くにさくロゴ
1990/10/12 第119回国会 参議院 参議院会議録情報 第119回国会 科学技術特別委員会 第1号
姉妹サイト
 
1990/10/12 第119回国会 参議院

参議院会議録情報 第119回国会 科学技術特別委員会 第1号

#1
第119回国会 科学技術特別委員会 第1号
平成二年十月十二日(金曜日)
   午前十時三十六分開会
    ─────────────
 平成二年十月十二日議長において本委員を左の
 とおり指名した。
                岡野  裕君
                岡部 三郎君
                鹿熊 安正君
                熊谷太三郎君
                後藤 正夫君
                谷川 寛三君
                福田 宏一君
                前島英三郎君
                吉川 芳男君
                穐山  篤君
                稲村 稔夫君
                櫻井 規順君
                種田  誠君
                三上 隆雄君
                吉田 達男君
                太田 淳夫君
                和田 教美君
                吉川 春子君
                新坂 一雄君
                小西 博行君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         和田 教美君
    理 事
                岡部 三郎君
                吉川 芳男君
                穐山  篤君
    委 員
                岡野  裕君
                鹿熊 安正君
                後藤 正夫君
                谷川 寛三君
                福田 宏一君
                櫻井 規順君
                種田  誠君
                三上 隆雄君
                吉田 達男君
                新坂 一雄君
                小西 博行君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        大平 芳弘君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○特別委員長互選
○理事選任の件
○科学技術振興対策樹立に関する調査
 (派遣委員の報告)
    ─────────────
   〔後藤正夫君委員長席に着く〕
#2
○後藤正夫君 ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。
 本院規則第八十条により、年長のゆえをもちまして私が委員長の選任につきその議事を主宰いたします。
 これより委員長の選任を行います。
 つきましては、選任の方法はいかがいたしましょうか。
#3
○穐山篤君 委員長の選任は、主宰者の指名に一任することの動議を提出いたします。
#4
○後藤正夫君 ただいまの穐山君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○後藤正夫君 御異議ないと認めます。
 それでは、委員長に和田教美君を指名いたします。
    ─────────────
   〔和田教美君委員長席に着く〕
#6
○委員長(和田教美君) この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 ただいま皆様方の御推挙によりまして、引き続き本特別委員会の委員長に選任されました。
 委員各位の御指導、御協力を賜り、円満な委員会の運営に努めてまいりたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#7
○委員長(和田教美君) ただいまから理事の選任を行います。
 本特別委員会の理事の数は四名でございます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(和田教美君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に岡部三郎君、吉川芳男君、穐山篤君、太田淳夫君を指名いたします。
    ─────────────
#9
○委員長(和田教美君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。
 第百十八回国会閉会中、本委員会が行いました委員派遣について、派遣委員の報告を聴取いたします。
 まず、第一班の御報告を願います。岡部三郎君。
#10
○岡部三郎君 それでは、私から第一班の委員派遣について、その概要を御報告申し上げます。
 派遣地は青森県、宮城県及び福島県であり、派遣期間は七月十一日から十三日までの三日間であります。派遣委員は、和田委員長、太田理事、福田委員、稲村委員、三上委員、吉川春子委員及び私の七名であります。派遣先は、六ケ所原燃サイクル・サイト、青森県庁、東北電力株式会社応用技術研究所、電力技術研究所、株式会社加工米育種研究所及び東京電力株式会社福島第二原子力発電所であります。
 以下、調査の概要を御報告申し上げます。
 六ケ所原燃サイクル・サイトでは、日本原燃サービス株式会社及び日本原燃産業株式会社の事業概況について説明を聴取した後、日本原燃サービス株式会社の再処理工場サイト、日本原燃産業株式会社の低レベル放射性廃棄物貯蔵センターサイト及び建設中のウラン濃縮工場を視察いたしました。
 日本原燃サービス株式会社は、原子力発電所等から生ずる使用済み燃料の再処理、海外再処理に伴う廃棄物の一時保管を事業目的として、昭和五十五年に全国九電力会社等により設立されました。現在、同社は六ケ所村において、最大再処理能力が年間八百トンウラン及び返還廃棄物貯蔵容量がガラス固化体千四百四十本の再処理工場の建設準備を進めております。予定地においては、施設の配置計画、地層調査の結果等について説明を聴取し、試掘坑入り口を視察いたしました。
 日本原燃産業株式会社は、原子力発電所の燃料となるウランの濃縮、低レベル放射性廃棄物の最終貯蔵を事業目的として、昭和六十年に全国九電力会社等により設立されました。現在、同社は六ケ所村において、二百リットルドラム缶三百万本相当の低レベル放射性廃棄物貯蔵センターの建設準備を進めておりますが、当日は、予定地を視察し、貯蔵方法、施設配置計画等について説明を聴
取いたしました。また、同社は、最終規模年間千五百トンSWU規模のウラン濃縮工場の建設を進めており、現地において建屋の工事状況等を視察いたしました。
 次に、青森県知事等から、県勢の概要、原子燃料サイクル施設を含むむつ小川原開発の概要について説明を聴取した後、経済関係団体、農業関係団体、漁業関係団体の代表者と原子燃料サイクル施設等に関し懇談を行いました。
 青森県知事としては、安全確保を前提に、原子燃料サイクル等、国のエネルギーセキュリティーに協力しつつ地域開発を進めていきたいとのことであります。また、県当局から、地勢、産業の現状、青森地域テクノポリス開発計画、八戸地域集積促進計画(頭脳立地計画)等のほか、東北新幹線盛岡以北の建設促進の必要性の説明がありました。原子燃料サイクル施設を含むむつ小川原開発については、地勢、立地計画、交通等の説明があり、八戸新産業都市等と連携しつつ、工業開発を通じた地域の振興を図りたいとのことであります。
 また、県下の関係団体との懇談では、原子燃料サイクル施設に関し、青森商工会議所、県農協中央会、県漁連等の関係七団体の代表者から、エネルギー問題、地域振興等の観点による推進論、健康問題、農作物の風評被害の懸念等による白紙撤回論等、多種多様の意見が述べられました。いずれでも、安全の確保と地元の理解の重要性が指摘されました。
 次に、東北電力株式会社応用技術研究所及び電力技術研究所では、同所の概要について説明を聴取した後、構内の研究室等を視察いたしました。
 両研究所は、昭和四十三年創設の総合研究所を昭和六十三年に分離独立させたもので、新技術開発の研究推進、東北特有の問題に対する独自の研究推進、大学等外部機関との連携強化、地元産業に対する技術協力を趣旨として研究開発を行っております。現在、重点的に進めているものは、電力のコスト低減と高品質化を目的とする超電導、高効率ガスタービン等に関する研究、電気の効率的利用を目的とする電気自動車、東北の気候に適した全電化住宅、電力貯蔵に関する研究等、新エネルギーの技術開発を目的とする太陽光発電、風力発電、波力発電の研究等、環境保全と地域発展に資することを目的とする炭酸ガス固定化技術等の地球環境対策に関する研究、克雪・利雪に関する研究等のほか、原子力発電、石炭ガス化複合発電の研究であります。
 応用技術研究所では、高温超電導体、電気自動車、未来型全電化住宅及び太陽光発電の系統連係システムの研究状況を、また電力技術研究所では、水弁集約式波力発電システム、風力発電及び電力貯蔵用新型電池の研究状況を視察いたしました。
 次に、株式会社加工米育種研究所では、東北インテリジェント・コスモス構想及びその一環の研究開発会社である同研究所の概要について説明を聴取した後、東北電力株式会社応用技術研究所内に設置された第一研究チームの実験施設等を視察いたしました。
 東北インテリジェント・コスモス構想の目標は、新潟県も含めた東北地方全体が日本の研究開発と産業開発の国際的拠点となり、重層的産業構造を持った未来型産業社会を形成することにあります。このため、学術、技術、情報の集積の高度化を図ることを基本戦略とし、拠点を各地に形成し、それを人、情報、研究のネットワークで結んでいきます。具体的には、科学技術の独創的研究開発等を推進し、学術機能の集積と高度化を図ること、研究開発の成果を産業技術として確立するとともに、企業化を促進する体制を整え技術機能の集積と高度化を図ること、各過程で生み出される情報が、国内外で開放的に交流できるよう情報機能の集積と高度化を図ること、これらのための人材が東北に定着し、域内・国内・国際的な交流を活発化するための基盤整備を促進することであります。
 本構想による独創的研究開発の促進を図るため、昭和六十三年に設立された研究開発会社の一つが加工米育種研究所であります。本研究所は、高品質、高生産性、低価格の加工好適米の優良品種を開発し、食生活の多様化にこたえ、食品原料開発分野の総合的研究の推進並びに水田農業経営改善へ寄与することを目的に設立されました。研究は、酒造用こうじ米及び掛け米、モチ米、半モチ性遺伝子を導入した品種について実施されており、実験用温室、各種の米の品質分析装置及び培養装置等を視察いたしました。
 次に、東京電力株式会社福島第二原子力発電所では、発電所の概要、三号機の原子炉再循環ポンプ損傷事象の主要経緯と再発防止対策等について説明を聴取した後、運転中の四号機及び停止中の三号機を視察いたしました。
 当発電所は、昭和四十三年一月に原子力建設計画が決定され、昭和五十七年四月に一号機の営業運転が開始され、昭和六十二年八月には四号機の営業運転も開始されました。機器は沸騰水型軽水炉であり、電気出力百十万キロワットのものが四基設置されております。
 同発電所の特徴としては、改良型原子炉格納容器を採用し、従来型の約一・五倍と格納容器が大きくなったこと等による保守点検作業性の向上、放射性廃棄物処理設備の集中化による設備運用の効率化、新型中央制御盤の設置による運転の監視性、操作性の強化等が挙げられます。
 三号機の原子炉再循環ポンプ損傷事象の主要経緯は、平成元年一月、原子炉再循環ポンプ一台の振動警報発生により同再循環ポンプを停止し、調査したところ、ポンプの水中軸受けリングに溶接不良箇所があったために、水中軸受けリングの脱落、破損及びポンプ内各部の損傷等があったものであります。その後、原因調査、再発防止対策の検討、金属粉等の洗浄、回収が行われました。平成二年七月には通商産業省から健全性評価結果が公表され、原子力安全委員会に報告がなされ、同委員会において審査が行なわれました。なお、審査の結果は十月に同委員会から公表されております。
 同所では、運転中の四号機について、中央制御盤、原子炉建屋六階の使用済み燃料貯蔵プール等を、停止中の三号機については、原子炉再循環ポンプ、回収部品等を視察いたしました。
 以上で御報告を終わります。
#11
○委員長(和田教美君) 次に、第二班の御報告を願います。穐山篤君。
#12
○穐山篤君 第二班の委員派遣につきその概要を御報告いたします。
 派遣地は京都府、福井県及び愛知県で、派遣期間は去る七月十一日から十三日までの三日間であります。
 派遣委員は吉川理事、後藤委員、鹿熊委員、吉田委員と私の五名であります。
 派遣先は関西電力株式会社宮津エネルギー研究所、同美浜発電所、動力炉・核燃料開発事業団高速増殖炉もんじゅ建設所、株式会社原子力発電訓練センター及び三菱重工業株式会社名古屋航空宇宙システム製作所大江分工場であります。
 以下、調査の概要を申し上げます。
 まず、関西電力株式会社宮津エネルギー研究所では、概況説明を聴取した後、各研究施設等を視察いたしました。
 同研究所は風力、波力、太陽熱等、新・省エネルギーの研究を行うと同時に、発電設備を設置して温排水利用に関する研究を行っております。発電設備は石油火力発電で、出力は三十七万五千キロワットのタービン発電機が二機で出力合計七十五万キロワットであり、特に大気汚染、水質汚濁、騒音等環境保全対策にも注意が払われております。
 一方、新・省エネルギー研究としては、発電出力五キロワットのダリウス型及びプロペラ型風力発電設備を用いての氷雪、凍結地域における風力発電システム及び寒冷地におけるソーラーエネルギーの一般住宅への利用方法等についての研究のほか、発電設備から出る温排水を利用した地域農業特産物等の栽培、魚介類の成長、成熟に与える
影響の調査、魚介類の種苗の生産育成に関する試験研究を行っております。
 また、同研究所は、水族館、3Dシアター、各種展示施設等を備え一般見学者にも公開し、親しみの持てるものになっております。
 次に、関西電力株式会社美浜発電所では、概況説明を聴取した後、三号機の中央制御室及びタービン建屋等を視察いたしました。
 同発電所は同社初の原子力発電所として、一号機が昭和四十五年、二号機が四十七年、三号機が五十一年にそれぞれ営業運転を始めております。原子炉の型式はすべて加圧水型軽水炉であり、電気出力は一号機三十四万キロワット、二号機五十万キロワット、三号機八十二万六千キロワットであり、同発電所の合計出力は百六十六万六千キロワットと同社の発電設備の五・九%、原子力発電設備の二二・五%を占めております。
 また、冷却水は丹生湾から毎秒約百トン、一日で湾内の水が入れかわるほどの量を取水しておりますが、水質汚濁等の問題もなくかえってそれまでの閉鎖水域的状況からの汚濁が解消し、魚の養殖が行われるようになっております。またチェルノブイリ事故以降、原子力発電の安全性と信頼性を最大限に高めるため、世界的取り組みの必要性から設立された世界原子力発電事業者協会においても、本年四月にモスクワセンターの派遣団が同発電所を訪問し、現場を視察するとともに、運転管理、防災関係について有意義な意見交換を行ったとのことであります。
 次に、動力炉・核燃料開発事業団高速増殖原型炉もんじゅ建設所では、概況説明を聴取した後、建設現場を視察いたしました。
 「もんじゅ」は、我が国初の発電用高速増殖炉としての性能を実証し、将来の実用化への技術的可能性を見きわめるという目的で現在建設中でありますが、冷却材に金属ナトリウム、燃料にプルトニウムを用いる点が最大の特徴となっております。また「もんじゅ」は、プルトニウム燃料を効率よく燃焼させるとともに、その際発生する高速中性子によって非分裂性のウラン238をプルトニウムに変えて、燃やした量よりも多くの新しい燃料をつくり出すすぐれた仕組みになっております。
 ちなみに、「もんじゅ」の建設は、昭和四十五年に同地を候補地として選定、六十年に本工事に着手、六十一年原子炉建物建築工事開始、六十三年原子炉容器据えつけ工事等が進められ、本年六月末現在の工事進捗率は土木、建築、電気等すべてを総合すると八五・二%で、今後は平成三年四月機器据えつけ完了、同年五月総合機能試験開始、平成四年十月臨界の予定であります。
 次に、株式会社原子力発電訓練センターでは、概況説明を聴取した後シミュレーション施設等を視察いたしました。
 同センターは、加圧水型の原子力発電所運転員養成のため、昭和四十七年に設立、四十九年から訓練を開始しており、原子力発電所を運転するために必要な知識の習得、運転の基本を守りながら、通常時や事故時に正しく対応できる技能の向上、安全確保の重要性と自分の置かれた立場を認識し、基本動作を徹底させる意識の高揚を目標に、初心者からベテラン運転員まで目的に応じた各種訓練コースを設置し、各方面からの要請にこたえております。
 また、米国スリーマイル島やチェルノブイリの原発事故の教訓を生かして原子力発電所の中央制御盤を模擬したシミュレーターを増設するなど訓練設備を整備拡充する一方、訓練内容についても上級者や監督者向けコース及びチームワーク養成のコースを新設する等訓練の高度化を強力に推進し、熟練運転員の養成に努めております。
 最後に、三菱重工業株式会社名古屋航空宇宙システム製作所大江分工場では、概況説明を聴取した後、航空機及び宇宙関連製品の製造現場を視察いたしました。
 同社では、かねてより宇宙関連製品の開発に力を注いでおり、NT、NUロケットに引き続き昭和六十一年に初めて打ち上げられたHTロケットの一、二段機体、エンジン製作及び誘導制御系取りまとめを担当し、また平成五年に打ち上げが予定されておりますHUロケットについても、システム設計支援を含むシステムインテグレーション、一、二段機体、エンジン開発及び誘導制御開発を担当しております。
 大江分工場は、昭和五十四年に名古屋港に隣接する名古屋西部臨海地帯に開設され、HT、HUロケットを初め、宇宙関連機器の製作、組み立て及び航空機の部分構造組み立て作業を行っております。
 以上、調査の概要につき御報告申し上げます。
#13
○委員長(和田教美君) 以上をもって派遣委員の報告は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト