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#1
第120回国会 外務委員会 第1号
第百二十回国会衆議院
外務委員会議録第一号(その一)
本国会召集日(平成二年十二月十日)(月曜日)
(午前零時現在)における本委員は、次のとおり
である。
   委員長 柿澤 弘治君
   理事 愛知 和男君 理事 園田 博之君
   理事 浜田卓二郎君 理事 浜野  剛君
   理事 牧野 隆守君 理事 上原 康助君
   理事 高沢 寅男君 理事 山田 英介君
      伊東 正義君    石原慎太郎君
      小渕 恵三君    鯨岡 兵輔君
      栗原 祐幸君    小杉  隆君
      坂井 隆憲君    塩谷  立君
      野呂田芳成君    福田 康夫君
      山口 敏夫君    五十嵐広三君
      井上 一成君    岡田 利春君
      佐藤 観樹君    渋沢 利久君
      松原 脩雄君    遠藤 乙彦君
      神崎 武法君    古堅 実吉君
      和田 一仁君
──────────────────────
平成二年十二月十八日(火曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 柿澤 弘治君
   理事 愛知 和男君 理事 浜田卓二郎君
   理事 浜野  剛君 理事 牧野 隆守君
   理事 上原 康助君 理事 高沢 寅男君
   理事 遠藤 乙彦君
      石原慎太郎君    小渕 恵三君
      鯨岡 兵輔君    小杉  隆君
      坂井 隆憲君    塩谷  立君
      鈴木 恒夫君    野呂田芳成君
      福田 康夫君    五十嵐広三君
      井上 一成君    岡田 利春君
      佐藤 観樹君    松原 脩雄君
      神崎 武法君    玉城 栄一君
      古堅 実吉君    和田 一仁君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 中山 太郎君
 出席政府委員
        外務大臣官房長 佐藤 嘉恭君
        外務大臣官房審
        議官      野村 一成君
        外務大臣官房領
        事移住部長   久米 邦貞君
        外務省アジア局
        長       谷野作太郎君
        外務省北米局長 松浦晃一郎君
        外務省欧亜局長 兵藤 長雄君
        外務省中近東ア
        フリカ局長   渡辺  允君
        外務省経済局次
        長       須藤 隆也君
        外務省条約局長 柳井 俊二君
        外務省国際連合
        局長      赤尾 信敏君
        郵政省郵務局次
        長       上野 寿隆君
 委員外の出席者
        外務大臣官房審
        議官      河村 武和君
        農林水産省経済
        局国際部国際協
        力課長     三宅 輝夫君
        食糧庁業務部輸
        入課長     高橋  勉君
        郵政省郵務局国
        際課長     大橋 郁夫君
        外務委員会調査
        室長      市岡 克博君
    ─────────────
委員の異動
十二月十日
 辞任         補欠選任
  山田 英介君     玉城 栄一君
同月十八日
 辞任         補欠選任
  伊東 正義君     鈴木 恒夫君
  五十嵐広三君     井上 普方君
  佐藤 観樹君     川崎 寛治君
  渋沢 利久君     川島  實君
同日
 辞任         補欠選任
  鈴木 恒夫君     伊東 正義君
同日
 理事山田英介君同月十日委員辞任につき、その
 補欠として遠藤乙彦君が理事に当選した。
    ─────────────
十二月十一日
 万国郵便連合憲章の第四追加議定書の締結について承認を求めるの件(条約第一号)
 万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件(条約第二号)
 小包郵便物に関する約定の締結について承認を求めるの件(条約第三号)
 郵便為替に関する約定の締結について承認を求めるの件(条約第四号)
 郵便小切手業務に関する約定の締結について承認を求めるの件(条約第五号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 国政調査承認要求に関する件
 万国郵便連合憲章の第四追加議定書の締結について承認を求めるの件(条約第一号)
 万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件(条約第二号)
 小包郵便物に関する約定の締結について承認を求めるの件(条約第三号)
 郵便為替に関する約定の締結について承認を求めるの件(条約第四号)
 郵便小切手業務に関する約定の締結について承認を求めるの件(条約第五号)
     ────◇─────
#2
○柿澤委員長 これより会議を開きます。
 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 理事山田英介君が去る十日委員を辞任されましたのに伴いまして、現在理事が一名欠員になっておりますので、この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○柿澤委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に遠藤乙彦君を指名いたします。
     ────◇─────
#4
○柿澤委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際情勢に関する事項について研究調査し、我が国外交政策の樹立に資するため、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中国政調査を行うため、議長に対し、承認を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○柿澤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ────◇─────
#6
○柿澤委員長 次に、万国郵便連合憲章の第四追加議定書の締結について承認を求めるの件、万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件、小包郵便物に関する約定の締結について承認を求めるの件、郵便為替に関する約定の締結について承認を求めるの件及び郵便小切手業務に関する約定の締結について承認を求めるの件、以上五件を一括して議題といたします。
 まず、政府より提案理由の説明を聴取いたします。中山外務大臣。
    ─────────────
「万国郵便連合憲章の第四追加議定書の締結につ
  いて承認を求めるの件
 万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約の締結
  について承認を求めるの件
 小包郵便物に関する約定の締結について承認を
  求めるの件
 郵便為替に関する約定の締結について承認を求
  めるの件
 郵便小切手業務に関する約定の締結について承
  認を求めるの件」
    〔本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
#7
○中山国務大臣 ただいま議題となりました万国郵便連合憲章の第四追加議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 万国郵便連合は、郵便物の国際交換制度の確立を目的として明治七年に設立された世界で最も古い歴史を有する国際機関の一つであり、我が国も、明治十年に加盟して以来その活動に積極的に参加し、郵便の分野における国際協力のために努力してきております。
 万国郵便連合憲章は、万国郵便連合の基本文書であり、第四追加議定書は、この憲章について万国郵便連合の組織及び運営の効率化の観点から、所要の改正を施すことを目的とするものであります。
 この議定書を締結することは、我が国が万国郵便連合の一員として今後ともその活動に引き続き積極的に協力していくために必要であると考えられます。
 よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 万国郵便連合一般規則は万国郵便連合憲章の適用及び万国郵便連合の運営について定め、万国郵便条約は国際郵便業務に適用する共通の規則と通常郵便業務に関する規定とを内容とするものであり、両文書とも、すべての連合の加盟国に対して締結が義務づけられております。
 この一般規則及び条約は、国際郵便業務における最近の事情を考慮して万国郵便連合の運営及び業務に関する事項について所要の修正と補足を施した上で現行の一般規則及び条約を更新するものであります。
 この一般規則及び条約を締結することは、我が国が万国郵便連合の一員として今後ともその活動に引き続き積極的に協力していくため、また、我が国が国際郵便業務を引き続き円滑に運営していくために必要であると考えられます。
 よって、ここに、この一般規則及び条約の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、小包郵便物に関する約定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 小包郵便物に関する約定は、締約国の間における小包郵便物の交換を規律することを目的としております。この約定は、小包郵便業務に関する最近の事情を考慮して所要の修正と補足を施した上で現行の約定を更新するものであります。この約定を締結することは、我が国が国際的な小包郵便業務を引き続き円滑に運営していくために必要であると考えられます。
 よって、ここに、この約定の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、郵便為替に関する約定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 郵便為替に関する約定は、郵便為替の交換を規律することを目的としております。この約定は、郵便為替業務に関する最近の事情を考慮して所要の修正と補足を施した上で現行の郵便為替及び郵便旅行小為替に関する約定を更新するものであります。この約定を締結することは、我が国が国際的な郵便為替業務を引き続き円滑に運営していくために必要であると考えられます。
 よって、ここに、この約定の締結について御承認を求める次第であります。
 最後に、郵便小切手業務に関する約定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 郵便小切手業務に関する約定は、郵便振替口座を利用して行う送金業務を規律することを目的としております。この約定は、郵便小切手業務に関する最近の事情を考慮して所要の修正と補足を施した上で現行の約定を更新するものであります。この約定を締結することは、我が国が国際的な郵便小切手業務を引き続き円滑に運営していくために必要であると考えられます。
 よって、ここに、この約定の締結について御承認を求める次第であります。
 以上五件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
#8
○柿澤委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
    ─────────────
#9
○柿澤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。五十嵐広三君。
#10
○五十嵐委員 今御提案をいただいたわけでありますが、今国会冒頭の異例なこの国会提出で、特にこの条約の批准を急いでいる理由は一体どういうことなのか、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
#11
○野村政府委員 今般御承認の対象となっております万国郵便連合関係の条約、これはほぼ五年ごとに改正更新されてきておりまして、その都度国会の御承認を得た上で締結しているものでございます。何分今回の改正更新につきましては、昨年の暮れの会議で採択されたのでございますが、発効日を従来より早めまして明年一月一日と相なったわけでございます。我が国の場合、これらの条約は日本の国際郵便業務についての法律上の根拠となっておりまして、したがいまして引き続いて国際郵便業務を行っていくためにはどうしても明年一月一日までに締結を必要とする、そういう事情にあるわけでございます。
#12
○五十嵐委員 郵便条約関係の五件は、いずれも去年の十二月十四日に署名されて、しかも来年一月一日に発効が明記されているわけであります。さきの通常国会や臨時国会になぜ御提出がなかったのかということをお伺いしたいと思います。
#13
○野村政府委員 多数国間条約の国会提出に当たりましては、事務局が作成します正式の条約文、私ども認証謄本と呼んでおりますが、それを入手することが必要でございまして、今回の条約、かなり膨大な量でございまして、事務局の方でこれが準備できて私どもに送ってまいりましたのがことしの七月でございます。そういうことで第百十八回特別国会には間に合わなかったという事情がございます。またさきの臨時国会につきましては、国連平和協力法案に絞って御審議するということでございまして、同国会においてこれら条約を提出することができなかったということでございまして、今国会冒頭に御承認のために提出している次第でございます。
#14
○五十嵐委員 わかりました。
 非常に情報化あるいは国際化が進んでいる中で、郵便事業というのは大変大事な仕事になっているわけであります。日本の郵便事業がなかなか国際的にも評価のある活動をしているということのようでありますが、この機会にその辺のところを若干、国際的な活動ぶり、殊にこの前は理事にもなっているようでありますが、その辺のところの御説明を、手短で結構ですからよろしくお願い申し上げたいと思います。
#15
○上野(寿)政府委員 このたびのワシントンの大会議でございますけれども、諸外国から日本の郵便事業に対しましては奇跡的な回復をしたということで非常に高い評価をいただいております。そういった評価のあらわれだというふうに思いますけれども、執行理事会、それから郵便研究諮問理事会、この両理事国の選挙におきまして日本は世界のトップ当選というふうになっております。これはまさに諸外国の我が国に対する期待のあらわれだというふうに思っておるわけでございますけれども、私どもそういった各国の期待にこたえまして、今後ともUPUの活動あるいは途上国に対する技術援助、協力、そういった面で今まで以上に積極的な貢献をしてまいりたいというふうに思っております。
 具体的に一、二申し上げたいというふうに思います。
 UPUの活動につきまして主導的な役割を今までも演じてきておりますけれども、そういった活動を通じまして、我が国の郵便事業の経営、それから人材活用、郵便の機械化、そういった点につきましての具体的な知識、ノーハウ、そういったものを積極的に提供することによって諸外国に貢献をしてまいりたいというふうに思っております。
 それから、特に開発途上国に対する技術協力だとか援助だとか、そういう点でございますけれども、今まで人材の育成というふうな点が非常に大きな要請として出てまいっております。私ども、途上国の郵便関係の職員の受け入れあるいはセミナー、そういった点を今までも実施しておりますけれども,今後は、地域技術協力アドバイザー、こういった職員の派遣もやり、また今まで以上にそういった研修、人材の育成に対する貢献、また専門家の派遣、そういったこともやりながら、今後とも途上国に対する協力を続けてまいりたいというふうに思っております。
 私ども、今後とも世界の中で郵便先進国といたしまして責務を十分果たしていく意味でも、いろいろ積極的に貢献したいという決意でございます。
#16
○五十嵐委員 ぜひひとつ郵便事業の面でも国際的に今後も積極的な貢献をしていただきますように期待したいというふうに思います。
 それらに関連して、以下当面重要な二、三のことについてお伺いを申し上げたいと思います。
 まず第一点は、当面のソ連の情勢にかかわる諸問題であります。
 来年の四月に、ゴルバチョフ大統領が来日するという予定になっているわけであります。この前シェワルナゼ外相が来られたときに、たしか四月の中旬というようなお話をなさっておられる。この前ある新聞社が、これはインタビューの記事であったと思いますが、ロガチョフ次官と会った折に、四月十五日というようなことも出ているようであります。ほぼそういうことであろうと思うのでありますが、この日程で、我が国は受け入れることに問題はないわけですね。
#17
○兵藤政府委員 ゴルバチョフ大統領の訪日の時期につきましては、今委員おっしゃったように、四月中旬というお話は向こうから参ったわけでございますが、それ以上に私どもに具体的な日程を今日現在まで通報越しているという事実はございません。私どもは、ソ連側から外交ルートでいかなる意味でも具体的な日取りということにつきまして通報は受けておりません。
#18
○五十嵐委員 そういうことでしょうね。具体的な外交ルートでの正式なお申し入れがまたあるということであろうと思いますが、しかし一応そういうことでお話がいろいろな機会になされているわけですから、政府としても御検討いただいているわけでありましょう。そういう正式なルートでの申し入れがあれば、四月でうまくないとか四月中旬でうまくないとかそういうことは別にないですね。
#19
○兵藤政府委員 私どもも、ソ連側からお話のございました四月中旬ということで、歓迎をしたいという意向は既にソ連側にも伝えてございます。
#20
○五十嵐委員 その折に領土問題にめどをつける、あるいは平和条約締結にめどをつけるという我が国政府の方針、決意というものにもちろん変わりがあろうはずがないと思いますが、そういうことですね。
#21
○中山国務大臣 ゴルバチョフ大統領が訪日をされるという一つの大きな歴史的な時期を重要な時期と考えまして、北方領土問題を解決し、平和条約を締結することを最重要課題に考えております。日ソ関係全体を均衡のとれた形で拡大していきたい、それがこの日ソのこれからの新しい関係構築に貢献するようなことを私どもは心から期待をいたしております。
#22
○五十嵐委員 今大変な苦労をしながらソ連はペレストロイカを進めている。こういうソ連の新思考に基づく国内的なあるいは国際的な政策の進展、こういうことについて、私どもは世界の平和や安定に大変大きく寄与しているというふうに評価をしているのでありますが、大臣の評価はいかがなものか。あるいは、それの正常な進展、安定、定着というようなことについて我々は期待をしているけれども、政府はそれに大きな期待を持っているのかどうか。
#23
○中山国務大臣 ゴルバチョフ大統領が指導されておられる今日のペレストロイカ、この路線を日本政府は引き続き支持をすることを明確にいたしております。また、民主化、公開性では大変進展が見られておりますが、一方、新しい一つのシステムを導入することについて、ゴルバチョフ大統領を初め指導部が大変御苦労をされている、しかし、勇気を持ってその大きな目的のために努力をされているという評価を私どもはいたしております。
#24
○五十嵐委員 そういう評価をし、期待をしているソ連が、現状、新しい市場経済への移行の過程の中で大変な混乱と困難な状況に陥っている。それは我々が見てももう本当に想像を絶するような状況と認識をせざるを得ないわけであります。そういう大きな今の体制移行にかかわる深刻なソ連の状況、あるいはそういうものの一つのあらわれとしての当面する食糧や医薬品あるいは消費物資等の大変な局部的な欠乏の状況にあるというような実態について、どの程度政府としては認識をなされて、あるいはそれは我が国としても、あるいは我が国だけじゃなくてその他の諸外国が積極的に支援をしなければならぬような状況というふうに認識をしておられるかどうか、その点のお考えを聞かせてください。
#25
○兵藤政府委員 委員御指摘のとおり、現在のソ連の最も深刻な問題は、いわゆるペレストロイカという名のもとに進めておられます経済の抜本的な諸改革、その諸改革が今暗中模索の中でまだ必ずしも鮮明な方向が出ない、その中でいろいろな混乱があるということであろうかと思いまずけれども、私どもはペレストロイカそのものの方向性というものは日本政府としても積極的に支持していくということで、ペレストロイカに対するいろいろな技術的な支援を全面的にしているということは、御承知のとおりでございます。
 委員御指摘の、特に食糧事情ということに絞って申し上げれば、一方では、ことしは穀物生産は大豊作であった、最近のプラウダでも二億四千万トンぐらいとれたという報道がございましたけれども、例えば八四年、八五年では一億七千万トンぐらいだった、八八年、八九年では一億九千五百万トンぐらいであったということを考えますと、大豊作というふうに言ってよろしいかと思うのでございますが、一方で確かに食糧不足が深刻であると言われる、そこにまさに今日のソ連経済の問題がある、一言で言えば中央集権的な供出・配分システムが崩壊しつつあるということであろうかと思います。
 農民、コルホーズ、ソフホーズは、供出を指示どおりやらない、それを横流ししたり、あるいは特定の企業と、例えば石けんですとかマッチと物物交換するというような直接の取引を始める、あるいは供出したものが途中で横流しされるというようなもの、あるいは運搬、保存の過程で大きなロスがある。最近も新聞に出ていたところでございますが、モスクワで数百台の貨車に食糧が満載されて到着したけれども、それが野ざらし、この食糧危機の中で野ざらしという批判の記事が出ておりましたけれども、まさにそういう問題、あるいは地域主義の問題、モスクワの周辺でモスクワにずっと肉を供給していた地域が、モスクワ供給を拒否するというような決議をするというような問題、あるいはそれに加わりまして、心理的な買いだめムードというようなことがあるわけでございます。
 しかし、物はあるといいましても、末端の年金生活者あるいは国営食品店でしか物を購入できないという低所得者層あるいは善良な市民の中で、大変に深刻な食糧の危機感というものがあるということも事実のようでございます。そういうことでいろいろな過渡期の混乱現象の中の一つともこの食糧事情も位置づけられるかというふうに見ております。
#26
○五十嵐委員 いや、支援の必要があるかということ。
#27
○兵藤政府委員 ペレストロイカに対する支援につきましては、先ほど御報告申し上げたとおりでございますが、食糧援助につきましても、ただいま日本政府として何ができるか、できることをやりたいという総理、外務大臣からの御指示に基づきまして、政府内部で鋭意具体的に検討をしているところでございます。
#28
○五十嵐委員 つまり今の食糧事情等の実態というものは、やはり我が国としても支援しなければならぬ、あるいは我が国だけではなくて諸外国そういう動きになっているわけですが、そういう支援を必要としている状況だという認識ですか。
#29
○兵藤政府委員 諸外国の趨勢は、例えばイギリス等は、本当の食糧援助はないという認識のもとにまだ二国間では具体的な策を打ち出しておりませんけれども、EC全体としては、御案内のとおり十億ドル相当の援助をする等々の決定をいたしております。諸外国の決定の中には政治的な要素も多分に含まれた決定であろうと思っておりますが、私どもも政治的な配慮も加えまして、ソ連に対してできるだけ早く食糧援助で日本ができることをやるべきだという同じ認識から、先ほど御報告申し上げましたように政府の中で鋭意検討を進めている、こういう状況でございます。
#30
○五十嵐委員 まあ、ソ連のこの緊急な異常な状態に対して、世界の各国は、改めて言うまでもないわけですが、この夏以来積極的な支援を始めているわけであります。それはそれぞれの国の事情があろうと思いますが、ドイツは三億三千八百万ドルの食糧援助を実施している。また、三十億ドルの金融支援を決定しようとしているようであります。フランスは約十億ドルの金融支援を決定している。イギリスは年末までに四億ドルの資本財援助を決定するということであります。スペインは十五億ドルを供与、その半分は食糧、消費財、その他は技術援助ということのようであります。イタリアは九億ドルの信用供与。オーストリアは食糧など二千万ドルの直接援助。カナダは約十億ドルの援助を食糧取引について行おう。オーストラリアは、オーストラリアからの小麦でありますが九千六百万ドル、それから他商品に三億二千六百万ドルの供与を決定しているようであります。
 そしてアメリカは、これはもうこの前大変思い切った援助に踏み切った。それで、ジャクソン・バニク修正条項の適用除外を決めている。そして、ソ連への信用供与を認めて、世界銀行やIMFからの特別融資を支援する、こういう大きな方針転換を発表したわけであります。五億ドルから十億ドルの融資を保証して、三億ドルを限度に輸出入銀行の融資再開を決めたわけであります。 またECは、この間来それぞれ検討し、決められておりますように、独自の対ソ経済援助中期計画を立ててソ連の市場経済移行を強力に支援する方針を固めながら、当面十億ドルの緊急食糧援助を決定したようであります。
 さらに十四日、ゴルバチョフ・ソ連大統領と会った盧泰愚韓国大統領は共同宣言に調印をした。貿易、投資保証など四協定を締結したわけであります。これによると、通商、産業、輸送各分野での協力やあるいは先進科学技術への相互の協力あるいは事業による開発と投資の交流の拡大を詳細に取り決めているようであります。また、当面の問題である食糧不足等については、ソ連の極東部での食糧、医療援助あるいはハイテクの供与などを決めて、一部報道では三十億ドルの経済援助をするということも伝えられているようであります。
 こういうふうに各国が積極的にソ連経済を世界経済に組み入れていこうとしている、今日のペレストロイカの進行途上における大変深刻な経済危機に対して、力を合わせて協力していこうとしている、また、当面の食糧危機に対しましても、あるいはその他の消費物資等についても本当にどんどんと積極的に支援体制を進めているわけであります。我が国がソ連の隣国であるということは言うまでもない話だ。しかも、我が国もこれだけの経済大国になっている。そして、前段申し上げたように四月にはゴルバチョフ大統領も来る。領土問題を中心にしてソ連との積極的な関係改善を目指して、今我が国は始動しようとしているわけですね。
 こういうときにどうして我が国のソ連に対する支援政策が決まってこないのか。まあ若干の医薬品等についてはこの間来決められたようで、以下私もそれぞれこの後お聞きをしたいと思うのでありますが、しかし、総じて一体何をやっているのかという感じが私はするのであります。今ぐらい日ソの相互信頼が必要な時期はない。機を失しないで本当にやはり誠意を持ってこれに当たるということが必要ではないかと思うのですが、そう思えばこそ非常に実はいらいらするといいますか、何をやっているのかという感じが強くするのでありますが、大臣、いかがですか。
#31
○中山国務大臣 日ソの間に最近いろいろと人物の交流あるいは情報の交換等も活発になり、私は先般のシェワルナゼ外相の訪日の際にもいろいろとお話し合いをいたし、双方この会談に満足をして別れたわけでありますけれども、自来、この委員会で五十嵐委員からお話のありましたチェルノブイリの原子力発電所の被爆者に対する医療協力も、WHOを通じて二十六億円を日本政府として独自の判断で医療機材を提供するということで決定をさしていただきました。また、医薬品等の協力につきましても、国際赤十字社を通じていろいろと情報を集め、何が一体今のソ連の人たちに求められているのかということも、私ども政府としてはただいま努力をしている最中でございます。
 医薬品につきましても、同じ医薬品を送るにいたしましても、医薬品の効用あるいは使用書等について、英語だけではソ連においてなかなか使えないだろうということで、ロシア語の使用書をつくる必要があるのじゃないか、こういうことまでいろいろと細部にわたって事務当局では検討をさらに進めておりますけれども、私どもは隣国であるソ連との関係を円満に友好発展さしたいという願いは大きなものがありまして、私どもとしては今日まで、コンスタンチン君のやけどの治療にしても、とにかくビザがあろうとなかろうとそういう気の毒な方には協力をするという姿勢を今日までとってきておりますが、今御指摘のように、この経済問題につきましては大変ソ連は苦労をしていると思います。
 しかし、物がないかといえば、今局長が答弁をいたしましたように豊作で、いわゆるアクセスの問題で大変な苦労が起こっているというようなこともございまして、私どもはこれから日本として人道的観点から一体何ができるかということについて、今政府部内で真剣に検討しているという段階であることをこの機会に申し上げておきたいと思います。
#32
○五十嵐委員 この間来の予算委員会のやりとりなんかを聞いていますと、どうも北方領土問題があるから積極的な支援ができないといいますか、そこが決まらなければ支援できない、こういう印象のことのお話がある。私は逆だと思うのですよ。それは北方領土の問題があるから、むしろ今、我々は積極的に援助しなければだめなものは援助していくということが必要だと思うのです。今ぐらいお互いの信頼関係をしっかりつくっていく必要なときはないと私は思うのですよ。拡大均衡論というのは私はそのことでないかと思うのですよ。これは我が政府から言っている話であって、そういう意味ではぜひもっと積極的に支援策を進めてもらいたい、こういうふうに思うのです。
 そこで、民間では、自治体の場合でもあるいはいろいろな民間団体でもあるいは政党でもそうですね、超党派の議員連盟でもそうだ、みんなそれぞれの立場で心配してどんどん積極的にみずから支援の活動を展開しているわけですね。どうして政府だけがおくれるのか。検討している検討しているといって、一体いつまで検討を続けているのか。今の答弁のニュアンスからいいましても、何かどうも物はあるのだからそう支援する必要がないのでないかというような感じが読み取れるのです。だから私はさっき聞いたのですが、援助する必要があると認識しているのかどうなのかということなんですよ。援助しなければならないという認識であれば、それはやはり意味のある援助、間に合う援助をしてもらいたい、こういうぐあいに思うのです。
 五億円の医薬品を送るということに決まったようであります。予算措置は一体どういうことになるのか、医薬品の主な品目等についてどういうことになっているのか、品物の流れは一体どういう、例えば赤十字を通していくとか、そういうことなのかどうなのか、実際に一体いつ現物がソ連側に渡ることになるのか。これはまず決まっているその五億円の医薬品についてお答えいただきたいと思います。
#33
○兵藤政府委員 医薬品につきましては、私どもは国際赤十字社連盟という国際組織を通じましてソ連の赤十字、日本の赤十字と連絡をとりながら、どういうものが必要であるか、援助をいたします場合には向こうがまさに今必要としている薬、これを効果的に配布したいということで具体的な手続的な詰めをこれから始めるということでございます。
#34
○五十嵐委員 予算措置……。
#35
○兵藤政府委員 予算は、今年度予算から手当てをするということは、今会計年度中にこれをぜひ実施いたしたいというふうに考えております。
#36
○五十嵐委員 そうすると、同じことをまた聞くことになるのだが、実際に物が向こう側に渡るというのはいつごろになるのですか。
#37
○兵藤政府委員 私どもも、まさに委員の御指摘のとおり、特に医薬品につきましては不足の深刻さというものは相当ひどいという認識にございますので、できるだけ早く送りたいと思っておりますが、ここ一ヵ月をめどに実際に物が向こうに行くというめどで今鋭意作業を始めているところでございます。
#38
○五十嵐委員 しかし、まだ赤十字ルートを通じて何が必要かというようなことの話し合いをしているということなんでしょう。まだその品目が決まってないわけでしょう。
#39
○兵藤政府委員 一応の医薬品のリストというものは、在京大使館を通じまして入手をいたしておるわけでございます。そして、どういうものがどういうふうに必要かということを、もう少し具体的に厚生省と御相談をしながら今詰めているということでございます。
#40
○五十嵐委員 厚生省と相談しながらといったって、医薬品と食料品についてリストをいただいておるのはよくわかっておる。我々も二十四品目にわたるリストというのはちょうどうちの方の議員連盟でもいただいて、外務省の方にも御連絡申し上げたところであります。だから、このリストの物を出すということではなくて、今のお話を聞くと、国際赤十字等を通じてソ連側といろいろ話を、恐らくソ赤に聞いているでしょうね、そしてその中で、特に必要なものはどんなもので、何をどうするというようなことの協議をしているというぐあいに聞いたのです。
 だから、そういうことを行って、やや品目が決まって、それから今度はそれぞれその手配をして、そして送るということになるわけだ。しかし、今、一月ぐらいで物が相手に渡るという局長のお話でありますから、それはそう受け取っていいですね。
#41
○兵藤政府委員 私どもの努力目標として、できるだけ早く物が渡るようにいたしたいということでございます。医薬品のリストも相当膨大なりストでございます。日本側の調達可能な医薬品の量等も今詰めておりますので、先生の御指摘の趣旨を踏まえて鋭意できるだけ早く作業いたしたいというふうに考えております。
#42
○五十嵐委員 その前に決められている、この間予算で決めたばかりの二十六億円のチェルノブイリ救援の医療機器類でありますが、これはいつ荷渡しになるのですか。これはもう既に相当な検討を進めてきているわけなんだろうから早々と行くのだろうと思いますが、どうですか。
#43
○兵藤政府委員 目下、医療機材の供与ということで、十日ほど前でございますが、チェルノブイリの医療援助につきまして、ソ連側から専門家が参りました。その意見交換も踏まえまして、どういう医療機材が必要かということで、私も専門外でございますのであれでございますが、例えば、日本側として、超音波の診断装置でございますとか、全自動の血球測定装置というのでございますか、そういうものでございますとか、生化学の検査の自動分析機といったようなものが対象になるかな、例えばの例示でございますけれども、そういうようなことで内々この検討を進めておるということでございます。
#44
○五十嵐委員 これは世界保健機関を通していくわけですね。今年度内に出せますか。私はいろいろ聞きましたのですが、今年度内に行くことだってなかなか大変だというのじゃないですか。はっきり言ってくださいよ。
#45
○兵藤政府委員 大臣が述べられました二十六億円というのは、昨日国会で御承諾をいただきました補正予算でございます。補正予算でございますので、その遂行というのは今会計年度中に行われるべきものであるということでございますので、私どももできるだけ早く、今申し上げた医療機器でソ連側が最終的にいいということでありますれば、委員の御指摘のごとく、WHOを通してソ連側に渡すという話を詰めてまいりたいというふうに考えております。
#46
○中山国務大臣 先般、つい数日前でございましたが、チェルノブイリの方からソ連側の専門家の御一行が来られまして、私もじきじきお話を承りました。そして日本政府としては、せっかくの我我の好意が有効に生かされるように速やかに適切に処理をしてまいる、こういう考え方でございます。
#47
○五十嵐委員 食糧の問題ですが、大臣は、参議院の予算委員会であったと思いますが、食糧援助は政府間交渉を前提とするというようにお答えになっているようであります。これはどういう意味ですか。
#48
○中山国務大臣 ソ連がいわゆる受け入れをどのような役所でやられるか、これが実はまだ、私どもとしては、たしか十二月の三日でございましたか、ソ連の政府の幹部が任命されて、その輸送、管理それから配分、それらのシステムの責任者が決まったという報告を受けております。私どもとしては、ソ連政府からの連絡を待ってソ連側と正式な窓口を決めて、それで日本政府がやれることにどのような手続をとればいいか、それがまた適正に相手方に渡るようなルートを確立したい、このように考えております。
#49
○五十嵐委員 そんなお話をしていたのではもう全く間に合わないですね。
 農水省がお見えになっていると思いますが、農水省は食糧援助について、一体どういうような援助の品目が可能なんだというような、やるとすればどうなんだという御検討をこういう状況の中だから積極的にやっていると思うが、いかがですか。
#50
○三宅説明員 お答え申し上げます。
 ソビエトへの食糧の緊急支援という問題につきましては、先ほど来外務大臣初め欧亜局長の方から御答弁がありましたように、政府部内で今いかなる対応が適切かということを検討されておられるというふうに私どもは承知いたしております。この基本的な考え方が定まりまして、当省に、農林水産省に協力依頼ということでお話がございますれば、私どもとしていかなる物資についてどういう形の対応が可能か、それを至急に検討してまいりたいというふうに考えております。
#51
○五十嵐委員 今のお話を聞くと、そういう場合に、仄聞しておるので農水省もそういう指示があればまた検討するということなんだが、それはまさか外務省で農水省にいろいろな検討について相談していないなんということではないでしょう。
#52
○兵藤政府委員 この食糧援助の具体的な対応につきましては、先ほど来申し上げておりますように鋭意検討中でございますが、もし援助をするということになった場合に、例えばどういうものがどのくらい出せるのかといったようなことは農水省に内々いろいろ伺っておるということでございますが、決まってから具体的にどういうふうにやっていくかということは農水省といろいろ御相談をしながらやっていく問題であるというふうに認識いたしております。
#53
○五十嵐委員 局長は相談しておると思っておるようだけれども、それは農水省に行っておるのですか。私は今そのことをこれ以上追及しませんけれども、それはうまくないですよ。そんなもの、だれが考えたって、外務省は農水省に積極的に話を持ちかけて、それはまだきちんと決まっていないにしたって、一体やれるとしたら何があるのか、可能性があるのは何なんだということくらいは少なくとも検討しておかなければ、それがいざ決まったときに間に合わないじゃないですか。しかし、農水省はそういう状況の中でも自発的にも御検討をなさっているのが当然と思うのだけれども、今検討している範囲で、適切な、援助をするとすればこういうことが可能ではないかというようなお話を承ることができるかどうか。あるいはその中で法律上、制度上、米は可能なのかどうか、その点についてちょっとお話をいただきたい。
#54
○三宅説明員 お答え申し上げます。
 今先生の御質問の中の前半の、農水省として今どういうことを考えておるのかという点でございますが、私ども省内の各原局、原庁におきましては、先般来のソビエトの中の食糧の問題についてはそれぞれ担当レベルにおきまして、それぞれの業務の範囲において非常に関心を持っておることは事実でございます。そういう意味におきまして、もししかるべく外交ルートを通じてきちんとした形で要請がありましたら、先ほど申し上げましたように外務省よりお話がございましたら、私どもとして直ちにどういうことができるかということを具体的な行動として起こしたいと思うわけでございます。
 一言つけ加えますと、去る五年ないし六年前のアフリカの食糧援助のときの経験に徴しますれば、援助と申しますのは、ここに余ったものがあるからここに持っていけばいいという簡単なものでは決してございません。やはり何といっても、その援助を欲しているところがどういうものをどういう具体的な形で欲しいかという情報がきちっとすることが一番大切なことかと考えております。(五十嵐委員「米」と呼ぶ)米は食糧庁より答弁させていただきます。
#55
○高橋説明員 米についてでございますけれども、我が国はガット・ウルグアイ・ラウンドの場におきまして、余剰米を外国に輸出して処理する必要がない我が国の生産調整の努力を強調いたしまして、我が国の米の自給方針について各国の理解を求めているところであります。このような状況下で、援助といいましても国内で生産されたものを国が関与する形で輸出することにつきましては、米の市場開放圧力を強めるおそれがあるという問題もあろうかと考えております。また、このような生産調整の実施によりまして、本年十月末の政府米の持ち越し在庫につきましては、適正在庫水準とされている百万トン水準となっておりまして、政府米の在庫に特段の余裕があるという事情にはありません。したがいまして、我が国の米を政府がソ連に援助輸出するという問題につきましては慎重に対処する必要があろうかと考えております。
 御指摘の法令の規定に関するお尋ねについてでありますけれども、一般的に、民間が行う米の輸出につきましては食糧管理法第十一条の規定によりまして政府の許可が必要とされているわけでありますが、救援のために送付される米穀の輸出につきましては、例外規定によりまして食糧事務所長の承認で足るということにされております。
#56
○五十嵐委員 外務大臣、今聞いていておわかりのようなことでありますから、外務省として農水省に直ちに食糧援助についての援助内容の検討をするように連絡をして相談をしてほしいと思いますが、いかがですか。
#57
○中山国務大臣 援助の内容、また先方の必要な品物、そういうものにつきまして、それが確認をされ、すべての判断が整いました時点で直ちに食糧庁を通じて関係の、いわゆる食糧の在庫等を精細に調査をし、段取りをいたしたいと考えております。
#58
○五十嵐委員 しかし大臣、支援するとしたら一体何が支援できるかということを検討しながら相手とも話をし、腹を決めていかなければいかぬのではないですか。こっちに何があって何が応援できるかということがわからないで、ソ連側とどうやって話をするのですか。それはあなた、幾らの金額をどうするという前に、ちゃんとうちの方としては応援するとしたらどういうようなものだということの農水省との協議ぐらいはやっていいのではないですか、大臣。大臣でいいですよ、どうですか。
#59
○兵藤政府委員 大臣の前に一言実務的な手続のことについて御報告申し上げたいと思うのでございますが、まず私どもは、今委員が御指摘の援助の、どういう形であれ、どのぐらいの金額をどういうふうにというそこの大枠を議論しておるわけでございます。その大枠、大要が決まりませんと、それでは具体的に何をやるかという段階にいかないわけでございます。したがいまして、その大枠、大要が決まった段階におきまして私どもも具体的な正式の御相談を申し上げたいと思っておりますが、その前に、いろいろな実情については農水省から内々教えていただいているというのが今日の実情でございます。
#60
○五十嵐委員 直ちに相談をし検討することを強く要請しておきます。
 そこで、かねて検討中のソ連への緊急食糧援助を輸出入銀行の輸出ローンを使ってやろうではないかということについてやや固まったというお話を我々は仄聞しているわけであります。一部報道機関では、けさテレビで、二億ドルと決めた、今金利等の問題について大蔵と外務の間で意見の差があるので調整中であるというお話もあった。そういうことなのですか。
#61
○兵藤政府委員 先ほど来御報告申し上げておりますように、本件は今関係者の間で鋭意最後の詰めの検討中でございますので、その内容につきましては、ここで申し上げることは御容赦をいただきたいと思います。
#62
○五十嵐委員 しかし、輸銀を通じてやろうということの方向はそういう方向で検討しているのですね。そして、近々最終的な金額等の決定があるということであろうと思うのですが、そういう方向で検討されているということはそうなのです
か。
#63
○兵藤政府委員 重ねてのお尋ね、恐縮でございますが、ただいまいろいろな可能性、すべての可能性を検討してみるということで検討いたしております。具体的に何をどういうふうに使うかという点については、今のこの段階ではまだ申し上げる段階にないという点の事情につき委員の特段の御理解をちょうだいしたいと存じます。
#64
○五十嵐委員 いろいろの事情があるようであります。しかし、いずれにしてもごく近々最終的な決定と発表ということになろうと思うのですが、無償援助は含めるのですか。
#65
○兵藤政府委員 重ねての繰り返しの答弁で恐縮ではございますが、いろいろ先生の挙げられました方法、可能ないろいろな形態というものを今検討してまとめ上げているということで御理解いただきたいと思います。
#66
○五十嵐委員 そうすると、無償援助を含めることも検討の対象にはしているということですか。
#67
○兵藤政府委員 繰り返して恐縮でございます。あらゆる可能な形態、何が実際的に可能であるかという観点から検討しておる。今具体的に個々の問題についてここで、これは可能であるとか可能でないとかいうことを申し上げる段階ではないという点について、ぜひ委員の御理解を賜りたいと存じます。
#68
○五十嵐委員 非常に不満ですけれども、今言っていてもしようがないでしょう。しかし、輸出入銀行を通じてやるということになると、政府間で交渉して取り決めなければいかぬ、あるいは今度は輸銀で契約することになる、政府間の交渉の結果を踏まえて。これは我々聞きますと相当期間がかかるというのじゃないですか、常識的に。この冬に間に合うのかなという意見もありますが、まあそんなことはないのだろうと思いますが、二、三カ月はかかるというのじゃないですか、物が動くまでには。どうですか。
#69
○兵藤政府委員 仮にその輸銀ということになれば、かなりの時間を要するということは私どもも承知しております。そういう時間の要素ということも十分認識の上、ただいま事務当局で文字どおり徹夜作業で一日も早くということで目下検討中であるということでございます。その点の事情をぜひ御賢察をいただきたいと思います。
#70
○五十嵐委員 大臣、とにかくそれは実際に物が動くのは冬に間に合うかどうかなんという心配の声が出るような状況の中で、先ほど来のお答えというものは、私はどうも緊迫性がない、その根っこのところにあるのは何なのだろうかという感じがするのですね。ソ連のペレストロイカの危機、食糧危機、これを何とかしてやらなければいかぬという我々の考え方とは相当なずれがあるような気がする。やる気が本当にあるのだろうかと思う。私はきょうそのほかにも実はいろいろな質問を用意してきたのですが、結局このことだけに終わりそうな感じです。非常に残念ですね。これが外務大臣が言うように、来年四月歴史的な大きな場面を迎えようとする日ソ関係における我が国の対応というものなのかという気持ちがするのですね。これはこの問題では最後の御質問になりますが、大臣もう一遍ひとつお考え、決意を聞かしてください。どうなんですか。
#71
○中山国務大臣 日本の真心といいますか、ソ連の人たちの困難に何とか我々の気持ちが伝わるように外務省では夜を徹して、これは言葉どおり夜を徹して作業の詰めをいたしておる、そして私どもは大変な熱意でこれをやっていこうという努力を外務省の所管の人々はやっておるということだけは、ひとつ御理解をいただきたい。私どもは決してこの問題をいつまでたってもいいということを申しているのではありません。既に参議院の予算委員会でも一月、二月の冬場を目指して我々としては努力をしたいということを申し上げておるわけでございますから、我々の現在やっておる努力も御理解をいただきたい、お願いをいたします。
#72
○五十嵐委員 あともうわずかな時間しかなくて本当に困っちゃったんですが、一点だけお聞きしておきたいと思いますが、ガット・ウルグアイ・ラウンドの問題なんであります。
 ウルグアイ・ラウンドというのは、この間閣議でも絶対成功させなければいかぬということのようでありますが、外務大臣、ウルグアイ・ラウンドの成功というものは、日本が生きていく上では絶対に不可欠のものなのかどうか。そうとすれば、その成功のためには日本も妥協しなければならない場面があるということか、どうですか。
#73
○中山国務大臣 貿易立国をしておる日本にとりましては、多角的な貿易が自由のもとで行われるということが我々の国家にとっては極めて緊要なことであるということで、ガット・ウルグアイ・ラウンドの成功には政府としては努力をしておる最中であります。
#74
○五十嵐委員 だから、成功が不可欠ということであれば、アメリカとECも最近ちょっと妥協の動きが出てきたというような報道もありますが、全体として妥協の方向で行くようなことになる場合、やはり日本政府も妥協しなければならぬということなのかということなのですよ。
#75
○中山国務大臣 約十日間ブラッセルにおりまして、各国の協議の状況の中を過ごしてまいりました立場として、私は率直に申し上げて十五分野全体にわたって、一部分は既に関係国で合意を見るような文書の作成まで到達をしている分野も幾つかあろうかと思います。しかし、農業問題につきましては、各国の対立は極めて深刻であります。それぞれ、ECは百万人の農民を抱えて、ECはこの食糧のいわゆる開放ということについては現在やっておる可変課徴金制度あるいはまた輸出補助金、このような制度をなかなか譲るという気配は当時ございませんでした。
 また一方、アメリカとECの対決も極めて激しいものがございまして、アメリカもウェーバーをアメリカ自身が持ちながらいろいろと農作物の保護をしている、しかも農産物の輸出国である。こういう中で、一方ケアンズ・グループはケアンズ・グループで農産物の輸出に厳しい対応を迫ってくる。こういう中で、私どもとしたらやはりこの国会の御決議もありますし、米等の農産物につきましては食糧安全保障という観点から我々の主張を崩すわけにはいかない。こういう姿勢で今回終始してまいった、こういうことを申し上げておきたいと思います。
#76
○五十嵐委員 時間が経過して非常に恐縮ですが、これで終わりますから。
 この大事な場面にはなってくるわけだけれども、我が国政府としては、米に関しては、そういうガットの大変な状況の中にあっても米の完全自給は貫く。殊に輸入国としての論理というものを強く主張しながら、それこそがまたガットとしての正常な秩序だという考えに立って、これは、場合によってはしかし、そういうことを貫き通すということはガットの構成上大変なことになるかもしれぬが、しかしやはり貫いていく、こういう決意と受け取っていいですか。
#77
○中山国務大臣 本来、山本農林水産大臣からお答えをするのが至当かと思いますが、農業関係の委員会におきましては、日本側の主張である食糧安全保障という言葉は一言もまだそのいわゆるノンペーパーには書かれておりません。このような状態で日本政府がかねて主張しております食糧安全保障ということが各国でまだ十分な理解を得るに至っていない、こういう観点でこの主張を変えるわけにはまいりません。
#78
○五十嵐委員 どうもありがとうございました。
#79
○柿澤委員長 次に、遠藤乙彦君。
#80
○遠藤(乙)委員 それでは、郵便五条約に関連して質問をさせていただきます。
 まず第一点でございますが、今回の改正の内容を拝見をいたしますと、非常に技術的な内容が中心になっておりますけれども、今回の改正の主なねらい、それからこの背景にある郵便サービスに対する新しいニーズはどんなものか、こういった点について御説明をいただきたいと思います。
#81
○河村説明員 お答え申し上げます。
 本件、万国郵便連合諸条約の改正等が検討されました昨年のワシントン大会議におきましては、組織運営の効率化というような観点からの改正もございましたけれども、国際郵便業務という観点から見ますと、高度化、多様化しております国際郵便の利用者のニーズにこたえるべく良質のサービスを提供する必要がある、特に利用者の変化するニーズに迅速かつ柔軟に対応する必要があるということが各国によって強調されました。これらはいずれも、先生の今の御指摘にありましたとおり非常に技術的な点でございますけれども、諸条約の改正、更新という形でこれらの趣旨を実現したわけでございます。
 その背景にあります具体的なニーズというものを考えますと、そもそも科学技術の発展、それに伴います通信手段とか輸送力の飛躍的な向上というものを背景として、いろいろと新しい需要が出てきたわけでございます。その中で、郵便業務が多様化し、さらに配達を非常に迅速に行うとか既存の業務の拡充を行うというようなことがニーズとして挙げられたと存じます。その結果、配達記録業務でありますとか、国際ビジネス郵便でありますとか、小包の二十キロの重量制限の撤廃等、いろいろな内容の改正を行うに至ったわけでございます。
#82
○遠藤(乙)委員 今回の改正の中で、いわゆるEMS、エキスプレス・メール・サービスが取り上げられております。これも大変新しい動きで、今後重要な役割を担うのではないかと思っておりますが、ただ、まだ非常に適用範囲が限られておると伺っておりますけれども、今後さらにこれは拡大をしていくべきではないかと考えております。この点につきまして御説明をいただければと思います。
#83
○大橋説明員 お答え申し上げます。
 先生の御指摘のとおり、郵政省では、サービスの向上のために国際ビジネス郵便、EMSというのを世界七十一カ国を対象にサービスを提供しております。その最近の状況でございますが、伸び率を見てみますと、六十三年度八七%、平成元年度七〇%ということで、急速に伸びております。また、郵便物の所在、到着に関するお客様の照会に迅速に対応できる体制を整えておりまして、現在は、我が国とアメリカ、カナダ、イギリス及びフランスとの間で発着する国際ビジネス郵便物につきましてこのサービスを提供しております。今後とも、追跡サービスの対象国の拡大、また迅速性、確実性といったサービスの向上、維持に努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
#84
○遠藤(乙)委員 今回の郵便関連条約をずっと拝見をしまして一つ気がついたことなんですが、この世界の郵便体制を定める郵便五条約の中に、極めて大事な原則である通信の自由、通信の秘密の保護という問題が全く触れられていないということでございまして、これは本来当然のことだから触れられていないのかとも考えますけれども、今世界全体がポスト冷戦時代に向かって動きつつあり、民主化またボーダーレス化ということが進んでいるわけでございます。しかしながら、その反面、社会主義圏の一部あるいは発展途上国の一部等で、通信の自由あるいは通信の秘密の保護がなされていない面もあるわけでございまして、今後の世界郵便体制の理念として、この通信の秘密の保護、通信の自由の保護というものを条約上も明記すべきではないかと私は考えております。こういった点につきまして、我が国がイニシアチブをとって、ぜひ次の改正に向けて提起すべきではないかと考えるわけでございますけれども、この点につきまして御答弁をお願いいたします。
#85
○河村説明員 今御指摘がございましたとおり、政府といたしましては、通信の秘密というものは、国内郵便制度のみならず国際的な郵便業務においても基本的に極めて重要な論点であるという認識をいたしております。
 他方、世界におきましては、今まさに先生が御指摘になりましたとおり、各国がそれぞれ固有の価値観を有しているというのも事実でございますので、これを踏まえて対処すべきことが必要であろうということと、郵便条約一般がかなり技術的な条約であるという側面もあるわけでございますが、同時に、国際社会がまさに民主化という形でとうとうと流れているという状況にかんがみまして、国際郵便業務に関する法的な制度においても通信の秘密を保障する規定を設けるということにつきましては、政府として今後の検討課題として考えさせていただきたい、このように考えております。
#86
○遠藤(乙)委員 ぜひその方向で積極的な対処をお願いしたいと思っております。
 これはちょっと参考までに一つお聞きしたいのですが、今の郵便体制で、我が国から送達されない地域というのはあるのかどうか、それはどこの地域なのかということを、もし御説明できればいただきたいと思います。
#87
○大橋説明員 お答え申し上げます。
 基本的に国際郵便は世界どことも交換をしておるわけでございますが、しかしながらリベリアとクウェートの二カ国につきましては、リベリアにつきましては現在内乱になっておりまして受け付け停止という状態になっております。クウェートは、御承知のようにイラクとの関係がございまして、引き受け停止といいますか、郵政省そのものが存在していない、そういう状況になっております。
#88
○遠藤(乙)委員 これもやや個人的な関心になりますが、北方領土にも送達されていると聞いておりますけれども、これはどういう形でされているのか御説明をいただきたいと思います。
#89
○大橋説明員 お答え申し上げます。
 北方領土は我が国固有の領土でございますので、これにあてました郵便物は本来内国郵便物ということで取り扱うべきものでございますが、北方領土に通ずる我が国の郵便運送機関もなく、またこの地域には我が国の郵便取扱機関も設置されておらないという状況になっておりまして、内国郵便物として取り扱うことは事実上不可能でございます。したがいまして、真に必要な場合にはソ連の継ぎ越し業務を便宜的に利用せざるを得ない状況となっております。
#90
○遠藤(乙)委員 我が国の場合、郵便先進国ということで高い評価を得ていると理解をしております。そういったことで理事国にも一位当選ということだそうで、大変結構なことだと思いますけれども、こういった、郵便といった地道な技術的な分野であっても、やはり我が国の、特に発展途上国への援助、協力ということは大変大事であると考えております。ぜひ今後も我が国の国際貢献の一環として、強く援助、技術協力を進めていただきたいと要望する次第でございますけれども、簡単にその現状と今後の方針といったことにつきましてお答えいただければと思います。
#91
○上野(寿)政府委員 途上国に対します技術協力援助、これについての現状それから今後の方針についてお答えをいたしたいと思います。
 今までいろいろ研修、職員の受け入れ、セミナー、そういったことを実施しておりますけれども、二、三具体的な事例を申し上げますと、郵政幹部セミナーの開催というふうなセミナーの開催は、昭和四十三年ごろから二十年以上にわたっての実績がございます。それから、アジア・太平洋郵便連合憲章に基づきましての職員の交換計画というふうなものに基づく職員の受け入れあるいは日本からの派遣、こういった点につきましてもアジア・太平洋の各国々とやっております。これも毎年各国と相当実績がございます。それから、そのほか外国の郵政庁間での個別の研修員の派遣あるいは視察団の受け入れ、そういった点についても対応いたしております。
 それから、ことしから始めた研修コースというのがございますけれども、郵便事業調査研究国際コースというふうな形で途上国の若手の職員を受け入れようということで、今回は十名を各国から受け入れるということで始めたコースもございます。そのほか専門家の派遣ということで、やはりアジア・太平洋郵便研修センター、ここに派遣をする、それから諸外国への派遣というふうなことも積極的にやっております。それから、今度UPUの地域技術援助アドバイザーというふうなものを設置をいたしまして、世界に六人発令をされましたけれども、その中で日本もアジア・太平洋地域で協力をしていくというふうなことになっております。そういった技術的な援助協力を今までやってまいりましたけれども、今後とも積極的に続けて、より一層世界の郵便事業の発展に貢献してまいりたいというふうに思っております。
#92
○遠藤(乙)委員 今の御抱負のとおり、地道な分野であってもぜひ我が国の積極的な国際貢献を高めて、我が国の国際評価の向上に御尽力をいただきたいとお願いをしたいと思います。
 続きまして、我が国の郵便料金の問題なんですが、国際的に比較したときに、いつも痛感しているのですが、我が国の国内郵便あるいは国際郵便は非常に高過ぎるんじゃないかという声が、私も感じておりますしまた多くの人もそう言っております。例えば、こういった内外格差ということがあるがために、つい数年前ですか、日本の郵便を香港へ持っていってそれからリメールするといったような、それによって差額をもうけるといったような企業のビヘービアがあるようでございますけれども、やはりもう少しこの料金体系、見直していくべきではないか。あるいはまた、黒字がかなり出ておるように聞いておりますけれども、やはり公共料金である以上、利用者に還元すべきじゃないか。すなわち、もう少し料金を下げていくべきじゃないかといったような意見が強くあるわけですけれども、こういった点につきましてはいかがでしょうか。
#93
○上野(寿)政府委員 国際比較の中で我が国の料金がどうなんだという御質問に対しまして、先進国数カ国を比較したデータで先生に少し申し上げて御了解いただきたいというふうに思いますが、単純に比較いたしますと、平成二年の十一月のこれは為替レートを中心にして比較するということになりますけれども、書状あるいははがきの比較を申し上げますと、日本に対しましてフランス、西ドイツ、この辺は日本より若干高いのではないかというふうに思われます。それから、イギリスあたりは大体日本と同じ。料金が低いかなというのはアメリカ。こういったところがうかがわれますけれども、これに対しましては、基本的に国内の郵便料金といいますものはそれぞれの国におきまして郵便サービスを提供するのに要する費用を償うということでございますので、それぞれの各国の事情によるところが大きいということで一概には申せないのかなというふうに思っております。
 それと、為替レートで比較をするということになりますと、そのときの変動が非常にあるものですから、例えば円高というふうなことで、諸外国の郵便料金が上がっても、円高がそれ以上の割合で上がるというふうなことになりますと、単純に絶対値で比較した場合は日本の料金はなお高いというふうな、非常に矛盾した形も出てくるというふうな実情にございます。ともあれ、いずれにいたしましても国内のそれぞれの事情で国内料金は決まっておるということでございまして、私ども日本の料金にいたしましても適正な料金で今後ともサービスを提供してまいりたいというふうに思っております。
 それから、黒字が出ておるのでそれをお客様方に還元をしたらどうだということでございますけれども、正直言いまして、ようやく郵便事業につきましては黒字に転化することができております。昭和五十五年の段階で申し上げますと約二千五百億円の累積欠損金を抱えておりまして、それが五十六年の料金改定以後、まあ大体九年あるいは十年近く、その後は料金を改正しないで事業を続けてまいりましたけれども、その間に職員の努力もございましたしあるいは利用者の方々の協力もいただきまして、ようやく六十二年の末に黒字に転化をいたしまして、料金も、この累積欠損金を解消することができたという状況でございますが、その黒字の部分につきまして単年度で平成元年度の割合を申し上げますと、一兆六千九百九十六億円の収入に対しまして黒字が百六十六億円と申しますのは、ちょうど一%ということでございます。また累積の黒字の額につきましても、五百五十九億円といいますのは、その収入に対しましては三・三%というような状況でございまして、とても今の段階でそれをもってお客様方に直接還元をできるというような情勢ではなかろうというふうに思っております。
 なお、郵便事業につきましては、人件費に依存する度合いが非常に大きいという構造的なものを持っておりまして、今労働力不足だとかあるいは郵便物数が非常に伸びておるというふうな情勢の中で、私どもなかなかこの事業を今の状態を維持するというふうなものも大変知恵を要するというふうな情勢でございますので、御理解を賜りたいというふうに思うところでございます。
 なお、還元につきましては、この郵便の私どものサービスの中で精いっぱいの努力をやってまいりたいというふうに思っております。
#94
○遠藤(乙)委員 郵政省の関連として、国際放送につきましてもお伺いしたいと思います。
 国際放送の拡充強化は従来よりも叫ばれておりますけれども、特に今回の湾岸危機のああいう邦人の人質といったような状況下で、ますますこの必要性が見直されているのだろうと思います。こういった危機管理に際してやるべきことはいろいろあるわけで、今回の湾岸危機を通じてもいろいろ反省点があるわけですけれども、特にこの国際放送ラジオ・ジャパンの有効性は非常に実証されたわけでございまして、邦人に対する正確な情報の提供あるいはその心の支えとなるといったような点では大変大きな威力を発揮したと思うわけでございます。こういった点で、今後こういった危機管理に際しての国際放送の強化ということもぜひ進めていただきたいと思っております。
 もう一点は、海外広報強化という視点からもこの国際放送の強化が言われておりますけれども、こういった総合的に見て海外放送の強化にどう取り組んでいくのか、これに対する大臣の御所見、御決意を承りたいと思います。
#95
○中山国務大臣 海外の在留邦人が五十万人を超え、旅行者が年間一千万人を超えたこの日本で、企業は相当各国に出ていっております。一方、米ソの対立が終わってからの地域紛争の発生可能性が高まっているという中で、私はやはり今回の経験を通じて、いかにこの邦人の方々が日本からのラジオ日本の情報を頼っておられたかということは昨晩のNHKの九時過ぎのニュースでも拝見しておりまして、私はやはりこの国際改送を強化することが外交上も極めて重要であるという認識を深めております。
 先般中東を訪問して直後に、この放送を強化するようにNHKに要請いたしました。当時は一日三時間しかやっておりませんでしたが、それをNHKの御協力を得て十一時間半に延ばしていただいてメッセージを送るようにさせていただいたわけでございますが、NHKの言い分は、国際放送に対する政府の助成をもっと強化してほしいという要望がございました。これからもこの点について、私どもは国際化する日本のために国際放送をどう強化するかということに各党の先生方に御協力を願わなければならないと考えております。
#96
○遠藤(乙)委員 ちょっとひとつ最近の記事で、湾岸の多国籍軍に関連して、英国のブリティッシュテレコムがペルシャ湾岸に派遣されている英国の兵士のためにふるさと電話サービスというのを始めたというふうに聞いております。要するに今湾岸は大変電話事情が悪くて、出先から国内までなかなか電話がかかりにくいということで、非常に現地に派遣されている人たちのフラストレーションが高まっているそうですけれども、それを解消するために、サウジアラビアのどこの電話からでもすぐに故国の英国の家族のところまで電話がかかる、しかも非常に安い料金でかかるといったサービスを始めたそうでございます。こんなことは、例えば日本が多国籍軍支援の一環としまして、非軍事的な貢献としまして我が国の技術力を使って多国籍軍兵士のためにふるさと電話サービ
スといったようなものをやったらどうなのか、こういうことをやることによって直接実際にああいう湾岸にいる人たちの対日感情というものを和らげていくことができるのではないか、しかも非軍事的ということになるわけですから、いろいろな意味でこういうサービスは検討の価値があるのではないかと思っておりますけれども、この点はいかがでございましょうか。
#97
○松浦政府委員 先生からただいま大変興味深い御提案をいただきました。御指摘のように、ブリティッシュテレコムはサウジに駐留しております英軍兵士が母国に電話をする際には通常の料金の一五%割引というのでやっております。それからそのほかのアメリカの兵士につきましては、アメリカのいろいろな会社が、MCI、USスプリント、それからATTなどがいろいろなまたそういうふるさと電話サービス、先生が言われたような見地からいろいろなサービスを提供しております。
 私どもは、これは今までいろいろな国会の場で御説明してまいりましたような形で輸送協力、医療協力、GCCを通ずる協力をやっておりますが、この輸送協力の中で実はエバグリーンというアメリカの飛行機会社のチャーター便を使っておりますが、これはアメリカとサウジの間を既に二十四便飛んでおりまして、その積んでおりますのが実は郵便物がかなりございまして、したがいまして、先生の言われたニュアンスとちょっと違いますけれども、まさにアメリカの兵士の方々と祖国に残された家族の間の郵便物を運ぶというサービスは提供しております。
#98
○遠藤(乙)委員 せっかくの機会ですので、若干国際情勢につきましてもお聞きしたいと思います。
 一つは、湾岸危機の政治解決の問題なんですが、これは先般の国連平和協力委員会の際もかなり時間を割いて質疑をさしていただいたわけでございますけれども、その後さらに進展があって、一月十五日という期限つきの武力行使容認決議があり、また他方、アメリカとイラクとの直接対話という新しい要素も入ったわけで、いわば抑止と対話の新しい際どいゲームがまた始まったという感じがいたしますけれども、この湾岸危機の政治解決に向けての見通し、それから我が国としての具体的な取り組みにつきまして御説明をいただければと思います。
#99
○渡辺(允)政府委員 湾岸危機との関係での外交政策の問題につきましては、先生先ほど仰せられましたように臨時国会でも御議論がございましたけれども、我が国といたしましては、現在国連安保理決議六七八が採択をされまして、これが問題の平和的解決のための最後の機会を与えるものというふうに受け取っております。それを前提といたしまして米国がイラクとの直接対話を呼びかけ、イラクも基本的にこれを受け入れておりますけれども、現在のところ日取りの問題でやりとりがございましてまだ実現をするに至っておりません。我が国といたしましてはこの対話がぜひ実現をするように非常に強く希望をしておるわけでございます。
 これまでも我が国といたしましては、この問題の平和的解決のためには国際社会が一致団結して安保理が採択をしてまいりました決議を実現していくことが重要だという考えに立ちまして、経済制裁、それからいわゆる中東貢献策等も行ってまいりました。これも一つの外交努力というふうに考えております。そのほかに関係国との対話の努力もいろいろな形で積み重ねてきておりますし、今後もそういう方向でできるだけのことをいたしたいというふうに考えております。
#100
○遠藤(乙)委員 今の御説明との関連で、外務審議官を各地に派遣されて協議をされていると伺っておりますが、差し支えない範囲でその中身等も少し教えていただければと思います。
#101
○渡辺(允)政府委員 外務審議官につきましては、いろいろな機会に世界各地におきまして関係各国といろいろな形での意見交換を行っております。例えば、十月の末から十一月の初めにかけましてソ連のプリマコフとの会談等もございましたし、その他、米国、ヨーロッパその他も含めましていろいろな機会で対話の努力を続けておるわけでございます。
 ただ、どこでだれとという問題につきましては、外交上の機微もございますし、また相手国との関係もございますので、これ以上立ち入ることは差し控えさせていただきたいと思います。
#102
○遠藤(乙)委員 昨日、日朝本交渉の開始につきまして合意をされたわけで、基本的にはこれは大変歓迎すべきことなわけでございます。ポスト冷戦時代がアジアにも及んできて、北東アジアの平和の構造の確立に向けて非常に重要な局面に入ったと感じております。したがって、単に日朝間の、二国間の側面だけではなくして、やはり北東アジア全体の平和の構造をどうつくるかという問題と絡んでおりまして、非常に難しい側面もあるかと思っております。ということで、今回の予備交渉に当たってこられたアジア局長、所感と御決意をもしお聞かせいただければと思っております。
#103
○谷野政府委員 せっかくの御指名でございますから、私からお話ししたいと思います。
 ただいま仰せのように、昨日三回目の予備会談をさせていただきましたが、これをもちましていわゆる今後の本会談に向けての段取りを一応つけ得たと思っております。したがいまして、合意書にも盛られておりますように、明年一月の下旬からいよいよ日朝間で本会談が開始されるということになります。
 ただいま先生からも御指摘がございましたけれども、日朝関係というのは、一つにはこれに大変関心を寄せる国々が多いわけでございまして、仰せのように、そういう国際的な枠組みの中で今後日朝関係がいかに進みましょうとも、関係国の支持あるいは理解を得ながら進めなければならないと思っております。それからまた、日朝の正常化にいずれ向かうわけでございますけれども、第二の点は、それが朝鮮半島の平和といいますか、安定にやはりいい意味での積極的な貢献がなされなければいけないと思います。日朝が進む反面、朝鮮半島自体がこれによって不安定になるということがあってはいけませんから、日朝関係が朝鮮半島の平和に積極的に寄与する、そういうふうに私どもは今後の交渉を取り運ぶべきものと思っております。また、その間、関係諸国、韓国はもとより十分協議を尽くしながら先方との話し合いを進めてまいりたい、このように思っております。
#104
○遠藤(乙)委員 今回の交渉の中で、いわゆる四十五年の償いの問題と核査察の問題ですね、この点につきましてはどういうやりとりがあり、本交渉でどう取り扱うのかということにつきまして御説明をいただければと思います。
#105
○谷野政府委員 第一点の戦後四十五年のいわゆる償いの問題につきましては、先般の三党の共同宣言の中にもそのような趣旨が盛られております。しかしながら、私どもが予備交渉で先方に説明いたしましたのは、第一点は、先般の共同宣言につきましては、あそこに盛られているものの中で、行政府として可能なものはできるだけ積極的に対応していきたいということでございます。旅券の問題、衛星通信の問題、既に実現の方向に向かっておるわけでございます。他方、行政府の立場から見てなかなか難しい問題もあるということをお話しした上で、今あの四十五年の問題について私どもの考え方を予備交渉の席ではございましたけれども説明いたしました。
 それから、第二点は核査察の問題でございますが、これについても私どもはいずれ本交渉に移る場合に、何といっても世界じゅうで唯一の被爆国という大変不幸な体験をしょっておる国でございますから、この問題はぜひ本交渉の場で、日本の国民の総意として、国会の総意として十分に北朝鮮の側とお話し合いをさせていただきたいということを申し上げまして、そのために特に議題を設けまして、議題の中の第三項目の日朝国交正常化に関する国際問題というのが特記してはございますけれども、これはもちろん核の問題だけではございません、いろいろな問題をこの議題のもとでお話し合いをするわけでございますけれども、その中でただいま仰せの核査察の問題も十分に討議してまいりたいということで、この点は明確に合意に達してまいりました。
#106
○遠藤(乙)委員 最後に一点、朝鮮半島は大変重大な局面に来て、我が国外交としても極めて重要な取り組みをしなければならない問題になってきておりますけれども、また明年初めには総理の訪韓も控えてございますけれども、最後に大臣の対朝鮮半島外交に対する抱負、決意というものをお聞かせいただければと思います。
#107
○中山国務大臣 今谷野局長から御報告を申し上げましたように、昨日本会談の大体のめどが日朝両国の代表の間で合意ができた、まことに私はうれしく思っております。なお、総理が一月早々に訪韓をされる。これは本年五月の盧泰愚大統領の訪日において、大統領は日韓関係の未来を開こうという提案をされまして、日本政府としても、海部総理はこの訪韓を通じてこれからの新しい日韓関係の構築のために双方でよく話し合っていただく、そしてこの朝鮮半島全体が安定するような方向のために私ども政府としてはできるだけの努力をするという心がけで訪韓をされるものと私どもは期待をいたしております。
#108
○遠藤(乙)委員 以上で質疑を終わります。
#109
○柿澤委員長 次に古堅実吉君。
#110
○古堅委員 最初に、万国郵便条約についてお尋ねします。
 現行の郵便条約は、通常郵便物の普通料金について基本料金の上限、下限を定めています。しかし、今回の条約でそれが撤廃されます。ということは、料金値上げについて条約上は何の制限もないということになりました。
 そこでお伺いします。不当な値上げにつながらない条約上の保証はないのでありますけれども、その辺についてどう対処するのか。日本としては今回の改正で値上げを考えているかどうか、その二点をお聞かせください。
#111
○河村説明員 今先生の御指摘のございました第一点につきまして御説明をさせていただきます。
 今先生御指摘がございましたとおり、現行の郵便条約は第十九条におきまして料金を定めまして、「基本料金は、その百パーセントを限度として引き上げ、又はその七十パーセントを限度として引き下げる」という規定がございます。この規定を改正いたしまして、新しい条約第二十条におきましては、「料金は、そのガイドラインとして次の表の」「欄に掲げるところにより定める。」このような規定になったわけでございます。これは各国が万国郵便条約に定められた額というものを目安といたしまして、郵便の利用の増進というものを念頭に置きつつ、業務の運用に要する費用に見合った合理的な料金を現実的かつ柔軟に設定していきたいという万国郵便連合に加盟しております加盟国の総意といたしまして改正したわけでございます。ただ、当然のことながら、ガイドラインという形で明記してあるわけでございますから、ガイドラインを無視した全く不当な値上げとか値引きというものを認める趣旨でないことは明白でございます。
 さらにつけ加えますと、この第二十条の規定におきましては、各郵政庁が独自に料金を決定することができるというような規定になっていないわけでございまして、先ほど申しましたとおり、ガイドラインを全く無視したような不当な料金の設定というものを行うというのがこの条約の趣旨ではないということは各国が了解しているところではないかと考える次第でございます。
#112
○大橋説明員 先生の御質問の二点目、日本としてはこの改正で料金を値上げするようなことはないのかどうかということに関してお答え申し上げます。
 先生の御指摘のとおり、また先ほどの外務省からの説明のとおり、さきのワシントンの大会議におきまして現行の基本料金の上限、下限という制度を廃止いたしまして、各国におきまして基本料金にかわるガイドラインを参考に国際郵便料金の設定ができるようにされたところでございます。
 他方、我が国の国際郵便料金につきましては、郵便法第十三条の規定に基づきまして条約の定めるところにより郵政大臣が定めるということになっております。したがいまして、国際郵便料金の改正につきましては、郵政大臣が従来どおり取り扱い経費、内国郵便料金との均衡といったようなことを総合的に勘案して決定することとなります。さらに、国際郵便料金を改正する場合には、これに加えまして、国際郵便料金の公共性にかんがみ、政府関係機関と十分協議をするということになっております。
 そこで、国際郵便料金の改定でございますが、先ほど申し上げましたように、条約の定めるところを基本といたしまして、取り扱い経費、内国郵便料金との均衡といったことを考慮して決定するわけでございますが、内国郵便料金との均衡という点では近々内国郵便料金の改正を予定していないといったことや、国際郵便を取り巻く環境が厳しい中で経営が順調であるということを総合的に勘案いたしまして、現在のところ現行の国際郵便料金を維持したいと考えております。
#113
○古堅委員 若干の関連質疑を行いたいと思います。
 先ほど我が国から配達されない地域として、リベリア、クウェートがあるということに見られるように、万国郵便条約等に基づく各国間の協力関係も世界の平和が保たれてこそ期待ができるものだというふうに考えます。
 ところで、来年一月十五日を期限として大戦争になりかねないイラクの緊迫した情勢が迫っております。もちろん、イラクの侵略行為はどんな弁明をしても絶対に許してはならない問題であります。しかし、あくまでも経済制裁を強めるなどして平和的にその問題を解決すべきであって、アメリカ軍を中心とする多国籍軍の武力行為を激励するようなことにつながるそういうことは絶対にあってはならぬ、こう考えます。そういうような立場から、政府の中東貢献策について質疑をさせていただきます。
 時間がわずかですから具体的な問題についてお尋ねするわけですが、政府の中東貢献策の一つとして湾岸平和基金に拠出した物資協力及び資金協力の九億ドル、千二百二十九億円のうち、一つ、輸送関連経費としてこれまでに支出された総額、それは幾らか。二つ、またこの輸送関連経費はどの国に幾ら支出されたか、その内訳について御説明ください。
#114
○松浦政府委員 先生御質問の第一の輸送関連経費として資金協力で今までどのくらい支出されたかということでございますが、運営委員会からの報告によりますと約五百六十八億円を支出済みということでございます。
 それから第二の具体的にどこの国にどのくらい出したかということでございますが、これは供与先はアメリカ、エジプト、モロッコ、バングラデシュ、セネガル、パキスタン、シリア、七カ国でございます。その大宗は、湾岸で平和回復活動を行っております各国の中核をなしておりますのがアメリカでございますので、当然のことながらアメリカ向けでございます。具体的にどの国にどのくらい出しているかということにつきましては、これは関係国、それからGCCとの関係もございますので明らかにすることは、申しわけございませんが差し控えさせていただきたいと思います。
#115
○古堅委員 幾つかの国々の航空機や船舶等をチャーターして支払いがなされておるということでありますが、米軍以外の他の国の軍隊向けの輸送もありましたか。
#116
○松浦政府委員 今御答弁申し上げましたように、アメリカ以外ではエジプト以下六カ国ございますが、これは輸送関連経費ということで航空機、船舶の借り上げ経費等でございまして、具体的に何を輸送するかということは、これまでも衆参両院の予算委員会で繰り返し申し上げてまいりましたけれども、私どもは云々しないという立場でございますので、先生が具体的に御質問のこのエジプト以下六カ国については、輸送関連経費と
して支出はしておりますけれども、具体的に何を運んだかということについては承知しておりません。
#117
○古堅委員 次に、日本政府による輸送協力について二、三お尋ねします。
 これまでに日本政府が航空機をチャーターして輸送を実施した便数は幾らか。また年度内、来年三月までの輸送計画としては何便ほど考えられているか。さらに船舶輸送についても伺いますが、これまでに平戸丸、「きいすぷれんだあ」、それらが各一航海を終わったようでありますけれども、今後の計画として来年三月までの年度内に何航海をめどとしているか。そこを御説明ください。
#118
○松浦政府委員 先生御質問の日本政府が直接管理のもとで行っております輸送協力の、最初に航空輸送関係でございますけれども、これは九月二十一日以来二十九便を実施しておりまして、これからさらに四十五便を予定しております。具体的に飛んだ区間でございますけれども、主としてアメリカ─サウジアラビア間でございますけれども、日本─サウジアラビア間もございます。今までに飛びました二十九便のうち二十四便がアメリカ─サウジアラビア間で、五便が日本─サウジアラビア間でございます。
 それから次に、船舶輸送でございますけれども、船舶輸送につきましては平戸丸、「きいすぷれんだあ」それからグリーンレイク、最後のグリーンレイクは先生今お触れになりませんでしたけれども、これはアメリカ国籍のをチャーターしておりまして、平戸丸、「きいすぷれんだあ」に関しましては、まさに先生御指摘のように現在一航海を終わったところでございます。あと年度内にさらに一航海を予定しております。それからグリーンレイクに関しましては、これからでございます。
#119
○古堅委員 今説明がありました日本政府の輸送協力は、米軍以外のものもありますか。ありましたら具体的な国名を明らかにしてください。
#120
○松浦政府委員 大半がアメリカ向けでございますけれども、それ以外の国のもございます。具体的にはサウジアラビア関係が若干ございます。
#121
○古堅委員 既に時間がなくなろうとしています。
 最後に、今度は大臣にお答えいただきたいというふうに思いますが、来年一月十五日以降は、国連安保理決議六七八を受けて多国籍軍からの武力行使が行われる危険性が大変強まりました。しかも、万一戦争になれば核兵器や大量の毒ガスまでが使われる危険性さえも高い、こう見られています。人類は、どんなことがあっても英知を集めてこういう破局を避けていかなければならない、これが今日求められている最大の課題だというふうに考えます。
 不幸にして万一武力行使となり、戦争状態に突入するということがあった場合、それでも政府は現在行っているような多国籍軍への支援を続けられるのかどうか。国際紛争を解決する手段として武力に訴えたり威嚇をしたりする、そういうことは永遠に放棄するというふうに定めた日本国憲法に照らして、そういうことが許されるというお考えがあるのかどうか。そこを、態度をあいまいにしないで明確にお答えいただきたい。
#122
○中山国務大臣 日本政府といたしましては今日まで、イラクのクウェート侵攻以来安保理の決議が何遍か行われておりますが、外務省はハイレベルの人を使っていろいろと安保理事会の各国、またイラクの関係者とも連絡をし、この安保理の決議に沿ってイラクが一日も早くクウェートからの全面撤退、またあらゆる人質の解放、またクウェートの正統政府の復活ということを強く要請をしてきております。
 これで、一月十五日の期限が切られた安保理の六百七十八号の決議により戦争になるかどうかということでございますが、私どもは最後まで、平和的な解決のために日本政府としては一貫して努力をしていかなければならないと考えております。
#123
○古堅委員 もう時間はありませんけれども、先ほど質問いたしました日本国憲法との関係で、万一戦に突入した場合でも今のようなことを続けられるというお考えもあるのかという質問がございます。その部分については答えていませんのでお答えください。
#124
○中山国務大臣 日本国の憲法の理想は、国際の平和の大きな目的というものを理想に掲げております。国連憲章もまた国際の平和と安全の維持ということが大きな一つの目的となって前文に記載されておりまして、私どもは国連の決議によってイラクが一日も早くクウェートから撤退することを心から期待をしておるものでございます。
#125
○古堅委員 最後に一点。
#126
○柿澤委員長 時間が来ております。
#127
○古堅委員 時間が終わりました。大臣は私の質問に答えようとされません。大事なことにかかわらずそういう態度をあいまいにされるということ自体が今日許されないことなんだ、絶対に納得できないことを厳しく指摘して、終わらせていただきます。
#128
○柿澤委員長 次に、和田一仁君。
#129
○和田(一)委員 今回のUPUに関するいろいろな改正がございましたけれども、これは五年ごとに大会議を開いて国際郵便業務に関するいろいろな条約の改正を行うということでございますけれども、それに伴って今度大きく改正されたようでございます。これは各国の郵便利用者のいろいろなニーズ、こういうものに対応してその利便を図るために変えていったものだ、こう思いますが、そういう中で一般国民にとりまして、今回の改正が利用者に対するサービスの改善、どういう改善になったのか、そしてどういう点が変わったのかをわかりやすくひとつ挙げていただきたいと思います。
#130
○河村説明員 簡単にお答えいたします。
 まず、我が国といたしましては、特に郵便関係におきまして、今先生が御指摘されましたような新しい需要者のニーズに対応するという形でいろいろな提案をしたことはございます。例えば、全部透明なプラスチック製の封筒の使用を認めるというような提案でありますとか保険つき郵便物の包装を簡素化するというようなことでございますとか、為替業務関係につきましては為替業務の交換方式について、関係郵政庁の需要に応じて約定に規定する以外の交換方式を採用し得るようにする、このような提案を行いまして、それらの提案は大会議において受け入れられたわけでございます。
 そのほかに、全体的に新しい提案としてございますのは、先ほども御説明いたしましたけれども、配達の迅速化という点から国際ビジネス郵便業務というものを新設するということでありますとか、既存の業務の拡充という点から小包の二十キロ重量制限を撤廃してそれ以上の重量の小包を郵便として利用することができる、さらには、配達記録業務というようなものにつきましても新たに制度として設けた、こういうことでございます。
#131
○和田(一)委員 今いろいろ挙げていただきましたけれども、要するに利用者といたしましては改正によっていろいろな手続が簡単になり、そして迅速に配達していただける、さらに安いという方向での改正が一番望まれているのではないかと思います。国内の面につきましても、今まで小包郵便等は大変制約が強くて、運んでやるよというような姿勢が強かったように思うのですが、民間のいわゆる宅配便ですか、ああいうものが急速にニーズにこたえて拡大されるということを受けて、いわゆる郵便小包も大変サービスの面で改善されたというふうに聞いております。
 同じように、今いろいろ改正でこうなるよというお話ございました中に小包がございますね。これが今まで二十キロという制限があったのが、今度はその制限がなくなったというふうにありますけれども、これに対して二十キロを超える需要があるからそういう改正をしたと思うのですが、我が国としては、これは一月一日から取り扱うようになっておりますけれども、一月一日からこれを取り扱うようにするのか。それは、例えば各国と相互にそういう約束をしないといけないようでございますけれども、どういう国とそういう約束をしようとしているのか、いつごろから、それは一日からやるのかどうか、その点について具体的なものがあればお答えをいただきたい。
#132
○大橋説明員 先生御指摘の明年一月一日から日本は二十キロ以上の国際小包を実施するのかということでございますが、我が国におきましては、国内における取り扱いのための局内搬送設備とか局間搬送の設備とか配達用車両といったような設備が今の時点では不十分でございまして、現在のところ、一月一日から二十キロを超える小包の導入というのは予定はしておりません。今後は、先ほど申し述べましたような問題点を検討の上、また利用者の需要動向を見きわめながら導入の可否について検討してまいりたいと思っております。
 先ほど御質問にございました二国間の合意があってということのようだが、今後いかなる国際手続が必要となるのかという御質問についてでございますが、まず各国がUPU、万国郵便連合でございますが、UPU国際事務局を通じまして二十キロを超える小包を取り扱うかどうかという通報を行います。この通報に基づきまして、その交換方法に関して関係郵政庁間で文書で合意した後、実施するということに相なります。
#133
○和田(一)委員 二国間でそれぞれ相談して取り扱いについては合意していこうというふうに理解しましたが、さっき申し上げたように、国際的な利用者のニーズがあるからこそ二十キロという今までの制限を撤廃してもっとたくさんの小包を扱おうということを一月一日からやろう、こういう改正ですね。それに対して、一年前からこういうことになるということを承知しながらまだそういう段取りに至っていないということなのか、それとも、やろうとはしているのですが、まだ国内的な、今おっしゃったような車両の整備だとかそういうものが十分でない、それができさえすればやるのだというのか、この辺は非常に大事だと思うのですね。
 それで二国間という中で、これは我が国からぜひお願いしたいと言えばこれははっきりしますけれども、逆に先進諸国やその他の国から、うちはもう二十キロを超えて扱いたい、扱うよ、ついては日本向けのものについてどうだ、日本からもそういう対応をしてほしいという向こうからの申し入れがあったときには、今おっしゃったようなことでだめだ、こう言うのですか。それをいつごろまでにやるのか。二十キロまでの台ばかりしか用意していないから、それ以上のものははかれないからというようなことで対応ができないというのでは、いかにも、せっかく改正してニーズにこたえていこうという方向とはちょっと、余り積極的でないように思うのですが、その点はどうでしょうか。
#134
○大橋説明員 お答え申し上げます。
 郵便小包の一般的ニーズというようなところが何キロぐらいのところにあるかということを我が方で調べましたところ、小包の利用状況、重量別でございますが、十五キログラム以上の利用が航空小包で二・六%、船便小包で八・六%でございます。今扱っておりますのが二十キロまででございますので、十五から二十キロが航空で二・六、小包で八・六、十キロから十五キログラムまでの航空小包が六・六%、船便小包が一四・六%という数字になっております。また、五キロから十キロまでの航空小包が二八・六%、船便小包が四三・八%という数字になっております。また、五キロまでの航空小包が六二・二%、船便小包が三三%という数字になっております。
 それで、それぞれの平均利用重量を航空小包について見ますと五キロ、船便小包が八キロという利用状況になっておりまして、このような数字から一般的ニーズといたしましては、航空小包は五キロまで、船便小包は五キロから十キロのところが高いのではないかと考えております。したがいまして、二十キロ以上の導入を検討する際にあわせて一般のニーズも調べた上で導入を検討していきたい、かように考えております。
#135
○和田(一)委員 先ほどの御質問の中で、今紛争地域であるクウェートとリベリアには郵便物の取り扱いがとまっている、こういうふうに聞きました。イラクあての航空郵便やはがき等は、十月十四日から送達できるようになったということですが、小包郵便は依然としてとまっているというようにも聞いております。
 そこで、もう時間がございませんので、そういうことに関連して、外務大臣おいででございますので、最後にお尋ねしておきたいと思いますけれども、さきの臨時国会で国連平和協力法案が出されました。これが廃案になりまして、これにかわる国際協力のあり方について、自民、公明、民社三党の合意による覚書ができました。これに対して総理は、できるだけ早い機会に成案を得て法案として提出したい、こうおっしゃっているようでございますけれども、大臣といたしまして、この覚書ができた十一月九日でしたか、これ以後の具体的な法案作成への作業、これをどのようにごらんになっているのか、このテンポでいつごろどういう形で提案されるとお考えか、お聞かせいただきたいと思うのです。
#136
○中山国務大臣 先般の臨時国会で国連協力の法案は成案を見るに至りませんでしたけれども、この論議を通じて、日本が国際社会に対する貢献の中で資金協力を今まで相当やっておりますけれども、これからは国際社会のために人の協力もしなければならないという御認識は、相当国民の皆様方に御理解がいただけたのではなかろうかと考えております。
 さきにこの法案の審議の過程におきまして審議未了となりましたが、自民、公明、民社の三党間でいろいろお話し合いができ、覚書ができましたが、この三党間でいろいろとこれからさらに政策担当者の間で御協議をいただき、憲法との関係あるいは国連のいろんな機構との関係等も御協議をいただき、我々政府としてもその御論議の中で、いかなることが日本のこれからの国際社会に最もふさわしい一つの国連協力であるかということについて研究をやっておりますが、これからその作業をさらに進めていかなければならないと考えております。
#137
○和田(一)委員 国民的背景をきちっとつくって、そういう合意が背景にあって国際協力をやることが望ましいと思います。三党合意の覚書というのは基本にございますけれども、ここに入っていない人たちの意見も十分聞くような形をとりながら、私は早急にこの法案の整備をして、国会で対応がきちっとできるようにしないといけない。これは放置したままで日本は何もしていないよということは、この法案がだめになっただけでなしに、また新しく日本に対して、こういうことに対する対応が本気であるのかどうかが問われてくると思うのですね。したがって、私はこの国会においてできるだけ早い時期にそういう対応をきちっとしていただきたい、こう思うのですが、大臣、最後にひとつよろしく。
 それからもう一つ、この問題に関連して我が党がいろいろ御質問をいたしました中で、特に国連待機部隊的なもの、こういうもののお考えを聞いたときに、いや、よく検討しているんだ、そのための前向きの検討をしている、そして特に十一月五日の委員会には大臣自身が、私は実はけさ全部法案の素案の項目をチェックしてきたというような御答弁もございましたが、これは改めて理事会等を通じて報告しますと言いながら、何もないのですね。この点について含めてお答えをいただきたいと思います。
#138
○中山国務大臣 さきの国会におきまして御協議をいただきましたこの三党合意は、さらに私どもといたしましては、社会党の方からもいろいろと御提言も出ておりますからいろいろと各党間で御協議をいただくことが好ましい、国民合意をつくる上に好ましい、私はそういうふうに考えております。
 なお、近く外務大臣の諮問委員会といいますか、日本の国連協力に関する懇談会を設置をいたしたい。ただいま人選を進めておりまして、そのようなことでできるだけあらゆる各界の代表の御意見を踏まえて日本の国際協力に対する方向性を打ち出していかなければならないと考えております。
 なお、最後に国連の待機軍、北欧待機軍のことにお触れになりましたが、確かに私も先般の国会で御答弁をいたしております。北欧の各国にある国連待機軍、これは軍隊の一部として常設機関になっておるというふうに、私はいろいろと資料を調べて認識をいたしておりますが、これも一つの我々が研究する課題ではあろうと思いますけれども、少なくとも各党の合意が十分得られた上で法案の作成に努力をしなければならないと考えております。
#139
○和田(一)委員 時間になりました。終わります。
#140
○柿澤委員長 これにて各件に対する質疑は終了いたしました。
    ─────────────
#141
○柿澤委員長 これより各件に対する討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 万国郵便連合憲章の第四追加議定書の締結について承認を求めるの件、万国郵便連合一般規則及び万国郵便条約の締結について承認を求めるの件、小包郵便物に関する約定の締結について承認を求めるの件、郵便為替に関する約定の締結について承認を求めるの件、及び郵便小切手業務に関する約定の締結について承認を求めるの件、以上五件を一括して採決いたします。
 各件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#142
○柿澤委員長 起立総員。よって、各件は承認すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました各件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#143
○柿澤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
    〔報告書は附録に掲載〕
    ─────────────
#144
○柿澤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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