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1990/05/31 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号
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1990/05/31 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号

#1
第118回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号
平成二年五月三十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     市川 正一君     小笠原貞子君
     高井 和伸君     古川太三郎君
 五月三十一日
    辞任         補欠選任
     石渡 清元君     岩本 政光君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田代由紀男君
    理 事
                大城 眞順君
                北  修二君
                竹村 泰子君
                及川 順郎君
    委 員
                伊江 朝雄君
                板垣  正君
                大木  浩君
                岡田  広君
                鈴木 和美君
                谷本  巍君
                肥田美代子君
                深田  肇君
                村田 誠醇君
                小笠原貞子君
                古川太三郎君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  塩崎  潤君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       砂田 重民君
   政府委員
       北方対策本部審
       議官       鈴木  榮君
       北海道開発庁総
       務監理官     松野 一博君
       北海道開発庁計
       画監理官     竹中 勝好君
       沖縄開発庁総務
       局長       藤田 康夫君
       沖縄開発庁総務
       局会計課長    山城  勉君
       沖縄開発庁振興
       局長       水谷 文彦君
       外務省欧亜局長  都甲 岳洋君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        荻本 雄三君
   説明員
       防衛庁防衛局運
       用課長      守屋 武昌君
       防衛庁装備局通
       信課長      新貝 正勝君
       防衛施設庁施設
       部施設対策第三
       課長       宝槻 吉昭君
       防衛施設庁施設
       部施設補償課長  沼田 安夫君
       防衛施設庁施設
       部連絡調整官   佐藤  晃君
       防衛施設庁労務
       部労務企画課長  涌田作次郎君
       外務大臣官房審
       議官       時野谷 敦君
       厚生大臣官房厚
       生科学課長    谷  修一君
       厚生省健康政策
       局指導課長    澤  宏紀君
       水産庁海洋漁業
       都国際課長    田家 邦明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送付)、平成二年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送付)、平成二年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(総務庁(北方対策本部)、沖縄開発庁)及び沖縄振興開発金融公庫)
    ─────────────
#2
○委員長(田代由紀男君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨三十日、高井和伸君及び市川正一君が委員を辞任され、その補欠として古川太三郎君及び小笠原貞子君が選任されました。
 また、本日、石渡清元君が委員を辞任され、その補欠として岩本政光君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(田代由紀男君) この際、御報告いたします。
 去る五月二十五日、予算委員会から、五月三十一日一日間、平成二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち総務庁北方対策本部、沖縄開発庁及び沖縄振興開発金融公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 まず、塩崎総務庁長官から説明を求めます。塩崎総務庁長官。
#4
○国務大臣(塩崎潤君) 平成二年度の総務庁北方対策本部関係予算についてその概要を御説明申し上げます。
 平成二年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、総務庁北方対策本部関係予算要求額は十六億五千八百三万円であり、これは前年度の予算額十六億一千六十九万四千円に対し二・九%の増となっております。
 主な内容について御説明いたします。
 まず、北方対策本部に必要な経費として、職員の人件費等七千七百三十万七千円を計上いたしております。
 また、北方領土問題対策に必要な経費として十五億八千七十二万三千円を計上しておりますが、その主な内訳といたしましては、北方領土問題対策協会補助金五億六千六百六十一万六千円及び北方領土隣接地域振興等基金造成費補助金十億円であります。
 北方領土問題対策協会補助金は、同協会が北方領土問題について啓蒙宣伝等を行うために必要なものであります。具体的には、前年度に引き続き、青少年の北方領土問題についての正しい認識と理解を深めることに重点を置いて、全国青年フォーラムの開催、青少年向けのブロック単位での啓発事業、北方領土問題をわかりやすく解説したビデオの作成配布等を行うとともに、新たに「北方領土ふれあいひろば」を開催するために必要な経費等を計上するほか、国際シンポジウムの開催、返還要求運動の推進基盤である県民会議の運営、北方地域元居住者等に対する援護措置等に必要な経費を計上しております。
 また、北方領土隣接地域振興等基金造成費補助金でありますが、これは、昭和五十八年から施行された北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律に基づき、北海道が設置した基金の造成に対して国がその一部を補助するための経費であり、平成二年度には十億円を確保いたしております。
 以上をもちまして、平成二年度の総務庁北方対
策本部会計予算の説明を終わります。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
#5
○委員長(田代由紀男君) 次に、砂田沖縄開発庁長官から説明を求めます。砂田沖縄開発庁長官。
#6
○国務大臣(砂田重民君) 平成二年度の沖縄開発庁予算についてその概要を御説明いたします。
 沖縄開発庁予算の総額は二千四百九十九億八百万円であり、これは前年度の予算額二千四百七十七億七千八百万円に対し一〇〇・九%となっております。
 次に、主要な項目について御説明いたします。
 初めに、沖縄振興開発事業費について申し上げます。
 平成二年度は、残すところ二年となった第二次沖縄振興開発計画に基づく諸事業の着実な推進を図り、地域特性を生かした振興策を展開する重要な時期に当たることから、所要の予算額を確保したところであり、その額は二千二百八十七億百万円で、前年度予算額に対し一〇〇・七%となっております。
 沖縄振興開発事業費の内訳といたしましては、治山治水対策事業費、道路整備事業費、港湾、漁港、空港整備事業費、農業基盤整備費等を主な内容とする公共事業関係費として二千百三十七億八千六百万円、公立学校施設整備費等を内容とする沖縄教育振興事業費として百四億一千百万円、保健衛生施設等施設整備費等を内容とする沖縄保健衛生等対策諸費として十一億六千六百万円、ウリミバエの根絶等を目的とする植物防疫対策費等を内容とする沖縄農業振興費として三十三億三千八百万円を計上しております。
 これらの沖縄振興開発事業費につきましては、特に、一、水資源の開発、二、農林水産業振興の基礎条件の整備、三、道路、港湾、空港等の交通体系の整備、四、住宅、上下水道、公園等生活環境施設の整備、教育の振興、保健衛生対策等につきまして配慮をいたした次第であります。
 次に、沖縄振興開発事業費以外の諸経費について申し上げます。
 第一点は、離島の特性を生かした観光開発を進めるとともに活力ある地域社会の形成に資するための沖縄コミュニティ・アイランド事業費として五千万円を新たに計上しております。
 第二点は、第二次沖縄振興開発計画以降の振興開発のあり方を検討することを内容とする沖縄振興開発総合調査に必要な経費として一億九千万円を前年度に引き続き計上しております。
 第三点は、首里城城郭等復元整備、不発弾等の処理、対馬丸遭難学童遺族給付経費等いわゆる沖縄の戦後処理問題の解決を図るために必要な経費として五億四千九百万円を計上しております。
 第四点は、沖縄振興開発金融公庫に対し、その事務の円滑な運営に資するための補給金として百三十六億一千三百万円を計上しており、これらの経費を含め、一般行政経費等として総額二百十二億七百万円を計上しております。
 なお、沖縄振興開発金融公庫の平成二年度における貸付計画は、NTTの株式売り払い収入を活用した無利子貸付金を含めて一千四百七十五億円、また、地場産業への出資計画は三億円を予定しております。
 以上をもちまして平成二年度沖縄開発庁予算の説明を終わります。
 よろしく御審議のほどお願いを申し上げます。
#7
○委員長(田代由紀男君) 以上で説明は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
#8
○竹村泰子君 昨日来同僚議員から幾つかの質問がされておりますけれども、非常に重要な問題ですので、私からも質問させていただきます。それは、沖縄の米軍基地、施設の返還とそれに関連した問題でございます。
 長年の懸案でありました、日米合同委員会におきまして在沖米軍基地及び施設の返還交渉もいよいよ大詰めを迎えることになりました。六月にでも、具体的な返還施設のリストが中間報告という形で報告されるというふうに伺っておりますけれども、それが事実かどうか。日米合同委員会における現在の協議の状況と、それから今後の予定、また具体的な返還施設リストが公表されるのはいつになるのか、外務省にお尋ねしたいと思います。
#9
○説明員(時野谷敦君) お答えを申し上げます。
 ただいま御提起になりました沖縄におきますところの施設、区域の整理統合計画の推進につきましては、現在私ども、米側と鋭意協議を進めている次第でございます。この検討作業の具体的な内容あるいは今後の見通しにつきましては現段階でまだ具体的に申し上げ得る状況にございませんが、できる限り早期に具体的な成果を得たいということで努力をいたしておる次第でございます。できる限り早期に一定の成果なりとも、今おっしゃいました中間報告といったような形ででも公表することを考えたいというふうに存じております。
#10
○竹村泰子君 新聞報道によりますと、日米合同委員会の協議で返還の検討対象になっておりますのは、日米安全保障協議委員会いわゆる安保協で一九七六年までに既に返還が合意されている十八の施設と、それからさきに西銘県知事が訪米された際にアメリカ側に要望しました七つの施設の合計、ただし重複している二つを差し引きますと計二十三の施設であると言われておりますが、外務省これは事実でしょうか。
#11
○説明員(時野谷敦君) 日米安保協議委員会におきまして了承されましたもののうち、いまだ実施されていないものが十八件あると。それから沖縄県知事が米国政府に対して要望されましたもので具体的に施設名を挙げておられるもの、これが七件あるということはそのとおりでございまして、この二つを比べますと二件、二つのものがダブっておるということもまた事実でございます。これらのものは、現在の検討の対象になっている次第でございます。
#12
○竹村泰子君 四月の十九日にアメリカのチェイニー国防長官が議会に、「アジア・太平洋地域の戦略的枠組み」と題する報告書、いわゆる東アジア戦略構想を提出いたしました。
 その中で沖縄の駐留米軍について、第一段階として、三年後までに五、六千人を削減するという方針を打ち出しました。いろいろな情報によりますと、これは主に海兵隊が対象になっているというふうに聞いております。
 また、このチェイニー国防長官の報告によりますと、今後の国際情勢に応じて、三年から五年後の第二段階、五年から十年後の第三段階とさらに一層の大規模な削減の可能性を示唆しております。
 さて、現在、国際情勢を見ますと、東西対峙の冷戦構造が終えんをし、世界は緊張緩和の方向に向かって確実に動き始めたと思います。これはだれが見ても明らかな事実でありますけれども、日本の防衛庁さんだけはちょっと違った見方をしておられるようでございます。もうこの世界の流れは逆戻りすることは不可能なのではないかと私どもは考えますけれども。でありますから、このチェイニー国防長官の報告で言っておりますような第二段階、第三段階の駐留米軍の削減というものが今後行われる可能性というものは非常に強いと思われますが、いかがでしょうか。日米合同委員会での協議に基づきます今回の返還が行われた後に、今後第二段、第三段とさらに大規模な米軍基地の返還が行われる可能性につきまして、外務省と防衛施設庁にお伺いをいたします。
#13
○説明員(時野谷敦君) ただいまお話しのように、アメリカは、今後十年くらいをにらみまして、アジア・太平洋地域における米軍のあり方を検討し、その再編成を実施していきたいということを申しております。当面、ここ二、三年につきまして約一割程度の削減を考えたい、こういうことでございまして、五、六千人という数字は沖縄県ということではございませんで、ここ二、三年、日本に駐留しております米軍の再編成の規模
として、そのめどとして五、六千人ということを米側は申している次第でございます。第二段階、第三段階につきましてはまだ具体的なことはわかっておりませんで、順次米側として状況を踏まえながら検討していくということであろうというふうに理解をいたしております。
 このことと、それから先ほどの整理統合、沖縄におきますところの施設、区域の整理統合との関係ということの御提起があったと思いますが、私どもは整理統合は一昨年の末以来米側と話を進めてきている案件でございまして、今回のチェイニー長官のといいますか、アメリカ政府の報告書との間に直接の関係があるわけではないというふうに存じております。
 いずれにいたしましても、第二段階、第三段階のことはいまだ具体的なことはわかっていない次第でございまして、そのことが日本にあります基地のあり方にどのような影響を持つのか、持たないのか、持つとしてどのようなことがあり得るのかということを申し上げるには、材料が全くないという状況でございます。いずれにしましても、現在の整理統合の日米間の話し合いというものは、議会に対する報告書においても言及はされておりますが、これは現在行われております作業に対する言及でございまして、それとは別個の何らかの新たな作業というものが想定されている次第ではございません。
#14
○説明員(佐藤晃君) ただいま外務省の方から御答弁があったように、私どもも基本的には同じ考えでございます。
 沖縄の施設、区域の返還問題につきましては個別に従来から努めてきたところでありますが、今回の整理統合につきましては、六十三年の沖縄県知事の訪米で御要望がありまして、それを契機にいたしまして一昨年来日米間で協議しているものであります。先ほど御指摘がありましたようなチェイニーさんの問題とは直接関係があるとは思っておりませんが、今後とも削減問題につきましてといいますか、基地の返還問題につきましては、できるものから個別に返還に努めてまいりたいというふうに思っております。
#15
○竹村泰子君 今月二十五日、沖縄県知事と米軍施設所在地の市町村長で構成する沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会、略して軍転協と言っておりますが、この軍転協が沖縄の地域振興開発上必要な施設として十二施設十六カ所の返還を国に要求することを決定いたしました。そして、本年八月に正式の要求を行うそうであります。この十六カ所の返還リストには、具体的な跡地利用計画も提示されております。外務省は、この車転協の要求についてどのように考えておられるか。実際に要望書が提出された場合にはどのように対応されるのか、お伺いいたします。
#16
○説明員(時野谷敦君) 今先生から言及ございましたような検討が行われているということは伺っておりますが、私どもまだ要望書をいただいているという状況でもございませんものですから、要望書が出ましたならば、それを拝見して検討させていただきたいと思います。
#17
○竹村泰子君 米軍の基地、施設が返還された場合には、中には自衛隊が使用することになるのもあるのではないかといった懸念の声が一部聞かれております。というのは、例えば嘉手納に配備されております米海軍の対潜哨戒機P3C、これが近いうちに撤退すると言われておりますけれども、かわりに今度は自衛隊の那覇基地に今年度からP3Cが配備される。このように、米軍は削減、撤退を始めましたけれども、今度は我が国の自衛隊がその一部を肩がわりして、着々と戦力を増強しているのでございます。
 これでは、せっかく県民待望の米軍施設が返ってきても、その幾つかを自衛隊が使ってしまうのではないかという懸念を県民の皆さんがお感じになるのは極めて当然ではないでしょうか。返還される米軍施設の跡地は平和目的に利用されなければならないと私どもは思います。太平洋戦争のときに日本で唯一戦場となり、そして言語に絶する悲惨な体験をされた沖縄県民の皆さんの、そして私ども日本人のこれは切実な願いであります。防衛庁、それから外務省いかがでしょうか。返還される米軍施設の跡地を自衛隊が利用するということは絶対にありませんね。確約なさる旨の御答弁をお願いいたします。
#18
○説明員(佐藤晃君) お答え申し上げます。
 現在合同委員会において検討しております整理統合につきましては、特に自衛隊が跡地を利用するとかいう問題を念頭に置いて行っているものではございません。
#19
○説明員(時野谷敦君) ただいま防衛施設庁からお答え申し上げたとおり私どもも認識しております。
#20
○竹村泰子君 ちょっと聞きにくかったんですけれども、お約束していただけるんですね。
#21
○説明員(時野谷敦君) ただいま私ども米側と作業をいたしておりますのは、沖縄県民の中におかれてもこの施設、区域の返還ということに対する期待あるいは関心が強いということも踏まえまして検討を行っている次第でございまして、自衛隊の使用ということを頭に置いてこの作業を行っている次第では全くございません。
#22
○竹村泰子君 その検討しておられる検討の中には、そういう可能性も少しはあるんですか。
#23
○説明員(佐藤晃君) 私どもが検討しておりますのは、沖縄県における施設、区域の密度が高い、それから返還の要望が強いということを十分認識しておりまして、西銘知事の訪米を契機といたしまして、今回日米間で検討しようということになりまして基地の整理統合ということを検討しておるのでありまして、特に跡地の利用の問題について自衛隊がそこを利用するとかいうことを前提といいますか念頭に置いて、頭の中に入れて検討しているわけではないということを申し上げているのでございます。
#24
○竹村泰子君 それは当然のことでありまして、そういう可能性が少しでもあるのでは困りますので、そのようなことのないようにお約束をしていただきたいと思います。
 来るべき沖縄駐留米軍基地及び施設の返還につきましては、今のうちから緊急に対策を講じておかなければならない問題が幾つかあります。
 その一つが、計画的な跡地利用の問題であります。今回は比較的規模の大きいまとまった土地が返ってくることが予想されますけれども、せっかく返ってきた土地もきちんとした跡地利用計画がなければ無秩序な乱開発が行われてしまう可能性があります。
 第二の問題として、地主の皆さんの補償の問題があります。沖縄の軍用地は私有地が多く、また零細な地主さんが非常に多い状態であります。米軍基地が返還されても、跡地が有効に利用され収益を得られるようになるまでかなりの年月を要します。きちんとした計画であればあるほどインフラ整備に時間がかかりますから余計にそうなると思われます。地主の皆さんにとってみますとこれは大問題です。その間無収入の状態に置かれるからであります。国において何とか生活の保障の手だてを講ずる必要があろうかと思います。
 これらの問題は、沖縄の米軍基地の返還が今回だけにとどまらず、今後、国際情勢を考えるとさらにより一層大規模な返還が行われるであろうということを予想いたしますので、それに伴って一層深刻になってくるだろうと思われます。
 また、今後の返還ということを考えますと、もう一つ忘れてはならない重大な問題があります。それは基地従業員の皆さんの生活の保障の問題であります。
 現在、約七千八百人の人々が米軍基地で働いておられます。その家族の方や、さらに関連の業者の方を含めますとおよそ三万人に及ぶと言われておりますけれども、これらの皆さん方は、チェイニー国防長官の議会報告が発表されましてからずっと不安な毎日を送っておられるわけです。自分らはやがて解雇されるのではないか、生活の道を閉ざされるのではないかという不安におののいておられるわけであります。万一、駐留米軍の削減に伴って解雇される方が大勢出た場合に、沖縄
県の経済に与える影響は極めて深刻なものがあります。
 といいますのは、沖縄県の失業率は徐々に改善されてきているとはいえなお依然として高く、本年三月末では四・五%と全国平均の約二倍であります。ただでさえ厳しい雇用環境でありますが、その上に大量の方が職を失われるとなればこれは大変なことであります。それが沖縄の振興開発に与える影響ははかり知れないものがあると思います。このような基地従業員の皆さんの雇用問題については今から対策を講じておかなければなりません。基地従業員の皆さんが離職なさる場合に、事前に多角的な職業訓練を実施するとともに、離職者の皆さんの受け皿となる雇用の場を創設することが必要であります。こうしたことは国が中心となって行うべきであります。
 以上申し述べました沖縄の米軍基地、施設の返還に伴って生じます諸問題につきまして、やっぱり特別の立法措置をもって対処することが必要ではなかろうかと思います。現在の制度ではこれらを解決するのに極めて不十分であります。米軍施設の返還が非常に大規模であり、そして今後も継続して返還が予想される状況でありますからなおさらそう思うのですけれども、いかがでしょうか。特別の立法措置について外務省、防衛施設庁並びに沖縄開発庁にそれぞれのお立場から御答弁をお願いいたします。
#25
○説明員(時野谷敦君) 今お話しの特別の措置法ということにつきましては私ども承知いたしておりませんが、具体的な点はあるいは防衛施設庁からお答えがあろうかと思いますが、私どもの立場から申し上げますならば、私どもも、米軍の再編成に伴いまして生じることがあり得べき基地の周辺の方々への影響といったことは頭に置いておる次第でございまして、そのことはチェイニー国防長官が日本へ参りましたときにも外務大臣から指摘をしておる次第であります。
 今後、この再編成の問題というのは米側においてより具体的に検討が進められる次第でございますが、私ども、米側とも密接に連絡協議していくということの必要性を認識している次第でございまして、基地の従業員の方の安定的な雇用といった問題も含めまして米側と連絡調整しながら対応していきたいというふうに考えております。
#26
○説明員(涌田作次郎君) 今先生御指摘がございました七千八百人の在日米軍基地に勤務されている従業員の皆さん方の雇用の安定につきましては、これまでもその安定維持に努力してきたわけでございます。ただ、ただいまお話がございましたように、沖縄県におきます施設、区域の整理統合につきましては、現在日米間の合同委員会の場で鋭意検討中ということでございます。したがいまして、これらの整理統合が在日米軍従業員の雇用にどのような影響を及ぼすかにつきましては、現時点におきましては具体的にお答えする状況にはございません。
 しかし、いずれにしましても、在日米軍従業員の雇用主である防衛施設庁といたしましては、先ほども申しましたようにその雇用の安定維持に努めてまいっておるところでございまして、今後とも引き続き、先ほど外務省の方も御答弁がございましたが、在日米軍基地と密接な連絡、あるいは関係機関とそれぞれ連絡をとりつつ、より一層その雇用の安定の維持に努めてまいる所存でございます。
#27
○政府委員(藤田康夫君) 竹村先生の御質問にお答えをいたしたいと考えております。
 米軍施設、区域の返還に当たりましては、その駐留軍従業員の雇用の問題あるいは土地所有者に関する諸問題について十分配慮すべきであるという先生の御意見でございます。これは私どもも全くそのとおりだと考えておるところでございまして、そういった問題について十分な配慮がされて円滑な返還が実施さるべきである、これは先生御指摘のとおりだと考えておるところでございます。
 ところで、駐留軍の従業員についてでございますが、ただいま防衛施設庁の方から御答弁ございました。雇用主が日本政府でございまして、防衛施設庁がその雇用の安定に努力されてきておると、こう承知をいたしておるところでございます。で、基地の返還が行われまして、それに伴い離職者が出ました場合には、駐留軍関係離職者等臨時措置法によりまして特段の配慮がなされているところと承知をいたしておりまして、今後とも防衛施設庁あるいは労働省において離職者対策の努力がされるものと存じておるところでございます。
 一方、土地所有者に対しましては、米側から返還の意向が示された段階におきまして、那覇防衛施設局を通じまして十分協議をいたしまして、賃借契約に基づき遺漏のないよう措置されておると聞いておるところでございます。沖縄開発庁といたしましては、こういったものにつきまして地元においても積極的に跡地利用計画が進められている、県も指導しておると聞いておりまして、そういったものがまとまりました段階におきましては、従来もできるだけ早期に沖縄振興開発特別措置法に定めております高率の土地区画整理事業の補助を実施してきたところでございますし、今後ともこの方向で引き続き努力をさせていただきたいと、かように考えておるところでございます。
#28
○説明員(沼田安夫君) 御説明いたします。
 先生御指摘のございました地主さん方の補償に関する点でございますけれども、返還された土地の所有者の、地主の皆さんに対する補償につきましては、私どもといたしましては、地主さん方の請求に基づきましてその土地の原状回復をする、それに要する費用、それからその原状回復をしている間土地が使用できない、そういう期間に対しては借料相当額を補償するという措置を講じているところでございまして、今後ともそういうやり方で遺憾のないよう措置してまいる、こういう考えでおります。
#29
○竹村泰子君 私は北海道ですから、炭鉱の離職者の問題、清算事業団の方々のこと、北海道がどんな目に遭ってきたか、よくわかるんです。これまでに、国が一人も路頭に迷わせないとおっしゃった清算事業団の人々が何人まだ路頭に迷っていることでしょうか。そういったことを考えますと、やはり基地に働く人々の今後のことを思い、また地主さんの補償のことを思いますと、非常に不安に思うんです。信じないわけではないけれども信じがたい事実が余りにも多過ぎる、こういうことですので、先ほど労務企画課長さんのおっしゃったように、何とおっしゃったんでしたか、ただいまのところ何も考えるに至っておりませんとおっしゃったんでしたか――考えていただかなきゃ困るんですよね。もう遅きに失しているかもしれない。どうか、ぜひ早いうちにこの方たちの離職後の雇用、しっかりと生活の手だてを考えていただきますように心からお願い申し上げたいと思います。
 次に、開発予算に移りたいと思いますけれども、八八年度から暫定的に二年間延長されました補助率のカットについて、最近大蔵省は来年度も補助率を復元しないとの方針であるとの報道がありました。開発庁はかねてから、補助率のカットについては暫定措置であり、高補助率は維持されており、依然として沖縄への配慮が示されているという立場でございました。
 沖縄振興開発特別措置法の延長が問題とされております現在、すなわち沖振法の時限が切れた後高補助率を堅持することができるかどうか、これが問題となっているときに、補助率のカットがこのままなし崩しに行われ第二次振計の期間が終了することになれば、沖振法延長後及びポスト二次振計のあり方にも影響してくるのではないでしょうか。本土との格差が存在する以上、高補助率の維持はぜひとも守らなければならないと思います。補助率が徐々に低下してくるような事態は避けなければならないと考えます。平成三年度の予算編成に向けて、沖縄開発庁としても断固たる対応をとるべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。
 まず、補助率カットによる影響額、次いで県等
の負担の補てん状況について、開発庁の対応についてお伺いしたいと思います。
#30
○政府委員(水谷文彦君) ただいまお話にございましたように、国の厳しい財政事情のもとで、公共事業費の事業量を確保するというような配慮から、暫定的に補助率が引き下げられてきております。ただ、沖縄は解決すべきいろんな問題を抱えている、さらに、県、市町村の財政基盤も脆弱であるというようなことから、従来から引き下げの対象あるいは引き下げ率等につきまして大変緩和された措置を行っておりまして、本土に比べれば特別な配慮がなされているものと考えております。そうした中で、来年度の予算編成においてこれらの問題をどのように取り扱うかということでございますけれども、この問題につきましては私どもも十分検討の上対応させていただきたいと考えております。
 そうした中で、補助率の引き下げによる影響額でございますが、全体として見れば、大体百三十五億程度であると思います。
 それから沖振法の延長の問題でございますが、これにつきましても、社会資本の整備がおくれている、県、市町村の財政基盤も脆弱であるというようなこと、かつ本土との格差是正を早く進めたいということから、沖縄振興開発特別措置法によって高率の補助の措置がとられてきております。この問題につきましては、御案内のように平成三年度末の時限法でございます。
 今後の取り組みといたしましては、現在沖縄振興開発総合調査を実施しております。あるいは、これまでの振興開発計画につきましての総点検を行っておりますし、さらには沖縄振興開発審議会におきまして、今後二次振計の後の振興開発のあり方についての調査、審議を進められております。したがいまして、今後の新しい立法をどうするか、補助率の取り扱いをどうするかといった問題につきましては、このような調査結果などを踏まえまして、かつ沖縄県あるいは関係省庁と十分相談をして対応してまいりたいと考えております。
#31
○竹村泰子君 第二次沖縄振興開発計画も余すところ二年となりました現在、第二次振計の着実な推進を図ることが極めて重要であると思われます。平成二年度の沖縄開発庁予算でも、第二次振計の推進を図るため、水資源の開発、農林水産業の基盤整備、県民生活に密着した施設の整備、交通体系の整備に重点を置いておられます。沖縄開発事業費として二千三百億円余りを計上しておられますけれども、本年度の予算の道路、公園関係の整備事業の中には新規の事業が大変多い。沖縄の今後の産業の振興のためには、道路等の社会的基盤はさらに拡充する必要がありますため、これらの事業の着実な推進が望まれます。
 しかしながら、現在沖縄においてはリゾートなどの開発から地価が上がる傾向にあります。一部報道によりますと、地価高騰、用地買収難から公共事業のおくれが起こるなどの影響が発生していると地元の新聞は伝えておりますけれども、現在行われている事業でも、このような用地収得難から進捗がおくれているようなものがありますか。公共事業の進捗状況をお伺いしたいと思います。
#32
○政府委員(水谷文彦君) ただいまお話がございましたように、沖縄の振興開発の上で社会資本の整備というのが大変重要でございます。そうしたことから、本年度予算におきましても、道路、公園等につきましても新規の事業を幾つか採択いただいております。
 公共事業の進捗の問題でございますけれども、ただいまお話にございましたように、全般的な地価の値上がり傾向がございます。そうした中で、確かに公共事業はおくれているものがございますけれども、そうしたおくれが地価の高騰による分がどれだけかというような分析はなかなか難しゅうございます。しかし、地価の高騰があるということはやはり土地の需給が逼迫をしている、あるいは値上がり期待があるといったことから、地主さんの方から土地がなかなか取得しがたい、あるいは代替地について折り合いがつかないといったような問題がございますし、さらにそうした地価の問題のほかに私どもいろいろ困難をきわめておりますことは、例えば道路を引きます場合に埋め立てをしなければいけないというような問題がございます。そうすると、埋立事業という他事業との調整に時間がかかるといったこともございます。
 そういった意味で、どの分が地価でどの分が関連事業との調整とかいった分析は非常に難しゅうございますけれども、いずれにしましても、全般的に公共事業を進めます場合には、地価問題あるいは地元の御理解ということが重要になってきておりまして、現地の総合事務局におきましても、いろいろ苦労をしているところでございます。
 今後とも、いろいろ私どもも努力しながら、円滑な進捗を心がけてまいりたいと考えております。
#33
○竹村泰子君 地価の問題、公共事業の問題、大変大きなことでございますし、にっちもさっちもいかなくなってしまってからでは遅いと思いますので、早いうちによい手だてをしてくださいますように切望しておきたいと思います。
 次に、国の公共投資十カ年計画と沖縄振興開発についてお尋ねをいたします。
 先般の日米構造協議の結果に基づきまして、この夏の最終報告に向けて我が国においては公共投資十カ年計画が策定されることになり、現在各省間及び財政計画当局との間で調整作業中であるとお伺いしておりますが、沖縄開発庁としてはこの計画に対して何らかの積極的な対応をおとりになっておられますでしょうか。
#34
○政府委員(水谷文彦君) ただいまお話がございましたように、公共投資十カ年計画につきましては、現在経済企画庁を中心にその策定作業が進められているわけでございます。この計画は、そこの中で具体的な地域配分までは示さないというように承っております。
 御案内のように現在道路、港湾、空港等につきましては幾つかの長期計画がございますけれども、そういった問題につきましても、総額を決めて、各年度の配分なり各地域への配分というようなものは、各年度の予算編成あるいはその後の実施計画等を通じまして配分が決められることになっております。私どもとしましては、予算編成の段階等におきましてこれまで同様沖縄への重点配分について強く要望をしてまいりたいと考えております。
 なお、御案内のように、沖縄の公共事業費というのは、各省にまたがる公共事業費を全部計上いたしておりますので、その意味では各省のパイを大きくしていただいて、そこの中でより多く沖縄への配分を求めていくということになろうかと思います。
 なお、付言させていただきますと、公共事業費というのはこれまでは予算の分類では道路、港湾、漁港といった伝統的な公共事業費が中心でございますけれども、特に沖縄の場合は、そうしたものもおくれておりますけれども、文教施設であるとか社会福祉施設等の整備もおくれております。その点につきましては砂田大臣も大変御心配をされまして、こうしたものも全体として沖縄は必要なんだから、狭義の公共事業費に限らないで、こういったものも含めて整備をするようにということで御尽力いただいた経緯のあることを付言させていただきたいと思います。
#35
○竹村泰子君 農林、建設、運輸等各省の予算の中から沖縄の分の配分を受けるということだろうと思いますけれども、今回のように財政当局も公共事業に積極的に予算をつけてくれる、もう少し正確に言うならば、予算をつけざるを得ないという情勢でありますから、まさにこれは公共事業を実施する側からいたしますと千載一遇のチャンスであるとも言えるわけです。
 そういう意味からしますと、沖縄開発庁としても黙って見ているという手はない。農林、建設、運輸の各省にすべてあなた任せにしておく手はないと思いますが、長官いかがでしょうか。沖縄開発庁も自分の方から積極的に公共投資十カ年計画に対して要求を行っていくというお考えはありま
せんですか。
#36
○国務大臣(砂田重民君) 竹村委員御指摘の問題は、私は二つあると思います。
 一つは、今お話のございました沖縄への配分にかかわること、もう一つは十カ年計画の中で長期計画を持っているいわゆる公共事業だけに限定していいかどうかということ、それはやはり国民生活充実という非常に大きな前提条件を立ててまいりますと、長期計画を持っております公共事業だけに限定するのはそれは幅が狭いのではないか。やはりいろんな角度から、いわゆる国民生活を豊かにするための社会資本というものの内容を今経済企画庁でも再検討しているところでございます。
 細かいことのようでございますけれども、小中学校の義務教育施設なんというものはここ十八年の県民の御努力、行政の努力によりましてほぼ内地並みになっているわけでありますが、沖縄だけが持っております特殊事情としては、依然として危険校舎をたくさん抱えている。大規模校をたくさん抱えている。これらは長期計画を持っておりません。長期計画を持っている公共事業だけを充実するということでは、こういうことが解決されないわけでございます。
 道路が整備され、下水が整備され、子供たちは危険な校舎で勉強しているというようなことでは豊かな国民生活とは言えないわけでございますから、公共事業というものの考え方をもっと幅を広げてもらいたいという要望でございますとか、沖縄の離島性あるいは北海道の広さ、こういうことを念頭に入れて今から考えていっていただかないと適切な公平な配分にならないというようなことは、経済企画庁の長官に私が御要望をいたしているところでございます。
#37
○竹村泰子君 長官のお答えは大変私もそのとおりだと思いますけれども、この公共投資十カ年計画は来年度から十年間。一方ポスト二次振計、すなわち第三次の沖縄振興開発計画は再来年度から十年間が予定されておりますね。期間が相当にダブるということ、それから三次振計は現在作業中であるということ、こうした事情によって沖縄開発庁が公共投資十カ年計画に対して消極的な態度をとっているのではないかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
 一年のおくれですべて後手後手に回るようなことがあってはならないと思います。今長官がおっしゃったような広い意味でのイメージで沖縄が二十一世紀に向けて自立的に発展をしていくために、まず沖縄開発庁が各省から少しは自立をしていただきたい。この公共投資十カ年計画への積極的な対応をそのための第一歩にというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
#38
○国務大臣(砂田重民君) 三次振計という言葉はまだ政府の行政日程に上がっておりません。これは、二次振計が二年足らずでございますけれどもまだ期間が残っているわけでございます。ポスト二次振計という言葉で申しておりますが、こういう公の場でないところでは私は実は少し遠慮をしながらも三次振計という言葉を使わせていただいておりますけれども、沖縄の長期的な振興計画の提案者は知事さんでございます。知事さんがその原案を提出されまして、国がそれに基づいて検討いたしました上で出すべき結論がポスト二次振計の計画になることになりますので、ただいまそれの準備をしている段階でございます。
 沖縄県も、第一次、第二次にわたります振興開発計画がどこまで達成されてきたか、何が残っているかということを今総合点検を県でもやっておられます。私ども沖縄開発庁も、予算をちょうだいいたしまして、総合的な検討、調査を進めているところでございます。その結論をこの夏ぐらいまでには出したいと考えておりますけれども、その結論を出しました上で沖縄開発の審議会等にもお諮りをして、この審議会からの答申をちょうだいいたしました上で、ポスト二次振計について行政のスケジュールに乗せていこうとしているわけでございます。
 ただ、申し上げたいと思いますことは、沖縄が復帰をいたしましたときに策定いたしました振興開発特別措置法の目的といたしますものは自立をする沖縄であって、本土との格差を解消することであって、平和で豊かな沖縄県を確保することが目的でございますから、二次振計が終わった段階で、この特別措置法の目的が達成されたか、まだ残りがあるかというところが議論になるところだと存じます。先ほど特別措置法の特別の補助率等についての御心配もいただいているわけでございますけれども、やはりこの特別措置法の目的といたしますところをきちっと腹に据えまして取り組んでまいる決意であることだけはお答えをしておきたいと存じます。
#39
○竹村泰子君 では次に、北方問題に移りたいと思うんですけれども、平成二年度の北方基金の造成額は総額八十七億五千万円になる見込みでございますね。北方特別措置法に定める平成四年度までに目標額百億円を達成するめどがほぼついたと思いますけれども、その見通しはどうでしょうか。
 また、そろそろ目標達成後の対応を考えるべき時期になっていると思いますけれども、総務庁はどのようにお考えになっておりますか。
#40
○国務大臣(塩崎潤君) 御指摘のように、平成二年度の予算が認められますれば、またいずれ成立をさせていただけると思いますけれども、御指摘のように八十七億五千万円に達するわけでございまして、目標でございますところの、地元の目標と言った方がいいんでしょうか、百億円にはあと十二億五千万になる予定でございます。私どもは百億を目指してこれからさらに努力を傾注していきたいと考えております。
 その後の問題については、なおなお平成三年度の概算要求の後の問題であろうかと思いますが、同時に、このような問題はこれからも検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
#41
○竹村泰子君 北洋のサケ・マス漁の割り当て量ですけれども、これが毎年減少して、しかもソ連側は一九九二年には全面禁漁というそういう方針を打ち出してきておりまして、我が国の北洋漁業は事実上消滅の危機にさらされているわけでございます。このようなソ連側の強硬な姿勢の背景の一つには、日本側によります違反操業があるというふうに伝えられております。このような中でカムチャッカ半島南東の北太平洋上の公海で北朝鮮船籍のサケ・マス漁船の集団がソビエトに享浦されたとの報道がありましたけれども、その事実関係について水産庁の御説明を求めたいと思います。
 また、この問題に対しまして水産庁があいまいな対応をしていたという報道も一部伝えられております。昨日の新聞によりますと、船名を書きかえて、漁船員に勝手に朝鮮名をつけていたとか、そのことを水産庁が全く知らないわけではなかったかのような報道がされておりますけれども、もしそれが事実だとすれば今後の国際関係、特に日ソ関係にも微妙な影響を与えかねない問題であると思いますけれども、ずさんな対応ではなかったのかどうか、水産庁及び外務省にお伺いしたいと思います。
#42
○説明員(田家邦明君) ソ連によりまして北太平洋の公海上におきまして北朝鮮の漁船が拿捕されたという関係についてお答え申し上げたいと思います。
 経過につきましては、ソ連からの連絡によりますと、十九日から二十一日にかけまして北朝鮮漁船がサケ・マスの密漁の疑いで拿捕されたという連絡が入っております。その関係で二十五日と二十八日におきまして、国内法違反の疑いで海上保安庁の方で関係者及び関係場所につきまして強制捜索が行われております。いずれにいたしましても、基本的には現在捜査中でございますので、事実関係についての具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 水産庁といたしましても、海上保安庁の捜査に協力いたしまして事実の解明に努めてまいりたいと思います。
 なお、昨日、ソ連からの連絡によりますと、十二隻の漁船につきましては色丹島に連行されたと
いう情報が入っております。
 それから二番目の問題につきましては、水産庁の方があらかじめ今回の事態を承知していて黙認したのではないかというような話があったわけでございますが、国内法令にかんがみても実行があり得ない、法令的にはない事態でございまして、決して我々あらかじめ承知していたということはございません。
 いずれにいたしましても、今後とも、事態の解明を待ちまして適切な対処に努めてまいりたいと考えております。
#43
○竹村泰子君 何かよくわからないんですけれども、この出航前に、出漁前に水産庁や道水産部に操業についての照会をしたがあいまいな回答しか得られなかった。あいまいな回答しか得られないというのはどういうことなんですか。これは事実ですか、どうですか。
#44
○説明員(田家邦明君) ただいま申し上げましたように、本件事案については捜査中でございまして、事実関係の詳細についてはコメントを差し控えたいと思うわけでございますが、漁船登録の関係によりまして北海道庁から関係資料の提供等があったというような経緯はございます。その際、水産庁といたしましては、関係資料に含まれております操業形態は国内法令上問題があるということを伝えておりまして、このような操業が行われるということは予想していなかったわけでございます。水産庁が事前にこれを承知していたという事実はございません。
#45
○竹村泰子君 私、素人考えで大変不思議だなと思いますのは、去年の夏もこれは船名を書きかえて漁に出ているわけですね。そういうことが一年も水産庁としては全く情報が入らないんですか、一年前のことが。また、そして二度目にこれはやっているわけですね。全く御存じなかったんでしょうか、どうでしょうか。
#46
○説明員(田家邦明君) 具体的な事実を承知はしておりませんでした。
#47
○竹村泰子君 うわさは聞いていたということですか、それは。
#48
○説明員(田家邦明君) 関係法令におきまして、例えば漁船の貸与なり貸し渡しとか等を行うような場合、国内法令との関係もございまして、御相談があればその都度必要な指導なりあるいは適切な勧告を行っているわけでございまして、我々としてはそういうことはまさに予想せざることでございまして、うわさとかいう具体的な情報としては我々は承知していなかったわけでございます。
#49
○竹村泰子君 事実関係は必ずしもはっきりしていない、調査中であろうと思いますけれども、今回の事件は関係漁民の将来への不安から起こったものではないかというふうに思うわけです。特に根室市では、人口の約四割が何らかの形で北洋サケ・マス漁に依存しております。地域経済への影響も深刻であります。北方領土返還運動の推進のためにも隣接地域の住民の生活の安定を図ることが大変不可欠でありますけれども、水産庁は漁業者に対して減船補償を行う考えのようでありますが、地域経済への悪影響に対して水産庁や北海道開発庁長官でもあります砂田長官はどのような対応策をおとりになるおつもりでしょうか。水産庁にまずお伺いします。
#50
○説明員(田家邦明君) ただいま先生御指摘がございましたように、サケ・マス漁業につきましては、厳しい国際状況の見通しのもとに、再編整備が不可欠であるという認識のもとに昨年十二月に閣議了解いたしました国際漁業再編対策の対象にするということで、先般四月の末に、滅船者に交付される救済費交付金につきましてその骨格をお示ししたわけでございます。
 今後とも、サケ・マス漁業につきましては、先生御指摘のとおり地域経済に一定の役割を果たしていることは十分認識しているところでございまして、事態の推移に応じまして、国際漁業再編対策に基づく措置等につきまして、政府全体の問題としても関係省庁とよく連携をとりながら適切に対処してまいりたいと考えております。
#51
○国務大臣(砂田重民君) 今回の問題は水産庁あるいは海上保安庁の調査、捜査を待っているところでございますが、その背景はやはり北海道の北洋漁業の大変な厳しい情勢、これがその背景にあると認識しておりますというのが予算委員会での農水大臣のお答えでもございます。私も同じ考えを持っております。
 御指摘のように、北海道の北洋漁業は国際的な規制によって大変厳しい状態にあることは御指摘のとおりでございますが、北海道は我が国の漁業生産量の約四分の一を水揚げする最大の水産物供給基地でございまして、引き続き水産物の安定供給に寄与することが期待をされているわけでございます。
 第五期北海道総合開発計画におきましても、つくり育てる漁業あるいは資源管理型の漁業の展開を軸に水産業の振興を図ることといたしております。このため、今後とも北海道の水産業がそのすぐれた特性を生かしつつ一層の発展が図られますように、漁港、漁村の整備、沿岸漁業整備開発等の施策を農林水産省等の関係省庁と密接な連携のもとに積極的に推進してまいりたい、かように考えているところでございます。
#52
○竹村泰子君 時間がなくなってしまいました。最後に一つだけ外務省にお尋ねしたいと思います。
 アメリカは二月の米ソ外相会談の際、同様にワシントンで開かれる米ソ首脳会談の席上でも北方領土問題を取り上げ、日本の立場を支持する意向を表明するとともに、ソビエト側に柔軟な態度をとるように求めるようでありますけれども、それを確認されておりますか。
 また、そうであれば当然外務省は日ソ交渉における我が国の立場が有利になるように働きかけていることと思いますが、その点はどうなっておりますか。日ソ平和条約作業グループの活動も含めてお尋ねしたいと思います。
#53
○政府委員(都甲岳洋君) ベーカー国務長官が、二月及び四月の米ソ外相会談におきましてこの問題を取り上げまして、日ソ関係の正常化のためにこれが必要であるけれども、これは単に日ソ関係だけではなくて東西関係全体の改善のために必要であるということを強くソ連側に主張していただいたというふうに私ども承知しております。
 今回の米ソ首脳会談におきましてこの点をアメリカ側が取り上げる意向であるということは承知しておりますけれども、その点について具体的に通報を受けているわけではございませんが、基本的にアメリカが日本の立場を強く支持しているということから、このことは十分にあり得ることだと私どもは考えております。このように日ソ関係を東西関係全体の中で考える必要があるということをソ連側にアメリカが強く主張していただいていることは、私どもとしてこれを高く評価している次第でございます。
 そういう中で、私どもとしては、やはり国際関係全体の中で欧州における変化がアジア方面にも及んでこざるを得ないというふうに基本的には考えておりますので、このような国際的な理解が進んでいるということは日ソ関係の中においても非常に有利な展開を示す一つの材料ではないかというふうに思っております。
 それから平和条約作業グループでございますけれども、一昨年の十二月にこれができまして以来、ソ連側は領土問題についても真剣に話し合うようになっております。そういうことで、私どもは四島が歴史的にも法的にも我が国の固有の領土であるということを強く主張しておりまして、この棚上げということは絶対に認められないということを主張し続けております。
 御承知のように、一昨年の十二月及び昨年の三月、四月、それと十二月の四回この作業グループが開かれておりますけれども、残念ながらこれを通じてソ連側の立場はなお変わっておりません。それから昨年の十二月にはソ連側から強く戦後の現実に基づいて日ソ関係を進めるべきだという考
えが示されたということもあり、先方の立場はなおかたいというふうに申し上げざるを得ないのは残念でございます。しかし、来年のゴルバチョフ大統領の訪日を控えまして、私どもとしては一層対話を進めそして拡大均衡という中で、領土問題をわきに置くことなく、日ソ関係を進める中でこの問題の解決を強く図っていくという姿勢でいることを御報告申し上げます。
#54
○竹村泰子君 終わります。
#55
○板垣正君 私は、北方領土問題に限定しまして政府の見解をただしてまいりたいと思います。時間の関係もありますので外務省に三点ほどお伺いし、最後に総務庁長官の御決意も承りたいと思っているわけであります。
 第一点、まず日ソ関係の現状認識でございます。
 現在、戦後最大の変化の可能性をはらむ時代にある。これは世界じゅうが大きく変わってきておりますが、日ソ関係におきましても戦後最大の変化の可能性をはらむ時代に来ていると認識するわけであります。この変化ということは、つまり日ソ関係の正常化ということでございます。これは具体的には平和条約の締結ということでございます。日本側におきましては戦後一貫した方針を持って対処しておるということであります。つまり領土問題を解決して平和条約を締結して安定した日ソ関係を築く、これが一貫した方針であり今日も変わらざるところであろうと思います。
 これに対応してソ連側は、いろいろな経緯はございましたし現在もなお非常にかたい姿勢はとっておりますけれども、やはり随分変わってきている面も多いのではないか。平和条約につきましても、現在は両国関係を根本的に改善するためには平和条約の締結がぜひ必要である、こういう立場に立っていると思います。かつその平和条約にはいわゆる地理的側面、領土問題ですね、地理的側面が含まれるということについて、こうした面におきましては日ソ間における見解といいますか、一致点がそこまではできているという認識を私は持ちますが、その点いかがですか。
#56
○政府委員(都甲岳洋君) 確かに現在の国際情勢は大きく変わっております。特にヨーロッパ諸方面におきまして、ヤルタ体制の根本的な見直しにつながる東欧の変化等も含めまして大きな変化が起こっておりますので、私どもはこの変化がアジア・太平洋方面にも及んで来ざるを得ないというふうに基本的には考えております。
 そういう中で日ソ関係が一昨年十二月以来、平和条約締結を目指して今後対話を強め交渉をしていくという認識に至りましたこともまた事実でございまして、具体的に平和条約作業グループというものが設置されております。そういう中で先生御指摘のように、日ソ間において基本的な関係改善のためには平和条約の締結が必要であるということにつきましては日ソに共通の認識がございます。そしてまた御指摘のように、平和条約ということになれば国境確定の問題があるということをソ連側は言っております。つい最近もビリュコワ、ソ連の副首相で政治局員である方が訪日され、総理及び外務大臣と会見された中でも、平和条約を締結するということは日ソ共通の目標である、その中で領土問題ということであれば地理的側面ということで、これについても話し合いが行われるだろう、解決しなければならないということを再確認しております。
 そういうことで、私どもとしても先生おっしゃいましたように、ゴルバチョフ大統領の訪日ということを契機として戦後最大の日ソ関係の正常化の契機が訪れるのではないかというふうに強く期待しておる次第でございます。
#57
○板垣正君 それで我が方の対応でございますけれども、やはり我が方の長年堅持した基本原則を堅持していく、そして腰を据えて取り組んでいくということが非常に大事じゃないか。
 もちろん来年のゴルバチョフ来日、いろんな不安定要素はあるにしても、そういう展望の中で腰を据えてしかも十分準備をして対応する必要があるのではないか。特にこの問題については、先ほど御説明もありましたが、四島の一括返還、政経不可分、これが我が方の基本態度でございますし、この北方領土問題はソ連にとりましても、過去のスターリンの政策から決別をして、アジアにおける彼らの言う新思考外交を示せるかどうかという、まさにそのあかしを立てるかどうかと。また、アメリカのベーカー長官等も言っておりますように、この問題は東西関係の枠組みの問題である、東西緊張緩和の視点でこの問題は扱われるべきであるという、そういう立場におきましても、やはり我が方が国論を統一して対処していかなければならない非常に正念場であろうと思います。
 これが、我が方の対ソ交渉の姿勢がばらばらであるとか分裂しているんじゃないかと受け取られるような、相手に誤解を与えるような、あるいは何か相手に幻想を与えるような、あるいは妥結を、打開を急ぐ余り要らざる譲歩の話を出してくるとか、こうした問題はまさに軽挙妄動してはおかしいんではないか。そういう面で、もちろんいろんな立場からいろんな発言が、またソ連側からもいろんなあれが出てくるでございましょうけれども、そうしたきちっとした基本姿勢を持ちつつ、国民に大きな誤解を与えないように、また対外姿勢におきましても常にその正論を堅持し、かつ必要な場合には反論を出していく。
 先般閣議においても四島一括返還の姿勢には変わりないと改めて確認されたわけでございますし、国会でも何回か決議をしている問題でありますから、外交当局においても必要に応じ我が方の見解を繰り返ししても、とにかく内外世論に向けてその姿勢を明らかにしていくという一層の努力が必要であろうと思いますが、その点いかがですか。
#58
○政府委員(都甲岳洋君) 先生御指摘のように、現在ゴルバチョフ大統領の訪日を迎え、それを転機に日ソ関係の基本的な問題の解決の可能性が出てくるというふうに私どもは考えておりますので、そういう観点から大変重要な時期であると認識しております。そういうことで、従来各党一致の国会御決議をいただいておりまして、国会におきましても基本的な姿勢を明らかにしていただいているわけでございますけれども、今後ますますそういう形でやはり国民の世論がこの問題について一致するということは非常に重要なことだと思っております。そういうことで、政府といたしましては、累次の機会に一括返還で平和条約を締結するというのが基本的姿勢であるということを明らかにしてきておりますし、平和条約の締結に至るまでやはり政経不可分という形で基本的な原則を守る必要があるということは累次表明してきている次第でございます。
 今後ともそういうことで、一貫した態度でそれに対ソ交渉を続けるということが重要であるということを肝に銘じつつ政府としては対処していきたい、そういうふうに考えております。
#59
○板垣正君 それで、話し合いでございますけれども、現在の世界はいわゆる新デタント、外交ゲームの時代であるということが言われております。そしてこの北方領土問題を含めた日ソ間の平和条約締結もあくまで話し合いによって、つまり両方が合意のもとで安定した日ソ関係をつくっていこうとするわけでありますから、やはりお互い踏み込んだ話し合いをする必要があるんじゃないか。つまりお互い肝心な問題で踏み込んだ話し合いをしていく、これは外交当局においてもそうしたことで努力しておられると思いますけれども、そういう面ではまさに双方が英知を尽くして話し合う必要があるんじゃないかということもうなずけるわけでございますけれども、端的に言って、じゃ肝心な問題とは何か。
 我が方はこの領土問題でございます。その肝心な問題にソ連側がまだなかなか踏み込もうとしない。ソ連側にとって肝心な問題は何かといえば、やはり日ソ間の経済協力の問題であり、かつ彼らの言うアジア・太平洋地域における軍縮・軍備管理の問題、こうした問題を大きく打ち上げている。ゴルバチョフ政権を支えているのはそうした国際世論と申しますか、そういう対外姿勢におい
てもたれているわけでございますから、そういう形です。
 報道されるところによりますと、シェワルナゼ外相の訪日についても、当然もう実現してもよかったのが延び延びになっておる、延び延びになっておるのみならず、前提条件をつけてきていると伝えられております。専門家会議を設けて、この日ソ間の軍縮・軍備管理の問題とかアジア・太平洋の平和の問題とか経済協力の問題とか、もちろん平和条約の話し合いと並行してそうしたテーマを設けて話し合いをやるべきである。あるいは大使館筋の報道として、そういう話し合いをすることがゴルバチョフ大統領が日本に来る、言ってみれば環境づくりでありその下地なのである、そういう話し合いに日本が乗ってこなければというふうな条件つきみたいな形であらわれているところにもソ連側の思惑というものが感ぜられるわけであります。
 そこで、これは対話であり、話し合いを進めていくわけでありますから、この基本的な北方領土問題についての基本姿勢については、当然ソ連側も踏み込んだ対応を求めるし、我が方もこの経済協力の問題、これは政経不可分の立場に立ちながら、幸いにして平和条約が締結されるというような状況になるならば我が方としてはこれだけの青写真が持てるという、やはり一つの経済協力の面においてももう青写真を準備していい段階ではないのか。ソ連側はソ連側として青写真の作成に秋ごろからかかってくるでございましょう。そういう意味における経済協力において、我が方がどういうことをなし得るのか、どういう展開が予想されるのか、そういうまさに肝心な問題についてもっと踏み込んで明らかにしていくという必要があるのではないか。
 さらに、アジア・太平洋地域での軍縮の問題であります。
 ゴルバチョフ大統領が今度アメリカの帰りにペトロパブロフスクで六月五日にはまた演説をぶち上げると。恐らく日本に来ても、アジア・太平洋地域でのこの大胆な軍縮というようなことをぶち上げて立場を強化しようという思惑は考えられるわけでございます。これに対して我が方も、まずは北方領土問題、いわゆるスターリンの遺産と言われる、これを解決することが何よりも東西の緊張を緩和する一番の根本である、そういう立場を強く主張することは当然でありますとともに、軍縮問題ということを言われますけれども、ソ連の極東軍の軍事力、このまさに超軍事大国として今なおベールに包まれた、こういう立場の国が声を大きくして日本に軍縮を呼びかける、アジアの軍縮を呼びかける。その前にあなた方が一体アジアこ――極東における彼らの軍事力というものの実態がどうなっているのか具体的に公表されたことはありません。一部の、軍艦を何隻減らしたとか減らすんだとかいう話は伝わってきますけれども、全くその面については不透明であります。
 これに比べ、我が方の防衛体制については極めて制約された、節度のある専守防衛という立場において、攻撃的な武器は持たない、海外には出ないとか、そういう政策の中で、しかも、じゃ日本の自衛隊がどういうふうに配備されているのか、どういう予算で運営されているのか。まさにガラス張りではありませんか。
 そういう立場において、我が方としてもアメリカとのいろいろな強調、話し合いも必要でございましょうけれども、そういう我が方の平和国家としての基本線に立ち、また具体的に節度ある自衛体制という限界において制約された防衛体制をとってきている立場においても堂々と、この北東アジアにおける緊張緩和構想いかにあるべきか、こういうことを我が方がやはり自主的な立場に立って、ゴルバチョフの来る前にその構想を内外に明らかにして、そしてまさに肝心な問題で、お互い腹を割って打ち込んだ姿においてこの交渉の決着をつけるというくらいの積極的な姿勢をも必要ではないかと思いますが、この点についていかがですか。
#60
○政府委員(都甲岳洋君) 基本的には先生御指摘のとおりであろうと思います。
 やはりソ連との関係におきましては基本的な問題は領土問題の解決でございますから、まずその基本的な問題の解決ということを前提とした粘り強い話し合いをし、そしてその問題についてお互いに話し合い、交渉をする契機をつかむということが重要であろうと思います。そういうことで、来年のゴルバチョフ大統領訪日の前にそれが起こればよろしいですが、それを契機としてそのような状況が生じてくるということを私どもは強く念じている次第でございます。そういう中におきましてそういう話し合いが行われるようになりますれば、先生が御指摘のような、双方の利益はどこにあるかというところを十分に踏まえた話し合いというのは行い得るようになると思いますけれども、そのきっかけをつかむまでの間というのはやはり相当慎重に対応しなければならないというふうに考えております。
 それからアジア・太平洋地域の軍縮の問題につきましては、基本的には先生御指摘のように、日ソ関係における北方領土問題の存在あるいはソ連の強大な軍事力の存在というものが不信の基本的な原因になっているわけでございますから、その解決及びソ連軍の増強の事実をより軽減していくというソ連側の努力にまつところも多いわけでございますので、こういう問題は指摘していく必要があると思います。
 しかし、そういう前提はありましても、やはりアジア・太平洋地域の安全保障の問題について真剣な対応を進めるということはこれまた重要でございますので、ゴルバチョフ大統領の訪日に向けてどのような対話を行うことが適切であり可能であるか、この点も非常に真剣に考えていかなければならない問題であるというふうに考えております。
#61
○板垣正君 一貫して外交を進めていただいているわけでございます。私は、その外交姿勢は非常に正しかったと思うし、耐え抜いてきたからこそ、情勢も変わった点はありますけれども、話し合いの場に乗り、展望も開かれつつある大事なときでありますから、どうぞ外交当局も自信を持ってさらに御推進をいただきたいとお願いするわけであります。
 総務庁長官は、特に国内の北方領土問題の本部長として大変、現地にも先般行かれたことを伺っておりますし、昨日の所信表明におかれても北方対策に対するいろいろな具体的政策も伺った次第でございます。同時に、青年層を含めた国民に対する啓発、その辺に非常に力を入れていくんだという所信の御表明もございまして、私は、その点ぜひ積極的にお願いいたしたい、そう思うのであります。特に私は、もう基本的に四島は父祖の地である、固有の領土であり、そしてこれがソ連に不法に占拠されておる、こうした歴史的な事実については、これはもういつも繰り返されておりまするけれども、重ねて明確に、啓発の大きな柱でありますから。
 同時に、いわゆる二島返還ということが言われております。ソ連も最近公式にあるいは非公式に、あの一九六〇年の覚書――日ソ共同宣言で五六年には歯舞、色丹は返しますと約束したのを、両方の国会できちっと批准された問題を、一九六〇年に安保がどうだこうだと言ってあの覚書を出してあれはパアにしたというふうなことは誤りであった、あれはソ連の大国主義のあらわれであったし国際法違反であったというようなことを共産党の国際部長あたりの責任ある立場から、あるいは有力なゴルバチョフのブレーンあたりからも言われておるようなくらいに変わりつつありますけれども、いずれにしましても、北方二島返還という選択は我々にはあり得ない。二島返還は既に日ソ間の正式な公的立場において確認済みであります。
 したがって、北方領土問題というのは、歯舞、色丹問題は既に話し合いがついた問題であって、国後、択捉領の返還、国後、択捉の本来の領土をソ連側が日本に返還をする、ここにこの問題の一
番の根本がある。そして、それらはソ連とけんかしようというんじゃなくて、本当の意味における日ソ間の安定、日ソの友好親善あるいはアジアの安定、これに直につながっていくんだ、こういう立場において一層啓発にお努めいただきたいと存じますが、その御決意のほどを承って、質問を終わらせていただきます。
#62
○国務大臣(塩崎潤君) 私は板垣委員のただいまの御主張に全く同感でございます。私も四十五年間この北方四島が占拠されてきている事実を本当に見守ってきた者の一人でございますし、もうまさしく今こそ私はこの北方四島の問題を、返還すべき時期と考えるべきだ、こんなふうに思っているものでございます。
 先般も私は北方四島返還の国策と申しますか、大きな外交方針を閣議で確認したところでございます。この大きな政策のもとにぜひとも国民世論の啓発を行いながら、一刻も早くこの事実を実現したい、こんなふうに考えているところでございます。
 また、よろしく御指導のほどをお願いしたいと思います。
#63
○板垣正君 ありがとうございます。終わります。
#64
○及川順郎君 先般、当特別委員会、田代委員長を初めといたします代表が沖縄視察をさせていただきました。そこで出ました現地の意見をもとにいたしまして幾つか、予算に関連する問題等がほとんどでございますので質問をさせていただきたいと思います。
 一つは那覇空港自動車道の早期完成についてでございますが、大変、空港自動車道は那覇空港と沖縄自動車道を結ぶ沖縄本島の骨格にもなるという道路でございまして、県民の中にも一刻も早い早期完成が望まれているという状況が強い声として出されました。
 開発庁としまして、この那覇空港自動車道の重要性についての認識と、あわせまして同道路の早期完成に向けての実現をどのように想定して今取り組んでおられるか、この点についてまずお伺いをしたいと思います。
#65
○政府委員(水谷文彦君) ただいまお示しにございましたように、那覇空港自動車道は沖縄における基幹的な道路であると考えております。全長は全体として約二十キロを考えておりますけれども、そのうち、現在、沖縄自動車道と、南風原という町がございますがそこまでの区間約六キロメートルにつきまして、六十三年度に新規に採択をいたしまして、六十三年度以降測量調査等を行ってきております。
 そうした中で、ごく最近のことといたしまして、現在この地域一体につきましての都市計画案の公告、縦覧をちょうどやっております。審議会の諮問等を経ましてこの夏には都市計画決定ができるものと考えております。そうしますと、その後ルートの測量、地質調査等を行いまして、できれば年度内に用地買収にかかりたいと考えております。全体としましては、ただいま申しましたように二十キロの計画でございますし、所要の総事業費は一千億を超えるのではないかと考えます。
 いずれにしましても、地元の御協力、とりわけ用地買収の問題等につきまして御協力を得ながら、早期に整備が図られるよう努力をしてまいりたいと考えております。
#66
○及川順郎君 もう一点は、農業生産基盤整備についてのお声も非常にございました。沖縄県としましては亜熱帯気候を生かした特色のある農業を目指しているという状況でございますが、ただ、圃場整備等の率で見ましても、平成元年度三月末では全国が四六・一%であるのに沖縄県は二九・五%という状況で、やはりおくれているという状況を私たちも現地の声を伺いまして強く感じたわけでございます。
 農業事情につきましては、沖縄の基幹作物であるサトウキビ、パイナップルなど生産者には非常に厳しい状況が強いられてくるような事態も予想される、こういう環境があるわけでございまして、やはり県の状況としましては、生産性の高い亜熱帯農業の確立を図る意味におきましても基盤整備というのは非常に大事な要素になってくるという感じがするわけでございますが、今後の取り組みにつきまして、沖縄県における農業生産基盤の整備をどのような展望を持って推進していこうとなさっておられるのか、この点もお伺いしたいと思います。
#67
○政府委員(水谷文彦君) ただいまお話がございましたように、沖縄は温暖な自然条件に恵まれておりますが、片や農業を展開するという意味では、土壌の問題、水の問題、あるいはウリミバエといった特殊な病害虫がおります。そうしたことで、これまではどうしてもあの土壌に適した、かつ干ばつにも強いサトウキビとかパイナップルとかいったような作目に限定をしてまいりました。限定せざるを得なかったという面がございます。端的に申し上げればサトウキビ一辺倒的な農業生産でございました。しかし、砂糖を取り巻く環境も非常に厳しゅうございますし、またパイナップルの自由化の問題等もございます。そうしたことで、片方では、お示しにございましたような、野菜とか花卉とか果樹とかあるいは飼料作物といったような、消費者のニーズが非常に高くてかつ付加価値の高い作目にできるだけシフトをしていくということが大変必要ではないかと考えます。
 そうした中で、幾つかの制約がございますけれども、やはり一つには水の問題でございます。沖縄農業を考えます場合にはどうしても水の問題にぶち当たります。そうしたことで、まず農業基盤整備、とりわけ水の確保を主体とした農業基盤整備事業というものを積極的に行っていかなければならないと考えます。
 ただいまお示しになりましたように、それでは農業基盤整備が進んでいるかということでございますと、確かに全国レベルよりもかなりおくれております。そうしたことで、毎年度の予算におきましては全国を上回る予算の伸びを確保しております。また、農業基盤整備の採択基準、補助率等も御案内のように特別の優遇措置をとってきております。しかしそれで十分かと申し上げれば、それがまだまだおくれていることについては否めないだろうと思います。その意味で、今後の農業展開をしていきます場合にはこの基盤整備事業に十分意を用いて行っていく必要があるのだろうと思います。
 それからもう一つ補足をさせていただきますと、ウリミバエの問題がございます。ウリミバエが生育しておりますと果樹とかそれから果菜類でございますね、野菜の中で例えばトマトとかキュウリとかそういった果菜類が被害を受けまして、例えば本土への出荷もできないというような制約がございます。これにつきましてはかなり順調にその撲滅事業が進んできておりまして、これまでに久米島あるいは宮古島の撲滅が終わりましたが、本年内には本島につきましてもこれが大体達成されるんだろうと思います。
 これは画期的なことだと思いますけれども、こういったことで土地の条件がよくなりかつ特殊病害虫がいないということになりますと、沖縄の農業につきましてもかなり自由度の高い展開ができるのではないかと考えますが、引き続き御趣旨に沿いまして努力をしてまいりたいと考えます。
#68
○及川順郎君 いずれも住民要望を非常に強く出されておりましたので、鋭意御尽力を賜りたいと思います。
 もう一点は伊良部架橋実現の可能性についてでございますが、宮古へ参りましたときに、池間、来間の両大橋が既に着工されておりまして、供用開始に向けて作業が進んでいる状況をつぶさに視察してまいりました。この状況、周辺のところをずっと視察していく中で、特に伊良部島の観光開発、産業振興などにとって非常に重要な影響を持つということで、この架橋の実現に向けて熱い期待が地元にあるわけでございますが、この点についての沖縄開発庁の取り組み、今後の見通しについてお伺いをしておきたいと思います。
#69
○政府委員(水谷文彦君) お話しございましたように、沖縄は離島県でございますので、離島間の
交通の確保というものが大変重要な課題でございます。そうしたことで現在までに既に五つの架橋を完成しておりますが、それに加えまして、今お話しございました池間大橋、来間大橋を含めまして、四つの架橋を現在工事中でございます。
 お話しございました宮古島と伊良部島間の架橋、俗称伊良部架橋と言っておりますけれども、これは渡海距離、海を渡る距離が大体四キロメートルというかなり長いものになります。明石海峡大橋が三・九キロと承っておりますので、それに匹敵するあるいはそれを超えるようなかなりの長大橋でございますので、工事費もかなりかかるのではないかということを考えます。
 それと、現在沖縄の市町村からは十を超える架橋の要望が参っております。したがいまして、この伊良部架橋につきまして地元の御要望が強いということを私ども十分承知をしておりますけれども、一つには、これを架橋しました場合の投資効果と申しますか、投下したコストと経済効果との比較とか、あるいはほかの事業とのバランス、優先度の問題、そういったものを含めまして、今後県の御意向も聞きながら、この問題を慎重に検討させていただきたいと考えております。
#70
○及川順郎君 もう一つ、沖縄は御承知のように非常に島が多い県でありまして、地元で出されているのに、医療行政の対応というのが非常に重要になっている。特に、脳疾患等を起こした患者を病院へ連れていくのに対する搬送問題で非常に苦慮しているという状況があるわけでございますが、この医療行政に対する取り組みで、特にそれぞれの地域でなるべく近い地域に施設の充実ということが必要ではないか。搬送という点でのハンディキャップを埋める意味で、医療機関の充実、施設の充実が必要ではないか、こういう感じがしたわけでございます。
 この点についての考え方と、あわせまして、高齢化社会に向けまして高齢者の研究センターを十カ年戦略の中でも述べられております。ただ、この十カ年戦略の厚生省の方向としての候補地域が若干違うようでございますが、一方におきまして沖縄は非常に長寿の方が多い。地元でも「長寿かりゆしシティー」という、こういう構想があることも耳にしてまいりました。こういう点で高齢化社会に向けての研究施策、国の施設を誘致するという考え方、これは非常に重要な意味を持つんではないかと思うわけでございます。
 この二点をお伺いいたしまして、あわせて総まとめとしまして、砂田長官にこれは御答弁をいただきたいと思うわけでございますが、第二次沖縄振興開発計画が実施されまして明年、平成三年度が終了年次になっております。第三次沖縄振興開発計画の策定を強く要望しているという県の事情がございますけれども、ポスト第二次振興計画をまだ決めていないというような状況も承っておるわけでございますが、この点につきましての長官の御決意をこの質問のまとめにお伺いしておきたいと思います。よろしくお願いします。
#71
○説明員(澤宏紀君) 医療施設の充実の点についてお答えさせていただきます。
 離島におきます医療の確保につきましては、僻地保健医療計画に基づきまして僻地中核病院、僻地診療所の整備充実に努めてきたところでありますが、これら医療機関では対応が困難な重症の救急患者については、離島におきましては、ヘリコプターによりまして設備体制の整った病院へ搬送する必要があるわけでございます。このため、昭和六十二年度から第二次救急医療体制の中で、ヘリコプターに添乗します医師の確保を図り機内において早期に必要な処置を行えるようにする観点から、万一の事故に備えて、添乗する医師等の災害補償の保険料を国が助成するヘリコプター等添乗医師等確保事業を実施しているところであるわけでございます。沖縄県におかれましても、これを受けて事業を実施しているところでございます。厚生省といたしましては、今後とも本事業の推進を図っていくとともに、沖縄県におきます離島の、先生おっしゃられます医療施設の充実、あるいは救急医療を確保するためにも、今後とも医療機関及び関係者の協力を得まして事業の推進をお願いしたいと考えております。
#72
○説明員(谷修一君) 長寿科学につきましての研究のことについてお尋ねがございましたのでお答えをさせていただきます。
 先生御指摘のございますように、全国的に大変急速に高齢化が進んでいるということで、私どもでは、高齢者保健福祉推進十カ年戦略というものを策定いたしまして、その中の柱の一つとして、長寿科学研究を総合的に進めるというようなことを位置づけております。長寿科学研究の中核となります研究施設につきましては、昨年の秋に専門委員会の報告をいただいておりまして、そこでは場所は愛知県につくるというようなことになっているわけでございます。
 ただ、この長寿科学研究につきましては十カ年ということで進めてまいりたいというふうに考えておりますので、その他の地域に施設をつくるということはなかなか難しいわけでございますけれども、将来的には、専門委員会の報告書にも全国的な研究のネットワークをつくっていくというようなことが示唆をされておりますので、そういう研究の進展に応じまして、全国的な規模での研究ということは私どもはやっていかなければいけないというふうに思っております。
#73
○政府委員(水谷文彦君) ただいま、離島医療の問題につきまして一般的には厚生省からお話がございました。
 御案内のように、去る二月に、宮古島から救急患者を本島へ運ぼうとしまして航空機の事故がございました。あの問題も考えてみますと、宮古島に、脳神経外科の患者でございましたので、あそこにそういった医師が確保され、医療施設があればあるいは防げた事故かもしれません。そういう意味で、離島における医療の確保というものはまさにシビルミニマムではないかと思います。これまでもいろいろ努力をしてまいりましたけれども、引き続き離島における医療施設の整備、医師の確保、救急医療体制の整備ということについては十分意を用いてまいらなければならないと考えております。
#74
○国務大臣(砂田重民君) 第一次振計の成果を踏まえまして実施いたしてまいりました二次振計も残るところ二年足らずとなったわけでございます。ポスト二次振計の取り組み状況のお尋ねでございますが、沖縄開発庁におきまして、これまでの振興開発の現状と課題を明らかにいたしますために、昨年度、平成元年度から予算をいただきまして沖縄振興開発総合調査を実施いたしております。諸施策、事業全般にわたっての総点検を夏ぐらいまでには結論を得たい。同時に、沖縄振興開発審議会にも専門委員会を設置していただきまして、この問題の調査、審議を進めていただいているところでございます。御承知のように、県でも二次振計の総点検をなさっておられるので、これらの御報告等もちょうだいをいたしながら、次期振興開発計画についてはこれらの検討結果や今申し上げました県の御意見等を踏まえて判断してまいりたい、かように考えているところでございます。
#75
○及川順郎君 時間が参りましたので、最後に一点だけ、北の方に向けまして質問をさせていただきたいと思います。
 一つは、きょうのある報道機関で、三十日に択捉への墓参が実現するということでソ連側と合意したという、こういう報道がなされておりまして、モスクワの日本大使館に正式に墓参を認める旨の回答があった、こういう報道がなされておるわけでございます。私は実は生まれが斜里でございまして、裏の山に登りますと千島列島が眼下に見えるところで、非常に愛着といいますか、かかわりが強いものでございますから、人道上からこうした北方墓参の拡大についてはぜひ今後とも御尽力をしていただきたい、こういう強い意見を持っております。そういう観点から、ぜひその実情とあわせまして総務庁長官に今後の御尽力についての方向性を承りたいと思います。
#76
○国務大臣(塩崎潤君) 北方領土墓参の問題は、北方領土元居住者の悲願でございます。幸いに、昨日外務省から御連絡がございまして、日本側が要望しておりました択捉島を初めとする北方四島全島の墓参が認められることになったのは、大変私どもにとって朗報でございます。八月二十四日から九月三日までこれをぜひとも実施したいということで準備を進めているところでございます。
 なお、詳細につきましては、外務省からまた御報告をさせていただきたいと思います。
#77
○政府委員(都甲岳洋君) 先生御指摘のように、私どもも北方四島全島への墓参の実現を強く求めておりましたけれども、特に択捉の墓参につきましては、一月に安倍元幹事長が訪ソされました際に、ゴルバチョフ書記長に対して直接その実現方を要請し、ソ連側が検討を約した経緯がございます。今回我が方といたしまして具体的に、事務的に択捉島も含めましてその実現方を申し入れておきましたところ、昨日になってこれを認めるという回答が来ましたわけで、私どもとしても人道的な見地からソ連側が日本側の要請に応じたということは非常に高く評価しておる次第でございます。
#78
○及川順郎君 ありがとうございました。
#79
○小笠原貞子君 今の問題に引き続いて、塩崎総務庁長官にお伺いしたいと思います。
 いわゆる北方墓参が十一年ぶりに再開されました。一九八六年八月でございました。これまで十二回実施されまして五百二十三名が十一カ所に墓参に行っております。しかし、希望は四島で五十二カ所というふうになっております。今択捉の問題が入りまして皆さんの御尽力によって徐々によくなってきておりますけれども、遺族にとっては本当に悲願でございます。この墓参について四十一カ所しかいまだ行けていない状況だということを考えますと、これでいいんではなくて、これから先も一層の御努力をいただきたい、それは地域の拡大ということで一層の御努力をいただきたいということでございます。
 その地域の拡大と同時に御努力をいただきたいと思いますのは、遺族の平均年齢が六十三歳と高齢に達しているということでございます。そういうことを考えますと、地域を広めることと一緒に、早くたくさんの人を送ってその悲願にこたえていただきたい、そういうことでございますので、地域の拡大、そして規模の拡大について今後とも本当に努力をしていただくと思いますけれども、総務庁長官の御決意のほどを伺いたいと思います。
#80
○国務大臣(塩崎潤君) 小笠原委員の二点の御要望、私はもうまさしく総務庁の大きな願いだと思っているところでございます。地域の拡大等につきましてはもとより、参加人員の増大も外交交渉ということになろうかと思いますので、外務省にこの点は特に要請を申し上げていきたいと思いますし、私どもも私どもなりの努力をして、まず地域の拡大、それから参加範囲の、人数の増大、この点はもう十分に努力をしたいと思っているところでございます。
#81
○小笠原貞子君 ありがとうございます。
 そういう御努力をずっと今までもしてきていただいたのでございますが、いつどういう船で行くかというようなことを調べてみますと、大体夏なんですね。といいますのは、行きます船が、北大の練習船を夏休みに借りて行く、そういうことになっておりまして、五十四人が限度でございます、時期も八月というふうに特定されておりますので、この問題も含めてどういう手だてでそれの実現ができるかという点についてもお答えいただければと思います。
#82
○政府委員(鈴木榮君) 現在北海道が事業主体となりましてこの墓参の事業をやっております関係上、今までは北海道の道民が大部分ということで行ってきておりましたが、今度、択捉島まで墓参地が拡大したことによりまして北海道以外の要望者もかなり多くなってくるという事情がございます。それから委員御指摘のように、高齢者、早く行きたいということで、一度に大勢の人が行けるような手当てをしないといけないということで、いろいろ北海道からの御相談がございました。それで、ひとつ大きな船を借りたらいいんじゃないかという問題もございますが、あの地域は海図もなくて非常に浅いということで、あるいは港湾の施設もないということで、その点につきましては専門家、関係方面にいろいろ聞きまして、どの程度のが適当かということも検討してみたいと思っておるわけでございます。
#83
○小笠原貞子君 来年に向けて具体的にそういう検討を進めていただきたいということをお願いします。そういう検討はしていただけますね。
#84
○国務大臣(塩崎潤君) 努力をいたしたいと思います。
#85
○小笠原貞子君 ありがとうございました。
 その次の問題なんですけれども、今もおっしゃっていましたけれども、いわゆる北方墓参は北海道の単独事業として実施しております。例えば、平成二年度は千三百四十万円の予算化をしております。この規模の拡大ということになりますと、これは国としても何らかの力をいただきたい。といいますのは、北海道の根室のそばに住んでいるというわけではございませんで、北海道は広うございます。あちこち離れたところにおりますし、また調べてみますと青森なんかにもいらっしゃるわけですね。
 そうしますと、北海道の端から、青森から行くとなりますと、旅費なんかも大変な負担になってまいります。そういうことから国としてのお力添えをぜひいただきたい、つまり補助を実施していただきたいということでございます。来年度の要求でもってこういうふうにやりたいとかいろいろの場合が考えられるんですけれども、そういう御努力のほどはいかがしていただけますでしょうか。
#86
○政府委員(鈴木榮君) 委員御指摘のように、墓参の希望者が北海道以外の人がふえてきたということがございまして、今まで北海道が事業主体となっていたんですが、国から何らかの援助が必要ではないかというそういう声がいろいろの方面から出てまいります。この墓参自体は個人的な行為でありますので国費で賄うのはどうかという考え方もございますが、今まで北海道がやってきたという経緯もございますし、北方領土問題という特殊な事情もございますので、そんなようなことを考えまして、国費において賄うべきかどうか、あるいは賄うとしたらどの範囲までを国で見るのが可能であるかという、こういうことを総務庁としては検討してまいりたいと思います。
#87
○小笠原貞子君 それじゃぜひ国としてのお力添え、御検討いただくことをお願いして、ここでちょっと砂田沖縄開発庁長官にお伺いしたいと思います。
 沖縄問題についてはきのうもそしてきょうも同僚議員からるる御質問がございました。私は具体的に長官の御決意、お考えを聞きたいと思うんです。その問題は先ほどから言われておりましたが、沖縄の振興開発という問題についてなんですけれども、いろいろもうずっと御努力をいただいてまいりました。現在まで二次にわたる振興計画が進められているわけでございます。しかし、御努力にもかかわらず本土との格差というものはなかなか是正されたというところまでは言い切れないという状態が残されていると思います。そういう問題がなぜ起こるのかということを考えますと、やっぱり沖縄としての特殊な問題だと思います。広大な米軍基地が存在するということが大きな影響をしていると思うんです。
 その米軍基地に対して沖縄の各自治体が新たに、米軍の十二施設十六カ所の追加返還を求めていくことを決めたというのも新聞報道で拝見いたしました。こういう新たな十二施設十六カ所の追加返還要求という地元の要求に対して、長官としてこの問題をどう考えられるか、そしてどういうふうにお力添えをいただけるかということについて伺いたいと思います。
#88
○国務大臣(砂田重民君) 小笠原委員御指摘の自治体の返還要望と申しますのは、さきに重転協の
総会で決議された返還要望のことと存じます。新聞の報道では私も承知をいたしております。しかしまだ沖縄開発庁に対して要望書が提出されておりません。軍転協で決議をなさいましたことを軍転協御自身で今内容を精査しておられて、八月ぐらいに開発庁に出したい、こういうことを承っております。
 この要望書が出てまいりましたならば関係省庁と十分協議をしてまいりたいと存じますが、沖縄開発庁の基本的な姿勢と申しますのは、各様の沖縄開発の事業を進めますについて今日の米軍基地の密度というものは各様の問題を抱えているという認識を持っているわけでございますから、二次振計の中でもこれの整理縮小は明文化して書かれているわけでございます。この基本的な私どもの立場に立ってこの要望書が出てまいりましたならば関係各省と協議をしたい、かように考えております。
#89
○小笠原貞子君 沖縄といい、北海道といい、いわゆる北方領土を抱えてという中で大変いろいろ問題が多うございます。そういう意味でこの委員会というのもいろんな役割を果たさなければならないと思うわけでございます。砂田沖縄開発庁長官は同時に北海道開発の方の長官もなさっていらっしゃるということで、先ほどから言っていました北海道におけるアイヌの問題についてちょっと伺ってみたいと思います。
 これからお伺いしますことについては総務庁長官そして外務省も開発庁もお答えをいただきたいのでございますが、今まで墓参というのは一般の墓参が行われていたわけでございますが、今北海道でアイヌの方たちがウタリ協会という一つの組織をつくって、アイヌとして今まで虐げられてきた、そういうものを解決して本当にいろいろ前進させたいというような願いがあるわけです。このアイヌの方たちはかって千島列島に居住していらした方が随分たくさんあるわけなんです。そのアイヌの人々の慰霊をするために、北海道ウタリ協会を初め関係者の中から千島列島の墓参を実施したいということが今新しい問題として大きく出てまいりました。こういう動きに対して、ソ連の領事館も人道的立場から認めるのにやぶさかではないということが発言されたというようなことも出ているわけでございます。
 そういうことから考えまして、ぜひこの新たに出されましたアイヌの人たちの墓参について、やっぱり要求として出された問題でございますからこれについて、いろいろの問題がございますから今すぐとはいかないと思いますが、どうやったらいいのかというようなもろもろの問題を含めて御検討をいただきたいということを私はお願いしたいと思うのでございますが、その点について総務長官それから開発庁長官、外務省としてのお考えをお伺いしたいと思います。時間が余りございませんのでわかりやすく端的にお願いをしたいと思います。
#90
○国務大臣(砂田重民君) 小笠原委員御指摘の北海道ウタリ協会の総会での当面の活動方針の決定ということは、これも報道を通じて私は承知いたしております。ただ、今の墓参のことになりますと、四島墓参ということでありますならばウタリの方であろうとそうでなかろうとそこに何の差別もあるはずではないと考えておりますが、千島列島全体ということになりますとこれは外交にもかかわることでございまして、先生の御意見をきょう私といたしましては承りおくしかないわけでございまして、外務省の当局からもまた御答弁がいただけるのではないかと存じます。
#91
○政府委員(鈴木榮君) 委員への直接のお答えにはならないと思いますが、現在も行っている北方領土の墓参の関連する部分についてちょっと御説明いたしますと、現在行われている北方領土の墓参は日ソの合意に基づきまして、身分方式によりまして北方領土に埋葬されている方の関係遺族であれば墓参に参加できるということでございますので、その範囲内の方であれば現在の墓参、北方墓参には参加できる、そういう状況でございます。
#92
○政府委員(都甲岳洋君) 千島列島につきましては、我が国がサンフランシスコ条約におきまして権原を放棄した領土でございますけれども、この千島列島につきましての墓参につきましては従来実績がございません。しかし、そういう御要望があるということであれば、それを踏まえてソ連側と話をして、その実現のために外交折衝をしていくということは十分可能でございます。
#93
○小笠原貞子君 新しい問題でございまして、私も北海道の者ですからウタリ協会へ毎年行きまして、この間も総会に出てまいりまして、この問題が新たに出てまいりました。今、新たに出てきた問題でいろいろの問題がございますので、ここで私の口からこうしろとかああしろとかいうことは言えませんし、またウタリ協会の方たちもこれをどうしたらいいんだろうというところだろうと思います。
 そういう意味で、先ほど砂田長官が承るとおっしゃいました。承るというのは、聞いてここにたまっているんですよね。聞いて抜けたというわけではございませんので、それはお聞きになったんだから、ここにためておいていただいて、そして外務省としてもいろいろと御努力をいただけると思いますし、墓参関係をやっていらっしゃる総務庁といたしましてもこの問題を、だからもうそういう問題を今後についてどこが問題でどこがだめなんだというようなことの検討を、聞き流しではなく、私が言ったんですから、議事録にも残りますから、知らないよというのではなくて、お聞きになって、いろいろとウタリ協会関係の方々とお力を出して、御相談に来ると思いますので、そういう意味での御検討、新しい段階で御検討をお願いしたいということでございますので、よろしいでしょうか、よろしくお願いをいたします。
#94
○国務大臣(砂田重民君) 小笠原委員の御発言が、ウタリの方々の墓参のことについて、四島に限らず千島列島全体についての御発言であったように思うものですから、北海道開発庁長官の権限の外の外交問題でございますので、開発庁長官としては承りおいて、ちゃんと忘れず残しておきますことだけは申し上げておきます。
#95
○小笠原貞子君 向こうの要求は確かに千島になっているんですよ。だけれども、千島全部と言われれば今おっしゃったように外務省の関係としても、北方四島だったら今まで墓参をやってきたからと、こういうことだろうと思うんですね。
 だから、もうその要求がそこまで言われると私ら政府としてはそれはできませんと。しかし北方四島だけでも現時点で実現しようとなったらどういうふうにしたらいいだろうかというところで、全部でなきゃいけないとは言っていないと思うんですよね。確かに千島のそういうところに行きたいというその願いを、ボールを投げられたわけですから、何とか考えていただきたいという意味で御検討いただくということを重ねてお願いしたいと思います。そういう意味では、よろしいですね。うんとおっしゃっているから、議事録にうんじゃ残りませんので、よろしいならよろしいとおっしゃっていただきたいと思います。
#96
○国務大臣(塩崎潤君) 今私どもの審議官が御答弁申し上げましたように、現在の北方墓参は昭和三十九年以降日ソ両国間の合意に基づき身分証明書方式により実施されてきておる、この条件をどのように考えるかということだと思います。これはやっぱりそうなりますと外交交渉になろうかと思いますので、外務省においてこれは検討をしていただきたい、こんなふうに私は考えております。
#97
○小笠原貞子君 そういういろいろな検討をしていただかなきゃならないわけなので、ウタリの問題というとそれは外務省、うちは関係ありません、こっちへ行ったら関係ありませんでは困るので、やっぱり国民としての一つの悲願であるということを十分に御理解いただきたいと思います。
 もう時間もなくなりましたので、それでは砂田開発庁長官にちょっとお伺いをしたいと思います。アイヌ新法という問題について、これもまた皆さんの大変な御努力によりまして、国会でも超党派で皆さん御努力いただいて、検討委員会というものがつくられて、大変喜んでおります。
 その検討委員会でございますが、これについて三点伺いたいんです。一つは、検討委員会は新法をつくる方向で検討してもらいたいということの一点ですね。これはだめだよという検討ではなくて、新法をつくるという前提で検討してもらいたいというのが一つなんです。
 それからもう一つは、やっぱり一番当事者であるウタリ協会の問題でございますから、ウタリ協会から意見を聞いてもらいたい。二つ目。
 そして三つ目には、この検討委員会の検討がいつまで続くのか、大体いつごろをめどにしてお考えになっていらしゃるのかという、この三つについて伺わせていただきたいと思います。
#98
○政府委員(竹中勝好君) 先生にお答えを申し上げます。御存じのとおり、検討委員会につきましては、議長役は内閣内政審議室でございまして、私どもがお答えするのはいかがなものかと思いますが、お尋ねでございますのでお答えさせていただきます。
 検討委員会で新たな法律をつくるという方向でと、第一問目でございますが、これは、検討委員会の内容をもう御承知のことかと思いますが、アイヌ新法問題に対する政府としての考え方をまとめるものであるということでございます。
 それから第二番目の、ウタリの方々からも審議会等で意見を聞くというようなことでございますが、これは私ども議長役でもございませんし、今後検討委員会において検討されるべきものだというふうに考えております。
 それから三番目、このめどということでございますが、これも新法の内容が非常に広範多岐にわたっておりますし、関係省庁も九省庁と非常に多うございますので、これからそのめどと今直ちに言われましても、これもまだ検討が進む段階において明らかになっていくということで御勘弁をいただきたいと思っております。
#99
○小笠原貞子君 最後の締めなんだけれども、内閣内政審議室というのが受けているわけですね、ここで。そこを見ると、内閣内政審議室が北海道開発庁の協力を得て、そして議長役を務めと、こうなっているわけです。
 アイヌというのは沖縄にいるわけじゃなくて北海道にいるんだから、やっぱり北海道開発庁というのが北海道民にとってはいつも身近に感じる役所でございますので、だからそういう意味で開発庁がいろいろと力を、お力だけじゃなくて知恵をかしていただきたい。うちの方ではできないんだったら、こっちをこう押せばいいんだよ、こっちの問題は向こうへ行ったらいいんだよという、そういう立場で御検討いただきたい、お力をいただきたい。長官、そうお願いしているんです、私たちは。これは新しい問題だから、だから今すぐどうというのじゃないけれども、私は政治というのはそうだと思うんですよ。今ある役所の法律について規則によってこれはもう関係ありませんというのじゃなくて、そういう主客転倒した考え方じゃなくて、やっぱりその要望にこたえてどういうふうにするかという、いろいろと知恵をかしてくださいお力をかしてくださいというときの御相談も受けていただきたい。
 そして、今後の問題として、私たちも含めていろいろ検討していきたいと思います。検討委員会というのが新法についてできた。だけれどもこれは、こんなものはやめるのかやめないのかも含めて検討してみたいなんて、ちょっと困っちゃうなと。やっぱりそういうものについて、これをつくっていくという立場に立って政府としてはどう考えるんだというのが当然の考え方だろうと私は一人の政治家として考えているわけでございます。新しい問題なのでいろいろ大変だと思います。以上の趣旨をお酌み取りいただきまして、今後お知恵とお力をかしていただきたいと思います。
 以上で終わります。どうもありがとうございました。
#100
○古川太三郎君 十二時も過ぎましたので、なるべく簡潔に伺います。
 まず、沖縄の問題についてお聞きしたい。二次振計の目標がどこら辺まで達成されたか。また、今まで累計としては三兆円ほどの公共予算をつぎ込んできておりますけれども、未達成の原因というのはどういったところにあるのか。また、見込み違いがあったとすればそれはどういうものなのか。そういった点についてお聞きしたいと思います。
#101
○政府委員(藤田康夫君) 二次振計の進捗状況及び目標達成の見通しについてでございますが、二次振計、これは一次振計の成果を踏まえまして、引き続き本土との格差是正を図るとともに、産業振興を積極的に進める等、経済の自立的発展を図ることを重点に置いて、各般にわたり事業を実施してきたものでございます。
 ところで、現在までの進捗状況でございますが、復帰以来十八年間にわたりまして多額の、約二兆九千億余の国費の導入と県民のたゆまざる努力によりまして、学校施設を初めといたしまして道路、空港、港湾等の交通通信施設、上下水道等の生活環境施設の整備が大きく前進したことも事実でございまして、本土との格差も次第に縮小した、沖縄の経済社会も総体としては着実に発展してきておるのじゃないかと考えておるところでございます。
 ただ、これは従来からよく言われておることでございますが、水の確保の問題、あるいは生活、産業基盤の面でなお整備を要するものが見られる、あるいは産業振興とか雇用の問題、例えば失業率でございますと全国の約二倍になっておる、こういう多くの課題を抱えておりまして、一人当たりの県民所得をとりましても、対全国の格差、復帰後次第に縮小してきております。復帰当時、全国平均の大体六割程度でございましたのが現在七五%、四分の三程度に上がってまいっておりまして、格差は縮小をしておることは事実でございますが、その額はやっぱり全国的に最下位に位置しておる、こういうようなことでございまして、沖縄の経済社会、依然厳しい状況にあることは事実でございます。
 原因はどういうところにあるのか、こういうお尋ねでございます。いろいろ考えられるところでございますが、これは一概にこれだという決め手があるわけではございませんが、沖縄の置かれた位置、あるいは沖縄が抱えてきた歴史、唯一の戦場になったといったような点、二十七年間にわたり米軍の施政権下にあった、こういったようなこと、いろいろな要素が重なってきておることも事実でございます。そういったものを抱えておる、いろいろな要因が重なってこういう事態になっておるところでございます。
 開発庁といたしましては、こういった事態に対しましては二次振計の目標が達成できるよう、今後とも二次振計に沿いまして、それともう一つ、第二次沖縄振興開発計画の後期展望というのを中間段階でつくってございます、こういったものに留意しながら社会資本を地域の産業経済の活性化に結びつくよう整備するなど、先生お話しございます自立的な経済発展が図られるよう沖縄の振興開発に全力を傾けてまいりたい、かように考えておるところでございます。
#102
○古川太三郎君 沖縄のいろいろの特殊事情もございますが、特にやっぱり目につくのは第三次産業が非常に目標以上になっている。それはそれでいいことなんですが、しかし、今おっしゃったように、幾ら観光の形を強力に進めるとしても、水の問題とかあるいは食べ物とかそういう農産物の問題、そういう一次、二次産業の、もう少し沖縄自体での特殊な事情を生かした一次産業あるいは二次産業の推進というのがもっと考えられないものかという疑問を持っているんですが、そのあたりのことをちょっと聞かせていただきたい。
#103
○政府委員(藤田康夫君) 沖縄の産業構造についての先生のお尋ねでございます。
 先生御案内のとおり、沖縄の産業構造、全国に比べまして二次産業の比率が低くて三次産業の比率が高いことが特徴になっておりまして、したがいまして移輸入が移輸出を上回る、または財政支出に多く依存する、こういう経済体質になってお
ることは先生御指摘のとおりでございます。このような状況を踏まえまして、沖縄の経済の自立的発展を図りますためには就職の場を確保することがぜひとも必要でございます。それで、産業の振興開発がこのため最も基本的な課題であると私どもも認識をいたしておるところでございます。
 これまで二次にわたりまして振興開発計画に基づいていろいろな事業を実施してまいったわけでございますが、例えば農業につきましては、かんがい排水施設の整備等農業生産基盤の整備とか農業近代化の施設の導入等を図りまして、生産性の高い沖縄の気候特有の亜熱帯というこういう特性を生かした農業の確立を図ってきたところでございまして、最近はウリミバエ等の撲滅も順次済んでまいりまして、例えば熱帯果樹あるいはランの栽培等、そういったような新しい芽が出てきておることも事実でございます。
 林業につきましても、林道の整備といったような林業生産の基盤整備も進めております。あるいは漁業につきましても、漁港の整備等、漁業生産基盤の整備はもとよりでございますが、最近では、パヤオと言っておりますが、浮き魚礁、大規模な浮き魚礁を設置いたしまして、それによって回遊魚をとらえる、こういったような新しい試みも出ておりまして、そういった形で沿岸漁業の振興等を図っていることも事実でございます。
 第二次産業についてでございますが、特に問題でございますのは、やはり製造業の割合が全国に比べて極めて低い、こういう点でございます。これはいろいろな原因があろうかと思います。隔遠地にございます離島でございますので、沖縄県だけを考えてみました場合に、市場規模が小さいとかいろいろ困難な条件のあることも事実でございます。このため、従来から既存事業の振興とか、新規事業の展開のために糸満市等十一市町村につきまして工業開発地区の指定を行うとか、あるいは現実に工場団地といたしまして糸満の工場団地、あるいは中城湾港新港地区の造成等、産業基盤の整備も行ってきたところでございます。
 また、沖縄は、先生御案内のとおり中小企業の割合というか、極めて中小企業が大多数を占めておる、こういう実態にあるわけでございまして、沖振法等に基づきまして中小企業近代化計画を策定いたしまして、設備の近代化とか経営の合理化、経営体質の強化、こういったところに努めていることも事実でございます。さらには、一昨年度でございますが、百億円の補助を沖縄県に行いまして、産業振興開発基金を設置しまして、その運用益を活用いたしまして情報産業あるいはリゾート産業、こういったような戦略的産業の育成、あるいは沖縄でおくれております人材育成のための事業等を行っていることも事実でございます。
 今後とも、二次振計の基本方針に沿いまして社会資本を地域の産業経済の活性化に結びつくよう整備するなど、自立的経済発展が図れるよう沖縄の振興開発に全力を傾けてまいりたい、かように考えておるところでございます。
#104
○古川太三郎君 沖縄も他の県と同じように過疎過密というような問題もあろうかと思うんですが、そういったことについての対策はいかがですか。
#105
○政府委員(藤田康夫君) 第二次沖縄振興開発計画の中では、過疎過密というよりは秩序のある地域開発が図られることを一つの大きな柱としておるところでございますが、現実につきましては先生御案内のとおり、本島中南部におきまして那覇周辺の市町村を中心に人口、諸機能が集中しておりまして、県人口に占める割合も、復帰の当時は七八%でございましたのが現在は八二%になっておる、こういう事実がございます。商工業の集積もそのあたりに集まっておる、こういう事実があるわけでございます。逆に、本島北部とか離島地域の多くの町村では過疎化が進行しておりまして、今回新しく制定を見ました過疎地域活性化特別措置法に基づく過疎市町村、これは従来の過疎法では二十二町村でございましたが、新たに二十二町村、同じ町村が指定になってございます。
 先ほども申し上げましたように、二次振計、これは均衡のとれた地域社会の形成と活力、島嶼の特性の発揮、これを一つの大きな柱にしておるところでございまして、こういった過疎地域の生活環境とか産業基盤等の整備に関しまして総合的かつ計画的な対策を実施してきておることも事実でございます。とりわけ離島地域でございます沖縄、有人離島が四十ばかりあるわけでございますが、かねてより総合的な離島振興を推進してきておりまして、予算の配分におきましても従来から振興開発事業のおおむね四分の一、人口比例で申し上げますとこれよりはるかに少ない割合でございますが、予算の四分の一は離島地域に充てる、こういうような配慮もしてきておるところでございます。
 さらには、平成二年度からでございますが、離島の特性を生かした観光開発を進めますとともに、活力ある地域社会の形成に資するために沖縄コミュニティ・アイランド事業、こういったような新しい事業も取り上げてきておるところでございます。そういうことで今回も予算でお願いをいたしております。
 今後とも二次振計の方針に沿いまして、県全域にわたる均衡ある発展、こういったものに心して対応してまいりたい、かように考えておるところでございます。
#106
○古川太三郎君 総務庁長官に決意をお願いしたいと思うんです。
 先ほどもお話がありましたけれども、ゴルバチョフが来年はいらっしゃる。そういう中で、四島返還というのは非常に時期的に、もう今でなければだめだとかいうものではないとしても、一番いい時期だということにはなっているだろうと思うんです。しかしそのときに、日本ではとにかくソ連を仮想敵国として演習をするなりというようなことであったら、これはせっかく返還しようと思ったところでもやっぱりなかなか返還しにくい部分もあるんじゃないか。去年からの東欧関係での接近も、やはりこのアジアでもそうしていかなきゃならぬという意味から、先ほど板垣委員がおっしゃったように、経済協力の青写真あるいはアジア・太平洋地域の安全保障について、日本からそういった青写真を示すべき時期だと私は思うんです。
 これをソ連が返してくれなければやらないんだとかいうのじゃなくて、やっぱりこれは人と人との関係でも、メイ・アイ・ヘルプ・ユーというような関係から話がうまく進むのではないか。外交の素人が何を言うんだと言われるかもしれませんけれども、外交というのが国と国とであっても、権利だから返してくれと言うだけでは説得力に欠けるんじゃないか。日本の国民の全部にもいろいろの啓蒙活動をおやりになっているようですけれども、国民一般がソ連を仮想敵国にして、そしていつ戦争をやるかわからないというような状態に日本を置きながらこの四島返還を要求しても、本当に全部が返ってくるんだろうか、本当に要求しているんだろうか、これは第三者の目から見ればまたそういう目で見られないとも限らない。そういう意味で日本の全国民の本当の世論というのが沸き上がってこないんです。
 そういう意味から私は、今こそ板垣委員がおっしゃったような経済協力の青写真をつくるべきだ、これは義務だ。そういうことによって国民への啓蒙運動が非常に進むのではないか。せっかく五億六千万円ですか、の予算も計上されているわけですから、そういった趣旨での啓蒙運動をやっていただきたい、こう思いますけれども、御決意のほどをお伺いしたい。
#107
○国務大臣(塩崎潤君) 委員御心配のように、私どもは北方領土返還について大きな国民運動を起こし、そのもとでぜひともこの北方領土は一括返還を実現させたいと考えているものでございまして、国民運動のあり方、今の防衛問題とか外交問題となりますとまた幅が広くなるわけでございましょうけれども、板垣委員からもお話がありましたが、私どもはこの北方領土の返還こそ平和条約の基本的前提、そしてまた政経不可分という御指
摘もございましたが、そのような考え方で、北方領土返還こそ外交目標の第一にある、こんなふうに考えて進みたいと思うのでございます。
 そんなふうに国策として決められる、あとは外務省がいろいろ外交交渉の中において考えられるかもしれません。しかしながら私どもが与えられておりますのは、国民運動としての、そして北方領土一括返還こそ平和条約の基本的前提と、こんなふうに考えてこれを進めていきたいと考えておるところでございます。
#108
○古川太三郎君 日ソ平和を推進することこそ四島が返還される近道だというように考えていただきたいと、こう思うんですけれども。
#109
○国務大臣(塩崎潤君) ニュアンスの差かもしれませんけれども、私どもはやっぱり平和を進めるためにはどうしても、私はもう今平和だと思うものですけれども、平和条約を締結するためには何としても四島返還こそその前提である、こんなふうに考えているところでございます。
#110
○政府委員(鈴木榮君) ちょっと補足説明したいと思いますが、先ほど二月七日を北方領土の日と定めたというお話をしたわけでございますが、あの二月七日は一八五五年に日露の間に平和的に国境が決まった日でございまして、平和的に国境を決めたというそれが今の北方領土返還運動にマッチするということで決められたわけでございます。
 さらに、ことしいろいろ、返還運動の標語を募集いたしまして、その中で一位になったものは「四島還り 日ソ友好 新時代」という標語が一等に当選になりましたのでございまして、この返還運動は、要するに平和的な話し合いによって返還を実現しようというのが一番根本の趣旨でございますので、その辺御理解をいただきたいと思います。
#111
○喜屋武眞榮君 かつて佐藤総理は、沖縄が返還しない限り我が国の戦後は終わらないという名言を申された。私は思うんです。北方領土が返らない限り日本の戦後は終わらない、こう信じております。
 その所見を持っておるわけですが、ところできょうは、きのうの続きとしまして、平和の沖縄をどうしても取り戻さなければいけないという点から戦後処理の問題、問題は六点あります。お願いしたいことは、御返事はるる要りませんから数字的に簡潔に答えていただきたい、まずこのことを要望しておきます。
 まず第一に、開発庁に不発弾の処理の問題、平成元年度から広域地区探査発掘事業がスタートしておりますが、平成元年度の処理された量は幾らであるのか。そして、その量は前年と比較してどうなっておるのか、簡潔に答えていただきたい。
#112
○政府委員(藤田康夫君) 喜屋武先生御指摘のとおり、沖縄におきます不発弾の対策事業、平成元年度から従来の探査発掘に加えまして、新たに広範な面積を対象といたします広域探査発掘事業を実施いたしますなど、その対策に抜本的充実強化を図ったところでございまして、不発弾の探査発掘事業の処理実績でございますが、昭和六十三年度〇・一トンでございますのが平成元年度には二・七トンとなってございます。このうち、平成元年度から新たに実施をいたしました広域探査発掘事業についてでございますが、これは先生御案内の昭和四十九年に爆発をいたしました現場の近隣の那覇小禄地区と西原地区二地区で、合わせて五千八百平米の土地を探査発掘いたしたところでございますが、二百五十キロ爆弾一発、地雷七発、五インチ艦砲弾四発、合計十二発を発掘したところでございます。
 開発庁といたしましては、一応新たな事業の成果が上がったものと、かように考えておるところでございます。
#113
○喜屋武眞榮君 次にお尋ねしたいことは、工事現場での探査発掘作業は、主として公共工事の作業の中で発掘されて、民間工事の場合はまだ手がつけられないという現状であります。
 不発弾の発掘処理は重要な戦後処理の一環である、命にかかわる、平和にかかわる重大な問題でありますので、もっと予算をふやすべきである。しかも民間工事の場合にも積極的に探査発掘を実施する。今まで確認するところによると、なお三千トン以上も埋没しておると推定されておりますね。この不発弾の処理を早めるべきである。さもないと沖縄県民は、いつも私口ぐせのように申し上げるとおり、爆弾をまくらにして寝ておるようなものである、不安きわまりない、こう私は言うのでありますが、御見解を承りたい。
#114
○政府委員(藤田康夫君) 沖縄におきます不発弾等でございますが、公共工事、民間工事などで発見されるものが多くございまして、その量は大体年間四十トンから五十トンと、こういう数字になっておること先生御案内のとおりでございます。平成元年度から新たに広域探査発掘事業とあわせて、不発弾に関する情報収集を積極的に推進する事業を実施いたしておりまして、予算額で申し上げますと、昭和六十三年度千六百万円でございましたのが平成元年度は一億三千八百万円と、八倍強に強化をいたしまして、平成二年度も平成元年度とおおむね同額計上させていただいているところでございます。
 いずれにいたしましても、どこに不発弾があるのか、いろいろな情報収集、積極的に情報収集することが必要かと考えておりまして、元年度二年度と順次そういった事業を実施してまいりたいと考えております。こうした情報収集によって得られた情報をもとに不発弾の探査発掘事業に積極的に取り組んでまいりたい、かように考えておるところでございます。
#115
○喜屋武眞榮君 次に、防衛庁にお聞きしたい。
 不発弾探査機器の性能は、私の聞く限りにおいては地下一・二メーターまではガイガーが機能しておる。ところが最近はもっともっと深いところまで探知できる機能のものがつくられておる、こういうことを聞いておりますが、もっと能力を上げる必要はないか。さらに研究開発に力を入れるべきであると思うが、防衛庁いかがですか。
#116
○説明員(新貝正勝君) 自衛隊の物品としましては、御指摘のような不発弾探査器は保有しておりませんが、類似の機器としまして地雷探知器を保有しております。
 性能につきましては、地表近くにある金属を探知することが可能でありますが、不発弾のような何メートルも中にあるものを探知するということは非常に難しゅうございます。この地雷探知器につきましては、性能向上のために今後とも研究開発に力を注いでまいりたいと思っております。
#117
○喜屋武眞榮君 もう一問聞きます。
 日本の今の科学技術ではやろうという意思があれば財政的には問題ないわけですから、私はこういった地下に潜む危険を一日も早く取り除くということが大事であると思うんです。
 次に、沖縄県の与那原町は、去る四月二十九日に発掘された一トン爆弾、これなんです、これ。(資料を示す)一トン爆弾の不発弾を近く与那原町に建設予定の歴史資料館に保存、展示して歴史の証言資料として後世に伝え、平和教育に役立てたいと希望して、その不発弾を譲り受ける申し入れを今やっておるわけなんです。掘り起こしたその不発弾は一応これは県が受けつけておるわけですが、そこで防衛庁にも力をかしていただきたいことは、ぜひこの掘り当てた爆弾を今申し上げました理由によって与那原町に譲ってもらいたい、希望どおり保存、展示させてもらいたい。この点、私からも強く申し入れたいんですが、いかがですか。
#118
○説明員(守屋武昌君) 先生の御指摘の問題についてお答えをさせていただきます。
 自衛隊は、地方自治体関係機関から要請を受けまして、陸上において発見されました不発弾の除去とそれから処理について責任を有しております。先生御指摘の沖縄県の与那原町で発見された一トン爆弾は、四月二十九日に私の方の不発弾処理隊が発見現場において信管を除去しておりまして、現在処理の形態として海中投棄ということを考えておりますが、沖縄県の不発弾保管庫に保管
されております。
 先生の御要望それから与那原町からの御要望もございまして、私どもこの件について検討いたしましたけれども、当該爆弾は信管を抜き取り済みでございますがまだ炸薬が残っております。この炸薬が残っております爆弾といいますものは、衝撃を与えますと爆発する危険性がございます。それで、資料館のような国民の皆様がごらんになるような場所に保存するためには、安全性を確保する見地からは炸薬を抜き取らなければならないと考えております。
 それで、この抜き取りができるかどうかということについて私ども部内で検討いたしましたけれども、専門的になりますが、爆弾の後ろの方の金属部分を取り除きまして爆弾をあげまして、火薬を溶かして外に出さないと爆弾の無力化はできないという結論でございます。これを私どもでできるかということで検討してみましたが、私、防衛庁、自衛隊の方にはそういう施設はございません。
 それで、私どもの方に弾薬を納入しておりますメーカーの方にもこのような炸薬を抜ける技術的な可能性について検討を依頼しました。回答結果が参っておりますが、一社については設備がなく実施不可能であるという回答をいただいております。それからもう一社、中国化薬というところでございますが、過去にこういう作業を実施いたしまして何回かの事故を起こしておりまして、十五人の方がお亡くなりになっております。それで、防衛庁からの要望があってもおこたえできることは難しいという回答をいただいている状況でございます。
 以上のような状況でございますので、防衛庁といたしましては、不発弾の除去及び処理について責任を持って対処したいという観点からは、現在のままでは安全性に問題がございますので、現在の段階では御要望にはなかなかおこたえできないのじゃないかと考えております。
 以上でございます。
#119
○喜屋武眞榮君 経過はよく承知しました。
 あらゆる手段方法を尽くしてぜひ結論を、できないという結論じゃなくして、今のところをもっと研究検討すれば可能であるということを、あなたは難しいとおっしゃったが、難しいということは不可能ということとは違いますから、不可能という結論ではないと私は信じておりますから、難しいけれどもぜひこの県民要望、町民要望に、これは重大な意義を持つ建前から切実な要望、要求をしておりますので、なおなお御検討していただきたいことを強く申し入れておきます。このように掘り出すまでにもあなた、三千名の地域住民が避難をしておるという、戦後四十五年、いまだにこういう状況が沖縄の実情ですね。その点、もう一踏ん張り御検討を願います。
 次に、防衛施設庁に尋ねます。
 米軍飛行場周辺の住民は毎日激しい米軍機の爆音に悩まされております。特に沖縄県の嘉手納飛行場周辺の住民は被害がさらさら著しい。政府は爆音被害の緩和策として、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律に基づいて個人住宅防音工事を進めておられるわけですが、嘉手納飛行場周辺では三回にわたって指定地域の告示がなされておりますね。すなわち、第一回は昭和五十三年十二月二十八日、第二回は五十六年七月十八日、三回目は五十八年三月十日。ところが、この告示以後に建てた家屋には個人住宅防音工事が行われていないという。
 しかし、これはどう常識的に考えても不合理きわまりないことである。
 その時点につくっておった者は防音装置適用となる、その後に移った者は通用しないという、こんなばかな非常識なことがあって一体しかるべきか。嘉手納飛行場の米軍機は四六時中耐えがたい爆音を発生させ、その統計も私は毎日の統計をずっと持っておりますが、時間の都合で控えますが、こういう市町村の住民はそこに住宅を建てて住むことを宿命づけられておる。すなわち嘉手納、北谷から上陸した時点で焼き払われて、住民は避難した。二、三男はせっかくある自分の土地に戻って家をつくろう、こういう当然の、自分の土地に家をつくるという、これは当然の権利であります。
 ところが、それに対しては許さない、こんなばかなことがあるかというんですよ。こんな、宿命づけられた家族、二、三男の住宅を、このような不合理な政府の施策はまさに許せない、不平等の結果を引き起こしておる。この矛盾を解消すべきである、どんなことがあっても、この矛盾は。法にそうあるからという考え方はいけません。法は人民を守るための法であって、改めればいいじゃないか、こう私は強く言いたいんです。まずこのこと、矛盾を解消すべきであると考えるが、どうか。
#120
○説明員(宝槻吉昭君) お答えいたします。
 先生御指摘の、住宅防音工事にかかわる補助の対象の問題でございます。
 御承知のとおり、環境整備法第四条では、騒音の区域指定の際に現に所在した住宅について防音工事の補助をする、こういう制度になっておりまして、そういうことから、これまで、告示後の住宅というものは補助の対象にならないということであったわけでございまして、政府としましては今、現在住宅防音工事の対象世帯数というのは非常に膨大でございまして、法の対象になります区域指定告示の際に所在した住宅についての防音工事がまだ実施していないものが相当数ございます。したがって、これらに対する防音工事の助成が当面の先決課題であるというふうに考えておるわけでございます。
 したがいまして、今先生御指摘の、いわゆるドーナツ現象等の、告示後に建設された住宅の防音工事の助成につきましては、将来検討すべき課題であると考えております。
#121
○喜屋武眞榮君 次にまた問いたいことは、防音家屋の空調施設ですね、せっかく空調施設をやってくれたけれども、その維持管理費は光熱も自己負担になっておりますね、自己負担。これに対してもたびたび関係市町村から要望がありまして、二、三日前から町長、議長を含め十一名の方が陳情に来て、これもごらんになったと思うんです。
 ところで、私が言いたいことは、生活保護世帯は、やっとこさ生活保護世帯は免除しておる。これ自体も私は矛盾――生活保護世帯対象にのみ実施すべきではなく、これはすべての防音家屋の居住者を対象として初めて法のもとの平等。といいますのは、現状は、せっかく防音空調施設をやったけれどもこの光熱費の額が余りにもはね上がるものだから、使わぬで、使用しないでそのまま置いておる住宅が相当あるということをあなたは知っておるでしょうか。こういう形式的な、実情に沿わないようなこういった政治こそ、これは善政とは言えない。それこそ欠陥だらけの、悪政のきわまりないものだと私は思うんです。もっと人民主権の立場に立って物事を考え、政治を実現せぬとだめじゃないか。これに対する見解を承ります。
 そうして、時間ですので最後に、担当長官であります開発庁長官の、今までの私の質問に対する所見を承って、終わります。
#122
○説明員(宝槻吉昭君) この問題につきましては、先ほどもちょっと申し上げたんですが、住宅防音工事の対象世帯数、工事自体の補助の対象世帯数がまだたくさん残っておりまして、一世帯でも多くの防音工事を実施することを目標として現在施策を進めておるわけでございます。
 で、電気空調機器の使用に伴う電気料金の問題ですが、これにつきまして、昨年度、生活保護世帯については大きな負担になっているということから助成措置を講じたことでございまして、これを生活保護世帯以外一般にも、すべてを対象にするということは大変困難な問題であるということを御理解願いたいと思います。
#123
○国務大臣(砂田重民君) 不発弾処理等の戦後処理の問題は一段の力を入れてまいりたいと存じます。
#124
○委員長(田代由紀男君) 以上をもって平成二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち総務庁北方対策本部、沖縄開発庁及び沖縄振興開発金融公庫についての委嘱審査を終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#125
○委員長(田代由紀男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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