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1990/06/15 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 環境特別委員会 第7号
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1990/06/15 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 環境特別委員会 第7号

#1
第118回国会 環境特別委員会 第7号
平成二年六月十五日(金曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     國弘 正雄君     竹村 泰子君
     沓脱タケ子君     高崎 裕子君
 六月十五日
    辞任         補欠選任
     山崎 竜男君     清水嘉与子君
     竹村 泰子君     菅野 久光君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大森  昭君
    理 事
                松浦 孝治君
                森山 眞弓君
                清水 澄子君
                広中和歌子君
    委 員
                井上 章平君
                石川  弘君
                石渡 清元君
                山東 昭子君
                清水嘉与子君
                須藤良太郎君
                原 文兵衛君
                久保田真苗君
                篠崎 年子君
                菅野 久光君
                田渕 勲二君
                竹村 泰子君
                高桑 栄松君
                高崎 裕子君
                中村 鋭一君
                山田  勇君
   衆議院議員
       発  議  者  福島 譲二君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  北川 石松君
   政府委員
       公害等調整委員
       会事務局長    高島  弘君
       環境庁長官官房
       長        渡辺  修君
       環境庁大気保全
       局長       古市 圭治君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        宅間 圭輔君
   説明員
       警察庁交通局交
       通企画課長    賀来  敏君
       通商産業省基礎
       産業局化学製品
       課長       中島 邦雄君
       運輸省地域交通
       局陸上技術安全
       部技術企画課長  堀込 徳年君
       建設省道路局企
       画課長      藤川 寛之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
    ─────────────
#2
○委員長(大森昭君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十四日、國弘正雄君及び沓脱タケ子君が委員を辞任され、その補欠として竹村泰子君及び高崎裕子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(大森昭君) スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○田渕勲二君 まず、このスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案につきまして、本日の審議に至るまでに大変紆余曲折があったように伺っているわけであります。
 もともとこのスパイクタイヤの粉じん問題は五十六年当時から問題になっておりまして、五十八年に環境庁の大気保全局長通知が出ております。したがいまして、昨年この法律が出るというような話も漏れ聞いておったわけでありますが、スパイクタイヤの問題については交通事故とのかかわりというような問題等もあっていろいろ曲折を経てきた法律であろうと思うのでありますが、今日この立法化に至るまでのそうした若干の経過について、まず環境庁長官にこの立法の趣旨を含めてひとつお尋ねいたします。
#5
○国務大臣(北川石松君) ただいま田渕委員の、今回の法律案についていろいろの経緯があったことについての御理解のある御質問を賜りました。
 この法案は、生活型といいますか、健康公害という新しい形の問題もあり、また粉じんによって損なう健康、また交通安全確保の問題、そういうような特徴がございまして、政府部内で法案の内容については慎重に検討いたしてまいりました。おかげで各省庁の御理解も得て、提案する形になってきた次第でございます。
 交通安全はもとより確保しなくちゃいけませんし、国民の健康を保護し、生活環境を保全する内容とさせていただき、委員御指摘のように長年の課題でありましたスパイクタイヤ粉じん問題の解決に向けて大きな意義を有すると考えておりますので、何とぞこの点を御理解賜りまして、よろしくお願い申し上げます。
#6
○田渕勲二君 逐次、この法律についてその背景を含めて御質問してまいります。
 本来、このスパイクタイヤ粉じん問題は我が国だけの問題ではなくて、西欧各国でも相当問題になっておったのでございますけれども、西欧のこのスパイクタイヤ粉じんの防止にかかわる問題については主として道路損壊、道路が破壊されるということが大きな法律の趣旨になって禁止をされているように思うんでありますが、我が国の今度の法律を見ますと、この道路損壊というよりは今長官からお話がありましたようにむしろ健康被害、生活環境、こういった粉じんから来る影響というものが問題になっておると思うのであります。
 昭和六十三年に環境庁がスパイクタイヤによる粉じんの生体影響調査というものをされたと聞いておりますが、この結果についてひとつ御説明いただきたいと思います。
#7
○政府委員(古市圭治君) スパイクタイヤ粉じんの健康影響につきましては、沿道住民の急性的ないろいろな健康影響、また生活被害というようなデータがあったわけでございますが、長期に暴露した場合にどうなるのかというデータが明確なものがなかったということから、環境庁の方では三年間にわたりまして動物実験、ラットを用いまして暴露吸入実験を行ったということでございます。
 その結果、肺の中に明らかに異物の沈着が見られましてそれがリンパ節にも及んでいる、また一部の組織に線維化が見られたというようなことから、この粉じんが人体においても肺の中に沈着するという形が推定されたということでございます。そういうことから、この実験結果から長期的な健康影響が出るということもあるので粉じんの防止に努めるように、こういうような報告をいただいたわけでございます。
#8
○田渕勲二君 これは一九八四年の仙台の「仙台市内側溝粉塵中の無水珪酸含有率ならびに総珪酸含有率とその毒性学的評価」という非常に難しい評価があるんですが、これによりますと、「戸外作業者や呼吸器に基礎疾患を有する高令者など高危険群が存在することを考慮しても、上記の数値から現時点ですみやかに対策を進め、粉塵濃度を下げることにより、珪肺症発生を未然に防止し得ると期待される。」、こういうような文書を私ども入手しておるんです。
 警告的なこうした文書が八四年に出ておりますけれども、その後の仙台を含めた経過についておわかりであればお知らせいただきたいと思います。
#9
○政府委員(古市圭治君) 今お尋ねの中にあったデータ、今すぐ手元にございませんが、同じ仙台でどのような形が行われたかということでございまして、急性症状といたしまして、昭和五十八年に仙台市の医師会がぜんそく児童を中心に調査を行いまして、やはり沿道に住んでいる児童の方が空気がきれいなところの児童よりもぜんそく発作を誘発する率が高いというような健康影響への報告を出されております。
 それからまた、五十九年になりますと仙台市の方がかなり大規模な調査を行いまして、児童を対象とした調査で、東北大学も入っているわけでございます。この調査によりますと、粉じんによる上気道の刺激症状というものが有意に高い、発生地区の方が高い、このような報告も出されております。
 そういうことを踏まえまして私どもの環境庁自身といたしましても、先ほど申し上げました長期暴露の動物実験のほかに、昭和六十二年に国立公害研究所が長野県の佐久郡の方でも調査を行いまして、この問題は単に大都市の問題だけでなくて幹線道路に沿う佐久のようなところでも起こっている、そういうことも明らかにしたということがございます。
#10
○田渕勲二君 したがって、いろんな生体影響調査をやられておりますけれども、今なおこういった改善というものが見られていないということでよろしゅうございますか。
#11
○政府委員(古市圭治君) 先生御承知のように、この法律はこの国会で提出にこぎつけたわけでございますが、それに至るまでに各地方自治体、関係業界を中心とする脱スパイクタイヤに向けての運動というのが広く繰り広げられておりまして、ここ数年間、各地における隆下ばいじん量、沿道の隆下ばいじん量というのは漸減の傾向に向かっている、また、仙台市のように一部著しく減少に向かっている、こういうことがございまして従来のままではなくて漸次改善に向かっているという状況でございます。
#12
○田渕勲二君 それと前後するんですが、これはスパイクタイヤの粉じん問題が法律で決まるんですが、チェーンを巻いている車も結局同じところを走れば粉じんを巻き起こしていると思うんですが、このチェーンに対する規制というのはお考えになっていないんですか。
#13
○政府委員(古市圭治君) 今回の法律におきましてはそのチェーンの規制というのは含まれておりません。
 チェーンというものは必要なときに装着して乾燥路面に行ったときには外すというのが特徴でございますので、その目的に沿った使用をしていただくということの指導というものが行われておりますが、この法律ではチェーンを対象にはしておりません。
#14
○田渕勲二君 チェーンもスパイクタイヤも結局は粉じんという意味では同じ状況であるということはお認めですね。
 建設省の方、お見えですね。
 このスパイクタイヤの影響で、それぞれ条例を持っておる各県を中心でいいですが、道路がどういう状況になっておるか、損傷しているのかしていないのか、この実態についてお聞かせいただきたいと思います。
#15
○説明員(藤川寛之君) 今お話がございましたスパイクタイヤによる道路の損傷の問題でございますが、道路を走行する自動車について見ますと、もちろんスパイクタイヤを装着している車もございますが、装着していない車もある、それから大型車があれば小型車もあるというふうなことで、そういう通行の形態がいろいろでございますし、また、舗装の損傷ということになりますと夏場でも流動というような形での損傷があるというようなことで、スパイクタイヤだけによる損傷がどうだというようなことはなかなかつかみづらいところがございます。
 ただ、私ども積雪寒冷地域におきましてちょっと実態調査をやっているわけでございますが、直轄国道で、これは建設大臣が管理している区間でございますけれども、調査したデータによりますと、一冬の間に平均の摩耗量というのが大体二・一ミリというような結果を得ております。
#16
○田渕勲二君 西ドイツなんかの禁止した理由の中に、路面にわだち掘れが生じる、それによって運転者がハンドル操作を誤るというような、こういった事例が出ているんですが、日本の場合はどうですか。
#17
○説明員(藤川寛之君) わだち掘れができますと確かに運転がしづらくなるのは事実だと思います。ただ、このわだち掘れと安全性の上で実際にどういう影響があるかということについては、明確にどうだということはまだ今のところ把握しておりません。ただ、確かに運転しづらいことは事実だと思います。
#18
○田渕勲二君 そのわだち掘れというのはやはりスパイクタイヤが大きく影響しているんですか。
#19
○説明員(藤川寛之君) 積雪寒冷地域におきましてはスパイクタイヤによる摩耗がかなり大きい部分を確かに占めておりますが、ただ、先ほども申し上げましたように、大型車等が走行することによって夏場ですと舗装が流動するわけでございますが、その流動によるわだちというのもございます。
 わだちというのは、流動によるわだちとそういうスパイクタイヤ等による摩耗によるわだちとこの二種類が重ね合ってできているというふうに考えております。
#20
○田渕勲二君 それでは、特に道路に関してですが、主要な外国の全面禁止の対応というのを、いろいろその理由を見ますとそうした状況が出るんですが、一般道路の除雪、融雪の状況は一体どうなっていますか。
#21
○説明員(藤川寛之君) 道路の除雪、融雪対策の問題でございますけれども、私ども、やはりそういう積雪寒冷地域の冬期間の道路交通をきちっと確保しようということで、実は昭和三十一年に積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法という法律をつくりまして、除雪事業あるいは防雪事業、凍雪害防止事業と言っておりますけれども、道路交通を確保するためのいろんな事業を五カ年計画をつくりまして実施してきているところでございます。
 現在は、昭和六十三年度から第九次の五カ年計画に基づきまして除雪事業あるいは防雪事業、凍雪害防止事業を推進しているところでございまして、まず、除雪事業につきましては、雪寒地域内の国県道につきましては全体の延長の約九〇%につきまして除雪区間ということで除雪対象にしておりまして、除雪をやる延長というのは約五万八千キロに及んでおります。それから、消融雪施設の設置状況でございますが、これは消雪パイプ等が中心になるわけでございますけれども、昭和六十三年度末に既に設置しております延長が約二千キロございます。それから、流雪溝といいまして、路面に降った雪を堆雪してそれを側溝みたいな道路の端にございます流雪溝を使って流すという施設でございますが、その流雪溝につきましては約五百九十キロの設置を進めておるところでございます。
 この数字というのは、十年前と比較いたしまして、消雪施設については約二・一倍、それから流雪溝につきましては約二・三倍というようなことで、私どももかなり消融雪施設の設置について努力してきているわけでございますが、今後とも除雪の実施あるいはそういう消融雪施設の設置についてはその促進に努めてまいりたいというふうに考えております。
#22
○田渕勲二君 これも西欧の場合ですけれども、その融雪のときに塩化カルシウムなんかを使いますから非常に塩害が出ているというような状況があるんですが、二次公害というようなことになるんですが、日本の場合はどうでしょうか。
#23
○説明員(藤川寛之君) 日本の場合も、必要な場合には凍結防止剤ということで塩等を散布いたしております。
 ただ、私どもとしても、その塩等を散布する場所、それから状況というのをかなり特定のときにしか、要するに厳しい状態になることが予想されるときにしかできるだけまかないようにして、今お話がございましたような二次公害ができるだけ発生しないようにいろいろ配慮をしてきているつもりでございます。
#24
○田渕勲二君 わかりました。
 それから、高速道路を走る場合の危険についてちょっと質問しますけれども、高速走行中のスパイクタイヤのピンの先端が、高速で走るとそのピンだけが接触するということで非常に危険だと。これはわだち掘れの一つの大きな原因にもなるんですけれども、そういう広い領域で高速で走る車ですから、凍結しないところでスパイクタイヤをはいて走るのはいいんですけれども、そういう禁止区域の中をそうした状況で高速で走るということになりますと、ピンの先端だけが路面に触れるという状況になるんですが、こういう点で私はこういう状況を放置しておくということは非常に心配なんです。
 この高速道路を全面禁止するというようなことでなければその危険はなかなか払拭できないと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
#25
○政府委員(古市圭治君) この法律の第三条では全国的に脱スパイクタイヤの推進を図っていくということをうたっているわけでございますので、その中には高速道路についてもその範囲に含まれているわけでございます。
 また、さらに詳しく申し上げますと、この法律では、指定地域となったその中でスパイクタイヤを使用した場合には、禁止の上に罰則がかかるということになっております。そういうことから、高速道路というのはいろんな地区を貫いているわけでございますけれども、その中で幾つかの指定地域というものがありますれば、そこではだめだということになって結果としては全体的にスパイクというものが禁止されていくという方向になって実効が上がる、このように考えているわけでございます。
#26
○田渕勲二君 もう少し具体的に言いますと、スパイクタイヤの規制地域とそれから規制しない地域の間をまたがって車というのは移動しますね。必ずしも禁止地域ばかりが何十キロもあるんじゃなくて、禁止地域があればまた非禁止地域がある、そこの同一道路を車が走るわけですから、そのときに一々ここからはスパイクタイヤを取り外して普通のタイヤに切りかえるというようなことは不可能でしょう。
 私は、そういう意味で高速道路の乗り入れというのは全面的に禁止しない限りは不可能じゃないかという気持ちがあるものですからお伺いしたんですが、その辺いかがですか、まだらになっている場合。
#27
○政府委員(古市圭治君) 高速道路が走っているところというのはある程度沿道に人家が立ち並んでいるところ、また市街地あるいは市街地に非常に近いところ、また山間部を貫いている、いろんな状況があるわけでございます。
 そういたしますと、この法律によりまして指定地域に当たっているところと当たっていないところがあってそこでどうなるのかということでございますが、これは自動車の広域性ということからある一定の距離を行く途中では、当然ほとんどの場合になろうかと思いますけれども、そういう指定地域を通過していくということが想定されます。そういたしますと、そういうときには当然出かける前からもうスパイクじゃなくてスタッドレスという形でいかないとその地区の中では禁止になるということが明確にわかるわけでございますから、全面的に高速道路を禁止してなくても結果的には実効としてノースパイクの方に移行するというものが担保できる、こういう考えに立っておるわけでございます。
#28
○田渕勲二君 そうすると、とにかくこの道路を走ってきたなということで罰則の適用になる場合、それが積雪地帯であっても中にはスパイクタイヤを履いていけない地域があったんだから履いておれば罰則の適用になる、こういうことですか。
#29
○政府委員(古市圭治君) そのとおりでございます。
#30
○田渕勲二君 といいますと、そうなるとそれは最初からスパイクタイヤを履かずに来りゃいいじゃないかということになるんですが、スパイクタイヤにかわる完全なスタッドレスタイヤが開発されている、こういうふうに環境庁はお認めですか。
#31
○政府委員(古市圭治君) また後ほど御質問があろうかと思いますが、この法律の中では、いわゆる乗用車タイプのタイヤにつきましてはもうほとんど遜色がないという判断でおります。ただ、大型車のタイヤにつきましての開発がややおくれておりますので、その方には乗用車と同じ適用ではなくて三年間の猶予期間を持って適用していく、こういう構成になっております。
 現在、乗用車につきましては、先生御承知と思いますが、一番厳しい状況の凍結路面で制動距離を調べましても大体八五から九〇%に匹敵する制動力がある、また雪道ではかえってスタッドレスタイヤの方が安定しているというふうなデータも出ております。それからまた一方、乾燥路面においてもスパイクというのは非常に問題が多いわけでございますが、そこでは単に粉じんだけではなくて安全性の上からも問題がある、こういうような指摘がなされているわけでございます。
#32
○田渕勲二君 これは、私も交通の出身ですから交通・運輸の関係者から聞くんですが、スパイクタイヤにかわるだけの性能のあるスタッドレスタイヤはまだ開発されていないという認識に立っているわけですね。だから、どうしても使用者がスパイクタイヤを履いてお客さんを連行したりあるいは荷物を連行したりして走らしている、こういう事実が現在あるわけです。
 今、大気保全局長がおっしゃったように、ほぼ九〇%近いスパイクタイヤにかわる立派なタイヤができておればそれはもう問題ないと思うんですけれども、なかなかそこまで信頼されていないと思うんですね。そこに問題があるんですよ。私はそういうことを言っているんであって、そういうタイヤが開発されておればもう何のことはない、そういう人たちに対しては説得がきくんだけれども、なかなかそういう点は説得しにくい面があります、実際問題。だから、もしそういうことがあるのならば、もっと環境庁は、そういうスパイクタイヤにかわるだけの立派な性能を持ったタイヤがもうあるんだと。これは大型は別ですよ、大型トラックは別ですが、一般のハイ・タクにもそれを履いていけば十分やれるんだというものがあれば、これはもっとそれだけ宣伝もしてもらわにゃいかぬし、教育もしてもらわにゃいかぬ。
 どうも業界と環境庁との間には大きなずれがあるように私は思うんですが、いかかでしょうか。
#33
○政府委員(古市圭治君) 御指摘の懸念があるというのは事実でございまして、そういうものも背景になりまして今日までスパイクタイヤ禁止法案というものが合意を得るのに時間がかかったということかと思います。
 ただ、先ほど申し上げましたように、スタッドレスタイヤの開発状況というものは近年非常に進んでおりまして、乗用車タイプにつきましてはタイヤメーカーの試験だけではなくて私どもの公害の調査費を用いた通産省の試験においても一応先ほど申し上げましたような結果が出ている。ただ、これが長期間スパイクによって運転をしていた雪国、寒冷地の人たちにとってみれば、それに対する信頼性、まだ使わないスタッドレスに対する不安というものがあろうかと思います。そういうことから各種の運動を繰り広げているわけでございまして、私どもの方としてもいろんなパンフレットを出しておりますし、またタイヤ業界からもいろんな運転方法を入れたデータを出している。また、地方自治体におきましてもノースパイクタイヤの町づくり運動の推進ということを行っておりますし、国全体で関係省庁と一緒になって十二月には推進月間を行っている、こういう形で各般の施策を通じてスタッドレスに対する信頼感を高めてそれの使用に移っていただきたいと思っております。
#34
○田渕勲二君 重ねてお願いしておきますけれども、それだけまだ必ずしも信頼感が醸成されていないわけですから、十分そういった点の配慮とさらに性能のアップを環境庁としても通産省にひとつお願いをしていただいて、まあ運転者が大丈夫だと言い切るだけのものを早くつくっていただきたいと思います。
 それからその次に、七条ただし書きのことでお伺いをいたしますが、七条ただし書きでは「その他の政令で定める自動車」、こういうのがありますが、一つは、緊急用自動車ですね。この緊急用自動車というのは何を指しておられるのかということと、それから身体障害者用の自動車、これもこのただし書きのその他の政令でお定めになるのか、この辺いかがでしょうか。
#35
○政府委員(古市圭治君) まず、緊急自動車の方でございますけれども、これは例示をしておりますように消防関係の車、それからそのほか道路交通法の施行令の第十三条で緊急な走行が求められる自動車というものが幾つか例示されているわけでございます。
 その中の主なものを拾ってみますと、今申し上げました「消防機関が消防のための出動に使用する消防用自動車」、「警察用自動車」、それから「電気事業、ガス事業その他の公益事業において、危険防止のための応急作業に使用する自動車」、さらに、医療機関が角膜及び腎臓の移植に関する法律に従ってそれを輸送する場合に使う自動車、こういうものが列記されているわけでございまして、このようなものはある程度のスピードというものも保証していただいてスタッドレスに移るということにはなじまない、一刻も早くその目的地に到達するというのが要望されている緊急走行については除外していこうと、これは検討して政令で列記していきたいと思っております。
 それから、身体障害者につきましては、必要な場合にチェーンを着脱していただく、こういう形はいささか実態として無理だということもございますので、それも除外している、こういうふうに考えているわけでございます。
#36
○田渕勲二君 その緊急自動車について交通労働者からこんな要請が私のところに来ているんですけれども、公共旅客輸送のハイヤー、タクシー等についてはこれは除外できないのかどうかという質問ですが、いかがですか。
#37
○政府委員(古市圭治君) 端的に申し上げましてそれは無理であると、こう申し上げております。
 私どもも現場の方々と何回かお会いして、その状況を伺いました。確かに、一般の自家用車等とは違ってお客様を乗せて町中から山間僻地まで送り届けなかったらいけない、それも夜間どんな状況でも動かなかったらいけない非常に厳しい状況にある、その実態はよく理解できるわけでございますけれども、必要な場合にはチェーンの着脱ということもございますし、最近は非金属チェーンというものも開発されているのでそういうものを用いて安全を確保しながら、乾燥路面でスパイク使用が起こるというふうな実態はぜひ避けていただきたい、こう現実に話をいたしました。二、三回の話し合いの結果、よくわかったということでその組合の方は、この法律に協力していこう、我々はプロのドライバーであるので一般の人にまで禁止しているものをプロのドライバーが使うわけにいかないなということで快く了解していただいたということもございますので、そういうような話がありました場合に私どもからお願いしていきたいと思っております。
#38
○田渕勲二君 身体障害者の関係はよくわかりましたが、その場合、身障者の乗る車ということで除外されるのか、身体障害者その人ということで除外するのか、どちらですか。
#39
○政府委員(古市圭治君) 後者の方になると思っております。
#40
○田渕勲二君 じゃ次に、罰則関係でございますけれども、この法律で罰則の対象になるのは運転者だけですね。
 もともと前に環境庁がお考えになったこの法律の当初の案というのは恐らく両罰規定をお考えになっておったんじゃないかと思うんですね。特に公共輸送に携わる場合はこれは運転者の判断でスパイクタイヤをつけたりとったりするんじゃなくて、やっぱり使用者の命令で乗っているわけですから、その乗せられた運転者が禁止区域に入り込んで罰則を受ける、運転者だけが罰則を受けるというようなことは私は非常に不合理があると思うんですね。だから、事業者に対する改善命令の勧告であるとか、あるいは使用者に対するそれにかわる処罰であるとかというようなことも、当然この法律を万全なものにしようと思えばやっぱり両罰規定できっちり押さえた方が私はいいように思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
#41
○政府委員(古市圭治君) 私どもも法案を作成する過程で今御指摘のような立場から両罰規定を設けるかどうか検討をいたしました。
 しかし、今回の法律の目的というものが、第三条で「国民の責務」として、「何人も、スパイクタイヤ粉じんを発生させないように努めるとともに、」と、この「何人も」という中には自然人と法人を問わずにみんな協力いたしましょうということで輸送機関の使用者、さらに言うならばタイヤの販売メーカー、そういうものも含まれているというのが一点と、それからもう一つ、そういうような事態がありましていやでもそういうものを使わされたというようなことが明らかになった場合には刑法の総則、共犯に関する規定に基づきまして刑罰を求めることができるというのがございますので、そのような実態があったときにはそういう形で施行されるのではないかと思っております。
#42
○田渕勲二君 スパイクタイヤにかわる大型のスタッドレスタイヤが開発されてこの冬には本格的に販売するというふうに最近の新聞にあるんですが、この状況は環境庁としてどのように把握されていますか。
#43
○政府委員(古市圭治君) 大型自動車用のスタッドレスタイヤにつきましては、昨年の冬から幾つかの候補タイヤというものを限定販売いたしまして、いろんな人にモニターで使っていただいてその安全性、使用感等のデータをとりました。その結果は非常に良好な結果をおさめておりましたので、ことしの冬からは正式の販売ルートで大手メーカーは一斉に大型の方も発売するというところまで参ったわけでございます。
 先ほど申し上げましたように、その性能というのは現在約七割ちょっとということでございますが、さらに性能の向上を図っていきたい、そういう形でモニターを使ってどんどん改良が進んでいくということを期待しているわけでございます。
#44
○田渕勲二君 そうすると、大型車の規制は三年を超えないということですね。この冬にもこういうものができるというのであれば、何も三年待たなくたっていいんじゃないかと思うんですがね。もっと早く規制できるんじゃないかと思うんですが、その点はどうですか。
#45
○政府委員(古市圭治君) これは先ほど申し上げましたように、片一方の乗用車タイプというのは八五%から九〇%までいってかなりそういう使用車がふえているという形、もう一方、大型の場合にはややそれよりは劣るということでございますので、もう少し皆さん方に先ほど御指摘のような信頼感を高めながらこの方に移行していただくということから三年間という期間を設けたわけでございます。
 しかし、三年と申しましてもそう長いわけでございませんので、この一般乗用車タイプのスタッドレスタイヤへの移行というものも経過措置を設けておるわけで、それに比べてもう一年長いということでございます。さらに、三年と言わずにそれ以前にそういうものが実施可能になれば、それより早い時期に施行していきたいと思っております。最大三年を限度に余裕があるということで御理解いただきたいと思います。
#46
○田渕勲二君 そうすると、新聞にいろいろありますように、この現状は必ずしも性能の高いタイヤではない。これから一年、二年開発を進めないとスパイクタイヤにかわるスタッドレスタイヤというのがまだできないということでそうおっしゃっているわけですか。
#47
○政府委員(古市圭治君) 必ずしもそうではございませんで、大体何割の性能になったらできるのかという議論にそれは発展するわけでございますが、欧米諸国におきましてはそういう事態よりももっと前に大型車の方を通年禁止、スイス等はそういう形でやっているわけでございますから、踏み切ればやれるという状況はあろうかと思います。
 ただ、日本では非常に長期間スパイクというものに依存してやってきたといったこともございますし、それからまた大型の中には単なる貨物輸送だけでなくて公共路線を確保しているバス等もございます。そういう方たちがある程度なじんで了解していただくという形でタイヤに対する信頼感というものも得ていただかなかったらいけない。これは御承知のとおり、既に山形交通はあの厳しい峠を越えて仙台に行くわけでございますが、全面的にスタッドレスタイヤをやって、我々はプロだからこれでやりますとやってくださるところがあれば、一方、非常に不安に思っているという人たちがいることも事実でございます。そういうことで大型車につきましては貨物を積載するというので重量が非常に重くなったりするということもございまして、スタッドレスタイヤの性能に対して乗用車以上に開発が難しい、こういう状況があるわけでございます。
#48
○田渕勲二君 それでは、施行期日に関連して質問しますけれども、この適用は来年の四月ですね。それから、罰則の適用が四年の四月。これは周知期間と見られるんですが、しかしスパイク使用の自粛条例というのはもう随分前からできておりまして、北海道、宮城なんかでは六、七年前からできて、十五県一市のところでそうしたスパイクタイヤの問題が条例化されて自粛でやられているわけです。
 それだけ長い歴史を持っているにもかかわらず施行は一年後、二年後にということになっているんですが、法律は初めてですけれども条例があるわけですから、もっと早くできるんじゃないかなという気もするんですが、その辺はいかがですか。
#49
○政府委員(古市圭治君) 先進的な北海道札幌市、宮城県仙台市では長い運動の歴史がございまして、かつまた他の地区に先駆けて要綱ではなくて条例まで設定されたということがあるわけです。しかし、今おっしゃいましたように、そのように長い歴史があるにかかわらず、その先進的な地区でも冬期間の使用禁止というものができないわけであります。年末から一月、二月、三月にかけては除外規定で、そのような先進地域でもたとえ暖冬で札幌市内、仙台市内に雪がないのにそこをスパイクが走っても条例ではいかんともできない除外規定になっているわけです。そういうことを考えますと、それだけ運動が進んでもスパイクというものに対する全面的禁止ということが難しいという事実もございます。
 そういうことから、私どもの法律ではその条例以上に、一年間通して、雪がなかったらもうだめですよという形で非常に厳しいことを求めるわけでございますので、やはり一年、二年禁止規定、直罰というのに経過措置を設けるのが妥当であろう、このように考えたわけでございます。
#50
○田渕勲二君 そのように県条例というのは数年前から行われておりますけれども、宮城県の場合なんかではスパイクタイヤのピーク装着率というのが五十八年の六七%から六十三年には一九%にまで落ちているわけですね。それだけ徹底してきたと思うんですね。そして各県の条例を見ましても、当初から比べるとかなりそれが徹底してきている。
 そういうようにどんどんどんどん改善されてきている今日の状況の中でこの法律が生まれるわけですけれども、県条例を持っている各県から見てみたら、この法律ができたことによってどれほどの効果がさらに出るのかということを期待しているでしょうか。私は、自治体がずっと努力してきてもそういうスパイクタイヤの装着率が落ちてきているという状況の中で、この程度の法律ができることによってさらに効果を上げるかということにいささか疑問があるのですけれども、その辺いかがでしょうか。
#51
○政府委員(古市圭治君) 各地区で各般の運動が進んでいるわけでございますが、その結果といたしましてスパイクタイヤの装着率の推移というものを見てみますと、仙台市が五十八年には六七%でございましたが、県民一体となった運動の結果、六十三年では一九%と著しい改善をしております。一方、札幌市、同じような状況で運動しているわけでございますが、五十八年に一〇〇%だったものが六十三年に至っても八九%。こういうことで例えば長野県の松本市、それから福島市、そういうところで約五〇%に近づく装着率が落ちてきているところもある一方、いろんな運動をしても装着率が九〇%以上という積雪寒冷地域も非常に多いわけでございます。
 そういうことから、今回の法律によりまして地方だけの努力でできないところを、かわって国のスパイクタイヤに対する将来方針というものを明示して、しかも指定地域内で明らかな違反の場合には直罰規定を設ける。それも地方条例ではできなかった冬の期間を除外するということを除いて通年的な規制を行うということでバックアップして、国と地方と一体となってノースパイクの方へ進もう、こういう趣旨でございます。
#52
○田渕勲二君 さらに、この県条例をいろいろ研究してみますと、この法律には直接触れていない事項が盛り込まれている部分、例えば事業者の責務であるとか販売業者の責務、あるいは知事や市長のスパイクタイヤ使用規制違反者に対する必要な指導勧告権、こういったようなものがあるんですが、そうしたものはこの法律の趣旨に沿ったものと思うんですけれども、こうしたことはこの法律ができたことによって政省令あるいは通達なんかで今各県条例にあるこういう今申し上げたような事項がさらに通達されてくるのか、指導されようとしているのか、その辺いかがでしょうか。
#53
○政府委員(古市圭治君) 先ほどちょっと触れさせていただきましたけれども、この法律の第三条のところの「何人も」という中にいろいろなものが含まれているという形で既にある各地方の条例で挙げている事業者、それから販売者、製造者というのを一つずつ挙げていないということでございますが、御指摘のとおり、法の施行に当たりましては、その点につきましては通達等で明らかにいたしまして、関係省庁とも連絡をとって事業者に対して脱スパイクタイヤへの指導というものを行ってまいりたいと思っております。
#54
○田渕勲二君 そこで、各県条例の中でちょっとわからないのは、このスパイクタイヤを履いていけない時期というのは大体が四月から十一月ですね。ところが、粉じんの影響が多いのは一月、二月が一番ひどいように思うんですけれども、県条例でなぜ四月から十一月まで禁止して、禁止されていないところで粉じんをまくか。私も素人ですけれども、なぜ一月、二月まで禁止しないのか、その辺いかがですか。
#55
○政府委員(古市圭治君) この法案を提出して以来、地方自治体なりタイヤメーカーから非常に後退したとか骨抜き法案だとか、こういう批判も一部あったわけでございますが、私どもは決してそうではない。先進的なこの法案を批判する地方自治体でどうしてお尋ねのように冬の期間できなかったんですかと、こう反論いたしますと、それはこれからやろうと思ったところだ、こうおっしゃいます。だから、これはスパイクタイヤというものが一〇〇%近く普及してから全地域的になくなしましょうという運動をやっているおかげでなかなか苦労が多かったところで、やはり先進的なところでも段階的にこれから全廃へ向かおう、こうしていたところだと私は理解いたします。
 そういうことで、この法律は今までできなかったところの、今おっしゃいました粉じんが一番多く発生する冬期間というものに対してもやめましょうという形になっておるので、国と地方自治体とこういう形でやればノースパイクへの加速が早まる、このように理解しているわけでございます。
#56
○田渕勲二君 じゃ確認しますけれども、この法律によっていわゆる全期間ということになったということですね。
#57
○政府委員(古市圭治君) そのとおりでございます。
#58
○田渕勲二君 反則金について御質問申し上げますけれども、この反則金制度も各県の条例にあるんですが、この法律の体系と異なる道路交通法に属するものでありましょうから、本法律が制定されても何ら変更を持たないと考えて差し支えございませんか。各県の反則金問題、警察庁。
#59
○説明員(賀来敏君) この法律の違反につきまして、この法律から直ちにはもちろん反則金の問題は出てこないんですが、県のいわゆる帰属の方はこの法律と同時に並存するということでございますので、県のいわゆる公安委員会規則に違反する部分につきましては反則金が適用されるということで、並存して残る形になります。
#60
○田渕勲二君 反則金は各県で大体、どの程度の金額を取っているんですか、おわかりですか。
#61
○説明員(賀来敏君) 通常、この制度の額、六千円ということで上限が決まっております。
#62
○田渕勲二君 そうしますと、本法律の執行を担当する官庁というのはどこでしょうか。
#63
○政府委員(古市圭治君) これは環境庁の提案している法律でございますが、多分先生お尋ねのところは直罰規定によりまして罰金を取るのはどこかということならば、それは警察当局にお願いしていることでございます。
#64
○田渕勲二君 確認すると、じゃこの法律は執行するのはもちろん環境庁ですね。執行上罰則を適用してそれを摘発するのは警察庁、これでよろしゅうございますね。
#65
○政府委員(古市圭治君) そのとおりでございます。
#66
○田渕勲二君 最後に、環境庁長官にお願いをしたいんです。
 先ほど私がいろいろ御質問申し上げましたように、法律の趣旨というのはスパイクタイヤの粉じんによる健康と生活環境への影響を排除しよう、こういうのがこの法律の主たる目的ですね。しかし一面、このスパイクタイヤの規制でまだ十分に交通・運輸労働者なんかが信頼を寄せていないスタッドレスタイヤというものがある限りは、これはスパイクタイヤにかわるタイヤがない、ないわけじゃないんでしょうけれどもスパイクタイヤほど完全ではないという、そういう気持ちから交通事故というものを非常に恐れるんですね。そういう意味ではいわば両刃の剣といいますか、この法律の持っている側面、将来この法律が非常に紆余曲折を経て今日に至ってきた経過を見ましても環境という問題と交通事故という問題が常にこれは隣り合わせにいるということでございますから、一般犯罪を摘発するのと同じような状況でただ罰則適用、摘発をすればいいということじゃなくて、運転者が安心して走れるタイヤの開発というものもさらにさらに急いでもらわなきゃいけません。
 同時にまた、粉じん発生の防止対策として、環境保護という面からもいろんな意味で教育したりまた理解を求めたり、この法の持っている目的というものを周知徹底させることが大切であると思うんです。
 そういう意味でこの法律の施行をやらなければ私はこの法の趣旨たるものは生かされてこないというふうに思うんですが、環境庁長官の御決意を含めた御答弁をひとつお願いしたいと思います。
#67
○国務大臣(北川石松君) 委員の、スパイクタイヤ法案によって規制されることによりこれを利用する方たちの交通上の心配と、そして片方では環境上の健康の問題と両方あるけれども、やはりこれを使用する人たちの心の安定というのは必要でありますから、そのためのスタッドレスタイヤですね。やはり、ああこれはいいなという感覚を持ってみんな愛用していただくようにならなきゃいけないんじゃないか。それが全国に普及しまして、将来はやはり全部が、スパイクタイヤはだめだ、もう使用しない、こういう形に持っていくことが最良だと思っているわけでございます。
 そんな意味を含めまして、私は、この法案を提案して御審議を願う前に、三月にスタッドレスタイヤメーカーを視察さしていただきました。特に、一般車はもうだんだんとみんなに啓発されて大体愛用されてきておるけれども大型が難だ、まだ十分じゃないということで特に大型のタイヤを現場で見せていただきました。なるほど金びょうを打ってないタイヤと打ってあるタイヤを実際今まで自分が使用していた心で見てみますと、やっぱり打ってある方が安心だなという考えがあるんですね、特に大型車において。しかし、実際の実験をいたしますと九〇%の安全性ですね。スパイクとの併用をいたしましてもこれだけの効率があるんだということを見ましたときに、私は、一日も早く大型のタイヤを完成してほしい、貴社がこういうところへ着目してやっていただいたことを非常に感謝するということを申し上げまして、現場のタイヤを見ながらいろんな話をさしていただいたのを今思い出しておりますが、これは国民の皆さんに理解と自覚をしてもらって、やっぱりスパイクタイヤはだめだ、こういう線に持っていくための今後の啓発及び知識の普及をしていかなきゃいけない、こう思っております。
 御指摘のように、これは関係が各都道府県、警察、皆さんに及ぶものでございますから今日までおくれておったことも事実でございますが、こうして法案を御審議願う以上は、その点を御理解願いまして一日も早くこれが施行され、そして皆さんに御理解をしていただくようにしたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
#68
○田渕勲二君 終わります。
#69
○委員長(大森昭君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時四十五分まで休憩いたします。
   午前十時五十六分休憩
     ─────・─────
   午後零時四十七分開会
#70
○委員長(大森昭君) ただいまから環境特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#71
○竹村泰子君 私は札幌に住んでおりますけれども、札幌や仙台初め日本海に面している県などおよそ二十県ぐらいの県が影響があると思うんですけれども、もちろん日本列島の北の方、そして雪解けのころは特にもう目もあけられないような粉じん公害、そして特に私どもが心配いたしますのは道路の周辺にある住宅、それから道路で仕事をしておられる労働者の方たち、それから特に心配なのは子供たちの被害でございます。結局、背が低いですから大人よりもたくさん粉じんを吸い込んでしまうということがございまして大変心配なのですけれども、このたびスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案がまとめられまして今国会に上程されましたことにつきましては、環境庁を初めとする関係省庁の皆様の御努力を大変深く評価させていただくものであります。
 しかし、この法案につきましては、指定地域の制度が設けられたり積雪や凍結路を除外するなど、一部にその実効に対する懸念も表明されております。このようなことからさきに衆議院におきましては六項目の附帯決議がつけられまして、法の施行に当たって政府への注文が付されたものと承知しておりますが、私といたしましても、この法律が適正に運用され、そしてスパイクタイヤ問題ができるだけ早期に解決されることを願いまして、以下何点か質問をさせていただきたいと用います。
 さきの衆議院環境委員会におきまして環境庁の大気保全局長は、全面禁止としなかった理由について、スパイクタイヤは雪または氷の上は粉じんを発生させず有用性があるということが全面禁止とできなかった一因であります、しかしながら環境庁としては今後全面的に脱スパイクタイヤを図っていくという方向は明確であるという御答弁をしておられます。
 そこでまず、この法律の性格についてでありますけれども、粉じん発生の防止が直接の目的であるために現時点ではスパイクタイヤの全面禁止はできないものの、あくまでも近い将来スパイクタイヤの全廃を目指すものであると理解してよろしいですか、お伺いいたします。大臣、お願いいたします。
#72
○国務大臣(北川石松君) 竹村委員の、スパイクタイヤ粉じんに対しての現実的な例をとられての御質問の中に、近い将来全廃を考えていいか、こういうことでございますが、本法案におきましては全国的に国民の責務としてスパイクタイヤ粉じんを発生させないよう努めてほしいということをうたっておりますし、脱スパイクタイヤ社会を実現することが基本的な考えであると申し上げたいと思います。
#73
○竹村泰子君 また、第三条の「何人も、スパイクタイヤ粉じんを発生させないように努める」という努力義務は、実際上国民に対してスパイクタイヤの使用を自粛するよう義務づけるものと理解してよろしいですか、お伺いいたします。
#74
○国務大臣(北川石松君) 委員のおっしゃるように、第三条はそのように御理解願って結構だと思っております。
 ただ、現段階においては、このことについては自動車の移動性とかいろいろの意味を考えまして、将来全国的にやはり脱スパイクタイヤ社会というものを実現するように持っていきたい、こういう思いをしております。
#75
○竹村泰子君 次に、法案の中身について具体的にお伺い申し上げます。
 まず、第七条にかかわってでありますけれども、積雪、凍結路が除外されておりますことから、まだスパイクタイヤを使用できるんだというふうに考えている方もあるように感じております。しかし、さきの衆議院環境委員会においては、環境庁の答弁によりますと、四輪が乾燥部分に接している状態が違反なのである、したがって、指定地域内ではあらかじめ脱スパイクを実行していただくということになっておりますと、午前中の質疑でもそのようにお答えになっていたと思いますけれども、実際の道路について申し上げますと、私の住む札幌でもそうですが、最近の暖冬、消雪などによりまして、いわゆる幹線道路や準幹線道路では一、二月になっても雪のない状態が多く見られるわけです。
 そこで、お伺いいたしますけれども、さきに引用しました環境庁の答弁とただいま申し上げました実際の道路の状況を考えあわせますと、指定地域内においては小まめにタイヤを履きかえない限り事実上スパイクタイヤは使用できないと考えられますが、いかがでしょうか。
#76
○政府委員(古市圭治君) 御指摘のとおりでございますので、そういう状況では実態上交互に履きかえるということは困難である、したがって、あらかじめ周知徹底してある指定地域内ではもうスタッドレスでないといけないということを十分承知していただきたい、こういう趣旨でございます。
#77
○竹村泰子君 スパイクタイヤは原則禁止なのですね。
#78
○政府委員(古市圭治君) 先ほど長官が申しましたように、第三条で「国民の責務」というのがございますし、第一条はそういうふうな粉じんのない社会を目指すということを言っております。そういう点から基本的にはスパイクをなくなしていこうというのが法の理念でございまして、さらにそれを担保するために特定な地域においては使用禁止、罰則と、こうかかっているわけでございます。
 大きな流れとして、脱スパイク社会に向かって推進すると、こういう法案になっております。
#79
○竹村泰子君 大臣、スパイクタイヤは原則禁止なのでございますね、お答えください。
#80
○国務大臣(北川石松君) そのように受けとめていただいて結構だと思っております。
#81
○竹村泰子君 次に、地域指定についてお伺いしたいのですけれども、法の実効性を確保し、脱スパイクを促進するためには、できるだけ広い範囲の指定が望ましいことは言うまでもありませんし、そのためにはできるだけ客観的なデータに基づく指定が必要かと思います。
 まず、現時点で環境庁はどのような指定の要件、基準を考えておられるのか、お伺いいたします。
 その指定の条件と、それからスパイクタイヤの装着率とか粉じん等、具体的な数値で判断されると聞いておりますが、数値もお出し願いたいと思います。
#82
○政府委員(古市圭治君) 地域の指定につきましては本法の第五条で定められておりまして、「環境庁長官は、住居が集合している地域その他の地域であって、」、それが一つの要件でございます。「スパイクタイヤ粉じんの発生を防止することにより住民の健康を保護するとともに生活環境を保全することが特に必要であるもの」、これが第二の要件であります。これを指定地域として指定することになっております。
 具体的なことでございますが、指定地域というものが検討されますときに考慮されますものは、まず、その地域住民のスパイクタイヤ粉じんによる健康影響の程度、それから生活影響の程度についての具体的な事象、それから隆下ばいじんの量、交通量、スパイクタイヤの装着率等、さらには隣接市町村とのかかわりを含めまして広域的な観点から地方自治体の意見を踏まえまして、総合的に判断をしていくということでございます。
 この中で現在具体的に数字を申し上げる段階まで参っておりませんが、ちなみに御紹介いたしますと、一平方キロメートル当たりの隆下ばいじん量というものは、このような問題がない一般の地域においてはおおむね冬期といえども十トン未満ということでございます。それに引きかえて問題の地域というのは数十トン、過去には百トンを超すという例もあったということでございます。これらの数値を勘案するということになろうかと思います。
 もう一点、装着率の御指摘がございましたが、これも地方自治体の御努力、それから国民の御協力によりまして、逐次スパイクタイヤの装着率は減少しているわけでございますが、地域によって大きな差がございまして、同じような地域においても装着率がまだ九〇%台にあるところ、また一方、運動を推進されまして二〇%台を切っているところ、そういう状況でございます。
#83
○竹村泰子君 まだその数値は粉じんの方ははっきり考えていないということですか。
#84
○政府委員(古市圭治君) いろいろ検討をしているところでございまして、市町村単位に行う場合に、例えば粉じんの量が明らかでなかったら指定できないというようなことであってはいけません。地域の市町村の中で粉じん測定点というのは一カ所しかないところから数地点持っているところもございます。それからまた、沿道に沿っているところと沿道から離れたところといろいろな条件がございますので、単純に数値だけで地域を考えるということできませんので、先ほど申し上げましたように総合的に判断する、また、市町村長、県知事さんの御意見を十分伺って決める、このように申したわけでございます。数値についても検討はしております。
#85
○竹村泰子君 対策の進んでおります地域は粉じん等が次第に改善されてきておりますよね。したがいまして、後戻りを防ぐという意味では過去の数値なども考えなければならないと思いますけれども、いかがでしょうか。
#86
○政府委員(古市圭治君) 御指摘のとおりかと思います。
 先ほどの質問にちょっと説明不足でございましたが、降下はいじんの推移というのを一例で御報告いたしますと、宮城県下で十二月から三月までの平均値を過去にさかのぼって統計をとっておりますが、五十八年に五十五・六トンというのが六十二年には二十六・九トンと約半分の方向に減っている。しかし、ピークの一番多かったときというのは五十八年の三月には八三・九トンというような数値もございます。こういうことで、地域的に過去の経緯を見て、それからまた、これを行わなかったらふえるかもしれないというおそれも考えて判断をしたいと思っております。
#87
○竹村泰子君 その地域の指定に関しましては国家公安委員会その他関係行政機関の長にも協議をすることとなっておりますけれども、具体的にはどのような機関に、またどのような観点で協議をなさるのか、お伺いしたいと思います。
#88
○政府委員(古市圭治君) 今の御指摘は指定地域の第五条の三項に「環境庁長官は、指定地域を指定しようとするときは、国家公安委員会その他関係行政機関の長に協議するとともに、関係都道府県知事の意見を聴かなければならない。」、こう決めておりまして、現在この中に該当いたしますのは国家公安委員会、これは冬期間におきます自動車の安全な運転のための教育を実施していただいておりますし、またこの罰則の適用をつかさどっていただくということでございます。
 それから、その他の機関として通産省がございますが、これは代替タイヤの開発の促進という御努力をいただく関係でございます。それから、運輸省は運輸関係事業者に対する啓発、知識の普及に御協力をお願いする、それから建設省は冬期間における道路の環境の整備の促進をお願いする、それから自治省は地方公共団体における関連施策の実施の立場から、また、北海道開発庁は北海道内の冬期における道路の環境の整備をお願いする、それから国土庁は冬期間における道路の環境の整備の推進、こういうような非常に関係が深い行政機関の長に御協議をさせていただいて決めたいと思うわけでございます。
#89
○竹村泰子君 衆議院の環境委員会の中で古市局長は、指定地域には二十三都道府県から要請が来ているし、環境庁長官が不平等のないように指定をしたいというふうに答えておられますけれども、この不平等のないようにというのはどういう意味ですか。
#90
○政府委員(古市圭治君) 法律の上で先ほど申しましたような地域指定の要件というのがあるわけでございますが、過去にまた二十三都道府県、百九十余の市からこの法案作成への要望という運動が繰り広げられてきたわけでございますが、いろいろ実態を伺い、また調べてみますと、その地域地域におきますノースパイクへの考え方、またスパイクタイヤへの信頼度というのにかなりの差があるということも事実でございました。
 そういうことをそのまま反映してはぐあいが悪いので、先ほど申しましたような地域指定の要件でもって環境庁長官があらゆる点から考えて公平を保つように地域を指定したい、しかし、一方では今までの住民の感情、また地理的な条件、雪の質、道路環境の整備状況というような差がございますので、そこは市町村、都道府県知事の意向を反映したい、余り反映し過ぎるとばらばらになるということがあってはいけないということで極力公平な指定地域をつくりたいと申したわけでございます。
#91
○竹村泰子君 県レベルでお考えになるんですか、市レベルでお考えになるんですか。
#92
○政府委員(古市圭治君) 第五条の四項によりまして、市町村長の意見を都道府県知事が聞いた上で関係都道府県知事から環境庁長官に意見が出てくる、こういう構成になっております。
#93
○竹村泰子君 もう申すまでもありませんけれども、車というのは走っていきますよね。ですから、条件がいろいろ混在しているところで地域指定をされても、その都度取りかえたりすることはできないわけです。ですからもっと広域な指定でないと意味がないというふうな声も随分聞かれるわけですけれども、衆議院の環境委員会では、指定地域外も原則スパイクタイヤ使用禁止がこの法案の趣旨だと環境庁はお答えになっておりますが、これはそのとおりなのですか。
#94
○政府委員(古市圭治君) 先ほど北川長官が申したとおり、そのように私どもは考えております。
#95
○竹村泰子君 おいでくださっているほかの省庁の御意見を聞きたいと思いますが、今の点で。
#96
○説明員(中島邦雄君) 御説明いたします。
 通産省もそういった考え方でこの法案の協議に参加してまいりました。
#97
○説明員(堀込徳年君) お答えいたします。
 第三条では、先ほど長官からお話ございましたように、国民に対しましてスパイクタイヤによる粉じんの発生を防止するためのスパイクタイヤを原則として使わないという責務を果たしてございます。そういう意味では先ほどの答弁のとおりだと思っております。それを補完する意味で、七条におきまして、指定地域内の積雪または凍結のない道路におきまして使用禁止の義務について罰則を付して担保しているということで承知しております。
#98
○説明員(藤川寛之君) 建設省といたしましても、スパイクタイヤによる舗装の摩耗の問題であるとか粉じんによる環境問題を解決するためには、やはりスパイクタイヤの使用を規制していくことが必要だというふうに考えております。
#99
○説明員(賀来敏君) 基本的には私も同趣旨かと思います。
 この三条の条文は何人も努めなければならないということでございますので、また国とか地方も協力しなきゃならぬということでありますから、いわゆる粉じんを出さないように努めるという義務は国民すべてにかかっておると思います。
 ただ、この七条には八条との絡みで、いわゆるスパイクタイヤを使用してはならないということで八条で罰則のかかるところ、いわゆる厳格な意味での使用禁止、この禁止規定に違反すれば刑罰がかかるという部分の規定でございますので、いわゆる一般的な常識から見れば国民の責務というのはスパイクタイヤ等の粉じんを発生させないように努めなきゃならぬということで、長官がお話になった趣旨は私はそのように理解しております。
 そういう意味で、私どもこの法律のいわゆる趣旨というのは、国民、大勢のものが粉じんを発生させないようにあらゆる努力をするというそこに根本的な思想があると思います。そういう意味で、基本的にできるだけ粉じんを発生させないように努める努力というものはとうといものだと考えております。
#100
○竹村泰子君 何か複雑なお答えでよくわからないんですけれども、警察のお立場は非常に微妙だと思いますけれども、しかし、私がお聞きしましたのは、指定地域外も原則スパイクタイヤ禁止がこの法案の趣旨なのですねとお伺いしたんです。それはいかがですか。
#101
○説明員(賀来敏君) 私は公務員でございますので法律の条文に忠実に御説明をしなきゃならぬと思いますが、国民の責務というのはスパイクタイヤ粉じんを発生させないように努めなければならないということでございます。
 それと同時に、七条で使用してはならないということで、さらに八条で罰則がかかっておりますので、刑罰をもって禁止されておる部分は七条の条文あるいは八条との絡みで理解をしなきゃならぬということで基本的には努めなきゃならぬ、刑罰をもって禁止されておるのは七条、八条の絡みで解釈をしなきゃならぬということでございますので、禁止という意味が厳格な意味で刑罰をもって禁止しておるのかともし念を押されましたら、私は三条の条文と七条の条文でそのように解釈をしておるという意味でございますが、御理解いただけるでございましょうか。
#102
○竹村泰子君 警察のお答えはよくわかりませんけれども、ほかの省庁は皆さん原則使用禁止が趣旨だとお答えくださったように思いますが、もしそうであるならばこの点を別途政府広報するのでしょうか、あるいは自治体がそのように広報していいのでしょうか。
 衆議院の環境委員会の中でも、この法律を受けて地方自治体が上乗せ条例、横出し条例を設定してもいいのかということが出されておりますけれども、それは別に制限はなさいませんですね。
#103
○政府委員(古市圭治君) 警察庁と少しニュアンスが違うじゃないかというようなことですが、私どもは大体ほぼ一緒の立場に立って御説明しておると思っております。
 再度説明させていただきますが、この法案では第一条の「目的」というところで「スパイクタイヤ粉じんの発生を防止し、」ということが書いておけますし、第三条に「国民の責務」としてスパイクタイヤ粉じんを全国一律に発生しないように努めていこうということをうたっているわけでございまして、全国的に脱スパイクタイヤ社会が実現するということを基本的な理念で示していることは明確であるわけでございます。この趣旨につきましては今後の各種の地方自治体とのお話し合いの中でも具体的に説明をして十分理解をしていただきたいと思うわけでございます。
 さらに補足させていただきますと、先ほど雪道と乾燥路面とまだらになったところではどうするのかというお尋ねがございまして、そういうところでは実態上スパイクタイヤで履きかえていないと運行できません。そういうことから、実質的には指定地域外であっても指定地域の中を常用的に利用する、通過するという人たちは全部スタッドレスタイヤに履きかえておかなかったらいけない。そうしますと、全国的にもそういう方向にこの法の施行が動いていくということでございます。
#104
○竹村泰子君 それはよくわかりましたけれども、今私がお聞きしましたのは、地方自治体でもう一つ上乗せの条例をつくったりしてもよろしいのですね、制限なさいませんねとお聞きしたんですが。
#105
○政府委員(古市圭治君) どうも失礼いたしました。
 この法律は国民の健康の保護を確保するために全国的な観点から立法をしているということでございます。したがいまして、地方公共団体ではまたそれぞれの全国的だけでは言い尽くせないいろんな自然的また社会的な条件があろうかと思います。そういう条件から判断されまして必要と認められました場合には、当該地方公共団体が条例の制定権に基づきまして条例を策定するということはあえて否定するものではございません。
#106
○竹村泰子君 それでは次に、附則の第三条で適用が猶予されております大型自動車についてお伺いいたします。
 「道路交通法第三条の大型自動車その他の政令で定める自動車については、第七条本文及び第八条の規定は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日までの間は、適用しない。」となっておりますけれども、これはスタッドレスタイヤがまだ開発途上にある大型自動車等について配慮した規定というふうに理解しております。しかしながら、さきに日本自動車タイヤ協会がこの冬から大型軍用スタッドレスタイヤを販売するという見通しを明らかにしましたね、これはマスコミにも報道されておりますけれども。このことは当初の見通しより相当早まったのではないかと考えます。
 タイヤ協会の発表どおりにこの冬から大型重用のスタツドレスタイヤが販売された場合、法律の大型車猶予の考え方に変化が生ずるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#107
○政府委員(古市圭治君) ただいま御指摘のように、近年大型自動車用のスタッドレスタイヤの開発が非常に進んでおりまして、私どもも喜んでいるわけでございます。
 したがいまして、現時点においての状況から三年間の猶予期間、三年間を上限とする猶予期間を置いているわけでございますが、その開発の状況を見まして施行期日というものを決めていこうと思っております。
#108
○竹村泰子君 そうしますと、大型車猶予は少し縮まるかもしれないということですか。
#109
○政府委員(古市圭治君) 今の時点でこの期間のうちにと、こう出しているわけでございまして、私どももそれがもっと短くなることを期待しているわけでございますが、タイヤの開発状況とことしの冬から一般の販売網に乗っていくその普及状況、それからまた皆さん方から協力していただける状況、そういうものを総合的に勘案してその時期を決めたいと思っております。
#110
○竹村泰子君 大体いつごろになるという見通しなのか、お教えいただけませんでしょうか。
#111
○政府委員(古市圭治君) 三年以内の時期だと思います。
#112
○竹村泰子君 先ほど縮まるかもしれないというお答えもあったんだけれども、やっぱり三年以内の時期ですか。
#113
○政府委員(古市圭治君) そのために先般北川長官にも第一線のメーカーに行っていただきまして研究開発の督促をお願いしてきましたので、三年を超えない範囲としておりますが、多分我々の期待に沿って少しは短くなっていただきたい、そのような努力もしていきたいと思っております。
#114
○竹村泰子君 御健闘を願いたいと思います。
 法案について最後の質問になりますけれども、さきの衆議院環境委員会の質疑では、環境庁から、罰則の適用は最終的な手段であり、法の施行、スパイクタイヤ製造、販売中止調停の実施、関連する諸対策の推進、国民の協力が相まって脱スパイクは大きく進むという趣旨の見通しが述べられました。私といたしましてもスタッドレスタイヤへの切りかえが早急に進み罰則の適用は最小限にとどまることを強く期待するものでありますけれども、スパイクタイヤの耐用年数なども考慮した場合、今後何年間ぐらいでスパイクタイヤの使用がほとんどなくなり粉じん問題が解決するとお考えか、見通しをお聞かせ願います。
#115
○国務大臣(北川石松君) 委員の御質問でございますが、それは一日も早くスパイクタイヤが全国的に使用されないことを望むものでございますが、ただ、使用しておる側にいたしますと、なれもございますし、やはりまだスパイクタイヤの方が安全だという考えもあります。その中へスタッドレスタイヤはやはりいいんだというところの啓発もしなくちゃいかぬ、このように思っております。
 それで、先ほど局長が答えましたが、私は過日メーカーに参りまして特に大型車の作業を見てまいりました。一日も早く頼むぞということを言いながら両方見てまいりましたが、見た目でやはりスパイクタイヤの方が安全だなという思いを使用する者かするんじゃないか。しかし、新しく開発されたタイヤがそれ以上に利便さがあり、実際の危険がないということを自覚してくれる日が一日も早く来るならば、私は、今委員が御指摘のスパイクタイヤが全国的にもう不必要になっていくというときが一日も早く来るように環境庁としても努力していきたい、こう思っております。
#116
○竹村泰子君 私はスパイクタイヤの問題には衆議院のころからいろいろ取り組んでおりまして、そして議員立法でお出ししようという準備も進めてきた経過からいいまして、今回のこの法案の環境庁による国会提出というのは本当にあのころから見ると考えられないと言ったら失礼ですけれども、考えられない進歩だと思うんですね。ただ、粉じん問題が、こういう法案をお出しになることになった経過から考えますと、どのぐらいでなくなるんじゃないかなというお心づもりがあったんじゃないかと思うんですけれども、それをお聞かせ願いたかったんです。
 仮に、今そのとおり進まなくて粉じんも依然として改善されない場合、今後衆議院の附帯決議第六項の趣旨に沿って全面禁止に移行する方向で法律が改正されると考えてよろしいでしょうか。
#117
○国務大臣(北川石松君) 本法案はスパイクタイヤ粉じんを防止する上で十分実効性があり、指定地域であるかどうかにかかわらず全国的に脱スパイクタイヤ社会が実現できると考えております。
 また、委員が衆議院時代からこのことに、特に北海道だけじゃございませんが、宮城にいたしましても、いろいろとこの粉じんはこれは地域社会の公害であり、また道路も破損いたします。そういうすべての点で情熱を傾けていただいたことも承知しております。
 何年ということの考え方は非常に難しいと思います。しかし、本法案が可決されました後は本法案の全面実施を全国民の皆さん、特に自動車を愛用されるまた特に今までスパイクタイヤを使用されておられた地域の方々たちの御理解の上に立って、新しくできるスタッドレスタイヤがいいなという形を一日も早くつくっていくなれば私はいいと思いますし、もしこの法案が可決されながら同じようにスパイクタイヤの粉じんが発生するとは思っておりません。
#118
○竹村泰子君 もしなんてそんな、なかなかそういうふうには進まないんじゃないかみたいな否定的なことは考えたくないんですが。
 もしも法律が何の実効も示さない場合、どういうふうになさるおつもりですか。
#119
○政府委員(古市圭治君) そういうことがあってはいけないということで各省庁と十分協議してこれで前へ進もうとやったわけで、そういう形はないと思います。
 これは、今長官が申しましたように、たしか衆議院で昭和六十年に竹村先生がこの問題を取り上げられまして、時の環境庁の石本長官に、法律を早くつくれ、三年以内に立法しろ、こういう御質問がございまして、時限を切ることは困難であるが努力すると、こう申しました。それが、三年よりややおくれましたけれども今日こういう形で出たわけでございまして、一生懸命やっていけばできると思っておりますので、何年以内にできなかったらというのは現在考えずに、この法案で全力を尽くして地方自治体、国民の皆さんと一緒にやっていきたいと思っております。
#120
○竹村泰子君 大変前向きの御答弁でうれしく思いますが、それでは次に、対策面についてお伺いいたします。
 私としても法律だけですべて解決するとは考えていないんですよね。これと並行して対策を進めていくことが重要だと思っております。脱スパイクの先進地である札幌や宮城県においても、条例の制定と並行して種々の対策を講じてきており、次第に住民の理解を得る中で成果を上げてきているわけでございます。同じように、このたびの法案も国民の理解を得ながら意識の変革を求めていくものでありますから、国と地方が一体となって対策に取り組んでいくことが何よりも大事であると思うんですけれども、国と地方公共団体との適切な役割分担を盛り込んだ総合的な何か対策の指針といいますか、基本方針といいますか、そういうものを策定する必要があるのではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
#121
○政府委員(古市圭治君) 国のレベルでは、御承知のように五十八年に設置されました関係省庁との連絡会議でもってさらにこの法案が可決されました後の諸対策の推進を行っていきます。
 それぞれの関係省庁がそれぞれの地方公共団体、出先機関と連携をとられるということかと思いますが、私どもの環境庁といたしましては、この後、現在ノースパイクタイヤ町づくり指針というものの検討、作成にかかっております。この中には過去のスパイクタイヤのあらゆる資料、また各地での先進的な自治体の動き、そういうものを紹介いたしまして、これから地方自治体がこの運動を推進していく上で参考になるような指針にしたいと思っております。また、各種の会合も開きまして、国と地方自治体それぞれ役割分担を十分果たしていきたいと思っております。
#122
○竹村泰子君 それでは次に、通産にお伺いしたいと思います。
 タイヤに関する対策をお伺いしたいんですが、通産省はさきにスタッドレスタイヤの性能確認試験を基礎産業局でなさいまして結果を発表しておられますが、その中でスタッドレスタイヤはおおむねスパイクタイヤに代替し得るレベルに達しているという、そういう評価をしておられますね。二カ所か三カ所この報告書の中に出てまいります。スノータイヤに比べてかなり評価は高く、スパイクタイヤのタイヤと同等程度であったというふうな記述が見られるわけですけれども、通産省としてはさきのこの試験結果を今後どのように活用し、またスタッドレスタイヤの普及につなげていくお考えか、お伺いしたいと思います。
#123
○説明員(中島邦雄君) 御説明申し上げます。
 ただいまのスタッドレスタイヤの性能試験につきましては、ことしの二月に実施いたしまして五月の末に新聞等を通じて広報いたしました。なお、この成果のよりよい普及を目指しまして都道府県等に配付いたしまして、都道府県等が実施いたします講習会、そういったところで使われるようにそういった努力をしてまいりたいと思います。またなお、自動車タイヤ協会につきましてはいろいろなPRをやっております。
 そうした広報活動を通じましてこのスタッドレスタイヤの評価、こういったものについて広報するよう指導していきたいと、そういうふうに考えております。
#124
○竹村泰子君 この冬販売店段階で売られるスパイクタイヤについては指定地域内では事実上使用できなくなるわけですが、そのことをユーザーにいかに周知させるか、具対策をお聞かせください。
#125
○説明員(中島邦雄君) 具体的には、タイヤメーカーを通じまして販売店に対しましてそういった指導を徹底していきたいと、そういうふうに考えております。
#126
○竹村泰子君 まだ余り具体策はお考えではないようですね。
 それでは次に、建設省にお伺いしたいと思うんですけれども、道路対策についてお伺いいたします。
 スタッドレスタイヤは性能が著しく劣るために道路を雪のない状態にしなければ走行に支障を来すというような誤解もまだまだ広くあるように感じております。しかし、先に通産省が発表しました性能試験の結果にも見られますとおり、普通積雪路の制動においてはスタッドレスタイヤの方がわずかながらスパイクタイヤを上回る性能を示しているわけです。そして、私といたしましては、道路を完全に雪のない状態にすることは実際上不可能ではないかと思うわけです。むしろスタッドレスタイヤが若干苦手とする坂道などに重点を置いて道路の対策を進めていくべきではないかと考えるものです。
 そこで、脱スパイクタイヤを進めていく上での道路対策の基本的な考え方をお聞かせ願います。
#127
○説明員(藤川寛之君) 脱スパイクということで私ども道路の路線を管理する立場といたしまして今後どうするかということでございますが、一つには、やはりできるだけ路面を良好な状況に保つ必要がございますので、除雪のやり方をより丁寧にやっていく必要があるというふうに考えております。
 それから、今お話がございましたように、除雪だけではどうしも路面に完全に雪のない状態にすることはこれはもう確かに不可能に近いというふうに考えております。ですから、必要な箇所につきましては凍結防止剤等を散布いたしまして、できるだけ安全に走行できるようにしてあげる必要があるというふうに考えております。
 それから、今坂道というお話がございましたが、私どもといたしましても、坂道につきましても設置可能な場所につきましては消雪パイプ等の消融雪施設、これは北海道ではちょっと無理かもしれませんが、消雪パイプ等を設置いたしまして、できるだけやはり路面に雪のない状態が保てるような措置をやっていきたいというふうに考えておりますし、それから坂道ですと、雪がありますとどうしてもチェーンを巻いていただかなきゃいけないケースも出てくるんじゃないかというふうに考えておりまして、そういう場所につきましては、チェーンの着脱場というのをやはりきちっと整備していく必要があるというふうに考えております。
 今申し上げましたような施策を今後とも充実いたしまして、脱スパイクタイヤに対応するような道路環境づくりに私どもとしても努力していきたいというふうに考えております。
#128
○竹村泰子君 欧米では岩塩などが随分使われているようですけれども、日本では岩塩の生産が非常に少ないということもあってこれはなかなか難しいと聞いておりますけれども、何かそういう具体的な、これならば道路を安全にしていくことができるのではないかというふうなものはまだお考えじゃないんですね。
#129
○説明員(藤川寛之君) 今お話がございましたように、これならば完全に道路を安全にできるというように自信を持って対応できるようなものはないと思います。
 いろんな方策がございますので、私どもとしても、今申し上げましたように除雪のやり方をより丁寧にやるとか、今岩塩というお話がございましたが、我が国でも凍結防止剤ということで一応塩の散布なんかもやっているわけでございます。そういう凍結しやすい場所あるいはカーブの場所等については、そういう凍結防止剤を散布いたしまして安全に走行できるようにしてやるとか、そういうきめ細かい対応をやっていくということがやはり安全な走行につながるのではないかなということで考えているところでございます。
#130
○竹村泰子君 私ごとで恐縮ですが、私は札幌のかなり急な山の上に済んでおりますけれども、四年間もうスタッドレスタイヤなのでございます。かなり急な坂なんですけれども。ですから、除雪もよくないんですね。でも頑張っております。
 ですから、やはり道路対策を少し頑張っていただけば本当にスタッドレスタイヤで何も心配はないということを私は立証しているつもりなんですけれども、どうぞよい対策をお願いしたいと思います。
 次に、車両対策についてお伺いいたします。
 最近、脱スパイクの関連で四WD車やアンチロックブレーキ装着車など、冬道に強い車の開発が目覚ましくなってまいりました。また、これらの車両が次第に普及してきております。さきに運輸省が大型車の一部、牽引用自動車や高速道路を走行するバスにアンチロックブレーキの装着を義務づけることをお決めになったという新聞報道がありましたけれども、その取り組みを評価させていただきたいと思いますが、今後アンチロックブレーキ装着を義務づける車両の範囲をさらに拡大なさるおつもりはあるか否かをお伺いしたいと思います。
#131
○説明員(堀込徳年君) お答えいたします。
 アンチロックブレーキにつきましては、ただいま先生から御指摘がございましたように、自動車がブレーキをかけるときに滑りやすい路面ではロックされますと制動力が全然出てこない、しかも車の制動距離が長引いてしまう、あるいはとまった姿勢が横を向いてしまうとか非常に危険な状態でございますので、そういうコンピューターによりまして制御するABSというものが開発されているわけでございます。この装置は、今申しましたように制動距離を短くするということ、さらには制動姿勢あるいは操縦性をよりやりやすくするということで大変立派な装置でございまして、ただいま御指摘がございましたように、特に大型トラックあるいは危険物を運搬するトレーラー、それから高速バスにつきまして、これらが事故が起きたときに被害が大変大きいということで先般義務づけることを決定したわけでございます。トレーラーとトラクターにつきましては平成三年十月から、高速バスにおきましては平成四年の四月から実施することとしております。
 ただいまのアンチロックブレーキですが、大変効果がございますので、現在ユーザー等の理解を深めるために普及促進を図っておりまして、パンフレットでございますとかVTRを用いましてトラック事業者などに広報活動をしております。
 それで、今後対象車種を拡大するかということでございますけれども、今申しましたように、ABSを普及促進している段階でございますので、その普及をさらに促進させ、あるいはまた交通事故の実態、それからさらに低廉なものが開発されるかというような技術開発、そういうものを踏まえましてさらに拡大していくかということを今考えている最中でございます。
#132
○竹村泰子君 札幌市営のバスはこの冬から四十両、そして更新時毎年ふやしていきたいと。それで、今のところ六百七十台中四十台ぐらいがこのアンチロックブレーキだということで、なかなか評判もいいようですので、車両の範囲をさらに拡大していただくようにお願いしたいと思います。
 一般に冬道に強いと言われる車両の機能にはどんなものがあるのか教えていただきたいことと、これらの機能を整備した車両をどのように普及させていくお考えか、あわせてお伺いしたいと思います。
#133
○説明員(堀込徳年君) ただいまの積雪、凍結の滑りやすい状態で有用な装置といたしましては、スリップを防止して発進を容易にさせます装置と、それから先ほどABSということで御説明いたしましたが、滑りやすい路面で制動を短くするという二つのものがございます。
 それで、発進をしやすくするものにつきましては、先ほど先生から御指摘がございました四WDという四輪駆動車がございます。さらには、駆動力を制御するトラクシュンコントロールというもので不必要な駆動力を抑えていくという問題、それから片側のみのタイヤがスリップして発進できないというようなことに対してましてはその空転防止ということでリミテッドスリップデフというのがございますけれども、そんなようなものがございます。こういうものと先ほど申しましたアンチロックブレーキシステムというものがございまして、こういうものの普及につきましては、私ども、現在交通事故が非常にふえている中で車両の構造面の方から一層の安全対策の強化を図りたいということで、この三月に安全対策の状況を発表したところでございます。当面の対策の一つといたしまして、自動車メーカーに対しまして自動車の構造、装置の研究開発を促進させていただいているわけですけれども、さらに、ただいま申しました四WDあるいはABSにつきましても、自動車のユーザーの要望に応じまして、そういう要望があった場合にはメーカーから提供できるようにということで、先般、社団法人日本自動車工業会を通じまして各メーカーに指示しております。あわせて、自動車の販売時にこれらの装置についても正しい知識の普及に努めるよう指導しているところでございます。
#134
○竹村泰子君 それでは、最後に警察にお聞きしたいと思いますけれども、ドライバー教育についてお伺いいたします。
 今後はスタッドレスタイヤをいかに乗りこなすかということが非常に重要な課題になってくると思います。新聞報道によりますと、札幌市内では既に全部の指定教習所十六校の全軍がスタッドレスタイヤだけで教習を行っております。そして、過去に免許を取得したドライバーに対しても自治体や警察がスタッドレスタイヤによる運転実技講習会を行ったり活発な取り組みがなされておりますけれども、今後スタッドレスタイヤを使用するドライバーが急速にふえていくことを考えますと、さらに広い範囲で冬道の安全運転対策を講じていく必要があるのではないかと思います。
 警察庁としては、スタッドレスタイヤによる冬道の安全運転教育について、制度面、施設面を含めてどのような対策を講じていくお考えか、お伺いしたいと思います。
#135
○説明員(賀来敏君) お話しのように、スパイクタイヤの製造が禁止される方向に進んでいくわけでありますから、当然安全な運転操法ということが今後この種の対策を進めていく上で国民の生命にかかわる大変大事なことで、私も当然御趣旨のことがこれからの大事な課題になってこようかと思います。
 特に、この法律が施行されるまでの間に、今までスパイクタイヤの便利性というものにかなりなれてこられた国民の多くの皆さんがおられますので、やはり安全運転を心がけなきゃならぬという意味でスタッドレスタイヤを装着した自動車の運転方法をしっかりと講習を実施する、あるいは訓練を実施するということが大事な問題になってくるわけでございます。
 これと同時に、先ほど関係省庁からお話がありましたそれぞれの総合施策が相まってこなければならぬ、連動しなきゃならぬということと、もう一つは、道路を利用する際に自分のこれから行かんとする目的地がどういう状況になっておるかということで、いわゆる靴ではございませんのでそう簡単に脱いだり履いたりというわけにはいきませんので、自分の行かんとする目的地の交通情報が早目に提供されるという、そういう安全施設の整備、そういうようなこともあわせて必要であろうかと考えております。
 北海道のお話につきましては先生の方が専門でございますので詳しいわけでございますが、札幌市に限らず北海道のほとんどの教習所において同種の講習がなされておりますし、道庁等の御理解もありまして試験場でそういう訓練も冬場はもちろんできるわけでございますが、夏場においてもいわゆるスキッドパンのような施設を確保して訓練をされているところがございます。今後、関係省庁また関係自治体等の協力をいただきまして、よりそのような方面の施設面を含めた整備を図っていく努力をしなきゃならぬと考えております。
 特に、この法律によりまして北海道のみならずかなりの県がこの法律の対象になるわけでございますので、北海道以外の寒冷地の県においても教習所がそういう方向で訓練を進めておるところでございます。
 また、全国レベルの一つの専門家等の研修をする場所といたしまして、これは若干先になりますが、平成三年度の四月ごろから茨城県の那珂湊、勝田の中間に中央研修所を設置する段取りになっております。ここにそういうスキッドパン等の本格的な訓練施設を設けるなど全国的な指導もしていく考えでございますが、いずれにいたしましても相当な費用もかかることでございますので、関係省庁、関係機関の協力も得ながら御趣旨の方向で鋭意努力いたしたい所存でございます。
#136
○竹村泰子君 今旅行ブームで、結構日常的には全く雪と関係のない方たちも北海道や東北へどんどん旅行にいらっしゃる。そういうことで冬道安全運転の講習というのは非常に重要だと思うんです。スパイクが使えないということになりますとなおのことですが、この冬道安全運転の講習の義務化ということは考えていらっしゃらないですか。
#137
○説明員(賀来敏君) 今突然の質問でございますが、やはり長期的に見ますると、そういうような教習内容等につきましても総合的な観点から考えていかなければならぬと考えております。
#138
○竹村泰子君 ぜひお考えいただきたいと思います。
 以上、いろいろ質問させていただきましたけれども、ぜひ関係省庁、それから国と地方公共団体との適切な役割分担、そういうことでこの総合的な対策をしっかりと立てていただきたいと最後にお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
#139
○高桑栄松君 それでは、質問をさせていただきます。
 最初に、私も昭和六十年ぐらいかな、脱スパイクにつきましては質問をしておりますけれども、それ以来この行方を考えて見ておったんですが、なかなか難しそうだ、環境庁にとってはその意欲は十分持っておられたがなかなか難しそうだというふうに私も察していたわけでございます。昨年の十一月の二十九日ですが、スパイクタイヤ禁止の質問をさせていただきまして、そのときに、次期国会に提案されてはどうかというふうに質問いたしましたら、できるだけそう努力したいという答弁をいただいておりました。今回そのとおり出されたので、私は質問としてはタイミングよかったなとは思いますけれども、実際は環境庁が数年来これに鋭意努力をされて、各省庁間のまとめみたいなことを随分努力されたんだなということをしみじみと認識いたしまして、その意味では環境庁に敬意を表します。中身は必ずしも満足ではないというのが質問でございますけれども、満足であれば質問はもうないわけで、そういう意味では満足ではございませんが、私はやっぱり一つのステップとして、確かに何かステップをとらなければ前進はしないのではないか、こう思っておりますので、私はもう賛成という意味でなおかつ質問をさせてもらいたい、こう思っております。
 まず最初に、この法案について私のところに、竹村さんと同じようにでございますが、札幌に帰ると車粉をなくす市民の会というような方々が陳情に来られます。その中でドクターが代表をしている団体がありまして、中には私の教え子もおりますし、私は予防医学なんだから予防医学としてはちゃんとしてもらいたい、こう言うので何だか私も責任があるように思うわけでございます。その方々から早速、抗議をしているのかそれとも激励しているのかわかりませんけれども、この法案は脱スパイク社会を目指しているはずなのに逆行しているのではないかという見方があるようであります。そういう観点で少し質問をさせてもらいたいと思います。
 中公番への諮問の中で、脱スパイク社会へ移行するということがあります。したがって、この法案は目的とするところは脱スパイク社会へ向かうというか目指すということだろうと思うんですね。そこで、法案の内容ですけれども、積雪凍結路で適用は除外するという除外例があるわけですね。救急車とか特別なものはもちろん除外例があるわけですが、この積雪凍結路で適用を除外するというのは、スパイクタイヤの着用を逆に法律で認めるということになりはしないか。
 私への陳情というか抗議文的なものの中には、スタッドレスタイヤの効率もだんだんよくなってきた、改良されてきている、広く国民はそう認識をしていると。今もお話がございましたが、札幌ではもうここ二、三年来だと思いますね、タクシーに乗るごとに聞いてみますと、市内のタクシー協会というのかな、全部がもうスタッドレスを使うという申し合わせをして使っているわけです。そういう状況下にあるのになおかつ全面禁止でないということに車粉をなくす市民の会の人たちは大変不満でございまして、それで国民意識に逆らっているのではないか、こういう質問がございますので、私かわって質問させていただきます。いかがでしょう。
#140
○政府委員(古市圭治君) 先生が御指摘のような懸念がほかにもいろいろ言われておりますので説明させていただきたいと思いますが、この法律の中にはどこにも積雪、凍結路での使用は認めると書いていないわけでございます。それに相当しますのが第七条のところで、その罰則を受けるのは積雪、凍結路でない状態の部分において使用した場合には指定地域内では直罰規定がかかりますよ。これを逆に読みますと、そのほかのところでは罰則はかからないのか、こういう話になって後ろ向きじゃないか、こう言われているところでございますが、何回か長官が御説明いたしましたように、法律を目的の第一条から逐条読んできますと、この法律というものは、スパイクタイヤの使用を規制してスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する対策を実施することにより、スパイクタイヤ粉じんの発生を防止して国民の健康を保護し生活環境を保全するという目的のもとに、第三条でその目的のために国民の責務が「何人も、スパイクタイヤ粉じんを発生させないように努める」、また国、地方公共団体もそれを行う、それだけではだめなので、確実にそれを担保するために特に必要なところでは指定地域をして、そこは罰則までかかりますよ、こういう仕掛けになっているわけでございます。
 また、この法律が国民の健康を保護して生活環境を保全するという立場からの環境立法でございますので、法理論からいいましても、雪と氷が舗装道路の間にあるところで使われているスパイクタイヤを罰するというのは論理上成り立たないということもございます。
 そういうことから、この期待されている環境立法を一日も早く成立させるためにはこれが一番現実的であろう。また、指定地域以外のところでも、自動車の広域的な移動の立場からそういうところを通過したり町に買い物に出るときに、そこはわかっているわけでございますからそれははけない。そうしておけば実態上雪道においてもスタッドレスタイヤの普及の方向に動かざるを得ない、こういうことでこの法律が成り立っているわけでございます。
#141
○高桑栄松君 例えば札幌ですとメーンストリートというのは大体除雪が行き届いているわけで、それこそ積雪の時期でも雪がないことが多いわけですね。しかも排ガスは温度が高いわけですから解かしますので、スパイクタイヤをはいてくるとどこかから急に積雪のない路面に飛び出てしまうんですね。そういうものもありますのでその辺がなかなか難しいところかなと思うわけですが、法律になると論理的に見てどこも完璧であるというのはなかなか難しいですものね。
 今の局長の答弁のとおりでありまして、第一条から第七条だかまで全部読まないとわからないというんです。しかし、読めば完璧である、うっかり読まないと完璧ではないというようなことになるのが法律だろうかなと思うんです。したがって、法律というものは、いつでもやっぱり対象となる人たちがそれを意識してどう行動するかというのが一番大事だと思うんです。
 それは後にいたしまして、次に、せっかく七大タイヤメーカーが製造を中止する、ことしの十二月ですか来年の三月には販売ももう禁止するというような申し合わせをしているにもかかわらず、輸入は、これも昨年十一月の質問で通産省のお答えでございましたが、輸入の動向を注視はするけれども法的禁止はできないという答弁でした。そうすると、せっかく国内メーカーが製造をやめ、販売もやめると言っているのに、輸入がその分を縫って入ってくるということになるわけで、この輸入を禁止する方法というか、はないのかなと。使用を禁止しているとすれば輸入しても意味がないんだということにはなると思うんですけれども、それはどうなんだろうかというのと、今輸入が何だかふえているように私は聞いているんですけれどもどうなっているのか、お答えを願いたいと思います。
#142
○政府委員(古市圭治君) 通産省の所管でございますが、私どものところにある、今手元の資料で御説明させていただきます。
 昭和六十二年の輸入タイヤは百一万本でございまして、六十三年が百五十九万本ということでございます。やや増加しているということかと思います。ただ、国内の全タイヤの中に占めるシェアから申しますと、六十二年度のときが一・六%、六十三年が二・八%、こういうシェアでございますからややふえてきている。
 それから、輸入スパイクタイヤの販売、輸入そのものを禁止できないかということでございますが、この法律の中では第三条の「国民の責務」として、「何人も」という中に事業者、販売者、そういうものも入っているわけでございますが、実際問題といたしましては通産省の方でもそのような自粛の指導をしていただいておりまして、私どもの方もそういう要請をしているということでございます。
#143
○高桑栄松君 自粛を求められておられるようでありますが、やっぱりできるだけ強力に自粛してもらった方がいいだろうと思うんです。
 そこで、今ひょっと思い出したんですけれども、私がアメリカに留学しましたのが昭和二十九年、一九五四年ですけれども、私、ピッツバーグに留学をしたんですが、二つ驚いたことがあったんです。
 ピッツバーグは大気汚染のひどいところで、ダーティーシティーと、こう言われておったわけですね、汚い町と。ダーティーシティーと言われておったんでワイシャツが、札幌ですと石炭が家庭暖房の主力でございましたから大変黒いすすが出ておってワイシャツは一日でまずだめだということだったんで、ピッツバーグは大変だろうかなと思って行きましたら、なに冬で三日たっても汚れないという、大気汚染対策が非常にうまく進行しておりました。これ昭和二十九年でございます。ですからびっくりしたわけです。
 もう一つ、雪が降っているときに普通の方なんですが何かまいているんですね。何だろうと思ったら、今の融雪のための塩化カルシウムをまいていたんですね。もう一九五四年の話でありますが、なるほどと思ったんですが、私、やっぱり素人なりに塩害があるのではないかなと、こういうことを思っておりました。
 しかし、何タイヤだったかな、私は見学に行きまして、そのときにピアノ線かなんかを巻き込んでそういうタイヤをつくろうとしておったのを見たんです。ところが今のスパイクにかわったわけで、スパイクタイヤが出るとすぐ欧米では脱スパイクに向けてのいろんな動きが出たということで、私は、我が国がようやくここまで来た、しかし欧米では早いところでは一体何年代から脱スパイクが法律化されたかということについて伺いたいと思います。
#144
○政府委員(古市圭治君) 私どもの方では平成元年に諸外国に調査票を送りまして、その結果を集計いたしました。
 欧米の二十三カ国のうち十五カ国でスパイクタイヤの使用を規制しております。これは、南の方の国はその必要もないわけでございまして、北の方の実施率が高いわけでございますが、使用規制を行っている国のうち多くの国では一九六〇年代の後半から一九七〇年代の中ごろにかけて規制というものが始まっておるわけでございます。
#145
○高桑栄松君 そこで、大変気になるところは、一九六〇年代後半から七〇年代として今一九九〇年ですから約二十年たっているわけで、一九七五年ぐらいにはもうほとんど欧米では全面禁止あるいは一部禁止ということになっておったようですが、十五年以上も日本がおくれをとったという理由は一体何でしょうか、承りたいと思います。
#146
○政府委員(古市圭治君) 私どももこの法案を作成する過程でどうしてこんなになっちゃったのかなとみんなといろいろ話し合いながら、早くやらなかったらいけない、こうやったわけでございますが、その幾つかの理由はこういうことではなかろうかと思っております。
 我が国では地理的に非常に狭隘であるというところから自動車道路の整備というものが諸外国に比べて後からできてきている、いわゆる自動車社会への突入の時期というのが遅かったということが一つあるのじゃなかろうか。それからもう一つは、山間部とかいろんな地勢がございますので、除雪、融雪という作業が外国ほど簡単にはいかない。また、先生御指摘のように、岩塩がないというところから塩を振って融雪するというような行為が余り社会的には行われていない、そういうようなことがもろもろございまして、それで対策がおくれている間にあっという間に一〇〇%のスパイクの普及率になってしまったので、そこまでいくと今度は逆にそれを脱スパイクに戻すのが非常に困難である。諸外国では始まったところで道路損壊のために対策を打ってやった、日本は一〇〇%近くになって健康被害の方からやった、ここで非常な立ちおくれがあったのではなかろうか、こう我々の内部では反省しているわけでございます。
#147
○高桑栄松君 私、資料を少し見ておりまして、そのときにちょっと感銘を受けたある教授の言葉があるんです。モントリオールのカイザー教授の言だというのです。
 確かに交通安全という立場からすればスパイクタイヤは最優先さるべきものであろう、しかしスパイクタイヤの使用が総合的に有利であると結論づけている研究論文発表は見たことがないというのです。要するに、総合的な交通安全ということと、それから道路の補修ということが欧米では主たる理由のようでありますが、しかし健康被害は今当然入ってきているわけで、それらを総合的に見ればスパイクタイヤを使用するという意味はないんだということをもう古くから言っているお方のようです。脱スパイクの立場を理論的に支え、そして社会に啓蒙的に働きかけた先達であるということでございました。
 私は、我が国が先進国と言いながら十五年も欧米におくれをとっているということは、日本人の文明の度合いというか頭の中の考え方というか、そういうものが常に欧米にある意味では批判を受けている、そういう一面を見せられたような気がするんです。
 今、局長のお話にありましたように、環境庁もわかっている、環境庁はもちろん積極的であった、しかしどうしても他省庁との間での調整ができなかった。これは環境アセスメントにも見られることでありまして、私はこれも残念だと思っているんですが、いずれまた折を見て提案をしたいと思っております。同じようにおくれをとったということに対しては環境庁もお認めのようでありますし、私もこれ以上どうということじゃないんで、仕方がない、一歩でも前進をすべきだということを今考えております。
 次に、今度スタッドレスタイヤがどれくらい普及されていったか、普及率ということが今いろいろ言われておりましたが、普通車のスタッドレスタイヤの性能というのは大ざっぱに言ってスパイクタイヤの八五%とか九〇%ぐらいまで向上している、だから実用的にはもう差かないというようなことが言われておりますけれども、問題は先ほど来の御質問にもございましたが、大型車用のスタッドレスタイヤがどうなっているかということでございます。
 昨年の十一月に私が質問したとき、通産省の方の答弁で、大型車用のスタッドレスタイヤを試作している、そしてこの冬には限定販売をしてその評価をしてもらうことになっているというお話でした。その一部が札幌市のバスなんかにも使われているのかなと思いますが、そういうことを試みに使ったデータが札幌ではあると聞いております。私はデータを持っておりませんけれども、そういうところでの評価、大型スタッドレスタイヤを使用してみたときの評価についてどんなふうになっているでしょうか、御存じであったら承りたいと思います。
#148
○政府委員(古市圭治君) タイヤメーカーの方で大型タイヤについてモニター制を使いましてその安全性、それからまた乗り心地等の評価を行っておるわけでございます。
 それによりますと、タイヤの性能を見まして、総合性能でトラックの場合、十分走行できる、まあ走行できる、合わせて九七%の人がトラックで良好という判断でございます。それから、バスにおきましては、十分走行できるが二九%、まあまあ走行できるというのが六七%、これまた両方合わせますと九六、七%になっておる。こういうことで、モニターの人たちでは比較的これに対して好意的にこの方に移行しようかという動きがある、こういう報告を聞いております。ただ、登坂性能とか、そういうものを部分的に分けていきますと、ややここに不満であるという部分があることも事実でございますが、総合的には好意的に受け取っていただいているという報告が出されております。
#149
○高桑栄松君 非常に評価がいいというふうに今承りまして、私もこれはよかったなと思うんです。
 ところで、この五月二十九日の読売あるいは日経産業という新聞に、大型車用のスタッドレスタイヤの性能を調べてみたら合格点であるという大きな見出しがついておりまして、そして今冬から発売をするというふうに書いてあります。好評を受けていよいよ売り出すのかというふうに思うんですが、性能調査で合格点というあたりも御存じかどうか知りませんが、いかがお考えでしょうか。
#150
○政府委員(古市圭治君) 先生が御指摘のそれは大型タイヤ……
#151
○高桑栄松君 大型タイヤです。
#152
○政府委員(古市圭治君) 大型タイヤでございますか、大型タイヤの方は日本自動車タイヤ協会、これが例の公害等調整委員会の方での調停に応じた方でございます。
 この方がやっております協会の発表資料で、昨年の冬に各種のモニターでやった結果非常に評判がいいという試験販売をことしの冬は正式の販売ルートで出すことにいたしました。当会の会員各社は今冬大型スタッドレスタイヤを本格的に販売するための生産体制に入ることになりましたということで報告したわけですが、そのときに、タイヤの側面にはスタッドレスという文字を入れて皆さんに理解を求めるとか、それから販売店でも十分説明して使用方法、安全運転の注意も言って販売促進をやっている、こういうことで大型タイヤの理解と普及を図ろう、こういう発表をされたわけでございます。
#153
○高桑栄松君 今のデータをいろいろ伺っておりますと、大型車については三年間の適用猶予期間があるということとの関連なんですけれども、大型車は重いとかタイヤの幅が広いとか幾つもつけているとか、そういうことでスパイクもその分だけ路面を削る率が高いわけで、粉じん発生量もその分だけ多いし道路の損傷も多い。大型車はそういうものなわけですが、今のようにスタッドレスタイヤの性能がよくなった、それからモニターによっても九割ぐらいが満足というかいいと思っている、こういうことを受けると三年間の猶予というのは不適当ではないか、これも私への陳情団の方からの意見でございまして、私も三年間も猶予する理由はもはやないのではないかというふうに思うんです。
 そこで、これは大臣に伺いたいと思いますけれども、大臣はスタッドレスタイヤの視察を何かなさったというふうに承っておりますが、その印象というのはどんなものであったかということと、今お話ししましたが、大型車のことですね、三年も猶予期間を置くというのは私はその分だけ粉じん発生量を抑えないことになるのではないかと思いますので、これを短縮する方向で御検討していただいてはどうだろうか。これは大臣に御意見を承りたいと思います。
#154
○国務大臣(北川石松君) 高桑委員の、スパイクタイヤの規制に対して前々から御識見をちょうだいしております。大変感謝するものでございます。
 なお、普通タイヤは既に大分認識も、皆さんも認めて、啓発もさせていただいている。まだ大型タイヤだけがどうしてもその域に達しておりませんので、私はこの三月に製造の現場を視察させていただきまして、社長さんを初め工場長さんの皆さんと意見の交換をして現実に見せていただきまして、なるほど日本の技術というものはすばらしくよくなったなと。その中でつい口が滑って、ラバーケーションはどうですか、こう言ったら、あれと言って社長がびっくりして、ラバーケーションを言うんです、今のはよくなりましたよと。こういう話から、何といいますか、工場が非常にやる気になっていただきまして、そして微に入り細にわたって聞かしていただくと、ああなるほど、これは人間というものはなれがありますから、なれておりますともうスパイクはいいと、これはもう人間の感情でございます。やっぱり新しいものには一つの危機感を持つのも当然だと思いますが、いろんな実験を聞かしていただきましても、これは一日も早く皆さんがこれを使用していただくようになれば、大型車もまたスタッドレスタイヤでスパイクタイヤを除去できる、こういう思いをいたします。
 そこで、先ほど来御質問ございましたが、三年の猶予期間は私は皆さんができるだけ余計早く使ってもらうことが大事だと思うんですけれども、その啓発をしましてやはり一日でも早くこのスパイクタイヤの被害というものをなくしていかなきゃならない、私はこのように思っております。
#155
○高桑栄松君 ひとつ大臣、頑張っていただきたいと思います。
 ところで、先ほど同僚委員からも質問がございましたが、安全教育のことに触れてみたいと思います。
 私は、昔、日本交通医学会で特別講演などを急遽やらされて準備をしたわけであります。そのころだから安全運転に私も大変関心を持ちまして、私なりのアイデアでお巡りさんの方と協力をしながら車を使わせてもらったりしまして、いろいろなことをやったことがあるんです。あのころはレギュラータイヤをスノータイヤに変えるというころでございます。今のとはもう全く雲泥の差なんですね。冬でもレギュラーを使っていたのを、ようやくスノータイヤができた、これはどんなものだろうかというようなことで、北海道ですと湖の凍ったところで氷上運転で制動試験なんかをやりました。私はそのときにポンピングブレーキという言葉を聞かされて、ははあと思ったんですが、ブレーキをかけてもしりを振らないという、今のアンチロックですか、何かそういうやつを盛んに主張されていたころでございました。そのときにお巡りさんの方で言われたのは、やっぱりこれは教育なんだ、知らなければブレーキをかけたらしりを振ってぶつかる、このポンピングブレーキをやってくれればいいんだ、こういうことなんですね。交差点に入るときのスピードが問題だとか何かいろんなことを言っていました。
 それで、私は今度スパイクをスタッドレスに直すときにそいつを思ったわけです。そのころ、私のよく知っていたお方が自動車学校の偉いところにいっておられまして、その人に会うごとに、どうなんです、スタッドレスはと言うと、問題は技術だと言っていましたね。技術さえきちっと訓練をしたらもうスパイクと何にも変わりはないです、こう言っていました。
 それで、もう一つあるんですね。私はタクシーに乗るごとにスタッドレスはどうかということで評判を聞いているんですが、プロだからいろんなことを言います。しかし、問題はスタッドレスの中にスパイクが入るからだめなんだ、せっかく車間距離をとっているのにスパイクがさあっと入ってくるとまたこっちはそれだけとらないととめられたときにこっちがとまらないと言うんです。それは困るわけで、だから一斉に禁止してくれないか、全部がスタッドレスなら同じ制動距離でいくんではないか、こういうふうに言われまして、私は規則をよく知らぬものだから、今のような状況のときにスタッドレスとスパイクがぶつかったときには、普通なら追突した方が悪いわけですけれども、前がスパイクで急ブレーキをかけられたらこっちはどうしてもぶつかる、それはスパイクを持っている方が悪いというふうな法律にはならぬのだろうかな、そんな冗談みたいなことを言ったんですけれども。
 急にこういうことを言ってもちょっと警察はお困りかもしれませんけれども、いいですか、聞いても。要するに、追突が悪いと決められているんですけれども、そういうふうなスパイクでとめられたら困るんじゃないか、今のような法律があるときに混在していたら困る、こういうことを言われているんですけれども、いかがでしょうか。
#156
○説明員(賀来敏君) 大変高度な御質問をちょうだいいたしたわけでありますが、現代社会ではあらゆる機械が同じでございますが、必ずしも運転技能その他操縦にすぐれていなくても機械が動くような時代になっておりますので、既にスパイクタイヤがかなり出回っておるということでございますので、この辺の移行につきましては総合的な観点で考え、やはり御指摘のような粉じんが大変大事な健康を阻害する問題でございますので、既に進んだ状況をこの法律を契機にしましてより安全な運転の操法、本来の、昔皆がやっておったスピードの出し過ぎさえ避ければ私はかなりこれを契機にして改善できるのじゃないかと信じております。
 すべての車を一斉にスタッドレスタイヤにというと、先ほどの身障者の問題とかいろいろ除外の規定もございますのでなかなかすっとはいかないと思いますが、御趣旨の精神というのがやはりこの法律の基本的な考え方であろうと思います。私もこの問題をいろいろ勉強しておりますと、実際に北海道等では、都市部でございますが、かなり進んだ教育、あるいはまた地域の住民の方々の努力というものが相当進んでおるな、東京で考えておるより進んでおるなということを認識いたしますとともに、いろんな資料、写真を見ておりますと、私も公害関係に少し携わったことがあるんですが、自分が頭に描いている以上に粉じんの問題は深刻だなということを再認識をしたわけでございます。
 そういう意味で、できるだけそういう趣旨の方向で指導するように留意いたしたいと思っております。
#157
○高桑栄松君 もう一つ、これはさっきの免許証に関係があるんですが、免許証のときに、さっき言ったレギュラーをスノータイヤでというころの話で、冬は冬の運転免許を特別に加えたらどうか、そういう話を札幌でお巡りさんと一緒にしたことがあるんですけれども、それはできなかったわけですが、先ほども同僚委員から必ず教育をしたらどうだという話が出ておったんで、これはできるだけ技術を向上させてもらうということですが、免許証更新だとか取得だとか、罰せられたときとかに何か講習があるようでありますけれども、それではひょっとしたら技術の上で何か衝突事故が起きるのじゃないかと思いますので、この新しい法律が発足をしたということをPRする意味を含めて私はデモンストレーションを考えてもいいのじゃないか。そういう意味で特別講習会などをしまして、そしてこれをやればこうだというデモンストレーションをやって一般のドライバーに教育をしてはどうか。
 例えば、北海道ですと、雪祭りなんかの会場が大通りという大きなところで、これは車は使えないと思います。自衛隊の構内も使っていますが、これは広いですね。そういうところでやる分には相当なスペースがとれるというふうなことで、デモンストレーションを兼ねてのスタッドレスタイヤ特別講習会というようなことを企画できないものでしょうか。これは警察の方ですね。
#158
○説明員(賀来敏君) 北海道では既に旭川だとかあるいはまた帯広等の試験場では夏場でもスキッドパン等を使ってそういう訓練をやれるということで、私自身も余りそういう基本的な知識がなくて、ああここまで進んでおるんだなということでございますし、また北海道の教習所協会ではこのようにずっと見ておりましても既に相当しっかりしたパンフレット、手引のようなものをつくっております。この法律の制定された契機に当たりましては、関係省庁協力いたしまして、札幌がよろしゅうございますかどこがよろしゅうございますか、ひとつ何らかの形でやりまして、やはりこの法律は罰則をもって禁止するというのが目的でございませんで広く啓蒙することが必要でございますし、北海道の場合にはかなりの教習所がそういう観点で既に動いておりますので、一つの一大キャンペーンはもとより具体的に実務的にそういう観点の業務を推進しなきゃならぬ時代に来ております。
 問題は、まだ若干立ちおくれておるような県等に対しまして地方自治体等と協力いたしまして総合的な観点で、北海道あるいはまた宮城県というところだけじゃなくて若干おくれているような県にもそういうようなテンポで進むように留意しなきゃならぬと思っております。
#159
○高桑栄松君 ついでにと言っては大変申しわけありませんが、警察の方に。
 取り締まりというのは警察ですよね。そうすると、今全面禁止じゃないから若干あいまいな部分があるわけで、こういうときの取り締まりの心構えというかな、そういったものはどういう方針、どういうふうにお考えになりましょうかね。
#160
○説明員(賀来敏君) この法律は私はずっと何回も読ましていただいておりますし、もちろん関係省庁とも事前の段階でもいろいろと協議さしていただいたわけでありますが、やはり何としてもみんながこの法律の目的、スパイクタイヤの使用を規制していわゆる粉じんを発生させないように、これが目的であろうと思います。その目的を達するために、やむなくと申しますか、現在の道路交通事情というものにかんがみながらどういう形で調和させるかということで、いろいろといきさつがありましてこういう形の法律体系になったものであろうかと思います。
 私どもは、何といたしましてもあらゆる総合的な対策がうまくかみ合いまして、みんながみずからこういうスパイクイヤから卒業すると申しますか、脱スパイクタイヤの方向に行くべき国民各自、また国及び地方公共団体が総合的に協力してそういう社会を実現させるべきであろうと思います。現実に日本国内でスパイクの製造が近い将来にとまるということでございますので、当然そういう時代に遅かれ早かれ移行をすると信ずるものでありますが、既にあります既存のタイヤを使われる間はどうしても物理的に残るものもあろうかと思いますが、罰するのが目的ではなくて、そういう車社会に達するように努力するというのが目的であろうかと思います。
 したがいまして、国民のそういう努力が担保されるような方向で厳正公平な取り締まりをしなきゃならぬ。もう少し踏み込んで申せば、やはり悪性の強いけしからぬようなものに対して厳罰を科するというような精神で取り締まっていかなきゃならぬ。その前提には、地方公共団体といろいろ協力して思想の普及とその前提をきちっとやらなきゃならぬというように痛感しております。
 以上でございます。
#161
○高桑栄松君 警察の取り締まり方針、私も大変納得いたしました。
 私は予防医学を専攻しておりますので、法律は罰するのが目的ではなくて予防が目的だ、これは非常に大事なことだと思うんですね。すべての法律がそうだろうと思うんです。ですから、これについては大いに啓蒙、PRをしていただいて、教育を徹底さしていただいた方がいいんじゃないかということを希望いたしまして次の質問に入らしていただきますが、警察庁の方はこれで結構でございます。ありがとうございました。
 次は、地域指定ということについて伺いたいと思います。
 指定の手続というか、これは何か非常に煩雑なのではないかという指摘がございまして、その結果、面倒だからといってだんだん申請がおくれてあるいはしなくてごく一部に限定されるというおそれはなかろうか、こういう私への質問が参っておりますが、いかがでございましょうか。
#162
○政府委員(古市圭治君) 第七条でスパイクタイヤの禁止がされますその地域の指定でございますが、これは第五条で環境庁長官が幾つかの手続の後に指定するという形になっております。
 このときに、先ほど申し上げましたと思いますが、そこの住居がどの程度集合しているか、また被害がどの程度であるか、降下ばいじん、交通量が云々といういろんなことがあるわけでございますが、このときに地元の都道府県知事の意向を聞いて指定するという形になります。ただ、都道府県知事だけでは足らないという点がございますので、都道府県知事はその意見を申すときに市町村の意見を聞いてください、こういう形になっておりますので一応すべての意見が集約されているということで、そうほかの指定地域制と比べて手続が複雑であろうとは思っておりません。
#163
○高桑栄松君 今の一部に限定されるのではないかということのおそれの背景には、隣の村は禁止しているのにこっちは禁止していないということでは広域移動の機関、車はそうですから、そうすると一々この村はこの村はという指定禁止マップみたいなものを持って歩かないとうまくないのじゃないかということがあるわけで、そういう意味で車というものはどっちみち広域を動くものですから、当然指定地域は広域であった方がそれだけ有効であると私は思いますが、いかがでしょうか。
#164
○政府委員(古市圭治君) これまでスパイクタイヤの法制化を求めてみえました関係二十三道府県また市町村の御意向を伺いましても、この法律が発効したときにはなるべく不平等がないように広域的に指定してください、こういう要望がそれぞれの地域から出されております。環境庁の方では一定の基準というものを見ながら地方からの要望というものを踏まえて地域指定を行っていきたいと思っておるわけでございます。
#165
○高桑栄松君 それで、地域指定の要件というのは簡単に言うとどういうことになりましょうか。
#166
○政府委員(古市圭治君) 第五条に書いてございますが、「住居が集合している地域」、端的に言いますと、市街地だとか「その他の地域」に人っていくために必然的に交通路がつながっている隣接市町村、やや広域的、こう思っていただければと思います。「スパイクタイヤ粉じんの発生を防止することにより住民の健康を保護するとともに生活環境を保全することが特に必要」な地域、かなり田舎の方でもそこの村落の真ん中を幹線道路が走っておりまして、その両側の住民、人家に非常な粉じん被害を及ぼしている、また指定しなかったら及ぼすおそれがある、そういうようなところでございます。
 したがいまして、ある程度集合しているというのと生活健康上の影響が大きいという二つを指定の要件と、こう打ち出しているわけでございます。
#167
○高桑栄松君 先ほど来出ておりましたが、我が国のスパイクタイヤ禁止の目的は健康保護であるということが欧米とは違うということで、私はこれはまたそれなりに大変意味があると思うのです。
 先ほど来予防医学のお話をしておりましたが、私そのデータをはっきり覚えていないんですけれども、アメリカで高速道路を走っている、そういう機会の非常に多い車の運転をする人に肺がん発生率が多いとか、はっきり今データを覚えていないんですがそういう記憶がちょっとあるので、これは当然にやっぱり車粉が入ってきて排気ガスが入ってきてということが考えられるわけであります。
 今の健康保護のことで伺いたいのは、車粉の量と健康被害との関連というのは何らかのそういうデータというか、ございましょうか。相関関係ですね。
#168
○政府委員(古市圭治君) これまでに車粉公害というものを非常に多く受けている地域とそれ以外の割合清澄な空気の地域とでもって、降下粉じんが多いところほどそこの児童なり住民なりの被害感が高いという結果が出ております。
 さらにもう少し正確な実験といたしましては、先生御承知のとおり、私どもの方が六十年度の後半から百四十匹のラットを四群に分けて、全然きれいな空気のコントロールと、そのほか粉じん量を百、三百、千マイクログラム、こういう形で一日に十八時間、これを週五日。五日と申しますのは土曜、日曜は汚染が少ない。ネズミも二日休ませまして、その暴露を一・五年、一年半かけて行いました。その結果は、もう明らかにその粉じんが肺の中に沈着いたしましてリンパ節にも沈着を認めた、それからまた一部肺の線維化が起こった、この報告がなされておりますが、このときに粉じん濃度が高いほどその分布と程度が増したという形になっておりますのでこれは相関的な影響があると、このように判断いたしております。
#169
○高桑栄松君 私も大変これは明快な根拠である、それは大変におもしろい興味のあるデータだなと思います。百マイクロというのは例の浮遊粉じん大気汚染基準の〇・一ミリグラム、あれですね。それが最低の濃度で実験をされたわけですね。
 そこで、肺の線維化というところなんですけれども、これはいろんな資料にも載っておりますけれども、車粉というのはアスファルトの粉末なわけですから、タール分が入っているわけで、いろんな発がん物質が含まれている。これもデータにもう既にありますが、肺の線維化、それが将来肺がん誘発の一つの要因になり得るのかどうか、その辺はデータはないんでしょうけれども、お考えはどんなものですか。
#170
○政府委員(古市圭治君) 先生の御専門の分野でございますが、このときの報告書ではいわゆる発がんの状態は見られないしまた前がん状態もなかった、それに移行するおそれのある肺の表皮細胞の異型化も認められなかったけれどもこの線維化というのは場合によったら不可逆的なものであり決して好ましいことではないので注意するように、こういうような御指摘がございました。したがいまして、この粉じんと肺がんの関係というのは明確に証明されたデータはまだないと思いますが、私も先生御承知の労働衛生の大家の坂部先生にもお伺いしたところ、けい肺アスベストというようなほどは危険性はないのではなかろうか、このようなお話がございました。
 ただ、問題は、アスファルトを削るわけでございますからアスファルト舗装の中に入っているもの、また道路標識で使うペイントの中に入っている金属分、そういうものが同時に車粉の中にあるわけでございます。その道路の堆積土砂の中から分類いたしますと、発がん物質の一つでございますベンツピレン等も証明されておりますが、これはスパイクだけによったものか、それとも自動車、ディーゼルカーなどの排気ガスによったものか、そういういろんなことがございますので総合的に勘案しなかったらいけない。ただ、車粉だけだと現在の段階ではまだ発がんというところまで証明はされていない、こういうことかと思います。
#171
○高桑栄松君 今のお話を伺いながら私一つ思い出したのですが、さっき申し上げたもう三十年くらい前にアメリカへ留学したときに、ジョンズホプキンス大学に行ったのですが、そこの大学院の先生をしておられたドクター・アンナという女性でございましたが、この人が私に自分の実験を見せてくれたわけです。
 私は別な意味で大変感激をしたんですが、一九五五年の話ですか、この人は六価クロムの発がん性実験を、鼻中隔に穴があきますよね、四年間やってとうとうがんはできなかった、私は四年間やってマイナスのデータを出したと。それで、しかしよくやったなと。やっている方は出た方がおもしろい。おもしろいと言ってはおかしいが、アピールするわけだ。マイナスというのはアピールしませんからね。それでよくこのドクターはやったなと思ったんです。ついここ数年来我が国でも六価クロムの肺がんというのが非常に問題になってきて、今やもうそれはみんなが認めているわけです。そういう状況で、六価クロムの訴訟のときアメリカからこのドクター・アンナさんが日本に来まして、私もお会いしました。女性でございます。なかなか美人でございまして、年輩になっておられましたが大変きれいなお方で私は好意を持ってお会いをしたわけでございますが、今、世界の六価クロムがんの大家になっておられます。
 だから、がんというのは四年の年月をかけてもがんにはならないが十年たったらなるかもしれない。ですから、肺の中にそういう病変を起こしたということは、私はこれは前から指摘はしてあるんですけれども、窒素酸化物にしても浮遊粉じんにしても、肺に何らかの影響が与えられるようなものは将来慢性的な経過をたどってやはりがんというものに行き着くのではなかろうか、今までの経過が大体そうでありますから。私はだからこれはやっぱり大変なことだと思うんです。
 ですから、因果関係がはっきり証明されなくても疑わしきは罰するという環境庁の環境行政の方針があるわけです。犯罪なら疑わしきは罰しないでしょう。環境行政は疑わしきは罰しなきゃだめなわけだ。罰するという言い方は悪いですが、排除する。ということで、私は肺の線維化が進んでいるということはやっぱりその内容がベンツピレン等の発がん物質がある。それから珪素も入っているんですね。だから線維化も進むはずです。だからじん肺にもなり得るわけです。
 そういうデータを考えますと、今回環境庁がこの法律を出されるに当たって根拠となったのはやはり健康保護である。私は予防医学を専攻してきた一人としましても、これはむしろ非常にはっきりしたデータだと思うんです。経済的な効果ではないと思う。これはもうはっきり健康障害に対してどう予防するかということだという意味で、私は全面禁止を主張したいんです。やっぱり混在をしていてはいけない。安全の上からもスパイクとスタッドレスが混在してはいけない。今は、ですからこの法律は全面禁止への一つのステップだと私は見ています。そうでなければいけないと思うんです。ですから、法律が通ったから安心する、環境庁はほっとなさらないで、やっぱりできるだけ早く全面禁止に持っていくということが必要ではないかと思うんです。それである人は、この法律は中身を見ると胸を張って倫理を主張している宣言立法ではないか、効果のほどはどうなんだろうかというふうなことまで言って欠点を指摘する人もいるわけです。でも私はワンステップだと思っていいと思っています。
 ですから、今申し上げたように、私は全面禁止へのワンステップだと思っておりますが、大臣はこれについてどのような熱意を持って取り組んでいただけるか、それをお伺いして私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#172
○国務大臣(北川石松君) 委員の重ねての、スパイクタイヤの人的の公害を御指摘なさいました。それが一年後あるいは四年後、十年後であるとも出てくる要因になるんじゃないか、こういう点の御指摘も聞かせていただきながら、私は、スパイクタイヤというものは、やはり先ほども申しましたですが、全国で全く使われないようにしていく、こういう思いをいたします。
 今、環境庁は法案が通ったら後悠々としてはいかぬぞという御指摘も受けておりますが、例えばスパイクタイヤの輸入が多くなっておるという現実面もあります。日本ではそういう各工場が自粛してくれつくらなくても、輸入によってやはり使われるようなことがあってはいけない。そういう点では法の厳しさというものを私はやはり厳然と示すときが必要ではないか、こんな思いをいたしますので、まずこの法案を通していただいていろいろの角度からこの法案の効果、法律というのは罰するのみではありませんから、これによってやはりスパイクタイヤはなくなってきたな、これが最高の好ましいものだと思います。そのために先ほど来の輸入のスパイクタイヤというところにも大きく関心を持っていかなくちゃならない。日本人の方がみんなスタッドレスにかえてくれる、工場もそうしてくれる、販売もそうしてくれるけれども横からやみで来てしまっては何もなりません。
 そんな点もよく踏まえまして、今後とも一生懸命に前向きでやっていきたい、このように思っております。
#173
○高桑栄松君 ありがとうございました。
#174
○高崎裕子君 法案の第一条の目的では、スパイクタイヤの使用を規制し、スパイクタイヤ粉じんの発生を防止するとし、第三条ではそのための国民の責務、第四条では国及び自治体の責務をそれぞれ規定しています。
 これらの規定は、指定地域の内外を問わず乾燥路、混在路についてスパイクタイヤは原則使用禁止ということですね。そしてまた、この三、四条の規定は、大型車、緊急自動車なども含めすべての自動車が対象になりますね。
#175
○政府委員(古市圭治君) 御指摘のとおりでございます。
#176
○高崎裕子君 そこで、整理をさせていただきたいのですけれども、法律上は、指定地域内での乾燥路、混在路でスパイクタイヤを使用した場合、これは七条違反で罰則が科せられる、それから指定地域外で乾燥路、混在路でスパイクを使用した場合は三条違反になる、だから罰則が科せられないだけだ、そういうことですね。
#177
○政府委員(古市圭治君) 三条違反というのが適切かどうかは別といたしまして、そのとおりでございます。
#178
○高崎裕子君 先ほどの竹村委員に対する答弁で、指定地域内ではスパイク禁止、こういうふうに言われたわけですが、実際は先ほども局長が答弁されておりましたが、積雪路だけという場合はまずほとんどないわけなんです。混在路で一々履きかえるということも実際問題としては不可能だというふうに考えると指定地域外でも、罰則が科せられているかどうかは別としまして、実態としてはスパイクは禁止というふうに伺ってよろしいわけですね。
#179
○政府委員(古市圭治君) よく誤解を受けるところでございますが、先ほど来説明いたしますように、積雪、凍結路においては使用してよろしいというのはこの法律のどこにも書いてございませんで、今おっしゃったような精神でいくわけでございますから、実行上はもう全面的な禁止の方向に向かうということでございます。
#180
○高崎裕子君 法文上はなかなか読みにくいところがありまして、指定地域外はスパイクを使用してもよいと解釈する方が意外に多いわけなんです。指定地域外では罰則はかからないけれども三条違反に当たるというわけですから、今局長が再三にわたって答弁されたように、乾燥路、それから混在路でも禁止であるということを国民に対して広く啓蒙し周知徹底をさせていくということが極めて大切だというふうに思うんですね。
 そこで、当然行政的な指導あるいは注意などを積極的に行っていかれると思うんですけれども、その点で具体的な対応についてお尋ねしたいのですが、環境庁、警察庁にお尋ねいたします。
#181
○政府委員(古市圭治君) この法律が通りました暁には、この法律の条項にも書いてございますように、国及び地方公共団体、それぞれの責務を果たすべく住民の人たちに十分な協力、知識の普及を行っていきたいと思っております。
 ただ、この問題は長年なかなか立法できなかったということから雪国の人たちの関心が非常に深く、またマスコミもいろいろ報道していただいたおかげでこの問題に対するいろんな御理解が深いわけでございますから、この法律によりまして地域が広域的に指定されますと、どこどこの市町村ではだめという形になれば、それがたとえ自分のところが雪が降っていたとしてもその町に出かけたらもうだめなんだなというのを十分周知徹底すると思っておりますし、またこれは法律的には官報に告示をして明確に知っていただく、このように考えております。
#182
○説明員(賀来敏君) スパイクタイヤによる粉じんの発生を防止するというのは、この法律にございますように国民の責務でありますし、また関係行政側といたしましても総合的な観点から脱スパイク対策の実施をせよということになっておるわけでございます。
 警察といたしましては、当然のことながらこの法律の成立を機に関係行政機関と十分協力しながら広報啓発活動を推進するとともに安全教育等にも十分に努力してまいりたいと思います。
 いずれにしても、この法律の趣旨が徹底するように私どもも十分に関係機関携えまして努力いたしたい所存でございます。
#183
○高崎裕子君 今具体的な対応についてお尋ねしたので、もう少しちょっと聞きたいんですけれども、シートベルトを義務づけるときに、それぞれ例えば自治体等では街頭まで出て指導をするとか、警察でも街頭で指導されてかなり効果があったというふうに伺っているんですけれども、この具体的な対応の中で、政府広報やあるいはパンフなどで大量配布するということのほか、積極的に街頭に出て指導をするということまで考えていただきたいと思うんですが、その点いかがでしょうか。
#184
○政府委員(古市圭治君) 今申し上げましたように、この問題は長年の経緯がありますもので各地区では各種の工夫を凝らしてこの啓発運動、住民の協力を呼びかけておるわけでございます。その中にはただいま委員がおっしゃいましたようなことをやっている地域もありますし、またいろんな催し物をやりましてその中で一般住民の体験談を報告し合う、それをまた市町村の公報に発表するというようなこともやっております。
 したがいまして、その街頭云々ということも含めまして各自治体でいろいろ工夫を凝らした運動をこの法律を契機にさらに拡充していただきたい、このように国としてもお願いしていきたいと思います。
#185
○説明員(賀来敏君) この法律を契機に当然具体的な対策を進めなきゃならぬわけでございますが、御案内のとおり、北海道の方では既に条例ができておるというようなことで公安委員会も具体的な活動をやっておる状況でございます。
 私どもさらにより大事になってきますのは、安全教育をどこまで徹底するかということが大変大事だと思います。そういう意味で地方自治体と場所の確保だとか予算の確保とか、そういうようなことをやらなきゃならぬと同時に、この指定地域が最終的に決まってきますと、最終的にはそこで違反をすればやはり取り締まりの対象にもなりますので、まず違反をしないと申しますか、スタッドレスタイヤにできるだけ切りかえていただくというような広報を関係地方自治体と相当連携を密にして事前の広報を徹底しなきゃならぬということで、これは具体的にまた関係省庁と詰めて進めることになろうかと思います。
#186
○高崎裕子君 これは指定地域の内外を問わず原則禁止なわけですから、その地域にこだわらず周知徹底していただきたいということをお願いして、次の質問に移ります。
 混在路の判断基準でございます。
 単刀直入にお尋ねしますけれども、わずかな乾燥路が混在している場合でもスパイク使用は違法ということになりますね。環境庁どうでしょうか。
#187
○政府委員(古市圭治君) 道路の積雪、凍結状況というのはいろいろな状況があるわけでございまして、朝方積雪、凍結であったのでそのまま行って違反にならなかったが帰りに全部解けていたので帰れなくなったというようなこともありましょうし、日陰のところが凍って片側が日が当たって解けているという状況もあります。
 そこで、非常に端的にわかりやすく説明させていただきますと、自動車の四輪が進行方向に向かいましてその二つのわだちが二本通る、そこがずっと向こうに向かって乾燥しているというような状況では、これはもう禁止、違反条件だと。ただ、そのときに間にシャーベット状に入ったりいろんな形になっているといったときまで禁止規定をもって直罰をかけるというようなことは考えておりませんで、もっと現実問題としてひどいのは、暖冬で北海道の札幌一円に雪がないときにもうどんどんどんどん粉じんが走っているということでございますから、実態上、セーフかアウトか、ファールかホームランかというようなことは起こらない。ただ、法律上申し上げますと、これで想定していますのは、二つのわだちの前方に向かってずっと乾燥しているというような状況では、これは完全にアウトというふうな解釈でいいんではなかろうかと思っております。
#188
○高崎裕子君 ただ、そういう場合だけではなくていろいろなケースが混在路というのはあるわけで、例えば交差点の中だけが乾燥していてそのあとのところは積雪状態であるとかいろいろあるわけで、七条対象として罰則がかかるかどうかというのは別としても、乾燥路、混在している場合はスパイクは指定地域内であれば七条違反、外であれば三条違反というふうに伺っていいわけですね。
#189
○政府委員(古市圭治君) いろいろ説明した上でこういった方がよろしいのかと思いますが、もう一々そのとおり、結論はそのとおりになります。
#190
○高崎裕子君 次に、スパイクタイヤによる粉じん防止を目的にするというのであればスパイクタイヤの全面的な使用禁止というのが最も本来効果を上げ得るということになると思うんです。しかも、そのスパイクタイヤにかわり得るタイヤの開発が現に進み、試され済みでもあるという状態です。
 そこで、局長が衆議院の環境委員会で公害調停の合意と法律とが結びついている、これで飛躍的に脱スパイクが進むとの発言に私は大変注目もしているわけなんですが、その局長が指摘された公害調停、これを私は大変重く見ているわけなんです。
 私自身札幌弁護士会に所属する弁護士として、札幌弁護士会がスパイクタイヤの全面禁止のために会を挙げて全力で市民とともにさまざまな活動を精力的に展開をしてきたということで、その点を誇りにも思っているんですけれども、この札幌、仙台、長野などの弁護士そして市民らとタイヤメーカーとで、この十二月末にスパイクタイヤの製造、そして来年の三月末に販売の中止という合意がありました。これはスパイク禁止に向けて本当に画期的なものだと思うわけですが、この調停合意についてはどんなことがあってもそのとおり実施してもらうという認識であるというふうに理解してよろしいですね。
#191
○政府委員(古市圭治君) 今御紹介されました公害等調整委員会によります調停条項というものが六十三年の六月二日に成立したわけでございますが、この調停条項というものは正しく申請人、被申請人の間で実行されるべきものだと思っております。
 また、その後、この両方の方、さらにはこの公害等調整委員会等にも伺って、この調停に基づいて国として立法に向けて努力しているという報告をいたしまして、この調停の趣旨にも沿った立法であるという形で御理解いただけているものだと思っております。
#192
○高崎裕子君 通産省も同じ、そのとおり実施してもらうという認識でよろしいですね。
#193
○説明員(中島邦雄君) このとおりでございます。
#194
○高崎裕子君 次に、通産省にお尋ねいたします。
 この調停合意によって国内タイヤは来年三月に販売中止となるわけです。問題は輸入タイヤなんですね。国内タイヤを販売中止しておいて輸入を放置するということになっては、これはやっぱりこの調停をそのとおり実施してもらうという認識に立っている国の側で結果的には調停を踏みにじるということになってしまうと思うんですね。輸入タイヤについても国内タイヤと同様に来年の三月末で販売を中止するという調停合意に準ずる対応をするということでよろしいでしょうね。
#195
○説明員(中島邦雄君) 私ども、この数年輸入業者に対しまして、製造業者と同様自粛ということで要請をしております。
 さらにこういったことが実現いたしますように強力に削減、販売の中止という方向で指導してまいります。
#196
○高崎裕子君 自粛していく輸入業者に合わせて通産省としても強力に指導していかれるというその意味は、国内タイヤを来年三月でもう販売中止という国内の規制に合わせて対応するというふうに伺ってよろしいわけですね。
#197
○説明員(中島邦雄君) そういう方向で努力いたします。
#198
○高崎裕子君 次に、これも通産省に伺いますが、ピンを打ち込めばスパイクタイヤになる穴あきタイヤというのがあるんですが、これもスパイクタイヤと見なすというふうに理解してよろしいですね。したがって、その上で、これも来年三月で販売中止というふうに見なしてよろしいでしょうか。
#199
○説明員(中島邦雄君) 穴あきタイヤにつきましても、私どもスパイクタイヤと同様の扱いをしておりまして、細かく申し上げれば、穴あきタイヤはスパイクタイヤの内数ということで今まで削減指導してまいっております。
#200
○高崎裕子君 次に、地域指定に関してお尋ねいたします。
 自動車の広域性、通過性の特性からいって、地域指定に当たっては極力広く指定することが重要となっていると思います。
 まず、脱スパイクを目指し運動の先頭に立ってきた自治体、とりわけノースパイク都市づくり推進協議会に参加している全国百九十市及びその周辺町村のかなりの部分は指定の方向と、そう見てよろしいのでしょうか。また、市町村が自発的に指定を望んできた場合は積極的にその意向を尊重していただきたいわけですが、そのように理解してよろしいでしょうか。
#201
○政府委員(古市圭治君) このノースパイク都市づくり推進協議会というのは百九十でございましたが、現在、百九十三までふえて各種の運動を行っていただいております。したがいまして、こういう協議会の方からこの法案に対して非常に強い要望があったわけでございますから、当然この市町村からは要請が出てくるという対象市町村であろうと思っております。そういうことで、その意向が都道府県知事に反映されて私どもの方にも来た場合には、国の方は国の基準で勘案してやるわけでございますが、その地域の社会的自然的な条件を判断して都道府県知事の意向も尊重してやることになりますから、結果的にその御意向というものは反映できるのではないかと思っております。
#202
○高崎裕子君 そうすると、この百九十市の相当の部分については指定をされるというふうに理解してよろしいわけですね。
#203
○政府委員(古市圭治君) そのとおりですと、こうお答えしたいところでございますけれども、これは正直申しまして、スパイクタイヤの問題が非常に時間がかかったというのもそこら辺かという気がいたしております。
 ちょっと話させていただきますと、国に全面的にスパイクを禁止にしろと、こう要望しながら、その自治体でそれだけ真剣な問題であったということであるにかかわらず、条例まで進んだところが北海道、宮城県、札幌市の三池区にしかすぎず、我々から見るとすぎずと言いたいわけですが、そのほかの地区では要綱でやっていてなかなかスパイクの装着率が下がらなかった、それで国に法律の制定が期待されたということで、私どももその問題の解決に国の責務を果たそうと思って今回の法律を出したわけでございますが、このような形で国が基準を出したときに市町村、県の方がこの趣旨に賛成して全部入っていただけるかといいますと、非常に極端に言いますと、ばば抜きのばばを半分渡されたというところがございまして、今度は市町村、県知事が判断しなかったらいけないというところで、今度本当に住民がどちらにいくか、民主主義を絵にかいたようなことが起こるな、こう思っているわけですが、せっかくここまで来たので十分地域の人たちとも話して、いわゆるでこぼこの不公平がない方向で地域が指定されるという方向にいっていただきたい。私どもも、あらゆる会を通じて地方自治体の職員には法律が制定されたいきさつまた理念を申し上げて、十分検討していただきたい、一県だけで議論がまとまらない場合には東北六県また北陸各県の横並びも検討して、十分地域の状況に合うような方向に進んでください、このように話しているところでございます。
#204
○高崎裕子君 全面禁止ということで国民の責務が強調されているわけですから、それに即応して積極的に環境庁としても対応していただきたい、そう思います。
 次に、大型車についてお尋ねしますが、大型車は第七条、第八条の適用除外になっています。しかし、スパイク粉じん発生の大きな要因となっているのもこの大型車です。しかし、大型車のスタッドレスの開発も非常に進んで、先ほど来出されておりますが、昨冬には候補タイヤが出て実際に二万本試乗されてその結果がまとまって、ことし秋には本格販売になるということなんですね。
 私も試乗した関係者からいろいろ直接お話を伺ってまいりました。北海道では民営では一番大きいバス会社である北海道中央バス株式会社という会社がございますが、ここではもう率先して試乗をし札幌市長から表彰されている、一シーズン通して九十六台のバスがスタッドレスを使用した、それで乗り切ってもう有責事故もなくこれはいけるというふうに確信を持ったと、そうおっしゃったんですね。そして心配された勾配のあるところも大丈夫だと、こう言われました。お客さんの安全な輸送ということを何よりも大切にするバス会社でやっていけるという確信を持てたというのは大変朗報だと思うし、そういうことを率先してやられたこの中央バスは本当に立派だなと私感心させられて帰ってまいったんです。
 このようにスタッドレスで大型車もいけるんだという状況にあり、開発の状況や秋の普及定着の状況などを考えると、メーカーに開発されるということを期待するだけではなくて国が積極的に、この法文の書き方としても法律ではなくて政令の改正でできるということになっているわけですから、三年を待たないで期間を短くするという姿勢で臨んでいたたけるわけですね。
#205
○政府委員(古市圭治君) 非常に難しいと言われながら大型のスタッドレスタイヤの性能が非常な進歩を示して、また個人のみならず地域交通の基幹を担う事業でもそれを使っていただいているという事例がふえてきている、非常に心強く思っているところでございます。
 そういうことでその性能のアップの度合い、それからまた社会での理解の進み方というものを勘案しまして、もちろん国としてもそういうものを支援、推進していきまして、この「三年を超えない範囲」と書いておりますので、その状況によってはなるべく早い時期に適用できるということになれば非常にありがたいことだ、このように思っております。
#206
○高崎裕子君 三年より短くなればありがたいことだという意味は、開発できればもう三年以内に積極的に政令改正を行いますという姿勢を持たれているというふうに理解してよろしいでしょうか。
#207
○政府委員(古市圭治君) いわゆるメーカー、それからまた地方自治体、関係省庁の御協力もいただきまして皆そういう方向で努力しているわけでございますから、法律の案文はそうなっておりますが、「三年を超えない」となっておりますが、その方向で努力をしていきたいと思っておるわけでございます。
#208
○高崎裕子君 積極的な姿勢を示されたというふうに理解をさせていただいて、次の質問に移りたいと思います。
 条例との関係なんですが、法案と条例を比較した場合、法案が厳しい部分もあれば逆に条例が厳しい部分もあるということがありますが、条例が法案より緩いのであってはこれ条例の果たす役割がやっぱり問われることになると思うんですね。当然法案よりそれ以上もっと厳しく規制を図りたいという自治体も出ると思われるわけですが、そうなると条例を見直すということが出てくることが予想されるわけです。いわゆる横出し、上乗せについては、それはすべて当然可能だというふうに理解してよろしいですね。したがって、どんどん上乗せ、横出しはやってもらっていいというふうに理解してよろしいでしょうか。
#209
○政府委員(古市圭治君) 半分はそのとおりでございますが、後段の、どんどんやっていただくということは全然考えておりません。
 と申しますのは、国のこの法律によりましていわゆる横出し、上乗せ規制というものも否定するわけでございませんで、それはやっていただいて結構なわけでございますけれども、私どもが今回提案させていただいた法律というものは、現在の地方の要綱、条例よりも非常に厳しい状況でいっておりますので、これより上乗せできる自治体があるのかというぐらいの気持ちでおります。
 そういうことで、この法律でもって既存の条例との調整は行っていただくという形があっても、さらに上乗せ、例えば身体障害者も同時にやりなさいとか、それから緊急自動車ももう一斉にスタートしなさい、そういう形、それからまた雪が降っていてもだめですよというようなことはちょっと実態上無理ではなかろうか。今まで一番大きかったいわゆる冬期の十一月、十二月、一月、二月というところを通年規制しておりますから、だから過去自治体だけで困難であったという状況は今回の法律を可決していただければほとんど解決するのではなかろうか。ただ、何らかの形で横出し、上乗せがあり得るのは、それは否定するわけではございません。
#210
○高崎裕子君 環境庁の、この法律でスパイクがもう禁止できるという、この法律にかける並み並みならない決意と自信を改めて感じとったわけですけれども、要するに、しかしもっといろいろ検討して厳しい規制をしたいという場合の横出し、上乗せについて自治体の方で積極的にやるということについて、それはやって構わない、そういうことでよろしいわけですね。
#211
○政府委員(古市圭治君) これはこの法律だけでございませんで、一般的に法律と条例との関係ではそのようなことが可能であるという解釈が通例になっているかと思います。
 なお、本法案は環境立法という立場から行っておりますので、規制の限度法律ということではございませんので、言うならば最低限これはやっていただきたいというので、自治体で考えられて何かさらに必要なことがあるならばそれを拘束するものではないということでございます。
#212
○高崎裕子君 次に、スパイクにかわるスタッドレスの開発普及は非常に進んでおり、スパイク全面禁止の方向では一致していると思うわけです。私たちは、全面禁止に向けて見直しをすべきというふうに考えているわけです。
 私自身も車を運転してもう九年、スタッドレスで四年、札幌市でいうと盤渓とかかなり急なところもスタッドレスで大丈夫という自信を私も持っているわけです。先ほど、しかしプロの運転手はどうなのかというお話が出されて、実際に平岸ハイヤー株式会社というのが札幌にございます。ここでは二年前から、したがって二シーズン、シーズン通して全車がスタッドレスタイヤを使用してきたわけです。そこでお話を伺ってきたんですが、お客さんからも、スパイクタイヤで運転しているタクシーでも登れなかった札幌市の急な坂のある宮の森とか盤渓とか小樽、こういうところでいつも登れないこんな坂を登ってくれたと喜ばれたとか、事故も過去五年間の平均の六割と減少しましたということで、もうスタッドレスで大丈夫ですと自信を持って言われました。プロの運転手さんがこう言われている。そして、中央バスの方も、先ほど言ったように、大丈夫ということで、流れとしてはもうスタッドレスで大丈夫、スパイク全面禁止というふうになっていると思うんです。
 衆議院の環境委員会で古市局長は、この法律で数年以内に全面的になくなることを目的にしていると、こう述べられました。この法律で十分だというふうに言われ、それはそれで結構なことだと思うんですが、しかし例えば三年間で脱スパイクが不十分なときにはこの法律を見直すということがあるのかどうか、お尋ねいたします。
#213
○政府委員(古市圭治君) 先ほどから説明させていただいておりますように、三年間でだめな場合というのを現在想定しておりませんので、全力を尽くして御期待のような脱スパイク社会にしていきたいと思います。
 しかし、実際、現実の世の中でございますから、それをやってみて何かネックが出てくるという形もあり得るわけでございますから、それはそのときに十分状況を見直して必要ならばまた必要な対策をやっていくということにはやぶさかでない、このように思っているわけでございます。
#214
○高崎裕子君 脱スパイクの状況を見て、法の施行状況を見た上で判断していくべき問題だというふうに答弁されていたというふうに理解してよろしいわけですね。
#215
○政府委員(古市圭治君) そのように理解していただけばありがたいことだと思います。
#216
○高崎裕子君 それでは最後に、大臣にお尋ねいたします。
 これまで局長がいろいろと答弁をされましたが、この法律の目的、そして国民のあるいは国、地方自治体の義務から見てもスパイクタイヤ全面使用禁止ということになるわけで、その実効性を上げるために最大の努力をしていただきたい、こう思うのですが、大臣の決意のほどをお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#217
○国務大臣(北川石松君) 高崎委員の、スパイクタイヤ禁止法案の審議に当たって地元北海道においてのスパイクタイヤの公害その他の実経験からいろいろ御質問があり、特にこれを全面禁止する必要があるじゃないかと。
 そこからこれは制限輸入、やはり輸入を厳しくしなくてはいけないと思うんですね。私は、そのためにも、スタッドレスタイヤがみんなに使用されてだれももうスパイクタイヤは使用しないんだとなれば、輸入も需要と供給の関係で自然にストップされるだろう。ただ、そういうことも考えながらこのスパイクタイヤが、第三条では全面的にこれを使用していただきたくないという願いを込めて、はっきり言うともっと厳しくも申し上げたいと思うんですが、そのことについては国民の理解とそして自覚の上に立っていただいて、この法案が本院を通りましたならば、皆さんの啓発ももちろん行いますし、各都道府県また各市町村、国民の皆さん、そしてこれに当たっていただく皆々様の御理解と御努力によって、私は、これが大きく効果を上げることのために環境庁としては前向きの姿勢でやっていきたい、このように思っております。
#218
○中村鋭一君 本法の第五条に、「環境庁長官は、住居が集合している地域その他の地域であって、スパイクタイヤ粉じんの発生を防止することにより住民の健康を保護するとともに生活環境を保全することが特に必要であるものを、指定地域として指定しなければならない。」と、こうなっております。
 局長にお尋ねいたしますが、局長の頭の中にあるこの指定地域の概念、これは具体的には例えば北海道とか東北六県でありますとか、いわゆる豪雪地帯が頭にあるわけで、九州とか大阪とか、こういうところは指定地域としての概念はあなたの頭の中にはございませんか。
#219
○政府委員(古市圭治君) この問題が非常に起こりまして要望を受けておりますのが積雪寒冷地帯の二十三道府県ということでございまして、その中には九州地方は入っておりません。また、入っていないけれどもぜひこういう対策をとってくれというのはいまだちょっと聞いたことがありません。
 ただ、問題はスキー場に行った帰りにスパイクのまま例えば都内に戻ってくるとか八王子に入ってくるといったときに八王子市、板橋区の人たちが困っている、そういう状況があるかもしれませんが、今お尋ねのようなほとんど積雪、凍結のないところからの要請というのは具体的には出ていないと承知しております。
#220
○中村鋭一君 私の郷里の滋賀県に余呉町というのがあるんです。実は、余呉町というのは皆さん御存じないかもしれませんが、全国でも豪雪では大変なものでございまして、多いときには電信柱の上まで雪が降るんですね。雪が全部解けるのは六月になる場合があると言われるぐらいの、これは本州中部にありましては関西では未曾有の豪雪地帯ということになっているんですが、滋賀県の方からは、今回の本法に従って都道府県知事がそれをお願いするということになっているわけですが、そういう要望は出ておりませんか。
#221
○政府委員(古市圭治君) この二十三道府県が事務局をつくっておりまして、その世話人部局がたしか長野県がやっていたかと思いますが、そういうことでその中で滋賀県が要望を出されて全部として私どもの方に二十三県として要望をいただいております。当然滋賀県もその中に入っておるわけでございますが、県から直接というのはちょっと記憶にございません。
 ただ、ちなみにその二十三県の中で条例、要綱をつくっておりますが、滋賀県の場合にはまだ要綱はつくっていない。問題は抱えているということは事実でしょうけれども、そういう具体的な対策まで、どこまで行っているかというのをちょっとただいまのところでは承知していないところでございます。
#222
○中村鋭一君 この法律を見ますと、地域指定は環境庁長官が最終的には指定をされる。そのときに都道府県知事から、自治体の首長さんの方からそういう申し出がある、審査して最終的には環境庁長官ということでございますが、その辺はどうなんでしょう、そういう都道府県知事からの申し出がなくても、例えば滋賀県が湖北部分において非常に雪が多いという場合は、そういう自治体からの申し出がなくても環境庁として、これは法律は最終的には環境庁長官が地域指定をするとなっているわけですから、一方的にあなたのところは地域指定をいたしますということは法的には可能ではないんでしょうか。
#223
○政府委員(古市圭治君) 法的にはそういう構成になっておりますが、実態上は法律の上でもその指定をします場合にはその「都道府県知事の意見を聴かなければならない。」という形になりますので聞くことになります。それからまた、指定してから聞くというわけでございませんで、その過程で絶えずヒアリングをして御希望なり状況なりを聞いておりますから、長官の指定の前には実質上そういう意見を十分聞かれている。また一方、こちらが単に指定するだけでございませんで、この第二項には「都道府県知事は、」「同項の指定について、」環境庁長官に対して申し出ることができる。こちらがやらないとしても、いや、うちはやってください、こういうことも担保していますので、十分自治体との意見協議をさしていただいた結果この地域の指定制が動くものだと思っております。
#224
○中村鋭一君 ですから、環境庁長官が全国の実態というものを調査なさいまして、場合によればむしろ積極的に、あなたの方は地域指定をした方が環境を守る上でいいですよというぐらいのサゼスチョンを環境庁の側から積極的にされることがあってもこの法の趣旨には何ら反するものではないだろうと、こう思うんです。それだけちょっと確認をしておきたいんです。
#225
○政府委員(古市圭治君) そのとおりでございまして、仮に要請がない場合でありましても環境庁が決めた要件にかなう場合にはそういう声をかけてやっていくということでございます。
#226
○中村鋭一君 それから、局長、午前中の質疑の中でたしかあなたがおっしゃったと思うんですが、地方自治体の方は今回のこの粉じん防止の法律案についてけちをつけるといいますか、不備であるというんですか、まだまだこれではだめなんだというような声があるとあなたがおっしゃったように思いますが、それは具体的にはどの県のどういう立場の方が本法律案についてこれはふぐあいが多過ぎるというふうにおっしゃっているんですか、具体的に教えていただきたいんですが。
#227
○政府委員(古市圭治君) 余りにもこの過程でいろんな方からいろんな意見を聞いたので、どこのだれが言われたのかちょっと失念してしまいましたけれども、その言われるところの多くは、一つは、指定地域制ということをとってやはり全国一律禁止としなかったので非常に混乱が起こるのではないか。また、指定地域に入るところと入らないところのアンバランスが生じるではないか。それからまた、理念として日本の中からスパイクを全部なくなそうという運動を進めてきたことに、雪道、凍結路ではスパイクを使用していいのだ、こういう誤解を与えてこの運動に水を差すのではないかと、そういうようなことがそれぞれスパイクにある程度信頼感を持っているところ、また物すごく運動を進めていたところ、それぞれの立場からいろいろな御批判があったということでございます。
#228
○中村鋭一君 それがまさに私が冒頭お尋ねしたことと表裏の関係になる、こう思うんですが、今の御答弁でそういった一生懸命運動なさっていらっしゃる府県の皆さんのおっしゃったような苦情と、それから私が冒頭指摘しました例えば滋賀県のことを申し上げましたけれども、そういうことは本法でこれは十二分に担保し得るわけですね。
#229
○政府委員(古市圭治君) 十二分までいきませんが十分に担保していきたい、このように考えております。
#230
○中村鋭一君 二分値切られましたが、十分というのは一〇〇%ですから了解をしておきたいと思います。
 いずれにしても、私伺っておりまして、本法のこうやって本日委員会で審議するまでにこぎつけられた御苦心はそれは並み並みならぬものがあった、こう思います。私自身は印象を言うならば、本当によくできた法律案だなということを敬意を持って申し上げておきたい。
 御苦心が数々あったと思います。この間の経緯について、いつごろからこういうことを考え出したのか、具体的な被害の実態調査はどうであったのか等々についてお伺いしたいんですが、時間がございませんのでその質問は省略をさしていただきまして、ただ、今回のこの自粛でありますとか使用規制でありますとか指導の強化でありますとか、そして今回こうやって法制定に至られた環境庁を除く他省庁もさぞかし御苦心があったろう、こう思いますので、順次公害等調整委員会、警察庁、運輸省、建設省、通産省の順に、この法制定に至るこれまでの御苦心のほどといいますか、どのように調整に努めどのような話し合いの結果環境庁が出したこういういい法律案ができたんですという点についてお伺いをいたしたいと思います。
#231
○政府委員(高島弘君) スパイクタイヤの粉じん被害等調停申請事件というのがございまして、この事件の経緯等につきまして御説明いたします。
 この事件は、最初、長野県知事に対して調停申請がなされたものでございまして、申請人は長野県の在住の弁護士さん六十二名からでございます。相手方はスパイクタイヤメーカー七社でございます。申請の趣旨は、スパイクタイヤの使用によって生ずる粉じん被害の発生を防止するため、長野県内におけるスパイクタイヤの販売停止を求めるというものでございました。長野県でこの調停を進めておりましたところ、当初の販売停止ということに加えて製造停止等も求めるということになりまして、製造停止ということになりますと影響するところが全国に及びますので全国的な見地から解決する必要が生じてきたわけでございまして、公害紛争処理法の規定によりまして、昭和六十二年十月二十四日に長野県から私ども公害等調整委員会にこの事件が引き継がれました。その後、東北六県の在住の弁護士さんら五十七名、さらに北海道在住の弁護士さん外百五十名の方がその調停に参加しておるわけです。
 私どもでは五回の調停期日を開きまして、さらに現地調査を行いまして調停を進めていたところでございますが、昭和六十三年六月二日の第五回の調停期日において「被申請人は、」、これはスパイクタイヤの製造メーカーでございますが、メーカーは「平成二年十二月末日限り、スパイクタイヤの製造を中止し、平成三年三月末日限り、同タイヤの販売を中止するものとする。」という内容の調停が成立したわけでございます。
 以上でございます。
#232
○中村鋭一君 この調停が成立をしたわけですが、一方で六十三年の九月八日に環境庁長官は、公害等調整委員会の調停期限を待たずに法制化の整備を図る、こう言っておられるわけですが、少なくとも公害等調整委員会のこの御努力が今回の法制化にあずかって力があったことはお認めになりますか。
#233
○政府委員(古市圭治君) そのとおりでございまして、各般の動きの中でこの調停が果たされた役割は非常に大きかった、その調停の中でも行政の責務というものが要請されまして今日に至ったと思っております。
#234
○中村鋭一君 では、警察庁から順次お願いいたします。
#235
○説明員(賀来敏君) いわゆるスパイクタイヤ粉じん公害の防止というのは、申すまでもなく警察庁といたしましても大変重要な問題であるという認識は基本的に持っておるところでございます。
 そういうふうなことで、私どもの知る限りにおいては、昭和五十八年の九月に環境庁からいわゆる「スパイクタイヤによる粉じん等にかかる当面の対策について」ということで通知がなされまして、警察庁といたしましても、その時点で同時に各県に対しまして必要ないわゆる自粛方等呼びかけを行うように指導してきたところでございます。その後、環境庁の方でこのスパイクタイヤの粉じんの問題が大変深刻であるということで、いわゆる関係省庁の連絡会議、スパイクタイヤ問題関係省庁連絡会議というのが開催されまして、私は直接携わりましたのは昨年の夏場ぐらいからでございますが、粉じんの被害の重大性という説明をるる関係省庁が受けたところでございます。
 それで、私どもは大変重大な問題であるという基本的な認識は従来から持っておりましたし、そういう認識をしておったところでありますが、一方、このスパイクタイヤの問題というのは、裏を返しますと、自動車を運転する側からの交通安全の面から見ると車の機能も相当確保しながらなおかつ滑らないという意味で大変便利なものだという、そういうようなことで交通安全の面ではなかなか捨てがたいものがあるという世論があったわけでございます。そこで、じりじり健康を害する被害の問題と痛ましい交通事故の問題とをどこで調和するかということで、私自身も眠れないほどいろいろあれしまして、また環境庁とも何度も何度も公式の会議、非公式のお話をした結果、いろいろありったけの知恵を出してこういうところにたどり着いた環境庁の御苦労というものは大変なものだったと思います。
 私どもも、現場の声をできる限り反映したということで、現在の時点ではいいものができたんじゃないかというふうに考えておるところでございます。
#236
○説明員(堀込徳年君) 運輸省でございます。
 運輸省の役割といたしましては、まずスパイクタイヤを使っている運送事業者の立場がございまして、こちらに自粛を求めるということがあります。それから、あわせて車両構造面からスパイクタイヤをどうしていくかという二つの問題がございまして、運送事業者の方につきましては脱スパイクタイヤ運動というものでかなり強力に推し進めてきました。それから、タイヤの構造そのものにつきましては、規制をする前にタイヤの性能試験というものを繰り返しまして、本当にあんなびょうがたくさん要るのか、あるいは突出していなければいけないのかということで、そういうことの研究成果をもちまして六十三年にスパイクタイヤの構造基準を策定いたしまして、びょうの数を減らせということとそれから突出量を少なくするというようなことで進めてまいりました。
 その後、先ほどございましたように、公害等調整委員会の調停が成立しまして、生産並びに販売中止という決定がなされたものですから、今度はそれの早期達成ということからタイヤメーカーさんに対しまして早期にスタッドレスタイヤの開発というものを要請してまいっております。あわせて今度は、車両構造面からそういうスパイクタイヤがなくても対応できるということで、例えば四WDという四輪駆動車ということで非常に雪道に強い車がございます。そういう車、並びにアンチロックブレーキということで、雪道に制動が不自然になるのを抑える装置がございますものですから、自動車メーカーにこういう装置を早急に開発して自動車のユーザーから要望があった場合にはそういう車両構造面から対応し得るようにということで強力に指導してまいりました。
 現在、環境庁さんの御苦労によりましてここまでたどり着いたわけですけれども、運輸省といたしましても早期の法律の成案並びにその間におきまして運送事業者等の関係者を適切に指導してまいりたいと思っております。
#237
○説明員(藤川寛之君) 建設省といたしましてこのスパイクタイヤ問題への対応でございますが、昭和五十八年に関係省庁連絡会議ということで具体的な対応の検討に入ったわけでございますが、建設省としての対応といたしましては、一つは、粉じんが現に発生しておりますので粉じんが発生する前に、舗装が削られたのが路側にたまるわけですが、そういうものの清掃をきちんとやって粉じんができるだけたたないようにしてやるとか、あるいはできるだけ耐摩耗性、削り取られにくい舗装を開発するというようなことで、そういう努力をいろんな面でやってきたわけでございます。
 一方、スパイクタイヤを履かないということになりますと、路面の性状がどうだとか路面がどういう状態になっている必要があるかということでございますが、やはり除雪であるとかあるいは消融雪施設、そういうものをきめ細かくやりましてできるだけ路面の状態がいいように、スパイクを履かなくても走りやすいような路面の状態が確保できるように、そういう面での努力もやってきたわけでございます。また、路面の状況等に関していろんな情報ですね、どこが凍結しているとか、どういうところでチェーンが必要ですよというような情報提供についても、そういう道路情報提供装置の設置等を進めてきたわけでございます。
 いずれにいたしましても、スパイクタイヤによる舗装の摩耗であるとかあるいは粉じんによる環境問題、こういうものを解決するためにはやはりスパイクタイヤの使用を何らかの形で規制する必要があるというふうに考えておりますので、私どもといたしましてもそういう状況に対応した道路交通環境の整備というものが必要であるというふうに考えております。そういう面の努力を今後とも引き続きやってまいりたいというふうに考えております。
#238
○説明員(中島邦雄君) 通産省といたしましては、スパイクタイヤの削減といった方向でこれまで取り組んできております。
 具体的に何点か申し上げますと、昭和六十一年以降、大手七社タイヤメーカーに対しましてスパイクタイヤの削減指導をやってまいりましたが、先ほど来お話しございました公害等調整委員会の調停以降はそれに加速をさせまして削減という方向で指導してきております。
 それから第二点は、同様にして輸人スパイクタイヤについての削減要請をこれもまた強力に続けてきております。
 それから三点目は、代替タイヤと言われますスタッドレスタイヤの性能試験、こういったことをことしの二月に実施いたしまして、先般公表してございます。
 それから四点目といたしましては、これまでスタッドレスタイヤにつきましては乗用車を中心に開発を進めてきておるわけでございますが、やはり大型トラック用のタイヤについてもこういった代替タイヤの開発が極めて重要ではなかろうかといったことで関係業界を早期開発といった方向で指導してきております。
#239
○中村鋭一君 本当に関係省庁の皆さんも御苦心、御苦労があった。警察庁の方なんかは、夜も寝ずに悩み抜いてこぎつけた、こうおっしゃっているわけでございます。これは長官、やはり評価をしていただかないといけない、こう思います。
 そこで、平成二年の四月五日に中央公害審に対して諮問をされたわけですが、局長、この内容は思い切った諮問をされているわけですが、十二分に満足すべき答えが返ってきたわけですか。
#240
○政府委員(古市圭治君) 平成二年の四月五日に諮問いたしまして、同日答申をいただいたわけでございますが、この答申の線にほとんど十分対応した法律になっている、このように思っております。
 ただ、問題は今後の運用によってどうなるのかという危惧が抱かれるわけでございますが、これは先ほど来関係各省庁がるる申しているように、万全を期して運用に遺漏のないようにしていきたいと思っております。
#241
○中村鋭一君 環境庁でできてくる法律は、自然保護法にいたしましても、先日審議をいたしました水濁法でも、今回のスパイクタイヤの粉じん防止法につきましても、理念法といいますか宣言法といいますか、こういう側面を持つことは、環境庁という役所の性格上、そういう一面を持つのは当然のことです。しかし一方では、本法もそうなんですが、非常に緻密で具体的なわかりやすい法律でなければいけない。その点において私は労を多とする点は、関係省庁の皆さんがそれぞれの分野において従来陥りがちな縄張り意識というものを捨てて国民の立場に立ってこの法律をつくらなければいけないという点で非常にわかりやすい法律ができ上がったことはもう同慶にたえない、こう思う次第でございます。
 最後に、今局長もおっしゃいましたけれども、こういうものは理念法、宣言法の趣きがあって一面具体的な指定もしているわけでありますが、そういう点の調和を図りつつこれからこの法律の実施に向けて取り組む決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#242
○国務大臣(北川石松君) 中村委員の脱スパイクタイヤに向けての非常に御理解と御熱意のある質問をちょうだいいたしました。
 他の委員にも答えておりますように、この法案を核として国民と行政が一体となってスパイクタイヤ粉じんのない社会を私は最終的に実現するように努力してまいりたい。そのために、先ほども申しましたように、やっぱり需要と供給です。スタッドレスタイヤが、今これ言いなれておりませんが、これをみんなが理解して使ってくれるようになったら必然的に耳にもとまる。そういうような方向に向かって各関係省庁、地方自治体、国民、企業、皆さんとの混然一体となった形をつくって、先ほどちょっと理念的と言われると環境庁の今までの弱さというものを何か指摘されているようでつろうございますけれども、そんなことのないように、御可決をいただきましたならば私は全面的に環境庁が努力してまいりたい、こう思っております。
#243
○中村鋭一君 終わります。
    ─────────────
#244
○委員長(大森昭君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、竹村泰子君が委員を辞任され、その補欠として菅野久光君が選任されました。
    ─────────────
#245
○山田勇君 粉じん公害の防止か交通安全か、この法案作成に当たっては公害問題が抱える二者択一的な絡みもあり、昨年も禁止法案が国会に提出されようとしましたが、関係省庁の抵抗に遭ってと言えましょうか、流産したということでございますが、その点今回のこの法案はいろんな問題点をおおむねクリアした結果で評価できると思いますが、幾つかの疑問点があります。それに対して説明をしていただきとうございます。
 まず、今回の法制度の創設に当たってスパイクタイヤの装着を全面禁止しないのはなぜなのか。もうこれは先ほど来質疑が重複しております。簡単な説明で結構でございます。
#246
○政府委員(古市圭治君) スパイクタイヤ粉じん被害の現状と照らして法律で規制する場合、このような方法で十分実効が上がるんではなかろうかというところから全面禁止というものをうたわずにこういう形で運用させていただきたいと思ったわけでございます。
   〔委員長退席、理事清水澄子君着席〕
#247
○山田勇君 次に、法案の第三条において「国民の責務」を定めていますが、この中で「防止に関する施策に協力しなければならない。」とされていますが、これはどのようなことを国民に求めているのか、これも説明をお願いしたいと思います。
 また、スパイクタイヤの使用者に対する禁止・規定だけで対処するのは問題だとする意見もあるようですが、その点もあわせて御答弁をいただきたいと思います。
#248
○政府委員(古市圭治君) 地方自治体が行います各種のスパイクタイヤの廃止に向けての事業があるわけでございます。
 例えば、教習所における練習の機会を提供する、それに参画する、また、既存に使っているタイヤからピン抜きをやるといった場合にそのピンを抜いてもらう、そういう形がございますし、さらに、言ってみれば運転者だけでなくて、若い息子さんがスパイクタイヤで札幌市内を走り回っていると母親として、あんたやめなさいよと、こういう形で市の運動に協力するように住民みんなが心がけていただくというようなことでございます。
#249
○山田勇君 この法律の実施において「地方公共団体は、当該地域の自然的、社会的条件に応じたスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に対する施策の実施に努めなければならない。」としていますが、この裏づけとして国は具体的にどういうことをしようとするのか、お答えください。
#250
○政府委員(古市圭治君) これまで、環境庁だけでございませんで、関係各省庁を通じまして地方自治体にいわゆる国民の知識の普及、それからまた冬期間における道路環境の整備、それから代替タイヤの開発の支援、安全運転教育のための事業等を実施してきているわけでございます。
   〔理事清水澄子君退席、委員長着席〕
このようなことも全部含めまして、今度この法律が通りましたら直ちに各般の施策、それからまたスパイクタイヤに関する情報を網羅いたしまして先進地域のモデル的な事業を紹介した「ノースパイクタイヤまちづくり指針」というものを環境庁から出して自治体の今後の運動の助けにしたい、こういうようなことを考えております。
#251
○山田勇君 この法規制も結局のところ国民の理解と協力がなければ実効をおさめることができません。今後は、粉じん公害の徹底した防止、道路破損からくる交通事故の防止などのために、スパイクタイヤに頼らなくてもよいように交通安全の確保、また町づくりに取り組まなければなりません。
 この点について環境庁としてはどのような対策なり取り組みを考えておるのか、具体策をお示し願いたいと思います。
#252
○政府委員(古市圭治君) 各般の施策がございますが、既に行っている事業を拡充したいと思っておりますのが、十二月に関係六省庁とともに脱スパイクタイヤ運動推進月間というものを行っておりまして、またタイヤメーカーの方も販売店で脱スパイクに向けてのいろんなパンフレットを提供するというようなこともやっております。そういう形で自治体のそれぞれ創意工夫でいろいろやられておりますが、それを支援する施策を各省庁とともに強化していきたいと考えております。
#253
○山田勇君 長官、これは先ほど来啓発をやらなければいけない、大いにPRをやらなければいけないという形の中で、少なくとも寒冷地の試験場なんかで、何らかの道路交通違反者は一時間講習を受けますね。そういう形でまた免許証を再交付するというようなそれはあるわけです。そういうときに、たとえ十分でも二十分でもいいし、しゃべるのがどうしてもカリキュラム上無理なら交通安全指導の中でパンフレットだけは絶対に持って帰ってもらうとか、これは特に寒冷地の違反者に対してはそのように法律が改正されたことを大いにPRをしていただいてもいいように思います。
 それと、僕は常任委員会は建設ですが、これを踏まえて、寒冷地のおくれている道路行政というものに力を入れて道路の整備を図らなければならないというふうに思います。
 最後に長官の決意を伺って、私の質問を終わります。
#254
○国務大臣(北川石松君) 山田委員の御質問にお答えいたします。
 ただいまの非常に適切と言いますと失礼に当たって恐縮でございますが、寒冷地なんかで免許証の所持者に対していろいろの講習とか、いろんな機会を通じてスパイクタイヤ禁止についての、あるいは指定地域のPRをする必要があるじゃないかと。そういういろいろの問題、これは非常にやっていかなくちゃならない、各人の啓発、自覚という点においてやらなくちゃならぬことだと私は思っておりますし、先ほど来各委員の御質問にもお答えいたしておりますように、この法案が御審議願ってそして法律として出てまいりますならば、それが日本の健康あるいは交通安全等いろんな意味において、もちろん通産省の方の新しいスタッドレスタイヤというものも必要でございますし、そういうあらゆる要素を一つに結集いたしましてこの法案のよりよいところの成果を上げていきたい、環境庁としてはそのように思っております。
#255
○山田勇君 ありがとうございました。
#256
○委員長(大森昭君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#257
○委員長(大森昭君) 速記を起こしてください。
 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について、高崎裕子君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。高崎君。
#258
○高崎裕子君 私は日本共産党を代表して、本案に対し、修正の動議を提出いたします。
 その内容はお手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これよりその趣旨について御説明申し上げます。
 その内容は、第一に、原案の第五条第一項の地域の指定について、「スパイクタイヤ粉じんの発生を防止することにより住民の健康を保護するとともに生活環境を保全することが特に必要であるもの」となっていますが、自動車の広域性、通過性にかんがみ、より広域的指定をすべきであり、「特に」とより限定的にする必要はないものとして「特に」を削除するものです。
 第二に、原案の第七条のスパイクタイヤの使用禁止の要件のうち、「道路の積雪又は凍結の状態にない部分(トンネル内の道路その他の政令で定める道路の部分を除く。)において、」となっていますが、この中の「の積雪又は凍結の状態にない部分(トンネル内の道路その他の政令で定める道路の部分を除く。)」を削除し、指定地域内でのスパイクタイヤの使用全面禁止の実効性を名実ともに確保しようとするものです。
 第三に、附則第三条中の大型重などの経過措置「三年」を代替タイヤの開発普及が図られる実態に即して「二年六月」に短縮し、法の目的の一日も早い達成と修正条項の整合性を図るものです。
 第四に、附則の第四条として、スパイクタイヤにかわり得るスタッドレスタイヤ等の普及定着が図られており、しかもスパイクタイヤの製造、販売中止の調停や大型車の代替タイヤの開発普及がなされることから、「スパイクタイヤの使用については、平成五年三月三十一日までに、これを全面的に禁止する措置が講ぜられるものとする。」の一条を加えるものです。
 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
    ─────────────
#259
○委員長(大森昭君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山崎竜男君が委員を辞任され、その補欠として清水嘉与子君が選任されました。
    ─────────────
#260
○委員長(大森昭君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これよりスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案について採決に入ります。
 まず、高崎君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#261
○委員長(大森昭君) 少数と認めます。よって、高崎君提出の修正案は否決されました。
 次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#262
○委員長(大森昭君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、清水澄子君から発言を求められておりますので、これを許します。清水君。
#263
○清水澄子君 私は、ただいま可決されましたスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項につき適切な措置を講ずべきである。
 一、指定地域の指定に当たっては、広域的に脱スパイクタイヤが進み、住民の健康の保護及び生活環境の保全が十分図られるよう配慮すること。
 二、脱スパイクタイヤのための環境づくりとして、積雪等に関する情報の提供、冬道における安全運転教育等の実施に努めること。
 三、スパイクタイヤの供給を確実に減少させるため、公害等調整委員会の調停の対象外のタイヤメーカー及びタイヤ輸入業者についても、スパイクタイヤの製造、輸入、販売を自粛するように指導すること。
 四、タイヤメーカーによる代替タイヤの研究開発の促進を図るため、技術的な指導その他必要な措置を講ずること。
 五、道路管理者が行う除融雪に必要な費用について、道路管理者の負担が過重とならないよう配慮すること。
 六、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止対策の実施に伴い、二次公害が発生しないよう留意すること。
 七、法施行後における地域指定の状況、スパイクタイヤ粉じんの発生状況、スパイクタイヤに代替するタイヤの開発状況等を勘案し、必要に応じ、スパイクタイヤ粉じん対策の在り方に検討を加え、その結果に基づいて、脱スパイクタイヤ社会の実現(禁止)に向けて所要の措置を講ずること。
 八、未規制の大気汚染物質について、その健康への影響、排出実態等を十分調査するとともに、その結果に基づき、必要かつ適切な措置を講ずること。
  右決議する。
 以上でございます。
#264
○委員長(大森昭君) ただいま清水君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#265
○委員長(大森昭君) 全会一致と認めます。よって、清水君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、北川環境庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。北川環境庁長官。
#266
○国務大臣(北川石松君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたします。
 ありがとうございました。
#267
○委員長(大森昭君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#268
○委員長(大森昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#269
○委員長(大森昭君) 次に、水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、発議者衆議院議員福島譲二君から趣旨説明を聴取いたします。福島譲二君。
#270
○衆議院議員(福島譲二君) ただいま議題となりました水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 水俣病対策は、環境行政の重要課題の一つであり、水俣病患者の迅速かつ公正確実な救済のためには、まず、その認定業務を促進することが求められております。
 この認定業務は、基本的には、公害健康被害の補償等に関する法律、いわゆる補償法に基づき、関係県知事等により行われておりますが、その促進のため、これまで熊本県において検診・審査体制の充実強化等の措置が講じられ、さらに昭和五十三年十月に本臨時措置法が制定され、翌昭和五十四年二月十四日から施行されました。その後、昭和五十九年及び昭和六十二年に認定の申請期限を延長する等の改正が行われ、現在に至っております。この法律においては、旧公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法、いわゆる旧救済法により県知事等に対し水俣病に係る認定の申請をしていた者及び補償法により昭和五十四年八月三十一日以前に同じく申請をしていた者で当該申請に関する処分を受けていない者は、平成二年九月三十日までの間に環境庁長官に対して認定の申請をすることができることとされております。
 本法施行を含む国及び県の認定業務促進に係る努力の結果、一時は六千人以上を数えた未処分者数は平成二年三月末現在で約三千三百人にまで減少してきております。しかしながら、なお相当数の未処分者を抱える現状にあることから、長期にわたる申請滞留者を速やかに解消することにより水俣病対策の推進に資するため、この法律案を提出した次第であります。
 以下、法律案の内容を御説明申し上げます。
 第一は、認定の申請期限の三年間の延長であります。
 旧救済法または補償法による水俣病に係る申請者でいまだ申請に関する処分を受けていない者は、平成五年九月三十日まで環境庁長官に対して認定の申請をすることができることといたしております。
 第二は、環境庁長官に対して認定の申請をすることができる者の範囲の拡大であります。
 補償法による水俣病に係る申請をした者で環境庁長官に対して認定の申請をすることができる者の範囲を、昭和五十七年八月三十一日以前に補償法による申請をしていた者でいまだ申請に関する処分を受けていない者まで拡大することといたしております。
 なお、この法律の施行期日は、平成二年十月一日といたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#271
○委員長(大森昭君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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