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#1
第120回国会 農林水産委員会 第5号
平成三年三月七日(木曜日)
    午前十時二十分開議
 出席委員
   委員長 大原 一三君
   理事 金子徳之介君 理事 東   力君
   理事 二田 孝治君 理事 穂積 良行君
   理事 宮里 松正君 理事 石橋 大吉君
   理事 日野 市朗君 理事 藤原 房雄君
      石破  茂君    今津  寛君
      岩村卯一郎岩    上草 義輝君
      内海 英男君    久間 章生君
      久野統一郎君    田澤 吉郎君
      保利 耕輔君    星野 行男君
     松岡 利勝君    三ッ林弥太郎君
      御法川英文君    柳沢 伯夫君
      佐々木秀典君    志賀 一夫君
      田中 恒利君    鉢呂 吉雄君
      堀込 征雄君    前島 秀行君
      目黒吉之助君    元信  堯君
      倉田 栄喜君    西中  清君
      藤田 スミ君    山原健二郎君
      菅原喜重郎君    阿部 昭吾君
      亀井 久興君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  近藤 元次君
 出席政府委員
        農林水産政務次
        官       杉浦 正健君
        農林水産大臣官
        房長      鶴岡 俊彦君
        林野庁長官   小澤 普照君
        林野庁次長   入澤  肇君
 委員外の出席者
        農林水産委員会
        調査室長    西島  勝君
    ─────────────
委員の異動
三月六日
 辞任         補欠選任
  石破  茂君     伊東 正義君
  今津  寛君     石原慎太郎君
  内海 英男君     三塚  博君
  北川 正恭君     渡辺 秀央君
  久間 章生君     山口 敏夫君
  星野 行男君     瓦   力君
  目黒吉之助君     貴志 八郎君
同日
 辞任         補欠選任
  伊東 正義君     石破  茂君
  石原慎太郎君     今津  寛君
  瓦   力君     星野 行男君
  三塚  博君     内海 英男君
  山口 敏夫君     久間 章生君
  渡辺 秀央君     北川 正恭君
  貴志 八郎君     目黒吉之助君
同月七日
 辞任         補欠選任
  藤田 スミ君     山原健二郎君
  小平 忠正君     菅原喜重郎君
同日
 辞任         補欠選任
  山原健二郎君     藤田 スミ君
  菅原喜重郎君     小平 忠正君
    ─────────────
三月七日
 米市場開放阻止及び農業政策の確立に関する請願(松岡利勝君紹介)(第一六八九号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第三二号)
 森林法等の一部を改正する法律案(内閣提出第六〇号)
     ────◇─────
#2
○大原委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案及び森林法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 両案審査のため、来る十二日、参考人の出席を求め、その意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○大原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ─────────────
#4
○大原委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。穂積良行君。
#5
○穂積委員 このたび提出されました森林法等の一部を改正する法律案及び国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案は、最近の林政の歴史の中ではまことに画期的な法律案だと私は思う次第でございます。かつて林政に従事した経験のある者として非常に感慨深くこの法案について拝見し、法案の趣旨を明らかにするために若干の質問をさせていただくつもりでございます。
 さて、我々人類の今後の運命を考えますときに、我々人類が生存を続けられるかどうかというような環境問題が年々重要な問題になっていることは御案内のとおりでございます。
 湾岸戦争が終局を迎えまして、テレビで国民もごらんのあの砂漠の地に生きる人たちも、森林の植物あるいは太陽の、プランクトンによる緑資源の生み出す酸素なくしては人類は生き続けられない。そういうようなことを考えただけでも、また我々の日常飲む水についても、森林が水資源の涵養に大きな役割を果たしているということを考えるにつけましても、森林が重要であるということは申すまでもないところであります。そのような森林が危なくなるとすれば、それはもう湾岸危機の問題どころではないということになるかと思います。こうした地球規模の環境問題も頭に置いた森林保全のための政策を進めることが特に今日必要だと私は思っております。
 森林は、そうした環境保全の機能とあわせまして、貴重な資源である木材を供給するということでは大事な場でありまして、その木材供給に従事する林業従事者によって我々は大きな恩恵を受けているということがあるわけでして、この林業についても大事にしていかなければならない、大きな政治課題であるということは申すまでもないと思うわけであります。
 このような森林あるいは林業についての基本的な認識を基礎に、今回の森林法あるいは国有林野事業改善特別措置法の改正を見ていきたいと思うわけでございます。
 ところが、この林業については採算性が非常に低い。これはいろいろ理由がありますけれども、一つには、完全自由化されている木材輸入のもとで外国に三分の二程度依存している、その外材が非常に低廉に輸入されているという状況を背景にしていることも明らかでございます。そのような収益性の低い林業について、国内の林業者が改めて伐採で得た収益を投下していくというようなことで林業を続けるということの意欲がそがれているという状況があるわけですが、こうした状況に対して、しっかりとした政策を進めなければならないと思う次第であります。
 このような状況を林政当局は十分認識しておられると思いますが、これらについて、改めて今回の法改正に際しての国の基本姿勢を簡潔に表明していただきたいと思います。
#6
○小澤政府委員 お答えいたします。
 先生おっしゃいますように、森林は林産物の供給あるいはまた水資源の涵養、山地災害の防止、自然環境の保全形成、さらにはまた保健、文化、教育的利用の場の提供など、国民経済の発展や国民生活と結びつきまして多面的な機能を有しておるわけでありまして、近年、これら森林の諸機能の発揮に対する国民や林業関係者の期待は急速に増大しているところでございます。
 このため、国民のニーズにこたえる質の高い森林の整備を推進いたしますとともに、一千万ヘクタールの人工林を中心とする国内森林資源の経済的価値を現実化することが重要となっておりまして、民有林、国有林を通じまして、今後、緑と水の源泉である多様な森林の整備、国産材時代を実現するための条件整備を林政の基本的課題とし、その達成のための施策の重点的展開を図ることが必要と考えておる次第でございます。
 一方、我が国の森林・林業をめぐる状況を見ますと、林業の採算性の低下、林業従事者の減少、高齢化の進行、林業機械化や基盤整備のおくれ、あるいはまた施業規模の零細性など、極めて厳しいものがございます。森林の整備や林業の振興につきましては、これまでも林業基本法、森林法などの示す方向に従いまして各種の施策を展開してきたところでありますけれども、今後は、このような厳しい状況と林政の基本的課題に対処するために、森林整備水準の向上、林業構造の改善、林業機械など林業技術の向上、さらにまた、流通加工の合理化等による生産性の向上、林業従事者の養成確保などの施策につきまして、今日の事態を踏まえました新たな展開を図ってまいりたいと考えておるところでございます。特に、流域を単位といたしまして、民有林、国有林を通じた関係者の総意のもとに、その地域の特質に応じた森林の整備、林業生産等が着実に行われますよう、目標の明確化とその達成に必要な基盤整備や担い手の育成等を計画的に推進する森林の流域管理システムの確立を図ってまいる考えであります。
 国有林野事業につきましても、森林・林業に対する国民的要請の高まりにかんがみまして、林政の展開の一環といたしまして、国土の保全、水資源の涵養、自然環境の維持、レクリエーションや居住空間の提供等の森林の有する公益的機能の発揮、また、多様な樹種、齢級の木材の安定的供給、さらにまた、国有林野の活用、国有林野事業の諸活動と、これに関連する地域の産業活動等を通じた農山村地域振興への寄与等の使命を果たしていくことが必要となっておりますが、そのためには経営改善を図ることが不可欠の基本的条件となっており、その強力な推進を図る考えであります。
 御提案いたしております森林法等の一部を改正する法律案と国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、以上のような観点から所要の対策を講じようとするものでありまして、速やかにその推進ができますようによろしくお願いを申し上げる次第でございます。
#7
○穂積委員 さて、我が国の森林約二千五百万ヘクタール、その中で約三分の一は国有林野が占めております。七百六十三万ヘクタールの国有林を預かって、それでこの国有林野事業は課せられた使命を果たすために一生懸命努力していることを私はよく承知しておりますけれども、ここ十数年間はまことに経営について苦しみ、悩み続けた年月でございました。
 そういう中でやはり一番問題なのは、かつては、どうしても事業に必要な金が足りないから財投資金をお借りして補って仕事をするということから始まった借入金、それが累積して利子もかさみ、そうして今や二兆数千億の借入金、累積債務というような状況になったということでありますが、これについては何とか抜本的な改善を図らなければならないということで、自民党の中でも、あるいは政府でも検討が続けられた結果、今回提案されたような法改正をベースに改善が図られることになった、これは高く評価していいと思うわけであります。
 私も、かつて昭和六十年五月に、大蔵委員会でこの問題が取り上げられたときに答弁者側として苦悩に満ちた答弁をしたことがございまして、それをきょう委員の皆さんにも御参考までにお配りした次第でございますが、問題は、このような債務というものについては長期的にきちんとした始末をつけていく、しかし片方で、日々行っている事業については極力さらに合理化努力を続けながら経営の健全化を回復するということに尽きると思うわけでありますが、そうしたことについて今回の法改正は、先ほど申し上げたようにまことに画期的な方向づけをするものだと評価できると思うわけであります。
 ただ問題は、実際に借入金の累積をとにかくできるだけ早期に始末していくということだと思います。二兆三千億といえば、今の円ドルレートではおよそ百七十億ドルくらいですか、そうした問題が念頭から離れないわけでございます。その最後の解決、それから並行しての国有林野事業内での合理化努力ということになりますと、これは、一つには組織の合理化、さらには事業の各面にわたる合理化ということになるわけですけれども、そのときに一つ問題になるのは、やはり組織合理化といいますと、全国に配置されている営林署や何かはそれなりに地元では大事な組織であり、この統廃合等が現実の問題となった場合に常に地元からはその存続等が要望される、これも周知のところであります。その辺、地元と国有林がよく折り合って、その上で現実的に結論を出せるような、そうした入念な、慎重な対応がどうしても必要になる、これが一つ。
 それから、要員問題については、ただでさえ林業労働者が高齢化しつつある中で、国有林がいわば林業技術の保存組織として大きな役割を果たしていかなければならないという面もございます。そういう面では国有林野の技術の保持、それから地域の森林組合等の林業の担い手の存続を図ることとうまくかみ合った対応ということが必要かと思います。かつてピーク時には八万九千人もいた国有林野事業が現在随分細って、目標としては二万人体制にするという、ピーク時の四分の一以下の要員で仕事をやっていこうというようなことが意図されているわけですけれども、これについても、現に林業に一生をささげた人たちが後継者に有意義な事業を引き継いでもらう、引き継ぐ後継者は本当に意欲を燃やして、数は細っても大事な仕事をやっていくというような気持ちを持ち続けてもらう、この辺が非常に大事なことになるのではないかと思う次第であります。
 そのようなことについていろいろ申し上げたいこともあるのですけれども、農林省当局の基本的な考え方をお示しいただきたいと思います。
#8
○小澤政府委員 国有林の改善問題につきまして、またその国有林の果たしております役割、私ども、これからも真剣にまさに取り組もうとしている課題でございますけれども、今先生おっしゃいました要員の問題あるいは地域との関係につきまして、まず国有林野事業がこの使命を十全に果たしていきますためには経営の健全性を確立することが不可欠であると考えておりまして、これまでも改善計画に則しまして所要の財政措置も講じながら要員の規模の適正化あるいはまた組織機構の簡素化あるいは合理化等に努めてきたところでございます。
 今後におきましても、昨年の十二月に閣議了解をいただきました国有林野事業経営改善大綱あるいはまた林政審議会の答申、これらに従いまして国有林野の管理経営を合理的、効率的に行うというために組織機構の徹底した見直しも行い、簡素化、合理化を図っていく必要がございますけれども、この際にも地域の実情等も十分考慮もし、また地域との対話も深めながら対応してまいりたいと考えているわけでございます。
 要員につきましても、必要最小限度の要員規模とすることを考えて今後も進んでいかなければならないわけでございますけれども、やはり国有林の果たしております使命ということを十分考えながら対応してまいりたいと思うわけでございます。
 また、債務につきましても、縮減あるいは適切な処理ということが極めて重要でございますので、今回の特別措置法の法案の中にこのような累積債務の処理等も含めて今後の国有林の健全性を回復するということを基本に、全力を挙げてまた努力してまいりたいと考えておるところでございます。
#9
○杉浦(正)政府委員 大臣が予算委員会に出席しておりますので、私からお答えすることをお許しいただきたいと思います。
 穂積委員、林業にお詳しく、ライフワークとしてお取り組みいただいている委員の御意見、御指摘、大変謹聴させていただいておりましたが、そういう方向で林政のさまざまな施策を展開していくものというふうに私も思っております。
 今おっしゃられました国有林、民有林を問わず国の負うべき責任、財政上の負担を十分すべきじゃないかという点については、むしろ大蔵大臣をここへ呼んでしっかり答弁してもらうことが大切じゃないかと思うわけでございます。我が省としても、おっしゃられるとおり全力を挙げて取り組んでおりますし、これからも取り組んでいかなければならない問題だと思います。
 先生には釈迦に説法でございますが、本件森林二法の改正もその取り組みの一つでございますし、林業基本法等、枠組みがございまして林政が展開され、林業の振興を目指して努力が行われておることは御高承のとおりでございます。今年度予算におきましては林業関係予算四千三百億円計上させていただき、このうち国有林野事業の改善のためには二百五十億円を一般会計から繰り入れるという措置を講じておりますことは御高承のとおりでございます。
 今後とも森林の重要性を踏まえまして、その機能の高度発揮と林業振興のため必要な財政措置を十分講じてまいる考えでございます。穂積委員初め、委員の諸先生方の力強い御支援を心からお願い申し上げる次第でございます。
#10
○穂積委員 国有林、民有林を通じて、とにもかくにも希望を失わず、国民のための森林保持のために努力いただくことを心から希望いたしまして、質問を終わります。
#11
○大原委員長 東力君。
#12
○東(力)委員 森林の持つ多機能というのが大変注目される、特に環境問題等に対する森林の持つ大きな機能というものが注目されているときに、一方で経済も地球化いたしまして、国有、民有問わず、経営的な側面からは非常に大変であるというようなときに、この森林二法が整備されまして、内容を見ますと大変立派に見えるわけです。ぜひ大いにやっていただきたいのですが、これで本当に実効があるかどうか、心配な面も実はあるわけです。
 私は新宮の出身でありまして、紀州材の森林の中で生まれて川下で育ったわけでありますが、川上から川下まで非常に過疎化が著しい。上流、下流まで流域的に見るということで何とか立ち直りをしたいということでありますが、下流そのものも非常に貧乏な状態になってきている。
 実はこの前、週末に帰ったときに突如陳情を受けたのですが、この前の台風十九、二十号で、五十年から八十年ぐらいたった杉の木がほとんど倒れてしまって、倒れた木というのは製材してもばらばらになってしまって、九千万円借りて少しもうけようかと思ったら、担保価値が今三百万円はなったというような話で、こんな話が続々とあります。私といたしましては、川上だけではなくて川下も非常に貧乏であります、それから、海外からの攻勢というものもありまして、米や牛肉、ミカン等のようには騒がれていないけれども、山林地主の方へ行きますとやはり非常に心配している状態でもあります。しかし、提案理由の説明を見ますと、「「国産材時代」の到来」なんというのも書いてあって、若干どういうふうになるのかというようなこともあるのです。
 さらには、一番大事なことの一つに、人が不足して担い手が少ない、こういったことが過疎化であり、また経営困難に陥っているわけであります。私は、去年農林漁業金融公庫法等の改正で、中山間地域に、農業じゃなくても貸せる、そして農業者じゃなくても貸せる、つまり民宿とか学校とか山村留学センターとか、そういったものを含めてもう少し経営的には成り立つような、過疎化を防止できるような、その地域を非常に活性化するようなものでなければいけないと思いますし、そのためには具体的に成功していくような例を見せていただきたいと思うのですが、林野庁長官、ちゃんとやっていける自信があるのかどうか、そこをひとつ決意のほどを伺いたいのです。
#13
○小澤政府委員 お答えをいたします。
 林業をめぐる情勢でございますとか、国有林をめぐる情勢、森林に対する要請がますます高まる中で、一方で厳しい条件に囲まれまして、いろいろな政策努力と同時に、我々関係者みずからが発想の転換をしつつ対応していくことが必要と考えておるわけでございます。
 決意というふうに申されましたけれども、私ども、そのような状況の中でいかにして林業の活性化を図り、地域の振興を図るか、また国有林の経営を改善していくかということにつきましては、我々関係者が最大の努力をすると同時に、また国民各層の御理解もいただきまして取り組んでいく必要があると思っております。全力を挙げて取り組む決意でございます。
#14
○東(力)委員 ぜひ頑張っていただきたいと思うわけでございます。
 あと、国有林野を一緒にやろう、さらに累積赤字が非常に大きいので、二十五年ですか、かかって改善していこうということでありますが、この点につきましても、民有、国有問わず森林の持つ機能、環境問題とか水資源の涵養とか、さらに林浴等を含む非常に健全なリゾートあるいはレクリエーション、国民がみんな健康的に豊かで幸せに暮らせるような貴重な財産として育てていかなければいけないわけでありますから、一方で財政当局からの要請、そして林野庁でも自助努力していかなければいけない、こういうことはわかるのですが、その目的とか価値観というものが急速に変わってきておりますので、この点にも着目して、余り人減らしに精を出して田舎の方が過疎になっていくということがないように、この点ひとつ決まっているわけでありますから、その計画を実行していくことが大切なのです。状況が違ってくればまた見直さなければいけない、価値観が違ってくればまた見直さなければいけない、そういうことも頭に置いてしっかり頑張っていただきたいと思うわけです。
 時間がありませんので、もう一つの問題。
 先ほど、世界がグローバライゼーション、グローバルになっているということを申し上げましたが、私は、むしろ世界的規模で見れば、地球環境をきれいにする、砂漠化とか熱帯雨林が減っていっている、酸性雨が降ってくる、それから湾岸戦争でさらに荒廃がある、こういうときに日本が貢献できるのは金だけではなくて、いろいろな軍事的側面が言われておりますが、むしろ林野庁が一番きれいな、一番効果的な、また日本としてイメージも上がるような貢献をできると私は信じているわけです。
 私の後に非常に立派な政務次官に来ていただきまして、そしてまたODAその他地球的に活躍されている方でありますから、ちょうどタイミングもいいと思いますし、熱帯雨林その他、日本が大いに世界でリーダーシップをとって活躍していただきたい。
 私、実は政務次官のときに、去年の八月でありますが、熱帯雨林を回ってみまして、そして日本が活躍しているということ、特に林野庁が御自身のスタッフ、さらに外からたくさんの大学教授や専門家を動員してやっておられる。森林一つを育てるには、やはり種の育成とかハイテク等を通じて改善していく、さらに肥料、病害虫の駆除、そういったことを含め、さらには経営的、民族的な側面、さらに最終材をどうやっていくか。非常に多くの人材、それから技術、さらにはノーハウ、蓄積が必要だということがわかったのです。それでこそ世界銀行や国連、さらにはアメリカやヨーロッパ、低開発国等を呼んでリーダーシップをとってひとつやっていっていただきたい。また、それをできるスタッフが国有林野等で育っていくように、世界と国内と関連してやっていただきたい。これをお願いいたしまして、政務次官にひとつ御決意のほどを聞かせていただきたいと思うわけです。
#15
○杉浦(正)政府委員 東委員におかれましては、御在任中に熱帯林、インドネシア、マレーシアをわざわざ選んで御視察をいただき、長靴を履いて大分奥深くまでお入りいただいたようでございますが、そういう国際的な貢献をしなければならないという立場で大変御努力を賜り、御指導いただいて、林野庁、我が省も今おっしゃられたような方向で努力を始めておるところでございます。今後とも御指導を賜りますように、心からお願いを申し上げる次第でございます。省を挙げて努力する方向でやっておりますし、私どもも微力を尽くしてまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。
#16
○大原委員長 石橋大吉君。
#17
○石橋(大)委員 最初に、国有林野事業の特別会計をめぐって二、三基本的なことを少しお尋ねをしておきたいと思います。詳細は後からまた堀込委員の質問で展開していただきたいと思っておりますので、ごく基本的なことだけ申し上げます。
 まず最初に、累積債務の増大した原因は何かということであります。
 国有林問題は財政問題である、こう言ってもいいぐらい財政問題が大きいわけですが、御承知のとおり、国有林野事業の経営改善については、昭和五十三年度特別措置法制定以来、昭和五十九年度の第一次改正、そして昭和六十二年度の第二次改正、そして今回三度目の改正と期間の延長、こういうことになっているわけであります。この間、十二年間にわたりまして、要員の大削減、機構の統廃合、縮小などを中心に林野庁挙げて、また労使一体となって、文字どおり血を流すような努力をしてこられた。この間の関係者の皆さんの努力には心から敬意を表しますが、しかし、結果的に大幅な要員削減など計画の目標を達成しながらも財政事情は一向に好転をしない、累積債務がやはり膨れ上がっていく、一体この最大の原因はどこにあるのか、この点についてまず最初にお伺いをしたいと思います。
#18
○小澤政府委員 ただいま先生からお話しございましたように、国有林野事業の改善につきましては、五十三年以降鋭意努力をしてまいったところでございます。
 この間に能率化の問題、あるいは要員規模の適正化、あるいは組織機構の簡素化、合理化に、またさらには自己収入の確保にも取り組んでまいりました。そのような中で、債務残高、平成二年度末で二兆二千五百五十一億円に達する見込みとなっているわけでございます。
 このように努力をしつつも債務が増大した原因と考えておりますことは、まず収入につきましては、収入の大宗を占めております木材収入でございますけれども、過去に、社会的要請に応じまして大量に伐採をいたしましたが、このことから、その後、造林もやりました。しかしながら、現在これがまだまだ生育途上にございますというような資源的制約がございます。それからまた、自然保護等の要請が高まってまいりまして、このようなことから、伐採量の減少ということも現実化したわけでございます。さらにまた、木材価格が長期にわたりまして低迷いたしましたことなどによりまして、収入の減少傾向ということがございました。
 さらにまた、木材収入以外の継続的な収入の増加を図りますために、これまで分収育林でございますとかあるいはふれあいの郷、ヒューマン・グリーン・プランというようなことで事業の推進を図っておりますけれども、これらはまだ緒についたばかりでございますし、現時点での収入の確保に大きく寄与するところまでは至っていないという現実がございます。
 また、土地売り払いにつきましては、地価抑制施策に伴いまして、地価高騰地域における土地売却が規制されるということがございますし、さらにまた、支出の面でございますけれども、事業の拡張期に増大した要員の調整過程にもございます。給与総額は、最近はいろいろと縮減傾向というようなこともありますけれども、退職金等がまた増大するということで、なかなか人件費支出も大幅な減少を示すにはまだ至っておりません。
 このような収支の悪化にもかかわらず、国有林野事業の使命を果たすために森林の適切な管理を行う必要があるということもございまして、所要の事業を行う上で不足する資金につきましては借入金に頼らざるを得なかったというようなこと等等、いろいろございますが、このようなことが要因となりまして債務も増加してまいった、このように考えているところでございます。
#19
○石橋(大)委員 今林野庁の長官から、累積債務が増大をした原因について林野庁の立場からのお話がありましたが、私は、労使一体の非常な努力、そしてたび重なる改善計画に基づく要員の大幅削減や合理化の目標を達成したにもかかわらず、累積債務が増大の一途をたどってきた、これはそもそも国有林野事業特別会計の問題、会計制度の仕組みそのものに基本的な問題があるのではないか。
 その第一の問題点は、この会計が独立採算制をとり、単年度主義をとっているところに根本的な問題があるのではないか、こういうふうに考えるけであります。
 御承知のとおり、国有林野の公益的役割は非常に大きい。環境庁調べ、林野庁業務資料によりますと、保安林の総面積八百二十二万ヘクタールに占める国有林の面積で三百九十五万ヘクタール、四八%。自然公園の総面積五百三十三万ヘクタールに占める国有林の面積は二百十七万ヘクタール、四一%。鳥獣保護区、総面積が三百二十八万ヘクタールに占める国有林の面積は百四万ヘクタール、三二%。レクリエーションの森、総面積五十七万ヘクタールに占める国有林面積が五十七万ヘクタール、一〇〇%。国有林野の総面積七百六十三万ヘクタールのうち、公益的な観点から各種の制限を受けている森林面積は四百十四万ヘクタール、国有林面積の五四%ということになっているわけであります。
 しかし、こういう公益的な役割を果たす部分についても、原則国有林野事業の収益によって賄うというところに独立採算制の根本的な問題があるのではないか。もちろん昭和五十三年以降、保安林等の施業に係る部分について一定の一般会計からの繰り入れが行われ、逐年増額をされてはきていますが、しかしその額はまだまだ極めて微々たるものにすぎないのではないか。今度平成三年度予算で大幅に増額されたとはいえ、二百四十九億五千二百万円にすぎないわけであります。もし、独立採算制をやめて公益的部分については一般会計で負担する、こういうふうにすれば、極めて単純に算術的に言って、国有林野事業に係る経費の五〇%は一般会計で負担する、そういう原則が導き出されるのではないか。
 また、単年度均衡主義という原則について申し上げると、森林の回転は六十年も七十年も、中には百年もかかるわけであります。その間に木材価格は暴騰するときもあれば暴落するときもある。いずれにしても六十年、七十年、百年と生産期間がかかるような事業について単年度主義でいくということに大きな問題があるのではないか。これが一つであります。
 二つ目に、運用上の問題として、毎年多額の資金を金利の高い財政投融資資金からの借入金に頼ってきた。財投資金の利子は七、八%と言われておりますが、農林漁業金融公庫の資料によって林業の利回りを見ると、林地の生産力によって上中下と分けてありますが、伐期五十年で、昭和六十一年度の数字ですけれども、地位上で二・四%、地位中で一・九%、地位下で一・二四%という数字になっているわけであります。借入金の利子と林業の利回りに大きな開きがある。こういうことが大きな原因になって累積債務が膨れ上がっているのではないか。過去の累積債務がなければ、国有林野事業特別会計の赤字というものはそれほど大きいものではない。こういうこともあって、今回の改正では、経常部分と債務の償還に関する部分をきちんと区分して処理をされる、こういうことになりました。関係者の皆さんのそれなりの力には敬意を表しますが、それにしても一般会計からの繰り入れの額はまだ非常に少ないのではないか。
 以上のようなことを念頭に置いて、以下三点について御見解を承りたいと思います。
 一つは、独立採算制、単年度主義という特別会計の制度を国有林に当てはめて維持することについて非常な問題があるのではないか、抜本的に検討する必要があるのではないか、こういうことであります。
 二つ目に、公益的分野に係る経費については原則として一般会計で負担する、当面国有林野事業の経営に係る経費の半分は一般会計から負担する、そういう目標を立てて、それに沿って逐年一般会計からの繰り入れを増額すべきである、こういうふうに考えられますが、どうか。
 三つ目に、今回が三度目の計画の改正であり、また期間の延長であります。非常な努力をしながらも、累積債務を解消することができなかった。むしろふえていった。今度の再々改定と期間の延長によって、果たして本当に今度こそ累積債務の解消ができ、経営改善が文字どおり実現できるのかどうか大変心配をしていますが、この辺について長官の決意なりお考えを承りたいと思います。
#20
○小澤政府委員 まず第一点目の独立採算制の問題でございます。
 国有林野事業は昭和二十二年にスタートいたしまして、この際、国有林野事業というものを企業的に運営いたしまして、その健全な発展に資するために特別会計事業とされたところでございます。それ以来、この特別会計制度のもとで独立採算を旨として事業が実行されてまいりました。
 しかしながら、近年に至りまして木材価格の低迷でございますとか、先ほども申し上げましたが、資源的制約がございまして、財務事情が悪化しておりますが、一方また、国土の保全等の公益的な側面、これは必ずしも経済ベースに乗りにくいという面がございますけれども、これについての諸機能の適切な発揮が強く求められるようになっているわけでございます。
 このような状況のもとで、事業の改善を図り、国有林に対する国民的要請に対処して、みずからの使命、役割というものを十全に果たしていくために、昭和五十三年に国有林野事業改善特別措置法を定めまして、以後数度にわたり改正もしておりますけれども、公益的な機能発揮上重要な造林、林道等の施設費、事業施設費あるいは退職手当の利子、借りかえ利子のほか、さらにまた保安等の経費、これは先生も先ほど申されましたとおり、一般会計からの繰り入れ措置の拡充が行われてきておるわけでございます。さらにまた、今回の改正法案におきましては、一国有林地域の森林計画の作成に要する経費等の一般行政的経費でございますとか、あるいは累積債務対策としての退職手当、さらにまた借りかえにかかわる借入金の償還金を一般会計の繰り入れ対象にするというような追加措置をいたすこととしておるわけでございます。
 このように林業収益をリサイクルさせていきまして、森林資源を計画的に充実させていくということが必要でございますけれども、これらは能率的な経営を通じて国有林の担っている使命を果たす、発揮させるということでございますので、従来の特別会計の基本は維持しつつも、補完的に財政措置を講ずること等によりまして、今後とも国有林野事業の経営を行ってまいりたいと考えているところでございます。
 これは二点目の御質問の、公益機能の発揮についての経費負担ということともつながってくることでございますけれども、この面につきましては、特に国有林野事業に求められております要請が非常に多様化しておりますし、この公益的発揮と同時に、また農山村地域の振興という問題もございますので、これまでも特別措置法に基づきまして経営改善を図ってきているところで、同時にまた、そういう使命の発揮というものを考えまして、必要な経費につきましての一般会計からの繰り入れ措置を行ってきましたが、平成三年度の予算案におきましても造林、林道の整備につきましての一般会計繰り入れの対象を民有林補助体系と同一にいたしますとともに、今回の改正法案におきまして、さらに森林計画の作成に要する経費など一般行政的な経費を繰り入れの対象として追加いたしたいということでございます。したがいまして、今後とも一般会計繰り入れにつきましては確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 さらに三点目の御質問、確かに三度目の計画変更ということになるわけでございますけれども、今回の改善問題につきましては、昨年、さらに一昨年以来ということにもなるかと思うのでございすけれども、林政審議会でも十分御審議もいただきまして、その際に、やはり可及的に、この累積債務の増大ということもございますし、速やかに新たな改善計画を策定して国有林野事業の改善行うべきだというような方向も示されておるわけでございまして、私どもは、これにつきまして全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。
 具体的な方策といたしましては、種々ございまけれども、特に要点ということになりますと、累積債務処理問題、これを区分するということでございますが、経常の事業部門と区分をいたして再建を図っていくということが大きなポイントでございましょう。しかし、その中で、関連いたしまして、事業の民間実行の徹底でございますとか、あるいはまた要員規模の適正化、組織機構の簡素化、合理化あるいはまた自己収入の確保ということ、このような自主的な改善努力も徹底して行いますとともに、先ほどからの公益機能その他の問題がございます。そういうような観点から、造林、林道等の整備に要する経費なり、あるいはまた森林の保全管理の経費、費用につきましての一般会計からの繰り入れを拡充するというような財政措置も講じまして、平成十二年度までに経営の健全性の確立に必要な経営の体質の転換あるいはまた改善の基本的条件の整備を図ってまいりまして、経常事業部門の財政の健全化を達成していく考えでございます。
 なおまた、累積債務処理につきましては、資産処分収入の優先充当、経常事業部門で将来生ずる剰余金の充当に加えまして、一般会計資金の繰り入れ等の別途財源措置を講じまして、適切な累積債務対策を進めていくこと等によりまして、平成二十二年度までに経営の健全性の確立を図っていく考えでございますけれども、これらを総合的に推進いたしまして、私を初め関係職員全力を挙げると同時に、またいろいろ国民各層の御支援もいただきまして、かたい決意のもとに経営の健全化に取り組む覚悟でございます。
#21
○石橋(大)委員 国有林野会計のあり方あるいは一般会計からのさらに大幅な繰り入れ等の問題については、今から展開をします労働力の確保やマンパワーをどう補整していくかということとも絡んで、緊急に、かなり思い切った方法、手段をとらなければいけない、こういうこともありますので、ぜひひとつ頑張っていただきたいと思いますし、この点についてはまた最後に大臣からもちゃんと見解を承りたいと思っています。
 そこで、会計問題、財政問題については、以上、基本的なことだけ伺って、次に進みたいと思います。
 私は、今日から、これからにかけて、今度の森林法の改正や国有林野事業の改善が、文字どおり実現できるかどうかはかかって労働力の問題はある、こういうふうに実は考えているわけであります。もし今度の改善計画が崩れていくとすれば、私は、労働力の確保ができない、ここから崩れていくのじゃないか、こういう心配をしているわけであります。そういう意味で労働力問題が焦点である、こういうふうに考えていますので、以下、逐次この点について質問をしたいと思います。
 まず、先ほど来から申し上げておりますように、国有林野改善特別計画による要員の削減、昭和三十九年度約八万九千人あった人員が、五十三年度改善計画がスタートする時点で約六万五千人。これを最終的に平成五年度、一九九三年に二万人規模にまで大削減をする。非常に大幅な要員削減が行われておるわけであります。
 この上さらに、去年の九月に発表された総務庁の行政監察報告に沿って、例えば二万人体制の中で定員内職員は一万三千人に削減しても、公有林事業に比べてなお多い。また、定員外職員七千人についても、直用事業は請負事業に比べてまだコストが高い。そしてまた、昭和十年代の伐採量は現在と同程度の一千万立方メートルで、要員は一方人程度であった、こういうことを指摘をしながら、二万人からさらに減らすべきだ、こういうような要員削減について、さらに合理化を求められるような動きもあるわけであります。並行して林野庁の組織、機構の末端に至るまでさらなる縮小、再編成が求められているわけであります。
 そして、その結果として考えられておりますのは、今まで林野庁が直接国の事業として行ってきた仕事を、要員削減の分、民間事業体の請負化によって消化をしていく、こういう方向が基本になっているわけであります。そして、私は端的に言って、こういうことは国有林の労働問題が民間事業体の労働問題に置きかえられていく、ひいては今日の山村の労働問題に置きかえられていく、そういうことだろう、こういうふうに思っているわけであります。果たして今日の民間事業体や山村にそういう条件があるのかどうか。私は、そういう条件はないのじゃないか、こういうふうに現状認識をしているわけであります。
 一昨日、五日に林野庁からいたださました「一九九〇年世界農業センサス結果概要」を見ましても、造林業者は昭和五十五年から平成二年の十年間に一二・三%減少、造林だけの業者は二二・二%減少、非常に大きく減っているわけであります。素材生産業者は、同じく昭和五十五年―平成二年の十年間に二八・四%の減少、素材生産だけを専業にする業者は三二・八%、三割も減っているわけであります。林業専業労働者は、年間百五十日以上林業に従事をした人の数ですが、同じく昭和五十五年から平成二年の十年間に三〇・三%、これも大幅に減少しているわけであります。
 こういう惨たんたる実情を見ると、今日の民間専業体にもまた山村にも、今のような国営事業から転嫁をされる仕事を担うような条件はもはや存在しないのではないか、こう私は思っていますが、この点について林野庁の現状認識をまず伺いたいと思います。
#22
○入澤政府委員 労働省の長期見通し等からしましても、確かに今先生御指摘のとおり、相当労働者は減っております。
 我が国の林業就業者数、これは先般発表されましたセンサスではなくて国勢調査の結果でございますけれども、昭和五十五年の十九万人から、平成二年には十二万人になるというふうに減少しておりますし、それから先般発表されました労働省の労働力供給構造の変化に対応した雇用政策に関する研究会、この報告書でも、二〇〇〇年には現在の三分の二程度に減少するという状況にございます。
 私ども、このような厳しい状況を踏まえまして、将来の林業労働力をどうやって確保したらいいかということで、まずその前提として、見通しがどうかということを計算しております。国勢調査をベースにいたしまして、林業就業者の年齢階層別の増減率、通称コーホート分析というふうに統計学上言っておりますけれども、これによりますと、現在の十二万人の就業者数は、西暦二〇〇〇年、平成十二年に、十年後には約半分の六万へ程度になるというふうに試算されております。こういう情勢でございますので、労働問題は林政の根幹的な問題であるという認識のもとに、昨年十二月の林政審議会の答申におかれましても、緊急かつ効果的に対策を講じるという指摘があったわけでございます。私は、今回の森林法の改正におきましても、これを踏まえまして、全国計画それから地域の森林計画、市町村の森林整備計画におきましても、担い手の育成ということを計画事項に含めて、抜本的な対策を講じようとするために今準備を進めておりますけれども、ポイントとしまして、このような厳しい状況でございますので、一層社会保障の拡充強化、所得の確保、機械化の促進、それからまた、都市と農山村のギャップを埋めるような各般の施策を進めていくことが必要じゃないかというふうに認識しております。
#23
○石橋(大)委員 今、次長の方からも少し触れられましたが、非常に逼迫する今後の労働力需給、そしてまた、結果として激化する産業間競争の中で森林・林業の担い手を確保するためにどうするか、こういうことについて次に伺いたいと思います。
 まず、今触れられました平成元年三月に今後の中長期にわたって通用する労働政策を検討するための労働省内に設置された労働政策企画プロジェクトチームが去年の五月に発表いたしました「「働きがいと生きがいのある社会」の実現を目指して」、こういう報告書に基づいて我が国の今後の労働力需給の長期展望を見ますと、以下のように分析をされているわけであります。
 まず労働力の供給についてでありますが、
  労働力供給はこれまで一貫して増加してきたが、今後五年後の一九九五年までは年率〇・七%程度の比較的高い伸びを示すが、一九九五年からほぼ横ばいとなり、二〇〇〇年からは減少基調となる。二〇〇〇年からの減少のテンポはかなり大きく、その後二〇一〇年まででほぼ一九九〇年の水準に戻ることとなる。これは主として十五―六十四歳層の生産年齢人口が一九九五年にピークとなってその後減少することの影響によるものであるが、人口構成が高齢化して労働力率が低い層のウェイトが高まることによるところも大きい。
こういうふうに分析しています。
 もう少し具体的に今後の労働力需給の動向について申し上げますと、
  現在の性・年齢別の労働力率のパターンでは、労働力人口の伸びは、これまでの一%程度の伸びから、一九九〇―九五年では年率〇・七%と低下し、一九九五年から二〇〇〇年にかけては年率〇・二%とほとんど増加しない。特に労働力のうち雇用の割合の高い十五―五十九歳層は一九九五年をピークに減少していくこととなる。一方、労働力需要は、一九九〇―一九九五年で年率〇・九%、一九九五―二〇〇〇年で〇・八%と増加し、摩擦的な失業の存在(二%)を前提とすると、一九九五年では、労働力供給は〇・八%、二〇〇〇年で三・九%の不足となる。
  二〇〇〇年を越すと労働力供給は二〇〇〇―〇五年でマイナス〇・二%、二〇〇五―一〇年でマイナス〇・四%と減少するのに対し、労働力需要はさらに年率〇・七%、〇・六%と増加し、需給ギャップ率は二〇〇五年で八・五%、二〇一〇年で一四・一%と高まる。
端的に言って、今後の労働力需給を展望すると、三%から四%の成長が持続すると、五年後の一九九五年以降労働力不足は本格化をし、二〇〇〇年以降絶対的不足となる、こういうわけであります。現在ではまだこれほどの需給ギャップは表面化しておりませんけれども、ちまたではかなり深刻な労働力不足が叫ばれており、外人労働力の導入なども求める声も大きくなっているわけであります。これが八・五%、一四%というような大きい需給ギャップということになりますと、これは想像を絶する労働力不足時代の到来ではないか、こういうふうに私は思います。
 ところで、こうした労働力不足に対して、女子や高齢者の労働力率な上昇させて需給ギャップを埋めていくことが考えられるわけであります。そこで、この試算の中ではこういうふうに言っております。
  仮に六十歳定年以後何等かの継続雇用措置がとられ、男子六十―六十四歳層の労働力率が現在の五十五―五十九歳の労働力率の水準に高まったとしたら、この試算よりもさらに八十―百方人程度の追加供給を見込むことができる。さらに女子の労働力供給が現在の就業希望者全員が実際に就業するように高まったとしたら、十五ー六十四歳の女子人口の約一五%、六百万人を越す追加供給があることとなる。この労働力率の水準はアメリカの水準をさらに五%程度上回る。
こういうふうに言われておりますが、現在、アメリカの女子労働力率は五七・四%、日本は四九・五%、こういうことになっております。ともあれ、
  高齢者、女子あわせると、約七百万人の潜在的な供給余力を有していることとなる。この潜在供給が今後現実化するとして、先程の労働力需要と突合してみると、二〇〇五年までは供給が需要を上回るが、二〇一〇年ではそれでも不足となる。すなわち、今後二十年かけて男子六十―六十四歳層が現在の五十五―五十九歳並み、女子の労働力率が現在よりも一五%高い水準(ほぼ男子と同様の職業生涯を送る男女協働社会)に上昇していかなければバラソスしないとととなる。
こう言っているわけであります。
 このような労働力需給の長期展望を踏まえたときに、今後十年、二十年にかけて、労働力確保をめぐる産業間競争と言うと聞こえはいいのですが、事実は労働力をめぐってしのぎを削る争奪戦が激化をしていくことになるのではないかと思っているわけであります。その結果として、労働条件や生活条件の悪いところからよいところへ人々は流れていく、労働者も流れていく、これが一般的な法則でありますから、現状のままだと一九六〇年代以降の農山村から都市への労働力の流出にも似て、もう一度劇的な農山村から都市への労働力の流出が起こるのではないか。しかも、六〇年代以降の労働力の流出はまだ中高年を残したけれども、今度は、六十五歳以上の高齢者を除いて全部が流出してしまう、いよいよ山村に働き手がなくなってしまう。そういう意味で決定的な過疎化が進み、そういう状況を前にしているのではないか、こういうふうに思うのです。そうなったときに、国有林野事業改善特別措置法に基づく国有林野改善事業が期待している請負化の対象たる民間事業体の従事者ほどこにもいない、こういうことになるのではないかと心配しているわけであります。
 先ほど入澤次長もお触れになりましたが、林業就業者はこれだけ減少する、こういう林野庁の試算、これは公表されているかどうか知りませんが、これを見ますと、さっきもお話がありましたように、一九八〇年、昭和五十五年十六万五千人の林業就業者が一九八五年、昭和六十年十四万人、一九九〇年、平成二年で十一万二千人、最終的に二〇〇〇年に先ほど言われましたように六万人、しかも、この六万人の四二%は六十歳以上の高齢者、こういうことになっているわけであります。これは、今後、全体として激化する労働力不足をめぐる産業間競争などは恐らく余り念頭に置かれていない推計だと思っていますが、いずれにいたしましても、非常に厳しい状況が目の前化展開しようとしているわけであります。よほど画期的、抜本的な労働力確保のための対策をしないと、国有林、民有林含めて国民の期待するような森林整備や林業の発展を期待することができないのではないか、こういうふうに私は考えますが、どうでしょう。
#24
○入澤政府委員 まことに先生御指摘のとおりでございまして、林業の労働力を確保するためには、従来の施策に増して抜本的な対策を講じなくてはいけないと思っております。
 一つは、やはり社会保障制度、特に労働基準法の全面適用の問題、これに我々は解答を見出さなくてはいけませんし、それからまた、三Kの中の典型的な三Kと言われている林業労働現場、これを基本的に改善するために機械化を促進しなくてはいけない。伐木、造材だけではなくて、育林の作業過程にも広範に大胆に機械を導入していくことが必要であると思います。それからまた、職場そのものが魅力あるものにする。それから、定住条件、定住してもいいという山村の環境状況を整備しなくてはいけない。そのような制度、それから施策の展開をこれから強化してまいって、可能な限り林業労働者の確保に努めてまいりたいと思っております。
#25
○石橋(大)委員 次に、今の答弁とも関係するわけですが、民間の林業事業体に働く労働者の身分や労働条件の実態をめぐって、三点ほどお伺いをしたいと思います。
 まず一つは、一九七五年、昭和五十年に、林政審施設部会報告「林業労働対策について」、こういう報告が出されまして、その後、おそらくこの報告に基づいて、林野庁としても、民間も含めて労働力対策にそれなりに取り組んでこられたと思っております。
 この報告書を見ますと、簡単に申し上げますが、こういうことになっているわけであります。「近年の高度経済成長のもとにおける産業構造の急速な変化のもとで、林業労働者は量的に減少するとともに、高齢化等質的にも低下の傾向が目立っている」、こういう厳しい現状認識を前提にして、一つは、就労の長期化、一層用の安定を促進し、賃金、退職金の労働条件の改善を図る。二つ目に、社会保障制度及び退職金共済制度等の加入促進を図る。三つ目に、労働安全衛生の確保を図る。四つ目に、職業訓練の充実。五つ目に、生活基盤の充実、などを進めて、基幹的な労働力については、専業化を図ることを基本にする方向を打ち出しているわけであります。
 さっき申し上げましたように、林野庁としても、こういう方向に沿って民間労働者対策を進めてこられたと思いますが、この林政審答申以降今日までのこういう待遇改善の成果、専業化の程度、それらはどういうふうになっているか。また、思うように進まなかったとすれば、その最大の障害になったことは一体何か。ここら辺について御見解を承りたいと思います。
#26
○入澤政府委員 今御指摘がありましたように、昭和五十年の林政審議会の施設部会では、林業労働力の減少とか高齢化の傾向に対応して五つの対策を講ずるように報告をいただいたわけであります。
 私ども、これを踏まえまして、まず雇用関係の近代化、それから就労の安定化、長期化を図る。それから、社会保険制度、各種ございますけれども、それへの加入等を推進するということで、これにつきましては、昭和五十年時点に比べまして、労災保険、これはほとんど一〇〇%加入でございますけれども、雇用保険につきましては、五十年末で加入率が三六・五%でありましたものが、六十三年末には四五・八%にふえております。それから、健康保険につきましても、五十年は六・七%でありましたものが六十三年末には一四・一%、農林年金、五十年末では三%が六十三年末には八・一%、それから退職金共済、五十年末では五・八%、これが六十三年末には五五%、若干ではありますけれども、社会保険の加入状況は改善されております。
 それからまた、五十七年には社会保障制度の拡充としまして林業独自で林業退職金共済制度を創設いたしまして、これは現在の加入者が五万五千四百六十四名というふうになっております。
 それからまた、安全衛生対策としまして、林業労働災害、これも五十年を一〇〇といたしますと、死亡災害は五六%というふうに減少しております。
 それからまた、生活基盤の拡充等を含めまして、就労長期化ということで、百五十日以上就労する人数は、当時は四七%でしたけれども、現在五四%というふうにふえております。
 まあ徐々にではありますけれども、林政審答申を受けまして各種の政策を展開しながら改善されております。しかし、これをもって十分というわけではございません。私どもは、これをさらに強化していかなくてはいかぬというふうに思っております。
 しかし、このように努力をしてもなおかつ十分な成果が上がっていないということは、一つは山村全体の経済的な疲弊の問題がございます。戦中から戦後へかけまして営々として造林しました一千万ヘクタールに及ぶ人工造林、これは育林途上にございますし、木材の販売収入によって十分な所得が得られない、あるいはまた、社会全体が機械化し、近代化が進んでいる中で、林業についてはそういうものがテンポがおくれている、林業社会そのものが都市に比べて社会基盤の整備等いろいろな意味でギャップがあって魅力がない、そういうふうな総合的な要因が林業労働力問題にも絡んでいるということを私どもは認識しております。
#27
○石橋(大)委員 今三つまとめて申し上げようと思っていましたが、一つだけ最初に申し上げました。
 いずれにしましても、林野庁の試算で見ても二〇〇〇年には全体で六万人に激減をする、こういうことになるわけであります。それから、総務庁の国勢調査による林業労働者の年齢別構成の推移などを見ましても、昭和六十年総数十四万人のうち、四十歳末満はわずかの一六%、四十歳から四十九歳が二四・五%、五十歳以上が五九・五%と六割を占める、こういう状況になっているわけであります。
 こういう事実は、現状のまま推移したとしても、一方における新規学卒者の就職の減少とも相まって、時間の経過とともに林業労働者の決定的な不足ないしは、消滅と言うのはちょっと酷かもしれませんが、そういう厳しい状況に逢着しかねないのではないか、こういうように心配をされるわけであります。今そのことも含めて答弁がありましたから、この辺はいいですが、そういう厳しい状況だ。
 三つ目の質問は、逢着しかねない、どうするかというのが二つ目の質問でしたが、三つ目の質問は、ちょっと労働災害のことについてお伺いしたいと思います。
 死亡労災事故について、国有林野事業の徹底という方針のもとで、さっきから申し上げておりまように請負化が促進をされようとしているわけでありますが、それは同時に、労働災害を含めて、下手をすると請負化に転嫁をされかねない、そういう問題があると私は思う。例えば、国有林野事業死亡災害件数調を見ますと、昭和六十三年度、直用労働者で七人、請負労働者で十一人、立木販売で十六人。平成元年度が直用労働者で四人、請負労働者で十二人、立木販売で十四人。平成二年度が直用労働者で三人、請負労働者で十一人、立木販売で九人。こういうことになっています。請負事業体及び立木買い受け業者の安全管理体制が全くお粗末。こういうことから今申し上げましたような災害が発生しているのではないかと考えられるわけであります。
 ちなみに、民間林業労働者全体の死亡災害件数は六十三年度で百十四件、非常に高い災害発生状況にあるわけであります。一体、民間事業体に対する安全指導ほどうなっているのか、こう言わざるを得ないわけであります。
 死亡災害事故発生の原因、今後の事故防止対策、こういうことについて、この際、林野庁の御見解を承りたいと思います。
#28
○入澤政府委員 ただいま御指摘のとおり、平成二年度におきましても、素材生産の請負現場で六件、立木販売で十二件の重大事故が発生しております。その都度私どもは、営林局等にその原因と内容を十分分析して対応策をとるように指示しております。
 災害内容を見てみますと、安全な作業行動の徹底をすれば防止できる災害も少なくないという報告もございます。労働安全対策を強化することが今後の基本的な課題だと思っております。
 特に国有林野事業の請負との関係におきましては、その請負契約とか立木販売契約の締結に当たりまして、法令に基づく労働安全関係の諸制度、諸事項を十分遵守するように周知徹底を図ることがまず基本ではないかと思いますし、それからまた、緊急連絡体制の整備を図るとか、累次災害の防止を図るために諸般の情報提供をやるとか、巡回点検指導をやるとか、非常にきめの細かい施策を展開することが必要ではないかと思っております。
#29
○石橋(大)委員 いずれにしましても、先ほど申し上げましたように、民間事業体での死亡事故件数の発生率は非常に高いわけですから、この上、さらに死亡災害事故まで請け負わせないように鋭意ひとつ一段の努力をお願いしたいと思います。
 次に、青年労働者の確保対策、若年労働力をどういうようにして確保するか、どこの林業地帯でも非常に深刻な問題です。このことに絞って幾つかまとめて申し上げたいと思いますので、まとめてひとつお答えをいただきたいと思います。
 国民の森林に対する多様なニーズにこたえる森林整備を進めるためにも、国産材時代の到来を目指して林業の振興を図っていくためにも、優秀な若い人たち、青年労働者をいかにして確保していくかが、伝統ある林業地帯でも、また山村全体の活力を維持していくためにも、最も重要かつ深刻な問題だと私は先ほども申し上げましたが、今考えております。
 農林水産省の統計によって、最近の中学校、高校新規学卒者の農林水産業への就職状況を見ると、昭和六十三年の数字ですけれども、新規学卒就職者数六十五万五千九百二名、農業への就職者がそのうち三千九百八十二名、林業への就職者がたったの二百名、漁業への就職者が九百九十二名。
 ついでに、林業について男女別を見ますと、男性が百五十五名、女性が四十五名ということになっていますから、出発点で既に深刻なお嫁さん不足を示す構造がここに歴然としていると私は思っています。
 いずれにいたしましても、国土の七割を占める森林、しかも国民全体のために、良好な生存の条件を維持していくために、ますます重要な役割を期待される林業への就職者が全国でたった二百人。それも現状のままだとますます減少の一途をたどって、やがては二けた台に低下していくのも時間の問題ではないか。極めて惨たんたる状況と言わざるを得ないと思うのであります。
 学校基本調査によりまして全国の農業高校の卒業者の進路を見ますと、昭和六十三年の卒業者四万六千九百三十人、うち就職者が三万五千百九人、農林業就職者が二千百三十三人、林業就職者はこの点でも何とたったの七十一人。他の高校も含めて全高校から林業へ就職した者が二百人、こういうことになっているわけであります。せっかく農業高校を卒業しても、農業、林業に就職した者合わせてわずかに二千二百四人、卒業者全体の五%にも満たない数字になっているわけであります。
 昭和三十五年のピーク時には、林業への就職者かそれでも六百六十六名ありましたけれども、その後毎年減少の一途をたどって、平成元年には六七名、およそ十分の一に激減しているわけであります。しかも、この中には森林組合や営林署に就職して事務労働に従事をしている人も含むわけですから、山に入って現場で働いている者ということになりますと、さらに少ないと見られます。
 こういう今までの推移に照らしまして、また、これから特に若年労働者、青年労働者をめぐって産業間の激しい争奪戦が展開されることを考えますと、先ほどから申し上げておりますように、よほど思い切った青年労働者対策を、国有林、民有林を含めて統一的に考えておかないと、森林・林野事業の次代を担う人材は消滅せざるを得ないのではないかと心配をするわけであります。
 社会党は、そういう情勢を展望しながら、別に森林労働法という独自の立法的裏づけを持って新たな森林労働政策を打ち出しているわけでありますけれども、ここでは林野庁の今後の森林・林業労働政策に対する若干の提言めいたことも含めて、以下五点について質問します。
 まず第一は、最近の若い人たちの新しい勤労観ともいうべき意識の変化にどう対応するのかという問題であります。すなわち、「労働よりも余暇、家庭面を」「貯蓄よりも消費を」「仕事の内容よりも体面を」「責任、使命感、昇進よりも単にその成果配分を求める」、こういう傾向が非常に強まっている。
 製造業の技術革新を担うことが期待される技術系大学卒業者が、単に収入の高さに引かれて銀行や保険業などのサービス産業へ就職する傾向が非常に強まっている。いわゆる三Kと称される、汚い、危険、きついと言われる仕事を敬遠する傾向などにどう対処するか、こういう勤労観の変化に対して、今後の林業における青年労働者を確保するために林野庁はいかなる対応策を用意されているのか、これがまず一つであります。
 第二は、現在から将来にかけて我が国の森林・林業にかかわる基幹的な労働者は、現在までのタイプと違って新しい型の労働者を必要としているではないかと私は思っているわけであります。労働者といいますとどうしても筋肉労働者のイメージがつきまとって、狭いタイプの労働者像を思い浮かべてしまうわけですが、私は、そういう意味でいうと、これからの新しいタイプの森林・林業に従事する労働者、従事者と言った方があるいはふさわしいかもしれない、こう思っておりますが、具体的にどういうことを考えているかと申し上げますと、在来型の従事者は、主として木材生産にかかわる造林保育、伐採運搬にかかわる、まあ筋肉労働者というわけではないのですが、どちらかといえば、オペレーター的な技能労働者も含めてブルーカラー的な労働者の概念が非常に強かったと思うのであります。
 しかし、森林に対する国民の需要が非常に多様なものになってきている、そういうことからいいますと、新型の労働者、新型の従事者は、森林の持つ多様な公益的な機能、水源涵養機能や山地災害防止機能、生活環境保全機能、保健・文化機能や木材等生産機能、こういう多様な仕事を担えるような新型労働者、簡単に申し上げますと、高度な技能労働者であると同時に、森林保全のための技術者であり、また国民に対する森林文化教育の教育者でもある、こういうような労働者像が求められる段階に来ているのじゃないか、こう思うのであります。
 こういう新型労働者が非常に重要になってきているということを前提に、優秀な青年労働者を確保するためには、やはり安定的な身分の保障と高給与の保障が必要ではないか。そのために、画期的な発想の転換と政策の具体化が今必要ではないか、こういうわけであります。
    〔委員長退席、東(力)委員長代理着席〕
 そうはいっても、国有林も民有林も、木材など林業生産の収入によってそういう思い切った新たな政策を具体化をすることはできないと私は思います。森林の公益的な機能の発揮という点で言えば、国有林も民有林も重要な役割を果たしておるわけですから、森林の七割を占める民有林の役割も正当に評価して、統一的な森林・林業労働者政策の中でこれを考える必要がある。良好な森林を整備すること、すなわち、空気、水、緑豊かな自然、国土の保全など国民の生存の基本的条件を確保するための安全保障のための政策の具体化という観点から、国民的な合意の形成を図って、一般会計の負担でそういう制度を創設すべきである、こういうふうに考えます。
 具体的に申し上げますと、一つ目に、身分は公務員または公務員に準ずる常勤職員、安定的な身分保障をする。
 二つ目に、給与は、消防職員や警察官並みに一般職公務員の一割か二割か高い給与を保障する。山の中で頑張るわけですから、それに僻地手当をプラスする。誇りと喜びを持って山で頑張ってもらう、こういう制度をつくる。
 三つ目に、定数については、国有林、民有林を含めて、山林面積何ヘクタールに一人、こういうふうな適度な数字を出してちゃんとした財政措置をする。今の森林労働者全部をやったって十二万人ですから、考えようによっては、自衛隊員は二十四万人いるわけですから、できない話ではないのではないか、こういうふうに思っています。
 どちらにしても、そういう状況の中で、まず国有林の従事者について真っ先にそういう新型の労働者を確保し、民有林を含めて全体的な先導者とての役割を国有林野事業が担っていく、こういうことが必要になっているのではないかと思いますが、この点はどうか。
 第三に、若い人たちが農山村から都市へ流出していく理由の中には、山村では文化的な機会に恵まれないということがあるのではないかと思っているわけであります。そういう意味で、休暇を利用して東京か大阪に年に何回か何日間かは出て、都会の人と同じような芸術、文化に触れられるような機会を若い人たちのために考えたらどうか。
 四つ目に、子供の教育の問題に関連をして、山の中へ入る、子供の教育について機会に恵まれない、やはり山はやめておこう、こういう傾向もあるわけですね。そういう意味で私は、山で頑張ってもらう人々の子弟のために、せっかく国有林も累積債務を解消するために財産処分をして所有の土地も売ろう、こういうようなことも出ているわけですが、売るよりも前に、一部はそういうところに少し質のいい学生寮というかマンションでも建てて、山で頑張っている人たちの子弟に優先的に利用してもらう、そういうことを考える必要があるのではないか。
 最後に、これはちょっと余談ですが、林野庁長官に伺います。
 この間私は、島根県で営林署の皆さん二、三十人といろいろ懇談する機会がありました。私は、農山村でお嬢さん不足というのは非常に深刻な問題だということは知っていましたが、れっきとした国有林の正規の職員に非常に深刻なお嫁さん不足がある、こういうことを初めて知らされました。全国的にはどうか知りませんが、体格も立派だし、背も高い、頭もいいし、なかなか人間もできておる、そういう国有林の若い人たちに嫁さんがないということは、これはこれで非常にゆゆしい問題である。林野庁長官、特にそういう意味では、長官として若い人たちの悩みにどうこたえるか、このことをあわせて伺って、青年労働者対策について、以上お答えをいただきたいと思います。
#30
○入澤政府委員 非常に広範な質問をいただきましたので、お嫁さんの部分を除きまして私からお答えを申し上げたいと思います。
 まず、若い人たちの勤労観、私どもの職場におきましても、十年違いますと大変違っておりまして、どうしたら我々の言うことを聞かせることができるか、非常に苦労しているところでございます。特に山におきまして、いかにしたら若者が山村に魅力を感じて定住するようになるか、これは国を挙げて議論しなければいけないことだと思っております。
 基本的には、やはり東京一極集中という現象を改めて多極分散型の国家構造にしなければいけない。そして地方においても十分に文化的な生活が営めるような条件にしなければいけないということは基本にございますけれども、端的に申しまして、時間に対して非常に効率的に利用する考え方を持っておりますし、また世相の流れに対しても敏感でございます。その意味では、林業に従事しながらも、休日とかあるいは労働時間とかに対して大変な要求も出ております。私どもはできるだけ労働基準法の全面適用というふうに持っていきまして、給料を安定させ、定休日とか休暇等もきちんととれるようにしていくことが基本ではないかと思っております。
 もう一つは、最近の若者は特に機械等につきまして大変関心を持っております。我々は、林業の労働現場を誇りあるものにする、楽しいものにするというふうなことを念頭に置いて政策を進めなければいけない。機械そのものは、単に労働生産性を上げるということだけではなくて、そういう若者のニーズにも合うようなものにしていくことが必要ではないかと思っております。今度国有林改革でまた別途議論されますけれども、そのように国有林の現場も改めていきたいと思っております。
 それから、新しい言葉で新型労働者対策ということが出ましたけれども、私は非常にいい言葉じゃないかと思って感心して聞いていたのですが、やはり森林につきましてはいろいろな知識を持っている、自分たちが森林・林業についてプロであるという誇りを持てるようにしなければいけない。そのためには知的労働と筋肉労働をあわせ持って林業労働を行うのだという認識を持つように、我々は、いろいろな機会に若者を訓練しなければいけないかと思っております。そういうことをするためにも給料はもちろん保障しなければいけませんし、いろいろな技能士の制度とか何かそういうふうなことを広範につくっていくことも必要じゃないかというふうに思っております。
 それから、今度、一面積当たり何人くらいの労働力が必要なんだろうかというふうなことにつきましては、また別途議論されますけれども、流域ごとに生産性の向上目標とか就労条件の改善目標というものをつくりまして議論することになっております。
 それから四番目に、芸術、文化でございますが、青年林業労働者が都会へ出て芸術、文化に触れる機会をつくれるようにという御指摘でございますけれども、まことにそのとおりだと思います。
 平成二年度の労働白書でも、有業者の余暇と仕事に関する意識ということで調査したものがございますけれども、仕事が大切とする者が減少いたしまして、仕事も余暇も大切、あるいは余暇が大切とする者が増加しております。余暇の実態を年齢別に見ますと、若年者ほどスポーツなど積極的活動を志向する傾向が強い、こういう状況にございます。林業に関係する労働者も若者も例外ではございません。都会へ出てきて文化、芸術を享受するのもいいのですけれども、各地方都市でユニークな催し物がたくさん行われております。
 例えば大分県の湯布院で世界映画祭であるとか、あるいは群馬県の草津町で世界音楽祭とか、そういうふうな催しがありまして、大変若者に人気を得ておりますけれども、そういう試みがふるさと創生の一環として各地で行われていくということも、わざわざ東京に来なくとも、各地方で高い芸術、文化の一端に触れるという機会を提供する意味で適切じゃないかというふうにも考えております。
#31
○小澤政府委員 私も、国有林の経営を預かる身といたしまして、やはり部下職員がよき伴侶に恵まれまして、立派な家庭を持って仕事に打ち込んでいただきたい、このような観点から、この結婚問題につきましても常に気にかけているところでございました。そういうような意味で、先生御指摘の点につきまして、調べてみまして知り得ましたことにつきまして若干御報告させていただきたいと思う次第でございます。
 まず、国民全体の年齢別に見た未婚者割合でございますけれども、年次的にだんだんと未婚者の割合が男女ともに高まっている状況にあるということでございます。男女別に見まして、いわゆる結婚適齢期というような言葉がございますが、これはどの程度の範囲がどうかということは、私も専門ではございませんけれども、二十五歳ないし三十九歳までの未婚割合というのが最近特に高まっている状況にあるということでございます。
 昭和六十年では、三十ないし三十四歳の男子でございますが、未婚割合は二八・一%であったということでございますけれども、これと比較しまして、国有林野事業に従事する職員の場合でございますが、平成二年の四月一日現在で見ますと、三十一歳ないし三十五歳までの未婚割合は二〇%ということで、一般よりむしろ少ない数字じゃないかというような結果が出ております。そういう意味で、特に国有林野関係がおくれているかどうかということは簡単には言えないのではないかということでございます。
 なお、この問題、個人的な問題もございますけれども、最初に申しましたように、国有林がより魅力のある職場で、しかも若い人が元気を出して仕事に打ち込んでいただきたいということ、これは大変重要なことでございますので、私も、今後とも我々の職場というのが生き生きと若い人に働いていただけるような状況に持っていかなければいけない、このような観点から、今後も努力をしてまいりたいと思っているところでございます。
#32
○石橋(大)委員 せっかく努力をするというお答えをいただきまして、林野の若い青年労働者の皆さんにかわりまして、ぜひ今後ともよろしくお願いしたい、こういうことを申し上げておきたいと思います。
 時間があと十五分ぐらいになりましたが、引き続いて労働力の問題について、ごく簡単に。
 一つは高齢者対策について。さっき申し上げましたように、労働力需給が非常に逼迫をしてくる。六十五歳以上の高齢労働者を八十万人から九十万人新たに労働力化をしなければいかぬ、こういう分析を労働省はしておる。林野庁は、高齢労働者のこれからの活用法についてどう考えておられるのか、それが一つ。
 もう一つは、女性労働力の積極的な活用についてどう考えておられるか、こういうことであります。これも労働省の分析では、さっき私も申し上げましたように、現在の女性の就業率をさらに一五%高めることによって新たに六百万人の女性を労働力化をしても、なおかつ二〇一〇年には不足だ、こう言っているわけであります。いずれにいたしましても、これからは女性に優しくない職場は生き残れない、こういう状況が展開していくのではないか、こう言われているわけですね。
 林野庁は長い間、女人禁制をあえてとりたわけでもないでしょうが、伝統的なイメージからいえば男中心の仕事だ、こういうこともあって、森林組合の作業員の中には農家のおかみさんなんかもおりますけれども、正規の職員として、労働者対策として女性問題を大々的に取り上げる、そういうことは余りなかったのじゃないか、こう思うのです。西ドイツの統計を見ますと、一九八四年の数字ですが、林業労働者数十万三千人のうち三万九千人、約四〇%が女性。恐らくソ連なんかは、女性の林業で働いている人はもっと多いのじゃないか、こう思うのです。
 この間、沼田の機械センターを一日視察をさせていただきましたが、最先端を行く機械装備が進んでいけば、女性も従来とは違って簡単に機械操作をして仕事ができる、こういう状況はこれから進んでいくと思うのです。
 そういうことも含めまして、「女性よ、大地で愛を育てよう」ぐらいなロマンチシズムのある呼びかけもしながら積極的に女性労働力をこれから活用していかなければならぬ、こう思っておりますが、さっきも言いましたように時間がありませんから、この二つの点についてごく簡単にお答えを願いたい。
#33
○入澤政府委員 先に、先ほど一つ答弁漏れがございましたので追加させていただきますと、子供たちの学生寮を都会にということは、これは非常に貴重な提言でございますので、関係団体ともよく相談して検討してまいりたいと思います。
 高齢者対策でございますけれども、私は、働く意欲と能力のある限り、そういう高齢者には職場が提供されてしかるべきである、政府、自治体の重要な使命であるというふうに思っております。この前、私、企画室長のときに書きました、農政審議会の「二十一世紀へ向けての農政の基本方向」でもそのことが触れられております。高齢者の知識、技能は軽視すべきではなくて、ますますこれを活用して、老壮青一体となって農林水産業の発展を図っていくということが必要じゃないかと思います。
 林野庁におきましても、技能の向上、それから多能化等の促進に努めて、特に若者のリーダーとしての役割を期待するように職場の活用を考えていきたいと思っておりますし、特に国有林の労働者につきましては、退職したOBの皆さん方を中心に広範に会社をつくって、そして民有林労働力の不足しているような現場に行って腕を振るっていただく、そういうふうな政策もあわせて考えなくてはいけないというふうに考えております。それからまた、シイタケ栽培だとか特用林産物の生産につきましても、高齢者を活用した対策がこれからも私は広範につくられていくと思っております。
    〔東(力)委員長代理退席、委員長着席〕
 それから、女性の問題でございますけれども、これは非常に重要な問題であります。ことし一月に出されました、労働省の労働力供給構造の変化に対応した雇用政策のあり方に関する研究会、長ったらしい名前でございますけれども、その報告におきましても、今後女性の労働力の活用が極めて重要である、女性の働きやすい職場環境の整備が必要であるというふうなことが提言されております。
 農業におきましては、もう既にその相当部分が婦人によって担われておりますし、そういうことを十分に認識した上で、農業におきましては三月十日、農村婦人の日ということで、女性に感謝する日のいろいろな催し物がなされておりますけれども、私は、林業においてもそのような考え方が必要になってくるのじゃないかと思います。ただ、労働力を女性に依存する場合に、基本的には作業体系の見直しをしなければいけない、女性用のマニュアルを十分に開発研究して進めていくことが必要じゃないかというふうに思っております。
 いずれにしましても、女性労働力は十分に重視した上で、これからの林政を展開していかなければいかぬと考えております。
#34
○石橋(大)委員 最後に、森林法の一部改正についてまとめて何点か質問をしたいと思います。
 長官の後ろに私のなじみの高木企画課長もおって頑張っておられまして、そういうこともありますので、この森林法の改正についてぜひ少し質問をしたいと思っております。
 時間がありませんので簡単に申し上げます。
 まず一つは、アメリカの森林計画法を見ますと、森林計画というよりは資源計画法という名前がついておりますように、五十年ぐらいにわたって非常に綿密な森林生物の動向まで含めたアセスメントをしっかりやる、そしてそういうしっかりしたアセスメントの上に立って計画を立てる、その計画を立てる過程では、最終計画が決定される前の段階で国民的、地域的各レベルでちゃんと国民や地域住民の意見を徴するような仕組みができ上がっている。これは今の日本の計画法の中にもあるようですけれども、しかしそれほど知られていない。アメリカでは一九八五年のそういう連邦の計画に対する国民の意見が約千八百ぐらい寄せられている。
 御承知のとおり、自然環境をめぐって、また森林開発をめぐって我が国でも最近いろいろな住民運動が起こり、中には行政当局との間で大変深刻な紛争になるというようなこともあるわけであります。いずれにいたしましても、自然環境の保全問題はますます重要になってくる。そういう意味で、このアメリカの資源計画法に似たアセスメントや国民の意見、地域住民の意見をちゃんと組み入れるようなシステムに森林計画法そのものを変えていく必要があるのではないかと思いますが、この点どうか、これが一つであります。
 それから二つ目に、流域単位とする計画区の設定について出されていますけれども、この流域単位ということの具体的な姿が余り浮かんでこない。この点、どういうふうにお考えになっておるのか。それから、森林計画をめぐる問題について、いろいろな関係者の話を聞くと、一つは、国から、上からずっと計画の数字がおりてくる、市町村レベルを含めて現場の実態とそれがなかなか合わないような状況がある、こう言われていますが、この点はどうなのか。それから、環境問題がますます厳しくなっている、こういう環境的な問題を計画の中に計量化して評価できるような手段、方法を開発すべきではないか、この点どうか。
 三番目に、市町村の役割が非常に大きく取り上げられて、大変な期待がかけられている。市町村にそういう条件があるかどうかということもありますが、従来、非常に広範囲にわたる計画の中で、市町村との関係がなかなかうまくいっていないというような話も聞くわけであります。
 以上まとめて、最後に大臣の方から重大な決意を伺いたいと思っておりますので、時間の範囲内でひとつ簡単にお答えいただきたいと思います。
#35
○小澤政府委員 お答えいたします。
 まず、アメリカの森林計画の関係でございますけれども、米国のこの計画については、森林及び原野における再生可能資源計画法というのがございまして、これに基づいて米国の農務省が森林資源について現況等の評価を行うということでございます。この際、再生可能資源アセスメントを十年ごとに作成する、それからもう一つ、再生可能資源プログラムというのを五年ごとに作成しております。この際に作成段階で住民なり関係行政機関の意見を聞くというような仕組みになっておるというように承知しておるわけでございます。
 我が国につきましては、地域森林計画を都道府県知事が立てます際に、事前に十分な現地調査等を行い、また同時に、この際、現況把握あるいは森林の機能の評価等とあわせまして環境面で配慮すべき事項についても把握をし、さらに都道府県森林審議会におきまして、学識経験を有する者の意見を聞きますとともに、地域住民を代表する者としての市町村長の意見を聞くこととしているところでございます。また、地域森林計画を樹立した際には、計画を公表いたしまして、意見のある者からその申し立てを受けることとしてございます。我が国の森林計画策定の手法は米国とは若干異なる点もございますけれども、先生が今御指摘されました趣旨も踏まえまして環境保全等にも十分配慮をいたし、また学識経験者の意見もよく聞きまして計画をつくっていきたいと考えております。
 それから、流域のイメージ、流域というのは何かということでございますけれども、流域はあくまで上流、下流という問題がございます。上流の方は木材を生産する場、あるいは森林という環境を利用して、あるいは活用して、機能を生かしていくという場でございます。この際に、上流の方は民有林、国有林ございますので、この連携を十分とってやりたいということでございます。また、上流、下流の関係という点になりますと、木材が生産され、供給されてくる、木材の流通の問題もございます。これらが円滑にいくように、また下流と上流がいろいろ協議もいたしまして、上流の森林の恩恵を受けるわけでございますので、これに対して整備等についてよく協定もしてもらって整備に当たっていただく、さらにはまた、下流の都市地域もございますので、こういうところの方々が上流の森林をよく理解していただく、森林地域と都市地域の交流も図っていただきたい、このような観点から流域管理システムを確立してまいりたいと考えておるところでございます。
 それから、森林計画制度というのが上からの計画となっておって、森林所有者との関係はどうなっておるかということでございますけれども、御承知のように森林の整備というのは大変長い時間かかりますから、ある程度まとめて大きな観点からの計画というのがどうしても必要だと思います。しかし、同時にまた、個々の森林所有者が実際の森林の育成なり整備に当たっているという観点がございますから、森林所有者が施業をしやすいようにマクロな計画を立てまして、同時に森林所有者が具体的に森林の施業に取り組んでいただくというように考えておる次第でございますので、この点につきましては、十分整合性もとってやってまいりたいと思うわけでございます。したがって、森林所有者につきましても、税制、金融面でございますとか、その他措置をいたしまして森林の育成、整備に努めてまいりたいと考えるわけでございます。
 それから環境保全問題でございますけれども、これにつきましては、我々も十分に最近の国民の要請を受けとめなければならないという観点から意を用いてまいりたいと思う次第でございますので、森林の計画をつくり、あるいは施業をやる際には環境保全面を十分考慮してやるということを考えてまいります。また同時に、具体的な面では、昨年の十二月に林野庁と環境庁の間で連絡会議というものを設定いたしました。ここで十分両行政の連携をとりながらやってまいりたい、このように考えておるところでございます。
 それからもう一つ、市町村の役割につきましてお話がございましたけれども、市町村には今回の法律案の中でいろいろな役割をお願いしたいと思っております。そのためには、市町村の実施体制ということが十分でないといけないということでございますので、この点につきましては各種の支援措置も考えておりまして、策定費に対する助成でございますとか、これは平成三年度予算にも計上させていただくということにしてございますし、あるいはまた、市町村の求めに応じまして営林局長が必要な技術的援助その他を行うというような、これは条文の中にそういう事項を明記してございます。
 さらにまた都道府県、ここの場合は、都道府県には林業改良普及員もございますから、こういう方々にひとつ市町村の計画作成等につきまして連携をとってやっていただきたい、こんなふうなことをいろいろ考えて適切に対応してまいりたい、こう考えておるのでございます。
#36
○石橋(大)委員 最後に大臣に伺いますが、一時間半にわたりまして、今日の林業労働力や山村の労働力の状況についてかなり具体的にお話をしましたから、恐らく大臣も、非常に厳しい、こういう認識は私と同じくしてもらったのじゃないか、こう思っているわけでありますが、今そういう中で、思い切った画期的な施策を具体化をしながら、若い人たちに頑張ってもらう、労働力を確保していく、そのためにはやはり相当な金をつくらなければいかぬ。私は、さっき申しました国民生活の安全保障という観点からいえば、GNPの一%、四兆円ぐらいは山に突っ込んで人材の確保や森林形成をする。やはりそれぐらいな大胆な打ち出し方をしなければいかぬのじゃないか、そう思っているわけであります。
 内閣総理大臣の次に大蔵大臣が座ったり、外務大臣が座っていますが、大蔵大臣は何もつくらない。むしろ総理大臣の次はやはり農林水産大臣が座るぐらいのことを私はやってほしい、こう思っているのですが、その決意いかんということと、これからの国有林野事業経営改善に向けての決意、林業労働力確保についての大臣の決意、これを最後に伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
#37
○近藤国務大臣 先生から長時間にわたって林業問題各般にわたっての御指摘なり御提言がございまして、私も県の林業改良協会長をしておりましたし、今、地元の林業実践者大学の学長というような立場で、今問題になっておる点について的確に御発言をいただいたことを大変感謝を申し上げたいような気持ちで聞かせていただきました。よく理解をしておるわけでありますから、しかし、きょうのこの法案を出すまでの間に、林野庁挙げて水源税以来財源を求めることに大変な苦労をして、水源税は実を結ばなかったわけでありますけれども、それによって、また国民に山に対する大変な関心を持たせてまいりまして、基金という形で、今ちょうど折り返し点になりましたけれども、それなりに理解をしていただきながら、基金造成をいたしておるところであります。
 今回の法案を出すに当たりましても、一線で働いておる組合員の皆さん方からの理解をいただくことを得て、この法案の改正、そのことによって一般財源からの導入をすることもまたできたわけであります。しかし、先生が御指摘のように、まだ今後に残された問題点、懸念をされることの御指摘をいただきましたけれども、私もまた同じような懸念を持っておるわけでありまして、法案成立後は、なおこの経営改善について全力を挙げていかなければならない。そして、全力を挙げることをもって、また一般財源の導入の拡大に向かっていかなければならない。GNPの何%というところまでの実力はございませんけれども、一般財源からの導入ということを先生からるる先ほどお話がございましたように、自然環境なり非経済林というようなものを担当するということでございますけれども、単年度決算については、事業をやる人たちにとっては決していいやり方ではございませんけれども、一般財源とのかかわり合いから見ると単年度でやらせていただかなければならないのかなという気持ちがいたしておるわけでありますが、先生の趣旨は、一般財源からはもう少し財源的な導入を図れという激励でございましたので、全力を挙げていきたいと思うわけであります。
 もう時間がございませんので、私の後継者対策なりこれからの山村に対する気持ちは、先生、率直に言って実は私と同じ気持ちで御指摘がございました。また、答弁の中にもさせていただいたわけでありますけれども、問題は、山村に住んで、そして所得はもちろんでありますけれども、労働環境を整備していくというのには、やはり給与が安定をしたり社会保障制度があったり、そして休暇がなければ、もう今の若い人たち、就労していただかないわけでありますから、そういう面を全般にわたって今後整備をしていきたい、そう思います。
 そしてまた、山村にいてもやはり都市的なサービスが受けられる、そういうことにも御指摘がございましたので、農村の、山村の環境整備をして、生活環境から、所得環境から、そして都市的なサービスが受けられるような形において、初めて若い後継者がそこに住んでいただける、そして都市の人たちが山村に訪れることをもって、住んでおる人も都市の人も、双方が交流をすることをもって価値観を改めて認識をさせるというために、私は、また八月の概算要求から努力をしていきたい、そう考えております。
#38
○石橋(大)委員 長時間ありがとうございました。頑張ってください。
#39
○大原委員長 堀込征雄君。
#40
○堀込委員 私は、特は国有林野事業改善特別措置法の方から主として質問をさせていただきます。
 この再建問題につきましては、既に本会議やあるいは予算委員会等でも議論をされてまいりましたし、そして林政審議会の議論を経て、その間、労使協議などもあった。そして林野庁内部でもさまざまな努力をされてこの法案になってきた。そして国有林野、民有林を合わせた日本の森林・林業全体を見直していこうということで、そういう意味で大変結構な法案が提案をされた、こういうふうに考えます。
 この法案で、国有林野事業改善特別措置法の方につきましては、平成二十三年度までに収支の均衡を図る、経営の改善、回復を図る、こういうことを目標にして平成十二年度までに経常収支の方の経営の健全化を図る、こうなっておるわけであります。そのために経常事業部門と累積債務部門を経理を区分してそれぞれ必要な対策を行っていくのだ、おおむねこういうことだろうというふうに思うのです。
 御存じのように、昭和五十三年の特措法以来、五十九年、六十二年、それぞれ見直しが行われてきた。今度はやはり失敗が許されない、どうしてもこの計画を成功させなければならない瀬戸際に立たされているというふうに思うのであります。
 そこで、まず私は、かなり具体的にこの国有林野事業会計の方の質問をさせていただきますけれども、債務処理部門の債務の方の消し方の問題でありますけれども、つまり財源の方であります。林野、土地の売却代金と一般会計の繰り入れ、これで今の二兆三千億に及ぶ債務を消していく、こうなっておるわけであります。これがもっともっとふえていかないと、この債務は消えていかない、こういうことになるわけですね。現在、平成三年度予算で見ますと、少なくとも利子で大体一千四百億円程度要る。償還金を合わせると二千三百億円程度は要るんだ、こういう数字になっているわけです。これだけは最低なければ、少なくとも利子は消せていけない、これ以下だと逆にこの債務がどんどん膨らんでいくという逆な現象になるという大変な状況になっているわけであります。例えば平成三年度に七百億円強を予定をしている林野、土地の売却代金、売り払い収入、これはどの程度、どういう見通しを持っているのか、この七百億円という数字は大丈夫なのかどうか。まず、その点からお伺いいたします。
#41
○小澤政府委員 累積債務処理に当たりましては、私ども、資産売却をもって充てる、また将来剰余金が出ました場合にはそれを充てる、また不足する分につきましては別途財源措置を講ずるという観点から対応してまいるわけでございます。この点につきまして、先生の御質問、林野、土地等の資産処分について確実性があるかどうかというお尋ねかと思っておりますが、土地と林野があるのでございますけれども、まず、土地は庁舎あるいは宿舎敷、それから苗畑あるいは貯木場敷というようなものがございまして、これらにつきましては、不要資産の処分、これはもちろん行いますけれども、さらに、現在使用している施設につきましても、これが地価が高い場合には低地価地域へ移転を図るというようなことも積極的に推進いたしまして、その跡地につきましては売却、さらに売却だけではなくて、土地信託による利活用も含めて考えてまいりたいというように思うわけでございます。
 それから、林野、これは林地でございますが、これにつきましては、森林の機能発揮を通じまして国有林野事業の使命を達成する必要がございますから、これに必要なものにつきましては国民共通の財産として今後とも堅持していかなければならないと考えております。ただし、その他のものにつきましては、国土の有効利用という観点から、緑豊かな居住空間の提供とか、あるいは森林公園の設置等の社会的な要請も踏まえまして、国有林野の管理経営との調整を図りながら、地方公共団体あるいは民間への売却を行う考えでございます。
 これらは今後二十年間という長期間を考えておるわけでございまして、私どもも、種々見直しも行いまして、総額では一兆二千億円程度を考えております。
 先生お尋ねの、とりあえず平成三年度はどうかという点でございますけれども、この点につきましては、今までも経験を積んでまいっておりますが、さらに努力を傾注いたしまして、確実な処理を行ってまいりたいと考えております。
#42
○堀込委員 今、土地、林野それぞれについて考え方が出されたわけであります。それにしても、二十年間で一兆二千億円という大変な資産を売却して収入にしなければならない、こういう状況があるわけであります。しかし、これからいろいろ環境問題が起きてくる。さまざまな開発規制の動きも例えば林野の場合出てくるわけです。そうした中で本当にこれは大丈夫だろうかという懸念を私ども持つわけであります。二十年間で一兆二、三千億売っていくとすれば、それぞれそれに見合うような、およそ売却予定の土地は頭の中にあるのか、あるいは予定の中にあるのかという疑問を一つ持ちます。
 それから、林野の方を言いますと、近い将来伐採可能なものだとか、割合里に近い方の山が非常に手入れも行き届いていて、これから林野の収入になるものが多いわけでありまして、奥の方のものは売れない、売っても二束三文だ、こういう状況があるわけであります。したがって、一兆二、三千億というものを二十年間で売却していく、これは大変な話なのです。例えば、私は長野県ですから、木曽ヒノキの山を一山だあっとどこかで二、三兆円で買ってもらうとか、そういうものがあれば別ですけれども、そうでなければ、本当にこれは予定が立っているのかどうか非常に心配するわけですが、そこのところはいかがでしょうか。
#43
○小澤政府委員 先生御指摘のように、今後これを実行していくという点につきましては、そう簡単なものではないことは確かでございます。その中で我々は、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、全国的に見直し調査もかけまして、洗い出しもやっておるわけでございますけれども、具体的な実施に当たりましては、土地につきましてはよく条件整備をする必要がありますので、綿密な計画を立ててやらなければならないと考えておるわけでございます。
 しかも、過去の売り払いの実態から見ますと、地方公共団体でございますとかあるいは公的機関の買い受けが相当比重が高くなっておりますので、今後これら地方公共団体等と緊密な連携を図ることによりまして、公用、公共用としての利活用の促進に努めてまいりたいと思うわけでございます。
 さらにまた、それぞれの地域の要望を踏まえまして、各地域におきます土地利活用計画等いろいろな公的計画もあるわけでございますけれども、これらとの調整も積極的に図ってまいらなければならないということでございます。これらを考えながら、一方で、売り払い対象の予定資産に関する情報をむしろ前広に公開しながら需要者の掘り起こしに努めていかなければいけない、このように考えます。
 それから、森林についてのお尋ねもございましたけれども、この点につきましては、私ども、国有林の基幹的な事業を行いますところは堅持していくという考えでございまして、里山におきましても孤立している小さな団地等もございますので、こういうところについて需要があるものについて計画的に処理をしてまいりたい、このように考えているところでございます。
#44
○堀込委員 今答弁を聞きまして、林野、土地の売り払い収入というものはこれから非常に大きな比重を占めるわけですが、今のところ、確かな価格でこういう土地を予定しているのだという確かなものはない。ある意味では、そういうものを予定をして、努力目標にしてこれから処分をしていくんだ、こういうことでありますから、これからいろいろな経済環境の変化もありましょうけれども、このことはぜひ国民のニーズに沿うように、林野の機能を維持しながらやってほしい。私が今感じたのは、今度の財務計画の中で一兆二、三千億のものを売っていくのだけれども、これもまだ確かなものではないという点でちょっと不安が残ります。
 それはさておきまして、もう一つ、累積債務処理の方では借入金と一般会計繰り入れ、これが主なものになるわけであります。利子補給だとか元本繰り入れの道を開いたという意味で、一般会計繰り入れの道を開いたという点では、今度の法案で大きな成果を上げているわけであります。しかし、平成三年度予算で、一般会計繰り入れが累積債務の方は百億円、こうなっておるわけでありまして、これではとても足りないわけでございます。これは恐らく閣議も開かれて、こういうことで一定程度累積債務を処理していくんだということで了解の中身になっているのだろうと思うのですけれども、そうであるとすれば、この中身ですね。どういう見通しを持っておられるのか。つまり、ことしとりあえず百億円という一般会計繰り入れがあった。これから十年間どういう程度の数字を期待しているのか、この辺いかがでしょう
#45
○小澤政府委員 先生お尋ねの点でございますけれども、債務処理につきましては、今後の経営の改善、極めて重要な点でございます。この点につきましては、自主的な改善努力の徹底を図ると同時に、累積債務につきまして経常事業部門と区分をいたしまして処理をするということになっております。先ほどから申しておりますように、この際、資産処分収入の優先充当あるいは経常事業部門で将来生ずる剰余金の充当、さらにまた別途財源措置を講ずるということでございますけれども、この一般会計資金の繰り入れでございますけれども今先生が申されましたように、百億円を計上しているところでございます。平成三年度予算はそのとおりでございますが、今回御審議をお願いしております法案の中におきましては、借りかえの借入金等の償還金を一般会計繰り入れの対象に追加するということでございます。しかしながら、先ほど先生おっしゃいました今回の百億円につきましては、その分は入っておらないわけでございまして、いわゆる利子分ということで百億円の計上になるわけでございますが、新しい繰り入れ措置を今回の法律で明定していただきまして、そして今後はこれらにつきましての繰り入れの確保につきまして各般の努力をしてまいる考えでございます。したがいまして、現在明確にいつ幾らというところまでは申し上げにくいわけでございますけれども、最大限の努力を行ってまいりたいというように思うわけでございます。
#46
○堀込委員 その点、先ほど大臣の決意もございましたので、一層努力をいただきたいと思います。
 いずれにしても、累積債務が二兆三千億あるわけです。ちょっと私、わかりにくいので質問をさせていただきたいのですけれども、これが計画どおりいったとしますが、経常収支の方も実は改めて一千億円以上の借り入れをしながら当面やっていく。これも五年据え置きで二十五年償還ということでしょうから、新しい債務が生まれてくるわですね。この部門の債務というのは、経常収支の将来生ずるべき利益で返していく、こういう理解でいいかどうか。その場合、累積債務処理の方の借り入れを年々やっていくわけですけれども、今回の二兆三千億という債務というのは、最終的に最高どのぐらいということになりますか。この辺をちょっと聞かせてください。
#47
○小澤政府委員 二兆三千億は確かに過去債務、今までの債務ということになるわけでございまして、今回の特別措置法の改正は、まさにこの部分と経常事業という部分を区分するということになっております。最初先生申されました経常事業につきましては、当面、まだ今後の経営改善ということも踏まえていくわけでございますが、借入金が新たに生ずる状況になっております。
 この点につきましては、平成十二年度までにそいう借入金がなくても経営できる状態に持っていこうというのが経常事業の方の改善目標でございます。これは、したがいまして、経常事業の中で解消していくということになるわけでございますが、一方で累積債務につきましては、まさに区分をするということは、その要点はやはり今後の経常事業が累積債務によって支障を受けないようにしたいということがございますので区分するわけでございますけれども、累積債務につきましては、累積債務として処理をしていく必要がございまして、この点につきましては、その場合、借りかえというような措置をとりながら、もし収入等が十分でない場合は、収入につきましては、先ほど申し上げましたような資産処分等をもって充てるわけでございますけれども、借りかえていく必要もできますので、その部分での債務のトータル額というのは動く可能性は確かにございますけれども、この点につきましては、今の段階では今後どういうふうにいくかということは明確にはしていないものでございます。しかしながら、こういう債務が今後膨らまないようにやはり徹底した資産処理等を行って埋める、またその他の手法もあわせ措置を講ずる、こういうことになろうかと思うわけでございます。
#48
○堀込委員 ちょっと明確でないので、いずれにしても現在の債務は二兆三千億ある、累積債務処理のために借入金を充てながらやっていく、あるいは借りかえたりいろいろしていくわけですから、そこにまた利息が生まれる、こうなりますね。私、単純に計算しますと、そういうものを含めて返す額というのはやはり三兆五千億をちょっと超えるのではないかという感じがするのですけれども、今長官は余り明確に言われなかったわけですけれども、そういう感じになるわけですね。そうすると、そのうち一兆二、三千億は、先ほど答弁がございましたように資産と林野の売却で何とか消していく。そうすると二兆円強というものをどこかで財源手当てをしないとこの債務処理ができていかない、こういう勘定になるわけですね。経常事業部門の利益が将来うんと出ればいいわけですけれども、しかしこれは、木材価格がどういうふうになるかわからないし、今明確にこの程度出るということはわからないわけです。したがって、そういう不確かなものを当てにすることはできない。そうするとこれは、二兆円強というものを一般会計でてん補をせざるを得ないということにこの累積債務処理計画というのはなるのじゃないか、こういうふうに私はこの予算書を見るわけですね。そうすると、単純に計算すると、二十年間ですから、一年間に一千億円は要る、こういうことになるのじゃないかというふうに思うのですけれども、そうでなければ累積債務というものは消えていかない、こういう計算が成り立つわけですが、いかがでしょうか。
#49
○小澤政府委員 経常事業部門につきましては、十年間を一つのめどにしておりまして、その時点で少なくとも経常事業の収支均衡を図り、それ以降は剰余金というものも期待をするわけでございす。
 なお、累積債務処理につきましては、二十年間を考えて、そして全体の収支均衡というように考えておりますので、ここのところは十年間の期間がさらにまたございます、十年以降ですね。ですから、この金額につきましては、十年以降のまた剰余等も努力していかなければいけない点でございますので、総額で幾ら不足するか、またそれをどうするかということは、今の時点では明確ではないわけでございますけれども、経営する立場ということになりますと、やはり極力累積債務というものを膨らまさないように努力が必要でございますので、これが確かに膨らんでしまいますと、また累積債務処理というものがますます困難になるということも考えますので、極力そういう事態に追い込まれないように格段の努力をしていかなければならないと思っているところでございます。
#50
○堀込委員 努力、決意は結構でありますけれども、現実の数字が私はそうなっているというふうに思うので、国有林野事業、これは民間会社じゃありませんから、普通なら管財人を置いて、だれかが債権処理をやるということになるわけであります。もし私が管財人であれば、そういう状態だということを明確に言って、やはり一千億出してもらわなければ困る、できませんということをはっきり言うつもりでありますけれども、林政審答申とか閣議了解でも、ある程度そこのところはわかっていたのではないかというふうに私は想定するわけでありますが、ぜひそういう視点で、できるだけ率直に国民にも物を言いながら対応してほしいというふうに思います。
 それで、関連しますから、経常事業部門の収支見通しで、まず業務収入が問題になるわけであります。今回の大綱でも、需要動向に応じた機動的販売の促進あるいは付加価値の向上に努める、こういうふうに言っているわけであります。率直に言って木材価格の上昇、なかなか難しいという情勢はあります。国有林の資源状況から、この伐採量の方も当面余り増加傾向にない、あるいは材質の向上も間伐材が増加するとか余り向上が期待できない、こういう情勢があるわけでありますね。一体何万立方ぐらいを予定して、その販売についてどういう見通しを持っているか、まず聞かせてください。
#51
○小澤政府委員 伐採量につきましては、先生も御指摘のように増大というようなことにはならないわけでございまして、資源的な制約もございますし、また自然保護等の公益的機能の高度発揮という要請もございますために、むしろ伐採量を縮減せざるを得ないという状況になっているところでございます。
 現在、年間一千万立方強の木材供給をやっておるわけでございますけれども、これを今後は九百万立方程度に落としていくというふうに考えておるわけでございます。そういたしますと、木材収入についてどういうふうにするのかという問題がございまして、この点につきましては、いわゆる販売事業を今までよりもさらに一層活性化もし、機動的に行う必要があるというように考えております。
 若干具体的に申し上げますと、まず付加価値の向上でございますが、この点につきましては需要動向をよく見きわめまして、樹種、材種の供給をニーズに合わせてやっていく必要がございます。
 それからなお、最近好評いただいているかと我我は思っているのですが、林内であらかじめ葉つきのままで乾燥した丸太、これをサンドライというブランドにしまして生産、販売をやっておりますけれども、こういうものをさらに拡大していくということがまず第一点でございます。
 それから次に、マーケティング活動の強化でございますけれども、需要に応じた採材でございますとかあるいは受注生産もやる、それから季節変動に対応して弾力的な生産、販売を実施していくというような点、それからさらに、原木の市場がございますけれども、これらと、これはどちらかといいますと、民有林の方の材を扱っているわけでございますけれども、こういうところと協調いたしまして、大勢のお客さんに来ていただいて販売活動をやっていく、そして、産地銘柄化の形成も協調しながらやっていくというようなことを積極的に取り組んでまいりまして、木材販売収入の確保にも努めてまいりたいと考えております。
#52
○堀込委員 午後にいたします。
#53
○大原委員長 この際、休憩いたします。
    午後零時五十四分休憩
     ────◇─────
    午後二時二十五分開議
#54
○大原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。堀込征雄君。
#55
○堀込委員 午前中、累積債務処理の方法、それから経常事業部門の業務収入の関連についてお伺いいたしました。
 そこで、午前中石橋委員からも、分収育林とかその他の収入などもさらに努力をしてもらわなければならぬ、こういうことを申し上げましたので、経常事業部門の収入、自己収入の方でございますが、これは業務収入にあわせまして、分収育林を初め新しいヒューマン・グリーン・プランとかふれあいの郷事業があるわけでありますから、そういう収入増の対策についてぜひ強化をいただきたいと思います。
 そこで、収入の方はわかったわけでありますが、今度は支出の方でございます。
 これは、経常事業支出は人件費、物役費、こういうふうになるわけですね。そこで、平成五年に要員は二万人にする、組織機構も合理化をする、営林局の簡素化、合理化、営林署の数を三分の一程度減らしていく、担当区も三分一程度減らしていく、あるいは治山事務所の合理化等多岐にわたっておるわけでありますが、そういう措置を講じますと、支出の方はおさまるのでありましょうけれども、しかし収入の方が減るのではないか、こういう心配がございますが、林野庁、いかがでございますか。
#56
○小澤政府委員 お答えいたします。
 国有林野事業の経営の改善を図ってまいりますために、要員規模の適正化、さらにまた組織の簡素化、合理化、このようなことが必要でございます。このことによりまして管理部門あるいは間接部門を縮減いたしまして、さらにまた事業の民間実行の徹底を図りまして、効率的かつ合理的な経営を進めてまいりたいと考えているわけでございます。
 しかし、先生御指摘のように、要員等の縮減あるいは組織の簡素化がありまして業務体制が万全であるかどうか、また万全でないと収入も減ることになるのではないか、このような御質問というように思いますので、お答えを申し上げるわけでございますけれども、要員の縮減等に伴いまして仕事がおろそかにならないように各般の措置を講じてまいりたい、このように考えております。
 具体的に申し上げますと、事務部門につきましては、業務の局署の集中処理化ということを考えておりますし、またオフィスオートメーション、OA化等によりまして事務の簡素合理化を図りますほか、可能な分野につきましては外部委託等を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 なお、事業部門でございますけれども、現場につきましては、まず担当区の組織が、その他の組織もあわせまして現場組織がございますけれども、この際、機動的に現場部門を行うために装備の充実を図りたいと考えております。車載型の携帯無線機なり自動車電話あるいは拡声マイク等を装備いたしました四WDの車両導入等機動力の向上を図りますこととあわせまして、連絡通信網の整備あるいは効率的な森林管理ができるような体制を整備いたしますとともに、林業事業体等民間による事業の実行体制を整備しつつ事業の請負化等を推進することとしているわけでございます。これらによりまして経営改善を促進しつつ、かつ林産物収入等の確保を図るということをもちまして業務の適切な実施を行ってまいる考えでございます。
#57
○堀込委員 今答弁がございまして、いろいろ合理化を進める、事務部門、事業部門両方進める、こういうことでございますね。例えば機械化を進める、OA化を進める、事務部門は結構であります。あるいは事業部門では請負化を進める、こういうことになるわけであります。そうしたことで業務収入の約二千五百億というものは大体確保していきたいのだ、こういう決意だというふうに思うのですね。その場合、前提が必要ですね。第一に、請負事業量の増加を消化し切れる請負体制というものがどこかになければならない、そういうものが必要だ。第二に、請負にしますと、今事業部門の方でいろいろ装備を充実するのだという答弁がございましたけれども、そちらの方の、つまり物役費の方がかなり上がってくるのではないか、こういう心配をしまして、収支がそううまく再建計画に沿っていくのかどうかという心配がございますが、いかがでしょうか。
#58
○小澤政府委員 請負化をすれば請負の経費は次にかかってくるではないか、このような御指摘かと思うわけでございます。
 ただ、この点につきましては、その点はございますけれども、まず全般的な業務ということから考えますと、伐採量についてはまだ若干の縮減もしなければならないという状況もございます。そのような状況の中で請負化等の民間実行の徹底を図ってまいるわけでございますけれども、このような措置を行う場合にも効率的な、合理的な発注を行う、そしてまた、経営の本体でございます部門における間接管理部門等につきましても簡素化、縮減等を図りまして間接経費の節減等に努めるということにいたしまして、いわゆる木材の生産、販売部門等における収益性の向上がさらに図られるように努力をする所存でございます。
#59
○堀込委員 それでは要員問題についてお尋ねをいたします。
 昭和五十三年に六万五千人あった要員規模が現在三万四千人、そしてこれを平成五年度末に二万人にする、こうなっているわけですね。これはどう見ても財政再建の考え方だけがどうも先行している、そのことが先に来ているのではないかというふうに読めるわけであります。国有林野事業の果たすべき使命を発揮するための考え方はむしろ後ろに下がっているのではないか、こう見えて仕方がないわけであります。さっき民間会社の管財人ということを言いましたけれども、そういう民間の倒産会社を管財していく場合であれば、必要な事業でも採算の合わないものをどんどん切って採算点のとれるところまで人員も削減していく、こういうことでいいわけでありますけれども、国有林という大切な国民的課題と使命を負って仕事をする林野庁はそうはいかない、こういう問題があると思うのです。採算と業務の使命を調和させて適切な対応をしていかなければならない、こういうことだろうと思うのです。
 私は、この三方四千人を二万人にして、果たして国民から期待される、そういう国有林の運営ができるかどうかという点が非常に疑問に思えて仕方がないわけであります。しかも、二万人にして今の業務収入二千五百億を確保していく、こういうことを言っているわけであります。では、今三万四千人でどうして二千五百億円しか上がらないのだ、何か今ちょっと非能率なことをしているのじゃないか、こういう疑問が起こるわけですね。三万四千人を一万四千人という膨大な人を減らして、なおかつ二千五百億円の事業収入を確保していくなんということは、実際私も林野の職員の皆さんを知っておりまして、本当にまじめにやっておられるけれども、本当に二万人にして、そんなにも人を減らして、なおかつ今の事業を確保できる、こういう見通しというのは本当におありなのですか、いかがでしょうか。
#60
○小澤政府委員 組織の簡素化あるいは要員の縮減等を図ります場合においても、国有林が持っております使命を十全に果たしていかなければならないということは、まず基本としてございます。ただ、そのためには、現在非常に不安定な状況となっておりますこの経営自体を健全化するということがまず最重要課題と私ども考えておる点でございます。
 その中で要員なりあるいは組織の問題が出てくるわけでございますが、その際に私ども考えていかなければならないのは、一つは、確かに先生おっしゃいますように、収入に直結いたします部門について心配はないかというふうなこと。それからもう一つは、国有林という相当な面積の森林を管理している、これが適正に行われるかどうかというようなことがあるかと思います。
 この点につきまして、業務部門につきましては、先ほど申し上げましたように民間実行の徹底を図り、また間接部門の合理化等もやりまして対応していく、収入については確保していく必要がございますから、そういうようにさせていただきたいと思います。
 それから、いわゆる直接森林の管理を受け持っております部門は、担当区事務所等の現場組織というものがございますけれども、ここのところはしっかりとその力を発揮するということが必要でございますので、この点につきましても、先ほども申し上げましたけれども、装備はしっかりとさせて機動力も持たせ、簡素化を図る中ではございますけれども、着実な経営管理ができますように対応してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
#61
○堀込委員 事業収入の確保のできるところは人は減らさない、そうでないところで人を減らして何とか二万人に持っていく、今こういう答弁だったと思います。
 そこで、今ちょっとよくわからないのですけれども、今の要員について別の角度からもう少し伺いたいと思います。
 林野庁の年齢構成を見てみますと、実に五十歳以上が六三%以上占めているわけです。ここ十年ぐらい、六十歳定年にしますと毎年二千人ぐらいの方がやめていく、こういう年齢構成になっているはずであります。逆に四十歳以下の人は一〇%ぐらいしかいない。大変な年齢構成になっているわけです。私が単純に計算しますと、十年後には、六三%ですから二万一千人ぐらいの人がおやめになってしまう、こういうことになるのですね。そうすると、新採用がなければ一万二千人ぐらいの人しか十年後に残らないのですね。十年後に二万人にしていくためには、逆に毎年七百五、六十人の人を採用していかないと二万人にならないんですよ。そういう計算になるわけです。これは間違いないと思うのです。
 ですから、今、特別退職金などを支給して二万人体制を築くために退職を勧奨していく、こういうふうに今度の法案にあるわけでありますけれども、そんな必要があるのかどうか。私ちょっとよくわからないのですけれども、そういう年齢構成になっているのじゃないでしょうか。いかがですか。
#62
○小澤政府委員 年齢構成につきましては、先生御指摘のとおり高年齢層に偏った状況になってございます。
#63
○堀込委員 それは、高年齢層に偏っていることはわかるけれども、この改善計画でいって二万人にすると言っているのでしょう。そしてそのために、平成五年に二万人にするんだ、それまでは退職勧奨をやってまでやっていくということを林野庁は言っているのだけれども、そんなことをしなくても十年後にはもう一万二千人になっちゃうのじゃないですか、こういうことを言っているのですが、いかがですか。
#64
○小澤政府委員 国有林の経営状況は非常に逼泊しておるという事実がございますけれども、その中で経営の改善を図るといういわゆる経営サイドという観点からも考える必要がございまして、経営の責務に当たる私どもといたしましては……(発言する者あり)山づくりを十分考えながらやる必要がございますけれども、しかしながら、現在の状況を打開していくという努力も同時に必要でございますので、そのような経営の立て直しと申しますか、そういうものを図る観点から、要員調整につきましても二万人という目標を掲げておりますけれども、これを円滑に達成していくということも今後の経営の健全性を回復する上で重要なことと考えております。しかし同時に、山づくりに対して手を抜いてはいけないということは十分承知をしているわけでございまして、この辺につきましては、先ほど来御説明もいたしましたように鋭意努力もしてまいりたいと考えておるわけでございます。
#65
○堀込委員 今三万四千人で事業をやっている、二万人にする、なおかつ二千五百億円の事業収入を確保していく、その答弁については、事業収入に直接かかわっている人は減らさないんだ、そして二万人にするんだ、こう言うんですね。これは可能かどうかという疑問を私は一つ持つんですよ。
 もう一つは、二万人体制と言っておるわけですから、十年後一万二千人になる、この現実はどうするのですか。一つは総務庁が、例えば行政監察で言っているわけですね。昔は一万人程度で一千万立方をやっていたというような監察結果もあるわけでありまして、そうすると林野庁、ここに書いてある二万人というのは将来もっと減らしていくという考え方なんですか。いかがですか。
#66
○小澤政府委員 若干整理をさせていただきますと、現在三万四千人の人間がおりますが、国有林は、最盛期といいますか、一番多いときには八万九千人の人間がおったわけでございます。もちろんそのときの事業量は、伐採量だけを見ましても今の二倍以上ございまして、大変大量の木材供給もやっておったわけでございますけれども、自来、業務自体は縮減してまいっておりまして、そのような縮減に合わせて要員調整も行ってきたという実態がございます。なお、今後も事業量につきましてはさらに縮減をするということもございますけれども、そのような中で調整を図っていかなければならない。
 それから、生産部門といいますか、直接部門の人間は減らさないというふうにちょっとおっしゃいましたけれども、そこのところは必ずしもそうではないのでございますが、まさに民間実行等によりまして振りかえていくところが一つは出てまいります。
 それはそういうことでございますけれども、さらに今先生お尋ねの二万人、私どもの現在目標は平成五年度末で二万人ということを申しているわけでございます。その後はどうなるのかというようなお尋ねかと思いますけれども、その後の問題につきましては、必要最小限度の要員を確保していくという考えに立っておりますが、今後の人員の問題につきましては、まず二万人の目標達成の見込みといいますか、めどがつかないといけません。この二万人の問題にいたしましても、実は自然体で考えておったのでは達成はもちろんできないわけでございまして、この点につきましてもいろいろと、労使間の御協力も必要ですし、また政府全体での御協力も得てやっていきたいと思うわけでございます。その後につきましては、まず二万人目標のめどがつくような段階においてまた検討してまいるというように考えておるわけでございます。
#67
○堀込委員 確かに平成五年に二万人にすると、自然にはなりませんね。しかし、平成六年、七年、そう遠くない将来に、退職金を上積みして退職勧奨をやらなくても自然になっていくわけですね。むしろその先はどんどん減っていってしまう。大変な事態になっているんですよ。だから、問題の根源的解決は、私は、林野庁の職員の年齢構成を見る限り、どう人員を減らしていくかという点ではなくて、むしろこれからの国有林を担う人をどうやって育成していくのか、どうやって採用していくのか、もし二万人というベースを置くとしたらそういう考え方にならないと、これは、午前中、石橋委員が労働力問題を言いましたけれども、そういう問題に行き詰まるのではないか、こういうふうになるわけでして、将来の要員確保についてぜひそういうことを見て対応していただきたいと思うのです。
 余り時間がなくなってきましたのでもう少し率直に伺いますが、それでは、二万人体制にして経常事業部門の歳出をどのぐらいに抑えようとしているのですか。ことしの人件費二千五百億円余りを乗せているわけでありますね。人件費、物役費れから利子・償還金、それぞれあるわけでありますが、平成五年度で二万人にする、経常事業支出の方は大体この程度予測しているんだ。十年でバランスをとろうとしているわけでありますがそこへ五年後からことしの借入金の元金の返済も入ってくるわけですね。そうすると、人件費を物すごく減らしていかないと経常事業部門の収支がとれていかない、こういう問題が出てきますね。どの程度予測しているのですか。
 今の答弁とあわせて、私は考えるに、二万人ではなくてもっと低いことを考えているのではないかというふうに思えて仕方ないのですが、いかがでしょうか。
#68
○小澤政府委員 退職金の上積み措置は平成三年度限りの措置として現在考えているところでございますけれども、いずれにいたしましても要員の縮減を図っていくという目標を持っておるわけでございます。
 この際に、五年度末二万人ということでございますけれども、その時点における収支状況はどうかということでございます。
 まず、自己収入でございますけれども、資源的状況等からして伐採量は減少させざるを得ないということは先ほども申し上げたとおりでございます。したがいまして、林産物収入につきましては、材価はどうなるかという問題はまたございますけれども、減少を考えておく必要があるだろうというように思います。一方で別途収入、つまりヒューマン・グリーン・プランでございますとかふれあいの郷整備事業の推進等、あるいは貸付料収入等の増加は一方において見込まれるというように思っております。
 支出につきましては、請負化等による事業の民間実行の進展に伴いまして、これにかかる経費は先生も御指摘のように増加すると見込む必要がございます。一方、要員規模の縮減に伴いまして、人件費の減少というものは見込んでもよいと思います。それから一方で、伐採量を減少せざるを得ないということなどから、素材生産なり造林等の事業量が減少しますので、これにかかる経費は減少するというように考えております。
 これを総合的に勘案するとどうなるかということになるわけでございますけれども、ただし、これにつきましてもそれぞれ材価問題あるいは人件費等はどういうふうに動くかということは、いろいろな因子が出てくるわけでございます。したがいまして、支出につきましては現在よりも低下するとはもちろん考えておりますけれども、どのくらいかということはなかなか明確にはできない点でございます。それから同時に、ですから単年度の借入金をやりまして不足を補っていくわけでございますが、これも平成三年度は一千億円強を見ておりますけれども、借入金は減少するというように考えております。そのようなことでございまして、数字そのものが今の時点で明確になるわけではございません。しかしながら、支出については減少はしていくであろうということでございます。
 それから二万人問題につきましては、二万人以上の減少を考えているのではないかということでございますけれども、そのようなことではございません。
#69
○堀込委員 説明は必ずしも納得する中身ではないのでありますが、いずれにしても経常収支の収支の方も新たな借入金がさらに債務を呼んでいくというような状況があるわけでありまして、しかしこの借金を経常事業部門に入れたことによって、ある程度人員を削減したり、事業収入はそうかといって現行を確保しなければいけない、こういうような状況で何とか帳じりを合わせていかないと合っていかないということなんですね。しかし一方で、この利子・償還金は年々ふえていく。それに合わせて人件費、物役費を減らしていかないと、どうも経常収支の方も収支が合っていかない、こういうことになるのですね。ですから私は、これはどう見ても一般会計の繰り入れをどういうふうに拡大していくか、こういうことに実は話は戻るわけでありまして、そこで大臣にお伺いをいたします。
 簡単に、私、今まで質問してまいりましたけれども、経理を分離しましたけれども、累積債務処理の方の収支を二十年かけて合わせる方も極めて大変だ。経常事業部門の方も、今二万人体制でやっていくにはいろいろな問題点がまだあって大変だ。これはもう何としても一般会計に大部分を頼っていかざるを得ないのではないか。そして、林野事業の林野や土地を一生懸命売ることによって収入を確保しなければならないのではないか、そこに頼らざるを得ないというふうに思うのです。
 しかし、それでは話が通らない。林野庁自身も努力の跡を示さなければ、これは国民的な理解が得られない。だから、林野庁自身も今いろいろ苦労をされて、人員削減だとか営林局署の統廃合だとかそういうことをお考えになっている、こういうふうに思うのです。しかし、大切な国有林を維持管理をして、緑や水を供給する機能がありますし、後世に美しい自然を残していかなければならない、こういう大切な任務があるわけであります。
 それで私は、そういう意味で、任務を果たすためにもこの再建計画はかなり無理がある、かなりしっかりやらないと極めて困難だというふうに見ざるを得ない。しかし、何とかこの計画でやらざるを得ないということもまた事実であります。やらなければならない、そのためには何としても国民的な理解を得ながら、一般会計の繰り入れを大幅にふやすという方策しか、予算と事業計画を見る限り私には見えないわけでありますけれども、ぜひ大臣に、そういう意味で大いなる努力をいただきたい、こういうふうに思います。
 午前中の石橋委員の質問にも重なって恐縮ですが、御答弁いただきたいと思います。
#70
○近藤国務大臣 先生いろいろ御意見をいただきましたけれども、国有林野が果たす役割を落としたのでは何にもならないわけでありますから、そのことを、よりまた国民的な公益的なニーズというものが増大をしても減るわけではございませんので、よりまた山を守っていくという意味合いからすれば、大切な時期を迎えておると思うわけであります。その認識は、もう先生のお話のとおりだと思うわけであります。
 それから、累積債務につきまして、平成二年度を分岐点として累積債務を平成二十二年度までにどうやって消していくかという問題は、一つは自助努力をするのが当然財政当局から言われることでもございますし、またみずからもやらなければならぬ一つだと思いますし、また資産の売却も合わせて、いわば一般会計とこの三つで努力をしていかなければならぬと思うわけであります。
 その意味では、平成二十二年度までに累積債務の解消ができるためのみずからの努力というのは、経常事業部門で一日も早く、一年でも早くやはり黒字経営にしていくということが一つの大事なこと、残りは一般会計と、そして資産売却というこの三点セットが大きな柱として累積債務解消に努力をしていかなければなりませんし、私は、ここに一般会計の導入を入れたことによって、むしろ経常事業部門のところの赤字がさらに出てくるようなことであってはならぬな、こちらの十年の間にどうやって解消して、なお黒字に転じていくかということに対しての努力というのは、大変な努力が必要だなということを実は認識いたしておるわけであります。それだけに収入減についてもあらゆる努力をしながら、要員調整をするということは、三万四千から二万ということは大変なことでありますから、労働過重にならないように機械整備をしたり、道路網の整備をしたり、有機的に作業ができるようにということも裏から保障してやらなければならないことでもありますし、そういう意味での最大限の努力を払っていかなければなりません。
 さらなる今予想されることは、これからも非経済的に、山を公益的にどう守っていくかという分野は増大をしてくると思うわけでありますので、一般会計からの予算の導入というものにもあわせて、私の立場で努力をしていかなければならない、そう思っております。
#71
○堀込委員 時間が来たので、終わります。
#72
○大原委員長 西中清君。
#73
○西中委員 法案の審議に先立ちまして、京都の北山杉の被害について若干お伺いをいたしたいと思います。
 二月十六日からの雪害によりまして、北山を中心とする北山杉の被害は約五千ヘクタールにも及んでおるわけでございまして、まさに史上空前のものとなりました。被害を受けられた皆さん方に心からのお見舞いを申し上げる次第でございます。私も現場に参りましたけれども、折り重なって倒れた無残な姿を見まして、雪と風の猛威というものを改めて認識をし、また衝撃も受けたわけでございます。
 そこで、現在把握されている被害状況につい御報告をいただきたいと存じます。
#74
○小澤政府委員 今回の京都府等を中心とします雪害の状況でございますけれども、現在、関係府県から相当数の雪損、雪折れでございます、それから倒伏被害が生じているとの報告を受けているところでございます。私どもといたしましては、担当官も現地に派遣いたしまして、被害概況の把握と現地指導に当たらせております。
 なお、関係府県には被害状況を早期に把握するよう指示しているところでございます。
 ということでございまして、まず被害状況がまだ完全に把握されていないのでございます。これは雪の状況もございまして、現地に入りにくいというところも実はあるものでございますので、そういう状況でございますけれども、今後早急に状況も把握いたしまして適切な対応を講じてまいりたいというように考えております。
#75
○西中委員 まだ調査の途中であるということも、私も理解をいたしております。ただ、今回の被害の特色は、二十年を超える成木の被害ということが特色になっておるということでございます。したがいまして、被害額もかなり大きいのじゃないか。
 それから、倒木の始末といいますか、雪をかぶって倒れておる、曲がっておる。昭和四十四年等の被害の当時は人手がたくさんございましたから、一斉にこれをロープでつり上げるという作業をしましたけれども、今回はほとんど人手がないというような状況の中ですから、被害を受けた部分はほとんど全滅になると思うのです。そういう点が過去の被害とは状況が違うわけでございまして、恐らく地元では史上最高の被害額になるだろう、こういう深刻な話になっております。いずれ国に対しまして激甚災害の指定など申請がなされると思うのでございますけれども、早く調査を完了されまして、指定を急いでいただきたい、このように思っておりますが、大臣のお考えをお伺いいたしたいと思います。
#76
○近藤国務大臣 まず最初に、被災地の皆さん方に、長年育成をされてこられたものが災害に遭って、お見舞いを申し上げたいと思います。
 今長官から御答弁申し上げましたように、今調査を急がせておりますので、また調査の傍ら、先生今御案内のような状況でありますので、指導もしていきたい、こう思っております。
 とりわけ、ことしは植樹祭をお願いをしておるのも実は京都でございますので、結果が出てまいりますれば、激甚の指定を受ける受けないにかかわらず万全の態勢で御支援をしていきたい、そう思っております。
#77
○西中委員 特段の御努力を心からお願いをいたしておきたいと思います。
 被害の受け方もさまざま様相が違っておりまして、お気の毒なのは、去年のうちに山を入札で落とした、手形をことしになって切っておる、こういう業者もやはりあるようですね。しかしこれも個人の財産だからなかなか手当てのしょうがないというような面もございます。それから昭和四十四年の被害のときに、長期の据え置きのお金を借りられて植林をされた、こういう皆さん方、ちょうどこれからその支払いをやろうというやきさにその木が折れてしまった、曲がってしまった、こういうケースもありまして、ケース、ケース、一件、一件違いますけれども、極めて深刻な皆さん方もいらっしゃるわけでございます。
 いずれにしても、被害者に対しまして低利の緊急融資、借入金の返済の繰り延べや据置期間の延長、利子補給、さらに相続税の延納期間の延長などさまざまな支援策を講じていただきたい、このように思うのでございますが、お考えを伺いたいと思います。
#78
○小澤政府委員 先生御質問の雪害を受けました方々に対する対策でございますけれども、まず雪害を受けられました林業者に対しましての金融上の復旧対策でございますが、一つには被災森林の災害の復旧または災害跡地への植栽が必要な場合には、農林漁業金融公庫の林業基盤整備資金というのがございます。
 それからなお、林業施設の災害復旧が必要な場合につきましては、同公庫の農林漁業施設資金等の制度資金を利用する道が開かれておりまして、これらの既存の低利融資制度の活用を図ってまいりたいと考えております。
 それから、被災林業者が農林漁業金融公庫資金の償還が困難となった場合でございますけれども、当該被害者からの申し出によりまして都道府県知事または市町村長の被災証明を徴した上で、個々の債務者の経営状況、被害の程度、償還能力等の実態を調査いたしまして、必要に応じて償還期限なりあるいは据え置き期間の延長などの償還条件の緩和措置を講ずる道が開かれておりますので、このような適用を図ってまいりたいと考えております。
#79
○西中委員 いずれにしてもきめ細かくひとつ支援策を打っていただきたい、このように要望をしておきたいと思います。
 そこで、今度は法案の方の審議でございますが、主に国有林野事業についてお伺いをいたしたいと思います。
 まず最初に、この国有林野事業の経営の健全性を確立するために、昭和五十三年から特別措置法を制定して、今日までさまざまな改善計画に基づいての御努力を続けていただいたことは私もそれなりに認識をいたしております。しかし、残念なことには、経営は悪化の一途をたどっておりますが、その間、五十九年、六十二年と特措法が改正された。年数からいくと三年、四年という単位で改正をしてきているわけですが、今回またまた改正ということでございまして、状況としては累積が二兆数千億円、こういう膨大な累積債務を抱える状況になった。同時にまた、まだ経常収支も均衡をしておらない、こういう非常な事態を招いておるわけですけれども、その原因は何なのかということを改めてここでお伺いをしておきたいと思います。
#80
○小澤政府委員 先生が今御質問されましたように、国有林野の事業の経営改善につきましては、昭和五十三年度以降鋭意取り組んでまいってきたところでございます。しかしながら、その改善努力にもかかわりませず、累積債務も年々増加してきたということでございます。
 これらの原因というものは、考えますといろいろあるわけでございますけれども、主なもので申し上げますと、一つには、まず収入の面でございますが、資源制約がございます。戦後大量に住宅の整備等に資材を供給してまいりまして、その後造林をいたしてまいりましたけれども、これらがまだ成育途上にあるという制約でございます。そのようなことで伐採量というものを年々落としてまいっております。
 同時にまた、木材の価格も昭和五十五年度あたりが一つのピークでございましたけれども、それ以降低下の一途をたどってきた。昭和六十二年ぐらいから回復の兆しは見せておりますものの、まだ当時の材価にも至っていない、このような状況もございます。
 なお、要員の調整にも努めてまいりましたけれども、事業の縮小と連動しての縮減というのもなかなかそう簡単にはまいらないというような状況もあるわけでございます。
 そのような中で各種の努力もいたしまして、木材収入以外の収入確保に努めましたり、あるいは土地の売却等もいたしてきております。一方において公益的な事業に必要な経費の一般会計からの繰り入れでございますとか、諸般の措置を講じてきているわけでございますけれども、取り巻く状況、大変厳しいものもございまして、経費上の不足は借入金によって賄うという状況が続いてきておりますために、累積債務も二兆円を超す状況になりまして、そのような中から今回の法案の御審議をいただいているわけでございますけれども、抜本的な措置を講じまして、経営の早期、着実な改善を図ってまいりたいと考えているわけでございます。
#81
○西中委員 この状況が大きく変わるということも期待できない今日において、これまでもいろいろな努力もそれなりになさってまいったのですけれども、これから先も余り状況が変化しないということであればこれはなかなか面倒だなと、実際のところ、私は思っておるのです。
 具体的にお伺いしますけれども、そういう問題について、過去のいろいろな努力等、今回は一般会計の上で大きなレールを引いたとかいろいろな問題はあるけれども、しかしもう一つ、欠けておったと言ったら悪いですけれども、本当に収支を均衡したり累積を一掃するために具体的にどういう計画を立てたのかというところがはっきり言うとよくわからない。こういう点に一つ問題があると私は思っているのです。
 したがいまして、お伺いするのですけれども、経常事業部門の収支均衡は平成十二年度までに達成したいとしておるのですが、これは実際可能なのかどうなのか。これは少なくとも事業をする上において一つの目標ができたら、その目標をどういうふうに達成するかということについては、それなりに事業内容とか要員とかいうようなこと、こういったものを基礎にしてずっと積み上げをしてシビアな数字を積み上げていって、およそこれなら何とかなりそうだという線を見出して、何年までにこの収支を均衡するんだ、経常収支を均衡させるんだというのは普通の考え方であって、私ども資料を要求したわけでありますけれども、収支の見通しぐらいは出なければならない。それでなければ国会で審議したって、抽象的な話ばかり繰り返したって余り意味がないのではないかなと私は率直な思いでおるわけであります。
 どうしても出せないというならこれはしょうがないのですけれども、しかしまた、事業の計画がはっきりせぬのに審議しろと言われたって実際困ってしまうわけでして、収支見通しぐらいは出せませんか。これはいろいろな不確定な要素があるから出せないのですというお話なのですけれども、そんなことを言ったらどんな計画だって立てられないわけでして、少なくとも収支の見通しはこれぐらいで期待をいたしておりますという材料ぐらいは提出するのは当然であろうと思っておるのでありますけれども、この点についてどういうふうにお考えか、伺っておきたいと思います。
    〔委員長退席、穂積委員長代理着席〕
#82
○小澤政府委員 先生のただいまの御質問でございますけれども、経営を行います観点から、収入と支出、これはそれぞれ諸因子ございます。
 今後の経常事業部門、今回は累積債務と区分をするということでございますので、経常事業についてまず申し上げますと、これにつきましては事業の民間実行の徹底あるいは要員規模の適正化、組織機構の簡素化、合理化、自己収入の確保というような点から経営の改善を図っていく必要がございます。それからまた一方で、造林とか林道整備等の経費でございますとか、あるいは森林の保全管理に要する一般行政的費用につきましては一般会計からの繰り入れの拡充を図る必要がございます。
 このような観点から、平成十二年度までの財政の健全化を達成していく考えでございますけれども、ただいまの先生の御質問は、そういうものの数字を明らかにせよ、こういうような御趣旨かと思うわけでございます。このような因子すべてが一つ一つどれをとりましても、年々、またそれぞれの因子において変動する要素を実は持っているわけでございます。
 ただ、そういうことにおいて明確な収支の見込みというものはお示しできないという状況にあるわけでございますけれども、そのようなものを示さないでそもそも経営の健全化ができるのか、こういうふうにおっしゃっておられるわけでございます。経営の立場から申し上げますと、やはり経営を健全化するために諸般の努力を行う必要がございまして、数字が必ずしも明確でなくても一つ一つのものを確実に積み上げていくことが必要であろうかと思っております。
 なお、今までの計画におきましては、これらの計画をつくります前提として特別措置法の改正も今までもやらせていただいたわけでございますが、これらの際にもなかなか数字等をお示しすることが難しかったわけでございます。ただ、当時は累積債務というものを別途さらに抱えておりまして、このようなものを入れたままでは全く不透明ではないかということも問われておったわけでございます。
 そのような観点から、今回につきましては累積債務を区分するということを一つやっております。これによりまして、少なくとも経常事業の今後の健全化につきましては一歩といいますか何歩といいますか、前進した形にはまずなるということもございます。
 いずれにいたしましても、そのような中で着実な経営改善を目指すということは、私ども経営を預かる者として全力を挙げてやってまいる必要がございますので、先生おっしゃいますように明確な収入支出がどうなるかということはございますけれども、これらにつきましては私どもが自分で決めることのできない因子も多々ございます。これらを総合いたしまして、しかし私どもとしては各般の努力もいたしまして経営の改善に努めていかなければならない、このように考えているところでございます。
#83
○西中委員 お話はわからぬわけではないのです。しかし、事は国民の税金なんですよ。ですから、やはりこの種の仕事をされる場合にはそれなりに国民にも納得できるようにしていただかなければならない、それがまた義務であろうと思います。
 私は前の審議には参加しておりませんけれども、恐らく同じようにおっしゃったと思う。それで繰り返し改正をしなければならないという状況が続いているわけです。私の予感で言って悪いのですけれども、恐らく三年か五年したらまた改正でしょう、ちょっときつい言い方になりますけれども。そういうようにならないように、本当はこの問題について真剣に議論できるような状況をつくっていただきたいというのが私たちの念願です。しかし、努力します、頑張りますという極めて抽象的な話。そのうちには自分では決められぬ要素が入っているのですなんて言われたら、なぜ平成十二年に収支を均衡するなどということを言ったのか、言わなければいいのです。自分で決められない要素が入っておって、どうして収支が均衡できるのですか、御答弁ください。
#84
○小澤政府委員 お答え申したいと思います。
 私どもは一つの経営改善の目標として、明確な目標を設定していかなければならないと考えているわけでございます。したがいまして、平成十二年度の収支均衡という目標をまず定めまして、そのために各般の努力をしていくということでございまして、材価の動向一つとりましても予測がなかなか難しいという意味で申し上げました。
 ただ、そういう市場の動向は確かに不明確ではございますけれども、その中で私どものなし得る努力としては、付加価値の向上でございますとか機動的な販売というような努力を当然していかなければなりません。そのようなことがそれぞれの要素についてあるわけでございますけれども、少なくとも経営上、目標設定なしでは年々の業務に対して改善策を図ることもできません。そのよう意味で申し上げたわけでございまして、目標はしっかりとさせておくことによって努力をしていく、またそのエネルギーも生まれるわけでございます。そのようなものを総合的に実施いたしまて、全体の改善を図るという意味で申し上げているところでございます。
#85
○西中委員 このことを繰り返しても具体的に何もわからないと思いますので、一つ一つこれからお聞きしていきたいと思います。
 まず、機能類型に応じた管理経営を行って、これを基本として収支均衡を達成するということですが、機能類型の指定といいますか箇所づけといいますか、これはいつ行われるのかお伺いをしたいと思います。
#86
○小澤政府委員 今回、国有林野の森林につきまして機能類型を行おうとしている大きな意味といたしましては、まず国民の負託にこたえて国有林を経営するわけでございますが、その際に国有林が持っております機能というものを明確にいたしまして、つまり内容的には国土の保全でございますとか、あるいは自然維持林でございますとか、そしてまた空間利用でございますとか木材生産というような観点がございます。また水資源の涵養というものもございます。こういうものをまず明確にする必要がございます。そして類型化を行いました森林につきまして、それにふさわしい施業を展開し、また管理経営を行っていこうという観点から、類型区分を行おうとしているわけでございます。
 この点につきまして現在作業をこれからまた行うわけでございますけれども、まず森林法の改正につきまして御審議をいただいておるわけでございますが、この森林法の改正がなされますと、国有林につきましては国有林野経営規程というのがございますが、これを改正いたしまして、その中で機能の分類手法の制度化というものを行います。その後、平成四年度に国有林野の属地的な施業計画を樹立いたしますが、この際に市町村の御意見もお聞きするというような手続を経ました上で、箇所ごとの機能類型を確定してまいりたい。そして確定したその機能類型によりまして、今後の経営を行ってまいる考えでございます。
#87
○西中委員 質問だけに答えてください、時間がありませんので。いつこのことをまとめ上げられるつもりかということをお聞きしているのです。
#88
○小澤政府委員 平成四年度というふうに考えております。
#89
○西中委員 それでは次に、民間実行の徹底であります。
 平成元年度の民間請負率は、植えつけ五九%、素材産業四〇%と聞いておりますけれども、平成十二年度、この請負率ほどこまで高まるとお考えなのか、最終的にはこの請負はどういうところまでなさるおつもりか、お伺いをいたしたいと思います。
#90
○小澤政府委員 まず現在の請負比率でございますけれども、昭和五十三年度以降、請負比率の拡大に努めておりますけれども、素材生産で見ますと、五十三年度二四%から平成元年度は四〇%というように拡大しております。それから造林事業につきましては、現在六割程度が請負比率ということになっておりまして、これは五十三年度と余り変わっておらないわけでございます。
 今後の問題でございますけれども、林業事業体の育成、また民間実行体制の整備を図りつつ、現在直用で行っております事業につきましては、森林調査等国有林野の管理経営上直用で行うべき必要最小限の業務を除きまして、民間実行を徹底することといたしておりまして、要員調整の進展状況に即しつつ、逐次請負事業の拡大を図っていくこととしております。
#91
○西中委員 これは結果的にそういうものが高まってくるということなのか、目標を決めてそこへ持っていくために懸命の努力をするということになるのかよくわかりませんけれども、数値的には別にお決めになっておらないという意味でございますか。
#92
○小澤政府委員 数字を先に決めるということではなくて、逐次請負の比率を高めてまいりたいと考えております。
#93
○西中委員 これは民間の林業労働力の問題と関連があるものでございまして、地域によっては今でも仕事は山ほどあるけれども、とてもじゃないが、人手がないからどうしようもないのだ、こういう場所もあるようでございます。したがって、成り行きということになると、これはそうそう高まるものではないのじゃないかなという気持ちを持っております。
 私は、なぜこれを申し上げるのかと言えば、本当に収支を均衡するための一つのポイントでもあるわけでございますから、そういうこともきちっと計画的なものを決めて推進をするということでなければ、努力はいたしますけれどもできませんでしたということに終わりかねないということを危倶する。したがいまして、これもある種の年次計画程度のものはきちっと示していただく、これでなければならないのじゃないかなと思います。ないとおっしゃる、お答えにならないわけですからもうこれ以上申しませんけれども、極めて残念に思っております。
 次は、累積債務について申し上げます。
 平成二十二年度までに返済を終わる計画でございますけれども、見通しはどういうふうになさっておるのか、御説明をいただきたいと思います。
#94
○小澤政府委員 累積債務の解消につきましては、今回の法案の中で明記されますように経常事業部門と区分をまずいたすということでございますけれども、そうしました上で、この債務処理につきましては、林野、土地等の資産処分収入の充当を行う、それからまた経常事業部門で将来生ずる剰余金の充当を行います。また、さらに一般会計等の別途財源措置により、適切な累積債務対策を講じてまいることにしているわけでございます。
 このような中で、経常事業におきます見通しでございますけれども、伐採量は今後しばらく減少させる必要がございますが、平成十年代の半ばぐらいからはまた増加基調に転ずるということを見込んでおります。それから平成十二年度までの改善期間におきまして自主的改善努力の徹底を図ると同時に、所要の財政措置を講じまして、経常事業部門の財政の健全化を達成するということから、経営事業部門からは剰余金が生ずるということも期待されるということになりまして、これらのことから債務の処理、債務の縮減も逐次めどがつくものと考えておる次第でございます。
#95
○西中委員 これも見通しといったものをお出しいただけませんかね。今御説明のように基本となる財源は資産処分収入、それから経常部門の剰余金、別途の財源措置、一般会計の方からの支援だと思いますが、この三つは見通しが立たない、発表できないとおっしゃるなら結構ですが、この三つの部門でどのぐらいの金額を予定しておられるというか、期待をしておられるか、お伺いをいたしたいと思います。
#96
○小澤政府委員 先ほどの経常収支の見通し等とも似たようなことがあるわけでございますけれども、今も申し上げましたように、私どもは鋭意努力をいたしまして債務処理に当たろうと考えておりますし、またその中で資産の売却なりあるいは将来の経常事業部門の健全化によりまして、また剰余金というようなものも期待をいたし、また見込んでおるわけでございます。なお、そのようなものを総合いたしまして債務処理に当たろうと考えておるわけでございます。
 それぞれがまだ明確になる状況ではございませんけれども、その中で私どもが直接努力をいたして債務処理に当たろうとしている部門、つまり林野、土地等の売り払いの問題につきましては全国的に状況も見直しをかけておりまして、これにつきましては総額で一兆二千億円程度の処理というものを考えておるわけでございます。その他の剰余金につきましてはまだ明確にできるという段階ではございませんし、また別途財源の問題につきましても、財政事情等不確定要素が多いということで、現在明らかにする状況にはなっていないということを御理解いただきたいと思うわけでございます。
#97
○西中委員 剰余金、別途の財源措置というのはそれはおっしゃるとおりだと思いますが、この平成三年度、いわば再建と言ったら悪いのかもしらぬけれども、少なくとも立て直しのための初年度一般会計からの財源措置も行われた上で、なお新たな債務が一千億以上出るというような状況でございますね。まことにこれはおっしゃるようなことではなかなかいかないのではないかなという思いを強くいたしておりますが、どうも数字が何を聞いても十分お答えいただけない。やっとこの林野、土地の売却ということで、一兆二千億程度、こういうお話が出てまいりました。
 そこで、お伺いするのですが、どれほどの面積をどれだけの価格で林野、土地の処分をお考えなのか、御説明をいただきたいと思います。
#98
○小澤政府委員 債務処理に充当いたします林野、土地の面積、価格ということでございますが、価格につきましては、先ほど申し上げました一兆二千億円程度を考えております。なお、面積につきましては全体で十二万ヘクタール程度というように考えております。
#99
○西中委員 私がお聞きしているのは、林野として面積はどれぐらいか、それから価格はどうなるのか、土地はどれぐらいの面積でどれぐらいの価格になるのか、こう伺っておるわけでございます。
#100
○小澤政府委員 ただいま申し上げました十二万へクタールの内訳ということになりますけれども、私ども考えておりますのは、林野面積で十一万ヘクタール、他の土地が一万へクタールというように考えております。
#101
○西中委員 この土地の処分でございますけれども、どういう処分の仕方をするかということは極めて大事なことだと私は思っております。国民の共有財産でございます。林野庁の出した累積債務のためにこれが消えていくという極めて残念な形でございます。したがって、その処分は国民の理解を得られ、公平、公正でなければならないということが大前提であろうと思います。
 処分について、やはり効率的にいくとすればこれは一般公開入札ということなんでしょうけれども、それはそれとして、まずどういう原理原則をもってこの処分をなさるのか伺いたい。
 同時に、この処分の決定はだれが責任を持ってなさるのか、確認をしておきたいと思います。
#102
○小澤政府委員 林野、土地処分の原則的な方向ということでございますが、これらの売り払いに当たりましては、私どもは地方公共団体や公的機関に対する公用、公共用を優先いたすこととしております。
 それから、これらの対象に対しまして売り払うわけでございますが、そのほかにも買い受け希望者というのが出てくるケースがございます。公用、公共用等につきましては随意契約適格者から行っていくわけでございますが、これのみでは買い受け要望がなくて他にあるというようなケースにつきましては、一般競争入札で処理をすることになります。
 それから、一般競争入札を実施するに当たりましては、緊急土地対策要綱及び「国鉄清算事業団用地等の一般競争入札による処分について」という閣議決定なり、あるいは土地対策関係閣僚会議申し合わせ事項がございますが、これらに従いまして地価対策にも配意することといたしております。
 それから、売却以外の方法として信託というようなケースがあるわけでございますけれども、これにつきましては、国有財産の処分の一形態として認められているところでございまして、収入を上げるまでに相当の期間、最低三年程度要るかと思いますが、要します。それから、売り払いとの比較における有利性とか事業内容の適否等を審査する必要がございまして、個別事案に即しまして対処してまいりたいというように考えております。
 それからなお、権限者というようなお尋ねでございましたけれども、これにつきましては、原則的には営林局長それから営林支局長ということになっておりまして、ごく小面積につきましては営林署長が分担するケースはございます。
#103
○西中委員 林野や土地が売却される際に大事なことは、例えば投機的取引による周辺地価への悪影響をもたらさないような配慮も十分いたさなければなりません。それから、土地の有効利用という観点からも、やはり適切な計画が必要だろうと私は思っております。
 十二万ヘクタールというのは少ないのか多いのか、いろいろ議論はあると思いますけれども、やはり広大な土地であることに間違いはないと私は思うのですね。ですから、非常にこの影響は大きいと思います。したがいまして、やはりこの処分に当たりましては、今営林局長とかなんとかおっしゃいましたけれども、この問題については中央段階において責任を持たねばならぬ。少なくとも、農水省は責任を持たなければならぬ。一と言ったら悪いけれども、営林局長の采配でこれは売るのだ、これはどうするのだなんということをどんどん決めていくなどということがあっては絶対にならぬと私は思うのです。したがいまして、中央段階においてどういう形態がいいか知らぬけれども、第三者機関をつくってとか、また一つの委員会をつくって、そうして国民の目から見ても公平、公正さを確保してやっているのだなということがわかるような形でやらないと、営林局長さんの判こ一本で決まってしまうなんということになって、国民の財産がだあっと消えてなくなるということではどうも納得がいかないなという思いを私は強くいたしております。
 しかも先ほど申したように、投機的な動きがあったりいろいろありますと、これはやはり政府としてコントロールしなければならぬ部分もいっぱい出てくると思うのですね。それは、おのずから累積債務の処理という点で政府がまた責任を持つということにもつながってくるわけで、例えば国鉄の事業団が土地を売りたくても、政府から土地の投機が行われているから売買は停止しろという指示が出た、出たからこそ一応鎮静化に向かった、こういうこともあったわけですね。同じことが言えると思います。こういう膨大な資産を処分するのは、やはり中央段階における例えば土地利用計画委員会とか資産処分審議会とか、こういった機関を設置をして、そして国民に公平な処分だと理解させるような形をとるべきではないか、こう思うのでございますけれども、大臣、これは大事な問題でございますから、御答弁をいただきたいと思います。
#104
○近藤国務大臣 今、土地の問題は大小にかかわらず国民注視であり関心の高いところでもありますし、また、政府としても土地対策は喫緊の課題として認識をいたしておるわけでありますから、国民の財産を処分するのは地方に任せることではなくて、手続上のことはあっても、全体の処分計画なりそういうものは中央段階で、今先生から御提言がございましたので、どこで扱うかは今にわかにお答えは用意をいたしておりませんけれども、中央段階で、それぞれの御相談をしていただく機関の議を経て処分計画案をつくって実施していきたい、そう思っております。
#105
○西中委員 この点ひとつ前向きの御答弁をいただきましたので、着実に実行をお願いをいたしておきたいと思います。
 御承知のように、国鉄事業団においては中央土地利用計画委員会があって、その中にまた資産処分審議会があるわけでございますから、やはりそれに倣ったような形がいいのじゃないかなと思ったりいたしております。どうかひとつ特段の御努力を要請しておきたいと思います。
 ただ、この土地の処分の問題、お聞きしてまいりましたけれども、私は、地方自治体を優先的にというお話もありますが、地方自治体もそう財政に余裕があるわけではないし、いいことはわかっておっても手が出せないというケースが非常に多いと思います。地方もそれはそれなりにあると思いますけれども、なかなかこれは思うように期待ができないのじゃないかと思っております。
 それから、林業家は林野に手を出すのかと思いましたけれども、これも高い土地を買って採算が合うわけではない。まず林業家は手を出さないだろう。そうなると、結局は民間の土地開発業者等々が買い手の大きな部分を占めるのではないかというふうに私は見ておるわけでございます。
 そういう意味からも、先ほど申したことは非常に大事なことなのでありまして、同時に計画どおり進むのかということになりますと、民間業者も開発をするとなると、その地域の住民はどうしても反対するケースが多い。自然環境の保全であるとかいうような考え方も非常に強まってきております。ですから、経常においても私は危倶をいたしておりますけれども、累積債務そのものもまた極めて困難な事業であろう、そうたやすいことじゃないな、こう思っております。剰余金も出せるような財政事情になることはまことに喜ばしいことでございますけれども、これもまあかなりの疑問点があるわけで、後でも触れますけれども、そういう点から考えまして本当にこれ成算があるのかな、このように私は思っておるわけでございます。状況的に非常に難しい問題がいっぱいあるなと思っておるのでございますけれども、どういう御判断をなさっておるか、成算はあるのかどうか、伺っておきたいと思います。
#106
○小澤政府委員 確かに、先生おっしゃいますように、一つ一つのどの事業なり要素をとりましても、この債務を解消し、また経常事業部門の健全化を図るということは難しい課題を抱えていることは事実でございます。したがいまして、私どもは内部的にも今推進本部というのをつくりまして、私自身も本部長という役目を背負っているわけでございますけれども、職員全員が努力をしてまいることはもちろんのことでございますけれども、今後国有林の事業の改善が円滑に進みますように、また累積債務の解消が着実に図られますように、私どもは各層の御理解をいただかなければなりませんし、そのために私も、まさにこれは赤字企業の立て直し、その責任者でもございます。私もいろいろとお願いをして回らなければならないというふうにも思っておりますけれども、とにかく全力を挙げまして改善に努めさせていただきたい、このように思っている次第でございます。
#107
○西中委員 経常収支を立て直す大きな要素の一つは自己収入の確保ということでございますが、これといって目新しいものが今度の改正では目につかない。残念であります。要員の削減の方は大きく目立っておって、これは後ろ向きといっては悪いけれども、そういう印象が否めないという残念な思いをいたしております。
 ここで何だかんだといって、自己収入の六割から七割は林産物収入でございますね。これをふやせるというか、こういう何らかの特段の施策があればそれにこしたことはないのでございますけれども、どうもそれも期待しにくいな、こういうふうに思っております。今回類型で森林を分けられる、結局この中で生産的といいますか、経済的機能を持っておるのは木材生産林ですか、こういうところだけでということになるわけで、これから人手も減っていく、むしろ民間にということでございますけれども、そう飛躍的にこれがふえるということは期待できないなと思います。また、複層林化、長伐期化、これを促進しようとされておるわけですが、これも言い方を変えると、木材生産を抑制する形につながってくる、こういう可能性もあるというような思いで見ておるわけでございまして、その辺どういう御判断をなさっておるのか、本当に自己収入をふやす道はあるのかどうなのか、この点を確認をしておきたいと思います。
#108
○小澤政府委員 今後の収入の確保の点につきましては、新しい分野につきましても検討してまいりたいと考えておりますけれども、やはり収入の大宗を占めますのは木材の販売にあるということは事実でございます。この点につきましても、伐採量の縮減という問題を抱えてはおりますけれども、その中で新しい方策あるいは機動的な販売ということを考えておるわけでございます。
 まず、近年手をつけておりますのは、一つは情報の促進ということでございまして、私ども全国に営林局、支局、営林署という一つのネットワークがございますので、これを現在コンピューターでオンライン化しておるわけでございます。そうしておきまして、付加価値生産といたしましては乾燥丸太のサンドライというようなものも拡大していくわけですが、それらの在庫状況でございますとか、あるいは販売の期日というようなものも極力需要者によく知っていただくということが必要であるかと考えまして、情報化に努めている。
 それから、樹種、材種等も、需要者の動向に合わせた機動的な販売が必要であるだろう、このようなことも一層の取り組みを強化してまいりたいと思っておりますし、それからまた新しい収入対策といたしましては森林の空間利用という分野がございますので、これらにつきましても今後努力していきたいと思っております。
 それからなお、複層林、長伐期林でございますけれども、これらは確かに伐期が延びるということで、どうだろうかということを先生おっしゃっておられましたけれども、確かに一定の時期に達するまでの伐採量はある程度落とさざるを得ないと思います。しかしながら、一定の資源の整備ができますと、今までは何十年か期間を置いたものが、量的には若干少なくても、逆に逐次連続的に供給していくというようなメリットも生じてくるかと考えております。そのようなことを総合いたしまして収入の確保を図ってまいりたいということでございます。
#109
○西中委員 要員の問題、お伺いをいたしたいと思っておりましたけれども、時間がもうございませんので同僚議員に譲りたいと思いますが、ただ一点だけ、先ほども議論がありまして、私も同じ思いをいたしておりましたが、十年、三十年とたったときの職員の構成といいますか人数といいますか、これは相当深刻な状況にむしろ追い込まれるのではないかというように思っております。したがって、そのときにおいて、例えば二十二年に完全に健全な財政になるという時点においての計画も、本当ほどのようなものを描いているのかということを私は聞きたい、要員についてもそれは聞きたいと思っておりますけれども、先ほどからどうも余り期待できませんから、もうこれは飛ばしますけれども、これから国有林野をどういうふうに持っていくのかということについて、やはりある程度もう少し具体的に私どもに提示をしていただくことが大事であろう、このように思っております。これはもう答弁要りません。
 最後に、私、特にこれはいろいろな意見があると思いますけれども、民、国を通じまして最大の問題は、やはり担い手、後継者、若い労働力、こういった問題であろうと思います。
 平成二年で二百二十九人が新規学卒者の就業者、こういう状況で、うち百二十人が国有林野、あとが民間へ百人、これは事務職も女性も含まれておりますから、実際現場の作業員となると、こは寒々とした状況にあるわけですね。これは、日本の国土を守るという点では極めて憂慮すべき状況にあるな、このように思わざるを得ません。
 ことしの予算でも新規の事業を幾つかお立てになっておりますから、それなりに力を入れなきやならぬという認識をお持ちであろうとは私も思っております。しかし、今のペースで事を運んでおっては、本質的に解決にはならぬな、こういうように思わざるを得ないのでございます。
 問題としては、やはり一つはよく三Kとか六Kとかいう言葉がありますけれども、仕事がきついということ、身分が特に民間の場合は不安定だ、社会保障、低賃金、こういったさまざまな問題が渦巻いておる、これは民間でありますけれども。こういう点について具体的にどういうふうに政府は解決していこうとしておられるのか、もう一つ見えない。これからセンターをつくったりいろいろなことをしてやるんだとおっしゃると思うのですが、そういう説明ではだめなんであって、こういった問題を具体的にどう解決するか、やはり今もうきちっとしたものが出てこないと間に合わない状況に陥るだろう、こう思っております。もう時間がありませんから答弁要りませんが、これが一点。
 それから、あと二つ大事な点が言えるのではないかなと思っております。
 一つは機械化、高度な機械化を一刻も早くなし遂げるということですね。そのために、林野庁においていろいろな開発が行われておると思いますけれども、これは飛躍的にやってもらわなければならない。特に経費のかかる下刈りから、育成する、こういう点の機械化、これにしっかりと取り組んでやっていくということが大事だろうということを思っております。造林ですね。
 それからもう一つは、林道ですね。機械が何ぼ優秀なものができたって、道がなければどうにもならぬわけでありまして、林道の開設、これが大きい要素になる。少なくとも自分の腕で物を上げたり下げたりというようなことじゃなくて、機械で全部操作する、そういう道がついておる、山の中にどんどん広がっておる、こういうことであれば、今の世知辛い世の中、空気の悪いところで働くよりも、もっとこういうところで働く方がいいなと何となく夢を感じるような状況を早くつくり上げることが、これが若い労働力を確保する最大の重大な問題でありまして、指導部門を幾らふやしたって、イメージとして大変しんどい仕事なんだということがある限りは、どれだけそこらじゅう教育だ、指導だ、何だといったって、やり手はないということを私は強く力説をしたいし、こういう点について、農水省、林野庁は、今までの予算なら予算のシェアはあるでしょうけれども、ここで一遍頭を切りかえて、発想を転換して、国土を守るのだ、防衛するのだというぐらいの決意で、予算の枠もここのところは飛躍的に、集中的に力点を置いてやっていこうというように、例えば私の一つの提案でありますけれども、そのぐらいの決意をひとつお持ちいただきたい、私はそう思っておるのでございますけれども、政府のお考え、大臣のお考えを伺えればありがたいと思います。
#110
○近藤国務大臣 後継者対策について、いろいろな角度から先生から御提言をいただきました。
 私も、後継者対策というのが私が所管する農林水産省すべての分野にわたって一番頭を痛めておるところでありますし、従来のようなことであってはまさに不十分な時代に入ってきた、こう認識をいたしておるわけでありまして、今先生御提言をいただいたような状況で、国土保全はもとよりでありますが、国民的なニーズが緑や水や空気の価値観というものを高めていただいておるときでもありますし、自然環境の中にまた生活環境と村の景観と、そして地方にいても都市的なニーズにどうこたえられるかということをきめ細かにひとつ分析をして、それぞれ具体的に来年度予算に向かって準備をしてもらうように私の方から指示をしてありますので、来年度予算、また一生懸命頑張っていきたいと思いますので、御支援、御協力のほどをお願い申し上げます。
#111
○西中委員 終わります。
#112
○穂積委員長代理 菅原喜重郎君。
#113
○菅原委員 最初に、森林法の一部を改正する法律案について御質問いたします。
 今回の改正の中で、私たち民社党として歓迎できるのは、これまで長い間要請してまいりました民有林、国有林を一体にした総合林政の確立という趣旨が本法の改正の主眼になっている点でございます。あわせて、間伐、保育の適正実施の促進が盛り込まれていることを高く評価したいと思います。
 さて、森林法は森林・林業にとってはまさに憲法的存在でありますが、まず最初に、今回の法改正のねらいからお伺いいたしたいと思います。
    〔穂積委員長代理退席、委員長着席〕
#114
○近藤国務大臣 お答えいたします。
 現下の林政の基本的課題は、森林の有する多様な機能の発揮に対する国民のニーズが高まってまいりました。質の高い森林の整備や保全を推進するとともに、一千万ヘクタールの人工林を生かして、国産材時代の到来を図ることといたしております。
 しかしながら、我が国の山村林業の現状は、林業の採算性の低下や林業の担い手の不足や高齢化の進行など、林業機械化、基盤整備のおくれ、施業規模が零細であるという、森林整備、国産材の形成を進めるという観点からすると大変厳しい状況にあるわけでございます。
 このような状況を踏まえて、森林の持つ各種機能の発揮を確実なものとするために、流域を基本的な単位として、関係者の総意のもとに、民有林、国有林を通じた森林整備、林業生産等についての目標の明確化等を図り、森林の流域管理システムの確立、流域における森林整備目標の達成に必要な基盤整備等の計画的な推進、森林、林地の保全対策の強化が重要な課題となっております。今回の森林法の改正は、このような課題にこたえるために行わせていただくものであります。
#115
○菅原委員 森林計画を基本として森林整備事業が的確に実施され、初めてよりよい森林造成が期待されるわけであります。現在のように一億立方メートルを超える我が国の木材需要の中で、外材が七〇%を占める状況が未来永劫に続くことは、今日的世界の森林状況からは考えられないわけでありますから、森林造成は法正林体系を確立することによって健全な森林資源の確保につながらなければならないと考えております。この点についての所見をお伺いいたします。
#116
○小澤政府委員 我が国の森林資源の状況でございますけれども、主に戦後に造成されました約一千万ヘクタールの人工林を中心にいたしまして、資源内容は年々充実してきてはございますけれども、内容を見ますと、十六年生から三十五年生までの人工林が約六割を占めるといったような偏った齢級構成になっているわけでございます。将来にわたりまして木材の安定的な供給を図りますと同時に、森林が持っております公益的機能を維持確保する上で、我が国の全体の人工林の齢級構成の平準化、これは今先生がおっしゃいました法正林、法正化につながっていると思いますけれども、これが重要な政策課題になっているというように我々認識しているところでございます。
 したがいまして、これからの法正林化というような方向での資源の整備を図ります観点から、複層林施業でございますとか長伐期施業というような施業を積極的に推進をいたしまして、伐期を長期化するあるいは多様化するということを行いまして、森林資源の整備に、またそれが法正化につながりますように努めてまいりたいと考えております。
#117
○菅原委員 私は長年皆伐主義に反対を唱えてきたわけでございますが、このことにつきましては再三質問しているわけでございまして、今の植林施業技術あるいは林相形成の方法に、法正林あるいは混生林、混木林をつくっていくのに誤りがある、こう思っております。やはり千平米三百本、一反歩三百本、それからこの密植、それから枝打ちにおきましても三角形に枝、林相をつくっていく、そういう面から見まして、余りにもこの枝打ちをし過ぎて木を殺しておりますので、十分この点を参酌して今後の対策を実施していっていただきたい。まず要望しておきます。
 次に、国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案について質問するわけでございますが、国有林野事業の経営改善については、昭和五十三年に特別措置法を制定し、その後五十九年、六十二年の二回にわたって改正をし、今度で三度目の改正になるわけでございます。
 この間、特別措置法第二条「改善計画」にある事業の運営についての基本方針ほか五項目について、各般にわたる措置を講じてきたわけでございますが、累積債務は一層増大しまして、平成二年度末では二兆二千五百億円にも上っているわけでございます。
 こういうわけで今回の改善は失敗を許されないものでありますが、その前に、農林水産省として改善対策を講じながらも、ここまでこういう最悪状態になった要因はどういう点にあったと分析されているのか、お伺いいたします。
#118
○小澤政府委員 先生お尋ねの点でございますけれども、国有林野事業におきましては、これまで改善特別措置法によります改善計画に基づきまして、事業運営の改善合理化、要員規模の適正化、組織機構の簡素化、自己財源の確保等、これら自主的な改善努力を尽くしますとともに、所要の財政措置を講ずることにより経営の健全化に努力をしてきたところでございます。
 しかしながら、まず収入の点でございますけれども、収入の大宗を占めております木材収入が、過去に大量伐採を行ったことに伴います資源的制約あるいはまた自然保護等の要請の高まりによりまして伐採量が減少してきたこと及び木材価格が長期にわたりまして低迷してきたこと等によりまして、減少傾向にございました。
 また木材収入以外の継続的な収入の増加を図りますために、これまでも分収育林でございますとか、ふれあいの郷あるいはまたヒューマン・グリーン・プランというような事業を推進してまいってきたところでございますけれども、現時点では収支の改善に大きく寄与するところまでは参っておらないわけでございます。
 またさらに、土地の売り払いにつきましては、地価抑制施策に伴いまして高地価地域におきます土地売却が規制されるというようなこと等がございまして制約がございます。
 さらに、支出でございますけれども、支出につましては事業の拡張期に増大した要員の調整過程にございまして、給与総額につきましては減少しつつあるものの、退職金等の増大によりまして人件費支出が大幅な減少を示すに至っておりません。このような収支の悪化にもかかわらず、国有林の使命を果たすためにやはり森林の適切な管理経営を行う必要がございまして、これらの経費確保のために、不足する資金につきましては借入金に頼らざるを得なかった。
 このような諸般の状況がございまして、各般の努力にもかかわらず累積債務が増大をいたしまして、平成二年度末の債務残高二兆二千五百十一億円と見込まれる状況になったというようなことでございまして、財務事情の悪化がございまして厳しい状況に立ち至っているのでございます。
#119
○菅原委員 いろいろその要因を分析されたわけでございますが、不況産業業種に木材があったという流れに抗し切れないといたしましても、労務管理の面でもこれに拍車をかけた面があったのではないか、私はこう思うわけでございます。
 このことにつきましてはまた後で触れてみたいと思いますが、外材輸入による木材需要のシェアは既に七〇%を超えるラインで定着しております。国有林の占めるシェアは既に一〇%を切るに至っており、七百六十五万ヘクタールの管理面積を持つ国有林ではありますが、そのうち第一種林地、保安林が全体の五四%でありますから、年間伐採量も当然ながら縮小を余儀なくされるわけでございます。現に特別措置法制定当時に比べ、平成二年度では二三%滅の一千万立方メートル、林産物収入では二一%減の一千七百八十二億円まで減少しております。このことは平成二年度の予算の三二%しか占めていないことになります。国有林野事業特別会計の収入、支出を十年間でバランスをとらせるには、経費節減もさることながら、伐採量の増大と木材価格の上昇に期待する以外にないように思いますが、これまた全く前途が暗いわけであります。
 また、今回累積債務を経常事業と区分し、その財源は資産処分収入、将来生ずる経常事業部門の剰余金、別途の財源措置収入によって処理する考え方のようでありますが.今後二十年間で累積債務を解消することが可能となる体質まで改善するには相当な努力が必要と思われます。そのめどは立つのかどうか。私は、立ち得ないと見ているわけでございますが、見解をお伺いします。
 さらに、今年、三年度予算で資産処分、林野等売り払い代七百二十五億余を計上しているようでございます。十年間での予定は一兆二、三千億円とも聞いておりますが、概要を知らせていただきたいと思います。
#120
○小澤政府委員 今後の収入の確保は極めて重要な事項でございます。先生御指摘のように、木材につきましては、非常に状況も厳しい中で、材価も低迷し、また国産材のシェアも低下しているわけでございますし、国有林につきましても、伐採量を減少させながら確保を図ってまいるということでございますので、この点につきましては、販売活動を活性化いたし、機動的にいたしてまいりたいと思っております。
 なお、二十年での債務処理方策ということでございますが、目標年度を平成二十二年度に設定をいたしているわけでございます。この点につきましては、今後なかなかこれも厳しい状況があるわけでございますけれども、私どもといたしましては.二十年目標としておりますのは、今後伐採量は一時低下をするわけでございますが、いずれまた回復をするという見込みもございますので、そのような中で債務対策を講ずる資金もまた捻出してまいりたいということもございます。
 それから、土地、資産等の売却でございますけれども、これは計画的に行いまして、債務処理に努めてまいりたいというように考えているわけでございます。
 同時に、今回の法案の中でお願いをいたしております経常事業と債務処理の区分でございますれども、このような中から、経常事業、これは十年間で収支均衡を図るということでございますが、これらを合わせまして平成二十二年度を目標に債務処理を行ってまいりたいというように考えているわけでございます。
 なお、平成三年度におきましては資産等の売却についての予算計上を考えているわけでございますけれども、これにつきましてはいろいろと先ほどからも御説明しておりますように、土地対策等の制約等もございます中で実施をするという観点から、私どもといたしましても組織を挙げまして収入の確保に努めるということで対応してまいりたいと考えております。
#121
○菅原委員 十年間で一応資産処分一兆二、三千億円、このことについてはどうなんですか。
#122
○小澤政府委員 資産処分につきましては十年間ということではございませんで二十年間を考えておりますので、その中で処理させていただきたいというように考えております。したがいまして、年間同じ金額というわけにはまいらないと思いますけれども、早目にできるものは極力早目にした方がよろしいのでございますけれども、とにかく着実な収入を上げまして債務処理に充当してまいりたいと考えております。
#123
○菅原委員 国有林野事業の立て直しは累積債務の解消にあるわけでありますが、このことのために本来の目的である森林造成や保全がないがしろになることは許されないわけであります。
 また、近年世界的に森林資源が枯渇していく中で、森林造成については地球的環境の面からも関心が高まってきてもいるわけでございますから、このことに対する十全な対策を図っていかなければならぬわけであります。
 さらに、今のような厳しい財政事情にあっても、適正な施業により健全な森林を造成していくことはもとより、戦後からの一千万ヘクタールに及ぶ拡大造林地の間伐など育林施業、そして、二十一世紀には伐期齢を迎えることになるわけで、これらの対応とともに経営改善もともに推進する、さらに、よりよい山づくりを進める、これはもう大変なことであります。本当にこのことが累積債務の解消を計画どおりに進めながらできていくのか。こういうときこそ民間流の抜本的な対策、それはどういうことかというと、破産会社はその債権者に一切の資産を明け渡して整理するわけでございますから、一兆円以上の資産処分の目録ができる現時点で大蔵省にこれを一切預けて、もう帳消しにしてもらう。そういうことでもしないととても再建策は難しい。そして、今言いましたように森林事業の重要性にかんがみまして、国土防衛的な立場で予算をとっていかないとだめだ、こう思いますので、こういうことをひとつ大臣に要望しておきます。
 次に、国有林野事業の事業実行形態のあり方についてお尋ねいたします。
 国有林野事業は、これまで国土保全、水資源の涵養、自然保護等の公益的機能の発揮、木材の安定供給、地域振興など、国民生活及び国民経済上で重要な使命を果たしてきたところであります。
 また、経営改善に当たり、組織機構の簡素化、合理化については、五営林局の支局化、三十五署の統廃合、四百八十六担当区事務所の統廃合、六百三十七事業所の統廃合を行うとともに、要員規模については昭和五十三年当初の約六万五千人から、平成元年度末の三万四千人まで縮小したのであります。これらの実績は、官業においてはかつてない記録ではないかと思います。国有林野の労使の血のにじむような努力には心から敬意を表します。
 しかしながら、要員規模については、今回の改善措置では、平成五年度には二万人規模とすることとなっております。本来であれば、二十一世紀に向けてのよりよい森林造成、林業諸事業等を行うためにはどれだけの要員と機械装備、設備等が必要かという観点から、適正規模の要員数がはじき出されるべきなのであります。しかし、国有林野の場合は、財政的な事情によって改善計画が立てられて要員数がはじき出されているわけでございますから、本末転倒と思います。
 いずれにいたしましても、平成五年度には二万人規模にするということでありますが、このような状況では、これまでと同じような体制で事業を実行していくことは困難ではないかと考えております。
 このように要員が縮減していく中で、今後の国有林野事業をどのような形態で実行していく考えなのか、また組織機構のあり方については国有林野事業の果たすべき国土保全、水資源の涵養、自然保護等の公益的機能発揮、林産物の安定的供給、農山村地域の振興など国民生活及び国民経済の上での重要な使命を十全に発揮することを第一として検討する必要があり、今後さらに営林署、担当区事務所の組織を三分の一も縮減するということは、国有林野事業の使命を果たす上で本当に支障がないのか心配されますので、この点をお伺いいたします。
#124
○小澤政府委員 要員の縮減問題と組織機構の簡素化と、二点について触れられておられるわけでございます。
 まず、要員の縮減問題でございますけれども、平成五年度末二万人という目標を立てておるわけでございますけれども、しかし、同時に国有林野事業に課せられました使命を果たしていかなければならないということは、私どもも十分認識はしているわけでございます。そのような中で、やはり経営が健全化いたしませんことには本来の使命を達成できないという状況を考えまして、諸般の改善努力を行わなければならないということを御理解いただきたいわけでございますが、このような中で事業の実行が着実に行われることが必要でございますので、この点につきましては、森林組合でございますとか素材生産業者等、これらの方方に背負っていただくということが出てまいるわけでございますために、これらの事業者にひとつ強化策ということもお願いしなければなりません。当然私どもも、この点につきましていろいろ我が国の林業全体の活性化という中でも対応をしていくわけでございますが、そのように強化策を講じまして、森林の施業なり国有林事業が着実に行われるということが必要だと考えております。
 なお、森林の調査等、国有林野の管理経営上直用で行うべき業務につきましては、必要最小限のものにつきまして、しっかりとまたやっていくということを考えているわけでございます。このような方策をとりまして、要員縮減の中ではございますけれども、事業の着実な実行を図ってまいりたいというように考えております。
 なお、組織につきまして、営林署等三分の一の縮減ということを考える必要がございますけれども、これにつきましては、やはり国有林野事業の使命が十全に果たされるように考える必要がございまして、そのためにはこのような組織の簡素化を行う場合におきましても、いろいろと財政措置も講じながら合理化に努めていく考えでございます。
 そこで、この組織機構の簡素化を行います場合には、営林署につきましては、この徹底した見直しを行う際に、必要に応じまして特定の業務を行うセンター組織に改組をするなど、簡素化、合理化を図ってまいる考えでございます。
 また、この際、事務の簡素化を行いますと同時に、現場における事業につきましては、この重要性にかんがみまして機動力の向上を図るというような措置を講じまして、緑資源の確保あるいは国土の保全等の公益的機能の発揮に支障がないように、また、国有林野事業の使命達成に遺憾のないように万全を尽くしてまいりたいと考えております。
#125
○菅原委員 今質問いたしました心配されるような事項につきましても、大臣は、労務管理も十分正常化しているのでありますから、体を張って林野庁を守る、そういう意気込みで当たっていただきたいと要望いたします。
 次に、事業実行形態が、これまでの直営直用形態から民間事業体での請負事業形態に移行することについてですが、国有林野における請負事業量の推移を見ますと、素材生産量では昭和五十三年度の百十七万立方メートルから、平成元年には約三〇%増となっております。地ごしらえ、植えつけ、下刈り等の造林請負量は約三分の一に減少しているわけであります。
 と同時に、問題は、これまで林野庁として真剣に請負事業体の育成強化にどれだけの努力をしてきたのかという懸念も払拭できません。例えば森林組合の作業班の年齢階層を見ますと、六十歳以上が三〇%、五十歳以上は七一%を占め、まさに高齢化が国有林野以上に進んでいるわけであります。さらに民間企業体と申しましても、相当数の企業は零細企業であると思います。国有林野からの請負事業を恒常的に受けられるかどうか、これも甚だ疑問に思われます。この点についてどのように実態を把握され、今後どのように対応するのかお伺いいたします。
#126
○小澤政府委員 国有林の事業につきましては、逐次造林あるいは伐採等につきまして請負化を進めてきたところでございます。この場合に、請負事業体の中核をなします森林組合でございますとかあるいは素材生産業でございますが、これらの事業体につきましても、高齢化等が進んでおるわけでございます。私どもはこの国有林における、国有林の事業を担っていただきます事業体につきましては登録制度をとっておりますけれども、これらを整備いたしまして諸措置を講じ、事業体の強化策というものを重要な点であると考えております。
 しかしながら現状を見ますと、経営基盤の脆弱なものもございますし、あるいはまた労働条件の不備なものも見受けられるわけでございます。対応策といたしましては、協業化でございますとかあるいは事業体の合併等の体質強化策を講ずる必要がございますし、また、雇用の長期化と月給制等安定した賃金水準の確保、あるいはまた社会保険等の完備、定休日の設定等の就労条件の改善を図る必要がございます。さらにまた機械化の推進によります生産性の向上、あるいは重筋労働の軽減の実現が重要な課題になっておるわけでございます。
 このために、一般林政施策の展開と連動いたしまして、登録制度や地元工場制度など、あるいはまた木材販売制度の活用を図りながら、計画的、安定的な事業の発注や販売、さらにはまた緑化用の樹木等、国有林野内の産物の販売、それからさらに森林レクリエーションなど国有林野事業関連事業のあっせんを行いますとか、あるいは社会保険加入の促進でございますなり、あるいはこれら定休日等の定着についての指導、啓蒙も行う必要がございますし、さらにまた高性能機械の導入が図られますように、ロットが安定的に確保されなければならないという状況もございますので、これらを含めまして事業体が安定的に仕事ができるような諸措置を講じてまいりたい。また、新たな林業事業体ができるというような事例あるいは機運もございますが、これらにつきましては、支援も含めまして育成整備に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#127
○菅原委員 いずれにいたしましても、林産企業の近代化、合理化、機械化、あらゆる若者に魅力ある企業体づくりに努力いたしませんと、全くこの人手不足は今後深刻でございますので、この点に十分留意されながら対応していっていただきたいことを望み、次に移ります。
 特別給付金について、定員外職員に限定しているようでありますが、定員内外を問わず、退職による効果、事業収支の改善への寄与ということでは全く同等と考えられます。また、職員として長年にわたって国有林野事業に貢献してきたという点でも同様であります。このようなことからすれば、政府案のように定員外に限定せずに、定員内も含めて支給の対象とすべきと考えますが、御意見をお伺いします。
 また、改善期間内における職員の処遇改善、職場環境についてもお尋ねしますが、組織機構の再編や統廃合、要員規模の縮小は職員の労働密度を増大すると思います。林業労働は他産業は比べ、労働の安全性、就労の安全性の面では多くのハンディを背負っており、賃金水準、社会保険等についても立ちおくれているのであります。
 国有林野の改善に当たっては今まで以上の職員の協力が必要となるわけでありますが、例えば一般公務員との賃金格差約二万九千円の是正、その実態把握、その対策を初め、処遇面での多くの改善措置並びに職場環境改善の目標なども設定されていると思いますが、具体的にどのように対処される方針なのか、お伺いいたします。
#128
○小澤政府委員 今回、まず退職に伴います特別給付金でございますけれども、これを定員外の職員に限定しております理由でございますけれども、定員外職員につきましては地元志向が強いということがございます。また、民間企業への再就職が進まないということ等から、定年前の退職が容易に進まないという実態にございます。それから定員内職員には省庁間配転等の措置が適用されるわけでございますけれども、定員外につきましてはこの制度はございませんというような状況から、特別給付金支給の制度を今回開かせていただいて、定員外職員につきましての退職促進措置を実施いたしたいということでございます。
 定員内職員につきましては、勧奨によります定年前の退職ですとか省庁間配転もございますし、これらの措置を通じて要員の調整もまた行っているところでございます。
 この種の特例的措置は、他の方策によっては達成が困難であるというような事情に応じて適用されるものでございます。したがいまして、極力限定した中で行われるということから今回の措置を考えているところでございます。
 それから職場環境等の改善の問題でございますけれども、職員の方々が生き生きと仕事をしていただくということは、やはり国有林野事業の経営の健全性を実現するためにもまさに重要なことでございます。このために、私どもといたしましては、職務意欲が向上されるように図ってまいりたいということでございます。
 このような観点から、いろいろ今までも職員の処遇の改善なり職場環境の改善には努めてきたところではございますけれども、今後における改善策といたしましては鋭意取り組んでいく必要があると考えておりますが、これらにつきましては組織、要員、財政等の諸事情を踏まえていく必要もございます。私どもとしては、先ほども御説明しましたように、現場の監督事務所等における機動力のある装備を行うとか、そのほか厚生施設なりあるいは士気の高揚が図られるような諸措置というものにつきましては、今後も鋭意努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
#129
○菅原委員 いずれにいたしましても、この特別給付金の配慮につきまして、ひとつ御検討をよろしくいただきたいと思います。
 以上、森林二法について何点かの質問をいたしましたが、国有林が大変な財政負担を抱えながらも我が国の森林・林業を国民のために立て直そうとする意気込みに対しましては心から敬意を表するとともに、国政の場にある我々も、枝葉末節を捨てて立派な森林行政を実現するために努力してまいりたいと思いますので、農林大臣初め、林野庁長官以下関係皆様のさらなる御健闘を期待いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
#130
○大原委員長 藤田スミ君。
#131
○藤田(ス)委員 今回の国有林野事業改善措置法の一部改正案と森林法改正案は、今地球的規模の環境破壊ということが非常に問題になっている、逆に言えばどれだけ今この世代で環境を保全するかということが非常に問われている、そのとき、我が国においてはどれだけ緑豊かな国土づくりに励んでいくかということが重要な使命になっています。日本の森林の三分の一を受け持つ国有林、その管理をする林野庁は、森林の破壊を防ぎ、国内のリゾート開発などの自然破壊を防止して、林業、木材産業を再建する、そういう重要な使命を負っていると思うのです。しかしながらこの二法案は、この国の責務を放棄することにつながりかねない、そういう内容のものだと私は考えています。したがって、質問に入る前ではありますけれども、私はこの二法案の徹底審議を強く要求をしておきたいと思います。
 まず、国有林野事業改善措置法の一部改正は、前の改正からわずか四年後の改正であります。前回の改正は償還金の財源に借入金を充てる、借金返済のための借金に道を開く大改悪でありました。我が党は前回の法改悪時に修正案を出しまして、その修正案の中で、政府の経営改善は山の荒廃に拍車をかけるとともに、借金残高を膨らませ、財政再建どころか経営の破局につながるものであると指摘をし、長期資金の債務については棚上げをし別途処理する、そのために要する財源は一般会計から繰り入れるなど四項目の修正を主張いたしました。大変残念ですが、事態は我が党の指摘したとおりになったわけであります。
 国有林野事業会計の収入に占める借入金の比率は、八六年の四一・九%から八九年の四八%まで高まり、そして支出における償還金の長期借入金利子の比率は、八六年の二九・六%から九〇年には実に三六・七%にまで占められるようになり、債務残高は、八六年の一兆五千百四十億円から九〇年には二兆二千五百十一億円にも上り、まさしく経営の破局状況になっていると考えるわけであります。したがって、前回のきちんとした総括が必ず必要であることは言うまでもありません。私は、今回この法案を出されるに当たって政府がどういう総括をされたのか、その点を大臣からお伺いしたいわけであります。
#132
○近藤国務大臣 大変な関係者の努力にもかかわらず、一日の利息は三億五千万を要するような膨大な借入金の累積債務に増大をしてまいりました。かねがね新たな財源を求めて努力をしてまいりましたし、水源税でありあるいは基金にであり、努力してまいりましたけれども、結果として一般会計の導入ということを考えざるを得なくなってきた今日、累積債務と経常事業をまず区分するということに、今回労使関係の話し合いの中でまとまったわけであります。
 しかし、経営形態もこのままでは将来また展望が開けませんので、流域単位に、国有林もあるいは民有林も流域一体化をして、上下流ともに一体化の経営の中でまた経営改善をするという、一つの大きな流域単位という政策を出したわけであります。
 一般会計の導入も、先輩たち大変苦労してようやくここにその日を迎えることができたわけでありますし、また経営について日常努力していただいておる皆さん方も、いつになっても自分たちの力で累積債務を解消するに至らない今日の状況では、働く意欲も失いつつあるということを実は心配をいたしておりました。そういうときに一つの前進をするこの二法案ではないか、そう思って提案をさせていただいておるわけであります。
#133
○藤田(ス)委員 私は、この法律案がそのまま実行に移されていったら必ずまた同じ道をたどっていくだろうと思うわけです。
 今回のこの法改正の最も注目すべき点は、先ほどの大臣の御説明にもありましたように、累積債務処理の経常事業部門からの区分であります。しかしこれは、我が党が主張しているような長期資金の債務については棚上げをし別途処理する、そのために要する財源は一般会計から繰り入れるというような内容になっているでしょうか。
 そこでお伺いをいたしますが、九一年度の予算をもとに見た場合、区分による債務処理部分の利子・償還金は二千二百六十六億円、これに対して債務処理部分の収入に当たる部分は林野・土地売り払い収入七百二十六億円、一般会計繰り入れ百億円、そして借換借入金四百二十億円。区分後の債務処理部分の歳入歳出は千二十億円の歳入不足になるわけです。本来この歳入不足部分を一般会計で処理することが、累積債務をつくった政府の責任の上からも、国有林の公益的機能を果たしていく上からも不可欠なはずであります。しかし政府はそれをしないで、不足分については経常事業部門の歳入から充当しようとしています。これでは区分は名ばかり、真の意味の累積債務処理にならないのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#134
○小澤政府委員 累積債務の処理方法につきましては、私ども平成二十二年度という目標を置きまして、経営の健全化とあわせまして債務処理を含めた収支均衡というものを考えておりますけれども、そこに至る道のりにおきまして、平成三年度の予算についても措置をしてまいりたいと考えているところでございます。
 平成三年度の処理につきましては、先生が今おっしゃいましたように、償還なり利子についてこれがすべて自己収入によって賄われているという状況には確かになっておらないわけでございますけれども、これにつきましては、林野・土地売り払い収入それから一般会計繰り入れ、こういうもののほかに、債務処理に充てるための借入金を行うことにいたしております。
 これにつきましては、借りかえというような措置をとりまして償還金の返済等に充てるわけでございますけれども、私どもは、こういうことを行う場合に経常事業部門への支障がないようにということを考えて措置をいたすわけでございまして、そのためにも区分ということを的確に行っていくようにしたいと思っておりまして、そういう意味で、経常事業部門と累積債務処理の部分につきまして、全体的にはバランスをとりまして収入、支出を考えてまいりたいとしているところでございます。
#135
○藤田(ス)委員 しかし、経常部門も借入金に頼っているところが大きいわけでありますから、先ほども言いましたが、私は新たな矛盾の始まりになるだけだと言わざるを得ません。
 今回の累積債務処理の最大の問題は、この累積債務処理に林野・土地売り払い収入を充てることです。このやり方は、国鉄の民営・分割の際にもとられた手法です。累積債務処理を名目に一層林野、土地売り払いを促進させていく、そういうやり方なんです。
 そこでお伺いいたしますが、国有林野事業が所管している土地資産は、八九年四月一日時点の見込み価額で幾らあり、そのうち売り払い可能資産はどのぐらいあるのか。また、林野のうち、都市周辺に所在する林野、孤立した小団地及び地域振興の用に供することが適切な林野の面積がどの程度あるのか。そして、今後の債務対策期間内に売り払い可能な林野は、面積、価額にしてどのぐらいあると想定されておられますか。
#136
○小澤政府委員 債務処理に充当いたしたいということで国有林野の見直しも行いまして、売り払い等の処分を行う林野について整理いたしておる状況でございますけれども、この評価そのものにつきましては、全体の評価ということになりますと、時価による評価を行いますためには個々の国有林野をそれぞれの立地条件や特性等に従いまして評価する必要がございまして、全国に広大に分布しております関係上、これをすべて評価するということは実務上困難な状況でございます。
 そこで、国有林野全体の評価額につきましては、国有財産法に従い作成しております国有財産台帳の価格によらざるを得ないと考えておるところでございます。この台帳価格によりますと、平成二年三月三十一日現在で、国有林野及び土地につきましては三千四百二十八億円というようになっておるわけでございます。
 ただし、今後売り払いを予定しております林野、土地につきましては具体的に洗い出しをする必要がありますので調査いたしているところでございますけれども、これにつきましては一兆二千億円程度と考えているところでございます。これは昨年の八月に売り払い可能な個別の林野、土地を念頭に置きまして、当該土地の具体的な特性でございますとか売り払い用途等を勘案いたしまして、概算の見積もりを行いまして求めた数値、金額でございます。
#137
○藤田(ス)委員 都市周辺に所在する林野、孤立した小団地及び地域振興の用に供することが適切な林野の面積は、どの程度あるのですか。
#138
○小澤政府委員 一兆二千億に相当しますものについては、林野面積十一万ヘクタールというように私ども調査いたしております。一兆二千億相当に対しましては、すべてで十二方へクタールということでございます。
 なお、都市近郊というふうにお話ございましたけれども、私ども平生の事業ではそのような観点からの土地区分を実はいたしておりませんので、この点につきましての数値は今お答えする資料を持っておらないところでございます。
#139
○藤田(ス)委員 私どもが独自に入手した資料を見ましても、土地資産七千四百億円のうちの四千億円が売り払い可能であり、林野については債務対策期間内に売り払い可能な林野は五万ヘクタールから十三万ヘクタール、価額にして五千億から八千億程度、こういうことになっておりまして、七八年から八九年までの十二年間に林野、土地で売った金額が五千四百九億円ですから、それの倍以上になるというふうに私どもは見ておりますけれども、そういうことですね。
#140
○小澤政府委員 ただいま先生お話しの数字は、私どもこれからの改善のために資産の売却処分等を行うために調査を昨年来いたしてまいったわけでございますけれども、そして最終的に一兆二千億円という積算をしておりますけれども、恐らく先生おっしゃった数字は作業途中での数字じゃないかと私思うわけでございます。
 先ほどお答えしましたように、今後の売却等の資産につきましては一兆二千億、なお林野につきまして十一万ヘクタールというふうに数字を固めてきたわけでございます。
#141
○藤田(ス)委員 作業途中であっても否定されなたかったので、私はそういうふうに理解をしておきたいと思います。
 林野の売り払い方針についても、住宅用地として都市周辺に所在する林地、林野を売り払う、そういうことになっているのでしょう。そして、そのことは都市住民にとって大変なことなんですよ。都市周辺の国有林というのはまさに貴重な緑であります。災害防止の上からも、酸素供給源という上からも、また都市環境上ゆるがせにすることもできないわけであります。
 先日、静岡県三島市の水害が急速な都市化によって、つまり農地や山林がなくなったために起こったのだ、こういうふうに報道されておりますが、保水力の点からいっても、森林は農地とともに、そして農地以上に重要な役割を持っています。それを国の失策によって累積債務が生じ、その後始末のために貴重な国有林野を売り払って、果ては都市環境に重大な影響を与える、都市近郊の森林もまた住宅用地などに供していくというのはとんでもないやり方なのです。しかも、林野庁が打ち出している森林都市整備構想もその一環だというふうに言われておりますが、全体的な都市開発の環境への影響の中で考えるべきであって、安易な開発は行ってはならないというふうに考えますが、その点はどうお考えですか。
#142
○小澤政府委員 先生がただいま御指摘されました土地の利用と環境の保全の問題でございますけれども、私どもも森林の経営管理を行う仕事をさせていただいておるわけでございますけれども、森林の環境を守るということは大変重要なことでございますし、また、今後、土地あるいは森林の利用を行います際にも、環境につきましては十分配慮してまいりたいというのが基本的な姿勢でございます。
 その中で、今回売り払い等を考えております林野につきまして御説明を申し上げますと、そもそも売り払い等の対象にしようとしております林野につきましては、本来国有林の使命を達成するために必要なものはもちろん除いて考えたいということが第一点でございます。そして、それらの森林以外の林野でございまして、まさに都市の近郊に所在する林野でございますとか、あるいは孤立小団地の林野等を対象に考えてまいりたいということでございます。
 それからまた、売り払いに当たりましては、当然国土の有効利用の観点でございますとか、あるいは地域振興等の観点からこれらの必要性というものがあるわけでございまして、この観点からは、公用とか公共用に使うものを優先してまいりたいということでございますし、そして、そのような中で、緑豊かな居住空間や森林公園の設置等の社会的要請というものを考えて対応していきたいわけでございまして、その際には自然環境の保全に十分留意をしたいというように思っております。
 それから、売り払いに当たりましては、地元市町村等の公的土地利用計画等との調整を図りますし、また、事前に利用計画や事業計画等の提示も求めまして、林地開発許可基準に基づきまして審査を行うというようなことから、環境の保全等十分配慮してまいりたいと考えているのでございます。
 それからなお、御指摘ございました森林都市構想でございますが、これにつきましては適切な国土利用の面から、やはり居住空間を欲しいとおっしゃる方、大変多うございますから、このようなことを考えまして、環境のよい居住空間を提供したいというようなことで、学識者等の御意見を十分いただきながら進めてまいりたいということでございます。
#143
○藤田(ス)委員 御答弁は簡潔に願います、時間が限られておりますので。
 今の答弁を聞いていたら、これは林野庁、農水省の委員会でやっているのかな、建設省かなと思いますよ。とんでもありませんよ、そういう考え方。あなた方は森林を守る、緑を守るということを使命にしているのでしょう。そのことだけ申し上げて、次に行きます。
 今回の法改正の前提である林政審答申では、森林の機能類型に応じた管理経営の導入を打ち出しているわけですが、これがまた非常にわかりにくい。森林機能類型として考えた国土保全林、自然維持林、森林空間利用林、木材生産林の四タイプに森林を分けて、その類型ごとに営林署の統廃合や売り払い林野などを考えていく、こういうことなんですが、森林というのはそんなに簡単に分けられるものじゃない。一つの森林にも国土保全的機能もあり、木材生産機能もあり、そういう複合的なさまざまな機能を持っているのが普通であって、それを重立った機能で割り切ってしまうのは、私は問題だというふうに考えています。特に、それに基づく管理経営を打ち出すということは、森林の荒廃や売り払い促進に結びつくのではないかというふうに考えますが、大臣にお答えいただきたいのです。基本的な問題です。
#144
○小澤政府委員 機能類型につきましては、今までの経緯もございますので、私の方から御説明をさせていただきたいのでございます。
 もともとこの機能類型区分というような作業を行いますきっかけになりましたのが、森林にはもちろん先生がおっしゃいますようにいろいろな機能がございますし、それがしかも重なり合っているということは事実でございますが、しかしながら国有林の経営につきまして、公益的な機能と木材生産というような機能が混合して処理されている、そこのところを見直さないとなかなか国有林の経営の改善もしっかり進まないじゃないかという従来の御指摘もございまして、その中で林政審議会にも十分御論議をいただきまして、今のような類型区分をやってまいったということでございますので、このような点に立脚をいたしまして、今後は、施業管理なり経営の体制を整えてまいりたいとしているのでございます。
#145
○藤田(ス)委員 説明を聞いているんじゃないのです。どうぞ私の質問に答えてほしいのです。私は、これが森林の荒廃、売り払いの促進と結びついてしまうんじゃないか、そういうことを非常に危倶しているから質問をしているのです。また説明をされたらたまりませんので、次の質問とあわせてお伺いをしていきたいと思います。
 この森林の機能類型に基づいた管理経営の導入と関連性のあるのが、事業実行形態の問題であります。今回の国有林野事業経営改善大綱でも「森林調査等国有林野の管理経営上直ようで行うべき必要最小限の業務を除き、請負化等により事業の民間実行を徹底する。」こういうふうに書いてあります。これは、戦後国有林の経営史上初めて直営直用の方式を否定する、そういう方針を打ち出し、そして現業部門の民営化を図るもの、そういうふうに言わざるを得ません。
 たしか前回の法改正に基づいてつくられた国有林野事業改善計画においては、「直よう事業は真にそれにふさわしい業務に特化していくこととする。」こういうふうに言われて、「各種森林調査」など「請負になじみ難いもの」、それから「保育間伐や天然更新の補助作業等のうち高度な技術的判断を要する作業」など「直ようで実行する方が有利な業務」、「林業技術の開発・実用化」など「総じて民有林に対しても先導的・模範的となり得る業務」、この三点については直用として特化していく、こういうふうになったわけです。
 あれからわずか四年間です。今回は森林調査などに限定する、そういうふうに言って、本当にこれだけが直用なんだよと四年前に言っていた、それまでも民営化していって、直用でやった方が有利なものもやめてしまう。そして民有林に対して先導的、模範的な役割を果たすべきものも林野庁がやめてしまう。これはまさに現場部門の民営化ではありませんか。
 現場からは、それこそ枝打ちをする規定になっているところでさえも人がいない、間伐をする人もいない、四国の山は保育、間伐をしないと山にならないのに半分しかやられていないんだ、そういう深刻な声が出ているのです。一体、民営化路線でこのような現場の声にこたえられるとでもお考えなんでしょうか。
#146
○小澤政府委員 今回のいわゆる国有林野事業の現場部門の業務の問題でございますけれども、この問題につきましては、林政審議会におきましてもいろいろな角度から御審議をいただいたわけでございます。そして、これからの国有林野事業の経営の改善合理化に当たりましては、改善合理化が進められるように事業実行形態につきまして総合的に見直しを行うことといたしたところであります。
 その中で、森林調査等国有林野の管理経営上直用で行うべき必要最小限の業務を除きまして、請負化等により民間実行を徹底することとしたいと考えているところでございます。このために、直用事業の特化の問題でございますが、この点につきましては、この考え方に基づきまして見直しを行うこととしているところでございます。
#147
○藤田(ス)委員 もう一つ、その中で営林署を三分の一程度に統廃合する、担当区事務所についても三分の一程度を統廃合する、事業所については必要な治山事業を除いて廃止する、そういう方針を明らかにしていらっしゃいますね。これもまた大変な合理化です。
 大臣、国有林にとってもこれは大変なことですが、営林署だとか担当区事務所だとか事業所を抱えている地方自治体にとって、これは深刻な問題になるんです。営林署などがあるところは過疎地域の非常に多いところです。したがって、その地域には営林署、役所、農協しかないというのが一般的な姿になっていると思います。
 例えば高知の柳瀬営林署では、村の人口が千五百人。その中で営林署の職員は二百人。したがって、家族を入れると営林署職員に関係する人々は千五百人中の大体五百人ぐらいはいる、そういうことになるわけです。ここの村は歴代、営林署にかかわった方が村長さんを務めるというほど非常にかかわりの深いところでした。その営林署がなくなれば村そのものが成り立たない、そういうことになるわけです。我が党の山原健二郎衆議院議員もこの地元におりまして、大変そのことを心配しているわけですが、こういうようなところは、つまり営林署がなくなって、もういよいよ村そのものがなくなってしまう、成り立たなくなるというようなところは、一体どういうふうにされるおつもりですか、大臣に、お聞かせください。
#148
○近藤国務大臣 合理化をしていくことは、今やらなければならない大事な仕事でもあります。あわせて、組合の皆さん方から、現場で働きながら定員縮減も御協力をいただかなければなりませんし、定員縮減を行うことがまた組織のある程度の統合にもつながっていくわけでありますけれども、今先生おっしゃられるような心配を私もしておりますので、地方自治体とよく相談をしながら、意見を聞きながら反映をしていくように、統合は進めていただくよう事務当局に指示をいたしておるところであります。
#149
○藤田(ス)委員 地方自治体が相談を受けてもこれにこたえることはできないでしょう。営林署はもう廃止しないでもらいたい、そういうふうになれば、それじゃ営林署は廃止しない、そういうことになるんでしょうか。それならいいんですよ。地方自治体の意見を聞いて、それはやめてほしいと言ったら、やっぱりその村が成り立たなくなったらいかぬということでもう廃止をしないということならとっても結構なことだというふうに私は思うんです。そしてまた、一体、その自治体に相談をして、果たしてその相談だけで過疎地帯の村に影響がなくなってしまう、そういうふうに確信を持って言うことができるでしょうか。
#150
○近藤国務大臣 予測をすることはいかがかと思いますけれども、営林署を廃止してくれというところはどこも出てこないんだろう、こう思います。しかしまた、国有林は国有林としての機能と役割というものが一面ではあるわけでありますから、過疎対策について営林署だけで過疎対策を片づけるというわけにもまいりませんし、またそのことによって地域が激減、変化をするということも、私たち山村を大切にしていかなきゃならぬ立場でもございますので、よくその地方自治体と相談をして、お互いが理解をしながら組織の統合は進めていきたい、そう考えて、実は指示をいたしておるわけであります。
#151
○藤田(ス)委員 大変苦しい御答弁をいただきました。
 この事業実行形態と二万人体制とは、これまた不可分のものであります。このような過疎地域に深刻な影響を与えながら二万人体制が実行されようとしていることを指摘せざるを得ません。
 国鉄の民営・分割のときにとられたその同じ手法で、今回特別給付金の支給という形をとって強引な勧奨退職を進めようとしておられるわけですが、これも許すことができないということを言わざるを得ません。九三年度末までに二万人規模というのは、これは大変な大規模合理化であります。皆さんの出された見通しを見ましても、また私どもの持っております資料を見ましても、新規採用を見込まず退職者の実績見通しをもとにしたもので、九三年度末で在籍職員数は二万三千人とあります。この特別給付金で千五百人、省庁間の転換で実績を見ると六百人、まだあと九百人退職を進めることにしなければ二万人体制ということにならないんです。まさに血も涙もない合理化計画ではありませんか。どうなんですか。
#152
○小澤政府委員 先生おっしゃいますように、平成五年度末二万人という目標、なかなか厳しいものがあることは事実でございます。
 しかしながら、そのような目標の達成を図らないということになりますと、一方で国有林全体の経営の健全化というものも進まないというように考えております。私どもとしては速やかに国有林の健全化を図りまして、そしてこの国有林が地域の活性化にも貢献していくようにと考えておりますので、職員の理解も得ながら進めてまいりたいというように考えているところでございまして、その目標達成のためにいろいろな措置を講じますが、そのために特別給付金の支給ということもございますし、また省庁間の配転やらその他の措置を含めまして目標の達成を図ってまいりたいと考えておりまして、この点御理解をいただきたいと思うのでございます。
#153
○藤田(ス)委員 私は今、数字で見ていくと二万三千人、これを特別給付金で千五百人、省庁転換で実績をもとに見ると六百人、あとまだ九百人が残っていくじゃないか。その退職を進めるということにしなければ二万人体制にならないじゃないか。その九百人はどうするのか。その他の措置というお言葉の中に入っているのかもしれません。その他の措置というのはどういう措置なんですか。
#154
○小澤政府委員 どこへ何人というところまで明確にしているわけじゃございませんけれども、今回の森林法改正の中でも活性化問題を考えておりますし、あるいは林業の担い手対策につきましても、いろいろな角度から施策の展開を図ってまいりたいというように思っておりますけれども、林業全体を通じて見ますと、やはり担い手というのも不足しているという状況も実はございます。そのような中で、事業体等の育成強化策も通じまして、国有林の職員の円滑な、また職場といいますか、そういうものとつないでまいりたい、私ども、このように思っているところでございます。
#155
○藤田(ス)委員 結局、それは退職を迫るということになるんですね。
#156
○小澤政府委員 迫るということではございません。やはりこの問題は各個々人の意思という問題もございますから、本人の希望なりそういう意思なりを当然尊重して、その上でのお話でございます。
#157
○藤田(ス)委員 特別給付金の対象にもならない、そして退職を迫る、本人の意思と言うけれども、そういうことじゃありませんか。
 私は、ここで大臣にぜひ悲痛な現場からの声を聞いてもらいたいと思うのです。私は、この質問に当たっていろいろな人に会いました。そして、その声はうめき声にも似た声だと思うから、ここでその言葉だけは聞いていただきたいと思うのです。
 「森林組合には、高齢者しかいない。山に入って、木を切る人もいない。営林署でもことし十何人やめていっても補充をしない。このままではすぐ一万八千人になってしまう。」「国有林の班は今九人いるが、五年したら三人しか残らない。」危険、きつく、汚い、この「三Kで給料も低い。森林組合はもっと給与が低い、そしてきつい。十五年から二十年後には、仕事をする人がいなくなる。木を切る技術の継承ができなくなる。人をいっぱい採用してほしい。」「後継者をつくらないと大変である。」「十年前は、職員は百名を超していたが、今は五十数名で、定年者を入れると五十名を切る。国有林は奥山が多く、若い人がいない。人員募集をしても、来て一、二名、それも六十歳ぐらいの人たちである。何としても国有林で若い人を採用しないと、これは大変なことになる。」「職場に入って十四年目、新しい仲間の歓迎会をやったことはない。平均年齢は五十歳で、毎年送別会をしている。厳しい労働条件で働かなければならない。改善計画は、合理化に次ぐ合理化。職場に魅力がなく、若い人も退職して、独身寮もほとんど廃止している。」私は、こういう話を聞いたときに、本当に涙の出る思いがいたしました。
 あなた方の二万人体制の推進が職場をどういうふうにしているか、そのことはたったこれだけの御紹介で十分御理解をいただけないかもしれません。しかし、私は、この計画は直ちに中止をするべきだ、そして新規採用を根本的に見直し、職場をもっと活気あるものにしなければ日本の山が守れなくなる、そういうふうに言わざるを得ないわけです。大臣、いかがですか。
#158
○近藤国務大臣 山全体で、今後継者が不足をしておるような状況でもございますし、一方では累積債務を抱えて今日まで人員の縮減の中で御苦労していただいておる人たちに本当に感謝をいたしているわけであります。
 それゆえに、累積債務を区分をすることによって経営の改善を図りながら、また、人員の縮減をすることにあっては労働環境をよくしていくことに、一方我々は努めていかなければならない。今お手紙を読んでいただいたわけでございまして、私も心を痛めながら、そこに留意をして仕事を進めていきたい、そう思っております。
#159
○藤田(ス)委員 国有林野の特性から、私どもは、公共性の発揮に必要な財源は国の一般財源を繰り入れるという原則に立つべきだということを何度も主張してまいりました。
 前回の修正のときにも、私どもは、国有林野事業特別会計に公共勘定を創設し、そして保安林等の山づくりに必要な財源については一般会計から繰り入れるという考えを明らかにしました。きょうは、私はその中で、今回の法改正にはありませんが、造林・林道開設等に要する費用について民有林並みの助成を進めようとしておられますが、その上に、禁伐補償や保安林林道など、民有林制度で国有林野事業に繰り入れられていないものを繰り入れていくべきだ、そういうふうに考えますが、いかがでしょうか。
#160
○小澤政府委員 一般会計からの繰り入れにつきましては、国有林の中におきましても、その公益機能の発揮のためというような観点からの措置を講じてまいったわけでございます。平成三年度予算におきましては、造林・林道等の開設に要する費用につきまして繰り入れ対象を拡大いたすということも考えておりますし、さらに新たな繰り入れ措置を講じようとしているところでございます。
 なお、今御指摘ございました保安林の指定等に伴う施業制限に関連する問題でございますけれども、この点につきましては、国有林自体が公益機能を高度に発揮しなければならないという義務を持っていると思いますので、そのようなことから、国有林がこの面での損失補償を求めることは難しいことではないかと思っております。したがいまして、国有林につきましては、今まで、あるいはまたこれから措置をしようとしております一般会計からの繰り入れにつきまして、今後拡充にもまた努力してまいりたいと考えているところでございます。
#161
○藤田(ス)委員 そうすると、保安林の林道の方は、民間とそして国の方と一体のものとして考える、そういうことですね。そして禁伐補償の方はやらない、そういうことですか。やるのですかやらないのですか、将来。
#162
○小澤政府委員 林道、造林等につきましては、民有林並びということを考えてまいりたいということでございます。
 保安林の禁伐林につきましては、これは実は現在補償制度を民有林について動かしておりますけれども、これも内容を細かく申し上げますと、すべてについて行うのじゃなくて、一定の条件を満たすものについて行っているということもございますので、国有林の保安林の禁伐規制につきましては補償を求めるという考えを持っていないのでございます。
#163
○藤田(ス)委員 禁伐補償はやらない、そういうお答えでございましたが、これはぜひともやらなければならない。それは、切れば収入になるものを切らずに、その分補てんをしていくという物の考え方から民有林もやっているわけですから。したがって、本当に山を守っていくという立場に立ったら、これはどうしても行うべきであります。やらないということはとんでもありません。
 最後になりますが、山小屋の地代の問題で一点だけお伺いして終わりたいと思います。
 御承知のとおり、山小屋というのは登山道の整備だとかあるいは遭難をしたときに救助するとかあるいは診療所を開設して病気の人を手当てしていくとか、そういう点では非常に公共性の高いものになっています。しかし、それはボランティア活動ともいうような仕事をしておられる山小屋の皆さんによって行われているわけです。だから私は、本来国がそういう公共性に準じた補助措置をしてもいいくらいだというふうに思うのです。第一、営林署の職員の方もパトロールのときには大変安いお値段で厄介になっている。また、環境庁だとか県警の皆さんのパトロールのときにもお世話をかけている、そういう山小屋なんです。
 ところが林野庁は、山小屋の借地料の算定基準について、これまでの地価基準方式から、アメリカの制度を参考にして、前年度の売上高と設備投資額基準に変更したわけです。当時、長野、富山、岐阜三県の山小屋組合が、納得できないと反対をしました。それは当然のことです。スキー場のリフトや平地の旅館とは全然わけが違う。ところが、地代算定のために、営業実績報告書の提出は営業上のプライバシーの侵害にかかわるにもかかわらず、営業実績報告書を出せ、こういうことでそれが法律に基づかずに行われているわけでありますから、これはもう憲法三十一条に照らしても全く反する行為だと言わなければなりません。
 私は今、伊藤正一さんという方が富山の営林署長と大町営林署長を相手取って行政訴訟を起こしていらっしゃるというふうに聞いておりますが、この憲法解釈については最高裁判所まで法廷闘争で闘っていくんだ、こういうふうにも言っておられます。しかし、これはもう林野庁の方がこういうふうな地代の請求措置は一刻も早く撤回をすることだ、そうでないと山男だって、このごろ山女もおりますが、登山家の皆さんだってとてもこのことを心配しているのです。どうしてもこれは裁判をしなくてもいいように、林野庁は態度を改めるべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。
#164
○小澤政府委員 国有林野を貸し付けます場合の措置の仕方でございますけれども、一般的には近傍類地の地価なり、あるいはいろいろ事例がございますから、とれるところにつきましてはそのような定額方式と申しますか適用しているのでございますけれども、山小屋のようなものは山のてっぺんにこうありまして、隣近所に似たような事例がもちろんございません。このような場合につきましての措置につきましては、他にも事例もございまして、また我々といたしましても実態調査もかつていたしましたり、また同時に学識経験者の御意見も十分にお聞きしまして、いわゆる事業の収益を基礎とする使用料の方式を採用いたしているわけでございます。
 したがいまして、そのような中での措置ということで御理解をいただきたいわけでございますけれども、このような方式をとります場合にも、急激な使用料の増加というものを防ぐために調整措置も講じているところでございます。
 山小屋の使用料の年額につきまして申し上げますと、平成元年度では一軒当たり約十七万円の年間貸付料、使用料になっておりまして、売上高との割合で見ますと約一%というように私ども考えてございます。
 営業実績報告書の提出ということを求めておりますけれども、これは必要最小限度の措置ということで認められている措置と我々考えているところでございます。
#165
○藤田(ス)委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、納得はできません。
 また、きょうは森林法の質疑を行うことができなくて、その点からも徹底審議をお願いして終わりたいと思います。
#166
○大原委員長 阿部昭吾君。
#167
○阿部(昭)委員 若干お尋ねをしたいと思います。
 近藤大臣、実は私は大臣の隣の県でありますから、新潟県の林業の状況も私の山形県も、またその隣の林業では非常に先駆的な歴史を持っております秋田の姿なども、私ども長い間目の当たりにしてまいったわけであります。
 そこで、今もいろいろございましたけれども、私は、最近山元で何が起こっておるか。山をやろうという若い方々はどんどん減っていくのである。これは民間のみならず国有林の場合でも、私はこの何十年間農山村を駆けめぐってまいりましたけれども、国有林の側もどんどん人が減ってくる。これは国有林だけじゃない、民有林の方もどんどん人が減っていくのである。
 それでは一方、翻って平場の農業のように、林業とまた違う、農業の方も大変ですけれども、ここでは機械化が相当進んでおるわけです。ところが、林業の方は機械化がそう簡単に進むか。いろいろなものは昔とは相当違う状況になっておるのですよ。けれども、日本の山というのは傾斜勾配が非常に多いのである。いろいろ林業先進国の林業の機械を日本に持ってこようといってもそう簡単にはまいらない。
 私はその意味で、今のこのままではいけないわけであります。いけないわけでありますが、何とかやらなければいかぬというので、林政審のお考えや林野庁も大変な努力をされて今度の問題を提起しておることは私よくわかるのですが、これで将来に本当に見通しがちゃんと立つのかということになると、私は実は立たないと思っているのであります。民間の方もどんどん手が抜けていくというふうに私は思っているのであります。
 今度の提案の中に実はこう書いてある。「「緑と水」の源泉である多様な森林の整備」、「国産材時代」を実現するための条件整備、こう言っていらっしゃるわけです。
 今全国でいうと、外材が大体七〇%、あるいは超えているのかもしれません。三〇%ぐらいが国産材。私の山形県でいうと、あんな山の多い県でさえも、山間地にある製材工場までが全部港に揚がってくる外材を引っ張っていって、そして製品にしてやっておるわけです。この外材の割合が七十何%です。地場産の原木というのは二十何%。これは私の県のみならず、全国どこでも今起こっておる状況なんです。
 この状況に、今度のこの提案のされ方で、考え方は私はわかるのですよ、わかるのですが、残念ながらこれでよしとは、これで事足りるとは絶対ならない。その最大の破綻はどこから来るかということになると、山をやる人がいなくなるということであります。二万人とかなんとか言っておりますけれども、二万人であれだけ膨大な国有林をちゃんと金になるようにやれるはずはない。民有の山もどんどん人が減っているのです。
 実は私、今から三十年余り前だと思います、山で伐採夫であるとか、あるいは集材をやっておるとか地ごしらえをやるとか植えつけをやるとかという皆さんは、特に民有林の場合は、例えば木の下敷きになったとか、けがをしたとか、あるいは雪崩でやられたとかいうことになりましても何の補償もありませんでした。労災制度の適用さえ、民有林の自分の山をやっておるのですからね。あるいは民有林で頼まれて働いておる伐採夫の皆さんも何の償いもない時代がございました。私は今から三十年近く前に、林業で働いておる皆さんを集めまして組織をつくった。林業者企業組合というもので、この企業組合というのは中小企業等協同組合法なんです。これでやって、ようやく労災制度くらいの適用をやらせたというのが三十年近い前であります。
 その当時、私のあの地域、二市十二町村、このあたりの区域内で林業者企業組合をつくりましたら三百人近くおった。あれから二十六、七年たちましたが、今何人山で働いておるかというと、百人いるかいないかなのですよ。六十七、八人しかいない。どんどん減っていって、さっきもお話がありましたが、次の若者は全然山なんか残りません。山に残ったら嫁の来手がいないのです。だから、うちは継がなければいかぬけれども、林業はやらない。みんな、こういうものを着て、近間の町の方に行って働きに出るという流れになっております。
 こういう意味で、私は、何とかこの状況を切り開かなければならぬと言って今度出しておられるわけはわかりますけれども、これで国有林はちゃんとやっていける、日本の民有の山もちゃんと見通しが立つというふうにお考えになっていらっしゃるとするならば、ちょっとずれていらっしゃるのではないかな。思いはわかりますよ、わかりますが、しかしこのような程度のことでは残念ながら山の見通しは立ってこない、こう思っているのですが、事足りると言うのであれば私もいろいろ言わなければいけませんけれども、お考え方をお聞きしたい。
#168
○近藤国務大臣 先生御指摘のような山の環境、私の地元も全く同じような状況でありますからよく理解をいたしておるわけであります。しかし今度の法改正は、何歩か前進したという理解だけはぜひしてほしいと思うわけであります。
 どちらかといえば、一つは、かねてから一般財源を導入するという懸案事項がようやくここで解決の兆しが見えてきた、もう一つは、流域体系をつくることによって、先生今御案内のように流域における川下のいわば木材製材業者、あるいは造林、育林をしておる川上、国有林、民有林を問わず一つの流域の体制の中でお互いが一つの仕事をしていこうという、今までは国有林は国有林、民有林は民有林というような形でそれぞれの立場で仕事をしておったものを流域体系にしたという出発点だ、こう理解をしていただければありがたいと思うわけであります。これで十分だとは全く私も考えてはいないので、そういう観点で今度の法案を御提出させていただいたわけであります。
 今お話しのように、後継者対策というのは、今三Kと言われるような状況の中で若い人たち、後継者はわずかで私もびっくりして、たった学卒二百人台だということでこれもまた大変数少ないので、大臣になってから改めてびっくりいたしておるわけでありますから、機械の開発をとにかく急げ、そしてまた女性の方が山に入らざるを得ない状況で、また入っていただいておるし、高齢者は、他産業に比較をするまでもなく非常に高齢化を実はいたしておるわけでありますし、そういう意味合いでは機械化を急ぎながら、機械が行くためにはやはり林道整備をする、作業場の環境をよくしていくということと、労働の条件、環境もあわせてよくしていかなきゃなりません。
 あわせて、今環境問題で山村というか山が非常に見直されておる、こういう時期でもありますし、ニーズも高まっておりますので、生活環境として何が不足をしておるかといえば、若い人たちにとっては都会的なサービスを受けられない、都市的サービスを受けられないというのが一つの弱点になっておるわけでありますので、そういうものを総合的に、村の景観から生活環境から、あわせて来年度予算に向けて私ども努力をしていきたい、そう思っておる。これを一つの新しい出発点にさせていただきたいと思って法案の御審議をいただいておるわけであります。
#169
○阿部(昭)委員 大臣のお考えになっておられるそれはよくわかりました。これは第一歩である、こういう意味でさらに進んでほしい。
 なぜ山元に若い人々が腰を据えようとしないかということでありますが、実は私の親類縁者の中に森林組合長などをやっておる者が何人かいるのであります。ところが、その子供たちは相当の山を持っていながらみんなサラリーマンになっているのですよ。なぜか。投資の期間が非常に長い。回収されるのは杉材などでも大体五十年あるいは五十五年。今五十五年先にならぬと金にならぬものに、しかもその間三十年間というのは本当に大変なんですよ。そんなことをやる人はいません。私も、昭和一けた人間は、あの戦後の大変なときに、戦争中に丸裸になった山をみんな植え込んだのです。今、この山がどんどん出てきておりますが、材積石数はまあまあなどと言っておりますけれども、いずれ数年後、この山みんなまた切り出さなければいけません。その後の植え込みなどできませんよ。機械や何かといっても、日本の山というのは外国と違う、勾配が違うのですから。そういう意味で、特に、投資する、返ってくるものは非常に長い、これを一体どうするか。途中段階で、投資に対して五十年間も返ってこないということに対してどういう手だてをしていくかということがないといけない。
 それから、例えば国有林の土地その他若干処分して累積赤字を埋め込んでいく、この考え方は間違いだなどという意見がありますが、これは、重要なところをみんな裸にしてはいけませんよ、都市近郊の物すごい公園のような、本当に市民が憩うているような場所や重要な場所を裸にするようなことはやってはいけない。しかし、当面の段階ではそれもやらなければいかぬ。
 ただ、国有林を見ますと、なぜ赤字になってきたかというのは、長い歴史的な経過の中で物すごく、民有林や山間地のいろいろな整備のために、これも全部林野庁でしょわなければならぬようなところまで長い間かぶってきたのですよ。そのしわが今寄っておる部分がたくさんある。したがって、今度は財政で、今までの考え方とは違うというところでいかなければならぬのは当然です。
 以上申し上げて、時間が参りましたので、特に五十年間しなければ金にならぬというものに山間地の若い人々はやろうなどという気を起こさぬ。この対策をぜひひとつ検討してもらいたい。私も幾つかの提案を持っております。以上申し上げます。
#170
○小澤政府委員 先生の御指摘、よく理解できます。
 いろいろな諸対策を講じていこうと思っておりますけれども、一点だけ申し上げておきますと、今回の森林法改正の中でも、そのように長期的な森林整備が必要だということと、そして、その森林がまた公益的な機能もあわせ持っているということにかんがみまして、今回は森林整備の投資計画も定めさせていただきたい。そのような公共的な投資というものも充実させまして、そして本当に森林を守り育てようと一生懸命に頑張っておられる方もこれまたおられますから、私ども何としてもこれらの方々を御支援申し上げつつ、今先生が申されました状況や対応してまいりたいと考えている次第でございます。
#171
○阿部(昭)委員 以上で終わります。
#172
○大原委員長 次回は、来る十二日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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