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1990/03/29 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 建設委員会 第2号
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1990/03/29 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 建設委員会 第2号

#1
第118回国会 建設委員会 第2号
平成二年三月二十九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     上田耕一郎君     市川 正一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         対馬 孝且君
    理 事
                沓掛 哲男君
                吉川  博君
                小川 仁一君
                山田  勇君
    委 員
                井上 吉夫君
                井上  孝君
                石渡 清元君
                遠藤  要君
                川原新次郎君
                坂野 重信君
                種田  誠君
                西野 康雄君
                野別 隆俊君
                及川 順郎君
                白浜 一良君
                市川 正一君
                新坂 一雄君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 坂本三十次君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  佐藤 守良君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房管理室長    櫻井  溥君
       国土庁長官官房
       長        北村廣太郎君
       国土庁土地局長  藤原 良一君
       国土庁大都市圏
       整備局長     三木 克彦君
       国土庁地方振興
       局長       野沢 達夫君
       建設大臣官房審
       議官
       兼内閣審議官   白兼 保彦君
       建設省都市局長  真嶋 一男君
       建設省河川局長  近藤  徹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
   説明員
       法務省民事局第
       三課長      細川  清君
       文部省体育局体
       育課長      下宮  進君
       文化庁文化財保
       護部記念物課長  大澤 幸夫君
       農林水産省構造
       改善局計画部農
       村整備対策室長  米山  実君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(対馬孝且君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十八日、上田耕一郎君が委員を辞任され、その補欠として市川正一君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(対馬孝且君) 国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。佐藤国土庁長官。
#4
○国務大臣(佐藤守良君) ただいま議題となりました国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 国土調査は、国土の開発、利用等に資するとともに、あわせて地籍の明確化を図るため、国土の実態を科学的かつ総合的に調査することを目的として行われるものであり、その成果は、開発を進め、あるいは、土地利用計画を策定するに当たって必要な基礎となるものであります。
 国土の適正な利用により健康で文化的な生活環境の確保と国土の均衡ある発展、また、総合的な土地対策の推進を図ることが今日の国土行政の主要な課題となっておりますが、これにこたえるためには、その基礎となる国土調査の促進がぜひとも必要であります。
 このような国土調査の重要性にかんがみ、その計画的実施を促進するため、政府は、国土調査促進特別措置法に基づき昭和五十五年度を初年度とする十カ年計画を策定して事業を進めてまいりました。
 この計画は、平成元年度をもって終了することとなっておりますが、なお、今後とも国土調査の計画的実施を促進すべき必要性がありますので、さらに、新たな十カ年計画を策定する必要があると考えられます。
 以上がこの法律案を提出する理由であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、内閣総理大臣が新たに平成二年度を初年度とする国土調査事業十カ年計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないものとすることを内容とするものでございます。
 以上がこの法律案の提出の理由及びその要旨でございます。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#5
○委員長(対馬孝且君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○種田誠君 国土調査の促進特別措置法の一部改正をする法律案について、これまでの経過及び国土調査事業のあり方について質問をさせていただきたいと思います。
 国土調査につきましては、ただいま大臣より趣旨説明がありましたように、第三次十カ年計画がまさに完了しようとするわけであります。この時期におきまして、大臣といたしまして第三次十カ年計画を振り返ってみまして、その問題点、さらにはこれから新たな十カ年計画をつくるに当たって反省すべき点、どのようなところにあるか御説明をいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(佐藤守良君) 種田先生にお答えしますが、実は先生の御指摘のとおりでございまして、地籍調査の結果というのは遺憾ながら満足する状態にございません。特に三大都市圏の進捗率が非常に低くなっております。
 このような地籍調査の進捗が思わしくない理由というのは大きく分けて三つあると思いますが、その一つは、正確かつ厳密な手続及び多大な時間と努力を要する。もう一つは、市町村における実施体制の確保が困難であること。それから近年の財政事情が厳しい状況、特に実はこの地籍調査は公共じゃございませんで、非公共事業ということでございまして、予算的にも厳しい。またそれとともに、やはり土地は権利関係のものでございますが、大変土地の持ち主が厳しい考えを持っておる、こんなこともございまして実はおくれておる状況でございますが、今後においてはこうした問題点等に対処し、計画的に調査事業の推進を図ってまいる所存でございます。
#8
○種田誠君 大臣の方から概括的な問題点が指摘されたわけでありますが、私はこの特別措置法に基づくこれまでの三次にわたる十カ年計画を拝見した場合に非常に疑問に感ずるところがあるわけであります。
 と申すのは、いわゆる計画というのは、その言葉に含められている意味のとおり、達成することによつて初めて意味があるわけであります。ところが特別措置法に基づく十カ年計画は、過去の実績を見てみますと、まさに地籍調査などに関しては第一次については四五%、第二次に関しても四五%、そして第三次には五五%、こういう数字になっているという現状を考えますと、一体ここに言う計画とはどういう意味を持っているんだろうか、計画は達成しなくても別に責任は問われないんだろうか。仮に下水道の五カ年計画が七〇%の達成率であったとしても、担当局長さんの責任問題が起こるとか、そういうのが起こってくるのがまさに計画に対応する達成率だと思うんですね。そういう意味で、国土法に基づく特別措置法の計画というのは一体どのような意味を持っているのか、その点をちょっと伺いたいんですが。
#9
○政府委員(藤原良一君) 国土調査十カ年計画は、国土の総合的な開発及びその利用の高度化に資するために、緊急に国土調査事業を実施する必要があると認められる地域につきまして計画的かつ着実に事業を進めるために策定するものであります。計画の内容は、関係行政機関の長と協議いたしますとともに、土地政策審議会や都道府県の意向も聞き、閣議決定によって決めておるわけでございますから、先生御指摘のとおり非常に緊急もあると、そういう手続を経てつくった計画でりますから、円滑に計画量を達成しないといけないわけでありますが、遺憾ながら、先ほど大臣から答弁申し上げましたように、いろいろ難しい事情もありまして第三次計画も五五%の達成率にとどまる見込みであります。
 ただ、少し言いわけがましくなるわけですが、第一次計画におきましてはちょうど七年目で第二次の全国総合開発計画がスタートする年に当たりましたので、その年と平仄を合わせて新たな装いのもとに二次計画をつくって進めた方がいいんではないかということで、七年で切り上げまして第二次計画に衣がえした。そういうこともありまして四五%という低い達成率にとどまったという事情はあったと思います。第二次につきましてもやはり御指摘のとおり四五%という達成率にとどまったわけでありますが、これも四十年の後半に非常に物価、人件費が高騰いたしまして、そういう関係もありまして非常に進捗が滞ったというふうな事情もございます。三次計画におきましては、制度の改善や実施体制の整備あるいは調査員の資質の向上のための研修の拡充等に努めてまいりましたが、どうも都市部中心に非常に進捗状況が悪かった。それと財政事情も非常に厳しい、後半特に厳しい状況があったというふうな事情も加わったと思います。しかし、いずれにしましても五五%の達成率では私どもとしても非常に遺憾だと思っております。
 我々も努力をさらにしなければならないと思っておりますし、また公共団体の方にも調査の重要性、意義を認識していただいて、この法律案を成立、可決していただきました暁には装いを新たに第四次の計画を策定させていただきまして一生懸命やってまいりたい、そういうふうに考えております。
#10
○種田誠君 国土庁の皆さんが大変な努力をしているということは私も十二分にわかっておりますし、十年前の五十五年における建設委員会での質問のときにも多分今の局長さんと同じような答えがあったのではないだろうかと思うわけであります。私が伺っておりますのはこの特別措置法における計画という意味を伺っているわけでございます。
 先ほどちょっと申し上げましたように、計画というのは達成されることによって初めて評価されるのであって、達成されなかった場合には責任問題が発生するのが計画の一般的な持っている内容だと思うんです。この特別措置法における計画というのは過去にそのような問題が起こっていないわけですね。したがいまして、私は、この特別措置法における計画というのは普通の計画とは違って単なる努力目標にしかすぎないのかなということと、また第四次をつくる上においてもその計画とはやはり努力目標のようなものにすぎないのだろうか、別にそれに予算的にも拘束されることはないんじゃないかな、そういうふうな危惧を抱いているわけでありますが、そのことについてだけ端的にちょっとお答えをいただければありがたいのですが。
#11
○政府委員(藤原良一君) 計画の性格でございますが、類似の計画といたしましては、例えば公共事業関係では道路整備緊急措置法に基づきます計画とかあるいは治水、港湾といった重要な公共事業についてもほぼ同趣旨の計画を策定しておりますが、計画はそれぞれ閣議で決定されておる計画でございます。また、法律に基づいて閣議で決定されておる計画でございますので政府としては責任を持って遂行する努力をしなければならないわけです。また、これらの計画の性格は目標であり指針であるとは思いますけれども、事柄の重要性からしますとやはりその計画を達成するという政府の責任は重いというふうに考えております。
#12
○種田誠君 責任が重いということを今おっしゃったわけでありますが、先ほどちょっと申し上げましたように、いわゆる五五%とか四五%の達成だということが当たり前のようにまかり通っている状態であっては、責任のとり方というのがはっきりと外部に見えるような形でしなきゃならない状況にもあるんじゃないかなと思うんです。その辺のところが私は何か努力目標にすぎないんじゃないかなという危惧を持っておりますので、そういうことがないように四次にはしていただきたいと思います。
 この達成率が悪いという理由について先ほど大臣の方からもお答えがあったわけでありますが、その大臣のお答えの中で従来の遅い理由と異なった理由として三大都市圏における問題点が指摘されたわけであります。それ以外の問題についてはほとんどが市町村の認識不足であるとか、それから土地所有者の協力が得られないとか、事業費の単価が予算との関係でなかなかうまくいっていないとか、さらには職員不足ということが指摘されて、これはもう長いわけでありますね。その問題についてはそれじゃ現実的にどのように改善してきたのかということを伺いたいのと、今述べられたような遅い理由はもう既にだれもわかっていることであって、どうやったらそれが改善できるかということが最大の課題であったのではないだろうかと思うわけであります。そういう意味でこの十カ年を振り返ってみて、遅い理由に対して取り組んできた改善について簡単で結構なんですがお答えをいただきたいと思います。
#13
○政府委員(藤原良一君) 御指摘のとおり、おくれた理由というのは市町村あるいは住民のこの調査に対する認識不足とか手間暇がかかるとか予算面で厳しかったとか、いろいろございます。それに対しまして私どもとしましても、公共団体、住民の方に対する啓蒙としましてはいろいろな資料等をつくって配付するとともに、職員に対しましては研修会、講習会を年に数回も開きましてそのPRに努めておるわけでございます。
 公共団体側で一番問題なのはやはり専門の職員を養成、確保することが非常に重要なわけでございます。この調査は測量に関する技術とかあるいは不動産登記に関する技術、さらには一筆地調査に至りましては関係者の方に立ち会っていただいてそれぞれ確認していただきながら調査を進めるわけですから、地域住民の方にも信頼していただけるような職員の養成というのが大変重要でございますので、その辺につきましてはそういう方を念頭に置いた講習会、研修会を特に重点的に開いてきておるわけでございます。また都市部の調査につきましては、都市部の調査促進のための検討会というのを年に数回開いてきております。そういう中で都市部の地籍調査事業をこれから促進する際にはどういう問題点があるのかいろいろ検討いたしまして、そういう意見等を踏まえて、今後第四次におきましては都市部地籍調査促進事業という新しい事業制度も考えながら今後の都市部における調査に当たっていこうというふうに考えております。
 また予算につきましても、これは非常に厳しい折でございましたけれども、財政当局にもいろいろ御協力いただきながら目減りを極力少なくするような努力をしつつ予算を確保してきたというふうな実情でございます。
#14
○種田誠君 今局長のお答えを伺っておりまして、昭和五十五年三月五日の衆議院の建設委員会で行われた当時の山岡局長さんのお答えと今の局長さんのお答えが約八割ぐらいは重なっているお答えであったということに関して極めて残念に思うと同時に、それだけ難しいのかな、そうも思ったわけであります。ただ、一つ今新しく入ったのが都市部における促進に関する施策を検討したい、こういうふうなことをおっしゃられたことに関しては努力の成果が一つ一つ出ておるとは思うわけであります。
 今局長は市町村の認識不足がまだたくさんあるのでPRをしなけりゃいけないというようなことをおっしゃいましたが、私が過日市町村などのお話を伺ってまいったところ、むしろ市町村においては最近は特に地籍調査に関して積極的に取り組みたい、こういうふうな声が今出ておるわけです。そしてある県におきましては、これから一年間の予定で九十七平方キロぐらいの地籍調査をしたいというふうなことを今考えている、しかしながら多分国土庁に最終的に一〇%ぐらいは削られてしまうのじゃないか、そうすると実際できるのは八十八平方キロぐらいしかできないと思うんですよ、こういうふうな回答などもいただいておるんです。そうしますと逆に今日においては、PRももちろんさらに進めていただくと同時に、むしろ市町村から上がってくる要望に果たして国土庁は予算的にも人的にも対応できるだけのものを全体の予算の中で確保しているのだろうか、こういうところにそろそろ行きついてしまうのじゃないだろうか、そのようにも思うわけであります。
 それからさらに、先ほど単価と予算の問題についてもお答えがありましたが、参議院の調査室の方で調べられた資料をちょっと拝見いたしますと、平均で一平方キロメートル四百八十五万ほどかかるということでありますが、私の地元であります茨城の方におきましては一平方キロメートル、数値法によりますと一千万ほどかかる、そして平板法では七百十二万ほどかかるんだと。こうなってきますと、もちろんその地域の特殊性によって大変なばらつきが出てくることは予測できるんですが、四百八十五万というのは一体どのような地域のことを考えてそういった金額に該当するのかということと、果たして単価について平均四百八十五万円というのは妥当なのかどうかということについてちょっとお伺いしたいと思います。その二点をお願いいたします。
#15
○政府委員(藤原良一君) 地籍調査に熱意を持っておる市町村、県がふえておるということは先生御指摘のとおりでございまして、遅々として進まない中でも七百を超える市町村で地籍調査を完了しておりますし、現在調査に当たっていただいている市町村の数でも九百四十数市町村に及んでおります。したがいまして三千幾つかある市町村のうち二千を超える市町村でもうこの地籍調査に関係していただいているわけです。そういう意味からいいまして市町村の方でも随分この調査の重要性について認識を深めてきていただいていると思っております。それと、近年やはり測量機器等の進歩とか測量技術の進歩に伴いまして相当測量の手間暇も省け合理化されております。それともう一つは、測量の結果が情報処理技術の進歩といいますかコンピューターによって管理できるようになっておりますので、それだけ利活用もふえてきておる。そういう中でやはり公共団体もやる気をますます起こしてきてくださっているのではないか、そういうふうに思っております。
 また、そういう熱意が強くなっておる中でそういう要望に十分こたえられていないんじゃないか、特に予算面ではどうかという御指摘でございますが、確かに単価が全国平均でいきますと現在四百九十二万円余になっております。しかしこの単価も三次計画発足の五十五年の単価と比べますと、これは三百万円でございましたから相当の伸びを示しております。この単価も、公共事業を行っております建設、運輸、農水といったところの三省単価というのがございますが、それと大体バランスをとりながらセットしておるわけです。
 ただ、これを地域別に見ますとやはり地域によって相当必要単価が異なります。例えば人口集中地区のような都市部では非常に高くかかりまして、私どもも予算積算単価としましてはDID、人口集中地域のようなところでは一平方キロメートル当たり単価を二千四百七十万円と考えておるんです。また人口集中地区以外の平場では一千百万、農業地域では平均五百万、さらに林地等では二百六十万というふうに落ちるわけですけれども、そういうふうな地域ごとの単価を想定しながらやっておりますので、十分でない面は確かにあると思いますが、単価面ではやはり実際に必要な単価をそう割り込まないような努力を今後もしていかなければならないというふうに考えております。
#16
○種田誠君 問題はそういたしますと全体の予算だと思うんです、予算枠だと思うんです。
 これまでの十カ年間の予算の流れをちょっと見てみますと極めて残念だなと思うわけです。昭和五十七年が過去十年間では一番ピークになっておりまして、ゼロシーリングが始まった五十八年からはこれだけ叫ばれていながら残念ながら予算は年々総額で減ってまいりまして、平成元年度は六十三年度よりは若干伸びましたけれども八十億ぐらいに下がってしまっているわけです。このことについては、ゼロシーリングということが行われていることはよくわかるわけでありますが、なぜそういう中で予算が急がれるにもかかわらずこのような経過を経てしまったのか。それについてはどのような反省点を持っておりますでしょうか。
#17
○政府委員(藤原良一君) 予算につきましては本当に御指摘のとおりでありまして、五十五年の第三次五カ年計画発足の年は国土調査費としましては八十八億円余だったわけでありますが、その後も伸びまして五十七年度には九十九億三千万円余ということでいま一歩で百億のオーダーに達するというふうなところまで参りましたが、その後厳しい情勢がございまして逐年減少いたしまして、平成元年には八十一億六千二百万という規模になっております。
 これは、先生も御承知のそのシーリングの中でやむを得ず減少していったということでありますが、この国土調査は行政部費でありますので、ゼロシーリングより厳しいマイナスシーリングでございましたので、そういう中で落ちていったわけです。しかし全体を見ますと行政部費の中では相当頑張ってこれでも予算をつけていただいたというふうな格好であります。決して私どもは満足しているわけじゃないんです、非常に不本意でありますが、全般的に見ますとそういうふうな状況になっております。
#18
○種田誠君 これから地籍調査なり土地調査等が新しい日本の国土づくりのためにはぜひとも欠かせないものなんだということで予算の大幅な確保をお願いしていきたいと思います。
 過去の十カ年を見たときに統計上だれしもおかしいなと数字的に思うところがあるんです。それは大阪とか滋賀県とか愛知県とか福井県というのを見た場合達成率が一%とか二%となっているわけですね。これも先ほど来言われた幾つかの理由によってこのような結果が起こっているということはわかるわけでありますが、しかしながらそれにしても一%ないし二%の達成率であったということになりますと、今まで国土庁が一生懸命やってきた行政指導なり人的な体制づくりの問題なり、また予算の確保の問題なり、そういうものも何かむなしくなってしまうわけです。私はこの大阪や滋賀や愛知や福井に特別な何らかの理由があるのではないだろうかと思うわけでありますが、その辺のところをはっきり述べていただければありがたいんですが。
#19
○政府委員(藤原良一君) 確かに地籍調査の進捗状況には地域、県によりまして相当ばらつきがございまして、総じて申し上げますと北海道、東北それに四国、九州が比較的進んでおります。それに対しまして三大都市圏、特に関東、近畿あたり、それに名古屋もそうでございますが非常に低くて、中でも、あえて県名を申し上げさせていただきますが福井、愛知、滋賀、大阪といったところが極めて低い状況でございます。ただ、その中でも福井とか滋賀県あたりではかなりこの調査に認識を深めてくださる市町村もふえてまいりまして、着手しつつある市町村数は着実にふえております。
 これらの地域あるいは県で非常におくれておる理由でございますけれども、いろいろな理由があろうかと思います。比較的人口集中地域が多くて、一筆地の調査、これは一筆ごとの境界確認の調査でございますが、それが困難だというふうな土地柄とか、あるいは土地改良事業等による土地の所在図あるいは戦災復興図等が一応登記所に備えつけられております関係で地域的にはこれらの図面で一応利用にたえる、そういうふうな地域も多いように思われます。それと、大都市部が多いわけですから、当面の行政需要の急増に対応すべくどうも地籍調査の方が優先度が後回しにされた、そういうふうな感がしないでもないんです。
 ただ、これらの府県におきましても、土地改良事業とかあるいは近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律に基づきます工業団地造成事業、そういった事業に関連して確定測量等が行われておりますが、これらの測量成果を国土調査法第十九条五項指定をいたしまして国土調査と同じような結果を得ることができることになっておりますが、これらの十九条五項指定の実績は比較的おくれておる地域では高い、そういうふうな関係もございます。
 十分な答弁になっていないかと思いますが……。
#20
○種田誠君 この点について十年前の答弁と同じならば困ったなと思ったんですが、今新たに大阪とか滋賀などにおいて一応の図面がある、いわゆる明治時代のあの地租改正の図面ではなくて、その後の戦災復興の図面だとかそれから土地改良に基づく図面だとか、また圃場整備に基づく図面だとか、そういうのがあるので一応のんびりしているんだろうと、私もそうだと思うんです。
 そこで、先ほどちょっと十九条五項という話が出まして、私はこの十九条五項をもっともっとなぜ活用しなかったのかなと今でも思っているわけでありますが、ここ十年ぐらい少しずつ十九条五項を活用しようという動きがあることに関してはすばらしいと思うんです。それで問題は、そうであるならば、大阪、滋賀、愛知、福井、達成率少なくてもいいでしょう、彼らの自治体の問題ですから。しかしながら、それにかわる十九条五項で賄われるであろうと思われるような面積は大体どのくらいあるのか、そういうことは把握しておりますでしょうか。今までの愛知、大阪、滋賀、福井周辺のことを中心にしてこれまで十九条五項を適用したもの、またこれから適用する余地のあるもの。
#21
○政府委員(藤原良一君) 全実績でございますが、地籍調査後進地域という言葉が適当かどうかあれですが、我々地籍調査後進地域と言っておりますが、例えば大阪では全調査対象面積に対しまして実績は〇・七%でございますが、そのうち十九条五項関係は四分の一ぐらいです。全実績十二平方キロぐらいしか進んでおりませんが、三平方キロとか、あるいは滋賀県では少し多いんですが、三十六平方キロメートル、三重県で三十二とか愛知県で百八十八平方キロ、福井で百二十七平方キロと、そういった実績がございます。
#22
○種田誠君 そうしますと十九条五項をこれからもできる限り活用するようにその点お願いしたいと思うんですが、質問を次に移らきせていただきます。
 最近、先ほど大臣のお答えにもありましたように、地籍調査の成果をコンピューターに入力して多目的に利用できるようにしていきたいと、このような試みがもうなされておるというふうに伺ったわけであります。そこで私若干危惧するのは、いわゆる測量のやり方において御存じのように平板法と最近におきましては数値法と二つの測量の中で数値法が最近は多く使われているわけでありますが、数値法による測量であればこれはもともとコンピューターに入力することもあらかじめ予定して測量しているような状態でもありますから入力は容易に簡単であると思うわけでありますが、問題は昭和二十九年ごろから昭和五十年ごろまでに行った平板測量に基づく地籍図、そういうものを果たしてコンピューターに入力することが可能なのかどうか、その点についてまず伺いたいと思います。
#23
○政府委員(藤原良一君) 近年では数値法を中心に測量を進めておりまして、これはトランシットと光波側距儀を用いまして各悉皆点の位置を平面直角座標系に基づく座標値にあらわしましてコンピューター入力するということであります。一方平板法の方は、平板上の図形として描くものですから御心配のような点はあるわけですが、ただ、この一筆ごとの各悉皆点を座標として読み取る座標読み取り機というのがあるんだそうです。ディジタイザーというのですが、この座標読み取り機によりまして座標値としてコンピューターに入力できるようなシステムもできてございますので、平板による結果につきましてもその点は心配ないようになってございます。
#24
○種田誠君 心配がなければ結構なんですが、万が一入力が不可能であるということになりますと、昭和二十九年から五十年代までやってきたものが全部これからやり直さなきゃならないということになると大変なお金をもう一度使わざるを得ないわけでありますね。その辺のところをもう少し詳しく聞きたいんですが、ディジタイザーという機械によって、平板によってつくられた十七条図面ですね、これを読み取って入れるということでありますが、現実にこれを行っている市町村はありますか。
#25
○政府委員(藤原良一君) 国土庁の方といたしましても、この地籍調査結果をコンピューターに入力いたしましてそれで広く利活用を促進するというふうな観点から、六十年からだったと思いますが地籍調査管理事業という事業を設けまして助成を行っております。この平板等を現実にコンピューターに入力して管理事業を行っております市町村は相当数、今ちょっと手元に資料がないのですが、八十ぐらいの市町村でそういうふうなことをやっております。かなりふえつつございます。
#26
○種田誠君 それはそうしますと、コンピューター入力を数値法に基づいた成果を入力するのはわかるんですけれども、私が伺っておるのは、平板法でやった十七条図面などに基づいてそれをディジタイザーして現実に入力している場所はあるかということなんです。
#27
○政府委員(藤原良一君) 先ほど申しましたのは、平板測量結果をそういうふうな座標読み取り機で読み取りましてコンピューターに入力して活用しているという市町村の数でございまして、数値情報化をしておる市町村はもっと多いわけです。
#28
○種田誠君 先ほど事業管理費と言いましたか、事業管理部門を設けてそこが行っておると、こう述べられたと思うんですが、事業管理というのはそういう部門を設けるとすれば新たに費用などもかかると思うんですが、そういうものは一体どこから捻出しているんでしょうか。
#29
○政府委員(藤原良一君) 地籍調査管理事業と称しております。それで実施主体は市町村と都道府県でございますが、費用の方は対象市町村に対しまして総額で五千百万円の補助金を交付しております。負担区分は市町村への場合は、国が二分の一、都道府県が四分の一、市町村が四分の一、そういった負担区分でございます。
#30
○種田誠君 まさにこれからの測量の成果はコンピューターに入力されて管理されていくことによって初めて多目的利用が可能になるわけでありますから、今日においてこの管理というのは極めて重要な位置づけを与えられていかなきゃならない、そういう部門だと思うんです。ところが、私が今まで参議院の建設委員会の調査室などからもらった資料にしても、それからその他目に触れた資料にしても、このディジタイザーを使って入力する管理事業関係の予算、それから実際の費用の支払われ方、そういうことについてはちょっと不明なわけであります。今答弁いただいてその内訳などもわかったわけなのでありますが、この辺のことは国会の方への報告というのはなされておるんでしょうか。
#31
○政府委員(藤原良一君) これは予算を要求させていただきまして予算を確保しながらやらせていただいておるわけでございます。補助制度もそういうふうな予算措置の中でやらせていただいておりますので、予算関係の報告書の中に入れさせていただいておるはずでございます。
#32
○種田誠君 そうしますと、今までの例えば第三次国土調査計画の中の費用などを見た場合に、今言った管理事業にかかわる費用というのはいわゆる地籍調査の費用の中に含まれておるんでしょうか。
#33
○政府委員(藤原良一君) 御指摘のとおりでございます。地籍調査の中に含まれております。
#34
○種田誠君 そうしますと、私先ほど指摘いたしましたように、管理部門の位置づけが極めてこれから重要視されるとするならば、いわゆる現地を調査する地籍測量という分野の中にこの費用を入れるのではなくて、独立の部門としてこれからしっかりとした予測のもとに予算を立てて確保していく必要があろうかと思うんですが、いかがなものでしょうか。
#35
○政府委員(藤原良一君) 諸外国の地籍調査先進国、これはヨーロッパの方はイギリス、フランス、西ドイツ初め各国が非常に進んでおりまして、そういう国ではもう今や管理中心の体制に入っております。それで調査結果の管理あるいは補正といったものが非常に重要になっておるわけです。我が国も、まだ全体三五%の進捗とは申しましても、二十七年からやらせていただいているわけですから相当蓄積が出てきているわけです。そういう中で、御指摘のように、管理しながらそれを適正に補正し有効に活用するということは非常に大切だと思っております。そういう意味で予算上ももう少し明確に区分し、その辺に重点を置きながら今後対応すべきだという御指摘、ごもっともと思いますので、検討させていただきたいと考えております。
#36
○種田誠君 このコンピューターへの入力について私も、先ほど市町村で八十カ所ぐらいあると言いますので、さらに調査をしてみたいと思うんです。というのは、ある市町村では、平板法による平面図はコンピューターに対しての入力が不可能である、こう言い切っている市町村もあるものですから、きょうの答弁との兼ね合いにおいて、今後ある程度の私も調査をさしていただいた上でさらに御質問などをお願いしていきたいと思います。
 さらに、今局長述べられましたようにまさに管理部門が重要視されるということは、逆に管理部門がしっかりして多目的利用が可能になれば、今まさに国土の開発とか土地の多角的利用とか、そしてまた土地に関する利用権の整備とか、そういうことが今真剣に考えられているこの時代でありますから、市町村に対して、あなたのところでそれだけの実績を上げなければこの多目的利用が可能な資料は使えませんよ、こういうふうな形で市町村に対する一つのプレッシャーというか、頑張りなさいよ、そういうふうなことが言えるとも思うんですよ。ですから、そういう意味でも管理部門はこれからしっかりやっていっていただきたいと思うんですが、よろしくお願いしたいと思います。
 そして、今少し述べたんですが、未着手の市町村がたくさんあると思うんです。この未着手の市町村に対して通り一遍のPRをするとか、人的な体制がないからそれを何とか指導したいとか、そういうことじゃなくて、この未着手市町村に対する新たな対策というのは何か考えていることがございますか。
#37
○政府委員(藤原良一君) 未着手の市町村に対しましては、特に都市部の市町村には都市部地籍調査促進検討会とかあるいは国土調査成果利活用先進システム検討会という研修会のようなものを開きまして、そこで啓蒙に努めているわけですが、この中に先進市町村の町村長さんに来ていただきまして、いかにシステム化された情報が行政を進める上において便利かというふうなことを実際コンピューター操作等をしながらPRしていただいたりしているんです。そういうことでいろいろ今後もそういう努力を深めていきたいと思っております。
 なお、新たにこれから取り組む問題といたしましては、冒頭も申しましたように、市町村の人材育成が一つのかぎでございますので、新たに地籍調査専門技術者養成対策事業、そういうふうな事業を展開していきたいと思っておるわけです。これは例えば、かつて地籍調査を経験された方で既に退職されておるような方、まだお元気だ、そういう方にはもう一度再研修をいたしまして、そういう方を登録しておきまして、新たに地籍調査に取りかかりたいというふうな市町村に対しましてはそういう人にも派遣して手伝っていただく、そういうふうなことも考えたいと思っておるわけです。また、都市部では確かに農村部と違いまして地籍調査に伴ういろいろな難しい事情がございます。非常に土地が細分化されておりますし権利関係もふくそうしております。また権利の移転も頻繁でありまして所在不明の人も多い。そういうことでございますので、都市部については都市部地籍調査促進事業というのを新たに考えたいと思っております。
 この調査では、一挙に一筆ごとの調査に取りかかるのではなく段階的に進めていったらどうか。例えばまず概況調査をやりまして、公図等と現況がどういうふうな乖離状況になっておるかとか、あるいはその地域の地図、地籍関係のデータがどこまで整備されているのか、そういう概況をまず把握しまして、地籍調査の難易度あるいは地籍調査の必要度、その辺をあらかじめ判定いたしまして、調査の優先順位を立てて円滑に事業を進めるような工夫もしていきたい。そういう中でとりあえず街区で囲まれたブロック単位で調査をやっていけば、あとはその中につきましては再開発事業等で十九条五項等も活用しながらやっていただけるとか、あるいは民間の売買等の過程で民間みずからが測量し、場合によっては十九条五項を指定していただけるとか、そういうふうな外部の方の力も活用する、活用しやすいような基盤を整備する、そういうふうな工夫もやっていきたいと思います。そのためにはやはり基準地点を濃密に設置しないといけないわけです。そういう意味で、高密度基準点設置ということもこの中でやらせていただきたいと思っております。そういうことでいろいろ工夫を凝らしながら進めてまいりたいと考えております。
#38
○種田誠君 今局長の前向きの新しい企画に対する答弁に関して私もぜひとも頑張っていただきたいと思うわけであります。
 先ほど専門調査員みたいな方を養成していくと。結構なことだと思うんですけれども、この地籍調査がどうしても市町村においてはかどらない理由の一つには、この地籍調査に関する事業費が例えば八十億ということが予定されても、実際そこで管理監督をしていく専門職員というのは市の職員であったり町、村の職員であるわけですね。
今回も多分予定されておるのは、専門職員としての研修を受けた方についてもその費用は事業費じゃなくて市町村負担ということになるんじゃないだろうかと思うわけでありますが、そうであるとやっぱり市町村の取り組みは金もかかる、人もかかるということになってくるとどうしてもおくれがちになってしまう。この辺について、国土庁の方でせっかく専門員として養成をしてそれを市町村に派遣させるような体制をつくっていくというならば、ある程度事業費以外にこの辺に関する人件費のフォローというのはできないものだろうかと思うわけでありますが、その点はどうでしょうか。
#39
○政府委員(藤原良一君) 地籍調査の費用に対する補助の範囲でございますが、先生御指摘のようにこの地籍調査は相当長期間を要します。これまで終わりました市町村の平均を見ましても十二年近く平均かかっておるわけです。そういうことですが、しかししょせん一定期間で終わることが予定される事業でありますので、恒常的な職員の人件費までこれで見るということはできないということであります。地財法等の考え方ではそういうことになっておるようですが、しかし調査は職員みずからが当たる部分は、先ほども少し触れました一筆地調査と称しまして一筆ごとの境界等を確認する作業が中心であります。そのほかに調査全体の企画等がございますが、それ以外の調査は主として測量でありますので、これは外注に依存しておる部分が多いわけです。外注の中でそういうふうな専門技術者の応援をやっていくようなシステムができれば僕は一番いいというふうに考えております。
 なお、市町村職員が直接当たる部分につきましても、一部現地立ち会い等の経費につきましては調査費の中に含めてよろしいというふうな措置を数年前から講じております。
 以上でございます。
#40
○種田誠君 この未着手市町村のうちの都市部については先ほど局長が述べられたような視点に立って進めていただきたいと同時に、平成元年の七月四日に国土調査問題懇談会で報告書をまとめていただいた。この報告書の中身を拝見いたしますと、都市部の国土調査の推進に関してのいろいろな手だてが検討されておるようであります。第四次の場合にぜひともこの報告書などを参考に積極的な取り組みをしていただきたいと思います。
 そこで、先ほども話が出たんですが、都市部についても十九条五項などを活用していきたい、こういうふうなことでありますが、その十九条五項についてちょっと詳しく説明をお願いしたいわけであります。十九条五項を見ますと、「国土調査以外の測量及び調査を行った者が」、こう記載されているわけでありますが、この十九条五項でいうところの「国土調査以外の測量及び調査」というのはどういうものが該当するのか答えていただきたい。
#41
○政府委員(藤原良一君) この対象事業の典型的なものといたしましては、土地改良事業とか土地区画整理事業、あるいは法律に基づく流通市街地整備事業とか工業団地造成事業、そういったものがございます。
#42
○種田誠君 これまで十九条五項を用いて指定をしてきたという実績というのに対する調査はありますか。
#43
○政府委員(藤原良一君) この十九条五項の指定は、昭和五十二年度から国土庁によりまして、こういった国土調査以外の測量及び調査の成果が国土調査と同等以上の精度、正確さを有する、そういったケースの場合には調査を行った方の申請に基づいて指定ができるということになっておるわけでございます。五十二年から国土庁でこういった十九条五項指定を促進するための基準点設置を行うようにいたしましたので、そのころからこの指定がふえてきておりますが、今年度末までに実績合計は約四千八百平方キロメートルとなっております。
#44
○種田誠君 今述べられました四千八百平方キロメートル、この指定面積のおおよその事業の分類、これはどういうふうになっているか、それはわかりますでしょうか。
#45
○政府委員(藤原良一君) 実績は、土地改良事業が群を抜いておりまして約四千平方キロメートルでございます。沖縄関係、沖縄のいわゆる明確化法に基づく実績が百三十平方キロメートル余でございます。それと流通団地とか近畿圏の法律に基づく工業団地関係が合計十四平方キロメートル、その他区画整理事業等が五十四平方キロメートルでございます。
#46
○種田誠君 そうしますと圧倒的に土地改良関係の事業に基づく指定が多いということだと思うんですが、今局長が述べられた中にも幾つか入っておったんですが、その他の事業でもまだまだ十九条五項を活用し得る余地というのはたくさんあると思うんですよ。この辺について今日まで達成ができなかったというのはどういうところに理由がありますでしょうか。
#47
○政府委員(藤原良一君) 御指摘のとおり確かに土地区画整理事業といった面的整備事業というのは相当行われております。また再開発事業もございます。そういった事業については私どもとしましてもできるだけ十九条五項を指定していただくように関係省にお願いしておるわけです。ただ遺憾ながらまだ思うほどの実績が上がっていない。それは一つには、それぞれの事業というのは事業目的を持ってできるだけ早く進めたい、その際にこの国土調査の指定を受ける、受けるためにはやはりそれだけ時間をロスしちゃうんじゃないか、そういうふうな懸念をお持ちなんじゃないかと思います。しかし、私どもとしましてはできるだけそういうことのないように基準点をできるだけタイムリーに設置するようにこれから努めていきたいと考えております。
#48
○種田誠君 これから高密度基準点を設けることによって一層十九条五項の活用をしていただきたいと思うわけであります。
 もう一つ、この十九条五項をこれから普及させる上で私はこの対象事業を見直してみる必要があるのではないだろうかと思うわけであります。と申すのも、例えば各都道府県で県や府の住宅供給公社などが大規模な住宅を分譲する、そしてそれが整備されまして登記所の方には測量図面が上げられて新しい登記簿もできておる。県や府の住宅供給公社がつくられた成果などに対して十九条五項を基準点を入れることによって適用するということは考えられますでしょうか。
#49
○政府委員(藤原良一君) 私も全く同感でございまして、例えば開発許可を受けて行われる大きな事業手法としては区画整理事業とかいろいろあるかもしれませんが、そういったものとか、あるいは公的団体がそういう面的な開発事業を行われる際にはまず国土調査の指定を受けるべくやっていただく、これは非常に我々望むところであります。そういうことですので我々といたしましてももっと積極的に関係方面に今後お願いするよう努めたいと思っております。
#50
○種田誠君 今局長は私が述べたことに関しては積極的に取り組んでいきたいと決意のほどを述べられたんですが、実際は残念ながら国土庁の方にも若干問題があるんじゃないかなと思うんです。ということは、自分たちの測量こそが日本で一番正しい測量であって、その他の機関が行った測量というのは不確かな要素が入っておるんだ、したがってそこにおける縄張りみたいなものがあってどうしても今までそこがスムーズにいかなかった、そういうこともあるんじゃないだろうかと思うわけなんですが、その辺どうでしょうか。
#51
○政府委員(藤原良一君) 私どもの方にも反省すべき点はあるかもしれません。確かに極力そういう縄張り根性のようなものは持たないように職員一同、とにかくオープンに皆さんの力をかりないとなかなか実績も上がらない調査でございますので、公共団体関係あるいは公的機関はもとより広く民間の事業者の方あるいは土地所有者の方に積極的な御協力をいただく、そういう気持ちでおりますので、私どもの働きかけが弱かったという面はあろうかと思いますが、そういう点を反省しながら今後さらに努力したいと思っております。
#52
○種田誠君 ぜひそうしていただきたいわけであります。特にこれから第四次計画をつくる上で、県や市などの地方公共団体の開発事業などばかりでなくて、率直に言って民間の開発であっても今測量はほとんど数値法に基づいて行っておるわけであって、その正確さというのはいわゆる公的な機関が行ったもの、民間機関が行ったものにおいてもその正確さは変わらない実情にもうなっていると思うんです。ですからこの十九条五項、もう少し新しい基準を設けて、どのような事業にこれから適用していくか、その辺も踏まえて今後の計画を立てていただきたいと思うんです。ですから今までのものに甘んじないで新しい視点でこれを進めていただきたい、このようにお願いをしたいと思います。
 次に、都市部の地籍調査に関する先ほど局長の決意があったわけでありますが、先ほど述べられた新たな試みを第四次の計画の中においてより具体的に取り入れていくための検討はなさっておるでしょうか。
#53
○政府委員(藤原良一君) 法律をお認めいただきました後早急に計画策定にかかりたいと思います。そのための準備作業はいろいろ行っておりまして、例えば四次計画の考え方といたしましては、できるだけ早くこの調査全体を完了したいというのが我々の強い願望であります。そうは申しましても、まだ三五%の進捗にとどまっておるわけですから、見方によりましてはこれまでのペースで残事業を計算すれば百年もかかるんじゃないかという厳しい御指摘を受ける場合もあるわけです。しかし、私どもとしましては、いろいろな事情を考えましても遅くとも三十年で全部完了したい、そういう気持ちで計画を考えたいと思っております。
 具体的に申し上げますと、まず人口集中地区以外の平地につきましては現在既に六割が完了しております。これは主として農業地域でございます。この地域につきましては第四次十カ年でほぼ完了させたいと考えております。それと、人口集中地域につきましてはまだ一〇%余りの実績しかございませんが、今後都市部地籍調査促進事業も導入しまして三十年間で完了させたいと考えております。また、林地につきましては現在二五%の進捗でございますが、林地につきましても平地に隣接するようなところあるいはリゾートその他開発等も予定されておるようなところを中心にいたしまして鋭意進めていきたいと思っております。特に林地につきましては、過疎化の進展とかあるいは人口の高齢化に伴いましてなかなか境界確認がしづらくなる、遅くなればなるほど困難になるという地域もございますので、そういうところに優先順位を置きながら三十年で終わらせたい、そういうふうに考えております。
#54
○種田誠君 ぜひ今述べられたようなことが確実に実現できるように配慮をしていただきたいと思います。
 先ほど局長の方から、都市部の地籍について高密度基準点をできる限り多く設置していきたい、こういうようなお答えがありました。これは大いに結構なことであって、さらにこれは都市部ばかりじゃなくて、先ほど私が質問した十九条五項のこれからの実績を上げるためにもまず基準点の設置というのを計画の中で少し早目に行えるように、第三次まででは基準点の設置の件数並びに達成率がちょっと悪いわけでありますが、四次では少しそこを早目に入れて、その上で十九条五項なども都市部の新たな促進事業ができるような対策を練ったらよろしいかと思うんですが、ぜひそうしていただきたいと思います。
 それから、これは実は十年前にも指摘されていることでありますが、ますます今必要性が高まってきていると思うんですが、いわゆる沿岸域ですね、ウオーターフロントとよく言われているようであります。海面下の土地の分類調査、さらには面積も含めた地籍調査、そういうことに関してはこれからの四次計画の中では取り入れられるような方向にあるんでしょうか、それともやはり十年前と同じように前向きに検討していきたいということでしょうか。
#55
○政府委員(藤原良一君) 沿岸域につきましては、確かに国土の開発、高度利用を図るという観点からしましてますます重要性が増しておる地域だと思っております。ただ、現在までのところ、沿岸域の地形あるいは底質等につきましては海上保安庁とか国土地理院などにおきまして若干調査した実績があるにとどまっておるわけでございます。私どもとしましても、現行の土地分類調査との関連で沿岸域の情報が得られるよう今後これらの関係省庁との連絡も強化しながらできるだけ情報をふやしていきたいと考えておりますが、まだそういう段階でございます。
#56
○種田誠君 このウォーターフロント計画については従来から課題となっておるわけでありますので、ぜひとも第四次の中においては他の省庁との調整をとりながら実績をつくっていただきたいと思うわけであります。
 それから次に、市町村との関係で法務省の方にちょっと伺いたいんですが、私の調査によりますと、認証を受けられた成果が法務省の方に送付される、その時点で市町村の役割は終わるそうでありますが、現実の運用としては、法務省備えつけの公図や登記簿に対する記載業務がどうも市町村の人と費用のもとに行われているというふうに伺っておるんですが、いかがなものでしょうか。
#57
○説明員(細川清君) お答え申し上げます。
 国土調査の成果として地籍簿が登記所に送付された場合、登記所はそれに応じて例えば地籍の変更あるいは地目の変更等の登記をするわけでございますが、これは一定の面積について一括して地籍簿が送付される関係上、一時に多数の登記事務が発生するわけでございます。そういうことで、事務処理の遅滞を避けるために、関係市町村の御理解を得て市町村の職員を派遣していただいて応援をしていただくというようなことがあるわけでございます。
#58
○種田誠君 そういたしますと、本来送付後の事務は法務省の責任のもとにすべて実行すべきものだと思われるんですが、どうも不自然な形で現実の実務がなされているようにも思うわけなんです。市町村においても地籍調査に関してはかなりの費用負担と人的な負担がかかってくるわけでありまして、法務省の方でもいろいろな事情があろうかと思いますが、一日も早くこれは正常な形に改善してもらいたいと思うんです。とりわけ公図とか登記簿というのはある程度個人の秘密にもかかわることに類するものですからぜひお願いしたいと思います。
#59
○説明員(細川清君) 御指摘のとおり、関係市町村から応援をいただくことは私どもとしても必ずしも好ましい状態だとは考えていないわけでございます。ただ、この背景には経済規模の拡大等によって全国的に登記事務量が非常に増加を続けているという大きな問題がございます。このために、我々といたしましては従来から要員の確保等について関係当局の御理解を得るように努めてきたわけでございますが、昭和六十三年に不動産登記法の一部改正ができましてコンピューターによって登記事務処理をすることが可能になりましたので、これを中心にいたしましてさらに抜本的な事務の改善に努めまして、先生の御指摘のような問題を順次解消してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
#60
○種田誠君 ぜひとも国土調査の成果を上げて多目的な利用が可能になるようにしていただきたいと思うわけであります。
 最後に、ちょっと本題とは外れるんですが、昨日の新聞によりますと、海部内閣の支持率が四九%に急上昇した、しかし残念ながら土地住宅政策に関しては国民の大幅な不満が増加して税制改革に関する以上に批判がふえているということであります。国民の方が土地の高騰や住宅の取得難についてまさに政治に対して問題を提起している、こういうふうなことかと思うわけであります。そういう中で、一昨日は国土庁においても地価対策に関する協議会を開かれまして、新たな監視区域の効果の問題、そして規制区域の適用の問題などが検討されるようでありますが、きょうは局長がおられますのでひとつ最後に、このままの状態で日本の土地は一般のサラリーマンが取得できるような形に値段を下げることが可能なのか、また国土利用計画法はこのままでいいのか、その点だけをちょっと伺いたいと思うんです。それで終わりにしたいと思います。
#61
○国務大臣(佐藤守良君) 今おっしゃった問題は極めて大切な問題でございますが、実は全国で住まいを持っておる人が六二%ございまして、住まいを持っていない人が三八%おります。また、住まいを持っておる人の中に、もっといい住まいを持ちたいという人がごくわずかなどということでございますが、この三八%の人たちにどうして住まいを持たせるかということが大きな土地政策の目的ではないか、このように考えておるわけでございます。
 そんなことでございまして、東京、大阪、名古屋の三大都市圏と地方は若干違いますし、また殊に地価調査におきましても平均約一七%上がっておりまして、大阪圏などは五四%という高い数字でございます。東京圏につきましても実は西部圏と東部圏とちょっと違います。西部圏では二十キロから三十キロ、東部圏では二十キロから四十キロの間は大体かつては給与所得の五、六倍で入ったわけですが、今は七倍から九倍します。そんなことでございまして、東京圏におきましては宅地に供給可能な素地が大体六万三千ヘクタールございます。これは国公有地あるいは工場の未利用地あるいは市街地農地を含めて六万三千ヘクタールございます。そのうちの二万ヘクタールを何とか供給しまして、そういう形の中で、現在給与所得のローンの支払いなどが平均二五%ぐらいと言われております。そんなことでございますが、実際は七倍から九倍ということじゃないと住まいが持てないという現状でございますが、何とか五、六倍で持てるように現在全力を挙げて研究しておるということでございます。どうぞよろしくお願いする次第でございます。
#62
○及川順郎君 まず最初に、立法措置に関する問題について何点か伺いたいと思います。
 国土調査法が昭和二十六年からありまして、それに加えてこの特別措置法が三十七年に立法措置が行われた。第三次までの事業の推進状況を見ておりまして、立法措置を行った具体的理由は何だったのかという率直な印象を免れないわけでございます。確認の意味で、具体的理由について、そしてその目的についてまずお述べいただきたいと思います。
#63
○政府委員(藤原良一君) 国土調査法の立法の趣旨でございますが、これは二十六年の法律でございますので、戦後の疲弊した我が国の再建を図るためには土地、水等の国土資源を最大限に活用して我が国の経済基盤を充実させていくということが非常に重要だったと思われます。そういうことで、国土を保全し、さらに進んでその利用の高度化を一層進める、そういうことであったのだろうと思います。したがいまして、国土法の目的におきましても、国土の量的、質的実態を正確に把握するという趣旨から、国土の開発及び保全並びに利用の高度化に資する等のために国土の実態を科学的かつ総合的に調査する、またあわせて地籍の明確化等も図るのだということが国土調査の目的、立法の趣旨か、そういうふうに思っております。
#64
○及川順郎君 ではこの特別措置法についてはいかがですか。
#65
○政府委員(藤原良一君) 国土調査法を制定していただきましてから約十年経過した昭和三十七年、この間の実績を見ますと一万平方キロにも満たないくらいの実績しか上げられなかった。しかし、調査の緊要性、重要性から考えますと、やはりここは国土調査促進特別措置法を制定していただき、政府が定めた計画のもとに着実に進める必要がある、そういうことで国土調査促進特別措置法を議員立法により制定していただいた、そういうふうに理解しております。
#66
○及川順郎君 その辺のくだりはわかるんですけれども、私が申し上げたいのは、第三条にこの目的が書かれておるところがございます。その一節に、「国土の総合的な開発及びその利用の高度化に資するため緊急に国土調査事業を実施する必要があると認める地域について、」云々と。この「緊急に国土調査事業を実施する必要」というのをどういうぐあいにとらえておられるのか、この点に私は非常に問題意識を持っているわけです。いかがですか。
#67
○政府委員(藤原良一君) その辺の考え方というのは私はこの四半世紀の間に少しずつ変わってきているんじゃないかというふうに考えております。
   〔委員長退席、理事小川仁一君着席〕
第一次国土調査十カ年計画におきましては、主として土地改良事業を予定されているところとか土地区画整理事業が予定されているところ、あるいは低開発工業地域の開発促進をする、そういった地域に特に優先順位を置きながら調査対象地域が決められていたと思うんです。しかし、その後全国的な国土の開発、高度利用の必要性が増してまいりまして、やはり都市部とかそれに隣接する山林部分、開発可能性の高い部分でございますが、そういうところを全国総合開発計画の開発方針等ともリンクさせながら特に優先的に実施していこう、そういうことであったのではないかと思います。
 私は、現時点におきましてもやはり国土総合開発計画の方針に基づいて優先順位を決めていくべきだというふうに考えておりますけれども、ただ今日の時点に立って考えますと、土地基本法も制定していただきました。その中で土地対策を総合的に実施していく際には、何といいましても最も基本的な資料でありますこの国土調査の成果をできるだけ早く全国的に整備する必要があるわけです。先生も御承知のとおり、全国で我が国に土地所有者が何万人おるかということが正確にはわからない現状であります。そういう一事をとってみましても、やはりこの地籍調査を中心とします国土調査をできるだけ早く完了いたしまして、そういった基礎的な土地に関するデータを全国的に整備していく必要が出てきているんじゃないか、そんなふうに考えております。
#68
○及川順郎君 私もその認識は持っているわけです。ですから、少なくとも今までも三十年近く、先ほどの答弁でもこれから三十年ぐらいかけてといいますと六十年でしょう。
   〔理事小川仁一君退席、委員長着席〕
しかも、目的の条文を見ますと、立法措置をした当時の状況からこの調査のニーズが変わってきている、こういうことを認めているわけですから、それに合った法の条文の整備をきちっとされるべきではないのかな、こういう感じを持っておるわけです。ですからぜひこれは、これで決定いたしますとまた十年いくわけでございますが、次の段階のときには国土調査のニーズに合った方向でやはり法律の条文もきちっと見直してそれに合った法律で出すようにお願いをしたいと思うんです。
 あわせまして、先ほど同僚委員の指摘もございましたように、地方自治体における事業の進捗状況に非常にばらつきがある。法律があって地方自治体で協力してやる部分というのがあるわけですけれども、普通考えますと、国の法律に基づいてこれを地方自治体でその趣旨に基づいて事業を実施する、強制権とまでいかないにしてもやはり義務づける何らかの条例措置か何かをするというのが常識で考えられるわけですけれども、その辺の法体系に対する認識はどのように持っておられるのか、現状どうなっておるのか、その点をお答えいただきたいと思います。
#69
○政府委員(藤原良一君) この地籍調査は、国が定めました十カ年計画に基づいて都道府県が都道府県の計画を定め、これに基づいて毎年度の事業計画を定めながら進めておるわけでございますが、あくまでもやはり現実に調査を実施します市町村の実施体制が整い、熱意がある、そういった市町村から順次事業計画の中に組み込んでいく。
もちろん、先ほど申しましたように、全国総合開発計画とか地域の開発整備の必要上優先順位が決められるわけでありますが、そういう中でも市町村のそういった体制整備、熱意、そういうのが優先するというのが実情であります。
 これを法律で強制して執行できれば着々と進められるんじゃないかという見方もありますが、やはり我が国におきましては公共団体あるいは住民の方の御理解、御協力を得ながら進めるのが結果的には円満に進めていける一番最良の方法じゃないか。その辺ちょっとなまぬるいですが、そういうふうに考えております。
#70
○及川順郎君 その点は大変なまぬるいですね。決して変な意味で強制権を持つということではなくて、国土の基本調査ですから、協力を待つあるいは地方公共団体等の熱意に任せるなんというふうなことではなくて、やはり協力の義務化とか責任を明確にする、法律に準ずる条例等でも結構ですけれども、その辺の責任体制を明確にして促進しなければ、これはこれから百年もかかるんじゃないかというような指摘が出てくる要因がその辺に潜んでいるのではないか。そういう意味におきましてこれはぜひ今後の課題としまして、積極的にこの辺のところの考え方を整理して、必要であれば条例制定等も含めて地方自治体の協力体制をもう一回見直してみる、このことをぜひ念頭に置いて担当庁として対処していただきたい。これは大臣よろしくお願いします。
 それからもう一つ立法措置の周辺に関しましてお伺いしたいのでございますが、建設省の国土地理院それから通産省の地質調査所など類似事業があるわけですけれども、この辺の根拠法の体系はどのような状況になっておるのか伺っておきたいと思います。
#71
○政府委員(藤原良一君) 法律上特に連携づけられていることはないんです。ただ、事実上そういう関係省庁と連携をとりながら調整の重複等を避けつつやっておる、また必要に応じて一部を分担していただいておる、そういうことでございます。
#72
○及川順郎君 この点も、今の国土調査のニーズにこたえるという意味で、国のそれぞれの所管の庁が類似の事業をするにつきましても、これが一本化してあるいは連携を密にして促進できるような法体系の整備等、きちっと目を通していただきたい。これからの促進に当たってこうした国としての取り組み、それから地方自治体の取り組み、この点につきまして立法の趣旨に基づいた法体系の検証をぜひお願いしたい。このことは要望といたしておきます。これは事業を円滑に促進する、こういう意味で協力的な発言と受けとめていただきたいと思うんです。よろしくお願いしたいと思います。
 それから次に、事業内容について時間がございませんのでかいつまんで何点かの点を私お伺いしたいわけでございますが、第一次で一番その調査のメーンになっております地籍調査の状況の進捗状況が非常に悪いという点が同僚委員の指摘にございました。しかもこの原因が一番促進が望まれる大都市地域で進んでいない。関東、東海、近畿が特に悪いという。都市部で進まないこの原因をどのように分析されておられますか伺いたいと思います。
#73
○政府委員(藤原良一君) 都市部におきましては特に土地が細分化されまして権利関係もふくそうしております。また土地の異動も頻繁でありまして、所在が確認しにくい権利者も多い、そういうことであろうかと思います。それと、測量につきましても相当やはりそれだけに精度を要求されまして、お金も割高である。また、大都市部でも非常に行政需要が多様化し増大しておりますので、どうしてもそういう面倒なトラブルをかえって掘り起こすようなことについてはなかなか腰が重い、そういうふうな現実があるんじゃないか、そういうふうに考えております。
#74
○及川順郎君 利害、トラブル、こういう状況はわかりますが、この地籍の基礎調査につきましてはそういう状況を乗り越えなければ進まないわけですよ、現実に。しかも今地価の高騰が指摘され、土地政策に対しての国民の要望というものが非常に強くなってきている、これに対する対応が強く望まれているという状況の中で、その基本データが明確に整っていないということになりますとこれまた問題でございます。まして、今指摘されておりますように、公共にかかわる都市計画の推進ということが非常に住宅を中心として緊要になってきている状況から考えますと、この都市部における基礎調査の完了というものはこれこそ緊急の課題である。特別にその部分だけを取り上げてこれに対する対応を今まで協議した経過がございますか。あればその経過を述べていただくと同時に、今後この問題意識に対してどう対応するのか、この姿勢、具体的な方針等がございましたらお述べいただきたいと思います。
#75
○政府委員(藤原良一君) 確かに御指摘のとおり、国土の高度利用を促進するという観点から見まして都市部の調査の促進が非常に急がれるわけでございます。しかしながら実態は非常におくれておる。そういうことで、これまでも都市部地籍調査促進検討会というのを開きまして公共団体側といろいろな対応策を相談してまいっております。その中でわずかでありますけれども名古屋市とか川崎市、仙台市あたりでは調査に着手するようになっておりますし、また近く北九州市でも調査を始めたいというふうに、少しずつではありますけれどもそういう調査を手始めるという公共団体がふえてきておると考えております。
 また、平成二年度からは都市部地籍調査促進事業というのを新たに設けまして、この制度に基づいて事業を促進していきたいと考えております。ただ、その際、こういうところではまず公共団体が手をつけやすいような条件整備をするということが非常に大切だと考えておりまして、まず概況調査をやったりあるいは予備的な調査をしたり、場合によっては街区調査と申しましてブロック単位の調査を高密度基準点設置とあわせて行いまして、その中については十九条五項関係の調査とか民間の調査等もできるだけ活用しながら地籍の明確化をできるだけ早くしていきたい。概況調査や予備調査を行いまして、一挙に一筆一筆の測量に入れるというところはもちろんそういうところに力を入れながら進めるということで、いろいろ地域の実情によりまして仕分けしながらかつ段階的にやっていきたい、そういうふうに考えております。
#76
○及川順郎君 冒頭申し上げましたように、大都市圏、そういうところからぜひ条例制定ぐらい促進させるようにお願いしたいと思うんですよ。そしてもう一つは、今までの過程の中で、なぜこのようなことをしつこく申し上げますかというと、都市部のところは一%とか二%なんというところがあるんです。これは論外ですね。三十年近くたっていて一%、二%、これはないに等しいですよ。だけれどもこの促進法はやはり必要なのかなと、こういうところのやはり何とも割り切れない心情がある。これは直接当事者にしてみれば私たち以上にそういうものをお持ちだろうと思いますので、ぜひその点に対する取り組みに特段の力を入れていただきたいと思うわけでございます。
 事業促進にはやはり具体的に予算面それから人の面、これは欠かすことのできない状況があるわけでございますが、今までの経緯の中で、この国土調査事業を公共事業と認めよ、認めないという大蔵省との論議もあったやに承っておりますし、また専門技術者の養成という点では大変御苦労をなさっているにもかかわらず、数字で見ますと減少傾向のところが非常に多い。時間がございませんので個々の数字は申し上げませんが、そういう状況の中で、一つは国の予算としての、先ほどだんだん少なくなって八十億強という状況が果たしてこれで妥当なのかどうか。それから地方自治体に対する補助金が地方自治体としてこれで了となさっているのかどうか。それからもう一つは専門技術者の養成について具体的な計画を現在持っておられるのかどうなのか。この三点について伺いたいと思います。
#77
○政府委員(藤原良一君) まず、現在行政部費で行っております国土調査を公共事業として実施できないかという点についてでございますが、予算制度上、先生も御承知のとおり、公共事業とは河川、道路、砂防等のいわゆる公共的な土木事業を大体言っておりまして、その事業効果が生産的、投資的な性格を有するということから、その事業の経費の財源につきましては公債または借入金によることが認められているといういわゆる公債対象事業であります。国土調査の成果はこういった各種の公共事業あるいは土地利用計画の基礎資料として広く利用されております関係上、国土調査もこれらの事業と一体のものとして位置づけられることも考えられるわけでございますが、ただ国土調査はさらに広い国土の基礎的な資料を整備するという性格を強く持っておりますので、その実施は特定の事業に直結するものじゃない、そういった理由から現時点では公共事業としての取り扱いはなされていないということであります。
 それと、予算上公共団体の方は満足しておるかというふうな御指摘でございますが、単価等につきましては相当の改善をしていただきまして、先ほども申し上げましたが、公共事業をやっております建設省、運輸省あるいは農水省の三省単価とも大体平仄を合わせながら測量費等は確保させていただいております。またその補助につきましても、制度発足当時は四分の一の補助でございましたが、その後逐次改善していただきまして、現在では三分の二の国庫補助、三分の一を県と市町村で案分負担することになっておりますが、そのうちの相当部分がまた特別交付税で交付されておりますので、実質的な都道府県、市町村の負担はそれぞれ全事業の三十分の一ということで非常に高い国費負担になっております。ただ、経常的な人件費等については補助の対象になっていないとかいろいろ市町村側では意見、御希望があるようでございますが、私どもとしましても今後ともやはり公共団体とよく意見交換し、意思疎通を図りながら、我々が努力しないといけない部分は精いっぱいやっていきたい、そういうふうに考えております。
 それと、担当職員でございますが、これも先生御指摘になりましたように、長い目で見ますと若干専門職員総数が減ってきているんじゃないかというふうな懸念もするわけでありますが、私といたしましては外注すべきところは民間の力等も精いっぱいかりながらやっていくべきだと考えております。ただ、この調査の性格上どうしても市町村職員が直接携わらなければならない、また携わらないとうまく進まないという部分がございますので、そういう部分につきましてはやはり専任職員を確保していただくことが大切だと思っております。
 そのためにはやはり職員の養成あるいは数の確保といいますか、そういうところが大切でございまして、そういう面でも公共団体にお願いしていくつもりでおりますけれども、それでも限界がございますので、新たに地籍調査専門技術者養成対策事業というものを考えまして、既に地籍調査を経験し退官しておられるというふうな人も発掘いたしまして再研修をさせていただく中で、公共団体に広域的にそういう人を活用していただく、そういうことで専任職員の不十分な点の補完等もやっていただいたらどうか、あるいは臨時的な雇用によりましても補える部分は補っていただく、そういうふうないろいろな工夫をしながら強化に努めたいと考えております。
#78
○及川順郎君 建設省さん、まことに済みませんが、大都市周辺の都市化が進んでいて生活基盤の整備が同時に必要だと思われる。上の方は建設省所管で、土地そのものについては国土庁という状況の中での建設省の考え方、それから国土庁の立場の考え方。それからもう一つは大深度地下利用の見通しですね、これもやはり建設省と国土庁の考え方、これを両者に伺っておきたいと思います。
 それで、まとめとして長官、指摘してまいりましたように、今日における国土調査の状況というものは、国土利用のさまざまな問題が深刻になっていればいるだけにこれはもう大変重要問題になっているということで、国土調査の今後のあるべき方向に対して長官の所感をまとめとしていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#79
○政府委員(真嶋一男君) 大都市周辺の生活基盤の整備状況は既成の都市部に比較いたしましても立ちおくれているのが現実でございまして、例えば東京都で見ますると、二十三区内の下水道は八九%普及しておりますが、三多摩でございますと七二%というようなことでございます。道路の整備率をとりましても区部は五四%、三多摩地区は三八%というような数字になっておりまして、私どもこれは大変大きな課題であり、今後の都市行政の中で一層生活基盤の充実に努めてまいらなければならないというふうに考えているところであります。
#80
○政府委員(白兼保彦君) 御質問ございました大深度の地下利用のお話でございます。
 これにつきましては、委員御存じのように各省庁からいろんな各事業にかかわります構想が提案されておりまして、だが大深度の地下というのは大都市問題を解決するためには非常に貴重な空間でございます。このために秩序ある公共利用を図っていく、それともう一つは私権との調整手続を軸とする共通の手続をつくっていきたい、こういうように考えております。現在内閣の内政審議室を中心としまして関係省庁の調整が鋭意進められております。かなりの点につきましていろいろと合意もなされてきておりますが、なお重要な問題がちょっと残っておりまして、一つは私権の調整との関連をどのように考えていくか、これの十分なる整理が必要でございます。それから使用権の設定者とか鉱物管理権とか既存の法律との調整の問題もまだ残されております。建設省といたしましては、政府全体の調整のとれた成案が早くでき上がるようにということで今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#81
○政府委員(藤原良一君) 国土調査の分野では、新しい第四次計画を策定いたします際には、土地分類基本調査の中で国がみずから行う調査の一つとしまして垂直調査、平たく申しますと大深度地下に関する調査を始めさせていただきたいと考えております。当面は、三大都市圏の大深度地下利用の可能性があり、かつ災害安全対策上十分調査しておく必要がある地域、大体八千五百平方キロメートルぐらいを当面の目標にして計画を検討させていただきたいというふうに考えております。
#82
○国務大臣(佐藤守良君) 及川先生にお答えいたします。
 先ほどからいろいろ御指摘のとおりでございますが、国土調査事業は極めて重要な問題だと思っております。それは三つあります。一つは、国土の適切な利用による健康で豊かな住みよい生活環境を確保する。それからもう一つは、やはり国土の総合開発計画、それから総合土地対策がどうしても必要不可欠なものだ、このように考えております。
 実は、この法案が可決されましたら第四次国土調査事業十カ年計画をつくりまして取り組みたいわけでございますが、いろんな諸問題がございます。難しい問題がございますが、先生御指摘のとおりでございますが、何とかみんなで努力しまして、局長の言いましたように今後三十年以内には完了するように努力するつもりでございますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
#83
○市川正一君 国土調査は言うまでもなく国土の基礎的情報を整備する上で極めて重要な意義を持つものであります。ところが十カ年計画の達成率を見ると極めて低く、特に国民生活と直接深いかかわり合いがある地籍調査がとりわけ都市部において進捗しない問題は先ほど来指摘されてきたとおりであります。にもかかわらず二回にわたって補助金の引き下げが行われ、国の予算は八二年度をピークにずっと減少しております。まさに逆行と言わなければならない。
 ところで、海部内閣は土地問題を最重要課題の一つとしておりますし、事実また総合的な土地対策が切実に求められておるときに、その基礎となる国土調査がこういう状況では政府の姿勢が厳し
く問われるということをまず指摘した上で、以の質問を行いたいと思います。
 地籍調査については既にいろいろ言及されておりますので、私は土地保全調査について伺いたい。二十万分の一、これは都道府県単位でありますが、及び五万分の一、それぞれの進捗状況をまず聞かせていただきたい。
#84
○政府委員(藤原良一君) 御指摘の土地保全基本調査には縮尺二十万分の一と縮尺五万分の一の地図がございまして、二十万分の一の土地保全基本調査につきましては五十二年度から都道府県単位で行っております。また縮尺五万分の一の調査の方は昭和五十六年度から災害類型ごとにモデル地域を選定いたしまして実施してきております。
 その進捗状況でございますが、平成元年度現在で二十万分の一の方は実施地区数二十府県、うち十八府県は調査結果を刊行済み、二県は調整中であります。縮尺五万分の一の方は九地域におきまして調査を終わりまして、うち七地域で調査結果を刊行済みでございます。
#85
○市川正一君 今おっしゃったような状況です。ところが土地保全調査は十カ年計画の対象にされておりません。この調査はまことに重要な意味を持つと思うのでありますが、計画的に推進すべきであるにもかかわらずこれが対象になっていない。今後どういう計画で進行させるのですか。
#86
○政府委員(藤原良一君) 確かにこの調査は地震、災害、地すべり災害、水害といった災害類型等も考えながら今後の災害対策に寄与する、あるいは地域の整備、土地利用にも寄与するという目的の調査でございまして、非常に皆様から調査結果については活用していただいている調査でございます。私どもといたしましては、土地分類調査と連携をとりながらこちらの方の進捗に合わせてこの保全調査を進めてまいりたい、そういうふうに考えております。
#87
○市川正一君 市町村が実施する地籍調査は先ほど来るる、私はそれは容認いたしませんが、しかし市町村の財政事情とか人員の問題あるいは地権者間の争いなど、先ほどるるおっしゃったような事情があるということは承知しております。しかし土地保全調査は国がやる気になれば、その気になればそういう障害はないはずです。少なくとも各部道府県単位の二十万分の一の方については土地分類基本調査が完了した地域については早急に刊行すると、そういうことをはっきり言っていただきたい。
#88
○政府委員(藤原良一君) 土地分類基本調査の方は全国三十七万方キロ余りのうち三十三万方キロぐらいについては実施したいと考えておりまして、幸いに今二十四万平方キロぐらいが完了しております。したがいまして、この土地分類基本調査が先行して早く終わりますので、これを受けながらこの保全基本調査を早く進めていきたい、そういうふうに考えております。
#89
○市川正一君 これは障害がないんですよ。さっきから質問に対して人が足らぬ、市町村がどなやこなや言う、そういう事情はないんだから。
 そこで、こういう国土調査の成果が国民にどう利用されているか。本来これは開発主体のものであってはならぬわけです。一般国民にとっても土地取得などの際に大いに参考になるものです。しかしながら現状は、全国のものは国土庁、国会図書館など三カ所でしか見れぬのです。各都道府県のものは各都道府県庁と中央図書館に常備されているというんですが、私は全国のものも各都道府県で、県内分は各市町村で見られるように常備したらこれは長官の大いなる実績になると思うんです。また市販する、そういうお考えはないか、ここらあたりをひとつ伺いたいと思います。
#90
○政府委員(藤原良一君) その調査結果につきましてはパンフレットや広報誌によるPRあるいは成果物の貸し出しや説明会の開催等に努めておるわけでございますが、確かに閲覧等は国や地方公共団体の担当課あるいは国会図書館、都道府県立の図書館や大学の図書館、そういった限定された場所に限られておるわけでございます。この成果につきましてはいろいろな関係方面からもう少し成果物を配付してもらえないかという強い要望があることは事実であります。そういう要望にこたえられるように今先生御指摘の点も踏まえて十分検討したいと思います。
 また、我々としましても何か市販ができればもっといいなと。ただ、こういう調査は非常に専門的なものでございますから採算がとれるかどうかという問題も一方にはございます。
 それといま一つは、この成果図のほかにそれを解説した簿冊、説明書のようなものでございますが、そういうものも添付いたしまして、専門的ではない一般の人でも理解していただきやすいように、そういう平易な利活用マニュアルのようなものも作成していったらどうかと考えております。この辺も検討して進めたいと思っております。
#91
○市川正一君 今局長がいみじくもおっしゃったように確かに専門的なものなんですね。私もエンジニアですから比較的なじみがあるはずなんだけれども、成果物を見ますと専門用語がやたらに多いんです。素人がせっかくのその情報を読み取れないんです。せっかくの成果物が公共事業と一部のデベロッパーだけにしか役に立たぬというのでは、これはやはり本来の目的に反すると思うんです。せっかく今局長から積極的な御答弁をいただいたんですが、佐藤長官いかがでしょうか。素人にもわかるような解説をつけるとか、広く一般国民がもっと利用できるようなそういう努力が今求められていると思うんですが、御所見いかがでございましょうか。
#92
○国務大臣(佐藤守良君) 市川先生にお答えします。
 先ほど局長が答弁したとおりでございますが、なかなか専門的なもので、特に役所用語というのがございますし、また専門用語もございまして、これをどのように庶民がわかるような言葉に意約できるかという問題もあるわけで、先生の御指摘はもっともと思うので、一遍検討してみたいと思います。
#93
○市川正一君 非常に前向きの御答弁をいただいて、期待いたしております。
 きょうは限られた時間なのでありますが、この際関連して地価問題についてせっかくの機会でございますからお伺いしたいのでございますが、国土庁が発表なさったことしの公示地価では、住宅地は全国平均で一七%上昇しておる。なかんずく大阪圏は五六・一%、名古屋圏は二〇・二%。地方に急激に地価上昇が広がっているんです。ところで、二十三日の土地対策閣僚会議で海部総理は、規制区域の発動も念頭に置いて対処する、こう発言なさったと報道されておりますが、間違いございませんでしょうか、大臣。
#94
○国務大臣(佐藤守良君) 規制区域の指定につきましても念頭に置いて対処したい、こういう発言をされました。
#95
○市川正一君 念頭というのは、頭の中に幻のように浮かんだだけじゃなしに、それは当然そういう意思をお持ちということだと思うんです。私は、この土地対策に不退転の決意を持ってそして規制区域指定をやっていく、伝家の宝刀という言葉までお使いになったというふうに聞いておるんですが、もうちょっとそこらの詳しいことも本当はお聞きしたいんですけれども、時間がございませんので前へ進みます。
 そうしますと、これまでの国土庁の態度というのは、規制区域の発動に踏み切るのは難しいんで監視区域の運用を強化していくというスタンス、そういう姿勢だったと思うんですが、今度のこの総理発言を受けてどうなさるのか、決意のほどを承りたい。
#96
○政府委員(藤原良一君) 私どもといたしましては、やはりまず監視区域を厳正、的確に運用することが大事だと考えております。大阪地域におきましてもまだ三百平米が届け出面積の下限になっておるような地域もございます。
 そこで、先ほどせっかくの御質問ございましたので、やや正確に申し上げさせていただきますと、総理よりは、監視区域の指定を後手にならないように的確に運用するとともに、必要に応じて規制区域の指定をも念頭に置いて対処する、そういう意気込みでやってほしいと、そういうふうな御指示だったと思います。それで、その監視区域を後手にならないように的確に指定すべく、国土庁長官の指示もございまして、先日関係県の担当を集めまして、監視区域の指定状況を総点検する、その中でなお監視区域の指定が行われていないところ、あるいは行っていても不十分なところ、そういうところは逐一点検の上しかるべき厳正な対応をするということにしております。しかし、そういう厳正な監視区域運用にもかかわらず地価の高騰を抑制することができないという事態に立ち至ったときには、これは総理の指示も踏まえて規制区域の指定を検討するということで、公共団体とも意思の疎通を図ったところであります。
#97
○市川正一君 そうしますと、いずれにしても、単なるアドバルーンじゃなしにそういう決意であるということには変わりないと承知してよろしゅうございますね。
#98
○国務大臣(佐藤守良君) 今局長が御答弁申し上げましたけれども、規制区域というのは大変なことでございまして、二つの要件がございます。一つは地価の凍結です。一定取引以外は全部許可しないということ。だから大変社会経済に大きな影響を与えるわけです。それからもう一つは、悪貨は良貨も駆逐するようになる。それもございますものですから、この規制区域の指定は非常に重要な問題というようなことでございます。
 また、監視区域につきましては、先生御存じと思いますが、これは都道府県知事とかあるいは政令指定都市の長によって運用されているわけで、しかし地方自治体も非常に乏しい人員その他の中で厳しく頑張っておるわけです。そんなことでございますから、でき得れば監視区域の適用で処したい。しかし、最悪の場合は、どうしてもそれで地価上昇がやまぬ場合は規制区域の指定も考えておる、このように御理解願いたいと思うわけでございます。
#99
○市川正一君 私は、現状の認識において、もう事態はそこまで来ている、まさにそういう規制区域の発動に踏み切らざるを得ない事態に来ているということをこの際、論戦は後刻いたすにしても、認識を長官に願いたいと思うんですが、長官御自身、総理発言に対して、大規模プロジェクトのある地域を中心に指定を検討したい、こういうふうに発言なさったと報ぜられておりますが、確認をいたしたい。
#100
○国務大臣(佐藤守良君) そのとおりでございまして、実は大規模プロジェクトを含めて、その他いろいろな諸条件があると思いますが、発動する場合は大規模プロジェクト地域などもその候補の一つじゃないかというようなことをもちまして、そういう発言をいたしました。
#101
○市川正一君 かなりにおいがしてまいりましたのでもう少しお聞きしますが、私も関西ですが、大阪圏の地価急騰には関西新空港建設に伴う周辺の買いあさりが重要な要因になっていると思います。だとすれば、相当広範囲の指定がその場合必要になると思いますが、そう理解していいでしょうか。
#102
○国務大臣(佐藤守良君) これは特に御理解願いたいのは、投機的取引が盛んでございまして、特に地価が急激に上昇するという地域について考える、こういう意味でございますから、その点特に御理解をお願いしたいと思うわけでございます。
#103
○市川正一君 いや、私がお聞きしたのは、そのプロジェクトのある地域を中心に指定を検討したいということをおっしゃったんですねと言ったら、そうですとおっしゃったから、ならば例えば関西新空港なんかはそうですねと、そうすると相当広い地域にわたって指定せんならぬなと、そう言うてお聞きしているんで、そらしたらいけません。
#104
○国務大臣(佐藤守良君) 今申したとおりでございまして、その地域が地価が急激に上昇した場合という条件がついているわけでございまして、地価の急激な上昇がなければやる気はございません。そういう意味でございます。
#105
○市川正一君 しかし、関西圏、大阪圏では、同僚委員も御承知だけれども、上がっていますね。これはほっとけません。
 もう一つお伺いしますが、リゾート法の指定地域の上昇もこれは極めて顕著です、非常に目立ちます。長官のおっしゃる大規模プロジェクトのある地域という場合に、リゾート法の指定区域も対象になると思いますが、いかがでしょうか。
#106
○国務大臣(佐藤守良君) リゾートの制度については二つの目的があると思うわけです。一つは、農山漁村というのは農漁業労働者の生活の場でございますが、つい最近価値観が変化してきまして、実は物の豊かさより心の豊かさを求める空気が強くなってきた。そんなことで国民が自然と触れ合いをしたいという要請が一つあると思います。それからもう一つは、実はつい最近の農漁業は先生御存じのように大変厳しい状況を迎えております。その中に地域の活性化を図りたい、一つは活路を開きたい、こんなことを含めて実はリゾート法の指定があった、こんなふうに理解しているわけです。
 そんなことでございまして、現在のところ先生の御指摘のリゾート地域について云々というのは別に聞いておりませんじ、そういう考えは持っておりませんということでございます。
#107
○市川正一君 しかし、当然この大規模プロジェクトの一つに該当すると私は考えます。
 時間が参りましたので、もう一つお伺いしたいのは、今までの監視区域のように急騰してから後追い的に指定する、そしてだんだんと届け出させる取引面積を引き下げるというやり方では、結局駆け込み的な土地買いあさりや周辺の高騰を招いてきた、これが経過です。よしあしは別としてそういう経過です。ですから、規制区域の指導というのは相当思い切った指定を機敏にやらなければ生きてこないと思うんです。しかし指定するのは知事です。ですから監視区域の指導を見てもなかなか腰が重いんです。問題のかぎは私はやっぱり政府の姿勢にあると思うんです。本当にそういう決意と保証があるんだということを改めてお伺いいたしたいと思います。
#108
○国務大臣(佐藤守良君) 先ほどもちょっと申し上げたとおりでございますが、一番いいのは監視区域の制度を的確に運用しまして地価の安定を図るのがいいんですが、それでどうしても地価の上昇がやまない場合には、総理も発言したとおりでございますが、私も思い切って規制区域の指定を発動して地価の安定を図りたい、このように考えております。
#109
○市川正一君 最後の質問ですが、三月二十日に臨時行政改革推進審議会の行財政改革推進委員会報告が発表されました。ここに持ってまいりました。土地住宅問題の解決が当面最大の課題であるというふうにはいたしております。しかしながら、そこで言っているのは、土地の高度利用の推進とそのための私権制限、借地借家法の改正、さらにまた相続税、固定資産税の適正化、市街化区域内農地の宅地並み課税など、税制改革ということだけなんです。十四ページから十五ページにございます。
 二年前に土地臨調が答申を行いました。ここに持ってまいりました。これには土地利用の高度化を基本とするなどの問題はありますが、曲がりなりにも、土地買い占めを進めてきた企業や金融機関の責任を指摘し、そして土地取引規制とか東京一極集中の是正などにも言及しておりますが、今回の報告は完全にそういう面が欠落をいたしております。それどころか、都市開発、地域開発等に関し民間の能力や資金が積極的に生かされるよう必要な仕組みの整備や関連規制の緩和ということをうたい上げておりますのですが、私が長官にお伺いしたい、先ほど触れました海部総理のああいう御決意などとも照らして、少なくとも政府が言ってこられた立場から見て、今回のこの行革審の報告は片手落ちではないかというふうに思うんですが、御所見を承って質問を終わりたいと思います。
#110
○政府委員(藤原良一君) 土地問題の解決につきましては、御承知のとおり、需給両面にわたる各般の施策を推進していく必要があることは言うまでもないことでございまして、政府といたしましても、閣議決定いたしました総合土地対策要綱に従いまして広範な分野における対策を推進しておるところでございます。
 御指摘の行革審の報告におきましても、土地問題の解決のためには、「土地についての公共の福祉優先などの基本理念の下に、需給両面にわたり総合的な対策を講ずる。」と指摘しておりますし、また「土地基本法に基づき、地価等土地対策に関する答申の指摘に沿って、総合的」に進めるとしておりますので、先生御指摘のいろいろな問題もこの中には含まれておるんじゃないかというふうに考えております。
#111
○国務大臣(佐藤守良君) 先生にお答えいたしますが、先ほどからお話ししたとおりでございまして、土地問題、特に地価の高騰につきましては、全国で約一七%、大阪圏で五六%と非常に高い伸びを示しておりまして、東京との対比が一〇〇対九一ということで、いろいろな理由があるわけでございます。そんなことでございまして、先ほどから申し上げておるとおりでございまして、この土地対策、特に地価高騰の問題は重大な決意で臨んでおる、このように御理解いただきたいと思います。
#112
○新坂一雄君 連合参議院の新坂でございます。
 佐藤国土庁長官は、国土庁の政務次官も経験されて大変土地行政について明るいし、ベテランだとお聞きしております。その行政手腕に大変期待したいというふうに思っております。
 さて、土地の戸籍調べの問題でございますが、先ほどもいろいろと御質問が出ておりますけれども、やはり基本は、四十年近くたっても都市の周辺というものあるいは都市そのものが非常に進捗率が悪いということで、ちょっとこの資料で拝見しますと特に近畿地方の実績というのが非常に悪いということでございます。滋賀県が二%、京都が四%、大阪は一%、兵庫が九%ですか、奈良が五%、和歌山が二%、軒並み一〇%以下ということで実績が書いてございます。これから都市の方に手をつけていくということだそうでございますが、近畿地方が特に悪いというのは、既に太閤検地が済んでおるのでもう昭和検地は必要ないというようなことなのか、あるいは平成検地は必要がないということなのか。そんなことでもないとは思いますけれども、先ほどの一つの計画で、都市の方が三十年ぐらいたって完了したいということでございますけれども、現実にこの法律は十年の時限立法でございますか。そうするとまたはみ出して先へ先へ送った形で一〇〇%達成していくというようなことになるのだろうと思いますけれども、総合的に都市の調査の仕方というのが何がネックになっていたのか、それからこれをどういうふうにしたいのかということを総合的にまずお話を伺いたいと思います。
#113
○政府委員(藤原良一君) 先ほどの御質問に対しましてもお答えいたしましたとおり、やはり都市部といいますのは非常に土地が細分化されておりますし、また借地借家関係、その他権利関係もふくそうしております。土地の権利関係の異動も頻繁でありまして、権利者がはっきりしないという場合も多いわけでございます。また、調査も非常に精度を要するといいますか、手間暇もかかりますし、お金もかかる、そういうことで非常に現下の多様な行政需要の中でなかなかこの調査に踏み切れなかった、また踏み切ったとしてもそれほど精力を投入することができなかったというふうな面が押しなべて大都市圏の各公共団体にはあるのじゃないかと思います。
 その中でも近畿と愛知中心の中京圏、名古屋圏がかなり遅れておるわけです。それはやはりそういう歴史的な経緯もあるいはあろうかと思います。相当程度はやはり地籍関係が事実上明確になっておる。愛知県の一帯も戦後土地区画整理事業が一番進展したところでございます。したがいまして一応利用にたえる地籍がまずまず押さえられている、そういうふうな事情もあろうかと思います。しかし、そういう調査が終わっておりましても、地球上の位置が明確に確定していないわけですから、何かありましたらまたトラブルの種になったりするわけでございますので、地球上の緯度、経度とリンクした確定というのがやはり必要と思いますので、そういうことも啓蒙しながら地籍調査には積極的に対応していただきたい、そういうふうに考えております。
#114
○新坂一雄君 各自治体の理解あるいは住民の理解ということで協力をいただいて実施していくというのが基本でございますけれども、なかなか知らないといいますか理解が深まっていないというのが現状ではないかなという気はいたします。
 私の手元に国土庁土地局国土調査課というところが出しておるパンフレットがございまして、二種類あるんですが、「私達の財産を守る地籍調査をすすめましょう」、あるいは「地籍調査のすすめ 新しいまちづくり」というパンフレットがございまして、これは理解を求めるPRだと思うんです。確かに中身は、この趣旨を書いてある非常にまじめといいますか地味といいますか、パンフレットでございます。例えば市役所のところへ置くにしても、これを持って帰って読んだら、そういうことですかというだけの話でございまして、同じ予算を使われるんだったら、大阪の場合でしたら例えば大阪北あるいは大阪南、こういうところの町の概況を、例えばランドサットというような、航空写真よりもう少し上から見たような写真をカラー刷りで載せて、そしてここの実際の地籍調査がまだでございますというようなことで、何となく見ているだけでも、しょっちゅう飲みに行くところの場所が上から見るとこんなところとか、あるいはショッピングするところはこんなふうに上から見るとなっているのかというふうな、夢を持たせるというか魅力のある写真を並べてみて理解を求めるというような形ですね。東京ですと渋谷とかあるいは銀座とかいうふうなところの写真を並べてみて、そこで趣旨を訴えるというような手法もとれたらなお理解が深まるんじゃないかという気がいたします。
 これは確かにPRのパンフレットではございますけれども、それだけの話のような気がいたしますので、今後もし同じ予算を使われるんでしたら、何か方法を考えていただきたいなという気がいたします。
#115
○国務大臣(佐藤守良君) 新坂先生にお答えします。
 実は私もそれを見た瞬間にそういう感じがいたしたわけです。仮にこれを送りましてもだれが読むだろうか、こんな感じがいたしたわけですが、国土庁というのはまじめな人が多いものですから、そんなことで書いたわけです。ですから先生の御指摘はごもっともだと。そんなことでございまして、一般の人が読み得るような、しかも本当に地籍調査に御理解を願えるようなパンフレットをつくるということを一遍検討してみたいと思いますから、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
#116
○新坂一雄君 それとともに、基本はやはり自治体の方が積極的にやりたいと手を挙げない限りはこれは前へ進まない話でございます。そういう意味では、今焦眉の急になっております土地対策の方の協議会、総合的な会もいろいろあると聞いておりますけれども、そういう機会にでも、やはり土地局長通達というかたい言葉になりますけれども、何かそういうことできっかけをつかんで周知徹底するようなことをやっていただきたいなというふうな気がいたします。
#117
○政府委員(藤原良一君) 御指摘のとおり、私どもも会議等の席で、土地対策の一環としてもこういう国土調査の進展が望まれるんだ、そういうふうなPRはやっていきたいと思います。何といいましてもやはりイニシアチブは県でありまた市町村でございます。その担当者あるいは理事者、そういう方にまずよく理解していただくことだと思っております。そういう方向で努力したいと思います。
#118
○新坂一雄君 促進方よろしくお願いしますということで、終わります。
#119
○山田勇君 若干質疑が重複するところがありますので、なるべくそれを避けて簡単に質疑をさせていただきたいと思います。
 今たまたま同僚議員であります新坂委員の方からPRのこのパンフレット、僕はこれはコピーして持ってきたんです。なかなか現物で見ますとカラフルで、漫画などを挿入して大変わかりやすくなっておりますが、私などはテレビの仕事をしている関係ですぐにテレビと言うんですが、テレビのPRといえば相当高くつくんではないか云々という考えをお持ちであるかもわかりませんが、私もPR不足は免れないことだろうと思います。
 そこで局長、大阪で市政のPRのためのテレビ番組を持っております。そこに国土庁のPRの予算を入れて、電通なり博報堂なりが非常に弾力的にソフトにわかりやすいPRをしてくれると思います。例えば大阪ガスが天然ガスの切りかえなどでは、この地域を何月何日から何月何日まで切りかえをしますというようなことを非常に徹底されている。偉そうなことを言いますんですが、マクルーハンの原理というんですか、活字というものを余り読まない傾向にあるので、目から訴えていく方がより効果があるのではないかと思います。結構パンフレット代も、今のコマーシャルベースでも時間帯をゴールデンタイムさえ避ければそう予算的に変わらないと思うので、ひとつテレビの方のPRということを少し、今新坂議員が言われたとおり、この地域は何月何日までやります、こういうことであります。
 余談ですが、小川理事とも、これはもう大変な仕事だということを今も言っておったわけです。いろんな利権が絡みますし、境界線の立ち会いをさせても、もめれば裁判所へ持っていかれるし、その間は実際は調査ができない、測量ができないというような弊害がたくさん私はあると思います。しかし、その困難の中にもう一つ、いい意味での権威を持って、今はさせていただくという姿勢のように思うんです。極端に言えば。それより、してあげるんですよ、それは国土の利用計画の、あなたたちの利益に貢献するんですよという強い姿勢をぜひ局長打ち出していただきたいので、その辺のまず決意のほどを伺います。
#120
○政府委員(藤原良一君) まず御教授いただきましたPRの仕方でございますが、確かに新たに開始をしなければならないような公共団体にとっては、そういうテレビ等のマスメディアを使いながら一般住民の御協力を幅広く得るというのは非常に効果があると思います。予算の関係もございますので、公共団体といろいろ相談しながらまた進めたいと思っております。
 それと、確かにこの調査は非常に基礎的で重要な調査であります。国や公共団体にとりましても、公共事業を円滑に実施する上でも、土地利用計画や地域の開発整備計画を定める上におきましても、あるいは環境アセスメントをする上におきましても非常に幅広に活用しなければならないデータでございますし、また自治体では課税の適正化や不動産登記制度の基礎資料としても非常に重要でございます。また、公共財産を管理する場合でもこれが非常に重要な役割を果たしております。そういうことで各般の行政に幅広に、コンピューターシステムの整備等と相まって非常に利用されておるわけです。また、土地所有者等関係権利者にとりましてもこれは権利の保護の観点から非常に重要な役割を果たしておるんだと思います。そういう意味で、我々としては非常にこの調査の重要性は胸を張って主張しておるわけですが、ただ調査をお願いするときはひたすらこうべを低くしてお願いしております。
#121
○山田勇君 またPRのことになるんですが、ちょっと質疑通告していませんのでわかる範囲で結構なんですが、例えば年に何回か不動産業務をやるための試験がありますね、それなど僕はもっと大いに利用できるのではないかと思います。それから不動産鑑定の国家試験もそうだし、何かそういうときに徹底した重要性、あり方ということをもう少しPRなさってもいいし、できれば試験の項目の中にそういうようなのを入れていってもよりPRとつながるのではないかというふうに思います。
 それと、種田同僚委員からも質疑がありました海岸線の新しい埋立地のことですが、大阪府がやっておりますりんくうタウン、空港関連の前島のなんかは大阪府がやったのですから、それこそ十九条の五でこれは徹底してきちんと測量されたものですから、そういうのを大いに活用されて一日も早く調査を終えるようにしていただきたいと思います。それも、局長が先ほど前向きにこれからそういう埋立地の方もやっていくということなんで、大変結構だと思います。
 最後に、現在土地税制の改革についていろんな論議がなされておりますが、中でも土地の保有と利用における課税のあり方が問題になっておりますが、国土調査による正確な地籍を活用することによって、固定資産税の不公平課税の是正、さらに大きくは土地税制の抜本改革にも国土調査の結果は多大の影響を私は及ぼすと考えております。また、土地の有効利用など土地に関するあらゆる施策の基礎として、土地に関する実態を的確に把握することが私たちは急務と考えておりますが、最後に長官の決意を伺って、私の質問を終わります。
#122
○国務大臣(佐藤守良君) 山田先生にお答えしますが、PRにつきまして御指摘ありがとうございました。また新坂先生本当にありがとうございました。専門業者を入れまして、国民にわかりやすい、地籍調査が大切だというPRができるようにひとつ努力してみたい、こう思っておりますが、予算が絡むわけでございますから、その予算の範囲で最大限努力したい、こう思っております。
 また、国土調査事業というのは先生御指摘のとおりでございます。実はこれは大変重要な調査事業でございまして、国土の適切なる利用を図り、健康で豊かな住みやすい生活環境を確保するとか、あるいは国土の均衡ある発展を図るためとか、あるいは総合土地対策を推進する、こんなことでこの国土調査事業は必要不可欠なものだと思っています。そんなことでございまして、今後いろいろな難しい諸課題がたくさんございますが、早期にひとつ調査が完了するように皆さん方の御理解と御協力を得ながら頑張りたいと思っております。どうぞよろしくお願いする次第でございます。
#123
○委員長(対馬孝且君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#124
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#125
○委員長(対馬孝且君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 この際、小川仁一君から発言を求められておりますので、これを許します。小川仁一君。
#126
○小川仁一君 私は、ただいま可決されました国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、国土調査の実施に当たっては、国土の全域にわたり均衡のとれた進捗が図られるよう留意するとともに、立ち遅れている都市部における地籍調査事業の一層の促進に努めること。
 二、専門技術者の養成等地方公共団における国土調査の実施体制の整備拡充を図るとともに、所要の経費の確保に努めること。
   右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#127
○委員長(対馬孝且君) ただいま小川仁一君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#128
○委員長(対馬孝且君) 全会一致と認めます。よって、小川仁一君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの決議に対し、佐藤国土庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。佐藤国土庁長官。
#129
○国務大臣(佐藤守良君) 本委員会におかれましては、本法案につきまして熱心な御審議をいただき、ただいま全会一致をもちまして議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 本日の委員各位の御意見につきましては、今後その趣旨に沿うよう努力いたしますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨に十分沿うよう努力してまいる所存でございます。
 本法案の御審議の終了に際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表しまして、私のごあいさつとさせていただきます。
 どうも皆さんありがとうございました。
#130
○委員長(対馬孝且君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#131
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時五十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時五十分開会
#132
○委員長(対馬孝且君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。坂本内閣官房長官。
#133
○国務大臣(坂本三十次君) ただいま議題となりました明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法により、奈良県高市郡明日香村における歴史的風土の保存を住民生活との調和を図りつつ行うため策定された明日香村整備計画に基づき、明日香村が国から負担金または補助金の交付を受けて昭和五十五年度から平成元年度までの間において行う事業について、国は財政上の特別の助成を行ってまいりました。
 平成二年度以降につきましても明日香村整備計画を策定し、同計画の円滑な推進を図るため、本年度末で期限切れとなる明日香村に対する財政上の特別措置を引き続き講ずる必要があり、同措置について平成十一年度までの十年間延長するものであります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
#134
○委員長(対馬孝且君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#135
○西野康雄君 明日香村の特別措置法というのは、私自身、大学の先輩がこの法律に初めから深くかかわっていたということもございますが、非常に興味があり、そしてまたよくここまで歴史的風土を残してくれたという意味で高く評価をしております。しかし、問題点がないわけではございません。
 昭和五十五年に制定されました法律ですが、十年が経過いたしまして、明日香村を取り巻く社会経済情勢は人口の高齢化あるいは産業構造の変化、周辺地域の都市化の進展等で激しく変化をしております。今回さらに十年間法律を延長し、今後十年にわたってこの事業を継続して行われようとするまずその基本的な意味におきまして、その理由をお伺いしたいと思います。
#136
○国務大臣(坂本三十次君) 明日香村については、その貴重な歴史的風土を住民生活との調和を図りつつ保存するため明日香村整備計画を策定し、住民生活の安定及び産業の振興を図るための各種施設を計画的に整備しているところであります。
 同計画は今年度末をもってその計画期間が終了することになりますが、進捗がおくれている事業もあり、また計画策定から約十年が経過し、この間に明日香村を取り巻く社会経済情勢は著しく変化してきており、現状に即した各種施設の整備等が緊急課題となっております。したがって、今後とも住民の理解と協力のもとに明日香村における歴史的風土の保存を推進するためには、平成二年度以降についても明日香村整備計画を策定し、住民生活の安定及び産業の振興を図っていく必要があると考えます。
#137
○西野康雄君 私はかつてNHKの教育テレビで中学生の歴史I、IIという番組を講師として担当しておりました。そのときに明日香村へ参りましたが、明日香村そのものはいいんですけれども、隣の橿原市が非常に乱開発で、もう明日香村ぎりぎりのところまで赤だとか青だとかのかわらの屋根が迫っております。この住宅開発、隣の橿原市における住宅開発が明日香村そのものの景観を著しく損ねている。
 そこで、明日香村の歴史的風土とそれに調和した村民の生活環境を維持していくためにはこの法律の単純延長だけでは不十分ではないだろうか、この法律による規制を隣接地域まで拡大していく必要があるんじゃないだろうかと思います。もちろん橿原市においても古都保存法による規制の網がかぶされているということも十分承知しているんですが、宅地化が急速に進んでいる橿原市の現状では古都保存法による緩い規制では不十分ではないかなと思ったりもいたします。この法律に基づく厳しい規制を実施していくべきではないかと考えておりますが、この法律の適用地域を拡大していく、そういうふうな御用意はおありでしょうか。
#138
○政府委員(櫻井溥君) ただいまの委員御指摘の点でございますけれども、古都保存法の対象となっております地域の中で特に明日香村につきましては、全村が我が国の律令国家体制が形成された時代をしのぶにふさわしい風土が村の全域にわたって良好な状態で保存されておるわけでございます。そういう意味におきまして古都保存法の特例措置としてのこの法律が存在した理由があるわけでございます。
 今御指摘のお話は、その近接の市町村までこのような規制を少し延長させたらよろしいのではないだろうか、こういう御指摘かと思うわけでございますが、先生も御案内の、今おっしゃっておりましたように、近接の市町村等につきましては非常に都市化が急速に進んでおりまして、今にわかに明日香村内に適用されておりますような規制を直ちにそこに及ぼすということにつきましてはいささか問題があるのではないだろうか。なお、ちなみに申し上げますと、明日香村に適用されております第一種の歴史的風土保存地区の規制といいますのは、実は古都法におきますところの特別保存地区の規制と全く同じものでございます。
#139
○西野康雄君 明日香整備計画の内容についてお伺いをいたしますが、現整備計画は計画総事業費百三十三億八千七百万円でスタートしております
が、現在までの進捗率を事業別に御説明をお願いします。
#140
○政府委員(櫻井溥君) 整備計画に盛られております事業項目は多岐にわたっておりますので、主な点だけをちょっと申し上げたいと思うわけでございます。
 道路とか下水道それから消防施設等々につきましては比較的順調に進捗しておるわけでございますが、残念ながら比較的進捗率の悪い事項といたしましては河川あるいは都市公園それから体育施設等が挙げられるかと思うわけでございます。数字につきましてはちょっと時間の関係もございますので省略いたしたいと思います。
#141
○西野康雄君 都市公園等も進捗率を見ると八・五%ということで、まことに都市公園関係、体育施設、河川整備等進捗状況が非常に悪い状況です。各事業について事業の進捗がおくれている理由を少し御説明ください。
#142
○政府委員(真嶋一男君) 都市公園事業につきましては、元年度の見込みでございますが、一七・二%と進捗がおくれている状況でございます。
 公園の内容で少し御説明をさせていただきますと、まず近隣公園に関しましては、これは御園地区の土地改良の予定の地区内にございまして、この事業がなかなか進捗しないために事業着手が全く行われていないという状況にございます。それから下平田地区の児童公園でございますが、用地取得が難航して結局位置を変更するということでございましたが、現在用地交渉に入っておりまして、平成三年度には事業に着手できる見通しを持っております。それから岡地区の児童公園でございますが、これは順調に推移をいたしておりまして平成二年度に完成する予定にいたしております。
 それから明日香地区の児童公園でございますが、これも三年度には何とか事業に着手したいということで、用地についてもめどがついてまいりました。
 それから明日香周辺の遊歩道でございますが、これは平成二年度に完成する予定でございます。
 以上でございます。
#143
○政府委員(近藤徹君) 河川関係について御説明させていただきます。
 明日香村整備計画に係る河川としましては飛鳥川等六河川を掲上しておりまして、下流の流下能力に配慮しつつ整備を推進しているところでございます。これまでに、厳しい予算制約のもとではございましたが、歴史的文化遺産の多い場所、市街地等の被害軽減を第一に整備を進めることといたしまして、飛鳥川と平田川の整備は既に完了いたしております。現在、桧前川に主力を置いて整備を推進中でございます。他の中の川、百貫川、戒外川の三河川につきましては、明日香村整備計画に係る区間より下流の方に流下能力の不足している区間がございまして、その整備がまず先行する必要がありまして、その事業を推進しているところでございます。ちなみに三河川の区間が四・一キロでございますが、先行して整備するべき区間が約五キロでございます。当該区間は用地取得、取水ぜきの改築等関係者との調整を要する制約事項がございまして大変時間がかかっておるわけでございますが、これらを逐次解決しつつこれまで改修を推進しているところでございます。
 ちなみに、この下流区間の改修に当たりましては、昭和五十五年度から昭和六十三年度の間に要した事業費は、明日香村整備計画に係る同期間の事業費四億円に対しまして約十七億円と、相当額を区間外ではございますが下流区間に投資して進めておるところでございます。今後ともこれらの区間の整備に全力を尽くしまして極力早期に明日香村整備計画にかかわる区間の整備を推進する所存でございます。
#144
○説明員(下宮進君) 体育施設についてお答え申し上げます。
 体育施設につきましては、当初の計画でテニスコートと体育館を予定しておりました。このうちテニスコートにつきましては五十五年度に整備いたしまして、体育館につきましては財政事情もきつかったものですから延期したというふうに聞いております。なお、体育館は平成七年度から九年度にかけて整備するというふうに聞いております。
#145
○西野康雄君 いずれにしてもバランスのとれた周辺整備を展開していくということが大事なことで、村民の生活環境を良好にすることは行政の責任であると考えるわけですが、本改正案が成立すれば明日香村整備基本方針に基づき新たな整備計画を作成する運びとなるわけですが、新計画は当然過去十年間の整備状況を踏まえて、また昨年七月の歴史的風土審議会の答申にあるように、事業内容の見直しも含めて作成されることと思います。
 そこで、本法成立後のスケジュール、新計画の特色あるいは新計画の計画事業費等について御答弁をいただければと思います。また新しい整備計画の策定に当たっては村民の意向や要望をどのように取り入れていくのか、御説明をお願いしたいと思います。
#146
○政府委員(櫻井溥君) ただいまお尋ねの件でございますが、本法案が成立いたしますと直ちに第二次の明日香村整備計画の作成にとりかかるわけでございます。その段取りといたしまして、まず最初に歴風審あるいはまた関係行政機関の長とそれぞれ相談いたしまして、内閣総理大臣が明日香村整備基本方針、先生御案内のとおりでございますけれども、これを定めまして、これを奈良県知事に示しまして、それを受けた奈良県知事は、明日香村と相談の上明日香村整備計画というものを定めて内閣総理大臣の承認を求めるということになるわけでございます。
 ところでその内容でございますが、こういう作成の過程におきましてなるべく地域住民、明日香村民の意向を取り入れることにつきましてはそれぞれの段階で十分配慮しなきゃならないというふうに私ども考えておるわけでございます。現に歴風審の中には奈良県知事あるいは明日香村の村長さんも入っているわけでございますし、直接計画を担当いたしております奈良県知事は、これは法律によりまして明日香村の意見を十分取り入れるということになってございますので、その辺は地域住民の意向というものは十分尊重するというような仕組みにはなってございます。
 ただ、内容等につきましては、これは現時点におきましては予断的に申し上げるわけにはまいらぬわけでございますが、金額とかあるいはどういう事業を取り入れるのか、こういうことにつきましては具体的には現時点ではお答えする段階ではないわけでございますけれども、委員御指摘のとおり、この十年間に社会経済情勢も大分変わってまいりました。したがいまして、住民のニーズもまたいろいろと変わってきているだろうと思います。その辺を十分勘案いたしまして新しい計画が策定されるものと私ども期待しておるわけでございます。
#147
○西野康雄君 明日香村整備基金についてお尋ねをいたします。
 基金は歴史的風土の保存及び住民生活の安定を図る上で有効な役割を果たしていると私自身も評価をするわけですが、国庫補助、奈良県補助及び明日香村が支出している総額三十一億円で運営されておりますが、最近の基金の収入状況をまずお聞かせ願いたいと思います。
#148
○政府委員(櫻井溥君) 御指摘の明日香村整備基金は地方自治法上の規定によりまして明日香村に設置されておる基金でございます。既に三十一億円が造成されておりまして、逐次国債あるいは県債等を中心としました金融債券を保持しております。現在その果実は大体二億四千万前後で推移してございまして、これは各年そんなに変わりはございません。今御質問がございましたように、果実の現況という点では説明は以上にとどめさせていただきたいと思います。
#149
○西野康雄君 明日香村と言わず明日香村と言っていただいた方が地元の人にもいいんじゃないかと思います。
 説明のとおり、最近五カ年で平均して約二億四千万円の運用実績が発生しておりますが、対象事業ごとの支出状況をお願いいたします。
#150
○政府委員(櫻井溥君) 基本的には明日香村特別措置法の第八条第一号から三号までの各号に列記しておるわけでございますが、具体的に主な点を申し上げますと、御案内のとおり明日香村には三十七の大字がございます。この大字はいわゆる住民の代表の一つの大きな自治組織になってございまして、この大字が行います歴史的な風土の保存のためのいろんな活動がございます。パトロールをしたりあるいは清掃事業を行ったりということで、そういう大字の自主的な活動に助成を行っております金額は今まで大体一億七千万ぐらい。
 それから、明日香村につきましては建物の意匠あるいはそれに使用いたします素材の規制がございます。例えば塀は土塀にしなきゃならぬとか、屋根は勾配屋根にして、かわらは黒がわらにしなきゃならないとかというのがございます。したがいまして、そこに居住しております村民の方々が住宅をつくる場合にはデザイン等をそういう規制に合わせなきゃならない。そういたしますと余分な建築コストがかかるわけでございます。これにつきましては、この規制があるために個人の負担で賄うのは酷でございますので、この基金の方からその差額の分を助成するということも大きな金額になってございます。さらに、産業関係につきましては、国庫の補助対象とならない小規模な農業用排水路とかあるいは農道整備事業ということで、本来なら普通の地域でしたら個人でしなきゃならないようなもの、これにつきましてもきめ細かくこの基金の方から助成しておるということが主な事業となっておるわけでございます。
#151
○西野康雄君 収支状況とかは逼迫しているし、基本の対象とする事業量もかなり窮屈な感じを受けるわけですが、現在の収支実態をどのように評価なさっているのか。また、収入額を上げるために当然のこととして基金の増額ということが必要になると思いますが、今後基金の増額の見通しというものはどう思われているのか。また、地元からも要望の出ている対象事業の拡大についてはどのようにお考えでしょうか。
#152
○政府委員(櫻井溥君) 御質問は二点あったかと思うわけでございますが、まず総額をふやしたらどうだろうかという御質問でございます。
 私どもは、これにつきまして奈良県あるいは明日香村と機会あるごとに、この基金ばかりではございませんけれども、歴史的な風土の保存に関するいろんな問題につきまして打ち合わせしておるわけでございますが、ただいまのところ約二億四千万前後の果実をもって大体地域住民の需要に見合った形での仕事が行われておりますし、ここしばらくはこういう状態が続くんではないだろうかということで、今直ちに基金をふやすということについての認識は持っていないわけでございます。
 それから、新たな事業をこの基金の運用対象に加えたらどうだろうかという御質問でございますが、これにつきましても、もう少し具体的に地元の方から御要望等があれば、法律の第八条の各号に定められた範囲内でございますれば十分それに取り組んでまいりたい、こう思うわけでございます。
#153
○西野康雄君 基金に関連して飛鳥保存財団、このことについて質問をいたします。
 財団は昭和四十六年に設立されて以来基本財産十億円をもって運営されておりますが、基金と財団の役割分担、対象事業の関係あるいは財団の収支決算、事業内容、将来的な財団の運営方針等についてそれぞれ御説明をいただきたいと思います。
 財団の事業は半官半民の部分が多いかと思うんですけれども、明日香村の観光客誘致にいろいろと役に立っておる財団の事業です。今後とも対象事業を拡大するためには、そこの民営、近鉄の民間出資なんか増加させる必要もあるんじゃないかなと、そんな感じもするのですが、どうでしょうか。
#154
○政府委員(櫻井溥君) お尋ねの飛鳥保存財団の収支、事業等についてのお尋ねでございますが、若干数字を申し上げますと、昭和六十三年度の決算の収支につきまして申し上げます。
 収入は、基本財産の運用収支が約七千万、会費収入が六百万、事業収入が七千八百万、その他の収入八千四百万となっておるわけでございまして、支出はこれに見合いまして、事業費が一億一千七百万、管理費その他が五千万ということでございます。やっております仕事は、大体大きく分けまして、高松塚の壁画館とか宿泊所、それから駅前の案内所等の施設を、かつてつくっておりましたものを今管理しておるという施設の管理の面、それから明日香村内の方々はもちろんのこと、明日香を訪れる方々たちのための便宜的な施設といいましょうか、その文化を紹介するためのいろんな文化啓蒙活動というものを行っておるわけでございます。
 なお、さらにその事業内容を拡大あるいは充実させつつ民間資金をさらに導入したらどうだろうかということのお尋ねも含まれておったかと思うわけでございます。これにつきましては、御案内のとおり民間の団体、確かに基金の十億円のうちの半分は国庫の金が出ておるわけでございますが、主として飛鳥財団自身がどのような計画を持って新しい事業に取り組もうとしておるのか、新しい事業に取り組もうとしますと、やはり資金の造成というのがまた必要になってこようかと思うわけでございますので、その辺は財団当局とも十分打ち合わせした上で弾力的に対応していきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#155
○西野康雄君 明日香村には遺跡等の埋蔵文化財が村の全域にわたって広く分布しておりますが、
   〔委員長退席、理事小川仁一君着席〕
それがまた貴重な歴史的風土を形成しているわけですが、埋蔵文化財の発掘調査の現状、進みぐあいはどのようになっているのか御説明を願った上で、さらに明日香村では、村民が家屋を建てかえをするとき、文化財保護法の目的というんでしょうか精神というんですか、そういうので、文化財を保存するために同法四条の規定によって発掘調査の協力要請を受けることになっております。義務的なものではないんでしょうけれども、国民共有の文化財を保存するということから、村民の大半がこの発掘調査の重要性を認識しておるわけですが、発掘調査が余りにも長期間にわたると村民の生活に著しい支障が出てくるわけです。そういう意味において、発掘調査というんですか、村民の家屋の建てかえ等のときにはスピードアップが図れないんだろうか、発掘調査の期間短縮の方策はないものだろうか、そういう点をお伺いしたいと思います。
#156
○説明員(大澤幸夫君) 御説明いたします。
 ただいま先生からお話ございましたように、明日香村は先ほども出ておりましたように我が国の律令国家形成期の歴史を解明する上で大変重要な数多くの遺跡が分布いたしておるところでございます。こうした遺跡の保存ということで、かねて国とそれから地元の奈良県と明日香村、この三者が協力して当たっているところでございます。特にお尋ねのございました埋蔵文化財に関する発掘調査でございますけれども、これには、埋蔵文化財の所在する地域におきましてお話がございました住宅の建設その他の開発事業が生じますと、それに伴って行われますところのいわゆる緊急発掘調査と言われるものと、それから遺跡を計画的に発掘調査する、学術的に発掘調査をする、そういう計画的な発掘調査、大きく分けて二種類あるわけでございます。これらにつきましても、地元の明日香村はもとよりでございますけれども、あの地域に、御案内かと思いますけれども、国立の奈良文化財研究所というところがございます。それからまた県立の橿原考古学研究所という、こういう分野の専門的な研究所がございますけれども、この三者がそれぞれ役割分担をしながら、協力しながら現在取り組んでいるところでございます。
 現状といたしましては、このうち、先ほど申し上げました開発事業に伴って行われる緊急的な発掘調査を優先的に実施するという考えで臨んでお
るわけでございますけれども、計画的な調査につきましても、先ほど触れました国立の文化財研究所あるいはまた県立の考古学研究所におきまして、寺跡なりあるいは古墳にかかわる遺跡といったものの発掘調査をこれまで精力的に実施してきているところでございます。既にかなり終了を見ているところの部分もございますけれども、例えば飛鳥浄御原宮跡という宮跡がございますし、あるいはまた御案内の飛鳥板蓋宮跡、そういった宮跡等の発掘調査に関しましても目下精力的に実施はいたしてございますけれども、宮跡等につきましては、御案内のとおり遺跡の面積が何分にも広大だということもございましてなお引き続き調査を必要とする部分があると聞き及んでおるところでございます。
 なお、二点目にお話のございました発掘調査のスピードアップの件でございます。住宅建設等の工事が予定されている地域におきまして埋蔵文化財が所在いたしますと、その取り扱いにつきまして御協議を申し上げ発掘調査を実施するという事例が出てくるわけでございますけれども、その際にある程度の期間についてはどうしても御協力を賜らざるを得ないというのが実情でございます。しかし、先生御指摘ございましたように、その期間が余りにも長くわたるということで多大の御迷惑が及ぶということは決して好ましくないというふうに十分認識をいたしてございます。
 そういうことで、文化庁としましても従来からこの埋蔵文化財の事前の協議なり発掘調査のスピードアップということで指導に努めているところでございますけれども、とりわけ御議論のございます明日香地方に関して申し上げますと、個人が住宅を建設するようないわば比較的小規模なケースにつきましても、先ほど来触れております地元の明日香村はもとよりでございますけれども、国立の研究所あるいは県立の研究所が相連携し協力を図って、三者が一体となってできるだけ速やかに調査が終わるような体制をとるように工夫をいたしておるところでございます。したがって、今日では大分改善はされておるというふうに聞いてございますけれども、なお一層御趣旨を踏まえて迅速化に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#157
○西野康雄君 御丁寧にお答えいただきまして、私の質問が随分と余ってしまいました。
 最後に、土地の買い入れ、地元の方々の随分と不満の点でございます。村内全域が保存地区のために開発行為の制限がかかっていることから、古都保存法により土地の買い入れ制度があります。村内の土地の買い入れ実績と、それから土地の買い入れが進まない原因として買い入れ価額の折り合いがつかない、そういうふうなことがあるかと思います。その辺の実態について御説明をいただいて、私の質問を終えさせていただきたいと思います。
#158
○政府委員(真嶋一男君) 昭和六十三年度末までの古都保存法に基づきます土地の買い入れ実績は、第一種歴史的風土保存地区で十・六ヘクタール、第二種歴史的風土保存地区で五・一ヘクタール、合計十五・七ヘクタールとなっております。
 買い入れ価額でございますが、買い入れ価額の基準は政令の定めるところとなっておりまして、土地の買い入れに当たっては複数の不動産鑑定士による鑑定評価によりまして近傍類地の正常な取引価額等を考慮して算定しているところでございまして、特に買い入れ価額が低過ぎるということはないと考えているところでございます。
#159
○西野康雄君 ありがとうございました。
#160
○白浜一良君 ただいま奈良県の明日香村に関しまして明日香法の審議をしているわけでございますが、きょうは官房長官に来ていただいておりますが、官房長官は明日香村に行かれたことはあるでしょうか。
#161
○国務大臣(坂本三十次君) 残念ながら明日香村にはまだ参っておりませんが、私は学生時代に、どうもその当時は日本がだんだん戦局不利になって我々青年もあすは知れぬというようなことがありました。それで私は奈良近辺を回りまして、日本の文化財というものを一度見て、それから自分の一生はどうなるかしれぬけれどもと思って回ったことがあります。しかしそのときに残念ながら明日香村までは参りませんでした。
 しかし、どうも思ったより忙しい仕事でございまして、明日香村に行くとお約束はできませんけれども、できたら行きたいなと私は思っておるところでございます。しかし、これは私の所管でもありますから、なるべく近いうちに行って見られれば幸せだなと思っております。
#162
○白浜一良君 御存じのように、いわゆる日本で最古の都というところでございますし、日本の文化の発祥の地と言ってもいいわけでございまして、実は私は生まれも育ちも奈良県でございまして、大和郡山というところで生まれ育ったんです。ですから子供のころからあの明日香村には何回も足を運んだんです。確かに子供のころと比べましたら、例えば甘樫丘というところがあるんですけれども、非常に整備されてきれいになりました。部分的にはきれいになっていっているんです。しかしながら、例えばこの日本の都として奈良市がある、また京都市がある、こういう観点で申し上げましたら、余り光が当たっていない。観光客の流れ、また小学生、中学生等の旅行等を見ましても、日本の最古の都として明日香に踏み入れるという流れがないわけでございます。
 やはり日本文化発祥の地とも言える地でございますし、最古の都でございますので、私のふるさとでございますので、どうか明日香村を世界に誇れるようにしていただきたいし、そうなってほしいという願望を持っておるわけでございますが、長官どうか一言御所見をお願いしたいと思います。
#163
○国務大臣(坂本三十次君) 観光地といいますと近ごろ大分言葉に手あかがついてまいったような気がいたしますが、もともとから言えば光を観るわけですから、あなたのおっしゃるように日本の最古の文化遺跡でありますし、まさに日本人の心のふるさととしての歴史的な文化的な遺産という意味では非常に世界に誇るべきものがあります。
 そういう意味で、歴史的、文化的な観光という面で明日香村が皆に、そこを訪れていただいた人に歴史の勉強をしてもらう、日本の心、源流を訪ねていただくというような点ではまことにすばらしい、そういう意味では歴史的な観光地であってほしいな、そう思っております。
#164
○白浜一良君 最初に伺いましたが、そういった面でぜひとも一度足を踏み入れてみずからの眼で判断をしていただきたい、このように思うわけでございます。
 明日香村の整備計画については、先ほど話が出てきましたのですべて割愛をいたします。
 私は明日香村を本当にそのような誇れる村にしていくためには、何といたしましてもまず一つ大事なことは保存ということなんですね。確かに高松塚とかそういうのが断片的に発掘されまして部分部分は残っているんですけれども、町全体はやはりそういう雰囲気とはならない。先ほど話もございましたが、確かにかわら屋根にしなければならないとかそういう規制はあるんですけれども、もう少しトータルに明日香村全域をどう考えるか。規制はかかっているわけですけれども、もう一度きちっとした町づくりをする、それと規制というものの調和をとっていかなければならないわけでございます。
 昨日も私はアメリカの友人と話をしておったんですが、彼はニューメキシコ州の出身なんですけれども、サンタフェというのは州都でございます。そこは砂漠地帯でございますが、ああいう州都のようなところでも建物は全部土壁なんです。全部昔からそういう建設方法にしなきゃならない。それは住民の意見でそういうふうに決まっているわけでございます。行政もそれに手をかしている。こういう関係でございます。そういった面で、そういう保存という観点で今さまざまな規制がございますが、もう一つ町づくりという観点で調和ある形をお願いしたい。これは質問通告も何もしていませんから、私は一方的に話をしました。
 それから二つ目に大事なことは、やはり農業の保護ということでございまして、特に地下埋蔵文化を保存するためにはやっぱり農業というのは極めて良好な環境である。確かにこの明日香村は、奈良県全体が大阪のベッドタウンになっている非常に便利な地域なんですけれども、まだまだそういう地域として残っているわけでございまして、やはり農業をつぶれないようにしなければならないわけでございまして、これは質問通告もしておりますので、この農業基盤整備、どのようにお考えになっておるか、少しお話を伺いたいと思います。
#165
○説明員(米山実君) お答えをいたします。
 今先生御指摘もございましたように、農業は明日香村の大変基幹的な産業でございますし、歴史的風土の保全の上でも大変重要な役割を担っているというふうに私ども考えてございます。したがいまして農業の振興を図ることは大変重要である、こういう考え方を持ちまして、農林水産省といたしましても、明日香村の整備計画に基づきまして、農道ですとか農業用排水路といいますいわゆる土地基盤整備の関係ですとか、集出荷施設と呼ばれます経営近代化施設といった整備についてこれまで地元の支援、助成を行ってきたところでございます。今後とも、奈良県や明日香村の意向を踏まえまして農業振興のためにさらに積極的に対処してまいる、そういった考えを持っているところでございます。
#166
○白浜一良君 よろしくお願いしたいと思います。
 もう一つ私大事だと思いますのは、この明日香村がそういう法規制、古都保存法とか都市計画法の規制がなければ、地理的に見まして住宅がいろいろできたりいろんな産業が興ったりできる地域なんです。非常に便利な地域なんです。ところがやはり古都でありますから保存しなければならない。これは当然であります。そういった面で村が活性化しないというか産業が興りにくいということがあるわけです。
 そういうことで、やはりまず考えられる産業というのは観光事業ですね、言葉は古いですけれども。いろんな方が訪れるというそういう人の流れができることが一番大事な要素だと私は思うんです。先ほどの整備計画をいろいろ伺っておりましても、テニスコートをつくったとかちょっと道をよくしたとかいろいろあるんですけれども、私の率直な感想で言いましたら、人が訪れるようなそういう環境づくりはされておりません。例えば明日香村へ行くためには橿原神宮前という駅がございます。もう一つ壺阪山という駅がございまして、そこからレンタサイクルでいわゆるサイクリング、自転車でずっと回るように確かになっているんです。しかし道は細いですし、明日香村のそういうさまざまな施設の中に休憩できるところ、また食事できるところ、憩えるところが何にもないわけでございます。何にもないというのは失礼でございますが、余り見られないわけでございます。
 そこで私は、これは御提案でございますが、どうか長官も発想を転換していただきまして、今はちょろちょろと流れている飛鳥川、昔はあそこで万葉の人たちが舟を浮かべて遊んだ川なんです。ですから、どっちみち再開発というか、観光地として、きちっと古都として残そうというんでしたら、あそこに舟を浮かべて本当にみんなが楽しく遊べるようなことにならないのか。また、掘ってばかりいて地上には何もないというのもあれですから、そういう都を部分的に再現するとか、また子供たちが集まりやすいようにキャンプ場をつくるとか、できるところはあると僕は思います、あの全域から見れば。そういった面で、もう少しトータルプランをつくっていただいて、規制ばかりじゃなしに、そういう明日香村の村づくりというものを考えていただきたい、私はこのように思うわけでございますが、これも質問通告しておりませんが、長官どうですか、一言でもお願いします。
#167
○政府委員(櫻井溥君) 後ほどあるいは大臣の方からお答えがあるかと思うわけでございますけれども、ただいま委員が申されましたこと等につきましては、歴風審の中でもそれに近いような議論は多々あったわけでございます。ないわけじゃございません。基本といたしましては、明日香村の歴史的な風土を保存することに関しましては、村の基幹産業はやはり農業であろう。しかしそれだけというわけにはまいりませんので、質の高い観光といいましょうか、神社仏閣を物見遊山的にただ回って過ごすというような観光ではなくて、やはり由緒のある、歴史的に価値のある文化の薫り高いあの風土を散策し、かつて我々の祖先がそこで営々として国の礎を築いたということに思いをはせながらという、イマジネーションといいましょうか、そういう想像をしながら周遊する観光というのが、まあこれは私見、感想でございますけれどもそういうものが欲しいんだと。
 ただ、委員がおっしゃっておりますのは、それに加えましてもうちょっと形のあるようなものをということの御提案かと思うわけでございますが、これにつきましても、今にわかにここでお答えというわけにはまいりませんが、大変貴重な御意見ということで拝聴しておきたいと思うわけでございます。
#168
○白浜一良君 どうかそういうイマジネーションを持ってよろしくお願いしたいと思います。
 そういった観点からいいましたら、先ほど同僚委員からも言いましたけれども、このいわゆる基金のあり方ですね、そういった面からもうちょっと考えていただくというか、私お願いしたいと思うんです。今三十一億といいましても、基金運営ですから、大体これを見ていましても二億四千万ぐらいですか、ずっと続いているわけでございますが、これは当然目減りしていくわけですね、どうしても。そういう問題も当然ございますし、明日香村全体のそういう村づくりのイメージを持ちましたら、やはりもっとその基金を上積みしなきゃならないとか、もっとそういういろんな形のプランをつくった上での補助行政をしなきゃならないとか出てくるわけでございまして、どうかその点もよろしくお願いしたいと思います。
 それからもう一つ大事なことで土地の買収という問題がございます。午前中もいろいろ審議がございましたが、近畿圏は非常に土地が値上がっておりまして、この明日香村を見ましても一年で四〇%上がっているわけですね。それで、古都保存法によりましたら、土地の買い入れが行われる場合、譲渡所得税は二千万円まで特別に控除される、こういう規定になっております。しかし、一般の土地収用を見ましたら、平成元年度五千万円に引き上げられたんですね、三千万円から五千万円に。そういった面から見ましてもこの二千万円が妥当かどうか。あの辺の周辺の地価高騰から見ましてもちょっと安いんじゃないかというか、もう少しいろいろ措置があってもいいんじゃないかと思うわけでございますが、この点の御所見を伺いたいと思います。
#169
○政府委員(真嶋一男君) 古都保存法第十一条によります歴史的風土特別保存地区の土地の買い入れにつきましては、租税特別措置法第三十四条により譲渡所得に対し二千万円の特別控除が認められているところでございます。これは昭和五十年度以来その額が固定しているところでございますが、古都保存事業の推進のためにはこの引き上げが必要であるというふうに考えて努力をしたいと考えております。
#170
○白浜一良君 よろしくお願いしたいと思います。
 それから、重複を避けまして、文化財の保護に関してでございますが、特にこの明日香村は特別保存地区の指定を受けております。十年間の国庫補助を見ましたら、十年間で二億八千万円、年間に直したら三千万もいっていないわけでございまして、このぐらいの金額で果たしていわゆる文化財保護ができるのかなという感じもするわけでございますが、できましたらもっと大きな観点からこのことを考えていただきたい、このように思うわけでございますが、御所見を伺いたいと思います。
#171
○説明員(大澤幸夫君) 先生お話ございました文化財関係の補助金といいますか補助事業の件でございますけれども、埋蔵文化財の調査あるいは史跡等の整備に要する経費ということでかなり国庫補助をしてきているわけでございますが、実はこの事業の関係は、今お話がございました地元の県なり村なりがやる事業に対する国庫補助金という形の御援助と、それから国みずからが直接事業を行う関係の経費と大きく二本立てになってございます。先生ただいまお話のございました二億八千万余りといいますのは狭い意味での国庫補助事業費のこの十年間の総計でございますけれども、国みずからという形でこの十年間に合計十億余りの支出をいたしてございます。したがいまして、国庫補助とそれから国の直接の事業費とを総計いたしますと十三億余りという数字にはなるわけでございます。
 しかしながら、決してこれで十分という認識はもちろん持っていないわけでございまして、今後ともそういった関係の分野の継続実施という観点から、先ほどお話ございましたように、このたびの法改正がなされましたら、策定が予定されておりますところの地元の御計画なり地元の御意向なりを十分承りながら、大変財政関係が厳しい折ではございますけれども、関連する施策の一層の推進に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
#172
○白浜一良君 最後にお伺いいたします。
 きょう官房長官が来ていらっしゃるので伺うわけでございますが、今、日米構造協議で問題になっております大店法という問題がございます。この明日香村は歴史的風土保存地区または風致地区という指定がございまして、それぞれ建築の規制がされているわけです。そういうのは大事なことで、それはそれで必要なことなんです。果たしてこの明日香村に大規模小売店はできるでしょうか。非常に唐突な質問でございますが。それと、昨日新聞夕刊を見ましたら、官房長官がいろいろ大店法のことで御苦労されているということが新聞の記事ですけれども載っておりましたが、ちょっとだけ御所見を伺いたいのです。大店法改正の方針というふうな大きな見出しで書いてありますが、最後に一言だけお願いしたいと思います。
#173
○政府委員(真嶋一男君) 明日香村におきましても市街化区域内の住居地域が二十三・五ヘクタールほどございますが、ここでは店舗の建設は可能でございます。しかしながら、この場合におきましても、都市計画法上、建築基準法上、住居地域一般にかかります容積率、この場合二〇〇%でございますが、それが規制がかかる。それから風致地区がかかっておりますので四割という建ぺい率がかかる。それから明日香法に基づきまする第二種の歴史的風土保存地区に関して、建物の高さ制限が十メートルということになっております。また意匠、形態等についても法律の規制を受けるということになっております。
 以上でございます。
#174
○国務大臣(坂本三十次君) 日米構造協議における大店法の処理はいかんと、こういうことでございますけれども、これは今まさに日米間の大きな話し合いのポイントにはなっておりますけれども、今、日米交渉を目前に控えておりますので、その内容については私から申し上げるのはひとつ差し控えさせていただきたいと思います。
#175
○白浜一良君 どうもありがとうございました。
 以上で終わります。
#176
○市川正一君 明日香特別法が制定されて十年の歳月が経過いたしました。民族の誇る文化遺産を擁する明日香村の歴史的風土はこの間、明日香村民の理解と協力、また村当局など関係方面の努力によっておおむね良好に保存されてきたものと考えております。私はこの際、村民を初めとする関係者の努力に改めて敬意を払うとともに、明日香村の歴史的風土を長く良好に保存するためにはなお一層村民の理解と協力が必要であり、そのためにも明日香保存対策をさらに充実強化することが重要になっておる、こういう立場から以下御質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、官房長官にお伺いしたいのでありますが、本法が明日香保存にどのように役立ってきたとお考えなのか。また明日香村民の努力をどう評価なさっていらっしゃるのか。さらに、この十年間における国としての実際の行政について反省点がもしおありとすれば何なのか。この三点についてお聞かせを願いたいと思います。
#177
○国務大臣(坂本三十次君) 奈良県高市郡明日香村は、我が国の律令国家体制が初めて形成された時代における政治及び文化の中心的な地域であり、村内には全域にわたって宮跡、寺跡、古墳等の重要な歴史的、文化的遺産が数多く存在し、他に類例を見ない極めて貴重な歴史的風土が形成されていると考えております。法制定後約十年が経過し、この間に明日香村を取り巻く社会経済情勢は著しく変化してきたものの、住民の深い理解と協力により歴史的風土の保存に関してはおおむね所期の目的は達成されてきたものと考えております。
   〔理事小川仁一君退席、委員長着席〕
また、明日香村整備計画に基づき各種の事業が実施された結果、明日香村整備基金による事業と相まって生活環境の整備も進んできていると考えております。
 国民的文化遺産である明日香村における貴重な歴史的風土を良好に保存し後世に伝えることは、国家的見地から見て極めて重要な意義を有する課題であり、明日香という日本人にとって心のふるさととも言うべき地域の歴史的風土を守ることを通じて、国民の間に心の豊かさをはぐくむことは、今後我が国が文化国家日本として世界に貢献していく上でますます大きな意義を有するものと考えております。このような観点から、今後ともこれまで以上に住民の理解と協力をいただいて、住民生活との調和を図りながら明日香村における歴史的風土の保存を推進していく所存であります。
 推進事業などにつきましては、六十数%という進捗率は確かにこれは反省をすべき点もあろう、今後推進をさせていきたいと思っております。
#178
○市川正一君 一番最後のところが長官のみずからのお言葉のように承りました。それではそれにかかわってお聞きした方がよさそうですから。
 村の当局が出した資料を私拝見しますと、事業の進捗率がおっしゃったように事業費ベースで六三・一二%なんです。村事業は六六・八%、県事業は五八・三%という進捗率なんですね。確かに反省すべき点だと率直におっしゃったことを私しかと受けとめますが、しかし十分でないということは事実なんです。なぜそうなのかというその要因をどう認識されているのか、これをお聞かせ願いたいと思います。
#179
○政府委員(櫻井溥君) 明日香整備計画の進捗率がはかばかしくないという御指摘でございます。それはまさにそのとおりでございます。
 これはいろいろ事情がございまして、二、三具体的に申し上げますと、第一次十カ年計画が発足いたしましたのは昭和五十五年でございます。委員御案内のとおり、公債に依存しない財政再建元年という年でございまして、国あるいは地方を通じまして財政構造が硬直化した非常に困難な時代に実はスタートをしたという、そういう意味におきましてはスタートからちょっと不幸な条件があったわけでございます。かてて加えまして、昭和五十六年、七年以降になりますと、第二次オイルショックの後遺症といいましょうか、税収が極端に落ち込んだということもございます。勢い国あるいは地方自治体からの財政への投資というのが非常に抑制されたことがございます。
 さらにまた、これは明日香村についてだけのある意味での特殊な事情でございますけれども、昭和五十七年に三十数時間にわたります大雨の大災害が起こりまして、これは死者が出るほどの大災害でございました。御案内のとおり、災害事業につきましては災害対策事業と別途でございまして、明日香整備計画に基づく事業には入らないわけでございます。七千人の村で、そしてたかだか二十数億円の普通会計規模の村にとってみましては災害復旧が焦眉の急でございますので、そちらの方に相当な人的なあるいは財政的なエネルギーを割いた、こういう事情もございます。
 そういう意味におきましては、進捗率が非常に落ち込んだことについては残念ではございますけれども、ただ私どもは将来に向けまして、災害は別といたしまして重点的に整備計画に基づくところの投資を拡充していきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#180
○市川正一君 今お答えにもありましたように、もともとこの明日香村というのは財政力が非常に厳しい状況にある。あえて法律をつくって明日香保存を図ってきたゆえんもまたそこにあるわけですね。したがって、確かに経済的な事情とかオイルショックだとか水害とかそういう他動的要因はあります。ありますけれども、国としては補助制度を改善していくなど状況に応じて整備を促進するための必要な積極的措置を講ずる言うならば責任をやっぱり持っていると思うんです。
 そこで私具体的に聞きたいんですけれども、明日香特別法の目玉の一つである補助金の特例措置、俗にかさ上げ措置というふうに言っていますが、このかさ上げ措置に基づくかさ上げ額はどれぐらいになっているのか。概数で結構ですからお聞かせ願いたい。
#181
○政府委員(櫻井溥君) 昭和五十五年度から六十三年度までの実績といたしましては、かさ上げいたしました額そのものは七千九百万円でございます。
#182
○市川正一君 八年間でそうなりますね、五十五年から六十三年までだから。私の持っている資料によると、十年間でも九千二百万そこそこ。この点では、私率直に言って、村の当局あるいは村民の間に当初の期待からはやっぱりかなり外れたという声が上がっていることも事実なんです。それは決して損得勘定で言う意味でなしに、初めのふれ込みからいうとかなり違う。
 私はなぜそうなのかという問題について端的に伺いたいんですけれども、対象事業の問題が一つあります。もう一つは、補助のかさ上げが基準財政需要額の十分の一を超える事業しか対象にしないという問題があると思うのですが、どうでしょう。ずばりと私聞いているんですよ、もう回りくどい言い方でなしに。
#183
○政府委員(櫻井溥君) ただいまの委員の御指摘は、補助率かさ上げの構造について問題があるのではないかという御指摘かと思うんですが、私どもの理解といたしましては、そういう構造問題よりは、事業の量が少なかったというふうに私どもは認識しております。
#184
○市川正一君 僕は量と質、両方だと言うているんです。それだから対象事業の問題がある、それとともに構造的なものもあると。
 そこで構造的な方から先に決着をつけたいんですけれども、明日香村の基準財政需要額は六十三年度で十三億五千六百万円です。したがって一億三千五百万円を超える事業でないと対象にならぬという勘定になるんです。そのために補助制度がせっかくあるのにそれが適用できないという状況も生じております。私はこの基準を撤廃しろとは言いませんから、少なくとも近畿圏、財特法、御存じですね、室長、これは十分の一じゃなしに二十分の一なんですね。だから二十分の一に少なくともするというような緩和措置、改善措置を検討すべきではないかと思うんですが、どうでしょう。
#185
○政府委員(櫻井溥君) 委員にはこれは釈迦に説法になるかもしれませんけれども、このかさ上げの方式は首都圏、近畿圏、中部圏それから新産、工特の例にならった一つの方式に従って行っておるわけでございまして、したがいまして明日香村だけにつきまして構造的にこのシステムを特に変えているわけではないわけでございます。
 ただ、明日香村につきましては、基準となります財政の標準財政規模の十分の一となっておりますけれども、近畿圏、中部圏それから首都圏等につきましては、いろいろな近隣の市町村もありますので、調整率というのを掛けまして、時には十分の一より下がった場合にも適用されるということがございます。ただし、仕組みそのものは先ほど私が申し上げましたようなそういう地区に適用されておりますものと全く軌を一にしておるわけでございまして、この例外をつくるということはなかなかほかの地域とのバランスもございまして難しいんじゃないだろうかということで、構造問題につきましては――以上で、時間もございませんので。
#186
○市川正一君 最後のところが怪しいんだけどね。実際に近畿圏と財特法、二十分の一なんですね。だから、何も十分の一のしゃくし定規でやっているわけでないというふうに含蓄のあることをおっしゃったので、ここはやっぱりもうちょっと弾力的に見ていただきたい。
 もう一つは対象の拡大の問題です。現行の明日香村の整備計画に基づく特定事業としては、あえて引用させていただきますが、都市計画道路、村道、簡易水道、公共下水道、公園、保育所、し尿処理施設、ごみ処理施設、学校、幼稚園、農業基盤整備、林道が対象になっております。しかし上水道、飲料水供給事業、防火水槽、児童館、保健センター、墓地、社会体育館、農業近代化設備などは対象外になっております。私があえて今細々とるる述べましたのは、確かに上水道の完成とか公共下水道の着手など前進が見られるんです。それは私評価いたしております。しかし、全体としてはやはり観光対策に重点が置かれて、村民の福祉、保健衛生関係の施設がまだ手がつけられていないんです。
 そこでお伺いしますが、第一次整備計画で残されている体育館とかあるいは保健センターなどは第二次計画では当然盛り込まれてくると思うんですが、いかがでしょうか。
#187
○政府委員(櫻井溥君) 先ほど首都圏それから中部圏との例で御説明申し上げたわけでございますが、そこで言われております特定事業の範囲よりは明日香村に適用されます特定事業の範囲はもっと広いわけでございます。
 そこで、さらに追加して特定事業の種類をふやしたらどうだろうかという御提案でございますけれども、これにつきましては、やはり地元の意向を十分尊重するという立場からいきますと、よく御相談させていただきまして、法律の中でも、前号に掲げるもののほか、特に必要と認められるものはよろしいと、こうなってございますので、これから十分地元と検討、研究させていただきたいと思うわけでございます。
#188
○市川正一君 なかなかいい答弁です。地元の人がそれを求めているんですよ。
 例えば、今特定事業に入っている教育施設はもう設備が終わった学校教育施設だけで、第一次計画の残事業でもある体育館、これはまだやっておらぬのです。また保健衛生施設、全く対象になっていないんです。これを何とかしてくれというのが長官本当に地元の切実な声なんです。ですから、室長は地元とよく相談というふうにおっしゃっていただきましたので、私の方も、そういうふうにお答えになっているからよく相談せいと、そういってすぐに報告をさせていただきますので、今後ともひとつよろしくお願いいたします。
 次に、産業振興関係の問題でお聞きしたいんです。本来ならば、農業立地をここはうたっていますので、その問題でお聞きしたいんですけれども、もう時間もありませんし、農水省はもうにべもない答弁しかしませんので、これはまた次の機会にいたします。
 産業振興関係で、商工業などの産業基盤整備を基金事業の対象とすることはできないのだろうかという、これもまた相談なんですがね。明日香村には六十八の商店があります。六十三の事業所があります。しかし、ここには新たな企業を誘致するとか工場用地を拡張するということは不可能になっているんですね、事実上。そこで、自前の産業育成は重要な課題になってきております。現に、商工会を中心にして地域の特産品づくりとか未利用資源の活用などによって村おこし事業に取り組んでおるんです。こういう分野にも私は対象を拡大してもいいと思うんですが、どうお思いでしょうか。
#189
○政府委員(櫻井溥君) 基金の行います事業の対象は法律の八条各号に列記してあるわけでございまして、その範囲内におきまして各種の事業に該当するというものであるならば、ただいま御指摘の商工業の基盤整備のための事業についても、具体的なものはこれはまた検討しなきゃならぬでしょうけれども、この法律に合致するものであるならばそれは可能であるというふうに理解しております。
#190
○市川正一君 それは村民の人たちに大きな励ましになると思うんです。
 村が出したパンフレットを私コピーしてここに持ってまいりましたが、今申し上げましたように、「本村には、製材、製薬などの地場産業もあり、また、最近においては、商工会が中心となって地域の特産品づくり、未利用資源の活用等の村おこし事業に取り組んでおり、その成果が期待されています。」云々というふうに言っておりますので、この点もそちらからもお声がかかりましたならばよく御相談してやっていただきたいと思うのであります。
 時間が参りましたので、最後に一問だけ、明日香村の整備基金の目減り問題なんです。
 この基金というのは三十一億です。先ほどもお話がありました。現在国債を中心にこれが運用されております、御承知のように。年間二億四千万円の運用金を生み出してこれで回しているわけですね。現在保有している国債は金利が八・五ないし七・三%物なんです。ことしの八月に満期になる分は八・五%。しかし今日の金利がずっと低下しておりますから、そこからかなりの差、目減りが出てまいります。こういう金利の低下は基金事業に支障を来すことは明らかであります。先ほど同僚委員の質問に対して、基金をふやすという認識には立っていないという室長の御答弁でした。私が言うのは、今すぐふやせとは申しません。この点では、日本共産党を含む奈良県選出の国会議員が超党派で、この基金を五十億にふやせということを自民党を先頭にして申し入れた経緯があります。しかしそれはきょうはやめておきましょう。きょうは五十億にしろということを蒸し返すことはやめておきましょう。
 しかし、この基金の目減りに対して国として適切な手を打つべきではないのか。本院で昭和五十五年五月八日、本法の制定の際に附帯決議を行いました。その第三項に、「国は、明日香村整備基金について、将来著しい経済変動が生じた場合には、適切に配慮すること。」、御承知のとおりです。本院の附帯決議がございます。この精神にのっとってもこの目減り問題に対しては適切に手を打つべきだと思うのでありますが、官房長官の所信を承って、私の質問を結ばせていただきます。
#191
○政府委員(櫻井溥君) 昨年からことしにかけまして、この十カ月間に公定歩合は四回も引き上げられてございます。したがいまして、委員が御指摘のこれから国債の借りかえが始まる時点で果たしてどういう金利水準がそこに出るのかということにつきましては、私も予測できないわけでございます。したがいまして、今目減りするという前提で、また目減りはどの程度かしれませんけれども、しかし現時点でそれを前提としてどうこうするということについてはちょっと申しづらいという点はございます。御理解いただきたいと思うわけでございます。
#192
○市川正一君 しかし目減りしたら。
#193
○政府委員(櫻井溥君) 仮定の問題でございますので、金利情勢の推移等につきましては十分注意して見守っていきたいと思うわけでございます。
#194
○市川正一君 適切に対処するということで長官よろしゅうございますか。――ありがとうございました。
#195
○新坂一雄君 連合参議院の新坂でございます。
 きょうは坂本内閣官房長官に御出席いただきまして、明日香を守ろうと心を一にして今後十年の計画を考えようという時間が持てますことを大変光栄に思っています。特に十年前から明日香村の方々の、大変生活に規制を受けながら明日香を守ろうということで生活されている方々の大変なやはり辛抱があったことだろうと思いまして、今後ともそれぞれ配慮をいただきながら明日香を守っていく、こういう精神に立ってやっていければなという考えでございます。
   〔委員長退席、理事小川仁一君着席〕
 それで、まず最初でございますが、十年前明日香村の特別措置法ができるときの審議に当たりまして、実は憲法第九十五条に特別法と住民投票という兼ね合いで、「地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その他方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」という条項がございます。今回は新しく法律をつくる場合ではございません、既にある法律をさらに延長するということでございます。十年の一つの締めくくりにも当たる意味がございます。
 そういった意味で、住民の投票を得てさらに続けていくかどうかという論議は別といたしましても、この十年間果たしてこの法律は村民にとって何であったのかという締めくくりの村民の意向を踏まえた新しい特別措置の事業をやるについてはデータベースがなくてはいけない、こういうふうに考えております。そのために、整備計画を推進しようとするための村民の意向調査ということがおととし行われたというふうに聞いております。私は、この村民の意向調査というのがいわゆる村民の投票にかわるようなものであったのかなという気もいたします。そこでこのデータベース意向調査でございますけれども、いわゆる村民を初めとして調査関係者にはオープンにされているということでございますけれども、このいわゆる村民の意向調査の報告、これについての性格づけはどんなものでございましょうかということを最初に承りたいと思います。
#196
○政府委員(櫻井溥君) ただいま御質問ございました村民の意識調査は一昨年行ったわけでございます。第一次整備計画が終わるに当たりまして、村民の意向を十分参酌しながら次の時代に対応しようということで、総理府と地元の奈良県とが協力いたしまして、そして明日香村民の協力を得ながら実施したものでございます。その結果につきましては、内部的な資料といたしまして、今後の対策を樹立する、立案するための参考ということで報告書を取りまとめたものではございますけれども、しかし事柄の性質上、その要約につきましては関係の方々に提示いたしましてそれをごらんいただいておるということでございます。
#197
○新坂一雄君 種々のアンケート調査あるいは世論調査と申しますか、その都度都度の政策を立案するについての参考としてやるのは結構でございますが、特に新しく十年間を村民の意向を受けて事業を立てていくという非常に大切な調査であったと思います。それはアンケートを受けた方々に、端的に言えば村民でございますが、そういう方々にオープンにして、ここの項目はこうこうであったというようなことをやはり村民に返していくべきではないかというのが私は基本的にとるべき立場だと思いますが、いかがでございましょうか。
#198
○政府委員(櫻井溥君) 調査の結果の概要につきましては村当局の方にも提示いたしまして、村自身も村の広報でこれを村民に周知させておるわけでございます。ただ、委員のおっしゃっておりますのは、もっと詳しくそういうものを公開すべきではないかというような御指摘かと思うわけでございますが、これにつきましては、これからいよいよ第二次の整備計画の作成の作業に入るわけでございますので、その作業の過程を通じまして必要に応じて対応していきたいと考えておるわけでございます。
#199
○新坂一雄君 ちょっと質疑の入り口のところでもたもたしているような印象をぬぐえませんが、私の言おうとしているのは、やはりいろいろなアンケートをクロスさせてどういうことをやるかという専門的なところまで村人に返しなさいということを言っているんじゃありません。いわゆる項目的にどう思いますかということを項目でアンケートをとったわけですよ。それについて素直に、分析とかじゃなくて、この点についてはどう思ったんでしょうかという結果をそのままストレートにオープンにするという法はございませんかということを聞いているんです。
#200
○政府委員(櫻井溥君) 基本的には、差し支えないものにつきましてはそのように対処するのが当然だろうと思っておるわけでございます。
#201
○新坂一雄君 ちょっとしつこいようでございますが、差し支えのない資料はオープンにするという意味が非常に何か、村民があって村の行政が成り立つ、その意向調査をやったわけですね。その意向調査が村人に必要に応じてオープンにするというのはちょっとわけがわからないんですが。
#202
○政府委員(櫻井溥君) 先ほど委員の方からは、いわゆるクロス調査といいましょうか、クロスで集計したものまでは要求されてないというお話でございますので、そういう場合でしたらあらかた調査いたしました結果につきましては外に発表することは差し支えないだろうと思うわけでございますと、ちょっとこだわって私申し上げましたのは、クロス調査しました結果は、明日香村全体でなくて、いろんな地域ごとの調査をしたことがありましたので、それを公表いたしますといささかなりとも差し支えがあっては明日香村当局に御迷惑がかかりはせぬだろうかなという遠慮があったこともございまして、そういう意味での、そういう内容についての公表はこれは慎重に扱った方がよろしかろうということで私どもは対応したわけ、そういう経過があったわけでございます。御了解いただきたいと思うわけでございます。
#203
○新坂一雄君 細かい項目で、どれを公表してどれを行政的に参考にするからこれは公表できないんだという項目は一々ここでは論議いたしません。しかし基本的には、そういう周辺にオープンになるために逆に明日香村に迷惑かかるから配慮したんだというのは当たってないと思います。それはストレートに村の意識調査なのでございますから、村の行政が与えるわけじゃなくて、ストレートな村民の意識調査をそのままオープンにするわけでございますから、それは自由闊達にやられる方が民主主義としては筋が通るんじゃないかというふうに思っているから言っているわけでございます。
 それから、先ほどからも、十年たって非常に整備計画にばらつきが出ているということは事実でございます。実際、先ほどもありましたけれども、規制区域になりますと十メートル以上の建物を建ててはいけない。これは三階建ては無理だということでございます。それから傾斜の屋根をしなさいということでございますから、コンクリートは建てられません。そうするとかわらぶきということになりますね。それから、そういうようなかなり規制を受けているがために、今村へ行きますと、日本人あるいは日本の心のふるさとといいますか、何か心和むようなことがやはり村民の努力によってなっているんだというふうに思います。その規制があって御無理を願っているわけですから、その分を周辺整備計画ということで充実していただかねば、いわゆる犠牲といいますか、規制だけ強いて私権を制限しているわけですから、その分だけでも整備を十分やらなくちゃいけないということだと思います。
 そこで、先ほど同僚委員から質問がありましたように、いろいろと進捗率でばらつきがあります。資料でいただきましたところによりますと、例えば下水道なんというのは七四%とか都市公園が八・五%とか非常にばらつきがありますけれども、これは一体どういうことになっているのかということでございますが、原因は先ほど公債とか台風の影響、長雨の影響があったというお話でございますが、もう一度、なぜこういうふうになっちゃうのか原因をお話し願えたらと思います。
#204
○政府委員(真嶋一男君) 下水道についてまず申し上げますが、明日香村の公共下水道は大和川の上流の流域下水道に接続する計画になっております。その幹線管渠につきましてでございますが、平成三年度には明日香村との接続点まで到達する予定でありますので、同年度には供用開始が可能になるという見込みでございます。
 それから公園でございますけれども、公園についてはそれぞれの公園いろいろまた進度がさまざまでございますが、まず近隣公園について申し上げますと、近隣公園は御園地区の土地区画整理事業の予定区域内にあるのでございますが、この区画整理の事業の着手がなかなか進まないということで目下難航しております。
 それから下平田地区の児童公園でございますが、用地取得が、随分努力したのですけれどもうまくいかなくて位置を変更いたしました。そして新しい位置のところで現在用地交渉を進めているところでございますが、平成三年度には事業に着手する予定といたしております。それから岡地区の児童公園でございますが、これは平成二年度に完成する予定にいたしております。飛鳥地区の児童公園でございますが、用地取得がこれも難航しておりますけれども、三年度に事業着手の予定でございます。それから明日香周辺の遊歩道は平成二年度に完成する予定となっております。
 以上でございます。
#205
○新坂一雄君 今お話を伺いますと、要するにこの十年間何やってたかということが目に見えてないわけですね。平成二年度というのは要するに過去の話ですか。ということになりますと、村民にとって十年間いろいろと事業計画を立ててもらったにもかかわらず、いわゆる受益といいますか、実際にサービスを先送りして、次の十年度で完成するからという意味での事業計画でしかなかったということに結果的になっております。
 それで、ここの村民調査、意識調査でありますけれども、明日香村整備計画に基づき、実施されてきた事業によって生活環境がよくなってきたかどうかということで意識調査をやっておりますが、よくなってきていない、ほとんどよくなってきていない、こういう意識調査が六〇%を占めております。要するに過半数の人たちがこの整備計画十年間はよくなってないという意識を持っているわけでございます。これは大変重要なことでございまして、意識調査をして少なくとも五〇%以上がよくなってきたというのならこれは整備計画十年の意味もあったかと思いますが、過半数を超える六〇%が必ずしもよくなっていないという意識を持っているということは、例えば下水道でも平成三年度で下水道がなるというのですが、この進捗率によりますと実は七四・七という数字もありますけれども、これ下水道というのは明日香村の行政が持って、下に確かに下水道の管は張ったでございましょう。しかし、下にただ施設だけをはわして、本管がつながらない限りはこれはただ下に管が埋まっているというだけなのでございます。
 したがって、これはやはり村民にとっても、下水道というのは流れるから下水道であって、下に施設だけを埋めてこれで進捗率が七十何%といったって、これはただ行政がやったというだけで、村民としてはサービスにも何にもないわけです。流れないわけですね。だから、こういうところをもう少し奈良県と接続した形で村民にサービスを早くしてあげないと、事業のお金は使うでしょう、しかしそれは下水道なら下水道というサービスがあって初めて村民は文化的生活を、あるいはこの整備計画がよかった、生活がよくなったと思うのであって、行政だけが何%進捗しても実際にそれは意味が余りないじゃないか、村人の立場から申すとそういう意識でございます。
 それと、項目的にはばらつきがあって、上水道もポンプアップ、明日香村自体がかなり上の方でございますから水道を上の方に上げてきてやらなきゃいかぬという大変な事業でございます。そういう意味では村役場当局も大変な苦労をされたということで、サービスを開始しているんですけれども、下水道がサービスできるのかどうかというのがやはり文化的生活を得ているという意識のポイントになると思います。
 そういう意味で、先ほどおっしゃった平成三年度というのは繰り上げることはできませんか。
#206
○政府委員(真嶋一男君) 初めに、管渠につながらないのでは幾らやっても意味がないというふうに私ども考えておりますので、そういう準備行為をしながら太いところにつないでいくということが私どもの段取りとしてどうしても必要なわけでございます。
 それから平成三年度のことでございますが、現在下水道整備の五カ年を進めているところでございまして、流域下水道の場合はあるところまでいきますと一挙に供用開始されるということでございますので、
   〔理事小川仁一君退席、委員長着席〕
全国的に一日も早く完成に努めているところでございますが、これについてはもちろん一日も早い完成に努めていきたいというふうに考えております。
#207
○新坂一雄君 やはりここではしっかりしてもらわなければいけないんですが、平成三年度じゃなくて平成二年度に管をつなぐということになりませんかということ。もちろん基本的には施設があって、行政がやるからサービスが供用開始されるんであって、それはむだであるとかむだでないとかじゃなくて、村人にとっては下水道が実際に利用できると思うから、その時点でもってサービスがあったというふうに感ずるんであって、管だけ埋めても村人にとっては意味がない、こういうことを言っておるのでございますから、誤解のないように。
#208
○政府委員(真嶋一男君) 平成二年度ということについての予定を今の段階で確約するということはちょっと難しいと思います。
#209
○新坂一雄君 その理由は何ですか。
#210
○政府委員(真嶋一男君) 工事の段取り、予算配分等で一生懸命やってきて平成三年度というところまで来ておるところでございます。
#211
○新坂一雄君 大変しつこいようなんですけれども、この村民意識調査によりますと、項目に生活環境評価というのがありますが、この下水道整備に対する不満というのが、これは九割近くも村民にとっては不満だと言っているんですよ。要するにできてないから不満、当たり前ですね。それで十年間かかって下を埋めたんだけれどもサービスがないという。結局項目だけありますけれども、村民にとっては不満なのは当たり前でしょう。
 ですから、今までやっていたベースでもって平成三年度以前には前倒しできませんというのは、これは要するに今までなぜもっと早くやれなかったかということの反省といいますか、前倒しできることをどんどん都市局の立場で逆にせっつくような姿勢を持っていただかないと、今までの計画でございますのでそのとおりだけでございますということではちょっと意味がよくわからない、こういうことでございます。
#212
○政府委員(真嶋一男君) この明日香村は非常に地形的に複雑なところでございます。そのために工事費が当初に比較してかさんできたという実情がございます。起伏のあるところではどうしても土かぶりを大きくとらなくちゃいけない、あるいは土質がよくないというところがございます。それで地下水も高いというところで、現在シールド工事を一生懸命やっているところでございますが、繰り上げをお約束するというところにはまいっておりません。
#213
○新坂一雄君 村長さんなり総務部長さんの話を聞きますと、下水道の施設は、先ほど白浜委員がお話しされたように、駅前のところそれからちょっと高台の役場のところ、大体二つの地区が人口がかなり密集しておりまして、ここのところは下水管はもう埋まっているわけでございます。それでこの隣の橿原のところまで大きな管が来ております。それをどうやって明日香村まで結合するかという問題なんです、技術的には。ですから、その隣の市に来ています橿原のところと明日香とをどうドッキングさすかということで二年間かかるんですか。
#214
○政府委員(真嶋一男君) シールド工事で地中を掘削してまいるということですので、工程上平成三年に向かって今一生懸命やっているという状況でございます。
#215
○新坂一雄君 措置法で明日香を守ってよかったと意識の中でも明日香村民として誇れる生活ができるように一刻も早くやっていただきたいなということでございます。
 公園の整備の話もありますけれども、大きな公園じゃなくて、おじいさん、おばあさんがお孫さんを連れて砂場あたりで遊ばせたいという、そういう小さな公園が欲しいという意識調査もかなり出ていますね、不満としては。だから、大きなところの補助対象になる部分とは別に、やはり各地区でそういう子供を遊ばせられるというところをたくさんつくるというのがこの意識調査にあらわれている調査結果でもありますので、その辺も奈良県あるいは明日香村と十分お話し合いされて、村民の希望にできるだけ早く沿ってやるようにしてあげたいという気持ちでございますので、ひとつよろしくお願いします。
 以上で終わります。
#216
○山田勇君 大阪府下に千早赤阪村という村があります。そして奈良にはこの明日香村という村があります。関西の人にとってはこの千早赤阪村とこの明日香村も非常に心のふるさととして大事にしているつもりでございます。
 年に一度毎日放送が明日香地方を歩こうという会を催して四年になります。その会に私も時々参加をします。たばこを吸う人はポケットに吸い殻入れを持って、そうしてたばこの吸い殻一つ落とさないで、この明日香村また明日香地方を大切にしようという気持ちがあります。そして、今同僚委員が申し上げましたとおり、下水道の方も非常に村民の皆さんは工夫をなさって、下水道が完備しても便器などは、東陶さんに悪いんですが、東陶とかそういう近代的な便器を使わないようにして、昔の素焼きの本当に素朴なもの、そしておトイレを出るとしゃくで手を洗って、そしてタオルがかけてある。お店なんかのおトイレでも随分と配慮をしている光景が見られるわけでございます。
 その中にあって、今進捗状況の問題を聞くつもりですが、大変そういう意味ではおくれているということを拝聴しておりました。ただ、建設局の私は味方をするわけでもないんですが、一回目の計画をしたときに、あの辺は掘り返しますと随分遺跡が出てくる地方なんですね、そういうことでちょっと当初計画よりずれたというようなことをここ二、三年前に聞いたことがあります。そういうことで御苦労はあるということはわかるんですが、余りにもおくれているという感は免れません。だから、そういう形の十年計画の中で予算措置をすれば、やや何か忘れたものがあるんではないかというふうな気もいたします。
 ただ、朝早くあの地方、特に明日香村などに立ちますと盆地の関係かなんか、風土の関係でしょう、朝もやがさっと立ってきて、残ったカキの実が赤く見えて、非常に心を洗われる本当にすばらしい村だけに、そういう近代的な行政を推し進めるという中にあって村人は、まあいろんな意識調査ありましたでしょうが、そういうふうに国からかかった行政については忠実に守っていこう、自分らも黒いかわら、そして土塀、そういうふうに努力をしているんです。そういう意味で、なお一層の心温まる予算と行政の指導を今後ともしていただきたいというお願いをまずもっていたしておきまして、官房長官に決意のほどを聞かしていただきとうございます。
#217
○国務大臣(坂本三十次君) まだ私は明日香村を訪れたことは残念ながらないものですから、朝もやの中に真っ赤なカキの実と黒いいらかがあるという、今いいお話を聞きましたけれども、村民の皆さんも、日本の心を守ろう、歴史的風土を守ろうという中で、いろいろ規制がかかっておるにもかかわらず、その歴史的遺産と調和した、いろいろな御苦労をしておいでになるということでありますから、推進事業にいたしましても、今まではいろいろな、今事情の説明を政府委員からいたしましたけれども、六三%というのは確かに進捗率はこれは遅いと、残念な気持ちが私もいたします。
 これはやっぱり、明日香村の財政もあるでありましょう、それから奈良県の熱意の問題もあるでありましょうが、明日香村や奈良県ともよく話し合って、そして少なくとも国の方では一段とこの事業を推進できるように、今までのおくれを取り戻すように私からも政府関係各省庁に推進をいたしていきたいと思っております。
#218
○山田勇君 ちょうど二年ほど前に、甘樫丘公園ですか、少し高いところにありますが、その辺随分と行政的にも配慮をしながら、高いところですので明日香村が大体半分ぐらい、眺望がいいところなんで、その辺も木を植えてしまうと公園からの眺望、景観がそがれるというんで、大変うまくそこのところだけ切り開いて、木を余り植えないで、階段にしても、石の階段をつければ簡単だそうですが、土を使って、大きい丸太を階段のようにしてつくってあって、丸太ですからやっぱり耐久年数は七年か十年ぐらいで崩れるものですから、それの取りかえ作業をちょうどしているところへ私も行った経験があるんです。なるべくその景観を壊さないように行政の方も努力していることは十分わかるんですが、先ほど来申し上げておりますとおり、やや進捗状況が悪いということは否めない事実でございます。そういうことで、ひとつ今後とも皆さん方の御努力を得まして早くすばらしい明日香村をつくっていっていただきたいと思います。
 この整備計画について、十年の計画期間とするということになっておりますが、長期にわたる計画でありますので、将来著しい経済変動もなきにしもあらず、同僚委員も先ほど質疑をしておりましたが、私は経済変動もなきにしもあらずと思いますので、硬直的に消化をしていくんではなく、例えば三年とか五年なりの途中で見直しが行えるようにすべきではないかなと思うんですが、その点いかがでしょうか。
#219
○政府委員(櫻井溥君) おっしゃいますように、計画の十年というのは割と長いスパンでございますので、その間におきます社会経済変動というのは当然予想できるわけでございます。私どもは、歴風審それから歴風審を構成しております各省庁の幹事会等もございまして、毎年明日香整備計画につきまして大所高所の見地からいろいろと議論をしておりますので、必要があれば、今度第二次の整備計画をつくるわけでございますけれども、その中で情勢の変化に対応いたしまして場合によってはその計画の見直し等もあり得るのではないだろうか、そういうふうに考えているわけでございます。
#220
○山田勇君 農林業を主体とした歴史と文化の村づくりを目指してこの整側計画は進められているわけですが、事業費総額百三十四億円を定め、国庫補助率のかき上げ、地方債についての配慮、また明日香村整備基金の運用益などによって風土の保存、住民生活の安定向上を図っておるんですが、住民自身による産業の振興、生活基盤の整備についてはどのような今後努力をなされるおつもりですかどうか、お聞かせを願いたいと思います。
#221
○政府委員(櫻井溥君) 明日香の歴史的な風土保存につきましては、住民の理解と協力なくしては成り立たないわけでございます。そういう意味におきまして、歴史的な風土にマッチするといいましょうか、その範囲内におきましての住民の自主的な経済活動というのは当然必要でございます。
 先ほど来お話が出ておりますように、歴史的な風土の保存のための明日香村の主たる産業はやはり農業立村、それにプラスいたしまして質の高い観光産業というのが当然考えられるだろうということでございます。今委員のおっしゃっておりました住民のそれ以外のいろんな経済活動という中におきまして具体的な要望がございますと、基金の果実を活用いたしまして、先ほど商工関係の基盤整備というお話もございましたが、これにつきましては、具体的な要望があれば地域住民の意向を十分考えた上で我々はそれに対応していかなきゃならぬだろうというふうに考えておるわけでございます。
#222
○山田勇君 明日香における歴史的風土と貴重な文化遺産を守るため、国、県、村は相互に協力して事業を推進しなければなりませんが、明日香村の住民による保存に対する、先ほど来申し上げております情熱と申しますか、積極的な姿勢が重要であると考えます。住民にとって生活を犠牲にする面もあるわけですから、金銭的な面での押しつけというところではなく、理解と協力を得ながら推進していくことが私は最も大切なことだと考えますが、こういったことについての認識を最後にお聞きいたしまして、私の質疑を終わります。
#223
○国務大臣(坂本三十次君) 歴史的風土を守っていくために住民の皆さんに大変な御協力をお願いせにゃならぬ、また規制でもやはり住民の皆さんに御理解をしていただいております。しかし、今お話が出ましたように、確かにその住民の生活を守るための各種の事業の進捗状況は、いろいろな事情があったにせよ大分おくれておるようでございますので、住民の皆さんのお気持ちにこたえるためにも、これはやっぱり何といっても明日香村と奈良県が中心でございますが、ひとつ一層御努力を私からもお願いいたしまして、それと、バックアップをする政府の各省庁関係者を督励いたしまして事業が進むようにできるだけの努力をいたしたいと、こう思っております。
#224
○委員長(対馬孝且君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#225
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#226
○委員長(対馬孝且君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、小川仁一君から発言を求められておりますので、これを許します。小川仁一君。
#227
○小川仁一君 私は、ただいま可決されました明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、平成二年度以降における明日香村整備計画の策定に当たっては、村民の意向が十分に反映されるよう明日香村と協議すること。
 二、明日香村整備基金については、将来著しい経済変動があった場合には適切な配慮を行うこと。
 三、明日香村の農林業が、明日香村における歴史的風土の保存に重要な役割を担っている現状にかんがみ、今後ともその振興に努めること。
 四、明日香村の埋蔵文化財等の発掘調査、遺跡範囲確認等を計画的に推進し、その保存、活用に努めるとともに村民の生活に支障を生じないよう調査期間の短縮等に努めること。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#228
○委員長(対馬孝且君) ただいま小川仁一君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#229
○委員長(対馬孝且君) 全会一致と認めます。よって、小川仁一君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの決議に対し、坂本内閣官房長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。坂本内閣官房長官。
#230
○国務大臣(坂本三十次君) 本委員会におきましては、皆様方の御熱心な御審議をいただいて、全会一致で可決していただきまして感謝にたえないところでございます。
 ただいま御決議のありました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に尊重して努力をいたします。
#231
○委員長(対馬孝且君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#232
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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