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#1
第120回国会 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号
本小委員会は平成三年二月十八日(月曜日)委員
会において、設置することに決した。
二月二十二日
 本小委員は委員長の指名で、次のとおり選任さ
 れた。
      浅野 勝人君    井奥 貞雄君
      尾身 幸次君    河村 建夫君
      萩山 教嚴君    前田  正君
      村井  仁君    柳本 卓治君
      仙谷 由人君    早川  勝君
      細谷 治通君    堀  昌雄君
      宮地 正介君    正森 成二君
      中井  洽君
二月二十二日
 尾身幸次君が委員長の指名で、小委員長に選任
 された。
──────────────────────
平成三年三月一日(金曜日)
    午後一時開議
 出席小委員
   小委員長 尾身 幸次君
      井奥 貞雄君    金子 一義君
      河村 建夫君    萩山 教嚴君
      前田  正君    村井  仁君
      柳本 卓治君    仙谷 由人君
      早川  勝君    細谷 治通君
      堀  昌雄君    日笠 勝之君
      正森 成二君    中井  洽君
 出席政府委員
        大蔵省証券局長 松野 允彦君
        大蔵省銀行局長 土田 正顕君
        大蔵省銀行局保
        険部長     竹内 克伸君
 小委員外の出席者
        大蔵委員長   平沼 赳夫君
        大 蔵 委 員 中村 正男君
        大 蔵 委 員 菅  直人君
        大蔵委員会調査
        室長      兵藤 廣治君
    ─────────────
三月一日
 小委員柳本卓治君二月二十七日委員辞任につき
 、その補欠として柳本卓治君が委員長の指名で
 小委員に選任された。
同日
 小委員浅野勝人君同日委員辞任につき、その補
 欠として金子一義君が委員長の指名で小委員に
 選任された。
同日
 小委員宮地正介君同日小委員辞任につき、その
 補欠として日笠勝之君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
同日
 小委員金子一義君同日委員辞任につき、その補
 欠として浅野勝人君が委員長の指名で小委員に
 選任された。
同日
 小委員日笠勝之君同日小委員辞任につき、その
 補欠として宮地正介君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 金融及び証券に関する件
     ────◇─────
#2
○尾身小委員長 これより金融及び証券に関する小委員会を開会いたします。
 金融及び証券に関する件について調査を進めます。
 まず、最近の金融・証券をめぐる諸問題について、政府当局から説明を聴取いたします。大蔵省土田銀行局長。
#3
○土田政府委員 本日の小委員会では、金融機関、ノンバンク等の融資動向とか、金融制度改革とかについて御討議があるものと承知しておりますので、これらの点につきまして銀行局から全般の情勢を御説明申し上げます。
 まず、現在、金融機関の経営をめぐり、御承知のようにさまざまな問題が生じておりますが、ここで、その背景及び私どもの考え方について申し上げたいと存じます。
 昭和六十年九月のプラザ合意以降急速に円高が進展する中で、それによる不況色を緩和し、国際的な政策協調を図りつつ内需主導型の経済構造への転換を図るため、一層の金融緩和政策がとられることになりました。その結果、日本経済は、物価の安定のもとで、六十二年度以降内需中心に実質五%程度の成長を達成し、対外不均衡是正の面でも着実に前進を見ました。
 こうした実体経済の動きは、金融機関の経営にも大きな影響を与えました。すなわち、もともと金融緩和期においては、借り手有利の状況になりますが、今回の緩和局面では、我が国の経済構造の転換に伴って、金融機関にとっての主な資金需要先が、輸出関連の製造業から内需関連の非製造業、サービス産業に移行するという変化が見られました。また、資金使途としては、従来型の設備投資資金などに加え、資産取引絡み、いわゆる不動産、財テク関連の資金需要がふえてまいりました。
 さらに、この間、預金金利の自由化を初めとする金融の自由化が本格化してきております。
 預金金利の自由化は、昭和六十年十月に十億円以上の大口定期預金について開始され、以来着実に進められております。また、内外資本市場の整備の結果、株価の上昇と相まって、企業の株式、社債などでの資金調達が活発化する一方、企業の短期資金調達手段として昭和六十二年にコマーシャルペーパーがスタートするなど、企業の資金調達手段の一層の多様化が図られてきております。
 こうした金融の自由化は、金融機関の資金調達コストの上昇や貸出先の縮小を通じて、金融機関の経営環境を構造的に厳しくする側面を有しております。このため、大手の金融機関は、国際業務の拡大といった業務の多様化とあわせ、本来業務である貸出分野においては、中堅、中小企業及び個人といったいわゆるリテール業務の強化を図り、その結果、中小金融機関を含めた貸出市場での競合が一層激化いたしました。
 そうした貸し出し競争激化の中で、金融機関の資金は、特に資金需要の強い分野、すなわち、先ほど申し上げた非製造業などに、また、資金使途としては不動産、財テクなどに向かいやすい状況にありました。また、こうした分野は、従来からいわゆるノンバンクたる貸金業者が得意としていた分野であり、ノンバンクを通じた資金の流れも拡大していった事実があります。
 ただ、それらの過程で、金融機関の公共性を問われるようなケースが幾つか発生したわけであります。
 すなわち、このような金融環境のもとにおきまして、金融機関の融資構造が急速に変化いたしましたため、金融機関が安定的な営業体制を立て直すいとまがないまま、安易に業容拡大、収益第一主義に向かいやすい状況にあったことも事実と思われます。
 このような背景のもとで、組織管理に欠陥があった一部の金融機関では、例えば住友銀行の元青葉台支店長の出資法違反容疑事件にも見られますように、不祥事件の発生を見るに至りました。また、営業姿勢の面につきましても、土地、株式、
あるいは最近特にマスコミで取り上げられている特定商社に対する銀行融資などについて種々の社会的批判を生じましたことは、銀行局としても承知しているところでありまして、大変遺憾に思っているところでございます。
 当局といたしましては、金融機関の基本的な業務運営のあり方や不祥事件の未然防止などに関して従来から指導に努め、また、不幸にして不祥事件など社会的批判を受けるような事態が生じた場合には、厳しい態度で臨んできたところでありますが、今後とも、金融機関が公共性の適切な発揮の実を上げて社会の期待にこたえ得るよう、引き続き厳正な指導及び深度ある検査に努めてまいる所存であります。
 ところで、こうした金融機関の経営環境につきましては、平成元年五月の公定歩合の第一次引き上げを契機に、金融政策が緩和から引き締めへと転換されるに及んでさらに一変しております。金利自由化後の引き締めということで、資金調達コストの急上昇に伴う利ざやの縮小により収益が圧迫されますとともに、昨年初来の株価の大幅な下落により、保有株式の評価損の発生あるいは含み益の減少、また、これに関連して、自己資本比率に関する国際統一基準、いわゆるBIS規制の自己資本比率が低下するという問題が生じております。
 もっとも、我が国の金融機関は、総体としては、なお過去の蓄積と豊かな経営資源に支えられており、国際金融上の混乱要因となるかのような懸念は全く無用であると考えておりますが、いずれにしても、このように経営環境がさらに厳しくなる中で、金融機関は、従来の経営姿勢を改め、劣後ローンの取り入れ等による自己資本の充実にあわせて、利ざや、信用リスクといった観点からの融資の選別化を図るなど、いわば量から質への経営の転換に今懸命に取り組んでいるところでありまして、当局としても、このような金融機関の前向きな努力を可能な限り支援したいと考えております。
 なお、金融機関、ノンバンク等によるいわゆる土地融資の問題についても御説明申し上げるべきところでありますが、時間の関係もあり、後刻に譲らせていただきます。
 ここで、金融自由化のもとにおける今後の金融行政に関し、銀行局として考えておりますところを申し述べさせていただきます。
 銀行は、銀行法第一条の目的規定に示されておりますように、経済活動の中枢を占める資金仲介機能の発揮という高い公共性と、私企業形態で経営され、創意工夫を発揮しつつ自己責任の原則のもとに営業活動を行うという私企業としての性格とをあわせ有しております。
 したがいまして、銀行行政に当たっての基本的考え方は、銀行の公共性と私企業としての自主性の尊重という二つの性格を調和させていくことであり、これは金融自由化のもとにおいても何ら変わるものではないと考えております。
 もっとも、金融機関も私企業である以上、収益の基盤が著しく損なわれる状況のもとでは、その業務の適正さを確保することは困難であります。経営基盤の維持を通じた金融機関の健全経営の確保は、信用秩序の維持、預金者保護といった観点からも求められるところであります。
 小口預金金利の自由化の進展に備えて、当局によるモニタリングの強化や金融機関の経営困難への対応策の整備といった、いわば自由化の環境整備を図ってまいりますが、それにとどまらず、金融経済構造の変化に伴う収益基盤の変化に合わせて、その器、すなわち、金融制度面についても見直していくことが必要ではないかと思います。
 ちなみに、米国において、現在金融システムの脆弱性が非常に問題となっております。最近の米国の金融機関破綻の直接の原因は、個々の金融機関における経営のずさんさにあると言われておりますが、企業の資金調達がコマーシャルペーパーや社債に移る中で、銀行の貸出先としては、債務累積国向けが困難な中で、LBOや不動産関連といったハイリスク分野に入り込まざるを得なかったという事情があるとも言われており、アメリカの財務省は、先般公表した金融制度改革に関するレポートの中で、「技術の進歩が金融業務に大きな進歩をもたらしているが、銀行は時代おくれの法制度に縛られている」として、銀行の安全性と競争力を高めるよう金融制度を改革することを提言しております。
 米国と我が国で事情は異なりますが、こうした基本的な考え方には大いに参考にし得るものがあると思われます。
 ここで、その金融制度見直しの問題について、やや個人的な意見をも交えながら付言したいと存じます。
 近年の経済構造の変化の中で、金融は今や資金余剰がその基調をなすに至っております。このような時代においては、金融機関の業務範囲を縦割りに厳しく区分けすることの意義は薄れてきたと言わざるを得ないと考えております。
 また、金融の証券化、機械化が進展する中で、各業態において種々の新規業務や新商品の開発がなされておりますが、銀行業務や証券業務などが法律上分離されている現行制度のもとでは、その都度、担い手をめぐり銀行、証券会社などの間の調整に多くの時間と労力を要しているのが現状であります。
 この結果、金融界がいわゆる業際問題のみに明け暮れしているかのような印象を世上に持たれているとすれば、それは大変残念なことでありまして、戦後四十年余の経験と変化の跡を顧みつつ、銀行業務、信託業務、証券業務等各種金融業務間の相互参入を基本とする早急な制度改革を行い、このような問題の解決を図る必要があると考えております。
 一方、欧米におきましても、米国では逐次、銀行の業務範囲の緩和が行われてきております。これに加え、先般、財務省より現行の銀行、証券分離制度の見直しを含む金融制度改革案が発表されるなど、金融制度改革論議が活発化してきております。
 また、EC諸国においては、一九九三年一月に発効するEC第二次銀行指令に基づき、ユニバーサルバンキングを前提とした広範な業務範囲の設定が行われるものと思われます。
 このように金融の自由化は世界的な潮流となっており、我が国の金融制度を考えるに当たっても、国際性の観点から、これら諸外国の動向に合わせて、諸外国と整合性のとれた制度とする必要があります。
 我が国の金融制度の今後のあり方については、昭和六十年以降金融制度調査会において審議が続けられており、最近では、平成二年七月に設置された制度問題専門委員会におきまして、相互参入の具体的範囲と形態に関する基本的考え方についての審議が行われているところであります。ここでは、各金融機関が、原則として他業態の業務に幅広く参入すること、各業態への参入は原則として業態別子会社のような別組織によることなどについて御審議いただいているところであります。
 私どもの過去の経験に顧みましても、また、諸外国の状況を見ましても、制度改革には個別の利害が錯綜いたしますため、意見を集約することは容易なことではありませんが、私どもとしましては、金融制度調査会などの審議会の御審議を踏まえつつ、機会を見て、事務当局としての草案の取りまとめに入りたいと考えております。
 以上をもちまして、御説明を一たん終わらせていただきます。
#4
○尾身小委員長 次に、大蔵省松野証券局長。
#5
○松野(允)政府委員 本日は、最初に最近の証券市場及び証券会社の状況について御説明し、次に、証券取引に係る基本的な制度の見直し問題について、証券取引審議会基本問題研究会における最近の審議状況と、不公正取引の規制のあり方について同審議会不公正取引特別部会における最近の審議状況につきまして御説明申し上げたいと思います。
 まず、最近の証券市場の状況でございますが、昨年の株式市場は、年初から、薄商いの中、軟調
に推移いたしまして、四月二日には株価は一時二万八千二円まで下落いたしました。その後、株価は一たん反発をいたしまして、五月中旬から七月下旬にかけては、おおむね三万一千円台から三万三千円台で推移いたしました。
 しかしながら、八月二日にイラク軍のクウェートへの侵攻が伝えられますと、市況は再び軟調に転じ、薄商いの中、十月一日には株価は一時一万九千七百八十一円まで下落しました。
 このような我が国におきます株価の急落は、中東情勢の不透明感があるとはいえ、我が国経済のファンダメンタルズ及び諸外国における株価の下落幅などから見ましても、急速過ぎるのではないかと考えられました。
 そこで、当局及び証券取引所におきましては、市場の状況を踏まえ、株式の現物市場における需給の安定と取引の円滑化を図るとともに、現物・先物両市場のバランスを回復するための措置として、先物取引等の規制の強化及び信用取引規制の緩和等に関する一連の措置を講じたところであります。
 その結果、株式市場は概して落ちついた動きとなり、株価も本年初めにかけて二万二千円から二万四千円台で推移してまいりました。
 その後、本年一月十七日には湾岸戦争が勃発いたしましたが、戦争の早期終結期待が高まるとともに、原油価格の下落、ニューヨーク株高等を好感し、株価はむしろ堅調な動きを示しておりまして、ごく最近では二万六千円台を回復しております。また、これに伴って、株式市場の売買高も相当程度回復してきております。
 このように、最近における株式市場の状況は、おおむね落ちついてきていると考えられますが、当局といたしましては、株式市場の動向について引き続き十分注視してまいりたいと考えております。
 次に、株式等の発行市場につきましては、株価が平成二年に入り軟調に推移してきたことから、三月以降時価発行増資等の中止が相次ぎました。その後、株価が反発したことを背景に、平成二年六月より転換社債、ワラント債について発行が再開されました。しかし、時価発行増資については、その後株価が再び軟調に転じたことから、いまだに再開のめどがついていない状況にあります。
 次に、最近の証券会社の経営状況について御説明いたします。
 証券会社の収益は、株式市況に影響されるところが大きいわけでございますが、平成三年三月期の収益状況は、ここに来て株式市況の好転は見られますものの、昨年来の株式相場の急落や発行市場の閉鎖などの影響が大きく、大幅な減益が見込まれています。
 証券会社については、一昨年末までの数年間の株式市場の好調などを受けまして、その財務体質は相当充実されてきております。
 また、昨年四月から新たに自己資本規制を導入いたしまして、証券会社経営の健全性の確保について、一層の充実と強化を指導しているところであります。
 今後の証券会社の経営につきましては、金融・資本市場の自由化、国際化の進展など環境変化の著しい中にあって、業務の合理化など経営の効率化に努めることにより、より一層の経営基盤の強化を図っていくべきものと考えております。
 特に中小証券につきましては、株式公開基準の緩和を図ったところでありますが、今後ともさらにきめ細かい指導を行っていく所存でございます。
 次に、証券取引審議会における審議の状況について御説明申し上げます。
 まず、証券取引審議会基本問題研究会における審議状況について御説明いたします。
 証券取引審議会は、昭和六十三年九月に設置されました基本問題研究会におきまして、金融の自由化、国際化、証券化の進展に対応するため、資本市場全般に関する検討を行ってきております。
 現在、基本問題研究会は、証券化への対応、公募概念の見直し、私募についての法整備及び市場仲介者についての検討という三つの問題について審議を行っているところであります。以下、それぞれの問題ごとに議論の概要について申し述べたいと思います。
 まず、金融の証券化への対応でございます。
 近年、我が国におきましては、証券化の進展に伴いまして、コマーシャルペーパー、住宅ローン債権信託などの証券化関連商品が増加してきておりますが、これについては、現在、証券取引法の適用対象となっておりません。これらの商品については、今後さらに国内における自由な商品開発を促進していくとともに、海外からの持ち込みについても認めていくことが適当であり、そのためには、投資者保護のための一般的な法的枠組みを整備していくことが必要であります。
 そのため、証券取引法の有価証券の定義の拡大を行い、証券化関連商品を証券取引法の適用対象にすることが必要であると考えております。
 次に、公募概念の見直し、私募についての法整備の問題がございます。
 現在の証券取引法では、公募については、不特定多数の者に対し均一の条件で勧誘するものとされ、こうしたものにはディスクロージャーの義務が課されることになっております。しかしながら、不特定多数の概念については、内容が不明確であるとの指摘などがかねてよりなされております。さらに、公募に該当しない発行、いわゆる私募は、証券取引法の適用対象外となっているという問題もあります。
 また、金融の証券化の進展などを踏まえ、多種多様な商品の受け皿を整備する必要があること、我が国資本市場のいわゆる空洞化を防止するとともに、一層の国際化を図る必要があることから、公募市場及び私募市場を整備していくことが必要であると考えております。
 しかしながら、特に社債については、現在のように公募市場に諸規制、諸慣行が存在し、公募市場が必ずしも十分に機能していない状況を考えると、諸規制、諸慣行の見直しによる公募市場の機能発揮の状況に配慮しつつ、私募市場の機能を拡大していくことが望ましいと考えております。
 第三に、資本市場への新規参入についての検討であります。
 資本市場への新規参入については、競争の促進を図るという観点から、参入の必要な分野はどこか、参入を認めるとした場合にどのような者が適格かを中心に検討を行っているところであります。
 特に、金融機関による証券業務への参入に関しては、利益相反等の弊害を防止し、資本市場の健全な発展を確保する観点から、参入に伴う弊害防止策、市場の安定性への配慮などについて具体的に検討していく必要があると考えております。
 次に、証券取引審議会不公正取引特別部会における審議について御説明申し上げます。
 証券監督者間の意見交換の場である証券監督者国際機構において勧告された市場仲介者に係る行為規範の我が国への適用について、不公正取引特別部会は去る二月五日に取りまとめを行ったところであります。
 この取りまとめは、誠実公平の原則や適合性の原則を法令等に明示的に規定すること、証券会社の役職員に対する行為規範マニュアルを作成すること、及びいわゆる売買一任的な行為については、原則的に禁止することなどを骨子としております。
 当局としては、これまでも機会あるごとに証券会社に対し適正な営業姿勢の確立を求めてきたところでありますが、平成元年十二月、大手証券の一部法人顧客に対する損失補てん問題にかんがみ、証券会社の営業姿勢の適正化について通達を発出し、さらに厳正な指導を行っているところでございます。
 また、昨年八月には、株価操作事件に関与した証券会社について行政処分をするなど、法令に照らし厳正に対処してきているところであります。
 当局としては、今回の特別部会取りまとめを受けまして、今後具体的措置について検討を行うと
ともに、今後とも証券会社の営業姿勢の適正化について、証券各社に対する厳正な指導、証券会社検査の充実などにより、その実効性の確保を図ってまいりたいと思っております。
 次に、店頭市場に対する行為規制の適用について御説明申し上げます。
 最近、株式店頭市場が拡大してきていることに伴い、多数の投資者が参入するという状況のもとで、店頭市場の透明性、公正性を確保するため、同市場にも証券取引法上の相場操縦の禁止あるいはいわゆるインサイダー取引規制などの行為規制を適用することが必要となってまいっております。そこで、現在、不公正取引特別部会におきまして、店頭市場に対するこれらの行為規制の適用について御審議いただいているところであります。
 以上、最近の証券市場と証券会社の状況、証券取引審議会における最近の審議の状況につき御説明申し上げました。
 本格化する自由化、国際化の流れの中で、我が国資本市場は国民経済的にも国際的にも大きな役割を果たしており、このような内外から寄せられる期待に十分こたえていく必要があります。
 我が国資本市場の健全かつ安定的な発展を期するため、行政としても引き続き努力していきたいと考えております。
 以上、簡単ではございますが、証券行政の現状について御説明させていただきました。
#6
○尾身小委員長 これにて政府当局の説明は終わりました。
    ─────────────
#7
○尾身小委員長 この際、小委員各位に申し上げます。
 質疑につきましては、時間が限られておりますので、一回の質疑時間はおおむね五分以内でお願いいたします。
 なお、質疑のある小委員は、挙手の上、小委員長の許可を得て発言するようお願いいたします。また、発言は自席で着席のまま行って結構でございます。
 それでは、質疑のある小委員は挙手をお願いいたします。
#8
○堀小委員 本日、数年ぶりに金融・証券小委員会が開会されました。
 実は、私は昭和三十五年一月から大蔵委員会に所属いたしておりまして、かつて澄田銀行局長のときのいわゆる澄田金制、さらには徳田銀行局長における徳田金制等にずっと参加して、銀行法の改正等に取り組んできたわけでございます。
 今回、吉田正輝さんが銀行局長のときスタートした金融制度改革については、国会に何らの報告も何もないままに、要するに大蔵省や金融制度調査会あるいは証券基本問題研究会、そういうところを中心に行政ベースだけで長く今日まで運営されております。しかし、法律に関するものでないものであるならば、行政の範囲内で処理されて結だと思うのでありますけれども、取り上げられておる問題は、いずれも法律マターに関するものが取り上げられておるというにもかかわらず、一回もこのような金融小委員会が開かれず、要するに大蔵省独走という形は、私は議会制民主主義の日本の中において極めて異常なことであった、こう考えているわけであります。
 最近は大蔵委員会は、そういう問題以上にいろいろと大きな問題がありますために、委員会で取り上げることもほとんど時間がない、こういう状況でございました。
 私は、平沼委員長にお願いをして、最近の金融関係における不祥事件というものが起きてきた背景には一体どこに問題があるのか、どういうところに監督上の不十分さがあったのかというような問題を含め、さらにそういう吉田金制が始まりました当時の日本の銀行、証券を取り巻く環境と今日の環境は著しく変わっているのでありますから、当初スタートをしてずっとやってこられた金融制度調査会その他の学者や学識経験者の御議論もさることながら、私が非常に関心を持っておりますのは、実はさっきも土田銀行局長が業態別子会社というお話をなすっておるのでありますけれども、現在、独禁法十一条で金融機関の持ち株は五%に制限をされているのであります。
 かつて、この独禁法は、昭和五十二年の改正までは一〇%でございました。私は長くこの問題に携わってきて、一〇%の持ち株というものは金融機関の企業支配力が強過ぎるという判断をいたしまして、当時の山中貞則自民党独禁法の委員長に御相談をして、アメリカは独禁法で持ち株はゼロになっているのだから、少なくとも日本もアメリカに見習って一〇を半分の五にしたらどうかという提案をして、五十二年の改正で現在のように金融機関の持ち株は五%に制限されているわけであります。
 ところが、新聞紙上等で拝見しておりますと、一〇〇%持ち株の子会社をつくるということが我々立法者には無関係なところでどんどん行われておる。法治国家としてそのようなことが許されていいと私は思っておりません。御承知のように憲法四十一条は、「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。」こうなっているのでありまして、立法については私たち国会が責任を負う場所であります。にもかかわらず、独禁法の五%というところを一〇〇%の株を持つ子会社をつくるというような発想が私どもに何らのサウンドもなく一方的に行われておるということは、私は大変大きな問題があると考えまして、現在の金融その他の問題についての現状報告とあわせて、この小委員会において制度改革について与党の皆さん、野党の私ども、お互いにしっかり論議をして、国会として納得のできるようなものを私どもとしてもひとつ前向きに考えていきたい、こう考えたわけでございます。
 これについての銀行局長、証券局長の御答弁をいただきたいと思います。
#9
○土田政府委員 制度改革の論議が始まりまして以来数年間の長い期間がたち、また、その間にいろいろと金融証券界をめぐる環境が異なったというようなことは、それぞれ御指摘のとおりでございます。そのような新しい環境をも踏まえながら審議を継続していただいておるわけでございます。当然法律に関するものが取り上げられることになるのであれば、他日、適宜の機会に事務当局として案をまとめまして御説明をし、御意見を仰ぎたいと考えております。
 そのような問題は多々あり得るわけでございますけれども、まだ改革の全体の構想がまとまっているというような状況ではございませんので、個別の問題点のみについてその都度いろいろ申し上げるということもいかがかと思いまして、また、たまたまそのような機会にも恵まれませんでしたために、あるいは堀小委員のお話しのように、この問題について国会で御議論を願う機会が少なかったということであるかもしれませんが、現在までのところ、この法律に関するものであるか関しないものであるかを含めて、案の全体的な骨格が浮き彫りになっておりませんので、個別具体的な問題を申し上げる段階に達してはおらないと思います。
 一つだけ個別に業態別子会社の問題について御関心がございましたが、どのような方式を考えたらいいかということにつきましては、かつて金融制度見直しに当たって考えられる五つの方式というものを例示的に紹介をしたことがございます。
 これは、たしか平成元年の金融制度第二委員会の中間報告であったかと思いますが、そこではA、B、C、D、Eの五つの方式を取り上げております。その中で、B方式と申しますが、業態別子会社方式というものが五つの方式の中の一つの案として考えられるものということで紹介をされたわけであります。
 そのときの一つの骨組みといたしましては、銀行、信託、証券各業態がそれぞれ、例えば銀行の場合には子会社を持つという形で証券業務や信託業務を営む、それから信託銀行は子会社で証券業務を営む、証券会社は子会社で銀行業務や信託業務を営むというようなアイデアを示し、それでその簡単な説明としては、各業態の現行の業務分野
を尊重しつつ、一〇〇%子会社による相互乗り入れを進めるという案として紹介をされたわけであります。
 その一〇〇%という問題のみに限って申しますと、その後、御指摘のようないろいろな問題ももちろん委員の意識の中にはあったかと思いますが、その後の議論を整理していく過程におきましては、一〇〇%であるのかないのかということについて、明確な形での審議のフォローアップはございません。例えば、平成二年にやはり金融制度第二委員会は中間報告をしたわけでございますが、そこで業態別子会社についての検討は進めておりますけれども、何%であるかということについて例示的に意見を明示してはおりません。
 そのようなこともございますので、一〇〇がいいか五がいいかというような議論を含めまして、現在事務当局として、私どものはっきりした考え方を申し上げる段階に至っていないと考えておるわけでございます。
#10
○松野(允)政府委員 証券取引審議会の方は、先ほど御説明申し上げましたように昭和六十三年から基本問題研究会で議論を始めたわけでございますが、最初の六十三年から元年までは、主として金融の証券化への対応というテーマを中心に置きまして審議を行ったわけでございます。
 その後、平成元年に金融制度調査会から、金融制度改革の一環として銀行、証券の分離制度の見直しについても議論をしているので、証券取引審議会においてもその議論をしていただきたいという要請を受けた。要請を受けたから始めたというわけではございませんで、その証券化の議論の延長線上で、先ほど御説明申し上げましたように、やはりこの際公募、私募の問題、あるいは基本的な資本市場のあり方の問題、新規参入の問題も含めまして、そういった問題について議論をする必があるというふうに考えていたわけでございまして、その中で銀行による参入問題をどう考えるのかという受けとめ方をするということにしたわけでございます。
 しかし、先ほど申し上げましたように、この銀行による参入というのは、私どもの証券取引審議会の立場からいたしますと、それは資本市場への新規参入の一つの形態であるというふうに位置づけることができるわけでございまして、先ほどの御説明でも申し上げましたように、この新規参入の問題につきましては、現在の資本市場のどの部分にその新規参入による競争促進によって市場を効率化できる分野があるのか、仮にそういう分野があるとした場合に、その分野に対してどういうような新規参入者が適当であるかという問題、そういう問題を議論をしている最中でございまして、私どもの現在の考え方としては、必ずしも銀行による、あるいは銀行の子会社による参入というものに的を絞って議論をしているわけではございません。
 むしろ先ほど申し上げましたように、銀行の子会社による参入につきましては、銀行が株式を保有しているとかいうような問題、あるいは融資をしておるというような問題、預金をとっているという問題もございまして、利益相反の問題がないかどうか、あるいは日本の銀行は非常に強力でございますので、支配力がその市場で発揮されるようなことにならないかというようないろいろな問題がございまして、そういう問題についてのいわば弊害の防止策というようなものも、あわせ考えなければいけないというような問題があるわけでございます。
 いずれにいたしましても、現在の私どもの基本問題研究会における審議は、まだ新規参入の必要性あるいは必要な分野、それから新規参入の適格者というようなところの議論をしているところでございまして、具体的に銀行の子会社による参入がどうかというところまで議論がいってないということを御報告申し上げておきます。
#11
○萩山小委員 先ほどから銀行局長さんの御説明をるる承っておりましたが、かなり難しいので、そのお読みになったコピーを後日我々議員にもいただきたいと思うわけであります。
 金利の自由化について今検討されております大蔵省の中で、小口定期預金の金利の自由化、また流動性の預金金利の自由化、これを今検討されていると思うわけであります。
 そこで、三点に分けて質問いたしますが、簡潔に御答弁願いたいと思います。
 小口金利の自由化は、中小金融機関やコストの上昇、こういうものの影響が非常に大きいと聞いています。ひいては中小零細企業や個人の借入金利の上昇にもつながる問題であるということが憂慮されておるわけであります。また、最近報道によりますと、この金利の自由化によって米国の金融機関が経営不振に陥るなど、報道も新たに皆さんに伝わっております。したがって、今後の金利の自由化の進め方については、信用秩序の維持はもちろんのこと配慮しつつも、中小金融機関への影響を見定めつつ、慎重にかつ漸進的に思いやりのある方法をとられるかどうか、そしてまたそういうお考えがあるかどうか、簡潔にお答え願いたいと思います。
#12
○土田政府委員 いろいろ御説明申し上げるべき点もございますが、御指示によりまして極めて簡潔に申し上げます。
 ただいま御指摘になりましたような問題点、すなわち、小口定期性預金金利の自由化を図りますことによりまして、端的に申せば預金金利が上昇し、それで中小金融機関その他の資金コストが上昇する、それが経営に影響を与えるのではないかという問題でございますが、これは、そういう影響をある程度まで与えることは避けられないと思うわけでございます。
 しかし、まさにそのような状況の中でも、中小金融機関としては、やはり本来の地域住民などのニーズにきめ細かくこたえるというその特性を生かしたサービスを提供していただく、そういうことにより、また経営の合理化、効率化とかリスク管理体制の確立といったような自由化への対応策を進めていただくことによりまして、基本的には今後の環境変化にも対応していただくことができるものと考えておるわけでございます。
 ただ、そのためには、もちろんそのような対応の体制を整えるまでのいわばスケジュールを明示し、必要な準備期間を与えるということはどうしても必要でございますし、若干その点は、他国のことでありますから余り申し上げるべきではございませんけれども、急速な自由化を図る一方で、環境整備の努力がやや日本に比べて手薄であったのではないかというような外国の例も散見いたしますので、日本においてはそういう環境整備に全力を尽くすというようなことで、私ども努力をしておるわけでございます。
 中小金融機関及びそれを代表する協会その他とは密接な意見交換を行っておりますし、御指摘のように慎重、漸進的と申しますか、思いやりと申しますか、そのような気持ちは持っておるつもりでございます。
 なお、今後この金融機関の経営動向を十分見きわめつつ、自由化の措置を進めてまいりたいと存じます。
#13
○柳本小委員 金融政策につきまして二、三御質問いたします。
 日本の金融政策の中で特に総量規制、そして高金利というのが際立っているわけでありますが、いつまでこの抑制政策というものを続けていくのか。中小企業の倒産もたくさん出ておりますし、中小企業に対する配慮というものに対してどのように考えておられるかということをまずお聞きいたしたいと思います。
 それから第二点は、大局的な見地から御質問をいたしますが、昨日湾岸戦争が終結をした。まことに喜ばしいことであるわけでありますが、その戦後復興についてどのような見通しを持っておるか。中東戦争後の国際経済の見通し、国内経済の見通しをどのように考えておられるか。当然中東貢献策ということを考えていかなければならないわけでありますけれども、我が国の金融政策というものに対して変更があるのかどうか、以上の二点について御質問をいたします。
#14
○土田政府委員 第一段の総量規制をめぐる御質問でございますが、実はこの総量規制を実施いたしますまでのそれに至る背景については、いろいろな機会に国会の場でも申し上げたわけでございますけれども、私どもは、昭和六十一年ごろから金融機関の土地関連融資の適正化について指導に努め、また検査でも特に配意してまいったところでございます。
 実は、多少経過的な御説明になりますけれども、当初以来一貫してとってまいりました私どもの態度は、実需に対しましては金融はその実需にはこたえなければならないだろう、それをとめる必要はないであろう。ただし、投機的な金融は、これは厳に抑制しなければいけない、こういうことで一貫してやってまいったわけでございます。
 そして、各金融機関はそれなりにその営業体制を改め、また本部の審査体制その他につきましても、土地融資については慎重なプロセスを用意するなど、協力してもらったと思うわけでございますが、それにもかかわらずと申しますか、地価上昇が、これはやはり金融の措置以外にいろいろな観点からの手当ても必要とする状況であったと申すべきでありましょうが、金融面の措置だけではなかなか地価の上昇というものがとまらず、だんだんと東京都を中心に発生しました地価上昇傾向が地方に拡散していくという状況でございました。
 そこで、政府でも総合的な土地対策を緊急課題として取り上げ、それで全力を尽くす、あらゆる施策を動員するというような形勢に相なりましたので、私どもも思い切っていわゆる総量規制、すなわち、実需であるか投機であるかということを個別にふるい分けるということでなしに、全体として、端的に申せば、不動産業向けの貸出残高の伸び率をその銀行の貸し出し全体の残高の伸び率以下に抑えていただきたいということをお願いしたわけでございます。それで、その後、この総量規制もございますが、そのほかに金利の上昇、それからさらには中央銀行、日本銀行による金融引き締め策、そのような一連の金融上の手段がだんだんと効果を上げてまいりまして、地価上昇は鎮静化しつつあると思います。
 ただ反面、いわゆる景気の爛熟期にややもすれば見られがちな、世間でバブル現象と言われておりますようなものが是正されていくその過程において、いろいろなふぐあいに陥る企業、端的に申せば倒産する企業というものが出てきておるということも、これは事実でございます。ただ、倒産の件数そのものを見ますると、これまで一貫して、昨年の九月までは前年比で倒産件数はマイナスでございました。昨年の十月から倒産件数は対前年比で上昇に転じておりますが、今までのところ、そう申してはなんですが、全体としては倒産件数が飛躍的に増加しているということではございません。
 ただしかし、むしろ今回の倒産に陥る企業を見ておりますと、その特色は例えば不動産とか財テク関連の企業が割合に目立ち、かつ、その中には非常に借入金が高額に上るものがある、そういうものが出始めたというところでございます。私どもは、そのような現象が金融機関の経営なり、金融全体にどのような影響を及ぼすであろうかということを慎重に見てまいらなければいけないと思っておるわけでございます。
 それから第二の問題は、実は多少私どものお預かりしております仕事をはみ出します問題でありまして、なかなか申し上げがたい、的確な御説明を申し上げる能力はないのでございますが、いろいろな中東問題に関連する政府の施策、それから例えば今度の補正予算その他お願いしておりますが、それに基づくいろいろな行動はございますけれども、日本の金融市場は、今日、いわば端的に申せば世界第二と言われるほどの大きな広がりになってまいりましたし、それから金融取引も極めて広範囲に、大規模に行われておりますので、多少のと申しますか、例えば現在お願しておりますような政府の措置そのものによって、金融が一遍に様相を変えるようなことはあり得ないというように考えておるわけでございます。
 若干この点は直接の所管行政の外になりますので、不十分なお答えになりますが、その点はお許しいただきたいと思います。
#15
○早川小委員 先ほど銀行局長の最近の金融機関の経営状況、背景等の御説明の中で、金融機関の不祥事の問題に触れられたのですけれども、大蔵省はいろいろ調査されたと思うのですけれども、それらの調査を通じまして、金融機関内部の原因によるものだというのか、あるいは行政的な面での対応でおくれた面があったのか、あるいはまた法律の面での盲点に起因するものだったのか、そういった形で整理することができましたら御報告をいただきたいのです。
#16
○土田政府委員 いろいろな事件につきましては、その進みぐあい、それから個別に既に裁判の段階に移行しているもの、それからそのような段階に至らないもの、いろいろございますので、一概に申し上げることはできませんわけでございますが、いろいろなケースを通じてと申しますか、幾つかの代表的なケースを中心にしましてざっと見てまいりました結果、いわば感ずるところを二、三申し上げますと、こういうことではないかと思います。
 やはり第一に、金融機関におきまして組織的な経営管理が重要であるということでございます。
    〔小委員長退席、村井小委員長代理着席〕
 それから第二は、収益面とか計数面のみを重視した内部管理は、経営上問題をもたらすおそれがあるということでございます。
 それから第三は、融資先の実態把握など、融資審査の基本を守ることが重要であるということでございます。
 ただいま申し上げましたことは、いずれもこれは金融機関経営の基本的な事項でございまして、本来まず第一義的には、その金融機関自身の努力に期待しなければならない事柄でございます。事実、金融機関におきまして、最近真剣な経営改善の努力が払われつつあるということも耳にしておるわけでございますが、私どももこういう基本的な事項に十分留意しながら、今後、行政及び検査を通じまして、適切な金融行政の推進にさらに努めてまいりたいと思っておるわけでございます。
 これまでのところの行政の対応はどうであったかという問題でございますが、私どもいろいろな制約はございましたが、問題の所在を認識しましてから極力迅速に対応いたしまして、行政を通じて金融機関のそれぞれの者から報告を求めますとか、たまたま検査の機会がありますならば、その検査の際に重点的に問題の調査を行うということで努力してまいったつもりではございます。ただ、マクロ的にはいろいろ、いわゆるバブル現象的な問題もございまして、新聞その他マスコミに大きく取り上げられるような事件が続いておりますことは、大変遺憾でございます。
 法律の面はどうかというお尋ねでございますが、さしあたり私ども、現在の法律制度について特に大きな問題点を持っている、そういうものを意識しているということはございません。ただ、我々のいろいろな意味でのシステム、例えばセーフティーネットのようなシステムにつきまして、今後なおいろいろと工夫してまいらなければいけない、そういう点は二、三はあるなというふうに最近感じておるところでございます。
    〔村井小委員長代理退席、小委員長着席〕
#17
○日笠小委員 今のことにも若干関連をいたすのですが、きょうの新聞報道なんですが、日経連の鈴木会長が住友銀行とイトマンを暗に批判して、記者会見でこう言っているという記事が出ています。「数千億円の不動産の売買が動かなくなったら、銀行が面倒をみるのは、社会正義に反する。バブル経済はもうひと押ししてつぶしてもらいたい」と「社会正義に反する。」と言われているわけですが、何か割り切れないような感じなんですね。確かに法律的な違反は何もないかもしれませんが、この点について局長の御感想を聞きたいのが一点。
 それから、観点はがらっと変わるのですが、明
年の一月一日から地価税を創設しようということで、これから大蔵委員会で審議が始まるのですが、もし原案どおり地価税法案が通りますと、銀行、証券会社というのは俗に言う一等地に相当の土地を持っておられるわけですね。
 そうすると、当然地価税を相当納めなければいけない。そういうものが経営にどう響くのだろうか。極端に言えば、消費者、生活者の側に立ちますと、銀行の手数料でも上がるのじゃないか、コストを手数料に上乗せしてくるのではないか、こういうようなことも考えられるわけですが、銀行局長と証券局長に地価税と銀行、証券会社の経営、こういうものについて、これも御感想で結構でございますからお聞きをしたい。もし御感想がないというなら、地価税は通らなくていい、こういうふうにとらざるを得ません。
 以上、二点。
#18
○土田政府委員 前段のお尋ねでございますが、個別金融機関の経営方針について、私どもの立場からこういうような場でとかく申し上げるということは、それは差し控えたいわけでございます。したがいまして、一般論として申し上げることをお許しいただきたいと思います。
 委員の御発言の中で、割り切れないということをおっしゃいましたかと思います。その割り切れないというのは、どちらの方向に割り切れないというお気持ちであったのか、ちょっとはかりかねるところでございますけれども、個別の銀行側としましては、もちろん債権の保全に努め、それから損失を極力少なくしたい、そういう動機はございます。しかし、そのほかに、これは問題の個別のケースによるところでもございますけれども、そのような強硬手段をとる結果、例えば融資先の企業が倒産をするといたします。その倒産によるところの周辺の関係会社、取引先、それから周辺の地域、それに与える影響がどのくらい大きいかというようなことも、やはり通例は金融機関は考えるもののようでございます。
 それで、これはなかなか理論づけた説明を、私、不勉強で耳にしたことはございませんが、金融機関につきましても、例えばアメリカではツー・ビッグ・ツー・フェールという議論がある。つまり、余りにも大きな金融機関になりますと、それが倒れるということによるところの金融秩序なり社会経済への影響は極めて甚大であるので、なかなかそういうものを倒すということはできにくい、そういうような話が言われておりますが、金融機関以外の一般産業につきましても、多少そういう話は共通する面があるのではないかと思うわけでございます。
 それからさらに、金融界の中だけの問題を考えましても、通例多額の借入金を抱えております企業に対して融資をしております金融機関というのは、何十という金融機関があり、その中には随分小さな業容の金融機関もあるわけでございます。そのようなものは、やはり倒産というようなことになりますとその融資が焦げつくことになり、その結果、中小零細の金融機関が大打撃をこうむるという可能性もあるわけでございます。
 そのような点も考え、社会的反響も考えながら、それぞれの金融機関は、やはり不良貸出先を生じましたときは、いろいろ苦しみながら処理方針を決めておるということでございますので、商社と銀行との結びつきの話について問題提起がございましたけれども、現在その銀行がとっておりますような行動が一概に良識に反するとも言えない。過去にもそのような行動は幾多のケースでとられてきた、それが問題の拡大を防いできたという、そういうような安定効果はあった、そういう見方もまた一部にはされている方はあると思います。
 その点も両様ございますので、割り切れないというのは、どちらの方に割り切れないというお考えかということをちょっと把握いたしかねたわけでありまして、的確なお答えになっておらないかもしれません。
#19
○松野(允)政府委員 地価税の銀行、証券の経営に与える影響ということでございますが、私ども、具体的にどの程度の負担になるかという具体的な数字を持ち合わせているわけではございません。
 ただ、銀行、証券、特に銀行は相当のところに土地をかなり保有しております。証券会社の場合には、最近かなり財産状態は厚くなってはきておりますけれども、それでもそれほど大量の土地を持っているということはないわけでございます。
 いずれにいたしましても、私ども証券会社に常に言っておりますのは、もちろん昨年ああいう状態になったこともございますけれども、やはり経営を効率化するということは何よりも必要だし、特に手数料につきましては、御存じのように日本は固定手数料制をとって、まだそれを維持しているわけでございます。
 これにつきましては、手数料を自由化したらどうだというような御意見もあることは十分承知しているわけでございますが、ただ、手数料を自由化した場合の証券市場に与える影響というものを考えますと、例えばアメリカのニューヨークの市場あるいはロンドンの市場にいたしましても、手数料を自由化することによって、かえって小口の投資家の手数料が上がるというような現象が見られるわけでございまして、個人投資家を市場から離散させる、あるいは機関投資家だけの市場になってしまうというようなことで、手数料の自由化が証券市場に対して必ずしも望ましい効果を与えないという感じがするわけでございます。
 したがいまして、我々としては固定手数料は維持する。しかし、できるだけ効率化することによって、その手数料水準は引き下げていくという指導をしてまいっているわけでして、例えば昨年の六月にも、株式市場は非常にああいう状態になっていたわけでございますが、手数料の引き下げを実施したわけでございます。
 そういったような一連の私どもの考え方からいたしますと、地価税によるコストの上昇というのは当然考えられるわけでございますが、それは経営の効率化あるいは減量経営の中でできるだけ吸収していくというふうに指導したいと思いますし、また、固定手数料制をとっているということからいたしましても、それを常に引き下げる方向で努力してまいっているところでございます。それを急に変えるというような考え方をとるということは、なかなかできないのじゃないかというように思っています。
#20
○日笠小委員 ちょっと銀行局長にお答えいただく前に、例えば都市銀行だけでもこの地価税でどのぐらいの税収が、いわゆる税金を納めなきやいけないのか、そういうデータはあるのでしょうか。それを踏まえてお答えいただきたい。
 というのは、通産省は、例えば大手百貨店何社で幾らぐらいというのがちゃんともう計算ができているのですね、ボランタリーチェーンだとか電機会社だとか。地価税といったら、大蔵省は縦割り行政で違うといえば違うのでしょうけれども、都市銀行だけでも一体どのぐらいの地価税になるか、この原案どおり可決されれば。そういうデータは全然ないのでしょうか。それを踏まえてお答えをいただきたいと思います。
#21
○土田政府委員 ただいまのデータということで申し上げるに値するほどの数字を見たことはございません。各銀行で、それぞれ現在の例えば路線価なりなんなりに基づいて試算したものはあろうかと思いますが、その路線価そのものも変わるわけでございましょうし、申し上げるに足るほどの数字は持ち合わせておりません。
 それで、多少補足して申し上げようかと思いましたのは、経営に響くかというお話でございます。それは、恐らく証券会社の大きなものよりも銀行の大きなものの方が、店舗数、それから保有しております資産の額は大きいと思いますので、より大きな負担増になるかとは思います。それは経営の面では、いわば租税負担の増加という方向であることは間違いはございません。個別にはそうかもしれませんけれども、多少次元の違う話を申し上げて恐縮ですが、このようないわば地価税などを一つの手段として地価の安定が図られまし
て、また土地取引が円滑かつ適正なものになるということは、この金融だけの問題から見ましても大きなプラスではあるまいか。やはりその点まで考える必要があるのではないかと感じておるわけでございます。
#22
○仙谷小委員 少々具体的になって恐縮でございますけれども、経験から見ますと、この間の昭和五十八、九年からの銀行員の動き方を見ておりますと、いつから彼らが不動産屋になったのか、あるいはブローカーになったのかと思われるような動き方があったのじゃないか。自分のところの右の客に金を貸し付けて不動産を買わせて、次の売り主の方からは定期預金をとる、そういう仕事をつくるのが銀行マンの仕事であるというハッパのかけ方を銀行がされて、何でそんなことになるんだというふうに話をしたことがあるのですけれども、銀行の業務自体はコンピューター化されて、そんなことでもしないとすることがないんだというふうな話が一部では言われておったわけです。
 まだひどい話は、例えば信託銀行へ行きますと、今私が申し上げたようなことをやりながら、その上に、うちの信託銀行に宅地建物取引の手数料をよこせ、専任媒介契約書も結ばないとだめだ、そうしないと融資をしないというふうな、そういうことまで行われておったというのが実態ではないかと思うのです。
 また一方では、ノンバンク問題というのは、銀行の融資基準に合わない分については全部ノンバンクに紹介する。紹介するといえばきれいですけれども、大体指示をして、ノンバンクに銀行が金を貸し付けて、要するにトンネルにノンバンクを使う。こういうことが不動産とか株を中心にして行われて、それが今日のバブルの問題になっているのじゃないか、これが私の実感でございます。
 先ほど銀行局長おっしゃったように、余り収益面を重視した経営をし過ぎるというのはまずいので、そこのところを指導する、浮利を追わないような指導をするということになるのだろうと思いますけれども、構造的には、もうどうもモラルの問題だけでは片づかないところへ銀行業務自体が、その競争の厳しさの中で来ておるのじゃないかというのもまたもう一つの感想なんですね。かといって、法規則で全部銀行員の行動を縛り上げていくというのもいかがなものだろうかということになりましょう。そういうことで、銀行局といたしましてその辺についてどんなお考えをお持ちなのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
 それともう一つ、今ノンバンクが、特に不動産融資に絡んで、貸し付けた貸し金の回収が容易でない、それから金利の支払いを受けるのも容易でないということで、この利息の繰り延べ等々を融資先に対して現実に行っておる。この債権というのはどのくらいの額に上るのでしょうか。もしその資料がなければ、また別途の機会にお教え願えればと思います。
#23
○土田政府委員 いろいろ多岐にわたるお尋ねでございますので、お答え漏れがあるかも存じませんが、気がつきました問題点について順次御説明を申し上げます。
 銀行の主な融資先といたしまして、殊に大銀行の場合を考えました場合に、伝統的に主な融資先というのは、率直に言えば企業、それも大企業や中堅企業というのがその主な融資先であったかと思います。ところが、その大企業の銀行に対する資金需要が、これは一つには金融緩和の進展、それからもう一つには、これはやや構造的な問題でこざいますが、資金不足時代が終わり、資金余剰時代に入りました結果、大企業それぞれのいわば金融資産の蓄積も進みましたために、銀行に対する資金需要というものが細ってきたというようなことから、やはり銀行もそれにかわる融資先を拡大せねばいかぬというような状況になりまして、そのような構造で融資構造がだんだん変わってまいったということを冒頭の御説明で申し上げたつもりでございます。
 それから、コンピューターは確かに非常に普及しておりますし、恐らく日本の主要産業の中で銀行業ほどコンピューター投資が大きなものはないのではないかと思います。しかし、片一方で、それはいわば省力化、効率化の一環としてやってまいりましたわけでございますから、殊に都市銀行などを見てまいりますと、職員数は趨勢的に減少を続けております。したがいまして、ほかにやる仕事がないからということでは決してないのでありまして、この全体的な厳しい金融環境の中における新たな収益機会を模索するという観点からいろいろなことを新しく始めまして、そのやり方において行き過ぎがある面もあったというのが率直なところであろうと思います。
 それから、信託銀行の場合は、これは普通の銀行と違いまして、信託業法によりまして併営業務として不動産の仲介業務が認められておりますので、信託銀行の不動産部はそのような仲介をやっておるわけでございます。そのような観点から、手数料収入がある意味では信託銀行の収益の一つになっておりますので、その辺に着目していろいろセールスをやった者も、それはあるかもしれないなというのがお話を伺ったときの私の感想でございます。
 それから、ノンバンクの問題は確かに非常に大きな問題でございます。本来銀行が自分でやればいいではないかという御議論も、それはございましょうけれども、やはり銀行の営業体制からいってなかなかそういうものに手を出せないような分野につきまして、より専門的なノーハウを持つような他の業者、貸金業者がおります場合にはその貸金業者がそういうニーズにこたえるということは、それは現実に昔からあるわけであります。
 多少これはお尋ねの問題からそれるかもしれませんが、そういうノンバンクを通ずる融資に合理性があるような一例は、例えば消費者金融などがそうでございまして、小口の無担保の消費者金融というようなものは銀行は決して得意でございません。そのところはむしろそちらの方にノーハウを持っております業者の方がおりますので、そういう方々がいわば何十万というような少額の融資を例えばサラリーマンに行うというようなことで、営業活動をやっておるわけであります。
 ただ、土地とかそういうデベロッパー的な金融ならば銀行が直接やれるではないかという話は、それは場合によってはあり得たかと思いますが、そこはそれぞれの融資の管理能力の限界その他の問題から、自分では直接やらない、ノンバンクにやらせるというような行動をとった者もあろうかと思います。
 そこで、次のお尋ねでございますが、モラルだけでは片づかないというのは、それは私どもの立場としては、そうでもあり、そうでなくもあるというのが率直な話でありまして、やはり世間が銀行というものについて信用を置いておりますのは、銀行は余りひどいことはしない、銀行員はしっかりしておるという何十年にわたるこれまでの実績、積み重ねた信用というものがあり、それが公共性のある金融機関を支えているわけでありますから、そういうモラルが低下するということは一大事でありまして、そのようなモラルの問題は極めて重要な問題であると思います。
 ただ、片一方で、ハッパをかけるだけでもなかなか現在の厳しい環境の中の銀行経営は成り立たない。そう簡単にはもうからない仕組みになっておるわけでありますし、単にもうかるもうからないの話だけではなくて、これが一国の、日本という大きな金融市場の中で最も効率的な役割を発揮してもらうにはどうするかということになりますと、さっき申しましたが、そこには制度問題のようなものも若干あると思いますということを感じておるわけでございます。
 そこで、いずれにいたしましても、私どもは経営の自主性、それから自己責任の原則、それが一つ、他方、行政の指導、検査、これが一つ、その両者の調和を図りつつ、やはり競争を直接制限することなく、信用秩序を維持していくために、いろいろ経営語比率の指導などを中心とした行政を行ってまいりたいと思うわけでございます。
 それから、最後のお尋ねでございますが、ノン
バンク関係でどのような状況であるかということは、実は私ども数字を持ち合わせておりません。そこに一つ問題もあるわけでございますが、現在いわゆる一般の貸金業者に対しましては、高利、暴利とか極端な取り立てを防止するという、債務者保護の観点からの貸金業規制法のようなものはございますが、その貸金業者の経営の内容を一々把握し、監督指導できるようにはなっておりません。したがいまして、貸金業者の経営の実態について、ほとんど申し上げることができるほどのデータを持っていないというのが率直な現状でございます。その辺に問題があるという御意見も時々伺っておるところでありますので、今後の研究課題であると思っております。
#24
○萩山小委員 先ほど金利の自由化についてお尋ねをいたしましたが、金利の自由化というものももちろん業務の自由化と関連いたしますので、お尋ねいたします。
 金融制度の改革というのは、銀行や証券会社の制度上の垣根を取っ払って、自由な競争により金融サービスの向上を図るということが目的であろうと思うわけでありますけれども、それによって、この改革が地域の活性化や地域振興につながってもらわなくてはなりません。そしてまた、広く地方の中小企業や農林漁業者にもその成果を及ぼすようなことが肝要ではないかなと私は思うわけであります。
 そういう観点からしまして、業務の自由化の進め方、大手金融機関から進められるとするならば、体制の整った金融機関から行われるわけでありますから、地方あるいは地域の中小弱小金融機関は業務の立ちおくれているものが当然出てくるわけであります。そういったときに、地方の居住者あるいは一番便利に使っている地域の住民、そしてまたそれにつながる地域の活性化もあるわけでありますが、こういった点に対して影響があるであろうと私は思うわけであります。そういったことを十分配慮しつつ中小金融機関対策というものを今後どう進められていくのか、ひとつ御答弁をお願いいたしたいと存じます。
#25
○井奥小委員 関連でいいですか。
 萩山先生から御質問がありましたけれども、それぞれの先生からもいろいろなお話が出ましたが、今の日本の産業構造というのは、かつてと違って第一次産業が一〇%を割ってしまっている。それから二次産業が三〇%台、そして不動産屋さんを初めとして第三次産業が約六〇%、こういった形での産業構造の転換というのが進められているわけですね。
 それが中小企業の方々というのは、銀行から金を借りるといったときに、まず、土地はありますか、こういうことなんです。土地があれば中小企業というのはそんな苦労するわけはありませんけれども、かつての銀行というのは、この人だったら大丈夫だとか、この人だったらきっとこういうことをやってくれるだろうとか、あるいはこの分野においては必ず世の中に貢献する製品ができるだろう、そういった先を見、銀行が大きな役割を果たしてこられたと思うのです。
 しかしながら、今日いろいろな地方銀行を見ましても、日銀とか大蔵省のそれぞれの分野で御活躍をなさった方々が、天下りとは言いませんけれども、そういうところで大変大きな影響力を行使しておられる。それがゆえに前任者よりも収益、収益、売り上げ、売り上げ、こういうことの競争になって、真の地場産業の育成というものが非常におくれている。こういうところに問題があって、土地をお買いなさいよ、土地をお買いなさいよ、ノンバンクを通して融資をしてあげましょう。そして買わされたところが、今となっては全く売れないような僻地だ、へんぴだ、こういうことになって、二重、三重の苦しみを受けているというのが現実の問題であります。
 しかし、これはやはり経営者の資質の問題、これも問えるわけでありますから、私は一概に銀行関係等々が悪いとは言いませんけれども、これから銀行の頭取なりあるいはそういった指導者の方々は、今後の日本の産業の将来というものを考えたときには、ひとつ多少リスキーであっても、そういうことにもっと蛮勇を振るって支店長が決裁をし、あるいは銀行もリスクをかぶっていくということをしなければ、第二次産業あたりというのは産業の技術の空洞化というものが起こってくるわけでありますから、こういう点について、土田さんというのは天下に名立たる局長でありますから、こういった形でぜひともひとつ御指導のほどを、御教示をお願いを申し上げたい。このことをお願いしておきます。
#26
○土田政府委員 平素の話題と多少それますので、失礼を申し上げるかもしれませんが、ただいま両委員の御提起のありました問題は非常に重要だとは思います。この地域金融の問題というのは、実は金融制度調査会の中で、一昨年から昨年にかけて第一委員会という組織で研究をお願いしたところでございます。ちなみに、この地域金融という問題の取り上げ方をしたのは、長い金融制度調査会の歴史の中でもこれが初めてでございました。
 その中間報告などを見ますと、地域金融の課題、それと期待される役割といたしまして二点挙げております。第一に、地域の住民や企業などのニーズの多様化、高度化に対応いたしまして、地域住民や企業などの資産形成や資産管理、それから地元企業などの育成振興、地域社会の質的向上に対応していくこと、それから第二に、この地域間格差の拡大に対応して、地域開発などのプロジェクトに積極的に参画し、地域活性化に貢献すること、この二つを挙げておるわけでございます。
 ところで、それを地域の金融機関は担い得るか、担い手としての力があるかというところは、これは実はやはり大銀行に比べると決して容易なことではございません。経営の基盤自体も小さいわけでございますし、それから、そういう地域では必ずしも収支相償うほどのニーズがあるかどうか、金融機関が人的、物的な新規投資をしました場合に、それが引き合うかというところは何とも言えないというところがございます。
 それで、実はこの第一委員会の報告では、まあそのような状況に……
#27
○尾身小委員長 銀行局長に申し上げます。
 あと質問希望者が多いものですから、簡潔にお答えをお願いします。
#28
○土田政府委員 そのような点をも十分に考えて、この制度改革のときに、地域金融機関にしかるべき配慮をすべきであるというのがその委員会の報告の要点でございます。
 それから、中小企業に対する貸し方なり、それからベンチャービジネス、ないしは、当面採算性に乏しいけれども、振興すべき企業に対する積極的な金融をやるかということでございます。それは重要なことは間違いないのでございますが、場合によっては民間金融の力だけでは及びかねるところもございますので、そういう方面には割合政策金融の出番が多いのではないかと思います。
 それから、最後に経営者の資質の問題でございますが、これはやや指導の限界を超えておる話でございますけれども、結局はその金融機関をめぐる周辺の取引先なり、地域なりの方々がどのような期待をその地域の金融機関に対してお持ちになるか。その期待にこたえた方が順次経営者になるべきはずであるというようなことでございますけれども、確かに経営者の問題は重要でありますので、私どもも今後勉強をしてまいります。
#29
○中井小委員 きょうのこういう小委員会の機会をおつくりになるのに御努力をいただきました堀先生に心から敬意を表します。
 私は、堀先生ほど何十年と大蔵委員をやっているわけじゃありません。一年少しでありますからわからない点もありますが、証券局長、銀行局長のお話、大変興味深く聞かせていただきました。
 証券取引審議会あるいは金融制度調査会、それぞれ国際化にどう対応していくかということで興味深い御報告をいただいたわけでございますが、銀行局長の話の中には、ヨーロッパあるいはアメリカ、そういった市場をにらみ、あるいは日本の金融市場の大きさ等のことを考え、国際化の必要
性というのは随分審議の中であったという御報告をいただいたわけでありますが、証券取引審議会の方ではそういう国際化あるいは自由化、こういったことについてどのような見通しあるいは方向で議論をなされておるのか。
 特にヨーロッパにおきましては、ECが一九九二年からまあまあ大きな市場として世界の中にあらわれてくるわけであります。そしてユニバーサルバンク、こういう形で銀行と証券が一体となったような形での金融や証券市場に対する出現が予想されるわけでありまして、今、日本の証券会社も随分いろいろな形でヨーロッパ、EC諸国へ足がかりをつくろうといたしております。
 その時期に、例えば相互参入の問題でも、銀行が入ってくる、これをどういう形で規制するのか、必要性があるのか、こういう形の御議論だ、こう言われましたけれども、例えば証券会社が逆に銀行へ入っていくのはどうだという議論もやっておるのか、そんなことも含めてお答えをいただければありがたいと思います。
#30
○松野(允)政府委員 証券取引審議会の審議におきましても、当然のことでございますが、この金融の国際化、自由化という観点を踏まえて審議をしていただいているわけでございます。
 証券市場あるいは資本市場も非常に国際化、自由化が進んでいるわけでございまして、極端なことを言うと、二十四時間の間に資金が一応一巡するというような状況になっているわけでございまして、そういった意味からいいましても、我が国の証券市場がロンドンあるいはニューヨークと並ぶ市場にならないと、空洞化ということでほかの市場に行ってしまうということになるわけでございまして、我が国の証券市場の国際競争力をつけるという意味でも、やはり国際化、自由化を十分踏まえた議論をしていただく必要があるというふうに思うわけでございます。
 その中で、先ほども御説明いたしました金融の証券化への対応というのも、そういうのを念頭に置いてやっているわけでございます。
 その新規参入の問題、いろいろ議論があるわけでございまして、御指摘のありましたヨーロッパのユニバーサルバンク中心の市場統合という動きというのも我々十分念頭に置いておりますし、また銀行局長から御説明いたしましたアメリカの今度の新しい金融制度改革案というものも、我々十分検討をしているわけでございます。
 ユニバーサルバンクと申しますのは、銀行そのものが銀行業務と証券業務をあわせ営むわけでございます。アメリカの今度の改革案というのは、銀行そのものがあわせ営むというよりは、むしろ銀行と証券会社が同一企業グループの中で、お互いに業務を行うというような形のものが想定されているわけでございます。これも広い意味ではユニバーサルバンク的なものだということが言えると思うわけでございます。
 そういった観点から申しますと、例えば日本の場合には持ち株会社というものをつくることが独禁法で禁止されておりますので、証券会社が子会社をつくって銀行業務を行う、あるいは銀行が子会社をつくって証券業務を行うというような形のものが考えられるわけでございまして、そういった形のものがいわゆる業態別子会社ということで、相互参入という考え方のもとに一応考えられるわけでございます。
 ただ、証券取引審議会の立場と申しますのは、やはり証券市場というものを視点の中心に置いておりますので、この市場の健全な発展あるいは安定的な発展というものがどうしても中心になる。そうなりますと、例えば銀行の子会社による参入というのが、市場の健全性という問題で何か問題を起こさないかどうかということを検討する必要もございます。
 また、お尋ねの証券会社の子会社による銀行業務への参入という問題、これはもちろん証券会社自身の問題もございますけれども、銀行ということになりますと預金を受け入れるわけでございまして、今度は預金の保護という問題もあるわけでございます。そういったお互いの子会社による参入というのはいろいろな問題をはらんでいるということもございまして、先ほど御説明いたしましたように、まだ審議の途中でございますし、もちろん証券会社の子会社による銀行業務への参入というものも、全く考えの外に置いているというわけではないわけでございます。
#31
○細谷小委員 きょうは予定してない質問でございますので、若干事実関係で異なるかもわかりませんけれども、次回以降、事実関係をしっかり押さえていろいろとまたお尋ねをしていきたいと思っています。
 株というのはもうかったり損したりすることがあるものだというふうに思っていたのです。私はそういう意味において、去年事件がありましたけれども、何か売却損はどこか都市銀行、大手銀行がちゃんと穴埋めをしてやるというような事件が発覚したのを覚えております。これは私は大変ショッキングだったのですね。やはりこれから証券市場は、個人株主を大いに育成することが大きな役割の一つだと期待されていると思うのでありまして、そういう意味においてこれは本当に大きな事件だったのではないか、不祥事だったように思います。その後いろいろと指導されたと思うのですけれども、これが法的に問題があった、法律上の不備、欠陥があったがゆえにこういうふうになったのかどうか、その辺の問題について明らかにして、ぜひ信頼回復を図らなきやならぬのじゃないかというのが第一点です。
 それからもう一点は、うちの仙谷議員が去年の大蔵委員会で指摘いたしましたけれども、当時都市銀行で個人の情報が、預金口座の情報が市中に流れて売られているという事件がありまして、その後、それにとどまらず、二、三の銀行でまた出てまいったのを御承知だと思います。その後いろいろと手も打たれ、銀行自身の自主規制も行われたと思うので、その後は出ていないようでありますけれども、一体どんな行政指導が行われたのか、実態はどうなっているのか、それについて、後刻また明らかにしていきたいと思っておりますが、簡単にお答えいただければと思います。
#32
○土田政府委員 前半の問題は、証券局長から御説明申し上げますに先立ちまして、一言だけ申し上げます。
 ただいま委員が提起されました個別案件は、若干思い当たる節もございますが、いずれにいたしましても、それはあらかじめ損失を保証する旨の約束をしていたということではないのでありまして、この事後のいわば処理の一つとして、いろいろ話し合っておりますうちに他の方法によって、つまり、損失を保証するというような目的で金を渡すとか、そういうことではございません他の取引によって、多少取引先に対しましてフェーバーを与えるというようなことをやった。しかし、それはやはり税務上問題はあり得るわけでございますので、それを自発的に進んで申告をしたというようなことでありましたと思います。ただ、これは銀行としてやるのにふさわしい行動であったかと申せば、それはそういうことではないのでありまして、その銀行におきましてしかるべき善後処置を、その責任の明確化も含めてとったという報告は受けておったと思います。
 それから、二番目の個人情報の問題でございますが、これも報道されたことはございます。その後、これは結局、情報、データの管理に欠陥があったというふうに考えざるを得ないというところから、業界の共同の研究機関でもございますが、金融情報システムセンターという法人がございますが、そこで実務家を集めて研究会を開きまして、このような事態を起こさないためのシステムの改善を要する点を取りまとめ、対策を発表したところでございます。
#33
○松野(允)政府委員 確かに御指摘のように、株式の取引というのは、これは損をすることもあればもうかることもある。したがいまして、投資家の自己責任でやっていただくというのが私どもの基本的な考え方でございまして、そういった点から申しますと、事後的にとはいえ損失を補てんするというのは、極めてそういう株式取引の基本的
な原則に触れる行為だというふうに考えざるを得ないわけであります。
 現在の証券取引法では、事前に、取引をする前に損失を保証して勧誘をするという行為は、これは禁止行為になっておるわけでございます。事後の損失補てんということについては、先ほど御説明で申し上げましたように、通達を出して厳正に禁止をしているわけでございます。しかし、大体こういうような取引は、いわゆる売買一任取引という格好で行われる場合が多いわけでございまして、売買一任勘定につきましては、これも先ほど御説明申し上げましたように、証取審の審議を受けまして、私どもも法律においても禁止をするという方向で検討をしてまいりたいというふうに思っているわけでございます。
#34
○尾身小委員長 時間が参りましたので、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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