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1990/04/27 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 国民生活に関する調査会 第3号
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1990/04/27 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 国民生活に関する調査会 第3号

#1
第118回国会 国民生活に関する調査会 第3号
平成二年四月二十七日(金曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         遠藤  要君
    理 事
                佐々木 満君
                宮崎 秀樹君
                高木健太郎君
                近藤 忠孝君
                乾  晴美君
                寺崎 昭久君
    委 員
                鎌田 要人君
                清水嘉与子君
                高橋 清孝君
                野村 五男君
                青木 薪次君
               日下部禧代子君
                小林  正君
                渕上 貞雄君
                前畑 幸子君
                三石 久江君
                刈田 貞子君
   政府委員
       経済企画庁国民
       生活局長     末木凰太郎君
       経済企画庁物価
       局長       田中  努君
       通商産業大臣官
       房審議官     横田 捷宏君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        宅間 圭輔君
   説明員
       公正取引委員会
       事務局経済部調
       査課長      新庄 忠夫君
       総務庁行政管理
       局管理官     西村 正紀君
       国土庁土地局土
       地政策課長    鈴木 省三君
       大蔵省主計局共
       済課長      乾  文男君
       大蔵省主税局税
       制第一課長    長野 厖士君
       厚生省年金局年
       金課長      松本 省藏君
       通商産業省産業
       政策局商政課長  中名生 隆君
       通商産業省産業
       政策局物価対策
       課長       岩渕 恒彦君
       資源エネルギー
       庁公益事業部業
       務課長      森本  修君
       労働省労政局労
       政課長      大久保良香君
       建設大臣官房審
       議官       立石  真君
       建設大臣官房政
       策課長      清水 一郎君
       自治省行政局公
       務員部福利課長  石井 隆一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国民生活に関する調査
 (内外価格差問題に関する件)
    ─────────────
#2
○会長(遠藤要君) ただいまから国民生活に関する調査会を開会いたします。
 国民生活に関する調査を議題とし、内外価格差問題に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○前畑幸子君 けさの朝日新聞なんですけれども、「土地問題が最大の課題」ということで、経済審議会で土地基本法の具体化を急ぎ、土地神話を崩し、土地の需給関係を適正化するように政府に強く求めるということのようでございますけれども、それに関連して土地問題を聞いてみたいと思います。
 総理府の国民へのアンケート調査によりますと、国民所得は世界の最高水準に達しているようですけれども、それから考えまして生活の豊かさを実感していないという国民が約七〇%を占めているという調査が出ております。その人たちにその理由について聞いてみますと、住生活が充実していないというお答えが二四・五%で約四分の一を占めるという大変な数字に及んでいます。このことは、土地の高騰によって住宅地がもう私たちでは確保できない、土地の高騰から家賃が高くなってくる、そのために自分の思うような住宅が持てなく、狭い賃貸住宅に入居しなければならないという住宅の質の問題が大変今問われていると思います。
 国民の土地とか住宅に対する不満をどのように受けとめておられますか。こうした国民の不満を解消するのには今後どのような政策を進められるお考えがあるか、お聞きしたいと思います。
#4
○説明員(鈴木省三君) お答えいたします。
 今回の地価高騰は、大都市勤労者の住宅取得の困難化や資産格差の拡大による不公平感の増大等我が国の社会経済に重大な問題を引き起こしており、御指摘のように経済大国と言われるに至ったにもかかわりませず、豊かさを実感していない人の割合が六九・二%にも及び、そのうち全国で二四・五%、大都市では三四・六%もの人が住生活が充実していないことを理由として掲げている事態は重く受けとめなければならないと考えております。こうした観点からも土地問題の解決は内政上の最重要課題の一つであると認識しており、昨年末の土地基本法の制定を踏まえまして、同法に掲げられました土地についての基本理念を踏まえ、需給両面にわたる各般の施策をより一層強力に推進していく所存でございます。
 このため、当面の緊急措置として緊急総点検の実施を指示するとともに、必要に応じて大臣御自身から知事等に対し要請を行っていただく等によりまして監視区域制度の厳正かつ的確な運用の確保を図るとともに、金融機関に対しても先般より土地関連融資の総量抑制指導が実施されているところでございます。
 さらに、工場跡地等低未利用地の有効高度利用や市街化区域内農地の計画的な保全と宅地化の推進のための制度の整備、充実によりまして大都市地域における住宅宅地供給の促進を図るとともに、適正な利用の確保、投機的土地取引の抑制、利益に応じた適切な負担という基本理念にのっとり、土地の取得、保有、譲渡などの各段階における適切な課税のあり方について総合的な見直しを行うなど、昨年十二月二十一日に開催された土地対策関係閣僚会議における申し合わせ、「今後の土地対策の重点実施方針」に掲げられた諸施策のできる限り早期の実現に向けて鋭意努力してまいる所存でございます。
#5
○前畑幸子君 大変立派なお答えなんですけれども、四月十八日の新聞によりますと、国土庁は十七日に開かれた政府税制調査会の土地税制小委員会で、初めて内部資料でありましたところの企業の土地取得状況等に関する調査を公表されました。これは毎年内部資料として行っていると書かれているわけですけれども、いつごろからこの調査を行ってみえたのか、そしてまたこの調査をしてきた目的がどこにあったのかということをお聞
きしたいと思います。
#6
○説明員(鈴木省三君) お答えいたします。
 この調査は昭和四十八年から実施をいたしてございます。それで本調査の目的でございますけれども、基本的には土地政策の重要な基礎資料とするとともに、土地基本法に基づきます年次報告作成の資料ということで調査をさしていただいているものでございます。
#7
○前畑幸子君 四十八年からきょうまで六回ぐらい行っているわけですけれども、ことしになって初めて公表されたのには何か理由があるわけでしょうか。
#8
○説明員(鈴木省三君) 今回公表した土地保有移動調査及び企業の土地取得状況等に関する調査につきましては、毎年国土利用白書、ことしから土地利用白書になりますけれども、国土利用白書において公表してきてございまして、たまたま今般の集計の表が、従来は集計はやっておったんですが、顕著な傾向が出ていなかった。元年度の調査によりまして一連の傾向、一定の傾向が出てきたということで、今回土地税制との絡みで参考資料ということで出さしていただいたということでございます。
#9
○前畑幸子君 もうちょっと早く出して、今の土地の高騰を防ぐようにすべきではなかったかなという気がいたします。特にこの三、四年、東京圏を中心に異常に土地が高騰しているわけですけれども、そうした余波が東京圏だけではなくて、大阪、名古屋を中心とした関西圏とか中部圏というところにも大変飛び火をしておりまして、私も名古屋でございますけれども、東京の価格から見ますと名古屋はまだまだ安いということで大変大企業の土地あさりが続いているわけなんです。
 こうしたことは、最初は東京都の中心のオフィスの不足からの地価の上昇であったかと思われるわけですけれども、それ以後長く続いた好景気とか、それから銀行の超金融緩和による金余り現象が背景になりまして企業が土地の投機に走り出してしまったということが原因になっていると思います。そのことは新聞にも載っているわけですけれども、十八日の新聞などでは、「企業「錬金術」具体的に示す」ということで、地価の上昇が企業の資産価値の上昇につながる、そしてそれを担保にした借金によってまた土地を買い入れる、そしてさらに地価の上昇につなげていくという、そうした錬金術に走っていったというわけなんですけれども、国土庁の資料はこの間の事情を具体的に示していると言えるわけですけれども、もっと以前から国民の前にこうした状況にあるということを公表していたならば、私たち国民も企業に対してもっと厳しい目を光らせることができて、今日のような土地高騰を防げたのではないかなという気がしてなりません。
 ですから、今までどうしてこういうことをしていながら国民の前にそういうことを公表しなかったのかということが今悔やまれるわけですけれども、何かそういう事情があったわけでしょうか。
#10
○説明員(鈴木省三君) 特段の事情ということではございませんで、そういう問題意識を国土庁の中で当時持っていなかったということでございます。
#11
○前畑幸子君 それはそう言ってしまえばそれで終わりなんですけれども、企業の土地取得状況等に関する調査と、それからもう一つ土地保有移動調査というのをされているわけです。ちょっと一昨日お伺いしたところによると、これは大蔵省に問い合わせていただけばいつでも出していただけるというお答えのようでしたけれども、新聞紙上にも出ましたし、そして政府税調にも提出されたわけですから国民に明らかになったわけですが、今後、じゃ毎年これから以後国民の前に一々出していかれるおつもりですか。
#12
○説明員(鈴木省三君) この資料の性格でございますけれども、あくまでもアンケート調査ということで、企業との信頼関係に基づいて御回答をいただいておるということでございまして、一応私どもとしては必要最低限の限り公表はさしていただくということでございますが、生データ的なものはお出しできないということでございます。
#13
○前畑幸子君 四月二十三日の朝日新聞の社説にも、「法人に甘い土地税制にメスを」ということなんですけれども、そこにも建設省、国土庁なども政府税制調査会が土地税制の審議を始めたのに関連していろいろな関連法案の準備を急いでいると。
 土地に関する法律というものは日本には大変たくさんあるということを私も知ってびっくりしたわけですけれども、約二百七十本という法律があるんだそうです。地価が高騰するたびに、そのときそのときの場当たり的な法律を無秩序につくりながらきょうまで逃れてきたような気がしてなりません。ですからこれからは、そういうものを実態としてしていらっしゃる以上、国民の前にそういうものを出していただいて国民の意見を聞くということは大変必要なことだと私は思います。
 そしてもう一つ、国土庁の方でやっていらっしゃる国土法ですけれども、これも全く骨抜き、ただあるだけのような法律のような気がしてならないわけです。先回もちょっと御質問申し上げたんですけれども、国土法に基づいた指導を受けながらまじめに取引をしている国民が、だんだん最近は、要するに国土法というのはあってないような法律なんだという声を出しかけているわけですので、その辺ももっときちっと対処していただかないと、かえって逆の不公平が私は出てきているような気がしてなりません。
 ですから、もし国土法をきちっと今後対処されるならば、私は税務署に申告した申告書を国土庁が入手されて、きちっと指導した価格で取引をされているかということを調べていただきたいと思います。というのは、土地を売った人は税金が税務署に調査されるのが怖いだけであって、国土庁の指導価格と違っていることに対しては今まで罰則もないようですので、そんなに余り厳しいとらえ方をしていないような気がしてなりません。もうこれ六十二年からですから、六十三年度の申告、六十四年度の申告、そして元年度の申告と、三回の申告をクリアしているわけですので、その中できちっと対応した価格で取引されているかをチェックされているかどうか、お聞きしてみたいと思います。
#14
○説明員(鈴木省三君) その件につきましては、税務上の秘密ということで国土庁サイドにはなかなか具体的な取引価格のお知らせをいただけないというのが現状でございます。
#15
○前畑幸子君 それでは、国土庁は国土庁で、大蔵省は大蔵省でということですと、一本化した指導というものはできないということなんですね。
#16
○説明員(鈴木省三君) 極力連絡をとりながら行政を進めているわけでございますけれども、具体的に今のような売買金額という形になりますとなかなか情報交換というようなわけにいかないというのが現状でございますが、いずれにいたしましても、先生のおっしゃるとおり国土利用計画法の厳正的確な運用というのは必要でございますし、私どももそれにつきましては体制を整備いたしまして厳格的確に運用しようということでやらしていただいておるわけでございます。
#17
○前畑幸子君 私の言い方が過激な言い方にとられるかもしれませんけれども、そうすると、私も税理士でございますので会計事務所をしておりますけれども、納税者に、国土法に従った価格でないので取引しても、税制面だけきちっと申告をしてもらえばいいというふうに私はとらえざるを得ないような気がしますし、そういう事例が出てきておりますので、そういう点、国土庁もやはりそういうものをつくって土地の高騰抑制に全力をかけられる以上、きちっと対処していただかないと、私はむしろ不公平な法案になってしまうような気がいたしますので、きちっとその辺を今後取り組んでいただきたいと思います。
 土地問題解決というものは、基本的には土地を有効に利用するというところにあるわけですので、企業による投機対象となってしまった未利用地ですね、こういう土地の放出を考えていただかなければいけないと思います。この資料によりま
すと、いろいろと土地所有の形態が個人から法人へ移動している、それからまた所有地の未利用地の八割が当初から利用計画なく買ったんだと、そしてそういう今後宅地としての計画もこうした実態がほとんどないということがここにうたわれておりますけれども、そうした面は事実でしょうか。
#18
○会長(遠藤要君) ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#19
○会長(遠藤要君) 速記を起こして。
#20
○前畑幸子君 どうも、会長のお計らいを大変感謝申し上げます。
 私も新人ですのでよくわかりませんので、どこまで省庁の方に突っ込んでお聞きしていいものかわかりませんけれども、もう少し私たちも真剣に取り組んでいただきたいと思います。国土庁の問題だけではなく、土地という問題はやはり税制面からももっともっとメスを入れなければならないと思っておりますので、大蔵省の方に対しても、やはりそういうお互いに省庁同士手を携えて考えていただきたいと思います。
 きょうのところは、こういう法人の未利用地を有効利用させるための方法として、大企業に今まで甘かった土地の保有税の強化など税制面からの施策も急がなければならないと思いますけれども、国土庁がそういう国土法をつくった以上、それをきちっと国民が納得のいくように対処していただかないと、かえってそれがいつもいつもマイナス面になった形で出てきているような気がしてなりませんので、今回のそういう網を、今度名古屋でも三十坪、百平米に下がるわけですけれども、むしろ、じゃ小さく切ってしまえばどうにでもなるという業者も出てきているわけですし、それから国土利用計画法を通さずに取引している横着い業者もありますし、そしてまた広告費として一億、造成費として一億出すという形で、違う名目でお金を上乗せしている業者も実態としてありますので、きちっとその辺をこれから対処していただきたいということをお願いしたいと思います。
 終わります。
#21
○説明員(鈴木省三君) 会長の御指摘、恐縮でございます。
 国土利用計画法の運用につきましては、私どもこの制度は決して恒久的な制度じゃなくて、対症療法的な制度という限界は承知しておりますけれども、当面の緊急対策としてはこれが一番効果のある施策であるということで一生懸命取り組んでおる制度でございまして、先ほど先生の言われるようにしり抜けがあるのではないかということで、私どももある面では非常にじくじたることでございまして、できれば税務当局の方からそういうデータがわかるようにということは内々お話を申し上げているのは事実でございます。
 ただし、今の現行体制からいくとなかなか知らせるというわけにはいかない、個人の秘密を守る義務があるというようなことで税務当局のガードは非常にかたいということでございまして、先ほどの答弁はぶっきらぼうな答弁でまことに恐縮でございましたが、そういうような努力はいたしておるわけですけれども、現行体制の中ではなかなか突破できないというのが現状でございます。
 なお、監視区域制度につきましては、なるたけ後手に回らないように早目にということと、しり抜けにならないように的確厳正にやっていこうということで、組織体制も強化をいたしまして厳正に運用さしていこうということで頑張っておりますので、その点御理解を賜りたいというふうに思います。
#22
○日下部禧代子君 ただいまの前畑委員の御質問にもございましたように、経済大国と言われながら日本人が豊かさを実感できない最大の原因というのは、ウサギ小屋だとかあるいは鳥かご、これは西ドイツのシュミット前首相がおっしゃった言葉だそうでございますが、そういった住宅事情にあるということはもう周知のところでございます。とりわけそのしわ寄せというのが障害者や低所得層あるいはひとり暮らしの高齢者にしわ寄せされているということが言えると思うんです。東京など都市部では毎日のように追い立てられている人だとか、あるいは民間アパートでは六十歳という年齢を言いますと、御遠慮願いたいというふうなことを言われているという実例をもう既に随分私は耳にしております。また過疎地では、広い家に老人のみが取り残される、あるいは団地も老人のみが取り残されるというふうな状況が出ております。
 そういう一例といたしまして、東京都の目黒区の老人用住宅に関する応募者について、その際どのような方々が応募なさったのか、何人応募なさったのかというふうなことから、今私が申し上げましたことを少し例示させていただきたいと思うんです。
 ことしの二月に目黒区が老人福祉住宅の入居者を募集しましたところ、募集人員が十人に対しまして百七人という十倍を超える方々の応募があったそうでございます。その理由の第一位が、立ち退き要求を毎日受けているという方が六十人です。これは応募者の過半数を占めているということでございます。その次の理由といたしましては、やはり住宅事情が劣悪であるという方が十七人ということでございますが、このような例は東京都の中でどの区でも見られているわけでございます。例えば板橋区では、やはり老人用の住宅の入居者を募集しましたところ、約十二倍の応募者があったというふうな事例が出ております。
 建設省では、こういった高齢者の立ち退きあるいは過疎地における高齢者あるいは単身世帯、困窮世帯あるいはまた障害者の住宅事情に関する実態調査というものをなさっていらっしゃるのでしょうか。なさっていらっしゃるとしたらどのような調査がおありになるのかお答えいただきたいと思います。
#23
○説明員(立石真君) 今、委員の御指摘の高齢者あるいはまた障害者等に対します住宅事情がどういうようになっているかということを直接調査したものはないわけでございますが、全体的な五年に一回行われます住宅需要実態調査というのがございまして、大数的にはつかんでいるところでございます。
 六十三年に行われましたこの調査によりますと、この調査の中では、例えば調査時点より五年前の時点から住宅を移転したことがあるかどうか、そしてまたそれはどういう理由で移転したのかというような調査になるわけでございますが、この調査によりますと、高齢者世帯で五年間に移動した世帯の率は六十五歳以上では九・二%でございます。非常に移動性は少ないわけでございますが、その移動した理由といたしましては、立ち退き要求あるいは契約期限切れ、そういうような移転理由を挙げているのが全国では一七・七%、東京圏では二五・八%と非常に高い数値が挙がっているわけでございます。
 今、委員御指摘のとおり、新聞報道等も私たち読んでおるところでございますが、高齢者の、特に民間賃貸住宅に入居している高齢者の住宅問題というのは、今後高齢者が非常にふえるときだけにその対策を充実していかなければならないというように考えているところでございます。
#24
○日下部禧代子君 ところで、高齢者用住宅というのは各自治体でさまざまな計画がなされているんですけれども、実施に当たって一番問題になるのが用地だということでございます。特に都市部におきましては用地を獲得するということがもう至難のわざだということであります。たとえ用地が見つかったといたしましても、民間の方が資金力がございます。そしてまた決断も早い。つまり、自治体の場合ですと会議を何度か繰り返してということで、やっと決まったというところでも、もう既に民間が買い取ってしまっているというふうな事情もあるということでございます。
 そういったわけで、例えば港区でございますと、老人用の住宅であっても一戸当たりが一億円ぐらいはかかっちゃう。そうしますと、近所の方々が億ションに税金を一億もかけて高齢者をお
入れするのかというふうなそういった声も出てくるということでございまして、とにかく土地の問題というのが非常に大きな課題だということがわかるわけでございます。
 一般的には、民間では家を建てるときには土地は自分で見つけてこいと、それから自治体でこういった高齢者の住宅を建てるときにはやっぱり自治体で見つけなさいというふうなこれまでの国の方針というものを、この際、土地取得というのは国のレベルで解決をするというふうな方策を立てるというふうなことはお考えになっていらっしゃらないでしょうか。
#25
○説明員(立石真君) 東京等の大都市地域において住宅を建てようとするときに、土地問題が一番大きな壁になる場合が多いわけでございます。ちなみに、都の建設します公営住宅、都営住宅につきましては、昨年度は土地取得がほとんどゼロに近いという状況になっているところでございます。特に今の御指摘の高齢者向け住宅の問題もその一環で考えなければならないというふうに考えておりますが、その場合にいろいろなやり方があるかと思うわけでございます。
 一つは、まず公共的な住宅として建てる場合には、これまでの公共住宅の建てかえという中でそれを高度利用する形で住宅の戸数をふやす。土地を生み出したのと同じであろうと思いますが、そういうことが積極的に行われる必要がありますし、また国公有地等の活用、あるいはまた御指摘の一部にございましたが、企業等が保有していた土地で土地利用転換をしようとする土地を、できるだけそういうような公共住宅に振り向けられるようにすること等が一つの解決の方向であると思います。
 また民間の持っている土地に民間が建てる、あるいは民間と協力して、例えば民間の建てたものを借り上げる等の措置を講じまして、民間と協力してそういう施設を、高齢者向け住宅等の公共住宅を提供するということが第二番目でございますし、また民間で行う事業を奨励するという形で対応するのも第三の道かと思っております。こういうような施策を組み合わせ、あるいはまた積極的に推進する形で対応していきたいと考えているところでございます。
#26
○日下部禧代子君 民間との協力ということを今おっしゃいましたけれども、例えば高齢者用住宅では借り上げ方式というのがございますね。ところが、民間のアパートというのは大体において新築マンションなどは若向きに設計されておりまして、高齢者あるいは障害者の方がなかなか住みにくい。それからまた高齢者を入居させるということになりますと、もうやはり民間の方から、先ほど申し上げましたようにノーサンキューということになってしまうということもあるそうでございます。
 そういったことに関しまして、これは自治体レベルで工夫するというのには限度があるというお声をよく聞いておりますが、国として何らかの対策をお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
#27
○説明員(立石真君) 御指摘のとおり、最近建設されているものは、マンションあるいは単身者の入りやすい住宅は若向きの設計になっているものが多いと私も思っております。今後の政策の展開といたしましては、やはり高齢者の住まえるような住宅を供給するというテーマを掲げて、そのもとでどういうふうに施策を実施していくかということをはっきりと社会的に認識することがまず第一段階であろうかと思います。
 そして、最近自治体等で非常に熱心にこういう施策にも取り組むようになってきたわけでございますが、例えばその上の団体である東京都とか都道府県も最近は住宅政策について政策を掲げるようになってきております。地方公共団体あるいは地方自治体と協力して、国でもそういうような施策を掲げるべく努力していきたいと考えておりまして、第六期住宅建設五カ年計画の設定を進めている段階ではございますが、そういう中でもこういう対策について明らかにされていくだろうと考えているところでございます。
#28
○日下部禧代子君 自治体の方々に伺いますと、どうも国からの資金援助も規制が非常に厳しいということを承っておりますけれども、この点はいかがでございますか。
#29
○説明員(立石真君) 高齢者向けの住宅というのにつきましては、これまで公共住宅の中で対応する形で行ってきたわけでございますが、まだ先ほど申しましたようないろいろな形の高齢者対策の住宅を建てるのについては確立した政策になっていない段階だと思っております。具体的に地方自治体等からの声も吸い上げまして、国としても積極的に対応してまいりたいと思います。
#30
○日下部禧代子君 質問を変えますけれども、日本における国有地あるいは公有地の割合というのはどのくらいでございますか。例えばスウェーデンなどでございますと七割ぐらいが国公有地になっておりますけれども、日本の場合はどのような割合でございますか。
#31
○説明員(立石真君) 実はデータを持っていないのでお答えできないのでございますが、大都市地域等でかつ国公有地でも、例えば住宅等の施設に提供できる土地があるかどうかといいますと、非常に限られた面積であろうかと思います。
#32
○日下部禧代子君 限られた面積というお答えをいただいてしまいましたけれども、国公有地を自治体に優先権を与えるというふうなことは現在行われておりますか、そしてまた、それはどの程度優先権が与えられているのでしょうか。
#33
○説明員(清水一郎君) お答え申し上げます。
 国公有地の利活用につきましては、昨年十二月に土地対策関係閣僚会議で当面の実施方針というのを申し合わせてございますが、その中で平成二年度中に国公有地の利用状況をチェックして、それに基づいてその利活用計画等をつくっていこうという方針が示されているところでございまして、その結果の出ぐあいによりまして建設省としてもしかるべき対応をしてまいりたい、このように考えている次第でございます。
#34
○日下部禧代子君 次の質問に移ります。
 たとえ住宅があったといたしましても、高齢者とか障害者にとってはその住宅の設備ということが非常に問題になります。例えばこれは他の国、いわゆる先進国というのを見ますと、そのことに対してさまざまな法律上の取り決めとか建築法を改正するとか、あるいはガイドラインをきちっと決めているということがあるわけでございます。例えばスウェーデンの場合ですと、いわゆるバリアフリー条項というものを入れて一九七五年に建築法を改正いたしました。それからまた、イギリスですと老人用の住宅、御老人がお入りになる住宅ですと、棚の高さからあるいはドアの取っ手、それから調理器具、もちろん階段のこともそうですけれども、床についても、浴室、あらゆることにつきましてすべてに法的に基準を定めているわけでございます。こういう点、日本は建築法にどの程度定められているのでしょうか。
#35
○説明員(立石真君) 高齢者になった場合には身体機能が低下するわけでございますが、これらを配慮した住宅の整備を進めていくことは非常に重要な課題であるというように考えておるところでございます。これまでのところでは、例えば公共住宅等におきましては段差を解消するとか、あるいは床を滑りにくくするような仕上げをするとか、あるいは手すりをつける、落とし込み浴槽といいますか、浴槽というのは縁が高いと入りにくいので少し低いものにするとか、いろいろな施設計画を考えた高齢者向きの住宅の供給を行っているところでございます。
 先生御指摘がございましたが、外国においては一部のところでそれらを公共住宅にとどまらず一般の住宅に、あるいはまたホテルあるいは集会場のように人の集まる建築物にこういうようなことを広く義務づける規定があることも存知しているわけでございますが、これまでの住宅あるいは建築政策といたしましては、そういうような高齢者の使いやすいような建築にするにはどういうことを満たせばいいかということを国の方でまとめま
して、地方自治体に対しても、あるいは建築設計、監理、工事をする人に対しても、そしてまた住宅建築の建設者に対しましても広く知ってもらい、できるだけそういうものを実現するように指導、要請しているところでございます。
 さらに、最近では一部の地方自治体におきまして、高齢者向けの住宅に限らず、すべての住宅あるいは建築物等にそういう配慮を行うように指導要綱等によって義務づけてきているところもある段階でございます。こういうような情勢を踏まえまして、今後、住宅宅地審議会等での御議論をいただき、高齢者住宅対策としまして大きな課題として取り組んでいきたいと思います。
#36
○日下部禧代子君 ことし三月に豊島区が行いました「福祉のまちづくりモデル地区整備推進計画」ということの一環といたしまして、いわゆる豊島区の高齢者とかあるいは障害者がどのように住みやすい町であるかどうかということを豊島区が調査した結果、御承知だと思いますけれども、それを拝見いたしますと、調査対象は官公庁、教育・医療機関などの公共的な建物、それに道路、それから公園、公共交通機関というふうな四つに分けまして、それぞれ良、可、不可というふうな総合評価をした結果が出ております。
 それによりますと、例えば公共的建物、これは官公庁も含めましてですけれども、出入りのスロープとか車いす専用のトイレとか、高齢者あるいは車いす利用者のいずれも利用が困難だという不可というのが七八%に及んでいる。それから医療施設では不可が一〇〇%だそうです。それから公園ですとまた不可というのが八九%。道路は不可が二三%。公共交通機関ですと車いす利用者というのは全く使用不可能である。例えばプラットホームへの移動、エレベーターとかエスカレーターはないし、それから車いす用のトイレもないというふうな結果が出ております。
 豊島区の福祉課に問い合わせいたしましたところ、建築法の改正というふうな国レベルでの対処というものをやっぱりどうしても基本的にしてもらわなければならないんじゃないかというふうなお言葉も出たわけでございますが、今のこの調査などをお聞きになりまして、新たに建築法を改正しようというふうなそういうふうな気運はおありになるでしょうか。あるいは住宅だけではなくて、都市計画ということに関しましてもそういうお考えがおありでしょうか。
#37
○説明員(清水一郎君) 委員お示しのとおり、高齢者とかあるいは障害者が安全で快適な生活を営めるというふうにするということが非常に重大な課題である、このように私どもも十分認識しているつもりでございます。
 このために各種の施策を展開しているところでございますが、例えば高齢者あるいは身障者同居世帯に対しましてしかるべき設備に対応するために住宅金融公庫の割り増し融資を行うとか、あるいは先ほど立石審議官のお話にもございましたような設備上の対応を指導等を行っていくことであるとか、あるいは公営住宅、公団住宅等への優先入居、さらに道路の整備に際しましても歩道の切り下げを行う、あるいは官公庁施設へのスロープの設置等々、できるだけのことは実施しているつもりでございます。しかしながら、委員お示しのとおりまだ十分でない点が多々あろうかと思いますので、今後ともこうした施策の推進に積極的に努めてまいりたい、このように考えている次第でございます。
#38
○日下部禧代子君 最後にお尋ねいたしますが、わずかな時間でございましたけれども幾つかの例をお示しいたしまして、高齢者あるいは障害者が住めるような住宅というものを確保するということはこれは日本全体の居住水準を上げるということにもなるんではないか、それと同時に、いわゆる社会的経費を節約するということにもなるんじゃないかという気がするわけであります。
 御承知のように、日本の病院における平均在院日数というのは先進国一長うございます。とりわけ高齢者の入院日数というのは非常に長いわけです。そこでいわゆる社会的入院ということが問題になって、さまざまな厚生省関係では改正がなされているわけでございます。また寝たきりということも、その要因というのはもちろん脳血管障害ということが一番主ではございますけれども、住宅がちゃんと、きちんと整備していないがゆえに転んで、高齢者の場合ですとちょっとした転んだことが非常に大きな骨折になります。そのことが寝たきりの要因になっているということ、もうこれはさまざまな調査が証明しているところでございます。
 そういったことを考えますと、住宅というのは今まで資産という形で、そういった観点でとらえられておりましたけれども、いわゆる社会の活力の源になるというそういった観点で住宅政策をとらえ直すということが、本格的な高齢化社会を目前にいたしまして今建設省にも求められているんじゃないかなという気がするわけでございます。ちょうどいわゆる五カ年計画の策定の時期だというふうに伺っておりますが、その中にどのような形で高齢者あるいは障害者の住宅あるいは町づくり、都市計画でございますね、それを位置づけていらっしゃるのか、どのような枠組みをつくっていらっしゃるのか、建設省のお取り組みを具体的にお伺いしたいと思います。
#39
○説明員(立石真君) 委員の御指摘のとおり、今後の高齢化社会を考えますと、特に住宅段階で高齢者が住みやすいように、また安全に住めるように、そして費用的な面からも住みやすいようにしていくということは非常に重要な課題だと考えております。
   〔会長退席、理事宮崎秀樹君着席〕
 住宅建設五カ年計画を前にして、現在住宅宅地審議会で御審議をいただいているわけでございますが、そこに提出しました事務方からの問題意識あるいはいろいろなデータ等につきましては先生方も熱心に御検討をいただいているところでございますので、その答申の中にはこれらの観点からの御指摘が入るものと思っているところでございます。
#40
○日下部禧代子君 どうもありがとうございました。
#41
○刈田貞子君 私は、内外価格差の問題について、公的規制のあり方をめぐってお伺いしたいと思います。昨年の十一月と本年四月と二度にわたって出ましたところの行革審の「公的規制の在り方に関する小委員会報告」、これを中心にお伺いしてみたいというふうに思います。
 まず、内外価格差の本題に入る前に、昨年十一月、「公的規制の在り方に関する小委員会報告」が出されておりますが、その中で、日本経済が直面する重要課題というようなことが書かれてある「今後の推進に当たっての基本的考え方」ですね、「@国民生活の質的向上、A産業構造の調整、B制度の国際的調和」という当面する重要課題を挙げておられます。A、Bについては日米構造協議等で一応の中間的話し合いがついたというようなことで、七月の最終話し合いに向けて今いろいろな形で日米間で特に動いていると思うんですが、
   〔理事宮崎秀樹君退席、会長着席〕
@の「国民生活の質的向上」という問題についてお伺いしてみたいと思います。この質的向上とはどういうことを頭に置いて言われているのか、まずお伺いいたします。
#42
○説明員(西村正紀君) お答えいたします。
 昨年の十一月の行革審の「公的規制の在り方に関する小委員会報告」で、基本的に日本は経済力等につきましては世界最高の水準になっておるけれども、内外価格差とか労働時間の短縮等の問題につきましては消費者の利益あるいは豊かさを実感できるにはまだ不十分ではないか、こういうような認識のもとに、これから内外価格差の縮小とか労働時間の短縮、住宅環境の改善、多様で質の高い教育、医療、文化等社会的サービスの充実を図っていく必要がある。そのために、一つは民間活力が大いに発揮されるよう規制緩和等を進めていく必要があるということを報告で指摘しておるところでございます。
#43
○刈田貞子君 これは企画庁の資料だと思うんですけれども、一九八六年のベースで「生活の質」ということの資料を挙げておられまして、ここでは企画庁は犯罪率とか検挙率とか所得分配、それから住宅、平均床面積とか、年間労働時間、今おっしゃった年間労働時間あるいは生計費、それから公園面積、一人当たりの割合、あるいは大都市街路樹のあり方とか、いろいろ数字でデータを並べて、そして日本の質的、社会的状況というのがアメリカあるいはEC諸国に比べて数字で非常に低いというようなことを挙げておられるんですが、今おっしゃられたように、そういう国民生活の質的な向上を目指すということのための内外価格差の是正ということが大きな問題だろうというふうに思います。
 実はこの問題だけでもかなり論議していかなければならない論点があるというふうに思っておりますけれども、三十分しか時間がないので次に進めてみます。
 次には、ことしの四月十八日に出された方の答申、行革審最終答申で、本論の公的規制の問題に入るんですが、「公的規制の廃止・緩和と民間部門の活用」というようなところの表現で、「規制緩和を行政改革の最重要課題の一つとし、公的規制の実質的半減を目指し、」というふうに言っておられますね。そこで、この実質的半減を目指すということは、国、地方を通じての話でございますけれども、どういうものを目指して半減するとおっしゃっておられるのか、お伺いします。
#44
○説明員(西村正紀君) 答申での「実質的半減」と申しますのは、単に許認可の数を形式的に減らすというようなことではなくて、国民生活や経済の面で効果が本当に半減するというようなことを目指して大幅な規制緩和に取り組むべきという趣旨で答申が出されたものと理解しております。
#45
○刈田貞子君 公的規制と一口に言ってもかなりいろいろな範疇に及ぶわけですよね。価格の規制の問題であるとか参入規制の問題であるとか、あるいは価格支持の例あるいは輸入規制の問題とか、公的規制といってもあらゆる分野、ジャンルに及ぶわけですけれども、そのすべての、例えば制度的な問題を一つずつ解決していくというのではなくて、結果として国民生活に及んでくる効果が半分プラスになっていけばいいという考え万ですか。
#46
○説明員(西村正紀君) 国民生活や経済の面で規制が半減したというぐあいに感じられるように、単に許認可を半分にするということではなくて、効果が半減したという実感があるような形で取り組むようにという趣旨だと理解しております。
#47
○刈田貞子君 だから、成果が半分上がればいいということだろうと思うんだけれども。
 しかし、これは非常に言うは易しいがやることについてはなかなか難しいだろうというふうに思うその例として、許認可事項の問題についてそちらにも通告してあるはずですけれども、省庁別の許認可等事項数について六十三年と平成元年の数を比べただけでも、むしろ各省庁の許認可事項が平成元年は前年の六十三年度よりも件数がふえているというようなぐあいになっていますね。一万二百七十八件から一万四百四十一事項にふえているわけですね。そうすると、許認可事項等も大きなこれは公的規制の一環になるというふうに私は理解いたしております。こういう例を一つとってもなかなか半減というような形にこれが進んでいくのだろうかという疑問を持ちますが、いかがでしょうか。
#48
○説明員(西村正紀君) 御指摘のとおり、許認可につきましては、例えば地球環境の保護とかそういうような観点から新たな規制を新設するとか、それから全く国が禁止していたようなものにつきましてこれを民間の事業として認める、その際に許可とか届け出を創設するというような形でふえていくやむを得ない面もございます。
 しかし、答申でも言っておりますように、公的規制の緩和を、実質的半減を目指せということでございますので、政府といたしましては、実は本日の閣議で最終答申に対しましてこれを最大限に尊重して所要の方策の調整、立案を進め、逐次これを実施に移していくということを閣議決定したところでございます。この公的規制の緩和も含めまして、答申の趣旨を尊重して最大限に努力をしてまいりたいと考えております。
#49
○刈田貞子君 済みません、もう一度。本日の閣議で具体的なものが決まったんですか。
#50
○説明員(西村正紀君) 具体的なことではなくて、答申全体を受けまして、これから政府として答申を最大限に尊重して取り組んでいくということを決めたところでございます。個々具体的な取り組みはこれから逐次所要の調整、立案を行いながら進めていくということでございます。
#51
○刈田貞子君 これはあれですか、こうした答申を受けて今後具体的に検討していくというふうに今おっしゃいましたけれども、例えば各省庁所管の課題、それを取りまとめていくのは総務庁がやっていくんですか。
#52
○説明員(西村正紀君) 行革全般にわたりまして全体的な推進を総務庁で行っております。
#53
○刈田貞子君 日銀が出されている資料の中で、公的規制が物価指数に占めるウエートの調査が出ておりますけれども、これなんかを見ますと、卸売物価に占めるウエートが一八%、消費者物価に占める指数のウエート二八%というふうになっていて、公的規制が国民生活、経済に及ぼす影響というのはかなり大きいものがあろうというふうに思います。これを全廃することによってかなりの国内あるいは家計に及ぼす影響というのは出てくるだろうというふうに思うんですが、この辺のところはいかがですか。
#54
○政府委員(田中努君) 昨年の物価レポートにおきまして、公的料金を含みますいろいろな規制のある品目とそれ以外の規制のない品目、こういうことで分けまして物価の国際比較を行っておりますけれども、特に食料品を制限品目と非制限品目に分けた場合ですね、規制品目につきましては東京を一〇〇といたしますとニューヨークで五七であるとか、あるいはハンブルグで五五であるとかいうふうな結果になっております。
 これは当時の為替レートで計算しておりますから百二十八円何がしというレベルでの比較でございまして、最近の水準で比較をいたしますとこの差はもう少し縮まるわけでございますけれども、それにいたしましても規制品目につきまして内外価格差が大きい。それから食料品以外の制度的要因の大きい品目、エネルギー・水道、運輸・通信関係の料金、こういうものを比較いたしましても、やはりこれはものによりまして、制度の異なる国の比較でございますので厳密な比較にはならないわけでございますけれども、一部のものにつきまして我が国の方が割高になっているというふうな結果になっております。
 円高のもとで輸入価格が低下をいたしました場合に、公的規制のある品目がどのような動きをしているか、それから規制のない品目がどういう動きをしているかというふうに時間的な経過につきましても分析をいたして、それをグラフにして示したりしておりますけれども、その結果によりますと、円高になりまして輸入品の価格がかなり急速に低下をいたしました場合、規制のない品目は比較的それに近い姿で価格が低下する、もちろん全部ではございませんけれども、全く輸入品の価格とパラレルではございませんけれども、それに呼応して低下をしている。しかし公共料金につきましては、そういった競争関係が働きませんためと存じますけれども、比較的低い低下率にとどまっている。こういうようなことで政府の規制というのが物価に一定の影響を及ぼしているということを私どもも認識しているところでございます。
#55
○刈田貞子君 そこで、今くしくも公共部門についてはなかなか競争原理が働かないというお話が出たわけですけれども、制度的要因が大きな一つの料金等の硬直化にかかわってきているわけですが、公共料金の問題について少しお伺いをしてみたいというふうに思います。
 これもいただいてある資料で、電気料金、ガス
料金、電話料金等々を物価レポートで見てみますと、我が国の電気料金、これも今お話しのように単純に比較できないんですね。ですけれども、例えば電気料金なんかは日本を一〇〇にした場合はカメリカは七二・七、イギリスが六八・五、西ドイツが七九・五、フランスが五八・八、これはレート等の問題がありますけれども、あるいはまた補助、助成の制度とか税制の問題等いろいろあって、先ほどおっしゃっているように単純比較はできないとは言われますけれども、事実上これだけの差があるということですね。
 これにはやっぱり今言われたようになかなか競争原理が働かないということが恐らくあるだろうと思いますし、電気料金の問題――通産省さん来ていますね。電気料金の問題について言えば、これは九電力による地域寡占化というのがもう固定化してしまっているというような考え方が私はあろうかというふうに思います。したがいまして、こうした問題を抜本的に考え直してみない限りはこういう電気料金等の価格の競争原理なんというものは働かないだろうというふうに思うんです。
 この十一月の段階で出ております「公的規制の在り方に関する小委員会報告」の中で、具体的に電気・ガス事業についての今後の課題。今後の課題ということでは電気料金等の料金原価の考え方を見直すということ、それからもう一つは電気料金の話、通産省さん、分散型電源を含めた電力供給システムのあり方を検討するということが出ておりますね。これは実は電気料金等の問題を私も消費者団体の出身として長年やってきた関係からいえば、この分散型電源を含めた電力供給のあり方、こういう問題は長年言われてきた課題なのでありますけれども、こういう問題も含めて今後電気・ガス事業等のあり方あるいはまた料金制度の見直し、こんなふうなことについて内外価格差というものを下敷きにして考えた場合には具体的にどういうふうな方向をこれから模索していけばいいかというふうにお考えでしょうか。
#56
○説明員(森本修君) ただいま御指摘の点でございますが、まず内外価格差につきましては、委員も御指摘のとおりいろいろエネルギー事情等々の問題がございまして、なかなか厳密な比較が困難なところがございます。
 それから、電気事業、ガス事業は国民生活に密接に関連したエネルギーでございますので、安定供給を確保するということで必然的に大規模な電力施設、ガス施設が必要である、それから末端までネットワークで供給しなきゃいけないということで非常に装置型産業になっているということで、なかなか競争の働きにくい分野であることは事実だろうと思います。ただそういう中で、例えば円レートの上昇であるとかあるいは原油価格の低下というものに対応いたしまして、六十一年六月以来三年の間に四回にわたりまして料金の引き下げを行ってきたところでございます。そういう意味で、今後とも生産性の向上であるとかあるいは経営効率化といったようなことで可能な限り供給コストの低下を図っていくということは当然だろうと思いますし、それから十一月の公的規制緩和小委員会の答申にもございましたような、料金制度面の見直しにつきましては逓増料金制度の緩和を図ってまいりましたし、また季時別、季節別、時間帯別の料金制度といったものを導入して供給原価の引き下げを図るというような料金メニューの多様化ということも考えておるわけでございます。
 もう一つ分散型電源の問題でございまするけれども、これにつきましては現在そういう御指摘もございますので、エネルギー調査会等で将来の電力の安定的な供給の中で分散型電源というものをどういうふうに位置づけていくかということを検討いたしておるところでございまして、それに従って考えてまいりたいというふうに考えております。
#57
○刈田貞子君 公共料金の考え方はいろいろありますけれども、やっぱり何らかの形で競争原理を導入していくということが非常に大切なこれからの課題になっていくだろうというふうに思うんですね。例えば、制度的には規制されていないにもかかわらず行政指導でそれを抑えていくような例として、昨年の四月一日から導入された消費税によって、タクシー代のことを考えていただくとわかるというふうに思うんですが、これはきょう運輸省さんは来ていただいておりませんですが、消費税を乗せない、あるいは内税型にしてしまうというような形で一部の業界ではタクシー代の消費税の取り扱いを工夫していたところがあったはずなんです。それに対して運輸省は同一地域同一運賃であると、だからみんな消費税をちゃんと乗せなさいという指導をした例がありました。
 こんなふうにして、本来競争原理が働くはずの公共料金ないしは公共的料金に対してまでも不本意な行政指導をすることによってあえてその競争原理を抑えてしまうような行政指導のあり方、これは私はまことにいかぬというふうに思うのでありますが、これはどこでしょうか、総務庁さんに伺いましょうか。どこでしょうか、これは。企画庁さんかな、どこでもいい、答弁してください。
#58
○政府委員(田中努君) 私ども公共料金の価格につきましてはいろいろな形で関与させていただいております。ただいま御指摘のタクシー料金につきましては、運輸省は同一地域同一運賃という原則で、そういう行政的な考え方を持ちまして民間のタクシー会社からの料金改定の申請に対して対応しているということは事実でございますが、大阪につきまして、大阪では一部のタクシーで消費税を上乗せしているものと、していないものと混在しているというふうな現実があることは御指摘のとおりであるというふうに聞いております。
 同一地域同一運賃にはいろいろ問題もあるかもわかりませんけれども、タクシー利用者の利便というふうな点から考えますと、どの車に乗りましても同じ料金で行ける。これが仮に決まっていない場合には、一々運転手と折衝して値段を決めるというふうなことになりますと、消費者の利便性というようなことからいってもいろいろ好ましくない結果も出てくるというふうな、プラスマイナス両面を勘案しまして運輸省はそういう方針をとって対応しているというふうに承知をいたしております。
#59
○刈田貞子君 企画庁さん、国センの「国民生活」三月号で、チェーンストア協会の高岡さんが、この公共料金の問題については国の法律または地方公共団体の条例によって決められる認可料金であるが、一つには料金算定基準が極めて保守的であるというような指摘をされています。それからもう一つは料金改定の非弾力性が非常に大きなネックになっているというふうなことを高岡さんはここで書かれています。三月号です。
 私は大変興味を持って三月号は読ませていただいたわけですけれども、そこには今私取り上げましたタクシー料金のことなんかも、私的経営でありながらやっぱり公共的要素を持つということで公共的料金という範疇に扱われるとすれば、ここら辺のところはもっと料金許可のあり方を工夫すればできる範囲のものだというふうに指摘をされておりますので、これはどこがこれから取りかかられるのかわかりませんけれども、運輸省なんかにもこれからも私は指摘していってみたいというふうに思うんですね。
 それとあわせて、電気、ガスのような完全な地域独占事業というふうなものについては、これからその供給のメカニズムあるいは料金算定のあり方について抜本的に考え直さなければならないというようなことを指摘されておりますので、ぜひこれを参考になさって、それでできれば公共料金ももっと競争原理の導入を、たとえ部分的であってもいいから可能なところからやっていくべきではなかろうかというふうに思います。それでないと、公共料金が実は内外価格差を生み出している大きな要因になっているというようなことであってはならないというふうに思うんですけれども、この点企画庁さんいかがでしょうか。
#60
○政府委員(田中努君) タクシー料金の認可に際しましては、申請が出た場合にその内容につきましていろいろと審査をいたしますけれども、その
場合に、料金につきましては標準的な事業者というのを選定いたしまして、標準的なコストあるいは標準的な利潤というものを基礎にいたしまして厳正に審査をするということにいたしております。その審査に当たりましては、経営の徹底した合理化というものを前提といたしまして、物価と国民生活に及ぼす影響というものを十分に考慮した上で厳正に取り扱うという方針で臨んでおりまして、これまでもそうでございましたが、今後ともそういう方向で対処してまいりたいと思っておるところでございます。
 それから、タクシー運賃の決め方、その制度的な問題について御指摘がございましたけれども、これも中長期的な課題として検討していくということといたしております。
#61
○刈田貞子君 それから通産省さんにも申し上げておきますけれども、先ほど、六十一年来電気料金は値下げをしておりますという話で、これは円高差益の還元の話をしていらっしゃると思うんですけれども、これは一般国民の言い分から言えば非常にその値下げ率が少ない、円高差益でどのくらい電力業界はいわゆる資産がストックされたかわからないんだ、こういう話で、いかにもその下げ幅が低いではないかという話がずっとあったのは御存じだろうと思うんです。
 私は、この電力料金のあり方については今まで決算委員会でも予算委員会でも何回もやってまいりましたけれども、そもそも原価計算のあり方からいろいろ課題が多過ぎる、内部留保金の問題なんかについても、分析すれば大変国民に納得いかない部分がたくさんあるんだ、こういうことで、電力料金というのは実は国民の大きな関心事なんです。しかも、民生向きの電力料金よりは産業向きの料金体系の方がより安い体系でできているというようなあり方についてもいかがなものだろうか、こんなふうなことがありました。そして電気料金、ガス料金の問題を論議するとき、必ずいつも業界の側に立ってこれをガードしているのが通産省だという話が出ておりますので、その辺、今後も内外価格差をなくしていくためには通産省もかく努力をしていきたいという抱負あるいは方途がおありになるのならそれをお示しいただいて私の質問を終わります。
#62
○説明員(森本修君) 確かに委員御指摘のとおり、国民生活に密接な関連のある料金だけにいろいろな御批判があることは事実だと思いますし、内外価格差の問題が指摘されていることも事実だと思います。
 そういうことを十分念頭に置きまして、私ども、独占の中でぬくぬくとしているというような批判を受けないように料金制度の厳正な運営というものを図っていきたいというふうに考えております。
#63
○近藤忠孝君 政府・与党内外価格差対策推進本部の当面の具体的な方策の第一は、調査、実態把握、そして「所管業界対し価格情報の提供その他所要の措置を講ずる。」、こうなっております。ただ調査、実態把握といっても、一般的な調査の程度のような気がしますし、実際これによって具体的に物価を下げることが可能なのかどうか。「その他所要の措置」とは何か。具体的に、個別に不当な価格があった場合に行政として踏み込んで引き下げをさせるのかどうかということが問題だと思うんです。
 この点に関して、四月二十日の議論の中で通産省の発言がこういう発言なんです。自由経済体制のもとでは価格にまで行政が立ち入った規制を行うことには限界がある。企業側の自主的な努力に期待し、お願いしているところでありますと。要するに何もやらぬということです。具体的に不当な価格がありあるいはその情報提供があり、それをつかんだとしましても、企業側の自主的な努力に期待しあるいはその自主的な努力をお願いするというんだから、何もやらぬということですね。
 私は、通産省が引き下げ命令とまではそれはいかぬと思います、今の体制のもとでは。しかし、行政が積極的に踏み込んで指導を行う、そして不当な価格を引き下げるようにもっと積極的な対応をするということが可能であるし、またそれを行うべきじゃないのか。私は、具体的な例は申しませんけれども、つい最近、そういった情報を提供し、通産に頑張ってもらった例もあるんですけれども、この点いかがなものでしょうか。
#64
○説明員(岩渕恒彦君) 御説明いたします。
 先日お答えしたとおり、政府として民間企業の価格に直接措置を講ずるというようなことには限界があるわけでございます。この立場は私ども現在でもそういう立場をとっております。しかしながら、内外価格差問題は非常に重要な問題であります。そういうことも私どもは踏まえまして鋭意調査を行っておるところでございますが、具体的には、消費者に対しまして情報を提供するということを積極的にやっておりますのと並行いたしまして、内外価格差が認められた業界に対しましても適切な対応を図るように、こういうお願いといいますか、要請をしているところでございます。
 具体的には、三月に価格差が認められました三十業種を対象といたしまして業種ごとの説明会を開催いたしまして、内外価格差の問題の状況、調査結果等について説明を行うとともに、本問題への適切な対応というものを要請しているところでございます。
#65
○近藤忠孝君 適切な対応を要請しているというんだけれども、私はまだ随分及び腰だと思うんです。基本的に、さっき言ったような価格にまで行政が立ち入った規制を行うことはできないという姿勢にまず立っちゃうとなかなか積極性が見られないと思うんで、これはもうちょっと踏み込んだ対応をしてほしいという要望をしておきます。またこの調査会としてもその辺についてはこれからも検討していきたいと思っております。
 それから、「公的規制の在り方に関する小委員会報告」の五十二ページ、これは公取と通産両方にお聞きしますけれども、こういう指摘があります。「一般に国内市場において少数の企業が高いシェアを占める場合、その企業の価格政策によって国内価格が高めに設定されるケースがあり得る。」というところです。
 これは私、前々回のこの調査会でも指摘したんですが、いわゆる寡占ですね、我々に言わせれば独占価格。まさにここにこそ日本の内外価格差の問題があるんで、それは単に「高めに設定されるケースがあり得る。」なんというものじゃなくて、実際にあるんです。まさにそれが一番中心なんで、その実態をまずつかみ、そしてそこに踏み込んでいくことが必要じゃないか。それで、その実態をつかんでいるのかということに対しては、つかんでおりませんと。これは総務庁の答弁だったので、担当省庁に聞いてみますと、その後文書で回答がありまして、担当省庁でも調べていないんだと言うんです。私は、やっぱり不当な価格つり上げの大もとで、まさしくここにこそ内外価格差の元凶というべきものがあるんだと思うんです。
 実際、例えば自動車なんかでも、物品税が下がったから当然それ相応に価格が下がっていいんだけれども下がっていないし、いわばこれはメーカーが流通まで支配する体制がありますから、ここにこそこれは問題があるのだと思うんですが、こういう分野について実態を把握していないで、どうして内外価格差対策と言えるのかどうか、公取、通産、それぞれお答えいただきたいと思います。
#66
○説明員(新庄忠夫君) 御説明申し上げます。
 ただいま先生御指摘されましたとおり、確かに高度寡占と言われております産業におきましては非常に価格が硬直的である。時といたしまして同調的な値上げ、こういったものも見られるところでございます。
 独占禁止法は昭和五十二年にこういった問題に対処するために法改正が行われまして、幾つかの寡占産業を対象にいたしまして価格の動向をチェックする、同調的な引き上げが行われました場合に企業から報告をとりましてそれを国会に御報告申し上げる、こういう制度ができております。したがいまして、公正取引委員会といたしましては、この制度にのっとりまして常々寡占産業
の価格の動向を監視しております。そういったところで業務をやっております。
 以上でございます。
#67
○近藤忠孝君 そうすると、実態を把握したものはあるんですね。それは当調査会へ提出していただけますか。
#68
○説明員(新庄忠夫君) 企業が値上げをいたしましたときに、私ども、例えば卸売物価指数でございますとか、あるいは業界紙、こういったもので動向をチェックいたしておりまして、それで値上げをいたしましたときに、仮にその企業が同調的な値上げをするということになりましたときに企業から報告を求めるわけでございます。これは独占禁止法の十八条の二という規定がございまして、これに従って処理しておるわけでございます。その値上げの理由を企業からとりまして、これの概要を国会に御報告申し上げており、これは通常年次報告でやっております。
 以上でございます。
#69
○近藤忠孝君 だから、それはカルテルの疑いがあった場合にそれを発動するということであって、常時一般的なものではないと思うんですね。私は常時その状況を把握すべきだと思うんです。そして政府・与党の対策は、結果的に全体的に見てみますと、調査とその公表、それから規制緩和、輸入促進、大体これに尽きると思うんです。しかし、私が今指摘したように、いわば寡占化した大企業の独占価格を規制して、やっぱり常時費用の水増しや利潤のごまかしあるいは不当な価格つり上げ、これを抑えることが必要だと思うんですね。
 そこで、これは具体的な提起でありますけれども、そのために独占企業に対して原価それから資金運用その他資料を公正取引委員会に、これはカルテルの疑いがある場合じゃなくてもそういう必要な資料を公取委に報告することを義務づけること、これをやるべきではないのか、まあ法改正が必要かと思いますけれども。そしてそれを公表させる、と同時に、これは我々国会の問題ですけれども、独占価格つり上げを取り締まるために国会に大企業製品の原価などを調査できる機構、そしてそれを引き下げるための体制をつくるということが必要だと思いますが、まあ後半は国会の問題かもしれぬけれども、前半についてはどうでしょうか。
#70
○説明員(新庄忠夫君) 御説明申し上げます。
 ただいま原価の公表の制度でございますが、先ほども御説明申し上げたのでございますけれども、昭和五十二年にいわゆる寡占の弊害に対処するということで独占禁止法の法改正が行われましたわけでございます。その際、原価公表につきましても検討がなされたという経緯がございます。その際、原価はやはり企業にとりまして競争の最大の要素である、これを公表させるということになりますとかえって競争を阻害させる可能性もあるというような御議論、あるいは原価を公表いたしましても必ずしも値上げの抑制力、抑止力として働かない、場合によってはそれを正当化させる可能性があるというような御議論もございました。さらに、国際的に見ましても我が国だけが原価の公表をするということは問題が多いんじゃないかというような御議論がございまして、結局原価公表制度は取り入れられないということになったという経緯がございます。
 現在におきましてもこういった問題点は事情は変わらないというふうに私ども認識をしておりまして、したがいまして、原価公表の制度、これを取り入れるといったようなことは今のところちょっと考えておらないということでございます。
#71
○近藤忠孝君 輸入促進、関税引き下げの問題は時間の関係で省略して、大店法問題に入ります。
 既にこれは現在でも大型店舗の進出で日本の小売業界は大激変の渦中にあると思います。私は四月十五日から十六日にかけて富山県内の調査を行いました。具体的に富山市北部でしたが、北の森ショッピングセンターが出店したことによって地元の岩瀬地区商店街は大打撃を受けています。ここは古くからの伝統ある商店街であったけれども、客の流れが変わって売り上げが減って、閉店が次々に相次いでいる。商店街というのは一店で成り立つものじゃなくて、いろんな分野の店の総合で成り立っているので、一つ欠け二つ欠けてまいりますと他の商売が成り立たなくなってくるという連鎖反応が起きまして、大変な状況です。
 出店の際に、この地域にどういう影響が出るかという予測調査が行われまして、この予測が極めて正確にあらわれているという大変不幸な事態になっておるわけですね。もともと現行大店法自身が私はざる法だと思っておりますが、大体届け出すればいずれは調整だけで出店が認められるわけですから。しかし、それでも一定の効果はあった。ということは、私はこの規制を強化すべきでこそあれ、そのざる法をざるさえ取っ払っちゃったならば日本の零細小売業者は死ねということになるんじゃないかという点が一つ。
 それから、規制緩和の理由として大型店の方が価格が安い、それから零細小売業は輸入品を扱わないというんですが、私は事実に反すると思います。事実は逆だと思いますね。今、世を挙げて消費者の利益にもなるというキャンペーンが行われておるんですが、消費者の立場に立っても決して利益になっていない。だから、そういう価格の問題、輸入品の問題を実際どうつかんでいるか。
 それからもう一つの問題は、この大店法の規制緩和が貿易摩擦の緩和にはすぐ役立たぬということは先日衆議院で通産大臣認めておるわけです。となると、これは外圧を利用した日本の流通大企業の要求の実現という面が極めて強いんじゃないか。
 この三点について端的にお答えをいただきたいと思います。
#72
○説明員(中名生隆君) お答え申し上げます。
 先生からただいま三点御質問をちょうだいいたしましたが、まず最初に、中小商店への影響という問題でございますけれども、大型店が出店いたしました場合に中小小売商業に与える影響という点につきましては、出店いたします大型店の規模でございますとか、事業内容あるいはその立地点、それから周辺の中小小売商業の経営状況というようなものによりまして影響はさまざまであろうかと思います。大型店の出店によりましてかえってその商店街全体としての魅力が増すという場合もございまして、お客さんがふえるという可能性もございますけれども、また御指摘のように周辺の中小小売業者の経営に影響を与えるという場合も考えられます。
 今回、日米構造協議の中間報告に盛られました大店法に関する措置の中には、中小小売商業に少なからぬ影響を与えるものもございます。今後の実施に当たっては痛みを伴うということも予想されるということでございます。したがいまして、通産省といたしましては、これまでにも元年度の補正予算あるいは平成二年度の予算におきまして一層の中小小売商業対策というものを講ずるために必要な予算を計上しているところでございますけれども、今後さらに思い切った支援措置というものを講じてまいるという所存でございます。
 それから第二点でございますけれども、大型店とそれから中小小売店との間で価格がどうなっているか、それから輸入品の扱いがどうかということでございます。
 輸入品につきましては、その主体別に統計的に一義的に把握をするというのは統計上の制約がございまして、なかなか大型店と中小小売店との比較というものが難しいという状況でございます。それからまた、価格の問題につきましても、そのお店の形態それから商品の種類等によりまして一概に比較をするということはなかなか難しゅうございますが、一つのデータといたしまして総務庁の方が行われました全国の物価統計調査報告というような数字を見てまいりますと、大型店の中で、百貨店の場合というのは扱っている商品からいって高いわけでございますけれども、大型のスーパーチェーンの場合というのは、概して申し上げますと一般の小売店よりも安いというような
データ等もございます。いずれにいたしましても、多様な業態の小売業というものが価格、サービスといったような面で競い合いまして、消費者の選択の余地が広がるということは消費者にとって望ましいことではないかというふうに考えてございます。
 それから第三点でございますが、今回の措置というものが日本の製品輸入の増大に結びつくかどうかという問題でございますけれども、これは現実に製品輸入の増大に結びつくかどうかというのは、消費者がどういう商品に対する選好を持っているかという問題、それからもちろん売り手側の方の販売努力がどうかというような要因がございますので、現実にどのくらいふえるかというのはなかなか一概に申し上げられないというところかと思います。
 この大店法の問題につきましては、日米構造協議の場でアメリカの方からもいろいろ御指摘があったところでありますけれども、私どもといたしましては、流通問題というのが我が国の経済発展の成果というものを国民生活の質的充実に結びつけていくという意味で、構造協議の前の既に昨年の六月にいただきました審議会での「九〇年代流通ビジョン」にも指摘されているそういう方向に沿って主体的に取り組んできた、そうして結論を得たものである、こういうふうに考えてございます。
#73
○乾晴美君 本日、一九八九年度の消費者物価騰落率が発表されておりますけれども、全国の指数の実数は対前年比でどれぐらいになったのでしょうか、お教えいただきたいと思います。
#74
○政府委員(田中努君) 本日、閣議終了後に三月の消費者物価指数の全国の数値が発表になりました。それによりますと、前月比で〇・四%の上昇、前年同月比におきまして三・五%の上昇となっております。生鮮食品を除いた総合につきまして季節調整済みの前月比をとりますと〇・二%の上昇でございまして、生鮮食品を除く総合の前年同月比は三・一%の上昇となりました。この結果、平成元年度の全国消費者物価総合指数の上昇率は二・九%の上昇となっております。
#75
○乾晴美君 一九八九年度の消費者物価騰落率というのは当初の見込みでは二・〇%程度だった、その後上方に修正されて二・七%となってきたわけですけれども、ただいま説明がございましたように、それぞれ三・五%であったりまた二・九%というようなことは非常に大きな差があると思います。こういったような政府見込みと実績との違いというのはどういう原因で起こってきたのか、お教えいただきたいと思います。
#76
○政府委員(田中努君) 当初経済見通しにおきましては、経済成長率につきまして実は四%と見ておりましたが、それが最近の、最近のと申しますか、昨年末の実績見込みといたしましては四・六%に上方修正されておりまして、このように経済全体の拡大の力強さが当初の見通しよりもかなり強まっている、こういう状況が一つあったかと思います。そうした状況のもとで消費者物価に直接関連する要因の変化もまたございました。
 それにつきまして申し上げますと、まず為替レートでございますけれども、これが当初見通しにおきます想定といたしましては一ドル当たり百二十三円という想定をいたしておりましたけれども、これがかなり円安に振れまして、平成元年度平均で百四十二円八十二銭というふうなかなり円安の水準になったわけでございます。それから原油価格でございますけれども、これも当初見通しにおきましては、これは輸入の通関、CIFのベースでございますけれども、一バレル当たり十五ドルというふうに想定をいたしておりましたけれども、その後強含みに推移をいたしまして、元年度の平均では十七・八六ドルというふうに値上がりをいたしたわけでございます。
 それからもう一つの点といたしましては、天候要因が働きまして、元年度におきましても天候不順ということで、生鮮野菜等も元年の春と秋、それからことしに入りまして年初に高騰をいたしまして、こういった要因も作用しているというふうに考えられるわけでございます。
#77
○乾晴美君 わかりました。いろいろな要因で変わっていくということだと思います。
 それでは、労働省の方にお聞きしたいんですけれども、一九八九年度の春闘における労働者の賃金引き上げ率は何%になっていたのでしょうか。
#78
○説明員(大久保良香君) お答えいたします。
 労働省で行っておりますのは、集計対象が原則として東証、それから大阪の一部上場企業のうちの資本金二十億円以上、従業員千人以上の企業で労働組合のある二百九十社を対象といたしておりますけれども、一九八九年の春闘時における賃上げ率は五・一七%、それから額を申し上げますと一万二千七百四十七円となっております。
#79
○乾晴美君 ありがとうございました。
 それでは、一九八九年の十一月ごろから本年の初めにかけて公務員の退職年金だとか民間労働者の厚生年金に対する掛金、保険料が引き上げられたと思います。これで本人負担分がそれぞれどれぐらい引き上げられたか、パーセントを教えていただきたいと思うんですけれども、まず共済掛金の国家公務員男女別、それから共済掛金の地方公務員の男女別、そして厚生年金の男女別のパーセントをお教えいただきたいと思います。
#80
○説明員(乾文男君) 私ども大蔵省で所管しております国家公務員の共済掛金について申し上げますと、今、委員御指摘の元年十一月以降の掛金の引き上げはございませんが、その前、元年の十月一日からいわゆる財政再計算を行ったことによる掛金の改定を行っております。
 その数字を申し上げますと、一般公務員につきましては、それまで平均標準報酬の千分の六十一・三であった掛金率が千分の七十六に引き上げられております。国家公務員の共済掛金につきましては男女別の区分はございません。
#81
○説明員(石井隆一君) 御説明申し上げます。
 昨年十二月一日付で財政再計算を行いまして、地方公務員と申しましても幾つかのグループに分かれますけれども、最も多い地方公務員共済組合連合会に属する一般組合員について申し上げますと、報酬ベースで従来千分の五十五・二であったものが千分の七十・四となりまして、千分の十五・二引き上げられております。
#82
○説明員(松本省藏君) 御説明申し上げます。
 民間サラリーマンの方々が加入していただいております厚生年金でございますが、昨年の年金法改正によりまして平成二年一月から保険料率の引き上げを行っております。従前は、一般男子につきましては本人負担分が六・二%でございました。これを平成二年一月から七・一五%へ、引き上げ幅は〇・九五%でございます。女子につきましては従前は五・九五%、平成二年一月からは六・九%へ、これも〇・九五%の引き上げ幅でございますが、いずれも引き上げを行ったところでございます。
#83
○乾晴美君 ということになりましたら、労働者の賃金が五・一七%上がったというけれども、消費者物価が三・五と二・九、さらに年金の掛金も今お聞きのように保険料率も上がっているわけですね。こういうことにまだ含まれていない地代の上昇率を加えると実質的な可処分所得というのはゼロに等しいんじゃないかというように思うわけです。そうすると、多くの国民や労働者というものは、非常に経済大国だと言われておりましても、生活にゆとりと豊かさということは実感できていないということがはっきりわかるわけです。このような点につきまして、政府の反省なり今後の対策に向けてどのようにしたいとお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。
#84
○政府委員(末木凰太郎君) 数字の問題としましては今それぞれ所管のところからお答えしたようなことでございますから、これを差し引き計算していきますと勤労者の手元にどれだけ残るかというのは算術の問題として出てくるわけであります。ただし、今のような掛金につきましては、そのままの数字、物価と同じ水準で同じような引き算をするのでは多分ないんだろうと思います。標準報酬に対する比率であるとかあるいは雇用主負
担とかいうことがありますが、そういうテクニカルな点は除きまして、目減りをするではないかということであれば、その分は可処分所得の伸びを抑えることは事実でございます。
 ところで、最近豊かさの実感がないではないかということを各方面で言われておりますときに、大方の場合には、所得水準のレベルとしては相当高くなっているけれどもそれにしては実感がないということがむしろ言われているわけでありまして、今そのレベルがどのくらい上がるかということを御議論でございますが、そのレベルが上がればそれだけ豊かになる方向へ行くことは間違いございませんし、そこがストップすることは勤労者の生活を豊かにしていくという面でもちろん歓迎すべきことじゃないわけで、それは手取りがふえていくことが望ましいわけでございますが、より強く言われておりますのは、それとともに大きく言って居住環境、住宅を初め生活関連の社会資本を含めた生活環境、それから労働時間が長過ぎること、そして内外価格差にあらわされるような物価水準の高さでございます。そのほか、もちろんいろいろの指摘も精神面、文化面、環境面、安全面、いろいろあるかと思いますけれども、特に重点的に各方面で言われているのはこの三つだと私どもは受けとめております。
 そういたしますと、今の物価問題あるいは社会保障の掛金の問題等の一番関連してまいりますのは物価ということで考えますと、内外価格差の問題は相当大きな格差があるわけでございますし、この問題を含めて今申し上げたような三つを特に重点的に改善していくということが必要なのではないかと考えております。
#85
○乾晴美君 確かにそういう要件もあるかと思いますけれども、やはり自分が自由に使えるお金といいましょうか、人間として文化的な生活ができるというようなことでも大事なことではないかと思うわけです。
 それで、消費者物価指数というのは、現行の世帯区分を改正したりして、統計対象項目の中にも税金だとか社会保険料だとか地代などとかといったものを含めたものにして、いわゆる生産者側からの指数じゃなくて消費者側からの指数、名前はどうかわかりませんけれども、いわゆる生活実感指数というようなものを出していただけたらというように思うわけでございます。
 次に参りたいと思います。
 先ほど刈田議員からもおっしゃっていましたけれども、電気料金だとかガス料金についての話がありました。本年の四月の新聞をここにお持ちしておるわけなんですが、この新聞記事によりますと、円安になりますと輸入原材料とかそういったコストが上昇することにより物価上昇は免れない、物価は上がるだろうということが全部載っているわけなんですけれども、円高ということになりますとすぐに物価が安くならない、しかし円安になると直ちに物価上昇ということでは、消費者というのは非常に理解しにくいと思うわけです。このようなことに対する政府の見解及び指導について明らかにしていただきたいと思います。
#86
○政府委員(田中努君) 円高が進行いたしましたもとで、その差益の環元、これはかなり鈍かったというふうな受け取り方もございますけれども、その間に公共料金、電気・ガス料金、国際航空運賃等を引き下げまして順調に環元が進んで、現在までにほとんど環元しているというふうに考えておるわけでございます。
 それから、円安が進んだ場合の逆方向に向けての価格の動きが、円高の場合の低下に比べて急速ではないかという御指摘でございます。円安自身は一昨年の十二月ごろから進行したわけでございますけれども、それに対しまして反応が非常に敏感であったかというと、私どもは必ずしもそのようには考えておりませんで、まず輸入価格が円安のもとで上昇する、そういたしますと素原材料価格がまず上昇いたします。
 しかし、これがどの程度のスピードで中間財あるいは最終財に波及していくかというところが波及の速度を決めるわけでございますけれども、今までのところでは素原材料の上昇率が極めて高かったのに対しまして、最終消費財の段階での上昇率はまだそれほど高いとは言えないということでございまして、もちろん円安が一定期間持続をいたしますとその影響が消費者物価に及んでくるということは当然でございまして、私どもそれに対しましてただいま懸念を持っているわけでございますけれども、今までのところではそれほど急速な反応があったということではないのではないかというふうに考えております。
#87
○乾晴美君 消費者といたしましては、円高ではすぐに物価は安くならないのに、円安ではすぐ高くなるなというようなのはもう実感として受けとめておりまして、御説明いただきましたけれども十分納得できないところですけれども、時間がございませんので次に進めさせていただきたいと思います。
 次は、公正取引委員会の方にお尋ねします。
 本年三月にビールの価格を大瓶一本当たり二十円、各社一斉に値上げされました。ビールはだれでもつくれるわけでありませんで、このような寡占業界の値上げについて、カルテルではないのかというような疑問をまた消費者としては持つわけなんですけれども、公正取引委員会の御見解を聞かせていただきたいと思います。
#88
○説明員(新庄忠夫君) 先生御案内のとおり、ビールメーカーはほぼ同じような時期に同じ価格の値上げをしたわけでございます。公正取引委員会といたしましては、このビールの値上げが独占禁止法第十八条の二の価格の同調的引上げとして報告を求めることにつきまして、現在調査を鋭意進めているという段階でございます。
 なお、カルテルが行われているといったような具体的な端緒、これに接したような場合には、法律の規定に従いまして厳正に対処していきたいというふうに思っております。
#89
○乾晴美君 時間がございませんそうで、次に参りたいと思います。
 本年の二月二十三日に、財団法人の消費者教育支援センターというんでしょうか、これが設立されたということなんですけれども、このセンターの活動状況についてお尋ねしてみたいと思うんです。私は、このように消費者が正しい判断で買い物ができるというか、賢い消費者をつくっていくということには基本的には賛成です。センターが行う事業内容についてお教えいただきたいと思います。
#90
○政府委員(末木凰太郎君) 一言だけ、ちょっと背景に触れさせていただきたいんです。
 これは六十一年の九月でございますが、国民生活審議会から文部省の教育課程審議会に対しまして学校における消費者教育について要望を提出いたしまして、その後平成元年三月に学習指導要領が改訂されて、消費者教育が学校において強化されることになったわけでございます。こういったことを背景としまして、この二月、おっしゃるように経済企画庁及び文部省の共管法人としてこの消費者教育支援センターが設立されたわけでございます。
 そういう経緯がございますものですから、消費者教育全般の支援、サポートしていくわけでございますけれども、当面の重点として、学校の生徒、高校、中学あるいは小学校に対する消費者教育の充実のためのお手伝いということに重点を置いております。
 当面、まだスタートしたばかりでございまして、年間の事業規模一億強程度でございますが、早速ことしにおきましては今申し上げた重点に即しまして、これから学校において消費者教育を充実していくためには学校の先生方にまず勉強していただかなきゃならないものですから、指導的な先生方、リーダー的な活動をする人材を養成するということで、この問題についての非常に先進的な経験を持っておりますアメリカのミシガン消費者教育センターという世界的に有名なものがございますが、ここへ私どもの担当官も先般行ってまいりましていろいろ相談をしてまいりまして、全面的ないろいろお手伝いをしていただける、お互
いに協力していくということになりまして、非常に経験豊富な講師をこのミシガンのお骨折りで四、五人の方においでいただきまして、この八月に早速、神戸でございますけれども、消費者教育のための教員養成夏季講座というのを四、五日間やることにしております。
 これを初めといたしまして、この問題についての広く世論の喚起あるいはコンセンサスの確立に向けまして、この三月にもシンポジウムをやっておりますが、そういった啓蒙関係の仕事、それから具体的な教材の作成、それから具体的な教材あるいは人的資源の所在情報にかかわるデータベースの整備等、今年度早速取りかかっていく予定にしております。
#91
○乾晴美君 その費用はどこから出ているんでしょうか。
#92
○政府委員(末木凰太郎君) まず、基本財産は三十三法人から均等に五百万ずつ出資していただきまして、これは会社が三十一社、生協が二生協でございます。
 それから、ランニングコスト、年々の経費といたしましては基金からの果実、それから政府からも若干助成をいたしますけれども、あと賛助会員、これは先ほどの企業それから生協を含めまして、それ以外のところにも呼びかけまして、できるだけこれは一口当たりを小口にして大勢お願いするということで賛助会費を募って、百十幾つかに今なっておりますけれども、賛助会費と今申し上げたようなものの合計で賄うということでございます。
#93
○乾晴美君 今お聞きしましたら、学校の先生だとかリーダーを育てていくと。そういうことになれば、非常に国の行政が大きく関与していかなきゃいけないというんですけれども、ほとんどのお金が企業などから出資されているということ、非常にちょっと疑問に思ったりするんですけれども、いかがですか。
#94
○政府委員(末木凰太郎君) 運営の基本方針はこれは四者協力体制と言っておりますけれども、教育関係、教育界、学界です。それから政府、地方公共団体も含めて。それから産業界、それから消費者団体。発起人もこの四つから成っております。
 今、お金の面ではどうしても出せるところと出せないところとありますものですから、企業のウエートが高くなりますけれども、役員構成とかそれから発起人とかを見ますと、例えば役員構成ですと理事会の約三分の一ぐらいが企業だったかと思います。お金の面につきましても、私どもは政府としてもできるだけ、厳しいシーリングのもとでございますけれども政府としても出していく。三分の一ぐらいは公的、少なくとも当面政府の方でも見たいというふうに考えております。
#95
○乾晴美君 時間が来ているんですけれども、一つだけ聞かせていただきたいと思います。
 今、役員とか構成、そこへ入ってきておる団体の話が出ましたけれども、労働者の関係の方はお入りでしょうか。労働組合の人たちもお入りでしょうか。
#96
○政府委員(末木凰太郎君) 現在の時点では、消費者団体はいろんなところへ広く呼びかけて何団体か入っておりましたが、労働組合の代表という形では入っておりません。
#97
○寺崎昭久君 四月二十日の調査会で、私は法人の所有する遊休地に対する課税について幾つか質問をさせていただきました。残念ながら前向きな回答ばかりではなかったように思いますが、きょうは時間の関係で土地税制について一点だけ最初にお伺いしたいと思います。ぜひ熱意のある御答弁をお願いしたいと思います。
 それは土地の開発利益に関する問題でございます。土地の開発あるいは周辺のインフラが整備されたために土地が値上がりするというのはよくあるケースでありますけれども、私はとりわけ後者の場合に生ずる開発利益というのは、基本的には全部社会に還元すべきものであろう、そう思っております。開発利益にかかわる税制とおぼしきものには、現行土地の譲渡益に対する長短区分による課税というのがあるのは承知しておりますけれども、しかしこれは必ずしも開発利益そのものに着目した税制ではないように思います。
 そこで質問ですが、譲渡益を対象にした課税という考え方ではなくて、開発利益そのものに着目した課税方法、重課というのは考えられないものかどうか。
 二点目は、例えば韓国等で行われておりますように、開発利益還収法といったような税制が我が国でも考えられないのかどうか。この二点について御答弁をお願いします。
#98
○説明員(長野厖士君) 開発利益の社会還元と言われるテーマは、今度の税制調査会の土地税制の検討におきましても当然視野に入れていただきたいと考えている分野でございますし、土地基本法の中で十四条で開発利益の問題を書いております。それから、昨年の十二月二十一日の政府の「今後の土地対策の重点実施方針」の中でもこの問題は触れております。
 ただいまの御質問にストレートにお答えいたしますと、まず開発利益、実はこの開発利益というのをきちんと議論いたしていきますと、何をもって開発利益と言うかというのは大変難しい問題になってまいります。東京の都心部の土地というものは、どの鉄道どの下水道ということなしに、ある意味ではすべてが東京というこの地域の開発利益の受益者であろうと考えられます。したがいまして、極端に申しますと、土地のそのときの価格、その時価というものは結果としていろいろな形の開発利益を反映しておるのではなかろうかというふうに考えます。そこで、土地の譲渡課税におきましては、これは一般の所得税本則よりもただいま若干重い御負担をお願いいたしておりますけれども、そこにはそういう面があろうかと思います。
 キャピタルゲインにつきましては二つの立場がございまして、単なる貨幣価値が下落したことによる利益に対して税金を重く取るのはどうかというキャピタルゲイン軽課論と、それから本人の勤労によらない値上がりというのはむしろ重課すべきではないか、この二つの考えがございますが、事土地に関する限りは私どもの譲渡所得課税はただいまのような形で一般の原則よりはやや重い御負担をお願いしておるということでございまして、この考え方が今後とも支持していただけるかどうかということがございます。
 それから第二点、しかし、先ほど現在の地価というものは何らかの形でいろんな開発利益を反映しておるはずだということを申し上げますと、その反映といたしましてそういう時価を基礎といたします保有課税というものが、広い意味で申しますと先生の御指摘のようなテーマに対する答えになるのかなという感じでございますけれども、もっとそれをだんだんと限定して特定の局面での社会資本の整備といったものをとらまえて直接的な受益との関係を結びつける場合には、開発者の分担金とかいうような仕組みも視野に入ってまいるでございましょうけれども、そういった局面に応じて検討されていくべきテーマかなと考えております。
#99
○寺崎昭久君 ありがとうございました。本来ですとこの問題をもう少し突っ込んでやりたいんですが、時間がありませんので別の件で質問させていただきます。
 去る三月二日、海部総理が施政方針演説の中で、土地・住宅問題に関連して、「東京通勤圏において勤労者が良質な住宅を確保できるよう、この十年間に百万戸を目標に新たな住宅供給を行う」、こういう発言をされております。
 そこで、その裏づけをお聞きしたいわけであります。新たな住宅供給といっても、公営住宅あり、公団、公庫あるいは民間ありと、いろんな方法があるわけでありますが、およそどういう形態でこの百万戸計画を考えられているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#100
○説明員(立石真君) 百万戸住宅建設構想は東京圏を考えておりまして、東京圏の勤労者が良質な住宅を確保できるようにということで、その供給
を重点的に進めたいと考えているところでございます。これらについての具体的な施行者あるいは供給者をはっきりとしたものにはまとめておりませんで、現在それらを詰めている段階でございますが、供給される住宅につきましては、分譲住宅の場合であれば住宅価格についておおむね勤労者の平均年収の五倍程度、また賃貸住宅につきましては、家賃について平均年収のおおむね二〇%程度、それらを目安として各般の施策により供給していきたいと考えているところでございます。
#101
○寺崎昭久君 ただいま年収の五倍程度で持ち家が可能になるようにというお話だったんですが、先日建設省からお示しいただいた資料によりますと、既に東京圏のマンションが五千四百十一万円という数字になっております。御存じのとおり、サラリーマンの年収というのは、六十三年の国税庁の「民間給与の実態」によりますと、五百万円以下が七五%、六百万円以下が八五%というのが実態のようでございます。となりますと、仮に年収六百万といっても三千万で持ち家を考えるというのは少し今おっしゃったことと乖離が大き過ぎるのではないかと思いますが、いかがでしょう。
#102
○説明員(立石真君) サラリーマンの年収についてのただいまの先生の数字がございましたが、私たちがまずサラリーマンの平均年収について毎度申しておりますものは総務庁の行います貯蓄動向調査によるものでございまして、これは京浜地区の勤労者世帯の年収の平均を指しているところでございます。
 それによりますと、勤労者世帯の年収の平均といたしましては、六十三年度では六百八十二万円、平成元年では七百三十万円、平成二年では現在の推計では七百六十五万円と言われているところでございます。これらの数値をもとに、通常平均的な自己資金といいますか積立金等、現在では八百五十三万円と言われておりますが、これらを基礎に先ほどのようなことを考えてみますと、おおむね建て売り住宅については四千万円程度のものを目標にする必要があろうかと思っているところでございます。
#103
○寺崎昭久君 四千万の家を買うというのはこれは並み大抵のことじゃありません。今平均で七百六十五万円というお話でございますが、これはあくまでも平均でありまして、高い人がいるからこういう平均ができるので、私がお聞きしたいのは、やっぱり六百万とか七百万とかお示しされた人が、全体のそれ以下の人が何%になるのか、これが重要なところだと思うんです。
#104
○説明員(立石真君) 各世帯がどういうようなこれまでの資産を持っているか、あるいは貯蓄額を持っているか、そういうようなことは各世帯それぞれの事情があるものと思っているわけでございます。今回の目標で申しておりますのは、各世帯が五倍以内で取得できるということではなくて、どの辺を目標として供給しようかということでございますので、御理解いただきたいと思います。
#105
○寺崎昭久君 これもしり切れトンボで、私もフラストレーションばかりたまっちゃう感じがあるんですけれども、もう一つお聞きしたい問題がありますのでそちらに移ります。
 それは先日の新聞に出ていたことでありますが、公営住宅の入居者の中にかなり入居基準を超える人がいるようだというのが報じられておりました。私がお聞きしたところでは、東京都の公営住宅では三三%、大阪は二五%、名古屋も三三%という高率のような状態でございますが、これが実態なのかどうか、まずお聞きしておきたいと思います。
#106
○説明員(立石真君) 収入超過者の管理戸数に占める割合は、六十三年度末段階では東京都では三五・五%、全国では二四・八%になっているところでございます。実数があるんですが、名古屋圏、大阪圏についてちょっと数値がないので正確にはお答えできないかと思いますので、御容赦をお願いしたいと思います。
#107
○寺崎昭久君 公営住宅には一定の明け渡し基準というのがあるわけでありますけれども、その基準を超えて居直ってというか、居座り続けているのを放置しておくのは私はやっぱり大きな問題であろうと思うんです。
 今明け渡し基準を超えた人に対する措置ということについては、一つは努力義務というんでしょうか、それを課すということ、それから明け渡しを請求するという方法がとられているようでありますけれども、現に三分の一近い人が基準を満たしても明け渡し基準を守っていないということは大変問題であると思いますし、公営住宅というのは国や地方自治体の財源で建てられているわけでありますから、言ってみれば税金が不当に使われているのを放置しておると言ってもいいんじゃないか、そういう大問題だと思うんです。そこで、もう少し明け渡し基準を守ってもらうような強制力みたいなものも考えるのはやむを得ないことじゃないかと思います。
 それから、先日も千代田公会堂の前へ行きましたら、いかにも危険な、多分都営住宅だと思います、そういう住宅がありまして、その中の何割かの人が、多分一割かそれぐらいの人がまだ入居されているのかなという感じがしましたが、こういう人たちに入居を保証しつつ、例えば建てかえるための措置がとれないものか、そんなようなことをふと思ったんですけれども、いかがでしょうか。
#108
○説明員(立石真君) 公営住宅は低所得階層を対象として住宅供給を図ることとしておるところでございまして、委員御指摘のとおりに、一定の収入基準というのを設けているわけでございます。この収入基準を超えた世帯というのには、現在取り扱い方として二種類に分けているところでございます。
 まず第一番目には、公営住宅に引き続き三年以上入居して、一定の基準の収入を超える入居者、これを収入超過者と言っておりますが、収入超過者につきましては割り増し賃料を課す、それと同時に明け渡しの努力を行う義務を課す、そういうようなことをしているところでございます。この収入超過の度合いが大きい世帯についてはもう一つの規定になるわけでございますが、公営住宅に引き続き五年以上入居して、一定の基準の収入を相当に超えることになった、高額所得者と言っておりますが、高額所得者につきましては住宅の明け渡しを求めることができることとなっているわけでございます。
 先生御指摘のとおりに、公営住宅の本来的な意味から、この管理については的確に運用するように再度公共団体を指導しているところでございますが、入居者がそこにいるという現実がございますので、入居者の居住の安定には配慮しながら、的確に対応するよう指導しておるところでございます。
 なお、後段の部分につきましては、現在は千代田区のようなそのような場所であるならば、恐らく公営住宅の建てかえ事業という形で土地の有効利用を図りながら、もっとたくさんの公営住宅を建てるようにする必要があると考えておりまして、現在建てかえ事業を積極的に推進しているところでございますので、具体的にその団地についても調査をして指導していきたいと思います。
#109
○会長(遠藤要君) 本日の調査はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後零時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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