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1990/06/13 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 環境特別委員会 第6号
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1990/06/13 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 環境特別委員会 第6号

#1
第118回国会 環境特別委員会 第6号
平成二年六月十三日(水曜日)
   午前十時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠選任
     粟森  喬君     中村 鋭一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大森  昭君
    理 事
                松浦 孝治君
                森山 眞弓君
                清水 澄子君
                広中和歌子君
    委 員
                井上 章平君
                石川  弘君
                石渡 清元君
                山東 昭子君
                須藤良太郎君
                原 文兵衛君
                山崎 竜男君
                久保田真苗君
                國弘 正雄君
                篠崎 年子君
                田渕 勲二君
                高桑 栄松君
                沓脱タケ子君
                中村 鋭一君
                山田  勇君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  北川 石松君
   政府委員
       環境庁長官官房
       長        渡辺  修君
       環境庁長官官房
       審議官      高橋 光男君
       環境庁企画調整
       局長       安原  正君
       環境庁自然保護
       局長       山内 豊徳君
       環境庁大気保全
       局長       古市 圭治君
       環境庁水質保全
       局長       安橋 隆雄君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        宅間 圭輔君
   説明員
       環境庁長官官房
       参事官      小林 康彦君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部水
       道整備課長    藤原 正弘君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部環
       境整備課長    坂本 弘道君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部産
       業廃棄物対策室
       長        三本木 徹君
       林野庁業務部国
       有林野総合利用
       推進室長     村上 秀徳君
       水産庁研究部漁
       場保全課長    吉崎  清君
       建設省都市局下
       水道部流域下水
       道課長      松井 大悟君
       建設省住宅局建
       築指導課長    鈴木 俊夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○水質汚濁防止法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(大森昭君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
 水質汚濁防止法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○篠崎年子君 昭和四十五年に制定されました水質汚濁防止法等によって河川の状況はかなりよくなったと言われております。しかし、都市を流れる川やその川が流入する湾、湖や沼等ではまだ水質汚濁がなかなか改善されない。そういうことで水質汚濁防止法等の一部を改正する法律案が出されたものと思いますが、生活排水が七割あるいは六割ということで、特に生活排水に的を絞られたものだと思います。この点については後でまたお尋ねをいたしますけれども、私は、まずこのような法律によりまして環境が美しくなる、汚濁が防止される、そういうことの一面で、また、国の行っている事業によって環境が破壊されているところがあるのではないだろうかということでまずお尋ねしたいと思います。
 けさの新聞によりますと、クマゲラが巣をつくっているところの木の伐採については、営巣の間は五百メートル以内の伐採をとめるとか、あるいは育てる間は一キロメートルですかその伐採をとめるとか、そういうことを林野庁が打ち出したということで、これは自然保護の立場から大変結構なことだと思っておりますが、一方で、先ほどちょっと申しましたように、長良川という川がございますが、私たちは先日そこにちょっと見学に参りました。河口ぜきの問題でいろいろ論議をされているということがありまして、地元の方々あるいは町長さんたちからもお話をお伺いしたわけです。
 そのときに長良川の方々がおっしゃっておりましたのは、塩害を防止する、海水が上がらないようにせきをつくるんだ、あるいは洪水から付近の町を守るためにせきをつくるんだ、そういうことで今河口ぜきの建設が進められているけれども、一方で、河口ぜきをつくることによってヘドロの堆積とかあるいは水質の汚濁とか、そういうことにつながるのではないだろうかということで大変心配をしている、そういうお話がございました。一週間ほど前でしたかNHKでも、一時間番組でしたか長良川のことを取り上げて大滝秀治さんのナレーターで放映されておったようでございますけれども、ああいったような川というものは一遍汚されてしまうと取り返しのつかないことになるのじゃないだろうか。
 そういうことで、環境庁の方針としてということではなくて、環境庁としてこのことについてどういうふうな御感想を持っていらっしゃるのかということでまずお尋ねをいたしたいと思います。
#4
○政府委員(山内豊徳君) 私どもは、もちろん河川を初めとする自然環境の保全について十分目を光らすと申しますか、そういう立場にあるわけでございますが、一方、この河口ぜきの問題は、私どもの理解でも河川の治水、災害防止、あるいは利水と申しますか、水利用と今申しました自然環境の保全の調和という問題ではないかというふうに理解しております。
 具体的な意味で長良川の河口ぜきの計画については既に政府部内の決められた仕事として始まっているわけでございますし、現時点で私どもが自然保護行政上の権限から何か物を申し上げるという立場にございませんけれども、そこは今申しました両方の調和がぜひ十分図られるように配慮が行われてほしいということを期待しているところでございます。
 この河川がどういう性格のものであるかその他につきましては、私ども五年に一度行っております緑の国勢調査によるデータなどもございますけれども、そんな立場で今までも国会でも御答弁してまいりましたし、また政府部内でも対応してきている状況でございます。
#5
○篠崎年子君 この長良川のことにつきましては、環境庁だけではなくて建設省とかあるいはその他の省庁に関係があるかと思いますので、日を改めてまた環境全般のことについてということでお尋ねいたしたいと思っておりますけれども、考えてみますと、利水あるいは治水ということで計画が立てられましたのは今からもう三十年、四十年ぐらい前のことではないだろうかと思っております。ですから、その当時としますと、その川下の方で発願しております工業地帯の工場の様子とか水の利用の状況とか、そういうことも大変変わってきているかと思いますし、また、そこの河口ぜきはこれは一応漁民の皆さん方や周辺の皆さん方の承諾も得ていることではありまずけれども、社会情勢あるいは経済情勢、その他の情勢から見てこれがどうしても住民の承諾が得られないという場合には、国の施策として行われているとしてもまた考え直すときが来たら考え直すことができないだろうかということで、本日は先へ進ましていただきます。
 初めに、リゾート法と水濁法との関係についてということでお尋ねをいたしたいと思います。
 一九八七年、昭和六十二年の六月九日に施行されました総合保養地域整備法、いわゆるリゾート法ですけれども、本日議題となっております水質汚濁防止法等の一部を改正する法律案、一口に言えばこれは良好な水質環境を守るために策定しようとするものだと理解しておりますけれども、この法律にとってリゾート法はかえって環境破壊をもたらすことにつながるのではないかと思いますが、この点につきまして環境庁長官ほどのようにお考えでしょうか。
#6
○国務大臣(北川石松君) 委員の御質問にお答え申し上げます。
 環境庁といたしましては、せっかくのリゾート地の整備が良好な自然環境の破壊とならないように、特に自然公園の保護と利用に配慮して構想の早い段階から十分な調整を図るよう努力してまいりましたし、今後とも自然環境の保全の観点から適切に対処してまいりたい、このように思っております。
#7
○篠崎年子君 続けてお尋ねいたします。
 このリゾート法は四全総によるリゾート開発がその基礎にあると思いますが、このことによって国土と自然への巨大開発が進んで地価の高騰やあるいは環境破壊が進行しているのではないかと思います。
 ここに一九八九年十二月現在ということで国土庁、日本開発銀行その他となっておりますが、出されました資料がありますが、それによりますと、リゾート構想の特定地域面積は約七百二十五万ヘクタールということで対国土面積一九・二%ということになっているようです。農地の約一・三倍もの面積がリゾート構想の中に入っていくということになると思いますけれども、特にリゾート法の第五条の五項では「主務大臣は、基本構想につき前項の規定による承認をしようとするときは、環境庁長官その他関係行政機関の長に協議しなければならない。」と規定されております。特にこの第五条で「環境庁長官その他」と、こういうふうになっておりますけれども、なぜ環境庁長官ということが一番初めに出されたのか、このことに私は大きな意味があるんじゃないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。
#8
○国務大臣(北川石松君) 篠崎委員の環境を思う御質問でございまして、良好な自然環境を生かしていくべきことは一番大切なことでございます。そういう点で、その実施に当たりましては自然環境の保全ということを十分配慮する必要があります。
 特に環境庁長官が基本構想の承認の際の協議大臣と明記されておることは、環境を守らなくちゃいけないという立場からであろうと思っております。
#9
○篠崎年子君 そういう意味からも、これから特に環境を守るという立場からしっかり長官、頑張っていただきたいと思っております。
 次に、そこに協議しなければならないという項目が挙げられておりますけれども、今までリゾート法施行後三年たっておりましてたびたび協議がなされたのではないかと思いますが、今までの協議の御様子など説明いただけませんでしょうか。
#10
○政府委員(山内豊徳君) ただいま大臣からも御答弁申し上げましたように、それからまた特に関係行政機関の一つという意味だけではなくて法律上はっきり環境庁長官との協議が明記されたにつきましては、立法段階でのいろんないきさつもございます。そんなこともございまして、今先生が御指摘になりました五条五項の承認の際の協議以外にも、まず六省庁で今後のリゾートの整備方針を決めますとき、つまり基本方針を決めますときにもかなり時間をかけまして私ども協議を受けまして、これは、環境庁では自然保護局だけではございませんで、水質の問題については水質保全局、騒音その他につきましては大気保全局を束ねまして企画調整局窓口で相談をしました。
 その結果、実は基本方針でも幾つかの、今後の各県の基本構想の協議を受けるときの審査のポイントが決められておりますが、それは時間の制約もございますので御紹介いたしませんが、今お尋ねの件は、それに基づいて幾つかの県から基本構想の承認に関して環境庁長官が協議を受けたはずであるが例えばどんなことをチェックしているかという御質問かと思います。
 御案内のように、法施行後現在までに環境庁長官が正式に協議に対して同意をお与えしましたのが二十一県の構想になっておりまして、それぞれいろんなケースがございましたものですから、今大臣が申しましたようになるべく県がそういう構想をつくる段階から私どもにもいろいろ情報を入れてもらいまして、いわば正式に国土庁から書類が回ってくる前に我々かなり綿密なチェックをしたわけでございます。
 一番大きな課題は、何と申しましても国立公園、国定公園、場合によったら県立自然公園の中に余り大きな建物の建設計画を持ち込むことは、これは基本方針の段階でも議論をいたしましてなるべく控えてもらいたいということを決めておりますので、この点については県が青写真をかきますときにそういった自然公園地区を極力外すという前提でまず立案してもらうように私どもとしても働きかけてきたところでございます。
 次に、仮に自然公園の中に特定地域が重なる場合でも、先生先ほどおっしゃいましたように、特定地域の面積数だけをとりますと、県の面積の二割、三割と非常に広いのでございますが、このリゾート構想では特定地域の中に特に建物的なものを重点的に整備する重点整備地区というのが大体一つの県の計画で七、八カ所ございます。これについてはさらに具体的なチェックが必要でございまして、実は中には海岸に予定されますホテルの排水について非常に心配が残る問題、あるいは景観の上からも自然公園に近接したところのゴルフ場なりあるいは場合によってはスキー場といったものが景観保護の上からも非常に懸念があるという場合にはできれば原案を少し変えてもらうような調整をしたこともございます。中には幾つかの県で、今申しました海岸の水質汚濁についての環境悪化防止について、事業の実施段階で十分我々としてもチェックをするし、また県当局においてもチェックをしてほしいという条件をつけて協議に応じた例もございます。
 総じてやはり共通して言えますことは、今申しました建物を建てる重点整備地区の事業実施段階では、すぐれた自然環境の保全に努める見地からも、景観との調和とか、場合によっては緑化とか修景を必ず行ってほしいといったことは、これはほぼ各県の構想に共通に条件をつけておるところでございます。それから、当然のことでございますけれどもかなり大規模な事業が重なることがあるわけでございますから、一般的に県でも土地開発要綱とかアセスの条項による指導もしておられますが、さらに念には念を入れてそういった大規模な事業については実施段階で詳細な規模の決め方あるいは配置の決め方についてさらに細かい検討をしてほしいということを基本構想の協議を受けました段階の条件に付しているところでございます。
 じゃどうやって担保するかということでございますが、これは、私どももちろん直接チェックする場合もございますが、都道府県にも環境保全当局があるわけでございますから、そことの連絡のもとに実施段階で極端に言えば逐一チェックをしていくように、県に対しても私どもそういった作業をお願いして今日に至っているわけでございます。
#11
○篠崎年子君 大変詳しく御説明いただきましたけれども、そういう協議の場合に、今お話しのように一々現地に行って視察をされるということはないかと思いますが、実際にこれは現地に行ってみなければいけないというような例はございませんでしたか。
#12
○政府委員(山内豊徳君) これは、先ほど申しました国立公園の区域内でございますと、私ども全国に十一の国立公園の管理事務所がございますので、大体現地の状況は管理官を通じて承知することができるわけでございます。それから、国定公園、県立自然公園でございますと、県の自然公園を所管しております当局がかなり詳細な理解をしておりますから、大体その状況把握でいいかと思っております。
 それ以外の件につきまして、お尋ねの件はあるいは一般的に今申しました特定地域の状況なり重点整備地区の状況を、協議を受けるんだから個別に審査する必要を感じないかという御質問かと思いますが、この点は、私どもは都道府県の今申しました環境保全当局というものの能力なり見方を信頼しておりますものですから、どうしてもそこは県の環境保全当局が立案の段階でいろいろ現地の視察も含めて判断をして、国土庁から来る前に県の自然保護当局あるいは公園当局としての意見を添えて私どもに情報をくれるという仕組みで今までは対応してきているところでございます。
#13
○篠崎年子君 そういうことで環境を守る立場から努力をしていらっしゃる御様子はわかりますけれども、現にスキー場とかゴルフ場などによる乱開発によって水源涵養林までこれは手が伸びていっているんではないかというふうなおそれはないでしょうか。これは林野庁の方にお尋ねしたいと思いますが。
#14
○説明員(村上秀徳君) お答えいたします。
 リゾート法いわゆる総合保養地域整備法に基づく総合保養地域の整備に当たりまして、良好な自然条件を有し、国土面積の約二割を持っております国有林野の活用というようなことが期待される場合におきまして、その地域内においてヒューマン・グリーン・プラン等を行うことが適切な場合には重点的に積極的に活用していくことにしておりますけれども、その場合、実施に当たりましては環境の影響評価等を行いまして、土砂の流出防止、先生御指摘の水源涵養機能への影響もその項目の一つとしまして影響の評価を事前に行い、環境に対する影響に万全を期すということで対処をしているところでございます。
#15
○篠崎年子君 自然環境の保全と調和ということで林野庁の方でも十分御努力いただきたいと思いますが、十五条には「国有林野の活用について適切な配慮をするもの」であるというふうになっているようですけれども、この「配慮」ということについては協議機関等でも十分話し合いをされると思いますが、今後どのように林野を守っていこうとするのかということについてちょっとお尋ねしたいと思います。
#16
○説明員(村上秀徳君) ただいま申し上げましたように、総合保養地域整備法というもので、特定地域の整備に当たりましては国有林野の活用が期待されているとリゾート法の第十五条に書いてありますとおり、国有林野の活用について適切な配慮をするということでございまして、その趣旨を体しまして、国有林野の活用について、例えばその地域内に国有林野が含まれる場合にはヒューマン・グリーン・プラン等の積極的な活用を図っていきたいと思っております。
 ヒューマン・グリーン・プランにつきましては、最近の森林に対する多様な国民的要請にこたえて、国有林野の中での自然景観がすぐれた地域あるいは野外スポーツに適した森林空間等を積極的に国民の利用に供するということで民間の事業体の活力等を活用しながらスポーツ施設であるとか教育文化、それから保健休養等の総合的な施設の整備を図るということでございます。
 他方、それを実施するに当たりましては、地方公共団体が策定します長期的な視点に立った土地利用計画との整合性が十分図られていること、それから自然環境の保全に配慮するという観点から土砂の流出防止あるいは水源涵養機能への影響及びその対策を含めた項目全般にわたりまして環境影響評価を行うということで、そういうことを指定の要件としております。
 そういうことを通じまして、自然環境に悪影響を及ぼすことがないような開発に導いていきたいというふうに考えておるところでございます。
#17
○篠崎年子君 次に、生活排水の件でお尋ねしたいと思います。
 今回出されました水質汚濁防止法等の一部を改正する法律案ですが、これまでの産業系排水の規制からし尿を除いた家庭排水、生活排水について対策を進めるものだ、こういう趣旨には賛成でございますが、幾つかの点についてお尋ねをいたしたいと思います。
 念のためにお尋ねいたしたいんですけれども、生活排水と言う場合には、人間が営む生活全般から出る排水ということで炊事、洗濯、入浴、それにし尿を加えて生活排水と普通言っているんじゃないかと思いますが、今回の生活排水という定義については「炊事、洗濯、入浴等人の生活に伴い公共水域に排出される水」ということで、し尿が除かれているようでございます。
 これは、浄化槽法等の規定によってし尿は公共水域に流さないことになっているからという意味で削られたのか、それとも別の意味があるのか、その点をまずお尋ねしたいと思います。
#18
○政府委員(安橋隆雄君) 今回の法律改正で定義のところに生活排水の規定を置いているわけでございますが、炊事、洗濯、入浴等、人の生活に伴う排水ということで定義しておりまして、概念的にはし尿も人の生活に伴う排水ということで含まれるわけでございます。
 しかしながら、し尿につきましては既に下水道法、建築基準法あるいは浄化槽法によりまして適切に処理されるという法体系ができているわけでございますので、実際上、生活排水として現在において対応をしなければならないものということになりますと、定義の例示で述べておりますような炊事、洗濯、入浴等に伴うようなものが中心になるということでございます。既にし尿についてはただいま申し上げたような法律で十分やっていただいているということで、水質汚濁防止法の対策としてはそちらの方の対策にお任せするというような形になるのではないかと考えておるところでございます。
#19
○篠崎年子君 次に、農薬対策についてお尋ねいたしたいと思います。
 まず第一に、先般の環境委員会の中でもお尋ねをしたわけですけれども、重ねてでございますが、先般通達されましたゴルフ場の農薬対策のことについてお尋ねしたいと思います。
 全国的にゴルフ場建設反対の市民運動が盛り上がりまして何らかの農薬規制をしなければならないという状況になってきたこと、あるいは環境白書の五十四ページにも出ておりますけれども、平成元年の十一月に北海道の養魚場のヤマメなどが上流にありますゴルフ場で不適正に散布された農薬が下流に流れてまいりまして何万匹かが一遍に死んでしまったという被害を受けたというようなことがありました。そういうことから五月十七日に厚生省が「ゴルフ場使用農薬に係る水道水の安全対策について」ということの通達を出されたんじゃないかと思うわけです。また、五月二十三日には続きまして環境庁が「ゴルフ場使用農薬に係る暫定指導指針について」を発表されております。
 厚生省の方は「使用農薬に係る水道水の安全対策」という言葉で出されております。環境庁の方からは「暫定指導指針について」ということで出されておりますが、この「暫定」と「安全対策」の違いはどういうことなんでしょうか。
#20
○政府委員(安橋隆雄君) ゴルフ場で使用されます農薬の水質汚濁の未然防止という方策を早急に確立しなければならないという緊急の課題に対しまして、五月二十四日付で私どもの方から暫定指針の通達をさせていただいたところでございます。
 この暫定指針は、現在得られます農薬に関します知見をもとにいたしまして、医学、薬学あるいは公衆衛生学等の専門家にも意見を聞いて、人の健康にとって安全である農薬のゴルフ場からの排水の基準ということで慎重に決めさせていただいたわけでございます。
 この場合の暫定と申しますのは、今後、新しい知見が得られますとか指針の適用状況あるいは実態把握等の状況によりまして対象農薬を新たに追加いたしましたり指導内容等の改善を図るというようなことがあり得るという意味で暫定という言葉を用いさせていただいたわけでございます。
#21
○篠崎年子君 それでは、まださらに今後研究を進められてその知見等によりまして追加をすることもあり得る、あるいはもっと厳しくするということもあり得るということですね。
 次に、厚生省と環境庁の指針値の十倍の違いについてです。
 これも先般の委員会でお尋ねいたしまして、私よく飲み込めませんでしたので、速記のところに参りまして速記録を見たわけです。ところが、それを見ましてもどうしても意味がわかりませんでしたので、再度お尋ねして大変恐縮ですけれどももう一度御説明いただけませんでしょうか。
#22
○政府委員(安橋隆雄君) 環境庁の方で出しました指針値と厚生省の方で出されましたゴルフ場の使用農薬に係る水道水の暫定的な水質目標値との関係は、ちょうど工場、事業場からの排水に係る規制基準と水道水の水質に係る規制基準との間の照応関係と同一ということで、おっしゃいますような意味での十倍という値を決めさせていただいたわけでございます。この事業場からの排出水に係る基準と水道水の規制基準というものの関係は十数年来ずっと用いられてきている関係でございますので、今回のゴルフ場に係ります関係もこれと同一のものを用いたということでございます。
#23
○篠崎年子君 工場等の場合ということの例で十数年来たったということですけれども、考えてみますと、ゴルフ場というのは最近でき出しまして、取水口とゴルフ場との距離が非常に近い、そういうところは認定されないときもあるかと思いますけれども、大変流れが急であるとかあるいは距離が非常に近かったということで、距離が近ければ十倍の違いというものももっと少なくなるんじゃないかと思いますけれども、その辺はどうなんでしょうか。
#24
○政府委員(安橋隆雄君) この十倍という関係は一般的な関係で用いているわけでございます。
 私どもで出させていただきましたこの通達におきましても、今おっしゃいましたように、ゴルフ場の排水口と水道水との距離が近接しているとかあるいはゴルフ場が非常に密集している、そういう特別の地域の条件がありますような場合には、都道府県におきましてその地域の実情に応じまして私どもが出しました指針値にかえて、より厳しい指針値を適用することができるということで、現実の適用に当たりましては都道府県知事の御判断にお任せする、より厳しい値を決めることもできるというような形で現実的な対応をさせていただいているわけでございます。
#25
○篠崎年子君 今の御答弁は、計算をするあるいは実際に取水して検体をとってきて検査をするというのは、都道府県あるいは市町村の仕事になってくるわけですね。
 そうしますと、市町村では実際に職員が非常に仕事がふえてきて勤務をオーバーするんじゃないかと思いますが、この辺については人員の把握とかあるいは財政的な補助とか、そういうことはどんなふうになっているんでしょうか。
#26
○政府委員(安橋隆雄君) ゴルフ場からの農薬の流出の実態につきましては、既に一昨年から環境庁の方で実態把握をお願いしたいということで都道府県の方に実態の調査をしていただいているわけでございます。平成二年の三月末現在で一万三千八百検体の検査を都道府県の方でやっていただきまして、環境庁の方に御報告願っているという実績が既にあるわけでございます。このような状況から見まして、今回の指針値の施行後におきましても、都道府県において適切な実態把握が引き続き行われるものであるというふうに私どもとしては期待をしているわけでございます。
 財政的な面につきましては、環境庁は従来から都道府県に水質の分析機器の整備拡充ということで財政的な援助をしてきているところでございますので、そういった分析機器を御活用願えばいいのじゃないかというふうに考えております。
#27
○篠崎年子君 今お話がありましたように、都道府県でそれぞれの地域の実情に応じてまた指針値にかわるものを設定するということで厳しい措置もとられていくと思いますが、先般新聞にちょっと出ておりましたけれども、茨城県では指導要綱を改正して農薬三十種類の使用回避を決めたということが報道をされておりまして、その中では、環境庁の指針の二十一種類のうちの八種類が使用できないことになっている、こういう厳しい規制が行われるということでございます。
 そうしますと、やはり環境庁としても、先ほどこれから見直していって暫定をもっとより安全なものにしていくということでございますので、今後十分に御努力をいただきたいと思いますが、この点について再度お尋ねいたします。
#28
○政府委員(安橋隆雄君) 県の方でそれぞれの地域の実情に応じた御判断で、私どもが指針値をつくりました農薬、つまり排水口でその指針値を超えない値でありますと十分御注意いただいて使っていただけるということに国の一般レベルでなっております農薬につきまして、毒劇物でありますとかあるいは水生生物に特に強い影響を与えるようなものについての使用を極力避けるというような御指導をなさることは今回の通達でも認めているところでございます。
 その制限の仕方あるいは農薬の使い方につきましての制限の仕方については、都道府県の知事さんの御判断で地域の実情に応じた現実的な対応がなされるものと思っているわけでございますが、環境庁といたしましては全国一律のいわば基準ということで一般的な基準をお示ししたわけでございます。それも、ただいま御説明しましたように、緊急な事態に対応するために専門家の意見も聞いて十分慎重に出したものでございますけれども、今後知見が変わってくるというようなこともあり得ますので、この点につきまして新しい知見が得られるとかいうようなことになりますと指導の改善というようなこともあり得るのではないかと思っているわけでございます。
#29
○篠崎年子君 水濁法の中には、特定施設というものを設けて制限されるようになっているようですけれども、この特定施設ということの中にゴルフ場は加えられないものでしょうか。
#30
○政府委員(安橋隆雄君) 水濁法上の特定施設というのは、工場、事業場に設置されます汚濁物質を流し出すような施設を典型的に頭に置いて構成されているものでございますけれども、このような面的な広がりを持つゴルフ場全体を水濁法の工場、事業場に設置されている特定施設というようなことで規制対象施設にするかどうかについてはいろいろな面で今後とも慎重に検討していく必要があるんじゃないかというふうに考えておりまして、むしろゴルフ場の農薬排水問題というのは、ただいまも申し上げましたとおり、農薬のゴルフ場からの排水の暫定指針という通達も出したところでございますので、当面この指針によります対策を実施していきまして、都道府県に十分実態の把握に努めていただきますとともに、この指針の範囲内でさらにできるならば農薬の使用量を削減していただくというようなことで対応していただくのがいいのではないかというふうに考えているわけでございます。
#31
○篠崎年子君 次に、環境白書について少しお尋ねいたしたいと思います。
 環境白書は、ことしは総論と各論に分かれて提起してありまして、環境庁にそれなりのやる気が見受けられて大変私も敬意を表するところですが、その中で三百三十八ページに「水道水源の汚濁」という項がございまして、そこに「水道水源の汚染事故により影響を受けた水道数は昭和六十三年度には七十三か所であった。」、前年度よりも九カ所減少しているということで大変結構なことだと思いますけれども、これはどういうふうな汚濁事故があったんでしょうか。
#32
○説明員(藤原正弘君) お尋ねの事故件数でございますが、各水道事業体から報告のありました水質事故について整理したものでございまして、昭和六十三年度に被害を受けた事業体の数は白書にありますように七十三カ所でございます。その七十三の事業体における事故の総件数は百一件でございました。それを前年と比べますと、前年はこの水道事業体の数が八十二カ所でありまして、先生おっしゃいますように九カ所多かったわけであります。また、その件数は百四十一でありまして、これも四十件ぐらい多かったわけであります。
 それで、どういう事故があったか、また変化したかということでございますが、内訳をちょっと見てみますと、油の流出というのが六十三年度三十四件、それから工場からの汚濁物質の流出が十三件、それから工事とか災害による濁水、これが十七件、その他三十七件ということであります。前年と比べまして大きく変化しておるところというのを見てみますと、工場からの汚濁物質の流出事故の件数というところが大きく減少しておるということでございます。全体的な件数は、年によりましていろいろ変化しておりますので六十三年度は変化しておりますが、まだもう少し次の年も見てみないと全体的な減少傾向であるかどうかということははっきりしないと思います。
#33
○篠崎年子君 今の御説明によりますと、油というのが出ておりますけれども、この油というのは工場の油なんでしょうか、それとも家庭からの油なんでしょうか。
#34
○説明員(藤原正弘君) 油が流出したというものの中で先ほど三十四件と申しましたが、工場の操業のミスで油が流れ出たというのはそのうち十二件でございます。それから、車両ですが、これの事故でこぼれたというのが五件でございます。その他十七件ということになっております。
#35
○篠崎年子君 今の欄の一番最後の方にもありますように、「水道の水源は、可能な限り清浄であることが望ましく、水源水質の保全は一層重要な課題となっている。」ということになっておりますので、これからも十分気をつけてやっていただきたいと思います。
 次にお尋ねいたしますが、今読み上げました文章にもありますように、「水道の水源は、可能な限り清浄であることが望ましく、」と、こうなっておりまして、国としても水道水源への注意を十分していかなければならない問題だと思います。特に水道法の中では「清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、」ということになっております。
 この水源対策につきましては環境庁の方でも今後十分な御努力を払っていただきたいと思いますが、そこにもありますように水源が「可能な限り」、「望ましく」ではなくて、これは言葉をもっと強めて書いておいた方がいいんじゃないかと思いますが、この辺はいかがでしょうか。
#36
○政府委員(安橋隆雄君) 御指摘のように、水道水源の水質の保全ということは非常に重要な問題でございまして、環境庁で所管しております水質保全行政上も最重要課題の一つであるというふうに認識しているわけでございます。このために、水濁法によります各種の排水規制でございますとか、あるいは湖沼水質保全法に基づきます湖沼水質保全計画の着実な実施ということで積極的に水をきれいにする必要がある水道水源については特に重点的な対策を実施しているということでございます。
 表現が受け身形になっているということで委員に消極的な印象を与えたかもしれませんが、私どもとしてはまさに積極的に最重要課題として水道水源の保全ということに取り組んでいるところでございますので、ひとつ御理解いただきたいと思います。
#37
○篠崎年子君 今年度の環境白書の副題が「地球にやさしい足元からの行動に向けて」という言葉を使ってありまして、地球規模の環境問題に取り組んでいる姿勢を見せていらっしゃるということで敬意を表したいと思います。
 そのことには同感ですけれども、地球規模ということを強調する余り、足元が見落とされてはいけないと思うわけですね。やはり自分の足元がまず第一だと思います。その意味で今度の水濁防止法で生活排水を取り上げたということは大切なことだろうと思っておりますが、この環境白書の中に昨年ありました「都市の生態系循環の再生」といったようなことで、都市化とそれから水質汚濁の進行あるいは水道原水の水質の推移とか河川の経年変化といったようなことがちょっと抜けているような気がするんです。特にことしは水濁防止法等の一部を改正する法律案が出された年でもありますので、やはりそのところにちょっと触れていただきたかったなという思いがするんですけれども、いかがでしょうか。
#38
○政府委員(安原正君) 先生御案内のように、環境白書におきましては毎年特定のテーマを掲げまして特集を組ませていただいておるわけでございまして、昨年は「都市の生態系循環の再生」の問題を取り上げさせていただきました。そして、ことしの白書におきましては地球環境問題の国内の取り組みを中心としまして特別テーマとして取り上げさせていただいたところでございます。
 しかし、地球環境問題と申しましても、やはり、具体的な解決は、先生御指摘のとおり、足元から地道に着実に対応していくということが必要でございます。その際、地球環境問題だけではなくて、あわせて国内の環境問題も一体的に取り組むということが重要であろうと考えております。そういう観点に立って今回の白書ではいろんな具体的な政策提言をさせていただいておるということでございまして、国、地方公共団体、民間企業、国民、それぞれの主体がこういうことをやっていただいたらいいんではないかということを提言させていただいたわけでございます。
 そこで、先生がおっしゃっております都市の水循環の問題が十分ではないじゃないかという御指摘でございますが、それにつきましても私ども引き続き重点的に取り組んでいく必要があると考えておりまして、白書ではございませんが、今後の都市づくりに昨年提起いたしましたような考え方を具体的に取り組んでいっていただくことが必要だと考えておりまして、地方公共団体におきましてエコポリス計画を策定するというような場合にそれに助成をさせていただくというようなこともやっておるわけでございますし、それから具体的に白書で提言しましたようなことを進めていくための対応戦略をどうしたらいいかということも今環境庁内部で鋭意検討を進めさせていただいておるところでございます。
 なお、この白書の中では、それに関連する部分としましては今申しました「地方公共団体の取組」という中で「環境にやさしいまちづくりの推進」というところである程度の叙述をさせていただいておるということでございます。
#39
○篠崎年子君 さらにお尋ねいたしますが、環境白書の副題が「地球にやさしい足元からの行動」ということについて、先ほどは足元を大事にしなければならないと、こう申しましたが、また一方では地球規模も考えていかなければならないと思うわけです。
 御存じのとおり、本年四月二十二日は全世界的にアースデーということでいろんなところで取り組まれております。地球環境を守るということで取り組まれているわけですが、全世界で百三十カ所、約一億人の人たちがこれに参加したと伝えられております。我が国でも、民間団体等が主催をいたしまして夢の島を中心とした地区とあるいは各地域でもそれぞれの行動が行われておりますようで、百カ所ぐらいのところでこれが行われたと報じられておりました。何でもお役所が主導しなければならないということではなくて、民間が主体的に取り組むということも大切だとは思います。しかし、環境庁という名前の庁がある以上は、やはり環境庁がこういうところに主導権を発揮していただきたかったなと思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。
#40
○政府委員(高橋光男君) ただいまの委員の御質問でございますが、特にアースデーにつきましては、御承知のようにアメリカの民間団体が中心となりまして四月二十二日に行われたということで、それに呼応しまして国内でもいろいろな民間団体が四月二十二日に今御指摘ありましたようにいろんな催しを行ったことは私ども承知しているわけでございます。
 このように民間団体がそれぞれの立場から環境をよくするための行動を起こすということは非常に意義のあることでございますし、また望ましいことであるというふうに考えております。
 一方、委員御承知かと思いますが、国連の第一回の人間環境会議、一九七二年でございますが、この会議におきまして国連の環境の日というのが六月五日と定められたわけでございます。この制定に当たりましては日本政府代表の提案によりまして行われたという経緯もございまして、国連機関におきましてはこの六月五日を国連環境の日としてことしもいろいろな国々で行事が行われております。国内におきましてもこの六月五日を初日にいたします一週間を環境週間といたしまして国、地方公共団体、そのほか民間団体を含めまして、私どもの承知している限りにおきましては三百以上の団体、機関が七百以上のいろいろな催しを行っているということでございます。
 特にことしにつきましては、先ほど来のお話もありましたように、やはり環境意識の高揚を図っていかなければならないという観点から、東京都におきましては環境庁以外の団体も含めまして七団体でエコライフ・フェアというのを行っております。エコライフというのはエコロジカルなライフスタイルという意味でございまして、まさに一人一人がみずからの生活の中でエコロジカルに調和した生活をしていくということの意識の喚起のためのフェアでございまして、このような催しを通じまして今後ともこのような国民一般の足元からの環境改善の努力ということに対しましての広報活動を図ってまいりたいと思っております。
#41
○篠崎年子君 次に、この改正案についてさらにお尋ねをいたしたいと思います。
 河川、湖沼等の汚濁負荷の約七割が家庭からの排水だと言われております。家庭からの生活排水と企業からの排水とでは根本的にその物質が違っていると思うのですけれども、それを一律にBODとかCODとかで河川、湖沼の汚れをくくってしまうということに少し問題があるのではないだろうか。と申しますのは、物質の分解性ということも考えなければならないんじゃないだろうかということで、環境白書の中でも、環境に優しい商品の使用や普及に努めると先ほどお話がありましたが、そういうふうな努力をするということから考えてみましても、環境に優しい商品の使用ということについては、これは長い目で見た場合に結局分解性のあるものあるいは分解されて自然に返っていくものと、そういうふうなことを考えていらっしゃるんじゃないかなと思いますが、この辺はいかがでしょうか。
#42
○政府委員(安橋隆雄君) 先生おっしゃいますように、家庭排水と企業排水とではこれに対します対応の施策の方法も違えていかなければならないと思っているわけでございますが、その前提といたしまして、汚れをはかる尺度といたしましてはBODなりCODなりというような共通の尺度ではかることがまず必要ではないかと思うわけでございます。むしろ産業排水の方は水質汚濁防止法、四十五年に制定されまして以来、罰則をもって担保された厳格な排水規制を行っているわけでございます。家庭排水についてはそういった制度もございませんでしたし、今回何らかの制度的仕組みが必要だということで仕組みを御提案申し上げているわけでございます。
 ただ、企業排水と同じような手法で取り締まるということは家庭排水についてはなじみがたいということでございますので、やはり各家庭に水質保全の重要性を理解していただきまして、各家庭一戸一戸から流れ出る汚濁負荷量は小さくてもやはり汚染の原因になっているんだということを御理解いただきまして、その上でできるだけ汚さずに流していただくということで御協力をいただくということが必要だと思っているわけでございます。
 それからもう一つは、先生がおっしゃいましたように、環境に優しい商品についての普及促進ということが必要であるということでございまして、環境庁でも日本環境協会でつけておりますエコマーク商品の推奨というようなことで対策を講じているところでございます。
#43
○篠崎年子君 御説明いただきましたのでわかったような、少しわからないところもあります。例えば、環境に優しい商品ということで今エコマークをつけたような商品とおっしゃいましたね。それはどういうふうな商品なんですか。一つの例を挙げていただくと例えばどういうものがあるということを。
#44
○政府委員(安原正君) エコマークの事業につきましては日本環境協会の方で実施しているわけでございます。今具体的に幾つかの商品が指定されておりますが、まあ代表的な例を申し上げますと、スプレー商品の中でも特定フロンを使っていないような商品、これにつきましてはエコマークをつけましてそのことを明らかにし、消費者の関心を持っていただく、そして推奨していくということをやっております。
 それから、例えばこの環境白書につきましては、これは再生紙を使っておりますので、そういう環境関係の再生紙を使った書籍につきましてはエコマークをつけるというようなこともやっております。具体的にはこういうものでございます。それが一例でございます。
#45
○篠崎年子君 これからもそういったようなことで努力をしていただきたいと思いますが、例えばプラスチック類ですね、こういうものについてはどんなふうでしょうか。これは土の中に埋めてもやはり長く腐らないで残っているとか、あるいは川などに流れたものもそのままの形でずっと残っていくわけですね。
 やはり、環境に優しい商品ということを考える上からはこういうところにも目をつけていくべきじゃないだろうかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#46
○政府委員(安原正君) 御指摘のように、できるだけ環境に優しい商品づくりを企業自身が考えていっていただく、またその点につきまして消費者の方も関心を持っていただきましてできるだけ環境に優しい商品を使っていただくということが重要かと考えます。
 そういう観点から申しますと、今先生御指摘のプラスチック商品につきましては、環境との関係がございますので、ごく最近でございますと例えば分解しやすいものにかえていくとかいうような試みもなされておりますが、そういう意味でのいろんな技術開発、あるいはそれにかわるような材質を用いるとかいろんな工夫が必要かと考えております。今後ともそういう方向で努力をしていただきたいということで働きかけをしていきたいと考えております。
#47
○篠崎年子君 今回の改正案もそうですけれども、環境行政を初めほとんどの行政が、国は指導、あとは都道府県なり市町村なりが実施主体ということになっております。行政の体系上そうならざるを得ないというところもあるかと思いますが、やはり環境行政では特に環境庁が率先してその範を示していかなければならない、特に水濁防止法の監視を強めなければならないと思います。この場合、やはり監視、取り締まりということが大変大切になってくるかと思います。
 そういうことにつきまして、環境庁では人員をどのように確保していらっしゃるのか、あるいは予算をどのくらい今回とっていらっしゃるのか。
#48
○政府委員(安橋隆雄君) 水質汚濁防止関係の排水につきましての監視体制でございますが、原則といたしまして監視の事務をやっていただきますのは都道府県ということでございまして、環境庁の方ではその水質の調査方法を定めたりあるいは財政的な援助を行うというような形で企画立案の方の事務を担当しているわけでございます。
 その監視、取り締まりのための予算でございますけれども、全体といたしましては平成二年度の予算で六十億三千万円でございます。このうち環境庁分が十六億二千五百万円でございます。
 それから、人員でございますけれども、国の方では今言ったような意味で企画立案といった基本的なものでございますので、水質保全局で十四名の職員が公共用水域の監視関係の仕事に携わっているわけでございます。
#49
○篠崎年子君 次に、健康項目と生活項目の環境基準と排水基準ということにつきまして、これは早急に見直して環境対策を立てていかなければならないんじゃないかと思っております。現在の科学の進歩は目覚ましく、我々の予測もつかない速さで進歩をしておりまして、したがって健康項目十一種類に昨年十月から改正をされておりますが、今後この環境基準を達成するため、あるいは排水基準も早期に見直していかなければならないと思いますけれども、次回の見直しほどのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
#50
○政府委員(安橋隆雄君) 健康項目につきましても生活環境項目につきましてもでございますが、私どもとしては、基本的には時代の要請に応じましてそのときどきの行政需要に応じましてこれの追加をしてきているわけでございます。例えば、PCBを追加いたしましたり、あるいは湖沼につきまして全窒素、全燐の追加をいたしましたりしてきているわけでございますし、排水基準につきましては平成元年にトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の有害物質等を追加しているわけでございます。
 今後とも、科学の発達に伴いまして新しい物質が次々に登場するわけでございますが、それが環境あるいは人の健康に影響を与えないようなものであれば話は別でございますが、与えるようなものも中には含まれているわけでございますので、こういった事情の変化を踏まえまして、まず私どもで調査をいたしまして、その調査の結果を踏まえまして必要がありますれば環境基準あるいは排水基準の新たな追加というようなこともやってまいりたいと思っているわけでございます。ただ、何年何月に追加するというようなところはまだ今の段階では確定しておりませんが、調査結果を待って、有害なものが環境中に広がっているというような事態を把握いたしますれば直ちに対応したいと思っているところでございます。
#51
○篠崎年子君 調査の結果によりまして早くなったり、あるいはもっと急がなければならないものが出てきたときにはその場でもということで理解したいと思います。
 次に、現在の公共下水道のことについて。
 これがなかなか進んでおりませんで、先般の委員会のときにもお尋ねいたしましたが、現在は四〇%ということです。そこで、それを補うために、あるいは生活環境をよくしたいということで浄化槽が大変普及をしているようでございまして、現在は水洗トイレ使用人口の約半数の三千三百万人が浄化槽を使用しているということのようでございます。ところが、浄化槽の設置、約六百七万基ですけれども、そのうちのし尿の単独浄化槽、これがその中の約五百九十七万基と圧倒的に単独浄化槽が多くなっているわけです。
 しかも、これらのものについて見ますと、排水基準値がBODで単独浄化槽は九十ppmとなっております。これは各家庭のものあるいはその数人の集まったものといろいろあるかと思いますけれども、どうも管理がずさんで、初めは効力があってもだんだんその効力が衰えていっているとかというようなことがあるようでございます。公共下水道あるいは合併浄化槽のBODが二十かと思いますけれども、できるだけ単独浄化槽もこれに近づける努力をしなければならないんじゃないだろうかということで、この基準について今後変えられるというおつもりはないでしょうか。
#52
○説明員(鈴木俊夫君) お答えいたします。
 浄化槽の処理性能につきましては建築基準法で定めておるわけでございまして、御指摘のように、単独処理の浄化槽につきましては通常の使用状態で九十ppmといたしております。浄化槽内に多様な微生物等がございまして高い浄化力が期待されますこの合併処理槽とは違いまして、単独処理の浄化槽につきましては、この九十ppmより厳しい処理性能を達成することは現時点では経済性との観点も考慮いたしますと技術的には難しい段階でございます。それともう一つは、先ほど来御指摘ございますように、やはり汚濁負荷の大宗は生活雑排水でございますから、これとやはり一緒に処理するということは重要でございます。
 ということで、建設省といたしましては、合併処理浄化槽の推進をやはり進めていくというのが急務ではないかと考えているわけでございます。
#53
○篠崎年子君 そうすると、合併浄化処理槽に切りかえていく場合に、これはいろいろ財政的に非常に問題が出てくるんじゃないかと思いますが、そういうことについての補助というようなことは考えてあるんでしょうか。
#54
○政府委員(安橋隆雄君) 合併浄化槽につきましては、厚生省の方で導入する場合の市町村補助が行われます場合には国の方でも補助するという制度を設けていただいておりまして、平成二年度予算では三十二万基分三十二億円の国費を計上されているというふうに聞いているところでございまして、平成元年度の二十億円から見ますと六割増の予算が計上されているというふうに聞いております。
#55
○篠崎年子君 次に、よく水がおいしくないと言われております。
 私も長く宿舎をあけておりまして久しぶりに帰ってまいりますと、やっぱりお茶がおいしくない。特に朝など大変カルキ臭い水が出てまいります。その原因はいろいろあるかと思いますけれども、結局は浄水場で塩素過多投入ということがこの原因になっているんじゃないだろうかと思いますが、やっぱり水の汚染が進みまして年々にこの塩素の投入量がふえてきているんではないだろうかと思うわけです。
 その大きな原因というのは、アンモニア性窒素にあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#56
○政府委員(安橋隆雄君) アンモニア性窒素が水をまずくする原因の一つではないかという御指摘でございます。確かにそういう面もないではないと思われます。
#57
○篠崎年子君 ある学会の発表によりますと、水道原水中のアンモニア性窒素による汚染は、浄水場での塩素の過大投入を招き、水道水中のトリハロメタンをふやしてしまうので、下水処理場でアンモニア窒素を除去すべきであると、こういったようなことが言われているようです。
 特にトリハロメタンにつきましては再々問題として取り上げられているところですけれども、当面の手段としてやはりこのアンモニア性窒素ということを排水基準の中に加えてはどうだろうかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#58
○政府委員(安橋隆雄君) アンモニア性窒素が問題になりますのは二つの面があるかと思います。
 一つは、病原性の細菌による汚染の指標としてアンモニア性窒素の存在が問題になります。もう一つは、有機窒素化合物が生物分解される過程で出てくるものであるという観点に着目したものでございます。
 この第一点の、病原性の細菌の汚染の指標という点に関しましては、既に大腸菌数というようなものを基準の中に入れておりますので、これで対応ができるのではないかと思っております。
 それからもう一つの点の、有機窒素化合物が生物分解される過程で出てくるものだという点に関しましては、有機汚濁という観点でCODないしBODではかっているということである程度カバーできているのではないかというふうに思っているわけでございます。むしろそのアンモニア性窒素の問題は、全国一律の排水基準ということで対応いたしますよりも、特定水域の地域レベルの対応によって水道水源の対策を充実していくということで対応する方がより現実的ではないかというふうに考えているところでございます。
#59
○篠崎年子君 次に、環境白書の二百三ページですけれども、ことしはこの白書の中で初めて「草の根の行動」として「地球市民の役割」を強調しております。
 それによりますと、環境改善のために週に二時間を環境問題に関する活動に費やすなりお金を寄附するなど、環境改善に努力したいと考えますかということで各国の回答が載せられているわけですが、これを見ますとほとんどの国が、進んで努力をするとしたものが低いところでも七〇%、高いところでは九八%というふうに、一般人の場合ですね、リーダーはもう一〇〇%のところもあるわけですけれども、こういうふうになっているわけです。だから各国平均して八〇%ぐらいの人々が、努力すると、こう答えているわけです。ところが、それをごらんになりましてもわかりますように、日本は幾らかと申しますとわずかに四四%、けた外れに低いわけですね。ここに私はやはり今の日本の環境行政の一端があらわれているんではないだろうかと思うんです。大変な御努力をしていらっしゃる環境庁長官を初め職員の皆様方には大変失礼ですけれども、まだまだ国民の間にこのことが行き渡っていないんではないだろうかという気がするわけです。
 そこで、後でまた感想をまとめてお聞きしたいと思いますけれども、今回の水濁法の一部改正に当たりまして、やはりこれから先は国民に広くこのことを周知徹底していかなければならない、あるいは啓蒙啓発していかなければならないと思うわけで、特に住民参加の協議会というものが大切になっていくのではないだろうかと思っております。
 そこで、環境庁としてどのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
#60
○政府委員(安橋隆雄君) 生活排水対策を実施していきます上で、施設整備とあわせまして、先生が今御指摘の啓発普及というのは車の両輪として非常に重要な対策だと思うわけでございますが、住民と行政が一体となってこれに取り組むというような手段の一つといたしまして、市町村段階で協議会を設置していくということは有効な手段の一つではないかというふうに考えているところでございます。
#61
○篠崎年子君 最後に、職員数についてお尋ねしたいと思います。
 都道府県あるいは政令指定都市での環境行政担当の職員は、公害担当専任が六千五百四十九人、兼任職員が八百九十九人で計七千四百四十八人。それから、市町村では公害担当専任職員が四千二百三十四人。合わせまして一万一千六百八十二人の人たちが全国で公害を担当しているということです。この数は決して多いということはないと思いますけれども、これらの皆さん方が環境を守るために日夜奮闘していらっしゃるということでございます。
 ところで、環境庁の職員の総数は何人で、その中で公害担当の職員は、さっきもちょっと御答弁ありましたけれども、何人いらっしゃるんでしょうか。
#62
○政府委員(渡辺修君) 今年度に最近では異例の六人の純増を確保いたしまして、これを加えて環境庁の職員は九百二十一名でございます。このうち公害担当何人ということはちょっと申し上げかねるかと思いますが、総数は九百二十一名でございます。
#63
○篠崎年子君 九百二十一名。異例の六人も増員したということで大変お喜びになっていらっしゃいますけれども、やはりもっともっとたくさんふやしていただかなければいけないんじゃないかと思います。
 それで、今、公害担当職員はちょっととおっしゃったんですけれども、どういうわけでしょうか。数がわからないんですか。
#64
○政府委員(渡辺修君) いわゆる公害と並んで、私どもの仕事の大きな柱は自然保護の関係でございます。先生が白書から地方の職員で除外をされたのも自然保護担当職員であったと、そういう意味で申し上げますと、自然保護関係が本庁に七十五名、それから地方の管理事務所等に百七十六名おります。したがって二百五十名余りが自然保護関係でございます。公害研究所の職員をどう見るかというのもございますが、九百二十一名から二百五十名を引きますと六百七十名ほどかと、こう思いますがよろしゅうございましょうか。
#65
○篠崎年子君 皆さんの機構がよくわかりませんので今の数字だけ聞いてはどんなになっているのかなと思うんですけれども。
 言いかえてみますと、環境庁の職員の皆さんは九百二十一名で、その中の自然保護の関係の方が七十五名、それから地方に百七十六名いらっしゃる、残りの方々が皆さん公害担当の職員だと、こういうふうに理解してよろしいんですか。
#66
○政府委員(渡辺修君) ですから、例えば私ども官房の職員は自然保護も公害もあわせてやっております。大臣以下やっておりますので、そこはなかなか区分しがたいと。
 それから、私が答弁の中で地方と申し上げましたが、これも九百二十一名の環境庁の職員の内輪でございます。
#67
○篠崎年子君 地方に出ている人ですね。
#68
○政府委員(渡辺修君) はっきり、自然保護の担当職員は正確に二百五十一名、これを除くと六百七十名になるということでございます。同じ職員が両方の柱を兼ねているというケースもございますので、きちっと区分けはしにくい面がありますので御了解をいただきたいと思います。
#69
○篠崎年子君 企画立案から指導まで全国にまたがってということで大変ですけれども、やはり皆さん大いに今後も努力をしていただきたいと思います。
 最後に一言だけつけ加えさせていただきますと、今回の生活排水の問題ですけれども、これはどんなに机上で計画をしても、やはり、それぞれの家庭の皆さん、国民一人一人がこれを理解していかなければこの目的は達成することができないと思うわけですね。そのことにつきまして今後環境庁としてどういうふうな方法で国民に徹底しようとされるのか、環境庁としてのお取り組みの決意のほどを最後に長官の方からお聞かせいただきたいと思います。
#70
○国務大臣(北川石松君) 篠崎委員の環境に関しての大変御理解のあるいろいろの御質問を受けまして、また人員の足らざるところとかいろいろ御指摘を受けますと、環境庁といたしましては、国民の御理解も得なくちゃいかぬ、御自覚もしていただかなくちゃいかぬ、そういう意味で環境教育といいますか環境倫理といいますか、そういう点についても、今後とも地方自治体を初めあるいは文部省関係の学校にも、子供にも私は環境教育をするようにお願いをして、そしてまた先ほど政府委員が答えましたが、この環境週間の中で国民の中に大きくこれをPRし御理解をしていただかなくらゃいかぬ。それがやはり環境を一歩一歩よくすることになっていくと思っております。
 そんな思いを込めまして環境庁といたしましては、政府の効率簡素化ということで人員は少のうございますが、先ほど官房長が答えましたように、大臣以下全員本当に一生懸命にこの環境問題に積極的に取り組みまして、また環境庁といたしましては今後地球環境部を設置すると同時に国立公害研究所を国立環境研究所に再編いたしますとともに、今後とも環境行政に積極的に取り組んでまいりたい、このように思っております。
#71
○篠崎年子君 終わります。
#72
○委員長(大森昭君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時五十分まで休憩いたします。
   午前十一時五十分休憩
     ─────・─────
   午後零時五十三分開会
#73
○委員長(大森昭君) ただいまから環境特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#74
○清水澄子君 まず、この水質汚濁防止法等の一部改正案について、いろいろな理解しにくいところが幾つかありますので御質問したいと思います。
 まず最初に、アメリカのカリフォルニア州では、水をいろいろな用途に使う場合、公衆衛生に危険は生じていないけれども例えば下水とか工場排水によって不利な影響を与えられている水は汚濁と言い、そして公衆衛生、いわゆる人体に危険を与えている水の場合を汚染というふうに使い分けしているわけですけれども、日本ではどうして水については汚濁、大気については汚染と使っているのですか。その言葉の違いといいますか定義は何なのか、お教えいただきたいと思います。
#75
○政府委員(安橋隆雄君) 水質汚濁防止法は昭和四十五年に制定されたわけでございますが、それの前身でございます公共用水域の水質の保全に関する法律というのが昭和三十三年に制定されておるわけでございます。この法律におきまして既に水質の汚濁という言葉を使っておりますので、一つは、そういう沿革があったのではないかと思われます。
 ただ、大気の汚染に対しまして水質で汚濁、濁りという言葉を特に使っておりますのは、そういった沿革のほかに、水質の場合は、有害物質によります汚染のほかに有機性の排水の場合には浮遊物質による濁りというようなものも伴う場合が一般的でございますので、むしろ汚染という言葉よりも汚濁という言葉の方を選んだのではないかというふうに考えられるところでございます。
#76
○清水澄子君 それでは定義はないわけですね。
#77
○政府委員(安橋隆雄君) 汚濁と汚染の違いについての定義は特に法律上ございません。
#78
○清水澄子君 それでは、この水質汚濁防止法が制定されましたのは昭和四十五年ですが、当時、この法律をつくらざるを得なかった社会的な背景と、そしてこの法律の目的は何であったのか、お聞かせください。
#79
○政府委員(安橋隆雄君) 昭和四十五年当時と申しますのは高度経済成長期の後半期に当たっておりまして、特に産業排水を中心といたしましていわゆる水質の汚濁が顕著に進んでいたわけでございますので、こういったいわば水質公害を防止するという観点から産業系の排水の規制を中心に置きました水質汚濁防止法というものの制定を見たというふうに考えておるところでございます。
#80
○清水澄子君 それでは、その汚濁防止法の第一条の目的には、工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出及び地下に浸透する水を規制するとともに、今度は生活排水対策の実施を加えているわけですね。
 それでしたらば、生活排水を規制することについては私は必要だと思います。だけれども、工場など産業系排水の汚濁、汚染の規制はもう解決されましたか。
#81
○政府委員(安橋隆雄君) 今申し上げましたのは昭和四十五年当時の背景とその背景を踏まえた制定当時の考え方ということで御説明させていただいたわけでございますが、その後の事情の変化によりまして、例えば今おっしゃいました地下水汚染対策でございますけれども、有害物質を含んだ水が地下に浸透して悪影響を及ぼすというようなタイプの公害が出てまいりましたので、昨年、水質汚濁防止法の改正案を提出いたしまして国会で御承認していただきまして、目的につけ加わった。この関係につきましては平成元年十月から施行されているところでございます。
 それから、現在の状況でございますけれども、有害物質関係の環境基準につきましてはかなり改善が見られたところでございますが、生活環境項目につきましては最近環境基準の達成率が横ばいの状況になっているわけでございます。また、特に閉鎖性水域と言われておりますような例えば東京湾のような海のようなところ、それから河川でも都市内の中小河川あるいは水のよどみが見られる湖沼などにおきましては水質改善が進んでいない、むしろ悪化の兆しさえあるということでございます。そういうようなところの多くは汚濁の見過ごすことのできない原因といたしまして生活系の汚濁というようなものがございますので、これにつきましても今回の法律改正で仕組みを準備したいと考えて御提案申し上げているところでございます。
 ただ、規制方法につきましては産業系の規制方法がそのまま生活系排水の規制方法にはなじまないということでございますので、施設の整備と、もう一つは普及、啓発という国民の理解をいただきまして、その自覚の上に立った御協力をお願いするという形で法案の仕組みを準備いたしたわけでございます。
 そういうことでございますので、私どもといたしましては産業系の規制を軽んじるという考え方は全然ございません。この生活排水の法律改正案をお認めいただきますれば、また産業系の規制につきましても必要に応じ充実強化してまいりたいと考えているところでございます。
#82
○清水澄子君 私は、今回のこの産業系排水の汚濁汚染の規制をもっと厳しくしながら家庭排水とあわせて取り組むべき問題じゃなかったかと思いますが、今回は家庭排水にのみ重点を置かれているところに非常に疑問を感じました。
 そこで、今産業系排水は軽視していないとおっしゃったので、それは次に引き続いてまたおやりになるわけですね。
#83
○政府委員(安橋隆雄君) 産業系排水につきましては昭和四十五年の水濁法制定当時から罰則を盛った厳しい排水規制を実施してきているところでございますが、なお一部のすそ切りの問題、特定施設の問題等もございますので、今後生活系の排水対策と並んでさらに充実強化していかなければならないものと考えております。
#84
○清水澄子君 そしてまた、この法案の目的の中の一つに地下水の問題がありますけれども、地下水の水質及び水量を保全するためには、この水濁法の施行だけでどこまで保全が可能とお考えでしょうか。その有効性と限界性、今後の課題について御見解をいただきたいと思います。
#85
○政府委員(安橋隆雄君) 地下水の汚染問題につきましては、有害物質を含んだ水が地下に浸透するという事件が一昨年、一昨々年来起こっておりましたことを受けまして、昨年、水質汚濁防止法の改正をお認めいただきまして有害物質を含んだ水の地下浸透の禁止、それから常時監視体制の整備ということを内容といたします法律改正が成立したわけでございます。
 ただ、地下のことは目に見えない世界でございますので、なかなか実態把握が難しいという問題がございます。したがいまして、まず予防対策ということで有害物質を含んだ水の地下浸透禁止ということを中心とする改正が行われたわけでございますが、今後の課題といたしましては、既に汚染された地域の回復対策といったもの、あるいは地下浸透に伴います汚染機構の解明といったところが今後の課題になろうかと思っておるわけでございます。
 また、有害物質も、ただいまのところトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等を指定しているわけでございますが、今後新しい化学物質がどんどん発明され使用されることでもございますので、それらがどのように地下水に浸透するかというようなことも常時調べまして、その結果を踏まえまして規制の必要のあるものについては時代の要請に応じて追加してまいりたいというふうにも考えているところでございます。
#86
○清水澄子君 では、厚生省の方に伺いたいと思います。
 厚生省は五月十七日にようやく国民の世論に押されてゴルフ場の農薬に対して二十一種目の目標値を設定されました。しかし、これは水質汚濁の防止にかかわる暫定指導指針なんですね。私はこれでは不十分だと思いますが、これらは二十一種目で今後も続けていかれるわけですか。
#87
○説明員(藤原正弘君) ゴルフ場使用農薬による水道水の汚染が懸念されますので、主要なゴルフ場使用農薬につきまして先般水道水の水質目標値を設定したところでございます。
 ゴルフ場で使用されている農薬は多岐にわたっているため、検討対象農薬については全国のゴルフ場において広範に使用されている主要なもの及び各都道府県の調査において検出例のあるものから二十一種類を選定したものでございます。これによりまして、主要なゴルフ場農薬はカバーできたと考えておりまして、これらの農薬についてのモニタリング等を指導していくこととしておりますが、今後、都道府県における調査等についても把握の上、必要であれば対象農薬の追加も含め適宜適切な対応をしてまいりたいと、このように考えております。
#88
○清水澄子君 それでは、去る六月七日に東京、神奈川、長野などの一都九県で構成されております関東知事会が全会一致で国に対する共同要望を決定しております。
 その内容を見ますと、ゴルフ場で使用する農薬の河川など水質への影響が非常に大きいということを指摘する中で、農薬にかかる水質の評価基準等が確立されていないことが最も大きな原因であるということを指摘をしておりますが、この点についてはどうお考えになりますか。
#89
○説明員(藤原正弘君) 先ほども答弁いたしましたように、全国のゴルフ場で主に使われているものということで選びまして、当面の暫定的な水質目標値を設けたわけであります。
 したがいまして、この二十一の農薬の基準値を守って適宜やっていただければ大半の問題は片づくというふうに思っておるわけであります。もちろん、ゴルフ場で使われる農薬はいろいろなものがございますので、この中に入らないものもあろうと思います。これにつきましては、先ほど答弁いたしましたように、問題があれば適宜またその都度検討してまいりたいというふうに考えておりますが、当面はこれで対応ができるというふうに考えております。
#90
○清水澄子君 さらに、この要望書は農薬全種類の指導指針を出しなさいということを要望していますが、その点をどうお考えになるかということと、今は二十一種類をやれば大半が解決するとお答えになったんですけれども、それではそういうことで二十一種類で今後は解決するとお考えになっているのですか。
 それとあわせまして、この中にはやはりゴルフ場で使用する農薬による水質への影響調査方法、それから水質の分析方法及び水質の評価基準を早期に確立してほしいということが述べられています。そしてまた、都道府県がゴルフ場周辺の水質検査を統一的に行えるような必要な財源措置を講じてほしいということを求めているわけですけれども、これらについてはどのような御見解をお持ちでしょうか。
#91
○説明員(藤原正弘君) 厚生省は水道の水の健康確保という観点から行政をやっておりますので、その立場で申し上げますれば、現在、厚生省でこの水道の水質基準の全面的な見直しの作業をやっておるのでございます。
 現行では水道法に基づいて二十六項目の水質基準が定められておりますし、またトリハロメタンにかかる制限目標値とかトリクロロエチレンにかかる暫定的な水質基準を設けておるというふうなことであります。
 こういう現状の水質基準を平成元年から平成三年までの三カ年をかけまして生活環境審議会の中に設けられております水道部会水質専門委員会におきまして検討していただいておるのでございます。その中で先生御指摘のこの農薬の問題についても当然それを含めまして検討していただいておりますので、当面はこのゴルフ場農薬が緊急の課題ということで二十一農薬について暫定的な水質目標を出しましたが、この専門委員会の検討の中で将来あるべき水質基準のあり方ということについて検討していただく、こういうことになっておるわけでございます。
#92
○清水澄子君 それでは、今水質基準の検討に入っていらっしゃるそうですけれども、何といいましても日本の水道水の水質基準が現在二十六項目、非常に少ないと思います。WHOでも約六十項目、それからアメリカの環境庁の米国安全飲料水法に基づく規制でも約八十三項目に上がっているわけですから、それらに比べまして非常に格段に日本の規制項目というのは少な過ぎるんじゃないかと思います。
 今検討していらっしゃるそうですけれども、その見直される中には、農薬等は今お話しになりましたけれども、非イオン系の界面活性剤、それから発がん性物質、そして放射性物質などを含むおつもりでいらっしゃいますか、御意見をお聞かせください。
#93
○説明員(藤原正弘君) 現在検討しておる水質基準の中に非イオン界面活性剤とか発がん性物質だとか放射性物質の基準を入れる予定であるかどうかという御質問でございますが、これらを含めまして全体的に検討していただいておるところでございまして、まだ結論が出ておりませんので今のところ何とも入れる予定であるというような答弁はできかねますが、それを含めまして検討中であるということでございます。
#94
○清水澄子君 そういうものは検討したいとお答えいただきたいと思います。ここは国会の私たち議員が質問しているわけですから、結論は言えないかもしれませんけれども、そういうものはやっぱり検討する課題であろうというぐらいは私はおわかりだろうと思うんです。特にそれが日本の水質基準の中に入っていないということが今まで大きな問題になっているわけですから、何かそこで、いつも、私たちが幾ら質問しても、その場をとにかく時間が終わればいいという態度だけは改めていただきたいと思います。
 では次に、先ほどの関東の知事会のところのは、これは環境庁に責任があるものだというお答えなのか何なのか、それについてはお答えがありませんでしたけれども、そのことは厚生省ではないというお考えでしょうか。この関東の知事会の水質への影響調査方法とか水質の分析方法とか水質の評価基準を早期に確立してほしいというのは、これほどこの仕事になりますか、環境庁になりますか。
#95
○政府委員(安橋隆雄君) ゴルフ場から流れ出る排水の中に農薬が含まれているかどうかという問題についての調査に関しましては、私ども環境庁の方で対応しているところでございます。
 少なくとも二十一農薬につきましては水質の分析方法といったものにつきまして通達したところでございますが、さらに具体的な調査方法等につきましては再度の通達ということで近く通達したいと考えているところでございます。
 それから、もう一つおっしゃいました財政的な援助の問題でございますが、このゴルフ場の農薬の調査に関しましては一昨年来問題になっておりましたので、実態把握ということで都道府県にお願いしておりまして、既に本年の三月末で一万三千八百検体の調査結果が環境庁の方に報告されているわけでございます。今後の通達後の実態把握についても都道府県において適切に対応していただけるんじゃないかと思っておるわけでございますが、環境庁といたしましては都道府県に対しまして水質の分析機器の整備というような財政的な援助もしているところでございますので、そういったものを御活用いただきたいと考えているところでございます。
#96
○清水澄子君 じゃ、厚生省の方これで結構です。
 そこで、環境庁に伺いたいと思います。
 今厚生省の方が遅まきながらも水道水の水質基準の目標値を見直す作業に入られたわけですけれども、私は当然その水質の基準というのは国際的なレベルに引き上げるべきだと思っております。ところで環境庁の方は、厚生省の方がそういう水質基準を見直すという、そういう作業が起きているときに、今回の改正法はこの第二条の七で生活排水の炊事、洗濯、入浴等の生活に伴う公共用水域に排出される水のみを対象にしていらっしゃるわけですね。それだけで現時点でいいとお考えですか。
#97
○政府委員(安橋隆雄君) 水質汚濁防止法では、制定当時から産業系排水については既に厳しい罰則を担保措置としながら排水基準を守るような仕組みを準備し、それを実行に移してきているわけでございますが、生活排水につきましては仕組みが欠けていたということでございますので、最近の閉鎖性水域等の汚れの見過ごすことのできない要因の一つに生活排水があるということにかんがみまして、しかし、産業系のような厳しい罰則を伴った措置で対応するのではなく、施設整備とそれから普及、啓発という二つの手段によって生活排水対策を補いたい、欠けているところを補いたいということでこの法案を提出させていただいているような次第でございます。そういうような意味で生活排水対策だけをこの際やるんだということではなくて、むしろ欠けているところを補うということでございます。
 それから、先ほども申しましたとおり、昨年は地下水の問題も法律改正の形で規制対象につけ加えさせていただいておるということでございまして、私どもといたしましてはその時代時代の要請に応じて水質汚濁に対します国民のニーズが違ってまいりますので、それに対応した法律改正をしてきたということでございます。
 それから、法律改正を伴わずにできます運用面につきましても有害物質の必要に応じての追加等等の措置をやってきたわけでございますが、今後とも必要に応じまして制度なりあるいは運用の改善には万全を期してまいりたいと存じているところでございます。
#98
○清水澄子君 じゃ、ここで続けて、この第二条の七のところでちょっと理解がしにくいのでお尋ねするんですけれども、第二条の七というのは、今申し上げたように「「生活排水」とは、炊事、洗濯、入浴等人の生活に伴い公共用水域に排出される水をいう。」というふうに定義づけられておりますね。
 そうしますと、水質汚濁防止法の第二条の一には「「公共用水域」とは、河川、湖沼、港湾、沿岸海域」というふうに定義して、下水道法に規定する公共下水道及び流域下水道で終末処理場を設置しているものは除外すると書いてあるんですね。
 ということになれば、下水道で終末処理場で処理されるものはこの対象にならないということになるんじゃないですか。その辺はどうなんですか。
#99
○政府委員(安橋隆雄君) これは、公共用水域の定義をしているのが第二条一項でございますが、その公共用水域の中に終末処理場を設置しているものは除かれるということで定義しているわけですから、その点に関しましては先生のおっしゃるとおりでございます。つまり、公共用水域ではないということでございます。
#100
○清水澄子君 外れるわけでしょう。除外するんでしょう。
 そうしますと、この生活排水というのは公共用水域に出される水をいうのであって、下水道の中に終末処理場が設置されているところに流れる水は対象じゃないということですね。
#101
○政府委員(安橋隆雄君) おっしゃるとおりでございます。
 公共用水域に終末処理場を設置している下水道を除くとなっておりますのは、終末処理場を設置している下水道におきましては既に処理された水が流れ出るものでございますからその水について生活排水対策の対象にする必要はないということで除いているわけでございますので、特に問題はないと思われます。
#102
○清水澄子君 そうすると、自分は下水道に流しているからもう炊事、洗濯、入浴のものは何を流してもいいわけですね。この法律の対象はそこにないわけですから。下水道に終末処理場を設置しているところは、これは関係ないことになる。そうでしょう、一条とつないで見ますとそう読めるんですけれども、これは。
 そうすると、下水道を使っている地域はこの法の対象者ではありませんということになると、この法律はすごく部分的なものですね。
#103
○政府委員(安橋隆雄君) 下水道で処理されます限り、炊事、洗濯、入浴等の水が生で公共用水域に流れ出て公共用水域を汚染するおそれがない、一度処理された後に流れ出るものであるからという意味で公共用水域には定義上終末処理場を通して流れ出る水は除かれているということでございますので、目的的にはそれで完成するわけでございます。
 ただ、下水道自体も、例えばできます汚泥をどのように処理するかとか、あるいは例えばディスポーザーのようなもので本来ごみとして出すべきものを水とともに流し込まれるということになりますと下水処理場自体の負担がふえますので、そういう問題がある限りにおきましては下水道が整備された地域におきます家庭排水につきましてもできるだけ下水処理場の負担がふえないような形で流していただくということがいいことだというふうには考えられるわけでございます。
#104
○清水澄子君 私もそう思います。ですから、そうであるならばこの法律は矛盾があるんです。
 ですから、下水道法もあわせて改正すべきなんですね。下水道を利用する人も、やはり下水道に負担がかからないように自分の生活排水はきれいにしましょうと。そういう意味で下水道法もあわせて改正しなければ、これは非常に不思議な法律なんですね。
 その点は、今後御検討なさいますか。
#105
○政府委員(安橋隆雄君) それは、むしろ法律改正という制度問題よりも、まさに普及、啓発の問題ではないかというふうに考えているわけでございます。
#106
○清水澄子君 ちょっとはっきりしません。研究してみてください。
 だってこの後にきますと「何人も」となってくるんですよ、この法律は。「何人も」と言いながら、ここでは終末処理場のある下水道に流している人はいいですということになっちゃうので、読んでいてすごくわからないんです、一生懸命勉強させていただいたんですが。非常に素人ですので、皆さんの方が御専門でしょうけれども、何か全然おかしくてわからないんです。「何人も」というときは全体を指すわけでしょう。そのときに、ここでは下水道の人はいいですよというんだったら「何人も」に当たらないですね。
 だから、後の方の項目とも関連しておりますので、これはひとつ御検討ください。していただけますか。
#107
○政府委員(安橋隆雄君) 今度「国民の責務」として追加させていただいております十四条の四の「何人も」というところでは、委員御指摘のとおり、どのような下水道を利用する人であろうとしていない方であろうと水をきれいにして流していただく、できるだけ汚さないような形で流していただくというような心がけをしてほしいということをこの法律は言っているわけでございます。
 ただ、その流れ出る水が下水道を通って公共用水域に出るか、あるいは下水道を通らないで公共用水域にそのまま汚れた水が出るかということの違いによりまして環境に与える影響が異なりますので、その後者の方の面で下水道が整備されていない地域においてはより取り組みの重要性が増してくるというような意味で新たな生活排水についての仕組みを準備させていただいている、それとは別に国民全体の心構えとして、下水道を利用するとしないにかかわらずきれいにして流していただくように心がけてくださいという責務を課している、こういうふうな構成になっているわけでございます。
#108
○清水澄子君 まだちょっとはっきりしません。
 じゃ、次に参ります。
 その次の第三条の「排水基準」ですね。これは別に今までと変わらないわけなんですけれども、現行の第三条の排水基準は生活環境項目と有害項目と二つに分けられておりますね。先ほど私は、その中で水道水も含めてこの排水基準についても基準を見直す必要があるんじゃないかということをお尋ねしたんですが、何かはっきりしませんでした。現在、いわゆる有害項目はこの排水基準では十項目しかありませんね。トリクロロエチレンとかテトラクロロエチレンなどもようやく去年入ったという状況で、これほど化学物質が非常に大量にふえているときに十項目でいいということは非常に正当性を欠くと思いますし、今日の現状に合わないと思うわけです。ですから、その点について御検討なさる気がありますか、なぜ今回は現状のままで、ただ家庭から流れるおふろとかこれだけでよかったのですかということをさっきお聞きしたんですけれども、その点でそれらについて今後どのようにお考えにたっているかということをまず最初に答えてください。
#109
○政府委員(安橋隆雄君) 今後もいろいろな科学的知見が新しく出てくるわけでございますので、現実に新しい製品が開発されそれが健康に影響を与えるかどうかというような調査もしなければならないと思っておるわけでございます。そういった調査を踏まえまして、必要に応じまして環境基準あるいは排水基準の新規設定、それから内容の充実等の見直しはしていくべきものと考えているところでございます。
 それから、今申し上げました排水基準、環境基準等の見直しあるいはその検討というものは一応政令以下の段階でできるものでございますから、いわば運用の問題として今後ともやっていきたいと思っているわけでございます。今回御提案申し上げておりますのは、法律の問題として今まで欠けておりました生活排水対策の仕組みの充実というところに着目して改正案の御承認をお願いしている、こういうことでございます。
#110
○清水澄子君 それじゃ、もう一つの方の生活環境項目の方なんですけれども、水質汚濁というのはいつでもBODとCODで大体それを指標にされておりますね。その点で、それが必ずしもそれではかれるのかどうかというのはちょっと疑問を持っているわけなんです。
 例えば、下水道処理水ではBODは一〇ppmぐらいできれいになる、しかし窒素、燐は取れないんですね。そうすると、BODではかってあればこれでもうよろしい、その数値でよろしいということで通るのかどうか、こういうふうにいろんなところに問題がいっぱいあって、例はたくさんあるわけです。
 それから、例えば酸性の強い川はBODは非常に低い、水はきれいです。しかし、生物は何も生きることができません。それでもBODはきれいな低い数字が出ますね。
 それでも水質汚濁というのはBODではかっていればいいんですかということなんです。
#111
○説明員(小林康彦君) お尋ねのBOD、CODにつきましては、それを採用しましたときのねらいといたしましては有機物の指標として採用しておるわけでございますが、試験法を法定いたしますときその試験法に伴います限界というのがございまして、試験法込みの基準測定法を定めますと今度は逆にその測定法ではかった値ということになるわけでございます。したがいまして、その間に少しすき間がある、はかり切れないものがあるということも測定法によりましてはついて回るわけでございますが、実態あるいはそれまで習熟してきました試験法あるいは費用、測定機器等を考えまして、支障のない限りその測定法でいき、足りない場面につきましては新たに項目を追加するあるいは測定法を修正するというような形で努力をしてきておるものでございます。
 したがいまして、例えば窒素、隣等につきましては、湖沼関連につきましては追加をしておりますし、特定の問題に関しましてははかり切れないものについては別途考慮する必要があることは御指摘のとおりでございます。
#112
○清水澄子君 それで、もう一つ続けてお伺いしたいんですが、今後、測定法についてはいろいろ修正もしなきゃならないというふうに受けとめていいわけですね。
#113
○説明員(小林康彦君) 項目によりますが、具体的にBOD、CODという点に関してだけ申し上げますと、現在のところおおむね満足すべき結果、判断ができておりますので、今まで長い蓄積のある指標データの継続性という点もございますので、現状で継続して問題はないというふうに考えております。
#114
○清水澄子君 それでしたらちょっと教えていただきたいんですが、河川の汚濁はBODではかる、そして湖沼や海洋はCODで示されているわけですが、これは統一しない、してはならない何か根拠があるわけでしょうか。
#115
○説明員(小林康彦君) 湖沼あるいは海域につきましては、内部で栄養塩が生成をされ、内部でさらに水質が悪化されるという状況がございます。したがいまして、BODではかえって実態と別の値が出るというような欠陥もございましてCODを採用しているということでございます。
 場所、場所によりまして、その場所について着目いたしますとBODとCODの間にかなり密接な相関がございますので、現在、海域、湖沼につきましてはCOD、それから河川につきましてはBODという形で測定をし、基準をつくっておるところでございます。
#116
○清水澄子君 それでしたら、日本下水道協会が昭和五十六年に発行しました「各種洗剤の下水道に与える影響に関する調査報告書」というのがあるわけですけれども、その石けんと合成洗剤の比較では、BODでは石けんが数値が高いわけですけれどもCODでは逆に合成洗剤の方が数値が高い。この理由は、じゃそこの今の指標からはどういうふうな見解になるんでしょうか。
#117
○説明員(小林康彦君) CODは、測定をしましたときの酸素の必要量でございます。BODは、現在はかっておりますのは、五日間放置をいたしまして微生物の活動等も十分働かせましてその間に消費される酸素の量ということで、いわば自然状態のもとでどの程度分解の対象になる物質が存在をするか、いわば自然状態での汚濁の程度を示すのに便利ということで使われてきているものでございます。
#118
○清水澄子君 環境庁が行っておられるこのBODによる汚濁比較は、有機物の分解性を余り考慮されていないんじゃないかと思うんです。ですから、実態を正しく反映してないんじゃないか。それは石けんと合成洗剤の分解性比較では石けんの方が極めてすぐれているわけなんですけれども、大体環境庁から出されるパンフ資料はいつでも並列に並べて、そして石けんは非常にBODが高いというところだけが強調されていると思うんですが、その点はいかがですか。
#119
○説明員(小林康彦君) 現在の試験法でのBODは、五日間の分解を測定しておるものでございます。ですから、それを超えての分解性につきましての判断は、現在のBOD5といっております測定法でははかり切れないところがございます。
 それから、石けんと合成洗剤を比較いたしますと、有機物の量という点では石けんの方が多いわけでございますが、分解性につきましては石けんの方がいいという状況でございまして、環境の行政の立場から出し上げますと、石けん、それから合成洗剤、いずれも一長一短があるというのが現状でございます。
#120
○清水澄子君 それでは次に、第十四条の三なんですけれども、「国及び地方公共団体の責務」というところがあります。この中で「公共用水域の水質に対する生活排水による汚濁の負荷を低減するために必要な施設」というのは、これは何を意味しているんですか。下水道を普及しなさいと言っているのか、合併浄化槽を指しているのか、何をイメージしたらいいのか非常に読みとりにくいわけです。
#121
○政府委員(安橋隆雄君) ここで申しております生活排水処理施設といいますのは、およそ生活排水を処理してきれいにする施設すべてを指しております。下水道もコミュニティープラントも、それから農業集落排水施設も、あるいは個人で設置されます場合が多い合併浄化槽も、すべて含むものでございます。
#122
○清水澄子君 それでは同じく十四条の三の2ですけれども、「都道府県は、」各「市町村が行う生活排水対策に係る施策の総合調整に努めなければならない。」とありますね。これも何を総合調整するか。例えば、環境庁でも縦割り行政でなかなかやりにくいわけでしょう。それを、市町村が建設省の下水道とか縦割り行政をそんなうまく調整できるんでしょうか。
 その点で、ここは何を調整をしろとおっしゃっているんですか。
#123
○政府委員(安橋隆雄君) 今回の生活排水対策の中心をなしていただく行政主体といたしましては住民行政の第一線に立っていただいております市町村というふうに位置づけているわけでございますが、その生活排水対策を市町村がやっていただきます場合にも水系ごとに考えていくのが自然でございます。合理的でございますが、その水系というのが市町村の行政区画を越える場合が通常でございます。また、従来の産業系排水を中心といたしました環境への影響ということでの水質監視というのは都道府県にやっていただいておりますので、どういった水域がどのような汚染の程度であるかということ自体、都道府県が一番よく承知しているというようなこともございます。
 そのような意味で基本は、生活排水対策は市町村にやっていただくといたしましても、その生活排水対策をやります地域の指定でございますとかあるいは市町村間で利害が対立したような場合の調整といったものは、より広域的な立場から判断ができる都道府県知事にお願いする方がよりうまくいくのではないかというふうに考えておりますので、都道府県の責務といたしましては広域的な観点からの調整業務ということで規定させていただいておるわけでございます。
#124
○清水澄子君 じゃ第十四条の四、「国民の責務」というところですけれども、ここで「何人も、」ということで先ほどちょっと私は疑問があったわけですが、これはまあ後の課題にしておきたいと思いますけれども、ここでは「何人も、公共用水域の水質の保全を図るため、調理くず、廃食用油等の処理、洗剤の使用等を適正に行うよう心がけるとともに、」とあるわけですね。ここで「何人も、」というのは、環境庁の皆さんの頭の中にはこれはほとんど女性をイメージしていらっしゃるんじゃないでしょうか。
#125
○政府委員(安橋隆雄君) これはそういうことではございませんで、国民一人一人ということでございます。もちろん国民の半数は女性であるということは事実でございますが、特に女性を意識して考えているわけではございません。
 それから、さらにつけ加えさせていただければ、「何人も、」の中には個人個人という自然人以外に企業も当然含まれるというふうに考えております。
#126
○清水澄子君 じゃちょっと参考のために、そこにいらっしゃる前の列、大臣から全部、毎日何時間家事の分担をしていらっしゃるか、一人ずつお答えください。
#127
○説明員(小林康彦君) 週に二時間から三時間の間でございます。
#128
○政府委員(安橋隆雄君) 毎日三十分ぐらいだと思います。
#129
○国務大臣(北川石松君) 私は、東京在住中は一人で御飯も炊き、また自分で洗っておりますので、その時間を何時間と言われますと非常に大きな時間であろうと思っておりますが、一遍私の台所を見ていただいたらありがたいと思います。
#130
○政府委員(渡辺修君) 何時間というほどの家事従事はしておりません。
#131
○清水澄子君 これは、私はやっぱり女性を対象にしていらっしゃると思ったんですよ。日本は特に男性はなかなか家事をやらないので、国民生活センターの国際比較の調査でも、日本の男性は全体的に一日に三十四分、そういう統計が出ているほど日本の男性はほとんど家事をやっていない。そういう中でこんなに具体的にだれがこれをやるのかというときに、大体女性をやっぱり対象にしていらっしゃるんじゃないか。
 そのことは水質保全局が出された生活雑排水対策推進のガイドラインというのがあるんですね。これを読みますと、私もちょっと笑っちゃったんですけれども、私も一生懸命やります。やりますけれども、この中では、もちろん三角コーナーにろ紙をつけなさい、その発生源対策ということがあるわけですね、汚濁水の。そして、それには、料理はつくり過ぎないようにとか、それから、石けんや洗剤は計量カップではかって少な目にしなさい、米のとぎ汁は捨てないで庭や植木に散布するとか。
 そうすると、こんなに細かい、スパゲッティのゆで汁からすべて大変懇切丁寧に、国立公害研究所ではすごいことを研究してくれるところだと思うんですけれども、それはお砂糖とかスパゲッティのゆで汁にBODが何ppmとはかればそれはすごいことになりますよ。だけれども、米のとぎ汁なんというのは、日本人はずっと背から米を食べてきて、米のとぎ汁でもって水汚染ができた歴史はないんですね。水汚染というのができてきたのはいつからかというのはおわかりでしょう。水質汚濁防止法がなぜできてきたかというのは、米を食べるようになってできたわけじゃないと思うんです。公害という産業から排出されるそういうたくさんの化学物質によって水質汚濁防止法をつくらざるを得なかったんだと思うんですね。
 それが最近はハイテク産業などでさらに化学物質がもっともっと広範に広がっている。そういうときに、米のとぎ汁は三回までは捨てないで植木にやれと言っても、じゃ、植木やら庭のない人はどうするんですか。だから、これは男性中心の発想だと私は思います。
 これはだれを対象にしているんですか、「心がける」というのは。皆さん全部実行なさいますか、毎日。そして、環境庁の皆さんは全員、米のとぎ汁は三回分植木鉢に、どこかのおうちへでも捨てに行かれるんですか。
#132
○政府委員(安橋隆雄君) 生活排水にかかわるものの中で男性の比率が非常に低いというのは残念ながら事実だと思いますが、私どもがつくらせていただきましたマニュアルは、女性にやっていただくということではなくてだれが生活排水を流す場合にも心がけていただきたいということで、いわば呼びかけのパンフレットとしてつくらせていただいているわけでございますので、そのあたりは御理解いただきたいと思うわけでございます。
#133
○清水澄子君 ですから、私はその中でも、BODだけで見れば米のとぎ汁も汚濁ですよ、だけれどもこれは自然の中に浄化されるものなんです。ですからそのBODだけで物をはかっているというのは一面的じゃないかということの一つでもあると思うんですね。
 私たちは、油を捨てないでおこうとか、それは一生懸命やりたいと思いますけれども、砂糖にはBODが何ppmとか、余りそういうことだけに問題を絞らないで、もっと複合汚染とかいろんな問題で水質汚染していますから、そういう方にも国立公害研究所というのがもっとその役割を果たしていただきたいと思います。
 次に、石けんと合成洗剤の成分の違い、それからまた健康被害の適い、それから分解度の違い、水生生物に与える影響の違いをひとつお聞かせください。
#134
○説明員(小林康彦君) 合成洗剤の人体影響、健康へ与える影響でございますが、厚生省等の研究によりますと、通常の使用方法により用いられた場合、その安全性に問題はないという結論を私ども聞いております。
 それから成分の違いでございますが、合成洗剤はアルキルベンゼンスルホン酸を主体に幾つかの助剤を入れたものでございますし、石けんの方は油脂を中心にしたものというふうに見ております。
 それから水環境への影響でございますが、私ども三点につきまして見ておりまして、一つは分解性の問題、一つは富栄養化の促進の機能、それから三つ目が水生生物に及ぼす影響、この三点でございます。
 分解性につきましては、昭和四十年代までに使用されておりました側鎖型のアルキルベンゼンスルホン酸いわゆるABSが下水処理場の機能を低下させるあるいは河川に泡立ちをもたらすということで問題になりましたが、これは側鎖型から直鎖型に切りかえるいわゆるソフト化が進みまして、LASを中心にしましたものに転換をされ改善をされているというふうに見ております。
 二番目の、助剤に使いました燐が湖沼を中心に富栄養化をもたらし湖沼の水質汚濁を促進している、こういう状況がございましたが、これは有隣洗剤が無燐に切りかわるということで、現在においては燐の問題もほぼ解決をしているというふうに考えております。
 三番目の、生物学的な問題につきましては、現在一般に河川で観測をされております程度の合成洗剤が水生生物に対して影響を与えていると、こう考える根拠は私どもの調査研究の範囲では見当たらないようでございます。
 現在′それらを総合いたしまして、現在の合成洗剤と石けんに関しましては、先ほど申し上げましたように、石けんの方が有機物は多いけれども分解性が速い、合成洗剤の方は有機物は少ないけれども分解性がやや悪いということで、いずれにいたしましても、適切な使用量でお使いいただく、これが水質保全の上からいきますと肝要ではないか、こう考えているところでございます。
#135
○清水澄子君 そこを本当はもっと論議したいところですけれども、ただ一つ、違いは水生生物への影響はないという評価になっているということですけれども、ぜひ研究していただきたいと思います。
 これは、日本水質汚濁研究協会というところの、皆さん方環境庁が委託された調査ですね、この中にもはっきり出ています。全部、水生生物に与える影響から微生物に与える影響から、合成洗剤というものが余りにも日本では大量に使われている、だからこれについては注意をしなければならないというのが、これは皆さん方が委託された報告書の中にも出ております。そしてまた、特にここでは淡水魚に対する急性毒性の記述が出ております。合成洗剤はそういうものとして非常に使用されているわけです。
 それからまた、ことしの二月に出た月刊誌の「サイエンス」という本がありますが、それに千葉県の衛生研究所の福田芳生先生が「魚の鰓障害が示す水質汚染」と題してこの合成洗剤のLASがいかに魚に影響を与えているかというのを出しておられますね。
 ですから、私たちもいろいろ一生懸命、こういう問題についてはよりよい環境をつくりたい、よりよい水質をつくりたいという気持ちでずっと質問したり、市民運動もそれを続けているんだと思うんですけれども、いつも厚生省でも環境庁でも、被害はありませんととても単純にお答えになるんですけれども、もう現実に、そういう千葉県の衛生研究所とか公害研究所でもだんだんそういう研究を、これは時間がかかることなんだと思うんです。ですからぜひ今後もこういうものは御検討いただきたい。特に日本水質汚濁研究協会でも、親の魚よりも卵や稚魚にはさらに影響が非常に大きいということを書いておりますから、ぜひ真剣にこの問題について御研究いただきたいと思いますが、いかがですか。
#136
○説明員(小林康彦君) 濃度が高い場合に種々の支障が出るというのは幾つかの調査結果で明らかになっております。ただ、通常の使用方法及びそれに伴って出ます排水の影響という点につきましては、先ほど申し上げたような状況でございます。
 しかし、合成洗剤の問題につきましては、環境行政といたしましても今後とも注視していく必要があるというふうに考えておりまして、公害研究所を中心にいたしまして引き続き研究を行うとともに、各方面で行われております調査研究にもよく注目をしていきたいというふうに思っております。
#137
○清水澄子君 だんだん時間がなくなってきたんですけれども、じゃこの十四条の四で調理くず、廃食用油の処理とあわせて公共用水域汚染の主要原因にいわゆる洗剤もあるんだということを、ここに主要原因に位置づけられたことを私は評価をいたします。
 ところで、そこに「使用等を適正に行う」というんですけれども、「適正」というのは環境庁の見解としてはどういうことを適正というのか、御見解をお願いいたします。
#138
○政府委員(安橋隆雄君) 洗剤の使用の適正といいますのは、使用量とその効果との関係で申しまして一定濃度以上の石けん水あるいは一定濃度以上の合成洗剤液は幾ら濃くなっても汚れがそれ以上落ちないというような限界がございますので、そのぎりぎりのところでできる限り少ない使用に努めていただきたいというような意味での適正使用ということを考えているわけでございます。
#139
○清水澄子君 ですから、それが問題だと言いたいんです。
 と申しますのは、机の上で物を考えていらっしゃるからそういうことになるんだと思うんです。先ほども通常の使用方法であればいいと。(資料を示す)じゃ皆さん方、これをお読みになっていますか、どういう使用方法か答えてください。そちらの方、どれだけで使いなさいと。
#140
○説明員(小林康彦君) 今のは台所の洗剤かと思いますが、物によりまして違いますが、原液で使っていいものから十倍稀釈程度のものまであるんではないかと思っております。
#141
○清水澄子君 書いてないものもありますけれども、例えば台所は普通毎日朝から晩まで使うんですね。それに、こんなもの読んで使っていません。私自身もこれ読んであんまりわからなかった、細かい字で。水一リットルに対して料理用小さじの三分の一弱とかこんなこと、家庭でお茶わん洗うときに、水一リットル入ったかな、小さじの三分の一、そんなことしていないでしょう。みんなスポンジにぽっぽっとやって使っている。そういうことで、通常の使用方法とは何ですかと。ですから適正ということがいつもそれで逃れられますけれども、これは非常に実効性のないことなんですね。机上の空論なんですよ。そしてこれはもうごく一部だけで、どの家庭でも朝から晩まで最低これだけの種類のものを使うんですよ。その中には、トイレなんかは塩素系のものとかそれから漂白剤とか、リンスは陽イオン系でしょう。そしていろんなものが入っているわけですね。そんなに一々、毎日こんなスプーンの三分の一なんてやっておれないんですよ。ぱっぱとやっちゃうわけですよ。そういう意味で、そういうふうな何か一定の濃度以上でと、幾ら私たち市民が聞いてもそんなことでは、前の条文には正しい知識の普及を図るとおっしゃるけれども、何の知識か全然わからないわけです。
 そしてさらに、私は、適正というときに何を基準にしているか、とってもこれはあいまいになると申し上げたのは、これは一家庭でもこんなにたくさんある。大臣、朝シャンというのは御存じですか。
#142
○国務大臣(北川石松君) 横で聞きますと、朝のシャンプーということだそうです。
#143
○清水澄子君 とてもよく御存じでした。
 こんなことは最近の言葉ですね、朝シャンなんていうのは。それほど何か次々と商品がつくり出されて、そして普通の日常生活に不必要な、そんなに朝と夜とシャンプーしなくても私はいいだろう、逆にむしろそのことをすることによってこれは大変油性を取り除くわけですから、非常に毛髪の被害とか、薄くなるとかですね、いろんなことが――そうじゃなく、使わない人でも薄くなる人は別ですけれども、今本当に障害がいろいろ起きてきているわけなんです。特に中学生なんか朝やってにおいがすることがいい、これ香料がわざわざ入っているわけですね。ですから、生活が異常になっている。それほどこういうたくさんの量を使うようになっているわけですから。ですから洗剤の使用量というのは上限がわからない。上限がわからないときに一定の濃度以上とか通常の使用方法とはじゃ何を指すのかというところが非常に問題だと思うんです。
 そういう中で、御存じのように日本は世界一の洗剤消費量国ですね。そしてそれはイギリス、イタリアの倍使って、アメリカの八倍を使う。それだけでも私は河川や近海への洗剤汚染は拡大していると見なければならないと思うんです。そういうときに適正というのが、全体の使用料の基準というのがあってそういう中で少しでも減らそうというのでしたらまだ説得力があると思うんですけれども、上限は無限に今広がっているわけですね。
 そして、特に洗剤の広告費というのはお幾らか御存じですか。日本の三百社のトップの企業の中で一番が花王でしょう。毎日使うもの、これを売上高の八%、三百五十四億円出して広告宣伝費一位なんです。トヨタとか日産とか本田技研はその後に続いている。その五番目にライオンがまた売上高の八・八六%も宣伝費に使って、それで皆さんに朝から晩まで洗剤を使いましょうと。そういう形で非常にたくさんの商品が、私たちの生活で幾ら規制しようとしても次々と新しくつくり出されてくる。ですから、そういう点で私は適正というこの問題は非常にわかりにくいということを申し上げたいわけです。
 そこで、例えば今ABSの生産がまだやっぱり行われているわけですけれども、これらは一体どこに使われているのか。工業用なのか外国への輸出用なのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
#144
○政府委員(安橋隆雄君) ちょっと突然の御質問でございますので、私どもまた調べましてお答え申し上げたいと思います。
#145
○清水澄子君 済みません。だんだん時間がなくなって、飛ばしていきますけれども。
 実は、日本では今ABSは使わないということになってきているんですが、やっぱり生産は安定しているんですね。特に、最近マレーシアから来られた消費者団体の女性が、日本の企業、これはライオンの方なんです、マレーシアは。ABSのそういう洗剤を非常に生産しているということなんです。そして、みんな向こうでは足で洗濯しますね、川で。ですから、手荒れと足の皮膚障害で主婦たちが非常に問題にしているわけですね。
 それからまた、花王はフィリピンでピリピナス花王という会社を設立して、ヤシ油で高級アルコール系の洗剤をつくって逆に日本に逆輸入をしていますし、それから台湾、タイ、インドネシア、マレーシアにも工場を持っているわけです。
 日本の企業が今日国際社会の中でやはり環境に対しても責任があると思うんですけれども、そういう点でも合成洗剤の面では環境に責任を持つ製品を余り研究されていない。そのモラルが非常に欠けていると思うんですけれども、その点について今後やはり御指導いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#146
○政府委員(安橋隆雄君) 一つは、消費者の側が宣伝に踊らされないという賢い消費者になる必要があるかと思いますが、今先生御指摘のように、企業の側でも売らんかなの姿勢で環境に優しくない製品をどんどん販売するということは企業モラルの問題としてはいろいろ問題も多いと考えているわけでございます。
 環境庁といたしましては、やはり環境に優しい製品が普及していくように企業の方でもその開発に努力してもらいたいと考えているわけでございますし、具体的にはエコマークということで環境に優しい製品の普及を目指して種々の助成措置もとっているところでございます。
#147
○清水澄子君 私は、ですからここで国民の責務だけがあってこういう商品をつくる事業者の責任がないということは、国、自治体も責任を書いてあるわけですが、しかしそういう商品をつくる事業者もやっぱりみずから環境問題についての主要な責任者であると。国民もそういう加害者になってはいけないという意識を持つわけですから、事業者にもそういう環境問題についての責任があるんだという、そういうことについて特に安全に商品やサービスを提供する責任があるということをもっときちんと理解をしていただかないといけないと思うんですね。そういう点ではぜひ環境庁はこれに対して十分なやはり指導をお願いしたいと思います。
 そして続いて、先ほどからいろいろ申し上げましたけれども、今皆さんのお手元にありますように、例えば地方自治体は市民の声とか、それから自治体自身が実際の水環境を見ながらいろんな努力を、国よりもちょっと進んでいるところが幾つかあると思うんです。きょうはたまたま神奈川県の、よりよい水環境のために洗剤について考えてみようということで、ここでは例えば石けんと洗剤はどういうふうに違うのかとか、それから分解性の高いものを使っていこうとか、非常に教育的な、生活を変えていくようなそういう運動をやっていますね。それから、市民運動、エコロジー運動、合成洗剤を追放したいとか生活を切りかえようとか、そういう運動の人たちもみんな、自分が環境汚染の被害者でもあるけれども加害者でもある、だから自分が加害者になることはやめようと、そういうふうに自分の生活の生き方を変える運動をしているのはどちらかといえばそういう市民運動、エコロジー運動の人たちなんです。ですから、そういう人たちの運動を妨げるようなそういう文案を書くとか、そういう人たちをもっと勇気づけるようなそういう法案をつくっていただきたいと思ったんですが、もう間に合いませんから、今度はぜひ附帯決議の方でちゃんとしていただいて、そして次にはそういう方向で態勢をしいていただきたいと思います。
 そういう中でこの十四条の四というのは、この「国民の責務」の中には事業者も含まれているんだという最初のお答えでしたけれども、この十四条の読み方というのは、何人も公共用水域の水質の保全を図るために、石けんなど分解性の高いそして汚濁負荷が低い、そういうふうなものを普及していかなきゃいけないんだと、そういうふうに読み取ってよろしいですね。
#148
○政府委員(安橋隆雄君) 十四条は個人のみならず企業の責任も含まれていることは先ほども申し上げたとおりでございますし、ここに書いてございます調理くず、廃食用油等の処理、洗剤の使用の適正化というものは一つの例示でございまして、要は公共用水域の水質の保全を図るための心がけを常に持ってもらいたいという願いを込めて訓示規定として書いたわけでございます。
 なお、後段の方は国、地方公共団体が行う排水対策の実施に協力しなければならない、これの主語もやはり「何人も」でございまして、国民とともに企業も含まれる、こういうふうに解釈、運用してまいりたいと思っているわけです。
#149
○清水澄子君 じゃ、もうあと三分しかないので、ちょっと大臣にお聞きしたいんです。
 国会でも今まで随分石けんと洗剤の論議があったわけですね。そして、昭和五十六年の九十五国会で鯨岡大臣が、無燐の合成洗剤と石けんとは環境保全上どちらが好ましいとお考えですかという質問に対して、もちろん石けんがいいですとお客えになっているんですけれども、大臣はいかがですか。
#150
○国務大臣(北川石松君) 清水委員のいろいろと環境に関しての御質問を聞かしていただきながら、最終的に石けんと洗剤とどっちがいいんだと、こうおっしゃっていただきますと、石けんにもよさがあり洗剤にもよさがありましても、その危険性というものはなお洗剤の方が多いんじゃないかという思いはいたします。
 そういう意味の中で、我々が答弁に立ちましてこの場だけを逃れたらいいんだ、こういう気持ちは毛頭持っていないことを申し上げておきたいと思います。
 それからいま一つは、私もいろんな洗剤を食器を洗うのに使っておりますが、そうすると、食器がちょうど洗えなくなったときにその液は十分用を足しているんですね。そこで足してやると全然むだがない。プラス・マイナス・ゼロにしていけば水質も汚濁されないんじゃないかと思うんですね。そのプラス・マイナス・ゼロにするところは長年の経験だと思います。その長年の勘の中で私は、いろんな洗剤とかそんなものの適性というのはそこにあると思っておりますし、またただ金もうけだけがいいんだと、つまり、先ほどの朝シャンというようなことで流行を追う若人たちにこびていくところの企業が世の中を悪くしているんじゃないか、こんな思いもいたします。
 そういうもろもろの思いをいたしますときに、アメリカの例をとられまして、日本の水質汚濁防止法というものはもう少し厳しくてもいいんじゃないか、もっともっと微に入り細にわたってなすべきじゃないかという御指摘もありました。その点も十分踏まえまして、私は改めるべきものは改めていかなきゃいけない、こういう思いをいたしております。
 また、昔から、水三尺流るるは清し、水というものは三尺流れたら清くなると。それがなぜ清くならずにメタンガスが出るかというのは、それは御指摘のとおり、やはり化学物質とかいろんな悪いものが今日の経済の発展の中で水を侵していると言っても過言ではないと思います。
 そういうふうなものに対処する環境庁といたしましては、人員は少のうございますけれども一生懸命、大臣以下全部、打って一丸となって委員の御心配のような点について対処していきたい、このように思っております。
#151
○清水澄子君 最後に、第十四条の五のところですね。これがいわゆる合併浄化槽のことを指しているんだと思うんです。
 もう余り時間がありませんから私は省くんですけれども、私たちは、下水道さえ普及されれば水質は全部よくなるというふうな、今まで何かそこだけに一つの希望を持っていたように思うんです。だけれども、今いろいろな問題の見直しが出てまいりまして、下水道建設だけがすべてではなくて、やはり地域の条件によってとか、それこそコミュニティーですね、団地とかそういうところで、自分の出した水はある程度自分の生活の中できれいにするとか、もう一度水質に対して、水環境に対してみんなでそれこそもっと責任を持とうと、そういう環境に対しての生活の仕方、そういう考え方というものが非常によく出てきたと思うんですね。
 そういう中で下水道は二兆四千億円も出して、一年間に地方自治体を含めると三兆円なんですね。そしてその普及率の年間の伸び率は一・三%しかない。今度また何か公共用事業で物すごい、七〇%にふやすとけさの新聞に出ていましたけれども、本当に水質をよくする、日本の国土の中にきれいな水を循環させるという、そういう考え方の中で必ずしも下水道オンリーの発想でいいのかどうかということがもう一つ大きな問題になってきたんじゃないだろうかと思います。
 きょうはもう時間がありませんのでそういうことはぜひ考えていただきたいんですが、そういう中でこの十四条の五が、下水道施設ができるまでの合併処理浄化増はつなぎの施設なのか。私は、これはつなぎじゃない方がいいと思うんですね。合併浄化槽需要人口を下水道普及率の中に見込んでいくような、そういうふうな下水道施設の一環として位置づけていただくような、そういうことを私はぜひお考えいただきたいと思うんです。
 そういう中で今もあちこちの団地とかで、東京や埼玉なんかでも、いろんな実験が行われているんですね。それぞれの村でこの合併浄化槽をつけて自分たちの水はきれいにすると。そういうものを、特免といいますか、下水道法第十条の排水設備の設置の義務づけ条項の見直しがないとそれらは認められなくなるんじゃないか、こういうふうに思います。しかし、そこにただし書きがありまして、水道管理者が認めればこの排水設備の設置の義務づけを免除されるというふうなことになっていますので、当面はそれらを運用できるようにぜひひとつ御検討いただきたいと思うんです。そしてもっと合併浄化槽についてもコストを安くするとかもっといい性能のものを開発できるような、そういう条件をつくらないと、つなぎであるとそれはなかなかそうはならない、そういう点でぜひ御検討いただきたいと思います。最後にお答えいただきたいと思います。
#152
○国務大臣(北川石松君) 委員の重ねての御質問でございますが、下水道も三十年前の下水道とまた今の下水道と、その前も変えなくちゃいけないし、所変われば品変わると古来言われております、そういう点をいろいろ勘案いたしまして私は対処しなくちゃいけない、このように思っております。
#153
○須藤良太郎君 清水先生の大変厳しい、またユーモアのある質問の後を受けまして、若干質問と要望を申し上げたいと思います。
 その前に、今、日本はもとより世界で最も重要な環境問題、これに鋭意取り組んでおられます長官並びに関係各位に心から敬意を表し、今後ますます大変になると思いますけれどもひとつ大いに頑張っていただきたいというふうに思います。
 最初に、この法律改正、私はむし遅過ぎたのではないかというふうに思いますけれども、ある面ではまたよく踏み切った、こういう考え方もあるようでございます。
 これは、要するに生活排水に関連した個人の個個の家庭に関連した問題でございまして、法的な規制なりあるいは制度的位置づけ、こういうものが非常に問題があるということだと思いますけれども、この問題はやはりこれからの法改正の実効を上げていく上に避けて通れない極めて重要な課題というふうにも思うわけでございます。そういう意味で、この点も含めまして法改正の背景等について若干御説明いただきたいというふうに思います。
#154
○政府委員(安橋隆雄君) このたびの生活排水対策についての法律改正の背景でございますが、私ども、生活排水につきましては、現行の水質汚濁防止法ではしっかりとした制度がなかったということの反省の上に立ちまして、最近の閉鎖性水域あるいは都市内中小河川の汚れの見過ごすことのできない原因が生活系の排水にあるという実態にもかんがみまして、仕組みを補うという形で改正案を提出させていただいたような次第でございます。
 産業系につきましては、既にもう法律制定当時から厳格な規制をやっているわけでございますが、生活系の規制の方法につきましてはやはり産業系とは異なった手法でソフトに接近しなければならないということも考えましてこの改正案を準備させていただいた、こういうことでございます。
#155
○須藤良太郎君 この法律では従来都道府県知事が産業あるいは工場排水の規制をやる、こういうことであったわけでありますけれども、今回生活排水ということで都道府県知事が重点地区を指定してそれで実際の事業主体は市町村になる、こういうことになっておるわけでございます。まだこれからいろいろ詰めるんでありましょうけれども、この重点地区というのはなかなか難しいと思うんでありますが、今どんなふうにこの重点地区の指定を考えられておられるのか、概略でいいですけれども。
 それから、市町村が生活排水ということで主体になりますけれども、これは問題ないのかどうか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
#156
○政府委員(安橋隆雄君) 都道府県知事によります重点地域の指定の考え方でございますが、法定の要件といたしましては、十四条の六で規定してございますように、水質環境基準が確保されていない、あるいは確保されなくなるおそれがあるというようなことで、要は汚れが進んでいるような地域である、あるいはそういった都市的な汚れ以外に自然環境保全上あるいは名水の保全上ぜひ必要であるというような場合、そういった地域につきまして知事が指定をするというのが法定の要件でございます。具体的には、県の実情によりまして県内何地域になるかというのはばらつきがあると思いますが、大体水系ごとに指定されますので、一水系当たり数市町村が対象になってくるのではないかと考えられるわけでございます。
 それから、そういった水の汚れを水系ごとに一番把握している知事に指定をしていただきました場合、その地域に含まれている市町村が、これは住民行政の第一線の行政機関でもございますし、かつ対策を進めていく上でのハードの各種事業、下水道事業でございましてもあるいは農業集落排水施設事業でございましてもあるいは合併処理浄化槽の助成をする場合でございましても、いずれにいたしましても市町村が事業主体になってやっていただくわけでございます。そういう地域の実態、水の汚れぐあいだけではなくて将来の人口の見通しでございますとか各種施設の整備の時間的な観念を入れまして、何年ごろにどれぐらいの施設がどの地域に入るかというふうなことについても熟知している市町村に責任を持ってやってもらうというのが排水対策を効率的、効果的に進める上で一番重要ではないかということでございまして、今まで水質汚濁防止法ではどちらかというと県知事が水質保全の責任を持っていたわけでございますが、生活排水に関します限り生活密着型ということでぜひ市町村に中心になって対策を進めてもらいたいということでこの法案の仕組みを考えているわけでございます。
#157
○須藤良太郎君 清水委員も触れておりましたけれども、そこで市町村は生活排水対策推進計画を作成するわけでありますけれども、この計画の概要を、大体わかるんでありますけれども、正確にひとつ教えてもらいたいのと、既に清水委員が申しました公共あるいは公共下水から合併浄化槽までですか、そういう幾つかの施設に限定されたものを計画に盛り込むのか、その辺おわかりになったら教えていただきたいと思います。
 一つは計画の内容の問題と、施設はちゃんと施設を明記して例えば単独の浄化槽は入れない、そういう形で四つか五つに限定されるのか、その辺を教えていただきたいと思います。
#158
○政府委員(安橋隆雄君) 市町村がつくります生活排水対策推進計画の概要につきましては、一応法律的には十四条の七第二項に規定しているわけでございますが、基本的方針と生活排水処理施設の整備に関する事項と生活排水対策に係る啓発に関する事項ということで計画事項が規定されているわけでございます。いわばこの排水対策推進計画は、施設の整備というハードの面と排水対策に係る啓発というソフトの面の二つの事業の計画ということで構成されているところでございます。
 そのハードの面の排水施設の種類でございますが、もちろん下水道施設も含まれるわけでございますし、農業集落排水処理施設あるいはコミュニティープラント、合併浄化槽といったものも含まれるわけでございますが、今おっしゃいました単独浄化槽はし尿のみを処理する施設として機能のみしか持っておりませんし、私どもで考えております生活排水対策というのは主としては人の生活に伴い台所とかそういうところから出てくるものでございますので、単独浄化槽の設置に関するものというのはこの計画の中では取り扱わないことになるのではないかというふうに考えているわけでございます。
#159
○須藤良太郎君 私、端的に率直に申し上げまして、お世辞を言うわけじゃありませんけれども、いわゆる生活排水対策、これはハードとソフト、この二つしかない、しかもハードは下水道あるいはこれに類似の施設を早く整備率を上げることだというふうに思いますし、二つ目は個人が水に対する考え方をぜひ相当高揚する、こういうことだと思うわけでございます。
 これはそれとして、きょうも整備率が出ておりますけれども、日本の下水道の全国的整備率は大体わかるんでありますけれども、人口規模別にどんな格好になっておるのか、環境庁で最新の数字をつかんでおれば簡単に教えていただきたいと思います。
#160
○政府委員(安橋隆雄君) 下水道の人口規模別の普及率でございますが、全国平均で見ますと、昭和六十三年度で四〇%でございます。平成元年度末の速報値ではこれが四二%ということになっているわけでございます。
 これが人口規模別の市町村ごとになるとどういうことになるかと申しますと、これは昭和六十三年度末で出ているわけでございますが、百万人以上の都市におきましての普及率が八六%でございます。人口十万から三十万人の市におきましては四三%、それが人口五万人以下の町村におきましては普及率はわずか七%ということで、人口規模別に市町村を分けて考えますと、平均的には四〇%と申しましても非常に差がある、八六%から七%まで差があるというのが実態でございます。
#161
○須藤良太郎君 全体的にもおくれておるわけですけれども、私、特にきょう強調したいのは、特に人口の少ない五万人以下の町村、中でもこれより少ない農村部は非常におくれておると思います。恐らく一、二%の進捗というふうに考えるわけでございます。
 今、日本に農業集落というのが十四万以上ありますし、都市周辺の集落を除きましても農業振興地域で十一万数千地域農業集落があると思います。この集落は、御承知のように混住化にさらされておるわけでございますけれども、これがさっぱり下水道関係が進まないということが非常に問題だと思うわけでございます。そういうことで、これが農村においては農業用水あるいは河川とか湖沼に影響し、そしてよく言われる都市と農村の格差を助長している、こういうふうにも考えるわけでございます。そういう意味で私はぜひ地方の下水道関係を相当しっかり進めていただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 特に農業集落排水事業というのは二百戸、千人くらいの規模、これは農業集落の規模でありますけれども、そういう集落に非常に向いておるわけでございますから、ぜひ今後これを重点に進めていただきたいと思いますし、また全体の一般の下水道を含めまして、これからこの施設整備にどういう計画を持っているか、特に今申し上げた農業集落排水の事業についてどんな役割を感じているか、簡単で結構ですけれどもお答えいただきたいと思います。
#162
○政府委員(安橋隆雄君) 生活排水処理施設にはいろいろな種類がございますし、その種類にもそれぞれ施設の特性がございます。また、地域の実情も今委員御指摘のとおりまちまちでございますので、はなからどういう地域はどういう施設ということで一律に画一的に決めることはできないと思いますけれども、やはり農業集落排水施設について申し上げますと、農村地域における水質保全のために重要な意義がある施設だというふうに考えておりますし、農業水利上も生活排水の汚濁物質が農地に流れ込むというようなことを防止する意味でも重要な施設だと考えているわけでございます。
 そういう意味で、そういった地域におきましてはそういった地域の特性に合った農業集落排水施設が充実していくことが農村地域の水環境を保全する環境庁の立場からも大いに結構なことではないかということで評価しているところでございます。
#163
○須藤良太郎君 環境庁としてもよろしくお願いいたしたいと思います。
 私は、これから二十一世紀に向かいまして緑と土に代表される農村の環境は非常に重要だと思うわけでございまして、特に今回工場排水規制に加えて生活排水の法制化がなされる、こういうことで非常に期待をするわけでございます。しかし、問題は、これは市町村がやるわけでありますから、応援体制がしっかりできないと実際なかなか目に見えない、進まない、こういうことになるんではないかと心配するわけでございます。
 したがいまして、財源の国のバックアップはもちろんでありますけれども、特に先ほど言われた重点地区に指定した地域がほかと余り変わらないような格好でいるとこの法律の意味もないんではないか、こういうふうに思うわけでございまして、特にこの重点地域に指定された地域のいわゆる採択なり工事実施、そういう施行面に格段の配慮をしていただきたい、こういうふうに思います。
#164
○政府委員(安橋隆雄君) 委員御指摘のとおりだと考えております。
 この計画策定地域はまさに環境の面から生活排水対策を重点的に実施すべき地域であるということで知事が指定する地域でございますので、こういった地域につきましては各種生活排水施設が整備される場合におきましても優先的に採択されるべき性格のものだと考えておりまして、各生活排水施設の助成を担当しております関係各省にも法案制定段階におきまして重点的予算配分ということでお願いをしてきておるところでございますし、各省庁におきましてもそういった法案の趣旨を御理解いただいておりますので、こういった地域につきましては他の地域よりも優先的な取り扱いがなされるものというふうに考えているところでございます。
#165
○須藤良太郎君 ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
 最後に、北川長官に御決意をお伺いしたいと思いますけれども、お聞きのように、今回、工場排水規制に加えまして生活排水の規制が法制化されようとしておるわけでございます。この法制化につきましては、よく言われますけれども、結局日本の水を守る、こういう大前提でありますから、ぜひ各省各機関提携し合って進めるということが重要だと思います。また、折しも構造協議で云々されておりますけれども、構造協議の論議を待つまでもなくこれからの公共投資の重点は、私は生活環境の面に相当力を入れるべきではないか、こういうふうに考えるわけでございます。さらに、地価問題等いろいろうるさいわけでありますけれども、やはり四全総の言うように、一極から多極分散、地方分散をしっかりしなきゃいかぬわけでありまして、そういう意味でもこの生活排水対策は大きな力を持つんではないか、こういうふうに考えるわけでございます。
 そういう意味で、ぜひ関係各大臣に働きかけをしていただきましてこの法改正が実効を上げられるように御努力をお願いいたしたいと思います。
#166
○国務大臣(北川石松君) 須藤委員の、環境に対しての御理解と励ましをいただき、感謝いたす次第でございます。
 また、今、農業集落の排水約十一万以上の何がある、これに対してどうするんだと御見解をいろいろ聞かせていただきました。実際の事業は建設省がやる、そして農水省だ、また厚生省だ、環境庁が実際の事業の力を持っておるのは公園だけである、こういう行政の形が今ありますが、各省庁とよく連絡を保ってということの御指摘を受けますと、各関係大臣と十分に連絡を保って、所変われば品変わると先ほど清水委員にも答えたように、やはり人口六、七百万のところの大都市の広域流域下水道というのはこれはもうできるものじゃございませんし、そういうところを十分踏まえまして、この生活排水対策を実施していく以上は利用者もまたよく理解をしてもらって環境の体制に万全を期していきたい、私はこのように思っております。
#167
○須藤良太郎君 それじゃよろしくお願いいたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#168
○広中和歌子君 けさから三時間以上にわたりまして三人の同僚議員からの御質問を承り、また丁寧なお答えも伺って多少理解も増しましたと同時に、私の質問する内容も項目もだんだん少なくなったということが実態でございます。
 このたびの改正案のねらいでございますけれども、私が理解したところによりますと、水質汚濁防止法改正のねらいは、湖沼、湾など閉鎖性水域での水質の汚染寄与度は産業系よりもむしろ現在では生活系排水の方が多いということ、産業排水規制に加えて生活排水規制を導入したことであるということ、具体的には生活排水対策の責務の明確化、そして生活排水対策の重点地域を定める、このように理解いたしましたのですが、よろしゅうございますね。
#169
○政府委員(安橋隆雄君) 委員御指摘のとおりでございます。
 生活系の占める汚濁の割合が閉鎖性海域でございますとか都市内の中小河川では見過ごすことのできないウエートになっておりますので、産業系の方の取り締まりはあるんでございますが、生活系の方の制度的仕細みを補うという形でこの法案を提出させていただいたような次第でございます。
#170
○広中和歌子君 それで伺いたいんですが、生活排水対策の責務の明確化とそれの意味するものを、少しお話しいただいたわけですけれどももう一度、私、十分わかりかねましたものですから、御説明をいただきたいと思います。
#171
○政府委員(安橋隆雄君) 生活排水を出している者というのはまさに生活をしている国民一人一人でございますので、国民の一人一人に、わずかではあるけれども自分たちも環境に悪影響を及ぼす生活汚水を流している原因者の一人であるということをまず御理解いただきまして、一人一人の自覚の上に立った努力をしていただくことによりましてその総和としての生活排水全体の汚濁負荷量が少しでも少なくなるようにということが一つの啓発事業の方の面でございます。
 もう一つはハードの面でございまして、各種の生活排水処理施設を重点地区について優先的に採択して、汚れているところからきれいな水を出すような施設に変えていく。このソフト、ハード両面の対策を生活排水対策の柱として法案改正の御提案をさせていただいているところでございます。
#172
○広中和歌子君 きちんと整備されたというふうなことだろうと思いますけれども、しかし具体的に推進していくのは、今長官もお話しなさいましたように厚生省であり、建設省であり、あるいは農水省である。そのようなことで希望的観測が大分含まれているのじゃないかと思うんですが、具体的にどういうふうに促進していこうとなさっているのか、そしてどのような効果を、例えば現在の汚染度がどのような形で改善されていくというふうな期待を持っていらっしゃるのか、お伺いいたします。
#173
○政府委員(安橋隆雄君) 生活排水施設の各種の施設をそれぞれ整備、促進についての助成しておりますところは、御指摘のとおり各省庁にまたがっているわけでございますけれども、これを実際に事業を実施していく主体の方から見ますと、下水道にいたしましても、あるいは合併処理浄化槽の助成にいたしましても、農業集落排水施設の実施主体にいたしましても市町村でございまして、市町村というのは各省が助成をしている各種生活排水対策の住民行政のまさに最末端における統一的実施主体であるという立場に立つわけでございます。地元密着型の生活排水対策の実施主体はまさに市町村であるということに着目いたしまして、この市町村に生活排水対策推進のための計画を立てていただくという仕組みにしてございます。
 それからもう一つの、ソフトの方の面での啓発事業に関しましても、やはり地元におきます草の根的な水をきれいにしていこうという運動を行政主体としてもくみ上げていただきまして、それを市町村の立場から援助していって効果を上げていただくということが大切だということで、これも市町村の重要な役割だということでございます。産業系の排水対策につきましては、今まで都道府県を常時監視の責任者として位置づけて水質汚濁行政を推進してきたわけでございますが、生活系排水に関しましては、そうではなくてもう一歩住民の方に近いところにあります市町村に一肌脱いでいただきたいということで考えているわけでございます。
 それから、今おっしゃいましたどの程度効果があるかという点でございますが、台所対策等の対策をやっていただきますれば、これは事例調査でございますが、やられる前に比べまして大体二割程度の負荷の削減が見られるというような調査がございます。それから、生活排水処理施設が完備されますと、完備される前に比べまして九割も汚濁負荷量が減るというようなことで、十分の一の負荷量になるというような効果がございます。
#174
○広中和歌子君 重点地域に指定されました市町村に関してでございますけれども、その場合、市町村によりましては十分な予算の経済的な基盤がないというようなこともあり得ると思うのでございますが、その補助金政策とか税制面の優遇措置とか、どのようなものがあるんでしょうか。
#175
○政府委員(安橋隆雄君) まず、ハードの面におきます生活排水処理施設の設置についての助成でございますが、下水道につきましては建設省で二分の一を超える高額の助成をしていただいているわけでございますし、その他農業集落排水施設にしましても、厚生省でやっていただいておりますコミュニティープラントにいたしましても、それぞれの率でもって助成が行われているわけでございます。
 さらに、個人施設でございます合併処理浄化槽に対しましても、市町村が補助する場合に国でも一基につき十万円の助成をするという制度がございます。これらの生活関連の助成につきましては、公共投資の重点的な投資部門として、まだ検討中ではございますけれども、今後とも政府部内で優先的な予算の配分をするということも検討されているような段階でございます。
 そういうようなことで一応パイを広げるとともに、この制度の仕組みで重点地域になっておりますようなところでございますので、さらにその膨らんだパイの中で優先的な予算の配分をしていただくということで今政府部内で意見の調整をしているところでございます。それから、計画策定につきましても、環境庁では平成二年度でモデル計画策定の補助を組んでおるところでございますし、平成三年度以降につきましても何らかの工夫ができないものだろうかということで検討を進めているところでございます。
#176
○広中和歌子君 きょうは建設省の方と厚生省の方に来ていただいていると思うのでございますけれども、下水道の普及率につきましては、先ほど同僚委員の御質問にお答えいただいて、現段階で四〇%ですか、そして人口百万以上の都市では八六%、しかしながら五万以下の小さな市町村では七%にすぎないということでございます。それと同時に、きのうですかきょうの新聞では、公共投資目標、下水道普及率七〇%なんですが、このコストはどのくらいなんでしょうか、公共投資をすればするほどいいというものじゃないと思うんですが。
#177
○説明員(松井大悟君) お答えいたします。
 現在私どもが推進しております第六次下水道整備五カ年計画の計画ベースによりますと普及率を三六%から四四%まで引き上げることになっておりますが、その間の処理人口の増加が約一千百万人でございます。これを単純に一人当たりで計算しますと、一人当たり約九十万円の費用がかかります。ただし、この中には下水道の普及率向上のほか、下水道による浸水の防除、それから下水から発生します汚泥の処理、人口に換算されない業務用汚水、工場排水等の対策も含まれております。
#178
○広中和歌子君 そのほか、個人にかかる維持費はどのくらいでございますか。
#179
○説明員(松井大悟君) これは下水道使用料という格好で徴収しておりますが、地域の状況、下水道に着工した時期等いろいろございますけれども、一立米大体五十円から百五十円の間でございまして、平均は約七十円から八十円程度と思います。そうすると、これは年間約二万円から三万円になると思います。
#180
○広中和歌子君 一人ですか。
#181
○説明員(松井大悟君) 一人です。
#182
○広中和歌子君 それから、厚生省にお伺いいたしますけれども、単独浄化槽というのが非常に普及しているということでございますけれども、その費用ほどのくらいなのでしょうか。
#183
○説明員(坂本弘道君) 単独処理浄化糟で家庭用五人槽でございますが、大体四十万円ぐらいでございます。
#184
○広中和歌子君 それは一家庭でございますね。
#185
○説明員(坂本弘道君) 一家庭といいますか家庭用の、五人家族用の標準の単独処理浄化槽で四十万円程度かかっております。
#186
○広中和歌子君 そうすると単純に比較いたしますと、下水道の意味というのでしょうか、先ほど単に処理するだけじゃなくてさまざまなベネフィットがあるというふうにおっしゃいましたけれども、一人につき九十万円対十万円と。
 そして、合併浄化槽というのがございますね。それの普及率はどのくらいでございますか。それから費用。
#187
○説明員(坂本弘道君) 昭和六十三年の三月末現在でございますが、全国に六百七万基の浄化槽がございます。そのうち合併処理浄化槽が約十万基ということで、その比率からいきますと一・六%ぐらい、こういうことでございます。
 それから、費用でございますが、単独処理浄化槽につきましては家庭五人槽で四十万円程度でございましたが、この合併処理浄化槽になりますと七十万円ぐらいになる、こういうことでございます。
#188
○広中和歌子君 非常に細かくなって恐縮なのですが、現在かなりある五百八十万基の単独浄化槽でございますが、それを合併浄化槽にかえるということは簡単にできるのでございますか。
#189
○説明員(坂本弘道君) 一遍単独で入れたものをもう一度持ち上げてそれから合併を入れ直すというようなことになりますと、大変費用もかかるわけでございます。だから、そういうことをやらないまでも合併に似たような形のことができないかと今いろいろ検討は進めておる段階でございます。
#190
○広中和歌子君 私は、下水道といいますと、イメージするものはパリとかロンドンの人間が鬼ごっこできるぐらい大きな中央大地下道ですか、下水道を思い起こし、そしてそれが文明都市の象徴みたいに思っている、そういう部分があるわけでございますけれども、しかし日本のように後発の国におきましてはまたそれなりの違ったやり方があるのではないか。現在、少なくとも百万人以上の大都会における下水道の普及というのは八九%でかなり高い率で、これをさらに一〇〇%にしていただくということはすばらしいことで、また期待しているわけでございますが、コストの点から言いましても、またエフィシェンシーと言うのでしょうか、効率の点から見ても、すべて下水道を十年後に七〇%の目標に達しようというのは、公共事業を日本がもっとやるようにという何かアメリカのそういったプレッシャーに屈しているような感じ、無理やりに何かつくったような感じで、私は余りいい感じがしないのでございます。もっと日本的なやり方でベストなものを、せっかくこういうふうに生活排水対策の責務の明確化、市町村単位でそれぞれの地域にふさわしい雑排水対策というようなことを考えていられるのであるなら、私は下水道だけに集中なさる必要はないんじゃないか。
 今のところ厚生省がお使いになっている合併浄化槽のための補助金ですね、その予算はどのくらいなんでしょうか。
#191
○説明員(坂本弘道君) 予算でございますが、当初一億円からスタートいたしまして、それで平成二年度、ことしでございますが、三十億円余りになっております。
 それと今先生おっしゃいました全国一律に下水道をというお話でございますが、これは建設省もおいでになるからなかなか申し上げにくいこともございますけれども、こういう島国でございまして山もあり谷もありということでございますからそれに即応した合併処理浄化槽も必要じゃないかということで、私どもの方ではそっちの方を一生懸命やっておる、こういうことでございます。
#192
○広中和歌子君 スタートして余り月日がたっていないということもあるんでしょうけれども、三十二億円対一方では下水道対策費というのは何兆円にも上るわけですよね、どのくらいでしょうか。
#193
○説明員(松井大悟君) 平成二年度に予定されます総額は約二兆三千億円でございます。
#194
○広中和歌子君 二兆円も大変結構でございますけれども、厚生省の方も大いに頑張っていただきたいというふうは思うわけでございます。
 と申しますのは、私、公明党の環境問題研究会ですか、それで九州に参りまして、実際に合併浄化槽、いわゆる石井式個別浄化槽というのを見てまいりましたが、この方式ですと最終的には一ppmですか、非常にきれいな水になって、例えば十分飲めるというまでにはいかないまでも再処理した水を庭にまけるぐらいに非常にきれいな水になるというようなことです。今そのような政策で例えば補助金も出、そしていいということがわかれば、石井式だけではなくて、非常に簡単な装置でございますから、バイオを使ったさまざまな新しいテクノロジーで安くていいものができてくるんじゃないかと思うんですが、そういう石井式について御存じですか、そしてまたこのような方策をどのように評価していらっしゃるか、お伺いいたします。
#195
○説明員(坂本弘道君) 確かに安くていいものができればそれにこしたことはないんでございまして、無理に高いお金をかける必要はないと思うのでございますが、といいまして一方、安くて悪いものが世の中にはびこるというのもまた困ることでございますので、その辺をよく見きわめながらやっていくことじゃないか、かように考えております。
 この石井式というのは名前は聞いておりますがもう一つ勉強不足でございまして、厚生省といたしましてもこういうものがあるなら研究も進めていきたい、かようには考えております。
#196
○広中和歌子君 私は実際に新しくできたあるゴルフ場の浄化装置、石井式によるものを見てきたわけでございますけれども、何でもよろしいんでしょうけれども、小っちゃなヤクルトの瓶をいっぱい詰めまして、そして空気を送って曝気装置というんでしょうか何度か繰り返すわけですけれども、スペースもそんなにとらないし、最終的に出てくる水というのは非常にきれいだと。もちろん見た目ではわからないんですけれども、何か薬を入れてテストをしてくれまして、私など簡単に感心しちゃったわけでございますが、ぜひお調べいただければありがたいと思います。
#197
○説明員(坂本弘道君) 勉強させていただきます。
#198
○広中和歌子君 それから、この産業排水については今までの規制で十分であるというようなお考えかどうかわかりませんけれども、小規模事業場を例外とされていることがわかるわけでございます。いわゆる足切り、一定規模以上の営業所に関しましてはこの水質汚濁防止法が当てはまるわけですが、それ以下のものに関してほどのような対策がなされているのか、野放しになっているのかどうか、そのことについてお伺いいたします。
#199
○政府委員(安橋隆雄君) 産業系の排水対策といたしまして、原則といたしまして日量五十立米以上の排水を公共用水系に排水する事業場につきましては排水規制を実施しているところでございますが、それを切りますいわゆる小規模事業場につきましては報告業務を課すという形で、どのような量を出しているかということを都道府県知事に報告させるということでチェックをいたしておるわけでございます。
 さらに、業種によりましては全然規制の報告義務の対象にもなっていないような業種もございます。これは、昭和四十六年に現行の水質汚濁防止法ができましてからだんだんと運用を強化してまいってきまして現在に至っているわけでございますが、まだいわば規制の対象になっていないようなところもあるわけでございますので、そういった未規制の事業場に対しましても事業場の実情に応じまして順次規制の網をかぶせていくということは今後とも必要なことではないかと思っておるわけでございます。
#200
○広中和歌子君 清水委員も言っていらっしゃいましたけれども、個人に大いに排水には気をつけろと言いながら、例えばレストランとか畜産農家などいわゆる生活環境項目の中で、つまりそういう営業を行っていてしかも五十立方メートル以下の排水をするところの取り締まりがないというのはやはり片手落ちではなかろうかと思います。
 そういうところはぜひ上質の合併浄化槽を義務づけるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#201
○政府委員(安橋隆雄君) 先ほど御説明いたしました五十立方メートル・パー・デーというのは国の一律の基準でございまして、そういった事業場が立て込んでおりまして現実に公共用水域の汚れの激しいようなところでは実情に応じまして都道府県段階で条例で国の一律基準よりも厳しい基準で排水規制を行っているというのが実情でございまして、県によりまして差はございますものの二十立米あるいは三十立米というようなところまですそ下げをしているという実態もございます。
 ただ、国の方でもいつまでも五十立米のままで一律基準を据え置いておくのがいいのかどうかということにつきましては、そういう形では済まされない問題であると思っておりまして、今後この点に関しましては検討を進めていかなければならないというふうに考えております。
#202
○広中和歌子君 聞きますと、レストラントというのですか飲食店、八十二万軒あるそうでございますね。そのうち規制の対象になっているところは非常に数が少ない。千八百五十軒だそうでございますけれども、その事実を御存じでいらっしゃいますか。
#203
○政府委員(安橋隆雄君) いわゆる排水規制をしております特定事業場の数といたしましては、委員御指摘のとおりでございます。
#204
○広中和歌子君 ぜひそういうところにもきちんと個人またはそれ以上の規制をかけていただきたい、そのようにお願いしたいと思います。
 それからまた、生活環境項目で処理対象人員が五百名以下のところでは特定施設から除外ということがございますのですけれども、例えばどういう企業というんでしょうか、それが当てはまるかわかりませんけれども、そういうようなところに例えば浄化槽、トイレですよね、そういうものの浄化槽なんかはするかしないかは事業場、あちら任せというようなことで規制もかかっていないというふうに伺いますけれども、それも事実でございましょうか。
#205
○政府委員(安橋隆雄君) 浄化槽の規制でございますけれども、全画一律基準といたしましては、現在五百一人槽以上のところにつきまして合併浄化槽にしなければならないし、合併浄化槽につきましては特定施設として厳しい排水規制をかけているというわけでございますが、今回の法律改正で汚れの特に激しい総量規制地域、これは東京湾、伊勢湾、瀬戸内海の関係水域の陸域でございますが、そういう総量規制地域につきましては全国一律基準よりもより厳しい基準で施設の排水規制ができるような制度を法律改正でお願いしておりまして、この法律改正が認めていただきますれば、私ども政令でこの五百一人槽以上のものをこういった総量規制地域につきましては二百一人槽以上のものにすそ下げをして、汚れの激しい地域では全国一律基準よりも厳しい基準で排水規制をしていきたいと考えているところでございます。
#206
○広中和歌子君 どうして二百一人になさるのですか。どうしてもっと下げられないんでしょうか。
#207
○政府委員(安橋隆雄君) 今、五百一人槽というのは大体日量百二十トンということでございまして、二百人槽というのは四十八トン、約五十トンでございますので、一応特定施設ということで五十トン以上槽ということで切っておりますこととのバランスを考えまして二百一人槽ということにしたわけでございます。
#208
○広中和歌子君 日本とアメリカは違うんでしょうけれども、日本は中小といいますと非常に保護されているような気がするんですが、このようなことに関しては例外というんでしょうか、をおつくりになる必要はないんじゃないか、一からスタートしてもいいんじゃないかというふうに思うんです。
 しかしながら、私個人といたしましてもこの法案には大賛成でございまして、企業だけではなくて個人の責任というものを明確にしようとなさったことはすばらしいことだと思いますが、そのかかわりで日ごろ気がついていることについてちょっと二、三御質問させていただきたいと思います。
 河川とか海岸とか山、道路などのごみが意外と多くて、それが非常に気になるわけでございます。海上投棄は法律上禁止されているというふうになっていますけれども、例えば海岸などに参りますとすごく汚いんですね。これはちょっと恥ずかしい話なんですけれども、例えば岩国では海水浴の季節になる前にアメリカの兵隊さんがボランティアで海岸を掃除して歩いてくれるそうでございます。つまり、海水浴シーズンの前になぜ海岸にごみが出るかというと、海岸に遊びに来た人が捨てるというよりは川とかに、多分川でしょうね、捨てて、それが水によって流されて海岸に出てまた打ち上げられると、そういうことじゃないかなと思うんです。というのは、考えられないような物が海岸に流れて散らかっているんですね。例えば、ここに出ていましたけれども、洗剤の大きなビニールの殻ですね、そんなようなものが散らばっているんです。
 どうしてこういう不法投棄がなされるのか、そのごみ処理の状況、そしてそういうものを取り締まる方法がないんだろうか、生活雑排水についてこうやって努力なさっているんですから、普通のごみについてもやはり環境庁としては各省庁と、恐らく厚生省だろうと思いますけれども、一緒にやっていただけないものだろうか。まだ厚生省の方いらっしゃいますから、よろしくお願いします。
#209
○説明員(坂本弘道君) ただいまの海岸に流れつくごみの点でございますが、海域にごみを捨てるということが全部禁止されておるかというとそれはちょっと違うところがございまして、し尿でございますが、これは五十海里離れたところに持っていって速やかに拡散するようにと、こういうようなことで一部やっております。余計なことかもしれませんが。
   〔広中和歌子君「いや、いいことを教えてくださいました。ありがとうございました」と述ぶ〕
#210
○説明員(坂本弘道君) これはいろいろ歴史的事情もございまして、そういうことでやらせていただいております。
 ただ、今の廃棄物処理法では、何人も、公園、キャンプ場、海水浴場等の公共の場所を汚さないようにしなければならないと、こう規定されておるわけでございます。したがいまして、それらの場所の管理者はこれらの場所の清潔を保つように努めなければならないことが定められておるわけでございます。したがいまして、それぞれの管理者によって海岸、湖畔等の清掃が行われておる、特に海開きやなんかというときにはみんなで集まって、ボランティアの人も中心になっていただいてやっていただいておる、こういうことでございます。
 散乱ごみを防止するということでございますが、これはやはり何といいましても住民の方たちのモラルの向上が必要でございまして、そういう意味から厚生省では、春には環境美化行動の日、秋には環境衛生週間を定めて、公園、キャンプ場等の一斉清掃、啓発活動等を推進しておるところでございます。先日も私も上野公園でごみ拾いをやってまいりましたが、六月の三日だったか、たくさんお集まりになっておりましたです。
#211
○広中和歌子君 本当に雑排水のこともそうでございますけれども、ごみにつきましても、例えばこの法案ができて果たしてどれだけ守られるのか、実行されるのか、PRの予算ですね。企業だって物をつくれば、さっき七%ですか八%の宣伝費をかけると言いましたけれども、こちらはどのくらい宣伝費を、また宣伝の努力をおかけになるんでしょうか。
#212
○政府委員(安橋隆雄君) 国だけではなくて県も含めましてこの法案の趣旨の徹底には努力してまいりたいと考えております。
 普通の法案ももちろん周知徹底する必要があるわけでございますが、この法案につきましては、排水対策のソフト面として国民一人一人が加害者にもなり得るんだということをわかってもらわなければ効果は半減するわけでございますので、この点特に留意してまいりたいと思っているわけでございます。
#213
○広中和歌子君 先日、議員たちが集まっての環境会議、GLOBEという会議に出席しました際に、海上投棄とそして危険物廃棄についてそれぞれの国でいわゆる政策協調をしようじゃないかといったような話で、私も日本の例を勉強させていただいたわけでございますが、海洋投棄については日本では非常に厳しい取り締まりがあるということを伺ったんです。そのとき、し尿はどうかと聞かれて、実を言うと答えられなかったのに今厚生省の方がお答えいただいたんで、そういうことが日本で行われていることを知らなかったということ、そして今、一国で出す公害物質というんでしょうか汚染物質は世界じゅうを回るという視点から、こういう政策協調が行われるという時代になったんだなという気がいたします。
 バーゼル条約というのを環境庁でも御存じだろうと思いますけれども、その条約について、そしてその条約に日本は今度加盟するおつもりがあるのか、そしてもし加盟するのであればその前にどのような問題点があるのか、お答えいただければありがたいと思います。
#214
○政府委員(安橋隆雄君) バーゼル条約は、廃棄物の国際的な移動によって地球全体が汚れていくことを防止するために必要な対策について、世界じゅうの国々がスイスのバーゼルに集まりまして締結した条約だというふうに聞いております。日本を含め百十六カ国が採択したわけでございます。
 それで、この条約につきましては、日本も地球環境の保護ということで世界のリーダーとなるべき立場にございますのでぜひ批准をして参加したいというふうに考えているわけでございますが、この条約に参加いたしますためには国内法の整備が必要でございます。そういうことで現在政府部内におきまして加盟に伴います各種の国内法の整備について検討を進めているところでございます。
 準備ができますれば、国内法の整備とあわせまして条約の承認について国会の方に御審議をお願いしたいと考えているところでございます。
#215
○広中和歌子君 整備の内容でございますけれども、なぜ整備しなければならないのか。聞くところによりますと、日本で危険廃棄物というんでしょうか、そういうふうに指定されているものと、それから例えばヨーロッパ、アメリカなどで指定されているもののカテゴリーが違う、種類も数も違うというふうに伺っておりますけれども、事実でございますか。
#216
○政府委員(安橋隆雄君) 有害廃棄物の範囲が条約上あるいは各国の国内法上追っていることは事実でございます。バーゼル条約におきます対象物件で有害廃棄物と定義されているものは必ずしも有害物を含んだ廃棄物でなくて、例えば強酸性のもの、強塩基性のものなども有害廃棄物というふうにしておりますので、我が国の国内で有害廃棄物を含んだものということとの単純な対比は困難かと存じます。
 ただ、有害なものを含んでいないものでございましても、国内法上、例えば埋立禁止処分の対象にしているというようなこともございますので、そういったことを考えますと単純な比較は困難かと思いますが、いずれにいたしましても、バーゼル条約を批准いたします以上、バーゼル条約との整合性を国内法制もとっていかなければならないことは事実でございますので、そういった対象物の範囲でございますとかあるいは有害廃棄物の移動というのは法律上は有害廃棄物の輸出輸入というようなことに、国境を越えての移動というのは輸出輸入ということになりますので、そういったことをどのような法制でどのようなチェックをすべきかというようなことも含めて検討しているということでございます。
#217
○広中和歌子君 先ほどの不法投棄につながるわけでございますけれども、日本では別に有害というふうな規定がされていなく、それを海外に持っていってしまうというようなこともあり得ますでしょうし、簡単に処理業者に任せずにまたは簡単に川に捨ててしまってそれが水を汚染するなんというようなこともあるのかもしれない、そういうようなことを心配いたしますものですから、ぜひこうした有害廃棄物につきましてはより厳しいスタンダードに従っていただきたい。したがいまして、ぜひ国内法を整備され、そしてバーゼル条約を批准できますような体制を整えていただきたいとお願いする次第でございます。
 それで私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
#218
○沓脱タケ子君 それでは、質問をさしてもらいます。
 水は、人間はもちろんのこと、地球の生きとし生けるもの共有の財産だと思うんです。人間が自然とかかわり水に親しめる環境を求めるというのは人間本来の自然の欲求だと思います。人が魚や水辺の生物と共存できるような環境保全をすることが何よりも大事だという立場で、水濁法の成功といいますか、本当に実効を上げることを心から望むものです。
 今回の法改正を見てまいりますと、水を守るために国民の責務を決めておられます。生活排水というのが炊事、洗濯、入浴による水ということで規定をされておりまして、この生活排水の汚れを規制するというのであります。考えてみますと、従来の公害対策法規の中で個人の生活にまで踏み込んで規制をするという規定は初めてではなかろうかと思うんです。そういう立場に立ちますと、これは国民の一人一人にそういった責務を要求していくということになるならば、当然のこととしてそれだけに行政の責任というのは逆に重大であろうと思うわけでございます。生活に利用する洗剤、これは法律にも書いてあるが、国民が無意識に使っているけれども安全な洗剤、そういうものを一体どうして選択をさせるのか、あるいは食用油の処理について安全にどういうふうにやれるように国民に啓発をするのか、これは生活をしていくために利用していく商品自身を本当に環境に優しいものを規定していきませんと、国民に気をつけろ気をつけろと言われたってこれはなかなか実効が上がらないんじゃないかというふうに考えるわけでございます。その点が一点です。
 もう一つは、共有財産の水を従来から一番汚してきた元凶というのはやっぱり産業排水、この産業排水を一段と規制していくということが並行してやられなくちゃならない。もっと言えば、これはもう盛んに言われておりますように、私も言いたかったけれども質問順位がずっと後になるものだから省略をしておるんだけれども、今全国で二千以上にも及ぶいわゆるゴルフ場の農薬づけの問題、こういう問題について並行して厳しく規制をする、行政が責任を持ってそれをやるということなしに国民に対してだけ責務だなんてなことを言ったってこれはいただけませんということになると思うので、そのあたりの御決意のほどを先に伺っておきたいと思います。
#219
○政府委員(安橋隆雄君) 産業系排水につきましては罰則等の担保措置を伴って厳しい排水基準を……
#220
○沓脱タケ子君 そんなの要らぬですよ。基本的なスタンスを聞いているのであって、細かいことはいいですよ、後で聞きますから。
 国民個人の責務をきちんと規定するという新たな問題なんですから、この法律はかってない規定なんですから、それをやる限りは行政の責任はうんと重大になるという立場で、私も申し上げたように産業排水であれ、あるいは生活に利用する商品の選択であれ、あるいはゴルフ場の農薬づけであれ、そういった諸問題については従来と同じスタンスでは困りますよということを申し上げているので、基本的なスタンスをはっきりしてください、そのことを申し上げている。
#221
○政府委員(安橋隆雄君) 国民にいろいろとお願いを申し上げる以上、政府なり行政なりあるいは企業の責務というものも明らかにすることは当然ではないかという御指摘でございます。政府の方といたしましてもやはり重大な決意で政府の責務を遂行していかなければならないと思いますし、企業の方も環境に優しい製品の開発、普及というようなことに努めていただくように政府としても努力を重ねていきたいと思っておるわけでございます。
 また、産業系の排水規制あるいはゴルフ場の農薬の実態把握と適正な使用についての指導といったものも強化していきたいと思っております。
#222
○沓脱タケ子君 私もお聞きしようかなと思った。幾ら考えてもわからなかったのは、生活排水という定義は、炊事、洗濯、入浴による水だと、し尿は一体どうするんだというのがさっぱりわからなかった。これは国民にしたらそうですよ。し尿は厚生省でございます、建設省でございますと言われても、国民にしたら生活の中から出てくる汚水ということになればそれは一体どうするんだと。国民の責務のところは調理くずだとか廃食用油だとか洗剤だとか例示しているんです。それは生活全体の一部分だなというふうに思って非常に理解のしにくい思いがしたわけでございます。それが縦割り行政の一つのあらわれかと思いますけれども、しかし、きれいな水を守ろうか、水をきれいにしようかというときにはそういうものが総合的に国民に理解できるような対応をしませんと、これは環境庁で、これは厚生省でと言われたのでは国民はわかりません。
 それで、公共下水道の完備のところはどうするのかなと実は思っていたんです。同僚委員の質疑の中でそこは除外するんだと、こう言われた、お答えが、そうですね――いやいや、この法律の適用は公共下水道が例えば一〇〇%実施されている完備地域は除外するというふうに言われましたね、間違いないでしょう。
#223
○政府委員(安橋隆雄君) その点は、生活排水が下水道を通じて公共用水域に流れ出しますので、下水道できれいになるという意味で除外すると申し上げたわけでございます。
#224
○沓脱タケ子君 そうすると、生で汚した水が生のままで公共用水域へ出る水についてだけ個人が気をつけたらいいわけですね、今の説明なら。そしたら全部下水道を完備すればそんなややこしい心配は要らぬということになるのと違いますか。
#225
○政府委員(安橋隆雄君) ただ、国民の責務に関しましては、下水道完備地域でありましても下水道の負担を少なくするために、やはり心がけとして下水道の処理能力以上のものにならないようにきれいにして流していただく努力、心がけはお願いしたいと思っております。
 それからもう一点、言われましたし尿の問題でございますが、し尿も生活排水の中に含まれるというふうに考えているわけでございますが、し尿につきましては既に下水道法なりあるいは浄化槽法なりあるいは建築基準法なりでそのまま流してはいけないという体制ができておりますので、御審議をお願いしております生活排水対策としてはもう片づいている問題であるということでそういった三つの法律でやっていらっしゃるところにお任せするということで、当面必要なのは台所あるいはふろ場などから流れ出る人の生活にかかわる排水対策をすればいいのではないかというスタンスでこの法案を準備しているわけでございます。
 観念的にはこの法案の中にし尿も含まれているわけでございますし、一人一日当たりBOD四十三グラムの負荷量という中には三〇%、十三グラムという形でし尿につきましても負荷量はあるわけでございますから、これは観念的にはこの法律の対象にはなり得るものだと考えております。
#226
○沓脱タケ子君 私は、国民の責務を法律に明記しなくても、今日の地球環境を守るという意識がこれだけ国民の中に広がってくるという中では、これはおのずからそれぞれの留意というのが広がってくるに違いないと思いますし、それに対する啓発、これはもう当然必要だと思うんです。ただ、そういうことで個人の責務とか個人の努力だけで果たして生活排水の汚濁防止ということの実効が上がるのかなということを感じます。
 といいますのは、私は大阪市内に住んでいるんです。大阪市内に住んでおりますと、例えば下水道の普及率が九九・八%ぐらいです。もうほとんど完備している。そうなったら、生活排水と言うけれども、生のままで公共水域へ出ているというのは実際はちょっと見ないわけです。生のままで公共水域である河川に下水道の端が出てきているというか、生の水の端が出てきているというのは郊外の小さい河川でときどき見ますね。そういう状況から見れば、本当に生活排水の汚濁防止を実効のある措置として実現していくためには、大都市の周辺だとかあるいは人口急増地域だとかあるいは乱開発で急速に住宅が広がっている地域だとか、そういうところは下水道の完備、整備を急ぐということが一番大事ではないのかなということを感じるわけでございます。全国的な統計等は既にもうお話がありましたが、四〇%余りだという状況で、しかも随分全国的には差があるということも話がございましたし、データも拝見をしておるわけでございますが、そういう点で大都市とあるいは大都市周辺の地域、人口の密集地域、乱開発というと語弊がある部分もあるかもしれませんが急速に開発されて密集されている地域等については、これは生活排水の対策をし尿とともに本当に実効を上げるためには下水道の普及ということが非常に大事ではないかと思いますが、その点についての御見解はいかがですか。
#227
○政府委員(安橋隆雄君) 先生御指摘のような地域で下水道が整備されるということは重要なことだと考えておるわけでございます。ただ、下水道と申しましても地域によりましては完備までにある程度時日を要するというようなところもございますし、そもそも下水道が非効率的であるというような地域もございますので、そういった地域につきましては下水道以外の施設、簡便性、効率性といったような特性を備えた他の施設で対応するというようなことが基本だと思っております。
 いずれにいたしましても、環境庁といたしましては、生活排水処理施設が早急に整備されまして環境中に汚水が流れ込むことが一日も早くなくなるように各種の生活排水施設を地域の特性に応じて、施設の特性に応じて完備していただきたいというふうに思っておるわけでございます。
#228
○沓脱タケ子君 それならはっきりしてほしいんだけれども、下水道をつくるのが一番よろしいけれども建設省との関係ではなかなか簡単にできないから間に合わぬから、とりあえず中間的な施設をつくってでも国民に責務を果たさせるということなのか。
 私はそんな回りくどいことを言わぬで、これは条件の違うところはそれは違いますよ、農村地帯とか集落地域とか。しかし、大都市周辺の人口急増地域などというのは下水道整備を最優先にやるべきだと思いますよ。特別措置をとるのかどうか、あるいはこの法律をつくるのに建設省と相談してどのようになっているんやとまず聞きたいわけですよ。どうですか。
#229
○政府委員(安橋隆雄君) この法律を出すに当たりましてもちろん建設省とも十分協議、調整を重ね、それを了したわけでございます。つまり重点的に生活排水施設を整備すべき地域ということで計画を立てさしていただいているわけでございますから、そういった地域につきましては重点的かつ優先的に各種生活排水施設の整備のための助成もしていただくということにしているわけでございます。
#230
○沓脱タケ子君 建設省おいでですね。
 それじゃちょっと伺いますが、汚濁状況によって特別地域か重点地域の指定をやるということになっていますね。その重点地域の指定をやったところは建設省としては下水道建設については特別措置なりかさ上げなり、そういうことをやってでも実効を上げるような方向をおとりになるのかどうか、それをちょっと聞かしてほしい。
#231
○説明員(松井大悟君) 下水道事業の中で今回の法律に指定されました重点地域につきまして下水道の財政上の措置があるかという御質問だと思います。
 それにつきましては、下水道事業そのものが生活系排水の全国的な最重点事業と考えておりますし、下水道事業の現行の補助率は他の公共事業に比べまして十分高いものと考えておりますから、現在はそのような措置は考えておりません。
#232
○沓脱タケ子君 私はその辺が大事やと思うのは、市町村でしょう、実施主体が。金の裏打ちがなかったら、何ぼやりたい言うてもでけへんのですよ。長官ね、よう知っておられるでしょう。そこをちゃんと裏打ちをつくってもらわぬと、そんなもの何ぼ決めたってあきませんで、本当に。どですか。
#233
○国務大臣(北川石松君) 沓脱委員の非常に下水道に対しての思いやりのある御質問をちょうだいしてありがたく思っております。
 ということは、下水道の事業そのものは建設省の下水道局でやっていただきます。ところが、今おっしゃるように市町村の負担ということにおいて市町村は行き詰まっておる、これは私は言っても過言じゃないと思う。だから、四四%の負担の中で大阪の周辺の人口急増のところの広域下水道というものはまだ四四%である。これは市町村の負担、ここに建設省の課長いらっしゃるが、地域の事情を十分に踏まえてやはり普及率を高めるための国の補助制度というものをこの際検討していただけるならば幸いだと思っております。これは各所管また大蔵省、いろんなところとの話し合いを持っていかにゃいかぬ問題ですので、この点を御了承願っておきたいと思います。
#234
○沓脱タケ子君 それは建設大臣と大蔵大臣と相談をしまして、とにかく補助率も今下がっておるわけや。きのうもちょっと聞いたけれども、下がったままでこんなものやるといったってできやせぬのやから、その補助率を上げるためには大蔵大臣に、こんないい法律をつくるのやからぜひ実効を上げるためにちゃんともとへ戻してくれと言うて要求をしてもらいたい。そして特別重点地域に指定したところは本当に重点的にこれは予算を充当するというふうなことを約束してもらわぬとさっぱりぐあいが悪い。せっかくいい法律ができたんやけれどもなという結果になりかねないので、これは特に長官にお願いを申し上げておきます。私は余り時間がないんでゆっくり言うてられへんのですね。
 それで、何で下水をやいやい言うてるかということを一言言います。
 これは大阪府の環境白書に「大阪府下の河川の水質(BOD)の概況」というのが出ている。汚れている十ミリグラム・パー・リッター以上のものというのは大阪の南部を除いて全部内陸部なんですよ。これはおもしろい現象だなと思って私も見たんですが、これひとつあげますから、長官ごらんください。(沓脱タケ子君資料を手渡す)
 それで、これを見て、この内陸部の非常に汚れているところの下水道の普及率を見たら物すごく悪い。恩智川というのが大阪では一番汚れている一つです。それを見たら一番上流は柏原市です。柏原市は最近二十年ほどの間に人口が倍になった。もう山まで、山の際どころやない、山の上まで削っていっぱい家が建っています。最近ではもう川の流域は悪臭でどないもならぬというところへ来ている。そこで下水道の普及率を見てみたら、排水人口対比一一・九%です。そこで何とかせよと青うて市当局に対しても物すごい住民の要求が出ているそうです。それで、その下流は八尾市だとか東大阪市だとかいうところを通っているんですが、これみんなそうなんですが、今の下水道建設のテンポでは二十年かかるやろうというのがその地域住民のいわくです。
 こんなことでは生活排水の問題というてみても、これは協力を得られないですよ、なかなか、気持ちよく。何を言うんやということになります。これは実例なんですから余り御意見を聞こうと思ってない。そういうことだから下水道建設をやっぱり急がなきゃだめだ、特に大都市周辺についてはそのことを申し上げたい。
 もう一つの特徴というのは、この地図で見たら大阪府の南部地域が、これは海岸線なのに春木川、津田川、近木川などなど、全部汚染度が高い。これは長官御承知のように、大阪湾というのは瀬戸内法で規制されている地域です。大体埋め立てなんてなものは余りやっちゃいかぬということになっているところへあの関西新空港の空港島をつくり、大阪府が前島を埋め立てやっているわけでしょう。そのために大阪湾の水質汚濁を増幅させてはならぬということで、同時にこの汚い川から出ていくのを、下水道を七〇%まで建設するということでとにかく埋め立てをするということが強行された、早く言うたら。
 そんならどないなっているんや言うたら、その地域の下水道、私、何と情けないなと思いましたわ。空港のもとの泉佐野市は〇・八%ですよ、下水道建設。それから、その北側の貝塚市で〇・八%ですよ。岸和田でやっと二七・七%。泉佐野市から南側の幾つかの市や町は全部ゼロです。だからどんなことが起こっているかというと、これは生活排水どころじゃない。大体し尿が処理場ができてない。下水道をつくってくれるというから、それは小さい町では待ってるわけです。ところがうまいこといかぬものだから、ある時期はこの大阪の南部から大阪市の下水処理場にまで投棄をさせてもらっていた。大阪市もいつまでもそんなことしてもらえぬものやから、このごろは海洋投棄までやっている。
 そういうことが起こっているんで、私は、生活排水の問題を論ずると同時に、環境庁が所管しておられる瀬戸内法、とりわけ汚染が厳しい大阪湾の対策をするということを進めるためには、これは瀬戸内法の立場に立っても、生活排水対策の上に立っても、下水道対策を早急に進めなかったら話にならぬというところへ来ていると思うんです。
 御見解をちょっと聞いておきますわ、長官よう知ってはるんやから。
#235
○国務大臣(北川石松君) ただいま沓脱委員の、下水道に対していろいろと御指摘があって、御質問の中でお答えいたしますが、この下水道で寝屋川広域下水道というのは日本で一番最初にできたことは御承知のとおりだと思うんです。
 その中で、寝屋川、大東、門真がようやく五〇%近くになってきた。こういう中で当時は、枚方も交野も四条畷も、これは紙一重なんです。それでもちろん南の方の、今御指摘の点は広域下水道も何もなかった。ところが、皆さんの要望と同時に人口が非常に急激にふえたために下水道の要請が強くなってきたということは否めないと思います。そういう点で、関西新空港とは関係なしに生活の下水道というものは完備していかにゃいけないという思いはいたしております。
 先ほど申し述べましたように、今後とも私は建設省なり関係諸庁とよく話をし、これを完成していくためには、きょう建設省から来てくれていますから、これは十分にこれから話し合いを持っていかなくちゃいけない、こういう思いをいたしております。
#236
○沓脱タケ子君 これは何も関西空港がなくてもと特別に言う必要ないんですよ。それと引きかえに七〇%というあのときの約束があるから特に言った。
 それで、大阪湾、瀬戸内の環境保全に対する御要望ということで大阪湾海水汚濁対策協議会、瀬戸内海環境保全知事・市長会議等からも御要望が出ておりますから、ぜひそれはやってもらいたい。
 それから、冒頭にちょっと申し上げたが、時間がないからまとめて言いますが、産業排水の規制の強化。これは冒頭に申し上げた行政の姿勢から言うてもぜひ強化しなくちゃならない。一日五十立米以上の特定事業場の対象の見直しという問題というのは同僚委員からも既に出ている。アメリカではこれはもうすべての事業場が規制対象になっているそうですが、御答弁にあったように自治体がもう辛抱できなくて二十立米、三十立米の規制をやってますね。
 せめて自治体並みの規制対象までの見直しをぜひやってもらいたいと思いますが、いかがですか。
#237
○政府委員(安橋隆雄君) 自治体は地域の実情に応じて国の一律基準を引き下げていらっしゃるわけでございますが、国の基準も一律基準とはいえ時代の変遷とともに考え直すべきものだと考えております。
 したがいまして、この生活排水対策の充実と合わせまして、あるいはそれと並行いたしまして産業系の排水対策も充実していかなければならない、こういうふうに考えております。
#238
○沓脱タケ子君 もう時間がありませんので、最後に地下水汚染の問題で一言だけ申し上げておきたいと思います。
 これも飲み水に使っている井戸の水質の実態調査を大阪府でおやりになっておるんですが、何と、恐ろしいなと思ったのは、八七・一%が水質検査の結果飲用不適です。その中で一番心配をしていたトリクロロエチレン等の水質基準を超している井戸が出ております。これは池田にも出ておるし富田林にも出ているという状況でございます。これはまだ一年ばかり前ですな、この地下水規制をやったのは。それでどうしたらええ、いやどうなっておるかと言うても始まらぬけれども、こんな地下水というのは汚れたらもとへ戻せない、実際。そういう立場から考えて、少なくともそういう危険なトリクロなどを使っている有機塩素系の化合物などを使っている事業所等を、ひとつどうですか、特定施設として定めるということが必要ではないかと思うんですが、これは定めてないんですね。だからそれを定めて、少なくとも危険なものを使っている工場なんだということだけははっきりさせる。
 それからもう一つは、廃液を運搬している。これは大概業者に委託しています。これはどうも聞いてみたら厚生省なんですな。厚生省はちゃんとやっているそうですわ。だから、終末処理の方を先にやっておって使っている工場が底が抜けていたら話にならぬので、これはIC工場や自動車工場など、トリクロを使用している企業の施設を特定施設として定めるということをぜひやってもらいたいと思いますが、その点はいかがですか。
#239
○政府委員(安橋隆雄君) トリクロロエチレン等の有害物質の地下水汚染の問題でございますが、昨年度の水質汚濁防止法の改正で対応ができることになりまして昨年の十月一日から規制対象事業所に対して地下水の規制を行っているわけでございますが、御指摘のように一部に未規制施設がございますので、調査を早急に完了させまして、その調査結果を待ちまして新たに対象施設に追加することについて検討を急ぎたいと考えているところでございます。
#240
○沓脱タケ子君 それじゃ、時間ですから終わります。
#241
○中村鋭一君 本日は委員会でこれまでに広中さんや清水さん、篠崎さん、そして今の沓脱さんを初め女性委員の皆さん、大変きめの細かい質問をしていただきまして、私も、ああそうか、こういう見方があったのかとつくづく目からうろこが落ちるような思いもいたしました。
 これは衆議院の段階で安橋さんが、今回の水濁法等について女性の方に生活排水を余り量をたくさん使わないようなことをお願いするというような意味の答弁をなすっていたように私は記憶しておるんですけれども、なるほど、しかし考えてみますと、我々の頭の中に、今回の法改正は生活排水、これは家庭雑排水、これは家庭の主婦だ、こういうふうなある種の思い込みがあったんじゃないか、こう思うんですね。
 その点で今後のこの法の現実のPR等々には、まず冒頭に、これは決して家庭の主婦を主として対象としたものではなくて、文字どおりそれは厳密に言えば、法にもうたわれてありますように、環境の加害者になっていけないのは国民一人残らずでございますから、その点をまず環境庁の皆さんも観念をしっかり定めておいていただきたい、こう思う次第でございます。
 そこで、改めてでありますけれども、今回のこの水濁法の改正に至る経緯といいますか、これは一種の理念法といいますか、宣言法といいますか、そういう法律であると思うんですが、こういうものを改めて設定しなければいけなくなったその原因といいますか、経緯といいますか、その点について簡単にお答えをお願いいたします。
#242
○政府委員(安橋隆雄君) 水質汚濁防止法は、従来産業系の排水対策を中心に仕組みを設定していたわけでございますが、最近の環境基準の達成率というようなことを見ますと、健康項目についてはほぼ達成しているわけでございますが、生活項目については全体として見れば横ばいでございますし、人口が稠密なところの都市内中小河川あるいは閉鎖性水域におきましてはむしろ悪化の兆しさえ見られるというような状況でございます。しかもその原因が、必ずしも産業系のみではなくて生活系の汚水も見過ごすことのできないウエートを占めるに至ったというような事態の推移にかんがみまして、制度面でも生活系の排水の仕組みを補っていきたいということで法律改正をお願いしているわけでございます。
#243
○中村鋭一君 滋賀県でちょうど十年前に富栄養化防止条例をつくりまして、私、この間この委員会で県の方に来ていただいて参考人として御意見を伺いまして、その節に、国が例えば環境アセスメントについての法律をどうしてもつくることができない、やっと湖沼法をつくりましたね、五十九年でございますか。そのような状況の中で、滋賀県民が良識を持って富栄養化防止条例、いわゆる洗剤条例をつくった。このことは本当に立派なことであったと称賛するにやぶさかでないし、私も県民の一人としてそれを誇りにしているんですけれども、ただ現実に見ておりますと、その洗剤防止条例を施行したにかかわらず、琵琶湖の水質が顕著な改善が見られていないように思うんです。
 そこで、条例実施後の、例えばCODでありますとかそういうものについて、経年的な変化をごく簡単で結構でございますから、できれば北湖と南湖に分けて、まずCODから教えていただきたいと思います。
#244
○政府委員(安橋隆雄君) 富栄養化防止条例が琵琶湖について制定されました昭和五十四年以降の琵琶湖の水質の推移でございますが、CODにつきましては、北湖、南湖とも五十四年から五十九年までの最初の五年間ぐらいは改善傾向にございましたけれども、五十九年度以降は横ばいの状況になっておるわけでございます。
 それから、例えば透明度でございますけれども、北湖は非常に変動が激しいわけでございますが、五十四年以降大数的に見ますと若干の改善が見られるというふうに見ております。それから、南湖では五十四年以降横ばいで変更がございません。
 それから、窒素でございますが、北湖では五十四年以降ずっと横ばいの状態でございます。南湖では五十四年度から若干の改善の傾向は見られましたけれども、最近に至って横ばいの状態になっているということでございます。
 それから、燐でございますけれども、北湖では五十四年度以降現在までずっと環境基準でございます〇・〇一ミリグラム・パー・リットルの基準を達成しておりますが、南湖では五十四年度以降改善の傾向が見られましたけれども、最近では横ばいであるというような状況になっております。
#245
○中村鋭一君 今御指摘のように、顕著な改善が見られていない。特に南湖においてその傾向が著しいわけですね。
 私、滋賀県からちょうだいした「しがの環境水質編」という小冊子でありますが、これを見ておりましても特に南湖においては透明度、全窒素、全燐、それからもちろんCOD、そのすべてが環境基準をはるかに隔たって悪い状況にあるわけです。
 としますと、私はそこで一つの疑問がわいてくるんです。
 県民の意思で洗剤条例を制定して、いっとき八〇%ぐらいまで達した石けんの使用率は現在三〇%そこそこに低下している。しかし、一方では燐を含まない洗剤の使用率が当然上がっているわけで、相対的には石けんの使用率が減っても燐を含まない洗剤を使っているわけですからイコールゼロであるわけです。とすれば、十年もかかってこれだけ一生懸命県民の皆さんがやっているにかかわらずこのような状況、環境基準にはるかに隔たる数値しか得られない。一体どうしてなんだろうという疑問がわいてくるんですが、それは環境庁はどのように見ていらっしゃいますか。
#246
○政府委員(安橋隆雄君) 琵琶湖のうち特に南湖につきましては、水深が平均で四メートルぐらいということで非常に浅うございます。ということは汚濁の進行が進みやすいという湖自体の特性があるわけでございますが、周辺の人口が特に最近顕著な増加を見ておるわけでございます。さらに下水道の普及率がまだ周辺の地域では低いというようなことがございまして、県あるいは県民挙げての懸命の努力が人口増等の要因で相殺されまして、本来浅い、汚れやすいという南湖の特性とも相まちまして、全体的状況としては相殺の結果横ばいであるというような状況になっているものと判断しておるわけでございます。
#247
○中村鋭一君 安橋さんね、今の御説明では私、どうももうひとつ納得ができないものですね。
 ここにある資料は琵琶湖総合開発事業の実施状況の表でございますが、例えば土木としての琵琶湖の下水道の工事進捗率は八二%ですね。それから一方、住民の皆さんのいわゆる下水は二三%ぐらいですね。それでも全国的な平均からいたしますと、ここ累年の下水道化率は全国でも非常に高い水準にある、こう言われているわけです。にもかかわらず南湖は顕著な状況の改善が見られない、むしろ横ばいであるということなんですね。何か別に理由があるんじゃないかなと、こう思うんですね。
 それは、例えば水濁法の改正案が実施をされまして皆さんの意識が改善されて、石けんの使用率が高まって、産業排水も生活雑排水もそういう出す方の側からいきますと大きな進歩や改善が見られて、きちっとそれをやっていけば琵琶湖の水が今から千年前と同じような透明度や同じようなきれいさを取り戻すことができるんだろうかと疑問を持つわけです。
 何かほかに、例えば酸性雨でありますとか、地球全体の環境がもう我々の努力を超えたところで水そのものを汚染しているような要素もあるんじゃないだろうかと思うんですが、その点について、安橋局長、お考えになったことはございますか。
#248
○政府委員(安橋隆雄君) やはり先ほどもちょっと申しましたように、南湖につきましては周辺の人口増というものがせっかくの県民、県を挙げての努力を割り引いているという結果が出ているということは否定できないと思います。
 それから、これは特に南湖についてだけではございませんが、国民一人一人の生活水準が上がりましていわゆるぜいたくな生活を始めますと、それが大気にしろ水質にしろにいわば悪影響を及ぼす、従来よりも多い負荷量を与えてしまうということは避けられないところでございます。
 そういう意味で、生活水準が高まりましても環境に優しいような製品を使っていただきまして、少しでもきれいな環境にしていく努力が国民各人に求められるところではないかと思っているところでございます。
#249
○中村鋭一君 これは大阪の新聞には大きく取り上げられた記事なんですが、六月七日付の朝日の朝刊なんです。その前の日はたしか社会面のトップ記事に出たと思うんですが、琵琶湖で植物性プランクトンが例年より三週間早い五月下旬から異常発生をいたしまして、下流域の琵琶湖の水を飲んでいらっしゃる皆さん、北川長官もそのお一人でございまして、これもう臭うて飲めぬと、こうおっしゃいまして、新聞記事によれば神戸市には一日で百件近くの苦情の電話がかかっていると。そのために浄水器が売り切れになりまして、皆さん自衛のために浄水器を使ったり、それから六甲の水がもう品切れで在庫が全くなくなったと、こういう報道がされていたんですけれども、この琵琶湖に発生した植物性プランクトンといいますのはどういうプランクトンなんですか。
 それからまた、こういうプランクトンが例年より三週間早く発生したということは、環境庁は知っておられますか。
#250
○説明員(小林康彦君) 新聞記事につきましてはただいま入手をしたところでございますから、私からちょっと答えさしていただきたいと思います。
 琵琶湖のカビ臭が主としてプランクトンに起因をいたしまして、琵琶湖周辺及び淀川から取水をしております水道でにおいを生じ問題になり始めたのは昭和四十年代からでございます。例年のように関係の水道での悩みの種になっておるわけでございますが、最近のにおいの原因の主といたしましてはフォルミディウムが中心というふうに観測をされております。本年もこのフォルミディウムが発生をしておりまして、発生そのものは例年並みでございますけれども、においが出るのは例年よりも三週間早い時期、現在発生をしておると、こんな報告を受けております。
#251
○中村鋭一君 そのフォルミディウム、これはカビ臭があるけれども健康被害はないわけですか。
#252
○説明員(小林康彦君) 現在のところはにおいだけの問題というふうに承知をしております。
#253
○中村鋭一君 しかし、においだけでありましてもこんな不快なことはないわけで、今も沓脱さんがうちも浄水器つけたわって、こうおっしゃっているわけですね。
 だから、やっぱり臭い水というのは、これはぐあい悪いですね。広い意味ではやっぱりこれは公害だと当然ながら言えると思うんですが、なぜこういうプランクトンが発生するんですか。
#254
○説明員(小林康彦君) 湖が富栄養化、栄養の多い状態になりまして、それに光等の作用もございましてプランクトンが多量に発生しやすい状況になってまいりますと、その中で状況によりまして、種には変遷はございますが、中に強いにおいを発生するプランクトンが優先的に発生をする時期、年もございまして、それらがにおいの主たる原因になっておる状況でございます。
#255
○中村鋭一君 というと、例えば燐とか窒素とか、それから水の透明度でありますとか、同じように赤潮とかアオコとか、こういったプランクトンの発生率等も当然ながら水質汚濁に重要な関係がある、一つの指標にはなり得る、こう思うんですが、その点はいかがですか。
#256
○説明員(小林康彦君) プランクトンの発生が水質汚濁の一つの結果でございますので、逆に言いますと水質汚濁の程度を示す重要な指標というふうに考えております。
#257
○中村鋭一君 ということは、滋賀県のように水質というものに非常に神経質でそこに県民の良識も加わって全国に先駆けて洗剤条例を施行した、こういった水質先進県ですら琵琶湖の状況が改善よりもむしろ率直に言って悪化の方向をたどっているとしか言えない現状は、私は本当に残念だと思うんです。だからこそ我々は、むしろ蛮勇を振るってでも全国にきれいな海岸線やきれいな海水やきれいな湖沼や川を確保するための努力をこれからも払っていかなければいけない、こう思うんです。
 もう一遍話を技術的な側面に戻しますけれども、清水さんもたしかその面でお尋ねだったと思うんですが、滋賀県では例えば石けんの使用率が八〇%から三〇%に減って、洗剤の使用率がふえた。洗剤の使用率はふえたけれども、その洗剤には燐は含まれていないということなんです。
 安橋さん、率直なところ、例えば界面活性剤、こういったものの影響等もあわせて、洗濯石けんと洗剤の、使用量も含めながら、優劣を一遍比較していただけませんか。
#258
○政府委員(安橋隆雄君) 石けんにつきましては、生物に対する影響あるいは残留性という点に関しまして合成洗剤よりもすぐれた点を有しているわけでございますが、他方、有機汚濁という観点から見ますと合成洗剤よりも劣るというような関係がございますので、一概に石けんがいいとかあるいは洗剤の方がいいとかというのはなかなか決められない問題であると思われるわけでございます。
 いずれにいたしましても、必要以上に使うことによって汚れを加速させる、より増加させるということは避ける必要がございますので、先ほどの御質問にもございましたけれども、何が適正かというのはなかなかわかりにくいところでございますが、一人一人の御経験で適正な使用、必要以上に使わないということで水に対する汚濁の増加を防いでいただきたいというふうに考えているわけでございます。
#259
○中村鋭一君 北川長官は先ほど清水さんの質問に対して、どちらかといえば洗剤が悪で石けんがいい方だというふうな御答弁をなさったように私はお聞きしたんですが、いかがでございますか。
#260
○国務大臣(北川石松君) 一概には言い切れないとは思いますが、石けんの方が洗剤よりは自然的であるという思いを込めて私は申した次第であります。
#261
○中村鋭一君 これはなかなか難しい問題ではあると思うんですが、結局話は適正な使い方というところに帰っていくと思うんです。
 そこで、今回の法改正は一つの理念法といいますか宣言法であるわけですけれども、現実にはやはりPRをしていかなきゃいけませんですね。そしてまた、滋賀県の現状を見ますと、排水口のところに例のストレーナー、三角コーナーといいますか、これの普及を大変積極的に県が呼びかけて、生活者の男女を問わず皆さんは一日二回ぐらいはあれを取りかえなきゃいけない、大変面倒なことですけれども。
 そういう点について、この法改正を具体化するためには環境庁としてそのPRの仕方、啓発宣伝活動、これは予算も含めてどういうプランをお持ちか、お尋ねいたします。
#262
○政府委員(安橋隆雄君) 既に先進的な県でございます滋賀県でそういう運動を起こしていただいておりますし、個別の事例でございますが、そういう運動の結果SSその他の項目で二割ぐらいのカットが見られるというような事例もございますので、施設の整備充実ということとあわせまして啓発普及というのは大変重要なことだと認識しております。
 私どもといたしましても、パンフレットの作成でございますとかあるいはマニュアルの作成等を通じまして国、県を挙げて、あるいは市町村にも啓発事業の実施主体ということで加わっていただきまして、研修会を開かせていただきまして指導員を通じてそういった関係のPRもしていきたいと思っておるわけでございます。
 平成元年度の補正予算で県ごとに地域環境保全基金というようなものも設けさせていただいておりますので、その運用益によりますこういったPR、啓発活動への充当ということでかなりの成果が上がるもの、また上げていかなければならないものだというふうに考えておるところでございます。
#263
○中村鋭一君 そこで、啓発活動の中に、私、先ほど同僚議員の質問を聞いてつくづく感じたことですけれども、適切な量の石けんあるいは洗剤の使い方というものの指導も十二分に盛り込んでいただきたい、こう思います。
 北川長官も初めて朝シャンという言葉をお知りになったわけで、私は娘が二人なものですからつとにそのことは承知しておりまして、さっきも反省していたんですが、毎朝娘たちが頭をシャンプーしてあの一本の頭髪用の洗剤がほとんどもう数日でなくなっていくわけです。それは、毎日二回ずつうちの家でも娘二人が頭を洗うんですから、物すごい量を使っているんだなと私も大いに反省をしておりまして、家へ帰りましたらその面でまず隗より始めよで家内と娘に指導をしなければいけない、私は余りもう洗剤は要りませんのであれですけれども、そう思っている次第でございます。その面の指導もひとつよろしくお願いを申し上げておきたいと思うんです。
 農水省、来ていただいていると思いますが、琵琶湖の魚類の漁獲量について、特に琵琶湖特産のフナずしの原料になりますニゴロブナというフナがおります。それから、これも本邦では琵琶湖にしか生息しないホンモロコ、モロコという魚がおりますが、この漁獲量、水揚げ量の経年的な推移をお教え願いたいと思います。
#264
○説明員(吉崎清君) 昭和六十三年の琵琶湖の魚類の漁獲量は三千二百三十一トンであり、うちモロコ、ホンモロコでございますが二百三十八トン、ニゴロブナ、これはフナで統計をとっておりますが三百九十一トンであります。
 お尋ねのモロコ、ニゴロブナの過去十年間の水揚げ量の経年変化は、モロコにつきましては二百トンから三百トン前後でほぼ横ばいに推移しております。ニゴロブナにつきましては、五十六年の八百七十五トンをピークに減少しておりまして、十年前の約六割となっております。
#265
○中村鋭一君 その数字はちょっと私、どうも信用しがたい、こう思うんです。現実はもっともっと減っているように思うんです。
 それからもう一つは、私、釣りが好きでございますので湖岸からさおを出してフナ釣りとか春のモロコ釣りをいたしますが、よく釣れているころは、例年春四月初旬になりますとあの滋賀県の湖東から湖南部にかけて日曜日なんかは何千人という釣り人が並んだんですけれども、ことしはほとんど全く釣り人がおりませんでした。
 琵琶湖の独特の漁法でえり漁というのがありますが、あの湖南部でえり漁をやっていらっしゃる皆さん、ことしは全部えりを廃止しました、やっていたってモロコが入らないんですから。それから、フナずしが数年前までは一匹が千五百円ぐらいだったのが、先日聞きますと小さなフナが一匹もう一万円しているわけですね。これは如実に漁獲量と比例をしているということを体験的に私は感じるのであります。
 水産庁としては、琵琶湖の水産物が今横ばいとおっしゃいましたけれども、私は減っていると思うんです。少なくともふえてはいないわけですが、その原因等については推測をなさっておりますか。
#266
○説明員(吉崎清君) 近年、琵琶湖におきましてブラックバスがかなり繁殖したため、生態系が変化し、水産資源に悪い影響を与えている可能性がありますが、ブラックバスが捕食している魚は主としてスジエビ、ヨシノボリであり、ホンモロコ、ニゴロブナなどはそれほど多くはないという見解もありまして、その影響の程度については十分解明されておりません。
 また、近年の琵琶湖の水質は、窒素、燐及びCOD濃度で見るとおおむね横ばいの傾向を示しているものの、ウログレナと呼ばれるプランクトンの異常発生による淡水赤潮現象は昭和五十二年以来、六十一年を除いて毎年発生しております。
 また、昭和五十八年からは南湖の南部沿岸で藍藻類による水のはな現象、いわゆるアオコでございますが、これが発生しており、水産動植物の生育や繁殖に悪影響を与えていると考えられます。
 さらに湖岸部のヨシ地はホンモロコ、ニゴロブナなど琵琶湖特産種の繁殖場所でありますが、このヨシ地は直立護岸堤建設等のため約六〇%喪失しておりまして、これらの生物の再生産に悪影響を与えておると考えられます。
 以上の諸要因が複合され、琵琶湖の漁獲量の減少傾向につながったと思われます。
#267
○中村鋭一君 いい答弁をくださいました。おっしゃるとおりなんですね。ヨシ原がなくなっているんです。
 琵琶湖総合開発事業は十八年になります。これはやっぱり下流域の皆さんに安定した水を供給しなきゃいけませんね。琵琶総の事業は当然私はやらなければいかぬことだと思います。いかぬことだと思いますけれども、例えば工事の進捗率を見ても、いわゆる自然公園施設でありますとか自然保護地域の公有化でありますとか、こういったものの工事の進捗率は例えば四〇・四、五八・四。これをほかの土木系の工事と比べますと、一口に言ってこれが大分おくれているわけですね。そういったこととか今水産庁の方がおっしゃいましたような水質の悪化でありますとか、赤潮とかアオコが影響している。それから、魚が産卵するためのヨシ原でありますとか、魚が産卵するための良好な藻類、あれは藻に卵を産みますから、こういうものがどんどんどんどん失われていっている。ヨシ原は六割だとおっしゃいましたね。六割減ったわけでしょう。残り四割ということになりますね。こういうことは私は環境庁としても十二分に配慮をしていかなければいけない問題だと思います。
 せっかく山内さんお見えでございますので一言お尋ねをさしていただきますけれども、水濁法の改正によってきれいな水を保持すると同時に、例えば滋賀県では景観条例を制定いたしまして満五年になりますが、我々住んでいる人間からしますと、優しい環境と同時にいい自然、すばらしい自然、先祖からずっと受け継いできたヨシ原、それから群れ遊ぶ魚、モロコが春になったら釣れる、こういうような環境を保全することもきれいな水質を保持することと全く同様に大事なことだと思いますが、局長いかがでございますか。
#268
○政府委員(山内豊徳君) 先ほど御指摘ありましたように、琵琶湖総合開発計画の中で自然公園施設としてつくられたものの進捗率が四割台ということは非常に残念に思っておりますが、実はこれは中に県が単独事業でお考えになっていらっしゃいます文化観光施設という事業が十二億ばかり大きいのがあるためではございますが、今先生お話ございましたように特に湖岸の緑地整備を中心としたつまり景色、風景を楽しめる自然公園施設の整備につきましては、これは環境庁の予算で特別に枠も示されておりますので、今後十分意を用いていきたいと思っております。
#269
○中村鋭一君 長官、最後にひとつ。
 このきれいな水を保持すると同時に、いい景色、良好な自然環境の保護、こういうもののバランスについて一言だけお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#270
○国務大臣(北川石松君) 中村委員の、大自然を愛するといいますか、琵琶湖の自然の中でいろいろなものを見てこられてのいろいろの御質問を聞きながら、私もまた子供時分に琵琶湖へ行って、いい湖の中にみずからを溶け込ましたような気持ちになった。それが汚くなっているということを聞きますとたまらないものを感じます。
 大自然を愛していき、大自然を保護することは環境庁の使命でございますから、特に私は今のヨシとか、水三尺流るるや清しというのは、これは昔からの言葉です。大自然のままであればこそきれいになっている。護岸がコンクリート詰めになってしまいますと、これはもう大自然も破壊されていきますし、私は特に琵琶湖の水を飲んでおる一人であります。やはり琵琶湖は日本の琵琶湖、滋賀県だけじゃなしに日本の湖であり、私はみんなの湖だと思います。琵琶湖総合開発の法令ができて琵琶湖に金がどんどん行くからというてどんどんと悪い方に持っていったらいかぬ、こういう思いをいたしますので、今後とも委員の意向を体しながら環境庁としては一遍琵琶湖も視察させていただき、そして環境庁としてのやはり大自然を愛する、保護するという立場でやっていきたい、こう思っております。
#271
○中村鋭一君 ありがとうございました。
#272
○山田勇君 私が最終質疑者でございます。よろしくお願いをいたしておきます。
 今回の法改正は遅きに失したという感はあるにしても、生活排水に焦点を合わせて官民ともにきれいな水を守るということに努力することは高く評価すべきことであります。空気、太陽、水、バナナ、これは子供のころ聞いたバナナの宣伝文句でありますが、バナナは別といたしましても、空気も太陽も水も、人間にとって生きていく上で絶対に欠かせないものであります。
   〔委員長退席、理事清水澄子君着席〕
 しかし、そのいずれもが人間にとってというより全生物にとって今危険な状態にあります。それも万物の霊長とか言われる人間がその危機的な状況をつくり出しています。残念なことです。
 さて、まず本法改正により水質汚濁改善にどのような効果があると考えておられますか。ところで、これまでの生活排水について環境庁としてはどのような対策を講じてきましたか。また、その対策による効果はどう評価しておりますか。簡単で結構でございます、ぜひお聞かせいただきたいと思います。
#273
○政府委員(安橋隆雄君) 本法の改正の効果でございますが、もしこの法律で書いてございますような啓発事業がある地域で完全に実施されますと、実施前に比べまして家庭からの排水によります汚濁負荷量は約二割程度軽減するのではないかというふうに考えております。また施設整備の効果でございますが、そのまま流されていた生活排水が生活排水処理施設で処理された後流されるということになりますと九割程度よくなる、つまり汚濁負荷量が十分の一になるというふうに考えているわけでございます。
 もう一つの御質問でございます、これまでそれではどのような対策を環境庁が生活排水対策としてやってきたかという御質問でございますけれども、これまでは、まず水質汚濁防止法に基づきましては総量規制地域におきまして生活排水を排出する者に対しまして知事が汚濁負荷量の削減のための指導を行えるというような制度を設けておりましたし、あるいは湖沼の水質保全特別措置法におきましても個人の方々に対しまして生活排水対策についての施策をしてきたわけでございますが、全体として見ますれば、どちらかというと産業系の対策が中心になっておりましたので、制度的なものとしては微々たるものであったというふうに言わざるを得ません。足らざるところをこの際法律改正で補うというのが今回の改正の趣旨でございます。
   〔理事清水澄子君退席、委員長着席〕
#274
○山田勇君 最近はリゾートブームと言われて全国至るところでゴルフ場が造成されていますが、これがまた水質汚濁の原因ともなっています。特に農薬散布による地下水の汚染が心配されております。
 環境庁は、五月二十三日に二十一種類の農薬基準値を盛り込んだ暫定指導指針を決め、これを各都道府県に通知をし、一年内にゴルフ場の水質検査を実施、一種類でも基準を超えた場合、農薬の使用や施設の改善を指導するように求めているということですが、基準を超えた場合、使用禁止という強い方向は考えられないんですか。また、暫定指導指針の暫定とはどういう意味なのか、お答えいただきたいと思います。
#275
○政府委員(安橋隆雄君) 先ほど通達いたしました暫定指針におきまして、指針値を超えた農薬が検出された場合には直ちに下流域に連絡をとるとともにその超えた原因を究明し、農薬の使い方が悪いということがわかりますれば直ちに使い方につきまして指導を強化するというような対策を講じるよう、その同じ通達の中で指示しているところでございます。
 この通達の暫定という意味でございますけれども、ゴルフ場から流れ出る水にまじって出てきます農薬につきまして早急に対策をしなければならないという、そういった緊急的な課題に対処いたしまして、今まで得られておりますいろいろな知見をもとにいたしました専門家の御意見も聞いて人の健康を守るために慎重に検討の結果決めさせていただいたようなものでございますけれども、今後この知見自体が新しいものがわかりましたりしました場合にはそれを加味して指針値を変えるなり、あるいは農薬の追加を行いますなり、あるいは指導の内容も変えていかなければならないというふうに考えておりますので、そういう意味で暫定という言葉を使わせていただいているような次第でございます。
#276
○山田勇君 午前中の質疑の中でも、二十一種類ととりあえず決めてありますがそのほかにも悪い影響が出てくるようなものについては漸次それをまた入れていくということですから、わかりました。
 それと、ゴルフ場造成については、それに伴う農薬汚染、環境破壊などいろいろと問題となり、政府としても関係七省庁による連絡会議を発足させているようでございますが、リゾート開発の名のもとに無秩序な乱開発になるおそれもあり、環境庁としては自然を守るという観点から連絡会議の中でも強い立場でリーダーシップを発揮してもらいたいと考えますが、その点いかがでしょうか。
#277
○政府委員(山内豊徳君) 七省庁で現在協議されております問題は、どちらかといいますとでき上がりましたゴルフ場の適正な管理が中心になろうかと思いますが、今先生御指摘のように、つくります計画段階での何らかの意味での規制ができないかということが一つの懸案でございます。
 環境庁といたしましては、国立公園の特別地域での禁止という四十九年以来の政策はこれは貫いてきたわけでございますが、過日、六月一日付で国立公園の普通地域といえども自然樹林を大幅に残すことを前提としなければ今後は開発を認めないという趣旨の通達を出させていただきました。これに呼応してというわけではないかと思いますが、林野庁におかれましてもその後に林地開発基準をさらに強める方向で通達を出されたと伺っております。
 この問題は、国立公園以外の場所で都道府県なりがゴルフ場の立地についていろいろ規制していただいております。現在十九都県でそういった規定があるのでございますが、そういうものが率直に申し上げまして強められる方向で効果すればと思っております。近々全国の自然環境保護の担当課長会議もございますので、県での取り組みの今後の推移もよく私どもお聞きしながら、場合によっては十分関係省庁とも連携をとった上でこの問題に取り組んでまいりたいと考えております。
#278
○山田勇君 大臣がお戻りになりましたので、次に、私の地元であります大阪は、上水道の水源の大部分は琵琶湖に頼っております。その琵琶湖は合成洗剤などを含めた汚染により水質が悪くなっており、脱臭などに多くの労力を費やしておりますが、湖沼の浄化に下水道の整備がやはり重要なポイントだと考えます。
 先ほど来中村委員は切々と湖水の浄化ということで質疑をなさっておりましたが、長官、たまたまきのう、私、所用ありまして大阪へ戻りまして十一時過ぎのテレビを見ておりますと、ちょうど大阪府の水質研究所の所員の方がテレビに出ておりまして、今までのいろんな研究のことをお話をしておりました。今皆さんがお答えになっておりましたように、このプランクトンの問題、それからフォルミディウムですか、ちょっと憶えにくい名前のものがたくさん出ております。それから、ジュズモと言うのですか、何かジュズ様の海藻みたいなのがあるそうです。そういう散乱する海藻、それから光、窒素、燐、もうありとあらゆるものが何らかの化学現象といいましょうか自然現象といいましょうかで、水温が二十度に上がると水質が非常に悪くなる、そういうプランクトンが水温二十度で発生すると。ということになりますと、これから暑くなるとなおにおいのある水ができるということになるんでもうがっかりしてテレビを見ておりましたら、女性の研究所員の方だったんですが、最後にこういうパックを出してきまして、大阪のおいしい水と書いてあるんです。これ市販しているのかなと思ったら違うんで、研究的に今いろんな設備研究をしながらやっておりますが、これは水道料金に非常に影響を及ぼすんですね。三割から五割と言うてました。でも、ここ二、三年でいかなる悪臭を放つ水が上水道から流れてきてもこの研究の成果がきちっと出ればおいしい水を供給できます、これはテスト的に持ってきた水ですと言うてゲストの皆さんが飲んでいました。飲み比べるともう全然おいしさが違うと感心してゲストの方がおいしい水だと言って飲んでおりました。これはもう朗報なんです。大阪府の水質研究所が一生懸命努力しておって、ただ設備投資とかそういうもので何か研究の段階でちょっと高くつくのでこれが完成しても水道料金が上がる、公共料金ですからそう簡単に上げるわけにいかない、より研究を深めて今の料金より少し上がったぐらいで安くおいしい水を近畿一円に供給できるよう頑張っておりますというテレビをたまたま見てまいりました。
 きょう委員会なんで、その辺いろんな御苦労があると思いますし、そういう研究をしている機関に対しては特別なまた予算も差し上げていただきたいなと思いますので、その辺のお答えをいただきたいと思います。
#279
○国務大臣(北川石松君) 山田委員の、特に水の大切さの中で、きのうテレビでそういうおいしい水を研究しておる、こういうことを普及するために補助金でも出すぐらい前向きにどうだと、こういう御質問だと思うんですが、私は大変結構なことであると思います。
 それは、水の電気分解の後、あるいはフィルターをかけるとかいろいろの措置をやらなきゃいかぬ、個人の家庭でやればそれは大変高くついていくと思います。水道局がそれだけの大きな装置を持っていけるかということも大事だと思いますが、こういう点は大きな研究課題であると思いますし、今御指摘のように、琵琶湖の水がいろんな形で悪くなっていることは否めないと思うんですね。モロコなんというようなものは私の子供のころにはそこらにうようよおった。そのモロコがおらぬようになってきておることも事実であります。
 そんな思いをいたしますと、水道の水を各家庭の中できれいにすることも必要ですけれども、その水源地である琵琶湖もまたよくなくてはよい水は供給されない、私はこういう思いをいたしますので、環境庁といたしましては鋭意この琵琶湖の水をよくするために努力をしていきたい、こんな思いをいたしております。
#280
○山田勇君 法案によれば、市町村は生活排水対策としての施設整備、指導員の育成などに努めなければならないとしていますが、現在、補助金の一律カットや公共投資とりわけ都市基盤施設整価の予算が不足している中で市町村に施設整備を急がせるのには国としてはどういう助成を講じていくのか、お尋ねしておきます。
#281
○政府委員(安橋隆雄君) 生活排水処理施設はそれぞれの担当省で補助金を出していただいているわけでございますけれども、これの財源の充実として予算の絶対額を生活関連施設投資ということでふやしていただきますように環境庁としても努力いたしますとともに、パイが広がり大きくなった予算につきましてこういった生活排水対策重点地域に優先的、重点的に配分していくように各省庁にお願いしていきたいというふうに考えているわけでございます。
#282
○山田勇君 生活排水対策の啓発に携わる指導員とは一体どのような性格のものなのか、その人選、育成方法、啓発方法はどのように計画をなさっておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
#283
○政府委員(安橋隆雄君) 生活排水対策の啓発に携わっていただく指導員でございますが、これは地域によりましていろいろな形態があろうかと思います。市町村長に直接の任命を受けていらっしゃる方あるいは単に委嘱を受けられただけの方というようなことで、いろいろなタイプがあると思いますが、大部分は無報酬で地域の環境、特に水質保全のために奉仕をしていただいている方々だと思っているわけでございますが、これを、このたびこの改正法に基づきます市町村の啓発事業の担い手として位置づけることによりまして草の根運動的な動きに市町村も援助の手を差し伸べるというような形でこの啓発事業の効果をさらに高めていきたい、そのために県によります研修会でございますとか、市町村段階におきます資料の配布、情報の提供あるいはマニュアルの提供といったもので啓発活動の第一線を担っていただく方々の質の充実とそのことを通じます啓発事業の効果の推進に努めてまいりたいと思っているわけでございます。
#284
○山田勇君 これは新しい法案ですから国民の皆さんにもなじみが薄いものですから、大いに啓蒙啓発をしていかなければなりません。苦情ではありませんが、環境庁がつくるポスターというのはもう一つインパクトがないんですね。我々がマスコミの仕事をさせてもらって、かなり効果のあるポスターとかPRの言葉があるわけです。覚せい剤なんかで「薬やめますか」というあれなんかをうまく利用して、「その水捨てますか あなた人間やめますか」というような、そういうような何か思い切った、これ何やねんというようなポスターで大いに啓発をしていただきたいと思います。
 最後の質問にします。
 日本の国は、豊葦原の瑞穂の国とも言われ、水と緑に恵まれた美しい国であります。しかし、最近は開発の名のもとに環境汚染も進み、決して楽観できないと思います。環境庁は環境問題についての責務を担っております。これまでの事業者対策から国民生活のあり方まで規制を求めようとしていますが、今後の水質汚濁対策については、産業排水なども含めた総合対策を、国民の健康を守る立場から真剣に取り組んでいっていただきたいと思います。
 最後に、簡単で結構でございますから長官の決意を伺いまして、私の質問を終わらせていただきます。
#285
○国務大臣(北川石松君) 委員の、水のとうとさと美しさ、特に日本はやはり豊葦原の瑞穂の国と言われて、今もなお世界の中で日本は森林あるいは田畑、いろんな中でその環境はいいと思っているんです。しかしながら、戦前あるいはずっと明治、徳川時代から見れば、それはもう比べものにならないほど山も水も空気も悪くなってきておると思います。
 このような悪くなった環境を一日も早く少しでもよくしながらこれを守っていくのが環境庁の大きな責務でございまして、産業によるところの排水もまた今回御審議願いますところの生活雑排水に対するところの法案も、ともにこれは守っていただくところの企業も国民もみんなの御理解の上に立っていただいて、私は、先ほどの洗剤でもプラス・マイナス・ゼロにすればそれはまた公害が出ない、一〇〇%生きた使用法だと思いますのでそういうこともお考え願えるように、PRの下手さを御指摘になりましたけれども、そういうPRもこれから十分心してやっていかなきゃいけない、こう思っております。
#286
○山田勇君 ありがとうございました。
#287
○委員長(大森昭君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 水質汚濁防止法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#288
○委員長(大森昭君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、清水澄子君から発言を求められておりますので、これを許します。清水君。
#289
○清水澄子君 私は、ただいま可決されました水質汚濁防止法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    水質汚濁防止法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項につき適切な措置を講ずべきである。
 一、産業系排水の規制について、規制基準の強化及び未規制の工場、事業場等に対する排水規制の実施等に努めること。
 二、公共用水域の水質を保全するため、農薬等の化学物質に対する規制の強化に努めること。
 三、下水道、農業集落排水施設、コミュニティ・プラント等の整備の推進、合併処理浄化槽設置にかかる助成制度の充実等、生活排水処理施設の整備を強力に推進すること。
 四、国民に対し、分解性が高く、汚濁負荷が低い等公共用水域の汚濁の生じにくい洗剤の使用の普及を図る等、積極的な啓発・広報の事業を実施すること。
 五、生活排水対策推進計画の実施については、生活排水対策推進市町村の負担が過重とならないよう努めること。
 六、水質に影響を与える洗剤等の商品の製造等に際して、できるだけ水質に対する汚濁の負荷が低く生態系への影響の少ない商品の製造等に努めるよう事業者の指導に努めること。
 七、生活排水対策推進計画の策定に当たっては、住民の意向が適切に反映されるよう努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
#290
○委員長(大森昭君) ただいま清水君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#291
○委員長(大森昭君) 全会一致と認めます。よって、清水君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、北川環境庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。北川環境庁長官。
#292
○国務大臣(北川石松君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重し、体しまして努力いたします。
 ありがとうございました。
#293
○委員長(大森昭君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#294
○委員長(大森昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#295
○委員長(大森昭君) 次に、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。北川環境庁長官。
#296
○国務大臣(北川石松君) ただいま議題となりましたスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年、積雪寒冷地域におけるスパイクタイヤ粉じんによる大気汚染は深刻な社会問題となっておりますが、スパイクタイヤ粉じんは生活環境の悪化をもたらすのみならず、人の健康への影響も懸念されており、その未然防止が緊急の課題となっております。
 スパイクタイヤ粉じんに関しては、従来から国、地方公共団体及び国民各層において各種の取り組みがなされてきておりますが、問題の解決に至らず、依然として厳しい状況にあります。
 このため、中央公害対策審議会おきまして、スパイクタイヤ粉じんの発生防止のための制度の基本的なあり方について答申が取りまとめられたところであります。
 今回の法律案はこの答申を踏まえ、スパイクタイヤ粉じんによる健康影響を防止し、生活環境を保全する観点から、スパイクタイヤの使用規制等の措置を定め、スパイクタイヤ粉じんの発生を防止するための制度を創設するものであります。
 次に、法律案の主要事項について、その概略を御説明申し上げます。
 第一に、目的についてであります。この法律案におきましては、スパイクタイヤの使用を規制し、及びスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する対策を実施すること等により、スパイクタイヤ粉じんの発生を防止し、もって国民の健康を保護するとともに、生活環境を保全することを目的としております。
 第二に、国民並びに国及び地方公共団体の責務についてであります。国民は、スパイクタイヤ粉じんを発生させないよう努めなければならないこととしております。また、国は、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する施策を推進するように努めなければならないこととし、地方公共団体は、当該地域の自然的、社会的条件に応じたスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する施策の実施に努めなければならないこととしております。
 第三に、指定地域についてであります。環境庁長官は、住居が集合している地域その他の地域であって、スパイクタイヤ粉じんの発生を防止することにより住民の健康を保護するとともに生活環境を保全することが特に必要であるものを、所要の手続きを経た上で、指定地域として指定しなければならないこととしております。
 第四に、対策の実施についてであります。指定地域に係る都道府県は、当該指定地域の特性を考慮しつつ、知識の普及、住民の意識の高揚及び調査の実施に努めなければならないこととしております。
 第五に、スパイクタイヤの使用の禁止についてであります。指定地域内の舗装道路の積雪または凍結の状態にない部分においては、原則として、スパイクタイヤを使用してはならないこととし、これに違反した者については、罰則を科することとしております。
 この法律案の施行期日は公布の日としております。ただし、スパイクタイヤの使用の禁止については平成三年四月一日から、罰則については平成四年四月一日から施行するほか、大型車等について所要の経過措置を設けることとしております。
 以上が本法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#297
○委員長(大森昭君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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