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1990/06/07 第118回国会 両院協議会・合同審査会等 両院協議会会議録情報 第118回国会 平成二年度一般会計予算外二件両院協議会 第1号
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1990/06/07 第118回国会 両院協議会・合同審査会等

両院協議会会議録情報 第118回国会 平成二年度一般会計予算外二件両院協議会 第1号

#1
第118回国会 平成二年度一般会計予算外二件両院協議会 第1号
平成二年六月七日(木曜日)
    午後四時四分開会
    ─────────────
平成二年六月七日本協議委員は、衆議院議長の指
名で次のとおり選任された。
     越智 伊平君     近藤 鉄雄君
     野田  毅君     佐藤 信二君
     原田昇左右君     宮下 創平君
     谷川 和穗君     越智 通雄君
     中村喜四郎君     中村正三郎君
同日互選の結果、議長及び副議長を次のとおり選
任した。
            議 長 越智 伊平君
            副議長 近藤 鉄雄君
同日本協議委員は、参議院議長の指名で次のとお
り選任された。
     穐山  篤君     菅野 久光君
     鈴木 和美君     矢田部 理君
     安恒 良一君     太田 淳夫君
     白浜 一良君     吉岡 吉典君
     池田  治君     足立 良平君
同日互選の結果、議長及び副議長を次のとおり選
任した。
            議 長 矢田部 理君
            副議長 太田 淳夫君
    ─────────────
 出席協議委員
  衆議院
   議 長 越智 伊平君
   副議長 近藤 鉄雄君
     野田  毅君     佐藤 信二君
     原田昇左右君     宮下 創平君
     谷川 和穗君     越智 通雄君
     中村喜四郎君     中村正三郎君
  参議院
   議 長 矢田部 理君
   副議長 太田 淳夫君
     穐山  篤君     菅野 久光君
     鈴木 和美君     安恒 良一君
     白浜 一良君     吉岡 吉典君
     池田  治君     足立 良平君
 協議委員外の出席者
  衆議院事務局
        委 員 部 長 平野 貞夫君
        予算委員会調査
        室長      多田 俊幸君
  衆議院法制局
        第 一 部 長 坂本 一洋君
  参議院事務局
        委 員 部 長 黒澤 隆雄君
        予算委員会調査
        室長      宮下 忠安君
  参議院法制局
        第 四 部 長 駒澤 一夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二年度一般会計予算
○平成二年度特別会計予算
○平成二年度政府関係機関予算
     ─────・─────
    〔矢田部理君議長席に着く〕
#2
○議長(矢田部理君) これより平成二年度一般会計予算外二件両院協議会を開会いたします。
 抽せんにより、私が本日の両院協議会の議長を務めます。どうぞよろしくお願いいたします。
 この際、御報告いたします。
 衆議院の協議委員議長には越智伊平君、副議長には近藤鉄雄君が、また、参議院の協議委員議長には私、矢田部理、副議長には太田淳夫君が選任されました。
 両院協議会は、国会法第九十七条の規定により、傍聴を許さないことになっておりますので、協議委員並びに協議会の事務をとる職員以外の方は御退席を願います。
 それでは、平成二年度一般会計予算、平成二年度特別会計予算及び平成二年度政府関係機関予算の三案について、各議院の議決の趣旨を御説明願いたいと存じます。
 先ほどの両院の協議委員議長及び副議長の打合会における申し合わせに基づきまして、初めに衆議院の議決の趣旨について御説明を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○議長(矢田部理君) 御異議ないと認めます。
 それでは、衆議院側から御説明を願います。佐藤信二君。
#4
○佐藤信二君 衆議院における平成二年度一般会計予算外二案の議決の趣旨につきまして御説明申し上げます。
 平成二年度予算は、内外の諸情勢を踏まえ、来るべき二十一世紀をも展望しながら、内需を中心とした景気の持続的拡大の維持に配慮するとともに、真に必要な財政需要に適切に対応しつつ、歳出の徹底した見直し、合理化を行う等、現状において編成し得る最良、最善の予算であると考えるものであります。
 政府原案を可決した主な理由について申し述べますと、
 その第一の理由は、特例公債依存体質からの脱却という財政再建の第一目標を達成したことであります。
 平成二年度予算において、実に十五年ぶりに政府の悲願であった特例公債依存体質からの脱却を実現し、財政再建の第一目標を達成いたしました。好調な税収に支えられるという幸運に恵まれたとはいえ、十五年の長きにわたる政府の粘り強い努力と熱意を高く評価するとともに、深く敬意を表するものであります。
 第二の理由は、社会保障関係費の拡充を初めとして国民生活の充実等、時代の要請に的確に対応した予算となっていることであります。
 すなわち、社会保障関係費について、来るべき高齢化社会に向かって活力ある福祉社会を形成していくため、総額十一兆六千億円強を計上しており、前年度比六・六%増は、本年度予算の一般歳出の中で最大の増加額となっております。
 また、公共事業関係費については、社会資本整備の重要性にかんがみ、景気の持続的拡大の維持にも配慮し、前年度と同水準の高い水準を維持するとともに、その配分につきましても十分な配慮がなされております。
 このほか、中小企業対策費、農林水産関係費、文教及び科学振興費につきましても、めり張りのきいた予算措置が講ぜられておりまして、この点につきましても高く評価するものであります。
 第三の理由は、我が国が経済大国として国際社会で積極的に貢献する予算となっていることであります。
 政府開発援助は、世界に貢献する日本外交の重要な柱であります。平成二年度予算においても、第四次中期目標に沿ってその着実な拡充に努め、内容の改善、質の向上についても特段の配意が払われており、適切な措置と考えるものであります。
 また、中期防衛力整備計画は、防衛計画の大綱に沿って、平和時において保有すべき防衛力の水準の達成を目標としているのでありますが、平成二年度予算においてほぼ一〇〇%の達成を見たことは、国防の基本方針にも沿ったものであり、極めて妥当な措置であると考えるものであります。
 第四の理由は、消費税の見直しが行われていることであります。
 消費税は、着実に生活の中に溶け込みつつありますが、何分にも新たに国民に広く負担を求める税制であるため、国民各層からさまざまな御意見や御指摘がなされております。このため、政府・自民党は、税の一層の定着を図る観点から、国民各層から聴取した幅広い意見を検討し、現時点で最善と考えられる見直しを行ったものであります。
 以上、政府原案を可決した主な理由について申し述べました。
 平成二年度予算は、既にその成立が大幅におくれているところでありまして、国民生活にとって、一日も早い成立が望まれているところであります。
 両院協議会といたしましては、衆議院の議決どおり意見の一致を見ますよう、御賛同をいただきたく、お願い申し上げる次第であります。
 以上であります。
#5
○議長(矢田部理君) 次に、参議院側から御説明を願います。安恒良一君。
#6
○安恒良一君 参議院側が平成二年度一般会計予算外二件を賛成少数で否決した議決の趣旨を申し上げます。
 参議院側が平成二年度予算に反対する第一の理由は、国民が撤廃ないし凍結を求めている消費税は、一たん撤廃ないし凍結すべきであるにもかかわらず、これを歳入歳出に組み込んで予算を編成していることであります。
 政府が国民の強い反対を無視して導入実施した消費税は、国民生活や経済活動の面でさまざまな不公平や不信を呼んでおります。政府は、国民の批判を前に消費税の見直しを行うことで消費税の定着を図ろうとしておりますが、不公平税制に屋上屋を重ねるものでしかありません。まず消費税は、一たん撤廃または凍結して、不公平税制の抜本改革を中心とした国民合意の税制改革を進めることが重要な政治、財政上の課題であるにもかかわらず、平成二年度予算はそうした措置も配慮も無視して編成されております。
 反対の第二の理由は、最近における政府の税収の過小見積もりは異常であり、連年の異常見積もりをベースにした平成二年度の税収見込みは適正さに疑問があることであります。
 昭和六十二年度以降の政府の税収の過小見積もりは、毎年度七兆円を大きく上回る巨額、異常な自然増収を生じており、税の適正見積もりへの努力を怠っております。大蔵大臣は税収見誤りにおわびをされておりますが、平成二年度予算は、こうした異常な見誤りをベースにした税収見込みとなっており、税収の適正さに疑問を持たざるを得ません。
 反対の第三の理由は、適正な国民負担率実行の構想がなく、公正な税制確立の手順が示されていないことであります。
 平成二年度の税及び社会保険料負担を合わせた国民負担率は、四〇・四%となり、四〇%の大台に乗りました。臨時行政改革推進審議会の最終答申では、高齢化のピーク時の負担水準を「五〇%を下回る水準」としておりますが、政府が昭和六十三年三月に推計した平成十二年度四一・五%の負担率に十年早く肉薄しており、とめどもない負担率の高まりに不安を禁じ得ません。
 政府は、本格的な高齢化の到来を強調してやみくもに財源の必要性、負担率の上昇を肯定しておりますが、現行税制の持つ直接税の負担公平化のほか間接税や社会保険料負担を組み合わせた適正な国民負担率をどう実行に移すか、その具体的構想を持っていないばかりか、公正な税制確立の手順すら示されておりません。
 反対の第四の理由は、国際軍事情勢が対決から協調へ劇的な変化をする一方で、豊かさを実感できる国民生活への対応が必要となっているとき、防衛費突出、国民生活軽視の予算となっていることであります。
 東欧の改革やマルタ沖の米ソ首脳会談以降東西の冷戦構造は和解から今や協調の方向に転換しているのに、我が国の防衛費だけはなお増強の軌道を進んでおり、これは国際軍事情勢の変化を全く無視するに等しいものであります。
 防衛費の突出は、行財政改革期間中継続して行われており、その反面で国民生活に密接に関連する諸経費が横ばいないしマイナスの伸びに抑えられてきたことが、今日、国民生活を取り巻く社会資本の整備を著しく遅滞させてきた一因ともなっております。しかるに、こうした従前の予算編成のあり方を改め、時代の変化に対応する予算措置が必要であるにもかかわらず、そうした配慮がなされておりません。
 反対の第五の理由は、国会審議並びに議決の対象として政府が提出している予算書及び租税収入見込みの中身が、国会審議にふさわしい内容となっていないことであります。
 政府は、国会における予算審議に当たって、できるだけわかりやすい内容の予算書を工夫し、予算書の歳入歳出を構成する積算数値の平明かつ適切な内容の解説文をつける責任があることは申すまでもありません。
 しかし、既に提出されている予算書や租税収入見込みの解説等を見て、だれもすぐこれを読んで理解することは不可能な内容構成であることは再三国会側が指摘しているところであります。予算は国民生活と密接不可分であるがゆえに、国会や国民に十分理解される内容にしておくことは財政民主主義の原点でありますが、政府はその改善を行うことを怠っております。
 このほか、否決の理由は多岐にわたりますが、両院協議会といたしまして、参議院側が指摘した予算三案に反対する諸事項を除去することによって、平成二年度予算三案が成立できるよう御協力、御賛同いただきたく、お願い申し上げます。
 以上であります。
#7
○議長(矢田部理君) 以上で各議院の議決の趣旨についての説明は終わりました。
 これより協議に入ります。
 先ほどの協議委員議長及び副議長の打合会における申し合わせに基づきまして、御意見のある方の発言を許します。穐山篤君。
#8
○穐山篤君 今安恒委員から全体についてお話がありましたので重複は避けますけれども、特徴点について特に問題を指摘をしておきたいと思います。
 今回の予算委員会、長丁場でしたけれども、一貫して問題になりましたのは情報の公開です。リクルート問題についての資料の提供、ODAの予算あるいは執行の状況、原子力発電所の事故の内容あるいは防衛予算などにつきまして、私どもの質問が行われるたびに予算委員会が中断をするという非常に異常な事態が生じたわけでありまして、私どもは、情報というのは公開が原則であって、情報を非公開にしている体質が非常に顕著であったわけです。そのことについては予算全体を審議する上におきまして非常に不都合であったということをまず第一に指摘をしておかなければならぬと思います。政府もその都度局部的な打開を図りましたけれども、全体の情報公開についての態度が不鮮明でありました。私どもの追及によって、若干情報公開について広くするようにしたいという答弁はありましたけれども、不十分であったわけでして、これは今回の審議のみならず、今後あらゆる委員会の審議も含めて、政府は十分に国会の意を体しなければならぬ。ひとつその点を指摘しておきたいと思います。
 二つは、消費税の問題です。御案内のとおり、参議院は院の意思として廃止を決定をしました。言うてみますと、不動のものであります。政府の見直し案について、参議院側の追及についてその非を多少認めるニュアンスの答弁をしておりますが、基本的には消費税の定着を図るということに固執をしておりまして、理屈はわかったけれども嫌だというふうな態度がしばしば見られるわけです。したがって、この消費税の廃止、見直し法案については参議院選挙の結果を十分に尊重をしていただいて、消費税の根幹に触れる議論は、私どもは尽くしたつもりでありましたけれども、非常に政府側の答弁が消極的であったということについては非常に残念でありまして、納得ができないというふうに思います。
 それから三つ目の問題は、国際情勢の変化がとみに急速に進んでいるわけですが、なかんずく日本の防衛力の基盤整備というのはソビエトの軍事力というものを常に念頭に置きながら作成をされているわけであります。そのソビエトの軍事力が常に脅威を与えているというふうに言われているわけですが、厳密に私どもの追及によれば、例えば艦艇の数は多くても老朽艦、廃止をするようなものまでも含めて隻数に数えて非常に脅威が減っていないという強弁をしているわけでありまして、これは国民に対して正確な情報を公開をし、国民に正しい的確な判断をさせるのには大変不都合なことでありまして、もしそういうことが今後も続くとするならば、これはかつての戦争時代に戻ってしまうということを深く認識をしたところであります。
 最後に、歳入の問題で、一つは指摘をしておりますように税収の過小見積もりでありまして、先ほども指摘をしましたように、まあ一%程度は誤差のうちというのならばこれも十分理解はできますが、六%から八%も高い税収見積もりを誤るということは、ずさんであるという指摘もできるし、また意図的という分析もできるわけでありまして、これは国民の皆さんから税金をいただくという立場からいえば、責任を大いに問わなければならぬ問題であらうというふうに思います。
 なお、消費税の議論にもありましたけれども、私どもは昨年廃止の法律を出しましたときに、かわる財源についてかなり厳しい自民党さんからの指摘がありました。今回、政府側の見直し案によれば一兆円前後の減収を伴うわけでありまして、昨年の体験からいえば、減収になった分の代替財源をどうするという案を提示しなければ衆参の論理が一致をしないわけでありますが、そこは自然増収で逃げているということについては、一貫性がないというふうに私どもは言わざるを得ないのではないかというふうに思います。
 それからもう一つ、その点で非常に重大な点は、税金については少なくとも憲法、財政法からいって法定主義をとるというのが当然の措置でありますけれども、間々議論されましたものによりますと、卸、小売、二〇%、一〇%のみなしを、これを若干段階をつけて政令によりたいというふうにあえて税の法定主義というものをその他のルールで逃げ込んでしまうということは、ますます国民の税金に対する考え方をねじ曲げるものだ、そういう意味で歳入の点についても非常に私ども意見を持っているということについて、補強する意味で以上申し上げておきたいと思います。
#9
○議長(矢田部理君) 次に、白浜一良君。
#10
○白浜一良君 既にすべて反対理由は尽きているわけでございますが、特に私として強調したい点を何点かお話ししたいと思うのです。
 まず第一点は、たびたび強調されておりますが、消費税の問題でございます。
 歳入に組み入れられていることでございまして、いろいろ審議の過程で、二月の衆議院選挙、いわゆる自民党の見直し案が賛意を得たという、そういう話になっておりますが、実際は、例えば自民党に対する得票率で見ましたら過半数はないのでございます。まして、衆議院選挙が終わってから、議席の上では過半数を超えたわけでございますが、いわゆるこの見直し案が勝利したと思うかというそういう世論調査に対して、過半数以上はそれを否定しているわけですね。そういった面で、決して認められたわけじゃない。
 その理由は、もう既に御存じのように、見直しされたといっても逆進性の問題は残っているわけです。また、たびたび言われることですが、いわゆる簡易課税制度、限界控除の問題で、国民が貴重な税金を払っておりますのに国庫に入らない。これは本当に制度上の欠陥なんです。そういうことは全然論じられていないということを私どもは非常に大きく問題として考えているわけでございまして、ましてこの消費税導入の経過から見ましても、一たんこれは廃止して、もう一度やはり国民の意にかなう公平な税制改革というものをやるべきだ、これは大きな一つの理由でございます。
 二つ目は、予算全体を見ましても、生活者優先という視点での諸政策が非常に欠落している。
 戦後、日本は産業を育成しなければならないという、どちらかといいますと生産をベースにした諸政策をとってこられたわけでございますが、しかし時代は大きく変わりました。今国民が望んでいるのは、いわゆる限られた地球、限られた社会の中でどう私たちが力を合わせてより豊かな生活ができるかということが大きなテーマになっておるわけでございまして、そのための政策に乏しい。
 例えば、御存じのように土地行政の失敗というのが相当地価の高騰を招きました。いろいろ政府も答弁をされておりますが、実際、サラリーマン家庭でもう自宅を持てない、住宅を持てないというそういう現状があるわけです。まして住環境の面から見ましたら、下水道の普及率が三九%である。ヨーロッパの半分以下です。そういった生活関連の社会資本の立ちおくれというのは、経済大国と言われる割には本当に乏しい内容があるわけでございます。そういった面での生活者を優先する政治、そういった面でも私には納得できない点がある。
 三点目は、行政改革、財政改革に対する認識が不十分であると私どもは思っております。
 行革審の答申が出ておりますが、大半が検討中なんですね。本当に十分実行に移されていない。小さな政府というそういった意味からも諸政策を進めるべきである、そういうように思っておりますし、また、財政改革という面で見ましても、確かに百六十四兆円という公債残高があるわけです。政府は、赤字公債を脱却したと言いますけれども、実際、この十年間で租税負担率というのは五・六%も上がっているわけですね。ですから、実質的に見ましたら、国民に対する増税でこの赤字公債が脱却されたという事実はいかんともしがたい事実なんです。だから、そういう財政改革ということに対しましてももっと明確な目標を定めて、従来の予算編成も何か既得権化した事実があるわけですけれども、そういうものにもなたを振るうというそういう英断がなければ財政改革なんかできるわけがない。そういった面でも私どもは不満を持っております。
 四点目の理由は、たびたび言われておることですが、防衛費が突出しているということです。それも、要するに大事なことは、国際情勢の変化というものに対する認識というか、そういうものの甘さを感じるわけです。
 米ソ協調の時代に入った、また、韓ソ首脳会談が行われた。考えられてもいなかったことが実際起こっておるわけでございます。ヨーロッパだけでなしに、このアジアにも確実に一つの大きな時代の変化というものがあるわけです。どうもそれを先取りするような手を打っていらっしゃらない。従来の立場で固守されておる、そういうものを非常に私は感じます。実際、世界の流れから見ましたら、軍事費というのは二%ほど予算削減されている。そういう流れの中で日本だけが六・一%も平成二年度の防衛費は上がっているという、そういう事実でどれだけ国際的な理解を得られるかということが私は非常に心配であるわけであります。
 私どもの書記長が申しておりますが、防衛費は凍結をしていただきたい。そういう流れの中で国際協調、平和の流れをむしろ日本が主導権をとって探っていただきたい、そのように考えておりまして、そういった面で、政府の原案に対して反対の主張を私どもは持っております。
#11
○議長(矢田部理君) 次に、吉岡吉典君。
#12
○吉岡吉典君 今までいろいろ述べられた点に補足する意味で別の面から幾つか、若干ダブる点もあるかとは思いますけれども、意見を述べさせていただきます。
 一つは、参議院という一つの院が予算を否決したということの重要性、重みということをやはり真剣に考えていただきたいという問題です。
 憲法上衆議院が優先だから、これは参議院の意見を聞くまでもなくもう予算は成立させることができるということで済まされてはならない。一つの院の議決というものは重要な重みを持っているというふうに考えます。その点を私は、まず真剣に参議院側の意見というものにも耳を傾けていただきたいということを提起したいと思います。
 二番目の問題は、繰り返して強調された消費税の問題です。
 私も、参議院は消費税廃止を議決している、その消費税を導入した予算を提起されるということは、国会の一つの院の議決というものを全く無視する立場であり、参議院側がそういう予算に賛成できないということは、これはもう当然のことだろうと思います。
 この消費税の問題に関連しては、先ほどの意見の中では、国民の中に溶け込みつつあるという強調がありましたし、きょう参議院側の論議の中でも自民党側から、委員会でも本会議でも、定着しつつあるという意見が述べられました。私は、これはやはり事実認識が誤っているというふうに思わざるを得ません。というのは、今消費税を払わずには物を買えません。それから納税義務者は税金を納めなければ罰せられるわけですから、それは法律に決まったとおりに動いているわけですけれども、それをもって定着しているんだというふうに言うのは、これはやはり事実を正確にとらえないものであり、消費税導入の是非は私は改めてここで申しませんけれども、それは国民は、法律が通って強行されている以上、それに従わなければならない事態を、定着しているんだというとらえ方はできないということを申し上げておきたいと思います。
 もう一点は、私も軍事費の問題です。
 これは、強調された点は私繰り返そうと思いませんけれども、政府の国会での答弁を聞いておりましても、世界の大きな激動はこれはお認めになっている。そしてアジアの情勢についても、これは平和と軍縮の方向へ向かうことを願うということをおっしゃっておりますし、同時に、一体どこへどう向かうかということは今わからないということが強調されておるわけです。アジアの情勢が一体どういうところへ向かうかわからないという時期に、今度の本年度の予算に織り込まれている正面装備の内容を見ても、例えば五、六年先に取得する艦船等があるわけですね。そうすると、五、六年先のアジアの情勢というふうなものは一体どうなるのか、これは政府自身が見通しが立たないということを言っておいて、予算ではそれを織り込むということは、私は、これは防衛費が全体としてふえていることだけでなしに、個別の問題を取り上げてみても、そういうことではやはり五、六年たったころにはもう要らなくなっている情勢ということだってあり得るわけでして、こういうことはやはりもうちょっと慎重かつ真剣に考えていただきたいと思います。
 なお、参議院の論議の中でいろいろな強調があった点の一つで、地位協定上義務のないいわゆる思いやり予算という問題で、例えば教会まで日本の金でつくるとか、これは私のところの議員が予算委員会で取り上げて、タキシードだとかチョウネクタイまで思いやり予算でつくっている。私は、大体日本の国家予算で教会をつくってというふうなことは、これは憲法上どういうことになるだろうかという問題さえある問題だと思います。
 そういうふうな点からも、私は、やはり現在の情勢に照らして、また、安保条約に私どもは反対しておりますけれども、その安保条約に伴う地位協定に照らしてみても、やはり納得できない支出が多額に織り込まれている問題、これはぜひ考え直していただきたいというふうに思います。
 以上、私、特に述べておきたいと思います。
#13
○議長(矢田部理君) 次に、池田治君。
#14
○池田治君 この辺まで来ますと大体言いたいことが出尽くしてしまいまして、右に同じと言ってもいいのでございますが、一会派の代表でございますのであえて二点だけ強調したいと思っております。
 一つは、今もお話がありましたが、消費税の問題でございます。
 これは衆議院では見直し法案が提案されておりまして、衆議院では可決されるでしょう。しかし、参議院へ来ると、これは否決になる。また、野党が提案されている廃止法案も、参議院では可決されるけれども衆議院では否決される。こういう相打ちの状況になることは、今の政治情勢を前提にすれば明らかでございます。したがって、こういう争いのある中、両院の対立している状況の中で平成二年度予算に、歳入歳出に組み込んでおられる、この税収を組み込んでおられるというところに一つ問題があろうかと思っております。一日も早くこの問題も片づけてすっきりした形でやっていきたいと思いますが、それには、まず一たん白紙に戻して、新たに税制の問題を話し合うということを衆議院の自民党の先生方も真剣に受け入れていただいて話し合いを続けてもらいたいと思っております。
 それが一つと、もう一つは、国際情勢が変化してきているにもかかわらず、米軍の駐留費をどんどん増加して三五%ぐらいな駐留費になるだろう、こう言われております。
 私も去年ソビエトへ参りまして、ゴルバチョフの外交顧問のドブルイニンという人にお会いしました。この人のお話では、国際紛争を解決する手段としてはソビエトは今後一切武力は行使しない、こういうことも断言しておられましたし、事実、ソビエト経済が、今消費財が非常に不足しておりまして、その他の資材も不足して戦争遂行能力はないような状態になっていると思うのです。そして、ソビエト共産党一党独裁の支配から自由と民主主義を求める国に生まれ変わろうとしております。そのためにブッシュ大統領とゴルバチョフ大統領は三日前まで会談をしているわけでございまして、このような急激な世界の国際情勢の流れの中において、日本の予算だけは米軍駐留費を多額に認めて、防衛費も六%増加させる、こういうことは世界の潮流に反しているのじゃなかろうかと思っておりますので、私は、これらの予算に賛成できないわけでございます。
 どうか衆議院の皆さんもその点お考えになって新たな考えをしていただきたい、かように思っております。
 以上です。
#15
○議長(矢田部理君) 足立良平君。
#16
○足立良平君 私は最後でございますけれども、今回の予算をずっと見ておりまして一番考えなければならないのは、国民がゆとりというものを本当に実感できる、そういう諸施策というものを中心に置いた予算編成というものが今国内的にも、そして国際的に見ても求められているのではないか、このように実は考えておりまして、そういう観点から見ますと、例えば公共事業費の配分等一つとりましても、ここ数年間コンマ以下まで各省庁完全に同じ比率で配分をされているとかいうふうなことを見ますと、そういう点で若干今の情勢に対応し得るようなそういう状況にはなっていないのではないか、まず第一点にこのように思っておりますので、反対の理由の第一にその点を挙げておきたい、このように存じます。
 それから二つ目の消費税の関係でございます。
 消費税の関係については既に話をされておりますから、その理由あるいはまた根拠等については省略をいたします。ただ、自民党さんの方の見直し法案も、ちょっといろいろなテーマを私も拝見をしてずっと見さしていただいているのですけれども、実質的には政府の方も複数税率になったということを認められておりますが、この前提は、やはり何といいましても、帳簿方式なり実際的にその状態をつくり得る前提条件がちょっとまだ成っていないというふうに私は思えてならないわけでございまして、そういう面で、実際的には課税品目のいろいろな仕分けなり卸なり小売の区分等、まだまだ問題を内蔵しているのではないか、このように思っております。
 それから、これも先ほど出ておりますけれども、やはりこれからのいろいろな国際的な、例えば日米の構造協議等で出されているような問題点、いろいろな点一つとりましても、行財政改革、確かに相当の支出を伴ってくる内容を将来に持っていると私は思いますけれども、それだけに国の側における行政改革、財政改革含めてもっと真剣に取り組んでいかないと将来に大変問題を残しているのではないか、私はこのように思っているわけでございまして、それに対する取り組みが少な過ぎるというふうに私は考えているところでございます。
 その他、私どもとしては、特に地球環境の問題等含めて環境問題等につきましても、支出の側で歳出項目で組み替え要求も出しているところでございますけれども、それらにつきましても、今回政府あるいはまた自民党の側でその点について全く一顧だにされていない、こういう点等考えまして、私どもとしては反対をいたしたところでございます。
 以上です。
#17
○議長(矢田部理君) 宮下創平君。
#18
○宮下創平君 それでは、参議院の御意見に対して、時間の関係等もございますので、簡潔に申し上げたいと思いますが、それは、参議院側の否決の理由に五点挙げられております。それから、今それぞれの各委員からお話のあった点もこれらに関係いたしますから、各委員からの御意見は御意見として承っておくことにいたしまして、基本的に参議院の五つの理由につきまして、簡潔に私の方の見解を申し上げたいと思います。
 第一は、消費税を歳入歳出に組み込んで予算が編成されているという点、これはもういろいろ議論がなされておりますとおり、私どもとしては正しい税制改革の選択であったと思いますし、あくまでも存続、定着という前提に立って見直し法案を提出いたしておりますので、税制特別委員会も設置されたことでもありますので、十分な御論議を経て見直し法案の成立に向かっていただきたいというふうに考えております。
 それから第二の、税収見積もりの点でありますけれども、確かに結果的に見積もり時点における政府見通し等と変化があったことも事実でありますが、こういうことは大変努力が要ることですが、最大限に努力はいたしてきておるということ、それから、今まで、特にここ二、三年の税収の好調をもたらしてきたいわゆる三高二安と言われる要因がございましたが、こうした点も今後は変化するであろうと思われる点だけ指摘しておきます。
 それから、否決理由の第三として、国民負担率の問題に言及されておられます。
 確かに国民負担率は高齢化のピーク時五〇%を下回ることを目標とするという臨時行政改革推進審議会の答申の目標は容易ならざるものでございますけれども、これからも国、地方の歳出の合理化、あるいはまた社会保障についても、受益と負担の公平化等による制度の見直しですね、そしてまた本格的高齢化社会到来時における国民負担率の上昇を極力抑制するというようなことで、これからも最大限の努力を払うべきものと思っております。四一・四%という問題は当時試算をしたものでありまして、必ずしも政府として見通しまたは目標をオフィシャルに示したものではございません。
 それから、否決の第四、国際軍事情勢と防衛費の問題、防衛費突出、国民生活軽視という御指摘でありますけれども、今度の予算は、歳出面で徹底した合理化を図って、特例公債依存体質からの脱却を図っておるというのは、佐藤委員からも申し上げたとおりでございまして、限られた財源の重点的、効率的な配分に相努めております。そして国民生活充実等、時代の要請に的確に対応したものとなっておりまして、このことは社会保障関係費、公共事業関係費、文教、科学振興費、農林水産関係費、中小企業対策費等をごらんいただきましても、社会経済情勢の変化に適切に対応した予算措置であると考えております。
 防衛関係費につきましては、厳しい財政事情である中を勘案しながら、国のこれらの、今申し上げたような諸施策との調和を図りながら、効率的かつバランスのとれた防衛力を進めるための必要最小限度の経費が計上されておりまして、国際情勢の変化等、五人の方から御意見がございましたが、やはり基盤的防衛力整備ということに沿って行っているものでございます。
 それから、否決理由の第五として、国会審議、議決の対象として予算書が、あるいは租税収入見積もりの中身が紛らわしくてわかりにくいという御指摘でありましたけれども、予算書というのは、申し上げるまでもなく国会や国民にわかりやすく表現する必要があることと同時に、執行面からも能率的にできるように区分する必要がありますし、また監督の面からも責任の所在が明確になる必要があるという、これらのいろいろな要請を調和させたもので現在の予算書になっておりますが、これは予算書だけではなくて、参考資料等の工夫によって予算がよく理解されるような最大限の努力を払ってきておるところでありまして、いわゆる「租税及び印紙収入予算の説明」というものや「見積りの大要」というものを出しておりますが、あるいは予算審議の過程でいろいろ資料を出してわかりやすいものに極力努力しているところであります。
 以上簡潔に申し上げましたけれども、衆議院としては、可決した本予算を最善のものと考えておりますので、参議院側におきましても、本予算につきまして速やかに賛同されますようにお願いを申し上げまして、私の意見といたします。
 以上です。
#19
○議長(矢田部理君) 特に指名をいたしませんが、これまでの発言についてさらに御意見のある方がありましたら、どうぞ。
#20
○穐山篤君 それでは三十秒だけお願いしたいのですが。
 本日の予算委員会の最終の場面で、委員長見解として政治倫理問題についての見解が表明をされました。これは、与野党満場一致のものを委員長見解として取りまとめをして予算委員会で発表したものであります。
 中身について細かく申し上げることはないと思いますが、深谷郵政大臣の問題につきましては、審議に非常に支障を来したということを指摘をすると同時に、その政治的、道義的なあり方を求めている内容が一つございます。
 それからもう一つは、政治倫理確立について、海部内閣が特段の決意を持って努力しなければならないということも、あわせて見解で表明をされたわけでありますが、リクルート問題について再三予算委員会で中断の場面がありました。その上でこの委員長見解が出たものでありますので、参議院側としては非常に重く見ているわけであります。
 どうかその点につきましても衆議院側としても十分に検討をしていただいて、参議院の委員長見解の真意を十分に尊重していただきますように、あえて一言申し添えておく次第です。
#21
○議長(矢田部理君) ほかに御発言は。
#22
○野田毅君 聞き捨てなりませんので。
 これは予算の中身をどうしようかという協議をしておるものですから、参議院は参議院の見識においておやりになったことですから、そのことを私どもとやかく言うつもりはありません。私どもは、衆議院は衆議院の考えにおいて、もちろんいろいろな問題を予算委員会では審議をして、その上で予算の可決に至っておるわけでありますから、今お話がありましたけれども、そのことを我々が、衆議院においてまた別途承っておきますと言うわけにもいきませんので、話があったことはそうなんでしょうけれども、そのことだけは申し上げておきます。
#23
○越智伊平君 衆議院の予算委員会、参議院の予算委員会それぞれ審議しておりますから、予算全般のことについてはいろいろございましたからここの協議会でありますけれども、それらの問題につきましては、どちらも拘束しないようにやっていくというのが建前であろう、私はこう思っておりますので、そのことだけ一言申し上げておきます。
#24
○安恒良一君 拘束するという意味じゃなくて、こういうことがありましたということを紹介したわけです。
#25
○穐山篤君 申し添えますとさっき私は慎重に申し上げたところです。
#26
○安恒良一君 まあこれぐらいの議論にしておきましょう。
#27
○野田毅君 衆議院の方でも御検討くださいみたいなお話があったので、私は、それはそういうわけにはいきませんと。
#28
○越智伊平君 衆議院においては十分審議をしておりますから。
#29
○安恒良一君 わかっております。だから、こちら側はこういう状況でしたということを御報告した、こういうことにとどめておきましょう。それでいいじゃないですか、この問題は。
#30
○議長(矢田部理君) ほかに御発言はございませんか。
 それでは、速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#31
○議長(矢田部理君) 速記を起こしてください。
 参議院側、衆議院側双方から発言を求められておりますので、順次これを許します。参議院太田淳夫君。
#32
○太田淳夫君 参議院側としましては、ただいま趣旨説明及び開陳された意見を踏まえまして、この平成二年度予算三案に何らかの修正ないし削除を加えることは必要であろうと考えます。
 両院の議決が異なった場合には何らかの解決策を策定するのが両院協議会の目的でございますので、議長といたしましてはぜひともそうした運びをお願いしたい、これが参議院側の意見でございます。
#33
○議長(矢田部理君) 衆議院側原田昇左右君。
#34
○原田昇左右君 参議院側のお話は承りました。
 衆議院側としては、到底、参議院側の要請をお受けするわけにはまいりません。
 先ほどの衆議院側の佐藤、宮下両協議委員の発言で明快に述べられましたように、平成二年度予算は現状において最良、最善の予算であると考えます。また、本予算はその成立が大幅におくれており、一日も早い予算の執行が待たれているところであります。
 よって、憲法第六十条に基づき、国会法等の定める手続に従い、衆議院の議決どおりお願いいたしたいと存じます。
#35
○議長(矢田部理君) 種々御協議を願いましたが、意見の一致を見るに至りませんので、本協議会といたしましては、成案を得るに至らなかったものとして、各議院にその旨を報告するほかないと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○議長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 以上をもって本協議会の議事は終了いたしました。
 本日は、協議委員の皆様の御協力により議長を無事務めさせていただきました。ありがとうございました。
 これにて散会いたします。
    午後五時散会
ソース: 国立国会図書館
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