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1990/04/20 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第3号
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1990/04/20 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第3号

#1
第118回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第3号
平成二年四月二十日(金曜日)
   午後一時三十一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     対馬 孝且君     三上 隆雄君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         小山 一平君
    理 事
                大木  浩君
                中曽根弘文君
                及川 一夫君
                白浜 一良君
                高崎 裕子君
                古川太三郎君
                足立 良平君
    委 員
                合馬  敬君
                狩野 明男君
                川原新次郎君
                鈴木 省吾君
                田辺 哲夫君
                永田 良雄君
                藤井 孝男君
                向山 一人君
                角田 義一君
                西岡瑠璃子君
                西野 康雄君
                三上 隆雄君
                中野 鉄造君
                星野 朋市君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        大平 芳弘君
   参考人
       流通産業研究所
       所長       小山 周三君
       社団法人日本自
       動車販売協会連
       合会会長     上野健一郎君
       日本チェーンス
       トア協会理事   菊地 照雄君
       全国商店街振興
       組合連合会理事
       長        山本 勝一君
       主婦連合会常任
       委員       加藤 真代君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○産業・資源エネルギーに関する調査
 (我が国流通構造の直面する課題と対応に関する件)
    ─────────────
#2
○会長(小山一平君) ただいまから産業・資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十九日、対馬孝且君が委員を辞任され、その補欠として三上隆雄君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(小山一平君) 産業・資源エネルギーに関する調査を議題とし、我が国流通構造の直面する課題と対応に関する件について、参考人から意見を聴取いたします。
 本日は、お手元に配付の参考人名簿のとおり、五名の方々の御出席をいただいております。
 初めに、流通構造・流通系列化の実態について、流通産業研究所所長小山周三君並びに社団法人日本自動車販売協会連合会会長上野健一郎君から意見を聴取し、続いて、大型店出店調整制度について、日本チェーンストア協会理事菊地照雄君、全国商店街振興組合連合会理事長山本勝一君並びに主婦連合会常任委員加藤真代君から意見を聴取いたします。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、大変御多忙中のところ本調査会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。皆様から、我が国流通構造の直面する課題と対応について忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の調査の参考にいたしたいと存じます。
 議事の進め方といたしましては、参考人の方々からそれぞれ二十分程度御意見をお述べいただいた後、委員の質疑にお答えいただく方法で進めてまいりたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、最初に小山参考人、お願いいたします。
#4
○参考人(小山周三君) ただいま御紹介いただきました流通産業研究所の小山と申します。
 日本の流通構造と流通系列化の実態及び問題点につきまして、私なりの意見を申し述べさせていただきたいというふうに思います。お手元の資料に基づきまして御報告を申し上げたいと思います。
 まず第一に、日本の流通構造の特徴についてごく簡単に御説明させていただきたいと思います。
 既に御案内のとおり、日本の流通構造につきましては、流通担当企業の数が非常に多い、多数性という点に特徴があったり、あるいはその機能を担う企業の規模が小規模であるというふうな点でありますとか、あるいは生産者から消費者までの流通段階が非常に多段階であるというふうな問題でありますとか、あるいは本日後段の部分で申し上げます流通系列化というふうな特徴が見られるとか、あるいは他国には見られない複雑な取引慣行があるのではないかというふうな、さまざまな日本の流通構造の特徴について指摘をされているわけでございますけれども、まず前段におきましてこの問題についてごく簡単に御説明を申し上げたいと思います。
 多数性の問題については、一番最初の表一にありますとおり、人口一万人当たりの小売店舗数あるいは卸売店舗数というふうなことで諸外国と比較してみますと、相対的に日本の方が数が多いというのは事実でございます。
 それから、二番目の小規模性という点についてよく問題になるわけでございますけれども、これも表二を見ていただきますとおわかりだと思いますが、従業員規模の点から見ますと、例えば一人から二人の小売業に限って申し上げますと、商店数が全体の五四%を占めるというふうな点で、日本の商業の構造というのは非常に小規模ではないかということが商業統計調査の表その他について言えるかと思います。卸につきましても一人、二人あるいは三人四人という零細な規模の数が全体の中で非常に高い比率を占めているというのが日本の商業の実態でございます。
 二ページ目、多段階性についてでございますけれども、よく日本の流通機構の多段階性について数字で示されるわけですが、その場合に、卸売の販売額と小売の販売額、この比率でもって多段階なのかどうかということがあらわすことができるわけでございますけれども、表三を見ていただきますとおわかりのとおり、卸売の販売額と小売販売額の比率というのは、過去ずっと経過をたどって見てみますと、大体三・七倍から四・二倍ぐらいの間で推移をしているという、小売販売額一に対して卸販売額が四、こういう数字が示すとおり、他の国と比べますと約二倍ぐらい卸の販売額の比
率が高いのではないか、こういうことが言われております。これは表三が示すとおりでございます。
 ただし、一口に流通と申しましても生産財の流通から私たちの生活に必要な消費財にかかわる流通、すべて流通ということになってしまうわけですけれども、表四のところで見ていただきたいんですが、消費財に限って卸と小売の販売額比率ということで国際比較をしてみますと、日本が二・二倍、アメリカが一、フランスが〇・七三、西ドイツが〇・九ということで、表三の比率よりは狭まるといいますか、縮小するというふうな傾向があります。
 ということで、実際には個々の商品をとって見ないと正確なところはわからないんですが、よく言われています表三の数字、卸、小売比率が大体四というのはかなりこれは大きく出た数字で、もう少し業種ごとに限って見てみますと必ずしもそれほど開きがない分野もあるというふうなことを申し上げることができるかと思います。
 以上、日本の商業構造の大きな特徴点について触れたわけでございますが、もう一つ、商業構造とはちょっと角度を変えまして流通系列化の特徴については後で申し上げたいと思うんですけれども、三ページ目の取引慣行の点におきまして、リベート体系とか返品制度とか口頭契約とか、諸外国と比べた場合に日本固有の取引慣行が幾つかあるのではないか、こういう指摘がございます。特に複雑な取引慣行と言われる中には、取引関係が非常に長期継続化しているのではないか、こういうふうな指摘もございます。この辺の問題についても後でもう少し詳しく申し上げたいと思います。
 日本の流通構造というのは、今申し上げましたように多数性とか小規模性とか多段階性あるいはその取引慣行等においてある種の特徴があるということを申し上げたんですが、果たしてそういう構造や特徴を持った日本の流通機構というものの効率性という点で見るとどうなのかということを三ページ目の表五で示してあるわけですけれども、表五を見ていただきますとおわかりのように、流通マージン率、販売額から仕入れ額を引いたいわゆる付加価値といいますか、流通マージン率ということでアメリカや西ドイツ等と比較してみますと、アメリカよりは日本の商業流通マージン率は高くなっておりますけれども、西ドイツや英国あるいはフランスというふうな国と比較してみますとそれほど大きな差がないということで、さっき申し上げました数が多いとか、規模が小さいのではないかとか、あるいは多段階にわたった流通活動が見られるのではないかという、こういう問題と流通の非効率性とは一応分けて考えないと、それが直ちに非効率ということにはならないということがこの表で示されているわけでございます。
 以上、日本の流通構造の特徴について申し上げたんですが、その中で流通系列化と取引慣行の面で幾つか実態及び特徴的なことを次に申し上げたいと思います。
 まず、流通系列化という言葉がよく使われるわけでございますが、一体どういう意味なのか。この流通系列化についてもいろんな考え方があるかと思いますが、公正取引委員会等で定義しております流通系列化という意味は、ここに書いてありますように流通段階が組織化されているという、こういう実態を伴っている場合、それからテリトリー制とか、一手販売権の付与とか、あるいは競争品の取扱制限、いわゆる専売制といいますか、そういうふうなある種の取引条件を伴って流通段階が組織化をされている、こういう場合を普通は流通系列化というふうに呼んでおります。なおかつ、その組織化した販売網というものをある意味ではコントロール、あるいはある種の販売政策の目標に向かってリーベトというふうな一つの取引形態というふうなものがしばしば使われる場合がある、こういう形態のことを流通系列化というふうに定義をここではさせていただきたいと思います。
 実際にどういう分野で流通系列化が顕著な形で見られるかどうかということですが、代表的な業種といたしましては自動車とか家電製品とか、あるいは化粧品等の分野におきまして流通系列化が見られる。お隣の上野さんが自動車については詳しく申されますので、私はこれには余り触れないようにいたしますが、四ページ目の図の一というのが日本の自動車の流通形態、流通チャネルをあらわした図でございます。
 三つぐらいの形態に分けることができると思いますが、一つの方式はメーカー自身が自分の販売会社を組織して、その販売会社のもとでディーラー、場合によりますとサブディーラーを使って最終消費者に自動車を販売していくというチャネルが一つあります。二番目に、直販方式と申しますか、メーカーみずからが販売機能を持ってディーラー、そしてエンドユーザーに販売をしていく、こういう方式が二番目にあるかと思います。三番目に、業販方式といいますか、メーカーが自分の営業所を通じて取扱店、そしてユーザーの最終消費者に販売をしていくという、こういう三つの形態があるというふうに申し上げておきたいと思います。
 家電製品につきましては、図の二というところに家電製品の流通チャネルを示してございますが、メーカーが系列化した販売会社ないしは独立した販売会社を経て、系列小売店、量販店、あるいはスーパー、百貨店等の大型店、あるいは郊外型の量販店、ディスカウンター等の小売を経由して商品を販売していく、こういうチャネルが家電製品については形成されております。
 次に五ページの表六、今度は家電製品の小売チャネル、今申し上げましたチャネルの中でどういう販売比率になっているかどうかというものを表六で示してございますが、見ていただきますとおわかりのように、系列小売店を通じて販売しているシェアが最近では特に低下をしております。逆にふえておりますのは家電量販店とスーパーの二つ、あるいはディスカウンターという新しいタイプ、この辺の大型店がふえて、従来の零細なというとちょっと変なんですけれども、いわゆる中小小売店を系列店というふうに組織をして販売してきた従来型の系列店チャネルのシェアはかなり後退をしてきている、五〇%を完全に割るような状況にあるということがこの表を通じて申し上げられると思います。
 化粧品につきましては図の三にチャネルを図示してございますけれども、特に化粧品につきましては小売段階への拘束性というものが他の業種に比べますと比較的緩いというふうな特徴がございます。
 今申し上げましたのが流通系列化の意味するものでございますが、そういう流通系列化というものがある種の取引慣行を伴って組織化されているということで最近取引慣行が大きな問題、いわゆる日米間の構造協議の対象になっているわけでございますけれども、どんな日本的慣行が見られるかということを見てみますと、例えば返品制とか、リベート体系がやや複雑ではないかというふうな形態とか、建て値制とか、派遣店員制とか、こういうふうな取引慣行が流通系列化と同時に使われているというのが実態でございます。
 それから、日本の流通系列化に特徴的なこととして言えることは、今申し上げましたような取引慣行と系列店制度というものが組み合わされているということで、ある意味では流通チャネルを安定的にしているという効果を生むと同時に、場合によりますと価格を初めとする競争に対してやや阻害的になりやすいといいますか、そういう二面性があるということを申し上げておきたいと思います。
 返品制につきましては、販売業者側のメリットとしてはある種のリスクやコストというものを供給業者と分担し合うというふうなメリットがございますが、逆に供給者であるメーカー側のメリットとしてどういうことが言えるかといいますと、値崩れを防止するというふうな目的のもとに返品制が活用される場合がありますし、あるいは値崩れによって製品のイメージが低下するのを防ぐと
いうふうな意味で返品制度のようなものが利用されているということです。
 この問題点がどこにあるかということを申し上げますと、価格の決定権が小売の側にはなくて価格がやや硬直化しやすいというふうな問題点、あるいは返品制度というものが恒常化しますと販売が非常に安易になるということで、結果的には割高な価格設定になるのではないか、こういうふうな問題が考えられます。
 それから、リベート体系の問題について申し上げますと、このリベート制度というのはどこの国にもある制度なんですが、やや違った性格のものが若干日本に見られるのではないか。それは四角でくくりました中の点線の下の部分でございますが、諸外国によく見られるリベート体系というのは、普通、数量割引でありますとか、あるいは現金で払った場合の支払い条件に対するリベートの支給でありますとか、あるいは販売促進目的のためにある率のリベートが支払われるという、こういうやり方はどの国でも行われているわけですけれども、やや日本的ではないかと思われるリベートというのは、C特定メーカー商品の取り扱い比率が高い場合に占有率リベートを出すとか、あるいはD特定メーカー商品の販売量に応じて累進的にやや高くなるようなリベートを出す累進リベートでありますとか、E価格維持やメーカー指定販売方式をきちんと守ってくれた場合に支給される忠誠リベート、その他いろんな形のものがあると思いますが、このC、D、Eあたりになりますと非常に不透明なリベートではないかというふうな評価を下すことができるのではないだろうかというふうに思っています。
 私がいろいろ調べている範囲内で申し上げますと、真ん中に四角く点線でくくってみましたが、アメリカあるいはヨーロッパ諸国のリベートというのは開放的で公平性といいますか、それに対して日本のリベート制度というのは当事者間で非常に秘密性、個別性があるというふうな点で若干違いがあるのではないかというのが私の見方でございます。
 派遣店員制につきましては、どの分野でもあるというわけではございませんけれども、販売促進をするためにメーカーが小売店に自社の社員を派遣して販売のお手伝いをするというふうなことが行われるケースがございます。
 さて、今申し上げました、要するに流通系列化というものをどう評価するかという、この評価が非常に難しい問題になるわけでございますけれども、いわゆる日本的な性格、特性を持った流通システムというもの、当然メリットとデメリットの両面があるわけですけれども、その点について表で幾つかごらんをいただきたいと思います。
 七ページ目に、流通系列化というものを取引当事者がどういうふうに評価しているかという図表が幾つか用意されています。流通系列化の現状に対してどういう評価があるのか。これは通産省がアンケート調査をした結果でございます。
 小売、卸あるいは製造業という、いわゆる消費者を除いた取引当事者がどう考えているかということでございますが、メリットの方がデメリットよりも大きいが改善すべき点も多いというふうな、こういう見方がこの問題に対する評価としてございます。小売、卸、製造業者では若干パーセンテージの比率が違っておりますけれども、おおむねメリットの方がデメリットよりも大きい、しかしどこか改善すべき点があるのではないかという、この辺に流通系列化の問題の一つの所在があるというふうに申し上げてもいいのではないかと思います。
 あと、返品に対する評価とか、リベート体系に対する評価、あるいは建て値制に対する一般的評価、それから売り場派遣店員に対する評価等のアンケート調査の結果がここに載せてありますが、非常に積極的に評価できる面と問題があるという、こういう両面がこの問題についてはあるということを申し上げておきたいと思います。
 最後になりますけれども、きょう与えられました流通系列化というものの問題、最終的な評価をどう私自身が下すかということを最後に申し上げてみたいと思うんですが、八ページ目に、この流通系列化を評価してみた点をまとめてございます。
 まず、メリットとデメリットと両面あるということを申し上げたんですが、メリットとしてどういうことがあるかといいますと、一つは日本の消費者の消費パターンに合ったメーカーと流通業者との分業関係が成立しているという点で、日本の消費パターンに合ったということは、主として多品種少量高頻度に購入をするというふうな消費のパターンに比較的合った日本型の分業関係が成立しているという意味で、その限りにおいては非常に効率的であり合理化された形態である、こういう点がメリットとして挙げることができると思います。特に、中小規模の小売店に対しては経営支援をするということで、結果として効率化、合理化に貢献している面が流通系列化にはあるということが言えると思います。
 それから、安定的な商品供給に役立っている、あるいは過当競争の防止という面で役立っている、あるいは流通のチャネルが安定化するという点でメリットとして評価できるのではないかというふうに思います。
 では、問題点といいますか、デメリットがどういう点にあるのかということですが、一つ問題になりますのは、取引が長期化、固定化をするというふうな側面がある。この点が外国から見ますと逆に非常に参入しにくい点ではないかということで、一つの問題点としてよく指摘されているわけでございますが、第一に、長期化、固定化をしてしまうというマイナス面があるということです。
 あるいは、これは言葉をかえた表現になるのかもしれませんけれども、やや協調的な関係が系列化を通じて生まれますと参入が非常に難しくなる、それ自身が参入障壁になるという意味のデメリットがあるということを二番目に申し上げることができると思います。
 それから、流通系列化というのは、ある意味では価格維持のためのチャネル形成というふうな側面ももともとあるわけでございますので、場合によりますと価格が硬直化をするというふうなことも欠点としてあると思います。
 四番目に、系列化によって仮に小売店の経営が守られるということになりますと、経営意欲といいますか、あるいは自主的な経営革新という点から見ますと、そういう考え方が後退してしまう、そういうふうな欠点が見られるように思います。
 最後に、五番目になりますけれども、消費者側から見たときにこの流通系列化がどうかということですが、特定メーカーの商品の品ぞろえの中から選んでいかなければいけない、あるいは価格が自由に選べるかどうかというふうなことを考えてみますと、消費選択の自由度というものが系列化によって低下をするというふうなマイナス点があるということで、流通系列化にはメリットとデメリットの両面があるというふうに私は評価をしております。
 以上、簡単ですが、御報告いたします。
#5
○会長(小山一平君) どうもありがとうございました。
 次に、上野参考人、お願いいたします。
#6
○参考人(上野健一郎君) ただいま御紹介をいただきました日本自動車販売協会連合会、これは自販連と申しておりますが、その上野でございます。
 常日ごろより私ども自動車販売業界に対し、適切な御指導を賜わっておりますことを心から厚く御礼申し上げます。また、本日は、このような重要な場で自動車業界における流通系列化の実態について御説明する機会が与えられましたことを大変光栄に存じております。
 自販連は、昭和三十四年に設立をされた自動車ディーラーの全国団体でありまして、各メーカー系列のメーンディーラー、それに系列販売店協会、それと都道府県販売店協会によって構成されておる団体でございます。
 それでは、お手元の資料の自販連と書いてございます「自動車業界における流通系列化の実態に
ついて」という資料について御説明をさせていただきます。
 その内容に入ります前に自動車市場について御説明いたしますので、表紙の次に目次が二枚ございましてその次に一ページという資料がございますが、その数表をごらんください。
 八〇年代に入り安定的に二%内外の成長を続けておりました国内自動車市場は、八七年半ばより急激な伸びを示し始めました。そして、ついに昨八九年には七百二十六万台と前年の六百七十二万台を大きく上回り、前年比八%と初めて七百万台の大台を超えました。
 このように国内市場が大変好調であります背景には次に申し上げるような幾つかの要因が挙げられます。
 第一は、政府の積極的な内需拡大策から設備投資、個人消費を中心に好況が持続していること。第二に、消費税の導入に伴う物品税の廃止、普通乗用車への自動車税率の引き下げ等、一連の税制措置。第三は、土地や株式の値上がりによる資産効果。第四に、消費者ニーズの変化に対応したメーカーの積極的な新型車の相次ぐ発売と販売業界側の販売努力等であります。この趨勢はことしに入りましても続いております。
 それでは本題に入ります。
 まず、自動車の流通経路からお話をいたします。二ページの販売ルートの図をごらんください。
 一般的に日本の流通経路は多段階にわたり複雑だと言われておりますが、自動車の場合はメーカーないしはメーカーの分身である販売会社、これ一〇〇%子会社でございますが、販売会社からディーラー、そしてディーラーから消費者へと極めてシンプルでございます。そのメーンの販売ルートを補完するサブ的なルートといたしまして販売協力店というものがあります。販売協力店の多くは大変小規模な経営で、自動車の整備事業や中古車販売事業等も兼ねており、新車はディーラーから仕入れて販売しているのが一般的な形態となっております。先ほど昨年は七百二十六万台販売されたと申しましたが、その国内市場の約九七%を日本のメーカー系列の販売網で販売をいたしております。
 その販売体制の現状は、六ページ、七ページにございますように、ディーラーはメーカー別に、また同じメーカーでも販売チャネル別と言っておりますように扱い車種別に分類をされております。トヨタの例で申しますと、トヨタ店は昭和十三年ごろに設立されましたが、その後市場規模が拡大するに伴い昭和三十一年、三十二年にかけて主にコロナを扱う五十社のトヨペット店を設立、さらに昭和三十六年にはカローラ中心の販売チャネル、カローラ店を新設、昭和四十二年から四十三年にはカローラシリーズの新車種スプリンターの発売を契機に新販売系列のオート店を設置、さらに昭和五十四年から五十五年には五番目の系列であるビスタ系列のディーラーを組織し販売網の整備拡充を遂げてまいりました。日産もトヨタと同様に五系列の販売チャネルを有しておりまして、それぞれ広い範囲で取り扱い車種を持っております。このように、乗用車、小型トラック、軽自動車、大型トラック等を生産する十一社のメーカーは三十一の販売チャネルに分けられた三千九百五十社のディーラーを通じ自動車を販売しております。
 ただいま御説明いたしましたメーカー系列の販売体制は、日本のモータリゼーションの進行とともに徐々に整備され今日に至ったものであります。
 前に戻って大変恐縮でございますけれども、三ページをごらんください。
 我が国のモータリゼーション、すなわち車の大衆化は昭和三十五年から四十年以降、国民所得の伸びとともに広がってまいりました。車の量産効果による価格の低下が一層普及のテンポを速めました。いわゆるマイカーの普及は、昭和四十一年の大衆車の発売を契機に進みました。
 しかし、その後車の普及に伴い自動車市場は成熟化し、販売台数の伸びは鈍化し始め、一方消費者の車へのニーズは多様化を示しますとともに、シェア競争も激化してまいったわけでございます。その間メーカーといたしましては、生産車種の拡充につれ複数チャネルを形成することにより販売拠点を増強し、ディーラーは販売拠点、営業所をふやし販売台数を増加させてまいりました。その販売チャネルがつくられてきました過程や方法はメーカーにより違いがございますけれども、四ページにありますように大きく三つのタイプに分けられると思います。
 すなわち、Aタイプは、先ほどお話をいたしましたトヨタ、日産の例でありまして、当初より東京トヨタとか東京日産とか、それぞれ専門の販売チャネルを持っておりました。そして、その後市場の拡大とともに、あるいはそれを見越して車種を開発し、販売チャネルも徐々に複数化してまいりました。Bタイプは、本田に見られますように独自のディーラーを持たず、ホンダ車は業販店を通じて販売をしておりました。しかし、その後市場規模の広がりに伴い業販店を中心に専用の販売チャネルをつくり上げ、さらに車種の拡充を図りつつ現在は三つのチャネルを形成をいたしております。また、Cタイプのマツダは、当初から専門のチャネルを持っておりましたが、市場拡大につれチャネルを複数化いたしました。さらに、昭和五十七年以降にはフォード車等輸入車を併売する三つのチャネルを新設いたしました。
 このようにチャネルを形成するプロセスや方法の違いは、メーカーの歴史や商品供給能力の差によるものと思われます。なお、最近のチャネル新設の事例は五ページにあるとおりでございます。
 ここで、お話を輸入車に移したいと存じます。日本の市場がまだ発展途上にあった段階では、輸入車の需要は少なく、輸入車はステータスシンボルでありましたが、ビジネスとしては必ずしも魅力があるとは申せませんでした。しかし、日本のマーケットが成熟段階に達するにつれ需要も多様化、高級化し、加えて自動車産業のグローバリゼーションが進展する中で、ここ数年来その様相は大きく変わりつつあります。
 それでは、輸入形態から御説明をいたします。八ページをごらんください。
 車の輸入形態は、海外メーカーからインポーターが直輸入するものと、正規のインポーターを通ぜず海外ディーラーから輸入するいわゆる並行輸入に分けられます。インポーターは外国メーカーの日本子会社や輸入専門業者がなっているケースが多く、直接外国メーカーと販売契約を結び、車を直輸入をいたしております。一方、いわゆる並行輸入とは、正規のインポーターを通ぜずにユーザーか中小規模の業者が個人輸入を行う形で進められ、一時はその価格メリットと輸入車ブームから並行輸入車が全輸入台数の一八%近くにも及びましたが、正規輸入業者に比し部品供給体制が不十分であったり、工場施設が貧弱であること等の面が災いをいたし、以後減少傾向を示しております。
 輸入車の流通経路は、九ページの図にありますように、まずインポーターから輸入された車は直営拠点から直接消費者に販売されるか、特約店か地区代理店を通じて販売されるのが一般的なルートであります。しかし、最近では、日本のメーカーが海外メーカーと販売提携して提携先メーカーの車を自社のディーラーネットを通じて販売するケースや、あるいは自社の海外生産拠点での生産車を逆輸入して販売するケースも見受けられます。
 次に、主要輸入車の販売体制でありますが、海外メーカーによりインポーターやディーラーの活用の仕方が違っております。大別すれば九ページにありますような形態となっております。ただ、その形態というものは昨今の輸入車市場の急拡大に伴いまして、海外メーカーとしては強力なインポーターを設立いたし、さらにディーラーの専用チャネル化を図りつつあります。したがって、その形態は急速に国産車と同様な形に近づきつつあると申せましょう。
 ここでお話を戻し、国内ディーラーの特徴を整
理して御説明をいたしたいと存じます。十ページの上の表をごらんください。
 まず、ディーラーの平均的規模は、九カ所の支店、販売拠点を持ち、百八十六人の従業員で新車を月二百九十四台販売する、小売販売業者としてはかなり大規模なものとなっております。以上が日本の平均規模でございます。この日本ディーラーの一販売拠点の規模が欧米の一ディーラーに匹敵する、一営業所が一ディーラーに匹敵するものとなっておるわけでございます。
 すなわち、ディーラーの平均規模をアメリカ、西ドイツと比較してみますと、表にありますとおり、アメリカとの対比では従業員数が五・二倍、そして車は七・六倍多く販売をしております。日本のディーラーの従業員が多いのは、ディーラーの規模が大きく、また日本では訪問販売を行っておりますので、量販を行いますためには営業マンの絶対数も必要だからであります。
 次に、十一ページをごらん願います。
 ディーラーはメーカーとの販売契約で責任販売地域が定められております。その範囲は原則として都道府県単位と、欧米のそれよりも大変広くなっております。なお、人口、世帯数等の市場規模によっては同一車種を扱う複数ディーラーが存在するケースも間々ございます。
 訪問販売は、元来、戦前は日本フォード、日本ゼネラルモーターズが行っていた形式でありまして、日本では主流の販売方法であります。戦後の発展期では、ディーラーの支店、営業所の増設、営業マンの増強が需要の増加にストレートに結びつき、そのままの販売形態で日本で定着し、推移している状況と申せましょう。今日の車の普及を支えてきましたのも、営業マンが訪問販売を通じて行ってきた結果と言いましても過言ではございません。
 しかしながら、新規需要の減退、消費者意識の変化といった市場の成熟化現象と、女性の社会進出に代表される社会の変化等により、最近では都市の近郊部を中心に店頭販売が急増してきております。なお、この傾向を受けましてディーラーでは、ショールームの増改築、休日営業の増加、効果的なイベントを積極的に行う等、受け入れ体制の整備を急いでおります。
 それでは、ここでディーラーの主要業務につき御説明をいたしたいと存じます。
 十一ページの表にありますように、売り上げの七二%は新車販売が占めております。それは、特定メーカーの販売会社としてディーラーはそのメーカーの供給する新車をユーザーの方々に販売することを主要使命としているからであります。
 次の中古車販売でありますが、日本の新車需要の七、八〇%が車を買いかえる需要でありますため、通常新車販売に際しましてはディーラーがユーザーの使っておられる車を下取りいたしております。ディーラーは、この下取りした車を、スクラップ車を除き中古車として再商品化し、中古車専業者に卸売をいたしますとともに、ディーラーとしても直接小売をいたしております。このように、ディーラーの中古車販売は新車販売と密接な関係を持っております。
 次の、整備、修理のいわゆるアフターサービス業務は、ディーラーにとりまして極めて重要なものとなっております。すなわち、確かな整備をし、ユーザーには常に車をベストコンディションで使っていただくことがサービスの基本でありまして、広く車のメカニズムを扱う以上、それにかかわるすべてのフォローサービスを行う必要があります。したがって、日本ではアフターサービスの質、量の程度、サービス網の完備いかんが新車販売にも極めて大きな影響を与えることになります。
 次の販売金融でありますが、車の販売ではアメリカの例に倣い、古くから割賦販売が行われております。しかし、最近では各種のクレジット制度の普及、発展等金融市場の多様化に伴いまして車の割賦販売比率は十数%程度となっております。
 その他、自動車保険の加入、車の登録代行等、ユーザーのニーズに合わせきめ細やかなサービスを提供いたしております。
 自動車の流通系列化については、これまでいろいろの面からお話をいたしてまいりましたが、ここで改めてその要因を大きく整理してお話をいたしたいと思います。
 一つは歴史的事情であります。自動車の販売組織が全国的規模として日本に生まれましたのは、大正十三、四年にかけ日本ゼネラルモーターズ、日本フォードの進出からであります。両社は一県一ディーラー主義のフランチャイズ制を採用し、全国的に販売網を張りめぐらしました。その後、昭和十一年の自動車製造事業法により日本ゼネラルモーターズと日本フォードは日本から撤退することになりましたが、両社がつくった販売組織は日本のメーカーがそっくりこれを利用いたしました。戦時中は統制機構の中に組み込まれましたが、戦後は全面的な自由体制に移り、メーカーは統制前の一地域一ディーラー制の販売網を確立いたしました。戦後にスタートしました後発メーカーもこれに倣い、一地域一ディーラー制のみずからの販売組織をつくり上げました。そしてモータリゼーションの発展に応じ、複数のチャネル体制を逐次形成してきたことはお話ししたとおりでございます。
 第二は、自動車の商品特性の面からでございます。資料に記載しておりますように、自動車は高度の機械商品でありますために整備、点検等購入後のアフターサービスが極めて重要であります。すなわち、一車種のアフターサービスのために取りそろえる必要のある取りかえ用部品の数は二万点前後に上ります。そのため、ディーラーとしましては、ある程度取扱車種を限定した方が部品在庫、修理サービスの面から効率もよく、ユーザーにもきめ細やかなサービスをすることができるわけであります。
 日本の流通システムはアメリカのシステムをベースにつくり上げたものでありますので、メーカーとの契約関係、具体的に申し上げれば取扱商品、販売地域、年間販売目標等の制度的な面につきましては、基本的にはアメリカと差異がございません。しかし、実態面におきましては、日本には例えば他系列の車を取り扱うといった併売店が極めて少ないという現象が生じております。これは、ディーラーが併売のメリットが乏しいというビジネス上の理由から判断した結果と思われます。そのような現状の要因や背景には日本の自動車流通発展の歴史と日米ディーラーの経営規模、販売地域の違いが考えられます。
 発展の経緯については既に御説明申し上げましたので、ここではアメリカディーラーとの経営規模、販売地域の違いを対比させながら説明をさせていただきたいと存じます。
 まずアメリカですが、ディーラーの販売地域は通常十マイル範囲と極めて狭く、そのほとんどが個人営業で小規模ないわゆるシングルポイントディーラーとなっております。この場合、ディーラーが事業を拡大してまいりますためには、取扱商品のバリエーションをふやすことがリスクヘッジを図り、そして販売増にも結びつく有効な方法となっております。そのような面から、同一メーカーの他ディビジョンで扱っている車、あるいは他メーカーの車を取り扱うデュアルディーラーと呼ばれるディーラーが多数存在するものと推定されます。
 一方、日本の場合には、ディーラーの主たる責任地域と呼ばれる販売テリトリーは、原則として都道府県単位と極めて広域であります。したがって、地域が広いだけにディーラーとしては販売拠点を増設し、人と資金を投入することによって単一のフランチャイズのもとでも販売台数をふやすことが可能でありまして、あえてなれない他のブランド車を取り扱うニーズは少なかったのではないかと思われます。また日本の場合には、さきにも述べましたように、モータリゼーションの進展とともに、ユーザーのニーズに合った質、量ともに十分な車をメーカーは開発し、ディーラーに供給しております。このために、これまでディーラーはリスクを冒してまでも他ブランド車を扱う
必要性は少なかったとも考えられます。
 日米自動車ディーラーの相違点を対比すれば十四ページの表のとおりでありますが、マーケット拡大への対応の仕方は、日本の場合は必要に応じまず販売拠点を増加させますのに対し、米国の場合は他ブランド車を多く持つことの違いになろうかと存じます。
 なお、最後に申し上げたいことは、単一フランチャイズによる販売は、洋の東西を問わずメーカー、ディーラー双方にとり経営効率の面からメリットがあり、またユーザーにとっても質のよいサービスを得られる等の面から極めてメリットの高いシステムと申せると思います。
 以上で私の説明を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
#7
○会長(小山一平君) どうもありがとうございました。
 次に、菊地参考人、お願いいたします。
#8
○参考人(菊地照雄君) 御紹介いただきました日本チェーンストア協会の理事をいたしております菊地と申します。よろしくお願いいたします。
 かねがね我々業界につきましては、諸先生方大変御指導、御鞭撻をいただきまして大変ありがとうございます。厚く御礼申し上げます。
 それでは説明させていただきますが、資料といたしまして三枚お配りさせていただいておりますけれども、二枚目のところで私ども日本チェーンストア協会の概要を説明させていただきます。
 日本チェーンストア協会は、任意団体として昭和四十二年に設立いたしました。
 協会の目的でございますが、チェーンストアの健全な発展と普及を図ることによって、小売業の経営の改善を通じまして我が国流通機構の合理化とか近代化を促進するようにしたいということ、さらには国民生活の向上に寄与するということを目的といたしまして設立しております。
 協会の事業でございますが、定款に書いてある事業で大変恐縮なんですけれども、ざっと五項目ございます。まず、チェーンストアと流通業に関する調査研究をすること。二つ目は、チェーンストア及び流通業に関して広報、PR活動を行うこと。三つ目は、チェーンストアの利益と発展に必要な見解の発表並びに主張を行うこと。四つ目は、チェーンストア及び流通業に関する内外諸団体等との連絡調整を行うこと。五つ目でございますが、その他目的達成事業ということになってございます。
 会員資格でございますけれども、通常会員と賛助会員とございまして、通常会員は私どもチェーンストア事業を営む小売業法人ということで、十一店舗以上持っている法人、または年商十億以上の法人ということになってございます。賛助会員でございますが、私ども協会の趣旨に賛同していただいて協力をいただける方ということで賛助会員にお入りになっていただいております。
 それから、現在の会員企業数及び店舗数でございますけれども、会員企業数は、三月末現在でございますが、百三十五社でございます。そして、店舗数は全体で六千八百十三店舗ということになってございまして、売り場面積をトータルいたしますと千百七十万平米ということでございます。
 次のページに従業員数が書いてございますが、百三十五社で三十六万七千名ほどでございまして、これにつきましてはパートの従業員さんを八時間で換算して数を出させていただいております。
 それから、会員企業の売り上げでございますけれども、前年度でございますが約十三兆円でございまして、小売業全体に占める比率は約一一%ということになってございます。
 私ども協会の機関といたしまして、総会、理事会、それから正副会長会議、常務理事会というのがございます。その下に協会の活動を活発にするために支部を五つ置いてございます。五支部ございます。さらに、内部の機関といたしまして、十二の委員会と十三の専門委員会を構成いたしまして、それぞれ委員長に運用していただいております。
 現在の私どもの協会の役員は、会長ほか副会長が六名、それから専務理事が一名いらっしゃいます。
 私どもの協会の概要は、簡単でございますが、以上でございます。
 それから、御説明の本題に入らせていただく前に、調整制度の仕組みにつきまして簡単に御紹介をさせていただきたいと思います。
 御承知のように、大店法の仕組みでございますが、法第三条によりまして、建物を設置しようとする者が都道府県知事を経由しまして届け出をする。届け出をしましたら事前商調協というところで審議をしていただいて、それがおおむね八カ月ということになっておるようでございます。さらに、それが済みましたら法第五条によりまして小売業者の届け出をすることになってございます。届け出が済みましたら、正式の商調協という機関で御審議いただくということになっていまして、これにつきましては商工会議所、商工会の御意見を承りながらやっていく。この期間はこの運用の規定によりますと約二カ月間ということになっておりまして、延長をした場合にも最長六カ月というような形で運用されているということになってございます。それが済みましたら、そこで結論が出ますと出店ということになるわけでございますが、その上に大店審、通産省の本省に大店審という機構がございまして、意見の調整が必要な場合には大店審で約二カ月間という期間でもって審議をされます。そこで二カ月間済みましたら、通商産業大臣の勧告というのがございまして、通産大臣の命令ということになってございます。
 簡単に申し上げまして調整の仕組みの概要は以上でございますが、これによりますと、法第三条から通産大臣の命令までおおむねの期間で計算いたしますと、先ほど申し上げましたように事前商調協が八カ月、正式商調協が二カ月プラス六カ月ということで、最長見まして八カ月、大店審で約二カ月、それからさらに大店審で、勧告の後に命令を出すのに大店審に一カ月ぐらいかけるということになっておるようでございまして、合計しますと二十カ月ということに、一応仕組みとしてはそうなっておるわけでございます。
 そのようなことになっておりますが、私ども協会といたしましては、ペーパーの方に書いてございますが、かねがねこの大店法に関する規制緩和につきましては、我が国経済の一層の発展のためにも克服しなければいけない課題であるというふうに認識しておりまして、かねてより国内問題としてその規制の緩和をしていただきたいという要望をしてまいりました。
 本日、意見を述べさせていただくということで簡単にペーパーにまとめさせていただきましたのは、日米構造協議中間報告というものを受けまして、大店法に関する部分を見させていただきまして、それで私どもの協会としてどのような考えを持っているかということを述べさせていただくことにさせていただきたいと存じます。
 今回の結論につきましては、消費者の利益、それから中小小売業者の地域経済への貢献ということ、さらには国際協調という観点から総合的に勘案して決定されたということを聞いておりまして、このような観点から規制緩和の方向が出されたということにつきましては基本的に歓迎していいのではないかというふうに考えております。
 しかしながら、日米協議の経過を見てまいりますと、期間的な問題もあったようでございますけれども、小売業界の納得とコンセンサスを必ずしも得ていたとは言いがたい面があるのではないかというふうに考えておりまして、さらにはまた、私ども大変大事にしております消費者サイドの問題、その消費者サイドの御意向につきましても必ずしも反映されていなかった面があるんじゃなかろうかというようなことがございまして、私どもといたしましては将来の我が国の消費経済、小売商業のあり方等についてやはりそれぞれ解決すべきものが多く残っているんではなかろうかというふうに考えている次第でございます。その意味におきまして、小売業界、消費者を含めて、直ちに
「九〇年代流通ビジョン」の見直しをしていただきたい。
 「九〇年代流通ビジョン」につきましては今さら言う必要はないかと思いますけれども、昨年の六月に出されたわけでございます。それにつきまして運用通達等々が出されるやに伺っておりましたけれども、まだ出ていないということもありまして、流通ビジョンにつきましてもこの際見直しをしていただいたらいかがというふうに考えております。
 さらに、小売業全体につきましての構造改善に向けまして大店法並びに地方条例等のあり方につきまして御検討いただきたいというふうに考えておりまして、具体的内容の検討を進めていただきたい。さらに、中小小売業の発展及び消費者の利便の増大ということが非常に望まれておりますので、その点が図られますように、例えば魅力ある専業型商店の創出をしていただくとか、または町づくりの観点から商業集積の整備等々を積極的に進めていただきたい。すなわち全般的に見て商業政策という観点で立案、実施に向けてやっていただきたいというふうに私ども考えております。
 最後になりますが、調整政策の具体的な内容の検討をするに当たりましては、出店の調整処理期間の短縮ということに関係いたしまして、届け出た場合の届け出面積が、調整が行われる場合に面積が大変重要になってまいりまして議論の中心になるようでございますが、その点で届け出の店舗面積が調整の中で大幅に削減されるようなことがないようにひとつ特段の御配慮をお願いしたいというふうに考えております。
 以上で私のお話を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#9
○会長(小山一平君) どうもありがとうございました。
 次に、山本参考人、お願いいたします。
#10
○参考人(山本勝一君) 私は、全国商店街振興組合連合会理事長の山本でございます。本日このような席で発言の機会をいただきましてありがとうございました。
 それでは、商店街の実態等々から申し上げたいと存じます。
 私ども商店街振興組合連合会は、昭和三十八年の法制定に基づきまして創立した連合会でございまして、現在四十三都道府県の県連をもって形成をいたしております。
 さきに発表になりました「九〇年代流通ビジョン」におきましては、五十七年をピークにいたしまして商店の零細業者が減ってきておるわけでございまして、六十年の調査では約十万というものが減ってきておるということでございます。これははっきり申し上げまして各商店街共通の問題でございまするが、車時代への対応ができなかった、おくれておるというのが一番大きな問題でございます。そのほか、各種の時代の変化への対応がし切れないという面と、それからいわゆる後継者難でございまして、そのような原因等々によりまして減少をいたしておるわけでございます。昨年の流通ビジョンに基づきまして私どもも鋭意努力をいたしておるわけでございまするが、いずれにしましても、大型店が都市の近郊に出店をしますと旧市街地が空洞化するというようなことで、その地区の商店街が長い時間をかけてですがいわゆる衰退をいたします。ビジョンの中にもございますけれども、全体の八八・九%、約九〇%が衰退ないしは斜陽を来しておると言われておるわけでございまして、昨年度から中小企業庁におきましても私どもの苦境を御理解いただきまして各種の基金等の設定をしていただきまして、これに向かって鋭意努力をいたしておるわけでございます。
 その中で、一番問題になるのがやはり大店舗法の見直しということでございます。昨年の流通ビジョンでは「運用の適正化」ということでございましたが、これははっきり申し上げまして若干今まで法をはみ出たような運営がございました。ということは、私どもいわゆるオイルショックあるいは円高不況によりまして若干規制強化をお願いしてまいったわけでございましたが、それをもとに戻すということでございまして、これを理解してまいったわけでございます。
 いずれにしましても、ことしに入ってから急速に大店舗法の撤廃も含めてという文言が出てまいりましたので、私ども関係方面に陳情申し上げ、また大臣にもお願いを申し上げたわけでございますけれども、さきの四月六日でございますか、公式の発表があって、来月から第一段階として期間の短縮等を含めてこれを見直す、二段階としましては特殊地域の指定ということも含めて見直す、さらに三段階では法の撤廃も含めて見直すんだというようなことになっておるわけでございますけれども、法の撤廃ということは、現行の大店舗法は調整法でございまして決して許可、認可という法律ではございません。したがいまして、これが運営が適正に行われればそんなに障害になる法律ではございません。現に私どもの資料によりましても、現在時点におきまして大型店等の出店は約一万六千ございます。私ども商店街の数もちょうど一万六千でございまして、売上シェアにおきましても六十三年でございますが総体で五十何兆ということで、これも半々であるということでございまして、ここで急速に大店舗法を改正して、撤廃してなおチェーンや大型店を出店させなければならないという理由は一体どこにあるかということで私ども理解に苦しんでおるわけでございます。
 私ども商店街は、古くは信長公が楽市楽座ということから始められまして、何百年の歴史を持ってその地域で密着して営々として経営をしておるものでございます。それが、昭和三十五年の後半からですか、いわゆるアメリカ式のセルフを前提としたスーパーが導入されまして、今日まで一万六千の店舗が展開をされてきたわけでございます。したがいまして、そういう消費者の利便等を考えますと、時代の流れとして私どもは認識はいたしておりますけれども、余り急速にお進めいただくと、これらの人間が死活問題として大変なことになるということで調整を行っていただいておるわけでございまするが、アメリカからの要求ということもございまして、アメリカさんが出たいんでおっしゃってみえるのか、むしろこれは国内の方がおっしゃったんで、それに乗っておやりになったんではないかというような勘ぐりも出るわけでございまするが、いずれにしましても、大店舗法の撤廃等は絶対に我々は容認できません。したがいまして、これにつきましては先生方の一段のお力添えをいただきたい、こう思うわけでございます。
 若干補足でございますけれども、消費者の利便ということが絶えず問題になります。今度の日米構造協議の中にも消費者重視という方向ですべてを行えということでございまして、単なる大店舗法だけで消費者問題ということはないと私は思っております。私ども自体も、やはり消費者があってこそ商売が成り立つということもございますので、我々は大型店のできないようなサービスを的確に行っておるわけでございます。したがいまして、それがゆえに今百六十二万という商店が存在しておるわけでございまして、しかも地域に密着し、何十年、何百年という間に、もうその土地、二、三十万都市はほとんど地域で生まれ地域で育った方ばかりでございまして、町の施政、行政にも協力し、町の祭りにも参加し、いろんな面で重要な町の構成員の一員として活躍をしておるわけでございます。それを、よそ者が来て周辺に大型店をつくって、車時代への対応がおくれておるからといって、売っておるものはほとんど中身は同じようなものでございますので、それが出てきてとなると、これははっきり言って殺しに来たと、地区によっては殺しに来たという表現すら使っております。したがいまして、そういうふうな状態を考えますと、我々は本当に困っておるわけでございます。
 例えば消費者の利便性でございますけれども、きょうお隣にいらっしゃるので、ちょっと言いにくいんですが、店というものの消費者の利便性は二面あると思います。一面は、買い物の場が便利
かどうかということでございまするが、これだけの量ができておりますし、いわゆる無店舗販売等々もございまして、買い物の場が不便だという時代はもうクリアされたのではないかというふうに思っております。そうすると、次に残るのはいいものを安くということになるわけでございます。これは、競争をやれば安くなるんだという単純なことをおっしゃいますけれども、これとても原価があるものをお願いしておるわけでございますので、幾ら競争してみたところで限界があるというわけでございます。そして、今言われておる内外の価格差という問題は、これははっきり言って私ども商店街の責任じゃございません。もう少し次元の違ったところでそういう障害が起きておるということでございますので、チェーンさんはおれらが出れば消費者の利便だとおっしゃるが、それはとんでもない一方的な主張でございまして、私どもは理解するわけにはまいりません。まして、私ども中小はもっとかゆいところに手の届く、大型店がおやりにならないようなサービスもやっておるわけでございます。
 また、消費者の中にもいろんな消費者がいらっしゃいます。これから特に高齢化時代に入りまして、大型店さんは郊外に店をつくって、いわゆる公共交通もない、車がなきゃ行けないという店をお持ちになる。高齢者の方が今に二千万にもなられるが、こういう方が車も乗れぬということでいったらどうなりますか。やはり近くで大根一本、豆腐一丁が買える場も必要ではないかと思うわけでございます。そういうことを考えますると、私どもと大型店さんがいかに競争的共存をするかということが一番消費者の利益になると私は思うわけでございます。
 したがいまして、そういう観点から見るならば、この調整法は絶対に廃止していただいては困るわけでございまして、これがいい意味の秩序法というふうにも受けとめられておるわけでございますので、構造協議でアメリカの方から絶対に承認できぬとおっしゃるならば、これにかわるような調整法をお考えいただきたいと思うわけでございます。
 いろいろ申し上げますと泥仕合いになりますので余り申し上げませんけれども、大型店さんは企業主義でございまして、現に中心部に出ておったが郊外へ大型に出た、中心部が落ち込んだからそこから撤退したと。そうすると、我々の商店を食っちゃって、そうしておいて、空洞化しておいて逃げ出す。残ったお客さんはどうなるかということなんです。ですから、そういうことを考えると、いろいろなことをおっしゃるけれども、余りにも企業主義、もうけ主義でございまして、都合が悪ければいつでも旗を巻いて撤退する。ところが、我々商店街は、いいとき悪いときにかかわらず、雨の日も風の日もずっとそこに定着して消費者に利便を与えてきておるわけでございまして、そういう観点から、我々中小零細が死ねと言われるような法改正は絶対におやめをいただきたいと思うわけでございます。
 それから、私ども商店街関係につきましては、今まで、日本は資源のない国でございますので、貿易立国ということで余り商業関係に対しては的確な施策がありませんでした。これは消費税絡みでございますけれども、昨年は消費税でいじめられて、ことしは大店舗法でいじめられてということで、踏んだりけったりでございますが、正直を申し上げまして、消費税につきましては、抜本的な税制改正という森を見てその中の一本の木が消費税として、非常に気に入らぬ面もございましたが、大きく考えれば国の将来も思いやむを得ぬなということで撤退したわけでございますけれども、今度の大店舗法だけは、これははっきり言って死活問題でございますので、消費税どころの問題じゃございません。ですから、そのようにひとつぜひ御認識をいただいて御支援をいただきたいと思います。
 そういう観点から、商業施策が非常におくれております。したがいまして、抜本的ないわゆる商業の振興策、特に二、三十万都市で町の中心が空洞化して町自体もお困りになっております。私、全国へ呼び出されて行くんですけれども、もうここまでくると商店街の問題じゃございませんよ、市長さん、あんたの問題ですよ、どうされるのですかと。もしいかぬならもう逃げ出しますよ、我々は。だったら町が空洞化して税収も上がらない、町のにぎわいものうなる、一体どうされるんですかと。これは、国の立場においてもそういう大型店が、今例えば「つかしん」だとか、それから大津の方でやられた楽市というような新しい町づくりをやっておられますけれども、それも地区によっては非常に必要かもしれませんが、それがたくさんできるということになりますと従来の町は全部空洞化しちゃう、これをどうするかという大きな問題にもつながっていくわけでございますので、そういう観点からも、我々がどちらを向いて走ったらいいか、その町はどう活性化したらいいか、郊外店の魅力にまさるような都心部の魅力をどうつくるかというようなことも考えなきゃならぬと思います。
 これにつきましても、何か昨年、一昨年でしたか「街づくり会社構想」というのをおつくりいただきまして、第三セクター方式で事業団から金を融資いただいてつくることになっておりますけれども、これは資金量からいってもそんなに大きな額じゃございませんので、全国で一斉に手を挙げたらとても金がないということにもなりますので、もう少し抜本的な町づくり法かなんかというようなこともお考えいただければ非常にありがたいと思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、枯れ木も山のにぎわいということもございまして、我々中小商業者は死ねばいいとか消えていきゃええとおっしゃるかもしれませんが、生命をかけてやっておりますし、厳しい今の時代、救いようのない時代にも入っておりますので、はっきり言って自然淘汰もこれはやむを得ないと思っておりますけれども、そういう状況を考えながら私自体も非常に悩んでおるわけでございまして、よろしく御指導いただければありがたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
#11
○会長(小山一平君) どうもありがとうございました。
 次に、加藤参考人、お願いいたします。
#12
○参考人(加藤真代君) 座ったまま失礼いたします。主婦連合会の加藤真代でございます。
 私ども主婦連合会というのは、四ツ谷の駅の前に昔婦人たちが、私どもの先輩が自分たちのお金を持ち寄って会館をつくりまして、そこに事務局を置いております。創設は昭和二十三年、ここの参議院議員を昔しておりました奥むめおが呼びかけて、台所の声を政治にということでスタートした、消費者、婦人、平和問題を取り扱っているボランティア団体でございます。
 私がきょう私の会からこちらに出るようになりましたのは、恐らく、私自身地域の消費者グループの活動をずっとこの十七、八年やっております中で、昭和五十四年から五十八年、地元の埼玉県の小市の商工会で、先ほど菊地参考人からお話の出ました商業活動調整協議会の委員をさしていただきまして、昭和六十一年からこの大店法の、東京都二十三区の商調協の消費者委員としてお役を務めさしていただいているからではないかと存じます。
 お手元に、先ほど菊地参考人が簡単に御説明くださいました調整制度の仕組みの流れのうち、これがまた大変複雑で商工業者の皆さんも非常に悩んでいらっしゃる、わずか二十一条の大店法に対してもう大変通達が多い、その中のごく一部、これは一つの東京の場合の大型一種の店舗の場合の仕組みでございますが、これはもっと時間をたくさんとって実態を先生方に知っていただければと思って、とりあえずお流しだけいたしました。
 先ほど山本参考人の方からも、調整法で許可、認可ではないという言葉がありました。それから、いろいろと新聞やなんかでこの大店法は許認可業務のような書かれ方をしている記事なども見まして、私は消費者の立場でずっとこの大店法に対し
て、消費者団体というのは本当にたくあんから原発までと言われるほど生活を守るためにいろんなテーマと取り組んでいるわけですが、この大店法に関しては、お手元に簡単なレジュメを差し上げましたが、法の第一条の目的を読みますと、消費者の利益を確保するということも書いてあるわけですね。こういうことから見ると、なぜ消費者利益になるか。
 消費者利益消費者利益ということが非常にいろいろなところで言われるんですが、じゃ消費者利益とは一体何なのかということになってくるわけですが、この大店法に関する限り、消費者の利益について業者さんが配慮してくれるということになるわけですね。じゃ、消費者は商調協に出て意見を言えばいいし、あるいは不服があった場合は、商調協の前のところの事前説明というのがあるんですけれども、この事前説明のところが非常に長くなっているようで、それは地元の小売業者さんたちに対して出店御希望の大型店さんがいろいろと交渉事をするわけですが、そこのところに消費者というのは入っていないわけですね。だから、結局消費者利益といいましても、法のところでいくと、大型店もできる、それから昔からの非常に親切でフェース・ツー・フェースでゆっくり会話のある地元の商店さんも生きていくという形で、消費者がこの自由主義経済の中であちらこちら自分の好みに応じて、多少高くてもあのおじさんの顔を見たいから行くという店が消費者にとってはあってもいいし、ただやたらと安かろう悪かろう、あるいは安かろうよかろうのお店が大きいところであれば、それはそれでまたいいというふうに、選択の自由、選択の幅が確保されるということでこの法律の目的というんですか、第一条が書かれていると思うんですね。
 ですから、もし大型店が来ることによってこの程度の人口のところでは小さいお店はみんなつぶれてしまうんじゃないかというふうな心配が出てきた場合は七条で、大店審と私どもは通称言っていますが、そこのところで大店審が地元の商工会なんかの意見を聞いて勧告することになっているわけですね。そのときに、法律の中では商調協という言葉は全然出てきてないものなんですね。
 本当は、大店法というのは、素直に読めばもっと行政庁がきちんと仕事をするべき法律なんですよ。それを、まあ悪口を言ってはいけないですが、ここはざっくばらんにお話ししていいという先生方からのお勧めがあったのでざっくばらんに申し上げますと、行政庁が少し横着をなすって、それはよく言えば民間の活力にゆだねるということかもしれないけれども、地元の商工会や商工会議所にこの事務を委託してしまっているわけですね。そこで、大店法がありながら、一方で外にもう一つの調整の仕組みができてしまって、そこが力を持ってしまっているわけです。
 ですから、私ども消費者がそこでかかわる場合は、商調協という商工会議所の中に設けられた仕組みの中に行って物を言いましても、結局業者さんの意見の中に吸収されてしまうわけですね。本当に消費者も一人前に、出店者や地元の前からいらっしゃるお店屋さんたちと平等のテーブルで論じられる場というものはないわけですね。そこにも書きましたけれども、書類が出てくる前に事前説明というのが地元との間で、出店説明の段階でいろいろ利害の調整がおありらしいが、そういうことは私たちには知らされないわけですね。大店法は、本来ならば一種の競争政策としての行政庁の公平な関与があって消費者の利益が確保されるというふうに、素直に読めばそう読める法律なんですね。ですけれども、いつの間にか外れたところで、商調協あるいはそれ以前の事前説明、出店説明というのでしょうか、そこのもみ合いのところで既に実態ができてしまうというところに大きな問題があるんじゃないかと思うんですね。
 そのときに地元の消費者というのはどうしているかというと、蚊帳の外ですから白けている。たまたま婦人会の中に商工業者の方の奥様なんかがいれば情報を漏れ聞くという感じなわけですね。ですけれども、日本全国広いものですから商調協の運営については非常に実態がばらばらです。
 私はたまたまこの東京でかかわらせていただいているわけですが、私の主婦連合会で地方の委員さんなんかしていらっしゃる方たちとよくいろいろな情報交換をするわけですが、例えばこういうことで商調協の場に行きましても、もう既に業者間の同意書が見せられているのだからそこで何を言っても消費者の声というのは生かされないので非常にむなしいとか、それからこんな大きなお店ができるんだから駐車場はどうなんですかなんて言うと、もう非常にあんた非常識なという顔を地元の商工業者さんからも出店者側からもされる。それはなぜかというと、例の調整四項目にはないわけですね、車の問題は。しかし、地域に住む人間にとっては、大きなお店ができて車が出入りするということは、子供を連れて出入りしたり足の悪いお年寄りが出入りするについては非常に大きな関心事だから、そういうことは聞きたいわけですね。しかし、調整四項目には入っていないから相手にされないんです。
 しかし、東京の場合はそういうことは非常に紳士的に、駐車場や時間延長による労働者、特に私どもは婦人の立場でパートの人の労働シフトの問題なんかも聞きますと、できるだけ好意的にあるいは前進的に出店者側も努力するというようなことを言ったり、またそのように答えさせるように商工会議所の方も答えが、答えというか質問をちゃんと生かしてくれますが、地方によってはもうそういう意見すら出させてもらえないという商調協の実態もあるわけです。あるいはすべてのことが終わってから商工業者から、例えばここにお店ができるというのにうんと向こうの小さな商店街の人から内部告発の電話が消費者の代表のところにあって、あのときはお金取り過ぎだったよ、お金と言ってごめんなさい、何か取り過ぎだったよというような電話が入ることもあるというんですね。そうすると、共存共栄の実態というものは一体何だったのかというような疑問を消費者としては持つわけです。
 大型店ができて周りがつぶれちゃったり、あるいは周りで残ってもその方たちが殿様商売になってしまったという地方の場合もあるわけです。それは明らかに既存店が商売を投げやったんだというふうなことが見えるときもあるんです。消費者が支える限りやはり小さなお店はずっと頑張ってもらいたいというようなこともあるわけです。ですから、必ずしも消費者が冷たくするばかりではなく、業者さんの方も勝手に消費者を時にはそでにすることもあるという実態は知っていただきたいわけです。
 それで、その商調協の委員では消費者代表とか学識者の代表というのも出てくるわけですが、その中身というものも時々疑問を感じることがあるわけですね。例えばある地方では、老人会の代表で、これは高齢化社会の消費者の一群だからということで出されるけれども、その方はタクシー会社の社長さんでほとんど買い物なんかなさらないような方だったり、随分昔ですけれども、消費者だからといって行政マンであるところの消費者センターの所長が消費者代表になっていたといったような。ですから、やっぱり大店法の今の運用の実態というものをもっとつまびらかに大勢の方たちが見ていただきたい、地域ごとにどんなふうであったか。それからどうすればいいかということになっていくんじゃないかと思うんです。
 私自身、公正な判断をする材料づくりに少しでもお役に立てば、それはいい業者が伸び、私たちもそれによる利便をこうむるのでと思って、地域の消費者の皆さんのお役に立てばと思って参加さしていただきましたけれども、先ほどから申し上げましたように、業者間調整の場に第三者の消費者が出ていっても余り影響力が持てません。例えば東京の場合、二十三区という非常に広域でもって一つの商調協が構成されていますから、いわゆるローカル調整という言葉で言っていますが、さっきの出店説明のところですね、商調協に上がってくる前のところで、東京都の場合だったら労働経済局の流通産業振興課が所管していらっ
しゃるのですが、そこにおいて事前説明に地元の消費者をかかわらせてはいないわけですね。
 それでは、せめて消費者行政の方の意見なども聞いてあげてくれているか。我々の代弁をしてくれる弁護士的存在という感じで消費者行政、これも延々とした婦人たちの長い運動の結果、昭和四十三年にやっと日本でできた消費者保護基本法という法律ですが、この法律によって消費者保護をする範囲というのは決まっていて、大店法に関しては消費者保護の行政官庁が出る幕がないわけですね。ですから、東京の場合でもこのローカル調整の場に消費者の声は出ていないわけです。この流れ図の中では、一応地元小売業者や地元消費者が意見を出すことができるようにはなっていますけれども、実際問題、例えば出店したいという業者があるエリアにおいてその意見表明が地元のどなたにでも、消費者でも小売屋さんでも卸屋さんでもみんなが見えるようになって、それがいいか悪いかという公論ですね、みんなの世論が起きて、そしてそれが商調協で審議されるというような仕組みにはなっていないということを非常に不満としているわけです。
 先ほど申しましたけれども、調整四項目でカバーし切れない点が非常に多いので、そこのところも、私たちただ買い物人間として地域に存在しているだけじゃなくて、やっぱり商業家庭の人とともに、それはもう長い御近所のつき合いもありますから商業家庭の人々とも共存したいし、それから私たちの夫たちがスーパーに勤めさせてもらっていることもあるし、主婦連といいましても仲間は別に専業主婦だけの集まりじゃない、昼間働いている人も大勢いますし、そんなことでパートに出る御婦人も私たちの仲間、消費者ですから、そういう方たちが、いろいろな形態の人が十分満足のできるように、地域が非常に平和的に住める、そしてこの町は私たちの町だという、安心して子供が育てられて年寄りが生きていかれる町の中で私たちがこういう商業状態がいいねとみんなが納得するような、もっと透明度のある法の運用になっていってもらいたいと思うんです。
 そのためには、先ほども申しましたように、商工会議所や商工会さんは非常に御努力をなすって消費者の意見を聞くように努力していらっしゃるかもしれないけれども、まだまだ消費者から見ると、まだまだというよりはそれはむしろ無理なこと、消費者も平等の参加をさせていただくには無理な場だというふうに思いまして、やはりもう一度大店法を素直に読んで、その法の運用を行政庁が努力の中でやっていく。例えば商業集積の実態と人口動態、それで現在の見きわめをし、将来像を見てこういう数字はどうですかというふうに、だれが見ても客観性を帯びた出店が認められる、認められない、それがもっと本当に明るくみんながわかるところでやっていってもらいたいものだ、そんなふうに思うわけです。
 そのことは行政官庁、はっきり言ってしまえば通産局と、それから余り利害が生々しくない、地元の市町村というよりは大きな県単位ぐらいですね、そこのあたりがきちんとした客観的データ、このごろは先ほどの小山先生みたいな学者さんもたくさんいらっしゃるわけですから、いろんな数字を客観的に出せる方法はあると思うんですね。そういうところと、それから先ほど申しました、私たちがみんな住みやすい地域をつくっていくというための環境づくりと活発な市場と、そういう多面的な検討の場を改めてやっていっていただきたい、そんなふうに思うわけです。
 まあこんなことはないと思いますが、くぎを刺す意味でお願いしておきたいのは、今の商調協をもし法律の中に位置づけてしまうと大店法の変質につながる。それは今よりもむしろ規制の強化になったり、あるいは客観的判断から考えられるのではなくて、地元と出店者の調整をする法律になってしまって、今でもおかしいと外国がもし言うならば、そういうものが政府のお墨つきになってしまう。そういう意味で、そこのところだけはぜひ私ども消費者としてはしてもらいたくないと思うわけです。消費者の利益というのはお題目にやたらと使われては困る。むしろ実質的に本当に消費者利益というのは何なのかということを考えていただきたいわけです。私たちはやはり、反射的に大業者さん、小業者さん、お役人が考えてくださる結果として得べき消費者の利益ではなく、消費者もそこに参加させていただいて、自律的に獲得させていただく利益というふうに持っていっていただきたい、それをお願いするわけでございます。
 何か大変私どもの声は生活レベルで具体的なものですから、ちょっと失礼なことがあったら菊地さんにも山本さんにもお許しいただきたいんでございますが、そんなふうに考えております。よろしくお願いいたします。
#13
○会長(小山一平君) どうもありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#14
○会長(小山一平君) 速記を起こしてください。
 これより参考人に対する質疑に入ります。
 本日は五名の参考人に御出席をいただいておりますので、質問される委員各位は、五人の参考人のうちどなたにお答えを求めるのか御指名の上、御発言くださいますようお願いをいたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#15
○角田義一君 社会党の角田でございますが、座ったままで和やかな雰囲気でいきたいと思います。
 まず菊地参考人にお尋ねをいたしますが、今回の日米協議で大店法の運用等について日本政府がやらなきゃならぬいろいろな課題を背負ってきたわけでございますけれども、要はアメリカの貿易赤字、日本で言えば貿易黒字の問題ですが、これを解消するというように目的化した場合、大店法でいろいろ規制緩和をすることによって一体日本の貿易黒字というものが果たして解消するのかどうか。そういう論理、必然性というのはないように私自身は思うのですが、菊池参考人の方はそれについてどういうふうにお考えでございますか。
#16
○参考人(菊地照雄君) 私個人の考えでございますが、先生おっしゃるとおりだと思います。私どもの会員の中でも、例えば大店法の今度の適正化、運用の緩和をしても、直ちに輸入がふえるとか、それから店が日本に来て出店するというようなことはないだろうというふうに見ている方が多いようでございまして、直ちに貿易赤字の解消ということにはつながらないのじゃないかというふうに考えます。
#17
○角田義一君 通産省のお立場だと、例の日米協議でアメリカにいろいろ約束をしてきた、したがって運用を五月中に改善するというようなことで、私は率直に言って非常に性急な感じがするわけであります。
 そこで、二つほどお尋ねをしたいのですが、一つは、参考人も御高承のとおりだと思いますけれども、昭和五十七年に通産省は出店の自粛通達というのをやっておりまして、特定の大手企業に対する個別出店指導、あるいはまた大型店の過密地域及び小規模な市町村における出店の自粛要請という通達をやっておるわけであります。これは現在でも生きておる。死んでおるわけではないわけです。
 そうしますと、アメリカとの関係で、片一方ではこういう出店の自粛要請をしてそのまま維持をしておきながら片一方では運用でもってどんどん先へ進めていくというようなことはややおかしいのではないかというような気もしないわけではないわけです、論理的に。そうすると、いわばチェーン店の方とすれば、この際一挙にこの自粛の通達も撤廃をしてもらおうじゃないかというようなお考えが果たしてあるのかどうか、これが一つ。
 それからもう一つは、この際、通産省でどんどん進める通達の内容が改善されたことを機会に一挙に大型店を出していこうじゃないか、こういう機運といいましょうか傾向といいましょうか、そういうものが業界としてあるのかどうか。その二点についてお尋ねをいたしたいと思います。
#18
○参考人(菊地照雄君) 第一点目でございますけ
れども、自粛通達というのは恐らく現在も生きていると思います。それで、私どもが申し上げていますのは、先ほど加藤参考人からお話がありましたように、事前商調協の前の事前説明とかそういう問題が非常に多いということ、それはとりもなおさず通達そのものにやはり問題があるんじゃなかろうかということを考えておりまして、その通達につきましてはもう一度見直しをしていただきたい、自粛通達も含めて。必要であればこれは残しておいてもいいと思いますが、必要がなければ最小限のところでとどめていただくとか、そういう感じだろうと思います。したがいまして、これについてはひとつ今後検討をしていただく問題かなと思っております。
 第二点の出店のラッシュということでございますが、実は私ども、先ほどもちょっと冒頭で申し上げましたが、かねがねいろいろと問題がありましたので、規制緩和といいますか、適正な運用ということで御要望を申し上げてきました。その中でも、仮に緩和されたとしても、みんないきなり出店をして地域で混乱を起こすことのないようにということを役員会等でも申し合わせをしておりまして、会員さんもそれを受けてそれなりの対応をしていただいておるというふうに考えております。
#19
○角田義一君 例の事前商調協ですね、これが先ほどからいろいろと議論が出ておりますが、不透明であるとか不明朗であるとかいろいろ問題があるわけであります。加藤参考人の方は、その商調脇制度というものを法律の中の制度に入れるということについてはやや疑問というか、否定的な考えであるようでございますけれども、これまたいろいろと議論しなきゃならぬ問題なんです。
 例えば、商調協における審議というものを非常に明朗化するという意味で審議を公開する。これは果たして法律でやっていいのかどうかちょっと疑問で、まだ考えなきゃいけませんけれども。あるいはその商調協のメンバーを準公務員的な扱いにする。はっきり言うと、ダーティーな金が流れて、そしてえらい札束攻勢でやっちゃうというようなことも巷間言われているわけですよ。事実かどうか知りません、見たことないんだから。現場見てないからわかりませんが、そういううわさは現にあるわけですよね。そうなりますと、そういうものを予防するという意味で商調協のメンバーを準公務員的な扱いにする。これは法律にしなきゃならぬと思いますけれども、そういう問題についてはどういうふうにチェーンストア側ではお考えになっておりますか。
#20
○参考人(菊地照雄君) 事前商調協につきましてはかねがね問題になっておりまして、これは全く通達そのものが公開されていない、通達のもっと細かいところの指導の中身が公開されてないという問題もあったようなんです。したがって、そこら辺をきちっとやってほしい。
 それで、これに関係して公開の問題もあるんじゃなかろうかということで、会員の中でもいろいろそういう意見はありますが、果たして個人個人の御意見をすべて公開していいものかどうかという疑問が残るんだろうと思うんです。したがって、直ちに公開していいかどうか、公開すべき内容であるかどうかということをやはり念頭に入れた上でこれについての御検討をいただきたいというふうに私ども考えております。
 それから、第二点につきましては、準公務員かどうかということは、恐らく先生、陰ではいろんなことが起こって不透明なところがいっぱいあるということが考えられるということなんでしょうけれども、現在の商調協で運用に当たっていただいております商工会、商工会議所の方々も大変熱心にやっていただいておるようなんです。加藤参考人も商調協の一員になっていただいているようですが、私どもの方からも委員として東京都の場合二名参加させていただいております。それで、いろいろとやりとりがあるようでございますけれども、やはりこれは自覚の問題じゃないかと思うんですね。加藤さんからもお話がありましたけれども、商調協の委員そのものが本当に果たして適当な、皆さんが議論に入ってもらって、それで内容を審議していただくのに本当に適正な方であるかどうかということからやっぱり考えていただく。まあそういう問題があるとすればですが、そう思います。
 したがって、準公務員であるかどうかということは、果たしてそれで問題が解決するかどうかということだと思いますので、必ずしも準公務員ということがいいのかどうか、それも通産省の方でも御検討いただきたいということは言ってあります。要するに、適正な議論がなされる方ということで、もちろん選ばれるのはいろいろ利害関係のある方ばかりですから、それなりに御意見を十分吐いていただけるような方ということでお願いをしております。したがって、準公務員かどうかということについてはまだ内部でも、内部といいますか、余り詳しく議論はしておりませんので、恐縮でございますけれども。
#21
○角田義一君 同じ質問でございますけれども、山本参考人に。
 今言った商調協のやりとりの公開、まあ程度問題とかあるいは全部明らかにするのはどうかという、そういう問題はありますけれども、原則として、例えば商調協の審議状況というものを公開をするということ、あるいはまたその商調協の委員さんを準公務員にするというような問題については、どういうふうに業界ではお考えになっておりますか。
#22
○参考人(山本勝一君) 準公務員ということよりも、商調協の中のバックデータを、基準の何か物差しを出していただきたいということなんですね。ですから、その地区に消費者がどれだけおって、消費生活の支出がどれだけあるか、店舗がどれだけあるか、個人がどれだけあるか、その中で競争的な状態を考えてどのぐらいの規模が適正なんだというような、若干将来性も考えまして、そういうようなデータが一つあればそれに基づいて当てはめつつ審議ができる。
 ですけれども、今行政側では三者出てみえます、通産なり県なり市なり。だけれども全く物はおっしゃいませんし、資料を出してほしいと言っても、いやまあそれはというようなことで資料が出ないということですから、結局、利害関係の感情論とか何かでやっておるうちに時間が来たんで、どうだ、あそこにこれだけカットしたんで、これもこれだけカットしようかというようなことで終わっておる。そこいらの中身が非常にあいまいといいますか、はっきりした基準がないということですから、そういうものをきちっとしたデータを出していただいて、そこの中であれすれば、こういう状態でこうだからこういう結審がおりましたよということになれば一般の人も理解しますけれども、どうもそこらの明快な公開がないということが一つ大きな問題だと思います。
#23
○角田義一君 加藤参考人。
#24
○参考人(加藤真代君) 私の気持ちを山本さんが皆おっしゃってくださった感じなんです。ただしかし、私も冒頭陳述の中で申し上げましたように、実態が非常に違う場合があるんですね。例えば、この一、二年の状況は知りませんが、昔私が自分の小さな市で起きたときは、県の方からかなり調査データをたくさん出してくだすったんです。私はそこの市民なのに知らないような商店街の地図だとか、どのぐらい今現実お店のスペースがあってというようなこと。そうすると、じゃこの大店舗が出店したいといったときに、豆腐屋さんも生きていかれるか、それからいつも行っている手芸糸屋さんもつぶれないだろうかということが結構判断の材料になったんですね。そういうことを昔私が小さな市で務めさせていただいたときはできたんですが、東京都の商調協の委員をさせていただきましたら、驚きましたことは、非常に広域で、二十三区で一つの商調協ですから、幾ら良心的にやろうと思っても時間切れになるわけですね。ですから、地元での合意があったかどうかということをまず商調協としては一つの事前フィルターにしちゃうわけです。
 そうすると、先ほど申し上げましたように、そ
の地元の調整のときの出店説明と、いや、あんたのところ来てくれちゃ困るからもうちょっと小さくしてくれないかといって地元の商工会の方がおやりになっていることは、消費者は知らないわけですね。そのことがじゃ客観的に見て妥当である数字かどうかということは、私たち消費者も知らないわけです。そして商調協の方に話が来てしまう。しかし、地元がもういいと言ってくださっていることを、上の方からそれはいかぬよなんというようなことは言えないから、よほどおかしいと、そんな小さく縮めることもなかろう、いや、そんなに大きいまま出て地元の商店さん大丈夫ですかというような、その程度のことは申し上げられるけれども、やっぱりさじかげんというか皮膚感覚というか、そのあんばいという感じでやるので、いつもじくじたるものが残りますね。
 そういう意味で、私が申し上げたのは、大店法を本当に素直に読むならば、行政庁のやるべき仕事はもっとあるぞということです。そこのところをもっと働いて出せばいいのに、やたらと空手形みたいに通達というか十手をどんどん商工会の方へ、荷物出すみたいな、そういう印象を受けますね。
 それから、準公務員並みにするということは、とんでもなく私は困ることだと思います。そんなことをしたところでできるだろうか。守秘義務だとか、それからまた、例えば消費者代表としてあんたなれと言われたら、私はほかの消費者運動が全然できなくなっちゃうんで、かなり覚悟を決めなきゃならない、誠実にやろうと思ったら。それこそもう一度大学へ行って小山先生のところで勉強でもさせてもらわなければそんなことはできない、そういうふうに思います。
 だから、もっと今の市民レベルのところで透明度を広げて、みんながいいというような状況づくりの方が大事ではないか。やたらとだれかに冠かぶせれば事が解決するというよりは、私が私の市で、それこそ先生方も御自分の市で、じゃ僕が日曜日に買い物に行ったときどうあってほしいかという、そこの裸の消費者のところから考えてください。
#25
○角田義一君 わかりました。いろいろお聞きしたいことがたくさんあるんですけれども、時間の関係もありますからね。
 山本参考人にお尋ねするんですが、今度の日米協議の問題で、ああいうふうに日本政府がアメリカと、条約じゃありませんけれども一定の合意に達して約束してきた。しかし、それを非常に短期に強引に地域に仮に押しつけるというようなことになったら、非常に現場で大混乱が起きるんじゃないかということが一つです。
 やはり、大店法だけの問題をいじって事を解決するんじゃなくて、先ほど参考人もいろいろ言っておられましたが、それはもちろん大店法の運用の問題もあるだろうし法の改善もあるだろうけれども、やはりその地域をどうするんだと。地域を活性化するというか、あるいは地域政策ですね、地域政策の一環として大店法の問題も考えなきゃいかぬだろうし、そしてそこに生きていく中小の業者の近代化という問題もまた大事だと思うんです。そういうものが全部総合的にいろいろの政策が進められて初めていくんであって、もっとはっきり言えば、都市計画の問題とかいろいろありまして、そういうもの等総合的な中で大店法の問題はやっぱり議論されるべきなんであって、これだけ突っ走っていって五月中にこれこれするよというような形でやった場合には私は大変な混乱が起きるだろうと思いますし、これは業者の方の抵抗も私は強いんじゃないかというふうに思うんですが、その辺の基本的な考え方、大店法の位置づけというか、それをちょっと参考人の御意見を聞かせてください。
#26
○参考人(山本勝一君) 総理がアメリカへお行きになって、それから急に浮上してきたということでございます。昨年中は、構造協議はあるけれども、中に若干ちらちら大店法のあれがちらついたということはございますが、総理がアメリカへお行きになってそれから急速に浮上して、総理の言葉の中にも撤廃を含めて見直しをするのだというようなお言葉が出たんで、これは大変だということでいろいろお願いをしたんです。
 なぜこんなに急速に、まあ中間報告でもまだ七月というのがございますけれども、何か大店法においてはもう四月の段階で終わったような感じで、今後これをどう具体的にあれするかと。それで、第一段階では調整期間の短縮、それからあと輸入品の売り場の増設、それから軽微な増床、これはということでこの二十七日に産構審と中政審の合同で行われるようでございますけれども、私どもとしてはなぜこの問題をそんなに慌てるのかなと、何も輸入がふえるわけでもなし。今、チェーンさんも我々も、正直言って消費者のニーズが非常に多様化していますので、何か売れるものはないかというんで躍起になって探しておるんです。ですから、欧州品にしろ東南アジアのNIESの品物にしろ売れるものはどんどん入れています。ところが、アメリカでは正直言って買うものがないんです、消費財においては。そんな国で、出てきもせぬと、今おもちゃ屋が新潟でちょっと問題になっていますけれども。
 一体これはどこから話が出たんだろうということで私ら勘ぐっているのは、いわゆる東京発ワシントン、ワシントン発東京というような情報も若干聞いておりますけれども、そういうことになりますと、一体輸出でこんな迷惑なことまでやったのはどこだと言いたくなるんです。経団連関係の方々が、それは日本は貿易立国ですから、ある程度貿易立国やってもらわにゃいかぬですけれども、ここ二、三年の貿易は全く迷惑千万です。アメリカも怒っていますし、我々のところまでとばっちりがくる。こんなことならやってもらわぬ方がいいです、正直言って。ということまで言いたいということでございます。
 したがいまして、もし大店舗法が骨抜きになるような状態でしたら、相当総合的な抜本的な町づくりを考えて、そこの中に商店街と一体になって、消費者の利便も考えて、商業集積はどの程度を要してどうしたらいいのかということのデータをきちっとお出しになって、またそれに基づくような法律もつくっていただいて、ならばどうだとおっしゃればいいですけれども、そうじゃないということになりますと、見直しの段階ではかなりの抵抗が出てきます。しなきゃならぬと思っています。うちの組織、全く承認しておりません。この問題に対しては理解しておりません、依然として反対しておりますから。
#27
○角田義一君 貿易黒字がどれだけ解消になるかという問題は、これはもちろん簡単には言えないと思いますけれども、例えばアメリカの製品を日本で本当にたくさん売りたいのであれば、先ほど言ったとおり、もちろん大型店もありますけれども、曲がりなりにも商店街も立派にやっておるわけで、そこには大変なお店もあるわけですから、一万数千の商店街を形成しておるということですから、そうすればそこでアメリカの製品も売ってもらえば、これは販路は開けるわけですから、そういうふうにした方がいいんじゃないか。むしろ逆に日本政府はそういうふうに輸入がしやすいようにする、あるいは中小の小売店の皆さんが輸入しやすいようにしてそして販路を開くというような、そういう施策をむしろ進めた方が、何も大店法をここでもってがたがたいじって町をめちゃくちゃにするよりはいいのではないか、そっちが先ではないかというような感じも私は持っておるんです。いかがですか、山本参考人。
#28
○参考人(山本勝一君) そのとおりでございまして、大型店さんなりいろんなあれが、日本の場合でいきますと重厚長大から構造改革で変わってきた。大手がいわゆるソフト産業に参入するということがございまして、例えばリゾート開発の中のショッピングセンターとか、いろんな意味から考えると大店舗法が邪魔になるんじゃないかなということもうかがえます。
 したがいまして、そういう意味から、大型店の出店のいわゆるストックがもう既に千二、三百ありますけれども、これはあれしたら一挙にばっと
出ます。先ほど菊地さんは秩序あるとおっしゃったけれども、早く出た者が勝ちなんです。そうすると、先に出れば、我々のところもということで当然これはばっと来ます。ですから、これはもう大変なことになります。
 いずれにしても、そういう面から考えますと、我々の既存の機能を使って、そして消費者に売れるような体制をつくっていただくのが一番いいんではないか。会議所のあれでは、ことし九カ所でしたか、輸入センターをつくるということで予算が出ておりますけれども、そういうところも積極的にやりまして、輸入品が安直に仕入れできるようなこともお考えいただくとありがたいなと思っています。
#29
○角田義一君 商店街の近代化資金の問題なんかについては、現状はいかがなんですか、十分なんですか。山本参考人にお尋ねします。
#30
○参考人(山本勝一君) 先ほども若干触れましたけれども、今までの商店街の助成といいますと、カラー舗装とかアーケード、ああいうものに対して何割というような補助でございまして、全く二階から目薬というか、これはまあどうしようもないものでございまして、あとはイベント関係について若干いただいておるということです。もうここまでくると、各都市が都市計画の中に商業集積はどうあるべきだ、住宅地はどうあるべきだというような観点からある程度予算をつけて、そして将来展望を見て町づくりをやっていただく、それに対して予算をつけていただくというような方向にいかないとこの問題は解決しないと思います。
 ですから、商業の見直しを去年ぐらいから通産の方も若干御配慮をいただいておりますけれども、今まではどちらかというと士農工商で、商業はほったらかし。二次産業まではかなり手厚い助成が行われました。去年ぐらいからは、商工両並びで何とかしようということですけれども、まだまだ予算は微々たるもので、イベントのなんかいただいても一過性で、そのときにイベントをやってみたって後が続かぬということもございますので、やはりハード面もひっくるめて町をどうするかということにぼちぼち取り組んでいただく時代に来たのではないか。私は、それが本当の内需の振興だと思います。また半面、社会の福祉政策の一端でもあると私は思います。
#31
○角田義一君 大店法の問題はこの辺にしまして、上野健一郎参考人にお尋ねしたいんですけれども、自動車の販売のシステムというのは日本もアメリカもヨーロッパもさほど本質的に変わりはないというようなお話でございました。そのとおりだと思いますけれども、日本の場合はメーカーさんの力が非常に強い。そして、ディーラーが自社以外の商品を扱うということについては約款で相当厳しく制約を受けておるはずであります。ペナルティーがあるかどうかわかりませんけれども、かなりきつい制約があるはずであります。
 しかし、日本人の感覚といたしまして、若い者と我々中高年者とはちょっと違いますけれども、AならAという長いおつき合いのディーラーさんから車を買っておりまして、例を挙げてちょっと恐縮ですが例えばトヨタならトヨタの車を買っておる。しかしたまには、社会党が余りベンツに乗ったりBMWに乗るといろいろ物議を醸しますけれども、乗ってみたいなという気持ちのときに、その長いつき合いのところからは買えませんですよこれは。絶対買えないんですよ。ほかのところへ行って買わにゃいかぬ。その長いおつき合いというものを絶って、ほかのいわば外車を扱っているところへ行って買わなきゃならぬ。これは変な話ですが、若い人はわりかしドライに割り切ってその辺は簡単にやっちゃうかもしれぬけれども、我々長いおつき合いでいくと必ずしもそうはいかない。
 そうしますと、アメリカあたりでは二つ三つメーカーを扱うのは少なくないということでございますけれども、今日これだけ国際化でもって日本の車をアメリカに買っていただいておるわけですから、例えば日産さんあるいはトヨタさんでも自分のところのディーラーに、例えば年間に去年の実績の五%程度のものは外車を扱ってもいいよ、例えばBMWでもワーゲンでも何でも売ってもいいというような形にはならないんでございましょうか。そういうような一つの機運というか、そういうものは全然自動車業界にはなくて、相も変わらず自分のところのものだけ売れということになっておるんでございましょうか。その点をまずお聞きしたいと思います。
#32
○参考人(上野健一郎君) お答えいたします。
 ただいまの点でございますが、私どもはメーカーから他の外国の車を売ってはいけないとかなんとかという具体的な制限を受けている事実は全くございません。
 ただ、トヨタのことで私申し上げさせていただきますが、トヨタの車種の中で全くの専売の車というのは二品種しかございません。それはクラウンとスターレットでございます。その他の車種はすべて五つのチャンネルが、二つないしは三つのチャンネルにわたって扱っておるということで、トヨタの中におきましてはアメリカのごとく、アメリカでもゼネラルモーターズのディーラーがフォードを扱っているという実例は一つもございません。ただ、ゼネラルモーターズでキャディラックのディーラーがポンティアックを扱うとか、ビュイックを扱うとか、シボレーを扱うとかということはあるんでございます。一部GMのディーラーがクライスラーを扱っているという例はあるそうでございますが、これはクライスラーの地位が非常に低いということからかと思いますが、そういう例は一部あるようでございます。しかし、私どもトヨタにおきましても、同じようなぐあいにトヨタの中におけるいろいろな車種をいろいろなチャンネルが扱っているという点におきましては全くアメリカと変わりはないと思っております。
 ただ、御指摘のように、例えばベンツであるとかBMWであるとかというようなものも私どもは取り扱えれば取り扱いたいとは思いますが、これにはそれなりの既に流通経路ができておりまして、そう簡単にあしたから私の方で売らせるというわけにもなかなかいかない問題もあるし、同時に、私どもクラウンを一つ取り上げますと、クラウン一つで二百六十三種類くらいの車種があるんでございます。したがいまして、私どもの現在の販売力から申しますとなかなかいろいろな車種を取り扱うだけの実力が、先ほど申し上げました部品の在庫、アフターサービスの能力から申しましてなかなか手広くいたしかねる。うかつに手を広げるとお客様におしかりを受けるような粗略な取り扱いになるおそれがあるという点から、各ディーラーも慎重を期してなかなかそこへ踏み切れない、これが事実だと、このように存じております。
#33
○角田義一君 消費者の立場から言うと必ずしもそうじゃないんですね。そうすると、消費者重視ということになると、私が今提起したような問題ま、トヨタさんなり日産さんなりは、国際社会で日本の車がばんばんアメリカへ行ったりヨーロッパへ行っているという中で、向こうの車が少しでも日本の市場に入ってきたいという願望も非常に強いと思うんですよ。そうすると、日米の例えば自動車摩擦というような問題を考えた場合に、今私は例を挙げて言っているんですけれども、そういう問題はこれからメーカーなりディーラーなりも私は検討しなければならない課題の一つとしてあるであろうということは御指摘を申し上げておきたいと思うんですよ。その辺はいかがですか、上野参考人。
#34
○参考人(上野健一郎君) 申し上げます。
 御指摘のとおりだと存じます。ただ、現時点ではそのような状況になっていないという点ですが、例えばトヨタにベンツを買いたいというお客様が仮に自分のお客様でいらっしゃいましたら、当然私どもはベンツのディーラーに紹介をいたします。ベンツのディーラーは私どもに紹介料をくれます。お客様にお教えをしますので、ベンツはやっておりませんからといってお客様を帰すというような、そういう商売っ気のないのはそうたん
とはいないんじゃないかと、このように思っております。
#35
○角田義一君 その辺が私どもがいろいろ調べてきたのとちょっとニュアンスが違うんでございますけれども、まあそれはいいでしょう、きょうは。
 もう一つ、並行輸入で買った車、例えばベンツならベンツを買う。それで、故障する。そこでベンツの総代理店に行くと、今はどうかわかりませんけれども二、三年前までは、要するに総代理店を通して売ったものではないから悪いけれども部品は売れないという意地悪をされて非常に難儀をした、こういう消費者が現におるわけですよ。私は、これは余りいい商慣行じゃないと思うんですね。ベンツならベンツを扱っておる輸入総代理店は、仮に並行輸入のベンツであっても部品を売ってやるとかいうようなことは、これはしてやるのが当然じゃないかというような気がするんですけれども、現状はどうなっておりますか。
#36
○参考人(上野健一郎君) お答えいたします。
 私、まことに申しわけございませんが、輸入車を取り扱っておりませんので、並行輸入の商品の部品を直輸入のディーラーが供給をお断りするといったような実例があるのかないのかは存じませんが、先生の御指摘のようにありとすれば、これはぜひ是正をいたさなきゃいけないと思います。これは自販連といたしましても、輸入自動車組合等、最近協会のメンバーに入りましたので、ぜひそのような連絡をいたして、そういうようなことがかりそめにもあってはいけないという通達はいたしておきたい、このように思います。
#37
○角田義一君 最後に、小山周三参考人にお尋ねをいたしますが、先生のお書きになった「日本型流通システムの構造・行動・評価」という論文を拝読いたしたわけですけれども、その中で、今日のこの流通システムの問題等について、外国に対して政策的に直せるものと政策的に絶対直せないものがあるんだ、この分類をして、だめなものはだめとはっきり言った方がいいんじゃないかという趣旨のことが最後に書かれてあるわけでございまして、その辺、例えば先生の方のお考えでどういうものがだめなんだ、外国に対してもこれは直せない、この部分については直せるというふうなお考えであるのか、その点だけちょっとお尋ねしておきます。
#38
○参考人(小山周三君) 私のものをよく読んでいただいておりますので、逆の意味でちょっと答えにくいんですが、先ほど申し上げましたように、日本の流通システムというのは我々の仲間同士にとっては非常に効率的で合理的な形態だと思うんです。さて第三者が日本に入ってこようとしたときに見ると、いろいろ不都合な問題があるということが流通問題の一番大きな点ではないかと思うんですね。
 その場合の問題として取引制度の問題が今上がっているわけですけれども、取引というのは会社と事業者がそれぞれに個別に行っている問題なんですが、こういう問題というのは、政治レベルで解決したことが本当にその取引当事者同士に守られるのかどうかといいますと、約束してもなかなかそれは実際に実行できないというふうなことになるのではないかと思いますので、とりわけ取引慣行のような問題については、本当に是正できる部分はどこなのかどうかという議論を少しやっておかないと、すべて約束しても事業者が全く動かないという形になりますと、空約束をしたということになるのではないかということで私は心配しております。
#39
○角田義一君 わかりました。
 ちょっとオーバーしまして済みませんでした。終わります。
#40
○永田良雄君 自由民主党の永田でございます。
 最初に、小山参考人にお願いいたします。
 日本の流通環境が大変変わってきておる、しかしその中でもいろんなバラエティーのある形態の業者がそれぞれ競いながらやってきておるというお話であります。ただ、非常に気になるのは、在来の小さい小売の業者の数がどんどん減ってきておる。私は、今いろんな参考人のお話を聞きまして、日本の方がいろんなバラエティーのある販売店等があるのは大変いいことだと思っておるんですが、一番小さい、零細な販売業者の店がどんどん減っているんですが、これは今後まだまだ続くのか。小売販売店の非常にいいメリットもあるので、例えば先ほど山本参考人が、これから老齢化社会になったら、わざわざ車を使って行くというわけにいかないので、やはり日常のものは隣へひょいと歩いていって、はい、この半紙を一じょうくださいとか、そういう取引は当然残ってくるだろうと。私もそう思っておるんですが、これからまだまだ行くのか、どの程度まで行くのか、これは難しい話だと思うんですが、明確な見通しを持っておられたらちょっとお聞かせいただきたいと思っております。
#41
○参考人(小山周三君) 申し上げたいと思うんですが、やはりこれは非常に難しい問題であると思うんですが、ただ私は次のように考えております。
 御承知のとおり、商業統計調査によりますと日本の小売業の商店数は減少なんですが、中身をよく調べてみますと、消費者ニーズに対応できてない小売店が減少しているわけです。逆に、消費者ニーズに対応した業種、例えばファッション関係の専門店でありますとか、本屋さんでありますとか、あるいは化粧品店でありますとか、要するにそういう今の人たちの消費者ニーズに合った小売店は逆にふえてきているわけですね。ただ、トータルの計算で見ると減少の段階に入っているということで、今後の商店減少という傾向をどう見るかということですが、私はやっぱり消費者ニーズに合わない業種、業態の小売店はまだまだ恐らく減少していくのではないかというふうに思っています。
 それがどのくらい減るのかという見通しは本当に難しいんですが、例えば食料品小売業で申し上げますと、ちょっと正確な数字は持っていないんですが、中小の食料品店の販売額シェアがもう五〇%を割っていると思います。四十数%だと思います。恐らくごく普通の食料品店の数は、コンビニエンスストアとか、スーパーマーケットとか、あるいは百貨店のような大きなお店の便利な食料品コーナーといいますか、そういったところとどちらが便利かということで考えていきますと、恐らく四〇%を割るぐらいのところまでいかざるを得ないのではないかということで、この問題を判断する基準はあくまでも消費者のニーズに合っているか合っていないか、消費者自身がやっぱり最終的に決める問題だと思いますので、業種や形態によって相当のばらつきがあるのではないか。ただ、傾向的には今後とも減り続けていくのではないかというふうに思っております。
#42
○永田良雄君 実は、去年出された通産省の二十一世紀へのビジョンに書いてあるんですが、大変抽象的だと思うんですね。中小商工業者の皆さんが欲しておられるのは、どういう業種はこういう零細企業でこれからいけるよとか、零細企業でもこういう業種の人たちがこういう方向へ走っていったらいいよという指針みたいなものが本当は欲しいんじゃないかと思っておるわけであります。やっぱり零細ですから情報の収集力もありませんし、弱いわけですから。そういうことを役人に求めても無理なのかもしれませんが、先生方みたいな学者の方がいろんな立場からいろいろサゼスチョンを与えていただくことが大変大事だと思いますので、よろしくお願いしたいと思うわけであります。
 第二点でありますが、日本の商業の零細性とか多段階性というのは決して商業の非効率化を意味しないというお話を先ほど聞きましたし、そのデータもお示しいただいたわけでありますが、これは一体どう考えたらよろしいんでしようか。日本の小売業が零細である、あるいは流通業は多段階であるにもかかわらず非効率性に結びつかないで利益率が欧米に比べてそんなに劣っていない、こういうのはどういう理由か。これはやはり今後小売をやっていかれる方の大変参考になる話でありますから、そういうことをわかっている範囲でお教えいただきたいと思います。
#43
○参考人(小山周三君) その零細、多段階ですけれども、効率性という点では遜色ないということを先ほど申し上げたわけです。なぜなのかという御質問だと思うんですが、例えば欧米の場合には大規模な小売業者が卸売機能を果たしているわけですね。したがいまして、日本の小売業者よりも高い商業マージンを確保しているわけです。もちろん、卸売機能を自分で果たすわけですからそれだけの人が要りますし、物流センターをつくらなければいけませんので、より高い商業マージンを確保しないと経営的にやっていけない。ところが、日本の場合にはメーカーと卸売業者と小売業者が少しずつマージンを分け合うという、そういう分業のシステムが成り立っているわけですね。どちらが高いかどうかという数字の比較だけをしてみますと、そんなに変わらない。場合によっては日本の方が低い商業マージンの場合も出てくるということになるわけです。
 一番問題になりますのは、メーカーと卸売業者と小売業者が分業関係で少しずつマージンを取って流通機能を果たしているというこの構造そのものがある意味では極めて閉鎖的ではないかということが今非常に大きな問題になり始めているわけですね。
 これは御質問のところとちょっと外れてしまうかもしれませんが、そういう意味で非効率ではないという話と、だから全く日本の流通機構は国際化という観点から見て問題がないかどうかということとはまた別の問題だということを申し上げておきたいと思います。
#44
○永田良雄君 それでは、上野参考人にお伺いいたします。
 自動車の取引について大変参考になるお話を伺わせていただきましてまことにありがとうございました。私は初めて聞いたんですが、日本の自動車の販売の元祖はアメリカであり、GMでありフォードであり、それを日本がうまく発展さして現在のような状況になって繁栄を続けておるというのも大変参考になりました。アメリカは恐らく、人に教えたんだけれども自分の方で努力をしなくて効率化を怠ったためにうまくいっておらぬ面が多々あるんだろうと思うんです。
 そこで問題は、アメリカの零細な販売業者は別にいたしまして、GMとかクライスラーとかいう大手メーカーはそういうことをよくわかっているのかどうか。あるいは皆さん方がメーカー同士でアメリカのメーカーとお話しになった場合にそういうことが話題になったことがあるのかどうか。そして、日本の自動車販売における系列とかそういう問題についておかしいと言われたことがあるかどうかというのをお伺いしたい。
#45
○参考人(上野健一郎君) お答えいたします。
 ただいまの点でございますが、アメリカのメーカーがどのように考えているかということにつきましては、私、直接アメリカのメーカーとタッチする立場でございませんのでよく存じませんが、アメリカ側が日本の市場に向けた商品を開発していないということは事実でございます。
 申し上げさせていただきますと、昨年の日本の輸入自動車台数は約十八万台でございますが、そのうちの約八九%はヨーロッパ車でございます。アメリカは一〇%に満たない数字しか入っておりません。しかし、アメリカの車が伸びないというわけではなくて、輸入車全体の伸びは一三五%に対し、アメリカ車の伸びは一三二%でございますので、ほどほどに伸びてはおります。しかし全体としては輸入車のほんの少ししか日本の中で売られておらないことも事実でございます。
 これはなぜかと申しますと、やはり消費者にそれだけ受け入れられていないということなので、今日アメリカの車をどなたでもお買いになろうと思えば、今日ただいまどちらでも、非常に特殊な車は別といたしまして一般的な車ならお買いになれます。ただ、そういう状態でありながらこのような状態であるということは、例えばヨーロッパ車は右ハンドルを出すとか、あるいはサイズも日本人に適したサイズを出すとか、スタイリングにおいても日本人の好みに適したものを出すとかいう努力をいたしておりますが、アメリカは全く向こうで売っているものを日本へ持ってくるだけでございますので、その点の日本市場への参入のための努力というものがアメリカには不足しているということは事実でございます。
 それをアメリカのメーカーがどのように考えているかということにつきましては、話し合ったことがございませんので、ひとつそれだけにさせていただきます。
#46
○永田良雄君 メーカーだけでなしに、私はアメリカ産の自動車をアメリカで販売する場合にも非常に消費者が不便なんじゃないかと思うんです。先ほどから販売の方式なんか聞いていまして、確かにアメリカの消費者はアメリカ車を余り買わなくなるだろうなという感じがするわけでありますから、できましたら今度は逆にそういうことをアメリカの販売業者にも教えていただきたい。そして、そういうこともいろいろメーカー、販売あわせて向こうに、あるいはマスコミにもこういう状況ですよということをできるだけPRをしていただきたい。余りよくわからずに言われておろおろするようでは一番困るわけでありますから、そこら辺はしっかりお願いしたいと思います。
 それから、加藤参考人にお伺いいたします。
 私ちょっと聞き間違いだったのかどうか、もう一遍お尋ねするわけでありますが、加藤参考人はただいまの商調協の運営のやり方が極めてまずい、したがって改善をどんどんやるべきだといろいろ具体的な例を挙げておっしゃいました。したがって、それの運営の改善をやればいいのであって、法律の問題に手をつける必要はない、こういうふうにおっしゃったように思うわけであります。本当に消費者団体の代表としてそういうふうにおっしゃっていただいたのかどうか、もう一遍はっきりお答えいただきたいと思います。
#47
○参考人(加藤真代君) 消費者団体すべてを代表してと言われると、私はその任にはたえておりません。
#48
○永田良雄君 いや、消費者の代表としてですよ。
#49
○参考人(加藤真代君) 大店法ができるときに、私ちょっと古いことで余り覚えてないんですが、詳しい記録持っていませんけれども両論あったと思うんですね。消費者団体の中にも、大店法によって競争政策が進行するんじゃないかという考え方と、それから一方は、そういう余分な規制はない方がいいんではないか、営業の自由に任せた方がいいんじゃないかと。そうこう言っているうちに例の大店法ができてしまったので、そのとき私たちは、運用する方法ですね、実態ができていくときにどうなるのかということを見ますと、通産省令ができて、例の商調協の設置ができて業者間での調整となってきたわけです。これはいけない、こんな法律ならない方がいいということで通産省なんかに要望に行った記憶がございます。正確なことはちょっと戻らないと記録が出ていませんが、今のようなやり方をもろ手を挙げて賛成したわけではなかったわけです。
 しかし、法治国家の国民ですから、始まった以上はその中で最大限の努力をして消費者の利益を守るということで参加してきています。もちろん、天に誓って、何も私ども消費者になんか利益の誘導だの贈答だの、そんなものは一切私の周辺の消費者代表についてはないと思いますし、例えばようかんでも、余りに大きなものがお歳暮みたいに来た場合は返すというぐらいのことはみんなしていると思います。ようかんというのは本当の甘いようかんで、別にお金の形のようかんではないです。
 ですから、それほど消費者というものは枠の外で今運用されている。私たちは税金を納めている、行政を置いてあるということは、法治国家の国民にとってはそういう法律が上手に運用されるように税金を納めているのに、そこを使ったお働きが行政庁にない。そして、山本さんもおっしゃいましたが、数字なんかを出してこない、客観的な数字を。私たちが準公務員並みにこれから身柄が縛られてもっと働けと言われたって、仕事なんかできないですよ、具体的にそういう数字を集めるよ
うな仕事を、消費者代表なんか。
 そういうことで言っているわけでありまして、大店法をいきなりつぶすだのつぶさないだのと言う前に、もっとみんなで大店法の運営実態をきちんと吟味してみる、そして、そこに利益の誘導や利害の調整が起きるということは、逆に言えば消費者にとっては本来要らなかったお金が動いたり、例えば地元の商店街にとってプラスであるということで賛助金なんかの形で取られると、その取られた分だけは価格にはね返ってくるわけですよね。だから、もしそういうものなかりせば、起き得るべき消費者の利益というものは違ってきているわけですよ。
 だから、そういう意味で大店法をもっと素直に読んで、余りにも多い大店法の外にできてしまった省令による仕組みのところを排除して、大店審を生かすというところへもっと簡単に持っていってもらいたいということを言っているわけです。それができないなら大店法はやめた方がいいという段階構えで、私ども主婦連としてはそういう意見なんです。そして、並行して考えていくのは、山本さんもおっしゃっていたような部分が大いにあります。多角的な検討ですね、街づくりを含めて都市計画法だの何だの。そういったようなことです。
 私は、先ほどこちらの先生が御質問になった、アメリカ品が売れるだろうかとかというようなこと、大店法を撤廃していって。言っておられましたけれども、消費者として考えたときは、いいものであれば消費者はやはり買うと思うんですね、しかるべき適正な価格であれば。だけれども、その問題もありますが、やはり私は、消費者にすら見えないやみの努力の部分でお互いに商工業者さんは、守る側も攻める側もやっぱり苦しい、しのぎを削っていらっしゃると思うんです。そこのところの見えないことへのいら立ちがアメリカ側にはやっぱりあるのじゃないか。何かといえば日本人は関係者だけでまとまりたがる、そういう印象を私はあるアメリカのジャーナリストからちょっと聞いたことがあります。
 お答えになったかどうか。
#50
○永田良雄君 もう一つ加藤参考人にお伺いしますが、できるだけ運用を改善していってと、こういうお話と私は受けとめたいと思います。
#51
○参考人(加藤真代君) それと、クリアにしていく、明るくオープンにしていくということです。
#52
○永田良雄君 その中で、もともとこの構造協議が意味する一番いいところは、今まで生産者向きであった政策の顔が消費者向きに変わっていかなきゃいかぬということで、これは日本国民だれもが大賛成だろうと思うし、だれも反対はしないと思うわけであります。ただ、それをやる場合に、例えば今大店法の調整の問題で具体的にどうやっていくのかなというときに、具体的な問題になってくると大変ややこしい話になってくるというのがいつでも通例であります。総論賛成、各論大変と、こういう話であります。
 例えば、加藤参考人が今おっしゃいましたが、通産省がそっぽを向いて何にもしないで全部商工会議所へ任せているじゃないかとか、消費者が余り入っておらぬじゃないかと、こうおっしゃる。いろいろ例はあるんでしょうが、私が加藤参考人にお願いしたいのは、消費者、主婦の代表者としてできるだけ積極的に具体的な運用のための改善策を提言してほしい。皆さんの御意見はいろいろなマスコミも取り上げるだろうと思いますから、そういうことをぜひお願いしたい、勇敢に取り上げていただきたい、これだけをお願いしておきたいと思います。
#53
○参考人(加藤真代君) そんなに期待されても。
 先ほどから私は思ってますのよ。ここに伺うにつきましても、皆様はそれぞれの事務局も立派にお持ちで、そしてこれだけのいろいろなレジュメも御用意なさり、ちゃんと後ろにおつきもついていらっしゃるけれども、消費者団体は、先ほどから言っているように、たくあんから原発まで主婦がみんなで走り回ってますから、本当に消費者の利益消費者の利益という空手形が最近世の中でふらふらとその辺をお札のように舞っているけれども、それを実現するためのメンバーというのは実にみんな大変苦しい毎日を送っているわけですね。
 だから、先ほど言ったように、例えば東京都の場合、ローカル調整のときに、ローカル調整というのは事前説明、出店説明のときに、商工業者だけをやるのではなく、消費者行政も絡んで、地元の消費者も一緒になって情報を共有するところから始まると言っているわけです。
 だから、私が言っていることは、オープンにということの具体的な提言を随分しているつもりなんです。これは東京の場合、それからそれぞれ地域によって違います、その実態というのが。だから、実態を実現する消費者の運動というのも大変大事だと思うけれども、消費者というのは、一九六二年にケネディが、経済界における唯一の重要な一員をなしているにもかかわらず、組織されていないために絶えず意見が無視されているということで、消費者の権利を白書の中で大きくうたいましたね。それから日本の消費者保護なんというのもだんだん始まってきたわけですけれども、そこのところをやはりカバーする行政の役割というのがあると思うんです。それはやはり商工行政だけに任すのじゃなく、消費者行政も入れて一緒にやっていってほしい、そういうことを言っているわけで、かなり具体的にお答えしているつもりなんです。
 よろしくお願いします。
#54
○永田良雄君 山本参考人に最後にお願いいたします。
 実は私の地元で、大規模店と地元の商店街が非常にうまく協力して富山でアピタという極めて大きい大規模店をやっているんです。その中へ地元の商工業者がかなり入りました。非常にうまくいっております。両々相まってうまくいっている話があるわけであります。ああいうふうにいきたいものだなというふうに私は考えておるわけでありますが、何しろ個々によって感情の問題があったりいろいろあるわけでしょうが、それにはやはりああいうところへ入ってうまくいく業種の取り合い等お互いに調整し合っていかなきゃいかぬ、そういう意味で私は調整が大変大事だというふうに思っておるわけでありますが、ぜひそういうふうにやっていただきたいというお願いが一つであります。
 それからもう一つ、大規模店ができて町が、商店街が空洞化する、したがって商店街の振興の問題はただ単に商業の政策の問題だけではなくて都市づくりの話になってくるんだよと、こういうお話、私も大変なるほどと思って聞いておりましたし、おとといの鶴田参考人からも、ぎりぎりいけば都市政策の話でもあるという話を聞いて私も感銘してはいるんですが、現実に私の町がこれまた大空洞化している町であります。
 そこで、何とかこれを再開発しようということでいろいろやっているんですが、これまた大変難しゅうございます。といいますのは、どんどん商店がやめていっています。残っている人は非常にお年寄りでございます。言っちゃ悪いけれどもお年寄りはやはり積極的にチャレンジするという面が欠けるものですから、みんなで集まってこういう町づくりをやろうと言っても、金はかけなきゃいかぬわけであります、再開発には。町も金は出す、国も金は出す、県も金は出す、しかし商業者自身も一定の負担をしなきゃいかぬわけであります。しかもその負担をした後、うまくいけば大変万々歳でありますが、うまくいかなかったときにどうするかという話で非常に困っていて挫折しておる問題を一つ抱えておるわけであります、具体的に。口で言うのは大変易しいけれども大変だなというふうに感じておるわけでありますが、いろいろまたいいサゼスチョンがあったら教えていただきたいし、そういう面にやはりもっともっと、例えば都市政策の面でこういうことをやってほしいよと、こういう要望がありましたらお聞かせいただきたいと思います。
#55
○参考人(山本勝一君) お答え申し上げますが、
今の商調協の運営だけでも年間、一種、二種入れまして約四百店舗ぐらいがオープンしておるんです。ですから、機能が全く働いてないというようなことも当たらないと思います。ごく一部に五年かかった十年かかったというところもありますけれども、それはそれだけの理由があるのであって、それがあるから商調協も大店法も邪魔になるんだということはちょっと短絡的な見方だというふうに思います。
 それと、今おっしゃったように、地区によっては共同開発をやっています。だからそういう問題を詰めるにも、大店舗法という法律があって、そのいわゆる土俵の上で行政も入ってもらって話し合っていくという時代にもう入っています。福井の方でもやってますし、静岡でもやりました。もうそういう時代に入ってきておるのは事実なんですから、そういう意味において、大型店の皆さん方もかなりの規模におなりになったんですから、やはり流通業界全体としての社会的なある程度責任というか、そういうことを感じていただいて、その話し合いの場に乗っていただく必要もあると思います。
 それから、場合によれば、大型店が出てそうして空洞化されたんだから、空洞化のところを埋めるような方法で大型店もお考えいただく。そういうところにもし貢献があるならほかの地区にも出てもらっても結構だというようなことも考え、また、正直言って町づくり、商店街というのは、各地方の実態もやっと始まったということじゃないですか。今までのあれには入ってませんわね。ですから、私どもは組織を通じまして全国にそういうこともお願いし、また地方を通じましても各県に御参加いただけるように、今度の基金におきましても国から半分、それから地方の県で半分持っていただいて、そして関心を持っていただいて、あの金使って将来はこんなものやるとか、町をどうするかというような研究費にも使おうという目的があるわけでございます。
 いずれにしましてもここまだ一、二年です、商店街に対する認識が若干上がったのは。ですから、これからも声を大にしてお願いをして、町づくりという観点から問題を詰めていきたい。それにはやはり大型店さんも、同じ流通業界でございますので、自分のもうかるところにばっかり出さぬと、たまには犠牲を払って町づくりに協力してもらうというようなこともお願いしてまいりたいと思っております。
#56
○永田良雄君 ありがとうございました。
 終わります。
#57
○白浜一良君 公明党の白浜でございます。
 たくさん問題出ておりますので、多少重複しますがお伺いをしたいと思います。
 まず、小山先生にお伺いしたいわけでございますが、流通構造が日本の特色として多数性がある、多段階である、小規模であるというお話でございました。ところがいわゆる非効率性にはつながらない、こういうお話でございました。先ほどこれ問題出まして、欧米の場合はメーカーが卸を兼ねている、マージン率が高い、こういうお話をされておりましたけれども、この多段階である、多数であるという意味ですね、日本におきまして何か特色があるんでしょうか。こういう商品が非常に傾向として多いとか、そういう多段階であることの特色のあるようなものがあるんでしょうか。
#58
○参考人(小山周三君) お答え申し上げたいと思うんですが、例えば食料品の流通ということを考えてみますと、日本の消費者は二日ないしは三日置きに一度必ず小売店で買い物をするという、こういう習慣を持っております。アメリカの消費者ですと恐らく四、五日ないしは一週間分をまとめて買い物をする。そういう消費パターンを前提に考えますと、やはり毎日少しずつ買い物ができるようなお店というのを必要とする、大型店であってもそういう機能として利用するということになりますと、大型店に対する卸売業者もやっぱり頻繁に商品を納入するという形になりますので、結果として多種少量の商品が高頻度で動くような流通形態になっているといいますか、それがある意味では多段階とかあるいは多数の商業者を必要とする理由になっているというふうに私は思っております。
 それと、さっき申し上げました商業マージン、それが必要以上に高くなるかどうかというのをトータルで計算しますと、必ずしも多段階性と流通の非効率性というものは同じではないということを申し上げたんですが、極めて日本人の消費行動に合った形で日本の商業構造が成立しているのではないかというのが私の見方でございます。
#59
○白浜一良君 よくわかりましたけれども、先生どうですか、そういう日本人の生活スタイルみたいなものは今後変わると思われますか。
#60
○参考人(小山周三君) そのところの見通しが非常に難しい問題なんですが、全く変わらないとは言えないと思います。ライフスタイルというものは徐々に既に変わり始めておりますので、全く変わらないとは言えない。しかし、日本人のそういう消費パターンが一〇〇%がらっと変わることでもないということで、変わる部分と変わらない部分がやっぱり当分続いていくというふうに見ていいのではないかと思うんです。
 例えば今コンビニエンスストアという新しい業態が非常に成長発展をしているわけですけれども、若い人たちにとってはコンビニエンスストアがなかったらもう極めて不便さを感じるような時代に入っています。ところが、年配の方々はむしろ対話のできる食料品店の方がいいという人もいるわけですが、どちらを選択するかというのはまさにそういうライフスタイルを持った人たちが決める問題で、これは国とか政策でどちらがいいということは非常に決めにくいというのが今の状況じゃないかと思います。
#61
○白浜一良君 系列化ということで、自動車は先ほどお話ございました。私の友達で電気店を経営している人がいるんですが、もともとあれは再販制度ぐらい言われてぱっと強烈な販売網だったんですけれども、最近は量販店が非常に多く出てまいりまして、逆にメーカーの方がそういう小売店に思ったように商品を納入してくれない。ですから、もう自動的に、陳列もできないし販売もできない。この系列店がどんどん縮小していっている。先ほどのデータでもどんどん減っておりますけれども、かえってメーカーがつぶしていっているような傾向も感じるんですが、この点どのように考えていらっしゃいますか。
#62
○参考人(小山周三君) 先生の観察されているとおりだと思います。系列店が従来どおり維持できない状況になっておりまして、メーカー自身がこれまでの系列店を、時には店舗改装に力をかすような形で維持しようというふうなこともしていますけれども、そこにも乗らない小売店というのは残念ながら恐らく徐々に排除をされていくというふうなことは十分考えられると思います。
 ただ、家電の系列店に関しまして私が調査をして知り得ることで申し上げますと、本当によく売る系列店が全体の売上高の七、八〇%を占めているという状況で、パパママストアの系列店、数は多いんですけれども売上比率でいくともう少数でしかない。そういうことでこの系列制度が成り立っていますので、中身を見てみますと、やっぱり本当に強い力を持った系列小売店と強いメーカーとの、こういう二つの取引関係で今成立しているというのが私の家電の流通系列店に対する評価でございます。
#63
○白浜一良君 流通構造の実態をいろいろお教えいただいたわけでございますけれども、これは物流ですから物が流れている。最終的には消費者が物を買っているわけですので、今度は立場を変えましていわゆる消費者の立場、物を買う側の立場から見まして、いい面、悪い面、実態はあるわけでございますけれども、日本の流通構造の中で先生はどこが消費者の立場からいえば非常に問題が多いと思われますか。よろしければ教えていただきたいんですが。
#64
○参考人(小山周三君) きょうは時間の都合で内外価格差の説明までは実は入れなかったんですが、先ほど私は流通マージンの比率で見ると余り
遜色ないということを申し上げたんですが、これはあくまでも率でございますので、絶対価格が高いかどうかということになりますとむしろ割高、非常に便利である分だけ割高だという、ここは非常にやっぱり問題になる点だと思うんです。
 じゃどれだけ高いのかというのは、いろんな内外価格調査の結果、価格差のあるものとないものというのがあるんですが、これはその流通構造が要するに前近代的だからということだけではなくて、大店法を含めた流通規制、あるいはサービス料金に対する公的規制、そういうものを全部含めて見てみますと、価格とサービスがやっぱり諸外国より割高に維持されるような構造になっているのではないか。ただ流通マージン率みたいなところで比較すると余り遜色がない。しかし全体で見ると、例えばコンビニエンスストアのような小売店というのは自分の台所の延長というふうに位置づけられている機能がありますので、冷蔵庫がなくても生活できるという便利さ分だけ全体で考えてみるとやっぱり割高になっているのではないかということで、そういう点で見ますとやっぱりもっともっと競争の原理を導入していかないといけないんじゃないかというふうに思っています。
#65
○白浜一良君 上野先生に一点だけお伺いしたいんですけれども、さっき輸入車の話で並行輸入が減っているというお話がございました。私は詳しく知らないんですけれども、お酒なんかでいうと並行輸入の方が安いわけですね。多分車もそうだと思うんですが、その点お聞きしたいのと、安く物を入れられるそういう並行輸入の比率が何でこう落ちてきているのかということを伺いたいんです。
#66
○参考人(上野健一郎君) お答えいたします。
 一番大きな理由は為替関係だと存じます。非常に円安になってまいりましてそれがしにくいというのが一番大きな理由だと思います。
 それから価格につきましては、やはり並行輸入のものは幾らか安いんだと思いますが、ただ並行輸入にはいろんなルートのものがございまして、必ずしも品質について均一ではない。例えば同じドイツ車でもシンガポールとかあるいは香港あたりからつくられて発送されてくるもの等もあるやに承っておりまして、品質においては並行輸入車はいろいろなばらつきがあるということも事実で、その辺も多少消費者に嫌われておるというようなこともあるやに聞いております。
#67
○白浜一良君 山本先生にお伺いしたいんですけれども、私四十二歳でございまして人生経験が非常に浅いわけでございますが、しかし子供のころからいろいろ物を買いました、お菓子を買ったり。そういうお店の変遷を私なりに見てきております。素朴な小売店がつぶれていったりした姿も見ました。また、一時公設市場なんか栄えた時期がございます。それも今廃れている。
 私、大阪なんですけれども、例えば心斎橋の商店街、物すごく繁栄しているんですね。ところが、ちょっと郊外にいった古い形の商店街は非常にすさんできています。またあるところ、これはJRの駅前なんですけれども、駅前再開発で全部新しくしようという話があったわけでございますが、地元の商店街が反対されました。非常にそれ以降ずっとすさんでしまった。今になったらあのときやっておいたらよかった、こういう声があるわけでございます。
 ですから、私、大店法そのものの廃止を賛成しているわけでもございませんし、中小小売店の方を守るということは非常に大事なことなんですけれども、しかしその大店法だけで論じるわけにいかないわけでございます。小売店そのものが発展していくスタイル、先ほど時代への対応とおっしゃいましたけれども、必要なわけでございまして、都市計画の中でという話が先ほど出ておりますが、小売店のあり方として特に今後考えるべき特色ですね、こういうことこういうこととございましたらちょっとお考えをお伺いしたいわけでごさいます。
#68
○参考人(山本勝一君) 第一点は、やはりやる気を起こすということなんです。それと、若い人を中心にして、もう我々年代はあと何年だということでやっぱり余り前向きになりませんので、今組織を通じましても青年部中心に、ここなら残れるんじゃないか、まず自分のひざ元を見て、まあこういうことを申し上げると非常になんですけれども、我々流通業界の末端の小売屋といえども世界を知って日本を知り、地元を知って消費者を知り、そこの中から今後どう生きるかという時代に今入っておりますので、その足元を見て、ここは投資した価値があるかどうかというところもしっかり見きわめて、そしてもしいけるならやろう、その地区がもうどうしようもないというならほかへかわって共同開発をやるとか、そういうような手法をいろいろ検討しております。したがいまして、そういうことも含めまして具体的に今後PRをしていきたい。
 それで、うちの組織は今度通産局単位でブロック会議をつくりますから、県、市も入っていただいてその地区をどうとらえ、どの地区はどうしたらいいんだというところまで入ってこれから取り組んでいきたいと思うんです。ただ、今まで商店街は地区によりましていつ大型店がどこへ出るやらわからぬという不安がございまして、下手に投資しても大型店が来てやられちゃったら、借金もしょってお手上げだというようなこともございますので、そういう問題をどうするんだという難しい問題もあるんです。ですから、大型店を誘致して一緒にやるということもございますけれども、そういう不安があって、落ち込んだ八〇%、九〇%の商店街がもたっとしておるのはそういう理由にもあります。いつ出てくるかもしれぬ、出てきたときにいかれちゃう、だから投資ができない、そういう不安もあるものですから、そこいらをどう解消するかということです。
 いずれにしましても、こういう問題が大きく取り上げられたということによりまして、非常に商店街も危機感を持っております。したがいまして、地元に対して、自分の足元としてどうあるべきだということを考えて、そして前向きに対処するということしかないんじゃないかなと思っていますけれども、そんなようにしてまいりたいと思います。
#69
○白浜一良君 時間がございませんので最後に、菊地先生、加藤先生、一言ずつで結構でございますから、今の山本先生のお話に関しましてちょっとコメントをしていただきたいと思います。
#70
○参考人(菊地照雄君) 山本参考人のお話の中で、商店街ぐるみ、または地域の都市再開発を含めてやっていくということにつきましては私ども同感でございまして、大型店が進出する場合でもやはり地域の発展、さらには消費者への利便性というのがありませんと発展いたしませんので、お互いに共存してやっていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
#71
○参考人(加藤真代君) 小山先生もおっしゃっていましたが、やはり消費者ニーズにこたえたものだけが生き残るのではないかと思います。
 それからもう一つは、くどく何度も申しましたように、消費者がゼロから情報を共有し、ともに考えれば、消費者というのは強い者の味方よりはむしろ弱い者の味方になるところが多いし、かといって、先ほども申しましたように、競争がとまっては困るからほどほどの大型店に来てもらいたい場所もあるだろう、あるいは来てもらっては困る場所もあるだろう、その実態のところから、ゼロから消費者を参加させる、地域住民を参加させるという形をとってくれれば共存共栄の具体的な道は図れる。それでないと消費者は白ける、そして勝手な行動をする、そういうことではないか。勝手というのはちょっと変ですが、思いやりのない行動をする。そうかといって横着な商店を甘やかすという温かさはない、そういうことでございます。
#72
○白浜一良君 どうもありがとうございました。
#73
○高崎裕子君 日本共産党の高崎です。よろしくお願いいたします。
 最初に、小山参考人にお尋ねいたしますが、先
ほど来何人かからも出されているのですけれども、日本の流通機構の特徴として多数性、小規模性、多段階性ということを言われましたが、これが必ずしも非効率性にはつながらないというお話でした。私は、流通の効率性というだけで考えるのではなくて、やはり国民ニーズにこたえる内容で判断をしていく必要があると思われるんですね。利便性とかアフターサービスなどの高サービス、それから多様な雇用あるいは地域社会の形成などなど考えると、中小小売商の果たしている役割というのは大変大きいものがあると思われるんですけれども、この点どうお考えでしょうか。
#74
○参考人(小山周三君) 先生のおっしゃるとおりで、日本の流通システムというものが消費者が求めるニーズに合って形成されたということを申し上げたんですが、そのニーズの中には価格の安さだけじゃなくて、本当の利便性とかアフターサービスとか、あるいは人間同士の触れ合いの場とか、いろんな機能を求めてきたといいますか、そういう結果として今日のような流通機構が成立したということにつきましては御指摘のとおりだと思います。ただ、そこに国際関係という問題が入ってきてしまったということで、改めて今流通問題が大きな問題の一つにクローズアップされてきているという文脈で私は日本の流通機構の問題を考えております。ニーズに合わないシステムというのは、やっぱりこれは定着しないと思うんですね。
 ただ、日本人のニーズに合っているシステムだから、すべて諸外国に対してもこのシステムになれない限りは入れないんですよという、こういう言い方が一つあると思います。もう一つは、入るところに関しては徹底的に自由に入れるだけの開放性をちゃんと示してあげて、出てきた後失敗したことについては多分アメリカも文句を言わないと思うんですが、残念ながら門戸を閉ざしているんではないかというところについていろいろと問題を提起してきているということで、日本人のニーズに合った流通システム、それ自身は私もそういう意味で効率的だということを申し上げているんです。しかし、それは国際化時代の中でそのままでやっていけるかどうかということに関してはいろいろ問題があると思っていますので、とりわけ外国企業に対して同じ立場で競争できるような土壌を与えてあげることはすごく重要なことではないかというふうに思っています。
#75
○高崎裕子君 重ねて小山参考人にお尋ねしますが、中小零細の小売商の果たした役割は大きい、しかし一方でフェアな競争政策が望ましいというお話でしたが、アメリカのロビンソン・パットマン法の二条では明確に、同等同質の商品の異なる需要者間に価格の面で差別することは違法である、そういう規定があるんです。
 日本の場合を考えてみますと、例えば家電製品、こういう大企業製品では、大型店、量販店と中小小売商で比べてみますと、仕入れの価格でもう二割から三割が違う。つまり、幾ら自由なフェアな競争だといっても、その競争の出発点でこれだけ差がありますと初めからいわぱ勝負にならないのじゃないかということが言えると思うんですけれども、この点いかがでございましょうか。
 それから重ねて、輸出面で見ますと、家電、農機具、自動車など国内出荷価格に比べますと安いものがあるわけですけれども、消費者の利益ということが今強調されていますが、この点から見て矛盾があるのではないかと思いますけれども、この点いかがでございましょうか。
#76
○参考人(小山周三君) 非常に重要な問題についての御指摘だと思うんです。特に後からおっしゃられた問題ですね、輸出価格を少し抑えぎみにして国内で少し高く売っているのではないかという、そういう疑念があるんですが、私もちょっと正確なことはわかりませんけれども、そういうことがもしあるとすれば、ぜひメーカーはそういう政策をやめてほしいというふうに思います。
 それから、最初の問題なんですけれども、実は日本の取引慣行の中で私自身が一番問題だと思っておりますのは、さっきの資料でもお見せしましたとおり、リベートの問題ではないかというふうに思っています。仕入れ価格はみんな同一のはずなんです。ただし、もろもろのリベートの結果で、結果的に安く仕入れたかどうかということが行われているのではないかなということを私も問題にしたいわけです。そういう意味で、仕入れ価格は、メーカーの希望小売価格というものに対して例えば六五とか七〇とか、それを建て値として取引するという、これは系列小売店であっても量販店であっても多分同じではないか。しかし、その後の努力の仕方によってかなりリベートが違ってくる。
 御指摘のロビンソン・パットマン法、あるいはアメリカの取引システムは非常に透明度が高いというのは、だれとどう取引しても同じリベートが出されるということが約束されているわけですが、日本の取引の中では結果を見てみないとわからない、あるいはそれによって結果として安く仕入れたという形になるかどうかというのが、終わってみないとわからないというところがいわゆる不透明な部分ということで、いろんな取引慣行の中で私はこのリベートの出し方というのがどちらかというと少し再検討する余地のある問題ではないか。
 しかし、これは果たして公正取引委員会を中心とする競争政策の問題なのか、企業のモラルの問題なのかというのは非常に色分けのつけにくいところでございます。あくまでも当事者同士が契約に基づいてそういうことをやっているということになりますと、競争政策の問題としてはなかなか扱えないということで、要するにグレーゾーンというふうな言葉で今位置づけられているというのが実態ではないかと思います。
#77
○高崎裕子君 次に、菊地参考人にお尋ねしますが、大店法は御承知のとおり、消費者の利益を配慮しながら大型店と中小小売商との共存共栄を図る、これを基本としています。「九〇年代流通ビジョン」あるいは今の日米構造協議等々で大店法の規制緩和等が打ち出されてきたわけですけれども、そうなると大型店の出店ラッシュが起きるのではないかという心配が出されていて、現に新潟市では昨年秋に五店舗の新規申請がある、あるいは八店舗の増床申請が出されて大型店の面積シェアが四一・一%から五一・五%に上るという出店ラッシュが現に起きているということで、結局、先ほど山本さんからも言われましたが、これはアメリカの要求というよりは日本の大型店の要求であるのではないか、利害が合致しているという声が出るのも当然ではないかと思われるのですが、このような事態に対してどのようにお考えでしょうか。
#78
○参考人(菊地照雄君) 先ほども説明させていただきましたけれども、大店法が緩和されるということで出店ラッシュということがいろいろ言われておりますので、そういう点につきましては十分皆さんで自粛といいますか、よく考慮して出店するべきであるということは役員会等でもお話し合いがありまして、私どもの協会の各会員さんはそう思っていると私は信じております。
 ただ、現実にそういう問題が起きているということは、そこの事情とか、いつごろからそういうことで計画されているとかいろいろあると思いますので、ちょっと私、新潟県の事情わかりませんので何とも申し上げられませんけれども、基本的にはそういうことで、今回の法律の緩和については皆さんでそういうふうに考えていただいておるというふうに私見ております。
#79
○高崎裕子君 山本参考人にお尋ねしますが、先日私、北海道の商店街振興組合連合会の副理事長をされて、札幌市商連の会長をされています田中公さんにお会いする機会があったんですけれども、田中さんいろいろ言われましたが、中でも中小零細の小売店は、店舗、人材、労働力、あるいは後継者の問題、それから仕入れなどの面で大手と同じ土俵で勝負するのは難しい、特に北海道の場合は本州と比べて歴史が浅いので小売店の基盤も弱いということで、だからこそ大店法が必要なんだと。あるいは、これも先ほど山本さんが言われましたけれども、商調協の問題にしてもこれは機能している、大型店が出店表明後約一年半で結審
をしているというお話とか、あるいは札幌では逆にそういう中でもう既に大型店のラッシュが始まって地価とか地代が高騰している、だから大店法があっても経営的には不安がある中で、これが改廃されるようなことになったら零細商店の倒産が続出するだろうという強い不安を示されたわけなんですけれども、このような田中さんの意見について、山本さんの率直な御感想というか御意見をお聞かせいただければと思います。
#80
○参考人(山本勝一君) 先般、私ども全国の理事会を開きまして、この大店舗法に対する意見を出席者全員から聴取いたしました。その結果、今おっしゃったとおりの意見でございまして、絶対に改廃してもらっては困る。もうこれははっきりしております、出発の時点から競争になりません。扱っているものは大体同じようですけれども、やはり駐車場を持っておること、それからワンストップショッピングという便利性ということ等を考えますと、これはもう勝負は決まっています。ですから、量的な面である程度バランスをとって、消費者の利便も考えつつ、両立するような方向で我々は知恵を出しておるんです。といって我々自体もいつまでも甘えておっちゃいかぬ、厳しい時代だからそれに対応するようにということでやっております。
 物流関係におきましても、今メーカーあるいは輸入品ブランドにつきましても、取引の過程におきましてやはり代理店制度とかで、ブランド品なんか特に入手できません、一般商店は。それから、メーカーもアンテナショップなんかつくって売れ筋を大体つかんで、それから量を決めて売れるところへ売るということになりますと、商品の供給自体もなかなか手に入らぬようになってきます。
 ですから、そういうもの全部ひっくるめて、悲しいかな自然淘汰の時代に入っておるということでございますので、生き残るためには本当によほどの努力をしないと、これは生き残れぬではないかという覚悟を持っております。ですから、行政や各市に、商店街としての魅力と個店の魅力と両面をあわせてどうするかというような問題も一緒になってやるようにということで、今研究して皆さんと一緒に努力しておる次第でございます。
#81
○高崎裕子君 次に、加藤さんにお尋ねします。
 先ほど商調協の消費者代表という立場でお話を伺ったのですけれども、ここでは唯一消費者側の参考人ということですので、先ほどのお話とは、直接商調協との関係ではないんですけれども、消費者の立場でぜひお答えいただきたいんです。
 大型店がふえれば価格が安くなって、したがってこれは消費者の利益になるということが盛んに言われているわけですね。私も調べてみたのですけれども、どうもそうではないのではないかというふうに思うわけです。例えば、東京都が毎月実施している価格調査で見ますと、ことしの二月度で、小売店が安いのが十四品目、そしてスーパーが安いのが七品目と、圧倒的に小売店の方が安いという結果が客観的に出ているわけですね。しかもその中身を見ますと、スーパーが安いものはそのほとんどが一〇%以内であるのに対して、小売店というのは、一〇%以上安いというのがスーパーに比べて七品目も多いという内容になっているんです。消費者の立場から見ましてこれらの点をどのようにお考えでしょうか。
#82
○参考人(加藤真代君) お答えいたします。
 かつてスーパーは安いという言葉があったのですが、今やそれは神話になりまして、やはり地価の高騰であるとかテナントする場所のビルの費用だとかいろいろあるんでしょう、余り安くないのは先生のおっしゃるとおりです。ですけれども、先ほど山本さんもおっしゃったように、ワンストップショッピングの魅力には負けるというのも消費者の心理ではないか。それは、先ほどどなたかがおっしゃいましたが、社会の構造がいろいろ変わってきて時間がとにかくない社会になってきた。それで日本人は価格について昔の消費者ほどシビアでなくなってきた、そういう現実も作用しているんではないかと存じます。
#83
○高崎裕子君 これは、時間の関係がございますので小山さんと加藤さんにお尋ねしますが、簡潔にお答えください。
 流通や小売が一部の大企業に集中して寡占状態になると価格は上昇するということで、これはアメリカのウィスコンシン大学のマリオン教授が、御自分の七〇年代、八〇年代のスーパーの価格調査の結果に基づいて、高度の集中は通常高い消費者価格をもたらすと、こう結論づけておられるわけです。スーパーの歴史の古いアメリカで現在品物の高価格化が問題になっているんですが、大型店のシェアがふえると日本でも同じ傾向があらわれるのではないかと危惧されるんですけれども、その点いかがでしょうか。
#84
○参考人(小山周三君) 経済学的に見れば、もし寡占化という状況が起こるとすればそういうことが言えると思うんですが、果たして小売市場で寡占化というのが成立するかどうかということについては、今私は非常に疑問に思っております。もしもアメリカで成立したとしても、日本のようにこんなに多種多様な小売店があるような状況で果たして、一部の大型店の売上高に集中するような地域ができて周辺の小売店が全部淘汰されるような構造には私はなり得ないんじゃないかというふうに思っています。
 それから、アメリカのケースですが、アメリカは絶えずディスカウントストア、しかも新しいディスカウントストアが価格攻勢をしかけ、しかもそういう企業がどんどん大きくなっていくという社会の中ですので、ある地域をとって見た場合には例外的に寡占地域というのは起こるかもしれませんが、私のアメリカの商業構造の研究に関して言えば、なぜアメリカはあんなに低価格を旗印にした小売店が絶えず生まれてくるような構造になっているのか、それに対して日本は逆にそういうタイプの大型店がなぜ出てこないかというのが私の研究テーマの一つでございます。
#85
○参考人(加藤真代君) やはり、もし一つの地域に大店だけが勝ち残ってしまったら恐ろしいことになるのではないかと思うのは、価格の面だけではなしに、仙台で地震がありましたときに、突然起こった地震だったからみんな家の中に物品のストックがなかったわけです。そうしたところが、スーパーは勤め人の方が来てお店をあけるからすぐには放出がないわけですが、地元の小さな小売店たちは急いであるだけのものを出してくれた。そこで、あらあなた方もいてくれたのね、おじさん、商売頑張ってと消費者が言ったという話が事実あるわけでして、そういう努力のお店があっちこっちにあることを私たち消費者も存続させるような、寡占化にならないような努力をするし、また行政もそういう視点で動いていただければいいのではないかと思います。
#86
○高崎裕子君 どうもありがとうございました。
#87
○古川太三郎君 連合参議院の古川でございます。
 先ほど商調協の意見公開のことが若干問題になりました。確かに意見を公表するということについては今の日本の段階ではなかなか難しいようには思いますけれども、でもこれも経済問題だけに絞って考えていられるからなかなかおかしいのじゃないか。例えば、その商店が出てくるとシェアがそれに引っ張られるとか引っ張られないとか、そういう利害関係が絡むから意見が言いにくい場合が多いのではないかという気がするのですけれども、その点はいかがですか。加藤参考人にお願いします。
#88
○参考人(加藤真代君) 私は、むしろ商調協のようなものやその前の事前説明など、できるだけ公開した方がいいと思っております。
#89
○古川太三郎君 山本参考人はいかがですか。
#90
○参考人(山本勝一君) やはりある程度公開されないと、事前説明の段階でもそうですけれども、いずれ半年、一年に決まってくる、そのときに地区の商店街が対応をどうするかという問題があるわけなんです。ですから、事前説明と結審の段階の期間、それから答えが出た、何千平米だ、それに対して地元の商店街がどう対応するか、こういう問題があるわけなんです。ですから、期限が短縮されればいいというだけの問題でもございませ
ん。
 それから、先般通産局にも申し上げたのですけれども、もしそういうものがあるならば事前に公表してください、そうするとどこどこの地区はどうしたらいいんだという対応策も考えなきゃいけない。それを事前の説明の段階でいきなりぱっと出されると、対応の仕方に大変困る。そうなってくると、商調協の結審でオープンは三年先ですよということをお願いしなきゃいかぬことになります。
 ですから、そこいらが非常に微妙な問題も含んでおりますので、できれば私どもは半年後ぐらいに、今千二百ぐらいあるそうですけれども、それを一遍発表してもらう。それはどの地区だ、その地区の商店街はそれじゃ対応をどうするのだという問題に入ります。一定の期間があれば、それに対応するだけの投資をするなり何かということになりますので、ですからそういう面から見ると私は早く発表し対応策ができるようにしていただきたいと思っております。
#91
○古川太三郎君 重ねて山本参考人にお聞きしますが、この商調協というのは、例えば売り場面積とか人口比、あるいは人口についての消費量とか購売力とか、そういったものもやっぱり議論されるわけなんですか。
#92
○参考人(山本勝一君) そういうものも含んで、そしてどの規模が適正かという規模を発見するためにやはり材料が必要でございまして、ただ反対とか賛成だからというんではなしに、基盤として現在がどうなっているんだ、それができたらどういう影響が出るんだ、その地区から流出がどれだけあるんだ、できることによって流入はどうなるんだというような予測は大体つくわけなんですから、そういうデータをやはり基本にして検討をしないと正しい答えが出ないんではないかというふうに思っています。
#93
○古川太三郎君 日本は自由主義経済なんで、計画経済ではございませんから、そういった面まで商調協でお話しになるということになるとこれは出店する方の意欲をそぐことになりますし、また事実上出店できなくなるような場合も出てくるんではないかという心配もございます。そういう面でのイエスかノーかでやってはいけないんじゃないかなと思うんだけれども、そこら辺はいかがですか。
#94
○参考人(山本勝一君) 基本的には自由経済でございますので、できれば自由にお互いが競争をやっておりますけれども、調整ですから、じゃ何を目安に調整するかということになるわけなんで、何も資料もなくてまあまあということでやることが果たして決まった後で地元からの納得が得られるか。どういう理由でこれ決まったんだ、なぜなんだといって質問を受けたときに説明ができませんわね。ですから、そういう意味から商調協の中の限定として、ある程度の資料に基づいて判断をしたらどうかということでございまして、別にそれで自由経済を否定するとかということじゃございません。
#95
○古川太三郎君 購売力とかそういったことは、これはそういう店ができればできるで、またいい商品が来れば来るで買っていくような形のものですから、それをある程度、この町はこれだけの店だとかいうように決めてしまうともう活性化がなくなるような気がするんです。できれば消費量とかそういったものを基準に物を考えないようにしていただきたい、こう思いますけれども。
#96
○参考人(山本勝一君) それが適切でないということでおっしゃれば、そういう方法でいくということになりますけれども、そうなってくるともう商調協で自分の知恵か、判断か、考えか、意見を出すということしかなくなりますね。消費者は今は車を持ってみえますので行動半径が非常に大きいですから、その地区が気に入らなきゃほかの地区まで行かれて物をお買いになるということもございますので、そういうことを考えると、適正な配置に我々商店街と大型店とが消費者の需要に合わせてセットしていくというのも消費者の利便じゃないかなというふうに思われるわけなんです。
#97
○古川太三郎君 これは最近になってから消費者ということを前面に出されておりますけれども、先ほどから聞いておりますと、商品というのはもともと卸の段階から差があるんです。そういう意味からも商店街がどうなろうがこれは余り値段にはかかわってこないんじゃないか。むしろ楽しくショッピングするとか、あるいは今は自動車の時代ですから自動車で便利なところへ行けるとか、あるいは年配者であれば魚を食べるから刺身なら毎日買いに行かなきゃならぬとか、だけども若い人は肉をぼんと大きく買ってきてそれを自分で冷凍庫から出して料理するとか、そういうことになれば、これはもう生活の習慣が違ってきますから、相当アメリカのような習慣になるだろうと私は見ているわけなんですけれども、そういう場合に、今までと同じような商店街でこれが生き残れるものかどうかですね。そうでなくても、もしそういうような昔ながらの商店であれば、向こうの店はなかなかはけてないからわざわざよその店へ一時間でも行って買ってくるような形になって、その商店そのものがもう衰退していくんじゃないかという気がするんですけれども、いかがなものですか。
#98
○参考人(山本勝一君) 当然そういうことでございますけれども、私、立場上、だからだめだというふうには申し上げられません。
 先ほど冒頭にも申し上げましたけれども、自然淘汰の時代に入ったという認識は持っております。したがいまして、消費者の皆さん方に来ていただけない店だったら、これは社会は必要としてないわけなんですから、当然消えていくということになりますので、消えなくてもいい店にどうするかというのが当事者の努力でございます。したがいまして、そういう認識を持ってお互いに努力をして生き残ろうということでございます。
#99
○足立良平君 民社党の足立でございます。
 それでは、まず小山参考人にお聞きをいたしたいと思います。
 ちょうど一九六〇年代の初めくらいから流通革命ということで、アメリカの方はむしろディスカウントストアを中心に相当流通の状況というのが大規模化して変革をしていく。日本の場合には、百貨店ありあるいはいろんな個人商店ありというようなことで大変多様化している流通事情になってきているというふうに、これは先生の論文も拝見をいたしているわけであります。
 そういう上に立って、日本のそういう多様化した流通の中で大店法が、一九七三年か四年だったと思いますけれども、それが一体日本の流通のそういう多様化なりあるいは特殊な日本の流通状況というものをつくるに当たってどのような影響を大店法が、あるいはまた大店法だけじゃなしに、加藤参考人も大変指摘されておりますけれども、いろんな実態の運営、それを含めた大店法というふうに申し上げたいと思いますが、どういう影響を現実的に与えてきているんだろうか、この点について先生の見解をお聞かせいただきます。
#100
○参考人(小山周三君) 意見を申し上げたいと思うんですが、大店法をめぐる議論の中で一番欠落している問題を今御指摘いただいたと思うんです。大店法ができたことによって一体どういう影響を与えたのかという評価の問題がほとんど今まで議論されないままこの問題についていろんな多種多様な意見が出ているということで、非常に重要な御指摘だと思うんですが、私自身がじゃどう評価するかということを簡単に申し上げたいと思います。
 大店法には三つの目的が第一条に明記されていると思います。流通の近代化を促進するという側面と、中小分野を保護するという側面と、消費者の利益を増進するといいますか、これはちょっと私の読み方ですが、三つの目的があったと思います。果たしてこの三つの目的に対して大店法はどうであったかということをやっぱり正確に評価を
する必要性があると思うんです。
 結論から申し上げますと、消費者の利益が一番反映されていないのがこの大店法の法の目的と現実ではないか。それが今までいろんな意見となって参考人の方から出ていたと思うんです。
 じゃ、中小商業者を保護するという機能はどうであったか。残念ながら大店法が強化されると同時に商店数が減少化したというのは、一体強化した意味があったのかどうかということを考えますと、やや大店法によってはもう商業者は完全には保護できない、消費者ニーズの多様化その他の状況があるというふうに見ざるを得ないのではないかというふうに思っています。
 では、商業の近代化、大型化はどうだったのかということですが、これはそこそこに大型店もふえましたし、それから大店法の規制があったためにコンビニエンスストアの展開をしてみたり外食産業の展開の方に走ったりということで、結果として多様な商業構造が生まれた。
 では、三つの目的に照らして評価をするとどうかということで申し上げますと、やっぱり消費者利益という点で考えるときに一番大店法は問題であり、蚊帳の外に置かれている問題だというふうに私は思っています。
 ということは、加藤さん大いに声を大にして、消費者から見て大店法を一体どう評価するのかということをもっともっと世間に向けて情報発信することが一番重要ではないか。そこのところをアメリカがやってくれたために、国民全体がこの問題について真剣に考え始めたというのが今の状況ではないかというふうに思っています。
#101
○足立良平君 それでは、加藤参考人にお聞きをいたしたいと思うわけであります。
 先ほどのいろんな議論なり質疑の中で、いわゆる消費者ニーズに合ったところで、例えば大規模店なりあるいは小売店、そういうものが日本の流通業の中にずっとある程度、将来はちょっとまた別として今現在定着をしている。ということになりますと、小山参考人も御指摘になっていますけれども、現実的に、例えば日米の物価の状況なりそういうものを比較いたしますと、そういう消費者のニーズに合ったということが逆に日本の物価の高価格というものを結果としてはもたらしてきている。あるいは多段階とかいろんなことの要因もあるでしょうし、あるいは卸売段階からの問題もあるでしょうけれども、結果として価格というものは一応高い、日本の価格は。こういう実態の上に立って、これから消費者運動としてどのような考え方で、あるいはまた具体的にこれからその種の問題の解決に向かって運動をしていこうとされているのか、その辺のところがあればちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#102
○参考人(加藤真代君) 先生のおっしゃっていることが私はちょっと理解が十分し切れないんですが、もしこういう理解だったらばということで答えます。
 消費者ニーズに合ったものを品ぞろえしたから物価が高くなったというふうに今先生がおっしゃったように思うんですが、そうとはちょっと思えないんですね、やっぱり土地の問題なんかが非常に大きいだろうし。ちょっと難しくて答え切れませんが、とにかく消費者としては適正な価格、何が高いか安いかというような問題で納得のいく価格、そういうことを常に求めてきています。そうすると、大店法は出店の問題ですが、その出店が始まって以降の独禁法の運用とかいろんなものがありますよね。そういうやっぱり経済政策の面での不満というのは消費者は非常に持っています、管理価格も多いですし。
 お答えになったかどうかわかりませんけれども、運動としては、ですからやはり管理価格や独禁法の適用除外、そのあたりが非常にテーマになると思います。
#103
○足立良平君 菊地参考人にお聞きをいたしたいと思うわけであります。
 菊地参考人のレジュメを拝見いたしておりまして、先ほど冒頭のお話の中では具体的な考え方というものが提起はされなかったというふうに思いますので、その上でお聞きをいたしたいと思うわけでございますが、この大店法をめぐりまして日米の構造協議の経過を見ますと、いわゆる小売業界の納得とコンセンサスを得ていない、あるいはまた消費者サイドの意向というものも反映をされていない、私もそうだと思います。したがって、その上に立って消費経済あるいは小売産業のあり方について解決すべき多くの課題を残しているというふうに御指摘になっているわけでございますが、菊地参考人として、具体的というか、すべて代表的なものとして、課題というものを一体どのように認識をされているのかちょっとお聞かせを願いたいと思います。
#104
○参考人(菊地照雄君) 説明が非常に雑駁で恐縮でございました。
 三番目のところで「その意味で」と申し上げたつもりではおるんですけれども、具体的に申しますと、私ども流通分野の規制緩和につきましてかねがね、具体的には六十三年の六月あたりに意見を申し上げさせていただきました。幾つかあるわけですけれども、それの最終の考え方としまして、中小小売業の発展及び消費者の利便性の増大が図られるようにさらにやるべきだという考えなんです。
 具体的には、ここにちょっと「等」と書いておきましたけれども、やはり消費者ニーズが非常に多様化してまいりまして、しかも高度化しておりますので、消費者に合ったようなものをいつでも提供できるような町づくりをしていく必要がある。要するに、大型店だけじゃなくて、さらには商業、地域ぐるみの政策を考えていく必要があるんじゃないかということを申し上げたかったんです。ここに書いておりますのは「調整政策」。大店法のねらいは調整そのものだと思うんですが、調整を含めて政策的な配慮というものがちょっとやっぱり欠けておったんじゃなかろうか。
 今回の中間報告で消費者利益と地域経済への貢献ということを非常に大きく取り上げ、もちろん国際協調の問題を中心にしてこういう結論を得たと思うんですが、いずれにいたしましてもやはり地域全体の商業政策のあり方、それは非常に大事なんだと思うんですね。例えば、通産省でも考えておられますけれども町づくりのやり方を、ニューコメの方針とかいろいろ今考えておられるようでございますが、それを総合的にやっていかないと、大店法だけをつぶしてみても果たして本当に地域の利益になるのか、消費者のために対応できるのかということが疑問であるというようなことを考えておりまして、全体的な商業政策のあり方をひとつ検討していただきたいというのが私どもの意見でございます。
#105
○足立良平君 終わります。
#106
○星野朋市君 税金党の星野でございます。
 最後でございますのでちょっと異なった観点からお尋ねしたいんですが、上野参考人、自動車の流通の問題は確かに非常にシンプルなものでございますけれども、ディーラーにおけるいわゆる純正部品というものですね、これは自動車の取りつけ部品に対してかなり、かなりというのはいろいろ意味がありますが、かなり高い価格で売られていると言われていますけれども、いかがでございますか。
#107
○参考人(上野健一郎君) お答えいたします。
 私、純正部品が一般部品に対して特別高いかどうかということについてははっきりちょっと申し上げかねます。というのは、同じ価格でございましてもそこに品質とか耐久性とかいろいろなものがございますので。私どもとしては、純正部品というのは一番安心できるという点でこれをお勧めしておるわけで、もちろん純正部品じゃないものでも非常によい品物もございます。そのよい品物と比べて純正部品の方が高い場合には、私ども必ずしも純正部品だけを取り扱っているわけではございませんので、一般部品も取り扱いをさせてい
ただいておるということでございまして、純正の方が高いという点についてはちょっと一般的に申しかねると、このように思っております。
#108
○星野朋市君 実は、こういう御質問をしたのは、要するにディーラーに入る段階で非常に多段階の流通を経て入っているということの実態があるわけです。
 それで、これからは小山さんにお聞きしたいんですけれども、今議論になっているのは大体どちらかというといわゆる川下の流通の問題なんですね。日本の流通の問題は、どちらかというと川上の流通の問題というのは余り論ぜられていないわけです。アメリカが系列化の問題を盛んに言っているのは、実は川上の問題が主でございます。
 それともう一つは、日本製品の内外価格差の問題は、御説の中ではマージン率は大体率は同じだ、額は別だ、多段階は日本的に合っているということではありますけれども、実は工業製品の内外価格差というのは多段階にある、これは現実として事実なんですね。どうしてかといいますと、メーカーがこれを外国向けに安く出すということは、今アメリカも日本も税務当局が内外移転価格差という問題を取り上げて不当に安く出すことを禁じているわけです。そういう段階では、やはり多段階であるという問題が価格を引き上げている一番の問題だと私は理解しているんですけれども、この点についていかがでございますか。
#109
○参考人(小山周三君) 多段階であることと高価格、この関係がどうかというのは、ちょっとこれも業種によって見てみないと何とも言えないんですが、ただ、要するに流通の問題は流通業者だけの問題ではなくてメーカーの価格維持政策であるという点については全く同感です。決して流通機構が非効率とか零細だから割高ということだけじゃなくて、だれが価格決定力を持っているかといいますと、圧倒的に日本はメーカーがその力を持っているわけで、小売業者が価格決定権を持っているような分野というのは非常に少ないという構造から見ますと、実は流通問題というのはメーカーの価格政策の問題領域が非常に高いというふうに私は常々思っております。
#110
○星野朋市君 最後に、菊地さんにお聞きしたいんでございますけれども、私は、実は大店法の問題で実際に携わりましたからこの経過についてはよくわかっておるんでございますがね。先ほど加藤さんから非常にデータが不明確だというような御指摘がございましたけれども、少なくとも東京都においては大店法の事前説明のときに半径三キロ以内の世帯数、人口、それからそれに接地する区及び半径三キロに及ぶ区域内のもちろん世帯数、人数、購買金額、こういうデータが全部出ているんですね。それからもう一つは、消費流出率、これも出ています。それで、残りは大店法の設置可能面積までデータは公開されているんですよ。だからこれはデータが不明確じゃございませんで、求めればあるわけですね。そういう中で、実は大型店舗もその消費購買力の中でどのくらいの面積のものを設置したらいいか、これは当然考えられるわけですね。
 それで、先ほどから非常に御議論になっておかしいと思っていたのは、いわゆる大型店舗がたくさんできればアメリカの物が売れるかどうかという今度はその問題じゃなくて、日本はアメリカへ自由に出店できるのにアメリカは日本へ自由に出店できないのはどうかという、要するにフリーの問題でございますからね。だから構造協議と言っているんであって、そういうことからいったら大店がやたらにラッシュで出ると私は思えないのです。そこら辺について菊地さんどうお考えですか。
#111
○参考人(菊地照雄君) 先生の御指摘のように、先ほど加藤参考人からデータが不明確だというお話があったので、私は本当なのかと思って聞いておったのが事実です。私も数カ所の関係した企業の方からも聞きましたけれども、やはり今先生がおっしゃったように、データをなるべく詳細に出し合って、それでこの商圏の中でどれだけの購買力があるか、そういうことも基準にして売り場面積等も決めていく。申請する場合でも企業側ができるだけのデータに基づいて何平米として申請したらいいかということまで計算をしながら出していっているということを聞いておりまして、データが全く出されてないということは、まあちょっと私のあれでございますけれども、どうなのかなというふうに実は感じておりました。
 それから、先ほどの出店ラッシュの問題といいますか、出店が多くなることによって輸入が促進されるかどうかということにつきましては、先ほど来御質問ありましたのでお答え申し上げましたけれども、私は必ずしもそうは思わないわけでございまして、やはりどなたか参考人の方がおっしゃっておりましたけれども、日本で売れるものが外国から供給されるということであれば、私どもの協会の会員も一生懸命今輸入促進策に力を入れておりますから、売れるということを言っております。ただ、やはり日本の消費者の皆様方にマッチしてないということでなかなか売れ行きがよくないというようなことのようでございまして、その点が一番大事なのかなと。それで私ども、輸入促進策の中で年に何回かチームを組みまして諸外国に行っておりまして、そちらの現状を踏まえながらどういうものが輸入できるのかということも現在研究しておりまして、できるだけの輸入促進策に御協力をしていきたい、今後ともやっていきたいというふうに考えております。
#112
○参考人(加藤真代君) 済みません、言いわけさせてください。
 私が、先ほど言ったこと、何かわかっていただけていないと思うんですが、東京の場合、商調協ではそういったデータが出てきます。非常にたくさんの案件と一緒にそういうものが事前に自宅に送られ、読ませていただき、そしてその場でできるだけ公正な判断をする努力をしますが、地元での出店説明のときに、いわゆるローカル調整というのですか、そういうことが地元の消費者一般に開示されてかかわらせてもらっていない、そういう段階のことを言っているわけです。
#113
○星野朋市君 かかわらせるかどうかは別にして、データはその段階で出ています。出ていないというのは、ちょっと私はおかしいと思います。
#114
○参考人(加藤真代君) でも、一般の消費者がそれをいつも見られる状態ではないということだけ申し上げたいんです。
#115
○会長(小山一平君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人に一言お礼を申し上げます。
 本日は、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。ただいまお述べいただきました御意見につきましては、今後の調査の参考にいたしたいと存じます。本調査会を代表して厚くお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。(拍手)
 なお、本日、参考人の皆様方から提出していただきました参考資料のうち、発言内容把握のため必要と思われるものにつきましては、本日の会議録の末尾に掲載させていただきたく存じますので、御了承いただきたいと思います。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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