で可決いただきました内容、これは政府提案に修正が加えられて可決されたものでございますけれども、その内容では自治会、町内会等は、法律で定めている要件に合致する場合には、市町村長の認可を得て法人格を取得することができる、こういうことになっております。その法人格の取得ができれば、その自治会、町内会として不動産の登記ができるわけでございますから、そういうことを通じて財産上のトラブルの問題点は解消されるのではないだろうかというふうに考えております。
#109
○永井分科員 その法改正によって今後の問題が一つクリアできるということは私も理解できるのですが、それをさらに円滑にするためには、自治省として、地方自治体に対して、これは成立した場合の話でありますけれども、いわゆる登記名義人になることのできる法人格といいますか、こういうものが取得できるように、そういう立場から積極的な啓発をしていかないと、これを放置したままで無関心なところもあるかもわかりませんし、放置したままでいきますと同じ問題の繰り返しが起きてくるというおそれがありますので、これについては思い切った行政指導といいますか、こういうものは必要だと思うのですが、それはどうでございましょう。
#110
○浅野政府委員 現在御審議中でございますが、その法案が可決、成立いたしました場合には、これは私どもの仕事でもあると思っておりますその内容の周知ということには努力しなければいけないだろうと考えております。
#111
○永井分科員 今後の問題はそういうことで自治省にも汗をかいてもらう、当然のことですがね。あるいは地方自治体もそれについて積極的な対応をするということで、問題点は一応クリアできていくと期待をするのですね。
 ところが、今申し上げましたように、過去にそういう問題が起きて、現在係争中になっている問題、たくさんありますね。中には裁判所に訴えて裁判で争っているものもありましょうし、裁判に訴えないまでも頑として所有権をめぐって対立をしてしまってどうにもならぬ、これは現に私の地元でもあるわけですから、あえてこの問題に私は強い関心を持っているわけであります。これらについて大臣、大臣としては仮に法改正がなされたとしても、過去における、現実に係争事件になってしまっている問題あるいは司法の手にゆだねられていなくても現実に係争中のものをどのようにすれば解決できるか、あるいは解決するためにどのように努力してもらえますか。これは大臣として、政治家としてお答えください。政治家として答えてもらわないと、行政の側の答弁はある程度わかるわけですから、ひとつ答えてください。
#112
○浅野政府委員 大臣のお答えの前にちょっと事柄の整理という意味で申し上げさせていただきたいと思いますけれども、あくまでもこの自治会、町内会は私的な団体である、重要な役割を果たしておられることはもう間違いないのでございますけれども、団体の性格としては私的な団体である、自主的、自律的に活動される団体である、こういう性格づけになっております。この点は法律改正が終わりました後も変わらないということで、団体の性格はそうなっているということでございますので、その点ちょっと説明させていただきたいと思います。
#113
○吹田国務大臣 今回の改正の目的は、先ほどお答えをいたしておりますように、やはり町内会、今隣保班とおっしゃいましたが、そういう組織で財産を持てるようにしよう、そうしなければ、今までのような形で代表者の名義で便宜上やっておるということは、その財産管理の上に非常に大きな問題があるということで、今回の改正はいよいよそういうことが持てる、組織として財産が持てるということにしようとしておるわけでありまして、私はこのことによってこれからの問題は非常に大きく一歩前進するであろうと思っております。
 我々のところも、先生のお話がありますように、やはりそういうことで財産をほとんど持っております。持っておりますが、部落長の、あるいは町内会長さんのお名前になっておるというようなことで、まだ私のところは問題が起きたことはございませんけれども、確かに死亡その他転出というような問題のときに、その後の問題が起きる可能性は大いにあるわけでありますから、そういった意味で特に今回はこの辺に重点を置いておるというふうに御理解を願いたいわけだし、そういう点から、今後もこの法律が改正されれば、私は今までの心配になっておりました諸問題というのは解消されてくる、こう思っているわけでございます。
#114
○永井分科員 大臣、法改正された後、問題点が非常に解決していくだろう、解決されやすいだろう、これは私も今まで要望してきた立場からしますと、十分理解できるのです。問題は、では法改正までに起きてしまっているそういう財産権争い、相続争いという問題について何も手をつけることができないということになってくると、これはもうまさに今までの問題はやみからやみへ葬られてしまうということになるわけですね。決してそこの町内会について問題の処理が終わるわけではないのですね。以後の問題は処理ができるだけになお深刻なんです。
 それで、今局長がお答えになりましたけれども、確かに自治会というのは任意団体なんです。私的なというか、任意につくられたと言われましたね。しかし、冒頭に私がなぜ今の自治会の役割を強調したかというと、現実的にはもう自治会抜きでは市の行政、町の行政がうまくいかないところまで自治会組織というのは発展をしてき、役割を担ってきたわけですよ。だから、それが任意団体であるか自主的な団体であるか別にして、その行政を遂行するためにあるいはコミュニケーションづくり、あるいは新しい二十一世紀に向けての町づくり、特に兵庫県なんかは触れ合いの運動というのが知事の提唱で起きていまして、随所に自治会の協力を得て触れ合い活動がどんどん広がっているのですね。そこには、自治会が介在しないとその目的を果たすことができないほど重きをなしているのです。その重きをなしている自治会が、法改正がされるとしても、今まで法改正がされるまでに現実にぶち当たってしまった問題点を何らかの形で解決できるように汗をかくのは自治省ではないのか、こういう立場で私は聞いているわけですよ。
 今の大臣の答弁を聞くと、法改正ができたら問題点はかなり改善されると。これからの改善なんです。では、今までのものはどうしてくれるのか、このことをお聞きしているわけですね。これは政治家としてかなりの勇断を持って当たらないと処理できない問題だと思いますから、あえて私は大臣に聞く、もう一回お答えください。
#115
○吹田国務大臣 今先生おっしゃった問題は非常に大事な問題で、なかなか難しいことですから、お答えが適当であるかどうかわかりませんが、いずれにしましても、法律を施行するということができる結果を今回生み出しましたならば、自治省がその責任の一端を持っておるわけでありますから、そうなれば、それまでの問題として起きておる諸問題というのにつきましては、関係当局と県やあるいは市町村との協議によってこれが解決するような方向でできるだけ話し合いで事を進めていかなければなりませんし、それでもできなければ、これはもう法によって事を進めていく以外にはないと思うのですけれども、私どももできるだけあっせんの労には乗り出していかなければならぬであろう、こう思っております。
#116
○永井分科員 法務省、見えていますか。――法務省にお尋ねいたしますけれども、今議論しておりますように、大変な係争中の問題が多いわけですね。直接、司法権の問題に介入はできないという前提は承知しながら法務省にお尋ねするのですが、こういう不動産登記などにかかわる諸問題あるいはその不動産を勝手に処分してしまった諸問題、こういう問題について、それが円満に解決できるような処理の仕方あるいはそれについての指導、こういう問題について法務省としても重要な役割を担ってもらわなければいかぬと思うのですが、どうでございますか。
#117
○山崎説明員 お答え申し上げます。
 ただいまの御指摘の点でございますけれども、法務省の方で町内会あるいは自治会に関与いたしますのは、登記の場面でございます。また、登記の場面におきましては、特に権利の登記に関しましては書面主義あるいは形式主義という縛りがかかっておりまして、その実体の中には立ち入らないで形式で判断をしていくということが所管のところでございます。
 そういう点からまいりまして、現在、紛争中の事件に関しましてその中身に立ち入っていろいろな折衝をする、そういうことは法律上できないということになっておりまして、その点はなかなか難しい点というふうに考えておるわけでございます。
#118
○永井分科員 少なくともそういう名義変更などが円滑に行われるように、やはり手続の整備を進めるべきだと私は思うのですが、どうですか。
#119
○山崎説明員 ただいま御指摘の点につきまして、今回提案されております地方自治法の一部改正の法案でございますが、これが成立をいたしますれば、これは私どもの方でも法人として資格証明を出していただきまして、それで法人名で登記をすることができるということになりまして、今後はこういうトラブルがなくなっていくというふうに考えておるところでございます。
#120
○永井分科員 この問題と直接関係はないのですが、事のついでに行政の専門家の方にお尋ねします。
 こういうケースがよくあるのです。登記簿の閲覧が自由にできますね。その登記簿の写しは手続さえとればだれでも手に入れることができるわけです。そうなっていますね、どうですか。
#121
○山崎説明員 閲覧につきまして自由にできることになります。
#122
○永井分科員 閲覧だけではなくて、例えば登記簿の写しを第三者が手に入れることはできるわけですね。
#123
○山崎説明員 それはできます。
#124
○永井分科員 私、いつも素人として考えるのですが、そういう紛争問題の処理を依頼されて、法務局に何回も足を運んで話をしたこともありました。本人の知らぬ間に登記簿の写しが出されて――これは法務局の責任じゃないのですよ、それはそういう手続をとって写しをもらうわけですから。それを持って本人の知らぬ間にその財産が他人の手に売られてしまったとかあるいはそれを担保にして金を借りられてしまったとか、むちゃくちゃに多い数じゃありませんけれども、私が直接そういう問題の処理を頼まれて走り回ったことが、私が国会議員になってからこの十数年の間に既に五回か六回かありますよ。そういうことが何かの方法で犯罪の材料にされることがないようなことはできないのですか。
#125
○山崎説明員 ただいま御指摘の点でございますが、登記簿謄本が第三者の手に渡ったというだけでは、それは権利譲渡とかそれはできないはずでございまして、その他印鑑あるいは権利証、こういうものがなければできないわけでございます。そういう点から申しますと、登記簿謄本が自由に取れるということから直ちにはそういう問題は生じてこないというふうに考えておるところでございます。また、そういう登記の偽造等を防止するために、私どもの方といたしましても、窓口ではいろいろな方策を講じているところでございます。
 また、六十三年から登記簿のコンピューター化というものを今進めているところでございまして、これをすべてコンピューターで処理をするということになりました場合には、そういう問題は一切生じてこないというようなことで、現在そういう方策を進めているところでございます。
#126
○永井分科員 もちろん今言われたように、登記簿だけで転売ができるわけじゃないのですね。しかし、杉並区のあのお年寄りを殺害した事件のように、登記簿は勝手に取って何かの口実で印鑑を借り出して判を押すとか、犯罪者は幾らでもそういう手を打っていくわけですね。
 だから、事のついでに聞いたわけでありますが、そういう財産権にかかわる問題をいわば管理をする立場にいる法務局を法務省は管轄されているわけでありますから、この共有財産の問題をめぐっても、それに似通ったこともないとも限りませんので、よりよく監視をして問題の起こらないようにしてもらいたい。これに関係してそれを申し上げておきたい、要望しておきたいですね。
 あと時間がなくなりましたから、もう一回大臣にお伺いいたしますが、要は、日本の民主主義を地域に根づかせるための大きな役割を担ってきたのが自治会である、私はそう認識しております。そして、地域住民のまさに生の声を行政に反映させる最前線の役割も自治会が果たしています。私どもの地元で考えますと、今や自治会抜きで日常の地域の活動はあり得ないというところまで来ておりますので、もし今回の法改正が成立したらこの法律を最大限に生かして、これからの問題が起きてこないような適切な対応をしてもらうことと、最前もお尋ねしましたように、過去にさかのぼって起きている紛争については、最大限この問題が円満に解決できるように努力をしてもらいたい、このことを再度お尋ねして終わりたいと思います。
#127
○吹田国務大臣 先生のお説につきましては、私どもも全く同感でありまして、その趣旨を体して努力していきたい、かように考えます。
#128
○永井分科員 終わります。ありがとうございました。
#129
○津島主査 これにて永井孝信君の質疑は終了いたしました。
 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時五分休憩
     ────◇─────
    午後一時開議
#130
○武部(勤)主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 自治省所管について質疑を続行いたします。渋谷修君。
#131
○渋谷分科員 昨年のことなんですが、板橋区で、第一化成という会社がございまして、ここで爆発事故がございました。大変大きな事故でございましてたくさんの犠牲者も出たのでありますが、この事故の内容とその後の状況について御説明いただけますか。
#132
○木村政府委員 事故の概要でございますが、東京消防庁からの報告は次のとおりでございます。
 昨年五月二十六日午前十時四十一分ごろ、板橋区にある第一化成工業の第一工場において過酸化ベンゾイルの爆発による火災が起こりまして、同社の敷地内の他の工場に類焼し、約九百平方メートルを延焼いたしますとともに、周辺の民家二十二棟、駐車中の自動車二十台のガラスの破損等の被害を生じた事故でございまして、この際、死者八名、負傷者十八名、このうち一名は四十三日後に亡くなっておられます。
 それで東京消防庁といたしましては事故の原因を調査をいたしておりますが、過酸化ベンゾイルを大きな容器からビニール袋に詰めかえる作業を行っている最中の事故であるということは推測できますが、どのような原因によって大爆発が起こったかということは不明であると聞いております。東京消防庁としてはその後工場を十分調査いたしました結果、相当量の違法な危険物の貯蔵等をしたことがあるという事実をつかみまして、平成二年十二月二十五日に、危険物の無許可貯蔵行為という事由で事業所及び関係者を告発いたしております。
 自治省消防庁といたしましては、事故発生後すぐに、この種の事故防止の徹底を図りますために関係業界に対して安全対策指導を行っております。あわせて各都道府県に対しましても、化学工場等における事故防止について通知を発しております。現在、事故の発災物質であります過酸化ベンゾイルと同様の危険性を有する第五類の第一種自己反応性物質を取り扱う施設につきまして、火災時の被害拡大防止対策として、位置、構造、設備等の技術基準の見直しを行う必要があるのではないかという見地に立って調査検討を続けているところでございます。また、関係事業者に対して、具体的な取り扱い指針の策定、より危険性の少ない代替物の供給等の自主的な保安対策の推進について指導を行っております。
 なお、第一化成工業はその後、移転等の話もございましたが、それも実現せず休業中であります。また、この過酸化ベンゾイルをこの工業がつくっておりましたような純粋な形で製品化しておる工場は現在なく、水溶液とか、もっと湿度の高い粘土状のものとかする改善が行われていると聞いております。
#133
○渋谷分科員 消防庁の方でも原因の究明をやっているようでありますがまだ不明ということでありますが、これは大体いつごろまでに原因の究明を行うということにしているのか。さらに、警察と労働省の方でも原因究明をやっているというぐあいに聞いておりますけれども、究明の観点がそれぞれ違うと思いますが、その観点と、それから、それぞれいつごろまでに原因を明らかにするということで今取り組んでおられるか、それぞれから御回答をいただきたいと思います。
#134
○木村政府委員 東京消防庁といたしましては、過酸化ベンゾイル取り扱い中の爆発事故というところまで確定をいたしておりますが、何分関係者がすべて死亡しておりまして、例えばたばこの火でありますとか、摩擦によって熱が発したとか、あるいは漏電ではなかろうかとか、いろいろな原因が考えられますけれども、確定できないということで原因は不明という整理をして終了いたしております。
#135
○渋谷分科員 警察と労働省の方からそれぞれ御答弁いただけますか。
#136
○石川説明員 本件につきましては、警視庁において捜査を継続中でございます。捜査状況についてごく概略申し上げますと、事故の当日警視庁の本庁の刑事部長を長といたします捜査本部を設置いたしまして、初動段階で相当大量の捜査員を投入して捜査に着手したわけでございます。事故現場の検証、それから負傷された方々あるいは工場関係者等から事情聴取を行いまして、爆発箇所の特定それから罹災状況の把握といったものに努めてまいってきておるわけでございます。現在、爆発原因究明のために複数の専門家に対して鑑定嘱託を行っておるという状況でございます。また、爆発した化学薬品の取り扱い状況の実態解明ということも、私どもの捜査上必要でございますので、こういった捜査を推進中でございます。これらの捜査結果を踏まえて、工場の安全管理に問題がなかったかどうかといったような点について明らかにしてまいる方針であるというふうに承知をしておるわけでございます。
 先ほどもお話がございましたが、本件は爆発箇所直近で作業をしておられた関係者のほとんどが亡くなられているということ、あるいは、化学薬品の爆発及び誘爆のメカニズムといったものが非常に複雑であるといったような事故でございまして、この爆発原因の解明等のためにはさらに慎重な捜査が必要であるということで、現在、いつまでという日を限った捜査の状況にはなってございません。
#137
○青木説明員 労働省関係の調査状況について申し上げます。
 労働省といたしましては、昨年の五月二十六日にこの災害が起きたわけでございますけれども、直ちに所轄の池袋労働基準監督署及び東京労働基準局から担当官を現地に派遣して調査を開始するとともに、五月二十八日に、この災害の原因及びその詳しい内容を把握することを目的といたしまして特別調査団を設置いたしました。以来十回程度に及ぶ検討及び実験等を続けておりますけれども、今のところ、いついつまでにその検討結果がまとまるかということは明らかではございません。
#138
○渋谷分科員 警察と労働省の方はまだ原因究明の方は継続中のようですが、もう一度確認しますが、消防庁の方は不明ということでもう結論つけているということですか。
#139
○木村政府委員 そのように報告を受けております。
#140
○渋谷分科員 消防法で危険物について例示しておりますけれども、こういう物質についてそれがどの程度の危険性があるか、例えば爆発する場合の爆発の威力でありますとか、そういったことは、こういうぐあいに例示してあるわけですから、何らかの実験を行ったり、あるいはそういう事故を想定した上での実験結果をもって、それでこういうぐあいに例示するのですか。その辺はいかがですか。
#141
○木村政府委員 昨年法律改正をいたしまして、危険物の一定の実験をいたしまして危険性の高いものを危険物という定義をいたすようにいたしております。
#142
○渋谷分科員 この第一化成は三月にも事故を起こしていますね。そのときはどういう内容で、その後の指導はどういうものでしたか。
#143
○木村政府委員 御指摘のように、大事故前の三月に小規模な事故を起こしております。東京消防庁では、事故の再発防止のための安全対策の改善を求め、事故原因の究明と工場内の危険物施設についての保安体制の見直し等、所要の改善指導を行っております。これに対しまして、会社側では、温度指示計及びペーハー指示計を設置する、未反応物質の水洗回数を増加する、散水設備の増設を行う、こういう改善を行うという報告をし、かつそれを実施いたしております。そして、工場内における危険物の取り扱い方法に関する安全確保の徹底を図ることを内容とする報告書を提出いたしたのでございます。こうした状況におきましてその後の大規模な爆発が起こりましたことは、まことに遺憾でございます。
#144
○渋谷分科員 改善されたにもかかわらずこういう事故になってしまった、そして犠牲者も出たわけですね。大変残念なことなんですが、その後にまた、報告されていない量の貯蔵が行われているなどの話がありまして、告発されているわけですね。この間の経過を踏まえて、消防庁としてはどういうお考えをお持ちですか。
#145
○木村政府委員 先ほど申し上げましたように、昨年の十二月には東京消防庁は事業所と関係者を告発しております。と申しますのは、許可されていない量の大量の過酸化ベンゾイルを貯蔵するというようなことを行い、なおかつ、査察の場合にはそれをどこかよそに移動しておったというような悪質な部分がございました。その点について現場の査察が十分でなかったことはあるいはあるかもしれませんが、そういう悪意の操作に対しましては、なかなかこれを把握することができないということで、企業の危険物を取り扱うモラルあるいは従業員の訓練等、基本的な問題があったのではないかと存じます。したがいまして、今後私どもとしては、安全基準等の見直し、それから防災計画訓練の徹底と同時に、従業員等の質の向上も研修等で図っていかなければならないと考えております。
#146
○渋谷分科員 事の経過でいえば、今のお言葉をそのままおかりすれば、非常に悪意を持った対応をしてきたということが考えられますね。三月にそういう事故があって改善の命令を出していた。ところが、それがきちんと実施されていればこういう事故にならなかったかもしれない。しかも査察のときには、そういう貯蔵量を隠すとか、あるいはそういう意味での対応をしていたわけですね。そこのところはとりあえず置いておきまして、その後重大な事故になりましたときに、私はやはり、もう一つ踏み込んだこういう危険物質についての安全管理――例えば小分け作業中に事故が起きたかどうか。最終的な原因究明というのは難しいということもあるようですが、例えば、ある一部で事故が起きましても、そこの事故に限定的に封じ込めることができて、他にこれが誘爆をしなければ、まだ事故というのは小規模なもので抑えられたのではないか。その辺の予見とかは、この間、消防庁として議論の中ではどんなふうに行われているでしょうか。
#147
○木村政府委員 危険物の貯蔵場所というのは非常に厳格な基準がありまして、その基準に従って貯蔵されておれば、御指摘のようにたとえ爆発事故が起こっても他に累を及ぼさないという状況にある、こういうふうに考えます。また、その作業を行います工場そのものもいろいろな基準がかかっているわけではございますが、どうしてもその間の、搬送の場合でありますとかあるいは詰めかえ等で十分な保安体制ができていない部分があって、そこで事故が起こったのではないかと考えられます。
 したがいまして、先ほど申し上げましたように、基準等についてもう一回見直しをする必要があるのではないかということで、危険物規制課におきまして、専門家のグループによって検討を続けているところでございまして、結論を得て、必要があれば基準の見直し等を行うつもりにいたしております。
#148
○渋谷分科員 これは会社の中の方々が調査団をつくりまして報告書をまとめているのです。労働組合の関係とかそういう方々でやっておりますが、その報告書によれば、結晶小分け室内の電子秤量器ですね、この直下のコンクリート床には、ほぼ円形で径一・二メートル、深さ二十センチの沈下孔ができている。これはコンクリート床ですから、そこにこれほどの大きな穴ができている。この部分に極めて強力な爆発が起きた。しかも、この電子秤量器といいますか、はかりですね、については、台車のU字型に曲がった合板といいますかね、それに挟まれた形のまま、吹き破られたスレート屋根を抜けて二十メートル離れた工場の前に落下しており、カバー部分は約五十メートル先の工場外の路上で発見されている。実はこれほど大規模な危険な、本当に大変な爆発だったんですね。
 ということになりますと、この過酸化ベンゾイルですか、この危険物質についての事故が起きたときの予見ですね。もちろんその中での爆発で飛んだか、あるいはそれが誘爆してその周辺の爆風で飛んだということも当然考えられるわけでありますけれども、これがどこか野原の工場で爆発事故が起きたのなら、それはそれでもちろん大変なことでありますけれども、まだいいというわけにはいきませんけれども、これは何しろ、板橋の住宅密集地の中に工場があってこういう爆発事故が起きたんですね。ここにこの事件の大変な重大さが実はあるわけです。そういった意味で先ほど来から申し上げているのですけれども、どうも消防庁としての予見に甘さがあったのではないだろうかというぐあいに思うのですが、いかがですか。
#149
○木村政府委員 先ほど申し上げましたように、この過酸化ベンゾイルを第一化成工業のような純粋な形で取り扱っている工場はもう現在はないわけでございますが、その当時では多分ここだけだと考えられますが、取り扱っていたということで、危険物の行政の中での規制の態様に応じた規制管理はいたしていたわけでございますが、結果的には周辺の住宅のガラス窓を割るというような累を及ぼしておりますので、確かにそういった基準について見直すべきところがあれば見直していかなければいけないと思いますが、基本的には私どもとしては、過酸化ベンゾイルという非常に不安定な自己反応性の物質で危険が高いようでございますので、安全な形の製品で扱うということを進めるべきであると考えております。
#150
○渋谷分科員 他の危険物についてもそうなんですが、よりもっと詳しいといいますか、実験などを行って、単に小規模な実験ではなくて、そういうものについては、例えば工場とかの作業を想定した形での実験なども行って、こういった大規模な爆発につながるようなことを防ぐ、そういうことに行政としてはぜひ取り組んでいただきたいというぐあいに思うのですが、今、都内に危険物を扱っている施設、事業所、まだまだたくさんあると思われますが、大体その状況はどうなっていますでしょうか。
#151
○木村政府委員 平成二年三月三十一日現在の数字でございますが、東京都内には危険物施設が二万八千四百八十七カ所ございます。御承知のように、このうち非常に多くは石油等の取り扱いの場所あるいは貯蔵の場所でございまして、第一化成工業のような種類の危険物を製造いたしております施設は全部で百九十三施設、事業所数にして百二十一でございます。このうち板橋区と北区の占める割合は施設数で三六%、事業所数で二九%となっておりまして、相当あの地域に固まっているなということは言えるわけでございます。
#152
○渋谷分科員 大臣、これは実は町づくりという問題と密接に絡んでいるわけですけれども、なぜ板橋、北区にこんなに施設や事業所が多いかというぐあいに申し上げますと、もともとはここは工場地帯だったんですね。そこに、言ってみれば都市計画だとかそういうのが非常に無秩序に行われまして、それで工場が地方に移転をする、移転した後に集合住宅がどんどんできてしまうというようなことで、住工混在になってしまっているのですね。これが一番周辺に――後でまた御質問申し上げますけれども、工場自体がどういうものを扱っているかわからない。先ほどの内容のお話がありましたけれども、大臣、これはもうまかり間違ったらもっと大変な大惨事になるところだったんです。時間がちょうど土曜日の午前十時四十一分ですかの爆発でした。私、すぐ翌日現場に行きまして見たのですが、もうほとんど跡形もありません。工場はもうばらばらです。一番最初の爆発の近くでしょう、ブロック塀は破られている。周辺には、ブロックの破片やスレートの破片だとか機械の破片なんか飛んでいる。そのすぐ近くに子供たちが遊ぶ、道路を挟んですぐに公園があるのですよ、子供たちが遊べる公園が。公園をさらに挟んで木があるのですが、木が半分だけ全部茶色に変色しているのです。これはつまり熱で、火炎で全部焼かれたものです。ですから、もしこの事故が午後であれば、この公園に子供たちが遊んでいたということは当然想定できるわけでありまして、子供たちがたくさん犠牲になっていた可能性があるのですね。先ほど申し上げましたように、例えば中心にあった部品の一部は五十メートル先まで飛んでいるわけですからね。
 こういう形で地域に大きな影響を与えるおそれのあった事故だということの御認識は、これはぜひお持ちいただきたいし、そういう意味での消防庁での今度の事故の反省の中に、ああいう住宅地の中での事故ということについて、どういう御認識があるか、お伺いしておきたいのです。
#153
○吹田国務大臣 ただいま政府委員と先生との御論議を伺っておりまして、極めて危険な状態にあったというふうに思いますし、また大変大量な危険物である過酸化ベンゾイルを取り扱っていた。しかもそれが十分に指示どおりの姿でこういったものが保管されておったということでもないようでありますし、非常に遺憾千万であると思っておりますし、こういうことが再び起きないようにこれは管理することはもちろんでありますし、それに対するすべての整備をしていかなければならぬと思いますが、やはり都市計画というものの中に住工混住というようなことが非常にまずいことで、やはり住宅地は住宅地、工場地帯は工場地帯ということで、きちっとそこらの都市計画の線引きをしていかなければならない。地方でもそういう点は東京のみならずたくさん住工の混住地帯というのはあるわけであります。こういった点に今地方の都道府県知事も極力、都市計画で関係市町村との関係において、これに線引きを入れて近代的な都市としての状態をつくるための整備がされつつあると思いますが、特に先生おっしゃるこの地域につきましてのそういった問題は大事なことでありますから、これからの東京都でそうした事故が再度発生するなどということが起きないようにするためにも、都市計画の問題を含めて総合的にこういう危険物の取り扱い問題というのを考えていかなければならぬのではないかというふうに感じまして、お説の御注意に対しましては、十分これからも自治省として検討を加えていきたいものだと思います。
#154
○渋谷分科員 大臣、実はこの事故の後八月にまた同じ板橋の、地域としては非常に近いところで、化学薬品工場で事故が起きておるのです。別のところです。これは質問しませんからそんなに慌てなくていいです。つまり、そういうふうに板橋、北区は危険物を扱っている工場の大変多いところでありまして、しかもそれが住工混在している。実は、町づくりについてきようは議論する場ではありませんので、これはまた私の所属している土地問題の特別委員会でやろうと思いますが、今の法律では、この問題を解決するにはちょっと無理ですね。用途規制についてはもっと細分化しようとか、いろいろな議論を建設省の方では行っているようですが、やはりこれは根本的な対策が必要だというぐあいに思います。これは具体的には、私の手元で作業をやっておりますけれども、都市基本法という法律を今作業をやっておりまして、都市のあり方を具体的に考えていく。今おっしゃるように住宅のあり方、工場のあり方、業務ビルのあり方、商業ビルのあり方、無秩序に都市を拡大させる、そこに根本原因が実はあるわけですね。ただ、そのことを言ったからといって、すぐ一年や二年で問題が解決するというわけじゃありませんので、そうしますと、とりあえず今現実のものとしてある工場には徹底した安全操業をお願いしなければならない。
 それで、危険物を扱っている工場について、消防庁は公開をしていませんね。どうして公開しないのですか。
#155
○木村政府委員 消防庁で統計等をとっております限りは公表いたしておりますが、特に隠しているわけではございませんので、公表と申しますか、統計数字は全部公表しております。
#156
○渋谷分科員 いや、私が言っている意味は、危険物を扱っている工場、事業所数は統計でありますでしょう、その工場が一体何をつくっているかということについて、どういう危険物を扱っているかということについて、そこに住んでいる住民や例えば地域自治体、行政サービスをする北区が知ることができますか。
#157
○木村政府委員 危険物に関する限りは知ることができると思います。質問をして情報をとれば、各社とも秘密にはしないと思います。
#158
○渋谷分科員 私が言っている意味は、消防庁がそうやって集めた情報――査察をやっているわけですから、状況がわかるわけでしょう。その状況について地域自治体にきちんと伝えるということはやっていますかということを聞いているのです。
#159
○木村政府委員 それは今委員御質問のような意味ではやっていないと思います。区の防災行政の方でしかるべく調査をすれば、守秘義務に反しない限りは知らせてくれるはずでございます。
#160
○渋谷分科員 例えば公園をつくる。大臣、大事なことです。公園をつくる、これは区の方の行政でやるわけですね。その隣に工場がある。その工場がどういう危険物を扱っているかわからない。これは時間を間違っていたら子供たちが犠牲になっているのですね。これは当然区の責任を問われるでしょう。そういう意味で私は、危険物を扱っているその内容などについて、例えば区の方とはきちんと連携をとってやるべきじゃないかということを言っているのです。今までやっていなかったとすれば、これからそういう取り組みをしていただけますか。いかがですか。
#161
○木村政府委員 通常の消防の場合でございますと市町村消防でありますので、そういった連携が常にとられていると思います。東京都の場合には東京都が消防を所管いたしておりますので、何らかの意図的なシステムを組まないと、なかなか情報が動かないということはあろうかと思います。現在そのシステムは何かと申しますと、災害対策基本法における区の防災会議、そこに消防署長も出ておりますので、そういった点で情報の流れになっておりますが、実際にはもっと日常的な情報の流れは必要であろうと思います。今後私どもとしてもそういうことに注意して御指導をいたしたいと存じます。
#162
○渋谷分科員 これは具体的な提案なんですが、私が区の方から聞いている限りでは、区の方は知らないのですね。ですから、例えば地震がある、震災のときに、避難ルートの中にそういう危険物を扱っている工場の近くの道路が組み込まれていたりなんかしたら大変なことでしょう、大臣。やはりそういう行政の縄張りというか、そういう意識で物を考えるのではなくて、特にこれはそこに住んでいる住民の安全にかかわる話なんですから、ぜひ大臣、これは地域自治体と消防庁がきちんと提携をして、こういう危険物を扱っている問題についてはその限りにおいて公表して、そして安全が確保できるような取り組みをぜひしていただきたいということが一つ。
 それから、もう一つ具体的な提案があります。これは行政の方の努力ですけれども、一方でやはり会社の方の責任感、今度の場合のこの悪意はどうしようもありませんね、こういうものは。それで、会社の方が、危険物を扱っている施設については掲示があるのですけれども、会社については掲示の義務がないのですよ。もちろん、どういう物質を扱っているかということを見たからといってそれが危険であるかどうかは一般の人にはわからないかもしれない。しかし、会社の名前が書いてある看板の横に、例えば大店法ではお店のところに第一種大規模小売店舗と掲示があるでしょう。それと同じように会社の横に危険物を扱っている内容をきちんと掲示をする。掲示をすれば地域住民からも見られる。あるいは行政からも常に――消防庁は査察権はあるけれども区はありませんからね、そういうことでいえば。ですから、そういうことで日常的に監視されることで会社自体がみずからの経営の中で努力をしていくということが当然要求されてくるわけですね。そういう中で安全を確保するということはできると私は思うのです。これは具体的な提案なんですけれども、会社にそういう危険物を扱っていることについての掲示義務を負わせるということでひとつ御検討いただけないかどうか。それから、先ほど言った地域自治体との連携、この二点について具体的に実務的な点をお答えいただいて、あと大臣から所見をいただければありがたいと思います。
#163
○木村政府委員 先ほど申しましたように、東京都下でも危険物を扱っている事業所というのは二万八千カ所、全国では六十万カ所近くございます。ですから、非常に選別して今のケースのような非常に危険なものをたくさん扱っているよという工場を表示するというのはいろいろなテクニックが必要で、一般の国民にはかえってわかりにくいのではないかと私ども思っております。また、火薬等についても同じような取り扱いをしておりまして、今後私どもも考えさせていただきたいと思いますが、私どもとしては、やはり危険物を扱う場所をきちっと押さえることが第一ではないかと考えております。
 それから、行政と消防の連絡につきましては、先ほど申しましたように一般の市町村の場合は市町村消防でございますので、常に連絡がとれていると思っております。東京のような大都市の場合にも十分連絡がとれるように指導してまいりたいと存じます。
#164
○吹田国務大臣 ただいま御指摘がありました問題は、私も、せんだって実は東京消防庁のヘリコプターでこの東京の上空を三、四十分にわたって非常に低空で見ることができました。そういった状況の中で、東京を上から見ました状態というのは全く危険そのものだという感じを受けました。と申しますのは、消防車の入れないような道路がたくさんありますし、火災になったら一体どうなるのだということ。あるいはまた緑が全く少ない。特定な場所には、新宿御苑とか赤坂関係あるいは明治神宮外苑等適当にございますが、その他の地域におきましてはほとんど緑らしきもの、公園はないというようなことでありますと、これはもしものことが、大きな災害が起きる、あるいは言われておるような地震等が発生するということになったときは一体どうなるのだろうかということを考えますと、もうだれの責任かれの責任の問題じゃない、一日も早くどういうふうにするかという対策を立てなければならぬほど都市計画の上におきましても緊急度があると思います。
 そういう意味では、私もこのことは帰りまして消防庁長官にも、一緒でしたからよく話してありますし、またこれから警察当局にも、私が担当でありますから、そういったときの警察の対応ということについても研究されておると思いますが、要は、全般的に見ますと、東京の都市についての近代化という面について、安全確保という面について、住宅と商業地帯と工場地帯というものがきちっと利用目的がされていない部面がたくさんあるというふうにも思いますし、道路整備の上におきましても相当問題があると私は思いますので、これからそうした社会資本の充実等を含めて検討の余地があるというふうに、他省庁にかかわることで失礼だったと思うのですけれども、率直に私は感想を申し上げて、これからの自治省がやらなければならない対応の問題については、それなりに努力をすることをここでお約束をいたします。
#165
○渋谷分科員 ありがとうございました。
#166
○武部(勤)主査代理 これにて渋谷修君の質疑は終了いたしました。
 次に、佐田玄一郎君。
#167
○佐田分科員 自由民主党を代表いたしまして質問させていただきます。私の場合は、地方財政について質問させていただきたいと思います。
 現在、市町村においては借入金残高を抱えるなど依然として厳しい状況が続いておりまして、地方公共団体が多極分散型国土形成促進のため地域振興を図り、高齢化社会到来へ向けての長期的政策を実現させるためには、計画的な行財政運営がなされなければならないと考えるわけでございます。そのためにも地方財政基盤の安定的な確立を図ることが急務であり、また地方財政の健全化の確立並びに自主的運営の強化を図るための質問をこれからさせていただくわけでございます。
 第一に、これは私ごとで大変恐縮なんでございますけれども、群馬県においては自衛隊設備が大変多くありまして、箕郷町、榛東村、そしてまた吉井町、新町と大変あります。ここには基地交付金という交付金が配分されておるわけでございますけれども、まず第一の質問でございますが、この基地交付金の性格と申しますか、これについて御質問させていただきます。
#168
○湯浅政府委員 基地交付金は、米軍とか自衛隊の施設がその市町村の区域内に非常に広い面積を有していたり、あるいはこれらの施設があるために市町村の財政に非常に影響を及ぼすというようなことを考慮いたしまして、固定資産税の代替的な性格を基本としながら、基地が所在することによる市町村の財政需要に対処して基地の安定使用に資するために交付されるというものでございます。本来そこに民間の施設がございますれば当然その市町村には固定資産税が入るわけでございますが、そういうものが入らないということ、それから、基地という特有な施設ということに着目いたしまして交付されるものである、こういう性格のものでございます。
#169
○佐田分科員 ということは、固定資産税の代替的な要素が非常に高いということであります。
 次の質問なんですけれども、固定資産税になりますと資産評価ということになるわけでございますが、一般の資産評価と基地の場合の資産評価の要するに評価がえの時期でありますけれども、この期間並びに時期について御説明願いたいと思います。
#170
○湯浅政府委員 固定資産税につきましては、土地、家屋については三年ごとに評価がえをいたしまして、それぞれの市町村がその評価がえをするわけでございます、その評価がえに応じまして固定資産税を課税していくという制度をとっているわけでございますけれども、基地交付金の対象になる資産は、これは国有財産でございますので、今申しました固定資産税の評価がえの対象にはならないわけでございます。
 それで、基地交付金の対象になる資産は国有財産といたしまして国有財産法の規定によっていろいろな管理が行われるということになっているわけでございますが、この国有財産法による基地の土地とか施設につきましては、国有財産台帳というものができておりまして、この台帳の価格を五年ごとに評価をする、こういうシステムになっております。そういうことで、国有財産法による国有財産の評価といたしまして五年ごとの台帳価格の改定を行うということで、固定資産税の評価と制度的に違っているわけでございます。
#171
○佐田分科員 国有財産法にのっとって五年ごとということでございますけれども、一般の場合は三年、ということになりますと二年の落差がある。もちろん物価上昇率を考えてみますとそこに差異が出てくる。この辺についての何らかの対処ということはお考えになられておりますでしょうか。
#172
○湯浅政府委員 基地交付金の対象資産は、ただいま申しましたように国有財産でございますから、これは国有財産の制度の中でいろいろな管理が行われるということでございますから、この基地交付金の対象資産だけを三年ごとに価格を見直すということは、これはなかなか制度的には難しいのではないかと思うわけでございます。そういう点も考慮いたしまして、制度的には、その地域の類似の固定資産の評価額に比べて非常に著しく価格が低いところにつきましては、五年に一度の台帳価格の改定のときに、関係省庁に対しまして、その近傍の類似の固定資産との価格の均衡を図るように要請することができるわけでございまして、それに基づいて逐次是正すべきところは是正をする、こういうことを現在もやっているわけでございまして、基地交付金の対象資産のみについて制度的にこれを変えるということが難しいことから、今のような調整によりまして、できるだけ固定資産の評価とこの基地交付金の対象資産の台帳価格との不均衡がないように、そういう努力を今後とも続けてまいらなければならないと思っているところでございます。
#173
○佐田分科員 御趣旨はよくわかりましたけれども、この交付金というのは、もとが一つでありますからそれを割り振っている。要するに自衛隊施設のある地域に割り振っていくわけでございますけれども、予算額はほとんど伸びてないような額なわけでございまして、そういうことを考えますと、非常に差異はこれからまた広がっていくのではないかという懸念があるわけでございます。私、先ほど聞いておりましたら、各地域に非常に広大な地域を所有し、そしてまた中には、弾薬庫であるとか燃料庫、非常に危険物のあるところもあるわけであります。そういうことを考えますと、少なくとも一般の固定資産税に等しいような額に近づけるような御努力をぜひともお願いを申し上げたいと思うわけでございます。
 それともう一点でございますけれども、また私ごとで大変恐縮なんでございますけれども、こういうふうな形で非常に差異が生まれてきておる、そういう意味においては何とか是正してくれというお願いをされておるのです。この数字なんですけれども、一般の固定資産税と現在の差異というのは全国で大体、大まかでアバウトで結構でございますけれども、どのくらいあるのか、お聞きしたいと思います。
#174
○湯浅政府委員 まず第一点の予算額でございますけれども、今仰せのように、固定資産税の代替的な性格を有するということであれば、資産の価値が上がればその率で当然予算額も増額していかなければならないのではないかという御指摘かと思うわけでございますが、この基地交付金は、性格的には固定資産税の代替的な性格を基本とするわけでございますが、やはり国の予算編成上は一種の財政補給金といいますか補助金の一種として扱われている関係で、毎年の財政状況によりましてシーリングが定められて、そのシーリングの制約の中でこの予算も要求をしなければならないということに相なっております。そういう形で非常に厳しい中でございますけれども、昭和五十七年度以降七年間において据え置きをしてまいりました。この据え置き自体が、自治省の予算の中では非常に大変な努力が必要なわけでございまして、この結果、何とか七年間は据え置いたわけでございますが、平成元年には四%の増額措置もお願いをしているところでございまして、今後、今御指摘のようなことも踏まえまして、所要額の確保に私どもも努力をしてまいらなければならないと思っているところでございます。
 それから二番目の、評価の関係の差異でございますが、固定資産税の評価と基地交付金対象資産との評価の違いがどのくらいになっているだろうかということでございます。これは見方がいろいろございますので、なかなか一概には申し上げられませんが、全国的な規模で申し上げますと、基地交付金の対象資産になっております土地の平米当たりの単価が千七百六円でございまして、それから固定資産税の対象の土地、これは山林から農地から宅地から全部含めたものでございますが、平成二年度で千七百九十六円でございます。基地交付金の対象資産が千七百六円、固定資産税の対象の土地が千七百九十六円ということで、ほぼ同じくらいの平均価格に相なっているわけでございますが、ただこれは地目がいろいろと違いますので、そういうことを精査した結果ではどうなるかという点については私どももはっきりしたことは申し上げられませんが、全国的な全体の価格を面積で割ったというような形にいたしますとそういうような数字になっているところでございます。今後ともこの点は均衡をとるように努力をしてまいりたいと思います。
#175
○佐田分科員 よくわかりました。基本的に最初に出るもとが同じでありますから、なかなか予算をふやさなければこれは一般の固定資産税に追いつけるわけにいかない。予算取りのときにはできるだけ自治省の皆様方も御努力を願いたい。心からお願い申し上げる次第であります。
 次の問題でありますけれども、平成三年から平成五年まで、公共事業に係る国庫補助の負担率は六十一年水準まで復元したということでございますけれども、市町村に対する補助率、これがだんだん負担が非常に多くなっている。例を挙げますと、一般国道なんかですと、五十九年は四分の三であったわけです。それからずっと少なくなっている。そういうことを考えますと、現在は特例公債依存体質からの脱却が図られておるわけでございますけれども、今後の課題でございますけれども、できれば五十九年度の補助負担率ぐらいまでに復元できないか。その辺につきましてはどういうお考えをお持ちになっているか、お伺いいたします。
#176
○小林(実)政府委員 国庫補助負担率につきましてのお尋ねでございます。
 国庫補助負担率につきましては、六十年以降三回続けてカットが行われまして、一年とか三年とか二年とかいろいろ行われてまいりまして、ちょうど二年前に期限切れになりまして、そのときも経常経費系統、厚生省関係の経費につきましては恒久化の措置がとられまして財源措置もなされたわけでございますが、公共事業等につきましては、事業量の増という要請がございまして、二年続きまして、今度期限切れを迎えたわけでございます。
 今回特に問題になりましたのは、公共投資基本計画四百三十兆の話が出てまいりまして、その面からやはり事業量を確保しなければいけないという要請がございまして、従来のカットの中では六十二年度カット分を復元して、あとにつきましては三年間続けるといいますか、一応暫定期間三年ということで決着がついたわけでございます。地方団体の御意向も十分わかるわけでございますが、一方で事業量拡大という御要請もございまして、今回は一部復元で事業量の確保を図った、こういうことでございます。
 今回の決着に当たりましては、公共事業関連の建設省あるいは農水省あるいは運輸省も入りまして、覚書を交換いたしまして、暫定期間内におきましても体系化、簡素化等の観点から、関係省庁間で総合的に検討を進める、その期間内に結論を得るように最大限努力をする、可能なものは逐次実施を図る、こういうことになっておりますので、そういう観点から検討を重ねまして、国と地方の信頼関係が損なわれることのないように適切な補助負担率となるようにしてまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
#177
○佐田分科員 これはよく質問されることでありますけれども、十年間の四百三十兆、そしてまたそれに伴うところの予算確保をしていかなくてはいけない。そしてまた市町村においても、よく地方では、これから十年間で四百三十兆やる、そうなりましたときに町村の負担が非常に厳しくなってくるのではないかという不安が相当あるわけでございます。その辺につきましてはどういうふうなお考えをお持ちでしょうか。
#178
○小林(実)政府委員 四百三十兆につきましては、この個別具体に事業の内容、主体等につきましては、きっちりした内訳があるわけでございませんので、地方負担額がどうなるかというのははっきりしないわけでありますが、過去十カ年の公共投資につきましての分析におきましては、六割が地方負担でございます。恐らく今回の四百三十兆におきましては、国民生活の質の向上に資する事業に重点を志向する、こういうことを言っておりますので、地方団体の役割はますます高まるものというふうに考えております。
 平成三年度におきまして、国におきましては生活関連重点化枠二千億の特別枠を設けまして、国におきましても事業拡大につきましての御努力をいただいたわけであります。地方単独事業につきましても、財政計画上事業量の一割増を図っておるところでございまして、地方財政計画を通じまして個別の地方団体におきましてこういった事業につきまして支障の生ずることのないように、今後とも努力をしてまいりたいというふうに思っているわけでございます。
#179
○佐田分科員 よくわかりました。大変丁寧な答弁でありがとうございます。四百三十兆というのは本当に国民全体が期待をしておって、また反面、地方ではかなりの負担になるのではないかという非常な不安があるわけでございます。実際問題として、これから道路であるとか公園であるとか、そしてまた農村におきましては集落排水の問題、そしてまた圃場整備の問題、いろいろあるわけでございますけれども、先般も、過疎地における公共下水の割合が二%という非常に厳しい状況が今続いておるわけでございます。そしてまたなおかつ、本国会においてはそういう過疎地域に対する公共下水道についての都道府県に対する、要するに代替の施行、そういう法案が出ておるわけでございます。まことに私はこれは結構なことであろうかと思うわけでございます。これから多極分散型ふるさとの時代、そういうものを推進されるに従って国庫補助負担率は五十九年のレベルに戻すように、ぜひともお願いを申し上げる次第でございます。
 次の質問でございますけれども、これはちょっと趣が変わるわけでございますけれども、宝くじのことについてちょっと質問をさせていただきます。
 現在、自治省の方で宝くじをやっておるわけでございますけれども、まず第一の質問でございます。販売主体でございますけれども、これはどういうふうな形になっておりますでしょうか。
#180
○小林(実)政府委員 宝くじにつきましては、法律によりまして発行者は都道府県それから政令指定都市が原則、こういうことになっておるわけでございます。
#181
○佐田分科員 ということになりますと、これは許認可の関係というふうになりますとやはり自治省ということになるわけでございますか、それとも都道府県。済みません、お願いいたします。
#182
○小林(実)政府委員 都道府県、指定都市、法律でこの団体が発売することができる、こういうことになっておりまして、「自治大臣の許可を受けて、当せん金付証票を発売することができる。」という法律になっておるわけでございます。
#183
○佐田分科員 都道府県並びに地方自治法第二百五十二条ということで私も調べさせていただいたのですけれども、それの指定する都市、そういうことでございますけれども、この法律自体が昭和二十三年ということなんでございまして、実際問題として今その指定都市というのは、どういう要件が満たされれば認可になるのでしょうか。
#184
○小林(実)政府委員 政令指定都市でございまして、十一市ですね、これは当然に発売できる、都道府県と同じ立場にあるわけでございます。
#185
○佐田分科員 その十一市の政令指定都市が発売をされておる、そういうことも聞いておりますけれども、今サマージャンボ宝くじは年一回行われておって、これは市町村が中心になってやっておるということをお聞きしておるのですけれども、具体的にこれはどういうふうな機構になっておるのでしょうか。
#186
○小林(実)政府委員 サマージャンボにつきましてのお尋ねでございます。宝くじにつきましては、発売権能といいますか、を持っておりますのは、先ほど申し上げましたように都道府県、政令指定都市であるわけでございますが、市町村の方から、宝くじにつきましてその収益金の均てん化という意味から一般の市町村にも配分してほしいというお話がございまして、昭和五十四年に話し合いがつきまして、このサマージャンボにつきましては都道府県が共同で発売をいたしまして、各都道府県の収入となるその収益金を、各都道府県ごとに市町村振興協会というのがございまして、そこに、市町村に配分するものとして、サマージャンボの収益金につきましてはその協会を通じて、市町村の建設事業とかあるいは災害時における緊急融資事業の原資として使われる、こういうシステムになっておるわけでございます。
#187
○佐田分科員 ということになりますと、やはり都道府県が中心になって宝くじをやって、その収益金をあくまでも市町村の方に配分をする、そういう機構になっておろうかと思うわけでございますけれども、これは市町村だけでやるという能力が市町村にないというふうに御判断された上にそういうふうな機構でやられておるわけでございましょうか。
#188
○小林(実)政府委員 宝くじの現状を申し上げますと、実は発売は原則都道府県、指定都市でございますが、年間を通じまして百七十回発売回数がございまして、これは全国でやる場合もありますし、ブロックごとにやる場合もありまして、いろいろございますけれども、宝くじは言ってみれば一年じゅう切れ間なく発売されているという状況でございまして、これが都道府県、指定市の貴重な財源になっているわけでございまして、そういう事態の中で市町村の方に配分してもらえないかという話がございまして、五十四年に先ほど言いましたような形で話がつきまして、サマージャンボにつきましては都道府県が共同で発売して、その収益金を市町村に還元するような形をとったわけでございます。サマージャンボというのは大型くじの中でも、現在でいいますと前後賞合わせまして一億円当たる宝くじというのは、ドリーム、サマー、年末の三回があるわけでありますが、またそのときに宝くじが売れる金額も大きいわけでございますが、その一つを市町村に配分するものに割り振っておる、これで市町村もいろいろな仕事ができる、こういうことになっているわけでございます。
 私どもといたしましては、現在の全体の発売額あるいは発売回数等が限りがございますので、さらに市町村に回る分を回数をふやすとかなかなかそういうことは困難というふうに考えておりますが、今後とも今のサマージャンボにつきまして宣伝普及に努めまして、その発売額が上がるように努力をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
#189
○佐田分科員 今お答えいただいたわけでございますけれども、そのお答えの中に、これを何回もふやすということはかなり難しい、そういうふうな御発言があったわけでございますけれども、地方市町村財政を勘案しますと、できれば年に二、三回はぜひともやっていただきたいとお願い申し上げる次第でございます。
 時間もだんだんなくなってまいりまして、最後の質問でありますけれども、消防団のあり方でございます。
 今私の地域におきましても消防団は非常に活動しておりまして、その中では皆さんも御存じのように、本当に大規模な災害等における援助活動の問題であるとかまたは森林火災の、そういうときには本当に民間レベルのボランティア的な立場で活躍をしていただいておる。そして、なおかつそういうことだけではなくて、地域の活性化にも大変な関与をされておる。その青年団が今現在非常に厳しい状況にある。その厳しい状況と申し上げるのは、やはり人員がだんだん削減されてきておる。私の県においても非常に減っておる。この原因を申し上げますと、その中には若者の消防団離れであるとかまたは老齢化であるとかそういう問題が挙げられておるわけでございますけれども、今全国でどのぐらい消防団の人員がいるか、まず御質問させていただきます。
#190
○武部(勤)主査代理 答弁は簡明に願います。
#191
○木村政府委員 百万人をちょっと切る九十九万数千人でございます。ちょっと細かな数字は調べさせてください。
#192
○佐田分科員 今お聞きしましたように、百万人を割った、非常に厳しい状況が続いておるわけでございます。この原因には、先ほども申し上げました高齢化の問題であるとか団員の意識の低下の問題であるとかいろいろなものがございますけれども、これから消防団にはまさにどんどん大きくなっていただいて、そしてまた地域の活性化のためにも御助力いただきたいわけでございますけれども、自治省といたしまして、消防団のこれからの活躍に期待するもの、そしてまたこれからどういうふうな諸施策をもって消防団の拡大を図っていくかという政策的なものをお聞きしたいと思います。
#193
○木村政府委員 先ほどの消防団の数字でございますが、九十九万六千六百六十九人、平成二年四月一日現在でございます。
 消防団が大規模な災害において非常に大きな役割を果たすというようなことは御指摘のとおりでございますし、また、絶対数の減少、サラリーマン化、高齢化というような現象が起きて力がなくなりつつあるのではないかと危惧されることも御指摘のとおりでございます。私どもとしてはあくまでボランティア精神に基づく消防団の存在が地域の防災には絶対に必要不可欠と考えておりますので、その活性化ということに各段の政策努力を続けてまいりたいと存じます。
 第一は、昭和六十三年に消防団活性化総合計画策定要綱を全国の市町村に示して計画をおつくりいただき、平成二年には消防団活性化総合整備事業を起こしまして、補助金及び有利な地方債でもって装備や拠点施設の整備等を進めておりますほか、消防団を理解していただきますために各種イベントを行います場合に、ふるさと消防団活性化助成事業というものをつくりまして助成しております。また、雇用者、事業主に対して、サラリーマン消防団の活動ができやすいようにお願いをするという事業もいたしております。
 次の大きな問題は、処遇の改善でございますが、報酬を丸々払うというシステムではございませんが、ノミナルでありますけれども、報酬、出動手当、退職報償金、公務災害補償、表彰、栄誉、そういったものの処遇の改善に各段の努力をいたしております。また、女性の消防団員の増加にも努めております。
#194
○佐田分科員 ありがとうございました。
 質問を終わらせていただきます。
#195
○武部(勤)主査代理 御苦労さまでした。これにて佐田玄一郎君の質疑は終了いたしました。
 次に、常松裕志君。
#196
○常松分科員 私は、今年度が固定資産税の評価がえの年に当たっております、固定資産税の評価がえの国民各界各層に与える影響についてお伺いをさせていただきます。と同時に、時間が許せば固定資産税の評価についてもまたお尋ねをいたしたいと存じます。
 私は、東京の七区という選挙区から選出されている議員でございまして、東京の市部、武蔵野市とか三鷹市とか小金井市、国分寺市、こういう十五市から成る地区から出ておりますが、この地区は住宅地として発展をしてまいりましたけれども、近年、非常に地価が高騰著しい地区でもございます。この地価の高騰によって笑いがとまらないのは大手の不動産業者あるいは銀行などの金融機関、バブルというようなことで社会的な指弾を受けている最中でございまして、他方、ひどい目に遭っているのは一般のサラリーマンあるいは退職をしたサラリーマン、つまり年金生活者あるいは小規模な事業者の方々はひどい目に遭っているわけです。
 一般のサラリーマンはとても東京では自分の住む家を持つことができない、こういう状況になっているわけですけれども、その問題は地価税その他の議論に移すといたしまして、今回の固定資産税の評価がえの結果ですけれども、東京にようやく自分の、狭いながらも楽しい我が家ということで自分の土地を求めることができたサラリーマンあるいは年金生活者にとっては、今回の固定資産税の評価がえによる大幅な値上げで大変な事態になります。と同時に、多くのサラリーマンは、まだ自分の家を持つことができない方々は、マンションやアパートあるいは借家などに住んでいるわけでありまして、あるいはまた借地をしてその上に家を建てているという方も随分たくさんいらっしゃいます。固定資産税が上がりますと、それを理由にして家主さんは必ず家賃や地代を値上げをしてくるわけなんですね。契約書の中にもちゃんと固定資産税のことが言及されている場合もあるほどでございまして、今回のこの固定資産税の値上げによってもそういう影響が非常に考えられるわけですね。心配されるわけです。その辺についての歯どめといいますかあるいはどういう影響がそういう借地、借家の方々に及ぶだろうという点について、どんなふうな影響が及ぶと考えておられるのか、あるいはその歯どめについてどんなことが行われているのかどうか、その辺についてお伺いいたします。
#197
○湯浅政府委員 平成三年度は固定資産税の評価がえの時期に当たりまして、地価の高騰を受けまして、土地の評価がえによりまして特に大都市地域におきましては評価の上昇率がかなり高くなっている、前回に比べましてかなり高くなっているということは御指摘のとおりでございます。しかしながら、固定資産税というものの性格から見まして、資産価値に応じてそれぞれの市町村の行政サービスを受けている方々から税を御負担いただくという考え方からいきますと、やはり三年に一回の評価がえをきちんとやって資産価値を的確に算定し直すということが課税の公平につながるということでございますので、これは今回も予定どおりやらせていただくということでこの評価がえを実施するわけでございます。
 この場合に、今御指摘のように特に住宅用地につきまして、大都市地域の住宅用地につきましてこの評価が非常にアップする、これをそのまま固定資産税の税負担に結びつけるということになりますと、税負担が一挙にふえてしまう、こういう問題も出てまいりますので、従来から宅地につきましては激変緩和措置を講じまして、評価がえによって一度に税負担がふえないような、いわば負担調整措置ということをやっておるわけでございますが、今回の評価がえにおきましては、従来の負担調整措置とは異なりまして、宅地の中をさらに三つに分けまして、住宅用地、それから法人の持つ非住宅用地、それからその他の一般の宅地という三つに分けまして、住宅用地につきましてはできるだけなだらかに税負担がふえていくようにするということを考えております。
 実は、三年に一回の評価がえでございますから、三年目には評価額課税に持っていくというのが今までの考え方でございましたけれども、今回の住宅用地につきましては、これだけ値上がりをしておりますから、三年目になっても評価額課税にならなくてもしようがないのじゃないか、五年ぐらいをめどにしてそれで評価額課税にするような、そういうなだらかな負担調整措置を住宅用地についてはいたすことにいたしております。逆に、法人の持っている土地につきましては、これは最近のこの保有課税の強化という要請もございますので、今までよりももっと早い時期に評価額課税ができるように負担調整措置をむしろきつくする、こういうような形で三つに分けて今回はやりました。
 その結果、住宅用地につきましては前回の六十三年度の評価がえのときとほぼ同じで、前年度の税額に一・一倍ずつの調整、一割増ということでございますが、この一割増の中にほとんどの住宅用地が入ってくるのじゃないか、こういうことが全体的に捕捉できるわけでございます。そういう意味で、いろいろと御負担の多いことは大変ではございますけれども、一・一倍の範囲内に大体入ってくる、ほとんどの住宅用地が入ってくるということで、今回はひとつこういう形で御負担をお願いしていこうということでございます。
 そうなった場合におきましても、やはり固定資産税がふえてくるということでございますから、今御指摘のような借地・借家の方に当然のことながらこの分が転嫁されてくるわけでございます。これはある意味では固定資産税というのは転嫁を予定している税でございますから、借地料あるいら借家料の中にそういう固定資産税というものが含まれて算定されるということはもともと予定しているわけでございますから、こういうものがふえてくればそれだけ家賃なり地代が値上がりになってくる、こういうことは予想されるわけでございますけれども、今申しましたように、できるだけ税負担の上昇を抑えるという措置を講ずることによりまして、できるだけ地代家賃の値上げにも余り影響のないようにしていこう、こういう配慮をしたわけでございます。
 と同時に、毎回そうでございますけれども、この評価がえのときに当たりましては、よく便乗値上げと申しますか、固定資産税が上がったから家賃を上げてくれ、地代を上げてくれというような便乗値上げが間々聞こえてくるものでございますので、この点につきましても、関係省庁ともよく協議をしながら、都道府県、市町村に便乗値上げのないような指導もあわせてやってまいりたいということで考えております。
#198
○常松分科員 今回固定資産税の評価がえ、引き上げと同時に、住民税の減税が実施をされました。そこで、家主さんたちは、住民税減税やったんだから、皆さんの方も減税になっているはずだから、ひとつ固定資産税分ぐらいは負担してくださいよ、こういう形で話を持ってこられるわけですね。しかし、実際には低所得者の場合、例えば年収三百万とか四百万というような場合は、この住民税の減税というのは、夫婦それから子供二人なんかですと、ほとんど五千円かそこらの減税ということになりますね。五千円までいきますか、二千五百円ぐらいですか。ところが、例えば一千五百万円とか二千万円という収入になっていますと、五万とか六万という減税になる。ですから、むしろ固定資産税が上がってもそれを転嫁しなくてもいいのは、どちらかというと家主さんや地主さんの方であって、普通のサラリーマン、アパート、マンションに住んでいるサラリーマンはほとんど住民税の減税の恩恵は受けないと思うのですね。ですから、どうぞひとつ今の便乗値上げをしないようにという指導ですね。例えば、私の選挙区にある三鷹市などでは、今まで市の広報に通達をちゃんと掲載するのです。しかし、それは実際はなかなか実行されない例が間々あるわけですね。ですから、そういう意味では、自治省も固定資産税の影響があるということは御存じのとおりですから、便乗値上げの起こらないようにどうぞひとつ強力に御指導をいただきたいと思います。
 そこで、もう一つ、東京で民間からの借地・借家と同時に並んで公団や公社などの家賃への影響はどうなのかということについてお尋ねをしたいと思うのですが、実は住宅・都市整備公団、ことしの十月から家賃を相当程度値上げをするということが予定されていると聞いているのです。これは固定資産税の引き上げの影響なのではないかな、こんなふうに思うのですけれども、だったら、今の便乗値上げの例ですから、ひとつ自治省は公団に値上げしないようにという要請をしてもらいたいと思うのですけれども、いかがなんでしょうか。
#199
○竹本説明員 お答えします。
 公団住宅の家賃改定は、賃貸住宅相互間の家賃の均衡を図る、あるいは維持管理経費を編み出さなければいけない、こういった目的を持って、そのときどきの経済事情の変動あるいは立地とか利便とか、こういったものの変化に即しまして定期的に行っております。したがいまして、固定資産税評価額の見直しを契機として行うものでは全然ないわけでございます。公団住宅家賃は、先生先ほど申されましたとおり、平成三年度に次回の改定が行われる予定となっておりますけれども、これは固定資産税評価額の見直しが本年一月一日現在で行われるからではなくて、三年ごとに定期的に公団家賃を見直すというルール、このルールに沿って行うものでございます。
 したがいまして、改定周期を三年とした理由をちょっと申し述べておきますと、こういたしますと、一回の家賃改定に一回の固定資産税評価額の見直しを含めることだけだ、仮にこれを五年間でやりますと二回分が入ってくる、こういったことがございますので、三年ごとにやることに公団としてはしておるわけでございます。
 それから、いつの評価額を使うのかということでございますけれども、平成三年度の継続家賃の改定に当たりましては、昭和六十三年一月一日現在の固定資産税評価額を用いることにしております。したがいまして、今回の評価額の改定がそのまま家賃に反映するということはございません。
#200
○常松分科員 わかりました。
 次に、今度の固定資産税値上げの、土地を持っている、家を持っている方々への影響なんですけれども、これが年金で生活をしている方々への影響は甚大なんです。また、特に御主人に先立たれて遺族年金などで生計を営んでいる世帯への影響、非常に甚だしいわけでございます。こういう低所得者といいますか、こういうところに対する固定資産税の引き上げはやめるべきじゃないか、私はこう思うのです。アメリカなどでは、サーキットブレーカーというのですか、固定資産税の非課税措置を含めた負担緩和措置がとられているというふうに聞いているわけでございますけれども、小規模宅地に住んでいて、そして一定の所得以下の方々に対しては、こういう固定資産税の免除あるいは大幅な減額というような措置をもうそろそろ検討すべき時期に来ているのではないかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
    〔武部(勤)主査代理退席、加藤(万)主査代理着席〕
#201
○湯浅政府委員 先生御案内のとおり、固定資産税という税の性格が、シャウプ税制以来市町村の基幹的な税目として位置づけられておりまして、市町村の住民になるべくひとしく広く資産を持っている方々から御負担を願おうという趣旨からこの制度ができ上がっているわけでございます。そういう意味で、固定資産税は、よく物税といっておりますが、要するに、それぞれの所有者の方々のいろいろな御事情というものは一応横において、そこに土地があるあるいは家屋があるということを前提にいたしまして、それに対して資産価値に応じて税を御負担いただくというのがこの税のもともとの性格でございます。
 しかし、今御指摘のように、資産価値がどんどん上がってくる、上がってくると税負担能力がだんだんなくなってくるのではないか、こういう御指摘も一方にはあることもまさにそのとおりでございますが、現在の固定資産税の税額、税負担の状況等を考えますと、例えば住宅用地については二百平米までは税額を四分の一に軽減するとか、あるいはそれ以上のものも二分の一に軽減するとかというような、物税であるがゆえにその所有者、所有者のいろいろな御事情は考えられないので、住宅そのもの全体としてそういう大きな軽減措置を講じているというようなことによりまして、そういう方々にも御負担ができるような、そういう税額になるべく抑えるように現在もしているわけでございます。そういう意味で、現段階でサーキットブレーカーとかというようなアメリカの制度をそのまま入れるのがいいかどうかという点については、まだ検討の余地があるのではないか。むしろ、今の住宅用地なら住宅用地の負担の急増というものをできるだけ抑えることによって、しかし、やはり資産価値に応じて負担をしていただく、そういう基本的な性格というものを考えて固定資産税としては運用していくべきなのではないか。
 ただ、もちろん全く貧困で、例えば生活のために公私の扶助を受けているというような方々については、条例によって固定資産税の減免をすることができる、そういう規定も地方税法の中にはございますけれども、一般的な軽減措置を年金生活者の方々とかあるいは低所得者の方々にするということは、これはいかがなものか。やはり、所得のある方に対しては住民税で税負担をしていただく、所得は少ないけれども資産のある方には固定資産税という形で負担をしていただくということで、住民税と固定資産税というこの二つが市町村の基幹的な税目として、市町村の行政運営をするための基幹的な税でございますので、この辺の御理解も賜りたいというふうに考えているところでございます。
#202
○常松分科員 現実には年金で非常に低所得になってしまう。しかし住みなれた土地は本人とは全く関係がなく、政府の無為無策の結果――いや、そうですよ大臣、結果、それはもう話にならないくらい値上がりをする。その被害を年金生活者の皆さんは受けているわけですね。ですから、今の局長の答弁ではどうにもならない。それだけでないんですよ。健康保険税も上がりますし、あるいは都市計画税も上がるわけですね。そういう影響ばっかり全部こうむることになるわけであります。ですから、もう固定資産税としての減免措置といいますか、私は小規模な宅地あるいは小規模な営業用の土地、家屋については、これはもう生存権的な財産だということで非課税にするというようなことにぜひ踏み切るべき時期が来たんだということをひとつ要望しておきます。
 そこで、今局長から、地方税の三百六十七条ですかで各自治体で自主的な判断で減免措置ができる、こういう御答弁がありましたけれども、例えば私どもの市会議員の方々からよく言われているのは、都市計画税を軽減しようとしたら自治省から脅迫された、富裕団体なんだから、そういうところは補助金その他が減ってきますよ、ペナルティーがつきますよというようなことで、市長が答弁しているというようなところがあるのですね。そういうことはありませんね。
#203
○湯浅政府委員 都市計画税は都市計画事業を行うための目的税としてこの税制度があるわけでございますけれども、この都市計画税の課税の基準は、今仰せのように、固定資産税の評価額をそのまま使いまして、これに税率をかけて税負担をお願いするということでございます。そういうことで、この都市計画税は都市計画事業の目的財源ということでございますので、それぞれの市町村が独自に御判断をして、課税するかしないか、あるいは課税する場合にその税率を幾らにするかという点につきまして、都市計画税の制限税率、税率の制限を設けておりまして、この制限税率を〇・三%といたしておりますけれども、その〇・三%の範囲内で課税をするかしないかということは、これは市町村の御判断にゆだねているところでございます。
 そういう意味で、今御指摘のように、都市計画税を課税していないところは富裕団体だからとか、そういうようなことは私どもはちょっと解しかねるわけでございまして、自主的に都市計画事業をするためにこの目的財源が必要だというところは制限税率いっぱいの〇・三%まで課税しているでしょうし、それほどでないところは〇・二%のところもございますし、それはそれぞれの市町村の独自の御判断で課税するという建前になっておりますので、この点は、これを課税しないから今お話しのような話があるというのは、ちょっと私ども解しかねるところがございます。
#204
○常松分科員 わかりました。地元の議会の審議には非常に参考になると思います。
 それで、固定資産税の評価についてちょっとお尋ねをいたしたいと思いますけれども、固定資産税の引き上げがどうも不明朗に思われるのには、評価の仕方にも原因があると私思うのですね。例えば、私の土地の評価額が幾らで、お隣が幾らだ、こういうことがわからない仕組みになっているわけです。私などは国分寺市と府中市のちょうど境目あたりに住んでおりますから、そうすると私のうちと十メーターも離れていないところの府中市の評価額が違うのです。そういったことを含めて、情報公開の社会にありましてこういうことでは許されないのではないかな、私はそんなふうに思います。
 公的な土地評価の方法が固定資産税の場合、相続税の場合によってそれぞれ違う、あるいは国有財産、公有財産などをどう評価するかというのが全部違う。昨年の税制調査会でも、相互の均衡と適正化を図りながら、国民に理解し得るよう明確かつ具体的に土地評価の一元化を推進するようにというような答申もあったやに記憶しているのです。そういう土地評価について一元化をしていくという方向で自治省はほかの省庁とも協力をして努力をしようとしているのかどうか、簡単にお答えいただきたいと思います。
#205
○湯浅政府委員 固定資産税の評価は毎年税負担を求めるという税の性格からくる評価額でございますので、これを地価公示でございますとか相続税の評価と完全に一致させるということはなかなか難しい問題でございます。しかし、今御指摘のように、土地基本法の第十六条には、公的土地評価について相互の均衡と適正化を図るように努力すべきである、こういう規定も今回入れられたわけでございまして、それぞれの立場で土地の適正な評価に努力していくとすれば、おのずからそこには均衡と適正化が図られるべきものではないかと考えているところでございます。そういう意味で、平成六年度、この次の評価がえにおきましては地価公示においてもいろいろな改善措置が講じられるようでございますが、固定資産税の評価におきましても、地価公示価格の一定割合を目標にいたしましてこの評価の適正化、均衡化をぜひやってまいりたいと考えているところでございます。
 なお、この評価の中身がよくわからないという点もございますので、この平成三年度の評価がえを機に路線価の公開を逐次やってまいりたい、できるだけ早い機会に全路線価の公開ができるように各市町村とも御協議を今続けているところでございます。
#206
○常松分科員 これから公開されていくということになりますと、最後の質問なども随分減ってくるのかなと思うのです。
 最後に課税ミスの問題。全国的に固定資産税の賦課徴収のミスが非常に多発をしまして、納税者や国民の自治体に対する信頼が非常に失われつつあるのではないか。国会の中でも審議をされているところでございます。
 その主要な原因は、これはおととしになりますか、参議院の地方行政委員会などでの自治省の答弁ですと、やはり過度の機械化やコンピューター化による省力化、そういうことによるチェックが行われなかったとか、そういうことが原因の一つだというような御答弁がされているわけですけれども、こういう自治体の課税ミスが続く中で、時効が五年だというのはやはり検討しなければいけないのではないか。この間の横浜市の場合では、地方自治法の二百三十二条の二の補助金で還付をするというようなことを陳謝の意を込めて行ったというふうに聞いているわけですけれども、やはり正式な租税還付が行われるように検討すべきではないのか、こう思うわけです。その辺についての自治省のお考えと、同時に、今後の課税ミスの再発防止をするためにどういうことを考えているのか。私は、税務職員に対する研修を充実させるべきではないかと考えておりますが、最後にこの点をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
#207
○湯浅政府委員 固定資産税の課税誤りにつきましては私どもも大変申しわけないと思っております。
 基本的には、今御指摘のように現地の調査を徹底するあるいは電算システムにだんだんなっていきました場合のチェック体制の整備でございますとか、職員の研修を充実していく、こういう地道なことをやりながら課税ミスを少なくしていくことがどうしても必要だと思います。
 と同時に、今回の課税ミスが出てきた大きな原因の一つは、納税通知書を出すときに課税内訳を添付する。これは、納税者に内訳をできるだけわかってもらおうというつもりでそれを添付した。ところが、それを添付したところが、実際は家がない者が課税されたことがわかったということで、納税通知書に課税内訳を添付したことがある意味では課税誤りが出てきた大きな原因にもなっているわけでございます。こういう意味で考えますと、こういうことをやることによってむしろ納税者の立場からのチェックということも可能になってくるのではないか。横浜の場合はまさにそういうことでやったわけでございますので、むしろこういう誤りを恐れずに納税内訳をもっと親切に住民に知らせる、そういうことをこれからもやっていくように市町村を私どもは指導してまいりたいと思うわけでございます。
 そういう中で、今御指摘のように五年過ぎた誤りの分について時効の特例は設けられないかという問題もあるわけでございますが、租税の権利義務関係というものはやはり一定期間できちっと整理をするという意味で、時効制度をみだりに変えることはなかなか難しいのじゃないか。これは、税法上の時効ということではなしに、市町村が間違えたということをどう償っていくかという形で処理をすべきじゃないかということで、先般横浜市のような処理をしたわけでございます。むしろそういう方向でやっていく方が望ましいのじゃないかと私どもは考えているところでございます。
#208
○常松分科員 ありがとうございました。
#209
○加藤(万)主査代理 これにて常松裕志君の質疑は終了いたしました。
 次に、沢藤礼次郎君。
#210
○沢藤分科員 消防と警察の定員あるいは装備の充実ということに関して質問をいたしたいと思います。
 自治省設置法によりますと、第三条「自治省の任務」には、最後の方になりますが「消防に関する事務を処理し、もって、水火災等による災害の防除に資することを任務とする。」とあります。このことと民生の安定、生命財産を守るという点では、地域におきましては警察活動と消防による活動というのは常に表裏一体をなしているということが現実にございますし、自治大臣が国家公安委員長を兼ねておられるということもありますから、これらを総合的にとらえながら総合的に判断してまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず最初に警察庁の方ですが、私は東北の人間ですけれども、東北のある新聞によりますと、広域暴力団の勢力が東北においては既に千三百人を超えている、全体の四分の一を占めている、東北の市場開拓が進んでいるというふうな指摘があるわけであります。そしてまた、東北は暴力団にとって「最後の草刈り場」だというふうな表現も使われているようであります。まずこの実態等について簡単にお聞かせ願いたいと思います。
#211
○國松政府委員 東北地方における暴力団の状況ということでございますけれども、最近東北地方におきましては、特に私ども強大な広域暴力団としてマークをしております山口組、稲川会、住吉会、この三つを私ども警察庁指定三団体と言っているわけでございますが、この三団体の勢力が最近急速に増大をいたしておりまして、昭和六十一年末には九・七%であったものが五年後の昨年末におきましては二五・五%に達するなど、その進出には大変著しいものがございます。
 このような三団体の勢力の伸長に伴いまして、これら三団体が関与をしてまいります対立抗争事件も多発をいたしておりまして、昨年も青森県及び宮城県で四件、八回に及ぶ対立抗争事件が発生をいたしました。付近の住民に多大な危険と不安を与えているという状況にあるわけでございます。
#212
○沢藤分科員 なおこのほかに、例えば交通事故に関する数字が大変ふえてきているという実態もあるわけであります。
 そこで、警察、消防両方にまたがると思いますが、交通事故の死者数、これを特に行政改革の方針の変転とにらみ合わせながら、昭和五十六年がいわば臨時行政調査会の行革一次答申の出た年でありまして、この昭和五十六年以降数度にわたって同様の行革に関する基本方針なり、答申なり、意見というものが出ておるわけであります。こういった動きと交通事故の発生件数あるいは刑法犯の犯罪件数、それに対応する警察官の増員の状況ということを関連して眺めてみたわけであります。そうしますと、これはそちらからお答え願うことになるわけですが、昭和五十六年度を一〇〇とした場合に、交通事故死の数、平成二年度では一二八と大変大きな増加を示しておる。実人員も一万を突破したのですね。交通戦争という言葉がまた再び登場してきた。それから刑法犯の方の認知件数を見ますと、やはり昭和五十六年を一〇〇とした場合に、平成二年は一一二、これも増加しているわけです。こうした増加している状況の背景なり趨勢というのは一体どうなのだろうか。それに対応して警察官あるいは消防の定数の増加、強化というのがあってしかるべきだと思うのだけれども、その動きはどうなのかということを、関連づけてお答え願いたいと思います。
#213
○安藤政府委員 ただいま先生御指摘のように、五十六年を一〇〇とした場合、刑法犯の認知件数が一一二あるいは交通事故の発生件数が平成元年一三二と伸びておりますが、警察官の定数の方は五十六年を一〇〇とした場合、平成二年度で一〇四でございます。
#214
○沢藤分科員 数字の解釈というのはいろいろな角度から眺めなければならないと思うのですが、もう一つ、刑法犯の認知件数が昭和五十六年度一〇〇に対して平成元年度が一一四あるいは二年度が一一二というふうに伸びてきているのですが、これはちょっと申し上げにくい数字なのですけれども、検挙した件数を見ますと、これは相関係数は高いと言っていいかどうか、ちょっとその辺は私自信がないのですが、昭和五十六年度を一〇〇とした場合に検挙件数は八〇になっているわけですね。したがって、認知件数はふえている、しかし、検挙件数は減っている、交通事故の死者数なり事故数はふえている、急激にふえている、こういうふうに環境としては悪い方、悪い方へと行っているわけです。これに対する備えと言うのでしょうか防犯体制、あるいは交通安全思想の普及を含めた交通安全体制、警察なりあるいは消防なりの人員的な体制について、御所見があればお聞かせ願いたいと思います。
#215
○関根政府委員 交通情勢については、先生御指摘のとおりこの十年間でますます厳しくなってきております。
 他方、それに対処すべき施策の方でございますが、まず交通安全施設の整備、物的な整備ということで鋭意努力をしているところでございます。さきに国会で通していただきました第五次の五カ年計画を定めるべき交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部改正といった措置もその一環のものでございます。
 それからもう一つは、交通安全教育といいますか、それを一生懸命やることによって対応しているところでございます。さらに、民間の方々、ボランティアの方々のお助けをかりて、交通事故の減少、あるいは増勢に対する歯どめをかけるべく手当てをしているところでございます。
 さきの国会で制定していただきました道路交通法の一部を改正する法律は、ことしの一月一日から施行されておりますが、この改正法によりまして地域交通安全活動推進委員というボランティアの公的な仕組みをつくっていただきました。こういった方々、現在までで三十三都道府県、一万人余りの方々が委嘱されておられますが、こういった方々のお助けをかりて交通事故防止に努力しているところでございます。
#216
○沢藤分科員 警官の定数についてはこの質問でとどめたいと思うのですが、大臣にひとつ御所見をお聞きしたいと思うのです。
 先ほどちょっと触れましたが、五十六年の行革一次答申で「増員を抑制」という文言でもって抑制されてきました。それから五十九年の審議会意見では「増員を当分の間凍結」という厳しい表現で処されてきました。昭和六十一年の行革基本方針では「抑制措置を講ずる。」しかし、テロ対策には配慮するということで、この年はどんと二千八百八十二人の増員になっているわけです。そして平成二年の臨時行革審の最終答申では「適正な定員管理を」というふうな表現に変わってきておる。
 つまり、行革でもって増員は抑制あるいは凍結をというふうな力が働いた後は増員ゼロという年がかなり出てきているのですね。テロ行為のときはふえてきた。私は、これについていけないと言っているんじゃないのです。むしろ、警察法施行令によります「地方警察職員の定員の基準」というのがありますが、その積算基準には当然人口とか面積とか経済事情とかいろいろあると思うのだけれども、やはり交通事情あるいは事故発生の状況、犯罪件数というのが大きく基準になっているべきなんですね。
 それで、私が大臣にお聞きしたいのは、最も大切な国民の生命財産を守る立場にある警官、そしてまた消防も同じなんですが、それが、こういう環境が悪くなってきているにかかわらず抑えられるということについては、自治省として一つの見識、見解を持って増員ということについて真剣に発言し、取り組むべきだと私は思うのですが、大臣の御所見を承りたいと思います。
#217
○吹田国務大臣 まことに御理解あるお話をちょうだいして、感謝にたえません。現在、お説のように警察官、治安維持問題につきましても昼夜兼行で頑張ってくれておるわけでありますが、それにいたしましてもその人員は決して十分ではございません。そういった意味から、今回、三年度におきましても、関西方面での増員をお願いいたしまして、これを御理解いただいたわけでありますが、さらに今後もそういう面につきましては、行革でいろいろと一般的に言われましても、必要である部署はそれなりのことを考えていただくというこの適正配置というのをしっかりと把握をしていかなければならぬと思うわけであります。
 私は、今両面を持っておりまして、一面では国家公安委員長でありますが、一面は自治大臣という両面でございますから、それなりに地方公務員に属する警察官の定数の問題あるいは人件費の問題、そういったものの面についてもこれから警察当局あるいはまた自治省当局との話し合いを十分いたしまして、そうした面の理解を内閣でも得ていかなければいかぬ、こう思っておるわけでありまして、お説のような方向でできるだけ頑張って、地域においての諸問題が小さいうちにきちっと整理をしていかないと、大きくなって燃え盛りの状態になりますとこれはどうにもなりませんので。先ほどからお話がありますように、暴力団の問題にいたしましてもテロ問題にいたしましても本当に我々が考えておる以上のことをやっておるわけでありますから、それに対応するだけのことをしていかなければならぬ。さらにまた、自動車の数にいたしましても免許者にいたしましてもどんどんとふえておるわけでありますから、そういった面についての対応もしっかりやっていかなければならぬというような意味からいたしますと、現状の警察官で十分であるということは少なくとも私の口からは言えない状態になっておるということもお説のとおりであります。
#218
○沢藤分科員 ここで、国家公務員あるいは地方公務員の枠全体の中でこっちをこうした方がいいじゃないかという主張はここでは遠慮します。生命財産を守るということからいえば防衛庁の人員はどうなんだということにもなるわけですけれども、角が立つといけませんからきょうはここでちょっと抑えておきますけれども。少なくとも生命財産、民生の安定というのは国民にとっては最も重要な、最低限これだけは国家としてやらなければならないという重要な分野であります。このことを、ひとつ大臣、腹に据えまして内閣の中でも堂々と主張していただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 警察に関してもう一つお聞きしたいのですが、いろいろな勤務状況を拝見、拝聴していますと、外勤の警察官の勤務というのはかなりきついようであります。交代ができにくいとか年次休暇をとりにくいとか、あるいはまた、特に駐在の方は奥さんと同伴赴任ということが大体は望まれているわけですね、単身赴任じゃなくて。そして、だんなさんといいますか警官がその地域、私どもは平気で部落という言葉を使っていますが、その地域をいろいろ回っている間駐在所を守る、いわば本務をサポートといいますか一部を担っているわけですよ。酔っぱらいの取り扱いはむしろ奥さんの方が上手だなんという冗談話もありましたけれども、そういった重要な役割を果たしている奥さんに対する奥さん手当、現行のままで果たしていいのか、二万何がしかだったと思うのですけれども。それから茶菓。
 それから無視できないのは、地域に入り込めば入り込むほど地域の行事との関係が出てきます。地域の名士ですからね。卒業式、祝賀会あるいは一年に一遍の部落を挙げての花見、全部招待するのです、駐在の人を。そうしますと、ただ手ぶらで行けないものだから一升瓶ぶら下げていく。しかし、それは大抵自腹ですよ。こういう実態もあるものですから、外勤、派出所、駐在所の方々の勤務条件あるいは待遇、こういったものについての改善をぜひお願いしたいということを申し上げて、これについての御所見を賜りたいと思います。
#219
○吹田国務大臣 先刻も申しましたが、大変御理解ある、私どもが常に考えていかなければならぬ政治家の最も大事なところを指摘されておるわけであります。大変感謝にたえません。
 確かに、第一線の警察官が本当に国民の生命財産を守るためにいろいろ幹部の指示を受けておりますが、その心を心としてきちっと頑張っていくということは容易ならざることであろうかと思っております。さらにまた、御家庭の方にも非常な御迷惑をかけておるという一面が、私的な生活、プライベートとそれから公人との境界線が地域によっては、田舎ではもうありません、そういった意味においては、夫婦あるいは家族ぐるみで地域の住民の世話をしていかなきゃならぬという、本当に時には民生委員のようなことまでやっている駐在所の方もいらっしゃるわけであります。
 そういったこと等から考えますと、確かにお説のとおりでありますから、私どもも、こういった方々が後顧の憂いなくお仕事に精励できますようにこれから配慮するように、特にそういう面を担当しております関係警察官に対しまして十分私から、国家公安委員長として指示をしてまいりたい。また、それに対する配慮も自治大臣として努力し、さらにまた、閣議その他の会合において十分政府として理解してこれに向かっていけますような環境づくりに努力することをここでお約束いたします。
#220
○沢藤分科員 次に、消防庁にお伺いするわけですが、消防関係の団員も職員の数もやはり不足ぎみだということはもうはっきりしていると思うのです。
 私は、きょうの質問のために幾つかの消防署を回ってきたんですけれども、防犯なり防火思想普及なりを含めて本来の仕事がこのくらいしたい、ところが、それを一〇〇としますと、実際の定員を、大ざっぱですけれども今どのくらいだろうと質問しますと、返ってくる答えはやはり八〇くらいだなという答えなんです。つまり、あと二〇あればもっとできるんだがなという切実な答えが返ってくる。このことをひとつぜひ指摘をしておきたいと思いますので、先ほどお答えいただいた中に含まれていると思いますが、定員確保、増員ということについての御配慮をお願いしたい。
 そこで、消防団の団員の確保ということでかなり苦しくなってきているんじゃないかという気がするのです、消防職員はともかくとして。ともかくじゃないです、消防職員もそうですが、団員の確保。したがって、団員に対する待遇あるいは活性化事業というふうなものが非常に重要だと思うのですが、この点についての御所見を賜りたいと
思います。
#221
○木村政府委員 御指摘のように、消防職員は微増でございますが、消防団員は微減で、平成二年にはついに百万人を割って九十九万七千人という状態でございます。したがいまして、消防団の活性化、人員の確保ということは今後の非常に大きな課題であろうと考えております。
 そのため、昭和六十三年に消防団活性化総合計画策定要綱を全国に示しまして、計画をつくっていただき、平成二年度からは消防団活性化総合整備事業という事業を起こしまして、補助、起債等の充実による資機材の充実、拠点施設の整備等を行っております。また、報酬、出動手当、それから退職報償金、そういったものの交付税措置の充実、公務災害補償に係る基礎額の引き上げあるいは表彰、栄誉等についても格段の努力をいたしますとともに、今後は婦人消防団員の充実も期していきたい、こういうふうに考えております。
#222
○沢藤分科員 もう時間がかなり経過していますので、私の方から数字を若干指摘した上で要望をしておきたいと思うのですが、いただいた資料を拝見しますと、消防団員数の中で公務による死傷者数というのをいただいたのですが、これは昭和六十四年の一月一日から平成元年十二月三十一日までということで団員の死者が出ていますね、たしか七名だと思うのですけれども。それから、負傷者もかなり出ていますね。あわせて、警察の方も第一線で公務による死者、負傷者という数もおわかりだろうと思うのですが、簡単に数字をひとつお願いします。
#223
○安藤政府委員 平成元年度の警察職員の公務災害の状況ですが、死亡が十九名、それから負傷者が五千八百八十四名でございます。なお、負傷者につきましては、柔剣道の訓練中等のも含まれている数字でございます。
#224
○木村政府委員 消防団員の死者、負傷者でございますが、平成元年は死者七名、負傷者千五十二名となっております。
#225
○沢藤分科員 これはひとつ大臣も今の数字をお聞きになったと思うのですが、いわゆる平和な私たちの社会の中で残念ながら交通事故による死者もふえている。一万人を超えた死者というのは日清戦争のペースよりもあるいはちょっと上かもしれません。文字どおり戦争ですね。それに、その事故防止なり火災の消火、防災に当たる第一線の人たちがやはり負傷をし、あるいは亡くなっておられる。これに対する一つの国としての評価といいますか、あるいはそれに基づくこれからの措置というものについてぜひ手厚くお願いしたいと思うわけです。
 そこで、質問をそろそろ締めくくらなくてはならない時間になったので、消防関係について特にお聞きしたいのですが、消防団の活性化とあわせて当然必要なのは、防災、救急等の装備、施設の近代化、充実、これはもう本当に大事なことだと思いますね。これについてやはり財政的な援助も必要だと思うのですよ。それから消防力の基準というのがありまして、そしてそれに応じて定員なりあるいは装備というふうなものがなされている。あるいは地方自治体に対する交付税交付金の基準財政需要額の算定、その基礎になります単位費用あるいは補正係数というふうなものに対して必要がどんどんふくらんでくれば、当然それに応じた手直しが必要だと思いますね、基準財政需要額の積算にしても。これは警察についても当てはまるし、消防についても当てはまるのです。その財政措置の裏づけ、今申し上げたことについてのお考えと、装備、施設ということになれば、今非常に全国的に希望の多いのは例の救命関係の近代化、プレホスピタルケアの拡充、都道府県ごとの防災行政無線の整備、市町村段階における同じく防災行政無線の整備、それから消防緊急情報システムというふうなものが極めて強い要望が出ているわけですが、これはぜひ充実してほしい、このことについての御所見を賜りたいと思います。
#226
○木村政府委員 まず財政措置でございますが、平成三年度において、現在予算案でございますが、百四十八億二千八百万円の補助金を計上いたしております。これは八年ぶりの実質大幅増、こういうことになっておりまして、私ども、補助金だけで装備の整備が進むわけではございませんけれども、国の補助金の充実にも努めております。
 また、地方債につきましては二百五十億円の枠をいただきまして、これは交付税措置等を含む有利な地方債として運用いたしております。
 それから交付税措置の充実につきましては、一例でございますが、労働時間短縮に伴う措置として、この三年間に約五千人程度の人員増の算定をお願いいたしておりますし、また、消防団員の報酬、出動手当等につきましても、先ほど申しましたように充実いたしてまいっております。
 それから、プレホスピタルケア等に係る施設の充実でございますが、御承知のようにブレホスビタルケアを充実することが来年ぐらいから実現してまいりますので、救急車の車両そのもの、それから内容を充実いたしますために救急高度化推進整備事業という事業を四億五千万予算案に織り込んでおりまして、全国的に救急自動車の高度化を進めてまいりたいと考えております。
 また、無線につきましては、都道府県と市町村間を結ぶ無線につきましては、二県整備中、一県計画中ということで、あとは全部整いました。この残りも進めてまいります。また、市町村と集落あるいは家庭を結ぶ無線につきましてはまだ実は四五・四%程度の整備でございます。これも今後強力に、地方債、国庫補助金等を活用して進めてまいりたいと考えております。また、救急の通信制度につきましては、一一九を受けて出動までの活動を機敏にする情報網、救急車と医師等を結ぶ情報網、それから、寝たきり老人とかそういう災害弱者と一一九と結ぶ情報網、この三つの分野について格段の努力をいたしておるところでございます。
    〔加藤(万)主査代理退席、武部(勤)主査代理着席〕
#227
○沢藤分科員 あと一分くらいということになりましたので、最後に要望を二つ、三つ申し上げて終わりたいと思うのです。
 基準財政需要額の話を申し上げましたが、基準財政需要額の算定基礎と実際の消防費とを積算して比較してみた場合、これは一般財源に入るのですからそれは枠をつけるわけにいかないけれども、八〇%台じゃないでしょうか、九〇%までいってない。つまり基準財政需要額で想定した額の九〇以下の実際の消防費という実態が全国的な数字じゃないかと思うのですね。これらも含めてやはり基準の見直しその他をさっき申し上げましたが、財政の基盤を強化するという方向で全体として御努力をお願いしたいと思います。
 そして消防庁全予算、補助金を合わせまして三百億くらいになりますかね。そうすると、単純に比較して大変恐縮なんですけれども、防衛庁の予算が二兆二千二、三百億円、百分の一くらいかなということになりますと、素朴な住民はもうちょっとこれは何とかならないかという声が出てくるのです。単純に比較するのは間違いだとは思いますけれども心情としてそうなるのですよ。これはやはり大臣、ひとつ頑張って予算確保に努力をしていただきたいと思います。
 最後に、我田引水みたいな質問になりますが、実は私の住んでいる市が今度合併して、十万にならないのです。ただ、さっきの消防緊急情報システムはI型、II型とありまして、II型が欲しい、しかしこれは基準に照らし合わせると十万人くらいな基準になっているということで、そこはしゃくし定規にならないで、いろいろな広さ、困難度等も勘案して弾力的に、私の町とだけ言いません、弾力的に、しかも充実の方向で対処していただきたいということをお願いして、終わります。
#228
○武部(勤)主査代理 これにて沢藤礼次郎君の質疑は終了いたしました。
 次に、上野建一君。
#229
○上野分科員 私の方からは、千葉市が今、来年の政令都市を目指していろいろと活動を進めておりますので、その点についてお伺いをしたいと思います。
 この政令指定都市というもの、私どもは地方自治権が拡大されるということは大歓迎でありますし、大勢もその方向に進みつつあるというふうに思います。ただ、日本の地方自治体は、自治省の力が強過ぎるのかどうかわかりませんけれども、政令都市とかいう特殊なことでもやらなければなかなか自治権が拡大されないような印象を受けていることでありますので、その点でなお内容を確かめて、本当の意味で住民サービスの拡大あるいは財政力の強化になるのかどうか、その点を中心にお伺いをしていきたいと思います。
 まず、率直にお聞きいたしますが、千葉市を頭に置いた上で、今日の政令指定都市制度の中でメリットと言われるプラス面は一体何だろうか、素朴な質問でありますけれども、この点を率直に聞かせていただきたいと思います。
#230
○浅野政府委員 メリットはというお尋ねでございますけれども、政令指定都市になりますと、大都市行政の合理的、能率的な執行と市民福祉の向上を図るという見地から、地方自治法等において他の一般市とは異なる特例を定めておりまして、例えば児童福祉あるいは都市計画に関する事務、これは県と市の間にいろいろ配分されているわけですが、県に配分されておる児童福祉あるいは都市計画に関する事務を処理するようなそういう事務配分上の特例があります。つまり、指定都市になりますと、よそでは県がやっているような仕事を市の仕事としてかなりやるということでございます。それから二つ目には、市が処理する事務について県知事の監督にかえて直接主務大臣が行う、こういうような特例もございます。それから、これは市内部の住民との関係になるわけでございますけれども、指定都市になりますと行政区というのを設ける、こういう行政組織上の特例があります。そういうような特例全体の中で、住民福祉のために、よりその大都市自身の力としていろいろな仕事をやっていくことができるようになるということであろうかと思っております。
#231
○上野分科員 そうしますと、合理的、能率的という点、それから今まで県を通じて来た点が市で直接やれること、あるいは区制をしくことによって住民に対するサービスが直接やれる、こういうことのようです。
 そこで問題は、千葉市が政令都市になるために幾つかの問題点がまだまだあるわけですけれども、政令都市というのは人口は五十万以上であればよろしい、よろしいというのか五十万以上でなければならぬというのかあれですけれども、そういうことに法律上はなっているようです。しかし、実際問題としては百万都市が一つの基準になっているようですね。何年後には百万ぐらいになるという見通しがあるというように聞いているのですけれども、その五十万と百万との関係というのは一体どういうことなんですか。
#232
○浅野政府委員 地方自治法の規定上は人口についての数値は五十万、こういうふうに書いてございます。もともと指定都市制度ができたとき以来の物の考え方でございますけれども、ちょうどそのときに、いわゆる五大市というようなところが指定都市になったわけでございますが、既存の指定都市となっているような大都市と匹敵するような都市を政令指定都市として指定するのだという考え方で来ております。
#233
○上野分科員 そうすると、人口については、例えば先般指定都市になった仙台は八十五万何千かですね。広島も大体そういうことだと思いますが、これらの仙台にしろ、広島にしろ、最近政令指定都市になった市は百万の見通しがある程度つく、こういう既になっているほかのところは大体百万のところが多いわけです。百万以上ですからそうだろうと思うのですけれども、実は千葉市の場合には国勢調査によれば八十二万九千、そこで政令指定都市になるには少し人口が足りないじゃないか、こう心配をしております。その点との関係で、問題は、千葉市が政令指定都市を目指したときに、人口の面ではやがて二十一世紀には百万にはなるという見通しを立てておったわけです。これは書いたものもあります。ところが、現在の八十二万九千から、伸びがぐっと減ってきているのです。これは地価の高騰もありますし、市営住宅の数も足りませんし、それに市内から市外に出ていく場合が非常に多くなっています。したがって、伸びが大変後退をしていまして、五十年の国調では十七万七千人の増加があったが、五十五年には八万七千人に減っている。それから六十年には四万三千人、平成二年には四万人、この伸び率がずっと減ってきています。
 そこでお伺いするのですけれども、人口について考えると、二十一世紀になっても百万というのはとても無理のように思われます。それでも、人口の面は五十万以上ということですから、余り心配しなくてもよさそうにも思えるのですが、その点はどうでしょうか。
#234
○浅野政府委員 人口要素ということをどう考えるかということでございますけれども、これは法律で明定してあるものにつきましてはとにかくそれに合致しなければいけないということは、これはもう絶対的なものでございます。あとは指定都市を指定する場合の考え方としましては、先ほども申し上げましたけれども、いわば平たい言葉でいいますと、既存の指定都市となっているようなところに匹敵するところかどうか、そういう大都市としての実体を持っているかどうかというようなことで判断をするわけでございます。
 その判断をする場合には、やはりいろいろな要素を見て総合的な判断をするわけでございまして、そういう判断をするときの一つの要素として人口がどうかということもそれは確かにあると私は思っております。しかし人口だけが絶対の要素として決まるものでもない。五十万以上というのはもう絶対的なものでございますけれども、そういうことでございます。
#235
○上野分科員 そうすると、今の人口でほかの要素が合格点であれば、人口の面は心配要らない、こう受けとめていいですか。
#236
○浅野政府委員 そこのところは、先ほども申しましたけれども、全体を総合的に見て、他の大都市、政令指定都市と実体において同じだ、ほぼ同じだというように考えられるかどうかという判断をするわけでございますので、人口はどうでもよろしい、ほかのこういうものが満たされたらばよろしいという形で申し上げることもなかなか難しいところがございますが、人口の面、そのほかのいろいろな都市としての機能がどうであるかというような面、そういうものを全体として見て判断をするということなのでございます。
#237
○上野分科員 もうちょっとわかりやすく言ってもらいたいのですけれども、私は今千葉市を数字まで申し上げて言っているわけですから、人口だけじゃないということはわかっていますが、だからほかの条件がまあまあ既存の政令指定都市に近い状態であれば問題ない、人口は今の八十二万九千人でよろしい、こう考えていいかということなんですよ。
#238
○浅野政府委員 御質問の趣旨は私も十分理解しているつもりなんでございますけれども、ただ私どもとしてお答え申し上げますのは、やはり人口という要素もありますでしょう、ほかの要素もありますでしょう、そういうものを全体として見させていただきたいということでございます。
#239
○上野分科員 それはしかし、一つ一つやはり検討されるわけでしょう。人口はどうなんだ、ほかの財政的にはどうなんだ、サービス面における都市施設は一体どうなんだ、こういうことを全部やるわけだから、その一つの要素として人口が重要だと、わざわざこの法律に数まで教えてあるわけですからね。これは決して簡単なものじゃないと思うのです。やはり重要な要素だと思う。その重要な要素が今八十二万まで来ているけれどもどうなんだ、大体よろしいのかあるいは決定的に足りないのか、もっと、百万の見通しが立たなければだめなのか、そういうことを聞いているのですよ。
#240
○浅野政府委員 そういう意味で、今の八十二万七千という数字であるから、もうそれだけでだめだということにはならないと私は思います。要するに、全体として判断をさせていただきたいと思います。
#241
○上野分科員 どうもわけがわからない。ちょっと何を言っているのか、その言わんとすることはわかるような気もするのですけれども、その重要な要素である一つが合格なのかどうなのか。総合的ということは、一つ一つが全部合格しているかどうか、最終的には、だめなのもあるが、それを総合的に見てしようがなかろうということになる場合もあるわけですから、人口についてはこれだけ数字を申し上げているので、その点はもうちょっと、決定的に足りないのか、まあまあ総合の中に入って合格になるのか。人口だけで言っているわけではないですよ。人口の場合は一体どうなんだと言っているのですよ。これは次に財政力、財政の問題を聞きますから。そういうふうに一つ一つ検討する必要があるわけでしょう。やっているわけでしょう、皆さんは。その点はどうですか。
#242
○浅野政府委員 今のその八十二万七千という人口、それでは決定的に足りないということではないと私は思います。ただ、こういうことでございまして、人口が例えばもう百万を超えている、それからほかの要素もいろいろあるというようなところと、人口が例えば八十万すれすれくらいのところだ、あるいは若干下回っている、それからほかの要素がどうだということをいろいろ全体をかみ合わせて判断いたしませんと、人口だけで物を言うわけにもなかなかいかないところがあるというところを御理解いただきたいと思うわけでございます。
#243
○上野分科員 もう時間が余りありませんから、それでは、その人口については今度改めてあれするとして、決して決定的不足ではない、そういうことをもとにして総合的に判断されるということですが、そこで問題は財政の問題なんですね。
 市はことしの元日の広報において、政令都市になるメリットとして「国の財政制度の中で、大都市行政の特殊性が考慮され、それに見合うだけの財源が確保されます」したがって、公園、道路、下水道など生活関連のいろいろなことが整備、促進をされます、こう明言をされています。一般の人は、ああ、政令都市になるのはいいことだなと考える。大体すべておくれていますからね。特に、今の千葉市はそういう意味ではおくれている点が多いものですから、だれも、政令都市になるのは、ああ、それはいいものだな、したがって、来年四月が待ち遠しいというのが一般の市民の感覚ですよ。しかし、具体的に調べてみますと、必ずしも政令指定都市になったら大都市行政を行うための財政的な裏づけが得られるかというと、どうもそうなっておらないですね。現にこの千葉市の場合を見ますと、大体もともと五十九年以来超過団体で交付金はもらってない。しかも交付基準額において、基準財政需要額を基準財政収入額から引くと百五十六億という差があります。そうすると、いろいろこれから金のかかる仕事を引き受けますけれども、その引き受けた金の額、私は素人ですから計算は簡単ではありませんが、仮にそのお金を概略百億といたしましても、百五十六億との間にはまだ五十六億のすき間ができるのですね。そうすると、交付金は依然としてもらえない、こういうことになります。そうすると、時間がありませんから簡単に申し上げると、事務処理その他の仕事は県が減って市がふえる。その分ふえる。お金の面は、財政の面は、県が減って、金がかかるのだけれども市はふえない、結果的にはこうなると思うのです。今百五十六億のお金は市のゆとりある、ゆとりとまで言えないかもしれませんけれども、市独自で使える金なんですね。ところが、この中にいろいろな仕事が入ってきますから、今まで県がやっておった仕事が入ってきますから、今度そうするとこの百五十六億が余り使えなくなる、もう決まった仕事はやらざるを得ない、今まで県でやっている仕事をやらざるを得ない、国からは金は来ない、こういうことになるのですね。そうすると、あなたがさっきおっしゃった合理的、能率的、児童施設その他、あるいは都市計画、あるいは区役所までつくっていろいろな仕事をやる、その点において、実際問題としては政令指定都市になることによって、逆に千葉市の場合は――仙台は八十数億の交付金をもらっていますね。そういうことになると、千葉市の場合は、これはプラス面がえらい少なくなってしまう。直接仕事をやれるという点で、市長とか市の幹部職員は、県並みになれるというので胸を張るかもしれませんが、住民の立場に立っていろいろやってみるとプラスは余りないじゃないか、こう思いますが、その点どうでしょう。
#244
○小林(実)政府委員 政令指定都市になった場合どうなるかということのお尋ねでございます。
 先ほどちょっとお話がございましたが、政令指定都市に移行いたしますと、特に財源の問題でいいますと、区域内の国道及び県道の管理が政令指定都市に移譲されるわけでございます。それに伴いましてこの道路関係の財源、例えば軽油引取税の交付金あるいは石油ガス譲与税は新しく千葉市に行くことになります。それから、自動車取得税交付金、地方道路譲与税、交通安全対策特別交付金も割り増しになる、こういうことになるわけでございます。
 それから、交付税につきましてのお尋ねでございます。
 千葉市の場合、平成二年度におきましては基準財政需要額が八百三十八億、基準財政収入額が九百九十四億で、交付基準額では、不交付といいますか、財源超過で百五十六億、こういうことでございまして、その金額は平成元年度の場合は九十一億でございましたし、六十三年度の場合は百五億でございました。類似の仙台市の場合でいいますと、六十三年におきまして、合併後でございますが、一本算定ということで計算いたしまして、基準財政需要額は八百八十億、基準財政収入額が八百九十八億で、十八億の財源超過でございましたが、元年四月一日に政令指定都市になりまして、それが基準財政需要額で三百十六億ふえまして、収入額の方は百五十五億ということで、財源超過分を打ち消しまして、交付基準額が百四十三億出てまいりました。ここに調整額というもので若干割り落としになりまして、普通交付税では百四十億行った、こういうことになっておるわけでございます。千葉市につきましてはまだこういう計算をいたしておりませんから、どうなるかはわかりませんが、仙台市の例でいいますと今申し上げたようなことでございます。
 仙台市で八十億というお話がございましたが、これは六十三年度の場合に合併をいたしまして、政令指定都市にはなっておりませんが、合併直後におきましては合併算定がえというのがございまして、合併されました区域につきましての計算で五十六億交付税が行っていましたもので、その差し引きの数字であろうかと思います。
#245
○上野分科員 だから、仙台の場合は交付金がもらえるような体制をつくってから政令都市を受けているのですね。そういう順序を踏んでいるのです、周辺の市町村を合併したり。今言ったように、あなたもおっしゃったように、確かに百四十億の交付金をもらっている。したがって、前から見るとプラス八十四億ですね、交付金がふえた分が。そして、それに譲与税が十二億ありますから、九十六億の新たな収入があったわけです。これなら政令都市になって大変結構なんですが、どうも千葉市の場合をやってみますと、あなた計算していないからと言うけれども、ちょっと計算していないと言ったって、これはそんなに難しいことではないでしょう、大体限られているのですから。約なら出るのじゃないですか。もう自治省がここまで来て、今まで既にいろいろな働きかけがあったはずですから、しかも、自治省から市にも政令指定都市にするために役人の方が行っているのですよ、助役にも行っているのですよ。それであなた、計算がまだできませんなんて言うのもちょっと無責任じゃないですか。その点、千葉市の場合を考えられて、大体どうですか。百五十六億というこの数字は交付金をもらうにはちょっと大きいでしょう。そこら辺はどうでしょう。
#246
○小林(実)政府委員 政令指定都市になるかならないかは私どもの行政局の方で十分検討していただく、こういうことでございまして、私どもが政令指定都市になったこととして交付税を試算するというのはいかがなものかと思います。これはもちろん市当局におきまして、試算できるのかどうかわかりませんが、考えていただくというようなことではなかろうかと思います。
 この平成二年度の交付税の計算につきましての数値のお話がございましたが、税収等が大きく変わりますので、この段階におきましてどうなるかということは申し上げられる段階ではございません。御了解いただきたいと思います。
#247
○上野分科員 ただ、私がなぜそう言うかというと、あなた方は、市で考えろ、いつ政令指定都市になったらいいかということは市が考えることだ、こう言っておりますけれども、日ごろの自治行政の指導のやり方から見るといやに謙虚じゃないですか、この点になると。私は、やはりそこに幾つかの問題点があると思うのです。やはり自治省はいろいろ計算をして、それでまだあなたのところはちょっと早いよとか、もうちょっと努力して市のいろいろな設備をつくりなさいとか、いい意味で何かそういう積極的な指導があるのが地方自治を前進させることになるだろうと思うのです。いろいろな欠陥があるのにここで無理してやった場合、財政の面では、さっき言ったように仕事はふえるけれども金は足りない、こういうことになりかねないわけで、そうしますと住民サービスというのがおくれますし、それから、せっかくの児童福祉その他についても後退をしていく、今でさえおくれているのに例えば下水道などでも進まない、こういうことになりかねないわけです。したがって、今この平成二年度だけじゃ判断できないと言いますが、大体ずっと伸びてきていますからそんなに心配ないと思うけれども、この百五十六億あるいは百億、そのお金を使って市の都市機能を充実させる、あるいは児童福祉を含めて前進させるということがやれるわけですよ。それをやって、そして政令指定都市にふさわしい段階になったら、これはいいなという指導を自治省としてやるべきじやないですか。その基礎になる財政的な問題も、市では国から来ますよと言っているのだから、そうすると、一番ぐあいが悪いのは、市民がだまされているということになってしまうことですよ、極端に言うと。そうなりかねないですよ。そういうことについてどうですか。
 ついでに申し上げますと、いろいろな施設について、例えば総合運動場がないですよ。仙台は泉とか広瀬とかという総合運動場が二つもあります。それから、児童文化福祉施設と言った方がいいのか、仙台は十五カ所もあるのですよ。いずれもこれは千葉にはないのですよ、こういうものがない。こういうものを早く充実させることが政令指定都市にふさわしい都市機能じゃないですか。まだいろいろありますよ、下水道だっておくれている。まあ、挙げたら切りがないくらいいっぱいあります。そういう実態の中で財政までだめだとなると、これは一体どうなるのか。これは行政局長さんも含めてちょっと答弁いただきたいと思います。
#248
○浅野政府委員 政令指定都市を指定する場合のやり方でございますが、基本的な考え方は先ほど来申し上げたとおりでございます。それから、具体の指定に当たりましては、その政令指定都市になろうとする市の意向、それからその都市を含んでおります都道府県の意向にも配慮して処理するということでやっておるわけでございます。
 現在、私どもの方には市の方から、あるいは県もそうでございますけれども、いろいろ検討のための関係の資料の提供を受けておりまして、そういうものに基づいて私どもとしていろいろと検討させていただいておる段階でございます。そういう途中の段階にございますものですから、いろいろ御指摘ありましたけれども、ちょっと私も個別にその運動場がどうこうというところについてはなかなか答弁いたすだけのものは持っておりません。要するに、全体として関係資料の提供を受けて今いろいろと検討させていただいておるというところでございます。
#249
○上野分科員 それから財政局長お願いします。
#250
○武部(勤)主査代理 後段について小林財政局長答弁してください。
#251
○小林(実)政府委員 財政問題は政令指定都市になりまして後からついてくる話でございまして、これがどうこうというよりも、政令指定都市になるかどうかというのは市自身がまずお決めいただく、県とよく話をしていただく、これが大事でございまして、私どもがその面からとやかく言う筋合いのものでもないというふうに考えております。
#252
○上野分科員 そうするとまだ何もはっきりしたことが出ていない、こういうことであります。
 そこで大臣にお聞きしたいのは、また御発言いただきたいのは、まず一つは、市の行政を含めて市民というのは政令指定都市という一つの夢みたいなものを持っているのですね。政令指定都市になりたいという希望はあるのです。ありますから、これに反対する者はいないのですよ。今まで県を通じてやってきた権能とか何かが直接与えられるわけですし、地方自治の拡大であります、自治権の拡大になる。しかし問題は、一番重要なことは、住民にどれだけサービスが拡大され、都市機能が充実して本当に住みよい都市になるかどうかにかかっているわけですね。しかし、そういう希望があるのに加えて、現実には行政上のいろいろな規制があるわけです。財政上もありますしそれからいろいろな行政指導の問題、いろいろあります。やはりそれが伴わなければ、せっかく政令指定都市に早くなっても、千葉市は来年と言っているのです、来年の四月何とかしてくれと言っているのですが、それに早くなったためにかえってマイナスの面が出てくるという可能性も千葉市の場合あるのです。そこでひとつ自治大臣にお願いしたいのは、後で何とかいろいろ言われないように十二分な検討をいただいて、そして適切な指導をいただきたい。これは早いにこしたことはないわけですから、政令指定都市に早くなりたいということはいいのですけれども、今申し上げたようなわけで早くなるばかりがいいことじゃないよ、そういうことを含めてひとつ厳密に御検討いただいて御判断をいただきたい、こう思いますが、その点大臣としてやっていただけるかどうか。
#253
○吹田国務大臣 政令指定都市の問題は先ほどから政府委員がしばしばお答えしておりますようなことでございましょう。私も地方自治の関係に長らくおりましたから実情はよくわかるわけでありますが、いずれにしましても、やはり千葉市の場合は千葉県の当局と千葉市がよく御協議されるということが第一課題ではないかな、こう思っております。
 それから、私もよく申し上げておりますが、地方行政というのは常にその地域の発展と住民の福祉ということが根幹、基本でありますから、これに逆らったような形になるのでは規模がいかに大になりましても意味がありません。そういった意味で、政令指定都市になることが即住民の福祉を増進し地域を発展させることになるのか、イコールであるかどうかというのは、その辺が知事と市長との、あるいは市当局と県との協議の対象になる大きな問題ではないかと思っております。よしんばそれが双方の意見が一致して政令都市だということになってくれば、それはそれなりに、自治省でやるべき住民の福祉と地域の発展問題についてはその時点ではまた十分考えていかなければならぬ、協力していかなければならぬ、こう思っております。要はそれぞれの自治体の地域発展と住民の福祉というものがそこにすべてが含まれておるかどうかということを、いずれをとるかということになると思うのですね。そういう意味で住民の判断というものが最も大切なことではなかろうか、こう思っております。御協力したいと思います。
#254
○上野分科員 どうもありがとうございました。
#255
○武部(勤)主査代理 これにて上野建一君の質疑は終了いたしました。
 次に、田辺広雄君。
 この際、政府当局におかれましては、時間が限られておりますので、答弁は簡明にお願いをいたしたいと思います。
#256
○田辺(広)分科員 大変お疲れのところを御質問させていただきます。自治大臣には朝から大変お疲れのところでございますが、御質問を申し上げまして、またお力添えをいただきたいと思います。
 平成三年度の地方自治に対する取り組み方は、かつてのふるさと創生以来補助金の復活、交付税の増額等、政府の積極的な姿勢、努力は私どもひとしくだれもが認めるところであります。しかし一方、環境問題、高齢者の対策、住宅対策、また駐車場等、いろいろ大店舗法の改正等をにらみまして商店街の振興など、多くの新しい取り組みが求められてきております。
 幸いにして経済の落ち込みもなく、イザナギ景気のような景気に支えられていることも認めざるを得ません。しかし、平成三年の景気については必ずしも私は安閑としておることはできないのではないかと思われます。
 地方団体の一般会計はよどみなく成長が遂げられております。しかし、自治体の持つその一面において、公営企業会計、特別会計等は構造的な赤字と累積赤字に悩まされています。すなわち、地下高速鉄道の会計、また国民健康保険会計等多くの会計が赤字であると思います。経営努力をする、こういうふうに考えましても、私は経営努力だけでは果たし得ない問題が潜在をしておると思います。この際、自治大臣には大変お世話になりますが、一言このことについて基本的な姿勢をお聞かせいただきたいと思います。
#257
○吹田国務大臣 ただいまの先生のお話でありますが、地方公共団体における財政の問題につきましては、我々としましても非常に大事に考えておることでありますし、その過不足につきましては十分な措置をしていく、こういうことで今日までやってきたわけでございます。
 特に、公営企業の問題等のことになってまいりますと、これはその公営企業の性質、それから種目にもよると思うのですね。そういった意味で、公営企業の場合は一口には言えませんけれども、十分な措置を政府としてするかどうかという問題についてはなかなか難しい点はありますけれども、十分これに対して配慮する気持ちだけはこれからも続けていかなければならぬ、こう思っております。
#258
○田辺(広)分科員 今、配慮というお言葉でございますが、御理解をもちろんいただいておると思います。
 例えば、地下鉄の建設費は、一キロ三百億だとか三百四十億、このような大きな金額を生んでおります。それから、今申し上げました国民保険会計、私一番よく知っておりますのはやはり名古屋ですが、名古屋の国保会計はどうかといいますと、帳じりは合っております。しかし、その中に一般会計から平成三年度で約二百十八億の繰り入れをいたしておる。こういうような状況などを考えますときには、ぜひ一つ一つの問題について御検討いただきながらお願いしたい。ということは、一般会計は交付税で何らかの手当てができますが、公営企業会計、特別会計はなかなかそうはまいらないと思いますので、そのことを強くお願いを申し上げておきます。
#259
○吹田国務大臣 再度御答弁申し上げますが、こうした公営企業の運営というのは、全国的にいろいろと問題があるわけですね。建設の際にはそれなりの企業債を出して協力をできるわけであります。運営については必ずしもそうでもありませんが、またそれはそれとして一般会計でそこを賄っておるという面があるとすれば、それはそれなりの財政的な援助をこれにまた加える、これを加味していくということはできると思っております。いずれにしましても、今後の財政的な問題につきましては、事業の実態等を踏まえまして適切にひとつ当局に対処するように、私からも指示をしていきたいものだと思っております。
#260
○田辺(広)分科員 ありがとうございます。
 そこで、今特に私が申し上げました地下鉄の問題について少し触れてみたいと思います。
 私どもの地下鉄というのは、特に最近は駐車場の問題、交通の渋滞、いろいろな面で考えてまいりますと、大都市にはなくてはならない市民の一つの大動脈的なものだと思います。そこで、今パーク・アンド・ライド方式だとかいうようなことで、一方においては郊外において駐車場をつくって、あとは地下鉄で運ぶというようなことも実は考えられております。ただ、その経営状態ですが、今申し上げましたように、現在、名古屋市の場合千三百億ぐらいの累積赤字を抱えております。表面は一般会計では恐らく黒字に近くて、昨年度、後から大臣、お話がありました公営企業の利子のまた利子を交付税でいただくということでいただきましたが、それまでは交付税の不交付の団体であったわけなんです。しかし、裏側にはそれだけの大きな負債を抱えておるということでございます。そのこともひとつよく御理解をいただきたいと思います。
 そこで、この経営改善をどうしたらやれるのか。今まで、昨年度も地元の資本金というのですかを一〇を二〇にしていただいたり、いろいろ御面倒を見ていただきましたが、それ以上のことについて、担当の方で結構ですから何か具体的な方法はないだろうか、お教えをいただきたい。
#261
○二橋政府委員 お話がございましたように、公営地下鉄の経営は建設費が非常に多額にかかるものですから厳しい状況にございまして、累積の欠損金で申しますと、全体で六千五百億を超える累積欠損金を抱えているような状況にございます。
 こういう状況にございますので、ただいまも御指摘がございましたように、一般会計から出資をします割合を従来一〇%でありましたものを二〇%に引き上げる、それから、国の財政事情によりまして補助金の支払いが繰り延べられておりましたけれども、これを平成元年度において全額千五百七十一億円を交付するというふうな措置もとられたところでございます。
 さらに、平成三年度から御承知の公共投資基本計画がスタートするわけでございますが、その中で地下鉄につきましては、特に生活関連型の投資ということもございまして、地下鉄の整備が従来とやや性格を変えまして、公共事業というふうな位置づけをされることになりました。こういうことにも関連しまして、補助金も相当大幅な伸びになっておりますし、その交付のやり方につきましても、新しいものにつきましては、従来の十年から五年に短縮をするというふうな制度の改善もとられておるところでございまして、今後ともこの公営地下鉄の経営が円滑にいきますように、各般の助成制度について私どもも充実に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#262
○田辺(広)分科員 ありがとうございます。
 そこで、また借金ができて困っておると言いながらも建設を実はお願いをしなければいけませんので、運輸省の方来てみえますか。――実は昭和四十七年、都交審がありまして、そして私の地元であります名古屋の場合は百三十キロの予定路線を出されました。それは昭和六十年までに全部完成をする、まあ目標です。ところが、現在それはどうなっているかといいますと、供用開始をされましたのが六十六・五キロ、百三十キロの中の約半分です。それから今工事中が十キロ、そして残の工事が五十三・五キロ、こういうことなんです。それで、一年間にどれくらい工事をされるかといいますと、三十八年当時は年間四キロから五キロ建設計画を持っておりました。もう今一・五キロからうまくいって年間二キロ、こういうことなんです。そうなりますと、この五十三・五キロをこれから建設するためには二十五年以上かかるわけであります。六十年完成予定の計画が二十五年かかりますと、平成二十八年ぐらいまでかかるのです。その点につきましてどうお考えですか、申しわけないのですが。
#263
○岩村説明員 お答え申し上げます。
 ただいま先生から御指摘ありましたように、大都市におきます地下鉄網の整備につきましては、運輸政策審議会なりの審議会で整備の計画を示唆いただきまして、それに従いまして整備をしておるところでございます。
 現実の建設のペースとなってまいりますと、国の財政事情というようなものもあります。また、先ほど自治省の方からもお答えがございましたように、建設費が非常に高騰しておる、以前一キロメートル当たり数十億でできた地下鉄が二百億、三百億というように事業費が非常に高騰しているということもございます。それに今申し上げた国の財政事情等々絡み合いまして、御指摘のとおり最近建設のペースが非常にダウンしていることは間違いございません。これも自治省の方からお答えございましたが、平成三年度から地下鉄の建設につきまして公共投資の基本計画の中に盛り込むことにいたしまして、また、国の補助金の性格も公共事業費という性格づけをいたしまして、我々としては地下鉄建設のピッチを幾らかでも速めたいというふうに思っておるところでございます。
 ただ、国の財政事情がそう緩くなっているわけでもございません。そういう制約がある中で運輸省としては最大限の努力をしておるところでございますし、今後ともいろいろと工夫をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#264
○田辺(広)分科員 私は、そこで思いますのは、昭和四十七年当時の町づくりとその人口の配分だとかいろいろなものを考えますと、やはり四十七年からきょうまで都交審をやっておって変更はないというのがおかしいのであって、やはり時代に即した持っていき方をしないと、四十七年に決めた路線の順位に大体沿っていくと、後でせっかく投資をしてもその投資効果が薄いのじゃないか。ことしですか、都交審が行われるようでございますが、その点ひとつ十分配慮いただいて、特に名古屋は御承知のように庄内川に囲まれておりますから、そこに橋を一本かける、そしてそこに取りつけ道路をつくるということが大変難しいわけです。ですから、やはり公共交通を入れるということが私は非常に大切じゃないかと思っております。
 これは要望にかえておきますが、同時にいつもお世話になっております名古屋空港でございます。県も名古屋市も、とにかくあそこへ早く地下鉄をということで八号線を計画しておりますが、なかなかそこまでは手が届くところまでいきません。しかも、年間五十万の方々が空港を御利用いただいておりますので、そういう意味でも一日も早い地下鉄の建設を私はお願いをするわけでございます。
 そのことで一つお伺いをいたしたいと思いますが、私がなぜ名古屋空港の話を出したかというと、もう既にお感じいただいておりますように、私どもの北の方におきます名古屋空港というのは今五十万人の乗降客がございます。しかし、今まで私どもが考えて、また地元でもいろいろ御厄介になってまいりました中部新国際空港問題が実はあるわけです。私どもは今度の第六次の空港整備計画のことについて大変神経を使い、そしてお願いを重ねておりまして、私だけでなしに先輩各位からずっと歴史を持って行っておるわけでございますが、そうした第六次の空港整備計画の基本的な考え方、これからのスケジュール等お聞かせをいただければと思います。
#265
○小坂説明員 お答えいたします。
 平成三年度を初年度といたします第六次空港整備五カ年計画の策定につきましては、この三月一日に対前計画比六六%増の三兆千九百億円の投資規模の閣議了解を得たところでございます。この投資規模を前提といたしまして昨年八月の航空審議会の中間取りまとめに沿いまして具体的内容についての検討を今後進めることになりますが、本年秋ごろには航空審議会の答申を得まして、五カ年計画の閣議決定を行う予定であります。計画の策定に当たりましては、中長期的な航空需要の増大に対応しつつ国内、国際ネットワークの充実、多様化が図られるよう新東京国際空港の完全空港化、東京国際空港の沖合展開及び関西国際空港の開港の三大空港プロジェクトの完成を最優先課題として推進するとともに、一般の空港の整備等所要の空港整備を推進したいというふうに考えております。
#266
○田辺(広)分科員 今お話を聞きまして第六次の空港整備計画の基本的な姿勢、新東京国際空港、関西空港それから東京国際空港の沖合展開というようなこういう大きなプロジェクトがあります。中部新国際空港というのはそこに顔を出しておるのか出してないのか知りませんが、昨年の夏にいろいろ御心配をいただいてこの中に入るというようなことを聞いております。
 私は、これから一つ一つの空港が自分の地域、関東、関西、それぞれの地域を主体にして物事を考えた空港のとらえ方では、今日本がすごい航空需要を求められておるときに果たしてそれが間に合っていくだろうかということを私なりに考えております。ですから、現在建設をしております関西空港それから成田の新東京国際空港、これだけで果たして二十一世紀へ間に合っていくだろうかどうかということが大変心配なんです。現在の航空需要についてどうとらえてみえますか。またこれで二十一世紀までいけるんだというお考えなのか、それを少しお聞かせください。
#267
○小坂説明員 現状におきましては国内、国際ネットワークが集中する二大都市圏の基幹空港の容量が既に限界に達しているということは事実でございまして、このため三大プロジェクトの完成を最優先課題として推進しているところでございます。三大プロジェクトが完成いたしますと、問題となります二大都市圏において相当の空港容量が確保されます。そのため当面対応できるというふうに考えておりますが、ただ、航空審議会の中間取りまとめでも答申がございましたけれども、二十一世紀初頭を考えるとやはり厳しい状況になります。二十一世紀を展望しまして、関西国際空港の次のステップである二期工事の調査、あるいは首都圏の空港能力の充実に関する調査、あるいは名古屋圏の国際空港の新設のための調査、そういうものの必要性が言われているところでございます。
#268
○田辺(広)分科員 今私もこれ数字を持っておりますが、果たしてこの数字が過密なのかどうかというと実はわかりにくいわけですが、例えば今お話がありましたように、新東京国際空港は一日五万三千人ですか、年間にして百九十五万のお客さんですか。それから大阪の空港が年間で二百十八万。東京の羽田が三百六十五万人。これが過密かどうかはわかりません。過密だろうと思うのですが。そういうことを考えますときに、私は今もう一つ心配をしておりますのは、先回、新聞などでちょっと見たのですけれども、現在平成五年三月の開港ということで関西空港が計画をされておる。ところが、何か地盤沈下だとか何かがあって、また計画が一年おくれるというようなことも実は聞いておるわけなんですね。そういうことになってまいりますと、これは関西空港だけ一つ待っておる、また新東京国際空港の増設、それから沖合展開等だけでということには私はなかなか難しいと思うので、しかも、先回昨年のこうした分科会で質問された方がありまして、関西空港の滑走路は一本ではないか、横風が吹いたり波が来たらどうなるのだということを言った方を議事録で見たのですけれども、とにかく最初できるのは一本しか滑走路はできません。そうすると、やはり今私が申し上げましたように、東京、それから関西、それから今お話のあった我々の二十一世紀の需要にこたえるために中部新国際空港という三つのものが相補完して初めて、空港の共同というのも変ですけれども、そういう可能性というものはどうお考えですか、少し聞かせていただけませんか。
#269
○小坂説明員 先ほどの、現在込んでおります空港の数字を言われましたが、手元の資料によりますと、元年の数字で成田が国際、国内合わせ千九百万を超えているようです。年間でございます。それから大阪国際空港は二千百万を超え、羽田につきましては三千六百万を超えている。すべて国際、国内を合わせた数字でございます。
 今先生言われました、中部新国際空港の全国的な役割というふうに理解いたしますが、中部地域は人口、産業が集積しておりまして、そういうところで将来の発展を考えますと、いずれこれに対応しました国際空港の整備は当然必要だというふうに考えます。また、中部新国際空港ができますと、成田空港、関西国際空港、中部新国際空港、その他今全国の拠点空港等において国際化が進んでおりますけれども、それらの空港が連帯して、連檐しまして、より利便性の高い充実した国際航空ネットワークが形成され、今後ますます進展するということが予想され、我が国の国際化に全体として多く寄与するものではないかというふうに理解しております。
#270
○田辺(広)分科員 ありがとうございます。私もその考え方で、ただ、中部新国際空港というのは、名古屋そして伊勢湾の常滑沖につくるということだけでなしに、やはり全体のトータルな日本全体の航空のあり方という中からとらえて私はお願いしたい。言ってはいけませんけれども、もうこれ以上東京で一極集中を重ねることはできないのだということは国会の決議にもありましたように、そういうような考え方から私は今の考え方に大賛成でございますし、ぜひひとつ考えていただきたいと思います。
 それから、地元でもどういうことを考えておるかといいますと、先回、中部経済連合会というものがありまして、そこで今後のこの常滑沖の中部新国際空港をとらえて、どういうふうに今後伸びていこうかということを、今度中部国際都市リンケージ構想というものを打ち出したわけです。世界へのゲートウエーづくりを目指すワールドスペースをつくる、それから浜松のテクノポリス等東海道沿線地区の各産業技術のプロジェクトを結ぶんだと言ったり、また東濃西部、鈴鹿山ろく研究学園都市、あいち学術研究開発ゾーンをつくるんだ、また三重県のサンベルトゾーンですか、リゾートゾーンをつくるんだ、太平洋マリノベルトをつくるんだとか、信州、飛騨などで山岳のリゾートをつないでいくんだというようなことを大きく構想を描きながら、あそこが中部圏の中心になり、また東西の接点になるんだという考え方で、今皆さん方が非常に熱望をされております。先回もいろいろ新聞記事等で書いてございましたが、これからはこの空港島と周辺地区に、空港サービス、物流、国際ビジネス機能を整備するなど、積極的な構想が打ち出されておりますが、第六次空港整備における中部新国際空港は、私ども今申し上げたように、もう超党派でもってお願いをいたしておるものでございます。そして、今回その調査費をお認めというのか組んでいただきまして、大変感謝にたえません。これからどういうふうにその取り組みをしていただけるか、そのことをひとつお聞かせいただきたいと思います。
#271
○小坂説明員 中部新国際空港の扱いでございますが、先ほど来申し上げておりますように、航空審議会の中間取りまとめで記述されておりまして、その中で「整備の内容、採算性と費用負担、アクセス、空域等の諸問題について、」「関係者が連携して総合的な調査を進めることとする。」というふうに位置づけられているものでございまして、これを受けまして平成三年度政府予算、今審議中の予算でございますが、この調査費がその中で認められますと、地元とよく相談しまして調査を実施したいというふうに考えているものでございます。
 五カ年計画につきましては、今後さらに航空審議会の御審議をいただき、それを受けましてことし秋ごろに閣議決定を行う予定でありますが、運輸省といたしましては、中間取りまとめに沿った形で計画を策定できるよう、政府部内の調整等に努めてまいりたいというふうに考えております。
#272
○田辺(広)分科員 時間が経過をいたしてまいりましたので結論だけ申し上げますが、実は一千万の調査費を使っていただくということで、大変感激をいたしておりますが、何か聞きましたら調査費は全部で二百億ぐらいかかるんだそうですね。それはどうですか。
#273
○小坂説明員 今二百億という数字を先生言われましたけれども、過去にこのような大規模なプロジェクトの一つの例としまして関西国際空港のための調査がございます。これは昭和四十三年度ぐらいから始めまして、二十年余にわたっていろいろな調査をやってきたわけでございますけれども、その間に確かに二百億程度の調査をしたものもございます。しかし、こういう調査といいますのはそれぞれ空港ごとに特性がございまして、この中部国際空港が同じように二百億要るかどうかにつきましては、検討をしてみないとわからないというふうに考えております。
#274
○田辺(広)分科員 ありがとうございました。二百億は要らないと思います。なかなかいい場所でございますからそんなに調査費も要らないと思いますが、とにかく今のではちょっと少ないと思うのです。ぜひひとつもっと大きな予算を組んでいただいて、これから中部新国際空港の実現に向けて、調査の拡大、そしてまた私どもの夢の実るような、そして私ども地元がそれによって活性化されるような、そういう希望を持って私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
#275
○武部(勤)主査代理 これにて田辺広雄君の質疑は終了いたしました。
 次に、菅原喜重郎君。
#276
○菅原分科員 地方財政対策の強化について御質問いたします。
 地方財政は、累積した多額の借入金残高を抱えるなど引き続き厳しい状況にあります。地方財政の健全化を図るためには一般財源の充実強化が不可欠であるので、地方税、地方交付税等の地方一般財源所要額の安定的確保を図ることが必要と考えます。その際、地方交付税については、開発がおくれている地域に対する配分を強化すべきであると考えておりますが、この点について、まず自治大臣の御所見をお伺いいたします。
#277
○小林(実)政府委員 地方財政全体につきましての御質問でございます。
 地方財政につきましては、近年健全化のための措置が講じられておるところでございますが、依然として六十八兆を超える借金もあるわけでございます。一方、財政支出の面では、社会資本の整備あるいは高齢化社会への進展への対応など、重要政策課題が山積をいたしておりまして、その意味で財政需要がますます高まることが考えられるわけでございます。私どもの地方財政対策の決定に当たりましては、御指摘にもございましたように、歳入面におきましてはなるべく地方債の抑制に努めますとともに、地方税、地方交付税等の地方一般財源の確保に努めなければならないというふうに考えておるわけであります。平成三年度におきましては、地方財政計画ベースで一般財源比率が六九・五ということで、過去最高のものとなっておるわけでございます。
 また、交付税の配分につきましての御指摘がございました。開発がおくれているなど財政力の弱い地方団体につきましては、従来から交付税制度を通じまして財源措置をしてきたところでございます。人口急減補正あるいは過疎債の元利償還金、最近行っておりますふるさと創生関係の事業につきましても、財政力を加味しまして、財政力の弱い地方団体に交付税を傾斜配分しておるところでございます。今後とも、御指摘の趣旨を踏まえまして適切に対応してまいりたいというふうに思います。
#278
○菅原分科員 次に、国庫補助、いわゆる負担事業でございますが、この事業全般について引き続き実態調査を実施し、早急に超過負担を解消するとともに、その解消に当たっては単に補助単価の改善にとどまらず、補助数量の是正、補助対象範囲の拡大についても改善措置を講ずるべきであると考えます。
 あわせて、国直轄事業負担金は、地方に過重な負担を与えているばかりでなく、国・地方間の財政秩序を乱すものもあるので、この制度を廃止すべきではないかとも考えます。特に、維持管理費にかかわるものについては、本来管理主体である国が負担すべきものであり、直ちに廃止すべきものだと思います。このことについていかが御所見をお持ちでしょうか。
#279
○小林(実)政府委員 最初に、いわゆる超過負担につきましての御質問でございます。
 国・地方団体間の財政秩序を適切に保つためにその是正に努めるべきものというふうに考えております。毎年度大蔵省、自治省、関係省庁と共同実態調査を行いまして、その結果に基づきまして超過負担の解消措置を図ってきておるところであります。超過負担という言葉を使う際には、最も狭い意味では補助単価の改善ということになるわけでありますが、それ以外の数量差とか対象差につきましても年度によりまして改善を図ってきておるところでございまして、今後ともそのような観点から努力をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
 次に、国直轄事業負担金についてであります。
 国直轄事業につきましては、それは本来国家的な政策に基づく事業であります。そういうことで国が直接事業を行っているわけでございますが、受益者負担の観点から、法令の定めるところによりまして受益地方団体から負担金を徴するものとされているわけでございます。この直轄事業負担金につきましては、公共事業における今後の国と地方の役割分担、費用負担のあり方等幅広く検討する際におきまして重要な課題となるものというふうに考えておるわけであります。特に、御指摘の中で、直轄事業の負担金のうち維持管理に係るものにつきましては、かねてから、地方団体が管理する場合の維持管理費について補助制度がないことから、直轄事業と補助事業との間で均衡を欠くのではないかという指摘が行われているところでございます。このようなことから、自治省といたしましても、これを廃止すべきものと考え、関係省庁に申し入れを行っているところでございます。
#280
○菅原分科員 この維持管理費もばかにならない金額になってまいりますので、ひとつ前向きの御配慮をお願いしたいと思います。
 次に、北上川の清流化確保対策についてお伺いいたします。
 旧松尾鉱山から排出される強酸性坑内水を主因とする北上川の水質汚濁を防止し、清流化を確保することは地元の長年の念願でありましたが、関係五省庁の了解事項に基づき、坑内水にかかわる恒久処理対策の一環として建設された新中和処理施設の本格的稼働と、発生源対策工事及び赤川水路保全対策工事の進捗と相まって、その対策が大きく前進しているところであります。しかし、北上川の清流化にはなお課題が残されていることにかんがみ、対策の万全を期するため、国において次の措置を講じられますよう特段の配慮が要望されております。
 第一に、新中和処理施設の維持管理は半永久的に続くことにかんがみ、当該事業にかかわる国の負担について、財政事情に左右されることのない恒久的な安定した制度を確立すること。第二に、新中和処理施設維持管理事業の実施に伴い、不測の事態が生じた場合及び当該施設が正常に稼働しているにもかかわらず災害等によって北上川の水質が悪化するおそれがある場合は、国において適切な対策を講ずること。第三に、発生源対策工事が早期に完了するよう所要の予算措置を講ずること。第四に、中和沈殿物再資源化技術、坑廃水地下深部還元技術等、坑廃水処理をさらに適切に行うために必要な調査研究を促進すること。第五に、北上川清流化のための諸対策にかかわる県の財政負担に十分な財源措置を講じること。以上が要望されてきているわけでございますが、政府の所見を聞かせていただきたいと思います。
#281
○小林(実)政府委員 北上川の清流化確保対策につきましては、御質問にございましたような諸点につきまして地元から御要望を受けておるわけでございます。全部が私どもの問題ということばかりでなく、関係省庁が広範にわたっておりまして、それぞれの部署におきまして適切に対応されておるものと考えます。この北上川につきましては県が特に関連いたしますのは財政負担であろうかと思います。県の委託を受けまして金属鉱業事業団がこの維持管理を行っておるわけでございますが、当該経費のうち四分の三につきましては通産省所管の補助金が交付されておりまして、残りの四分の一が県負担となっております。これにつきましては特別交付税により財源措置をしておるところでございます。自治省といたしましてもこの北上川の清流化対策の必要性につきましては十分認識しておるところでございますので、今後とも関係省庁に対しまして、必要な措置につきましてはお願いをしてまいりたいと思っております。特に財政措置につきましては通産省にも継続を求めるとともに、地方財源対策につきましては、従来と同様の措置を継続いたしまして、岩手県の財政運営に支障の生ずることがないように努力をしてまいりたいと思っております。
#282
○菅原分科員 次に、固定資産税についてでございます。
 昨年十月の政府税制調査会の答申では固定資産税のあり方について次のように示しております。「固定資産税について、土地に対する課税の適正化を図るためには、同税の性格を踏まえつつ、土地の収益価格を目標として評価の均衡化・適正化を計画的に行い、最終的には評価水準を収益価格のレベルに引き上げることとし、同税を段階的に引き上げ、中長期的にその強化を図っていくべきである。」としております。この答申を受けて自民党税調では次のような方針を出しました。第一は、平成三年度の評価がえは予定どおりに行うが、激変緩和措置をとる、固定資産税の増収分は全額住民税の減税に充てるとあり、この点についてはその方向に間違っていないと私も考えています。問題は、平成六年度以降の評価がえは相続税評価額との均衡上地価公示価格の一定割合を目標に評価の均衡化、適正化を図るとしたことであります。
 まず確認したいことは、自治省はこれを受けて平成六年度の評価がえでは土地公示価格の七〇%を目標に評価額を引き上げる予定だと聞いておりますが、これが実行されていくのかどうか、お伺いいたします。
#283
○湯浅政府委員 固定資産税の評価がえにつきましては、ただいま御指摘のような経緯でいろいろとこの評価のあり方について議論がなされたところでございますが、ことしの一月二十五日の閣議決定されました総合土地政策推進要綱によりまして、平成六年度以降の固定資産の評価がえにつきましては、公的土地評価相互の均衡と適正化が図られるように努めるべきであるという土地基本法第十六条の規定の趣旨を踏まえまして、地価公示制度の改善とも相まちまして地価公示の一定割合を目標に速やかに評価の均衡化、適正化を推進しなければならないということにされたわけでございます。そしてその一定割合につきましては、ただいま七〇%というお話もございましたけれども、地価公示制度と固定資産税の評価制度との間には性格的な違いもございますので、これを一致するというわけにはなかなかまいらない、また、昭和五十年代の地価安定期には固定資産税の土地の評価額がおおむね地価公示価格の七〇%程度であったということを踏まえまして、例えば地価公示価格の七割程度というものを水準にすべきではないかという議論も確かにあったわけでございますけれども、この点につきましてはもう少し検討する必要があるだろうということで、この具体的な数値については、今後早急に詰めていくということで検討をしてまいるつもりでございます。そういうことで、七〇%ということはただいまの段階で確定したものではございませんで、この一定割合というものをこれから早急に専門家の意見も聞きながら、また地方団体の御意向も踏まえてこれを決めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#284
○菅原分科員 公示価格の七〇%にいたしますと当然固定資産税の税負担が急激に増加することになります。したがって、負担調整をどうするのか。すなわち、一定の期間をかけて税額を変更していく方針で臨むのかどうか。またその場合、小規模宅地、小規模事業用地については税負担が過重になり、追い出しにもつながるおそれが生じますので、これらについての軽減措置をどうするのか、具体策があるのか、このことについてお伺いいたします。
#285
○湯浅政府委員 先ほど申し上げましたとおり、平成六年度以降の土地の評価がえにおきまして地価公示価格の一定割合を目標に評価の均衡化、適正化を図ってまいりたいということでございまして、この場合に御指摘のように、この評価に伴って税負担が急増するのではないかという心配がございます。そのために、この評価は評価と、適正な評価をするといたしまして、それに伴う税負担は急激な増加をもたらすことのないような、そういう適切な措置を講ずるべきではないかというふうに考えているところでございまして、個人住宅用地につきましては納税者の負担というものを特に配慮する必要があるのではないかというふうに考えております。
 その場合の具体的な方策といたしまして、いろいろなことが考えられます。今の御指摘のように、だんだんと評価に近づけていく負担調整措置というもののあり方をどう考えていくか。あるいは、現在住宅用地につきましては二百平米以下の住宅用地は四分の一、それから二百平米以上の分については二分の一という軽減措置を講じておりますが、こういう軽減措置のあり方がこのままでいいのかどうか。こういうものも含めまして、この一定割合に引き上げたときの税負担の影響額というものをよく見きわめた上で、このあたりの検討をあわせてやってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#286
○菅原分科員 いずれにいたしましても追い出し税になるようなことのないように対応をお願いしたいと思いますが、また、このような税の見直しが行われますと地価の高い自治体の財源は豊かになるわけですが、逆に、大都市圏以外の地方自治体との財政がアンバランスになりかねないわけであります。地方自治体間の財源偏在の是正策を明確にすべきだと考えるのでありますが、その具体策についても見解を承りたいと思います。
#287
○湯浅政府委員 地方税をいろいろと検討する場合に、今御指摘のように、どの自治体にもできるだけ税源が行き渡るような税制を仕組んでいくということが一番望ましい姿であることは申すまでもないわけでございますけれども、実際に日本の国土の中が地域によって経済力に格差があるということを考えますと、どんないい地方税制を仕組んだといたしましても、どうしても税源の偏在という問題が起こってくるわけでございます。その基本的な解決策は、やはり地方交付税の財源調整ということで賄っていただくのが基本だと思うわけでございますが、それにいたしましても、個性豊かな活力ある地域社会の実現をするためには、できるだけ税源の偏在のないやり方をこれからも考えていかなければならないと思います。
 御指摘のように、固定資産税の評価がえというものを通じまして地価の高いところに税源がだんだんと偏在していくという問題も確かにあるわけでございますが、こういう税源偏在については、この固定資産税に限らず、例えば法人企業の企業活動によってそれぞれの自治体に財政力の格差が出てくるというようなものもございまして、これは地方税源全体の問題としてこの財政調整というものに取り組んでいかなければならないと考えているわけでございます。今までにもいろいろとその点の御議論がございまして、例えば最近では、臨時行政改革推進審議会の答申などにおきましては、消費譲与税につきまして、富裕の団体には譲与制限をすべきではないかというような御指摘もございまして、こういうものも含めまして、これからの税源の偏在の是正策について私どもも真剣に考えていかなければならない問題だと思っているところでございます。
#288
○菅原分科員 いずれにいたしましても、固定資産税の評価額の決定権は市町村にあり、自治省がこのような方針であっても、必ずしも評価の引き上げが確実に行われるかどうかは疑問視されるわけでございます。
 そこで、どのような強制力を持って地方自治体に固定資産税の引き上げを主張できるのか、その法的根拠もお示し願いたいわけでございますが、このことの実現に対する自治省の取り組み方などもお伺いさせていただきたいと思います。
#289
○湯浅政府委員 固定資産税におきます土地、家屋の評価は、御指摘のとおり市町村長がそれを評価して決定をするというものでございますけれども、この固定資産の評価の均衡化、適正化を確保するために、地方税法におきましても、固定資産評価基準というものを自治大臣が定めて、それに基づいて市町村長は固定資産の評価をするということになっているわけでございます。この自治大臣の定める固定資産評価基準の仕組みの中におきまして、土地の評価を均衡化するための方策といたしまして、例えば県庁所在地の宅地の最高路線価を一つずつ選びまして、これを全国的に調整するとか、あるいはその結果を踏まえましてその県庁所在地の宅地の平均価格を指示するというようなことが、均衡化、適正化の手段といたしまして地方税法で定める固定資産評価基準の中に定められているわけでございます。
 そういうことを通じまして全国的な評価の均衡化、適正化というものを図っているわけでございますけれども、こういういろいろな手段を使うということもさることながら、それぞれの自治体において地方税源を確保していく努力というものは不断に続けられなければならない問題でもございますし、評価の適正化、均衡化というものはひとり国が言うだけでは実行できないわけでございまして、私どもとしては、これから国、地方、特に市町村と一体となりましてこういう評価の適正化、均衡化に向けて努力していく、そのことがとりもなおさず固定資産税そのものの信頼性を高め、そして市町村の貴重な税源でございます固定資産税を守っていくということにもなるわけでございますので、これは私どもと全自治体とが一体になりまして、この評価の適正化、均衡化にこれから取り組んでまいらなければならないというふうに考えているところでございます。
 なお、平成三年度の評価がえから、この固定資産税の評価に関連いたしまして基準地の路線価の公開を進めていくことにいたしております。これは、できるだけ早い機会に全路線価を公開したいということで、今自治体の皆さん方と御協議をしているところでございますが、こういう路線価の公開を通じまして全国的な評価の均衡化というものも図られるということも考えられますので、この点についても自治体の皆さん方とこれから十分協議をし、努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#290
○菅原分科員 最後に吹田自治大臣に、過般、予算委員会でも質問いたしましたが、地方制度調査会が答申しましたシティーマネージャーシステムにつきまして、ぜひ一万以下の小規模自治体にこれが適用できるよう、前向きに御配慮をしていただきたいことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
#291
○武部(勤)主査代理 これにて菅原喜重郎君の質疑は終了いたしました。
 次に、辻第一君。
#292
○辻(第)分科員 私は、昨年、ドクターズヘリコプター、ドクターカー、救急隊員の応急措置範囲の拡大など、救急業務に関して予算委員会の分科会や交通安全対策特別委員会で質問をし、救急隊員の応急措置の範囲の拡大などを求めてきました。今回もこの問題で質問をいたします。
 この約一年間は、救急業務に関しまして本当に大きな前進を見た年であったと思います。救命率向上のための方策としては、消防庁の救急業務研究会の基本報告でもさまざまの方策が挙げられております。
 そこで、救急隊員の行う応急措置の拡大に関して伺いますが、長年の懸案でありましたこの問題について、関係者の合意が形成され、いよいよ実現の運びとなったことは喜ばしいことであります。全国の消防、救急関係者の期待も高まっておりますが、同時に、このことを進める上ではさまざまのハードルもあると言わざるを得ないのが現状であります。その一つは救急隊員の教育訓練の問題であります。教育訓練は二百五十時間と七百五十時間、特に七百五十時間の高度な処置に関する教育訓練について、大阪市などは高度救急教育センター、これは仮称でございますが、これをつくるようですが、教育訓練を全国的にどのようにお進めになるのか、お尋ねをいたします。
#293
○木村政府委員 応急措置拡大のための高度の教育訓練でございますが、基本的には消防職員の高度の教育訓練の機能は都道府県の事務でございまして、消防学校で基本的には行うのが建前でございます。しかしながら、国会に提案されました救急救命士法に基づく資格等をとりますための一番高度の教育訓練につきましては、すべての都道府県がこれに対応していくことは当面は困難であろうと考えられますので、全国規模の教育機関を整備して教育訓練を行うことを計画いたしております。
 まず、都道府県の消防学校につきましては、救急業務研究会では二百五十時間という提案をしておりますが、それに対応する教育を行うための教育機能の高度化を図ってまいります。全国規模の教育機関といたしましては、都道府県が協力して何らかの形でそういった機関をつくってまいりたいと考えております。
#294
○辻(第)分科員 救急隊員は全国にどれぐらいおられるのか。また、近い将来高度な処置を行う隊員は、国家資格である救急救命士の資格が要るようになると思うのですが、そのような資格を持った隊員をどの程度確保されるつもりか、お尋ねいたします。
#295
○木村政府委員 現在、救急隊は全国で四千四十三隊でございまして、救急職員は専任・兼務というのがおりますが、平成二年四月一日現在、総勢で四万七千六百七十六人となっております。
 救急救命士の制度が創設されました場合には、私どもとしては、直ちにとはまいりませんけれども、近い将来にすべての隊にいつも一人ずつ配置できるような体制をぜひつくり上げてまいりたいと考えております。このために、法律が成立いたしましたら、遅滞なく新しい教育を始め、体制を整備してまいりたいと考えている次第でございます。
#296
○辻(第)分科員 教育訓練は、新たな財団法人による教育機関のほか、自治体の消防局なども独自に行うところもあると思いますが、当面、年間どの程度の教育訓練が可能ですか、また、一人の隊員を教育訓練するために必要な経費はどのくらいと見込んでおられるのですか、その財源措置はどうされるのですか、お尋ねいたします。
#297
○木村政府委員 現在法律が参議院先議で審議中でございまして、それが成立いたしましたならば、政令、省令で救急救命士が行います業務等が決まってまいります。それに対応してカリキュラム等も厚生省で開発していただいておりますし、私どもも御相談をいただいているわけでございますが、そういう段階でございますので確定的なことは申せません。
 また、教育訓練には座学の部分と病院における実習の部分がございまして、現在の救急機能を持った病院で一体どれくらいの受け入れが可能かということも現在調査中でございますので、確定的な数字を申し上げるのは少し遠慮させていただきたいと思います。
 また、金額につきましても、不確定でございますが、今消防大学校で救急科を三カ月やっておりますが、それはたしか四、五十万の分担金をいただいていると思います。
#298
○辻(第)分科員 十分な財源措置で十分な対応をしていただきたいとお願いをいたします。
 次に、現在消防職員数については、消防力の基準に照らしてどの程度の充足率ですか、お尋ねします。
#299
○木村政府委員 消防力の基準によりまして現在整備されている機器等との対応で見ますと、平均して七五%程度と考えております。
#300
○辻(第)分科員 平均いたしますとそのようなことで十分満たしていない状況であります。教育訓練は、実際に消防や救急の業務をこなしつつ、新たに時間数の増加部分の教育を進めることになるのですから、その間の職員の皆さんのやりくりというのですか、大変問題が生じるのではないかという点。応急措置の範囲の拡大は実際上大都市部など条件のよいところからスタートするものとは思いますが、地方が大幅におくれることを避ける必要があり、特に地方の規模の小さい消防本部のことを念頭に置いて、財政問題も十分考慮して進めていただく必要があるのではないかと思いますが、消防庁の御対応を伺います。
#301
○木村政府委員 御指摘のように、今四万七千数百人の専任・兼務の救急隊員ということを前提にしつつ高度の教育を早急に行うということになりますと、やはり人員的に非常に無理が生じるのは御指摘のとおりだと思います。現在時間短縮等との関連で消防職員の定数増も努力しているところでございます。また各分野の仕事の進め方等いろいろ工夫をして対応してまいらなければいけないと考えております。財政措置につきましても、できる限りの財政措置を講じてまいりたいと思っております。
 また、大規模な都市におきましてはみずからの教育機関を設けることのできる力もあるかと思いますけれども、自余の消防本部ではそんな能力はとてもありません。さればとていつまでたっても地方に応急措置の拡大が及ばないということでは困りますから、私どもそこらあたりを十分考えて対応させていただきたいと思います。
#302
○辻(第)分科員 職員の皆さんも、また皆さん方もいろいろ大変な御苦労をいただくことになろうと思いますが、きめ細かい対応をしていただきたい。お願いをいたします。
 そこで、文部省、来ていただいておると思うのですが、救急医学に関する講座を置いている大学、救急部を有する大学、その状況はいかがですか、お尋ねいたします。
#303
○草原説明員 大学における救急医学の組織といたしましては、一般的にはまず附属病院に救急部が設置されまして、そこで救命救急医療を行うと同時に、医学部学生の臨床教育も担当している例が多いという実態にございます。現在医学部の中に救急医学に関する講座が設置されておりますのは国立では三大学、公立では一大学、私立では六大学の計十大学でございます。しかし、それ以外の大学においても、外科学や麻酔学などの講座が中心となって救急医学の授業や実習が行われているという実態がございます。
 また、救急部については、冒頭申し上げましたようにほとんどの大学で置かれております。厳密に申し上げますと六十九の大学でございます。大学の数が七十九ございますので、まだ十大学においては救急部が未設置である、こういう状況でございます。
#304
○辻(第)分科員 私は、やはりまだまだ少ないというのが実感であります。現実のいろいろな国民の皆さんのニーズ、そういう体制の整備という点からいえば、いわゆる救急医の方が非常に少ないというのは、それを養成をする講座やあるいはまた実際に行う救急部も少ないと私は思うのです。基本的にそれをもっともっとふやしていただきたい、十分な対応をいただきたいというのが一つの観点です。
 もう一つ、この救急隊員の教育訓練に当たる専門家がやはり少ないということになりますね。そういう状況では救急隊員の教育訓練というのは大変ではないかな、このように思うわけであります。そういうことで、これは消防庁だけではなしに、厚生省、文部省も救急専門医を養成していただく、そういう問題も含めて御努力をいただきたいと思うのですが、その点について文部省と厚生省にお尋ねをいたします。
#305
○草原説明員 文部省といたしましては、昭和六十二年に取りまとめました医学教育の改善に関する調査研究協力者会議の最終まとめにおきましても、今後要請が高まる分野の一つとして、緊急の疾病や障害の発生に対処するための救急医学の教育ということを位置づけております。各大学においてもこの考え方に沿って教育内容の改善に取り組んでいるところでございます。文部省としては、救急医学の教育が多くの講座にかかわりを持っているという性格を持っておりますので、医学部全体としての取り組みが大事であろうかと思っております。したがって、各大学におけるカリキュラムの改善を促すと同時に、実際の救急医療を体験する場として、救急部がまだ設置されていない国立大学附属病院についてはこれを早急に整備するように努力してまいりたいと考えております。
 それからもう一点の、将来における救急の専門医の養成ということでございますけれども、先生御案内のとおり、大学の医学部の教育においては、学生が将来どの分野に進もうと共通して必要となるような基本的な知識、技術及び態度、習慣を体得させる、そして医師としての生涯にわたる学習の基礎をつくることを目標としているわけでございまして、その中で基本的なファーストエイドと救急処置についても、附属病院等における実習をも通じながら必要な知識、技術等を身につけさせるということにしております。
 このような教育について、今後とも一層充実が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
#306
○篠崎説明員 厚生省といたしましても、救急医療にかかわる専門的な医師の養成は、救急医療対策の充実の観点から極めて重要なことと考えております。このため、従来から救急医療施設に勤務する医師に対しまして、救急医療一般についての研修、脳神経外科、麻酔科、小児科領域の専門研修を実施いたしておりまして、医師救急業務実地修練を実施してきたところでございますが、平成三年度におきましては、この修練につきまして研修人員及び研修期間の拡大を図っているところでございます。
 また、救急救命士の養成を行う救急指導員につきましては、これらの研修制度を活用いたしますとともに、救急救命センター等の医師の協力を得ながら、その育成、確保に努めてまいりたい、このように考えております。
#307
○辻(第)分科員 非常に重要な問題だと思いますので、さらに積極的に御対応いただきたい、お願いをいたします。
 それから、救急隊員の処置範囲の拡大は、同時に救急車に装備すべき器材も新たに必要になると思います。これに対する対応はいかがなものか、消防庁にお尋ねいたします。
#308
○木村政府委員 応急手当ての拡大を行いますためには、現在の救急車は小さ過ぎますので、いわゆる高規格の救急車を導入し、その中に応急手当ての拡大に対応できる器材を備える必要がございます。したがいまして、消防庁といたしましては、平成三年度の予算の中でお願いいたしておりますが、救急高度化推進整備事業という制度を創設いたしまして、高規格の救急自動車の導入、器材の整備、さらには医師との交信を行いますための自動車電話あるいはファックスの施設、そういったものをメニュー化して二十五団体をモデル的に始めてみたいと考えております。
 なお、先進的な大都市等においてはみずからこういった救急車を導入する計画を立てておられます。
#309
○辻(第)分科員 救急救命士は国家資格でございます。一定の重要な医療行為を行うわけでございますから、厳格に資格を与えることが必要だということは言うまでもありません。
 同時に、問題は、迅速に、円滑に救急業務の拡大が必要な状況でございます。消防の行う教育訓練修了者について、その資格の円滑な取得のための対応が必要ではないかと思います。
 消防庁、厚生省に御答弁をいただきたいと思います。
#310
○木村政府委員 御指摘のように救急救命士法が上程されましたので、一般的にはもう来年の夏前にはこの救急救命士を塔乗させた救急車が走るであろうというふうな予測が行われておりますので、私どもとしては、法律成立と同時に教育が始められるくらいの準備をしなければならないと思って急いでおります。
 そのために、また厚生省とも十分連携を保ちながら早急な対応を考えてまいりますが、要は高度の教育によって救急隊員が試験に受かることが必要でございますので、全国的に叱吃激励して進めてまいりたいと考えております。
#311
○篠崎説明員 厚生省といたしましても、ただいま消防庁長官が御答弁なさいましたが、その線に沿うように最大限努力をいたしていきたいと思っております。
#312
○辻(第)分科員 この救急業務の範囲の拡大は、今後ともいろいろと問題点があろうかと思いますが、どうかそれを解決していただいて、さらに大きく前進していただくことを強く期待し、要望して、次に移りたいと思います。
 最後に、ドクターカー、ドクターヘリコプターについて、消防庁並びに厚生省にお尋ねをいたします。
 私、最初に触れましたように、このドクターカー、ドクターヘリコプターにどうか積極的な御対応をいただきたいと昨年お尋ねをし、要望してまいったところでございます。そういう状況の中で、去年の予算委員会の分科会では、ドクターヘリコプターについて厚生大臣も「救急医療体制検討会の検討の結論を早くいただきまして、関係省庁ともよく調整しながら、積極的に対応していきたい」、このような御答弁をいただいております。また、消防庁の救急業務研究会基本報告でも、救急業務のヘリコプターの活用について、「救急搬送を試験的に実施する等により、ヘリコプターを救急搬送に利用するための課題を検討する必要がある。」このように提起もされているわけでございます。
 そういう状況の中で、私は、ぜひドクターカーまたドクターヘリコプターについて今後とも積極的に御対応いただきたい、このように強く要望するものでありますが、今後の御対応について、消防庁と厚生省にお尋ねをいたして、終わりたいと思います。
#313
○木村政府委員 ドクターカーにつきましては消防としても一つの理想であると考えておりまして、地域の実情に応じて医師等の協力が得られる場合においてはこれを積極的に導入していくことといたしておりまして、現に救急高度化推進整備事業の立候補者と申しますか、やってみたいという団体の中におきましてもドクターカーとして運用したいというものもございました。そういうものには積極的に対応してまいりたいと考えております。ただ、全国的にこれを展開するということは医師の数等から不可能でございますので、私どもとしては、基本的には消防隊員の救急車によって生命を維持しながら一刻も早く医師の管轄下に傷病者を置くことを第一義と考えている次第でございます。
 また、ヘリコプターにつきましては、消防審議会から少なくとも二十一世紀に至るまでには各県十五分体制、つまりどこの地域でも十五分でヘリコプターで到達できる体制を整備するようにという答申をいただいております。これは林野火災とかそういうものも含まれますが、現にドクターが塔乗して救急に用いた事例もありますし、これも私どもとしては救急高度化とあわせて積極的に取り組んでいきたい分野でございます。
#314
○篠崎説明員 ドクターカー及びヘリコプターを利用した救急医療活動は、救急患者に早期に救急処置を施しまして救命率を高める上で極めて有効であると考えております。
 そこで、ドクターカーにつきましては、平成三年度予算案におきまして、自治省、消防庁との連携のもとに、救急現場医療確保事業を実施することといたしており、今後ともドクターカー制度の普及を図ってまいりたいと考えております。また、ヘリコプターにつきましては、先生御案内のように、救急医療体制検討会において現在総合的な検討をお願いしているところでございます。その結果を踏まえて、ヘリコプターの活用体制あるいは離発着場所の確保などにつきまして、関係省庁とも相談しながら対応してまいりたいと考えております。
#315
○辻(第)分科員 最後に、吹田自治大臣にひとつお尋ねといいますか、御見解を伺いたいと思います。
 救命救急業務については、消防庁を中心に本当に大変な御努力をいただいて大きく前進をいたしております。私ども非常に喜んでおるわけでございますが、先ほどお尋ねをいたしました救急隊員の応急処置の範囲の拡大あるいはドクターカー、ドクターヘリコプターなど、さらに一層御尽力をいただいて前進をしていただきたいと思うのですが、御所見を伺いたいと思います。
#316
○吹田国務大臣 今回こうした制度を新たに御理解いただくということは、私どもとしても非常にうれしい限りでありますし、また、国民にとっても大変すばらしいことである、こう思っております。
 先日、私も東京消防庁に参りまして、その際、現地の消防庁の中でいろいろとモデルを使って、こういうふうにやるのですよというふうなことを実地に作業をしてくれた状況を見まして、私ども、全く素人ですけれども、これは非常に助かるのだなというふうに思いまして、これはぜひ力を入れて促進したいものだと思っております。今のドクターカーにしても、ヘリコプターにしても、これからの極めて大事なことでありますから、これはけちけちしたことを考えないで、思い切ってちゃんと整備する、こういう方向で努力いたします。
#317
○辻(第)分科員 これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#318
○武部(勤)主査代理 これにて辻第一君の質疑は終了いたしました。
 次に、筒井信隆君。
#319
○筒井分科員 私は、一極集中是正の観点から、環日本海圏構想の推進、こういう問題について、主に国土庁と自治省に見解をお聞きしたいと思います。
 今東京を中心とした太平洋ベルト地帯、ここはいろいろな意味で経済的にも文化的にも偏重されている状況、その結果、一極集中、大規模集中あるいは過疎過密、こういうふうな弊害が生じている、さらには中央集権的な日本の社会ができ上がってしまっている、これを是正するためにも、環日本海圏構想の推進の必要性があるというふうに強く考えております。環日本海圏構想を推進することによって、国土の均衡ある発展、小規模分散型で地域自律型の社会を形成しなければならない、こう考えるわけでございます。
 環日本海圏構想といえば、もちろんソ連の極東地域、あるいは中国の東北地方、さらには朝鮮半島、そして日本の主に日本海側地方、これらがいろいろな分野での交流を深める、こういう形になるわけですが、一極集中是正の観点から環日本海圏構想を推進することについての国土庁の見解をまずお聞きしたいと思います。
#320
○柳沢説明員 お答えいたします。
 第四次全国総合開発計画、四全総は、二十一世紀の国土づくりの指針として策定されているわけでございますが、この四全総では、東京一極集中を是正し、多極分散型国土の形成を図ることを目標といたしております。その中で、新潟を初めといたします環日本海につきましても、近隣諸国との環日本海交流圏の将来における発展を踏まえながら、この地域における国際関連業務の整備を図るということがこの多極分散型国土の形成の上において重要だという位置づけをいたしておるところでございます。
 政府におきましても、四全総推進連絡会議等を設けながら、地域主導の地域づくりを基本としながら、高速交通体系等の整備など四全総の実施に努めているところでございます。今後ともそのような方向で努力をしてまいりたいと考えております。
#321
○筒井分科員 そういう方向でぜひ強力に推進していただきたいわけです。
 今も答えの中にちょって出ておりましたが、そのためには、対外的あるいは対内的ないろいろな交通網の整備等が必要になってくるわけでございます。環日本海圏の各国、各都市を結ぶような定期航路、航空路、あるいは電気通信網の整備、そして対内的にも日本海沿岸地域の各都市を結ぶいろいろな交通網の整備、もちろん道路とか鉄道等、さらには電気通信網も含むわけでございます。特に、今計画の予定に上がっております日本海沿岸縦貫自動車道の建設促進、さらには日本海側と東京とを結ぶ関越自動車道の上越線の完成、あるいは北陸新幹線等の完成、これらの問題も入ってくるわけでございまして、こういう交通網の整備について国土庁の現在の計画、考え方をお聞きしたいと思います。
#322
○小浪説明員 新潟から青森に至ります日本海沿岸東北自動車道路、これは、四全総におきましては、まだ国土開発幹線道に組み入れる前でございましたので日本海沿岸縦貫自動車道というふうに記述してございますが、本路線は、日本海沿岸地域の交流を促進して一体的発展を促すために重要な路線であるというふうに考えておりまして、建設省におきましても、既に環境影響評価の手続に入ったところでございます。なお、これら縦貫道路と横断道路などが一体となって交通ネットワークを構成することによりまして、多極分散型国土が形成されていく、なおそれが一層促進されていくというふうに考えておりまして、今後とも努力していく所存でございます。
#323
○筒井分科員 国土庁の方どうもありがとうございました。
 次に、自治省の方にお聞きしたいのですが、この環日本海圏構想は、先ほど申し上げましたような地域、国を対象にするわけですが、例えばソ連でも、ソ連全体を対象にするわけではなくて、主に極東地域、沿海地方とかハバロフスク地方とかアムール州、サハリン州、これらの地方あるいは自治体を対象にする。そして中国に関しても、中国全体ではなくて、東北地方の黒竜江省とか吉林省とか遼寧省、これらを対象にする。さらには日本においても、全国がそこに参加するとは限らず、日本海沿岸地域が中心になるわけでございます。対外的な関係でございますが、しかし国家と国家との関係に限られない、逆にかえって自治体と自治体の関係が焦点になってくるというふうに考えるわけでございます。そういう意味では、地域といいますか、自治体の国際化ということが特にこの環日本海圏では要請されているわけでございます。
 その関係で特に自治省にお聞きをしたいわけですが、一九九〇年に開かれましたウラジオストク国際会議でアメリカ代表がこの環日本海圏構想の促進を提唱したというふうに聞いております。その際に言っていたことが、日本海側の新潟、富山、秋田、北海道などは連合体を設置して、対岸のソ連極東の各州及び中国東北部の各省、そして韓国、北朝鮮の各道などを相手側にして、文化、経済交流の促進を図るべきだ、つまり地方とか州、道単位での国際交流促進をうたったもので、アジア・太平洋といった国家単位に枠を広げるのは現実的ではないと強調したというふうに聞いているわけでございまして、まさに自治体を前面に出した環日本海圏構想。このアメリカ代表が提唱したという、今言ったことについての自治省の認識と、これに対する見解をお聞きしたいと思います。
#324
○紀内政府委員 御指摘になりました昨年九月のウラジオストクでの会議というものは私どもは関与しておりませんが、外務省から聞くところによりますと、この会議において米国の政府関係者から環日本海圏構想という提唱があった事実はないというふうに聞いております。
 ただ、一般論として申し上げますと、現在、日本海沿岸の地方公共団体を中心といたしまして、いわゆる対岸諸国との交流を活発化しようという動きがあることは承知しております。このような交流の推進は、地域の活性化という見地からもあるいは国際交流のパイプを太くしていくという意味からも意義があるものと考えております。自治省といたしましては、関係の地方公共団体の動向に十分注意をしながら、今後の交流の推進が進展するに対応いたしまして関係省庁と連携して所要の支援等を行ってまいりたいと考えております。
#325
○筒井分科員 このウラジオストク国際会議には、日本からは倉成元外務大臣が参加したというふうに聞いておりますが、アメリカ代表も政府代表ではない、そういう意味で今アメリカ政府としての見解はなかったというふうにおっしゃるわけです。だから、ウラジオストク国際会議におけるアメリカ側代表、これが政府代表かどうかは別にして、アメリカ側代表が先ほど申し上げましたような提唱をした、これは事実でしょう。
#326
○紀内政府委員 先ほど申し上げましたように詳細を承知しておりませんけれども、まず米国の代表者であったかどうかということについて申し上げますと、要するに米国籍を持った私人としての主張であったのではないかというふうに思われます。
#327
○筒井分科員 この会議での提唱でも、また先ほど申し上げましたような意味でも、私としては、今国家といいますか国の機能というのは国際化の方向と地域化の方向、二方向に、上と下に分解しつつある、世界的な流れとしてそう言えるのではないかと思うわけでございまして、そういう一般的な流れと同時に、環日本海圏では特にまたそういうことが要請されている。環日本海圏構想の実現のためには自治体自体が、地域自体が国際化することを抜きにしては考えられない、そういう意味で自治体外交が求められていると思うわけでございまして、自治省として自治体外交そのものについての見解、どういうふうに考えておられるか、そのことをお聞きしたいと思います。
#328
○吹田国務大臣 自治省としまして考えておりますことは、そうした外交問題を直接考えておるわけではないのでありまして、あくまでも自治体あるいはそういう単位で関係方面の国の単位と交流を図る。これは文化の問題、人的交流あるいはそのほかの経済的な関係、こういった問題を進めることができればそれなりに、人間の交流のことになりますから、平和とこれからの安全という面からいきましても国家的に非常に役に立つ話であり、それぞれの理解と協力を生むことになるということでの考え方でありまして、我々は自治体外交というような表現はとっていないわけであります。
#329
○筒井分科員 もちろん、国と国との関係を外交とするならば、それとは違った意味でございますが、自治体同士が国を通してではなくて、直接経済的な、文化的な、あるいは人間的な交流を結ぶ、これを自治体外交というふうに一般に言われているし、私もそういうつもりで使っているわけでございます。そういう意味で、つまり国と国との間の外交とは違った意味での直接的な関係を持つことについては、今大臣も積極的に進められる意向であるというふうにお聞きをしたと思っております。
#330
○吹田国務大臣 そういうふうに考えておりまして、私どもからすれば、むしろ草の根運動というような形でこういったことを地方自治体が自主的に主体性を持って進めてくれればなということでいろいろと配慮しつつある、こういうことを御理解願いたいわけであります。
#331
○筒井分科員 もちろんです。だから自治体外交という言葉を使わせていただきます。ほかの国との関係という意味では外務省の関係になるかと思いますが、しかし、自治体が直接関係を結ぶという意味で自治省にも関係するわけで、それでお聞きしているわけです。
 この関係、欧州共同体、ECの中で、ドイツとかフランスとかイタリアとかスペインの自治体が地域共同体というのを結成することを始めて、この地域共同体に日本とカナダの自治体の参加を呼びかけているとお聞きしておるのですが、それに関する事実関係とそれに対する自治省の考え方をお聞きしたいと思います。
#332
○紀内政府委員 御指摘になりました地域共同体というのは、一九八八年の九月に、ドイツ連邦共和国バーデン・ビュルテンベルク州のシュペート首相の提唱によりまして、フランスのローヌ・アルプ県、イタリアのロンバルディア州、スペインのカタルニア地方、ここが寄り集まってつくられたもののようでございます。これは、地方レベルにおける経済なり科学なり文化なり、幅広い分野の協力体制を確立することを目的としたものと聞いております。
 実際、この地域共同体に日本では神奈川県に参加してはどうかという働きかけはあるようでございまして、現在神奈川県はこれに参加するかどうかを検討中であると聞き及んでおります。
 私ども、この地域共同体の具体的内容あるいは神奈川県の検討の内容を承知しておりませんから、一般的に申し上げるとしますれば、地域レベルの国際交流が促進されるということは、先ほど申し上げましたように、交流のパイプが多元化するということ、地域の活性化へのインパクトにもなるということ、その辺を考え合わせますと意義のあることではないかと考えております。
#333
○筒井分科員 今出されました神奈川県が特にそういう関係の自治体間の交流を強めているようでございますが、それも、姉妹都市等の二つの自治体間の関係だけではなくて、いろいろな国の自治体が一堂に集まる多地域間の協力関係づくりをしていると聞いているわけでございます。この二国間関係だけに限らない多地域間の協力関係づくり、これが神奈川県でもあるというふうに聞いておりますが、ほかの自治体での動き、そしてそれについての自治省の対応をお聞きしたいと思います。
#334
○紀内政府委員 一つの例を申し上げますと、九州の三つの県と韓国南部の間で、これは知事レベルの話でございますけれども、そういう話し合いが進められていると聞いております。そういう話はそれぞれの自主的な考えに基づいて行われる限り大変結構な話ではないかと思っております。
#335
○筒井分科員 もう一点事実関係をお聞きしたいのですが、外国の方から自治体に対していろいろな協力依頼がふえているという事実があるのかどうか。あるとすればその内容についてお聞きをしたいのです。外国の自治体から、産業とか技術とか公害とか環境、都市問題あるいは自治制度などに関する協力依頼が自治体に対してふえている。これが外務省を通じて来るのか自治省を通じてくるのかあるいは自治体に直接来るのかわからないわけですが、それらの事実関係とそれに対する自治省の対応をお聞きしたいと思います。
#336
○紀内政府委員 地方公共団体が直接海外の地方公共団体から技術協力について要請を受けたという事例がございますけれども、私どもそれを量的に、統一的には把握しておりません。
 地方公共団体は、一つはJICAを通じて、それから独自にやる方法もありますけれども、発展途上国からの技術研修員を受け入れてみずからの試験場とか研修機関で特性のある研修を施すとか、あるいはお話にもありましたが、農林水産業とか保健医療、あるいは衛生とか上下水道とかそういう事柄について発展途上国へ専門家を派遣している、そういう事情にあると承知しております。受け入れる地方公共団体としても、新しい視点からのインパクトを受けるというようなこともございますし、また、向こうの知識、経験を受けるということもあり、あるいはこちらから派遣する場合にも、広い意味での人材育成にもなりますし、また、向こうで経験を積んでくる、知識も広めてくるということは大変プラスではなかろうか、こういうように思っております。
#337
○筒井分科員 自治体がそういう直接関係を結ぶことに対して積極的な答えをいただいたわけですが、ただ、非常に結構なことだと言うだけではなくて、自治省としてそういう自治体間の直接の交流、自治体外交を積極的に支援すべきではないかというふうに考えているわけでございます。もちろん外務省との関係もありますから、自治省と外務省が協力しながらその自治体外交を積極的に支援していただきたいというふうに思っております。それについての考え方、現在のそういう自治体の他の国との交流に関する自治省としての支援の現状、そして今後の方針、どういうふうに考えておられるか、これについてお答えをいただきたいと思います。
#338
○紀内政府委員 先ほど来申し上げておりますように、自治省としては多元的な国際交流を促進する、あるいは地域の活性化を図るという見地から、地方公共団体と地域の住民なり民間団体とがタイアップして地域レベルの国際交流を促進するということは非常に重要と考えております。外務省とも協力しながら推進をやっておりますが、具体的にどんなことをやっているかと申し上げますと、幾つか例示を申し上げますと、例えばJETプログラムと称しまして語学の研修等を行う外国青年を招致しているというものがございます。現在、八カ国から二千三百名近くの人員を招致しております。また一外国人が暮らしやすい、あるいは活動しやすい町づくりという意味で、国際交流の町づくりというものを促進しております。また、姉妹都市の提携等につきまして、これをさらに充実をさせていく。現在姉妹都市の状況を申し上げますと、市区町村レベルでは延べで五百十五、これは一つで二つ結んでいるところもございますが、延べになりますけれども五百十五ございますし、それから都道府県では、これはネットの数字で三十六ございます。相手国としては四十六の国にわたるということでございます。さらに、自治体国際化協会という財団法人を持っておりまして、その財団法人の持っている種々の支援手段を通じても支援の措置を講じているところでございます。
 今後は、さらにこういう各種の施策の充実強化を図ってまいりたいと思っておりまして、例えば人材育成につきましては、地方公務員を中心として、国際関係に強い職員といいましょうかそういう者の養成を図っていく必要があろうと思いますし、また、組織の強化という意味で、現在、各都道府県あるいは指定市ごとに地域の国際交流の中核となるような民間団体の育成を図っておりますけれども、そういうところの財政基盤の充実ということで、減税についても現在いろいろ工夫を図って実現を期しているところでございます。
#339
○筒井分科員 それらをさらに広げていただきたいわけですが、今言われました財団法人の自治体国際化協会、この海外事務所が四つあるというふうに聞いております。ただ、その四つのうち三つがニューヨーク、ロンドン、パリで、アジアはシンガポール一つしかない。これからやはりアジアとの関係が非常に重要視される上に、環日本海圏構想の地域には一つもそういう海外事務所が出されていないわけですが、この環日本海圏構想の中に入る範囲内において海外事務所を出す、こういう可能性を検討してはいただけないでしょうか。
#340
○紀内政府委員 確かに日本海沿岸の地方公共団体の中にはそういう機運が盛り上がっておりまして、こういう状況を背景といたしまして関係の団体の中にはこういう地域に自治体国際化協会の海外事務所を置いてはどうかという意見がございます。私ども承知しております。ただ、自治体国際化協会、一昨年から海外事務所を置き出したわけでございまして、一昨年、ロンドンとニューヨークに事務所を置きました。昨年の十月にパリとシンガポールに事務所を開設したばかりでございまして、今直ちに事務所を増設するということはなかなか難しいかと思っております。ただ、長期的な展望のもとに、そういう地方公共団体の意見をよく聞きながら、自治体国際化協会ともよく相談しながら検討してまいりたいというふうに考えております。
#341
○筒井分科員 もう一点、ちょっとお聞きをしたいのですが、先ほどの中で出されましたJETプログラム、JET事業、外国青年招致事業、これは八カ国より青年を招致している。この八カ国は英語圏とそれに西ドイツとフランスが入って、いずれもヨーロッパ関係、英語圏の中には一部太平洋地域の国もあるようですが、これはやはり英語圏とか西ドイツ、フランスのヨーロッパだけに限らず、それ以外にアジア内、特に環日本海圏、こういうところの青年を招致する、こういうところまで枠を広げる、このことも検討されてもいいのではないかというふうに思いますが、その点について、もし今できましたら……。
#342
○紀内政府委員 御指摘にありましたように、現在は英語圏のほかに数は少のうございますが、ドイツ語圏、フランス語圏からも招致をしてございます。実は、これは、高校や中学におきましてその外国語の教育を教えるのを助けるというのが中心でございまして、そういう意味から申し上げますと、大変縁の深いアジアの諸国の言葉を教えているような学校がまだ少ないような現状でございます。その辺との関係もありますので、これは長期的な問題ではなかろうかというふうに考えます。
#343
○筒井分科員 最後にODA、政府開発援助と自治体との関係についてちょっとお聞きをしたいと思います。
 今NGO、民間援助団体が、外国に対する開発協力活動をする際には、ODA予算の中から補助金が出されているわけでございます。その自治体がいろいろな形で直接海外に協力を持つ必要性が先ほどから述べておりますようにあるわけでございます。この自治体による開発協力、これをやって、それに対してODA、政府開発援助の方からいろいろな支援をする、これがやはり今必要ではないかと思いますが、その点についての自治省の見解をお聞きしたいと思います。
#344
○紀内政府委員 DOAは御案内のように、一九八〇年に国連総会で新国際開発戦略というものが採択をされまして、それに基づいて各発展途上国に対しまして先進国から供与がされているものでございます。それは幾つかの要件がございまして、政府ないし政府の実施機関によって供与されること、あるいは発展途上国の経済開発や福祉の向上を主たる目的とすること、あるいは供与条件が途上国に重い負担とならないこと等がございまして、おっしゃるNGO等によって行われるものは、政府の実施機関によって供与されるスタイルの一つというふうに考えております。もともとODA自体は、主権国家が併存するような国際社会の中で、国と国との関係ということで行われているものでございまして、そういう意味では、我が国の外交政策とも密接な関連を有しているものでございます。その点、地方公共団体がODAにおいて国と同じような立場においてその実施主体となるというようなものではないものであるというふうに存じております。
#345
○筒井分科員 もちろん国と並立的な関係でやるべきだという主張をしているわけではないので、NGOの場合にも、NGOが開発協力活動をすることを国のODA予算で援助し、補助する、これの必要性が外務省の方の説明等でも出されておりますが、相手国民に草の根レベルで直接働きかけることができる、そして緊急な必要性に柔軟かつ迅速に対応することができる、そういうきめ細かい援助がNGOを通ずればできるからODAでそれに対する補助をしているのだ。この同じきめ細かい援助は自治体の場合にもやはり言えるのではないか。
 もう一点は、もちろん国対国の関係がODAの主でございますが、ODAの援助の対象には相手国の地方自治体もなっているわけでございまして、相手国の地方自治体も援助を受ける対象になっているし、民間団体も一部にはなっている、そういう小規模無償資金制度というのも最近また導入されているわけでございまして、相手国はその自治体が受け入れるわけですから、それを出す方もまた自治体が関与した方がより適合するし、対応関係もいいのではないかというふうに考えるわけですが、それらの点からもう一度見解をお聞きしたいと思います。
#346
○紀内政府委員 地方公共団体がいわば政府のODAの実施機関として機能することが将来にわたってもないとは申し上げられないと思いますけれども、しかし、それはあくまで政府のいわば施策の実施に当たるにとどまるわけでございますね。私どもが進めようとしておりますのは、やはり地方公共団体が自主的な判断に基づいていろいろ特性を発揮しながらやっていく分野ではなかろうか、このように考えております。
#347
○吹田国務大臣 今審議官も申しましたように、ここらで手違いを起こしますと大変なことになってくるわけであります。ようやくにして自治省も、こうした問題で、草の根運動的な姿で関係自治体が自主的な判断で、ひとつ積極的に海外での人的交流や文化交流やあるいは場合によれば若干のその地域地域における経済的な、それぞれの特産やその他の問題の交流等も図りながら理解と協力を得るということが、また大きな意味からは国家的に一つの大きなプラスになってくるのではないかということも考えて我々は促進するのでありまして、外交問題に云々するということではないわけでありますので、そういった点の手順を出発の時点で間違いますと、これからまたこういう運動に非常な大きな問題を起こしますものですから、その点だけは十分注意しながらやっていかなければならぬと思います。特に、私も担当の審議官なんかにお話をしておることは、やはり我が国は東洋における位置づけというものを考えなければならぬ。特に、サミット会議に出ておる七カ国の中でアジアから日本一国が参加しておるということからいたしましても、アジアの国民の理解と協力の中で、日本の発言というのはアジアの皆さんの声が大いに反映しておるというような受けとめ方がされるような日本になっていかなければならぬということを前提に考えていきますと、これからやはりASEANを中心とするアジアの国々との関係というのをさらに密度を深めていかなければならぬ。これが一つの外交方針だと思うのですけれども、そういったものを少しでも草の根運動で頭に置きながら配慮していくということが必要ではないかなというようなことで、自治省といたしましては、主体性を持って関係の地方公共団体がひとつ自主的に活動を展開してくれるようにということを呼びかけておるのでありまして、まだ出発早々でありますから、その点に十分注意をしながら進めていきたいものだ、こう思っております。
#348
○筒井分科員 ぜひ、現状を固定的に考えるのではなく、新しい流れを先取りするような方向で検討をいただきたい、そのことをお願いして私の質問を終わります。ありがとうございました。
#349
○武部(勤)主査代理 これにて筒井信隆君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして自治省所管についての質疑は終了いたしました。
 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 分科員各位の御協力によりまして、本分科会の議事を終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。
 これにて散会いたします。
    午後五時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト