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1990/10/17 第119回国会 参議院 参議院会議録情報 第119回国会 本会議 第2号
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1990/10/17 第119回国会 参議院

参議院会議録情報 第119回国会 本会議 第2号

#1
第119回国会 本会議 第2号
平成二年十月十七日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二号
  平成二年十月十七日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(土屋義彦君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 去る十二日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。浜本万三君。
   〔浜本万三君登壇、拍手〕
#4
○浜本万三君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、海部総理の所信表明に対する質問を行います。
 総理も指摘されたように、国会はこの十一月二十九日に開設百年を迎えます。
 一口に百年と言っても、それは決して平たんな道ではございませんでした。特に、旧帝国憲法の末期においては事実上軍部翼賛国会に堕落してしまった経過と原因についてこの機会に改めて反省するとともに、新憲法のもとで平和と民主主義のかなめとして再出発した先輩たちの新たな決意をいま一度思い起こし、その視点から国会の現状について全面的に見直さなければならないと考えるものであります。
 特に、ベルリンの壁の崩壊に象徴されるように、世界の歴史は今や劇的大転換を遂げつつあり、東西の冷戦構造から国連による平和保障体制へと向かうこのときに当たって、総理には議会制民主主義を身を挺してでも守る決意を持たれるかどうか、まず初めにお尋ねをいたしたいと思います。
 このような歴史的な節目を総理大臣という立場で迎えられたあなたには、最近の言動を拝見する限り、果たして議会人としてふさわしい決断と実行が伴っているかどうか、強い疑問を抱かざるを得ません。
 その第一の理由は、この百年の間に日本と世界の人々が共有した歴史的な体験をあなたは踏まえていないのではないかということであります。我が国の平和憲法が一切の武力を放棄し、非軍事国家として国際社会に貢献することを誓ったのは、二度にわたる世界大戦を経験した地球市民全体の声として尊重されなければなりません。「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と世界に向かって誓った立場に総理が立つというならば、国連に対する協力には武力として組織的な訓練を受けた自衛隊を参加させるべきでないことは、もはや自明の道理というべきではないでしょうか。
 自民党きっての常識派として登場したあなたが、なぜ今自衛隊の海外派兵に道を開こうとされるのか、政治家としての信念を貫けない議会人が総理となっているこの現実を私は心から憂慮するものであります。
 総理が国会開設百年にふさわしいとは考えられない第二の理由は、議会政治に対する国民の信頼を回復しようとしてはいないという事実であります。
 総理は就任以来しばしば内閣の命運をかけて政治改革を断行すると発言されてきましたが、政治資金の流れをガラス張りにするなどの重要な課題について、あなたの命運をかけたと言えるでしょうか。むしろ、それを棚上げして選挙制度の改正を政治改革の目玉にしようとするやり方は本末転倒であります。小選挙区比例代表制によって自民党政権の恒久化をたくらむものと言わなければなりません。政治改革をめぐる総理の方針を改めてお尋ねいたしたいと思います。
 参議院改革に取り組んできた一人として、私は、唯一の立法機関としての国会がこの機能を十分発揮できるようにするため、若干の提案をいたしたいと思います。
 その一つは、行政情報の国会提出義務の確立と、行政の国会への協力体制の整備であります。
 その二は、各委員会における討論は議員同士または議員と閣僚との間で行うこととし、官僚その他を参考人または証人として招くようにすることであります。
 その三は、議題となる法案は、政府提案であれ議員提案であれ、逐条審議を尽くすようにすることであります。
 そしてその四は、調査立法機能を拡充するため、関連スタッフを倍増することであります。
 以上の点について、議会人としての総理の見解を伺っておきたいと思います。
 国会開設百年にふさわしい総理と言えない第三の理由は、憲法で保障された総理の大臣任免権を行使できない優柔不断な態度であります。
 梶山法務大臣は、アメリカ社会に対する偏見と黒人に対する差別観を露呈する発言をされました。このように人権感覚を欠いた人材を総理はなぜ人権行政のトップとして起用されたのですか。アメリカ連邦議会で黒人議員連盟が辞任要求までしなければならなかったのは、総理の迅速な決断がなかったためではありませんか。日本の政治に対する世界の信頼を回復するためにも、総理の責任で法相解任というけじめをつけることを強く求める次第であります。
 次に、最近の世界情勢について総理に伺います。
 さきの百十八国会の論議を通じ、冷戦構造が終結したことも、ソ連脅威論の修正の必要性も、はたまたアジアの変化についても正確に認識されず、総理からは的確な展望は何一つ聞かれませんでした。その後の東西ドイツの統一、全欧州安保会議の常設化、そして韓ソ国交樹立、カンボジア和平の一歩前進、さらに日朝の国交正常化交渉の開始へ大きく世界は前進しておるのであります。
 こうした中で、イラクのクウェート侵攻に対する国連安保理事会が完全に共同歩調をとったことは国連の歴史上初めての出来事であります。このことは戦後の冷戦構造の終結を象徴すると同時に、二十一世紀の平和秩序づくりの大きなともしびとなったのであります。
 総理はこうした世界の流れをどのように把握され、国際社会における日本の役割をどう果たしていこうとされておるのか、この際しかとお伺いをいたしたいと思います。
 私は、我が国が戦後四十数年間追求し続けた戦争のない世界、平和で豊かな世界づくりの扉が今開かれようとしていると考えます。一人一人の国民が自信を持ってこの基本理念の貫徹に邁進すべきであります。総理は当然にその先頭に立つべきだと思いますが、その御決意を伺いたいと思います。
 さらに、国連強化の一環として、例えば国連平和基金に対し毎年度GNPの〇・一%程度拠出するとか、防衛力の漸減によって平和の配当を国連に拠出するなどの目標と政策を掲げる御意思はございませんか。さらに、世界各国の最先端技術を結集し、国連の宇宙衛星によって軍事施設等の完全監視、査察を行い、紛争や衝突の未然防止を国連の責任で行う機構をつくることを世界に呼びかける御意思はございませんか。御答弁を願いたいと思います。
 次に、中東問題について総理並びに外務大臣に伺いたい。
 イラクのクウェート侵攻、併合は、国連憲章を踏みにじる暴挙であり、あまつさえ邦人を含む多数の在留外国人を人質としておりますことは、国際法に違反し、人道上も許しがたいことは多言を要しません、イラクがクウェートの原状を速やかに回復し、人質を即時解放するなど、国連安保理事会の諸決議が一刻も早く実現するよう強く要求をいたします。
 他方、湾岸地域に米軍を主力とする大規模な多国籍軍が展開しておりますが、これは緊張を高め、軍事的衝突の危険をはらむものであります。しかも、湾岸地域の平和もさることながら、油田地帯の確保を第一義としていることは米国自身が認めているところであります。その上、国連自身は軍隊の派遣を要請した事実はなく、米国等はみずからの判断で軍隊を動かしており、それは決して国連軍とは申せません。総理、その出発点の認識を誤ると大変なことになるのであります。
 今回の事態は、東西冷戦後の地域紛争を国連を中心に世界が一致して平和裏に解決できるかどうかの試金石であります。そのために、経済制裁措置など国連安保理事会の諸決議を世界各国が結束して実行し、国連及びアラブ諸国を基軸に粘り強く交渉の努力を続けることが肝心なのであります。同時に、パレスチナ問題の平和的解決の糸口が見つけ出されるような努力をしなければ、決してアラブの人心を安定させることはできず、紛争の火種をいつまでも抱えることになってしまうのであります。
 ところで、総理は先ごろ中東を歴訪されましたが、アラブ諸国が納得し真の平和がよみがえる手だてはついたのでありますか。また、中東外交はどうあるべきだと判断をされましたか。この際、明確に御答弁をいただきたいと思います。
 続いて尋ねますが、今の政府の中東貢献策に誤りはありませんか。まず、政府はこれまでに、二十億ドルの多国籍軍に対する資金援助と二十億ドルの周辺諸国援助を行うことにしております。しかし、米国を主力とする多国籍軍への貢献は、本当に中東問題解決の最善の策と言えるでしょうか。これは米国への軍事資金援助であり、日本が武力衝突すら憂慮される一方の当事者に加担していることになりませんか。なぜこれが平和的解決として最善の道と言えるのでしょうか、しかとお伺いをいたしたいと思います。
 次に、国連平和協力法案について質問をいたします。
 海部総理は、自衛隊は使わない、危険なところには派遣しない、護身用武器しか認めないなどなど言明されてまいりました。これらの方針をことごとく今日では否定し、米国大統領の要請に屈服して海外派兵の法案をつくることを、我が党は絶対に認めるわけにいきません。護身用兵器の携帯という言い方で通常の戦闘装備での派兵を前提に、従来の集団自衛権と集団的安全保障とは違うなどと既に確定していた憲法九条の解釈を抹殺することによって、多国籍軍の行動は集団的安全保障であると歪曲し、これに協力するための法案をつくったことは、絶対に認めることはできません。
 総理は、最初から国民をだますつもりでおられたのですか。そうであれば極めて遺憾なことであります。これは、明確に憲法に違反し、一九五四年の国会決議に違反し、国務大臣の憲法擁護義務に違反する最悪の行為であることを申し添えておきます。
 自衛隊は専守防衛に徹するとしてきましたが、我が国に対する攻撃がないのになぜ自衛隊を動かすのですか。自衛隊を中心とした協力隊ならば、戦禍に巻き込まれるおそれもあると思います。総理は、国連平和協力法をつくれば、憲法が禁じている交戦権の行使ができるとお考えなのでしょうか。総理、あなたのやり方は、戦後四十数年守ってきた平和憲法に対する政治的クーデターに等しく、国民の名において厳しく糾弾されなければならないと思います。
 第二次大戦後の米ソ二大軍事大国が、軍拡に狂奔した結果、経済的な困難に陥ったことは周知のとおりであります。この轍を世界のいずれの国にも踏ませてはなりません。この教訓を二十一世紀の世界に生かすべく、日本が先頭に立つべきです。この理念を貫くために国連を強化し、国連平和基金等財政面の援助はもちろん、今月の十五日に我が党が発表いたしました国連平和協力機構の設置など、我が国は非軍事分野で全面的に協力すべきだと思います。総理の御見解を承りたいと思います。
 なお、中東への米軍派遣に伴い米国の財政赤字が膨らむことは必至であります。伝えられるところでは、その肩がわりを日本に求める動きが米国の大統領府と議会に高まっているとのことであります。しかし、これは筋違いの話で、認めるわけにまいりません。アメリカ側はその手始めに在日駐留軍経費の全額負担を日本に求めてきているとのことですが、総理はさきの訪米で、日米地位協定の改定を含めどのような話し合いをなされ、約束をされてお帰りになったのか、明らかにしていただきたいと思います。
 中東問題は、米国のいわゆる双子の赤字を拡大し、インフレの危機を高める容易ならざるものがあります。米国はそのため、財政、経済、貿易、金融などなど多くの面で日本に肩がわりを求めることが予想されます。これに対し、国民は政府に毅然たる態度を要求しております。総理の今後の対応をただしておきたいと思います。
 次に、税財政問題について伺います。
 まず、財政運営に関する政府の考えについてであります。
 財政は、公共投資の拡大に加え、中東支援策など歳出需要のかつてない高まりの中で、経済環境が春の予算審議の段階とは一変し、先行き不安が高まり、税収の動向が心配されるに至っております。大蔵大臣は本年度及び来年度の税収をどのように判断されているのか、お伺いいたします。
 本年度の予算は特例公債依存脱却が達成できた初年度ですが、こうした財政状況から、再び特例公債に依存せず、さきに政府自身が言明しておる建設公債の発行縮減、百六十四兆円に上る公債残高の減債、いわゆる隠れ借金の処理など次の財政再建目標が予定どおり実行できるのか、もはやその軌道修正が不可避になっているのではないでしょうか、お答え願いたいと思います。
 あわせて、大蔵大臣は中東支援に関連をいたしまして財政非常事態宣言を発せられたと聞きます。一体そのねらいはどこにあるのでしょうか。日本財政の危機とに穏当ではございません。実態を説明されたいと思います。大蔵大臣は財政の危機状態を殊さらに宣伝し、来年度予算編成を切り抜ける口実にされようとしておるのでしょうか。いずれにしろ国民に真実を知らせるべきであります。大蔵大臣のしかとした答弁を求めたいと思います。
 次に、消費税実施に伴う新たな不公正について伺います。
 消費税で何より問題になっているのが益税であります。大蔵省調査でも、全事業者の約七〇%に及ぶ簡易課税制度の選択、高いみなし仕入れ率、さらに大企業においては消費税の運用益が膨大に得られるとのことなど、事業者に大変有利なことが証明されております。
 そもそも、益税なる言葉には事業者への補助金的性格を込めているのでありましょうが、消費税は、消費者にとっては自分の財布から支払いを強いられ、事業者にとっては財政的な援助となる正反対の性格を持つ全く不可解な税金であると言えましょう。それ以外にも逆進性の問題、衣食住の生活必需品への無差別課税の問題など、指摘すべき事項は数限りなくあるのであります。
 そこで、我々はこのような消費税に対する国民の不信感、不公平感を払拭するため、また益税なる言葉を死語にするため、消費税の廃止、出直しを主張し続けてきたところであります。現在、税制問題等に関する両院合同協議会において消費税問題を協議中でありますが、政府としてはあくまでその結果を待つのか、それとも協議がおくれた場合でも、現行消費税の是正を急ぐため、前回提案の見直し法案以上の抜本的な見直し案を来年度実施に向けて提案する意図があるのかどうか、お伺いをしておきたいと思います。
 次に、土地税制であります。
 消費税では事業者と消費者との間に不信感を募らせ、土地においては持てる者と持たざる者の間に大きな溝ができております。そこで我が党は、土地神話の打破、そしていわゆるバブル経済下で発生した資産格差の是正のため、土地増価税や新土地保有税の創設など抜本的な土地税制改革を提唱しております。土地問題の解決のために、土地税制改革に当たって政府は今度こそ、財界などの圧力に屈することなく、国民が納得できる税法の提案をすべきであります。総理の決意を伺います。
 また、今回の地価高騰に対する金融機関の責任が大きく取り上げられています。先般の大銀行の不正融資事件は会長の引責辞任に至りました。しかし同時に、ゆがんだ経済を助長し、株や土地への過剰融資を見逃してきた大蔵省、日銀の責任は免れません。大蔵大臣の反省と今後の監督行政のあり方についてお伺いをいたしたいと思います。
 次に、日米構造協議で約束された四百三十兆円の公共投資拡大問題について海部内閣の見解をただしておきたいと存じます。
 我が国の公共投資の対GNP比水準は、もともと九%台を維持してまいりました。しかし、政府の行革による一律カットで年々その水準が低下し、近年六%まで落ちてきたのでありまして、まさに社会資本の不足は政府・自民党の国民生活軽視の政治の産物であることを明らかにしておかなければならないと思います。この点で政府の反省の答弁を求めておきたいと思います。
 政府は来年度の公共事業費の概算要求において生活関連特別枠を設け、経費の増額を図ることにしておりますが、特別枠二千億円に対し、各省の要望額は実に一兆一千五百八十一億円に上っております。従来の公共事業費の固定的配分を重点配分に改めながら二千億円の範囲内にどう抑え込んでいかれるのか、その条件、基準、考え方を承っておきたいと思います。
 また、十カ年間に四百三十兆円の公共投資を行うには年率にして六・三%の伸びが必要であるのに、来年度の概算要求基準に基づいた一般会計公共事業費の伸びは五・五%になっており、初年度から政府の熱意が欠けております。結局、総事業費ベースとの関連では過重な地方負担が避けられないのではないかと思いますが、答弁を求めます。
 その上、生活基盤投資は自治体とりわけ市町村が事業費の五〇%以上を負担しており、今後、生活関連投資の比重が高まるにつれ、市町村の持ち出し分は一層増加すること必至であります。政府はその対応を考えておられますか。私は公共投資拡大に対応した自治体の財源対策を別途講ずべきだと考えますが、総理並びに大蔵大臣の御答弁を求めたいと思います。
 公共投資問題についていま一つただしたいのは、公共投資を従来のような産業基盤優先型にしてはならないという点であります。
 ゆとりのある社会を築くためには、公共投資を国民生活優先型に根本的に変える必要があります。我が党は、国民福祉計画法としての内容を持った社会資本整備計画法の制定を提唱し、公共投資の七〇%を国民福祉に向けることを求めております。その概要は、対象事業を医療、住宅、教育、社会福祉、下水道、公園などとし、その達成目標を定め、各事業別の整備水準と投資額を明示した十カ年計画を法定化しようとするものであります。これにより、真に豊かな国民生活の環境づくりを国民に保障することができるのであります。国民生活優先型投資への転換の御決意と、あわせまして我が党の提案に対する総理の所見を求めておきたいと思います。
 次に、石油関連の国民生活問題について伺います。
 順調に成長を続けるかに見えた日本経済が、ここ数カ月不安定要因が増加し、先行き不透明となり、警戒感が高まっていますが、政府はどのような判断をしておられますか。
 加えて、中東情勢絡みで物価の上昇が台所を直撃するのではないかと主婦の皆さんが大変心配されております。これまでの消費者物価はほぼ横ばいの状態でありました。昨年消費税導入でカルテルを強要した政府のやり方が一九八九年度の消費者物価を二・九%に引き上げました。四月以降この水準が続いているところへ中東問題が発生、一挙にホームメードインフレの心配が広がっておるのであります。既に石油製品の値上げが行われ、これから冬場の需要期を迎え、灯油を初め電気ガス等生活必需品の値上げに家計を預かる御婦人の皆さんが心配をしています。消費者の不安を解消するための対策並びに物価安定対策をお伺いいたしたい。
 なお、灯油等につきましては、備蓄石油の取り崩しを含め、絶対量の確保に万全を期してもらいたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 次に、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉について伺います。
 今日、我が国農業を取り巻く諸情勢はまことに厳しいものがあります。その中でウルグアイ・ラウンド交渉が最終段階を迎え、米の自由化問題は最大関心事となっております。今回の農業交渉の結果いかんでは日本農業の命運が左右されると言っても過言ではありません。そこで、まず農林水産大臣から、ウルグアイ・ラウンド農業交渉に関する政府のこれまでの取り組み、そして今後の対応の基本方針について確認をしておきたいと思います。
 次に、交渉に残された期間は二カ月を割り、農業交渉が最大にして最後の山場を迎えております。こうした中で、稲作を中心とした日本農業に大打撃を与えかねない関税化提案の行方をどう見ておられるのか、農林水産大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
 さらに、一部閣僚からこれまでたびたび、米の市場開放へ向けての国会決議違反の発言が報道されております。これは、内閣不統一、総理の指導力不足を露呈するものであります。国を挙げて重要な多国間交渉に当たっている折に、実にゆゆしき事態と言わなければなりません。閣僚の中にかかる行動をとる者がいるからアメリカにいつも押しまくられてしまうのであります。この際、当該閣僚に対する措置を含め、総理の指導性を問いたいと思います。
 次に、福祉政策についてであります。
 政府は、本年度から実施された高齢者保健福祉推進十カ年戦略について、ゴールドプランと自賛しておられます。十カ年の総事業費六兆円中、国庫負担はわずか二兆円台半ばで、残りは地方自治体と民間に任せております。積極的な市町村ほど超過負担を強いられる結果になるのであります。この計画におけるホームヘルパー数の且標も六十五歳以上人口十万人に対し四百六十九人と、諸外国にまだまだ見劣りする水準であります。また、リハビリ、住宅面での対策等も不十分であります。
 我が党は、必要なときすぐ利用できるシステムの確立を目指し、ホームヘルパー数を政府計画の倍以上とし、国庫補助率を二分の一から四分の三以上に引き上げるなど、高齢者福祉総合計画づくりを進めております。
 政府は国の責任を明確にするため、国庫補助率を引き上げるとともに、ホームヘルパー数等その目標値を初め計画全般を見直すべきであると考えますが、いかがでございましょうか。総理並びに関係大臣の答弁を求めておきたいと思います。
 このような在宅サービスの立ちおくれに加えて、特別養護老人ホームや老人保健施設など介護、リハビリを中心とする入所施設の決定的な不足が社会的入院と呼ばれる事態の拡大を招いておるのであります。これに対し、前国会から継続審査になっている政府の医療法改正案は、病院のゆがみをより一層拡大させるとともに、介護・リハビリ施設や在宅サービスといった社会的入院の受け皿づくりをおくらせる結果を招くのではないでしょうか。厚生大臣の御所見を承りたいと思います。
 原爆被爆者等の援護について若干触れたいと思います。
 我が党を初めとする本院六会派は、前国会に再度原子爆弾被爆者等援護法案を提出いたしました。この法案は、国家補償の精神に基づき被爆者等の援護を行うこととし、全被爆者に対する被爆者年金の支給等を内容としております。
 ところが、政府はこれに反対をしております。多くの方々が原爆の被害を受けて亡くなり、被爆者の方々が病気、生活等の面で苦しんでこられたのは国が起こした戦争の結果であります。にもかかわらず、なぜ国家補償による援護を行うことに反対するのですか。この法案は本院議員の六八%の賛同署名を得ています。一刻も早くこの法案を成立させるべきではありませんか。総理の御答弁を求めます。
 特に、死没者に対する弔慰の問題については、死没者調査がまとまった段階で弔意のあらわし方を検討すると昨年厚生大臣が約束をされました。それにどう対処されますか。給付金等の支給は考えないとのことですが、それで弔慰に値するとお考えでしょうか。厚生大臣の答弁を求めます。
 被害者の皆さんが高齢化し、救済が急がれるもう一つの問題として、水俣病問題があります。
 去る九月二十八日東京地裁が、続いて十月四日熊本地裁が、さらに十月十二日福岡高裁が、被害者原告側と国、熊本県及びチッソ株式会社の加害者被告側とに対し和解勧告を示しました。被害者及び県と会社はこの勧告を受け入れ和解の話し合いを始めようとしたにもかかわらず、肝心の政府がこれに応じないため、事態は暗礁に乗り上げてしまったのであります。私は政府は直ちに和解によって事態の解決を図るべきだと思いますが、政府の考え方を伺っておきたいと思います。
 この際、申し上げておきますが、我が党はそのために全面的に協力することを明らかにしておきたいと思います。
 最後に、先ごろ北京のアジア大会が成功裏に終わりました。次の開催地は一九九四年広島市であります。国の権威をかけた北京大会と違い、一地方都市がアジア大会を成功させなければなりません。原爆の惨事から明るい平和都市として復興した広島でのアジア大会は、広島の特徴を生かしつつ、平和と友情が進展する大会にする必要があります。そのためには、広島はもちろん、国の強力な支援が不可欠であります。特に施設整備、金、人材、知恵など、総理の積極的な援助を要請いたしたいと思います。
 以上、私の総理の御所見に対する質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(海部俊樹君) お答えを申し上げます。
 第二次世界大戦が終わったときに、「一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、」「善良な隣人として互に平和に生活し、」「われらの力を合わせ」ていこうと、戦争を反省した戦いに勝った国々の中から国連ができて、その憲章にうたわれております。そのとき戦いに敗れた日本は、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、」「安全と生存を保持しようと決意」をし、「いづれの国家も、自国のことのみに専念し」「他国を無視してはならない」と決め、「国家の名誉にかけ」て、「この崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」と憲法の理念として前文に掲げました。
 このことはここで御指摘になったとおりでありますから、それで、御質問にあったように、私は、それを総理として守り抜いていく決意があるかどうかというお考えでありましたから、この理念は大切なものとして受けとめ、同時に今御指摘なさったとおりに、ベルリンの壁の崩壊をめぐり世界の歴史が対立から協調に流れ、しかも体制の異なる国々が相次いで議会制民主主義の価値を求めて移動してきておるこのときにこそ、さらに我々はこの守ってきた議会制民主主義を今度さらにより一層機能させていかなければならぬということは、御指摘のとおり、私も大きな決意をもって臨んでいく次第でございます。
 政治改革に対しては、国民、各界の御理解と信頼が必要でございますから、政治家としての倫理確立はもとよりのことであります。同時に、金のかからない、政党本位、政策本位の選挙を実現できるように制度及び政治資金法の抜本的な改革を図ることが必要でありまして、審議会から答申をいただいて、これを尊重し、その成案化に向けて政府は不退転の決意で取り組んでおります。政党各会派のお立揚や政治に関する問題でありますから、各党各会派の御理解と御協力もあわせてお願いを申し上げる次第でございます。
 また、行政情報の問題、国会への協力体制の問題、法案の逐条審議の問題、いろいろ議員間、議員閣僚間の討論の問題、具体的に御指摘がございました。
 国権の最高機関たる国会において十分な御審議が大切だということは御指摘のとおりであり、国会運営のわかりにくさ、審議の非能率ぶりは政治不信の原因の一つでもあろうと思うんです。立法府にある者として、また私も個人的には衆議院で議院運営委員長のときに議会制度協議会の座長として国会運営の方法を各党各会派代表の皆様と御相談したことがございます。いずれにせよ、今日も国会改革については与野党で協議を進めていただいておると承知しておりますので、適切な結論を出していただいて、議会の自主的な御判断で御提案のようなことが具現化していきますことを心から期待させていただきます。
 法務大臣の発言については、御指摘のとおり極めて不適切であり、遺憾なことであると考えます。法務大臣に対しては私から厳重に注意をし、本人は深く反省をして、自己の発言を取り消すとともに、関係者の皆様に対し深くおわびを申し上げ、米国のアマコスト大使に米国に対する陳謝を行ってきたところであります。
 私は、多くの方々に不快感を抱かせたことに心を痛めており、大変遺憾に思っております。法務大臣も十分反省し、謝罪し、今後は自重自戒し、慎重な言動をするものと確信します。
 政府といたしましては、今後、マイノリティー問題に対する正しい認識を日本国内に根づかせるよう啓発の努力を行っていかなければならぬと考えております。
 現在の世界情勢の流れをどのように把握しているかということでありますが、おおむねは御指摘いただいたとおり欧州を中心に東西関係が歴史的に変革期にあることはそのとおりであります。自由と民主主義と市場経済を基礎として協調と対話による世界平和構築の流れが現実的になっておるということも、そのとおりであります。
 しかし、この変化は新たな世界秩序を模索する希望の持てる段階の中で不安定性と不確実性を持っておることも事実でありまして、イラクのクウェート侵攻は、この冷戦時代の発想を超えて世界の歴史が新しい秩序を求め始めた中で、人々の希望を真正面から否定する暴挙であります。我が国としては、責任と役割を自覚して、過渡期に生ずる不安定性を最小限に抑えることによって世界の平和と繁栄に向けた新しい世界秩序づくりに積極的に貢献してまいらなければならぬと考えております。
 私は、世界が国際秩序を模索する過渡期特有の不安定性、さらにこのクウェートの併合という非常に危険な許しがたい問題が起きるこの事態にあって、単に戦争のないというにとどまらない真の平和で豊かな世界をつくり出していく、また、守っていくためには、国際社会を構成している各国が持てる力を結集し協力していくことが必要だと考えます。冒頭に申し述べた国連憲章の理念も日本国憲法の理念もまさにその点では同じでありまして、このような協力の中心的役割を国連が担いつつあるのでありますが、その中にあって、日本も最大の協力を許される範囲でしていかなければならぬということは当然であり、私はその決意を持っておるものであります。
 また、国連強化のために、国連平和基金に対して毎年GNPの〇・一%程度を拠出するとか、国際協力構想の一環を示され、国連協力を強化せよと御指摘がありましたが、私はそのお考え方には賛成でありますから、今日までも国連機能の強化のために日本は大きな努力をしてきております。資金の提供のみならず、でき得る限りの国連の諸活動に対する協力も続けてきておるわけでございます。
 また、先般の中東歴訪によって真の平和がよみがえる手だてはついたのかということでありますが、これは、湾岸危機についてはそれぞれの国の首脳も現在の状況を深く憂慮しております。危機の長期化について深刻な憂いを持っております。私は、粘り強く話し合いによって平和的に解決をするためには、国連安保理決議による経済制裁を厳格に遵守していくことを通じて初めて公正な平和的な解決が図られるものと確信をしております。
 また、イラクのラマダン第一副首相とも話し合う機会を持ちましたが、これは先方に対して、イラクが局面を打開することのできる唯一の立場を持つ国でありますし、また、イラクのクウェートの侵略、併合というあの事態が今日の湾岸危機をつくり出したもとでありますから、局面を打開するためにはイラクが勇気を持ってこの事態打開のきっかけをつけること、このことに勇気を持った決断をするように強く要請をしてまいりましたが、中東全体の平和と安定のためには、ここを行ってこの局面打開をすれば、過日の国連のブッシュ演説にもありますように、その後中東の和平についてイラク・クウェート紛争あるいはアラブ・イスラエル紛争の解決などさまざまな機会をもたらすものになるであろうということを、イラク当局も十分に判断をして決意してほしいと思うものであります。
 今回の中東貢献策のうち、二十億ドルの多国籍軍への援助は平和的解決のための最善の道と言えるかとおっしゃいますが、平和的解決のための努力が今続いておる中で、ここでみんながお互いに根気よく平和的解決の努力をしなければなりませんので、私は、多国籍軍の援助は湾岸平和協力活動に対して二十億ドル、これによって影響を受ける周辺国に対して二十億ドル、合わせて四十億ドル、さらに国連の要請に応じて避難民の救済等のため二千二百万ドルの拠出を行って、日本の国のでき得る限りの貢献策として発表しておるわけでございます。
 それに対して、いろいろな場所でツーレート、ツーリトルという御批判もいただきました。土井委員長がおっしゃったときに、私は、御批判は謙虚に承りますけれども、これはできる限り精いっぱいの額ですが、少な過ぎるとおっしゃるなればどれくらいが頭に描いていらっしゃる額でございましょうか、参考のために教えていただきたいと申しましたが、残念ながら聞かせていただけませんでした。自主的にできるだけの拠金をしておるということを改めて申し上げさせていただきたいと思います。
 また、今回の国連のいろいろな問題に対して、戦禍に巻き込まれるおそれがある、憲法が禁じている交戦権の行使ができると考えるのか、派兵をするのか、それはけしからぬという御質問でありましたが、御批判は謙虚にいただきますけれども、事実に基づいて御指摘をいただきたいと考えます。
 私は今回の平和協力隊によって国の交戦権まで認めるような憲法解釈をせよと、変えていけと言った覚えはございませんし、また議員十分御承知のように、派兵というのは武力による威嚇、武力の行使を目的として他国の領土、領空、領海へ出すのが派兵であって、武力行使を伴わないものは派遣だということは、今日までの国会の御議論を通じてもお互いに共通の認識があったのではないでしょうか。その憲法の枠組みというものだけは私は十分に守っていく、このことは再三申しておりますので、どうか事実に基づいた御指摘を賜りたいと思うわけでございます。
 また、平和憲法の理念を貫くため、国連平和基金、協力基金、それをつくって非軍事的な面で全面的に協力せよと御指摘であります。
 国連の目的及び活動に積極的な支持をしようとおっしゃる御意見には私も敬意を表しますけれども、私がやろうとしておることも大きな方向としては同じでありまして、国連が果たしておる重要な役割に相ふさわしい国際的責任を追求しようということでございます。
 なお、今回の湾岸危機に当たりまして、我が国から国連に対し平和基金の設立を働きかけた経緯がございますが、国連に現在のところそのような準備がありませんので湾岸平和基金の方に提出を決めたという経緯もございます。今後ともこれらの面につきましては御意見等も念頭に置いて努力をしていきたいと考えます。
 また、九月二十九日のニューヨークにおける日米首脳会談においては、ブッシュ大統領より、在日米軍経費負担については、一般的な形で、これまでの日本の努力に感謝し、今後とも一層の増加を願いたい旨要請がありました。私は、在日米軍経費負担については、日米安保体制の効果的な運用を確保する上で極めて重要との認識で努力を積み重ねてきておるところでありますが、今後は次期防の策定作業の中で引き続き努力をしていきたいと述べたところであります。
 米国から経済面等の肩がわりの要求が来るのではないかというお話でありますが、これは肩がわりの要求と受けとめるのではなくて、私は新しい世界に必要な責任分担だと考えます。緊密な相互依存関係を有する日米関係は非常に大きなものとなってまいりました。世界経済の発展に大きな責任と影響力を持っております。大ざっぱに言って、二十兆ドルの世界の総生産の中で、五兆ドルアメリカ、三兆ドルが日本、五兆ドルはEC諸国の総計ということになりますと、日本は二番目の国であり、日米両国を合わせると世界総生産の四〇%近くを占める国でありますから、これは好むと好まざるとにかかわらず、大きな影響を世界経済に与え、大きな責任を伴うことを自覚しなければならないというのも当然のことではないでしょうか。私は、世界経済の持続的な発展、多角的自由貿易体制の維持強化の面で世界に貢献する日本というなれば、この責任も大いに自覚をし、受けとめていかなければならないものと考えております。
 土地税制につきましては、土地は有限で公共的性格を持つものでありますから、負担の適正公平の確保を図り、その総合的見直しを行うこととし、政府は、税調答申を踏まえて、土地税制改革のための所要の法案を次期通常国会に提出することにしたいと考えております。
 公共投資の実施に当たっては、地域に密接に関連する社会資本整備に自主的に取り組む地方公共団体による社会資本整備の財源の確保については、各年度の地方財政計画の策定等を通じ適切に対処してまいる考えであります。
 また、社会資本整備計画法のお話がございましたが、同じような十カ年計画を政府は、平成三年度から平成十二年度までの十年間における公共投資に関する枠組みと基本方針として、公共投資基本計画を今年六月に作成したのであります。
 公共投資額のうち、生活環境、文化機能に係るものの割合を六〇%程度をめどに増加させること。下水道、公園等については、二〇〇〇年度における整備水準の目標を、それぞれ下水道は七〇%程度に、公園は一人当たり十平米程度に示して、社会資本の整備に当たっては今後とも国民生活の質の向上に向けて公共投資基本計画を指針として着実に推進してまいる考えでおります。
 また、経済の先行きとのお尋ねでありますが、既に四十七カ月間内需主導型の景気拡大を続けることができました。原油価格の動向に不透明な面はありますけれども、個人消費や設備投資が堅調にただいまのところ推移すると見込まれますから、原油価格の上昇が我が国経済に与える影響についても、過去二回の石油危機に比べると、石油に対する依存度が大きく低下しておることなどから比較的小さなものになると考えられることなどにより、引き続き内需を中心とした着実な成長が持続するものと考えております。
 物価の問題についてもお触れになりましたが、これはもう申し上げるまでもなく、物価の安定は国民生活の安定向上の基本であり、経済運営の基盤でありますから、今後とも石油製品等について便乗値上げ防止に向けての適切な対応や、不当な取引制限等による値上げを防止するための独禁法の厳正な運用を図ることなどにより、物価の安定に万全を期してまいりたいと考えます。
 灯油について、備蓄石油の取り崩しを含めて量の確保に万全を期せよとのことでありますが、特別の情勢変化のない限り今年じゅうの原油供給については不足はしないものと見込んでおりますが、これから冬場に向かい石油製品の需要期を迎えて、石油製品の安定供給に遺漏なきを期してまいりたいと思います。
 なお、国際エネルギー機関等を通じて国際的協調による取り崩しを行う場合を除いては、石油需給がバランスしておる現段階において備蓄の取り崩しを行う必要はないものと考えております。
 米の問題についての閣僚発言の御指摘がございましたが、一昨日、武藤通産大臣から、ベーカー長官に対して伝えられているような米についての譲歩や政治的決断を行うといった発言は行わなかったことの説明がありました。私は、その説明は理解はしますけれども、発言は誤解を受けることのないように行うべきであり、今後十分注意が必要であると言いました。今後とも、農業問題については、内閣一丸となって所信表明演説の線で対処してまいる考えであります。
 原爆被爆者対策につきましては、被爆者の受けた放射線による健康障害という他の戦争犠牲者に見られない特別の犠牲に着目しまして、広い意味の国家補償の見地に立って実態に即した対策を講じているところであります。したがって、特別の事情にない原爆死没者の遺族に対し補償を行うことなどを内容とする被爆者援護法を制定することは一般戦災者との均衡上問題があると考えておりますので、政府としては今後とも、現行の原爆二法を中心とする施策の充実によって対処をしていきたいと考えております。
 また、水俣病訴訟に係るお話でありましたが、公害健康被害の補償等に関する法律によってこれまで二千九百名の患者の方々を認定し、医学を基礎として公正な救済を推進し、政府も、水俣病に関する関係閣僚会議を設置するなど、各種対策の実施に努めてきております。
 なお、訴訟に関しましては、これは当事者間の主張が余りに隔たっており、現時点で和解勧告に応ずることは困難と考えております。
 最後に、先生御出身の広島で行われるアジア競技大会についてお触れになりました。スポーツの祭典であり、アジア地域最大の国際親善、スポーツ振興等に大きな意義を有する大会であることはそのとおりであります。平成六年に開催される第十二回大会は、我が国では三十六年ぶりに開催され、またアジア競技大会史上初めて首都以外の都市で開催される大会であり、政府といたしましても、この大会の意義を踏まえて、昭和六十一年三月の閣議了解に沿って支援をし、成功していただきたいと考えておる次第であります。(拍手)
   〔国務大臣中山太郎君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(中山太郎君) 浜本議員にお答えを申し上げさせていただきます。
 中東問題につきましては総理から既に御答弁がございましたので省略をさせていただきますが、国際社会における軍備管理を国連が偵察衛星を使って査察すべきでないかという御提言につきましては、現時点では各国の軍備管理の問題がございまして、安全保障の面から直ちにこれが実現するとは思いませんけれども、将来、これから国連が中心となって国際社会の軍備管理を行うということになります時点におきましては、極めて意義のある御提言であると認識をいたしております。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(橋本龍太郎君) 浜本議員にお答えを申し上げます。
 まず第一点、平成二年度の税収についての御質問でありますが、平成二年度の税収動向につきましては、判明いたしております税収が現在までの時点におきましては予算の見積もりに対しましてまだようやく四分の一程度という状況でありまして、現段階において確たることを申し上げることは困難でありまして、今後の税収動向、経済情勢などの推移を慎重に見守ってまいりたいと考えております。
 また、来年度の税収見込みにつきましては、毎年度の税収見積もりに当たりまして、予算編成の一環としてその時点までの課税実績や政府経済見通しの諸指標というものを基礎といたしまして個別税目ごとに積み上げていっておるところでありまして、来年度の政府経済見通しもない現段階におきまして来年度の税収について何とも申し上げられないという状況にありますことを御理解いただきたいと思います。
 また、財政再建について軌道修正が必要ではないかという御指摘をいただきました。
 議員御承知のように、我が国の財政は、平成二年度の予算におきましてようやく特例公債を発行しないで済むことができましたが、今年度末の公債残高は百六十四兆円程度にも達する見込みでありまして、国債費が歳出予算の二割を超えるなど、依然として極めて厳しい状況が続いております。加えて、多額の建設公債に依存しております現在の財政構造というものが、一たび景気の落ち込みなどによりまして著しい税収の鈍化が生じました場合には再び特例公債の発行に陥らざるを得ないという脆弱性を有しておることも御指摘のとおりであります。
 今後急速に進展する人口の高齢化、また国際社会における我が国の責任の増大など、今後の社会経済情勢に財政が弾力的に対応してまいりますためには、後世代に多大な負担を残さず、再び特例公債を発行しないことを基本とし、本年三月にちょうだいをいたしました財政審報告にもありますように、公債依存度の引き下げなどによりまして公債残高が累増しないような財政体質を一日も早くつくり上げていくことが緊要な課題でございます。
 最近の我が国の財政事情につきましては、これまで好調な税収をもたらしてきた経済的諸要因がその流れを変えてきているほかに、今般の多額の中東貢献策に対応していかなければならないなど、歳入歳出両面におきましてまことに容易ならざるものがございますが、今後の財政運営に当たりましては、このような財政審の報告の趣旨に沿って歳出の抑制を図り、公債依存度の引き下げに最大限の努力を払ってまいりたいと考えております。
 先般、御指摘のように、私は九月十四日の閣議におきまして、各省庁におかれてはこれまでの執行の留保に加えてさらに各種既定経費の見直しを行っていただき一層徹底した経費の節減に努めていただく必要があるという発言をいたしました。それは、最近の我が国の財政事情について見ますと、歳入面におきましては元年度決算剰余金が従前に比して大幅に減少すると同時に、これまで好調な税収をもたらしてきた経済的な諸要因が先刻申しましたように流れを変えてきておるわけでありまして、従前のような大幅な税収増というものは期待しがたい状況にあります。また、歳出面におきましては、今後、医療保険など義務的な経費や災害復旧事業などといった追加的財政需要が生ずるものと見込まれており、これらに加えて多額の中東貢献策に対応していかなければならないということでありますから、当面の財政事情は歳入歳出両面においてまことに厳しいものがあるということであります。そうした状況を踏まえまして、既定経費の一層の節減合理化をお願い申し上げたところであります。
 また、税制についてお尋ねがございました。消費税を初めとする税制についての諸問題、前国会における法案処理の結果を踏まえて、与野党がその責任を果たすというお立場から税制問題等に関する両院合同協議会が設けられ、現在その専門者会議を中心に精力的な御論議をいただいているところであります。政府としては、この両院合同協議会におきまして消費税の存続を前提として国民の全体的、長期的な利益といった高い次元から御論議が進み、建設的な合意が得られることを心から期待しているところでありまして、その協議の状況を見守ってまいりたいと思います。
 また、簡易課税制度や事業者免税点制度など中小零細事業者に対する特例措置のあり方につきましては、現在、税制調査会の実施状況フォローアップ小委員会において検討が進められておるところでありまして、この結果を私どもとしては注視をいたしているところであります。
 また、土地あるいは株に関連し、金融機関のあり方についての御指摘をいただきました。
 金融機関は、その業務の公共性というものにかんがみ社会的責任を自覚した企業運営、業務運営というものが求められており、土地や株式などの取引に対して行き過ぎた融資を行うことによって社会的批判を招くようなことがあってはならないということはもちろんのことであります。当局として、このような観点に立ち、これまでもさまざまな措置を講ずるなど所要の指導を行ってきたところでありますが、先般来議員が御指摘のような状態が一部に生じておりますことはまことに遺憾であります。今後とも、金融機関が社会の信頼を損ねることのないように、その適正な業務運営の確保につき引き続き厳正な指導に努めてまいりたいと思いますと同時に、現在司法当局の捜査対象になっております事案につきましては、その捜査の進展を見ながら今後の方針を考えてまいりたいと思っております。
 また、社会資本の不足について議員の御見解を拝聴いたしました。
 臨時行政調査会以来の行財政改革というものは、社会経済情勢の変化に対応して行政の役割を見直し、二十一世紀を展望する活力ある経済社会や国民生活を構築するために私は大変大きな役割を果たしてきたと考えております。財政改革につきましても、これを強力に推進することとし、今回ようやく特例公債を発行しないで済む状態に私どもはこぎつけたわけであります。
 しかし、その中におきましても、社会資本整備については、厳しい財政事情のもととはいいながら、これまでも欧米諸国をはるかに上回る公共投資を行い、多大の努力を払ってまいりました。今後におきましても、本格的な高齢化社会が到来いたします二十一世紀を見据え、中長期的な展望に立って着実に社会資本整備の充実を図っていくことは重要な課題である、そのように認識をいたしております。
 そして、今回概算要求の中に生活関連の特別枠を設けたわけでありますが、平成三年度の概算要求基準において、本格的な高齢化社会というものを視点の中に入れながら、着実な社会資本整備、特に生活関連分野の重点的な充実を図っていくというその必要性から、この生活関連重点化枠二千億円というものを設けました。各省庁から御要望が非常にたくさん出ておりますけれども、私どもはその御要望も踏まえながら予算編成の終了時までにこの範囲内で調整を行うつもりであります。
 公共投資基本計画などに示されました考え方を参考とし、既に公共事業の実績のあるものを基本として、真に国民の日常生活の質の向上に結びつき、直接効果の上がる事業、これに厳に限定してこの御要望というものを念査したい、そのように考えておるところであります。
 また、これに関連し、公共投資基本計画の数字を見据えて、地方についての影響を御指摘になられました。
 今後、公共投資につきましては、国、地方公共団体及び公的企業などが、それぞれ公共投資基本計画を指針として、経済情勢などを踏まえて着実に推進していくことになります。豊かで活力のある地域社会を形成いたしますためには、地方公共団体が地域に密接に関連する社会資本整備に自主的に取り組まれること、その役割を果たしていただくことは一層期待されることでありまして、このために地方公共団体が地域の実情に応じて必要な施策を総合的に講じられるよう留意してまいりたいと思います。
 地方財政につき、その円滑な運営に支障を生ずることのないように各年度の地方財政計画を適正に策定してまいりましたが、引き続き、公共投資に必要な経費も含めて、地方財政につきまして各年度の地方財政計画の策定を通じて適切に対処してまいりたいと思います。
 また、ホームヘルパーの国庫補助の割合につきましては、その重要性にかんがみ、平成元年度におきまして補助率を従来の三分の一から二分の一に引き上げたことは御承知のとおりでありまして、福祉施設における国と地方の役割分担についての検討を踏まえて定めたものでありまして、妥当な水準であると考えております。(拍手)
   〔国務大臣山本富雄君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(山本富雄君) 浜本議員の御質問にお答え申し上げます。
 ウルグアイ・ラウンド農業交渉におきまして我が国は、農業生産の持つ特殊性や農業が果たしている多様な役割が交渉結果に十分配慮されることが不可欠との基本的立場に立ちまして、これまで積極的に対応してまいったところであります。
 先月末には、米のような基礎的食糧及びガットの規定に基づく輸入制限品目は関税化が困難であること、また、国内支持及び国境措置についてはAMS、保護の総合的計量手段でございますが、による保護の削減を行うこと等の基本的立場を踏まえた国別表及びオファーをガットの事務局に提出したところであります。
 今後とも、我が国といたしましては、食糧輸入国としての立場を反映した交渉結果が確保されますよう全力を挙げまして取り組んでまいる考えであります。
 次に、関税化提案に関するお尋ねについてお答えを申し上げます。
 ウルグアイ・ラウンド農業交渉において、国境措置に関する議論の中で、すべての非関税措置を関税に置きかえるということが提案をされております。これに関し我が国は、基礎的食糧及びガットの規定に基づく輸入制限品目につきましては関税化は困難であるということを主張してまいりました。また、ECにおきましても、保護の再均衡、いわゆるリバランシングでありますが、等の一定の条件が満たされなければ関税化を検討し得ないとの立場をとっております。このように関税化をめぐる各国の立場の相違は依然埋められていない状況にありまして、今後どのような形で議論が収れんしていくか予断を許しません。
 いずれにいたしましても、我が国といたしましては、今申し上げたような従来からの基本的立場を踏まえ対処してまいる所存であります。(拍手)
   〔国務大臣津島雄二君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(津島雄二君) 浜本議員の御質問のうち私からお答えすべき第一点は、高齢者保健福祉推進十カ年戦略についてでございます。
 高齢者保健福祉推進十カ年戦略は、二十一世紀の本格的な高齢化社会を明るく活力のある長寿福祉社会とするため、今後十年にわたりまして在宅、施設等の保健福祉サービスを総合的かつ緊急に拡大していこうとするものでございます。
 計画の初年度に当たります現在、これが具体化に全力を挙げている段階でございまして、計画の目標水準について見直すことは考えておりません。
 また、国庫補助率については、国と地方の機能分担、費用負担のあり方について関係者の意見を踏まえて設定されたものであり、先ほど大蔵大臣からもお話がございましたが、その見直しは考えておりません。
 第二の点は、医療法の改正案は社会的入院を増加させ、リハビリ施設や在宅サービスの拡充をおくらせる結果となるのではないかという点でございます。
 前国会で継続審議となっております医療法改正案は、医療を提供するに当たりましての基本的な理念を提示するとともに、長期入院を要する患者にふさわしい医療を提供するための療養型病床群を制度化するなど医療施設機能の体系化を図るものでございまして、ぜひともよろしく御審議をお願いいたしたいと存じます。
 一方、特別養護老人ホーム、老人保健施設等の入所施設及び在宅サービスにつきましては、ゴールドプランに沿って大幅な拡充を図ってまいりますので、医療法の改正が御指摘のような懸念とつながることはないと考えております。
 第三の点は、原爆死没者に対する弔意のあらわし方についてどう考えているかという点でございます。
 原爆死没者に対します弔意のあらわし方につきましては、一般戦災者との均衡の問題に波及しない範囲内でどのような弔意をあらわすことができるか真剣に検討を進めているところでございまして、来年度の予算編成の段階で結論を得たいと考えております。(拍手)
#10
○議長(土屋義彦君) 答弁の補足があります。海部内閣総理大臣。
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(海部俊樹君) 質問の中で私の答弁が不足しておるという御指摘でございますからその点について申し上げますけれども、自衛隊は使わない、護身用武器しか認めないとの発言はという点でありますが、これは法案を固める前の段階にいろいろな表現もございましたが、それはまとめ上げるまでの間には申し上げましたけれども、法案をよく読んでいただくと、自衛隊は、自衛隊としてではなくて、平和協力隊に参加をしてもらって、その平和協力隊の指揮監督のもとに入ってしていただきたいということでありますし、また、派遣先やその趣旨に従って護身用の武器は提供するように、それは法案にきちっと書いたわけでありますから、これを隠してうそを言っておるわけではありませんので御理解をいただきたいと思いますが、法案にすべて書いてあることでございます。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(土屋義彦君) 佐々木満君。
   〔佐々木満君登壇、拍手〕
#13
○佐々木満君 私は、自由民主党を代表いたしまして、当面する内外の重要課題について、総理ほか関係閣僚に御質問申し上げます。
 御質問の前に一言申し上げますが、本年も台風十九号、二十号を初めといたします各種の災害によりまして、人的被害を含む大きな被害の発生を見ました。
 被災されました皆様には心からのお見舞いを申し上げますとともに、不幸にして肉親を失われました御遺族の皆様には謹んでお悔やみを申し上げます。
 政府におかれましては、今後、災害復旧には万全を期せられたく強く要請を申し上げます。
 さて、この十一月には即位の礼、大嘗祭など、天皇の御即位に伴う一連の行事がとり行われます。
 申すまでもなく、日本国憲法には「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」であると定められております。一連の儀式が象徴天皇制の趣旨を踏まえ、皇室の伝統を尊重しつつ、そして全国民の慶祝のうちにとり行われるべきは当然のことであります。
 また、百五十カ国を超える列国の元首、王室等の御出席が予定されていると伺っておりますが、この機会に我が国固有の文化、伝統を広く世界に知っていただく意味合いからも、古式ゆかしく厳粛に行われることを願っております。警備体制を含めまして、政府のお取り組みにつきましてお伺いをいたします。
 来る十一月二十九日は、明治二十三年の国会開設以来百年目の記念すべき日であります。自由民権運動の先覚者、かの板垣退助伯は「維新の更新は人民に関係せざるも、帝国議会の開設は人民に関係せり」と述べまして、国民の政治参加による国会開設の意義を強調しております。自来百年、我が国国運の消長は我が国国会の消長と軌を一にしております。すなわち、戦前の我が国の歴史は帝国議会の歴史であり、戦後の我が国の歴史は民主国会の歴史そのものであると申して過言でないと思います。
 私は、この記念すべきときに当たり、憲政の発展のため尽くされました先人、先輩にはるかに思いをはせ、その御功績と御辛苦に心からの敬意を表しますとともに、議会制民主主義の確立を通して我が国国運の隆昌に寄与せんとする決意を新たにするものであります。
 近く、国会の正面玄関に議会の子と言われた故三木元首相の胸像が建立されると伺っております。そのまな弟子でいらっしゃる海部総理は、この議会政治の意義、重みをどう受けとめておられますか、まずお伺いを申し上げます。
 政治に対する国民の信頼は民主政治の要諦であります。そして、国民の信頼を確保するためには、今こそ政治改革の断行が必要であります。
 我が自民党におきましては、昨年、政治倫理の確立、金のかからない選挙制度の導入、政治資金の明朗化及び国会改革を中心とした政治改革大綱を定め、できるものから逐次実行に移してまいりました。総理におかれても、この問題を国政の最重要課題の一つとして位置づけられ、不退転の決意で取り組む旨を述べてこられました。
 また、先般、内閣の選挙制度審議会から、衆参両院の選挙制度の改革と、政治資金及び政党への公的助成等についての答申がなされました。この答申は議会政治の根幹に関する極めて重要な問題であると存じますが、これら一連の政治改革の諸問題につきまして、総理の御所見、御決意をお伺い申し上げます。
 さて、昨年来のソ連、東欧の変革はまことに目覚ましいものがございます。欧州における冷戦の象徴であったベルリンの壁も崩壊し、そして一年を経ずして東西ドイツの統一が達成されました。緊張緩和の風は徐々にアジアにも及び、朝鮮半島においても南北首脳会談の開催、韓ソ国交の樹立、日朝関係改善の動きなど、戦後史を大きく塗りかえる胎動が始まっております。このように、世界が自由と民主主義の価値を認識し、ポスト冷戦に向けて共存共栄の歩みを始めたとき、突如として起こったイラクのクウェートへの侵攻は、国際の平和と安全に対する重大な脅威であり、断じて容認し得るものではありません。
 去る四月、私が本院同僚議員とともに地中海のサイプラス共和国で開催された列国議会同盟会議に出席した際にも、東西の緊張緩和、国際協調が進む一方で地域紛争が多発しやすくなるのではないかとの懸念が示されておりましたが、遺憾ながらそれが現実となってしまったわけであります。
 今日、世界を見渡してみますと、民族問題、宗教問題、国境問題、国益の対立、南北問題等々、不安定要因が随所に潜んでおります。そして、米ソそれぞれのグループの中での平和秩序維持機能の枠が取り払われようとしておる今日、これらの不安定要因がいつ顕在化しないとも限らないというのが残念ながら今日の状況ではなかろうかと思います。そして、一たび紛争が発生すれば、それが地域紛争であっても、経済的相互依存関係の深まっておる今日の国際社会では、その影響するところ極めて大きいものがあります。この状況を踏まえますとき、私は、今後、国連の果たすべき役割、そして国際協調と国際協力の必要性がますます増大してくるものと思います。
 海部総理は、ニューヨークの子供のための世界サミットへの出席、日米、日英首脳会談を初め各国首脳との会談、湾岸危機に揺れる中東各国歴訪と、精力的な外交を展開しておられますが、現在の国際情勢をどのように認識しておられますか。また、国連の役割、我が国の国際協力のあり方について、まず基本的にどうお考えか、お伺いを申し上げます。
 イラクのクウェートへの侵攻、そしてその併合は国際秩序に対する重大な挑戦であり、邦人を含む在留外国人を人質としていることは国際法違反のまれに見る蛮行であります。今回の事態に対し、世界各国が国連の安保理事会決議を基軸に経済制裁など共同対処に努めておりますことは、国際正義を守るための当然の行動であります。また、湾岸地域における多国籍軍の展開も、イラクのさらなる武力進出を防止し、国連の経済制裁決議を実効あらしめるために必要不可欠な措置であります。
 今回の事態は、また我が国にも大きな決断を迫るものであります。今回の事態への対応は、世界が平和共存の新秩序を構築していく時代におきまして、我が国が国際関係に今後どのように対処していくかという試金石にもなるものであります。申すまでもなく、我が国は湾岸地域から原油の七〇%以上を輸入しており、湾岸情勢の流動化は我が国の経済活動と国民生活の根幹に死活的な影響を及ぼすものであり、決して対岸の火災ではないのであります。そして、もし湾岸地域に一たび戦火が勃発すれば、直接の災いはもとより、我が国経済を含めて世界経済は予測し得ない打撃をこうむります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 総理が今回の事態を平和国家としての我が国の生き方を問われる戦後最大の試練と把握されておりますことは、けだし当然であります。この戦後最大の試練を乗り越えるには、新しい発想と行動が求められ、かつ、これに対する国民の理解と協力が不可欠であると思いますが、総理の御所見をお伺い申し上げます。
 事態は、発生から二カ月半を経過し、今膠着状態が続いております。人質を初め、出国禁止の状態にある邦人を含む多数の在留外国人に対する憂慮の念は、日々高まるばかりであります。政府にありましては、今日まで邦人を初め抑留外国人全員の早期解放に向けて、国際機関、諸外国と連携しつつ懸命の努力をされており、私も心から感謝を申し上げております。
 およそ国家にとって最も重要な役割は、国民の生命と財産を守ることであります。それは国民が国内にあると国外にあるとを問いません。むしろ国外にあって自由を拘束されておるときこそ、国家はその持てる力のすべてを傾けてこれに対処すべきだと思います。なお一層の政府の御努力をお願いいたしたいと存じますが、総理の御決意をお伺いいたします。
 湾岸危機を早期、平和裏に解決するためには、イラクに自国の非を悟らせて、国連決議を受け入れさせる必要があります。他方、パレスチナ問題、ヨルダン問題など、中東地域に山積する諸問題解決のための努力も忘れられてはなりません。今回の事態を解決し、中東地域に公正かつ恒久的な平和をもたらすためには、世界が国連諸決議に基づきイラクに毅然たる対応を続ける一方、国連、アラブ諸国を中心とした平和的解決に向けての努力に支援を惜しむべきではありません。この際、イラン・イラク戦争に際して独自の立場から仲介の労をとった貴重な経験を持つ我が国のこの経験も役立たせるべきであります。
 総理がさきの中東歴訪に際しイラクのラマダン第一副首相と会談されたのも、そうした御努力の一環と理解いたします。
 中東外交につきましての我が国の本格的な取り組みが図られましたのは、第一次石油危機後ではなかろうかと思います。その後、外務省におかれましても、アラビア・中東地域の専門家の養成を進めるなど、中東外交の足腰強化に努めていることは十分承知をいたしております。しかし、総理の今回の歴訪が福田元総理以来十二年ぶりの総理訪問であった事実からしましても、我が国の中東外交が今後さらに一層拡充強化されなければならないことを私は痛感するものであります。
 歴史的にも複雑な背景を持ち、国際社会にとって死活的な重要性を有する中東、湾岸地域に対し、一貫性のある積極的な外交活動を展開するためには、それを支えるための外交実施体制の充実強化も必要だと考えますが、総理並びに外務大臣の御所見を承りたいと存じます。
 次に、国際連合平和協力法案についてお尋ねいたします。
 今回の湾岸危機に際し、我が国はいわゆる中東貢献策に基づき、物資協力、輸送協力、資金協力、医療団先遣隊の派遣、避難民に対する緊急援助、救援機の派遣を実施し、さらに、さきの中東歴訪では総理みずからヨルダンなど周辺国への支援を表明されておりますが、これらは国際的にも高く評価されているところであります。しかし、従来、我が国の国際社会に対する貢献がとかく物、金中心であったことは否めません。今後は、我が国が国際的な地位の向上に相応じた責任を果たす明確な意思を示すこと、すなわち、人員の派遣による目に見える形での協力が不可欠であります。
 今国会に提出されました国連平和協力法案は、国際平和を達成するための国連の活動に人的、物的協力を行うための枠組みをつくろうとするものであります。平和共存の新秩序が形成されつつある国際社会の中で我が国が積極的な貢献を行い、名誉ある地位を占めるための新たな仕組みをつくろうとするものでありまして、まことに時宜に適した措置であると考えます。
 国連平和協力法案では、国連平和協力隊へ自衛隊の諸君が参加することになっております。これにつきましてはさまざまな御議論を承るのでありますが、医療、輸送、通信など、武力による威嚇または武力の行使を伴うことのない分野に限り、自衛隊の諸君が平和協力隊員として、日ごろ錬磨したすぐれた技術と習熟した組織的行動力を発揮することは、もちろん憲法の許容するところであるのみならず、さらに、国際紛争の平和的解決を標榜した憲法の平和主義の精神を発揚するゆえんでもあると確信をいたします。
 国連の平和維持活動への人的参加については、ボランティアなど民間人の参加ももちろん大切でありますが、これに政府機関がいかなる形で参加したかによって国際的評価が定まるという事実を我々は知らなければなりません。ましていわんや、今回の法案が自衛隊の海外派兵に道を開くものだとするような一部の意見は、甚だしき曲解と断ぜざるを得ません。我が国が憲法の枠組みのもと、国権の発動たる戦争、武力による威嚇または武力の行使を国際紛争の解決の手段としては二度と使わないということ、そして平和国家に徹するということは、この法案においても貫徹されております。
 今回の法案は、平和国家に徹する我が国が国際社会の一員として平和を守る責任を果たす用意があることを国際社会に明らかにするものであります。公正な平和の達成とその維持を目指す国連の活動に対し、我が国が効果的に人的物的両面での積極的な協力を推進することは、国連の集団安全保障機能に対する寄与であります。これは、国連加盟国としての当然の義務であり、憲法の示す協調主義、国連中心外交の理念の具体化にほかなりません。
 国連の目的の第一は、国際の平和及び安全を維持することにあり、その根幹をなすのが集団安全保障措置であります。私は、現在行われております一部の議論が、この問題、すなわち国連憲章に定める集団安全保障措置といわゆる集団的自衛権の問題とを混同し、その結果誤った結論を導いておりますことをまことに残念に思います。
 ここに極めて厳しい国際的批判があります。それは、世界が一致して紛争の解決に汗をかき、生命の危険をも顧みず対応に努めているというのに、石油の七〇%以上もこの地域に依存しておる日本が物、金だけで済まそうとするのは身勝手であるという批判でございます。また、紛争地域に民間人や民間機が送られておるのになぜ自衛隊が出ないのだという国民の素朴な疑問もございます。我々はこうした内外の批判、疑問にこたえるためにも、今こそ平和憲法の枠組みのもと、国連平和協力隊を創設して国際的な責任を果たすという我が国の厳然とした姿勢を内外に明らかにすべきであります。これこそ憲法前文にうたわれた「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」という願いに合致するものと確信いたします。
 なお、さきの大戦の経緯にかんがみ、中国や東南アジア諸国などで自衛隊の国連平和協力隊への参加に懸念が表明されておることも事実であります。政府におかれましては、我が自衛隊が完全に平和主義に徹した民主的政治の統制のもとにあること、そして我が国は国連平和協力活動を通じまして世界の平和と繁栄にひたすら貢献すべく頑張っていくということを、この際、こうした関連の諸国によく説明をいただき、諸外国の疑念を払拭していただきたいと思いますが、総理のお考えをお聞かせ願いたいと存じます。
 私は、国連平和協力法案の成立を契機にいたしまして、我が国の国連外交を一層強化すべきものと考えます。
 我が国は国連加盟以来、国連の諸活動に積極的に参加、協力してまいりました。資金協力の面では、国連分担金は米国に次いで第二位であります。特に、昨年度から我が国が拠出しております国連平和維持活動支援拠出金は、ノーベル平和賞に輝いた国連の平和維持活動を支えるものとして高く評価されております。しかし、人的貢献という面からすれば、遺憾ながら専門職以上の国連職員に占める日本人職員の割合は二%にすぎず、我が国の国連に対する人的な面での協力の拡充は、まさに喫緊の課題であります。
 国連に対する物的人的協力が拡大した暁には、我が国に対する国際的信頼も一層高まり、国連においても加盟諸国の推挙により我が国の国際的力量にふさわしい処遇が得られる道も開けてくるものと信じます。例えば、常任理事国問題あるいはいわゆる敵国条項の削除問題についても必ず明るい見通しが開けてくるのではないかと思います。
 我が国外交の柱であります国連中心主義を内容豊かなものにするための方策について御見解をお伺いいたします。
 次に、この際、総理に特にお伺いをいたします。
 米ソの冷戦構造が終結し、対立から対話へのムードが広がりつつある中で、国際社会にはその平和維持機能を国連に求めようとする機運が急速に高まりつつあります。このような機運の盛り上がりの中で、もし現在展開しているいわゆる多国籍軍が国連軍となった場合、あるいは将来国際警察とも言うべき常設国連軍がつくられた場合、世界に貢献する我が国としてはこれに当然協力しなければならないと思いますが、どのような形で協力し、どのような役割を果たそうとなさるのか、御見解を伺いたいと思います。この問題につきましては、連日マスコミで報道されておりまして、今国民が一番聞きたいと思っておることではないかと思います。どのような役割を果たそうとなさるのか、そしてその際憲法との関係はどうなるのか、御意見をぜひお聞かせいただきたいと思います。
 日米関係についてお尋ねいたします。
 戦後、我が国は、米国との間で安保条約に基づく安全保障面での緊密な協力のもと、自由と民主主義という普遍的価値を共有し、市場経済原理を追求して世界経済の発展を支えてまいりました。こうした日米協調体制や西側自由主義諸国の団結が、ソ連、東欧を初めとする今日の世界的な、自由と民主主義、市場経済を基礎とした協調と対話による新秩序構築への流れを導いたと思います。日米両国の相互依存関係が増大すればするほど、双方の信頼関係が深まることは当然でありますが、同時に種々の摩擦が生起することはやむを得ないことであります。
 しかし、私は、今日日米間に横たわる諸問題は、相互の話し合いを深めることにより必ずや明るい展望が開けるものと確信いたします。来年二月のブッシュ大統領の訪日は日米の協力関係強化の一つの象徴と存じますが、総理の日米関係に取り組まれるお考えをお聞かせ願います。
 先般の自民、社会両党代表団の訪朝によりまして、歴史的な共同宣言が発出され、日朝国交正常化交渉開始への道筋がつきました。また、第十八富士山丸問題も解決されましたことはまことに慶賀にたえません。関係者の御努力に衷心より敬意を表します。
 今後、日朝間の話し合いを進めるに当たりましては、朝鮮の平和統一の達成、アジアの緊張緩和につながるように、そして韓国、米国を初めとする関係諸国と緊密な連携を保持しつつ、慎重に、しかし一歩一歩着実に前進するべく取り組んでいく必要があると思います。国交正常化交渉の展望について総理の御所見をお伺いいたします。
 日ソ関係は、来年四月のゴルバチョフ大統領の訪日を控え、最大の懸案である北方領土問題の解決を焦点に、日ソの友好関係を確立するための方策がいろいろと模索されております。先般も歯舞、色丹の二島返還論を示唆するような報道がなされ、論議を呼びましたが、我々は、国後、択捉を含めた四島一括返還の基本方針を堅持して、国民一丸となって対ソ交渉に当たるべきであります。
 同時に、ソ連が市場経済化への模索を続けている今日の現状にかんがみ、日ソ関係の拡大均衡の立場から、知的支援、技術支援等を具体的に実施すべき時期が来ているのではないかと考えますが、総理の御見解をお伺い申し上げます。
 今回の湾岸危機は原油価格を一気に高騰させ、今や一バレル当たり四十ドルにも達しました。湾岸危機が今後長期化したり、あるいは軍事衝突という最悪の事態に立ち至ることになれば、その供給量、価格に大きな影響を及ぼし、我が国経済や国民生活に甚大な影響を与えかねません。長い成長を続けてきた我が国経済は、設備投資、個人消費などに支えられて今なお拡大を続けております。しかし、昨今、人手不足による物価上昇、アメリカ経済の後退による影響等により日本経済の流れが変わりつつあるのではないかという指摘もございます。そこへ原油価格の大幅高騰が加わることによって、あるいはインフレを招来するのではないかと心配されてもおります。
 政府は、今回の中東危機の日本経済に与える影響、そして今後の日本経済の見通しについてどのように考えておられるか、お伺いいたします。
 また、最近、灯油、ガソリンなどの石油製品の価格も上昇しております。これは原油価格の引き上げを吸収する意味でやむを得ないことではありますが、当然のことながら、いわゆる便乗値上げなどは絶対に許されてはなりません。冬場を控えて国民が最も心配している灯油などの問題について、政府はどのように対応しようとしておられるか、あわせてお伺い申し上げます。
 このたびの湾岸危機は、我が国のエネルギー需給構造の脆弱性を改めて認識させることになりました。我々はかつて、石油危機の経験を踏まえて、省資源、省エネルギーの大切さを知り、そして代替エネルギーの開発を誓ったはずであります。我々は今こそその努力に拍車をかけなければならないと思います。
 そこで、ただ一つ原子力問題についてお伺いいたします。
 最近の報道によれば、スウェーデンとスイスにおいては、チェルノブイリ事故以来原子力発電を抑制する政策をとってきましたが、最近この政策を転換し、原子力発電を継続することにしたと言われております。地球温暖化を防ぐためには、化石燃料の使用を抑え、クリーンエネルギーである原子力が望ましいことはもちろんであります。政府におかれましては現在総電力の三〇%である原子力依存度を四〇%まで高める計画をお持ちだと伺っておりますが、これにはもちろん国民の理解と協力が絶対に必要であります。原子力問題について、大島科学技術庁長官の御所見をお伺いいたします。
 次に、本年度補正予算についてお伺いいたします。
 政府は、中東貢献策としての多国籍軍への支援措置のうち、最初の十億ドルについては予備費で対応なさるようでありますが、続く十億ドルを限度とする追加措置についてはどのように対応なさるおつもりでございますか。さらに、二十億ドルに及ぶ中東周辺国への支援措置、台風等による災害復旧事業費、給与改定等、今後の追加的財政需要は相当大きなものになると予想されます。他方、先ほど申しましたとおり、最近の経済の諸要因を考えるとき、従前のような税の大幅な収入増は期待しがたい状況にあると思います。このような中で本年度補正予算はどのようにして編成なさるのか、お伺いを申し上げます。
 消費税についても一言触れざるを得ません。
 過ぐる国会ではこの問題についていろいろな論議があり、いろいろの経緯を経て今日に至っております。しかし我々は、かつての個別間接税の持つ矛盾を解決し、負担の実質的公平を確保し、進展する高齢化社会や国際化時代に対応するためには、この種の税はぜひとも必要である、こういう信念に基づいて、所得税、住民税の大幅減税とあわせてその導入に踏み切ったものであります。その後、実施状況を踏まえ、また国民各界からの御意見を集約して、消費税をよりよいものにするためにさきに見直し法案が提出されましたが、残念ながら実現することはできませんでした。
 この問題は現在国会の両院協議会で協議を重ねておられます。私は国民生活、経済活動に直接影響を与えるこの種の問題は一日も早く解決しなければならないと思います。先ほど浜本議員が消費税についてのいろいろな問題を指摘されました。それなればこそ、我々は消費税の見直しをしてよりよいものにしたいと思うわけでありますが、これはひとつ各党の皆様方によろしく御協力をお願いしたいと思いますが、あわせて政府の御所見もお伺いを申し上げます。
 土地問題について伺います。
 最近の地価の異常な高騰は、持つ者と持たざる者との資産格差を拡大し、社会的不公平感を増大させ、住宅取得を困難とし、また用地取得難から社会資本の整備にも支障を与える等、国民生活に重大な影響を与えております。
 昨年暮れ、与野党合意により土地基本法の制定を見ましたが、私はこれは土地についての公共優先の原則や適正な土地利用をうたった画期的な法律だと思います。政府におかれましてはこの基本法に盛られた理念を早急に具体化すべきだと思いますが、今後の進め方について伺います。
 土地税制の重要性、また土地政策の中で果たす役割については改めて申すまでもありません。この問題につきましては、我が党におきましても目下真剣に検討を続けております。私は、土地税制の改革に当たっては、あくまでも土地基本法の精神を踏まえて、単に保有課税の強化のみならず、その取得、保有、譲渡について総合的な検討を行い、バランスのとれたものにすることがぜひ必要であると思いますが、いかがでございましょうか。
 土地問題に関連して、私は国土の均衡ある発展と地域格差の是正についてお伺いいたします。
 第四次総合開発計画がスタートしてから三年有余を経過しましたが、大都市地域と地方との格差は是正されておりません。特に、国土の大半を占める過疎地域では、若者の流出と人口の高齢化が進み、地域の活力が著しく低下するなど深刻な状況となっております。私は、このような地域格差を是正し国土の均衡ある発展を図る決め手はいろいろありますけれども、交通体系、特に高速交通体系の整備にあると思います。
 さきの日米構造協議の結果、今後十年間で四百三十兆円の公共投資が行われることになりましたが、その実施に当たっては、立ちおくれている地方の整備に重点を置いて事業費を地方に思い切って傾斜配分することがぜひ必要であると考えます。地方の産業基盤や定住条件の整備が進めば、人口や業務機能が大都市地域から地方へ流れ、均衡のとれた国土の形成が図られます。それと同時に、大都市地域における土地問題の基本的な抜本的な解決に資することになると私は思いますが、総理の御見解をお伺い申し上げます。
 農業問題について伺います。
 総理は、さきの所信表明演説で、ガット・ウルグアイ・ラウンドに臨まれる政府の基本方針をお述べになりました。そして、米の問題につきましては、その格別の重要性にかんがみ、国会決議などの趣旨を体して、国内産で自給するとの基本方針で対処する旨を明らかにされました。御承知のとおり、我が国は年間二百六十億ドルにも上る世界最大の農産物輸入国であり、世界の農産物貿易の安定に大きな貢献をいたしております。また、米の過剰問題が国際貿易秩序を乱すことがあってはならないとの配慮もあって、全水田面積の三割にも及ぶ生産調整を実施しておるのであります。そうして、水田稲作が国土保全、環境保全、災害防止などの重要な役割を果たしていることは何人もこれを認めるところであります。
 日本はお金持ちであり、いつでもどこからでも買えるのだから、米も自由化した方が日本の食糧安全保障のためになるじゃないかとアメリカの高官が発言したと言われますが、米は、果たしていつでもどこからでも自由に買えるのでしょうか。私はそのようには思いません。世界の人口と食糧の長期的展望について、専門家はそう遠くない将来において全地球的規模で食糧不足が起こると予側しており、いつでもどこからでも買えるという見通しはありません。また、我々は、昭和四十八年、アメリカの干ばつ、ソ連の不作、発展途上国の食糧需要増大等により、世界が食糧危機に陥ったことも忘れてはおりません。また、水田というものは、一たび作付をやめますと簡単には復元できないということも知らなければなりません。
 以上、いろいろ申し上げましたが、山本農林水産大臣は、国の内外におきまして、そしてあらゆる機会に、米は自由化はしないんだということを強く主張しておられまして、私は心から敬意を表するものでございますが、この機会に改めてその御決意をお聞かせ願いたいと存じます。
 日本農業の将来につきまして私が最も心配していることがあります。それは米の消費量が年々減少を続けているということであります。
 政府の統計によれば、食生活の多様化が進む中で米の一人当たり消費量は戦後ほぼ一貫して減少を続け、現在は戦前のほぼ半分近く、昭和四十年に比べても約六三%にまで落ち込みました。
 何を食べるかはすぐれて個人の嗜好の問題であります。しかし、私は、粗っぽい議論を許していただけるならば、日本国民である以上、日本国内で一番よく生産されるものをまず食べるという心がけが大切ではないかと思いますし、これが国づくりの基本ではないかと確信をいたしております。米の消費がもしこのまま減少を続けていくならば、やがて稲作農業の崩壊を招き、ひいては日本のすぐれた農耕文化の崩壊につながりかねません。
 政府におかれましてもいろいろと米の消費拡大に努力しておりまして、私も敬意を表しますが、この問題は農家自身の問題でもあり、農業団体自身の問題でもあり、あるいは国民的課題でもあり、政府全体で取り組んでいただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 私は、最後に、働く女性の問題についてお伺いを申し上げます。
 近年、女性のライフサイクルの変化や経済のサービス化の進展に伴いまして、女性の職場進出は著しいものがございます。女性雇用者数は今や千七百五十万人、全体の雇用者の約四割近くを占めるに至っておりまして、女性の労働なしでは今や日本経済は成り立たない、このように私は思っております。私は、女性の力を活用して我が国の経済社会の活力を維持するためには、女性が家庭生活と職業生活が両立できる環境を整えなければならないと思います。
 育児休業の問題であります。
 先進諸国におきましては、この育児休業につきましては、それぞれの国情に応じまして仕組みが工夫され、それぞれの成果を上げていると聞いております。我が国におきましても、その確立に向けてそろそろ第一歩をしるすべきではないかと思います。
 また、お年寄り、老親の介護の問題も大切であります。
 いわゆる寝たきり老人の数は、厚生省の推計によれば、今後二十年間で百四十万人に増加すると伺っております。これらの介護は主として女性の肩にかかります。育児を終え、仕事の上で責任ある地位についたそのころに、今度はお年寄り、親御さんの介護で職場を離れなければならない例も少なくありません。これは本人にとってもまた社会にとっても大きな損失であると思います。私は、こうした介護と職場が両立できるようなものについて、これは一朝一夕ではできませんけれども、そろそろそういうものに向かって検討を開始すべきではないか、このように思います。働く女性の問題につきまして、ぜひ海部総理の御所見をお伺いいたします。
 質問を終えるに当たって一言申し上げます。
 総理は、昨年八月内閣を率いられて以来、一生懸命頑張りますを合い言葉に、真摯にしてひたむきな努力を続けられ、数々の実績を上げてこられました。こうした評価は、本年二月の衆議院総選挙における我が党の大勝となり、また各種世論調査で明らかなとおり、国民の高い支持を得ているところであります。
 今、世界は東西の冷戦構造が大きく崩れ、新しい模索の時代に入りました。国際社会における名誉ある一員としての我が国が新しい世界の秩序形成の中でいかに責任を果たすか、全世界が注目しております。あの日本を最も理解してくれたライシャワー元駐日大使は、先般逝去されましたが、その遺言で、「日本人の友人として一つだけ言いたい。日本は昭和三十年代、四十年代の日本ではない。世界丸の重要なかじ取りの一人だ。世界国民としての自覚を持って対処してほしい」、こう申されております。
 国際連合平和協力法案は、まさしく日本の国際社会における立場を明らかにするものであります。あの永世中立国のスイスでさえ国連の平和維持活動に協力しているのに、世界の相互依存体制の中で最大の受益者である我が国がただ事態を傍観していることは許されません。我々は、憲法の枠内で考え得るぎりぎりまで知恵を絞って国際協力の実を上げなければなりません。今臨時国会における審議は、平和を愛する全人類の注目のもとにあります。我々は、日本が世界の孤児とならないよう実りのある論議を重ね、正しい結論を得なければなりません。
 海部総理におかれましては、どうぞ強いリーダーシップを発揮され、内外の諸問題の解決に勇気を持って邁進されますことを心から要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(海部俊樹君) 佐々木議員にお答えを申し上げます。
 即位の礼は、憲法の趣旨に沿い、かつ皇室の伝統などを尊重して、国内各界の代表はもとより、世界各国からの元首、祝賀使節等の御参列を得て、粛然と実施するため、万全の準備を進めてまいりたいと考えます。
 大嘗祭は、皇室の行事として、皇室の伝統に従い、先例等を参酌して、厳かにとり行われるよう必要な手だてを講じてまいりたいと考えます。
 議会開設百年を迎えるに当たりましては、先人の業績をしのび、思いを新たに職責を果たしてまいりたいと思います。皆さんの一層の御理解とお力添えをお願いいたしたいと思います。
 政治改革の問題につきましては、国民の信頼を確固としたものにするために政治倫理の確立が必要なことはもちろんでありますが、同時に、お金のかからない、政党本位、政策本位の選挙を実施していくことも必要であります。選挙制度及び政治資金制度の改革を図ることができるように、その成案化に向けて全力を挙げてまいりますが、各党各会派におかれましても、これは政党、議員に直接関する問題でありますから、御論議と御理解、御協力をいただきたいと考えます。
 現在の国際情勢をどう認識し、国連の果たす役割はどうかとおっしゃいました。
 私は、善良な隣人として世界じゅうの国が互いに平和に生活し、国際の平和及び安全を維持するために我々の力を合わせてやっていこうとしている国連憲章の理念を高く評価しております。我が国はその国際的な協力の中で我が国の役割と責任を果たしていかなければならないと考えますし、また現在の国際情勢は、御指摘のあったように東西の対決、対立の時代を終えて、冷戦構造を乗り越えながらいかにして平和と安定を世界に及ぼすかということについて皆が新しい平和への秩序づくりに模索を続けておる最中である、このように認識をいたしております。
 湾岸危機というこの新しい試練を乗り越えて、新しい発想と行動が要ると仰されました。
 私はそのとおりだと思います。強い国が弱い国を侵略して併合するという事実を目の前に見ながら、それは仕方がないことだといって黙って認めておっていいのだろうかということが今国連で問われておるわけでありまして、国際社会の大義が問われておるのであります。それを認めないという国際規範をつくることが大切なのではないでしょうか。
 ですから、新しくつくる国連の規範というものは、どうしてもそこのところをあいまいにするわけにはいきません。この試練を乗り切らなければならないというところに、今度の湾岸危機というものが東西の対決が終わりを告げて世界じゅうの人が希望と期待を持ったそのときに力で行われたということについては、これを見逃すわけにはいかないというのがまず第一歩の解決策であって、私はそれをもとに世界じゅうの恒久の平和というものは考えていかなければならない問題で、議論はたくさんあろうと思います。そして、その問題の基本を解決すれば人質の問題なども自然に全部片づくわけでありますけれども、しかし今自由を束縛されている人質の皆さんについては、一刻も早くその自由を求め、釈放を求めなければなりません。これまでも外交チャンネルを通じて働きかけてまいりましたし、私は先日、アンマンでイラクのラマダン副首相にも直接、すべての外国人の自由解放、特に邦人を含むこれらの方々の自由回復のため粘り強く申し上げてきたところでありますが、国際社会の一致協力した努力によってイラクに対して大きな決断を求めたいと思うものであります。
 また、国連平和協力法のもとでは、武力の行使を伴わない国連平和協力隊の派遣等の協力を行うことを想定しておりますが、国連の第七章の措置を含めて将来のいろいろな問題についてのあり方の御質問がございました。
 第七章の措置に対する想定され得るいろいろな対応というものは、将来の問題としていろいろ研究を行っておりますが、いずれにせよ集団的自衛権に関する憲法の解釈の変更は考えておりません。
 また、アジアに対するいろいろな懸念があるのではないかと御指摘がございました。
 私は、平和憲法のもと、専守防衛に徹し、特にアジア諸国に対する歴史の反省に立って、二度と他国に脅威を与えるような軍事大国にはならないという決意を表明し、この基本線はきちっと守っていく考えであります。
 ただ、国連が決議をいたしました問題、国際社会の平和を守るということは、その国連の安保理事会には中国も理事国として入っていらっしゃる、アジア代表も二カ国もいる安保理事会での決議でありますから、この安保理事会の決議を実現するということは、アジア・太平洋地域の平和と安定にとってもこれは重要な影響を及ぼす問題ではないでしょうか。私はそのように考えておりますので、議員御指摘の懸念はわかりますけれども、この懸念にお答えするためには、今申し上げましたような大前提と方針をアジアの国々にも十分に説明して、このような立場を御理解いただきたい、懸念を解いていただくような努力をあらゆる段階でしていかなければならない、このように考えております。
 なお、ブッシュ大統領の二月の訪日に向けましては、日米関係は非常に大切な関係でもあり、世界の平和、世界の経済あるいは累積債務国の問題、世界の環境の問題、麻薬の問題、テロの問題、子供の問題、いろいろ地球的規模の問題について責任分担をし、話し合いをしていかなければならない、そのように取り組んでまいります。
 日朝についてもお触れになりましたが、我が国はこれまで北朝鮮に対して前提条件なしの当局間対話を呼びかけてきた経緯があり、国交正常化に向けた交渉にできるだけ早く応ずることとしたいのでありますが、具体的な時期等については現在検討中でございます。いずれにせよ、かかる交渉は、朝鮮半島情勢全体を視野に入れて、同半島の緊張緩和、平和及び安定に資する形で、韓国、米国等関係諸国とも緊密に連絡しながら進めていく考えでおります。
 北方領土四島一括返還の基本方針はどうか。この政府の立場には変化はございません。そして、明年春四月、ゴルバチョフ大統領が日本を訪問されるということが決まっておりますが、この中で、四島一括返還の実現に向けて、これまで以上に粘り強く強力に交渉をしていく考えであります。そのために、ソ連のペレストロイカが民主化、自由化、市場経済導入など、その目指す方向に進むことは世界の平和と安定に資すると認識いたしております。今日まで二度にわたるソ連経済改革調査団の受け入れもいたしましたし、六月には行政調査団も受け入れをいたしました。さらに、十一月には予算関係の調査団も訪日をしたいという申し入れもあり、これも受け入れをいたします。我が国としては、経済専門家のソ連への派遣など改革への技術的支援のための具体的措置をとってきたところでありまして、このような適切な関係を今後とも続け、抜本的な関係改善を行っていきたいと考えております。
 また、今回の中東危機の日本経済へ与える影響と日本経済の見通しを問うということでございますが、既に四十七カ月間の長きにわたり内需主導型の景気拡大を持続してまいりました。中東情勢の緊迫化による原油価格の上昇が我が国経済に与える影響については、懸念はありますけれども、過去二回の石油危機に比べると、我が国経済の石油に対する依存度が大きく下がっております。影響は比較的小さなものになるのではないかと考えておりますが、今後とも一層石油価格の動向等に注意をし、個人消費や設備投資が堅調に推移しておる現在のこの体制を引き続き着実に持続させていきたいと考えております。
 また、石油製品の価格問題についてお触れになりましたが、石油製品価格の改定は国民経済や国民生活に大きな影響を与えるものでありますので、いやしくも便乗値上げに当たるような価格改定の行われることのないよう、毎月通産省において各社ごとのコスト変動の報告を聴取しておるところでありますが、政府としても適切な対応を図ってまいる考えであります。
 土地基本法に盛られました精神については、土地基本法の理念を生かし、具体的には「今後の土地対策の重点実施方針」に掲げられた施策の実施に向けて土地利用計画の充実、土地の有効・高度利用の促進、土地税制の総合的見通しなどを図ってきておるところでありますが、今後とも、土地関連融資や公的地価評価、土地関連情報整備など幅広い分野について土地政策審議会で検討を願っている問題があり、今月中に行われる取りまとめに従って、さらに具体化、実現に全力を挙げてまいる考えであります。
 土地税制については、保有課税の強化のみならず、取得、保有、譲渡について総合的な検討を行えとの御指摘でございましたが、政府としては、近くいただく予定の税調答申を踏まえ、次期通常国会にそのような御趣旨を念頭に置いて法案を提出することといたしたいと考えております。
 また、地域格差の是正について、公共投資基本計画の実施についての傾斜配分にお触れになりましたが、地域経済社会の均衡ある発展を図るためには社会資本の整備が重要であり、公共投資基本計画においても、二十一世紀に向けて国土の有効利用等を図っていくためには計画的な推進が必要であるとの認識のもとに、枠組み及び基本方針を総合的に示したところであります。今後とも、引き続き地域の振興に資するよう適切に対処してまいります。
 最後に、女性の問題についてお触れをいただきました。
 女性がその能力や経験を生かしながら職業生活と家庭生活との調和を図ることができるよう、働きやすい環境づくりを進めることが必要であると私も考えます。そのためにも、育児休業制度の確立に向けてさらに一層の普及促進に取り組んでまいりたいと考えます。
 また、介護休暇制度についてもお触れになりましたが、人口の高齢化、核家族化、女子の就業増加が進展する中で、老親など家族介護の負担は労働者にとって大きな問題となっておることを承知しております。今後、介護休業制度の必要性はますます高くなると考えられますことから、この制度の普及促進を図ってまいる考えでおります。
 残余の御質問につきましては関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
   〔国務大臣中山太郎君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(中山太郎君) 佐々木議員にお答えを申し上げます。
 まず、国連平和協力法案に関連してでございますが、我が国として国際の平和と安定の維持、回復のために行われる国連の活動に対して積極的に協力していくことが、平和憲法をいただく日本の国際平和のための貢献の道であろうと考えております。
 今般の法案は、これからの国際社会で我が国が、平和を守りこれを維持するための国連活動や、またこれを支持する国際的努力に協力していく責務をより適切に果たしていくための体制を整備することが基本目的でございます。これらの努力により、国連においても日本の役割に見合った地位を確保していくことが重要であろうと考えております。
 常任理事国問題。先般の国連総会におきます外相会談におきましても、何カ国かの外相から、日本は常任理事国に立候補するべきではないかというお話もいただいております。なお、この常任理事国問題、また旧敵国条項削除問題、こういった問題は国連憲章の改正を要する問題でございまして、極めて難しい問題でございますが、我が国といたしましても、今後とも各国の理解を得るように努力をしていく所存でございます。特に、新たな協力の時代には不適当でかつ意味のないものである旧敵国条項につきましては、今次国連総会の一般演説におきまして可及的速やかな削除を強く訴えた次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣大島友治君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(大島友治君) 佐々木議員の御質問に対しお答えをいたします。
 我が国のエネルギー資源の約八〇%を海外からの輸入に依存していることはこれは御承知のとおりであり、今後とも着実なエネルギー需要の伸びが見込まれる我が国におきましては、エネルギーの安定供給を確保することが極めて重要であるとまず私は考えておるのでございます。
 原子力につきましては、供給の安定性、さらに経済性、そして環境影響等の面で極めてすぐれているというふうに私も心得ており、我が国の脆弱なエネルギー供給構造の克服に貢献する重要なエネルギー源であるというふうに私は考えております。
 そこで、今日、中東情勢の不安定化によりまして世界的に原油価格が上昇しつつあるということは御承知のとおりであり、我が国としてはこの地域に原油の約七〇%を依存しておるということによって原子力開発利用の重要性はますます高まってきておるんじゃなかろうかと、こう心得ておるものでございます。
 このような状況の中で、原子力の開発利用を円滑に進めていくということは国民の理解と協力を得なければならないということが絶対に必要であるということを確信を持って、今後進めてまいりたいと思うのでございます。したがいまして、あくまでも安全確保を大前提として、また的確に、懇切しかも丁寧な広報活動の推進によりまして国民の理解と協力というものを得ながら、原子力の開発利用を着実に進めてまいりたいということが私の考えでございます。
 どうぞよろしく御協力をお願いします。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(橋本龍太郎君) 総理から御答弁になりましたことと重複を避け、簡潔にお答えを申し上げます。
 第一点として御指摘を受けました、多国籍軍への支援措置のうち、十億ドルを限度として追加措置を講ずるにつきどのような考えか、財源等についてはという御指摘がございました。九月十四日に新たに十億ドルを限度とする追加の協力の発表をいたしました。この財源につきましては、直ちに対処することはなかなか容易でありません。今後の中東情勢の推移を見守りながら、財源事情を見きわめた上で適切に対処してまいりたいと考えております。
 そして、先刻浜本議員にもお答えを申し上げましたような、当面の歳入歳出両面における厳しい財政事情の中でありまして、各省庁に対しても既定経費の一層の節減合理化をお願い申し上げておる状況であり、再び特例公債を発行することのないような、また、引き続き経済情勢を注視しながら、適切な財政運営に努めてまいりたいと考えているところであります。
 また、消費税を初めといたします税制についての諸問題につき、前国会での法律案の処理の結果を踏まえ、与野党が、現在、その責任を果たすというお立場から税制問題等に関する両院合同協議会が設けられ、その専門家会議を中心に御論議をいただいておるところであり、私どもは、この両院合同協議会におきまして消費税の存続を前提に国民全体の、また長期的な利益といった高い次元からの精力的な御審議の上、一日も早い建設的な合意が得られることを心から期待しておるところであります。
 また、金融機関につきまして、私どもとして今日まで、その業務の公共性というものにかんがみて社会的責任を自覚した運営を求めてまいったつもりでありました。近来さまざまな御批判を受けておることを極めて残念に思います。今後ともに金融機関が社会の信頼を損ねることのないように、適正な業務運営の確保について引き続き指導に努めてまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣山本富雄君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(山本富雄君) 佐々木議員の御質問にお答えを申し上げます。
 農業問題につきまして大変な御激励を賜りまして感謝感激しております。
 御主張のとおりでございまして、米は日本国民の主食であり、かつ我が国農業の基幹をなすものであります。また、水田稲作は国土や自然環境の保全、地域経済上不可欠な役割を果たしております。
 米問題につきましては、総理が所信表明演説で述べられましたとおり、我が国における米及び水田稲作の格別の重要性にかんがみ、国会における決議等の趣旨を体し、今後とも国内産で自給するとの基本的な方針で対処してまいりたいと考えております。
 次に、米の消費拡大につきましてお答え申し上げます。
 米は日本人の主食であり、古来から日本文化の礎として重要な役割を果たしており、また、大変栄養に富む食品でもあります。したがって、米の消費拡大につきましては、農政の緊急かつ最重要課題と考え、米についての正しい知識の普及、米飯学校給食の推進、新しい米加工食品の開発普及等、各般の施策を講じてきているところであります。
 今後とも、海部総理を初め文部省、厚生省等の関係諸官庁や農業団体などの御協力を得まして、米の消費拡大を積極的に推進すべく、官民一体となって取り組んでまいる所存であります。御協力をお願いいたします。(拍手)
#19
○副議長(小山一平君) 質疑はなおございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○副議長(小山一平君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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