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1990/05/22 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 予算委員会 第11号
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1990/05/22 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 予算委員会 第11号

#1
第118回国会 予算委員会 第11号
平成二年五月二十二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     関口 恵造君     尾辻 秀久君
     小林  正君     西野 康雄君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     野末 陳平君     星野 朋市君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         林田悠紀夫君
    理 事
                伊江 朝雄君
                石原健太郎君
                下稲葉耕吉君
                平井 卓志君
                穐山  篤君
                矢田部 理君
                安恒 良一君
                太田 淳夫君
                吉岡 吉典君
    委 員
                青木 幹雄君
                井上 章平君
                石井 道子君
                遠藤  要君
                小野 清子君
                尾辻 秀久君
               大河原太一郎君
                合馬  敬君
                片山虎之助君
                北  修二君
                斎藤栄三郎君
                田中 正巳君
                谷川 寛三君
                中曽根弘文君
                西田 吉宏君
                稲村 稔夫君
                梶原 敬義君
                久保  亘君
                國弘 正雄君
                竹村 泰子君
                角田 義一君
                堂本 暁子君
                西野 康雄君
                本岡 昭次君
                山本 正和君
                猪熊 重二君
                白浜 一良君
                和田 教美君
                近藤 忠孝君
                粟森  喬君
                池田  治君
                足立 良平君
                井上  計君
                下村  泰君
                星野 朋市君
   国務大臣
       内閣総理大臣   海部 俊樹君
       法 務 大 臣  長谷川 信君
       外 務 大 臣  中山 太郎君
       大 蔵 大 臣  橋本龍太郎君
       文 部 大 臣  保利 耕輔君
       厚 生 大 臣  津島 雄二君
       農林水産大臣   山本 富雄君
       通商産業大臣   武藤 嘉文君
       運 輸 大 臣  大野  明君
       郵 政 大 臣  深谷 隆司君
       労 働 大 臣  塚原 俊平君
       建 設 大 臣  綿貫 民輔君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    奥田 敬和君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 坂本三十次君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  塩崎  潤君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       砂田 重民君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  石川 要三君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       相沢 英之君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       大島 友治君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  北川 石松君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  佐藤 守良君
   政府委員
       内閣法制局長官  工藤 敦夫君
       内閣法制局第一
       部長       大森 政輔君
       警察庁刑事局長  中門  弘君
       警察庁刑事局保
       安部長      加美山利弘君
       総務庁長官官房
       審議官
       兼内閣審議官   杉浦  力君
       総務庁人事局次
       長
       兼内閣審議官   服藤  収君
       北方対策本部審
       議官       鈴木  榮君
       防衛庁参事官   内田 勝久君
       防衛庁参事官   玉木  武君
       防衛庁参事官   村田 直昭君
       防衛庁参事官   鈴木 輝雄君
       防衛庁長官官房
       長        児玉 良雄君
       防衛庁防衛局長  日吉  章君
       防衛庁教育訓練
       局長       米山 市郎君
       防衛庁経理局長  藤井 一夫君
       防衛施設庁長官  松本 宗和君
       防衛施設庁総務
       部長       吉住 愼吾君
       防衛施設庁施設
       部長       大原 重信君
       防衛施設庁建設
       部長       黒目 元雄君
       防衛施設庁労務
       部長       竹下  昭君
       経済企画庁調整
       局長       勝村 坦郎君
       科学技術庁研究
       開発局長     須田 忠義君
       環境庁企画調整
       局長       安原  正君
       環境庁水質保全
       局長       安橋 隆雄君
       国土庁防災局長  市川 一朗君
       外務大臣官房長  佐藤 嘉恭君
       外務省北米局長  松浦晃一郎君
       外務省中南米局
       長        瀬木 博基君
       外務省経済局長  林  貞行君
       外務省経済協力
       局長       木幡 昭七君
       外務省条約局長  福田  博君
       外務省国際連合
       局長       赤尾 信敏君
       大蔵省主計局長  小粥 正巳君
       大蔵省主税局長  尾崎  護君
       大蔵省関税局長  瀧島 義光君
       大蔵省銀行局長  土田 正顕君
       大蔵省国際金融
       局次長      江沢 雄一君
       文部大臣官房長  國分 正明君
       文部省学術国際
       局長       川村 恒明君
       文部省体育局長  前畑 安宏君
       文化庁次長    遠山 敦子君
       厚生大臣官房総
       務審議官     加藤 栄一君
       厚生省健康政策
       局長       仲村 英一君
       厚生省薬務局長  北郷 勲夫君
       厚生省社会局長  長尾 立子君
       厚生省児童家庭
       局長       古川貞二郎君
       農林水産大臣官
       房長       鶴岡 俊彦君
       農林水産大臣官
       房予算課長    山本  徹君
       農林水産省経済
       局長       川合 淳二君
       農林水産省構造
       改善局長     片桐 久雄君
       林野庁長官    甕   滋君
       水産庁長官    京谷 昭夫君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        山本 貞一君
       通商産業省通商
       政策局長     畠山  襄君
       運輸大臣官房会
       計課長      岩田 貞男君
       運輸省国際運輸
       ・観光局長    宮本 春樹君
       運輸省貨物流通
       局長       寺嶋  潔君
       海上保安庁次長  野尻  豊君
       気象庁長官    菊池 幸雄君
       郵政大臣官房長  白井  太君
       郵政大臣官房経
       理部長      木下 昌浩君
       労働大臣官房長  若林 之矩君
       労働省婦人局長  佐藤ギン子君
       労働省職業安定
       局長       清水 傳雄君
       労働省職業安定
       局次長      齋藤 邦彦君
       建設大臣官房会
       計課長      小野 邦久君
       建設省建設経済
       局長       望月 薫雄君
       建設省都市局長  真嶋 一男君
       建設省河川局長  近藤  徹君
       建設省住宅局長  伊藤 茂史君
       自治大臣官房長  小林  実君
       自治省行政局長  森  繁一君
       自治省行政局選
       挙部長      浅野大三郎君
       自治省財政局長  持永 堯民君
       自治省税務局長  湯浅 利夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮下 忠安君
   参考人
       名古屋大学理学
       部助手      河田 昌東君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送付)
○平成二年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送付)
○平成二年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(林田悠紀夫君) 予算委員会を開会いたします。
 平成二年度一般会計予算、平成二年度特別会計予算、平成二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
    ─────────────
#3
○委員長(林田悠紀夫君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二年度総予算三案審査のため、本日、名古屋大学理学部助手河田昌東君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(林田悠紀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(林田悠紀夫君) それでは、これより総括質疑を行います。國弘正雄君。
#6
○國弘正雄君 最近、ヨーロッパやアメリカで盛んに使われるようになった言葉に平和の配当というのがあります。もともとはこれは政治家やあるいは政略家、軍政家というような人々が使っていた言葉ですけれども、最近ではすっかり人口に膾炙いたしまして、一般の人々の日常の会話の中でも間々聞かれるようになりました。
 私は、これはやはり何だかんだ言っても、平和への展望がおぼろげながらでも見えてきたということのあらわれだと思いまして、これはもう大いに歓迎すべきことだと思うんです。総理、そのあたりについてどうお考えあるいは御感想をお持ちですか。
#7
○国務大臣(海部俊樹君) 平和への配当という言葉は、おっしゃるように広く人々に使われるようにもなってきたと思いますが、それは結局私流に申し上げれば、米ソ両超大国の持っておりました地球を何回も何回も壊滅させ得るに足る過剰な核兵器、それから通常兵器その他いろいろなものが平和への大きな願望によって必要性の度合いが下がってくる。言葉をかえて言うと、アメリカも大変な財政赤字に苦しみ、ソ連もまた国内の経済の不振に大きく苦しんでおる。そういったときには、お互いに平和を築き上げていくことによってそれらの問題にいい影響が及んでくるなれば平和への努力をしたことによる配当が来るのではないかと、そういう意味で平和への配当という言葉が使われておると私は受けとめております。
 そういった意味で、これは人類にとっても非常に結構なことでありますから、東西の対決、力による対立一辺倒で、これでもかこれでもかというような力の上積みによる対決、競争、力の誇示ではなくて、そうではなくて、話し合いによっていろいろな国内の問題の解決にも持っていこう。それは当事国だけじゃなくて、地球的規模で本当の平和と本当の安定に寄与していけば、それは繁栄につながるという意味において私も歓迎すべき方向だと、基本的にそう思っております。
#8
○國弘正雄君 歓迎すべきであるという総理のお言葉を私も大変にうれしく受けとめます。この平和の配当ということはいろいろな意味がありますけれども、具体的に言うと恐らく軍縮ということを一つ意味するであろうと思うんです。
 そこで、私はきょう三題ばなしではございませんけれども三つのテーマを挙げまして、そしていずれもこの平和の配当としての軍縮という立場から、一般国民の目線で極めてナイーブに幾つかの御質問をしたいと思っています。
 この三題ばなしの内容ですが、一つは外務省、日本で言えば外務省及び外交機能の強化。これは私はやはり軍縮につながることだと思いますし、平和の配当と考えていいと思いますので、それをまず伺いたい。
 二番目としては天災、天変地異。特に日本のような地震大国あるいは火山大国においてはこの地震の予知機能というものを充実していくということ、これはやはり一つの平和の配当であり、日本の国民の生命、財産を守るという政治の要諦にもつながる大事な営みである、こう思います。これが二番目。
 三番目は地球環境の保全。これは公害対策を含みますけれども、これの充実拡充というようなこ
と、これを平和の配当としての軍縮の一環として受けとめたいわけであります。
 これは少し変わったアプローチのように思われるかもしれませんけれども、正直言いますと、きょう私は七人目のバッターでありまして、もう六人もいろいろな方がお話をされておりますから、主要なテーマはほとんど子細にわたってカバーされてしまっている。したがって、やや違ったアプローチをとらなくちゃならないということもあるんですけれども、しかしいずれにしても、繰り返しますが、平和の配当としての軍縮をテーマに一般国民の目線で極めてナイーブに伺いますので、できるだけわかりやすくお答えを賜らば幸いでございます。
 私が今さら申し上げるまでもないわけですが、ただいま欧米におきましては、率直に言って軍縮への機運というものが急速に高まりつつございます。軍縮というのは一つの既定の事実であるというふうにすら申し上げてもいいと思います。例えばアメリカ合衆国、つまり米ソ冷戦体制の一方の旗頭であったアメリカにおきましても、これはもう既定の事実として、例えば二十五万社にも上るアメリカのいわゆる軍需産業、この各社は今や民需への転換に懸命にたっております。言葉をかえて申しますと、軍事費が削減されるのはこれはもう当然なことであるといわば観念をいたしまして、そしてどうしたら民需への転換をスムーズに図ることができるであろうかということに心を砕いておるのが現状であります。
 例えば飛行機会社のボーイング、これは今やレーザー技術、これは軍事技術でありますけれども、これを医療目的のために転換すべく一生懸命でありますし、あるいはゼネラル・モーターズ会社の子会社であるヒューズ航空機会社の戦闘機技術は今や急速に民間の自動車の技術に転用されつつある。
 この間、四月の三十日だったと思いますが、「タイム」というアメリカのニュース雑誌が、有能な人々が軍事部門から民間部門に移ることにアメリカの産業界が協力するならば、アメリカは消費財においてもソニーに匹敵する、あるいはソニーを凌駕する製品ができるであろう、こう言っております。ソニーという日本の会社の名前が出てきたところが御愛きょうなんですけれども、そういったようなわけで、いわゆる軍縮、そして軍縮に伴う軍事費の削減というのは、今やアメリカにおいてはもう軍需産業においてすらやむを得ないことだと思って観念をしている、覚悟しているというのが事情でございます。
 そんなことをひとつ背景に置きまして、以下さっきの三つの問題について御質問をしたいんですが、ただその前に、一言日米構造協議のその後について総理にやはり伺っておきたいと思うんです。
 今、日米構造協議のその後について総理はいかがでございましょうか、愁眉を開いた、もうこれでどうやらこの問題を処理することができたとお考えか。それともまだまだ油断は禁物だ、これから一波乱二波乱あり得るというふうにお考えか。実は私は後者の考え方をとっているわけでございますけれども、それはとにかくとして、総理御自身の御見解、御感想を承りたいと思います。
#9
○国務大臣(海部俊樹君) 率直に申し上げますと、非常に短い目盛りの今の気持ちと、ちょっと長い目盛りの将来を見通しての感じはちょっと違うんですけれども、正直言いますと、今は中間的処置をしなきゃならぬというので中間報告に一生懸命取り組んでまいりました。双方の認識がお互いにそこで合致したわけです。そして、一時心配されておりましたスーパー三〇一条の問題についてもその他の個別品目の解消への努力によって追加指定がされなかったということは、今の段階でいきますと、私は愁眉を開いたといいますか、御質問に答えるなれば今はほっとしております。それは引き続いて次々あれが起こっておったらどうなったろうか、そういったことを心配すれば今はいいわけです。
 ところが、これで最終報告を取りまとめなきゃならぬことは御承知のとおりです。これは中間報告で決めましたいろいろな問題点についてそれぞれお互いにさらに努力を積み重ねていくわけでありますから、最終報告も願わくば中間報告のように日米両国で共通の認識が得られるようにしたいと、私はこう思っておりますし、またそれができるようにそれぞれの担当部局で今全力を挙げて取り組んでおるところでございます。
 ちょっと長い目盛りで見ますと、その最終報告もお互いに合意ができた、しかし、体質が変わっていけばいくほど社会も変わりますし、両国の関係にはさらにまた新しい難問が出てくるかもしれない。それは世界経済でこれだけ大きな立場と責任を共有する二つの国同士でありますから、歴史も文化も伝統も違うわけでありますから、全部一〇〇%完全にこのままの合意で進んでいけるかどうかということについては正直言ってこれはわかりませんので、そのときにはそれにきちっと対応するように、私はそんな気持ちで中長期の問題については注意深く対処していかなければならないと、こう思っております。
#10
○國弘正雄君 十一月には中間選挙が行われますし、来年は真珠湾攻撃の五十周年というようなことにもなっておりまして、私はこれからの日米関係というのはまだまだ波乱含みだというふうに思うんです。特に十一月の中間選挙を目指して問題点が三つあるというようなことを言う人がおる。
 一つは、この間の州知事の選挙で随分話題になりました妊娠中絶の問題、これがアメリカ的には非常に深刻な、重要な政治問題になっておる。二番目は、タンカーの油漏れ事故みたいなものが去年もことしも大きなものがございまして、それをきっかけにしてタンカー改造法などという法律が環境問題の重要な一環として出てきた、これが一つの争点になるだろう。いま一つが日米関係だというようなことを言う人がおります。
 また、ついこの間のアメリカのある新聞は、少し長い目盛りで見ているわけですが、一九九二年には日本との問題がもっと大きくなってきて、それはブッシュ大統領が再選される際の一番重大な危機的な状態になるであろうというようなことを予見しております。
 今総理が仰せになったように、歴史、文化、伝統の違う二人がお互いに相対峙しているわけでございますから、なかなかもってうまくいかないのは、私はある意味においては当然だと思うんです。特に、構造というようなことになってまいりますと、歴史や社会や伝統にずぶぬれな分野でございますから、この構造の違いをお互いにあげつらう、言い立てるというようなことは、これは極端なことを言いますと、卑俗な言葉遣いで申しわけないんですが、てめえの面つきが気に食わねえというような話にもなりかねない。英語でもたまたまアイ ドゥ ノット ライク ユア フェースという言い方がありまして、まさにてめえの面つきが気に食わねえから云々ということになるわけなんですが、そういうことになりかねないと思うんですね。
 しかも、総理いかがですか、この日米問題も大変ですけれども、日米構造協議をめぐって日日問題も結構大変なんじゃないかというふうに思うんですね。例えば、大蔵大臣がいらっしゃいますけれども、GNPの一〇%を公共投資に回すというようなアメリカ側の要請に対して、我が財政当局が非常に反発をしている、あるいは抵抗をしているというようなことも漏れ聞いております。したがって、ただ単に日米間の問題がしんどいというだけじゃなくて、日日問題自身がこれは相当厄介だというふうに考えるんですが、そのあたりの御感想を含めて次の問題に対するお答えとしてまとめて御回答賜れば幸いなんですが、総理いかがですか。
 日米構造協議ないしは日米関係について、あるいは国際問題全般について総理のところにたくさんの情報が寄せられるだろうと思うんですが、その情報の質とそれから量とに満足をしておられるかどうか、いかがですか。
#11
○国務大臣(海部俊樹君) いい御質問ですから答
えが非常に難しくなるわけで、大蔵大臣がこれは答えるべきことかもしれませんが、御指摘になった日米の中間報告をまとめる前の段階のアメリカ側の期待、GNPの一〇%程度というようなことについても、これは我が方としてはそれは受け入れられませんということでアメリカ側ともいろいろ話もいたしました。そして、最終的にはそれは日本の立場というものをアメリカ側も理解してくれたからそういった姿の中間報告というものが共通の理解を得た、こういうことになっております。
 おっしゃるように、日本の国内の問題については私も一生懸命汗を流していろんな方にお話を聞いたりお答えしたりしておりますが、私の判断のやっぱり一番基準にあるものは、国際化時代というときに日本が自分のところだけつじつまを小ぢんまりと合わせておればやっていける時代かどうかというところに焦点を置きますと、やはり国際的な相互依存関係というものを抜きにして成り立っていかない国であります。
 そして、戦後の日本が今日までずっと明るくて豊かで平和な社会や暮らしを築き上げてくることができたということを全体として眺めてみると、これは自由貿易や自由経済体制のもとで、しかも日米安保条約のもとで平和を守って一日も戦争に巻き込まれなかったということを振り返ってみますと、日米関係というのは戦後の日本の歩んできた道を顧みれば一番大切な二国間関係であったし、また、日本が国際社会と孤立して、そして日本だけでこういった国際社会の中で暮らしていかれるかというと、それはいろんな意味で不可能になりますから、そういった意味においてお互いにどのような交渉をしていくかという基準が一つ。
 もう一つは、最近日本はおかげさまで、皆さんの御協力で豊かでそして物の満ち足りた国になったけれども、この豊かさの実感というものが欠けておるのではないか、生活の実感、消費者の立場に立った物の考え方というようなことから、政策的に世界の経済、世界のルールとなるべく共通なものに日本も乗せていかなきゃならぬというそういったことがございましたので、この二つの観点からそれらのことを決断して中間報告の取りまとめに移ったということです。
 いろいろな情報その他を入れていただいておりますけれども、何と比較をして満足かどうかとなりますと非常に難しい問題で、皆さんのそれぞれのお立場での情報や御進言、御批判には私なりに満足をさせていただいて対処しておる、こう思っております。
#12
○國弘正雄君 今の御質問は、実は次の外務省及び外交機能の強化ということへのまくらとして伺ったわけなんですけれども、そこで中山大臣にお伺いをしたいんですが、外務省が年来進めておいでになるこの機能強化ということについて具体的に伺いたいと思うんです。
 特に、これは量の問題ですけれども、日本の外務省職員が四千名である。それに対して、人口が日本の約半分のイギリスがその倍おる、人口が日本の倍のアメリカ合衆国に至っては四倍の職員を有しておるというようなことがあって、日本の外務省職員の数が非常に少ないことは私もよく知っております。これは私はあくまで外務省の外野の応援団の一人として申し上げるわけですからどうぞ誤解をしていただきたくないんですが、この間大臣は、日本のある官庁との比較において外務省の職員がいかに少ないかということをおっしゃったんですが、日本の官庁はさておいて、他の日本と同等と考えられているような主要な国々との比較においてお話しをいただきたいと思います。
 特に、最近中途退職者がかなりふえているというようなことも聞きますし、逆に外交官を志望する若者が昔と比べて減りつつあるというようなことも聞きます。あるいは一月に四百時間もの残業を強いられた外務職員もあるやに伺っております。一体そんなことがあるんでしょうかどうでしょうか。そのあたりをひっくるめてこの機能強化ということについてお伺いできればと思います。
#13
○国務大臣(中山太郎君) 委員から日本の外務省の機能強化について大変温かいお話をいただきまして、ありがとうございます。
 私も外務大臣に就任をさせていただいて以来外務省の職員と一緒に外交に携わっておりますけれども、私は外務省という役所は日が暮れても忙しくなる、つまり地球の反対側には朝が来る。今はダイレクトコールの電話がございますし、地球の裏側では、こっちが日が落ちたころに交渉が始まる、そして国際ファックスで書類が送られてくる。それを受ける日本の外務省の職員はちょうど夜中が一番忙しくなる。先般の東ヨーロッパのような急激な情勢の変化のときには朝自宅に帰るのが午前六時、そして午前八時にはまた出勤してくるというこの姿を見まして、これはやはりこれからのいわゆる戦争のない時代を我々は求めて新しい世紀へ向かおうとしていますけれども、恐らくその時代には、外交がいわゆるその国のいろんな問題を国際社会で提言し続け、あるいはよその国の意見というものをそしゃくしながら国内との調整を図る大きな機能を必要とする時代が来るだろう。
 そういう時代に向かっては、まず外務省を全体的にインテリジェントビルにつくりかえる必要があるんじゃないか。そして、そこに働く人たちがつまり世界じゅうの情報を絶えず手にとることができる、そういうふうな機能を完備するということによって、いわゆる平和な時代に、国民の幸せのために、また国際社会の中の経済大国として世界に貢献していく日本のためには、外務省はどうしてもそういう機能が必要であるということを痛感して実は働かしていただいております。
 外務省の若い職員が、これだけ求人難の時代がやってくると、もうこんな激しいところで働くよりも商社の方がはるかに待遇がいいというような話もされておることも聞いておりますが、具体的な数字につきましては、官房長が来ておりますので、どうか官房長から御答弁をさせていただきたいと思います。
#14
○政府委員(佐藤嘉恭君) お答え申し上げます。
 外交機能の強化という点につきましては、私どもとしても、財政当局の御理解を得ながら随時お願いをし、事態の改善を図っているということでございます。本委員会におきましてただいま御審議いただいております外務省関係予算は、まさにこの外交機能の強化ということを一つの柱にいたしましてお願いを申し上げている次第でございます。
 私どもの予算の総額といたしましては、政府原案として約五千三百三十九億円の予算を御審議いただいておりますので、私どもとしてはこの中でいわゆる外交機能の強化ということも一つの大きな柱として掲げているわけでございます。在外公館の施設の強化拡充あるいは定員の増強といったことにつきましても、その一つの柱としてお願いをしているわけでございます。
 先ほど先生からお尋ねの諸外国との定員の比較ということも、私どもそれなりに計数をはじいてはおりますけれども、難しいこの財政状況の中で、特に外務省につきましては、定員の増強ということについて財政当局の御理解も得ながら、本年度につきましては百八人の増員ということで御審議をただいまいただいている次第でございます。
#15
○國弘正雄君 イタリア並みに五千人ということを考えておられるやに伺ったこともあるんですが、考えてみるとイタリアの人口は約六千万弱でございますから、日本が人口が二倍で四千人というのは確かに少ないという気がいたしますので、私も外野の応援団の一人として、ここに大蔵大臣がいらっしゃいますのであえて陳情をさせていただきます。
 今までは若干甘口のことを申し上げてきたんですが、これからは辛口に移らせていただきます。
 私もかつて外務省の参与などということを仰せつかって若干外務省の中を知っていなくはないんですけれども、私の経験からしても、例えばかつてNHKの会長さんとか、東大農学部の名誉教授とか、あるいは上智大学の教授をしておられたよ
うな方が、大公使というレベルで外務省にお勤めになったことがある。ところが、その方々の何人かに伺ったことですけれども、どうもやはり外務省というところは極めて純粋培養的な役所であって、外部者への拒絶反応が非常に強いというようなことをおっしゃった。純粋培養的な組織というのは、どうしてもひ弱なものになってしまうのではないか。これは植物でもそうでありまして、やはり相互交配とかあるいは相互触媒というようなことがないと、異質なもの同士のすり合わせが行われませんから、したがって大変たくましさに欠けたひ弱なものにならざるを得ない。私は、今の外務省にそういう危惧を覚える一人であります。
 もう一つ辛口ついでに、大臣お許しをいただいて申し上げますと、何でもかんでも情報を部外秘というような形で抱え込まれる。これは官僚機構に押しなべて見られる傾向ではありますけれども、外務省の場合には特にそれが顕著ではないかと私は感じます。
 これは極端な一例でありますが、かつてこれは事実私が見聞きしたことでありますが、日米閣僚会議がまだ開かれておりましたころ、日本側の閣僚の婦人がアメリカに行かれる。そのときにどういう衣装、どういうお召しものでアメリカに行くかというそのことまでが部外秘という判こが押されていた。これは私が実際にこの目で見たわけですから、うそでも何でもありません。
 宮廷外交、つまり会議が踊った宮廷外交の時代ならともかく、今や一億総外交官時代と言われ、国民外交、パブリックディプロマシーということが当然のことのように言われる今日においては、ややこれはアナクロに類するのではないか。事実国民外交、パブリックディプロマシーという言葉は、例えばアメリカなんかにおいては、一九六五年に、フレッチャーという有名な外交官養成の大学院がございますけれども、そこにパブリックディプロマシー研究所、センターというようなものが設けられて、これからはやっぱり国民外交の時代なんだ、一握りの外交官だけの外交ではないんだということを象徴いたしました。あるいは外交官にとってのバイブルと言われる「外交」という有名な書物を書きましたイギリスのハロルド・ニコルソンという人も、これからは民主的外交でなければならないということを喝破しております。
 そういうことを考えますと、やや宮廷外交当時の名残をいまだに外務省がとどめているのではないかという気がするのでありますけれども、いかがでしょう外務大臣、そのあたり。辛口のことを大変伺いましたけれども、率直にお答えください。
#16
○国務大臣(中山太郎君) 委員お尋ねの外務省は非常に難しい役所であるという御指摘は、私は外務省の参与までされた委員の御発言でございますから、率直に認めさせていただきたいと思います。
 大変国家機密を扱う難しい役所でございますからそれはマル秘の資料もたくさんありましょうが、御指摘のようにマル秘の判を押さなくてもいいような書類も多々あることを私はよく感じております。ただ私は、これだけ通信が発達し、テレビで全国の家庭が一日何回かのニュースで世界の出来事を知る。そして国民のほとんどの人たちが今世界で何が起こっておるかということを一番よく知っているのじゃないか。そういう中で、外務省がやはりわかりやすい外交というものを展開するべきだということが実は私の強い主張でございました。
 ODAにいたしましても、委員会でもいろいろお尋ねいただきますが、やはり国民の税金が使われるODAについては、国民にわかりやすい言葉でできるだけ御理解をいただくように努力をしなければならない、非常に難しい言葉が多過ぎる、またそれは外務省の特徴であるかもわかりません。そういうことで、私はできるだけ国民に御理解いただけるような外交のあり方というものを追求すべきである、こういう姿勢で一貫しております。御指摘の点は全く同感でございます。
#17
○國弘正雄君 二番目、これはもっと辛口になるかもしれません。お許しください。
 どうも私はこのところ外務省の方々の言動というか発言なんかを拝見しておりまして、タカ派とハト派という二分法が余り意味のない二分法であるということは百も二百も承知の上でなお、タカ派がいわば非常に優勢であった、ハト派が何か窒息していた、閉塞状況に置かれていたということを非常に強く感じるわけであります。何と申しましょうか、例えば専門的な外交官の中に日本はもっとうんと軍事力を持たないと外交にはならないんだというようなことを堂々と公の場で、あるいはセミパブリックな場で発言をなさる方がかなりおられた。私はこれを武断派外交官だというふうに呼ぶわけですけれども、そういう武断派の方がかなりおられる。このことについては、実は日本を代表する大型の国際人であられた、そして外務省の顧問も長いことしておられた亡くなった松本重治先生がやはりそういう趣旨のことを私との対談で述べておいでになります。
 そして、たまたまそういうタカ派的な大きな流れというものに対して逆らおうという人、このタカ派のとうとうとした流れに身をすべてゆだねてしまってはこれはよくないということで、言ってみればハト派的な立場の献策なんかをされる方はややもすると出世がおくれる、ひどい場合には配所の月を見るというようなことが現実にあったということを私は何人かの口から聞いております。松本重治先生もそのことを大変に生前憂えておられたということをあえて付け足したいんです。
 なぜかといいますと、ある一つの流れ、私はタカもいていいと思うんです。しかしハトもいてほしいと思う。つまり、タカもハトもいて、つまり一元性がたっとばれるんじゃなくて多様性がたっとばれて、そしていろいろな可能性について活発に自由に濶達に意見が行われるということがあって初めて、いまだ芽生えざるといいますか、未萌の機を察して、そして何か大きく変転したときに機敏に的確に対応できるのではないかと思うんです。
 私は率直に言って、例えば古い話ですけれども、米中の和解というようなことについて当時の外務省は目測を大いに誤られたと思います。最近のソ連、東欧の動きについても、これまたありていに言わせていただくならば、外務省の読み、目測はかなり誤っていたと思うんですが、その一つの理由を私は余りにも外務省の意見が一枚岩になり過ぎていたという点に求めたいと思うんです。そういうことでありますと、これからますます険しさを加えるであろう日本を取り巻く国際環境というものに十分に対応していくことが難しいのではないかというふうに思いますし、もう一つ、私個人の感懐を申し上げると、武断派のもっと軍備を持たなくちゃいけないなどということを主張される外交官というのは、これは物の例えで申しわけないんですけれども、長そでのお公家さんがなぎなたを振り回しているという感じがして、何ともいやはや異様な気がするということをあえてつけ加えさせていただきます。
 いろいろなことを申しましたけれども、さっきも触れましたように私は外務省の外野の応援団の一人でおりますし、これからも日本の外交という、本当にこれはいまだかつて経験したことのないような荒波の中に日本が乗り出していくわけでありますから、そのかじ取りをしてくださる外務省ないしは外交当局というものに対して声援の気持ちを込めて、あえて言いにくいことを含めて申し上げたわけで、どうぞその点を御了承いただきたいと思います。
 二番目の平和の配当として、私は日本のような地震大国あるいは火山大国においては天災、地震といったようなものの予知に努めることが非常に大事なことだというふうに思います。
 そこで、国土庁長官に伺いたいんですが、一九八八年のたしか十二月に国土庁の名において発表なすった防災白書、この防災白書で、もし関東大震災と同じようなマグニチュード七・九というような地震が関東地区を襲ったときにはどういう被害が起きるかというようなことを予測しておいで
になります。その防災白書について御説明を賜ればと思います。
#18
○国務大臣(佐藤守良君) 先生にお答えします。
 今の点につきましては、実はいろいろな具体的事実がたくさんあるものですから、政府委員から答弁させますことをお許しいただきたいと思います。
#19
○政府委員(市川一朗君) お答え申し上げます。
 御指摘のように南関東地域の地震被害の想定というものを一昨年国土庁が公表したことがございますが、それは基本的には、万一大きな地震が発生いたしました場合に私ども政府関係者及び防災関係者がどういったような対応をすべきかということにつきまして活動要領なるものを策定いたしました。
 その際の前提としてどういった被害が発生するかということを想定した次第でございまして、したがいまして、その時点で考えられます最大規模の地震、それによる被害というものを三つのケースに分けまして想定いたしました。
 基本的な考え方といたしましては、関東大震災クラスのマグニチュード七・九の地震が相模湾を震源域として発生した場合を想定いたしまして、冬の夕方のケース、これは炊事その他で非常に火が使われている度合いの多いケースでございますが、それがケース1。ケース2は冬の深夜のケース、ケース3は秋の正午。この秋の正午といいますのは大正十二年の関東大震災が発生したちょうど同じ時間帯でございますが、そういったケースに分けましていろいろ想定いたしまして、その際最大の被害といたしましては、十五万人の死者が発生するであろうといったような内容のものを公表したことはございます。
 以上でございます。
#20
○國弘正雄君 いろいろなシナリオが描かれ得るわけですが、今仰せになった十五万人の死者という数字、二十万人の負傷者という数字、そしてGNPの約四分の一に当たる八十兆円の物的な被害をもたらすであろうという数字、これは考えてみればショッキングな数字であります。十五万人と一口で申しますけれども、人一人の死は悲劇でありますけれども、十五万人となると単なる統計数字みたいなことになってしまう、そういう危うげな人間の感覚というものがあるわけですが、とにかく十五万人の人が死ぬということであります。これは関東大震災と比べましても、関東大震災の場合には二十数万死んでおりますし、物的な損害は当時の国家予算十五億の約三・五倍に当たる六十億円弱というような数字が出ております。
 私は、関東大震災と比較をいたしまして十五万人の死者という推定数字は余りにも低過ぎるように思うんです。その一つの根拠は、当時関東大震災の罹災地区にありました自動車の数は三千台であったと言われます。今この同じ地区一都三県に存在する自動車の数は一千三百万台に上っております。ガソリンスタンドの数も九千四百軒というような数字も私は持っております。こんなようなことを考えますと、これはとてもじゃないけれども、関東大震災と同じようなレベルで論ずべき大震災ではどうもなさそうだ、それがいつ起きるかわからないという恐ろしさに身が震えるわけであります。
 私は、地震雷火事おやじの中で地震が一番怖い人間。総理いかがですか、外務大臣いかがですか、大蔵大臣いかがですか。私は地震が一番怖い人間なんですけれども、幸い米ソの和解によって地上の平和は近づきつつあるやに見えますけれども、地下の平和は今や終わりを告げつつあるということをある地震専門家がこの間も申されました。そういうことを考えますと、地震というものに対して備えておくということは、国民の生命、財産を守るのが政治の要諦であるとするならば、これは政治が真っ先に行わなければならない一つのことであろうと思うんです。
 そこで、科技庁長官に伺いますけれども、今年度あるいは先年度の地震予知対策予算というのはどれぐらいになっていますか。
#21
○国務大臣(大島友治君) お答えいたします。
 地震は、一たん発生したら、まさに人命はもちろんのこと、社会経済に大きな影響を与えるものであり、地震多発国である我が国にとっては予知は極めて重要なことであることは私も承知してやっておるわけでございます。
 そういうようなことから申しまして、地震予知の対策については地震予知推進本部で、たまたま推進本部長というのは科学技術庁長官の私になっておることは御承知のとおりだと思うのでございます。そういう中で、政府関係機関及び国立大学が緊密な連携、協力を図りながら、第六次地震予知計画というものを、これは平成の元年から五年度にわたっての計画になっておりますが、この指針に沿って地震予知のための観測、研究等を推進してきていることは事実なんでございます。
 そういう観点から見まして、この平成二年度の政府予算案においては、地震予知関係経費として対前年比の二・九%増の六十二億というものを計上しておるところでございますが、ただいまのようなお話からすれば、これは非常に少ないんじゃないかというようなお感じもあるかと思います。実は地震予知の推進本部発足当時、昭和五十一年でございましたが、その当時の予算というものは二十三億円で、現在六十二億ということで申しますというと、二・七倍ということになって、対策の強化には鋭意努力しておるというものでございます。
 したがって、今後とも、委員のおっしゃるとおり、地震予知については私ももちろん積極的な対策を講ずるためには十分考慮した措置をとってまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#22
○國弘正雄君 七六年が二十三億、確かにおっしゃるとおりなんですが、七九年にはそれが五十八億になっています。その間、大規模地震対策特別措置法というのがしかれたわけですけれども、七九年に五十八億だったものが九〇年には六十一・九億であるというのは、いかにもこれは全然伸びていないのに等しい。今長官のおっしゃった二・何倍という数字は七六年との比較においてでありますから、私は余り意味がないと率直に思うわけです。伸びがとまってしまった。地震大国、火山大国の日本、何か浅間山も今ちょっと怪しげなことになりつつあるとおとといの東京新聞は報じておりましたけれども、そういったようなことを思えば思うほどお寒い限りだというふうに思うんですね。
 地震の予知というのは、専門家に聞くと、もともと大変に難しいんだそうです。病気になぞらえますと、第一に症例が少ない、それから症状が場所ごとに違う、そして診断のためのエックス光線透視もできない、そして事後の解剖も不可能である、非常に難しいんだということを私は聞いています。そして、今の日本の六十二億の予知体制というのは、これはちょっとカリカチュア的に申しますと、節穴だらけの予知体制、マグマが地下で笑っている、こういう感じであるわけです。
 あえて軍事的な例えで申しますと、これは北海道大学の島村教授の言葉でありますけれども、地震というミサイルが近づきつつあるのに、日本ではその発見のためのレーダーすら不十分であるということをおっしゃっておられる。そしてまた、浅田予知連絡会の会長さんは、地震予知に予算をけちるなということを絶えず口にしておいでになる。
 今ここで軍事的な例えを引きました。ミサイルが近づきつつあるのに発見のためのレーダーがおくれているというようなことを申し上げましたから、あえて防衛庁の関連の予算とのかかわりで申しますと、既に二隻を購入しようとしておられる、また、きのうのお話ではどうやら三隻目も考えておられるのではないかという予感を持ったんですが、例のイージス艦、このイージス艦というのはイラン・イラク戦争の末期にイランの民間機を誤射したいわくつきの軍艦であることは皆さん御存じのとおりですけれども、そのイージス艦一隻の約二十一分の一でしかない。あるいは百機をそろえるというP3C対潜哨戒機、一機百二十億円といたしますと、その一機の半分ぐらいのお金
しか、日本にとって、日本の国防にとって一番大事だと言ってもいいこの地震対策というものにお金がそれしか使われていない。ついでながら、日本の消防庁の予算は、私の調べたところではイージス艦一隻の九分の一、これまた驚くべき少ない額であります。
 総理はよく国民の生命、財産を守るのが政治の要諦であるとおっしゃっておる。私は、それを大変にありがたいと思って大賛成であります。ただ、この六十二億というようなお金で地震という分野における国民の生命、財産を守るのに果たして万全であるかどうか。ソビエトが侵攻してくる可能性というようなことがきのうも問題になりましたけれども、宇宙スパイ衛星が空から見守っている今日において、それだけ多くの軍隊と兵たんを一カ所に集中して日本に侵攻してくるなどということは私はちょっと考えられない。しかし、地震というやつはあと五分後にもあるいは一時間後にも我々を襲うかもしれないという怖さを持っています。しかも、日本の関東大震災クラスの大きな地震は、ただ単に日本国内に大きな被害をもたらすだけではない。
 八九年六月号の「マンハッタン」というアメリカの経済誌がございますが、このマンハッタン誌はどういう論文を掲げたかと申しますと、「東京大地震はウォール街と世界経済とを崩壊させる」、ややおどろおどろしいようなタイトルで問題を提起しております。そしてまた、その論文に基づいて、アメリカからテレビ映画のチームが日本にやってまいりまして、東京を大地震が襲った場合の為替、金融、証券の分野における国際的中心としての日本がどれほど大きな打撃を受け、それが世界経済に対してもどのような大きな影響を与えるかということについて、今番組をつくっておるところであります。
 いよいよもう時間がございませんので、最後に私は寺田寅彦氏の書いた文章の一部をあえて御披露して、私の質問を終わらせていただきたいと思うんです。
 寺田寅彦が、天災は忘れられたころ来るという有名な言葉を吐いたこと、夏目減石の高弟の文人であったこと、そして東京大学の地球物理の教授であったこと、御存じのとおりでありますし、震災予防調査会の重鎮であったことも皆さん方御存じのとおりであります。その彼が昭和九年の十一月に「天災と国防」という論文を書きまして、以下のように言っております。
 もう時間がございませんが、彼は非常時という言葉を使っている。当時は非常時と言いました。最近では有事、有事立法とか有事駐留とか、有事という言葉を使う。この非常時には二つあると。一つは国際的ないわゆる非常時、もう一つは天変地異の非常時。この天変地異の非常時の方がよほど具象的な眼前の事実である、こう彼は言っている。そして、一般の人々はそんなことは覚えていないけれども、「少なくも一国の為政の枢機に参与する人々だけは、」「この健忘症に対する診療を常々怠らないやうにして貰ひ度い」、こう訴えています。
 しかも、彼は自然科学者として次のようなことを言っています。これが非常に恐ろしいところですが、「文明が進めば進む程天然の暴威による災害がその劇烈の度を増す」、こう述べております。そして、「文明が進む程天災による損害の程度も累進する傾向がある」ということを言った上でこう言っております。「戦争は是非共避けようと思へば人間の力で避けられなくはないであらうが、天災ばかりは科学の力でもその襲来を中止させる訳には行かない。」「最後通牒も何もなしに突然襲来するのである。それだから国家を脅かす敵として是程恐ろしい敵はない筈である。」。そしてさらに、「国家の安全を脅かす敵国に対する国防策は現に政府当局の間で熱心に研究されてゐるであらうが、殆ど同じやうに一国の運命に影響する可能性の豊富な大天災に対する国防策は政府の何処で誰が研究し如何なる施設を準備してゐるか甚だ心許ない有様である。想ふに日本のやうな特殊な天然の敵を四面は控へた国では、陸軍海軍の外にもう一つ科学的国防の常備軍を設け、日常の研究と訓練によって非常時に備へるのが当然ではないかと思はれる。」。「我邦の地震学者や気象学者は従来か々る困難を予想して屡々当局と国民とに警告を与へた筈であるが、当局は目前の政務に迫はれ、国民は其の日の生活に忙はしくて、さうした忠言に耳を仮す暇がなかつたやうに見える。誠に遺憾なことである。」。
 もう時間がございませんからこれだけにさせていただきますけれども、我々、少なくとも国政の枢機にかかわっている人間が、このような日本を襲うであろう、そして日本にとって最大の災害をもたらすであろうような天災ということに対して余りにも無関心で、六十二億によって象徴されるような貧寒な準備をしかしていない、このことはお互いにとって恥ずべきことである。これは何も私は政府を責めようと思いません。我々政治にかかわりのある者が押しなべて反省をして、できるだけ即刻にしかるべき手だてを講ずべき筋合いの問題だ、かように思うものであります。
 どうもありがとうございました。大変時間が超過して申しわけありません。
#23
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で國弘正雄君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#24
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、小野清子君の総括質疑を行います。小野君。
#25
○小野清子君 初めに総理大臣にお伺いをしたいと思います。
 経済大国と言われ、豊かで平和な日本、そういう感じを持って私どもも生活をさせていただき、世界からも評価をされているわけでございますけれども、しかし、青少年の残虐な犯罪あるいは幼児誘拐殺人、こういうものが後を絶ちません。御家族の皆様方のお気持ちを考えましたり、また聞く私どもも本当にやるせない気持ちになってしまうわけでございますけれども、総理、こういった問題に関しましての御所見をまずお伺いしたいと思います。
#26
○国務大臣(海部俊樹君) 最近報道されております一連のいたいけな幼女の生命を奪うというような残虐な反社会的な事件の報道を見るたびに、本当に胸が痛む思いであります。同時にこれは、おっしゃるように、物が豊かになったと同じように心が豊かになっていかなければならない。どうしたらこれを起こらないようにすることができるのだろうか。真剣にこれは検討を続け、思いついたことがあったら次々に実行をしてみて、少しでもこういった事件が一日も早くなくなっていくように努めなければならない、このように基本的に受けとめております。
#27
○小野清子君 私は自由民主党七番目の登板でございまして、大体主要な部分は諸先生がお話をされております。ある部分におきましては少々枝葉の部分になろうかと思いますけれども、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 スポーツ健康政策についていろいろとお伺いをさせていただきたいと思います。
 ソウルのオリンピックが終わりまして、バルセロナのオリンピックに向かいましてことしはちょうど中間年に当たります。アジア大会の年になるわけでございますが、アジア大会においてもこのごろ余り日本がリーダーシップをとれない。こういう状況になってきますと、なぜ負けるのか、こういうおしかりも受けますし、またある方は、もう負けてもいいんではないか、そんな意見を言われる方もおります。しかし、スポーツの成績というものはその国のスポーツ健康政策をあらわすものであるという観点から、国の成績を問うこともしばしばございます。そういう観点で、総理はどういうふうに日本のスポ!ッ健康政策をお感じになっていらっしゃいますか、お願いをいたします。
#28
○国務大臣(海部俊樹君) スポーツ選手として華麗な御経験を持っていらっしゃる小野委員でありますから、私も率直に申し上げますけれども、オリンピックはたしか参加することに意義があると言われております。けれども、参加した以上は勝
ってもらいたいなという本音の部分も確かにございます。けれども、オリンピックに参加して勝つことだけがスポーツかというとそうではなくて、今おっしゃったように、健康政策というものが国にもあるわけでありまして、スポーツを振興していくということは、競技に参加をして勝ってもらうような秀でた選手の養成を目的とする部分と、それからすそ野の広い国民スポーツといいますか、健康をより一層促進していくことに主目的を置いたすそ野を広くするスポーツと、両面がずっと伸びていくことが好ましいことだと考えております。
#29
○小野清子君 今総理からお話がありましたように、ゼロ歳のベビースイミングから、そして子供たちの教育的な健康体力づくり、あるいは働く者にとっての労働と余暇、あるいは九十歳のゲートボールの選手がいるという幅広いスポーツがチャンネルを持つ時代になってまいりました。こうした中において、現在の日本の子供たちの健康状態というのはどういうところに位置をしているのか、文部大臣にお伺いをしたいと思います。
#30
○国務大臣(保利耕輔君) 文部省では国民の体力あるいは運動能力調査というようなものをやっておりますが、この十年間を見てみますと、平均して子供の体力あるいは運動能力はおおむね横ばい傾向が続いていると言われております。しかしながら、個別的に見ますというと、例えば横跳びをする能力は非常に上がってきたけれども、これは新聞にも出ておりましたが、体がかたくなっている。大変難しい言葉でございますが、立位体前屈という言葉がございますが、前へ体を曲げる能力が少し減ってきているというような柔軟性の低下が言われております。この原因はいろいろあると思いますけれども、一つはやはり子供さんが、私たちが子供であったときのように、例えば石けりをやったり縄跳びをやったり、あるいは隠れんぼうをやったりして走り回ったり、あるいは木登りをしたりというようなことが割と少なくなってきたというようなことにも関係があるのではないか、こういうふうに思っております。ただ、昔の子供さんと違いまして、野球だとかあるいはサッカーだとか、そういう技術的な面ではかなり昔の方々よりも進歩している面があろうかと思いますが、子供さんたちが遊ぶ遊び場が少し不足をしてきているんじゃないかということを考えております。
 文部省といたしましても、そういった点に配慮をいたしながら今後指導を強めてまいりたい、こう思っております。
#31
○小野清子君 遊び場が少ないというお答えをいただいたところでございますけれども、子供たちにしろ、あるいはオリンピック選手にしろ、人に指導される前にまず自分自身が遊びを通して、走跳投という言葉がありますけれども、跳んだり走ったり転んだり、いわば人間の基本的能力というものを身につける場所というのは、やはり家の中で兄弟との遊びとか、あるいは公園での餓鬼大将集団の中での遊びとか、そういう家庭、地域社会の教育力というものが大変落ちてきているのではないかと思います。そのことは人生八十歳、健康で長生きをしていくという長寿社会を迎える大きな軸に立って考えていきますと、子供時代のそういう遊び、健康政策というものがいわば人間にとっての基本的な問題ではないか、そう思いますし、また、そういう底辺があって競技力の向上ということにもあわせてつながっていくのではないか、そんなふうに考えさせられます。
 こうした現状を考えますと、一番身近な子供に対する環境づくりというものは、総理、どういう部門を考えていったらいいのでしょうか。
#32
○国務大臣(海部俊樹君) これは個人個人の主観によって考えが変わるかもしれませんけれども、私はやっぱり家庭の中でこのごろ兄弟げんかの適正規模というのがなくなってきておる。兄弟げんかの適正規模という言葉がいいかどうか知りませんが、取っ組み合いをやったり、あるいは思いやりの精神を持ったりしたような切瑳琢磨というもの、それに伴う運動神経というものの育成がいい悪いは別にしてだんだんなくなってきた。
 そこで、やはり同世代年齢が適正に集まるところ、あるいは異世代年齢がいろいろなグループ活動ができるところがやっぱり学校の場だろう、こんなふうに思います。そうして、いろいろ学校における指導の中でそういったような児童生徒の特質や能力を発揮させるような、あるいは遊びならばどんな遊びがあってどんなことをしていくのがいいのかというようなことなんかも自然に身につけるようにしていってもらうのがいいなと。私は、今ここまで歩きながら考えて率直にそう思いましたので、お答えにかえさせていただきます。
#33
○小野清子君 家庭の中で子供が遊ぶのに、今一軒の家庭に子供が一・六六、東京などは一・三一、兄弟げんかをする相手がいないという現実もあるわけです。これで外へ出ますと、交通戦争ですから道路で遊べない。広場は閉鎖をして遊ばしてもらえない。子供はどこへ行って何をしたらいいのだろうか。
 ここで出てきますのが、都市公園整備というものがやはりこれから非常に大きな役割を担うのではないかと思いますけれども、そういった意味での都市公園の整備の方針、方策というものをお伺いしたいと思います。
#34
○政府委員(真嶋一男君) お答えいたします。
 都市公園の中で、子供の遊ぶ場として一つは児童公園というものがございます。そして児童公園の場合は規模が小規模なものが多うございまして、千から千五百平方メートル程度でございますが、そういうところでは、どちらかというとブランコとか滑り台とか遊具等を置いているというような公園でございます。それから小学校の高学年になりますと、ボール投げをするとか野球とか、そういうようなものを行う場として必要になってくるということでございます。
 児童公園の中で、大規模なものについてはこれに対応できるようにしておるところでございますけれども、さらにこういう手軽なスポーツをみんながやるような場としては、近隣公園という標準的にはおおむね二ヘクタール程度のものを考えているのでございますが、こういうものの整備がこれから重要になってくるというふうに考えておりまして、来年度からスタートいたします都市公園等整備五カ年計画の中、第五次の計画でございますが、ここで最も重点的に、積極的に整備を進めていきたいと考えておるところでございます。
#35
○小野清子君 狭い日本の中で公園づくりというものは、希望はありましても、現実に非常に難しい面があろうかと思います。
 私の家の周囲を見回しましても、児童公園というのは三、四カ所あるんです。しかし、児童公園の場合には制約事項がありまして、ボール禁止、自転車禁止、そして東京の場合には鉄棒というぶら下がるものがほとんどありません。そうしますと、ブランコ、滑り台というのは、あれは重みがあれば下の方に落ちていきますし、自分から主体的に体を動かすという、そういう条件が非常に欠けております。そして、その制約があるということは、いわば小学校の運動神経あるいは運動能力の非常に伸びる時期にそういう禁止事項がある広場というものが、どうこれから効率よく変身していただくかということを実はお願いしたいわけです。
 例えばヨーロッパあるいはアメリカに行きますと、狭くても金網を張りましてボール遊びを自由にやれるという場所が非常に目立つんです。日本の場合には、児童公園というものがありますけれども、全部その禁止条例の中で場所は要するにただ置いていますよという、こういう形の存在であるわけなんです。やはり実働し有効に活動するところにおいてその施設というものが整備されている意味があろうかと思いますけれども、そういった小学校の低中学年の子供たちに最も効率のいい公園というものの整備、こういうものに関して建設省はどのようなお考えでしょうか。
#36
○政府委員(真嶋一男君) お答えいたします。
 児童公園というのは、どちらかというとやや幼児向きのところにシフトしたような格好で遊具の整備がございます。それで、小学校の低中学年と
いうことになりますと、それでは飽き足らないというようなところが出てまいっておりますが、現在、殊に都市部の児童公園は先ほど申し上げたような千平米前後のものが大変多うございまして、それですとなかなか活用が難しいという点はございますけれども、そういう限られた中でどうやって活発な主体的な子供たちの遊び場をつくっていくかということも大きなテーマだというふうに考えて、今検討を進めているところでございます。
#37
○小野清子君 文化程度とスポーツの振興というものは正比例であるとよく言われます。一般的にお母さんたちには何かスポーツをしていると成績が下がるんではないか、そのような誤解がありますけれども、文化程度が高くなればなるほど体を使わない生活になるわけですから、あえて運動しなければ健康でいられない時代になる、総理もよく泳いでいらっしゃるようでございますけれども。
 そういう時代になってきますと、ゼロ歳から百歳までのトータルした中における生涯スポーツ、文部省の方もスポーツ課が競技スポーツ課そして生涯スポーツ課に変わったということはまさに時宜を得た対処であったと思うわけです。昔は、いい年をして遊んでいるとスポーツだと言われました。しかし今は、まさに時代が変わりまして、労働省が率先をしてリフレッシュの場所をつくっているわけでございます。
 スポーツは、語源的に考えてみましても、仕事から解放され、気分転換を図り、あすへのエネルギーを生み出すという、これがスポーツの語源でございますから、そういう観点からすると、やっとスポーツが文化的存在として今浮かび上がってきているのではないか、そんなふうに考えるわけです。しかし、公共施設を使った中でこういうすべての国民の運動の量や質や希望を賄うことはできない時代に入ってきたわけでございます。そういう大きな立場から、これからの日本人の健康政策というものを総理はどういうふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
#38
○国務大臣(海部俊樹君) このごろいろいろなところでスポーツに励んでいらっしゃる皆さん方をよく拝見いたします。朝の六時ごろから、例えば皇居周辺をちょっと見てみましても、年代とか職業を全部離れて多くの人がジョギングを楽しんでいらっしゃる。その一事だけを見ても、だんだんスポーツをする方のすそ野が広くなっていっておるということは私はいいことだと思っております。
 同時に、これは今後、今答えがありましたように、公園の整備とか運動場の整備とか、あるいは学校教育の中において体育の時間やその他にどのようなことで指導していただくか、むしろ社会教育施設の中に社会人となった方々がスポーツに励むことのできるような御指導や場所をどうして確保していったらいいかとか、いろいろな問題があると思います。
 これは非常にいい話でありますから、いろいろな政策を総合的に、結果として多くの方々がスポーツに親しんでいただけるような、そして健やかにお年を重ねていっていただけるような、そんな国民的スポーツというものが流行していくといいますか、すそ野が広くなっていくことを願っております。
#39
○小野清子君 公共施設というお話をいたしましたが、私も先日ゲートボールの大会がありまして駒沢の競技場に行きましたが、八時半にならなければ絶対扉があかないとか、公共施設の場合には使用に関する制限が非常に多くあるというのも、これも一つの公共施設であるという、格安のお金でもって使いやすい面と逆に時間的な制約も出てくる。
 これからは、先ほどのお話もありましたように、二十四時間体制の中で健康政策も考えていかなきゃならない。早朝に使いたい者あるいは深夜にスポーツをその時間しかできない者、さまざまな時代の変革が起きているわけでございます。そういった中においては、公共施設と民間施設とそういうものが協力し合った形の中で行われていかなければならないのではないか、そのように思いますが、民間のいわゆる施設というのはやはりこれは受益者負担でございまして、非常に経営的に苦しい部門があり、特に私ども陳情を受けますのはテニスコート、そういった面は固定資産税の面あるいは代がわりの相続税の面で、週休二日でますます利用者が多くなる一方で閉鎖されていく部門が多うございます。
 これもやはり今までにない新しいいわば産業と申しましょうか、企業と申しましょうか、分野であろうかと思いますが、こういうスポーツ施設に対する税制面というのはどうなっているのかお聞かせをいただきたいと思います。
#40
○政府委員(尾崎護君) 現行制度につきましてとりあえず申し上げさせていただきます。
 まず、今のお話を伺っておりまして、民間スポーツ施設を経営されておられる方についての税制でございますが、個人でやっておられますと個人の事業所得ということになりますし、法人で経営されておられますと法人税の対象になるということが一つございます。
 それから御指摘のございました相続税につきましては、これは相続税は財産課税でございまして、その財産の使途を問わずに相続がございましたときには負担をお願いすることになっておりますので、スポーツ施設であるからというような点では取り扱いが変わるということはございません。固定資産税におきましても同様のことと存じます。
#41
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今直接担当局長としての主税局長から現行の税制の中での対応というものについてはお答えを申し上げたわけでありますが、私は、確かに私自身もスポーツクラブにも入っておりますし、学生時代から運動好き勉強嫌いの方でありますから、先ほどからの御指摘を聞きながらいろいろ考えさせられることがありました。
 ただ、対応策をこれから考えていかなければならない、殊に民間施設をできるだけ整備していかなければならないという必要性は私もそのとおりだと思うんですけれども、それを相続税あるいは固定資産税という形でちょっと対応することは私もなかなか難しいと思います。今後どういうふうに施策を組み立てていけば民間のスポーツ施設というものを減少させないで済むか、むしろ拡大させていくことができるかということについては所管省庁とも御相談をしながら検討させていただきたい、そのように思います。
#42
○小野清子君 ありがとうございます。
 児童公園あるいはグラウンドに土地を提供している場合にその代がわりが起きてきますと、今おっしゃったようにスポーツ施設であろうと何であろうと何ら特別視されることなくということになりますと遊び場が、遊園地等が即畑になってしまったり、グラウンドにマンションが建ったりという悲劇とも思えるような現実が東京の中でよく聞かれるわけなんです。公共に提供しているような場合には、例えば何かうまい方法があるんではないか。諸外国を視察して歩きますと、例えば企業がワンフロア健康のためにそこにセッティングをしフロアを提供している場合には、固定資産税はそのフロアは免税という、そういう一つの方針もあるんです。
 大蔵の方々と以前お話をしたときに、その会社には余裕があるからそういうことができるんだ、だからやはり税制は無理だというお話がございましたけれども、これから健康で長生きをしていくということはいわばその国の存続にもかかわる大事な問題だと思うんです。そういった意味で、健康政策と税制というのは今までほとんどかかわり合いがなかったような気がするんです。もう少しその辺を新しい時代に向かって、これで何かを生産するということではないんですけれども、健康はすべてではないんですが、健康でなければできないというその人生の活躍のもとにもなるわけでございますので、ぜひとも今後いろいろと対処をお願いしたい、そのように思います。
 遊び場の問題もこのように幾分閉鎖的になりま
したり、あるいは民間施設も古橋広之進JOC会長のトビウオスイミングというのも固定資産税に負けてこれも閉鎖になりました。私どもがやっておりましたスイミングもやはり経営的に余り利がないということでマンションに変わってしまいました。こういう話はたくさんございます。ですから、地域の方々から署名をもらっても現実にそれが消えてしまうということは、やはり民間だから構わないんだという言葉で置きかえていいのだろうかということを大変感じているわけでございます。
 そういった意味もあわせながら、国立スポーツ科学センターというものが今どのように文部省の方におきまして進んでおりますのか、お答えをいただきたいと思います。
#43
○国務大臣(保利耕輔君) お尋ねの国立スポーツ科学センターでございますけれども、現在施設の基本設計の作業を進めている段階でございまして、平成二年度におきましては実施設計に着手することにいたしております。以下、これのできるだけ早くできますように推進方努力をしてまいりたいと思っております。
#44
○小野清子君 ソウルのオリンピック大会で惨敗をいたしましたときに、やはりこういう国の根幹となるスポーツ科学センターがないことが敗因の一つでもあるということで、新聞あるいはテレビ等でもいろいろと話題になったわけでございます。ぜひとも早い時期に、一生懸命汗を流している選手たちがあるいは地域の方々が最も有効なるそれぞれの力を発揮できるようにお願いをしたいと思いますし、私はこういう施設は国立スポーツ科学センターを中心として国立トレーニングセンターは日本の中の九ブロックに一つくらいずつは必要だと思います。そういう観点からしますと、日本のスポーツ行政というのはいわば個人に任せられておりまして、たまたまうまくなるとそれが日本を代表して行くというある意味では非常に無責任な状態になっているのではないか、そのように思いますので、ぜひとも積極的な取り組みをお願いしたいと思います。
 だんだん税金から財源の方になってきますと、昨年はスポーツ振興基金というお話が浮上いたしましたが、いつの間にか消えてしまいました。総理、これほどうなっておりますでしょうか。
#45
○国務大臣(保利耕輔君) スポーツの振興基金につきましては、いろいろなところからその設立について御提言をちょうだいいたしているところでございます。文部省はこれらの提言を受けまして、平成元年度予算で調査費を六百八十方ほどつけておりますが、平成二年度におきましてもさらに予算案に調査費を計上いたしまして、引き続き調査研究をいたしていこうと思っております。しかしながら、先生御指摘のようにスポーツの振興は大変大事でございますし、またいろいろな各種の競技会等が盛んに行われること、大変結構なことだと思います。スポーツ振興基金設立のために私もまた努力をしてまいりたいと思っております。
#46
○小野清子君 昨年は芸術文化振興基金が誕生したわけでございます。スポーツはもう一つのだるまの目玉と思っていただきまして、どうぞだるまに両目が入りますようによろしくお願いを申し上げます。
 最後に、オリンピック等で選手が活躍し残念ながら負けてしまいますと、強化費にあれだけお金を使ったのに何をやっているのだ、税金のむだ遣いだと言われて私どもは大変心痛い思いをしたわけでございますが、しかし現実に諸外国と比べますと決して日本の予算がぬきんでて高いわけでもなく、逆に少ない方ではないかと思います。総じてスポーツ健康政策というものが十三省庁にわたっておりまして、平成二年の予算を拝見させていただいても、三千二百億円の予算が十三省庁で使われております。総理、御存じでしたでしょうか。
 三千二百億円の予算の中で健康政策が行われ、選手強化の予算は十七億でございます。これが多いか少ないかは別にいたしまして、そういった三千二百億円もの予算がもっと有機的に効率よく使われることにおいて、私は二十兆円にも上る医療費の問題等々もあわせて功を奏していくのではないかと思いますが、スポーツ関係の質問の最後でございます。総理、お考えをお伺いさせてください。
#47
○国務大臣(海部俊樹君) 御質問の御趣旨は、そういった目的を達成するようにせっかくそれだけのお金を出しておるならば、十三省庁とおっしゃいましたが、十三の役所でスポーツ関係、健康関係のことをばらばらにやっていないで統合してやっていくようにしろという、そういう御趣旨だろうと私は受けとめさせていただきます。もしあれでしたら、文部省の方にそういったことについてどのようになっておるのかを詳しく聞いてみたいと思います。
#48
○小野清子君 次に、男女雇用機会均等法が施行されまして、女性の働く条件整備というものも大分整ってきたような感じがいたします。職場への進出も大変多くなりましたし、職場の広がりも出てまいりました。いろんな職種に女性が活躍するようになりました。また管理職へもそれぞれ女性が登用されるようになって、ニュースになっているところでございます。しかし、ニュースになっているというのは珍しいからで、まだまだ少ない、私はそのように認識をいたしております。
 育児休業制度に関しましても政府はぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思いますし、またその内容に関しましてはまだ細やかに詰めるべきところはあろうかと思いますけれども、ぜひ積極的な姿勢を貫いていただきたい、かように思います。
 今回、保育所の面もいろいろ調べさせていただきましたが、子供たちの数が少なくなりましたことで、保育所の方の充実というものはまあまあ、利用者に対して定員に満たないところすらあるというお話を聞かせていただきました。しかし、やはり一番小回りのきくと申しましょうか、そういうところが満たされていかなければ、本当の意味で女性が働きやすいという状態にはならないと思うのです。
 外務省の方にも女性職員の方々がたくさんいらっしゃると思いますが、先ほどのお話のように朝一番の電車で帰りまた出てくるという、こういう時代になってきますと、その間安心して子供をだれが見るのかという問題も当然出てくるわけでございます。そういうキャリアの方々あるいはそうではなくて職種によって早朝、深夜にわたる方々に対して今最も期待されておりますのがベビーシッター――英語を使うことは余りよくないのですけれども、これは日本語にどう訳すのだろうか、子守と言ってはちょっとまた違ってこようかと思いますが、そういった部門が大変要求されております。
 厚生省の方に、このベビーシッターについて今どのような実態であるのか、また今後どのような対策をお考えであるのか、お伺いをしたいと思います。
#49
○国務大臣(津島雄二君) 小野委員にお答え申し上げます。
 女性の社会的な役割が大きくなるにつれまして、子供さんの介護と申しますか、子供さんを家庭に置いて見守るという需要が高まってきております。
 ところで、私率直に申し上げますと、保育つまり施設を設けてそこに子供さん方においでになっていただくという形の子供さんのお世話はかなり進んでまいりましたけれども、御家庭で面倒を見るということについては実はややおくれているというのが私の率直な印象でございます。小野先生も社会的に非常に活躍されておりますので身につまされていると思うのでございますが、例えば私の家内の妹は作家をやっておりますけれども、保育所にもなかなか連れていく時間がない、やっぱり家庭に来てだれか面倒を見てもらわなきゃならぬということを非常に強く言っておるわけでございます。
 しかし、需要が大きいものですから、都市部を
中心に事実上非常に増加しているわけでございまして、これをそのままに放置するわけにいかぬということで、昨年の十月の末にようやく主なベビーシッター業者の任意組織である全国ベビーシッター協会というものを設立していただきまして、これを関東中心でございますけれども、二十社の仕事をやっておる方に集まっていただいてその組織化の第一歩が始まったわけでございます。
 いずれにいたしましても、これは非常に難しい問題を抱えておりまして、例えば事故が起こった場合にどうするかとか。考えてみますと、何とかこれをもう少し組織化いたしましてお手伝いすべきものはお手伝いするという体制をつくらなきゃいかぬということで、現在では協会に加盟しておられる方々に講習会をやっていただきまして、適正な子供さんの面倒見のあり方について研修していただいているわけでありますけれども、これからもう少し保育所のあり方と並んで真剣に検討してみたいというふうに考えておるところでございます。
#50
○小野清子君 新しい職業あるいは新しい要請であろうかと思いますけれども、ぜひとも積極的に取り組んでいただきたいことをお願い申し上げます。
 女性の問題とはいろいろあるわけでございますが、高齢化時代を迎え、超高齢化にあと五年というところまで迫っているわけでございますけれども、核家族化をしております現在、だれがそれの面倒を見るのかということは非常に大きな問題だと思います。子供が親の面倒を見るということは当然だと思いますが、子供自身が高齢化をしていくという二重の問題があって、孫が二つの高齢者を扱うというそういう現実もあるようでございます。さらに、私はあるところで伺いましたら、八十歳の親が六十歳を見ていると、こういう高齢化も始まっているわけでございます。要するに子供のおしめを二度かえるとは思わなかったという、こういう悲劇が起きているということでございます。
 こういう観点から考えていきますと、厚生省は高齢者保健福祉推進十カ年戦略というものを打ち出されておりますけれども、いろいろな施設ができてもマンパワーというものが確保されなければこれからの高齢化時代というものはなかなかうまく運んでいかない。そういった意味におきまして、介護福祉士あるいは看護婦さんの養成、こういうものはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#51
○国務大臣(津島雄二君) 委員御指摘のとおり、健康づくり、健康社会の反面が長寿社会でございまして、この長寿社会が活力のある立派な福祉社会にならなきゃいかぬという意味で十カ年戦略を打ち出させていただいているわけでございますけれども、これを担うマンパワーがこれから充足されるであろうかということが我々一番心配しておるところでございます。
 そこで、こういう仕事をやる中核になっていただく方々が介護福祉士というしっかりした人材になっていただいて、その中核として仕事をしていただくということで昭和六十二年に社会福祉士及び介護福祉士法が制定され、現在全国で三千人を超える介護福祉士が誕生しております。こういう方々を中心といたしまして、さらにホームヘルパーの方々を組織化して、ホームヘルパーだけでも十万人の体制をつくろうということで一生懸命やってまいりたいと思います。
 一方、看護婦、これは医療の現場におけるマンパワーの重要な要員でございますけれども、この点につきましても現在まだ不足で、七十七方体制でございますけれどもまだ十六万人ぐらい不足であると言われておるわけでありますが、これを充足するために養成力を拡充するとか、それから一遍子育て等のために離職された看護職の方に再就職をしていただくとか、それからできるだけ続けてお勤めいただくためにはどうしたらいいかとか、それから当然のことながら資質の向上という四本柱の養成・確保対策をやっておりますけれども、この点についても九十三万人の目標ではなおかつ不足ではないかというのが私の率直な感じでございます。
 なお必要とあれば、政府委員から答弁させます。
#52
○小野清子君 要望がありしかし不足であるというこの現実に絡みまして、いかがでしょうか、国公立の養成所をもっとふやすとか、あるいは民間の養成機関特に医師会が養成している部門に対して積極的に補助金を出して具体的な政策をとることはどんなものだろうか。
 あるいは看護婦さんの問題にしましても、准看制度即時撤廃という活動が起きていることも私も十分承知しておりますけれども、しかし現状ではまだまだ足らないことを考えますと、医療の方は高度医療でますますレベルを上げなくてはならない、そういった観点からはぜひ養成に対する補助金をお出しいただいて、さらに准看の方々にはレベルアップのための正看護婦になるためのコースの増設をして、いわばそれに対する予算措置というものをぜひとも具体的にお考えいただけないだろうかということでございますが、いかがでしょうか。
#53
○政府委員(仲村英一君) 看護職員の確保対策についてはただいま大臣から御答弁がございましたが、私ども事務方といたしましても養成力の拡充の問題、潜在看護職員の活用の問題、現在働いておられる方の離職の防止の問題、あるいは看護婦さんの資質の向上というこの四つの方向から予算的にも、平成二年度の予算にもただいまおっしゃいました民間団体等の養成所の新増設に対しても補助対象にいたしますとか、運営費の補助でございますとか、修学資金の単価のアップでございますとか、それから各県にナースバンクという、看護婦さんを紹介する機能を持っておりますが、そういうものに対する補助金の増額、これは看護婦さんが現場に戻ろうとする際にはやはり研修をして差し上げるというふうな費用も必要でございますので、これも新たに補助金の制度としてつくったりしておりますし、院内保育所をふやすとか、そういう方向で予算的にも増額を図っていくようなことで努力をさせていただきたいと考えております。
 それから、准看護婦さんを正看護婦にする方向の道を広げたらいかがかという御意見だというふうに理解いたしましたけれども、その面についてもいろいろ党の方でも御検討いただいておりますので、私どもとしても並行しておっしゃったような方向の施策の拡大という面について検討を進めたいと考えております。
#54
○小野清子君 それでは、東京の問題についてちょっとお伺いをさせていただきたいと思いますが、日本じゅうが国際化、情報化の中で今現在は揺れ動いているわけでございますが、東京におきましても御多分に漏れず住民生活の面でもさまざまな問題が生じているわけでございます。
 こうした住民生活に直結した行政に第一義的責任を持つ自治体というのは、一般的に市町村であるわけでございます。これを基礎的自治体というわけですけれども、これが東京においては都が広域自治体であると同時に基礎的自治体であるということで、特別区二十三区は都の内部団体に位置づけられておりまして、例えば児童相談の場合にでもこの部門は都に行ってくれとか、あるいは教科書の選択も都がやるとか、それからちょっとした広場をつくりたいと言ってもそれは都の方に申請しなきゃならないとか、世田谷は八十万、大田区は六十万を超すいわば一つの県にも値するような大きな人口を抱えておりながら、かつまた千代田区は夜は四万八千人、昼は百万人というこういう大変なそれぞれの地域の事情を抱えながら、非常に行政的にやりにくい。そのことは、いわば自治体としてきちんとしたことが住民にとられていないという不満が大変あるわけでございます。
 そういった点からも、昭和三十七年の第八次地方制度調査会において、都の行政というものは質量ともにもう少し考えるべきであるという御指示をいただき、そして、六十一年二月には都区の役割分担を明らかにして、特別区を基本的日治体に
明確に位置づける方向で合意をしまして、現在地方制度調査会で審議が行われているわけでございます。三年にわたり小委員会の検討が続けられているわけでございますけれども、第二十二次地方制度調査会の任期が九月でちょうど終わるわけでございますが、その都区の合意の線に沿った答申が得られる見通しがあるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
#55
○国務大臣(奥田敬和君) 特別区の自主性、自律性というか、それを強化しようということで、今先生お示しになられましたように都区合意が六十一年になされました。これは、廃棄物の収集とかあるいは児童相談とか開発行為の許可とか、そういった形の一般行政事務をできるだけ区に任そう、そういった明確化が都と区の間で協議成立したわけでございますけれども、これに関しては御指摘のとおり答申の結論が九月でしたでしょうか行われることになります。
 この結果の大勢ですけれども、今内容を詰めておるように聞いておりますけれども、結論、大勢と申しますか、そういう形は、この都区合意の内容を尊重して、今先生が言われたような方向の中で区の自律というか、いわゆる特別区の行政権能の自主体制を確立するという方向で結論が出るように聞いております。ですから、先生の期待される方向の中で結論が出るというような方向でまとまるであろうということでございます。
#56
○小野清子君 議会開設百年の年に当たりまして、現在衆参両院のそれぞれに噴水の設置も行われておりますけれども――噴泉だそうですね、上がるんじゃなくて横に広がる、設置が行われているようです。参議院ではこの予算委員会の様子が実験放送として院内に流れているわけですが、開かれた国会、理解される国会という意味におきましてアメリカの方で行われておりますC―SPAN方式、こういうものをぜひ一日も早く各家庭に流してほしいということで今検討をされておるようでございます。私は、そういう噴泉ができた場合に、国会議員だけが見るのではなく、土日一般の方々に開放してはどうだろうか。さらに、諸外国へ行きますと国会がライトアップされております。やはり親まれる国のシンボルとして新しい時代にぜひそうあってほしいと思います。
 総理、長年国会の方に籍を置かれていらっしゃいまして、一世紀、日本議会のありようをどう回顧され、二十一世紀に向かってのあるべき姿をどう認識されますのか、C―SPAN等の導入についても一言触れていただいて御感想をいただき、終わりたいと思います。
#57
○国務大臣(海部俊樹君) それぞれ院の議院運営委員会で各党の代表の方が御議論なされるべきことでありますから踏み込むのは差し控えたいと思いますけれども、日曜日でも土曜日でも皆さんが見に来られるようなこと、あるいはここでのいろいろな御議論の様子が広く御家庭にも伝わっていくようにするという方向性、それは私も新しい時代の要請でもありますし、そうなることが親しまれる国会になり、その中からやはり政治への信頼も確立してくるならば一生懸命頑張ってそのようなことに対応していかなきゃならぬ、いい方向だと私は受けとめさせていただきたいと思います。
#58
○小野清子君 ありがとうございました。終わります。
#59
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で小野清子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#60
○委員長(林田悠紀夫君) 予算委員会を再開いたします。
 平成二年度総予算三案を一括して議題といたします。
 それでは、これより堂本暁子君の総括質疑を行います。堂本君。
#61
○堂本暁子君 我が国のODAはもう世界一、二と言われるほどになりました。特にもう日本の官庁、ほとんどどの省庁にも関係がございます。きょう、あえて予算委員会の総括質問の席でODAのことを問題にし、予算を絡めて伺いたいと思ったのもそういうことなのでよろしくお願いいたします。
 総理は、予算委員会の中でも、できれば軍備のない形でアジアの平和のイニシアチブを日本でとりたいと、この間発言されました。けさも平和の配当というようなことで日本は国際的に孤立できないんだということをおっしゃいまして、多分経済協力ということにも大変重点を置いておられると思います。
 先日、南西アジアを旅行なすって実際に各国から要望も受け、御自分でもいろいろお話しにもなったと思いますけれども、どういう援助の理念と申しますかお考えを旅の間にお持ちになったでしょうか、まずそのことから伺わせていただきたいと思います。
#62
○国務大臣(海部俊樹君) 日本の現在置かれております国際的な立場からいって、多くの国々から、それぞれの国の国づくり及び人づくりの面についてできるだけ日本に協力をせよと、こういう御要請はたくさん来ております。
 私は、できる限りのことはして御協力をしていくのが当然ではなかろうか。それは、日本も戦後そういった社会の中で大きくなってきたわけでありますから、今度は直接要請を受ければこれは御協力をしていく。ただ援助だけじゃなくて、人が直接行ったりあるいは技術移転をしたり、あるいは文化の交流をやったり学術の交流をやったり、そういった幅広いものの中で、相互依存関係の中で期待にこたえていかなきゃならぬということを感じてまいりました。
#63
○堂本暁子君 ODAに絞ってお考えになると、まあ大変大きい額でございますね、一兆三千億。その実際の使い方に関してはどういう信念というかお考えをお持ちでしょうか。
#64
○国務大臣(海部俊樹君) それはあくまでそのODAの支援がその国の国づくりに役立っていくように、その国の人々に喜んでもらえるような結果が見られるように、こう思っております。
#65
○堂本暁子君 例えば環境的な配慮ですとか、それから国際人権の問題なんかもございますが、その点はいかがでしょう。
#66
○国務大臣(海部俊樹君) 環境的な配慮の問題とか、それは事前に相手国の政府と、やはりその要請があるときにいろいろできるだけの配慮をしていくのはこれは心構えとして持つべきことである、こう受けとめております。
#67
○堂本暁子君 日本のプロジェクトの場合に、相手国だけがやっていいものなのか、事前に日本からの環境アセスメントをする必要があるのか、その点はいかがでしょうか。
#68
○国務大臣(海部俊樹君) 専門家がお答えいたします。
#69
○政府委員(木幡昭七君) 環境問題につきましては、最近ODAとの関連でも大変大きな関心が寄せられているところでございます。
 私どもとしましては、事前事後を問わず、できるだけ環境問題に配慮するということでやっておるところでございます。もちろん世銀等で既にそういう報告が出ている場合には、権威のある機関の報告書でございますので、十分そういうものを参照させていただいております。
#70
○堂本暁子君 局長、参照とおっしゃいましたけれども、具体的にはどういうことでございます
#71
○政府委員(木幡昭七君) プロジェクトに対する援助を決定するに当たって、住民の問題、環境に対する影響等問題があるプロジェクトについては、既になされている報告等がある場合にはそれを踏まえて総合的に判断をさせていただく。それから我が国が援助を既に開始しているものにつきましても、その後問題が生じた場合には随時その過程において先方との話し合い等をやって、環境問題にもこれから一層配慮していかなきゃいけない、このように考えております。
#72
○堂本暁子君 総理はインドで一千億円の約束と
申しますか、なすったということが報道されておりますけれども、主なプロジェクトとか、いろいろお話もあったと思いますけれども、どのようなものがあるか、そしてその中身ですね、それをぜひこの際教えていただきたい。
#73
○国務大臣(海部俊樹君) 具体的な中身については局長から御答弁をいたさせますが、首脳会談のとにきは、引き続いて日本に対する援助を強く要請を受けました。そして、インド側が出される案件について、どれを取り上げ、どれに援助がどの程度できるかというようなこと等につきましては、それぞれいろいろと担当の方で打ち合わせをしたり、どれを採用するかを決めなきゃならぬわけでありますから。
 ただ、全体としてどうかということを言われましたので、今日までのいろいろな実績とか全体の枠の流れとかを言って、大体一千億程度のことが事務当局の間で話を詰めていただければできますということはインドでは申し上げました。
#74
○堂本暁子君 その一千億の……
#75
○国務大臣(海部俊樹君) 内容は局長から。
#76
○政府委員(木幡昭七君) インド御訪問の際の総理の御説明は、ただいま総理から御答弁なされたとおりでございます。たまたまインドに対する援助国会議は六月の中旬、正確には十八、十九日に予定されております。ただ、先方政府はその際に、日本はどのような援助の仕方をしていただけるのであろうか、この総理の御訪問の機会に御説明願いたいということでございました。そこで先ほどのような御答弁があったわけでございます。
 インドからは昨年来、電力、農水産業、林業、都市開発、医療、運輸等の広範な分野で援助要請が参っております。ただし、援助国会議がまだでございますし、今先方の要請の内容を精査しているところでございますので、具体的なプロジェクト名を挙げてただいま御説明を申し上げるわけにはまいりませんが、例示的に対象分野をこの際御説明させていただいた次第でございます。
 いずれにいたしましても、インドの経済社会の発展と安定を引き続き支援するという見地から優良な案件について援助をするという方針で、目下政府部内で検討を続けているところでございます。
#77
○堂本暁子君 優良な案件とおっしゃいましたけれども、私どももどういう案件の約束をなすったのかぜひ知りたいと思いますし、それから予算の審議ということで、これは当然平成二年度の予算に一部は計上されていると思いますけれども、予算書を見てもどこにそういうものがあるのかわかりません。実際に、ODAの予算の中身というものが一切見えないんですね、インドのものだけではなく。その点を大蔵大臣、もう少し予算書の中でODAの案件というのが私たちに見えやすいようにはならないものでしょうか。
#78
○国務大臣(橋本龍太郎君) いろいろな工夫をしながら、できるだけわかりやすいようにつくる努力は続けておりますけれども、私も事務方に尋ねてみますとさまざまな問題点があるようであります。
 もしよろしければ事務当局からその点について御説明をさせ、今後ともに工夫をさせていただきたいと思います。
#79
○政府委員(小粥正巳君) 予算書についてのお尋ねでございますので、恐縮ですが、初めに予算書のつくり方、記載につきまして簡単に一般論で申し上げますが、歳出予算でございますから、当然財政法、会計法等の規定に従いまして区分のいわばルールが決められてございます、細かいことは省略をさせていただきますが。この区分は、御存じのように議決科目は項まででございますけれども、各省から出されます、例えば外務省から出されております予定経費要求書というもので、これは実際に予算書あるいは参照書に出てまいりますけれども、経費支出の事項別あるいは対象別、目まで区分をされているわけでございます。
 ただ、この区分は確かにある意味で大変技術的なものでございます。これは各分野のさまざまな予算がございますから、共通した整合性のある区分、記載であることが必要でございますし、当然国民から見てわかりやすいものでなければならないと思っておりますが、一方また、執行面から考えまして能率的に使用できる区分であることも必要であります。それからまた、事後的な監査、監督の面から責任の所在が明らかであるという必要もございますので、予算書の区分、記載はこのようないろいろな要請を調和させたものと御理解をいただきたいわけでございます。
 そこで、御指摘のODA関係の支出についてでありますけれども、予算書上は今申し上げました一般原則に従って他の分野の予算と同じように区分をされております。例えばODA予算の中でよく出てまいります無償資金協力のための予算、これは現実に予算書上どんな姿になっているかと申しますと、これを支出する組織は外務本省でございます。その支出の目的に従いまして、議決の対象になっております項でございますが、これは経済協力費という区分がなされております。さらにその内容として、事項別区分と言っておりますが、経済開発等の援助に必要な経費、さらに要求書ではこれが目に細分をされまして、経済開発等援助費という区分になりまして、金額が昨年度の予算と本年度の予算、その差額という形で表示をされております。
 それからなお、ODAでございますけれども、これはもう委員よく御承知のとおり、OECDの開発援助委員会、いわゆるDACが定めた統計基準によってルールが決められております。これも大変技術的な概念でございまして、いわゆるODA予算はさまざまな予算の中からDACの基準に照らしてそれに合うものを集計したもの、こういうことになります。したがいまして、御指摘のように予算書を見てもどうもODA予算が一覧で出てこないではないか、あるいはさらに、先ほどプロジェクトのお話がございましたが、プロジェクトごとの具体的な姿が見えないではないか、こういう御指摘であろうかと存じますが、予算書の記載につきましてはさっき申し上げましたいわば一般的な共通のルール、区分に従って、予算書上の表示は限界があるというところは恐縮でございますけれども御理解をいただければと思います。
 ただ、御指摘のございましたODA予算の概要等につきまして不十分という御指摘でございますが、今後とも必要に応じまして私ども、あるいは実際にODAの執行を所管しております関係省庁とよく御相談をしながら、資料の作成に工夫をしてまいりたいと考えているわけでございます。
#80
○堂本暁子君 執行上便利な予算書なのかもしれませんが、国会に求めているのはこれだけのお金をODAに使うということだけなんですか、それともその中身なのか。こういうことにこれだけの金を使うということがどうなのかというふうに審議をするのではないのでしょうか、どちらでしょうか、大蔵大臣に伺います。
#81
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今局長から御説明を申し上げました中にもありましたように、一つの問題点はOECD開発援助委員会、DACの決めたルールというものに従ってこれが集計されるというところに委員の指摘される問題点の一つがあるように私は思います。
 ただ、これは国際ルールでありますから日本だけでそれを変更するというわけにもまいりません。ですから、どうすればそれを超えてわかりやすい工夫ができるか、これはもう少し工夫をさせてみたいと思いますが、今局長からお答えを申しましたように、開発援助というもの自体、国会の御論議として私はその総額だけではなく、個別の問題にまでお入りをいただいて御論議をいただくということに何ら異論があるとは思いません。
#82
○堂本暁子君 そこは異論がおありにならないということなので大変心強く思いますけれども、そうしましたら、実際にプロジェクトをお示しいただかないとそのプロジェクトの是非については審議できないと思うんです、国会の方で。何らかの形でこれだけの予算で、この国で、こういうプロジェクトをやるというような形のことをお示しいただくことはできないんでしょうか。
#83
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは私自身がお答えをするのがいいのかあるいは相手国との交渉に当たるそれぞれの責任者としての各省がお答えをされるのが望ましいのかよくわかりませんけれども、私は一般的に申し上げまして、政府間のこうした話し合いの中において選択されるプロジェクトというものは、委員の御指摘のように公表のできる性格のもの、また相手国の何らかの事情によってその時点において余り公表されることを相手側が望まないもの、さまざまな対応があろうかと思います。
 ですから私は、例えば予算書の中にその年度における予定される案件全部を列記するというようなことをもし求められるとするなら、これはなかなかそういうふうにいたしますというお答えのできる性格のものではないと思います。ただ、それぞれの進行過程において、その年度中に例えば話し合いがまとまるであろうという形で載せられておるものもありましょうし、あるいは既に約束がなされ、その年度から事業が開始されるということで資金援助が動き始める、いろんなケースがあると思います。私はそれは一概にルールとして決めることは難しいのではなかろうか、そう思います。
#84
○堂本暁子君 そうしますと、決まらなくても相手国に特別不便がない場合には、もうその年に決まるものであればお示しいただけるということですね。
#85
○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから、これは私がお答えするのが本当に適当かどうかよくわからないんですけれども、基本的には、決定をして相手国政府との間においてそれが公表されて何ら問題がないというものであるならば、それを例えば資料の形で提出をしろというような御要請があった場合におこたえのできない性格のものではないと思います。ただ、それを予算書に列記するという御意見であるならば、さまざまなケースがあり得るわけでありまして、一部を記載し他は省くというわけにもまいりませんから、ルールとしてはむしろ掲上は難しい。ただ、どういう形で――例えば委員から御指摘のありますようなものに対して資料としておこたえができるとか、これは政府として工夫の余地のあるものであろうと思います。
#86
○堂本暁子君 個別に伺うこともあれですけれども、全体のバランスと申しますか、やはり全体がわからないとどこの国に幾らなのか、どういうプロジェクトなのか、農業なのかということがわかりません。予算書の性格というもの、実際にODAだけではなくて、私は国内の予算についてももう少しガラス張りであっていいと思っています。新米の国会議員としては予算書を見て余りにもわからないので唖然といたしました。執行に便利であっても国会審議にとっては大変不便な予算書にできていると思います。やはり国会で審議できるような内容に国内、国外ともなることを希望いたします。
 次に、ひとつフィリピンのレイテの案件を例に我が国ODAのあり方について具体的に伺いたいと思うのですが、レイテには道路、発電所、それから工業団地用の港湾というのがOECFから三百八十八億六千万円供与されております。ほかにもございますが、大きいのはこの案件です。これらのプロジェクトがそれぞれどういう目的でつくられたか、また決定に至るプロセスを御説明いただきたい。外務省にお願いします。
#87
○国務大臣(中山太郎君) 具体的な案件につきまして経済協力局長から御答弁させていただきます。
#88
○政府委員(木幡昭七君) お尋ねのレイテ島における円借款につきましては私ども六件ほど記録にとどめてございます。
 プロジェクト名を申し上げます。第一が西レイテ道路改良計画でございます。これは既に完了しております。それから、第二が西レイテ及び北西レイテ道路整備計画でございますが、これは進行中でございます。第三が西・北西レイテの道路改良計画、これは継続中の案件でございます。第四がレイテの地熱発電所建設計画でございますが、これは完了しております。さらにまた同じく地熱発電計画の継続案件がございまして、最後にレイテの工業団地港湾開発計画、これは開発援助が完了いたしているところでございます。
#89
○堂本暁子君 どういう目的かをそれぞれ:::。
#90
○政府委員(木幡昭七君) ちょっと長くなって恐縮でございますが、西レイテ道路改良計画につきましては、レイテ島北部のパロ市と南部のソゴト市において日比友好道路と接続して環状道路網を形成するというものでございまして、本道路の改良のためのエンジニアリングサービスを供与しているものでございます。
 第二が、レイテ地熱発電所建設計画でございます。レイテ島のトンゴナンの地熱を利用した発電を行いまして、同島の工業用電力並びにレイテ島及びサマール島の都市、農村地域への一般用電力を供給し、島内経済の発展と雇用機会の増加を図ろうとする計画でございます。
 第三が、レイテ工業団地港湾開発計画でございます。レイテ島イサベル地区に工業団地をつくり、その周辺地域の輸送のかなめとなる港湾を整備して地域開発に資するものでございます。
 第四が、西レイテ及び北西レイテ道路整備計画でございます。レイテ島に周遊道路を建設することによりまして、同島の農業やレイテ工業団地等の産業の活性化を図るインフラ整備の計画でございます。
 レイテ地熱発電計画でございますが、レイテ島トンゴナンの地熱を利用して発電を行い、レイテ島、サマール島、ひいてはルソン島への電力供給を行う案件でございます。
 最後に、西・北西レイテ道路改良計画でございますが、西レイテ道路六工区及び北西レイテ道路九工区の改良工事を行いまして、同地域の産業開発、農業振興に寄与し、もって島民の生活水準の向上を図るという案件でございます。
#91
○堂本暁子君 割に漠然とした目的をおっしゃいましたけれども、実際には、この案件と申しますか、今の六つができます前に、ここに日比合弁の銅製錬工場の契約が結ばれました。そのすぐ後にODAの案件が決まった。例えば、これはJICAの資料ですけれども、それにもはっきり「パサール銅製錬所関連施設整備計画」というふうに書いてあります。ほかのものも私が読んだ限りでは、パサール銅製錬所、フィルフォス燐酸肥料工場がある工業団地のための港湾整備というふうに明記してございます。ということは、このODAの案件というのは、前にルソン島にできるはずだった銅製錬所がレイテにできることになった後でぱたぱたっと日本との間でのENが交わされております。
 こういったODAと進出企業との間の問題について外務省でほどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。外務大臣、ODAがまず条件整備をして、その後に日本の企業ないしは合弁企業が進出するということはアジアでは非常に広く言われておりますが、その点はどうお考えでしょうか。
#92
○政府委員(木幡昭七君) 総論的に我が国の援助と我が国の企業進出との関連での御質問にお答え申し上げます。
 我が国の政府開発援助は、開発途上国の経済社会開発を進めるため、特に先方からの要請が強い場合には工業開発分野を含めて協力をしているところでございます。
 我が国といたしましては、我が国の経験を踏まえまして、かかる途上国の努力に対しまして、インフラ等の基盤整備について協力をこれまでしてきたところでございまして、このこと自体で直ちに企業進出と直結するというわけではないわけでございます。先方との間に累次の話し合いを重ねまして、先方の開発計画の中で重点計画がある場合には、そういう案件を特に重視して、フィージビリティースタディー等をやりまして、その上でやっていくということでございまして、私どもとしてODA則我が国の企業進出というようなことになるとは考えていないところでございます。
#93
○堂本暁子君 しかし、もしパサールがここにで
きなければこのODAのいろいろな案件は恐らくできなかった。なぜならば、ほとんどのそういうところの資料を余りいただけないのですが、そういう説明がここにちゃんと書いてあるようになっているわけです。これを読みますと、この事業は、パサール、というのは工場の名前ですが、にとって必要不可欠であるが、商業ベースでは調達資金で実施することは不可能だということで、これはJICAの資金融資という形で出されたものです。水道です。水と電気と道路と港湾と全部がそろったわけですが、そうであるとしても、ここのODAを実際に実施するについての環境アセスメント並びに現地の住んでいる方たちに対しての調査というのはなさいましたでしょうか。
#94
○政府委員(木幡昭七君) ただいま御指摘のパサールの製錬所に対する協力でございますが、我が国の協力の態様についてまず御説明を申し上げたいと存じます。
 本件は、製錬所建設本体事業に援助しているということではございませんで、比国産の銅鉱石を開発するという本体事業と並行いたしまして、その地域に住んでおります住民が水の不足に悩んでいる、そういう問題がございました。そこで、いわゆる本体事業の関連において施設整備をするという必要性がございまして、その関連での水道施設、水を取り入れる設備であるとか給配水設備等を整備して地域住民の飲料水を衛生的に供給するということは我が国の開発援助の趣旨にも合致するということで、御指摘のとおり、国際協力事業団、JICAが融資を本体事業について協力している企業に対して行った、いわゆるJICAの三号融資というカテゴリーに当たるものでございまして、円借款とは異なるものでございます。関連インフラに対する施設整備等の援助ということでございます。
#95
○堂本暁子君 地域住民にとおっしゃいましたが、水のどのぐらいが地域住民に行っていますでしょうか。
#96
○政府委員(木幡昭七君) ただいま数量的な御質問について正確にお答えする資料は手元にないのでございますが、二十六の村落に対して衛生的に水を供給できるようになったという報告を得ております。
#97
○堂本暁子君 このJICAの資料によりますと、八割はパサールとフィルフォスという工場に行っております。水道だけではございません。私は発電所にも参りましたけれども、その送電盤にはパサールとフィルフォスと書いてあって、そこで実際地元に行っているところはほとんど針がゼロを指している。ですから、電気も水道もほとんどが工場に行っていました。それが工場とは全く関係ないということは非常に言うことが難しいと思うんですけれども、この点で日本政府は全く環境の問題に責任がないんでしょうか。
#98
○政府委員(木幡昭七君) ただいま御説明申し上げましたとおり、工場あるいは製錬所自体に対して私どもODAの形で協力しているわけではない次第でございますが、その周辺の住民の環境、特に生活に最も必要な飲料水を供給する必要性があるというそういう状況を踏まえまして、JICAが先ほど申し上げましたような小規模の関連融資をしているわけでございます。
 そして、私ども現地からの確認によりますと、この融資完了後に地域住民に対しては衛生的な飲料水が供給されていることが確認されまして、先ほど申し上げました二十六村の村長等地域リーダーの人たちから、本施設が住民の生活の向上に大変役に立っておりますという感謝の言葉も寄せられているところでございます。
 私どもとしまして、このような結果が出ておりますので、やはりODAとしての一定の成果はあったもの、このように考えているところでございます。
#99
○堂本暁子君 水道は決して不便なものではございませんが、むしろ問題なのは電気、そして港湾だと思います。この港はどうでしょうか、局長。
#100
○政府委員(木幡昭七君) 電力という御質問でございますので、ちょっと援助の案件は変わりますですが、円借款において建設されましたトンゴナンの地熱発電所の例をとって申し上げたいと思います。
 御指摘によりますと、これはパサール製錬所等に対する電力供給が主目的ではないかというようなことかと存じますが、私どもこの点については現地において調べてもらいましたところ、本発電所完成、八三年六月でございますが、その完成によりまして同地域の電化率が七八年の九%から八八年には二七%に増加いたしまして、また電気の供給を受ける世帯の数も三倍に増加しているという数字が出ております。このような結果でございまして、地域の一般住民に十分利益をもたらしていると考えられる次第でございます。
#101
○堂本暁子君 私、この足で発電所の周りを歩きまして一軒一軒聞きましたけれども、実際に所得が月収二千円ぐらいの地域です。そして電力代は三百円ぐらいで、発電所はあるけれども電気はつかないということでした。それは全体としてそのパーセントはあるかもしれませんけれども、発電所ができてから周りの人たちに電気が供給されているということは実際にはございませんでした。
 それからさらに伺いますけれども、事前の環境のアセスメント、これをさっきからるる伺っているんですが、港湾についても、この港湾があることによって工場ができるんですが、そこの環境アセスメントはやっているのかやっていないのか、それから先方、フィリピンの国でやったものを信用するのであれば、その事実を確認しているのかいないのか、報告書があるのかないのか、その辺をお答えいただきたいと思います。
#102
○国務大臣(相沢英之君) 先ほどお話がございましたように、港湾の円借の案件で供与されたものでございますけれども、そのお話は銅の製錬所の問題だろうと思うのでありますが、この銅の製錬所の排水に係るところの中和装置、それから排煙に係る一時的な脱硫装置は備わっておりますけれども、最終の段階での排煙脱硫装置は備わっていないというふうに聞いておりますけれども、これはフィリピンの環境基準上からは問題がないというふうに承知をしているのであります。
 ただ、レイテの工業団地の公害問題につきましては、御案内のように新聞報道等がございまして、フィリピンの政府、また現地のNGO、ノンガバメンタルオーガニゼーション、それとレイテの工業団地主要の三社、主要三社というのは今申し上げましたパサールの銅製錬所、それからフィルフォスの燐酸肥料工場、レパントの焼結工場、この三社が六月中に現地調査を行うというふうに聞いておりまして、その現地調査の結果も基金の方で報告を受けるように私は承知しております。
#103
○堂本暁子君 私が伺いましたのは、その排煙脱硫装置がついているかついてないかではなくて、建設前の環境の調査が行われたかどうかということです。
#104
○国務大臣(相沢英之君) その環境の調査につきましては、これは円借供与当時経済協力基金が審査を行っておりますけれども、そのときはパサールの銅製錬所に係るところの貨物の搬入予測、それから港湾開発事業に係る環境影響調査等を行いましたけれども、ただこのパサールの製錬所はまだ建設中であり、またパサールの製錬所が完成後も当然フィリピンの環境規制等に適合して操業されることを前提としておりましたために、その製錬所の公害防止設備等については直接調査を行ってはいないというふうに聞いております。
#105
○堂本暁子君 このOECFのガイドラインによりますと、「港湾」という項目がございまして、そこのところに、設置される工場の大気、それから海、そして社会環境などについてもチェックする、そしてそれを確認するということがきちんと決められておりますが、こういうことはやっていらっしゃらないわけですか。
#106
○政府委員(勝村坦郎君) お答えいたします。
 海外経済協力基金の作成しておりますただいま御指摘の環境基準のガイドラインでございますが、これにはまさに港湾についてただいま御指摘のような配慮をすべきものというふうに書かれて
ございます。
 ただ、このフィリピンのレイテの工業団地の案件でございますが、これは一九八一年に交換公文が結ばれまして、同年六月にLA、いわゆるローンアグリーメントが締結されたわけでございますが、この段階ではまだ環境基準の判定のガイドラインが十分整備されてはいなかったわけでございまして、ただ当時といたしましても港湾をつくりますことによる、たしかブロック現象と呼んでいるようでございますが、要するに水が封鎖されることによります影響がどういう問題であるか、それから先ほど大臣からもお答えがありましたように、製品の搬入等に伴う問題はないか、こういう調査は当然いたしたわけでございますが、ただ残念ながら環境ガイドラインに基づきます厳密なただいま御指摘のありました環境調査というのは、当時の段階では完全な形ではまだ行っていなかったと申さざるを得ないかと思います。
#107
○堂本暁子君 それが行われなかった結果なんですが、これは私がたまたま空から撮った写真でございます。(写真を示す)そして、これをごらんくださればわかりますが、ここのところに赤くこう海に出ていますね。これは硫酸が流れ出ているところなんです。ここのところではっきり赤く出ています。向こうにもお見せしますが、ここのところにずっと赤く流れ出ています。これが工場からの排水ですね。この結果、こういう形で、これが工場で、煙ももちろん大気汚染もありますが、実際野積みにされているいろいろ廃棄物もございますが、海にこういうふうに出ているのが非常に赤く、紫色なんですけれども、このことを名古屋大学の河田さんが調査なさっているので、きょうは参考人に来ていただきました。この赤い部分について河田さんに御説明いただきたいと思います。お願いいたします。
#108
○参考人(河田昌東君) 私は、一昨年及び昨年、今問題になっておりますパザールの周辺環境の調査をいたしました。その結果を御報告いたします。お手元にお配りしてある資料に基づきまして御説明いたしたいと思います。これであります。(資料を示す)
 初めにびっくりいたしましたのは海の調査をしたときであります。今堂本議員がお示しされた海が赤くなっております場所は、資料の一枚目の右上に地図が書いてございますが、そこに「赤紫色」と書いてあります。この地域は大きく分けて工業団地の左上、これがイサベル湾、それから右側がマトラン湾と申しますが、初めにこの海のpHを測定いたしましたところ、そこに書いてありますようにイサベル湾の方はこれは比較的中性であります。通常汚染していない海水のpHというものは七・五から八・三ぐらいでありますから、ほぼ正常と言ってよろしかろうと思いますが、しかし、今の工業団地の排水口に近づいていきますと次第にpHが下がってまいりまして、そこに三・五及び二・八という数値が示してございます。これは海の酸性度といたしましては非常に強烈な値であります。
 ちなみに、私たちが台所で使用しますお酢のpHは二・七であります。ということは、このマトラン湾の海水はお酢のような状態の酸性に汚染されているということがわかったわけであります。これがたまたまであるということも考えられますから、ほかのチャンス、昨年にも一度調査いたしましたが、そのときには四・四でありました。四・四といいましても、これは水素イオン濃度で言いますと通常の一万倍にも相当する値でありますから、当然こういう海域では漁業は不可能になっております。
 それから、過去の汚染の蓄積を見る目的で海の底に沈んでおります泥を採取いたしまして分析いたしました。それが今の一枚目の真ん中ほどにデータを示してございます。これを見ますと、銅、亜鉛、カドミウム、鉛、クロム、マンガン、ニッケル、砒素、いろんな重金属が含まれておりますが――失礼いたしました。泥の値は次のページの右上に示してございます。そこに左側に地図がありまして、泥の採取地点が示してあります。右に泥のデータが示してあります。今言いましたようにカドミウム、銅、亜鉛、鉛、砒素等の重金属が高濃度に含まれております。特に地点の5及び8というところは、これは排水口の直下でありますけれども、例えば地点8のデータをごらんいただきますと、カドミウムが一四・七ppm、それから銅が一万八一〇〇ppm、亜鉛が二九四〇ppm、鉛が三九一ppm、砒素が一七四〇ppmであります。
 これらの数値を図に示したものが左下に示してございます。図といたしましては銅及び砒素についてだけ示してありますが、ほかの金属についても傾向は同じであります。例えば、この海底の泥の銅の濃度ですね、一万八一〇〇ppmと申しますのは、この泥をもう一度銅の原料として精錬の材料に使うことが可能な濃度であります。通常汚染していない土の中の銅の濃度は五〇から一〇〇ppm以内であります。こういう実情でありますから、これは操業以来七年間ということでありますけれども、過去にも酸性の排水にまじって多量の重金属が流出していたというふうに考えられるわけであります。
 もとに戻りますが、先ほどの酸性の海水を持ち帰りまして、現に水の中に溶けている金属の濃度を測定いたしました。それが一枚目の真ん中左に示してあるデータであります。これを見ますと、例えば一番上の銅について見ますとトータルの値で〇・七一ミリグラム・パー・リットル、それから亜鉛が七・〇九ミリグラム・パー・リットルであります。こういう値は通常の海水では考えられない値でありまして、ちなみに日本のさまざまな水の基準がその下に表に示してございますけれども、例えば水産用水基準の銅についても亜鉛についてもそれぞれ七十倍の濃度であります。こういう海域での漁業というものは極めて危険であるというふうに私は思いました。
 それから次に、排煙とともにダストといたしまして重金属が出ているということが考えられますので、陸上の土壌の調査をいたしました。これは三枚目に示してございますが、三枚目の上にデータを、下に一つの例といたしまして銅の濃度の図を示してあります。これを見ますと、土壌の上層及び下層を測定してみますと排煙によって地面に降ってきた重金属の影響がわかるわけでありますけれども、亜鉛と銅に関しましては明らかに工場から離れるに従って表面の濃度が下がっていく。それから下層と上層の比が工場に近いほど大きいということがわかります。そういうわけで、濃度の、汚染の程度といたしましては比較的マイルドでありますけれども、明らかに工場の影響が認められるわけであります。
 こういう状況は、例えば日本の各地のこれまでの鉱山でありますとか製錬所の周辺の土壌の汚染に比べますとまだそれほど深刻であるとは言えません。それで私が思いますのは、今適切な対策がとられるならばここで現在の環境を保護することができるのではないかと思うわけであります。泥に関しましては、より綿密な調査をいたしましてどう対処すべきかということは研究される必要があると思います。
 以上です。
#109
○堂本暁子君 どうもありがとうございました。
 次に、写真がございますが、この写真で見ていただくとカラーですのでおわかりいただけると思いますが、コバルトブルー、これは硫酸銅のブルーでございます。そしてヤシの木が枯れてきているのがわかります。下の葉っぱなんかでも枯れています。子供はヤシの葉を編んで家の屋根をつくっています。
 ところが、こういう状態の中で実際に、次のページはパンノキがありますけれども、パンノキも正常ならばこの右上にあるようにパンの実がなるはずなんですけれども、パンノキの実が落ちてしまって食べられなくなっているということがございまして、実際にここではもう住む家のヤシの葉も汚染されている。それから毎日人々が実をとって食べていたそのパンの実もなくなってきた。タロイモもなくなってきた。そして海へ出れば魚は
とれないという形で、私が参りましたときには、もうどうやって生活していいのかわからない、強制的に立ち退かされたけれども仕事もないと言って大変皆さん困っておられました。日本人が来てブルドーザーで家は壊されたんですよと言って、もう大変怒って、本当にそのために私の夫は死んでしまったとまで言った女の人もいました。
 こういったようなごく自給自足に近い生活をしていた人たちのところへ日本が非常に高圧的に入っていったような印象を少なくとも地元の人たちは持っています。こういった形でトータルに日本人として受けとられているんだと思うんですが、総理、こういうのをごらんになって、御存じでしたか、まず。
#110
○国務大臣(海部俊樹君) 今初めて承っております。
#111
○堂本暁子君 けさほど国民はテレビを通して世界の動きを知るとおっしゃいましたけれども、それは取材とか情報が得られるものについて私たちは知ることができるのでございまして、こういったODAの実態、それはなかなか知ることができません。これはたまたま現地へ河田さんもいらっしゃいました。私も参りました。偶然でございます。どちらも偶然参りました。私は公害があるということは全然知りませんでしたけれども、実際にはこういう状況が例えばタイでもアフリカでもいろいろありますけれども、そういったものはネガティブな部分、マイナスの部分というのはどうしても表に出てこない。やはりそこで情報公開ということをもっとする必要があると思うんです。
 私は今回外務省にもう再三このプロジェクトに関しての資料をお願いいたしました。OECFに関してもお願いいたしましたが、出していただくことができませんでした。これだけの援助大国になった日本としては、何か間違ったことがあったのでは、世界じゅうに迷惑をかけるようなことでは喜ばれるどころかかえって、さっき総理は喜んでほしいとおっしゃいましたけれども、逆さまの形になってしまう。そのことのためにはやはり情報を公開する必要があるんだと思いますけれども、外務大臣にその点伺いたいと思います。
#112
○国務大臣(中山太郎君) 日本のいわゆる経済協力によって相手国の国民の生活水準が上がっていく、そしてその地域が繁栄するということがこの発展途上国への経済協力の基本の考え方でなければならないと思います。そういう考え方がございました上で、相手国の要請によって日本政府は援助をするという手続をするわけでございますが、結果としていろいろな問題が出ているという委員からの御指摘でございます。
 日本政府としては、これからさらにいろんな発展途上国に対する経済協力をやっていく中で、私どもとしてはこの協力の結果、地域が今後公害等によって困るということにならないように十分な注意をしながら協力を進めていくということでなければならないと考えております。
#113
○堂本暁子君 そのためには、やはり交換公文が締結される前、百億というようなプロジェクトですけれども、こういった大きいプロジェクトのときには事前に二年、三年、長いときには四年、五年、その前にいろいろ調査とか見積もりとかが行われております。そこの資料というのが一切出てまいりません。そういった資料をぜひ出していただきたい。
 それから、なおかつこの間にいろいろ実際にはコンサルティング担当の会社やなんかが動いています。例えば通産省でしたらECFA、海外コンサルティング企業協会、それから農林省でしたら海外農業開発コンサルタンツ協会、海外漁業協力財団、それから建設省の国建協と言っていますが国際建設技術協会なんかに補助金とか委託金が出ているはずですが、それぞれどのぐらいの額が出され、そして内容はどういうことをやっておられるのか、御報告いただきたいと思います。
#114
○政府委員(畠山襄君) 今お尋ねのECFA、海外コンサルティング企業協会でございますが、この平成二年度の予算の内訳は一億七千六百万円を計上いたしております。
#115
○堂本暁子君 内容はどういうことでしょうか。
#116
○政府委員(畠山襄君) この目的でございますけれども、発展途上国の経済社会開発のために有効なプロジェクトの発掘を支援するということが目的でございまして、御案内のとおり発展途上国の場合でございますと、優良な開発案件を見つけるといいますか、そういう能力に乏しい場合があるわけでございまして、そういう発展途上国に対しましてその国の発展のために必要なプロジェクトを見出してあげる、そういうための予算でございます。
#117
○堂本暁子君 答えてない。農林省。
#118
○政府委員(片桐久雄君) 農業関係では海外農業開発コンサルタンツ協会というのがございまして、この協会に対しまして農業開発事業事前調査事業費といたしまして、平成元年度八千六百四十三万一千円、平成二年度の予算といたしまして八千六百四十八万円の予算を計上いたしております。
 この内容につきましては、開発途上国に対する農業とか農村開発協力を円滑に、また効果的に推進するためのいわゆるプロジェクトファインディングに関する調査でございます。
#119
○堂本暁子君 もう一つございますね、海外漁業協力財団。
#120
○政府委員(京谷昭夫君) 海外漁業協力財団の海外協力事業の内容としましては、民間の事業者が行います海外での合弁事業等による海外協力事業に必要な資金の貸し付け、それから二つ目には海外からの技術研修員の受け入れ、それからさらに相手国政府からの要請と民間事業者の申請に基づきまして、我が方からプロジェクトファインディング、あるいはまた漁業活動等の技術教育等のために専門家の派遣、駐在等を行うというふうな仕事を主たる内容にしております。
 これに対する国庫からの助成といたしましては、貸付事業の原資に充てるために平成二年度では三十六億円の補助、そのほかに調査活動等々のための経費として約十三億円余りの助成を行っておる、こういう状況でございます。
#121
○政府委員(望月薫雄君) お尋ねの国際建設技術協会、国建協に対する建設省からの委託金でございますが、平成元年度で一億二千七百万円でございます。この内容でございますけれども、一つは海外建設技術開発という委託をいたしておりますが、これは途上国の実情に沿った技術を相手国と共同で開発する、このための委託でございます。
 それから二点目は、開発途上国の建設計画につきまして相手国の立場に立って技術指導、情報交換を行うという観点からの建設計画事前調査、こういったものをやっております。
 さらに三つ目に、開発途上国に実際に役立つ技術指針をつくろう、こういった策定のための事業として海外建設事業技術協力、その三つのことを柱とした委託でございます。
#122
○堂本暁子君 これだけ各省ENの締結前にも既に各国で仕事をしておられるわけですが、この段階では非常にやはり環境調査、そして人権的な調査も必要だと思いますが、そういうこともそういう中でやっておられるんでしょうか。通産省に代表してお答えいただきたいと思います。
#123
○政府委員(畠山襄君) 海外コンサルティング企業協会の場合でございますけれども、やはり一般的に、例えば通産省でございますと、最近産業構造審議会が答申を出しまして、私どもそれを経済協力に当たっての一つの環境の指針にいたしておりますが、それによりますると、発展途上国に環境基準がございますから、それに従うようにすることと、それから場合によっては、その環境基準を超えても指導が必要な場合にはそういう指導も行うことということになっております。ですから、海コン協の事業活動につきましてもそういった方針に従いまして措置いたしていきたいと思っております。
#124
○堂本暁子君 もう一度伺いますが、そういった報告書はございますか。
#125
○政府委員(畠山襄君) そういった報告書という御質問の意味が必ずしもあれでございますけれど
も、今お答えしました例えば産業構造審議会の答申という意味でございますれば、それはございまして、例えば手元にあるのを申し上げますと、これはグローバリー……
#126
○堂本暁子君 現地での報告書です。
#127
○政府委員(畠山襄君) 現地での報告書という意味では、海外コンサルティング企業協会自体は、さっき申し上げましたようにプロジェクトファインディングの段階にとどまっておりますものですから、必ずしも精密な環境アセスメントというようなことにならない場合が多いわけでございますけれども、ただ、具体的にそれに基づいて企業がそのプラントならプラントを受注するというようなことになってまいりますると、そうしますとその現地の環境基準に照らして、果たしてそれをクリアしているかどうかというようなことについてはチェックがございまして、そういう意味では、報告書というような立派なものであるかどうかは別にいたしまして、そういう数値等々が提出されてくるのが通例でございます。
#128
○堂本暁子君 こういった資料はぜひ公開していただきたいと思います。そして、今ごらんいただいたように、レイテは非常に生活が脅かされるほどの公害が今起きているわけで、こういった案件については私は再三資料をお願いしたんですが結局出していただけませんでした。こういったものは、金融の論理ですか、それから財政の論理もございましょうけれども、やはりどこでしかるべき調査が行われるべきだったのか、それからこういったENの締結前のいろいろな水面下の動きのようなものがどういう性質のものなのかということをきちんと知らないと、結局日本のODAというのはいろいろな間違いを犯してしまうのではないかという気がいたします。
 そこできょう、できましたら、このレイテの五つのプロジェクトについてはまさにENの前の段階の資料、例えば基本設計ですとか実施可能性調査、今フィージビリティースタディーズという言葉が出てきましたが、そういったもの。それから、今要請主義と大臣おっしゃいましたが、そういったフィリピン政府からの要請、そしてこの要請に対するミニッツ・オブ・ミーティングというのがあるそうですし、レコード・オブ・ディスカッションというのもあるそうです。その中に、環境に対しての配慮があったのかないか、そういうことをチェックする必要があるんではないか。
 それから、コンタクトミッションまたはアプレーザルなミッション報告というのもあるそうです。そして交換公文が結ばれ、後で事後報告書が出されるわけですが、事後報告書も私がいただいたのはわずか三行しかございませんでした。それから、OECFは、ローンアグリーメント、借款契約ですね、それからそれに基づいての政府が出すべき文書、それからフィージビリティースタディーズのさらに見直しの報告、それからデテールデザイン、そういったもの、入札の報告書とか、それから入札関連の書類、そして仕様書、業者との契約書、それからフィリピンから毎月送られる、あるいは隔月に送られてくる事業の進捗報告書、そして最後に最終報告書、これだけの過程があるというふうに聞いています。
 さらに、もし総務庁なり会計検査院から監査なり報告書などがありましたら、こういったもの全部を検証してみる必要があると思うんですが、こういった資料をお出しいただけるでしょうか。外務省に伺わせていただきます。
#129
○政府委員(木幡昭七君) ただいま膨大な資料の御要望がございまして、私ここで全部にお答えする準備が一部ないものもございますが、主なものについてこれまでの考え方を御説明申し上げます。
 円借款につきましては情報公開の要望が非常に強いということも踏まえまして、昭和六十二年度以降受注企業名の公表を行っているところでございます。ただし、この場合にも、御理解いただけると存じますが、やはり先方政府の了承を得た上でということは、相手国のある話でございますので大前提でございます。さらにまた、経済協力基金の金融機関としての立場上の守秘義務等もございますので、そういうのを総合的に勘案してできるだけ情報公開に努力しているということで、情報公開の量もふえてきていることは御理解いただいているところと存じます。
 そのほかにフィージビリティースタディーあるいはデテールドデザイン、貸付契約であるローンアグリーメント、入札の書類あるいは契約書等になりますと、これはいずれもなかなか難しいものでございます。理由を申し上げますと、例えばフィージビリティースタディーは、基本的には相手国政府が所有するものでございまして、我が方は要請の一部として外交交渉の過程でこれを入手するということでございますので、相手国との関係、そういう対外的な配慮、あるいはまたOECFの金融機関としての守秘義務等の観点からこれは公表することは大変困難な、公表できない性質のものでございます。もちろん、差し支えない範囲で御要望に応じて御説明するというような努力は、できる範囲内でやらせていただいているところでございます。
 それから詳細設計、これも基本的には相手国政府が所有するものでございまして、今申し上げましたような理由で公表は困難な次第でございます。
 また、若干飛びまして例示的に申し上げますと、入札の書類でございますが、これは入札の主体が相手国政府が行うという意味での主体でございますので、またここでも相手国との関係等に当然のことながら配慮をしていかなきゃいけないという問題がございます。入札にかかわる書類そのものは公表し得ないわけでございますが、できる範囲内で基本的な内容については先方の了承等も取りつけながら説明する努力はしているところでございます。
 契約書になりますと、これは全くの純粋な私契約の文書でございますので、これもまた大変公表が難しいというような状況でございます。
 ただ、こういう難しいことばかり申し上げましたが、総合的に考えまして、我が国のODAの透明性をできるだけ向上するという観点から、私ども御質問に答えたり、あるいはその他の口頭の御説明の過程では、もうできるだけ皆さんの御質問に答える努力を近年は払っている次第でございます。一定の制約はございますが、努力しているということについての御理解をいただきたいと存じます。
#130
○堂本暁子君 ここのレイテの場合はどこの業者が受注しているんでしょうか。
#131
○政府委員(木幡昭七君) 受注企業名の公表基準を作成しましたときに、六十二年以降のものについては、先方政府との話し合いをできるだけ進めて公表を進めてまいるということで公表の方針を打ち出したわけでございます。
 御質問の場合はこの時点の以前の問題でございますので、ちょっと私ども公表の基準を決める以前の話でございまして、直ちに企業名をここで申し上げる立場にない次第でございます。
#132
○堂本暁子君 もう新聞でも、私自身がっくりましたテレビでも、どこでも丸紅だということは全部公表されておりますし、それからODAも丸紅が受注していますし、それからパサールも丸紅が受注していますし、どうして言えないんでしょうか。
#133
○政府委員(木幡昭七君) 先ほど冒頭に御説明申し上げましたが、我が国のODAは銅製錬所には出してないわけでございます。銅製錬所のございます地域の関連インフラを整備するという観点で飲料水の供給に関する部分についての関連インフラ整備計画に対して協力している、こういうところでございます。
#134
○堂本暁子君 それはどこの企業が受注しておりますか。
#135
○政府委員(木幡昭七君) これは古い案件になりますが、昭和五十一年のものでございますが、合弁の形でやっている企業に対して融資しているわけでございます。企業名について、私どもわかってはおることなんでございますが、日本企業三社
ということで申し上げさせていただきたいと思います。
#136
○堂本暁子君 かくかように、もう企業の名前一つ言っていただけない。そしてこの一カ月間いろいろ資料を請求しましたけれども、資料も出てこない。名前は言っていただけますか、局長。
#137
○政府委員(木幡昭七君) 円借款についてのルールは私ども決めたとおりに守ってまいらなきゃならぬわけでございますが、本件はいわゆる投融資ではございますが、JICAからの、若干テクニカルな用語でございますが、三号投融資という関連でございます。たっての御要望でございますので、日本企業三社、代表的なものは丸紅でございます。
#138
○堂本暁子君 今お願いした資料もぜひこれは出していただきたいと思うんですね。さもないと、どこで実際そのODAの環境調査がなされているか私たちはチェックすることも何もできません。そして予算は一括で審議しろと言われても大変困るわけでございまして、やはり日本のこれからの大きな大きな問題だと思うので、資料はぜひお出しいただきたい。これはお願いできますでしょうか。
#139
○政府委員(木幡昭七君) 私ども、先ほど申し上げましたように、相手国政府との関係でぎりぎり問題のないところ、あるいは私契約の一種の守秘義務等にわたる面で問題がないと判断されるものについてはできる限りの努力をさせていただきますが、一定の制約があることはこれは事実でございまして、基準に反するものを特に直ちにここでお約束するわけにはまいらない。できるだけ御要望に沿うようにまた別途協議をさせていただきたいと存じます。
#140
○堂本暁子君 ここにリストをつくってまいりましたので、この中でどれをお出しいただけるか。(資料を手渡す)さっき読み上げましたものと同じものです。
#141
○政府委員(木幡昭七君) できる範囲のものは既にお届けしてもございますが、また相当大部のリストでございますので、別途私ども各方面と御相談の上検討させていただきます。
#142
○堂本暁子君 私がいただきましたのは、交換公文とそれから事後調査、それはこの資料の一番最後につけてありますわずか半ぺらの紙だけですが、それだけです。それで、それ以外のものを見ない限り何もわかりません。これを出すことをお願いしたいんですが、委員長にお願いします。
#143
○政府委員(木幡昭七君) 一番基本的な交換公文は早速お届けし、その過程におきましていろいろ口頭の御説明もさせていただいたところでございます。
 繰り返しで恐縮でございますが、ただいまいただきましたものは、先ほど私相手国との関係でとても出すことは困難でございますと申し上げました基本設計であるとか、あるいは実施可能調査計画等々を多く含んでおりまして、さらにはまた借款契約等でございますので、この問題についてはこれまでもこうした事情を御説明し、口頭でできる限りの御説明はさせていただいたところでございますが、資料そのものを出すということには制約があるということでこれまで対応させていただいたところでございます。したがいまして、検討をさせていただきますとお答えできるのが私の本日の御答弁の趣旨でございますので、御了承を賜りたいと思います。
#144
○堂本暁子君 やはりこれはこれだけ問題が起こっているわけですから、もう本当に魚もとれない、生活もできないという問題が一方である以上は、これはぜひお出しいただきたい。委員会としてお願いいたします。
#145
○政府委員(勝村坦郎君) ただいま一連の資料の御要請がございましたが、経済企画庁並びに海外経済協力基金がかかわっておりますところにつきまして補足的に御説明をさせていただきたいと思います。
 ローンアグリーメントについてのお話がございました。ローンアグリーメントと申しますのは、これは実際にENが結ばれました後で実際のローンの享受の仕方をどういう形でやるかという非常に事務的に細かいことまで書き込んだものでございます。このローンアグリーメントに入っております基本的な要素、つまり借款金額あるいは金利、それから返済の方法でございますね、グレースピリオド並びに何年間の返済になるか、そういうことにつきましては既にENで十分ごらんいただけるわけでございまして、ただ、そのローンアグリーメントにはそのほか金利を何期ごとに払うことにするか、それからどういう手続でそれを払うかというような両者間の手続上の非常に細かい問題を含んでおります。そういうことを全部、ローンアグリーメント全体をそのまま公表するということは、これはやはり相手との契約文書でございますので、これは差し控えさせていただきたいと思います。ローンアグリーメント自体につきましては、基本的な一般約定でありますとか調達ガイドライン、その他基本的なことにつきましてはあわせて公表をいたしているわけでございます。
 それから入札関連資料でございますが、これも外務省の方から御説明いたしたとおりでございまして、基金といたしましては、これはあくまで契約に基づきましてLA上、業務上その借入人から入手しているものでございまして、これを全部最初から公表するという立場で相手側に入手を求めるということは非常に困難であろうかというふうに考えるわけでございます。したがいまして入札に関しましても、毎度御説明しておりますように受注企業名、調達ガイドライン等につきましては公表をさせていただいているところでございます。
#146
○堂本暁子君 やはりこういうふうに何もわからないわけです。
 予算書でわからないだけではなくて、私たちはODAについてはですからきょうどこまで本当に出していただけるのか、どういうふうに私たちが審議できるのか、そのことをきちんと教えていただきたいと思ってお願いしたわけで、この中でどこまで出せるか、委員会でぜひともお取り上げいただきたいと思います。
#147
○委員長(林田悠紀夫君) 委員長から申し上げます。
 ただいま堂本君から要求の資料につきましては、後刻理事会で協議をいたします。(発言する者あり)後刻理事会で協議をいたします。
 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#148
○委員長(林田悠紀夫君) 速記を起こして。
#149
○堂本暁子君 もう一つ、パネルを見ていただきたいと思います。
 これは足尾銅山です。ちょうど百年前に足尾銅山でこういうふうに木が生えなくなりました。フィリピンのレイテと同じでございます。そして、この足尾銅山でどういうことが起こったか。人々が大勢死にました、魚も浮きました、そして今も木が生えないでいます。
 それで、ここに対して、百年たってどういうことが起こっているか。林野庁、建設省、それぞれいろんなことをいまだに百年たってもやっておられます。林野庁からその予算について伺いたいと思います。
#150
○政府委員(甕滋君) 足尾銅山の山地被害についてでございますが、荒廃地復旧の治山事業を明治三十年から営々と実施してきておりますが、昭和三十一年に製錬施設の改善が図られるまで、植林した苗木が枯れるといったこともございまして、分な成果を上げることができなかったという経過がございます。それで、三十一年に製錬施設が改善をされまして、これを契機に本格的な治山事業に着手いたしました。これまでに、平成元年まで三十四年間でございますが、治山事業費約百二七億円を投じてまいっておるところでございます。
#151
○堂本暁子君 これに建設省、そしてほかの県などの予算をいろいろ集めて足しましたところ三百八十五億かかっています。いまだにいろいろ被害が出ていますし、ゴルフ場をつくるということで今検査をしましたら、渡良瀬川のところでは何と
千五十七ppmの銅が検出されている。これはいまだに百年たっても鉱毒といったものが続いているということです。
 それで、田中正造が第二回の帝国議会で鉱毒について質問書を提出しました。もう時間がないので全部読みませんけれども、田畑はもちろん飲料水を害し、堤防草木に至るまでその害をこうむり、将来なおいかなる惨状を呈するに至るやもはかり知るべからずと言っています。そして、政府はなぜ鉱毒の被害を放置しているのか、被害を受けた人たちをどうやって救済するのか、将来に向けてどのような防止策をとるのかと時の政府に、山県さんという総理大臣、もう有名な方ですけれども、聞きました。
 それで今、百年たって、同じ銅の公害です。それが足尾からアジアに広がりました。ここで私は改めて田中正造と同じことを海部総理大臣に伺いたいと思います。レイテで起きているODAと日比合弁の企業によるこの公害を政府は放置してよいのか、被害を受けた人たちは救済しなくてよいのか、そして将来に向けて防止策をどうするのか。百年前と同じ質問だと思います。これは総理大臣に。田中正造も百年前に山県総理大臣に、この建物ではありませんが聞いたわけです。今、日本ではなくて、アジアにそれが広がりました。
#152
○国務大臣(海部俊樹君) 突然の御質問でありますから私の答えも直感的に申し上げますので、先生の要求どおりになるかならぬかわかりませんが、そのような害悪を出してはいけないということは、これはアジアであろうが足尾であろうが同じことだと思いますので、そういった立場に立ってそれは担当に十分検討させます。そして、どうしてそんなことになっていくのかもよく調べてみます。
#153
○堂本暁子君 日本は百年前から銅のこういった鉱毒の経験は持っていたわけですし、大変有名な事件でもありました。それだけの銅製錬ということをフィリピンに持っていく場合には、そういった公害が伴うということは当然あったわけです。
 参考人にもう一度、今何が日本でできるのか聞きたいと思います。短くお願いいたします。
#154
○参考人(河田昌東君) 先ほど申し上げましたフィリピンのレイテ島における汚染の状況といいますのは、ちょうど二十年から三十年前の日本の公害の状況とそっくりであります。例えば四日市の港湾において先ほど言いましたようなpH二とか一というような酸性の海がありました、あるいは大気汚染によって植物における被害もありました。こういうことを考えますときに、私は過去の日本の非常に大きな犠牲を払って今日まで来た経験というものをアジアのODAの場におきましても生かしていくのが我々の義務ではないかというふうに思うわけであります。
 それから技術的なことになりますが、銅のあるいはカドミウム等の重金属による汚染というものは、一たび汚染してしまえば、今の堂本議員の御質問にもありましたように、百年たっても消えるものではないわけであります。ですから、事前調査というものが、あるいは未然防止というものが基本的に必要であります。ですから、ODAの際にも綿密な環境の事前予測調査というものを義務づけるような方向でやるべきではないかというふうに思うわけであります。
#155
○堂本暁子君 きょうずっと伺ってきている間、どこの役所のコンサルタントへの補助事業にしても環境の専門家がいるとは思えなくて、むしろ経済効率ということが視点になっているような気がいたします。やはり女性の視点と申しますか、生活の視点からいいますと、どうしても環境そして人権ということが今大事なんですけれども、日本にはそういった開発とか環境ということを専門にするようなスタッフが十分いないんじゃないでしょうか。そのためにこういうことが起こっているような気がいたしますが、外務大臣、いかがでいらっしゃいますか、所見を伺いたい。
#156
○国務大臣(中山太郎君) 委員からの重ねてのお尋ねの企業が起こす公害問題、これは直接ODAと関係はないと思います。また、相手国の政府の公害防止基準、これがやはり厳密でなければならない。これは相手国の一つの問題。
 ただ、日本政府としては、地球環境汚染に対する保護のために三年間に三千億円の金を出し、我々の蓄積された公害排除の技術を地球環境の保全のために世界に貢献したいということを国際公約いたしておりますから、フィリピン政府あるいはほかの地域でそのような要請がございましたならば、それに必要な技術陣も日本にはおるわけでございますし、先ほどメキシコにおける大気汚染の公害の調査団も技術団を出しておりますから、そのようなことについて国際協力をすることには何らやぶさかなものではございません。
#157
○堂本暁子君 防止するよりも出さないことが先ではないかと思います。そして、企業とおっしゃいますが、ODAのあれだけの三百八十八億という国民の税金がなければ決してパサールという工場はできなかったわけです。そういった場合に、やはり何といってもトータルで日本人として考えられていると私は思いますけれども、そこの点はいかがでしょうか。
#158
○国務大臣(中山太郎君) 今後ODAの協力につきましては、先般も当委員会で御意見が出ましたインドのダムの問題につきましても、日本はいわゆる世界銀行との協力のもとに融資をして、そのときにも環境問題については日本政府としてインド政府に言っておりますけれども、今後ともこの点には十分留意をしてやってまいりたいと考えております。
#159
○堂本暁子君 要請主義とおっしゃいますけれども、要請主義というのは一種の隠れみので、企業と相手国のむしろ癒着を生んでいるのではないか。そういう構造だと私は思います。むしろ日本が受け身になっている。四省庁体制、一体どこでこの公害の責任をとってくださるんですか。大蔵省なんですか、外務省なんですか、経企庁なんですか、それとも通産省なんですか。これだけの公害を人の国に生んで、百年たってもそれは恐らく今のお話では直らない。これは余りにも日本が受け身過ぎるんではないか。もっと積極的にならなければいけないし、もっと自分たちの基準というのを厳密は――DACは出す国の方の責任だと言っています。
 これは相手国の基準ではなくて、私は日本の方の誠意だと思うし、政府の姿勢だと思うし、私たちがきちんと情報を持ってそのことを知る、そしてチェックしていくということもやらなければいけない。そういう意味で情報公開もぜひお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは最後に、今の情報公開のお願いした件をお願いいたします。
#160
○政府委員(木幡昭七君) 若干繰り返しでございますが、最後に一点もう一度御理解をいただく意味で御説明させていただきたいのでございますが、先ほどの我が国のODAで援助しておりますのは銅製錬所ではございませんで、たまたまそこに銅製錬所がございますところの地域の飲み水が悪いので、劣悪なので、それを改善する必要がある。地元からの要請も強い。それをやるための融資ということでございますので、銅製錬所自体をODAでやっているということではございませんことをもう一度繰り返させていただきたいと思います。
 それから先ほど提出要求がございました資料、私ども外務省に関しましては一つ一つここでお答え申し上げます。
 まず、基本設計、マスタープランでございますが、先ほど申し上げましたような理由で提出は困難でございます。
 それから実施可能性の調査、フィージビリティースタディー、これも所有権が先方政府にあるという意味ではマスタープランと同じでございますので、先方の了承なしに提出するということは不可能でございます。
 また、フィリピン政府の要請書、これも外交文書で上記申し上げましたような機微な面を含んでおりますので、私どもの方から提出するわけには
まいらない次第でございます。
 それから要請書に対するミニッッ・オブ・ミーティングないしレコード・オブ・ディスカッション、これは打ち合わせたときの記録という意味でおっしゃっているものだと存じますが、当然会議等のメモ等はそれぞれ出席者がとりますが、そこでどの場の公式議事録といったものはつくってない次第でございますので、これもつくってないという意味で提出困難でございます。
 それからコンタクトミッションないしはアプレーザルミッション報告書、これはちょっとどの時点のものか明確に私理解できない面がございますが、先方に伺いまして先方政府と打ち合わせる場合に、その報告等は多くの場合公電でなされるわけでございます。したがいまして、こういう形での報告書というものを提出することは困難でございます。
 残りの交換公文、これは先ほど申し上げましたように、既にお届け申し上げました。
 それから今後なされるべき事後の評価報告書等につきましては、外務省としても評価報告書を年年出しているところでもございますので、そういうものに収録されるものについては御提出申し上げます。
 その他、他省庁OECF関連のものについては、別途他の政府委員から御説明をお願いいたします。
#161
○政府委員(勝村坦郎君) お示しいただいたものからOECF関係の資料についてお答え申し上げますが、突然のお尋ねでもございますし、現在どの部分に出せるものがあるのかどうか、これはなお検討させていただきたい。情報公開を原則として検討させていただきたいと思いますが、現段階での意見を申し上げさせていただきますならば、LA関係の資料、これは先ほど申し上げました理由でLAの書類そのものをお出しするということは差し控えさせていただきたいと思います。
 それからFS、DD等につきましては、これは基金自身が作成しているものではございませんで、業務の必要上他の部門で、あるいは他の企業で作成しましたものを入手しているものでございますので、基金からこれを発表するということは差し控えさせていただきたい。
 それから入札関係のものにつきましても、先ほど申し上げたとおりでございます。ただ、これはどういう発表の仕方ができるのかは考えさせていただきたいと存じますけれども、最後にありますプロジェクト完了時の最終報告書等につきましては、適切な形でまとめて御報告をできるかどうか検討させていただきたい、かように思っております。
#162
○堂本暁子君 結局何も出ないということがわかりました。
 これを何とか出していただくように委員長にお願いしたいということが一つです。
 それからもう一つは、予算書の中にぜひとも――予算書も何もわからない、資料も何も出ないでは審議ができません。せめて国別、プロジェクト別の項目を予算書の中にぜひ、予算書にできないのであれば何らかの方法で出す。でも、予算書にODAだけじゃなく、もう少しわかりやすい、私どもが審議しやすい予算書をつくっていただきたいということをお願いいたします。いかがですか、大蔵大臣。
#163
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど申し上げましたように、予算書というものの性格並びに今委員が御指摘の経済協力関係の案件の計上の方法というものがOECDのDACの基準というものをベースにしているといったことを考えますと、予算書において今委員がお述べになりましたようなものを取り込むということは、私はこれはお引き受けができません。ただ、先ほども申し上げましたように、どういうやり方があるのか、この問題について、予算書ではなく、どういうふうなやり方があるのかは少し工夫をさせていただきたいと思います。
#164
○堂本暁子君 それはぜひお願いをいたします。そして……
#165
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただし、非常に事務方は大変なんです。
#166
○堂本暁子君 はい、事務方ではなくて、政治的判断でこういうことがまた再発しないようによろしくお願いいたしますが、ぜひ予算委員会が終わる前にもう一回その返事をいただきたいというふうにお願いいたします。
#167
○国務大臣(橋本龍太郎君) それはちょっと無理ですよ。
#168
○堂本暁子君 そうですか。それじゃ、まあ何とかできれば。
 これについても納得がいきません。情報公開ということがこれだけ言われていて、政府も情報公開することは大事だとおっしゃりながらなおかつ情報公開がない。委員長、ぜひ理事会でもう一度この資料の要求については御検討いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。納得が参りません。
#169
○委員長(林田悠紀夫君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#170
○委員長(林田悠紀夫君) 速記を起こして。
#171
○国務大臣(中山太郎君) 委員お尋ねの件につきましては、ODAに関する本件資料公開については、相手国政府と協議するなどいたしまして最大の努力をいたしたいと思います。
#172
○堂本暁子君 それでは、質問を留保させていただきます。
 では、これできょうは終わらせていただきます。
#173
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で堂本暁子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#174
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、角田義一君の総括質疑を行います。角田君。
#175
○角田義一君 まず、総理にお尋ねいたします。
 リクルート疑獄事件によりまして、国民の政治に対する信頼というのが大変私は大きく傷ついたと思います。我が国の議会制民主政治が危機に直面をする、こういう事態をあの疑獄事件によって迎えたと思うんです。特に政権政党である自民党の責任というのは私は極めて重いというふうに思っておるのでありますが、改めてリクルート疑惑に対する総理の見解を聞いておきたいと思います。
#176
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のリクルート事件の問題に関しましては、委員御指摘のように、政府・与党といたしましてこれを厳しく受けとめ、極めて厳重に反省もいたしております。そして大切なことは、国民の皆さんの政治とお金に関する問題についての疑惑を受けたわけでありますから、二度とこれを繰り返さないように一人一人が決意すると同時に、与党としては挙げて政治改革大綱も決めておりますが、私どもはこれを極めて厳粛に受けとめて再発を防いでいかなければならない、同時に、心にそのことを戒めとして持ち続けていかなければならない、こう受けとめております。
#177
○角田義一君 今回のリクルート疑獄事件は、私は幾つかの特徴があると思うんです。特に文部省あるいは労働省と深い関係のある自民党の有力政治家に対するリクルートの献金攻勢の実態を見たとき、海部内閣の閣僚の中にも総理を含めて文部、労働関係者が多額の政治献金を受けており、ブルータスおまえもかということわざがありますけれども、海部総理あなたもかという感を私はぬぐい得ないのでありまして、そういう意味で、海部内閣もまたリクルートを越えられないのではないかという感を持っておるんですが、いかがですか。
#178
○国務大臣(海部俊樹君) 社会的に批判を受ける前の献金に関しましては、一々そのときに将来何かあるんですかというようなことをチェックしながら政治資金を受け取るというような厳しさがございませんでしたので、その点の不明を私も率直に認めなければならぬと思います。したがいまして、そういったことを乗り越えてやはり政治とお金の関係を明らかにするように、今後どのような
ことをするかということについて党の改革案に従って御論議を賜りたい、こう思っておるところでございます。
#179
○角田義一君 そういたしますと、この予算委員会等で深谷郵政大臣に関しましていろいろな疑問点が提起をされ、多くの野党議員から質問があったわけであります。そういう質疑を通じて出てまいりましたいろいろの問題点、こういうものについては、やはりこれは深谷郵政大臣個人の問題ではなくして、海部内閣としてこの辺の問題についてはぎちっと調査をしていただいて本予算委員会に報告をする、こういう政治責任が総理にあるというふうに私は思いますが、いかがでございますか。
#180
○国務大臣(坂本三十次君) 現在、郵政大任が調査しているところでありまして、新たな事実の報告はありません。
 この問題は、これまでも郵政大臣から自主申告のあった内容について確かめて公表してきたものであり、結局、政治倫理の観点から御当人の徹底した調査によるしかないと思っております。また、それが適切であろうと思っております。
#181
○角田義一君 郵政大臣がいろいろ調査をされておるということでございますが、その調査の結果というものは海部内閣の責任において予算委員会に御報告になるというふうに承ってよろしいんでしょうか。
#182
○国務大臣(坂本三十次君) 重い地位に就いた者は高い責任を有するというのは、これはもう周知の教訓であります。
 その重い責任という観点に立てば、政治倫理の観点から御本人が申告をされて、そしてその申告の内容について私が点検をいたしましたけれども、司法手続に類するようなそういうことをやるような性格のものではないと。その重い責任、高い地位に就いて附属した当然求められる倫理観に基づいて申告をする、これが最も適切であろう、私はそう思っております。
#183
○角田義一君 私はそういうことを尋ねておるんじゃないんです。それは当然のことでありまして、むしろ問題は、この予算委員会等でいろいろな疑問が提起されたわけでございますよ、報告に対して。そのいろいろな疑問点について深谷郵政大臣みずからは調査をすると言っておられたんです、この前の十一日の予算委員会で。矢田部委員の質問に対して言っておられたんです。そうしますと、そういういろいろな疑問点に対して郵政大臣がしっかりとした調査をして、その調査の結果をいわば海部内閣の責任において予算委員会に出す、こういうお気持ちがおありですかと、こう私は聞いておるのでございます。
#184
○国務大臣(坂本三十次君) この件につきましては、この予算委員会で御要望がありまして、御本人が、それではさらに念を入れて調査をいたしますと、こう言っておるわけであります。しかし、まだ私のところには新しい事実があったなどというようなことは聞いておりません。したがって、私どもは御本人を飛び越えて御報告をするというわけにはまいりません。
#185
○角田義一君 それは違うんですよ、私が言っているのは。深谷郵政大臣はいろいろな疑問について調査をしますと言っておられたんです。これはもうはっきりしておるんです。十一日の矢田部委員の質問に対して調査をいたしますと約束をして、あの混乱がおさまっているはずなんですょね。とすれば、その調査を本人に官房長官としては催促もし、そして責任を持って予算委員会に報告をしなさいよ、こういうふうに言うのが官房長官としてのお務めじゃないのでございますか。
#186
○国務大臣(坂本三十次君) 深谷郵政大臣も、当然そういうお話の上で調査をしておることと思います。今、私のところには、その調査の結果これこれであるというような報告は来ておりません。調査中であろうと思います。
#187
○角田義一君 じゃ先へ進みます。
 郵政大臣、事実関係について矢田部委員からお尋ねがあったことについて我々も若干疑問に思っている点がありますので、二、三お尋ねをしておきたいというふうに思うんです。
 大臣の後援会組織であります南陽会というのがある。これは詳しいことというか、大臣も細かいことまで全部覚えておるはずはないと思うんですが、南陽会というのには、現在、法人会員がおよそどのくらい加入されておるのですか。大ざっぱでよろしいですよ。
#188
○国務大臣(深谷隆司君) 角田委員にお答えする前に、私の申告がおくれたことで本当に御迷惑をかけましたことをまた改めておわびをしたいと思っております。
 ただいまの南陽会の現在の会員について、私は資料を正確に持っておりませんが、多分古社前後、個人も含めて百人ぐらいの会員ではないかと思っております。
#189
○角田義一君 当然南陽会をおやめになる個人なり会員がおられると思うんですが、そういう人たちは必ず脱会届なりあるいは退会届なりというものを出しておられるんですか。
#190
○国務大臣(深谷隆司君) 角田委員にお答えしますが、過日矢田部先生のときにも私若干申し上げたのでありますが、この種の経済後援会というのは、おやめになるときに一々退会届を出していただくという性格のものではありません。お入りになるときには確かに入会届を出していただきます。しかし、自然におやめになったり、あるいはまた、その同じ方が重ねてお入りいただいたりというようなケースの方がむしろ多いというふうに思っております。
#191
○角田義一君 そういたしますと、わざわざ退会届というものを出されたのはリクルート社だけでございますか。
#192
○国務大臣(深谷隆司君) 退会届を出したところももちろんございます。リクルートだけではありません。
 ただ、まだ御質問になっていないうちに答えることはいかがかと思いますが、過日の矢田部委員のときにも申し上げたのでありますが、あの時点で私が退会届をもらえとか、もらった方がいいという指示をいたした覚えも全くないのであります。ただ、会費の返却その他、後にいろんな問題がありましたし、当時としましては、あの八三年の夏というのは社会的に非常に大きな問題になったものでありますから、私どものスタッフの者が念のためにあった方がいいだろうというふうな感じで受け取っていたというふうに報告を聞いております。私自身もこの退会届を振りかざして間違いないんだというようなことを申し上げてきたわけではないのであります。ただ、退会届はあるかというお話があったものでありますから、このたび調べた中にあったわけでありますので、それはあるということを申し上げただけでございます。今になってみると、むしろなかった方がよかったかなと思うくらいでございます。その当時としてはスタッフの者はそういう考えで、格別な、それを後で証拠に出すというふうなことでなしに、念のためにという配慮であったのではないか、そんなふうに想像しています。
#193
○角田義一君 退会届がリクルートだけでないということであれば、退会届つづりというようなものがあるんじゃないですか。
#194
○国務大臣(深谷隆司君) 申しわけないんですが、今私八三年と申し上げたようで、六十三年の間違いです。済みません。
 今の御質問、何ですか。済みません。
#195
○角田義一君 大臣は退会届というのはリクルートだけではないというようなことを今おっしゃったものですから、それでは退会届つづりというようなものがあって保管をされているんですねと聞いておるんです。
#196
○国務大臣(深谷隆司君) いいえ、全くそういうことはございませんで、それほど厳密な形で退会届を保存していくというものではございません。
#197
○角田義一君 秘書さんですか、スタッフの方ですけれども、この前の質問では、念のため退会届をとっておいた、こう言っておるんです。念のためというのはリクルートだからということじゃないんですか。
#198
○国務大臣(深谷隆司君) おっしゃるとおりでございまして、当時その人が考えたことについてつまびらかに聞いたわけじゃないんですが、多分おっしゃるとおりだと思われます。
 というのは、それまではあの会社も格別どうという問題はなかったんですが、あの六十三年の夏ごろというのはさまざまな問題が社会的に惹起された、そういうときでございましたから、恐らくスタッフの者が念のためと考えて自然ではないかなと思っております。
#199
○角田義一君 リクルート社であるからこそ退会届をとったということに相なりますると、その後会費が月々入ってくるのか入ってこないのかということはこれは最大の関心事でありまして、当然関係者が毎月毎月チェックするというのが我々政治家の常識だというふうに私は思うのでございますが、大臣のこの前のお話でございますと、何と五カ月間だれも気づかなかった、こういうことでございますから、大変不自然だというふうに私は思いますが、いかがでございますか。
#200
○国務大臣(深谷隆司君) 私どもの事務所や私どものやり方があるいは規則正しく整然と行われていないという御批判を受けなければならぬと思いますが、南陽会だけでなしにいろんな会がございます。三千円の会費の会もあれば五千円もあればいろいろありまして、それらは振り込まれてきたり、あるいは届けられたりいたしますが、極めて自動的に比較的アルバイトに近いような女性が受け取って領収証を送るというようなことをやっております。そういうことがきちんとしていないとおしかりを受ければそのとおりかもしれませんが、通常そんなふうな形でやっておりました。
#201
○角田義一君 私は大臣を決しておしかりをするような立場ではございません。事実関係をきちっお聞きしたいというふうに思っておるのでございますが、念のためということですね、リクルート社だからこそ退会届をとったということであれば、しかもその時点でリクルート問題というのが出てきているわけですから、当然そこから会費をもらうのがいいかどうかということについて、先生御自身が、大臣御自身がやはりどうなっておるんだ、もらっちゃいないんだろうなと、こういうふうにお尋ねになってチェックをするのが当然じゃないか、こう私は聞いておるんですよ。
#202
○国務大臣(深谷隆司君) まことに申しわけないのでありますが、当時私がそうしろと指示したり、そのことで目を光らしたということはないのであります。
#203
○角田義一君 それではお尋ねしますけれども、大臣はリクルート社の退会届というものが出されたというのは一体いつ知ったのでございますか。
#204
○国務大臣(深谷隆司君) 前にほかの委員会でも申し上げたのでありますが、このたびの申告の問題で大変御迷惑をおかけして深く反省いたしまして、そのときにさまざまな書類でわかるものをきちんと出そう、ありったけのものをお出しすることによっておくれたということの責任を負おう、そう思ってさまざまスタッフに調べさせたのであります。そのときの書類の中にあったのであります。
#205
○角田義一君 私は、こう言っては御無礼かもしれませんけれども、退会届というのは、あなたの後援会でお金を返された六十四年の一月につくられたものではないか、こういう疑惑をどうしても払拭することができないんですけれども、いかがでございますか。
#206
○国務大臣(深谷隆司君) まことに申しわけありませんが、書かれたのは六十三年のたしか七月二十八日だと思いますが、それからそんな遠くない日に受け取ったものだというふうに報告を受けております。
#207
○角田義一君 遠くない日というのは、七月に退会をされておりますから、その後ということでいいんでしょうか。先ほどのお話と違ってきますな。
#208
○国務大臣(深谷隆司君) どこが違うんでしょうか、済みませんが。
#209
○角田義一君 先ほどの大臣のお話ですと、いつこの退会届が出されたかようわからぬというようなお話。今のお話ですと、何か七月の末ごろだというお話ですから、それをはっきりさせてください。
#210
○国務大臣(深谷隆司君) 私の言い方が悪いんでしょうか、よくわかりませんが、私は今度申告を出すときにさまざまな調査をさせて、その中に退会届があったものでありますから、別にそれを振りかざして証明をするということでなしに、私どもとしてはこういう退会届もあったんだなという程度の認識で受けとめております。
 いつごろかということについては、スタッフに聞きました話で正確ではありませんが、多分あの期日に近い時点であったろうというふうに申しておりました。
#211
○角田義一君 これ以上余り聞いても時間がありませんので、あと二、三点ちょっと聞いておきます。
 この前矢田部委員から、要するに同日選挙のあった年に二百万円の陣中見舞いをいただいておるのではないか、こういう御指摘があったわけでありますが、そのことについて大臣は、そういう疑問を投げかけられたわけですから、調査をしておるのでございますかどうですか。そのことだけでいいです。結果はいいですよ。調査をしたかしてないかということ。
#212
○国務大臣(深谷隆司君) 矢田部委員に御指摘をいただいたものでありますから、当時の選挙のときに届け出たもの、それから帳簿等をひっくり返して全部調べてみましたが、該当するものはございませんでした。
#213
○角田義一君 私がお尋ねしたいのは、帳簿に記載してあるかないかということではなくて、これはリクルート社から来たんじゃないかというような疑問が提起されておるわけですから、リクルート社の方にお問い合わせをしたか、そういうお気持ちがあるのかどうか、ということをお尋ねしているのでございます。
#214
○国務大臣(深谷隆司君) 先生の御指摘も先生のお立場からでしたらごもっともと思いますが、今私どもが自身の倫理を、倫理観というんでしょうか、問われているわけですから、私どもの書類、そしてメンバーの諸君、私自身の記憶、それらをもとにしてただいまお答えを申し上げているのであります。
#215
○角田義一君 あなたは今大変な立場に置かれているわけですよ。しかも、この二百万円という問題が公の場で提起されているわけです。これは矢田部委員もそれ相当の理由をもって御質問しているわけでありますな。とすれば、その投げかけられた疑惑というものを晴らす責任というのは大臣の方におありになるわけであります。とすれば、私は今こういう疑惑をかけられておるんだと、ひとつリクルート社の方へ尋ねてみて、大沢さんなら大沢さんに尋ねてみて、そしておれのところへ金を持ってきてなかったかと聞くのが当然じゃないですか。
#216
○国務大臣(深谷隆司君) 私は受け取ったと言われている側でございます。受け取っていないことがはっきりしているのであります。相手にお尋ねする気持ちはありません。
#217
○角田義一君 これは筋が違うんですね。リクルート社から二百万円の陣中見舞いが来ておるのではないかと、こういう疑惑が投げかけられた以上、あなたの方ではもらってない、もらってないと口で幾ら言っても、それはやはりリクルート社に確認をする、そういうお気持ちにはなれないのかどうかということですよ。
#218
○国務大臣(深谷隆司君) 角田先生にまことに申しわけないことですけれども、私はこの三カ月さまざまな御質問をいただきました。その中には事実と全く反する質問もございました。それが記事に載ったこともあります。しかし、このたびの件はあくまで私の申告漏れ、もしくは認識の悪さからなったことでございましたので、それらの批判については黙って受けとめてまいりました。このたびの件につきましても、私は責任を持って調べたのであります。受け取っておらないのでありま
す。ですから、リクルートに聞く気持ちはありません。
#219
○角田義一君 私は当然、リクルートに問いただして身の潔白を証明する責任は大臣の方にあるというふうに思うんですよ。これは政治倫理綱領にははっきりしておるんです。これをお尋ねする意思がないと、これでは納得でぎません。
 これ以上この問題についてできませんから、私申し上げますけれども、もう一遍念を押します。リクルート社の方にお尋ねする意思は全くないということでございますか。
#220
○国務大臣(深谷隆司君) まことに申しわけありませんが、私どもは私どもできちんと整理をして調べて、私自身はもちろん受け取っておりませんが、受け取っていないということははっきりしておるわけであります。問うつもりはございません。
#221
○角田義一君 あと一つだけ聞きます。
 大臣に対する政治献金が、六十二年にお金が四百万円、パーティー券が三百十六万円ということで七百十六万円でございます。しかし、六十一年はパーティー券が二百万、二百四万ですか、六十年はお金とパーティー券で二百万。それ以前のことは全然調査がありませんからわかりませんけれども、六十二年に異常に七百十六万と、例年の大体三・五倍ぐらいのお金が来ておる。これはどういうわけでございましょうか、背景を説明してくれませんか。
#222
○国務大臣(深谷隆司君) 私どもは背景についてつまびらかでありません。
#223
○角田義一君 大臣は、昭和六十一年七月二十三日から六十二年十一月十日までの間、衆議院の逓信委員会の委員長であられたんですけれども、間違いございませんか。
#224
○国務大臣(深谷隆司君) そのとおりでございます。
#225
○角田義一君 この昭和六十二年というのはリクルート事件にとって大変大きな問題のある時期なんです。要するに、当時日米の経済摩擦解消の一環としてクレイ社のスーパーコンピューターを日本が買いつける。そのときにNTTとリクルートの間の非常な微妙な問題があるわけなんです。当時あなたが敏腕政治家として逓信委員長の職にある。何かひとりお骨折り願えるんじゃないか、願いたい、こういう趣旨でこの年非常にふえているんじゃないかというふうに私どもは考えざるを得ないんですけれども、いかがですか。
#226
○国務大臣(深谷隆司君) 角田委員にお答えしますが、ただいまの件については全く事実に反します。私は政治生命をかけて、そのような関係は一切ございません、明確にお答え申し上げます。
#227
○角田義一君 秘書の問題とかいろいろな疑問点が投げかけられておって、郵政大臣はいろいろ調査しておるということでございますが、その調査はいつまでに我々予算委員会に提出を願うことができるのでございますか、御答弁ください。
#228
○国務大臣(深谷隆司君) 矢田部委員からのお話でございましたので、誠実に調査をしようといたしまして努力をしております。その中では、先ほど申し上げたような六十一年の選挙のことについても調査は一応終わりました。そのほかさまざまございます。しかしなお、せっかくの御質問でございますから、必要な限り調査をいたしたいと考えております。
#229
○角田義一君 いつごろまでにその調査結果を当予算委員会に御提出願えるのかというのが私の質問の趣旨でございますので、その趣旨に沿ったお答えをいただきたいと思います。
#230
○国務大臣(深谷隆司君) まことに申しわけないのでありますが、どこをどこまで調査すればいいのかということが定かでありません。調査をいたしまして、御報告しなければならないことがありましたら御報告したい、そんなふうに考えております。
#231
○角田義一君 委員長、これは例えば秘書の問題等についても、場合によっては政治資金規正法に違反をするんじゃないかというような議論もあったわけです。自治省の関係者もそういう答弁をしております。そういう中で、今のような、場合によっては全然調査の結果も何も報告をしないで済むような郵政大臣の御答弁では、到底私は納得いきません。やはりこれはしっかりといつまでに予算委員会に対してその調査の結果を報告するということを明示してもらわなければいかぬと私は思います。
#232
○国務大臣(深谷隆司君) できる限り早く誠実に調査をしたいと思っております。
#233
○角田義一君 可及的速やかにという言葉は期限がないのであります。
 要するに私が申し上げたいのは、およそでよろしいんです。例えば予算委員会は一般質問はもうこの月末で終わるわけでありますから、もう提起されているのは四月四日から提起されておるんですね。したがって、この予算委員会の一般質問が月末に終わる、いわば集中審議が始まる時点ぐらいまでには出すということになるのか。はっきりとしたやっぱり期限を、ある程度目安を言ってもらわなきゃこれは納得できません。
#234
○国務大臣(深谷隆司君) 角田委員に本当に申しわけございません。できるだけ速やかに誠実に調査をするつもりでございます。どうぞ御理解ください。
#235
○角田義一君 私は謝られる立場ではございません。要するに予算委員会というものを郵政大臣がどういうふうに考えておられるのか、あるいは国会、国民というものをどういうふうに考えておられるのか。やはり責任を持って、時期を区切って答弁をしてもらわなければ、これは予算委員会の権威に関することでございますので納得できません。どうかしてください。
#236
○委員長(林田悠紀夫君) 速記をとめて。
   〔午後三時二十二分速記中止〕
   〔午後三時三十八分速記開始〕
#237
○委員長(林田悠紀夫君) 速記を起こして。
 ただいまの件は現在理事会で預かり中であり、深谷郵政大臣に係る諸要求については本予算委員会終了までに結論を得るよういたします。
 以上で、角田君、質問を続行してください。
#238
○角田義一君 理事の方が集まってそういう結論を出したのでございますから私も従いますが、郵政大臣、ひとつ誠意を持ってこれは対応してください。
 次の質問に移りたいと思います。
 安保条約が締結をされましてちょうど三十年になるわけでございまして、安保の問題について今日いろいろ議論がされておりますが、私は今日の安保体制というものの中でいろいろな疑問を持っております。特にリムパック90という問題については大変深い関心を持っておるのでございますが、まず事実関係として、リムパック90に参加するという結論は、一体どういうプロセスを経てどの機関で正式に決定をされたのか、そのことについて、まず前提でございますのでお尋ねしておきたいと思います。
#239
○政府委員(米山市郎君) お答えをいたします。
 リムパック90につきましては、平成元年六月に米第三船隊司令官から海上幕僚長あてに招待状が参りました。これを受けて、同年八月に防衛庁長官の承認を得て、海上幕僚長からアメリカ第三艦隊司令官に対しまして、平成二年度予算が認められることを条件にリムパックへの参加意向を回答いたしたわけでございます。
 その所要経費につきましては、現在御審議中の平成二年度予算政府案に含まれておりますが、平成二年四月四日に暫定予算が成立したことを受けまして、防衛庁として正式に参加することを決定いたしまして公表をいたした次第でございます。
#240
○角田義一君 閣議決定という手続はなされていないんですね。
#241
○政府委員(米山市郎君) このリムパックへの参加、これも訓練への参加でございます。訓練というのは、防衛庁設置法に基づきましてその根拠規定がございまして認められているわけでございまして、一々の訓練の実施につきまして閣議決定といったようなものは必要がないと思っております。
#242
○角田義一君 今度のリムパックでアメリカの艦隊の中心になりますのは空母インデペンデンスでございますが、空母インデペンデンスには通常どういう航空機が搭載されているんですか。
#243
○政府委員(松浦晃一郎君) 空母のインデペンデンスは、乗組員が約五千三百名でございまして、搭載航空機約八十機と承知しております。
#244
○角田義一君 どういう機種が載っているかと聞いておるんです。はっきり答えてください。
#245
○政府委員(松浦晃一郎君) 今申し上げました八十機は全部で八種類ございますけれども、これは全部読みますとかなり時間をとりますけれども、もし先生の御質問がそういう趣旨であれば読み上げます。
 戦闘機といたしましてF14A二十機、戦闘攻撃機FA18C二十機、中型攻撃機A6E十二機、空中給油機KA6D四機、電子戦機EA6B五機、対潜機S3B八機、対潜捜索救難機SH3H機六機、早期警戒機E2C五機、合わせまして八十機でございます。
#246
○角田義一君 その搭載機のうち、要するに核を搭載する能力を持っておる飛行機ほどの種類でございますか。
#247
○政府委員(松浦晃一郎君) 私ども承知しておりません。
#248
○角田義一君 防衛庁、どうですか。
#249
○政府委員(内田勝久君) ただいま外務省の方から紹介ありました機種のうち、FA18については核搭載が可能であると理解をしております。
#250
○角田義一君 それだけじゃないでしょう。
#251
○政府委員(内田勝久君) 申し上げるのを落としまして失礼いたしました。ただいまのに加えまして、A6Eが核搭載可能だと理解をしております。
#252
○角田義一君 それだけじゃないんですよ。
#253
○政府委員(内田勝久君) ただいま申し上げましたFA18とA6Eにつきましては核の搭載が可能であると私ども理解しておりますが、もう一つF14につきましては、これは爆弾は搭載できるわけでございますので、これに核が積めるかどうか、ただいまのところ私ども定かでございません。
 以上でございます。
#254
○角田義一君 ミリタリー・バランスを調べれば、そんなことは、S3Aバイキングというのは核爆雷を搭載できるということが書いてあるんですよ。どうなんですか。――私、質問しているんだから答えさせてください。ミリタリー・バランスに出ているんだよ。
#255
○政府委員(内田勝久君) ただいま委員御指摘のS3Aにつきましては、これが核搭載可能かどうかにつきましては、突然の御質問でもございますので、私どもはただいまの時点では明らかにしておりません。
#256
○角田義一君 そんなことを答えられないようじゃどうにもならない。ミリタリー・バランスの英文をちゃんと訳してもらって、一介の参議院議員が調べているんだ。国家の防衛の枢要にある者が、このインデペンデンスに載るS3Aバイキングに核爆雷が搭載できないかできるかということぐらいわからぬでどうするんですか。ちゃんと答えてください。
#257
○政府委員(内田勝久君) ミリタリー・バランスによりますと、S3AはB57の爆雷を搭載可能であると記載されておりまして、B57の爆雷能力五キロから二十キロトンとございます。こういう記述から見ますと、核の搭載は可能であるかと考える次第でございます。
#258
○角田義一君 戦艦ミズーリというのがありますが、このミズーリにはトマホーク八基、三十二発。これは核、非核があると思いますけれども、どうですか。
#259
○政府委員(内田勝久君) ただいまの御質問は、ミズーリにトマホークが装備されているかどうかということだと理解いたしましたが……
#260
○角田義一君 核、非核両方あるかと聞いておるんです。
#261
○政府委員(内田勝久君) ミズーリにはトマホークが搭載されておりまして、このトマホークは核、非核両用でございますが、核搭載が可能かいう御質問であれば、核のトマホークというのは可能であるということでございます。
#262
○角田義一君 政府からいたださましたリムパック90の概要によりますと、艦名が出ておりますものはインデペンデンスとミズーリだけでございます。巡洋艦四隻、駆逐艦二隻、この艦名を言ってください。
#263
○政府委員(米山市郎君) その二隻以外の艦名につきましては米側が公表いたしませんので、私どもは承知をいたしておりません。
#264
○角田義一君 日本側の艦艇は全部明らかにしておるんですよ。我が方の艦艇は全部明らかにしておるんですよ。ソ連も恐らく宇宙衛星を使ってどういう駆逐艦がおるか、どういう巡洋艦がおるかというのはわかっておるんです。あなたの方は、どういう巡洋艦あるいは駆逐艦、この艦名もアメリカに聞かずにリムパック90に参加するんですか。防衛庁長官、答えてください。
#265
○政府委員(米山市郎君) リムパック90は、四月九日に始まりまして六月一日までということになっております。リムパックが終了いたしますと、米側の方も公表可能ということでございますので、現段階では承知をいたしておりません。
#266
○角田義一君 相手の艦名もわからぬものと共同訓練をやるとか、そんなことが許されると思うんですか、防衛庁長官。わかっておるんだろうが。わかっておるんだが、言えないというのかよ。
#267
○政府委員(米山市郎君) 公表できないということで、リムパック90が全日程を終了した段階で米側が公表可能になります。それまでは、公表することは我が国といたしましてもできません。
   〔委員長退席、理事平井卓志君着席〕
#268
○角田義一君 あなた方はこの艦名を知っているのか知っていないのか、まずそれを聞きましょ
#269
○政府委員(米山市郎君) 承知はいたしております。
#270
○角田義一君 承知をしているのなら、この国会で巡洋艦、駆逐艦の名前が言えない理由を言ってごらんなさい。
#271
○政府委員(米山市郎君) 米側がリムパック終了まで公表をしないということによるものでございます。
#272
○角田義一君 アメリカの方で、公表するな、日本国民に知らせるなと、こういうふうに言ったんですか。
#273
○政府委員(米山市郎君) アメリカが公表をしない以上、日本として公表するわけにはまいりません。
#274
○角田義一君 あなたはどこの国の防衛庁のお役人ですか。納得できませんよ、その答弁は。
#275
○政府委員(米山市郎君) アメリカの艦船の問題でございますので、これはアメリカの問題でございます。私どもは、アメリカが公表しない以上、日本として公表するわけにはまいりません。
#276
○角田義一君 日本の問題です。冗談じゃないですよ。これだけの予算を使って共同訓練をやる。相手の艦名は自分でわかっているけれども、国民に知らせることができない。そんなばかなことはないでしょう。私はなぜその艦名にこだわるかといったら、艦名を明らかにすることによって、これが核搭載か搭載でないかということを聞きたいから聞いておるんです。委員長、ちゃんと答弁させてください。核があるかないかということは大問題なんですよ。簡単に私は譲れませんよ。
#277
○政府委員(米山市郎君) これは相手国のあるこでございますので、信義の問題として、アメリカが公表しない以上は日本として独自に公表するわけにはまいりません。
 それから、このリムパックという演習は、これは通常兵器による訓練であるということはかねてから申し上げているとおりでございます。
#278
○角田義一君 そんなことを私は聞いているんじゃないよ。そのことはまた後でゆっくり間きます。
 要するにアメリカもわかっておる、ソ連もわか
っておる。わからないのは日本国民だけ。そして、金を使って共同訓練をやるというようなことが独立国の海軍として許されるかというんです、僕は。(「海軍か」と呼ぶ者あり)そうですよ、海軍。これは独立国の海軍ですよ。情けないと思うんだ。私ははっきり申し上げますけれども、この艦名を――これは理事会で諮ってもらってもいいけれども、協議してください。後ではっきりさせてください。どうです、委員長。当然でしょう、こんなのを明らかにするのは。
#279
○理事(平井卓志君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#280
○理事(平井卓志君) 速記を起こして。
#281
○政府委員(米山市郎君) 再々御答弁申し上げておりますように、アメリカ側がリムパックが終了するまでは公表をいたしませんので、終了後公表することは可能でございます。
#282
○角田義一君 まことに情けないですな。そんなのはアメリカの情報公開法で恐らく要求すればすぐ出てきますよ。出てくると思うんだ。私はこんな屈辱的な訓練はないと思っている。名前もわからぬものとどういう訓練もするかわからぬなんというのは、本当だったら通るはずないんだよ。しかし、質問を先にしなきゃならぬからあれしますけれども。じゃ、ここでお尋ねしましょう。
   〔理事平井卓志君退席、委員長着席〕
 総理、そのインデペンデンスには今言ったような核搭載の飛行機が搭載されているんです、普通は、通常は。核があるかどうかわかりませんよ。核を搭載する能力のある飛行機が載っかっているんですよ。
 そこで、このリムパック90に参加するについて、防衛庁長官なりをお呼びになって、一体このインデペンデンスなり、あるいはミズーリなりに核が積んであるのかどうか、君これはどうなっておるんだというふうにお尋ねになったことがありますか、ありませんか。
#283
○国務大臣(海部俊樹君) 具体的な問題について問いただしたことはございませんでした。
#284
○角田義一君 今私がいろいろ尋ねて、このホーネットであるとかあるいはイントルーダーとかというものが核を積む能力があり、それがインデペンデンスに積まれておるわけですよ。核があるかないかわかりませんよ。したがって、当然核があるかないかということについて、防衛庁長官に総理としてお尋ねになるのが私は責任ある総理の立場だと思うんですけれども、いかがでございますか。
#285
○国務大臣(海部俊樹君) 訓練の内容、あり方その他については防衛庁から答弁をいたさせます。
#286
○政府委員(米山市郎君) リムパックは通常兵器による海上作戦についての戦術技量の向上を目的とした訓練でございます。その趣旨は総理にも御説明してございます。
#287
○角田義一君 通常兵器による訓練で結構でございます。結構でございます。しかし、通常兵器による訓練を行うということと、この現に参加しておるインデペンデンスに核が搭載されておる航空機が載っておるか載っておらないかということは全然別の次元なんです。核を積んだままだって通常兵器による訓練はできるんです。
 だから、私が聞きたいのは、通常兵器による訓練をやるにしても、核が載っておるか載っておらないかということに重大な関心を持ってただすのが防衛庁長官の責務であり、総理の責務ではないかというふうに聞きたいんです。どうですか。――あなたじゃないです。あなたじゃない。私は総理と防衛庁長官に聞いておるんです。委員長、だめです。
#288
○政府委員(米山市郎君) 米国は特定の艦艇あるいは航空機等における核の存在を肯定も否定もしないという政策を堅持しております。
 いずれにいたしましても、米軍部隊の装備等のいかんによって共同訓練が実施できるとかできないというふうには考えておりません。
#289
○角田義一君 えらいことをあなたは言っている。
#290
○国務大臣(石川要三君) お答えいたします。
 リムパックは御承知のとおり今回初めてではないわけでありまして、もう数回行われていると思いますが、その具体的なことにつきましては、先ほど政府委員からお答えいたしましたように、通常兵力という中の訓練、これが一つの大きな前提であるわけでありますから、そういう核の搭載の能力があってもそういうものは当然核はないという前提で私も認識しているわけでございます。
#291
○角田義一君 全然答弁が矛盾していますな、長官と今の局長では。しかも、局長はえらいことを言っておるんですよ。核が積んであるか積んでないか関係なく訓練できるんだと言っているんだ。最初は通常兵器だからできるんだと言った。
 そうすると、はっきり聞きますけれども、核をはっきり積んでいるものと日本の海上自衛隊が共同訓練することは許されるんですか。これは総理大臣と長官に聞きます。これはお役人が答えることじゃない。こんな重大な問題は総理大臣と防衛庁長官、答えてください。――あなたじゃないですよ、失礼だけれども、私が質問しているんだ。
#292
○国務大臣(石川要三君) お答えします。
 この点については、大変きちんと説明をし御理解をいただかねばならない点でありますので、法的な関係もございますから、まず事実関係としてもう一度政府委員からはっきりその点についてはお答えをさしていきたいと、かように思います。
#293
○角田義一君 私は非常に質問は簡単なんですよ。要するに核が搭載をされておる、そういういわば空母ですな、インデペンデンスは。これと共同訓練ができるのか、日本の海上自衛隊はそういうことが許されるんですかと、こう聞いているんです。簡単なんです。非常に明快なんです、質問は。質問は明快。――頼んでないよ。頼んでないじゃないですか、あなたには。
#294
○政府委員(米山市郎君) 米国は、先ほども御答弁をいたしましたが、特定の艦艇、航空機等における核の存在を肯定も否定もしないという政策を堅持いたしております。
 いずれにいたしましても、自衛隊と米軍との共同訓練は我が国の個別的自衛権の行使が前提、必要となる事態に備えて行われるものでございまして、米軍部隊の装備等のいかんによって共同訓練ができるとかあるいはできないといったものではございません。
#295
○角田義一君 だめだめ、そんな答弁はよくない。冗談じゃないですよ、そんなもの。(「防衛庁長官」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
#296
○委員長(林田悠紀夫君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#297
○委員長(林田悠紀夫君) 速記を起こして。
#298
○国務大臣(石川要三君) 大変失礼いたしました。はっきり回答するために読ませていただきたいと思いますが、核兵器搭載可能艦との共同訓練は許されるか、こういうお尋ねでございます。
 これに対しまして、米国は特定の艦艇、航空機等における核の存在を肯定も否定もしないという政策を堅持しているが、いずれにせょ自衛隊と米軍との共同訓練は我が国の個別的自衛権の行使が必要となる事態に備えて行われるものであり、米軍部隊の装備等のいかんによって共同訓練が実施できるとかできないとかいったものではない。なお、安保条約上いかなる核兵器の持ち込みも事前協議の対象であり、核持ち込みについての事前協議が行われた場合、政府としては常にこれを拒否する所存であるので、我が国領域内において自衛隊が核を装備した米軍の艦艇、航空機と共同訓練を行うことは考えられない。
 こういうことでございます。
#299
○角田義一君 要するに核を積んでいるか積んでないかわからないと、そんなことは関係なくやっちまえばいいというのが防衛庁でしょう。
 そうすると、私が言いたいのは、核が明らかに積んであるということがわかって、そしてそれと海上自衛隊が共同訓練ができるのかと聞いておるんですよ。私の質問はそういう質問なんです。あるかないかわからなくても何しろそんなことやっちゃうんだ、こう言っているんだけれども、そんなわがままなこと許されないですよ、むちゃくち
ゃなことは。私の言っているのは単純明快でしょう。核を積んであるということがはっきりしているものと海上自衛隊は共同訓練ができるんですかと、こう聞いているんですよ。できなきゃできない、やっても構わないんだというんなら構わないで、どっちでもいいんです。――大臣、大臣。
#300
○国務大臣(石川要三君) 前段に続きまして、これは中曽根内閣総理大臣が答えた内容でございますが、こういうことに政府としてはなっているわけであります。「トマホークについては核つきトマホーク、非核トマホーク、二種類あると思っております。その場合の核つきトマホークの問題でありますが、これについては非核三原則を厳守するということはもとよりであります。しかし、共同訓練を公海等で行うという場合においては、装備の有無というものによって非核三原則が侵されるとは思っておりません。それは公海において行われる訓練の場合であるからであります。」と、以上が当時の中曽根総理の公式な答弁であるわけでありまして、私もそのように認識をしているものでございます。
#301
○角田義一君 いいですか、総理にお尋ねします。非核三原則というものが日本は国是だとこう言われておるのでございますが、非核三原則が国是であると。その非核三原則の本質というのは、一体どういうことなんでございますか。
#302
○国務大臣(海部俊樹君) 非核三原則というのは、持たず、つくらず、持ち込まず、こう言われておりますように、核を日本の国内においてつくらない、それを持たない、持ち込まない、それだと思います。
#303
○角田義一君 それは失礼でございますが私も知っておるのでございます。
 私が承りたいのは、非核三原則というものが日本の国是と言われておる、その本質は一体何でございますかと、こういうことなんでございます。その哲学でございますよ。
#304
○国務大臣(海部俊樹君) 日本は核兵器を持たないということであります。
#305
○角田義一君 当然のことでございますが、みずから核戦争をやるとか核戦争に加担をするとか、そういうことは絶対やらないんだ、そんなことをやっちゃならないんだと、こういうふうに私は理解しておるのでございますけれども、いかがでございますか。私の考えは間違いでございますか。
#306
○国務大臣(海部俊樹君) 核戦争に加わらないというのは当然のことでございますし、それからその加わる大前提の能力も持っていないわけでありますし意思もないわけでありますから、それはおっしゃるとおりだと思います。
#307
○角田義一君 といたしますると、公海上であれどこであれ相手が核を持っておるか持っておらぬかわからぬ、あいまいなままにしておいて――恐らく通常は核は積んでおると私は思っておるんです。積んでおるおそれがあるんですよ。ソ連の方はあの演習でもちゃんと核は積んであるというふうに思って対応しているんですよ。そういうはっきり言って核がある蓋然性の強いそのアメリカの艦艇と日本の海上自衛隊が共同訓練をする。はっきり言えばアメリカの核戦争に加担をする、こういうことになるでしょうと言うんです。ならないとおっしゃるなら、日本は核があるかないかを確認する責任があるんじゃないですか。どうですか。
#308
○国務大臣(石川要三君) 先ほど私がここで中曽根総理の当時の見解を申し上げたわけでありますが、したがって、あの中にも書いてございます、公海上の中における核の問題についてはそのように指摘をされているわけであります。ただ、委員は持っている可能性というか蓋然性が非常に強い、これに対してそれとの共同訓練がいいか悪いか、こういうお尋ねだと私は理解をしております。ただ、それは委員の核があるだろうという一つの認識といいますか、そういう考えであることはそれはまあ自由でありますけれども、米国が核があるかないかということはこれは公開してないわけでありまして、そういう前提から私どもはやはり、非核三原則という一つの取り決めもありますので、恐らくないであろうという解釈をしておるわけでございます。
#309
○角田義一君 それは防衛庁長官が幾らないであろうと――じゃ長官、核がないであろうというふうにあなたお思いになるなら、外務大臣もおりますけれども、インデペンデンスあるいはミズーリ、核は積んでございませんのですなというふうに聞くのが筋ですよ。そうじゃないですか。どうですか。お答えください。
#310
○国務大臣(石川要三君) 余りにも委員の元気のいい質問で、ついつり込まれてしまいまして推察を申し上げましたが、私は核はない、このような見解を持っておるわけでございます。
#311
○角田義一君 核がないというふうにあなた思っておられるというんであれば、大分違いますね。あるかないか関係なくやってもいいと言っているんだ、さっき局長は。ないというふうに防衛庁長官がお思いになるんであるならば、ないというふうに思う根拠は一体何なんでございますか。アメリカはあるかないか言わないからわからないんでしょう。言わないんでしょう。
#312
○国務大臣(石川要三君) 突然の質問で、大変御迷惑をかけます。私が一つのまとめとしての見解を申し上げますが、これはやはり公海上の中における訓練であるし、核があるとかないとかということと、私はそういうことではなくして通常兵器の中の共同訓練、こういうことで従来今日まで来たと、こういうふうに理解をしております。
#313
○角田義一君 くどいようでございますが、私は通常兵器の訓練は訓練だと言っているから、それはそれでいいでしょうと言っているんですよ。
 私は突然質問しているんじゃないんですよ。きのう、いわばリムパックの概要についてというのと共同声明文をじっと見れば、私がどういう質問をするかというのはおのずからわかると、こう言ったんです。じっとこれをよく見ればわかると言ったんです。(「それは無理だ」と呼ぶ者あり)無理じゃないですよ。それで、よく今までの議事録を読んでください、どういうことが問題になっているかよく読んでください、おのずからわかってくる、こう言ったんです。
 だから突然の質問じゃないんですが、先ほど私が言ったのはこういうことなんです。総理は非核三原則の本質というものは、核はもちろん持たないしつくらないし持ち込ませない、いわんや核兵器でもって戦争をやるとは考えてもいません、そんなもので加担はとてもできないでしょうとこうおっしゃっているから、それならこちらの、インデペンデンスなりあるいはミズーリというのは核を搭載する能力があるんだから、それとそういう疑惑を持たれているんだから核はないですねと、核があったら我々はできませんよと、こう言うのが筋でしょうとこう言っているんです。私の言っていることは間違いですか、筋が違いますか。
#314
○国務大臣(石川要三君) 大変しばしばお答えを申し上げます。
 今の御質問でございますけれども、先ほど総理が非核三原則についての見解を、我が国の見解といいますか、そういうことについては全く私もそのとおりだと思います。同感でありますが、今回のこの問題は、要するに非核三原則というこの点については、これは当然公海上の中の訓練でありますから、その点については非核三原則という前提を私どもは持ってこの訓練というものを行っておると、このように私は理解をするわけであります。
 したがって、ただそういう点につきまして、もしもっと正確といいますか、そういう点の法的なことでお答えを要求するならば、外務省の政府委員からの御答弁をいただきたいと、かように思います。
#315
○角田義一君 私の質問は、別にそんなえらい法律論を言ったり難しい講釈を言っているんじゃないんですよ。非常に簡単なんです。国民の疑惑を代弁して聞いているんです。そうでしょう。
 総理に私が聞いたのは、非核三原則の本質は何かと最初にお尋ねしているんです。三原則はだれでも知っておるんですよ。だから、非核三原則の本
質は何かと。とてもじゃないけれども核戦争なんか準備できないし、その意思もないし能力もないしやる気もないと言っているなら、当然こちら側は核があるかどうかわからないんだから、そういうところを相手の核と一緒になって核戦争をやっていいはずないでしょうが。そうでしょう。それは非核三原則の本質に反するんですよ、日本が核戦争を準備するなんていうことは。だから、あなたがおっしゃるなら当然核があるかないかを聞くというのが筋じゃないですかと。あなたは先ほど核がないと確信していると言うなら、確信しているその根拠を言ってくださいよ。
#316
○国務大臣(石川要三君) 再三同じようなことを申し上げるようでございますが、このリムパックは通常兵器の中における共同訓練とこういうことでございまして、その非核三原則の本質については、これはやはり外務省の所管でございますのでその方から答弁をさらにすることが適当であると、かように思います。
#317
○角田義一君 あなたは先ほど核がないということを信じていると。信じているのは結構だから、何をもってそのリムパックに行っているインデペンデンスだのミズーリは核を積んでないんだという確証を持ったのか。外務大臣に聞いてもらって、アメリカの方が間違いないありませんよと、安心して参加してください、こう言ったんではないかと、こういうことなんです。
#318
○国務大臣(石川要三君) 再三にわたるようでございますけれども、先ほどの私が核がないという一つの確信をしているというこの言葉については、私はやはり正確な答弁ではない、このようにここで謹んで私は訂正させていただきたいと、かように思います。そして、それはなぜかというならば、核があるかないかということには関係ないということであり、そして通常兵器の中の共同訓練である、こういうことでございます。
#319
○角田義一君 天下の防衛庁長官がですよ、この大核の問題についてそんなくるくるくるくる答弁が変わられたんじゃとてもじゃないけれども国民は納得できませんよ。
 私がお尋ねしているのは、それならそれでいいから、じゃその核があるかないかわからないけれども、核があるかないかわからなくても構わないやってもいいんだということには私はならないと思っているんです、先ほどの総理のお話を聞けばだ。本質から言えば、くどいようだけれども、核を持ったものとはやれないんだから、日本は。やれないならやれないで、やれないような方策をちゃんととって確認してからリムパック90に参加するのが当然だろうと。最後に答えてください。この続編はまたやるから。
#320
○政府委員(米山市郎君) 長官も御答弁申し上げておりますように、リムパックは通常兵器による海上作戦についての演練でございます。このリムパックは公海上における演習訓練でございます。米国は、先ほども長官御答弁申し上げましたように、特定の艦艇、航空機等における核の存在を肯定も否定もしないという政策を堅持いたしているわけでございます。米軍部隊の装備のいかんによってこの共同訓練が実施できるとかできないとかいうものではないというふうに私どもは考えております。
#321
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で角田義一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#322
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、白浜一良君の総括質疑を行います。白浜君。
#323
○白浜一良君 まず初めに、ただいま行われております花の博覧会、大阪で行われておりますが、このことに関しまして御質問したいと思います。
 当然、戦後日本では四回目の国際博覧会でございまして、総理みずから名誉会長についていらっしゃいます。この大阪の花博に関しまして、総理はどのように意義を感じていらっしゃいますか。
#324
○国務大臣(海部俊樹君) 花の万博は、豊かな社会に向かって花と緑による国土の緑化と潤いのある生活空間の創造を目指し、またそれに代表される自然のとうとさをもう一度考え直すことによって人間と自然との共生のあり方を世界の国々とともに探ろうとするものであると考えております。
 経済的な繁栄を達成した我が国においてこのような時期に花と緑の博覧会が開催されるということは、極めて有意義なものであると私は考えております。
#325
○白浜一良君 ただいまお述べになりましたように、大阪の行事ではございません。国内的にもまた国際的にも非常に大事な行事であるわけでございますが、御存じのように開幕されまして二日目に人身事故が起こりました。以来ずっと事故が起っているわけでございます。そこで、この大事なイベント、この事実経過を説明していただきたいということで、本来はここに事務総長でございます大塩さんに参考人でどうしても来ていただきたいということで招請したわけでございます。十八日の本委員会の理事会でもそれが決定されたんです。聞きましたら、決定されましてから所用があるということで本日来れない、こういうことになっているわけでございますが、私非常に残念でなりません。確かに忙しくなければ事務総長になんかならないんですから。そういった面で、本日はここに来ていろいろ御説明していただきたかったと思っているわけでございます。どうですか、建設大臣、私はそのように思っているわけでございますが、どのように思われておりますか。
#326
○国務大臣(綿貫民輔君) 国会でお呼びとなれば出席しなければならなかったのでございますが、いろいろ聞いてみますとどうしても離れられない仕事があるという私もそのことはよく理解しておりますので、きょうはまことに失礼でございましたが欠席をいたしたわけでございまして、私からおわびを申し上げます。
#327
○白浜一良君 重ねてお尋ねしますが、非常に大事な行事が九月いっぱい続くわけでございまして、必ず大塩事務総長はしかるべき委員会に来てきちっと説明していただけるということですね。
#328
○国務大臣(綿貫民輔君) お答えいたします。
 出席して説明させます。
#329
○白浜一良君 大阪では当然地元行事ですから大きく報道されているわけでございますが、東京、関東方面では余り花博も報道されていないこともございまして、建設省からこの事故の経過を簡単で結構でございますから説明していただきたいと思います。
#330
○政府委員(真嶋一男君) 花博における事故の経過でございますが、ウオーターライド関係でございます。
 四月二日十二時五分ごろ、「街の駅」の出発ベルトコンベヤーの上でボートが停止状態になりまして、このため後続の各ボートが数珠つなぎの状態になりまして、後ろから参りましたボートに押されました前のボートが押し上げられて地上七メートルの水路から転落して、事故によりまして乗客約六十名中二十四名の方が負傷され、重傷の二名の方は現在も入院中ということの状況にございます。事故原因につきましては現在捜査当局において究明中でございます。
 ロープウエー関係でございますが、四月十八日十時十二分ごろ、ロープウエーの三号支柱の上のアルミ製の滑車のうちの一個が壊れて、その破片の一部が下の通りに落ちたということがございました。事故による負傷者はございませんでした。事故の原因は、そのアルミ製の滑車が製造過程において成分の偏りがあったためにクラックを生じて破損したということでございます。
 その滑車をすべて個別検査をいたしまして、そしてすべての滑車にコーティングを行いまして、万が一にも破損しても落下しないような処置をとりまして、四月二十八日より営業を再開いたしております。
 それから三番目のCTM、パノラマライナーでございますが、四月二十一日の十二時二十分ごろ電圧が不足したために停止しましたが、これはクーラーの関係でございましたので間もなく復旧いたしております。
 それから五月十二日の十三時五十七分ごろ、列
車の無線制御用のコンピューターの温度が上昇したために機能停止したということでございまして、これはフィルターに非常に目詰まりが発生したということでございますので、フィルター点検の時期の頻度を上げるということに変更して対応いたしております。六時間後におおむね復旧をいたしております。
 それからさらに同じパノラマライナーでございますが、五月十九日九時二十八分ごろ、車両に付属しております電流調整のための器材が絶縁不良になっていたために停止いたしましたが、これは部品が悪かったのでないかという想定で取りかえまして、他の車両につきましても同機の点検を行いました。三時間後に復旧いたしております。
 それから五月二十日十五時二十四分ごろ、モーターを制御する電磁回路が故障したために停止をしておりまして、現在原因について調査中でございます。
 故障が連続的に発生していることを踏まえまして、各系統ごとに総点検をただいま実施しておりまして、原因究明に努めているところでございます。
#331
○白浜一良君 それでは、大阪府警で事故の捜査をされておりますが、捜査状況を簡単で結構です御説明いただきたいと思います。
#332
○政府委員(中門弘君) お尋ねのウオーターライドの転落事故につきましては、負傷者多数を伴う事故でございますので、即日大阪府警守口警察署に捜査本部を設置しまして、現在も捜査しているわけでございます。
 捜査の内容としましては、負傷者あるいは目撃者、施設の関係者等からの事情聴取、事故現場の証、事故を起こしました機械の作動システムや運行状況についての捜査等を現在究明しているところでございます。また、このウオーターライド及び水路、それからこの施設の電気系統や機械の作動システム等につきましては現在鑑定中でございまして、結論が出るまでにはしばらくの期間を要する見込みでございます。
 いずれにいたしましても、事故原因の究明と過失責任の追及のために鋭意捜査をしているという状況でございます。
#333
○白浜一良君 いろいろ具体的な細かなことはあるわけでございますが、大塩さんに来ていただいたときにもう一度きっちりやりたいと思いますが、私大きな問題だけをお話ししたいと思います。
 いろんな技術的な問題、人為的な問題すべて含めた今回の事故であるわけでございますが、何か聞くところによりますと、建設大臣、五月十二日にお忍びで行かれてパノラマライナーに乗られたということですが、家族で乗られたパノラマライナーがとまってしまったという事実を私は伺ったわけでございますが、それは事実ですか。どう思われましたですか、事故に遭われて。
#334
○国務大臣(綿貫民輔君) 事実でございます。
 三つのエリアがございます、山のエリア、野原のエリア、街のエリア。機動的に皆さんに楽しんでいただこうということでいろいろの乗り物を企画したわけでございますが、やっぱりできたばかりで十分に点検が行われていなかったのか、万全を期するようにということをその後帰りまして厳重に示達をいたしておきました。
#335
○白浜一良君 そこで、私三つだけきょうは確認をさせていただきたいわけです。
 一つは、要するに今後の安全性の確保ということでございまして、当然花博そのものが九月三十日までございますし、これからも地方博を含めてさまざまな博覧会があるわけでございまして、その安全性の確保ということで、一つはいわゆる技術的な問題ですね。衆議院でこの話が少し出まして、建設委員会ですか、遊戯施設の建設に関しては建築基準法にのっとってつくられるという。ところが、操作する人に対しては余り明確な基準がないということです。だんだん非常に複雑なそういう遊戯施設にもなりますし、今後その資格も含めて考えていかなきゃならないという建設省のお考えがあるというふうに伺いましたが、この点は事実でございましょうか。
#336
○政府委員(伊藤茂史君) 今回のウオーターライドの事故でございますが、御指摘のように、建築基準法におきましては従来から遊戯施設について基準法を準用いたしましてその安全確保を図っております。それは、一点は今おっしゃいましたように構造の面でございまして、もう一点は維持、運行管理の面でございます。両方でございます。今御指摘いただきました運行管理面でございますが、五十二年に「遊戯施設の維持及び連行の管理に関する基準」ということで全国に通達をいたしておりまして、毎年のように遊戯施設の関係者を集めて講習会を開いたり技術の向上に努めておるわけでございます。
 今回のこの事故に関しましては、今お話が出ましたように現在捜査中でございますし、原因究明はっきりしておりませんので、その結果を待ちましてさらに運行管理に関する指導については適切な措置をとってまいりたいというふうに考えております。
#337
○白浜一良君 あなたは何もおっしゃっていないけです。要するにそういう資格を前向きに考えていくんですか、局長さん。考えていくんです
#338
○政府委員(伊藤茂史君) 建設委員会でも同様のお答えを申し上げたと思いますが、今回の結果を持って検討いたしたいというふうに思います。したがいまして、今のところ考えておりません。
#339
○白浜一良君 ああいう遊戯施設というのはアルバイトの方がやっている場合が多いわけですね。今回のこのウオーターライドでも、これ時間かかますからやめますが、実際問題アルバイトほかでそういう事故が起こった場合に適切な対応ができないということもあったわけでございまして、今のような中途半端なわけのわからぬ答弁では私は困ると思います。
 もう一つ、角度を変えて聞きます。
 このウオーターライドの運営主体でございますジャスコ、博報堂は、五月十六日に協会に対して早く再開したいというような、そういう要望が出ているというふうに新聞報道にございましたが、この事実はどうですか。
#340
○政府委員(真嶋一男君) そういう申し出がございましたと承知しております。
#341
○白浜一良君 どうか建設大臣、こういう人身事故に及ぶことですから、またたくさん人数が集まることですから、きちっと警察の捜査も終わって原因究明されて安全性が確保されない限り再開はしないと、こう約束してくださいよ。
#342
○国務大臣(綿貫民輔君) お答えします。
 せっかく皆さんに楽しんでいただこうと思ってつくったものでございまして、私もじゃ最後までこれは動かさないのかと聞いたんですが、いやそれはもう安全をなるべく早く確かめてやっぱり皆さんに楽しんでいただく用に供したい、こういうことで今検討いたしておりまして、今お説のとおりに、安全の万全が期せられるということを条件にしなければ再開はしないつもりでございます。
#343
○白浜一良君 当然、この問題で協会がやっていらっしゃるという事実関係もあるわけでございますが、少なくともいわゆる警察の捜査、原因究明が終わらなければ再開はできないという考えはどうですか。
#344
○国務大臣(綿貫民輔君) おっしゃるとおりです。
#345
○白浜一良君 二点目に私が確認したいことは、いわゆる協会の責任問題でございます。
 これはいろんな理由があるわけでございますが、工期が短かった、運営もシステムがばらばらである、また協会そのものが寄せ集めでしっくり準備体制がいかなかった、いろいろあるわけでございますが、そういった観点でいわゆる花博の会場に四つの輸送施設があるわけでございます。今までの国際博でございましたら、これはみんな協会が運営していたんです。民営でやったのは今回が初めてなんですね。そして今回このウオーターライドの事故があったときもそういう経過で、大塩事務総長は責任は協会にはない、営業者とは契
約を交わしただけだ、こういった責任回避の弁が最高責任者でございます大塩事務総長からあったわけでございます。実際、フラワーキャビンの滑車が落ちた、それでも一時間四十分ずっと動いていたという経過もございます。どこがどう責任を持つのか。こういう一連の事故に対してまた入場者に対して、協会は安全に対する責任はこれはないと考えていらっしゃるのか。私は、重大な責任がある、どのように考えていらっしゃるか、お考えを伺いたいと思います。
#346
○政府委員(真嶋一男君) 花博の協会は博覧会全体の管理運営の任務にあるというところでございまして、個々の施設の営業活動につきましては、営業者自体が施設を建設し管理及び運営を行っているのでございまして、その法律上の責任は個々の営業者にあると考えておりまして、このことは協会と営業者との業務上の基本協定においても明らかにされているところであります。
#347
○白浜一良君 今の答弁でしたら全然協会側に責任がないというような話でございますが、逆に話を変えます。
 要するにこの花博がオープンされるまでにあらゆる遊戯施設、輸送施設も含めまして、協会としてこの運行に対する安全管理体制というものをきちっとチェックされたんですか。
#348
○政府委員(真嶋一男君) 花博に導入されております遊戯施設につきましては、各参加者において対象となる所定の鉄道事業法、建築基準法に基づく手続を行っております。その過程で各施設に関する構造上の安全の審査を受けているところでございます。施設の完成後はそれぞれ試運転等を行って、安全確認に努めてもらうようにしてまいったところでございます。
 それから事故発生後のこともちょっと申させていただきますが、事故発生後、平成二年の四月十九日には協会及び博覧会に参加しているすべての出展者、営業参加者を構成メンバーといたします花の万博安全対策協議会を設置して、それぞれ個別の安全点検を行うほか、毎月二十日には一斉点検を行うということで対策に努めているところでございます。
#349
○白浜一良君 局長ね、あなたは実際に委員会にも出ていらっしゃらないのに、そんなつくってもらった原稿だけ読んでおったって、実際、実態じゃないんです。
 私が言いたいのは、今の答弁のようなことがいわゆる今回の花薄という大きな博覧会を運営している協会の体質であり、それが非常に今回の事故につながっているんですよ。先ほど言いましたけれども、この十九日の土曜日も二十日の日曜日も事故が起こっているんです。その事実というものを私はしっかり認識してもらいたいと思うんです。
 それから、関連してもう一つ言います。
 今のように答弁されていますけれども、ちょうど開会式の前日、三月三十日に皇太子さんが来られまして、そのウオーターライドに乗られたんですよ。その三日後の四月二日にこの事故が起こったんですよ。そしてそのウオーターライドは最終に大阪市の検査済み証という、そういうものが四月の二日にしかおりていないわけです。最終チェックがされていないものに皇太子さんが乗った、そして二日に事故が起こった、これが事実なんですよ。この事実に、総理どうですか、これ全然責任ないですか。
#350
○政府委員(伊藤茂史君) 事実だけ説明します。
 検査済み証のお話でございますが、検査の日から七日以内にということになっておりますが、実際はその検査後に問題がなければそのまま検査済み証は渡さずに七日をたてば使えるということでございますので、皇太子殿下が乗られた日は問題はなかったのではないかと思います。
#351
○国務大臣(綿貫民輔君) 先ほどから御指摘のような点等につきましては、局長の方では法律的な問題で申し上げたと思いますが、道義的な問題とかいろんな面については私どもも責任を感じております。今後十分万全を期していきたいというふうに考えておる次第でございます。
#352
○白浜一良君 そういう事故が起こっているという前提から局長考えてくださいよ。
 もう一つ言いましたら、総理、四十五年に大阪で万博がございました。初めての万博でございましたね。あのときは鈴木都知事が事務総長だったんです。二年間ずっと大阪に泊まり込んでこの大阪の万博を成功させるのに頑張っていただいたんですよ。私が聞いた話では、要するにこの二年間でおうちに帰られたのは四回で、延べ十一日間だった。今回の大塩事務総長は全く大阪に来ない。当初の方は一月に一週間か十日ぐらいしか来ない、これが事実なんです。これ総理どう思われますか。
#353
○国務大臣(海部俊樹君) いろいろ御指摘の点につきましては、そのような実情が起こったということについて私も率直に申しわけなかったと感じますし、同時に今後の運営その他のことについては具体的な事実を掌握しておりませんけれども、できる限り万全の体制で最後まで臨んでいくように建設大臣を通じて指示をしたいと思います。
#354
○白浜一良君 三点目に私きょうは確認したいことは、総理、今回の花の博覧会、テーマも人間と自然の共生という、先ほど意義を述べられたとおりなんですよね。
 ところが、最初から二千万人集めるということが大前提になっているんです。そして、そのためには遊戯施設をつくらにゃいかぬ、それからパビリオンもいっぱいつくらにゃあかぬ、人を寄せるためにやっている博覧会になってしまっているんです。そして、現状から見れば今は四十五年の万博じゃないんですよ。しかし、いまだに会場に来ましたらパビリオンに入るために四時間、五時間、家族連れでずっと並んでいる。この博覧会の姿にどこに人間と自然の共生というテーマが生かされているのかと私思うわけです。ですから、これから博覧会いろいろ続きますけれども、余りこういう結集人数とか企業の営利主義にとらわれないで、テーマに即した博覧会をやっていこうと、総理どうですか、そのように述べてくださいよ。
#355
○国務大臣(綿貫民輔君) 確かに、今おっしゃいましたようにこの博覧会の意義は、総理もおっしゃいましたように自然と人間の共生ということを目的といたしております。しかし、博覧会をやるからにはいろいろの計画を立ててやらなければならないわけでございまして、また人の来てもらわない博覧会ではこれはもう全然意味がないということで、今二千万という数字が出ましたが、なるべく多くの皆さん方に楽しんでいただきたいという善意から出ておるものでございます。
 今博覧会に来ても何か見られないとかいろんなそういう事態も聞くわけでございますが、今回の博覧会は、先ほども申し上げましたように、山のエリアとか野原のエリアとか花の谷とかあるいは外国庭園とか、そういう公園を見ていただくというのが主力でございまして、パビリオンというものは街のエリアとしてその一画をなしておるわけであります。このパビリオンの中に何時間も入れないという御不満があることも承知いたしておりまして、これにつきましてはいろいろの整理券等等も発行しながら、できるだけ多くの皆さん方にもっと簡単に見ていただけるようにということで今努力をしたいと考えております。そういうことでございますので、この博覧会の趣旨に何とぞ御理解を賜りますようにお願いを申し上げたいと思っております。
#356
○白浜一良君 ただ、もうこれでやめますけれども、二千万人という数はべらぼうだということです。前回八四年行われたのは三百三十万人ですよ、工芸博は。園芸博という趣旨から言って、二千万という数そのものが問題なんです。
 次に、文化予算・行政につきまして若干御質問したいと思いますが、私も補正予算のときに若干大蔵大臣に質問もいたしまして、もう答弁は結構でございますが、アメリカの云々という例をおっしゃいましたがあれはすべて文化活動費でございまして、日本の純粋の芸術文化振興予算というのは百一億しかないわけでございます。まして、アメリカの場合は私言いましたように税制上の措置
がございまして、民間からたくさんのそういう財団資金が出ているわけでございまして、そのことだけをつけ加えておきたいと思います。
 きょうは重ねてお伺いしたいんですけれども、例えばいわゆる劇場に対するさまざまな補助の点に関しまして、例えばイタリアのミラノのスカラ座でございましたら、いろんな公演をする場合九五%いわゆる国家が補助をしている。フランスのオペラ座でも七五%国家が補助をしている、全公演に対しまして。それだけやはり文化を育てていこうという土壌があるわけですね。これ日本はどうなっていますか。
#357
○政府委員(遠山敦子君) 先生のお尋ねは主として舞台芸術、大型の舞台芸術に関することかと存じますけれども、日本の場合、私どもの今手持ちの資料によりますと、例えばオーケストラのような場合には助成金は約三二%でございます。オペラの場合には二九%、バレエの場合には一七%ということになってございます。
#358
○白浜一良君 総理も大蔵大臣も低いということだけよく認識してくださいね。
 それから、あれだけ補正年度内成立、国立劇場法の一部改正ということでもうやっさやっさ言うて無理やり通した法案でございましたが、実際民間からのいわゆる芸術文化振興基金、どのぐらい集まりましたか。
#359
○国務大臣(保利耕輔君) お尋ねの芸術文化振興基金の民間からの拠出状況でございますが、現在約三十社、約二十億円の払い込みが完了をいたしております。しかしながら、現在の段階で約六十社から六十億円の拠出のお約束をちょうだいいたしております。今後なおいろいろ関心を持っていただいて、目標であります百億円の拠出に達することを期待いたしております。
#360
○白浜一良君 私が言いたいのは、あれだけ大騒ぎして平成元年度の年度内で出資金は十八億でしたか、百億、百億、百億とあれだけ大騒ぎしながら。その事実だけ知っておいてください。
 それから、世界文化発展の十年ということで今取り組みがなされているわけでございますが、文部省としてどのようなお取り組みをされておりますか。
#361
○国務大臣(保利耕輔君) この世界文化発展の十年が定められて三年になるわけでございます。文化発展の目標というのは、我が国の文化あるいは文化行政の方向と完全に一致していると思います。文化庁においてこれに取り組んでまいりました実際の姿につきましては、文化庁から御説明をいたさせます。
#362
○政府委員(遠山敦子君) 世界文化発展の十年の計画に対応いたしまして、文化庁といたしましてはいろいろな政策をとっているわけでございますけれども、まず文化庁長官の私的諮問機関でございます文化政策推進会議をこの世界文化発展の十年の日本国内委員会に定めまして、そこで具体的な施策を論じていただきながらいろいろやっているわけでございます。
 これまでにその十年計画の主要目標に対応いたしましてやりましたことといたしましては、例えば文化政策国際会議を開催したこと、あるいは芸術文化振興基金の創設を図りましたこと等によりまして、創造活動の振興あるいは国民の文化活動への参加の拡大というような幾つかの仕事をやらせていただいておりますが、そのほか我が国の芸術家の海外への派遣等の事業も実施しているところでございます。
#363
○白浜一良君 総理、今説明してもらいましたけれども、要するに予算も少ないし、そういう機構上も非常に私弱いと思うんです。例えば今話がございました文化政策国際会議、ことしの二月にあったんです。政府を代表して出ていらっしゃるのが文化庁長官ですよ。それが悪いというわけじゃないですけれども、私は総理が出てばっと日本の文化論をぶつぐらいやってほしいんです、本当は。そうすべきじゃないかと思いますし、文化政策推進会議というのも設けていらっしゃるらしいんですけれども、文化庁の機関である。私は、むしろ総理に直轄で政府そのものの中にそういう会議を設けて、もっと予算的にも機構面でも総理が陣頭指揮をとって、文化国家と世界から言われるようなそういう国になるように力を入れていただきたい、このように思うわけでございますが、御所見を伺いたいと思います。
#364
○国務大臣(海部俊樹君) 文化振興について御激励をいただいて大変ありがとうございます。文化庁も今せっかく次長に女性を登用いたしまして、新しい感覚も入れながら日本の文化振興のために大いに頑張っていこうと、皆さんに御協力をしていただいて文化振興基金もつくっていただきました。私もそういった意味で大きな目標と責任も感じながら文化振興には積極的に取り組んでいきたいと考えております。
#365
○白浜一良君 もうそういう抽象的な話は何ぽやっても一緒ですねん。要するに今僕が言いましたように、いわゆる総理直轄でいっぱい審議会設けていらっしゃるんですから、なぜ総理のもとに設けられないのか。文部省のそれも文化庁の一機関のそんなのしかない。国際会議があっても文化庁の長官しか出られない。そういうことを私言っているわけで、そういう具体的な答弁が私欲しいわけですよ。もうそれで終わりますけれども、また次にやります。
 次に麻薬問題をやりたいんですけれども、三月に総理がブッシュ大統領と会談されまして、そのときに麻薬問題が出ていましたですね、協力し合おうということで。それ以後どのような進展になっておりますか。何か協力を誓われているはずでございますが。
#366
○国務大臣(海部俊樹君) パームスプリングの首脳会談のときに、地球的規模の問題で日米が協力してやるべき問題という中で、環境問題とともにこの麻薬問題についてお話し合いをいたしました。同時に、当時アメリカは世界的な規模における問題を日米二国間で協力していきたい、麻薬問題でも協力できないかということで、そこで協力していこうと約束をして一致いたしました。
 昨年の十二月には概に日米間で専門家会合が開かれておりましたので、そういった経験等も踏まえて、今後外務省とアメリカの国務省の間で専門家の間で情報交換をしたりいろいろしながら、協力を促進させていくということになっております。
#367
○白浜一良君 新聞報道でも外務大臣にゆだねるということを書いておりましたが、外務大臣どうですか、その後の進展。
#368
○国務大臣(中山太郎君) その後、日本政府としてはアメリカと連絡をしながら、やはり日本としてはまずアジア地域の麻薬問題、これを去年の九月この三月の日米首脳会談でも協力を話し合いました。既にタイ、ラオス方面の麻薬の栽培地帯に調査団を派遣しておりますが、具体的な日程等については調査団の安全上ここで申し上げるわけにいきませんが、既に具体的に作業を進めております。
#369
○白浜一良君 それでは、現在アメリカの麻薬問題というのはどういう現状になっているのか、簡単で結構でございますので御説明をいただきたいと思います。
#370
○政府委員(加美山利弘君) お答えいたします。
 米国ではベトナム戦争以後急速に薬物乱用が拡大しまして、世界でも最も深刻な薬物問題を抱える国の一つとなっております。米国麻薬取締局の推定によりますと、十二歳以上の人口の約三七%、約七千二百万人が何らかの薬物の経験者であると言われております。コカイン、ヘロイン、大麻、合成麻薬などの薬物が乱用されていますが、一九八八年におけるコカインの常用者は約四百万ないし五百万人、ヘロインについては常用者が約五十万人とされております。これらの薬物乱用は、殺人、強盗などの凶悪犯罪を増加させるなど、深刻な社会問題になっていると聞いております。
 以上であります。
#371
○白浜一良君 今もお話しございましたが、私の資料によりましたら十二歳から十七歳、子供でございます、六%がもう薬物使用者である、このよ
うにも出ておりますし、そういう麻薬関係のアンダーマネーというのが十七兆円、このように言われておるわけでございます。
 日本に今どんどん密輸されて、報道されておりますが、日本を未然に防ぐという意味もございますし、アメリカとのそういう約束ということもございますし、今本当に手を打たなければならない、総合的な手を打たないといけないというふうに思いますが、総理どうですか。
#372
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の問題について、アメリカや問題になっておるところと比べますと、日本の場合には比較的今日まで覚せい剤については問題がよくにぎわされたけれども、麻薬そのものについてはいろいろな国内における対策や取り締まりやいろいろなことで成果を上げてきたせいか、今御指摘のような広いレベルに及んでいないと。私はこれはいいことであったと思います。
 しかし、今後こういった世界的な波がどんどんと広がっていくことが大変懸念されておりますので、より一層麻薬の問題に関しては政策的にも努力を続けていかなければならぬ問題だ、そのためにも日米間の協議とか、あるいはアジアにおける日本の麻薬に対してはどのようなことができるかというようなことについてもさらに積極的に取り組んでいかなければならない、こう思っております。
#373
○白浜一良君 そのとおりでございまして、今手を打たなければならない、そういうことでございます。
 そこで、私は五点にわたる提案をしたいわけでございますが、まず第一番目にやらなければならないことは金融面での対策ということで、ことしの二月の国連麻薬特別総会で、麻薬撲滅の十年、こういうことが打ち出されたわけでございますが、その金融面で問題になっておりますのがマネーロンダリングという、前回にも話題が出ておりましたが、どのような現況でございましょうか。
#374
○国務大臣(橋本龍太郎君) マネーロンダリングを犯罪とするという視点からの法的措置は、麻薬新条約及びマネーロンダリング金融活動作業グループの報告書に盛り込まれておる事項でありまして、現在政府部内で鋭意検討を行っております。我が国としては国際協力のもとで麻薬問題に積極に取り組んでいくという所存でありまして、法措置につきましてもできるだけ早く検討作業を終了したいと考えておりますが、現時点で立法作業がいつ完了するということを申し上げるところまでは残念ながら参っておりません。できるだけ急ぎたいということで努力をいたします。
#375
○白浜一良君 私の聞きたいことを先におっしゃいました。先進国ではほとんど批准が終わっているわけです。日本はおっしゃったようにまだでございますが、年内にしてくれと私言おうと思ったんですけれども、先に言わはったからやめます。
 それから二つ目に大事なことは、いわゆる水際防止、また国内の取り締まりという観点が非常に大事でございまして、最近の麻薬の押収量、検挙者数、わかりましたらちょっと報告いただきたいと思います。
#376
○政府委員(加美山利弘君) お答えいたします。
 平成元年中における主な薬物事犯の検挙状況についてでございますが、覚せい剤事犯は二万三千二百九十六件一万六千六百十三人の検挙、二百十七・六キログラムを押収しております。主な麻薬事犯のうち、コカイン事犯は百三十八件八十八人を検挙し十三・七キログラムを押収、ヘロイン事犯は百十件九十人を検挙し二十七・七キログラムを押収、大麻事犯は千六百八十五件千三百四十四人を検挙し四百三十六・七キログラムを押収しております。特に昨年は、コカイン、ヘロイン及び大麻の押収量はいずれも史上最高を記録しております。
 以上でございます。
#377
○白浜一良君 それから、やはり国内国外のいわゆるルートですね、物が流れるルート、それから売られていくルート、非常に解明が大事だと思います。先日もコロンビアのコカインが大量に発見されましたけれども、コロンビアのカリ・カルテルというのが日本を標的にしている、このようにも言われますが、この辺はどうなっていますか。
#378
○政府委員(加美山利弘君) お答えいたします。
 我が国で乱用されている薬物の大半は海外から不正に流入してきております。例えば覚せい剤は台港、韓国から、コカインは中南米からといった状況にございます。警察といたしましては、税関と関係機関との緊密な連携を図りながら暴力団等の密輸、密売組織に対する徹底した捜査を行うとともに、関係諸国との間で捜査官を派遣して捜査情報の交換や具体的事件に関する捜査協力を行って、ルート解明、水際検挙に努めているところでございます。
 また、これとともに麻薬犯罪取り締まりセミナーや日韓連絡会議等の開催を通じまして、関係諸国と連携強化にも努めているところでございます。
 以上でございます。
#379
○白浜一良君 確かに水際でとめるということが一番大事でございまして、そういう意味では密輸の手口が非常に巧妙化しているわけです。
 例えば今宅配とか郵便というのが国内的にも国際的にも非常に多くなっておりますが、そういうのでわっと侵入すると非常に防ぎにくいという問題もあるわけでございますが、これは郵政省どうですか、いろいろ考えていらっしゃいますか。
#380
○国務大臣(深谷隆司君) 郵便を利用しての麻薬の件については、郵便物の中にある信書以外のものは税関の検査でこちらから税関職員に提示するとか、あるいは従来から郵便物の円滑な税関の検査のための税関によるエックス線検査装置、麻薬探知大の郵便局への導入等で全力を挙げて協力をしているところでございます。
#381
○白浜一良君 大蔵大臣にもう一つ。
 大蔵省で初めてつくられた非常にまとまったこの書物を私も読ませていただきましたけれども、ここにいいことが書いてあるんです。
 要するに、麻薬犬をもっとたくさん配置しなきゃならない、それからいわゆる通関時に発見できるような機械を開発しようとか情報を一本化しようとか、それからコントロールドデリバリーというシステムをつくろう――これは麻薬新条約に入っていることでございますが、この辺の取り組みはどうですか、大蔵大臣。
#382
○国務大臣(橋本龍太郎君) 具体的に細かい点につきましては事務当局から説明することをお許しいただきますが、今私は大変この御質問を感謝しつつ聞いておりました。
 たまたま私が厚生大臣のときは麻薬取締官を所管し、運輸大臣として海上保安庁を所管する立場で再びまた麻薬の問題、覚せい剤の問題に遭遇し、今税関を所管する立場でまた三たび覚せい剤、麻薬という問題にぶつかっております。就任直後にできるだけ早く現場を見たいということで私は東京税関に参りまして、麻薬を発見するための職員の努力、また麻薬大の養成、さらにはエックス線装置による荷物のチェックの仕方等々現場を見せてもらいました。むしろこうした分野でもっと早く私は現場を見ておくべきであったという感を深くいたしております。
 国会においてこうした問題に論議が集中し、問題を掘り下げていただけることに感謝をしながら、事務方から補足の説明をいたさせます。
#383
○政府委員(瀧島義光君) 税関を所管いたします関税局長といたしまして、今大臣からまことに何と申しましょうか感激のきわみの答弁をいただきました。これも委員からそういう質問をしていただいた結果でありまして、私から改めてお礼を申し上げたいと思います。
 麻薬の水際における取り締まりは、先ほど警察庁から御答弁がありましたように、我が国で乱用されております麻薬のほとんどが海外から入ってくるということで、極めて大事な問題であろうと思います。この取り締まりのためには、人、機械それから麻薬犬、いろいろなものを総合して当たらなければいけないわけであります。
 人につきましては、人数をふやすということだ
けでなくて、その士気の高揚を図るということで、これは近来なかったことでございますけれども、皇太子殿下に税関を御視察いただいた、それから過日行われました柔剣道大会へ大臣に来ていただいたということで、大変士気が上がっている。そのほか麻薬犬につきましては、これは犬であれば何でもいいというわけではなくて、なかなか鼻のきく犬を探してこなければいけない。急にふやせないわけでありますけれども、着実にふやしていく。それからエックス線等の機器、これにつきましても予算当局の御理解を得まして着実にふやしてきております。
 今後、委員初め関係の皆様方の御理解を得まして、今いい方向に向かっておりますので、こういう方向を着実に強化していきたいと考えております。ありがとうございました。
#384
○白浜一良君 三点目に大事なことは、いわゆる治療、更生という観点でございまして、厚生大臣どうですか、どのぐらい日本では患者がいらっしゃって、どういう厚生施設があるんですか。
#385
○国務大臣(津島雄二君) 委員が先ほど御指摘になりましたように、麻薬の方は外国に比べると日本は幸いに非常に少ないわけでございまして、中毒患者は年間十名ぐらいで推移していると言われております。
 数が多いのは……
#386
○白浜一良君 何名。
#387
○国務大臣(津島雄二君) 麻薬は十名ぐらい。
 問題は覚せい剤でございまして、覚せい剤の方はこれはいろいろな見方があるのでございますけれども、七百人ぐらいではないかというようなことが言われております。
 これに対しまして、これらの方々を治療するために国または都道府県が設置した精神病院及び精神保健法の規定により指定された精神病院等で治療しなきゃならないということでございまして、こういう専門病床を有する病院としては、例えば五つの重立った病院で千二百床あるということでございますので、一応体制は整っておるというふうに考えております。
 今後とも中毒者が発生しないよう、未然防止が何よりも大切でございますので、各省と協力をしてやってまいりたいと思っております。
#388
○白浜一良君 四点目に大事なことは、いわゆる教育、広報活動ということでございます。
 文部省にお尋ねいたしますが、確かに中学校のテキストにこれは入っておりますが、もう少しいわゆる教育という観点で、例えば小学校の高学年から入れた方がいいのか、もっとどういう内容で本当にこの麻薬の実態というものを子供たちに教えていくべきかということ、アメリカでは余り徹底して教えてかえって好奇心を呼んでしまったという逆効果という面もあるというふうに伺いましたけれども、文部大臣どうですか、この問題。研究チームをつくってもっと力を入れたらどうかということを言いたいわけでございます。
#389
○国務大臣(保利耕輔君) この問題は大変重要でございますが、中学校、高等学校段階で教科の保健体育でありますとかあるいは特別活動でずっと取り上げてまいりました。さらにまた、日本学校保健会の専門家の皆さんにいろいろお力添えをいただきまして、教師用の指導資料をつくって配付いたしております。こうしたことで教職員の意識の啓発をまずやって、そしてこの問題を児童たちに投げかけていかなきゃならない、そして指導してもらわなければならない、このように思っておるわけでございます。
 さらにまた、新学習指導要領、あるいは先生のお手元にお届けしてあるかと思いますが、その中にも新たに書き加えまして、これを保健体育において新たに薬物乱用とそして健康との関係ということで教えるようにいたしておるところでございます。
 先生からのせっかくの御指摘でございます。いろいろ今後とも指導の充実に努めてまいりたいと思っておりますが、小学校でどうするかということにつきましては、大変恐縮でございますが、政府委員から答弁をさせていただきたいと存じます。
#390
○政府委員(前畑安宏君) 小学校におきましても扱い方としては障害防止という観点から取り扱うこともできるという体制にはいたしておりますが、先ほど先生の御指摘もございましたように、一体どの段階からこのことについて触れていったらいいかという大変難しい問題もあります。当面のところは飲酒、喫煙そして麻薬といった問題について問題が発現しております中学校からというのが現在の対応でございます。今後の検討課題とさせていただきたいと思います。
#391
○白浜一良君 五点目に大事なことは、いわゆるこの麻薬生産をしておるところが、国があるわけですね。そこに対する手を打たなきゃならない。昨年もコロンビアの大統領が来られて総理もお話しされておりますが、そういう麻薬をつくらないと生活できないという国の事情もあるわけですね。ですから、違う仕事をできるようにしていかないといかぬわけです。
 ODAのことも含めまして、麻薬問題というのは南北問題でもあるというふうに言われているわけでございますが、麻薬をつくらなくても立派にそういう国の営みができるというようなための援助という、外務大臣、この点もやはり力を入れなきゃならないと思いますが。
#392
○国務大臣(中山太郎君) 委員御指摘のとおり、麻薬は南北問題の一つの問題でもあると考えております。麻薬を栽培している農民たちの所得を確保するための代替作物を栽培する技術指導、あるいはまたほかの仕事をさせるための職業訓練、こういうものにODAを使って日本としては協力する意思を既に明示しております。
 なお、この機会でございますので、国連の麻薬基金には昨年度八十万ドルの拠金をいたしておることもこの機会に申し上げておきたいと思います。
#393
○白浜一良君 いろいろ申し述べましたが、総理、結局こういうふうな各省庁にまたがりますし、対応がやっぱりおくれてはいけないという、これが非常に大事だと思うんですね。政府にも薬物乱用対策推進本部というのが官房長官が本部長であるらしいんですけれども、いろいろ聞きましたら年に一回しかやらぬと。この程度の対策でいいんですかね、これ。もう少し抜本的に、各省庁にまたがる問題ですから連携をとっていただいて、未然に防ぐということが非常に大事な観点ですから。先ほど厚生大臣から話がございましたが、実際は患者はもっといると思います、わからないだけであって。そういった面で早急に手を打つということで、もっとこの対策本部を強化してやりていただきたいと思いますが、この点どうですか。
#394
○国務大臣(海部俊樹君) 関係する省庁も多いことでございますし、これは内閣の責任において未然防止の問題等については十分力を入れるべきだと考えます。官房長官に今強く指示をいたしますが、これからそのつもりでやってまいります。
#395
○白浜一良君 時間がございませんが、最後にちょっと自然増収のことを大蔵大臣に伺いたいと思います。いわゆる租税負担率ですね、これは十年前の昭和五十五年と平成二年で結構ですから、国税、地方税で述べてください。
#396
○政府委員(尾崎護君) 昭和五十五年度の租税負担率は二二・二%でございます。国税が一四・二%、地方税が八・〇%でございます。平成二年度につきましては、租税負担率二八・三%、国税が一八・六%、地方税が九・七%でございます。
#397
○白浜一良君 今おわかりのように、この十年間で租税負担率というのが国税で四・四ポイント、地方税を含めまして六・一ポイント上昇しているわけですね。確かにこの十年間で減税もされているわけでございますが、それ以上のいわゆる租税負担率が上がっているという、こういう現況があるわけでございます。
 それでは、六十三年度以降の自然増収をちょっと言っていただけますか。
#398
○政府委員(尾崎護君) 自然増収の見方がいろいろあるわけでございますが、予算編成のときの
年度間自然増収でよろしゅうございますでしょうか。
 六十三年度から申し上げます。六十三年度四兆四千四百九十億円、平成元年度六兆二千百九十億円、平成二年度七兆三千四百四十億円でございます。
#399
○白浜一良君 これだけ自然増収がありながらいわゆる租税負担率が上がっているという事実ですね、当然名目賃金は上がるわけですからどんどんそれは税収がふえていくのは当たり前でございますが、私が言いたいのはこれだけの自然増収がある、五十五年以降で見ましたら自然増収は三十五兆一千六百五十億円、私調べましたらあるということでございます。
 一方で、いわゆる財政再建ということがございまして、公債の依存度を五%に抑えなきゃならない、また公共事業も逆にふやさなきゃならない、いろんな要素があるわけでございますが、しかし私大事なことは、いわゆる年度間でも結構ですが、この自然増収をどう配分していくかということがだからこそ私は非常に大事だ、このように思うわけでございますが、大蔵大臣どのように思われますか。
#400
○国務大臣(橋本龍太郎君) 本来は租税見積もりというものが的確であり、税収の見積もりの誤りは、プラスであれマイナスであれ、ないことが私どもの誇りでなければなりません。しかし、我が国の経済の進展の中において、おしかりは本院でたびたび受けましたけれども、このところ税収の見積もりの誤りがプラスの方で大きく出ているという状況は委員が御指摘のとおりであります。
 ただ、私どもの立場から申し上げますならば、本来やはりその自然増収という名前の税収見積もりの誤りが生じないようにしていくことがまず我我が心がけるべきことであり、しかし結果としてその税収の見積もりがプラスの側で出ましたときにはやはり国債の依存度を少しでも下げていく、国債残高の累増に歯どめをかけるという方向に重点を置いて考えていきたい。しかし、それはそのときそのときの財政状況あるいは経済情勢等で他の用途を考えなければならないときもそれは当然出てくると思います。しかし、現時点で申し上げますなら、私はそのように思います。
#401
○白浜一良君 大蔵大臣、そこが大事なんです。だから重ねて聞きますけれども、昭和三十九年に政府税調で長期答申が大分昔のやつですけれども出ているんです。そのときに、これは年度間でございますが、自然増収の二〇%程度は減税に充てるべきだと、こういう政府税調の答申が出ているわけでございますが、知っていらっしゃいます
#402
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私が当選をしました翌年の答申でありますが、残念ながら私はそれを存じておりません。
 ただ、同時に申し上げたいことは、昭和三十九年当時の我が国の財政経済の情勢、さらに国庫の状況と今日とは非常に大きく変化をいたしております。私は、やはり今日は今日の時点において考えていくべきである、そう思います。
#403
○白浜一良君 わかりました。それでは、要するに自然増収は大臣おっしゃったように歳出の増加に使うか、それとも減税するか、それとも公債の減額に充てるか、大きく分けてこの三つしかないわけです。平成二年度の予算の自然増収を見ましたら七兆三千四百四十億円、そのうち減税はたった三千五百億円ですね。公債の減額、先ほど大臣そのようにおっしゃいましたけれども、一兆五千百七十八億円なんですよ。この五兆四千億という金が圧倒的に歳出増に充てられている。だから私は、こういう自然増収があった場合に少なくともこのぐらいは減税に充てる、このぐらいは公債減額に充てる、そしてこのぐらいはいわゆる政策的経費として使うという、そういうきちっとした考え方を、その三十九年じゃないですけれども、この段階できちっと立てるつもりはございませんかということを私確認したいんですが。
#404
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はそういう考え方には賛成をしかねます。というよりも、本来、本院でもしばしば私どもおしかりを受けましたように、税収の見積もりの適正をまず我々は心がけなければならないという第一の命題がありますとともに、たまたま税収の見積もり誤りが増の側に出た場合を今委員は言われましたけれども、実は税収見積もりの誤りはマイナスになったことも過去ございます。率直に申し上げて、我々の問題としてそういう問題が起きたこともございます。そして私は、自然増収という言葉を使っても結構でありますけれども、その中の配分比を固定して例えば減税にどれだけ、国債償還にどれだけ、政策増にどれだけというような割り振りをするということは、非常に財政を固定化させる原因にもなろうかと思います。むしろ私はそのときそのときの経済情勢あるいは財政の状況、政策的な優先度というものを考えながら対応していくということが正しい姿だと思います。
#405
○白浜一良君 私は、いわゆる租税負担率が高くなっているという観点から、減税すべきだという観点からそれは言ったわけでございまして、以上で終わります。
#406
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で白浜良一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 明日は午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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