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#1
第120回国会 本会議 第22号
平成三年四月九日(火曜日)
    ―――――――――――――
  平成三年四月九日
    正午 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 北方領土問題の解決促進に関する決議案(中西
  績介君外十一名提出)
 大規模小売店舗における小売業の事業活動の調
  整に関する法律の一部を改正する法律案(内
  閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後零時二分開議
#2
○議長(櫻内義雄君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○北村直人君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 中西績介君外十一名提出、北方領土問題の解決促進に関する決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
#4
○議長(櫻内義雄君) 北村直人君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 北方領土問題の解決促進に関する決議案(中
  西績介君外十一名提出)
#6
○議長(櫻内義雄君) 北方領土問題の解決促進に関する決議案を議題といたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。中西績介君。
    ―――――――――――――
 北方領土問題の解決促進に関する決議案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔中西績介君登壇〕
#7
○中西績介君 ただいま議題となりました北方領土問題の解決促進に関する決議案につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党及び進歩民主連合を代表し、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 案文を朗読いたします。
    北方領土問題の解決促進に関する決議案
  この度のゴルバチョフ大統領の日本訪問を両国首脳間の直接対話の実現として歓迎するとともに、史上初のソ連邦元首の訪日が北方領土問題を解決し、日ソ関係の画期的な発展を実現するための突破口となることを強く期待する。
  北方領土の返還実現は、日本全国民の長年の悲願であるにもかかわらず、戦後四十五年を経過した今日もなお、歯舞、色丹及び国後、択捉等の北方領土問題が解決せず、日ソ両国間に平和条約が締結されていないことは、誠に遺憾なことである。
  北方領土問題を解決し、平和条約を締結することにより日ソ両国間に真に安定的な平和友好関係を確立することは、両国のあらゆる分野での協力関係の飛躍的発展につながるものであり、また、今日の国際社会における新しい国際秩序造りに大きく貢献するものと確信する。
  よって政府は、かかる国民の総意と心情に応え、日ソ間に真に安定的な平和友好関係を確立するため、ゴルバチョフ大統領の訪日を機として、北方領土の返還を実現し、平和条約を締結するよう全力を傾注すべきである。
  右決議する。
以上であります。
 改めて申し上げるまでもなく、北方領土の返還の実現は、日本全国民の長年の悲願であります。このことは、たび重なる国会あるいは地方議会における決議並びに民間団体や全国各地におけるさまざまな返還要求運動の高まりを見ても明らかであります。
 しかしながら、戦後四十五年を経過いたしましたが、歯舞、色丹及び国後、択捉等の北方領土問題が解決せず、平和条約が締結されていないことはまことに遺憾なことであります。
 最近、この日ソ関係の打開を目指して、外相間定期協議や平和条約作業グループ等の話し合いが活発に行われておりますが、領土問題に関するソ連側の態度は、依然として実質的な変化は見られません。
 このような状況の中で、このたびゴルバチョフ大統領が訪日され、日ソ最高首脳による協議が予定されております。史上初のソ連邦元首の日本訪問に衷心より歓迎の意を表するとともに、今回の訪日が、北方領土問題を解決して、日ソ関係の画期的な発展を実現するための突破口となるよう強く期待するところであります。
 北方領土問題を解決して、平和条約を締結することにより日ソ両国間に真に安定的な平和友好関係を確立することは、両国のあらゆる分野での協力関係の飛躍的な発展につながるものであり、また、今日の国際社会における新しい国際秩序を築く上で大きく貢献するものと確信いたします。どうかこの点に配意して、ゴルバチョフ大統領が種々の困難な要因を乗り越えて決断されるよう強く願うものであります。
 北方領土問題をめぐる日ソ間の話し合いがまさに正念場を迎えようとするこのときに当たりまして、政府に対して、ソ連政府との話し合いに最善を尽くし、一日も早く北方領土の返還を実現して、平和条約を締結し、日本全国民の悲願にこたえるよう特段の努力を求めるものであります。
 以上であります。
 何とぞ議員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。(拍手)
 この際、外務大臣から発言を求められております。これを許します。外務大臣中山太郎君。
    〔国務大臣中山太郎君登壇〕
#10
○国務大臣(中山太郎君) ただいまの御決議に対して所信を申し述べます。
 政府といたしましては、ただいま採択された御決議の趣旨を十分に体しまして、今月予定されますゴルバチョフ大統領の訪日を通じ北方領土問題の解決と日ソ平和条約の締結のため全力を傾注しつつ、一層強力にソ連との交渉に当たる所存であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 大規模小売店舗における小売業の事業活動の
 調整に関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出)の趣旨説明
#11
○議長(櫻内義雄君) この際、内閣提出、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。通商産業大臣中尾栄一君。
    〔国務大臣中尾栄一君登壇〕
#12
○国務大臣(中尾栄一君) ただいま議題となりました大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 消費者ニーズの多様化等小売業をめぐる最近の諸情勢の変化の中で、昭和六十三年の規制緩和推進要綱や昨年六月の日米構造問題協議報告等に示されますように、内外から我が国の流通に関する諸規制の緩和への要請が高まっていたところであります。
 今回の法律案は、こうした要請を踏まえ、昨年十二月にまとめられました産業構造審議会と中小企業政策審議会との合同会議の答申を踏まえて作成したものであり、いわゆる大店法に基づく出店規制についての適正化を図ることをその内容としております。
 今回の法律案の概要は、次のとおりであります。
 第一に、国が調整を行うものと都道府県知事が調整を行うものとの境界面積を現在の二倍に引き上げるとともに、調整に際して、通商産業大臣または都道府県知事から意見を聞かれた審議会が消費者等から広く意見を聞くこととしております。
 第二に、地方公共団体が独自規制を行う場合には、大店法の趣旨を尊重して行うこととしております。
 第三に、改正法施行後二年以内の検討その他所要の改正を行うこととしております。
 以上が法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 大規模小売店舗における小売業の事業活動の
  調整に関する法律の一部を改正する法律案
  (内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#13
○議長(櫻内義雄君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。小岩井清君。
    〔小岩井清君登壇〕
#14
○小岩井清君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま趣旨説明されました大規模小売店舗の事業活動の調整に関する法律の一部改正案と関連法案に対して、特に大店法改正案については反対の立場から政府のお考えを伺うとともに、私たちが御提案申し上げております改正案についてどのようにお考えか、あわせてお尋ねいたしたいと存じます。
 今回の政府改正案は、日米構造協議に基づいて提案されたものでありますが、国際関係で我が国が貢献することは大切でありますが、しかし、アメリカの意向で国内政策を左右することが果たして国益になるとお考えでしょうか。
 構造協議で問題にされた不透明な商慣行の改善や各省の縦割り行政の弊害の除去は、国際貢献というような大義名分のものではなく、本来みずからが変えていかなければならない性格のものであり、既定の利害にとらわれずに、国民のために実行されなければならないものであります。この種のものを、アメリカの要求にこたえる国際貢献だから納得しろという手法はいかがなものか、総理、いかがでしょうか。お答えいただきたいのであります。
 そこで、本題の大店法改正についてお伺いいたします。
 政府は、大型店出店に関して規制緩和をアメリカ政府と約束をし、二年後にその見直しをするとしておられますが、それは、とかく伝えられているとおり、廃止まで含んでおられるのかどうか、通産大臣にお伺いいたします。
 改正案においても、中小小売業者の事業機会を適切に確保することが目的であることは、いささかも変わりがないものと考えられますが、これを的確に担保するための仕組みが重要であります。出店調整を行う機関について、現行法は大規模小売店舗審議会で行うことになっていますが、実際には商業活動調整協議会で行われ、大店番はそれを追認するだけのものにしかなっておりません。私は、法律によらないで省令でしか定められていない商調協のあり方に疑問を感じざるを得ません。今回の改正後、商調協は廃止されると聞いておりますが、一部でうわさされています商業問題協議会(仮称)によることなどは、単なる名称の変更だけであり、審議の公開性など大いに懸念されます。
 そこで私は、都道府県に都道府県大店番を設置し、審議を完全に公開し、小売商業者も消費者も審議会に対して意見を具申できるようにすべきであると考えますが、いかがですか。
 私は、出店調整の権限を地域の実情に精通しておられる地方自治体へ任せた方が、より実態にマッチした調整が可能であり、町づくりの観点から行えるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。(拍手)特に、種別境界面積を現行法の二倍にし、都道府県での調整をふやそうとのお考えですが、それならすべてお任せになった方が手続も簡素化するのではないでしょうか。
 そもそも商業というのは地域密着型のものであり、日米の政府間で決めてしまうような性格のものでないと思います。それぞれの地域によってさまざまに文化や歴史が異なります。ですから、画一的に国が自治体を抑えようとするのではなく、自治体が独自に調整できる仕組みにする方がよりよき町づくりになるのではないでしょうか。いかがですか。自治体による独自規制をやめさせようとするのではなく、大分県湯布院町や愛知県豊岡市が打ち出した方式を全国へ広げていく方向で進めるべきだと考えますが、政府はどのようにお考えか、お聞かせいただきたいのであります。(拍手)
 私は、大型店の出店調整について、立地についても考える必要があると思いますが、いかがでしょうか。つまり、定められた地域にしか大型店は出店できないようにしなければ、無秩序で無計画な商業政策になってしまいます。いかがですか。
 これに関連しますが、現在、既存の商店街は活力を失いつつあります。政府は、それに対して特定商業集積法など関連の法案をお考えですが、町づくりの観点から考えますと、整然とした町並みを計画的につくろうとするならば、地域を決めてその中にしか大型店は出店できないようにゾーニング規制をした方が町づくりになると考えますが、いかがですか。お答えをいただきたいのであります。(拍手)
 商業集積法の基本構想についてお伺いいたしますが、第五条で商工会議所または商工会、認定を受けようとする事業者の意見を聞くことになっています。私は、商工会議所などの意見を聞くことは重要なことだとは思いますが、一部に利害関係が生じることになり、透明性を欠くおそれはありませんか。それならば、政府案にはない消費者の代表も含めた地域小売商業審議会というようなガラス張りの審議会を設置し、そこで各界の意見を聞くことにした方がよいと考えますが、いかがでしょうか。(拍手)
 それから、町づくりの観点から基本構想を達成するため、市町村長は都道府県知事に意見を述べ、当該市町村内に大型店を新設する業者に対しては設置場所を変更するよう勧告できるとの条項を追加すべきだと考えますが、いかがですか。そうでなければ、基本構想にそぐわない場所に大型店が出店でき、それは町づくりではなく、町壊しになってしまいませんか。無秩序に出店してくる事業者に市町村として何ら対応策を講じられないとすれば、市町村の計画した町づくりができなくなると思いますが、いかがですか。お答えをいただきたいのであります。
 最後に、特定商業集積法は、通産、建設、自治の三省で少しずつ歩み寄り、調整しながらつくられたとお聞きしております。調和のとれた町づくりを行うためには、国土利用計画法を初め都市計画法、建築基準法などの全面的な改正までを含めたものでなければならないと考えますと、三省だけではなく、大きく考えれば交通については運輸省、地域の環境も考慮に入れれば環境庁からも、ともに法律案作成に加わる必要があったのではないでしょうか。縦割り行政の弊害をなくし、土地の利用、都市の機能、美観、交通など総合的、計画的な考え方への抜本的転換であると思います。省庁名を挙げましたすべての大臣にお聞きしたいところでありますが、代表して建設大臣、自治大臣はどのような方向で行かれるのかどうか、お伺いをいたしたいのであります。
 以上の理由から、政府は本法案を撤回され、私どもの提案をしております改正案を速やかに御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
#15
○内閣総理大臣(海部俊樹君) 小岩井議員にお答えを申し上げます。
 日米構造協議問題は、対外不均衡是正に向けての経済政策協調努力を補完するものとして、日米双方がそれぞれ相手方の抱える問題点を指摘し合い、それに基づいてみずからが必要と認めるものを最終文書にまとめたものでございます。
 御指摘になった大店法の規制緩和についても、日本国内において日本の立場で随分問題視され、議論されてきたことでありまして、具体的に申し上げますが、昭和六十三年十二月の規制緩和推進要綱あるいは平成元年六月の九〇年代流通ビジョンなどにおいても、大店法の運用を適正化すべきことが提言されており、今回の法律改正も、こうした従来からの規制緩和の議論と方向に従い、我が国がみずから必要と考える改革を行ったものでありまして、アメリカから言われてその圧力でやったものであるという御指摘は私は当たらないと考えます。
 他の問題については、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
    〔国務大臣中尾栄一君登壇〕
#16
○国務大臣(中尾栄一君) 小岩井議員にお答えさせていただきます。
 まず第一に、二年後に見直しをするとしているけれども、その約束の中に米国政府との間で大店法の廃止まで含んでいるのかどうか、こういうことでございます。
 御指摘の大店法の見直しにつきましては、大店法改正法案附則第二条に示されておりますように、改正法の規定及びその各地方公共団体の区域における実施状況等につきまして改正法施行後二年以内に検討をまず加え、その結果に基づいて所要の措置をとることを定めたものでございます。
 政府としましては、今回の大店法改正によりまして、日米構造協議におきましても議論されました所期の成果が得られるものと期待しておりまして、したがいまして、二年後の見直しの中で大店法そのもりの廃止を検討することは考えておらないものでございます。
 第二に、また、現行の商調協廃止後の、言うなれば先ほど議員は仮称として商業問題協議会によることは問題と言われましたが、むしろ都道府県に都道府県大店審をつくったらどうか、また同時に、それを公開すべきではないか、こういう御意見も付加されました。
 今般の大店法改正におきましては、大店審が調査審議を行う際に、直接消費者、小売業者及び学識経験者から意見を聴取すべき旨を定めておりまして、さらに必要に応じて商工会議所あるいは商工会に対しまして地元関係者の意見の集約を依頼することとしておる次第でございます。
 第二種大規模小売店舗につきましては、既に全都道府県に都道府県大店審が設置されておりまして、ここにおいて国の大店審の場合と同様の手続によって調査審議が行われているわけでございます。
 このように、大店法に基づく調整のための調査審議につきましては、名称のいかんを問いませんで、少なくとも大店審以外の場でこれが行われることを改め、大店審に一元化するとともに、審議結果等の公開を含めまして調整手続の明確性、透明性、これを十分に確保していくということを考えておる次第でございます。
 また、第三点、商業とは地域密着型のものであるべきであるから、すべて地方自治体へ任せた方がより実態にマッチし、町づくりの観点からも望ましいのではないかという御意見でございましたが、大店法そのものは、消費者利益や地元小売商業者との関係で大型店の事業活動を調整する基本的な枠組みを提供するものでございまして、その規定及び運用に当たりましては、全国的な整合性を確保していくことが不可欠であると確信するものでございます。地方公共団体による独自規制の問題もかかる観点から対応すべきものと私どもは確信した次第でございますが、大店法における調整権限をすべて地方公共団体にゆだね、かつ独自に調整できる仕組みとすることは、大店法の運用に当たりまして著しい地域的なアンバランスを招来する可能性がございまして、適当ではないと考えるものでございます。
 なお、御指摘のような地方自治体の独自の町づくりにつきましては、今国会にお諮りをしておりまする特定商業集積法案におきまして、地域の実情に応じ地方自治体が構想を策定し、地域の特性を生かした商業集積の整備を促進することとしておる次第でございます。
 また、第四点として言われました、商店街の活性化という観点に立つならば、ゾーニング規制を導入して行うようにという見解もございます。定められた地域にしか大型店が出店できないようにすべきではないのか、こういう御指摘かとも思いますが、御指摘のような大店法に基づく立地調整、あるいは特定商業集積に関連いたしましたゾーニング規制によりまして、大型店を特定地域にしか出店できないようにすることは、規制緩和の基本的な方向に反しまして、結果としましては地域の経済活動の停滞をも招きかねないおそれがあるわけでございます。
 むしろ、商業の振興を図りながら町づくりを進めるためには、大規模小売店舗の出店に当たりまして所要の調整を図りつつ、地域の経済あるいはまた商業全体が活性化していくような振興策、支援策をもって対応をしていくことが適切なものであろうと私どもは考えておる次第でございます。
 また、第五点の問題点といたしまして、商業集積法の基本構想については、商工会議所あるいは商工会、認定を受けようとする事業者の意見を聞くことになっているけれども、透明性、公平性を確保するためには、ガラス張りの言うなれば審議会を設置して、そこで各界の意見を聞くべきではないかという御意見がございました。
 市町村が作成する特定商業集積整備基本構想というものは、法第五条第三項におきまして、都市計画と調和が保たれ、このような上に、かつ加えて、地方自治法に基づいて定められる基本構想に即したものでなければならないということが規定されているわけでございます。
 都市計画や地方自治法上の基本構想は、それぞれ都市計画審議会での審議や議会の議決を経て決められるものでございまして、かかる手続を通じ各界の意見が反映されることから、基本構想の作成に当たりましては、新たな審議会を設置いたしましてそれに付議する必要はないと考えておる次第でございます。
 なお、本法案は商業に関しまして振興策を定めるものでありますがために、その地区内の商工業の総合的な改善発達を図るために法律に基づいて設置された商工会議所または商工会からの意見聴取規定は必要であると認識をする次第でございます。
 第六問の問題点といたしまして、市町村の町づくり計画に即した出店が行われるように、市町村長は大型店の出店者に対して設置場所を変更するよう勧告できるとの条項を追加すべきではないかという御意見がなされましたが、御指摘のような大型店に対します勧告の仕組みは、大型店の出店。に対し新たな規制を行うということにも相なりますし、大店法の規制緩和の趣旨に反するばかりか、国際的にも批判を招きかねないおそれがあるわけでございます。むしろ、町づくりに当たりましては、規制緩和の方向に沿いつつ、いわゆる地元の特色を十分に生かしながら、また地元関係者の意見を反映させながら、事業の円滑な推進を図っていくことが適切であろうと思うのでございます。
 かかる観点から、今国会にお諮りしております特定商業集積法案におきましては、市町村が商工会議所または商工会あるいは組合あるいは第三セクター等の地元関係者の意見を聞いて作成する特定商業集積整備基本構想というものに即して、特定商業集積の整備を行うこととしておる次第でございます。
 以上をもってお答えといたします。ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣大塚雄司君登壇〕
#17
○国務大臣(大塚雄司君) お答え申し上げます。
 都市の中心商業地域は、都市の顔として町づくりの核となる極めて重要な地域でありまして、商店街等の整備を進めるためには、単に商業の振興を図るという商業施策の観点だけでなく、御指摘のように町づくりという大きな視点から、総合的、計画的に施策を推進する必要があると考えております。
 同時にまた、こうした施策をより実効あるものとするためには、関係の各省が相互の適切な役割分担と協力のもとに施策を進めることも極めて重要であると考えております。
 このため、今国会においては、先ほど通産大臣からお話しのように、通産省、自治省とともに特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法を提出しているところでありまして、この法律では、市町村が策定した商業集積の整備のための基本構想に基づきまして、三省が一致協力して支援を行い、町づくりと一体となった総合的な商業地域の振興策を講じていくことといたしております。
 特に、これに関連して、都市計画法及び建築基準法の全面的改正についてもお話がございましたが、経済社会の変化に対応した都市計画制度のあり方につきましては、去る一月二十三日、建設大臣より都市計画中央審議会に対しまして諮問を行ったところでございまして、この一環として、適正な用途規制の方策等についても検討を行うこととしているところでございます。(拍手)
    〔国務大臣吹田ナ君登壇〕
#18
○国務大臣(吹田ナ君) 小岩井先生にお答えいたします。
 町づくりのために総合的、計画的に施策を推進すべきことは御指摘のとおりであります。私もそう考えております。
 特定商業集積の整備に関する法案におきましては、商業振興とあわせて良好な都市環境の形成を図ることとし、そのための基本構想を地域の総合行政の主体であります市町村が作成することといたしております。自治省としましては、これに伴う地方負担については適切に対処するとともに、地方公共団体が自主的に行う単独事業の実施につきましては、ふるさと創生の一環として、必要な支援を積極的に行いたいと考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
#19
○議長(櫻内義雄君) 遠藤乙彦君。
    〔遠藤乙彦君登壇〕
#20
○遠藤乙彦君 私は、公明党・国民会議を代表し、ただいま議題となりました大店法並びに関連法案につきまして、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 長期的視点に立った新しい世界経済秩序の構築が問われている今日、世界経済の安定と調和的発展について、我が国自身の責任の自覚と行動、そして主体的、創造的なイニシアチブによるグローバルな協調が求められていることは申すまでもありません。それはまた、世界の中の日本に課せられた外なる国際貢献と内なる制度改革の創造的な同時進行作業の幕あけと言えるものでありましょう。
 このような新秩序づくりの幕あけに際して、日米構造協議が提起した大店法問題も、その意味ですぐれて今日的かつ具体的な改革のテーマであります。この問題は、まず我が国の商業流通制度の規制緩和と国際化が求められており、いわばグローバルフエアネスを原則とした普遍性の高い制度の構築の問題と言えます。とともに、人々の身近な交流の場であり、伝統的な町の顔である商店街のダイナミックな活性化、さらには二十一世紀を視野に入れた個性的な町づくりという二つの創造的な施策の展開、調和作業が求められていると私は考えるものであります。
 さて、本題の大店法並びに関連法案の質疑に入る前に、さきのブッシュ大統領との日米首脳会談について、まず総理に御質問いたします。
 懸案の日米貿易経済摩擦問題では、今回どのような要求や行動を迫られたのか、米問題を含め、自動車、建設、半導体等の問題、そして日米構造協議の系列取引、排他的取引慣行、大型店規制などの流通システムの問題についてのアメリカ側の評価はどのようなものであったのか、具体的にお伺いしたいと思います。
 また、アメリカが大店法問題を日米構造協議の中心的議題の一つに据えてきた背景には、日本の官僚指導型協調体制、いわゆる行政指導に名をかりた行政の不明確、不透明性を改革したいという考えがあったことは否定できません。では、その行政府の最高責任者の立場にいる総理として、我が国の官僚行政の迅速性、明確性、透明性については今後どのように改革していくのか、総理の明快な答弁を求めるものであります。
 さて、本法案は、日米構造問題協議の最終合意に盛り込まれた内容を実行するための第二段階の具体的な対応として法律改正がなされるわけでありますが、本法案では、従来の商業活動調整協議会による調整制度を改め、大規模小売店舗審議会、いわゆる大店審において調整を行い、その大店審の審査体制を強化するとしています。
 しかし、改正案を見る限りにおいては、大店審の中身が不明瞭であるとともに、地域ごとに多くの案件を大店審の地方部会だけで果たして迅速にかつ公正に処理できるのか、また、新しい対応の出店調整では行政権限が地域に移譲されるというよりも中央集権化するのではないかといったことが懸念されていますが、こうした点ほどのように対処されるのか、通産大臣の具体的な答弁を求めるものであります。
 申すまでもないことですが、全国各地に形成された商店街は、その地域における貴重な社会資本であります。また、商店街は、町の長い歴史を通じて形成されてきた町の顔であり、地域社会の文化そのものであります。その町の顔である商店街が、今後大きな構造変化を強いられるわけであります。また、商店街の崩壊は地域社会の崩壊に通ずるという議論さえあります。
 こうした商店街という貴重な社会資本の崩壊は避けるべきですし、そのためには、中小商業の活性化対策とともに、長期的展望に立った町づくりの対応が必要でありましょう。その意味では、商業流通システムと連動した新しい形の公共事業として貴重な社会資本である町、それも生活者、消費者の触れ合いと喜びに息づいた創造的な町づくりが、国及び地方自治体、そして地域の民間資本を巻き込んで総合的に推進される必要があると思いますが、総理並びに関係大臣の御見解を伺うものであります。
 今回、大型店の進出に伴い、中小商店や商店街に対する各種の助成政策が関連法案で図られております。大店法改正をまつまでもなく、地域経済の中核として、中小小売業の活性化対策、大型店との共存共栄策は重要な課題であります。また、流通段階の不透明なもたれ合い構造や取引慣行の改善とともに、個人消費が世界のGNPの一〇%を占めるまでとなった我が国にあっては、長期ビジョンに基づく中小商店の振興、拡充策は、時代が要請する一大テーマと言えます。とともに、小売業の活力の場である商業集積が快適な買い物空間として発展していくように、経営の革新や情報化の推進に役立つきめ細かい、かつ血の通った啓蒙、啓発の行政対応を積極的に行うべきであります。
 しかしながら、私は、中小商店や商店街に対する各種の支援策が過度に保護主義的視点から行われる場合には、それはかえって商店や商店街自身の創造的な努力のブレーキになるのではないかという危惧も抱いております。中小商店や商店街に対する各種の助成政策については、自助努力や創造的適応を促進すべきものであり、地域の活性化を加味し、具体的でかつ親切なソフト面からの行政サービスに重点を置いて努めていくべきであると考えますが、関係大臣の答弁を求めるものであります。
 また、今日ほど国の豊かさを地方に分散していく観点が問われているときはありません。人、物、資本が東京に一極集中し、東京と地方の地域間の格差は一層激しくなってきましたし、他方では、商品だけではなく、都市間の生存競争が激化してきております。都市の質が幾らよくなっても、その都市の物の値段が高かったり商業圏が衰退しては競争力はなくなります。
 例えば、国際都市香港の最近の顕著な現象の一つは、国内外からの買い物ツアーであります。日本からの買い物ツアーは、近年一段と激しくなっております。それは物の価格が安いということもありますが、高級な物が数多くあり、それも世界の名品がそろっており、そこに女性や若者が集まる魅力的なショッピングの条件がそろっていると言われます。まさに、香港の魅力は商業集積都市、商店街都市のそれと言えます。地域の活性化の視点から、香港のこの現象は大いに注目すべきでしょうし、大店法による流通制度の抜本的な改革と都市の環境整備が問われている我が国にとって、一つの参考となる視点を提起していると私は思うのであります。
 九〇年代、それは人間の知恵比べの時代であります。とともに、都市づくり、町づくりの知恵比べ、都市問競争の知恵比べの時代に突入したと思います。地域を活性化し、そこに生きる商業者、消費者、生活者それぞれが生きがいを確保し利益を享受できる知恵を大いに磨き、新しい商業流通制度改革とその新秩序づくりに政治的な面からも貢献する建設的な論議を一層高めるべきであるとの所感を述べさせていただき、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
#21
○内閣総理大臣(海部俊樹君) 遠藤議員にお答えを申し上げます。
 今回の日米首脳会談では、両国の経済関係が極めて重要であり、特に最近の二国間の貿易関係の間柄が改善されつつあるという点で評価が一致をいたしました。また、構造問題の最終報告に基づいてのお互いの努力をしていこうということを確認するとともに、私よりは、我が国が行っている措置にひいて説明をし評価を得ました。
 また、構造協議のフォローアップが今行われておるさなかでございまして、具体的個別問題については直接話し合いはいたしませんでしたが、ウルグアイ・ラウンドを成功させたいという関連で、ブッシュ大統領より米につき言及がありました。私は、我が国が世界最大の農産物純輸入国として、自給率が非常に低いということ、及び米については各国が抱えている困難な問題とともにウルグアイ・ラウンドの場で解決をするべく努力をしていきたい旨、さらに、我が国にとり米が食生活及び農業において格別の重要性を有していることに十分に配慮した解決でなければならない旨を強く求めておきました。
 また、行政運営で、効率的で公正、透明な行政運営を目指すこと、これは極めて大切なテーマであります。政府は、昨年十月に、新たな行革審に対してその確保を図るための整備についての調査審議をお願いしており、今検討が進められておりますが、行政指導の透明性についても、その中で議論され答申をいただけると期待をいたしております。
 最後に、新しい形の公共事業として、生活者、消費者の触れ合いと喜びに息づいた創造的な町づくりが必要であり、それが民間資本を巻き込んで推進される必要があると思うがどうかということでございますが、私もそのとおりだと考えます。そのため、今回、国会に特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法案を御提案申し上げたところでございます。
 残余については、関係大臣から答弁をいたします。(拍手)
    〔国務大臣中尾栄一君登壇〕
#22
○国務大臣(中尾栄一君) 遠藤議員に簡潔にお答えさせていただきます。
 大店審におきます調査審議に当たりましては、御懸念のような中央集権化に陥ることなく、地域から十分信頼が得られ、迅速かつ公正な調査審議が行われることがさらに重要である、このような考え方に立つものでございます。そこに、商工会議所さらに商工会を通じて地元関係者の意見の集約を承っているわけでございます。
 また、今後の小売商業対策につきましては、町づくりのあり方を十分踏まえて講じられる必要があるという提言がございますから、今国会に特定商業集積法案を提出しまして、建設省及び自治省との三省協力体制のもとに総合的かつ計画的な対策を推進していくこととしております。
 通産省としましては、そのような意味で、魅力ある商店街、商業集積の整備を促進するため、生活関連枠の予算を含めて、今回の新しい発想のもとに思い切った支援策をとった次第でございます。
 また、第三点の問題でございますが、あくまでも通産省としましては、このような意欲のある中小小売商業者の前向きの自助努力あるいはまた創造的適応というものを踏まえました支援をするために、店舗の新設や増改築や商店街全体の活性化と集客力の向上を図るための商店街の計画づくり、コミュニティーホール等の商業基盤施設の整備に対しまして、思い切った支援措置や関係の税制措置を講じていく考え方でございます。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣吹田ナ君登壇〕
#23
○国務大臣(吹田ナ君) 遠藤先生にお答えをいたします。
 第一点でありますが、商店街の振興整備に当たっては、消費者、住民の立場も含めた総合的な町づくりの視点が必要であると考えております。自治省といたしましては、地方公共団体が総合的な観点から町づくりに取り組むことができるよう、ふるさと創生の一環として必要な支援を行いたいと考えております。
 第二点でありますが、地方公共団体が施策を行うに当たりましては、地域の実情を踏まえまして、今海部内閣で言われておりますように、それぞれが町の活力倍増プランとして創意工夫を大切にしまして、これを私どもは重要な問題として取り組んでいく考えであります。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#24
○議長(櫻内義雄君) 小沢和秋君。
    〔小沢和秋君登壇〕
#25
○小沢和秋君 私は、日本共産党を代表し、大店法の一部改正案について、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 本題に入る前にまずお聞きしたいのは、日米首脳会談についてであります。
 今回の首脳会談で米問題が正式議題となったことは極めて重大であり、国民は大きな不安を感じています。ブッシュ大統領の米市場開放要求に対し、なぜ総理は国会決議に従って米輸入自由化はできないと毅然たる態度を示さなかったのですか。明確な答弁を求めます。(拍手)
 さて、今回の大店法改正は、我が国の大店法がトイザラスなどの自由な出店の障害になっているとのアメリカの非難に全面的に屈服し、昨年の日米構造協議で大店法の規制緩和を三段階で行うと公約した、その第二段階であります。
 既に、昨年五月からの第一段階では、出店者と地元商店街の事前の話し合い、合意を必要ないものとするなどの規制緩和が実施されております。続く今回の改正案では、法律の廃止を含む第三段階、つまり二年以内の見直しまで明記されております。
 日米構造協議の当事者であるアメリカ通商代表部次席代表のリン・ウィリアムズ氏は、週刊ダイヤモンド誌のインタビューで、「主権国家が、日本が今回約束したような構造改革にかつて合意した例を私は知らない。」、「最も重要なのは、履行とフォローアップについての合意」だ、「これによってプレッシャーをかけ続けることになる。」と述べています。
 総理、この発言は、日米構造協議がいかに不当なアメリカの内政干渉であるかをずばり示したものではありませんか。このような干渉への屈服は、主権国家として絶対に許されないことではないか、総理の答弁を求めます。(拍手)
 私は、今回、新潟、千葉、広島、福岡など各地を調査し、改めて大店法規制緩和の持つ重大な問題点を痛感いたしました。
 第一は、政府が法改正の理由に消費者の利益を挙げていることであります。しかし、まず価格の問題では、生鮮食料品などは中小小売店の方がスーパーより安いことは、東京都その他各地の調査や政府自身の資料で明らかであります。その上、最近では、どこでも大型店の出店で交通渋滞などが大問題となり、子供の万引き事件の増加など教育上の問題も指摘されております。高齢者がふえる中で、身近な商店街がつぶれては買い物ができず、日常生活に事欠くとの声も各地で上がっております。
 総理は、値段が高く環境が悪化し、商店街がつぶれても、大型店をどんどんふやしていく方が消費者の利益になると考えておられるのか、はっきりした答弁を求めます。(拍手)
 第二は、商店街が既にこれまでの大型店進出で大変な打撃を受けていることであります。それは、中心商店街でも同じことです。どこも客をとられ、通行人さえまばらになっているのであります。どの店も朝早くから夜遅くまで営業し、創意工夫を凝らし、落ち込みをカバーしようと必死になっています。それでもどうにもならず、先祖伝来の店を泣く泣く閉めたという話も数多く聞きました。
 トイザラスを初め、十一の大型店計画がある新潟では、地元の人たちが通産省の方式で大型店出店の影響調査を行ったところ、現在と比べてお客が六割も七割も減るという驚くべき結果が出ております。総理、六割も七割もお客が減る中で、業者の皆さんにどのような自助努力が可能でしょうか。もしあれば教えていただきたいのであります。
 通産大臣は、かつてこの点について、生存権の問題だと委員会で述べられましたが、それならば業者の生存権を守るためにどう対応するのか、伺いたいのであります。(拍手)
 第三は、日米両国大資本の要求にこたえて、出店調整期間をさらに一年間に短縮し、大型店出店を野放しにしようとしていることであります。一九七三年に大店法が制定されたときは、大型店の出店を野放しにするものとして、我が党だけが反対いたしました。その後、実際に全国で大型店の出店ラッシュが起こり、各地でスーパー進出反対運動が大きく広がる中で、事前の合意とかスーパー乱立地域への出店抑制などの行政指導が行われるようになりました。それが今日まで中小商店を守る上で一定の役割を果たしてきたのであります。
 今回の法改正は、このような大型店出店への規制を一挙に取り払おうとするものであります。既にこれまでの十年間に、従業者一、二名の零細商店十六万店がつぶされました。九〇年代流通ビジョンでは、今後十年間にさらに三十万店以上つぶれると予測しています。今回の法改正がこの予測をも上回るテンポで中小商店をつぶすことになるのは疑いありません。
 長年日本経済と地域社会発展の推進力となってきた中小商店がばたばたつぶされ、商店街が寂れていくのを承知の上で、あくまでこの改正を強行するのかどうか、総理並びに通産大臣にお尋ねをいたします。(拍手)
 第四は、これまでそれぞれの地域に設置されていた商調協を廃止し、全国の出店調整を通産大臣直属の大店審に一本化しようとすることであります。大型店出店の影響は、一件一件の内容、各地域の状況によってすべて異なります。だからこそ、これまで各地に置かれた千百余りの商調協でこれを調整してきたわけであります。なぜそれをやめて、中央にたった一カ所しかない大店審に権限を集中するのか。その方が実情に合った調整ができるという根拠を示していただきたい。
 なお、従来の商調協はつぶすが、かわりに各地に商業問題協議会をつくり、引き続き地元での調整を行うとも伝えられております。これは結局、大店審では調整が不可能だという改正案の欠陥を暴露したものではありませんか。法改正をやめ、今までどおり地元に調整の権限を与えるべきではないか。通産大臣の明確な答弁を求めます。(拍手)
 第五は、今回の法改正で、地方公共団体の独自規制に対し制限を加えようとしている問題であります。そもそも、地方公共団体には、憲法第九十四条に基づき条例制定権が保障されております。特に、出店調整のように地域によって実情が全く異なる問題については、それぞれの地方公共団体が独自の条例や要綱で規制を行うのは当然であり、これを制限するのは全く不当ではありませんか。それとも、地方自治体は国の言うとおりにしておけばよいというのがこの問題に対する政府の基本姿勢なのか、総理並びに自治大臣の見解を求めます。(拍手)
 大型店の出店について、アメリカなどは都市環境や住環境の面から規制をしています。フランスは許可制で、申請を五割も却下しています。大型店の出店規制はその他の国々でも行っており、日本が規制を続けても国際的流れと何ら矛盾しません。
 私は最後に、大店法改正案の撤回を断固として要求するとともに、地域住民と力を合わせ、中小商店、商店街の振興、活気ある町づくりのために全力を尽くす決意を表明し、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
#26
○内閣総理大臣(海部俊樹君) 小沢議員にお答えをいたします。
 日米首脳会談のときは、ウルグアイ・ラウンドとの関連で米の問題についても話し合いましたが、各国が抱えている困難な問題とともに、日本は国内産で自給するという基本的な方針で各国と話し合いをし、解決のために努力をしていきたい旨、話し合ったところであります。
 また、今般の大店法の改正は、消費者利益の保護、中小小売商の地域経済への貢献、国際協調といった三つの観点を総合的に勘案して提案したものであり、消費者利益の保護には十分な配慮を払っているところであります。
 また、ウィリアムズ氏の週刊誌のインタビューにお触れになりましたが、あれは九〇年六月二日、中間報告のときのインタビューでありまして、その後、日米がお互いに指摘し合った問題の努力をし、アメリカも、ブッシュ政権が、約束を真剣に受けとめていると言いつつ最終報告もまとめ上げたものでありまして、事情はかなり違っておりますし、また、あの意見すべてを私は正しいものと受けとめてはおりません。
 また、自助努力については、個々の商店の合理化や魅力の向上あるいは町づくり全体を含めた活性化などに積極的に国としては支援をするために、予算、税制措置などの措置を講じてきておりましたが、今回特に関係法案を提出をして、これらの問題を一層促進したいと考えますし、また、法案成立を期すると同時に、社会資本の整備を含めた望ましい町づくりを積極的に推進することによって、環境変化への地域社会と中小商店の発展のための対応を支援し続けていく考えであります。
 大店法はもちろん、消費者利益や地元小売商業者との間での事業活動を調整する基本的な枠組みを設定するものでありまして、かかる観点から地方公共団体の施策に関する規定が盛り込まれているところでございます。
 残余の問題については、関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
    〔国務大臣中尾栄一君登壇〕
#27
○国務大臣(中尾栄一君) 小沢議員にお答えいたします。
 今回の大店法改正に当たりましても、大店法の目的でございます「消費者の利益の保護に配慮しつつこ「周辺の中小小売業の事業活動の機会を適正に確保」するということには変わりはございませんで、今後ともこの法目的のもとに適切な出店調整を行っていく所存である、こういう考え方で、先般の私の答弁もかかる趣旨そのものを述べたわけでございます。そして、今般、大店法の改正案とあわせまして提出しております中小小売商業振興法改正法案あるいはまた特定商業集積法案等により、中小小売商業の振興と商店街の活性化を積極的に図っていく所存でございます。
 また、今回の法改正におきましては、出店調整処理手続の明確性、透明性、これを確保するために、名称のいかんは問いません、大店審以外の場で実質的な調整を行うことを改めまして、法に基づき大店審が調査審議を行うこととしたものでございます。大店審による地元の消費者、小売業者、学識経験者の意見聴取、さらに、必要に応じ商工会議所、商工会に対する地元関係者の意見集約の依頼を行うこととしておる次第でございます。これによりまして、地域の実情を十分に踏まえた調査審議が行われるものと考えている次第でございます。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣吹田ナ君登壇〕
#28
○国務大臣(吹田ナ君) 小沢先生にお答えいたします。
 地方公共団体の条例制定権は憲法第九十四条に根拠を有するものであるが、条例は法律の範囲内で制定することができることとされておるわけであります。今回の大店法の改正案におきまして地方公共団体の施策に関する規定が盛り込まれておりますが、これは、条例制定権など地方公共団体の自主性や地域の実情に十分配慮しつつ、法律と地方公共団体の独自規制との関係について規定したものであると考えておる次第であります。御了解いただきたいと存じます。(拍手)
#29
○議長(櫻内義雄君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#30
○議長(櫻内義雄君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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