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1990/03/26 第118回国会 両院協議会・合同審査会等 両院協議会会議録情報 第118回国会 平成元年度一般会計補正予算(第2号)外二件両院協議会 第1号
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1990/03/26 第118回国会 両院協議会・合同審査会等

両院協議会会議録情報 第118回国会 平成元年度一般会計補正予算(第2号)外二件両院協議会 第1号

#1
第118回国会 平成元年度一般会計補正予算(第2号)外二件両院協議会 第1号
平成二年三月二十六日(月曜日)
    午後八時十分開会
    ─────────────
平成二年三月二十六日本協議委員は、衆議院議長
の指名で次のとおり選任された。
     野田  毅君     近藤 鉄雄君
     越智 伊平君     佐藤 信二君
     原田昇左右君     宮下 創平君
     谷川 和穗君     越智 通雄君
     中村喜四郎君     中村正三郎君
同日互選の結果、議長及び副議長を次のとおり選
任した。
            議 長 野田  毅君
            副議長 近藤 鉄雄君
同日本協議委員は、参議院議長の指名で次のとお
り選任された。
     穐山  篤君     菅野 久光君
     鈴木 和美君     矢田部 理君
     安恒 良一君     太田 淳夫君
     高木健太郎君     吉岡 吉典君
     池田  治君     足立 良平君
同日互選の結果、議長及び副議長を次のとおり選
任した。
            議 長 矢田部 理君
            副議長 太田 淳夫君
    ─────────────
 出席協議委員
  衆議院
   議 長 野田  毅君
   副議長 近藤 鉄雄君
     越智 伊平君     佐藤 信二君
     原田昇左右君     宮下 創平君
     谷川 和穗君     越智 通雄君
     中村喜四郎君     中村正三郎君
  参議院
   議 長 矢田部 理君
   副議長 太田 淳夫君
     穐山  篤君     菅野 久光君
     鈴木 和美君     安恒 良一君
     高木健太郎君     吉岡 吉典君
     池田  治君     足立 良平君
 協議委員外の出席者
  衆議院事務局
        委 員 部 長 平野 貞夫君
        予算委員会調査
        室長      多田 俊幸君
  衆議院法制局
        第 一 部 長 坂本 一洋君
  参議院事務局
        委 員 部 長 黒澤 隆雄君
        常任委員会専門
        員       宮下 忠安君
  参議院法制局
        第 四 部 長 駒澤 一夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成元年度一般会計補正予算(第2号)
○平成元年度特別会計補正予算(特第2号)
○平成元年度政府関係機関補正予算(機第2号)
     ─────・─────
    〔矢田部理君議長席に着く〕
#2
○議長(矢田部理君) これより平成元年度一般会計補正予算(第2号)外二件両院協議会を開会いたします。
 抽せんにより、私が本日の両院協議会の議長を務めます。どうぞよろしくお願いいたします。
 この際、御報告いたします。
 衆議院の協議委員議長には野田毅君、副議長には近藤鉄雄君が、また、参議院の協議委員議長には私、矢田部理、副議長には太田淳夫君が選任されました。
 両院協議会は、国会法第九十七条の規定により、傍聴を許さないことになっておりますので、協議委員並びに協議会の事務をとる職員以外の方は御退席を願います。
 先ほどの両院の協議委員議長及び副議長の打合会における申し合わせに基づきまして、初めに各議院における議決の趣旨について御説明をいただいた後、協議に入ることとし、説明の順序は、まず衆議院側から御説明を願うことにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○議長(矢田部理君) 御異議ないと認めます。
 それでは、衆議院側から御説明を願います。佐藤信二君。
#4
○佐藤信二君 衆議院における平成元年度一般会計補正予算(第2号)外二案の議決の趣旨につきまして御説明申し上げます。
 本補正予算は、災害復旧等事業費、国家公務員の給与改善費、地方交付税交付金、厚生保険特別会計への繰り入れ、住宅金融公庫交付金及び国鉄清算事業団補助金など特に緊要となった事項について措置を講じているものでありまして、これらの内容は妥当と認め可決いたしたものであります。
 もとより、本補正予算は、国民生活にとって極めて重要なものであり、その成立が急がれているものであります。
 両院協議会といたしましては、衆議院の議決どおり意見の一致を見ますよう、御賛同をいただきたく、お願い申し上げる次第であります。
 以上であります。
#5
○議長(矢田部理君) 次に、参議院側から御説明を願います。安恒良一君。
#6
○安恒良一君 参議院側が平成元年度一般会計補正予算(第2号)外二件を賛成少数で否決した議決の趣旨を申し上げたいと存じます。
 初めに、参議院における審査の経過を申し上げます。
 参議院予算委員会においては、平成元年度補正予算三案につきまして、三月七日に大蔵大臣から趣旨説明を聴取し、衆議院側からの送付を待って、二十三日及び二十六日の二日間、熱心な質疑を行ってまいりました。
 質疑を終局後討論に入り、採決の結果、平成元年度補正予算三案は賛成少数で否決すべきものと決定いたしました。
 なお、質疑終局後、日本社会党・護憲共同を代表して、矢田部理委員から平成元年度一般会計補正予算及び平成元年度政府関係機関補正予算の修正案が提出されましたが、採決の結果、賛成少数で否決されたことを申し添えたいと存じます。
 予算委員会散会後、直ちに参議院本会議に上程され、予算委員長の報告、討論を経て採決の結果、平成元年度補正予算三案は、賛成少数で否決と決定した次第であります。
 次に、参議院側が平成元年度補正予算三案を否決した理由につきまして、その要旨を申し述べます。
 まず第一は、本補正予算には、財政法第二十九条の補正予算編成の要件から見て、妥当性を欠く経費が多々計上されているということであります。
 すなわち、農山漁村振興基金及び芸術文化振興基金等六基金を設立するための経費やプルトニウムの海上輸送に伴う警備救難体制の強化のための護衛巡視船の新造等の経費などは、財政法第二十九条に規定する追加補正の範囲を逸脱しており、いずれも、慎重な審議を必要とする政策的経費であります。
 また、水田農業確立特別交付金は平成二年度に実施される水田農業確立後期対策向けのもので、特段、本補正予算に計上する緊要性に乏しいのであります。
 さらに、政府の予算編成の基本方針であります概算要求基準(通称シーリング)によって、平成元年度当初予算に計上困難となった経費の補正計上、及び平成二年度予算編成ではみ出す経費を先取りして本補正予算に計上したもの等が見受けられ、これは予算編成方針に反すると同時に、会計年度独立の原則からいっても見過ごせません。
 第二は、本補正予算は、税の過小見積もりに起因する税の大幅自然増収を背景に、当初の緊縮型予算に逆行する大型補正となっていること、税の取り過ぎに対する反省がなく、本来取り過ぎの税は減税措置等がなされるべきなのにそれがなされていないことであります。
 ここ数年度を通じた政府の税収見誤りは、予算を審議する国会側として容認できない上に、さらに、本補正では、三兆二千億円余が増額修正されております。こうした連年の税収の見誤りは意図的ではないかとの疑問が提起されているほか、補正段階で歳出予算を膨張させ、安易な財政放漫化の危険性を指摘せざるを得ません。
 しかも、税収の過小見積もりに伴う本年度三兆二千億円余の自然増収は、消費税収入額に匹敵する増税相当分であって、税の取り過ぎ分は減税等として措置することが至当でありますが、そうした措置は全く無視されてしまっております。
 第三は、税の大幅な自然増収にもかかわらず公債発行額の縮減が十分に行われていないことであります。
 我が国財政は、特例公債依存脱却の目標達成を目前にしておりますが、公債残高百六十四兆円、国債費が歳出の二割を占めるなど、厳しい財政事情にあることは周知のところであります。したがって、公債発行額の縮減は大きな課題でありますが、そうした中で、本補正では四条公債の増発を行っており、理解できません。百歩譲っても、災害復旧事業費相当分を超える増発は精査すべきが当然であります。
 特に、四条公債の増発が、第一の理由で述べた基金新設等のための出資金等の財源に充てられていることは問題であります。
 本補正予算では、四条公債並びに特例公債いずれも、政府提案以上の削減が必要であり、かつ、それは十分可能だということであります。
 第四は、予算書等の公表文書では農業や中小企業の振興等をうたいながら、実態は国民が撤廃を求めている消費税存続のための支出であったり、自民党の総選挙対応であるとの批判があることであります。これは、財政運営を誤るものであり、税金の使い方として許されるべきではありません。
 また、消費税を撤廃ないし凍結し、不公平税制の抜本改革を中心とした国民合意の税制改革を進めることは重要な政治・財政課題であるにもかかわらず、そうした措置も配慮も無視されております。
 このほか、否決の理由は多岐にわたりますが、以上をもちまして、参議院側の平成元年度補正予算を否決した議決の趣旨説明を終わります。
 両院協議会といたしましては、参議院が指摘した補正予算三案に反対する諸事項を除去することによって、本補正予算が成立できるよう、御賛同いただきたく、お願い申し上げる次第であります。
#7
○議長(矢田部理君) 以上で各議院の議決の趣旨についての説明は終わりました。
 これより協議に入ります。
 先ほどの議長、副議長の打合会の申し合わせに基づき、御意見のある方の発言を許します。穐山篤君。
#8
○穐山篤君 では、三分以内で補足をさせてもらいます。
 今報告がありましたように、参議院では、修正案が提出をされましたが、少数で否決になり、最終的に原案が否決になったという経緯であります。したがって、参議院の議論としては若干の違いがあったということも十分御了解をいただきたいと思います。
 ただ、共通をしておりますことは、まず第一が、財政法二十九条ののりを越えたものがたくさん提出をされている、そののりを越えた諸問題というのはほとんど国の政策の基本にかかわる問題である、そういう認識から否決をされたということは共通点であります。
 なぜそれほど参議院側が財政法二十九条を含め非常に歳入歳出、財政運営についてかたくなな態度をとっているかということについて、若干申し上げる必要があると思うのです。
 時間の関係で典型的な例だけを申し上げたいと思いますが、例えば、例でありますが、昭和五十九年に財確法の審議がございました。その際に、特例公債の借りかえという問題が提起をされたわけでありまして、これは国債管理政策上非常に重要な問題であるというところから満場一致で附帯決議が付されまして、御存じだと思いますけれども、日本銀行にかかわる特例公債、建設国債別の保有残高の四半期ごとの状況報告であるとか、あるいは国債整理基金特別会計への繰り入れ状況などについて毎年報告するというふうに、従来衆参両院で扱われていなかったものが参議院で前例を開いた例があるわけであります。
 それからもう一つ、暫定予算の編成の問題について、昭和六十一年、当時、原文兵衛予算委員長の予算委員長見解として、予算の空白は許すわけにいかない、したがって、四月一日、二日、三日、そういう空白を置いてはならないので、暫定予算については、どうしても編成しなければならない場合は四月一日から暫定予算は編成すべきものである、予算委員長の見解がこれまた提示をされて満場一致で承認をされたという経緯があるわけです。
 最近の事例としては、予備費の支出の承認の問題に関しまして、さきの国会で、昭和六十二年度の予備費の支出について是認をしないという、これまた全く新しい例を開いているわけです。
 言いかえてみますと、衆参両院とも憲法とかあるいは財政法について忠実であることは議論をまたないところでありますけれども、私ども参議院側としては、過去そういう前例を開いた実績に基づきまして、財政民主主義の見地からいいましても財政法二十九条はしっかり守っていかなければならない、そういう院の決意が今回の状況になったということを十分にひとつ御了解をいただきまして、なろうものなら、この際、衆議院でも胸襟を開いていただきまして十分な対応を検討いただきたい。
 以上申し上げて、意見にかえます。
#9
○議長(矢田部理君) 吉岡吉典君。
#10
○吉岡吉典君 簡単に申し上げます。
 一つは、消費税を当然の前提としたものだという点について賛成しがたいものだということです。
 それから二番目の問題は、今詳しく述べませんが、これをどう広く解釈しても財政法の精神に反するものだという点でこの補正予算には賛成しがたいというのが二番目です。
 もちろん、一部国民の要求を反映するものがあるとはいえ、財政法に反して予算のあり方をゆがめるようなことがあってはならないというふうに言わざるを得ませんし、そういう点で、例えば給与改善費等は当然当初予算から予定をしておくべきものだというふうに考えます。
 それから、特に具体的な問題で、生活保護費の削減、国立学校運営費の削減など福祉、教育予算が一層減額されている。その一方、給与ということになってはいますが、軍事費は総額で一層ふえる。また、プルトニウムの海上輸送に関連する予算という点でも、我々は同意しがたい内容を持っているものです。
 プルトニウムの海上輸送関係予算については、先ほどの院側の説明で慎重な審議を必要とする政策的経費だということがありましたが、私はこのことについて一言つけ加えますと、我々が国会でこの法案の、日米原子力協定を承認を求められたときには、空輸ということになっておりました。論議はすべて空輸ということで行われ、政府の説明は行われ、本会議での外務委員長の報告の中でも空輸によって行うということが合意されているということが論議されて、それで承認して、出てきた予算では海上輸送になっている、こういう関係になっております。もちろん、この実施取極のその後の修正等があったにしろ、国会で承認した側から見れば、空輸だという説明をしておいて、海上輸送の予算が審議もなしに出てくるということは、私はどうしてもこれは許し得ないというふうに思いますので、皆さん方の御検討をお願いしたいと思います。
#11
○議長(矢田部理君) 池田治君。
#12
○池田治君 まず、反対の第一の理由は、超大型補正予算で五兆一千五百二十億ということでございます。
 我が国の財政が豊かで、金が余ってどこへでも使えるほどあるのなら結構でございますが、百六十兆円を超える公債の残高が残っておるときに、自然増収がたくさんあったからといって、それを場当たり主義的にいろいろな基金をつくって消費してしまう、こういう政府の態度は、百六十兆を超えるものをどうして償還するという計画があるのでしょうか。長期的財政再建という立場からは全く反している財政方針だと私は思っています。
 そこで、各種基金等の設立がされましたが、これもまた、たまたまだったのか、それとも偶然だったのか、必然的になったのか知りませんが、衆議院の総選挙の直前にこういう基金の制度をつくられて、はい、農村にはこういう金をまきますよ、中小企業にはこうしますよと皆さんおっしゃって、衆議院では選挙をやられた。こういう点も私はちょっと気にかかるところでございますが、これは、しかしながら、内容的にはかなり国民生活の向上、文化の向上、こういうものに役立つものだと思っておりますので、法案には特段の反対をしておりませんけれども、それで財政が許すならこれも結構なことでございますが、補正予算に組むというのは、財政法二十九条の趣旨に反してこれは全く場違いなものだと思っています。
 特に、財政法二十九条というのは、戦争中、本予算で組めない予算を、軍事費を組むものを皆この補正で組んでいって、最後は財政破綻のような状態になった。こういう国家百年の大計を考えるときには、こういう予算の組み方は私はもってのほかだ、こういう理由で反対をしております。
 いろいろありますが、時間の都合でこのぐらいにしておきます。
#13
○議長(矢田部理君) 足立良平君。
#14
○足立良平君 簡単に申し上げたいと思います。
 まず一つは、これは先ほども出ておりましたけれども、補正予算としての枠を超しているのではないかということが一つであります。その考え方につきましては、先ほどそれぞれ各委員の方から出ているとおりであります。
 それから二つ目でございますけれども、近年、意図的とも思われる税収の過小見積もりが行われているわけでございまして、これはしばしば今日まで問題になってきたところでございます。したがいまして、そういう安易な税収見積もりを基礎としての補正の予算編成は極めて遺憾だ、私どもとしてはこれは容認ができないということが二つ目でございます。
 それから三つ目といたしまして、行財政改革が極めて不十分なのではないかということでございまして、隠れ借金の一部返済など相当あるわけでございますけれども、いかにもこれは少な過ぎる、このように考えておりますので、以上の観点から政府の原案につきまして民社党としては反対をする、こういうことにいたした次第でございます。
 以上です。
#15
○議長(矢田部理君) 宮下創平君。
#16
○宮下創平君 衆議院側の見解を申し上げたいと思います。
 総括的には先ほど佐藤委員の方から御説明したとおりでありますが、冒頭に安恒委員の方からお読みいただいたものに大体今四方の御意見も集約されていると存じますので、その点について私の方から簡潔に申し上げたいと思います。
 参議院側の否決の第一の理由が、財政法二十九条の補正予算編成の要件から見て妥当性を欠く経費ではないか、こういう御指摘でありますけれども、これは衆議院の予算委員会においても御議論がなされましたとおりでありますが、これらの経費は、いずれも、最近の諸情勢の変化に適切に対応して、国民生活なり国民経済の安定向上のために特に緊要性を持ったものであるということで政府側も御説明申し上げておりますし、財政法二十九条に言う「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費」に該当するものでありまして、適切なものである、このように考えております。
 個々の項目についての反論は、これは衆議院の予算委員会でも議論されましたが、この点の問題は時間の関係上割愛させていただきますが、ただ、財政法二十九条に規定する追加補正の範囲を逸脱しているほか、政策的経費であるということがいけないんだという趣旨のことも述べられておりますけれども、財政法二十九条は、言うまでもなく、「法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足」を補う場合、それから二番目として、「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出」を行う場合等を二十九条は規定しておりまして、当初予算に計上されていない経費でありましても、予算作成後に生じた事由に基づきまして緊要となった問題であれば、政策的経費であっても、これは特段問題はない、この要件に合致していれば問題はないというように考えております。このことを申し上げておきます。
 それから、当初予算で計上すべきものを補正回しにしたのではないかという御議論も述べられておりますけれども、本補正予算に計上されている経費は、いずれも、ただいま申しましたような二十九条の補正事由に該当するものでございまして、政府の予算編成の方針に反するものではございませんし、国民生活あるいは国民経済に真に必要なものばかりであるということで、私どもは評価をいたしております。
 それから第二番目の理由として、税の過小見積もりに起因する税の大幅自然増収を背景にして、当初の緊縮型予算に逆行する大型補正となっておるという御指摘がございましたが、予算規模は五兆九千億弱で、御案内のとおりでありますが、この中身は、地方交付税の交付金とか、国債整理基金特別会計への繰り入れとか、特例的な歳出削減措置の返済等隠れ借金の返済で、財政体質の改善を大幅に図る内容となっておりますから、ただ大型であるということだけで適当ではないというのは当たらない、こう思います。
 それから、むしろこれだけのあれがあれば減税をすべきではないかということでありますけれども、これは、御案内のとおり、今回の消費税の創設とあわせまして、税制の基本的改革の中で、所得税、住民税合わせまして両年度五兆五千億の大規模な所得減税を実施しているところでございまして、中堅所得者層を中心とした重税感、負担累増感は大幅に緩和されているということでございますから、私どもは減税は適当でないというよ、に考えております。
 なお、意図的な税収の見積もりではないかという指摘もございますけれども、税収の見積もりは、これだけの経済変動がありますときには、なかなかぴったりと合わないということも間々ございます。特にここ二、三年は、三高二安と言われるように、株、円、土地の高騰、それから原油、金利の安さというような諸条件のもとに自然増が見込まれたものでございまして、これは意図的に過小見積もりをしたというようなものでもございません。経済の見込みの結果であろうかと思っています。
 それから第三番目の、税の大幅な自然増収にもかかわらず公債発行額の縮減が十分行われていないではないかという御指摘でありますけれども、公債には四条公債、いわゆる特例公債でない四条公債と、赤字公債である特例公債の二つがありますが、特例公債の方は、これは御案内のように平成二年度予算では発行ゼロということで、財政再建計画の達成がほぼ見込まれておりますが、この補正予算においても六千五百億円の減額、縮減を行っておりまして、ただし、その相当額を四条公債の対象経費であります災害復旧費等に充てるために同額の四条公債発行をしていることは御案内のとおりでございまして、全体として公債発行の増発ということを回避しておりまして、財政体質改善のために最大限努力しておる、こういうように私どもは存じております。
 それから、出資金等の財源に充てるというのは、これは財政法の四条でも、もう規定をお読みいただけばわかりますように、このことは財政法上何ら問題はないことでございます。
 それから第四番目に、農業や中小企業の振興をうたいながら、消費税存続のための支出であったり、自民党の総選挙対策じゃないかということでございますけれども、我々といたしましては、国民生活、国民経済に的確に対応するということで、緊急性の高い施策をいろいろ盛り込んだものでございまして、衆議院としてはこのような政策の緊要性を認めまして本補正予算を可決したものでございまして、消費税対策だとかあるいは選挙対策との批判は全く当たらないものであるというふうに考えております。
 以上、四点の御指摘に対してかいつまんで申し上げましたが、衆議院側としては、可決いたしました本補正予算を最善のものとして考えておりまして、参議院側におかれましても本補正予算に対しこの場で改めて速やかに賛同されんことを願うものでございます。
 以上でございます。
#17
○議長(矢田部理君) 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#18
○議長(矢田部理君) それでは、速記を起こしてください。
 参議院、衆議院双方から、おのおの一名、見解が述べられます。参議院太田淳夫君。
#19
○太田淳夫君 参議院側といたしましては、ただいま趣旨説明及びいろいろ意見を開陳をいたしました。今回のこの補正予算三案に対しましては、私どもとしましては、何らかの修正または削除を加えることが必要だろう、このように判断いたしております。
 今回のこの両院協議会の目的につきましては、両院の議決が異なった場合にはやはりお互いにそれぞれ討議し合って何らかの解決策を策定するものだ、このように私たちは思っておりますので、ぜひともそうした取り運びをお願いしたい、こう要望いたします。
#20
○議長(矢田部理君) 衆議院原田昇左右君。
#21
○原田昇左右君 お話は承りました。
 衆議院側といたしましては、御要請のとおりやるわけにはまいりません。この補正予算は、国民生活に深い関係がありますし、また、我が国の国際的な責務を果たす上で極めて重要と存じます。よって、我々は、憲法六十条に基づき、国会法等の定める手続に従い、衆議院の議決どおりでお願いいたしたいと存じます。
#22
○議長(矢田部理君) 種々御協議を願いましたが、意見の一致を見るに至りませんので、本協議会といたしましては、成案を得るに至らなかったものとして、各議院にその旨を報告するほかないと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○議長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 以上をもって本協議会の議事は終了いたしました。
 本日は、協議委員の皆様の御協力により議長を無事務めさせていただきました。ありがとうございました。
 これにて散会いたします。
    午後八時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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