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1990/06/12 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 逓信委員会 第7号
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1990/06/12 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 逓信委員会 第7号

#1
第118回国会 逓信委員会 第7号
平成二年六月十二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠選任
     須藤良太郎君     守住 有信君
     野村 五男君     宮田  輝君
     常松 克安君     鶴岡  洋君
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     長谷川 信君     合馬  敬君
     宮田  輝君     藤田 雄山君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         青木 薪次君
    理 事
                岡野  裕君
                永田 良雄君
                松前 達郎君
                磯村  修君
    委 員
                合馬  敬君
                長田 裕二君
                平井 卓志君
                平野  清君
                藤田 雄山君
                守住 有信君
                及川 一夫君
                大森  昭君
                國弘 正雄君
                山田 健一君
                鶴岡  洋君
                山中 郁子君
                足立 良平君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  深谷 隆司君
   政府委員
       郵政大臣官房長  白井  太君
       郵政省通信政策
       局長       中村 泰三君
       郵政省電気通信
       局長       森本 哲夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大野 敏行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○特定通信・放送開発事業実施円滑化法案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(青木薪次君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る六日、須藤良太郎君、野村五男君及び常松克安君が委員を辞任され、その補欠として守住有信君、宮田輝君及び鶴岡洋君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(青木薪次君) 特定通信・放送開発事業実施円滑化法案を議題といたします。
 本案については、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に人ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○松前達郎君 特定通信・放送開発事業実施円滑化法案、これに関連してただいまから質問をさせていただきたいと思います。
 この法律を読んでみますと、第一の「目的」というところがありますが、そこに「新たな通信・放送事業分野の開拓」という、今日ニューメディアの時代になってまいりましたが、そういった意味も含めての新たな開発だと思うんですね。第二のところの「定義」で、「通信・放送事業分野」というものについて定義をしているんですが、その中に、その後ずっと続いておりますように六つの種類に分けられているわけです。これが中心となってくると思いますので、これらについての具体的な内容を説明していただきたいと思います。
#5
○政府委員(中村泰三君) 二条で定義をいたしております「通信・放送事業分野」といいますのは、郵政省の所掌にかかわります通信・放送事業分野をできるだけ明確にしたいということで六つの事業分野を明記させていただいているわけでございます。少し詳しくなりますが、この六分類につきまして御説明をさせていただきたいと思います。
 最初の「電気通信業又は放送業に属する事業」という分野でございますが、これはもう典型的な電気通信業や放送事業などの業種に属する個別の事業を指しているわけでございまして、例えばNTTでありますとかKDDでありますとか、あるいは一般の放送の分野ですと民放の事業等でございます。
 それから次の「委託を受けて専ら電気通信業又は放送業において行われる業務の一部を行う事業」という分野でございますが、これは例えば第一種電気通信事業者などからの受託業務を行っているもの、例えていいますと通信衛星あるいは放送衛星の運用、管理を通信・放送衛星機構に委託をいたしまして衛星管制の業務を行っているわけでございますが、そういった業務がこの分類に入るものでございます。
 それから三番目の「電気通信業又は放送業の発達を図るための業務であって、放送番組を収集し、及び保管する業務その他のこれらの業に密接に関連するものを行う事業」といいますのは、電気通信業や放送業の発達に貢献をする事業ということでありまして、例示として「放送番組を収集し、及び保管する業務」という例示がございますが、例えば放送番組センターの業務というものが該当いたすわけでございます。
 それから四番目の「電気通信業又は放送業が提供する役務の有効利用に資する電気通信設備を整備する事業」という分野でございますが、これは電気通信や放送のサービスの有効利用のために電気通信設備を整備する事業ということでございまして、例えば難視聴対策の設備を整備する、地方公共団体等でそういった事例があるわけでありますが、難視聴対策設備の整備といったようなものがこれに該当するというふうに考えておるところでございます。
 それから五番目の「電気通信設備の機能の効率的な利用を支援する電気通信の業務を行う事業」という分野でございますが、これは電気通信設備の利用の効率化を電気通信を用いて支援する事業でございまして、例えば運送トラック業なんかで盛んに利用されておりますMCA、限られた周波数を大勢のユーザーで利用できるような仕組みになっておりますMCAの事業といったようなものでございます。
 それから最後の「電気通信システムの設計その他の電気通信設備の機能の効率的な利用を技術的に支援する業務を行う事業」、非常に長々しく書いてございますが、これは電気通信設備の利用の効率化を技術的に支援するシステム設計などの事業でございまして、例えば財団法人の電波システム開発センターが行っているコンサルティング業務といったようなものがこれに該当するものでございます。
#6
○松前達郎君 大体すべての分野が網羅されているような気もするんですけれども、今具体的に挙げていただいたので大体内容はわかってまいりました。法律だけ読みますとえらく抽象的でして、なかなかわかりにくい状況だったものですから質問させていただいたわけです。
 次に、郵政省は今までは郵便事業ということで専らそちらの方が中心になっていたわけですが、情報社会といいますか、この進展に伴って電気通信関係の情報、新しいメディアとしてこれが登場してくる。そうしますと、当然郵政省としてもそういった分野に対して新しい政策を展開していかなければならないだろうと思うんです。ニューメディアの普及のために一体郵政省としてはどういう政策を考えておられるのか。新たな計画その他もあるかもしれません。また同時に、地域社会における情報通信の普及といいますか、こういうことを考えますと、当然それを担当する部課として地域通信振興課、こういうものを置かれているわけなんですが、この振興課の果たす役割というのも大きいんではないか。この辺について説明をお願いしたいと思います。
#7
○政府委員(中村泰三君) 郵政省としましては、地域が抱えております問題の解決に役立てていただくという意味で、地域の特性に応じました町づくりを進めていく上でニューメディアを活用することも非常に大きな意義があるんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。また、東京一極集中の弊害が問題にされておりますけれども、我が国におきまして多極分散型の国土の均衡ある発展を図っていくためにも地域の情報化に積極的に努めていくということが大切であろうという考えを持っているわけでございます。
 こういった観点に立ちまして、従来テレトピア構想でありますとか民活法の施設整備事業でありますとか、あるいはハイビジョンの普及を目的としましたハイビジョン・シティ構想といったようなものを推進しているところでありますが、また今後は地方の中枢都市におきます地域の再開発が行われているときに先行的に高度な情報通信基盤を整備する、そういうことで広域圏全体の情報の受発信機能の向上を図っていこうというようなことで、テレコムタウン構想といったようなことも現在いろいろと検討を進めているところでございます。
 こういった地域の情報化の施策というものを計画的に、かつ総合的に推進してまいるセクションとしまして地域通信振興課という組織を設けているわけでございますが、今後とも地方公共団体等との連携を密にしまして、ニューメディアのハードの整備でありますとか、あるいはソフトの充実、また人材の育成といったようなことにつきまして努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#8
○松前達郎君 地域の情報通信に関する開発といいますか、そういうことを今後積極的に取り組んでいきたい、こういうふうに私今お伺いしたのですが、特定通信・放送開発事業実施円滑化法、この法案の目的としては、先ほど申し上げましたように、現業官庁であった郵政省、これが今度新たに、今に始まったことじゃないんですが、最近のいわゆる高度情報化社会における一つの大きな役割としてテレコムを中心とする行政官庁に脱皮しようと、大きく見るとそういうふうに私は受け取っておるわけなんです。そしてまた、融資とかあるいは出資の面、こういう面で地方自治体や事業体等の支援をしていこう、そして地域の情報化を図っていく。この法案の大きな目的をそういうふうに私は解釈してきたんですけれども、その点いかがでしょうか、間違いないでしょうか。
#9
○政府委員(中村泰三君) 最近、社会経済全般の分野におきまして情報化が進んでまいっているわけでありますが、こういう情報化の進展に伴いまして、情報通信を中心としました通信政策面での期待というものは確かに高まってきております。私どもそうした中で、特にこの地域の情報化という問題は大変重要な政策課題だというふうに認識しているわけでございまして、そういう点に立ちまして、この法案がねらいといたしております電気通信を利用した情報流通の円滑化の一層の推進を図ろうということでこの法案を出させていただいているところでございます。
#10
○松前達郎君 先ほども具体的な例をお聞きしたわけなんですが、具体的な事業として、今私自身もいろんな事業としての新しい分野というものを聞いているわけなんですが、キャプテンなんかを使っている、もう既にこれは使っているわけですね、各都市で開発されています。テレトピア構想というのがあったと思います。それから民活法の対象となっておりますCATVのセンターの問題あるいはテレコムプラザ、いろいろなことが出てきています。それから研究開発のためのテレコムリサーチパークあるいはテレポートというのが最近また出てまいりました。また、電波の共同発射のためのマルチメディアタワー、一つのタワーアンテナから出そう、こういうふうなことだと思うのですが、あるいは最近の光ケーブル、これによります特定電気通信基盤施設というものもある。
 東京マリネット構想というのも出てきている。あるいはハイビジョン、これも今推進をされているわけです。これに基づくハイビジョン・シティ、そういうものの構想もあるというふうに聞いているわけですが、高度情報化社会ですから、今までのような限定された対象ではなくて非常に幅が広くなってきているのだ、こういうふうに解釈をしているわけです。今申し上げたようなことはそれぞれこの法案の対象になってくるのでしょうか、いかがでしょうか。
#11
○政府委員(中村泰三君) 先生今御指摘になりましたそれぞれの構想といいますのは、大きく言いますとテレトピア構想の推進の中で具体的に取り組んでいる事業でありますとか、あるいは民活法の施設整備事業の各施設整備の対象を主として挙げられたわけでございまして、そういう意味では本法に基づきます施策の直接の対象ということではございませんで、それぞれのテレトピア構想に基づく施策というものはテレトピア構想の推進のために準備をされております支援措置をもって推進しよう、あるいは民活施設法でありますれば、それに対する無利子融資でありますとか税制上の措置でありますとか財政上の措置でありますとか、そういった支援手段によって整備をしようとしているものでございますので、本法で直接そうした事業を対象にするということではございません。
 本法に基づきます支援措置といいますのは、要するに通信・放送事業分野におきます三つの類型を金融的な支援、あるいは情報提供の業務をもって支援しようとしているものでございまして、先ほど申し上げましたテレトピア構想でありますとかあるいは民活施設法の整備事業と両々相まって地域の情報化を推進していく手段であるというふうに考えております。もちろん、テレトピア構想の中での事業が本法で支援する事業の要件に該当するものが出てきますれば、それは本法による金融的な支援の対象にもなり得るわけでありますが、本法は直接そうしたテレトピア構想での事業を対象にしているというものではございません。
#12
○松前達郎君 そうしますと、今申し上げたようないろいろな構想についてあるいは計画等について、事業としてそれが一つのものにまとまって発足をしようとか、そういうときには支援をすると。融資ですとかいろいろな手段があるわけですね、利子補給も入っているのじゃないかと思うのですが、そういったように解釈をしていいわけですね。
#13
○政府委員(中村泰三君) 例えば、テレトピア構想で推進しようとしておりますCATV事業ならCATV事業というのがその地域において初めて導入をされる、その地域の電気通信の高度化に非常に役立つといったような観点で本法が予定しております地域通信・放送事業に該当するというふうに認定された場合には、本法に基づく金融的な支援措置が受けられるということでございます。
#14
○松前達郎君 該当することに認定された場合というのは、これは郵政大臣の認定になるんですね。これも法律の中のどこかにあったような気がするんですが、わかりました。
 それでは次に、通産省も情報化未来都市構想、東京テレポートあるいは海洋情報都市構想ですとかニューメディアコミュニティー構想ですとか、えらくたくさんの構想を打ち出しているようです。文部省も最近、これは内容がちょっと違うかもしれませんが、最先端の情報通信施設、これを設置していくということです。それからさらに、ニューメディアを使って教育の中に個別化あるいは個性化の教育を展開していこう、通信衛星を使った外国との教育的な交流、こういうことも文部省の方では構想があるようであります。
 今ずっと見てまいりますと、各省庁間でのニューメディアに対する新しい構想が次々と打ち出されているわけなんですね。計画もその中でもう既に具体的になっているのもあります。各省庁がそういうふうに取り組んでいるわけなんですが、高度情報化社会というとあらゆる分野を含んでいるものですから、当然結果としてはそういうことになっていくんでしょうけれども、本来ですと情報関係を一まとめにした行政のシステがあった方がいいような気がするんですが、今の日本のいわゆる行政の区割りですとそれがそういうふうにはいかない。したがいまして、当然通産ですとかその他関係省庁と十分協議をしながらこういうものを進めていきませんと、何か先に打ち出した方が勝ちだというふうな感じになってくることもある。とりわけ、もっと悪い言葉で言うと縄張り争いみたいなことになる可能性もありますので、その辺の問題、相互の連絡とか協議とか、そういうものを現在やっておられるかどうか、その点をお伺いします。
#15
○政府委員(中村泰三君) 地域の情報化に資する施策につきまして、郵政省の施策のほかに各省におきましても所管行政の立場からいろいろな情報化に御努力をいただいていることは先生御指摘のとおりでございます。私どもはあくまでも情報通信の主管庁の立場から、そういった各省との連携をとりながら情報通信関係施策の推進に取り組んでいるところでございまして、本法の実施に当たりましても、実施指針の策定等に当たりましては関係行政機関の長と協議をするというようなことで、必要な連絡協議を行いながら整合性のとれた形で進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#16
○松前達郎君 ぜひ、その整合性を図るというのが、国の予算を使ったりする場合にはもう重複をなるべく避けた方がいいし、なるべく効率的に使った方がいいということですから、当然その協議はこれからも進めていただかなきゃならぬと思います。
 そこで、情報流通の面で、いろんな設備とかそういうものについては企業ベースで進められる場面が多いわけですね。利用するだけでいいということになろうと思うんですけれども、ところが重要なことは、やはりこれを動かす人材、情報化社会における推進役の一番基本となるのは人材だと思うんです。この人材育成の問題、それからさらに研究開発、新しい分野ですから当然研究に取り組まなきゃいけない分野がたくさん将来も出てくるだろう。そういう面から研究開発も非常に重要だと思うんですが、そういった人材育成とか研究開発に関してはこの法律には入ってないんですね、含まれていないと思いますけれども、特にその理由はございますでしょうか。
#17
○政府委員(中村泰三君) 先生御指摘のとおり、情報化を進めていく場合に研究開発とかあるいは人材の育成というのは大変重要な課題だというふうに私どもも認識をしているところでございます。
 研究開発につきましてはどのような支援措置を講じているかということにつきまして申し上げますと、基盤技術支援センターの方で、出融資でありますとかあるいは開銀等の融資を使いまして民間におきます基盤技術研究を支援しているところでございまして、本法におきましてはこういう研究開発成果を具体的に企業化するその段階を支援していこうということでございます。
 それから、人材育成の重要性につきましては御指摘のとおりでございますが、本法におきましては、直接的に人材育成を対象とするというものではございませんけれども、通信・放送衛星機構を通じまして情報提供業務を行うことによって、人材情報でありますとかあるいは技術情報を提供することによって間接的に地方における人材育成にも資する仕事を行っていこうというふうに考えております。
#18
○松前達郎君 そこで、二つほど現状についてお伺いしたいんですが、郵政省で今推進されているのは、先ほども申し上げましたテレコムリサーチパーク、これに関する整備の状況ですとか、あるいは基盤技術研究促進センターへの出資あるいは融資等があると思うんですが、これが一体現状はどうなっているかということが一つ。
 それからもう一つは、先ほど質問の中で申し上げましたように人材育成の分野なんですが、情報通信技術研修センターというのが昭和六十一年にできていますね、これが今日までどういう活動をしてきたのか。この二つについてお伺いしたいと思います。
#19
○政府委員(中村泰三君) テレコムリサーチパークにつきましては、これは民活法の施設整備対象事業として取り組んでいるわけでございまして、現在まで関西文化学術研究都市にございますATR、国際電気通信基礎技術研究所などを含めまして三施設を認定いたしているところでございます。
 それから、基盤技術研究促進センターの出資、融資の現状でございますけれども、電気通信分野に限って出資の実績を平成元年度末において調べたところでは、出資につきましては累計四十三件、総額三百四十一億円の電気通信分野の出資状況でございます。それから融資の実績につきましては、電気通信分野につきまして八十八件、総額百四十三億円の融資をいたしているところでございます。この出資、融資事業に対します民間からの応募の状況を見ましても、採択予定を大幅に上回る民間からたくさん出融資の要望が出されているわけでありまして、そういう意味では基盤技術研究促進センターの業務も非常に順調に活用されているなというふうに見ております。
 それから、先生お尋ねの情報通信技術研修センターでございます。これは、情報通信技術者のうちの電気通信主任技術者とそれから工事担任者に重点を置きまして、その育成や資質の向上を図ろうということで講習会等を行っているところでございます。昭和六十一年に発足をしたわけでございますが、平成元年度の具体的な活動を見てみますと、国家試験受験者向けのセミナーの実施でありますとか、あるいは企業からの派遣者の講習の実施あるいは技術講習のセミナーの実施、それから教科書の編さん等を行っているところでございまして、そのほか会報を年四回出しているというような形で活動を行っているところでございます。
#20
○松前達郎君 それでは、最後にもう一つだけお伺いしたいんですが、情報化の時代といいますね。この情報化の時代で一番問題になるのは、コンピューターとかあるいはそれを端末にした通信のシステムですとか、いろいろ組み合わせもあるわけでありますが、今問題になっているのは、例えばコンピューターの場合ですと異なった機種の間の接続がどうもうまくいかない。これは言語が違っているとかあるいはプロトコルが違うとか、いろいろなことがあると思うんです。
 これは、通産省の方でもいろいろとこの問題については取り上げているようでありますし、業界もまたお互いに共通性のある互換性のあるシステムをつくっていこうというので努力をされているようでありますけれども、難しい言葉で言うとインターオペラビリティーという言葉があるのですね。相互運用性の問題だと思うんですが、郵政省では標準化という言葉を使っておられるんじゃないかと思うんですが、この辺がやはり推進されませんと、ばらばらにやっていたのではこれは話にならない。地域情報はもちろん、日本全体の情報あるいは国際的な情報交換もうまく進まない。そこが非常に大きな問題になっているのじゃないかと思うんです。これらについて郵政省としてどういうふうに今後取り組んでいかれようとするのか、その点をひとつ最後にお聞かせいただきたいと思います。
#21
○政府委員(中村泰三君) 電気通信は、言うまでもなくハードとソフトを有機的に組み合わせまして一つの有機的な組織としてのシステムとして運営されなければその効果がないことは当然でございまして、その意味ではこの標準化の問題というのは非常に大切な分野であるというふうに私どもも認識をしているところでございます。
 特に、郵政省におきましては、国際的な観点からは電気通信技術審議会、電技審が大きな活躍をしているわけでありますけれども、ITUにおきます国際標準化作業に積極的な貢献をしておりますし、また国内の標準について申し上げますと、ITUの国際標準を基本としまして、国の立場あるいは社団法人電信電話技術委員会、TTCと言っておりますが、このTTC等民間機関における標準化作業に取り組んでいるところでございます。それからまた、その標準に基づいて開発されましたシステムが実際にうまく接続できるかどうかということを確認するために、利用者、メーカー、あるいはキャリアの方、学識経験者等の参加をいただきまして、高度通信システム相互接続推進会議というものを開催いたしまして相互接続の試験等に取り組んでいるところでございます。
 これからの高度情報社会を展望した場合に、標準化の基本的な方針というものを我々としてもまとめたいということで、先月電気通信技術審議会に電気通信の標準化に関する基本方策につきまして諮問をいたしているところでございまして、これからも電気通信の標準化のあり方、あるいは中長期的な標準化のビジョン等につきまして鋭意検討してまいりたいというふうに考えております。
#22
○松前達郎君 終わります。
#23
○及川一夫君 まず最初に、郵政大臣に答弁を求めるという立場ではないんですが、郵政大臣にかかわる問題として、政治倫理確立に関する予算委員長見解というものが報告をされました。私は直接郵政大臣に関係する委員会の委員を務めているだけに、この問題が一体どう処理されるのかということについては大きな関心を持ち、同時にどこでも取り上げていいという問題ではなさそうだし、予算委員会が取り上げているということもありますので、それ自体の究明は多少遠慮をしながら今日まで参りました。
 質問をする前提としては、何となくのどにつかえがあるという気持ちでやってきたんですが、いずれにしても、予算委員会で委員長見解ということで一つのけじめがつけられた。これはこれとして確認はしますが、率直に言って、現場を預かる郵政大臣、それから政策官庁の責任者としての郵政大臣、この見解というものを読みますと、果たしてこれを見た現場の諸君とかあるいは国民の多数の皆さんがどう感ずるんだろうか。国会でけじめがついたということは明確であっても、これで問題が終わったんだろうか、終わったという宣言なんだろうか。読み返してみますと大変のどにつかえる問題が率直に言ってあるのであります。
 「いまだ十分な説明も資料提出も行われておらず、同君の態度はまことに遺憾であります。」ということを予算委員長が与野党合意の上で述べられている。「同君及び内閣に対し猛省を促し、」ということも書いている。しかも、「引き続き全容解明と資料の提出等を求める」、さらに、「国会に不正確な報告を行い、全容解明に支障を来した政治的道義的な責任をとることを求めます。」、こう書いてあるんですね。事情を知らない人から見たら、ここに盛られている意味というのは、問題は解決をしていませんよ、郵政大臣一体どうされるんですかということを求めながら、とにかく責任をとってほしい、こういうふうに読める、また解釈できるんですね。非常に私は残念だというふうに思っているのであります。
 しかし、予算委員会で各党合意のもとに、一部の政党は違うでしょうが、多数の政党の合意のもとに一つの政治的なけじめがついたようですから、これ以上私これを究明する気はありませんけれども、ただ私がこのように述べて、しかも政治家の一員として、私ならと考えたときに、処すべきことがあるのではないかという思いを含めて質問しているんです。そういうことを申し述べましたので、もし大臣に何らかのお気持ちがあるならば表明をしてもらいたいという気持ちですが、いかがですか。
#24
○国務大臣(深谷隆司君) 予算委員会でも申し上げましたが、委員長見解を真摯にとにかく受けとめなければならないと思っております。そして、今後政治家としての活動に、みずからを振り返り、反省しつつ努力を一心に重ねていく、それ以外にはないというふうに受けとめております。
#25
○及川一夫君 いずれにしても、海部総理も内閣の責任者として厳粛にとか厳しくとか率直にという言葉でおっしゃられるのだけれども、その後が要するに全然続いてこないので何となくすっきりしない気持ちであります。しかし、これ以上、この問題は打ち切りにしたいと思いますが、今郵政大臣が発言をされたことについて我々は見守っていこう、こういうことでございますから、そのように確認をしておきたいと思います。
 そこで、法案にかかわる問題について質問させていただきます。
 通政局長、ちょっと元気がないようだけれども、少し元気ある声を出してくれませんか。私、耳が悪いつもりはないんだけれども、よく聞こえません。ひとつ元気にやってください。どうせこれは法案を認めてもらおうという気持ちでしょう。そういうことだからひとつしっかりした声で答えていただきたいということを要望します。
 まず第一に、情報産業というものが大変な勢いで発展しています。恐らく日本の経済を大変な勢いで支えるだろうし、またこれからも発展もするであろう、こういう事業でありますが、それだけにこれ一体どうなるのだと。先ほど松前委員の方からも全体像について御質問があったようでありますが、我々から見ると、一体どのようにこれは発展をしていって、日本経済とのかかわりだけじゃない、全産業とのかかわり、国民の生活とのかかわりなどなどを含めてどういう展望に立つべきなのか、陰と陽は何なのかというようなことを本当の意味で議論すべき状況に私は来ているように思うんです。
 ところで、そういう意味で、郵政省が例えば二十一世紀に向けて、あるいは二〇〇〇年に向けて、二〇一〇年に向けてというような意味でこの種問題についてビジョンというものをつくるというか、議論するというか、そういうことをされた、また発表されたことがありますか、それを聞いておきたい。
#26
○政府委員(中村泰三君) 最近におきましても、「九〇年代の通信政策ビジョン」ということで、各界の有識者にお集まりをいただきまして、今後の情報通信政策の方向といいますか、そういったものを自由に御議論をいただいて取りまとめたことがございます。
#27
○及川一夫君 いや、私が言っているのは電気通信事業とかそういうことだけじゃなしに、情報産業というとらえ方、はっきり言いますが、例えばここに「二〇〇〇年の情報産業ビジョン」というのがあるわけです。昭和六十二年の六月十九日ですから多少古いかなという感じもせぬではありませんが、内容を見ますと現状を一応とらえているし、発展すべき方向も示されている。これは産業構造審議会情報産業部会基本政策小委員会長期展望分科会というところで発表をされ、当時新聞でも大きくこれは発表されたものなんです。
 こういうものの中に、当然電気通信事業というものがむしろそのネットワークというものを土台にしながら、またこれの有効活用というか、大々的な活用によってすべて網羅をしていくんだという発想が要するにあるわけですよ。この種のものは郵政省として考えられたことがあるか、いや郵政省として考えるのはちょっと越権だからそれは通産省に任したというのか、どちらでもいいんですけれども、そういう観点で論議をしたことはございますか。
#28
○政府委員(中村泰三君) 私どもも情報通信産業のこれからの行方ということにつきましては大変大きな関心を持っておりますし、電気通信産業の高度化に資する立場からそういった調査も行ったことはございます。
#29
○及川一夫君 調査はやるでしょう、それは。これを見て分析検討をしても調査は調査ですからね。ですから、それはそれでいいし、私は郵政省がやらないことがおかしいということを申し上げているつもりはありません。
 ただ、これだけのものが出ているということになれば、これは全体を網羅しているわけですから、一つの教科書というか、長期展望というか、そういうものがあって、その中で一体電気通信事業というものはどういう役割を果たしていくのか、電気通信事業のネットワークのついた情報産業というものはどう活用され利用されていくのかということを念頭に置きながら郵政省としての情報産業に対する参加ということを考えていくべきだろう、役割を果たすべきだろう、こういう観点に私は立っているものですから質問をしているわけです。ですから、なければないでいいんですが、ひとつ今度のさまざまな方策を発展する際には、やはりこういったものも見詰めながら整合性のあるものを出していただけるように努力を願いたいということをひとつ注文しておきたいと思います。
 そこで、この情報通信産業の未来像ということに私はなるんだろうと思うのでありますけれども、とにかく松前委員も指摘をされたように大変な量のあらゆる構想が実は打ち出されておりますね。この法案を検討するに当たりまして各種資料を見詰めただけでも、各省にわたってさまざまな構想が打ち出されています。松前委員とダブりますから一つ一つ取り上げはいたしませんけれども、どちらにしても、私がとらえているだけでも十二の構想が打ち出されているというふうに思います。
 一体この構想との関連は、恐らくそれぞれ関係あるなと思うところと協議はされてきているんでしょうが、郵政省として見た場合に、これは関係があるがこれは関係なさそうだというものはあるんでしょうか、それとも全部関係しているというふうに見るんでしょうか、それを伺いたいと思います。
#30
○政府委員(中村泰三君) 情報通信の活用というものが産業経済の発展、あるいは国民生活の各分野におきましても非常に大きな役割を果たしているということから見ますと、いわば情報通信システムはそれをいかに活用するかという汎用性があるといいますか、行政目的あるいは何に活用するかという立場でいろいろの分野で開発が行われるものだと思います。そういう意味では、各省にわたりまして各省の所管をする業務の中でこういった情報通信システムを活用することによってより行政目的を達成するといいますか、そういう意味でのシステムづくりというものが行われていることは確かでございまして、それはそれで私は非常に結構なことだと思うわけです。
 ただ、郵政省の立場としますと、情報通信を所管する立場にございますから、接続の問題にしましても、あるいは電気通信の整合性のある発展に資するためにも、障害の起こるような、問題の起こるようなことがあってはだめでありますから、そういう意味では寄り寄り関係省庁とも協議をいたして、そういった支障の生じることのないように連携をとりつつ進めているところでございます。
#31
○及川一夫君 それなら、例えばニューメディアコミュニティー構想あるいは情報化未来都市構想が通産省から出ている。インテリジェントシティー構想というのが建設省から出ている。グリーントピア構想というものが農水省から出ている。Tネット構想は運輸省、そして国土庁からは地域振興情報ライブラリー構想というものが出ている。そして郵政省はテレトピア構想でテレコムタウン事業というのがあり、電気通信開発センター、これは一応、まだ発足はしてないようですが、そういう構想がある。つぶれたようだけれども都市内通信綱の建設構想なんというものもこれは六十三年あたりに打ち上げられた問題、打ち上げられたのか誤報かなんか知りませんけれども、いわばこういうものがあるわけです。
 では、局長がお答えになった立場で、それぞれの構想のどことどこが郵政省の構想と違い、決してダブりはないんだと言うことができるんでしょうか、僕はそれがわからないのであります。幾ら読んでもどことどこが一体違うのかわかりません。ただ、このグリーントピア構想などは、主に農業というものを主体にしていかに農業の生産コストを安くするか、あるいは農業技術をいかに改良するかという意味でメディアを使っていろんなことをやられるということで、テレトピア構想というのは、こちらは地域を指定してビルを建てていろんな要素のものをそのビルにほうり込んで、そして産業、経済、国民生活全体によき影響を与えようと、こういうものですから、そういう意味の違いはわかります。しかし、じゃ全く無関係なのかということになると、どうも私は首をひねりたくなる。ですから、それぞれの構想を見たときに、全部違うんですかというふうに問うたら、局長はどうお答えになりますか。
#32
○政府委員(中村泰三君) 情報通信をメディアとして活用するという点では非常に共通しているところもありますが、ねらいが違うといえば違う。
 先生、グリーントピアの例がございましたけれども、グリーントピアの例で申し上げますと、あくまでも農業産業の向上に資するシステムづくりといいますか、あるいは農産物の流通加工の高度化を図ろうという意味でのシステムの活用でありますから、ねらいとするところが違うといえば違うわけであります。しかし、例えばそれがデータ通信を使うというようなことでありますと、メディアとしては同じものを活用しているじゃないかという点での共通性はあるわけでありまして、そういう意味で非常に似たようなものがあるけれども、それぞれ各省の所管する業務に非常に密接な関連のある分野でその行政目的を達成しようという立場からのシステムづくりという意味で違う点があるといえば違う点はそれぞれあると申し上げざるを得ないというふうに思うわけです。
 しかし、私先ほど申し上げましたように、非常に共通的な面があるわけでありまして、例えば一つ例を申し上げますと、通産省のニューメディアコミュニティーの施策と、私ども例えば民活法でやっておりますテレコムプラザといったようなものも非常に似通ったものがある。そういう中で、これは山口の例でございますが、ニューメディアコミュニティーとそれからテレコムプラザを合体いたしまして、施設としても一つのビルでそれぞれ階層を分けまして両者が共存共栄でいくといったような施策も推進をしているわけであります。そういう例は建設のインテリジェントビル等につきましても、私どものテレトピアあるいは民活施設につきましても共同でやる、複合体として活用いただくといったようなことをやっているわけでございます。
#33
○及川一夫君 後段の方で言われた点をもう少しはっきりさせたいというふうに思うんですが、ずばり言って、政策官庁としての郵政省が何々構想というものを打ち立てるに当たって、関係ないことは一つもないんじゃないかというふうに私は思うんです。
 一番わかりやすく言えば、例えば電気通信技術というものはあらゆる構想の中で駆使をされなければいけないはずです。それから全国ネットというものについても無視してかかるわけにはいかないはずだ。それから、ソフトというものが決定的な意味を持つわけですから、そういう点でも郵政省がかかわらないというものはまずないんじゃないかという気持ちがしてならないんです。それを各省庁別に個々にウエートを置いた構想、つまり、いろんなニューメディアとしての構想を打ち上げたいということはわかっても、それが総合されたものとしてなぜ考えられないんだろうか。発展段階ですから、今のところはばらばらであってもとにかく行き着く先はトータル、ある意味での一元的な発想、構想のもとにそれを大いに定着、発展をさせていくというふうになっていかなければならないんじゃないか。そうしませんと、逆に言えば資金というか資本というか、そういうもののむだというものが出てくるはずだというのが私は基本にあって実はお尋ねをしているわけです。
 ですから、これを今現状に当てはめてまいりますと、ニューメディアコミュニティー構想とテレトピア、地域指定をしていますね。これに全くダブりがないのか、指定された地域という意味で。地域でもこことここ、同じ地域でもこっちはテレトピアでこっちはコミュニティーだというのもあるかもしれません。しかし、郵政省はテレトピアでは七十一か二地域指定をやっていますね。ニューメディアコミュニティーでも同じぐらいの地域指定をやっておりまして、おおむね二十カ所ぐらい地域名が大体同じになっているわけですよ。しかも、内容的に共通する点もあるんだというふうに局長御発言になるなら、なおのこと一元的に物をとらえてやっていくような発想というものがあってしかるべきじゃないかというふうに私は通産省の資料とか郵政省の資料というものを見詰めて感ずるわけです。
 ですから、各省のものもどこにどういうふうにというように地域指定やらその内容を合わせていったら、かなりの部分でダブるという地域が出てくるはずだし、それぞれが資金の援助とか債務の保証とかやっていったら、まさか二重、三重に債務保証するということはないとは思うが、へたをすればそういうことにもなりかねないというもう時期に、それだけ大量に情報産業の構想というものが打ち出されてきているんじゃないか。
 この辺になると、大臣、諸官庁にわたる話ですから今後ということになっていくんですが、一元的にとらえる、一元的にとらえてそれぞれの各省の意見というものを生かしていく。松前委員の方からは各省の協議という言葉が出たんですけれども、私から言えば、少しオーバーに言いますと一省ぐらい立てる、一庁ぐらい立てる、そういう形で情報産業というものをとらえながら日本経済や国民生活に寄与していくというふうになるべきではないかなというふうに思うんですが、いかがですか。
#34
○国務大臣(深谷隆司君) 及川委員の御指摘は、今までもいろんな角度から日本の行政の縦割りの仕組みというものに対する批判として出ておったことだと思いますし、私は全く同じような意見を持っております。
 ただ、建設省にいたしましても農林省にいたしましても、それぞれ新しい構想を打ち立てますと、どうしても通信情報産業とかかわりなくて孤立してつくれるというものではございませんので、それぞれが何らかのかかわりを持ってくるだろうと思うのであります。しかし、あくまでも郵政省が所管の仕事でございますから、それらを統合し、連絡し、調整していくという役割は今後非常に大事になっていくのではないかというふうに考えます。郵政省自身がさまざまな構想を立てていくことと同時に、全体の連絡や調整の役割もこれから果たしていかなければならない、そのように理解しております。
#35
○及川一夫君 それに、もう一つその必要性があるなというふうに思うのは、情報通信産業というものをとらえますと、大体通信という分野と情報処理という分野と放送という分野、おおむね三つに分けることができると思うんです。これは、学者間では三極構造の中の情報通信産業ということで論議をされているわけですよ。(図面掲示)その三極を三角形にしまして、それぞれの分野をこういうふうに分けて、この中に要すれば情報通信産業というものが存在しているということで入れまして、そして実態に合わせていくと、もうこの三極がきれいに切れる形にはならない。それぞれが融合し合って、この三角形全体がいわば構造じゃなしにそのものずばり情報通信産業になってきつつあります。だから分けると無理無理ということに実はなっていく。そういう技術の進歩なり情報通信産業の発展もあるんだから、もっと一元的にとらえるべきだという意見が非常に実は多くなってきているということも大臣に私は申し上げておきたいと思うんです。
 ですから私は、確かに縦割り行政の欠陥という意味の指摘もありますけれども、もっともっと情報通信産業自体がそのようになってきているということ、だからどこか庁を立ててそれこそ一元的にとらえないと、陽の部分はいいけれども陰の部分が問題として出てきたときに大変なことになりゃせぬかということの方を私は問題として指摘しておかなければいけない、こういうふうに思っているということであります。
 次に申し上げたい点としては、電気通信開発センターという言葉がよく出てくるんですが、これは内容的にどういうものですか。
#36
○政府委員(中村泰三君) これは、平成元年度の予算要求の際に、電気通信開発センター構想というものを立てまして要求したものでございます。このねらいとするところは、東京一極集中の弊害を何らかの形で解消するための一助にならないかということで、情報通信を使うことによりましてその情報機能の地方分散を図る、そして、地方分散を図ることによりまして分散先の地域の活性化にもまた役立てようということで構想したものでございます。特に、首都圏に集中しております企業の本社機能のうち、計算センターでありますとか、あるいは研究開発部門でありますとか、いわば情報通信を非常に使います部門を地方に移転します。しかし移転をしましても本社の中にいると同じような情報連絡ができるような大容量のマイクロ回線を建設いたしまして、本社との一体性を確保するという立場の構想であります。
 しかし、そのマイクロの建設に当たりましては、新しい認可法人をつくりまして、その認可法人にそうした通信の仕事をやってもらうという構想であったわけでありますが、その問題につきましては、この行革の時代に新しい組織をつくるのはいかがかという問題と、また、そういうマイクロ直通回線を引くということであるならば既存の事業者においても可能ではないか、あるいは首都圏の情報機能を分散させるに当たりましては、百キロから百五十キロ圏内を考えたわけでありますが、余りにも地域が偏り過ぎているんじゃないかというようなもろもろの問題もありまして、予算としては認められることにはならなかったわけでございます。
#37
○及川一夫君 一極集中を排し、情報機能の地方分散を図る、こう言われますと決して悪いことではないなと、こういう気もするんです。ただ、我が国の実態というのは、道路の行政を見ても家が建ってから道路がつくられる、道路をつくるからには土地を買い上げなきゃいかぬ、だから買い上げるときには土地が高くなっているということの繰り返しですよ。それを私は是とするわけじゃないんです。そういうものから見れば、企業が首都圏から移転するかどうかというのも別にわかっているわけじゃないんだろうと思うし、そういう調査もしているわけじゃないんだろうが、まずもって第三セクターでと、こういうこともあるから一体何だということになるんですが、これはちょっと横に置いて、要するに一極集中を排してそして地方分散をするということは、道路を先につくって土地を提供する、それがベターだという立場からいうと、決して悪い発想ではなさそうだという気がするんです。
 しかし、果たして地方分散という問題が、情報機能を地方に分散したからということで、なだれを打ってそういうことになるだろうかどうだろうかということを考えますと、現状から見るとやはり大変だなと。だから、大蔵の理由らしいんだけれども、一体そんなことをやってサービス料金は安くなるのかとか、第三セクター設立は行革の精神に反するとか、あるいは一体需要が本当に出るのかねということを攻められて、結果的にこれはだめということに現状なっているというふうに聞いています。そして、これは郵政省のNTTに対する牽制であるというのは余計なことだけれども、そういう評価も一方で出てくる。事ほどさように政策官庁が勘ぐられては私はかなわないだろうと思いますよ。ですからもっと、提供するにしてもなるほどな、そういう条件とそれから理由があって、だれが考えてもできるぞと、的確にそれにこたえていくという、そういうものでないといけないと私は思います。
 ただ、これには一千万円の調査費がついていますね。そこで、調査費がつくということはどういう意味を持つんですかということと、郵政省はこの発想を今後どうされるのかということについて聞いておきたい。
#38
○政府委員(中村泰三君) 一千万円の調査費がつきましたのは、先生御指摘のとおり、情報機能の地方分散やそれから地域における情報化の必要性というものは関係者の間で理解を得られたわけでありまして、そういう施策としてどういうものがふさわしいのか、それを今後も調査研究してみたらどうかということで一千万円の調査研究費かついたわけであります。
 この開発センター構想は、今言ったような形で、いわば一千万つきました調査費に基づく調査あるいは研究会の検討を経まして、今日法案に出させていただいておりますような通信・放送開発事業構想という形で実らしていただきたいということで御提案をさせていただいている次第でございます。
#39
○及川一夫君 一千万円というのは、開発センターというものと同じような発想で今後も提案をしてもよろしいという意味での一千万円の調査費ですか。何か今お話を聞いていると、こっちの法案に結びついて一千万円、こう言われているんだけれども、一千万円という調査費が出て法律が提案されたというのは余り聞いたことがないんだけれども、どちらなんですか。
#40
○政府委員(中村泰三君) この一千万円の調査費といいますのは、開発センターの構想を調査しなさいという趣旨ではなくして、地方の情報化に資する施策あるいは首都圏に集中しております首都機能分散に資する施策はどのようなものか調査研究をしろという趣旨の調査費でございます。
#41
○及川一夫君 そうですか。では、開発センターというものを仮に考えるとすれば、もう新たな見地から考えないといかぬということになるわけですね。したがって、これまで発想されたことは大蔵折衝によって残念ながらこれは終わりというふうに理解してよろしいですね。
#42
○政府委員(中村泰三君) そのとおりでございます。
#43
○及川一夫君 わかりました。
 これは質問項目としては言ってないんだけれども、しかし現実にやっていることですから質問すればお答えはできるものという前提でちょっと聞いておきたいんですが、P・NET計画です。郵政省内の三事業のオンラインということですから、今NTTから借りてネットを張っているものを、みずから回線を自分でつくって、そしてオンライン化していくということです。それは企業の自由ですから、それ自体は問われることは私はないというふうに思いますが、これ三事業だけのオンラインということで十分ペイするんでしょうか、それを聞いておきたいと思います。
#44
○政府委員(白井太君) お尋ねのP・NET計画と申しますのは、先生も今お話しございましたが、郵便、貯金、保険の三事業が実はそれぞればらばらにネットワークを組んでおりましたものを、特に回線を有効に利用するということで、あるいは共同で利用するという考え方のもとに三事業を統合したネットワークとしてつくり上げておるものでございまして、いわばそういう意味では、ネットワークをつくる一番の目的というのは回線の有効利用ということがねらいでございます。そういう意味では、P・NETをつくるということがむだになるというのはこの趣旨とは逆になるわけでございまして、むしろ回線料をできるだけ安上がりにしたいというのが一番のねらいだというふうに御理解をいただきたいと思います。
#45
○及川一夫君 それで、具体的に言うと、地上ネットをつくるという発想でおられるのか、それとも通信衛星、トランスポンダーを使ってやられるという発想に立っているのか、どちらですか。
#46
○政府委員(白井太君) P・NET計画は郵便局を結ぶネットワークでございますので、郵便局の数だけでも二万数千になるわけでありまして、非常に規模の大きいネットワークでございます。また、扱っております仕事の内容というのが、郵便もそうですが、貯金のオンラインあるいは保険のオンラインというように瞬時も停滞することが許されないような仕事でございまして、そういう意味では、特に現在でも衛星のトランスポンダーを一部使うシステムになっておりますが、これはあくまでも万が一のときに備えてということでそういうようなバックアップ体制をしいておるというわけでございまして、これはシステムの重要さからそういうふうにせざるを得ないということでございます。
#47
○及川一夫君 ということは、通信衛星を使うというよりは地上ネットを張ってということがお答えだと私は受けとめます。
 今現在、三事業で大体百億円ぐらい回線使用料を出しておられるようですが、私も正確にはわかりません、百億前後というふうにおおむね聞いているんですけれども、今官房長が言ったような発想で二万四千の拠点――なるほど今になってわかるんだけれども、郵政大臣が二万四千の拠点、拠点と言ったのは、ははあと思って聞いているんですけれども、ここに三事業のためにネットを張る設備費というのは一体どのぐらいかかって、そして毎年の支出というものが百億を切って五十億でおさまるのか、あるいはトランスポンダーというものは何か十億円負担をしているはずだけれども、少なくともそれぐらいでおさまるのか、大体どういう採算性を頭の中で考えておられるのか、あったら教えてください。
#48
○政府委員(白井太君) 細かな数字は実は持ち合わせておりませんので、また別の機会に何らかの形で先生には御報告はさせていただきたいと思いますが、ただ、P・NET計画を実際に具体化しようと言っておりましたもう数年前の時点でございますけれども、回線使用料については、例えば貯金業務だけでも何十億というような回線使用料を払わざるを得ないというような状況にもございましたので、これを三つで共同利用するということになりますと、これは単純な比較はなかなかできないかと思いますけれども、ばらばらにシステムをつくっておるというよりははるかに効率的になるということは間違いないと思っております。
#49
○及川一夫君 ただ、三事業は郵政省は現業官庁としてやられるし、また責任を負われるわけだから、当然企業経営の効率を上げるという意味からそういう投資をした方が得ということでやられること自体は責められる問題ではないと思います。ただ、社会資本的に物を考えていきますと、二重、三重の投資というのは一体どんなものだろうか。とりわけ政策官庁としては、NCCにしろNTTにしろ、一種に対しては電気通信料金の値下げ、もっと安いいいサービスを提供しろと盛んに旗を振っておられますね。その旗を振っておりながら、結局郵政省には使ってもらえないということになると、これはという感じがしないわけじゃないし、同時にそれだけのネットを張ってそして三事業だけで利用するのはもったいないということになれば電子郵便じゃないけれども、そちらの方にもと、こう企業的にはなる要素というのはあると思うんですよ。恐らく会計検査院的な立場からいえば法律の整備は必要であろうけれども、どうもその辺がついてくれば、郵政省はそれを大義名分にしていろいろやれるわということに私はなってくると思う。私が郵政大臣なら意外にそんな発想をするかもしれないというふうに私は思いますよ。
 ですから、いろんなこれまた違った意味の変わった評価が要するに出てくるわけでして、その辺は皆さん方の選択の問題ですからとやかく注文をつけるつもりはありませんが、やはりどんなに経済力がついている我が国といえども、社会資本というものを二重に三重につくり上げていくということは、資源という問題からいってもいろんなことが今度は出てくるんじゃないかという気もしますし、そういう観点も含めて検討されることを要望しておきたいというふうに思います。
 次に、法律そのものに入ってまいりたいと思います。
 まず、第一条で、「特定通信・放送開発事業」、あるいは「新たな通信・放送事業」、「情報の円滑な流通」ということがうたわれているんですが、「新たな」とか「特定」とか、さらには「情報の円滑な流通」というふうになっているんですけれども、しからばここで言う「情報」というのは一体どういうものかという疑問がちょっと出てくるんですけれども、解明していただきたいと思います。
#50
○政府委員(中村泰三君) 字句の解釈ということになろうかと思いますが、「情報」というものをどのように定義するかという点につきましては、いろいろな見方があるわけでございますけれども、私どもは伝達可能な知識、知見というふうに理解をしているところでございます。そして、この「情報の円滑な流通」といいますのは、正確、迅速に情報が移転する状況をつくり出すというふうに理解をいたしております。
#51
○及川一夫君 いや、この特定通信法の「特定」という意味、「新たな」という意味、それとずばり言って、ここで言う「情報」というのはどういう内容のことを言うんですか。
#52
○政府委員(中村泰三君) 「情報」といいますのは、まさに広い概念でございまして、伝達可能な知識、知見というものを広くとらえているわけでありまして、特定の情報ということではございません。
 それから、「新たな通信・放送事業分野」といいますのは、従来既存の事業ではサービスの提供をされていない新規性のあるサービスを提供する事業というふうに御理解をいただきたいと思います。
 それから、「特定通信・放送開発事業」の「特定」とは何かということでございますが、これは通信・放送事業分野におきまして、この法律に基づいていろいろな金融支援を受けられる通信・放送事業であるという意味で「特定」としているわけでありまして、特別に今までの通信・放送事業と違ったものが出るということではございません。
#53
○及川一夫君 これを平易に読みますと、まあ問題意識が強いからそうなるのかもしれませんけれども、何かこれまでの概念とは違った通信あるいは放送、そういうものが生まれてくるんだ、そういうものに対して支援、援助を与えるんだというふうに、「特定」とか「新たな」という言葉を使われると、現実に存在している通信・放送との関係で考えるものですから、今言われたように金融的に援助をしてやるという意味の通信・放送というふうには解釈できなかったわけです。内容はそういうものだということはわかっても、改めて何か特別の通信・放送をつくるんだ、今までの概念とは違ったものだというふうに受け取ったものですから、そういう解釈というか、印象を実は非常に受けたということであります。
 同時に、ここで言う「情報」というのは情報産業にかかわる情報というふうに受けとめていいのかなというふうに思うんですが、それとも生活情報あるいは産業情報、経済情報、こういう意味でとらえるとえらいこっちゃなと、こう思ってみたりするわけですが、前段で言う情報産業の情報をどんどん送り込んで、これぞと思う人があるならやってごらんなさい、ひとつ支援、援助をしますよということにつながる要するに情報というふうに私は今聞こえたんですけれども、それでよろしいですか。
#54
○政府委員(中村泰三君) 情報論議になりますと、情報産業の情報とその他一般の情報と違いがあるのかといいますと、やはり私は広い概念で情報というものは一般的な解釈でいいんじゃないかというふうに思っております。特に限定をされた情報ということでありますれば、その限定の趣旨に従ってこの分野の情報ということは特定できますけれども、一般に情報産業といった情報とかあるいは情報の流通とかという意味で使われている場合には、広い意味の情報一般ということで御理解をいただいた方がわかりやすいんじゃないかというふうに考えております。
#55
○及川一夫君 それはわかりました。
 そこで、第二条の問題にちょっと入りたいんですが、先ほど松前委員が御質問された、同じような疑問を持っていました。ですから、声が低くてちょっとわかりにくい面もあったんだけれども、大体わかったということにそれはしておきたいと思うんです。
 それで、第二条の一から五項目ありますね。この関係についてひとつ明確にしてもらいたいというふうに思うんですが、まず第二条の第一項は、今あるサービス、つまり電気通信事業の実態、これを整理するとこういうような定義になりますよということを第一項で言われ、二、三、四、五というのがこういうことに該当してくると今度の法律の適用になりますよ、適用になる新規事業、地域振興というのはこういうものですよということを示されたのではないか。先ほどの松前委員の質問に答えている内容を私なりに整理をするとそのようになるんですが、これはどうですか。
#56
○政府委員(中村泰三君) 先生御指摘のとおりの理解でよろしいわけでございまして、一項は通信・放送事業というものをかみ砕いてこういう分野がありますよというふうに広くとっているわけでございます。そして二項で特定通信・放送開発事業という言葉を使った場合にはこの三分類を含みますという、特定通信・放送開発事業というものの定義は三分類が含まれるんだということを規定しているわけでございまして、三項、四項、五項はそれぞれの三分類について定義を行っているわけでございます。これは、本法によるそれぞれの支援内容は三つとも同じというわけにはまいりませんけれども、それぞれの金融支援を受けられる事業分野であるということの定義でございます。
#57
○及川一夫君 そうしますと、これでもなかなかわからぬ人はわからないんだと思うので、イメージがどうもずっとわかないんですよね。ですから次なる質問はこうなるんですが、それならば新規事業とは一体どういうものですか、開発事業とはどういうものですか、さらには放送共同開発事業というのは一体どういうものですかと。現状を踏まえながら、今ある事業体、地域によっては存在しないサービス、全体を通じて全く開発されてない、夢のようなというか頭の中で描いているような事業が実用化された場合というふうにおおむね整理するとそういう区分けになるんですが、具体的にイメージしてもらいたい。
 例えば事業の内容で言うとか、あるいは事業の項目で言うとか、そういうものを羅列してもらいませんと具体的なイメージは法律を見ただけではわいてこない。これも郵政省が危惧しているリスクの多いこともあろう、しかし、それを恐れずに情報産業に参加をしなさいという気持ち、精神が伝わらないんですよ。だからその点をひとつ局長明らかにしてくれませんか。
#58
○政府委員(中村泰三君) それぞれの通信・放送新規事業でありますとか、地域通信・放送開発事業でありますとか、あるいは通信・放送共同開発事業というものの定義は抽象的にこの法律で書かれているわけでございまして、その具体的なイメージをお示しすれば非常に御理解がいただけるものと思いますので御説明をさせていただきます。
 通信・放送新規事業といいますのは、この二条の三項にございますように、従来提供されていなかった新しいサービスを提供する、あるいは従来からあるサービスでありましても、その飛躍的な改善を実現する事業であるということでありまして、例えて言いますとファクシミリ放送。放送の分野でありますと現にサービスは受けておりません。しかし、技術的にもそういったことが可能でありまして、現在の放送と同じような受信機にファクシミリ機能をつけまして記録性のあるコピーがとれるといったような放送は、現在提供されていない新しいサービスの提供であります。そういった新規性のある事業というものがこの通信・放送新規事業でございます。
 それに対しまして、地域通信・放送開発事業といいますのは、情報化がなかなか進まない地域で電気通信の高度化を進める事業といってよろしいかと思いますが、もっと端的に言いますと、地方におきまして初めてニューメディアが導入されるといったようなものでございます。例えば、都市型CATVが導入をされるとか、あるいはローカルキャプテンのサービスが新しく生まれるとかといったようなことが考えられるわけでございます。
 それから、通信・放送共同開発事業でございますが、これは高度な電気通信技術を現実のサービスに結びつけるということでございまして、より高度で多様な情報流通手段の開発を共同で進める事業でございます。具体例で申しますと、広帯域ISDN技術が相当開発をされているわけでありますが、これを新しく企業化するといったような事例が適当ではないかというふうに考えております。
#59
○及川一夫君 大方理解できたというふうに思うんですが、もう少し僕流に言いますと、現実に今電気通信事業、ネットワーク、情報産業を含めていろんなサービスがあるわけですね。それは郵政省の資料でちゃんと一覧表があるわけです、あなた方が出された資料で。それによりますと、専用線サービスというのがあって、電話サービスというのがあって、無線呼び出し、これはポケベルのことだろうと思うが、無線呼び出しというものがあって、自動車電話があります。FM放送があって、文字放送があって、テレビ放送があります。そして都市型CATVがあります。そしてさらに二種のサービスがありますと、こうなっているわけです。これは新規事業じゃないわけですね、既存の事業ということになるわけです。
 したがって、新規事業というのはこれ以外に要するに新しく開発される、確かにファクシミリ放送というのは、しかしこれも局長、ファクシミリ放送といってもどんなサービスかよくわからないですよ。局長はわかっているかもしれないけれども、我々にはわからぬ。ただ、私も多少勉強してみたら、テレビに映っている、解説している、そこに資料がぽんと出てきた、それでそれの説明をしている、これはいいわい、これ欲しいといったときに、ボタン一つ押せばそれが印刷されて出てくる。いわばこういうものをファクシミリ放送だと、こう僕は理解しているわけです。確かにそんなのないですね。しかし技術的には可能になっている。したがって、いつどこの会社がそういうサービスを始めるかということにこれはなるわけでして、これはまさに新規事業だと思います。
 しかも、この新規事業は中小企業であろうが大企業であろうが、まだやってない人であろうが、いずれにしてもその人たちがやろうというときにはこの法律は適用して援助をしましょう、こういうことを意図されているわけでしょう。それと二番目が、既存のサービスもないというものがありますね、確かに。それはポケベルなんかでもそうでしょう。自動車電話なんかでもそうでしょう。リスクが多いからやらぬという人も確かに地域的にはある。そこの地域ではおれはやるぞと言うてくれたらこの法律は適用しますよと、こうおっしゃられているんだろうと思う。さらに、三番目の高度な通信技術の開発という問題についてはおっしゃるとおりでしょう。ですから、この三つの要素でやるんだなと、それがこの法律の適用になるものだなということを私は理解したつもりなんだけれども、局長、それでよろしいか。
#60
○政府委員(中村泰三君) 先生の御理解のとおりで結構でございます。
#61
○及川一夫君 ありがとうございました。やっとわかりました。やっぱり自分流に直さないとなかなか通信技術というのはわからないときがあるわけですから、郵政省も解説をするときには通常の用語でひとつお答えいただかないと困るんです。大体専門語を使うということはわかってないという証拠ですからね、だれもわからぬだろうと思ってそれを使っているだけの話ですから、それでは議論が私は深まらないと思う。ということで、これは局長というよりも後ろにおられる本当の仕事をする方にも私はひとつお願いしておきたいと思います。
 それから次に、第三条なんですが、実施指針の問題なんです。これはつくられるのは当然でしょう。これは認定との関係は一体どうなるんですか。私から言えば、実施指針があって、それに沿っているかどうかということで認定をし、よしあしを決めるんだろう。実施指針というのははっきり言えば認可基準というような性格を持ったものだと理解しますが、よろしいですか。
#62
○政府委員(中村泰三君) おっしゃるとおり、この実施指針は認定の基準になるものでございます。
#63
○及川一夫君 ということになれば、これはどういう扱いになるんですか。郵政省が省議で、あるいは局議で決められて公示をされるのか、その他第三者を入れて何らかの措置を講じた上でされるのか、その点はいかがですか。
#64
○政府委員(中村泰三君) これは郵政大臣が定めまして公示をするわけでございますが、定めるに当たりましては関係行政機関の長に協議をいたすとともに、政令で定めます審議会にお諮りをしまして、各界各層の方々の意見も聞いて公正を期したいというふうに考えております。
#65
○及川一夫君 電気通信審議会といえども、それぞれ各界を代表される方々がおられるわけですから、それを信頼してかかる以外にないんだろうと思うんですが、ただ、この種問題というのはきつくしようと思えばきつくなるし、緩めようと思えば緩くなるし、しかも選出についての法の保障というものがどの程度のものかによってもいろいろ左右されるんだと思うんです。したがって、当然公平無私ということになるんでしょうが、どちらにしてもちょっと僕は電気通信審議会の今日の構成に対しては意見を持っているということだけは申し上げておきたいというふうに思います。
 次の問題として、衛星機構にかかわる特例の問題なんです。衛星機構がこれを担当しなければならない、もしくは担当させるというのは、いかなる理由と根拠なんですか、これを聞いておきたいと思うんです。
#66
○政府委員(中村泰三君) 電気通信によります情報流通の円滑化を促進する支援措置につきましては、電気通信分野に知識も経験もございます放送衛星機構を活用することが適当であるというふうに認定をしたわけでございます。それは、こういった具体的な金融業務あるいは情報提供業務を新しい認可法人をつくってそれに担当さすということは、現下の行財政事情等をかんがみても適当でないという理由と、同時に、放送衛星機構も電気通信の普及発達を図るという意味では本法に基づきます施策と共通な点もあるわけでございまして、そういった点を勘案しまして通信・放送衛星機構に業務を追加しようとするものでございます。
#67
○及川一夫君 局長、郵政省はオープンに仕事をされていると私は理解しているわけですよ。あなた方がどういう行動をとったかということはみんなわかっているわけです。そのことからすると、どうも今のお答えは素直じゃないなという感じがしてしようがないわけです。つまり、このことをやらせるために衛星機構以外に何か設立を考えませんでしたか、当初の発想はそうだと私は説明を受けているんですがね。しかし、これはなかなか通らない、そこでどこでやるか、そうしたら衛星機構と、こうなった。前の難視聴問題でもそうなんですよ。大体難視聴問題を三十億の基金で解決しようなんという発想自体がなかったんだ。税収が多くなってしまって、どう使うかという話から、郵政省何かないかといったらこの発想が出てきた。しかし、これどこでやるんだと、郵政本省でやるわけにもいかないし、各現業でやらせるわけにもいかない、思いついたのが衛星機構と、こういうことなんですよ。
 しかし、難視聴の場合は放送衛星を飛ばしている話もあるから何となくつながるような気がするけれども、今度のは「電気通信の普及発達という点で共通の目的を有する機構が適当と考え」、こう言われるが、衛星機構は電気通信のどの部分ですか、トランスポンダーを積んでいるCS2か、CS3か、あの中継器、あれも電気通信といったって、緊急事態に備えてという位置づけにしているわけでしょう。通信が大変な渋滞を演じてトラフィックがオーバーする、そういうときにトランスポンダーに上げて、それを各局に受けさせて通話をさせる。二十四時間使っているわけじゃないんです、三百六十五日使っているわけじゃないんですよ。それを操っている通信機構が、関係ないとは言えないでしょう、多少はそれは使ったという限りにおいては。それはそうトランスポンダーが位置づけられているという限りにおいて関係あるでしょう。でも、何か木に竹をつなぐような話のようにしか見えない。
 私は、この法律については一応賛成する立場ですから、すっきりしてやりたいという気持ちの方があるわけです。何もかもこういう扱いになると、衛星機構というのは二年先、三年先、十年先一体どんな格好になっているのであろう。法律が改正されているわけじゃないんですからね、これは。そういう提案もないわけですから、ちょっとここまで来るとやり過ぎじゃないか。仮に今回は認めたにしても、次は困りますな。一体どこに根拠を求めてこんなことをやられているのか説明のしようがないというふうになるんですが、局長、もう一度いかがですか。
#68
○政府委員(中村泰三君) 確かに、通信・放送衛星機構の本来的な任務といいますのは、通信衛星、放送衛星の打ち上げあるいは管制、運用というものが主たる目的であることは確かでございます。しかし、こういった特定通信・放送開発事業を支援しようといった場合に、新しく認可法人をつくるということは今日の情勢からいってとても認められるものではございませんし、そうすれば既存の認可法人を活用する以外には道がないというふうに判断をしまして、この法律によりまして特例の追加業務として放送衛星機構に業務の追加をしたわけでございます。全然関係がないという意味ではなくて、確かに宇宙通信の発達普及という面もありますけれども、放送衛星機構としましては電気通信に関するこれまでのノーハウの蓄積もございますし、私ども、それ以外の認可法人で適当なものはございませんので、ぜひこの認可法人を活用させていただきたいというふうに考えた次第でございます。
#69
○及川一夫君 いや、話はわかるんですよ。だけれども、例えば機構法の改正という格好でこれが提案をされたら、それは局長の言い分も通りますよ、納得するしないは別として。将来衛星機構をどうするんだという議論は出たにしても筋の通った提案になる。しかし、特例でしょう、これは。衛星機構の法律には載ってない、この法律の横っちょに載っておるだけ。だから、知らない人は知らないんですよ。そういう問題もあるので、もちろん私が一番問題なのは、衛星機構というのを本当にこんな調子で、似ても似つかぬものにどんどんしていくのか。いかに国会の附帯決議の中にちょこんと何か衛星機構の業務拡大を図ることという一項があるからといって、こんな運用をされたのじゃ政治としては私は成り立たないと思いますよ。つまり、行政改革のあれを横目でだだっとどこか進んでいくようなものと同じでして、だから、反対賛成はあっても筋の通った提案をされるべきじゃないですか。
 以上のことを付して、次回同じような意味で衛星機構に何かひっつけるような話になったら、それだけで反対ということを私は申し上げることを表明して、この点は終わりたいと思います。
 それから、次の問題なんですが、要するに支援の内容です。全体を見ますと八項目実はあるわけです。ただ、この中の情報の提供というのは、これはお金じゃないんで横に置くにしても、三つの要素があるわけでしょう、新規事業と、それから開発事業と共同開発事業。一体この法律が最も望んでいる応援をしなければならない項目というのは今申し上げた三項目のうちのどれですか。
#70
○政府委員(中村泰三君) 私ども、この三つの事業を支援しようとしているわけでございますが、この中で特にこれを重点的にやるといった優劣はないわけでございまして、この三つの事業をそれぞれ支援することによりまして、結果として電気通信による円滑な情報流通を促進することに役立つであろうというふうに考えているわけでございます。
 支援の措置の内容が異なっていることにつきましては、それぞれの事業のリスク、危険性といったようなものを総合的に判断して必要な支援を行うようにしているものでございます。
#71
○及川一夫君 これも中村局長らしくない御答弁だと私は思うんです。政治家の皆さんに聞いても、やっぱり一番何を大事にしようということになれば、大企業の人は力があるんだからそれはそれでおやりくださいと、中小というか零細というか、そういう人たちがやるときにこそ政治として応援をしていかないと日本の産業も経済もという、そういう発想というのが一般的に存在する。そして、皆さんの提案の中には新規事業もあるけれども、新規事業なんというのはなかなかもってリスクが大きい。資金があるなし含めると、地域という意味にはならない大体状態じゃないでしょうか。そうしますと、どうしても地域通信・放送開発事業というところにこの法律の運用の重点が置かれるべきだ、また置くという発想と違いますか。
 そう承っているものですから、一体どれが適用されるのかなと思って分析をさせてもらいますと、新規事業には債務保証、出資、それからワラント債、情報提供、この四つが適用されるように私は思う。それから、通信・放送共同開発事業には債務保証、情報提供、ワラント債、税制上の特例、無利子融資、財政投融資、こうなっている。そして、地域通信・放送開発事業では利子補給と情報提供、財政投融資になっている。情報提供は全部やります。それを除いて考えると、中小が中心となる地域での開発事業には財政投融資と利子補給だけ。債務保証がございません。それから無利子融資とか税制上の特例がないということになると、おのずからこの法律は大企業向けじゃないか。言うていることとやろうとすることが違うのではないか、こういうふうに受けとめられるわけですよ。
 局長だってこういう論議をしています、いや中小企業が重点になるであろう、もともと大企業というのは金がなくとも借りる力がありますから、固定資産もあるわけで、それを提供して借りる力もあるんだから、この法律があったとしても認可申請はしてこないだろうということをどうも衆議院では答えておられるようだけれども、しかし、法律というのはある意味じゃひとり歩きしますから、いよいよ困れば大企業が物言わないという保証はないですよ。だから、法律の立て方をむしろ逆にすべきだという私は気持ちがするんですが、いかがですか。
#72
○政府委員(中村泰三君) この三事業につきまして、それぞれ支援措置が異なるという点につきましては先生御指摘のとおりでありますが、支援手段の多寡によって必ずしもどの事業にウエートがあるとかないとかということにはつながらないというふうに私どもは思っているところでございます。これはあくまでも事業のリスクの大きいものに対しましてはなかなか資金も集まりにくいであろうというようなことで例えば新規事業あるいは共同開発事業の債務保証が認められているわけでありますが、それは地域の通信・放送開発事業に比べまして非常に新規性が強い、リスクが強い、先例が全然ないという意味でなかなか資金の円滑な導入が難しいだろうという点に着目をしているわけでございます。
 そういう点からいいますと、地域の通信・放送開発事業というものは財投と利子補給しかないじゃないかという御指摘でございますが、これは他の地域におきましては既に先例として事業が行われている経験もあるわけでございます。それだけにリスクは少ないという意味で、地方での要望は何が強いかといいますと、需要が少ないために採算が非常にとりにくい、採算性を高めてもらいたいという要望が強いわけでございます。そういう点からいいますと、財投の金利を利子補給することによりまして採算性を向上させるということが非常に有効なわけでありまして、そういう点に着目をして支援措置を考えているわけでございます。
 それからもう一点、大企業に行くんじゃないかという御指摘でございますが、なるほど法律の建前から申しますと規模の大小は尋ねておりません。しかし、内容から申しまして、新規事業というようなものに対します債務保証というのは、信用力がそれだけ少ないから債務保証をすることによりまして民間資金の円滑な導入を図ろうということでございますので、資産がある、あるいは信用力がある大企業におきましては、債務保証料まで払って民間資金の導入を図らなくても自分の信用力なり資産をバックにしてファイナンスができるという道があるわけでありますから、結果的には私は、通信・放送新規事業におきましても、あるいは共同開発事業におきましても、支援を申請してくる企業といいますのは中堅、中小の企業が多いものだというふうに考えております。
#73
○及川一夫君 率直に言って今の論理構成は成り立ちませんな。それなら債務保証を大企業はやらなきゃいいじゃないですか。これ見たら新規事業と共同開発事業二つにだけ債務保証でしょう。七〇%ですよ、この法律で保証するのが。中小関係はゼロですよ、何も適用すると書いてない、これ。だから、信用がそれほどあって力があるのなら何もこんなところに債務保証することないじゃないですか、大企業は、ということになるでしょう。
 それから、中小はリスクが多いということになると大企業だろうと、こういうふうにおっしゃるが、それじゃ本当の意味で情報産業をもっともっと濶達にしようじゃないかというそのための保証というか、元気づけるための法律というねらいが私は消えていくと思います。やらない人はどんなことがあってもやらないんだから、中小企業でもやりたいのはやろうとするわけだから、それを先導できるかできないかというのがもう最後のポイントになっていくんだろうと思う。いずれにしても、これは何とか運用の中でまずは考えられるべきじゃないか。そうしなければ――私のところには表があるんですよ、適用表、採用した結果が。それを見て一目でこれは一体どこにウエートを置いた法律なんだ、言うていることとやろうとすることが全然違うという、何かこの法律の重大欠陥のような気がするんですよ。
 それからもう一つ、時間がありませんから、人材育成の問題、これは松前委員の方からもお触れになりました。したがって私はくどく申し上げません。いずれにしても、これから十年先を展望いたしますと、九十万から百万人ソフトの技術者が足りないということをはっきりもう政府機関自体が認めておるし、情報産業に携わっているいろんな専門会議でもそのことが重大な課題になっているんです。
 局長はこれをやることによって何か技術者が育つというようなことを言っているけれども、そんなものですかね。大企業ならわかりますよ、大企業自体がそういう人材育成の場をちゃんと持っていますから。広げれば広げるほどそういう労働者が必要である、その労働者にソフトウエアの技術者になってもらいたい、そのための学校まである。そのために高校生から採用して専門学校を持っている企業だってあるわけですからね。だからそれはそういくでしょう。しかし中小関係は局長、そうはいかないんです。そのことがあるから、松前委員の方から今何か教習所というか研修所みたいなのがある、そういったところでできないものかという意味を含めて私は質問されたと思うんですよ。だから、訓練、人材育成のことになったら通産省、郵政省は関係ないというわけにはこれはいかないんじゃないですか。それこそ国全体でという発想も含めてこの人材育成の問題についてはきちっとしたやっぱり対応をしなければ、それこそ仏をつくって魂を入れない、そういう法律になってしまいますよということを最後に指摘をして終わりたいと思います。ありがとうございました。
#74
○委員長(青木薪次君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   正午休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#75
○委員長(青木薪次君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、特定通信・放送開発事業実施円滑化法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#76
○永田良雄君 自由民主党の永田良雄であります。
 特定通信・放送開発事業実施円滑化法案、大変難しい名前の法律でありまして、言うのすらもどもってしまうような難しい法律でありますが、この法案について二、三質問をいたしたいと思うわけであります。
 資料をいただいていろいろ勉強させていただいたわけでありますが、やはり内容が先端のニューメディアに関するものでありますし、どんどん新しい技術ができて新しいシステムができていっている分野でありますから、大変変化が激しいからしようがないのかもしれませんが、とにもかくにもわかりにくいという点は否定できない面だと思うわけであります。まして、私は素人でありますので、率直にわからないところを教えていただきたいと思うので、できるだけわかりやすい言葉で御答弁をお願いしたいわけであります。法律に書くとやっぱり何と申しましても正確を期さなきゃいかぬから文章がかたくなるわけでありますが、こういうやりとりの場では余りそういうことを気にされずに、本当にねらっておる趣旨とか目的とか、そういったものを率直に教えていただきたいと思うわけであります。
 そこで、まず大臣にお伺いするわけでありますが、この法律は、恐らく今まで郵政省がおやりになったことのないような民間の事業に対して財政支援等の新しい政策を出された法案だというふうに伺っているわけであります。郵政省が政策官庁として通信分野の、放送分野の事業をリード、コントロールされるのは大変大事なことだと思うわけでありますが、ただ、今までは産業政策といって民間事業の支援の措置は大体税制である程度やっていたように思うわけであります。その中で、例えば不況産業とかこれからだめになる産業とか、あるいは中小企業を支援するための財政措置はやられたことはあると思うんですが、これは新しい分野で、これから非常に伸びていく分野だと思うわけであります。そこへ財政措置という話でありますから、よほど並み並みならぬ決意と目的を持っておやりになる措置だと思うわけでありますが、そこら辺、この法律のねらいとするところと、将来の展望等について大臣の立場でお答えをいただきたいと思うわけであります。
#77
○国務大臣(深谷隆司君) それぞれの地域が活性化していく、あるいは地域をきちんと発展させていく、そういうことをまず念頭に、頭に配慮しながら、そのためには電気通信の技術革新の成果を生かしてそれを十分に活用させていくということを考えていかなければならないと思います。特に、情報流通手段の開発や普及を促進するためにさまざま政策を進めてまいりますけれども、その場合に、先生も御指摘の民間事業者の創意とか工夫というのをどうやって引っ張り出すかということは非常に大事なことではないかと思うわけであります。
 そこで、このたびの法律の主眼は、通信・放送の新しい分野に挑戦しようとしている民間事業者、あるいは採算性は必ずしもよくないけれども地域の情報化に積極的に取り組もうとしている事業者、そういう人たちにインセンティブを与えるというか、活力、刺激を与えていこうとするための政策であるというふうに私どもは認識をしております。そして、そのような事業を支援することによって国全体の情報流通の円滑化を図ってまいりたい、そう思っております。
#78
○永田良雄君 今地域の情報を活性化したいというお話がありましたが、私もこの法律のねらいは一つそこに大きなねらいがあると思っておるわけであります。そういう意味で以下質問をしてまいりますので、よろしくお願いします。
 まず、今新しいニューメディアに参入してくる民間事業者は、一方では極めて規模が大きい企業が参人してきて、そして極めて大量の資金を使っていろんなインフラを行い、やっておるのも耳にするわけでありますが、この支援措置は、それと比べると、最初は滑り出しだからしようがないという面があるかもしれませんが、かなりつつましやかなものであるというふうに思うわけであります。それともう一つ、先ほどからも議論がありましたが、大きな企業というのは恐らく余り財政的な資金の支援措置なんかは要らないと思うわけでありますが、どの程度の規模の事業体あるいはどういうところに支援をしていこうというのが主眼であるかということをお伺いいたします。
#79
○政府委員(中村泰三君) 先生お尋ねの、どの程度の規模に本法の支援のねらいがあるんだというお尋ねでございますが、現在の通信・放送事業の実態から御説明申し上げますとねらいがわかるんじゃないかというふうに思います。
   〔委員長退席、理事松前達郎君着席〕
 そこで、通信自由化後、昭和六十年以降、従来ですと通信の分野でありますと電電公社が独占的な立場でサービスを行っていたわけでありますが、自由化が行われまして九百社を超えるぐらいの新規参入が見られております。多数の中小の事業者の参入というのが特徴になっておりまして、それを従業員数だとか資本金でちょっと見てみますと、一般の二種事業で見ますと、従業員は十人未満の事業というのが五八%、資本金も一億円未満というのが六〇%を占めているというような状況でございます。例えばCATV事業で見ますと、従業員数が十人未満が五〇%、それから十人以上百人未満が五〇%で、大体半々ということでございますが、CATV事業の資本金を見てみますと、一億未満が四二%、それから一億円以上五億円未満が四七%となっておりまして、そういうところから見ましても中小企業というのが大半を占める状況になっております。
 この法律で支援しようとする事業というものは、いわばベンチャービジネスといいますか、非常に起業家精神に富んだ新しい分野にチャレンジをしていこうという分野の事業者が多いであろうというふうに私ども思っているところでございまして、そういう意味では、地域におきます中小あるいは中堅企業といったようなところが実際は手を挙げてくるのが多いんだというふうに思っておるところでございます。
#80
○永田良雄君 中小の企業とか、あるいは地方の企業がこういった先端的なべンチャービジネスをやっていく場合に、どういう障害といいますか、難しい点があるのかということをお聞かせいただきたいと思います。
#81
○政府委員(中村泰三君) この法律案をつくりますに当たりまして、昨年私どもいろいろのヒアリング調査をやったわけでありますが、そういう中で出ました問題というのは、企業化するに当たっての情報が不足しているとか、あるいは地方でありますと市場が小さいといいますか需要が余りなくて採算性が難しいとか、あるいは資金調達に当たってなかなか資金を集めることが難しいといったような点が指摘をされているところでございます。
 情報不足について申し上げますと、やはり人材、技術等に関する情報も大都市に集中しているわけでありまして、地方ではなかなかそういう情報の入手が困難である、あるいはそういった情報がどこにあるのかという所在もなかなかわからないといったような点がヒアリング調査の結果となっております。また、採算性につきましても、地方では非常に市場規模が小さいということで、いろいろなアイデアとか企画を持っておりましても採算性の点でなかなか企業化できないといったような面がうかがわれるわけであります。また、資金調達の面におきましても、中小の企業におきましては信用力がないといいますか、そういう点で資金調達が困難であるといったような点がヒアリング調査の主な焦点といいますか、そういう結果が出ております。
#82
○永田良雄君 それから、こういう中小あるいは地方の企業が新しい通信開発事業等をやる場合に、どういうところに資金が必要なのかということを教えていただきたいわけであります。
#83
○政府委員(中村泰三君) 通信事業にしましても、あるいは放送事業にしましても、初期投資が非常にかかるという意味で、十分なサービスをしようとしますと、需要者のニーズにこたえるためには当初の施設投資という点が非常に資金を集めるのに困難なケースが多いということでございます。
#84
○永田良雄君 二条ですか、特定通信・放送開発事業が三つの類型に分けられております。三つの類型に分けたのはそれぞれ支援措置が違うからというふうにお伺いしておるわけでありますが、支援措置が違わなきゃいかぬ理由があってやっておられるのか、その理由を教えていただきたいわけであります。
#85
○政府委員(中村泰三君) この特定通信・放送開発事業に対する支援措置は三つの類型によって違っているわけでありますけれども、類型ごとに事業の持つリスクといいますか、危険性あるいは資金調達上の困難性といったようなものを判断しまして支援措置が違っているということでございます。
 具体的に申し上げますと、通信・放送新規事業という分野は、いわば新しい分野に初めて挑戦をする、事業の成功事例がどこにもないというようなものに対しまして投資をしていこうということでありますから、ある意味では非常に危険性が高いということで、また危険性が高いということは資金調達に当たっても困難な状況にあるわけでありますので、そういった民間の円滑な資金導入を図るような手だてをする必要があるということで、債務保証でありますとかワラント債の活用支援ということを考えているわけであります。また、必要によりましては衛星機構から出資もいたすという支援措置を考えているところであります。
 それから、そういった新規性という意味で申し上げますと、通信・放送共同開発事業というものも、これは新しい高度な技術の企業化という意味で、なかなか前例がないという意味では企業化するに当たりましての危険度、リスクというのは新規事業に変わらないようなリスクがあるわけでありまして、そういう点で同じく債務保証、ワラント債の活用支援ということを考えているわけであります。
 そういった面からいきますと、地域通信・放送開発事業というのは、その地域におきましては初めてのニューメディアの導入ということではありますけれども、他の地域におきましては十分成功事例もある。どのように企業を運営していけばどういった問題が生ずるか、どういった経営が可能であるかというノーハウにつきましても十分得られるわけでありますから、そういう点でのリスク性という面から見ますと、新規事業とか共同開発事業に比べますと少ないというふうに判断されるわけでありますが、地方におきますニューメディアの導入という点からいきますと、市場規模が小さいためになかなか採算性に乗りにくいという声を聞くわけでございまして、そういう意味で利子補給の措置によりまして採算性の向上を図って事業の立ち上がりを容易にしていこうというふうに考えている次第でございます。
#86
○永田良雄君 今資金の話がありましたが、私は、地域の企業にとっては資金の面もさることながら、特に情報の提供ということが大変大事なことではないかと思うわけであります。というのは、地方にはそういう人材がおりません。人材はほとんど大都会に集まっておるわけですし、それから地方ではどうやったらいいかという情報が不足しているのが一番問題だろうと思うわけであります。情報提供を行う予算が四千八百万円という、大変これまたつつましやかな予算でありますが、これだけで一体できるんでしょうかということと、具体的にはどういうやり方でやっていこうとしておられるのかというのをお伺いしたいわけであります。
 結局、これをおやりになるのは、先ほどもちょっと議論が出ていまして、機構がやるという話になっております。一体機構が法律上できるのかという法律論なんかがありましたが、むしろ、それもさることながら、一体機構にそういう人材がおりますか、人材はどのようにして集められるんですか、それから、そういった人材をどのようにして地方がお願いしますといったときに派遣したり教えてくれたりするようになるのか、そこの仕組みのところを具体的に教えていただきたいと思うわけであります。
#87
○政府委員(中村泰三君) 地方で事業を起こす場合に、情報不足が大きな一つのネックになっているというお話をさせていただいたわけでありますが、先生御指摘のとおり、情報不足をどのように機構においてカバーをしていくかということにつきましては、例えば人材の情報、どういう専門家がどこにおられるのか、どういう相談をすればその事業の計画立案等について有益なアドバイスをいただけるのかといったような、人材情報でありますとかあるいは参考とすべき事業例といったようなもの、そのほか技術の情報といったようなものをデータベースにして御利用いただこうというふうに考えているわけでございます。
 そのためにこの四千八百万の補助金を予算でお認めいただいているわけでございますが、これは必要経費の半分をこの補助金で賄おうということにしているわけでありまして、民間からも大体同額程度の資金を集めましてデータベースを構築しようというふうに考えております。それも一年だけでデータベースを完成さすというわけにはまいりませんで、やはり私ども少なくとも三年ぐらいで約三億ぐらいかけてデータベースを構築していきたいというふうに考えております。
 それから、果たして機構にそういった情報提供業務をきちっとできるような人材がいるのかという点につきましては、もちろん機構も、宇宙通信が中心でありますけれども、通信・放送分野に関するノーハウを持った職員もいるわけであります。そういう人たちにいろいろ頑張っていただくことは当然でありますけれども、国としましても補助金だけを出してデータベースを構築してくれということで事足れりとは思わないわけでありまして、国の立場でも適切な助言とか情報の提供をすることによりまして立派なデータベースを構築するように指導してまいりたいというふうに考えております。
#88
○永田良雄君 これだけでデータベースをつくり、それから人材を紹介するという話でありますが、四千八百万円だけでは十分とはしない、こういうお答えでありますから、積極的にこれから予算をふやして充実させていっていただきたいと思うわけであります。
 その際に、やっぱり人がいるのは民間の大企業の先端分野にたくさんの人がいるわけでありますから、それをいかにうまく組織するかということが一番大事なんであって、私は何も機構が人間を抱え込むということをちっとも考えておりませんで、いろんな人たちをどのような組織として抱え込んで自由奔放に使っていただけるシステムをつくっていただくかということが大変大事だと思っておりますので、その点もひとつよろしくお願いしたいと思うわけであります。
 それから特に、私は富山でありますが、富山もCATVやっているわけでありますが、なかなかうまくいっておらぬという感じであります。それはなかなかいいソフトのプログラムができないし、できないから利用者が少なくなってきてまた採算が悪くなっていく、こういう極めて悪循環を繰り返しているのが現実であります。そこへもってきて、富山市でそういう状況でありますが、もう一つ今度は砺波市という散居村で、部落があっちこっち点在しているところへまたCATVの企画があるというふうに聞いておるわけでありますが、これは先ほどお話がありましたように、少なくとも事業を開始するには設備投資をやらなければいかぬわけですね。そうすると、CATVだと必ず線を引かなければいかぬのだろうと思うわけであります。範囲が広がれば広がるほど線を引く範囲が広がりますから金はかかります、そして人数が少ないわけでありますから入ってくるのは少ない、採算としては極めて難しい状況になると思うわけであります。
 地方がなかなかそういうふうにうまくいかぬという面も一つは、先ほどどういう費用がかかるんですかということを聞いたのはそれでありまして、衛星でやる点は別といたしまして、それぞれ線を引かなきゃいかぬ、線を引くのに物すごく金がかかるからということになるようでありますが、それについて何か工夫をせにゃいかぬのじゃないかなというふうに思うわけです。
 と申しますのは、一極集中を排除するには情報の分散化、そして地域での均衡化、均等化というのが大変大事でありますから、そのためには非常に金のかかるそういういわば情報通信のインフラとも言うべきそういうものは何か公共的な仕事として、民間だけにやらせておくといつまでたっても私は情報通信の格差はなくならぬと思うわけです。したがって、そういう公共的と思えるインフラ部分、線を引くところは自治体あるいは国、一部民間も出してもいいわけでありますが、そういうのが共同で金を出して、将来参入してくるのも含めて大きな容量の線を引いておいてしまう、いわゆる共同溝みたいのをやっておく必要があるんじゃなかろうか、そういうことを考えていかないとなかなかいかぬのじゃないかと思うわけであります。
 ちょっと聞いてみますと、下水道を地域に設備するときにそれと一緒にやっている例もあるやに聞いておるわけでありますが、そういったふうにある程度容量の大きいものを引いておいてしまえば、あとはもう後から参入してくるのは使用料を多少負担しても、その間公共的なものである程度やっておくということが必要じゃないかと思うんですが、そういうことが間違っておるのかどうか、そういうふうにやるべきなのかどうかという点についてお答えをいただきたいと思います。
 これもそれも私がこう申し上げますのは、これはいろいろ支援措置をしていただくわけでありますが、これだけでは私は地方と大都市の格差はなかなか埋まらない。したがって、かなり思い切った公共的なてこ入れをしないことにはいかぬのじゃないか。だから、民活といって全部民間へ任せるという部門が必要なことは私も大変よくわかるわけでありまして、民間の競争力をうまく利用することは大変大事でありますが、しかし、公共的な部分はいわゆる公共部分のセクターである程度整備していくという方向をぜひやっていただきたいというふうに思うわけであります。
 郵政省は、一般会計が大変予算の方が厳しくてシーリングがあってなかなか大変だということはよくわかるわけでありますが、ここはひとつ二十一世紀へ向けての大変新しい分野の問題でありますから、ひとつ大いに頑張ってやっていただくのを期待しながら私の質問を終わりたいと思います。できましたら、大臣からもその決意をお聞かせ願いたいと思います。
#89
○政府委員(中村泰三君) 確かにCATVも含めまして、これからの二十一世紀をにらんだ場合の高度情報社会の貴重なインフラとして情報通信基盤整備をすべきだという考えは私どもも持っておりまして、この通信ケーブルを先行的に整備をしておけと、特に地方における大開発、再開発等を含めましてそういった構想は全国各地にあるわけであります。下水道でありますとか道路でありますとかということは当然公共事業として行われるわけでありますが、そういうときに情報通信基盤も先行的に、例えば光なら光を先行的に設置しておくということは、国民経済的にも大変私は意義のあることだというふうに思っております。民間の事業者あるいは学者、先生方も寄り集まりまして、情報通信基盤開発推進協議会という協議会をつくっていろいろと新しいインフラのあり方について御検討いただいているわけでありますが、私どももその必要性につきましては十分認識をしているところでございまして、今後とも先生の御激励をいただきながら頑張ってまいりたいというふうに思います。
#90
○国務大臣(深谷隆司君) 今局長がほとんど私の申し上げたいことを申し上げましたけれども、先ほどからお話を承りながら、さすがに建設省御出身で国土庁の事務次官というのはやっぱりいろんな角度から御勉強をなさって、大変参考になりました。しっかり頑張りますので、どうぞ引き続いて教えてくださいますようお願いいたします。
#91
○磯村修君 通信情報というのは、大変私たちの生活に深くかかわってきていることなんですけれども、東京一極集中から地方への多極分散、こういう時代の要請にそれぞれの地域もこたえようというので、それぞれの立場で自治体もあるいは民間の事業体もその問題に取り組んでいるように私は見受けております。いろんな地域格差を解消していくということで、地元の人たちも一生懸命今ネットワークというふうなことを推進しているようにも思われます。
 そこで、郵政省にお伺いしたいことは、そういう地方の実態をどの程度把握していろいろな通信情報について考えているのか、まずその辺からお伺いしたいと思います。
#92
○政府委員(中村泰三君) 私ども、地域の情報通信基盤の整備に当たりましては、これからの社会を考えた場合に非常に大切な仕事であると考えておりまして、郵政省の政策の中でも地域情報化施策というのは大きな政策のテーマというふうに位置づけましてこれまでも努力をしてきたところでございます。
 主として今まで行っております政策は、テレトピア計画と民活法の特定施設整備事業、それからハイビジョン・シティ構想といったようなものが中心になってこれまで推進してきたところでございます。テレトピア計画について申し上げますと、これは昭和六十年の三月以降、地域を指定して取り組んでまいったわけでありますが、現在のところ七十三地域を指定しておりまして、既にこのうちの六十六地域におきまして、いろいろなCATVでありますとかあるいはビデオテックスでありますとか、データ通信等のシステムを使いまして百六十三のシステムが稼働している状況でございます。それから、民活法の特定施設整備事業につきましては、テレコムプラザでありますとか、あるいはテレコムリサーチパーク等を含めまして既に全国で十二の施設が立ち上がっているところでございます。また、ハイビジョン・シティにつきましては全国の二十三地域を指定しておりまして、既に数カ所この施設が完成しているという状況でございます。
#93
○磯村修君 今各地方では大変先端企業が活発に進出しているところもたくさんあるわけです。そういう企業は、それぞれのノーハウを活用してそれぞれの通信情報のネットワークということを進めているようでございます。それから自治体においても、高度情報化時代に即応していこうということで、行政機関のネットワークとかあるいは情報教育センターとか住民サービスへのシステムづくり、こういうものにも大変努力しているように私受け取っております。そういう中でもって、このニューメディアの導入ということを大変いろんな面において展開しているんですけれども、こういう地域でのいろんな動きの実情を把握する中で、情報化のおくれている地域ということをよく言われるんですけれども、一体どういう基準でもってその地域というものを考えているのかお伺いしたいと思います。
#94
○政府委員(中村泰三君) 地域におきます情報流通の促進を図る意味から、地域通信・放送開発事業というものをこの法律の支援対象の一つの事業に位置づけているわけでありますが、その場合、どういった基準で対象地域を選ぶのかという点につきましては、実施指針の中でその地域も書きたいと思っているわけでありますけれども、まだ具体的に確定した考え方はございませんけれども、いずれ実施指針を定める際に、審議会の御意見等も伺いながら地域を確定してまいりたいというふうに考えております。特に、東京二十三区のような大変情報化の施設の進んだ都市以外の地域は私どもとしてはその対象に入れたいというふうに考えておるところでございます。
#95
○磯村修君 今例えばテクノポリス構想を進めている地域もあるんですけれども、そういう地域とか、あるいはこれに類似したところの都市とか地方とかというものを見ていますと、もう既に地域というのはどんどんと時代におくれないように自力でもっていろんなシステムづくりをしているんですね、情報化に対応できるように。そういう意味からいくと、大変今度の法案というのは、何か後追いのような感じさえもするような私は印象を持つんです。それほど地域というのは真剣に、それなりに企業も自治体も一緒になっていろんなことを考え出そう、そしてそれを実行していこうとみんなどこでもやっているんです。そういう意味において非常に後追い的なような印象もあるわけなんです。
 私、先ほどからお話を聞いておりますと、人材の確保ということをよく言われておりますけれども、果たして人材が確保できるんだろうか。例えば皆さんがお考えになっている情報システムのおくれている地域にこういう事業を起こさせて、支援体制を組んでやっていきましょうと指導していきますね。しかし、その地域で果たしてそれだけの人材が集まるのか、集まって企業を起こすことができるのか、こういう心配もあるわけなんです。
 例えば最近の報道を見ていますと、理工学部の専門のことを勉強した学生、卒業生で自分の専門を生かそうとしない学生がふえているという報道がされているんです。いろんな理工系の勉強をした学生、卒業生で他の関係ない企業に就職する学生が急増している。こういうふうな実態もあるわけなんです。もう一つは、例えばテクノポリスなんかの例を引きますと、先端企業がどんどん地方に進出をしてくる、しかし地場産業に下請発注しても、人材がいないものですからその注文にこたえられないような実情が出ている場面もあるわけなんです。そういうふうなことからいろいろ類推して考えていきますと、果たしてこういうものは、企業を起こして、直ちに人材が集まって、郵政省が考えているような事業を促進できるんだろうか、こういう心配もあるんです。
 先ほど局長は、人材育成というのは直接は対象としていないけれども、機構を通じて間接的に人材育成に資するというふうなお答えをしております。しかし、そういうふうな余りにも消極的な物の考え方でもって果たしてそういうことが、私が心配しているようなことが解消できるんだろうかというふうな印象もあるわけなんです。ですから、やはりこの財政的な支援と同時に、人材をいかにするかということを一体性を持って事を進めていかないと、この法案の趣旨というものは生かされないんじゃないか、こういうふうに私は思うんですけれども、いかがでしょう。
#96
○政府委員(中村泰三君) 確かに先生御指摘のとおり、最近の情報通信の分野に十分な人材の確保が図られているかという点につきましては、非常に各企業等いわば人材の取り合いといったような状況もあるわけであります。しかし、例えば理工系の学生がいろんな分野に進出しているといいましても、主に金融とか証券とか、情報通信システムを非常に拡大しているような分野に吸収をされている面もあるわけでございまして、また、逆に言いますと、ソフトウエアの開発なんかというのは文科系の学生もどんどん就職をしている。やはり理科系、文科系にかかわらず情報通信に対する理解を深め、また必要な人材をそれぞれに養成していかなくちゃならない時代になっているんだろうというふうに思うわけであります。
 そういう意味で、私どもも人材の育成、特に地域における情報化を推進してまいる場合には、中心になるような人材の育成というのは地方自治体ともども一緒になって養成に努めていかなくちゃならぬという考えを持っておりまして、私どもも地方自治体の人たちを中心にした研修会を開きましたり、あるいは地方電監等も今後中心になってそうした地方での人材育成ということにつきましていろいろな施策を展開していきたいというふうに考えております。
#97
○磯村修君 今の人材育成の問題で、局長の答弁を聞いておりますと、今理工学部の卒業生が他の専門外の企業に進出しているというふうなことを私言いましたけれども、確かにそれは一般の企業もいろんな情報システムというものが発達してきて、そういう企業がふえているんですけれども、そういうところにそういう学生がそのために流れていくんだというのではない。そうではないんですよ、実際問題が。これはどういう理由なんだろうか、今局長が答弁なさったような趣旨であればよく理解もできるんですけれども、そうではなくて、今の学生たちというのは、自分のせっかく勉強したものを一生生かそうとするんではなくて、他の企業でも、全く専門分野外の企業で自分をちょっと試してみようとか、働いてみようとか、そういう意識が先行して就職する学生も多いというデータも出ているんです。そういう意味においては必ずしも企業に情報通信システムがあるからそこにその専門の学生が行くんだというだけではない、そういう実態もありますので、その辺から私先ほど申し上げたわけなんです。
 それから、今度の法案では、三つのタイプにそれぞれ支援体制があるんですけれども、この法案の支援措置だけでもって予想どおりの事業というものが果たして発展していくんだろうか、それだけの力があるんだろうかというふうなことも危惧されるのですけれども、その辺の考えをちょっとお伺いしておきます。
#98
○政府委員(中村泰三君) 私どもがこの法案を考えるに当たりまして、三つの事業タイプを支援措置の対象に選んでいるわけでございますが、それはやはり三つの事業分野に対する支援措置というものも、調査研究会等あるいはアンケート調査等をした場合にどういった支援の措置が望ましいかという点につきましても十分検討をいたしまして、予算要求もし、認められたものをこの法案にさせていただいているわけでございます。必ずしも、これだけで十分かという点につきますれば、また今後の実態を見ながら充実に努めていかなくちゃならないというふうに考えておりますけれども、一応この法案が予定している事業分野のリスク性あるいは採算性といったようなものを考えまして、それぞれにふさわしい支援措置をとらせていただいているということでございます。
#99
○磯村修君 この支援ということは、既存の事業体、大きな事業体とか通信事業体あるいは放送事業体、こういうものも当然対象になるわけですね。私は、この法案の趣旨からいきまして、利子補給とか出資とか債務負担とかいろいろあるようですけれども、これはあくまでも各事業体が、事業を起こそうとしている企業が資金調達を容易にさせるために一つの支援として行うわけでしょう。そして、立ち上がりが容易にできるんだというふうな、少しでも役に立とうというのでこういう支援が決められているわけですね。
 そういうことを考えていった場合に、これ例えば第一種の電気通信事業者とかあるいは既存の放送事業者、そういうものを対象から外してやるべきじゃないか、こういうふうに思うんですけれども、その辺いかがでしょうか。
#100
○政府委員(中村泰三君) 確かに、この法案の中におきましては、既存事業者でありましょうともあるいは新規事業者でありましょうとも差異はないわけでありまして、支援の条件にマッチするものに対して支援措置が行われるということになっているわけでありますけれども、中身から見ますと、既存の事業者でありましてなおかつ信用力がある、あるいは言ってみれば大きな資産も持っているというような企業につきましては、そもそも例えば債務保証をするのに債務保証料まで払って債務保証をしてもらわなくても自分の信用力でもってファイナンスができるという面もあるわけでありますから、実際の申請をしてくる事業者というのは新しい事業者、非常に民間の資金の導入に苦労するといいますか、資産もない、信用力も余りないというものがこの支援措置を求めてくることになるんであろうというふうに考えておるところでございます。
#101
○磯村修君 私は、思い過ごしになるかもわかりませんけれども、この事業が、新規のこういう開発事業を進めていくときに、例えばファクシミリ放送とかいろいろありますけれども、例えば既存の事業体にこれをやっていくというふうな場合に、よく言われるところのマスメディアの独占性といいましょうか、そういう問題につながっていくんではなかろうかというふうな懸念もするんですけれども、その辺の見解を伺いたいと思います。
#102
○政府委員(中村泰三君) マスメディアの集中排除といったような立場からの判断というものも当然あると思いますが、それはいわば放送法の運用に当たりまして考えていくべき問題だろうと思っております。
#103
○磯村修君 それから、支援体制を見てまいりますと、地域通信・放送開発事業、これなんかの場合、支援が一つの利子補給というふうなことに限られているようなんですけれども、これは実際にこの法案が実施されまして、実態を見ながら地域の通信・放送開発事業への支援というものを見直していくというふうなことはあり得ることでしょうか。
#104
○政府委員(中村泰三君) 私ども、地域通信・放送開発事業につきましては、利子補給のみが支援措置になって、財投の融資も受けられますけれども、財投の融資を受けた者に対する利子補給のみがこの法案での支援措置ということになっているわけでありますが、それは他の二つの事業に比べまして危険性が非常に少ないという点が一つと、それからやはり地方でのそういった採算性の悪さに対する支援の声が大きいものですから、利子補給をすることによって採算性の向上を図ろうというふうにしているわけでございます。この法案を実施した後の地方の声といいますか、そういうものを踏まえた御要望がありますれば、当然私どもは支援措置の充実という点で今後とも努力していかなくちゃならないというふうに考えております。
#105
○磯村修君 今地域、地方ではいろんな行政なりあるいは地域に合った事業を起こしていくという面において、それぞれの地域の個性といいましょうか、ということを尊重しております。そういうものが非常に考えられておりまして、できるだけそれぞれの地方の個性を生かした町づくり、地方づくりというものが非常に大きな行政の柱にもなってきております。
 そこで、この情報通信の問題でそういう面はいかがかということを考えた場合、これは性格上やむを得ないかもわかりませんけれども、中央でいろんな政策が打ち出され、それを要するに地方が受けて、それぞれ手続をとって事業を進めていくという実態であって、いわば個性が余り生かされないというふうな面もあるわけです。そういう意味合いにおいて、特に民間の創意工夫というふうなことを精神的にこの法案の中ではうたっているようでございますけれども、郵政大臣が実施指針をつくるに当たりまして、いわば地方の個性を尊重したものを推進していくような実施指針というものをつくるべきではなかろうか、こういうふうに思います。
 そしてまたもう一つは、やはり民間の創意工夫とかあるいは地方の個性というものをできるだけにじませていくためにも、独自性といいましょうか、個性といいましょうか、そういう言葉の表現をやはり法案の中に明記して地域の振興に資するべきではなかろうか、こういうふうに私は思うのですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#106
○国務大臣(深谷隆司君) さまざまな地域情報化の施策に当たりまして、地域の個性を生かしていくということは磯村先生おっしゃるとおりでございます。郵政省でもいろいろやってまいりました。例えばテレトピア構想などの場合も、あくまでも指定の申請だとか実行計画づくりは地方の公共団体がこれに取り組んでやっていただくということにさせていただいて、中心的な役割に地方公共団体がなっていただくということを今までやつてきたわけでございます。
 今回の法律、施策に当たりましても、当然その点については深く留意しなければなりませんので、郵政大臣の定める実施指針は支援措置を受けるための基本的な条件を規定するにとどめて、あとは個々の事業の内容等については全く民間の創意といいましょうか、個性といいましょうか、そういうものにゆだねるという前提で事を進めていくということを基本的に考えておるわけであります。あくまでも民間の発意を前提とする事業者の創意工夫というものを大事に受けとめていくという方向で臨んでいきたいというふうに思っております。
#107
○磯村修君 先ほども私述べたんですけれども、今地方にあってもニューメディアの導入、そして非常に多種多様な情報のネットワークということに真剣に取り組んでいるんですけれども、一方、自治体では自治体の行政情報のシステム化とか住民サービスのシステム化とかいろんなことを考えております。一方では民間がいろんな情報化ということを考えております。そうしますと、何か同じようなことがいっぱい出てきまして、資金はどんどん使われていくというふうな、大変交通整理していかなければならないような問題に将来は直面するんじゃないかというふうな心配もあるんです。
 そこで、自治体と民間がお互いに情報化システムというのを確立していくための協力体制、そういう仕組みを今から考えていかなければ将来本当に交通整理がつかなくなってしまう、何か漠然とこういうイメージがわいてくるんですけれども、その辺の対応の仕方とか、ニューメディアというものがいっぱい導入されてきて、政策の一元化ということが最初この委員会でも言われておりましたけれども、そういうものとあわせまして、これから地方においても自治体あるいは民間が協力しやすいような体制の中でもって情報の通信システム化というものを促進していく、そういう体制づくりをやはり郵政省としても所管の行政の中でもって強力に指導していく必要性があるんじゃないかと思うんですけれども、その辺のお考えをお伺いしたいと思います。
#108
○政府委員(中村泰三君) 先生の御指摘のとおりでございまして、私どもも地方での情報化を推進していく一番の中心的な役割を期待しているのは地方自治体でございます。だから、例えば地方自治体が自分の立場で行政情報を流すためにCATVならCATVをつくるとか、民間は民間でまたやるといったようなむだなことにならないように、これは民間と地方自治体とがお互いに協力し合って第三セクターでCATVを立ち上がらすとか、あるいは何かローカルキャプテンを入れる場合には行政の立場からいろいろ活用できるものもその中に情報として組み込んでいく、そういった立場で三セクを活用してお互いに協力をしなからむだな投資にならないように進めてまいることが大切だと思っております。そういう意味では地域の情報化というものはあくまでも地方自治体がかんだ、資金的に乗るか乗らないかは別にしましても、地域の情報化をむだのない形で進めていくためには地方自治体の役割が非常に大きいということで、私ども県とか市町村の企画を担当する方々とも会議を開きまして常にそういった情報交換も行っているところでございます。
#109
○磯村修君 時間がありませんから、もう一つ伺います。
 地域の情報化あるいは情報機能の地方への分散、これは大変これから積極的に進めていかなければならない大きな行政の課題でもあるんですけれども、地域の情報化ということを考えていく場合、いろんな審議機関とか協議機関がございますね、私はちょっと郵政省の報告書というものを読ませていただいたんですけれども、その第一ページあたりにメンバーが書いてありました。地域情報化と情報機能の地方分散に関する研究会と称する長い名称の研究会なんですけれども、そのメンバーを見ましたら、十八人中大都市圏に集中している企業の代表者がほとんどなんですね。そして、地方からの方は二人しかいないんです。こういう構成メンバーで果たして本当に地域の情報化という問題を真剣に考えられるものであろうか、こういうふうな私は印象を持ったわけなんです。
 やはり地域での情報機能というものをいかにこれからしていくのか、あるいは二十一世紀を目指すそういうシステムづくりをしていくためにはどうあるべきかということを考えていく場合、やはり実感的に地方で体験している方々の意見というものを多く聞く必要があるんではなかろうか、こういうふうに私は思います。まさしくこれこそそうした地方の意見を聞く、その人選、つまり人選の多極分散というものが必要なんだ。余りにも今までの協議機関、審議機関というものは中央集権的であって、余りにも全体のいろんなことを決めていく中央の情報のみに依存しておったんじゃなかろうか。やはりそういう意味からいっても、例えば地方の方をたくさん呼ぶと同時に、あるいは現地の、郵政が今進めておりますところのテレトピア構想なんかもありますね、そういうことを実践的にやっている場所へ行きまして、その地域を実際に目で確かめて、そしてそこでもって協議してみる。このくらいのいわば地域に溶け込んでいく姿勢を持って地域の情報化あるいは情報機能の分散というものを考えていく必要があると思うんですけれども、大臣、所見いかがですか。
#110
○国務大臣(深谷隆司君) 地域の問題を検討する場合に、地域の問題に明るい方々に御参加をいただくというのは全く御指摘のとおりでございます。今回の法案の立案に当たりましては、ただいま御指摘がございましたように、有力な学識経験者やあるいはこういう問題に精通している方を中心に選ばせていただいて、その中には岐阜県の知事だとか厚木の市長さんなども参加していただきました。
 数が多いか少ないかについては少ないという御意見になるかもしれませんが、同時に地方在住の有識者であるとかあるいは地方公共団体等にアンケート調査もいたしまして、これらの資料もまとめて数値であらわしておりますけれども、できる限り地域の声を反映するように努めたところでありますが、御指摘でもございますので今後一層その点には留意していかなければならないと思っております。
#111
○磯村修君 終わります。
#112
○鶴岡洋君 特定通信・放送開発事業実施円滑化法案、この提案理由にも出ておりますけれども、最近の産業経済の発展、国民生活の多様化、地域の発展、これによって情報需要に対応したいわゆる情報流通手段の開発、普及を促進することが必要である、こういうふうにここにも書いてありますけれども、私もそういう認識は持っております。したがって、この法案には賛成はいたしますが、個々にまだ具体的に詰めてない点もあるようですし、どうするのか決まっていない点もあるようなんで、その点について二、三お伺いをいたしたいと思います。
 最初に大臣にお伺いしますが、まずこの法案の目的についてでございますけれども、この法案の目的は、電気通信による情報の円滑化を図り、「情報化の均衡ある発展に資する」、こういうふうにしてありますが、郵政省は、この「情報化の均衡ある発展」、これも午前中からお話が出ておりますけれども、確かに今考えますと、地域別通信系供給情報量というこの研究会のデータから見ますと、六十二年の通信白書に書いてありますが、まさに東京一極集中ということにデータが出ております。日本は四十七都道府県ありますけれども、そこで大体平均一・五、数字にして一・五以下になっているわけです。それに対して東京は何と二十二、その次に多い大阪でも十。これだけ一極集中といいますか、まさに東京に情報量というのは集中している。こういうことに数字の上から出ているわけでございますけれども、大臣にお聞きしたいのは、この地域格差をなくすることだと思いますけれども、本当に情報化の均衡ある発展ということをどういうふうに考えておられるのか。
#113
○国務大臣(深谷隆司君) 近年、社会経済の情報化の急速な発展につれて、産業活動だけじゃなくて国民生活全体に非常に高度で多様な情報というものが必要になってまいりまして、その要請は年々増大していく状態にあります。また、御指摘のように東京へ過度の集中という形が確かにあらゆる点から指摘されているわけでございますので、これを何とか排して地方の進展を図っていかなければならないと思うのでありますが、その場合に、地域の社会活動や経済活動を情報化に即応して活性化していくということが非常に大事だろう、こう考えるわけであります。
 したがいまして、本法案ではこういう現状を踏まえまして新たな事業を開拓する、あるいは地域の電気通信の高度化、高度な電気通信技術の企業化などを行う事業を支援することによって、情報の円滑な流通をつまり電気通信によって促進していこう、あわせてただいま御指摘の東京集中という状態でなくて、均衡ある情報のまんべんなく発展するように資して、それに役立つような成果を上げていかなければならないというふうに考えております。
#114
○鶴岡洋君 そこで、この法案は特定通信・放送開発事業をいわゆる通信・放送新規事業とそれから地域通信・放送開発事業、さらに通信・放送共同開発事業、この三類型に分類しておりますけれども、まず、三類型の事業をどのように支援していくのか、この点についてお伺いいたします。
#115
○政府委員(中村泰三君) 支援の対象を三分類に分けているわけでございますけれども、この三分類に分けました各事業に共通して支援が受けられるものは、通信衛星機構が行います情報通信に関する情報提供の業務でありますが、それ以外の金融的な支援措置につきましては、通信・放送新規事業につきましては債務保証とワラント債の発行限度の商法特例の措置、それから機構からの出資であります。地域通信・放送開発事業につきましては利子補給の支援措置を考えております。それから、通信・放送共同開発事業につきましては債務保証とワラント債の発行限度の商法特例措置、それから共同開発を行うための施設整備に対しまして税制上の支援措置を考えているところでございます。
#116
○鶴岡洋君 端的に言って、地域間格差をなくそうということでこの事業をやるわけでございますけれども、今言われたように支援措置がいろいろありますけれども、分けた理由というのはどういう理由ですか。
#117
○政府委員(中村泰三君) 分けた最大の理由は事業の新規性に伴うリスクの大きさというものが中心でございまして、そういう意味では通信・放送新規事業とそれから通信・放送共同開発事業という二つの分野につきましては、前例がないといいますか新しい分野にチャレンジをするという意味で非常に事業のリスク性が高いという意味で、なかなか円滑な資金を導入することにも苦労が多いんじゃないかという意味で、債務保証とかあるいはワラント債の発行の商法特例を設けた次第でございます。
 それから、地域通信・放送開発事業につきましては、利子補給による金利負担の軽減という措置だけという格好になっているわけでありますが、これはその地域におきましてニューメディアが初めて導入されるという意味では新規性があるわけでありますけれども、他の地域におきましては既に先行的に導入をされている実績があるわけでございまして、それだけに事業を起こした場合のリスク性は低いんじゃないかということで、一番地域の方々が要望されております採算性の向上に資する措置という意味で利子補給を考えているところでございます。
#118
○鶴岡洋君 そこでちょっとお伺いしたいんですが、通信・放送事業は将来大きく伸びる見込みが高い事業でございますので、民間資金の導入も積極的に進むのではないか、こういうふうに思われるわけでございます。また、郵政省の資料による事業の例示の中で、ファクシミリ放送やディジタル自動車電話、こういうものを事業とする企業は相当大きな企業でなければこれはできないし、相当大きな企業であるからそういう事業をする、こういうふうに思うんですけれども、郵政省はなぜ資本規模の大きい企業にまた債務保証をしなきゃならないのか、その辺がわからないんですが、この点はどういうふうに考えておられますか。
#119
○政府委員(中村泰三君) この例示に挙げましたファクシミリ放送でありますとかあるいはディジタル自動車電話の導入といったものが最初にどの程度の規模の企業によって導入をされるかということにつきましては、今の時点で私どもつまびらかにする状況にはないわけでありますけれども、例えば大企業がそれに取り組むということになりますと、大企業自体の資産もありますし、信用力もある、通信衛星機構にこういった新しいサービスをやるから債務保証料を払って債務保証をしてもらわなくちゃならないような財政的な基盤ではないんだろうというふうに思うわけであります。そういう意味から申しますと、金融的な支援措置を求めてくる企業というのは、やはり中堅、中小企業が主体になるんじゃないかというふうに思っているところでございます。
#120
○鶴岡洋君 債務保証業務の中身についてお伺いしますけれども、保証人であるとか保証限度額、保証期間、この保証条件はどういうふうになっているのか。保証条件はまだ決まってないような話も聞きますけれども、やはり限度というものがあると思いますけれども、この点はいかが考えておられますか。
#121
○政府委員(中村泰三君) 債務保証を行います場合の保証条件につきましては、これは放送衛星機構の方で具体的に他の保証制度等も勘案して決めるということになろうと思いますが、私どもとしましてはそれは現在検討中のところでございまして、まだ確たる条件が整っているわけではございません。
 他の保証制度なんかを参考にいたしますと、考えられますのは、保証債務の残高の上限につきまして基金の何倍までを考えるか、場合によりますと十倍までというようなこともありますけれども、大体六倍程度がいいところじゃないか、安全性を見れば信用基金の六倍程度のことが考えられるのじゃないか。それからまた、一事業当たりの限度額につきましても十億とか十五億程度のものになるんじゃないかというふうに考えております。保証期間につきましてもおおむね五年程度を考えることになるんじゃないか。保証料につきましては、実行いたします際の金利状況等を勘案して決めることになりますので、今の時点でまだ申し上げられるような段階ではございませんが、おおむねそういったような線に落ちつくんじゃないかというふうに考えております。
#122
○鶴岡洋君 私が言いたいのは、保証限度額とか保証期間というのは今検討中だというのは、これはそれでいいんです。いいんです、法律だから。そんな細かいことまできちっと決めなきゃならないのは法律じゃないと思うんですよ。だからそれはそれで私はいいと思うんですけれども、決めるべきものは決めなきゃいけない。それをまだ全然見当つかないとか、保証期間も五年か十年かというのはこれはちょっといただけないんです。やはり我々は審議をするわけですから、この程度で今考えている、この程度までならいいんじゃないか、その裏づけはどうなのかと、こういうことで審議をするのがこれはこの審議の場であって、法律をつくりました、大体見当はこうです、じゃ結構ですと、こういうわけにはいかないんです。そういったことで私今お聞きしたわけなんで、もうちょっとどの辺まで詰まっているのか、もう一度お願いしたいと思います。
#123
○政府委員(中村泰三君) 現在のところを申し上げますと、我々信用基金の規模は五十億程度を考えております。開銀出資二十五億と同額程度の民間の出資ということをお願いしたいというふうに考えているわけでございますが、最終的にこの信用基金の規模はどのくらいになるかという点も考慮に入れなくちゃならないものですから大変歯切れの悪いお話になったわけでありますが、現状においてはおおむね我々は信用基金の六倍程度を限度にして考えるのが適当じゃないかというふうに思っておりまして、先ほど申し上げましたように、一事業当たりの限度額もせいぜい十億か十五億、保証期間も平均五年程度というようなところが基準になろうかというふうに思っております。
#124
○鶴岡洋君 この債務保証の原資は日本開発銀行から二十五億円、また民間から同程度二十五億円ですか出資負担金等を求める意向を持っていると聞いておりますけれども、民間との話し合いはどの程度進んでいるのか。また、今後の債務保証のための基金の拡大計画はどのようになっているのか、この二点についてお伺いいたします。
#125
○政府委員(中村泰三君) 民間からの出資、出損につきましては、この法律が成立をいたしまして公布された後に広く呼びかけていきたいというふうに考えております。したがって、現在のところ具体的な出資者等につきましては未定でございますが、この構想の趣旨、目的から考えまして、通信事業者でありますとか、あるいは放送事業者、金融機関等からの出資、出損を私ども期待しているところでございます。
#126
○鶴岡洋君 次は、出資でございますけれども、原資は産投会計から五億円、こうありますけれども、仮に多くの企業が求めてきたらどういうことになるのか、その対応はどうするのか。また、出資を支援の対象に加えた理由は何なのか、この二点についてお伺いします。
#127
○政府委員(中村泰三君) 出資を考えましたのは、やはり民間資金の円滑な導入に資するという呼び水として出資も必要なのじゃないかというふうに考えたわけでございます。
 それから、仮に多数の事業者が通信・放送衛星機構に出資を求めてきた場合はどうなるのかということでございますが、これは私ども実施指針に照らしまして事業認定を行うわけでございまして、その要件に合致すればすべて認定の対象になるわけであります。したがいまして、多くの事業者が手を挙げてきた場合には、衛星機構の原資は五億というふうに決まっておりますので、一事業者当たりの出資の額というのは当然低くなってくる。しかし、公平にやはり取り扱わなくちゃならないというふうに考えております。
#128
○鶴岡洋君 法律ができてからということはそうですけれども、でも大体見当はつくでしょう。出資する事業者の数の想定、それから限度額、それから基準はどうするのか。その辺はどの辺まで詰まっていますか。
#129
○政府委員(中村泰三君) 私ども共同開発事業あるいは新規事業につきまして、やはり新しい分野にチャレンジをするということでございますので、それほど多くの手が挙がってくることにはならないんじゃないかというふうに思っているところでございます。新規事業につきましてはせいぜい数件かなというふうに思っておりまして、例えば資本金五億の企業でありますれば、資本金の一割までを呼び水として出資するということを考えておりまして、そうすれば資本金が五億の企業でありますれば十社程度は十分出資ができるというふうに考えております。
#130
○鶴岡洋君 関連して、これは通信・放送衛星機構がこれをやることになるわけでございますけれども、その前に、この通信・衛星放送機構の本来の業務は何と何ですか。
#131
○政府委員(中村泰三君) 通信・放送衛星機構の主たる目的は、通信衛星、放送衛星の打ち上げ及び管理運営の業務が主たる業務でございます。そのほかに、BS3bのトラポンを一つ保有しまして将来ハイビジョンの放送に利用するということと、それから、この三月末にお認めいただきました受信対策基金、そういった仕事も行っているところでございます。
#132
○鶴岡洋君 そうすると、衛星機構というのは打ち上げ、管理、制御、それからBS3bのトランスポンダーの配給といいますか、そういうことになるわけでございますけれども、この機構に衛星の管理業務のほかに債務保証等の業務を追加するということになるわけです。この債務保証という業務は、全く今までの業務と違う業務が衛星機構の中でなされる、こういうことになるわけですね。そうすると、本来の業務に一つは支障を来すようなことがないのか、また、郵政省はこの業務の追加によってどのような措置をこれから考えているのか、例えば人をふやすとかいろいろあるでしょうけれども、その点についてどういうふうに考えておられるか、これが一つ。
 加えて、放送法自体の目的規定を変更しないでこの業務を追加する、こういうことになるわけです。私が思うのには、打ち上げをやり、管理をし、制御をやっている機構が、こういうふうに金貸しじゃないけれども金融業務をやると、またその後に何か出てくるんじゃないか、非常になし崩し的にこの機構自体を持っていこう、こういうような感じもしないではないんです。したがって、そうだったならば、金融業務だけをやるものを別個にまたつくって、それでこの法律の趣旨に合ったものをやればいいんじゃないか、これが正常なやり方じゃないか、こういうふうに思いますけれども、この点についてはいかがお考えでしょうか。二点。
#133
○政府委員(中村泰三君) 通信・放送衛星機構に新たな業務を追加して金融支援的な措置を行わすことによりまして本来業務に支障がないかという点でございますが、この点につきましては、組織、要員ともに必要最小限度のものを予定しているようでございますので、そうした本来業務に支障が起きることはないというふうに考えております。また、債務保証等の措置を行いますためには、信用基金を設けまして経理区分もきちっとしまして、決して本来的な業務と混同することのないようにいたしているところでございます。
#134
○鶴岡洋君 人をふやすのですか。
#135
○政府委員(中村泰三君) 要員の点につきましては、これは衛星機構が予定しているところは、この金融業務あるいは情報提供業務に従事をさすということで四名の増員を考えております。実際は現在百七名の定員のうち一名、もう一名充てまして、流用しまして五名でこういった新たな業務を担当するということになろうと思いますが、そういった措置をとることになると思います。
 それから、目的を変えないでこうした新たな金融業務等をやるのかという点につきましては、確かに方法として新たな認可法人をつくってこういった金融業務を担当してもらうということができますれば一番すっきりすることは事実でございますけれども、今日の行財政事情等をかんがみますれば、既存の認可法人を活用できるときにはそれを活用するということを考えるべきでありまして、新たに認可法人を設立するということは非常に困難であります。そこで、私どもこの通信・放送衛星機構に新たに業務の追加をいたしまして、こういった支援措置を担当していただこうというふうに判断したところでございます。
#136
○鶴岡洋君 それに関連して、債務保証をする、それから出資をする、支援体制を組む、こういうことですけれども、今言ったことに関連して、それは立ち上がりの面でそれをやる、こういうことでございますけれども、新たなそういう法人ができた、そこに出資をする、債務保証をする、こういうことになると、行く先はそれをやるのは郵政省、そして実際にやるのは機構ということになると、権限強化につながるんじゃないか、こういう心配も私はあるんですけれども、その点はないとはっきり言っていいですか。
#137
○政府委員(中村泰三君) これは、私ども出資をして支援をするということにつきましては、決して口を出してどうのこうのということもございませんで、このことをもって権限強化につながるということではないというふうに考えておるところです。
#138
○鶴岡洋君 そうすると、金は出すけれども口は絶対出さない、こういうふうに認識してよろしいですね。
 次に、情報提供について、通信・放送事業分野にとってその必要性は高いと思います。しかし、通信・放送衛星機構には今言いましたように現在情報提供のための体制が全くない。また、四千八百万円の原資で情報を提供するということですけれども、これだけでは情報提供のためのハード、ソフト両面の購入、開発費用など使い果たしてというか、これでは少ないんじゃないか。この点はどういうふうに考えておられますか。
#139
○政府委員(中村泰三君) 補助金の四千八百万円ですべて情報提供業務を完成さすという考え方はございませんで、この補助金は通信衛星機構が構築をいたしますデータベースをつくる費用の半額を補助しようというものでございます。しかも、一年で完成するとは思っておりませんで、私ども三年ぐらいかかってデータベースの充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
#140
○鶴岡洋君 大臣にお聞きしますけれども、午前中からいろいろお話しございましたが、それはそれなりに私わかるわけです。支援措置の内容、各事業へのいわゆる支援措置の形がいろいろあるわけですけれども、この法案の目的の「情報化の均衡ある発展」、最初に申し上げましたけれども、これが達成されるか。私は今言ったようにデータの上からも東京一極集中、これが極端過ぎると申し上げましたけれども、そういう面からいって、法律施行後の状況で法律の見直しがどうしても必要になってくるんじゃないか、こういうふうにも思うんですけれども、この点については大臣どういうふうに思われますか。
#141
○国務大臣(深谷隆司君) この法案は平成二年の予算措置に基づいて立案したものですから、今見直し云々は先生御存じのとおりできませんが、三年以降についてはこの法案の運用の実績を十分見詰めていく必要がございます。この法案が、一体支援措置がどんな効果を上げているのかとか資金需要の動向はどうか、あるいは地方における事業採算性の推移はどうなったか、地方自治体からの要望はどうであったか、さまざま実際にこれを施行いたしましてから出てくると思います。そこで、予算措置も含めまして、それらの問題を見詰めながら今後検討していく課題であるというふうに理解しております。
#142
○鶴岡洋君 終わります。
#143
○山中郁子君 初めに、本法案の実施の指針と認定の基準をめぐって若干お伺いします。けさほど来からの質疑と重複する点がありますが、その点は御了解をいただきたい。
 まず第一に、第三条四項に「通信・放送事業分野に係る国際環境との調和」という記述があるんですけれども、要するにこれはどういうことを言っているのか、何を調和させるのか。それから、「国際環境」というのは、情報流通における国際的な傾向というのはどういうふうに見ておられるのか、その辺についてお伺いをいたします。
#144
○政府委員(中村泰三君) 電気通信・放送の分野といいますのは大変技術先端的な分野でありまして、欧米諸国も大変この分野を重視しているわけでございます。それだけに、私どもいろいろな施策を推進してまいるためには国際協調の観点を忘れてはだめだというふうに考えておるところでございます。とりわけ、この通信・放送共同開発事業を行いますに当たりまして、高度な電気通信技術の企業化等を内容とする事業でありますから、世界的な技術動向への的確な対応を図ると同時に、この事業を通じまして国際的な協調関係をより一層増進していくことが望まれるものと思っております。
 したがいまして、「国際環境との調和を確保する」という点につきましては、具体的にこの実施指針に盛り込む内容としまして、一つは事業内容との関係から申しますと、通信方式の技術基準等につきましては特段の理由がない限りITU等の国際的な標準方式を採用するといった点でありますとか、あるいは実施方法との関係で申しますと、外国の企業等から事業化に参加をしたいという申し出があります場合には、特段の理由のない限り内外無差別の原則を尊重して参加できるように努めるといったようなことも必要であるというふうに考えております。
#145
○山中郁子君 この法律自体とちょっと外れるんですけれども、今おっしゃった「国際環境との調和」の中で、特にやはりこういう分野にあってはいわゆる技術的な調和ということ、統一的な技術のあり方、この辺が問題になるので、ちょっとこれに関連してお伺いしておきたいんですが、例のハイビジョンです、ハイビジョンは今、日本とアメリカとヨーロッパとの三鼎立という感じになっているわけだけれども、この点の調和というふうなことについてはどのように考えていらっしゃるのか、現状なんかについてこの機会にちょっとお伺いをしたい。
#146
○政府委員(中村泰三君) ハイビジョンの規格につきましては、これまで日本それからEC、アメリカとの間で基本的な面についての規格の統一が大変難しい局面にあったわけでありますが、この前の五月末に行われましたCCIRの総会におきまして、走査線の問題でありますとか、周波数、一秒間に六十コマ送るとか五十コマ送るとかという問題は、これはそれぞれの事情によって基準を定めていい、そのほかの二十七項目につきましては、具体的な数値も挙げまして、それをひっくるめた形で国際標準の合意ができたところでございます。ですから、走査線の問題あるいは一秒間に送るコマ数の問題につきましては、それぞれの国の事情によって定めることができるという前提のもとで一応ハイビジョンの規格は統一をされたというふうに認識いたしております。
#147
○山中郁子君 これはまたしかるべき機会にさらに解明させていただきます。
 それと、先ほどの局長の御答弁によりますと、外資系というか、そういう会社の参入もあると。ということは、要するに外資企業にもこの法律に基づく支援は行うということを意味しているというふうに理解してよろしゅうございますか。
#148
○政府委員(中村泰三君) 例えば、二種の通信事業者に対しましてもこれは完全にオープンになっているものでございますから、そういった国内で事業を展開する者に対しても特段の理由がない限りオープンにして対応してまいりたいというふうに考えております。
#149
○山中郁子君 特段の理由というのはどういうことを想定しておられるのか。先ほどどなたかがちょっとおっしゃっていたけれども、もうちょっと元気よく大きな声で答えてください。
#150
○政府委員(中村泰三君) 具体的な事例に即して判断せざるを得ないと思いますけれども、原則的にオープンの立場で対応いたしたいというふうに考えております。
#151
○山中郁子君 次に、同じく法で「地域社会の健全な発展」ということをうたっておられるわけですけれども、現状なかなか健全に発展していないという認識の上に立ってこういうことが法案全体の理念としてうたわれていると思いますが、情報の生産、流通、消費それぞれの側面での不均衡、つまり端的に言えば、今も議論がありましたけれども、首都圏、東京一極集中とそれから地方、それとの格差を指されていると思いますけれども、その点はどうか。そしてまた、その原因がどの辺にあるというふうに認識されていらっしゃるかお伺いしたい。
#152
○政府委員(中村泰三君) 確かに情報の格差を問題にしているわけでありますが、この原因としましては、何といいましてもすべての機能が集積しております大都会というのは需要が非常に大きいわけでありまして、サービスを展開するにも自由競争の原理のもとではどうしても採算性を考えますとそういうところに集中をするということが一番大きな原因であろうというふうに思っております。
#153
○山中郁子君 この法案の目的にも「情報の円滑な流通の促進を図り、もって我が国における情報化の均衡ある発展に資することを目的とする。」とされておられます。私はごく基本的な問題として、この点どういう認識をされているかということをまずちょっとはっきりさせておきたいと思っています。それはなぜかというならば、東京一極集中の今の日本の現状、産業、経済、もっと具体的に言えば土地問題、そうしたことと関係なしにと言うとちょっとオーバーですけれども、そういうことと直接的に、連携なしに通信情報の円滑な流通でもって格差をなくすということが果たして可能なのか、その辺はどのように考えておられるでしょうか。
#154
○政府委員(中村泰三君) 完全に大都会にいると同じ情報に同じ料金で同じように地方においてもアクセスできるかということをもって情報の均衡化ということを考えますれば、それはなかなか私は無理だと思います。しかし、地方におりましても自分の必要な情報に容易にアクセスできるような状況をつくり出すということが私は大切なことであろうと思うわけでありまして、そういった状況に一歩でも近づけることが地域における情報化の推進を支援していくねらいでございます。
#155
○山中郁子君 私はこの問題についてだけ言うならば、郵政省がそういう趣旨でこの法案を出されて、今局長がるる答弁されているようなことを進められること自体がいわば蟷螂のおのだなどと言うつもりはありません、このことに限って言うならば。しかし、やはりかなり根本的な問題としてそれがあって、それとの関連なしに情報の地域格差解消とかそれらのことが担保されることにはならないということを痛感しているわけです。
 それから、私どもがより問題だというふうに思っていますことはそのほかにもあるわけですが、次に、これは第二条関連ですけれども、第四項の「地域通信・放送開発事業」ということの具体的な内容は何でしょうか。つまり、私がここで伺いたい、ないしは確認したいことは、大都市には既にあるけれども地方ではまだ事業になっていないもの、通信・放送事業、都市型CATV、ローカルキャプテンあるいは簡易自動車電話などそうしたもの、それらのものもやはりここで言う「地域通信・放送開発事業」の対象となるのかどうか、その点をまずお伺いしたい。
#156
○政府委員(中村泰三君) 地域通信・放送開発事業で予定しております対象事業の中に、先生御指摘になりました、既に大都市ではあるけれども当該地域には初めてのローカルキャプテンだとか都市型CATVとかいったようなものが入るかという御質問でございますが、それは当該地域において初めて導入されるということでありますれば支援対象になります。
#157
○山中郁子君 その場合、もう一つ確認しておきたいのは、例えば民放が地方的に三チャンネルある、それをさらに四チャンネルにする、この場合も該当するのでしょうか。
#158
○政府委員(中村泰三君) 既に三チャンネル入っているということでありますれば、四チャンネル目は新しいニューメディアというわけにはまいりませんで、それは支援対象には入りません。
#159
○山中郁子君 私は、その問題との関連をお伺いするのは、いわゆるマスメディアの集中排除の問題との関連があるので、注意といいますか注目すべきことだと思ってお伺いをしたわけでありますけれども、それは入らないということですね。
 それから次に、補助対象事業の問題をめぐってお伺いしたいのですが、既存事業者との関係です。つまりNTT、NCC、それからまた放送局、あるいはVAN、第二種事業者などが地方に進出する場合にも当然これは補助対象になるというふうに理解できるわけでしょうか、支援対象になるという。
#160
○政府委員(中村泰三君) NTT、NCC等が新規事業を始めるということになりますれば、法律の面から見ますと支援対象に入る格好になりますけれども、実際問題としましては、NTT、NCCともに信用力もありますし、それから資産も持っているわけでありますから、衛星機構に債務保証料等を払ってファイナンスを求めてくることは実際の問題としては私はないというふうに考えております。
   〔理事松前達郎君退席、委員長着席〕
#161
○山中郁子君 それは、あなたは実際問題としてないというふうに思うということだけであって、法律的には、この法の中身としてはあるわけ。あり得るわけです。求めてきたらそれは支援の対象になるということです。そういうふうに求めてこないだろうとおっしゃるけれども、求めてきたらそれは支援の対象になる。
 私は、そういうNTTみたいな大企業を補助の対象にするようなこと自体がいかがかと思う立場で今お伺いしているわけですけれども、あわせて、通信業者ではないけれども、既存の銀行だとか鉄道だとか、それから電力、商社、建設会社など、こういうところが今情報産業への進出を意欲的に図ろうとしている現状にあることは御承知のとおりです。これらの場合にも支援対象になるのかどうか。
#162
○政府委員(中村泰三君) この法律で支援対象を考える場合に、事業規模を問題にしておりませんので、法の建前からいえば、対象になり得るかといいますとなり得るというふうにお答えせざるを得ないわけでありますけれども、そういう大企業は信用力もあり、みずからファイナンスをする道を持っている大企業がわざわざ保証料を払って債務保証を求めてくるようなことは事実問題としてはないんじゃないかということを申し上げているわけでございます。
 それから、新しい事業を始めるのに、銀行であるとか建設業であるとか鉄道事業あたりが進出するのが対象になるかどうかということでございますが、例えば子会社方式で何かどこかと共同でやられるといったような、出資を一部して参加するというようなことはあると思いますけれども、銀行それ自体が新規事業をやるということも実際問題としては考えられないのじゃないかというふうに思います。
#163
○山中郁子君 もちろん、いろんな形で進出しますよ、それは。だから、そういうことはあり得ないということはないのであって、あなた自身も今おっしゃったように、どういう形かさまざまな形が考えられますでしょう。だけれども、そういうことで情報産業への進出というのは大手、さまざまな機関、企業、そうしたものがそれぞれ考えて、そして現にもうそれをやっているということは現実の問題なので、その点についても、要するに法の建前としては何の制限というか規制というか、範囲というものはないということですね。私はそこがやはり問題だと思っています。
 つまり、要するに支援を必要としない、あなた自身は必要としないからそういうことはあり得ないだろうとおっしゃるけれども、もしあったら、そういう事態が起これば、それは当然のことながら法の建前としてはそれは除外しているものではない。こうなればやはり地域の情報化の推進といい、地方の活性化というけれども、それがやはり中央につながる大企業、そうしたものの系列によってさらに大きく掌握される、あるいは支配される、そういうものにもつながっていく法律の側面を持っているということを私は問題にしています。それから同時に、それはまたあなた自身も、局長自身も認められたように、法の建前上それは拒否したり外したりすることはできないんだから、結果的にはそうした金余りの、たくさん金を持っている企業の事業に税金をまた投入する、そういう矛盾した状況になってくるという点を私は指摘しておきたいと思います。
 それから次に、地方自治体とのかかわり方の問題について、やはりこれも問題であろうと思います。テレトピア構想、これが地域を指定して地方自治体に手を挙げさせるという方式でもって、既に七十三地域三百システムという目標をお持ちだと伺いましたけれども、ことしで六十地域百五十システムが動き出したようであります。そのことの現状がどうであるかということをお答えいただきたいことと同時に、テレトピア自身が地域の活性化と情報化を目的として進められていますが、それはそれなりの効果を上げているというように郵政省は考えていらっしゃるのかどうか、どういう把握をされているのかお伺いします。
#164
○政府委員(中村泰三君) テレトピア構想につきましては、六十年の三月以降地域指定をしてまいっているわけでありますが、現在は七十三地域指定をいたしておりまして、実際に稼働している状況は六十六地域におきまして百六十三のシステムが稼働しているところでございます。
 私どもは、まだ立ち上がって数年という状況でありますけれども、これだけの地域がそれぞれ創意工夫を凝らしましていろいろなシステムを運用しているという意味で所期の目的は果たされているのじゃないか。もちろん今後ともより活用されるように工夫をし、また努力をしていただかなくてはならぬわけでありますが、それなりの効果を発揮しているというふうに認識しております。
#165
○山中郁子君 私は非常に大きく物事を考えてみますと、この法律は民間企業を相手にするということで地方自治体を除いているわけです。テレトピア構想というのは地方自治体がかんでいる。だから、どうして私はそういうことをまたしなきゃいけないのか。つまり目的とする我が国における情報化の均衡ある発展に資する」、そういうことだったら、テレトピア構想の方式をもっと進めて、そこにもっと支援するべきものがあればする、そういうことでなぜ進めてはいけないのかということが一つです。
 それから、関連しまして、この法案の地域通信・放送開発事業で、テレトピア構想でできないものがあるのか、私は大体ないんじゃないかと思っているんですけれども、自治体を抜きにすることに何か特別な意味があるのか、その辺のことについてお伺いします。
#166
○政府委員(中村泰三君) 自治体が出資をしまして第三セクターをつくっていろいろな通信・放送事業を行うというものに対しましては、本法の支援対象になるわけでございまして、自治体の関与を一切排除しているものではございません。
 それから、テレトピア構想を推進すればこういった措置をしなくても地域の情報化が進んでいくんじゃないかという御指摘でございますが、テレトピア構想の推進の支援措置と、それから本法によります債務保証でありますとかあるいは利子補給でありますとかといった金融的な支援措置が異なっているわけでありまして、私どもは地域の情報化というのはテレトピア構想それから本法による支援等々、両々相まって進んでいくものであるというふうに考えております。
#167
○山中郁子君 自治体を排除するものではないというところをちょっともう一回おっしゃってください。よく理解できなかったのです。
 それからもう一つは、この法案の地域通信・放送開発事業でテレトピア構想でできないものがあるのかと伺ったんだけれども、その点は今お答えがあったのか、よく理解できなかった。私はないと思うんだけれども、何かありますか、テレトピア構想でできないもの、本法案でなければできないもの。地域通信・放送開発事業の中の事業の種類です。
#168
○政府委員(中村泰三君) 地方自治体が出資をしまして会社をつくる、いわゆる第三セクターでありますればその対象になるということでございます。
 それから、テレトピアで実施できないものがこの法案の対象事業にあるのかということでございますが、いわゆる通信・放送の新規事業でありますとか共同開発事業というのは、全く新しい分野にチャレンジをするものでございますから、テレトピアで使われているようないわゆるCATVでありますとか、あるいはデータ通信だとかキャプテンだとかいった既に開発されたニューメディアとは違った意味での分野に挑戦をするということでありまして、そういう意味では、テレトピアの支援措置ではとても十分ではないというふうに考えておるところでございます。
#169
○山中郁子君 第三セクターと自治体自体のことは明らかな違いがあることは当然のことで、あなたも御承知のことだと思います。私は、だから自治体の問題を言っております。
 それから、別な新しいことがあるんだということだと、例えばどういうものですか、どういう事業ですか。
#170
○政府委員(中村泰三君) 例えば共同開発事業で言いますと、広帯域ISDNの企業化を図るといったような取り組みには、とてもテレトピア構想では対応し切れないというふうに考えております。
#171
○山中郁子君 私は指摘だけ申し上げるんだけれども、ISDNの企業化なんといったら、結局やっぱりNTTなど大企業の問題になってくるわけです。そういう矛盾なんですよ、あなたが今御答弁になったように。それは指摘にとどめます。
 テレトピアの問題と地方自治体の問題を申し上げたのは、現在でもテレトピアは自治体の側からも意見が結構あるんですね。私もすべてのテレトピアの指定自治体について調査したわけではありませんから、例えば例として申し上げるんですけれども、神奈川県では都市型CATVの施設の許可に対して、それの意見提出権をめぐって、当該地域における有線テレビジョン放送の必要性や当該地域における社会的文化的諸事情に照らした適切性などに関する自治体の意見提出が、地域放送事業の公共性のための自治体の責任と権限として明確にされていない。難視聴CATVの場合と同じ単なる照会事項になっていることに対して、是正を強く求めるということを要望した経緯があります。
 それからまた川崎市では、テレトピア構想に関連して国に、ということは、つまり郵政省に要望を出していることは郵政省でも御承知のとおりだと思います。つまり、民間主体で進められる場合、地域的な偏りや格差が生まれてくる。地方自治体としては今後の町づくり、市民生活上の重要な基盤の一つとして情報通信基盤を位置づける必要があり、そのために情報通信施設整備を進める公的制度を確立したい、してほしい。それから、情報通信基盤にかかわる法制度の確立と地方自治体の都市計画、町づくりと合致するように、規制、誘導など行政権限を明確にしたい、してほしい。それから、ニューメディアに関する国や県や市の役割、財政上の措置を含む長期整備計画を樹立したい、してほしい。こうしたことをかつて国に要請しました。郵政省としても御承知のはずであります。
 こういうふうに、地方自治体から地方自治体の権限をめぐって郵政省のこうした事業に対する批判が既に今でもあるんです、地方自治体が関与しているテレトピアについても。つまり、それがさらに自治体抜き、あなたの言う第三セクターということは今わかりましたからそれは繰り返さなくていいですけれども、要するに自治体抜きですよ、ダイレクトに言って自治体抜き。そして企業、大企業がやっぱりそこに参入してくる、そういう中での地方の情報化が進められることになるということはやはりさまざまな問題を惹起するだろうと私は考えます。自治体、住民参加あるいはそれの発言権、それから情報に関するアクセス権、あるいは情報公開あるいはプライバシーの管理権、また公共情報のあり方、こういう問題がやはりこの法案に基づく、あなた方が考えていらっしゃる地域情報の振興とかあるいは活性化とか推進とかということでは軽んぜられていく、つまり商売本位。そういう方向に傾斜していく危険というのはどこで歯どめができるのか、そこのところの法律上の担保が私はないと思う。そこのところはどのように考えておられますか。
#172
○政府委員(中村泰三君) 住民の声をいかに反映させつつ情報化に取り組んでいくかという基本的な問題であろうと思いますし、私どもも、地域の情報化がうまく成功するかどうかということは、できるだけ地域住民の皆様方の本当の御要望をくみ上げて取り組んでいかなくてはなかなか成功はおぼつかないものだというふうに考えております。そういう意味では、今後ともいろんな地域の情報化施策を展開してまいるに当たりまして、十分その辺を留意しながら進めていきたいというふうに考えております。
#173
○山中郁子君 この法案にそういうことが担保されていないということを私は今申し上げているんです。誘地政策はありますよ、誘地政策が基本ですね。それで、最低限の条件がそれじゃどういうものなのか、規制的なものがどういうふうに働くのか、つまり実施の指針をつくる、そして大臣が認定基準を認定する、そういう指針とか認定の基準なんかについても一体どういうものがつくられるのか、何にも明らかにされていないわけです。そういうことは言論、報道とか、そういう問題であるからこそ単に情報の活性化とかということだけ言っていられない根本的な問題が出てくるんです。認定基準というのは、それじゃどういうことでもって基準をつくられるんですか、認定の基準。
#174
○政府委員(中村泰三君) 認定の基準につきましては、実施指針に基づいて郵政大臣が認定をすることにいたしております。もちろん、実施指針に定める内容につきましてはできるだけ具体的かつ平易に記述をすることを心がけたいというふうに考えております。
#175
○山中郁子君 書き方を難しく書くか易しく書くかという問題じゃなくて、中身のことを私は聞いているんです。大臣が認定するわけでしょう、郵政大臣が。その場合に何を基準にして認定するのかということがちっとも解明されないままに、何にも提示されないままに法律だけつくって情報化社会の推進だとか言っても、どういう方向にその情報化社会が推進されていくのかということについての方向づけは我々は、少なくとも私は把握することができない。だから、どういう内容でもって認定の基準をおつくりになるのか、それを伺っている。それをまだ決めていないなら決めていないでいいですよ、そう言ってください。
#176
○政府委員(中村泰三君) 実施指針に掲げます事項につきましては三条の二項に書いているところでございまして、「全国及び地域における電気通信による情報の円滑な流通の促進に関する事項」でありますとか、あるいは「特定通信・放送開発事業の内容に関する事項」、「特定通信・放送開発事業の実施方法に関する事項」、「特定通信・放送開発事業の実施に際し配慮すべき重要事項」、そのほか「前項各号に掲げる事項のほか、地域通信・放送開発事業に係る実施指針においては、当該事業が行われるべき地域に関する事項について定めるものとする。」ということでございまして、この実施指針を定めるに当たりましては関係行政機関の長に協議し、かつ政令で定めます審議会の意見を聞きまして郵政大臣が定めることといたしているところでございます。
#177
○山中郁子君 法案は私もちゃんと読んでいますから、これをお読みになるだけなら私は何も伺うことはないんであって、ここに書いてないから、内容はどういうことを考えていらっしゃるのか。それと、それを大臣が認可される基準というのはどういう内容のことを考えていらっしゃるのか。何回伺ってもこれだけなら、要するにまだ中身は固まっていないということですね。とにかく法律だけはつくる、それで中身は固まっていないからこれからだということだとすればなおさらのこと、先ほど申し上げましたように、言論、報道の問題に関する重要な基本的な問題を含む、そしてまた具体的にも先ほど指摘しました問題を惹起することを含む点があるということを私は指摘せざるを得ません。
 それで、均衡を図るという本来の目的がここにあるわけなんだけれども、これとの関連で先般、いわゆる通話専用線と公衆回線接続との問題で、郵政省がこれを認める方向で検討を始めたという報道が一部の新聞に出ましたけれども、これはどういうことでしょうか。
#178
○政府委員(森本哲夫君) 一部新聞に、六月七日でありましたか、御指摘のとおり、公車接続と言われている問題について、郵政省として来年度にも解禁するという報道が載っておりますが、これは事実じゃございません。ただ、この公車接続の問題につきましては、六十三年でございますけれども、新行革審答申でも、将来その実現を求める、図るべきだ、こういう御指摘等もございますし、最近の各般の情報化の進展に伴いましていろんな方面からそういう要望も出ておりますので、私どもとしては回線自体は社会インフラでございますからできるだけ自由であるべきだというのはこれは大原則だ、こういう立場のもとに具体的に方向としてどういう問題があるのか、そういうことをひとつ検討を進めてまいりたい、そういうふうに考えている今の段階でございます。
#179
○山中郁子君 この新聞報道がどの程度内容的に正確なのかということはちょっと置きまして、郵政省としてはやはりある程度それは考えるということで、今までいろいろなものが出ています。それで、私は別にこのことについて今重点的に議論するつもりはないんですけれども、ここの新聞でも例えばこう言っているんですね。これが行われれば、認められるようになれば、川崎―大阪三分間料金なら公衆回線二百八十円、公専接続、つまり公衆回線と専用線の接続だと二十円程度になる、こういうふうに書いてあります。これは、いろいろ計算するまでもなくそのように大きな開きが出てくるわけです。地方格差ですね。これは私はこの法案で言うところの均衡ある発展というものとかなり相反する問題になるのではないかと思いますが、そのことはいかがでしょうか、基本的に。
#180
○政府委員(森本哲夫君) 六十年以降、日本の情報化というのはいろんな形で進展を見ていることは御案内のとおりでございまして、とりわけ事業所とか企業自体が、いわばこれまでは一種後方支援部隊みたいな存在でございました企業のネットワーク自体が非常に大きく前進を見ておるわけでございます。しかも、その企業内にとどまらず、企業が単に東京の本社だけに構えるんじゃなくて、全国の各地と、いろんな工場だとか事務所だとか営業所だとか、そういうものとのリンケージを図っておる。しかも一企業にとどまらずに、他業種、一つの工場でございますれば、銀行、金融機関あるいはいろんな問屋とか流通過程、こういったものとネットワークが現実に今結びついて日常動いておる。しかもそれがユーザーと直結をするという形にも相なっておるわけでありまして、そういう意味で非常に企業、事業所全体のネットワークの高度化というのが著しいわけでございます。
 そうした状況の中で、こういうネットワークを構築する際に、通信量の非常に高い拠点間を結ぶ際には専用線を、それから、それほど通信量のない営業所とかブランチとの間には一般の公衆網を使う。こういう形でネットワークを構築しておきますれば、非常に企業自体としては全体が柔軟な、かつ効率的なネットワークの構築ができる。こういうわけでございますので、先ほど申し上げましたようないろんな各方面から要望が出たりしておりますのも、そうしたことが背景にあると私どもは理解しております。
 そういう意味で、各企業立地、今の御指摘の問題とストレートにこの法律の問題については私は答弁はする立場じゃございませんが、こうしたこともある意味の地方の活性化といいますか、回線ができるだけ柔軟に効率的に使えるということに、実現に資することができるならば一つの方向であろうか、こういうふうに考えておるところであります。
#181
○山中郁子君 この点についてはまたしかるべき機会に議論いたします。
 時間がなくなってまいりましたので、最後に一言郵政大臣に申し上げます。
 郵政大臣のいわゆるリクルートからの献金をめぐる問題に関して、さきの予算委員会で各党合意の上で委員長見解なるものが示されました。その内容は既に御承知のとおりでありますけれども、要するに、リクルートに関する「郵政大臣深谷隆司君への政治献金等の問題はいまだ十分な説明も資料提出も行われておらず、同君の態度はまことに遺憾であります。」「同君及び内閣に対し猛省を促し、引き続き全容解明と資料の提出等を求める」、「政治的道義的な責任をとることを求め」る等々であります。
 私は、自民党も含めて合意されたこの委員長見解は、ごく常識的に読んでも、あなたはまだ資料を隠している、公表していない、それから実際の十分な説明もしていない。道義的政治的責任をとる必要がある。私は、政治の世界の言葉はもちろんでありますけれども、それだけでなく、最もわかりやすく常識的な日本の国民の言葉で言っても、道義的政治的責任をとるということは、少なくとも郵政大臣の職を辞する、そういうことを意味する以外の何物でもないと思います。当然あなたはこうした予算委員会の経緯と結果に照らして郵政大臣の職を辞するべきであると私は考えています。
 ところが、けさほど及川委員の質問に対しましても、また予算委員会においても、私が申し上げるまでもなく、郵政大臣は同じ言葉を繰り返して、これから努力する。そういうことを私は居直りだとか開き直りだとか日本の言葉では言うのだと思う。そういう態度を続けていらっしゃる限り、郵政省がどのような法律をつくり、そしてどのように郵政事業のイメージアップを図る、そういうプランを打ち上げても、郵政行政に対する国民の根本のところでの不信感や不快感は払拭されない。私はこれは大変に不幸なことであると思います。あなたの言葉をかりれば、真摯に受けとめ、反省し、努力する、そういうことをあなた自身のやり方でなさればなさるほど、反対の事態、すなわち国民の政治に対する不信を増大させていく。私はそれを申し上げないではいられません。あなたの今おとりになるべき態度は、まず郵政大臣を辞任すること、そういうことを改めて強く申し上げて私の質問を終わります。
#182
○足立良平君 質問も最後になったわけでございますが、若干今までの各委員の質問とダブルところがあるかもしれませんが、よろしくお願いいたしたいと思います。
 今日の我が国の状況下で、これは高齢化社会であるとかいろんな課題、土地の問題とかあるわけでありますけれども、一番大きな課題は、既に議論がありますように、東京一極集中ということがやはり何といいましても一番大きな課題だし、これの解消ということが、今日の我が国の状況を踏まえて見るなら最も緊急かつ重要な事項であろう、このように実は思っておるところであります。
 それで、過日の逓信委員会でも私若干申し上げたわけでありますけれども、この情報化社会の進展ということが一般的には国土の均衡ある開発を促していく、均衡ある国土の発展というものを促進していくというふうな認識が一部にはあるわけでありますけれども、実態的に見ると、この情報化社会の進展というのは一方において国土の一極集中ということを促進する傾向が今実態的には出てきているのではないか、このように実は私は思っております。しかも、それは東京一極集中ということにとどまらずに、それぞれ国土が例えば北海道なら北海道、東北なら東北、あるいはまた九州なら九州、中国なら中国というふうに全国それぞれのブロックの中でも一極集中していく。国土全体としては東京に集中する、こういう傾向が今情報化社会の中には出てきているんではないか。これは、いろんな見方がありますけれども、私はその根本は、この情報化社会というのはアウトプットなり端末機で情報が得られるということではなくて、やはり情報のもとになる生の情報というものを経済的にも社会的にも、極端に言ったら政治的にも求めて人々が集まってくる。そういう根本的な情報化社会に対する認識というものが今あるのではないかなというふうに実は私は見ているわけであります。
 そういう面からいたしますと、この法案が持つ意味合いといいますか、今情報化社会が進展すればするほど一極集中に進んできている我が国の状況の中で、それではこの法案が一体どういうふうな役割を具体的に果たしていくことができるんだろうか。しかもそれは時系的に見ましてどのくらいの状況でこういうふうな今の問題、弊害点というものを解消することになってくるのかどうなのか、この点をまず第一点にお聞きいたしておきたいと用います。
 それから第二点目でございますけれども、ふるさと創生ということで各地方自治体に一億円だったと思いますけれども、交付されたことがございます。それぞれ、郵政省におきましてもふるさと創生アイデア集等を出したり、いわゆる各地方自治体、公共団体が情報化社会に向かって具体的に一度こういうものがいいのではないかということで取り組まれた経過があるようでございますけれども、現実にずっと自治体の動向を把握いたしてみますと、まさに一部の自治体でだけ若干この問題について真っ正面から取り組もうとしたところがございます。しかし、その取り組んだ内容一つをとりましても、民放ラジオの中継局の問題でありますとか、CATVとファクシミリの問題であるとかというふうに、地方自治体が取り組んだものというのは、生活に密着した、いわゆる身近な、しかも基礎的な情報関連施設というものに取り組んできたというのが私は実態ではないかと思う。それも一部の自治体でですね。
 そうしますと、郵政省がこの法案を作成するに当たって、その一番前段の根本的な高度な機能を持つ情報通信というもの、そういうものの提供を目指している郵政省の物の考え方と、そして地方自治体段階における、それぞれの地方の段階におけるニーズ、欲求、あるいはまた具体的に取り組む姿勢というものと相当の格差がある、乖離があるというふうに私は思えてならないわけでございまして、その点につきまして地方のニーズなり取り組みの実態との関係で郵政省の考え方を二点目お聞きいたしたいと思います。
#183
○政府委員(中村泰三君) 先生御指摘の東京一極集中の問題というのは、大変これは情報通信の面ばかりじゃなくして根源的な問題であろうと思います。また、東京一極集中と同じような動きが地方の中枢都市に向かって進んでいるという点の御指摘がございましたが、確かに現状を見ますとそのとおりでございまして、やはり生の情報に接することができる、フェース・ツー・フェースの情報の持つ意味合いというのは非常に大きいものがございまして、便利になればなるほど人がどこかに寄り集まる。そうしますと、集積のメリットによって事業も生活も文化生活も教育も、何でもより便利になってくるという集積のメリットが働くということで、そういう動きがあることは私は否定はいたしません。ましてや、東京の位置というのは我が国の首都であるばかりじゃなくして、世界的に見ましても、例えば金融等の面では大変大きな市場になっておりますから、世界からも東京に流入をしてくるといったような面もあるわけでございます。
 そういう傾向を否定する気持ちはないわけでありますが、さればといって、そういった自然の流れのままで本当に豊かな生活が日本の国土の中で営まれるのかということになりますとそうはまいらない。大変弊害もあるわけでございまして、そのために情報通信の地方分散の機能を果たそうという点では、これですべて集中の分散ができるというものではないと思いますけれども、やはり産業にしろあるいは豊かな国民生活を享受する立場からいいましても、地域における情報化の推進というのは絶対に私は必要なものであろうと思います。均衡のとれた多極分散型の国土を形成することということが我が国の現在の大きな政策課題になっているわけでございます。そういう意味では国の政策が、あらゆる施策がそういった分散に役立つような政策がとられていかなくちゃならぬというふうに思うわけでありますが、私ども情報通信を所管する立場からいいますと、その分野での地域の情報化なり、あるいは首都情報機能の地方分散の施策としてこういったこの法律が持つ意義もあるんじゃないかというふうに考えているところでございます。
 それから二点目の、ふるさと創生による地域での情報通信基盤の整備に使われた実態、実績というものは私どもも承知をしております。それは、やはり市町村が中心になりましてCATVの事業を起こすとか行政情報を中心にしてやるとか、あるいはオフトークのサービスを始めるとかといったように使われているわけでございますけれども、そういった施策と相まちまして、本法による地域通信・放送開発事業といったようなものを進めることによりまして、より豊かな生活が営まれる基盤を整備することができるんじゃないかというふうに考えているところでございます。
#184
○足立良平君 問題は、例えばこの法案の中をずっと拝見して精査していきますと、全体的に、各市町村を含めて地方の問題というよりも、考えとしてはまず地域の拠点づくりが中心にあるように実は思えてならないわけです。そうしますと、先ほど申しましたように、地域の拠点づくりでまずいわゆる一極集中を排除していこうという中には、地域の拠点づくりということになってくると、そこにいわゆる均衡ある国土という表現、人によって相当受けとめ方が違うことは事実でありますけれども、その他点拠点でいわゆるさらに集中と過疎というものが生じてくる。
 ですから、その点の配慮を相当しておかないと私は、今局長も答弁になられて認められているような問題点というものが今度は全国に拡散をしてしまうんではないか、このように思えてならないわけであります。その面は、実際的に一般的に例えば新幹線をつけるとかあるいは大企業を誘致するとか、あるいはまた高速の長距離道をつくるとかいろんなことをやるんですけれども、それは必ず一方でぐっと浮かび上がってくるところと落ち込んでくるところがでてくるわけでありますから、情報の場合にはその点について特に配慮しなければならないというふうに思いますので、さらにその点につきまして再度あればお聞かせを願っておきたいと思います。
#185
○政府委員(中村泰三君) 東京一極集中と同じような状況が地域の中枢都市とその周辺とにあらわれるのじゃないかという点の御指摘でございますが、確かに今の四全総の考え方等におきましても、多極分散型の国土形成という中にはいわゆる富士山型の都市形成を八ケ岳スタイルにするという、何というんですか、地方の広域圏における中枢都市を整備していこうという思想があると思うんです。そういった面は私は否定はできないわけでありますが、やはり首都機能をできるだけ分散さすといった場合に、重点的な中枢都市あるいは中核都市の整備をしていきませんとなかなか、例えば都市型産業が地方で育つといっても、そうした基盤、何ほどかの集中を前提としたものがないと育っていかないという面があるわけでありますから、そのことのよしあしはあろうと思いますけれども、どうしても避けられない面じゃないかと思います。
 そういう中で、情報通信がどういう整備が必要なのかという点につきましては私どもも大変苦慮するところでありますけれども、そういった地域での通信・放送開発事業につきまして、民間の人たちの創意工夫に期待しつつ支援施策を充実させていきたいというのがこの法案のねらいでございます。
#186
○足立良平君 それでは質問をちょっと変えてみたいと思います。
 情報関係というのはこれはまさにかつての、六十年でございましたか、電電公社が民営化した時点から、あるいはまたその前段から相当その胎動があったと思いますけれども、急激に我が国の場合も進展をしてまいったわけであります。そういう面からいたしますと、電気通信事業分野に競争原理を導入していくということはこれは必要なことだというふうに私も考えているわけでありまして、民間の創意工夫を活用しながら、より一層の効率化あるいはまた活性化を図っていくということは極めて重要なことなのではないかというふうに思うわけでございます。
 ただ問題は、市場メカニズムを適正に働かせるために行政がどこまで関与すべきなのかということが大変重要な問題に私はこれからなってくるのではないか。行政の側で現制的なものなりその種のものが出過ぎれば、本来の情報化社会というものを正常に発展させていくことはなかなか難しいという問題もあるわけでございまして、この点から、行政改革との関係も含めて本法案におきまして郵政省が果たそうとしている役割、あるいはまた支援する事業の具体的な内容というものについて一体どのようにお考えになっているのか、一点目お聞きをしておきたいと思います。
 それから第二点目として、今日までの行政、これは単に郵政省というだけでなしに、例えば通産なら通産であるとかいろんな各省庁の、保護行政といったら言葉はいいか悪いかわかりませんけれども、少なくとも産業がまだ発展していないそういう段階において、行政としてある程度保護しながらその産業を育成させていかなきゃならない、そういうやっぱり役割というのは私は認めているわけであります。認めているんですけれども、問題はその目的が達成をした段階においては、直ちに保護的なものが中止をされなければならない。にもかかわらず、実際的に臨調を含めましていろんな行政改革の中においても、行政の保護的なものが一たんつくられてしまうとなかなか次の段階では削除されない、中止をされないというふうな点が現実に我が国の場合に相当数残っているわけであります。
 そういう面から考えてみましたときに、将来の情報産業への過剰な干渉あるいはまた介入、そういうことにならないように特に留意をしていく必要があろうと思うんですけれども、その点につきまして本法案との関係で郵政省の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#187
○国務大臣(深谷隆司君) まず、電気通信分野で市場のメカニズムを前提としながら、競争原理だけではやっていけない部分、そういう部分にむしろ光を当てるというのでしょうか、そういう課題に対応していくということも本法案の一つのねらいでございます。高度かつ多様な情報への需要にこたえるためには、新しい電気通信サービスを開発して、また地域における電気通信サービスの高度化を図ることが必要です。そういうような仕事をする場合に事業化のリスクが数々起こると思いますが、そういうリスクを軽減することによって側面から事業化の支援を行っていこう、こういうふうな形を考えております。
 それから、行政がどこまで入り込むか云々という話につきましては、先生御指摘のとおりでございまして、このたびの法案もあくまでも事業者の創意と工夫に期待をするということに力点を置いているわけでありまして、私どものこの施策におきましては、郵政大臣の定める実施指針は支援措置を受けるための基本的な条件を規定するということにとどめて、あとは事業者のアイデアとか創意、努力に期待をする、そういう形で進めたいと思っております。
#188
○足立良平君 次に進めてまいりたいと思いますけれども、いわゆる情報化の進展に伴っての環境整備の関係についてであります。これは、情報化社会というのは一般的に光の部分といいますか、いい部分というのは相当強調されがちであるわけですが、実際的には情報化社会というものが進展すればするほど一方におきましては陰の部分といいますか負の部分というものがやっぱりさらに拡大をしていく、こういう傾向を実は持っているというふうに思います。
 それで第一点目として、情報化の進展に伴って信頼あるいはまた安全対策というものをどのように担保していくのかということがまず第一の課題ではないか、このように思います。これは既に、例えば世田谷のケーブルの火災というのが相当以前にもございましたし、あるいはまた国鉄のケーブルが同時切断したような問題とか、あるいはまたハッカーの問題であるとかというふうに、いわゆる信頼度というものが大変重要視をされるわけであります。そして、一方におきましてはネットワークの脆弱性といいますか、大地震等のときに一体どういうふうに対応していくのかというふうな問題も一方で持っているわけでございますので、この信頼性と安全対策の課題。
 それからもう一つは、第二点目に、この前もある銀行の側で顧客のことがちょっと漏えいした問題がございましたけれども、いわゆるプライバシーの侵害の問題であります。いわゆる保護をどうしていくのかということが二つ目。
 それから、既存の法律、例えば銀行法、これはちょっと郵政省とは直接関係ございませんけれども、例えばいわゆる情報化社会に対応していろいろ進めていこうといたしましたときに、他の省庁との関係で出てきている、立法化されております例えば銀行法であるとか医師法の問題であるとか、いわゆるそういうふうな課題が出てきているわけでありまして、そういう時代に合った改正、情報化社会が進展して、それに本当に国民が情報を享受し、豊かでいわゆるゆとりのある生活をしようとするならば、一方において法案を早急に整備し直さなきゃならない、そういうふうな問題が相当数あるように思うわけでございます。そういう面でこの環境整備の問題について郵政省として一体どのようにお考えになっているのか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
#189
○政府委員(中村泰三君) 先生御指摘になりました情報化が進めば進むほど光の面の裏腹で大きな陰の面に対する対策を怠っていたんでは大変だという御指摘につきましては、私どももネットワーク化が進めば進むほど災害に対する二重、三重の安全性、信頼性の確保に努めていかなくちゃならぬという認識を持っておりまして、そのためにこの電気通信システムのセキュリティーをいかに確保するかという点につきまして腐心をいたしているところでありますが、現状におきましては、電気通信システムの安全性、信頼性の向上に資する技術基準でありますとか推奨基準を策定しておるとか、あるいはそういうシステムの二重化等を図る場合に税制上の支援措置を講ずるとか、あるいは技術開発の推進等を整備してそういう安全性、信頼性の向上に努めているところでございます。
 それから、プライバシーの保護の問題というのはこれは情報化社会の大変大きな問題でございまして、通信事業者として、あるいは我々公務員の立場からして郵政の事業あるいは行政を執行する際に最大の問題はプライバシーの保護であるというふうに考えております。法制的にもこれにどう取り組んでいくかというのは大きな問題になっておりまして、これは政府全体として真剣に今後取り組んでまいらなくちゃならぬというふうに思っているところであります。とりわけ、私ども情報通信の分野に携わる者としまして、秘密の保持を初めとして個人のプライバシーの侵害にわたることのないように自粛自戒をしていかなくちゃならぬというふうに思っております。
 それから三番目の、システム情報化の進展に対応した銀行法でありますとか医師法等の周辺の法律との関係を整備する必要があるんじゃないかという点につきましては、おっしゃるとおりでございまして、私どもも電気通信分野における制度の整備、技術的な問題で解決できる問題につきましては、それは技術開発を積極的に進めて対応していかなくちゃなりませんけれども、例えば情報通信システムを利用して医療診断に資する。まだまだ現在の画像通信の技術からしますと完全に満足できる診断行為ができるかということにつきましては技術的にいろいろ問題が指摘されているところでありますけれども、そういった環境整備や技術的な進歩が発展してまいりますと、現在の医師法との関係が完全にクリアされないと本当に診断をしてもらえるのか、それが医師法違反になるのかという問題が出てくるわけでありまして、そういう問題のあることにつきましては、関係省庁との間で私どもも問題の提起をしております。つかさつかさにおきましてこの対策について検討をお願いしているところでございます。
#190
○足立良平君 時間もございませんので、最後の質問にいたしたいと思います。
 日米の電気通信摩擦、経済摩擦いろいろ含めてでございますけれども、人工衛星問題も一応決着をさきに見たところでございます。これは、私の見方というのは間違っているのかどうなのか、後ほどもしそれはちょっと違うということであれば御指摘を願いたいと思うわけでございますが、一般的に日米関係の中におけるアメリカの見方というのは、国際競争力の維持、いわゆるアメリカとしての国際競争力の維持のために米国が現在優位性を持っている技術あるいは産業、特にこれは電気通信機器、あるいはサービスも含めましてその分野における優位性というものを将来にわたって保持していこうということが極めて強い。これは国際的にもやっぱりそういう面があるのではないかと思うわけでありますが、その傾向が極めて強いのではないかというふうに私は今認識をいたしております。
 したがって、そういう点からいたしますと、米国の優位性を脅かす前に、相互主義的に諸外国の障壁を取り除こう、こういうねらいが今アメリカの側には相当強いのではないか、私はこのように実は思っておるわけでありまして、こういう見方について郵政省として一体どのようにお考えになっているのか、ちょっと考え方をお聞かせ願いたいと思います。
 それから二点目として、この法案は、ユーザーの、いわゆる国民の利便の向上ということでありますけれども、具体的な措置として、既に議論がされておりますけれども、政府による情報産業への助成ということが具体的な手段となってきているわけであります。したがって、そういう点からいたしますと、アメリカ側から見ますとターゲットポリシーとして批判を招く可能性というものは持っているのではないだろうか、このように思えてならないわけでありまして、この点についての考え方を二点目にお聞きいたしたいと思います。
 それから三点目に、これは先日も、米国のモトローラ社の規格に統一されたということをマスコミで承知いたしているわけでございますけれども、この法案の中にも、特定通信それから放送開発事業の事業例としてディジタル自動車電話の問題も提起をされているわけでありまして、そういう面からいたしますと、これは広帯域のISDNのサービスという観点からもディジタル自動車電話について米国方式で統一をせよというふうな要請がされることは十分考えられるわけでありまして、そういう面で、これからこの問題等について郵政省としてその種の問題が仮に米国側からあった場合にどのように対応されようとしているのか、その考え方を最後にお聞きいたしておきたい、このように思います。
#191
○国務大臣(深谷隆司君) 第一点目だけ私の方から申し上げさせていただきます。
 情報通信産業はあらゆる産業経済活動の中枢機能でございますから、各国ともこれを保持し発展させていこうと躍起になっていることはそのとおりでございます。ただ、日米電気通信摩擦の背景は、ある意味ではやっぱり日米間の貿易インバランスの拡大、そのことに伴うアメリカ側の関心の大きさというものを物語っているのではないだろうかというふうに思います。一九八五年の輸出輸入のバランスを見てまいりますと十・三倍という非常にインバランスで、今日、例えば一九八九年は五・五倍、改善されてはまいりましたが、まだまだアメリカ側は非常に大きなインバランスだという考え方を持っているようでございます。アメリカは、日米電気通信問題の協議を通して市場のアクセスの改善と貿易のインバランスの改善を期待しているという認識を私どもは持っております。
 いずれにしましても、日米間というのは極めて大事なパートナーシップでもございますので、そういう点にも配慮しながら、一方では大事な日本の電気通信でありますから、きちっと守るべきものは守りながら進んでいかなければならないというふうに考えております。
#192
○政府委員(中村泰三君) この法案が外国から見た場合にいわゆるターゲットポリシーとして批判を受けることはないかという御指摘でございますが、この法案自体は電気通信業あるいは放送業一般の振興を図るというものではございませんで、国際環境との調和を図りつつ、我が国における情報の円滑な流通の促進に寄与する事業を金融的に支援していこうということでございますので、そういう意味から判断いたしますと、時代に合った重要な産業を国際競争力をつけるために支援していくというターゲットポリシーには当たらない、そういった批判を招くことはないであろうというふうに考えております。
 それから三点目の、この法案を運用する場合にアメリカからいろいろ圧力がかかってくるんじゃないかといったような御指摘があったわけでありますが、この前のディジタル電話の符号化技術、結果的にモトローラ社の方式が一番望ましいという形でまとまりつつあるところでありますけれども、それは決してアメリカからの圧力によってそうなったわけではないわけでありまして、どこの技術でありましょうともやはり品質のすぐれたものであるならば、市場はオープンになっているわけでございますから、結果論としてはそういったものが採用になるということはありましょうけれども、決してアメリカ側からの圧力による結果ではございません。私ども、この電気通信の分野におきましていろいろと米国との間でMOSS協議等をこれまでもやってきたわけでありますが、いずれにしましても、問題は双方大いに相互理解の上に立った解決を図っていっているわけでございまして、この法案におきましてもそういった国際的な配慮につきましては十分意を用いて進めてまいりたいということでございますので、米側からのそういった要求とか批判とかを受けることにはならないんじゃないかというふうに思っております。
    ─────────────
#193
○委員長(青木薪次君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、長谷川信君及び宮田輝君が委員を辞任され、その補欠として合馬敬君及び藤田雄山君が選任されました。
    ─────────────
#194
○委員長(青木薪次君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#195
○委員長(青木薪次君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#196
○山中郁子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました特定通信・放送開発事業実施円滑化法案に対し、反対の討論を行います。
 反対する第一の理由は、本法案が電気通信による情報の円滑な流通を促進することによって地域の振興、均衡ある情報化の発展、地域社会の健全な発展を図ることをうたっているものの、その実現が保障されない点であります。
 また、そればかりでなく、新しい通信産業事業化の実施主体の中に既存の通信、放送会社や銀行、不動産業、運輸などの大企業が想定され、法律上これが排除されていない限りそれらの事業主体に対する支援が中心になりかねないからであります。
 反対する第二の理由は、地域の情報化をうたいながら、通信と放送の公共的役割を担保する保障が確立されていない点であります。
 地方自治体の参加と権限、住民の参加と発言の権利の確立、情報公開、プライバシー情報の管理権、公共情報の提供などそのために必要な手だてが明らかにされていません。これらの点が確立されないまま本法案が実施されるとすれば、地域の情報化自体大企業あるいはその系列の事業主体中心に進められる危惧が残ると言わなければなりません。このことは、大臣が制定する実施指針や認定基準が一向に明らかにされていないことにも示されています。これは事実上郵政省に白紙委任することになり、事が言論、報道機関にかかわるだけに容易に認められないところであります。
 以上、問題点を指摘いたしまして、私の反対討論を終わります。
#197
○委員長(青木薪次君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 特定通信・放送開発事業実施円滑化法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#198
○委員長(青木薪次君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#199
○委員長(青木薪次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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