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#1
第120回国会 地方行政委員会 第8号
平成三年四月十六日(火曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 森田  一君
   理事 井奥 貞雄君 理事 亀井 静香君
   理事 小坂 憲次君 理事 福永 信彦君
   理事 増田 敏男君 理事 中沢 健次君
   理事 小谷 輝二君
      石橋 一弥君    坂本 剛二君
      中谷  元君    中山 利生君
      星野 行男君    簗瀬  進君
      遠藤  登君    小川  信君
      北沢 清功君    小林  守君
      須永  徹君    河上 覃雄君
      草野  威君    吉井 英勝君
      神田  厚君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 吹田  ナ君
 出席政府委員
        自治政務次官  岡島 正之君
        自治大臣官房長 森  繁一君
        自治大臣官房総
        務審議官    紀内 隆宏君
        自治大臣官房審
        議官      遠藤 安彦君
        自治大臣官房審
        議官      二橋 正弘君
        自治省行政局公
        務員部長    滝   実君
        自治省財政局長 小林  実君
        自治省税務局長 湯浅 利夫君
        消防庁長官   木村  仁君
 委員外の出席者
        経済企画庁総合
        計画局計画官  藤森 泰明君
        大蔵省主計局主
        計官      太田 省三君
        文部省生涯学習
        局社会教育課長 鬼島 康宏君
        文部省初等中等
        教育局職業教育
        課長      高  為重君
        文部省教育助成
        局財務課長   小林 敬治君
        厚生大臣官房政
        策課長     佐野 利昭君
        厚生大臣官房老
        人保健福祉部老
        人福祉課長   中村 秀一君
        厚生省健康政策
        局指導課長   篠崎 英夫君
        厚生省健康政策
        局看護課長   矢野 正子君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部環
        境整備課長   坂本 弘道君
        厚生省社会局庶
        務課長     亀田 克彦君
        厚生省社会局保
        護課長     炭谷  茂君
        厚生省保険局国
        民健康保険課長 辻  哲夫君
        建設省住宅局住
        宅建設課長   上野 公成君
        地方行政委員会
        調査室長    渡辺  功君
    ─────────────
委員の異動
四月十六日
 辞任         補欠選任
  古屋 圭司君     坂本 剛二君
同日
 辞任         補欠選任
  坂本 剛二君     古屋 圭司君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三一号)
     ────◇─────
#2
○森田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中沢健次君。
#3
○中沢委員 おはようございます。
 きょうから参考人質疑を入れまして三日間、かなり長時間にわたりまして交付税の審議が始まるわけでございます。
 さて大臣、私自身はきょう一時間三十分時間をいただいておりますが、やや総論的な、私が見て非常に大事な部分、大臣にもいろいろまた御意見、御答弁もお願いをしたいと思います。
 まず最初に、昨年の交付税審議は我が日本社会党にとりましては極めて歴史的な審議と態度決定を行いました。といいますのは、既に大臣も御承知のように、交付税そのものについてはいろいろ問題が多いし、昨年は消費税絡みでもあった。長い間我が党は、交付税は反対法案、こういう態度でずっと来たわけでありますが、昨年は一部修正が各党間で話がまとまる、それから三項目の附帯決議についても各党間でまとまる、したがって、我が党としては本当に大胆な決断をしたわけでありますけれども、賛成に回りまして、この法案を衆議院で成立をさせてきたわけでございます。
 そこで、内容的にはいろいろ御承知だと思うのでありますが、特に三項目の特別決議を付した。この内容としては、公共事業の例の補助率の暫定措置については廃止をすべきであるということが一つ。二つ目には、例の四百三十兆との絡みもございまして、下水道などの生活基盤整備にもっと交付税をふやすべきである。三つ目には、地域基金に象徴されますような地域福祉の充実をやるべきである。この三項目につきまして特別決議を各党の合意を得て行ったわけでございます。これから本年度の交付税の法案の審議をするわけでありますが、昨年のこの三つの特別決議がどう具体的に政策として、制度として、あるいは予算として実現をしているのか、この辺を改めて確認の意味でお尋ねをしておきたいと思います。
#4
○小林(実)政府委員 平成二年度の交付税の審議の際に、この衆議院の地方行政委員会では特別決議をいただきまして、今御質問がございました三点につきましての決議がなされたわけでございます。
 第一の国庫補助負担率の問題についてでございますが、事業量確保の強い要請があった中で、補助率を一部復元した上で暫定措置を継続することとしたところでございます。この点につきましては、既に今国会におきまして法律改正が行われたところでございます。もとより、これによる影響額につきましては臨時財政特例債等により補てんをいたしまして、地方団体の財政運営が円滑にできるように措置しておるところでございます。
 第二点の生活基盤投資の問題でございます。平成三年度の地方財政計画におきましては、国におきまして生活関連重点化枠二千億の上積みがなされまして、これに伴う地方負担も含めまして国庫補助負担事業に係る地方負担額につきましては、所要の財源を確保いたしました。また、住民生活の質の向上のための社会資本の整備を積極的に推進できるように、地方単独事業の大幅な伸びを図ったところでございます。
 第三点につきまして、地域福祉の財源の充実の問題でございます。平成三年度の地方財政計画におきましては、社会福祉系統経費につきまして、一般行政経費におきまして前年度に比較いたしまして七・四%増の二兆四千八十二億円を計上いたしました。そのほか、決議の御趣旨を踏まえまして、地方団体の地域ぐるみで高齢者保健福祉の増進を図っていただくために、新たに地域福祉基金二千百億円を計上したところでございます。これによりまして、地方団体の福祉設備の充実に努めていただけるようにいたしたところでございます。
 昨年この委員会におきまして決議されました事項につきましては、以上申し上げましたような措置を講じてまいっておるところでございます。
#5
○中沢委員 今局長の方からお話がございました。私なりに少し整理を簡単にしたいと思いますが、暫定措置でいいますと、後でも大臣にもお尋ねをしたいと思いますが、確かに六十一年度ベースまでは戻りましたけれども、五十九年度ベースという基本的な問題の解決はまだ残っている。それ以外の二つの内容については、説明がございましたように、決して一〇〇%十分だとは思いませんが、かなり前向きに政策としてあるいは制度、予算として出ている。しかもこれは一般的な附帯決議ではなしに、それ以上いろんな意味で重たい意味を持っております特別決議であっただけに、そういう政策的な実現度みたいなものが非常に高まったのではないか。これは恐らく明後日の委員会審議の最後のところで、私の同僚委員の方からまた同じような趣旨で、もう少し今後の課題としてつなぐような質疑をしたいと思いますが、いずれにしても、一般的な附帯決議ではなくて特別決議であったというその重みについては、私もそうでありますけれども、委員会全体としてもやはりきちっと共通の理解をしておくべきではないか、大臣はまた後の方でお尋ねをしますが、そのことだけをひとつ指摘をしておきたいと思います。
 さて二つ目には、十一日に大蔵大臣に出席をいただきまして大蔵大臣を中心にしていろいろ質疑を行いました。私は所用がありまして後半ちょっと席にいなかったのでありますが、関係者の話を聞きますと、やはり大蔵大臣の答弁に非常に問題のある答弁があったというふうに聞いております。そのことにつきまして少しく関係者にお尋ねをしたいと思うのです。
 私どもは、地方行政委員会に所属をしているから特にそうなのかもしれませんが、この地方交付税というのは、これはもう自治体の固有財源である、こういう認識、あるいはそういうことを前提にしてこの委員会でいろんな議論をしてきたつもりなわけです。しかし、この間の十一日の大蔵大臣質疑の中で大蔵大臣にそのことを確認の意味でお尋ねをしたところが、どうも大臣としてはやや玉虫色というか、もっと言うと固有財源ではないような答弁をされている、こういう話を聞きました。たまたま十一日は予算の上がる数時間前の審議でありましたから、まあ緊張感が解けてそういうことをおっしゃったのかもしれないし、あるいは思わず本音が出たのかもしれません。御本人は今、日本にいるかどうかわかりません。まだG7で海外に行かれているかもしれませんが、本来的には御本人とその辺は確かめたいのでありますが、物理的に不可能でありますから、ひとつ自治大臣として政府を代表する立場で、地方交付税というのはもう本来的にもあるいは現実的にも自治体の固有財源である、こういう認識を大臣としては間違いなくお持ちだと思いますけれども、非常に大事な問題でありますから、そのことをお答えをいただきたいし、それから、閣議で大蔵大臣とこれからしばしばお会いになる機会が多いと思いますけれども、自治大臣のそういう認識について大蔵大臣にもひとつ共通のものにしていただくような話をやはりやっていただきませんと、後々、後でも触れますが、例えば、五千億問題だとかあるいは補助率のカット問題等についても具体的なちょっと壁になっては困ると思いますので、そこのところを改めて自治大臣の方から決意をお伺いをしたいと思います。
#6
○吹田国務大臣 中沢先生御心配の向きは、私も大蔵大臣のお答えになります様子を逐一伺っておりまして、最初は、今おっしゃるような発言内容かな、変だなという感じは受けておりましたが、結果はそうじゃありませんで、ちゃんと固有の財源であるということを認めた発言には落ちついておるわけでありまして、決して大蔵大臣と私との考えが云々というものではありません。
 私の考え方は、もうさきの本会議でも、これは国会の皆さん方の前で、固有の財源である、一般財源であるということを申し上げておるわけでありまして、いわゆる事務配分の問題から来るこうした固有財源というものはあくまでも今後もきちんとしていかなければならない、こう思っておりますし、決して大蔵大臣がこれを否定したもではありませんで、ただ、どの大臣もそうでありますが、私は私なりに癖がありますし、大蔵大臣は大蔵大臣の癖があったのだと思いますが、まあ率直に申し上げて、少し当初の発言内容にいかがであろうかなというような感じを私も座って受けたのですよ。しかし、結果は決してそうではありませんで、ちゃんと地方自治体とその交付税のあるべき姿というものは全く思想が違うものではないということを確認しておりますので御理解をいただきたい、こう思っております。
#7
○中沢委員 今自治大臣の方から、大蔵大臣も同じ考え方であるという、そういうお話がございました。大蔵大臣がおりませんからこれ以上深追いはできないと思いますが、しかしいずれにしてもああいう発言がやはり議事録に残る、部分的に見るとこれはやはり大変だという、特に地方の六団体の関係者の皆さんにとっていえば、これはやはり国の交付税に対する信頼関係が一体どうなるのかな、余計な心配かもしれませんが、そんな心配もするわけでありまして、ぜひそこのところお互いによく意思的な、あるいは認識的な問題として非常に重要でありますから、今後の問題もありますので、十分ひとつ意思疎通をしていただきますように重ねてお願いを申し上げておきたいと思います。
 さてその次は、具体的な質問も含めて申し上げたいと思いますが、よく言われておりますが、地財計画とそれからそれぞれの年度の歳出の決算額が非常に開きがある。なぜそうなっているか。いろんな意見があります。そこでそういう議論を少しやってみたいと思いますが、具体的な事実をまず教えていただきたいと思います。
 平成元年度の地財計画、それと同じく平成元年度の決算の歳出総額、どうなっているか、その乖離、開きはどれだけあるか、お示しをいただきたいと思います。
#8
○小林(実)政府委員 平成元年度の地方財政計画における歳出総額は六十二兆七千七百二十七億円でございます。平成元年度の決算における歳出総額は七十二兆七千二百九十億円となっておりまして、決算が地方財政計画を九兆九千五百六十三億上回っておるところでございます。
#9
○中沢委員 これはかねてからこの委員会でもいろ取り上げて議論をしておりますけれども、やはり平成元年度においても約十兆近い地財計画と決算の差がある。これは、普通考えましても非常に矛盾があるのではないか、あるいは、なぜそういう数字の開きが大きく出るかということは、いろんな問題が内在をしているから結果的にこういう数字になっているのではないか。特に私はそのことを一つの前提にして、今度の交付税あるいは地財計画の中では特例減額問題が出ておりますから、それに関連をして少しお尋ねをしたいと思うのです。
 一つには、なぜこれだけの大きな数字の開きが出るか、これはもう少し問題点をきちっと整理をする、どこにどういう矛盾があるからこういう結果になっているのだ、こういうことについて、やはりもっともっと真剣に本格的に検討する時期に来ているのではないかと思うのですよ。
 私は地方政治あるいは地方財政の先生方ともいろいろ話をする機会があるのでありますが、例えば地方団体の長期計画、それぞれ地方団体でつくっておりますね。これが国全体の地財計画には具体的にはほとんど反映もされていないし、影響もしていない。ですから、決算の段階ではそういう十兆円近い数字の開きとなって出てくるという指摘もありました。あるいは実際に地方六団体の意見を、抽象的な意見をいろいろ財政審の中では聞いておりますけれども、地財計画の個別の問題、例えば単位費用がどうだとか補正がどうだとか、行政需要がどんどん拡大をしているけれども交付税上の基準財政需要額の算定についてはこのように見直しをしてもらいたい、そういう具体的な話をする場というのが正直言って形骸化していると思うのですよ。
 ですから、地財計画をつくる手法の問題として、今指摘をされている、より実態に見合った、そしてより地方団体の意見も具体的に吸い上げて──今まではどちらかというと自治省の専権事項みたいになって、プロが財政計画をつくって交付税法案をつくる。私はそのことは全面的に否定しませんが、もっと地域の実態、全国の実態に見合った財政計画をしっかりつくり上げていくべきではないか、そういうことを強く考えるわけでありますけれども、これはいかがでしょう。
#10
○小林(実)政府委員 先ほど平成元年度につましての単純乖離といいますか、決算と計画の差につきまして申し上げたわけでございます。
 計画と決算の実質的な差につきましての平成元年度の分析は、まだ地方財政白書が出たばかりでできていないわけでございますが、一年前の昭和六十三年度におきましては、先ほど申し上げました決算と地財計画の単純な差というのは約八兆六千億ほどございまして、御承知かと思いますが、地方財政計画につきましては補正後の数値等は入っておりませんし、当初ベースでございますし、それから計画そのものが標準的な水準における地方財政の歳入歳出の状況を把握するということでつくられておりまして、ある程度の乖離が生ずることはやむを得ない、こう考えておるわけでございます。補正とか繰り越しとかいう必然的に生ずる乖離を除いたベースでは、六十三年度の場合はその額が約半減いたしまして四兆二千億ぐらいになっておるわけでございまして、私どもそれを実質乖離というふうに申し上げておるわけでございますが、平成元年度におきましても補正がございましたし、そういう補正とかあるいは繰り越し等の必然的に生ずる乖離を除いた場合には、相当程度縮まるのではないかというふうには考えておるわけでございます。
 しかし、この差があること自体は、これは決して望ましいことではございませんで、従来からもでき得る限りその差を縮小する努力を重ねてきたところでございます。
 ただいまの御質問の中に、地方団体の長期計画に計上された需要を地方財政計画に反映するようなことができないか、あるいは、もう少し自治省ばかりでなく地方団体の意見も酌み取って計画を組むようにしたらどうかという御意見がございました。私どもは交付税の算定におきまして、それから来年度のといいますか、毎年度、翌年度の財政措置を講ずる場合には地方団体からいろいろ御意見も聞いておりますし、特に交付税につきましては、歳出の基準財政需要額の見方につきまして、いろいろ御意見をちょうだいをいたしておるわけでございます。各地方団体の長期計画というのは、必ずしも財政需要額まで入れたものであるかどうか、あるいは、策定している団体によりましても非常に内容が統一はされておりませんで、それが直ちに地方財政計画にリンクし得るものであるかどうか、また、三千三百余の地方団体の計画を積み上げていくということも、なかなか毎年度の作業といたしましては時間的にも技術的にも不可能であるという点はあるわけでございます。
 しかし、国といたしまして、あるいは地方団体に、国民があるいは地域住民が期待しているところの施策というものはおのずからあるわけでございまして、平成三年度の場合で申し上げれば、やはり多極分散型国土の形成とか、あるいは生活関連の社会資本の整備とか、あるいは高齢化社会を迎えましての新しい施策に対応する部面におきましては、財政計画におきましても所要経費を伸ばすように努力をいたしまして、地方団体の意見の反映につきましても、六団体等とも常に意見の交換をいたしておりますし、特に財政計画あるいは財政対策を決める前には、御意見を十分お聞きいたしまして国庫当局と折衝するというようなことをいたしております。御質問にありました趣旨を体しまして、今後とも地方団体からの御意見、御要望を踏まえて、これが地方財政計画に反映するように最大限の努力をしてまいりたいというふうに思うわけでございます。
#11
○中沢委員 私は、いわゆる実質乖離でいうと、例えば昭和六十三年度で約四兆円ある、これはやはり大変大きな金額だと思うのですね。国としての財政支援のさまざまな対象にならないわけであります。地方財政は非常に厳しい厳しいと言われている中で、地方都市がどうしてもこういう事業もやりたい、結果的にはそれが積み上がって実質乖離が四兆になる。全部自主財源だと思うのですよ。ですから、今言った手法の問題なんかをひとつもう少し工夫をしていただいて、実質乖離も含めてゼロにするというのはなかなか面倒でしょうけれども、できるだけそういう開きを少なくしていく、そういう努力をするための手法として、今局長からありましたように、もっと前向きにやるということでありますから、言葉だけではなしに具体的な方法論、先ほど指摘をした内容も含めて、しっかりひとつ検討していただきたいと思います。
 次に、それとも若干関係をしますが、地財計画の本来のあるべき姿、それと今回の減額措置の矛盾を少しくお尋ねをしたいと思うのです。
 先ほど私の質問に対して自治大臣の方から、交付税というのは自治体固有の財源である、もう言うまでもない、こういうお話がございました。それはもちろんそのとおりだと私も思うのです。ただ問題は、地方財政計画や交付税をずっと見てみますと、本当に地方団体の行政需要にマッチをした財政計画になっているか、あるいは、交付税の総枠あるいは配分になっているかというと、必ずしもそうでない。だから、先ほど言った実質乖離でも昭和六十三年度四兆円も出ていると思うのです。これはもうだれも否定ができない現実の姿だと思うのですよ。そこで本来やはり地方財政計画というのは、地方団体の歳入と歳出をよく検討していただいて、必要な歳出について歳入をきちっと保証する、足りない分は国が責任をかなりの部分で持つ、これが地方財政計画の本来の姿だと思うのです。私はそのように思うのです。
 これについてもまた自治省のお答えもいただきたいのでありますが、そういうことが本来の姿であるとするならば、今回の五千億の減額ということは、そういうことが考えられもしない。もっと言うと、必要な歳出についてはきちっと確保をする、確保をした上で五千億の減額をしたという言い分はどこから出てくるのか、私は不思議でしようがないのです。必要な歳出をきちっと確保するということは、行政需要としては単独事業だとか、従来から議論をしている地域福祉だとか、大変な行政需要がどんどんどんどんふえる。しかし、そのことについての地財計画や交付税で財政措置が本当にされているのか、各論でいろいろ分析をしていくと十分にされていない、されていないけれども、十分にその辺は確保をしたということを前提にして五千億問題を出してきた。
 ですから、議論のスタート台からいうと、私と自治省側とは基本的な違いがやはりあると思うのですよ。非常にこれは納得できない問題。大蔵大臣質疑でもいろいろあったようでありますが、この二つの点、ちょっとお答えをいただきたいと思います。
#12
○小林(実)政府委員 六十三年度とかあるいは平成元年度の乖離に関連してのお尋ねでございます。
 決算と地方財政計画の乖離につきましては、従来は決算の各項目が、この性質別に見まして歳出で、財政計画で組んでいる費目よりも決算の方がおおむねのところは上回っておるということで、ただ、特にその投資的経費につきましては、逆に決算がそこまでいかないというような御指摘もあったわけでありますが、恐らく平成元年あるいは二年になりますと、これは整理をいたしてみますと、そういう面につきましても決算の方が上回るというような事態になってきているわけであります。個別的に項目を見てみますと、特にその中では一般行政経費につきましての乖離の額が大きくなっておりまして、歳出面ではそういうことでございます。
 歳入面では、雑収入等でこの乖離が大きくなっているわけでございます。その大きな原因は、貸付金につきまして、これは歳入の方で返ってくる金もございますし、また、歳出の方で出したものにつきまして歳入の方で財源があるというようなこともございまして、地方財政計画の性格が、これをベースに財源が足りる足りないの議論をいたすものでございますから、貸付金等につきまして余り伸ばしていないということも大きく響いておるということがあろうかと思います。
 それから、過去に比べて若干差が大きくなっておるとすれば、特に六十三とかあるいは平成元年度におきまして、地方税の自然増収と一時的な要因によるものもあったということも背景にあるのではないかという気がいたしておるわけであります。そういう背景はあるにいたしましても、私どもはなるべくその差を縮小するように努力をしていかなければいけないというふうに考えております。
 これに関連いたしまして、五千億につきましてのお尋ねがあったわけでございます。三年度の地財対策を講ずるに当たりましては、先ほどもちょっと触れましたが、多極分散型国土の形成、ふるさと創生関係の事業につきましての経費を確保すること、それから四百三十兆円の公共投資基本計画に関連いたしまして、国庫補助の裏地方負担につきましてはもとよりでございますが、地方単独事業を一〇%伸ばすというような措置も講じました。また、福祉関係におきましても、福祉系統の経費につきまして、一般行政経費におきまして七・四%の増という伸びを確保するとともに、地域福祉基金に二千百億円を計上いたしたわけであります。公共投資推進のために土地開発基金に五千億の計上もしたというようなことで、私どもといたしましては、歳出面につきまして相当の増加を見込むことができたというふうに思っておるわけでございます。
 片や地方財政の健全化の措置も講じながら、その上で、国庫当局から交付税につきまして関連いたしまして協力要請がございまして、その協力の仕方につきましては、たびたび御説明もいたしておるわけでございますけれども、地方には実損をかけないというような方式で、長い目で見れば地方交付税の総額を安定的に確保するということにもなるというようなことで、また国の予算編成に協力することともなるというようなことで、五千億の減額をいたしたわけでございます。地方の借入金を実質的に国に肩がわりをさせるというものでございまして、地方団体にもその点につきましては御理解をいただけるのではないかというふうに思っておるわけであります。
 地方財政計画の歳出面につきましてなお不十分というおしかりを受けておりますが、現時点におきましては、私どもでき得る限りの措置を講ずることができた、こういうふうに思っておるわけでございます。
#13
○中沢委員 今局長の方から非常に詳細にわたるお答えをいただきました。そこで大臣にちょっとお答えをいただきたいと思います。
 確かに大臣は、一般質疑の際にも、十分な歳出を確保した上で五千億削減をした、これはやや異例な扱いでもある、こういうようなお話があったと思うのですよ。現実的に見ますと、もう既に予算も通ってしまっているし、五千億は減額したけれどもいずれ戻ってくる、つじつまとしては合うのではないかという意見もあるとは思うのですね。あるとは思いますが、私自身納得できないのは、本当に十分な歳出が確保されているんだろうか。行政需要でいうと、もっともっといろんなことをやらなければいけない。福祉関係でいっても、マンパワーの問題を含めて、ソフト面でもっともっと充実をしなければいけない。公共事業関係の単独事業ももっとやりたい。しかし、地財計画や交付税の枠がありまして、やりたいものもできないという実態が一方にある、これも事実だと思うのですね。そうしますと、五千億ということは、どうもスタート台からいって、十分な歳出を確保したという前提そのものが私はやはり納得ができない。大臣のお立場からいえば、やはり十分な歳出を確保したのだから五千億の減額をやったんだというのでしょうけれども、しかし、現実問題として本当に十分な歳出の確保がされているかどうか。
 大臣も、地方で随分議員や首長をされておりますから、実態は私以上によく御承知だと思うのですよ。ですから、本音の話として、前回の答弁は答弁でよくわかりますけれども、本当にそうなんだろうか。そこのところはやはりもう少し自治省の方でも真剣に受けとめて、今後の問題にも当然なるわけでありますから、ひとつ大臣としてもよくそこのところを踏まえて、率直な話、本音を聞かしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#14
○吹田国務大臣 この問題は、十分というのは、現在のいわゆる地方交付税の積算の基礎と申しましょうか、そういったものの計算上からいきますと、現在の単価その他の単位からいきまして、まず手違いのない額を交付することができ得た、こういう意味なのでありまして、先生のおっしゃるように、本来からいえば多々ますます弁ずでありますから、地方行政としてはさらに単独をふやし、あるいはさらにその単位を拡大していくということになるとすれば、それはそれなりの積算の根拠というものを変えていかなきゃならぬことになりますが、現在の計算上からいきますと、まず一応満足のいく交付ができたんではなかろうかな、こう思っておるのでありまして、今後の問題としましては、先生おっしゃるようにさらに拡大強化できることが、少しでもその辺に配慮を加える内容、自治省として検討すべき内容があるんではないか、こう思っております。
 それから、単独事業として地方公共団体が仕事ができるような、そういう姿勢を少しでも拡大強化できる、こうした問題に今自治省も財政当局も、過般来からの当委員会における御論議を十分体しまして検討しておるところでありまして、今後できるだけそういう点につきましては努力をいたしたい。
 ただ、今年のこの五千億問題につきましては、十分御理解をいただきたいものだと思っております。
#15
○中沢委員 大臣の方から含みを持った今お答えがございました。確かにおっしゃるように、現在の単位費用と補正をベースにしてやる場合は大臣のおっしゃるようなことだと思うのです。私が言いたかったことは、大臣もおっしゃいましたけれども、しかしそれで自治省も満足すべきではない。もっともっと地域の実態に合って、行政需要の拡大に応じて、単独事業でいえば、より積極的に財政的な裏打ちをするということが、私はやはり自治大臣としてもあるいは自治省の関係のいろんな官僚のサイドでも、持つべき基本的な姿勢と具体的な手法ではないかと思うのですよ。
#16
○吹田国務大臣 追加で答弁さしていただきますが、今先生おっしやるようなことにつきまして、時代とともに非常にこの財政需要問題も内容が変わってくるわけであります。特に高齢化の問題や特に過疎過密の関係からいきましても、いわば生活環境の整備にそれだけの多くの公共資本が投下されているかどうかということを考えてみると、そこに公共事業の投資、社会資本充実が不足すればするほど過疎化は逆に進行するということにもなるわけでありますから、そういう意味においては、せんだっても財政担当者あたりとの協議の中で、今後の事業問題については新しい角度で検討してみてくれということも話してあるわけでありまして、これから自治省としましても十分御趣旨を体して検討してまいりたいものだ、こう思っておりますので、追加の御答弁をさせていただきます。
#17
○中沢委員 今大臣の方から補足がございました。私も全く同感でございます。時間があればもう少し各論にわたりたいと思いますが、いずれにしてもそういう大臣の姿勢、しっかりひとつ評価をして私どももまた委員会で議論もしてみたいと思います。
 大臣が十一時から退席をされるという話でありますので、ちょっと予定の順序が変わってくると思いますが、次に補助率の復元問題についてお尋ねをします。これは、大蔵省も呼んでおりますから大蔵省側のお答えもいただきたいわけです。
 先ほど冒頭指摘しましたように、六十一年度ベースまでは戻った、しかし五十九年度ベースという基本的な目標はまだ課題として残っている、これは共通認識だと思うのです。言うまでもないと思います。そこで、この間の大蔵大臣への質疑の中でこの問題も取り上げて質問をした折に、私は理事席に座っておりましたから聞いておりましたけれども、大蔵大臣は今後三年間で検討を当然やる、できるものから早く暫定措置を解除したい、こういう話がございました。ただ、あのときはまだ予算が成立をしていないから具体的な中身は軽率に言えない、こういう趣旨のお答えがあったわけであります。
 まず、大蔵省にお尋ねをしたいと思いますけれども、既に予算が通りました。そして、平成四年度の概算要求の時期に当然入ってくるわけですね。そうしますと、大蔵大臣がやや抽象的に十一日お答えをした内容について、きょう段階では相当具体的に、こういう問題については五十九年度ベースまで戻すように今大蔵省内部で検討している、あるいは自治省と協議をしている、そういうお答えをしていただけるのではないかというふうに率直に言って期待をしているのでありますが、大蔵省の方、いかがでしょう。
#18
○太田説明員 公共事業等の補助率の取り扱いにつきましては、関係大臣の覚書にございますように、これから関係各省庁間で総合的な検討を行う、その結論に従って、行革審の答申等を踏まえて見直しをしまして、結論が出たものから逐次可能なものから実施に移すということでございます。
 今先生、来年度すぐどういうことをやるのかというお尋ねでございますが、現在のところまだ、これから関係省庁間で検討を始めるという段階でございまして、四年度においてどういうことをする、あるいは大蔵省の中で何か考えている、そういう段階ではございません。
#19
○中沢委員 そういうお答えが官僚的なお答えだとは思うのですけれども、そうはいいましても、予算が上がって、大蔵省としての立場でいえば、もう平成四年度の概算要求をどうするか。特に補助金の問題でいうと、暫定措置が仮に三年後ということになってくると十年間も暫定措置が続くわけでありますから、これは自治体としては大変ですよ。だから、そういう悠長なことではなくて、もう少し緊急性がある、早く具体的に何とかしなければならない、全部が全部できないにしてもここのところはやはり平成四年度で何とかしたい、こういう大蔵省の責任ある具体的な答弁が本当は欲しいのですけれども、だめですか。
#20
○太田説明員 公共事業等の補助率の問題につきましては、先生御案内のように、それぞれの事業官庁、建設省でありますとか農林省でありますとか、そういった事業官庁のお考え、あるいは財政当局、それから地方団体の御意見、自治省、関係省庁いろいろな考え方がございまして、事業量確保の問題とかいろいろな問題がございまして、大蔵省だけで何か考えてどうこうということにはまいらないということが一点ございます。
 それから、非常に大きな問題でございまして、予算は上がったのでございますがまだほんの少ししかたっておりませんで、これから関係省庁で検討会等を設けていろいろな角度から十分検討させていただくということになろうかと思います。先生御指摘のように鋭意検討は進めてまいるつもりでございます。
#21
○中沢委員 時間がありませんからこれ以上のことは言いません。しかしどっちにしても、例えば下水道事業などというのは、過疎でいえば非常に早く普及率を拡大したい、しかしあの補助率じゃとてもじゃないけれども、貧乏な自治体としてはやりたいけれどもできない。これは非常に切実な地方団体の意見だと私は思うのですね。例えばそういうことからまず手をつけるとか、本当はそういう答弁もいただきたいのでありますが、これ以上時間がありませんからやめます。
 そこで、大臣、五十九年度ベースに戻す、三年間の暫定はまだ残った、しかし今私が指摘をしましたそういう指摘について、大臣としてはどうお考えをお持ちでしょうか、自治大臣としてお答えをいただきたいと思います。
#22
○吹田国務大臣 先ほどから大蔵省の答弁もありますが、これはせんだってから私も御答弁を申し上げておりますように、逐次可能なものから復元するという構えですけれども、おっしゃるように、確かに非常に長い期間であり、さきの国会でもこれは議決されておることですから、国会で議決されておる問題はそれなりに尊重していくというのが政府の考え方であります。したがいまして、できるだけ早くそういう方向に位置づけていかなければならぬと思います。
 ただ、ここで考えられることは、生活関連公共事業を推進いたします場合に、補助率をアップすることにウエートを置くか、事業費を拡大することにウエートを置くかという問題もあります。そういうことで、中身の問題をさらに精査していく必要があるのではないかという構えで、たしか今主計局の答弁だったろうと思いますが、私もそういう面で十分検討する要はあると思っております。ですが、国会で決議されたことは大事な決議ですから、これは尊重するという姿勢がまず先になければならぬ、こう思っておるわけです。
 それと、どうしても、今お話がありましたように、生活関連の中で下水その他で個人負担等が、あるいは公共団体の負担が余りにも大き過ぎて事業執行ができにくいではないかという問題については、自治省で可能な限りのこれに対する財政的な、そこに起債その他においての充当率を上げるとかして、検討を加えながら、現実に関係地方公共団体の仕事がスムーズにいくような方向、これは工夫できることであろうと思うわけでありますから、そういう方向でまた私ども自治省として検討を加えてまいりたい、そういった意味から関係省庁との御協議をこれから始めさせていただく、こういうことで御理解いただきたいと思います。
#23
○中沢委員 今大臣の方から基本的な問題も含めてお答えがございました。そこのところは私と同じ意見でございます。しかも、緊急性のある課題については自治省のエリアでやれる部分はもっともっと具体的にやりたいということでありますから、諸問題については十分大臣受けとめておられると思いますので、今後ひとつよろしくお願いをしたいと思うのです。
 次に、国保問題について幾つかお尋ねをしたいと思います。厚生省も呼んでおりますので、厚生省と自治省にそれぞれお尋ねをいたします。
 まず、全国的な国保財政の現状がどうなっているか、厚生省にお尋ねをしたいと思います。
 時間の関係がありますからぜひ簡単にお願いをしたいと思いますが、内容としてお聞きをしたいのは、高額医療費共同事業、それと保険基盤安定事業、これが総体的な財政面でどういう規模になっているかということが一つ。
 それから、よく言われておりますように、市町村段階で結構でありますが、一般会計の繰入金の実態がどうなっているか。
 それから、私もいろんなところで話を聞くのでありますが、国保料だとか国保税というのは住民税よりも高い。そういう事実関係がどうなっているか。それから、住民負担が全国的に見て大変な開きがある。こういう問題も含めて、まとめて厚生省の方からお答えをいただきたいと思います。
#24
○辻説明員 お答えいたします。
 国保の全体の状況でございますけれども、平成元年度でごらんいただきますと、決算状況におきましてほぼ一千億円の黒字でございます。ただ、中に二百四十七団体が赤字でございまして、その赤字だけを集計いたしますと赤字が一千億円強ある、こういう状況でございますが、お尋ねの具体的な数字について御説明申し上げたいと思います。
 まず高額医療費共同事業についてでございますけれども、これにつきましては御承知のとおり、高額の医療給付の発生がありましたときのいわば影響を緩和するための再保険事業でございますけれども、六十三年度の事業規模は合計で四百三十三億円、そのうち都道府県補助分が百四十八億円、それから市町村負担分が二百八十五億円でございます。それから平成元年度でございますけれども、事業規模四百七十一億円、都道府県補助分百六十億円、市町村負担分三百十一億円でございます。なお、国は、この事業を含めまして国保の保険運営安定化対策事業ということで、六十三年度及び平成元年度、それぞれ十億円の助成をいたしております。
 それから保険基盤安定制度でございますが、これは低所得者層に対する保険料軽減分を公費で補てんするものでございますけれども、六十三年度の制度改正で導入いたしまして、六十三年度が全部の規模が一千億円、そのうち国の負担が五百億円、都道府県及び市町村の負担がそれぞれ二百五十億円で、平成元年度も同様でございます。
 それから市町村の一般会計繰り入れについてでございますけれども、一般会計繰り入れは、保健施設事業の推進といった保健施設活動とか、それから一部負担の無料化等の自治体の単独事業に伴う措置とか、そしてまた国保会計の赤字補てん等、さまざまな目的によって充当されておりますが、このようなものを合計した額は、市町村の一般会計繰入額、平成元年度で二千七百七十五億円でございます。
 それから、国保サイドといたしまして、保険料の額について御説明申し上げたいと思いますけれども、元年度の一世帯当たりの保険料の額、これにつきましては、保険料調定額ベースで十四万二千円となっております。
 それから、市町村間、都道府県間の保険料格差についてのお尋ねでございますが、国保制度の保険料の格差、これはもともと、人口の年齢構成の状況とか、それからベッド数等医療供給体制の状況等に伴いまして、医療費の水準が保険者ごとに大きな差異があるということに伴い生じているという基本的な形でございますけれども、平成元年度について見ますと、一人当たりの保険料で見まして、最も高い市町村と最も低い市町村を比較すると七倍の格差がございます。また、最も高い都道府県と最も低い都道府県を比較すると約二・三倍の格差がございます。
#25
○中沢委員 そこで、関連して自治省にお尋ねをしますが、住民税の全国的な一世帯当たりの負担は一体どうなっていますか。
#26
○湯浅政府委員 住民税の一世帯当たりの額は、平成元年度で約十一万一千円ということになっております。
#27
○中沢委員 そこで、今具体的な実態が、やや特徴点だけでありましたけれどもお答えをいただきました。国保に加入をしている住民の立場でいえば、住民税よりも高い国保料を納めている。これは大変な高負担だと思います。それと、実態として明確になりましたけれども、全国的に高いところと低いところで、市町村でいえば七倍も開きがある。都道府県段階でも二・三倍の開きがある。だから、国保会計という問題以前に、国保に加入をしている国民の立場、住民の立場でいえば大変な格差がある。これが一つの大きな問題だと思いますね。
 これをどう解消するかということは、時間があればいろいろやるのでありますが、そういう問題が一つあるということと、もう一つは、国保会計でいいますと、特に赤字のある会計に対しては一般会計から繰り入れをしている。しかも、その繰り入れの中身でいうと、国のいろんな関係の助成も入っているけれども、平たく言えば地方の自主財源で赤字補てんをしている部分もある、こういうことだと思うのですよ。
 それで、大臣も専門家でありますからよくおわかりだと思いますが、実は夕張でいろいろ調べてもらいました。国保の全体的な実態は言いませんが、どれだけ一般会計から繰り入れをしているか。平成元年度で五千三百万、非常に財政の厳しい夕張の場合。そのうち、自主財源で持ち出しをしているのが約二千万あるわけです。これは一つの夕張の例でありますけれども、赤字国保というのは実態としてはさまざまだと思いますが、これは大変な実態だと思うのですね。
 そのことをまず前提にして厚生省にお尋ねをしたいのは、確かにいろんなことを制度として導入をしてそれなりの手当てをしていることは私は否定しません。しかし、現状においてまだ依然として赤字がたくさんあって、自治体によっては一般財源から繰り入れをしている、こういう実態、これはやはり何とかしなきゃならぬと思うのですよ。後で自治省に聞きますが、厚生省としてはそれについてどういうふうに認識をされて、どういう対策を考えられているか。
#28
○辻説明員 国民健康保険財政についての基本的な考え方でございますけれども、国民健康保険の大きな制度の特徴といたしまして、加入者の年齢構成が高いということがございます。例えば七十歳以上を基本とします老人保健法の老人の加入割合、政管健保では四・六%ぐらいでありますものが国保では一五・五%。あるいは、その下の七十歳以上を除いた場合の平均年齢でも、政管健保で三十二・四歳が国保は三十九・六歳という平均年齢になっている。このように加入者の年齢構成が高いということが特に影響いたしまして国保の医療費が高くなり、保険料も高くなっている、こんなことが言えようかと思います。
 このために、これまで、全国民で高齢者の医療費を公平かつ合理的に負担しようという考え方に立ちまして、老人保健制度の創設あるいは退職者医療制度の創設等の一連の制度改革を実施してまいりました。また、昨年の六月の国民健康保険法の改正によりまして、低所得者に係る保険料軽減について公費で負担する保険基盤安定制度を確立し、またあわせて国庫助成の強化を図っております。このような制度改正をこれまでも繰り返してきておりまして、今後とも制度の安定的な運営に努めてまいりたいと考えております。
#29
○中沢委員 厚生省の方にこれ以上のことは申し上げませんが、いずれにしても社労委員会を中心にして専門的な議論がされていると思うのですよ。
 同じようなことを自治省にお尋ねをしたいと思いますが、確かにいろんな行政需要に対する地財計画、交付税措置がある。ただ問題は、国保でいいますと、専門家でありますから釈迦に説法だと思いますが、地財計画の対象外。自治省サイドでいうと国保について特別な財政支援がない。本当にそれでいいんだろうか。厚生省サイドでもいろいろやっている。ところが自治省サイドではそういうことでやっていない。それでいいんだろうか。私は、やはり全国で赤字国保を抱えている自治体の数というのはかなりあるし、さっき厚生省から数字がありましたように一千億ぐらい赤字があるわけでありまして、これはやはり国保の赤字体質が地方団体の財政運営に大変な被害を与えている。こういう事実はたくさんあると思うのですよ。
 そうしますと、私はやはり国保問題でいえば、今まではまあいい悪いの議論は別にして、やむを得ないにしても、これからずっと構造的に国保の赤字体質というのはそう簡単に解消できないのであれば、この際自治省として、自治省の責任として地財計画に盛り込む、そして交付税でも措置をする。例えば繰り入れについていうと、交付税で全額措置をするだとか、あるいは場合によっては交付税措置ができなければ、例えばその種の財源については起債を認めるだとか、起債についていうと過疎債並みに財政措置をするだとか、そういうことを真剣にやはり検討する時期に来ているのではないか、強くそのことを指摘をして、自治省側のお答えをいただきたいと思います。
#30
○小林(実)政府委員 国保につきましては、御指摘のとおり非常に問題が多うございまして、市町村財政にとりまして何か措置を講じていかなければいけないという問題のある事項であるという認識は持っておるわけでございます。
 厚生省の方からお話がございましたように、高齢者とかあるいは低所得者が多いわけでございまして、財政基盤は脆弱でございます。過去数年の間に、医療保険制度間の給付と負担の公平化という観点から、老人保健制度の創設とか、あるいは退職者の医療制度の創設、最近では保険基盤安定制度の創設、これを安定的制度化まで高める、あるいは高額医療費共同事業の実施等、一連の制度改正を行ってきたわけでございまして、これも国保財政にとりましては相当プラスがあったと思うわけでございます。
 しかしなお、御指摘のとおり大変赤字を抱えておりまして、一般会計からまた多額の繰り入れをいたしておるわけでございます。従来いろいろ提案されました事項につきましては着実に実現されてきておるわけでございますが、なお保険料や保険税につきまして地域格差が大きいことも事実でございます。保険料の平準化という問題が大きいというふうに思っております。基本的には医療費の適正化とか、あるいはさらには一層進めまして医療保険制度間の給付と負担の公平化等を図るというのが基本であろうと思うわけでございます。
 財政計画におきましては、先ほど述べましたようなことで実施しました措置のうち、保険基盤安定制度あるいは高額医療費共同事業ということで、地方が負担するということにしたものにつきましては歳出の方で計上いたしておるわけでございますが、何せ、国保につきましては国庫支出金、保険料で賄う、これは医療制度全体の中でそういう仕組みになっておるわけでございまして、そうはいっても市町村におきましては一番頭の痛い話でございますので、御指摘の点も含めまして、今後とも関係省庁と連携をいたしまして、努力をしてまいりたいというふうに思うわけでございます。
#31
○中沢委員 大臣がいれば大臣からその種の決意を聞きたいわけでありますが、これはまた別の機会にしたいと思います。
 それじゃ次に、老人福祉問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 最初に自治省側の方にお答えをいただきたいと思いますが、例のゴールドプラン、平成二年度と三年度、自治省側の財政措置がどういう推移になっているか、具体的にお聞かせをいただきたいと思います。
#32
○小林(実)政府委員 ゴールドプランの平成三年度事業費は約四千二百億でございまして、そのうち地方負担額は千二百億でございます。この地方負担につきましては、一部投資的経費につきましては地方債が充当されますが、残りにつきましては地方交付税で財源措置をいたすことにいたしているわけでございます。
#33
○中沢委員 もう時間がありませんから、二年度と比べてどうであるかは資料がありますから特別指摘をしません。
 次に厚生省の方にお尋ねをしたいと思います。ゴールドプランの関連でいいますといろいろな問題があると思うのでありますが、ホームヘルパーに焦点を当てましてこれからお尋ねをしたいと思います。
 昨年度から始まって十年後の一つの目標として、ホームヘルパーは十万人体制にする。私の記憶では昨年も委員会でこの問題を取り上げて議論をしたわけでありますが、問題はその十万人というホームヘルパー配置の目標の根拠みたいなのがどうも不明確でないだろうか。そこのところをもう少し明らかにしてもらいたいというのが一つ。
 それからもう一つは、ホームヘルパーでいうと、待遇改善問題が非常に大事だ。きょうの朝日新聞の社説、私もちょっと部屋で読んでおりましたら、「福祉の充実に長野市の挑戦」、内容は改めて紹介をしません。ホームヘルパーは市の職員並みの待遇をする、職員と同じ給与、本俸もその他の手当も一時金も同じ待遇をする、そうするとホームヘルパーの人手不足は一挙に解決をする、すばらしいという社説、私もそうだと思うのですね。平成二年度のホームヘルパーに対する待遇がどうであって、今度の平成三年度の待遇はどこまで引き上げられるか、この二つ。
 そしてあわせて、聞くところによりますと、ホームヘルパーは個々の仕事のほかに全体のチーム編成をやって、そのチーム編成の中での介護の効果を上げる、それについての若干の財政的な措置もしたというふうに聞いておりますが、この三点具体的にお聞かせをいただきたいと思います。
#34
○中村説明員 高齢者保健福祉推進十か年戦略の中のホームヘルパーについてのお尋ねでございます。先生のお話にございましたように、昨年度平成二年度を初年度といたしまして二〇〇〇年までの十年間に、高齢者の保健福祉施策の目標を定めました高齢者保健福祉推進十か年戦略におきまして、ホームヘルパーにつきましては十万人を二〇〇〇年段階において整備するという目標を掲げて施策を推進いたしております。
 最初のお尋ねでございますが、ヘルパー十万人の目標の考え方ということでございますけれども、ヘルパーの目標数、これは在宅福祉の中心でございますが、何分、在宅福祉については我が国で始まったばかりであり、定着もしていない、そういうことでございまして、将来の国民のホームヘルパーの利用形態がどのようなものになるかということの仮定などが置きにくかったことがございまして、根拠といたしましては、昭和六十三年十月に厚生省、労働省共同で国会に提出いたしました、「長寿・福祉社会を実現するための施策の基本的考え方と目標について」という福祉ビジョンがございますが、この福祉ビジョンで二〇〇〇年に五万人という計画を出しておりました。これにつきましては、その後国会審議の中で、前倒しして実施すべきではないかという御議論もございましたので、この福祉ビジョンでお示しをいたしました水準五万人を倍増するということを今回の十か年戦略の中では掲げさせていただいた、こういうふうになっております。
 しからば、十万人体制になった場合にどのような格好になって在宅福祉施策が進められるのか、こういうことになるわけでございます。いわゆる寝たきりとか痴呆とか、そういう要介護老人の多様なニーズに在宅で対応していくというのが在宅福祉対策の考えでございますが、こういう多様なニーズを持ったお年寄りを地域で支えていくということになりますと、ホームヘルパーはもとより、いろいろな福祉施策、ヘルスの施策、保健の施策というものを組み合わせていく必要があると考えております。
 そういう中で、ホームヘルパーにつきましては、例えば寝たきり老人の御家庭であれば週四回程度派遣できるようになるのではないか、こういう施策と、デイサービス、これは通っていただいて日中処遇をするものでございますが、それが週二回程度、これはデイサービスセンターを中学校区に一つ二〇〇〇年までにつくるという目標を立てておりますので、そういったことなどを組み合わせる。あるいは、介護している御家族の方が疲れるというようなこともございますので、ショートステイ、これは施設に時々、短い期間お年寄りをお預かりするということですが、これも五万床を整備するというふうな目標になっておりますので、そうできますと、二月に一回程度お預かりできる。訪問指導、これは保健婦さんが月に一回程度行って体の様子を見る。こういうようなサービスの水準を確保することによりまして、ヘルパーの十万人体制、寝たきりのお年寄りに週四回というようなサービスをあわせまして、在宅で要介護のお年寄りを支えられるようになるのではないか、こういうふうに考えております。
 次に、処遇の改善ということで、ホームヘルパーさんの手当につきまして御質問がございました。これは平成元年度に、ただいまも申し上げましたように、ヘルパーさんの業務も介護中心の業務にシフトしていただきたいと考えまして、介護中心業務型と家事援助業務型の手当と、二段階の手当を導入いたしております。平成二年度で申し上げますと、年額で申しますと、介護中心業務のヘルパーさんは二百四十三万六千円でございます。家事援助業務型の方は百六十二万四千円ということでございます。これを三年度には約三・七%引き上げまして、介護中心型の方であれば二百五十二万五千円、家事援助中心の方でございますと百六十八万四千円というようなオーダーになっております。月額で申しますと、三年度では介護中心の方が二十一万円、家事中心の方が十四万円、こういう水準に相なっております。
 それから、今年度から導入いたしますチーム運営方式についてのお尋ねでございますが、ただいまも申し上げましたような高齢者の多様なニーズにこたえてホームヘルパーさんの業務の質を高めていくという観点から、チーム運営方式というものを導入いたしました。
 三つの観点がございまして、一つは、ホームヘルパーさんのお仕事につきまして、ソーシャルワーカーや看護婦さん等、他の職種の方とのコーディネーター、調整を図っていただくという観点から、いろいろな会議費とかそういうような費用を計上いたしております。
 それから、基幹的なホームヘルパーさんというものを育てたいということで、パートのヘルパーさんがふえておりますので、中心となる基幹的なホームヘルパーさんとパートヘルパーさんでチームを運営していただく。そういう基幹的なヘルパーさんについては、平年度ベースで百万円ほどの手当を上積みしたいということでございますので、先ほど申し上げました月額二十一万円の介護中心のヘルパーさんに対しまして月額九万円程度上積みされるので、約三十万円に近い手当が支給されるように基幹的なヘルパーさんについてはなるのではないかと思っています。
 第三点目の観点といたしましては、こういう介護に対して理解と熱意を持っていただく、いろいろな主婦層の方とか高齢者の中でも若手の方々、矛盾するようなあれですがヤングオールドの方々に、やはりヘルパー業務に積極的に参加していただく、そのためには、リーダーとなるヘルパーさんがいろいろ指導していただくということが大事でございますので、そういう国民皆参加の介護というようなことを促進する観点から、チーム運営方式を導入いたしておるところでございます。
 それらの経費につきまして、ただいま申し上げましたようにチーム運営に必要な運営費と、その基幹的ヘルパーさんの処遇改善のための業務加算費というものを計上させていただいているところでございます。
#35
○中沢委員 今厚生省の方から具体的な内容が示されました。先ほど新聞記事で長野のことを紹介をしましたが、これはもう事実だと思うのですね。すばらしいことだと思うのですよ、長野出身の委員の方もいらっしゃいますが。私の出身の夕張がどんな実態か、ちょっと調べてみました。残念ですが、まだ嘱託です。介護の必要なお年寄りは九十二人いる。ホームヘルパーは、家事型が十人で介護型が三人、十三人だ。年間の老人保健事業の費用は約三千八百万、各種の補助があるけれども、実際ホームヘルパーに対しての人件費の上積みもやっていますから、自主財源を持ち出しているのが一千三百万ある。これは夕張の具体的な例です。恐らく全国、強弱はありますけれども、大体同じようなケースではないでしょうか。
 それで、そういう事実を一つの前提にして、関連して、平成五年から措置権が都道府県段階から町村段階に移りますね。措置権が移るということは、当然それに必要な職員を町村段階で相当大幅にふやさなければいけない、おのずからこういう問題になってくると思うのですよ。
 厚生省にお伺いをしたいのは、何人ふやすかということは自治省の方に聞きますけれども、平成五年から措置権を移譲するということで具体的な準備をどういう形で進めているか。例えばケースワーカー、社会福祉主事の養成といったって、そんな簡単にできないと思いますので、恐らく平成三年度あたりからやるんじゃないかと思いますが、そういう内容を一つは聞きたい。
 それから、自治省に対しましては、措置権が移るということで当然ながら町村レベルにおける職員の定数の増大、これはもう避けて通れない。幾ら地方行革で人減らしをやろうといったって、そんなことはできないと思うのですね。これについての地方交付税あるいは地財計画上の一つの見通しをどう持っているか。金額と人数、もしお示しいただければ具体的に示していただきたいと思います。
#36
○亀田説明員 福祉八法の改正によりまして、平成五年度から老人福祉施設などの入所事務が町村に移譲されることになっております。これに伴う必要な人員増につきましては、地方交付税上所要の措置がなされるよう自治省に要望しているところでございます。
 それから、町村職員の資質の向上につきましては、町村社会福祉担当職員特別研修、あるいは社会福祉主事、ケースワーカーでございますけれども、これの研修等、研修事業の充実に努めております。
 私どもといたしましては、町村へ円滑に事務移譲が行われますよう、今後とも関係省庁と十分協議をし、対応をしてまいりたいというふうに考えております。
#37
○小林(実)政府委員 福祉関係につきましての措置権の町村への移譲に伴いまして、人員体制をどうするのかという御質問でございます。
 平成五年度からでございますが、事前に準備もする必要があるということで、厚生省の要望も踏まえながら、平成三年度におきましてはこの在宅福祉の分も含めまして六百二十人の増員を行うことにいたしておりまして、町村分につきまして交付税措置をしてまいりたいというふうに考えております。
#38
○中沢委員 それでは、厚生省の方はもう質問ございません。ありがとうございました。
 地域福祉基金問題を実は予定をしておりましたが、時間がありませんからきょうはひとつ割愛をして、次に、労働時間短縮問題、裏返しをすると地方団体の職員の定数の拡大、こういうことに連動すると思いますが、これについて、残された時間お尋ねをしたいと思います。
 まず、地方公務員の週休二日制の実施状況がどうなっているか、とりわけ四週六休あるいは土曜閉庁の実施状況が全国的にどうなっているか、具体的にお聞かせをください。
#39
○滝政府委員 まず、四週六休制の実施状況でございますけれども、これにつきましては、都道府県あるいは市町村合計いたしましてトータルで九八・七%の団体が実施に踏み切っている状況でございます。このうち土曜閉庁、これにつきまして導入している団体の比率でございますけれども、八九・三%の団体が土曜閉庁方式を導入している、あるいはまだ未実施のところが若干ありますけれども、少なくとも条例の議決は済んでいる、こういう団体が八九・三%、こういう状況でございます。
#40
○中沢委員 次に、地方団体ではさまざまな交代制勤務職場があるわけでありますけれども、そういうところについて週四十時間の勤務体制の試行が今されている段階だと思うのですが、これの実施状況はどういうことになっておりましょうか。
#41
○滝政府委員 これにつきましては、昨年の四月を期して国家公務員あるいは地方公務員それぞれ試行を行う、こういうことになっておるのでございますけれども、いずれも若干のおくれが出ております。現在段階で申しますと、都道府県では現在段階若干ふえておりまして、二十六の都道府県、約半数をちょっと上回る団体が四十時間の勤務体制へ向けての試行をしている、こういうことでございます。これに対しまして市町村の方が相当おくれておりまして、これが全国で今の段階で三十九団体というふうに私どもは報告を受けております。
#42
○中沢委員 いずれにしても、今お話がありましたように、特に土曜閉庁、あるいは交代制職場でいうと実施状況は決して芳しくないと思うのですよ。そこのところはひとつ自治省側で強力に指導するように、特に指摘をしておきたいと思うのです。
 次に、政府の方針では平成四年度中に完全週休二日制を目指す、これは明らかになっているのでありますが、これに向けて自治省サイドではどういう取り組みをしているか、あるいはどういう難点が現実的にあるのか、これもひとつ明らかに示していただきたいと思います。
#43
○滝政府委員 これにつきましては、一つには、ただいまお話のございました土曜閉庁方式をその前段階として積極的に導入するように推進役を果たしてきたというのが一つの私どもの仕事でございます。
 それからもう一つは、ただいまもお話にございました、特に完全週休二日制ということになりますと、一番難しいのが交代制勤務職場でございますので、これにつきまして週四十時間を目標にした試行をする、こういうことで進めてまいってきておるわけでございますけれども、実施状況につきましては、残念ながら都道府県がようやく半分を超える段階になってきた、こういうことでございまして、これにつきましては、なおことし一年をかけて交代制勤務職場を中心にした試行をできるだけ推進する、こういうことを私どもとしては考えております。
 最後にお話のございました、何が問題点か、こういうことでございますけれども、やはり何と申しましても、交代制勤務職場というのは職員のローテーションを組んで勤務をする職場でございますから、これが一日休みが多くなることによってそのローテーションを組みかえていくというのに大変困難を来しているというのが現状ではないだろうか、こういうふうに考えております。したがって、端的に言えば、それは定数の問題もあろうかと思いますし、また組み方の問題、そういうようなことで今までにない組み方をしなければならぬ、こういうようなことが困難な理由、こういうことになっていると私どもは承知をいたしております。
#44
○中沢委員 それで、今部長の方からいみじくも職員問題にも関係をするというお話がありました。私は、かねてから委員会でも何回も指摘をしています。やはり労働時間を短縮するということは、単純に言えば、特に交代制勤務職場のようなところでは定数をふやさなければ短縮できないのですよ。これは自明のことだと思うのですね。ところが、今までの政府の方針あるいは地方行革の方針からいうと言葉は悪いかもしらぬけれども、三ない主義で来ているのですね。三ない主義というのは、あえて言うと、職員はふやさない、予算はふやさない、住民サービスの低下はしない、三ない主義。私はそうではなくて、職員をふやす、予算をふやす、サービスを向上させる、そういう主義に一つはきちっと軌道修正をしなければ、地方公務員、なかんずく交代制職場の労働時間の短縮というのは結果的に絵にかいたもちに終わる、そのことを特に指摘をしたいと思うのですよ。
 特に、平成三年度は消防職員についてかなりスポットを当てまして、交付税措置でも消防職員はふやしていますね。同じような勤務体制の職場が全然手がついていない。僕は消防職員をふやすことがだめだということじゃないのですよ、もちろん。それと同じようなことで、現業だとか福祉だとかいろいろな職場がありますけれども、そういう交代制職場についてどうして横並びで職員の定数をふやそうとしなかったのか、非常に問題があると思うのです。
 もっと言えば、時間があれば育児休業でも申し上げたいと思いますが、育児休業という制度が本格的に入ってくると、休んだ皆さんの代替要員が今までの恐らく一けた二けた違うぐらい必要になってきますわね。そうすると、いや応なしにやはり職員の定数の見直し、これは避けて通れないと思うのですよ。ですから、三ない主義じゃなくて三ある主義に直したらどうですか。どうですか、その辺。もう時間がありませんから……。
#45
○滝政府委員 まず、消防職員の状況について一言申し上げたいと思います。
 消防職員の場合には、勤務体制が三交代制の消防署とそれから二交代制の職場と両方あるわけでございますけれども、そのうち二交代制の消防署が大変多い、こういう問題があります。そういうところではかなり職員のローテーションの中で、現在の労働基準法の改正が週四十六時間から四十四時間に変更になりますものですから、その関係で、特に二交代制のところにつきましてはなかなか組み方が難しい、こういうことでございますので、今回の中でそういう職員の定数問題を考えていただいている、こういう状況でございます。これは、その他の交代制職場と比べますとやはりそういう交代の組み方の状況がやや違うところがある、こういうことで消防職員についてはそれなりの措置を要する、こういうことでございます。
 それから、三ない主義ということで、予算をふやさない、あるいは定数をふやさない、サービスを低下させない、こういうことでございますけれども、サービスを低下させないというのは、これはもう当然の条件でございますから、これはまあ問題ないかと思うのでございますけれども、問題は定数増の問題でございますね。これにつきましては、やはりそういうような問題点があることに着目して恐らく今回の交代制職場における四十時間を目標とした試行をする、こういうことでございますので、それによってどの程度の資料が得られるか、こういうようなことも今後の一つの判断材料ではなかろうか、こう思っているわけでございます。
 しかし、政府として、あるいは地方団体の皆さん方にも、こういう原則を軸にして時間短縮の努力をするということにつきましては、実は昭和六十三年に公務員に関する世論調査を実施してきたわけでございますけれども、それの反応がどうも、国民感情として、こういうような原則をある程度堅持しながら時間短縮を進めていく、こういうような必要性が判断されたものですからこういうようなことで来ているわけでございますけれども、やはり今後のトライアルの資料を踏まえて、私どもとしては、今後とも検討していくべき問題だろう、こういうふうに考えております。
#46
○中沢委員 時間が来ましたからやめますが、いずれにしても、措置権の移譲によっても六百二十人町村段階では人が必要だ。労働時間短縮あるいは育児休業の見合いとしても、地方団体では定数をふやさなければやっていけないのですよ。
 そこのところだけを指摘をして、ちょっと時間をオーバーして恐縮でございますが、質問を終わります。ありがとうございました。
#47
○森田委員長 午後零時より再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時三十二分休憩
     ────◇─────
    正午開議
#48
○森田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。北沢清功君。
#49
○北沢委員 若干のどを痛めておるのでお聞き苦しい点は御容赦いただきたいと思いますが、大臣がお見えになっておりませんので、お見えになったら冒頭、所信をお伺いをしたいわけでありますので、まずその点はお見えになった時点で御質問いたしたいと思います。
 それでは、厚生省はさきに、超高齢社会を目前にして、昨年六月、老人福祉法を初めとした福祉関係八法を一括した老人福祉法等の一部を改正する法律を成立させまして、戦後二十七年ぶりの抜本的な福祉制度の見直しを行いました。私は、今回の福祉制度の見直しを内容とする福祉関係の八法改正は、基本的には時宜を得たものであるという立場に立っております。しかし、この改正も、ヘルパーを初めとしたマンパワーの確保や老人福祉、身障者福祉の措置権の町村への移譲に伴う人員や財源の確保などきめ細かに行われない限り、絵にかいたもちと言わざるを得ないのであります。
 そこで、平成三年度分として今回福祉関係八法の改正に伴い予算上いかなる措置が行われているか、財政措置を明らかにされたいのであります。
#50
○亀田説明員 福祉八法改正によりまして、平成五年度から老人福祉施設などの入所事務が町村へ移譲されるということになってございます。これに伴う必要な財政上の措置でございますけれども、準備事務にも十分配意しつつ、関係省庁とも協議をしながら、平成五年四月までの間に万全の体制が確保されるよう努力をしていきたいというふうに考えております。
 御指摘の三年度の予算措置でございますが、一つは、町村職員の資質の向上を図るための町村社会福祉担当職員特別研修あるいは社会福祉主事養成研修等の研修事業を実施するということで予算措置を講じております。それから二つ目には、郡部の福祉事務所の職員を対象にいたしまして、全国高齢者福祉計画策定担当者研修事業も実施をいたすということにいたしてございます。その他、福祉八法改正の趣旨や内容の周知徹底を図るためのリーフレットの作成費でございますとか、会議費等につきまして予算措置をしている、こういう状況でございます。
 なお、交付税上の職員配置につきましても、準備段階の平成三年度から所要の手当てがなされますよう、関係省庁に要望をしてきたところでございます。
#51
○北沢委員 それでは自治省にお伺いをいたしますが、同様に自治省関係の財政措置はどうなっているか、お伺いをいたしたいと思います。
#52
○小林(実)政府委員 ゴールドプランに関連する予算につきましては、厚生省の方のお話で平成三年度四千二百億、地方負担が千二百であったわけでございますが、これにつきましては財政計画にも組み入れまして所要の財政措置を講じておるわけでございます。
 老人福祉法の一部改正に伴いまして、特別養護老人ホーム等の入所決定権等が平成五年度から町村に移譲されることとされましたために、この措置事務の移譲が円滑に行われますように、また、在宅福祉に関する事務量の増加もございますので、これに対応できますように、厚生省とも意見を交換いたしまして、平成三年度におきましては六百二十人の増員を行うことといたしまして、地方財政措置を講じたところでございます。そのほかのゴールドプラン関係につきましては、その他の交付税措置あるいは起債で対応いたしておるわけでございます。
#53
○北沢委員 六百二十人ということでありますが、全国には一万人以下の町村が千五百一町村、また一万人から二万人規模が七百五十五町村、二万人から三万人規模が二百四十町村、さらに三万人以上が九十四町村と、合計で二千五百九十町村というのが現在の町村の数でありますが、果たしてそれだけの人員で対応できると考えているでしょうか。まず、主管である厚生省に今後の増員見通しを含めてお伺いをいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#54
○亀田説明員 平成三年度の町村に対します交付税上の職員の配置措置でございますが、平成五年度からの措置権移譲のための準備事務あるいは今後の在宅福祉サービスの拡充、こういうようなことを勘案いたしまして自治省に増員を要望していたところでございますが、ただいま御説明ございましたように六百二十名の配置をいただけるということで、私どもといたしましては当面、平成三年度としては必要な職員が確保された、こういうふうに考えておるところでございます。
 今回の福祉八法の改正に伴いまして、今後町村における福祉行政が円滑に進められるということが極めて重要になってくるというふうに考えておるわけでございますが、このために必要な職員の確保については今後とも万全の体制が確保できるよう引き続き関係省庁にお願いをしてまいりたいというふうに考えております。
 なお当面、平成四年度あるいは平成五年度につきましては、町村の事務量等も勘案しつつ、私どもといたしましては平成三年度と同程度の職員増のお願いをしていきたいというふうに考えておるところでございます。
#55
○北沢委員 それでは自治省のお考えはどうでしょうか。また、具体的な六百二十名の措置方法はどういうことになるのか、自治省にお伺いをいたしたいと思います。
#56
○小林(実)政府委員 平成三年度六百二十名お願いしておりますが、これは準備段階から人的養成をする必要があるということで、事務移譲は平成五年度でございますけれども、三年度から措置をすることにいたしたわけでございます。四年度以降につきましても、厚生省の御意見も参酌しながら、また地方団体の事務量の動向等も踏まえながら、措置事務の円滑な移譲や在宅福祉の推進に支障を生じることのないように措置をしてまいりたいと思っております。
 それから交付税上の措置でございますが、今回増員いたしました六百二十名の交付税への算入につきましては、これは町村に対し措置すべき人員でございます。普通交付税につきましては、人口十万の市というものを標準団体にいたしまして算定をいたしておるわけでございます。町村に対する措置は、したがいまして、補正係数の算定を通じまして所要経費を全額措置いたしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、直接関係することではないのでございますが、今度のゴールドプラン関係の厚生省の施策におきましては、在宅福祉サービスというものの位置づけを明確にするとともに、在宅福祉あるいは施設福祉サービスにつきまして市町村への一元化を図るというようなお考えで進めてまいっておりますので、そういう点につきましては私どももまた地方団体も高く評価をいたしておりますので、そういった体制で地域福祉関係の仕事が円滑に実施できるように、財政措置につきましては留意をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#57
○北沢委員 それでは、昨年六月に成立いたしました福祉関係八法の改正にかかわる国会審議の中でも、政府は適切に財源措置を行うことを約束をしています。法案成立後の初年度分の予算措置としては十分なものとは言えませんが、今後とも各市町村で在宅福祉サービスや措置権の移譲、老人保健福祉計画がスムーズに行われるよう、十分なバックアップができるように予算措置をお願いしておきたいと思いますが、どうでしょうか。
#58
○亀田説明員 先生御指摘のとおり、今後における福祉サービスを円滑に推進していくためには、措置権移譲、老人保健福祉計画の策定、あるいは在宅福祉サービスの拡充といった諸要素を総合的に勘案をいたしまして、その円滑な実施に遺漏がないような体制を整備していく、こういうことが必要であるというふうに考えております。こうした観点から、今後の必要な財政上の措置について、今後とも関係省庁と十分御相談をさせていただきながらその確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
#59
○北沢委員 それでは、この法改正施行は、平成五年の四月一日で関係する法施行はすべて具体化されるわけでありますが、この法改正は、平成元年十二月に大蔵、自治、厚生の三者合意のもとにつくられました高齢者保健福祉推進十か年戦略、いわゆるゴールドプランとリンクした形で行われたと理解してよろしいですか。厚生省、どうでしょうか。
#60
○亀田説明員 今回の福祉八法改正の目的でございますけれども、二十一世紀の本格的な高齢化社会の到来を目前に控えまして、住民に最も身近な市町村で在宅福祉サービスとそれから福祉サービス両方を一元的かつ計画的に実施できるような体制をつくりたい、こういうようなことを目的としておるわけでございますが、今回の改正はそういう趣旨でございますので、先生御指摘のゴールドプランの達成に資するものだ、十分関係があるものだというふうに考えております。
#61
○北沢委員 では、ゴールドプランが二〇〇〇年までの戦略という性格からいって、当然、人と財源はふえていくというふうに考えていいですか。
#62
○亀田説明員 先生御指摘のとおり、ゴールドプランの着実な実施を図っていく、このためには特に市町村の役割が重要でございまして、そういう長期的なゴールドプランをにらんで市町村の必要な体制づくりが不可欠であるというふうに認識をいたしてございます。特に今回の改正につきましては、ゴールドプランを踏まえた在宅サービスの拡充のための体制整備、こういうような性格も有しているわけでございますので、これらの業務の円滑な推進が図れますよう、所要の財政上の措置につきまして引き続き関係省庁に要望してまいりたいというふうに考えております。
#63
○北沢委員 なぜ私は人にこだわるかといいますと、私は基本的には福祉は人だと考えているからであります。福祉はすべての施策の対象者が、高齢者であり、障害者であり、そして児童であり、すべてが生きている人なのであります。その人たちに十分なサービスが提供されることこそ先進国の先進国たるゆえんだと言ってもいいでしょう。そのために国として明確な人員確保を行う必要があると考えているからであります。福祉関係八法の改正、そしてゴールドプランの施策、そしてこの間の厚生省の超高齢社会に向けた対応が評価できるものである以上、今後の人員確保、財政措置は十分になされなければならないと考えているからであります。厚生省はどうでしょう。
#64
○亀田説明員 福祉は人なりというお話でございましたけれども、このことは私ども常に念頭に置いておるところでございまして、先生御指摘のとおり、ゴールドプランの着実な実施など今後の社会福祉を推進していく上で、福祉マンパワーの確保、それと同時にその実施に当たる市町村の体制整備が極めて重要であるというふうに認識をいたしております。このために必要な職員や財源の確保につきましては先ほども申し上げましたけれども、今後とも関係省庁と十分相談をさせていただきながら所要の手当てが講じられますよう、私どもといたしましても最大限の努力を重ねてまいりたいというふうに考えております。
#65
○北沢委員 人員、財政の確保に万全を期するということであります。
 そこで、自治省にお伺いをいたしたいと思いますが、いわゆる定員モデルとの関係であります。この定員モデルは、既に三次にわたってそれぞれの規模に応じたモデルが出されていますが、この基本的性格はどういうものなのか、また、これまでの推移はどうなっているのか、お伺いいたしたいと思います。
#66
○滝政府委員 定員モデルでございますけれども、これは基本的には、市町村が職員定数を算定する場合の基本となる数字をどうやって出すかというところから発想いたしているわけでございます。例えば、人口別に職員の定数をあらかじめ決めておくという手法もあるのでございますけれども、そういたしますとどうしても市町村によってその基準が該当しない例がたくさん出てまいります。例えば、保育所が直営であるかあるいは民営であるかという違いによって保育所関係の職員が違ってまいりますし、また、ごみの収集が直営であるかあるいは委託であるかによってもごみ関係の職員数が違ってくる。こういう問題もございますものですから、今回の定員モデルと申しますのは、職員の数に大きな影響を持つであろうと思われる数種類の数字を数学的に算出いたしまして、いわば全国的な見地からの平均数値を出したというのがこの定員モデルでございます。
 したがって、一言で言ってしまえば、全国的な数値から見た一つの平均的な定員数、こういうことになるわけでございまして、私どもは、実際の市町村が自分のところの職員数の多い少ないを判定する一つの有力な物差しの一つであろう、こういうようなことで、その利用のために開発したものというふうに考えているわけでございます。
#67
○北沢委員 また、数年に一回程度見直しを行う等ということになっていますが、次回はいつなのか、お聞きをいたしたいと思います。
#68
○滝政府委員 現在のモデルのうち、都道府県の分は平成元年に作成いたしました。また、町村のモデルは平成二年に作成いたしたものでございます。したがって、私どもは数年に一度ずつ都道府県あるいは市町村のモデルを改定していく必要があると考えておりますので、それぞれ二、三年置きぐらいにはこのモデルを改定してまいりたい、こういうふうに考えております。
#69
○北沢委員 それでは、昨年成立した老人福祉八法の改正によって、九三年度には市町村に老人や障害者に対する在宅サービスの実施及びこれらを含めた老人保健福祉計画の策定などが義務づけられるが、在宅サービスの費用負担が、国が二分の一、都道府県四分の一、市町村各四分の一とされ、この自治体負担分については地方交付税の増額によって全額補てんされようとするとの説明でありましたが、この点については間違いがないかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。
#70
○小林(実)政府委員 御質問がございました町村への事務移譲、それから在宅福祉事業につきましては、法律上明確に位置づけられるということになりまして、これらに関連いたしましての経費でございますが、厚生省におきまして所要の国庫補助負担金を確保していただくとともに、その地方団体が必要とする一般財源所要額につきましては、地方交付税によって適切な財源措置を行ってまいりたい、市町村における事業実施が円滑に行われるように対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#71
○北沢委員 それでは、市町村が老人保健福祉計画の中で自主的に決める在宅サービスの質と量によって必要経費が大変に違いが生じるわけでありますが、これはどのように多くともその二分の一を国が負担しようというのか、それとも、財政上の支援対象となるサービスの質や量に基準、標準とかそういうものを設定をするのかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。
#72
○中村説明員 平成五年度から策定されることになります市町村の老人保健福祉計画との関連についてのお尋ねでございますけれども、私どもといたしましては先般老人福祉法等が改正されまして、御指摘のとおり平成五年度から市町村と都道府県で老人保健福祉計画というものを策定していただくことになっております。その中で、市町村に対しましては、どういうサービスが必要であるかという地域のニーズを十分把握した上で、ニーズに応じたサービスの目標量等を設定していただくこととしております。
 なお、法律上は、その計画の策定に当たりまして、国として参酌していただく標準というものはお示しすることになっておりますけれども、そういう計画策定作業を通じて市町村がお立てになりました在宅福祉サービスの計画につきまして、必要な助成というものにつきましては行ってまいりたい、こういうふうに考えております。
 もちろん、そのようなことはないと思いますが、どう考えましても過大なニーズの見積もりとか、そういうようなことがあるようでありますと問題でございますが、法的にはまた、市町村が都道府県の方と御相談してその辺も計画策定をする、また都道府県の方は広域的な観点から市町村の計画を達成するために都道府県計画をつくるというふうになっておりますので、都道府県の計画と市町村の計画が同時並行的につくられるというようなこともありますので、合理的な計画をつくっていただけるものと確信いたしております。
#73
○北沢委員 それでは、大臣がお見えになりましたので、冒頭御質問をいたすところですが、大きな観点からひとつ御質問をいたしたいと思います。
 日本は今、歴史上いかなる国も経験したことのないスピードで超高齢化社会の道を進んでおります。特に人口の高齢化は、ピークを迎える二〇二一年には全人口の約一億三千五百万人中、いわゆる六十五歳以上の高齢者人口は約四分の一の約三千二百万と予測されておりますが、さて、こうした情勢の中で、まず自治大臣に対してお伺いをいたしますが、自治省として今後地方財政計画上いかなる方針で対応するおつもりなのか、その考え方を明らかにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#74
○吹田国務大臣 先刻来失礼いたしました。御了承いただきましてありがとうございました。
 ただいまの御質問でありますが、自治省といたしましては、これからのそうした問題を大きな意味でとらえております。したがいまして、財政的な問題につきましてはそれなりにその重要性を認識して進めていかなければならない、地方公共団体の財政負担というものができるだけ大きな負担にならないように財政的な浮揚を与えていく、こういうことで今後も努力していかなければならぬ、こう考えております。
#75
○北沢委員 わかりました。
 それでは、ホームヘルパーに対する問題について若干お尋ねをいたしたいと思います。
 ホームヘルパーに対する人件費補助単価、例えば介護中心の場合、九一年には年額二百五十二万五千三百四十四円と理解をしておりますが、これについて、賞与であるとか期末手当であるとか退職手当などが含まれていないのはなぜであるか、また、このような定額方式を見直す考えはないかどうかについてお尋ねをいたしたいと思います。
#76
○中村説明員 ホームヘルパーの人件費に対する御質問でございますけれども、ヘルパーの人件費に対します国の補助についてでございますけれども、今先生からお話がありましたように、昭和三十七年度に国の補助制度が創設されて以来、沿革的な理由もありまして、ホームヘルプ業務自体に着目して手当を補助するいわゆる定額の手当方式が採用されてきておるところでございます。したがいまして、内訳というようなものがございませんので、御指摘の賞与等というものが積算の根拠になっていないというので含まれていないと言ってよろしいかと思います。
 なお、このホームヘルパーの補助基準額につきましては、従来から人事院勧告による公務員の給与アップ等の率により毎年改善を図ってきておりますほか、平成元年度におきまして介護中心型とした手当というものを創設いたしまして、従来の手当に比べて五〇%増の介護中心型の手当などが導入されてきておるところでございます。
 先生の御質問にございました定額の補助方式を見直すべきではないかという点でございますが、私ども、先ほど来お話に出ております高齢者保健福祉推進十か年戦略を達成してまいりますためには、マンパワーの確保というものが最も重要な課題であると考えておりまして、このため厚生省内に保健医療・福祉マンパワー対策本部というものを設置して鋭意検討を重ねてまいりましたが、去る三月十八日に本部の中間報告を出させていただいて一区切りをつけて、今後のマンパワー対策確保、マンパワー対策のための取り組みをお示ししているところでございますが、この中間報告におきましても、国の補助が定額の手当方式となっており、いろいろ経験が反映された補助基準となっていない等の問題がございまして、ヘルパーさんの処遇について十分に対応できないなどの限界あるというふうに私どもも考えておるところでございまして、今後、ヘルパーを確保する観点から勤務実態等十分にまず把握させていただきまして、その実態に応じた処遇というものを考えさせていただきたいと思っております。その際、補助のあり方についても、当然のことでございますがあわせて検討させていただくことになると考えております。
#77
○北沢委員 去る三月十八日に発表されたわけでありますが、厚生省の保健医療・福祉マンパワー対策本部中間報告がございますが、ホームヘルパーの給与について、ホームヘルパーの常勤、非常勤の別その他ホームヘルパーの実態に応じた給与体系のあり方を検討する必要を指摘をしております。これは賞与、期末手当などを含んだ常勤のホームヘルパーを予算上明確にする方向と理解をしておりますが、いかがでしょうか。
#78
○中村説明員 ただいま先生がお触れになりました、先ほど申し上げました対策本部の中間報告におきまして御指摘のような記述があるのは事実でございます。
 そこで、ホームヘルパーについてでございますが、実態を申しますと、大変多様な勤務形態になっております。
 例えば所属形態で申し上げましても、市町村に採用されている方たちが約四割でございます。残りの六割の方が、市町村の社会福祉協議会でございますとか、あるいは介護施設である特別養護老人ホーム、ここは介護マンパワーの拠点になっておりますのでそこに所属されてそこから派遣されるというような形、あるいは最近、首都圏、近畿圏中心に、都市部を中心に非常に伸びてきておりますが、市町村が第三セクターをつくられまして、福祉公社、何とか市ホームヘルパー協会とか、そういう第三セクターの福祉公社にホームヘルパーさんを集められ、そこから派遣される形態、あるいは市町村によりましては、民間の事業者で質のよいホームヘルパーを派遣される、これはシルバーサービスマーク適合事業者と呼んでおりますが、そういうところに委託してホームヘルパーの派遣をお願いしているところもある、こういうふうに、所属形態としても年を追うごとに多様化してまいっております。
 また、勤務形態につきましても、正規の職員と申しますか、フルタイムのヘルパーの方から本当に時間給のヘルパーの方まで多様なものとなっております。
 そこで、本部報告でもございますように、多様な勤務形態を踏まえて、適切な処遇方策、給与体系等を構築してまいりたいと思っております。
 したがいまして、お答えでございますが、ヘルパーの実態の詳細につきまして現時点では必ずしも十分に把握していない面もございますので、まず実態について十分把握をさせていただきまして、その実態に応じましたホームヘルパーの処遇のあり方というものを検討させていただきたいというふうに考えております。
#79
○北沢委員 人材確保のために、非常勤であっても実働時間に応じて常勤と同一の賞与、期末手当などを確保すること、それから、継続雇用者のうちに希望する者については常勤職員に優先的に採用するなど、今も言われましたが、検討を急ぐ必要があると思いますが、どうでしょうか。
#80
○中村説明員 ホームヘルパーにつきましては、先ほどもお答えいたしましたけれども、今後その実態に応じました処遇のあり方について検討させていただきたいと思っております。非常勤のヘルパーさんにつきましても、そのあり方につきまして、常勤のヘルパーさんが片一方の極にはおられますので、問題とあわせまして検討をさせていただきたい、こういうふうに思っております。
#81
○北沢委員 私はここで、先ほどこの問題のやはり大きな考え方であるとか、そういう面について私も主張したわけなんですが、このことが実は先ほど中沢委員さんから御指摘がありましたように、きょうの朝日の論説にあります「福祉の充実に長野市の挑戦」という、先ほども話があったわけでありますからあえて申し上げませんが、しかし、この中で非常に重要なことが私はあるというふうに思うわけです。
 いわゆるホームヘルパーというものの地方におけるとらえ方というものが、日本の家族は他人にのぞかれるのを嫌うとか、そういうホームヘルパーという制度はなじまないのではないかというような意味で不熱心な自治体もあるわけであります。これは自治省の考え方にもあると思いますが、そういうことがやはり職員の待遇を通じて質の上でも、人間の──例えば福祉大学を出た方が来るとか看護婦さんが来るとか、非常にいわゆる質の高いホームヘルパーが、一生の仕事としてこれをやろうという意欲に燃えた人が多いわけで、そういうものが確保されてきているということがこの新聞論調で明らかになっております。ヨーロッパなどは、特に北欧では、日本のゴールドプランの何倍ものヘルパーが活躍をし、またそのすべてが市町村の正職員であるというふうに言われております。どうかひとつ、ヘルパーの人件費は財政上軽い問題ではないというふうに思いますけれども、「自分たちの周りに福祉社会を築くのだという固い決意があれば、それが可能な環境は、整ってきている。」ということをこの主張でも述べておりますし、また、「人の命や人生を託す大切な職業を正当に評価するというまったく当たり前のことをしたにすぎない。これがまだ「例外」になっているところに、日本の福祉の貧しさがある。」というふうに言い切っております。私は全くそのとおりだというふうに思いますので、今の早急に検討をするという検討をひとつ早めていただいて、私としては、そういう面で、これからの人手不足なり人材不足に悩むマンパワー確保について、一層ひとつ積極的な御努力をお願いをいたしたいということを要望しておきます。
 それでは、最近の看護婦不足の問題について触れていきたいと思います。
 この看護婦不足は非常に深刻になりまして、今全国では五万人も不足をしているんじゃないかといわれておりまして、各地で私立病院を中心にして病棟の閉鎖ということが非常に多くなっております。これは当然予測されたことなんですけれども、その持っている看護婦の皆さんの職務内容というものが、三Kというような形で非常に厳しいものになっているということもありますし、また、最近の一般的な雇用の状況というものが週休二日制というような形で、そういう志向を持っているわけでありますから、看護婦さんといえども、月八日という夜間勤務ばかりではなくて、実態というものは十日以上ということで、看護婦さんが不足すればするほど過重な負担になってくる、それから、看護婦さんの仕事も本当の意味で理解をされなくて、もう機械的なものにならざるを得ないというような状況になっていると思うわけです。そして、そういうようなことが緊急な政治の大きな課題になっているのが今日の看護婦不足であろうというふうに思います。
 そういう中で、基準看護料など診療報酬の引き上げが必ずしも看護婦さんの給与改善をもたらすとは限らない。また、民間準拠を原則とする以上、公務員給与における看護婦職を思い切って引き上げることも困難であろうというふうに思うわけであります。そこで、現行の義務教育諸学校の教育職員を対象とした人材確保法や、この国会において労働省が提案した中小企業労働力確保法などを参考にしまして、看護介護職員人材確保法といったようなものを研究する用意があるかないか、その点についてお尋ねをいたしたいと思います。
#82
○佐野説明員 お答えいたします。
 確かに先生が御指摘のように、これからの高齢化社会を迎えまして看護職員等の確保、大変難しい情勢を迎えておることは事実でございます。
 そのようなことから、私どもといたしましてはいろいろな施策を通じて、看護職員を初めとした保健医療福祉のマンパワーの確保に努力してまいりたい、こう考えておりまして、先ほども老人福祉課長の方からお答え申し上げましたように、先般、マンパワー対策本部の中間報告も出したところでございます。また、その中でもいろいろと看護職員の処遇改善あるいはその社会的評価の向上等をうたっているところでございますけれども、また今先生御指摘のような人材確保の法案などにつきましても、今後の検討課題として検討すべきであるというような提言もいたしているところでございます。
 いろいろと難しい点はあろうかと思いますが、いろいろな手だてを講じまして、このような看護職員の人材確保につきましては努力をしてまいりたいと思っております。
#83
○北沢委員 私は一つの提案をいたしたいと思うのですが、なかなか働きに出たくても働きにくい女性や高齢者が保健医療福祉の職場に活用できるようにするために、例えば短時間勤務や勤務時間の選択を可能にするような制度が必要だと思うわけであります。その第一歩として、安定した短時間雇用の普及を図るため民間におけるパート労働法が必要なように、またこれは公務員においても新たに、介護、看護など幾つかの職種に限って、短時間公務員制度というものが必要だと思うわけでありますが、この点についてはどのようにひとつ考えておられるか、研究をされているか、お尋ねをいたしたいと思います。
#84
○滝政府委員 一般論として申し上げますと、今おっしゃいましたようにフルタイムじゃなくて短時間の勤務形態、あるいはフレックスタイムと申しますか選択制の勤務時間制度、こういうような点が現行の公務員制度には欠けているわけでございまして、私どもは、そういうような制度というものはやはり何らかの格好で検討をすべきじゃないだろうか、こういうような時期に来ている、こういう認識を持っておりまして、この点につきましては、年金制度との問題等若干の問題があるわけでございますけれども、十分に検討をしてまいりたい、かように考えております。
#85
○北沢委員 私は先ほど長野市の問題を取り上げたのですが、私も長野県の出身でありまして、看護婦不足というものの実態がどういうような形でその地域で深刻な状況になっているかということは、これはやはり現地の声をこの際各省各大臣にも聞いていただきたいと思いますし、また、今私が短時間労働も含めて申し上げたことも裏打ちがされるのではないかというふうに思いますが、あえて私は、今度は余りよくない話ですが、申し上げておきたいと思うわけであります。
 病院には公立病院がございます。公立病院は最近、特に県営の場合は赤字になりまして、赤字の批判を恐れてかどうかは知りませんが、成人病協会というような、いわゆる私と言ってもいいと思いますが、そういう分野のところに経営移管をするという形がとられております。これは定員法等の問題もあるわけでありますが、私が取り上げたいのは、たまたま松本市に長野県がん検診救急センターというのがございます。救命救急センターといってもいいと思いますが、ここの病院は先ほど申し上げるような県立ではございません。県という文字はありますが、長野県における第三次医療で、いわゆるがんの検診のほかには、今日非常に生命を脅かされる不慮の事故や心疾患であるとか頭部出血疾患であるとか、そういうような非常に救急な医療が突然発生をしておるわけでありまして、患者やまた家族や関係者が非常に大きな苦しみを持っているわけでありまして、いわば地域医療の最後のとりでだろう、私はそう思っております。
 その病院、私もよく存じておりますが、十九ベッドで、そのうち五がICUでございます。それで、そこで看護婦さんが二十人ということでありますが、その二十人のうち最近三人がやめていかれたわけであります。そうしたところが、今まで十九床あったのが、どうしても看護婦不足のローテーションとかいろいろな関係でもう五ベッドしか仕切れないわけで、あと全部お断りをするということになるわけでありますから、非常に熱意のあるお医者さんや、部全体の熱意があるのですが、たったの三人の看護婦さんが不足したために全くその機能を発揮しない、救急病院としての機能を発揮しないという、そういう極めて深刻な状況が出ております。
 看護婦さんの今のこの状況というものは、いろいろ今まで需給見通しというのをとっておりますが、これはもうこれからの計画ではなくて、既にもう深刻化しているという状況の中で、一番緊急に取り組まなければならない仕事であろうというふうに私は思います。その内容が、先ほど申し上げるように、きつい、汚い、危険である、また休暇もとれない、給料が安い、子供が生めない、結婚をできない、いわゆる七Kといわれるのが看護婦さんの状況であろうと思います。これからますます高度医療が必要とされるときに、例えば脳外科の分野をとってみても、たまたまクモ膜下出血なり脳出血があってそこで適切な処置をとれば、今はもうほとんど介護を要しない、もう普通人のように返るわけでありますね、早く処置さえすれば。ですから、これは国の介護だとかいろいろな面も含めて、これからの老人福祉の中で非常に重要な医療処置であろうと私は思うわけでありますが、そういうことが十分にできないということになると、これは非常に大事な問題だろうというふうに思うわけであります。ですから、そういう面についてぜひ、何といいますか──薬剤師さんも検査士も不足ということですね、夜間ですから、突然来ますから。
 ですから、そういうところにおいても、私が先ほど申し上げたような、例えば短時間の公務員制度というような形でされるということになるとするならば、この問題も私は解決するのではないかというふうに考えるわけですね。ですから、そういうことを含めてこれから看護大学等をつくって看護婦の地位また質の高さというもの、それから看護婦さんという名前も、これも考えなければいけない面もあると思うわけでありますが、これらも含めて、実態ですから、きょう厚生省関係の皆さんにもお伺いをしたいわけですが、たまたまこれらは自治省のかかわりのある地域医療の問題でありますから、大臣からこれらについて御答弁をいただけたらというふうに思いますので、いかがでしょうか。
#86
○吹田国務大臣 急なお尋ねでありますが、看護婦さんの問題につきましては、ただいま先生のお話をずっと伺っておりましてまさにそのとおりだと思っておりますし、確かに相当看護婦さんの不足という問題が出ておりますし、また給与の面におきましても、個人の医療機関における看護婦さんなんかの給与というものもかなり問題がある面も出ておるように伺っております。
 しかし、いずれにしましても、私は、看護婦さんの地位の向上あるいは看護婦さんの処遇改善、こういった問題をしっかりとやっていかなければならないと思っておりますし、今お話がありましたように、現在の看護婦さんのお仕事からいき、また、これからの患者に対する今日の看護婦さんのお仕事等を考えますと、看護婦さんという名前が、そういう呼び名、そういう固有名詞で呼ぶことが適当であるかどうかというふうにすら思っておるわけでありまして、むしろこの呼び名もある意味においては少し改善をしていくべき必要があるのではないか、あるいはさらに高度な質を向上していくという面についても検討すべきではないかなというような気持ちを持っておるわけでありまして、こういう点につきましても、今後また関係の厚生省あたりともよく協議をしながらこれからの改善策というものを進めていきたい。
 特に、自治体病院を持っております我が省といたしましては、関係省庁としましては、十分ひとつ関係自治体にもお話を進めていき、財政的な面につきましても、また勤務条件につきましても、この辺についての改善を図っていくべきところは改善を図れるような対応をしていきたいものだ、かように思うわけでございまして、急な御質問でありましたので当を得ておりませんかもわかりませんが、私の感じを率直に申し上げた次第であります。
#87
○北沢委員 どうもありがとうございました。
 それでは、この点についてはひとつそれぞれの機関で緊急な御調査をいただきたいと思うわけであります。
 それでは、先ほど定員モデルについて見直しの時期に来ているとのことでありますが、地方自治体に行きますと、今回福祉八法の改正によって、市町村で、福祉施設サービスと在宅福祉サービスが一体のものとなった、今までやっていなかった老人福祉と身障者の措置権が市町村にあるようなことになったわけであります。しかも、定員モデルによると、指導が厳しいので大変だという声をよく聞いております。
 そこで、先ほどの話にもありましたように、今後確実に人はふえていくわけでありますから、当然、今回見直しの中で市町村にかかわる分について、その分を見込んだ定員モデルを考えてはどうでしょうか。また、ゴールドプラン策定に自治省もかかわっているのでありますから、定数モデルの見直しに当たっては厚生省ともよく相談をすることが必要であると思いますが、その考え方はどうですか、お尋ねをいたしたいと思います。
#88
○滝政府委員 市町村への新しい権限移譲に伴って、現在の定員モデルについて見直しを図るべきだ、こういうような御見解でございます。
 これにつきましては、現在の定員モデルがいわば実績をもとにした数学的な平均値を求める、こういう手法ででき上がっております関係上、あらかじめ政策的な意図を持って現在の数値に上乗せをしていく、こういうような手法がなかなか難しいわけでございます。結果的には、数年後に改定をいたします場合には、既に市町村で相当数の権限移譲に伴う定数増があるわけでございますから、そういうような定数増を反映したモデルが次の改定時期には織り込まれる、こういうような考え方を私どもとしては考えているわけでございます。
 したがって、現実にこのモデルを指標としてお使いになる市町村は、新しい行政需要に応じた増員、あるいはマイナス要因、こういうものをモデルにプラス・マイナスしてお考えいただく、こういうことで一つの標準的な平均値というような、あくまでもそういう利用法としてお考えいただく必要があるのではなかろうか、こう思っております。
 したがいまして、二番目のお話でございました厚生省との相談の問題でございますけれども、私どもも定数モデルの実際の運用に当たりましては、現実にどの程度の人員が増加していくかということについては大変深い関心を持っているわけでございますので、現実に定員モデルの運用に当たりましてそういう厚生省の考え方などを参考にさせていただく、こういうような考え方を持ってまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
#89
○北沢委員 それでは次に、福祉事務所に関してお尋ねをいたしたいと思いますが、福祉事務所の現在の設置状況はどうなっておりますか。
#90
○亀田説明員 平成元年六月の数字でございますが、全国の福祉事務所数は一千百七十九カ所でございます。その内訳でございますが、都道府県設置のものが三百四十カ所、それから市が設置している事務所、これには東京都の特別区を含んでおりますが、八百三十六カ所、それから町村で設置している事務所が三カ所でございます。
#91
○北沢委員 それでは、全国に千百七十九カ所設置されているということでありますが、この中で、生活保護の件数はこの間どういうような推移を見ておりますか、お尋ねをいたしたいと思います。
#92
○炭谷説明員 最近の被保護人員の動向につきましては、昭和五十九年度後半以降、依然として減少傾向で推移しております。最近の数値で申しますと、平成二年九月現在で百一万一千人となっておりまして、保護率もそれに伴いまして低下し、平成二年九月現在でこれまでの最低の八・二パーミリ、つまり千人につき八・二人という数値を示すに至っております。
#93
○北沢委員 減少傾向だということでありますが、では、個別のケースではどうなっているでしょうか。
 よく現場のケースワーカーの方などからお聞きをいたしますと、ケースの内容が複雑化をし、かつ、生活保護を受けるに至る経緯が多様化をしている、また、被保護者に対するプライバシーの問題の保護等十分配慮をせざるを得ない状況となっているやに聞いております。また、余りプライバシーのことを細かに聞くものですから、特に離別した若い子供持ちの女性などは、こんなことなら生活保護を受けないというふうに、せっかく受けられる資格がありながら受けられない方もおるわけでありますが、これらを含めていろいろと状況が複雑化をしているというように私自身も聞いていますが、厚生省はどのようにこれを把握をしておりますか、お尋ねをいたします。
#94
○炭谷説明員 最近の保護の受給者の状況を分析いたしてみますと、高齢者の方々を中心にいたしまして傷病や障害者などの生活上の何らかの障害を有する方の世帯の割合が増加いたしております。これらの方々に対しましては、日常の生活実態を十分把握する、また関係機関等の御協力を得るというような対策が必要でございまして、多様なこのようなニーズに対しましてよりきめの細かい援助が必要であると認識いたしております。
#95
○北沢委員 それでは、保護件数は減少はしておるけれども現場のケースワーカーの業務は一概に減少しているわけではないと考えてよろしいですか。
#96
○炭谷説明員 先ほど御説明申し上げましたように、世帯類型を見ますと高齢者を中心に生活上の障害を有する世帯の割合が増加いたしておるわけでございます。これらの方々に対しましては、ケースワークに当たってはよりきめの細かい配慮が必要であろうと考えております。このために厚生省といたしましては、処遇の充実がより図られますよう、今年になりまして、ケースワーク事例検討集というようなものの作成を行うなどしまして、実施機関に対しまして指導いたしているところでございます。
#97
○北沢委員 それでは自治省にお尋ねをいたしますが、市の福祉事務所の職員配置についてですが、平成元年度にはトータルで二十二名、特に現業者が十八名配置されていたものが、平成二年度には二十一名、現業者は十七名と一名減となっておりますが、これはどういうことでしょうか。
#98
○小林(実)政府委員 御指摘のとおり普通交付税の算定上、市分の福祉事務所の職員数につきましては平成二年度におきまして二十二人から二十一名に一名減員をいたしております。これは、最近の被保護世帯数の減少を勘案し、社会福祉事業法等、法令の規定をも考慮して職員数を見直したことによるものでございます。
#99
○北沢委員 それでは次に県の福祉事務所について伺いますが、現業員について平成元年度職員配置で百三十七名、二年度で百二十七名となっていますが、これはどういった職種の現業員を減じたのでしょうか、お尋ねをしたいと思います。
#100
○小林(実)政府委員 県分の生活保護費の中で、現業員につきまして平成二年度において百三十七人から百二十七人といたしたわけでございますが、これは被生活保護世帯数の推移、関係法令の規定に基づいて職員数を見直したものでございまして、生活保護関係を八十人から七十一人に、その他五法関係を五十七人から五十六人にいたしたものでございます。ただ、このような見直しを行いながらも、生活保護費全体といたしましては事務職員等を含めまして二百人のまま据え置いたところでございます。
#101
○北沢委員 それでは、県事務所の職員配置でありますが、平成二年度で二百人の配置がされておりますが、過去十年その配置状況はどうなっているのか、生活保護と五法ワーカーの内訳はどうなっているのか、さらにお尋ねをいたしたいと思います。
#102
○小林(実)政府委員 五十六年から平成元年まででございますが、生保の関係で八十名、五法関係で五十七名、全体で二百名ということで来ているわけでございまして、二年度に先ほど申し上げましたようなことにいたしておるわけでございます。
#103
○北沢委員 次に、では平成三年度についてはどのように考えておりますか。
#104
○小林(実)政府委員 平成三年度の地方交付税におきます生活保護現業員、五法担当現業員の数につきましては、被保護世帯数の減等を勘案し、県分につきましては生活保護現業員を三名減の六十八人に、五法担当現業員は前年どおりの五十六人といたしております。また市町村分につきましては、生活保護現業員七人、五法担当現業員は八人とそれぞれ前年と同数といたしております。
#105
○北沢委員 なぜ現業員で百二十四名、トータルで三名減となっているか、もう一度お尋ねをしたい。
#106
○小林(実)政府委員 普通交付税の算定内容につきましては、法令の規定等に従うとともに、そのときどきの実態を反映するよう見直しているところでございます。生活保護関係職員数につきましても、今回、被保護世帯数の減少状況、法令の基準を勘案いたしまして見直しを行い、激変を避けながら三名の減員を行ったものでございます。
#107
○北沢委員 このペースで行くと平成三年度分では全国で何人ぐらい減員になるのか、お尋ねをしたいと思います。
#108
○小林(実)政府委員 平成三年度では全国で百三人の減となるものでございます。
#109
○北沢委員 今まで十年間にわたって生活保護件数の減少があったにもかかわらず、三年度で三名減というのはおかしいのではないでしょうか。一概に業務が減ったということではないということであれば一考を要するのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#110
○小林(実)政府委員 単位費用の作成に当たりましては、これまでも申し上げましたとおり、法令の規定や実態に即応するように見直しを行うべきものと考えております。ただ、御指摘のような事情もあり、被保護世帯数の減少に合わせまして職員数を急激に減らすことが困難な場合もあるということを考慮いたしまして、減員を三名にとどめます激変緩和措置を講じたところでございます。今後とも地方団体の実態等を勘案し、適切な交付税の算定に努めてまいりたいというふうに思っているわけでございます。
#111
○北沢委員 私は生活保護費が減っているということは考えられることでありますが、まだまだ地域の実態等をケースワーカーの皆さんが正しく把握をしていただいて、本当に救っていただく方は救っていただかなくてはいけないわけでございます。生活保護は憲法二十五条の精神の具体化のためにあるものでありまして、今後ともその人員の配置、また取り扱いについては特に慎重であるように要望して、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#112
○森田委員長 遠藤登君。
#113
○遠藤(登)委員 一つは、白書のあり方について御質問させていただきますが、時代の変化によって地域の実情が非常に大きな変化を遂げているというのは御案内のとおりであります。したがいまして、特に社会資本の整備とか、高齢化社会の問題とか、国際化とか、情報化の問題等については、一定の白書における指摘がなされているわけでありますけれども、特に過密過疎、御案内のとおり地方は大変な過疎の状況にあるわけでありますが、これは国策上からも国土の均衡ある発展の上からも極めて重大な問題だと思うのであります。そういった点について白書では、実情とか問題点とか対策とかそういうものについて具体的に触れていないというのはちょっと問題があるのではないか、こういうふうに思うのであります。
 農業センサスの調査でも御案内のとおり、ここ五年間に特に山村を中心として三万三千もの集落が日本列島から消えた、これはもう大変な問題なのではないだろうかというふうに思うのであります。これらに対する歯どめ策ということも大変な問題だと思いますが、こういう点についての国としての現状把握なり、あるいはその対策などについても、これは総合的な分野にわたる部分があろうかと思いますが、この点についても重要視して配慮をしていく必要があるのではないか、こういうふうに考えるのでありますが、その点に対する考え方をお聞かせいただきたい。
#114
○小林(実)政府委員 地方財政白書についてのお尋ねでございます。
 地方財政白書は、主として地方財政の決算をもとにいたしまして、財政分析というところに主眼を置いております。また、財政問題でございますので、数表あるいは数字の羅列が非常に多くて、またしかし一方では、決算内容につきましては、財政の状況がどうなっているか時系列で見ることが極めて肝要でございまして、そういう意味で大変たくさんの資料も添付されておるわけでございます。
 御指摘の点につきましは、地方財政ばかりでなく、国も含めまして、また他の省庁も含めましての大きな問題であろうかと思います。私どもも御指摘の点は十分わかるわけでございますが、この中でも、従来から比べまして、例えば白書の最後の点におきまして、活力に満ちた地域社会の形成を今後図る必要があるということで、不十分かもしれませんが、地域経済の活性化と安定的な地域経済基盤の確立への対処が課題であるというようなことで若干触れもいたしておるわけでございます。
 自治省といたしましては、そのほか、二、三年前から、自主的、主体的な地域づくりの推進が必要であるということで、地方団体自身が、自分で考え仕事をする、事業をする、それに対して支援するシステムをつくりまして大いに応援をいたしております。その点につきましても触れておるわけでございまして、問題意識は奥に持ちながら、表現といたしましては不十分かもしれませんが、今申し上げましたようなことから若干は触れておるつもりでございまして、御理解をいただきたいというふうに思うわけでございます。
#115
○遠藤(登)委員 地方のいわば重要な課題、実態、それに対する対応、方策などについても、これは財政問題とも関連をして掲記をしていく必要があるのではないか。
 それから、この白書は大体三月末ごろ、これはいろいろ大変だと思いますが、もっと早い時期に公表して、地方議会でも十分審議の参考にできるというような体制をつくっていく必要があるのではないか。言い方によっては議会軽視じゃないかというような話なども地方の段階でも出ているということがありますので、総合的にいろいろ大変だと思いますが、もっと国会審議や地方議会でも十分審議の参考として審議に付されることができるという体制でこの白書の発行を早めるという手だてを講じていただきたいと地方からも強い要請があるわけでありますが、その点について、今後の対応でありますけれども、お聞かせをいただきたい。
#116
○小林(実)政府委員 白書につきましては、昭和二十六年の五月以降、報告をするということになりまして、毎年度作成されまして国会に報告されておるわけでございます。何せ三千三百の地方団体からの決算報告に基づきまして集計するものでございまして、それに対しまして分析を加えるということで、都道府県分につきましては十一月にまとめ、市町村分につきましては一月末ごろに取りまとめが完了いたすわけでございまして、各地方団体におきまして当初の予算案を議論するときには、それぞれのものにつきましては私ども小さいなりに報告をしておりますので、その資料を参考にしていただければいかがなものか、こう思うわけでございます。
 それから、私どもといたしましては、団体間の重複等を調整した上で地方財政全体の純計額が算出されるわけでございまして、分析、印刷、それから、白書につきましては各省庁にも協議をいたしまして出すというような手続を踏んでおりまして、御指摘がございましたけれども、この白書、今出しておりますものにつきまして報告の日時というのを繰り上げることは困難であるというふうに考えておるところでございます。
#117
○遠藤(登)委員 それぞれ大変だと思いますが、なるべく早く出すように強く要請をしたいというふうに思います。
 それから、白書では、普通会計、公営企業会計、国保会計、老人保健会計など、それぞればらばらな状況があるわけでありますが、一見して自治体像がわかるような白書の内容に改善をする必要があるのではないかというふうに思いますけれども、これは強く要請を含めておきたい。
 それから、地方財政の実態がもっと具体的にわかるように、資産とか起債とか資本金なども含めて、あるいは貸借対照表などもできれば加える、そして、減価償却なども含めて、資産の評価のあり方の一定の基準などもつくって、一見して自治体像が全体的にわかるような、そういう白書に改善をしていく必要があるのではないか。
 それから、自治体のいわば出資法人が急増している。これはまさに自治体の代行機関であるという立場からも、この財政状況なども明らかにしていく必要があるのではないか。
 こういうふうに、要望を含めてでありますけれども、白書作成の改善方についてどのようなお考えに立っていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたい。
#118
○小林(実)政府委員 地方財政白書につきましてもう少し、たくさんあります会計につきまして一括して全体像がわかるようなものができないかとか、あるいは、普通会計につきまして公営企業的な視点からの分析を加えたものができないか、それから、ふえておりますいわゆる地方公社につきましても記述ができないかというお話でございます。
 地方団体の事務につきましては、大きく分けまして、税負担原則の普通会計と、それから独立採算制で企業会計で行います公営企業会計がございますし、その他の事業会計もございまして、それぞれの会計経理につきましての原理原則が異なっておりますので、単一の会計で処理をするということにつきましてはなお検討すべきものが多いわけでございまして、従来から普通会計と、それとは異なる公営事業会計という分析をいたしておるわけでございます。地方財政白書では、それぞれの会計につきまして、種々の財政指標をもとに会計ごとに分析を行うようにいたしておりますので、その点は御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 それから、普通会計につきまして、特にフローばかりでなくストックの状況とか分析をできないかということで、これは地方団体の関係者が研究したものもございますが、なおまだ今後研究の必要があるところがございまして、これはなかなか一挙にはいかないという感じがいたすわけでございます。
 それから、いわゆる地方公社につきましては、別途三年ごとに地方公社の数あるいは出資金の額等々調べまして、これも分厚い資料になりますが、それで公表をいたしております。
 現時点におきましても地方財政白書は、非常にボリュームが多いし数量が多いものですから、もう少し思い切った改善もできないかというような御指摘も受けておるわけでございますが、一面、先ほど申し上げましたように、財政分析につきましては、時系列でやはり同じ資料で傾向を見るということが極めて重要なことでもございますので、今のままでいいというふうに決して思っておるわけではございませんけれども、御指摘がありましたことにつきましては十分頭に置きながら、今後とも国民に地方財政の状況がわかる方向での努力を重ねてまいりたいというふうに思っております。
#119
○遠藤(登)委員 それから、特別交付税の関係でありますが、配分の根拠について内容が不明である。わからない。これは災害その他、状況によってまた大きく変わるということがあるわけでありますが、何とか一定の基準を持つべきではないのか。そして、その配分の根拠というものを明確に、やはり国民なりそれぞれの団体が理解できる、あるいはわかるというようなものにしていく必要があるのではないかというふうに思うのでありますが、その点の改善方についてお聞かせをいただきたい。
 それから、時間がありませんから一括して質問をさせていただきますが、特殊財政需要額のそれぞれ各項目別の金額、あるいは特別財政収入額のそれぞれ項目の金額ということもまとめてわかるように公表する必要があるのではないか、非常に大変だと思いますが。
 それから、地方税あるいは国税等々におけるいわば非課税あるいは減免という項目、いわば特別措置によって地方財政に大変大きなしわ寄せがある、両方合わせて約十兆円を超えるのではないかというようなこともいわれているわけでありますが、そういう実態なども白書に公表をしていく必要があるのではないか。この非課税あるいは減免の関係ですが、地方財政にしわ寄せされている実態はどういう実態にあるのか、あるいはどういう推移にあるのかというようなことについてもお聞かせをいただきたい。
 それから、特別措置の関係が新設をされる、あるいは既存の特別措置の関係についてはそれを拡大するというような状況が、端的に言えば拡大の一途をたどっているのではないか、それがますます地方財政にも大きな影響を及ぼすという点について、これは一つの大きな問題点として考え直す必要があるのではないか、こういうふうに思うのでありますが、これらの点についての実態あるいは改善方についてお考えをお示しいただきたいというふうに思います。
#120
○小林(実)政府委員 私からは特別交付税につきまして答弁をさせていただきます。
 財政白書は地方財政の状況を決算の状況を中心に把握できるように作成しておるものでございます。特別交付税の配分につきましては、この特別交付税に関する省令によりましてそれを定めまして官報によって一般に公表をしておるわけでございます。それから特殊財政需要あるいはこの収入につきましての金額等につきましては、これはその都度、まあ十二月とかあるいは三月に決まった段階でマスコミにも発表いたしておりますし、また、私どもが関連しております雑誌等にも公表をいたしておりますので、それで御了解をいただきたいと思うわけでございます。
#121
○湯浅政府委員 地方税におきます非課税などの特例措置につきましては、これも毎年度その主な項目の減収額については試算をいたしましてこの内容を公表しているところでございます。地方財政白書には掲載しておりませんが、適切な方法で皆さんがわかるような方法で毎年度公表しているということで御了解をいただきたいと思うわけでございます。
 また、この特例措置による減収額でございますが、平成三年度におきます減収額を試算してみますと、国税の租税特別措置によります地方税の減収見込み額は五百七十八億円、それから地方税プロパーのいわば地方税法の非課税等特別措置による減収見込み額は五千百八十億でございまして、合計五千七百五十八億円ということになっております。
 御指摘のとおり、この地方税におきます非課税等特別措置につきましては、これはいろいろな住宅対策でございますとか、あるいは中小企業対策とか、福祉対策とか、いろいろな政策目的を実現するために講じられているものではございますけれども、御指摘のように、その反面では税負担の公平というものをある程度犠牲にしているということにもなるわけでございますので、例えばこの政策目的の意義が薄れているものであるとか、あるいは政策効果が乏しいというようなものとかというような、税負担の公平を確保する見地から見てもうこれでいいのではないかというようなものにつきましては、廃止ないし縮減をするというようなことで毎年度見直しを行っているところでございまして、今後もできる限りこの整理合理化に努めてまいらなければならないと思っております。
#122
○遠藤(登)委員 特に、この非課税措置、特別措置の問題については、これは全般的に見直してみる必要があるのではないか、こういうふうに思うのであります。これは、二十一世紀に向かって、国の財政もさることながら地方財政、需要の拡大等々によってあるいは税の不公平はできるだけそれはもう是正をしていくという立場からの総合的な見直しが必要なのではないかというふうに、そういう時期に来ているのではないか、こういうふうにも思いますので、その点は十分ひとつ御検討いただきたい。
 それから、消費税が導入をされて地方財政にこれまた大きな財政的な影響をもたらしているという状況だと思いますが、その実態はどうなのか、あるいはその財源対策についてどのような対応状況にあるのかという点についてお示しをいただきたい。
#123
○小林(実)政府委員 消費税の導入に伴いまして地方の財政にも大きな影響を受けたわけでございます。その地方の負担額につきましてのお尋ねかと思うわけでありますが、導入時の平成元年度地方財政計画におきましては、国の予算におきましても積み上げがなされておりまして、この消費税の影響額は歳出で六千三十四億、歳入で二千六百五十四億、こうなっておるわけでございますが、平成二年度以降におきましては、国の予算におきましても、消費税相当額を別に上積みした元年度予算と異なりまして、既に消費税がいわば溶け込んでいる単価をもとに積算が行われておりまして、またその中には消費税以外の要因による単価変動も考えられることもございまして、予算の中の消費税に相当する金額の把握ができないという状況にありました関係がございまして、その影響額の数値が出されていないわけでございます。これは地方財政計画につきましても同じ事情にございますので御理解を賜りたいと思うわけでございます。
 ただ、消費税の導入に伴いまして、地方財政におきましても、財貨サービスの提供者として、また購入者として歳入歳出の両面に影響は出ていることは事実でございます。これらはこの地方財政計画の中に溶け込んでおるわけでございまして、消費税による影響を含めた形で歳入歳出を見積もっております。私どもは、その歳入歳出の見積もりを的確に行いまして地方財政の運営に支障が生ずることのないように措置をしておりますので、その点を御了解いただきたいと思うわけでございます。
#124
○遠藤(登)委員 平成元年度は消費税の導入は十月から実施をされた。それで元年度の歳出では今おっしゃったように六千億、歳入では二千六百五十億、これは総括してその財源対策については十分見込んでいる、こういうことであります。平成元年度のこの歳出歳入を、これは十月実施でありますから、相当大幅に上回って地方財政に大きなしわ寄せを与えた、それは総括して見ているということであります。その内容がしっくり理解できない部分もあるのでありますが、時間がありませんから省きたいと思います。
 消費税で今これは専門者会議等で見直しの問題がまた行われているわけでありますが、税金を納めたのが国庫に入らないとか、あるいは最近また新聞、マスコミなどをにぎわわしておりまして、この運用益とか益税の問題ですね。社員旅行に出かけるとか車を買ったとか、このような税制度は世界じゅうにないのではないか。これは関係当局としても、あるいは各省庁にまたがる部分があるわけでありますから、これは速急にこういう税制というものは抜本的にもう改正をしていくということになっていかなければならないのではないだろうかと、この機会に強く要請をしたいというふうに思います。
 それから、国と地方の財源配分の状況は、地方に対するウエートが最近非常に低下してきているのではないか。一方、業務量がそれぞれ拡大をしてきている、あるいは行革問題もあったり定員などもなかなかきつい状況があって、地方財政も大変な状況にある。それで、平成三年度の地方税の関係でも、地方譲与税が〇・二マイナス、それから国庫支出金も〇・二マイナスだ。地方債も〇・五マイナスだ。それから特定資金を除く地方債関係、これも〇・四マイナスだ。これはそれぞれ実情もあると思いますが、この国と地方税のいわば財源配分の問題について、特に地方がこのウエートが年々低下してきているというのについて、特に地方税を充実をしていく必要があるのではないかという点について、当局のお考えをお示しいただきたい。
#125
○湯浅政府委員 国税と地方税の税源配分につきましては、地方財政白書におきましてもその推移を公表しているところでございますけれども、ここ数年の国税、地方税の配分割合、最近の決算状況なども見ますと、例えば、昭和六十三年度は国税が六三・四に対して地方税が三六・六、それから、平成元年度では国税が六四・二に対しまして地方税が三五・八という形になっているわけでございます。
 御指摘のように、地方自治の根幹をなす財源といたしまして地方税は最も重要なものでございますから、これの充実強化には今後とも努力をしていく必要があるわけでございますけれども、他方、御案内のとおり、地方税の場合にはどうしてもこの税源の偏在という問題がございまして、税だけを充実するということだけではなかなか解決をしないという問題もあるわけでございまして、こういう財源調整制度である交付税とそれから地方税とが両々相まって地方の税源の強化に役立つように今後ともしてまいらなければならないというふうに考えております。
 地方税の割合が最近になって急激に落ちているということは決してございません。ほぼ横ばいで来ているわけでございますが、平成元年度からは、税制改革による消費税の創設に伴いまして、地方の電気税、ガス税あるいは木材引取税の廃止、あるいは料理飲食等消費税とかあるいは娯薬施設利用税などの一部調整というようなことがございまして、確かにその分では地方税の分が減ったことは事実でございますけれども、その分は消費税の一定割合を地方譲与税なり地方交付税に算入してもらうということで補てんをしてもらっておりますので、こういうものを加えて見た場合には、決してこれまでよりも地方の方に割を食っているというような形にはなっていないわけでございまして、今後とも税源の拡充のために私どもも努力してまいりたいと思います。
#126
○遠藤(登)委員 それから、いわば四百三十兆円の公共事業がいよいよ具体化されてきているわけでありますが、これの地方財源対策というか地方財政対策、公共事業を完全に執行するための財源対策をどうするのか。地方の負担はどの程度大体見込まれるのか、その財源対策をどうするのか、それから、この公共投資によって施設された施設の維持管理をどうするのかというようなその財源対策、財政措置なども含めて、対応方向をお示しいただきたいと思います。
#127
○小林(実)政府委員 公共投資基本計画におきましては、この事業主体、事業部門ごとの内訳が明らかにされておらないところでございます。したがいまして、この地方負担の割合がどの程度になるかということを的確にお示しすることができないわけでございますが、過去十カ年の分析を決算統計でやってみますと、地方団体が負担した経費の割合は、過去十カ年ではおおむね六割程度というふうに見込まれたわけでございます。今回の公共投資基本計画におきましては、国民生活に密接に関連する社会資本の整備を行うということでございまして、地方団体の役割も大いに期待されておるわけでございまして、まあ六割以上という感じになるのではないかというふうに思われるわけでございます。
 これに伴う地方負担につきましてどうするかということでございますが、具体的には、各省庁の五カ年計画がございまして、それで各部門別の投資の状況が明らかになってまいりますし、それに関連いたしまして地方単独事業というものも出てくるわけでございます。
 自治省といたしましては、各年度の財政措置におきまして、地方財政計画に国庫補助負担事業に係る地方負担額を計上し、それから地方単独事業につきましても、でき得る限り積極的に展開するように財源措置を講じてまいりたいというふうに思っておるわけであります。平成三年度におきましても、国庫補助事業の方は余り事業費としては大きな伸びではございませんが、地方単独の方を一〇%伸ばしたわけであります。全体といたしまして六・三%程度ずつは伸ばさなければいけないということでございますので、それに見合って財政措置を講じていかなければいけないというふうに思っておるところでございます。
 それから、でき上がりました公共施設の維持管理に要する経費についてでございますが、これは、財政計画にやはり維持補修の項目がございますし、また内部管理にかかる経費等もあるわけでございまして、そういうものにつきましては全体の中で伸ばしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
#128
○遠藤(登)委員 これは重大な事業であり、また、地方も国民的にも重大な関心を持っているわけでありまして、大変な財政も伴う。特に地方の場合は、この実施については地方団体がほとんど六、七割を占める。その財源補てんについては十分な財政対策を図られように強く要請をしたい。
 特にこれは大臣、この問題については、国民的にも地方においても極めて重大な関心を持っておりまして、この財源対策はこの成否にかかわるという問題でありまして、大臣の所見などもひとつこの際お聞かせをいただければありがたいと思います。
#129
○吹田国務大臣 ただいまの遠藤先生のお話は、地方財政と生活関連に伴う公共事業の問題でありますが、私は、先刻来申し上げておりますように、地方公共団体において、その地域地域の事情が、土地条件その他の環境が皆違いますから、それに適応して、しかも、地域社会の発展と住民の福祉を増進するという基本的理念に立って事を進めていくわけでありますから、そうなればそれなりの財源の問題が大きくかかわってくるであろう、こう思います。なかんずくその中でも、財政力指数の非常に低い関係の県並びに市町村、こういったところにおいての問題は、自治省の最も理解のあるところを示していかなければならぬのではないかなという感じがするわけであります。
 そういった点について、過般来の特別交付金の交付の問題も、またことしの交付金の問題や特別交付金の問題等も含めて十分検討を加えていきたい。あるいはまた起債充当額につきましても、それなりにその充当額の引き上げを図る等いたしまして、その償還が交付金で元利面倒を見ていけるというような方法等も自治省で今検討を重ねておるところでありますが、お説のように過疎化をますます進めていくとか、山村はますます過疎が進み、人口が激減する、あるいは若者がいなくなってくるというような、活力と申しましょうか若さがなくなりますと、そこの町にも活力が失われてまいりますから、若い者が定住できるような諸条件というものを整えていかなければならぬ。それにはそれなりの、先生のお説のような相当大きな経費を単独ででもぶち込んでいかなければならぬということになってくると思うのですね。
 そういう意味におきまして、今後も鋭意努力するように私からも関係当局に、よくよく理解をしてくれるよう話を進めてまいりたいと思っております。どうぞひとつ御指導と御鞭撻をお願いいたしたいと思います。
#130
○遠藤(登)委員 大臣の御決意に敬意を表するわけでありますが、ぜひひとつ頑張って、我々も応援をして頑張っていく課題ではないかというふうに思います。
 それから、今の問題、大臣もおっしゃられた交付税の配分問題で、先ほどから私も述べておりますが、北沢さんの質問にもありましたのですが、過疎が大変な状況なんですね。これは一万人以下の町村が三分の一を超えているというような状況ですね。しかも、そこには過去五年間で、先ほども私述べたのでありますが、三万三千の山村の集落が消えた。これは何百年の歴史を持って消えた集落があるのですね。
 例えば、私よく言う場合があるのですが、東京都知事の鈴木さんのお父さんが山形県なんですね。あれはちょうど私の隣の元西村山郡の大江町の七軒村の出身なんです。道海という朝日山ろくの山奥ですよ。まだ丈余の雪がありますよ。そこは二十年前には百七十ぐらいの世帯があった。今は十三世帯。小学校が百五人を超えておったのが今は三人なんです、分校になりまして。間もなくそういう何百年の歴史のある山の村が消えなんとしているのであります。
 日本列島から山村を中心に三万三千を超える集落が五年間で消えた。これは大変な問題です。さらに加速状況にあるのですね。そして、お年寄りがへばりついている。くしの歯が折れるように里に下がらざるを得ない。山で所得がないから生活できない。国有林、民有林、平均〇・三ヘクタールぐらいの耕地ではどうにもならない、そういう状況であります。しかし、この国有林、民有林を含めて山をだれかが守らなければならない。山が荒れれば都市が死ぬ、これは歴史の教訓なのではないか。全部の村、その山村に定住させるというのはなかなか大変だと思いますが、このかけがえのない日本の七割を超える山村、山を死なせないようにそれを守り、しかもその森林・林業を活性化させる、そこに定住をさせるというのが二十一世紀にかけての日本の民族の国家的な課題なのではないだろうか。国有林の再建の問題も、民有林を含めて再建の法案が出されてきているわけでありますが、そこにいかに歯どめをかけるか、あるいは総合的な政策、所得政策を中心に今その手だてをしていかないと、二十一世紀は緑や水資源の問題、環境問題を含めて大変なことになっていくのではないだろうか。
 そういう意味では、交付税の配分のいわば算出率というか率合ももっと改善をしていく必要があるのではないのか。その他の財政投資も含めて、特にこの交付税の配分問題について、これをもっと重視する必要がある。例えば山振法とか過疎法とかいろいろあるわけでありますが、それでは救える状況がないのですね。抜本的に救える状況がない。ますます拡大をしていく。それに対して財政的な手だてを交付税の面についても重視をして、配分の積算根拠を改善していく必要があるんじゃないか。
 それから、今地域格差が大変な広がりを持っている。それは高速交通網の時代、まあ新幹線とか高速交通があるのとないのとで、産業の立地を含めて、地域によっては大変な格差を生んでいる、地域の活性化全体にわたって。そういう面についても、交付税的な、その他の財政の面でもこの比率を高めていくという改善に立つべきじゃないのか。
 それから、それによってまた所得格差が大変な状況がある。全国的には二・一五倍になっている、この間公表された部分で。東京は別物としても、二倍ぐらいの格差があるというのは問題ではないか、国策上も国の財政配分上も問題があるのではないか。
 こういう点について、地方財政上あるいは地方の施策上、あるいは国土の均衡ある開発、発展の施策の面からも大変な課題を背負っているという問題について、これらに対する対応あるいは財源の手だてなども含めて、改めて大臣の所信をお聞かせいただきたい、こういうふうに思います。
#131
○吹田国務大臣 詳細な数字等は財政当局から申し述べるといたしまして、大筋につきましては、私も地方自治体の長をかつて務めたことがあるものですから、しかも山村の長を務めたものですから実情はよくわかりますし、さらにまた、私どもの瀬戸内海地域と比較いたしますと、山形地域の山村はまたそれ以上の厳しいものがあるというふうに伺いますが、確かに土地条件の恵まれてない地域における問題につきましては、それなりに多くの諸問題を抱えております。
 また、雇用の問題にいたしましても、遠く離れているというようなことから、交通の問題につきましても非常な不便をしておるということで、里にみんな出てしまうということになり、山手では人口が激減して、一つの集落と申しましょうか、一つの村の経済単位をなさなくなってしまうというようなことから自然に荒廃していくわけでありますが、そのことが日本列島の上におきまして災害を引き起こす問題にも発展するでありましょうし、農地の荒廃等は非常に大きな影響を及ぼすわけでありますから、私もこういった点については、自治省の担当分野として考えられる分野については今後もさらに大いに検討していくように努力いたしたい、かように考えるわけであります。
 詳細にわたっての答弁は、私がする以上に事務当局の方が的確でありますからその方面に譲るとしまして、お説の精神につきましては、これから私も自治大臣として、全力を挙げてそうした地域格差の是正という問題につきまして頑張っていかなければならぬ。過密地域は過密地域の諸問題がございますが、過疎には過疎としてまたそれ以上の大きな問題があります。そういった意味で、これからも一生懸命に努めてまいりたいと思います。
#132
○小林(実)政府委員 御指摘もございましたように、県民所得あるいは人口の問題、さらには財政の問題につきまして、昭和五十年代中ごろまでは、東京とその他の地域につきましての格差といいますか、そういうものにつきましてはやや縮小の傾向があったと思いますが、その後の状況につきましては拡大の傾向にあるようでございます。
 自治省といたしましては、微力ではございますけれども、普通交付税の配分につきましては、これは算定に用いる測定単位にはそれぞれの経費と相関度の高いものを使う必要がある、また公信力の高いものを採用する必要があるということで、人口につきましては相関度の高いものが多いものですからこれを使っているものが多いわけでございますけれども、過疎地域、財政力のない地域等に需要が的確に算入されますように、林業行政とかその他諸費等につきまして面積を測定単位にするということをやっておりますし、人口の減少数、あるいは過疎地域の人口、あるいは老齢化人口というものにつきまして割り増しをして、需要が算入されるような努力もいたしておるわけでございます。
 補正につきましても数多くの補正がございまして、いずれも財政力のない団体に財源が配分されるものでございます。御質問の中にありました過疎債、辺地債も増額をいたしておりますし、いわゆる市町村に一億を交付する事業につきましても、これも最初は一律でございましたが、今はそれでも相当の傾斜配分をいたしまして、最低でも六千万、最高でも一億六千万というようなことで、小さな町村に傾斜配分をするような努力をいたしておるわけでございます。
 御指摘の点はごもっともでございますので、今後とも交付税の算定につきましては努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#133
○遠藤(登)委員 今御答弁いただきましたように、もちろん担当、所管でありますから地方の実情は一番理解されていらっしゃると思うし、特に交付税の算定は、大体人口が余りにも中心的な要素があるのではないかという感じがいたしておりまして、もっとも今答弁いただいたように過疎とか高齢化の問題とか若い者の定住、ほとんど若者は昼間はいないというような状況にあるわけですから、その実情に対して十分な財政手だてをしていただきたいということを強く要請をしたいというふうに思います。
 それから、山火事なども含めての防災関係でありますが、それぞれ各県ともヘリコプターが緊急事態に対応して国の援助、指導などもあって購入をされてきている。これは今年度から交付税等でもこの設置、運営などに対して財政的な措置がなされてきているというふうに聞いておりますから、この点は理解をさせていただきますが、例えばこの前茨城で大変な山火事もあった。火災のシーズンを迎えているわけでありますが、特に山火事の関係について、例えば各ブロックごとに、それぞれの県がヘリコプターが設置をされている、それぞれ消火剤等とか消火に要する機材なども含めて、準備体制をつくって、例えば東北ブロックとか、いわば緊急事態に対応する体制を、特に山火事とか海難事故等々に対する対応、これは自衛隊の派遣要請をするというのも状況によってはあり得るわけでありますが、せっかく各県ごとに配置された緊急対応についてのヘリコプターなどに対する各ブロックの体制を見直して、そういう組織体制をつくって、訓練なども含めて対応していく必要があるのではないかというふうに思いますが、これらのことについて当局の所信などもお聞きをしたいというふうに思います。
#134
○木村政府委員 御指摘のように、消防ヘリコプターは山火事等の場合に非常に効果的でございます。現在、全国の消防機関で二十機、県の防災組織で四機、二十四機ございます。これを少なくとも二十一世紀の初めまでには各県一機、全国各地十五分以内で到達できるヘリコプター体制を整備するようにという答申を消防審議会から一昨年の春にいただいております。
 したがいまして、私どもは、全国の都道府県をブロック化してそこを単位に整備していくということも一つの方法でございますが、また、県内の市町村が協力し、あるいは都道府県の整備によって各県に整備していくという方法もあろうと思い、現在その両面について研究を進めながら、当面は先進的な消防機関あるいは都道府県のヘリコプターの導入を促進しているところでございまして、平成三年度も国庫補助金によって三機導入を予定いたしております。
 先日の日立市の山火事におきましては、東京都及び横浜市のヘリコプターが出動して、自衛隊、警察のヘリコプターと協力をして消火に当たりましたが、こういった事例が今後ふえていきますので、消防庁としては全国的な協力体制を組んで、消防庁長官の要請によっていつでも最寄りの県には出動できるような体制を整備しているところでございます。
#135
○遠藤(登)委員 この財源対策はどうなっておりますか。
#136
○木村政府委員 消防庁関係といたしましては、導入に際する三分の一相当額の補助金でございまして、年々二機、三機、年度によって違いますが、まだ消防機関あるいは都道府県のヘリコプター導入に対する意識とか状況がそれぞれ違いますので、現在の段階では要望のあるところを聴取しながら予算化をいたしております。
#137
○遠藤(登)委員 ぜひ、これは非常の場合には効果的に集中的な防災体制をとられるように要請をしたい。そのための財源措置などもきちっと手当てをしてもらいたい。
 それから、この維持管理についても交付税等々、これは配分の要素に入って財政的な対応をなされていらっしゃいますか。
#138
○遠藤政府委員 突然のお尋ねでございますので私の方から答弁させていただきますが、ヘリコプターの維持管理はかなり大きな金額がかかることは事実でありますが、普通交付税の算定においては、全国的に普及している施設についての算定を行うということを原則といたしておりますので、ヘリコプターの維持管理についての算定は入れてないものと承知いたしております。
#139
○遠藤(登)委員 全国的な立場から、それは財政的な措置を考えるということだろうと思いますが……。
#140
○遠藤政府委員 失礼しました。平成二年度から政令指定市について補正係数の中で算定をするということに変更いたしておるようでございますので、訂正させていただきます。失礼いたしました。
#141
○遠藤(登)委員 これは財政的な措置もきちっと見ていく必要があるのではないかということを強く要請をいたします。
 それから、教育問題について、これは大変な努力によって義務教育段階の四十人学級が終わった。その御努力に対して敬意を表するわけであります。教育の重要性などについては今さら申し上げるまでもないと思います。それから、子供の出生率がなぜ低下をしているのかということについても、安心して産める、あるいは育てる環境にないのではないか。二十一世紀を背負っていくかけがえのない子供たちの教育、あるいは育てる環境というものを総合的に見直す必要があるのじゃないか。わけても教育について重大な関心を持たざるを得ない。それで、これは欧米に見習うわけじゃないけれども、四十人学級にするために約十年ぐらいの歳月がかかっているということでありますから、三十五人学級あるいは三十人学級を目指すべきじゃないか。欧米並みにいえば二十五人とか三十人ということのようでありますが、極めて大事な、今日あるいは国の将来にとっても大事な子供たちの教育について、学級再々編に向けてこれは重大な対応をすべきじゃないか。
 それから、今課題として求められているのは、高等学校の学級減に対する対応を即刻手だてをして改善を、中長期の計画を立てて計画的な対応を図っていくべきじゃないか。
 それから、負担の軽減ですね。憲法二十六条は「義務教育は、これを無償とする。」ということがあるわけであります。ある程度の金がかかるということはやむを得ないにしても、小学校で八万何ぼ、中学校では十三万何ぼかかる。私立の高等学校では、全入的な要素が高等学校の場合はあるわけでありますが、六十万も年間の父兄負担がふえている。あるいは小中の塾もそれぞれ十万を超えているというような問題についてなども、この負担の軽減などについて、あるいは教育しやすい、生徒の学級減を初めとして、教育環境の健全な改善手だてを今早急に図っていく必要があるのではないか、こういうふうに思うのでありますが、これは文部省当局の方からひとつ、改善の方向などについてお示しをいただきたい。
#142
○小林説明員 お答えいたします。
 いろいろな御意見をいただきました。文部省としても、教育が全体としてうまくいくように、また御父兄の方々には大きな負担をかけずに済むようにということで、さまざまな努力をしているところでございます。今後ともそのような方針で努力をしたいと思います。
 特に、三十五人学級を早急に実現すべきではないかというお話でございました。先生のお話の中にもございましたが、十二年かかってやっと今年度、四十人学級を含む第五次の改善計画をおかげさまで完成を見ることができました。国のレベルではそのとおりでございますが、いよいよ県の方で予算等を踏まえて実際に先生方を採用し、これを学校に配当をするという作業が目下進行中でございます。そういう状況でございますので、文部省といたしましては、学級を今後どうするかという問題、これもせんじ詰めますと教職員の定数に絡んでくる問題でございますので、そうした問題につきましては本年度、現行の改善計画が完成いたしました時点におきまして、学級編制あるいは教職員配置の実情、それからお話にもございましたけれども今後児童生徒数の増減がかなり予想されるわけでございますので、そういった実態を十分に調査をいたしまして、その結果等を踏まえ、また一方では国の財政事情も大変厳しいものがございますので、そういった点も勘案しながらこの問題を研究、検討してまいりたい、こんなふうに考えている次第でございます。
#143
○遠藤(登)委員 父兄の負担の軽減の問題についてどのような手だてをしているのか、それから、高等学校の四十人学級についてはどのような改善の方向にあるのか、お聞かせをいただきたい。
#144
○小林説明員 父兄負担の軽減の典型的な例としては、例えば教科書無償の問題がございます。あるいは、間接的ではございますが学校が使います教材等につきまして、これは自治省さんにもお願いをし、交付税で見ていただいたりというふうな努力をいたしておるところでございます。
 それから高校の方は、実は答弁漏れで恐縮でございますが、現在の第四次の計画が予定どおり完成をいたしましたが、一部まだ四十五人学級で残っておるところがございます。学科によって三つばかりあるわけですが、そういった点も踏まえて考えましたときに、学級編制の問題というのはかなり重要な、そして緊急な課題であろうかというふうに考えております。
#145
○遠藤(登)委員 教育の問題、子供らの健全な環境というものは、簡単に言えば、ほとんど何物にも優先をしていく必要があるのじゃないか。そういう意味では財政投資のあり方についても十分やはり考える必要があるのではないか。文部省もそうですよね。大いに頑張って、大事な子供たちの教育問題についてはもっと財源の配分など、余り消極的じゃなくてもっと大胆な改善の方向を出して予算要求をすべきじゃないのか。大いに応援をしたいと思いますので、頑張っていただきたいというように思います。
 それから、先ほども申し上げましたのですが、人口の急減対策の問題であります。大体、地方はほとんど減少している、去年の秋の国勢調査によっても、大臣からも御答弁をいただいたわけでありますが。特に急増急減対策について、財政上の措置は、これは特交などにもある程度配分の要素があるのか。この急減に対する財政、交付税上の措置はどういう配慮をなされていらっしゃいますか。
#146
○小林(実)政府委員 従来から、人口急減といいますか、人口が減ったり、あるいはふえた団体につきましては、それによりまして財政需要が出てまいりますので、それに対応する措置をいたしておるわけでございます。例えば人口が急減した団体につきましては、普通交付税の算定上、減少数の一定割合を復元する、何年かかけてもとへ戻すといいますか、本来の数字にするというような措置を講じておるわけでございます。
 それから、特に財政力の弱い団体に対しましては、先ほども答弁いたしましたけれども、僻地補正とか遠隔地補正とか、特に短期急減補正というようなことの補正を行っておりますし、災害関係の元利償還につきまして団体の財政力に応じまして算入率に差をつけるというようなこともいたしております。
 それから、一億円事業とか、あるいは過疎債につきましては先ほど申し上げたとおりでございます。
 一方、人口急増補正というものも講じておりまして、従来に比べると該当する団体は少なくなっておりますが、やはり教育施設その他もろもろの行政におきまして財政需要がありますので、その割り増しの措置を講じておるところでございます。
#147
○吹田国務大臣 遠藤先生、これは我々の方で交付税等で若干の財政援助をしただけではとても人口が急減するのをとめることもできませんし、いわんや人口をふやすなどというのは、遠藤先生でも私でもこの年代になりますと人口をふやすことはできないわけですから、やはり若い人がどんどん町に、地域に入ってこなければならぬ。それには、やはりそれなりの魅力のある生活環境の条件整備をしなければならぬですね。
 私はそういう意味で、やはり従来からよく口癖にも言っておるように、交通体系を整備するとか通信関係の整備をするとかして時間と距離を縮める、そうしてできるだけ勤務地に近い条件を整えていくということが必要であろうと思うのですね。そういうことに単独事業で事と次第によってはやっていく。この辺に市町村長が勇気を持ってやらなければだめなんですね。私はこういう席で言葉としては過ぎるかもわかりませんが、僅少の補助金を東京に上京してそれを当てにして云々する、そうしなければ市町村議会が承認しないということでなしに、うんと単独事業でできるような体制をつくっていくということにこれから自治省としても配慮しなければならぬ。
 せんだっても、私は建設省の道路局長も来てもらってお話をしたのですけれども、今までのように、地方においての道路整備をする場合には、とかくメーター当たり幾らの単価でやるかというようなことの物差しがありましたけれども、そういうことはこの際外して、単価の問題は言わないで、いかに立派な、しかも距離を非常に縮めることのできるようなすばらしい道路をつくるかということでのトンネル政策やその他の橋梁政策を取り入れて頑張ってもらいたい、この辺もひとつ全国の土木部長にも流してくれというお願いをしましたら、わかりました、努力します、こういうことでしたが、これは私の部屋で話したことですが。
 そういったことで、やはり若者ができるだけたくさん定住してくれるように、出ていかないようにしないと、遠藤先生でも私どもでも何ぼ焦っても、もう子供をふやすことはできませんから、そういう意味で若者の定住というのがやはり大事だ。亀井先生も言うけれども、これはだめなんだ、もう。亀井先生もだめ。ですから、やはりそういう意味で我々もひとつしっかり政治家としてその整備の環境、生活環境、こういうものに力を入れて、年々努力をすれば、自然にある程度の努力をしたかいは私は出てくると思うのです。そういう意味で、これからも自治省ひとつ頑張りますから、御理解願いたいと思います。
#148
○遠藤(登)委員 大変熱意のある御答弁をいただきまして、深く敬意を表します。
 大臣、高速交通網もそれぞれ大事であるし、それと連動しながら、やはり何といっても一定の所得を、一時間通勤圏の中に、いわば広域圏域の中にやはり雇用の場を確保していくという政策をとれないか。そして、兼業、これはやむを得ない。兼業、専業の中で少なくとも一時間通勤圏の中で、圏域の中に、そういう意味では農工団地なども見直していく必要があるのじゃないか。あるいは今の工場立地法も見直していく必要があるのじゃないか。税制度も見直していく必要があるのじゃないか。それから、労働省でやっている雇用奨励金なども考えてみる必要があるのじゃないか。そうして一定の所得をそれぞれの努力を重ねて総合的に保障していく。そして若い者も後継者としてそこに定住できるという体制を総合的につくり上げることが今大事なかなめではないか。そのための施策を、財政の面からも政策の面からも、国の援助も、総合的に積極的な援助をする、そういう政策とそういう体制をとれないか、私はこういうふうに思っているのです。
 ぜひひとつ、それぞれの圏域の、いわば広域的な意味の体制をそういう意味で強化をして、政策上も見直していってもらいたいな、こういうふうに思うのですが、どんなものですか。
#149
○吹田国務大臣 先ほどは一つの例で道路のことを申し上げたわけでございますけれども、今おっしゃいますように総合的にそうした施策が施されていなければならない、こう思いますね。そういう意味において、国土庁もそうした僻地、山村問題等につきましても立派な計画は立てつつあるわけでありますし、私どももひとつ関係省庁とも話し合いをいたしまして、そうした山村あるいは過疎化の進行する地域、こういったところに対しての雇用の拡大問題を中心として定住関係の施策というものが施されますように努力をしていきたい。これからまた、時間を見ては関係省庁と役所において話し合いができるような環境づくりに努力をいたします。
#150
○遠藤(登)委員 大変大事な課題でありますので、我々を含めてこれは重大視をして対応していかなければならぬじゃないかと痛感をしておるものであります。どうぞよろしくお願いをいたします。
 それから、先ほどからもいろいろ議論がなされてきました高齢化社会に対する、あるいは福祉に対する対応の問題ですね。この財源の配分等々について先ほどからもいろいろありましたが、これは交付税の面においても、それぞれの福祉政策の面においても、まず、今寝たきりのお年寄りを中心に約百万人もいる、それから要介護者は、児者を含めて約七十万人を超えているというような状態で、例えば訪問看護の問題、先ほどからヘルパーの問題なども出ているわけでありますが、大体一一%強ぐらいきり対応されていないという問題。それぞれ十か年戦略が策定をされて歩み出しているわけでありますが、それぞれの分野にわたって十分な手だてをし、しかも十か年戦略を超えてそれはやっていかなければならない。一定程度進めば、その十か年戦略も見直す必要があるのじゃないかというふうに思われる部分もあるわけでありまして、それだけにこの面に対する財政手だてというものをどうするかということが問われているわけであります。
 そういう意味で、先ほどからもお話があったわけでありますが、厚生省あるいはそれぞれ市町村の段階で一番の所管にあります自治省、これは大蔵省、財源配分については十分な関連が伴うわけでありますが、その財源手だてに対する対応、方向などについてお示しをいただきたい。先ほどからもお話があったわけでありますけれども、改めてお聞かせをいただきたい。
#151
○中村説明員 先生からお話がありました老人福祉対策を初めといたしまして、いろいろな意味での要援護者の対策がございます。特にこの十年間高齢化が著しく進みまして、日本も二〇〇〇年になりますと、今の北欧でございますとか西ヨーロッパ並みの高齢社会に到達いたしますので、特にこの十年間いろいろな意味で高齢者の保健福祉対策の推進が重要であると考えておりまして、高齢者保健福祉推進十か年戦略を策定していただきまして、昨年度を初年度として政策を進めているところでございます。
 平成三年度におきましても、十か年戦略達成のために必要な予算を計上させていただきまして、総事業費約四千二百億円ということで計上させていただいております。それぞれ在宅福祉対策あるいは施設の緊急整備につきまして、十か年戦略に従って必要な量的な整備を図りますとともに、内容の改善というようなことにも努めておりまして、先ほど来話題になっております在宅福祉対策に例えば例をとりますと、平成二年度四百七十九億円を計上いたしておりましたが、今年度は六百六十四億円と百八十五億円増、対前年度比三八・五%と、一例でございますが、このような大幅な予算の増を計上させていただいているところでございます。
#152
○遠藤(登)委員 それでは、十か年戦略に対する財政計画というのは大体どのような状況になっていますか。地方財政対策を含めてお聞かせいただきます。大体大まかで結構であります。
#153
○中村説明員 十か年戦略自体につきましては、平成十一年度までの整備目標を、それぞれ在宅福祉対策でございますとか施設福祉対策につきまして計上させていただいております。
 それの財政面におきましては、それぞれの施策につきまして法定の補助等が定められておりますので、目標の整備量に従いまして、国としては、私ども厚生省でありましたらば事業官庁といたしまして、例えば、特別養護老人ホームの整備につきましては平成十一年度に二十四万床まで整備するというふうにいたしておりますので、その建設費の二分の一を計上することといたしておりますし、運営費につきましてもそれぞれに応じまして、例えば国でいいますと二分の一、それから都道府県の場合ですと四分の一、市町村の場合ですと四分の一というように計上していく。それぞれの地方財政上につきましては、その裏負担につきましては地方交付税でお願いする、こういうことになっております。
#154
○遠藤(登)委員 交付税関係はどういう配分、福祉戦略十か年計画に対する平成三年度の交付税における財源手だてというのはどんな状況にありますか。
#155
○小林(実)政府委員 いわゆるゴールドプランにつきましては、全体の事業費が六兆円強ということであります。そのうち地方団体負担分が二兆円強、こういわれておるわけでございます。この計画は、厚生省が中心になりまして、大蔵省、自治省が加わりましてつくった計画でございますので、この十年の間に、厚生省が中心になりまして必要な国庫補助負担金につきましては確保を当然していただけるものというふうに考えておりますし、それに見合います地方負担につきましては、私ども、地方債あるいは交付税で措置をしてまいりたいというふうに思っております。
 というのは、投資もございますので、投資的経費につきましては地方債ということにもなるわけであります。平成三年度の場合でいいますと、全体で四千二百億といわれておりますが、そのうちの地方負担が千二百億でございまして、このうち八百六十億ぐらいが交付税、その他地方債、こういうことで財政措置を行うことを考えておるわけでございます。
#156
○遠藤(登)委員 非常にこれは財政も伴うし、地方も大変な負担を伴う、だけれどもやっていかなきゃならないという重要なこれは国民的な課題だろうと思います。国・地方を含めて財源状態も厳しい状況にありますが、しかし、最大限の手だてをしてこれらの福祉の問題に対応していく必要があるんじゃないか。
 特に、国民年金の場合などは平均的には三万一千円だ。山の収入が一番多いのは年金なんですよ。ほとんどお年寄りが住んでいる。山の村の所得というのは老齢年金なんですよ、財源が一番大きいのは。それから、それは三万一千円ということで、厚生年金の場合は十三万何がしという平均的な年金なんですね。それではとても生活できないという部分が相当あって、例えば国の消費支出の関係でも、お年寄りの場合も大体月十二万、約十三万ぐらい支出する、夫婦で二十万を超えるということでありますから、とても年金では食えない。しかも、病気をしたらどうするかという問題が深刻なんですね。何千万と貯金を抱えている、あるいは保険に入っているという人はそれなりに安心して老後を過ごせるという部分がありますが、なかなか皆そういうわけにはいかないという実情があって、一体病気をしたらどうする、障害を持ったらどう生きるか、だれが介護してくれる、深刻な問題がますます深刻に推移をしているという状況に、ひとつこれは国民的な課題として財政の面からも、それぞれの総合的な面からも積極的な対応をしていく必要がある、我々も頑張っていかなければならない課題だなというふうに思っている次第であります。
 それから、先ほどヘルパーの問題、中沢先生、北沢先生それぞれ提起をされてきたわけでありますが、簡単に、介護型それから家事型の関係、これは大体何人ぐらい平成三年度の場合想定をされていらっしゃいますか。
 それから、昇任制度ということが提起をされて財政措置もされたということでありますが、これが大体全国的にどのような位置づけというか人数というか対応されるのか。
 それから、非常勤が五割ぐらい。これは、例えば助成基準などがあったとしても、それぞれ市町村の実情で、あるいは市町村を取り巻く環境によって、助成基準どおりにはもう、これは市町村に一任をされているという状況があったりして──まず大体、一年雇用の更新というのは一体何だ。専門的な立場というか職務が年々要求をされている状況にあるんじゃないか。それから、この制度が創設をされて約二十年にもなるわけであります。約二十年間勤めて、一年雇用更新でありますからその他の手当もありません。それから雇用保険もありません。もちろん退職金もありません。ボーナスもありません。そういうヘルパーが相当いるんですよ。そして一カ月の給与が十三万円、二十年間も勤めて。そんなばかな対応があるのかという先ほどからもお話が出たのでありますが、これは一定程度基準を決めて待遇の面あるいは身分の関係をきちっと制度的に改めていく必要があるんじゃないかというふうに強く感ずるものでありますが、その改善方向などについてもお示しをいただきたいというふうに思います。
#157
○中村説明員 ホームヘルパーについて、いろいろな論点についてお尋ねがありましたので、お答え申し上げたいと存じます。
 まず最初に、ホームヘルパーにつきましては、介護中心型と家事中心型という二つの形態に分けていろいろ国の方で補助をさせていただいておりますが、お尋ねは介護中心型がどの程度であるかということでございます。私ども、予算で計上いたします場合、介護型と家事型半々と考えて一応予算上積算申し上げておりますが、実態で申しますと、平成元年度のヘルパーの設置状況を見ますと、設置総数三万一千四百六十一人でございますが、このうち介護中心業務に従事されている方及び介護と家事と両方に従事されている方、両方とりますと介護業務に従事されている方がわかりますが、それが一万二千五百五十一人、三九・九%というふうになっております。
 次に、チーム運営方式についてのお尋ねでございますが、チーム運営方式と申しますのは、基幹的なホームヘルパーさんとそれから幅広く参加していただきますパートのヘルパーさんと組み合わせながら、またソーシャルワーカー、看護婦さん等他の職種との連携をとりながらホームヘルプ制度を適切に運営していきたいということで、今年度、平成三年度予算で計上させていただいたものでございます。本年度初めて導入いたします制度でありますことから、全国で五百チーム程度を設定いたしまして、いろいろな形態を設定してやってみたいと考えておりますが、基本的にはまずホームヘルプ業務の質の向上を図ることと、特に基幹的なヘルパーさんにつきましては処遇の改善を図るということで、年額百万円程度の手当の上積みをしたいと考えております。この結果、介護中心型のヘルパーさんで申しますと、二百五十二万円に約百七万円加算されまして年額三百五十九万円、月額でいいますと二十九万九千円程度の手当が確保できるのではないかというふうに考えております。
 それから、先生の方から雇用の問題につきましていろいろお話がございましたが、ホームヘルパーの雇用形態をどのようなものにするかということにつきましては、地域の実情に応じまして、実施主体である市町村の方の御判断によるものであるというふうに考えておりますが、ホームヘルパーさんの勤務形態、市町村の直営から福祉公社あるいは株式会社への委託まで多岐にわたってきておりますし、常勤、非常勤、さまざまな形の勤務形態が出てきておりますが、いずれにしても、マンパワーを確保していく観点からヘルパーの処遇の改善ということは図ってまいらなければなりませんので、今後実態についてさらに十分把握させていただいた上、その実態に応じましたホームヘルパーさんの処遇について考えてまいりたいと存じます。
 それから、ヘルパーの二十年勤めても月十三万円程度の手当しかもらえていないというような実態の御指摘もございましたが、いろいろな実態があろうかと思いますので、ただいま申し上げましたように実態も十分把握いたしまして、処遇改善の観点から十分見直しについて検討してまいりたい、このように考えております。
#158
○遠藤(登)委員 非常に大事な課題でありますので、やはり実態などは毎年調査をして的確な対応を図るべきではないか。
 時間が参りましたので、特に要請をしたいのは、最後に、公営企業の関係ですね。これがそれぞれ地方自治体も拡大をしてきているわけです。その財政基盤というのは非常に弱い。これはもうほとんど借金。大体出資率は六、七%で、もう借金でやっている、利子負担も莫大なものがあるということでありますから、これらの面の財政力をもっとつけるということについて、これは市町村もさることながら、都道府県もさることながら、国としても、指導の分野を含めて、この財政基盤の強化に向けてぜひ対応してもらいたいということなども要請をさせていただきながら、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
#159
○森田委員長 河上覃雄君
#160
○河上委員 早速質問に移りたいと思っております。
 まず地方交付税の関係でございますが、減額措置の妥当性の観点から御質問をいたします。交付税は地方団体の共通の固有の財源であり、国の財政上の都合で減額することは地方団体の自主性というものを阻害するおそれがあるのではないか、こう思うわけでございますが、そこで、今回五千億の減額措置の妥当性について、まず自治省の見解をお尋ねしたいと思います。
#161
○小林(実)政府委員 地方交付税は、言うまでもなく地方の固有の財源という基本的性格を有しております。現行の地方交付税制度は、その総額を国税の一定割合とすることによりまして長期的に財源を保障し、国と地方の安定的な財政関係を確立することを意図しているわけでございます。
 平成三年度におきましては、歳出面におきまして地方団体が必要とする財政需要を的確に見込むとともに、財政の健全化につきましても一層その推進を図ったわけでございます。その上で、国の予算編成の段階で国庫当局から強い協力要請がございまして、地方が国に借りておりました感じでございますものを返す、あるいはなお、交付税特別会計に残っております借入金残高に相当するものを減額するというような措置をいたしまして国にも協力する、こういうことになったわけでございます。地方財政にそういう意味で実損をかけない形で五千億を減額することといたしたわけでございますが、この措置は附則第三条等に基づきまして、交付税の総額の安定的な確保にも資するということから講じたものでございます。地方の固有財源であるという地方交付税の性格から見て許容されるものでもございますし、地方団体の御理解も得られるものというふうに考えておるわけでございます。
#162
○河上委員 今回の特別措置のうち四千五百二億円は、交付税総額の安定的な確保の特例措置を定めた附則第三条に基づくものとされているわけであります。しかし、この附則は五十九年度の改正で設けられたものでありまして、その趣旨は、地方財政の借金体質を改善し、そして借り入れをしないようにするためのものであったと思います。その趣旨から見て、減額を特例措置制度の適用で行うということは果たして妥当であると言えるのかどうか、この点についてお尋ねしたいと思います。
#163
○小林(実)政府委員 地方交付税法附則第三条につきましては、地方交付税の総額につきまして、各年度の地方財政の状況によりまして法律の改正を国会にお願いしましてそこの場で御審議をしていただきまして、地方交付税の総額の安定的な確保に資するため必要な特例を講ずるということを定めておるわけでございまして、内容につきましてはすべて国会にお諮りし、そこで御了解をいただく、こういうことになっておるわけでございます。
 附則三条につきましては、地方財源に不足を生じた場合に特例加算をすることを予定しておるものではありますが、状況によっては、そればかりではなく、特例減額を行って地方交付税の総額の安定的な確保を図るということも、この規定の趣旨から見て適切を欠くものではないというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
#164
○河上委員 昭和四十九年度は、今回と同様、特別会計借入金相当額の減額を行ったわけでありますが、昭和四十九年四月九日の衆議院の附帯決議で、「地方団体の固有財源である地方交付税の法定額を国の都合により減額することは、地方交付税の本旨に反するので今後はこれを避けること。」こうされているわけでございます。また、これに先立ちまして四十九年四月四日、当時の福田大蔵大臣は、「今回の措置は、今回の非常の事態に際しての臨時的、異例の措置である、かようなことをみだりにいたすべきではない、」このように答弁されているわけであります。さらに四十四年一月六日、大臣の間で次のような覚書が取り交わされております。「当分の間、相互に、地方交付税の率の変更を求めることはしないこととするとともに、昭和四十三年及び四十四年度において取られた特例措置を今後は避けるようにすることとし、別途地方交付税の年度間調整の措置を検討する。」
 こういうことがあるわけでありまして、このような経過を踏まえて考えてみますと、今回の措置は従来の基本的な考えと整合性があると言えるのか、疑問を抱かざるを得ないわけでございます。あるいはほかに全く別な理由があるのか、この点についてさらに質問をいたします。
    〔委員長退席、井奥委員長代理着席〕
#165
○小林(実)政府委員 今回の四千五百二億の減額につきまして、過去の覚書あるいは附帯決議、大蔵大臣答弁の経過を踏まえての御質問でございます。ただ、今回の措置は、先ほども申し上げましたように地方財政に実損を与えないものでございます。いずれかの時期には返さなければいけないものにつきまして、形式的には残るわけでございますが、実質的には交付税特別会計の繰り上げ償還にかわるものでございまして、その意味から申し上げまして、ただいま御指摘がございましたような答弁、附帯決議等の趣旨に反するものではないのではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。
#166
○河上委員 五千億円のうち四千五百二億は、昭和六十一年度補正予算での国税三税の減収による交付税の減額分の補てんのための借入金であり、その償還期間は平成四年度から十三年度までであります。これを今回繰り上げ償還することになるわけでありますけれども、なぜ繰り上げて償還しなければならないのか、繰り上げする必要性が不明確ではないかと思われます。この点について、明確な御答弁をいただきたいと思うわけです。
    〔井奥委員長代理退席、委員長着席〕
#167
○小林(実)政府委員 六十一年度補正段階での交付税の減収に際しまして、その当時既にこの五十九年度の改正がございましたものですから、そういうことになりますと、この附則三条によりまして特例措置といいますか特例加算がされるのが筋ではなかろうかということを大いに議論したわけでございますが、このときに、やはり国の財政状況が非常に厳しいということで、この四千五百二億につきましては交付税特会で借り入れをしますけれども、その利子につきましては国が負担するということを大蔵当局が申してまいりましてこの借金ができた経緯があるわけでございます。
 今回の措置でございますが、ちょうど我々といたしましては、基本的には地方財政につきましては一般財源をきっちり確保することを基本とするということでさまざまな措置を講じまして、五千億を減額いたしましても交付税におきましては七・九%の増を確保できるというような状況になってまいりました。そこの過程におきまして国の方から、予算編成で大変であるので協力をしてほしいという協力要請がございまして、その協力要請にも沿い、また、こちらといたしても実損がないのであれば御理解もいただけるのではないかということで、非常に変則的な形ではございますが、工夫をして講じた措置でございまして、その辺のところを御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#168
○河上委員 本来交付税の減額の補てんは国が責任を持つべきであると考えます。その意味から、今回のような借り入れをすること自体が問題であると思うわけでありますけれども、この点についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか。
#169
○小林(実)政府委員 先ほどもちょっと触れましたけれども、この六十一年のような借り入れ自体がおかしいのではないかという御指摘かと思います。
 このときも補正段階でございまして、普通交付税は既に交付済みでございますし、年度途中におきまして交付税対象税目の減収がございましても、交付税の総額を変えるわけにはまいらないわけでございます。その中で、当然私どもといたしましては、特例措置の規定がございますので、当時といたしましては特例加算ということで措置を講ずるべきだということを主張した経緯があるわけであります。その中で、やはり国としてとても四千五百億にも上る巨額な経費を一般会計の方から交付税の方に特例加算をするというような余裕はないというお話で、そこで利子は国持ちで借りる、こういうようなことになったわけでございます。附則三条の規定の経過があるものですから、私どもといたしましては、今後ともその規定が設けられたときの経過に基づいて措置をするのが基本というふうに考えております。
#170
○河上委員 この借り入れは、昭和五十九年度におきまして、昭和五十年代の恒常的な特別会計借り入れに対する反省に基づいて、地方財政の健全化を図っていくという趣旨で設けられたものである、こう理解するわけでございますが、その意味から、今回の措置というものは特例措置制度の趣旨というものに反しているのではないか、こう考えるわけでありますけれども、この点について御見解を伺いたい。
#171
○小林(実)政府委員 附則三条の規定は、これは当時とすれば財源不足が恒常化しておった時代でございまして、特例加算というのがすぐ頭に来ますし、その後もずっと加算だけが行われてまいったわけでありますが、当時規定が設けられた状況下におきましても、状況によっては将来交付税の総額の安定的な確保を図る見地から減額を行うことも含まれる、こういうことで来たわけでございまして、今回は特に交付税特会借入金の繰り上げ償還に実質的にかわるものであるということでございまして、地方財政の中期的な健全化にも資する、こういうことであるというふうに考えておるわけでございます。
#172
○河上委員 今回の減額措置を突破口といたしまして今後交付税率の引き下げあるいは特例減額などが行われていくのではないかという、こうした懸念があるわけでございまして、この点についていかがでございましょうか。
#173
○小林(実)政府委員 地方財政の措置につきましては毎年度、年末に国庫当局と私どもの間でいろいろな折衝が行われるわけでございます。私どもといたしましては、各年度地方財政運営に支障が生じない、円滑に運営できるような十分な財源を確保するというのを基本といたしまして財政対策を講じておるわけでございます。今回は実損のない形での減額措置ということが行われたわけでございます。これからどうなるかということはこの場で申し上げられるような状況ではないわけでございますが、地方交付税法の規定の趣旨に則して対処してまいる、その場合に、全国の三千三百の地方団体が地域住民の要請に応じまして十分な財政運営ができるような財源確保をするということを基本としてまいりたいと思っております。
#174
○河上委員 いろいろとお尋ねしてまいったわけでございますが、交付税制度が、ある意味では転機を迎えているのではないか。特筆できることが何点かあるわけでございますが、交付税特会に繰り入れられる入り口ベースの交付税総額が、自治体に配分される税額を大幅に超えるような事態あるいは交付団体が増加しているわけでありまして、交付税制度の持つ財政調整機能に限界が来ているのではないかという点、さらに、入り口ベースと出口ベースの乖離を合わせるために交付税算定の基礎となる基準財政需要額に恣意的な調整が加えられており、本来の交付税になじまないのではないか、いろいろ指摘をされるところでございますが、そうした意味で抜本的な改正の必要性ということもあるのではないかと思われます。
 こうした背景等も含めまして、今回も含めましてこれまで、国の財政事情などを理由として、交付税原資の借り入れや国との貸し借り、特例加算、繰り延べなどが行われてきているわけでございまして、その際、常に交付税本則に基づく交付税総額の確保ではなく、その都度附則を設けての総額の特例を講じてきているわけでありまして、これでは余りにも場当たり的な行き方ではないのか。そうした意味で、交付税総額の決定方式について改善する必要があるのではないか、このように考えますが、これに対する見解を伺いたいと思います。
#175
○小林(実)政府委員 現在の交付税制度は、地方財政平衡交付金時代の反省に立ちまして、その総額につきましてはあらかじめ国税の一定割合とするということで長期的に財源を保障する、そうすることによって国と地方の安定的な財政関係を確立することということを目標としたわけでございます。長期的に財源を保障するシステムでございますから、各年度におきまして足りる足りないという若干の差が出てくるのはやむを得ないという仕組みになっておるわけでございまして、その間の状況がある程度長く続くということになりますと六条の三第二項の規定適用の云々の問題が出てくるわけでございます。
 交付税総額につきまして毎年度特例措置が行われておりますので、何か場当たり的なというお感じを持たれるのも私どもの責任かと思うわけでありますが、交付税につきましては各年度年度の財政状況によりまして、最も国民の意思を代表しております国会での御審議をいただいてそれぞれお決めいただいておるわけでございまして、附則第三条におきましても「法律の定めるところにより、特例措置を講ずる」、こういうことになっておるわけでございます。私どもといたしましては、地方団体が地方自治の実を上げるために必要な財源を確保するという観点から今後とも努力を重ねてまいりたいと思います。そういう視点から交付税総額の確保にも努力をいたしたいと思うわけであります。その過程の中におきまして特例額につきましては国会にそれぞれお諮りをいたしましてそこでお決めいただく、こういう措置を講じているわけでございます。今後とも地方の共有の固有財源であるという基本的な性格を踏まえながら努力をしていきたいと思っておりますのでよろしくお願いをしたい、こう思うわけでございます。
#176
○河上委員 次に、国庫補助金の観点から何点かお尋ねをしたいと思っております。
 超過負担の問題でございますが、国庫支出金の交付額について地方団体が法定負担割合以上の持ち出し負担をしている事例が少なからず生じております。これが地方財政上の大きな問題となっているわけでございますが、ちょっと前でございますが、地方六団体は昭和五十年度の地方団体の超過負担額が六千三百六十億円に及ぶとする調査を行いました。また、これは六十三年でございますが、神戸の市会でございますが、このまとめた意見書の中では、四年間で、これは地方全体分でありますが約五兆円、一年度当たり一兆円を超える負担があるとしている事例もございます。
 そこで、なぜこのような負担が発生するのか。具体的な事例で申し上げたいと思いますが、例えば平成二年度の神奈川県の公営住宅の建設費、決算ベースで計画戸数五百七十八戸の平均で一戸当たり一千四百五十万七千円でございます。これに対して補助対象額は一戸当たり一千百十万六千円、この差額が三百四十万一千円になります。五百七十八戸の総額では十九億六千五百五十四万二千円になり、この分だけ県の超過負担となるわけであります。
 これは地方団体としては大変大きな負担であると思います。何としても是正していかなければならない問題ではないかと思うわけでありますし、ましてや住宅問題というものが深刻化している今日にありましては、公営住宅は地域住民にとって極めて重要な側面である。この点改めて言うまでもないわけでありますが、こうした事情から、なぜこのような超過負担が発生するのか、その理由について建設省にお伺いしたいと思います。
#177
○上野説明員 公営住宅の建設費につきましては、地方公共団体におきまして、国が補助対象とする工事費に加えまして負担、いわゆる超過負担でございますけれども、こういうものが出ているのが実情でございます。
 この原因でございますけれども、大きく分けて三つの原因があるのではないかと考えております。一つは、国の方で標準の床面積というものを設定しておりますけれども、実際にはこれより規模の大きいものが建設されているということでございます。それから二番目は、標準工事費の中には大体のグレードというものが定められているわけでございますけれども、それよりグレードアップしている。それから三番目でございますけれども、これが一番大きな原因でございますけれども、近年の建築需要に対しまして特に熟練労働者が非常に不足しております。これが原因で建築工事費が大幅に上昇しております。これが一番大きな原因でございますけれども、こういった原因によりまして超過負担が生じているというふうに考えております。
#178
○河上委員 標準単価の見直しという観点から建設省にお伺いしたいわけですが、国庫補助金の最大の特徴は、地方団体への単なる金銭の交付ではなくて、使途について一定の条件が付されているという点でございます。もちろん国庫補助金は国が一定の行政目的を実現するために交付するものでありますから、その使途について一定の条件を付することは当然であると考えられます。しかしその補助条件も、その内容により地方自治行政の執行上弊害をもたらすこともあるのではないか。その最大のものが、補助条件の画一性と細密性による地方行政の実情を軽視した傾向にあるのではないか。国が地方自治体に補助金を交付する最も重要な目的の一つは全国的な行政水準の統一性にありますけれども、この基本的な考え方は、補助条件の内容を画一的に、しかも細かく決めて、それ以外の方法によることを認めないという傾向に陥りやすくなってしまう、こういう点が指摘されるのではないかと思います。
 しかし、地方自治行政を執行するための背景となる地域の環境や条件にはさまざまな差異が存在しております。したがって、地方団体としてはこうした実情に適応した行政を促進していかなければならないわけであります。ところが、国の補助条件の画一性が強過ぎる場合は、補助金の交付を受けるために、地域の実情に最も適する方法を変更して国の求める条件に合致させなければならないような事態が少なからず生じているのではないか。これは補助条件の弾力性の乏しさが地方行政の方向をゆがめていると指摘せざるを得ないわけでございます。
 こうした観点から、この公営住宅の建設に当たっての事例で標準単価に大きな開きがあるわけでありますが、地域の特性を考慮して適切な補正が必要なのではないのか。特に首都圏のような人口が密集しておる地域、地価も高く実態との乖離が著しい地域については、標準単価に実態が正確に反映されるようにしていくべきではないかと考えますが、この点についてお尋ねしたいと思います。
#179
○上野説明員 標準工事費の設定につきましては、従来から地域性は考慮をしておりまして、特別地域、これは東京とか神奈川とか大都市でございます。それから大都市地域、これは県庁所在地以外のところでございます。それから多雪寒冷地域でありますとか、それから一般地区等に全国を区分して、各地区ごとに工事費単価を設定しているところでございます。
 大都市の東京だとか神奈川県につきまして、特別地域につきましては、従来からも他の地区より高い単価を設定しているところでございますけれども、先ほど御説明いたしました特に急激な建築費の上昇が大都市に非常に強く反映をしておりまして、この差がなお一層開いたということでございますけれども、こういった状況を踏まえまして、予算の範囲内でできるだけ適切な単価の設定を行いまして、超過負担の解消にできるだけ努めてまいりたいと思っております。
#180
○河上委員 地方超過負担の改善でございますが、地方の超過負担はどの程度是正されているのか、最近の実績についてお伺いをしたいと思います。
#181
○小林(実)政府委員 超過負担につきましては、特に問題が多いものにつきましては地方団体等から御要請がございまして、私どもの方は、地方団体の意見も聞きながら、関係省庁、事業官庁、それから大蔵省等とも折衝いたしまして、実態調査をして解消するという手続をとってきているわけでございますが、最近の例で申し上げますと、平成三年度におきましては、その実態調査に基づきましたもの、それ以外に直しているものもございまして、事業費ベースで百四億、平成二年で七十八億、元年で十五億、こういうことになっております。
#182
○河上委員 共同実態調査では、地方団体の要望というものをどのように実現を図られているのか、この点についてお尋ねしたいと思います。
#183
○小林(実)政府委員 地方団体から、個別の団体からも、あるいは時によりましては六団体からも、特定の事業について超過負担があるという陳情をよく受けるわけでございます。そういった陳情をもとにしながら、また、現実にそうなっているのであろうかということをよくお聞きして、特に超過負担が生じているおそれがあるといいますか、そういうものにつきまして、関係省庁にお話をし、調査にかかる、その調査に基づいて超過負担の解消措置を講ずるという手続をとってきているわけでございます。
#184
○河上委員 現在の共同実態調査では決して十分な改善がされているとは思えません。今後この実態調査と負担の解消をさらに充実させていくべきではないかと考えますけれども、この点についての見解をお伺いしたいと思います。
#185
○小林(実)政府委員 地方財政法におきましても、国の支出金につきましては、地方団体が当該支出金に係る事務を行う場合には、必要でかつ十分な金額を基礎として算定しなければいかぬという規定もございます。特に国庫支出金の中でも国庫負担金といわれるものにつきましてはこういう規定もございますし、きっちり守っていただく必要があると思うわけでございます。
 ただ、国庫支出金につきましては補助要綱というものがありまして、各省と地方団体の意見の相違はそこから出てくるわけでございまして、国庫支出金の予定しております水準以上のやり方といいますか事業を、先ほどお話がございました公営住宅につきましても、地方団体によりましては必ずしも国庫支出金の基準にとらわれることなく、それ以上の面積で行う場合もございますし、先ほどグレードと言っていましたが、そういう点につきましても高いグレードで実施する場合もあるわけであります。もっとも狭い意味での超過負担というのはまさしく単価差なわけでございまして、ともすれば単価差だけという感じになるおそれがあるわけでございます。私どもといたしましては、単価差は、これは当然解消してもらわなければいけませんし、行政水準の向上に伴いまして、グレードに当たる部分とかあるいは数量の部分につきましても、やはり実態に即して改善をしていただく必要があるわけでありまして、そういう面で協力をお願いしておるわけであります。
 過去十数年前に保育所につきまして大きな超過負担があるといわれた時代と異なりまして、それほどの差は出てきていないわけでありますが、厳しい財政状況の中で、でき得る限りいわゆる超過負担といわれるものがないように、自治省といたしましては最大限の努力をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
#186
○河上委員 次に、補助金の実態について、幾つかお伺いしたいと思います。
 今日のような高度情報化社会にあっては、パソコンなどの情報機器、これを使いこなせるということは社会人としての必須の要件とさえいわれているわけでございます。その意味では、職業高校におけるパソコン教育は極めて重要な科目の一つであるといってもよいわけでございます。
 ところで、産業教育設備整備費のうち、職業高校備品整備費は買い取りを条件としております。パソコンはモデルチェンジのスピードも大変速いため、一年前の機種が全く売れなくなることも多いわけでございまして、そこで、パソコンを導入する際、利便性と経済性も考慮してリースを組む方が有利なのではないか。実際、多くの民間企業でも一般的に行われている手法でございます。しかし、それにもかかわらず職業高校備品整備費では、買い取らなければ補助金を出さないとなっており、これでは今日の社会常識に即しているとは決していえないのではないか、このように指摘されるところでございます。
 なぜ補助の条件として買い取りに限定しているのか、理由をお尋ねしたいわけであります。そして、リースであっても補助金を出すべきであり、リースに関する運営費のようにして補助金を行うべきではないかと考えるわけでございますが、この点についての御見解をお示し願いたいと思います。
#187
○高説明員 御説明させていただきます。
 職業高校の施設設備は、基本的にはその設置者であります都道府県等が行っておりますが、国は産業教育振興の観点から、産業教育振興法というものに基づきまして施設設備に関しまして一定の基準を定めておりまして、当該高校が現に所有している施設設備がその基準に達していない場合に、その不足部分について都道府県等が整備をされるときに、その必要な経費の一部について助成を行うという仕組みになっております。
 こうした産業教育につきましての施設設備の助成制度の性格、趣旨から考えますと、経常費的な性格を持ちますリース契約による料金を助成の対象とすることは困難であろうというふうに考えております。こうした事情を踏まえまして、リース契約による場合につきましては、従来から地方交付税の方で措置をされておるというふうになっております。
#188
○河上委員 もう一点お伺いしたいわけでございますが、地方生涯学習振興費補助の件でございます。
 まず、この補助金の趣旨及び実態についてお尋ねしたいと思います。
#189
○鬼島説明員 お答えします。
 地方生涯学習振興費補助金についてのお尋ねでございますが、この補助金は、近年におきます地域住民の生涯学習に対する強い要請にこたえるために、国が一部補助をいたしているものでございます。例えば、地域の特性を生かした生涯学習の町づくりを行う生涯学習モデル市町村事業でありますとか、ボランティア活動を総合的に促進するために生涯学習ボランティア活動総合推進事業でありますとか、あるいはまた、人々の学習要求にこたえ多様で高度な学習機会を提供するといった社会教育活動総合推進事業というものを市町村で行う場合に、これを国が補助するということでございまして、今日におきます生涯学習の強い関心といいますか、生涯学習の振興をするということで、国が補助いたしておるものでございます。
#190
○河上委員 地方公共団体に対する補助金は、国と地方公共団体が協力して事務や事業を実施していく上で、全国的に一定の行政水準の維持のためや、特定の行政目的の推進や奨励のための政策手段としてその機能を果たしてきております。しかし、その一方、行政の簡素化や合理化を阻害して非効率的な財政資金の運用をもたらすこともあります。
 そこで、これまでに臨時行政改革推進審議会の答申などにおいて補助金の整理合理化に関する提言が行われておりますが、その中で、地方公共団体の事務として同化、定着していると認められるものについては一般財源措置に移行すべきであるという議論がございます。この生涯学習振興費補助は、これからの福祉社会をつくり上げていく上でも大事であると思います。どのような意義を持っているのか、一般財源化の議論とあわせて、この点、御説明いただきたいと思います。
#191
○鬼島説明員 お答えいたします。
 ただいまの質問でございますが、先ほども申し上げましたように生涯学習の振興は非常に重要な施策でございまして、文部省といたしましては、生涯学習あるいは社会教育施策の推進に極めて重要だということと、地方公共団体からの補助要望も大変強うございまして、この補助制度を仮に一般財源化ということを考えてみますと、地方公共団体の財政事情等によりましてこの行政サービスに地域的に格差あるいは不均衡が生ずるのではないかというおそれ、そういうことがありますものですから、一般財源化ということは全く考えておりません。生涯学習の振興ということから、これらの事業をさらに拡充いたしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#192
○河上委員 次に、都道府県社会福祉協議会等活動助成費補助金の件に関してお尋ねをしたいと思います。
 まず、この補助金の趣旨及び実態についてお伺いをいたします。
#193
○亀田説明員 今後、活力ある社会を実現していくためには、住民の参加を得ながらの民間地域福祉活動の推進を図っていくことが必要不可欠だというふうに考えております。御指摘の社会福祉協議会につきましては、この民間地域福祉活動の中核となる組織、機関でございまして、その果たすべき役割は非常に大きなものがあるというふうに考えております。
 このような趣旨から、厚生省におきましては、ただいまお話のございました都道府県社会福祉協議会等活動助成費補助金として地域福祉活動の推進に必要な経費を計上し、都道府県それから市町村の社会福祉協議会に補助をしているところでございます。
 実態でございますけれども、平成三年度における補助額は都道府県社会福祉協議会分と市町村社会福祉協議会分を合わせまして三十一億九千万余りということになっておりまして、これは前年度、平成二年度に比べまして二五・七%増という大幅な増加になっておるところでございます。
 この補助事業の主な中身でございますが、まず、都道府県社会福祉協議会につきましては、民間福祉活動の推進方策につきまして企画したり立案したり、あるいは関係機関の調整をする、そういうような仕事をいたします福祉活動指導員の設置事業というようなものが一つございます。それから次に、これは平成三年度新たに獲得いたしました事業でございますが、今大変な人手不足の状況にあるわけでございますが、地域における福祉マンパワーの確保を図るために、福祉の仕事についての住民の理解と関心を高めながら社会福祉事業への就労を促進していく福祉人材情報センター事業というようなものがございます。
 それから、市町村社会福祉協議会の主な事業につきましては、市町村の区域における民間福祉活動の推進方策の企画、立案あるいは調整等を行います福祉活動専門員の設置事業、それからボランティア活動、これも最近大変重要な活動になってございますが、ボランティア活動の永続的な展開を図るためのボラントピア事業というようなものがございます。さらに、平成三年度のこの新規事業といたしまして、民生委員でございますとか地域のさまざまな関係者が福祉のネットワークを形成いたしまして、そのネットワークによって住民の方々のいろいろな福祉ニーズにこたえていく、ふれあいのまちづくり事業と称しておりますが、そういうものが具体的な内容になっておるところでございます。
#194
○河上委員 今、事業内容等具体的に示していただきましたが、これからの高齢化社会を展望してみるとき、地域のネットワークをどのように充実させるかということは極めて大事な問題でございます。特に、在宅福祉サービスにおけるマンパワーの確保という問題を解決していく上で大きな焦点になってくると思われますけれども、そこで、この補助金は今後どのような意義を持ち、そして一般財源化の議論も出ているわけでございますが、この点についてさらに御説明願いたい。
#195
○亀田説明員 先ほど申し上げましたように、社会福祉協議会につきましては地域福祉活動の中核的な役割を担う、そういう組織として、社会福祉事業法でございますが、法的にも位置づけられておりまして、また実際そういう活動をいたしておるわけでございます。
 そういうことでございますが、今後、活力ある福祉社会を形成し、特に高齢者保健福祉推進十か年戦略、一般にゴールドプランといわれておりますが、先生御指摘のように、在宅福祉を充実していこうというのが主な中身でございますが、ゴールドプランでございますとか、昨年六月に改正いただきました福祉八法改正、こういうものの円滑かつ着実な実施を図っていく、こういうためには、地域福祉活動というものをますます充実させていかなければいかぬというふうに思っておるところでございます。
 そういう観点から、社会福祉協議会につきましては今後とも助成を一層充実をしていきたいというふうに考えておるところでございまして、一般財源化にはなじまないのではないかというふうに私どもは考えております。
#196
○河上委員 交付税の算定の件で一点お伺いしたいと思います。
 社会福祉費の算定でございますが、平成元年度の基準財政需要額と一般財源決算額を比較いたしますと、これはある県と申し上げますが、基準財政需要額が一般財源決算額の半分以下になっているところがございます。これはもちろん地方団体の政策判断によるものと考えられますけれども、今後社会状況を考慮いたしますと、ただいまも申し上げたとおり、社会福祉、この社会福祉費の算定に当たっては、人員配置など地域の実情に合った適正な福祉政策が実施できるように見直すべきではないか、こう考えるわけでありますけれども、この点についての御見解をお伺いしたいと思います。
#197
○小林(実)政府委員 普通交付税は地方団体の一般財源所要額を算定の対象といたしておりますけれども、このうち地方税については、目的税、超過課税等は対象外とするとともに、地方税及び消費譲与税につきましては算入率を道府県の場合は八〇%、市町村の場合は七五%といたして、残余の部分はいわゆる留保財源として算入対象外としているところでございます。このために、各地方団体の実態と基準財政需要額を比較する場合には、単純に一般財源決算額と基準財政需要額とを比較することはできないわけでございます。
 社会福祉費の一般財源決算額に対する基準財政需要額の算入状況について申し上げますと、道府県分の経常経費の場合、交付団体平均で申しますと七九・八%となっておりまして、十分な措置をしているところでございます。なお、御指摘のように算入率の低い団体もございますし、また不交付団体平均では三三・三%と低い算入状況になっておるわけでありますが、これにつきましては、これらの団体が留保財源等によって積極的に社会福祉政策を実施していることによるものというふうに考えられるわけでございます。
 従来から、さまざまな態容下にございます地方団体の実態がこの基準財政需要額の算定に的確に反映されるように、毎年度の算定に当たりまして改善を重ねてきているところでございますけれども、今後とも各地方団体の社会福祉政策が円滑に実施されますように、また実態に即した需要算入になりますように努力をしてまいりたいと思います。
#198
○河上委員 次に、地方単独事業の確保の観点から何点かお尋ねしたいと思います。
 公共投資基本計画によります地方団体の負担額の問題について具体的にお尋ねをしたいと思っておりますが、我が国の生活関連社会資本の整備は、欧米諸国に比べて著しく立ちおくれているわけでございます。経済大国といわれながら国民が豊かさを実感でき得ない現状というものは、生活と密着した社会資本の整備がおくれていることがその一因ではないかと考えられます。日米構造協議によって四百三十兆の公共投資が決定いたしましたが、生活関連社会資本の整備は、米国側から言われるまでもなく、我が国としても主体的に取り組むべき問題であると考えております。
 この公共投資をいかに生活の質の向上に結びつけていくのかということが今後大きな課題になるわけでございまして、二十一世紀には本格的な高齢化社会へ移行するという現状もこれあり、高齢化社会においては、社会保障関係を中心に財政需要が高まり、社会資本整備を充実させる財政力も弱まってくるのではないかと考えます。生活関連社会資本を整備するためにはこの十年間をおいてほかにないと言っても、その意味では過言ではないわけでございまして、その意味から、公共投資十カ年計画を生活重視の公共投資に重点配分し、経済力と国民生活のアンバランスという矛盾を解消しながら国民一人一人の豊かな生活を実現していかなければならない、こう考えております。
 ところで、この公共投資計画を実施するに当たり、各地方公共団体は果たして新たな建設事業の負担にたえていけるんだろうか、こうした疑問がございます。この四百三十兆という公共投資は地方団体にとって将来への過重な負担にはならないかという、こうした側面が懸念されるわけでございますが、この基本計画に基づきますと、この十年間で地方公共団体の負担額は、一説によれば、都道府県の負担は百二十三兆円、あるいは市町村百五十二兆円、合わせて二百七十五兆円にも及ぶんだ、こういう見解もございますが、その結果として多額の地方債残高を新たに負担するんだ、こうした観点が指摘されております。
 そこで、国としては地方団体の負担額はどれぐらいになると見ていらっしゃるのか、この点をお伺いしたいと思います。また、四百三十兆円の公共投資は地方財政にどのような影響を与えるとお考えなのか、この二点、御質問をしたいと思います。
#199
○藤森説明員 公共投資基本計画、これは昨年の六月でございますが閣議了解をいたしましたが、二十一世紀に向けまして国民生活の質の向上、多極分散の促進等を図っていく、そのためには公共投資による社会資本整備を計画的に推進する必要があるという認識のもとで、今後の公共投資に関する枠組み及び基本的方向を総合的に示しまして、平成三年度以降十年間の公共投資総額を、御案内のとおり、おおむね四百三十兆円というふうに定めたところでございます。
 この公共投資につきましては、その実施主体といたしましては、国、県、市町村等の地方公共団体あるいは公的企業等の多岐にわたる主体がございまして、今後、それぞれの主体が公共投資基本計画を指針として着実にこの事業を実施していくことが重要であると認識しているところでございます。
 ただ、この計画の運用につきましては、各時点での経済あるいは財政状況を踏まえて機動的、弾力的に実施していくということとしております。したがいまして、国や地方等におきます公共投資の具体的な実施に当たりましては、そのときどきの情勢に応じまして、公共投資基本計画を踏まえ、各種の公共事業関係の長期計画あるいは各年度の予算や地方財政計画等において適切な対応を図るというふうにしているところでございます。
 したがいまして、この公共投資基本計画におきましては、十カ年間の地方の負担額についての見通しというものは作成していないところでございます。
 ということでございますので、あわせまして、これからその地方財政に与える影響につきましても、現時点では確たることは申し上げられないというところでございます。
#200
○河上委員 公共投資基本計画では、我が国の社会資本をどの水準までどのように整備していくのかを明確にされておりません。また、生活関連公共投資に限った生活関連重点化枠についても二千億円にすぎません。その上、何が生活関連重点枠であるのか、これは各省に任せているため、その合計額は約一兆五千億円に上っております。
 このように各省庁の縦割り行政に従って単に公共投資額をふやすのでは、豊かな生活に結びつくとは言えないのではないか、暮らしの豊かさを実現するための具体的な目標と方途、これを指し示すべきではないか、具体的なビジョンを示すべきではないか、このように考えるわけでございますが、この点について、経済企画庁、御見解を尋ねたいと思います。
#201
○藤森説明員 お答え申し上げます。
 公共投資の実施に際して、いわば公共投資の目標あるいはその方途等具体的なビジョンを示すべきではないかという御指摘でございましたが、先ほど申し上げましたように、公共投資基本計画は、これから二十一世紀に向けまして着実に社会資本整備の充実を図っていく上での指針として、いわば十年間の公共投資に関する枠組み及び基本的方向というものを総合的に示したものでございます。
 なお、この中身におきましては、今後の十年間の公共投資総額を、先ほど申し上げましたように、おおむね四百三十兆円としておりますし、また、国民の生活の豊かさを実感できる経済社会の実現に向けて、生活環境、文化機能という新しい機能を定めまして、これに係る公共投資の割合を、過去十カ年五〇%半ば程度であったものを六〇%程度に増加させることといたしました。またさらに、主要な分野につきましては整備水準を示しながら、施策の基本的な方向というものを明らかにしたところでございます。
 この計画の実施につきましては、国民生活の質の向上というものに向けまして、本計画を総合的な指針といたしまして各種の公共事業関係の長期計画の策定等を通じまして、着実に社会資本整備を推進していくことが重要であるというふうに考えているところでございます。
#202
○河上委員 なかなか明確にならないわけでございますが、また別な機会にお尋ねしたい。
 次に、公共投資基本計画では、「豊かで活力ある地域経済社会を形成するためには、地方公共団体が地域に密接に関連する社会資本整備に自主的に取り組み、その役割を果たしていくことが一層期待される。」とあります。このため政府としては「地方公共団体が地域の実情に応じ、必要な施策を総合的に講じられるように留意する」こととしておりますが、こうした点を踏まえて、地方単独事業が充実するように財政面でも考慮すべき必要があるのではないか、こう考えますが、それについての御見解をお尋ねしたいと思います。
#203
○吹田国務大臣 先ほどから私もこのことにつきましてしばしば御答弁申し上げておりますように、できるだけ自主性、主体性をそれぞれの地域、その実情に応じて事を進めていく場合には、単独事業というものにある程度の行政の責任者は積極的に取り組むべきではないか、こう思っているわけですね。それに対しましては私の方で、できるだけの起債なり、あるいはまた交付税なりでこれを措置していく、こういうことで進めていきたいものだと思っておるわけであります。
 もちろん、補助事業がそこに存在するものにつきましては補助事業として事を進めなければなりませんが、それだけに頼っていきますと、地域の主体性あるいはその地域の実情というものにそぐわないものになってまいりますから、その地域地域における実情を最もよく反映できる方法で推進しようとしますと、ある一定の単独事業というものを起こしていくということで、今後はそういった面にも自治省としましては地方公共団体と相談をしていきたいものだ、かように思っておるわけであります。
 それから、先ほどからずっとありましたが、超過負担の問題等も、いろいろと各省庁の御答弁もありましたが、私も、この超過負担問題については単価の問題がまず一つ基本的にありますわね。それぞれの事業の単価が現状に合わない、低いという問題が一つあります。それともう一つは、地方公共団体でも、ある一定の基準以上のものをそこに整備しよう、建設しようというような場合も往々にしてあるわけであります。そういう両面からくる超過負担ということで、あるいは財政面で相当大きな負担をしてしまうというようなことになりますね。それがやがて財政の圧迫に通ずるということもあり得るわけでありますから、そういった点は、やはり双方の面からよくにらみ合わせていかなければならぬのではないかなというふうに伺っておったのです。
 今後自治省は、地方公共団体というものを担当しておる、あるいはいろいろと密接な関係を持っておるという建前からいたしますと、そういう面につきましてもよく実情をきちっと把握して、特別な事情のある問題については、関係省庁と単価の問題やあるいは基準の問題、一人当たり何ぼだというような面積等もありますが、そういうような問題等についても御相談させていただくというようなことにしまして、財政的な面の大きな負担を少しでも軽減できるような方向に配慮していきたいものだ、このように思っております。
#204
○河上委員 多極分散型国土形成のため、地域主導型の事業を今後拡大していく必要があると考えられます。この点、自治省としてはどのようなお考えか、お尋ねしたい。
#205
○吹田国務大臣 これはもう国土庁も四全総で示しておりますように、多極分散、いわゆる一極集中を排しまして進めていこう。しかも、その一つのあらわれとしまして、国会におきましても、国権の最高機関である国会の移転問題まで皆さん方でお取り決めをするというところまで進んでいるわけでありますし、これからさらに関係省庁の問題につきましてもでき得るだけ多極分散型にしていこうという方針で進んでおるわけでありますが、それにはそれなりの相当な財政的な負担がかかってくるわけであります。
 こういったことが今後の問題として検討されなければならない問題である。それが四百三十兆の中に入るのか入らないのかという問題、いろいろありますが、それはまあ別だ。やはり生活関連が、四百三十兆でありますから、それは別の問題として、三十八万平方キロの日本国の全域にわたって住みよい地域社会をつくっていくということが基本でありますから、そういう意味での多極分散であるという解釈で、今後も極力そういう方向で、私どもは、公共団体の意見を吸い上げて促進できるように関係省庁との協議に当たりたい、かように思います。
#206
○河上委員 公共事業関係補助金の改善の観点から一点お伺いしたいと思います。
 公共投資基本計画の理念に沿って現行の公共事業関係補助金をさらに充実させる必要があるのではないかと考えますが、この点についての見解を伺いたい。
#207
○小林(実)政府委員 公共投資基本計画につきましては、先ほど経済企画庁の方からのお答えがございましたように、国が実施するもの、地方が実施するもの、財投といいますか、あるいは地方でいいますと公営企業で実施するもの等、いろいろなものが含まれておるわけでございます。その中でやはり公共事業関係につきましても充実をさしていただく心要があるわけでございまして、現在十五、たしか公共施設整備に関しては五カ年計画というのがあったと思います。あるいは十年のものもあったかもしれませんが、そのうち今回八つの五カ年計画を新たにつくりかえるというようなことで、いずれも公共事業につきまして、過去十年に比べますと非常に高い伸びの計画になっておるわけでございまして、この公共投資基本計画の基本理念に従いまして各省庁におきまして所要額の確保がされるものというふうに考えておるわけでございます。
#208
○河上委員 国民生活の質の向上のためには、住民生活や地域に密着した地方団体の判断のもとに事業が執行できるようにすべきであると考えます。地方団体の意向の反映という側面でございすが、こうした考え方についての御見解をお尋ねしたい。
#209
○小林(実)政府委員 地方単独事業につきましても、もちろん地方団体が実施する場合には地域住民の御意見も聞きながら、またその意見を反映しながら事業を進めておるところでございますが、公共事業につきましても地方団体の判断に際しましては、住民生活や地域に密着した団体でございますから、その地域の意向を酌み取って仕事をする必要があるわけであります。公共事業につきましても、そういったことの仕事のしやすい方向での改善といいますか、あるいは対象事業につきましての取り扱い等が行われるようになることが望ましいというふうに考えております。
#210
○河上委員 公共事業費の補助金の一部を、使途について地方公共団体が実情に即して自主的に決定できるように包括的な補助金とする考えについての見解をお尋ねしたいと思います。
#211
○吹田国務大臣 この問題は、私はいかがであろうかなと思っておるわけであります。ちょっと問題ではないかなと。補助金は、それぞれの事業に対する補助金ですから、それを総括的に何にでも使えるようにするというのなら交付税の問題を拡大強化しなければならぬわけでありまして、そういうようなことは補助金の性格上からいくとどうであろうかなということで、直ちに先生の御意見にイエスを申し上げることができにくい問題ではないかなと思っております。検討に値すると思いますけれども、直ちにここでお答えできるような問題ではない、こう思いますが……。
#212
○河上委員 地域福祉基金、この点についてお尋ねいたします。
 二千百億円の根拠について示していただきたい。また、民間活動だけでなく地方団体も使用できるようにするべきだと考えられますが、そのためにも今後措置額を増加させる必要等あるのではないかと考えます。この点についての御見解をいただきたい。
#213
○小林(実)政府委員 地域福祉基金につきましては、その運用益で民間団体が行う先導的な事業に助成を行うということを予定しておるわけでございます。
 この規模でございますが、国におきまして、昭和六十三年度から平成元年度にかけまして基金が設置されまして、七百億のものがつくられたわけでございます。今回つくりました地域福祉基金につきましても、国とは直接関係ないことではございますが、全地方団体に設置されるものでございますので、これよりは大きな額ということで、府県につきましては七百億、市町村につきましては千四百億、合計二千百億、こういうふうにしたわけでございます。基金運用型の基金でございまして、その果実で仕事をしていただくというものでございます。
 これにつきまして、民間の行う先導的な事業に助成を行うことを予定しているというふうに申し上げていたわけでありますが、この使い方はもちろん地方団体が自主的に決めるものでございます。ただ、私どもが申し上げたいのは、地方団体が直接実施いたします施策に要する経費は、別途地方財政計画で一般行政経費の中で、例えば平成三年度の場合でいえば、福祉系統の経費につきましては七・四%で、総額にいたしまして二兆四千億の歳出を見込んでおりますので、まずそれで対応していただく。この基金はそういうことから果実について民間の先導的事業への助成ということを想定したわけでございまして、その点は御理解をただきたいと思います。
 今後の状況につきましては、地方団体の取り組み状況等を見ながら検討してまいりたいと思います。
#214
○河上委員 土地開発基金の件でございますが、現在のような地価高騰の中では、五千億、いかにも少な過ぎる、こう考えられますが、この点いかがでしょうか。御見解をお示し願いたいと思います。
#215
○小林(実)政府委員 公共投資基本計画もあるわけでございますが、そのほかに、御指摘の現在の地価高騰によりまして地方団体が事業用地の取得が困難となっておりまして、用地ストックも減少しておるところでございます。そうした状況下におきまして、計画的に公共投資を実施するためには事業用地それからその代替用地を確保する必要があるわけでございます。そこで、平成三年度におきましては土地開発基金五千億を計上いたしたわけであります。昭和四十年代に土地開発基金、交付税措置したことがございまして、平成元年度末におきましてはその金額が、地方団体で積み立てておるものがたしか一兆二千億ぐらいにはもうなっておると思いますので、そこへ五千億がプラスされるという感じになるわけでございまして、これを有効に活用していただくと用地の先行取得が大いに進むというふうに思うわけであります。
 一方、公共用地の先行取得債という制度がございまして、公共事業を行う場合に土地を先に買っておく、そのための地方債があるわけでありますが、これにつきましても適用要件を緩和することを予定いたしておりまして、これとそのほかにさらに地方には土地開発公社というものもございまして、私どもといたしましては地方債、それからこの基金、それから土地開発公社を活用していただくと、用地の先行取得は、これをうまく活用していただければ相当円滑に行われるようになるのではないかというふうに思っておるわけでございます。
#216
○河上委員 地方の自主財源の強化充実、富裕論等々言われておるわけでございますが、実態にそぐわない、まだまだ依然厳しい地方財政であると思っております。その意味から、地方の自主財源の強化充実についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、この点、御質問をしたいと思います。
#217
○小林(実)政府委員 地方団体が自主的に地域の活性化を図る、あるいは行政水準を上げていくためには、基本的には自主財源でございます地方税の充実強化が望ましいと考えるわけでございます。しかし、この数年の状況をごらんいただければわかるように、特定の地域に偏って財源の格差が出ておる、こういう御指摘もあろうかと思います。地域に税源が偏在する状況のもとでは、地方税の充実のみでは、税源に乏しい地方団体における財源強化には限界があると言わざるを得ないわけでございます。その意味で、地方交付税等を含めた地方一般財源の確保が必要になるわけでございます。私どもといたしましては、地方税源の充実とあわせまして、交付税等の安定的確保に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#218
○河上委員 時間前ですが、これで質問を終わります。ありがとうございました。
#219
○森田委員長 小川信君。
#220
○小川(信)委員 まず具体的な問題でございますけれども、さきの委員会でも質問をいたしました事項との関連ですが、さきの本会議で生産緑地法の改正がなされたわけでございまして、今参議院で審議され、これは実施されるというふうに考えますけれども、生産緑地法の改正は、三大都市圏の市街化区域内農地に対する固定資産税の宅地並み課税との関連もあるわけでございますし、そういうふうな地方税法もこの間改正された。いよいよ改正生産緑地法と地方税法の改正とが一体となって平成四年から実施されるということでございます。
 その場合に、保全すべき農地というものを都市計画の見直しによってやっていかなければならない。その場合に、都市における農業との調和を図りつつ、都市における土地の効率的な活用、都市計画の実施ということになるわけですけれども、これは関係する三大都市圏特定市の地方自治体の自主性を最大限に尊重して行うようにということで、私、実は先般建設委員会にも出席いたしまして、質問の中で強く求めたものでございます。
 そういたしますと、保全すべき農地とそうでない農地の区分確認の作業というのは、限られた期間の中で当該市の担当部署で行わなければならないということになってくるわけですが、それが間に合わないと固定資産税との関係も出てきますから、そうすると市の担当部署の能力を超えるような事務量が集中的に出てくるのではないかというようなことも予想されます。また、保全すべき農地の認定と課税の時期とが時間的なずれが出るということになると、課税上の問題として、農家が不利益を生ずるというようなことも起こるということもあります。
 あれやこれやいろいろな課題がございますけれども、さきの建設委員会で生産緑地法の一部を改正する法律案に対する附帯決議がされております。これは六項目ありますけれども、この六項目の附帯決議の大部分というのは、関係する地方自治体、特定市の対応に非常に大きく期待をしておると同時に、これらについて万全の対応をするような内容になっているわけでございます。
 そういうような意味から、自治省としてはこの附帯決議を尊重して、それぞれの該当する市で生産緑地では適正かつ円滑に行われ、そして固定資産税の宅地並み課税等々との関連もあって、これらの問題が遺漏がないように行われるよう関係の市を十分指導していただくと同時に、都市地域における農業との調和のある町づくりが行われるよう指導を行っていただきたいというふうに考えるわけですけれども、これについてのお考えなりをまず聞かしていただきたいと思います。
#221
○小林(実)政府委員 生産緑地法の一部を改正する法律に関連いたしまして、衆議院の建設委員会におきまして御質問の決議が出されたことはお聞きをいたしておるわけでございます。
 第一義的には、この法律所管の建設省におきまして、地方団体に対する周知あるいは指導等が行われるというふうに考えますけれども、自治省といたしましても関連しておるわけでございます。特に、私の立場からいたしますと、今お話がございました生産緑地指定事務経費に対してどう財源措置をするか、あるいは、附帯決議の中で生産緑地所有者からの買い取り申し出があった場合の地方債措置、さらには都市基盤整備に対する財源措置等々のこともあるわけでございまして、必要な財政支援措置等につきましては的確に対応できるようにしてまいりたいというふうに思うわけでございます。
#222
○小川(信)委員 この問題については今の程度で終わりますけれども、特に、今御答弁ございませんでしたけれども、市街化区域内の農地の課税について、農地所有者等が不利益をこうむらないような対応措置はぜひお願いを申し上げたいというふうに思います。
 続いて、次の問題に入らしていただきますが、地方自治体の財務会計の方式の問題でございます。
 先ほど遠藤委員の方から、地方財政白書の決算内容等についての記載方法について、どうも読みにくい、見にくいというようなことがあったわけでございますけれども、端的に言って、地方自治体の会計処理というものは現金主義による収支会計で行われておるというようなことでございます。そういうふうなことの会計の処理の基本的な理念が現金主義ということでございますので、いろいろと難しい面もあるかと思いますけれども、まず結果そういうふうなことで、言うならば大福帳方式的な会計処理になってくるかと思います。発生主義によって会計処理ができないものなのか。そういうふうなことによって、いわゆる一般会計、一般の企業会計による損益勘定と資産勘定、それから資本勘定というような区分を明確にすることによって決算を行っていくことが、私は今求められておるのではなかろうかというふうにも思うわけでございます。
 特に、長期的な自治体の計画を立てる、いわゆる事業計画と同時に、それを裏打ちする財政計画を立てていくということになりますと、現時点までの時系列的な財政の分析、そういうふうなものが行われなければ長期的な投資計画というものもなかなか難しいのじゃないか、その投資計画の裏づけになる財務計画といいますか財政計画を立てるということになると、現行の会計制度を思い切って改善する必要があるのじゃないか、こういうふうに考えるわけですけれども、まず第一段、その辺の考え方をお尋ねしたいと思います。
#223
○吹田国務大臣 小川先生に申し上げますが、地方公共団体の公営企業という問題につきましては、現時点になってまいりますと、これはよほどよく考えていかなければならぬのではないかと思うのです。当然公共団体がやるべき公営企業というものもありますし、あるいは現実の問題としては、収支はもうバランスもとれませんし、どうにもならないという、民間に移行する方が適当であるという問題もありますね。そういうような問題等もありますから、この辺は内容を今後検討する余地が十分あると私は思っておるわけであります。
 全国的に見ますと、県あたりでの売水、売電関係というのは、それはそれなりの県全体の問題として考えられるわけでありますけれども、小さな市におきまして公営企業でバス運営をするとか、交通関係のそういった事業に今日進めておるところあたりは、随分と財政的な赤字を抱えておるという状態だし、さらにその運営も非常に困窮しておるというような面もあるわけですから、そういう点について、まず第一に、そうした公営企業の持つ役割というものが、現実の問題として、その地方公共団体の担当すべきこととして将来もこれを継続するかどうかということについての検討をまずしなければならぬ事態にもなってきておるのじゃないかという気がするわけであります。
 全体的な問題としてこれは検討の余地があるというふうに思っておりますが、詳細にわたりましての数字の問題やその他は財政局長からまた答弁していただきます。
#224
○小林(実)政府委員 地方団体の財政には、大きく分けまして、税負担を基本の財源としております普通会計と独立採算制をもとにして行っております地方公営企業会計に大きく分けられるわけでありますが、現実に申し上げますと、地方公営企業で経理すべきものについて、例えば下水道につきましてもなかなか公営企業会計に踏み切れないという実態があるわけであります。一方、普通会計につきましては、これは現金主義で長い間の歴史がございますし、これは我が国の場合は特に国の予算にも絡むことでございまして、そういうことから、全部現金主義をやめて発生主義というのは、これは大変な話であろうかと思うわけであります。
 ただ、関係者の中には、フローばかりでなくストックについて分析をする必要があるじゃないかということで研究をしていただきまして、若干このストックの方につきまして企業会計的発想で分析をしたらどうかというような報告書も出ておるわけでございます。それはそれで非常に貴重な御意見であろうかと思いますし、余力のあるといいますか、そういう分析をした方がまたいいという判断をされる団体におきましてやってみるということも意味があることと思いますが、現行の現金主義で決められております普通会計につきまして、これをそっくりやめて別の方式を導入するということにつきましては、余りにも問題が多過ぎるという感じがいたすわけでございます。
#225
○小川(信)委員 今の公営企業とかいわゆる法適用企業については、発生主義によって企業会計原則を準拠したような形で決算処理なり財務管理をやっておられるわけでございますので、私が申し上げたいのは一般会計です。
 完全に企業会計原則に基づいてそれでやれというのは、それは企業とこういう地方自治体との違いはあるでしょうけれども、やはり収支勘定と資産勘定とがはっきりわかるような決算報告をする必要があるということであれば、会計処理も初めからそれはやっていかないと現実にできないのじゃないか。先ほどの遠藤委員の質問にもありましたように、少なくとも貸借対照表をつくって、資産がどれだけある、負債がどれだけあって、正味財産がこれだけありますよ、これは市民皆さん方の正味財産ですよ、そして、損益勘定というか収支勘定になりますけれども、一年間こういうふうな歳入と歳出の結果、去年よりはこういうふうにふえてきました、これだけ少なくなりましたということを示す方がわかりやすいのではなかろうかというふうに思うわけなんです。
 そういうふうな中でやはり考えなければいけないのが、例えば損益勘定というか収支勘定の中でも、正味、現金は動きませんけれども、考えなければいけないのは減価償却費、いわゆる庁費の中にある資産、たくさんの固定資産がありますけれども、そういうようなものの減価償却を計上するとか、それから、職員の退職給与の引き当てを計上するとか、こういうふうなものを計上する。それから、自治体の会計の中で出てくる未収金があるわけですね、未納の地方税とか分担金とか使用料、手数料、こういうふうな未収入金の計上をやはり資産として計上するとか、それから地方債は、これは借入金ですから負債の方へ計上されるけれども、地方債の中でも交付税で見ますよという部分については、これはある意味では資産であるわけですから両建てになってくる、こういうふうなものもあるでしょうし、それから、債務負担行為等々、今から責任を持って負担をしますよというようなものとか、一時借入金も、こういうふうなものを負債の方へ計上する。そして、基金とか出資とか出捐とかいうようなものとか貸付金というようなもの等々を資産に計上して、そして公有財産、普通財産というものを固定資産に計上する。そして貸借の残ったところが正味財産、企業でいう資本金になるわけです、剰余金と資本になるわけです。
 そういうふうにして計上してやってみますと、例えば固定比率がどうなるかといったら、固定比率が八〇か六〇ぐらい、一五〇ぐらいあるということになれば、この自治体の経営はどっちが安定しておるのかというようなこともあるでしょうし、少なくとも流動比率、固定比率ぐらいは分析ができる。そういうふうになりますと、ある意味では行政コストというものを、そしてそれからさらにやってきて、行政部門別の効果分析なんかをやっていくというようなこともできるということになれば、ある意味では非常に私はプラスになるんだろうと思いますし、長い歴史的な経過の中で定着してきておるといわれる今の一般会計の現金主義的な会計制度を抜本的に改正するという方向で検討をすべき時期じゃないかというような感じがするわけです。
 それは、ある意味では住民に対する財務報告を明確にすることができるということと、それから、長期的なその村なり町なり市の計画をつくっていく裏づけの財務計画資料になるのではないか。さらには、一定の内部留保という、言葉は悪いですけれども、自治体としての固有の財産を、それも特に無利息的な財産を留保できるというようなことも、こういう明確な勘定の仕組みにして決算をやっていけば住民も納得できるような仕組みになってくるんじゃないかというような感じがするわけでございますけれども、重ねてその辺、局長さん、いかがでございましょうか。
#226
○吹田国務大臣 私は、その意見はどちらかというと小川先生に賛成できないわけ。地方公共団体というのは、国もそうですけれども、単式簿記でやっておりまして、今おっしゃるような複式簿記の制度を取り入れないわけです。私も複式簿記関係というのは専門ですからよく承知しておりますが、少なくとも行政というのは、行政効果がどう上がったか、その地域社会にどういう効果を上げたか、住民がそれによってどう幸せになってきたかというのが問題なんでありまして、そこに基本があるわけです。ですから、今の財産の問題のプラス・マイナスとか、基本的財産がどうなったから、借入金がどうだからということの比較対照によっての複式簿記で得る内容というのは、余りないのですね、行政的には。やはり、毎年入ってくる財政力に基づいていかに地域社会に最大限に貢献するか、それがどれだけの経済効果と行政効果を生んだかというところにむしろ問題があって、決算でもそういう点が追求される問題だと思うのですね。
 そういう意味から私は、今先生のおっしゃる話も、企業では当然そうしなければならぬ、企業はもうこれは利潤を追求するわけですから、それはそれでいいと思いますね。しかし、公共団体はそうではないんではないかなという感じを持って私は長くずっと行政をやってきたわけでありますが、なんだったらひとつ財政局長から答弁させます。
#227
○小林(実)政府委員 私がつけ加えることもないぐらいにもう答弁をしていただきまして、私自身も、役人になりましてから公営企業の方は実際余り自分で経理もタッチしたことがございませんで、現金主義になれておりまして、御指摘の点はよくわかるわけでございますが、国の予算もそれから地方の予算も極めて緊密な関係にございますし、今までの各地方団体の議会というものは現金主義になれてそこで議論を重ねてきておる問題ですから、今後の一つの課題ということにさせていただきたい、こう思うわけです。
#228
○小川(信)委員 この問題は相当基本的な問題になりますので、課題として御検討されていただくことで結構だと思いますが、私は、こういうふうにはっきりさせていかずに、やはり、人間が多いとか金があるとかないとかということがとかく行われておるのではなかろうかというふうな感じがしてならないわけなんです。そういうふうな意味から一つの提案としてお話を申し上げたわけですけれども、ひとつ十分な御検討をいただければと思いますし、自治省内部といいますか関係するところでも検討がされておるようでございますので、やはり新しい時代にふさわしい会計制度というものをひとつお考えいただく時期ではなかろうかというようなことで御提案したわけでございます。
 それでは、本題といいますか交付税との関連の問題で御質問申し上げたいと思います。
 私の地域にもたくさんありますし、全国的にも約千近い公立、組合立の病院がございます。地方自治体が経営をしている病院がございますけれども、この病院が地域医療の中核的な役割を持っておるということは否定できないだろうと思います。とはいいながら、市立、町立というような病院は、長い歴史を持っている病院もありますし、住民のニーズにこたえるという形で新しくつくられて歴史的な経過も余りない組合もある。それから規模の大小さまざまであるわけでございますけれども、やはり公立病院、自治体病院の役割というのは非常に大きいものがあるだろう。公立病院というのは単に医療とか診療とか治療というような医療サービスだけに終わらずに、先ほどからいろいろ議論が出ている保健、福祉、こういうふうなものと一体化したような総合的な対応をしなけりゃならない役割をその地域において持っているというふうに思うわけです。
 この点について、自治体立の、自治体経営の病院の持っている役割と位置づけについて、厚生省としてどのように認識しておられるか、お尋ねしたいと思います。
#229
○篠崎説明員 先生御指摘のように公立病院は地域の医療ニーズに基づきまして、一般医療のほか、民間の医療機関では対応の困難な例えばがんですとか、あるいは小児などの高度、特殊な医療、また救急、僻地などの医療を提供する上で極めて重要な役割を担っているものと認識をいたしております。
#230
○小川(信)委員 同じ質問を、自治省としては約千の自治体病院をお持ちでございますけれども、自治省としてはどのようにお考えになっておられるか。同じ質問を……。
#231
○二橋政府委員 ただいま厚生省の方から御答弁がありましたのと基本的に同じような考えでございますが、自治体の病院は地域の中核的な医療機関として機能いたしておりまして、特に山間僻地、離島のような医療に恵まれない地域の医療の確保、それから、公的医療機関でなければ対応が困難であります高度医療でありますとか、あるいは先駆的な医療等について大きな役割を担っておるというふうに考えておりまして、我が国の医療を取り巻く環境は大きく変化してきておりますけれども、自治体病院は一層大きな役割をこれからも果たしていく必要があるというふうに考えております。
#232
○小川(信)委員 自治省としては、今のお話のような位置づけで病院特別交付税等についてはいろいろと特段に配慮してきておられるわけでございます。その辺は私も高く評価をしたいというふうに思っておるわけでございます。平成二年度の自治体病院に対する特別交付税等々の伸びなんかを見ましても、ほかに比べて大きく伸びておるというようなことで高く評価をしたいと思います。
 しかし、現実の自治体病院は、先ほどの白書の中にもございますように四六%、約半分ぐらいの自治体病院が赤字決算をしておられるということですね。それから全国自治体病院協議会等の調べを見ましても、六割ぐらいのところがやはり赤字決算をしておられるというようなこともありますし、さらに内容を見ましても、経常利益の伸びよりも経常費用の伸びが大きい。それから医療収益の伸びよりも医療費用の方の伸びが高いということで、必ずしも経営が安定しておるというふうには言いかねる。これも、病床の非常に大きいいわゆる大病院というところと、百床前後から下のところとでは、相当、収益率といいますか、そういうふうなことを使うことは問題があるのでしょうが、非常に差が出てきております。
 そういうふうなことを考えて、実は私の地元、山口県内の私のおりますところの近くにも市立病院、町立病院、小野田、下関、美祢、萩が市立病院があって、山陽町というところに町立病院がございます。長い歴史もあるし新しいのもあるわけですけれども、その一つの病院の決算状況なんかを見ますと、ベッド数が二百ベッドくらいの病院ですけれども、診療科目が十あるというようなところで、元年度の決算が二百万円程度の赤字。それから繰越欠損が一億八千五百万円ぐらいの赤字だ。病院経営の借入金が十五億ぐらいの借り入れというような状況であるわけなんですね。そういうふうな数字だけ見ましても、本当に厳しい。もちろん、十五億の三分の二は交付税で対応してもらえますから実質的にはそうではないでしょうけれども、しかし、繰越欠損で累積赤字がどんどん拡大をしていくというような状況下にあるわけです。
 それでは、そういうふうな病院の診療体制はどうかということになりますと、ですから非常に厳しい制約を受けておるということを言わざるを得ないわけなんですね。住民の医療サービスのニーズにこたえるよう充実強化をしていきたい、しかし、充実強化をしようとするけれども多くの問題を抱えておるというのが今の自治体病院の現実ではなかろうかと思いますけれども、これらについて自治省、どのようにお考えになっておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#233
○二橋政府委員 自治体病院の経営状況につきましては、ただいま委員の方から詳細に御指摘があったとおりでございまして、何といいましても病院は非常に多くの人手を必要とする事業でございまして、公立病院の関係者の方々から私ども最近、診療報酬の伸びよりもむしろ人件費の伸びの方が、人事院勧告等によりまして大きくなってきているという状況がございますので、経営状況が非常に厳しくなっておるという話はいろいろ伺っておるところでございます。規模によりましては、また地域の置かれた状況によってもいろいろ状況は違いますが、総じて、いわば人手を非常に多く要する事業であるということから、また他方で診療報酬が別の決まり方をしてくるというふうなこともございまして、経営がかなり厳しくなっておるという状況にあるということは私どもとしては認識いたしております。
 そういうことにかんがみまして、かねてからこの自治体病院に対する財政的な支援措置をいろいろ講じておるところでございまして、私どもの方の分担をいたします範囲では、地方債の問題でございますとか、あるいは地方交付税の問題を通じまして、そういう経営状況も踏まえながら財政支援措置を講じておりまして、平成二年度では、先ほども委員から御指摘もございましたように、かなり大幅な交付税の支援措置を強化したいという状況でございます。
#234
○小川(信)委員 それで、今の御認識のとおりだと思いますけれども、人件費等の問題もございますが、今申し上げた診療科目十の病院の職員配置状況を見ますと、正規職員が百七十七名、臨時職員、嘱託職員含めて七十一名、合計して二百四十八名。これが、条例による定数というのは百八十名、ベッド数が二百十五床というようなことです。その中で看護婦さんが百十九名。臨時が二十一名、このうちには助産婦さん等も含まれておりますけれども、そういうふうな状況なんです。看護助手が十四名ですか、医師が九名、事務が八名、給食七名、医療技術者七名というのが、全部これは臨時職員として入れておるというようなことで、臨時職員を入れることによって現実対応をしておるけれども、職場における人員の不足の実態はさらに現実としては非常に厳しいというようなことです。
 その中でも特に、看護婦の不足というものが非常に大きいというような現実があるわけでございます。
 四週六休の実施ということでなっておりますけれども、実は病院等の現場においては、四週六休実施によって勤務時間が三十分延長になったということなんですけれども、その延長されたことによってさらに労働がきつくなってきたというようなことを現場は言っておるわけです。現実、準夜勤務が午前一時に終了するわけですけれども、通常、帰宅するのは二時か四時だ。それから、深夜が朝の九時に終わるわけですけれども、実際家に帰れるのは十時か十二時になってくる。弁当を持ってきても弁当を食べる時間がないから食べずに持って帰るというような現実がある。それから、月に八回というふうな勤務を決めておるけれども、通常、九回から十回になるというようなことが言われております。多い人では月十三回準夜、深夜の勤務をせざるを得ないというようなこと等が現場から報告されておるわけでございます。これは自治体病院だけの問題ではないと思います。
 先週のアエラにも出ておりましたけれども、看護婦の現状という形で、看護婦さんの数はふえるけれども患者の数もふえて、看護婦さんの実態は非常に厳しい。特に、二十代と四十代、四十五歳、四十代を過ぎると月九回の夜勤が出てきておるというようなこともありましたし、それから、看護婦さんが職場を退職される理由としては、仕事の内容に対する不満、結婚、他分野への興味、こういうふうなものがありますけれども、仕事の内容に対する不満、労働時間に対する不満というようなものが大きい数字で出ておる。それから、改善を求める点という形では看護職員の増員というのが圧倒的に多い。そして、がたんと下がって給与の改善、週休二日制の完全実施とか労働時間の短縮というようなものにつながっておるということ。
 とにかく人をふやしてほしいというのが非常に強い声として出てきておるというようなことでもあるわけですけれども、これは何も自治体病院に限ったことではないと思いますけれども、これらの問題について、厚生省はどのように対処をされようとしておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#235
○矢野説明員 お答えいたします。
 今委員御指摘のように、看護問題はいろいろな多岐の問題にまたがっておりまして、その解決のために今鋭意努力している最中でございます。今後は高度の医療、そのほか高齢化の問題に対しましていろいろな対応をしなければいけないということで、まずはカリキュラムを改正いたしまして、それを去年から新しいカリキュラムで、高度な看護といいますか、質の高い看護婦を養成したいということでやっております。
 また、平成三年度の予算におきましては、いろいろな対策を立てておるわけでございますが、まず一つは、これから看護婦になる人をふやしていくということで、看護婦等養成施設への助成を強化したいということ、それから、再就業を促進するということで、これは家庭にいる方々でございますが、そのためのナースバンクをさらに充実していきたいというようなこと、それから、どうしても結婚とか、先ほど原因がいろいろあるという御指摘がございましたが、そういうことも当然考えなければいけないということで、子供を育てる看護職員の就業のための院内保育の充実、それから、いろいろな講習会でありますとか、さらには、ことしから国民の看護に対する理解を深めたいということで「看護の日」を五月十二日でございますが制定したいというようなことで、今申し上げましたような柱に基づきまして、ことしの予算におきまして一般会計のベースで約四割の大幅増を図ってまいりました。
 それから、マンパワーに関連いたしまして、三月十八日には保健医療・福祉マンパワー対策本部の中間報告の取りまとめをしたところでありまして、今後ともその趣旨を踏まえまして看護職員の確保対策に努力していきたいというふうに思っております。
#236
○小川(信)委員 今厚生省の看護課長さんからのお話がございましたように、いろいろと対応されておりますけれども、やはり現場の看護婦さんの皆さん方、看護職員の方々からの要求というのは、看護職員の増員、これについては今から養成をやっていく、それから退職されて資格のある方を再雇用できるような状況をつくっていくというようなことでもなると思いますし、給与の改善ということについても強い要望が出ている。それから、労働時間の短縮というものについても強い要求がある。夜勤回数を減してほしいということ、それから、子供さんを持っておられる看護婦さん等々については子供の保育所なんかの充実をというようなことになってきます。そういうふうなことは早急に実施していただかなければならないことであると同時に、地方病院、いわゆる自治体病院を持っておられる自治体としても、やはりそのあたりを考慮した対策というものを考えていただかなければならぬと思います。
 まず、四週六休の導入によってかえって忙しくなった、大変だという声が出てくるわけでございます。その辺について、行政部局と病院のような現業と同じような形で対応するということに、先ほど消防職員の問題も出ておりましたけれども、それぞれの職種によっての対応の仕方というものを工夫する必要があるのではないかというふうに思いますが、その辺、いかがでございましょうか。
#237
○二橋政府委員 自治体病院におきます週休二日制、いわゆる四週六休制でございますが、これの実施状況は、平成二年八月一日現在で調査いたしましたところでは、実施または試行をいたしておるところが八八・九%でございまして、平成元年のときには七九・九%でございましたから九ポイント増加して、この四週六休の実施ないし試行は順調に進んでおるという状況にございます。
 今御指摘のように、その過程で、いろいろ職場ごとに、その四週六休を導入していくに当たって実際の仕事のやり方にそれぞれのところで工夫を加えておると思いますけれども、その過程で、あるいは個別の問題として今委員が御指摘になりましたような問題が生じておるかもしれませんけれども、全体としては今そういう状況で四週六休制の導入が進んでおるというところでございます。
 それから、交代制職員、いわゆる病院交代制職員でございますけれども、これの週休二日制、週四十時間体制への移行ということにつきましては、平成二年三月の閣議了解に基づきまして平成二年度から試行を行うということにいたしておりまして、現在自治体病院についても、こういう趣旨を踏まえて試行を進めることを私どもも平成二年三月十六日付の通知をもちまして指導をしておる、今そういう状況でございます。
#238
○小川(信)委員 本質的には基本的な人員の不足ということがあるのではなかろうかというふうに言わざるを得ないと思います。
 さらに、自治体病院、看護婦さんの問題も今申し上げたようなことですけれども、そのほかの職種の方々にとってみても非常に人員が不足という実態がある。
 先ほども臨時職員で対応しておるというお話でございましたが、例で申し上げますと、この病院の医局といいますか、薬局ですけれども、医療監査ですか検査ですか、これなんかで人員をもっとふやせ、現在薬局におる人間、これをもっとふやす必要がありはせぬか、こういうことが言われるわけなんです。薬局の人員をふやさないということは何かというと、薬局全体にわたりますけれども、ここは外来に対しての投薬を調薬して出す、渡すという仕事と、薬局の大きな仕事としては、各病棟に配置しております、配付しております医薬品の管理という仕事があるわけなんですね。そういうようなことを考えると、薬局では、薬を受け取る患者さんを何時間も待たすというサービス低下という問題もさることながら、これも大事な問題ですけれども、各病棟に配置しておる薬を適正に管理するというようなことも必要になってくるということになれば、監査等で厳しく増員を指摘されるということも私は当然だろうと思います。
 それから特徴的なところを言いますと、給食関係の業務です。これも病院にとっては非常に重要な業務ですけれども、給食業務については正規職員が十名、臨時職員が七名というような形でやっておるということですけれども、病院の給食は学校なんかの給食とは違いまして、それぞれの病人に合った治療食をつくらなければならぬということになりますと、非常にきめ細かな給食作業をやらなければならぬというようなことで、それと、給食の食事を提供する時間、余り早くてもいけないわけなんですね。そういうふうになると勤務時間との関係でぎりぎり遅く、通常の夕食なら夕食の時間に、朝食なら朝食の時間に給食が行われるようにしなければならぬということになると、これまた非常に手間もかかるし人手も要るというようなことが給食現場からは強く出されてきておるわけです。
 それから、今申し上げた規模の病院でも、事務職員が正規職員が十五名に臨時職員が八名というような配置になりますけれども、特に月末から月初めにかけてのレセプトのいわゆる診療報酬の請求の問題、こういうふうな時期には非常に事務量がふえてくる。朝の四時か五時ごろまでほとんど徹夜で請求事務を間に合わさなければならない。それから男性の事務職員は当直がある。それも通常の当直とは違って、救急患者等が来るとその都度起きて対応しなければならないというような状況で、非常に労働の中身も厳しい。限られた人間でのローテーション、月に三回から四回は当直があるというような状況でもあるわけなんですね。
 そういうふうなことを考えてみましても、病院の職員というもの、自治体病院の職員というのは住民の医療ニーズにこたえて非常にたくさんの仕事を限られた人間でやっておるという現実があるわけです。そしてさらにその上に、今からは高齢者福祉との関係で在宅介護は、ホームヘルパーとかいうような形で高齢者の介護は福祉のサイドでやられますけれども、在宅看護という問題になりますとこれは医療のサイドになってくるわけです。お医者さんとペアで高齢者の方々の家に行って看護する、そして後は看護婦さんが一人で行くというような形でやっていくわけですけれども、こういうふうな福祉と結びついた医療の側面も今から担っていかなければならないというような状況下に置かれておるというふうに言っておるわけでございます。
 そういうふうなことを考えると、今の条例による定数というものが適正なのかどうなのかということを再検討する必要があるのじゃないか。ベッド数何ぼに対して何人だ、診療科目幾らに対して何人だというようなことの定数の見直しを考えなければならないのじゃないかというふうに考えますが、そのあたり、いかがでございましょうか。
#239
○二橋政府委員 病院のいろいろな部門についての職員の定数の問題についてお尋ねがあったわけでございますが、まず、現在いわゆる自治体病院の職員の数が全体でどのくらいで、どういう傾向にあるかということを簡単に申し上げておきたいと思います。
 これは正規の職員ということで、先生が先ほどおっしゃっている臨時の職員は含んでおらない数字でございますが、平成元年度末で医師、看護婦、事務職その他全部合わせまして十八万五千人余りの職員数になっております。御承知のように、最近一般行政を含めまして全体の職員数は抑制傾向の中であるわけでございますけれども、この病院部門につきましては、患者数が増加いたしましたり、あるいは看護基準の引き上げがございましたり、また今お話のございましたような医療看護体制の充実といったようなこともございまして、病院関係の職員数というのは毎年ふえてきておりまして、六十年度以降で申しますと毎年度約三千人くらいずつ増加をしているという状況にございまして、地方団体のそれぞれの現場におきましてはそれなりにいろいろ考えながら職員数の確保を図ってきておるというふうに考えておるところでございます。
 最初に申し上げましたように、何といいましても病院は人手が非常にたくさんかかる事業でございますので、恐らく病院の管理者にいたしますと、職員の数をそれぞれの部門でそれぞれの実態に応じてふやしていきますと、自動的にそのことがまた経営の圧迫をもたらすという要因があるわけでございまして、これはひとり自治体病院だけの問題ではないわけでございますけれども、また片方で収入面での非常に厳しい状況にもなるということも御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 いずれにしましても、地方団体の方がそれぞれのところで実態に応じた定数を自分のところの条例で定めるというこの原則は保っていく必要があるだろうというふうに考えております。
#240
○小川(信)委員 定数というものはそれぞれでしょうけれども、現実は職員給与が、構成比率を見ますと費用の中で約半分が給与費になってきております。ですから、そういう意味では病院というものは人件費の比率が非常に高いということは確かにそうであると思います。ですから、病院経営という面から考えれば人件費をどれだけ低く抑えるか、それは定員数、数をどれだけぎりぎりまで持っていくかということでしょうけれども、これこそ今から住民のニーズが非常に高まる分野でもあるわけですので、やはり将来を展望した形での定数の増ということは全体的に考えていかなければならない課題ではなかろうか、それでこそ自治体病院としての住民のニーズにこたえる仕事ができるのではなかろうかというふうに私は思います。
 同時に、今から強く求められてくるのは、一つには、直接患者と接触する医師、看護職員の増員とレベルアップということになってくるだろうと思います。それから二つ目は、高度な医療機器の導入ということになってくるだろうと思いますが、医療機器というのは購入単価も非常に高い。一台で億のけたのお金で発注生産というような形ですので大変なものではありましょうけれども、高度な医療機器を積極的に導入していかなければならない、要員もふやさなければいけない、それからそのふやす医療職、看護職の水準を引き上げていかなければならないというようなことがどうしても避けて通れない大事な課題だろうと私は思います。
 そのためには、地方自治体としても努力をしていかなければなりませんし、また努力をするというふうに私も思いますけれども、これを財政的にフォローする、自治省の財政的なフォローというのが必要だろう。ということは、一つには、病院特別会計、病院にかかわる特別交付税の基準単価をさらに見直しをしていくということが必要ではなかろうかと私は思います。それから、地方債の病院債の枠、それから、それに対する償還財源の国の負担というものも考えてみる、再検討するということが自治省に求められる自治体病院の声ではなかろうかというふうに思うわけでございます。
 この財源的な、財政的な裏づけとしての問題についていかがお考えか、その辺を聞かしていただきたいと思います。
#241
○二橋政府委員 自治体病院に対します財政的な支援措置でございますが、まず、病院の施設あるいは機器を含みます設備の財源といたしまして、地方債というのが考えられるわけでございます。この地方債につきましては、毎年度の地方団体の建設改良の動向等を勘案しながら積極的にその所要額を確保いたしておりまして、平成三年度の地方債計画では二千四百八十億円、二年度に対しまして一八・七%の伸びということで確保いたしておりますし、建物等の標準面積、単価につきましても、実情に即して措置をいたしておるところでございます。
 それから、一般会計からの病院会計に対します繰り出しに対する財源措置でございますが、独立採算でやっていただく以外の、いわゆる公的負担で一般会計の方で持つべきものというものにつきましては、地方財政計画上、建設改良費あるいは僻地医療、救急医療、高度医療、看護婦養成等の項目について病院会計の繰出金を地財計画に計上いたしておりまして、平成三年度で申しますと、四千六十五億円を計上いたしております。その額に対しまして交付税措置をいたしておりますが、三年度はまだでございますので平成二年度の交付税の措置額で申しますと、普通交付税、特別交付税合わせまして千八百七十三億、平成元年度に対しまして二〇・八%の伸びで交付税措置をいたしておるところでございます。
 高度医療の関係、特に今お話がございましたけれども、これは採算をとることが困難なものでございまして、しかし公立病院としては実施する必要があるということで、これにつきましてはさらに手厚い一般会計からの財政措置をいたしておりまして、高度医療に要する機器につきましては、購入をいたします企業債、地方債の元利償還金の全額を地方財政計画に繰出金として計上いたしております。それから、平成二年度からは、実態調査をいたしましたことに基づきまして、機器がリースで行われておるというふうなものもございますので、機器をリースで行っている場合のリース料、それから、特に高度医療が必要なために建物のスペースをそれなりに工夫するというふうな部分がございます場合のその建物のスペース部分につきましても、その全額を繰出金に計上いたしております。さらに平成三年度、これは今予定でございますが、集中治療室の運営費をやはり繰り出しの対象として計上いたしたいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、地方債、地方交付税全般を通じまして、今後とも適切な財政措置をいたしていきたいと考えております。
#242
○小川(信)委員 地域住民の自治体病院に対するニーズというものがますます高まってくると思いますので、今おっしゃったような面で財政的な支援措置を十分講じていただきたいというように思います。住民が安心して暮らせるような仕組みをつくっていただきたい。
 それと、これは厚生省等にもお願いしておきたいのは、やはり診療報酬の見直しなり、特に看護料の見直しというような声も現場からは出ておるというようなことも御理解をいただきたいと思います。
 それから、先ほど申し上げた看護婦養成の充実ですけれども、やはりすそ野の広い、質の高い看護職員の養成、特に医療の高度化、専門化に対応できるような技能水準を持ってもらうようにする必要があると思うのです。そのためには、養成施設の充実の問題とか、高等学校の看護科の拡大とか教育内容の充実、より高度な看護職員の養成、先ほども北沢委員からもお話がありましたけれども、そういうふうなものを地方自治体ではそれぞれ考えておられるところもあるわけでございます。私のおります山口県でも、県立山口女子大学が看護学部を設置をしたいということで、今、県でも独自の調査費を計上して調査活動をやっておられます。これは学部認可は文部省ですけれども、財政的な措置ということになりますと自治省の対応になると思います。この山口のような動きが全国各地にも出てくるだろうと思います。こういう看護職員の養成ということについての財政的な措置、支援にも十分御配慮をいただくよう特に要望をしておきたいと思います。
 当面山口でそういうふうな声がございますので重ねて申し上げたわけでございますが、厚生省におかれましても、看護職員の養成、そして自治省においても、自治体が取り組む看護職員の養成について最大限の努力をしていただき、自治体病院を初めとする地方の地域に密着した病院が住民のニーズにこたえられるような体制をつくってもらいたいということを強く求めたいと思います。これについては何か総括的な御答弁をいただいて質問を終わりたいと思います。
#243
○吹田国務大臣 ただいまのお話は私も非常に痛感しておるところでありますし、予算委員会におきましても、衆参ともにこの看護婦問題についでは常に大事な問題として今日提起されておるわけであります。こういった意味からも、この看護婦の養成施設の問題等、十分これから配慮していかなければならぬ問題だと思いますし、厚生省あたりとも十分話し合って、自治省もこれに対応できるような準備をしていかなければならぬ。あるいは文部省とも協議をしながら、今お話がありましたように、看護婦さんのいわゆる技術、知的水準、そういった面の総合的な向上というものも図らなければならぬという意味から、今小川先生おっしゃったように、山口県でも調査費を組ませて、私も、この山口県立女子大に看護学部を設置するということに数年前から知事に踏み切らせたわけでありますし、これが実現はもう近々の問題になってくると思いますが、そういったこと等を考えますと、文部省、厚生省ともに協議しながら、そういった一つのレベルアップの問題も考えながら全国的に進めていかなければならぬ。ただ、看護婦さんというのは患者の看護をする、そういう名称自体も私はもういかがであろうかと思っているくらいでありまして、むしろ医師補のような立場でありますから、相当高度な教育の必要性も感じておるわけでありまして、そういう意味での学部の設置ということも大事な問題であるというふうに痛感いたしておりまして、全く同感であるということをここに表明いたしまして答弁といたします。
#244
○森田委員長 小林守君。
#245
○小林(守)委員 本日の最後の質問者になりました。御答弁をいただいている皆さん方も大変お疲れとは思いますが、もうしばらくのおつき合いをお願いしたいと思います。
 さて、今日統一地方選の後半戦が戦われているところであります。二十一世紀に向かってあと十年という、まさに節目の年の地方選挙でありまして、それぞれの候補者が今日的な地方政治の、そして地方行政の課題を掲げて戦って頑張っているところであります。
 申すまでもなく、二十一世紀に向かって地方政治が、地方行政が取り組むべき多くの課題があるわけですけれども、特に高齢化の急速な進行に対応しての、長生きをしてよかったと思えるような福祉社会の実現とか、さらには、人間性豊かな子供たちの教育、今日の登校拒否等にあらわれている教育荒廃の現状、そういうものをいかに改めていくか、そういう課題もあろうかと思いますし、また、生活関連の社会資本の整備、道路や上下水道や住宅や公園や緑地や、こういう社会資本の充実が急がれているわけでありますし、さらには、自然環境の保全というようなものもありますし、地域の活性化という観点に立ちますならば、一極集中等にあらわれた格差をいかに改善していくか、こういう問題もあろうかと思います。まさに、住民に、国民に密着した生活の課題がかかったときに差しかかっているわけでありまして、地方自治の真価が問われる時代を迎えている、そのようにとらえているところでございます。
 これらを総括して言えることは、どこの地域に住んでいても真に豊かさの実感できる社会をどうつくっていくんだ、そういうことに集約されると思いますし、また、福祉やそれから自然環境という観点を考えるならば、人と自然にいかに優しい社会をつくっていけるのか、そういう課題にぶつかるのではないかと思うわけでございます。
 ところで、ふるさと創生関連の施策についてお伺いをしていきたいと思うのですが、昭和六十三年度から導入をされましたふるさと創生事業につきましては、平成三年度におきましては新たに地域福祉基金が加えられました。拡充の方向で一層展開をされてきているということで評価をしている一人でございますが、別の観点から考えますと、ふるさと創生というその中身が膨らんで、一面ではあいまいにもなってきているのではないか、そのように思っております。先ほど申しました豊かさの実感できる社会、その大きな構成要素というか要因の一つとして私はふるさと創生事業があるというふうに考えるものでありまして、そういう点で、ふるさとという概念がどういうものとしてとらえられているのか。
 一般的にはだれでもわかることなんですけれども、ふるさとというと、ウサギ追いしかの山のふるさとなのか、ブルーライト・ヨコハマのふるさとなのか、そういういろいろあろうかと思うのですが、政府、自治省で考えているふるさととは何なのかということを一度問い直してみる必要があるのではないか。そして、ふるさとを創生していくということに対して、政府、自治省当局がこの創生事業の事業名の頭に、自ら考え自ら行う地域づくりというようなことを掲げているわけでありまして、そういう点では地方自治体が自主性や主体性を持ってみずからの地域づくりをするんだというシフト、中央的な立場からのものではなくて、住民が、地域自治体がみずからつくっていくんだ、そういうシフトのかけ方に重点が置かれているのではないかと思うのです。
 そこで、ふるさとについてどのようにお考えになっていられるか、ちょっと禅問答的になろうかと思いますが、お聞きをしたいと思っているところです。
#246
○吹田国務大臣 ふるさととは何ぞやと言われると、これはまた非常に答弁しにくいのですけれども、私はやはり、その人その人が持っておる、今日まで生きてきた人生の中における心の問題だと思うのですね。ですから、国外に出てみれば日本人は日本国がふるさとである、こういうことにもなるでしょうし、また、私のように山口県出身であれば山口県がふるさとである、これははっきりしておるわけでありますし、心の持ち方の問題だと思います。そういうことで、日本列島のすべて、三十八万平方キロの地域をふるさとと考えて、そうして、その地域地域の特色を生かしながら誇りと愛着をはぐくんでいこう、これがふるさと創生の基本的考え方であるというふうに私は位置づけております。
 また、ふるさと創生を当時提唱されました梶山元自治大臣あるいは当時の竹下総理大臣、こういった方々がこのふるさと創生というものをうたい上げた、そうして今日まで、その地域の特色を生かして、誇りと愛着というものをはぐくみながら地域の発展というものに知恵を絞るということで進めてこられたと思います。そういう意味で、ふるさと創生というものはみずからやはり考える、官製として自治省がこういうふうにやるんだというような物の考え方でなしに、役所で考えるのでなしに、地元でそれなりにお考えをいただく、そうして、みずからこれを推進するという意欲を持ってもらわなければこれはだめでありますから、そういう意味においての意欲を上げてもらう。これに対して私どもが支援すべき内容があるとすれば財政的な援助を十分施していこう、そうして特色ある姿をつくっていくということがふるさと創生として今日考えているところでありまして、十分な答弁になりませんが、どうもふるさととは何ぞや、こう言われると、わかっておるようでなかなか申し上げにくいのですが、問題はやはりお互いの心の持ち方である、こう思っておりますし、そのような点で答弁とさせていただければと思っておりますが……。
#247
○小林(守)委員 確かに大臣のおっしゃるような形で、その人その人のとらえ方の問題の違いがあろうとは思いますが、要は、自分の生まれ育った地域、また今住んでいるところが誇りと愛着が持てるというようなこと、それから、それをつくる自治体が特色ある姿をつくっていくんだというようなところにポイントがあるのではないか、そのように受けとめさせていただきました。
 そこで、今日までのふるさと創生関連の施策について、年々拡充の方向に進んでいるところでありますけれども、その経過と、各自治体等におけるこのふるさと創生関連の施策についての評価というのですか、そういう声を自治省の方ではどう受けとめられているのか。さらに、今後の創生事業に関連する施策についてはどういう要望、要請が各自治体また住民等から出されているのか。その辺について、経過と評価、要請状況等についてお答えをいただきたいと思います。
#248
○紀内政府委員 お答えいたします。
 ふるさと創生関連施策の展開状況について、やや細かくなりますけれども申し上げますと、まず、昭和六十三年度から平成元年度にまたがりまして、ふるさと創生の起爆剤という位置づけのもとに、ソフト事業を中心として、自ら考え自ら行う地域づくり事業、いわゆる一億円事業をスタートさせたところであります。続きまして、昭和六十三年度から平成二年度まで、ふるさとづくりのための戦略的なプロジェクトを促進するために、ふるさとづくり特別対策事業を実施したところでございます。さらに、平成元年度からは、地域活性化に資する民間の事業活動を支援するために、いわゆるふるさと財団のあっせんによる地域総合整備資金の貸し付けを始めました。また、広域市町村圏が広域的な視点で行う地域振興事業を促進するために、モデルとしての位置づけのもとに、ふるさと市町村圏基金の設置についての措置を行ったところであります。平成二年度には、一億円事業を契機として行われております自主的、主体的な地域づくりの取り組みを定着、発展させるために、ソフト、ハードの両面にわたる地域づくり推進事業を創設し、平成三年度には、そのハード分の事業費を大幅に拡充するなど、支援策の充実強化を図っているところであります。
 以上、ふるさと創生関連諸施策の概要について申し上げましたけれども、これらの支援策は、いずれも、国から画一的な内容なり方法なりというものを示すことなく、すべて地方公共団体の創意工夫を基本とするということにしておるために、意欲的に地域づくりに取り組んでいる地方公共団体からは好評をもって迎えられている、このように受けとめております。
 それで、地方公共団体からはこういうふるさと創生関連施策の充実強化、しかも今申し上げましたような基本的な考え方に沿った方向で行われることに対する要望は非常に強うございまして、新しく提唱されております活力倍増プランに対する支援をも含めまして、今後とも自主的、主体的な地域づくりを支援するために力を尽くしてまいりたいと考えております。
#249
○小林(守)委員 事業の拡充の方向でのお話をいただいたわけなんですが、私は特に聞きたかったのは、自治体における自主性や主体性、独自性、こういうものはまさに地方自治、住民自治の本旨にかかわるものだと思うのですね。その辺が起爆剤として行われてきたわけなんですが、どうそれが刺激剤となって今までとは違った地方自治体の動きが見えるとか、そういう評価、その辺がどうなのかということをお聞きしたいのですよ。要は、自主性、主体性がどう喚起されているのかということですね。
#250
○紀内政府委員 個別の事業についての成果を申し上げるとこれは切りがない話でございますけれども、総じて申し上げるならば、一つは、まず地域の特性を分析して、将来どういう方向に持っていこうかという議論を詰めていく過程で、住民の中にやはりふるさとに対する愛着が非常に生まれてきたということが一つ言えるかと思います。
 次には、個別の一億円事業などの施策を推進していく上で、政策の形成過程におきましても、あるいはこれを実施する過程におきましても、住民の参加を得たケースが非常に多うございます。したがって、住民の参加意識、自治意識というものが非常に強くなってきたということが二つ目でございます。
 それから三つとしましては、地方公共団体の首長なり、あるいは議員なり、あるいは職員なりが、それぞれいわばふるさとづくりの自分たちはプロデューサーである、こういう意識を持つに至った、この辺が総じて言えることではなかろうか、このように思っております。
#251
○小林(守)委員 それでは、確かにそのような方向での取り組みをさらに拡充してほしいという要望の形にしておきたいわけです。
 先ほどお話がありましたように、要は、ふるさと創生というのは、その地域における誇りや愛着に住民が目覚めていく、そしてそれを行政がしっかりと受けとめて、住民参加のもとに地域づくりをつくっていく、進めていくということにあろうかと思いますし、その結果が特色ある地域の姿になってくるのだ、そんなふうに集約できるかと思います。
 ところで、これは私自身のふるさと観の中での発想になりますけれども、農山村部の出身なものですから、また住んでいるところもそういうところなものですから、ふるさと創生ということを考えますと、先ほど一番最初に申しましたように、ウサギ追いしかの山的ではないのですが、大体そこから少し変わったぐらいのところのふるさと観を持っているのが事実なんです。ところが今日の農山村部、いわゆる第一次産業の低迷の問題、こういうことを考えますと、大変、ふるさと創生どころかふるさと崩壊の現実にあるのではないか、そのように危惧をせざるを得ないわけですね。それぞれ地域の特色を生かした特産品づくりとかいろいろやってはいますけれども、農林業、まあ漁業の地域の人もあろうかと思いますが、特にそのふるさとを構成する要素として、自然との調和の中で第一次産業がその仕事でしっかり食っていける、そういう状態が実現できないと、ふるさとを創生するどころではない、基盤の崩壊をしているんだというふうに言わざるを得ない状況が進んでいるのではないかと言わざるを得ません。
 そういうことで、実は農林業、第一次産業を取り巻く国際環境もありますが、日本の今日の政治状況を見ますと、むしろ、積極的にそれを振興していくよりは、もう切り捨てられていくのではないかという危惧を持たざるを得ないわけでありまして、ということになりますと、一方では一生懸命ふるさと創生ということをやりながら、一方ではふるさと崩壊のような政治、政策がとられているのではないか、こういう矛盾を、また一貫性のない、整合性がとれていないという感じがいたすわけなんですが、それについてはどうとらえられているのか、お聞きしたいと思います。
#252
○吹田国務大臣 先生のお話も十分私もわかります。しかしながら、第一次産業であります農業及び漁業というものは極めて大事な国のもとであるというふうに私も受けとめておりますし、また農業関係の崩壊というようなことになってまいりますと、ただ単に生命産業というのみならず、そのことは国土の保全ということにも大きく影響してくるわけであります。それが災害を招くという問題にも関連してまいります。
 したがいまして、農業問題というのは非常に大事に受けとめておりますし、こういう席で私が申し上げることは、あるいは問題を醸すことになったということになりますと困りますが、私は、農村というものの受けとめ方が、ただ単なる生命産業だというような地域だというような受けとめ方ではないのでありまして、少なくとも農村というものは民族の活力の源泉をつくっておるところであり、あるいは考え方によれば民族の純血を守るところでもあるというぐらいの非常に強い農村に対する愛着を持っているわけであります。もしもこれが問題化されるようなことであれば取り消しますが、私の心情としては、若いときからの農村で育ってきた気持ちは、率直に申し上げるとそういう気持ちなんですね。そういう意味で、私はこれからも農村を大事にしていかなければならぬ。
 そこで、今お話がありましたような農村の農業経営について、採算のとれないというようなことになったのでは、これはもう口で言っておることとやっていることは違うじゃないかということになりますから、農林省におかれても土地基盤整備事業に非常な力を入れて、いかにして省力栽培に持ち込んでいくかということに努力をしておるわけでありますが、それに対して今回は我が自治省も、県営事業についてはこれの財政的な裏打ちをしていこう、あるいは、今後においては団体営、市町村の経営するそういう事業経営についてまで財政的な問題も検討する必要があるよということも今農林省とも協議をしておるところでありますが、いずれにしましても、コストをいかにして下げるか、そして省力栽培に持ち込むか、そして合理的な経営と若者が十分お手伝いのできるようなそういう農業経営に振りかえていかなければならぬ、こういったこと等を考えまして、総合的にふるさと創生でそれをカバーしていくという考え方なんですね。
 ただ、とかくふるさと創生の中にその農村の自然環境を破壊するというような問題が時に出てくるわけであります。ですから私は、やはり自然環境というものを壊したならば全く意味のないことになってまいりますが、そういう意味でも、これから山は林と考えないで森と考えるという形でいく。
 なぜそういうことを申し上げるかというと、私は議事録でうかがったのですけれども、今社会党の川俣先生のお父さんが、川俣清音という方がいらっしゃいましたが、この方が国会で当時の政府に対して、森とは何ぞや、林とは何ぞやという質問をしておるのですね。それに対して政府は答弁できない。だからその川俣清音先生は、森というのは木を切らないものを森というのだ、切っては後退していくのをどんどんと再生していくのを林というのだということをおっしゃったのを議事録で読んでおるのですが、私はそういった意味から、やはり一つの農村における環境というものを森として考えて、守っていくべきところはちゃんと守っていかなければならぬ。
 そういう意味で、若者が喜んで誇りと愛着を持てるような地域社会と、農業も十分成り立つような農業経営の方策というものを農林省とともに考えていく、それに自治省が協力するという財政的な面があるとすれば、これは私は今後大いに応援していかなければならぬ、こう思っております。
#253
○小林(守)委員 大臣の御高説を承りまして、大変文句なしにというのですか、こういうことになりますと非常に深いところで共感できるものがあるものですから、何ともうれしいわけですけれども。
 ただ問題は、地域の活性化、それと自然保護のバランスのとり方ですね。今大臣もおっしゃったように、地域は、活性化を目指しながら、なおかつ自然との調和を図りながら、若者が定住できる、そして農林業、基礎的な産業によって生活ができる、そういう姿をつくっていかなければならぬと思うのですが、現実に、例えば先ほどもあった誇りと愛着を持てる地域ということになりますが、特色のある地域ということになりますが、今、日本の国内どこへ行ってもリゾート開発の影響下で、まずゴルフ場、スキー場、それからリゾートマンションとか、そういう形で、リゾート開発に代表されるような形ででも、あれはふるさとづくりとは違うとは思いますが、ふるさとはまさに今それで別の角度から崩壊に瀕しているというふうにも見えると思うのですね。川端康成の有名な小説で「雪国」というのがあったのですが、国境の長いトンネルを抜けると雪国だったというのですか、「雪国」の一説なのですが、今は長いトンネルを抜けるとリゾートマンションだったという話になってしまうのです。
 そういう観点から考えますと、リゾート開発に代表されるそういう大型の開発と、それから自治省等が考えている地域の活性化、これらについてどんなふうに考えていったらいいのか。むしろリゾート開発はブレーキをかけるべきだ、凍結すべきだというような意見もあるわけでありまして、自然環境の保全という観点と地域の活性化という問題、ここら辺についてはどのようにお考えになっているか。
#254
○吹田国務大臣 リゾートのとらえ方の問題もありますが、私は先ほどもちょっと触れましたように、自然環境を守るということでの基本がまず打ち立てられなければ、これがつぶされたのでは、観光地域としての価値も何もありません。そういう意味におきましては、そういうところに大きな民間資本をぶち込んで営利を目的とする、そういう意味においてのリゾートということは余り好ましいことではないな、こう思うわけであります。
 我々が今考えておるふるさと創生の物の考え方というものは、自然を生かしながら、余り俗っぽい姿にしないで、そうして多くの方々がその自然の中で喜びが分かち合えるというようなことで、多くの方々がここに集まることもできる、それを収容することもできるというようなことでの制度を夢として持っておるわけでありまして、大きな資本力を投下して民間資本のそろばん勘定をそこに入れて云々するというようなことが前提のふるさと創生でないということだけは御理解いただきたいわけでございます。
#255
○小林(守)委員 大臣の答弁をお聞きしまして、何かこれからの質問がどうもやりづらくなってしまった、共感を覚えているというような状況であります。
 実は、前回の三月七日の地方行政委員会で、やはり地方交付税の問題等につきまして私お聞きをしたときに、大臣がこのような答弁をされました。「中央の官庁から地方の自治体に対して、平たく申せばはしの上げおろしまで一々言われるとか、補助金をもらわなければやれないというような地方自治体でなしに、独自に財源をきちっと持っておる、基本財政の財源というものを確保するということが大事だと思うのですね。その中には交付税の問題も入ります。」というような御答弁をいただいているわけなんですが、ここで、はしの上げおろしまでというような例えのお話がありましたのですが、地方の自主性とか主体性を伸ばす、そして独自性を強化する、そういう意味での財源の確保で交付税の一部がもちろん入ってくるわけなんですが、財源の確保の方向の中で、その独自性の確保についてどのように今お考えになっていらっしゃるか、もう一度お願いしたいなと思います。中央と地方の関係で、独自財源の問題として、どのようにとらえられているかですね。
#256
○吹田国務大臣 私の、はしの上げおろしという表現が悪かったとすれば、これは取り消しますけれども、一々細部にわたってまで中央官庁がその関係の地方公共団体に一つの指示や采配を振るということは余り好ましいことではないし、特にそういうことが、ふるさと創生という性格からすれば決して好ましいことではない。むしろ、そういうことは慎むべきであるという前提で申し上げたつもりではあったのでございますが、私も田舎者ですからつい平生使っておる言葉がそのままこういう席で出てきたわけであります。そういう意味で、そのことは御理解願いたい、こう思っておるわけであります。
 それから、財政の問題につきましては、今自治省の財政当局は局長を中心に非常に熱心に地方自治についての財政的な問題について考えておる。したがって、せんだってからいろいろ御論議されております、政府に五千億云々したというようなことは今後起きないようにしていくためにも、今後をどういうふうにして考え方を進めていくかというようなこと等もいろいろ協議しているわけであります。
 特に、それは国と地方の問題でありますから、あるいは自治省との関係でありますから、持ちつ持たれつということは一つあります、基本的には。ありますけれども、できるだけ独自の姿勢をつくっていこうということになれば、先ほどから私も答弁を他の先生に申し上げておりますように、単独事業をやはり推進するということが、これが基本でなければならぬと思っているのですね。
 ですから、補助金をいただくためにその事業をやるということになったのでもいけませんし、首長さんが、地方の市長さんや町長さん方が、たとえそれが二割であろうと三割であろうと補助金がついているのだということでようやく自分の町の議会の承認がとれる、そして事業が執行できるという言いがかりにするための補助金ではだめなんでありまして、私の言うのは、補助金がなくたって、その町の選ばれた議会と執行部の皆さんで協議をして、何からなすべきであるかということの協議をして、これを推進しようということが決まれば、それは補助対象でなくたってこれを県に通し、我々の方に直接出していただいて、あるいはこれが活力倍増プランとして、あるいはふるさと創生として、これが一つの位置づけとして事業を執行していく、こういうことで財政的な面のカバーをいたしたい。
 こういう考え方で、極めて積極的な姿勢で今取り組もうとして勉強中でありますが、いろいろの面でまたお知恵をかりることがあるのではなかろうかな、こういう気持ちでおります。
#257
○小林(守)委員 そういう方向で積極的にお取り組みのほどお願い申し上げたいと思います。
 さて、昭和五十七年七月に臨時行政調査会が「行政改革に関する第三次答申」いわゆる「基本答申」といわれるものを出しました。その中で、「地方財政の制度・運営の合理化、効率化」という中で「基本的考え方」の部分がこう記されております。
  地方公共団体が要する財源については、地方公共団体が地域住民から徴収する地方税のほか、地方交付税、地方譲与税、補助金、地方債等により総体として確保されることとなっている。
  こうした地方財政の仕組みを通じて地方行政が運営されてきた結果、今や地方公共団体の標準的な行政サービスについては、全国的にみてほぼ同程度の水準に達したものとみられる。今後は、地域の独自性に基づく行政サービスについては、基本的には、受益者である地域住民の「選択と負担」によって行われるべきものと考えられる。
というようなとらえ方が示されているわけなんですが、この点について、「今や地方公共団体の標準的な行政サービスについては、全国的にみてほぼ同程度の水準に達した」というふうに、これは五十七年当時の答申の認識なわけなんですが、自治省として、今日この問題についてどう認識をしておられるか。
 さらに、今問題として私が取り上げております今後の地域の独自性に基づく行政サービス、こういうものについては、この答申では、要は選択と負担で受益者が、地域住民が、例えば税外負担とか法定外の超過課税とか法定外普通税などによってやるべきなんだというように非常に冷たい考え方を示されているわけなんですけれども、今大臣が熱弁をいただいた中ではむしろこの方向とは違ったものが受けとめられるわけでございますけれども、これらについてどう評価し、今後独自性をあらわすために進めようとしているのか、お考えを示していただきたいと思います。
#258
○小林(実)政府委員 我が国におきましては、国の財政と地方の財政が非常に緊密な関係にあるわけでありますが、自治省といたしましては、地方財政計画を通じまして、標準的な水準における財政収入、歳出の状況を組み込みまして、標準的な行政に要する財源を保障することを行ってきているわけでございます。特に、交付税等によりまして、財政力の弱い地方団体に対しましても財源の均てん化を図ってきたところでございまして、教育、福祉その他公共施設もあると思いますが、これがなかった場合とあった場合を考えてみますと、一定の水準が確保されているという面では交付税等が非常に大きな役割を果たしてきている。こういうふうに考えておるわけでございます。
 この全体の行政サービスにつきましての御判断の話かどうかわかりませんが、特定の行政につきましては、交付税制度、地方財政計画等によりましてそれほど差のない行政水準になっている面もあるかと思います。最近では、財政計画におきまして、先ほど来大臣が申し上げておりますように、地方単独事業を特に伸ばすように、これは一般行政経費につきましても、それから投資的経費につきましても努力を重ねてまいりました。その中で、各自治体が独自の施策が展開できるわけでございますので、そういう努力をいたしておるわけでございます。
 御批判もあるかもしれませんが、ふるさと創生関係につきましては、いい知恵を出しまして企画しました仕事につきましては、あるいは事業につきましては、そこへ地方債あるいは交付税措置によりまして財源が流れていくというようなシステムにもいたしておりまして、地方団体が知恵を出して独自の行政水準を上げるという施策に資する方向で私ども努力をしてきておる、こういうふうに思っておるわけでございます。
#259
○小林(守)委員 同じ答申の中でもう一点お聞きしておきたいなと思うのがございます。
 というのは、今の「基本的考え方」の続きになってくるわけなんですけれども、「地方公共団体間の財源調整の強化方策」という項目があるわけです。「標準行政以外の地域の独自性に基づく行政サービスを地方公共団体が自主性と自律性をもって行うためには、その前提として、地方公共団体間で格差の著しい留保財源等の既存財源の一層の均てん化を図る方向で検討する必要がある。」その方向で「ア」といたしまして、「税源の偏在にもかかわらず標準地方税収の一定率とされているため、各地方公共団体間で格差が大きい留保財源については、例えば、当該率の引下げ等の方法による財源の一層の均てん化を検討する。」というような項目があります。
 この留保財源率ということ、これがこの答申では、例えば現在では留保財源率は都道府県の場合は二〇%、市町村の場合は二五%というふうになっているわけでございますが、むしろこれを均てん化の方向から考えるならば、例えば都道府県は一〇%にしろとか市町村は一五%にしろとか、そういう形で、その留保財源、あえて言うならば自治体が本当に思うように使っていい、全く基準財政収入額に積算されないものでありますから、本当に自由裁量に使えるお金なんですね、これらについてはむしろ引き下げを行っちゃうということは、自主的な、それから独自性の財源を狭めていく、むしろ画一化させていく、そういう方向になるのではないかと思わざるを得ないのですけれども、この答申では、むしろ独自性をやるための前提としてそれはやるんですよというような言い方をしているのです。
 この辺について、ちょっと方向として、むしろ私は、当該率の引き上げ、例えば、留保財源率を都道府県が二〇だったらばそれを二五にするとか、市町村は今二五だからそれを三〇にするとか、そういう方向も当然考えられるのではないか。標準行政というものをより精密に実態に合ったように持っていくということでやるならば、確かに留保財源率は少なくなる、それから基準財政需要額の中身はもっと斉一にしていく、いわゆる基準財政収入額に入れる基準税率を八〇からもっと上げろ、それから市町村を七五からもう少し上げるというような形で持っていくのがより標準化に近づけ、より均一化、一定水準をびしっと全国一律に確立する方向にあろうかと思いますが、それはまさに自主性や独自性を奪っていく、創意工夫で、自由裁量でやれるそういう余地をさらに狭める方向ではないのか、そのように考えるわけでございます。
 今までの経過もいろいろあろうかとは思いますが、この留保財源率の引き上げ、引き下げ、これらについて自治省としてはどう考え、今までの経過も踏まえてどう認識されているのかお聞きしたいと思います。
#260
○小林(実)政府委員 基準税率を都道府県八〇%、市町村七五%に設定いたしておりますが、これにつきましては、大きく分けまして三つほど理由があろうかと思います。一つは、基準財政需要額の算定に当たりまして地方団体のあらゆる財政需要額を完全に捕捉してそれを算入することが困難であること、これが一つであります。二つ目は、地方団体が地域の特性に応じて自主的に独自の施策を展開していける余地を残しておく必要があることでございます。三つ目は、地方交付税によって財源が完全に均てん化されますと地方団体の税源の培養の意欲、地域開発の意欲を摘み取ることになるということから、交付税の計算上は基準税率八〇%、七五%を定めておるわけでございます。
 臨調答申におきましては、先ほど御指摘がございましたように全国的にほぼ同一、同程度の水準に達しているという認識のもとで、御質問にもありましたように、地域の独自性に基づく行政サービスは基本的には地域住民の選択と負担により行われるべきものということで、一方、標準行政以外の独自の行政サービスを地方団体が行うためには、その前提といたしまして、地方団体間で特に格差が出てきておりましたものですから、その著しい留保財源等の既存財源の一層の均てん化を図る方向で検討する必要があると提言しているものというふうに理解をいたしておるわけでございます。
 留保財源率の引き下げは既存財源の一層の均てん化の方向の一つとして述べられているというふうに思うわけでございまして、必ずしもそれ自体が論理的に矛盾しているというふうには理解していないわけであります。いずれにいたしましても、この留保財源率を引き下げた場合におきましては、これは地方団体間の均てん化、財政力格差を縮める方向には働くかもしれませんけれども、独自に行う財源、特にその涵養意欲というものは全くなくなってくるということになるわけでございます。
 この留保財源率につきまして長い経緯がござまして、一番最初のときには七五でございましたけれども、経緯的に申し上げますと、基準財政需要額の算定に算入し得るものが出てきて的確に反映することができるようになったことを反映して、まず都道府県につきまして八〇にした。それから市町村につきましても三十九年にこういう改正をしたという経緯があるわけでございます。
 交付税は、地方団体の自主性を損なわずに財源の均てん化を図るという一方、この基準の設定を通じまして計画的な財政運営を保障するという機能を果たしているわけでございまして、そういった性格はやはり維持しなければいけませんし、地方団体の財政需要が実態としてどの程度標準化して基準財政需要額に算入できるかという問題もありまして、そういうことを総合勘案して決められておるものでございます。私どもといたしましては、現時点におきましては、留保財源率を変更する積極的な理由というのは現在のところないものというふうに考えておるわけでございます。
#261
○小林(守)委員 今のお答えいただいた方向で、一つの考え方としてはあり得る。自治体の自主財源の税収を積極的に涵養するという観点から考えるならば、基準財政需要額、それから留保財源率を下げるという形になりますと自主的な努力なりそういう意欲がそがれる。そして、要は足りなくなれば交付税で見てもらえるという話になってしまいますと、ちょっと問題があるなというふうに言わざるを得ない状況になってきているのではないか、そのように考えるところです。
 いま一つ、局長の答弁の中で、かつては七五%だったという答えがあったのですが、これは私の調べではもうちょっと違う動きがあったと思うのですよね。それだけ私は、この留保率なり基準税率についてはこの交付税の流れの中で変わってきているんだということをちょっと認識していただきたいなと思っているのですが。
#262
○小林(実)政府委員 留保財源率の推移についてでございますが、先ほどちょっと間違っているのかもしれませんが、昭和二十五年に制定された地方財政平衡交付金法では道府県、市町村とも算入率が百分の七十でございまして、昭和二十八年に、道府県の財政需要の中で最も大きくかつ義務的性格の強い義務教育職員給与費の財源保障を手厚くするために、道府県の率を百分の七十から百分の八十に引き上げたところでございます。それから昭和三十九年には、税収入の増大とともに市町村相互間の財政力格差の是正をさらに推進する必要がある、基準財政需要額の算定も改善されましてより的確化されてきたことに伴いまして、特に算入率の不十分でございました清掃費とかあるいは農業行政費等につきまして財源保障の程度を手厚くすることが適当というふうに考えられてきたところから、市町村分の率を百分の七十から百分の七十五に引き上げておるところでございます。
#263
○小林(守)委員 こういう形で、地方財政平衡交付金制度から今日の地方交付税制度に至る経過の中で基準税率等が変遷をしてきた。この流れの経過を見ますと、できるだけ標準行政財源を実態に合わせて、より精緻に実態に合うような形で確保するんだ、そういう観点から、逆にいうと留保財源率を下げる、そしてまた別の角度からいうと基準財源率を上げるというような形で取り組まれてきたのが今日の経過ではなかったかと思います。
 ただ問題は、標準行政基準が全国で一定程度もう確保されたんだということになりますと、この流れは見直していくときに来ているのではないか。特にふるさとの独自性やアイデンティティーがとうとばれる、また大きな関心を持ってきて、地方行政の課題のトップに出てくるような時代になりますと、むしろ自治省が地方行政のかなめとしてそういう方向にシフトをしていくというふうな観点が必要なのではないか。より精緻な方向で基準財政需要額を実態に近づけていって、その基準率を高めて保障していくんだと、そういう方向──これは答申の前提を踏まえた場合ですよ。答申では、もうそれが確保できたんだから、より自主的にやるためには選択と負担でやりなさいという話なんですが、私は、選択と負担については疑問を持っています。そうではない方向で独自性、自主性を高めるためにはむしろ留保財源率を高めるという方向が考えられるのではないか、ひとつそれを申し上げたいなと思います。
 それともう一つは、そのことによって確かに自治体間の、団体間の力の差というのはさらに広がるのですね。やる気のある積極的な団体はどんどん留保財源が大きくなる、ちょっとやる気のない団体は厳しくなるという状態に、格差が激しくなるというのは事実だと思うのです。ただ、今度はそれを補う意味で特別交付税の例えば普通交付税との比率九四対六、これもまた随分変わってきているのですよね。かつては普通交付税が九〇で特交が一〇という時代が始まりにあったわけですよ。それだけ精緻じゃなかったから、落ちこぼれとか問題が出ちゃった場合に特交で何とかするための財源として一〇にしておいたわけです。ところが、地方交付税の基準財政需要額とか収入額のものが非常に精緻になってきた、だから特別交付税の率を一〇からもっともっと少なくていいんだと、どんどん普通交付税で配賦していった方がいいんだという形になってきたんだと思うのですよ。それがやはり先ほどの交付税の流れの中と同じように、特別交付税もそういう形で率が変遷してきているのです。
 そういうことを考えますと、団体間の格差が基準税率を下げることによって生まれるというのであれば、特交の率を今度は上げるというようなことで補うことができるのではないか、そんな一つの理屈を考えてみたのですが、これらについてどうお考えになられるか、ちょっとお聞きしたいと思います。
#264
○吹田国務大臣 この留保財源の問題については、これはある一定の物の考え方をそれぞれの関係地方公共団体は持たないといかぬのではないか。これだけ多様化してまいりますし、これだけ高齢化してまいりますとそれなりに各公共団体におきましても福祉政策もとっていかなければならぬということになりますと、留保財源という場合には何か一つの目標を持ちながら、これはいずれこういうものをつくる、あるいはこういう病院をやる、こういう福祉組織をつくる、そういう箱物をやるんだというようなことがあれば、それはそれなりにわかりますけれども、ただ単に留保財源というものに余り焦点を絞るというのは、地方公共団体の動きとしてはいかがであろうか。
 むしろ、この多様化しておる現状、それに対応できるだけの動きを活発に行った方がいいのではないかという意味でも、この辺はほどほどの問題ではないかなという気がいたしております。やはり、現在の住民の福祉と現在の地域社会にある程度投資することが次の世代に大きく意義をなすという問題があるとすれば、今ここでやはり投資的な面にむしろ突っ込んでいく方がいいのではないかとも思われるし、福祉政策をうんと伸ばした方がいいのではないかというふうにも考えられるわけですね。ですから、その辺は一つの目標をそれぞれの自治体で考えてやることでありますが、ほどほどのところが必要ではないか、こう私は思っております。
#265
○小林(守)委員 これ以上留保財源の問題については触れることは避けたいと思うのですが、それでは標準行政の水準の確保という観点から、今度は逆の角度から、本当に水準は確保されているのかという観点で二、三点、清掃行政に関してお聞きしたいと思います。
 一つは、ごみの収集、運搬、この車の運転手や作業員の交付税措置の中で、単位費用、その積算単位が、人数が今二・六人になっているわけですね。これについて、この二・六という数字はどういうところから出されてきた数字なのかお示しを願いたいと思います。
#266
○小林(実)政府委員 清掃費の交付税算定に当たりましては、昭和五十八年度までは、ごみ収集車一台当たり運転手を含めて三人の収集職員を配置してきたところでございます。その点につきまして国会等で御指摘もございまして、五十八年度に全市町村における実態調査をした結果、この直営分の一台当たりの平均収集職員数は二・六人になっていることが明らかになったわけでございます。そこで、激変を避ける意味で二年計画で職員配置を見直すことといたしまして、五十九年度は二・八、六十年度からは二・六としたものでございます。実態を反映した人数として適切なものと考えておるわけでございます。
#267
○小林(守)委員 実態を反映したというような形になるわけなんですが、ただ問題は、私は、労働災害の発生が非常に高い職場なんですね、そういうことを考えますと何らかの改善措置をしなけばならぬ職場だなというふうに常に思っているところなんですが、厚生省で監修をして「清掃事業における安全マニュアル」というのを出しているんだそうなんですが、それには作業員二名、運転手一名、合計三名というものを示しているのですね。こういうのがあるべき姿だと思うのですよ、清掃職場、清掃事業における安全を確保するために。労働災害が一番多い職場なんです、産業別に見ますと。そういう観点から安全マニュアルというものをつくって指導をしようとしているんだと思いますが、その厚生省の監修によるマニュアルがこの交付税の措置に生かされていない。これについては私は標準行政に達していないと言わざるを得ないわけで、お互いの公的機関がこのような矛盾を、そごを来しているということについて、標準行政は、私は、その専門担当のやはり厚生省が出すのが標準行政の姿なんだと思いますよ。これについてまず厚生省から聞きたいと思います。
#268
○坂本説明員 ごみ収集に係る乗車体制につきましては、それぞれの市町村における適正処理及び労働安全衛生面の確保を前提に、住民サービスの確保、収集、運搬の効率性等の観点から総合的に判断すべきと考えております。ちなみに、厚生省が昭和五十八年七月から開催しました市町村の代表、作業従事者の代表、それから学識経験者から成る廃棄物処理事業における事故防止対策検討委員会の報告書では、「収集作業は二人以上で行う。」と規定されております。
#269
○小林(守)委員 それでは、交付税の方で二・六に措置をされている理由について、今厚生省の方のお考えが示されたわけなんですが、どう認識されているか、どう改善しようとするか、その辺をお聞きしたいと思います。
#270
○小林(実)政府委員 私どもの理解におきましては、この委員会の報告書でございますが、廃棄物処理事業における事故防止の最低基準を示したものとは考えておりませんで、地方団体の個別的な事情や地域的な事情はとりあえず捨象した上で事故防止の観点からその対策としての一応の目安を示したものというふうに理解をいたしておるわけでございます。報告書の中で「収集作業は二人以上で行う。」というふうにありますが、運転手以外に収集作業員を二人以上配置するという意味ではなく、運転手が収集作業を行う場合も含むものというふうに理解をいたしておりまして、また、そういう実態調査に基づく地方の実情を勘案いたしまして二・六人といたしておるところでございまして、現時点においてこれについてどうこうするということは考えていないわけでございます。
#271
○小林(守)委員 時間が参ってしまいましたので、幾つかこのほかにも、例えば法令的に設置しなきゃならぬとか、そういう資格のものを置かなきゃならぬ、この人数を置かなきゃならぬというようなものについても現実に置かれていないというような姿もあるのですね。例えば環境衛生指導員なんかの設置についてや、さらには安全衛生委員会、衛生管理者の設置の問題、これらについても法的に労働安全衛生法によって設置が義務づけられているのです。しかしその達成率はまだ十分ではないと言わざるを得ないのです。そういう法的に示されているものについても達成がされてないという現実もあるのも事実です。私は先ほども申しましたように、清掃車の人員についても基本的にマニュアルが出ている、厚生省が監修して出しているんだ、そういうものが一つのあるべき姿だ、これが標準行政の姿だ、そういう形で位置づけていくことが、まず標準行政がぴしっと達成する、そこへまだ漏れて落ちているところがいろいろあるんだということを指摘をさせていただきながら、なおかつ自主性や独自性をいかに高めていくか、これもまた問われている課題ではないかというふうに思います。
 それで、先ほどの留保財源率のことは一応理屈の話で除いておきまして、要は、地域福祉基金のように非常に独自性の高い、冠はかぶっていますが中身は非常に独自性の高い、自主性や自律性の高い、こういうものを積極的に導入する、そしてなおかつ法令的に規定されていて置かなくちゃならないものについては全部点検をして、なおかつ他の省庁がかくあるべきだというものを示したものについては全部きちっとした位置づけをしていく、そういう地方行政の標準行政の確保の上に立って独自行政を展開できる、そういう姿をやはり今後の目指すべき交付税のあり方として提言をしていきたいなと思っております。
 以上で私の質問を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
#272
○森田委員長 次回は、明十七日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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