くにさくロゴ
1990/11/01 第119回国会 参議院 参議院会議録情報 第119回国会 社会労働委員会育児休業制度検討小委員会 第1号
姉妹サイト
 
1990/11/01 第119回国会 参議院

参議院会議録情報 第119回国会 社会労働委員会育児休業制度検討小委員会 第1号

#1
第119回国会 社会労働委員会育児休業制度検討小委員会 第1号
平成二年十一月一日(木曜日)
   午後二時二分開会
    ─────────────
 平成二年十月三十日社会労働委員長において本
 小委員を左のとおり指名した。
                小野 清子君
                尾辻 秀久君
                清水嘉与子君
                西田 吉宏君
                前島英三郎君
                糸久八重子君
                菅野  壽君
               日下部禧代子君
                木庭健太郎君
                沓脱タケ子君
                乾  晴美君
                勝木 健司君
                西川  潔君
 同日社会労働委員長は左の者を小委員長に指名
 した。
                小野 清子君
    ─────────────
   小委員の異動
 十月三十一日
     辞任         乾  晴美君
 十一月一日
     補欠選任       乾  晴美君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    小委員長        小野 清子君
    小委員
                西田 吉宏君
                前島英三郎君
                糸久八重子君
                菅野  壽君
               日下部禧代子君
                木庭健太郎君
                沓脱タケ子君
                乾  晴美君
                西川  潔君
   政府委員
       労働省婦人局長  高橋柵太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        此村 友一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○育児休業に関する件
    ─────────────
#2
○小委員長(小野清子君) ただいまから社会労働委員会育児休業制度検討小委員会を開会いたします。
 本日は、労働省高橋婦人局長から育児休業制度普及促進事業の実施状況、育児休業制度に関する来年度予算要求の概要及び最近の育児休業制度の普及状況について約二十分ほどの説明を聴取した後、限られた時間でございますけれども、各党から質疑を行うことといたします。
 それでは、まず説明を求めます。高橋婦人局長。
#3
○政府委員(高橋柵太郎君) それでは、お手元に御配付されておると思いますが、資料に基づきまして要点を御説明申し上げたいと存じます。
 第一に、本年度実施の育児休業制度普及促進事業の実施状況でございます。
 育児休業制度に対します労使及び社会一般の理解を深めるために、まず、育児休業制度普及促進月間を十月に設定いたしまして、同月間を中心とした集中的な集団指導、広報啓発活動を実施しているところでございます。
 その第一は、仕事と育児を考えるシンポジウムの開催でございます。育児休業制度等の普及促進につきましての社会的関心を喚起し、制度導入への機運の醸成を図ることを趣旨といたしまして、東京ほか福島、京都、福岡などにおいて開催をしております。この際、東京の中央行事におきましては、育児休業制度を導入しその運用状況が良好で他の模範となる企業の表彰も行ったところでございます。
 次に、重点業種使用者会議の開催でございます。これは、使用者等に対しまして育児休業制度の意義等についての周知を図りますとともに、制度導入に当たりましての阻害要因に関します改善策についての意見交換を行うことによりまして、業界全体での育児休業制度導入に対する機運の醸成を図ることを目的として、各都道府県婦人少年室におきまして、その地域の実情に応じ実施をしているところでございます。
 次は、育児休業制度推進のための管理者セミナーの開催でございます。中小企業の労務担当責任者を対象に、制度導入に当たっての必要な雇用管理に関する専門的な知識を提供するものでございまして、これも各都道府県婦人少年室において実施をいたしているところでございます。
 第四に、育児休業制度導入マニュアルの作成でございます。これは、学識経験者あるいは実務家によります育児休業制度導入マニュアル検討委員会を設けまして、ここで作成したものを各都道府県の婦人少年室の活動を通じまして企業に浸透を図ることとした事業でございます。
 次に、育児休業制度の一層の普及促進を図るということで、育児休業奨励金制度について御説明申し上げます。
 奨励金制度は、育児休業導入奨励金といたしまして、育児休業制度を導入し、育児休業利用者が生じた場合に、中小企業につきましては百万円、大企業につきましては八十万円を支給するものでございます。また、育児休業利用奨励金につきましては、育児休業制度を導入し、三人目以降の育児休業利用者が生じた場合に、育児休業者一人当たり、中小企業につきましては二十万円、大企業については十五万円を支給するものでございます。
 次に、特定職種育児休業利用助成給付金でございますが、これは民間の看護婦等特定職種の女子労働者につきまして育児休業を実施し、労働者の社会保険料負担分相当額以上の賃金を支払います民間の医療施設等の事業主に支給されるものでございまして、対象育児休業者一人一カ月当たり八千六百円を支給することといたしてございます。
 次に、育児休業制度普及指導員制度でございますが、これは全都道府県の婦人少年室に普及指導員を全室一名あて配置を終わりまして、この制度によりまして相談体制の整備、活用を図っているところでございます。
 第二に、育児休業制度に関します来年度予算要求の概要でございます。
 これはお手元に資料がなくて大変恐縮でございますけれども、基本的な考え方といたしましては、女子労働者の生涯にわたります職業とのかかわり合いが深まります一方、出生率の低下、今後の労働力不足の進展等の状況から、労働者が職業生活と家庭生活の調和を図ることができるよう働きやすい環境づくりを進めることが重要になっておりますことにかんがみまして、育児休業制度の確立を図るための事業をさらに進めて、産業規模、地域別に多角的かつ積極的に展開をいたしたいというふうに考えているところでございます。
 具体的には、中小企業におきまして女子の多様な就業パターンに応じました育児に関する総合的
な環境整備を図るために、中小企業集団を対象といたしまして、育児休業制度の導入を中心とした仕事と育児支援のための事業を傘下企業において計画実施するための事業を考えているところでございます。
 このほか、産業別に育児休業制度の導入推進を図るということで、導入推進のフォーラム等の開催等によります制度導入の取り組みの促進、あるいは地域の使用者を対象といたしました地域別の育児休業制度普及促進事業等の事業を実施することを考えております。
 また、育児休業奨励金につきましては、中小企業におきます育児休業制度の一層の普及の促進を図りますために、奨励金の充実ということで支給対象期間の延長あるいは支給単価の改定を要求いたしているところでございます。
 そのほか、育児休業制度普及促進のための啓発事業あるいは総合的な調査研究事業の実施という内容の予算を要求いたしまして、現在折衝中でございます。
 第三に、最近の育児休業制度の普及状況につきまして要点を御説明申し上げます。
 まず、労働省の調査、これは若干古くなって恐縮でございますけれども、六十三年度の調査によりますと、育児休業制度の普及率は一九・二%ということでございますが、五百人以上規模では二五・三%ということになっております。
 今春におきまして、電機産業において未導入の大手の十五社について育児休業制度が導入されるとともに、中堅電機各社にも多数導入が行われたところでございまして、組合ベースでいきますと、電機労連傘下の女性労働者十七万人のうちの九割が制度の適用を受けることになったというふうに承知をいたしております。その他自動車の大手の二社で導入されるとかいうことで、最近急速にこの制度の導入の機運が高まっている状況にございます。
 なお、最近におきまして、日経連が出生率低下問題と児童手当制度見直し等に関するアンケート調査をいたしましたけれども、この調査によりますと、二五・九%が育児休業制度を導入しておりまして、特に千人以上の大企業の導入割合は四割近くに達しているというような数字が出ているところでございまして、各産業あるいは各規模におきましても、それぞれの取り組みが進んでいることがうかがわれるところでございます。
 以上、要点でございますけれども、御説明を申し上げました。
#4
○小委員長(小野清子君) 以上で説明は終了いたしました。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○糸久八重子君 本委員会で審議検討しております育児休業法法制化問題に関連しまして、最近大変不愉快なことがありましたので、私はこの際まず取り上げておきたいと思います。
 委員各位御承知のことと思いますけれども、去る十月二十二日に一部のテレビや新聞で、政府、労働省が次期通常国会に育児休業法案を提出する方針を固めた、こう報道をされました。昨年の十一月十四日、百十六臨時国会におきまして、育児休業法制化について審議検討するためのこの小委員会が本院社会労働委員会の中に設置されて以来、もう既に提出しているいわゆる四党共同法案という具体的な法律案の取り扱いも含め与野党間で協議検討が進められてきたわけであります。そして、法制化の必要性について意見をはっきり示していない自民党の対応を待っていよいよ具体的な内容に関する協議検討に入ろうとしているやさきに、突如として横の方から政府が法律案を提出するという報道でしたから、私は大変驚きましたし、また不愉快な気持ちになったところでございます。
 労働省は、これまで一貫して法制化は時期尚早という姿勢を崩さなかったわけですけれども、仮に報道されたような事実があるとすれば、法制化が必要だという積極姿勢に転換したこと自体は歓迎するといたしましても、余りに唐突であるだけでなく、既に法制化の検討を進めております国会活動を軽視あるいは無視するものと言っても過言でないと考えます。社労委員会にもこの小委員会にも労働省は出席しておりまして、このような経過は十分承知をしていたはずですから、まさかそのようなことはないと思いますけれども、この際はっきりとお聞きをしておきたいと存じます。婦人局長、いかがでしょうか。
#6
○政府委員(高橋柵太郎君) 一部報道機関におきまして育児休業法案を国会へ提出するという報道がなされたことは、私どもも承知をいたしておるところでございます。
 労働省といたしましては、育児休業制度の確立、これは重要な課題でございますので、この制度の確立に向けまして勉強していることは事実でございますが、国会の動きも十分承知をいたしているところでございます。報道されたような方針を固めたというような事実はございません。
#7
○糸久八重子君 私は、政府、労働省が法制化が必要という積極的な姿勢に転換することについて反対しているわけではありません。むしろ、遅きに失したとはいえ、歓迎するものでございます。そして、法制化を実現するために与野党間で努力をしているこの国会に対して必要な調査とか資料の提供とか、場合によっては所管官庁の実務上の意見等、積極的に協力していただきたいと考えていることを申し上げておきたいと存じます。
 さて私は、この春、西欧諸国の育児休業制度の実情を調査してまいりました。本制度について休業中の所得保障は大きな焦点と承知しておりますけれども、国際的な基準というのは確立していないことを再確認してまいりました。
 EC本部の担当者の話では、機会均等を考える際に、諸種の親休暇の基金をつくるために防御的になる必要はもうない。特にその道義的な意義が次第に認められるようになってきた。というのは、我々が第一回、第二回の行動計画を定めて取り組んだ結果、各国の意識が高まってきたからだ。新しい側面として加盟各国に生じてきているのは若年労働力の縮小の問題で、これが大変重要な問題になってきている。使用者側にとって既婚者や母親などこれまで余り活躍していなかった労働力が必要になってきた。過去に比べ、社会にとっても雇用者にとっても子が必要であり、労働者が必要になって、この問題は衝突するような問題ではなくなってきている。特にEC諸国で重要な考え方、哲学になってきているのは、父母が共同で子の養育に責任を持つという考え方だ。そのように担当者の方が話をしておりました。
 この問題では、確かに各国の制度はいろいろで、例えばスウェーデンは、事業主が保険料を拠出する健康保険制度の中で傷病手当と同様に従前賃金の九割が支給されることになっておりますし、また、統一前の西ドイツの場合は、児童手当とは別にいわゆる専業主婦なども含めて連邦政府の負担、税金で月額六百ドイツマルク、つまり五万円程度の養育手当が支払われております。フランスの場合は、事業主が保険料を拠出する家族給付制度の中に児童手当制度とは別に育児親手当制度が設けられて、第三子から月額二千六百七十一フラン、つまり六万円から七万円程度の育児親手当が支給されることになっておりました。イギリスの場合は、まあ産後復職制度とも言うべきもので、必ずしも育児休業制度とは言えませんけれども、一定の要件を満たす休業中の労働者には事業主から従前賃金の九割程度の出産給与、マタニティーペイと言っておりますけれども、そういうものが支給をされております。
 このように各国の制度はいろいろでありまして、また他の制度との関連についても考慮に入れなければならないと思いますけれども、有給であることははっきりしております。それは、育児休業制度が十分にその目的を達成するために休業中の生活保障、そして一定の所得保障が欠かせないからだと思うわけです。現実の話、二十万円あるいは三十万円という毎月の収入が全くなくなってしまうというのでは育児休業はとりにくくなります。したがって私は休業中何らかの所得保障措置が必要だと考えておるわけですけれども、この点
につきまして労働省としてはどう認識していらっしゃるのか、また、諸外国の制度の実情や考え方についてどのように把握をし、それについてどのように受けとめておられるのか、お伺いをしたいと思います。
#8
○政府委員(高橋柵太郎君) 先生ただいま御指摘のように、欧米諸国におきます休業中の手当の支給状況は国によってまちまちでございます。ただいま御指摘のございましたスウェーデンは両親保険給付として休業中手当が支給されておりますし、統一前の西ドイツにおきましては育児手当ということで休業前に就業しているか否かにかかわらず手当が支給されておりますし、フランスでは第三子以降のみ家族手当基金から休業中手当が支給されているという状況にございます。また、スペイン等におきましては休業中手当は支給されていないというふうに承知をいたしております。
 育児休業を取得する権利と休業中の手当との関係について見ますと、同じ法律で規定されている国、あるいは別の法律により規定されている国、さらにまた社会保障制度で保障されているというような国々がございまして、その水準、要件は極めて多様であるというふうに考えております。
 所得保障の問題につきましては、今後議論がなされるべき問題の一つであるというふうに承知をしておりますけれども、労働省といたしましては、外国法制での取り扱いも含めまして、育児休業制度のあり方につきまして今後とも勉強を続けてまいりたいというふうに考えております。
#9
○糸久八重子君 冒頭申しましたとおり、よく話し合ってよりよいものができればということでこの小委員会が設置をされて、もう一年になります。全国の労働者が、与野党間で早く結論が出され、育児休業制度が法制化される日を今か今かと待ち望んでおるわけです。その具体的な内容についての意見が明らかにされていないのは自民党だけでございますので、自民党としても早急に具体的な意見を取りまとめることをお願いしたいと思いますし、来週にでも次の小委員会を開いてくださって、そこにその意見を示してくださいますように私はお願いをしたいと思いますし、また、小委員長もぜひともそのように取り計らっていただくように要求をしたいのですが、いかがでしょうか。
#10
○前島英三郎君 今、自民党ということでございましたので、我が党の育児休業問題等の検討の経過などを含めまして今日までの流れを御紹介したいと思います。
 平成元年、昨年の十一月に労働部会に育児休業問題等検討小委員会というのを設けまして委員長は元労働大臣の堀内光雄先生、それからことしの四月にはこれまた元労働大臣の福島譲二先生に委員長をお願いいたしまして設置をしたわけです。それから、平成二年一月には育児休業制度や介護休業制度の普及促進を図るために法的整備を含めて実効ある措置を講ずる必要がある旨の中間的な取りまとめを御案内のように公表いたしたような次第でございます。
 公表いたしますと、当然いろいろな反響が出てまいりまして、その後、経営者団体とか婦人団体あるいは労働団体等から意見聴取をするとともに、育児休業制度のあり方などをめぐりまして、さらにまた当参議院におきましては野党の皆さんからの育児休業法案なども提出されているというような経過も踏まえまして、精力的に実は意見聴取、それからいろいろな検討、勉強などを含めてしているところでございます。
 あわせてまた、元厚生大臣の戸井田三郎先生を小委員長とする児童と家庭問題小委員会というのもつくりまして、つまり、出生率が今一・五七%の状況である、このまま百年いくと日本の人口は五千万ちょっとになってしまう、さらに五百年後になると百二十万の人口になってしまうというような、そういう先々を考えますと、さあ高齢化時代を迎え、あるいはまた、もろもろの政策を含めて日本国そのものの存亡の危機さえあるのではないか。
 じゃ一体どうするんだということになってきますと、おのずといろいろ御指摘されていきますように、とにかく女性の皆さんが積極的に社会参加をする。社会参加をする背景の中にどうしても働きながら子育てというのには大変きつい部分がある。ならば、そこにやはり育児休業制度というものを設けなければいけないのではないか。それと同時に、健全な児童を育成するための児童手当のあり方もこれから見直さなければいけないのじゃないか。あるいはまた、諸外国からウサギ小屋と指摘されているようないわば住宅問題もあわせて考えていかなければいけないのではないか。多方面にわたって、厚生、労働、特に労働部会のイニシアチブで今日までその検討委員会を精力的に重ねてきたわけでございますけれども、現在はかなり大詰めに来ております。
 大詰めの状況に来ているところでもございますので、できるだけ早急に自民党としての考え方をまとめたいと思うわけでございますけれども、野党の皆さん方の育児休業法案、我々の目指すところの育児休業法案、また、日本は非常に中小企業が日本の経済を支えているという現状の中におきまして、例えば企業の負担あるいは国民の負担になるのか、本人の負担になるのか、またその所得保障の問題なんかも大変意見もまちまちでありますし、これらを踏まえて自民党としての考え方は早急にまとめ、次回もしこの小委員会が開かれるとするならば、そのあたりでは自民党の育児休業制度に対する一つの考え方というのは皆様方に御披露できるのではないかというような見通しを持っておりますので、自民党がトーンダウンしているんだとか、自民党は消極的であるとかということではないということをこの際申し上げておきたいと思います。
#11
○小委員長(小野清子君) それでは、自民党におきましてはできるだけ早急に考え方をまとめていただきまして、来週にでも小委員会を開かせていただき、そこでぜひ御説明いただくようにしていただきたいと思います。
#12
○糸久八重子君 それでは、自民党さんがいつまとまるのか、早急にということなんですけれども、まとまった時点で、できれば今国会中の方がよろしいんですが、休会中でも小委員会を開くということはお願いできますか。
#13
○小委員長(小野清子君) 検討させていただきまして、それで御連絡をさせていただきたいと思います。
#14
○糸久八重子君 終わります。
#15
○木庭健太郎君 じゃ、一言だけ。
 労働省にちょっとお伺いしておきたいんですけれども、さっき糸久委員の方からお話しされていましたように、今回労働省の方が何かそういう案を検討しているという報道をされたことに対して私たちも遺憾なんです。労働省としてやはり法的な育児休業制度が必要な時期に来たという御認識は今持っていらっしゃるのかどうか、それだけちょっと確認しておきたいんですけれども、お願いします。
#16
○政府委員(高橋柵太郎君) 育児休業制度の法的な整備につきましては、労働省としても重要な課題であるというふうに認識しております。
#17
○沓脱タケ子君 それじゃ、冒頭に糸久委員から出されましたこの報道、これは私新聞を実は持ってきているんですが、誤報ですか。誤報というふうに言うてしもうたらぐあいが悪いんで、私ども大変期待をしてこの記事は拝見したんです。これでは、民間を対象にして「次期国会に提出」というふうに明確に書かれておるわけです。そして「対象は夫婦男女のいずれか一方とする」、「休業期間は子供が一歳に達するまでとする」、それから「休業期間中、企業は社会保険料の本人負担分を支給する」、金額も括弧に入れています。「――などを柱とする案が有力。」と。そして「本格的な高齢化社会の到来に向けて介護休業制度のあり方についても法案に盛り込みたい考え」というふうに実は記事としては拝見をいたしました。労働省は大変積極的なんだなということで大きな期待を持って実は拝見をいたしたわけでございます。
 この範囲であれば、現行法の範囲はあれは両親になっていたかどうか、その辺はあれしたんだけれども、休業期間中、企業が社会保険料の本人負担分を支給とかいう、所得保障のところでは現行法の案で提案をしてくるのかなということが予測のできるような記事として拝見をいたしたわけでございますが、その点についてはどうなのか。法制化について具体的に準備をしてきているということなのか、そうだと思うんですが。その中には介護休業制度も入れていくというふうにお考えになっているのか。とにかくそこを先に聞きたいと思うのですね。これは労働省の方に聞きたい。
#18
○政府委員(高橋柵太郎君) ただいま一部報道機関での報道についてのお尋ねがございましたが、報道につきましてはこれは一つの観測記事というようなことで書かれているんじゃないかというふうに考えております。
 内容につきましてのお話が今ございましたが、労働省案として報道に盛られたような内容を固めたというようなことばございません。種々の観点からこの休業制度の確立に向けて勉強をいたしているところでございます。
#19
○沓脱タケ子君 介護休暇は。
#20
○政府委員(高橋柵太郎君) 介護休業制度につきましては、本年度からこの制度の普及促進事業という形で私どもいろいろな事業を展開いたしているところでございます。この事業の実施の過程におきまして各方面からの関心が非常に高まっているということもございますので、私どももあわせて勉強をいたしております。
#21
○沓脱タケ子君 勉強というふうに、きょうは午前中も勉強論議が出たわけでございますけれども、勉強というのは具体的に前進を目指して、あるいは具体化を目指して積極的に検討をしていらっしゃるということなのかどうかというのが私としてはようわかりにくいんです。
 それで、従来から育児休業制の法制化についての要求というのは随分長いんです、国会では。本会議であれ委員会であれ、随分再々、今までは実はお尋ねをするたびにどういうふうに言われてきたかといいますと、普及率が一四%内外、大体一〇%余りだからまだその時期ではないということがほぼ一貫して言われてきた。ところが、きょうの御説明を伺いますと、これでは普及率は一九・二プロで、五百人以上の規模では二五・三プロというふうに広がっている。それから、日経連では導入割合は四割に達しておるというふうに、普及率というのが従来から御説明をいただいておりました水準をはるかに超す広範な普及になってきているということがわかったわけでございます。そういう状況になれば当然法制化が必要と。今までは、一〇%そこそこだからまだ様子を見て様子を見てと言っていたんですから。そういう点ではここまでの普及率の広がりは法制化に早期に踏み切らなければならないという段階ではないかと思うんですよ、労働省がずっと言ってこられた御見解からいいましてね。その辺はどうなんですか。
#22
○政府委員(高橋柵太郎君) 先生御指摘のように、最近におきまして育児休業制度の普及状況は非常に高まっている状況にあるというふうに存じております。
 したがいまして、現在の情勢の中でそういった育児休業の法的整備ということが重要な課題になっているというふうに私ども認識をいたしてございますが、現在、国会の方でも四党共同提案の育児休業法案も継続審議ということになっていることでございますので、そういった状況も注視しつつ勉強してまいりたいというふうに思っております。
#23
○沓脱タケ子君 もう一問。
 それで、従来の労働省の御見解から言うたらまさに機は熟しているということが言える程度の普及率の広がりがあるわけですね、現実に。
 そこで、具体的な具体化の問題について糸久委員からもお述べになられたように、これは前国会の最後の小委員会では四党の御提案の内容、それから私ども共産党としても法案要綱というかそういったものを含めての見解を申し上げておきましたし、自民党の側でも御見解をお述べいただいたという段階でございますし、今、前島委員からのお話を伺いますと、いよいよ煮詰まるという段階へ来ているというお話でございます。客観的な情勢は非常に法制化が急がれているというのが国民的なコンセンサスでもあり要求でもあるわけでございますので、せっかくのこの小委員会でいろいろと各党とも既に具体的にこうしようという案が出ているわけで、自民党の御提案がしていただけたら本小委員会で煮詰めることができるという段階まで来ていると思うんですね。それをぜひ早くやっていただけたらありがたいなと思います。
 これは今国会中にできれば一番よろしいけれども、もうあと十日あるなしですけれども、幸いにして小委員会をつくってあるわけですから、小委員会はできるだけ早く煮詰める作業をしてもらって、幾ら遅くても次の通常国会にはそれこそ小委員会で煮詰めた原案を提案でもできるようなところまで具体化をしていただけるようにぜひ御要望を申し上げたいと思いますけれども、御見解を一言だけ自民党さんの方から伺っておきたいと思います。
#24
○前島英三郎君 先ほども御説明申し上げましたように、まさしく国民世論の高まりも私たちは十分意識しつつ、あるいはまた今国会も含めてこの四党提案のものも土台にこれ学びつつ、また関係する経営者団体やあるいは婦人団体や労働団体の皆さんとの協議なども既に終えておりますので、先ほど沓脱委員が申されました介護休業、これはもう高齢化時代が待ったなしにやってまいりますので、この介護ということをもこのゴールドプランというものの十カ年戦略などの背景を考えていきますと、これまた働き手が親の面倒を見るというまた一つの国民世論もかなりの高まりがありますので、それらをいろいろ含めまして、背景にある野党の皆さんとの距離感はまだ我々は十分あるなという意識は持っておるんですが、とにかく小委員長を中心として精力的にいよいよ最後の詰めに入ってきておりますので、まさしく近々には我が党の考え方というのもこの小委員会で御披露できるのではないかと、こう思っております。
#25
○乾晴美君 私も政府の方に、労働省の方にお聞きしたいんですけれども、先ほどから糸久委員もそして木庭委員も沓脱委員もおっしゃいましたけれども、六月の二十二日に小委員会が持たれて、その中で検討するんだなというふうに思っていましたら、全然検討のないままに次期国会でこの育児休業法案を出すという方針を固めたということで私もびっくりいたしました。これが観測記事であるというようなお答えでございますのでそれはもうそれで置いておきまして、私も同じような気持ちであの記事を見せていただいたということをお伝えしておきたいと思います。
 また、労働省は、育児とか介護を抱えた女性が働きやすい環境の整備を図るために、この間新聞にも載っておりましたけれども、仕事と家庭に関するビジョン懇談会ですかを設置したということで承知いたしておりますけれども、この仕事と家庭の両立というのは一九八一年に採択されたILO百五十六号条約及び百六十五号勧告が取り上げているテーマだというように思います。このILO百五十六号条約は国連の女子差別撤廃条約と一体のものであり、我が国も早急に批准しなければならない筋合いのものではないかと思っているわけです。
 国連条約の批准審議の際、これは一九八五年六月四日の衆議院の外務委員会だと思うんですけれども、当時の安倍外務大臣が社会党の土井委員長さん、当時は副委員長さんだったと思うんですが、その方の質問に対しての答弁があるわけなんです。
 それは、
  ILO条約は、女子差別撤廃条約とは異なりまして、具体的な労働条件を決めているものでありまして、女子差別撤廃条約とはいわば補完的な関係にある、両者相まって国際的な水準と男女の雇用の機会、待遇の均等が達成されるものと考えております。
  具体的に、今後どの条約について早期批准に努力するかということにつきましては、いろいろと意見もあろうと思いますが、とりあえず百五十六号条約につぎまして検討を進めたいと思っております。
という言葉に続きまして、
  これは政府としての、外務大臣としての基本的な考え方を述べたわけでございますし、そうした立場に立って、関係各省もありますから調整をしながらこれから鋭意努力を重ねまして、次の国会にはその結果を取りまとめて御報告を申し上げたいというふうに思います。
とあります。
 これが一九八五年の六月四日の御答弁なんですけれども、それから既に五年経過しているということですね。五年も経過しているにもかかわらずなおこの条約の批准承認案件の提出がないと思います。このような政府関係各省庁の態度は非常に厳しく批判されなければいけないんじゃないかと思います。午前中からもありますけれども、勉強するとか、努力するとか、鋭意何とかやっているというようなことなんですけれども、そういうことではもうだめではないかというように思います。
 今回のこの懇談会ができたということにつきましては、労働省がこの批准に向けて積極的に乗り出したというように受け取らしていただいてよろしいでしょうか。それと、労働省の問題意識はどういうものなんだろうか。また、この懇談会の活動状況というのはどうなのか、あわせてお聞かせいただきたいと思います。
#26
○政府委員(高橋柵太郎君) 近年、女性と職業とのかかわりが深くなっているわけでございますが、育児を初めといたしますさまざまな問題が女性が仕事を継続することを困難にしているということでございますので、女性が男性とともに仕事と家庭責任の調和を図りながらその能力と経験を生かして働ける、いわば女性が働きやすい環境づくりを総合的に進めるということが重要な政策課題となっているわけでございます。
 そこで、労働省では育児休業制度、女子再雇用制度、介護休業制度などの普及促進に努めているところでございますけれども、今後の施策のあり方等につきまして幅広い分野の学識経験を有する方々に御参集いただき意見をいただくということで本懇談会を開催しているものでございます。
 この懇談会は、現在まで六回開催いたしまして、労働組合、企業、女子労働者からのヒアリング等を行ってきているところでございます。
 この懇談会はこのように有識者に幅広い立場から御自由に御懇談をいただくということでございますが、いただいた御提言について施策にどういうふうに生かしていくのか、今後の検討課題であるというふうに考えているところでございます。
 なお、今御指摘の問題でございますが、ILO条約の批准というのはこれは重要な問題であるというふうには考えておりますけれども、このビジョン懇談会と御指摘のILO百五十六号条約の批准の問題というのは直接の関連を持っているということではございません。
#27
○乾晴美君 五年も前にやろうとなさっておいでたことがまだできてないこと、非常に残念だと思います。早期に批准できるようにお願いしたいと思います。
 この育児休業法案のことなんですけれども、先ほどから今百十九回国会の請願文書の中を読ましていただいておりますと、自民党の議員さんの中からもこの育児休業法案の制定を検討されたいということで紹介議員にもなっている方がたくさん入っているわけなんです。自民党としても、もう私たちが出させていただいたこの法案の検討に入ってそしてそれを早く制定するようにというような文書だと思うんですけれども……
#28
○西田吉宏君 いや、そんなことはわからない。まだこれから……
#29
○乾晴美君 わからないんですか。
#30
○小委員長(小野清子君) 今のは自民党に対する御質問ですか。
#31
○乾晴美君 ええ、どうですか。
#32
○前島英三郎君 私たちもいろいろな角度から精力的に勉強を重ねておりまして、いずれにしても、次回の小委員会が開かれるときには自民党の考え方は御披露したいと思いますが、根底に皆さんの提出された法案ということではなくて、幅広くまた世界的にいろいろな調査をしまして私たちは独自の自民党の考え方というのをまとめ上げるつもりでおるところでございます。
#33
○乾晴美君 それじゃ早期に小委員会を開いていただいて、そしてできるだけ早くこの育児休業法案というのが制定されますようにお願いしたいと思います。
 終わります。
#34
○西川潔君 私がお伺いしたいことはもうすべての先生方から出ましたので、僕の方からはお願いでございます。
 私は姉が三人おりまして、三人の姉は二人ずつ子供を産んでおります。第一子が生まれましたときにお仕事をやめまして、そして保育所に預けてお仕事をまた続けておりました。大変困っている現実を、三人の姉を見せていただきまして、女性は大変だなと。まあ法は家に要らずと申しますが、平和な家庭には法律は本当に無用でございますが、この法律だけは、まあ女性のためにもそしてまた夫たる男子の立場でも、早くお家の中に入ってきていただきたいなという法律だと僕は思うんであります。
 いろいろお話を聞かせていただいて自分なりに疑問に思ったのは、お願いなんですけれども、第一子が生まれまして、例えば保育所に預かっていただきます。二子が生まれたときに母親がお家にいるということは、保育所ではお母さんがいるからあなたは帰りなさいといって帰らされるような状態があるわけですけれども、こういうことは、これは文部省にお伺いした方がよろしいんでしょうか。
#35
○政府委員(高橋柵太郎君) 保育行政の直接の所管は厚生省であるというふうに考えております。
#36
○西川潔君 じゃ今度また厚生省の方にお伺いいたしまして勉強さしていただきたいと思うんですが、いずれにいたしましても、本当に一朝一夕にはいかない大変な法律だと思いますが、政府にもまた自民党の皆さん方にもよろしくお願いいたします。
 終わります。
#37
○小委員長(小野清子君) 本日の質疑はこの程度にとどめまして、これにて散会いたします。
   午後二時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト