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1990/06/05 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 逓信委員会 第6号
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1990/06/05 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 逓信委員会 第6号

#1
第118回国会 逓信委員会 第6号
平成二年六月五日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月五日
    辞任         補欠選任
     宮田  輝君     野村 五男君
     守住 有信君     須藤良太郎君
     鶴岡  洋君     常松 克安君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         青木 薪次君
    理 事
                岡野  裕君
                永田 良雄君
                松前 達郎君
                磯村  修君
    委 員
                長田 裕二君
                陣内 孝雄君
                須藤良太郎君
                野村 五男君
                平野  清君
                大森  昭君
                山田 健一君
                常松 克安君
                山中 郁子君
                足立 良平君
                沢田 一精君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  深谷 隆司君
   政府委員
       郵政大臣官房長  白井  太君
       郵政省簡易保険
       局長       松野 春樹君
       郵政省通信政策
       局長       中村 泰三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大野 敏行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○特定通信・放送開発事業実施円滑化法案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(青木薪次君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、鶴岡洋君が委員を辞任され、その補欠として常松克安君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(青木薪次君) 簡易生命保険法の一部を改正する法律案、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案、簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案の三案を便宜一括して議題といたします。
 三案については既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○山田健一君 おはようございます。きょうはトップでまたやらせていただくわけですが、私たちも基本的にこの三法には賛成という立場もありますので、ひとつ前向きにしっかりと、後から見てこの実施がよかったなと言えるような中身になるように御答弁の方もよろしくお願い申し上げたいと思います。
 まず、簡保の一部改正についてお尋ねをいたしたいと思います。
 今回の改正は、長寿社会を控えて簡保、年金を統合する、そのことによって死亡保障あるいは生存保障を一緒にした生涯保障保険を創設する、こういうことなんですが、まずこの生涯保障保険の位置づけといいますかその果たすべき使命、役割、こういうものについてお尋ねをいたしたいというふうに思っております。
 実は去年の六月に郵政省の方から簡易保険・郵便年金に関する調査研究会の中間報告というものが出されまして、これにこの生涯保障保険についての具体的な方向づけというものがなされているわけでありますが、これを読みまして実は大変気になったのは、この中に自助努力というのが随分たくさん書いてあるんです。
 確かに私たちは、今の公的年金のシステムを含めて、予想されるいろんな高齢化に対応するニーズにこたえていくという意味では物足りない、あるいは不安な部分が随分あるんです。しかし、だからといって、ここに自助努力による老後保障の必要性が非常に高いということが随分うたわれているわけなんでありますが、見方によっては、国として、これは厚生省の方になるだろうと思いますが、国としての一つの使命なり役割というのを一方で担っておきながら、それをいわゆる自助努力という形ですりかえていってもらっては困る。また、いわゆる福祉の抑制と表裏一体の形で自助努力ということが強調されていくということになるならば、これはやはり大きな問題があるだろうというふうに受けとめております。
 そこで、この自助努力ということに随分触れられて、その延長線としてこの生涯保障保険の創設という経過になっているわけでありますが、郵政省としてこの保険を創設されたその位置づけといいますか、公的な年金システム等々を含めての厚生省として果たすべき役割、そして長寿社会に向けてこの生涯保障保険の果たす役割、この辺をどう認識されているのか、まずお尋ねいたしたいと思います。
#5
○政府委員(松野春樹君) 先ほど先生が御指摘になられました今回の生涯保障保険の創設に当たりますもとになっております昨年の中間報告につきまして、確かに自助努力という言葉がたくさん出てまいります。
 私どもの基本的な考え方ですが、日本で急速に高齢化が進展しておる、これは説明申し上げるまでもない状況だと思います。したがって、豊かで活力のある本当の意味での長寿社会を実現するために何をやるべきかということがあろうかと思います。その中でやはり公的な保障の充実ということは、これは私ども、もちろん国民の立場に立って今後大変重要な課題である、公的な保障の充実という面はそれはそれとして大変重要な課題であるという前提に立っております。
 そこで、私どもの簡易保険・年金事業と申しますものは、国営事業ではありますが、いわば私的保険あるいは私的年金といいますか、個人保険、個人年金の分野を扱っているわけであります。私ども、さまざまな調査をしておりますが、やはり公的保障だけでは、もちろんこれを伸ばしていく重要性は重々承知しておりますが、不十分な面がある、それのみでは国民生活にとって完全ではないのではないか、自助努力による相互扶助という私どもの行っている事業分野、あるいは生命保険事業もございますが、という分野がお役に立つ場面をやはり考えていきたいということが発想にございます。
 今回の生涯保障保険も、例えば二十五歳から四十四歳というふうな比較的青壮年層の方々が将来の生活設計をどうするか、これにはお立場お立場でいろいろなお考えがあろうと思いますが、これにひとつ少しでもお役に立ちたいということから、保険と年金を通じた新しい商品を開発したいということで実は取り組んだわけでございます。
 先生既に御案内のように、高齢化社会の中で、もちろん高齢化社会のすぐれた面というのもありましょう、しかし、一面また影の部分というものもあります。私ども重々それを承知しながら、いろいろな機会をとらえまして、簡易保険あるいは郵便年金事業を通じてこの高齢化社会が本当に生き生きした長寿社会になるための一助となりたいということを念願しておる次第でございます。
#6
○山田健一君 今ちょうど御答弁いただきましたけれども、いわゆる公的保障の充実はそれなりに大きな使命を持ってこれはこれで進められなきゃならぬけれども、郵政省の果たすべき立場とすれば、言ってみれば私的な個人年金なり保険なりという形でそこら辺の不足している部分を補っていく、こういう位置づけだったというふうに思っております。
 それはそうだろうというふうに思いますが、ただ私が今お伺いしたのは、実は去年も御存じのように年金の支給開始年齢の繰り延べの問題等が出てまいりました。いわゆる財政再建との絡みといいますか、そういう問題もあったわけでありますが、やはり国の果たすべき役割はそれなりに果たしてもらわなきゃいけない。同時に、それと、郵政の分野として果たすべきそういう長寿社会に向けての役割、こういう認識をやはりきちっと踏まえて進めていただきたい。きょうは厚生省はいらっしゃいませんから伺うわけにいきませんけれども、そういう形で郵政の立場を理解させていただきながら、ではそれに基づいて郵政省としてどう対応していくのか、まず基本的な部分について、きょうは大臣が御同席でございますのでお尋ねをしたいと思います。
 郵便は郵便で、これは大分県あたりでも「ふれあい郵便」というのをやっておりまして、それぞれ回りながらお年寄りの家庭を訪問するというような形もとられておりますし、貯金にしても、保険、年金にしても、考えてみれば皆、老後の不安に備えてというのがもともとその基本的な性格としてある。その意味からいえば、いわゆる高齢化社会、長寿社会に向けて、三事業一体、そしてまた二万四千の郵便局ネットワークを使っての高齢化社会に向けての一つの総合的な福祉システム、こういうものを構築していく必要性が、今高齢化の時代を迎えて郵政省としてあるのではないかなというふうに考えているわけでありますが、大臣の所見なり今後の施策、そういうものについてお尋ねいたしたいと思います。
#7
○国務大臣(深谷隆司君) 山田委員御指摘のように、我が国は世界に例のないスピードで、老齢化、高齢化、長寿社会という時代を迎えているわけであります。国はあらゆる力を発揮して高齢者福祉の政策を進めていかなければなりません。郵政省としてももう当然のことでありまして、事業の適切な運営を通じて活力ある長寿社会を築くためにあらゆる限りの努力をすべきだと考えています。
 簡保事業では、今後、介護を要する高齢者が増加していくという認識のもとに、昭和六十三年九月に金銭給付型の介護保険を開発いたしましたが、さらに平成三年度には介護機能を有する終身利用型の加入者ホームを浦安にオープンするといったような施策を進めてまいります。
 今、先生御指摘の「ふれあい郵便」の件もそうですが、過日の衆議院の逓信委員会で武部文先生からも御質問がありまして、主として中国地方で「愛の一声キャンペーン」というのをやっておられ、一人住まいのお年寄りに郵便を配達する途中で立ち寄って声をかける。あるいは島根県の方では往復はがきを行政の手の行き届かないお年寄りに送って元気かどうかの確認をするといったような、そういう動きもあるようでございます。
 私といたしましては、それらの状況を背景になさった質問にこたえて、これをぜひひとつ、例えば一声運動も二万四千の全国に配置されている郵便局を通して具体的に行うとか、あるいは今の往復はがきならば、その費用について例えば寄附金のついている年賀はがきの費用を活用できないだろうかといったようなさまざまな勉強もただいまさせているところでございまして、郵政三事業一体となって、しかもこれは全国津々浦々に設置されている郵便局があるわけでありますから、このネットワークを生かして一層御期待に沿うような活動をしてまいりたいと思っております。
#8
○山田健一君 それぞれの地域でいろんな取り組みが展開され、地域からも非常に歓迎され喜ばれておる部面も随分出てまいりましたので、ぜひそれを生かしていただいて、積極的に三事業がまさに一体となってこういう高齢化社会に向けての取り組みを展開し、その姿がやはり国民の目にしっかり映ってそれらに対する信頼というものがまた増していくということを大いに私たちも期待いたしております。
 次に、簡保の場合は昭和六十三年の十月、年金が六十二年の九月にそれぞれ市場調査を実施されているわけであります。これは保険、年金の普及見通しとも絡んでいくわけでありますが、保険の場合でいいますと、生命保険に期待をしておる割合、依存率でありますが、これが七〇・五%、それに対して現実に加入をしておる割合、充足率ですが、これが四二・七%、こういうことになっておりまして、期待はしておるけれども現実に入っておるのはまだ四二%、こういうことでございます。あるいはまた年金の場合も、加入の意向が五二・六%あるのに対して加入世帯が現実には一三・五%という一つの結果がこの市場調査の中から出ているわけであります。
 これを見る限りにおいては、生涯の生活設計に向けて何とかしなきゃならないという国民の気持ちは確かにここに出ていると思うんですが、問題は、簡保の場合も二八%が、期待はしているけれども現実に加入をしていない。あるいはまた年金の場合でも約四〇%近くが、加入した方がいいと思うけれども入っていない。だから私は、この依存率と充足率の差、これを一体どう受けとめたらいいんだろうかなというふうに思っているわけであります。
 見方によっては、それだけ気持ちがあるわけだから滞在需要がそれだけあるんだという見方もできようし、逆に、最近は国民の負担率もかなり高まってきておりまして、気持ちはあるけれどもこれが精いっぱいだ、余裕がないというふうに見ることもできる。これはどういうふうに理解し判断したらいいのかちょっと迷っているんですが、どのように分析をしておられますか。
#9
○政府委員(松野春樹君) 今、先生も御指摘になりましたけれども、私ども、簡易保険の場合ですと六十三年十月に市場調査を行いました。万一の場合必要となる生活費は一世帯当たり平均で五千五百二十四万円という数字でありますが、先生お示しのように、このうち約七割、七〇・五%に相当する三千八百九十五万円を生命保険に期待しておるということでございます。 一方、世帯主が実際に生命保険に加入している金額というのは加入者一人当たりで一千六百六十二万円、生命保険に期待する額の約四割にとどまっているという状況であります。
 しかしながら、生命保険に期待する金額も、実際に加入している金額も、ともに増加してきているという事情はございます。最近の傾向でありますけれども、一つには、やはり女性の方々の社会進出に伴ってでありましょうか、女性の加入者が年々増加してきておるという特徴がございます。
 それから、従来の死亡保障に対するニーズに加えまして入院とかあるいは介護保障等に対する新しいニーズも徐々に増大してきておりまして、私ども、簡易保険事業をやっておるわけでありますから若干手前みその表現であるかもしれませんが、やはりこの生命保険市場の潜在需要はまだまだ大きく、また有望な市場であるというふうに見てございます。
 これも先生御指摘されましたが、国民負担率も平成元年の状況で三九・九%見込まれておるようでありまして、やはり年々上昇しているようでありますけれども、一方、貯蓄残高も順調に増大しておるという事情もございます。したがって、私どもとしましては国民の方々の生命保険に対するさまざまなニーズにこたえられるように、商品、サービスの充実に努めることによりまして生命保険に対する期待に十分こたえてまいりたいというふうに念願しておるところでございます。
#10
○山田健一君 今、気持ちを含めて分析をしていただきまして、まだまだ非常に有望な市場だということなんでありますが、確かに最近の簡保、年金それぞれの保有契約状況を見ますと、過去五年間で見ましても大変な勢いで伸びてきておることは事実であります。特に年金は、制度も新しいということもありまして年率三割を超える率で伸びてきておるのも事実であります。
 ただ新しい契約状況を見ますと、六十一年をピークに件数そして金額とも伸び率が実は低下をしてまいりまして、元年度の実績の速報を先般ちょっと見させていただいたんですが、新契約は対前年度マイナス一・五%、そういう形に落ち込んできておる。確かに積極的にいろんな商品開発をやられ努力をされておるのは事実でありますが、どうも新契約の部分というのは、中身を見ますと、今までのお客さんが新しく買い増しをするとか、満期が来たのをまた再契約していくとか、そういう形のものになっているのではないか。
 そういう中で今回こういう新しい生涯保障保険の制度を設けていこうということなんでありまして、そういった一つの傾向を見る限り、まあ、なかなか有望だとはいいながら大変だなという気がいたしておるわけであります。その意味からいえば、今回これを出されて、その販売の見通しといいますか、販売の件数あるいは簡保全商品の中で占めるシェアはどのぐらいのところを目標にしてスタートされようとするのか、そこら辺についてちょっとお尋ねしたいと思います。
#11
○政府委員(松野春樹君) 私どもの簡易保険事業それから郵便年金事業は、どちらかといいますと需要が大変潜在しておりまして、セールスマンの努力によって、呼吸が合って御契約いただくというたぐいでございます。したがって、窓口に続々とお客様があらわれるというたぐいのものではない性格の事業であるだけに、いろいろ職員にも大変頑張っていただいておりますけれども、私ども本省の計画担当サイドでも、よくその辺は認識しまして対処していかなきゃいかぬ点が多々ございます。
 したがって、一生懸命努力するという前提でただいまの御質問にお答えいたしますと、発売初年度となる平成三年度でございますけれども、生涯保障保険の発売件数を約三十万件と見込んでございます。簡保のこの平成三年度での全件数が約九百万件を予想しておりますので、したがって簡保全商品に占めるシェアが平成三年度においては三%になるであろう、これを目標としたいというふうに考えてございます。
#12
○山田健一君 かなり積極的な平成三年度としての件数あるいはまた金額だろうというふうに思います。年金の方は今四十万件ということですから、少しそこら辺は低めかなという気はするんですが、簡保全体の三%、こういう目標のようであります。
 今言われましたように、かなり郵便局なりセールスの方々の腕といいますか、言ってみれば職員の皆さんの苦労の上に実はこの商品が販売をされていくということになるわけでありますが、こうした目標を立てられて、それじゃ具体的にはこの販売を推進していく体制というものをどういうふうにお考えになっているのか。先ほどお話がありましたように、特にこれは青壮年層が対象になる。どうしても簡保なり年金なりというのは、今までの経過からいえばお年寄りや短期の若者向けのやつというようなことで、青壮年を対象にしたというのがなかなか、ここに焦点を絞ってやらなきゃいけないというのはわかっていてもできなかったわけで、そういった意味もあって今回生涯保障保険がつくられたということもあるんだろうと思いますが、とりわけ青壮年対策を含めての販売推進体制、こういうものをどういうふうにお考えになっているのかお尋ねいたしたいと思います。
#13
○政府委員(松野春樹君) 私どもの事業の営業推進につきましては、先ほども触れましたが、従来から職員のセールス能力の向上、それから組織セールスの展開等によりまして普及の促進を図ってきたところであります。今回の生涯保障商品の創設に当たりまして、今後より一層お客様のニーズに即応したきめ細かな商品サービスの提供に努める必要がある、積極的な営業展開をしていくつもりでございます。
 ところで簡易保険の年齢別の加入状況を見てまいりますと、これも先生が今触れられましたけれども、従来から続いておる傾向でありますが、簡易保険の場合には若年層、ゼロ歳から二十四歳を若年層と私ども申しておりますが、それから高年層、四十五歳から六十五歳、この年代の加入が比較的高うございます。これは民保と比較してもそういう傾向にあります。一方、二十五歳から四十四歳で把握しておりますいわゆる青壮年層の加入割合が低くなってきておりまして、これがいわば簡保の体質的な弱点になっておるわけでございます。
 今回御審議いただいておりますこの生涯保障商品につきましては、内容が青壮年期の死亡保障とそれから老後の年金というものを一つの契約で総合的に提供するということに特徴があるわけでありまして、やはりこの簡保の弱点であります青壮年層を主たる販売対象としているということに間違いございません。したがって積極的に青壮年向けの販売活動を展開していく覚悟でおります。
 このためにどういう体制でやるかということでありますが、一般的な周知活動とは別にいたしまして、現在私どもの職場で、青壮年層の加入が弱点であると申し上げましたがこれと裏腹の関係として、どちらかというと簡易保険は伝統的に家庭訪問、訪問販売が中心でございまして、職域、会社等にはなかなか飛び込めなかった長い歴史がございます。最近やはり職域にもどんどん飛び込んで、場合によれば法人契約、もちろん個人契約もございますが職域に積極的に開拓しようということで、これは各郵便局に保険担当の課がございますが、その中の一組織として職域サービスセンターという名称の組織を設けまして、主として職域の開拓を中心に勉強して取り組んでいただいております。
 今後、もちろん職域開拓だけが保険の募集ではないことは重々承知してございますが、全郵便局を挙げまして積極的に取り組んでまいりたいと思います。また、青壮年層になりますとPR面でも少し我々も反省しながらいろいろ改善してまいりたいという認識もしております。
#14
○山田健一君 ことしの重点施策といいますか、皆さんが掲げておられるのを読ませていただきましたが、職域サービスセンターを充実させていくということなり、あるいは担当職員がコンサルタントができるような、そういう職員の養成も含めてやっていかなきゃならぬということが確かに書いてあるわけであります。
 しかし、今もおっしゃいましたようにかなり訪問販売でやるという形のものが多いわけでありまして、お伺いしますと営業職員約二万八千人、こういうふうに聞いております。一人当たりの年間の契約件数も約三百件ということになりますと、いわゆる実働日数でいきますと一日一件以上売っておるという形になるわけであります。
 そういった意味では、これからのそういう一つの販売目標あるいは推進体制、こういうものを考えていく上で、要員の適正な配置といいますかその問題と、あるいはまた、訪問販売に当たって特に最近は昼間留守の家庭が多い、共稼ぎが多いわけでありまして、そういったところに対するいわゆる勤務時間の弾力的な運用といいますか、そういう問題を含めていろいろ現在郵政省の方でも取り組みがなされておるだろうというふうに思いますけれども、今後どういうふうに進めていかれるのか、お尋ねいたしたいと思います。
#15
○政府委員(松野春樹君) 最初に要員の適正配置の問題でありますが、これはもちろん、一般的に申し上げまして、必要な業務量には必要な定員をきちんと配置するということはこれは基本でございます。
 ただ、御承知のように、国の機関でありますから定員問題等でも、例えば定員削減計画等でおわかりのようにいろいろな制約がもちろんございます。そこで、今、私ども簡易保険事業といたしましては幸い機械化、効率化を図る余地がありまして、現在でもその作業が進んでおります。現在取り組んでおりますのは第三次システム構築でありまして、これは平成五年に切りかえる予定でありますが、また一段と効率化が図れると思います。いろいろ効率化の努力をして、そこで生み出された要員を必要な部門に積極的に回していくということを基本に、今、要員政策に取り組んでおります。
 それから勤務時間の弾力化の問題ですが、これはかつて当委員会でもいろいろ御審議を賜った経緯がございますが、幸い労働組合あるいは職員の御協力を得まして、この問題につきましても現在のところ順調に推移してきております。御指摘のように、ますます募集時間あるいは集金時間帯の利用者の方々との接点というものが、とらまえるのがなかなか困難になってきておりますので、いろいろな工夫をして、郵便局でも職員にも御努力いただいて現実のいろいろな業務に対応しておるところであります。今後ともしかし、一番これは目立たない地味な部門でありますけれども、しっかり忘れないように取り組んでまいりたいと思っております。
#16
○山田健一君 わかりました。
 それではちょっと二、三お伺いいたしたいと思いますが、簡保の保障限度額の問題でありますけれども、先ほどもお話がありましたように、市場調査をやっても、万一の場合は必要な生活費が五千五百二十四万円、こういう期待すべき数字が出ているわけでありますが、現在最高限度額が一千万ということになっておりまして、加入して四年経過をすれば一千三百万というふうにお伺いしておるわけです。ちょうど時あたかも全労済が来年の六月から一千五百万、無審査でやるという報道をちょっと見たわけでありますけれども、ここら辺の限度額の引き上げというのはかなり希望もあるんではないかというふうに思うんですが、どのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#17
○政府委員(松野春樹君) 現在の保険金額の加入限度額は、昭和六十一年九月に一千万円から一定の条件のもとに一千三百万円に引き上げられたものでございます。来年の九月でちょうど前回の引き上げからほぼ五年を経過することに相なります。したがいまして、今後の私どものこの限度額問題に対する対処方針でありますが、一つには、加入者のニーズが那辺にあるか、それからこの間の生活水準の推移はどうであろうか、あるいは加入状況の実際の推移はどうであろうかというもろもろの要素を考慮いたしましてこの限度額につきましても適切なものとするように真剣に検討してまいりたいという段階でございます。まだ青写真を描き切ってはおりませんが、そういう意向を持っております。
 それから、先ほど先生お示しの全労済の計画でありますが、たしか三月末でありましたか、一部中央紙の報道で私も承知しております。この計画の詳細な内容はまだ把握しておりませんけれども、もしこの全労済の計画、来年から一千五百万円に引き上げるという計画が事実だといたしますと、やはり今後簡易保険の保険金額の加入限度額引き上げ問題を検討する際に有力な参考になるであろうというふうに認識しております。
#18
○山田健一君 あわせてお伺いいたしますが、年金の加入限度額は七十二万ということなんですが、これについても同様のお考えでしょうか。
#19
○政府委員(松野春樹君) 現在の郵便年金の加入限度額は、これは昭和五十六年に二十四万円から七十二万円、月額に直しますと六万円になるわけですが引き上げられました。この五十六年以降今日までの間、私どもの主たる年金についての営業の方針というものは、まずこの郵便年金の普及を図ることが大変重要であるというふうに考えまして、その面で努力してきたところでございます。
 と申しますのは、この昭和五十六年で郵便年金はほとんど新しい郵便年金に脱皮してスタートしたという経緯がございます。年金をめぐる戦前から戦後にかけてのインフレ等の事情による問題というものは十分承知した上で、とにかく新しい年金を何とかひとつ御理解いただいて普及したいものだということに努力してまいっております。
 その結果、現在の郵便年金の加入件数は、これも先ほど先生もお触れになりましたが、大変急速に増加しておりまして、平成元年度末の保有高を件数で申し上げますと百四十六万件になっております。今御審議をお願いしておりますこの制度統合あるいは生涯保障保険の創設に伴いまして今後この制度は統合されますが、むしろこの年金保険の分野というものはますます重要になってくるというふうに考えております。
 そこで、この年金の加入限度額でありますが、これまでの段階では、七十二万円という現在の限度額をもとにむしろその普及ということで主としてやってまいりましたけれども、先ほども簡易保険のときに私申し上げましたが、やはり年金につきましても、加入者ニーズであるとか生活水準、加入状況の推移等は十分考慮してまいりたい。しかしその前にやはりよく関係データを分析検討したいということを考えております。
#20
○山田健一君 この方は今ちょっと慎重な御回答だったというふうに思いますが、いずれにいたしましても、さきの市場調査でも出ておりますように、夫婦が老後に必要と考える生活費というのが現在の物価水準で平均で三一・二万円、こういう結果が出ているわけでありまして、今の月額六万円、少なくとも公的年金と合わせてもこれはとても望んでいる額には到底達しないというような状況でありますので、いずれこれは検討されていくことになるだろうというふうに思っておるわけであります。
 この簡保の一部改正に関連をして最後にちょっと大臣の方に伺っておきますが、今回のこの新しい生涯保障保険の創設に当たって先ほど指摘をいたしました簡易保険・郵便年金に関する調査研究会の中間報告に、こういう制度創設に当たっていろいろ検討しなきゃならぬだろうということで、一つは、加入して払い込み始めてからの期間、それから年金の受給、こういうことになりますと、これは青壮年対策ということもあってかなり長期間を要する、したがってインフレにどう対応していくのかということが一つの問題としてこの中でも指摘をされております。
 今後の検討課題として、インフレ対応商品としての物価指数年金、変額年金についての検討が必要である。また、収入の増加に合わせ保険料、掛金が増加していく修正保険料方式や、現物給付型商品の検討も必要であるというふうにここで指摘がされているわけでありますが、こういうインフレに対応していく一つの基本的な考え方といいますか、今後のこの生涯保障保険の運用の方針といいますか、その辺はどういうふうに検討され考えておられるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#21
○国務大臣(深谷隆司君) 生涯保障保険の年金額については、保険料支払い期間、年金支払い期間が長期にわたることから、ある程度の御指摘のようなインフレーションに対応できるようにする必要があると思っております。
 そこで、生涯保障保険の年金額については、年金の支払い期間中に予想される物価上昇に対応できるように、年金額を年三%の複利で増加させる仕組みにいたしております。また、保険料払い込み期間及び年金の支払い期間中に物価が予想以上に上昇した場合には、通常、積立金の運用利回りも予定利率を上回ることが予想されますので、予定利率を上回った部分の運用益は、剰余金の分配を通じて年金額の上乗せに充てる仕組みといたしております。
 いずれにいたしましても、インフレーションに対する対応というのは運用制度の一層の改善をこれから重ねていくことによってより正確に対応できるようにしていかなきゃならないと思っておりまして、資金の一層の効果的な効率的な運用を図りながら、それらに前向きに取り組んでいきたいというふうに思っております。
#22
○山田健一君 今ちょうど大臣から、資金、積立金ですね、これの効率的な運用にしっかり対処していかなきゃいけない、こういうことであったわけでありますが、次に、積立金の運用に関しての一部改正が今回提案をされているわけであります。
 一つは、効率的な運用、運用の対象を広げていく、こういう気持ちでもって、今回から債券を貸し付けてそれによって利子収入と貸借料の取得を目指す、こういうことになっているわけであります。聞いてみますと、資金の方もことしの一月に四十五兆円をもう突破した、こういうことですが、一方で運用利回りが、資料をいただきましたんですが、五十九年をピークにだんだん下がってきておりまして、六%前後というような状況になっております。したがって、どう効率的に運用していくのかというのが一つの大きな課題になってくるし、これが事業経営の一つの根幹になるということは間違いないわけであります。
 今回は国債に限定をしてということで、ちょうど市場が去年の段階で一定の整備をされた、そういうことを背景にこういう債券の貸し付けということに踏み込んでいかれたわけでありますが、一方ではまだまだ、いろんな規制が緩和をされたといいながら金融市場での一つのやはり不確定さといいますか不透明さといいますか、そういうものもあるだろうというふうに思っておりまして、その安全性についてどう考えておられるのか、安全対策といいますかそこら辺についてお尋ねいたしたいと思います。
#23
○政府委員(松野春樹君) 債券の貸付運用の問題でございますが、取引形態に二つあろうと思います。一つは証券金融会社による仲介取引による場合でございますが、この場合には証券金融会社が借り手から必ず担保をとることになっておりますので、この場合には貸し倒れリスクは生じないことになります。それからもう一つの取引であります店頭取引でございますが、これは金融機関及び証券会社等に限って取引を行うこととするわけでございますが、この金融機関あるいは証券会社それ自身が法人として信用力が高くて、実際には貸し倒れリスクはほとんどないということであります。大蔵省におきましてもこの種の場合に担保供出不要であるというふうに指定しておるようでございまして、安全性の面では問題はないのではないかというふうに考えております。
 もう一つは外国証券会社でございますが、外国証券会社は、もちろんのことでありますが外国証券業者に関する法律による免許を取得しておいでになるわけでありまして、国内証券会社と同様の規制あるいは監督を受けている、したがって安全であるということでありますが、当然のことかもしれませんが、実際に私どもが貸し付けを行うような場合、例えば外国証券会社のどの会社を選定するかというふうな場合には、信用力の指標としまして国際的な格付というものがございます。この格付評価なども重要な参考資料にいたしまして慎重に検討してまいる所存でございます。
#24
○山田健一君 店頭取引の場合だとほとんど、お話しのように金融機関が中心になるわけですがそういった心配はないと。特に私も今、外国証券会社の場合どうなのかなというのをちょっと思っていたわけでありますが、今お尋ねにお答えをいただきましたので、それをもって了解をしたいというふうに思います。
 同時に、運用に当たって、今日までの運用状況を見ますと、確かに運用の効率化、高度化、そのためにはどうしても市場運用を通じて運用を図っていくという方式がとられてきておりまして、公共と市場との構成比率は、公共運用が六十年で六九・二%、平成元年度で、これは未確定だということでありますが六六・六%、約三%近く公共の比重が落ちて、その分だけ今度は市場運用の方が、六十年当時二六%だったのが今三〇%と、こういう形でかなり市場運用に力点を置かれて運用を図っておられるという姿がわかるわけであります。
 しかし、これとて、公共部門での運用という一つの大きな使命を担っているわけでありまして、幾らでも市場運用にという形にはいかないだろう、おのずから一定の限度というものがあるだろうと思いますが、ここら辺の公共と市場のバランスというものをどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お尋ねいたします。
#25
○政府委員(松野春樹君) 最近のこの公共運用と市場運用の数字につきましては、先生も若干触れられましたので一部ちょっと繰り返しになって恐縮には存じますが、公共運用が全体に占める構成比率は、六十二年度ですと六八・六%、六十三年度が六七・七%、元年度は、まだ未確定数でありますが六六・六%と、徐々にではありますが比率的には下がってきております。しかし、全体の量がふえてきておりますから、絶対額自身はおおよそ横ばいもしくは少し伸びておるという状況になっております。
 そこで、この市場運用についての考え方でありますが、市場運用を年々増加させていますのは、私どもの資金をできるだけ有利に運用して、これは最終的には加入者に還元するわけでございますので、この加入者利益を向上させる観点から行ってきているわけでありまして、特にここ数年間の非常に低金利の状況下におきまして、私ども市場運用を増加させることに相当真剣に、あるいは言葉が少し過ぎるかもしれませんが深刻なぐらいの問題として実は考えてきておったわけであります。
 公共運用と市場運用のバランスについてでございますが、私ども、公共運用部分を決める際に、一つには財投機関や地方公共団体からの資金需要がいかほどであるかということを当然検討いたします。それから一般財投原資の事情等も踏まえなければなりません。いろいろなことを踏まえまして、この財投運用への必要額、あるいは簡保・年金事業そのものが経営の健全性を保てるかという観点も考慮しなければならないと思っておりますし、もちろん加入者利益の向上は先ほど申し上げたとおりでございますが、こんな点を総合的に勘案して資金配分を決定しておるわけであります。
 今後におきましても、少し抽象的な言い方で恐縮ではありますが、やはり資金の公共性にも配意しながらできるだけ有利運用を図ってまいりたいということが、一言で申し上げまして私どもの運用スタンスなのでございます。
#26
○山田健一君 もちろんそうだろうと思いますが、具体的にどの程度ぐらいまで考えておられるかということはありませんか。
#27
○政府委員(松野春樹君) 先ほど私が申し上げました数字はこれは残高ベースで過去の累計数字であります。
 単年度の問題でありますが、平成二年度で予定しておりますのは、公共運用を五八・五%というふうに計画してございます。平成元年度は六一%でありましたか、六〇%を超しておったと存じておりますが、したがって、公共運用が例えば五〇%になるべきであるあるいは五五%になるべきであるというふうな物差しはなかなか一概に申し上げにくい事情は、先ほど私がいろいろな諸要素を御説明した中であるいは御理解いただきたいと思っておりますけれども、保険の資金量というものは毎年数兆円ずつふえてまいります。その中でやはりできるだけ有利運用、しかも確実で有利という前提がつきますが、有利運用部門をふやしてまいりたいという気持ちに変わりはございません。
#28
○山田健一君 それじゃ大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、こういう状況の中でかなり資金運用の効率化、高度化をしていかなきゃならぬということで今いろいろ進められているわけでありますけれども、今回、平成二年度の予算要求段階で、例の積立金に入れられる前の余裕金の問題も実は出ていたわけであります。これを郵政大臣が直接管理をして運用していけるようにという要望が予算要求の段階で出ていたわけでありますが、これは見送りということになったようでありますけれども、今後のこういった資金運用に当たっての運用制度の改善といいますか、そういった方向に向けての取り組み方針についてお尋ねいたしたいと思います。
#29
○国務大臣(深谷隆司君) 簡保や年金の資金は加入者の貴重な財産でございますからできるだけ有利に運用して、それで配当金を増額するとか加入者の利益の向上を図っていかなければならないというふうに思っております。
 御指摘の余裕金につきましては、直接運用の検討を含めて過般大蔵省とも交渉したのでありますが、なかなか思うようにいかなかったようであります。しかし、私どもはこれはぜひ直接運用の対象の中に含めていきたいということで、これからも当局と熱心な交渉をしていきたいというふうに思っています。
 金融経済環境の変化に適切に対応するためには資金の一層の効率的な運用を図らなければなりませんので、資金運用制度の改善に全力を挙げて取り組みたいと思っております。また、資金の公共的な性格にかんがみまして、地域振興に大きな役割を果たす例えば第三セクターへの運用などについてもこれから勉強、検討していく必要があるのではないか、そう考えています。
#30
○山田健一君 特に、第三セクターを含めて地域還流といいますかそういった観点から有効、有意義に生かしていただくということは以前から話があるわけでありますから、そういった検討をぜひお願い申し上げたいというふうに思っております。
 最後に、簡保年金福祉事業団法の改正に関連いたしまして二つばかりお尋ねをいたしたいと思います。
 今回、新たに簡保事業団が委託して業務を行う事業に出資をするという形になって、今、浦安に建設中だということであります介護機能を持つ終身利用型の加入者ホーム、これが出されているわけでありますけれども、運営について民間のそういったノーハウを生かしていこう、こういうことのようであります。
 介護機能を持つ、こういうことになれば、今いろいろ全国で特別養護老人ホーム等の建設が進められておりますが、こういった特養との違いはどうなのか。あるいは終身利用型ということになれば、入っておって今度は病気になってお医者が要るとなれば病院との関係なりそういうものが出てくると思うんですが、そういったところについてはどのようにこれは運営されていくわけでありますか。
#31
○政府委員(松野春樹君) 私どもの今予定しております終身利用型の浦安の加入者ホームにおきましては、入居者に対しまして例えば毎週健康相談をしたい、それから毎月健康診断も行いたい、それから毎年人間ドックも実施したいというふうなことを考えております。
 また、入居中に介護を要することになるケース、これは当然想定しておることでありますが、介護を要する入居者に対しましては、病院と提携いたしまして、医師の診断によりまして例えば居室において歩行とか排せつあるいは食事、入浴等の介護を実施するケース、これもあろうかと思います。また、必要に応じて幾らかのベッドを設けまして介護室を設ける予定でありますが、ここにおいて適切な介護を実施することとしたいと思ってございます。
 こういうことでございまして、特別養護老人ホームとの関係でいいますと、やはり介護等は一応自前で実施するために、特段、特別養護老人ホームとの提携というものは必要ないではないかというふうに現在のところ考えております。
 それから病院との関係でございますが、看護婦さんにつきましては常時五名ぐらいは医務室というふうな形で配置したいと考えておりますが、緊急の入院等の必要が生じて専門的な治療を要するというケースの場合には、これはむしろ近隣の専門病院と提携しておきましてそこでお世話をいただくということになろうかと思っております。
#32
○山田健一君 あわせてお尋ねをいたしますが、もちろん加入者ホームということで今回初めてこういう試みに着手をされるわけでありますが、その場合、入居し得る人の条件といいますか範囲といいますか、あるいはまた入居に当たっての基準といいますか、そういうものはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#33
○政府委員(松野春樹君) 入居条件の詳細は現在事業団におきまして詰めておる最中でありますけれども、基本的には次のような方向でいきたいということでございます。
 幾つか項目があるわけですが、入居資格の第一としまして簡易保険の被保険者または郵便年金の年金受取人であること、これは私どもの施設が加入者福祉という観点からのものであるということに基づいております。それから年齢は六十五歳以上の者としたいということで検討しております。これは一般の民間における状況等も勘案してでございます。それから三点目は、確実な連帯保証人が二名欲しいということでございます。
 それから四点目でありますが、これは医師の診断を最終的にはいただきますが、やはり入居時においては重大な疾患がなく、日常の起居は行えると認められた者にしたいということであります。それから五点目は、先ほど病院利用のケースについて触れましたが、健康保険あるいは国民健康保険等に加入している。大部分の方は加入しておるわけでありますが、実情をちょっと聞きますと、やはり加入しておられない、保険料を払っておられない方も若干おいでになるような実態も伺っておりますが、以上のような点を基本的には予定しておるということでございます。
#34
○山田健一君 最後になりますけれども、大臣にお尋ねをしたいと思います。
 今回こういう形で、言ってみれば加入者の福祉向上に向けて介護つきの終身利用型ホーム、一番最初に申し上げましたように、郵政省として長寿社会に対応していく上での一つの施策展開だというふうに受けとめさせていただいておりますが、同時に、これと並行していろんな福祉サービスの充実が進められております。いろいろリゾートの施設を建設するとかあるいは保養所の建設、こういう形で進んでおりますが、これから高齢化社会が訪れてくれば、現実に寝たきりなりあるいは痴呆症、そしてまたこういったお年寄りを抱えて介護する方々の精神的、肉体的な苦労を含めて、これから大きな社会的な一つの問題になろうとしておるわけであります。
 こういった意味で、加入者の福祉の推進というのも大事だろうと思いますが、同時に、できればこういった加入者を介護しておられる方々に対する一つの配慮といいますか、そういうものが施策的にできないだろうか。いろんな加入者ホームなり、あるいは保養所なりリゾートの施設なりの利用について、一方では今ショートステイもかなり進んでまいりまして、短期に預かるということで介護疲れをいやすというようなことも施策的に行われようとしておりますので、そうした場合に、そういう介護者に優先的にひとつゆっくりくつろいでいただく、疲れを取っていただくというような形で、加入者の介護に当たっておられる方々に対する福祉の施策といいますか、そういうものをひとつお考えになっていただけないものだろうかというふうに思っているわけであります。
 ここら辺についてどのようにお考えになっておられるか、お尋ねをいたしたいと思います。
#35
○国務大臣(深谷隆司君) 山田委員御指摘のように、家庭でお年寄りを介護しておられる方々の御苦労というものは並み大抵のものではないと思います。そういう方々のために、ちょっと少しでも休んでいただく場合にそのお年寄りを介護するようなショートステイといったようなことはこれから十分考えていかなきゃならぬことだというふうに思っておりまして、それは全く同感でございます。ただ、直ちにショートステイに取り組めるかというと、まだ介護専門の施設をつくるについては事業団でもノーハウが十分用意できていない、これから相当ノーハウの蓄積を重ねていかないと困難ではないかなというふうに私どもは思っています。
 したがいまして、ショートステイ等については今後、浦安の終身利用型加入者ホームでその経験を積みながら、そして将来の課題として勉強させていただくという方向で臨んでいきたいというふうに思います。ただ、浦安ホームの介護室とか特別浴室などがございまして、入居者の利用に支障を来さない範囲では例えば一日単位で近隣からお受けするといったような、いわばショートステイじゃなくてデイケアと言った方がよいでしょうか、そういうことなどはやっていきたいというふうに目下考えているところです。
#36
○山田健一君 ショートステイそのものはこれは今いろいろ厚生省の方で、あるいは各それぞれの地域で逐次進められておりまして、私が申し上げたのは、そういうふうなショートステイ機能とあわせながら、お年寄りはそういうショートステイでやる、介護をなさっておられる方はリゾート施設なり何なりそういうものを利用して少し休んでいただく、そういった機能もあわせ持ってやるというような形での方式は何か考えられないか、これは私の提案として受けとめていただいてぜひ御検討していただけないものかなというふうに思っておりますので、もう一度そこのところをお伺いいたしまして私の質問を終わりたいと思います。
#37
○国務大臣(深谷隆司君) せっかくの山田委員の御提言でございますので、よく勉強させていただきたいと思います。
#38
○大森昭君 問題点はいろいろ山田さんの方から出されておりますが、簡易保険、郵便年金事業とも経営状況はいいわけであります。そしてまた、死亡率だとか失解率、事業費率ともずっと低下をしておりまして、加入者への還元も厚くなっていると思うのでありますが、民間生保との比較はどういうことになっていますか。
#39
○政府委員(松野春樹君) 少し数字の説明が続いて恐縮でございますがお許しをいただきまして、簡保と民保の経営状況、それから経営効率、普及率等につきまして比較説明をさせていただきます。これは昭和六十三年度の数字で行いますが、民保の数字を昭和六十三年度の数字でしか把握しておりませんのでお許しいただきたいと思います。
 最初に経営状況でございます。個人保険の新契約の分野でございますが、件数で見ますと民保は一千四百二十万件でありまして、簡保は民保の約半分ということになります。一方、保険の新契約を保険金額で見ますと民保は百二十四兆五千三百二十八億円でございまして、簡保は民保の約八分の一となっております。一件当たりの保険金額が民保に比べ簡保の方がかなり小さいものになっておるということがうかがえます。
 それから今度は新契約でなくて総保有契約で比較しますと、件数でございますが、民保が一億二百二十一万件でございまして、簡保は民保の六割に匹敵いたします。この保有契約を保険金額で見ますと、民保は八百四十四兆四千五百九億円でございまして、簡保は民保の一三%相当と、やはり一件当たりの保険金額は簡保が小さいものとなっております。
 次に世帯普及率でございますが、簡保が五八・八%、民保が七四・五%でありまして、簡保は民保より低い状況にございます。
 次に個人年金の関係でありますが、同じく新契約につきまして見ますと、件数では民保は百六十一万件で、簡保は民保の約五分の一であります。一方、年金額で見ますと、民保は八千五百六十億円でありまして、簡保は民保の約十四分の一と、民保に比べかなり小さくなっております。
 個人年金の保有契約ベースでありますが、これを件数で見ますと民保が四百六十万件で、簡保は民保の約四分の一、年金額で見ますと民保は二兆一千五百七十八億円で、簡保は民保の約九分の一というふうになっております。
 次に個人年金の世帯普及率でございますが、簡保が三・二%、民保が九・一%でございます。
 次に経営効率につきまして若干比較してまいりますと、死亡率でございますが、これは保有契約全体の死亡率で簡保が〇・三五%、民保が〇・一九%でありまして、簡保の方が高うございます。これは、民保では青壮年層の加入が多いのに対しまして簡保は高齢者の加入が多いということが反映しているものと思われます。それから年齢別に見てまいりますと、簡保も民保もほぼ、死亡率につきましては実質的な差はございません。
 それから次に失効解約率でありますが、簡保が二・八%、民保が六・六%でございまして、簡保はこの面では民保の半分以下とよい状況になってございます。
 それから事業費率でございますが、民保は一三・七%ということでありまして、簡保の方が民保の約半分というふうに、この数字の上では効率がよくなっております。これは簡易保険が郵便、貯金、保険の三事業一体による効率のよい経営、あるいは機械化の推進等による事業経営の効率化の結果があらわれておるというふうに見ております。
 それから、これで最後でありますが運用利回りにつきましては、簡保が六・二八%、民保が六・六一%と、簡保の方が低くなっております。これは、御承知のように簡保は民保に比べまして運用範囲が狭く限られているということが反映されているというふうにうかがえます。
 長くなりまして恐縮でありました。
#40
○大森昭君 今の説明で、もちろん簡保と民保とはそれぞれ性格が違うわけでありますから、例えば事業費率の問題についても大変効率的な事業費率でありますし、失効解約などについても、これは民保の場合には要員も入れかわり立ちかわりであってみたり、また最高制限額も簡保と民保とは違うわけでありますから、いろんな意味で数字が全部こう違ってくるんだろうと思うんですが、そこで、保険事業の基礎的な数字の上に立って問題点は大体どこにあるのかということもある程度分析ができるんじゃないかと思うんです。
 そこで、この間も私、それぞれの事業でそれぞれの中長期の展望を持っているのかという質問をいたしましたけれども、保険事業の方も将来を見通しての長期的なビジョンなどについては策定をされているんですか。
#41
○政府委員(松野春樹君) 私どもの簡易保険事業が、事業そのものの主たる商品という言葉が適切かどうかは別にいたしまして、非常に長期的なサービスを扱っておることから、先生御指摘のように長期的なビジョンを持った上で事業計画を進めていくということが大変重要になってまいります。かねてから私ども、いろいろな調査研究会に学識経験者の方々に御参加いただきまして研究会を続け、その成果をできるだけ事業に取り入れるように努力しております。
 昭和五十七年から五十九年度につきましては、国営任意生命保険の将来展望に関する調査研究会という研究会でございますが、主として生命保険事業の将来動向を踏まえた簡保・年金事業の将来展望につきまして調査研究を行っていただきまして、その結果、加入者のライフサイクルの変化に合わせて契約内容を自在に変更し得る制度の確立をすべきであるというふうな御提言をいただきました。この提言を受けまして、昭和六十二年の四月には保険金の増額変更制度、これはいわば既契約の下取り転換制度でございますが、を設けた次第であります。
 それから昭和六十年から六十一年度には、簡易保険・郵便年金に関する調査研究会ということで、主として事業を取り巻く社会経済環境の変化につきまして基礎的な分析、及び介護サービスを提供する保険制度、いわゆる総合福祉システムの構築等に向けまして諸問題の御検討をいただきました。その結果、介護サービスの供給体制が整わない現状では金銭給付の介護保険を創設することから取りかかるべきだというふうな御提言をいただきました。この提言を受けまして、昭和六十三年九月には介護保険金つきの終身保険を創設したところであります。また、先ほど来話が出てまいっておりますが、平成三年度にオープン予定の浦安の終身利用型加入者ホームの開設準備ということにも取りかかったわけであります。
 昨年の二月からはこの調査研究会では、社会経済環境の変化に伴うニーズの多様化、高度化にどう対応していくべきかという点について今検討をしていただいておりまして、昨年の六月に中間報告をいただいたわけですが、いわゆる保険と年金を一体として生涯保障保険の開発に努めるべきである、あるいは資金運用の一層の効率化に努めるべきであるという御提言をいただきました。今国会で法案として御審議をいただいているところでございます。
 これからもいろいろ長期的視点に立ちまして、世の中の変化あるいは国民のニーズの変化等に的確に対応していくために、これらの調査研究会の検討結果等も踏まえながら時代の流れに適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
#42
○大森昭君 いろいろ研究会で研究をして新しい商品の開発だとかサービスの開発もしているわけですが、僕は、簡単に言いますと、保険事業というのはそう目新しいことが次から次と出されるということではないんだろうとは思うんですが、しかし、一番初めに聞いた簡保と民保の数字、これを見ますとやはり相当まだ工夫をしなきゃならない点がたくさんあるんじゃないかと思うんです。それはいろいろ努力しているということですからそれ以上は聞きませんが。
 今回の制度統合で生涯保障保険の創設をするわけでありますが、現行の商品と何か特別のメリットがあるんですか。
#43
○政府委員(松野春樹君) 今回の保険のねらいは、生涯生活設計に必要な青壮年期の死亡保障と、それから老後におきまして死亡保障に加え年金を一つの契約で総合的に提供するということにあるわけでございます。御加入の際にその年金額あるいは保障額等につきましては御選択をいただくという仕組みになっております。
 現在の簡易保険と郵便年金に別々に加入するのと比べたらメリットはどういうことになるかということでありますが、端的に申し上げますと、例えば必要な額をライフスタイル、生活設計に合わせて御選択できるということで、生涯を通しての生活のあり方、設計というものにとってそれぞれの御利用なさる方から見て大変御便利ではないかという点が一つございます。もう一つ、少しドラスチックな言い方をさせていただきますと、一つの保険料が保険にも年金にも共通に使用できるということで、別々に加入する場合よりも安くセットできる、同じ目的を達成するために安くセットできるというふうに考えております。
 それから手続面でいいましても、一つの契約で済むわけでありますから保険と年金に別々に入る場合よりも非常に簡易に利用できる、私どもの事業サイドから見ましても事業が大変効率的になるというふうなメリットがあるわけであります。
#44
○大森昭君 だけれども、さっき山田さんが質問しておりましたが、簡易保険の加入限度額というのは一千万から一定の条件下に千三百万になったんですが、年金の方の七十二万円というのは変わってないわけでしょう。そうなってくると、今そういう説明がありましたが、これは限度が決まっているわけですから、その枠の中で商品がつくられているということなんでしょう、中身を細かく聞いているわけじゃないんですけれども。いろいろ組み合わせの関係で商品を発売するんでしょうけれども、限度額はもっとも変わってないんだから、その枠の中ということなんでしょう。
#45
○政府委員(松野春樹君) 今度のこの統合商品について限度額問題でありますけれども、これは現在の簡易保険の限度額それから郵便年金の限度額は変えておりません。その範囲内でいろいろな組み合わせが考えられる、その選択がある程度利用者の方にできますようにメニューはいろいろそろえたいというふうに考えております。
#46
○大森昭君 いや、ですから私は、さっきのことでやむを得ないかなと思ったんですが、年金の額についてもそれから最高制限額についても検討するということで、労災も千五百万円になったからそれも重要な参考だというふうにさっき言われておったですね。だけれども率直に言って、これまた検討して大蔵省に出して、また大蔵省の役人にいちゃもんつけられてと、大体そういうことが落ちなんですよ。少なくともこういう問題というのは、大蔵省のお役人さんを口説くには二、三年かかるぐらいのつもりで仕事を運んでいきませんと大体ずれちゃいますからね、端的に申し上げて。
 恐らくきょう山田先生が指摘した最高制限額、保険の方の千三百万も年金の七十二万も、これをより上へ上げていくなんということはこれは当分かかりますよ。だからひとつ、今、新年度の予算要求の検討をしているんでしょうが、ある一定の根拠に基づいてもうやっておいた方がいいですよ。間に合いませんよ、大蔵省のおかたい方の頭を口説くのには。ぜひひとつ、さっき答弁がありましたからこれは要望しておきます。
 それから簡保の資金、さっきから四十六兆というふうに言われているんですが、この資金の運用というのは保険の運営上大変重要な位置を占めているわけですけれども、今、金利の自由化でいろいろ議論されていますが、そういう関係からいきますと、この自由化の進展で資金運用についてはどういうふうに変化をし、またどういうふうに運用を変化させていかなきゃならぬかということについて何か特別お考えがありますか。
#47
○政府委員(松野春樹君) 現在の簡保資金の運用状況につきましては、これはもう法律にも明言されておりますが、できるだけ確実で有利な方法による、それから公共性も考えながらという基本原則にのっとっておるわけでございます。四十六兆円を元年度末に超えましたけれども、先ほど来の御質問でもおわかりのとおり、公共的な運用部門、市場への運用部門、それから契約者に対する貸し付けという部分も運用の中にございます。
 最近、金利の自由化、金融の自由化問題が大分喧伝されておりまして、主として預貯金関係につきまして大変生々しいいろいろな報道、評論等がされておりますが、これは簡易保険の立場から見ますと影響は二つの面でございます。
 一つは、営業サイドにおきますいわゆるサービスの、商品の中の予定利回りが、貯蓄型の保険も例えば養老保険のように結構御利用いただいている中で果たして競争に立ち向かっていけるかどうか、これは一つの営業上の問題です。
 もう一つは御指摘の運用上の問題でございます。ただ、金利が自由化になる、あるいは金融の自由化になるということは、ある意味で競争が激しくなるということになる。競争が激しくなれば、やはり常識的には私は金利というものは少し上がっていく傾向になるではないかという、これは期待かもしれませんが、一つはそういう考えがあります。と同時に、運用対象が大変多様化してきていろいろな何と申しますか運用対象が出てまいる、現在ないようなものもあるいはいろいろ組み合わせをして出てくるのかもしれないなというふうな感じを持っておりまして、運用面から見ますと、その辺の勉強をおさおさ怠りなくしっかり対処することによって私は十分乗り切っていける。いかなきゃいかぬし、またいけるであろうというふうに考えてございます。
 いずれにしても、まだ私どもの段階で余り金利の自由化と簡保の運用につきましてしっかりした勉強を詰めておる段階ではございませんので、これから鋭意その問題につきまして怠りないよう対処してまいりたいと思っております。
#48
○大森昭君 いろんな制約があって運用利回りも民保と比べれば低いわけですけれども、ただ率直に申し上げまして、事業費率が民保は高いし失効解約率も民保は高いので、簡易保険にしてみれば割合有利な商品が出せるということになるんだろうと思うんですがね。
 同時にまた、いろんな制限があるけれども、とにかく国の事業である簡易保険事業というのはやはり地域に対して、地方還元だとかあるいは加入者の福祉の施設を通じて地方とのつながりが強い。ですから私は、いつも郵政省の幹部の皆さんが三事業一体ということを言われるんですけれども、そういう意味では一番恩恵をこうむっているのは簡易保険じゃないかと思うんですね。
 例えば、さっき局長が言っていたようにお客と接客するのが一番重要ですね。ところが民間保険の場合には、こんにちはと入ってきて保険会社ですと言ったら大概出てこないんですけれども、郵便局の場合には何か書留でも来たんじゃないかと思ってみたり、大体お客様がすっと入れてくれるので割合話がしいいということで、多分、保険の第一条件である接客が割合容易にできるということがあると思うんです。だからそういう意味からいくと、それだけやはり保険のお金が地域に還元されているということがより重要じゃないかと思うんですね。
 この間、私、銚子の方で会議をやっていましたら助役から、イワシが揚がるのを郵便局で小包郵便でやってもらっているのは、銚子の町は簡易保険の金を借りて大変お世話になっているからこっちの方も小包郵便を使って実はやってもらっているんだという話を聞きましたけれども、ですからそういう意味からいくと、いろんな制約があると思うんですがもう少し、もちろん地域にはいろいろ簡保の資金貸し出しということは今でも行われておるわけでありますが、この地方還元だとか、同時に加入者に施設を通じていろいろ簡保の理解を深めるというようなことは、今これは検討しているんですか。
#49
○政府委員(松野春樹君) 簡易保険事業を、私個人的にはいつも申しておるんですが、郵便局事業の一つの事業というふうにとらえておきたいというふうに思っております。やはり全国二万余りの郵便局のネットワークというものが大変私どもの事業にとっても力になっておるわけでございます。
 現在、都道府県、市町村の数が三千三百十六だそうでございますが、私、着任いたしまして、そのうちどのくらい簡保資金を御利用いただいているのであろうかと調べましたら、何と三千三百十五の県市町村が御利用いただいている。一つの村だけ、愛知県だそうでありますが、大変裕福な村が一つあるようでありますが、それを除きましては御利用いただいている。大変前から私どもの資金の地方還元につきましては、地域とのつながりの上で、あるいは地域振興の上で非常に大きく役立っておるという点は自負しております。
 ただ、その割にそれが果たしてPRされているかということになりますと内心じくじたるものがあるわけですけれども、やはり空気や水のようになっている面もありまして、それはそれで私はむしろありがたいことかなと思っておりますが、しかし事業をやっておりますから、ぜひこの簡保資金の地方還元につきましては、現在約十二兆七千億円が地方公共団体等へ融資申し上げている額でありますけれども、ひとつこれを大いに私どもの事業展開の上にももう少し活用したいということを今寄り寄り話し合っているところでございます。
 私どもが地方とのつながりを考える場合にはやはりもう一つ、資金還元の面とそれから加入者福祉施設の設置を通じての地域振興あるいは地域の皆さん方の御利用をいただくというふうなつながりもあるわけでありまして、最近郵便局へ臨局しますとよく私どももはっとするわけでありますけれども、簡保資金の地方還元とかあるいは福祉施設の利用関係を通じまして結構郵便局の場で地域の方々といろいろな対話ができておる、あるいは集会ができておるという点を大変うれしく思ってございます。
 したがいまして、今後私どもはこの関係で本省として考えておかなきゃいけません点は、地域に御融資申し上げる資金の額につきましては必要な額は確保してまいりたい、確保してまいるということが第一点でありますとともに、先ほど大臣の御答弁の中にもありましたが、やはりこれも関係機関との協議が必要でありますが、第三セクターに対する融資というふうな道も開ければ開くことによってより一層地域とのつながりを深めてまいりたいというふうなことも考えております。
#50
○大森昭君 資金の貸し付けとか大臣が言った第三セクターの問題とか、いろいろそれもそれなりに検討してやってもらいたいと思うんですが、きょう簡保事業団は呼んでないんだけれども、いずれにしても保険というのは成績がよければ加入者に還元するわけですね、これは当たり前の話なんだけれども。ただ、さっきから聞いていて、若い人がなかなか入らないとか何かいろいろ問題点があるわけだけれども、加入者の還元の方法として、昔でいえば安い掛金で死んだときたくさん保険料をもらうというその型が多かった。しかしどうなんですかね、これは行革審なんかで保養施設はこれ以上建てちゃいけないとかなんとかなっているんだと思うんですが、非常に評判がいいんですね、簡保のホームは。
 ですから、いろんな制限があってそれが実施できないとしたら、今度は、世田谷かどこかにあるああいうスポーツセンター、あれなんかは行革審で何か言われているのかどうかわかりませんが、とにかく死んだときに保険料をたくさんもらうというのもあれなんですが、若い者にやっぱり魅力を持たせるということになったら、どうなんですか、ああいうスポーツセンターなんかをつくっていく。今非常に健康が大事だということでいろいろやっていますからね。郵政省の幹部でも真向法をやっている人もいるしヨガをやっている人もいるし、いろんな人がいるんだけれども、だから、建物を余り建てなければ、土地だけ買ってバラックというわけにはいかないし、また土地が値上がりすることを条件にして僕が発言しているということになるとまた問題が起きるけれども、そういう施設というのは、これもいけないと言われているんですか、簡保事業団は。
#51
○政府委員(松野春樹君) ただいまのお尋ねでありますけれども、臨調それから行革審の流れの中におきますこの保養施設等の建設についての制約というのは、宿泊施設というものを中心としたその建物、施設が民間と非常に競合しやすいというふうなことも一つの大きな要素になっておると思います。そこで、私どもの考えでありますけれども、もちろん閣議決定はしておる問題でもありますし、この臨調あるいは行革審等の内容につきましてはこれは私ども尊重せざるを得ない立場でありますが、先ほど御指摘のスポーツ関係施設というのは、この答申の背景事情等をつぶさに検討いたしましてもこれに反するというふうなことはないという判断をいたしております。したがって、現在スポーツ施設あるいは広い意味でのレク施設ということで、二つの点で今、力を入れつつあるわけです。
 そのうちの一つは、幅広い年齢層のニーズにこたえられるように、またある面では地域振興にも資するというふうに思っておりますが、スポーツ施設を中心とした総合レクセンター、先ほど先生が御指摘の事例は世田谷の東京センターという大変歴史のあるレク施設でありますが、この総合レクセンターを新たに各地域にできれば一カ所ぐらいずつは順次入れていきたいなということで、平成元年度の予算で一カ所、それから二年度の予算でも一カ所、要望させていただいております。これが一点でございます。
 それから、私ども、全国に八十カ所の保養センターがございます。この保養センターそのものは宿泊が中心でありますのでなかなかこれは新設をお認めいただくのは至難のわざでございますが、この保養センターの利用が、単に宿泊だけでなくてやはりレクリエーションをやりたい、例えばゲートボールをしたい、あるいはテニスをしたいという需要も大変多うございますので、加入者のためということではありますが、この保養センターに相当程度スポーツ施設を許される範囲で併設してまいりたいということに取りかかっております。平成元年度では二カ所に予算が認められましたが、平成二年度の予算案には四カ所計上されてございます。今後、保養センター関係のスポーツ施設の併設につきましても大いに力を入れてまいりたいと思っております。
 それから、先ほど来の話に出てまいっております総合研修センターでありますとか今度の浦安の終身利用型の加入者ホーム、これは事柄の性格上、行革審の答申とはバッティングするものではないというふうな認識のもとでやっております。ただし、関係機関とのそれなりの調整ということは必要になってまいります。
#52
○大森昭君 事業が好調なときには好調なようなことをやっぱりしておくことが必要じゃないか。特に保険の場合には長期ですから、短期の運用でどうのこうのというわけじゃないのでありますから、そういう意味合いでは、仮に目先の運用利回りがよくないとしても、少し長期的に補充しておけば六%程度の利回りが入ってくるようなこともやはり考えた方がいいんじゃないか。
 もちろん、簡易保険局自身ではいろんな制約があるとすれば、今の段階では簡保事業団の活用をするしかないということになるんだろうと思いますが、どうかひとつ加入者還元の方法というものについては、間違えると、幾ら生涯保険ですか、何かこういうものをつくっても若い者が必ずしも入ってくるということにはならない。我々はもう何年かたてば死ぬのかなと思うけれども、若い者は死ぬのかななんて考えてもいませんからね。今日楽しく愉快にいこうと、そうなれば、何かそういう施設を利用させることによって簡易保険の認識を深めるとかということがいいんじゃないか。これは私は素人ですからわかりませんが、どうかひとつ、いろんな方法を検討してやってもらった方がいいんじゃないかと思うんですね。
 それでいろいろと、成績がいいわけですから、そしてまた新しい商品も発売するわけでありますから、なかなか職場の状況は御苦労が多いと思うんです。さっき局長も職場に働いている人たちの努力によってということなんですが、そういう意味合いでは、定員もなかなかふえないのでありますが、何かそういうことについての施策は考えていますか。
#53
○政府委員(松野春樹君) 業務量は年々、御指摘のように増加してまいります。作業の近代化という本来的な課題もございますが、やはりこの業務量の増加にどう対処するかという観点から、かねてから私どもの事業ではオンラインシステムの導入につきまして、例えば五年に一回新しいシステムに更改していくというふうなことで大変熱心に、専門の室も設けまして日々検討をしております。それから自動振替の払い込みの促進も今日的な課題にしております。簡易保険の集金関係の中で、この自動振替をやっていただきますと大変私どもの実際の作業にとりましても効率的に処理できるということになります。
 いろいろな施策を講じながらこの業務量の増加に対処して事務処理の簡素化、効率化を図ってきているわけでありますが、しかし一方でやはり営業活動の充実とかお客様へのサービスの拡充等の施策もこれは十分やっていかなければいけないわけでありまして、こういう簡素化、効率化を図りながら、その中で出てきた余力をこの新しい活動あるいはサービスというものに振り向けて事業の運営に万遺漏なきを期していきたいというふうに考えております。
#54
○大森昭君 今、加入者協会だとか団体組成をどうするとかいろいろやっておるようでありますが、私いつも思うんですが、保険なんというのは専門的な知識が非常に必要なんですね。ちょっと来て保険をやってみろなんと言ったってできっこないんですよ。そうなっていくと、長い間保険事業のいわゆる営業の知識を持っている人が定年になって、あるいはその前にやめる方がいるかもわかりませんが、そうした人を活用と言うと悪いですが引き続き、もちろんこれは希望がなきゃだめなんでありますが、何らかの格好で、それだけの豊富な知識を持っている人なんですから、そういう人にこの事業に協力してもらうという方策などについては、これは労使でやっているのかどうかわかりませんが、何か特別なことを考えているんですか。
#55
○政府委員(松野春樹君) 御指摘のように、保険事業の例えば外務員を長らく勤めてやめられるというふうな方は、大変な知識と技能をお持ちになって退職されるわけであります。こういう営業関係事務にすぐれた能力を持っておられる退職者を活用していきたいというのは、私も、のどから手が出るくらい大変期待したい点であります。
 しかし、退職されました後でありますからこちらの都合のいい結果ばかり望むのはこれは難しいと思いますが、私が聞き及んでおりますのは、民間の損害保険業界あるいは生命保険業界等の場で、悠々自適ではありますがやはり仕事を継続して行うという方も相当数おられるようであります。ただ私の立場からしますと、余り生保業界で御活躍されますと何か郵便局と衝突する面があって実際上どうであろうかなというふうな懸念もあるわけでありますが、そういう民間で能力を再び発揮するという場合がございます。
 それから私どもの郵便局の場合でありますが、やはり基本的には年間の業務にいろいろな繁閑がございまして、特に繁忙時というような場合、あるいはいろいろな研修その他でベテランの方に御指導いただくというふうな場合もあるわけでありまして、こういう方々を非常勤として活用するという道につきましてはいろいろ考えてございます。今後も退職者の方について、これは退職者の方と私どもの方とのいろいろな折れ合いの問題があるいはあろうかと思いますが、十分配意してまいりたいと思います。
 なお、ここに若干の数字は持っておりますけれども、これが果たして全国詰め切った数字であるかちょっと疑問の点もございますが、OBの方で、今御指摘のようなケースで非常勤で郵便局でどの程度活用しておるかというデータについて、月平均約三十人弱活用しているようであるという報告を受けております。
#56
○大森昭君 例えば郵政局の営業課長なんかも、営業について勉強していろいろ管内を指導しておられるけれども二年たったらどこかの局長になっちゃうとか、何が何だかさっぱりわからない人事措置をやっておるわけですね。例えば保険の場合も内外なんという区分をしていた方がいいのかどうか。例えば特定局なんか総合定員配置局でしょう、あれは。だから、人事部長がやることだけれども、あなた実力者だから僕は言っているんだよ。
 特に郵便なんかは、あれもまた物がふえて、今の状態だとアルバイトなんてなかなか来なくなっちゃうですよ。そうするとやっぱり退職者の人に郵便の配達なんかもお願いをしてやってもらうと。もう今六十過ぎたって元気だからね、みんな。
 だからどうかひとつ、今私の言ったことは人事部に所属するけれども、松野局長は人事も経験しているし大体実力者なんだから、少し総体的にそういう方々をいかにして活用していくか。これから人手不足の時代も迎えるわけだし、物はふえても定員はふえないんだし、職場は本当に苦労して一生懸命やっているわけですから、どうかひとつそういう点についても事業の発展とともに工夫をしてもらうということをお願いして、ちょっと時間が余っていますけれども質問を終わりたいと思います。
#57
○委員長(青木薪次君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#58
○委員長(青木薪次君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、簡易生命保険法の一部を改正する法律案、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案、簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案の三案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#59
○平野清君 質問をする前に一言ほかのことに触れさせていただきたいんですが、電波の日で余り目立ちませんでしたけれども、同じ日の夜、都ホテルで第一回郵便切手デザインコンクールというのが開かれました。作品を見せていただいたんですけれども、世界各国からすばらしい切手のデザインが届いております。特に中国の小さな子供の「手紙が来た」というような作品には大変感動を覚えました。簡保の関係の皆さんの前で郵便の方を褒めるのはなんですけれども、昔の官庁と違って一生懸命いろんなことを企画されているなということに感心をいたしました。簡保・年金の皆さんもいろいろ新商品の開発に努力されていると思いますので、三業がこぞって郵政を支えてくださるように、まずもってお願いを申し上げておきます。
 さて、高齢化社会を迎えるに当たって、国民の自助努力はさることながら、老後生活を豊かに送れるためには国の福祉政策も重要な課題となってくると思います。その意味で生命保険事業の社会的責任は大変重くなりつつあります。
 ところで、午前中、簡保、民保の経営状況とかシェア等については細かく局長さんの方から数字を挙げて御説明をいただきました。ここでもってまず、簡易保険と民間生命保険を比較して簡保の特徴というものがどこにあるのかをこの際再確認しておくことが必要じゃないかと思うので、簡易保険の特徴というものをもう一度明確にお答えいただければと思います。
#60
○政府委員(松野春樹君) 私どもの簡易保険・郵便年金事業につきましては、これは申すまでもないことでございますけれども、簡易生命保険法それから郵便年金法という法律に明確に目的初め基本的な事項が定められております。
 したがいまして第一の特徴は、これは制度面の特徴の第一ということになると思いますが、非営利の国営事業であるという点が第一でございます。それから第二は、全国二万余の極めて国民の皆さん方にとりまして身近な郵便局を通じまして簡易に利用できるという点が次の特徴かと思います。また、これは制度発足以来でございますが、すべて無審査保険である、外務員の面接行為はありますけれども無審査保険であるというふうな特徴がございます。なおそれに加えまして、これは国営事業であるということからサービス内容等の基本的事項につきましては法律で定められておりますし、また契約約款も郵政審議会の議を経て定められているというふうに、国民、利用者の方々にとりまして開かれた制度となっておるという点が言えようと思います。
 もう一つは運用面の特徴でございますが、資金運用面では、一つには地域還元を初めとして公共的運用を重視してきているという特徴が一つございます。それから運用の一環といたしまして、広い意味での運用といたしまして、加入者福祉施設を全国に展開して加入者の方々の福祉の増進のために還元しているという点が挙げられようと思います。
 そのほかにもあるいは細々とした特徴はいろいろあるかと思いますけれども、こういう特徴を生かしながら、今後とも国民の皆さんの期待にこたえてまいりたいというふうに存じております。
#61
○平野清君 今お答えいただいたとおり、国民の期待というものは大変大きいと思います。加入者並びに国民の声を事業運営に反映してサービスを図っていくことは極めて重要だと思いますけれども、簡保の面で加入者や国民のニーズをどのように吸収していこうとされているのかをお伺いしたいと思います。
#62
○政府委員(松野春樹君) これも数点にわたりまして簡単に御説明申し上げます。
 第一は、任意団体ではありますが簡易保険郵便年金加入者の会という会議がございまして、全国で二千二百八十六の数に上っております。これは簡易保険、郵便年金加入者の有志の方々によりまして全集配郵便局を網羅して結成されておりまして、毎年一ないし二回、会議が開催されます。この場で加入者の直接の声をお伺いし、これを制度改善やサービスの向上に生かしております。
 それから二つ目は郵便局のモニター制度でございまして、郵便局を御利用になっておる方々の中から、例えば個人が三千人、法人が千人というふうに郵便局モニターを委嘱いたしまして、簡易保険・郵便年金事業の運営や職員の接遇等がいいか悪いかというふうな点につきまして御意見、御要望をいただいております。
 またそれ以外に、これも先ほど来の御質疑の中に出てまいっておりますが、簡易保険と個人年金に関する市場調査を逐次実施しておりまして、この結果に基づきまして商品、サービスのニーズ把握に努めております。さらには、加入者の方から寄せられる制度とかあるいは事業運営に関する要望、申告が日常的にございます。また、私どもの外務員が日常の外務活動の中でお客様と接触して入手する直接のお声もございます。こういう声もできるだけ、郵政省あるいは各地の郵政局あるいは郵便局のそれぞれの場を通じて吸い上げて生かしてまいりたいというふうに考えております。
 御指摘のように、こういうお声が、仮にささいなものでありましても、やはり私どもの事業が生き生きとして活動して本当に国民の皆様のニーズにこたえる一番の源であるというふうに深く認識しておりまして、冒頭、先生から郵便事業の関係でお褒めの言葉をいただきまして私も大変うれしく存じておりますけれども、今後ともできるだけ幅広くこういう加入者、国民の皆さんの声を反映できるように努めていきたいというふうに存じております。
#63
○平野清君 国民の自助努力による生涯生活設計を支援するために、今回、簡易保険と郵便年金の制度を統合して生涯保障年金を創設することになったわけですけれども、その生涯保障年金の仕組みと申しますか、加入年齢及び年金の支払い開始年齢は何歳ぐらいを予定されているのかをお聞きしたいと思います。
#64
○政府委員(松野春樹君) 仕組みにつきましてごく概括的に申し上げますと、被保険者が死亡したことなどにより保険金の支払いをする終身保険と、被保険者の死亡に至るまで年金の支払いをする終身年金保険を組み合わせることによりまして、生涯にわたっての生活設計に必要な青壮年期の死亡保障と老後の死亡保障プラス年金というものを一つの契約で総合的に提供するという仕組みでございます。また、御加入に際しまして、どういう死亡保障額を希望するか、あるいはどういう年金額を希望するかという額を選択していただいていろいろ組み合わせることができるということにする予定であります。
 それから年齢等でありますが、細目にわたりましては保険約款におきまして加入年齢あるいは年金支払い開始年齢を決める予定でありますが、現在予定しておりますのは、加入年齢につきましては、これがやはり生涯にわたる生活設計に資するということを目的にしておりますことも勘案いたしまして、二十五歳程度から五十五歳程度までと考えております。また、年金の支払い開始年齢を何歳にするかということもあるわけでありますが、実際の民間等も含めました退職年齢の動向でありますとか現在の私どもの郵便年金に御加入いただいている状況等を勘案いたしまして、五十五歳開始、六十歳開始、六十五歳開始という三種類を設けまして、このうちの適切なものを御選択いただくという形にしたいと考えております。
#65
○平野清君 今細かく御説明いただいたんですが、保険は専門家は割とわかりやすいんですけれども、国民の方はいざ保険というとなかなか理解がしにくい。そこへどんどん新しい商品が出てまいりますと、どれを選択していいのかさっぱりわからない。外務員の口一つでいろんなトラブルも起きてくると思うんです。そこで国民に対するPRというもの、今回の改正を加入者や新しく入ってもらう人にどのように説明するのか、これが大変難しいと思います。
 一つの例を申し上げますと、ここに「みなさまの簡易保険・郵便年金’89」というのがあるんですが、この一番トップに「生存保険金付定期保険を発売しました。」というのがあって、これは初め不勉強でよくわからなかったんですけれども、思い出しましたら、去年の春だったか私たちが通した法案の中に生存保険金をつけるという言葉が入った法案があったんですね。それをぽっとピックアップされて「生存保険金付定期保険」、これはちょっと見て余りいい感じがしないんです。要するに、保険金を掛けていたけれどもその間に死ななかったから、五年目、七年目、九年目に御褒美として幾らか上げるよということらしいんです。
 そうすると、生存保険金、生きていたからお祝いに金をやるよという意味の見出しになっているような気がするんで、これから新しい青年層や何かを入れるんだったら、例えば私なら「お達者保険金付定期保険」とか「健やか祝い金付定期保険」とか、何か一般の国民が見たらうれしくなるようなもうちょっとやわらかい名前の保険にしたらいいんじゃないかなというふうに思います。生存保険金付定期保険なんて言われると、あなたは五年目でも七年目でも死ななかったから少しずつお小遣いをやるよというような、若い人にとってはちょっとなじまないような気がするんです。そういう点を含めて、PRというものに対してどういうお考えでしょうか。
#66
○政府委員(松野春樹君) 先ほどの例で御指摘された生存保険金付定期保険でございますが、まことに私どもが日々非常に苦しい思いをしておるネーミングの難しさを、今お伺いしましてつくづく感じた次第であります。
 これは弁解ではございませんが、簡易保険の種類等も、基本はごく数は限られておるのですがそのバリエーションがいろいろございまして、五十何種類というふうなものに教えられるわけであります。こういう種類にそれぞれの名称をつけるときに、えてして、私どもの通弊でございますが、前後左右すべてをあらわす名前をまず漢字でつけなきゃいかぬ、つけてから後でわかりやすい片仮名でということで、先生御指摘の保険もニックネームとしてはマイプランという大変スマートな名前をつけて、セールスでは実はそのマイプランというふうな名前で周知させていただいております。
 しかし、この生存保険金付という言葉がいいか悪いか、私この席で申し上げる立場にないわけで御理解をいただきたいと言うのみでありますけれども、今後いろいろなこういう新しい商品ができます場合の基本的な名称、それからそれの愛称というようなものにつきましてこれからも十分勉強してまいりたいと思います。
 これらの点を一般的にPRすることの重要性といいますのは、これもまた大変御指摘のとおりであります。私どもの一番反省しなければいけない点は、やはり郵便局が二万余局あるということに実は逆に安易に乗り過ぎまして、本省等が施策の変更等をやる場合に意外と私どもの施策の変更あるいは改善等が知られていないなという点をよく反省することがあります。今後、肝に銘じていろいろ努力してまいりたいと存じます。
#67
○平野清君 平成元年の九月から発売されたばかりで名前を変えると言ったってとても無理でしょうけれども、銀行の名前さえトマトなんていう時代が来ているわけで、保険の名称その他も国民にぴったりわかるようなやわらかいものをつくっていく方がより効果的ではないかなと思います。
 それでは次に移りますが、簡保の運用資金については既に約四十六兆円に達しておると聞いております。この簡保資金は加入者の財産であるということをしばしば大臣も局長さんもお答えになっておりますけれども、その有利運用を図って加入者に還元することが極めて大事なわけです。しかし、現実的には簡保の運用利回りが民保の運用利回りをかなり下回っているというふうに聞いております。簡保と民保では資金の運用対象範囲にどのような違いがあるのかをお聞かせ願いたいと思います。
#68
○政府委員(松野春樹君) 冒頭の簡保の特徴の中でも少しく触れさせていただきましたけれども、民保のそれと比較いたしまして簡保・年金資金の運用範囲はやはり制約の多いものになってございます。
 具体的に申し上げますと、民保の運用範囲には、私どもの積立金の運用対象のほかに加えまして、例えば株式、不動産、それから企業貸し付け等が含まれてございます。逆に申し上げますと、私どもの運用範囲にはこの株式、不動産、企業貸し付け、その他若干ございますが、これらは入っていないという違いがございます。
#69
○平野清君 それでは、簡保では資金の有利運用や効率的な運用に向けて資金運用制度の改善に取り組んでいるということでございますけれども、簡保は昨年末の予算折衝でどのような要求を大蔵省にされたんでしょうか。
#70
○政府委員(松野春樹君) 私どもの基本的な立場といたしまして、金融経済情勢の変化に適切に対応して資金の一層の効率的運用を図ることによりまして最終的には加入者の利益を増進してまいりたい、あわせて地域振興にも貢献してまいりたいということを考えてございます。
 昨年度もこの運用関係につきましては政府部内の折衝時におきまして幾つかの要求をお出しいたしました。例えば第三セクターへの運用、これは各それぞれの地域で地域の活性化のために第三セクターを活用したいろいろな事業をやられるというケースでございますが、まだ残念ながら認められておりません。それから余裕金の直接運用という長年の懸案がございます。これも昨年出しましたが、やはり余裕金は現在の会計制度のもとでは一義的に資金運用部への預託金とすべきである、法律にそういうふうに現在は規定されておるわけでありますが、ということでやはり改善できませんでした。そのほか、今回の法律改正でお願い申し上げております債券の貸し付け、これは幸い前進を見ることができました。それから、これは法律事項ではありませんが、政令改正事項でございますが、大型私募事業債への運用という改善が認められております。まだこれは手続を終了しておりませんけれども、これから政令改正をお願いしてまいる事項になってございます。
 鋭意折衝を行ったところでありますが、以上のような結果でございます。
#71
○平野清君 今、債券の貸し付けにつきましては前進したというお答えをいただきましたけれども、その内容及びどの程度の額を運用することになっているのか。また、簡保が債券貸付市場に参入した場合、市場の混乱を招くことがないのか。また、民間の抵抗が予想されるのではないかというような心配もございますけれども、その点はいかがなんでしょうか。
#72
○政府委員(松野春樹君) 現在法律改正をお願いしておる事項でございます。債券の貸し付けにつきましては、私どもが保有しておる国債がございます。これは日銀に登録してあるわけでございますが、これるさらに、ごく短期間が実態でございますけれども、しかるべき金融機関、証券会社あるいは証券金融会社等にお貸しして、いわばもう一つの利息を得るということでより一層の有利運用を図るという内容でございます。
 現在の状況でありますが、この債券の貸付市場というのは昨年の五月に整備されたばかりの市場でございます。この賃貸料といいますか貸借料というのは、もちろんこれは市場によりましてそのときどきに変動してまいりますけれども、昨年の五月からことしの四月までの各月の平均を見てまいりますと、年利相当で〇・二から大体二%程度の相場になっておるようでありまして、これが私どもに、貸した額に応じて収入として入ってくるという内容であります。
 それから運用する額でありますが、これはもちろん市場の動向に応じて弾力的に対処、決定すべきものであろうとは思いますが、このマーケットの規模等を考えますと、平成二年度は常時の残高ベースで約二百億円程度を簡易保険としては考えております。
#73
○平野清君 国民の財産であるわけですから万が一貸し倒れなんということがあったら大変なわけですけれども、そういう貸し倒れのリスクの面はどうなんでしょうか。
#74
○政府委員(松野春樹君) 私どもが保有国債をお貸しする場合に二つの形態がございます。一つは仲介取引でありますが、いわゆる証券金融会社でございます。この証券金融会社は、午前中の御質疑でも御説明申し上げましたが、借り手から必ず担保をとることになりますので、貸し倒れリスクはこの場合は生じないということになろうかと思います。それから店頭取引におきまして金融機関及び証券会社に限って取引を行うこととするということになると思いますが、これらの法人につきましては貸し倒れリスクはほとんどないのであろう。また、現に大蔵省もこれらの金融機関及び証券会社につきましては担保の供出不要というふうに指定しておりまして、その意味でもまずまず安全であろうというふうに考えております。
 それから同時に、この債券の貸し借りの期間というのが実際の商取引におきましてはおよそ五日間程度というのが慣行であるようであります。これは決済日の関係であろうと思いますが、あれこれ考えまして、まずリスクの問題はないのであろうというふうに考えております。
#75
○平野清君 大型私募事業債に運用できるようになるわけですけれども、大型私募事業債とはどんなものなのか、またこの運用予定額はどの程度をお考えになっているのか、まとめてお答えいただければと思います。
#76
○政府委員(松野春樹君) 一般に私募事業債と言われております内容は、特定少数、五十人未満ということでありますが、の投資家を募集の対象とする社債ということでございます。大型私募事業債ということになりますと、発行額が二十億円以上百億円以内の私募事業債のことでありまして、昭和六十二年六月に社債発行の規制緩和によりましてこの種の事業債が発行されるようになった経緯がございます。
 今回の改正は政令レベルの改正で対処し得る内容でありますけれども、株式上場会社で資本金六十億円以上の会社の発行する大型私募事業債を運用対象に加えよう、それに私どもも参加しようというもので、これも先ほどの債券の貸し付けの数字と実はたまたま似た数字になるわけですが、おおよそ年間二百億円程度を考えております。
#77
○平野清君 それでは大臣にお尋ねしたいんですけれども、今いろいろ局長さんが御説明になったように大蔵折衝というのは大変だと思うんですが、今後の資金運用制度の改善についてどういう御方針をお持ちかお聞かせいただければと思います。
#78
○国務大臣(深谷隆司君) 平野委員御指摘のように、やはり簡保・年金資金は加入者の貴重な財産ですから、できるだけ利益を還元しなきゃなりません。ところが最近、簡保・年金の資金運用利回りを見てみますと、六十一年で七・〇三%だったのが六十三年六・二七、平成元年度で六・一といったようにだんだん下がってきております。
 こういうことではなりませんので、私どもも資金の一層の効率的運用を図るためにさまざまな配慮を払っていかなきゃなりませんが、先ほども局長から申しました余裕金の直接運用の検討、あるいは資金運用制度の改善の一つとして先ほども出ました第三セクターへの運用等、これは大蔵省とのさまざまな議論の相違がございまして煮詰めていくのに相当困難な部分もございますけれども、積極的に改革していかないと御期待にこたえられないと存じておりますので、一層頑張って所期の目的を果たしたいと思っております。
#79
○平野清君 さらに大臣にちょっとお尋ねしたいんですけれども、これから保険、年金に対する税制上の支援というのが非常に大事になってくると思います。これはちょっと意地悪な質問で申しわけないんですけれども、加入者が受け取ります郵便年金というものは税法上何の所得になっているか、大臣は御存じでしょうか。
#80
○国務大臣(深谷隆司君) 雑所得のようでございます。
#81
○平野清君 雑所得というお答えが返ってまいりました。郵便年金も、それから厚生年金も国民年金も全部雑所得なんですね。これから高齢化社会へ向かって年金だけで生活する人も相当ふえてくると思いますけれども、自分の収入を申告する場合その他いろんなときに、僕なんかも去年から年金をいただいていますけれども、一生懸命自分が積み立ててやっともらえるようになったその年金が雑所得というのは、どう聞いても国民感情になじまないような気がするんですよ。これは大蔵省が決めていることなんですけれども、これから郵便年金を充実していく上でも、郵政省の方から大蔵省に対して、雑所得扱いなんというような税法じゃなくて、年金は年金所得としてのきちっとした位置づけをすることが大事なような気がするんです。私も今度機会があれば大蔵省の方にもそういう質問をしたいと思いますけれども、雑所得あるいはその他を含めて、税制上どういうふうに措置をしていこうとされているかをお聞きしたいと思います。
#82
○国務大臣(深谷隆司君) 平野委員の御指摘の雑所得の件については、少し勉強させていただきたいと思います。
 それから、何といいましても国民の自助努力、それを中心にして我々がいろんな角度からお助けするという形でございますが、所得税、地方税における個人年金保険料の所得控除限度額は今回引き上げることになったわけであります。これからも、生命保険、個人年金、税制の充実に積極的に取り組んでいかなければならないと思っております。
 具体的な内容についてはまだこれから、ただいま検討中という状況でございます。
#83
○平野清君 どうもありがとうございました。
 まだまだ、浦安に建設中の終身利用型加入者ホーム等たくさんお聞きしたいことがあったんですけれども、与えられた時間が来てしまいましたのでこの辺で終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
#84
○磯村修君 今度、浦安に簡保年金福祉事業団と民間の事業団が共同出資して法人をつくって運営していく施設がつくられるわけなんですが、そこで、この共同出資する事業団を選択する一つの基準があると思うんです。それの基準はどういうふうな形で選定しているのか。
 それから、ここが仮に二百人収容できる施設とした場合、そこで生活するのに大体一人当たりどのくらいの費用がかかるのか。
 さらには、お入りになったお年寄りが途中で費用が負担し切れなくなってくるという問題が出てくることも想定されると思うんですが、その場合にどういうふうな措置がとられるのか。
 あるいはまた、先ほどお話を聞いておりますと保証人が二人必要なんだそうですけれども、この保証人が死亡した場合なんかの措置ですね、その辺はどういうふうになるのか、お伺いしたいと思います。
#85
○政府委員(松野春樹君) いずれも現在最終的な詰めを急いでおるわけでありますけれども、現在おおよそ決めております方向につきまして御説明申し上げます。
 最初に、共同出資する民間の会社の選定基準というふうなお尋ねでございました。
 現在私どもが考えておりますのは、財団法人で全国有料老人ホーム協会という協会がございますが、ここに加入している運営法人であっていただきたいなという点が一点でございます。それから、今後事業団と継続的に連携を保つことができるためには、今回の浦安のケースであるということを念頭に置きまして、東京に本拠地のある法人が望ましいという点も考えております。それからさらには、今度の浦安のホームは居室の数が百六十室を予定しておりますが、したがって、できれば百室以上ぐらいのホームを実際に運営しておるという経験があるとさらにぐあいがよいというふうな考えもございます。それから、当然のことながら、介護つき有料老人ホームの運営実績でありますとか、資本金、職員数につきましても一定規模以上というふうなことも念頭にございます。
 これらの条件を満たす法人の中から、浦安ホームへの協力の意向でありますとかそれから社会的な信用の度合い等もろもろあろうと思いますが、そういう要素を踏まえて選定していく予定でございます。
 それから二点目のお尋ねは、この新しい加入者ホームの利用料金をどの程度予定しているのかという御質問でございます。
 最近私ども、この前提としまして民間の施設につきましていろいろな状況を調べておりますけれども、一口ではなかなか申せませんが、大体民間の同種のホームの場合三千万円台から五千万円台、ごく最近できたものには八千万円台から一億円台というふうな大変な幅の広い状況があります。しかし、私ども基本的に考えなければいけませんのは、やはり国営事業である簡保がバックにある加入者施設であるということも念頭に置きたいと思いますし、できれば一般のサラリーマンでも利用可能な程度の入居一時金にしたいなというふうに思っております。
 それで、まだ額は全く確定して御発表する段階ではありませんが、あえて申し上げますると、一人入居の場合、一般的に申し上げまして入居一時金は二千万円台の前半、二千五百万円までいかないような額で設定できればというふうなことを念頭に置いて今詰めておるわけであります。もちろん二人入居のケースもございますが、これはまた別の計算になろうかと存じます。
 それから三点目でございますが、この利用料金を払えなくなった場合どうなるのか、あるいは保証人が亡くなっていればどうなのかというお尋ねでありますが、例えば毎月の管理費、食費というものを入居一時金とは別に月々いただく仕組みになります。おおよそ十万円前後だろうというふうに考えておりますが、これを原則論で申し上げますと、一般の民間の事例では三カ月以上支払いが滞った場合には原則として退去云々とかいうふうなケースもあるようであります。現在、民間のそのような実態は私どもの念頭にはございますけれども、ただ画一的に三カ月ということでいいのかどうかという点がまだ実は私ども結論を得ておりません。何かそこにもう少し緩和剤が必要なのかどうかという点を現在煮詰めております。
 それから保証人でございますが、連帯保証人が二名必要であるということでありますが、この連帯保証人につきましては、例えば費用の支払いの代行とか退居されるというふうな場合の身柄の引き受け等にこれはやはり必要であろうかなということで、原則としては必ず補充していただきたいなということで考えております。
#86
○磯村修君 この新しい施設には、先ほどの御説明では介護室とかあるいは医療室というものがつくられるんだそうで、特別養護老人ホームとの提携はなくても専門病院との提携はしていくということのようですが、この医療のシステム、例えば病院とその施設がただお互いに協力関係を結んで何かあった場合に病院に収容するとかというふうな単純なものではなくて、そこで生活なさる方はお年寄りでございましょうから、やはりそれなりに、そこで生活なさっているお年寄りの健康状態ですね、これを何かニューメディアのシステムを導入して、わざわざ病院へ行かなくてもその状況がわかるというふうなそうした医療システムというものをこの新しい施設に設定したらいかがか、こういうふうにも思うんです。それがまた新しい時代に対応していく一つの医療システムではなかろうかと私は思うんですけれども、その辺はどんなお考えをお持ちですか。
#87
○政府委員(松野春樹君) これは医療という言葉の範疇に入るかどうかは別にいたしまして、日常の入居者の方のいろいろなふぐあい等につきましては、看護婦を五人程度医務室に常駐させておりまして、そこである程度対応できるだろうと思います。
 ただ、専門の医療機関、病院というものを中に内包した形はこれはなかなかなし得ませんので、これは実際のケースでありますが、浦安のこのホームの近くに二つ大きな病院があるようでありまして、もちろんこれはホームとその病院の間で一般的な提携関係、あるいは負担金というふうなものが必要になるかと思いますが、常時提携体制をつくっておきまして、何かあった場合には、しかも専門的な治療を要する場合には、これは何はさておいても命にかかわる問題でありますから専門の病院でと。もちろんその間は退居するわけではございませんで、本拠地はホームであることは間違いございません。ホームもまたその病院治療等に際して当然便宜を図るということになろうかと思います。
 今御提言のニューメディア利用に関係するわけでありますけれども、今度の各それぞれの部屋、居室等と、いわばそれを管理といいますかお世話する方の担当者の部屋との間の連絡等につきましては、これはなし得る最大限の情報装置、最近の新しい近代的な病院にはいろいろすぐれたシステムがあるようでありますけれども、これはよく考えておきたいと思います。専門の介護室も設けますけれども、日常の居室との連絡体制その他につきましても十分配意して対処してまいりたいと存じます。
#88
○磯村修君 加入者ホームというのは全国に十数カ所あるんだそうですが、これをつくるときの趣旨と、現状はどういうふうな仕組みになっているのか。そこで生活する場合、例えば年数は有限であろうと思うんですけれども、どういう仕組みになっているのか、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。
#89
○政府委員(松野春樹君) 先ほど来御指摘を受けておりますこの終身利用型介護機能つきホームとは別に、私ども、現在年金加入者ホームを全国で十三カ所設けております。
 一番最初は、昭和三十年でありますけれども、高齢の加入者の方々が明るく平穏に過ごすための加入者ホームというのを熱海市に開設いたしました。このホームは、戦後におきます日本人の平均寿命の著しい延び、それから当時の住宅不足等社会情勢の変化にやはり簡易保険としてもあるいは郵便年金としても対応したいということが一つ背景にありました。特にもう一つの事情は、郵便年金の歴史、経緯にかかわる問題でありますけれども、過去のインフレの影響を大きくこうむった郵便年金の加入者を何らかの形で救済するという意味もあったようでございます。
 ところが、大変このホームが好評でございまして、長期滞在等もスタート当初は方針として持っておったようでありますが、その後いろいろ行政監察その他等の指摘もございまして、余りにも多くの希望者がありますために途中から利用を原則として五年以内ということで、現在でも何十人か部屋があくのを待っておられる方がございますが、原則五年以内というふうなルールに変えたわけでございます。
 今回の十三の加入者ホームが出そろいましたのは昭和四十三年でございます。このホームは、今後どうするかという問題もあるいはあろうかと思いますけれども、今現在のところは、先ほど申し上げましたようにまだ数十名が空き室を待っておるような状態もありまして、今ここで物理的にここに変革を加えますと少し問題が起こるのかなと。加入者ホーム設立の事情というものもやはり十分念頭に置かなきゃいかぬと思います。その上でいろいろ新しい形の加入者ホームをどうしていくかという問題の処理になろうかと思います。
#90
○磯村修君 やはり社会の情勢に対応していくための施設でなければならないと思うんですけれども、こういう施設は、これから類似したような施設をつくるというよりか、例えば先ほどの新しい浦安につくるようなああいうふうな終身型のホームをさらにどんどんつくっていった方が高齢化社会のためには役立っていくだろうと思うんです。有限の、何かそのときの社会情勢もあったんでしょうけれども、例えば何年でもってもうおたくへお帰りくださいでは、何か冷たさを感ずるわけなんですね。
 特にお年寄りがだんだんふえてくる世の中ですから、年をとってからでは迎える方も大変でしょうし、帰る方もいろいろと複雑な気持ちにもなるでしょうし、そういうふうなこともいろいろ勘案しながら、こういう施設をこれからどういうふうに活用し、またどういうふうな形でもって対応していったらよいのかという非常に深刻な問題もあろうと思うので、もう一度その辺のことを具体的にお伺いしたいと思うんです。
#91
○政府委員(松野春樹君) 御指摘のように、私どもが簡易保険・郵便年金事業においてこの種の年金加入者ホームについて今後どういう姿勢で臨んでいくかという課題として見た場合、先ほど触れました既存の十三の年金加入者ホームを今後どうするのかという問いと、今先生御指摘のように、今の浦安型の加入者ホームを今後どうするかという問題とあるわけでございます。
 これは率直に申し上げまして、実はまだそこをどうするかきっちりした青写真を私持ち合わせておりませんが、この浦安のケースは私どもにとりまして本当の意味で最初のパイロットプランでございます。いろいろなノーハウをそこから得る。しかしノーハウを得るまでにこれは時間がかかりますので、やはり民間のノーハウを持った会社と運営につきましては提携した形で臨みたいということであります。
 私の現在の簡易保険局の責任者としての立場からいいますと、今後この種の施設は、午前中の御質問にも出ましたが、公的な保障施設だけでなかなか届かない面、あるいはむしろ積極的に、自助努力で老後の生活を切り開きたい、それだけの一定のゆとりはあるという方々にとってこの種の施設が必要であるならば、気持ちとしてはやはり積極的に考えていくべき事柄かなという感じを持っております。そのとき十三のホームをどうするかは、これは現在御入居中の方々もおりまして、先ほど申し上げました説明でもってひとつ御了解いただきたいと思います。
#92
○磯村修君 それから簡保資金の活用の問題なんですけれども、いろんな保養施設をつくるということについては行革の立場から大分制限されているというふうなお話が先ほど出ました。しかしスポーツ施設、レクリエーション施設というふうなものはというふうな話も先ほどありましたけれども、今、各地域に参りますとリゾート開発ということが盛んに行われておりますね。ですからそういうリゾート開発に参加して、いわば小回りのきくレクリエーション施設というふうなものをこの資金を活用してつくっていけば利用者にとっては大変ありがたいことになるのではなかろうか、こういうふうに思うわけなんです。
 例えばスポーツの施設でも、かつて国体を開いたことのある開催県なんかでは大きな施設がたくさんつくられているんですけれども、なかなかこれは一般の人が利用しにくい面もあるわけですね。ですから、一般の人が活用できるような小回りのきくそういうスポーツ施設とかレク施設というふうなものをこれから大いにつくっていってもいいんじゃないかと思うわけなんです。
 この休養施設といいましょうかね、これは民活ということでもって一つの制限もあるやに聞こえるわけなんですけれども、民活といっても、民活によって土地が非常に高くなってしまったというケースもあるわけなんですね。そういう意味からいったら、今、自治体が持っている公有地の高度利用ということも盛んに言われている時代でもあるわけなんですから、そういう面を生かして、そしてしかもリゾート開発に並行してこの資金の活用というものもこれから積極的に考えていくべきではなかろうか、私はそう思うんですけれども、局長、いかがでしょうか。
#93
○政府委員(松野春樹君) 御指摘の点につきましては、私よく理解できるところでございます。
 現在取り組んでおります総合レクセンターは、昨年度予算で一カ所、今年度予算で一カ所、これはまだ御要望申し上げておるわけでありますけれども、これはどちらかといいますとリゾート型でございまして、簡易保険の加入者施設を単独でもってある地につくるのではなくて、その地域のスポーツ施設あるいはレク施設等の総合的な開発の中の一環として考えて簡易保険の方も加入者施設として参加するというふうな形になります。純然たるリゾートではありませんけれども、そういう考えで、相当大規模なものがあります。
 もう少し小回りということになりますと、現在ある簡易保険の保養所、保養センターがございますが、大変評判が高うございまして、年間で延べ約一千二百万人の御利用をいただいておりますけれども、例えば各地域で農家の方が昼休みにちょっとゲートボールを楽しむというふうな場合に簡易に利用していただける。もちろんいろいろな面倒な手続等がそれほど必要なくできます。
 東北の寒い地方でなかなかレク施設がない。特に冬場は東北地方の保養センターというのは大変閑散としております。利用率が五割を下回るところも幾つかございまして、そうすると、それでは屋根つきのゲートボール場を設けたらどんなものであろうかとか、そういういろいろなそれぞれの地域からのお声を率直に反映して、簡易に利用しやすいスポーツ施設を保養センターに併設してまいりたいというふうなことで取り組んでおるところであります。
#94
○磯村修君 それから、高齢化社会ということでそれぞれの人たちが一つの生活設計をしていく上においてもこの新しい生涯保障保険制度に対する関心とか期待というものは次第に強まってくると思うんですけれども、そこでちょっとお伺いしたいのは、従来の簡保とかあるいは年金というものに加入している方がこの新しい制度を活用したいということで契約する、したいというときに、面接とかあるいは告知ということでたまたま非常に差しさわりが出てきて新しいシステムを活用できないような場合も想定できるんですね。
 これは、同じ趣旨、内容の保険あるいは年金というものを活用していく、ただ一本化されたものを活用していくという場合にそれだけでもってチェックされて活用できないというふうなことはちょっと私は矛盾を感ずるんですが、その辺の見解をお伺いしたいと思います。
#95
○政府委員(松野春樹君) 生涯保障保険を新しくつくりました場合、既に加入しております保険なりあるいは年金からこの生涯保障保険への変更もできることとしております。この場合に、改めて告知、面接を必要とする場合としない場合とあるのであろうというふうに思っております。
 告知、面接を必要とする場合はどういう場合かということでございますが、この生涯保障保険への変更の際に保険金額の増額を行う、あるいは保険期間の延長等がなされるというふうな内容の場合には、結局死亡保障が拡大するというケースになるわけでありまして、この場合にはやはり、死亡保障が拡大する部分につきましては新規の加入と同様でありますので改めて告知、面接を必要としているという制度になっておるわけでございます。
 それで一方、例えば既存の保障、実は年金には保障という概念はありませんので、保険金を既存の年金部分に付加する、保険を付加するというふうな場合でございますと、死亡保障が拡大しない単純な付加でございますので、この場合には改めて告知や面接を必要としないケースになります。したがいまして、お尋ねのようにもし保障内容が変わりません場合には、例えば既加入の終身保険の保険金額を増額しないで生涯保障保険に変更するという場合には、告知は不必要ということに相なろうかと思います。
#96
○磯村修君 何か今の告知あるいは面接というふうなことによって、大きな期待を持っていた人がちょっとしたことでもってチェックされてそれが利用できないというふうなことになると期待感というものを大変裏切るような感じもするわけなんですが、それはそれとしてわかりました。
 それから最後に大臣に一言お伺いしたいんですけれども、今それぞれの自治体でも、高齢化社会を迎えて、寝たきりのお年寄りへの介護というものが行政の中でもって大変大きな課題になってきております。ボランティアとかいろんなシステムを取り入れてそれへの対応というものを考えているところですね。
 そこで、郵政省の立場でも既に検討されていると思うんですけれども、将来あるいは介護が必要になるというふうなことを想定して、介護サービスというふうなものを内容とした保険の創設と申しましょうか、そういうふうなことは既に郵政省としては御検討なされているんでしょうか。なされているとすれば今どういうふうな状態にあるのかということをお伺いしたいと思います。
#97
○国務大臣(深谷隆司君) 先生御指摘のように、ますます高齢化、長寿化が進展してまいりますと、老齢人口の増加に伴って寝たきり老人の割合が非常に高くなってくるとか、あるいはその他さまざまな、それこそ家族の方たちでは手に負えないような症状も含めて、大きな変化が起こってくるだろうと思います。したがいまして私たちも、介護施設だとか介護人の確保など、介護システムの整備を国の重要な仕事として考えていかなきゃならないと思っています。
 郵政省といたしましては、こういう国民のニーズにこたえていくために介護機能を持つ終身利用型のホームをただいま建設しているわけでありますが、先ほども局長から話がありましたように、ここでさまざまなノーハウを十分に研究して、その上に立って一層の新しいテーマに取り組んでいかなきゃならないというふうに考えているわけであります。介護サービスの供給体制は次第に整備されてまいりますが、例えば人的供給も含めて、これから保険制度の開発と同時に取り組んでいかなきゃならない課題だと心得ております。
 具体的に今申し上げるほど進んでいるわけではありませんが、そういう問題には真剣に取り組んでいこうということで、今、着手し始めているというんでしょうか、そういう状態にございます。
#98
○磯村修君 終わります。
#99
○常松克安君 大臣、四十分間お世話になりますからよろしくお願いします。
 私は簡保の会員でもあります。年金も掛けております。よって、六千六百万人の会員を代表して、会員の立場でこれより質問いたします。第二は、私たちが出しておりますのは税金ではありません。先の憂いのため、生命の保持のため、いろいろな立場において掛けておりますお金であります。言うならば私財であります。そういう立場で、第一条がどうのこうの、規制がどうのこうの、さようなことは庶民は知りません。運用されたものは全部会員に丸ごと返してもらいたい、そういう立場に立った質問の趣旨で進めてまいりますからよろしくお願いいたします。
 まず第一は浦安市の件、昭和五十四年十一月に整備公団が取得いたしました金額、そして六十二年十一月に郵政省が取得されました土地金額を教えてください。
#100
○政府委員(松野春樹君) 浦安の加入者ホームを建設しております土地は、もともとは千葉県の企業庁が埋め立てた土地でございました。それを住宅・都市整備公団が一帯を取得したものでございます。
 簡保事業団は、昭和六十一年度及び六十二年度に予算を確保いたしました上で住宅・都市整備公団と話し合い、最終的には六十二年十一月、約二十六億円で取得したものでございます。同公団が昭和五十四年十一月に取得したことは先ほど先生御指摘のとおり私承知しておりますが、当時幾らで取得したかまで私承知しておりません。
 以上でございます。
#101
○常松克安君 決して他意あってお伺いしたんじゃございません。といいますのは、私の住まっておるところは実は三重県でございまして、三重県ではこういうパンフレットをちょうだいいたしまして、もう来年ぐらいにも三重県にこんないいものが来るぞと、こういうふうにたまさか耳にいたしておりますので、ああこんないいものなら早いとこ来てもらいたいなと。がしかし、親方日の丸でまた赤字を出すんじゃないだろうか。特に私の心配なのは、この介護という二字でございます。これでまず心配をしておるがためにお伺いするということをお断りいたしておきます。
 よって、今の百六十室、こういうふうな五十八億という金額でお建てになったものが何年でペイするのか、その計画についてお考えがございましたらおっしゃってください。
#102
○政府委員(松野春樹君) この建物の建設費は私どもの簡保事業の特別会計から出資金の形で事業団に、これは法律でもって定められたとおりやっております。
 この運営につきましては原則としては一切御加入者、入居される方の御負担というのが原則ということでありますが、おおよそ二十年程度を目途としております。二十年程度で計画を立てております。
#103
○常松克安君 ではお聞きいたします。
 大体一人の方で二千三百万、お二人で、一応今あらあら想定いたしまするのが三千三百万、こうして合算して金額をお出しになってください。二十年もかからぬでしょう、ペイは。――じゃ後ほどで結構です。
 心配しているのは、赤字にならないかということを物すごく心配しているんです。といいますのは、この介護という字が入りますと、民間でもつぶれていくところがどんどん出てきているわけなんです。非常にこの介護が難しいんです、正直言いまして。
 よってお聞きいたします。介護という概念にA型、B型、C型がございますが、その基準をおっしゃってください。
#104
○政府委員(松野春樹君) 大変不勉強で申しわけありませんが、A型、B型、C型とあれしておりませんが、ただ厚生省にございます老人福祉法でございますが、そこにありますいろいろな施設の形態で、私ちょっと不勉強でありますから申しわけありませんが、お聞きしたような覚えがございます。
#105
○常松克安君 それはそうで、郵政省は厚生省のことまで勉強するのは大変です。
 私が申し上げるのはこの介護です。入る人は終身で入るわけでございましょう。そうすると、お聞きすると看護婦さんが五名、そして建てられるのはこの資料から見て十階建て。満六十五歳より以上の方の一番恐ろしいのは合併症なんです。一つ二つじゃないんです、持病は。そういうふうなときの介護の問題もございますれば、あるいは本当にもうある日突然、最近は五十代でぼけが始まっておるわけですから、そういう場合もございますし、ぼけではないけれども、あるいはそうした長の合併症の介護を要するものではないけれども、真ん中の一週間ごとにぼけたりもとへ戻ったり、もう症状はいろいろなんでございます。
 そうしますと、この五名の看護婦さんは、十階からビーと鳴る、八階から鳴る、何階から鳴る、これはもう大変なものであります。局長の答弁はもう待たずして、そういうことがあるから専門のノーハウを持ったところへちゃんと共同出資して、そういうところでもうベテランの人に中へ入ってもららんだ、もう答えはわかっておるんですよ。
 しかし、事この介護となってまいりますとそう単純に、今度その人たちを受け取ってもらう病院、それをお尋ねいたします。今近くに病院があるとおっしゃいました。一般病院なのか特養なのか中間施設の病院なのか、この三つしかないんです。一般病院は悲しいかな厚生省の基準で受け取らないです。あと残るのは中間施設及び特養です。ところがこの二つとも、今全国比率にしてたった一つの部屋を待っている人が何%いると思いますか。そう簡単に受け取るというようなものじゃございません。やはりそれがノーハウを持った会社に任せるということじゃないんでしょうか。
#106
○政府委員(松野春樹君) 私どものホームに入居されておる方がいずれかの時点で介護を必要とする状態になりましたときに、そのときある病院に私どもから連絡してさあお願いしますと、あるいは重度な介護を要する人でございますからといった場合に、これはなかなか実際には、先生御指摘のようにいろいろな混乱が起こると思います。
 私はやはり平素から、この浦安のケースの場合にはその二つのうちの一つは浦安中央病院という病院もあるようでございますけれども、平素から負担すべきものは負担して、日常的にやはりその際病院がどういうふうに対処してくれるかということにつきまして連携をとっておきませんと、御指摘のように急に簡単にいくものではないという点は承知いたしております。今後その辺につきましては、まだ着手しておりませんけれども、これは至急、御指摘をまつまでもなくやらねばいかぬ大事なことの一つであろうというふうに存じております。
#107
○常松克安君 これは普通の企業でしたら大問題なんですよ。建てる計画というのは大体五年前から計画するんですよ、土地取得にしても内容にしても、病院にしても介護にしましても。それをこの計画からいったら、一遍ノーハウを研究してと、これではやっぱりお役人のお仕事かと言わざるを得なくなってしまうんです。
 こういうふうなことを郵政省がおやりになった、大臣の勇断でスタートの命令をお出しになったことには敬意を表します。しかし、これが介護という名がついたらもう申し込みがえらいことになる。これは年金もしくは簡保会員、そうすると夫婦二人で入る場合、主人が掛けておって奥さんが掛けてない場合は入れませんかな、これは。こういう場合どうなりますか。
#108
○政府委員(松野春樹君) やはり両方とも簡易保険もしくは郵便年金にお入りいただいておるということを前提にいたしております。
#109
○常松克安君 しからば、きのう入ってきょう申し込みできますか。
#110
○政府委員(松野春樹君) まだどの程度入居希望が出てまいるかどうかはここではっきり申し上げられませんが、恐らく郵便局で第一次審査をやらざるを得ないと思うんです。郵便局で御加入いただいておるかどうかを形式的に審査して、あとは事業団の方で中央で一括処理しますが、恐らくその時点で人数が相当多いのであろうと、したがって何らかの公正な抽せん方式等した上で、さらに第二次の入居審査というふうな手順を現在承知いたしております。したがって、御指摘のようにきのう入りました場合でも本日郵便局で御加入の申込書が出された場合には、それは私は有効であろうというふうに思います。
#111
○常松克安君 有効なんですね。
#112
○政府委員(松野春樹君) 郵便局ではそれはわかっております。
#113
○常松克安君 そうすると、その応募したさに入って金を納めたらすぐ申し込みできる。一方、営々と十九年、二十年、郵便局を愛し、本当に郵便年金ならではこそと期待するそういう人たちと、資格とりたさにきのう会員になった人も受け付けるということを、何も私、そんな目を三角にして言っているんじゃないが、そういうふうに入所基準なるものがしっかりしてない。この法案と一緒にそういうものを提示されてこれは当然かに思うんです、私は。
 ここで一たんOKして通ってしまったら、もう庶民が何言うてもあきません、国会で決まりました、法律で決まりました。してみりゃ、本当に営々としてやってきた人をこそ、ある面では優遇する。またこれをすると、整合性でそれはおかしいとかごてごてするんです、法制局で。そういうふうな問題を精査されてここへ提示なすって、会員に対する新しい行政サービスなんですと大臣が胸を張って記者会見をなさるがよろしかろうと思うがゆえに、老婆心ながら申し上げておるんです、これは。
 もう一度聞きますよ。そういうふうに、ある面からいくと不公平だなと。少しその辺のところの基準は、法律的に差しさわりあるものじゃなければ、やはり長々長々のお得意さんときのうきょうの一見さんと一緒の扱いでこれいいんでしょうかな。もう一度答弁をお願いします。
#114
○政府委員(松野春樹君) 私どもの簡易保険あるいは郵便年金を長い間にわたって御加入されておるケースとごく短期間のケースと、そこに入居資格に例えば差を設けるか否かということでありますが、私ども現在考えておりますのは先ほど御回答したとおりでありますが、その基準等をこれは少し敷衍して考えてまいりますと、それでは保険金額が高い場合低い場合とか、まあいろいろな実は物差しが頭の中にちょっと浮かぶのでありますけれども、それでもってこの入居資格を審査するのは少し無理があるのかなという、実は漠然としたあれでありますが観念を持っております。
 もっと別の条件、しかし、途中では一枚一枚の審査が果たして可能なほどの御希望であるかという点になりますと、私はどうももう少し多くのたくさんの方の御希望があるような感じがしております。したがって今私どもがおおよそ想定しておりますのは、まず郵便局で第一次的に御加入されているかどうかだけを見ていただきまして、申込書が事業団の方に送られてまいりますと、そこである段階で、どのみちやはりまだ二百人収容でございますから足りません。そこで一定の、もちろんこれは公正でなくてはいけませんが抽せんして、ある程度絞って第二次的にまた審査判断を行うのがまずまず常識的なやり方かなということで今考えておるわけであります。
#115
○常松克安君 地域限定はされるんでしょうか。千葉県浦安市ですから千葉県の方とか東京二十三区とか、あるいは全国ベースとか。申し込みは郵便局とおっしゃいましたけれども、地域限定指定はあるんでしょうか。
#116
○政府委員(松野春樹君) 今回最初の施設が浦安の地にできるわけでありますが、私どもの簡易保険・郵便年金の全国的事業のあれからいたしまして地域を限定しないで、各郵便局へそれぞれどの地域からもお出しになって結構ですということでまいりたいと思います。
 ただ実際上は、場所が浦安ということでありますと、私ども今までのごくささやかな勉強では、やはり関東近辺の方が一番多くなるであろうということは予測としては持ってございますが、第一次申し込みの段階では、そこは余り、何といいますか排除条件、例えば関東地域以外はだめだというふうなことはとらないつもりでございます。
#117
○常松克安君 と申し上げますのは、千葉県出身の方で定年の方がこのパンフレットを見て、私はよかった、浦安やったらもう本当にふるさとが近いんで私は行きたいと、こういう人とばったりめぐり会ったものですから、これが地域限定されるとだめだと。しかしこれ、六千六百万人、満六十歳を約二〇%と単純に見て一千三百二十万人、それの約一割としてというふうに考えても、これは啓蒙の仕方によっては、それをコントロールされなければ大混乱が起きるんじゃないだろうか、よって地域限定が出てくるんだろうかなと。
 これはもとを正せば、今までの入居の方々が、こんないいところ、ありがたいことや、しかし一年で出ていかにゃあかん、五年で出ていかにゃあかん、不安定だ。やっとそこでお友だちもできたらもう資格が切れて、早いとこ出てください、次のとこどうですかということにならぬように、そういう皆さんのニーズが多くてこういうふうな問題になったと聞かされております。ですから、これをより全国ベースという遠大な戦略としてやっていくんだということになってくれば、ここで地域限定もやむを得ざるかなという考えをちょっと持っていたんです。
 けれども今、局長がおっしゃいました。いやいやそうじゃございません、もう全国郵便局でばあっと公募いたしましてという遠大な計画でございますからまことにありがたいんですが、もう一度確認します。それでいいですか。
#118
○政府委員(松野春樹君) ただいま御説明申し上げたとおりでございます。
#119
○常松克安君 もう一つ懸念のありますのは、先ほどの先生の方から保証人というお話も出たんですが、保証人というのはいろんな保証人がございまして、入社するときの保証人や入学するときの保証人もありますけれども、これは民事上にかかわるところの重大なる保証人という概念の規定なんでしょうか。そうじゃなくて、たまさか知った人はここへは来ないから親戚でいいやと、そんなところはもう資産も調べへん何も調べへんと、そういう保証人なんでしょうか。このところで民間ベースではトラブって告発問題にもなっているところが多いんです。ですから老婆心ながらお尋ねいたします。
#120
○政府委員(松野春樹君) 御利用いただく方は、最初に入居一時金は既にちょうだいしておるわけでございますから、したがいまして介護サービス請求権つきの賃貸のような形に相なるわけであります。この場合の連帯保証人は、したがいましてその面で一番典型的な例のよくある金銭トラブルといいますか、そういう面から見て実際にこの連帯保証人の責任の度合いがどうかということは別にいたしまして、一応民事上の連帯保証人ということに相なる、二名ということに相なるというふうに考えております。
#121
○常松克安君 なるんですね。これがまた大変なんですがな。
 入居時において医者の診断により重大な疾患がなくという、重大な疾患とは何と何と何の病気を指すんですか。
#122
○政府委員(松野春樹君) 医学的に申し上げますとなかなかこれ、私も手に負えない内容だろうと思いまして、おしかりを受けるかもしれませんが、一応身の回りの世話ができるかできないかということを物差しにしたいという考えでございます。入居時のでございます。
#123
○常松克安君 その表現はよくのみ込めるんですけれども、医者の診断によりというなら、健康診断を添えてということになるんでしょうか。ここが一つの隘路になってくると思うんです。ということは、一応限定している資格は六十五歳以上でしょう。六十五歳以上で、一病息災の時代ですよ、今。六十五でぴんぴんして百メートル二十二、三秒で走る、そんな健康な人をって望んだってそれは無理です。何か神経痛やとかリューマチやとか何やというものはお持ちでしょう。
 身の回りとおっしゃいましたけれども、このときに既に重大な疾患というのは、成人病に基づくとかこういうふうなことの非常に限定したものでないと、せっかくの会員の皆さんに及ぼされる恩恵というものがマッチしてこないじゃないだろうか、それで心配してちょっと老婆心ながら。もっと極端に言うと、つえついて入ってくる人はもうみんなあきませんのやと。そんなもう、奥さんが元気で届けに来て、御主人が高血圧でつえついてこないして来られた、後でわかった。これあなた、あきません、またトラブル。こういうことの書き方の基準は非常に難しい。御苦労かけますが、ひとつ頑張っていただきたい、局長。いいことはいいんですから。
 いいことはいいですが、後になって会員の皆さんから、何や、あの人特別に入居したのと違うか、あの人は政治家の縁故によって紹介を受けて入居したのじゃないかというふうなことがありがちなんです。この風評というもの、世間のうわさは怖いものです。そういうことをどうか公平にして、会員をベースにしてこの権利に参加できるような形にしていただかなければならない。これというのも入居基準が明確になっていないからこういう論議にもなっているということをひとつ。私は重箱の隅をつついてごたごた言ってるんじゃないんです。みんな喜んで待っておったのですから、この辺のところをお願いしたい。
 介護で、倒れたときおむつ代はどうされますか。
#124
○政府委員(松野春樹君) そのほかにもいろいろケースがあろうと思いますが、その場合のおむつ代は自己負担という形になろうかと思います。
#125
○常松克安君 まあ細かいことは全部これで通り過ぎますけれども、ただノーハウの中で一つ、管理なすっていかれる立場で覚えていただきたいのは、そうなってほかの病院に転送する場合が出てきます。そのときにみんな難渋して困りますのは、どのような特養にしても老人中間施設にいたしましても、市町村の福祉事務所の窓口で審査を受けて、受けたのが決済を受けてこそ入居を許可ということで受け入れするわけです。そのときの隘蹄路で困りますのは、その人の生まれた市町村から負担金、介護手当、これがそこへ出ていく。ところが市町村では、年間何人出ようとも幾らでも予算は出しますじゃない。年間で縛ってしもうとるんです。縛ってしまっているから、そういうところへ出す金がないで行政でトラブる場合が非常にあるんでございます、現実。
 非常にこんなところで論議するに値しないとおっしゃるかしれませんが、せっかくやっていただく、赤字にならないようにスムーズにいくようにしてもらいたいために、こういうノーハウの意見もあったということを頭の隅で結構でございますから存念をしていただきまして、またこれをより多く全国ベースに広めていただくような御尽力をと思うんですが、大臣、いかがでございましょうか。
#126
○国務大臣(深谷隆司君) 常松委員の御指摘、一つ一つ全くもっともだとうなずきながら、またいい勉強をさせていただきました。
 確かに私たち素人でございまして、厚生省のかかわりを今まで私自身も体験していなかったものでありますから、言われた一つ一つの難しさというのは非常によくわかるような気がいたします。今の介護と一口に書きましても、自分で自分のことができる人たち、あるいは一部介助しなきゃならない人、全面的に介助しなきゃならない人、しかもそれは入居時だけではなしに入居後に起こってくるさまざまな問題、ことごとくあらゆる検討の対象にして準備をしなければならないということ、つくづくよくわかった次第であります。
 担当の局長以下、我々も含めましてしっかり勉強して、せっかく初めてのケースでございますから、後で侮いの残らないように努力いたしたいと思っております。
#127
○常松克安君 それじゃ次に問題を変えまして単刀直入に大臣に問いかけますが、金利自由化という問題はもはや国際的にも避けがたい大きな波になってきております。そういうときに限って必ず郵政の三事業についての経営形態を問われる。またぞろ民営化という問題が、こういうふうな論議というものは決して決して軽くは通り過ぎるものではないでなかろうか、こういうふうな時代になってまいっております。このことにおいて総合的な戦略を、大臣はどのように基本的にベースを定めていらっしゃるか、まずお伺いしたいと存じます。
#128
○国務大臣(深谷隆司君) 金融の自由化、国際化は、生命保険商品を含めた各種金融商品相互間の競争の一層の激化をもたらすものと予測されます。保険とか年金サービスの最大の特色を考えました場合に保障の提供にあるわけでありますが、高齢化社会を迎えて、自助努力の手段としてそのニーズが今後非常に大きくなってくるであろうというふうにまず考えます。したがって簡易保険・郵便年金事業としては、こうした保険・年金サービスの特色を十分に踏まえながら時代の要請に合ったサービスを開発するために相当慎重に取り組んでいかなければならないというふうに思います。
 資金運用の面に関しましても、金融の自由化、国際化の進展で運用対象が非常に多様化してくるであろうと思いますし、運用を多様化していきませんと加入者に還元することも不可能でございますから、そういう意味では資金運用制度の改善あるいは効率的な運用に一層努めていかなければならないと思っております。
#129
○常松克安君 先輩先生方からも既に午前、午後を通して運用拡大ということのお話がございました。私は発想をがらりと変えまして、四十六兆に対する六、三、一の割り振り、この公共用の六を自主運用にする、三を公共にする、これはできませんか。
#130
○政府委員(松野春樹君) 公共運用の額をどうするか、財投機関への融資の額をどうするかという問題は、毎年毎年実は年末の予算折衝時に私どもと関係当局でもいろいろ打ち合わせのあるところでございます。その上で郵政大臣が決める事項ではありますけれども、やはり簡易保険の場合、運用法等の目的にもありますように、公共的な観点というものはこれは外すわけにはまいらないだろうと思います。したがいまして、我々もできる限り、需要を見ての上での話でありますが、地方公共団体あるいは財投関係等につきましてはできる限り御融資は申し上げたいということでありますが、ただその中で加入者の皆さん方に有利な配当等を還元しなきゃいかぬということが、これが実は事業の一番本質的な問題でございまして、気持ちとしては、六対三を逆転するかどうかということにはこれはならないと思いますけれども、しかし先生御指摘のように一生懸命有利運用の拡大をやることにつきましてはこれからも鋭意努力してまいりたいという気持ちでございます。
#131
○常松克安君 おしかりを受けることを、何を幼稚なばかなことを言っているんだとおっしゃられることを存じた上で申し上げております。でありますから最初から、これは私たち一人一人の会員の私財を投じたお金ですよとこう申し上げています。それを、公共にどう使う、こう使う、国のレベル、法律の枠。じゃその規制がいつもひっかかっているのは何か、お尋ねいたします。
 三事業について、税金払うとらぬ、日銀にも積んどらぬ、保険も掛けてない、印紙税も払うとらぬ、親方日の丸の事業しとるんじゃないか、それでまだ自主運用をぶちぶち言うとるのかというふうなちまたの一部の意見もあるそうでございまするが、じゃ簡保と年金合わせて税金を払った試算はどれだけになるんですか。
#132
○政府委員(松野春樹君) 端的にお答えいたしますと、実は簡保として税金の試算はしたことがございません。
 この理由ということでありますけれども、国営非営利の事業ということでいろいろな制約を受けておりまして、税制面だけ民間並みにして比較するということが、従来の経験ですと余り必要がなかったといいますか、余り適切でもなかろうというふうなことでございまして税金の試算はしていないわけであります。
 ただ、もしも税金を払うようになればという前提で、試算した数字は持っておりませんけれども、例えば平成元年度の剰余金が簡易保険で約九千億発生している。これは当然配当金に回すわけでありますけれども、もしも税金を払うようになれば、税金にもいろいろな種類、恐らく法人税から始まりまして固定資産税その他いろいろございますが、これは先ほど申し上げました剰余金がその分減少することは間違いないところでありまして、税金を払った上でなおかつ同一水準の剰余の発生を維持しようと思えば、資金運用面でも相当程度見直しをいたしませんとこれは持ちこたえられないということになろうかと思います。
#133
○常松克安君 持ちこたえられないということは、破産するんでしょうか。
#134
○政府委員(松野春樹君) 言葉が足りませんで失礼しました。
 平成元年度の剰余金は約九千億発生してこれを各契約の配当金にお回ししたと申し上げましたけれども、この水準を維持できないという意味でございます。
#135
○常松克安君 じゃ、立場を今度がらっと変えまして公共の運用について、資金の運用をしていく地方の事業団ですね。今度は公共に、大蔵省、国直結の貸し付け、二つあると思うんですが、これは間違いないでしょうか。
#136
○政府委員(松野春樹君) 例えば地方公共団体に長期、短期問わず融資するという場合に、簡易保険の場合にはこれは制度創設以来私ども自主運用で、郵政大臣の決定で行いますので、これは郵政省、大臣のルートで行きます。それから、自治省がもちろんタッチしますけれども、財投の方から直接お回しするケースもあります。
 その間の調整でありますけれども、やはり一義的には、地方自治体から希望が出てまいります。その内容等も勘案した上でどこが融資を行うのにふさわしいかというふうな話し合いというものはこれは毎年行われておりますけれども、その上で先生おっしゃいますように融資の仕方が分かれております。
#137
○常松克安君 では角度を変えて申し上げますが、簡保にしても年金にいたしましても皆さんの御尽力で利子はふえていきます。ふえていきますと、これは法律で六%とか七%と限定して、それ以上の剰余金が出たら事業団の方へ吸い取られていってしまって六%だけは会員の方へ還元、こういうふうになっているんでしょうか。ちょっとその辺、私はど素人なものですからお教えください。
#138
○政府委員(松野春樹君) 剰余金の出方は、それはいろいろ私どもの運用努力の結果いかんということもありますし、そのときの経済情勢等に大分影響される面もございます。毎年毎年決算を行いまして、お客様に対して幾ら配当として各契約に分配できるかということを毎年度やっておるわけでございます。
 今御指摘のように、その際に例えば剰余金がいつもよりも少し多くなった、したがってどこかで基準をもって切って、ある一定以内の配当をしようというふうな考えは毛頭ございません。したがって、年度によって発生します剰余金、その剰余金を分配する配当金の額は経営努力によって違ってくることは間違いのないところでございます。
#139
○常松克安君 どうかひとつ、一千万、一億、十億という資金、そのベースは一人が一万ずつで一千人おって一千万、こういうのが皆さんのお仕事ですから、非常に細かい、そして二万四千カ所の全国ネットワークで地域の皆さんと一緒になって拡大する、あるいはこういうふうな福祉の問題にまで取り組むような、そういう事業に携わっていられることを了として、なお一層の御尽力をしていただきますことを意見として付しておきます。
 いま一つ、こういう考え方はやっぱりだめなんでしょうか。例えば私はあと二年で二十年掛けた簡保が来ます。楽しみにして待っておるんです、幾らになっておるかと思いまして。ところが、満期になったらすぐもらわないでそれをそのまま置いておいてまた五年先でも十年先でもいいよというふうなことの制度化というものは何とかならないんでしょうか。
#140
○政府委員(松野春樹君) 今、先生お示しの事例そのままで継続してという商品は簡易保険は持っておりません。貯金の場合にはこれはあり得る話でございます。
 それから私どもの場合、これはいろいろ運用関係等の事情もあるわけでございますけれども、例えば養老保険のような場合にいわゆる五年物等は設けておりませんで、大体十年を商品の最低期間といいますか、ということでやっております。これは先ほど来の御質疑でもおわかりのとおり、なかなか運用利回りが、民保では一時問題になったケースもありますが、例の一時払い養老といいますか、五年物というふうなことでございましたけれども、もしそのことを念頭に置いてのお尋ねでありますと、今、一時払い五年養老という商品は私どもは扱っておらないというお答えになります。
#141
○常松克安君 先ほどからいろいろ新しい商品の話もございますが、ある一方から見ると、一般の金融会社の物まねばかりしておるじゃないか、後追いばかりしておるじゃないか。しかし今度そういうことをやろうとするといろんな規制がかぶってくる。ですから、それなら規制を外して同じベースに立って堂々とやるべきなんです。
 郵便局の本局を町の裏方に建てるんじゃなくて、東京駅の前にどんと大きなものを、皆金融関係は建てておるんですから、それぐらい、この六千六百万人の方々の信頼できるようなものをどうかひとつ。いろいろ限られた中でサービス、商品を探し勘案していらっしゃるけれども、一番問題なのは青壮年の二十数%の加入率、それは悪いはずです。スピードがないんです、皆さんのお考えになる商品にスピード感が。二十代、三十代の人に三十年、五十年先を、これはなかなかかみ込まぬのですわ。
 あるいはまた、営々としてそうして蓄積したものであるならば、厚生年金のように、六十でもらう人もあと十年間いろんなものがあるからいいよといった場合は、あなたの厚生年金の支払いが十万の場合は十八万九千円となりますよと、こういうふうな一つのアイデアのものはやはり戦略として、大臣がおっしゃるように、これから金利自由化という問題を控えて本当にニーズに合ったそういうふうなものを考え合わせていただかなきゃならないんじゃないだろうか、こういうふうに考えて総体的に申し上げました。締めくくりとして大臣に一言御答弁いただければと思います。
#142
○国務大臣(深谷隆司君) 私たちがやっておりますのは、民間と立場も構えもことごとく異なるわけであります。しかし、国民のニーズにこたえていくという点からいえば、民間が鋭意努力しているようなその努力をむしろ超えるぐらいの配慮が必要ではないかと思います。そういう意味では、本日、先生御指摘の諸問題、大変大事な御提言と受けとめてしっかり頑張っていきたいと思っております。
#143
○常松克安君 質問を終わります。
#144
○山中郁子君 初めに簡保法の一部改正に関連をして伺いますが、一昨年の五月十七日の当委員会で質問いたしました法人契約のあり方について再度解明をしたいと思います。
 一昨年の委員会で私は一つのケースとして、従業員が死亡すると保険金が遺族へ行く、そして生存して満期を迎えると保険金が会社へ行くというケースで、保険金の二分の一は損金として非課税になるし、企業にとっての節税効果が大きい。従業員にとっては逆に限度額の制限や加入年齢の不利益を生ずる問題があるという点を指摘いたしました。この点についてこの際明らかにしておきたいということで伺いたいのですけれども、法人契約の契約の形態としては三種類ありますね。
 一つは、死亡した場合に遺族に行く、そして生存のまま満期を迎えれば本人が受け取る。それから二番目には、死亡した場合に遺族に行って、生存のまま満期を迎えれば会社が受け取る。それから三番目に、死亡しても生存のまま満期になっても会社が受け取る、この三つの形だと思いますが、一昨年のときにも実際の契約の状況がどうなっているのかお伺いしましたら、あなた方はそういうことは調べてないという御返事で、私はそんなことを調べてないはずがないということで物別れになっているわけですけれども、それぞれの契約状況がどうなのか、ちょっと一言でいいですからお答えください。
 それは具体的に、全体の法人契約の中で今言った三つのパターン、三つの形態がそれぞれ何%ずつか。実際にほぼとんど二番目のケースが圧倒的に占めていると思うんですけれども、そこをちょっと教えていただきたい。
#145
○政府委員(松野春樹君) 法人契約の平成二年三月末現在の保有契約でございますが、全体で約七十六万件でございます。これは全契約の保有契約件数が約六千六百万件でありますから、ちょうどその一・一五%を占めております。
 そこで、この法人契約、約七十六万件の内訳でありますが、契約形態別の中で、保険金の受け取り人が満期の場合に法人、それから死亡された場合に従業員の遺族という二分の一損金形態のものにつきましては、七十六万件のうちの四十七万六千件でございます。
#146
○山中郁子君 何パーセントになりますか。
#147
○政府委員(松野春樹君) ちょっと私、パーセンテージの計算を今手元に持っておりませんので。
#148
○山中郁子君 今の数字でもかなりな比率でもって第二のケースが占められていると思います。大体六〇%から六五%という感じでしょうか。実際はもう少しウエートは高いというふうに私は感じていますけれども、それはまた具体的に伺います。
 もう一つ、解約状況がどうなっているかということでお伺いしたいんですが、解約すると還付金が戻りますから一時所得に対する課税ということになるんですが、これは雑収入として処理されて、還付金からマイナス払い込み保険料、さらにマイナス五十万円の二分の一となっているようであります。
 このパンフにも、おたくの方で東京郵政局ですがお出しになっているパンフですけれども、「還付金額の目安」ということで、四年掛けたら九九%、解約すると返ってくる。それにさらに配当金がつくわけですから、そうすると掛けた分は丸々還付される。掛金の二分の一は損金として扱ってきているからその分は節税になる。そうすると節税分だけ丸々もうけになるわけで、そういうことが法人契約を勧誘する一つの大きな手段になっているわけですね。そういうことになるわけですか。つまり、節税分だけはまるっきりもうけになって、そして掛金は全部返ってくる、ほとんど丸々。そういううまいぐあいになっているわけなんですか。
#149
○政府委員(松野春樹君) 税金関係で多少込み入ってまいりますので、簡潔に申し上げるつもりですがお許しいただきます。
 今お手持ちの資料を先生お見せいただきましたが、東京郵政局でことし発行したパンフレットのようであります。この「還付金額の目安」というパンフレットそのものは、これは職場へ募集に行きましたような場合に、そこの契約を解約せざるを得ない場合が発生した場合どうなんだというふうな御質問が間々あるわけであります。そこで一覧表にまとめてということでこのパンフを作成したということも聞いております。
 そこで、法人契約のうちに、先ほど申し上げました二分の一損金扱いのケースでありますが、法人の事業年度ごとに毎年払い込み保険料の二分の一が損金計上されます。その分の法人税は軽減される、これは御承知のとおりでございます。
 しかし、先ほど解約の例を申されましたが、死亡時の場合、満期時の場合、解約、いずれの場合によりましても契約が消滅しました場合、この還付金の額は期間によりましていろいろございますが、法人の受け取り額から毎年の払い込み保険料の二分の一に相当する資産計上額を差し引き、その差額が法人の雑収入として課税されるということに相なります。
 その結果、二分の一損金処理されていた法人税の軽減分があるわけでありますが、解約の時点では課税対象になりまして、むしろ法人税課税の先送りという形になるというふうに理解しております。
#150
○山中郁子君 何か込み入ったことをおっしゃっているんですけれども、要するにそういうことで節税分だけまるっきりもうけになるということで、あなた方がそういうことを武器にして勧誘していらっしゃることは事実でしょう。あなたは今、何か必ずしもそうじゃないということを論証するために込み入ったことをおっしゃっているみたいですけれども、それに深入りしていると時間がなくなりますから、そうじゃないということでちゃんとこう書いてあるじゃないですか。おたくのそのパンフで「会社のメリット」として「法人税が軽減できます」って書いてあるじゃないですか。
 だから法人税は軽減できるんです。そうでしょう。いろいろ言って、何か必ずしも軽減できるわけじゃないんだということをおっしゃっているようなんですけれども、実際はそうじゃなくて、おたくだってここに「会社のメリット」として「法人税が軽減できます」って書いているんだから、そういうことはちゃんと率直にお認めになって余りややこしいことをおっしゃらない方がいいんです。
 具体的にこういう事実があります。ことしの二月ごろでした。中野郵便局だと思いますが、外務員がある会社へ国税庁推薦の節税と言って勧誘に行った。そうしたら相手の会社が不思議に思って国税庁に問い合わせたので局内でも大問題になった。これは郵政省本省にまで問題が届いていると思います。それはそうでしょう。少しでも税金を多く取りたいというか、多く取るということが語弊があるとすれば適切に取りたいと思っている国税庁がみずから節税を勧めるのはということで、郵政省が国税庁御推薦の節税だと言って売り込みに来たことが不思議に思われたというのは当然だと思います。
 私はある意味で、今の税制はまさにそういうふうに企業や持てる者に対して有利につくられている。大企業優遇と私たちはよく言いますけれども、企業優遇税制なんだということの、はしなくもそれが端的に示されていると思いますが、郵政省の態度がやはり問題だと思うのです。そういうことが問題になったら即刻そこの局で、ああいうことがいわゆるトラブルとして起こったのは運が悪かったんだ、気にしないでばりばりやってくれと、そういうことを責任者、つまり保険課長だと思いますが、保険課長が朝礼でしゃべってハッパをかけている、こういう事実があるんですね。
 ですから私はここでちょっと郵政省にお伺いしたいのは、今後もこういうような節税をセールスポイントにして法人加入のセールスをするつもりなのか、そこのところを伺っておきたいと思います。
#151
○政府委員(松野春樹君) 先ほどの中野郵便局ということで先生から示された例につきましては、そちらにつきましては既に先生御承知のようでありますから、私、割愛させていただきますけれども、やはりセールスではなくて法人税軽減ですという物の言い方はこれはちょっと行き過ぎな表現であるということで、当該局でも今後採用しないように厳重にその点は注意しておるようであります。
 それから節税という問題でありますが、先ほど私ちょっと細かい説明を申し上げて失礼いたしましたけれども、やはりその年度年度におきましては節税効果はあらわれるということはこれは間違いのないことであります。ただ、それが満期なり解約なりの形で将来一時金が入ったときに、その部分が、何といいますか先ほど申し上げたように法人税の先送りみたいな形で課税対象になるというふうなことがあろうかと思います。
 ただ、企業をされております方々がそこら辺の時間経過といいますかそこにやはりメリットを見出して、職員の福祉であるとか、あるいは企業自身のいろいろなあるいは資金計画の面があるかもしれませんけれども、保険とやはりそのような点を統合いたしまして加入するあるいは加入しないというふうな御選択をなさるわけでありまして、節税ということを、先ほど先生が御事例に挙げましたような何か税務署の方のもし言われるようなことのみを表に出しての保険のセールスということはこれは好ましいことではないということは念頭に置きながらも、いろいろ話法等の工夫をしながら積極的に、今まで職域に簡易保険はなかなか飛び込めなかったわけですから、ひとつ勇気を出して職場の中にもセールスマンは入っていってくださいという点は、私はやはり今後も指導していかなければいかぬだろうと思っております。
#152
○山中郁子君 その程度のものでないので私は問題にしているんです。私は今、法人加入の問題を根本的にどうしろというふうなことを申し上げているわけでなくて、それはまた別な問題になりますけれども、さっき申し上げましたようにここで「法人税が軽減できます」、「会社の資産をつくることができます」、「含み資産をつくることができます」、「財テク的魅力があります」、「資産の非固定化を図ることができます」、「退職引当預金としての効果があります」、「24時間保障です」、こういうことをあなた方はこんなにも大きな活字で印刷してパンフレットをつくって、それでこれをセールスの人たち、つまり職員に持たせて、それで要するにハッパをかけているわけです。職域にも勇気を持って仕事に入れなんて、そんなものじゃないんですよ。
 目標に対してどのくらいノルマが達成できたかといって年じゅうハッパをかけているわけでしょう。そういうことが節度を逸しているということを私は一つは申し上げたいと同時に、それが郵政省の法人加入の簡保自体に対するやはり基本的な疑問を生み出していくことにもつながるし、また職員の人たちへの非常にあるべきでないノルマの強要、そういうものを引き起こしていくということを私は申し上げているので、この点はもちろん今、これからまたさらに頑張るよという御答弁ではなくて、考えるべきことは考えるという御答弁であったと私は受けとめますけれども、実態をよく見据えた上で、その程度のなまやさしい状態ではないんだということをもう一度はっきり確認というか見きわめていただきたいと思います。
 それから、この法人加入の場合、従業員の健康状態の告知はどうなっているのか、どうして扱っていらっしゃるのかということを伺っておきたいのです。つまり、実際は従業員一人一人に聞いて健康状態を確認するということではないと思います。そうしますと、場合によって本人の告知義務違反などというようなことが問題になるようなケースが出てくるわけです。つまり、死亡された場合に、病気であったというようなことが後でわかった場合のことですけれども、それらのことについてはどのように扱っておられるか伺います。
#153
○政府委員(松野春樹君) これは生命保険に共通することでありますけれども、ある程度以上体の弱い方あるいは病気の方は加入できないこととしております。したがって、契約の申し込みの受理に当たりまして被保険者の健康状態を把握する必要があるわけであります。
 そこで、簡易保険でございますが、告知とそれから面接観査の二つの方法によりまして被保険者の健康状態を把握し、契約締結の可否の判断資料としております。この告知と申しますのは被保険者や保険契約者から被保険者の健康状態を申告してもらうものでありまして、被保険者の健康状態ということになりますと本人や保険契約者が一番よく知っていることから、生命保険では一般に行われております。それから面接観査でございますが、これは外観から被保険者の体の状態を観察してその健康状態を判断するものでございます。民間保険の場合ですと、一定の保険金額以上の契約につきましては医師による身体検査等を行っておりますけれども、簡易保険の場合では簡易な取り扱いをしますために医者による診査を行わず面接観査によることとしております。
 なお、先ほど会社の例を御指摘になりましたけれども、会社で法人契約等を行われます場合に告知ということで御了解を得なければいけませんのは、やはり契約者とそれから被保険者、法人契約になりますと当然被保険者はこれは第三者ということに相なるわけでありますけれども、私どもの外務員が面接するということになろうかと思います。会社の場合の特徴はやはり被保険者が必ず第三者になる、契約者が法人であるために、ということになろうかと思います。
#154
○山中郁子君 なろうかと思いますってちょっと何か他人事みたいなことをおっしゃっているけれども、実際にあなた方が法人契約に当たってやっていらっしゃることは、職員担当の労務課、職員課というんですか、そういうところでもって取りまとめて告知を受けるというケースが実際には多いんですね。
   〔委員長退席、理事松前達郎君着席〕
 今の局長の御答弁によると、どんな場合でも法人契約の場合には、契約者は法人だとして被保険者は従業員全員ですから、被保険者と一人ずつ健康状態の告知をするということをやっているという意味ですか。実際はそうではなくて、全部労務課か何かで取りまとめて、厚生課か労務課か知りませんけれども、しかるべきところでもって一括してやっていらっしゃる。だから、現実に二年以内に亡くなるというような事態が起こって調査したら病気があったというような場合には、そういうトラブルが実際起こっているわけですが、そういうことが起きると郵政省としては法人契約を全部解約する。つまりいろいろトラブルが起きてきてややこしくなってきてしまいますからその際はもう全部解約する、そういう方針で臨んでいらっしゃるということが実際上も把握できるんですよ。
 そうしますとこういう法人契約というふうな場合には、それまで個人で契約していたけれどもやめて法人契約に切りかえる場合もあるだろうし、そういう点では解約損ということも生まれてきて問題になっているというように私どもは把握していますので、それらについての実態と、善処方というか、郵政省としてもやはり根本的に改善すべきだと考えておりますので、その点について御答弁をいただきたい。
#155
○政府委員(松野春樹君) 現在の取り扱いについて申し上げますと、法人契約の場合におきましても一般契約の場合と同様に、先ほど私ちょっと説明申し上げましたが、原則として契約者である法人及び被保険者の双方から被保険者の健康状態について告知していただいております。この場合におきまして、労務担当者や職員担当者等は被保険者の健康状態について知り得る範囲で告知してもらえばよいということになっております。
 また、このようなことから、法人契約におきまして法人から被保険者の健康診断書の写し、これは余り古いものでは問題でございますが例えば一年以内というふうな健康診断書の写し等の提出があれば、契約者からの告知を省略できることとしております。もちろんこの場合でも被保険者自身に告知していただくことが必要であるというふうな扱いになっております。
#156
○山中郁子君 それでは実際は余りにも例外が多いということにならざるを得ません。先ほど申し上げたことを繰り返しませんが、実態はそんななまやさしいものではなく行われておりますから、再度誠意を持って調査なさるなり問題の解決を図るようにしていただけるものと思います。
 それから、関連いたしますが、保険加入の契約の際の契約者に渡す預かり金受入簿というのですか、これは皆さん方の中では、つまり専門家の中では手控えというふうに呼んでいらっしゃるようですが、これはもう余りにも簡単なもので、倍額支払いだとか入院費特約などの発効に関して、例えば据え置き期間だとかあるいは削減期間の明示がないなどでトラブルが起きるケースがかなりあります。こういうものはやはりもう少しきちんとした内容を明示するようにいわゆる手控えを改善なさる必要があるんじゃないかと、私は現場の仕事に携わる方たちやあるいは関連してトラブルにかかわる人たちのお話を伺って考えておりますけれども、その点のお考えがありますでしょうか。
 これは法の二十三条の二で、交付する書面に関しても決められていることもあるわけです。こういうものを契約するときにはきちんとしなければいけませんよということが出ているわけなので、そういうことに照らしてももう少し改善されるべきではないかと思いますが、いかがですか。
#157
○政府委員(松野春樹君) ただいま先生御指摘の手控え書といいますのは、第一回保険料の預かり証及び健康状態告知の写しをあわせて俗称的に申し上げておる言い方でございますが、これは一義的には、契約の申し込みをお受けする際にお客様から払い込んでいただく保険料の預かり証としてお渡ししているものでございます。これが第一義でございます。また、手控え書は被保険者の健康状態について告知していただいた事項を転記してお渡ししておるところでありますけれども、これは告知内容が事実と異なるときには契約が解除されるなど加入者の意に反する結果をもたらすことになりますので、各告知内容を再度確認していただこうという趣旨でございます。
 こういうことでございますから、手控え書には払い込み保険料や告知の写しのほか、保険種類、保険金額、契約関係者の氏名等、先生御承知のことでございますけれども、主として個々の契約の申し込みに係る個別事項を記載しております。もちろん申し込みの撤回期限など、最小限の注意事項も記載してございます。
 そこで、一方、保険金の例えば削減とかあるいは倍額支払いに係る要件でありますとか、加入者に不利益となる条項がございます。この条項とか法律約款で定める契約条項等につきましては、私どもは基本的な事項をわかりやすく記載した「ご契約のしおり」を手控え書とあわせまして契約の申し込み時にお渡しするということで、先ほど先生御指摘のケースは加入者の方に御理解をいただけるのではないかというふうに考えております。
 そこで、この「ご契約のしおり」を読みやすくする、加入者の方にわかりやすくするという努力もまた我々は欠かしてはいけないわけでありますけれども、目次をつけたり二色刷りにしたり平易な言葉を使ったり、日々いろいろ努力しておるところでありますが、御指摘の点に絞って御説明申し上げれば、この「ご契約のしおり」を手控え書とあわせて同時に契約の申し込み時にお渡しするということでおっしゃる点は満たしておるのではないかなというふうに私は感じております。
#158
○山中郁子君 これは契約の預かり金受け入れ簿ですからこれでもって契約をするわけですが、法によれば契約の申し込みの際交付する書面として、「保険契約の申込みを受けたときは、保険約款の定めるところにより、保険料の払込み、保険金の支払その他保険契約に関する事項を記載した書面をその申込みをした者に交付する。」となっていて、それが現実にはこれだということで契約が行われていて、この中にはそれらのことが書かれるようになっていないということを私は指摘しておりますので、この点もあわせて実際の問題について、現状についてお調べいただきたいと思います。
 それから、具体的な本法の改正に関連してお伺いすることになりますが、現行法では第六条で保険約款の内容を法律で規定しておりますけれども、改正法にはこの内容が法律で規定されていないわけです。その点はどういう理由によるものでありましょうか。
#159
○政府委員(松野春樹君) 御指摘の内容は、現行法では約款で定める基本的な事項を明示していたが、今回の改正では示されていないという点でございます。
 簡易生命保険法が約款記載事項を列挙しておりますのは、列挙した事項が加入者が容易に知り得る約款に定めるべき事項であることを規定することによりまして加入者保護を図っているものだと承知しております。昭和二十四年の現行法制定時の簡易保険は、保険種類は終身保険と養老保険の二種類のみでございました。したがいまして、非常に簡素なものでありましたために、約款の記載事項を明確にすることによって加入者保護の目的をある意味では達成することができたわけでございます。
 しかしその後、家族保険でありますとか財形貯蓄保険でありますとか、保険種類の追加あるいは特約制度の創設がなされまして、さらに今回、年金保険三種類の追加あるいは生涯保障保険の創設というふうになってまいりまして、約款記載事項を列挙することによっては加入者保護を図ろうとした制定当初の目的の達成が難しい状況に相なったと判断いたしまして、このため今回の改正を機会に、むしろ約款事項の列挙方式を廃止いたしまして、約款を定めるに当たりましては保険契約による権利義務を明確にわかりやすいものとするよう配慮しなければならないとすることを新たに第七条第三項に規定することによりまして加入者保護を図りたいという趣旨でございます。
 一言申し添えますと、この約款事項の列挙方式を廃止いたしましても、実際の約款は現在のものよりも量的にもまたより多くなる。極力見やすいように工夫はいたしますけれども、実際には多岐にわたって新しい約款を決めることになるであろうというふうに思っております。現在作業中でございます。
#160
○山中郁子君 私どもはこの法改正自体に反対するものではないのですけれども、今の御答弁を伺っていますと、加入者保護のために約款を現行法では書いています、だけれども、だんだんいろんな商品がふえてきて書くとするといっぱい書かなきゃならなくなる、そうすると加入者保護の役割を果たさなくなるというのは、何にも理屈がなくて理論的な根拠もないと私は思います。それ以上の理解ができないのですけれども、いずれにいたしましても、私は加入者保護というものが後退するようなことが法改正によってもたらされることがあってはならないと思っておりますし、今の局長の御答弁もそういう立場からの御答弁だというふうに本日のところは受けとめておきたいと思います。
 次に、改正法の八十一条二項で、年金の二分の一は差し押さえの対象になるし、また国税滞納処分の差し押さえ対象ともなる、つまり最大限で年金は一〇〇%差し押さえの対象になるというふうに読み取れます。年金は生活の基礎になるわけで、特にお年寄りは当然ですが、この規定がなぜ入ったのか、そこもちょっと伺っておきたいと思います。
#161
○政府委員(松野春樹君) 実はこの差し押さえ関係は、簡易保険あるいはそれを取り巻く類似のいろいろな年金その他につきまして従来から相当まちまちの規定ぶりになっておるようでございます。
   〔理事松前達郎君退席、委員長着席〕
 この郵便年金の年金を受け取るべき権利といいますのは、大正十五年の制度創設以来、その一部については差し押さえることができないとされてきておりました。この考え方の基本でございますが、郵便年金の制度創設時には公的年金制度がまだ未整備でありまして、差し押さえ禁止とすることによりましてこの郵便年金の利用者の最低生活の保護を図ったという経緯があるようでございます。これが現在引き継がれてまいっておりますが、しかし現在の郵便年金の場合には、公的年金制度の整備も進んでまいったこともございますが、この公的年金制度の給付にいわば上乗せして年金を確保するためのものというふうに、この大正十五年当時とは少し性格も変わってきております。
 ところで、国民年金でありますとか厚生年金等の公的年金制度によります場合も、国税滞納処分による差し押さえにつきましてはこれを認められておるわけです。また、民間生保の年金につきましてはこれは何ら差し押さえそのものについての制約がない現状であります。こうしたことから、かねてから実は政府内部ではここ数年来いろいろな議論を私どもやってまいってきたわけでありますけれども、この郵便年金を簡易保険に統合するに当たりましてこの禁止範囲の見直しを行い、公的年金制度と同様に国税滞納処分による差し押さえにつきましてはこれを認めることにした、しかし基本は、二分の一という従来の基本は生かすという形にしたわけでございます。
 ただ、この差し押さえ禁止範囲の見直しにつきましては適用は新規契約から行うこととしておりまして、既存の郵便年金につきましては従来どおりの差し押さえ禁止範囲となるよう、経過措置を附則第八条第十一項で設けております。
 以上でございます。
#162
○山中郁子君 まあ大蔵省に押し切られたということかどうかわかりませんけれども、公的年金の実態が水準がどうであるかということは、私が今ここで講釈するまでもないと思います。それからまた、法制定当時と現在と単にお金だけ比べて大丈夫だみたいな話を本気でおっしゃっているとすればこれはとんでもない話であって、いわゆる生活水準の発展ということはそれはもうあらゆる部門で、昔と単純に比較してこれだけよくなっているじゃないか、だから今度は差し押さえの対象にしていいんだなんていう理屈が通るはずもないということは十分御承知のところだと思います。いずれにしても、加入者保護という観点をあなた方がきちんと押さえて守るべきものは断固として守る、大蔵省に対してもどこに対しても。そういうことが肝心なことだということを申し上げておきます。
 次に簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部改正、つまり有料老人ホームの設立の問題で若干伺います。これは既に多くの方が質疑をされていますので、私はちょっと確認だけしたいことを重点的に伺います。
 もともと法の十九条一号は、「老人福祉施設、診療施設、保養施設その他の施設で政令で定めるものの設置及び運営を行うこと。」となっていますね。ここに有料老人ホームが入るわけですけれども、これが民間委託の形態を伴ってここに入るという形になると思いますが、民間委託がほかの部門、つまり診療施設、保養施設などに波及するというか拡大するというか、そういうことが考えられているのかどうか。
#163
○政府委員(松野春樹君) 現時点で私どもが考えておりますのは、この介護事業、介護機能を持った年金ホームということに限定させております。これは政令でもってそういうふうに決められており、それ以上のことは現在まだ青写真を描いておりません。将来にわたりましては、今回行うような終身利用型の加入者ホーム以外のケースにつきましても時代の変化とともにその必要があるいは出てくるかもしれまぜんが、今ここで一概に、私どもの同じような福祉施設であります例えば総合健診センターあるいは診療所、保養センターその他のケースにつきまして同じような形での何といいますか網を張るということは考えておりません。
#164
○山中郁子君 将来はやるかもしれない、広げるかもしれないというふうなことなんですか。それとも将来も、将来というか、絶対やらないよということをあなたに言えと私は言っているわけじゃないんだけれども、民間委託ということ自体は問題があるんですよ。それよりもっと前に、私どもは本来こういうお年寄りの老後の保障というふうなことについては国が責務を負ってやるべきであるという立場をとっております。しかし、国の貧困な福祉政策の結果の今の状況を背景としてこうしたことが提起されていることについて理解するという立場から私どももあえてこの法案に反対する立場ではありませんけれども、今局長の御答弁のようにさらに民間委託も広げていくんだみたいなことがあるとそうそうはいい顔してもいられませんので、そこははっきりしていただきたい。
#165
○政府委員(松野春樹君) 少し説明が舌足らずだったかもしれませんが、現在ある保養センター等の場合におきましても、例えば清掃でありますとかそれから食堂でありますとか、やはり専門分野で委託が好ましいというふうな場合には部分的な委託が……
#166
○山中郁子君 このパターンと言っているんです、全面委託ですよ。
#167
○政府委員(松野春樹君) それで今回の浦安の加入者ホームでありますが、これはむしろ今の介護機能というものそのものが大変なソフトあるいはノーハウでありまして、ここの専門的なノーハウを持っておらない事業団が民間と提携するということに意味があるわけであります。したがいまして今後のことを考える場合には、恐らく物差しは、そういう部外委託にふさわしい、でなければ困るようなそういう専門的な分野というものを持ち得たケースがある場合にはやはり今度の浦安と似たような、例えば新しくどこかに何かできたような場合等が一番いい例として考えられるわけですが、これはあり得るかもしれないという意味で申し上げておるわけでございます。
#168
○山中郁子君 必要なことを答弁なさらない方が、郵政省はそうなんたけれども、必要以上のことを答弁なすっているというのも珍しいことだと思っていますが、私が伺ったのは、現在、法ではこれが「老人福祉施設、診療施設、保養施設その他の施設で」云々と書かれている、それで診療施設、保養施設などに今度のケースのような民間委託を拡大するつもりがあるのかということを伺ったのであって、それはないのですねということで確認していただければよろしいんです。
#169
○政府委員(松野春樹君) 現時点では考えておりません。
#170
○山中郁子君 与えられた時間がなくなりますので、最後に積立金の運用に関する法律の一部改正についてお伺いいたします。
 簡易保険、郵便年金の積立金の運用については、この法律の目的として第一条に「公共の利益になるように運用すること」とうたわれ、また「事業の経営を健全ならしめる」としています。今回の法改正は、国民の利益に直接役立つという運用の仕方でなく金融市場の整備のためということがその動機になっている。これは直接には、債券貸借市場において証券会社や銀行など金融機関の投機的行為に役立つようにするものであるということは明白だと思います。
 現在こうした投機的行為自体が日本の経済をゆがめてそして土地問題など国民生活の困難をつくり出していることは、私が今指摘するまでもない、多くの方の見方が一致するところだと思います。こういう性格を持つ方面への運用の拡大についてはおのずと限度があるというように私は考えていますし、今までのコンセンサスもそういうものとして進められてきたはずであります。つまり一定の節度が必要である。今回のこの法改正はそういう意味で節度を超えるものであって、公共的運用を目的とすることと矛盾をしているのではないか、いや、矛盾をしていると私どもは判断いたしますが、そのことについては郵政省はどのように考えていらっしゃいましょうか。
#171
○政府委員(松野春樹君) これは先生御承知のように、私どものこの法律におきまして簡易保険の公共の福祉に貢献するという点は明記されておるわけでございます。私どもの運用に当たりましてもいわゆる運用三原則ということで、たびたび申し上げておりますが、確実かつ有利、公共の利益というふうな三原則をうたっておるわけであります。
 私、これは実はいろいろ濃淡、濃い淡いという問題はあろうかと思いますけれども、今回のこのケースの場合、例えば確実性という面からいきますと、これは先ほども御質問がありまして御説明申し上げましたが、やはり債券の貸付対象機関を金融機関等安全性の観点から問題のない法人に限って行うという点で御理解いただけるであろうと思います。それからまた、この債券の貸借市場、昨年の五月に整備されました市場でありますけれども、やはり安定的な債券の供給者として参入することによりましてこの市場の育成発展に貢献するという意味では、先ほど先生からは御指摘を受けましたが、公共の利益にもかなうものであろうというふうに理解しております。
 それから有利性につきましては、これは私どものいわば保管しておる国債を再活用するというふうなぐあいでありますのでこれは有利性であるということで、冒頭申し上げましたように、いろいろこの三原則それぞれ、中には相矛盾するような意味合いをとれるケースもあろうかと思いますけれども、私は今回の債券の貸し付けにつきましてはこの私どもの運用三原則につきまして充足しておるのではないかというふうに理解しております。
#172
○山中郁子君 終わります。
#173
○足立良平君 最後の質問者になったわけでございますが、私ほかの委員会ともかけ持ちでちょっと席を外しておりましたので、ひょっといたしますと質問が前の皆さん方の質問とダブるケースがあるのかもしれませんが、その点ひとつよろしくお願いをしておきたい、このように思います。
 第一点目でございますけれども、生命保険業界、一般の民間を含めた生命保険業界の中での簡保の位置づけというものについてまずお聞きをいたしたい、このように思うわけであります。
 これはもう私が今さら申し上げるまでもなく、この簡易生命保険事業が発足をいたしましたそもそもの経過は、民間の役割というものに対して簡保事業というものが、いわゆる大衆のためといいますか、社会福祉政策的なそういうバックグラウンドを補完していく、そういう観点でこの簡保事業がスタートいたしているわけでございますけれども、現在そういうふうな民間の生保というものとそして簡保というものの持ついわゆる役割あるいは対象というもの、これはそもそもスタートのときには違っていたというふうに私は理解をいたしておりますが、今日の民間における生保の状況というものを見ますと、当初簡保がねらっていたような大衆化あるいはすべての国民を対象にするという、その領域をどんどん広げてきているというふうに私は思えてならないわけでございます。
 そういう面から簡保のシェアというものも年々低下をしてきているという実績もあるようでございまして、そういう面で、都市部あるいはまたサラリーマン層とか青年層とか、そういうところが特に顕著にずっとシェアが落ち込んできているという実態のように私は受けとめているところでございます。そういう実態の上に立って、このように加入率が低くなっているということの理由を、先ほどの委員の皆さん方からも若干出ておりましたけれども、郵政省としてどのように分析をされているのか再度お聞かせ願っておきたい、このように思います。
 それから二つ目にお聞きをいたしておきたいのは、そのように生保とそれから簡保というもののある面におきましてはシェア争いといいますか競争というものが、今、大変激しい状況になってきておる。今回の法改正に伴う生涯保障保険というのもまさにその一例だろうというふうに私は受けとめるわけであります。そうなってまいりますと、ある面におきまして、普通の状態でありますとますます民間企業に簡保の状況というのは侵食される、言葉をかえれば簡保の状況というのはどんどんシェアを狭めていく、こういう状況に相なるわけでありますが、そういう面からいたしますと簡保としても積極的に拡大をしていかなきゃならない、こういう必要性に迫られることもこれまた私は事実であろう、このようにも思うわけでございます。
 そうしますと、今議論も出ておりましたけれども、民間との競争というのは大変に激烈になってくる。そうするとそれにたえ得る体制というもの、後ほど少し触れたいと思いますけれども、民間の状況というのはシェアを拡大していくために大変いろんな条件をつくってもう懸命に今努力しておりますから、その競争にたえ得る体制というものは本当につくることができるのかどうなのかということにつきましてお聞かせを願いたいと思います。
#174
○政府委員(松野春樹君) 最初にシェアにつきまして御説明申し上げます。
 先生の御指摘で、例えば都市部であるとか青壮年層の加入率が低いというふうな御指摘がございました。おっしゃるとおりの状況でありますが、ちょっと数字を申し上げますと、今、簡易保険、それから民間生保、それからもう一つ農協共済が保険の分野で大きな地位を占めておりますが、この中での簡易保険のシェアを保有契約件数で見てまいりますと、元年の数字では三三・八%でございます。六十三年に比較して〇・一%をちょっと上がっておりますけれども、実際は五十年以降のデータを見ますとやはり漸減的に下がってきておるというのは御指摘のとおりでございます。
 また、私どもの局で実施いたしました市場調査の結果によりますと、やはり簡易保険は民間生保に比較いたしまして、これは御指摘のとおりでございますが、都市部あるいはサラリーマンあるいは青壮年層の加入率が低くなっております。これは私どもの体質的な弱点になってございます。
 このいろいろな理由があるわけでありますが、簡易保険の場合はやはり全国あまねく普及を図るという立場がございます。したがいまして全国くまなく郵便局を店舗として配置しておるわけでありますけれども、都市部問題等につきましては、やはり民間生保は都市部重視型の店舗配置を行っておるというふうなこともあろうかと思いますし、また、私どもの営業活動が従来から家庭訪問中心であるというふうなこともあるいは理由として挙げられるかもしれないというふうに分析しております。
 そこで、現状あるいはこれから近い将来起こる競争、あるいはシェア競争等の問題でありますが、私、現在感じておりますのは、やはり金利の自由化、金融の自由化等に伴いまして業界間の垣根が非常にあいまいになりつつある。これはもちろん悪いことではなくていいことであろうとは思いますが、保険業界におけるその一つの動きとして典型的な例が一つございます。私ども、よく生保対簡保ということで、あるいは農協共済ということでいろいろこうやって比較してきたわけですが、今日、例えば損害保険業界の新契約状況を見てまいりますと、四割以上が実は積立型の、いわばある一定の事柄が起きなければ満期的にお返しするというふうな商品でございまして、したがって、この競争という言葉で見た場合にやはり非常に様相が変わりつつあるという点も感じております。
 ただ、私どもはやはり生命保険を中心にした、あるいは年金を中心とした事業でありますから、今後民間生保あるいは民間損保等との関係におきましても、共存共栄という言葉は大変古くて恐縮でございますけれども、相補い相競いながら、やはり国民、利用者の方々のニーズにこたえてまいりたいという信念でもってこれからも臨んでいこうというふうに存じております。
#175
○足立良平君 言葉では共存共栄ということが言えるわけでありますが、実際的には大変、現実の現場へ参りますと、一人の同じお客さんに対して生保とそして簡保ということでそれがやるわけですから実際は大変難しいことではないかというふうに思います。
 それで、その上に立ってこの郵政三事業のいわゆる一体的な効率ということ、これはもう今まで郵政省はずっと唱えてこられていましたし、そういう面ではまさに三位一体ということが郵政省としても極めて有利な条件だろうというふうに思います。これは同時に、先ほど常松委員との議論の中にも出ていたかと思いますけれども、法人税であるとかその他この事業についてのいわゆる有利な点ということもあるわけでありまして、民間の保険との公正な競争条件というのは確保されていないのではないか、このような意見も巷間多く出ていることは事実だろう、このように思います。
 したがってそういう面からすると、今局長の答弁がありましたように、私もやはり民間の保険の補完的な機能というものを果たしていくということが簡保の場合に必要なのではないかという立場をとっているわけでございますが、その上に立って二つの点をお聞きしておきたいと思いますのは、簡保と民間生保との関係あるいはまたその違いについて郵政省としてどのようにお考えになっているのかということがまず一つ目、そして二つ目に、そのことを踏まえまして今後簡保事業というものをどのように運営されていこうとしているのか、この点につきましてお聞かせを願いたいと思います。
#176
○政府委員(松野春樹君) 前段につきまして私から申し上げて、後段の御質問は幅の広い御指摘でございますので大臣からお願いしたいと思います。
 簡保と民保との違いでありますけれども、制度面の違いということになりますと、やはり簡易保険の一番の特徴というのは非営利の国営事業である、非営利であるということが第一でありまして、それから、御指摘のありましたように郵便局を通じまして簡易に利用できるということもございます。また、これは制度創設以来でありますが、無審査保険という領域に限っておるということでございます。国営事業でありますことからいろいろサービス内容等の基本的事項につきましては法律で定められております。
 一方、運用面では、資金運用につきまして地方還元を初めとして公共的運用を重視しておるという点が一つ。それから加入者福祉施設を全国展開しておるということも事実でありますが、これは違う点ということで申し上げると、やはり限度額等の運用規制、運用範囲あるいは商品の限度額というものが法律の中で基本的事項として置かれておるというふうな点があろうかと思います。
 したがいまして、先ほどいろいろ御指摘いただきましたけれども、私ども、税金を払う払わないという問題もあるわけでありますが、やはり双方向といいますか、簡易保険の方から見てのプラスの面あるいはマイナスの面、いろいろな要素が比較しますとあるようでございます。
#177
○国務大臣(深谷隆司君) 高齢化社会の進展に伴って豊かで活力のある長寿社会を実現していくのは国民的な課題でございます。また、地域振興を推進して均衡のとれた国土全体の発展に寄与することも大事なことでありますので、そういう状況を考えますと、簡易保険・郵便年金事業の果たすべき役割は今後も一層大きくなってくるだろうと考えます。
 今後の運営に関しましては、何といっても国民のニーズに合った保険・年金サービスを開発していくこと、身近な郵便局を通じて全国にきめ細かく普及するように努力すること、それから資金運用や加入者福祉の面でもその充実を一層図っていくこと、そういうことを通じて国営事業として国民の期待にこたえられるような事業運営を行ってまいりたい、そう思っております。
#178
○足立良平君 今、大臣の方からそういう答弁をいただきましたけれども、そういう重要な意味を持っているという前提で第一点目にちょっとお聞きをいたしたわけでありますが、民間生保との競争というのはますます厳しくなっている、それにたえ得る体制というのはどうなのかということはさらにもう少し詰めていかなければならない課題ではないか、このように思うわけでございます。
 そういう観点で、問題はこれは外務員の関係についてでございます。これはもう多分午前中の議論の中にも出ていたのではないかと思うわけでございますが、民間の場合の外務員は、ちょっとこれは私十分統計をとっておりませんからわかりませんが、外務員という仕事は大変に厳しい仕事のようでございますし、どんどん交代をしていっているという状況のようでございます。そういう厳しい状況であればあるほど、この外務員に対してどのような処遇あるいはまた対応策というものをとっていくのかということがこの簡保事業を含めて今後の一番大きな課題ではないか、このようにも考えるわけでございまして、そういう面で今後の外務員に対するそういう処遇等の関係につきまして、それに対する配慮あるいはまた教育指導等について郵政省の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
 ちょっといろんなパンフレットを拝見いたしておりましても、今大臣からお話がありましたようなこれからのそういう置かれている状況の大切さを踏まえて、外務員の例えば教育の問題、そういう仕事に対するいろんな教育を積極的にしていかなきゃならないというようなことも伺うわけでございますので、そういう観点を含めてお聞かせを願っておきたい、このように思います。
#179
○政府委員(松野春樹君) 先生ただいま御指摘いただきましたとおり、なかなか外務員のセールスというものは、特に今日のように非常に金利選好の意識が利用者の方に高まっておる時期になればなりますほど、やはり非常に専門的な知識を要します。もちろん税務面も含めて、そのほかいろいろな金融情報等も含めまして大変な知識を要するわけでありまして、これが欠けることのないように、いろいろ営業能力の開発講習会でありますとかあるいはコンサルティング研修会等を熱心に開催して能力向上に努めております。
 もう一つは処遇の面でございますが、生命保険や個人年金の事業といいますのは、その対象となります需要というのが非常に潜在的でございます。よく私も笑い話として聞くのでありますが、窓口へ積極的に保険に入りたいと言ってこられると、これはまことにいけないことかもしれませんが、一瞬やはり窓口担当者が身構えるという極端な笑い話があるぐらい非常に需要というものが潜在的な体質がございます。したがって、これを表に出しまして契約申し込みへと導いていくための募集に当たる職員の大変旺盛な意欲でありますとか積極的な活動ということが、何よりも事業の中心的な柱になるわけでございます。
 したがって通常の給与だけではなかなか期待できないということで、これは労働組合との労働協約に基づいて決めておることでありますが、この募集意欲の喚起と技術の自己錬磨等を意図いたしまして、募集実績に応じました手当、いわゆる募集手当と言っておりますが、これを支給する体制をとってきております。
#180
○足立良平君 私ちょっと今お話を聞いていて、これは質問のあれを出していないのでひょっとして数字がなければ後ほどお聞かせを願いたいと思いますが、働いている人たちの立場から見ますと、今局長からお話がありましたような例えば募集手当がもうすべての収入の中心になってまいりますと、これは大変生活が不安定になりますし、本当に毎日の競争が大変な状況になってくるということにもなるわけでありますし、それから一方において固定給的なものだけを中心に賃金、処遇というものを考えていくと、これは今おっしゃいましたような潜在的なといいますか、本当言うたら余り入りたくないのをまあ何とかということで説得しなきゃいかぬわけですから、相当外務員の皆さん方の意欲というものが中心にならないとこの種のやつは前へ進んでいかない。
 こういうちょっと相矛盾した面が働いている側とそれから郵政省当局との間に問題として出てくると思うんですが、そういう面からすると、この募集手当と固定給との関係というのは大体どのくらいのウエートになっているのか、ちょっとその辺のところをもしあればお聞かせ願いたいと思います。
#181
○政府委員(松野春樹君) 最初に募集手当の若干の仕組みでございますけれども、これは私どもで特殊勤務手当という手当区分に該当しております。支給基準は先ほど申し上げましたとおり労働協約によって定められております。新契約を成立させましたときにもちろん当該契約を募集した職員に支給するわけでございますが、この保険料だけを対象に一定の率を掛けたのでもぐあいが悪い、保険金額だけでもぐあいが悪いということで、保険料と保険金額それぞれに一定の率を乗じて算出した金額を支給するという基準をつくっております。
 そこで、お尋ねのどのぐらい支給されているのかという例でありますが、外務員一人当たりの手当の支給額ということで年間平均で申し上げますと、六十三年度の数字がございますが、六十三年度におきましては一人当たり手当支給額が百六十三万円ということに相なっております。したがって、私どもの場合には給与体系上やはり基本給というものは保険でありますとか貯金でありますとか郵便でありますとかによって殊さらに区別はしておりませんので、基本給があくまでも中心であり、この百六十三万円が平均的に外務員一人当たり募集実績に基づく手当として年間支給されておるという形になろうかと思います。
#182
○足立良平君 ちょっと関連しますけれども、えらい細かい話で申しわけないんですが、これはいわゆる基準外労働の賃金というのは払った上で募集手当というものはさらに支給している、こういうスタイルになっているんでしょうか。
#183
○政府委員(松野春樹君) お尋ねの点を例えば超過勤務手当というふうなことで考えますと、これもいずれも労働協約で決まっておる立派な手当でありまして、これはこれでございます。
#184
○足立良平君 ああ、そうですか。
#185
○政府委員(松野春樹君) 基準外賃金は基準外賃金でございます。
#186
○足立良平君 これは簡保と民間の生保と、いわゆる国と民間という事業体としては異なっておりますけれども、現実の現場へ参りますと、ある面においては民間とか国とかということは全く関係なく競争をやっていくということになるわけでありますから、そういう面では外務員の人の処遇というものもきちんとやることはやっていくという形をつくってまいりませんと、私はモラールというものが低下をしますと本来の事業の目的というものは達成することはできない、こういうふうに考えておりますからただいまのような質問をさせていただいたわけでございます。
 質問をちょっと移したいと思いますが、税制の関係についてでございますけれども、個人年金の掛金の所得控除の限度額引き上げは平成二年度の場合に改正がされているわけでございます。これは若干、今の日米構造協議の問題等の関係も含めて、余り貯蓄性向を高め過ぎるという一方の問題点なきにしもあらずなのですが、これからの高齢化社会の本格的な到来を考えていくと、社会保障としてきちんとやっていくということもこれは当然私どもとしては大事な課題だと思いますが、一方で自助努力ということもこれまた否定するわけにはいかない。こういう観点で、今後この保険あるいは年金税制の一層の充実といいますか、その点が必要なのではないか、このようにも考えるところでございますが、今後の税制措置の拡充について具体的な考え方、あるいはまた郵政省としてどういう考え方をお持ちになっているか、お聞かせを願っておきたいと思います。
#187
○国務大臣(深谷隆司君) 足立先生御指摘のように、長寿社会は今後いや応なしに進んでいくわけでありますから、それに対応するためには国民の一人一人が自助努力をいたすことは当然でありますが、それをどう支援していくかという体制づくりというのは大変貴重になってくるだろうというふうに思います。今回は、所得税は四月一日から五千円が五万円、来年の四月から地方税も三千五百円が三万五千円ということで税の改正がなされたわけでありますが、これからもそういう意味では積極的に生命保険・個人年金税制の充実に努めていかなければならないと考えております。
 今度そういうわけで所得控除限度額の引き上げを行ったばかりでございまして、今直ちに具体的にどう考えているかということは申し上げられませんが、いずれにしても、これからの長寿社会を考えた場合に当然のことのように次の税制の改革も考えていかなきゃならない、努力をしていきたいというふうにここは考えていることだけ申し上げたいと思います。
#188
○足立良平君 今の段階でそれ以上言えないのかもしれません。
 それでは時間もございませんので、最後にもう一点だけお聞きをしておきたいと思います。
 運用の関係についてでございますが、これはもう既に今までいろんな議論がされておりまして、具体的な点だけお聞きをいたしたいと思います。外国債の関係でありますけれども、外国債というのは若干、今の為替の動向を含めていろんなリスクもありますしメリットも大きい面もございますが、今まで差損なり、そういう現在までの状況は一体どういうものであったのかということと、それから今後外国債等についてこの運用の考え方、これにつきまして最後にお聞きをしておきたいと思います。
#189
○政府委員(松野春樹君) 現在、私どもの積立金で外国債には平成元年度末で約二兆六千億円運用してございます。いわゆる為替差損の問題でございますけれども、一九八六年度、昭和六十一年度の末で約三千億円ということになっております。一九八九年度、平成元年度でございますが、この末には約四百億円ということになっております。私ども、為替差損のこの数字はいわゆるそのときの為替相場で計算してみたということでございまして、決算上これが生じておるというわけではございませんが、大分少なくなってきたなということでございます。
 ただ、これからもいろいろな経済変動がございますので、私ども外国債を運用するに当たりまして、確かに外国債は国内債に比べて高い利子収入が得られる、あるいは資金の運用に伴うリスクの問題というふうに考えるべき点がいろいろあるわけでありますけれども、基本的には投資をやはり分散投資していきたいということで、できるだけ一国の通貨に偏らないで、非常に各国にわたった通貨、あるいは国際機関も含めまして数多くの国の債券等を購入してまいりたいというのが基本的な姿勢でございます。
 その中で、やはり信頼度が低いものは困りますから、極力、例えば国債でありますとかあるいは国際機関債でありますとか、信頼度の高いものにつきましては十分な対応を行ってまいりたいということを基本にいたしております。
#190
○足立良平君 終わります。
    ─────────────
#191
○委員長(青木薪次君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、宮田輝君及び守住有信君が委員を辞任され、その補欠として野村五男君及び須藤良太郎君が選任されました。
    ─────────────
#192
○委員長(青木薪次君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#193
○委員長(青木薪次君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#194
○山中郁子君 私は、ただいま議題となりました三法案のうち、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案に対し、日本共産党を代表し、反対の討論を行います。
 反対の理由は、本改正案は、金融自由化推進策の一環として昨年五月債券貸借市場が開設されたのに伴い、金融機関などが債券市場の流動性の促進、機関投資家のリスク回避、あるいは日銀から借り入れる際の担保を目的に国債の活用を期待してきたのにこたえ、簡保、年金の保有する国債も賃貸で活用させようとするものであります。
 我が党は、財政投融資についても国民生活関連事業への投資を重点とすることを主張してまいりました。ところが、金融市場における投機的行為が不動産投機とも相乗効果を生み出し国の経済の混乱や国民生活の困難をつくり出すに至っていることは、いわゆる土地問題一つとってみても明らかであります。本改正案による国債等の貸借市場への参加も、その傾向を助長するものになる側面があるのです。
 郵政省が直接ショートセール、すなわち空売りをするものでないことは当然ですが、そうだとしても、資金運用法第一条に言う「公共の利益になるように運用する」とする目的に照らせば、資金の運用にはおのずと節度が求められていることを重視しなければなりません。本日の審議におきましても、郵政省は、この問題に関する私の質疑に関連して、「公共の利益になるように運用する」ことと債券貸借市場へ貸し付けることの間には一部矛盾するところがあるかもしれないという趣旨の答弁をされてそのことを裏書きされたのであります。
 以上、本改正案には賛成できないことを表明するとともに、他の二法、すなわち簡易生命保険法の一部改正並びに簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部改正には賛成するものであることをつけ加えまして、私の反対討論を終わります。
#195
○委員長(青木薪次君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより三案について順次採決に入ります。
 まず、簡易生命保険法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#196
○委員長(青木薪次君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#197
○委員長(青木薪次君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#198
○委員長(青木薪次君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#199
○委員長(青木薪次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#200
○委員長(青木薪次君) 次に、特定通信・放送開発事業実施円滑化法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。深谷郵政大臣。
#201
○国務大臣(深谷隆司君) 特定通信・放送開発事業実施円滑化法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年における社会経済の情報化の進展に伴い、産業経済活動及び国民生活の各般の分野において高度かつ多様な情報の流通に対する要請が高まっております。また、社会経済の情報化に即応した地方の発展を図るために、地方における電気通信の高度化を促進することが喫緊の課題となっております。
 このような課題にこたえるためには、地域の健全な発展等に配意しつつ、技術革新の成果を生かして、高度かつ多様な情報需要に対応した情報流通手段の開発、普及を促進することが必要であり、このため、今般、本法律案を提案いたした次第であります。
 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 第一に、電気通信業、放送業等の属する事業分野における通信・放送新規事業、地域通信・放送開発事業及び通信・放送共同開発事業を特定通信・放送開発事業として定義いたしております。
 第二に、郵政大臣は、全国及び地域における電気通信による情報の円滑な流通の促進、特定通信・放送開発事業の内容及び実施方法等に関して実施指針を定めることといたしております。
 第三に、通信・放送新規事業または通信・放送共同開発事業を実施しようとする者は、その実施計画が適当である旨の郵政大臣の認定を受けることができることといたしております。
 第四に、通信・放送衛星機構の業務として、郵政大臣の認定を受けた実施計画に係る資金を調達するために発行する社債及び当該資金の借り入れについての債務保証、通信・放送新規事業の実施に必要な資金の出資、地域通信・放送開発事業の実施に必要な資金の貸し付けについての利子補給金の支給、通信・放送事業分野に関する情報の提供等の業務を追加することといたしております。
 第五に、郵政大臣の認定を受けた特定通信・放送開発事業の実施のために発行する新株引受権付社債については、商法に定められている限度を超えて募集することができることといたしております。
 その他所要の規定の整備を図ることといたしております。
 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して六カ月を超えない範囲内において政令で定める日としております。
 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#202
○委員長(青木薪次君) 以上で本案の趣旨説明は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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