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1990/10/30 第119回国会 参議院 参議院会議録情報 第119回国会 運輸委員会 第1号
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1990/10/30 第119回国会 参議院

参議院会議録情報 第119回国会 運輸委員会 第1号

#1
第119回国会 運輸委員会 第1号
平成二年十月三十日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
  委員氏名
    委員長         中川 嘉美君
    理 事         谷川 寛三君
    理 事         二木 秀夫君
    理 事         渕上 貞雄君
    理 事         片上 公人君
                伊江 朝雄君
                石原健太郎君
                上杉 光弘君
                鹿熊 安正君
                片山虎之助君
                野沢 太三君
                山崎 竜男君
                喜岡  淳君
                櫻井 規順君
                瀬谷 英行君
                田渕 勲二君
                安恒 良一君
                小笠原貞子君
                粟森  喬君
                寺崎 昭久君
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十四日
    辞任         補欠選任
     石原健太郎君     狩野 明男君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中川 嘉美君
    理 事         谷川 寛三君
                二木 秀夫君
                渕上 貞雄君
                片上 公人君
    委 員
                狩野 明男君
                鹿熊 安正君
                片山虎之助君
                野沢 太三君
                喜岡  淳君
                櫻井 規順君
                瀬谷 英行君
                田渕 勲二君
                小笠原貞子君
                粟森  喬君
   政府委員
       運輸大臣官房長  松尾 道彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        長谷川光司君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○運輸事情等に関する調査
 (派遣委員の報告)
    ─────────────
#2
○委員長(中川嘉美君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十月二十四日、石原健太郎君が委員を辞任され、その補欠として狩野明男君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(中川嘉美君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、運輸事情等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(中川嘉美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(中川嘉美君) 運輸事情等に関する調査を議題とし、派遣委員の報告を聴取いたします。
 まず、第一班の御報告を願います。二木秀夫君。
#6
○二木秀夫君 第一班の委員派遣について御報告申し上げます。
 派遣委員は、中川委員長、渕上理事、粟森委員、寺崎委員及び私二木の五名でありまして、去る九月十日から十二日までの三日間にわたり、佐賀、長崎両県を調査いたしてまいりました。この間、両県及び運輸省の地方機関、九州旅客鉄道株式会社などから、それぞれ管内の事情について説明を聴取いたしましたほか、第三セクター松浦鉄道株式会社の実情調査、新鋭巡視船「いなさ」による長崎港の海上からの視察、三菱重工長崎造船所の視察を行い、また九州陶磁文化館、長崎オランダ村、吉野ヶ里遺跡などについても視察いたしました。
 まず、九州地方の運輸事情について申し上げます。
 面積、人口、総生産額とも全国のほぼ一割を占めております九州は、地形的には山間部が多く、海岸線も入り組んでおり、離島も多いなどの特徴を有しておりますが、近年高速道路などの陸上交通の交通基盤整備が鋭意進められ、また海上交通とともに航空交通の発展に力を入れてきたのであります。
 すなわち、今年三月には大分方面を除き、縦貫道、横断道の大部分が完成し、その延長は五百八十八キロメートルに達しております。これによりまして九州の各都市間が結ばれ、さらに名古屋、大阪などとを結ぶ長距離高速バスの運行開設が盛んになっております。その一方で、地方の人々の日常生活に欠かせない足となっている地方バスは、過疎化によりその維持が年々厳しくなっておりますが、そのうち生活路線について見ても四百二十系統、千七百万人余を輸送しており、なお維持の支援が必要となっているのであります。
 また、空港でありますが、九州地方には国が管理する第二種空港が七、県が管理する第三種空港が十二ありますが、さらに整備中のものとして第三種空港の佐賀空港及びコミューター空港の枕崎空港があります。昨年一年間における旅客数は、国内線で二千五百七十三万人、国際線で百三十八万人と、いずれも前年比一〇%以上の伸びとなっております。航空需要は特に国際線で顕著な伸びを示しており、九州地方において経済、文化等の国際化が進んでいることを反映しているものと思われます。
 次に、JR九州の平成元年度の決算について申し上げますと、輸送量は前年に引き続き好調で四・三%増と堅調に推移したため、鉄道事業の営業損益は二百六十八億円の赤字にとどまり、経営安定基金の運用収入等を加えた経常収支では三十八億円の黒字を計上いたしております。しかし、高速道路の完成に伴う競争の激化に加え、営業収入の六割を占める人件費等の圧迫もあり、経営環境は極めて厳しいものがあります。また、七月初旬に起きた集中豪雨により、豊肥本線で橋梁流失三カ所、線路の流失八十五カ所等約四十五億円に及ぶ被害を受け、いまだに復旧の見込みが立っておりません。現在、不通区間は代行バスを運行中でありますが、災害による減収は年間八億円にも達する見込みとのことであります。この復旧に関し、JR九州から、路線沿線を含めた広域的復旧、防災対策の緊急な実施、河川改修による橋梁取りかえ工事としての適用、復旧工事にかかわる
固定資産税等の減免措置の実施等について強い要望がありました。
 次に、第七管区海上保安本部管内における海上保安の現状について申し上げます。
 同管区は、福岡、佐賀、長崎、大分の九州北部四県と山口県西部を管轄し、海上保安の確保に当たっておりますが、この管区で特徴的なことば、近年長崎県対馬周辺の海域で外国漁船、とりわけ韓国漁船による我が国の領海及び漁業専管水域侵犯操業事件が続発していることであります。最近、取り締まりの強化に伴って侵犯隻数は減少傾向にあり、平成元年で百五十七隻と減っておりますが、荒天下の夜間など取り締まり困難な時期に操業したり、追跡する巡視船艇に石、ボルト、ナット等を投げつけて激しく抵抗し、時には捕捉のため移乗した海上保安官を海に突き落とすなど悪質化する傾向にあるとのことであります。一方、日韓漁業協定に基づく自主規制水域内では船名や登録番号を隠ぺいした韓国トロール漁船の違反操業が逆に急増しており、その数は昨年は前年比倍増の千件を超え、さらに本年は、七月末で早くも九百五十件を超えるなど、その対策が急がれております。長崎県からもこれらの取り締まり強化についての要望がありました。
 次に、佐賀県の運輸事情について申し上げます。
 佐賀県の人口は、昭和三十年の九十七万人余をピークに、その後の炭鉱閉山の影響や若年層の流出などによって減少を続けておりましたが、昭和五十年以降工業団地の造成などに力を入れた結果、現在八十八万人と増加に転じております。しかし、その一方で高齢化が進み、老齢人口の割合は全国十三位と高い状況にあります。このような中で県は、工業誘致や観光客の誘致に力を入れており、そのために定住交流拠点の形成と高速交通時代への対応を図る施策を積極的に進める必要があります。県としては、現在整備中の佐賀空港の早期完成、高速自動車道の整備、九州新幹線鉄道の建設促進を急がなければならないとのことであります。
 佐賀空港は、第五次空港整備五カ年計画により二千メートル級滑走路を持つ第三種空港として建設中でありますが、その完成は佐賀県及び福岡県南西部における地域住民の利便を確保するとともに、産業の振興や住民生活の質的向上など地域の飛躍的発展に寄与するものと期待されております。
 また、佐賀県における港湾の整備でありますが、重要工業港である伊万里港に現在港湾機能の活用のため大型架橋を建設中でありまして、さらに七つ島工業地区に大型岸壁を建設する計画とあわせて、これらの完成が県北西部発展の推進のため特に必要とのことであります。佐賀県からは、これらの早期実現に特段の配慮を求める旨の強い要望がありました。
 次に、長崎県の運輸事情について申し上げます。
 長崎県は我が国最西端に位置し、多くの離島と半島から成るなど、地理的、地形的な条件の悪さから交通網の整備はおくれぎみでありましたが、長崎空港の改良整備に加え、九州横断自動車道がようやく今年一月、鳥栖―長崎多良見間が全通したことにより、長崎と各都市との交通が高速道で結ばれることになるなど逐次整備されつつあります。
 一方、最近の長崎県の経済は緩やかな景気の拡大基調に支えられ、基幹産業である造船、重機などが高燥業に転じ、このところおおむね好調に推移しております。しかしながら、今後とも安定した県政振興策を推進するためには、雲仙、西海両国立公園を抱え、また、長い海岸線に見られるような風光明媚な大自然を生かした観光やリゾート開発の推進にその活路を見出すことが大切であるとのことであります。今県が力を入れているものとして佐世保市針尾・西海橋地区に建設中のハウステンボス計画がありますが、これはオランダの文化を日本に生かしたリゾート計画で、自然環境に加え、店舗施設や文化・スポーツ施設、交通・情報システムなどを整備し、総合的街づくりを目指すものとして注目されております。
 これらを成功させるためにも、他地域、特に東京や大阪との間の時間的距離を詰めることが求められており、一層の高速交通体系の整備が必要であるとのことであります。また、離島はもちろんのこと県北部一帯は過疎地帯であることもあって、一般道路を初め交通網の整備はおくれぎみであり、同時にその対策が待たれるのであります。
 長崎県からは、九州新幹線長崎ルート建設促進、長崎空港の機能強化、国際化の推進のほか、特に離島対策として高速船艇の建造、購入に対し特別の助成を求めるなどを内容とする離島航路に対する財政援助の強化について、及び離島航空路整備法(仮称)の制定を含む離島航空路に対する財政援助の創設について強い要望がありました。
 最後に、第三セクター松浦鉄道株式会社の経営状況について申し上げます。
 同社は、昭和六十二年十二月に設立、翌年四月、旧国鉄から松浦線を引き継ぎ営業を開始したものでありますが、旧国鉄当時の昭和五十七年十一月に第二次特定地方交通線に指定された赤字交通線であります。しかし、有田―佐世保間九十三・八キロの間には伊万里市、松浦市など三市七町が点在し、それらの地域住民にとってなくてはならない庶民の足となっております。
 現在その運営には、地域住民の声を取り入れて連行本数や新駅の増設を図るなど努力しており、新駅増設だけでもこの二年間で十六に達しております。また、最小限の社員で運営するなど合理化に努め、涙ぐましい努力を重ねておりますが、平成元年度の営業成績は、営業収支で約七千七百万円余の赤字となっており、これに特定地方交通線転換交付金及び運営費補助金、雇用開発特別奨励金などを加えても、なお三千三百万円余の赤字という実情にあります。このほか、今後災害等を受けた場合の復旧費用捻出の問題、将来の車両交換時の財政圧迫の問題、あるいは平成五年度以降固定資産税の減免処置が廃止されることに伴う財政圧迫の問題等懸案事項が山積しており、これらも含めて何らかの対策を講ずる必要があろうかと思われます。
 以上をもちまして報告を終わりますが、今回の派遣に当たりまして種々御配慮をいただきました佐賀、長崎両県を初め、御関係の皆様に心から感謝を申し上げる次第であります。
#7
○委員長(中川嘉美君) 次に、第二班の御報告を願います。谷川寛三君。
#8
○谷川寛三君 第二班は、去る九月三日から五日までの三日間にわたり、北海道における交通運輸事情等について実情を調査してまいりました。
 派遣委員は、片上理事、片山委員、櫻井委員、小笠原委員そして私谷川の五名であります。
 本調査団は、北海道庁において我孫子副知事を初め、北海道開発局、運輸省の各地方機関の代表者から道内における交通運輸事情について説明を聴取するとともに、JR北海道、JR貨物北海道支社から経営状況等について説明を聴取いたしました。
 また、新千歳空港、札幌市営地下鉄、石狩湾新港、小樽港、小樽海員学校、苫小牧港、函館港、函館どっく等を視察してまいりました。
 以下、主要な項目について順次御報告いたします。
 まず、新千歳空港は、近年における航空輸送需要の増大とともに、国際航空網の新たな形成にも対処し得るよう三千メートル滑走路二本と我が国初の半円周形リニアターミナル施設を備えた民間航空機専用の第二種空港を建設する事業を実施中であり、一昨年七月、三千メートルの滑走路一本で供用を開始しております。
 現在は、平成四年の完成を目途に、鉄道によるアクセス強化のため、ターミナル内へのJR新千歳駅の建設を含むターミナル諸施設の整備を行うとともに、新ターミナル地区への全面展開を図る二期事業が行われており、平成十二年までにはそれに引き続くB滑走路等の整備を内容とした三期事業が完了する予定であります。
 本空港の利用状況を見ますと、旅客数は国内線の利用が中心で、昨年度で約一千二百万人に達しております。中でも新千歳―東京間の旅客数は七百万人を超え、世界第一位の高需要路線であり、国内航空ネットワークの主軸となっております。
 国際線につきましては、平成元年度の実績が三万人でありますが、同年六月には大韓航空のソウル線が開設され、今年七月にコンチネンタル航空のグアム・サイパン線が開設されるなど、国際化へ向けて大きく躍進している状況にあります。
 また、航空貨物の取扱数量につきましては、昭和六十年代に入って毎年著しい増加を示しており、平成元年度で国内貨物十八万九千トン、国際貨物三百六十四トンとなっております。
 なお、北海道には新千歳空港を国際的なエアカーゴ基地として整備したいという構想があり、その早期実現が望まれております。
 また、CIQ施設の整備等、国際空港化のための整備の促進について強い要望が出されました。
 次に、本調査団は札幌市営地下鉄に試乗するとともに、指令所において概況説明を聴取いたしました。
 札幌市営地下鉄は、昭和四十六年に南北線の一部が開業したのに続き、速いテンポで路線の拡大が進み、現在は三路線三十九・七キロメートルで営業が行われています。
 この地下鉄の特徴は、快適性と地上部における騒音の防止という環境対策上の観点から、世界の地下鉄で初めてゴムタイヤによる案内軌条方式を採用したことであります。
 利用状況を見ますと、昭和六十三年度における市内交通機関の一日当たり平均利用者数約百五十万人のうち、地下鉄の利用者は三八・二%を占め、市民の大切な足として定着しております。
 現在、東西線、東豊線でそれぞれ路線の延長が計画されておりますが、建設費の高騰が大きな悩みの種となっております。
 次に、北海道庁においては道当局から、第六次空港整備五カ年計画、第八次港湾整備五カ年計画における所要事業費の確保、新千歳空港の整備の促進と国際エアカーゴ基地の形成促進、コミューター空港の整備、超電導リニア実用線及び北海道新幹線の建設、富良野・大雪リゾートプロジェクトの推進などに対する国の特段の配慮を求められました。
 特に、北海道新幹線鉄道の早期建設につきましては、東北新幹線が青森まで延伸される際には、既に新幹線規格でつくられている青函トンネルを通って函館までを同時開業し、最終的には札幌まで延長してほしいという要望でありました。
 また、超電導リニアにつきましては、現在JR特急で札幌―新千歳間が三十五分、高速道路では一時間を要しているところから、このアクセスの改善のため超電導リニアの実用線を建設したいという要望が強く、この問題を検討するため今年の二月に財団法人北海道リニアモーターカー調査会を発足させておりました。
 次に、港湾の関係について申し上げます。
 石狩湾新港は、小樽港との適正な機能分担を図りながら、同港と一体となった物流の拠点港として機能することが期待されています。また、石狩湾新港地域の開発計画は、港湾の建設とともに、広大な後背地を活用して工業団地と流通拠点づくりを同時に進めているところに大きな特徴があり、今年九月一日現在の立地企業は延べ五百七十社、うち操業している企業は三百一社となっております。石狩湾新港がその機能を十分に発揮するためには、港湾整備の促進とともに後背地における産業の立地が不可欠と言えましょう。
 また、本港の大きな特徴は、沿海州やサハリン等との交流拠点としても位置づけられていることで、既に北洋材や建設資材の輸入、中古車の輸出などが行われています。しかし、石狩湾新港へは小樽港でCIQを行った上で入港せざるを得ないという実情があり、貿易の活発化に対応して早急にその整備を図ってほしい旨の要請がありました。
 小樽港は、既に明治七年に石造埠頭の築造が行われた歴史のある港であり、昭和二十六年に重要港湾に指定されています。小樽港では輸入自由化を背景に、我が国配合飼料業界において工場の集約、再配置が検討されているところから、小樽港が今後とも北海道西部地域における畜産飼料基地として機能していけるよう既存工場の存続を含めた飼料コンビナートの建設について強い要望がありました。
 次に、苫小牧港は石狩平野の太平洋南西岸に位置し、札幌市へ六十キロメートルという恵まれた交通条件を備えており、港湾区域は一万四千ヘクタールに上り、二十キロメートルの海岸線に沿って立地する工業地帯の中核としての役割が期待されている港湾であり、現在は西港区と東港区に分かれています。
 苫小牧港は室蘭港とともに特定重要港湾に指定されており、道内では最も取扱貨物数量が多い港湾であり、後背地の工業団地の発展に伴い、今後一層拡大するものと見込まれております。現在、西港区では船舶の大型化や貨物形態の変化に対応した港湾施設の整備が進められておりましたが、マリーナの建設や緑地の造成に見られますように、地域住民に親しまれる港湾とするための整備も行われております。
 函館港は、北洋漁業の衰退や青函トンネルの開通による連絡船の廃止などによって厳しい状況下に置かれております。このため函館港では、流通拠点としての機能の向上を図るため、公共埠頭の整備、幹線臨港道路の整備を推進するとともに、すぐれた景観を生かしたウオーターフロントの整備、北海道の玄関口にふさわしい緑地計画の推進等の諸計画が進められております。
 次に、小樽海員学校は、昭和十四年に逓信省告示により小樽海員養成所として発足し、二十年に運輸省の所管となりました。
 今日の教育内容は、中学卒業後三カ年で職業高校と同程度の普通教育並びに近代化船における船舶技師となるために必要な専門教育、四級海技士レベルの航海及び機関の専門教育を行うことであります。
 本校の生徒数は八十名で、二十二名の職員により全寮制で手厚い教育、生活指導が行われております。卒業生の大部分は外航船、内航船、フェリー等の中堅乗組員として活躍中で、最近の傾向としては内航船会社からの求人が活発になっており、就職先は十分に確保されているということでありました。
 最後に、函館どっく株式会社について申し上げます。
 函館どっくは明治二十九年に創立され、首都圏から北にある唯一の重工業として、また函館の重要な地場産業として地域経済の発展に貢献してきました。しかし、昭和五十九年に来島グループに参入し、その後同グループの行き詰まりに伴い、今年の二月に事業提携を解消し自主再建を目指すこととなりました。このため資本金を三億円に減資するとともに、この五月には経営陣を一新しております。
 本調査団は、首脳陣の案内で二万二千トンの建造能力のある第一号船台を初め修繕用第一号ドック、橋梁部門や各種産業用機械製作部門、事業の整理縮小に伴う売却地等を視察するとともに、同社の現状と今後の見通しについて説明を聴取いたしました。
 函館どっくの売上高は昭和六十年度に二百九億円の実績を上げておりましたが、昭和六十三年度にはこれが百十五億円に減少し、新造船部門の不振がその大きな要因となっております。しかし、新体制の発足に伴い、平成三年度の事業計画では新造船の受注が見込まれるところから二百十億円の売り上げを目指しており、一方、従業員はシイタケ栽培や宅配業務といったなれない仕事に従事するなど、涙ぐましい努力をしておりました。
 本調査団は、函館どっくが昔の活況を取り戻し、雇用機会の創出など、地域に密着した企業として発展することを期待する次第であります。
 なお、今回の調査に当たり特段の御配慮をいただきました方々に心から感謝の意を表しまして、
派遣報告を終ります。
#9
○委員長(中川嘉美君) これをもって派遣委員の報告は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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