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1990/04/25 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 環境特別委員会 第2号
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1990/04/25 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 環境特別委員会 第2号

#1
第118回国会 環境特別委員会 第2号
平成二年四月二十五日(水曜日)
   午前十一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月六日
    辞任         補欠選任
     石井 一二君     森山 眞弓君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     久保田真苗君     本岡 昭次君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     本岡 昭次君     久保田真苗君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大森  昭君
    理 事
                松浦 孝治君
                森山 眞弓君
                清水 澄子君
                広中和歌子君
    委 員
                井上 章平君
                石川  弘君
                石渡 清元君
                山東 昭子君
                須藤良太郎君
                原 文兵衛君
                山崎 竜男君
                久保田真苗君
                國弘 正雄君
                篠崎 年子君
                沓脱タケ子君
                中村 鋭一君
                山田  勇君
    国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 北川 石松君
    政府委員
        公害等調整委員
        会委員長    勝見 嘉美君
        公害等調整委員
        会事務局長   高島  弘君
        環境政務次官  木宮 和彦君
        環境庁長官官房
        長       渡辺  修君
        環境庁長官官房
        審議官     高橋 光男君
        環境庁長官官房
        会計課長    梅沢  泉君
        環境庁企画調整
        局長      安原  正君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 三橋 昭男君
        環境庁自然保護
        局長      山内 豊徳君
        環境庁水質保全
        局長      安橋 隆雄君
    事務局側
        第二特別調査室
        長       宅間 圭輔君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○公害及び環境保全対策樹立に関する調査
 (公害対策及び環境保全の基本施策に関する件)
 (平成二年度環境庁関係予算に関する件)
 (平成二年度各省庁の環境保全関係予算に関する件)
 (公害等調整委員会の事務概要等に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(大森昭君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(大森昭君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に森山眞弓君及び清水澄子君を指名いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(大森昭君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。
 公害対策及び環境保全の基本施策について、北川環境庁長官から所信を聴取いたします。北川環境庁長官。
#5
○国務大臣(北川石松君) 二月二十八日付で環境庁長官及び地球環境問題担当大臣を拝命いたしました北川石松でございます。
 第百十八回国会における参議院環境特別委員会の御審議に先立ち、環境行政に関する私の所信を述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いいたしたいと存じます。
 最近の内外の状況を見ますと、二十一世紀を目前にいたしまして、世界全体が大きな転換期に直面し、新たな価値と行動の模索が始まっております。
 特に、近年、オゾン層の破壊、地球の温暖化、熱帯林の減少等の例に見られるように、人類にとってかけがえのない地球が病んでいる状況にあります。地球環境問題は、全人類の生存基盤にかかわる重大問題であり、国は異なれども地球は一つの考え方に立って、国際社会の構成員全員が一致して取り組むべき緊要な課題となっております。
 一方、国内の環境問題に目を転じてみますと、窒素酸化物による大気汚染、生活排水による水質汚濁等の問題は改善がはかばかしくなく、また、さまざまな有害化学物質による環境汚染等の問題も広がりを見せております。
 さらに、余暇時間の増大や国民の意識の変化に伴い、自然との触れ合いや快適な生活環境の形成の面でもさまざまな課題が生じてきております。
 我が国が高度な経済活動を営み、世界経済が相互依存を深めていく中で、国民一人一人の生活は地域のみならず地球の環境に大きなかかわりを持つに至っており、地球的規模で考え地域から行動をとの考え方に立って、地域のレベルから地球のレベルに至るさまざまな環境問題に対し、一貫した包括的な環境政策が求められております。
 以上の認識を踏まえ、私は、次の重点施策の実現に邁進してまいりたいと存じております。
 第一に、地球環境保全のための積極的な役割の発揮であります。地球環境保全に関する関係閣僚会議で明らかにされた基本方針を踏まえ、我が国の国際社会に占める地位に応じた積極的な役割を果たしてまいりたいと存じます。
 このため、地球温暖化等に関する国際的な対策の枠組みづくりに積極的に取り組む所存であり、先日、アメリカで開かれましたホワイトハウス会議でも、日本政府を代表して地球環境の問題に対する政策対応、さらに調査研究等を含めた国際的な協力のあり方について所信を述べ、今後の方向についての合意形成のため積極的な役割を果たしたところでございます。
 また、地球環境に関する学際的、国際的な調査研究等を強化するため、政府全体の総合推進計画
その他内外の研究動向を踏まえつつ地球環境研究計画を策定し、これに基づき所要の研究費を配分して総合的な研究を推進いたします。
 さらに、オゾン層保護対策等を積極的に推進するとともに、熱帯林の保護等開発途上国への支援の拡充に努めてまいります。
 これらにあわせて、地球環境問題についての総合調整機能を強化するため環境庁企画調整局に地球環境部を新設するとともに、国立公害研究所を国立環境研究所に改組し地球環境研究センターを新設するなど、地球環境保全施策を総合的かつ強力に進めるための組織体制の整備を推進してまいります。
 第二に、自然環境の保全と適正な利用の推進であります。日光国立公園尾瀬地区など自然環境がすぐれ、利用者が集中する地域についての国立公園管理の充実を図ってまいります。また、自然との触れ合いの増進のため、野生生物の観察など体験型の自然利用の推進を図るとともに、東北自然歩道の整備を開始するなど自然公園施設等の計画的整備を積極的に推進します。
 また、野生生物の保護、生態系の保全などの施策を体系的かつ強力に推進してまいります。
 この一環として今国会に自然環境保全法等の一部を改正する法律案を提出させていただいておりますので、速やかなる御審議をよろしくお願いいたします。
 第三に、都市環境保全対策の推進であります。まず、大都市地域における窒素酸化物による大気汚染の改善を図るため、ディーゼル車から排出される窒素酸化物について規制の強化を図るとともに、低公害車の普及、最新規制適合車への代替促進等に努めます。
 また、家庭からの生活排水が水質の汚濁原因の大きな比重を占めるに至っており、総合的な生活排水対策の実施が急務となっております。このため、今国会に水質汚濁防止法等の一部を改正する法律案を提出させていただいておりますので、速やかな御審議をよろしくお願い申し上げます。
 さらに、都市生態系の再生・保全に向けた施策の展開を図るなど、都市地域における環境資源の計画的管理を推進いたします。
 第四に、多角的な環境保全施策の積極的推進であります。我が国の社会経済構造や国民のライフスタイルを環境への負荷の少ない地球にやさしいものへと改め、地球時代にふさわしい環境倫理の確立を図るため、環境教育を初めとする諸事業の効果的な推進に努めるとともに、平成元年度補正予算に基づく助成を受けて全国の都道府県及び政令指定都市に設置された地域環境保全基金による地方公共団体の施策と連携しまして、国民的な環境保全活動の全国的な展開に努めたいと存じております。
 また、公害防止計画、地域環境管理、環境影響評価、公害防止事業団事業等の多角的な環境保全手法を積極的に活用したいと存じます。
 第五に、公害防止施策の推進であります。安全で良好な環境の確保のため、有害化学物質等による新たな態様の環境汚染の未然防止を図るとともに、環境基準の達成に向けての各種公害対策を強力に推進いたします。
 大気汚染対策のうち、スパイクタイヤ対策については、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止のための措置を法制化すべく政府内で鋭意検討を進めているところであります。
 また、アスベスト対策、浮遊粒子状物質対策等についても一層の推進を図る所存であります。
 水質保全対策につきましては、東京湾等の水質総量規制を積極的に推進するとともに、海域における富栄養化対策、湖沼水質保全対策を進め、さらに、内海の保全と利用についての国際会議を開催するなど、閉鎖性水域の環境保全施策の推進に努めてまいります。
 第六に、環境保健施策の推進であります。大気汚染の影響による健康被害を未然に防止するため、健康被害予防事業の推進や大気汚染と健康との継続的な監視体制づくりなどの総合的な環境保健施策に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 また、健康被害の救済にも引き続き万全を期してまいります。特に、水俣病対策につきましては、認定業務の一層の促進等に努めてまいります。
 以上、環境行政の主要な課題と今後の取り組みの基本的方向について所信を申し述べさせていただきました。
 環境がますます重要となっている今日、この日本と地球の環境資源を私たちの世代で使い切ることなく、美しく住みよいものとして私たちの子孫に引き継いでいくことが環境行政に与えられた重大な使命であります。私は、来るべき二十一世紀に向けて、次の世代に誇り得る環境行政の推進に心がけ、各界各層の国民と手を携えて最大限の努力をいたしてまいる所存でございます。
 何とぞ、本委員会及び委員各位におかれましては、環境行政の一層の推進のため、今後とも御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
#6
○委員長(大森昭君) 次に、平成二年度環境庁関係予算及び平成二年度各省庁の環境保全関係予算について、順次説明を聴取いたします。渡辺官房長。
#7
○政府委員(渡辺修君) 平成二年度の環境庁関係予算案について、その概要を御説明申し上げます。
 平成二年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、環境庁予算要求額は四百九十六億八千四百二十二万円であり、これを前年度の当初予算額四百八十四億五百九十二万円と比較すると十二億七千八百三十万円、二・六%の増額となっております。
 予算要求額の主要な項目について御説明申し上げます。
 第一に、環境保全の企画調整等については、地球温暖化を初めとして地球環境に関する学際的、国際的な研究等を計画的に推進するための地球環境研究計画等の策定及び開発途上国の環境援助促進のための基盤整備等国際協力の積極的な推進に努めるほか、国民各界各層に対する環境教育の強化、都市生態系の再生や快適な町づくりの促進を図るとともに、環境影響評価及び公害防止計画の策定の推進に必要な経費など、合わせて七億七千七百三十二万円を計上しているところであります。
 なお、これらとあわせて、地球環境問題についての総合調整機能を強化するため、庁内の関係事務を一元化し企画調整局に地球環境部を新設することとしております。
 第二に、公害による健康被害者の救済等については、従来に引き続き、公害健康被害補償制度の適正かつ円滑な実施を図るとともに、公害健康被害補償予防協会に設けられている基金を活用した健康被害予防事業や総合的な環境保健施策を推進するほか、水俣病の認定業務を一層推進することとし、これらの経費として二百二十七億七千五十二万円を計上しております。
 第三に、大気汚染等の防止については、窒素酸化物対策として、自動車排出ガスの規制、低公害車の普及推進等を進めるほか、オゾン層保護対策として、フロンガス等の監視及び調査研究の推進等、酸性雨対策として監視測定体制の整備に努めるとともに、アスベスト対策及び未規制大気汚染物質対策の推進を図ることとしております。
 また、騒音、振動及び悪臭対策についても一層の推進を図ることとし、これらの経費として七億九千四百二十二万円を計上しております。
 第四に、水質汚濁の防止については、生活雑排水対策及び地下水質の保全対策を推進するほか、東京湾の環境保全、水質総量規制の推進、汚濁河川対策、湖沼水質の保全等の対策を推進するための経費として七億九千八百十四万円を計上しております。
 このほか、地盤沈下防止及び廃棄物対策費として一億千百七十九万円、土壌汚染防止及び農薬対策費として一億五千四百十一万円をそれぞれ計上しております。
 第五に、公害防止事業団については、事業団の
事業運営に必要な事務費等の助成費として三十六億三千八百十五万円を計上しております。
 第六に、公害監視等設備の整備については、地方公共団体の監視測定体制等の整備を助成するために必要な経費として七億六千九百四十四万円を計上しております。
 第七に、環境保全に関する調査研究の推進のための経費については、総額四十三億千七百七十五万円を計上しております。
 この内訳としては、まず、国立試験研究機関等の公害防止等試験研究費として十九億二千八百四万円を環境庁において一括計上するとともに、環境保全総合調査研究促進調整費として一億七千五百万円を計上し、関係省庁が所管する各種の環境保全に関する調査研究の総合的調整を行うほか、新たに地球環境研究総合推進費として十二億円を計上し、関係省庁の所管する国立試験研究機関等が行う各種の地球環境保全に関する調査研究の総合的推進を図ることとしております。
 また、地球観測衛星ADEOSに搭載する成層圏オゾン等の観測機器の開発、光化学スモッグや公害による健康被害の解明、その他大気汚染、水質汚濁、自然保護等に関する調査研究費についても十億千四百七十一万円を計上し、必要な調査研究を進めることとしております。
 第八に、自然環境の保全対策及び施設整備について申し上げます。
 まず、自然環境の保全対策及び自然公園等の維持管理等については、自然環境保全基礎調査を初めとする調査研究を実施するとともに、国立公園等の保護管理の強化を図ることとしております。
 また、野生生物の保護対策については、絶滅のおそれのある野生生物種の監視調査等を実施するとともに、国設鳥獣保護区の管理強化等を図ることとしております。
 これらに必要な経費として、合わせて十六億四千四百七十一万円を計上しているところであります。
 次に、自然公園等の施設の整備については、国立・国定公園の利用施設や長距離自然歩道等の整備に必要な経費として二十九億七千四百六十二万円を計上しております。
 第九に、国立公害研究所については、地球環境問題等環境全般にわたる研究の一層の推進を図るため、地球環境研究センターの設置など体制の強化を図り、国立環境研究所に改組するとともに、環境に関する研究と研修の緊密な連携の観点から公害研修所を統合する等機能の充実強化を図ることとし、これらに必要な経費として四十四億七千九十一万円を計上しております。
 また、国立水俣病研究センターの運営等に必要な経費として四億二千八百五十七万円を計上しております。
 以上、平成二年度環境庁関係予算案の概要につきまして御説明申し上げました。
#8
○委員長(大森昭君) 安原企画調整局長。
#9
○政府委員(安原正君) 各省庁の平成二年度環境保全経費等の概要について御説明いたします。
 まず、歳出予算について御説明いたします。
 平成二年度における環境保全経費の総額は一兆三千四百二億円であり、前年度の当初予算に比べ百八億円、〇・八%の増となっております。
 これを事項別に見ますと、各種基準等の設定のために十億円、監視取り締まりの強化のために六十億円、公害防止事業助成のために七十二億円、公害防止関係公共事業等の推進のために一兆千百三十四億円、公害防止調査研究の推進のために二百六十七億円、公害被害者保護対策等の充実のために二百四十三億円、自然保護対策の推進のために一千四百八十九億円、その他として百二十七億円が計上されています。
 主要な項目については、次のようになっています。
 まず、環境保全経費全体の八三%を占める公害防止関係公共事業等のうちでは、建設省等に計上されている下水道事業費八千二百三十八億円、公共用飛行場周辺及び防衛施設周辺における騒音防止対策等の経費として運輸省、防衛施設庁に一千三百三十七億円、さらには、厚生省、運輸省等に計上されている廃棄物処理施設整備費八百六十八億円などがあります。
 また、公害被害者保護対策等のうちでは、環境庁の公害健康被害補償対策等経費二百二十八億円、自然保護対策のうちでは、建設省等の公園事業費一千八十七億円、環境庁の自然公園等施設整備賢三十億円などがあります。
 なお、近年の地球環境問題に対する取り組みの重要性にかんがみ、環境保全経費とは別に、環境庁において各省庁の地球環境保全関係予算を取りまとめたところでありますが、これによると、平成二年度における総額は四千五百二十三億円であり、前年度の当初予算に比べ二百六十七億円、六・三%の増となっております。
 これを事項別に見ますと、地球環境保全関係一般経費として六百億円、衛星等研究開発関係費として二百十九億円、エネルギー対策関係費として三千六百九十三億円、その他関連経費として十億円となっています。
 特に、国際機関等への拠出、調査研究等を内容とする地球環境保全関係一般経費は、新規施策が多く盛り込まれるとともに、対前年度比三五・九%の高い伸びとなっています。
 次に、公害防止関係財政投融資の概要について御説明いたします。
 平成二年度における公害防止関係財政投融資は、貸し付け規模等において総額一兆六千六百八十億円を予定しており、前年度の当初計画額に比べ八十四億円の増となっております。
 機関別の主な内訳としては、公害防止事業団が事業規模で七百四十億円、日本開発銀行が貸し付け規模で六百億円を予定しているなどのほか、地方公共団体の下水道整備、廃棄物処理等の事業を推進するため、地方債計画において一兆四千九百十三億円を予定しております。
 このほか、中小企業金融公庫、環境衛生金融公庫、北海道東北開発公庫、中小企業事業団等において産業公害防止対策等所要の融資を引き続き行うこととしております。
 最後に、環境保全関係の税制改正措置について御説明申し上げます。
 大都市を中心とした窒素酸化物汚染に対し効果的に対処するため、五十四年規制以前の古いディーゼルトラック、バスの廃車を前提とした最新規制適合車への買いかえを促進するための税制措置などの新設やメタノール車への特例措置の延長などの措置をとることとしております。
 また、野生動植物の保護繁殖を目的とする公益信託についての税の特例措置を新設することとしております。
 このほか、公害防止用設備に係る特例措置の延長、公害防止事業団の事業に対する特例措置の延長など、所要の税制上の措置をとることとしております。
 以上をもちまして平成二年度の各省庁の環境保全経費等の説明を終わります。
#10
○委員長(大森昭君) 次に、公害等調整委員会の事務の概要などについて説明を聴取いたします。勝見公害等調整委員会委員長。
#11
○政府委員(勝見嘉美君) 公害等調整委員会が平成元年中に行った公害紛争の処理に関する事務及び平成二年度総理府所管一般会計公害等調整委員会予算案について御説明申し上げます。
 まず、公害紛争の処理に関する事務の概要について御説明申し上げます。
 第一に、平成元年中に当委員会に係属した公害紛争事件は、水俣病損害賠償調停事件、仙台湾における養殖海苔被害等調停事件、大阪市における新幹線騒音被害等調停事件、長野県及び北海道におけるスパイクタイヤ使用禁止等調停事件、東京都世田谷区上馬における道路騒音等被害責任裁定事件、長崎県壱岐における養殖真珠被害原因裁定事件等合計二十三件であります。
 なお、以上のほか水俣病損害賠償調停事件については、調停条項の中に、将来申請人の症状に慰謝料等の金額の増額を相当とするような変化が生じたときは、申請人は、調停委員会に対し、金額
の変更を申請することができるという条項があり、この調停条項に基づいてなされた水俣病慰謝料額等変更申請事件が二十三件あります。
 これらの係属事件のうち、平成元年中に事件が終結したものは、長野県及び北海道在住の申請人らがそれぞれ国を相手方として、スパイクタイヤの使用によって生ずる道路粉じんが住民の生命や健康に被害を発生させるのを防止するため、スパイクタイヤの製造、輸入、販売、使用を全面的に禁止する等の適切な措置を講ずるよう求めた申請につき、公害紛争処理法第二十五条の規定により、長野県知事及び北海道公害審査会にそれぞれ移送することとしたスパイクタイヤ使用禁止等調停事件、水俣病と認定された患者とチッソ株式会社との間で患者個々人ごとに具体的な損害賠償額を定める調停を成立させた水俣病に関する調停事件、自動車の走行によって生ずる騒音等の被害について、東京都世田谷区上馬交差点周辺地区に居住する申請人らから国等を相手方として申請されていた責任裁定事件を職権により調停に付し、防音壁の設置、特殊舗装の試験的実施などを内容とする調停を成立させた道路騒音等被害責任裁定事件等合計十九件であります。
 なお、平成元年中に処理した水俣病慰謝料額等変更申請事件は十五件であります。
 現在係属中の事件につきましては、適切な解決が図られるよう努力してまいる所存であります。
 第二に、平成元年中に都道府県公害審査会に係属した公害紛争事件は六十五件であり、工場、工事現場及び近隣の騒音に係る事件及び道路、廃棄物処理場の建設反対に見られる将来の被害の発生防止を求める事件が多くなっております。
 これらのうち、平成元年中に事件が終結したものは二十七件であり、その多くが防音工事その他発生源となっている施設の改善、作業方法の変更等を内容とする発生源対策及び損害賠償の支払いにより解決を見ております。
 公害紛争処理法においては、当委員会と都道府県公害審査会とはそれぞれが独立の機関として職務を遂行することとなっておりますが、当委員会としては、公害紛争の迅速かつ適正な処理という観点から全国の公害審査会をバックアップするため、審査会との間の情報交換、連絡協議に努めるとともに、参考となる情報、資料の提供を積極的に行っているところであります。
 第三に、全国の公害苦情の実態について御説明申し上げます。
 当委員会の調査によれば、昭和六十三年度において全国の地方公共団体に寄せられた公害に関する苦情は約七万三千件となっており、これを対前年度比で見ると約三千件の増加となっております。苦情件数は、四十七年度の約八万八千件をピークに以後減少傾向を示したものの、五十八年度から再び増加傾向を示しております。
 これを苦情の種類別に見ると、いわゆる典型七公害に関する苦情では、騒音に関する苦情が最も多く、全苦情の二八%となっており、悪臭一六%、大気汚染一二%、水質汚濁一〇%等の順となっております。また、廃棄物に関する苦情等これら典型七公害に分類できない苦情は約二九%となっており、年々増加してきております。
 公害苦情を迅速かつ適正に処理することは、公害紛争を未然に防止し、地域における良好な生活環境の実現を確保する上で不可欠なものであります。
 この公害苦情につきましては、都道府県または市区町村がその処理に当たっておりますが、ただいま申し上げましたところにかんがみ、当委員会としては、これらの地方公共団体に対し、職員に対する研修の実施、苦情処理に必要な情報の提供、あるいは個別の事案についての指導、助言等を積極的に行っているところであります。
 続きまして、平成二年度公害等調整委員会予算案について、その概要を御説明申し上げます。
 平成二年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、公害等調整委員会の予算要求額は四億六千二百万円であり、これを前年度の当初予算額四億五千百万円と比較いたしますと、二・四%、一千百万円の増額となっております。
 次に、その内訳について御説明申し上げます。
 第一に、当委員会に係属する公害紛争事案の審理経費、公害の因果関係の解明に必要な調査経費、職員基本給等の人件費を含む一般事務処理経費として四億三千三百万円を計上しております。
 第二に、公害紛争の処理を担当する都道府県公害審査会委員及びその事務を担当する職員との情報交換、連絡協議のための経費及び公害苦情処理を担当する地方公共団体の職員に対する研修、情報提供、指導並びに公害苦情の実態調査を実施するための経費として二千九百万円を計上しております。
 以上が平成元年中に公害等調整委員会が行った公害紛争の処理に関する事務の概要及び平成二年度公害等調整委員会予算案の概要であります。
 よろしくお願い申し上げます。
#12
○委員長(大森昭君) 以上で所信及び説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
#13
○委員長(大森昭君) この際、木宮環境政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。木宮環境政務次官。
#14
○政府委員(木宮和彦君) 本年二月二十八日付で環境政務次官に就任いたしました木宮和彦でございます。
 ただいま大臣から所信表明が行われたところでございますが、環境行政には重要な課題が山積しているわけでございます。私は、これまで主に教育の分野でいろいろと勉強させていただきました。その経験を生かしつつ、北川長官を補佐しながら環境行政の推進に邁進してまいる所存でございます。委員長を初め、委員の皆様方の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げましてごあいさつとさせていただきます。よろしくお願いします。
#15
○委員長(大森昭君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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