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#1
第120回国会 法務委員会 第1号
本国会召集日(平成二年十二月十日)(月曜日)
(午前零時現在)における本委員は、次のとおり
である。
   委員長 小澤  潔君
   理事 逢沢 一郎君 理事 大塚 雄司君
   理事 太田 誠一君 理事 熊谷  弘君
   理事 自見庄三郎君 理事 小澤 克介君
   理事 小森 龍邦君 理事 中村  巖君
      石井  一君    江崎 真澄君
      大原 一三君    加藤 紘一君
      久間 章生君    佐藤  隆君
      古屋 圭司君    簗瀬  進君
      渡瀬 憲明君    渡辺美智雄君
     伊藤  茂君    宇都宮真由美君
      清水  勇君    鈴木喜久子君
      高沢 寅男君    山花 貞夫君
      平田 米男君    冬柴 鐵三君
      木島日出夫君    大内 啓伍君
      徳田 虎雄君
──────────────────────
平成二年十二月十八日(火曜日)
    午前九時四十一分開議
 出席委員
   委員長 小澤  潔君
   理事 逢沢 一郎君 理事 大塚 雄司君
   理事 太田 誠一君 理事 熊谷  弘君
   理事 自見庄三郎君 理事 小澤 克介君
   理事 小森 龍邦君 理事 中村  巖君
   理事 冬柴 鉄三君
      石井  一君    大原 一三君
      久間 章生君    中村正三郎君
      二田 孝治君    古屋 圭司君
      星野 行男君    簗瀬  進君
      渡瀬 憲明君    渡辺美智雄君
     宇都宮真由美君    鈴木喜久子君
      山花 貞夫君    北側 一雄君
      木島日出夫君    中野 寛成君
      徳田 虎雄君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 梶山 静六君
 出席政府委員
        法務大臣官房長 堀田  力君
        法務大臣官房司
        法法制調査部長 濱崎 恭生君
        法務省刑事局長 井嶋 一友君
        法務省人権擁護
        局長      篠田 省二君
        法務省入国管理
        局長      股野 景親君
 委員外の出席者
        人事院事務総局
        給与局給与第三
        課長      大村 厚至君
        総務庁長官官房
        地域改善対策室
        長       萩原  昇君
        外務省アジア局
        北東アジア課長 今井  正君
        外務省北米局北
        米第一課長   田中 信明君
        大蔵省主計局給
        与課長     岩下  正君
        最高裁判所事務
        総局総務局長  金谷 利廣君
        最高裁判所事務
        総局人事局長  泉  徳治君
        最高裁判所事務
        総局経理局長  町田  顯君
        最高裁判所事務
        総局刑事局長  島田 仁郎君
        法務委員会調査
        室長      小柳 泰治君
    ─────────────
委員の異動
十二月十日
 辞任         補欠選任
  平田 米男君     北側 一雄君
同月十八日
 辞任         補欠選任
  江崎 真澄君     星野 行男君
  加藤 紘一君     二田 孝治君
  佐藤  隆君     中村正三郎君
 宇都宮真由美君     岡崎 宏美君
  高沢 寅男君     渡部 行雄君
  大内 啓伍君     中野 寛成君
同日
 辞任         補欠選任
  中村正三郎君     佐藤  隆君
  二田 孝治君     加藤 紘一君
  星野 行男君     江崎 真澄君
  中野 寛成君     大内 啓伍君
同日
 理事中村巖君同日理事辞任につき、その補欠と
 して冬柴鐵三君が理事に当選した。
    ─────────────
十二月十二日
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)
 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第六号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 国政調査承認要求に関する件
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)
 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第六号)
     ────◇─────
#2
○小澤委員長 これより会議を開きます。
 この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。
 理事中村巖君から、理事を辞任したいとの申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○小澤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○小澤委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は、理事に冬柴鐵三君を指名いたします。
     ────◇─────
#5
○小澤委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政等の適正を期するため、本会期中
 裁判所の司法行政に関する事項
 法務行政及び検察行政に関する事項
並びに
 国内治安及び人権擁護に関する事項
について、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、国政調査を行うため、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○小澤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
     ────◇─────
#7
○小澤委員長 この際、法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。梶山法務大臣。
#8
○梶山国務大臣 ごあいさつの機会を逸しておりましたけれども、過般、法務大臣を拝命いたしました梶山静六でございます。
 歴史的な変革を遂げる国際情勢のもと極めて困難な問題が山積しておりますこの時期に当たり、その職責の重大さを痛感いたしております。
 御病気で退任され、先般突然御逝去された長谷川前大臣の御遺志を体して、私も、法務行政に課せられた使命である法秩序の維持と国民の権利の保全のために、法務行政の各分野にわたり、一層の充実を図り、時代の要請に応じた適切な施策を講じ、国民の期待する法務行政の遂行のために全力を尽くしてまいりたいと存じます。
 なお、就任早々私の発言により各方面に多大の御迷惑をおかけしましたことに対し、この機会に深くおわびを申し上げます。
 私としては、今後は過般の発言についての深い反省の上に立って、マイノリティー問題の理解に対する正しい認識を日本国内に根づかせるよう啓発の努力をするなど、人権の尊重と人種差別をなくするよう、法務大臣として最大限の努力を払ってその責務を果たしてまいる所存であります。
 委員長初め本委員会の皆様方の御指導、御鞭撻のほどを切にお願い申し上げます。(拍手)
     ────◇─────
#9
○小澤委員長 お諮りいたします。
 本日、最高裁判所金谷総務局長、泉人事局長、町田経理局長、島田刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○小澤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
     ────◇─────
#11
○小澤委員長 内閣提出、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 まず、趣旨の説明を聴取いたします。梶山法務大臣。
    ─────────────
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案
 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#12
○梶山国務大臣 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を便宜一括して説明いたします。
 政府は、人事院勧告の趣旨等にかんがみ、一般の政府職員の給与を改善する必要を認め、今国会に一般職の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を提出いたしました。そこで、裁判官及び検察官につきましても、一般の政府職員の例に準じて、その給与を改善する措置を講ずるため、この両法律案を提出した次第でありまして、改正の内容は、次のとおりであります。
 第一に、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官の報酬並びに検事総長、次長検事及び検事長の俸給は、従来、特別職の職員の給与に関する法律の適用を受ける内閣総理大臣その他の特別職の職員の俸給に準じて定められておりますところ、今回、内閣総理大臣その他の特別職の職員について、その俸給を増額することとしておりますので、おおむねこれに準じて、これらの報酬または俸給を増額することといたしております。
 第二に、判事、判事補及び簡易裁判所判事の報酬並びに検事及び副検事の俸給につきましては、おおむねその額においてこれに対応する一般職の職員の給与等に関する法律の適用を受ける職員の俸給の増額に準じて、いずれもこれを増額することといたしております。
 これらの給与の改定は、一般の政府職員の場合と同様に、平成二年四月一日にさかのぼってこれを行うことといたしております。
 なお、今回特別職の職員の給与に関する法律の調整手当に関する特例措置を廃止することとしておりますので、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官並びに検事総長、次長検事及び検事長に支給する調整手当に関してこの特例措置に伴い講じられた暫定措置を取りやめることといたしております。
 以上が、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
#13
○小澤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ─────────────
#14
○小澤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木喜久子君。
#15
○鈴木(喜)委員 初めに、冒頭ですけれども、故長谷川前法務大臣の御冥福をお祈りいたします。
 私が初めて代議士になってここで質問させていただいたときに、今梶山さんの席に座っておられた方でございます。御冥福をお祈りいたします。
 それはそれとして、私は、新法務大臣に今なっておられる梶山法務大臣に、御自身の人権感覚について伺いたいと思います。
 ことしの九月二十一日の法務大臣の発言でございます。この差別的な発言問題について、人権の保護に最も当たらなければならない法務大臣という職につかれた方が、事もあろうにそこでの発言が、非常な人種の差別というものをそのままむき出しにしているものではないかというふうに思います。ここで言われましたのは、新宿の、多分大久保あたりのところのことについて言われたのではないかと私は思いますけれども、そこについては、いろいろとここで言葉を出しますと、あのあたりは娘さんも歩けぬね、地価が下がるのはいいが、などと語って、その後で「悪貨が良貨を駆逐するというか、アメリカに黒が入って白が追い出されるというように新宿が混住地になっている」というような御発言をされた、こういうことでございますけれども、これは一体どういう感覚でなされたのか、まずその点についてお聞きしたいと思います。本来ならば百十九国会で、もっと早くにお聞きしなければならなかったことだと思います。これが開かれなかったため、今国会においてぜひともこの点についてお聞きしたいと思います。
#16
○梶山国務大臣 私は、人権擁護は憲法の柱であって民主政治の基本であると理解をいたしております。法務大臣の所管事務の中で人権擁護が主要な地位を占めているものと認識をいたしております。
 過般の発言について、大変不適切というか、不穏当というか、間違った点が多かったことを深く反省をいたし、その発言の場であった記者会見の次の記者会見において全面的に取り消しをし、これによって生じたそれぞれの不快な思い、被害を受けた方々に深く謝罪をしたところであります。
 今後は、こういうことのないように懸命な取り組みをしてその責めを果たしたいと考えております。
#17
○鈴木(喜)委員 今私がお聞きしたのは、発言そのものではなく、発言のもとになっている法務大臣の心のうちなのでございます。思えばあらわれるというのが世の常識でございます。その心というものが一体どこにあるのか、そこのところを考えていただきたいと思います。
 先ほどの所信表明の中でも、御迷惑をおかけした。御迷惑をその発言によっておかけしたということについての謝罪なんですか。それとも、そういった差別的な気持ちをお持ちになっている、そのことについて深く反省をされているのか、その点についてまずお聞きしたいと思うのです。そして、さっきの所信表明の中にも、マイノリティー問題について、こういう理解を得るための指導やら普及に励む、そして啓発に励む。啓発されなければならないのはもしかして御本人のお気持ちじゃないかというふうに思いますので、その点、お心の中を聞かせていただきたいと思います。
#18
○梶山国務大臣 えてして自分の心の中というものはなかなか透視をしては見づらいものでございます。率直に申しまして、私自身、心の中を割いて、どんな形のものか、私は深く理解をするというか、表現することはできないと思っております。ただ、私があの発言をなした背景あるいはその心の中と言われますけれども、人種差別とか、いわばそういう問題について確信的な発言ではなくて、たび重なる苦情やあるいは陳情をちょうだいをした、その新宿周辺を視察をしてその実態に触れて、そのいろいろな陳情の中身が、あの地帯に住むにたえなくなりつつあるという善良な住民の方々の心底を思って実は視察をし、そしてその後、警視庁や入管局の手入れというか摘発があったわけでございますが、そういう結果を踏まえて、私は、あの地域に住む善良な方々が住むにたえるような場所でありたい、そういう願いのもとから発言をしたのが真意でございます。
 ですから、例えばその発言の例えは悪かったとして、そういうものが潜在的な意識にあったのかと言われれば確かにあったのかもしれません。しかし、私自身の意識の中には少なくともそういう思いを込めていなかったということだけは断言できる、今でもそういう気持ちでございます。しかし、その発言がやはり被害を受ける方、その方たちの心情を十分に理解できなかった、その私に対するいら立ち、反省、そういうものが私をしてこの言葉を取り消しをさせ、そういうことによって起きたもろもろの事象に関して私は深く謝罪をしたわけであります。
#19
○鈴木(喜)委員 今の問題についても、やはり私おかしいと思うところがあるのですね。一体、善良な人というのは何を指して言っているのですか。善良な人が迷惑をこうむる、色がついている人は何か善良ではないような今の御発言がある中で見たときに、ここでの被害を受けている方たちは一体どうなのかということで、ここでもう既にもし意識されておらないとすればこれは大問題だと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
#20
○梶山国務大臣 あえて発言を控えておったのでございますが、善良なという表現が果たして適切であるかどうか。あるいは不善良なところもあるかもしれませんが、一般市民生活を営んでいる方たちが、私は、それぞれの同情すべき、あるいは大変お困りの個人個人の状況はあったとしても、そこにおられる、いわば売春をなさるであろう方々あるいは入管法違反の方々、こういう方々を一般の方々と比較をいたしましてどちらがいいか悪いかということになりますと、法律違反をしていることを私は法務大臣として少なくともいいと言うわけにまいらない。そして、そういう方々がたくさんおることによって、そこで受ける被害感、そういうことを持つこともこれまた私は付近の住民の方々の権利であろうかという気がいたします。
 そういう苦情を受けますと、外国人であるから、あるいは日本人であるから、あるいは色がついているからついていないから、そういう問題ではなくて、法律に照らし合わせていいか悪いかという一点で、あるいはその人たちの被害感、そういうものを見て私は申し上げたことでございますので、どうかひとつ真意を御理解のほどをちょうだいしたいと思います。
#21
○鈴木(喜)委員 今の問題でも出てくると思うのですね。法律に違反しているかしていないか、その一点だけでいいか悪いかを決めてしまう。法務大臣だったらそれが当然であろう、こうおっしゃっているわけですね。しかし、そういう事情というものに至ったところの原因については何の思いもいたさないのですか。ここの場合に、これがどうしてこの地域にふえてきたのかということについて何ら御配慮をなされないような発言であると考えますが、いかがでしょうか。
#22
○梶山国務大臣 結果としてのことを申し上げたのでございますが、それぞれの個人的な状況あるいは社会的な状況が背景にあろうかと思うという表現を使わしてもらったわけでありますが、売春を目的とする外国人女性がいることについては、それぞれの女性の本国における雇用状況、経済状況、あるいはこれらの女性の背後にあるであろうと思われるブローカーの存在等々が種々の要因であろうかというふうに考えております。しかし、要因がそれぞれの個人にあるからといって、それではそういう行為が見逃されていいのかどうなのかということになりますと、これは残念ながら私は、今の状況では取り締まり行為を行うことは妥当だというふうに考えております。
#23
○鈴木(喜)委員 今の場合にここで申し上げているのは、入管法が大臣のお言葉の中にも出てまいりましたけれども、入管法というものが改正されて六月から実施された、そのことによってこの地域について売春を行う女性がふえた、この状況をどうお考えになりますか。結局は入管法の改悪ということがこうした人たちを街頭に立たせる原因になったというふうにはお考えになりませんか。
#24
○股野政府委員 先般、九月二十日に入管当局は警察当局と合同で大久保地域における不法就労の外国人の人々の摘発を行ったという経緯がございますが、この摘発を行った結果を見ますと、その際摘発をされた外国人は四十五名でございましたが、いずれも不法残留でございました。そういう形をとっておるということについて、私どもかねてから改正入管法の施行に先駆けて、不法残留者が非常にふえているということについての意識を持っており、それに対する対処ぶりを考えてきたわけでございます。しかしながら、改正入管法の施行とそれから新宿地域における不法残留者の増加ということについてどういう関連があるかということについては、まだ確たるものを私どもは持っておりません。
#25
○鈴木(喜)委員 今のお話を、法務大臣もそう思っておられるのかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
#26
○梶山国務大臣 局長の答えたとおりでございます。
#27
○鈴木(喜)委員 それでは困るのですよ。やはりこの問題について、その原因についても考えておられない。まだ分析もしていない。その事件、そのときに法律違反があった、不法残留であった、そのことだけで善と悪を決めつけて、本当に人権というものを考えるのだったならば、そしてまた国際感覚というものをお持ちであるならば、この問題については、その入管法というものが、来た原因であるとかまたはそこに、街頭に立たざるを得なかった女性たちというものの個人的な理由ではありません、もっと社会的、国際的な理由まで考えていただかなければならないと思います。そういうことを抜きにして、現象だけを見て発言をされるというところに非常な問題があると私は思います。これは今、人種の差別について言いました。
 もう一つは、女性に対する差別でございます。新宿でこういうふうな売春が行われているということについては、これのお客になる男性方もいらっしゃるわけです。こうした形でなければそこで売春ということは行われません。私たちはあえて売買春、売ったり買ったりする春というふうに書きますが、売買春という言葉で言います。こういう形でそうした売春防止法というものの、現在もう古くなってしまって形骸化してしまっているようなものについての改正というものも考えておられるかどうか。その点、売春問題について法務大臣どう考えておられるか、一言お聞かせくだ
さい。
#28
○梶山国務大臣 個々の売買春と申しますか、これは主として大きな理由が、国情であるとか社会的な背景だとかいろいろなものがおありになることはもちろん当然であります。しかし、さりとてその背景があるから個々に法律違反を犯してもよろしいということには、直接的に結びつけることは大変困難だという気がいたします。私は、やはりこの性道徳に反して社会の善良の風俗を乱すという売春、売買春は決していいものではない、いやむしろ罰せられるべきものである。そのために売春防止法、確かに古いと言われるかもしれませんが、そういうことが法制定をされた根源ではないかという気がいたしますので、その法の適正な運用を図ることは当然のことであろうかという感じを持っております。
#29
○鈴木(喜)委員 売春防止法について大臣どのような認識を持っておられるかわかりませんけれども、三十数年前につくられたこの法律の中では、赤線地帯、またはそういうふうな、その置き屋といいますか、そういうところでの管理売春というものを主に処罰するという法律でございまして、買った男性を処罰するという法律ではありません。今の大臣のお話を聞きますと、売買春というものについて、やはりこれは罰せられるべきであるとすれば男性も罰せられるべきものだと思いますが、その点はいかがでしょうか。
#30
○梶山国務大臣 売春防止法は、単なる売春行為あるいはその相手方となる行為を処罰の対象としていないが、これは、売春婦の更生保護と国民のプライバシーを尊重するとの立場に立って、売春の勧誘のほか、周旋、困惑させて売春をさせる、あるいは売春をさせる契約をし、売春の場所提供をする等、いわゆる売春を助長する行為を処罰することにより社会から売春を追放しようとする観点から制定されたものだというふうに理解をいたしております。既存の罰則規定を厳正に適用することによっていわゆる売買春の防止の目的は十分に達成できるのではないか、むしろ厳正な運用をすればできるのではないかと私は期待をいたしております。
#31
○鈴木(喜)委員 大変ずさんなお答えだと思います。そういうふうなことができるのであれば今こういうような問題は出てこないと思うし、今の発言、それから九月二十一日の発言というものも出てこないのではないかと思います。
 時間がないので、ちょっとここの点についてもう少しほかの面から考えていきたいと思います。
 今のお話をずっと聞いていますと、人種の問題についても、そして女性の問題についても差別的意識がなかった、そしてそのことについては、今も自分の中でないしこれからもないというようなことをおっしゃっているのですけれども、そういう自覚のない、自覚症状のない病原というのは大変重大なものがあるわけでございまして、法務大臣としては、こうしたことについて深い自覚を持ってその中で対処していただかなければ法務大臣としての資格がないのではないかというふうに思います。
 この点については、再度お聞きしますけれども、御自分の発言の重大性の意味をどのようなものだとお考えになっていらっしゃいますか。
#32
○梶山国務大臣 冒頭にお答えをさせていただきましたように、人間のそれぞれの権利を尊重するというのは法務行政の中心であるべきだというふうに考えております。そして、私自身の考え方、確かにうかつ発言とかうっかり発言ということで許されるものではない、むしろそれこそ根源の深い問題だという指摘は、ある一面で当を得ております。しかし、表に出なければわからない心のうち、これを直せといっても、完全な意識があるならば幾らでも直せます。しかし、ないものをというか、潜在的な意識を摘み取れと言われても、なかなかこれは言うべくして困難な問題だという気がいたします。
 ですから、私は、貴党の山口委員に前回の国会の予算委員会できつい指弾を受けました。そして私も、この自分の発言の持つ意味、それから針のむしろに座るような思いと言いましたけれども、私は心の中からだけでは自分でこの自分の改革ができない。ですから、これだけの社会的な非難を受けることによって、いわば針のむしろというのは外圧を受ける、それによって私自身のいわば人種問題あるいはその他の差別に対する問題の啓発を自分自身の中に行うことによって、両々相まちながらその問題の対処に真剣にこれから取り組んでいかなければならない。まず私自身の啓発を行い、私自身が反省を行い、その上に立って法務行政を眺めてまいりたい、推進してまいりたい、私はそういう心底でお答えを申し上げたとおりであります。
#33
○鈴木(喜)委員 そういうことですと、私たち、法務委員としてもやっていきます、たくさんの有権者の人たちのいろいろな信頼を背に受けてここでは発言をしているわけです。そして、これからも数々の法案の審議もしなければいけません。そういう中で法務大臣が、摘み取れといっても摘み取り方がまだわからない。私たち一年生議員にも重い責任があるのと同様でございます。法務大臣として、こういうふうなものがどこをどうするかはこれから先の研さんにかかっているようなお答えでは、それで法務大臣が勤まるかと私は思います。ですから、ここでは一度辞任をされるべきではないかと思います。もう一度そういった意味での人権感覚を磨き直して、そして何を摘み取るべきかどうなのかということを御自身の中で問い合わせをされて、外圧であろうが針のむしろであろうがそういうところにお座りになって、そしてそこで大きな人権感覚をもう一度磨き直して、それからまた法務大臣になられたらいかがであろうか。この際はここで辞任をされるのが大臣にとって最も適切であり必要な責任のとり方ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#34
○梶山国務大臣 それぞれの責任のとり方については、それぞれの議員の方々の思う点もございましょうし、私の信念もございます。そういう意味で、私は自分の信念を通すことによってその責めを果たしてまいりたい。冒頭に申し上げたとおりでございます。
#35
○鈴木(喜)委員 この問題は、その信念を通されたら、非常に自覚のない方に信念を通されるとどういうひどい法務行政になるかというふうに思います。ですから、これから先もこの問題についてはずっと追及を続けていかなければならないと思いますが、残念ながら今私の持ち時間が少しになりましたので、私自身のこのことに関する質問は一応ここで終わらせていただいて、次の問題に移りたいと思います。
 先般百十八国会で私が取り上げて質問をさせていただいた問題ですが、簡易裁判所と区検について、それが建物として合築された、そういうふうな建築計画がなされているという問題があったのです。この点について質問したのですけれども、その後の経過はどうなったかということで、これは司法権の独立という観点から大いに問題のある点ですので、お答えをいただきたいと思います。
#36
○町田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 家庭裁判所と簡易裁判所の民事部が入ります新しい庁舎を霞が関のAブロックと言われております司法ブロックに建てる計画があること、そしてその建築計画で、隣に建ちます区検等が入ります行政庁の庁舎と壁が一部接することになるという経緯なり理由なりにつきましては、今御指摘の委員会の席上詳しく御説明させていただきましたので、その理由につきましては今繰り返すことは省略させていただきたいと思いますけれども、その際、当委員会等でいろいろな御意見がございました。そこら辺を私どもとしても踏まえまして関係方面と調整いたしました結果、次のような措置をとりたいと現在考えているわけでございます。
 第一点でございますけれども、隣の行政庁舎と接します部分の壁を、従前の計画では壁一枚で接する形にしておりましたけれども、その壁を二重の壁にいたしまして、その間に一メートル程度の空間を設けることによりまして両者の分離を明確
にしたいと考えております。
 それと同時に、両方の建物の外壁の色などを変えるというようなことも検討いたしまして、できる限り両者の分離が外部からも認識できるように、さらに技術的な面を含めて十分に検討していきたいと考えております。
 それから第二点でございますけれども、一般に合同庁舎の場合は幾つかの入居官署があるわけでございますが、多くの場合は、その中の一番広い面積をとります行政官署の建物としてその合同庁舎が国有財産上登載され、他の入居官署はその行政官署の使用承認を受けて利用するというのが一般でございますけれども、この裁判所が入ります建物につきましては、国有財産台帳上もはっきり裁判所の名義で登載しまして、裁判所が所管し、裁判所が管理するということにいたしたいと考えております。
 それから第三点といたしまして、敷地の関係につきましても、外構あるいは植栽等を十分工夫いたしまして両者の分離を明確にいたしたいと考えているわけでございます。
 この前も御説明申し上げたところでございますけれども、今回の東京家簡裁、家裁、簡裁の新庁舎計画で一部の壁面が行政庁の庁舎と接するようになりましたのは、あの霞が関地区の特別な敷地条件によるものでございまして、私どもも、一般論としては裁判所の庁舎は行政庁の庁舎と別個に建つ方が好ましいと考えておりますので、今後全国の庁舎の新営計画等を進めるに当たりまして、このような裁判所庁舎と行政庁の庁舎を壁面で接するというようなことを一般的に波及させるというようなことは考えていないということを申し添えさせていただきたいと存じます。
#37
○鈴木(喜)委員 緊急というか、こういうふうな場合ですから仕方がないということで、裁判所の方もいろいろとお考えいただいたことだと思います。司法の独立というのは、三権分立の中でも大変大きなものでございます。これについて深い御配慮をこれから先もいただきたいし、今回のことを例外中の例外という形で、これだけに限ってというふうに今のお答えを私は理解するわけですけれども、今後はこういうことのないように、しかし今回はこういうことで、なお一層行政庁と裁判所の分離のための御努力を、外形上も今回の建物についてもいろいろ御工夫をいただきたいというふうに思います。
 司法の独立というものについて一般的に裁判所はどのように考えておられるか、この際ですから、ここでお聞きしておきたいと思います。
#38
○金谷最高裁判所長官代理者 私の方から申し上げさせていただきます。
 司法の独立は、司法制度、裁判所制度の根幹をなすものでございまして、司法の独立を堅持することが大切であることはもちろんでございますが、それとともに、国民主権のもとで司法の独立に対する国民の信頼を確保することも重要であるということは改めて申し上げるまでもないところと存じます。最高裁判所といたしましては、従来から司法行政面におきましてもこれを施策の基本としてまいりましたが、裁判所外の方々から必ずしも十分の理解を得られなかった、そういう点があることにかんがみまして、今後とも裁判所外の意見にも留意しながら、司法の独立に対する国民の理解が一層得られるように努力してまいりたい、かように考えておるところでございます。
#39
○鈴木(喜)委員 お聞きして大変安心いたしました。これからも司法の独立という点に心を配り、よろしくお願い申し上げます。
 最後になりましたけれども、今提出されております裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、そしてもう一つの検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、これが今の時期に補正予算との絡みで出てきた、この点について、法務大臣、どうしてこういうことになったのかだけお聞かせください。
#40
○梶山国務大臣 公務員の給与改定を行うためには、人事院勧告制度の趣旨を踏まえつつ、国政全般との関連を各方面から検討した上で政府としての方針を決定し、関係法案を国会に提出することといたしております。これらの作業にある程度時間を要することから、この時期に国会提出の運びになったものでございます。
#41
○鈴木(喜)委員 通常はこれはもう少し早目の時期だったと思います。それはいろいろな御事情があったのだと思いますが、ここで出てきたということと、それからもう一つ、補正予算の中にこれを組まなければならなかったという事情があるのでしょうか。
#42
○岩下説明員 お答え申し上げます。
 裁判官、検察官の方々の給与につきましては、御承知のとおり人事院勧告の取り扱いに準じて改定されることとなっておりますが、予算編成期に翌年度の人事院勧告の内容を予測するということは、言うべくしてなかなか難しいことでございます。それから、財政事情が御高承のとおり極めて厳しい事情にございましたことから、今年度当初予算におきましては、給与改善のための費用を計上することはいたしませず、給与改定の所要財源につきましては、補正予算によって措置するということにさしていただいたものでございます。
 なお、もう一言申し上げますが、給与改善の費用につきましては六十一年度以降計上されておらない経緯がございますけれども、この間におきましても、毎年人事院勧告の完全実施によりまして給与改定がなされてきております。
#43
○鈴木(喜)委員 補正予算でやる、当初予算がないからということでありましたから、それは補正でやることはもしかしたらやむを得ないところがあるのかもしれませんが、通常ならこれは三月ごろの年度末に補正を組む。これが政府の財布が空っぽであるという状況で現在やらなければならないというのは、ほかに使っちゃうことが多かったからじゃないかと思います。千三百億円ももう既に予備費から支出している、湾岸危機の問題について気前よくぱっぱと出してしまった部分があるからじゃないかと私は思います。これから先補正の予算を組むというときにもこのあたりについていろいろと考えていただきたいと思います。
 時間がなくなりましたので、残念ながらこの点はこの辺にしておきます。終わります。
#44
○小澤委員長 御苦労さまでした。
 小森龍邦君。
#45
○小森委員 私の方から、まず冒頭に今回の議案に関しまして二、三点お伺いをしたいと思います。
 それは、公務員の給与改定と連動しての今回の裁判所、検察庁等の給与改定の問題でございますので、これは極めて当然なことだと思っております。したがいまして、この機会に、そのことは当然といたしまして、さらに多少突っ込んだことをお尋ねしてみたいと思いますが、過般、大分地裁のことにつきましてマスコミ報道がなされました。これは検察官あるいは裁判官等の人的体制の要求を、あのような一つの回りくどい画策というか、政府の中枢部に忙しいということをわかってもらおう、あるいは事件が多いということをわかってもらおうとしてやったことではないかと新聞等も報じております。したがって、今日、裁判官あるいは検察官の過不足というか、不足の方に重点を置きますが、そういう観点からいきますと、どの程度のことに考えられておるか、この点をお尋ねしたいと思います。
#46
○島田最高裁判所長官代理者 裁判官やその他の職員の数についてでございますが、全国的に見て余裕のある状況とまでは言えないものの、事件処理に支障のない程度の数は確保されておるわけでございまして、ただいま委員が危惧されたような各庁の配置数をきつく絞り込むというようなことは決して行っておりません。
#47
○井嶋政府委員 検察官の数の問題でございますけれども、最近の犯罪の動向を見ますと、委員も御案内のとおり、量的には横ばいないしは漸減でございます。ただ質的にも大分変わってまいっておりまして、主な事件は、数から見れば窃盗とか自動車の業務上過失致死傷といったような事件が多いわけでございまして、ひところと比べますと、量あるいは質が相当変わってまいっております。
それに対応いたしまして検察官の数というものもあるべき姿が出てくるのだろうと思いますけれども、他方、御案内のとおり、最近いわゆる経済事犯といったような分野におきましていろいろな事件が起こっておるわけでございまして、これを防圧することが検察に対する国民の期待にこたえるゆえんであるというような観点から考えますと、そういった点に重点を置いた検察を志向すべきだといったことも考えますと、検察官の数がこれで十分かという問題になるんだろうと思います。
 そこで、最近若干この検事任官者数が数的に見れば確かに一時期よりも減っておるということは事実でございますけれども、冒頭に申しましたような犯罪の情勢及び国民の期待する分野に対応する勢力がいかにあるべきかといったようなことを総合勘案いたしまして対応を考えていかなければならぬだろう、こう思っておるわけでございます。そういった観点では、全体的には大都市地検に勢力をシフトしていくといったような形で全体として配置していくのかなといったことを考えておるわけでございます。
#48
○小森委員 実は、大分の問題に関係いたしまして、新聞の報ずるところによりますと、近藤太朗検事正、地検の検事正ですが、次のように言っておるようです。「選挙違反などの事件で被買収の相手が複数の場合、うち一人が犯行を否認すると、この分を分離せざるを得ず二度手間になる。裁判官の思い込みを少なくするためにも、細かく起訴した方がいい」、こういう言い方をしておりまして、これは一つは時間がかかるということでやや客観的な物言いをしておるように見えるわけでありますが、重視するのは、「裁判官の思い込み(過誤)を少なくするためにも、細かく起訴した方がいい」、起訴を分離することによって裁判官が公正な判断ができると言わんばかりのことを言っておる。そうなれば、裁判官というのは例えば連立二次方程式などはわからないといったような、そういう非常に単純なものだという説明を検察側がしておるということになりますが、そう言われておる裁判官というものをどう最高裁は考えておられるか、この点をちょっとお尋ねしたいと思います。
#49
○島田最高裁判所長官代理者 ただいま委員から御指摘がありました近藤元検事正のおっしゃったことについて、私ども十分よく把握しておりませんし、どのような趣旨で言われたかいま一歩よくわかりませんが、裁判官としては、委員が御心配のような思い込み、予断、偏見、そのようなものを持って裁判をすることは決してございませんで、むしろ裁判官のモラルとしては、予断、偏見を排除し、公正無私な態度で審理に臨むということをやっております。
 ただ、今御指摘の起訴の仕方との関係で考えますと、仮に一通の起訴状で起訴できるものを幾つかの訴因ごとに分けて起訴した、その場合でも、恐らく多くの場合には併合して、一括して審理することになります。ただし、場合によってはそのように併合して審理されることがある被告人にとってはむしろ迷惑である、分離して別に審判してもらいたいという希望が出ることもございます。また、裁判官が考えましてその方がむしろよろしいという場合には分離して裁判することになります。その辺の併合、分離につきましては、先ほどのように裁判官としてはまさに予断、偏見を排除し、公正無私な、公平中立な立場で裁判するという立場から考えてやっておりますので、御心配のような点は決してないことと存じます。
#50
○小森委員 検察官と裁判官の間で先ほど私が申し上げましたようなことが言われる、それが新聞に報道されるということは、これは一方では裁判官を少し軽く見た、国民から考えると、何だ、裁判所というのはそんな浮ついたものかというようなことにもなりますので、検察側もよくそういったことについては発言を慎む、そしてまた裁判官の方もひとつ予断と偏見にとらわれずに公正な裁判をやるということに努めていただきたいと思います。
 そこで、もう一つだけそのことに関連して申し上げたいと思うのであります。検察官のこの検事正、元と言われたからもう退職なさったのだろうと思うが、この近藤太朗大分地検の検事正のこういう発言からすると、当然予断と偏見にこだわらないで、憲法第七十六条第三項が言う「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」こういう一番大きな柱というものがあるわけでありますが、「この憲法及び法律にのみ拘束される。」ということはだれが読んでみてもわかることなんでありますが、「その良心に従ひ」という部分であります。これにつきましては、既に一九四八年と一九五七年、最高裁の大法廷における判例がございます。その文章を読むと、「外からの圧迫などに誘惑をされないで、自己内心の良識と道徳観に従う意味である。」こういうことが言われております。先ほどの法務大臣の発言、なかなか自分を問うことは難しいということ、法務大臣にしてああいうことを言われるわけで、それは究極において宗教的次元にまで到達しての良心というのはなかなか難しいかもわからないが、そこはもう追求して追求して最後まで追求し終わることはないという水準のものであらねばならないと思います。
 そこで、最高裁の判例で言うところの「自己内心の良識」とは一体何か、ここをちょっとお尋ねしておきたいと思います。
#51
○島田最高裁判所長官代理者 なかなか難しい御質問でございまして、私ども必ずしもこれが正解だというふうに自信があるわけではございませんが、「裁判官は、その良心に従ひ」というその内心の良心、これは、やはり裁判官として持つべき良心としては、いわゆる自己の利害、打算、そういった私の思惑はすべて一切超越いたしまして、他からの圧力、そういったものを一切排除し、何物をも恐れずに、公正無私な信念を持って客観的な公正中立な立場から裁判をするべきである、そういった意味での良心というふうに解釈しております。
#52
○小森委員 くどいようですけれども、この自己内心の良心とか良識、道徳観、良識とか道徳観というのは各人によって相当のぶれがあると思います。その場合に、単なる裁判官の自己内心の良心というと、それぞれの価値観というものが違うわけでありますから、著しく違った結論、一つの客観的事実についても違った結論が出るのではないかと恐れますので、私は、いかに憲法と法律に忠実であらねばならないか、裁判官というものはそういう良識とか道徳観を持たねばならぬのだ、こういうふうに解するのですが、いかがでしょうか。
#53
○島田最高裁判所長官代理者 おっしゃるとおり、個々の裁判官個人としてはいろいろな考え方を持ち、道徳観もそれぞれに異なったところはあると思います。早い話が、例えば死刑制度等につきましても、個人的には死刑制度反対という人もおるかもしれません。ただ、先ほども申し上げましたように、ここで、憲法で言うておるところの良心といいますのは公人としての裁判官としての良心ということで、そういうその個々の考え方を捨象いたしまして、求められているところのあるべき裁判官としての良心、それはやはり現在の日本国の憲法及び法律の体系にのっとった公人としての良心であり道徳観である。その辺で個々の差異は捨象して考えるべきである。それを、個々の裁判官としては自分のそういう個人的なところの差異は捨象し、憲法、法律の体系に従ったもので律していこう、そこに我々の努力があり、また日ごろそのように考えてやっていかなければならないというふうに自戒してやっておるつもりでございます。
#54
○小森委員 この問題は、時に触れ折に触れてお互いに追求をし深めていかねばならない問題だと思っております。またの機会にお尋ねをするということでひとまずピリオドを打ちたいと思います。
 続きまして法務大臣に、先般来の法務大臣の発言が国際的にもあるいは国内においてもかなり議論の俎上にのっておりますので、率直に法務大臣
にお尋ねをしたいと思います。
 私は、先ほど我が党の鈴木喜久子議員が質問をなさったことで、ある一つの前進があったということは感じました。それは、常に人々の批判にさらして、そして、外圧という言葉を使われましたが、自己の内心を見詰めていく。言い方は、率直に言いまして法務大臣、あなたは下手ですけれども、しかし、まあそこは非常に大事な人間的な態度である、こう受け取らせていただきました。そこで、あるいは耳に痛いかもしれないけれども、しばらく外圧をあえて受けて自己の潜在意識を問う、そのことの努力をする、こういう観点でひとつお聞き取りいただきたいと思います。
 まず、あなたはこういう事実を御承知かどうかということでお尋ねをしますが、ノーマン・ミネタという米国議会における日系の議員でございますが、その人がこう言っているのです。「日本が人種差別という文化的な病を克服せぬ限り、国際社会は大国としての日本の台頭に警戒の目を向けるに違いない」、これは日系人であるだけに苦悩に満ちた発言であると思います。これは「天声人語」の十月十五日に引用して出ておった言葉であります。これは御承知でしょうか。
#55
○梶山国務大臣 残念ながら、私は自分の発言まではそういうことに関してほとんどむとんちゃくと言ってもいいほど不勉強でありましたし、ここ二カ月間、まさにそういう意味では、あるいは書籍から、あるいはいろいろな講演から、あるいはそれぞれの人のお話から、そういうものを見たり聞いたりさしていただいている中にその話が出てきております。
#56
○小森委員 国際的に非常に問題が大きく波及してきたということでは、これは十月八日のことだったと思いますけれども、アメリカのトレントン市に東京都議会の一隊が都市問題の調査団として出向いていくことにしておったけれども、これの受け入れ拒否、これは少し言葉がきついかもわからぬけれども、受け入れ拒否のような形になったことがございます。そのときにこのトレントン市の市長は、梶山発言は多くの黒人を含むトレントン市にとっては耐えられない、中曽根元首相の人種差別発言と同種のもの、こういうことを東京都の方へ書簡というか手紙のような形で、こういう内容が含まれておったわけであります。
 したがって、海外における、先ほどの日系人も非常に心を痛めておりますが、自治体のようなところもこれは相当重視しておる、こういうことがうかがえますが、これはもう御承知のとおりだと思いますけれども、それに対するお気持ちはどうでしょうか。
#57
○梶山国務大臣 当時の私のまさに不用意というか不勉強な発言が結果としてもろもろの影響を及ぼしたということに、私は大変な反省をすると同時に、申しわけないというか、一挙にその回復は多分困難であろうけれども、全力でそういうものの信頼回復に努めてまいらなければならない、さように考えております。
#58
○小森委員 私なんかはこの国会の議席からの発言とあわせて、我が国の人権問題と極端に言うと少年時代からずっとかかわり続けてきて、この種の問答というのをよくやってきたわけです。
 それで、今法務大臣が深く反省をしてやらねばならぬということは、冒頭申しましたが、私も肯定的に受けとめさせていただくわけでありますが、その深く反省するということの中身がどうも私どもとすればまだまだ納得のいかない点があるわけです。その深く反省しなければならない中身が、海部総理もそうでしたけれども、海部総理は恐らく梶山法務大臣及び梶山法務大臣の、あなたの党内におけるいろいろな力学的状況に気兼ねをなさってそんな言葉を使われておるのではないかと思いますが、梶山法務大臣の発言は不適切発言、こう言っているのです。それから梶山法務大臣自体も、誤った不適切な発言をしてどうも済みません、こういうことを言っておるわけですね。
 不適切という言葉は非常に範囲の広い言葉なんであります。だから、その中に含まれておるといえば含まれておりますけれども、やはりここで法務大臣がその不適切とは人種差別の発言であった、こういうことになると反省が次第に深いものに到達できると私は思うのでありますが、新聞などはもう見出しには全部人種差別発言と書いているし、海部総理のアメリカでの発言とか日本のこの国会における発言とか見ると、不適切発言、こうなっておるわけですね。その点についてはどうでしょうか。あなたは率直なところ、先ほど鈴木喜久子議員の質問に対してそれに少し近づいた答弁をなさったように私はちょろちょろとメモをいたしましたが、その点をひとつ率直に語ってください。そして本当に反省の方向に向かって、とりわけ国の政治に大きい影響があるわけですから、そういう観点でお答えをいただきたいと思います。
#59
○梶山国務大臣 率直に申し上げまして、当時私は人種差別という意図は全くなかったために、それが私の言葉が足りないというか表現が十分でなかったというか、そういうためという理解を当時しましたから不適切と申し上げたのでございますが、短い期間の反省と表からの知恵あるいは叱正でございますから、まだまだ完全なものにはなっておりませんが、ようやく最近になって感じますことは、私の主観で申すべきことではない。ですから、この問題に関しては、少なくとも被害感や差別感や不愉快な感情を持った方の方向から眺めればまさしく人種差別発言であったと、私はそういう認識の上にこれからの行動を律していかなければならない、さように最近になってようやく、まだそれも完全なものではございませんが、ようやくそういうふうに思わなければいけないという心境に今立ち至っております。
#60
○小森委員 それが先ほど鈴木喜久子議員とのやりとりの中で少しばかりそういうことが出たように思いましたので、これは非常に大事な心境に法務大臣が到達されつつある。しかも、人間というものは孤立して存在しておるわけじゃないのだから、外圧というと少しきついけれども、人からのいろいろな批判に耐え抜いて、そしてそこでいろいろなことを聞いて、次第に自分の持っておる知恵を通してではあるけれども人々の意見を吸収して正しい感覚に到達するということが大事でありますので、私は、今の法務大臣の答弁は率直に大きな前進だ、こういうふうに受けとめさせていただきます。
 そこで、法務大臣、実は結果その発言の波及効果が考えてみたらやはり人種差別の発言であった、こういうふうに言われておるわけでございますが、もう一つ、これは外圧だと思って聞いてください。
 結局、白とか黒とかというのは、あなたは比喩に使ったわけなんです。つまり比喩というのは、新宿かいわいで外国人女性が売春しておる、それには当然売買春でありますから相手がいなければならぬことでありまして、大きな社会的問題からすればもう少し角度を広げて我が国政府には見てもらわなければならぬし、国民道徳ももっと角度を変えて見ていただかなければならぬことがございますが、比喩的に使ったということは、指摘しようとしたことは不法就労者であり、外国人の女性の売春行為ではあるけれども、比喩ということはそれとおおよそイコールの価値観、それを当てなければ比喩にならないわけですね。だから、あなたがアメリカに送られた書簡の中でいろいろ言われていることとかあるいは記者会見をされたときのことを聞いて、これは比喩だからストレートにアフリカ系のアメリカ人を攻撃したものではないということを言いたいのであろうと私推察しながら読んだり聞いたりしたわけです。
 しかし、比喩に使うということは、ほぼそれと同程度、つまり比喩で説明する対象物とほぼ同程度に、同じくらいのことでないと比喩に使えないわけですから、あいつはずぼらをするが、だれやらという有名なずぼらをする人間と同じようなものだよということで、だれだれは比喩に使われるわけですからね。だから、価値観としては同じ位置に置いておるという点において、客観的効果だけでなくて、あなたの意識の深いところに、白、
黒という表現で黒が追い込んだという、いわば常識のような、いわばあなたの物の考え方というものがあった。ここはどうでしょうか。
#61
○梶山国務大臣 委員の御経歴と、私もまた私なりの六十何年かを支えてきた人生体験がございます。私は、どちらかというと技術屋であります。学校も土木を出ました。それから、私のいろいろな人生上での勉強は、都市工学やそういうものを中心にやってまいった人間であります。それだけに、あるいはその言葉の持つ意味の認識度合いが違うかもしれません。そして私は、その比喩というものが、私なりにあの当時、今言葉が足りなかったというのは、あの当時に戻して私の気持ちを今率直に言いますと、確かに狭い観点で、あそこに立っている人たちの環境があるいは売買春であり不法残留者であり、そしてそのわきにいわば長い間市民生活を営んでいる方たちがいる。むしろ私は、その方たちの一方的な苦情を聞いて、片方の方々からは保護してほしいというようなことは、実は心の中には持たなければいけないかもしれませんけれども、そういうものにはむしろある意味でむとんちゃくであった。そういう中から、私はあそこに住んでいる方々が大変御苦労なすっている、ですからそういうものを適正にすることが大切だという、極めて短絡的な、都市工学的な観点から私は当時の認識度合いを持ったわけでございます。
 そういうところからいいますと、私はやはり都市化の中では、例えば私の田舎でも、団地ができますとその周辺の農家の方々はやはりそこに大変トラブルが起きます。それと同様な問題がこれから国際化の社会からいろいろ出てくると私は思うのです。その一番際立ったものが、ある意味で法律違反をしてまで来る方々のところ、善良な方々は、私は、それでも善良な方々というか、そういう法律違反でなくても長い間の生活環境なり心情なりが違いますと、そこにはあつれきがあるはずであります。そういう意味で、そういう方々が入ってくる、あるいは今まで住んでいた方が出ていかなければならない、そういう状況の比喩を都市工学的な意味で私はあの当時は申し上げたつもりでありました。ところが、そういうふうにはやはり一般社会はとってくれなかった。また、一般社会の常識というのは、あれはまさに人種差別だ、そういうふうなとられ方をして、初めて愕然として、私なりにその後の勉強が始まったというのが現実でございます。
 今委員御指摘のように、比喩というのはなるほど同程度のもの、これが社会的な常識であろう。残念ながら、私はそういう意味では、自分の歩んできた専門的な分野がそういうことにやや比重を置き過ぎた、そういう思いがいたしますので、六十の手習いというのは遅いかもしれませんが、むしろ自分で自発的にはなかなかできないけれども、それぞれのいろいろな御忠告、御叱正をちょうだいすることによってそういうものを、自分の気持ちを啓発をしていきたい、また、そういうものに努力をしてまいりたいと考えております。
#62
○小森委員 私のこれまでのいろいろな社会的取り組みからしますと、本当は大臣、あなたにもう少し、もう大分到達しておると思うのですけれども、もう少し率直に、今私が申し上げたことをかなりのところまで理解をしてもらってそういう発言になってきておるのですけれども、私から言うと、そうだ、比喩というのはそれを社会的に否定しようとしておることとほぼ同程度のものをぶつけるものだということは大分わかったが、しかし、わしは都市工学というかそういう方面へ力を入れてやったということなのですね。しかし、そうだ、わしは同程度のことをあの比喩を使ってやったところにわしの物の考え方の、つまり抽象的に言えば足りなかったところがある、さらにもう少し具体的な表現をすれば、私の持っておる醜い差別性であった、こうなれば、もう大臣、きょうあなたが私にそこまでの答弁をされたら、あとはかなり自分の気持ちが本当のものに結びついていくと思いますよ。これは、ここから先はあなたの政治的なポストがどうなろうが、それは私は立派なことになると思いますよ。
 だから結局、新聞は差別性、差別性と言っておる。海部総理とあなたは不適切と言う。論理学的に言うと外延の広い、一つの言葉を内包と外延というふうに論理的には分析しますが、その外延の広いものをぶつけて説明をするから、国民がなかなか、いや、これは大臣は本当に反省しとらんぞ、こういう見方をされるわけですから、くどいようですけれども、いま一度それをお答えいただきたいと思います。
#63
○梶山国務大臣 これは委員にお言葉を返すようでございますが、確かに私の当時の心境は、状況の比喩にその言葉を用いたことは大変間違っていたというか、その認識はございます。しかし、今、幾ら委員から言われても、あれは完全な人種差別だった、人種差別発言だ、こう私の心に思うにはまだ私の本当の意味での良心にひっかかってきて、まだそこまでは言い切れません。ただ、少なくとも表の状況はそういうことを要求している、そういうふうな認識は私は十分に今持ち合わせがございます。
#64
○小森委員 裁判所などと違いまして、国会の議論というのはそれぞれの価値観をぶつけ合うところですから、私の価値観に基づいて今質問しておるわけですけれども、それでは大臣、あなたは事柄の解決の、あなたの内的整理の道のりの半分までしか到達できてないのです。だから、それはきょうここで三十分や四十分の議論でなかなかそこにまでは行かぬかもしらぬけれども、それは大事なことだ、小森が必死になって言うておったということを念頭に置いていただきたいと思います。
 これは、こういう場で宗教的な言葉を出して言うのはどうかと思いますけれども、私が今から出す言葉は道元禅師の「正法眼蔵」の中にある言葉です。私は余り信心ということもよくわからないけれども、また私の家は浄土真宗の門徒ですから曹洞宗とは違いますが、曹洞宗の道元禅師が「正法眼蔵」の冒頭で言っておられることは、仏道を修するということは、これはつまり正しい世界観に到達することはと置きかえてもよいと思うのです、我々が味わうときには。仏道を修することはおのれを知ることなり、おのれを知るということはおのれを捨てることなりと。これは法務大臣、半ばまで行っておるが、人種差別発言だと言ったら海外がまたそれを認めて騒ぐのではないか、あるいは、いよいよ私はつまらぬことを言うたということを全面的に認めることに、あなたの気持ちがかなりそこにひっかかっておるように思います。
 しかし、これはこの前も人権擁護局長に私はかなり言ったことなんですけれども、盧泰愚韓国大統領があの国会で演説されたことで非常に哲学的なことがあるので、私はそれに基づいて一度質問して、どっちかというと人権擁護局長は逃げよう逃げようとしたけれども、これは、過去の過ちは直そうったって直されないのです。問題は真実に迫ることだということを、真実に迫ればおのずから次の行動が立派なものになる、こういうことで盧泰愚大統領は日本と韓国との関係を言われたと思うのです。ひとつそういう観点にぜひ立っていただきたい。これからいろいろ外圧を受けて、自分で自己の潜在意識を問い詰めると言われるのですから、それをぜひ続けていただきたい、かように思います。
 それで、これからそういうことの一つの参考になると思いますから、なお法務大臣にとっては気持ちのおもしろいことではないと思いますけれども、お尋ねをいたします。
 あなたがニューヨーク・タイムズに対して、ニューヨーク・タイムズのインタビューに答えて言われておるあの内容ですね。日本には人種に対する差別はない、こういうことを言われておるし、日本人は違う国の人とはつき合ったり交わったりという経験がほとんどないので、人種問題に対しては豊かな感性を持たないかもしれない。これは十月十七、八日のことでありますから、今日の段階から言えば相当幼稚なというか、そういう考え
方の時期であったと思うのですが、日本に人種に対する差別がないと言うことは、これは盧泰愚大統領が、どうか我が国の、我が韓国民七十万日本に住んでおるのですけれどもよろしゅう頼みますと言うたこと一つとってみても、人種問題は厳然として存在しておる。少数といえどもアイヌ民族もいる。広い意味での人種差別。こういうことはちょっと事実誤認で恥ずかしいことではございませんか。
#65
○梶山国務大臣 私は今ここに、手元にその日にちを記したものがございませんからいつだったかちょっと失念をいたしておりますが、確かにニューヨーク・タイムズ社のインタビューに応じたことがございます。そのとき、人種差別主義、こう訳して言ってくれた人がいるのですが、人種差別主義が実在するかということだったので、私は、やはり私のその当時の主観が中心で、私なりの歴史観なり背景観を言いますと、日本という国が、いいか悪いかは別として、他民族との交わりがそう多くない、長い歴史をこうひもといてみて。そういうところからこの異民族というか多数民族というかそういうものの交流の少ない国ですから、おのずとそういうものに対する識別感だとかそういうものは薄かったこと、これは間違いがないのではないかなという気がいたします。
 私も、そのとき反省をして申し上げたのですが、むしろその中の一番最たるものがこの私かもしらない。そういう無意識というか、そういう意味で私は人種差別観念はなかった。しかし、いろいろなものを調べてみますと、人権局に対するいろいろな訴えや、そういう表面的なことであってもそれは数多くあったということが今私なりの勉強で明らかになってきておりますから、やはり日本にもそれなりの歴史とそういう現実があるのだな、そういう感じを今率直に持っているわけであります。
 確かに私は、その意味でようやく、そのころ、なるほどおれも考えてみればそういうものに対する感受性というか感性というか、そういうものが大変欠如をしていたな、その当時私はそういうふうな認識でインタビューに率直に応じたことを覚えております。今は確かに人種差別意識というか、これは本当に心の中にないというとうそになります。しかし、なるだけなくそうという努力をお互いに払わなければならない、しかも私のような年代ではなくて若い方々にこれから本気になってやってもらわないと、国際化の時代に対応できない、そういう感じがいたします。
#66
○小森委員 時間がもう余りございませんので……。
 それで、こういう法務大臣のインタビューの記事が、多少英語を日本語に訳すのに個人差があると思いますけれども、こんなものが出て、そしてそのころ法務省は約五十の我が国地方法務局に対して、マイノリティーの取り組みを本気でやりなさい、こう出ると、大臣、これはもう国民の受ける感じで、法務大臣と人権擁護局何をしておるのか、全然それは筋が通らぬじゃないか、こういう印象を受けるわけですね。
 したがって私は、ちょっと僣越ですけれども、人権擁護局総務課長など私の部屋に来ていただいて、もっと具体的に、しょうことなしに大儀、大儀にせずに、もっと具体的に地方法務局へやりなさい。できればこれはもう一番ファインプレーだけれども、人権擁護局が、我が省の大臣が今回起こした事件をきっかけにこんなことになってしまったというような一行があったら、国民が物すごく本気になるのですよ。そういう点は、局長、きょうは時間ないから答弁しなくてもよいけれども、大臣、もう一つそこはよく考えておいていただきたい。
 そこで、大臣、私の常識からすると、あなたは随分反省の方向に近づきつつあることはわかるけれども、それはやはりこれくらいの国際的な反響なり国内の議論を誘発したら、大臣は進退を考えるべきだ、こう私は思います。それは決してあなたの政治生命をなくする問題じゃないと思います。そこのところを、進退をみずから考えていけば国民はぴりっとするし、また、国際的にも日本政府の態度のしっかりしたことに改めて感ずるものを持ってもらえるんじゃないかというふうに思いますので、これは一番最後にちょっと答えてください。先ほど鈴木さんには答えられたけれども、この議論を踏まえて。
 それで、客観的な効果というものについては大臣も認められておるわけですから、客観的効果ということについて、大臣、想像のつかないことをちょっと申します。尼崎の中央公園で十一月二日に見つかった落書きなんです。その落書きはこう書いてあるのですよ。これは法務大臣、心を痛めてくださいよ。「法ム大臣 勇気有る発言有りがとう 日本国にも 四ツ 四等国民が各部所に進出し一等国民が押しやられるとの言、」だから、あなたの言葉をそういうふうにとっているのですよ。「眞し同感 米国の黒白と同じ」。まだいっぱいあるのですよ。いっぱいあるけれども、時間の関係もあるから、そういうことも含めて最終的にもう一度あなたの進退をお伺いします。
 それから、同時に、地域改善対策室長来ていただいておりますね。また後ほどあなたにはいろいろなことを申し上げますけれども、もう聞くにたえないこと、同和対策予算で千島列島を買うことになった、国後、択捉、歯舞、色丹、ちょうど四つだ、だから四つがそこへ移住したらいいというような落書きだってそれ以後誘発しているのですよ。だから、客観的な、物事が波及していくということだけでも、大臣が一言言ったことがどれだけ大きいかということを考えていただきたいと思うのです。人権擁護局も、私は前からずっと物足りないと思っています。だから、もっと真剣に考えてもらいたい。こういうことで、大臣と地域改善対策室の方のちょっと簡単な答弁をいただきます。
#67
○梶山国務大臣 私自身の気持ちをある意味では深く傷つけながら、これから懸命な反省を重ねてまいりたい。
 進退に関しては、個人として申し上げるべきことではございませんのでお許しをいただきたいと思う。
#68
○萩原説明員 総務庁は地域改善対策を担当しておりますが、その行政に当たりましては、この問題が憲法に保障された基本的人権にかかわる重要な問題である、こういう認識で昭和四十四年の同対法以降今日まで一連の対策の推進に努めてきたところでございます。
 対策の効果につきましては、物理的な環境につきましては実態はいろいろと改善されたという御評価をいただいておるところと思っておりますが、心理的差別の問題については今なお十分ではない、おっしゃったような落書きというのもまだまだ後を絶たないということでございます。啓発活動というものを積極的に行っていくようにということで、関係の審議会である地域改善対策協議会からの御提言もいただいておりますので、今後とも差別意識の解消のための啓発活動を重要な課題として取り組んでまいりたいと思っております。
#69
○小森委員 最後に一言申します。
 アメリカの黒人経営者協議会の会長でネラムさんという方がいらっしゃいます。私も二、三回お会いをしたことがございます。この人がこう言っています、法務大臣。即位の礼でも済んだら法相はやめるべきが一番よい、やめないのなら梶山さんがアメリカに来て謝るべきだ、差別と必死で闘ってきた日系人の心境も相当複雑なはずだ、こう言っています。したがって、ここで進退のことを個人でとやかく言うべきではないとおっしゃられましたが、しかしながら、内面ではひとつ深刻に考えていただくことを私の方から提言させていただきまして、質問を終わります。
#70
○小澤委員長 御苦労さまでした。
 冬柴鐵三君。
#71
○冬柴委員 公明党の冬柴鐵三でございます。
 まず最初に、法務大臣の御就任に対して、本来ならお祝いの言葉なりあるいは激励の言葉を申し上げたいところでありますけれども、そうではな
く苦言を呈することから始めなければならないことは、私にとってもまことに残念であります。梶山法務大臣の人種差別発言というものは、基本的人権の擁護を所管する最高責任者の地位にあられるだけにまことに遺憾であり、またその及ぼす影響につきましても、今同僚議員がるる指摘されたとおり深刻でございます。事、政治倫理綱領などを引くまでもなく、政治家はみずからの判断のもとにその責任の所在を明らかにしなければなりません。そのような意味で、法務大臣から本件について、現時点における御認識なり覚悟というものをお伺いいたしたいと思います。
#72
○梶山国務大臣 前二委員の質問にもお答えいたしましたように、過般の私の発言は全く誤ったもので、そのことは私も率直におわびを申し上げなければならないと思っております。そして、この件を深く反省し、内面からだけではなくて、いろいろな、もろもろの外的な要因から自分を啓発しながらこの責めを果たしてまいる、そういう決意でおります。
#73
○冬柴委員 早速法案の審議に入りたいと思うわけでありますが、今回の改正には、裁判官、検察官の期末・勤勉手当につきまして、一時金の役職別加算という新たな制度が裁判所規則あるいは政令によって導入されることになっております。その立法理由というのはどういうところにあったのか御説明をいただきたい、このように思います。
#74
○濱崎政府委員 お答え申し上げます。
 今回の一般の政府職員に対する給与の改善を目的といたします一般職の職員の給与等に関する法律及び特別職の職員の給与に関する法律の改正法律案におきまして、期末手当、勤勉手当の算定基準額として、いわゆる御指摘の役職段階別の加算措置を講ずることとされているところでございます。これは私どもの所管ではございませんけれども、特別職の水準ということだけではなくて、その配分面におきましても官民の給与の較差を是正する、その均衡を図るということを目的として導入するものであるというふうに承知しております。そして、その職務の複雑困難性及び責任の度合いを基準といたしまして、支給の対象者及び支給の程度を定めることとされているところでございます。
 一方、裁判官報酬法及び検察官俸給法におきましては、裁判官または検察官に支給する報酬または俸給以外の給与、この中には期末手当、勤勉手当を含むわけでございますが、これは一般職の職員または特別職の職員の例に準じまして最高裁判所の規則で最高裁判所で定めるということにされ、あるいはその例によることとされているところでございますので、そこで一般職の職員及び特別職の職員に関します加算措置というものと同様の加算措置が裁判官及び検察官についても講じられる、こういう法律の関係になるわけでございます。
 その具体的な役職別の加算割合等は、御指摘のとおり最高裁判所の規則あるいは法務大臣の準則で定めることが予定されておりまして、具体的には裁判官、検察官につきましても報酬または俸給の額がこれに対応する行政官の場合とほぼ同様の加算割合となるように定めることが予定されております。
 こういうことの合理性の問題でございますけれども、現行の給与体系のもとにおきましては、給与額において対応する額の行政官の俸給の改定に準拠して行われるという、いわゆる対応金額スライド方式を採用しておりますので、そういった体系のもとで期末手当、勤勉手当につきましても行政官の例に準ずる方法としてそういった方法が最も適切ではないかというふうに考えているところでございます。
#75
○冬柴委員 これは人事院にお伺いすることだと思うのですが、労働組合の方は、このような役職別加算制度の導入というものは職場に差別と分断を持ち込むものだということで、強く反発をしておられます。このような労働組合の主張に対するお考えはどのようなものなのか、お伺いをしたいと思います。ちょっと短く答えてください。
#76
○大村説明員 今回役職段階別加算措置の検討に当たりましては、私ども、各省庁の人事当局とその職員団体の中央組織でございますそういうものと、約数十回にわたっていろいろな意見交換を行っております。
 先生御指摘のように、一部の職員団体の中では、御指摘のように今回の措置の導入について反対に終始しているところもございました。しかしながら、他の団体からは、今回の措置の導入については必ずしも賛成とは言えないけれども、個別的な具体的な事項について非常に建設的な御意見をいろいろ出されております。
 私ども、一部の職員団体から職場に差別と分裂を持ち込むという反対意見につきましては、特別給について今回やりましたのは民間の配分傾向を公務部内に置きかえるということでございますので、これを一律にやりますと役職にある中高年層の水準が民間に比しまして相対的に低い水準にとどまる、いわゆる一律にやりますと悪平等という問題が生ずるのではないだろうかというふうに考えております。
 今回の措置につきましては、民間賞与の役職段階別の配分傾向を公務の特別給に反映させようとするものでございますので、公務における各層の職員が民間に相応するふさわしい水準の特別給を受けることになりまして、かえって職場の勤労意欲の増進に資するものではないか、そのように考えております。
#77
○冬柴委員 公明党としましては、労働基本権の制約の代償措置として公務員の給与改善について人事院勧告を受けて行うという仕組みになっていることにかんがみまして、つとに完全実施を求めてきたことでありますから、本案についての質疑はこれくらいにとどめさせていただきます。
 次に、定住外国人なかんずく在日韓国・朝鮮人の一、二世の法的地位及び待遇に関する問題について、若干お尋ねをしておきたいと思います。
 去る十一月二十六日ソウルで行われました定期閣僚会議への御出席、法務大臣、大変御苦労さまでございました。この会議におきまして、法務大臣は指紋押捺制度にかわる代替手段を早期に開発をして、これによって一、二世も三世と同様押捺を行わないこととする、このような発言をされたと報じられておりまして、これに対して韓国側盧泰愚大統領及び法務大臣も非常に高く評価して感謝をするという表明がなされたという、歓迎の意が表されたことの報道もありまして、かねて私はこの問題に重大な関心を持っておるわけでありますけれども、これは私も高く評価したいと思っているわけでございます。
 この代替手段の開発に、いろいろな新聞報道によりますと二年というところ、あるいは三年、このようないろいろな期間を必要とする報道があるわけであります。大変難しい質問だと思うのですが、法務省としては、これは今、なるべく早くということを昨日ですか一昨日ですか総理にも表明されているようですけれども、どの程度最低限必要とされるのか、現時点の認識をお尋ねをしたい。できれば何年度ぐらいからは少なくとも実施したいとお考えになっているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#78
○梶山国務大臣 三世以降の方々、それからこれを一、二世の方に及ぼすという決定をいたしたわけでありますが、その代替手段の開発をどのぐらいをめどに、こう言われるのでありますが、いずれにいたしましても具体的な技術的な問題やあるいは行政的な問題がございます。ですから、これは各市区町村を窓口にして行うということになれば、自治体の協力要請、協力体制の取りつけ方、あるいはその手段を開発しますとそれに要するある程度の期間、その機材を整備するための期間、そしてまた国会の承認を得なければならない期間、そういうもろもろのことを組み合わせて決定をしなきゃならないわけでありますから、常識的な判断からいうと、こんなことを言うとこれはまた役所に一つの縛りをかけることになりますが、私の感覚から言えば、今までの役所の仕事であれば四、五年の歳月が必要であろうという感じがい
たします。
 しかし私は、今までの状況、歴史的な存在過程やその道義性を念頭に置きながら、あとう限りとにかく縮めよう、気持ちでいえば一日でも早く、やれるものならばあしたにでもやりたいけれども、そういう先ほど申し上げたようないろいろな技術的な開発やら行政的な手段をとらなければなりませんから、その組み合わせを今あとう限り早くということで詰めさせております。残念ながらまだ時期を明示することに至っておりません。しかしこれも縛りをかけました。貴党からも大変いろいろな貴重な意見をちょうだいしましたけれども、来週早々に総理が訪韓をされるまでには少なくとも方法とめどはおよそ確定をして総理を訪韓させたい、そういうことで今鋭意作業を進めておる段階であります。
#79
○冬柴委員 特段の御努力を期待いたします。
 さて、その代替手段でありますが、いろいろなところで御発言がありまして、写真と署名あるいは外国人登録に戸籍的事項を加味する等多様な方法を検討したいというような趣旨の御発言を重ねていられます。そのようなことになるのかなと私も考えます。
 ところで、外国人登録法によりますと、職業それから勤務場所、また事務所の名称及び所在地というものを登録申告義務の中に入れていられますし、またこれが変更された場合には変更登録義務が規定されております。これは、こういう例が適切かどうかは別としまして、例えば在日韓国人の方が建設作業に従事されるという場合に、一つの建物が建てば作業の場所はまた次の場所へ変わります。このように一年に何回か変わることが予想されるわけでありまして、そのような場合に一々勤務場所及び事務所、その名称、所在地を届け出なければならないということは非常に過重な義務を課しているのではないかと私は考えるわけであります。しかも、これに対して違反した場合、一年以下の懲役もしくは禁錮または二十万円以下の罰金という厳罰であります。
 これを我が国の、日本国民のこのようなものの届け出義務の懈怠と対比したときに、これが非常に過重だということはわかると思うのです。例えば戸籍法で、自分の子供が生まれました、その出生の事実の届け出を懈怠した場合にどのぐらいになるのか。これは三万円以下の過料であります。そしてまた、住民登録法による転居届を懈怠した場合には五千円以下の過料であります。そして日本人にはもちろん職業や勤務場所の登録義務はないわけでありまして、このようなことを二つ比較したときに、今回このような代替手段を考えられる上におきまして、この定住外国人、すなわち日本で生まれ日本で育ち日本語しか話せない、そして生涯この日本で骨を埋めるつもりの方々に対してここまでしなければならない必要性があるのか。そして戸籍事項を加味すれば、日本人同様その人の同一性を特定するについて、職業あるいは勤務場所まで記載しなければこの同一性が特定できないとは私は到底考えられないわけでありまして、このような改革の際に、定住外国人の方に過重と思われるような、そしてまた厳罰と思われるような制裁をもって臨むこのような制度はぜひやめていただきたい。これは昭和六十二年九月一日に私は当委員会でも詳しく申し上げたところでありますからこの程度にとどめますが、大変難しい答弁かもわかりませんけれども、法務大臣の現時点における、私のこの意見に対するお考えをお伺いしたいと思います。
#80
○梶山国務大臣 大変貴重な御提言でございますけれども、確かに歴史的な存在過程あるいは道義性、そういうものを考えればあとう限り簡便にという要求をされることは当然ですし、私たちもそれを念頭に置いて今回の交渉を行ったわけでございますので、今回の交渉で妥結した問題、これをまず着実に実行すること、そしてその中でただ一つ、指紋押捺にかわる代替手段、この方法と期間をどうするかということで今努力をしているわけでありますが、この外登法は御案内のとおり本人を確認するための手段でもございますし、また日本政府がその外国人の在留管理をする、そういう目的のためにあるわけでございますから、氏名、国籍、居住地と同様にこの勤務先だとか職業というものは私は大切な事項であるというふうな理解はいたしております。外国人は日本人と法的地位に差異があり、法手続上外国人に日本人よりも多くの負担を求めることはある程度やむを得ないということでございますが、今後外国人登録制度のあり方について検討を進めていく際に、委員御指摘の登録事項の問題についてもぜひひとつ検討させるように指示をしてまいりたいと考えております。
#81
○冬柴委員 次に、こういう定住外国人、私は日本人と外国人という二つに分けてしまうということに非常に異論があるわけです。その外国人の中にも、日本で生まれて一世、二世、三世という、身分関係もよくわかる、兄弟、係累もよくわかる、そういう人たちを外国人という画一的なカテゴリーに入れてしまって、そして通過外国人、いわゆる日本に何年かいてまた自分の母国に帰る、そして日本語をうまく話せなくて母国語を話すという人と、日本語しか話せない、友人も全部、学校も日本で卒業したという外国人を一緒のカテゴリーに入れてしまうところに無理がある。それで私は、通過外国人と定住外国人という類別をして、定住外国人にはできるだけ日本人と同じ扱いをする、できるだけですよ、そういう観点で考えていただきたいと思うわけであります。
 そういうところで、このような登録制度ができましたときには登録証の常時携帯義務、こういうものもぜひ免除されてしかるべきではないか。家に置いてあるということは必要でしょう。しかし、それを常に、判例でもありますけれども、ふろ場へ行くときまで持っていなければ非常に厳罰に処せられるというこの扱いは、定住外国人についてはぜひやめていただきたい、このように思うわけであります。
 また、私の選挙区ではたくさん民団の方が住んでおられますが、この人たちに話を聞いて、最も悲しいことは、自分の息子や娘が十六歳に達したときに、役所へ行って、そして犯罪者でないのに指紋を押捺させられるという、そのことが最もつらい、そして親としてみじめな思いをすることなのだ、だから一日も早くこういう十六歳に達した子供たちに指紋押捺を強制することをやめてほしいということを、何人かの人から私は訴えられました。そして、先般の改正によって、今まで冊子になってなかなか持ちにくかった登録証が、我々が今所持している運転免許証のようにラミネートカードに入りました。そして、これには写真が埋め込まれておりますので、これを張りかえることは不能であります。こういうふうに顔写真で確実に人の同一性というのは判断できると私は確信するわけでありますけれども、そうなりますと、これはなおそれに指紋を押させるということの合理的な必要性を私は見ることはできないわけであります。
 東京地方裁判所の五十九年八月二十九日の判決がありますが、ここでは、合理的な理由がないのに国家権力によって個人の指紋押捺を強制することは、私生活上の自由を保障する憲法第十三条の趣旨に反し、許されないものと言わなければならないという判示をいたしております。私は、大臣が一日も早く、あすにでもしたいのだけれどもとおっしゃるこの経過期間、事務期間、この間この十六歳に達した二世の方、そういう方々に指紋押捺を強制することを何とか猶予する方法は考えられぬものか、ひとつ法務大臣のお考えを伺いたいと思います。
#82
○梶山国務大臣 まず第一の点の登録証明書の常時携帯の問題でございますが、今回もテーマになりましていろいろお話を申し上げたのですが、在日韓国人三世以下の子孫の方々に関しましては、常時携帯制度について、運用のあり方をひっくるめてこれから適切な解決策を見出すために検討を現在行わせております。
 それから、指紋押捺にかわる手段をこれから早急に開発をするわけでありますが、その間にでも
何とか猶予する方法がないかと言われますけれども、これも実は大きい議論のテーマであったわけでありますが、心情的にはそういうものは理解できますけれども、指紋押捺は本人であるか否かのいわば確認の手段でございますから、この確認の手段を一挙に取り外してしまって確認ができない段階になっては困るわけでございますから、これら指紋押捺にかわる手段方法を早く解決をすることでこれに対処してまいりたい、そういうことで、彼らもとにかくできるだけ早くひとつ開発をしてくれ、そういうことで今回の話を詰めたことを御了解願いたいし、残余については入管局長から説明をさせます。
#83
○冬柴委員 持ち時間が終了しましたので、終わらせていただきます。
#84
○小澤委員長 御苦労さまでした。
 木島君。
#85
○木島委員 法務大臣、あなたは長谷川前法務大臣の病気辞任に伴って人権擁護行政の最高責任者たる法務大臣に就任したわけであります。長谷川前法務大臣はその後不幸にもお亡くなりになりましたが、先ほどのあなたの就任あいさつの中で、長谷川前法務大臣の意を受けて行政を推進したいとおっしゃられました。長谷川法務大臣が本年四月十七日に当法務委員会において行いました所信表明の中には、こうあります。「人権擁護行政につきましては、人権の擁護は民主政治の基本であり、国民のすべてが人権についての正しい認識を持ち、お互いに他人の人権を尊重し合いながら幸福を追求するという態度が必要であると考えます。」また、「中でも、社会の国際化に伴う外国人の人権問題、部落差別を初めとするもろもろの差別事象の問題につきましては、法務省といたしましても、関係各省と緊密な連絡をとりながら、一層啓発活動を充実強化して、その根絶を図ってまいりたいと考えております。」これが亡くなられました前長谷川法相の当法務委員会での所信表明であります。あなたが本年九月二十一日に発言をした、先ほど来問題になっております人種差別発言はこの長谷川前法相の所信にもとると私は考えますが、法務大臣の所信を明らかにしていただきたい。
#86
○梶山国務大臣 お亡くなりになられた長谷川前大臣の趣旨を体しながら、私は残任期間を懸命に努力をしたいということを申し上げたわけでございまして、この所感の中で人権擁護は極めて重要な位置を占めていることは十分に私も認識をいたしております。そういう形式的な認識と違って、私の発言、まさに間違ったものでございまして、心からおわびをし取り消しをさしていただき、その責めをこれから懸命に果たすことによって長谷川前法務大臣の遺志を継いで頑張っていきたい、私はこのように考えております。
#87
○木島委員 今責めを果たすとおっしゃられましたが、その責任のとり方について続いて質問をいたします。
 法務大臣は、先ほどの就任のごあいさつの中で、今日我が国は国際的に困難なたくさんの問題があるとおっしゃられました。私は、法務大臣の今回の発言は、あなたがさらに新たに国際的な困難な問題を一つつけ加えたと考えているわけであります。
 そこで、国際的な問題の一つについてお伺いいたしますが、本年の十月二十五日の朝日新聞の夕刊に、アメリカの黒人議員連盟が米国下院の外交委員会に出した譴責要求とした決議案、これが可決されていた、しかしその後これで一件落着したなどの日本政府高官発言が伝えられたことから態度を硬化、譴責決議を取り下げ、改めて辞任要求を盛り込んだ当初の決議案を議会に再提出した、こういう記事があります。きょうここに外務省北米局をお呼びしておりますが、この事実関係、どのように把握しておりますか。
#88
○田中説明員 ただいま委員御指摘の十月二十五日の朝日新聞の記事にありますところの問題でございますが、これにつきましては私どもしかと承知しておりません。そういうことは私どもとしては承知しておらないということでございます。
#89
○木島委員 こんな重大な問題を承知してないというのは、何たる外務省の情報収集能力かと思わざるを得ないわけであります。法務省の方は、このアメリカの議会で一度可決された譴責要求決議案が取り下げられて、改めて辞任要求を盛り込んだ当初の決議案を議会に再提出した、この新聞報道の事実については、法務省としては事実確認しておりますか。
#90
○篠田政府委員 新聞報道以上には確認しておりません。
#91
○木島委員 私が朝日新聞に問い合わせしたところ、アメリカの黒人議連が提出した法相の辞任要求は、外国の閣僚に対するのは難しいなどで案文から外した。そして少数民族教育をやれなどの要求を盛り込んだ決議案が外交委員会を通過した。ところが、辞任要求が外されたので日本から来ようとしていた釈明使節団が訪米を取りやめたと聞き憤激、改めて辞任要求を盛り込んだ決議案を提出した。この再提出案は、文書まで配られ、正規の手続をとったものの、会期切れのため法令上は何もないこととなった。しかし、来年の新会期では改めて提出するということである。そういう事実を私は朝日新聞から確認をしておるわけであります。こんなことは朝日新聞に確認すればわかるはずですが、外務省、どうですか。
#92
○田中説明員 先ほど私の言葉足らずでございましたけれども、私が申し上げたかったのは、議連の訪米を取りやめたということについて先方が憤激したというくだりにつきましては、私どもとしてはそういうことは承知していないということでございます。もちろん、委員御指摘の点でありますところの、改めて決議案を提出したということについてはそのとおりでございます。
#93
○木島委員 今外務省がお認めになったように、アメリカの議会ではまだ事件が決着をしていない。法務大臣の辞任要求を盛り込んだ決議案が出されている。会期が終わったのでそれがとまりましたけれども、再提出する動きもあるということでございます。
 責任のとり方について先ほど法務大臣から所信が述べられました。しかし、本年の十月十九日の日経新聞の社説があります。責任のとり方の問題についての社説であります。それは、謝れば済む内輪の社会とは違う、国際社会ではみずからの非を認めたらその責任をとるのが前提になっている、これが国際社会の常識だということであります。「陳謝は辞意と受け取られるだろう。私たちの民主社会の質を高く保つためにも梶山法相には辞任するよう求めたい。」これが日経新聞の社説であります。
 常々政府は、我が国は国際国家になった、国際的な貢献をすべきだとおっしゃられております。法務大臣の責任のとり方、先ほどの所信は、異質な国日本、責任のとり方もまことに異質である、政治も異質である、そのことにどうも輪をかけることになるのではないか。本当に今の政府が国際国家日本を標榜するのであれば、責任のとり方も国際的な堂々とした責任のとり方をしていただきたい。それはあなたが辞任をすることではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#94
○梶山国務大臣 前段のアメリカの議会における決議案その他については、主権国家であるアメリカの議会の方々がなされていることでございますから、私が公的に今法務大臣としてコメントすべき問題ではございませんので、御猶予を願いたい。
 それから、私の責任のとり方は、公人として私なりの判断で取り決めをさせていただきます、そう申し上げたわけであります。
#95
○木島委員 ですから、そういう責任のとり方そのものが国際国家日本としてふさわしくないのではないかという指摘が、国際社会から出ているだけではなくて、我が国の主要新聞の一つである日経新聞からも出ているというこの事態を重大な事態として受けとめていただきたい。先ほど来内心の自由、良心についてさまざまな質問が出されておりましたが、私はそれはこういうところでは触れません。しかし、政治家たる者、特に閣僚たる者、内心の自由いかんではなくて、対外的によそ
からどう見られているかということが政治過程の上で大きな意味を持つということは、法務大臣も認識されているかと思います。発言があってから三カ月間、いまだに法務大臣が法務大臣のいすに座っていること自体が、日本の政治のあり方について国際社会から異質なものと受け取られているのではないかと思うわけでありまして、それが日本が今後外交をやっていくに当たって大きな摩擦を生ずる一つの火種となることを懸念をしているわけでありますので、改めて私は、法務大臣の発言、そして三カ月にもなるのにいまだに職にとどまっているということ自体が許されないことであると考えを申し述べまして、次の質問に移らさせていただきます。
 裁判官の報酬、検察官の俸給に関する質問でありますが、今回の改正案を見ますと、増額率が、上級者、要するに判事以上であります、これが四・九から五・一%アップしております。そして下級者、これは判事補以下でありますが、これは三・二%ないし三・九%。最下級の副検事と修習生は四・一から四・八%でありますが、上に厚く下に薄いという状況になっておるわけであります。過去十年間の増額率を見ますとほとんど上に薄く下に厚いという状況でありました。一九八五年と八六年はわずかに上に厚く下に薄いわけでありますが、その差はわずか〇・一から〇・四%でありました。今回は一・七%も差があるという状況になっております。
 それに加えて、当法務委員会で審議されている二法案には直接条文改正という形ではあらわれてきておりませんけれども、準用されるという一般職並びに特別職給与法で期末・勤勉手当の号俸によって格差をつけた加算制度が導入された、こういう大問題があるわけです。当法務委員会にはかかりませんけれども。この手当を加算した報酬、俸給の年額の伸び率を見ますと、上に厚く下に薄いというのがさらに明白になるわけです。最高裁長官以下判事までが年額一二%の伸び率、判事補一から四号俸までが一〇・六%の増、判事補の五から八号俸までが八・九から八・二、判事補の十一から十二までが五・三から五・二。上と下では倍以上の伸び率の差があるわけであります。今回の法案が人事院勧告の実施という側面がありますから我が党は賛成はいたしますけれども、今後このような上に厚く下に薄いという差別を助長するような給与体系のあり方は根本的に変えることが大事であろうかと思いますが、その点についての、今後の給与のあり方についての法務大臣の所信をお聞きいたしまして、発言を終わります。
#96
○梶山国務大臣 御指摘のとおり、今回は上位の官職の者に対して比較的高率の改定がなされようとしていることは御案内のとおりであります。これらの職の者の給与が民間の給与水準と相当の較差を持つに至ったため、今委員御指摘のとおり、この十年間どちらかというと上に薄く下に厚いという形をとってまいったために、それの較差を埋めるための是正手段でございます。そして、今回の裁判官や検察官の給与、これは比較的これまた高率に改定がなされておりますが、このような職の者の給与が民間においては相当高い。そういうところで、今まで厳しい財政事情等の理由でそれらの増額は見送られてきたことから、民間との給与の較差が大変開いてしまった。そういうものに対する是正措置でありますので、是正が終わればもちろんもとに戻るということは常態であります。
#97
○木島委員 終わります。
#98
○小澤委員長 御苦労さまでした。
 中野寛成君。
#99
○中野委員 在日韓国人の権益問題について、いよいよ大詰めを迎えたなという感じがいたしまして、感慨深いものがあります。振り返りますと、この在日韓国人に関する法的地位協定が締結をされましたのが昭和四十年十二月十八日でございますから、本日をもって二十五周年、こういうことになるわけでありまして、まさにその間三世の問題がずっとひっかかってきたわけでございます。ここでいよいよ結論を出すべきときというふうに感じますし、また私がこの問題に当初関心を持ち、当委員会等で取り上げさせていただきましてから十年たちます。
 当時、韓国居留民団の皆さんからの御依頼を受けて、日本において韓国の弁護士の相談に乗ってもらいたい、こういう御要請を受けました。しかしながら、当時はちょうど全斗煥大統領の軍事政権がスタートしたばかりでございまして、なかなか韓国人弁護士の韓国からの出国が認められませんでした。これを何とか認めていただきたいという要請をしに訪韓をいたしましたときのことを思い起こします。
 友人のつてでまず朴世直首都警備司令官にお会いをいたしました。後のソウル・オリンピック組織委員長でございます。そしてその朴世直将軍の紹介で盧泰愚保安司令官にお会いをいたしました。後のといいますか、現在の大統領でございます。そして、在日韓国人の人権問題の実態につきまして詳細調べましたものなどを持参いたしまして、そういう方々の理解を深め、最終的には大統領官邸にお伺いをし、当時約五十名の韓国の弁護士の皆さんの訪日を許可していただいた。それが今日の韓日弁護士協議会、また日本側からそれに対応して日韓弁護士協議会というのができまして、今日全国各地で定期的に相談活動をしているわけでございます。
 そういう中で随分と多くの問題点が出てまいりましたし、それらにつきましてもそれぞれの機会に本委員会等で取り上げさせていただきました。そして、言うならば選挙権の問題はなお懸案として残りますものの、一番肝心かなめの入管法と外国人登録法との関係が今残っている。しかも約束の三世についての協議のタイムリミットが近づいてきている。こういうことでございますが、この目的は一体何であるのか。私は、言うならば人道的、人権的問題がまず第一点あると思います。もう一つは、日本が過去犯した罪に対する償いをいかにして、そしてそれを償うことによって日本の国際社会における責任を果たし、そしてまた信頼を取り戻し、日本の名誉を確立する、これは憲法前文の精神にもつながることであろうと思います。そして三点目は、まさに日韓両国の友好親善を揺るぎないものにするということにこの問題が不可欠の要素であるというふうに申し上げなければならないと思います。
 ゆえに、そのことを基本に置き、そしてこの在日韓国人の権益の問題がよって生まれた歴史的背景を考えますときに、これはまさに日本の責任においてやらなければならないことでございます。また同時に、単なる他の外国人との比較で申しますと、これは日本が原因をつくったところから生まれたわけでありますから、他の外国人と同じレベルにおいて考えることではないことは言うまでもありません。
 他の外国人の皆さんであれば、言うならばその国との相互主義に基づいて、相手の国がなすことを我が国もその国の人々になすことが可能でありますけれども、例えば韓国にいる日本人が、指紋でいえば十本の指紋をとられるわけであります。相互主義でいえばまさにこれはおかしいということになります。しかし、在日韓国人につきましてこの指紋押捺制度を廃止しろという主張、そしてそれが当然の正論として求められているということにこの歴史的背景があることを当然忘れてはなりません。指紋にかわる方法をいろいろ検討をされておりますけれども、これもまたその精神的、心理的、また国民としての誇りから考えて、その手法はおのずから、単にかわる方法であれば何でもいいというのではなくて、相手の気持ちを傷つけない方法を考えなければならないことは、これまた当然のことであろうと思います。
 そういう意味で、先般の日韓定期閣僚会議における在日韓国人三世問題関係についての法務大臣発言要旨というものを持っておりますけれども、ここで、特に指紋押捺につきましては、「指紋押なつに代わる手段をできる限り早期に開発し、これによって、一、二世についても三世以下の子孫と同様に指紋押なつを行わないこととするこ
と。なお、指紋押なつに代わる手段については、写真と署名又は外国人登録に戸籍的な事項を加味するなど多様な方法について幅広く検討していること。」こういうことが書かれておるわけであります。
 また、韓国側からは、今日までの経緯に対しての一つの誤解もしくは過剰な期待、そしてその過剰な期待を与えるような日本側からの発言もしくは報道、そういうものがあったと思うのでありますけれども、「指紋押なつに代わる手段が開発されるまでの間、二世に対する指紋押なつ義務を猶予する等の暫定的措置の要望があったが、」と、このことが大きく報道されることによって、ある意味では、それは日本側から見れば過剰な期待と言いたいところでありますけれども、それが広く韓国民の間に広がって、そして日本がいかにも不熱心であるような、消極的であるような印象を与えることによって、冒頭申し上げました最後の、日韓関係の友好を促進しようと思ってせっかくやっていることが逆の感情論を生み出して、そして今一つの大きな危機にある、残念ながらこう申し上げざるを得ないと思います。
 なすべきことをなすと同時に、そのプロセスにおいての発言や言動等もまた誤解を招かないように注意をし、そしてせっかくのこちらの努力が逆効果を生むということがないようにすることが極めて大切であると思うのであります。そういう意味での高度な政治的配慮がなされなければなりませんので、大臣の御所見をお伺いしたいわけでございます。
#100
○梶山国務大臣 長い間の日韓友好関係のために御尽力を賜っておりますことに、まずもって敬意を表する次第であります。
 委員御指摘のとおり、今回の日韓定期閣僚会議、私の頭の中にあったのは、幾つかの条件がありますが、今御指摘の中の歴史的な存在過程を経て今日にある、そしてその道義性を念頭に置きながら今回の問題解決に当たろうという実は基本的な姿勢で今度の話し合いをいたしたわけであります。御指摘のように、今ほとんどのものが一応の決着を見たわけであります。
 ただ、今お話がありました指紋押捺にかわる制度を早期に、しかもなるべく心理的な負担の少ない方法で開発しようということで、今懸命な努力を払っているさなかでございます。そして、なるべく早くという韓国の気持ちも私は相当に理解をいたしております。さりとて、本人確認の方法でございますから、強い猶予要請があったわけでありますが、これは残念ながらできません。本人確認の手段を失えば我々は外国人管理ができない、あるいはこれから先その人たちの保護もされない、そういうことになってはいけないから、あとう限り早くやることによってその責めを果たしたい、そういうことを申し上げたわけであります。
 そしてまた、的確な対応をするためには、発言やあるいは報道ぶり、これに我々は大きく着意をしなければなりません。そういうものがお互いに過大期待あるいは過剰反応をそれぞれにもたらすということを私も常日ごろ考え、注意をしているわけでありますが、今後とも慎重な対応をして、少なくとも私は、今度の総理の訪韓までに具体的な方法と時期の明示ができる目安をつけて訪韓をしてもらいたい、そういうために今懸命な努力を払っているさなかであります。今後ともの御協力をお願いをいたします。
#101
○中野委員 今私がるる申し上げましたことについて、外務省としてどういう留意を払っておられますか。
#102
○今井説明員 お答えいたします。
 在日韓国人の方々が日本に定住されるに至りました歴史的経緯、それからその定住性の強さ、そのような要素にかんがみまして、できる限り安定した法的地位あるいは待遇が与えられることによって日本の法秩序のもとで安定した生活ができるということにすることが日本と韓国の、あるいは日本国民と韓国民の間の友好関係に大きく資するもの、そういう考え方に立ちましてこの問題に対処しておりますし、今後とも引き続き対処していきたいと思っております。
#103
○中野委員 私の持ち時間、あと二分でございますから、不規則発言を慎んでいただきたいと思いますが、最後の質問をいたします。
 常に韓国側から、また在日韓国人の皆さんから言われますことは、私たちは言うならば自分たちの意思ではなしに日本人にされたり韓国人にされたりしたのです、言うならば日本人と同じ扱いにしてくださいというのが彼らの主張のベースであります。ならば、今考えられている方法もでき得る限り日本人と同じ、外国人でありますが日本人とできるだけ同じ方法に近づけるということの努力がやはり基本的に必要であろう、こう思うのでありまして、日本国家の責務であろうと思うのであります。一言大臣の御所見をお聞きします。
#104
○梶山国務大臣 委員御指摘のことを念頭に置きながら、今後の検討を進めてまいりたいと考えております。
#105
○中野委員 終わります。
#106
○小澤委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
    ─────────────
#107
○小澤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 まず、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#108
○小澤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#109
○小澤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○小澤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ─────────────
    〔報告書は附録に掲載〕
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#111
○小澤委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後零時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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