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#1
第120回国会 本会議 第2号
平成二年十二月十三日(木曜日)
    ―――――――――――――
  平成二年十二月十三日
    午後二時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 平成二年度一般会計補正予算(第1号)
 平成二年度特別会計補正予算(特第1号)
 平成二年度政府関係機関補正予算(機第1号)
    午後二時三分開議
#2
○議長(櫻内義雄君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○佐藤敬夫君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 平成二年度一般会計補正予算(第1号)、平成二年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#4
○議長(櫻内義雄君) 佐藤敬夫君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    ―――――――――――――
#5
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。
 平成二年度一般会計補正予算(第1号)
 平成二年度特別会計補正予算(特第1号)
 平成二年度政府関係機関補正予算(機第1号)
#6
○議長(櫻内義雄君) 平成二年度一般会計補正予算(第1号)、平成二年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。予算委員長越智伊平君。
    ―――――――――――――
 平成二年度一般会計補正予算(第1号)及び同報
  告書平成二年度特別会計補正予算(特第1号)及び同
  報告書
 平成二年度政府関係機関補正予算(機第1号)及
  び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔越智伊平君登壇〕
#7
○越智伊平君 ただいま議題となりました平成二年度一般会計補正予算(第1号)外二案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、補正予算の概要について申し上げます。
 一般会計につきましては、歳出において、災害復旧等事業費、給与改善費、湾岸平和基金拠出金、貿易保険特別会計への繰り入れ、大店法規制緩和関連対策費、国債整理基金特別会計への繰り入れ及び地方交付税交付金など、特に緊要となった事項について措置を講ずるため、合計二兆五千二百十一億円を追加計上いたしておりますが、他方、既定経費の節減により、合計二千四百一億円の修正減少を行うことといたしております。
 歳入においては、租税及び印紙収入の増加、前年度剰余金の受け入れで合計一兆五千九百五十二億円を計上する一方、その他収入で六百四十二億円の修正減少を行うほか、建設公債七千五百億円を追加発行することといたしております。
 この結果、平成二年度一般会計補正後予算の総額は、歳入歳出とも、当初予算に対して、二兆二千八百十億円増加して、六十八兆五千百七十八億円となっております。
 特別会計につきましては、一般会計予算の補正等に関連して、交付税及び譲与税配付金特別会計、貿易保険特別会計など十八特別会計について所要の補正を行うことといたしております。
 また、政府関係機関につきましては、国民金融公庫など四公庫について所要の補正を行うことといたしております。
 なお、一般会計及び特別会計において、所要の国庫債務負担行為の追加を行うことといたしております。
 この補正予算三案は、去る十二月十日本委員会に付託され、十一日橋本大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、十二日及び本十三日の二日間質疑を行い、本日質疑終了後、討論、採決をいたしたものであります。
 質疑は、政治改革の推進、中東湾岸危機をめぐる諸問題と我が国の貢献策及び予備費支出のあり方、対ソ外交方針と緊急援助のあり方、ガット・ウルグアイ・ラウンド閣僚会議と我が国の対応、次期防衛力整備計画の策定方針、新土地保有税等今後の土地対策、過激派対策、税収見積もりと予算編成のあり方、平成三年度予算編成における消費税の取り扱い、林野事業及び水産業活性化対策等、国政の各般にわたって行われたのでありますが、その詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。
 かくて、本日質疑終了後、三案を一括して討論に付しましたところ、自由民主党及び民社党から賛成、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党及び進歩民主連合からそれぞれ反対の意見が述べられました。
 討論終局後、採決の結果、平成二年度補正予算三案は、いずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(櫻内義雄君) 三案につき討論の通告があります。順次これを許します。鈴木喜久子君。
    〔鈴木喜久子君登壇〕
#9
○鈴木喜久子君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました補正予算案に対しまして、反対の立場から討論いたします。(拍手)
 消費税その他の重税に苦しめられ、ぎりぎりの台所を預かる主婦の目から見ると、支出が当初予算より多くなったら即、補正予算が組めるこの国の財政は、何とも都合のよいものに映ります。それだけに、財政法上認められたこの制度は、無制約なものとしてではなく、立法趣旨に従った厳格な運用が図られなければ国民の納得は得られないと思います。(拍手)
 この観点から反対する第一の理由は、湾岸平和基金拠出金として一千三百億円もの金額が計上されていることです。
 湾岸平和基金は、アメリカ軍を中心とした多国籍軍への軍事資金協力を目的としたものです。政府は、憲法で禁止されている集団的自衛権の概念は実力の行使に係るものである、ところが、この基金への拠出は実力の行使ではない、したがって憲法上問題はないと説明してきました。しかし、政府が武器弾薬の購入や輸送に対しては使用していない、その考えはないと幾度説明しようとも、資金を提供した以上は、武器でも弾薬でも購入、輸送することは可能であり、当然のことながら多国籍軍への軍事資金援助の性格を否定することはできません。政府が、イラクのクウエート侵攻に対し、ペルシャ湾岸の平和と安全の回復のため国連安全保障理事会の決議を受けて活動している各国に対する協力という名目で、基金への拠出を幾ら正当化しようとしても、しょせん無理なことと言わなけれほならないのです。(拍手)政府は、基金を国連の活動と何とか関連づけて説明しようとしますが、実は多国籍軍支援の資金を国連が受け取らなかったため、湾岸平和基金という変則的で、しかも不明瞭な形をとらざるを得なかったという経緯に明らかなように、正々堂々と胸を張って説明できるようなものではありません。憲法上の疑義を払拭できず、武力行使を支援するような基金への拠出は絶対に中止すべきであります。(拍手)
 また、財政法の観点からも、アメリカ軍を主力とした多国籍軍への支援を目的とする湾岸平和基金への拠出は問題があります。既に九月の時点で、予備費の中から千二百二十九億円が同基金への拠出金として支出されておりますが、予備費として、使途も金額も適切でないことは明白です。補正予算で追加拠出することも、財政法に規定される補正予算の性格からして、決して好ましいことではありません。このように、当初は予定もされていなかった多国籍軍援助資金をふやしていくということを許すならば、これ以上湾岸平和基金に対する財政支出は行わないという政府の言葉とは裏腹に、支出の歯どめがなくなることは目に見えています。
 我が国がやらなければならないことは、多国籍軍への資金援助を増大させることではなく、湾岸危機の平和解決に向けて最大限の努力を払うことだと確信します。もし千三百億円もの財政支出が可能ならば、むしろ原油の値上げやイラクのクウエート侵攻によって経済困難に陥っている途上国への援助やヨルダン等における避難民救済に充当することこそ最も求められていることであります。(拍手)
 ところで、政府は、さきの臨時国会にアメリカを中心とした多国籍軍に対する支援、協力を第一の目的とした国連平和協力法案を提出しました。その際、政府・自民党が口をそろえて言ったのは、日本は金は出すが人的貢献は立ちおくれていると国際的に批判を受けている、これに対処するため、協力法によって経済大国日本にふさわしい国際社会に貢献する姿を示す必要がある、それが海外からも要請されているということです。
 私は、つい先ごろ国連に行ってまいりました。デクエヤル国連事務総長を初め国連関係者と直接対話することができましたが、どの方も日本がユニセフを初めとする平和的な国連活動に十分協力していることを高く評価されていました。日本に対し、人的貢献が足りないと言われた方は全くありませんでした。(拍手)国連から日本はもっと人的貢献をすべきだ、国連の平和維持活動に協力法をつくって積極的に参加してもらいたいなどという要請があったとは到底考えられません。(拍手)これらについては、日本独自の判断で行えぽよいということです。
 政府が海外からの意向をにしきの御旗とし、協力法の必要性を強調した目的は、結局、協力隊の衣をかぶせて自衛隊の海外出動をねらうことにあったのではないかと思えます。もちろん、現在の日本の国連への協力が完璧なもので、現状で十分と断言することはできません。しかし、国連軍への参加協力や平和維持活動への参加を持ち出す前に、民生的な分野での国連の活動への貢献をもっと真剣に考え、何が日本に対して求められているかをいま一度探り出さなければならないと思います。(拍手)
 補正予算に反対する第二の理由は、防衛関係費がふえていることです。
 給与改善はともかくとして、国際情勢にかんがみれば、正面装備費や自衛官などの削減を進めるべきです。政府は、補正予算によって、八〇年基準では対GNP比一%枠を突破したため、八五年基準に変更して対GNP比一%以内にとどまっていると説明しておりました。しかし、このような小手先で繕うのではなく、防衛費については対GNP比一%枠を守るのは当然のことでありますが、さらに計画的に削減をし、軍縮を進める必要があります。
 ところが、政府は、補正予算だけでなく、将来の防衛政策の指針となるべき現在策定の最終段階にある次期中期防衛力整備計画についても、一九七六年に決定された防衛計画の大綱を踏襲すると伝えられています。しかしながら、一九七六年当時と今日とでは大変な国際情勢の変化があります。米ソの対立から協力、協調への歴史的変化、アジア地域の、朝鮮半島における南北対話やカンボジア和平の進展など、本格的な変化の胎動が始まっています。日本がアジアの国々から信頼を得るためにも、今こそ軍縮を率先して進め、アジアの平和に貢献すべきときなのです。それにもかかわらず、アメリカ、ソ連、ヨーロッパの諸国がこぞって軍事費を削減する中、我が国だけが突出して防衛費をふやし、何とアメリカ軍の駐留経費の肩がわりまでを大幅にふやすなどということを見過ごすわけにはまいりません。(拍手)
 第三の理由は、建設国債の増発に関するものです。
 今回、建設国債が七千五百億円増発されています。財政審議会の報告では、既に達成した特例国債依存からの脱却という目標にかわる中期財政運営の新たな目標として、国債依存度を五年で五%まで引き下げるということが示されていますが、仮に当初予算で建設国債の発行額を計画どおり減らしたとしても、補正予算で大幅に増額したのでは、何のために削減したのか全く意味がなくなります。(拍手)補正後の公債金収入は約六兆三千四百三十二億円となり、これは一般会計総額の約九・三%に当たります。これをどのようにして五%まで引き下げるのでしょうか、具体的な方策は何も示されておりません。その上、十年で四百三十兆円の……
#10
○議長(櫻内義雄君) 鈴木君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#11
○鈴木喜久子君(続) 公共投資の実施が国際公約となり、さらに税収に陰りが見え始めた現状を考え合わせると、新たな財政目標は達成困難と思わざるを得ません。また、公共投資を増額するのであれば、公共事業関係費の配分の弾力化を大胆に進め、生活関連分野にもっと重点的に配分するようにすべきです。
 第四の反対理由は、日米親善交流基金とスポーツ振興基金の創設についてです。(発言する者あり)
#12
○議長(櫻内義雄君) 静粛に願います。
#13
○鈴木喜久子君(続) 補正予算における基金の創設につきましては、昨年度の補正予算の際にも、財政法上の問題が指摘されました。(発言する者あり)
#14
○議長(櫻内義雄君) 静粛に願います。
#15
○鈴木喜久子君(続) まして今回の場合は、税収が伸びない中で多国籍軍支援のための追加経費を計上しなければならないということを理由に……
#16
○議長(櫻内義雄君) 鈴木君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#17
○鈴木喜久子君(続) 大蔵大臣が財政非常事態宣言まで出して、各省庁の経費を削減させ、補正予算を年内に成立させようとしている状況であります。
 したがって、基金への出資の緊急性に対して、もっと説得力のある説明があってもよかったのではないかと思われるのです。こうした基金が必要ないとは申しません。特にスポーツ振興基金のようなものは大変有意義です。
#18
○議長(櫻内義雄君) 鈴木君、時間ですから、結論を急いでください。
#19
○鈴木喜久子君(続) しかし、基金については、財政法の原則に基づいて慎重に対処すべきであると考えます。
 政府は、自民党と一体となって消費税の緊急是正にも、土地税制改革にも、本気になって積極的に取り組む態度を見せず、国民の期待を裏切る姿勢を続けています。私どもは、当初予算に対し、消費税の存続を……
#20
○議長(櫻内義雄君) 鈴木君、時間ですから、結論を急いでください。
#21
○鈴木喜久子君(続) 前提とするものであること、また防衛費を増額したことを理由として反対しました。そして、それを改善するどころか、反対理由に述べてきましたような矛盾を拡大しているとも言えるこの補正予算には何としても反対することを最後に申し上げまして、私の討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#22
○議長(櫻内義雄君) 佐藤信二君。
    〔佐藤信二君登壇〕
#23
○佐藤信二君 私は、自由民主党を代表し、ただいま議題となりました平成二年度一般会計補正予算外二案に対し、賛成の討論を行うものであります。(拍手)
 まず、今回の中東湾岸危機の勃発に伴い、人質として長期間にわたって塗炭の苦しみをなめられた方々を初め御家族、関係者の皆様方に対し心より御慰労を申し上げますとともに、国連決議に沿って一日も早い平和的解決が図られますことを切に希望するものであります。(拍手)
 さて、世界は今、睦史上かつて例を見ないような規模とスピードで激しく動いているのであります。昨年秋以来のソ連・東欧諸国における近代化、民主化を求める動き、米ソの力による対決から対話と協調による新しい秩序を構築しようとする動き、さらにはあの劇的なベルリンの壁の崩壊とそれに次ぐ東西両ドイツの統合の実現等々、世界はまさに平和共存に向けて歴史的な大変革期を迎えているのであります。
 かかる折も折、八月に起きた中東湾岸危機の勃発は、このような平和共存の世界を構築しようとする動きに冷水を浴びせかけ、国際聞に新たな緊張状態をもたらしているのであります。このように世界が激動する中で、国際協調の重要性は一段と高まっており、我が国が果たすべき国際的役割は、従来にも増して大きなものとなっております。
 一方、最近の我が国経済に目を転じますと、湾岸情勢の影響はあるものの、引き続き内需主導による拡大傾向を続けておりますが、その一方で、日米構造協議問題、米の自由化問題等の外圧の高まりなど、解決しなければならない幾つかの難問を抱えております。したがいまして、我が国を取り巻くこれらの状況を十分に踏んまえ、内外の情勢変化に即応し得る適切かつ機動的な財政運営が強く要請されるのであります。
 今回の補正予算は、かかる観点に立ち、湾岸平和基金への拠出、日米親善交流基金への出資等を行うほか、災害復旧等対策費、人事院勧告を実施するための国家公務員等の給与改善費を計上するなど、当初予算編成後において特に緊要となった事項について措置を講じたものであり、いずれも適切、妥当なものと考えます。
 以下、本補正予算に賛成する理由を申し上げます。
 まず賛成の第一は、中東湾岸危機への貢献策として十億ドル、千三百億円の湾岸平和基金に対する拠出金の追加措置を講ずるなど、中東湾岸における平和回復活動への支援経費が計上されていることであります。
 イラクの武力によるクウエートへの侵攻と併合、日本人を初めとする外国人の人質拘禁、これらの行為は、人道的見地からはもちろんのこと、国際法上も断じて許すべからざる行為であります。我が国は国連中心主義の立場を堅持し、一連の国連決議を支持し、イラクのクウエートからの即時完全撤退と人質の全員解放を強く求めてきたのであります。
 中東湾岸危機は、イラクのクウエート侵攻以来既に四カ月が経過したのでありますが、十一月二十九日の国連安保理において武力行使の容認決議案を採択したことから事態はようやく進展を見せ始め、十二月七日には人質の全員解放が決定され、また、米国とイラクの直接対話の準備が進められるなど、平和的解決に向けて新たな展開を見せております。
 解決に至るか否かは依然予断を許さないのではありますが、解決への道が開けたとするならば、そのよって来るところは、武力による侵略行為は許さないという各国の共通した意思に基づいた一連の国連決議にあることはもちろんのこと、この決議を実効あらしめるために多数の国々が協調して行った経済制裁と、無条件即時撤退を求の米軍を中心とする多国籍軍が湾岸に展開した行動に大きく負っているのであります。
 国連決議を実行に移すための国連軍の創設が困難な状況であることを考えた場合、今回の多国籍軍の行動は、国連の決議を体現し、国連軍と同様の性質を持ったものと考えるべきなのであります。したがいまして、中東貢献策の財政措置として湾岸平和基金への拠出金を今回補正予算に計上いたしましたことは、まことに当を得たものと言わざるを得ないのであります。(拍手)
 また、中東貢献策の一環として、エジプト、トルコ、ジョルダンの湾岸諸国に対する超低利り緊急商品借款を供与するための海外経済協力基金への二百億円の追加出資、さらには、中東湾岸危機に伴う多額の保険金支払いに対処するために貿易保険特別会計への四百億円の繰り入れを行うこととしておりますが、これもまた妥当な措置であります。
 賛成の第二は、国際協調を推進するとともに、日米間の協力関係をより確固たるものにするための諸経費が計上されていることであります。
 すなわち、さきに行われました日米構造協議を受けて実施されつつある大店法の規制緩和に伴い、影響を受ける中小流通業の活性化等のための経費、チェルノブイリ原発事故の被害者救済のための医療機器供与を行うための経費、日米親善交流の推進を目的として各界知識人の招聘、派遣等の交流事業を行うための経費等であります。
 力の対決にかわって対話と協調による新しい平和共存の世界の構築が模索されつつありますが、これをスムーズに移行せしめるためには、自由主義世界第一位、第二位の経済力を持つ日米両国が確固たる協力関係のもとに基軸国としての役割を果たしていかなければならないのであります。本補正予算に計上されたこれらの経費は、中束湾岸危機支援経費とともに、国際協調、あるいは我が国の国際的な貢献に資するものであり、高く評価するものであります。(拍手)
 賛成の第三は、特例公債の増発を回避し、財政改革の推進姿勢を堅持し得たことであります。
 長年にわたる財政改革努力等により本年度当初予算においてようやく特例公債の発行によらない予算編成を実現したのでありますが、本補正予算においても、災害復旧等事業費等に対応して建設公債を追加発行するのやむなきに至ったものの、経費の節減努力等により特例公債の発行を回避したことは、評価すべきであります。公債依存度の逓減に向け、厳しい道のりとは存じますが、財政当局のさらなる努力を望むものであります。
 以上、賛成する理由を申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)
#24
○議長(櫻内義雄君) 東順治君。
    〔東順治君登壇〕
#25
○東順治君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました平成二年度一般会計補正予算三案について、反対の討論を行うものであります。(拍手)
 今回の補正予算では、湾岸の平和回復活動に対する協力のための資金十億ドル、一千三百億円が計上されております。我が党は、この十億ドルが、憲法の精神を踏まえ、国連協力を前提として、非軍事の分野に使われるものであれば、当面の貢献策としてやむを得ないものと考えるものであります。こうした考えについては既に明らかにしているところであります。
 しかし、今回の補正に計上されている十億ドルについては、昨日の予算委員会で、武器弾薬には絶対使われないとの答弁がありましたが、その内容、性格、目的、使途が必ずしも明確にされておりません。このままでは無原則、無制限になりかねず、国民の理解を得ることは難しくなるおそれがあります。したがって、政府は、その内容、性格、目的等を明確にして、国民の理解と支持が得られるように努めるべきであります。まず、この点を政府に強く要求するものであります。
 また、湾岸情勢は、過日の国連安全保障理事会での事実上の武力行使容認決議と、その直後のプッシュ米大統領のイラクとの直接交渉提案、さらにはイラクの人質解放などによって新たな局面を迎えております。
 この湾岸危機は、あくまでも平和的解決を目指すべきであります。我が国としても、憲法の遵守、国連中心主義の原則の堅持に立って、平和的解決のために積極的に努力するよう要望するものであります。
 さて、今回の補正予算は、災害復旧や公務員の給与改善費、そのほか義務的経費など、必要やむを得ないものが含まれておりますが、以下の理由から、本補正予算案に反対するものであります。
 その第一は、政府の予算編成のあり方の問題についてであります。
 補正予算には、国家公務員の給与改善費約四千六百億円が計上されております。これは人事院勧告に基づくものであり、追加措置そのものは当然だと思います。しかし、予算はその年度において政府が実施しようとする施策そのものであり、あらかじめ予想される給与改善費のような必要な経費については、当初予算に盛り込むべきであります。これは、補正予算の編成を極めて限定的に認めている財政法の規定からも明らかであります。
 実際に、政府が財政再建期間とした昭和五十六年度から六十年度においても、国家公務員の給与については、人事院勧告を想定し、国家公務員給与の一%分は当初予算に計上されてきていたのであります。ここ数年は、予算規模を意識的に圧縮するために、当初予算で措置すべき公務員給与改善費の計上が見送られているのが実態であります。国家公務員の労働基本権の代償措置として人事院勧告制度が設けられており、これを予想して一定額を当初予算に計上するのは当然であります。この点から、政府の予算編成のあり方は極めて問題があると指摘せざるを得ないのであります。
 第二は、防衛費の対GNP比一%枠の突破であります。
 今回の補正予算では、防衛庁職員の給与改善費が計上されたことにより、防衛費は、当初予算の〇・九九七%から一・〇二一%と一%枠を超えたものになっております。給与改善については、もとより職員の生活を守るという意味から当然ではありますが、防衛費がGNPの一%枠を超えるとなると、事は重大であります。
 政府は、本年は五年に一度行われるGNPの基準改定の年に当たり、この新基準によれば一%以下になるとの弁明を行っております。しかし、基準がそのときの都合により変わるのでは基準とは言えないのであり、当初のGNP見通しを基準とすることは当然であります。さらに言えば、平成二年度予算は、給与改善費を見込めば、当初予算の段階から一%を突破していたのであります。この事実は厳しく指摘せざるを得ないのであります。
 今や、世界情勢は、東西の冷戦構造が終わり、歴史の流れは大きく変わり始めました。対立から融合の時代を迎えております。こうした世界情勢を考えるならば、我が国は、むしろ自衛隊の縮小と防衛費の削減に取り組むべきであり、給与改善によって一%を超えるような場合、他は防衛予算を削減し、少なくとも一%枠は遵守すべきであります。このような努力を行わず、補正予算において防衛費の対GNP比一%枠を突破させたことは、まことに遺憾と言わざるを得ないのであります。(拍手)
 なお、補正予算に日米親善交流基金とスポーツ振興基金の二つの基金の創設に係る費用が計上されております。
 私どもは、スポーツ振興基金の創設は、我が国のスポーツの一層の振興を図るという観点から推進の立場をとってきております。また、日米親善交流振興基金についても、深刻な日米経済摩擦の現状にかんがみ、理解できるところであります。
 しかし、財政法第二十九条では、補正予算について、「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出」とされております。財政法の規定から見て、今回の補正予算においてこれらの基金の創設を図ることは疑問なしと言えないのであります。政府に対し、放漫財政を戒めているこの財政法の規定を厳格に運用するよう、この機会に要望するものであります。
 以上をもって、平成二年度補正予算三案に反対する討論を終わります。(拍手)
#26
○議長(櫻内義雄君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#27
○議長(櫻内義雄君) 三案を一括して採決いたします。
 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#28
○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
#29
○議長(櫻内義雄君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十一分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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