くにさくロゴ
1990/06/21 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 逓信委員会 第10号
姉妹サイト
 
1990/06/21 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 逓信委員会 第10号

#1
第118回国会 逓信委員会 第10号
平成二年六月二十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二十日
    辞任         補欠選任
     石川  弘君     宮田  輝君
     吉川 芳男君     長田 裕二君
     鶴岡  洋君     太田 淳夫君
 六月二十一日
    辞任         補欠選任
     宮田  輝君     合馬  敬君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         青木 薪次君
    理 事
                岡野  裕君
                永田 良雄君
                松前 達郎君
                磯村  修君
    委 員
                合馬  敬君
                長田 裕二君
                陣内 孝雄君
                平井 卓志君
                平野  清君
                守住 有信君
                及川 一夫君
                大森  昭君
                國弘 正雄君
                山田 健一君
                太田 淳夫君
                山中 郁子君
                足立 良平君
                沢田 一精君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  深谷 隆司君
   政府委員
       郵政政務次官   川崎 二郎君
       郵政大臣官房長  白井  太君
       郵政省貯金局長  成川 富彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大野 敏行君
   説明員
       経済企画庁総合
       計画局計画官   石田 祐幸君
       外務省経済協力
       局政策課長    大島 賢三君
       大蔵省主計局主
       計官       堀田 隆夫君
       大蔵省主税局税
       制第一課長    長野 厖士君
       大蔵大臣官房企
       画官       大久保良夫君
       大蔵省銀行局金
       融市場室長    日下部元雄君
   参考人
       日本銀行企画局
       長        小島 邦夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(青木薪次君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十日、石川弘君、吉川芳男君及び鶴岡洋君が委員を辞任され、その補欠として宮田輝君、長田裕二君及び太田淳夫君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(青木薪次君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 郵便貯金法の一部を改正する法律案、郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律案の審査のため、本日の委員会に日本銀行企画局長小島邦夫君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(青木薪次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(青木薪次君) 郵便貯金法の一部を改正する法律案、郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律案の両案を便宜一括して議題といたします。
 両案については既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○松前達郎君 きょうは二つの法案を一括審議ということでありますが、私は主として郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託の法案に関連してお伺いをしていきたいと思いますけれども、ちょっと長いですからボランティア貯金という呼び方を使わせていただきたいと思います。
 まず最初に大臣にお伺いしたいんですが、この国際ボランティア貯金の創設、これをどういう経緯で発想されたのか、それからまた、その目的といいますかねらいが一体どういうところにあるのだろうか、これは基本なものですから、まずそれをひとつお伺いいたします。
#7
○国務大臣(深谷隆司君) 松前先生御案内のように、日本が世界の中で経済的にも文化的にも躍進を続けてまいりますと、同時に果たさなければならない責務も増大してまいります。そこで、国を挙げて海外援助その他も考慮しながら今日までやってまいったのでありますが、国際社会に貢献するという行動は国が代表して行えばいいというものではなくて、こういう時代でございますから国民一人一人がみずから参加していただくということが極めて大事なことではないだろうか、こう思うわけであります。
 国際ボランティア貯金はそうした観点から、貯金者から郵便貯金の利子を寄附をしていただいてそして海外援助に充てさせていただく、国民の一番身近な郵便局を通してその貯金の利子から手軽に安全に国際社会への貢献ができる、そういうような機会もあわせて用意させていただく、この両面から意義があるものではないか、こう考えましてこのような案を創設したわけでございます。国民レベルの海外援助の一層の充実を図るために、この国際ボランティア貯金は必ず大きな成果を上げるのではないかと期待しております。
#8
○松前達郎君 国民の意思がそれぞれ今おっしゃったようなボランティア貯金の利子の一部ということで海外援助に充てられる、こういうことだというふうにおっしゃったわけなんですが、もう一つだけお伺いしますと、この発想というのは郵政省で発想したんですか、それともどなたか国民の数多くの人からこういうのをやってくださいというふうなことで要望があって発想されたのか、その辺をちょっとお伺いしたいんですが、いかがでしょうか。
#9
○政府委員(成川富彦君) 具体的には郵政省が考えたところなんですが、そのサゼスチョンは、郵便貯金に関する調査研究会から九〇年代の郵便貯金につきましての展望、正確な名称をちょっと忘れましたがその中間報告をいただきまして、その中に、そういう面について国際化に貢献する道についても考えたらどうかというようなサゼスチョンがございまして、それをもとにいたしまして私どもは考えたところでございます。
#10
○松前達郎君 ある程度そういった国民の代表のような機関でもともと発想があったということですね、国民の代表機関かどうか知りませんけれども。ですから郵政省が、はっきり言いますと、貯金通帳をもう一冊つくるとありますけれども、貯金を拡大するつもりでこれを発想したというふうに勘ぐりたくなるんですが、そうじゃないということを今おっしゃったんじゃないかと思うんです。
 このボランティア預金の利子の海外援助の場合、これは一般的にはNGOといいますか民間のそういった団体等を通じて行うということになっていると思うんですけれども、本来、国がやる海外の援助にりいてはODAというのが、今、日本の場合ODAが世界で何番目とかいろいろ言っておるんですけれども、ODAがあるわけですね。このODAについて、どういうふうなODAとの関連を持つのか、あるいは全然持たないのか。それからもう一つは、これは郵政大臣にぜひお伺いしたいんですが、ODAというのを郵政大臣はどう評価されているか。今いろいろ問題が出てきているわけでありますから、その辺をひとつお伺いしたいと思います。
#11
○国務大臣(深谷隆司君) 国際ボランティア貯金に係る寄附金につきましては、預金者の善意で貯金の利子から支払われるものでありまして、あくまでも私金でございます。そういう点で、国庫から支出されるODAとは性格を全く異にしているというふうに考えております。
 それから我が国のODAにつきましては、予算委員会その他でもしばしば議論が出されておりますように、さまざまな問題の指摘がございます。しかし、少なくとも経済大国となった日本が世界の国々にさまざまな御協力を申し上げるという点では、いろんな国々を私も回ってまいりましたけれども、それなりの大きな評価が与えられていると考えております。問題点は問題点として解決していかなければなりませんが、ODAの意義とその効果は極めて大きいものだ、そのように思っております。
#12
○松前達郎君 ODAに関しましては、今大臣がおっしゃいましたように問題がある。その問題があるのが問題なんですね。政府開発援助ですから国民の、政府の財政の中から援助をするわけなんですが、これは私も外務委員会にいたころいろいろと内容を聞いてみても、ODAは一体どういうふうに使われ、例えばどういうところに金が回っていくのか、それに対してどういうふうに選考するのか、そういうことが全然明らかじゃないんですね。秘密のベールがあるような感じかする。そして、相手の国の主権を尊重するとかそういうことでいつも逃げられてしまうんですけれども、今度のNGOの場合は割とその点ははっきりしているんじゃないか、こういうふうに私は思うんです。
 そこで、NGOの団体というのはたくさんあるというふうに私聞いている。二百五十ですか、もう二百七十ぐらいになったのかもしれませんが、非常に数が多いわけなんです。この団体の中から適当なものを選びながら援助を依頼していくということになるんだと思うんですが、実際には、この団体の選び方ですね、審議会とかいろいろありますけれども、何か今、具体的な方策として頭に描いておられるのはあるのかどうか。その辺どういうふうになっておりますか、それをお伺いしたいと思うんです。
#13
○政府委員(成川富彦君) 先生御指摘のように、国際ボランティア貯金の寄附金につきましては民間の海外援助団体を通じまして海外援助に役立たせていこうというものでございます。開発途上にある海外の地域の住民の方々の福祉の向上に資するように、効果的な援助活動を行う民間団体に配分がなされなければならないわけでございます。
 配分団体の基準につきましては現在その詳細を検討中でございますが、少なくともこの辺は守るというか基準として考えられるんじゃないかということを二、三申し上げさせていただきたいと思います。一つは、法律的にもはっきりしているんですが、日本国内にある民間の法人または団体であるということ、これは最低限、基準として決めるわけですが、それから、これも法律に規定してございますが、営利を目的としないものであるということ。それから組織の管理者や代表者がきちんと定められていまして意思決定だとか活動についての責任の所在が明確なものであるということ。あやふやな団体ですとどこへ配分された金が行ってしまうのかというようなことにもなりかねませんので、きちんとした組織なり、責任の所在が明確になっていなければならないのではないかというふうに思います。
 それから、開発途上地域の住民の福祉の向上のための効果的な事業の実施につきましてやはりある程度実績があった方がいいのではないか。全然初めて団体をつくってこれから事業を始めるんだというようなことではまたお金の使い道も不確かでございますので、実績がある程度あるということも必要ではないかというふうに思っております。それから開発途上地域の住民の福祉の向上のための効果的な事業の具体的な実施計画を有する者である。事業計画などを取ってそれを見させていただいてやるわけでございますけれども、効果的な実施計画を持っておらなければならないのではないか。それから、過去において現地でトラブルを起こしたり住民から非難されるなどの問題を起こしていないということ。言ってみれば前科がないといいますか、そういうふうなことがあってはそれは欠格条項になるのではないかというふうに思います。
 これらの要件が最低限必要だと思いまして、このほかにもこれから検討してつけ加えていかなきゃいかぬとは思いますが、今この時点で思いつくものは以上の数点でございます。
#14
○松前達郎君 この法案の第四条ですか、配分団体が守らなければならない事項が定められているところがあると思うんですが、この守らなければならない事項ですね。今おっしゃったのは資格の問題を中心におっしゃいましたけれども、もう配分が決まった場合に守らなければならない事項というのが必ずあるわけですが、どのようなことを決めていこうと考えておられますか。
#15
○政府委員(成川富彦君) 先生御指摘の第四条第三項の配分団体が守らなければならない事項についてでございますが、預金者の善意が有効に生かされるようにとの観点から配分金の使途の適正を確保するために必要な事項を定めるものでございまして、具体的に申し上げますと、配分金を目的外に使用してはならないということ。事業計画などを出してそれに基づいて配分するわけですけれども、それをもらった段階においてほかの方面に使うというようなことのないように、そういうことのないように規定を設けたいということでございます。それから配分金の経理を明確に行うべきことなどについて定めることを予定しております。
 これらの事項につきましては寄附金の配分を受けた団体が当然に遵守すべき事項、内容でございまして、NGOの活動を不当に拘束したりしないようには注意していかなきゃいかぬというふうに思っております。
#16
○松前達郎君 この辺が非常に、厳しくすればするほど今度NGO自身の活動が制約されるという面もあると思いますからその辺はうまく調整しながら進めていかなきゃならぬと思っているわけなんですが、もう一つちょっとそれに関連して、四条の中に、百分の一・五に相当する額を限度として管理あるいは交付のための費用を引いていくと。この百分の一・五というのはどういう理由かちょっとよくわからないんですが、何か根拠があって決められたんですか。
#17
○政府委員(成川富彦君) 国際ボランティア貯金の寄附金の管理、配分金の交付、それから配分金の使途監査に要する費用につきましては、勧奨等のための費用と異なりまして消耗的色彩の強い費用、経費でございます。寄附金額をできるだけ多く配分に充てたいということからいたしますと、極力このような費用は抑えていかなければいけないんじゃないかというふうに思っております。抑えていくための適正なものとするための上限が一・五%程度、これにつきましては、寄附金つき郵便はがきにつきましても一・五ということでやっておりまして、一・五を下回った費用で現在済んでいるような状況でございます。私どもも一・五いっぱいにいかないように、できるだけ配分が多くなるように努めていかなきゃいかぬというように思っております。
#18
○松前達郎君 寄附金に係る寄附の委託についての勧奨のために費用がかかるということが書いてありますが、この勧奨というのはどういう方法でやるんですか。これは窓口で、来たお客さんに対してこういうのがありますよとか、あるいはポスター等で勧奨するとか、あるいはもっと積極的に、新たにそういう貯金をやってくださいというふうに勧奨するのか、それとも寄附金の額をもっとふやせというふうに勧奨するのか、勧奨というのは非常に幅広いと思うんですけれども、何か具体的に考えておられるんですか。
#19
○政府委員(成川富彦君) できるだけ多くの方々にこの寄附金制度に参画していただきたいというふうに思っておるわけですが、そのためにはまず制度とかそれから趣旨を国民の皆さん方に理解していただかなければならないわけでございます。そのために郵便局にポスターとかチラシとかというものを置きまして周知宣伝することはもちろんでございますが、そのほかに、国際協力の日だとかいうような日がございますが、それらを中心としてキャンペーンをするとか、あるいは有識者の方々に来ていただいてお話をしていただくなどいろんなことが考えられますので、これから細かい点については詰めていきたいというふうに思っております。
#20
○松前達郎君 先ほど冒頭に申し上げましたように、貯金の増強運動というんですかね、そういうふうは勘ぐっている人もいるものですから、そういうことに結びつかないように、せっかく善意の利子の寄附であるわけですから、その辺はもう十分考えてやっておられると思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
 それから援助の内容ですが、これはそれぞれの団体に任せてしまうのか、あるいはある程度、例えば医薬品ですとかあるいは医療品ですとか食料品ですとか、あるいは災害のときにはもっとほかのものが要ると思いますが、こういったような援助の対象としている物品、これについて何か具体的に考えておられるのかどうか。もし考えておられるとすれば、それをある程度指定してその団体にお金を渡すということになるのか、その辺はいかがでしょう。
#21
○政府委員(成川富彦君) 先ほど来御答弁申し上げさせていただいておりますように、寄附金につきましては開発途上地域の住民の福祉の向上のために使うということでございます。特に私ども考えておりますのは、生活上の基礎的ニーズに対応するためのNGOの活動を一層活発にしたい、充実したいということで考えていきたいというふうに思っております。ただ、具体的にどういう項目に絞ってやるかというようなことにつきましては現時点においてはまだ整理しておりませんが、今の時点で考えられます事例といたしましては幾つかあると思います。
 それを申し上げますと、飢餓地域への食料の支給だとか、それから被災地への医師等の派遣だとか医薬品、医療品の支給だとか、それから医師や看護婦の派遣による保健衛生知識の普及、それから飲料水確保のための井戸掘りとか簡易トイレの普及だとか、それから貧困層を対象とする識字学習施設をつくってやるための資金を配分するとかいうようなことが考えられるわけですが、事業計画等も見て、またいろんな方々の御意見も聞きながら最終的には決めていきたいということで、あらかじめこのような項目に絞って配分していくというようなことは現時点においては考えておりません。
#22
○松前達郎君 ボランティア貯金の利子を援助に回すわけですから当然公的機関が一応窓口となって取り扱うわけで、そういう関係から、使途、どういうふうに使われたということも含めて、やはり評価、あるいはその結果としてどういう効果があったか、これについての評価というものを当然しなきゃならないと思うんです。そういった面から、それを公表するといいますか国民にその結果を知らせるということがどうしても必要だと思うんですが、そういうことについてどういうふうな方法をとろうと考えておられるのか。
 それからもう一つは、経理状況の公示というのがございますけれども、その内容については一体どういうことを考えておられるのか。また監査も当然入ってくるんで、この監査の方法等について、もう既にここまで法案をつくられているんですからある程度のイメージはあると思うんですが、ひとつお教えいただきたいと思います。
#23
○政府委員(成川富彦君) 国際ボランティア貯金の寄附金は、全国の預金者の小さな善意と言っては失礼かもしれませんが、の集積でございます。したがいまして、このお金がどのように使われてどのように役立っているのかにつきましては預金者にきちんとお知らせすることが必要でありますし、私どもの責務でもあるのではないかというふうに思います。
 こうした観点から、寄附の配分状況とか受け払いの経理状況につきましてはきちんと官報に掲載して報告することとしているところでございますが、ただ、官報掲載だけでは国民というか預金者の皆様方によく理解していただけないという御批判等もございます。また私どもも、官報を必ずしも皆さんに見ていただいているとは限りませんので、郵便局に寄附金がどのように役立っているかにつきましてのパンフレットを置きましてそれをごらんいただくとか、できるだけ預金者にその使われ方あるいは役立ち方を理解していただくような方法を考えていかなきゃいかぬというふうに思っておるところでございます。
 それから経理状況の公示の内容につきましては、寄附金の受入額、それから交付額についての細目、細目といいますと、例えば寄附金を資金運用部に預託して利子を稼ぐということになっておるわけですがその利子の額だとか、それからNGOへの配分金額、それから先ほどお話がございましたけれども勧奨等のための費用の額等について報告することとしたいというふうに思っております。
 それから配分金の使途につきましての監査でございますが、配分金が使途日的どおり適正に使われているかどうか調査確認しなければならないわけでございますから、そういう観点から、配分金に係る経理状況、それから事業の実施状況につきまして書面または実地監査により監査を行っていきたいというふうに思っているところでございます。
#24
○松前達郎君 経理上のそういう問題については当然やるべきなんですが、恐らくこの利子を寄附された方々の一番知りたいのは、どういうところに使われたか、災害があればその災害にこういうふうに使ったんだということですね。そしてそれに対して非常に感謝をされているとか、あるいはこれは全然効果的じゃなかったとか、いろいろ評価があると思うんですが、それが一番知りたいことだと思うんです。これをPRすることによってやはりまた新たな人が貯金に参加するということになってくるんで、恐らくそっちの方が私は重要なことじゃないか。もちろん経理だからお金の流れについては当然公表して説明する必要がありますけれども、そういった自分のお金が行ったんだということを直接肌で感じられるようなそういうことをPRというか報告していかなきゃならないと思うんですが、それも大いにやられる予定なんですか。
#25
○政府委員(成川富彦君) 先生のアドバイスなども受けましたので、それらも含めて検討していきたいと思います。例えば外国の方々から感謝の声というか、便りとかそういうのが寄せられることだろうと思うんですが、そういうものをパンフレットに編集するなどいたしまして、実際に効果的に使われているという姿を国民、預金者の皆さん方に理解していただけるように努めていきたいというふうに思っております。
#26
○松前達郎君 ぜひそれをお願いしたいと思うんですが、まあなれ合いみたいになってはまずいですから、そうじゃないもので外国の人で本当に感謝されている方がおられれば、そういう人たちの意見もPRする必要があると思うんです。
 これは個人の金の寄附ということになるわけでありますので、当然個人の意思がある程度反映される必要もあろうと思います。これは物すごい金額を寄附されるということは余りないわけですね。大口の寄附者というのはそうないんですが、非常に数が多い方々の善意の利子の寄附だと思うのでやりにくいかもしれないんですけれども、個人の意思というものをなるべく尊重していく、そのために何らかの方策があるのかどうか。これはちょっと難しいかもしれませんが、その辺は何か御計画がありましょうか。
#27
○政府委員(成川富彦君) 国際ボランティア貯金の配分先等の決定に当たりましては、関係行政機関の長と協議し、それから預金者の代表を含んでおります郵政審議会に諮問いたしまして審議していただいた上で行うこととしております。そういう預金者の代表を含んでいるという意味合いにおきまして、預金者の意向の反映もこの場で行われるのではないかというふうに思っておりますが、ただこれだけで全く十分だとは言い切れませんので、実際の制度の運営に当たりましては、国際ボランティア貯金に御協力いただきました預金者の方々の意向を酌み取ることについて十分配意しながら適切な寄附金の配分を行ってまいりたいというふうに思っております。
 例えば預金者の会とかモニターアンケート制度なども定期的に実施しておりますので、そのモニターアンケートの定期的な実施の中で声を酌み取るとか、それから各種いろんな投書だとか何かというのがございますが、各種の投書なども参考にしながらできるだけ預金者の声を私ども吸収いたしまして、それが配分金額あるいは配分先に反映できるように努めていきたいと思っております。何しろ一人一人の預金者の声をすべて聞くというわけにはとても数が多くて制度的にも難しい話でございますので、これらは預金者の会等これらの今ある制度を有効に活用しながら、預金者の声を吸い上げてと言っては失礼ですが、お聞きしながらやっていくように努めていきたいと思っております。
#28
○松前達郎君 これは意思のある方は新しく通帳を一つつくるわけですから、そういったときを利用して、最初だけでもいいんですけれども申し込むときにアンケートぐらいとられてそれを集約していくというやり方、しょっちゅうやるわけにいかないですが、最初だけでもいいからそのぐらいのことはおやりになれば、そんな面倒くさいことじゃないと思うんですね。これは私の感じでございますけれども、どうでしょうか。
#29
○政府委員(成川富彦君) 大変いいアドバイスを受けましたので、ボランティア通常貯金通帳を選択していただくときに、そのようなことも含めて検討させていただきたいと思います。
#30
○松前達郎君 それから、配分に当たって関係行政機関の長と協議するというのがあるんですけれども、関係行政機関の長というのは具体的にどういうところの長と協議をされるのか。これは具体的になっていると思うんですが、いかがでしょうか。
#31
○政府委員(成川富彦君) 国際ボランティア貯金の寄附金でございますが、預金者の善意によって拠出されたお金でございます。寄附の委託を受けました郵政省としてはこれを適切かつ効果的に配分する責任を有するわけでございますが、何しろ海外事情等に私どもも詳しいわけではございませんので、その責任を全うするために、それぞれの所掌分野におけるNGOの活動等につきまして専門的な情報を有する関係行政機関の長、形式的というか法律的にいいますと関係行政機関の長というのは大臣でございますが、実際には各省庁の国際協力を担当する部署におられる方々とも十分協議をしてやっていきたいというように思っているところでございます。
 具体的に申し上げますと、医療救助が中心の日本赤十字社、これはまだ決まっているわけではございませんけれども仮にそういうところへ寄附金を配分することを検討する場合には、その関係行政機関の長となりますのは厚生大臣ということになるわけでございます。
#32
○松前達郎君 そこでちょっと心配なのは、例えば外務省あたりとやる場合、ODAの担当のところですからそれに振り回されちゃって、ODAで少し金が足りないからこれを使わせてくれなんということになるとちょっと困るんですね。その辺ちょっと心配があるので、協議するのは結構ですけれども、やはりこの趣旨はきちっとしているんですから、それなりのことを踏まえて協議をされませんと往々にしてODAの補完的役割を負わされてしまうということになろうと思うので、この点はひとつ十分気をつけてお願いしたいと思います。
 それから最後にもう一つお伺いしたいんですが、税制上の問題で、いわゆる免税の対象になっていないわけなんですが、これについて、今までどういうふうな折衝をされてきたのか、それから今後どういう努力をされるのか。私はこれは免税対象にすべきだと思うんですが、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
#33
○政府委員(成川富彦君) 国際ボランティア貯金につきましては通常貯金の利子の一部を寄附していただく制度でございまして、その小さな善意に国としても報いるために非課税措置を講ずべきであるということで私ども主張してまいったところでございます。しかしながら政府間で合意が得られませんで、当面の間は課税するということになってしまったわけでございます。
 平成五年度に少額非課税措置の見直しが行われるわけでございますが、その際に最良の方法について検討するという政府内合意ができております。その際に全力を尽くして非課税が実現するようにしていきたいというふうに思っているところでございます。
#34
○松前達郎君 終わります。
#35
○山田健一君 おはようございます。
 郵貯に関連いたしまして数点お尋ねしたいと思いますが、きょうは日銀、経企庁、大蔵省それぞれ御出席をいただきましてありがとうございます。
 まず、これはつい先般日銀が調査されて明らかにされた日本の貯蓄率の低下ということでありますけれども、報道では、一九八八年の家計貯蓄率が一四・八%になって前年比で〇・三%低下、これは確かに欧米諸国と比べてみましてもまだ依然として高いことは事実でありますけれども、日本全体の流れからいえば、最近ずっとかなり低下をしてきております。ここではいろいろマル優が廃止されたこと等もこういった貯蓄率の低下に加速をかけたのではないかというようなことまで言われておるわけでありますが、かなりここ、一九七五年をピークにしてそれからずっと貯蓄率が言ってみれば低下の一途をたどっておるという状況であります。
 こういった中で、我が国の中でも今日までいろいろ議論がされてまいりました。たしか数年前は中曽根さんみずからがテレビに出て、経常収支の黒字を減らさなきゃいけない、輸入をもっとしろ、消費を高めなきゃいけない、こういう消費美徳論というような一面も持ち合わせながら、貯蓄はできるだけセーブしなさい、こういう形の政策といいますかそういうものが一時展開をされたような時期もあったろうと思います。
 また、ここにきて、今いろいろボランティア貯金の問題もありますが開発途上国の支援、あるいはまた東欧の民主化、経済改革、こういう状況の中で、これからこの地域をどう改革していくのか、経済改革をやっていく上で膨大な資金が必要になってくる、これをどう賄っていくのかということで、それぞれの貯蓄率を維持向上させなきゃいけないなんという意見も欧州あたりでは強まっておるように思っております。
 また一方、国内を見ましても、日米構造協議の最終報告に向けて今いろいろ議論がされておりまして、社会資本を充実させていかなきゃいけない、そういう立場で公共投資もふやしていく、十カ年計画、こういうことであるわけですが、時あたかもこういったときに、大蔵省のこれは外為審議会の方でありますが中間報告で黒字有用論なんというものも飛び出してまいりまして、いろいろ政府の中でも足並みが決してそろっているとは私は受けとめていないのであります。いずれにいたしましても、そういう形で貯蓄のあり方、これが一つは海外の支援の問題なり、あるいは国内的にある程度の貯蓄を持ってこれを投資に振り向けていく、こういったような考え方も出てきておるわけであります。
 そこで、まず郵政省の方にお尋ねをしたいと思いますが、こういった貯蓄率が低下してきておる現状、これは郵貯の関係が当然ありますので、こういった現実を踏まえてこの状況をどう受けとめられているのか、まずお尋ねをいたしたいと思います。
#36
○政府委員(成川富彦君) 貯蓄は投資の源泉でございますので、先生に申し上げると釈迦に説法みたいな話になってしまうんですが、我が国が引き続き安定的な経済成長を維持していくために必要欠くべからざるものだというふうに私ども考えております。特に、欧米先進国に比べまして立ちおくれております下水道だとか公園等の生活関連社会資本の整備を早急に進めるために、公共投資の源泉として貯蓄の重要性が増しているのじゃないかというふうに思います。アメリカとの構造協議におきましても公共投資の拡大等が言われているわけですが、それをインフレなき状況でやっていくためには、やはり貯蓄というものの必要性というのは高まってきているのではないかというふうに思います。
 また、家計におきましても、貯蓄は経済生活の安定をもたらすものでございまして、特に本格的な高齢化社会の到来を目前に控えまして、そのための準備といいますか貯蓄の重要性というのは高まっているのじゃないかというふうに思います。
 それと、世界に目を転じてみますと、東欧の民主化、経済改革に伴う資金需要を賄い開発途上国への資金還流を図るために世界各国から我が国の貯蓄に大きな期待が寄せられておりまして、一部そのようなことも報道されているところでございます。
 我が国の貯蓄率は趨勢的に低下傾向にあることは先生先ほど御指摘のとおりでございます。とりわけ高齢化社会が急ピッチで参りますとさらにその低下が促進されてしまうのじゃないかという状況にあるわけでございますが、このような内外の情勢にかんがみますれば、今後貯蓄の状況がますます重要になっていくのではないかというふうに私どもは考えているところでございます。
#37
○山田健一君 今の郵政省の基本的な考え方ですが、確かに財投に、資金運用部資金に郵貯が行っておるという状況から考えれば、そこの一つの大きな役割を果たしておる、こういう立場で、公共投資の分野あるいはこれから海外援助の分野で非常に大きな使命といいますか役割を担っておることは間違いない、こういうふうに私も認識いたしております。
 そこで、日銀がきょうお見えでありますのでお伺いをいたしたいと思いますが、さきのIMFの暫定委員会で総裁が、いわゆる先進国全体が貯蓄を増強することが極めて重要だ、特に東欧の民主化等、改革に備えてというようなニュアンスだったというふうに思いますが、言ってみれば貯蓄増強論といいますか、こういうことをここでお訴えになっているわけであります。
 確かに、先ほど言いましたように貯蓄が年々低下をしてきておる、こういう状況の中でこれから日本の経済全体を考えていった場合、あるいは先ほども御指摘がありましたように高齢化社会に向かっていく、そういう中で一体これをどう考えていけばいいのか。やはり経済的にも社会的にも一つの大きな影響を及ぼすのではないか、こういうふうに受けとめておるわけでありますが、日銀としましてこういった貯蓄の重要性といいますかその辺の認識と、さらにまた、今日まで貯蓄広報中央委員会というものを持たれておるわけでありますが、この果たしておる機能、役割、これからの任務、そういうものをどのように認識されておるのか、お尋ねいたしたいと思います。
#38
○参考人(小島邦夫君) お答え申し上げます。
 委員ただいま御指摘のとおり、最近世界的に貯蓄の重要性ということが言われておりまして、これは以下のようなものというふうに私ども理解しております。
 一般的に貯蓄と申しますのは資本の蓄積を通じまして供給力の向上につながるというものでございまして、そうした意味で、物価の安定を確保しつつ安定的な経済成長に資するというものと考えられるわけです。
 これを最近の世界経済に引き直して御説明申し上げますと、やはり東欧諸国の復興のための投資需要というものが増加するというふうに考えられているわけで、それに伴いまして世界的な需要超過が生じてくる、それがまた世界的なインフレないし金利の上昇というふうにつながるのではないかというふうに懸念されているわけでございます。こういった状況のもとで、先進国全体として民間貯蓄の増強ないし財政赤字の削減というものに努めまして世界的なインフレを回避していくということが必要であるという指摘が今なされているわけでございますが、私どもといたしましても、かねて経済の安定した発展のためには貯蓄が重要であると考えてきておりまして、今申しましたような最近の考え方は私どもとしても首肯し得るところでございます。
 それから、もう一点お尋ねの貯蓄広報中央委員会の役割でございますが、この貯蓄広報中央委員会と申しますのは、昭和二十七年の四月に貯蓄増強中央委員会という形で発足いたしました。その後昭和六十三年の四月に名称を変更して現在に至っているものでございます。この委員会は日本銀行とは別の組織でございますが、現在事務局が日本銀行情報サービス局内に置かれております。
 この役割でございますが、民間の自主的な貯蓄運動の中核といたしましてその運動の具体的な方策を企画立案かつ実行するということを通じまして、これによって広く国民一般に貯蓄の重要性についての理解を深めてもらうというところにあるわけでございます。ただ、その活動の方向といたしましては、戦後の経済復興期とか高度成長期のように資本蓄積の必要が大きかった時代には貯蓄自体の奨励ということに主眼を置いて活動してまいりましたが、近年のように国民の資本蓄積が進んだ環境のもとでは、国民の健全な消費生活ないしは金銭観の形成を促すといった点に重点を移してきております。
 今後とも本委員会といたしましては、金融の自由化、金融商品取引の多様化ないしは高齢化社会の進展といった消費者をめぐる著しい環境変化の中で、このところ進めてまいりました金融経済情報の提供、それから生活設計の普及ないしは金銭教育の推進といった活動を一層充実させていく、これを通じまして国民生活とか経済社会の健全な発展に寄与していくというような方向にあるというふうに考えております。
#39
○山田健一君 ありがとうございました。
 確かに貯蓄増強中央委員会から広報という名前に変えられたというのは、そこら辺の戦後からの流れの中で貯蓄一本やりという印象を和らげたい、こういうような背景があったんだろうと思いますし、折しもいろいろ貿易摩擦等ということも出てまいりました。ただ、ここにきていろんなそういう働きがある中でこの名称をどうするのかというのは、またこれから、ひとつぜひ時代に沿ったような形で考えていただきたいというふうに思っておるところであります。
 そこで、経企庁の方にお尋ねをいたしたいと思いますが、先ほども指摘をしましたように家計貯蓄率が年々低下をしてきております。八八年が一四・八%、こういうふうに申しましたが、八九年はさらに、速報で聞く限りにおいてはまたこれを下回っておるというような状況のようでございます。なぜこういう状況になってきたのか、一つはそこら辺の原因と、経済成長にどういう影響を与えておるのか、この辺を経企庁の方はどう見ておられるか、お尋ねしたいと思います。
#40
○説明員(石田祐幸君) 家計の貯蓄率が下がってきております背景につきましてはいろいろな考え方がございまして、一概に今の時点でどういった要因が強く影響しておるというようなことは必ずしも確たるところを申し上げにくいところがございますが、一般に広く指摘されております事項について若干触れさせていただきますと、一つは人口の高齢化が進展してきているというようなお話がございます。これはいわゆるライフサイクル仮説と学会の方では呼んでおりますけれども、若年層に比べますと高齢層の方が比較的貯蓄率が低い、そういった中で人口の高齢化が進んでいくということが一つ貯蓄率を低下させている要因ではないだろうか、こういう指摘でございます。
 それから二つ目は、金融資産を中心としましてストック化が進んでおる、こういったことで家計の方でもいろいろ資産蓄積を行っておりますが、そういった資産蓄積の水準が高まってきていることそれ自体が貯蓄率を低くしてきているのではないだろうか、こういう指摘もございます。
 それから三つ目は年金制度との関連でございます。高齢化社会を迎えるということでそれなりに老後のための貯蓄というのをやってきておりますが、年金制度が充実してまいりますに伴いまして家計の貯蓄というものをそう必要としなくなってきているのがあるのではないか、こういった指摘がなされております。
 それからもう一つつけ加えさせていただきますと、経済成長そのものが安定成長に移行してきておる、所得の伸びが総体的に少さくなってきておるというような状況の中で、貯蓄に回す割合というのが比較的低くなってきておるということもあるのではないかというような指摘もございます。いずれにしましても、いろいろな考え方がございましてなかなかこれという決め手がいま一つ申し上げにくいところかと考えます。
 二つ目の経済成長との関連でございますが、先ほども御指摘がございましたように、貯蓄、特に家計の貯蓄は経済成長の原資になるということではございます。ただ、実際の経済成長を進めております主体としましては、企業でありますとか政府の行動、こういったものも強く影響するところでございます。したがいまして、家計の貯蓄率が低下してきていること自体で、それから一概に経済成長に悪影響があるのではないだろうかというようなところになりますと、一概にそこまではっきりと言えるかどうか、ちょっと余り明確ではないのではないだろうかと思います。いろいろ家計の貯蓄をもとにして経済主体がどういった投資行動をするか、あるいは消費行動をするか、そういったところとの絡みで経済成長の上昇あるいは低下、そういったことが出てまいるのではないだろうかと私どもの方では考えております。
#41
○山田健一君 ありがとうございました。
 確かに要因というのは、これだという決め手といいますか、かなり複合的にいろんなでこぼこがあって出てくるんだろうというふうに私も思っておりますが、ただ、全体としてはそういう形でずっと低下をしてきておるということは間違いない。そのことが、さっき言われましたように政府の公的部門の言ってみれば投資活動といいますか、あるいはまた企業活動、これらとやはり相重なって一つの経済の動向というものを形づくっていくわけでありますから、そういった意味では十分ここら辺も注意をされながら、指標としてやはりそれなりの経企庁としての判断をしていただきたいというふうに思っております。
 そこで、大蔵省の方にお尋ねをいたしたいと思いますが、先ほども言いましたように、確かに社会資本整備の充実に向けて、今、公共事業、特に日米構造協議等でも大きな話題になっておりますように十カ年計画というような状況の中で、規模的にも四百兆とか五百兆とか今言われております。これでいきますと、十年ですから年にすれば約四十兆から五十兆。私の持っているデータでは一九八八年が公共投資総額が約二十五兆円、こういうふうなことから考えても、言ってみれば倍ぐらいこれから投資が必要になってくる。もう今そのことをめぐって各省庁で予算の言ってみれば分捕りといいますかそういう状況でいろいろ動きが伝えられているわけでありますが、予算そのものの枠も確かにこれから問題になるでしょう。
 同時に、先ほど郵政省の方からも見解が示されましたように、財投の果たしていく役割といいますか、第二の予算としての財投の持つ使命、こういうものもやはりこれから大きな役割を担っていくことになるだろう。特にその中で、資金運用部資金の約六割を占めておるこの郵貯の存在、こういうものも無視できない。無視できないというよりか、むしろここをどうしていくのかということもやはり考えていかなきゃならぬというふうに考えているわけでありますが、ここら辺の、郵貯との関係でこれからそういった公共投資をふやしていく、その関連でどういうふうに大蔵省としては受けとめられているのか、まずその認識をお尋ねしたいと思います。
#42
○説明員(堀田隆夫君) お答えいたします。
 公共投資の問題につきましては、今先生からも御指摘ございましたけれども、先般の日米構造協議の中間報告におきまして「今後の中長期的な公共投資の在り方については、本格的な高齢化社会が到来する二十一世紀を見据え、着実に社会資本整備の充実を図っていく。」ということで、今後整備を進めていくという考え方を明らかにしておるところでございます。それに沿いまして、近々予定されている最終報告に目がけまして、現在経済企画庁を中心にいたしまして十カ年の公共投資計画を策定すべく今検討中ということでございます。
   〔委員長退席、理事松前達郎君着席〕
 そのお話にございましたことに関連いたしますけれども、社会資本の整備を具体的にどういう形で進めていくか、一般会計なり財政投融資でどういう形で、あるいは国なり地方でどういう形で負担しその財源をどこに見出していくかというような問題につきましては、ただいまの中間報告におきまして「インフレ、景気過熱を招かないように留意しつつ、各時点での経済・財政情勢を踏まえ機動的・弾力的に対処」することとされておりまして、実際問題、具体的にどうするかは、これから各年度の予算編成の過程で一般会計あるいは財政投融資を通じまして、経済情勢や財政情勢を見ながら、片や我が国の財政事情は諸外国に例を見ない高い国債残高を抱えるという非常に厳しい情勢にありまして、公債を減らして税財源に依存する度合いを強めていかなければいかぬという要請もございますので、その辺をかみ合わせながら具体的に検討していくということになると思っております。
 財政投融資について御指摘がありましたけれども、財政投融資は今後とも我が国の経済社会の発展に極めて重要な役割を果たしている、その中で郵便貯金の役割も非常に大きな役割を果たしていくことになるというふうに考えております。
#43
○山田健一君 そこで、郵貯の存在といいますか、いわゆる財投との関連で今大蔵省の認識をお尋ねしたわけでありますけれども、郵貯の場合は民間の金融機関と違いまして言ってみれば資金運用部資金という形に縛られているわけでありまして、確かにその中で郵貯の重要性、あるいはまたこれから先をにらんだ上で、それぞれ各郵便局に至るまで、郵貯をどう確保しさらに国民のために役立てていくのかということで大変今、ことしは特に三十兆円の満期集中の問題もありまして、言ってみれば血眼になって運動が展開をされておる。こういう状況の中で、これから将来に向けて郵政は郵政として新しい国民のニーズに沿ったような一つの商品なりこれからの対策というものをやはりとっていかなきゃならぬだろうというふうに思っております。
 同時に、こういった郵貯を進めていく上で制度的にいろいろと制約があることもまた事実であります。こういうものもいろいろ考え合わせると、言ってみれば利便者の立場といいますか国民の立場、こういうものを考えたときに果たしてどうなのかというような点が何点かあるわけでありますが、きょうは実は公務員の給与振り込みの関係についてお尋ねをしたいというふうに思っております。
 これは国家公務員、地方公務員とあるわけでありますが、特に国家公務員の場合についてお尋ねをいたしたいというふうに思いますが、公務員は御存じのように全国に散在といいますか散らばっておられますし、特に転勤等もたくさんあるというような状況の中で、考えてみれば、私も素人でありますけれども、いわゆる国の職員が給与を振り込んでもらうのに、これは昭和四十九年から始まったようでありますが、給与振り込みをやるのに同じ国の機関で郵便局が使えない。これはどう見たってちょっとおかしいんですね。この辺は一体どうしてこういうことになったんですか。
#44
○説明員(大久保良夫君) お答え申し上げます。
 お尋ねの国家公務員の給与の郵便局への振り込みが認められていないということでございますけれども、国家公務員の給与振り込みは国庫金の大量、定期的な振替送金業務でございまして、国庫金の取扱機関でございます日本銀行及びその指定金融機関たる民間金融機関のネットワークを使用して処理するということが効率的と考えられるところから現行の取り扱いが行われているというふうに認識しております。
#45
○山田健一君 いや、その方が効率的とおっしゃいますが、決して効率的じゃないんですね。私なんかもいろいろ公務員の方からもお話を聞きますが、郵便局が全国あまねくそれぞれサービスをやっておられる中で、どうしても金融機関になると限定をされてくるという状況、これが果たして効率的と言えるのかどうなのか。決してそういう状況になっていないというふうに思うんですが、いかがですか。
#46
○説明員(大久保良夫君) 民間の金融機関によります国家公務員の給与振り込みの実施に当たりましては、国民の利便性といった点も考慮いたしまして、給与振り込みが可能な金融機関は広く信用金庫、信用組合、農協等といったところまで拡大されているところでございます。この結果、現在では都銀から農協に至るまで幅広い業態で給与振り込みの取り扱いがなされております。
#47
○山田健一君 決してそうなっていないんですよ。農協といったって今、御存じですか、農協はどんどん合併をやっておるんですよ。漁協にしてもそうです。そういう状況の中で、例えばの話、これから金融自由化がどんどん進んでいくということになりますね。そうすると、私今ここに資料を持っていますが、これから確かに金利の面でいろんなプラスの面があるかもしれない。逆に言えば、自由化になってくれば、不採算性を持っておる店舗、これは民間は切っていきますよ、当然。こんなものは実例は幾らでもある。そういう中で農協、漁協も合併をしていく。そういう状況の中で郵便局の存在があるということを考え合わせた場合に、これはもう郵便局は全国あまねくサービスをやっておるわけですから、その中でこの利便性がどんどん広がっているというふうにはとても思えない。
 しかも、効率的だとおっしゃいましたけれども、私は何も大蔵省に文句を言っているわけでも何でもありません。私も郵政の出身でも何でもない。やはり国民の立場、国民の利便性、この場合でいえば国家公務員、その家族の皆さん、こういった立場を考えれば、郵便局が果たしておるその役割をむしろ逆に積極的に活用していくという視点が私は求められているのではないかというふうに思うんです。
 それじゃちょっとお伺いいたしますけれども、これは先ほど言いましたように四十九年からとられておる制度でもう十五年ばかりになるわけでありますが、実際にやられておるのは三割台ですよ。現実に国家公務員の給与振り込みの実績というのは三割です。そしておととし、昭和六十三年に総務庁が各省庁に、もっと給与振り込みを推進してください、こういう推進要請の通達を出している。まるで給与振り込みは進んでいないんです。そういう状況の中で、効率的になった、利便性が進んでいるという認識はとても持てないですよ。全くこれが進んでいない。進んでいない原因をどういうふうに受けとめられておるのか、そこら辺についても私はお尋ねをしたいというふうに思います。
#48
○説明員(大久保良夫君) 金融の自由化のお話がございましたけれども、金融自由化が今後進展していく中で民間金融機関は個人顧客向けのサービスの充実に一層力を入れておりまして、多大な経営努力を払っているというところでございます。給与振り込みの取り扱い等も、個人の顧客の開拓やサービスの拡充といった見地から営業の重要な柱になっているというふうに認識しております。一方、郵便貯金につきましては、個人預貯金の三割を超えるシェアを有する巨大な国営の事業体でございまして、その業務の拡大ということにつきましては民間金融機関にとっては大きな脅威として受けとめられていることも事実でございます。
 このような現状を踏まえますと、郵便局において国家公務員の給与振り込みを行うということにつきましては、これが既に民間の金融機関が行っているという業務であること、また郵便貯金業務のあり方としては、これまで行革審等で指摘されているように、官業は民業を補完するという基本的な考え方も示されているといった点も踏まえまして、慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
#49
○山田健一君 私が質問したことに答えていらっしゃらないんですよ。今くしくも言われましたが、行革審の答申とか、官業は民業を圧迫するようなことがないようにとか、まさに民間金融機関の立場としてはそうかもしれません。民間金融機関の立場ですよ、それは。国民の利便性を考えた上での立場というのはそうじゃないはずです。先ほども言いましたように、現実に十五年もやってきたけれども三割ぐらいしかない。実際に行われているのは三割台の水準でしょう。むしろこういう場合こそ官と民がそれぞれお互いに競争をやって、それぞれが切磋琢磨してサービスを展開していく、そのことによってむしろ逆にこの給与振り込みの実績も上がっていく、これが私たちの考え方ですよ。そう思われるでしょう。
 今、行革審のことを言われましたが、現実に郵政の現場は大変なものです。郵便物はどんどんふえる、しかし定員の枠がかかっているがゆえに、今皆さん大変苦労をしてやっておられる。これとて大変な問題です。そうして、先ほどシェアの問題を言われましたが、今、預貯金の残高に占めるシェアを見ますと、郵貯はずっと減って一九%ぐらいでしょう、大体。これで果たして官業が民業を圧迫しておるというような状況にあるのかどうか、私は決してそんな状態じゃないというふうに思うんです。
 むしろ、民間で給与振り込みをやらしておるけれども、先ほど言いましたように一向に、信用金庫、農協、全然進んでいないですよ。こういうところは、国民の期待、国民のニーズ、そして国民の利便性にこたえていくということであれば、むしろ逆に官と民がそれぞれお互いに切磋琢磨して競争していって国民にサービスを展開していく、これがあるべき姿じゃないですか。どうですか、その点は。
#50
○説明員(大久保良夫君) 郵便局において国家公務員の給与振り込みを行うことにつきましては、国民の利便性ということと同時に、また、先ほども申し上げましたような既にこれが民間の金融機関が非常に幅広い業態にわたって行っているという業務であるということ、あるいは行革審等の指摘等も踏まえまして、慎重に検討していく必要があるというふうに考えております。
#51
○山田健一君 まあ慎重に検討してというのは、普通は大体やらないんですよ、お役所は。いつもそうなんです。私はこれはどう見ても本当におかしいと思うんですよ。国家公務員が国の機関を使えない。じゃあ逆にこれが民間だったらどうなんですか。それでなくても今、系列企業のあり方、系列問題、日米構造協議で大変また問題になっている。どんどんどんどん系列でやるでしょう。この場合だって、また外圧でもなきゃ大蔵省は態度を変えないというようなことじゃないでしょう。だから本当に問題があるんだったら変えていけばいいんですよ。大店法の問題だって、言われたらこれから法改正をやるというんでしょう。だから、国民のためになるんだったらやっぱり受け入れてどんどんやっていく、こういう姿勢は私は必要だろうというふうに思っております。
 もう一つお尋ねしますが、さきの通常国会で附帯決議もつけられておりますね、御存じのとおり。「国民の利便向上に資するため、公共料金の自動払込みや給与の自動受取り等のサービスをより一層推進し、特に、郵便局における国家公務員等の給与振込みを早急に実施すること。」これは附帯決議です。この趣旨からいってもやはりこれは早期にやっていくということが今求められておる、私はこういうふうに思うのであります。
 特に、先ほども言いましたように利便性を考えたら、現状が郵貯が民間を圧迫してどうしようもないというような状況でもない。官業が民業を補完すると言われましたが、どこまでがどういう区分というのはあり得ないでしょう。だから官と民のいいところがあればどんどんそれを取り入れてやっていく、こういう方向でなぜ踏み切れないんだろう。附帯決議の関係ではどういうふうに考えておられるのか、お尋ねをいたします。
#52
○説明員(大久保良夫君) 先ほどから申し上げている点でございますけれども、国家公務員の給与振り込みというのは国庫金の大量、定期的な振替送金業務でございますから、国庫金の取扱機関である日本銀行指定金融機関たる民間金融機関のネットワークというものを使用することが効率的と考えられることで現行の扱いとなっているわけでございます。附帯決議も踏まえまして、利用者の利便性といった点も踏まえまして、と同時に、申し上げましたような既にこういった民間のネットワークを使って効率的に行われている業務であるということ、あるいは行革審の指摘というようなことも踏まえまして、慎重に検討していく必要があるというふうに考えております。
#53
○山田健一君 今言われましたように、国庫金のいろいろ取り扱い等、それにとって効率的と、こう言われるんですよ、あなたは。僕が言っているのはそうじゃない。国民にとってどう利便性が上がり効率的なのか、こういうことでしょう。あなた方の立場あるいは民間金融機関の立場に立ってこれが効率的というふうに言われるんじゃおかしいではないですかということを私は申し上げている。したがいまして、今、附帯決議の趣旨を踏まえて慎重に検討する。慎重に検討せいなんて書いてないですよ。早急に実施しなさい、この趣旨を踏まえて早急に実施せよ、こうなっておるんです。今後の方針というものをもう一度お聞かせください、これで終わりますから。
#54
○説明員(大久保良夫君) 附帯決議があるという御趣旨は認識しております。そういった点も踏まえまして、既に申し上げてきたところでございますが、さまざまな側面から慎重に検討していきたい、いく必要がある問題であるというふうに考えております。
#55
○山田健一君 まあこれは、ここでずっと一日やってもあなたは慎重に慎重にと言いそうですから私はもうこれで終わりますけれども、ぜひ国民の立場に立って判断をしていただく。その意味では私たちも大蔵省に期待しておるわけですから、ぜひそういう国民の利便性、立場、そして国民のニーズに沿ったそういう対応がとれるように強く要望しておきたいというふうに思っております。
 時間も余りありませんので最後に郵政大臣にお尋ねをしたいと思いますが、ちょうどこの附帯決議でも述べられているんですが、これから新しいいろんな国民のニーズに対応していく上で、いろんなサービスの提供、商品の提供、こういうことがいろいろ求められている。あるいはまた、今申し上げましたように国家公務員の給与振り込みの実施、あるいはもっといえば国税の問題もありますね、納付、還付、ここら辺もやってもらいたい、こういうような声も現実にあるわけです。こういう状況をしっかり踏まえてこれから対応していっていただきたいと思いますが、こういった状況の中で大臣としてはこれらの問題についてどのように対処されようとしておるのか、またサービス改善に向けてどのように取り組んでいかれるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#56
○国務大臣(深谷隆司君) 国家公務員の給与振り込みを郵便局で行おうという趣旨は、先生と私と全く同じ意見であります。国家公務員の利便の向上を図るためには早期にこれを実現すべきだと考えます。
   〔理事松前達郎君退席、委員長着席〕
現在までも大蔵省と折衝を重ねてまいりましたが、ひとつ全力を挙げて大蔵省の理解を求めて、一日も早くこれを実現したいと思っております。
 それから先ほどお話の出ました総額制限額の引き上げ等、これも国民のニーズでございます。それからさまざまな商品を開発していくということもこれから私たちが考えていかなければならないことであります。
 我々がやっている仕事というのは営利事業ではありません。そして、国民の利便にどのようにここえるかということと同時に、そこで集められたお金が国家の基本的な例えば社会資本その他のささまなところへ投資されるという極めて重要な意味を持っているわけでありますから、この趣旨に沿うてあらゆる角度から全力を傾注する覚悟でりますことを申し上げたいと存じます。
#57
○山田健一君 終わります。
#58
○及川一夫君 私どもの同僚お二人から、貯金事業にかかわる基本的な部分について質問させていただきました。そこで、私としては、より具体的にという意味合いで、同時に、提案をされていることに対してよりよいものにするためにはより多くチェックをするということがどうも我々の任務のようでございますから、法案に対して賛成する立場を明らかにしながらお尋ねをしたいというふうに思います。
 まず第一にボランティアにかかわる問題なんですが、郵貯に対する金利の中から寄附を求めるという手法は世界各国どこを見ても実例がございません。恐らく我が国が初めて取り入れた一つの手法だというふうに私は理解をいたします。
 同時に、ODA全般、大なるもの、小なるもの、中なるもの、さまざまなものがあるんですが、とりわけ、きめ細かいという意味合いでは我が国にあるNGOの役割というのが、政府自体が評価をしているように、非常に弾力的に対応できるという点で評価されています。こういった人たちの立場から見ると、国の予算というのはどうしても単年度ということを前提にして受けとめざるを得ないから、一つの問題があっても、単年度ではない、それこそ次年度、次々年度にわたって考えなければならない問題でも、果たしてそれを取り上げてやっていいかどうかということに非常に戸惑うという立場から見てまいりますと、今度の郵貯の金利というものを前提にして二〇%、いずれにしても寄附をしてくれる人の道を開く、こういう点では非常に歓迎をする、これから思い切っていろんな問題に取り組むことができるぞと、そういう期待を込めてNGO全体はこの問題を見詰めているようでございます。
 したがって、せっかくの提案ですから期待にこたえるように運用を図っていくべきだということをまず前提にして、ただ心配なのは、ボランティアということが前提になる限り、少なくとも求められる寄附が押しつけになってはならないということを考えなければいけないと思うんですね。まだまだ国民サイドから見ると、どうしても郵政、郵便局ということになりますとやはりお役人という感じで見ているはずです。これは国民の側からの意識革命も必要なんですがね。国民の側がそうならないと郵便局だって本当の意味の改革につながっていかないという私は一つの持論を持っているわけですけれども、しかし現状はまだまだなっていない。
 それと同時に、この制度をよかれと思って皆さん方がやられていけば、やはり目的どおり目標を果たしたい、こういうふうに現場の段階がなるのはある意味では当然のことだと思うんですね。保険事業にしても、貯蓄率を高めるというかそういう意味合いでも、一生懸命勧誘するというのは力が入ると思うんです。しかも初年度七億とか五億とかという一つの目標があるわけですから、そうなるために普通預金の人たちに協力を願うということになると、どうですかどうですかというお話も出てくるだろうし、押しつけにならないという前提でいかに一体これをPRして国民全体のものにするかということが大きな課題になってくると思うんですが、その点、局長、いかがですか。
#59
○政府委員(成川富彦君) 先生御指摘のとおりでございまして、国際ボランティア貯金は預金者の方々の善意に基づく制度でございます。いやしくも押しつけというようなことになってはならないわけでございます。先ほど来先生から目標などを設定するような前提でお話がございましたけれども、私どもは郵便局に目標だとかいうようなことは考えてはおりません。
 ただ、目安として七億円程度ということを申しげておりますのは、この実施時期はプログラム開発等に時間を要するものですから早くやっても一月程度からしか実施できないんじゃないかというふうに思っておりますが、一―三月間で一局五十人程度の方に御利用いただくというようなことを前提としますと大体七億円程度というような目安を立てているわけで、それをもとにして数字を各局に割り当てて、それを完遂しなければというようなことでやるつもりはございません。
 ただ、法律にもございますが勧奨等はやるわけでございますので、その制度とか国際ボランティア貯金の趣旨というものを国民の方々に理解してもらうのがまず前提でございます。それを理解してもらわなければ御利用もいただけないわけでございますので、それにつきましてはポスター、チラシ等々、先ほど来もお話しになりましたけれどもキャンペーンをやるとかというようなことを通じまして国民の理解を得てできるだけ多くの方に利用してもらいたいという気持ちはございますが、押しつけというようなことにならないように注意しながらやっていきたいというふうに思っております。
#60
○及川一夫君 そうしますと、金利の二〇%寄附をするということになるんですが、皆さんの計算によると、普通預金の場合、平均して十二万三千円の貯蓄額というふうに計算されて七百数十円であるとか五百九十円という計算をされているようなんですが、あくまでもこれは平均ですね。したがって実態は、時と場合によれば普通預金でも一千万円、二千万円積んでいる場合もあるし、特に企業なんかはそういったことが想定されるわけです。
 そうすると、仮に二千万、三千万、あるいは億という普通預金があったということになりますと、金利がどのぐらいになってそれを二〇%寄附ということになると結構ばかにならない金額になるということが想像できますね。その場合、その寄附をする人の善意として、やりたいけれどもパーセントが二〇%ということになると例えば何十万になる、だから、やりたいが二〇%はだめで一五%ぐらいにしてくれぬかというふうなことが善意として出てこないとも限らぬわけですね。そういったものにはどう対応されるんですか。
#61
○政府委員(成川富彦君) 法律的にも、利子の全部または一部を寄附していただくというふうな規定にさせていただいております。当面は二割ということで出発するわけでございますけれども、この二割にした理由といたしましては、アンケート調査などをやりますと二割程度なら寄附してもいいとか一割なら寄附しますというような方が相当多く、六割以上を占めているというような状況がございますものですから、まずは二割で出発させていただいて、預金者の動向等を踏まえまして将来は、一割とか五割とかという線もあるかもしれませんが、そういう割合を変更するなり、また種類をふやすなり検討していきたいと思っております。
 預金者の動向とか意向というのをまず把握しないといけないものですから、それを踏まえた上でやっていきたいというふうに思っておるところでございます。
#62
○及川一夫君 僕は、決めつけないけれども、少し企業なんかには義務的にやってもいいんじゃないかぐらいな気持ちなんですよ。というのは、NGOに対する実態を見ますと、財団からの寄附とかそういうものが財源になってやっておられるわけです。場合によれば企業からというのもあるけれども、これはごく少ないんですね。ところがアメリカの実態とかヨーロッパの実態を見ますと、結構企業が寄附をしているのが多いんですよ。そういうものが財源となっていろんな援助政策がとられているというのがあるんですね。
 だから、まだすべてを含めて七億とか五億の段階ですが、そのぐらいは企業の普通預金に対しては、パーセントは少し考えてもいいと思うけれどもある程度義務的にというか、そのぐらいのことはしてくださいよということぐらい呼びかけたっていいんじゃないかと思いますが、これは私の私見ですから別に押しつけはしません。しかしそのぐらいのものじゃないか。いずれにしても、やはり予定額を何とか実らせたいということであればこの決められた二〇%ということに余り拘泥しないで物によっては柔軟に対応するということが含みとしてあってもいいんじゃないか、こういうことで問題を指摘しておきたいと思います。
 次の問題として、大蔵省の方、おいでになりますか。――先ほど松前委員の方からも課税の問題が取り上げられました。郵政省は非課税で頑張ったということになっておるんですが、大蔵省はこれはどうして非課税じゃだめなんですか。
#63
○説明員(長野厖士君) ボランティア貯金の利子に係る非課税問題につきまして、郵政省からもかねて御相談があったところでございます。この非課税というのは、私どもの立場から見ますと二つの制度の特例ということになります。一つは利子課税制度の中の特例ということになります。もう一つは寄附金控除制度の特例ということになります。
 利子課税に関して申しますと、現在、貯金利子につきましては源泉分離課税制度をとっております。この源泉分離課税制度というのは源泉徴収の段階で非課税関係を片づけるということが趣旨でございますから、そこに特定の目的のものが入ってくるのは制度の本来の趣旨になじまないという点が利子課税の問題としてございます。
 もう一つ寄附金控除の関係で申しますと、例えばの例でございますけれども、今皆様方が、その所得の源泉が何であれ、百円、二百円、五百円という形で例えば赤い羽根の募金に応じられることがある。あるいはユニセフとかユネスコとかいったものの募金に応じられることがある。こういったものにつきましては、一年間の総計が一万円を超える場合にその一万円を超えるところを寄附金控除の対象にするという仕組みになってございますので、ボランティア貯金、これは郵便貯金の利子ということですから、その郵便貯金の利子がついた、税引きでございますけれども。それで赤い羽根を買うというケースと、あるいは郵政省に預ける形で海外の支援に回るというものは制度としては同じ扱いであってしかるべきということで、特例ではなく一般の寄附金控除の制度そのまま、赤い羽根と同様な扱いにさせていただくということにさせていただいておるわけでございます。
#64
○及川一夫君 ボランティアという発想に立てば、すべて善意ですから、善意に対しては善意でこたえなければいけないと思うんですね。税制というのはバランスが必要ですから、おっしゃられるようなことも考えなきゃいかぬでしょう。しかし、これほど私からいえば大きな制度で安定的にというものがあるわけで、ほかの制度がこうだからという前に、こういうものは本来非課税にするんだ、それに関連をしてやらなきゃならぬものがあるならそれを右へ倣えにこの際やろう、そういう発想でないとやっぱり政治というのは私はよくならないと思いますよ。
 だから、お答えはお答えとして聞いておきますけれども、ここに「ボランティア貯金について」ということで、大蔵事務次官と郵政事務次官、それに自民党のそれぞれの関係役職の方々も入っておられるようだけれども、一定の約束がございます。これで出発するけれども五年に見直しをする際にというようなお話がここにある。だから決して非課税にすべきであるということについて否定はされていないんです。ただ現状ではと、そういうお話だと私は受けとめますよ。そういうふうに実は受けとめておきたいんだが、大臣、そのように受けとめてよろしいんですか。
#65
○国務大臣(深谷隆司君) せっかくの国民の善意の貯金の利子を国際ボランティアに提供するわけでありますから、私どもとしましてはこれは非課税扱いすべきだということで交渉を重ねてまいりましたが、諸般の状況で、ぎりぎりまで頑張ったんですが、スタートのときにはその答えが得られなかったわけでありますが、これは高度な政治的な判断が必要と考えまして、それなりの打ち合わせや調整をした上で、平成五年のときの見直しの折にこの点についてはきちんと考えをまとめていこうではないかという一応合意には達しておりまして、私どもはそのことに向かって、その実現のためにすべてをかけてみたいというふうに思っております。
#66
○及川一夫君 大臣のそのお答えが生きるように、平成五年あたりには税制調査会長か財政部会長ぐらいやっていただいておると非常にありがたいと思うんですが、それはともかくとして、実はこの中に「政府は、ボランティア貯金の趣旨に基づき、ボランティア貯金の寄付に係る税相当額を勘案し、一般会計の歳出面において、大蔵、郵政両省間で協議し、適切な措置を講ずる」こうなっておるんですが、これはどういう意味なんですか。そして、これをやることによって寄附をした人たちに対して何か見返りがあるというような形のものになるのでしょうか。これをちょっとお聞きしておきたいと思います。
#67
○政府委員(成川富彦君) 先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、政府内の合意がございます。その項目に先ほど先生御指摘の項目が入っているところでございます。寄附金充当分の利子に対する税の取り扱いにつきましては非課税措置は講じられないということになったものの、それまでの間は、課税に伴って生ずる税相当額を勘案いたしまして、国際ボランティア貯金の趣旨に基づき歳出面で適切な措置を講ずるということになったところでございます。具体的な方策につきましては大蔵、郵政両省で協議を行いまして、来年度の予算編成過程におきまして、国際ボランティア貯金の趣旨が適切に生かされるように配意していきたいというふうに思っておるところでございます。
#68
○及川一夫君 どのくらい来るんですか、税相当額に配慮するということなんだけれども、具体的には、例えば二千万とか三千万というものが配慮されて、それを局長が今答弁された意味で使っていくという予算がもらえるんですか、これは。それとももらったんですか。
#69
○政府委員(成川富彦君) 今申し上げましたように、来年度の予算編成過程におきまして両名で協議して措置内容を決めていくということでございます。その金額でございますが、税率は御承知のとおり二〇%でございます。したがいまして寄附金の二〇%部分に当たるわけで、一・八億円程度になるのではないだろうかというふうに思います。七億円弧という前提でいきますと一・八億円程度になるのじゃないかと思います。
#70
○及川一夫君 わかりました。
 じゃ次に、外務省の方、おいでになっておりますか。――時間がそうあるわけじゃありませんから端的にお聞きしますが、まず、二億二千万円という恐らくNGO対応の予算と我々は受けとめているんですけれども、この二億二千万円の性格、それからこれはどういうふうに使われるのかということについてお答えいただきたいと思います。
#71
○説明員(大島賢三君) 政府のやっております開発援助は別途ODAということでやっておるわけでございますが、他方、民間のボランティア団体が開発途上国で人道的な活動でございますとか一部開発協力、技術協力あるいは資金協力のようなこともやっておられるわけでございます。ちょっと手元に資料がございますのであれしますと、一九八八年に外務省で調査をやったことがございますが、我が国のそういった任意団体あるいはボランティア団体の中で、百三十一のいわゆるNGOでございますけれども、自己の調達資金でもちまして総額で二十六億円相当ぐらいの実績があるようでございます。
 一億円以上の実績を持っておるものが九団体、それから一千万未満のものが九十団体ということで、残りはこの中間規模のものでございますが、いずれにしましても、私どもが調べますと、それぞれ企業あるいは個人の寄附あるいは浄財をもとに資金調達をしてこういった事業をやっておられるわけですが、その資金調達に大変苦労されているという現実がございまして、国際比較で見ますと、これはちょっと古い八七年の実績でございますが、アメリカですとこういった個人ベースの実績が一人当たりで約七ドル、政府の税金を通ずる援助とは別に約七ドルやっておる。西ドイツですと十ドル、イギリスですと四ドル、日本ですと○・八ドル、こういうのが二、三年前の実績でございます。
 いずれにしましても、大変いい活動をされていながら資金的に苦労されているということでございまして、ODAの一部分からこういった民間の団体に対しましても補助金という形をとりまして支援をすべきである。ほかの国も相当以前からやっておりますので我が国ももっとやっていいんじゃないかという声が起こりまして始まりましたのが、今、先生御指摘のNGO事業補助金でございます。
 二・二億円か今年度の予算に盛られておるわけでございますが、実施につきましては、公募いたしまして、それぞれのNGOがやっております文字どおり草の根レベルにおきます諸活動に対しまして予算の範囲内で補助金を差し上げるという形で運用しております。大体めどといたしましては、具体的な事業、例えば井戸を掘るとかあるいは中学校をつくってそこで教えるとかというようないろいろな多様な活動が行われていますが、大体事業の五〇%をめどに、それ以内で支援をするということで実施をいたしております。
#72
○及川一夫君 今回は法案に珍しく参考資料がついていまして、それで今お答えになったようなことは実は全部載っかっておりましてわかっておるんですが、いずれにしても、一兆一千七百億ぐらいのODA全体の予算の中でNGO対応が二億二千万、しかも性格は補助金ということで対応されている。そうすると、郵政省が考えている支援内容との関係でいうとほとんど同じになるんじゃないかというふうに私は思うんですが、いかがですか。
#73
○説明員(大島賢三君) 資金の性格としまして、補助金は補助金の適化法という関連の法律の適用も受けるわけでございますし、それから今申し上げましたようにこの補助の対象となりますのは具体的な事業でございます。その大体五〇%程度をめどに支援するというのがこの補助金の制度でございますが、それ以外にNGOがいろいろな活動をする上で必要とされている経費というのはたくさんあるわけでございます。
 例えば現地に行くには航空賃ももちろんかかりますし、それから日本のNGOでございますとオフィスを構えて人件費もかかるとか事務所費もかかるとか、さらに途上国の協力の相手となる人たちを日本に呼んでそこで研修をやるとかといったようないろいろな経費がございますが、こういうものは政府のNGO補助金の補助対象事業にはなっていないわけでございます。他方、NGO諸団体の方からは、こういった部分ももう少し何とかならないでしょうかといういろいろなお話も聞いておるわけでございますが、対象になっておりません。
 したがいまして私どもとしましては、今度の国際ボランティア貯金によりましてこういった部分も一部分支援ができるということになりますと、政府がやっております事業補助金といわば補完関係になりまして、大変にいい形になってNGO全体に対する支援が充実することになるのじゃないかと思っておりますので、外務省としましても郵政省とよく協議をさせていただきまして、その趣旨が十分に生かされるように努めてまいりたいと思っております。
#74
○及川一夫君 金額でいえば、郵政省は約七億、外務省は二億二千万、どっちが主でどっちが補完ということになるか私はよくわかりませんけれども、いずれにしても同じ目的で対応されるわけだからそれ自体はよろしいんですが、問題は、外務省の場合に公募されて配分するこの決定ですね。外務省の意思としてか、あるいはODA事業全体の意思としてか、いずれにしても決定方法がありますね。それはどういう方法ですか、簡単に言ってください。
#75
○説明員(大島賢三君) 決定につきましては、この補助金につきまして補助金交付要綱というものがございますけれども、公募いたしまして個別の申請を受けますと、先ほど申し上げましたように大体経費の補助につきまして五〇%をめどということでございますので、個々の案件を審査させていただきましてそしてその予算の範囲内で決定をしているということでございます。もちろんその実施の過程におきましては、ヒアリング、東京あるいは関西地方に出かけましてヒアリングを行ったり、それから常時外務省とNGO諸団体との間に定期的な意見交換、協議の場も設けておりまして意思疎通もやりながら、どういう必要性に対して補助が好ましいかということを十分くみ上げて私どもも対応するようにいたしております。
 当然のことでございますけれども、NGOの事業はこれは民間のボランティア団体の自発的な事業ということでございますので、その自発性を十分に尊重しながらやるということも踏まえましてやっております。
#76
○及川一夫君 八条委員会にかけて決めるというようなことはないですね、外務省の八条委員会。ないですね。
#77
○説明員(大島賢三君) はい。
#78
○及川一夫君 それでは局長にお伺いしたいんですが、外務省の場合にはいずれにしても国費ですから、会計検査院の検査ということを考えたら、外務省だけではなしに使っているボランティアにも会計検査院が検査をしようと思えば検査のできる範囲になっている、こう私は理解します、実際にやっているかどうかは別ですけれども。そこで、この寄附金は検査院の対象にはならないと思うし、ならないということを前提にして郵政省が監査をされる、こういうふうに理解したんですが、それでよろしいですか。そうであるかないかだけでいいです。
#79
○政府委員(成川富彦君) 国際ボランティア貯金の寄附していただく利子は私金でございますので、会計検査院の対象になっておりません。したがいまして先生のおっしゃるとおりでございます。
#80
○及川一夫君 そこで、監査という問題なんですが、私も大分NGOには関係してきた体験を持っておるわけです。こういったことをやられる方々の感情というものは大変なものなんですね、熱意の面で。しかも、自発的ということが前提になっているものですから余り外からの介入というものは好まないんです。余りやり出すと、もう要らぬと、こういうふうになる。そういう実態なわけです。しかし補助金は欲しいんですよ。だけれども、手続が面倒であったりその後の監査がどうやこうやということになると、それこそもうそういうものはいただかなくて結構ということに実はなるわけなんです。
 ですからこの辺は、寄附を集めて適当にやられてしまったのではこれまた寄附をした人たちに相済まぬという問題になりますから、当然郵政省としての責任というものはそういう意味で存在するんですが、やり方などについてはよほど考えなければいけないというふうに私は思っているわけです。具体的にどうこうするということをここで申し上げるつもりはないんですけれども、この種問題に対する郵政省の対応の姿勢というのはどういう考え方でなされるつもりですか。
#81
○政府委員(成川富彦君) 監査などを厳しくやり過ぎたためにNGO団体の自主性が損なわれてうまくいかないというようなことにならないように、その点は十分注意してやっていかなきゃいかぬというふうに思っています。片や、預金者の小さな善意、小さなと言ってはいけないですが善意の集まりでございますので、それが適正に使われているかどうかというのは私ども責任を持ってフォローしていかなきゃいかぬ話でございます。したがいまして、監査も着実にやって預金者の善意の寄附にこたえていかなきゃいかぬというように思っております。
 ただ、監査をやる際には項目だとか実施時期だとかいうことをあらかじめ相手団体にお知らせしてやっていくというようなことで、少なくとも団体に御迷惑をかけるようなことのないようにやっていきたいというふうに思っております。
#82
○及川一夫君 ボランティア問題の最後なんですけれども、配分については郵政審議会に諮るというふうに私は御説明を受けているわけです。ですから八条委員会で決めるというふうに機械的になりますね。外務省の方は八条委員会じゃないわけですが、郵政省は八条委員会ということになってきますと、やっぱりそれはそれなりの違いがあると思うんですね。手続から、あるいはまた審議をする立場の違いとか、いろいろなことが私は出てくるような気がするんですよ。
 果たして八条委員会という郵政審議会にかけて決めるということは、先ほど言ったものとの関係、手続とか監査のあり方とかというものはどうしてもひっ絡みますから、そこで、何かもう郵政省から来るのはえらいうるさいことばっかり言うて郵政省の意に沿わないことは全部だめと、それならもうやめておこうやということに私はなりかねないと思うし、同時に、今の郵政審議会のメンバーというものを考えたら果たしてこのことを論議するような構成になっているだろうかどうだろうかということも考えてもらわにゃいかぬと思うんですね。だから入れかえりゃいいというふうにおっしゃるかもしらぬが、入れかえるなら全部入れかえてくれということを私は言いたくなっちゃうんだけれども、僕はそういうものではなさそうに思う。
 余りそんなに厳格、厳密にこれを考えてやるというのは私は問題があるんじゃないか。せいぜい外務省がとられているような方法でいきませんと、それこそ求めた効果というものが半減をしてしまう。そしてまた寄附者の善意もそこで失われてしまうということになりかねないと思うんですが、これは法律として審議会と書いてありますから修正ということに実はなるわけでして、だめだだめだじゃこれはまたおかしくなりますよと、こう言いたくなるんだが、郵政大臣、いかがですか、この問題は。
#83
○国務大臣(深谷隆司君) 及川先生御指摘のように、大変難しい問題がさまざまに待ちかねていると思います。その一つ一つを解決していくためにはさまざまな工夫をしていかなければなりませんが、当面は、私どもは今日まであらゆる角度から諮問をいたし御意見を伺ってまいりましたこの審議会は国民を代表する公正な審議の場であるというふうに心得ておりますので、ここには最重要の期待をかけて御検討を賜りたいというふうに思っておりますが、その前に関係機関の長とかあらゆる対象の有力な御意見も伺ってまいりますし、省内でも特にこれを重点的に検討するグループをきちんとつくって適切な対応を図ってまいりたいと思っておりますので、及川先生の御懸念のなきように一層努力をしていかなければならぬと思っております。
#84
○及川一夫君 御答弁としては理解できますが、どちらにしても、省内だけでやるというのもまたこれは大変ないろんな問題が出てまいりますから、私から言えば、法律として出ているわけですから成立した以上審議会にかけないというわけにいかないでしょう。しかしかけ方の方法は私はあると思うんですね。こんなことを法律を成立させるに当たって言っていいのかどうかわかりませんけれども、とにかく外務省がやられている方法というのが一つあるわけです。それにはNGOも気持ちよく対応しているわけですよ。この現実をやはり僕は大事にしたい。そういう方法をできればやっていきたい。
 したがって、審議会は言葉で言えば形式になるかもしらぬけれども、しかしむしろそちらの有効に機能する方法に重点を置きながら、法律の改正が必要であれば事後改正したらいいじゃないかぐらいに私は思っているわけです。これは私の意見ですから、ぜひ今後の問題として考えていただきたいということでボランティア問題は終わりたいと思います。
 外務省の方、結構です。
 それでは次に貯金にかかわる問題ですが、提案されていることについては私は結構だと思います。ただ、担保なしに債券をやってもいいようになっているんで、あとはそれがおかしくならずにもとに返ってくるかどうかということですからそれは執行者の責任ということになりますけれども、そういう意味で、いずれにしても郵貯事業が特に自主適用の問題に関係してこういう方法をとられるということは私も賛成だということを申し上げておきたいと思います。
 そこで、問題は、同僚の山田さんが質問した角度も含めて、金利の自由化という問題に対してどうも郵政省の態度が、一般質問の際に山田さんがやられておったんだが少し甘いんじゃないかなと、正直言ってそれを実は懸念しているんです。
 新聞紙上でもこの金利の自由化問題が取り上げられておりますが、どちらにしても、金融に関する二つの研究報告が出ていますね、一カ月足らずの間に二つ実は出ているわけであります。この内容からいうと、金利の決め方については民間の動向配慮ということは前提にあるけれども、民間の金利の状況を上限にしてとかというふうに大蔵関係の研究報告によれば大体そう出ている。しかし郵政省のこの問題に関する研究報告というものを聞くと、そんなものは要らない、まるっきり自由にしてください、そうでなければ企業責任が持てない、こう書いてあるんですね。
 この企業責任という言葉が郵政省の事業の中に出てきたのは私は初めてのような感じがしているんですが、企業に責任を持つことはこれはもう当然のことですから、あろうとなかろうとそれは存在していたんでしょうが、どちらにしてもこれは対立をしている状況ですね。先ほどの給与の振り込み問題でも、大蔵省の方のお答えを聞いておる限りではもう民間というサイドに立って、しがみついて発言をされている。貯金事業なんてどうでもいいとは言わなかったんだけれども、要するにそういうような態度に見えることが出ているわけですよ。
 したがってこれをどうするかというのは、金利の自由化問題というのは早急にやろうという点では双方一致しているわけですから、取り扱いの問題になるんですね。市場原理を入れるか入れないか、競争原理を入れるかどうかという問題も含めてこれは絡んだ議論になると私は思うんですが、局長、いかがですか、この問題は。対立しているでしょう。どう扱われるつもりですか。
#85
○政府委員(成川富彦君) 今、先生から金利自由化のもとにおける金利決定のあり方につきまして御質問があったわけでございますけれども、自由勝手に私ども決めるというようなことを申し上げているわけではございませんで、郵便貯金事業の経営をやっているという、経営責任を有しているという郵政省の立場からいたしますと、他律的、機械的に経営の根幹である金利が決められてしまうということでは経営責任が果たせないのではないか。経営責任を果たしていく、独立採算で経営責任を有してやっているわけでございますので、その経営という立場からも考えていかなきゃいかぬ。
 ただ、郵便貯金法十二条にもございますように、預金者の利益の増進と同時に民間金融機関の金利にも配意してやりなさいという規定がございます。したがいまして民間の金利にも十分配意をしながら決めていくわけでございまして、自由勝手に金利を決めて民間とかけ離れた金利を決定することなど、とても私どもは、事業の性格からもできませんし、運用面の制約だとかいろんな要素から考えますととてもそのようなことはできないことでございます。
#86
○及川一夫君 大蔵省の皆さんは貯金事業とは、たくさん資金を財投に入れていただくということとの関係で深い深い関係が実はあると思うんです。したがって、民間企業、銀行だけ考えるんじゃなしに、貯金事業だって左前になれば国の全体の予算、財投計画というのはおかしくなるわけで、これも無関係ではないはずですね。そういう立場に立って、この金利の自由化という問題について研究報告が出ているが、あの立揚だけで郵政との間で意見を一致することができるとお考えですか。
#87
○説明員(日下部元雄君) 先生が御指摘のように、大蔵省の銀行局長の私的研究会である金融問題研究会で郵便貯金の金利自由化後の金利決定方式についても幾つか提言がなされているところでございます。
 郵便貯金の金利決定方式がどうなるかということは、これは郵便貯金だけではなくて民間の金融機関全般に大きい影響がある、引いては自由化の過程にも大きい影響があるということで議論がなされているわけでございますけれども、そこの中で提言いただいているところは、まず第一に、郵便貯金の金利については民間部門における自由な金利形成を阻害したり攪乱的な影響を与えることがないように決定される必要があるということと、具体的な方法については、民間の小口自由金利預金の平均的な金利を基準として郵便貯金金利の上限を定めるという考え方を基本として郵便貯金金利の決定方式を検討していくことが適当であるということが言われているわけでございます。
 このほかにも、郵便貯金金利の地域別の金利の導入についても今後政府部内において検討されることが望ましいという御意見をいただいているところでございまして、大蔵省といたしましてはこの提言も踏まえ、今後郵政省のお考えも十分聞きながら意見調整に努めてまいりたいと思っているところでございます。
#88
○及川一夫君 それは意見調整に努力されるでしょう。それはそれとしていいんですけれども、大体最後になってきましたから大臣に最終的にお伺いしておきたいと思うんですが、今大蔵の方がおっしゃられた研究報告と郵政のやつではどうしてもやっぱり違うわけです。新聞紙上でもみんなそうとられて、対立しているということになっているんですね。
 私は対立を好みません。何とか一致してもらいたいということなんですが、それを考えるに当たっての前提なんです。もう金利をそこで調整してうまくいけばそれで終わりかということになるんですが、少なくとも郵政省が、局長が主張している、あるいは研究報告が言うていることを具体化していきますと、私は必ず、民間における銀行と国営による貯金事業、この違いは何かということが必ず論じられると思います。少なくとも金利は自由にさせてくれというからにはやはり、じゃ民間銀行が持っている条件と貯金事業とは一緒なのかということになると一緒にならないわけですね。
 例えば税法の問題があるでしょう。あるいは独禁法の問題もあるし商法の問題もある。少なくともこの三つは貯金事業には適用されていないわけですね。ですからそういう意味合いでいきますと、競争とか市場原理とこう言うけれども、貯金事業にそういう要素を入れるというのは一体どういうことになるんだろうか。やっぱり貯金事業の民営化ということが想像できるわけですよ。必ず議論はそっちへ行くはずだというふうに私は受けとめているんです。
 ですから事は金利の問題だけじゃない、貯金事業のあり方論が問われている。そうしてそれによって影響を受けるのはやはり預金者、利用者であり国民である。あるいはそれは国全体の予算編成の何々かに影響も与えてくるんだろうと思うんですよ。そういったことを明確にとらえながらこの金利の自由化という問題を論じていきませんと、特に貯金事業の場合に論じていきませんと後で取り返しのつかないことになりはせぬかということになるわけでして、したがって大臣にお伺いしたいのは、ずばり貯金事業の民営化というのはあるんですかないんですかということをお聞きしたいのであります。
#89
○国務大臣(深谷隆司君) 先ほど局長からも御答弁申し上げましたが、金利の自由化時代に他動的に郵便貯金の金利が定められるということは、実際に経営体としてはおかしな話だと私は思うのであります。かといって、民間の金利の状態とかけ離れた非常識な形で打ち出すということなどはこれはもう金輪際許されないことでありますから、そこはきちっと良識の上に立って判断をしていくことだろう、こう思っているわけであります。そして、決して世間の良識に外れることのないような内容で進めていくことだけは間違いがない、これはもう断言申し上げて差し支えないと、こう思うわけであります。
 ただ、国民の皆様に身近な分野で郵便貯金が国民のために利便を図るような今日の制度、そしてそこで集められました資金が社会資本の整備など公的分野に供給されるというこの仕組み、これはもう全く変わらないことでございまして、そういう意味では、先生の御指摘もよくわかるのではありますが、民営化ということは全く私たちの頭には入っていない事柄だと言わなければならぬと思うのであります。郵便貯金が完全自由化のもとで引き続いてこの基本的な役割を果たしていくために、非営利で、しかもかつ三事業一体の今の体制で堅実に進めていくことが最も肝要ではないかと思っております。
#90
○及川一夫君 終わります。
#91
○委員長(青木薪次君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   正午休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#92
○委員長(青木薪次君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、郵便貯金法の一部を改正する法律案、郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律案の両案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#93
○守住有信君 午前中、ほかの委員の先生方からもいろいろな角度で御質問がございました。私はやはり同じようにこの法案、通称して国際ボランティア貯金と言わせていただきますが、この法案とか制度とか、今後の運用、運営の問題についてお伺いするわけでございますが、それに入ります前に、先ほども出ました金融の自由化、金利の自由化、そのバランス論ということも御指摘があったわけでございます。民間と郵貯、同じ金融機関相互間の金利の問題が比較論として出ておるわけでございますが、単に金融商品、中心はもちろん金利でございますけれども、他のそれをめぐる商品の多様性とか、午前中も出ましたような国家公務員あるいは地方公務員等に対する給与の自動振り込みの仕組みだとか、そういう制約、そういう総合的なバランスというのが、預金者の選択の自由の中での金融自由化でございますから、そういう金利だけの問題でない、それを除くほかのいろんな制度等々のバランスというもの、郵政省貯金局としてもこれをとらえて今後の政策展開をしていかなきゃならぬだろう、このようにも余計に感じておるわけでございます。
 そういう金利を除くもろもろの金融商品の、あるいはいろんな細かい話をしますけれどもPRの経費、コスト等の問題もあるわけで、そういういろんな角度からの諸問題について、貯金事業の責任者として貯金局長さんほどのようにこういう問題を受けとめておられるか、また今後に対してどのような政策を持って臨もうとなさっておられるか、まずそれをお聞きしたいわけでございます。
#94
○政府委員(成川富彦君) 郵便貯金は、先生御案内のとおり、全国あまねく郵便局を通じまして個人金融サービスを提供すると同時に、集められた資金は公的な資金として融資されているところでございます。社会環境の変化に伴って国民のニーズも大変多様化、高度化してまいるわけでございますので、それらのニーズを的確にとらえて常に新しい商品の開発等にも努めていかなきゃいかぬと思います。
 金融の自由化というのは金利の自由化だけではなくて、商品の開発の自由あるいは多様な商品の提供ということが可能になってまいるわけでございますけれども、現時点におきまして民間金融機関と比べますと、例えば貸付制度におきまして民間ができているのに私どもはし得ない分野もあるわけでございます。いろんな制約のもとに置かれていまして、商品の名様性という面ではまだ私どもがおくれている点が多々ございまして、個人金融サービスという面で一層努力していかなきゃいかぬというふうに考えているところでございます。
 金利自由化になりますと私どもの事業経営も大変厳しくなってくることは火を見るよりも明らかでございまして、そのために効率化、合理化ということをやっていくと同時に、運用面におきましても、運用範囲の拡大あるいは自由化対策資金の運用上の資金量の拡大等にも努めていかなきゃいかぬというふうに思っております。いずれにいたしましても、金利自由化、金融自由化というのは私どもの事業経営にとってバラ色というだけではなくて非常に厳しさも伴っているということで、気を引き締めて取り組んでいかなければならないおきな課題だというふうに認識しているところでございます。
#95
○守住有信君 預貯金の金利だけでない、商品の多様化というもの、片側でローンという、郵貯は一つあるだけでございますがそういう点のアンバラというのもございますし、まして、いろいろ金融制度調査会の方で、銀行と証券あるいは生保等々の相互間のいわゆる垣根の低下、こういう大きな自由化、そこにまた、御案内のとおり現在でも銀行の預金と生保との組み合わせ商品とか、いずれ証券界、債券類との組み合わせだとか、そういういろんな垣根が下がるにつれてまたさらに、今までのそういう現状だけじゃなくて多様な組み合わせ商品、あるいはローンと結びつけたりというふうな時代にもう既に入りつつある、私はこのように認識をしております。
 そこら辺のところ、ローンとの関係、あるいは他の生保とか損保とかあるいはまた証券とか、そういうふうなところの関係につきましてはいろいろ御勉強だと思います。皆さん方いろいろ研究機関をお持ちでございますし、学会も生活経済学会というのをお持ちでございますが、どういうふうに受けとめておられますか、もう一回お聞かせいただきたい。
#96
○政府委員(成川富彦君) 先生御指摘のとおり、金融制度調査会でございますか、証券と銀行の垣根撤廃問題等々、業務の自由化も含めまして検討がなされているところでございます。私どももそれらも踏まえまして適切に国民のニーズに対応できるようにしていかなければならないわけでございます。
 先ほど先生御指摘のございましたように、私ども、預金を担保とする貸付制度、いわゆるゆうゆうローンしか現在できていないわけでございまして、今は単に預ける時代から借りる時代というように言われているわけでございますので、そういうことから昨年の予算要求におきまして新ゆうゆうローンということで貸付制度も要求した次第でございます。
 民間金融機関も含めまして、業務の多様化それから商品の多様化ということが進んでまいるわけでございまして、ひとり私どもが旧来の商品だけを守っていける時代ではございません。先ほど先生御指摘もございましたように、保険と貯金との組み合わせ、あるいは債券との組み合わせ等も含めまして積極的に商品を開発し、国民の期待にこたえていかなければならぬというふうに考えているところでございます。
#97
○守住有信君 次に、いろいろODAの関係のお話も出てまいりましたが、一般的にODAと呼ばれておりますけれども、その中で大きく分けて贈与と借款、これは政府資金によるものでございますが贈与と借款、そして贈与の中で二国間贈与と国際機関への出資、拠出、それから借款、こういうふうでございますが、この借款の方、これは御案内の海外経済協力基金、OECFと呼ばれておりますがこれが主体となって、この資金のもとはいわゆる資金運用部資金、これが財投基準金利でありますために、低開発国、下は一%から、開発国の国民所得に応じて上はブラジル、韓国等の四%というふうなあれでいっておりますけれども、この資金のもとは、金利を低下させるためのOECFへの出資金と資金運用部資金、こういうふうになっていることは御承知だと思うわけです。
 他方、厚生省の方、同じ資金運用部資金である厚生省の厚生年金、国民年金の方は、いわゆる資金運用部資金の使途別分類表、拠出制国民年金が始まりましたのはあれは昭和四十年代の半ばでございますか、使途別分類表ということで、厚生省から強制基準年金のお金であるからということで大蔵省につきつけまして使途別分類表というのが毎年度明らかになるということになっておりまして、特に厚生省はその中で、いわゆる産業・技術あるいは貿易・経済協力に対しては一銭も出さぬ、こういうふうなことになっておりまして、その裏側として郵便貯金の原資がOECFを中心としまして片や活用されております。
 したがって、資金運用部資金の平成二年度の財投計画の中の使途別分類によると、郵貯資金等が産業・技術では七千二百七十九億、これは厚生省年金資金はゼロでございます。それから貿易・経済協力、ODAでございますけれども、一兆五千百六十七億、厚年資金はゼロでございます。もちろん民間の政府保証債の引き受けもこれはゼロになっております。したがって、この途上国に対する円借款、途上国の産業開発、こういうことに対しては原資的には郵便貯金が、この資金に色をつけていきますと全部郵便貯金がやっておる。税金の出資金も入っておりますけれども、そういう姿だと私は前から認識しておるわけでございますが、この点の国民的な認識、あるいは経済界あるいはいろんな行政、各種団体でも余り認識されていない。
 厚生省の方が使途別分類表を要求したわけでございますので、その裏側として、郵便貯金が専らオンリーで使われておるのはこの二つの項目、特にいわゆる二国間の円借款、低利長期融資の原資である。ここのPRというか、国民経済的にも世諭的にも余りそういう点を知られていない。いろいろ貯金のパンフレットを拝見しておりますけれども、いわゆる国内的な、学校とか道路とか、いろいろ地方債初め各政府関係機関の社会資本等出ておりますけれども、この途上国、未開発国に対する長期低利の融資、これがさっぱり出ていない、こういうふうな印象を私は長いこと持っておるわけでございます。ここらあたりを郵政省、貯金局それ自体ももっと認識して大いに知らせるべきと、こういう考え方でございますが、いかがでございましょうか。
#98
○政府委員(成川富彦君) 先生御指摘のとおりでございまして、私どもは従来どちらかといいますと、郵便貯金資金が住宅とか公園とか学校などの国民に身近な分野に役立っているということにウエートを置いて、PRといいますかお知らせ活動をやってきたところでございます。海外の援助のために有効に活用されているということにつきましては若干PRが不足していたということは事実でございます。こうした面でのPRも今後は力を入れていかなければならぬというふうに思います。
 住みよい社会運動月間というようなことで十月あたりお知らせ活動をやらせていただいているのですが、その中でも余り海外経済協力に役立っているというようなお話はしておりませんし、ポスターの中にも余り書いてない状況でございますが、今後、先生の御指摘も踏まえまして、その面の検討をしていきたいというふうに思います。
#99
○守住有信君 それでは、通称ボランティア貯金の問題に入らせていただきます。
 この制度のねらいとか趣旨とかはいろいろ午前中御質問がございまして、御回答を通じてより明確になりつつあるなということを感じておりますけれども、この政策、アイデアから始まったと思いますが、午前中松前委員からもどこからそんな話が出たかというお話が出まして、郵政省の内部からも出たけれどもさらに幅広くということで、何か郵貯の研究会でございますか、そこも、何かペーパーを見ましたけれどもどういう研究会で、いつごろからこの発想というのが内部から温め出されたのか、そこらのところをちょっとお聞かせいただきたいと思うんです。
#100
○政府委員(成川富彦君) 郵便貯金に関する調査研究会で一九九〇年代の郵便貯金ビジョンにつきまして検討していただいておりましたところ、昨年答申をいただきました。その中に、国際化とか地域振興とかいろんな項目につきまして検討をいただいておるんですが、現在私どもが考えておりますようなものそのものではございませんけれども、それに似通ったアドバイスといいますかサゼスチョンが盛り込まれておったところでございます。私どもの方としてもそれも参考にしながらこのような案を考えさせていただき、御審議をいただいているような次第でございます。
#101
○守住有信君 私もこれは、時代と今後の将来にまれに見る好施策ではないか。特に私が意識しておりますことは、昔は子供郵便貯金局、子供郵便貯金というのがございました。ところがだんだんこれが、学校の先生も忙しい、金額も小さいというふうなことで、私は数字はお聞きしませんけれどもたんだん少なくなりつつある。しかし世界の中の日本として、単にこれが政府と政府の援助でなくて国民一人一人の善意、貧しい国々の人たちの生活が今映像の時代ということでNHKや民放を通じていろいろ出ております。そういう実感の中から、国民一人一人が相手の貧しい国のお一人お一人へ、あるいは子供さんへと、そういう発想が制度的に出てきたということで、私どもいろいろ国内の福祉もやっておりますけれども、もっと海外の国々へ、政府間援助だけでなくて国民一人一人が相手の貧しい国民一人一人へつながっていく、こういうふうな政策だということで、この制度自体非常に高く評価しておるわけでございます。
 今後は、いろいろ御意見も出ておりましたけれども、仏をつくって魂を入れにゃいかぬ、こうい気持ちでございますので、まずは国民の各界各層の皆様方、特に小さな子供を持った若いお母様方を中心に、御年配のお年寄りの方、昔の仏の慈悲の心というようなそういう心を持った方もいらっしゃいますし、そういう方々等々へ広く大きくキャンペーンをなさる、これが一番大事だと思うわけでございます。
 それで、今はまた職員の方が大事でございます。職員の意識改革といいますか、この制度創設の背景、意義というものを職員にも十分浸透させにゃいけません。今はV90ということで一生懸命になっておるわけでございますが、まずは世論形成、そちらの方を、いわば私の発想ですが先にやりたい。V90をある程度勝利したら再び今度は職員の方へ、職員を通じて地域の預金者の皆様、御家庭へ、こういうふうな気持ちを私は持っておるわけでございますが、そういう方面に対しましての今後のキャンペーンや浸透の戦略というか手法というか、午前中にも幾分話が出ておりましたけれども、もう一遍お聞かせいただきたいと思います。
#102
○政府委員(成川富彦君) 先生御指摘のとおり、まず関係職員が十分その趣旨あるいは制度を理解していなければ国民に理解を求めることは難しいわけでございます。したがいまして、V90が勝利してからではちょっと間に合わないので、並行的にやっていかなきゃいかぬと思います。幸い、これは実施できるのは大体一月ごろだと思っておりますので、V90は十一月までと一応八%の金利のものはなっておりますが、それ以降も若干金利の高いものも満期を迎えるわけでございます。したがいまして十一月以前から、法案を成立させていただきましたら早速段取りを決めまして、まず関係職員に理解してもらうように努力していきたいというふうに思います。
 それからPR等につきましては、午前中のこの委員会の場でもお話しさせていただきましたように、ポスター、チラシ等をつくるだけではなくて、国際協力の日などを中心にキャンペーンなどできないだろうかというようなことだとか、あるいははがきの下の方にそういう広告文等を入れて周知する等々のサゼスチョンも衆議院の方でもいただいております。それらも含めまして効果的なPRに努めて、国民にまず理解をしていただくように努力していくことが肝要かというふうに思っております。
#103
○守住有信君 午前中もNGOの関係等々、外務省もおいでいただいてお話も出ておりましたけれども、寄附という、お一人お一人の利子の一部ですからわずかかもしれませんけれども、海外の本当に貧しい人たちに対する善意という、割に長い間日本人の心や風習の中で外国と比べて非常に少なかったものにいわば火をつけて展開していこう、こういう仕組みだと思うわけでございます。
 したがいまして寄附金の使途の方も、余り厳しく枠をはめるといいますか、郵政はこれはやったことがなかったんですから、素人なものでございますから、そこらあたりも、いろんな経験を積み重ねてこられましたNGOの方々とか関係の深い専門の方々とも緊密な御連絡もしていただきながら、余り硬直的にならぬように、本当にどれだけ浄財が集まってくるかもまだ不明でございますし、スタートは余り硬直的な発想でなく、しかし問題はNGOの各種団体からさらにその先、いろいろ私も国際ボランティアに力を入れておる民間の人たちからも直接話を聞いておるわけですが、行った先でよく、そういう貧しい国のボスと言うと変ですがそういうのがおって、本当に貧しい一人一人、病気になっておる子供、飢餓で飢えておる、そこへ行っておるかどうかこれは十分ウオッチングしていただきたい。
 これが一・五%というあれの中にのってこなきゃいかぬ、こういうふうにも感ずるわけでございますので、そういう意味での監査といいますか、いわゆる役人手法的監査でなくて、現地で本当に役に立っている、それもどうか映像に撮っていただきたい。我が郵政省は放送文化を持っておるわけでございます。映像の時代、映像を通してお預けになった方々に見ていただく。あるいはNHKもある。あれは公共放送でございます。そういうものと連係しながらやっていただいたらいかがかというふうに考えておりますので、ひとつまたその辺の発想も柔軟にやっていただきたい。
 このやり方は初めての経験でございます。まして、途上国ですから海外の方でございます。手法といいますか、これは今からどんどん検討を深くされていくと思いますけれども、どのような発想をお持ちか、ちょっとだけお聞かせいただきたいと思います。
#104
○政府委員(成川富彦君) 預金者の心のこもった善意でございますので、それが生きて使われなければ何の意味もない、効果的に使われなければならないわけでございます。したがいまして監査に当たりましても、そのお金がどのように生かされて使われているかということに主眼を置きまして監査をしていかなければならないというふうに思います。
 午前中のお話にも出ておりましたんですが、そういう実際に役立ったという人の声が私どもの方に寄せられたときにはそういうのをパンフレットに載せるとか、あるいは今、守住先生から言われましたように、映像等も利用できるものであるならば利用するとかいうようないろんな方策によって国民に生きた使われ方がなされているということをフィードバックできるようにやっていかなければ、またさらに利用者がふえていくということにもつながっていかないのじゃないかというふうに思います。そういった意味合いにおきまして、いろんな面でお金の使われ方等につきまして国民に理解が得られるような方策を講じていかなければいけないというふうに思います。
#105
○守住有信君 いろいろ深く将来もお考えのようでございますから、よろしくお願い申し上げておきます。
 さらにまた、今後の長期的な展開でございますけれども、こういうボランティア貯金をどんどん普及しかつ深めていくというためには、やはりいろいろ郵貯制度に制限がある。税金の話も、課税は二つの点、二〇%一律というやっと、一万円以下は所得税の控除は、少額ですから寄附金控除はございませんので、そういう二つの点があって、平成五年度に全体を見直すときにこれも念頭に置きながらというお話も出たわけでございますが、課税の面だけでなくて、いろいろこういう限度額というか、善意の方々がおられまして、場合によってはそんな二割じゃない、半分でもいい、全部でもいいとか、金額も通常貯金のあれだけでなくてもっとだとか、あるいは定額もいいよとか、私はそういう運動になっていくことを、今はスタートでございますけれども思っておるわけでございます。
 そういう意味からも、こういう人の善意、これは実績もずっと要ると思いますけれども、それに対する限度額を初めいろいろな制約がある。こういう限度額等々の制約、これを実績を重ねることによって、特に性質の違った郵便貯金の利子でございますから、そういう角度でどのように今後お取り組みになるか、ひとつ郵政大臣の御決意と抱負等がございましたら最後にお聞かせいただきたいわけでございます。
#106
○国務大臣(深谷隆司君) 国際ボランティア預金は預金者の自発的な誠意をもって成り立つということで、これから通常郵便貯金の利子を海外援助のために寄附していただくということで活発な新しい国際社会へ貢献する日本人のあるべき姿を天下に示していくことになっていくであろうというふうに思います。
 一般の預入限度額の中でカウントしなくても済むような配慮を行うことが必要であるとも考えておりまして、平成二年の予算折衝において一般の預入限度額とは別枠とすることを要求したんですが、これは御高承のように実現には至りませんでした。しかし、こうした善意に基づく貯金についてはこのような配慮を行うことも大事なことでございますので、今後ともより多く国民が参加しやすいような措置を講ずるべく努力してまいりたいと思っております。
 いずれにしましても、初めてのことでございますから例の非課税の問題その他まだまだ十分に納得できない部分もございますけれども、これから郵政省挙げて努力しながら御期待にこたえる体制を確実に築き上げてまいりたいと思いますので、一層の御指導と御協力をお願いいたします。
#107
○守住有信君 ありがとうございました。終わります。
#108
○磯村修君 今度提案されております法案の趣旨などにつきましてはこれまでの質疑で大方理解できたわけですけれども、私は、これまでのお話し合いの中で確かめておきたいことにつきましてお伺いしたいと思います。
 初めに金利の自由化という問題ですけれども、小口定期預金についての金利の早期自由化ということも求められておりますが、とりわけ百三十兆円を超えている規模の、しかも個人の預金のシェアが三割以上、こういうふうな郵便貯金に対する金利の自由化対策ということが大変関心を集めておるわけです。
 そこで、先ほど来お話が出ている中で、大蔵省の金融問題研究会で出されております意見に対する郵政省の見解、そういったことも、相対していると申しましょうか意見の相違といいましょうか、いろいろな論議があるようでございますけれども、郵便貯金の金利、特に全国一律の公平なサービスの提供ということが大きな特性になっているわけで、そうしたことを踏まえまして金利自由化に対応していくその決定方式といいましょうか、方針の具体的に決まっていく時期はいつごろになるのか、その辺の見通しをお伺いしたいと思います。
#109
○政府委員(成川富彦君) 金利自由化につきましては、私ども、早急に小口預貯金についてもやるべきだということで主張してまいったところでございます。現時点におきましては、昨年導入されました小口MMC、金利自由化への過渡的な商品としてそのような商品が設けられまして今進捗しております。私どもの設置させていただきました金利自由化に関する専門委員会では、今秋あたりから小口MMCの一定の額までは金利自由化すべきだというような御提言もいただいておりますので、その実施時期が秋ということになれば、それまでの間に私どもは金利決定方式等につきまして詰めていかなければならぬというふうに思っております。そういうことでこれから準備をしていくところでございます。
 それから、地域別格差、地域別金利の問題にちょっと先生触れられたと思うんですが、これにつきましては、私どもの金利自由化に関する専門委員会では必要性が乏しいのではないかというようなお話でございます。あまねく公平にやるというようなこと、あるいは私どもの経営は運用面においては一体として行っておりますし、それからエレクトロニクスの進歩によりましてエレクトロニクスバンキングといいますか、そういうことによりまして金利の裁定が常に行われて格差が生じなくなりつつあるのではないかというような一部の意見もございます。そういうことからいたしますと、地域間の格差をつけることについては必要性に乏しいし、また実際問題としてはなかなかできにくいんじゃないかというような御提言をいただいております。
 私どもはその点については大蔵省の金利問題研究会と若干意見を異にしているというか、大蔵省の方も別にそれでやれということを言っているわけじゃなくてそれも検討材料ではないかというような趣旨のことでございまして、全く対立しているというわけではございませんが、私どもは若干それよりも一歩進んで、必要性が乏しいというような考え方で取り組んでいるところでございます。
#110
○磯村修君 それから、金利の自由化された後の郵貯の資金の運用なんですが、運用規模の拡大とか地域への還元等いわば有利な運用のあり方、これからいろいろと大変複雑な局面にも遭遇しようかと思うんですけれども、資金運用のこれからの取り組みと申しましょうか、対応の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
#111
○政府委員(成川富彦君) 金利自由化になりますと、光の面といいますか、預金者にとって利益という面で預金の利率が上がっていくわけでございます。受取利子がふえていくわけでございますけれども、それに伴いまして私どもは経営的にコストが高まるということで、それに対応できるようにしていく必要がございます。資金運用面の拡大がまず第一でございますが、それと同時に、効率化、合理化ということによって経費節減をしてお客様により多くの利子が支払えるような状態をつくっていかなきゃいかぬと思います。
 何といってもその中で中心になるのは資金運用面の改善でございます。金利自由化の進展に伴いまして、資金調達面におきまして市場実勢がより一層反映されたものにしていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思います。したがって、郵便貯金事業はこの金利自由化に適切に対応していくために資金運用部への預託利率を既に市場金利連動型化したわけでございます。
 それと、金融自由化対策資金を創設することによりまして郵便貯金資金の一部を市場原理に基づいて自主運用する制度も現在つくっているわけでございます。しかしながら、自由化対策資金の資金量は平成三年度末残高でいいますと十五兆円ということに現在のところなっております。平成四年度以降につきましては、これを自由化の進展に対応いたさせまして拡大していくことも必要でございます。
 それと、運用面におきましても、多様化する時代の中で運用範囲の多様化、運用範囲の拡大も図っていかなければならないのではないかというふうに思いますので、これから金利自由化の進展に合わせて鋭意検討して、運用面の改善もあわせて図っていく必要があるというふうに思います。
#112
○磯村修君 過日、郵政省主催の金融国際シンポジウムというのが開かれたそうですけれども、その会議に出席なさいましたアメリカの消費者連盟の代表の方が、金利の自由化についてはアメリカの場合は消費者の利益にはつながっていないというふうな発言があったようでございますね。そういう意味から日本の消費者の立場を考えた場合にこの自由化というのは果たして利益につながるだろうかというふうな一つの疑問を提起しているような発言も私報道でちょっと知ったわけなんですけれども、この金融国際シンポジウムでのそうした発言についての郵政省の印象と申しましょうか感想をお伺いしたいんです。
#113
○政府委員(成川富彦君) 先生、今御指摘のように、消費者連盟の代表者の方は、金利自由化になって低所得層については銀行等の預金を利用することができなくなってしまった例があるのでこれについてはいろいろと問題がある、規制も少ししていかなければならないんではないかというような御意見等もございました。いわゆる影の面、我我が言っております影の面でございます。
 アメリカの例を見てみますと、一定額以上預けないと手数料を取るというようなこともございますし、また、収益志向が強くなるものですから店舗を撤退して利用できる店舗が近くになくなってしまうというような例もあるようでございます。そういりた意味合いにおきまして、私どもの郵便貯金の存在意義というものは、影の面を小さくするという意味合いにおきましてますます強くなっていくのではないかというふうに考えているところでございます。
 それで、国際シンポジウムの中でもうお一方、プロクシマイア前米国上院銀行委員長の講演の中でも、米国では規制金利を撤廃した結果一部の金融機関が預金獲得競争に走りハイリスクな投資を行ったため、その経営破綻が大きな社会問題となっているという趣旨の御発言もございました。しかしながら、プロクシマイアさんが言っておりましたのは必ずしも金利自由化に反対しているわけではございませんで、その進め方等につきまして、規制当局といいますか、監督がある程度行われないと銀行が好き勝手にハイリスクなものにどんどん投資してつぶれてしまう、あるいは大赤字を抱えてにっちもさっちもいかなくなる。S&Lということが新聞等でよく報道されておりますが、ああいう問題が出てくるのではないかというような御趣旨の発言でございまして、規制金利に、もとへ戻せというような御主張ではなかったところでございます。
 私どももそういうような米国の例なども参考にしながら自由化には対処していかなければいけないんではないか。金融機関がつぶれてしまって預金者に迷惑をかけるとか預金者の利用ができないような状態をつくるというようなことのないように、十分気をつけて自由化に対応していかなきゃいけないのじゃないかというふうに思います。
#114
○磯村修君 次に、いわゆる国際ボランティア貯金、これは預金者の自発的な意思によって郵便貯金の利子の一部を難民救済等に役立てるというふうな趣旨でよく理解できるわけなんですけれども、先ほどの質疑の中で、強制してはいけないというふうな、また強制もしないというお話がありました。
 私は、お話を聞いておりまして一つ心配になることは、こういう預貯金というのは、預貯金獲得の過程の中でもって局の実績を上げようというふうな意気込みがちょっと過ぎてしまって、いわば強制的と申しましょうか、何か引っ張り込むというふうな形でもってあらわれてくると思うんですね。これは玄関先なんかでお話を聞いたりしている場面を思い出してみますと、どうしても引っ張り込むというふうな意気込みの過ぎたものがあらわれてくる、そういう懸念があるんです。そういう意味合いにおいて、強制的という言葉に当てはまるような行動がちょっとちらつくんですけれども、郵政省はいわば自由意思をあくまでも尊重するという立場でもって、郵便局の側に対してこれからそういうことがあってはいけないんだというふうな指導があると思うんですが、その指導方針というものをお聞かせください。
#115
○政府委員(成川富彦君) 先生おっしゃいますように、自発的な善意に基づくものがこの国際ボランティア貯金でございまして、つまりそれが強制にわたるようなことになるとボランティアという名称ではいけないような話になってしまうわけでございます。したがいまして、郵便局の関係職員には制度の理解と趣旨の徹底は図りますし声がけもさせていただきますが、あくまでもお客様に強制されたというような感じを持たれることのないように郵便局を指導していきたいというふうに思います。
#116
○磯村修君 義援金というのは赤い羽根で例がありますけれども、もう本当に割り当て的なことによってお金を集めるわけですね。そういうことも一方にあるわけです。そういう意味において、本来ボランティアというのは個人個人の自由意思の発想によって助け合いをするわけですから、その自由意思というものを尊重しながらのボランティアでなければ本来の意味が生かされないというふうな意味合いからも、ぜひとも局の実績を上げるための競争に走らせないような、自由意思をあくまでも尊重するような指導をお願いしたいと思うんです。
 それから、この寄附金の配分は民間の営利を目的としていない援助団体に委託してやっていくというふうな仕組みのようですけれども、この民間の援助団体、NGOというのは今大体どのくらいの数があって、そして実際にはどういうふうな事業を具体的になさっているのか、お伺いしたいと思います。
#117
○政府委員(成川富彦君) 我が国のNGOは、諸外国といいますか欧米諸国に比べますと比較的歴史が浅くて数が少ないということでございますが、それにいたしましても、NGOの活動推進センターというところの調査によりますと約二百ほどのNGOが存在しているということでございます。法人格を持ち寄附金控除の対象となっているものは約四十団体あるようでございます。
 それで、どのような事業をやっているかということでございますが、主な例を挙げますと、飢餓地域への食料支給事業とか被災地への医師等の派遣、それから保健衛生知識の普及事業、飲料水確保のための井戸掘り事業とか簡易トイレの普及事業、それから貧困層を対象とする識字学習事業など、非常に多岐にわたっておるようでございます。
#118
○磯村修君 援助事業でもっていろんなものを困っている国に送るという中で、聞くところによると仕組みが大変複雑で難しい約束事があるようなんですけれども、今、米の問題がありますね。非常にお米が余っている、農家は減反政策をとっている、古米はあるという、その古米を生かす方法はないんだろうかというふうな感じを私は持つんです。これは関係省庁との話し合いの中で、援助物資の中に日本にある米を本当に困っている難民のために役立てるような方法はないんだろうかというふうなことを感ずるんですけれども、これは郵政省独自ではできない問題でして関係の省庁とお話ししなければできないわけなんですが、その辺を積極的に、なかなか難しいでしょうけれども取り組んでいくというふうなお考えはありますか。
#119
○政府委員(成川富彦君) 先般、先生からも議員会館の部屋で御指摘を受けまして、私どもは食糧庁にも尋ねてみたところでございますが、食管法十一条がございまして、米の輸出につきましては政府の許可が必要である、政府の許可を得ればNGOとして米を援助することもあり得るということでございます。その許可の状況が現在どのような状況になっているかにつきましてはまだまだこれから詰めてみなきゃいかぬというふうに思いますが、許可を受けさえすればできないことはないということのようでございます。
#120
○磯村修君 ぜひ、でき得るものであればそういう援助も一つの方法であろうと思いますので、積極的な考えを持って取り組んでほしい、こういうふうに思うわけです。
 それから、寄附金には課税もされるわけで、初年度は推定九億程度見込んでいるというんですけれども、一人当たりにしますと大体どのくらいの援助物資を買うことができるんでしょうか。一人当たりにすればどの程度のものを送れるんですか。
#121
○政府委員(成川富彦君) 通常貯金の一人平均残高は十二万三千円でありまして、一人当たりの寄附はそれから生じた利子の二割ということで仮定いたしますと五百九十円になるわけでございます。五百九十円でどんなものが買えるかということでございますが、医療用品といたしましては、子供用の結核治療薬四十三日分、無菌の包帯が十三個、それから予防接種用の注射針が百三十四本。食料品として被災地なんかでは乾パンなども役立つんじゃないかということで調べてみましたら約二百五十個、大きさがどのくらいの乾パンかわかりませんが、二百五十個程度の購入が可能なようでございます。これは日本で購入した場合の量で今申し上げたので、もう少し安いところで買ったり、円高になってあれすればもう少し余計購入できるかもしれませんが、日本で買おうとすると今の程度のものが一人当たり買えるということになるようでございます。
#122
○磯村修君 いろんな援助の団体にお願いしてやることになるわけなんですけれども、実際にこの援助活動が始まるのはいつごろになる予定ですか、当初は。
#123
○政府委員(成川富彦君) 配分金額といいますか、寄附に充てられる利子額が確定しますのは四月の早々でございます。四月早々から公募を始めまして事業内容の審査あるいは配分金額の決定などをやっていきますものですから、六カ月程度かかるわけでございます。したがいまして、実際にNGO団体がお金を受け取って配分できるのは平成三年の十月、配分が開始される時期は十月ごろになるだろう。実際に受け取ったNGO団体がすぐに始めるか、若干の準備期間等も必要でございますので、実際に現地でそのお金が有効に使われるのはもう少し先になるのではないかというふうに思います。団体によってまたかかる時間等も変わってまいりますので一概には言えませんが、若干時間がかかるんじゃないかというふうに思います。
#124
○磯村修君 最後にお伺いしますけれども、これは預金者の善意によって事業が行われるわけなんですが、法案にも書いてあります監査ですね、これは具体的にどういう方法で、現地監査というふうなこともあるんでしょうか。
#125
○国務大臣(深谷隆司君) 国際ボランティア貯金の配分金がどのように有効に生かされているかということは、預金者の善意が生かされているかどうかという点で非常に重要でございます。そのために使途目的に沿って適正に使用していただくことが最も必要なことだと思います。
 したがいまして、配分金の使途につきましての監査は、配分金が使途日的どおり適正に使われているかどうかを調査、確認する観点から、配分金に係る経理状況それから事業の実施状況等についてまず書面または実地によって厳正に行う、先生の御指摘の現地の実際の状態を調査するということもあり得る対象の中の一つでございます。また、海外における現地の状況についても必要に応じてその実態を的確に把握しなければならないというふうに考えております。
#126
○政府委員(成川富彦君) 先ほどお米の関係でお話し申し上げるのを落とした点がございますのでちょっと触れさせていただきたいと思います。
 農水省に尋ねましたところ四点ばかり指摘がございまして、一つは、国際食糧機関に余剰米処理原則があり、その内容は、被援助国の農業生産に対する配慮や、悪影響を及ぼさないような援助じゃなきゃいかぬということ。それから国際食糧援助規約というものがございまして、これは一九八六年から一九九一年まで有効ということのようでございますが、援助は開発途上国からの買い入れが原則となっておりまして、日本からの食糧援助についても第三国から米穀を買い入れて被援助国に提供しているということのようでございます。
 それから、日本の米を提供した例といたしましては余剰米を昭和五十四年から五十八年に三百五十七億円輸出した例があるが、これは財政上等の問題で打ち切りとなっておるということでございます。それから最後に、先ほど申し上げましたように、食管法の十一条の政府の許可がなければNGOで米を援助することができない、そういうことのようでございます。
 先ほど答弁漏れがございまして、どうも失礼いたしました。
#127
○磯村修君 終わります。
#128
○太田淳夫君 それでは、この法案に賛成でございますけれども、何点か質問させていただきます。
 最初に、今何人か同僚の方からもそれぞれお話がありましたが、問題点の金融の自由化の問題について、まず大臣及び郵政省当局のお考えを何点かお聞きしておきたいと思っておるわけです。
 郵便貯金事業を初めとして郵政業務の果たされてきた役割というのは非常に大きなものがございます。今ODAのお話もございましたが、ODAを支えている資金の七割近くは郵便貯金の資金であるということも資料で見させていただいております。そういう中で金融の自由化、国際化ということが今アメリカからの非常に強い圧力になってきているわけで、日米構造協議が順調にいっていよいよ最終報告がまとまるという段階になってきたその中で金融問題はどうなんだという声がまたアメリカ議会等ではあって、アマコストさんが来て日本でまた一段と拍車をかけるようなことを言っているわけでございますが、この金融自由化に向けての郵便貯金事業の基本的な考え方、どのような考え方をお持ちになっていらっしゃるのか、最初にお聞きしておきたいと思います。
#129
○国務大臣(深谷隆司君) 郵便貯金は全国あまねく公平に個人金融サービスを提供して、同時に、大事なことですが、社会資本の整備など公的な分野の資金供給を行ってまいったわけでございます。そして、そのことによって国民の福祉の向上を果たしてまいりました。今後、金融自由化が進展いたしましてもこの基盤的というか基礎的な立場というのは不変でございます。金融自由化は預貯金金利の上昇やサービスの多様化などいい部分と、一方では、例えば不採算店舗の撤収とか口座維持手数料の徴収といったようなマイナスの部分というんでしょうか影の部分もございますが、私どもは、そういうような動きが仮に民間機関にございましても、それはできるだけ抑えて最小限の影響にとどめていくというふうなそういう配慮などもこれから考えていかなきゃならないことだというふうに思っております。
 いずれにしましても本来的な郵便貯金の基本的な考えは不変で、そして金融自由化によってどうやってサービスが一層向上できるか、さらにそのことによってお集めいたす資金というものを国民福祉のために使っていくか、しっかり考えて進めたいと思っております。
#130
○太田淳夫君 局長さんもいろいろと御苦労されていると思うのでございますが、アメリカがいろいろと要求してきている金融の自由化、国際化というのは何が本当のねらいなんでしょうか。どのようにお考えでしょうか。
#131
○政府委員(成川富彦君) アメリカが端的に言っておりますのは、日本の金融機関がオーバープレゼンスといいますか強い力で国際金融分野に根差しているのは、規制金利の量がまだかなりあって、それが金融機関の利益になって海外へ強く進出しているんじゃないか。そういうことから、金利自由化を進めなければ公平な公正な競争が国際社会において行われないんじゃないかというような論点で主張しているようでございます。
 しかしながら、アメリカだけではなくて金利自由化は欧州を見ましてもほとんどの国で行われているところでございます。東南アジアにおきましても金利自由化がかなり進んでいるところでございまして、そういう点からいたしますと、単にアメリカだけの問題ではなくて国際的にも、私どもは自由化に対応していかなければならない時代になっているのではないかというふうに思います。それから、アメリカから言われなくても、小口預金者の利益の増進という立場からも私どもは金利自由化は推進していかなければならないのではないかというふうに感じているところでございます。
#132
○太田淳夫君 いろんな御意見もあるわけでございますが、最終的には官業である郵政の行っている郵便貯金を、先ほども及川さんからお話があったけれども、民営化していくということが最終的なねらいになってくるんじゃないかとも言われているわけで、私たちもそのことに反対であるわけでございます。
 今、日本の銀行のオーバープレゼンスなんという話も出ましたけれども、大体アメリカが無理やりに円高にしたんでしょう。日本の国内でも大変な騒ぎになったんですね。我々も予算委員会等で円高救済で大分叫んだこともありました。ドルベースでもって二倍になっちゃったんですから、日本の銀行等の資産が。それでアメリカの国債をファイナンスするために日本国内の金利も低く抑えられてきたわけですから、それでもってきて、今さらけしからぬといってこういうようないろんな圧力をかけるということはけしからぬと思うんですね。
 自然の成り行きの中で、いろんな競争の中でそういうような事態になっていけばよろしいわけですけれども、何年までにこういう目標を達成しろ、日米構造協議と関連して、向こうはこう進んでいるんだからこっちもこういうふうにやれというような高圧的な態度は私は許せないと思うんですが、ちょっと答弁しにくいですか、どうですか。
#133
○政府委員(成川富彦君) 日米金融協議が先月の二十一、二十二日に開かれまして、その場でのやりとり、私はその場に出ておりませんので仄聞するところによりますと、アメリカ側の主張は、低利の規制預金金利の資金を活用して日本の金融機関は有利な競争をしている、不公平である。金利の自由化につきましては、五十八年の日米円・ドル委員会発足以来アメリカは主張して話し合いをやってきたにもかかわらず、既に七年も経過しているのにまだ完全金利自由化されていないのはおかしいではないかというような主張で、したがいまして今後一年以内に流動性預金も含めまして完全自由化をすべきであると主張したようでございます。
 急激な自由化は、私どもの国にとりましてはいろんな業態がございまして、中小金融機関の影響も非常に大きいことも事実でございます。郵便貯金事業も影響を受けないわけではございませんで、私どもも金利自由化に対応していろいろと体質改善といいますか、やっていかなきゃならない面もあるわけでございます。そういったことから、日本側の主張といたしましては、急激な自由化は中小金融機関の経営に影響が大きい、自由化の方向では米国と一致するが、定期性預金金利に限っても具体的なスケジュールは現時点では言えないということを大蔵省の財務官をキャップとするチームは言って、なお引き続きその問題については協議をしていく。十一月あたりの議会にアメリカは報告するので、それまでの間にある程度の合意といいますか調整が必要だというような印象を持っているようでございます。
 私どもは直接担当しているものではないものですから仄聞するところを申し上げてまことに恐縮ですけれども、以上のような感じでございます。
#134
○太田淳夫君 これも私たちいろんな報道でお聞きするしかないんですけれども、銀行関係、大蔵省関係の力もいろいろ協議して、地銀の出されたいろんな案をもとにしながら、九三年までには一応自由化を進めていくんだというような方向で決まりそうだ、そういうような報道もあるわけですけれども、郵政省としてはどんなふうにお考えですか。
#135
○政府委員(成川富彦君) 私どもとしては、小口預貯金の自由化はできるだけ早く進められるべきであるという立場に立って従来から主張してきたところでございます。
 先ほどもちょっと触れさせていただきましたように、ことしの秋、一定額以上につきましては金利自由化を定期性預金についてはすべきではないかということが私どもの研究調査会の委員会では提言されているところでございます。私どもといたしましても、ことしの秋あたりに一定額以上はすべきであるというようなことで主張しておりますが、それと同時に、スケジュールを示してそのスケジュールに従って各業態、郵便貯金も含めてですが、段取りを決めてやっていくということが、ソフトランディングといいますか、金利自由化を成功させる道ではないかというふうに思っております。
 したがいまして、大蔵省には私ども三年とか何か言っておりません、できるだけ早くということですが、いずれにいたしましても、業態に対しましてスケジュールを明示して、それに従って自由化に対応していけるようなものにしていかなければいけないんじゃないかという主張をしているところでございます。
#136
○太田淳夫君 スケジュール化云々という話もございましたが、自由化された後で一番大きな問題になるのは定額貯金の扱いじゃないかと思うんですが、これについてもいろいろと検討はされているんですか、どうですか。
#137
○政府委員(成川富彦君) 先般の郵便貯金に関する調査研究会のもとにおきます金利自由化に関する専門委員会の場では、三年以下の定期郵便貯金の自由化のあり方につきましていろいろと御議論いただきまして御意見を聞かせていただいたところでございます。定額貯金につきましては、六カ月たちますと流動性といいますかいつでもおろせるというような形のものでございますのでこの間の検討の対象にはしておりませんが、引き続きそれらも含めまして御意見を聞かせていただきながら勉強していかなければいかぬというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、商品が多様化してまいりますと、定額貯金のよさというものもあるわけでございます。六カ月据え置きでそれ以後は自由におろせるといったよさと、それから長期的に安定した預金としてお預けいただけるというようなよさとか、いろんなよさがございますので、そういうよさを生かしながら、また学者の方々あるいは経験者の方々等の御意見も参考にさせていただきながら、よりよいものにしていかなければならぬというふうに思っております。
#138
○太田淳夫君 次は、先ほど同僚の委員からもお話がございましたが、大蔵省の金融問題研究会が、金利自由化後の郵貯金利は民間金融機関の平均金利水準を上限とする、こう言っているわけですが、それに対して郵政省側としてもいろいろと反論されているようですね。平均金利による水準決定の根拠は乏しいとか、あるいは本来独立した経営体として事業責任を持つ郵政省に裁量椎があるべきだ、こういう反論をされていると問うんですが、局長ほどのようにお考えですか。
#139
○政府委員(成川富彦君) 金融問題研究会は大蔵省の銀行局長の私的研究会でございまして、郵政省としては何ら拘束されるものではございませんし、また余りコメントを差し挟むことも避けたいとは思うんですが、いずれにいたしましても完全金利自由化のもとにおける郵便貯金の金利につきましては、郵便貯金事業の経営責任を有するのは郵政省でございますので、他律的、機械的に経営の根幹である金利が決められてしまうというようなことでは経営責任の遂行上問題が多いというふうに考えているところでございます。郵便貯金法十二条というものがございまして、預金者の利益を増進し、貯蓄の増強に資するよう十分な考慮を払うとともに、あわせて一般の金融機関の預金の利率について配意しつつ郵便貯金金利を決定していくのが望ましいのではないかというふうに思っているところでございます。
 それから、私どもの調査研究会の方でも「郵便貯金事業は国営・非営利、独立採算制の経営体であり、経営責任を有している。金利自由化後の郵便貯金金利は、預金者の利益の増進等にも十分考慮しつつ、郵便貯金が自ら経営体として責任の下で決定すべきである。」というようなこと、あるいは「金融仲介システムの安定性の観点から公的金融仲介システムの入口である郵便貯金と民間金融機関との相互の間の急激な資金シフトは可能なかぎり回避されなければならない。そのため、郵便貯金はその金利決定に当たって」「民間金融機関の金利に配意することによって、預貯金分野における民間金融機関の金利等を勘案しつつ金利を決定すべきである。」というようなことなど触れられているところでございます。私どもといたしましてはそれらの意見も参考にしながら、先ほど申し上げたような線で関係の向きとも話をしていきたいというふうに思います。
#140
○太田淳夫君 いずれにしましても、郵貯金利、これはもちろんお掛けになっている皆さん方の利益も考えていただかなければなりません。しかしまた、これから民間との競合という部分になってくるわけでございますので、金利の動向というのは金融界にとってもやはり影響が大きくなってくるんじゃないかと思うんです。反面、金利が上がるということは調達コストが高くなるんですね。そうなりますと、財投資金として重要な地位を占めている郵便貯金でございますので、また財投の金利等もいろいろと兼ね合いが出てくるんじゃないか、財投計画の実施にも支障をもたらすことになるんじゃないかという懸念も一方ではあると思います。
 この自由化のいろんな論争が始まりましたときに私たちも、郵貯資金、あるいは簡保資金もありますけれども、もっと自主運用をふやすべきじゃないかということでいろいろと主張もしてまいりましたが、そういうことを今後も考えていかなきゃならないんじゃないかと思うんです。ですから、郵貯金利の自由化と財投の関係から来るその点についてのお考えはどうでしょうか。
#141
○政府委員(成川富彦君) 金利自由化になりますと先生御指摘のとおりコストが高まってまいります。したがいまして、それに応じた収入を得なければ健全な経営は維持できないわけでございまして、運用面における改善措置を講じていかなければならないということでございます。自由化をにらみまして、先生御案内のとおり、預託利率につきましては市場金利に連動するように既に改められているところでございます。それから自由化対策資金というものも設けられまして、これも順調に利益を上げているところでございます。
 ただ、金利自由化の進展に応じて自由化対策資金の運用範囲の拡大あるいは資金日量の拡大等も図っていかなければ自由化に対応できないことにもなってしまうわけでございますので、平成三年度まではもう既にスケジュール的に資金量の増加が決まっております。平成三年度末で十五兆円という数字になっているところでございます。平成四年度以降につきましては運用規模につきましては、自由化の進展状況、それから郵便貯金事業の経営状況、あるいは財政投融資の資金需要等も総合的に見ながら規模拡大を検討していかなければいけないのではないか。いずれにしても拡大はしていかなきゃとても対応し得ないんじゃないかというふうには思っているところでございます。
 ただ、資金の拡大を図るだけではなくて資金運用部資金の預託利率につきましても、金利リスクといいますか期間リスクの対応の問題もございます。したがいまして、そういう面での預託利率の検討、改善もあわせてしていかなければならない時代が来るのではないかというふうに思います。
#142
○太田淳夫君 先ほどもお話がありましたが、小口のMMCの最低の預入金額は現在百万円ですね。現在、自由金利の対象は一千万円以上の定期預金になっているわけですが、とてもこんなには私たちもないわけでございますけれども、小口定期預金の利益を守るためには、まず小口MMCの最低の預入金額の一層の引き下げを図る必要があるんじゃないかと思うんですね。その点どうでしょうか。今秋ということですか。
#143
○政府委員(成川富彦君) 昨年の六日に先生御案内の小口MMCの導入が始まりまして、そのときには三百万円ということで、庶民にとっては若干手が届きかねるような最低預入金額でございました。これにつきまして早急に下げるべきであるというような主張を重ねてきたところでございますが、おかげさまでといいますか、大蔵省等との話がつきまして、ことしの四月二日から百万円に引き下げたところでございます。百万円に引き下げられたといっても、一度に預入する最低の預入金額としては庶民感覚からしますとちょっと高いんじゃないかというふうにも思います。したがいましてこれも早急に下げるべきだということで、五十万円あるいは十万円に早く下げなきゃいかぬということで主張しているところでございます。
 この点につきましてはまだ話し合いがついておりませんで、今後も精力的に話し合いをして、できるだけ早く最低預入金額の引き下げを図っていきたいというふうに思っているところでございます。
#144
○太田淳夫君 今度、債券貸借市場ですが、この規模は、日本証券金融会社による仲介市場というのは五千億から七千億円の規模であると聞いておりますけれども、郵政省の金利自由化対策資金、これは保有国債の五%を目安として参入するということですけれども、五%ですと大体二千三百億円になるわけですね。この金額が市場に与える影響はやはり相当大きなインパクトを与えることになるんじゃないかと思うんですが、その点どのようにお考えでしょうか。
#145
○政府委員(成川富彦君) 先生お話のございました日本証券金融会社による仲介市場の規模は御指摘のとおり六千億程度でございますが、店顕市場というのがまた別にございまして、店頭市場はそれの九倍から十倍ぐらいじゃないかというような説もございます。実際に金額は発表されておりませんし実態が明らかになっておりませんので推測で申し上げて恐縮なんですが、九倍から十倍程度ではないかというふうに言われているところでございます。
 したがいまして、私ども、五%を目安としてやるというわけじゃなくて、五%ぐらいだとすると二千三百億円ぐらいが債券貸し付けに充てられるということでございますので、それほど市場を混乱させるというようなことではなくて、逆に貸借市場を活発化させることによって債券の適正な価格形成にも役立てられるんじゃないかというふうに思っているところでございます。私どもが参画することによって債券貸借市場がいわば参加者がふえるわけで厚みが増すわけでございますので、その発展にもつながるのではないかというふうに思っております。
 したがいまして、先ほど先生御指摘の五%というのは、五%やるということを決めたというわけじゃございませんで、債券の需給動向によってもどれだけ入れるのか、貸せるのかわかりませんものですから、これが有利運用になるという観点からしますと、五%に限定することなく拡張、拡大もしていかなきゃいかぬのじゃないかというふうに思います。
#146
○太田淳夫君 わかりました。まだそういう拡大のめども市場の状況によってということですね。
 それから、最初、対象債券を国債に限定するということでございますけれども、将来、対象の債券を国債以外にも広げる考えはあるんですか。
#147
○政府委員(成川富彦君) 債券貸借市場の対象債券でございますが、既に発行されております国債、地方債、社債等のすべての債券でございまして、ただ転換社債とワラント債は除かれているところでございます。
 自由化対策資金による債券の貸し付けにつきましては、対策資金で持っております国債保有額が現在残高の五割となっておりまして、運用資産の中核をなしているところでございます。また、債券貸借市場におきましても国債に対する借入需要が非常に強くて、取引実態としても大部分が国債を対象としている状況にございます。そのようなことから当面は政令で対象債券を国債とさせていただきたいというふうに思っておるんですが、今後、貸付対象債券につきましては、貸借市場の動向等も見ながら、規模が大きくなった場合にはそのほかの債券につきましても貸し付ける対象にいたしまして有利運用が図れるようにしていきたいというふうに思っています。
 ただ、私どもほかの債券は量的には余り多く持っておりませんので、さしむきは国債で十分賄えるのではないかというふうに思っているところでございます。
#148
○太田淳夫君 次に、附帯決議の中でもいろいろございますけれども、郵政省は個人貸付制度の改善充実を図ろうということで新ゆうゆうローンの創設等いろいろ考えてみえましたね。またもう一つは、国際社会の進展などに積極的に対応するために郵便局における外貨両替業務等もいろいろと実施を要求してきたわけですが、これが実現できなかったのは何がネックになっているんですか。
#149
○政府委員(成川富彦君) 郵政省といたしましては国民の貸付サービスに対するニーズに的確にこたえるために、平成二年度予算の重要施策事項といたしまして、保証機関の保証を担保に手軽に貸付を行う新ゆうゆうローンの実施を要求してきたところでございます。昔要求したときは、貸し倒れがあるんじゃないかとか、担保もないのに貸して何だというような話もございましたものですから、今回、一、二年前からでございますけれども、保証機関の保証を担保にすれば貸し倒れもなくなりますし、平常郵便貯金を利用していただくお客様が中心でございますのでその辺は安全だということで説明したところでございますが、残念ながら実現に至らなかったところでございます。
 大蔵省の主張は、郵便貯金は貯蓄手段の提供を目的としており、純然たる与信業務は郵便貯金法になじまないんじゃないかということと、それから民間金融機関に与える影響が大きい。言ってみれば、消費者サイドといいますか利用者サイドに立った議論ではなくて、民間金融機関という預け入れ側に立った議論で結局実現しなかったところでございます。私どもといたしましては、今借り入れの時代とか言われるような世の中でございまして、簡単に借りて将来のことに備えていくという一般的な世の中になってまいりましたので、消費者サイドといいますか利用者サイドに立ってぜひとも実現を図っていかなければならないのではないかというふうに思っているところでございます。
 まだ来年度予算の重要施策事項等は固めておりませんが、これらにつきましてもなお検討して、実現に向けて努力していきたいというふうに思っております。
 それから外貨両替業務等につきましてでございますが、我が国の国際化の進展に伴いまして海外に渡航する人が現在一千万人を超えているような状況になっているところでございますし、海外から来る人の数も年々ふえている状況にございます。したがいまして、外貨両替とか旅行小切手の販売、買い取りに対する需要が高まっているわけでございますが、サービスを提供している金融機関というのは都市に集中しておりまして、地方へ行きますと利用できる金融機関がなかなか身近にないというような状況にもあるわけでございます。
 諸外国を見てみますと、特にヨーロッパを見てみますとほとんどの国の郵便局で外貨両替業務を行っているような実情にございます。したがいまして、私どもといたしましても国際化に伴う国民のニーズにこたえて外貨両替業務ぐらい少なくともやれるようにすべきだということで、平成二年度の重要施策事項として予算要求をして大蔵省と精力的に折衝を重ねてきたところでございます。
 大蔵省は、現在サービスを提供している民間金融機関に与える影響、これも先ほどの立場と同じ立場でございますが、そのような主張だとか、あるいは農協、信用組合、労金等中小金融機関の外為業務の取り扱いについて金融制度調査会の方に現在それをやらせるべきかどうかということについて諮問中である、郵便局だけを先行させるわけにはいかないというような、昨年の十二月時点においてはそのような状況であったものですから、その際に郵政省だけそれがいいということで先行してしまわれると困る。農協の言ってみれば反対というか、中小金融機関の反対等があってなかなか踏み切れないというような話をいたしまして、残念ながら実現を見るに至らなかったところでございます。
 これにつきましては、消費者サイドというか利用者サイドに立って、それも全国の全部の郵便局でやるというわけじゃなくて利用の多そうなところを選んでやるわけでございまして、民間金融機関と競合するようなところは余りないわけでございますので、ぜひとも利用者サイドに立って実現に向けて努力していきたいというふうに思っております。
#150
○太田淳夫君 最近は国民生活のライフスタイルというのは非常に変化してきております。週休二日制がどんどんと拡大されまして、民間ではもうほとんど普通になってまいりました。あるいは大型連休、欧米のバカンスに匹敵するような、会社によってはもう何日間は強制的に休めというようなこと、あるいは管理職になりますと海外旅行まで行くように奨励されるような時代になってまいりました。その中で郵便局の対応することもいろいろ考えていかなきゃならないんじゃないかと思うんですね。
 一つは、郵便局のATM、CDを全局に配備していくとともに、金曜日あるいは土曜日の稼働時間の延長、あるいは休日稼働も行っていくことも考えていくべきじゃないかというような気がいたしますし、あるいは海外でも、いろいろと連携をとりながら金融機関によっては海外でも出し入れできるようなこともありますので、これからそういうようなことも国際化の時代となりますと幅広く考えていかなきゃならないんじゃないかと思うんですが、その点どうでしょうか。
#151
○政府委員(成川富彦君) 先生のおっしゃるとおり国民生活のライフスタイルが変化してきておりまして、そのライフスタイルの変化に対応して私どもも施設面等で対応できるようにしていかなければならぬというふうに考えているところでございます。
 ATM、CDの全局設置につきましては、平成四年度までに全国の郵便局に設置するという計画で進めているところでございます。金曜日、土曜日におけるATM、CDの稼働時間の延長につきましては去る四月の二十八日に、銀行に先駆けてと言ってはなんですが、土曜日は午後五時まで稼働延長している局を、二百局あったのを二千六百五十局に拡大したところでございます。金曜日につきましても四月の二十七日から、午後七時まで延長している局を原則として普通局全局、二百九十局増に拡大したところでございます。
 それから休日稼働でございますが、これにはいろいろとまだ検討しなければならない点がございます。と申しますのは、日曜日は今までコンピューター等も動かさずにいろんな新しいプログラムのデバックとかそういうものに活用しているというようなことがございまして、それを動かすということになりますとその時間帯をどうしていくかというような問題だとか、それからATM、CDの管理方法などいろいろと解決しなければならない問題があるわけでございます。
 私どもはやはりお客様のニーズに対応してお客様サービスの向上に努めていかなければならないわけでございますので、お客様の要望だとか民間金融機関等の動向を踏まえまして、今の検討課題を解決して早期に実施できるように検討していかなければならぬというふうに思っております。
#152
○太田淳夫君 もう時間が来ましたのであれですが、国際ボランティア貯金につきましては私たちも賛成でありまして、先ほど同僚の守住先生からもお話がございましたが、これもやはりより多くの国民の皆さん方に参加していただけるように、国際ボランティア貯金につきましては一般の郵便貯金の預入限度額の別枠にすべきじゃないか、私たちもそう思います。
 また、お話はいろいろ聞いていますが、NGOの諸団体に一応今のところ限定されているんでしょうか。
#153
○政府委員(成川富彦君) 法律上も、発展途上国における住民の福祉の向上に資する民間の海外援助団体に配分するということになっております。したがいまして、NGOといいますか、民間海外援助団体に配分していくということで考えております。
#154
○太田淳夫君 今は額がまだ少ないんですけれども、将来だんだんと成熟してきますと資金の量もふえてくる可能性がございますね。そうすると、そういう団体以外にもいろいろと後進国の食糧増産のために研究をしている研究機関はいろいろありますね。
 あるところでは、中国のモンゴルとの国境地域の向こうの方の砂漠地帯に何か貯水池をつくって緑化して食糧を生産していこうという研究をされているところもある。中国と合弁でこれからやられるそうですけれども、そういうところとか、それから酸性雨の問題、環境問題等いろいろと研究し、実際に後進地域と手を結びながらやっていこうと努力しているところもあるわけですから、将来そういうところにもだんだんと広げていけるようなことも考えていただきたいな、こう思っております。いかがでしょうか。
#155
○政府委員(成川富彦君) 現在審議していただいております郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律案の内容といたしましては、先ほど来御答弁申し上げておりますとおり、発展途上国の住民の福祉の向上に資する民間の海外援助団体に配分するということになっておるところでございます。したがいまして、現行の中ではなかなか先生のおっしゃったようなところにまで広げるということはできませんが、将来の検討の一つの材料にはなり得るんじゃないかと、まあ失礼な言い方ですが思います。現時点におきましては民間海外援助団体に絞らせていただきまして配分して、難民救済等に生かさせていただきたいというふうに思っております。
#156
○太田淳夫君 私も、現在とは申しません、将来これが成熟していくわけでありますからいろいろと幅広くお考えいただきたいと申し上げているわけですが、大臣、さらにいかがでしょうか、国際化の中で。
#157
○国務大臣(深谷隆司君) 先生の御指摘の御意向は十分に踏まえまして、何といいましてもこれからスタートする仕組みでございますから、当面は局長が申しましたように現在の法の枠の中で進めてまいりますが、さまざまなニーズと、実際にまた預金者の寄附がどの程度に広がっていくか、それらを踏まえながら、先生の意を体して今後研究してまいりたいと思います。
#158
○太田淳夫君 終わります。
#159
○山中郁子君 先ほど来いろいろ議論されておりますが、私も初めに金利の自由化問題について、ごく短時間でありますけれどもお伺いをします。
 郵便貯金に関する調査研究会の金利自由化に関する専門委員会の中間報告が六月八日に出されておりますけれども、いろいろ先ほどからお話は伺っているんですが、ちょっとまずトータルに、この金利の自由化についての郵政省としての認識、つまり功罪というかメリット、デメリットというか、その辺をどのように考えておられるか、お伺いいたします。
#160
○政府委員(成川富彦君) 金利自由化あるいは金融自由化は、預貯金金利の上昇だとかあるいはサービスの多様化など預金者にとってのメリットを有しているところでございますが、他方、民間金融機関が収益志向を高めまして不採算地域から撤退してしまうとか、あるいは小口預金者へのサービスの低下、アメリカの例で申し上げますと、一定額以上預入いたしませんと手数料を取る、したがいまして預けると手数料がかかってしまって元金が減っていってしまう、マイナスの金利になるというような状況もあるようでございまして、そういうデメリットも生ずるおそれがある。既に出ているとかこれから必ず出るというわけではございませんが、そういうデメリットが出るおそれもないではないという状況にあるわけでございます。
 郵便貯金といたしましては、金利自由化に伴う光の面につきましては一層促進していかなければならないというふうに思っておりますが、あわせてそのデメリットを最小限にしていくということを非営利の国営事業としてやっていく責務があるのではないかというふうに思います。そういうメリット、デメリットをあわせ持っているわけですが、メリットの方は最大限に生かしてデメリットの方を最小限に抑えるという立場で金利自由化に取り組んでいく所存でございます。
#161
○山中郁子君 さっき大臣も、この報告で言う影の部分と光の部分ということに関連して、影の部分を最小限に抑えていくと言われました。だけれどもこの報告でも、「金融機関が収益向上に努めることから、不採算店舗の閉鎖や最低預入金額を設定することなど不採算地域や低所得者層へのサービスの低下が生じる可能性がある。」とか、ないでもないというよりはかなり、もう少し強い判断ですね。「大口預金と小口預金との間で不当な金利格差が設けられたり、必ずしも金利自由化のメリットを小口預金者が享受できないのではないかという懸念がある。」とか、まあいろいろあるんだけれども、私も今この機会にさらに踏み込んで議論するというのではありません、ほかの法案もありますから。
 しかし少なくとも郵便貯金というのは、昔の言葉がそのままいろいろ使われているからそれで申しますと、零細な国民のお金を集めるというのが建前というか本旨というか、そういうものになっているわけですね。そういうことと矛盾する面というのは、幾ら最小限に抑えると言ってみたところで、あることはあるから最小限に抑えるわけでしょう。そこら辺はどういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。大臣から御答弁いただいてもよろしいんですが。
#162
○国務大臣(深谷隆司君) 金利の自由化が郵便貯金だけでなくて全般に広がってまいるわけでありますが、その場合に郵便貯金も同じような歩調で歩みませんと貯金者のニーズにこたえられないものですから、当然私たちも金利の自由化に向けて対応していくわけでございます。ただ、民間の場合には、先ほどもちょっと申し上げたように、例えば不採算の店舗がございますとそれを撤退したり縮小したりというようなことでさまざまな変化が起こってくると思うのでありますが、私どもの場合にはそういう意図、意向というのは全くございませんで、従来からの二万四千の郵便局を中心とした隅々まで行き届いた配置というのは変えるわけではありませんので、そういう意味では、民間の場合の影の部分と我々の部分というのは大きな違いがあるであろうというふうに考えます。
 そういうような意味で、あくまでも光の部分、つまり貯金をなさる方々にメリットがいくような形に重点を置いて、影の部分についてはできる限り最小限に抑えていく、そういう姿勢でいきたいと思っております。
#163
○山中郁子君 ある程度重ねてお伺いしていることではあるんですが、いずれ機会を得まして引き続き議論をすることになりましょう。
 いわゆる国際ボランティア貯金、そのように呼称されている問題に入ります。
 多くの委員の方々がこれを今まで取り上げられたわけですけれども、私はちょっとスタンスを異にいたしまして、どうして郵政省がこういうことをやらなきゃいけないのかなというのがどうも不可解であります。そういう意味では賛成しがたいわけなんですけれども、まず明らかにしたいことは、一つはODAというのがある。これもかなりいろいろ問題があります。その問題点を今ここで議論するのが趣旨ではありませんからそれはおきますが、郵政省がなぜこういうことをやるんですか、やらなきゃいけないんですか、やることにしようとなすったんですかということをまずお聞きしたいのです。
 もちろん、こうこうこういう提案があったとか、こういうアイデアがあったとか、ああそれは結構だとかということはたくさん今までも伺ってきていますけれども、国の機関というものは、こういうアイデアがあった、それは結構なことだというようなことでどこでもやったらいいっていうものじゃないんですね。と私は思うんです。だから、郵政省が郵便貯金ということを通じてこうしたことをやらなきゃならない、やるべきである、やらなきゃならない必然性というのはどこにあるのかということをまずお伺いしたい。
#164
○政府委員(成川富彦君) 我が国は世界的に見ましても経済的な地位が非常に高まってまいりまして、ODAとかいろんな意味で国際的な貢献が求められているところでございます。国民一人一人につきましても、こういうような国際化の時代におきましては国際社会の一員としての行動が求められている時代になってきているんじゃないかというふうに思います。
 国民参加による海外援助の推進というものも、世界的に見ると我が国の場合は非常におくれておりまして、先ほど来NGOの関係で御質問等もございましたけれども、外務省の方の答弁によりましても一人当たり非常に低い状況になっているところでございます。これは国民一人一人の意識がおくれているとかいうことではなくて、参加する手段が手近にないということにも原因があるんじゃないかというふうに思っております。したがいまして、現時点におきましては海外援助の推進というものが現下の政策課題になっているんじゃないか。こうしたときどきの政策課題に対しましては、各行政分野がそれぞれの特性をいかしつつ的確な施策を講じていくことが必要じゃないか、政策課題を生かせる道を考えていくということが必要ではないかというふうに思います。
 私どもは郵便貯金事業を所掌しているわけでございますが、郵政省といたしましても全国二万四千の郵便局のネットワークを持っているわけでございます。そこで簡易に利用できる郵便貯金という手段も提供できておる。それで、郵便貯金を利用していただきながら国際社会に貢献するといいますか国際貢献ができるという参加手段を講ずることによって国際社会に対する国民の理解と協力も得られるのではないか。私どもいろいろとアンケート調査等もやりましたところ、こういうような制度ができたらぜひ参画したいという方々も多くおられるわけでございます。それから寄附金の割合につきましても、先ほど御説明しましたように、二割とか一割程度であるならぜひとも利用したいというようなお話の方もおられるわけでございますので、こういうような国際ボランティア貯金を実施することによって国際的な貢献が郵便貯金事業でもできるんではないかというようなことでこのような案を提案させていただいたところでございます。
#165
○山中郁子君 そういうことがあればぜひやりましょうとおっしゃる方はそれはいらっしゃいましょう。別にそのことを否定もしないし、また、そういう方がいるからといって、そういうことが理由になってこうしたことが行われるというだけでもないと私は思うんですけれども、先ほど守住委員もおっしゃっていましたように、そもそも郵貯の資金というのは財投資金として国内のお金に使われるというだけではなくて、円借款で対外的にも主要な役割を果たしているわけですね。ODAの中でも大きなウエートを占めている。海外経済協力費の七一・二%ですか、資料を調べますと。それから日本輸出入銀行の事業のうちでも七一・一%を占めている。郵貯自体、国民が、お金を預けている人たち自身がそういう形でいわゆる海外援助なるものに貢献しているわけでしょう。そこへ持ってきてまた貯金から、幾ら強制でなくて任意だ任意だとおっしゃるけれども、また後でもう少しはっきりさせたいと思うんですが、二重のことになる。
 それだけじゃなくて、さらに最近国民は、郵便貯金、いわゆるマル優の廃止で利子課税という新たな負担をすることになっているわけだけれども、そこのところでまたさらにそのボランティアというところに導き入れられる。そういう状況がつくられるわけなんで、私はなぜそうまでして郵政省が貯金という場所を使ってやらなければならないのか。国の政策課題といえば政策課題だけれども、そういう意味で言うならば、既に郵便貯金そのものが大きな役割を果たして貢献しているじゃないかということを一つ申し上げたい。
 それだけでなくて、先ほどもちょっと議論がありましたけれども、本当に善意の、もちろん強制にわたらない善意の自発的な意思に基づいて行うことは重々注意もしてやっていくと繰り返しおっしゃるんですけれども、どういう保証がそこにあるのか。私は率直に申し上げますけれども、具体的にどういうふうになさるんでしょうね。私は、今の郵政省の事業のあり方から見ればまた必ずノルマなり目標なりそういうものがつくられて、それで各局あるいは事業所が競争して加入者を募るということになっていくことはもう火を見るよりも明らかだと思っていますけれども、そういうふうにならない保証というのはどういうところに求められますか。つまり、各事業所、局ごとに目標をつくったりなんかしませんか。
 それからまた、全国的にそういうもの、あるいは郵政局管内だけでもいいし、ある一定の中でそうしたものの統計をとったりなんかするという作業は一切なさらない、例えばそういうようなことができますか。
#166
○政府委員(成川富彦君) ボランティア貯金がどれくらい集まったかというようなことを把握しませんともちろん配分する金額も定まりませんしできないわけでございますので、どこの管内でどれぐらいのものが集まったかというのは統計的にそれは当然やらざるを得ない話でございます。それから預金者に対するお知らせ活動をするためにもどれぐらいの預金者がおられるのかということを把握しないでは、預金者にどれぐらい出していただいて効果的に使われているかというようなお知らせ活動もできないわけでございますので、それは当然やらなければならない話かと思います。
 それから、これはあくまでも自発的な意思に基づく寄附でございまして、職員にノルマを課すとかというようなことは私どもは考えておりませんし、預金者に無理強いすることになってはボランティアという名が廃ってしまうわけでございますので、名に背くわけでございますので、そのようなことは決してしないようにしていきたいというふうに思っております。
 ただ、制度と趣旨につきましてはまず理解していただかなきゃならないわけでございますので、そのお知らせ活動といいますか、ポスター、チラシ等による理解を求めるための施策は当然講じていかなきゃいけない話だというふうに思っております。したがいまして、キャンペーンだとかポスター、チラシ等のPRを通じましてできるだけ多くの方々に参画していただけるように努力はしていかなきゃいかぬと思っております。繰り返しますけれども、職員にノルマを課したりするようなことは考えておりません。
#167
○山中郁子君 考えていらっしゃらなくてもそういうふうになっていくというのは私はもう断言してもいいです。そのぐらい、現実の貯金の募集だとか、簡保もそうですけれども、あなた方がもうだれよりもよく知っていらっしゃるんです。
 だけれども、そこまでおっしゃるなら私もちょっと伺うけれども、それじゃ文書や何かの宣伝以外に職員が口頭で勧誘することはないですか。
#168
○政府委員(成川富彦君) 先ほど来申し上げておりますとおり、職員にその制度なり趣旨なり中身についてまず理解してもらうのが第一でございます。職員に対する啓蒙といいますか、啓蒙というのは言葉はちょっとあれかもしれませんが、訓練といいますか、そういうことはまずやっていく必要がある。職員が理解しないでお客さんにこういうものがありますという説明もできませんから、こういう制度がありますということぐらいは勧奨という形でやることはあり得ると思います。
#169
○山中郁子君 やっぱり勧奨するんでしょう。絶対そうなりますよ。
 そういうチラシか何かつくって皆さんに配る、ないしは郵便局に張っておく。あなた方が繰り返しおっしゃるように本当に自由意思に基づくんだといえば、そうやっておいて、ああこういうことがあるんですね、それじゃ私もぜひやりたいわと言って出してくる方をお受けする、そういうことでなきゃならないはずなんだけれども、やっぱり職員から勧奨するんでしょう。今の御答弁はそうなんです。そうすれば、私が先ほどから言っているように、それは必ず各局の競争になりますよ。ちゃんと統計だってとるし、どのくらいあるかということだってちゃんと把握しなきゃならぬと、こうおっしゃるわけでしょう。
 そしてなおかつ、そのことの事務のために新しい要員を配置しないんでしょう。配置しないわけだから、職員自身がまたその仕事に駆り立てられる。今だって仕事が大変忙しくて実情としたら大変深刻な状態だということは、私は先般の委員会でも過労死問題を例にして申し上げました。当然、職員に対する新たな仕事の重さになるということもこれはまた明らかだと私は思うんです。
 それからまた、加入者というかお客さん自身も、こういう発展途上国なり何なり外国の大変困っている方たちにこういう制度があります、国際ボランティア貯金ですからぜひ加入してくださいというふうなことをもし勧誘すれば、お年寄りなんかは断りたくても断りづらい、そういうようなことだって常識的にいって考えられる。そういうことはちっともお考えにならないのか。
 それから、具体的に伺いますが、どこの職員が、つまりどの人たちがそういう仕事に当たるのかということですね。具体的に募集するというか勧奨するというか勧誘するというか、そういうことをなさるわけでしょう。だとすれば具体的にどういう人たちがするんですか。郵政省の職員がみんな一致してやるわけですか、それとも貯金の担当の人たちだけの仕事ということで考えておられるんですか。その辺はどうですか。
#170
○政府委員(成川富彦君) まずは制度とか趣旨とか理解してもらわなければお客さんが参画したくても参画できないわけでございますので、制度とか趣旨はお客様にお知らせするなり理解してもらうということは当然やらなければいけない話ではないかというふうに思います。それから、郵便局ばかりでなくて預金者の会の会員の口コミとか、それから有識者の方々のところへ出かけていって、こういう制度がありますのでもし御理解ある方は自発的に御利用いただけるようにというふうなことでやるという場面もあるんじゃないかというふうに思います。
 それから職員ですけれども、郵便貯金関係の職員が中心となりますが、これについて関心をお持ちの方がこういう制度があるということを言っちゃいかぬと差しとめるということはできない話でございますので、郵便局長も当然こういうふうなことでやるということもあり得ましょうし、ほかの課長さんもこういう制度がありますよということをある場面で、会議などに呼ばれたときに一言触れるというようなこともあり得るのではないかというふうに思います。
#171
○山中郁子君 やっぱりかなりいろんなところでいろいろおやりになるわけです。そうすると、例えばこの人は郵便貯金の口座を持っているとか貯金があるとかというふうなことを貯金関係以外の職員もみんな知らなきゃ勧誘できないですね。プライバシーの侵害とか、そういうふうな問題に波及しませんか。
#172
○政府委員(成川富彦君) 今申し上げましたのは、一対一の対応で郵便貯金関係以外の職員がボランティア貯金の勧奨をするとかいうことを申し上げたのではなくて、相手方が多数おられる場面などに出かけていったときに、こういうような国際ラボンティア貯金がありまして皆さん方の中で御利用いただける方がおありになればというような趣旨の話をする場面はあるのではないかということを申し上げたわけでございまして、プライバシーの侵害に当たるようなことはいたすつもりは全然ございません。
 それと、現在通常貯金を利用している方は約七千万ございまして、郵便貯金の利用者というのは六十数%でございますが、法人格を持っておられる方も若干おりますので、七千万ぐらいの利用者が現在おるわけでございます。したがって、大部分の方は通常貯金を御利用いただいていると言っても過言ではない状況にございます。だからといって、通常貯金の残高を調べてそれに基づいて、ボランティア貯金があるんだから入れとかいうようなことで貯金関係以外の職員がやるようなことは当然考えられないわけでございます。
#173
○山中郁子君 日本国民たる者郵便貯金はみんな持っていると思えと、こういう感じの御答弁でございますけれども、これを集められると結構なお金なんですね。そういうものを配分する場合の基準というふうなことについてもけさほど来から議論がございました。
 私ちょっとお尋ねしたいのは、ボランティア団体、私もいろいろ外務省にも聞いたり郵政省にも伺ったりいろんなところを調べたりしたんだけれども、ボランティア団体というのはそもそもどういうものでどのくらいあるのかというのがもう一つつかめないんですよ、日本の現状で言うと。だけれども、先ほどたしか局長が、この法案が想定するある程度の縛りから考えると四十団体という数字をちょっとおっしゃったような気がしたんですけれども、何かそういう見当をつけていらっしゃるんですか。大体二百団体ぐらいある、ボランティア何とかセンターというそこの調査でも。その後毎日毎日できていくみたいな状況もあるというんですが、そうすると、その中で配分し得る対象になるような団体がどのくらいあるというふうに把握されていらっしゃいますか。
 郵政省の資料だと、例えばということで七団体の資料だけはいただいたんですけれども、ほかにはないんですね。その辺の見当はどうなりましたか。
#174
○政府委員(成川富彦君) 先ほど申し上げました二百団体というのは、あるところの推進センターの調査でございまして、私どもは民間の海外援助団体が幾つあるか、現時点で正確には把握しておりません。先ほど申し上げたのは非課税団体といいますか、寄附金の所得控除の対象になっている非課税団体は三十七、八か四十ぐらいというようなことで申し上げたので、そこに限って配分するということを申し上げたつもりはございません。非課税団体はそういう数字になっているということを念のため申し上げさせていただいたところでございます。
#175
○山中郁子君 そうするとその非課税団体というのは、何か考え方の一つの基準と言うと言い過ぎですけれども、何かしら見当をつける何かになるんですか。
 つまり私が思うのは、こういうものが仮に、私は余り賛成ではないという立場で今申し上げているんだけれども多くの方は賛成だとおっしゃっていますから、これが仮に成立するとするでしょう。そうすると事業が始まるわけですね。そうすると実際には、各関係の省庁とも相談して、郵政大臣が外務省との関係なら外務大臣と相談して、形式的にはですね、そういうふうにして決めるんだということなんですけれども、そこのところはいろいろあると思うんですね。
 四十ぐらいとか五十ぐらいというところである程度見当がついているなら具体的に考えられなくもないけれども、二百あるんだか三百あるんだかわからなくて、申請に基づくんだと思うんですけれども、その申請に基づいてどういうふうに実際やっていくようになるんでしょうかねという見当が、この四十団体という非課税団体が一つのベースになって考えられるんでしょうかということなんです。
#176
○政府委員(成川富彦君) 非課税団体という言葉の表現はちょっと的確じゃないかもしれません。寄附金控除を受けられる対象団体という意味合いで非課税と申し上げてしまったんですが、寄附金の所得控除制度がございまして、大蔵省ではそれの受けられる対象団体をある程度絞っているところでございます。
 したがいまして、絞られている団体というのはある程度基礎がしっかりしているといいますか、そういうような感じはするわけでございますが、私どもはそれに限定しているわけじゃございませんで、事業計画だとか実績だとか、先ほど来幾つか項目を申し上げさせていただきましたんですが、それらに基づきまして配分団体を決め、配分金額を関係省庁とも協議し郵政審議会にかけまして決めていくということになるわけでございます。
#177
○山中郁子君 その場合に私ちょっと考えられるのは、実績というのは例えば長いことそういうさまざまな活動をしていて一定の歴史を持っている団体というほどの意味だと思うんですが、そういうケースと、何か、事件というんじゃないんだけれどもボランティアの活動が起こる事態が世界のいろんなところで引き起こされますでしょう。そうすると、必ずしも赤十字だ何だという、赤十字がボランティアかというと私疑問がありますけれども、どっちにしても、歴史的に実績は持っていないけれども運動というのは起こりますね。今までなかった事態がどこかの国で起きるわけですから、世界じゅうの人が救援しなきゃならないような事態が起きるわけですから。地震だとかそういうこともありましょう。
 そういうボランティアの活動が起きた場合に実績がないということはあるんですね、新たな事態に対して新たな運動が起きてくるわけですから。そういう場合には実績がないということは言えるんですね、歴史的にあったわけじゃないから。そんなようなことはどういうふうに考えておられますんですか。
#178
○政府委員(成川富彦君) 実績と申し上げたのは、地震だとか洪水だとか、ある地域にあってその国に実績がないということで言っているわけじゃなくて……
#179
○山中郁子君 いや、団体ですよ。
#180
○政府委員(成川富彦君) 開発途上地域の住民の福祉の向上のための効果的な事業の実施につきまして相応の実績を持っているということを申し上げているので、あることが起こってその国にどこの団体もないというような状態のことを想定して申し上げているわけではございません。ほかの方面で、言ってみればノーハウといいますか実績というか、そういうものを持っているようなところをまずは配分の対象団体を決める際の基準にしていくべきじゃないかということを申し上げたところでございます。
#181
○山中郁子君 私は、そういう事態が世界のある地域で起こって、世界じゅうのボランティアが、日本でもある人々が、今までボランティア活動をしていないけれどもそこについてみんなに呼びかけて救援しなければいけないんじゃないかというふうにして活動が起きるでしょう。そういう活動自体、ボランティアの団体自体がそういうふうにして新しくどんどんできてくるわけですよ。そういう意味のことを伺っていたんですが、ちょっと御答弁がはっきりしないんだけれども、そういうことではなくて、ある程度の歴史的な実績を持った一定の資格がある団体というところは必ずしもそういうことではないという御趣旨のようですね。
 私の申し上げていること、わからないですか。つまり、赤十字みたいにずっと何年も、あなた方のおっしゃるいわゆる実績があるという団体じゃなくて、何か世界のどこかで新たな事態が起きる。そうすると、そこの救援を目的としてボランティア活動が起きるということは幾らでもありますでしょう。そういう人たち、そういう団体はいわゆる実績はないわけです。少なくともそういうことは歴史はないわけですから、だから実績はないということでにわかには対象にはならないんでしょうかということを伺っているんです。
#182
○国務大臣(深谷隆司君) 山中先生の御指摘の意味はよくわかります。つまり、いろんな場面が想定されるわけであります。ただ要は、せっかく預金者の善意で出していただいたお金でございますから有効適切に使われなければなりません。その団体がそういう有効に使っていただけるかどうかという判定の中には、長い経歴であるとか人的構成であるとか組織であるとか、そういう基盤を調査する必要がございます。ですから、新しい仕事にいたしましてもこの団体が間違いなく趣旨にかなうようにやってもらえるんだという確認がとれれば、それは十分、先生がおっしゃったような場合でも活用できるであろうと私どもは想定しております。
#183
○山中郁子君 それから、配分金の使途について監査をする。しないで出しっ放しというわけにもいかないという宿命はあるんでしょうけれども、先ほどからの御答弁の中で、実際にどのようにお金が使われているかそこの団体の事務的な状況を見せていただくとか、あるいは場合によったら現地で実際にそういうものが行われて正しく使われているかどうかも郵政省としても確認したい、こういうお話もありました。
 そこら辺は、一つは大変重要な面だということはあるんですけれども、ODAで例えば最近のインドの場合のように、日本は金を援助してくれるけれどもその金がこういうひどいことに使われていて住民の要求と全く反対の状況をつくり出しているということが社会問題になっているということがあるわけです。ただそうすると、あっちこっちへ行って見なきゃならなかったりなんかすると仕事量というのはかなり大きな仕事量になってくるにもかかわらず、担当の人間はふやさないということでいつまでいくんでしょうかという気がするんですね。
 あなた方は、こういうものをさらに皆さんの理解を得てふやしていきたいというふうに考えていらっしゃるわけでしょう。これは別に私は勘ぐりで申し上げるわけじゃありませんけれども、将来は何か別団体をおつくりになるというふうなことも考えられるというふうな御認識があるんでしょうか。
#184
○政府委員(成川富彦君) 寄附金の処理につきましては、関係行政機関との協議や審議会への諮問等の手続もございまして、郵政省が直接事務を行うことが現時点では能率的であるし、かつ適切なものと考えております。こうした考え方に従いまして今回法案を提出させていただいたところでございます。
#185
○山中郁子君 でも仕事はふえていくわけでしょう。今、仕事は大変なのにまたこの分仕事がふえて、しかも、さらに善意を期待して募集もして、一生懸命勧誘もして、こうおっしゃるんでしょう。業務量は本当にふえていくと思うんです。そうした場合に、もし直接おやりになるというならそのこと自体、現在の職員の方たちがさらにオーバーワークになっていくということが一つは問題ですし、将来ともにそういう事態を全然想定していないということも私にはちょっと予測できないんです。
 つまり、下請機関的なものがつくられて、郵政省の幹部の方がそこに天下りなさるというようなことだって勘ぐる人がないでもないですよというようなことについて全くお考えはないですか。将来ともそういうことはないということでしょうか。大臣からお答えいただきたい。
#186
○国務大臣(深谷隆司君) さっき局長からも申し上げましたように、このスタートに当たって先々のことまで想定して、そういう方向に近づくとか、あるいはそうなっていくんだということは全く考えていない。しかし、将来の問題としてはいろんな角度から検討する余地はあるだろうとは思っておりますが、そういうことをやるということを前提にしてスタートしたのでないというふうに御理解いただきたいのです。
#187
○山中郁子君 そうですよね。私も、将来の問題としてそういうことが考えられれば、振り返ってみればああいうことだったのかなという事態が生まれないという保証はないというふうに言わざるを得ないと思うんです。
 今、監査の問題をちょっとお伺いしましたけれども、そのことはある面では重要だけれども、本来ボランティアの命というのは、そこの団体の固有の目的、理念、そういうものを自分たちの自由な意思に基づいて行動するというか働くということですから、そこのところがねじ曲げられたり規制されたり手を縛られるようなことがあれば、ボランティアの活動そのものを殺すことになるというか、うるさいからそんなものは要りませんと、そういう状況をつくり出すということにもなりかねないわけで、そうした点についてはどのように考えていらっしゃるかということをお伺いします。
#188
○政府委員(成川富彦君) 国際ボランティア貯金の配分金の使途の監査に当たりましては預金者の善意が有効に生かされるよう慎重かつ適切に行う必要があるものと考えておりますが、仮にもNGOの自主性が損なわれるようなことがあってはならないというふうに考えておりまして、こうした観点については今後とも十分配意してやっていきたいというふうに思います。
#189
○山中郁子君 最後の質問になりますが、これは法案とは全く別であります。
 ごく日常的によくあるんで私どももそういう苦情を聞くんですけれども、郵便貯金を持っていたことは確実だ、だけれどもおじいちゃまが亡くなったと。これはお年寄りに限りませんけれども、御自分で持っていらして管理していたからどこにあるか遺族の方はわからない、だけれども持っていらしたことは確実だということで郵便局に行くでしょう。そうすると余り親切にやっていただけなくて困るという苦情があるんですね。
 もちろん苦情があるという陰には、親切にやっていただいてちゃんと捜してもらったという人たちの方がたくさんあるんだろうとは思いますよ。思いますけれども、やれ口座番号は何番だとか捜すのは大変だとか言われて往生したという苦情があるんですね。それは口座番号は通帳があればわかるんであって、ないから相談に行くわけなんですね。そういうことは本来郵便局がちゃんとお調べになってそして親切に対応して差し上げるということであるはずだと思いますが、その辺は条件か何かがありますか。
#190
○政府委員(成川富彦君) 通帳や証書を亡失された場合には、お客様の本人確認をさせていただいた上、貯金の記号番号をお申し出いただければこれによりまして、また貯金の記号番号が不明な場合には、住所氏名のほか預入年月、つい直近の預入年月だとか預入取扱局だとか預入金額でもいいんですけれどもお申し出いただきまして、これをもとに貯金原簿を調査して貯金の存在を確認した上で再発行することとしております。この場合、預入年月、預入取扱局もある程度特定していただきませんと調査が膨大となりまして、膨大というか調査に時間がかかりましてなかなか難しいという状況にあることを御理解いただきたいと思います。
 先生がおっしゃっている具体的なケースについては詳しく存じ上げていないわけですが、直近の預入年月ぐらい、あるいは取扱局ぐらいお申し出いただいていますと割と早く調査をして再発行できるんですが、それを申し出ていただけませんと若干時間がかかるというようなことのようでございます。必要なお申し出をいただいた上で御指摘ような事例でお客様が御不快な思いをされたとすれば、まことに遺憾に思います。
 したがいまして、こうしたケースにつきまして、お客様は自分の大事なあれですので不安に思っておられますので、郵便局で十分話を聞いて預入年月だとか預入取扱局だとか思い出してやっていただけますと早くできますので、職員の対応の仕方も先生のおっしゃった場合悪かったかもしれませんが、それにつきましてはお客様に対する対応につきまして職員を指導していきたいというふうに思います。
#191
○山中郁子君 今幾つかの項目をおっしゃったんだけれども、そういうのがわかれば確かに問題ないんですよ。だけれども最悪の場合、ということは、お名前と住所、局名、どこの局かというその程度のことしかわからないというケースは結構あるんですね。だから、重ねて御答弁はいただきませんが、いずれにしても時間はかかってもおわかりになるということではあると思いますから、ぜひともそういう点で、今申し上げたようなケースは間々あることなので、そのように対応して預金者のあれにこたえていただくように強く要望いたしまして、終わります。
    ─────────────
#192
○委員長(青木薪次君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、宮田輝君が委員を辞任され、その補欠として合馬敬君が選任されました。
    ─────────────
#193
○足立良平君 最後でございますから少しダブっている面がひょっとしたらあるんじゃないかと思いますが、なるべくダブりましたことについては省いて、しかも速やかに質問を終わりたい、このように思いますので、ひとつお願いいたしたいと思います。
 まず郵便貯金の自主運用制度の関係について、これは運用開始が六十二年から五年間ということで今行われているわけでありますけれども、この新規運用額のうち二分の一が国債の引き受けに充当されているのが今日までの実態のようでございますが、これは一体どういうふうな理由で二分の一を国債で充当しているのかということが一つ。そしてこれは、結果の問題かどうかは別としましても、実際的にどこで二分の一を国債で充当するということが決められたのか、この点についてまずお聞かせ願っておきたいと思います。
 それから二つ目に、平成元年度末におきましてこの累計が七兆五千億円になってくるのではないかと思いますが、このうちの国債の運用額それか割合及び運用益はいかほどになっているのか、この点につきましてまずお聞かせ願いたいと思います。
 それから、平成二年度の新規運用額三兆五千億円のうち国債への運用予定額は一応幾らになっているのかということと、同時に、考えてみますと、これは預託利率が六・七%の運用になっているわけですが、国債の表面利率が六・四%ということでむしろ逆になっている。本来の郵便貯金の自主運用制度というものの趣旨からするとちょっとおかしいのではないか、こういうふうに思うわけでございますが、この点につきまして郵政省の考え方をまずお聞かせ願いたいと思います。
#194
○政府委員(成川富彦君) 三点お尋ねいただきましたんですが、まず第一点の、国債を二分の一、新発国債をなぜ二分の一引き受けているのかというお尋ねでございますが、これは昭和六十一年末の政府・与党合意により決められたものでございます。その趣旨は、大量に発行されている国債が、その当時は余り円滑といいますか売れ行きが非常にいいというような状況じゃございませんので、消化に困難を来したというか、そう容易ではなかったというような状態がございます。政策的に円滑な消化に協力するという趣旨から決められたところでございまして、その新規運用額の二分の一を新発国債の引き受けに充てるということとされているところでございます。
 それから元年度末における国債の保有額でございますが、四兆四千億でございまして、金融自由化対策資金の運用額の五八%を占めております。二分の一からするとちょっと多いんじゃないかというような御指摘もあるかもしれませんが、これは窓口販売の残りの分は引き受ける、自由化対策資金で引き受けていいといいますか引き受けるということになっておりまして、その分がたまたま入ってきたものですから若干多目になっているところでございます。
 それから、運用益というのは全体の運用益をお尋ねかと思いますが、平成元年度の、これはまだ最終的な決算が終わっておりませんので固まった数字ではございませんが、現時点で考えられますのは、約五百億円ぐらいの運用益が上げられるのじゃないかというふうに思っております。
 それから、六・七%に対しまして国債の表面利率が六・四%で逆ざやとなっているんだけれどもこれはおかしいんではないかというような三点目のお尋ねでございますが、これは、預託利率と表面利率との関係は今の時点では大体このような数字になっているんですが、時期によって大分違っておりまして、預託利率の方が低い場合もございます。しかしながら現在はオーバーパーで引き受けられているというふうなこともあったりしまして、国債の引き受けの方が低いというような状況になっております。国債は他の債券と比べますと利回りが低いために運用上負担となっていることも事実でございますが、一方、国債というのはかなり人気がございまして、安全性、流通性という面からもすぐれておりますので相場動向によっては売却可能でございますので、一概に不利な債券とは言い切れないとは思います。
 しかしながら、これは三年度末までは十五兆円ということで固まっておりまして、それから先ほど申し上げました国債二分の一引き受けというものも大蔵省との間で合意になっているものですからその線でやらざるを得ないわけでございますが、平成四年度以降につきましては、この問題も含めましてあり方について検討していかなければならないというふうに考えているところでございます。
#195
○足立良平君 郵便貯金というのは全国から集めてくるわけでございますから、そういう面からいたしますと、東京の一極集中を是正する意味におきましても郵便貯金が地域に還元していくということが必要なのではないか、私はこんな感じも持っているわけでありますか。そういう面からいたしますと、平成元年度におきます地方債への運用額及び運用益というものは一体どのくらいになっているのか、これを次にお聞かせ願いたい、このように思います。同時に、今日の政治課題といたしましては一極集中を本当に排除していかなければならない、これはもうまさに大きな政治課題になっているわけでございますから、そういう観点で、今後さらに地方債へ運用額を拡大していく考え方が郵政省としてあるのかどうなのかということを含めてお聞かせ願いたい、このように思います。
 それから第二点目といたしまして、これと同じ課題でございますけれども、郵便貯金の地方還元の具体方策について郵政省としてどのように今検討を行っておられるのかということでございます。例えば地方公共団体への貸し付けとかあるいはまた第三セクターへの融資というふうな形も含めて、地方への問題についてどのようにお考えになっているか、お聞かせを願いたいと思います。
#196
○政府委員(成川富彦君) 平成元年度末における地方債の保有額は三千三百億円となっております。地方債の運用収入は現在取りまとめ中でございますが、二百七十億円程度を確保できたものと見込んでいるところでございます。地方債の運用でございますが、これにつきましては安全、有利な運用を図るという観点から投資してきたところでございまして、今後とも適切に地方債運用を行っていきたいというふうに思います。
 それから地方還元でございますが、財政投融資を通じて地方公共団体に対する貸し付けということが行われているんですが、自由化対策資金で地方公共団体に対する貸し付けは、現時点においては認められておりません。私ども、資金の運用対象の多様化を図るという観点から平成二年度の予算の重要施策といたしまして地方公共団体、第三セクターへの融資を要求したところでございますが、残念ながら実現を見るに至っておりません。この理由といたしましては、この融資は政策融資であり、国の政策融資の二面化につながるものという大蔵省等の主張がございまして、政府部内での調整がつかないために残念ながら実現を見なかったんですが、私ども、自由化対策資金として市場運用といいますか、そういう形で地方公共団体に対する貸し付けということで考えておりまして、大蔵省の言っているような主張とは異なっているわけですが、まだその点の理解が得られませんで実現を見なかったところでございます。
 今後の取り扱いにつきましては、まだ平成三年度の予算の重点施策等も固めておりませんが、その要求事項を検討する中で検討していきたいというふうに思っております。
#197
○足立良平君 そういう経過があるようでございますけれども、郵便貯金というのは全国から集めているわけでありますから、そういう面ではやはり全国に還元していくという姿勢も私は必要なのではないかというふうに考えておりますので、これは郵政省におきましても今後、来年以降にひとつ積極的に取り組んでいただきたいというふうに要望申し上げておきたいと思います。
 それで、話題を変えたいと思いますけれども、平成元年度から郵便貯金資金の運用対象に指定単が追加されているわけでありますけれども、株価の動向については御案内のとおりことしの初めを含めて若干上下いたしているわけであります。これの運用状況あるいはまた運用の成果、実績について報告をお願いいたしたい、このように思います。
 同時に、株式については元本の保証というものは実際的にないわけでありまして、そういう面で安全性を確保していくということは大変重要でございます。したがって、そういう面でリスク管理をどのように考えて行おうとしているのか、この点についてもあわせて考え方をお聞かせ願っておきたいと思います。
#198
○政府委員(成川富彦君) 指定単につきましては、平成元年、昨年の七月でございますが、二千五百億円を簡保事業団を通じまして信託銀行に委託したところでございます。簡保事業団からは、信託銀行各行いずれも相場動向に応じて受託財産を慎重に運用しているとの報告を受けております。平成元年度の運用実績につきましては簡保事業団において現在取りまとめ中でございまして確定的なことは申し上げられない状況でございますが、ただ推測といたしまして、六・三%台の運用実績が上げられたのじゃないかというふうに聞いているところでございます。
 それから、株価が下落してリスク管理等につきまして心配はないのかということでございますが、指定単につきましては簡保事業団が信託銀行に委託して運用しているものでございまして、専門的なノーハウを有する信託銀行がその裁量に基づいてリスク管理を行いながら有利、確実に運用しているところでございます。ことしの初めから株価が下落いたしまして信託銀行も苦慮したところでございますが、運用リスクを勘案しつつ、株式相場状況や見通しに応じまして適切に株式の銘柄を選定して機動的な売買を行いまして、また株式以外に債券や短期資産にも運用する等してリスク分散を図り着実な運用実績を上げることができたというふうに聞いております。
 私どもの指定単につきましては、株式につきましては三割までしか運用できないという形でやらせております。そうは言っても、株式は株価変動が激しいものですから、その点につきましては信託銀行において持っているノーハウを生かして安全、確実に有利に運用してもらうようにしていかなければならないというふうに思っております。指定単につきましては元本保証はないことは先生御指摘のとおりでございますが、国が直接リスクを負わないように簡保事業団を通じて運用しておりますし、簡保事業団においても、万一運用損失が出たときの補てんのために運用益の一部を準備金として積み立てることとしております。これらによりまして運用リスクに対応する措置を講じてきているところでございます。
#199
○足立良平君 それぞれ今いろんな点を項目的にお聞きしたわけでありますが、郵便貯金の将来の見通しについて、これはひょっとしたらもう既に議論として出ていたのかもしれないんですが、郵政省の資料を拝見いたしておりますと、実はことしの五月分で貯金としてマイナスの状況になってきている。これは実際的には、いわゆる集中満期の実態あるいはまた民間金融機関のいろんな攻勢というふうな事情もあるのかもしれませんけれども、郵政省として一体これほどのように分析されているのか、お聞きしておきたいというふうに思います。
 同時に、郵便貯金というのは私から申すまでもなく我が国の財投を含めて極めて重要な、大黒柱というんでしょうか、そういうものであるわけでありますから、そういう面からいたしますと、郵便貯金というものの将来のあり方、見通しというものは大変重要なものだろうというふうに思います。特に日米構造協議の公共投資の問題も含めて財投の占める位置づけというのはますます強まってきているわけでありますから、そういう面で私は郵便貯金の将来の見通しというものに実は大変関心を持っているわけであります。
 そういう観点で、郵政省としての将来見通しというものをお聞かせ願いたいと思いますのと同時に、平成二年度におきましては純増で二千億を目標に定められているわけでありますが、今の実態からいたしますと大変厳しいのではないかという感じもいたします。ということで、これに対する見込みをどのように立てておられるのかということについてもお聞かせを願いたいと思います。
 これは目標を設定いたしますと、一般の民間の企業の場合には目標を達成するために当然大変な努力をいたすわけでありますけれども、これは勢いそこに働いている人たちの労働過重といいますか、そこにだけ集中いたしますとまた逆に別の問題を発生するわけでありますから、そういう面で、目標を達成しなければならないし、一方では労働過重にならないようにという、ある面におきましては相矛盾した問題を持っていると思うんです。そういうような問題も含めて郵政省の今の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#200
○国務大臣(深谷隆司君) 足立委員の御質問で基本的な部分だけ私から申し上げて、あとは局長から答弁させたいと思います。
 全国あまねく、国民の金融サービスのために郵便貯金が果たしてきた役割というのは大変大きかったと思いますし、同時に、今財投の問題も出ましたけれども、社会資本に資金供給するという点では非常に大きな貢献を続けてまいったと思うのであります。郵便貯金のこれらの今日までの基本的な姿というのは、これからも私は不変だというふうに思っております。
 ただ、完全自由化以降のことを考えますと、例えば経営面から見ますと、資金調達のコストの増大であるとか競争の激化が起こってくるであろうといったようなことも含めて、事業経営はより一層厳しさを増してくるであろうというふうに思っております。このために、郵便貯金としましては積極的な営業活動の展開と経営の効率化とか合理化ということにしっかり思いをいたしながら努力していかなければならないと思っております。今までの郵便貯金の果たした役割の重要性は変わらず、完全自由化の後の厳しい状態をくぐり抜けるために一層勉強していかなきゃならないと思っております。
#201
○政府委員(成川富彦君) 先生お尋ねの第一点の、五月の流出状況とその原因でございますが、定額貯金の払い戻しにつきましては、いわゆる集中満期にかかる分のほか一般の払い戻しも含まれておりまして、おのおのの額について正確に把握しているわけではございませんが、推計によりますと、四月期の満期金額約十八兆円のうち約二兆三千億円、それから五月期満期金額約三兆円のうち七千億円程度が、郵便貯金に再吸収できなかったといいますか継続的に預入していただけなかったものと考えております。
 したがいまして、単純な流出割合からいたしますと、四月の約一三%に比べますと五月期はちょっとふえまして二三%となり確かに増加しているところでございますが、五月期の払い戻しの中には、四月に満期を迎えた方で四月中に手続をしないで、あるいは通常貯金にしておいて若干五月になって払い戻したとかいうようなものも相当含まれていると考えられておりますので、五月期のみについて急にその払い戻しがふえたということではないのじゃないかというふうに思っております。
 それから、五月末におきまして約二十一兆円の満期金額のうち十八兆円を再吸収できたところでございまして、四捨五入しますと約九割ということで、引き続きまあまあ順調に推移していると見ておりまして、今後とも、こういうことだからということで気を緩めることなく気を引き締めて、十一月に向けて、まだ満期を迎えますので、再吸収に向けて努力していかなければならぬというふうに思っているところでございます。
 それから、財政投融資原資に穴があくのではないかというようなことでございますが、現状の程度であれば財政投融資計画に支障を及ぼすということはないんじゃないかというふうに思っております。したがいまして、これ以上どんどんふえていくというようなことになってしまっては財政投融資計画の実行にも支障を及ぼしかねないことにもなりますので、引き続き再吸収に向けて最大限の努力をしていかなければならないというふうに思います。
 それから、平成二年度の純増目標二千億円の達成見込みは大変厳しいんではないかということでございますが、先生おっしゃるとおり、郵便貯金事業が始まって百十五年の歴史の中でこのような大量集中満期を迎えるのは初めてでございまして、郵便貯金事業にとって正念場を迎えているということが言えるかと思います。したがいまして、一昨年の九月以来、現場の職員の方々を初めとして全省を挙げて取り組んでいただいてきたところでございます。
 昨年の四月から予約活動等も含めまして努力していただいた結果、先ほど申し上げましたように四捨五入いたしますと約九割程度が継続預入していただいているところでございますが、いずれにいたしましても、九割程度は四捨五入して継続預入していただいているとしても、三兆円近いものが引き続き再吸収し得なかった、引き続き継続的に預入してもらうということができなかったというような事態でございまして、決してその数字は小さいものではございません。これで二千億円の純増目標を達成するといたしますと、かなりの努をしていかなければその達成自体おぼつかないわけでございます。
 定額貯金につきましても四月早々に金利が引き上げられましてかなり有利になっておりますし、小口MMCにつきましても金利の改定等もございまして、また新MMC等も今後いろいろと大蔵省と折衝しながらよりよい商品にしていかなければならないわけで、それらを中心といたしましてできるだけ再吸収、完全吸収に努力するとともに、新たな預金の獲得にも努めていかなきゃいかぬ。今までは守りといいますか、V90というのは三十兆円を守るんだというような意識が非常に強かったわけですが、そうじゃなくて、これからは新しい預金を獲得するというような攻めの営業姿勢で取り組んでいかないといけないのではないかというふうに考えております。二千億円の達成に向けまして努力していきたいというふうに思っているところでございます。
#202
○足立良平君 先ほど大臣の答弁の中にも、金融の自由化といいますか金利の自由化の問題が出ておりましたけれども、これは既に本委員会におきましても議論をされたところでありますから私の方は省略いたしたいと思います。
 実際的にこの自由化という問題を考えてみましても、これは金利の取り扱いなり、あるいはまた地域の金利の差の問題とか、関係省庁との関係におきましても違いがあるようでありますし、いろいろな問題を内蔵しているというふうに私は思います。そういう面では郵政省としても、小口金融、特に郵便事業、いわゆる郵政事業は地域の人たちが主として中心になってくるわけでありますから、そのことを十分踏まえた対応をしていただきたいという要望だけ私は申し上げておきたいと思います。
 それで、そういう観点でちょっとお聞きしておきたいと思いますのは、民間の金融機関から見ますと郵政省というのは、郵政三事業が一体であるとか、あるいは資金が膨大であるとか、あるいはまた税制面でも民間に比べると優遇措置があるではないかとか、民間の金融機関からいたしますとそういう問題点というのは指摘されるわけでありまして、大手の都市銀行は別として、とりわけ地方銀行あるいはまた農協を中心にいたしましたそういうところからいたしますと、自由化された後での郵便貯金との関係というものは大変危機感を持っているというふうに私は判断いたしているわけであります。
 そういう面で、そういうところとの競争のあり方、これは実際的には、郵便局というのは国営でやっているわけでありますけれども、金融事業そのものは一般の民間企業とある意味においては競合するといいますか競争条件になっているわけでありますから、特にそういう地方の中小金融機関との関係について郵政省としてどのように考えていくのか、あるいは特にその点についてどのように配慮しながらやっていかなければならないとお考えになっておるのか、この点についてお聞かせ願いたいと思います。
#203
○政府委員(成川富彦君) 郵便貯金は明治八年の創業以来一貫して個人金融サービスの充実発展に努めてきたところでございます。民間金融機関の関係でいいますと、農協とか中小金融機関等それぞれが特色を生かし切磋琢磨することによって個人金融サービスの向上につながってきたんじゃないかと思います。私どもも民間に刺激されていろいろと新しいサービスを開発しましたし、私どもが先導的な役割を果たして個人金融サービスの向上につなげてきた面も多々あるわけでございます。要は消費者、利用者の利益の向上につながっていくということが私どもの存在意義にもつなかるのではないかというふうに思っております。
 金利自由化になりますと私どもは事業経営におきましても厳しさが要求されるわけでございますが、その面で、それを克服すると同時に、より一層利用者、消費者の立場に立っていく必要があるのではないかというふうに思います。その意味合いから、各金融機関が厳しい中でございますがお互いに刺激し合いながら、切磋琢磨しながら金利自由化の進展等を踏まえて商品開発に努めていくことが、国全体といいますか利用者全体の利益の向上につながっていくんではないかというふうに思います。
 しかもいろんな制約がございまして、運用面の制約あるいは商品開発の面の制約、一方において先ほど御指摘がございましたように三事業共通でやっているという他の金融機関にない特色もございますが、一方においていろんな制約がありまして、お客様のニーズになかなかこたえられない面もあるわけでございます。そういった意味合いにおきまして、お客様のニーズにこたえられるような制度改革、制度改善も常に考えてやっていかなければならないというふうに思っているところでございます。
#204
○足立良平君 最後に、これも質問といいますよりも意見を申し上げておきたいと思います。
 国際ボランティア貯金の創設の関係についてでありますけれども、私はこのアイデアというのは大変にいいアイデアだというふうに受けとめております。これはひょっとしたら文部省なり、あるいはまた文教委員会で言うべきことかもしれませんけれども、最近の若い人たち、あるいはまた日本の今の風潮というのはえてして自分のことが中心になりまして、人のことあるいはまた本当に困っていることに温かい心というものを失いがちなのが今日の世情だと思います。したがってそういう面からいたしますと、私はこういうことで皆が国際的にボランティアに参加していくということは極めて重要なことなのではないか、このように思っておりますから、この法案につきましては全面的に賛成をいたしたい、このように思っているわけであります。
 ただ、問題は、今まで私もいろんなこの種の経験をしてきたことがございます。余り時間がございませんからおしゃべりすることが不可能でございますが、スタートするときはそのことを意識して加入するわけですが、ところが後は、もう自動的に差っ引かれていくと言うたら言葉は悪いけれども、それは意識の外になってくるわけですね。初めは意識するわけです。しかしこの種のボランティアというものは、常に困っている人たちに対して、海外におきましてもあるいはまた一般的な国内においてもやはりそのことを常に意識することだと。極端に言うたら社会の連帯意識というものは、例えば老齢化社会の場合におきましても、必ず自分たちも老人の境に達するわけでありますから、そういうことを意識させておくということは私は極めて重要だろうと思います。
 そういう面からいたしますと、この法案の中では官報による公示とか新聞等に云々とこうありますけれども、事実上官報を見る人は日本の中でほとんどいない。それから、これは私が間違っているかもしれませんが、残念ながら今若い人たちで毎朝、五大紙と言われるような一般の新聞をきちんと読む人たちというのはほとんどいないんではないかというふうに私は思えてならぬわけであります。
 そういう面では、例えばこのボランティアで寄附したお金が世界の実態に合わせてどのように使われているかということを、直接寄附をした人たちにきちんとパンフレットを送っていくとかということをやって、少々お金は要るかもしれないし手数がかかるかもしれないけれども、きちんとフォローしていくべきではなかろうか。単に官報なり新聞でちょっとやればもうそれで済んだということでなしに、そういうことを通じながら日本の国民に、本当に海外で大変困っている多くの人たちがいるんだということを常に意識させていくということがこれからの我が国の国際戦略にとっても必要なのではないか、このように思えてならぬわけであります。
 したがってその点で、経費が要るからとかどうとかという物の考え方だけでなしにもう少し違った視点で、この問題についての実態というものを国民の皆さん方あるいはまた協力してくれた人に提供していくということがまず当面必要であって、その上でさらにこれを拡大していく、こういう点が私は必要なような気がいたしまして、その点だけ時間もございませんので申し上げておきたい、このように思います。
 以上です。
#205
○委員長(青木薪次君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#206
○委員長(青木薪次君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#207
○山中郁子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました二法案に対し反対の討論を行います。
 まず、郵便貯金法の一部改正案でありますが、本案の趣旨は、金融自由化推進策の一環として、昨年五月、債券貸借市場が開設されたのに伴い、金融機関などが債券市場の流動化の促進、債券価格変動のリスク回避、日銀借り入れの担保などに国債の活用を期待してきたのにこたえ、郵貯の保有する債券も賃貸で活用させようとするものであります。
 この法案の問題点は、過日、当委員会で行いました簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部改正に対する私の反対討論でも指摘した点と本質的に共通いたします。
 すなわち、金融市場における投機的行為が不動産投機とも相乗効果を生み出し、国の経済の混乱や国民生活の困難をつくり出すに至っていることは土地問題などにも如実に示されており、郵政省が直接債券の空売りをするものではないにしても、国営たる郵便貯金の性格に照らし、その資金の運用には当然おのずと節度が求められるものであります。したがって、本改正案の金融商品の投機的活用を一層促進する側面を持つ点を重視して、本法案に反対するものであります。
 次に、郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律案でありますが、反対する理由は、本法案が目指す業務が本来の郵便貯金事業としては極めて異質の内容だということであります。もちろん、我が党は、相手の国の人人に真に喜ばれる援助そのものを否定するものではありませんが、郵政省の本来の任務は、預金者、また保険・年金加入者の利益を保護することにありますし、預金者側も、財布がわりの通常郵便貯金とはいえ、利子への期待を持っていることは当然であります。にもかかわらず、任意とはいえその利子を対象に預金者に寄附を訴えることは、余りにもこそくなやり方だと言わざるを得ません。
 本法案が成立するならば、今後激しい獲得競争が行われるであろうことは容易に想定できます。現在でも、郵便物などの増加の傾向を初め業務は多忙をきわめています。その上このような仕事が加われば、一層の労働過密になることは必至であります。
 一方、預金者は、財投資金となる郵便貯金や、さらに既に納めている税金によってODAなど政府間の援助に多額のお金を支出しているのですから、既に大きく貢献しているのです。その上にこうした勧誘が繰り返し行われるとすれば、不満や苦情も多発するでありましょう。
 以上、問題点を指摘いたしまして、本二法案に対する私の反対討論といたします。
#208
○委員長(青木薪次君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより両案について順次採決に入ります。
 まず、郵便貯金法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#209
○委員長(青木薪次君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 松前君から発言を求められておりますので、これを許します。松前君。
#210
○松前達郎君 私は、ただいま可決されました郵便貯金法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、連合参議院、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合の各派及び各派に属しない議員沢田一精君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    郵便貯金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、この法律の施行に当たり、為替貯金事業をめぐる厳しい情勢に対応するとともに貯蓄の増強に資するため、次の各項の早急な実現に積極的に努めるべきである。
 一 国民の大多数を占める小口預金者の利益を確保するため、郵便貯金を含む小口預貯金金利の完全自由化の早期実現を図ること。
 一 国民の健全な資産形成に資するため、郵便貯金の総額制限額の引上げを図るとともに、長寿社会に対応した商品を早急に開発し、提供すること。
 一 国民の利便の向上を図るため、新しい個人貸付サービスや外貨の両替業務を実施し、併せて郵便局における国家公務員の給与振込の早期実現を図ること。
 一 郵便貯金資金の一層の有利運用及び地域への還元を図るため、金融自由化対策資金の運用対象の多様化及び運用規模の大幅な拡大を図るなど、資金運用制度の一層の改善・充実を行うこと。
 一 多様化・高度化する国民のニーズにより適切に応えるため、職員に対する研修を一層充実し、金融に関する幅広い知識・能力の養成に今後とも積極的に努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 委員各位の御賛同をお願いいたします。
#211
○委員長(青木薪次君) ただいま松前君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#212
○委員長(青木薪次君) 多数と認めます。よって、松前君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、深谷郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。深谷郵政大臣。
#213
○国務大臣(深谷隆司君) ただいま郵便貯金法の一部を改正する法律案を御可決いただき、厚くお礼を申し上げます。
 本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと思います。
 ありがとうございました。
#214
○委員長(青木薪次君) 次に、郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律案の採決に入ります。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#215
○委員長(青木薪次君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 松前君から発言を求められておりますので、これを許します。松前君。
#216
○松前達郎君 私は、ただいま可決されました郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、連合参議院、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合の各派及び各派に属しない議員沢田一精君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、この法律の施行に当たり、国際社会の発展に一層貢献するため、次の各項の実現に努めるべきである。
 一 寄附に係る利子については、預金者の善意に応えるとともに民間海外援助事業の発展に資するため、非課税とするよう最大限努力すること。
 一 預金者が寄附の委託を行った貯金については、郵便貯金の総額制限の対象外とするなど、より多くの国民の参画が得られるよう適切な措置を講ずること。
 一 寄附金の配分に当たっては、寄附金が預金者の貴重な善意に基づくものであることにかんがみ、預金者の意向が十分反映されるよう努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 委員各位のご賛同をお願いいたします。
#217
○委員長(青木薪次君) ただいま松前君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#218
○委員長(青木薪次君) 多数と認めます。よって、松前君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、深谷郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。深谷郵政大臣。
#219
○国務大臣(深谷隆司君) ただいま郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律案を御可決いただき、厚くお礼を申し上げます。
 本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと思います。
 まことにありがとうございました。
#220
○委員長(青木薪次君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#221
○委員長(青木薪次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト