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1947/11/26 第1回国会 両院協議会・合同審査会等 両院協議会会議録情報 第001回国会 両院法規委員会 第10号
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1947/11/26 第1回国会 両院協議会・合同審査会等

両院協議会会議録情報 第001回国会 両院法規委員会 第10号

#1
第001回国会 両院法規委員会 第10号
昭和二十二年十一月二十六日(水曜日)
    午後二時九分開議
 出席委員
   委員長 樋貝 詮三君
   理事 松澤 兼人君 理事 松村眞一郎君
   理事 藤井 新一君    松永 義雄君
      菊池  豊君    佐藤 通吉君
      奧 圭一郎君    新谷寅三郎君
      大野 幸一君
 委員外の出席者
        衆議院法制部長 三浦 義男君
        参議院法制部長 川上 和吉君
    ―――――――――――――
 十一月二十日委員齋武雄君辞任につき、その補
欠として大野幸一君が参議院議長の指名で委員に
選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 一、昭和二十二年法律第七十二号により効力を
 を失う命令の処置に関する件
 一、各議院の常任委員会に関する件
 一、議院法制局法案要綱に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(樋貝詮三君) それでは法規委員会を開きます。
 本日は前に予定してありましたように、両議院の常任委員会等に関しての御意見が各委員にあるように承つておりますので、それらの点を議題に供して御審議願いたいと思います。なおその間にはさみまして、前回に皆さんのお手もとへ差上げて御意見を承りました、例の両院へ、また政府へ勧告案というようなものが出ておりましたが、その後なおその点について調査をいたしましたところが、ただいまお手もとに配付してありますような、すなわち昭和二十二年法律第七十二年第一條関係法律案の進行状況、それに記載してありますような各法案の進行ぶりでありまして、大分たくさん審議中のものもあり、これから國会に提出すべき手続中のものもあり、また全然次の國会に提出するよりほかには、今國会には提出できないというものもありまして、從つて会期わずかにここ十日かそこらのことになつておりましようか、そういう時期になつて、とうていこれをこなす見込みのないものがたくさんあるだろうと思うのですが、前に差上げましたあの勧告案を出しましても、実行がむずかしいのではないか。從つてこれには適当の措置をとる必要が生じてきておるのではなかろうかというようなことが考えられます。言いかえれば、事情がその後において非常に変化しておるというようなことがありますので、その点についてどう処置した方がよいかということについてお諮りしたいと思つております。勧告案自体はそれですから今になりましては、少々時期遅れがしてしまつたので、勧告案を委員長の名で出すというこにつきましても、なお一囘御考慮を願わなければならぬというような状況になりましたから、これもまた御再考を願いたいと思います。
 なお法制局長官にその意向も聽いてみましたが、どうせは法律一本で処置をする方法をとらねばならぬではなかろうか。しかも政府の方ではその最後の一案を実は用意はいたしておるような次第だということを申しておりました。これは聽いたことではないのですが、想像いたしてみれば、七十二号の有効期間をあるいは延ばすとか、あるいはそれを代るごく短かい條文をあの七十二号に追加等の形でその改正をするとかいうような方法をとらねばならぬかと思います。そうして次の國会でこれを整理するということになるのではないかと想像いたしておりますけれども、ちよつと勧告案が遅れてしまつたものですから、この勧告案を出しましても、こちらの方で引取つて國会を通していくだけの時間ももはやありませんし、ただいま申したような短かいものを出していくというだけでは、前回御審議願つた趣旨との間には少々開きが生ずるわけでありますので、御再考願いたいゆえんであります。
#3
○藤井新一君 委員長の言われたように、一期日が切迫して、もう今から勧告しても審議期間もゆとりがないから、この際早急に措置をとりたいという勧告をすることはよして、このままにした方がいいように思います。
#4
○松村眞一郎君 この委員会として政府の法律案提出進行の状況を二度も聽いておりますが、政府というか行政廳の方も大体努めておられるようです。その意味からも特に勧告するのもいかがかと思います。会期切迫なという問題もありますが、政府自身も相当に提案すべきものは提案しておられるのではないかと思いますし、その意味において今勧告する必要はないという意見です。
#5
○委員長(樋貝詮三君) 結局結論においては同一で、ただ理由が違うというわけですね。ほかの方も結論においてはやはり同じことになりましようね。
#6
○佐藤通吉君 そうです。
#7
○委員長(樋貝詮三君) それではこの勧告案はこの際ここの議題から撤回いたし、このままにいたすことに処理いたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(樋貝詮三君) 先ほどの常任委員会の整理等に関しまして何かありましたらそれをお聽かせ願つて、それに対して必要の場合には勧告案をつくつてまいるようなことにいたしたいと思います。
#9
○藤井新一君 緊急動議ですが、齋君の代りに大野君が見えられましたので御紹介していただきたいと思います。
#10
○委員長(樋貝詮三君) それでは各委員に御紹介を申し上げます。大野幸一君が齋委員に代りまして今度委員になられまして、ともども御審議願うことになりましたので、御紹介いたします。
#11
○大野幸一君 私大野幸一でございます。どうかよろしくお願いいたします。
#12
○藤井新一君 各常任委員会については、参議院の議院運営委員会においてしばしばこれが議題となつて論議されてきておるのであります。それについては二つの論拠があるのです。一つは閑散であまり審議していない常任委員会を合併してはどうだろうかというのと、もう一つは、忙しい委員の方へ他の委員が臨時追加されていつて定員数にすれば議事がはかどるのではないかという二つの問題が持上つておるのであります。いずれを採択するかしないかは各運営委員に任すのであるが、われわれ法規委員がこれに対して勧告をするだけの價値はあるだろうと存ずるのであります。私の研究した範囲内においては、議案を付託されていない常任委員会が五つ六つあります。また予備付託もされていないのがございますが、そういう常任委員会は合併した方がいいように考えます。具体的な問題はもう少し議事進行の後に申します。
#13
○委員長(樋貝詮三君) お説のように常任委員会の実際を見ますと、非常に忙しいところとごくひまなところとありますが、これは今度の議会の特別現象というようなものもありましようし、事柄の性質上から繁閑を生ずるということもあると思うのですが、議会の特別事情からそのときだけ繁閑を生ずるという場合に備えるために、例の予備委員のようなものを置いて、それをして委員会に配置するという方法も必要ではないかと思います。だから根本的に配置分合だけやつてみても、依然として委員会の間に繁閑を生ずることができはしないか。たとえば今度の衆議院の状態を見ますと、農林委員会などに非常に忙しさを見るのですが、あれも一通り済んでしまうとそれほど忙しさを見ないで済みはしないか。また請願の非常に多い委員会もありますが、それらの委員会は今後といえどもやはり請願が多いだろうと思いますので、そういうところは人も増さなければならないし、あるいは場合によれば委員会を分割して、さらにこれを小さく縱切りにして委員会の数を増さなければならぬのではないかということも考えられるのですが、何か配置分合に関する腹案がありますか。
#14
○松澤兼人君 この常任委員会の改革の問題については、やはり根本的な問題と、当面の問題とあると思うのですが、根本的な問題は今ただちにこれを動かすということは、いろいろ差障りもあるし、次の改選後の衆議院――特にこれは衆議院の問題ですが、衆議院からこれを実施することにして、差障りのない常任委員会の所管事項の変更を、とりあえずやつてみることにしたらどうかと思うのです。それで、たとえば決算委員会から行政機構に関する事項を別にはずしてしまつて、これだけ独立したものにして、常任委員会が殖えるわけでありますけれども、そういう形をとつた方がよくはないかと思うわけであります。先ほどお話のあつたフリーランサー式の委員をこしらえておくことは、権限や職能という点から考えてみてどうもおもしろくないので、結局関連した委員会においては、相互に委員が出席し得るというような、應急的な措置を講じたらどうかと思うのです。
#15
○委員長(樋貝詮三君) 現在一委員が三つまで委員を兼ね得ることになつておるのですが、これに制限をしてみたらどうでしようか。これとこの委員は兼ねられるというような制限をしてみたら、目的を達せぬでしようか。
#16
○藤井新一君 その問題は参議院では、外務常任から決算委員までは必ず一つあてもつ。議院運営と図書館と懲罰だけは自由にもち得るということで、最初に役割をきめたのです。ですから参議院においては各自二つあてで、三つもつておる者はいないのです。たとえば在外同胞引揚特別委員会と法規委員会だけは別個にございますが、ほかの常任委員会は全部二つということに決定しております。ですから委員長がおつしやるようなことは、参議院においてはないはずです。
#17
○松澤兼人君 委員長はただ文教委員と文化委員とをリンクして、それを兼ねることができるというふにすれば、機構を合併しなくともいけるというのですね。
#18
○藤井新一君 賛成、それはいい案です。
#19
○委員長(樋貝詮三君) 何とかそういうふうに整理することによつて、調和をとつていたらどうか、まるつきり緑故のないところを二つ兼ねたりしておるものがありますから‥‥。
#20
○藤井新一君 たとえば文教常任委員会があり、それには文化常任委員も出席して発議権も、発言権もあるというようにすれば、定足数がある。そういう案ならことに結構です。
#21
○松澤兼人君 しかし文教でもほかに関連しているものがある。
#22
○藤井新一君 治安と國土、農林と水産、財政と予算、電氣と鉱工業、通信と運輸はそれができる可能性がある。大体兄弟のような本質をもつてるい。そうすれば松澤委員が述べられたように、決算を二つに分けられる。一つは決算、もう一つは行政機構運営委員とでもつけて、これはどうしても二つにしなければならぬ。というのは議長が案件を付託する場合に、いつでもここでもめてくる。これは松澤委員がおつしやつたように、決算委員を二つに分けるように勧告する必要はわれわれも十分認めます。
#23
○松澤兼人君 ちよつと藤井委員に聽きたいが、運営委員会が、それ自体請願を受付けるとか、陳情を受けることがありますか。
#24
○藤井新一君 議長が受付けて、議長がこれを振り当てるときに、議院運営に相談する。その場合議院運営は参考までに議長に申達することになつております。
#25
○松澤兼人君 議院連営が請願を割当てられることがありますか。
#26
○藤井新一君 むろん議院運営政党法に関するものはやつております。すなわち選挙法に関する件はここでやつております。
#27
○委員長(樋貝詮三君) これを、議院運営委員会が形を変えた、庶務委員会というようなものにしてもいいかしれませんね。
#28
○藤井新一君 参議院の議院運営委員会の中には、庶務委員会というのが小委員として存置してあります。それは参議院に関するすべての運営、たとえば議員会館とか、議員宿舎とか、あるいはその他の補助員の決当に関する問題、あるいは参議員の佩用するバッジとか、あらゆるものは庶務関係で処理しております。これは参議院では庶務関係委員と行政庶務拡充委員との二つにわかつております。
#29
○松澤兼人君 衆議院の方でも衆議院運営委員会の中に、衆議院の全機能発揮に関する小委員会と、議員の福利に関する小委員と二つあるらしいですね。
#30
○委員長(樋貝詮三君) そうするとたいていどちらかにはいりますね。
#31
○松澤兼人君 そうです。
#32
○藤井新一君 結論的に言うならば、決算を二つにわけてはいかがですか。
#33
○委員長(樋貝詮三君) 決算をなくするというわけにはいかぬわけですが、そうすると固有決算と、今日決算委員会に割当てられている、決算委員会にしてはふさわしくないという部分を外に出すことになるわけですか。
#34
○藤井新一君 そうです。二つの常任委員が設定されるわけです。
#35
○委員長(樋貝詮三君) たとえば行政機構に關する事項というものが、衆議院規則などには決算委員の部分に現われておりますが、そういうことを削つて、別に独立の委員会でもつくる、こういうのですか。
#36
○藤井新一君 そうです。
#37
○委員長(樋貝詮三君) そうすると決算委員会というものが、実際の政治の上からいきまして、非常につまらぬものになるという感じがする。それが極端になると、この委員会に行き手がないということに事実はなるのですが、そういう点はどうでしようか。何かをつけてやらぬといかぬと思います。
#38
○松澤兼人君 その点は懲罰委員会などでも同じじやないのですか。ほとんど懲罰事犯というのは……。だからどうせ二つくらいの委員会に所属するのですから、決算委員会の委員が、その希望によつて大部分行政機構の委員会に振り当てられれば、その内容は同じですけれども、しかし制度の上から言えばはつきりするのじやないのですか。
#39
○委員長(樋貝詮三君) 実は人的な方面から決算委員になる人と、行政機構の方の委員になる人とでは、実は趣味なり能力なりが違う。そんなような関係から、むしろ別なものと組合せればいいわけですが、それらのくふうを要する点もあると思います。
#40
○松澤兼人君 その点は十人の委員の中で、三人くらいは専門的な学識経驗のある者で、あとの七人あるいは六人くらいの人たちは、大体各党のいい加減な振当てで、別に趣味もなく、経驗もない人でもしかたがない。そこに行けと言われるから行つたという人の方が多いのではないかと思います。
#41
○委員長(樋貝詮三君) あるいはそうかもしれません。その方がまた第三者的な、かなり公平な判断ができたりするかもしれません。
#42
○松村眞一郎君 根本論として、元來常任委員は会期ごとに変えたらいいのではないかという考えをもつております。そして適任の人はずんずん続けていつていいでしようし、適任でない人はやはり自由に迭つて、繁閑に應じて、この会期はこちらにくるというようなことでいいのではないかと思います。委員会はそれぞれ存在の理由があるので、案件が少いからというだけで合併するのもどうかと思います。
#43
○委員長(樋貝詮三君) この点は衆議院の方の経驗ですが、いろいろ外國の事例などもとつて、そうして長期で行つた方がというようなことになつた事情のようであります。しかしこちらの方の改革意見としてはいろいろ考えて、そこはまたここの法規委員のいいところで、しかもやるべきことかもしれませんが、一應はそういうことで外國のの事例にならつたようなわけであります。会期ごとにかえる方がいいかもしれませんが、利害損失、考究することに願いたいと思つております。
#44
○藤井新一君 松村委員の言われるようにすることは、從來の政治機構ではまことにいいことであるが、新憲法のもとにおける國会法は、そうではないのです。常任委員制度をもつて議会は本質としておる。ですからその委員会においてその議員が專門家になり、それが常時國務に携わるというのが、議会政治の本質のようになつておる関係上、会期ごとにかえるということは、ここに一つの矛盾がありはしないかということを考えるのであります。だから本員はやはり議員在職中はそのままその人が、いわゆる專門家になるという意味で、國政に携わるというのが至当であると考えます。殊に衆議院のごときは解散もございますし、その解散ごとにその委員は変更し得るものでございますから、あえてここで会期ごとに変更する必要はないものと考えます。
#45
○委員長(樋貝詮三君) エキスパートになつた者が委員になるのか、委員になつてエキスパートになるのか、両方の組合せだろうと思いますが……。
#46
○藤井新一君 それは委員になつてエキスパートになると思います。
#47
○委員長(樋貝詮三君) 両方の組合せのようなかつこうになつているのじやないか。
#48
○大野幸一君 松村委員の、参議院において委員長六箇年ということは一考を要すると考えるのでありまして、参議院は少くとも三年毎に半数は改選になるのであつて、改選になつたところでさらにまた選挙をし直すという意味で、むしろ三箇年にするか、あるいはまた衆議院の方が解散になつて新しく國会が成立したときを期として参議院の方も改選するか、何かここでやらなければ、六箇年のように長い間には倦怠を覚えるようなことがあつて新鮮味がなくなるということも考えられるので、この点私は松村委員の説の一部に賛成するものであります。
#49
○藤井新一君 松村委員は全期毎に代えるというのであり、大野委員は任期間中というのであつて、その間に大きな開きがある。むろん大野委員には賛成ですが、衆議院がかわるたびに参議院もかわるということでは、專門家になる機会が少いから、これはだめであります。一歩讓りまして、参議院は三箇年毎にかわるということにしてはどうかとも考えるのであります。
#50
○委員長(樋貝詮三君) 衆議院の方は與党側から委員長を出すという申合せでございますが、内閣が迭ればまたお互いに、かえようという協定のもとに、與党から委員長を出そうということになつておるのです。参議院の方はそうではないようですか。
#51
○藤井新一君 この問題は別として、常任委員の合併の問題について審議を進めていただきます。そうして決議案として衆参両院運営委員長に、併合あるいは分割すべきかを勧告する程度に止めて、具体的な委員の合併を言わずして出してみたらどうかと思います。
#52
○委員長(樋貝詮三君) 案を示さずに――参考案を示すことはどうですか。
#53
○藤井新一君 しかしこれは両院にはおのおの特徴があるから、そこの委員会で審議されることも考えられる。
#54
○委員長(樋貝詮三君) 勧告案には資格をつけない。たとえばこのなようなことが考えられるがということで、こちらに案があればそれを示すというような方法にしたら角も立たないし、非常にぐあいがよいのではないかと考えます。そういう意味において、各委員の方にもし腹案があれば、それを借用に及んでもつていつたらどうかと思います。それならばこの委員会の決議ということでなくとも、向うで考える場合においても、ためになるだろうと思つております。おそらく両院の方の運営委員会にかけて、何とか整理しなければいけないということは、今日感じておるだろうと思いますが、これを整理すべしということだけを勧告するというような方法で、勧告案をつくることはいかがでしようか。
#55
○佐藤通吉君 運営委員会の方にただこういうふうにしろ、ああいうふうにしろという勧告だけでは、意味がないと思います。こちらからもし勧告するとすれば、やはり参考案を起草して、それを示して勧告するということが私は効果があるのではないかと思います。
#56
○委員長(樋貝詮三君) 両院法規委員会規程の二十條に、「両院法規委員会が、國会関係法規の改正について、両議院に勧告するときは、勧告の要旨及びその理由を附し、案を具えて、文書でこれを両議院の議長に提出しなければならない。」ということになつておるそうであります。だからやはり案を具えないとまずいわけです。
#57
○藤井新一君 そうすると案としては比較的閑散な委員を合併するようにする以外にはない。
#58
○委員長(樋貝詮三君) そうすると閑散な委員にほかの忙しいところの委員会の事項をもつていつて権限につけるということと、それからある委員会の委員と他の委員会の委員とこれを必然に兼任するとか、あるいは全然縁故のない委員会の委員を兼任することは、これを禁止するとかいつたような方針をとれば、その間が何とかあんばいできるかもしれません。そんなものでもし委員の方で今日特別な御意見をお持合せがなければ、事務当局の方に考えてもらいまして、それを練つておる間に皆樣の方からも御提案を願つたりして、それを資料に原案を一つ練つてみましよう。
#59
○委員長(樋貝詮三君) それではそんなことでひとつお任せ願うことにいたします。
#60
○藤井新一君 その時にやはり理由は書いていただきたいが、その理由をここで大体審議する必要はないですか。やはり法制部の方にお任せしますか。
#61
○委員長(樋貝詮三君) それは事務当局の方でその原案をつくるときに、どうせ理由があつてその原案ができますから、それを皆樣の前に出して御判断を願つた方がよくはないかと思うのであります。それではこの問題は本日はこの程度に止めておきます。
    ―――――――――――――
#62
○委員長(樋貝詮三君) もう一件お手もとに配付した勧告案草案と題したものと、それから議院法制局法案要綱と題したものと二部ありますが、その勧告案草案と題しましたものの趣旨は、お読み願つたように、議院法制局というものを少し大きくこしらえて、今日の法制部よりもつと機能を発揮するようにしたらどうかという趣旨で、それがため両院議長にあてて勧告をしたらどうかというのがこの案の内容であります。こまかいことはごらんくださればよくわかるわけですか、それに伴つて別紙の要綱の方においては、こんなふうに法制局をつくつたらいいだろうということが書いてあります。これについて事務当局から御説明を申し上げます。
#63
○新谷寅三郎君 ちよつと――先般衆議院の運営委員長からも、法制部及び調査部の拡充の問題を、衆議院でも、問題にしておるというお話がありました。参議院においても、運営委員会の方でやはり同樣の趣旨で拡充案を考えておられるのであります。この両方の歩調がそろいませんと実現がむずかしいのではないか。こういう案が出ますことは、非常に実は結構なことであります。われわれ何か一つの法案を立案しようと思いましても、現在のような状況では実際上ほとんどできませんので、法規委員会としてはお取上げになつて、これが早く実行に移されますように御配慮願うことを特に希望いたします。
 ただここで、これは御説明を聽けばわかるのかもしれませんが、この法制局と調査部との関係です。法制局の中には、衆議院の方でも参議院の方でも、今お考え中のものには、いろいろな資料を蒐集するものがはいつていないかと思うのであります。やはり実際に即した立法をいたさなければならぬわけでありますから、資料をとりそろえて、いつでも現状を把握しておることがどうしても立案にあたつて必要だと思いますが、この関係も、この御審議の際に、併せて御檢討願つた方が結構ではないかと考えるのであります。
#64
○委員長(樋貝詮三君) それは法制局と独立に調査部のようなものをこしらえるというのですか。調査を済ましてでなければむろん立案はできません。立案にあたつては調査はどうせ必要です。調査と立案と別の人がやるということになると、その立案は肉離れしたようなものができるので、同じ人間でやらなければならぬように思うのですけれども、今の御趣旨は、別々にその機関を置こうというのですか。
#65
○新谷寅三郎君 私の申し上げています趣旨は、ここに書いてありますように、國会の立法機能を促進する目的でありますから、なるべくならば一本の方がいいと、私個人的には考えておるのであります。ところが現在進められております調査部の案というものが、國会図書館との関係が生じておるのじやないかと思うのであります。法制局の拡充問題と調査部の拡充問題とを、別個の問題のように両院とも扱つておられるのじやないかと思うのです。それでは結びつきが非常にぐあいが惡いんじやないか、やはり立案をするために必要な最小限度の調査機構を、名前は何となりましてもよろしゆうございますが、一つの機関でもつておつた方がいいのじやないか、私はさように考えております。
#66
○参議院法制部長(川上和吉君) 更宜私から御説明をさせていただきたいと思いますが、問題になりまする点は、ただいま新谷委員からお話のありましたように、先般來現在の法制部及び事務局の調査部の機構、要するに議院の立法機能を補助いたしまするための機構を、整備いたしていきたいということについての問題であります。そこで今お話のありましたように、今やつております法制部の仕事、それから調査部の仕事というものを頭において考える方が、説明が便利だろうと思います。またそこに今の新谷委員の御質問もあつたのじやないかと思いますが、この案は一應法制部の拡充の方面につきましては、こういう議院法制局法案というような形において、この法規委員会として勧告されることになるのじやないか、もし問題が具体的に取上げられるとすれば、そういう形になるのじやないか。一方主として調査部でやつております仕事については、これは法令的な改正まで手を加えることになりませんで、しかしこれも場合によりましては、たとえば國会図書館の機構をもつとはつきりした調査機能をもつ機構でやるというような、法規の形に取扱うこともできるのではございませんか。おそらく法制の機能の方が具体的な法規の形になつて現われるのじやないかというような意味におきまして、関連をいたしますが、お手もとに差上げました勧告案草案の裏の方でございますが、後の方に「然るに、現在立法事務を担当する法制部は、事務局の一部局に過ぎず、且つその陣容も極めて貧弱である。尚これに関連して事務局調査部の機構についても、國会図書館の充実に照應して拡充の要があると認める。」ということをこの理由書に加えて表現をして、そうして形は法制局の問題を出されることが、法規委員会としては適当じやないかということで、この原案をつくつてみたのであります。しかしながらこれは一つの形でありまして、ここで御審議を願いまする際には、そうした点も根本的に御論議願い、また今お話のありましたような点も、実質的にどうするかということは、十分御議論を願つてしかるべき問題かと思うのであります。ただここに出ました形は、たまたま法規委員会として取上げるにはかような形でどうか、でこの理由書の中にさような趣旨をうたつておくということにいたしたらどうかという趣旨に、この原案がなつておりますので、さようなこともお含みの上で御審議をお願いしたいと思います。
 さような前提のもとに便宜この議院法制局法案要綱について一應ごく概略御説明を申し上げますが、法規委員会として勧告されます場合には、こういう法案要綱ではぐあいが惡いのでありまして、正式に法律案になりましたものになりませんと、國会に対する勧告案にならないのであります。でわれわれ事務の方で研究をしまして、法律案にしてここで御審議を願うべきであつたかもしれませんが、問題がいろいろまだ熟しない問題もございまするし、われわれの檢討だけでここに原案として出しますることは、差控えた方がいいだろうというような意味合いにおきまして、一應要綱としまして、ここで御論議を願つて、その結論によつて必要によりましてわれわれの方でまとめるというようなことにいたしたらどうかということで、形を要綱ということで本日御参考に差上げたわけであります。
 第一以下読みながら御説明を申し上げます。第一は
 議院法制局は、各院の法案審議の独立性に鑑み、各議院に置くものとする。
  右に対しては、國会図書館の如く國会にこれを置くものとする意見がある。
 現在の法制部が、國会法の中に特に規定がございまして、國会法の百三十一條に特に「議員の法制に関する立案に資するため、各議院に法制部を置く。」という規定がございます。この國会法の趣旨から見ますと、單に議院事務局の一部分でありますか、あるいは事務局の中の一般の部と同じような部でありまするか、あるいはそれと別個に第百三十一條に特に「各議院に法制部を置く」というようなことに書いてありますので、今のように事務局の一部と同じような形をとつておりますことが、はたしてこの國会法の趣旨に副うかどうかというような点も問題があるのであります。さような点にも鑑みまして、また拡充強化いたしまする際には、議院法制局――あるいはこの法制局という名称が適当かどうかも御審議を願いたいのでありまするが、事務局と別個のそうした独立した機構ができるということに案がなつておるのであります。その場合に國会図書館のように、國会一本の法制局とするという点も考えられるのでありますが、それに対しまして、ここにありますように、各議院にそれぞれ法制局を置とくいう案と、両方の案が考えられるのであります。この議論につきましてはおのおの一長一短があろうと思います。技術的に法制を審議をいたすという点、あるいは共通の資料を整備するという点から申しますと、國会に一つということがあるいは適当でないかという意見も立ち得ると思います。それよりももつと重要な点は、議院そのものが二院制であります関係上それぞれの議院の意見なり立場というものはおのずからあるわけでありまして、さようなことになりますと、実際上両院の特殊性から鑑みまして、また二院制度の特色を発揮するという点から申しますと、その最も重要なる立法機能の補助機関でありますこの法制局というものは、両院制度であればこれは別個であつてしかるべきである、別個でなければほんとうの機能が発揮できないのじやないかという点が、相当強く考えられるのであります。そこでこの要綱では一應われわれの研究といたしましては、各議院別個に置くことが適当だということで、一應こういう案にきめたのでありますが、この点からまず問題があろうと思うのであります。以下同樣な意味におきまして、一應の考え方と、これに対するまた別の考え方というものを交えて、ここに要綱にしてあるのでございますが、さようなことでお読み願いたいと存ずるのであります。
 それで第二は、
 議院法制局は、事務局より全然これを独立せしめ、法制局の長は、事務総長と対等の地位において議長の監督の下に置くこと。
  右に対しては、身分上は事務局の管轄下に置くが、職務上は全然独立せしめるという意見がある。
 この点も、ただいま申しましたように、現在の事務局との関係をどうするかということがすこぶる大きな問題になるのであります。この点につきましても、ここにありますような形、あるいはまだほかの形も考えられるかと思いまするが、一應ここに書きまするような形におきまして、いずれが適当かということについて、十分に御論議を願いたいと存ずるのであります。
 第三は、
 各議院法制局の職務は、法律問題に対して意見を具申する等の方法により、議院における審議に或る程度関與せしめること。
  右に対しては、法制局の職務は、單に議員の立法に対するサービス機関とすべしとの意見がある。若しこの論をとるときは、法制局の職務は國会図書館の立法資料部的在存となり國会図書館に吸收せしめらるべきものとなる。
 この用語等もはなはだ適当ではないのでありまして、議院における審議にある程度関與するというような字句は、はなはだ適当ではございませんが、單に議院のほんとうの参考機関、まつたく陰の存在としての参考機関というようなことで適当であるか、あるいはむろん議院の審議の参考に資するためではありまするが、委員会等の席におきましては、この法制局の長、あるいはその代理者等が発言するようなことによりまして、参考に資する。もとより参考に資するのでありまして、この審議に関與するというのは適当ではないと思いますが、さような意味においてまつたく陰の参考機関というよりも、一歩進めるかどうかというような問題があり得るわけであります。この点も、法制局の性格をどうするかということに関連しまして、御論議を願いたいと存ずるのであります。
 それから第四は、
 各議院の法制局に局又は部を置き、その下に課を置くことができることとする。
  右については法務廳の機構と合せ考慮さるべきである。
 これがまた一つの問題でありまして、今回政府において最高法務廳法案を提出されまして、政府の法律顧問的な機構が、非常に拡充強化充実せられることになつておるのであります。これと関連をいたしまして、唯一の立法機関たる國会がどういう構成であるべきかということは、從來の形と違つた意味において考えていく必要があろうかと思うのであります。さような意味においてこの法制局にも局をつくる。局の下に局というのは、あるいは名称が適当でない点もあるかと思いますが、この名称等も、併せて最高法務廳の機構とも関連をして、政府と國会の立法参考の機構をにらみ合しせて整備していくという意味合いにおきまして、この関連をお考え願いたいと存ずるのであります。これが第四の問題であります。
 それから第五は、
 各議院の法制局に法制総長、法制次長、法制局参事、法制局副参事、法制局主事を置き、法制次長以下の職員は法制総長が議長の同意を得てこれを任命することとし、なおその定員は院議を以てこれを定めること。この職員の任命をいかにするかという問題であります。
 それから第六は、
 各議院の法制局に参與を置くこと。参與は学識経驗を有するものの中から法制総長が議長の同意を得てこれを依嘱すること。これを專任の職員のほかに法制局の性質に鑑みまして、適当数の参與のごとき制度を設けたらどうかという案であります。
 それから第七、
 議院法制局の設置に当つては、國会法を改正すべきである。
  右に対しては法制部の下に局を置く等に方法も考えられるから國会法改正の必要がないとの意見もある。
 前申しましたような御議論がきまつてまいりまするならば、事務局の関係をどうするかという点に関連をいたしまして、またほかの問題も含めまして、國会法から改めてかかる必要があるのじやないか。しかし國会法の解釈のいかんによりましては、必ずしも國会法を改正せぬでも、その間の関係を明確に解釈を定めて、改正しないというやり方もあり得るのであります。この点についてもいろいろな問題があるのでありまして、それらの点もおきめを願わなければならぬと思うのであります。
 それから第八、
 國会職員法はこれを改正すること。この際法制局の次長は事務局の長次と、局長又は部長の地位は事務局の部長の地位と同等とすること。
 國会職員法は当然改正をしなければならぬ点だと思います。これは技術的に比較的簡單であろうと思いますが、第一から第七までの点につきましては、いろいろの考え方ができるのであります。ごくこの要綱の氣持だけを御説明いたしまして、さらにお尋ねによりまして、われわれの研究いたしました経過等も申し上げたいと思いまするが、むしろあまり詳細に申し上げまするよりも、委員の皆さんによつて御論議を願いまする方が適当と存じまするので、この程度の簡單な説明に止めまして、御質問によりましてさらにお答えをすることにいたしたいと思います。
#67
○藤井新一君 たいへんりつぱな案でありますが、事重大でありますから、次会にこれを審議することにして、本日はこの原案をもつ帰つて研究をするということにしたらいかがですか、今ただちに研究するにしても、予備知識をもつておりませんし、また現在の法制部の機構も研究する必要がございますから、われわれ委員は、現在の法制部の機構の内容も併せて提示したいただきたいと思います。
#68
○委員長(樋貝詮三君) それでは藤井委員の御発言の通り、ちよつと專門的になりますから、やむを得ないと思いますが、御研究の都合もあるようですから、本日はただいま説明のありました程度をもつて打切まして、さらに御研究を願つて審議したいと思います。この要綱についてみますと、これは政府の法制局と、今度できました総理廳ですか、あれとの関係のように今度しようと考えておるように見えますが、これらの点も政府の方面の組織を研究するということによつて、その利害得失等もわかると思いますから、藤井委員のお話もありますので、政府の方の参考資料も差上げるように願いたいと思います。
#69
○藤井新一君 次会の会合はいつになりますか。
#70
○委員長(樋貝詮三君) 水曜日にいたしたいのですけれども、どうもいろいろよいことと惡いこととがあつて、わざわざ出てこなければならぬので、なかなか会合しにくい点もある。火曜日の方は衆議院の本会議の開会日に当つており、從つてこの委員会に衆議院の方では出にくい時間でありますけれども、やはりどうも火曜日の方が便宜のようですから、來週火曜日に開会することにいたしたいと思います。お含みおき願いたいと思います。
#71
○参議院法制部長(川上和吉君) 先ほど藤井委員のお話の現在の法制部の機構等の資料ですが、これは二、三回前のときに相当詳細なものを差上げましたので、もし御都合がつきますれば、それをお探しを願いたいと思いますが、もしなければさらに差上げたいと思います。
 それから今度の最高法務廳の機構等につきましては、私どもの方でもできるだけ調べて資料を差上げることにいたします。むろん今委員長からお話がありましたように、性質はよほど違うことになると思いますが、ただ関連をしてお考え願うのも一つの方法かというような意味で、申し上げたのであります。
#72
○委員長(樋貝詮三君) 本日はこれをもつて散会いたします。
    午後三時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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