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#1
第120回国会 運輸委員会 第6号
平成三年三月八日(金曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 亀井 善之君
   理事 鴻池 祥肇君 理事 佐藤 敬夫君
   理事 武部  勤君 理事 二階 俊博君
   理事 柳沢 伯夫君 理事 左近 正男君
   理事 山中 末治君 理事 春田 重昭君
      井奥 貞雄君    魚住 汎英君
      木部 佳昭君    坂本 剛二君
      平泉  渉君    古屋 圭司君
      増子 輝彦君    宮崎 茂一君
      村田 吉隆君    緒方 克陽君
      小林 恒人君    佐藤 泰介君
      常松 裕志君    細川 律夫君
      浅井 美幸君    草川 昭三君
      佐藤 祐弘君    高木 義明君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 村岡 兼造君
 出席政府委員
        運輸大臣官房国
        有鉄道改革推進
        総括審議官   大塚 秀夫君
        運輸大臣官房国
        有鉄道改革推進
        部長      黒野 匡彦君
        運輸省運輸政策
        局長      中村  徹君
        運輸省地域交通
        局長      佐々木建成君
 委員外の出席者
        自治省財政局調
        整室長     香山 充弘君
        参  考  人
        (日本国有鉄道
        清算事業団理事
        長)      石月 昭二君
        参  考  人
        (日本国有鉄道
        清算事業団理
        事)      杉田 昌久君
        運輸委員会調査
        室長      長岡日出雄君
    ─────────────
委員の異動
三月六日
 辞任         補欠選任
  高木 義明君     米沢  隆君
同日
 辞任         補欠選任
  米沢  隆君     高木 義明君
同月七日
 辞任         補欠選任
  緒方 克陽君     伊藤 忠治君
  佐藤 祐弘君     金子 満広君
同日
 辞任         補欠選任
  伊藤 忠治君     緒方 克陽君
  金子 満広君     佐藤 祐弘君
同月八日
 辞任         補欠選任
  山村新治郎君     井奥 貞雄君
  赤松 広隆君     佐藤 泰介君
同日
 辞任         補欠選任
  井奥 貞雄君     山村新治郎君
  佐藤 泰介君     赤松 広隆君
    ─────────────
三月七日
 精神薄弱者に対する運賃の障害者割引の適用に関する請願(赤松広隆君紹介)(第一六四六号)
 同(沢藤礼次郎君紹介)(第一六四七号)
 同(有川清次君紹介)(第一六六四号)
 同(土井たか子君紹介)(第一六六五号)
 同(川俣健二郎君紹介)(第一七〇五号)
 同(小川国彦君紹介)(第一七三四号)
 同(伊藤茂君紹介)(第一七四四号)
 同(市川雄一君紹介)(第一七七九号)
 東北本線(沼宮内〜八戸間)の存続に関する請願(春田重昭君紹介)(第一七〇六号)
 同外四件(山中邦紀君紹介)(第一七〇七号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案(内閣提出第三五号)
 鉄道整備基金法案(内閣提出第三六号)
 全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案(内閣提出第三七号)
     ────◇─────
#2
○亀井委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案、鉄道整備基金法案及び全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 各案審査のため、本日、参考人として日本国有鉄道清算事業団理事長石月昭二君及び理事杉田昌久君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○亀井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ─────────────
#4
○亀井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤祐弘君。
#5
○佐藤(祐)委員 おはようございます。
 今回の三法案は非常に重要な内容を持つ法案だというふうに考えております。限られた時間でありますから、率直簡明に御答弁をいただきたい。
 まず、新幹線の譲渡問題でお伺いをします。
 東海道、山陽、東北、上越の既設新幹線については、民営・分割の際に新幹線鉄道保有機構をつくってその保有のもとにリースで貸し付ける、三十年リースですね、経営上も利用者にとってもそれがいいのだというものであったわけです。なぜそれが突然わずか四年で譲渡ということになったのか。まずその方針変更についてお伺いしたい。
#6
○村岡国務大臣 今回既設四新幹線を譲渡する、こういうことにつきましては、JRの株式の売却、上場は、JRの完全民営化への道であるとともに、株式の売却収入により清算事業団の長期債務の円滑な処理を行うことができるということで、国鉄改革の一層の進展を期待できると考えております。
 本州三社の株式の売却、上場に際しては、現在、保有機構から借り受けております巨額の新幹線資産とこれに係る債務の確定がなされていないこと、設備の維持更新に必要とされる内部留保が十分でないという財務体質上の問題があることにより、今回、保有機構が保有する新幹線施設を適正な譲渡価額その他一定の譲渡条件で本州三社に売却することとしたものであります。
#7
○佐藤(祐)委員 結局JRの完全民営化、株の売却、上場のため、条件、環境を整えるためというのが答弁のポイントだと思いますが、その釈明は大変おかしいのですね。
 それで、長期債務の返済にも充てるという説明もありましたが、当初は三十年リースでやる、それでも長期債務の返済は別の計画でこれは進めていくのだということであったわけです。だから、三十年リースの変更が条件にはなりません。また、そういう株上場の問題とかいろいろな問題も当時わかっておったわけですね。そういうことを承知の上で三十年リースでいくのだという方針だったわけですよ。
 その際には、三十年リースが終わった後で譲渡をどうするか、有償か無償かという議論もありました。当時の政府答弁、中曽根総理初め、三十年リースが終わってもJRはもうかる仕組みが法的にもつくられているのだ、だからそれを無償で渡すというのは今の時点では言い過ぎだ、譲渡についてはそのときの国民の判断で決めるのだ、そういう見解であったわけです。そうでしょう、確認しておきますが。
#8
○大塚(秀)政府委員 今大臣も申し上げましたが、今回のリース制に基づく既設四新幹線につきまして新たに譲渡することについては、国鉄改革時におきましては、本州三社を健全な姿で発足させて将来にわたって安定的な経営を継続し得る基盤を整備する方法としていかなる制度が最も適切かという視点からの検討を重視したところであり、この新幹線施設のリースにいたしましても、株式上場あるいは純民間企業への移行という観点から具体的な検討をするというのは、新会社の安定した経営実績の積み重ねが不可欠でございますので、その経営動向を十分見きわめることができるようになった時点における課題とされたのではないかと私ども認識しております。
 今回、上場が間近に迫っているという時点から、JR株式基本問題検討懇談会等で学識経験者の意見を聞きました結果、今のリース制では、大臣からも申し上げましたように債務が確定していない等上場に支障があるという意見が多数を占めましたので、譲渡するという方向に踏み切ったわけでございます。
#9
○佐藤(祐)委員 ですから、それがおかしいと言っているのですよ。そういうことは当時からもうわかっていたわけですね、素人の集まりじゃないわけですから。それでもなおかつ株の売却もできるんだという説明で来たわけです。そしてそれを債務返還に充てるのだと。だから、方針転換の理由が大変不鮮明だし、結局今度は九・一兆円、中身についてまで詳しく言いませんが、いろいろ言っておられるが、結局は一兆円をプラスして譲渡するということですね。ですから、これは事実上、国民の貴重な財産である新幹線をわずか一兆円で民間会社にくれてやる、こういうことですよ。いわば国民をだました、そして専らJRの経営体質の強化とかJRの利益を擁護しているといいますか、追求している。そういうことだというふうに私は言わざるを得ないと思うのです。そして問題は、そういうことをやって整備新幹線の建設を進めていく、こういうことですね。
 私は、新幹線建設そのものにつきましては、地域振興や利便の点、国民の要望も強いということから、基本的には賛成の立場です。しかし、今回の整備新幹線建設の進め方、これには大変多くの問題があるということを感じております。
 特に重大なのは並行在来線問題です。私たちは新幹線建設が進められようとしております東北、北陸、九州と調査に参りました。そこで担当の県の幹部でありますとか商工会議所、民間のいろいろな団体、市町村長さん、いろいろ多方面にわたって御意見を聞きました。共通しておっしゃられたことは、私たちは新幹線は欲しいんだ、しかし新幹線建設と引きかえに在来線の切り捨て、切り離し、これはもう到底納得できない、そしてしかも既設の新幹線、これまで新幹線が建設された地域は地元負担というのはなかったわけですね。並行在来線も走っています。フル規格です。ところが、今後つくられようとするところは、地方自治体負担が巨額のものが押しつけられる。そしてさらに、そうしてつくられるものはあるいはミニ新幹線であるとかスーパー特急であるとか、とても本物とは言えない、こういうやり方は差別するのも甚だしいと非常に憤慨しておられる。
 大臣、こういう当該地域の方々ですね、住民あるいは県の幹部の皆さん、市町村長、こういう方々の痛切な意見をどう受けとめておられますか。
#10
○村岡国務大臣 在来線の切り捨てということと地域の要望をどう思うか、こういうことでございますが、この委員会でもお答えいたしておりましたが、JRに過度な負担を与えることはできない、第二の国鉄みたいなものにはできないという考え方で、そしてまた、要望している地域から今私が聞いておりますところは、おおむねそういうことを了承ということでございますけれども、一部には相当また今先生のおっしゃったような意見もある、こういうことで、在来線の取り扱いにつきましては地元の自治体とJRの意見を踏まえて適切な結論を得る必要があると考えております。
 もし代替交通機関が必要とあれば、そういうふうな状況になるとすれば、運輸省としても適切に対処してまいりたい、こう思っております。したがいまして、見切り発車というようなことではなしに、地元の意見も十分に聞きまして対処していきたい、こういうふうに考えております。
#11
○佐藤(祐)委員 今大臣が地元の意見をよく聞いて対処していきたい、見切り発車はしないとおっしゃられたことは、大変大事なことだというふうに思います。
 特に、よく大臣にも状況を知っていただきたいという意味でも申し上げたいのですが、例えば東北の場合、沼宮内─八戸の間、ここが今度対象になっているわけです。そこにこれまで東北本線で十四の駅があった、それが全部切り離しになるわけですね。ですから、この地域の人たちにとっては本当に死活にかかわる問題なんです。特にその中では、一戸町というのがありますが、一戸町は国鉄時代に四つの駅がありました。国鉄は百年の歴史があります。この四つの駅とともに町が形成され発展をしてきたわけです。もちろん病院もあり、学校もあり、役場もあります。それがずたずたにされるわけですよ。いろいろな関係、町長さん初め、お聞きしました。町民の方の「一戸町東北本線を守る会」、こういう自主的な組織も昨年の十月に結成されたのですね。当初は五十三名だったのが、今はもう二千名を超えたそうです。有権者が一万二、三千の町ですから、これは大変なことです。この人たちは、そういうことで本当に何とか在来線を残してほしい、こういう要望を持っておられる。
 在来線をとるか新幹線をとるか、結局こういう形に運輸省が追い込んでいったわけですよ、率直に言いますが。在来線の切り離しを認めなければ新幹線は引かないぞ、それでもいいのかということになっていったわけですね。一戸町なんか今でも断固反対ですよ。そういう声を抑えつけて、県知事は、在来線の切り捨てを結局了承しましたという返事を運輸省にしているのです。これはひどいですよ、やり方が。大体、一つの町や村に何千、何万という人が住んでいるわけですよ、そういうのを破壊する権利が国にあるのですか。事実上そういうことなんですよ。こういう問題について、地元のことをよく聞いてとかいうことをこれまでも運輸省は言ってこられたが、今どういう認識ですか。
#12
○村岡国務大臣 実は私の地元で、こういう新幹線にかかわる問題でございませんが、三十キロばかりの第三セクターで今やっているところがございます。この地域も数年前大変いろいろなことがございました。結局第三セクターで今運転をいたしておりますが、そういう経緯も私も承知をいたしておりますので、先生がおっしゃるとおり、今後その地域あるいはその他の地域についても十分に地元の意見も聞きながら検討していきたい、こういうふうに思っております。
#13
○佐藤(祐)委員 今の御答弁は、地元の了解を得られなければ在来線の切り捨ては強行しない、そういう意味ですね。
#14
○大塚(秀)政府委員 一戸町の場合には、岩手県を中心として調整をお願いしているところであり、着工の前提として地元への調整を行うという
ふうに考えております。
#15
○佐藤(祐)委員 県にお願いしてということですが、県知事とだけやっておられると、いわばトップダウンなんですよ。運輸省の方針を県知事に伝えて市町村を説得せよ、実情はこういうことですね。関係市町村長協議会というのが数度にわたって開かれたと承知しています。議事録も全部読みました。しかし、これはもう一戸町とか切り捨て対象になるところの人たちは絶対納得はしていないのです。もともと自分たちが新幹線を非常に切望されていたわけですよ。これは東北に限りません。でも、その段階は、在来線はこれまでの新幹線と同じようにあるものという前提で新幹線が欲しいということだったわけです。ところが、今回そうじゃない、二者択一を迫る、こういうやり方を憤慨しているわけですね。
 ですから、いかに納得しておられないかということでいいますと、先月の五日、二月五日に、一戸町の稲葉町長初め商工会議所の幹部の皆さん、それからまた市民組織であります「東北本線を守る会」、そういう方々が百人以上、夜行列車で四万人以上の請願署名を持って上京されたのです。そして、関係機関とか国会にお見えになりました。私もお会いしました。
 ところが、この問題で運輸省に聞きたいのですが、運輸省はこの人たちにどういう態度をとったのですか。はるばる陳情に来られた、切実な思いですよ、夜行で町長以下数人のだれかが来たというのじゃないのです。町を代表する幹部の人が、代表が見えたわけですね。何としても運輸省に要請をしたいということで行かれたわけです。それを十五分も待たしておいて、そしてあげくの果てに何と言ったのですか。陳情書があるのならその辺の机の上に置いていってくれ、こういう態度をとったというじゃないですか。これはもう許しがたい官僚の横暴だ。大臣、あなた政治家だからこういう点についても見解を示してもらいたいと思うのだけれども、衆議院議長も参議院議長もちゃんと会ったのですよ。要望を聞いて、少なくとも会って話を聞くというのが当然の態度じゃないですか。大臣、そういうやり方はいいと思っていますか。運輸省、本当にどうですか。
#16
○村岡国務大臣 地元の方々が夜行列車で来たということを今初めてお聞きをいたしました。私にもし来るのであれば、私は率先してお会いをして、地元の方々の御意見も十分に今後お聞きをいたしますし、また今後、その岩手県の方々ばかりでなく、地域からそういうような反対とか要望がございますれば、事務当局の方にもひとつ、今までのそういうようなことがないように指示をし、私もお会いをすることをいたします。
#17
○佐藤(祐)委員 今大臣の御答弁で、お会いもして話も聞く、ぜひそういう姿勢で臨んでいただきたいというふうに思います。
 この問題、今、一つの例として沼宮内─八戸間のことを申し上げました。しかし、今回のこの新幹線建設のもとになっておりますのは、いわゆる政府・与党申し合わせですね。これは民営・分割の翌年から数度にわたって行われている。こういうやり方といいますか、かつて政治家による強引な鉄道建設が我田引水ならぬ我田引鉄だということで大変批判を浴びたことがありました。今回は政府・与党申し合わせという形でこれは基本的に進められている。それが土台になっているということだと思うのですね。一つ重要な問題としては、それがどこかでやられておって、それが公開の、国民の代表である議会では、衆議院では、国会では一度もそのこと自体は審議の対象になっていないのですよ。検討はされていない。そして、政府・与党の申し合わせに基づいて、それを土台に運輸省の方で筋道をつけて法案化までする、こういうやり方自体に私は重大な問題があるというふうに言わざるを得ないと思うのですね。極めて非民主的な進め方、トップダウンの進め方と言わざるを得ないと思う。
 その中身、最終的に昨年の十二月の合意がありますけれども、そこではどういうふうに言っているかというと、「建設着工する区間の並行在来線は、開業時にJRの経営から分離することを認可前に確認すること。」ということになっているわけですね。これが当初の申し合わせの段階では、並行在来線の可否とかについて検討するというようなことだったわけですが、最終的な結論では、切り離しを確認しないと認可しませんよ、こういうことですよ。これでいきますと、大塚総括審議官、今私は東北の例を申し上げました。しかし、これが基本の土台で進められていくとなれば、今後新幹線を建設するという地域は基本的にこういう対応でいくということになるのじゃないですか、どうですか。
#18
○大塚(秀)政府委員 私どもの整備新幹線の整備に対する考え方というのは、既設の幹線鉄道に対して、新幹線技術を導入して鉄道を近代化するということが基本にございますので、JRの経営状況、鉄道の今後の輸送需要から見て、在来線と新幹線鉄道を並行して両方運営するということは大変難しい。そういう場合には、新しい製品である新幹線を整備する場合には古い設備である並行在来線については切り離して、地元で代替交通機関の導入等を検討していただかなければならない、それが原則だと思います。
 ただ、並行在来線についても、輸送需要がある、地域輸送を行っているところ、あるいは他の線とつながって運営上切り離せないところ、そういうJRが残したいというところは残さなければならないと考えております。
#19
○佐藤(祐)委員 現実に今やられている自治体でも、三線ともそういう問題があるわけですね。北陸でいいますと長野─軽井沢間、これも途中の自治体でいろんな問題が起きております。それからまた金沢─高岡間になりますか、この区間も在来線の切り捨てというので猛反対が起きています。そしてまた九州の方も、八代から川内までですか、川内から西鹿児島はもうかる見込みがあるからJRがやりましょう、しかし川内から八代まではJRは知りませんよ、こういうやり方ですよ。
 そうすると、この方針でいくと、結局は新幹線をつくるところは全部在来線は切り離す、これは大問題だと思うのですね。それが一政党と政府の申し合わせを基調にして強引に進められる、このやり方自体が私は本当に認められない、そういうふうに思います。
 そして、例えば今お話があった、同時に同じようにやるのは難しい、だからその後の問題については地元で考えてもらいたいというような趣旨ですね、ここにも私は大変な問題があると思うのです。
 国鉄再建のいろいろ議論があって、昭和で言うと五十九年ごろから特定地方交通線ということがやられました。そのときにたしか法律に基づいて特定地方交通線対策協議会というようなものがつくられて、まず地元の皆さんの意見も十分に聞く、法的な補償の場も不十分ながらつくったわけですね。私たちはもちろん基本的に切り捨てに反対ですから、それが全面的にいいという態度ではありませんが、しかし少なくともあのときには、地元の人の意見を聞きます、市町村の自治体の意見も聞きましょうということを、法的な仕組みまでつくったわけですよ、不十分ながら。今回はそれもないわけですね。そうでしょう。現場に、地元に伝えられたのはほんの数カ月前なんです。運輸省の方では、いろいろなことを考慮しながら数年前から作業をどんどん進めておられた。ところが地元に話が来たのはほんの数カ月前です。それで、来たときに、新幹線をつくる計画であります、しかし在来線の問題もありますからどうしたらよろしいでしょうかというのならわかりますよ。そうじゃないのです。新幹線をお望みなら在来線の切り離しに同意してください、同意しなければ新幹線は引きませんよ。まるでおどしですよ、これは。
 私は八戸も行きました。あそこは駅ができるわけですね。あそこの人たちも本当にこんなやり方はひどいと憤慨しているわけです。八戸から一戸の学校に通っている人なんかもいるんですよ。ですから、本当にそういう地域の状況を──地域振
興のためと言いながら、これは地域格差の是正にも逆行しますよ。ふるさと創生どころかふるさと破壊路線です。私はこれは本当に真剣に考えてもらわなければならぬと思うのですね。
 大臣が地元の人の意見をよく聞く、聞いて強行はしないとおっしゃられた。本当にこれを守ってほしい。その点、もう一度確認したいと思うのです、今のような状況を考えられて。今のやり方は東北だけじゃないのです、大臣もおっしゃったように、その他の地域でも問題が出たら──出るのです、これは必ず。現に出ているわけですね。本当に地元の意見をよく聞いて、要求にかなうように努力をする、どうですか大臣。
#20
○村岡国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたが、そういう地元の要望をいろいろお聞きをいたしまして、解決できるように努力してまいりたい、こう思っております。
#21
○佐藤(祐)委員 これは大塚審議官にお聞きした方がいいのだろうと思うのですが、私はあくまで東北本線のような基幹の線、これは枝線とは違うわけですね、そういう大きな意味合いもあると思います。だから、切り離しに同意して、それを前提で話をするわけでは決してありません、ありませんが、先ほど申し上げました特定地方交通線のあのときには一定の措置もとられたわけですよ。そうでしょう。転換交付金というのがたしか一キロ当たり三千万円でしたか出ましたし、それから第三セクターでやっても当然欠損が出るから、欠損の補助を五年間二分の一補助、そういう特別の手だてがとられたわけですよ。それならば、私は肯定するわけじゃありませんが考えようもあるという問題もありますよ。しかし、そういうことも一切なしなんですね。ただ切り離すことを認めるかどうか、こんなひどいやり方はない。
 ですから、地元の意見を十分に聞いていただくということと、解決のためにあらゆる知恵を使って住民の足を守る、町を破壊しない、そういう立場に立って事を進めなければならぬものだ。今のようなやり方では私は絶対承服することはできません、こういうやり方は。そういう点、どう考えますか。
#22
○大塚(秀)政府委員 整備新幹線の整備に係る並行在来線の問題については、地元の調整、合意が前提となっておりますので、並行在来線を第三セクターにする場合においても、欠損補助は考えておりませんが、その他の方法、例えばJRからの要員の派遣あるいは運営のノーハウの提供等、必要な協力を行い、代替交通機関が円滑に導入されるように我々としても努力していきたいと考えております。
#23
○佐藤(祐)委員 もう時間が終わりに近づきましたので、最後にもう一度申し上げたいと思います。
 地元の了解とかいう場合に、県知事が納得したという返事をしただけではだめだという点です、私がきょうずっと一連強調しておりますのは。県知事もある意味では追い込まれる立場になるわけですよ。ある意味では苦渋の決断を迫られる。やはり一番大事なことは、今回の法改正に基づく建設、これによって直接影響を受ける地域の人たち、直接被害を受ける地域の人たち、その人たちの意見こそ最重要視しなければならぬ。
 そして第三セクターの問題も、これは時間がありませんからきょうはやりませんが、転換交付金をやり経営補助費を出して、なおかつ、これは資料をいただきましたけれども、鉄道でプラスになっているところはほとんどない。五年の期間も過ぎて、これからどう赤字がふえていくか、大変な事態にもなっている。だから軽々に第三セクターでうまくいくんだという見地に到底立てないと私は思うのです。
 もう一度質問の機会もありますから、きょうはこの点を最後に強く要望して、大臣にその地元の意見をよく聞いて見切り発車はしないという御答弁もいただきましたから、また、地元の人たちにお会いして話をしたいということでもありますから、そういう機会も私はぜひつくっていただきたい。運輸省の側からむしろ地元へ行ってみてくださいよ、どれほど切実で大変な状況になっているか。そういう姿勢で臨まれるよう強く要求をして、きょうの質問は終わります。
#24
○亀井委員長 次に、高木義明君。
#25
○高木委員 私は、新幹線関係三法案につきまして質問をいたします。時間が限られておりますので、簡潔にお尋ねをいたしますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 私たち国民一人一人の日常の活動は日増しに広域化あるいは情報化、そしてまた国際化、こういう人、物、それらを含めての交流が大きく広がっております。より安全に、より快適に、より速く、こういう大きなニーズにこたえることもこれからの一つの政治の使命だと私は考えておるわけであります。
 そこで、まず冒頭、運輸大臣にお伺いいたしますが、いわゆる二十一世紀を展望した交通政策のあり方の基本方向についてはいかがお考えであるのか、お尋ねをしておきたいと思います。
#26
○村岡国務大臣 今後の交通体系、交通政策のあり方につきましては、平成元年の十一月、運輸政策審議会に対し、「二十一世紀に向けての九〇年代の交通政策の基本的課題への対応について」の諮問を行っておるところでありまして、同審議会におきましては、その下に設置されております総合部会、地域交通部会、物流部会及び国際部会の四つの部会に政策課題ごとに小委員会を設け、本年五月ごろの答申を目指して審議が行われております。
 一九九〇年代を迎えて、我が国の経済社会は、国民生活、国民意識が高度化、多様化しつつあること、高齢化が進展していること、地域構造、産業構造の変化が進んでいることなど大きな変革の過程にあることは御承知のとおりであります。また、我が国経済の発展に伴い、経済、文化、日常生活のすべての面にわたって広範な形で我が国の国際化が進展しております。
 このような経済社会の変化に対応いたしまして、国民生活の質の向上を図り、多極分散型国土の形成を進めるため、鉄道、空港、港湾等の運輸関係社会資本の整備を進めるとともに、国民のニーズに対応できるよう輸送サービスの高質化を図っていくことが重要であると考えております。
#27
○高木委員 国の四全総にも一日交通圏ということが示されておりますし、今国政の大きな一つの課題は、東京一極集中の是正、こういうこともあります。そういう意味で、多極分散型国土の形成につきましては、とりわけ高速鉄道網の積極的な整備が必要と思われますけれども、高速鉄道網についての中長期の計画をぜひ策定すべきだ、このように私は考えておりますが、いかがでしょう。
#28
○大塚(秀)政府委員 運輸省といたしましても、今後、多極分散型国土形成に資します高速交通ネットワークの整備の一層の充実を図るために、鉄道がその特性を発揮できる分野におきます鉄道の整備を積極的に推進していく必要があると考えております。このために、鉄道整備の指針としましての鉄道整備の中長期計画については、今後運輸政策審議会において御審議いただくことを予定しております。
#29
○高木委員 今後の総合交通体系のあり方について、先ほども出ておりましたが、運輸政策審議会における検討状況につきましてお示しいただきたいと思います。
#30
○中村政府委員 先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、現在、運輸政策審議会において諮問を受けて審議を進めていただいておるところでありますけれども、特に全国的な高速鉄道網というような観点に立った問題につきましては、幹線旅客交通小委員会において現在審議を進めておりまして、ことしの五、六月の答申をめどにただいま審議を進めておるところでございます。
 それから、大都市交通問題、鉄道問題につきましては、地域交通部会におきまして審議を進めておるところでございまして、やはり審議の答申を得る目標の時期は五、六月をめどに考えておるところでございます。
#31
○高木委員 ちょうど昨年の今ごろは日米構造協
議が大きな山を迎えておりまして、アメリカの方から、日本の社会資本の整備は大変おくれておる、そういう指摘がなされました。その後、四百三十兆円に上る公共投資の基本計画ができ上がったわけでありますが、この公共投資基本計画上における鉄道、空港、港湾、こういったものの交通施設の整備の位置づけについてどうお考えになっておられるのか。
#32
○中村政府委員 昨年六月に策定されました公共投資基本計画は、今後十年間の公共投資に関する枠組み及び基本的方向を示すわけでございますが、そのうちで交通施設につきましては二つの点で柱を立てているわけでございます。一つは、日常生活に密接に関連した施設の充実という観点で、「円滑で快適な交通の確保に向けて、地域の日常的モビリティーを支える道路、地下鉄等の地域交通基盤の整備を促進する」という点でございます。もう一つは、「多極分散型国土の形成を実現するため、全国的な高速交通体系の整備を推進するとともに、国際化の進展に対応して地方への展開も含め、国際的な交流拠点となる空港、港湾の整備を推進する。」ということになっております。
 私ども運輸省としては、このような基本的方向に沿いまして各般の施策を講じてまいりたい、かように考えておるところでございます。
#33
○高木委員 さて、譲渡の問題でございますが、まず、改めて確認の意味でお尋ねをしたいのは、既設四新幹線を本州JR三社に譲渡しようとするその背景、その理由、これについてお聞かせいただきたいと思います。
#34
○村岡国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたが、JRの株式の売却、上場は、一つにはJRの完全民営化の道である、そして、株式売却収入によりまして清算事業団の長期債務の円滑な処理を行うことができますので、国鉄改革の一層の進展を期待できるものと考えております。
 またもう一つには、この株式の売却、上場に際しては、現在、保有機構から借り受けております巨額の新幹線資産と、これに係る債務の確定がなされていないこと、設備の維持更新に必要とされる内部留保が十分でないという財務体質上の問題があることにより、今回、保有機構が保有する新幹線施設を適正な譲渡価額その他一定の譲渡条件で本州三社に譲渡することとしたものであります。
#35
○高木委員 そこで、いわゆる譲渡価額の九・一兆円でありますけれども、本当にこの九・一兆円というのは妥当性があるのか、どうして九・一兆円になったのか、素朴な疑問があるわけでございまして、この点についての明確なお答えをいただきたいと思います。
#36
○大塚(秀)政府委員 今回譲渡を予定しております既設新幹線の施設は、いわば国民共有財産とも言える公共性の高い資産でありまして、適正な時価でJRに譲渡する必要があると考えております。このため、JR株式基本問題検討懇談会に新幹線施設の譲渡に関する学識経験者から成るワーキンググループを設け、譲渡方法等について検討いたしたわけでございます。
 その際、譲渡価額については、譲渡時点、ことしの十月一日を予定しておりますが、そのときにおける新幹線施設の取得価額を基準とする。また、その取得価額の算定に当たっては、土地、償却資産に分けまして、土地につきましては、市区町村別の平均価格を出し譲渡時点の価額を推定するというような方法をとった結果、九・一兆円という算定を出したわけでございます。なお、この額につきましては、法律が成立いたしました場合には、新幹線鉄道保有機構に臨時に法律上の評価審議会を設け、改めて精査していただくこととしております。
#37
○高木委員 今後、審議会ですかを設けて新たに評価を精査するということでございますが、この九・一兆円と大きく隔たることがないのか、その辺の見通しについてはどうお考えでしょうか。
#38
○大塚(秀)政府委員 今回の評価の根拠となっております方法は、国鉄改革時に新幹線施設を評価したときと同じ方法によっており、またこれについては、先ほど申し上げましたJR株式基本問題検討懇談会におけるワーキンググループでも十分検討したものでございますので、この方式が評価審議会でも採用され、ほぼ同じ結果が出るものと期待しております。九・一兆円ぴったり同じになるかどうか、そのときの精査によりますが、それほど変わることがない結果になると私どもとしては考えております。
#39
○高木委員 では、今後建設される整備新幹線は将来無償で譲渡されるのでしょうか、その点についてどうお考えでしょうか。
#40
○大塚(秀)政府委員 高崎─軽井沢間について整備新幹線の着工が決定されました平成元年度予算編成に当たっての申し合わせにおきまして、「整備新幹線の建設主体は日本鉄道建設公団とし、建設した施設は、同公団が保有し、営業主体であるJRに有償で貸し付ける。」こととされておりますことから、整備新幹線の施設は、鉄道建設公団が保有し、貸し付けることを予定しております。
#41
○高木委員 新幹線の譲渡というのがいわゆるJRの純民営化にとっては必要な大きな要件だ、こういうことでございました。この民営化のためには、株式の売却そして上場だけではなくて、特殊会社を規制しております会社法、いわゆる旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律、この法律の改廃が必要であると思われますけれども、その法的手当てといいますか、そのあたりにつきましてはどう考えておられるのか、規制撤廃が必要ではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
#42
○大塚(秀)政府委員 現在はJRは特殊会社でございますので、特殊会社を規制するものとして会社法がございますので、もしJRが上場し、株式を処分して民営化されますれば、この会社法の改廃が必要になりますが、その具体的な時期、内容等につきましては、JR株式基本問題検討懇談会で今検討しているところでございます。
#43
○高木委員 既設四新幹線が譲渡されますと、本州JR三社の経営問題が大きく一つ注目されるわけでありまして、やはり、国民といたしましても利用客にいたしましても、これによってJR三社の経営が大きく悪化するのじゃなかろうか、あるいはまた料金値上げが出てくるのではなかろうか、こういう不安があるのは当然でございます。
 そこで私は、この問題について、とりわけ国鉄改革そしてまた行財政改革の中において第二の国鉄にしてはならぬ、これは本当に常に頭に置きながら対応しなければならないことだと考えております。そういう意味で、これまでの反省に立ちまして、このJR三社の経営悪化についての不安あるいは料金値上げについての危惧、こういうことについてどのように考えておられるのか。
#44
○大塚(秀)政府委員 今回の法律に基づきまして既設四新幹線を譲渡した場合には、各JRの損益におきまして、従来のリース料を支払わなくなるという点ではプラスでございますが、新幹線の譲渡代金の金利及び新幹線施設のうちの償却資産の減価償却費を立てるという点で損益に影響がございます。ただ、最近のJRの経営状況、経常利益の計上状況から見まして、新幹線の譲渡に伴う損益への影響が経常利益を圧迫し、あるいは欠損になって運賃を上げなければならないというような事態は全くないと考えております。
#45
○高木委員 この問題につきましては、確認の意味でお尋ねしますが、JR三社との合意は十分にできておるのか。私はあえて申し上げますと、やはり第二の国鉄にするなという言葉は、いわゆる国鉄時代の好ましくないあり方については十分反省し、そして肝に銘じる、これが大事なことだろうと思います。もちろんそれは労使ともに大事でございますし、その監督官庁としましての運輸省としてもその辺が一番大切なことだと思いますが、その辺のJR三社の合意、そして第二の国鉄にしないという決意について、再度お尋ねをしておきたいと思います。
#46
○大塚(秀)政府委員 今回の新幹線施設の譲渡問題また譲渡価額、あるいはJR本州三社への配分額等につきましては、予算編成過程におきまして
十分JRと協議し、いろいろな意見が出ましたけれども、最終的に合意に達しております。また、この法律が制定されますと新幹線鉄道保有機構が譲渡計画をつくって運輸大臣の認可を受けますが、その際にも改めてJRの意見を聞くことになっております。
 また、新幹線施設の譲渡は、その「趣旨」にもございますように、JRが上場に当たっての環境の整備を行う、つまり財務基盤を強化するためでございますので、このこと自体が第二の国鉄を招くということではなしに、JRの完全民営化への基盤強化の施策だと考えております。
#47
○高木委員 ぜひ私は、もちろん民間企業でございますので、その企業の自律と自主という精神については大切にしていただきたいと思っております。
 次に、経営の悪化に関連すると思われますけれども、いわゆる大規模な災害復旧工事であります。確かにこれまで新幹線は安全で運行されておりまして、大変喜ばしいことでございます。この点につきましては関係者の御努力に私は深く敬意を表するわけでございますが、今後そういう災害復旧工事は一体だれの責任で行うのか。やはり譲渡された後も基金からJRに補助を出していくべきではないかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
#48
○大塚(秀)政府委員 現在のリース制度のもとでは、復旧工事費五十億円以上の大規模災害につきましては、被災したJRの申し出によりまして新幹線鉄道保有機構が行い得る仕組みになっておりますけれども、実質上はリース料を通じて災害復旧費はJR各社の負担となっているものでございます。譲渡後におきましても、新幹線鉄道施設が各社みずからの資産となる関係上、大規模災害復旧事業も各社の負担で行うのが原則でございます。
 なお、本州三社の現在の経営実態から見ますと、相当大規模の災害でございましても十分自力で復旧が可能と考えておりますが、万一本州三社のそのような大きな資力をもってしても復旧困難な、そういうことはないことを望みますが、甚大な災害が生じた場合については、その時点において十分な対応を検討したいと考えております。
#49
○高木委員 この譲渡の問題の一連の中でクローズアップされたのですが、東海道新幹線の輸送力逼迫対策といたしまして品川新駅の新設なども取り上げられておりますが、こういった問題についてどう対応していかれるのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#50
○大塚(秀)政府委員 東海道新幹線については、最近輸送需要が伸びて輸送力が逼迫している状況にあると認識しております。この東海道新幹線の輸送力問題につきましては、運輸省としてもこれを重視し、学識経験者を含めた東海道新幹線輸送力問題懇談会を開催して、その必要性あるいは輸送力増強策について技術的な検討を行っているところでございますので、品川新駅問題を含めてこの場で今後審議をしたいと考えております。
#51
○高木委員 次に、鉄道整備基金の問題に移りますが、まず、この基金の設立の趣旨、そしてそのねらいは何かということについて明らかにしていただきたいと思います。
#52
○村岡国務大臣 先生御承知のとおり、鉄道は、道路、港湾、空港と並んで必要不可欠な交通施設でございます。国土の均衡ある発展、地域の振興を図るためにも鉄道の整備を積極的に推進していく必要があると考えております。
 このような状況を踏まえまして、緊急に整備が必要な新幹線鉄道、主要幹線鉄道及び都市鉄道の整備等を促進するため、既設の四新幹線の鉄道施設の譲渡に伴う収入の一部を活用しつつ、これに一般会計からの補助金等を加えまして、総合的かつ効率的に鉄道助成を行う特殊法人鉄道整備基金を設立するというものであります。
#53
○高木委員 これまでありました保有機構と今度新たに設立されます基金との関係は一体どうなってくるのか、こういうことでございます。
 この基金の要員の問題についても、その配置はどういうふうになるのか、あるいは保有機構におられた職員の身分保障についてはどうなるのか、この点についてお尋ねをしておきたいと思います。
#54
○大塚(秀)政府委員 今御審議いただいております鉄道整備基金法に基づく特殊法人鉄道整備基金の設立については、新幹線鉄道保有機構をスクラップとして行う予定にしております。保有機構の解散のときにおいて鉄道整備基金が設立されるわけでございますが、新幹線鉄道保有機構の一切の権利義務関係は鉄道整備基金に引き継がれます。具体的には、新幹線鉄道保有機構の持っております新幹線鉄道施設の債務、これを鉄道整備基金が引き継いで償還していく。また、新幹線鉄道保有機構が行っております新幹線鉄道施設の登記業務、これについても引き続き行うことになっております。
 新幹線鉄道保有機構の現在の職員等につきましては、その身分の保障あるいは年金問題等について問題が生じないように、万全を期するようただいま検討しているところでございます。
#55
○高木委員 運輸大臣が定める業務実施方針の内容についてお伺いいたします。
#56
○大塚(秀)政府委員 鉄道整備基金法案第二十一条第一項の規定に基づきまして運輸大臣が定める業務実施方針は、それに従って鉄道整備基金が既設新幹線譲渡収入の一部を活用した助成を行うこととされているものでございます。
 業務実施方針におきましては、基金の既設新幹線譲渡収入の一部を活用した助成業務に関しまして、二十一条二項に列挙しております次の事項を定めることとなります。
 まず、第一号の「基本的な方向」と書いてありますことにつきましては、新幹線鉄道について予算編成に当たっての申し合わせに従って整備すること等を定める予定でございます。また、第二号の「当該事業を行う者の要件に関する事項」という規定に基づきましては、対象事業は鉄道事業法等に基づく工事の施行に係る認可や日本鉄道建設公団法に基づく鉄道建設公団工事とすることの申し出がなされていなければならないこと等を定める予定でございます。最後に、第三号の「当該業務に係る助成条件の基準に関する事項」に基づくものとしましては、無利子貸し付けの貸付率等について定める予定にしております。
#57
○高木委員 具体的にお伺いしますけれども、鉄道整備全体についての構想はこの基金として示すことはできるのかできないのか、お尋ねをしておきたいと思います。
#58
○大塚(秀)政府委員 基金法案第二十一条第一項の規定に基づき運輸大臣が定めます、ただいま御説明しました業務実施方針におきましては、既設新幹線譲渡収入の一部を活用して行う基金の助成業務に関しまして、新幹線鉄道や主要幹線鉄道、都市鉄道の整備に関する基本的な方向を定めるにとどまっております。
 鉄道整備全体の構想につきましては、先ほど大臣及び運輸政策局長から御説明申し上げましたとおり、現在、運輸政策審議会において二十一世紀を展望した交通体系ビジョンを御審議いただいているところでございますし、運輸省としましても、これらの審議結果を踏まえ、二十一世紀に向けた鉄道整備の推進について考えていきたいと思っております。
#59
○高木委員 鉄道整備基金法案に言う「大都市」の範囲でございますが、この範囲についてどのように考えておられるのか。また、その他の大都市の中で、北九州市、札幌市が入っていない理由はなぜか、お尋ねをしておきたいと思います。
#60
○大塚(秀)政府委員 法案に言います大都市としては、その都市の機能の維持及び増進を図る観点から、円滑で快適な地域交通基盤の整備を図るために鉄道の整備が要請されている都市を想定しております。
 現在の時点では、具体的に政令において、三大都市圏のほか、地下鉄の整備を進めております札幌市、仙台市、広島市及び福岡市を定める予定で
ございます。
#61
○高木委員 時間も参りましたので、残余の分につきましては次回にいたしたいと思います。
 これで終わります。
#62
○亀井委員長 次に、細川律夫君。
#63
○細川委員 まず最初に、新幹線関係三法案の全体についてお尋ねをいたしたいと思います。
 政府の方では、第四次全国総合開発計画、いわゆる四全総を昭和六十二年六月に閣議決定されているところでございます。この四全総の中でこのように規定をされております。最近各地において活発化しているさまざまな交流の動きに着目して、交流の拡大を通じて、地域相互の分担と連携関係の深化を図ることを基本とする交流ネットワーク構想をその開発方式とする、こういうふうに規定をされているわけですけれども、これと今回の三法案との関係、特に鉄道整備基金法との関係での位置づけをお聞かせいただきたいと思います。
#64
○村岡国務大臣 今回お願いいたしております鉄道関係の三法、特に鉄道整備基金法案は、国土の均衡ある発展と大都市の機能の維持及び増進を図る観点から緊急な課題となっている新幹線鉄道、主要幹線鉄道及び都市鉄道の計画的かつ着実な整備を促進することを目的といたしておりまして、四全総の目標であります多極分散型の国土形成に大きく貢献するものと考えております。
#65
○細川委員 この四全総の中では、「交通体系の整備」ということで全国一日交通圏の構想が試みられておるところでございます。全国の主要都市間を三時間以内で交流することができる、こういうことを目指しておりますけれども、いわゆる四全総の交通体系の整備の中での全国一日交通圏、これをこの鉄道整備基金という法律によって実現することができるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
#66
○大塚(秀)政府委員 今回緊急に整備が必要な新幹線鉄道あるいは主要幹線鉄道につきまして、鉄道整備基金の設立により計画的かつ着実な整備を促進することになっておりまして、平成三年度予算においても、新幹線鉄道予算の充実が図られるとともに、主要幹線鉄道の整備の促進のための無利子貸付制度の創設等が行われたわけでございます。
 今後、これらの鉄道の整備によりまして、先生御指摘の四全総に言います一日交通圏構想の実現に向かって大きな役割を果たすものと考えております。
#67
○細川委員 さらにお伺いいたしますけれども、その四全総の中では、大都市圏における交通体系の整備、これについても書かれているところでございます。その大都市圏における交通整備については二つの方法があるということで、まず第一には、幹線交通とのアクセスの改善を図ることによって、鉄道の混雑あるいは道路の渋滞を緩和する、第二点目として、核都市の周辺を育成することによって、特に東京圏の都心一点集中構造の改善を誘導する、こういうことに重点を置いて交通体系の大都市圏における整備をしていく、こういうことが書かれておるわけですけれども、これと今度つくられます鉄道整備基金との関係、特にこれによってこういうことが実現できるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#68
○大塚(秀)政府委員 鉄道整備基金の設立による鉄道整備に関する助成の充実強化の中で大都市鉄道の整備は重要な柱でございまして、平成三年度予算におきましても、地下鉄予算の充実あるいは都市鉄道整備促進のための無利子貸付制度が創設される等、その目的のための予算が計上されております。
 今後、これらの都市鉄道の整備によりまして、四全総の構想、特に都市交通の充実に向かって鉄道整備基金は大きな役割を果たすものと考えております。
#69
○細川委員 次に、公共投資基本計画との関係でお尋ねをいたしたいと思います。
 先ほども御質問がありましたから確認のためにお聞きをいたしますけれども、我が国は公共投資が大変おくれている、したがって、それによって経済力は豊かであってもその豊かさに見合った実感がない、こういう指摘もされているわけでございます。そして、昨年政府の方で決定されました公共投資基本計画の中で、四百三十兆の投資については国民のニーズに沿って重点的に配分していくということが規定されております。
 その重点的な配分について、先ほどもお話がありましたように、特に人々の日常生活に密着した施設についての充実を図るということを言っているわけであります。そして、その日常生活に密着するのは、例えば地下鉄等の交通基盤の整備を促進する、こういうことをこの公共投資基本計画でうたっておりますけれども、それと今回提案をされております整備基金の関係、これについてお伺いをしたいと思います。
#70
○大塚(秀)政府委員 先生御指摘の公共投資基本計画において、各分野別の投資規模は書いてございませんが、その内容として、多極分散型国土形成を実現するため、全国的な高速交通体系の整備を推進すること、また円滑で快適な交通の確保に向けて、地域の日常的モビリティーを支える地下鉄等の地域交通基盤の整備を促進することがうたわれております。今回の鉄道整備基金の設立の目的は、新幹線、主要幹線鉄道、大都市鉄道の整備を促進することであり、このための助成を充実強化しようとするわけでございますから、まさに公共投資基本計画に沿った施策と考えております。
 今後とも、公共投資基本計画の内容に沿って鉄道整備が行われるように、その助成の充実強化について努力していきたいと考えております。
#71
○細川委員 それでは具体的な法案に入ってお伺いをいたしたいと存じます。
 まず、譲渡法案の方からお尋ねをいたします。
 既に質問もありましたから確認のために聞きますけれども、今回のこの新幹線の譲渡の目的、そしてその代金の使い道についてまず簡単に御説明をお願いします。
#72
○大塚(秀)政府委員 今回の譲渡の目的は、新幹線鉄道の施設の譲渡に関する法律案の「趣旨」にもございますように、本州三社の株式の売却、上場に際しまして、現在、保有機構から借り受けている巨額の新幹線資産とこれに係ります債務の確定がなされていないこと、また、この膨大な資産について減価償却が行えないために維持更新等の内部留保ができない、こういう財務上の問題があることから、上場に向けて環境の整備を図るために譲渡しようというのが目的でございます。
 また、新幹線譲渡代金の一部につきましては、鉄道整備基金の設立によって整備新幹線の整備の財源とし、また、大都市鉄道の整備等についての無利子貸付制度の創設を行うということを目的としております。
#73
○細川委員 この譲渡法案の第一条の「趣旨」のところには、そもそも譲渡する趣旨についてこのように書いております。日本国有鉄道清算事業団の債務の償還等を確実かつ円滑に実施をしていく、こういうことにかんがみて、株の売却を実施するのに必要な環境整備をするのだということでありますから、まずこの清算事業団の債務の償還等を確実かつ円滑に実施をしていくということが究極の目的だろうと思います。そうしますと、売却代金というのはそもそも債務の償還にすべて充てるというのがこの趣旨に合った使い道になるのではないでしょうか。
#74
○大塚(秀)政府委員 国鉄改革時におきまして、新幹線施設の改革時における評価額八・五兆円については、これを新幹線施設の債務の償還に充てるとともに、そのうちの二・九兆円については清算事業団の長期債務の償還に充てる旨が定められたわけでございますが、今回の新幹線施設の譲渡に当たりましても、この国鉄改革時における債務償還の基本スキームは変えてございません。
#75
○細川委員 基本スキームは変えていないということの説明はちょっとよく納得いかないのですけれども、そもそもこの新幹線を譲渡するということは、清算事業団の債務の償還を確実かつ円滑にするということが究極の目的なんですから、した
がって、その売却代金は当然債務の償還に全額充てるというのがこの譲渡法案の趣旨に最も沿うやり方ではないでしょうか。
#76
○大塚(秀)政府委員 先生御指摘のとおり、清算事業団の抱えております膨大な長期債務の償還は、我々にとっても最大の課題の一つでございます。清算事業団は、これらの長期債務について主として旧国鉄用地の処分及び保有しておりますJR株式の処分によって処理していく方向でございますが、さらに、国鉄改革時に、新幹線鉄道施設については、本来の新幹線鉄道建設に伴う債務を支払う残りの二・九兆円分については長期債務に充てるという方針を決めたわけでございます。この二・九兆円については現在約一・九兆円に減少しておりますが、この部分については国鉄改革時の基本スキームどおり清算事業団の長期債務に充てることになっておりまして、今回新幹線譲渡代金の一部を鉄道整備に回すというのは、譲渡時点における取得価額で再評価して、今申し上げました新幹線建設に伴う債務、また清算事業団に負っております債務を差し引いた差額の分についてこれを活用するということが第一でございます。
#77
○細川委員 それでは、この譲渡法案の第三条についてお聞きいたしたいと思います。
 この新幹線の譲渡については、新幹線鉄道施設譲渡計画を作成をして、これに基づいて譲渡をするということであります。そして、その基準を定めるということで第三条二項に四号まで規定をされておりますので、この各号に沿って御質問をしたいと思います。
 まずその譲渡計画の第一号、実施の時期について、譲渡を三つの新幹線会社が同時に実施をしなければならない、こういうふうに規定をしてありますけれども、なぜこのように同じでなければならないのか。それぞれ各三つの新幹線会社については経営状態だとかいろいろな違いがあるわけでありまして、それをあえて同じ時期に売却をする理由を説明をしてください。
#78
○大塚(秀)政府委員 JR本州三社につきまして、経営状況について若干の相違はございますが、いずれにしてもこの三社は早い時期に上場するという点では同じでございまして、そのための環境の整備として、新幹線施設をできるだけ早く譲渡して経営基盤を確立するという目的を達する必要があるという点が第一点でございます。
 また第二点としましては、新幹線鉄道保有機構は新幹線施設を一括して保有することによって三社間の新幹線による収益の調整を行っておりますので、これの一部を譲渡して一部を依然として保有するということは、保有機構の設立の趣旨にも反しますので、譲渡する以上はこれを同時期に譲渡するのが適当であろうかと考えます。
#79
○細川委員 第二号の「譲渡する新幹線鉄道施設の範囲」の問題でございます。ここに規定している新幹線鉄道施設の範囲、これは具体的にはどのようなものを指すのか、具体的にお答え願いたいと思います。
#80
○大塚(秀)政府委員 今回本州三社に譲渡される物件は、現在貸し付けの対象としております新幹線施設の土地、建物、線路設備、停車場設備等でございます。なお、新幹線の車両は現在JRが保有して運営しておりますので、含まれません。
#81
○細川委員 現在、東北新幹線の上野─東京間四キロメートルが建設中でありますけれども、だからこれは現在貸してはいないわけなんですけれども、この所有関係、今後この東京─上野間がどういうふうになるのか、どういう扱いになるのか、説明をお願いしたいと思います。
#82
○大塚(秀)政府委員 新幹線施設の譲渡時点は十月一日を予定しておりますので、東京─上野間については既に譲渡代金の中にも織り込み済みでございます。
#83
○細川委員 これはそうしますと、上野─東京間については保有機構の方で現在建設を進めている、公団ではない。鉄建公団ではないのですか。
#84
○大塚(秀)政府委員 そのとおりでございます。
#85
○細川委員 そこで、細かいことになって大変恐縮ですけれども、この二号の「新幹線鉄道施設の範囲」、これを読みますと、「新幹線鉄道保有機構法の規定により各旅客鉄道株式会社に対し貸し付けることとされている範囲を基準とするものである」、こういう「基準とする」という表現をこの法案では書かれているわけですけれども、そうしますと、現在貸している部分について、場合によっては現在貸している相手方のJR以外のところに貸すとか、こういう調整をするという意味でこの「基準」というのがあるのでしょうか、どういう意味で「基準」というふうに書いてあるのでしょうか。
#86
○大塚(秀)政府委員 新幹線施設の譲渡に当たっての区分としましては、基本的には現在の貸付区分によることとしておりますけれども、実際の貸付区分というのも境あたりでは大変複雑に入り組んでおりますので、JR同士の話し合い等によって微調整もあり得るかと考えられますので、「基準」としたわけでございます。
#87
○細川委員 今の御説明によりますと、微調整もあり得るということで「基準」。そうしますと、例えば第三号にも、この「配分した額を基準とする」ということで「基準」という言葉が書かれております。あるいは第四号でも、「政令で定める半年賦支払の方法を基準とする」、それぞれ「基準」ということが書かれておりますから、そうしますと、この三号でも四号でも、いずれも調整をして変えることができる、こういうふうに今の説明から理解できるのですけれども、そのように理解してよろしいですか。
#88
○大塚(秀)政府委員 譲渡価額等につきましても、先ほど御説明しましたように新幹線鉄道保有機構におきまして評価審議会でもう一度精査することになっておりますので、そういう意味で「基準」としたこと。それから、これは新幹線鉄道保有機構が運輸大臣の認可を受ける譲渡計画でございますから「基準」という言葉を使ったわけでございますが、原則は「基準」ではなしに、ここに書いてあるようなことだと御理解いただきたいと思います。
#89
○細川委員 そうしますと、私の感じるところでは、この「基準」という言葉をここに入れておりますと大変あいまいになる。したがって、例えば先ほどから質問しておりますように、二号の問題については、この「基準」というのを削除してもいいのじゃないか。新幹線鉄道保有機構法の規定により各旅客鉄道株式会社に対し貸し付けることとされている範囲であること、こういう表現でいいと思うのです。あるいは三号、四号についても同じように「基準」というものを取れば、むしろはっきりした法案になるのではないかと思いますけれども。
#90
○大塚(秀)政府委員 今申し上げましたように微調整があるかもしれませんが、それが妥当かどうかは、譲渡計画自体が運輸大臣の認可にかかっておりますので、その認可の際に、微調整が適当でない、新幹線鉄道保有機構が行ったものが適当でないというときには認可いたしませんので、法律の規定の仕方として「基準」と書いておく方がより適当ではないかと考えております。
#91
○細川委員 余り議論はしたくないので、それでは第三号についてお伺いをいたします。
 これは新幹線の譲渡価額の問題でありますけれども、確認のためにお聞きをいたしますが、そもそも新幹線を譲渡するわけですから、その新幹線の施設が一体幾らであるかということについては、これは実態に即した金額ということが本来の姿であろうと思います。しかし、今回の法案については割合によって配分をした額を基準として価額を決定していく、こういう法案になっておりますけれども、なぜこのようになったかを御説明してください。
#92
○大塚(秀)政府委員 評価額につきましては、先ほど来申し上げておりますような評価方法によって評価額を検討したわけでございますが、これについてはもう一度新幹線鉄道保有機構に臨時に設置されます評価審議会で再精査することになっております。
 また、各社への配分割合というのは、これは土
地や償却資産の評価のような専門的、技術的なものではなしに、運輸大臣が定める割合のもととなっておりますのは、その評価された資産のほかに、各新幹線別の将来の収益力の見通し、また維持更新に要する費用等を勘案することになっておりますので、こちらの方は運輸大臣が定める割合としたわけでございまして、現在のリース料の配分と同様な方法によっているわけでございます。
#93
○細川委員 そもそもこの新幹線は国民の共有財産であります。それを売却ということでありますから、この売却代金が幾らになるかということについては大変重要なことでありまして、しかも巨額な金額になるわけであります。したがって、この新幹線を幾らで売るか、九兆一千億という予定のようでありますけれども、しかしその売却代金を国会の場で、国民の代表の場であるこの国会できちんと決めるべきだというふうに私は考えますけれども、売却代金については法案としてここに載っていない、それについて、どうしてこういうふうになるのか、説明をお願いいたします。
#94
○大塚(秀)政府委員 確かに先生が今言われましたように、この新幹線の譲渡価額の決定というのは、客観的にも公正妥当でなければならないと考えます。そのために、今回の法律では特に法律上に新幹線鉄道保有機構に新幹線鉄道施設評価審議会を設けることとし、また、この審議会の委員は、機構には置きますが、運輸大臣が任命する、また、役員の欠格条項等を準用して委員の業務執行についての適正化を期す等の配慮をしておるわけでございます。
#95
○細川委員 納得できるわけではありませんけれども、時間の都合で先に進みます。
 四号では、対価の支払い方法についてということで、「政令で定める半年賦支払の方法」ということが法案の規定になっております。対価の支払い、これはどういうふうに払うかということは、対価が幾らであるということと同じく大変重要なわけでございます。一体何年で払うのか、あるいはまた即金で払うのかどうか、そういう支払い方法が、この法案では単に半年賦払いだということしか載ってないわけであります。一体、二十年なのか三十年なのか、あるいは六十年なのか、それを半年賦払いということで法案の中に規定されるならばわかりますけれども、この法案ではただ支払い方法は半年賦払いというだけになっているのは、どうしてそういうふうになっているのか。
#96
○大塚(秀)政府委員 譲渡代金の支払い方法につきましては、譲渡収入の着実な確保を図る上でも重要でございますので政令で定めることとしたわけで、契約にゆだねていないわけでございます。半年賦払いというのを一つの例示にいたしましたが、譲渡期間等については政令で定めることとしております。
 なお、譲渡期間等につきましては、予算その他の積算根拠になっている点では、私どももオープンに説明させていただいております。
#97
○細川委員 私の質問は、半年賦払いということが法案で出てきているわけですね。法律で規定されていますね。なぜ半年賦払いということだけが法律で規定をされているのか。逆に言いますと、私の方は、むしろ売買の金額、それからそれを何年で支払うのか、そしてそれを何回で払うのか、こういうことが法案に出てくるべきだと思いますけれども、法案に出ているのはただ半年賦払いというだけでございます。それはなぜかという質問ですから、答えていただきたいと思います。
#98
○大塚(秀)政府委員 半年賦という言葉でございますが、これは年賦で長期にわたって返すという意味で書かれて、その期限が政令にゆだねられているわけでございますが、これは鉄道建設公団のP線その他、長期の譲渡を行うような場合のその期間についても同様な方法がとられておりまして、それの弾力的な運用といいますか、法律で書いて規定してしまうというような例が今までございませんので、政令にゆだねているという次第でございます。
#99
○細川委員 政令で定めるというならそれはそれで一つの理屈だろうと思うのですが、だったら半年賦払いというのも政令に定めればいいわけなんですよ。それを何で半年賦払いということだけ、一年のものを半分に分けて払っていくというそこだけを何で法案にわざわざ、逆に言うと、どうしてこれが重要なのかということも聞きたいのです。
#100
○大塚(秀)政府委員 譲渡代金の支払い方法の基本として年賦払いであるということを法律上書いたということとともに、鉄道整備基金法の方では譲渡代金の一部を活用して鉄道整備に充てることになっておりまして、この譲渡代金の一部というのが毎年入ってくるということが鉄道整備基金の前提の仕組みになっておりますので、それとの一体的な関係で年賦払いということを法律上書いたということも一つの理由でございます。
#101
○細川委員 そこで、代金が年幾らという形で入ってくる、その入ってくる金額、年に幾ら代金が入ってくるかということは大変重要だろうと思うのです。支払ってもらうお金を流用してというか運営して、それによってお金を捻出して無利子貸付金に充てる、これを捻出するという法案でありますから、したがって何年で代金を支払うかということは非常に重要だ、期間が短ければ年々の支払いの代金が多いわけですから。そうしますと運用するお金も多くなりますから、いわゆる無利子貸付金のお金だってたくさん出るわけなんですね。
 そういう支払い方法、代金が何年で支払われるかというのは非常に重要だろうと思うのです、この法案の中においても。それを政令にゆだねている。そうでなくて、なぜ法案として出してこられないのかと私は思いますけれども、その点いかがでしょうか。
#102
○大塚(秀)政府委員 毎年の譲渡代金というのは、単に期間だけじゃなしに金利にも左右されるわけでございます。したがいまして、期間だけ定めたら毎年の額が出てくるわけじゃなしに、金利を幾らにするかということも関係してくるわけで、通常、金利も変動ございますので、期間についても法律で明定する例はこのようなケースでは少のうございますので、前例に従ったといいますか、通常の方法によって政令にゆだねたということでございます。
#103
○細川委員 それでは先に進めさせていただきます。
 譲渡の関係では最後の質問になりますが、これは法律で、新幹線を保有機構が譲渡して、そしてJR三社がこれを買い受ける、こういうふうになっておりますけれども、具体的には保有機構とJR三社の間で具体的な譲渡契約というのが結ばれるわけですか。
#104
○大塚(秀)政府委員 今回の譲渡につきましては、基本的なことは法律等で定めておりますが、最終的には、新幹線鉄道保有機構と本州JR三社との間における譲渡契約の締結により、初めて私法上の効果として所有権の移転が生ずるというものでございます。
#105
○細川委員 そうしますと、この法律案でもJRの方の意見を聞きながらというふうになっておりますけれども、そういうことをいろいろ考慮したとしても、私法上は一対一の契約ということになれば、JRの方でその契約を結ぶときに、だめだ、あるいはまた、先ほど私が質問した「基準」という言葉のところから、調整などについて、JRの方からそれは困るというようなことは考えられませんか。
#106
○大塚(秀)政府委員 JRの意見を聞く以上はJRが意見を述べるということにはなると思いますが、一方、契約を結ぶことにはなりますが、第二条では「旅客鉄道株式会社はこれを譲り受けるものとする。」となっておりますので、法律上は譲り受けてもらうという規定でございます。
#107
○細川委員 それでは、鉄道整備基金の方に入らせていただきます。
 鉄道整備基金法の第一条で「目的」が定められております。この目的の中で、「新幹線鉄道、主要幹線鉄道及び都市鉄道の計画的かつ着実な整備を促進する」のがこの法案の目的になっております
けれども、この計画的な整備というのはどういうことを指しているのか、あるいはどういう内容を言うのでしょうか。
#108
○大塚(秀)政府委員 鉄道整備については、その投資に巨額な資金が要り、また投下資本の回収に長期間を要することから鉄道整備が順調に進んでいない状況にございます。今回、鉄道整備基金の設立によりまして鉄道整備が促進されると考えられますが、その鉄道整備の促進が無秩序に行われるのではなしに、将来のあるべき鉄道の姿、鉄道の近代化に向かって計画的に行われることを目的としているという趣旨でございます。
#109
○細川委員 それだけでは、この目的が計画的な整備ということですから、将来に向けての鉄道整備をどういうふうにするかというきちんとした計画がなければこの法案そのものが意味をなしてこない、ただ無秩序なのを計画的に整備するというだけでは意味をなさないと思うのです、目的なんですから。どういう計画的な整備なのか、これをこれからつくるということならばそれはそれでも結構だと思いますけれども、そのあたりを教えてください。
#110
○大塚(秀)政府委員 鉄道整備の必要性については、先ほどからお答えしておりますように、四全総にも規定しているとおりでございますし、また先生が御指摘されました公共投資基本計画にも規定されている、また将来の交通体系のビジョンについては現在運輸政策審議会で検討している、そういったいろいろな計画に基づく鉄道のあり方、そういうものを念頭に置きながら計画的に整備していくというのがこの目的でございます。
#111
○細川委員 次に、もう一つの目的、これは「助成を総合的かつ効率的に行う」、こういうことでございます。助成を総合的かつ効率的に行うということになっておりますけれども、これはどういうことか、今まではどういうような欠点というかがあったのかを説明願います。
#112
○大塚(秀)政府委員 今まで総合的かつ効率的に行っていなかったというわけではございませんで、今までもそのように心がけてきたわけでございますが、今回、鉄道整備基金が設立され、既設新幹線の譲渡収入の一部を活用しつつ、これに一般会計財源を加えて、より鉄道助成を充実強化させていく、それが総合的かつ効率的に行うことを目的としたものであるという趣旨でございます。
#113
○細川委員 それでは、整備基金の業務についてお尋ねをいたします。
 これは第二十条一項の関係でありまして、そこでは運輸大臣が業務実施方針を策定しなければいけない、その業務実施方針に基づいて基金は業務を進めるということなんですけれども、この運輸大臣の定める業務実施方針はどういうものなのか、あるいはこれはいつつくられるのか、説明をしてください。
#114
○大塚(秀)政府委員 業務実施方針におきましては、鉄道整備基金の既設新幹線譲渡収入の一部を活用した助成業務に関しまして、鉄道整備基金法案の第二十一条第二項に規定します事項を定めることとしております。
 ここで各号に分かれておりますが、一号につきましては、新幹線鉄道について予算編成に当たっての申し合わせに従って整備することなどを定める予定でございますし、第二号に関しましては、対象事業は鉄道事業法等に基づく工事の施行に係る認可や日本鉄道建設公団法に基づく鉄建公団工事とすることの申し出がなされていなければならないこと等を定める予定でございます。最後に、第三号としましては、無利子貸し付けの貸付率等について定める予定でございます。
 また、その策定時期につきましては、この業務実施方針に基づいて業務を行うわけでございますから、本鉄道関連三法案が成立し次第その策定作業に取りかかりまして、鉄道整備基金設立、これは十月一日を予定しておりますが、設立後速やかに指示したいと考えております。
#115
○細川委員 整備基金の業務については二十条第一項、第二項に規定をしているわけなんですけれども、この第一項の方では、「運輸大臣が定める業務実施方針に従って、次の業務を行う。」こういうふうになっております。ところが第二十条第二項の方については、「業務実施方針に従って、」という規定がなくて、ただ「次の業務を行うことができる。」というふうになっておりまして、一項、二項に「業務実施方針」が双方にかかってない、一項だけである。二項は運輸大臣が定める業務実施方針に沿ってやらなくてもいいのかどうか、御説明願いたいと思います。
#116
○大塚(秀)政府委員 第一項は新幹線譲渡代金の一部を活用した特定財源をもとにした業務でございまして、これを鉄道整備基金が独自に判断してやるのではなしに、運輸大臣が業務実施方針を定めて、その方針に基づいて業務を行うために業務実施方針の規定を設けたわけでございます。これに対して第二項の業務は、従来の国の一般会計からの補助金等を基金を通じて一元的に行うとしたものでございまして、その助成の内容につきましては予算を通じて方針が立てられているものでございますので、あえて業務実施方針の中には直接入れないということにしたわけでございます。
#117
○細川委員 それでは関連してお聞きしますけれども、いわゆる間接助成と言われる一般会計から入ってくる助成金については、結局、これまで直接事業者などに支払われていたものが、助成されていたものが、ただ単にこの整備基金を通じて助成されるという、ただ整備基金を通過するだけというふうになると思うのですけれども、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#118
○大塚(秀)政府委員 予算的、金額的にはそのとおりでございますが、鉄道整備基金において新幹線譲渡代金収入の一部を充てる特定財源とこういう一般会計財源とを一元的に扱うことによって、助成の諸手続の効率化等を目指したものでございます。
#119
○細川委員 助成の一元化ということだけではどうしてこの整備基金に入れるかということについて理解ができませんけれども、時間もありませんので続けさせていただきます。
 基金の業務については二十条の一項、二項に規定をされております。そこで私は一項の三号の業務についてお聞きをしたいと思いますけども、これは無利子貸付制度でございます。基金で行う業務の中でこの無利子貸付制度というものをどのように位置づけをされているのか、御説明願いたいと思います。
#120
○大塚(秀)政府委員 基金の無利子貸付業務は、国土の均衡ある発展と大都市の機能の維持、また都市鉄道の整備を促進するために行うものでございまして、鉄道整備基金の主要な業務の一つであると考えております。
#121
○細川委員 この整備基金法がいわゆる整備新幹線をつくるためにできたんじゃないかというふうにも言われておりまして、それならば大変片手落ちな法案だろうと私は思いますけれども、この無利子貸付制度が充実していくならば、これはこれで私は大変よい制度でもあろうかと思います。
 そこで、それには財源がきちんと捻出をされなければならない、そのように思いますけれども、これについてはどのようにこの財源がきちんと捻出をされるのか、間違いなく確実にそれが出てくるのか、この無利子貸付制度の充実のため大変重要なことであろうかと思いますので、説明をお願いいたします。
#122
○大塚(秀)政府委員 鉄道整備基金によります無利子貸し付けは、既設新幹線譲渡収入のうち、鉄道整備基金が清算事業団に対して負っております債務、現在約一・九兆円でございますが、これに係る資金を清算事業団の債務の償還などの確実かつ円滑な実施に支障を生じない範囲で活用して行うものでございます。
 無利子貸し付けの額については、平成三年度予算において対象事業のニーズも考慮して合計で百五十八億円計上しておりますが、四年度以降の無利子貸付枠については、清算事業団の資金繰りの動向によって決まってくることでございますので、その見通しについて現時点で確定的には申し上げられませんが、我々としては無利子貸付制度
の充実について努力していきたいと考えております。
#123
○細川委員 この無利子貸付制度というものは非常にいい制度だと思いますので、ぜひ充実をさせていただきたいと思いますけれども、ただ、この財源について売却代金の一部の二兆円をやりくりしてということでありますけれども、そういう財源ではなくて別の財源を今後捻出してつくり出して、この基金に入れてやっていくというようなお考えはございませんか。
#124
○大塚(秀)政府委員 せっかくの制度が発足したところでございますので、将来のことを今申し上げるのはいかがかと思いますが、我々としては、このような制度の充実強化について今後とも努力していきたいと思います。
#125
○細川委員 それでは、この整備基金について常磐新線はどのように扱われるのかということについてお聞きをいたしたいと思いますけれども、この常磐新線は平成三年度では、この基金との関係ではどのように扱われるのでしょうか。
#126
○佐々木(建)政府委員 常磐新線につきましては、これを整備運営します第三セクターが近々のうちに設立されるという予定になっておりますけれども、鉄道整備基金からの無利子貸し付けにつきましては、平成三年度はこの線について具体的な建設工事がないということで、平成三年度の無利子貸付対象とはならなかったわけでございますけれども、平成四年度以降の建設工事については、事業主体たる第三セクターが設立されましてこの事業に必要な出資が地方公共団体等によって手当てされれば、無利子貸付制度の対象になるというふうに考えております。
#127
○細川委員 平成四年度からこの無利子貸付制度の対象になるということでございますけれども、一体その対象になった場合にどの程度の無利子貸し付けが行われるのか、差し支えない範囲でお答え願いたいと思います。
#128
○佐々木(建)政府委員 常磐新線の具体的な計画につきましては、これから第三セクターができて計画を立て、一都三県と調整して具体化していくわけでございますけれども、そこで建設費が決まりまして補助対象建設費が決まりましたら、その四〇%を基金から無利子貸し付けをするということになろうかと思います。
#129
○細川委員 それでは、時間が来ましたので最後の質問にしたいと思いますけれども、今東京では大変一極集中でありまして、交通に関しても、特に通勤通学駅などはラッシュ時は大変な込みようでございます。そういう面をぜひ早く解消をしていただきたいと思いますし、また、土地の高騰によりまして、良質な住宅地を大量に供給するにはやはり鉄道の整備を本当に急がなければならないと思います。さらにまた、環境問題が今大変大きな問題になっておりまして、地球温暖化についての二酸化炭素の問題、あるいは大気中の窒素酸化物の問題、これらについては自動車よりも鉄道の方がより公害が少ないということで、そういう面からも期待をされているわけでございます。
 そういう点からしまして、ぜひこの整備基金を充実もさせていかなければいけないと思いますけれども、最後になりますけれども、その点の大臣のお考えをひとつお聞かせ願いたいと思います。
#130
○村岡国務大臣 御承知のとおり、鉄道整備基金は新幹線を譲渡した収入の一部を活用いたしまして無利子貸し付けを行うほか、これに一般会計からの補助金等を加えて効率的に鉄道の助成を行うことといたしておりますが、助成の対象は、整備新幹線や主要幹線鉄道の整備だけではなく、おっしゃるように大都市における通勤混雑緩和に資する地下鉄を初めとする民鉄の整備も含まれております。また、この大都市鉄道の整備につきましては、通勤通学輸送の混雑緩和対策など、大都市の機能の維持及び増進を図る観点から緊急な、緊要な課題と認識をいたしております。
 運輸省といたしましても、大都市鉄道の計画的かつ着実な整備を促進するため、鉄道整備基金を十分活用いたしまして、今後とも所要の助成が確保されるよう努めてまいりたいと思います。
#131
○細川委員 ありがとうございました。終わります。
#132
○亀井委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三分休憩
     ────◇─────
    午後一時一分開議
#133
○亀井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。浅井美幸君。
#134
○浅井委員 まず最初に、この新幹線関係三法案の審議に入るわけでございますが、お聞きしたいことは、この整備新幹線の建設につきましては、従来、国鉄の財政が非常に厳しくなって整備新幹線どころではないということで、整備新幹線建設は凍結ということで久しくやってまいりました。それが、従来から地域の要望等もこれありということで、昭和六十三年八月三十一日に始まりまして昨年の十二月二十四日まで三回、政府・与党の申し合わせというのが行われました。なぜこの政府・与党の申し合わせという経過になったのか、この辺のことについてお伺いしたいと思うのです。
 本来、整備新幹線というのは何も政府・与党だけの問題ではなく国民全般の問題で、それを政府・与党だけが申し合わせたといういきさつ、また、それに従ってこれが行われることに対して、私は野党の一人として非常に奇異に思うわけであります。なぜこういう経過になっているのか、まず御説明いただきたいと思います。
#135
○大塚(秀)政府委員 先生御指摘いただきましたように、整備新幹線については、昭和四十八年十一月に整備計画が定められて以来、財源問題等で着工に至らず時間が経過いたしましたけれども、地元の要請あるいは国民経済的な必要性から、整備新幹線の検討委員会が設けられてその建設方法が検討されました。その過程では関係都道府県の知事等の意見も聞き、その結果として、今先生が言われました申し合わせとなったわけでございます。
 この申し合わせに従って、私ども、平成元年から高崎─軽井沢について着工するということで着工予算を計上し、この予算等については国会でも議論され、また、これに基づく日本鉄道建設公団法及び新幹線鉄道保有機構法の改正案についても一昨年の国会で十分御議論いただいたところだと認識しております。
#136
○浅井委員 今私は、国会で審議はあったと言いますけれども、この三回目の平成二年十二月二十四日の政府・与党申し合わせ、この政府・与党申し合わせというのは、与党というのは自民党だけであって、国会審議というのと申し合わせとは違うわけであって、なぜ政府・与党だけがこういうふうに「取扱いについて」あるいはまた「申合せ」という形になってきたのか、これを聞いているわけです。
#137
○大塚(秀)政府委員 昨年十二月に政府及び与党の申し合わせが行われたことはそのとおりでございます。ただ、この申し合わせに従いまして予算が計上され、今その予算が国会で御審議いただいているところだと思っております。
#138
○浅井委員 こういう政府・与党申し合わせという形で、ほかの建設省であろうと通産省であろうと、こういう申し合わせ事項でこういうことが行われておることがありますか。大臣、そういうことを聞いたことがあられますか。
#139
○村岡国務大臣 私は浅井先生のように長年やっておりませんので、短いのでございまして、こういう例は記憶いたしておりません。
#140
○浅井委員 まず、こういう形でやられるということについては余り好ましいことではないと私は思うのです。国民の財産であり、また国民の財源あるいは税金を使ってやっていくのでありますから、こういう委員会においての審議も、与野党がそれぞれの角度から、こういう新幹線なら新幹線建設に対しての意見を持ち、あるいは選挙民や住民の要求が反映された審議が行われて、そして全
きを得るものであって、政府・与党だけがこういう形でやっていくということは非常に好ましくないということを私は厳しく指摘しておきたいと思うわけです。以後、これは気をつけてもらいたいと思います。
 そこで、今回この鉄道整備基金というものをおつくりになりましたけれども、この財源について、どういうふうな財源をもってこれから整備新幹線の本格着工という形になっていくのか、この財源負担の仕組みと、昭和六十三年八月三十一日及び平成元年一月十七日の政府・与党申し合わせと異なる点はあるのかどうか、この点について確認しておきたいと思います。
#141
○大塚(秀)政府委員 今回の鉄道整備基金の設立に当たりましては、御審議をいただいております三法案の一つ、新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案に基づきまして既設四新幹線をJR本州三社に譲渡する際の譲渡代金の一部を活用し、これを基金の助成財源とするとともに、従来、一般会計から鉄道助成に充てられておりました助成額をこの鉄道整備基金に入れまして、特定財源と一般会計財源をあわせて一元的に管理運営しようとするものでございます。
 それから、今言われました基本スキームにつきましては、昭和六十三年八月三十一日のものが建設の進め方について定められ、平成元年一月十七日のものがその具体的な負担割合について定められたものであり、今回の昨年暮れの基本スキームにおいて具体的に着工する区間が定まったものでございます。
 建設の進め方につきましては、昭和六十三年の建設の進め方の中で、整備新幹線をフル規格のままで着工することは財源投資効率から見て問題があるので、運輸省案を中心として三線五区間を着工することとし、その着工順位を定めたということになっておりますが、今回は、そのうちの三区間を本格着工する、また一区間を着工調整費を計上したということになっております。
 また、負担割合につきましては、国費三五%、地域負担一五%、JR負担五〇%でございますが、JR負担のうち、当時の申し合わせで新幹線鉄道保有機構のリース料の余剰をもって充てるとされたものが、今回の法案によって新幹線施設が譲渡されますので、余剰をもって充てるとされた部分については今回新幹線譲渡代金の一部を充てる、こういう点が主な相違でございますが、基本的にはそれぞれのスキームは新幹線の着工に向かって進められたものでございまして、相互に大きな矛盾があるわけではなしに、スキームに沿って今整備新幹線の予算が計上されていると考えております。
#142
○浅井委員 財団というのですか、基金というのですか、公団というのですか、これをつくられたことについてまたいろんな問題はあるのですけれども、JRがこの三年非常に経営努力を重ねて順調な経営を続けておりまして、上場も間近だという話がありますが、今回このような形で負担をさせることについて、国鉄の二の舞にならないかという心配点がございます。新幹線を今までの保有機構から買い取る、その評価額が九兆一千億と再々評価の形でされました。その譲渡代金で鉄道整備基金が新幹線の建設を進めるということでありますけれども、こういう譲渡代金の負担が今度開業時のリース料と合わせて五〇%ということでありますけれども、このことについてJRは過度な負担にはなりませんか。
#143
○大塚(秀)政府委員 今先生のお話の中で、二つ問題点があると思います。
 一つは、新幹線施設の譲渡代金そのものがJRの負担にならないか、また、それを活用した整備新幹線が今後JRの経営を圧迫しないか。
 まず前者でございますが、既設の四新幹線を今回譲渡する理由というのは、むしろJRを完全民営化するための上場に当たっての環境の整備を目的としておりまして、現在のリース制度のもとでは、いろいろ学識経験者等の御審議を経た過程で、巨額な新幹線資産の債務が確定していないこと、将来どういう形になるかわからない。それからもう一つは、この巨額な資産がリースの形になっておりますと、償却費を計上できないために、利益が出れば税金に持っていかれる、償却費を計上して維持更新のための内部留保ができない、こういう点が上場に当たってのネックとなるというので譲渡を決めたわけでございます。譲渡代金に伴いまして金利も発生し、減価償却費を立てなければなりませんので損益には影響しますが、現在のJR各社の経営状況、今後の経常利益の計上の予測から、それほど大きな負担にならない、悪影響は及ぼさないと考えております。
 それから二番目の、この譲渡代金を活用しつつ今後整備新幹線を建設することがJRの経営に悪影響を及ぼさないかという点につきましては、先ほど申し上げました基本スキームの中で、JRは貸付料という形で負担をするわけでございますが、将来整備新幹線が開業した場合の貸付料は受益の限度と考えておりますので、整備新幹線が整備されることによってJRの経営を圧迫することにはならないと考えております。
#144
○浅井委員 新しい、建設した新幹線のいわゆる経営の問題を申し上げたのではなくて、現在やっておるJR全体の経営について大きな圧迫にならないかということを私は聞いたわけでありまして、少し角度が違ったように思います。
 あるJRの幹部が今回の譲渡問題に関して、賃貸アパートに住んでいた家族が借金をして高いマンションを買ったようなものだ、こう言っている。大きなローンを抱えた一家は、奥さんがパートに出るなどして今以上の収入を確保しなければならぬ、自然と節約をしなければならぬということを例えで言っております。これはどういうことかと言えば、今まで賃貸アパートに住んでおった者が今度はマンションを買ったために高いローンを払わなければならぬ、そのために大きな過度な負担になるだろうということでありまして、JR自身が運賃値上げを今まで我慢して頑張ってきておる、収入が悪いとなってくる、負担が大きいということになってくると、ひいてはJRの運賃値上げということに結びついてくる恐れがある、こういうことを言っていることが新聞等には出ておるわけです。
 だから、この一番厳しい財源負担の中では、来年あたり再来年あたりに今までの負担よりも最高にふえるという数字が出ておりますけれども、そういうことはございませんか。
#145
○大塚(秀)政府委員 新幹線譲渡が損益に及ぼす影響でございますが、リース料、これが今までの賃貸アパートの家賃に当たりますが、これを払わなくて済むようになる。それに対して、新幹線譲渡代金の金利を支払う、これが自分の持ち家のローンの金利に当たると思います。それからそのほかに、自分の家についてはそういうことをしないのかもわかりませんが、減価償却費を計上する、これによって損益に対しては影響があることは事実でございます。
 今後減価償却費については定額で償却していくと考えまして、JR東日本、JR東海について、平成四年度が金利でピークになるということで四百五十億円前後の影響が出てくると予測されますが、平成五年度以降、譲渡代金を支払っていくとともに金利が下がってまいります。この影響につきましては、現在あるいは平成四年度の両社の経常利益の幅から見て十分許容できる、上場にも支障がないというふうに私ども判断しております。
#146
○浅井委員 今答弁にございましたように、平成四年度で東日本、東海が四百五十億、西日本が百億の影響のピークが出てくる、譲渡後の利子と償却費としてこれだけの負担がありますけれども、平成五年度にはなくなるからという安易な見通しというのは私は非常に危険が多いと思います。これはやはり十二分に留意してもらわなければならぬし、このことについては慎重に対処してもらわなければならぬと思います。
 そこで、基本的な問題として国鉄の改革時の再評価額の問題なんですけれども、この新幹線の承継簿価が東日本、東海、西日本三社で五兆六千五百四十二億円でした。それを六十二年四月の改革
のときに再評価して八兆五千四百十億円にした。そして、現在返還をいたしましたので約八兆一千億円、それを今回九兆一千億円というふうに見積もりました。
 その再々評価の額一兆円の上積みの根拠というのはどういう根拠なんですか。
#147
○大塚(秀)政府委員 一兆円を上積みしたのではなしに、結果的に一兆円ふえたということでございますが、今回は、譲渡時点、つまりことしの十月一日を予定しておりますが、その譲渡時点における取得価額で譲渡するという前提で計算したわけでございます。
 これにつきましては、新幹線施設について土地と償却資産に分けまして、償却資産については既に償却をしている償却相当額を控除し、またその資産についてデフレーターを掛けて調整した、これは一般的に低くなっております。資産が減少しております。それに対して土地につきましては、市区町村別に新幹線施設を分けまして、また、市区町村別の新幹線施設のある場所等からこれを地元における農地、商用地、工業地、住宅地等に分類して、その用途別、市区町村別の平均価格から新幹線施設の額を出した。この額は、平成二年四月時点での地価公示額をもとにしております。それに面積の大きいものについては補正を加えて総額を出した結果として、譲渡時点までの伸び率も含めて九・一兆となった次第でございます。
#148
○浅井委員 それは後からつけた理屈というふうに私どもはとらなければしようがないと思うのですね。初めに九兆一千億ありきという感じ。初めに整備基金ありき。いわゆる新幹線を建設しなければならぬからということで、お金が、財源が必要である、大蔵省と折衝したけれども大蔵省からは金が出なかった。そのためにどこからか取らなければならぬということで、だんだん注目をして、国鉄の新幹線のリースをやめて売却をして、そこに上積みをしよう、こういう考え方が出てきて一兆円という目の子の数字になった。その数字を合わせて九兆一千億という数字をはじき出してきた。
 今、九兆一千億円、九兆一千億円と言っているけれども、今あなたの答弁にもあったように、どういう試算でやったのか。いわゆる土地の値上がり、償却資産の両方を加味しました、ところが、平成二年の四月現在です、これはことしの十月になったら評価審議会を設けて、また改めて審査し直します。そのときにこの九兆一千億円という数字は変わることはあり得ますね。要するに、我々に今九兆一千億、九兆一千億と言いながら、この数字は仮の数字ですね。本来ならば、予算委員会で示されている国の予算と同じであって、確定した金額が審議の対象になるはずでありますけれども、我々に示されている数字は去年の四月の価格でもって我々に審議をしろと言っているわけですから、おかしいじゃないですか。十月にもう一遍これを考え直してみる、評価審議会を開いてこの数字を検討いたします。これは、九兆一千億円が変わる、幽霊のような数字を我々に今示しているわけですか。
#149
○大塚(秀)政府委員 ちょっと私の言葉足らずでございましたが、今出ております地価公示額というのは平成二年四月のものでございますので、平成二年四月の地価公示額で計算した上で、譲渡時点の十月一日までの伸び率を推定して、伸び率を掛けて九・一兆円として出したものでございますので、九・一兆円というのは、譲渡時点、十月一日時点における譲渡価額ということを前提に計算したものでございます。
 なお、これにつきましては、JR株式基本問題検討懇談会に学識経験者から成る新幹線譲渡問題検討ワーキンググループを設けまして、慎重に審議してその計算方法等について議論をしていただきました。基本的にこの計算方法というのは、六十二年四月における再評価と同じ手法を用いております。恐らくこの手法しかございませんので、再評価審議会でもこれと大幅に変わるような数字は出てこないものと私ども考えておりますが、億以下の単位まで同じものになるかどうかはそのときの精査の結果によると考えております。
#150
○浅井委員 本来ならば、JRにこれだけの過度な負担を負わせないで、国の費用でやればいいのじゃないですか。在来線はこれだけの再評価をやっているのですか。再々評価をやったのですか。
#151
○大塚(秀)政府委員 国鉄改革のときにおきましても、在来線については簿価で承継したわけでございますが、新幹線施設についてはその収益力に着目して再評価をしたという経緯がございます。
 今回も、譲渡するに当たって、国民共有の財産であるという公共性の高い性格から、譲渡時点における取得価額で再々評価するということにしたわけでございます。
#152
○浅井委員 その辺があなた方の考え方というのは非常におかしいですよ。今もうかっているから、今頑張っているから、あるいはまた利益率がいいからということで、どんどん上乗せをしているやり方というのは、あくどい金貸しと同じような言い方ですよ。建設債務額、本来、承継簿価というのは五兆六千億だった。それを六十二年の四月に八兆五千億にした、それが今八兆一千億だ。今度九兆一千億にした、一兆円上積みをしました。よくまあこれで、一兆円で、それでまた学識経験者で、ワーキンググループで計算をしましたと。土地は平成三年十月一日の価格が推定できるものですか。土地は上がるのですか、下がるのですか。
#153
○大塚(秀)政府委員 平成二年四月から譲渡時点のことしの十月一日、これは将来の数字でございますので実績じゃございません。各県別に、過去の趨勢から予測して全体としてのパーセンテージを出したということでございます。
#154
○浅井委員 その資料を出せと私は言ったが、出さなかったじゃないですか。何が各県別ですか。県別も持ってこなければ市町村別も持ってこなかったじゃないですか。あなたのところの改革推進企画官に言ったけれども、持ってこなかったじゃないか。でたらめな数字を集めて、それで一兆円上積みしたと同じじゃないですか。去年、平成二年の四月時点において、平成三年、ことしの十月の価格が推定できるのですか。いわゆる過去の経緯のデータでもって土地の上昇なんというのが推定できるのですか。土地の価格が今ごろ、十月一日にどのようになるかということがわかれば、土地業者、不動産屋はみんな喜びますよ。どういうふうになるのですか。
#155
○大塚(秀)政府委員 このあたりにつきましても、私どもの独断ではなしに、先ほど申し上げました譲渡についての学識経験者のワーキンググループで議論してそのような手法を用いたわけでございます。今、数字につきましては、その計算方法を私申し上げたわけでございますが、実際の計算というのは、これはコンピュータに入れて細かな区画別に出しております。区画ごとに、市区町村別になっておりますので、それぞれの細かな数字についてはともかく、全体としてはその手法で正しい結果が出ているものと考えております。
#156
○浅井委員 それは私は見てないから信じられません、正しいか正しくないか。ことしの十月一日の土地の価格がこのようになるだろうなんというようなのは、これはだれもわからないのですよ。株価がどうなるかわからないようなもので、土地の価格だってわかるわけはないのですよ。推定でそんないいかげんなことを言ってもらっては困るのです。
 それから、今回の再々評価、この再々評価は今度また平成三年の十月にもう一遍再々評価をやるのですか。それじゃ再々々評価になるのですか。
#157
○大塚(秀)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、平成三年十月時点における資産の評価額というのを償却資産と土地に分けて推計したわけでございますから、それをもって十月一日時点の取得価額と考えております。
#158
○浅井委員 そうするとまたおかしくなるのだな。ここで十月に何か審議会を設けるということになってませんか。新幹線鉄道施設評価審議会、この「機構の保有するすべての新幹線鉄道施設の再調達価額についての決定は、臨時に機構に置く
新幹線鉄道施設評価審議会の議を経なければならないものとする。」このことについての中で出てきておるのでしたかな。どこかにありましたね。これをちょっとお答えください。十月じゃありませんかね。
#159
○大塚(秀)政府委員 新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律の第四条に、「新幹線鉄道施設評価審議会」という規定がございます。
#160
○浅井委員 ここの構成メンバー等について詳しく言ってください。
#161
○大塚(秀)政府委員 これは法律にございますように、第一項で「機構の保有するすべての新幹線鉄道施設の再調達価額についての決定」を行う、「臨時に機構に置く」ということになっておりますので、法律が成立後できるだけ早い機会に審議会を置くということにしたいと思います。
 「新幹線鉄道施設評価審議会の委員は、十人以内とし、新幹線鉄道施設の評価に必要な学識経験を有する者のうちから、運輸大臣が任命する。」というのが第二項でございます。これらの委員については、新幹線鉄道保有機構、これは一般的に特殊法人の役員について共通でございますが、役員の欠格条項あるいは解任規定が準用されるということになっております。その他必要な事項は省令にゆだねております。
#162
○浅井委員 そうすると、今の第四条の評価審議会、中身よくわからないんだけれども、メンバーはどうなのかわからないんだけれども、そこで出てくる数字の結果というのは、ここに今示されている数字と同じものが出てくるというお答えですか。
#163
○大塚(秀)政府委員 この評価審議会で、新幹線鉄道保有機構が譲渡主体になる資産でございますから、再精査をしていただくという考えでございます。
#164
○浅井委員 再精査でこの数字は変わるのですか変わらないのですかと聞いているのです。
#165
○大塚(秀)政府委員 先ほど申し上げましたように、現在の数字も学識経験者のワーキンググループで検討しておりますので、基本的な評価方法、内容については変わらないと思いますが、精査の結果としてある程度の微調整があるかもわかりません。
#166
○浅井委員 微調整という形で逃げられましたけれども、本来ならばこの九兆一千億という数字は仮の数字でなければならぬのです。十月一日の土地の値段なんというのは今ごろから推計できるわけがないのです。資産償却は、これはわかるでしょう。今のものが何カ月たてばどのくらいの資産償却かというのは、これは数字のパーセンテージですからわかりますけれども、土地の値上がりとか値下がりとかというのは、十月の一日現在のことが推定できるわけがないのです。今三月なんです。半年以上も前なんです。それが今までどおりで推計できるなんという形は、少しおかしい数字だと私は思います。
 それと、もっとわからないのは今回の譲渡価額の配分率。今仮に、この平成三年の十月一日の再々評価の額が、大塚さんがおっしゃるようにこれが変わらないとしましょう、私は変わって当然だと思いますが。それが今度は、今回の譲渡価額の配分率が、東日本は三三・七、東海が五五・七、山陽が一〇・六%、こういう数字を加えて譲渡価額がはじき出されましたですね。これは今の現行リース料とほぼ数字が見合っていますね。東日本の東北・上越のリース料が三〇・一%、東海が五九・四%、西日本が一〇・五%。こういう数字であるということは、今回の譲渡価額というのは、初めに九兆一千億があって、この配分率においていわゆるリース料と同じことがほぼここの決定になってきて、今の土地だとかあるいはまたこの資産というものが何の関係もない、こういうふうなことに推測されてもしようがないんじゃないですか。この点はどうですか。
#167
○大塚(秀)政府委員 これは先生も御案内のことと思いますが、JR本州三社の経営が好調で上場が近くなってきたという時点、特に一昨年あたりからでございますが、JR東海が、その収入の八五%以上を東海道新幹線に負っているけれども、今のようなリース制度でございますと収益の中で利益は全部税金に持っていかれて、東海道新幹線というこの経過年数の長い施設の維持更新をみずからやっていく力がない、そういう形のままじゃ上場できないという問題提起をしまして、それで新幹線の譲渡問題が起こったわけでございます。
 それで、新幹線を譲渡するに当たって、確かにJR東海あたりは現在の価額でというような主張も一時ございましたけれども、いろいろ関係者と折衝して、新幹線というのは国民共有の財産だから、譲渡するに当たっては譲渡時点における取得価額にしようということに結論がなって、その評価方法が先ほどから私が述べている状況において決められたわけでございます。
#168
○浅井委員 東海道新幹線は建設されてから約三十年近く、東北・上越というのは一番新しいのですね。山陽がその次に新しい。本来、いわゆる承継簿価から出てきた改革時の再評価額、土地や償却資産というものが基本にならなきゃならぬ。そうしたならば、いわゆる東海道の資産評価というもの、土地や償却資産というものは非常に低い、そこで今度利益を上乗せをした。だからこの土地や償却資産というものは余り細かく精査して計算しなくても、今の収入というものに重きを置いた計算だから、いわゆるこの価額、再々評価額というものについては余り基本的に考えなかったというのなら私も話はわかる。ところが、各市町村まで土地の値段を調べました、いろいろなことを計算した上でコンピューターに入れました、間違いはございませんと言い張っておいて、それで今度は目の子で、収益率が八五%だからといってリース料と同じような数字の結果が出てくるというやり方、私は非常に問題だろうと思う。
 あなたは先ほどからJR三社が過度な負担にならないなんて、平成二年の経常利益は東日本は千百億です。東海も約千百億です。西日本は五、六百億です。これに平成四年度で四百五十億、それぞれ東も東海もこれは影響が出てくる、西日本だって百億出てくる。そしてまたさらには、この上積み一兆円分の六十年の元利均等払いというのは、六十年払ったら一体どのくらいの金額になるのですか。
#169
○大塚(秀)政府委員 今回の再々評価と債務相当額の差でございます一兆円につきましては、JR各社の負担も考え、六十年分割六・五五%の金利ということで年間七百八億円ということになります。
#170
○浅井委員 トータル幾らになるのですか。
#171
○大塚(秀)政府委員 トータルというのは金利と両方含まれたものでございますので若干問題があろうかと思いますが、現在価値が一兆円でございますが、六・五五%の金利で分割して譲渡していきますと、六十年で七百八億掛ける六十、約四兆二千億前後になろうかと思います。
#172
○浅井委員 一兆円、一兆円と言いますけれども、六十年間、大きく経済的には変動いたします。この負担のやり方は、果たして六十年間経済情勢というものは変わらないのか、六十年間今のような収入の状況がJR三社というものは変わらないようにいくんですか。第二東海道線という話も出てきております。そして今の施設がどんどん古くなります。それだけの収益が上がるんですか。その見通しはできているのですか。これは、六十年間の返済が可能かどうかということも計算して、あなたの言うコンピューターを駆使して計算した数字ですか。
#173
○大塚(秀)政府委員 確かに先生御指摘のとおり、六十年先の経営状況をコンピューターを駆使して予測するというのは困難でございますけれども、今後の傾向につきましてはJRの財務担当者等と十分協議をしておりますが、むしろ大きな流れとして、この七百八億円というのは償還額でございますので、損益に出てまいりますのは金利と減価償却費で、減価償却費は定額で同額でございますが、金利が減ってくることによって将来だんだん負担は軽くなるということで、これは将来長期的に見れば、経営にとっては財務基盤の強化と
いうことで、プラスにこそなれ不当に悪影響を与えるものでないというふうに関係者の間で結論が出ている次第でございます。
#174
○浅井委員 清算事業団にお伺いしますけれども、この一兆円部分は清算事業団に返してもらった方が、私は清算業務に非常にいいと思うのですよ。今回九兆一千億の中で返してもらえるのは幾らですか、六兆一千億ですか、あと三兆円はこの鉄道整備基金の方が持っていっちゃうんですよ。本来ならば、先ほど国民の共有財産ということを言っておりました、国鉄の赤字という問題から考えてみて、それを清算事業団が一日も早く清算しなければならない。この新しい整備新幹線をつくるのも結構だけれども、清算事業団としてはなるべく早く返してもらった方がいいんじゃないでしょうか、どうでしょうか。
#175
○石月参考人 清算事業団といたしましては、国鉄改革時に発足以来、債務の返済に全力投球をしておりますが、現在、私どもの債務償却原資といたしましては、承継いたしました土地の売却、それからJR各社の株式の売却、これでもって債務の返済をやるということで考えておりますので、それは先生御指摘のように多々ますます弁ずではございますけれども、一方におきましては、やはり将来の鉄道が日本経済にとって必要だということから考えれば前向きの政策も必要かと思いますので、私見ではございますけれども、私どもとしては従来の方針に従いまして、土地の処分、株式の処分に全力を挙げて債務の返済に努めたいと考えております。
#176
○浅井委員 清算事業団の方は余りお金を返してもらわぬでもいいというようなお話で、非常に結構なことなんでございますけれども、これは、株式の売買についてまたこれから出てくるので、そのときにお伺いいたしますけれども、いずれにせよ、この七百八億円という年間の返還金額が六十年というのは、推計だけでも四兆二千四百八十億。この金利が六・五五%になっておる。
 これは後でお伺いしたいと思いますけれども、この八兆一千億の二十五年半の元利均等の支払い、これの一兆九千億分は六・三五%、六・二兆円分は変動金利で現行六・七二%、これだけでも六千六百億円で、十七兆近くになります。このいわゆる返還の利子の違いはなぜこうやって出てきているのですか。六・三五%とか六・七二%とか、同じ譲渡価額の支払いの中で、金利が、一兆円分の上積みが六・五五%、一・九兆円分は六・三五%、六・二兆円分の方は変動金利で現行六・七二%、このように同じJRの支払いの中で金利がなぜ違っているのですか。
#177
○大塚(秀)政府委員 これは改革時からの経緯もございまして、今先生が言われました中の六・二兆円については、これは実際の債務でございまして、過去の債務契約に基づいて変動金利で払っていくという契約になっている分でございます。それから一・九兆円、これは譲渡代金の一部として清算事業団の長期債務に充てる、当初二・九兆円でございますが、今は一・九兆円になっております。これは清算事業団の長期債務に充てる上においてどういう金利をとるかということで、六・三五%というのは清算事業団の債務の平均金利をとっております。それから、一兆円についての六・五五%というのは、これは六十年にしたということとの関連で金利を幾らにするかで関係方面といろいろ検討したわけでございますが、過去十年の国債の利回りの平均をとったものでございます。
#178
○浅井委員 この上積みの一兆円分の金利の六・五五%というのは、これは全然なくせませんか、一兆円だけをそのまま、利子を全部やめて。六十年間に四兆二千四百八十億円にもなるような一兆円分、これを、JRの負担をなるべく少なくする、将来の値上げの要因を省く、そういう意味において、この金利の六・五五%をなくすという方法はとれませんか。
#179
○大塚(秀)政府委員 お金というのは預かっている間に金利もつきますし、また、支払う場合に、長期に分割した場合にはそれにも金利がつくというのが原則でございます。
 それで、この一兆円について、これは確定した意見ではございませんけれども、一部JRでは、もっと早く一兆円を返してしまえば後の金利負担が助かるという意見もございます。今のところ六・五五%以下で安い金利のものが調達できるかどうかわかりませんが、完全民営化後にそういう要請が出てきたときには、またそのときで検討しなければならないと思っております。
#180
○浅井委員 私は、国で利子を見てあげて、そして過度な負担をなさないようにしたらどうかということを言っているのであって、お金を使えばとか、お金を借りれば利子がつくというのは、これは常識論の決まっている話である。
 ただ、このいわゆる国鉄改革というのは一体何のためにやったのかということです。国鉄改革というのは、累積赤字がどんどんふえてきて雪だるまのようになった。政治新線というものをつくって、赤字路線をどんどんつくった。政治家が恣意的に、自分たちの地方、地域の利便のためということで、赤字を覚悟で路線をつくっていったことが国鉄の赤字の大きな原因になっていったわけなんです。そういうものがこれまた整備新幹線で行われはしないかということが非常に問題になってきているのです。
 そしてまた、私はここでもう一つ聞いておきたいことは、鉄道建設公団にこれから付託をして仕事をさせるわけですけれども、これはまた機会を改めてやらなければならないわけですが、鉄道建設公団にしか鉄道建設というものはやらさないのですか、ほかの業者じゃだめなんですか。
#181
○大塚(秀)政府委員 鉄道建設公団というのは我が国における唯一の全国的かつ公的な鉄道技術集団でございまして、その公的な性格、技術力、資金調達力を生かして、新幹線とか幹線鉄道を初めとする各種の鉄道整備を行っていくことになっております。したがいまして、逆に、民営鉄道自身でできる場合の路線増設その他の工事についても鉄道建設公団が受託する場合もございますので、その能力、組織を生かしていくという考えで、今回も整備新幹線を初め鉄道建設公団を建設主体にするというような業務が増加しているわけでございます。
#182
○浅井委員 鉄道建設公団が、平成元年度は九百十六億でしたか、大都市あたりで、いろいろなことでだんだん工事受注量が減ってきている。しかし、新幹線の建設費が昭和六十三年度の公団の予算で三十億、平成元年度で百六十七億、平成二年度予算で二百三十六億、平成三年度で今度は六百四十六億に上がろうとしております。今までは大体公団全体の建設費が昭和六十三年度の予算で千七百六十二億、元年度が千四百六十四億、平成二年度予算では千五百四十九億、平成三年度では大幅にふえて二千百七十六億、どうも日本鉄道建設公団の仕事をふやすためにやっているように思えてなりません。
 それはさておいて、私は、今回整備新幹線、いろいろ東北新幹線あるいは九州新幹線あるいは北陸新幹線、これがいわゆる標準軌新線、フル新幹線というのですか、それからミニ新幹線、スーパー特急、こういうやり方で果たして四全総の総合開発計画、これにのっとった新線建設なんだろうかという疑問を持っておるわけです。なぜもう少し日本の総合交通体系の中からきちんとした高速交通体系をやらないのか。このばらばらの、思いつきのやり方、それこそミニだ、スーパーだ、フルだ、こういうふうなやり方になっているのかよくわからないのです。なぜやるならやるで同じような新幹線を全国一律にやらないのか。交通体系の上から、このような、それこそ思いつきのやり方でやらなきゃならないことについて、せっかく与党・政府申し合わせではありますけれども、非常に疑問に思いますが、この点についてどうでしょう。
#183
○大塚(秀)政府委員 先生御指摘いただきましたように、現在、全国新幹線鉄道整備法に基づいて、基本計画線が三千五百キロ、整備計画のある整備新幹線が千四百キロございます。こういうものをもって全国の新幹線鉄道ネットワークを形成する
という認識をしておりますが、財源問題あるいはJRの経営問題等からその進捗が図られない現状において、最も要請の強い、投資効率のいい、採算性のとれる、旅客需要のあるところから、重点的に投資経費のかからない形の規格でやっていくというのが今回の運輸省案でございますので、その辺を御理解いただきたいと思います。
#184
○浅井委員 投資経費がかからないからいいというものではないと私は思うのです。なぜもう少しきちんとしたものを、これから十年、二十年、三十年を考えるならば、今やっている計画にまたもう一遍重ねて経費を注入していかなければならないようなことになりませんか。トンネルを大きくするのはお金がかかるからその間はミニでやろう、スーパー特急は将来のフル新幹線のレールで行くんだから、そういう便宜的なことでやらないで、もっと本格的な着工を少しの区間だけでも順次やっていく計画になぜならないのか、この辺について私はよくわからない。
 それから、ここで確かめておきますけれども、軽井沢─長野間というのはフル新幹線になったのですか、ミニ新幹線なんですか。
#185
○大塚(秀)政府委員 軽井沢─長野間については、必要な調整を行った上で標準軌新線、つまりフルで着工するということになっております。
#186
○浅井委員 必要な調整というのは何ですか。
#187
○大塚(秀)政府委員 現時点でまだ一部市町村にこのフル規格についての反対があるということ、それからもう一つは、JRと並行在来線の問題で詰める点が残っているという点でございます。
#188
○浅井委員 地元の反対があるから、その反対を賛成に押し切るという方向なんですか。それとも反対意見を尊重するという方向なんですか。それから並行線のことについてはどういう考え方なんですか。
#189
○大塚(秀)政府委員 一部市町村の反対については、地元で調整を行うということが着工の前提でございます。また、並行在来線については、地元とJRとの間で今後検討する問題だと考えております。
#190
○浅井委員 軽井沢─長野間はフル規格で着工するようでありますけれども、フル規格とすれば工事費はどのぐらい増加するのですか。
#191
○大塚(秀)政府委員 その区間だけで建設費は三千六百億円と推定しております。
#192
○浅井委員 どのぐらいふえるかと──三千六百億円というのはふえる金額ですか、全額ですか。
#193
○大塚(秀)政府委員 今の先生の御質問がミニ新幹線と比べてということでございますと、ミニの建設費は軽井沢─長野間が六百億円でございますので、フルが三千六百億円、その差は三千億円でございます。
#194
○浅井委員 これから新幹線を十年間で建設予定をしておりますけれども、今回建設の、いわゆる今回考えられておる線を全部今のフルの三千六百億円にした場合、建設費は六十二年度の価格で一兆三千五百億円と聞いていましたけれども、金額は一体どのぐらいになるのですか。
#195
○大塚(秀)政府委員 一兆三千五百億円は長野─軽井沢をミニにした場合でございますので、三千億円ふえまして一兆六千五百億円でございます。
#196
○浅井委員 十年間で、物価や人件費が上がりますけれども、その計算は幾らぐらい見込んでおられるのですか。それから、負担がふえた場合はJRに負担がまたふえることになるのですか。
#197
○大塚(秀)政府委員 最近、物価が安定しておりますが、物価の上昇率に対して、我々としては建設費の低減、最近の新しい技術等を導入して建設費の低減によってできるだけ建設費を今申し上げた価格の範囲にとどめたいと考えております。
 また、JRの負担につきましては、長野─軽井沢間がフルになりました場合もミニになりました場合も、従来の基本スキームに沿って貸付料というものは受益の限度でございますから、絶対額は変わってくるかもわかりませんが、受益の限度である限りにおいて、どちらかになったらJRが過度な負担になるということはございません。
#198
○浅井委員 私から四全総のことについて余りくどくどと申し上げませんけれども、こういうふうな考え方であちこちこれからやっていかれると、非常にいろいろな種類の新幹線ができ上がってくるということで、将来の日本の交通体系の中で大きな障害になりはしないかと指摘をしておきたいと思います。
 そこで、もう一点確認しておきたいことは、新幹線ができた場合、先ほどの長野─軽井沢間ですか、ここについても在来線の問題が浮かび上がっているそうでありますけれども、新幹線ができた場合は、在来線というものは全部廃止するのですか。
#199
○大塚(秀)政府委員 新幹線鉄道の整備に伴う並行在来線の経営の悪化について、JRに負担をさせるわけにはいきませんので、JRが今後、将来の輸送需要その他から自分で経営を存続させたいという区間を除いては、JRから分離することを考えております。
#200
○浅井委員 経営を分離する場合、この在来線は残しておくという考え方なんですか、それとも廃止をするという考え方なんですか。
#201
○大塚(秀)政府委員 経営を分離した場合の代替交通機関の導入については、地元の意見を尊重し、かつ、地元とJRとの協議によって定められることになろうかと考えております。
#202
○浅井委員 その場合、特に貨物路線の確保については、沼宮内─八戸間は新幹線がフル新幹線になるのですか、この場合、在来線が廃止された場合、北海道からの貨物線はどういうふうに確保されるのでしょうか。
#203
○大塚(秀)政府委員 貨物輸送の確保については、迂回ルートを採用するか新線に貨物も通すか、あるいは並行在来線が第三セクターとして残った場合にはそれを残すか、これはJR貨物並びに関係者と十分協議して,貨物輸送に支障のないように対処したいと考えております。
#204
○浅井委員 私はどういうふうにするかと聞いているのです。十分にJR貨物と相談してなんと言ったって、今、新幹線ができた場合は並行在来線は廃止するとか、あるいはやめるとかということになっているでしょう。それが、沼宮内─八戸というのはフル新幹線でしょう。フル新幹線というのは今までの貨物は走れないと思うのです。その走れないのが、今あなたは十二分に協議すると言ったが、どういうふうに協議するのですか。
#205
○大塚(秀)政府委員 沼宮内─八戸間に限って言いますと、迂回ルートあるいは並行在来線の問題が処理できない場合におきましては、その間の新線区間について貨物も走れるような第三軌条、ミニと逆の狭軌のレールをあわせて敷設して直通させることも考えられます。
#206
○浅井委員 こともですか、まだ結論はついてないわけですか。
#207
○大塚(秀)政府委員 JR貨物等との間にまだ結論は出しておりませんが、そういうことも有力な一方式だと考えております。
#208
○浅井委員 この計画自体は非常にあいまいなままで、まだ幻のようなところがたくさんありますね。
 この貨物のことについて申し上げるならば、あなたも御存じだろうと思いますけれども、貨物輸送というのは最近非常に伸びてきています。東海道の貨物輸送というものが運転手が非常に少なくなってきておる、あるいは貨物の輸送量がふえてきておるということで、この鉄道貨物の需要が年々どんどんふえてきております。そしてまた、モーダルシフトというのですか、地球の温暖化あるいは環境問題、低公害の鉄道というものが見直されておりますし、道路の混雑あるいは物流の要請によってこの貨物輸送というものが大きく見直されてきているのです。
 その中でこういうふうにあいまいなままで計画が進められることについては、私は、日本国内の物流の上から非常に大きな問題だろうと思いますので、もう少しきちんとした計画を立ててもらいたいし、また、それだけの勉強もしてもらいたいと思います。この辺について、大臣、いかがでしょうか。
#209
○村岡国務大臣 今、浅井先生と総括審議官のやりとりをいろいろ聞いておりまして、現在私どもの方で二十一世紀を想定いたしました交通体系のビジョンにつきまして運輸政策審議会に御審議をお願いしておるところでございまして、五月ごろにはこの審議結果が出ると聞いております。それに基づきまして、今後の鉄道整備の推進、二十一世紀に対する鉄道整備の推進を図っていきたいと思っております。
 なお、鉄道整備に関する具体的な中長期計画につきましては、今後、別途策定することを予定いたしております。
#210
○浅井委員 今大臣から御発言がございましたけれども、私が先ほど来申し上げましたのは、今回の鉄道整備基金法案は、総論としては非常に結構なことだと思うのですが、各論においていろいろと問題がございます。まだこなれていないというか、無理な点がございますし、運輸省としては非常に努力をして頭のいい法案には違いありませんけれども、個々に見ますと問題が残されておる点が非常にございます。この辺はもう少し精査されて、鋭意問題点のないようにしていただきたいと思います。
 最後に私が大臣にお伺いしたいことは、二十一世紀に向けての国民生活の本当の質の向上ということから、この間の日米構造協議の中でいろいろなことが打ち合わされまして、公共投資の総額はおおむね四百三十兆円、そういう大きな金額がアメリカとの間に確約されたわけです。ところが、御承知のように、今回の整備基金につきましても、JRの売り上げの中から賄おうとするようなこそくな考え方で、四百三十兆円という公共投資総額がありながら、国の責任においての鉄道建設というものが本格的になされていないように私は思うのです。従来から日本の道路には道路財源が確かにあります。ガソリン税等が道路財源になっておりますけれども、大量輸送手段であるこの鉄道建設をするに当たって、民間あるいは地方自治体からもお金を持ってくるやり方というのは、どこか間違っておるのではないかと私は思うわけであります。弱小県の、いわゆる地方自治の地域の政策をもっともっとやらなければならないのに、鉄道ということで地方自治体が負担するやり方は決していいことではないと私は思うのです。
 JRあるいは地方自治体の負担をもっと軽減して、この公共投資の金額の中から、運輸省予算として、鉄道建設予算として、村岡大臣は実力大臣でもございますので、どうか大蔵省としっかりと交渉して、来年度の予算に、補正予算でも結構でありますから、この新線建設のための御助力を切に期待したいと私は思いますけれども、御決意のほどはいかがでしょうか。
#211
○村岡国務大臣 ただいま浅井先生の御意見がございました。私も今この三法を見まして、今度いろいろ民営化ということの点もありますけれども、民営だけで今後の輸送というものができていくわけはございません。しかし現実には百二十八億円しかついていない、まことに微々たるものでございます。
 今後十年で四百三十兆円を公共事業関係に投資するということで、今おっしゃいましたように、私も来年度の予算に向けまして、そして私一人でもできるわけではございません、先生方あるいは運輸委員会の方々の御協力も得ましてしっかりと頑張っていきたい、こう思っております。
#212
○浅井委員 ありがとうございました。これで終わります。
#213
○亀井委員長 次に、常松裕志君。
#214
○常松委員 まず、大臣にお伺いをいたします。
 委員会が審議をいたしております三法は、新幹線建設のみならず、鉄道整備に関していわば画期をなす法案であるというふうに私も考えております。鉄道整備に関する大臣の熱い情熱と決意をまずお伺いをさせていただきます。
#215
○村岡国務大臣 この委員会の審議を通じまして、新幹線の整備につきましては、十数年いろいろな財源問題等で決まらなかったのでございますけれども、鉄道整備基金というものをつくりまして大きくそれが促進されるということでございます。
 鉄道にかける情熱ということでございますけれども、鉄道は、御承知のとおり、大量に、高速で、かつ定時に輸送できる安全でまた低公害の輸送手段であります。国内幹線交通及び都市の通勤通学の輸送の足としての重要な役割を果たしてきておりますけれども、最近新たに、鉄道が大気汚染をもたらさずクリーンなエネルギーを使用していること、道路の交通混雑あるいは渋滞による都市機能低下を防止していること、省エネルギーの交通機関であることの点において、その役割がますます重要になっていると認識をいたしております。 先ほど浅井先生にもお答えをいたしましたけれども、いずれにしても、こういうような状況を踏まえまして公共事業としての国の資金が非常に足りない、こういうものの確保に努めてまいりまして、そしてまた運輸政策審議会にも、二十一世紀を踏まえたいろいろな交通機関の考え方も審議を願っているところでありまして、また鉄道についても近く運輸審議会に審議をお願いする、そういうものを踏まえまして二十一世紀にふさわしい鉄道の整備ができるように努力してまいりたい、こう思っております。
#216
○常松委員 情熱と決意を伺いまして大変力強く思うわけでありますが、今回の新幹線の建設に当たって、やはり第二の国鉄になるのではないか、こういう心配の声が聞こえているわけであります。具体的に申し上げますと、新幹線の建設のための費用について、国鉄改革時に一定のコンセンサスがあったと私は思います。例えば、平成元年一月十七日の与党と政府との申し合わせの中では、建設費の五〇%については国と地方、つまり税金によって五〇%は賄う、こういう合意があったと思うのです。二つ目に政治家のごり押しという、私も政治家でありながらそういうことを言うのもあれですが、わかりやすく言うとそういうものを排除していく、こういうコンセンサスがあったと思います。
 ところが、このたびの整備新幹線の同時着工で新幹線の建設費に占める公共事業費の比率は、後でも詳しく申し上げますが、二〇%に低下をしている。仮に地方から一五%来たとしても、税金で占めるのは三五%ということでありまして、平成元年、おととしの合意から既に大きく後退をしているということがあります。あるいは、この十二月末に整備新幹線の同時着工の発表と同時にマスコミは、例えば読売が「納得できない新幹線着工合意」であるとか、あるいは産経は「「我田引鉄」はもうごめんだ」とか、あるいは日経は「やっぱり選挙には整備新幹線なのか」、こういう社説を掲げるありさまでありまして、いわば国鉄改革時のコンセンサスみたいなものが崩れようとしているのではないかという心配をしているわけでありますが、大臣、そういうことは決してありませんね。
#217
○村岡国務大臣 先ほども申し上げましたように、整備新幹線の建設に当たりましては、今、従来のいろいろな経過をたどってこういうようなことになりましたけれども、まず今後とも公共事業費を確保すること、これが私の大きな使命であろうと思っております。同時に、先生おっしゃいましたように、政治家のごり押し、これは従来あったようでございますが、そういうことはもう排除いたしまして、専門家の皆さんの基本スキームに沿いましてやっていきたい、こう思っております。
 私の答えの足りないところは総括審議官から答弁させます。
#218
○常松委員 次に、少し具体的に譲渡法についてお尋ねをいたします。
 この譲渡法は第一条で株式売却の環境整備のためだというふうに言っておりますので、株式上場問題についてお伺いをいたしますが、まず第一に、JR株式基本問題検討懇談会が平成二年十二月十七日に意見を発表いたしました。この意見を尊重するのかどうか。特に「おわりに」の部分で、弾力的な対応というように慎重を求めているわけ
でありますが、新聞等の報道によりますと、ことしの九月には入札方式でやりたいというふうに運輸省が大体固めつつあるやの報道もありますけれども、こうした懇談会の意見というものを尊重していくのかどうか、お伺いをいたしたいと存じます。
#219
○大塚(秀)政府委員 JR株式基本問題検討懇談会の中間意見の内容のとおり、JR株式の実際の売却につきましては、株式市場の動向を十分に見きわめつつ、弾力的に対応していくつもりでおります。
#220
○常松委員 そうすると、まだ具体的なことは決まっていないということですね。
#221
○大塚(秀)政府委員 JR株式基本問題検討懇談会において今審議中でございます。
#222
○常松委員 その懇談会の意見について少し伺いますが、実はこの譲渡法は、この意見の中の第二項の(3)、この二項というのは、「JR株式の売却をめぐる諸情勢について」、こういう表題になっておりますが、その(3)のところに「既設新幹線鉄道施設の譲渡問題」あるいは「純民間会社としての体制整備」「行政規制の仕組み」等々五つほど項目が挙げられておりますが、それらの問題のいわば処理をする一環としての今回の譲渡法だろうと思うのです。
 それでは、残る四つの問題についてどのような処理を考えているのかにつきまして、時間がありませんから簡単に答えてください。
#223
○大塚(秀)政府委員 「純民間会社としての体制整備」「行政規制の仕組み」等について、懇談会の中間意見、またいずれ取りまとめが出るでしょうが、そういうものを尊重して対処したいと考えております。
#224
○常松委員 私が伺ったのは、それらの五つの問題の内容は何なのかを伺っています。
#225
○大塚(秀)政府委員 まず、「純民間会社としての体制整備」とは、公社体制から株主への利益還元を行う民間企業としての経営管理体制の整備が必要であるということで、例えば類似子会社の整理あるいは運賃収入額の即刻の把握、こういったことを指しております。
 それから、「行政規制の仕組み」というのは、JRに対するいわゆる会社法の適用を株式売却後にどう扱うかというものでございます。
 「今後の設備投資計画」とは、今議論になっております整備新幹線など、今後のJRの経営に大きく関係する大規模な設備投資計画の概要とJRの企業判断、費用負担の関係を明確にする必要がある。
 「その他国鉄改革に伴う諸問題」、いろいろあると思いますが、例えば、固定資産税の特例措置など、国鉄改革に伴って経過的に措置されている問題がJRの上場後にどうなるか、こういうことを指していると考えられます。
#226
○常松委員 大塚さんも御存じのとおり、その検討懇談会の意見の中で、国民に対してわかりやすくこれらの問題をディスクローズすることが必要だ、こういうふうに言っております。ぜひ今後ともこうした問題を明らかにしていっていただきたいと思いますが、私はこのディスクローズの一番根本の問題は各社の資産価値の公開じゃないか、こう考えております。
 特に、株式上場に当たっては土地の含み資産も含めた実質的な純資産を国民に公開をすべきじゃないだろうか、それによって心配されているような投機も起こらず、またNTTの二の舞を防ぐこともできるのではないか、こんなふうに思います。先日、営団株の譲渡を清算事業団、大蔵省に行ったわけですが、そのときも、私の理解では純資産方式のうちの再調達価額方式で決めたというふうに理解しているわけです。ですから、今、株式上場に当たって、現実にどれだけ債務が減っていくかというような見通しも含め、また国民の中にNTTの二の舞をやったらかなわぬぞ、こういう気持ちがあるときに、本当にこれを成功させようと思ったら、実質的な純資産の公開をやって、大体このくらいになりそうなんだという基準を広く国民の前に明らかにするということが必要じゃないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#227
○大塚(秀)政府委員 営団の場合の出資持ち分の評価につきましては、営団が当分株式会社化して上場されないということでそういう評価方法をとったわけでございますが、JRにつきましては、そのうち上場するに際してどういうディスクローズをしていくか、これはJR株式基本問題検討懇談会でもいろいろな意見が出ておりますので、そういうものを踏まえて、投資家、株主の保護に欠けることのないようにJR企業そのものをオープンなものにしていくように努めたいと思います。
#228
○常松委員 国民はそういうことを期待をしておりますから、私の意見もひとつぜひ参考にしていただいて、不安のないように公開を行う場合にはお願いをしたいと思います。
 次に、少し問題を進めまして、実はこの間からのずっと議論の中で、一兆円の上積みというのは無理なんじゃないか、こういう心配が各議員から出ているわけであります。この一兆円の上積みによるJRの経営への影響はどうだろうということなんですが、私はその無理がJRの安全を脅かしているのではないか。
 このことの一例として、JR東海が三月十六日より実施しようとしております運転士の車掌兼務化問題をちょっと取り上げてみたいと思いますが、運輸省はこの兼務化をJR東海が実施しようとしているのを御存じですか。
#229
○大塚(秀)政府委員 概要について担当課が把握しております。
#230
○常松委員 この運転士の車掌業務の兼掌化問題につきましては、五千人を超える方々が反対だという署名をし、またその職場の中でも二百人を超える方々が反対をされています。ところが、このような大変大きな問題であるにもかかわらず、中央労働委員会が二月六日に団体交渉をするようにという調停を出すまでJR東海は労働組合の団体交渉にも応じようとしなかったということでございますけれども、そういう事実について運輸省は御存じですか。
#231
○大塚(秀)政府委員 詳しい内容については、労働省の問題でございますので私ども十分に承知しておりません。
#232
○常松委員 承知しているのですか、いないのですか。
#233
○大塚(秀)政府委員 詳しい内容まで承知しておりません。
#234
○常松委員 そういうことでは困るわけです。
 私の手元にJR東海の運転士の方から来た手紙があります。概要を読ませていただきますと、運転士が車掌業務を兼掌するというむちゃな提案をされ、労使協議も進まないうちに会社は着々とその実施に向けて準備を進めている。この方は実際に運転士なのですけれども、車掌の実習をやらされたようなのです。その実習をやらされての感想として、車内で切符を拝見というふうになるわけですが、これが種類は多い、様式も異なる、行きなのか帰りなのかわからない、有効期限はまるっきり目に入らない、帰りの切符に改札ばさみを入れてしまって怒られてみたり、何のかのと理由をつけて切符を見せてもらえなかったり、汗がだらだらというような中で実習をした。そして、もしこのまま三月十六日から実施に移されていった場合には、そういう状況でお客さんとのやりとりでくたくたになって、そしてすぐにハンドルを一人で握るということでは非常に不安だ。会社は今まで私たち運転士が二人、車掌が三人で何とか安全安定輸送を維持してきたものを、私たちの努力をどう考えているのか、こういう非常に強い憤りの手紙を寄せられているわけであります。
 運輸省としては、このように新幹線の運転士の方が一人になってしまう。今まで四つの目で運転していたのが二つの目になってしまう。特に、ただ二つの目になるだけではなくて、その方は運転をする前に、例えば東京から新大阪まで行く場合ですと、豊橋までは車掌の仕事を車内でやっている。それで、なれない仕事ですからくたくたになって、そして今度はハンドルを握る。こういうこ
とで安全が保たれるというふうに考えているのかどうか、お聞かせください。
#235
○大塚(秀)政府委員 JR東海から私どもが聞いている限りにおきまして、現行の労働時間に変更はなく、運転士の労働過重とか乗客へのサービスの低下を来すものではないと説明を受けておりますが、今後、具体的に安全等の問題が生じるかどうかにつきましては、先生のお話もございまして、今後の実施状況を注視してまいりたいと思います。
#236
○常松委員 これから鉄道の新しい時代に向かって進んでいこうとするときに、万が一事故が起こると、特に新幹線で事故が起こると──これは新幹線のお客さんのいわば代金で整備新幹線をつくろうというわけでしょう、一兆円の上積みは。そういうときに、新幹線に今乗っているお客さんのサービスが低下するようなことがあっていいものかどうかというふうに思うのです。
 この東海道新幹線は、ほかの新幹線に比べて、列車の運転本数からしてもあるいは旅客の乗車数から見ても、輸送密度ははるかに高いわけです。それを、運転士を二人を一人にするというわけなのです。加えて、東海道新幹線はあのときに慌ててつくっているということもありますから、突貫工事でやっていますから、急なカーブがあります。あるいは、盛り土の部分があって雨に弱いことはもう御存じのとおりです。雪に弱い。ほかの、東北とかあるいは上越に比べて非常に災害に弱い、そういう体質だろうと思いますよ。そのときに、今まで災害時に、二人の運転士さんが乗っていても、復旧がままならないで乗客の方々との間でいろいろトラブルが起こるようなことがあった。それを今度は、二人を一人にしちゃう。これでは乗客の方々に対するサービスの低下にもつながるし、やはり私は安全上非常に問題が出てくるのじゃないかというふうに思います。
 運輸省でひとつJR東海にもっときちっと──私は大問題だと思うのです、もしそういうことが原因で事故が起こるようなことがあったら。もっと詳しく報告を受けて、先ほどみたいにこの問題が起こったことも知らないとかそういうことじゃなくて、もっときちっと報告を受けて、そして、安全について支障がないかどうか、運転士の方々の疲労の心や体に与える影響についてももっと調べてくださいよ。どうですか。
#237
○大塚(秀)政府委員 労使関係の問題は別にして、私ども安全の行政責任がございますので、十分今後とも対応していきたいと考えております。
#238
○常松委員 いや、大塚さん、ちゃんと答弁してくださいよ。そうじゃなくて、私が言っているのは、きちっとJR東海を呼んで運転士の方々の心身に与える影響がないかどうかということを調べろ、調べなさい、こう言っているわけだから、それに対してきちっと答弁してください。
#239
○大塚(秀)政府委員 既に内容については担当から聞いておりますが、一層そのような観点から聞くようにしたいと思います。
#240
○常松委員 それで、じゃ安全だ、全然支障がないというふうに評価をしているのですか。そうじゃないでしょう。そうであるかどうかの評価もしていないわけでしょう。だから、もっと詳しく聞いて──私が言っているのは、本当に安全が保たれるのかどうか、体に無理がいかないかどうか。そうでしょう。この間ドリーム号で事故が起こったばかりじゃないですか。あんなに大きな事故をJR東海は起こしたばかりでしょう、東名高速道路で。あの運転手さんは十日間も家に帰っていなかったという報道がありますよ。疲れているのですよ。そういう疲れが、もし万が一この新幹線の運転に影響が出てきたらどうします。だから心配している。そんなことが起こったら全部めちゃくちゃですよ。今回のこの鉄道整備基金に伴う新しい時代が私は根底から崩れると思いますよ。だから、もっときちっとJR東海に安全が大丈夫なのかということを確かめるべきですよ。いかがですか。
#241
○大塚(秀)政府委員 十分調査するとともに、鉄道保安連絡会議等の場においてもそのような意見交換をしたいと思います。
#242
○常松委員 同時に、運転士さんが今度は車掌をやる、そうしますと、運転士さんというのは、こちらの緒方先生なんかも元国鉄の方ですけれども、運転士の人と車掌の人というのは全然気質が違うそうですね。運転士の方というのは、僕みたいにただ真っすぐ向いて前にしか進めない、こういう性格ですけれども、車掌さんの人というのは、大塚さんのように広くあちらこちら、あるいは村岡さんのように気配りがきく、そういう気質が違う。そういう運転士さんが一カ月か二カ月の研修で急に車掌をやらされる、これは乗客に対するサービスの低下ですよ。一兆円の今度の鉄道整備基金は、新幹線に今乗っているお客さんからいただくのですよ。それを、どうなんですか、そのお客さんに対するサービスが具体的に低下するじゃありませんか。──いや、大丈夫じゃない。
 こういう安全やサービスが低下するような兼職はやめさせるようにひとつ指導してもらいたいと思うのですが、その大前提として、労働安全衛生法の第六十五条によって作業環境測定というのが実施されているのを御存じですか。
#243
○大塚(秀)政府委員 運輸行政の立場から、先生のように詳しくは存じませんので、失礼します。
#244
○常松委員 これは、労働安全衛生法の第六十五条で実施しているのは、大塚さん知っているんです。
 それで、新幹線の中で、かつて車掌さんが、耳の鼓膜が航空性中耳炎というので破れてしまいまして、この航空性中耳炎というので破れますと治らないのです。普通の鼓膜の破断と違いまして治らないのです。もし運転士の方が車掌をやっているときにこれと同じようなことが起こったら、これは大変でしょう。大変です。運転席と、それから乗客の席の方は気密性が違いますよ。ですから、こちらでこういうことが起こったら大変なんです。
 それで、その労働安全衛生法の六十五条による作業環境測定というのを実施していますから、JR東海は。そして、これはきちっとその結果を記録しなければならないことになっていますから、ひとつ運輸省、この測定の結果をJR東海からこの委員会に提出をさせるようにしていただきたいのですが、いかがですか。
#245
○大塚(秀)政府委員 突然のお話なので、その内容も私存じませんが、早速調べてみます。
#246
○常松委員 委員長、ぜひこれは、私どもの理事の先生にもお願いいたしますけれども、委員会に出していただくように、そして本当に大丈夫なのか、安全なのかということを、やはりこういう法律案を検討している委員会としても知っていなければなりませんから、ひとつ理事会で御相談をいただきたいと思いますけれども、委員長、お願いできますか。
#247
○亀井委員長 理事会で協議しましょう。
#248
○常松委員 私はそういうわけでこれはやめてもらいたいと思っておりますけれども、仮にこれが実施をされるようになりますと、百八十四名の車掌の方々が余剰人員として出てくる、こんなふうにも聞いているところなんです。それで心配なのは、これまで労働委員会その他に出されているところによりますと、国鉄労働組合の組合員であるという理由によって、余剰人員のところに全部国鉄労働組合の方々が入れられて、そして出向に出されるとか、そういうことになってきた経過が今までありますね。
 今度のこの場合に、大塚さん、これまでの国会決議で、労働組合による差別はしない、これは国鉄改革についての国会決議になっているし大臣答弁にもなっているわけですから、こういうことは絶対させないということをきちっとひとつ御指導するようにお約束をいただきたいと思いますが、いかがですか。
#249
○大塚(秀)政府委員 さらに十分聞いていきたいとは思いますが、JR東海からは、今回予定されている運転士の車掌兼務化に伴い生じる要員は、今後の新幹線の輸送力増強及び運転士の養成等に充当していくこととしており、現時点では出向に
出すということは考えていないと聞いておりますが、仮にそのようなことがあるとした場合に、運輸省として、所属組合による差別はあってはならないと考えております。
#250
○常松委員 国鉄改革のために非常に重要なポイントだと思いますので、ぜひひとつ御指導のほどお願いいたします。
 次に、一兆円の上積みによる無理が出ているのではないかということで、もう一つ伺いたいことがありますが、それはJRの新幹線が上野駅から東京駅に来る問題です。新幹線の上野始発を守ろう、そういう署名運動が非常に活発に行われて、既に十万人以上の署名を集めている。地元は今や本当に爆発寸前の状況になっていることは御存じだと思うのですが、旅客鉄道法の第十条に、中小企業に対する影響というところがありますね。あれは、JRが類似の、つまり輸送業を行うような中小企業に対する悪い影響が出ないようにしろ、そういう第十条なんです。ところが、この新幹線の始発駅が上野駅から東京駅に来る問題は、類似の中小企業だけじゃないんです。周りの中小企業全部、上野駅の周辺の中小企業全部に影響が起こるということで、全部で猛反対しているんですね。これは第十条からいっても運輸省は強く指導して、地元との合意、納得が得られない限りこういうことを六月から強行するなんということはやめさせなきゃいけないと思うんですけれども、いかがですか。
#251
○大塚(秀)政府委員 第十条に関する限りは、ちょっと今の問題まで第十条には入ってないと思いますが、先生御指摘の上野駅の問題につきましては、本年六月二十日に予定されている東京乗り入れに際して、一部の上野発着の列車を含めて大部分の列車が上野駅に停車する予定でございます。駅の発着、運行形態等につきましては、旅客流動や旅客のニーズ等を勘案して判断すべき問題であり、東京乗り入れに際しての運行形態についても、このような観点から検討がなされて決定されたものと考えております。
#252
○常松委員 第十条の理解については、これは大塚さん、こういうことでしょう。「同種の事業を営む中小企業者」と書いてあるから、上野は当たらないというわけでしょう。僕は、同種の中小企業どころか全部にまで及んでしまうから、これをさらにはるかに超えた問題だと言っているんです。ですけれども、きょうはもっと大事な問題がありますから、いや地元の方々にとっては大変な問題ですけれども、この議論はまた別の機会にいたしまして、次に、基金そのものについて少しお尋ねをいたします。
 大塚さん、総務庁が「特殊法人総覧」というのを出しているのを御存じですね。この平成元年度版を見て私驚いたんです。「基金」とは何だと。私も新人の議員ですから、先輩の自民党の先生なんかと違って基金とは何だかわからない、それで調べてみましたら、こう書いてあったんですね。「予算、資金計画等は、主務大臣の認可に係らしめるに止まり国会の統制を受けない」、これが基金だというんですね。今度の基金というのはそういうものなんですか。国会の統制を受けなくする、これがこの基金の性格なんでしょうか。
#253
○大塚(秀)政府委員 私ども、特殊法人新幹線保有機構をスクラップとして特殊法人鉄道整備基金を設立するべく法案を提出しているところでございますが、特殊法人ではございますが、基金というものが特殊法人の中で特に特定の存在であるというようには理解しておりません。また、今おっしゃられました問題につきましては、財政法の二十八条に基づきまして予算参考書類として鉄道整備基金の資金収支計画等が国会に提出されるというふうになっております。
#254
○常松委員 いや、国会の統制を受けないのが基金なんだというのは、政府が出している「特殊法人総覧」に書いてあることなんですよ。僕は新米の議員で、よくわからないからそれを調べたらそういうふうに書いてあるわけでして、だからこれは先輩の議員が、ははあ、今度の基金はブラックボックスにするんだ、そういうふうにおっしゃっていたりしました。ブラックボックスも何かなとわからなかったんですけれども、要するに、どこにどういう新幹線をつくるか、あるいは鉄道整備をどうするかということについて、運輸省だけでやって国会の審議からは外す、こういうことが目的の一つになっているんですか。
#255
○大塚(秀)政府委員 今申し上げましたように、鉄道整備基金は通常の特殊法人と同様でございますので、その資金収支計画等は財政法二十八条に基づいて予算書の参考書類として国会に提出されるわけでございますが、先ほどから申し上げておりますように、鉄道整備基金の中の大きな財源は一般会計財源でございまして、国の予算として審議されるものがその過半を占めているところでございます。
#256
○常松委員 なるほど、そうすると一般会計に係る部分については国会の統制を受けるはずだ、こういうことですね。
 そうしますと大塚さん、無利子貸付制度が今度の鉄道整備基金の目玉になっていますね。ところが無利子貸付制度は、これは皆さんの方がつくった資料を見ても、これは国会の審議、統制が全く及びませんね。運輸大臣と事業者との間の認可だけであって、つまり、今度の無利子貸し付けでやろうとしているのは、大都市鉄道の整備であるとかあるいは主要幹線鉄道の整備であるとか、整備新幹線以外の最も我々にとってかかわりの深いそれらの鉄道の整備は国会の審議の外になっちゃう。今度の予算書を見たって、この「重要事項の概要」の中にも具体的にどこの線区にこの無利子貸し付けをするかということは明記されていませんよ。それでは困るというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
#257
○大塚(秀)政府委員 特殊法人の性格上、その資金計画等につきましては、先ほどから申し上げておりますように参考書類として国会に提出され、それについて今までもいろいろな特殊法人について御議論されている例も多いかと存じます。今回の鉄道整備基金につきましても、そのような問題について運輸省が業務実施方針を定め、チェックをすることになっておりますが、必要に応じて我々はこういう計画についてはオープンにしていきたいと考えており、また、その一つとして、先ほど来申し上げておりますように、鉄道整備の中長期計画を策定してこれを対外的に公表するつもりでございます。
#258
○常松委員 わかりました。また後ほども伺いますけれども、その点についてはその程度にとどめまして、次に、基金について。
 この基金は整備新幹線の三線同時着工のためにつくった制度なんじゃないか、こういう批判があるわけです。
 少し具体的に事実関係だけ示しますと、ことしの予算書の中の平成三年度の整備新幹線の事業費は、先ほど大臣がお答えになっていらしたように百二十八億でございます。そうしますと、六百二十六億のうち百二十八億が公共事業費で、これはちょうど二〇%ですね。去年までは、整備基金ができるまでは公共事業費で三五%負担していたわけです。そうすると一五%減っちゃったということになりましょう。
 今度一兆円の上積みの特定財源で、このJR負担分の三〇%とそれから国費の三五%の一部に充てる、こういうわけです。これは結局、既設の新幹線の利用者の負担で建設費の五二%を、例えばこの千三百五十億のうちの七百八億がこの特定財源ですから、そうしますと五二%は既設新幹線の利用者が負担をしていくんだ、こういうことになるわけです、数字の上でいきますと。
 だからそうすると、平成元年一月十七日の政府・与党の申し合わせの、三五%を公共事業費で賄う、地方も含めると五〇%を国民の税金で賄う。それが今度は、先ほど冒頭にも言いましたように、国からは公共事業として二〇%、地方から一五%ということで三五%に減ってしまう、こういうことになるわけです。これでは、今度の鉄道整備基金ができたら今までの合意よりも後退しちゃった、こういうふうに受けとめられるのもやむ
を得ないと思うんですけれども、大塚さん、いかがなんでしょうか。
#259
○大塚(秀)政府委員 確かに先生言われましたような率ではございますが、新幹線施設は国民共有の財産とも言うべきものでございますから、その譲渡代金の一部を国費に充てると考えたわけでございます。なお、公共事業費につきましては、確かに国費三五%を全部賄っているわけではございませんが、昨年の額に比べて大幅に五十七億円増加しているという状況にございます。
#260
○常松委員 これは本当はもっと議論したいのですね。しかし、さっき大臣が、頑張るよ、公共事業費をもっとたくさん、実力大臣と聞いていますから、もっととってくると決意してくれましたからこの程度にしておきますけれども、大臣、おととしの合意より後退している、公共事業費が。これは大問題ですよ。だから、整備新幹線をつくるために今度の鉄道整備基金をつくった、こういうふうに酷評されるわけですから、酷評を解決する道は、公共事業費をいっぱい大蔵省からとってくるということですから、ぜひひとつ国民の大きなバックアップを得て頑張っていただきたいと思うのです。
 二つ目に、大都市鉄道の整備についてちょっとお尋ねをいたします。
 先ほど触れた無利子貸し付けによって今度営団地下鉄の七号線への新しい助成が行われるというふうに聞いているのですけれども、その概要についてお示しをいただきたいと思います。
 この大都市鉄道の整備の無利子貸し付けは、例えばJRの中央線の複々線化の工事のようなものについても助成の対象になるというふうに理解してよろしいですか。そうだとするならば、そのときはどんなふうな助成の概要になるのか、お示しをいただきたいと存じます。
#261
○佐々木(建)政府委員 営団線につきましては四〇%の無利子貸し付けが行われるということが予定されております。
#262
○常松委員 そうしますと、東京都からの助成というのも四〇%の無利子貸し付けと同じような措置がされるというふうに理解しておいてよろしいのですか。
#263
○佐々木(建)政府委員 営団につきましては、先生御指摘のように基金と同じような割合で四〇%の無利子貸し付けが東京都から行われるという予定になっております。
#264
○常松委員 JRの中央線の方はどうでしょうか。
#265
○大塚(秀)政府委員 JR中央線の複々線化につきましては、現在、地元東京都とJRにおいて検討しているところでございます。この検討結果を踏まえて、私どもも今回の新しい制度に乗るように前向きに努めたいと考えております。
#266
○常松委員 いや、審議官、僕が聞いているのは、対象の事業なんですか、こういうことです。対象と言っているのは、こういった中央線の、JRが持っているような通勤線のそういう大規模な改良工事、輸送力増強工事、これもこの無利子貸し付けの対象事業なのかということです。
#267
○大塚(秀)政府委員 対象事業になると考えております。
#268
○常松委員 その場合は、地下鉄と同じように東京都なら東京都から四〇%出る、この基金から出る四〇%の無利子貸し付けと同じように、地下鉄と同じような四〇%が出るのでしょうか。それとも、それは地下鉄だけの話であって、複々線化工事のようなものは対象にならないということなのでしょうか。
#269
○大塚(秀)政府委員 無利子貸し付けになるか補助金になるかは別として、同等な額が地方公共団体から出るような仕組みにしたいと考えております。
#270
○常松委員 そうすると、国、地方で合わせて建設費の八〇%について無利子貸し付けが行われるないしは行われるようにしようとしているという御答弁だったというふうに理解をいたしますが、御存じのとおり、地下鉄の工事なりあるいは立体化、複々線化の工事のようなこうした莫大な建設費の負担は、JRあるいは営団の経営の圧迫の原因となっているわけであります。ですから、そういう意味では非常に画期的だというふうに私は評価しています。
 しかし、ちょっとまた意地が悪く言いますと、新幹線の建設と比較をしてみますと、事業者はそれぞれ建設費の二〇%を新幹線の場合も地下鉄の場合も負担をする、これは確かに同じだ。ところが、新幹線はそれでいいわけですけれども、営団地下鉄なんかの場合は、その八〇%の建設費の元金の返済については事業者にかかってくる、こういうことになるわけです。したがって、この整備新幹線に対する基金からの助成と、それから大都市の混雑緩和のためのこういう助成とを比べてみますと、どうしても新幹線の方に手厚いという印象が残ってしまうわけなんです。この辺を変えていくという決意がないかどうか、伺いたいのです。
#271
○大塚(秀)政府委員 鉄道整備に関する助成制度を設ける場合には、どの程度の助成をすることによって採算性が合うか、投資規模、旅客需要動向等総合的に勘案して決めるわけでございます。
 そういうことで、整備新幹線については今の先生のお言葉をかりれば手厚い助成制度になっておりますし、都市鉄道については先ほど申し上げましたような形の無利子貸付制度等でインセンティブになる、建設が促進されるのではないかと考えておりますが、またこれで、制度が運用されましてそれぞれに問題が生じた場合には、その中身というのは再検討していくことも必要かと存じます。
#272
○常松委員 先ほど私は、この基金の問題について、一つの問題としては、国会審議の対象の外に特にこの大都市鉄道の整備が置かれてしまいますよ、危険がありますよ、それではまずいのではないですか、こういうふうに言いました。二つ目として、今どうしても整備新幹線の方に手厚くなって、大都市の通勤通学の混雑緩和の方が、比較していいかどうかわかりませんけれども、やや手薄になるのではないか、こういうふうに申し上げました。
 この問題を解決するのはやはり公共事業費なんですね。公共事業費を大臣や大塚さんに頑張ってもらって大蔵省からたくさん確保していただいて、そして大都市における鉄道整備の混雑緩和のために充当していく。こういうふうになりますと、結局一般会計から出てくれば国会における審議の対象にもなりますから、大臣、ぜひひとつ頑張っていただきたいと思うのですけれども、一言、決意を……。
#273
○村岡国務大臣 先ほど来いろいろ常松先生の御意見を伺っておりました。昨年に比べて今年度の予算は数十億ふえたのでございますが、今後、大都市鉄道とか主要幹線とか、あるいはどんどん新幹線ということになりますと、なかなか鉄道整備基金だけでも容易でないというような事態になりますので、大変難しい状況でありますけれども、公共事業費の確保についてはさらに一段と努力をしていかなければ思うような鉄道整備もできていかないと考えておりまして、一生懸命頑張りたい、こう思っております。
#274
○常松委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 次に、新幹線整備法の方に移らせていただきます。
 まず最初に、新幹線、フル、ミニ、スーパー含めてですが、所有の主体は鉄建公団なんですけれども、これは将来にわたって所有をし続けるのであって、途中で売却をするなんということがあるのでしょうか。
#275
○大塚(秀)政府委員 整備新幹線につきましては、公共事業として、国、地域から多額の助成を受けて建設されますことから、譲渡することにはなじまないと考えておりまして、建設主体である鉄道建設公団が保有し、貸し付けることを予定しております。
    〔委員長退席、二階委員長代理着席〕
#276
○常松委員 その建設された新幹線施設などの貸
付料についてちょっと伺いますが、このJRに対する貸付料はどんなふうにして算定をするのですか、その算定の仕方と、あと貸付方法もお答えいただきたいのです。
 つまり、トンネルから橋から駅舎から何から含めて全部なのか、それともトンネルを外してみたり何を外してみたりというふうに、その施設の中の一部分ということが政策的にあり得るのか。つまり施設全部なのかどうなのか。
 二つ目は貸し付けの期間です。貸付料算定の基礎になると思うのですが、鉄建公団がJR各社から貸付料を取る期間は何年間になるのか。
#277
○大塚(秀)政府委員 貸付範囲につきましては今言われましたトンネル、駅、線路等全部でございます。ただ、車両はJRの方で取得するものですから別でございます。
 それから貸付料につきましては、開業後受益の範囲で貸し付けるということを考えております。受益の範囲という場合には、並行在来線があります場合には並行在来線を分離することによる受益、それからその整備新幹線の受益、あるいは整備新幹線ができたことによる関連線の受益等を指します。
 それから貸付期間については、開業までにどのような仕組みで貸し付けるか決めることでございますが、今、受益の範囲内で貸し付けるとした場合に、建設費の平均二〇%くらいが取れるであろうという算定をした前提としては、三十年を考えております。
#278
○常松委員 そうしますと、鉄建公団は二〇%分は財投からの借り入れでつくるわけですね、建設する。そうすると鉄建公団はそれを三十年間で貸付料として回収する、そういう形で貸付料が決まる、こういうことですか。期間ですよ。
#279
○大塚(秀)政府委員 整備新幹線全体の建設費というのはぐるぐる回しになりますので、その新幹線の貸付料でその新幹線の建設のときの借入金を必ずしも返すということにならないと思いますが、今の三線五区間全体について言いますと、先生言われましたように、とりあえず借入金で二〇%分の建設費を充てて、開業後の貸付料でそれを返していく、金利を含めて返していく、こういうことになります。
#280
○常松委員 そこも鉄建公団の方々などが心配なさっている点ですので、また別の機会に少し詳しくお尋ねをいたします。
 ここで、長野―軽井沢のフル規格化を例にとりまして少し基本的な点について御質問いたしたいと思います。
 建設費の一五%を地方公共団体が負担をするということになっているわけですが、この地方公共団体というのは、県ですかそれとも市町村ですか、それとも県及び市町村なんですか。
#281
○大塚(秀)政府委員 大部分は県になろうかと思いますが、これは自治体の選択によってその配分等は決まると考えております。
#282
○常松委員 配分じゃなくて、三つのどれですか。県か、市町村か、それとも県及び市町村か。
#283
○大塚(秀)政府委員 県及び市町村になろうかと思いますが、その比率等については通常県がまとめるので、ケース・バイ・ケースだと思います。
#284
○常松委員 そうすると全額県ではないというふうに理解をいたしますが、つまり市町村も負担をすることになるというふうに理解をいたしますが、この長野―軽井沢の場合、地元の小諸市や御代田町がこぞって反対をしております。長野―軽井沢間の場合についてですが、小諸市や御代田町が合意をしなくてもフル規格での建設というものは推進されるというふうなことになるのでしょうか。それとも、先ほど沼宮内の点についてもありましたけれども、合意なしに推進されることはないというふうに理解をしてよろしいのでしょうか。
#285
○大塚(秀)政府委員 必要な調整が行われることが着工の前提でございます。
#286
○常松委員 その必要な調整というのは、地元の、この場合で言えば小諸市、御代田町の合意というふうに理解してよろしいですか。つまり、お金を出す前提は合意でしょう。ですから、小諸も御代田もお金を出さないというのに着工しちゃうことがあるのかどうかということなんです。
#287
○大塚(秀)政府委員 県が地元市町村の公共団体としての合意をとるということが前提になります。
#288
○常松委員 先ほど大臣は、来ればいつでも会うよ、こう言っていらっしゃいましたけれども、仮に小諸や御代田の方々がこの問題でお見えになれば、大臣、会っていただけるものでしょうか。
#289
○村岡国務大臣 先ほど東北の新幹線の問題でお答えをいたしましたが、今の場合でも、そういうようないろいろな要望等や反対等の御意見があれば、私はお会いをいたしましてよく検討いたしたい、こう考えております。
#290
○常松委員 在来線について伺いますけれども、在来線をJR線として存続させるということは絶対に検討できないのですか。
#291
○大塚(秀)政府委員 並行在来線の意味だと思いますが、並行在来線についても、JRが旅客需要の動向、採算性等から経営を継続したいというところはJRが引き続きやるわけでございまして、現に八代―西鹿児島間についても、川内―西鹿児島間につきましては今後の沿線の開発状況等からJR九州が引き続き存続するという意思表示をしております。
#292
○常松委員 信越線の場合はどうなんでしょうか。残すのでしょうか、それとも廃止が前提なんでしょうか。
#293
○大塚(秀)政府委員 先ほどの地方公共団体との調整も含めて、並行在来線についてもその調整が行われた上で地元とJRで話し合うことになろうかと思います。
#294
○常松委員 県は第三セクターとして運営をしていきたい、こういうふうに考えておられるようなんです。しかし、正直言って第三セクターとしてやるといっても大変なんですね。それで、そのような場合にJRが株主として経営に参加をするとか、あるいはそういうことをベースにしながら線路、土地、駅舎などの全資産を無償で貸与するとか、あるいは無償で第三セクターの会社に譲渡するとか、そういうことは考えられないのでしょうか。
#295
○大塚(秀)政府委員 具体的な内容につきましてはJRと地元の協議の中で出てまいる問題だと考えますが、いずれにしましても、第三セクター化する場合においては、要員の派遣その他JRとしてもできるだけの協力をすべきだと考えております。
#296
○常松委員 お尋ねしているのは、施設の無償の譲渡あるいは貸与、こういうことが、これはほかのところでも全部言えると思うのですけれども、運輸省の指導としてそういう指導のありやなしやを聞いていますから、きちっとお答えしてください。
#297
○大塚(秀)政府委員 ケース・バイ・ケースでございますので、一律にどのような仕組みで第三セクターをつくるかということについて私どもは統一した方針は持っておりませんが、それぞれの地域で第三セクターができる場合において、運輸省として御協力あるいは指導する必要がある場合には積極的に指導したいと考えております。
#298
○常松委員 この問題で最後に、地方公共団体の負担について伺います。
 軽井沢―長野間のフル規格化に例をとってお尋ねしますが、その場合に、開業後の受益ということでしたけれども、一応三千六百億円の建設費のうちJRは二〇%にあたる七百二十億円程度は負担をするというふうに、地元で議論する場合に、七百二十億円くらいはJRが負担をしてくれるんだというふうに期待をしていていいのかどうかということが一つです。
 もう一つの質問は、今度は逆に、諸事情によって三千六百億円が仮に、仮にですよ、五千億にこの建設費が上がったような場合には、地方はその一五%に当たる、その場合ですと七百五十億円ということになりますけれども、七百五十億円の負担というものが義務づけられるのかどうか、義務
づけられるというふうに理解しなければいけないのかどうか、この点もお答えをしていただきたいと思います。
#299
○大塚(秀)政府委員 地方公共団体の負担の一五%というのは建設費の一五%でございますから、建設費の額が結果的に決まりました場合にその一五%ということになると思います。
 それから、JRの負担分につきましては、二〇%になるというのは、受益の限度で貸付料を取った場合に三線五区間平均して二〇%になるということでございますので、区間によっては受益が二〇%以上になるところ、あるいは二〇%以下になるところもあるかと思います。これは開業までにJRといろいろ折衝して決めることになろうかと思います。そのときにJRは、輸送需要を余り見込まないでもっと受益が低いと言うかもわかりませんから、いろいろと折衝をする必要があろうかと思います。
 それで、長野の場合でございますが、これは建設費が幾らになろうと受益の範囲ということでございます。それから、それが地元に影響があるかということでございますが、建設費の五〇%はJR負担になっており、JR負担というのは新幹線の譲渡代金と貸付料を合わせたものということになっておりますので、五〇%引く貸付料の三十年間分ということになりますか、受益の三十年分ということになりますか、その残りは新幹線の譲渡代金に充てられますから、貸付料がいかになろうとも地元の負担には影響ございません。
#300
○常松委員 そうすると、地元の負担が仮にふえる場合は、三千六百億円が何らかの事情で建設費がふえてしまった。今度の湾岸危機の結果はどうなるかわかりませんが、例えば、そういうやむにやまれないような事情が何か起こって、三千六百億でできるはずが五千億かかった、そういう場合には、それに応じて一五%地元に負担をしていただくということでございますね。
#301
○大塚(秀)政府委員 そのとおりでございます。
#302
○常松委員 新幹線の整備については以上にしたいと思いますけども、大臣が予算委員会に御出席ということなものですから、最後に伺いたかったことを少し先にお尋ねをいたしますが、それは障害者の方々に対する措置についてであります。
 基本的人権の尊重や法のもとの平等をうたった日本国憲法のもとで、私ども運輸行政に携わる者は、すべての国民、障害者の方々を含む全国民の方々が安心して国内を、あるいは国外もそうですが、移動し、旅行していく、そういう権利を擁護し、その実現を図っていく義務があると思います。このたび鉄道整備基金を設け、あるいは省内に鉄道局を設け、あるいは運輸政策審議会において鉄道整備の中長期計画などの審議を行うなど、鉄道整備の新しい一歩を踏み出そうというふうになさっているときに当たりまして、障害者の方々の長年の要望や期待にこたえる必要があるのではないか、私はそんなふうに考えております。
 そこできょうは、たくさんある中で二つの点についてだけお尋ねをいたしたいと思います。
 まず第一に、障害者の方々が安全に移動していくために必要不可欠なのが、例えば点字ブロックであるとか、あるいは車いすの方であればエスカレーターであるとかエレベーターであるとか、そういう設置が必要になってきます。運輸省はガイドラインを設けまして、これらの設備につきましては毎年着実に、着実にか少しずつか評価の分かれるところですけれども、広がってはきています。私は、本基金の創設に当たりまして、この基金をこうした障害者の方々の施設設備への助成に対しても活用すべきじゃないか、そうすることによって障害者の方々の積年の期待にこたえるべきではないか、こんなふうに考えるのですが、いかがでしょうか。
#303
○村岡国務大臣 先生の御趣旨は、障害者の方々に鉄道整備基金を使いましてエスカレーターとかエレベーターとかあるいは歩道、誘導用のブロックとか、そういうものができないか、こういうようなお話であろうか、こう思っております。
 まず第一点は、これから新しく新線をやる場合には、そういう鉄道整備基金を使いまして、そういうのも含まれているわけでございますが、こういうような、障害者の方々が便利になるような対策を年々進めてまいっておりますけれども、現在できておるところにつきましては、鉄道整備基金を使うというようなことにはなっておりません。しかし重要なことでございますから、運輸省の方としても、今後とも事業者に対しましてそういうような施設を充実するような指導をしてまいりたい、こう思っております。
#304
○常松委員 すぐには御答弁いただけないと思いますけれども、同時に、この新しい基金で、障害者の方々が本当に全国、北海道から沖縄に至るまで安心して、例えば目の御不自由な方も点字ブロックを伝ってずっと旅行できるような、そういうためにもこの基金が使われるのだということになりますと、大臣、障害者の方々から運輸省に対して期待が高まってくるわけですよね。私は、そういう意味ではぜひ御検討をいただきたいというふうに思います。
 きょうの法律案からはちょっと外れるのですけれども、同じ趣旨で、運輸省が、何といいますか、鉄道の新しい時代だということで、大きく国民的な支持を得るためにぜひお願いしたいと思うのは、精神薄弱の方々に対する割引についてでございます。同じ障害者でありながら、三十五万人の知恵おくれの方々には、JR、私鉄、航空運賃等の割引制度が実施をされていないわけであります。身体障害者の方々は、昭和二十七年以来、また昨年の二月一日からは内部障害者の方々にも運賃割引制度が運輸省の御指導で実施をされて、非常に喜んでいらっしゃって、二百四十万人の方々がその適用を受けている。しかし、その三十五万人の知恵おくれの方々はそれから取り残されているわけでありまして、そういう皆さんからすれば、いわば不平等だ、不公平だ、こういう気持ちを持っていらっしゃるのは大臣も推察することができるだろうと思います。
 ここに、労働省の職業安定局の障害者雇用対策室が調べました障害者等雇用実態調査報告というのがあるのですけれども、ちょっと古い数字で、五十八年十一月の報告なんですけれども、それを見ますると、支給される給与額については、精薄、知恵おくれの方々は身体障害者の方々の平均二分の一くらいなんです。つまり、知恵おくれの方々の方が身体障害者の方々に比べて、そういう意味では、給与生活をしている場合に低い賃金しか得られない、こういうことですね。
 ですから、そういうことを背景にしながら、精薄者を持つ親の会の皆さん、私の地元なんかだと「手をつなぐ親の会」というふうに言っていらっしゃいますけれども、ここが中心になって運賃割引制度の適用を求めるということで署名運動が去年の六月からございまして、全国各地で十四万人の親の方々が二百五十万を超える署名を集めて、既に国会に自民党の先生方の紹介で請願が出ておりまして、恐らく、近くこの運輸委員会でも審議をされることになると思うのです。大臣の地元でも、目標よりも多く四万人を超える方々が署名しておられまして、大臣の地元の秋田県議会、さすが大臣の地元だけありまして、昨年の三月二十三日ですか、運賃割引制度を実施するようにという請願を県議会として採択をされています。
 国会でも、去年の四月二十六日に私どもの同僚である山元勉代議士が予算委員会の分科会でこの問題を詳しく取り上げましたし、この間、串原義直先生が二月八日の予算委員会で大臣に対して質問を行っているところでございます。その折、大臣は、厚生省、厚生大臣とも十分に相談をして前向きで真剣にやる、こういうふうに御答弁をされましたね。つまり、今までは、これは厚生省なんだとか、いや運輸省なんだとか、両方の省でキャッチボールしていたんですけれども、この間の大臣の答弁で、キャッチボールはもうやめて、とにかくいずれにしても政府として結論を出すんだ、こういうふうに私は理解したのですが、大臣、これはやってもらえますね。
    〔二階委員長代理退席、委員長着席〕
#305
○村岡国務大臣 この前、予算委員会でも私が答弁したとおり、国会の請願や地方の要望、いろいろ参っておりますので、厚生省とも十分相談しながら、前向きに真剣に検討させていただきたい、こう思っております。
#306
○常松委員 もう三時二十五分で、行かれるわけですから、前向きで真剣では、大臣この間の答弁と同じでありますから、前向き、真剣ではなくて、いつから実施するというふうにひとつはっきり答弁していただきたいと思います。
#307
○村岡国務大臣 この前答弁したばかりで、これだけ答えているのでございます。最終的にはやはり事業者の意思決定もございますので、私がここでやるとかやらないとか言うわけにはまいりませんので、事業者とも話をして、私としては、前向きに真剣に検討していきたい、こういうふうに考えております。
#308
○常松委員 運輸大臣、事業者を指導していただいて、ぜひひとつお願いしたいと思います。
 どうぞ、お時間ですから、私の方は結構です。
 そこで、次は大塚さんにお尋ねをいたしますけれども、今大臣は事業者を指導してというお話でした。JRや航空会社の各社も営業政策的な割引を随分最近やっております。団体割引とかフルムーンとかナイスミディパスとかスカイメイトとか、こういう割引制度を実施いたしまして、それが非常に好評で、各社の増収、増益につながっているわけであります。私はこの間、この委員会の質問に先立ちまして、JR各社だけでしたけれども、知恵おくれの方々に対する運賃割引はどうだ、こういう御質問をいたしましたが、返ってきた答えは全部、これは国でやってもらいたいという回答だったのです。
 そういう意味では非常に消極的だったのですけれども、私は、こういう知恵おくれの方々に対する割引を行った場合にも、これは必ず利用者の拡大につながると思うのですね。つまり、フルムーンとかナイスミディやスカイメイトと同じように利用者が広がっていく。だから、国の施策だなんというのではなくて、それもまた必ず増収につながっていくんだからぜひやってくれというような角度で、運輸省は各事業者に対しての御指導も強力にお願いしたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#309
○大塚(秀)政府委員 鉄道事業法第十六条第四項によりまして、「総収入を減少させないと見込まれる範囲内で、適用する期間又は区間その他の条件を定めて、運賃又は料金の割引を行うことができる。」という規定がございます。これに基づいてJR各社が営業割引を行っているところでありますが、精神薄弱者に対する割引について、JR各社は割引を実施した場合、減収になると事業者が推計していることから、その割引は営業割引に当たらず、運輸大臣の認可を受ける必要があると考えております。
 なお、昨年JR各社が実施いたしました内部障害者に対する身体障害者割引の適用についても、運輸大臣の認可を受け実施されたものでございますが、認可という手続は、決してそう複雑かつ時間のかかるものではないと考えております。
#310
○常松委員 ぜひ運輸省の障害者の方々に対する温かい気持ちを込めながらの強力な指導と、そして、こういう席ですけれども、事業者の方々の深い理解をお願いをしておきたいと思います。
 最後に、国鉄の改革全般の認識についてお伺いいたしたいと思います。実は、これは本法案審議の大前提になることじゃないかと思っておりまして、最後になりましたけれども、お伺いをいたしたいと存じます。
 暮れに発表されました運輸白書では、国鉄改革は順調に進展をしているというふうに評価をしております。しかし私は必ずしもそうは思っておりません。この国会を通して、国民の皆さんにぜひ国鉄改革の現状について正確に理解をしていただくことが必要だと私は考えております。
 そこで、まず第一に長期債務についてお尋ねをいたします。
 分割・民営化の折の旧国鉄の債務の合計、つまり昭和六十二年度首における長期債務の総計は三十七兆一千億円でした。それが平成二年度首では三十七兆三千億円に、二千億円ですけれどもふえております。これは、旧国鉄が分割をされ、その長期債務を引き継いだJR各社及び清算事業団並びに新幹線保有機構の抱えておる長期債務の残高の合計ですけれども、数字に間違いはございませんか。つまり、三十七兆一千億円から三十七兆三千億円に、長期債務はむしろこの四年間でふえているということについては間違いございませんか。
#311
○大塚(秀)政府委員 今のような御計算上は間違いないと思います。
#312
○常松委員 中でもとりわけ深刻なのは清算事業団であります。清算事業団において改革時に承継をした債務は、今どこまで膨らんでいるのでしょうか。
#313
○大塚(秀)政府委員 清算事業団は国鉄改革時に二十五・五兆円を承継いたしましたが、その後、年間一兆五千億程度の金利が発生いたしまして、その金利が債務を累増させるという結果、二十七・一兆にまで今債務がふえております。ただ、もうすぐといいますか、三月二十九日に、昨年国会で御審議いただいて成立しました特別措置法に基づき、営団の出資持ち分が九千三百七十二億円で政府に一括譲渡されることになりますので、今年度の土地の処分が一兆円近くなることとあわせて、平成二年度末、平成三年度首には二十六・二兆円に初めて債務が減少する状態になると予定しております。
#314
○常松委員 現時点でいえば長期の債務が膨らんでいる。同時に、これは新聞報道でございますけれども、売却予定であった四カ所の土地のうち一カ所しか売れてない、中央病院の跡地しか売れていないというようなこともございまして、長期債務が現在膨らんでいる。
 私、もう一つ別の数字をちょっと大塚さんに確認をしたいのですけれども、これはあらかじめレクのときに言ってなかったかもしれませんからもしあれなら申しわけないのですが、国鉄改革時に旧国鉄の長期債務は私の理解でいうと二十五・四兆。その二十五・四兆にその後のあの三島の経営安定資金とかそういったものをつけ加えていきまして、そして六十二年度首では三十七・一兆円の長期債務にした。それが今三十七兆三千億円ということになりますと、つまり旧国鉄のままの経営体のときには長期債務は二十五・四兆だった。それが国鉄改革法によって分割し、民営化し、そしてその白書では順調に国鉄改革が進んでいると言うのですが、その二十五・四兆の債務が今三十七・三兆ということになりますと十二兆円ふえているわけでありまして、そうなりますと、この十三・八兆という国民負担が膨張する危険さえあるのじゃないか、そういうふうな状況だと思うのですけれども、この認識は間違っているのでしょうか。
#315
○大塚(秀)政府委員 一つは、現在JRが経常利益、あるいは税金を、法人税等を払った後の当期利益で大きな利益を上げているということと、長期債務が切り離されているということが一点。
 それから、JR自身の抱えました長期債務というのはその後の設備投資等に充てられる長期債務と合わせて今計算されておりますので、必ずしも減少していかないという点が一点。これは今後のJRの投資規模と関連してまいります。しかし、そう過大な負担になるような長期債務を今後JRが抱えることはないと思います。
 それから一番大きな長期債務、これは未実現債務でございます年金負担等を合わせてでございますが、これを承継しました清算事業団、先ほど申し上げましたように、確かに今までは土地が十分売れなかった等で債務が膨らんでまいりましたが、今後この長期債務の大きな償還財源でございます土地の処分、特にこの法案をできるだけ早く成立させていただいて引き続き運輸委員会で御審議願いたい清算事業団法の改正によりまして、汐留の株式変換予約権付特別債券の発行等をやりまして土地処分にアクセルを踏むというようなこと、また、JR株式の上場処分も時期が迫ってい
るということから考えますと、今後、長期債務というのは、まあ順調という言葉はよくないと思いますが、着実に減少する方向にいくと考えております。
#316
○常松委員 それはもちろん私も期待をしているわけでして、現時点では、これは白書でも債務は膨らんでいるのだというふうに言っていますけれども、まあ全体の評価について後で私の考えを申し上げたいと思います。
 次に、やはり輸送の基本は安全でしょう。それで、どうなんですか、一番基礎にある安全についてなんですけれども、どうも私はその安全がむしろ旧国鉄時よりも後退している。例えば、先ほども申し上げましたが、この間あの東名高速道路でJR東海のドリーム号が事故を起こしまして、これだけで亡くなられた方が九人、負傷された方は百人を超える大きな事故が起こりました。白書自身も重大な事故及び死傷者がふえているというふうに指摘をしておりますけれども、ぜひここでそういう実情について御報告をいただきたいと思いますが、同時に、なぜこんな重大事故がふえるのか、原因をひとつ明らかにしてもらいたいと思うのです。
 先ほど言いましたように、ドリーム号の運転手さんは十日間も家に帰っていなかったというような報道があるのですが、私は、やはり疲れているのじゃないか。これは先ほどのJR東海の兼掌化問題もそうなんですけれども、やはり疲れていたら安全はだめですよ。ですから、そういう疲れがたまっているのじゃないかと思うのですけれども、そういうことを含めて、事故のふえている原因についてどうお考えですか。
#317
○大塚(秀)政府委員 JRの運転事故件数の件数そのものは年々減少傾向にございます。ただ、重大事故件数、これは死傷者数が十人以上のものを指しておりますが、重大事故件数は六十二年度二件に対して六十三年度六件、元年度七件、死傷者数は六十二年度六百六十六人、六十三年度七百六十九人、元年度九百一人と、六十二年度以降いずれも増加しているのは御指摘のとおりでございます。
 増加している原因を見ますと、重大事故件数につきましては、踏切事故に起因しているものが増加しております。しかも、これは踏切道改良促進法を御審議いただいたときにも御説明申し上げたわけでございますけれども、一種踏切などで遮断機がおりているのにトラックが突っ込んで死傷者が生じているというような事故も出ておりますので、こういうものにつきましては、都道府県に設けられました踏切事故防止の会議等において、ケース・バイ・ケース、個々の踏切について対策を今検討しているところでございます。
 また、踏切以外の事故につきましては、六十三年度のJR東日本の東中野駅構内における列車衝突事故あるいは元年度のJR東海の北殿駅構内における列車衝突事故等が大きなものでございまして、こういうものについては、その後原因を究明する等JRを指導しているところでございます。
#318
○常松委員 私は、疲労がやはりたまっていると思いますから、ぜひひとつ先ほどお願いした調査と同じように調べていただきたいのです。
 それと並んで労働災害もふえている。これはやはり疲労と同じ関連ですけれども、去年新宿駅で二人、それから八王子駅で一人、仕事中にお亡くなりになりました。私は前回のこの運輸委員会で、第二次の広域採用の方々で出向された方々が非常に労働災害に認定されている方が多いという実情についても指摘をしたところですけれども、労働災害も非常にふえている、殉職事故もふえているというふうに思うのですけれども、その実情はどうでしょうか。
#319
○大塚(秀)政府委員 労働災害の状況につきましては、労働安全衛生法に基づきまして正式には労働省に報告され、労働省が専門的な立場からその原因等を調査するものと考えますが、運輸省がJR各社から調査した結果で数字だけ申し上げますと、昭和六十二年度から平成元年度までの年平均の死亡件数で、JR各社の職員が五・七件、請負が十九・三件でございました。平成二年度については、十二月までの段階でございますが、死亡件数が職員で三件、請負で九件という状況でございます。内訳で見ました場合には、触車事故によるものが五、六割を占めており、次いで感電事故が一、二割を占めている状況で、JR各社では作業に携わる者に対する安全指導とともに、請負会社の工事指揮者などに対して安全教育を実施して、今、事故の防止に努めているところであります。
 なお、これらの事故に対する労働災害認定につきましては、JR職員の場合、認定されていると聞いておりますが、請負会社の状況については把握されておりません。
#320
○常松委員 安全についてもむしろ後退している。
 例の国鉄改革時の職員の再就職を清算事業団がやるということになっておりましたけれども、千四十七名の方々を結局再就職させることができなくて去年の四月一日付で解雇した、こういうことであります。運輸省は、国鉄改革は順調に進んでいると言うのですけれども、このように、この一つ一つの問題、長期債務が減っているかどうかという問題あるいは安全の問題、そこで働く職員の方々の問題あるいは再就職の問題、必ずしも万全じゃないのですね。それぞれいろいろ問題がある。
 例えば、千四十七人の四月一日で首を切っちゃった人たちが今何をやっていらっしゃるか、大塚さん御存じですか、この千四十七人の方々が。
#321
○大塚(秀)政府委員 正確には把握しておりませんが、その大部分の方々は、昨年四月に北海道、九州を中心として闘争団を結成し、現在も運動を継続している状況にあると聞いております。
#322
○常松委員 そういうわけで、いろいろな問題が残っているわけです。私は、大臣初め運輸省の皆さんの努力に水をかけたいなんて毛頭思いません。思いませんが、しかし、その国鉄改革の現状は決してバラ色じゃないんだ、むしろまだまだ道遠しなんだということを正確に国民の皆さんに訴えて、同時に、その不正常な労使関係を改めるとか、あるいは障害者の皆さんの御理解をいただくとか、あるいは大都市の通勤混雑で苦しんでいらっしゃるサラリーマンの方々のそういう通勤苦を解消するために抜本的な手を打つとか、そういう積極的な手を一つ一つ打ちながら、新しい鉄道の時代に向かって運輸大臣を先頭にして邁進していただきたいということを御要望いたしまして、質問を終わりにいたします。
 ありがとうございました。
#323
○亀井委員長 次に、山中末治君。
#324
○山中(末)委員 同僚議員がいろいろと質問をいたしてまいりまして、なるべくダブらぬように頑張ろうと思いますけれども、ひとつ明確で的確な御答弁をお願い申し上げたいと思います。
 大臣が出席をしていただきましたので、まず最初に、新幹線鉄道保有機構を廃止をして鉄道整備基金を新たに設置する、こういうことに法案の中ではなっているわけでございますが、この基金を設置する目的もしくはメリットをどうお考えなのか、ひとつお願い申し上げたいと思います。
#325
○村岡国務大臣 まず、新幹線鉄道保有機構につきましては、経営の自主性と責任の明確化という分割・民営化の趣旨を一層徹底するための本州JR三社の株式上場をにらんで、その資産、債務を確定するため、このたび既設新幹線を本州JR三社に譲渡いたしまして、保有機構による一括保有制度を廃止することとしたことに伴い解散するものであります。
 また、鉄道整備基金につきましては、緊急に整備が必要な新幹線鉄道、主要幹線鉄道及び都市鉄道の整備等を促進するため、保有機構の一切の権利義務を鉄道整備基金に承継されることによりまして、既設新幹線譲渡収入の一部を活用しつつ、これに一般会計からの補助金等を加えて、総合的かつ効率的に鉄道助成を行うことを目的として設立するものであります。
 これらの措置によりまして、JR株式の売却、上場の環境整備が図られるとともに、鉄道整
備が促進されると考えております。
#326
○山中(末)委員 非常にメリットがあるというような御答弁でございますけれども……。
 ここでちょっと振り返ってみたいと思うのですが、一つは、日本鉄道建設公団というのがございますが、運輸省と、それから今度設けられる基金と、それから日本鉄道建設公団とのかかわりといいますか、法律等で規定されていますが、なかなかすかっとわかりにくいように思いますので、まず担当官の方から、そのかかわりをひとつお願い申し上げたいと思います。
#327
○大塚(秀)政府委員 整備新幹線について申し上げますと、運輸省として基本スキームに沿って整備新幹線の整備に関する基本方針を定め、予算を獲得し、その予算及び新幹線の譲渡代金の一部は鉄道整備基金を通じて鉄道建設公団に交付される、鉄道建設公団はそのような資金に基づいて整備新幹線を建設し、建設した施設は同公団が保有して、営業主体であるJRに有償で貸し付けるというような仕組みになっております。
#328
○山中(末)委員 復習しますと、整備新幹線の発注者、これは公団になるわけですね。そして、その仕事も自分でするわけですね。まあ発注者と言えばちょっと語弊があるけれども、発注者ですね。自分で仕事をする、でき上がったものについては、その所有権は公団に属する、こういうことですね。そうですね。それが運営しやすいように基金の方から補助金を出したりしていく、こういうことですね。それに対して運輸省の方は、いろいろ指示したり命令をしたり許認可を与えたり、こうしていく、こういうことですね。
 そうすると、ひっくるめて考えると、運輸省がそれを全部ひっつかまえてやっていっても同じことじゃないかという感じがするのですが、そのあたりどうでございますか。
#329
○大塚(秀)政府委員 今先生の御質問は、鉄道整備基金の役割ということではないかと思われますが、鉄道整備基金は、単に整備新幹線の財源だけではなしに、大都市鉄道の整備等における財源も一元的に管理して運営することになっております。
 この鉄道整備基金が運輸省と別に今回設けられます理由としましては、いろいろのメニューがございます鉄道整備に関する助成をここに一元化して、申請手続の簡素化、実務の効率化、また、監査その他のアフターケアの効率化等をこの基金を通じて図ることに意味があると考えております。また、特定財源を今回新たに設けました。この新幹線譲渡代金の一部を特定財源として受け入れの皿として新しい組織が要る、これが鉄道整備基金でございます。
#330
○山中(末)委員 そうしますと、私の頭の中には、新幹線と、それから今度の新しくつくっていく新幹線と、そのファクターが非常に大きいという考えがあるものですから、今お聞きして、これは在来の新幹線、それから整備新幹線、民鉄、地下鉄等について、在来よりうまく運営ができるように、建設もできるように、こういうことで基金をつくったと大臣はさっきおっしゃいましたけれども、ですから、これはJR優先とかあるいはまた地下鉄、都市高速鉄道優先とか民鉄優先とか、そういうことじゃなしに、そこに含まれている目的の事業そのものを画期的にうまく運営されるように推進をしていく、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#331
○大塚(秀)政府委員 先生御指摘のとおりでございます。
#332
○山中(末)委員 そこで、先ほど同僚議員からも質問があって重復は避けたいと思っていましたけれども、この譲渡価額の問題でございますね。これは総額が九兆一千億ですか、ちょっと端数はありますけれども、この九兆一千億という評価、これは大塚総括審議官から何回も説明は聞いていますけれども、この九兆一千億何がしかは高過ぎるんじゃないか、こういうふうに思いますが、評価の根拠とかそういうものは聞いていますから、総括的に高過ぎるんじゃないか。ですからこれは、政府から入れる資金ですね、交付する資金、補助金等のようなものをもっとふやすべきじゃないか、私自身はそう思うのですが、その点はどうでございますか。
#333
○大塚(秀)政府委員 鉄道整備基金の今回の助成額の中では、地下鉄の補助金が二百億円ふえている、あるいは無利子貸付制度が新たに創設された等で、新幹線以外についても大変充実された内容になっていると考えております。
#334
○山中(末)委員 私が申し上げていますのは、その累計九兆一千二百七十五億ですね、この総額自身が、今のJRのいろいろな条件から考えていきますと、先ほど総括審議官おっしゃっておりましたけれども、これからJR各社の営業収益等、まあ出ていくのもありますが、それが飛躍的によくなるということはなかなか考えられないけれども、何とか現状維持から抜け出ていくような方向になるんじゃないか、こういうふうにおっしゃっていますが、もう少し明確に期待の持てるような譲渡金額、もうこれは大丈夫ですというふうなことにするには、九兆一千二百七十五億というのはちょっと大き過ぎるんじゃないかなというふうに私は思うのです。その点をお聞きしたいのです。
#335
○大塚(秀)政府委員 確かに、譲渡を受ける側からすれば安ければ安いほどいいということになるかと思いますが、新幹線施設というのは国民共有の財産であり、これを譲渡する際には、譲渡価額というものはその時点での取得価額にすべきであると考えて評価したわけでございます。
 ただ、その譲渡価額がJRの経営を圧迫するような結果になってはならないのは当然でございますが、今回の九・一兆円、これをJR本州三社に譲渡した場合に、それぞれの企業というのは今後の経営状況を考えます際に決して過度な負担にならない。確かに平成四年度、五年度、譲渡の当初の年度は相当損益に影響される額になりますが、それとても、経常利益から見て上場に差し支えるとか運賃改定を考えるとかいうような額ではもちろんないわけで、長期的に見れば、かえって財務基盤が強化されて、新幹線施設の維持更新を内部留保される減価償却費の中から向ける、そのような通常の企業と同様な経営内容、財務内容になると考えております。
#336
○山中(末)委員 私は、今の答弁なさっている内容はわかるのですけれども、例えば今の状況で進めば、平成四年度ですね、これは東日本と東海が四百五十億の赤がでる、それから西日本が百億の赤がでるということが資料の中で出ていますね。これから考えてみても、ちょっと無理しているのと違うかという感じがいたします。
 それともう一つは、これは随分長い間かかって譲渡代金の調達をしていかなければいかぬ、ペイしていかなければいかぬですね。そうすると、JRの社内的な問題、それから乗客の動向等は一定の計画どおりうまくいっても、鉄道を取り巻く社会的な状況の変化というものが、随分長い期間でございますから、これは起こってこぬとも限らない。こういうことになってきますと、今この九兆一千億を積算して再評価されて、これで譲渡していく、返していくということになったら、今申し上げた急速な変化が出てきた場合、これまたペイができぬような状態になるんではないかなと心配するわけです。逆の方でうまくいけるという方法もあるかもわかりませんけれどもね、まあうまくいける方法はいいとして、そういう心配があるように私は思うのです、随分長いですからね。
 そうすると、この九兆一千二百七十五億という積算は、間違っているとかどうとかいうんじゃなしに、ちょっと額が大き過ぎて、JR三社が負担に、うまく譲渡期限の間に毎年ペイをしていくのにたえられるかどうか、こういうことを考えますと、これは相当フレキシブルな考え方を持って対応していかぬと、また、収入というか経営状況が悪くなったからどうのこうのという問題が出てくるんじゃないかという心配が――ですから私は、この九兆一千二百七十五億という金額にとやかくは言いませんけれども、これの償却については相当の柔軟な考え方を持って対応していくべきではなかろうかな、心配が出た場合のことを考えて。
 そうすると、この間この委員会で説明をされておられた、ことしの十月を一応見越して、見通してこの金額もはじき出されたんだということでありますが、もう一回十月に向かって、その再評価といいますか再計算といいますか、こういうものはやられるように聞いていますけれども、その中でやはりこの数字が減ってくるという可能性はございませんか、ふえていくという可能性があるだけですか、その辺はどうでございましょう。
#337
○大塚(秀)政府委員 まず、私の御説明でちょっと誤解があったかと思いますが、損益に四百五十億円程度平成四年度でJR東日本、JR東海の場合あると申し上げましたのは、経費がそれだけ増加するということでございますので、経常利益あるいは当期利益で赤が出るという意味ではございません。
 現在、JR東海、JR東日本とも平成元年度において経常利益で千億円以上のものを上げておりますので、それがその程度減るわけでございますが、平成四年度になればさらに経常利益が増加すると見込まれますので、差し引きしても相当な所要の利益は確保されると考えております。
 また、長期的な見通しに立って将来が心配だという面、それは全く私も否定するわけではございませんが、四全総における今後の開発計画あるいは国民生活の将来の展望等を前提として現時点で考える限りは、私どもがこの新幹線施設の譲渡の各JR三社に配分しましたときのもとになる新幹線それぞれの収益見通し、これを平成二十八年度まで見通したわけでございますが、こういうものについても決して過大な見通しをしているわけではない。したがいまして、これはJRの担当者ともいろいろ協議をした結果でございますが、今の額というのは低過ぎるものでもないし高過ぎるものでもない、JRの上場を控えての経営基盤の強化に当たって適正な価額じゃないか、JRの経営上も決して悪影響を及ぼさない額ではないかと考えております。
 したがいまして、新幹線鉄道施設評価審議会で再精査するについては、先ほどから申し上げておりますように、微調整はありますが、これより大幅に少なくなるとか大幅に高くなるというのは、この評価手法が変わらない限りはないと考えております。
#338
○山中(末)委員 これはもう決まった金額ですから、多少の懸念はないことはないけれども、これで大体いけるんだ、こういう御答弁ですが、実は今の場合、そう言うしかないですわな、総括審議官としては。私はそれで悪いということを必ずしも言っているわけじゃなしに、長い間ですからいろいろな変動が出てくるんじゃないか、三年とか五年とかならさして大変化もないと思いますけれども。ですから、もう少し柔軟に、例えばこの十月に向かって協議される、それで多分この数字が出てくるんだろうと思いますけれども、余り上げぬようにしてもらわぬといかぬと思うのです。
 それからもう一つは、三年とか五年とか、長丁場ですから、例えばそこでもう一回、ローリングシステムのような形でこれについて検討を加えていくというような、そういう柔軟性というものはございませんか。私はそういう柔軟さを持ってほしいと思うのですが。
#339
○大塚(秀)政府委員 今回の新幹線の譲渡の大きな目的が、これだけの巨額な資産について債務が確定してないということが上場に向かっての株主等に対するディスクローズの問題として出てまいったことが理由でございます。したがいまして、一たん譲渡した金額についてフレキシブルになるといいますか、三、四年後に見直すというのは、これは債務が確定してないということで、上場に当たっての基準では大きな問題になろうかと思います。
 ただ、その譲渡価額は一たん譲渡した以上変えられませんが、譲渡代金の支払いについては、これは当然債務償還その他の観点から支障が生じないかどうか慎重に見きわめる必要がございますが、この基金が譲渡代金の支払い条件を変更する場合には、基金法の第三十二条第二項で、運輸大臣の認可を受けて行うことになります。
#340
○山中(末)委員 わかりました。そういうことも含めてなるべく柔軟におやりいただきたい。
 一つは財政上の問題がありますね。会計上の問題、つまり御答弁があった内容と合っているのです。
 もう一つは、一番初めに申し上げましたように、公団あるいはJR各社等に対して運輸省はかかわりがずっとあるわけですから、その場合に、財政というか会計がうまくいかないような場合に一番しわ寄せされるのは、やはりそこで働く条件とかあるいは人、人数の問題とかそれから必要な資材、こういうものにしわ寄せされていくというのが第一段階に出てくると思うのです。それを非常に心配しています。そういう面でも、これから新しくJR各社が従業員の人も含めて頑張っていこうというときですから、やはり希望を持ってもらうような形で柔軟な対応をしてほしいなということが二つ目にあります。これをひとつ要望いたしておきたい。
 殊に、今申されましたいわゆる債務の償還の期限の問題等について、債務額が決まったわけですから、だからあとはそれぐらいしかないかな、利子補給の問題もあるか、その辺もひとつあわせて、そうしてくれというわけじゃありませんが、そういうお考えで対応していただけたらうまくいくんじゃないかなというふうに思いますので、あわせて当局と、そこには労働組合もあるわけです、従業員がいるわけですから、うまく運営されるように、一段の助言といいますか、そういうものもお願いをしたいな、このように存じます。
 それでは次に移らしていただきますが、災害復旧費の予算計上の問題であります。
 災害復旧費の補助の交付要綱等を作成をしていくというお話が大塚総括審議官からこの前の委員会で出ておりましたが、もちろん、この災害復旧費の出し方というのは、これは法的根拠はあるわけですね。
#341
○大塚(秀)政府委員 法的根拠としましては、鉄道軌道整備法第八条に「事業者がその資力のみによっては当該災害復旧事業を施行することが著しく困難であると認めるときは、予算の範囲内で、当該災害復旧事業に要する費用の一部を補助することができる。」という根拠でございます。
#342
○山中(末)委員 それでは、これは予算補助じゃなしに法律補助ということになるわけですね。
 そうすると、今おっしゃった「予算の範囲内」ということについては、これは予算がこれだけしかないからこれでいけというんじゃなしに、やはり補正とかそういうものが当然出てくるわけですね。いかがですか。
#343
○大塚(秀)政府委員 確かに法律補助ではございますが、従来この規定が必ずしも運用されなかったという事実もございます。
 これからはJR九州の豊肥線等補助対象を明確に政省令あるいは交付要綱で定めまして、今後そのような災害がまた出てまいりましたときには、その年度の予算の枠になくても翌年度の予算で確保する等ができるような運用の仕組みにしたいと考えております。
#344
○山中(末)委員 趣旨はわかりました。
 大災害、発生してほしくないんですが、たまたま発生する場合がございます。これはやはり国民の足ですから、非常に社会的な不安もありますし迷惑もかかりますので、今おっしゃったように、その年度の予算が例えば少なくとも、その年度に発生した災害については速やかに災害復旧をしていく、そして翌年度の予算等で手当てをしていく、これはほかの省でもそういうことがございますけれどもね。緊急の災害復旧、これは今予算が幾らかの枠がありますが、その枠を超えた災害復旧費が必要な場合、これは借入金とかそういうものでまず緊急復旧をする、そしてその資金手当てはその年度もしくは後年度において十分手当てしていく、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#345
○大塚(秀)政府委員 今回のJR九州豊肥線の場合も、補助金の交付を待たずに復旧を行うという
ことでJR九州を指導しておりますように、今後とも災害復旧事業をやるということが先決だと考えております。
#346
○山中(末)委員 わかりました。
 それでは、補助金の交付要綱をつくられるわけですが、この間も同僚議員が聞いて、まだこれからつくるんですからという話でございましたが、一定の目安というようなものが必要ですね。これはJRだけじゃなしに民鉄も、それから地下鉄、都市高速等も含めてこれの対象になるわけですね。ですから、そうなるとやはり一つの目安というものがありますね。例えばそこの会社等の資金力と申しますか収益力といいますか、そういうものも勘案をして、そしてその会社が自己資金だけではとても災害復旧がおぼつかない、そういうところに対して原則として補助金が出るわけですか。それとも、非常に大きな被害が出て、資金力もそこそこあるけれども、これはやはり国として災害復旧に応援をしていかなきゃならぬという要素も入りますか。そのあたりちょっとお答えいただきたいと思います。
#347
○大塚(秀)政府委員 従来この鉄道軌道整備法の制度が適用しにくかったのは、法律上の、資力のみによって復旧工事を施行することが著しく困難ということについての運用が、借入金もできないというような形で運用されていたので対象がなかなか選ばれなかったわけでございますが、今回考えておりますのは、全事業及び鉄道事業において営業損失を生じていることということにまず補助対象事業者は定めたいと今のところ考えております。JR九州についても鉄道事業の営業損益では損失を生じているわけでございます。
 それから、規模につきましては、最低基準として復旧事業の費用が被災鉄道路線の運輸収入の一割相当以上の大規模災害とする考えでございます。
#348
○山中(末)委員 災害復旧費を今度予算に計上されたというのは、金額の多寡にかかわらず、これは英断やなというふうに私自身は思っているのです。今おっしゃったように、今までそういうことがうまく早急に対応できなかった。国鉄がJRになって民間会社になったという機会をうまくとらえられてこういう災害復旧費というものを予算計上されたということは、これは一つの賢明な策やなというふうには評価をしています。願わぬことですけれども、災害復旧につきましてはひとつ今まで以上の御尽力を賜って、早期に復旧工事に着工し完工できますように御尽力を賜りたい、このように考えるわけであります。これは要望として申し上げておきたいと思います。
 それからもう一つ、今度は問題が違うのですが、整備新幹線を「建設着工する区間の並行在来線は、開業時にJRの経営から分離することを認可前に確認をする」、こういうような文書が政府と自民党さんとの申し合わせの中にあるように見ておりますが、地元で今度の整備新幹線につきましてこういうことの経過があれば、簡単に報告をいただければありがたいのです。さっきも同僚議員からも質問がありましたので、簡単で結構ですから、あればひとつお聞かせいただきたいと思います。
#349
○大塚(秀)政府委員 各区間ごとの現在の状況を申し上げますと、沼宮内―八戸間につきましては、県からJR及び地元の間で並行在来線の取り扱いについて合意ができているという報告を昨年暮れに受けておりますが、一戸町において反対があるということは先ほどからの議論にあるとおりで、この点について今地元で調整をお願いしているところでございます。
 西鹿児島―八代間につきましての並行在来線の問題は、川内―西鹿児島間はJR九州が引き続き経営を行うということになっておりますので、川内―八代間でございますが、これについては県からJR及び地元で合意ができているという報告を受けており、その後特に反対意見等は聞いておりません。
 また、軽井沢―長野間につきましては、小諸市、御代田町で反対があると聞いておりまして、地元での調整が行われていると聞いております。
 それから、高岡―金沢間については、現在富山県を中心として並行在来線問題について検討中でございます。
#350
○山中(末)委員 これは大変ですけれども、先ほどおっしゃったように地元の方で十分協議をして、協議が成立しなかったらできない、こういうお考えですから、十分にひとつ御協議を賜りたいと思います。
 整備新幹線をつくるときに、地方公共団体は負担をしなければならないわけですね。これは寄附金じゃなしに負担金なんですね。これは一五%ですか、負担しなければならない。さきの議員の質問の答弁におっしゃっていましたように、それは県とか地方に任せている、その負担をどこが幾ら持つかは、ということでしたが、この内容は後に回しまして、そこで建設費の一五%を地方が持たなきゃならぬ。これはごくわずかの金ではないと思うのですね。相当大きな金額だ。
 だから、整備新幹線をつくるときに地方は負担を出して、それも寄附じゃなしに負担金として出して、そして今度新幹線ができたら在来線はJRの経営から分離するというような方針が出されていると、勢いそれは廃線になるか、あるいはまた、今あちらこちらで努力されていますが、第三セクターのようなものになってくる、そこでまた地方が幾ばくかの債務とかあるいは負担とかをしなきゃならぬ。これは、整備新幹線の要望が非常に強いからやられるというのは否定はしませんが、地方公共団体側からいうと、新しい負担がふえて、その工事ができれば今度は在来線に対してまた地方の負担が出てくる、これはのこぎりじゃないかなというふうに思うのです。
 そういう面については何かいい知恵がないかなと思いまして私自身も考えてみたのですが、私の田舎の方では、あぜから出ても田から出ても出るのは一緒やということわざがありますが、これは国民にとっては同じことやないか。だからむしろこれは基金等からの助成を行って、JRの経営によって維持活性化を図っていくということの方が、JRの中で手なれた方がやりますからね、その方がいいのじゃないかなという感じがしますが、その点についてはどのようにお考えでございますか。
#351
○大塚(秀)政府委員 まず、整備新幹線の方の負担につきましては、この新幹線を実際に着工する手だてとして負担割合が決まりましたときに、地方の振興にも資するということで地方の負担割合、平均して一五%でございますが、これが決まったわけでございます。
 先生御指摘のとおり、並行在来線問題が出てきましたときに、これを第三セクター等にします場合にやはり地元の負担という問題が出てまいります。しかし、地元なりに小回りのきく、地元に密着した運営を行うことによって第三セクターが相当好成績を上げている例もございますので、そういった地元の第三セクター化というようなことになりましたら、運営のノーハウ、要員の派遣等、そういった面での協力というものは積極的にJRに行わせるよう指導していきたいと思いますが、やはり整備新幹線をつくるというときに並行在来線と両方残すということはJRに過度な負担をかけるし、地方が代替交通機関の導入を図ることが最も効率的かつ地元の要請に合った形になろうかと考えております。
#352
○山中(末)委員 そういう答弁がなされるだろうなというふうには思っていましたけれども、これはやはり、今はJRですが、地方は地方でやりなさいということの、何か地方交通線の切り捨てのような感じがしてしようがない。ちょっと政府、水臭いぞという感じを私は強く持っておるのです。
 第三セクター、私の地元にも一つありますので、それから考えていきますと、負担のことともう一つは、JRと第三セクターとがうまく連携をとらずに、第三セクターの終点まで行きますと、そこからJR線に乗りかえなければいかぬ、その場合に待ち時間が非常に多いとかそういう問題が
ありまして、乗る側は、JRに乗っていって第三セクターに乗りかえて、第三セクターに乗ってまたJRに乗りかえてその先へ行く、こういう逆算がありますからね。そうすると、すかっと行けない、待ち時間が多いとかそういうことで。
 そういう問題もありますので、特に私はJRの経営によって、資金面のこともありますから、そういうものについては基金に制限があれば国の補助でも出して、そしてそれをうまく経営させていくという方法をとった方が水臭くないのじゃないか。何か在来線切り捨てもしゃあない、財政上しようがないということだけが表に出まして、その辺のきめ細かいところがやはりくみ上げられておらないような感じが非常にしますので、これはこれ以上御答弁を聞いても、大塚さんの立場はそういうことを答弁をしていかなければならぬ立場でしょうから、私はこれは強く要望を申し上げておきます。できる限りひとつその辺にも神経を使っていただく。できれば、国の財政も非常に豊かだそうですから、そういう面でも補助金とかそういうものを入れて、何かの形でそれを推進をしていくということにお心をお使いいただきたい、これはひとつ大臣に要望いたしておきたいと思います。
 次に移りますが、また譲渡の問題に戻りますけれども、日本鉄道建設公団から譲渡をされるのですが、この譲渡をされる施設というのは、これは車両以外は全部譲渡されるという認識をしてよろしゅうございますか。
#353
○大塚(秀)政府委員 新幹線鉄道保有機構が保有しております新幹線施設はすべて譲渡いたします。
#354
○山中(末)委員 そんなわあっと網をかけたような答えじゃなしに、車両だけはJR会社の資産で、そのほかの土地とか地上の施設とかそういうものは全部譲渡になるということですか。
#355
○大塚(秀)政府委員 新幹線車両は御案内のように現在JRが保有しておりますのでこれはもともとJRが保管しておりますが、新幹線鉄道保有機構が保有いたします新幹線施設の土地、建物、線路設備、停車場設備、電気設備等はすべて新幹線鉄道施設として譲渡いたします。
#356
○山中(末)委員 わかりました。それで計算をして、JRの各社は何とか頑張ってもらえればうまくいけるだろう、こういうことですね。
 その中には、老婆心ですけれども、JRのものの償却費とか、それから新規の更新とかリフォームとか、そういうものはちゃんと見られているわけですな、JRの中では。
#357
○大塚(秀)政府委員 損益に与える影響を検討しますときには、当然従来の損益に新幹線施設の譲渡が加わった形で見ておりますので、既存施設の償却費等すべて含めての今後の経営状況を検討したわけでございます。
#358
○山中(末)委員 これは大臣にちょっとお聞きいたしたいのでございますが、新しくできます基金の運用に当たりましては、私はやはり長期的な鉄道整備ビジョンといいますか、そういうものを含めてお考えいただく。そして、そのお考えいただくのには、審議会のようなもの、委員会のようなもの、こういうものを設けて、そして長期的な鉄道整備ビジョン等を作成される必要があるのではないかと思うのですが、作成していただきたいと思うのですが、いかがなものでございましょうか。
#359
○村岡国務大臣 鉄道整備基金の行う業務に関する政策の指針につきましては運輸省において策定することとなりますが、そのためには、鉄道整備の中長期計画について今後運輸政策審議会において御審議をいただくことを予定をいたしております。
#360
○山中(末)委員 それはもちろん、JRそれから地下の高速鉄道、民鉄の関係等も含めて長期、中期的な計画を立てられる。まして、今大都市の中などでは、地方にもございますが、非常な混雑を駅で来している問題もございますね。こういう問題も含めて中長期なビジョン、計画というものを出されるのですか。
#361
○村岡国務大臣 先生御承知のとおり、鉄道整備基金につきましては、新幹線のみならず主要幹線並びに大都市鉄道のいろいろな対策がありますので、それらを含めて御審議願って方針を決めていきたいと思っております。
#362
○山中(末)委員 その場合に、これは話だけがあってまだ実現はしていないのですが、いわゆる民間の鉄道軌道会社等の混雑緩和とかいろいろな面でもっと予算をふやしていく。その中でそういう混雑緩和とか鉄道、地下鉄の整備とかいうものを進めていくという、その財源問題が出ておりませんので、その財源問題についてはこれから出てくる可能性はございますか。大臣でなくても結構です。
#363
○佐々木(建)政府委員 先生御承知のように、今回の鉄道整備基金の設立に伴いまして地下鉄の補助金の大幅な増額と営団地下鉄に対します無利子貸付制度等が盛り込まれる予定になっておりますので、今回、従来に比べまして相当飛躍的に進展すると考えております。
#364
○山中(末)委員 わかりました。正直に言いますと、今度の一兆円の問題、これはやはり既設の四新幹線施設の譲渡価額の中から生み出すものですから、どうしても世間一般ではJR中心、整備新幹線中心の財源に使われるのではないかなという心配が実はあります。これは否定できません。今あえて御質問申し上げたのですが、局長さんの方の答弁がありましたので、今後、大都市圏の鉄道整備あるいは地方鉄道の育成など、将来を展望し、大幅な公共投資の必要性などをあわせて御検討を願うということでありますから、ひとつ鋭意頑張っていただきたい、このように要望を申し上げておきたいと思います。
 次に移りますが、実は私は地方自治体の長をちょっとの間しておりましたので、老婆心ながら、この整備新幹線事業費の中に公的負担が五〇%ありまして、その中の一五%が地方負担であるというふうになっていますね、先ほど申し上げた整備新幹線の負担金は。その金額の九〇%は起債を許可をすると書かれておるように思います。あとの一〇%は地方公共団体の単費負担、こういうことになろうかと思いますが、この九〇%は起債を許可するということになりますと、勢い、この起債の条件を聞きたくなります。
 これはきょうお願いをして自治省の方から御出席をいただいて、そしてこのあたりの説明をちょっと聞きたいなと思って御足労を煩わしたわけでございますが、これはやはり私どもの感覚では一般単独債にならざるを得ないだろうと思います。そうすると、一般単独債の枠が今の状況の中ではうまく当てはまっていくのかな、こなせるのかなという心配がございます。それがまず第一点目でございます。
 それから、この起債につきましては、これは地方の要望等があるからそこへ整備新幹線をつけていく、だから応分の負担をしてくれよという意味で一五%の地方の負担が出てきたというふうに理解をするわけですから、これについては金額も非常に上がるのではないかと予測します。そういうことでございますから、これは起債を発行して、そして起債の発行の条件もございますね、どういう条件かということと、もう一つは、この起債について何かアフターケアのようなものを自治省の方でお考えになっていないだろうか、こういう点をひとつお伺いいたしたいと思います。
#365
○香山説明員 お答え申し上げます。
 まず、起債の関係でございますけれども、これは先生御指摘のとおり、一般単独事業の中の一般事業債で措置することにいたしております。そういう起債でございますので、いわゆる縁故資金になりますので、発行条件は地域において自主的に設定していただくということになります。
 この枠でございますけれども、地方債計画上は総額で一般単独事業債四千五百億円程度用意いたしておりまして、実際に事業が具体化してまいりますと、その地方負担額が決定した時点でそれに対応した枠の確保は可能であるというふうに考えております。
 それからなお、この起債を発行した後の地方団体の負担についての御指摘でございます。私どもも地方財政の観点からはその点を一番心配しておるわけでございますけれども、先生の御質問の中にもございましたとおり、この整備新幹線に関します地方負担と申しますのは、JRが通ることによりまして地元に大きな受益が生ずる、同時に、早期完成を図りたいという地元の強い熱意、この二つを要素として負担制度の道を開いたわけでございます。この点、地方行政に御造詣の深い先生には御理解いただけると思いますけれども、一般の道路とか河川とか、そういったような形で交付税措置を講ずるというわけにはまいらないということを御理解いただきたいと存じます。
 かといって放置しておくわけにもまいりませんので、自治省といたしましては、地方債措置を基本としながらも、その充当率を特別に九〇%に引き上げる、こういう形で対応していただく。基本的には、大きな受益が地元に生じますので、その辺の負担については、将来の受益によって、そういう意味では税収増等によって十分報われるものというふうに私ども考えておりますけれども、事業の進捗に応じまして、個別の地方団体の財政運営に私どもといたしましても十分目配りをしていきたいというふうに考えております。
#366
○山中(末)委員 ちょっと答弁が一つ抜けておりました。起債の条件ですね。
#367
○香山説明員 先ほどお答えいたしましたが、これは縁故資金でございますので、それぞれの地元で金融機関との間で条件が決められることになるということでございます。
#368
○山中(末)委員 では、その点についてはうんと長くてもいいわけですか。
#369
○香山説明員 この点につきましては、それぞれ地元の金融機関と市町村あるいは都道府県との交渉によって決まるということになります。
#370
○山中(末)委員 長ければいいのかどうか、ちょっとその辺の判断もつきかねておりますけれども、いや、今の御答弁でわかりました。
 そうしますと、充当率を九〇%に上げたということが配慮した結果だ、普通ならまあ六〇%とか七〇%とか、あとは単費で持っているけれども、単費はもう一〇%でいい、こういう面で九〇%に上げたということが自治省としての御配慮だ、枠は一般単独債であるということですね。
 それで、縁故債ですが、これはやはり政府債というわけにいきませんか。もう縁故債に決まってしまったのですか。
#371
○香山説明員 起債の性格上、一般単独事業債ということになりますので、これは縁故債ということになります。
#372
○山中(末)委員 わかっておりますけれども、おっしゃるように、そこへ整備新幹線が完成して通る、経済も上がってくる、収益もふえてくる、だから税収もふえてくる、こういう見通しがあるわけですが、これは、縁故債の条件によっては、そういう状況が出てくるまでに金をつもりして払わにゃいかぬ、こういうことになりますから。特に縁故債の場合は、これは銀行へ行って頭を下げて話をして、条件を話して融資をしてもらうわけですが、これは手数料が要るのです。政府債なら手数料は要りませんので、これだけでも何とか政府債にならぬかなというふうに思いまして、政府債ではあきませんかということを申し上げたのですが、これは絶対あきませんかね。
#373
○香山説明員 この点につきましては縁故債ということで御理解いただきたいと存じますけれども、先生御指摘のとおり、この地方債の償還がどういうふうに将来の地方財政を圧迫していくか、これは大変重要な問題だと我々考えております。
 そういった意味で、もともとの話に返って恐縮なんでございますけれども、整備新幹線の負担というのは、これは当然に地方公共団体の負担というふうに決めておるわけではなくて、あくまで地域の負担というふうに定めております。都道府県の区域内において、県と市町村それから民間団体、それぞれが話し合いをいたしまして、そういう意味では、地元の金融機関だって当然に新幹線によって受益を受けるといったような側面もあろうかと思います。そういった意味で、それぞれが納得する形で地域内の負担を決めていただく、そういった方向で全体としての負担が無理なく行われるように対応していくべき問題だというふうに私ども考えております。
#374
○山中(末)委員 そうしますと、私の前の議員の質問に対して、運輸省側としては地域の方でお任せをして相談をしてもらいます、こういうことでしたが、その中には、今おっしゃったように地方公共団体ももちろん入らにゃいかぬわけですか、入らなくてもいいわけですか。
#375
○大塚(秀)政府委員 基本スキームにもおきましては、まず、国及び地域の負担については、建設工事を二種類に分けまして、それぞれの比率として、第一種工事、「線路その他の主体等の鉄道施設に係る工事」、これは国が四〇%、地域が一〇%、それから第二種工事として、「駅その他の地域の便益に密接に関連する鉄道施設に係る工事」、これは地方にも関係が深いというので、二五%ずつということで――ちょっと私先ほどから地方負担一五%と申し上げましたが、この二五、二五と四〇、一〇を平均したら大体一五%程度になるという意味でございます。
 それから、その一五%程度になる負担としては、今言いましたように、地域の負担として「地域とは、都道府県の区域とし、」という形になってございますので、実質的には先ほど私が申し上げたとおりでございますけれども、スキーム上は自治省から申し上げたようなことになろうかと思います。
#376
○山中(末)委員 そうしますとこれは香山調整室長さん、あとは、見てもらえそうなのはもう特交だけになりますか。
 それと、ついでにもう一つ。整備新幹線の沿線といいますか、府県単位の沿線といいますか、そういうもので、今大塚総括審議官がおっしゃったような内容を含めていきますと、地方公共団体、府県市町村が負担をしなければならない額、年間の額としてどれくらいが予測されますでしょうか。何か試算的なものがございましたら……。
#377
○香山説明員 明年度に予定されております北陸新幹線の例で申し上げますと、地方公共団体の一地域における負担の額というのは大体二十億とか三十億、そういった金額になるのではなかろうかというふうに試算をされております。
 それからなお、この地域負担に対する財源措置でございますが、繰り返しお答えいたしておりますとおり、地元の熱意、それから、その新幹線が通る地域に大きな受益がある、この二つの要素に着目した負担でございますので、私どもあくまでこれは地方債措置を基本として進めたいというふうに考えております。
 ただ、先生も容易に御理解いただけると思いますけれども、こういった新幹線が通ることになりますと、関連いたしまして公共施設の整備その他もろもろの財政需要が生じてまいりますので、そういったものに対しましては、私ども地方団体の財政運営全体に十分目配りをいたしまして、地方債あるいは場合によっては交付税、そういったものによって所要の財源措置をいたしてまいりたいというふうに考えております。
#378
○山中(末)委員 御趣旨がだんだんわかってまいりました。今おっしゃったように僕もそう思うんです。新幹線が通りますと、あとやはり公益的な施設等の整備とか道路の整備とかいろんなものが出てくる、開発といいますか発展に伴うて。そういう場合に、ひとつ特段の配慮をして財政的な負担をなるべく軽くしていくというふうに尽力をしていきたいというお話でございますから、そういう面で頑張っていただきたいと思います。
 それから、さっきちょっと申し上げましたけれども、特別交付税といってもパイが決まっておりますので余りむちゃな要求ばかりできませんけれども、北陸の場合は、年間二十億というような額が出てまいりますと、今まで通っているところは大体大都市のところを通っているわけですが、これからの整備新幹線は大都市じゃなしに周辺の方
になってきますので、地元の負担というものがやはり非常に重くなってくるということが予測されますので、余りよそへ特交を回してしまったら一般的な市町村が弱るわけで、これは室長もそう考えておられると思いますけれども、できるだけそういう面でひとつ御指導とそれから対応をお願いを申し上げておきたい、要望として申し上げておきたい、このように思います。自治省の方、お帰り願っても結構でございます。どうもありがとうございました。
 時間が大分なくなってまいりましたが、実は私、今京都に住んでおりますけれども、京都もようやく地下鉄の時代を迎えてきたというふうに言えると思います。一生懸命に仕事は進められているわけですけれども、利用する側から見るとなかなか進まぬやないか、こういう声を非常に聞きます。利用者は大分多くなってきたということも聞いておるわけでございますが、この機会に、地下の高速鉄道につきましても、資金手当て等についても担当を基金がされるわけでございますので、対応は運輸省でやられるわけですから、ひとつ佐々木局長にお聞きしたいのです。
 今京都は、いわゆる南北線、これがようやく開通をして北山まで行ったわけですけれども、北山からちょっと、二・六キロほど離れたところに国際会館がございまして、北山の方がいろいろな交通機関の発達である程度まで世に出てきたわけですけれども、京都は国際会議場を持ったりしてコンベンションシティーだというふうなことはもういろんなところで言われているわけですが、それが今孤立しておりまして、バスしかそこへ行かれない、もちろんタクシーは行きますけれども。この北山―国際会館の間の延長、これを何とか早く手をつけてもらえれば、よそから来られる方にも便益が非常に増大するんじゃないかと私ども存じております。
 せんだっても地元で聞きましたら、おまえ運輸委員やろと言われまして、それで、どんなことやと聞いたら、いや、こういう話でございますと。今鋭意努力をしておられるようですけれども、京都市の方においても努力をしておられるようでございますが、できるだけ早く着工して開通を願いたいなというふうに思っておりますけれども、今日までの経過あるいは将来の見通し等についてもお伺いできればお聞きしたい、このように思います。
#379
○佐々木(建)政府委員 山中先生今御指摘の京都市市営地下鉄の烏丸線でございますけれども、昨年の十月二十四日に北山―北大路間一・二キロが開業しまして、全体で北山―竹田間十一・一キロの営業を行っておりまして、いわば京都市内における南北交通の重要な役割を果たしているという状況でございます。
 今先生御指摘の烏丸線の北山以北への延伸でございますけれども、京都国際会館等へのアクセス機能を強化するために必要な路線として、平成元年の運輸政策審議会の答申において二〇〇五年までに整備することが適当であるというふうにされているわけでございます。この路線につきましては、現在京都市において検討が行われているというふうに伺っております。
 運輸省としましては、京都市の検討結果を見ました上で、他の工事路線、例えば今東西線の工事をやっておりますけれども、そういった路線の進捗状況等も勘案しながら適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
#380
○山中(末)委員 ちょっと先走ったことになるかもわかりませんけれども、地元の方の要望が非常に強うございますので、ひとつうまく指導をしていただいて、そして早くこれが着工できるように格段の御配慮をお願い申し上げたい、こう思います。
 それともう一つは、今おっしゃいましたけれども、東西線も今鋭意工事が進捗中であります。私の地元でございますが、これは醍醐までというようなことじゃなしにもうちょっと南まで延ばしてくれという話もございまして、今まだお耳には入ってないと思いますけれども、そういう期待が非常に強うございますので、これもあわせてひとつ将来の計画としてお含みおきを賜りたいというふうに存じます。地元のことでございますので余り極端なことも言えませんけれども、できますならば、この目の先に見えております概算要求の中へほうり込むというような決意でひとつよろしくお願いを申し上げたい、実はこのように思うわけでございます。
 今佐々木局長さんから考え方をお聞きいたしましたので、地元の地下鉄の問題につきましてはこの程度にしておきたい、このように考えます。
 一応この質問の中で申し上げてまいりましたけれども、総括して申し上げますと、やはりJRが、会社もそこで働いておられる従業員の方々も希望を持って仕事をできるような状態を、目に見えるかあるいは計画で示されるか等で明るい将来というものを展望できるような形のものを何とか御尽力してつくり上げていただきたい、実はこのように思います。私も民間の会社に三十六年ほど勤めておるわけですが、その会社がいろんな事業をやりますね。そうすると社員、そこに働いている者も、何かそういう話を時々社長とかそういう上の方から聞きますと、やはり聞いた者なりに励みが出てくるんですね。ですから、先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、そういうビジョンのようなものをひとつなるべく早く策定をしていただいて、そしてそれに対する資金手当ての方法も、ひとつ大いに頑張ってふやしていくというようなことでお願いを申し上げたい、これがまず第一点です。
 それから、それを実現していくとしたら、九兆一千億というのはちょっと高過ぎますよ。JRの力量にちょっと過ぎた譲渡価額じゃないかというふうに思いますので、これも将来に向かってできる限りフレキシブルな考え方でひとつお考え願って、またぞろ赤字がふえてどうにもならぬというようなことのないように特に御留意を賜りたい、このように実は考えるわけでございます。今日まで努力をしてこられたことについてはよくわかるわけですけれども、その上にまた一段と努力をしていただきたい、このように実は思うわけでございます。
 御要望として申し上げまして、時間が大分残っておりますけれども、きょうはこの辺にしたいと思います。
#381
○亀井委員長 次回は、来る十二日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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