くにさくロゴ
1990/06/07 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 予算委員会 第20号
姉妹サイト
 
1990/06/07 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 予算委員会 第20号

#1
第118回国会 予算委員会 第20号
平成二年六月七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠退任
     粕谷 照美君     久保  亘君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     合馬  敬君     石渡 清元君
     上田耕一郎君     近藤 忠孝君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         林田悠紀夫君
    理 事
                伊江 朝雄君
                石原健太郎君
                下稲葉耕吉君
                平井 卓志君
                穐山  篤君
                矢田部 理君
                安恒 良一君
                太田 淳夫君
                吉岡 吉典君
    委 員
                青木 幹雄君
                井上 章平君
                石井 道子君
                石渡 清元君
                遠藤  要君
                小野 清子君
               大河原太一郎君
                片山虎之助君
                北  修二君
                斎藤栄三郎君
                関口 恵造君
                田中 正巳君
                谷川 寛三君
                中曽根弘文君
                西田 吉宏君
                稲村 稔夫君
                梶原 敬義君
                久保  亘君
                國弘 正雄君
                竹村 泰子君
                角田 義一君
                堂本 暁子君
                村沢  牧君
                本岡 昭次君
                山本 正和君
                猪熊 重二君
                白浜 一良君
                和田 教美君
                近藤 忠孝君
                粟森  喬君
                池田  治君
                足立 良平君
                井上  計君
                喜屋武眞榮君
                秋山  肇君
   国務大臣
       内閣総理大臣   海部 俊樹君
       法 務 大 臣  長谷川 信君
       外 務 大 臣  中山 太郎君
       大 蔵 大 臣  橋本龍太郎君
       文 部 大 臣  保利 耕輔君
       厚 生 大 臣  津島 雄二君
       農林水産大臣   山本 富雄君
       通商産業大臣   武藤 嘉文君
       運 輸 大 臣  大野  明君
       郵 政 大 臣  深谷 隆司君
       労 働 大 臣  塚原 俊平君
       建 設 大 臣  綿貫 民輔君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    奥田 敬和君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 坂本三十次君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  塩崎  潤君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       砂田 重民君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  石川 要三君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       相沢 英之君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       大島 友治君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  北川 石松君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  佐藤 守良君
   政府委員
       内閣法制局長官  工藤 敦夫君
       内閣法制局第一
       部長       大森 政輔君
       総務庁長官官房
       審議官      新野  博君
       防衛庁参事官   玉木  武君
       防衛庁参事官   村田 直昭君
       防衛庁長官官房
       長        児玉 良雄君
       防衛庁防衛局長  日吉  章君
       防衛庁経理局長  藤井 一夫君
       防衛庁装備局長  植松  敏君
       防衛施設庁長官  松本 宗和君
       防衛施設庁総務
       部長       吉住 愼吾君
       防衛施設庁施設
       部長       大原 重信君
       防衛施設庁建設
       部長       黒目 元雄君
       沖縄開発庁総務
       局長       藤田 康夫君
       国土庁長官官房
       長        北村廣太郎君
       国土庁長官官房
       会計課長     森   悠君
       国土庁土地局長  藤原 良一君
       法務省民事局長  清水  湛君
       法務省刑事局長  根來 泰周君
       外務省アジア局
       長        谷野作太郎君
       外務省北米局長  松浦晃一郎君
       外務省条約局長  福田  博君
       大蔵省主計局長  小粥 正巳君
       大蔵省主税局長  尾崎  護君
       大蔵省理財局長  大須 敏生君
       大蔵省理財局次
       長        松田 篤之君
       大蔵省国際金融
       局長       千野 忠男君
       厚生大臣官房総
       務審議官     加藤 栄一君
       農林水産大臣官
       房長       鶴岡 俊彦君
       農林水産大臣官
       房予算課長    山本  徹君
       運輸大臣官房会
       計課長      岩田 貞男君
       郵政大臣官房長  白井  太君
       郵政大臣官房経
       理部長      木下 昌浩君
       労働大臣官房長  若林 之矩君
       建設大臣官房会
       計課長      小野 邦久君
       自治大臣官房長  小林  実君
       自治省行政局選
       挙部長      浅野大三郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮下 忠安君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送付)
○平成二年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送付)
○平成二年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(林田悠紀夫君) 予算委員会を開会いたします。
 平成三年度一般会計予算、平成二年度特別会計予算、平成二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 これより池田治君の締めくくり総括質疑を行います。池田君。
#3
○池田治君 長くかかりました予算委員会もいよいよきょうが最後となりましたので、張り切って質問したいと思いますから、総理もひとつ張り切ってお答えを願って、この最後の締めくくりを完成させていただきたいとお願いを申し上げます。
 第一に、政治改革の問題についてお尋ねいたします。
 総理は、政治には金がかかり過ぎるので、政治資金規正法や選挙法、政党法の制定までして政治の大改革をせねばならないとよく言われますが、この総論部分については私も全く同感でございまして、これは早くなし遂げていただかなければならない、やらねばならない、こう思っております。しかしながら、リクルート事件に端を発した政治不信、政界、官界、財界の癒着と腐敗は、政権交代のないまま三十五年間にわたり自民党単独政権が続いたところに大きな原因があると思っております。我が国も、イギリスの保守党、労働党、アメリカの共和党、民主党のように政権交代ができるような政治機能、いわゆる選挙制度や選挙資金制度、政党法等の改革をして、先進国に学ばねばならないということも言うまでもございません。
 しかしながら、総理は、現在の中選挙区制では政権交代の可能性に乏しく、金がかかり過ぎて、同一政党の候補者の同士打ちが続く、こういう欠点があるので、これらの欠点を排して、小選挙区制を導入するという選挙制度審議会の答申を実現されようとしております。中選挙区の欠点がすべて小選挙区制によって補われるかといいますと、そうではないのでございまして、私はここに大きな疑問を持っております。
 第一に、政権交代の可能性ということの前提にはもう二大政党というものの存在が必要だと思いますが、現在の政治情勢のもとでは、社会党さんも大政党ではございますけれども、政権政党となるには少し足りない、野党もそれぞれ立党の精神とか党是とかがあって、なかなか簡単には野党連合もできない。こういう状態の中で小選挙区制を採用されると、大政党である自民党だけが優位に立って、少数党は切り捨てられる運命になるのではないかと思いますが、総理の御所見をお願い申し上げます。
#4
○国務大臣(海部俊樹君) 選挙制度審議会の答申の中には、民意を正しく反映する政権の問題が詳しく指摘されております。私は選挙区の姿が小選挙区になることが直ちにお金のかからない選挙制度になるのだとは断言いたしません、たくさんの問題ございます。また、お金のかからないようにするためには、過日の公職選挙法のように、あるいはもっとそれを進めた腐敗防止法のような面からの規制が非常に必要になってくると思います。
 ただ、自由民主党自体の今日までの主として衆議院の立場のことを考えますと、同じ選挙区で複数、二人、三人、四人と立候補して選挙を争いますと、政党中心でもありませんし、個人が事務所から陣営から政策宣伝から全部受け持ちますので、いろいろ必要以上のお金がかかるということも問題の一つであった、こういうふうに申し上げておるわけでありまして、選挙制度審議会の答申に従って民意の反映される選挙制度が生まれ、お金と選挙、政治との関係がきれいに改革されていくように、今後ともいろいろ政府も努力いたしますが、各党間でも御議論を賜りたい、こう願っております。
#5
○池田治君 小選挙区制の区割についても審議会に御一任されておりますが、区割りを現職の国会議員には何も知らせないで審議会のみで整理されておりますと、ちょっとそれには問題があるんじゃなかろうかと思います。区割りを現職の国会議員に任せますと、お互いけんかになりまして、血を流すような大げんかにならぬとも限りませんので、第三者である公正な審議会に御一任になるということも理由があろうかと思いますが、しかし、国会議員の意見も全然聞かないでいきなり答申を出されますと、答申の出された段階で大問題になって、我々の方はいいですが、自民党さん自身の方で大げんかなさるのではなかろうかと心配しております。
 例えば、塩崎長官がこちらを見て笑っておりますが、塩崎長官のところを引用して恐縮でございますが、あそこには大松山市というのがございまして四十万ぐらいの人口でございます。そこで自民党が二人社会党が一人の今当選者があります。公明党もこの前立候補しました。しかし、今度小選挙区になりますと大松山市だけで周辺とは全然外れたところでたった一人ということになります。社会党と自民党と一人ずつの候補者が対決されるならば、これは当然ですがもう公明党は出番がない、民社党もない、こうなってしまいます。そしてまた、じゃ最後に残った自民党二人の先生はどうされるかといいますと、どちらかが当選されるためにはほかの選挙区へ移らなくちゃなりません。
 そうすると、塩崎先生のように長い間かけて堆肥をやり肥料をやって水をやって選挙区を培養された方が、もう塩崎候補は要らぬからほかの選挙区へ行けとこう言われると、また新しいところで堆肥をつくり水をやりして大変なお金がかかるんじゃなかろうかと思って、人ごとながら心配しておりますが、この点はいかがでございましょうか。
#6
○国務大臣(海部俊樹君) これは塩崎さんからお答え願う方がいいのかもしれませんが、俗っぽく言うとそういう堆肥をやり水をやりということを個人じゃなくて政党が、そしてその堆肥や水の中身がきちっとした政策本位のものになることが望ましいのではないかと私は考えておりますし、また、選挙区の区割りの問題につきましても、事柄の性格上、公平な第三者機関において具体案を作成するということがイギリスやあるいは西ドイツ等においても行われておることでもございますし、また、答申の前に意見を聞かねばという御意見でございますが、審議会に今後野党の皆様も御出席をいただいて、それぞれの御意見を述べていただけるようになったと承っておりますので、そういうところで十分に御議論も出していただくことがいいのではないか、このように考えさせていただきます。
#7
○池田治君 では次に、比例代表制と小選挙区制との割合の問題がございます。並立制にしろ併用制にしろ、どれだけの数を小選挙区の方に回してどれだけは比例制に回すかということは重大な問題でございますが、これはここで論じる問題ではないと思いますので、後日、選挙制度委員会の方で討論をしていただくこととしまして、今の答申では全国を十一ブロックに分けて比例代表制をやろうとしておりますが、この当選者の手続につきましてはこれは問題ございませんけれども、ブロック別といいますと、東京ブロックと、我々や塩崎先生のような田舎の四国の方のものとは大分地域も違いまして人口密度も違います。そうすると、都市周辺の人口密度の高いところは大勢の議員が出て、四国、九州のような片田舎は今の議員数から激減してくる。そうしますと、激減したところではなかなか地方の実情が中央政府に伝わらない、こういう危険性もあるんじゃなかろうかと思っておりますが、この点は総理いかがお考えでございますか。
#8
○国務大臣(海部俊樹君) これはまだ審議会の案でございまして、取りまとめ作業をまだ政府としてやっておるわけでございませんが、この案をつくられた背景、その他のことについていろいろ勘案しますと、委員御指摘のように、人口密度の低い地域と多い地域との差が著しいではないか、これでは政治に声が反映されにくい、そういう御意見があることも私もよく承知しておりますが、いわゆる投票価値の平等というのが議論の中心になっておりまして、投票価値の平等をどうするか、これを極めて重視するという点で今度の審議会の答申は出てきておるのではないかと思われます。比例代表制における定数配分を人口比例によって行うということがこの審議会の答申の中に出ておる精神である、こう受けとめさせていただきます。
#9
○池田治君 総理の個人的な意見は、今申されるわけにまいりませんですか。
#10
○国務大臣(海部俊樹君) 個人的に意見を言って、それはやはり僣越でありますし、予断と憶測をもって私が物を考えるというのもよくないことだと思いますので、きちっと皆様方の御議論も承らしていただきたい、こう考えております。
#11
○池田治君 お金の問題がいつも問題になるわけですが、私は長い間弁護士をしておりましていろいろ公職選挙法違反の弁護もしてまいりましたが、中選挙区に金がかかるということは間違いございません。いろいろやりましたが、小選挙区をとっている奄美群島、ここの公職選挙法違反も私は担当しましたけれども、何しろ今回の二月の選挙でも逮捕者がA候補が十四名、B候補が十三名。それで、略式罰金で、買収資金十万円以下は罰金で済ませていただきましたので、この人たちは双方とも何十名とあるわけです。選挙のたびにそうなんです。決してその数は減りません。そうすると、法律だけで取り締まってもなかなか選挙の公平ということはできない、こう思っております。
 そこで、どちらの方がどうかといいますと、やっぱり私の経験では、革新政党、社会党も多少ありましたが、自民党の方が買収供応というのが多いわけです。九〇%まで保守党のあれを私やったように思います。下稲葉先生も笑っておられますから、多分警視総監時代に保守党の方が多かったということを確認されているんだと思っておりますが。そういうことで、これは金のかからぬように選挙制度を改めようといっても、中選挙区にしようが小選挙区にしようがこの点では自民党自体が体質改善をなされないとなくならないと思いますけれども、この点はいかがですか。総理がいけなきゃ官房長官でも結構ですが。
#12
○国務大臣(海部俊樹君) 自民党あるいは保守が違反の数が多いではないか、そうだと思います、候補者も非常に多うございますから比例して多いんだろうと。それはいかぬかもしれませんけれども。(「まじめに答えぬか」と呼ぶ者あり)いやいや、数が多いから多いだろうと言いましたが。それは例えば例に引かれましたところも大きく分ければこれは保守と保守の争いでありまして、奄美群島は僕は保守と革新の争いではなかったと、こう理解しておりますから、そこから出るのは皆保守の方だと言われてもこれは仕方がない。これは率直に認めさせてもらいます。
 けれども、そういったことはやはり個人に任せたり、政策が同じ保守の基盤に立っての争いになりますと、どうしてもいろいろな条件が起きてきて脱線ぎみになることもあるでしょうから、政策中心の政党本位のものにしていったならばこういったものは少なくなるだろうということ。もう一つは非常に十八世紀的な発想で恐縮ですけれども、一八八三年の腐敗防止法のような考え方で、例えば連座制というようなものが強化されていったり、立候補の制限問題なんかにも絡んでくるわけです。先生選挙法専門で御研究願えば、公民権の停止というものがいかに政治にとって厳しいものであるかという、そういった改正等もこの間の法律改正でこの二月からの選挙法には加味されてくるわけでありますから、それが厳しく運用されることによってもこういった状況は減らしていかなきゃならぬものだと、こう受けとめております。
#13
○池田治君 総理のような選挙を何遍もやられた方に私のような一回当選で出たばかりの者が言うのは甚だ僣越でございますけれども、しかし、理想は総理のお考えのような形で法律を改正して取り締まりを強化したり、未然の予防をしたりすれば美しい選挙ができるだろうということもわかりますけれども、実態はやっぱりお金をもらえば入れるという人の方が農村地域にはかなり多いと。その上に利益誘導で、ここには橋をかけるとか家を建てるとか、こう言ってよく選挙民を引っ張りつける。これは政権政党でなくちゃできないことですね。
 だから自由民主党の皆さんが盛んに利益誘導をやって、橋をかけるとか公園をつくるとか言って選挙民をリードすると同時に、またお金もかなりのものをお使いになる。こういうことの繰り返し繰り返し続いてきたのがこの三十五年間の保守党政治だったと私は思っております。その結果、日本の政治風土というものは利益誘導かお金がなかったらなかなか選挙民は動かない、こういう結果を醸成してしまったのではないか、こう思っております。そういうところで取り締まり規定を幾らつくられてもこの選挙違反はなくなるわけはございません。
 もう一つ申しますと、奄美群島でも一番初めは田中角栄さんが持ってきて、あの派が金をまいて、初めて選挙のお金がかかり始めたと、こう言われております。そうしたら、田中派の人に対して今度また新しい人が出てきて、今度またお金を使ってそれを打ち返す。ますますエスカレートしてきてお金は幾らでもかかるようになってしまいます。こういうものが選挙の実態でございまして、これは奄美だけが特殊な例ではございません、全国でも大体同じことだと思います。いろいろ私も全国的に保守党の方々の選挙違反の弁護をしたところを見ますと大体そういう傾向で流れてきているのが現在の選挙民でございます。
 したがって、制度を変えるだけでなくて、自由民主党の先生方、お金を持っている先生方がよく考えてお使いになるということと、選挙民そのものが政治家に金をたからない、こういう自覚を持ってもらわなければ、幾ら総理がもう夜も眠れぬぐらいお考えになってお疲れになるほど考えられても、考えるだけじゃこれはだめだと思うんですよ。
 そこで私は総理に、制度だけでなくて政治倫理の確立を急がなければどうにもならない、同時に、利益誘導をさせぬような党員の指揮監督を総理にしてもらいたいと思いますが、いかがでございますか。
#14
○国務大臣(海部俊樹君) 政治倫理の問題は、委員御指摘のように、政治家、私も含めてみずからが選挙に関してはそういった利益誘導をしない、日ごろもお金で培養するようなことはしない、してはいけないことだという考え方をきちっと打ち立てることが大前提であるという点はしっかりと認識もいたしております。
 また、そういったようなことを幾ら言いましても、現におっしゃいますように後を絶っておらぬではないかという御指摘もあるわけでございまして、それには第二義的な問題ではありますが、制度、仕組みをきちっとしていかなきゃならぬ。先ほども十八世紀的な発想で悪いですけれどもと前置きをしましたが、腐敗防止法の趣旨や精神というようなもので法律の面からも規制して縛ることとこの両方相まって選挙の浄化というものは図っていかなければなりません。大前提の政治家一人一人の倫理のみずからの確立というのが最前提であることは御指摘のとおりであると受けとめております。
#15
○池田治君 そこで、政治資金の公開性を高めるために政治資金調達団体を二つに限定して、一つは百万円以上の寄附者は公開する、他の一つの政治団体は年間一万円以上の寄附を公開する、こういう二つの後援会の団体にしようと、こういうのが答申されております。政治団体が二十も三十もあって、何千万という金を分配して受け入れて政治資金規正法を潜脱する抜け道を防ぐ意味では立派な答申であろうと思っております。しかし、こういう答申ができて、このとおり決まったとしても、ことしの二月に行われました総選挙のように、自民党が業界から三百億円近いものの特別献金を受けて各派閥に公認候補の数に応じて分配して、これで選挙資金にしたという報道がございますが、これでは幾ら法を改正して個人の政治家の後援会の金の流れを透明を図ろうといいましても金権政治はなくならない、こう思いますが、この点はいかがでございましょうか。
#16
○国務大臣(海部俊樹君) まず身近なできるところから政治と政治資金の関係を明らかにしようというので、先国会でも御議論をいただいたと思いますが、政治資金のあり方について透明度を高める努力が各党のお話し合いで進められておる中で、自民党としてもその案をつくってお出しをした経緯があると聞いております。
 なお、今委員御指摘の問題につきましては、個人の政治資金の問題と政党の集める政治資金の問題、それから個人から来る問題と企業とか団体から政党へ来る問題等いろいろ政治資金の流れというものもたくさんあろうと思いますが、それらについてもすべてできるだけ透明度を高めていくということが必要なことではなかろうか、私もそのように考えております。
#17
○池田治君 自民党が業界から金を集めるというのはいわゆる企業献金を受けられたということでございまして、これで企業献金を一切廃止するというような政治資金規正法改正をしていただければこの企業献金はなくなるわけでございますが、この点については、先国会以来、企業も一つの今法人格を持っていて権利主体であるから、また社会的活動もしているので、これもまた尊重せないかぬから個人だけに限るわけにいかない、こういう御答弁が総理並びに大蔵大臣の方からなされておりましたが、それも理屈に合わないこともないと思いますが、政治そのものが人権の行使として行うわけでございまして、基本的人権という立場から見ればやはり企業献金を廃止して個人の献金だけでやっていく、こういうのも一つの筋の通った理論でございますが、この点ももう一度御確認を願いたいと思います。
#18
○国務大臣(海部俊樹君) 政治に政治資金、いわゆるお金がかかっておるという現実は、これは各党ともそれぞれ届け出によって明らかにされておるところでありますが、それを個人だけにするのか、あるいは企業も認めるのか、あるいは団体も認めるのか、いろいろございます。私は何度も御答弁させていただいたように、現在の社会の実情を見ますと、やはり企業も社会的な存在でありますし、企業も負担としての税は払っておるわけでありますし、また企業は社会に対しては雇用をつくり出して国民生活や社会のためにも貢献しておる立派な社会的存在であると考えておりましたので、そのような答弁を続けてきたわけでございます。
 今後の問題については、いろいろな問題がございましょうから、まさに答申を受けて各党間での御議論が深まっていくことも私は心から期待をさせていただきます。
#19
○池田治君 そうすると、企業献金の禁止は政治資金規正法を改正してもそこには盛り込まないということのようでございますが、何らかの形で政治資金規正法の改正をして、不正な金が入らないような程度の透明度ということをしていただきたい、かようにお願いをしておきます。
 それで、またもうちょっとお伺いしますけれども、罰則を強化して取り締まっても選挙違反はなくならないということの証拠に、法務省にお尋ねしますが、昭和六十一年、平成こ年の衆議院の総選挙のときの選挙違反の結果をお教え願えませんか。
#20
○政府委員(根來泰周君) 前回の選挙違反の数でございますけれども、約一万一千人ぐらいでございます。これは大体選挙が終わってから八十日ぐらいの段階でございます。
 それから今回でございますが、これは大分減りまして七千五百人ぐらい、これも大体選挙が終わってから八十日ぐらいの統計でございます。
#21
○池田治君 政党別の違反件数を教えてください。
#22
○政府委員(根來泰周君) 従来から申し上げておりますように、政党別の統計はとっておりません。
#23
○池田治君 どうせ統計を出されるなら、次から政党別のもひとつお願いを申し上げます。
 選挙が近づきますと、第一線の捜査当局は違反の取り締まりに一生懸命になるわけです。情報の収集にも一生懸命になります。余り小さな戸別訪問や文書違反のようなものばかりやらないで、私も選挙で文書違反で違反にかかりましたけれども、もっと大きな買収とか巨悪と闘うような姿勢で法務省は取り組んでいただきたい、こう思っておりますが、大臣、いかがでございましょうか。
#24
○国務大臣(長谷川信君) おおよそ選挙において、選挙民の総意が正しく反映されるよう、月払かつ公正に行われることが必要不可欠であることは言うまでもないところであります。選挙の自由と公正を害する買収等の悪質大事犯については徹底した捜査を行うとともに厳正な処理を行うのは当然であると考えております。検察といたしましても、これまでもこのような考え方で選挙違反事犯の捜査処理に当たってきたところでございますが、今後とも同様の立場に立ってこの種の事犯に厳正に対処していくものと確信をいたしております。
 以上でございます。
#25
○池田治君 最後に総理にお聞きしますが、政党法の答申も近く出ると伺っております。そこで、選挙の資金面ではもう国営にしてしまう。そのかわり、国は金は出すけれども選挙には口を出さないという形にしてもらえれば、政党も政治家個人も金とのかかわりあいがなくて政財界の腐敗構造もなくなる、こう私は思っておりますが、総理のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#26
○国務大臣(海部俊樹君) 答申の中にも、日常の政治活動というものは公的な性格も強く持つものでありますから、国会議員の議員活動に対する公費負担の措置、あるいは選挙公営のあり方との開迫も踏まえて検討することが必要である、こう書かれております。それらのことについては、政党法というものをどのようなものにしていくかという段階において今御指摘の点等も具体的なテーマに上がってくるものと、こう考えております。
#27
○池田治君 終わります。
#28
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で池田治君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#29
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、井上計君の締めくくり総括質疑を行います。井上君。
#30
○井上計君 私は今後の財政運営並びに公債政策についてお伺いしたい、こう考えておりますが、その前に、外交問題についての意見をちょっと申し上げておきます。
 昨日、総理はカンボジア和平会議に出席しているヘン・サムリン政権のフン・セン首相と国会内で会談をされました。私はすばらしいことだと、このような認識をいたしております。
   〔委員長退席、理事平井卓志君着席〕
 今回のカンボジア和平会談については、セットされた外務大臣及び外務省の皆さん方、関係者の御苦労については、先日も申し上げましたけれども、大変多とし、敬意を表しております。これは一昨日の五日の集中審議の際にも申し上げたわけでありますが、特に未承認国の首相を招いてテーブルに着けた。そして、さらに総理が国会内でお会いになったということは、もう画期的なことだと思うんですね。私は、総理あるいは外務大臣、関係の皆さん方の大きな決断に大変な評価をし、敬意を払うわけであります。
 さてそこで、意見として申し上げますけれども、去る五日の集中審議でも申し上げましたけれども、アジアの情勢は、もうそれこそ大変なさま変わりであります。韓国の大統領がソ連に飛ぶ、あるいはまたさらには中国に飛ぶ、このようなことがもうはっきりと言われておりますし、さらに、新聞報道でありますけれども、台湾の有力企業がつい先日、中国との間で進出の調印をいたしました。福建省のアモイに世界最大の石油基地を創設する。一次計画が約七十億ドル、二次計画が百五十億ドル、これを中国の最高実力者のケ小平氏が承認して、民間ベースとは言いながら実は事実上政府間の承認でこういうことが行われるわけです。
 そういう事態でありますから、現在我が国は台湾との間には、先日も申し上げましたし、また既に御承知のように国交がありません。しかし、我が国と台湾との関係は、経済的な関係あるいは人的な交流、あるいはまた今後アジア全体の問題を考えるときには台湾との問題をどうしても重要視していかなくちゃいかぬわけでありますが、仮にもし、台湾の李総統あるいはまた行政院長等々の政府高官が日本に来て、総理あるいは外務大臣、あるいは通産大臣その他の方々とお会いをしたいと言ってきたときにはどのような態度で臨まれるか、実は本当はこれをきょう総理や外務大出にお聞きしたかったのでありますが、きょうはもう短い限られた時間で時間もありません、またお立場上なかなか現時点ではお答えしにくいでありましょうからあえてお答えは要りませんけれども、そういうこともぜひお考えいただいて、昨日ヘン・サムリン政権の首相とお会いになったあの決断をこれからもひとつぜひお続けいただいて、今、日本の外交の大転換期でありますから、新しい日本の外交方針としてぜひともお考えをいただきたい、このことを特に意見を申し上げて要望しておきます。
 さて、それでは質問に入ります。
 今後の財政運営並びに公債政策でありますけれども、最初に大蔵省にお聞きしたいのでありますが、我が国が戦争中軍事費の調達のために発行した国債、当時としては膨大な額であった、このように聞いております。また、サンフランシスコ講和条約の締結によってインドネシアを初めとする二、三の国から賠償を求められました。この総額は、その時点で我が国のGNPのどれぐらいに当たっておるのか、幾らぐらいであったのか、またそれをどういう方法でいつごろ返済したのか、参考にちょっとお伺いをいたしたいと思います。
#31
○政府委員(千野忠男君) 各国別に賠償の支払い額を申し上げますと、ミャンマーに対して七百二十億円、フィリピンに対して千九百二億円、インドネシアに対して八百三億円、ベトナムに対して百四十億円支払われておりまして、総額では三千五百六十五億円でございます。
 この支払い総額の累計を対GNP比で見ますと、昭和三十年度が〇・〇一九%、昭和四十年度が〇・六四二%、昭和五十年度が〇・二三一%でございます。
 なお、賠償の支払い完了の時期でございますが、ミャンマーは昭和四十年度に完了しております。フィリピンは昭和五十一年度に完了をしております。インドネシアは昭和四十五年度、ベトナムは昭和三十九年度の完了でございます。
#32
○井上計君 戦時国債の残高。
#33
○政府委員(大須敏生君) お答え申し上げます。
 お尋ねの戦前の国債の現在高でございますけれども、昭和五十九年度に完済しております。ちなみに申し上げますと、昭和二十四年度末で二千七百八十七億円ございましたが、五十九年度末にはこれが完済してゼロになっておるところでございます。
#34
○井上計君 私が若干の資料で調べたところによりますと、昭和十九年度の国債残高は千七十六億円、当時の対GNP比一四四%、それから昭和二十年度が千四百八億円、GNP対比が約二〇〇%、このようなことになっておったわけであります。今お話がありましたけれども、これがほとんど知らぬ間にと言うとちょっと語弊がありますけれども、余り深い関心を持たないうちに戦争中発行した国債「それから今の賠償的三千五百六十五億円、これらのものが知らない間にいわば財政上苦痛なく実は返済をされた、返還をされておるということを私は今思い出しております。
 それはなぜかというと、昭和二十二年から昭和二十九年までの約十年間の物価上昇率は百六十倍であったわけですね。だから、大変な超悪性インフレであった。したがって、国民が余り苦痛を感じないで、政府も財政計画に特に苦痛を感じないで返済がされたということを今我々は銘記をしておかなくてはいけないという前提に立ってこれからひとつお伺いをいたしたい、こう思います。
 日米構造協議等によって明らかになっておりますけれども、 これから十カ年計画で公共投資約四百兆円という規模が言われております。実際にはどのようになりますか、各省庁のそれぞれ要求概算は五百五十兆円ということでありますからどうなるかわかりませんけれども、しかし、これを初年度投資額を約三十兆円として考えてみて、十年で四百兆円という事業規模であるわけでありますが、財政負担の面でどの程度の水準になるのか、これをやはり考えていかなくてはいけない、こう思います。
 平成二年度予算では特例公債を発行せずに編成することができました。しかし、だからといって財政春の報告にあるように、特例公債依存体質からの脱却を達成したという表現はいささかどうであろうかというふうに私は考えております。
 特例公債の残高というのは、現在の償還ルールによって考えますと、これから約六十年、現在の国債残高のうち特例公債部分が六十三兆五千億円あるわけでありますから、これは大蔵省の発表試算からいっても完全に特例公債がなくなるのは平成六十年度になるという計算になります。これからまだ要するに約六十年先の話ですね。
 こういうふうな計算を大蔵省はしておられると思いますけれども、私が申し上げたことに間違いないのかどうか、いま一度承ります。
#35
○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員が御指摘になりましたように、財政当局として中期的視点に立った財政運営を進めていく上での検討の手がかりを示すものとして、一定の仮定のもとに今後の国債整理基金の資金繰り状況を試算し、「国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算」として世の中にお示しをいたしております。
 これは、新規の国債発行額は五カ年問で公債依存度を五%を下回る水準というものを仮置きいたしまして、平成三年度以降七年度までは毎年四千億ずつ減額をする、八年度以降は七年度と同額と仮置きをいたしております。
 これは一定の仮定に基づく試算でありますけれども、まさに委員が御指摘になりますように、平成三年度末は百六十七・六兆、平成四年度末百七十・一兆、平成五年度末百七十二・五兆、平成十五年度には約百七十九・九兆円になるという推計がされておりまして、先ほどの戦時公債の始末等を考えましても、我々としては今後に非常に大きな課題を残しておる、そのように心得ております。
#36
○井上計君 今大蔵大臣から、私が申し上げたと同様に、将来に対する大変な不安がある、問題を残しておるというお話がございました。
 現在百六十三兆円、この年度末百六十四兆円という公債残高は、過去のことでありますが、いい悪いは別にしても、いずれにしても昭和五十年ごろから今日までに我々がつくった借金なんですね。それをこれから五十年、六十年先まで残していくんだということが次の世代の子や孫あるいはひ孫に対して許されるかどうかということを私は、政府だけじゃありません、国会全体が考えていく必要がある、こういうふうにかねがね思っておるんです。
 そこで、次に伺いますけれども、建設公債の発行額を平成七年度まで今お話しの四千億円ずつ減額していく、八年度から七年度と同額ずつ発行するという仮定計算をいたしましても、五年後の国債費は十四兆を超えるわけですね。十年後には約十五兆三千億円になるという試算を私はある人からしてもらったわけですけれども、これまた大変なことだと思うんですね。
 だから、これからの財政運営がいわば建設国債を減らしていく、片方では特例公債の返済を今の計画で進めていく。それでも六十年かかるわけです。建設国債は減らしていく、ところが片方では、公共事業十カ年計画で四百兆円。これ何も全部国債で賄うとは言いませんけれども、当然のこと、そこに現在の財政状態からいうと建設国債を減らすこと自体が既に無理ではなかろうか、こういう感じがするのであります。文字どおり忠ならんと欲すれば孝ならずということが相次いで起こるのではなかろうか、こういう感じがいたしますけれども、大蔵大臣、どうお考えでありますか。
#37
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは今委員が御指摘のとおり、我々として極めて厳しいお荷物を背負っている感じであります。そして、委員が御指摘になりました公共投資十カ年計画に基づく公共投資の伸びばかりではなく、国際社会の中において我が国が責任を果たしていくという視点からのODAでありますとか、あるいは高齢化の進展に伴います社会保障費の関係諸費の伸び等、これからの予算上の増要因というものは幾つかございます。しかし一方で、我々は何としても委員が御指摘のとおりに公債依存度を低め、また既往の公債の残高累増に歯どめをかける努力は全力を尽くさなければならないわけでありまして、その意味において我々としては国民からお預かりをする税財源をもってできる限りの事業に充当していく、厳しいとは言いながら、建設公債そのものの発行もできるだけ抑えていく努力を全力を挙げてしていかなければならない。事態は極めて厳しい情勢でありますが、その責任に向けて全力を尽くしたいと考えております。
#38
○井上計君 増税は絶対まかりならぬ、しかしこのようなことに補助金を、こういう面についてのさらに予算の増額をという声はもう至るところであります。しかし、今大蔵大臣お答えいただきましたけれども、これからの十年、二十年あるいは三十年、五十年先を考えると、絶対不可能だとは言いませんけれども、不可能に近いような数字しか出てこないわけですね。しかし、だからといってやることはやらなくちゃなりません。
 そこで、どうしてもこれから考えていかなくちゃいけないのは、やはり租税負担率あるいは公的負担率の上昇をできるだけ抑制するということ、あわせて、先ほど冒頭ちょっと申し上げましたけれども、昭和二十年代のように物価が百六十倍になれば、ここで五百兆円やあるいは極端なことを言いますと一千兆円の国債残高を残しても、十年後、二十年後に処理は簡単だと思いますけれども、しかしそれは昭和二十年代、あの終戦後の悪性インフレによって国民が大変な生活の脅威、大混乱を来したことを思い起こすと、これまた絶対にそれはとるべき手法ではありませんし、またとってはなりません。これもよほど真剣に今からやはり政府が率先をしてさらに従来以上の財政政策をお立ていただかなくてはいけない、このように考えますし、もう当然お考えでありましょうけれども、特に要望するわけであります。
 そこで、総理にお伺いいたしますけれども、行政改革の問題であります。
 国鉄あるいは電電、あるいは専売といういわば三公社が民営化をされました。民営化のその後はまことに順調であります。これで行政改革は事終われりという風潮が最近特にあるんですね。今度の国会でも衆参を通じて行政改革の問題は余り論争がありません。質疑が少なかったように思います。だから、国民全体が行政改革はもう終わったんだというふうに思っておられるんではなかろうかという心配をするんです。また、国民の間には、好景気が大変続いておる、金よりも何よりも今一番困っておるのは人手だ、だから外国人労働者をもっとどんどん入れろ、こういうふうな要望が高まっておりますが、しかし、行政改革をやれという声は、なくなってはいませんけれども、非常に少なくなりましたね。ところが、それが今一番大切だ、こう思うんです。
 だから、今大蔵大臣がお話しになったように、財政運営についてはこれからそのような観点でさらに厳しい運営、しかし、要るものは要るんです。これをお考えいただかなきゃなりませんが、同時に支出削減ということは、やはり従来以上に思い切った政策をとっていかなければ大変なことになるのではなかろうか、こう考えますけれども、行政改革の今後の進め方等々について総理ほどのようにお考えでありますか、ひとつお伺いをいたしたい、こう思います。
#39
○国務大臣(海部俊樹君) 行政を取り巻く内外の環境がいろいろと変化をしてきておることは事実でございます。二十一世紀を展望した活力のある経済社会をつくるためには、さらなる行政改革の推進は避けて通れない課題であると私も受けとめております。
 去る四月十八日に提出されました第二次行革審の最終答申は、今後の我が国行政の目指すべき目標と行政改革の基本的な方向を示されたものと受けとめます。政府はこの答申を受けて直ちに、これを最大限に尊重しつつ国と地方を通ずる行財政の改革を引き続き推進する旨の基本方針を閣議決定したところでございます。今般、この方針に基づいて第三次行革審設置法案を直ちに国会に御提案したところでございまして、今後とも新たな気持ちを持って行政改革の推進に努めてまいらなければならないと考えておるところであります。
#40
○井上計君 総理の御決意といいますか、方針については了といたします。ただ、行政改革が国単位ではかなり進みつつある、あるいはこれから進めるということでありますけれども、地方自治体の行政改革が余り進んでいないようにも感じるんですね。特にまた一般のいろんな人に聞きますと、やはり地方自治体の行政のむだ、需用費のむだというのは随分聞くわけですね。これは自治大臣には通告しておりませんからお答えいただかなくて結構でありますけれども、私は、国、地方を挙げて行政改革を進めていかなくちゃいけない、こう思います。
 また、いま一つは、政治改革の論議はこれは大変活発であります。私は、国会自体の、これは行政とは言いませんけれども、国会の改革、国会のむだというものが随分とあるわけでありますから、これは政府の立場というよりも、我々自体の反省の中で国会の改革もしていかなくちゃいけない、こんなふうに考えております。もっと言えば、我々の立場、この国会の論争をずっと見ておりまして、確かに現状あるいは過去の問題については非常に多くの時間を費やし、熱心でありますけれども、将来の問題、マクロ的な問題、特に重要な十年、二十年先、なかなか予測できませんけれども、そういうふうなことについては論争が少ない、お互いがそういうことについてなかなか踏み込めない、最近そういうふうな傾向にある、こんなふうにも感じられます。
 私は先輩から言われた言葉を今でも思い出しておりますけれども、政治家として最大の条件は何か、それは先見性を持つことだ、こう言われたことがあるんです。私は、もっと我々が反省をし、自覚をしてそういうことを考えていかなければ、我々は子孫に大変なツケを残す。そうしてせっかくお互いが努力しておるのにもかかわらず、十年、二十年、三十年先にあの当時の政治家は一体何をしたんだ、こういうふうな非難を子孫から受けることになるのではなかろうかなという心配を実は多分にしておるわけであります。ぜひひとつそういう面で、総理並びに大蔵大臣、各関係閣僚とも、これから行政改革についてもさらに一段のひとつ御決意を持ってお進みいただきたい、このことをさらに意見として申し上げまして、私の質問を終わります。
#41
○理事(平井卓志君) 以上で井上計君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#42
○理事(平井卓志君) 次に、喜屋武眞來君の締めくくり総括質疑を行います。喜屋武君。
#43
○喜屋武眞榮君 私はまず総理に沖縄の戦後処理について質問いたします。
 戦後四十五年、今月二十三日には沖縄全戦没者追悼式が行われることになっておりますが、総理も参列をされることについて検討しておられると承っておりますが、沖縄の山野や海底にはいまだに数千柱の未収骨の遺骨が眠っており、またいまだに数千トンと推定される不発弾が埋まっております。また八重山地方には戦争マラリア犠牲者の遺族補償の問題があり、沖縄と本土との厚生年金格差問題も未完全解決のまま残っております。
   〔理事平井卓志君退席、委員長着席〕
 あと十年後になりますと二十一世紀を迎えますが、この戦後処理問題は二十一世紀まで持ち越されずに処理、解決してもらいたいと願うものでありますが、西ドイツやイタリアでは国内一般災害者に至るまでその人的損害、物的損害のすべてに対して既に救済措置を講じていることを思うときに、余りの相違に驚かざるを得ません。ましてや経済大国、世界一だと誇りを持っておる日本において何をかいわんやであります。総理の沖縄の戦後処理の問題について取り組むその基本姿勢をまず承りたい。
#44
○国務大臣(海部俊樹君) 沖縄はさきの大戦において国内唯一の戦場となり、多数の人命が失われるとともに、県土が破壊をされ種々の問題が起きたことも私もよく承知いたしております。政府といたしましては、従来からこれらの問題については、沖縄の開発、振興に国費を投入し、全力を挙げて取り組んできたところでもあり、また、ただいま御指摘になりました個々の問題等についても、でき得る限り解決をしていくべきだという基本的な姿勢で取り組んできております。
 また、冒頭御指摘の二十三日の沖縄の慰霊祭の問題につきましても、過日上京された西銘知事自身から参加を強く希望されております。私は、国会等のお許しがいただけるなれば、日程を調整して決めたいと考えております。
#45
○喜屋武眞榮君 次に、米軍演習について外務大臣に尋ねます。
 最近、沖縄では米軍の演習が激しさを増していま。そのため、県民は生命の危険と健康の不安、生活上の不利益にさらされています。特に恩納村の都市型戦闘訓練施設での実弾射撃訓練は、米軍施設内とはいえ、住民の居住地域に近く、もろもろの危険と不安と不利益をこうむっておる。このため、去る五月二十五日に沖縄県議会は五度目の都市型戦闘訓練施設における実弾射撃訓練に抗議し、その訓練の即時中止と同訓練施設の即時撤去に関する意見書を採択して、五名の代表団を上京させておりますことは御承知のことと思います。政府は米軍に対して演習の中止、少なくとも自粛を求めるべきであると思うが、どうでしょうか。
#46
○国務大臣(中山太郎君) 沖縄の方々に米軍の演習等で大変御心配をかけていることは私もよく存じ上げております。米軍の訓練のために提供されている施設、これは委員も御存じのように、日米安保条約の地位協定上認められた米軍の提供された地域内における訓練でございまして、政府としてはこの訓練の中止を米軍に求めることはいたしませんが、ただし、この演習によって御心配をされている地域の方々の不安を少しでも解消するように、米軍に対しては注意をしながら安全確保に全力を尽くしてもらいたいということを要望してまいります。
#47
○喜屋武眞榮君 次に、防衛庁長官に尋ねます。
 自衛隊那覇基地の弾薬庫増設の問題であります。沖縄では目下米軍の基地強化、演習の激化と相まって自衛隊の基地強化も進行しております。自衛隊那覇基地における弾薬庫増設問題もその一つであります。既設の四つに加え、新しく三つを建設しようとしておりますが、この場所は民間居住地や国道に数百メートル、民間空港である那覇空港の滑走路や誘導路にも隣接した場所であり、断じて容認できるものではありません。
 防衛庁長官は、他の部隊の十五分の一の弾薬量なので、自衛隊にとって不可欠、一〇〇%安全であるという二点を主張しておられるが、危険物の保管が一〇〇%安全だという保証はないと思います。他の部隊の十五分の一だから同じにするという発想は、狭い沖縄では通用しません。密度が高くなって危険が増大することは明らかである。したがって、この計画は撤回してもらいたい。再度撤回を申し入れますが、いかがでしょうか。
#48
○国務大臣(石川要三君) 弾薬庫の撤回につきましては、先生を先頭に他の議員の先生方からの強い要請、陳情が私にも示されていることも十分に承知をしているわけであります。この点につきましては、いろいろと検討いたしました結果、先般お答えいたしましたような趣旨の御回答を申し上げまして御理解をいただきたい、こういう御返事を申し上げたわけでございますが、本日は再度のまた質問でございます。
 結論から言いますと、確かに沖縄県の中にあります軍事施設といいますか、米軍を含めてのそういう施設が面積的な面から見て非常にたくさんあるということは私も十二分に承知しております。しかしそれはそれといたしましても、やはり我が国のいわゆる防衛というものは、先生御承知のとおり、セルフディフェンスで全国的に均衡ある部隊を配置しているわけでありまして、そういう意味から、沖縄県にも我が自衛隊が存在するわけでありますが、そういうようなことも総合的に考えまして、私どもはできるだけ少量の弾薬、そして安全というものを考慮しながらその存置をしているわけでございます。
 さらに、今御質問のような安全性でございますけれども、これは一〇〇%というものは、断言することは不可能かもしれませんが、それに近い九九・九九%の安全性というものを私どもは旭求いたしまして、その安全性を確保した上に存置をしようとしているわけでございます。そういう意味で、これは撤回ということでございますけれども、弾薬のない自衛隊というものは、これは例えがいいか悪いかわかりませんが、自動車の中にガソリンのないようなものでございまして、これはやはり適正なものはどうしても存置をしなければならないというのか私の基本的な考えでございます。
#49
○喜屋武眞榮君 県民の意思を無視した不当な押しつけは断じて容認できません。
 次に、外務大臣、今月二十一日にも合意、公表されると報じておるが、事実であるか。それはいわゆる沖縄米軍基地の整理縮小問題について。この問題に関する今後のスケジュールを明らかにしてもらいたい。
#50
○政府委員(松浦晃一郎君) 沖縄の米軍の施設、区域の整理統合問題に関しましては、今鋭意最後の詰めの段階でございまして、近い将来一定の成果も発表したいと思っておりますが、今先生が御指摘の具体的なタイミングに関しましてはまだめどがついておりませんので、最終段階にあると御理解いただきたいと思います。
#51
○喜屋武眞榮君 どうも時間の関係で控えます。
 次に、総理に聞きます。
 民主主義の根幹は言論の自由を保障することであると喜屋武は信じますが、いかがでしょうか。
#52
○国務大臣(海部俊樹君) そのように私も考えております。
#53
○喜屋武眞榮君 してみますと、第百十三国会の税制特別委員会においてこの喜屋武の質問の最中に、あと九分の時間が残っておるのにもかかわらず、審議打ち切りの動議が出され、自民党の単独強行採決によって押し切られて大混乱を醸したのがあの欠陥だらけの悪名高い消費税であるが、このことを総理はどうお考えですか。
#54
○国務大臣(海部俊樹君) 委員会の運営の問題につきましては、私がここでとやかく差し出がましい評価をすることは差し控えなければならぬと思いますが、騒然たる状況のもとで採決をされるということは好ましいことではなかったのではないかと考えております。
#55
○喜屋武眞榮君 明快な御答弁ができるはずがないだろうと私はお察しします。
 最後に一つ。米軍はやりたいほうだい、日本政府は無関心、沖縄県はなすすべを持たず、県民は体を張ってみずから命を守る以外にない。もうこれ以上国の犠牲に、差別に黙るわけにはいかない。総理、外務大臣、防衛庁長官の所見を求めます。
#56
○国務大臣(中山太郎君) 沖縄の県民の方々に米軍の駐留によっていろいろと御苦労をかけていることは政府としても十分認識をいたしております。
 一方政府は、前の大戦によって最前線となった沖縄の県民の方々のことを思い、この地域の復興のために、沖縄振興のために特別の政策をとりながら、今日まで沖縄の住民の方々の生活向上のために、また地域の発展のために全力を挙げてまいったと私は考えております。事実、私がかねて沖縄開発庁長官をやっておりました間から考えましても、沖縄の繁栄は極めて大きなものだと考えておりまして、私どもはこの日米安保条約のもとで、県民の方々には大変御苦労をかけますが、日本の安全保障のためにも御理解をいただきたい、このように考えております。
#57
○国務大臣(石川要三君) 沖縄県の中におきます米軍のいろいろと不祥事件が非常にたくさんある。全国の米軍基地の存在のために起こっております日米間のいろいろとトラブルがございますが、そういう件数を統合的に検討いたしますと、確かにその存在の量も多いということもさることながら、質的にも量的にも全体の中では非常に多いということも私ども十分承知をしております。現実に都市型のああいう施設をつくり、またいろいろと県民との間の摩擦が生じている、その最中にまたほかのトラブルも起こるというようなことを考えますと、確かに米軍の無神経といいますか、もう少し神経を細かく使って県民の意思をよく尊重するという、そういう配慮というものが多少欠けていると、こういうふうに私は認識をせざるを得ません。
 しかし、それはそうといたしましても、私どもはやはり米軍の存在というものは我が国の防衛のために必要だという前提でございますので、いろいろとそれから発生するそういう問題につきましては、できるだけこれが少なくなるように、できれば全くないように最大の努力をしていかなければいけない、このような気持ちでいろいろと事あるごとにそういう日米の間の問題については先方にもよく意見を述べているところでございます。
#58
○国務大臣(海部俊樹君) 最初に申し上げましたように、沖縄県が我が国唯一の戦場の体験を持たれた、それに基づいていろいろな問題が起こっており、それのことについては私も十分認識をいたしております。担当各省にはそれぞれの立場に立って十分な政策努力をするように指示もいたしておりますが、政府といたしましては、今後とも沖縄の振興開発にも積極的に取り組んでいかなければならないと考えております。
#59
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で喜屋武眞榮君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#60
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、秋山肇君の締めくくり総括質疑を行います。秋山君。
#61
○秋山肇君 昨日、昭和六十三年の相続税白書が発表になりました。この内容を見てみますと、基礎控除額の引き上げなど相続税法の改正で課税対象者が大幅に減りましたが、遺産の八割を占める土地や株の急騰で一件当たりの相続は大型化しております。特に遺産の六九・三%を占める土地の路線価が全国平均で前年比二三・八%アップしたことが反映しているようです。私の住んでおります世田谷や杉並では六十坪の宅地でも対象になってしまうと報道されておりました。この白書からもわかりますとおり、土地問題は海部内閣において最重要課題であると思います。
 そこで、まず法務省にお伺いをいたしますが、現行の土地の登記の仕組みにおいて、現状の土地の把握がどのような形でどの程度までなされているのか、また国有地はどのような記載、取り扱いになっておりますでしょうか。
#62
○政府委員(清水湛君) お答え申し上げます。
 御承知のように、不動産登記制度は、ある特定の不動産につきましてだれが所有者であり、あるいは第三者がどういう権利を持っておるかというようなことを公示して取引の安全に資するということを目的とするものでございます。したがいまして、全体的にある人がどういう状況でどこにどういった種類の土地をどの程度持っているかというような当該特定の土地以外の土地全体についての情報というようなものは、これは登記所では直ちにはわからない、こういうような状況になっているわけでございます。
 それから国公有地につきましては、一般には土地が新たに生じたときとかあるいは建物を新たに建築するということになりますと、表示の登記の申請義務が課せられるわけでございますけれども、国または公共団体の所有する不動産につきましては、このような申請義務が現在免除されております。したがいまして、国なり地方公共団体が自分の土地を売ったりあるいは私人から買うというようなときには、これは登記をすることがあるかもしれませんけれども、一般論としては登記はされないケースの方が多いのではないかと私ども考えておりますが、しかしどの程度登記され、あるいはどの程度登記されていないかということは登記行政の面からは把握できない、こういう状況になっているわけでございます。
#63
○秋山肇君 今の答弁でおわかりだと思うんですが、土地というのは個人、法人、登記所に登記をされているものというのは閲覧をすればわかるわけですけれども、そういうことのないものが国有地、公有地にあるということが今の答弁でおわかりだと思うんですが、それを前提に大蔵大臣にお伺いいたしますが、国有財産の中には行政財産、普通財産などがありますが、国有地の総括的な管理責任は国有財産台帳の把握を含め大蔵大臣にあると聞いております。
 ところで、最近の新聞や雑誌にも取り上げられていますが、総理官邸の裏にある官邸職員の宿舎跡、電総研跡など足元と言えるところに約四千坪の国有地があり、昭和五十四年以来既に十年以上もそのままになっていたり、渋谷区西原の教育大の体育学部の跡地が五千三百坪、十数年たっても放置されているままであります。杉並の井草にある一万五千坪の技術研究所の跡も十数年たっておってもまだ利用されてない。幾ら利用計画を慎重にする必要があるとはいえ、十数年も放置されたままというのでは、余りにも国公有地が有効利用されてないのではないでしょうか。国有地は国民の大切な共有財産である上、首都圏にまとまった広さを持つ国有地の希少性が高まっておるわけであります。
 そこで、長期的な視点を踏まえた上でその管理、処分のあり方を含め効率的な活用方法を図る必要があると考えますが、大蔵大臣のお考えはいかがでしょうか。
#64
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員から具体的な幾つかの地名を例示されながら御意見がありました。国有地というものが国民共有の財産という意味では、公的部門において活用することを基本といたしております。また、特に都市部にありましては残されております貴重な空間資源ということもありまして、私どもとしては、現に使用している国有地につきましては集約、立体化などその効率的な使用に努めておるところでありますし、またその処分に当たりましても、地方公共団体などの利用の御要望等も十分伺いながら、極力公用、公共用の利用というものを図ることとしております。
 また、今委員が御指摘になりましたものは比較的まとまった固まりをなしているものでありますけれども、国有地の中にはそれだけで利用するには面積の狭隘なものも多々あります。こうしたことを考えてまいりますと、やはりこれから先、何といいましても、国有地の有効、効率的な利用を図るために、その処理の遅延しておりますものを含めましてやはり速やかな処理に努めると同時に、その具体的な処理に当たりましてはそれぞれの、国有財産そのものだけではなくて、その国有地の周囲の環境などを広くやはり考慮に入れ、都市機能の改善などに資するような、そうした利用を図ってまいりたいと考えております。
 大都市地域の国有地におきましては、その使用状況を平成二年度末を目標に点検をいたしまして、公共用地の確保に努めると同時に、都市施設などの用地としての活用など、その有効利用を十分に図ってまいりたい、そのように考えております。
#65
○秋山肇君 今のお答えにありましたけれども、ぜひひとつ周辺の土地を含めた市街地再開発の中心に国有地がなっていくようなことにしていただきたいというふうに思います。
 次に御質問しますが、現在の土地の把握状況を見ておりますと、民間や法人の土地については、先ほども申しましたように法務省、国有地に関しては大蔵省、これでは一体国土庁というのが存在意義はどうなのかなというふうに思うので、これまでに委員会で何度も、各省庁と連携をとりながら土地問題に取り組むという答弁を聞いてまいりましたが、その程度ではここまで問題が山積をしている土地問題を解決することはできないというふうに思うんです。もちろん、ここまで土地問題が深刻化したのは国土庁だけの責任ということではないんですが、政府全体の政策が後手に回ったことも紛れもない事実であると思います。本来であれば国土庁が日本全国の土地をきちんと把握し、強いリーダーシップで土地問題の解決に当たらなければ無理だと思います。そのためにもある程度の権限を国土庁が持ち、土地に関する基本的な情報を一本化して集約し、常に全体を把握しながら、長期的視点に立って早目早目に必要な土地政策を打ち出すようにしないと、均衡ある国土の発展などとても望めないと思うんですが、国土庁長官、お考えはいかがでしょうか。
#66
○国務大臣(佐藤守良君) 秋山先生にお答えいたします。
 先生の御指摘のとおりでございます。実は的確な土地政策をやるために大切なことは情報でございまして、土地の所有あるいは保有、取引価格等に関して正確な情報を持たなくてはいい土地政策はできませんわけでございますが、昨年暮れ土地基本法ができました。この法律の趣旨に基づきまして現在やっていますのは、土地政策をやるために必要な情報は何かということ、それからもう一つは、そのためにはどういうふうな収集をやるかというようなことを今検討しております。
 そんなことでございまして、この検討結果が近いうち出次第、土地対策関係閣僚会議その他によくお願いします。そういう形の中に、先生の御指摘のような土地情報の整備の一本化を図りたい、このように考えております。よろしくお願いします。
#67
○秋山肇君 総理にお伺いしますが、これまでのことからおわかりになると思いますが、現在土地の情報が余りにもオープンにされてないというふうに思うんですね。ですから、土地がないと言われるこの首都圏においても、十数年も放置された土地が出てくることになるわけですし、土地に関する情報をもっと広く国民にオープンにして、土地のグリーンカード化というんですかね、国有地、法人、個人というものがはっきりするようにすべきだというふうに私は思うので、先般制定された土地基本法において、公共の福祉優先、適正で計画に従った利用、投機的取引の抑制、利益に応じた適切な負担の四つの基本理念が打ち出されたわけですが、現在議論されている法人の遊休地の利用活用や新しい保有税の新設はもちろん必要だと思うんですけれども、それよりもまず土地基本法の基本理念に基づいて国が率先して国有地の有効利用を図り、国民に対し土地問題に本格的に取り組む姿勢を示すべきだと私は思うんですが、総理の御所見をお伺いしたい。
#68
○国務大臣(海部俊樹君) 国有地の有効利用を率先して行うべきではないかという委員の御指摘でございますが、これは国民共有の貴重な財産であることから、公的部門において活用することを基本といたしておりますが、現に使用している国有地につきましても、集約、立体化など、その効率的な使用に努めておるところであります。将来とも理の利用が見込まれない国有地を処分するに当たっては、公用、公共用優先の原則のもと、地方公共団体等に対して優先的処分に配慮してきたところでありますが、大都市地域の国有地については、使用状況等を平成二年度末を目途に点検をいたしまして、公共用地の確保に努めつつ、都市施設等用地としての活用などその有効利用を図ることといたしてまいります。
#69
○秋山肇君 終わります。(拍手)
#70
○委員長(林田悠紀夫君) 以上、秋山肇君の質疑をもって締めくくり総括質疑は終了いたしました。
 これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。平成二年度総予算三案に対する質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#71
○委員長(林田悠紀夫君) この際、委員長より申し上げます。
 リクルート事件による政治不信は今なお深刻であります。にもかかわらず、郵政大臣深谷隆可君への政治献金等の問題はいまだ十分な説明も資料提出も行われておらず、同君の態度はまことに遺憾であります。我々は、同君及び内閣に対し猛省を促し、引き続き全容解明と資料の提出等を求めるとともに、国会に不正確な報告を行い、全容解明に支障を来した政治的道義的な責任をとることを求めます。また、内閣総理大臣は、政治倫理綱領にのっとり、特に政治不信を招く公私混交を絶ち、清廉を持し、かりそめにも国民の非難を受けないよう政治腐敗の根絶と政治倫理の向上に努めるなど、内閣としての政治姿勢を明確にすべきであります。
以上であります。(拍手)
 深谷郵政大臣及び海部内閣総理大臣より発言を求められておりますので、順次これを許します。深谷郵政大臣。
#72
○国務大臣(深谷隆司君) 委員長の御見解につきましては、真摯に受けとめたいと思います。
 今後、政治倫理綱領にのっとって、一層誠実に政治活動にかかわってまいりたいと考えております。
#73
○委員長(林田悠紀夫君) 海部内閣総理大住。
#74
○国務大臣(海部俊樹君) 私としては、ただいまの予算委員長見解を謙虚に受けとめ、政治倫理のさらに一個の確立に努めるとともに、不退転の決意で政治改革を断行してまいる所存であります。
    ─────────────
#75
○委員長(林田悠紀夫君) これより平成二年度総予算三案に対する討論に入ります。
 討論の通告がございますので、順次これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。安恒良一君。
#76
○安恒良一君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となっております平成二年度総予算三案に対し、反対の討論を行うものであります。
 世界は今戦後四十年間続いてきた東西の冷戦構造に終止符を打ち、本格的な緊張緩和と軍縮の時代に入っております。一九八七年末のINF全廃条約を初め、東西間の相次ぐ軍縮提案、そして昨年十二月のマルタ島での米ソ首脳会談、さらに今年六日の米ソ首脳会談による大幅な核軍縮への着手など、デタントは急速なスピードで進んでおります。にもかかわらず、政府は旧態依然たるソ連脅威論に取りつかれたまま、やみくもに軍事力拡大の道を推し進めてまいりました。その結果、今や我が国は世界有数の軍事大国となり、近隣アジア諸国に脅威を与えるというゆゆしい事態を招いているのであります。
 また、国内では、史上空前の広がりを見せたリクルート疑獄が、灰色の議員の道義的政治的責任をあいまいにしたまま風化寸前の状況に追いやられようとしております。さきの衆議院選挙でみそぎは終わったとする選挙洗礼論で逃げ切ろうとする一方、政治倫理の確立に手をつけようとせず、現在の中選挙区制が諸悪の根源であるかのごとく宣伝し、選挙制度の改悪を図ろうとすることは、問題のすりかえであり、野党つぶしをねらった戦術で、断じて認めることはできません。
 さらに、昨年の本院における消費税廃止の決定にもかかわらず、政府はこれを無視し、海部内閣の選挙公約であった消費税の思い切った見直しはほんの小手先だけの表面的な修正だけでお茶を濁し、消費税の持つ本質的欠陥には何ら手をつけておらず、完全な公約違反となっているのであります。
 政府・自民党の国民不在、国民生活圧迫の政治姿勢に強く抗議をし、以下順次反対の理由を申し述べます。
 反対理由の第一は、国民がこぞって反対をする消費税が予算に組み込まれていることであります。
 一昨年、政府・自民党は死んだふり解散で三百の議席をかさに着て、大型間接税は導入しないとの公約をほごにし、議会制民主主義のルールを無視した強行採決の連続で消費税の導入を図ったのであります。しかし、昨年の参議院において消費税は廃止すべきものと決定されたものであり、そのまま凍結ないし棚上げすべきことが当然であるにもかかわらず、本院の意思を踏みにじり予算に計上していることは断じて認めることができません。世界でもまれに見る食料品から人間の生命に関連する諸経費にまで課税する上、消費者の支払った消費税がそのまま国庫に納入されず、簡易課税制度や限界控除制度を利用して業者が金もうけできる仕組みが内包されているなど前代未聞であり、絶対に許すことができません。
 反対理由の第二は、政府の税収見積もりが極めてずさんに行われていることであります。
 政府は、六十一年度以降の日本経済の本質的構造変化を見落とすという重大な過ちを犯し、その結果、六十一年度二兆四千億、六十二年度五兆四千億、六十三年度には五兆七千億に上る巨額の税の過小見積もりという過ちを犯してきたのであります。かつて竹下元総理は大蔵大臣時代に、一%は誤差のうちと、一%以内なら許されるとの見解を示したものの、近年の誤差率は六ないし八%にも達し、誤差率記録の更新をばく進中であります。今年に入り、いわゆるトリプル安が起きたにもかかわらず、景気そのものには大きな変化は見られず、元年度税収も再び相当の過小見積もりになることは必至であり、その見積もりの上に立てられた二年度税収見積もりもまた誤ったものであることは言うまでもなく、このようなずさんきわまりない見積もり予算は到底認められません。
 反対理由の第三は、国民生活関連予算が抑えられている一方で、防衛関係費の突出が相変わらず続いていることであります。
 昭和五十八年度を一〇〇とした平成二年度の防衛関係費は一五五・六と、この間実に五六%も拡大をしております。社会保障関係費は二七%、文教及び科学技術振興費はわずか六%しか増加しておらず、政府・自民党のもとでいかに防衛費が優遇される一方で国民生活が圧迫されてきたかを物語っております。
 政府は、今年度の社会保障費の伸びが六・六%と防衛費関係の六・一を上回ったことを殊さらに吹聴しておりますが、そのからくりは、平成二年度まで繰り延べてきた厚生年金国庫負担金を本年度から繰り入れることによるものであり、何ら社会保障予算が実質的に増大したものではなく、全く見せかけの増大と言わざるを得ず、このような軍事優先、国民生活切り捨ての予算は到底認めることはできません。
 反対理由の第四は、政府の見通しをはるかに上回って国民負担率が上昇していることであります。
 租税負担率に社会保障負担率を加えた国民負担率は、昭和五十五年の三一・三%から六十年度は三五・三%へ、そして本年度は四〇・四%へと、この十年間で九・一%も上昇したのであります。その結果、六十三年度に政府が提示した平成十二年度の国民負担率の見通しに十年も早く到達し、このままでは平成十二年には五割を超えるおそれ十分と言わなければなりません。
 政府は、国民に明言した増税なき財政再建の公約に従い、異常に上昇した国民負担率を是正するために思い切った減税を実施すべきであります。にもかかわらず、政府は将来の福祉社会の明確なグランドデザインも示さず、なし崩し的に負担率だけを引き上げていこうとしており、このような政府のこそくな手段は絶対に許すことはできません。
 反対理由の第五は、政府の予算書及び国会提出の資料が全く審議する立場に立ってつくられていないことであります。
 予算額が妥当か否かを判断するには、単価と数量が明確になっていることが大前提であることは、会計の根本原則であることは明らかであります。にもかかわらず、予算書はおろか各費目明細書を見ましても、単価と数量が明確に示されていることはほとんどなく、これを明らかにしない予算書で六十六兆円余に上る予算を審議せよと言うのは、予算審議権の妨害であり、国会と国民を愚弄するのも甚だしいと言わざるを得ません。今や世界最大の援助国となったODA予算についても、総額はわかっていてもプロジェクトの内訳は全く不明であるし、政府の資料も重要施策の中身や税収見積もりがなぜそのようになるか何一つ明らかにしておりません。歳出予算のほとんどが項目別に総額を記載して、政策の内容を示そうとしない政府の姿勢は厳しく糾弾されなければなりません。
 最後に、政府・自民党の衆議院段階で参議院の議決まで縛ろうとした国会ルール無視のごり押しによって、三十五年ぶりという暫定補正予算を余儀なくされたことは極めて重大であります。その責任は挙げて政府・自民党にあることは明らかであります。二度とこのようなルール無視の国会運営を行わないよう強く抗議し、政府・自民党の猛省を求めて私の反対討論を終わります。(拍手)
#77
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、伊江朝雄君。
#78
○伊江朝雄君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました平成二年度一般会計予算外二件について賛成の討論を行うものであります。
 平成二年度予算は、激動する内外状況を十分踏まえ、二十一世紀を展望して編成したものでありまして、高く評価できるものであります。
 以下、その賛成する理由を申し述べます。
 まず賛成する第一の理由は、懸案でありました特例公債依存からの脱却が図られたことであります。
 昭和五十年度補正予算に特例公債が導入されてから十五年、これからの脱却は我が党及び歴代内閣の悲願でありました。確かに近年の好調な税収に支えられたという側面はありましょうが、これは我が党及び政府の血のにじむような財政改革の努力のたまものであって、まことに御同慶の至りであります。しかしながら、これはあくまでも財政再建の第一歩でありまして、決して楽観は許されないのであります。公債残高はこの二年度末には日六十四兆円にも達し、これから生じる国債費が歳出予算の二割を超え、依然として厳しい状況にあることに変わりはありません。引き続き財政改革に取り組まねばならないことは申すまでもないことであります。
 賛成をする第二の理由は、限られた一般歳出予算の中で国民生活に直結する政策の優先度に応じて予算を重点的に、効率的に配分していることであります。
 まず社会保障については、給付と負担の公平を図ることにより、高齢化社会においても長期的に安定的に機能するように国民健康保険制度や老人保健制度の基盤安定化のための措置を講じておりますほか、すべての国民が安心して老後を送れるよう、十年間で総事業費六兆円に上る高齢者保健福祉推進十カ年戦略を策定しておりまして、国民に身近な福祉施設にきめ細かい配慮をしております。これら社会保障予算は一般会計中最大の伸び率六・六%を示し、総額十一兆六千百四十八億円と福祉優先の政策をとっておりますことは、二十一世紀に向かって活力ある福祉社会を形成するものとして適切な措置であります。
 次は、経済協力の問題であります。世界経済の一五%を占める我が国が国際社会で貢献することは、世界の中の日本としての使命であります。その観点から、政府開発援助は外交施策の重要な柱であり、今回世界最大の総額一兆四千億円の事業規模を決定したことは、世界の相互依存関係を深めつつ繁栄に寄与するものとして高く評価できるものであります。
 そのほか、平成二年度予算には公共事業の充実を初め中小企業、農林水産、文教及び科学技術などの重要部門に思い切った予算措置を講じており、評価できるものであります。
 賛成する第三の理由は、国民の声を謙虚に受けとめて消費税の見直しを行っていることであります。
 既に消費税は着実に定着しつつあります。我々は、消費税について国民各層からの指摘や意見を謙虚に受けとめ、真摯に検討して最善の見直し案を国会に提出しております。どうか野党の皆さんは、単に廃止一辺倒ではなく、総選挙にあらわれた民意に十分耳を傾け、現実を踏まえ建設的に対処していただきたい。我々は、消費税は豊かで活力にあふれた日本社会を築いていくために欠くことのできない税制と認識しており、その一層の定着を図る見地からぜひ見直しを行う必要があると考えるものであります。
 最後に、安全保障について申し上げます。
 マルタ会談における冷戦終結宣言に引き続き、さきの米ソ首脳会談において戦略核兵器削減条約の基本合意が決定したことは、軍縮による新しい国際平和の展開の第一歩として歓迎をいたすものであります。問題は、第二次世界大戦以来最大の軍事的変化の時代を迎え、我が国としてこれをどう分析し対処していくのかということであります。私は、我が国を取り巻くアジアの安全保障環境は依然として不確実であると思います。例えば我が国周辺での思い切った軍備削減は行われていないこと、極東ソ連軍が軍備の質的強化を図っていること、及びアジアでは南北朝鮮の対立やカンボジア問題を抱えている事実などを考えれば、我が国周辺が果たして完全に緊張緩和したと言えるのか、極めて疑問のあるところであります。一部に防衛費の凍結を求める声がありますが、こうした不透明さを考えるならば、日本の平和と安全を確保していくには引き続き我が国が日米安保を堅持し、中期防衛力整備計画に従って自衛のため必要最小限の防衛力を整備することは当然のことと思います。
 以上、予算三案に賛成する主な理由を申し述べましたが、現下最大の内政課題は土地問題であります。働いても住宅を持てない夢のない人生では、政治に対する信頼はありません。どうか海部内閣はこの問題解決に勇断を振るっていただきたいことを強く要望いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#79
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、白浜一良君。
#80
○白浜一良君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました政府提出の平成二年度予算三案に対し、反対の討論を行います。
 本委員会の審議を通じて明らかになったことは、政府の国民生活の実態に対する認識と国際情勢に対する判断が極めて誤ったものであるということであります。加えて、海部総理の標榜される対話の重視がどこにも見出せない点であります。私は、政府のこれら基本的な姿勢に強く猛省を求めるとともに、以下反対の理由を申し述べます。
 まずその第一の理由は、消費税の存続を前提として編成されたことであります。
 消費税反対の声は昨年の参院選で明確となり、本院の意思も、昨年十二月消費税廃止法案を可決し、明らかであります。しかるに、政府は消費税の見直し案でこれを糊塗しようとしております。この見直し案では、生産・卸段階における複数税率の導入で事業者の事務の煩雑化や負担増は避けられず、食料品非課税といってもこれが値下がりにつながる保証はありません。さらに、消費者が払った税が正しく国庫に納入されないなどの構造的欠陥は何ら是正されていません。私どもは、まず消費税を廃止し、国民合意の税制改革を強く求めるものであります。
 反対の第二の理由は、生活者優先の政治という課題にこたえていない点であります。
 今日の政治が生産者優先、産業重視となっており、これをいかに生活者優先にするか、さらに地価高騰を契機とする資産格差にどう取り組むかが今政治の果たすべき責務であります。また、国民の租税負担率はこの十年五・三%も上昇しており、現在の赤字公債脱却は実質的な増税によってなされたものであります。しかるに、減税は、元年度当初比で七兆三千四百四十億の年度間自然増収を見込みながら、わずか四・四%の三千二百四十億にしかすぎません。
 加えて、国民総資産が約六千兆円に達し、個人の金融資産だけで八百兆円を上回りながら、家計調査による消費性向は第一分位勤労者世帯において元年一〇六・一%となり、所得の低い世帯は借金せずして生活が成り立たないという実態が明らかであります。
 一方、下水道普及率がイギリス、西ドイツの半分にも及ばないなど、生活関連社会資本整備のおくれは、経済大国と言うには余りにもお粗末な実態であります。政府はだれのための政治を行おうとされているのか、極めて遺憾であります。
 第三の理由は、行財政改革への取り組みが不十分であるということであります。
 地方への権限移譲、規制緩和は遅々として進まず、臨調、行革審の指摘事項ですらその大半が検討中であり、実質たなざらしであります。また、平成二年度末で百六十四兆円の国債残高、膨大な隠れ借金に対し、生活関連予算の縮小、国民負担の増大を強いるのではなく、新たな財政健全化の目標を定め、既得権化した経費にも思い切ったメスを入れるべきであります。
 第四の理由は、防衛費の突出であります。
 世界の軍事費は昨年二%の縮小、ソ連においては本年八・二%の減額であります。先日の米ソ首脳会談、韓ソ首脳会談においても、世界の緊張緩和、軍縮の歩みはより確実なものとなりました。なぜひとり我が国だけが前年度比六・一%増の高い伸びが必要なのか。防衛費は断じて凍結すべきであります。
 最後に、国民合意の政治、税制改革、生活者重視の政策を捌く要求し、反対討論を終わります。(拍手)
#81
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、吉岡吉典君。
#82
○吉岡吉典君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました一九九〇年度予算三案に対して反対討論を行います。
 最初に、リクルート疑惑に対する海部内閣の政治姿勢について述べなければなりません。
 海部総理は、リクルート事件の反省の上に立つ内閣だとか、リクルート事件で国民の皆さんの信を失ったのを取り戻していく内閣としなければならないとか強調してきました。しかし、本委員会で重大問題になった深谷郵政相をめぐる疑惑は何ら解明されず、先ほど委員長見解でも、深谷郵政相及び内閣に猛省を促し、特に深谷郵政相には政治的道義的な責任をとることが強く求められているところです。このような海部内閣の政治姿勢は、政治腐敗の一掃、金権政治打破という今日国民の切実な要求実現に背を向けるものであり、断じて容認できません。
 次に、予算三案の内容について主な反対理由を述べます。
 本予算集は、まず第一に、世界の流れと国民世論に挑戦する大軍拡予算だということであります。
 軍事費に前年度より六・一%増の四兆一千五百九十三億円という巨額を計上し、ODA予算も一般会計八・二%増、事業予算総額五・八%増と異常突出させていることであります。岡際情勢の劇的変化のもと、軍事ブロック解消と軍縮への希望と志向がますます大きくなっている中で、海部内閣はこの流れに逆行して、アメリカの要求にこたえて、大軍拡と米軍肩がわりを推進する予算にしており、絶対許せないのであります。私は、こうした軍拡予算はいよいよ世界の批判を受けるだろうと強く指摘しておきます。
 第二に、消費税定着・推進予算だという点であります。
 政府は、消費税の税収について一兆一千億円の見直しの宣伝をしています。しかし、これは減収額を数倍に水増しし、外税方式の廃止等消費税の重圧を国民の目から覆い隠そうとするものであります。現実には消費税は前年度よりも二兆一千億円以上、四七%余も多く見積もられており、行革審の最終答申からしても近い将来の税率引き上げも必至であり、国民への負担を一席増大させることは明らかであります。消費税はとりわけ高齢者世帯や母子世帯等に大打撃であり、私はこの場でも直ちに廃止するよう強く主張するものであります。
 第三に、空前の大もうけをしている大企業には大盤振る舞いをしながら、国民には高齢者保健福祉推進十カ年戦略などで欺瞞しつつ、多大の犠牲を強いていることであります。
 大企業に対しては、法人税率の引き下げに加え、輸入促進税制の創設、租税特別措置の適用期限延長等により課税ベースをさらに縮小し大幅減税を行っているほか、民活やハイテク技術開発の名による各種補助金等のさまざまな優遇措置をとっております。他方、国民には、消費税の負担に加え、世界に類例のない老人医療差別や生活保護の切り捨て措置には何ら手をつけないばかりか、厚生・国民年金と政管健保の保険料引き上げ、文教施設費の大幅削減、国立大学授業料値上げ等重荷を背負わすものとなっています。
 予算案についてはこのほかにも多くの重大な問題がありますが、以上を申し上げて、私は、日本共産党を代表しての反対討論を終わります。(拍手)
#83
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、池田治君。
#84
○池田治君 私は、連合参議院を代表して、ただいま議題となっております平成二年度予算三案に対して、反対の討論を行うものであります。
 近年、土地を中心とした資産格差の拡大により、一握りの大金持ちが巨額の利益を獲得する一方、大多数の国民の生活は、所得税負担が年々累増するのに加え、高齢化の進展に伴う社会保障負担の増大、消費税の導入と、極めて圧迫されているのであります。とりわけ地価の異常な高騰は、国民のマイホームの夢を奪うとともに家賃の大幅増加にはね返るなどして、国民生活特に勤労者に重くのしかかっているのであります。こうしたときだからこそ、平成二年度予算は国民生活重視、消費者重視の予算でなければならなかったはずであります。しかるに政府予算案は、緊張緩和という国際情勢の大きな変化にもかかわらず防衛費を突出させて防衛費の拡大路線を続ける一方、国民生活に犠牲を強いる内容となっており、断固反対せざるを得ないのであります。
 以下、順次反対の主な理由を申し上げます。
 第一の理由は、本予算案の歳入歳出に消費税が組み込まれていることであります。
 消費税は、低所得層を直撃する逆進性、国民の支払った税金の一部が国庫に入らないという納税免除、簡易課税制度の採用など、多くの疑問と矛盾に満ちたものであることは言うまでもありません。導入後一年間が過ぎて、こうした消費税の欠陥はますます明らかとなっております。現在、政府は消費税見直しの法案を出しておりますが、上辺だけの手直しで消費税の存続を図ろうとしております。欠陥だらけの消費税は、政府の見直し案だけでは到底改善できるものではありません。政府は、消費税を直ちに凍結し、不公平税制の是正を中心とした国民合意の税制改革を直ちに進めるべきであると思います。
 反対の第二の理由は、ニューデタントという大きな国際情勢の変化にもかかわらず、防衛費を大幅に増加させていることであります。
 米ソINF全廃条約合意でその一歩を踏み出したデタントは、ソ連、東欧の民主化、昨年末マルタで開かれた米ソ首脳会談、三日前まで続いたゴルバチョフ・ブッシュ会談という流れの中でますます加速し、今や冷戦の終結、東西の対話と協調の時代に入っていることはだれの目にも明らかなのであります。しかるに、本予算案における防衛関係費は四兆一千五百九十三億円と初めて四兆円台に乗り、前年度当初予算対比で六・一%増と、四年ぶりに六%を超える大幅な増加となっているのであります。急激な国際情勢の変化にもかかわらず、十年一日のごとくソ連脅威論を繰り返して防衛力増強路線をひた走る政府の態度は、我が国を世界から孤立させるものであるのみならず、平和憲法のもと、軍縮を率先して推進しなければならない我が国の責務に反すると思うのでありまして、決して容認することはできません。
 反対の第三の理由は、政府が高齢化社会を展望した適正な国民負担率のあり方について何ら新しい構想を提示されていないことであります。
 我が国の国民負担率は毎年上昇を続け、平成二年度には四〇・四%と早くも四〇%台を上回っているのであります。このままでいけば、臨時行革審の最終答申で示された高齢化のピーク時においても五〇%を下回るとの目標の達成が困難なことは明らかでございます。しかるに政府は、社会保障負担率と租税負担率のあり方や国民負担率の上昇を抑制するための措置など、本格的な高齢化社会に向けての財源構想を何ら提示していないのであります。それゆえ、今後の公正な税制確立の手順も示せず、その責任は重大と言わざるを得ません。政府は、直ちに高齢化社会に向けての展望が聞けるような新構想をつくり、国民の前に提示すべきであると思います。
 最後に、政府・自民党の強引な国会運営により、本予算案の審議が大幅におくれ、三十五年ぶりの暫定補正予算案の提出まで余儀なくされた政府に対し猛省を促すとともに、今後二度とかかることのないよう強く政府に要求して、私の反対討論を終わります。(拍手)
#85
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、足立良平君。
#86
○足立良平君 私は、民社党・スポーツ・国民連合を代表し、ただいま議題となっております平成二年度予算三乗に対して、反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、従来からの硬直的、固定的な予算編成が踏襲され、国民生活向上より各省庁の権益を優先させた欠陥予算となっている点であります。
 我が党は、夢ある二十一世紀を切り開き、生活者がゆとりと潤いを実感できる社会を創造するため、生活先進国型予算を編成するよう強く求めてまいりました。我々はこの観点から、消費税・税制再改正、インフレの防止と内需主導による実質五%の経済成長の確保、住宅環境改善等の社会資本整備、資産格差の是正、文化・教育・スポーツ政策の充実と労働時間の短縮などに資する施策を講じることに重点を置くよう具体的提言を行ってきたにもかかわらず、海部内閣がつくり上げた予算案は、従来からの近視眼的、ずさんきわまりない数字のつじつま合わせにとどまっており、国民の期待を裏切るものと断ぜざるを得ません。
 とりわけ歳出項目の中核をなす公共事業費の配分に至っては、政府・自民党の政策立案能力の低さをさらけ出したお粗末なものとなっていることを強調したいのであります。一般公共事業費の各省配分率はこのところずっと同じであります。これでは、日米構造協議で社会資本整備の着実な推進を図るという我が国の主張も全く説得力を持たないではありませんか。インフレなき内需主導型の経済成長を持続し、対外貿易摩擦を解消するという国際公約を達成するためには、本予算案は余りにもずさんと言わざるを得ないのであります。
 反対の第二の理由は、強行導入され矛盾と欠陥に満ちた消費税の存続が大前提となっている点であります。
 我が党は、昨年野党共同で提案した消費税廃止関連九法案が参議院で可決されていることを重視し、再び消費税廃止三法案と税制再改革基本法案を共同で衆議院に提出しております。これら法案をもとに、我々は消費税を本年九月三十日で廃止し、そのための財源措置を講じることを柱とした予算案組み替えを政府に求めたのであります。これを拒絶し、かたくなに消費税存続に固執する海部内閣の態度は、断じて容認できるものではありません。
 他方、政府は消費税見直し法案を提出していますが、海部総理の公約した大胆な思い切った見直しとはほど遠い、小手先の改革だと断ぜざるを得ません。食料品について生産・流通段階で軽減税率を設け小売段階で非課税とする制度は、帳簿方式のもとにおいては課税品目の仕分け、卸、小売の区分など多くの点で問題を起こすものであります。
 反対の第三の理由は、行財政改革が極めて不十分にとどまっていることであります。
 好景気や税の自然増収を口実として行財政改革を後退させている海部内閣の姿勢を厳しく糾弾したいのであります。
 反対の第四の理由は、我が党を初めとする野党会派が組み替えを強く求めたにもかかわらず、政府・自民党は予算案に指一本触れさせず、いかなる修正をも拒否したことであります。
 我々は、消費税廃止だけでなく、環境などにかかわる歳出項目についても組み替えを要求しております。そのすべての項目に関して一切修正を認めないというやり方は、およそ議会制民主主義を尊重する者にあるまじき態度と言わざるを得ません。
 我々は、政府提出法案に対しても、是であると認めた場合は堂々と賛成しております。野党に責任ばかり押しつけて、そのくせ自分の非は一切認めない最近の政府・自民党の姿勢に厳しく警告を発するとともに、長期暫定予算を編成するなど、与党の無為無策により審議日程が大幅におくれたことに苦言を呈し、私の反対討論を終わります。(拍手)
#87
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で討論通告者の発言はすべて終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 平成二年度一般会計予算、平成二年度特別会計予算、平成二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#88
○委員長(林田悠紀夫君) 少数と認めます。よって、平成二年度総予算三案は賛成少数により否決すべきものと決定いたしました。(拍手)
 なお、審査報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○委員長(林田悠紀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト