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1990/06/14 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 運輸委員会 第4号
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1990/06/14 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 運輸委員会 第4号

#1
第118回国会 運輸委員会 第4号
平成二年六月十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中野 鉄造君
    理 事
                谷川 寛三君
                二木 秀夫君
                田渕 勲二君
                片上 公人君
    委 員
                伊江 朝雄君
                石原健太郎君
                上杉 光弘君
                鹿熊 安正君
                片山虎之助君
                野沢 太三君
                穐山  篤君
                喜岡  淳君
                清水 澄子君
                安恒 良一君
                小笠原貞子君
                粟森  喬君
                寺崎 昭久君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  大野  明君
   政府委員
       運輸大臣官房長  松尾 道彦君
       運輸大臣官房国
       有鉄道改革推進
       総括審議官    大塚 秀夫君
       運輸大臣官房国
       有鉄道改革推進
       部長       吉田 耕三君
       運輸省地域交通
       局長       早川  章君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        長谷川光司君
   説明員
       総務庁長官官房
       参事官      堀  才大君
       大蔵省主計局主
       計官       堀田 隆夫君
       労働大臣官房審
       議官       高橋柵太郎君
       建設省河川局治
       水課長      矢野洋一郎君
   参考人
       日本国有鉄道清
       算事業団理事長  石月 昭二君
       日本国有鉄道清
       算事業団理事   荘司 晄夫君
       日本国有鉄道清
       算事業団理事   杉田 昌久君
       日本国有鉄道清
       算事業団理事   池田  本君
       東日本旅客鉄道
       株式会社代表取
       締役社長     住田 正二君
       東日本旅客鉄道
       株式会社常務取
       締役       松田 昌士君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成二年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(中野鉄造君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成二年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案の審査のため、本日の委員会に日本国有鉄道清算事業団理事長石月昭二君、日本国有鉄道清算事業団理事荘司晄夫君、日本国有鉄道清算事業団理事杉田昌久君、日本国有鉄道清算事業団理事池田本君、東日本旅客鉄道株式会社代表取締役社長住田正二君及び東日本旅客鉄道株式会社常務取締役松田昌士君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(中野鉄造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(中野鉄造君) 日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成二年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○穐山篤君 昨日、大臣は早朝から地下鉄、JR線をごらんになったと思います。テレビでも随分報道されまして、関心の深いことがよくわかったと思います。短時間ですけれども視察をされた感想あるいはその結果これからどういう点を配慮しなければならないのか、そういう点について若干お伺いしておきたいと思います。
#6
○国務大臣(大野明君) 私はきのうの朝七時四十分ぐらいから一番ピークである一時間ほどを北千住駅へ行きまして、JR常磐線あるいはまた東武伊勢崎線あるいは営団の日比谷線、千代田線ですか、すべて視察してまいりました。
 特に東武伊勢崎線の入ってくる、そして反対側の日比谷線のホームですね、非常に狭隘というか幅が九メートル足らずしかないというところにちょっと高い台をつくっていただいたのですが、本当に見渡す限り人がいて、それでもって地下鉄は遠くから二両来る、そしてまた二台お互いが並列で来て、そうすると今度は北千住発が一両来る。それにホームにいる人の三分の一ぐらいしか乗れないのですね。ですから、もう大変な人がおられて、これは運営する方も大変だが乗る人も大変だな、よく事故が起こらぬなと思って見ていますと、もう非常にマナーがいいのです。だから事故が起こらないのだなと思ったのは、割り込むことを、みんな通勤通学で先へ急いでいるはずですけれども、そういうことを守ってもらっているから、まだ込むのは別として事故が起こらない、本当にありがたいことだと思いつつ見ていました。そうして、もう乗った人が出発していくのを見ると、それこそデータによると二三〇%とかいろいろ書いてありますけれども、あるいはそれ以上なのじゃないかなというような感を持ちました。
 そういうようなことで、これは何としても都市交通というものにこれから先もっともっと力を入れなければならない、それは皆様方の御協力も得なければならない部分もたくさんありますけれども。これじゃ会社へ着いたころにはエネルギーを消耗してしもうて日本経済にも大きく影響するんじゃないか、政治家としてはそんな思いにも駆られました。
 しかし、常磐新線の問題もあり、地下鉄の延伸の問題もあり、こういうものをやはり一日も早くやってあげなければならない。そうして自分自身も地下鉄に乗ってまいりました。それはある程度ピークを過ぎた九時ちょっと前に乗りましたが、霞ケ関まで乗ってまいりましたけれども、それでもやはり一八〇―一九〇という混雑率でありまし
た。そういうことも拝見し、また同時に体験もし、そしてわずかな期間運転台にも乗っけてもらって、それでもって運転手さんとも危なくない限りの話もしましたけれども、やはり大変な毎日のこの姿を私たちも見ていて、何とかしてもらえたらありがたい、こういうような会話もしてまいりました。そして、今度は霞ケ関へおりたら新聞記者の諸君がおりました。それで大臣、大臣がもしこれに毎日乗って通勤するとしたらどういうふうに思いますかと言ったから、これ毎日自分自身が乗っていたらもう少し何とかしてもらえないかな、やっぱりこういう気持ちになるであろうというような感想を述べてまいりましたけれども、いずれにしても、特に私が視察したのは首都圏の話でございますが、これは北千住のみならず新宿もあるでしょうし、その他もあると思いますので、何としてでもこの都市交通の重要さというものを改めて認識しましたので、これから微力ではございますが、頑張ってやりたい、こんな気持ちに駆られたところであります。
#7
○穐山篤君 大変御苦労さまでした。
 今度の国会に道路交通法の一部改正とかあるいは車庫法の改正という問題が提起をされております。反面言いますと、公共交通の整備拡充というものがいや応なしに重要な意義を持ってきた、こういうふうに考えます。いずれこれは来年度の予算編成を踏まえて十分ひとつ考えていただきたいと思います。
 さて、事業団特別措置法について伺いますが、最初に第二条、これの具体的な中身の説明をいただきたいと思います。
#8
○政府委員(大塚秀夫君) 清算事業団は、国鉄改革時に国鉄関係の長期債務残高三十七・一兆のうち二十五・五兆円を引き継ぎ、これの債務償還には新幹線保有機構の収入、あるいは土地処分収入、JR株式の処分収入等を充てるということで今日まで事業をやってきたわけでございますが、そのうち旧国鉄が営団に対して持っておりました出資持ち分、これが事業団に引き継がれたわけでございます。六十二年にこの事業団に引き継がれた国鉄出資持ち分が七千八十八億円と再評価されましたが、これにつきましては政府に譲渡するということが改革法で決まっておりまして、今日まで政府の無利子貸付金の償還期限が来たものに充てるということで進んできたところでございます。
 最近におきまして、清算事業団の土地処分等が予定どおりに進まなかったこともございまして、事業団の債務の累増傾向が顕著になってきた。私どもとしてもこの対策として平成三年度からはJR株式の処分を開始する、また土地処分についてもいろいろな処分方法を用いて本格的な処分を行うということで、債務の減少を図ることにしておりますが、それまでの間、債務の累増を防止するために平成二年度において特別措置を講ずるという前提で、今申し上げました営団の出資持ち分について、この際一括して政府に譲渡するということを定めたのが第二条でございます。
#9
○穐山篤君 第三条の無利子貸付金の内容について説明してみてください。
#10
○政府委員(大塚秀夫君) この第三条によりまして据え置き期間を延長することができるとしている無利子貸付金としましては、法律に直接規定しております特定無利子貸付金のほか、政令で財政再建貸付金と地方交通線特別貸付金を定めることとしております。
 これらの平成二年度首残高は、特定無利子貸付金が五兆五百九十九億円、財政再建貸付金が二千三百二億円、地方交通線特別貸付金が六百五十五億円で、合計五兆三千五百五十六億円となっておりまして、これらについて据え置き期間を五年以内の期間で延長するというのが第三条の趣旨でございます。
#11
○穐山篤君 第二条関係は改革法の審議のときに予定をしておったんですけれども、第三条の関係はその当時念頭にはあったんでしょうか。
#12
○政府委員(大塚秀夫君) これは、今回特に据え置き期間を延長したわけでございますが、その理由としましては、今日まで無利子貸付金の償還期間の来たものについて営団の出資持ち分の中から相当するものを代物弁済するという形でまいったのでございますが、今回営団の出資持ち分につきまして再々評価して九千三百七十二億円、これを政府に譲渡し、有利子債務に充てるということになったわけでございます。
 相当額の有利子債務を一般会計が清算事業団から承継する、こういうことになりましたので、無利子貸付金の償還財源であった営団の出資持ち分が有利子債務の方に移り変わる。そういうことで、当面無利子貸付金で償還期限の来るものについての償還財源がないということで、今後の債務の累増を防止するためにも無利子貸付金を五カ年さらに据え置き期間を延長することによって、清算事業団の債務の償還財源でございます土地、株式等の本格的な処分が始まり、その収入が得られる時点から返還するという形で第三条を設けたのでございます。
#13
○穐山篤君 特定貸付金、それから再建貸付金、地方交通線の貸付金、合計二年度の残高で言いますと五兆三千五百五十六億円という金になるわけです。まあ五年間据え置いて返済をする期間を変更しないとすれば、実際に返還をする年々の返済額というのは非常に大きくなるわけですね。これは物理的に当然だと思うんです。
 さて、先行き、今回五年延長して間違いなく平成二十二、三年度までに返済が自信を持って可能だというふうに言えるでしょうか。その点明らかにしていただきたい。
#14
○政府委員(大塚秀夫君) これは現在清算事業団の抱えておる長期債務二十七・一兆円、この中には無利子貸付金があり、また有利子債務があるわけでございますが、これらの今後の償還が円滑にいくかどうかという問題であろうかと思いますが、私どもとしては、今後これら長期債務の償還財源でございます土地、JR株式をできるだけ迅速かつ適正に処分することによって、今先生御指摘の無利子貸付金の償還も含めて全体の長期債務の償還ができるだけ円滑に行われるように努力したいと考えておる次第でございます。
#15
○穐山篤君 さて、長期債務、膨大な長期債務の現状把握ですが、ちょうど改革法で提示をされたときの種類別の金額と平成二年度におきます金額とを比較していただいた資料があるわけですが、昭和六十二年度と平成二年度を比べて特段変わっているところはどこなんでしょうか。
#16
○政府委員(大塚秀夫君) 三十七・一兆円の国鉄長期債務は、改革時に清算事業団に先ほど申し上げましたように二十五・五兆円、JR三社等に五・九兆円、新幹線保有機構に五・七兆円、それぞれ承継したわけでございますが、このうち清算事業団につきましては、土地処分が当初の予定どおり進捗しなかったこともございまして、金利増が主な原因で現在二十七・一兆円に達しております。累増しております。
 それに対しまして、JR三社等に承継されました五・九兆円の長期債務につきましては、その後償還期間の来たものは円滑に償還しておりまして、平成二年度首でJR三社等の長期債務は五・九兆円から四・八兆円へ減少しております。
 それから、新幹線保有機構に承継されました五・七兆円につきましても、これも予定どおり償還しておりまして、現在五・四兆円に減少しているということでございますが、先ほど申し上げましたように清算事業団の債務累増がございますので、合計では三十七・一兆円が三十七・三兆円に現在なっております。
#17
○穐山篤君 JR各社及び新幹線保有機構というのは客観的に言えば順調に返済がされている。しかるに、清算事業団の方につきましては昭和六十二年度に比べまして長期債務が累増しているわけですね。当初私どもも予定をしていない実態になっているわけです。これは土地が売れないという説明で終わるのかもしれませんけれども、分割・民営をしてJR各社につきましてはスリムにした。そのかわり借金は清算事業団に全部押しつけて、清算事業団が全部返済をする。だからJ
R、当時の国鉄は将来展望があるというふうな説明だったんですけれども、さてこうやってみますと、清算事業団の債務が雪だるま式にふえているわけですね。国民はこういうことを全然予想していなかったと思うんです。単に土地が売れなかったというだけでは国民の前に説明がつかないと思うんです。その点いかがですか。
#18
○政府委員(大塚秀夫君) 確かに今申し上げましたように、当初の予期に反して地価が高騰し、公開競争入札ができなかった等もあり、土地処分が円滑にいかなかったことが、金利分を消化できずに債務累増につながったということでございますが、その後清算事業団また私どもも土地の処分方法を検討し、いろいろな地価を顕在化させない方法を検討しまして、今後はできるだけそのような方法により土地処分の促進を図り、また最近JRの経営も順調になってまいりましたので、JR株式の上場を急ぐことによって金利が金利を生むという悪循環を断ち切り、さらには債務の元本も減少させていくことにより、特に今回、今御審議していただいております平成二年度においての特別措置としての営団の出資持ち分の政府への一括譲渡等も含めて、平成二年度末においては債務そのものが減少していくというような方向に持ってまいりましたので、将来の展望としては債務の減少が促進されていくと考えている次第でございます。
#19
○穐山篤君 さて、その次に土地の売却について伺いますが、土地の売却の計画が昭和六十二年度に計画をされたわけですが、現実に今どれだけが処分をされたのか、それからそれの金額はどの程度であるのかという計画と実施状況を説明してみてください。
#20
○参考人(石月昭二君) 昭和六十二年度の計画は三千億でございましたが、実績は千三百二十九億円でございます。六十三年度は三千億の計画に対しまして二千四十一億円、平成元年度は三千五百億円の計画に対しまして約二千七百億円の見込みでございます。
#21
○穐山篤君 随分計画と実績に乖離がございますけれども、これの主たる原因はどこにあったのでしょうか。
#22
○参考人(石月昭二君) 先ほど総括審議官から御説明がありましたように、事業団発足後の六十二年十月に地価の高騰に対応するために閣議決定で地価高騰地域におきます一般競争入札は原則しばらく見合わせるということになりまして、主として売りましたものは地方公共団体等に対する随意契約による売買のみになりましたので、それが一つの大きな原因だと考えております。
#23
○穐山篤君 中身を分析してみますと、土地の売却については原則として入札にする、これが建前になっている。状況によっては随契でもよろしい、こういうスタートであったと思うんです。この実績を調べてみますと、競争入札と随意契約では入札の方が非常にボリュームが少ないですね、随意契約が多い。随意契約だから私は安いとは言い切れないと思いますけれども、この入札のあり方について、今までの実績から考えてみて何らか工夫を必要とするんじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
#24
○参考人(石月昭二君) 御指摘のように、現在この三カ年で売却いたしました六千億の内容を分析いたしますと、約八七%が随意契約による売却でございまして、残りが競争入札でございますが、この競争入札は主として都市部を離れました北海道その他の地価の高騰に影響のない土地にのみ許されているわけでございます。六十二年の閣議決定の後、昨年平成元年に、地価の高騰に悪影響を与えない範囲内で、順次、一般競争入札を行うことができるというぐあいに土地対策閣僚会議で決定していただきましたけれども、現実の問題といたしましては地価高騰の兆しがまだ依然としてくすぶっているということで、各都市部における地方公共団体は非常に厳しい態度で対応しておりますので、一般競争入札がほとんど行えないというのが現状でございます。
#25
○穐山篤君 清算事業団はたくさん管理地を持っているわけですが、現実の問題として地理的な条件その他もあって、売れるであろうという場所と売ることが困難であろうという場所を私どもも地方を歩いてしばしば見るわけですが、その点の状況についてはどうなんでしょうか。
#26
○参考人(石月昭二君) 事業団が国鉄から引き継ぎました土地は八千百八十ヘクタールでございました、六十二年度首。そのうち債務償還対象用地として売却可能というぐあいに想定しておりました用地が三千三百五十ヘクタール、残りの四千八百三十ヘクタールは売却は困難ではないか、例えば線路用地であるとか防風林とかというようなものでございまして、買い手がいないのではないかと当初想定されたわけでございます。しかしながら、その後売却困難と想定しておりましたような用地につきましても所在の地方公共団体等から、道路だとか公園それから水路、所有林というようなことで取得希望が出されまして用地としてかなり売れております。したがいまして現在では売却可能用地、売却困難用地というような区分けをしておらないのが現状でございます。
#27
○穐山篤君 次に、六十二年に分割・民営になったときにもそうでしたが、今日でもいわゆる土地問題でもめているところがあるわけです。その土地のもめているという原因ですね、幾つかあろうと思うんです。これはどの程度全国的に紛争状況があって、これからそういうものについてはどうやって適切な処理をしていくのかということも肝心な点ではなかろうかと思いますが、もしおわかりになればそれを種類別に説明をしてもらいたいと思います。
#28
○参考人(石月昭二君) 現在紛争となっております件数は約六十五件でございます。これらの問題につきましては、裁判外の任意の返還交渉を含めましてとり得る措置を講じておりますが、現在訴訟事件になっておりますものにつきましては法廷におきまして事業団の主義、主張を貫くように最善の努力をいたしておるところでございます。
 ちなみに、事業団が発足以来このような紛争事件につきましては約百四十件が判決等によりまして解決しておる状況でございます。中身といたしましては不法占拠の問題、それから国鉄当時の貸付地の返還問題というようなものが内容でございます。
#29
○穐山篤君 清算事業団の土地といえども、それは国民の財産であることは間違いないんですけれども、現に裁判で争っているのもたくさんあるわけですね。理屈からいいますと、裁判が終結をする、あるいは裁判を通して和解で示談が成立をする、そういうことが完了しないと土地の売却というものは実際には不可能だと思うんです。
 そこで、裁判で争って権利の所在を明確にするということも大切ではあろうと思いますけれども、いたずらに紛争を長期に継続するということも一面考える必要があるんじゃないかと思うんです。そういう意味で事業団としてのその辺の方針を伺っておきたいと思うんです。
#30
○参考人(石月昭二君) 事業団といたしましては、いたずらに、いたずらにとは申しませんが、裁判で決着をする前に最大限にまずその任意の交渉で紛争事件を解決するように努力しておるところでございますけれども、現に裁判中の事件につきましては、これは法廷で最大限の事業団の立場を主張、立証する以外にないというぐあいに考えております。
 また、裁判所から和解等の勧告があった場合にはその土地の性格なり裁判所の勧告の内容なり、さらには紛争の経緯というようなものを十分に考慮いたしまして総合的に判断をしているということでございまして、今までの百四十三件の解決の中でも現実には即決和解とか調停とかというようなものが相当ございまして、判決で、本訴でもって決着をつけておるものは三分の一程度のものでございます。
#31
○穐山篤君 実は、私どものところに幾つかそういう問題が持ち込まれています。個々の問題ですから申し上げるつもりはありませんけれども、できるだけ速やかに円満に解決を図るということが
何といっても必要だろうと思いますから、十分その点は留意をしておいてもらいたいというふうに注文申し上げておきたいと思うんです。
 さて、平成二年度の土地売却の計画によりますと、一兆円という金額が予定をされておるわけです。従来の感覚からいえばせいぜい五千億円程度計上するであろうと見ておったんですが、一兆円といえばかなりの大きなものであります。したがって、これには当然その背景があろうと思うんですが、たしか平成元年の十二月ですか、答申が行われて、新しい売却の方法について提起があったと思うんです。通常の入札、あるいは随意契約だけでは一兆円というものはとてもこなし得ないと思うんですが、新しい処分の方式というものをひとつ具体的に説明してもらいたいし、またそのメリットがどういうものであるか、これは売る側、買う側の双方ともメリットがなければ売却というのは不可能だと思うんですが、その点いかがですか。
#32
○政府委員(大塚秀夫君) 地価が高騰しまして公開入札が制限されてまいったのに伴い、新たな土地処分の方法として地価を顕在化させないいろいろな方法を清算事業団の資産処分審議会等でも検討しまして、逐次これを実施に移しているところでございます。
 まず、土地信託方式でございますが、これは事業団が事業団用地を信託銀行に信託して、その得た信託受益権を信託銀行が効果的な開発計画に基づきまして、その土地で上物をつくり、資産価値を高めた上で分割して処分する。信託受益権を小口に分割して処分する。それによって清算事業団が収入を得るという方法であります。これは、既に渋谷駅、蒲田駅等で実施中になっており、他のところでも現在準備を行っております。
 それから建物つき土地売却方式、これは事業団自身が土地の上に建物を建設して土地とともに処分するマンション分譲方式でございまして、これも小規模な地区で比較的通勤に便利なようなところで実施しております。
 それからこれが今年度から実施しようとして準備しているものでございますが、不動産変換ローン方式、これは事業団が出資しました会社が事業団用地を購入しまして、都市計画に沿った効果的な開発計画に基づきまして上物をつくって、これも土地信託と同じように資産価値を高めて処分する方式でございまして、その資金を償還時にその不動産の共有持ち分権に返還できるという予約権を付すことにより、低利の長期借り入れを出資会社が行うという方式であり、これはことし梅田南口、中央鉄道病院跡地、名古屋の赤萩宿舎跡、恵比寿駅前と四カ所で実施する予定にしております。
 それから、最後に株式変換予約権つき事業団債方式、これは大規模な用地でできるだけ国民から資金を集めて処分を行おうとするもので、例えば汐留等を考えておりますが、事業団が低利の債券を発行する。その債券が将来土地を現物出資した汐留なら汐留の子会社の株式に転換できるということで、これも汐留が将来開発されたときに株式の価値が高まるという前提で、その予約権を持った債券というのは低利の条件で発行できるということで、これも地価を顕在化させない方法の一つとして考えられております。
 いずれの方式も、現時点での土地の値打ちに加えて、将来上物を開発する等により土地に付加価値が生じる。そういうものを合わせて資金を調達する、あるいは処分をするという点で地価を顕在化させないメリットがあり、またこの処分の対象者、土地等の購入者にとっては将来の開発利益を吸収できるというメリットがあるということで、双方にとってメリットが大きいものと期待しているわけでございます。
 そこで、今年度は今までになく一兆円の土地処分収入を事業団の予算に計上しましたが、これは一つには既に三年を経過して事業団の所有する旧国鉄用地のうち、中規模以上のものも基盤整備が整い、更地になって処分できる状態になった、あるいは開発計画が決まったというような時期的な問題もあり、今までよりも処分が促進できる基盤が整っている点が挙げられます。それからもう一つは、先ほども言いましたように、今年度から不動産変換ローンを導入して、比較的価値の高い中規模の用地を処分する、この両々相まって一兆円の予算を計上し、これが処分し得ると考えているところでございます。
#33
○穐山篤君 改革法の審議の際に、膨大な債務の返還の問題について宮澤大蔵大臣と私どもの間に議論がされたわけですが、その当時、大蔵大臣の答弁としては、発足後三年を経過した後には清算事業団の償還あるいは国が負わなければならない借金というものもおおむね明示ができるであろう、そういう約束ではなかったかと思うんですが、大蔵大臣の答弁があったわけですよ。国民の皆さんからいえば、旧国鉄の借金というものはどれだけ国民が負担をするのかという意味で非常に関心を深めているわけですが、さてそこで、国、JR、清算事業団の返済の見通しといいますか、おおよその考え方ですね、それをひとつ明らかにしていただきたい。
#34
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほども申し上げましたように、現在事業団の長期債務は二十七・一兆円に達しています。今回、今御審議していただいております法律案に基づく特別措置によって、営団の持ち分を政府に一括譲渡することによって九千三百七十二億円の債務が減少するということになり、またこれに伴う将来の発生金利約六千億円も発生しなくなることになります。また、先ほども御説明しました土地処分収入も一兆円を計上しておりますので、今年度の末には今まで累増しておりました長期債務が二十七・一兆円から二十六・二兆円に減少すると予想しております。そして、平成三年度になりますと、昨年暮れの閣議決定にもございますように、JR株式の処分が開始できると考えており、このJR株式の処分によって債務の償還、減少が促進されると考えております。
 また一方、土地につきましても先ほど申し上げましたいろいろな処分方法を組み合わせて、小規模用地に限らず大規模用地につきましても平成三年度から処分を開始する方向で検討しており、平成三年度以降、土地の処分も迅速に進む予定でございます。
 このような形で、土地につきましても平成九年度までには実質的な処分を終了したいと考えており、このような形で債務をできるだけ減少させ、最後に残ります国民負担を極力なくす方向で努力したいと考えております。ただ、どの程度国民負担がなくなるかということにつきましては、土地につきましてはある程度の予測ができますが、JR株式、これは額面で四千五百九十五億円でございますが、これが株式市場でどの程度で処分できるかということはこれは予測することが困難でございますし、また余り明示するのも不適切であると思いますので、その辺の株式処分の額によって変わってくる。そこで我々はできるだけ株が適切に処分できるように現在JRの財務体質の強化を指導しているところであり、こういう形でなるべく国民負担がなくなる方向で今後も事業団を指導し、長期債務の処理に努めたいと考えております。
#35
○穐山篤君 大臣、先ほどから長期債務の返済の問題と裏腹の関係になっております土地の売却問題を指摘したわけですが、土地の売却についていろいろな方式が編み出されておりますけれども、まずは公明正大であること、いささかでも影のあるような話があってはならないということはぜひ念頭に置いて指導してもらいたいということが一つ。
 それから二つ目は、返済につきましては株式の公開であるとか新幹線保有機構の設備の売却というものも絡んでの話でしょうけれども、国民が納得できるような形のものでありませんと、これは何といいましてもJRという会社に変わりましたけれども国民の財産であることについては間違いないわけです。したがってそういう意味でも非常に重要な課題だと思うんです。大臣のひとつその
辺についての決意といいますか考え方をこの機会に伺っておきたいと思うんです。
#36
○国務大臣(大野明君) 御指摘のまず土地の売却の問題でございますが、これはもうおっしゃるとおりでございまして、私どももいささかも曇りのないようにしていくのはもう常に心しておるところでございます。いずれにしても、実は確かに裏腹というか、できる限り国民負担を少なくするために適切な適当な価格で売りたいと思っても、あるいは地方公共団体等の要請があった場合にはこれはまた少しでも安く売れというようなことで、なかなか土地の処分についても難しい点がございますけれども、きちんとやることを私どもは心しておるところであります。
 また、株の話は今政府委員から答弁いたしましたが、これは今勉強中でございますけれども、やはりこれもなるべく早くそうして適切な価格でということを考えております。また新幹線保有機構が持っております設備の売却につきましても、当然そのような気持ちの上に立ってやらさせていただくということを考えております。
#37
○穐山篤君 次に、ちょっと要員の問題だけ私の方から指摘をしておきたいんですが、私が調べたのは三月三十一日現在。それで、けさの資料は四月一日現在の数字をもらいましたので若干の数字の違いはあろうと思いますが、ちょっと社員の数の問題について指摘をしておきたいと思います。
 改革法のときに十九条の基本計画に基づきますと北海道が一万三千名であったわけですが、実員は一万二千七百十二名です。四月一日は一万二千二百六十で、退職者の数も入っておるわけです。東日本が八万九千六百人に対して現在人員は八万一千五百十六人、JR東海が二万五千二百人の予定に対しまして二万一千四十五名、西日本が五万三千四百名に対しまして五万二百五十七名、四国が四千九百名に対して四千三百三十五名、九州一万五千名に対しまして一万四千六百五十五名、JR貨物は一万二千五百名に対して一万一千七百十九名、三月三十一日現在の計算ですが、そうしますと、貨物と旅客を含めまして二十一万三千六百人が当時十九条によります基本計画の総枠であります。これは法律で決められた枠であります。実員が旅客と貨物で十九万六千二百三十九名。一万七千三百六十一名も十九条の基本計画からいいますと社員の実員は減っているわけです。合理化その他で努力をされたということもあるんでしょうけれども、事故その他のことを考えてみますと、スリムになったからといってそれだけで評価をするのは少し問題があるというふうに思うわけです。
 したがって、私は指摘をしておきたいのは、二十一万三千六百、全体でいえば二十一万五千名の枠の問題については、あれは採用の枠としての上限を決めたものであるというふうに私は認識をしているわけですが、その点いかがでしょうか。
#38
○政府委員(大塚秀夫君) 今先生御指摘の数字で承継基本計画が定まったわけでございますが、この中には各社とも余剰人員を平均して二割近く抱えているという前提で、当時の余剰人員対策の一環として各社にそれだけの余剰職員も抱えて発足するという形で職員数を決めたわけでございます。したがって、当時からの目標として、その後退職者等によってできるだけ余剰人員を減らしていく、また関連事業への進出等によって余剰人員を活用していくということで各社とも努力しておりまして、現在員数、今先生三月三十一日の数字を申されましたが、四月一日現在で合計で十九万二千百五十六名でございますが、その程度減っております。
 しかし、なお各社とも余剰人員を抱えておりますし、さらにJR北海道、JR四国、JR九州等は経営安定基金の運用益によってわずかに利益を上げている段階で、もちろん安全には留意していますが、その他の部門ではできるだけ今後も経営を合理化しなければ採算がとれないというような状況になっております。
#39
○穐山篤君 意見だけ申し上げておきますと、改革法のときに私どもに明示をしていただきました昭和六十五年度の貨物と旅客の総枠は二十万八千六百人になっていたわけです。ところが現人員十九万六千二百名にしますと一万二千四百名も当初計画よりも実員が減っている。減っていることについて私も細かいことを言うつもりはありませんが、それが運転事故であるとか傷害事故であるだとか、そういう問題にならなければいいなと。現実に要員が不足をして大変困っているということがあるわけですから、その点は十分留意をしてもらいたいということだけきょうは申し上げておきたいと思うんです。
 最後に、先月の二十五日の予算委員会におきましてJRの紛争問題につきまして指摘をしました。最終的には労働大臣から統一見解が出ました。私はその上でなお念を押しましたのは、去年のこの運輸委員会におきます山村運輸大臣の答弁、それからその次の江藤運輸大臣の統一見解というものの上に今回の政府の統一見解が出ているわけだから、過去の経緯なりそういうものを十分に踏まえて現在紛争が起きております労使問題については的確にしてもらわなければ困りますよというふうに念を押しておいたわけですが、労働省、この環境整備についてその後どういう努力をされたのかまず明らかにしてもらいたい。
#40
○説明員(高橋柵太郎君) 労働省といたしましては、JR各社の労使紛争につきまして、当事者間の話し合いを基本とした円満な解決が図られることを望んでいるところでございます。現在、中労委ではJR関係の再審査申し立て事件の処理の仕方につきまして、非公式に関係者から意見を聴取しているという状況にあると聞いております。
 JRの労使関係につきましては、先生御存じのように、全国にわたり、また複雑微妙な問題を抱えている現状ではございますが、御指摘の先日の労働大臣発言の趣旨に沿いまして、このような中労委の動向を見守りながら環境の整備のために引き続き誠意を持って努力いたしている状況でございます。
#41
○穐山篤君 運輸大臣、三月三十一日まではなるほど運輸省の指導のもとに多分あったと思います。四月一日以降労使問題というのは労働省に移った。しかし、これから株式の公開であるとか、あるいは新幹線設備の売却であるとか、国民に協力をしてもらわなければならない重大な問題があるわけですね。株式の上場におきましても、一つの大きなポイントは労使関係の安定、経営基盤の強化ということは当然指摘をされているわけですから、これは労働大臣の問題だというふうに見てもらったんでは困ると思うんです。この労使問題というのは十分国民の前で円満に解決するということがなければ、これからの株式の公開というふうなものはうかつに物を言えなくなりますよということを私はきょうは指摘をしておきたいと思います。
 時間が来ましたのでこれで終わりたいと思いますけれども、しかと運輸大臣、労働省もその点を注意を払っておいてもらいたいということだけを指摘して私の質問は終わります。
#42
○安恒良一君 まず、清算事業団の要債務処理問題を、私ちょっときょうは三重野君が登院をしたものですから、御案内をしておって聞いておりませんでしたが、恐らく同僚の穐山委員からいろいろあったと思います。そこで私は後で資料だけ持ってきてもらいたいということで言っておきますが、長期債務の金額は合計で三十七兆一千億だったと思います。これが債務残高の推移がどうなっているかということについて、ここでもう恐らく穐山委員に説明されたことを繰り返してやっていただく必要はありませんので、資料をいただきたいということだけ申し上げておきます。
 そこで私は、国鉄清算事業団の補助金のあり方について少し聞きたいのですが、昭和六十年度以降国鉄清算事業団の補助金の推移を説明してもらいたい。特に私は、私の方で資料をとりますと毎年減少していますが、事業団に対する補助金が毎年減少している原因は何なのか、このことについて簡潔に答弁してもらいたい。
#43
○政府委員(大塚秀夫君) 清算事業団に対する補
助金の推移につきましては、六十二年度は当初予算が千六百六十八億円でございます。六十三年度が千六百四十三億円、補正予算が三百十億円計上されまして、合計で千九百五十三億円になっております。平成元年度が千六百億円、それから先般御審議いただきました補正予算で四千五百億円計上され、合計で六千百億円でございます。二年度は千五百十億円ということになっておりまして、今までの合計で当初予算六千四百二十一億円、補正予算が四千八百十億円、合計で一兆一千二百三十一億円でございます。
 この減少ということでございますが、いろいろ財政事情もございますが、私どもとして六十二年度から三年間は清算事業団のいわゆる過去債務、実現債務のうちの国鉄債務等過去債務の発生する金利を三年間土地処分収入等でカバーして、なお足らざる分を補助金で出すということでこのような予算を組んだわけでございますが、その後、債務が累増する中でできるだけ債務の累増を抑えるというので元年度の補正予算では四千五百億円を計上したということになっています。
 また、二年度は元年度の千六百億円に比べて九十億円少ない千五百十億円となっておりますが、これはその他の土地処分収入等の増を見込んで、二年度は千五百十億円で金利の発生を防げるんじゃないかということで、これだけの予算を組んでおるわけでございます。もちろん債務の減少を促進するという意味においては、一銭でも補助金が多い方がいいことではございますが、こういう財政事情の中で債務の累増を防ぐための精いっぱいの努力をしている結果、こういう助成になっていると考えております。
#44
○安恒良一君 時間がないから、できるだけ簡潔に答えてくださいね。長い答弁は頭の悪い証拠になるから。
 そこで、補正予算の段階で今おっしゃったように六十三年度と平成元年度、二回補正していますね。補正予算で増額するぐらいなら、今おっしゃったように借金の返済に充てていくんですから、なぜもっと当初予算から必要な予算をあなたたちは計上しなかったのですか。
#45
○政府委員(大塚秀夫君) 元年度につきましては、当初見込んでおりました土地処分収入が途中段階で約千億円ぐらい目的よりも少ないというようなこともあり、また、年金負担増等を考慮して補正予算で四千五百億円を計上したということでございます。
#46
○安恒良一君 土地の処分がどのくらい進むかというのは、これは概算で決めるときにわかるわけですから、そんなのは私は詭弁だと思う。
 そこで、大臣にお聞きしたいのですが、清算事業団の補助金が当初ベースにおいて、今言われたように毎年減少していますね。私はやっぱりこれはマイナスシーリングの弊害であるんじゃないか、マイナスシーリングの弊害というふうに私は思うんですが、大臣この点はどう理解されますか。今のような土地を売る予定だったのが売れなくなったから途中でなんというのは、これは詭弁なんですよ、そんなこと。
#47
○国務大臣(大野明君) やはり社会情勢の変化等によって、今の総括審議官の答弁、詭弁というよりも見込みが多少違った部分があると思いますが、やはり根本にありますのは、何といっても私どもとしては国民負担を少なくしたいというところからの発想が非常に強いと考えております。そういう意味で、これから土地の処分の問題、あるいはまた株式の公開の問題、あるいは新幹線の売却の問題、いろいろございますが、その中において確かにシーリングの問題も考えなければならないと思いますが、今の形で何とか努力をしていきたいと考えております。
#48
○安恒良一君 見込みが多少違ったというのじゃないのですよ。補正、元年度四千五百億組んだのですよ、四千五百億。私は組んだことを悪いと言っているんじゃないのですよ。それから借金を早く返すこともいいことだと言っているんですよ。そこは誤解がないように、組んだことを文句言っているわけじゃないですから。
 そこで、ちょっと、大蔵省に来てもらっていますから。我が国は予算編成をいつもやって、八月末に概算要求、シーリングが設定されます。そしてシーリングというのは経常経費について一律削減、これがずっと続いてきていますね。来年度どうするかはわかりません、赤字公債発行がゼロになりましたから。そうしますと、この制度の中でも、私が見ますと国債費と地方交付税交付金というのはシーリングの対象にはしておりませんね。この点、大蔵省、そのとおり確認できますか。
#49
○説明員(堀田隆夫君) シーリングは昭和三十六年以来設定してきておりますが、最近は五十七年度からゼロシーリング、五十八年度からマイナスシーリングということで厳しいシーリングを設定してきておりますが、先生御指摘のように、国債費と地方交付税はシーリングの対象外にしてきております。
#50
○安恒良一君 それじゃ、特に国債費がシーリングの対象から今外されていると言われていますが、その理由は大蔵省、どういう説明になりますか。
#51
○説明員(堀田隆夫君) 国債費は国の歳出の中で最も義務的な性格の強い経費でございまして、公債残高がふえてまいりますとそれに比例してふえざるを得ないというところがございます。政策的な意図を反映できない経費という意味で国債費は対象外にしてきております。
#52
○安恒良一君 そうしますと、国鉄清算事業団の補助金の性格も、これは今大塚総括審議官から言われたように、国鉄の債務の償還にこれは充ててあるわけですよね。そうすると、今あなたが言われた国債の扱いと、これはやはり債務の償還ですから同様に扱われてしかるべきだと思うんですが、運輸大臣、あなたは思い切って清算事業団の補助金についてはシーリングの別枠にするように大蔵大臣と話し合う気はありませんか。この点どうですか。
 今おっしゃったように、国債はこれは別なんだ、借金返済だから政策的なあれはないんだ。ところが、清算事業団の場合もこれは借金返済なんです、同じことなんです。ですから、これは同様に思い切ってやはりこのシーリングの枠から外してというように、これは大蔵大臣とあなたがお話しになってしかるべきじゃないかと思いますが、どうでしょうか。今の私と大蔵省のやりとりを聞かれた上で、あなたのお考えをお聞かせください。
#53
○国務大臣(大野明君) 大蔵大臣と一度話をしてみたいと思います。
#54
○安恒良一君 その際、有力な手がかりになることをこの際はっきり言っておきましょう。これは平成元年の十二月二十一日に財政政度審議会の「歳出の節減合理化の方策に関する報告」という中に次のようなコメントがあります。「清算事業団の巨額の長期債務等は、財政運営の観点からは隠れた赤字というべきものであり、この問題にどのように取り組むかは、平成二年度以降の財政運営における非常に重要な課題である。」、こういうふうにこれはきちっとされています。この意味からすると、国鉄の長期債務の位置づけというのは一運輸省とか一清算事業団の問題ではないと思います。国全体として財政再建という大きな課題に対応していくための予算編成でなければならぬと思います。そうしますと、国債費とこれを同様に扱うということは、この審議会の趣旨を体しても私は正しいことだと思う。
 ですから、私はなぜこのことを言うかというと、清算事業団の補助金をシーリング制度から外しますと、これは運輸省の他の経費にしわ寄せもなくなるわけですね、これは。これが一緒になっていますと、どうしても運輸省全体の中で他の経費にしわ寄せが来ていることが事実。私、時間がありませんから細かく申し上げません。ですから、私は少なくとも清算事業団の借金返しの補助金というのはシーリングに左右されることなく必要な補助金額を確保する、この考え方が正しいと思います。こういう意味で、運輸大臣は大蔵大臣と十分話をしてみたいということですが、きょうは大蔵大臣来ていませんから主計官に政策的なこ
とを言うのはいろいろ大変だと思いますが、あなた代理で来ているんだから。大蔵省としてもこの点は今日の財政状況の中から検討してみる必要があると思いますが、大蔵省の考えを聞かせてみてください。
#55
○説明員(堀田隆夫君) 先生御指摘になりましたように、財政審から、清算事業団債務の問題が隠れ赤字の中で最も大きなものであって、今後の財政運営上の最大の課題であるという報告をいただいたことはそのとおりでございます。
 ただ、国債費と比べてみますと、国債費の方は先ほど申し上げましたように、国としては国債を出した以上はどうしても払わなければいけない経費でございますが、清算事業団に対する補助金は、これから何年間かをかけて土地とか株式とかいう資産を処分してまいりまして、それでなお残りました債務については国民負担とする。当面の清算事業団の補助金は、この過渡的な段階において財政事情の許す範囲で清算事業団に助成をするというものでございますので、国債費と同列に扱うことはちょっと適当ではないんじゃないかなと私どもは考えております。
#56
○安恒良一君 いや、国が借金していることは国債も清算事業団も同じですよ。ただ、国債の場合、累積残高が非常に金額は大きいというのはわかりますよ。しかし、財政制度審議会でも言っているのは、これは国の借金、国の借金だよと。だからこれを今後十分留意しなさいと、こう言っているんだから、その意味からいうと金額の違いがあっても、国債費とそれから清算事業団の償還というのは当然同じ性格であります。これ以上主計官とこんなことを議論したって始まらぬから、いずれ予算委員会か何かで大臣とやるけれども、十分にそこのところを検討してみてください。
 それから、運輸大臣、もう一遍言いますが、今言ったようなやりとりを聞かれたら、ことしの予算要求では、あなたは大蔵大臣折衝に持ち込むまで頑張ってもらわなければいかぬ、同じ借金なんだから。それでこれは早く返した方がいいことは事実なんだから、それに対する補助ですから。それが今言ったように毎年毎年逆に減っているんですよ。それで税の自然増収がうんと見込み違いをしたとき、慌ててそこにぽっとこれをつけている、これが今の現状ですから。運輸大臣、そこのところは自信を持って橋本さんと十分お話しくださりたいと思いますが、どうですか。
#57
○国務大臣(大野明君) 十分心しておきます。
#58
○安恒良一君 それじゃ、また清算事業団の借金返済と非常に関係のある新幹線の施設譲渡問題について少し質問をしたいと思います。
 新幹線の施設をJR各社に譲渡するということが、どうも運輸省は平成三年度にJR各社、もちろんこれは九州その他を除いてですが、株式を上場する、そこで譲渡問題については来年度概算要求までに運輸省の方針を決めておく必要があるということで一部新聞等にも報道されましたが、まずこれの現在の検討状況について話してみてください。
#59
○政府委員(大塚秀夫君) 新幹線の譲渡に関しましては、特にJR東海が償却資産が少ないために、上場に備え財務体質を強化するために新幹線の譲渡を要望しているところでございまして、私どもとしては、現在の新幹線保有機構のあり方、またJR東日本、JR西日本への譲渡を含めて、譲渡した場合の問題点、償却方法、譲渡額等についてこれから鋭意検討しようというところでございます。
#60
○安恒良一君 国鉄改革法、私どもも審議したんですが、そのときに新幹線保有機構を設置して、新幹線についてはJR各社に渡さない、保有機構で一括保有しリース料金を徴収する、こういう仕組みをつくったんですね、これはね。ところが、私から言わせると、なぜあのときに渡さない、そして一括保有してリース料金をJR各社から取る、こういうふうにしたんでしょうか。あのときのことを思い起こして一遍、こういう理由で各社に渡さなかったんだ、この制度がいいとあのときあなたたちは思ったと思うんですが、それをもう一遍説明してください、簡単に。
#61
○政府委員(大塚秀夫君) 在来の四新幹線につきましては、それぞれ建設時期等が異なり、それぞれの評価額、債務額に差がありまして、しかもそれに対して新幹線のそれぞれの収入が、特に債務の小さな東海道新幹線が大きいということもあり、これを一括新幹線保有機構で保有して、債務は債務として収入、輸送量を見通してそれに応じたリース料を取る、それによって保有機構が一括して債務を償還していく、そういう仕組みをつくったわけでございます。
#62
○安恒良一君 全く朝令暮改になっているんじゃないですか。なぜかというと、保有機構のリース料の仕組みというのはJR各社の収益調整のために私から言うとかなり無理してつくった制度であったと思う、既にその矛盾が顕在化していますね。
 例えば一つの例を挙げますと、輸送量の変化に応じてリース料の配分率を調整するという仕組みだったのですね。ところが、去年になったらもう保有機構法の改正によって配分率を固定してしまいましたね、わずか二、三年足らずで。それからいま一つ、JR各社への新幹線の貸付金が終了する三十年後に国民の感情を考慮して有償無償を決める、こういうことは当時私たちこの法案審議のときに橋本運輸大臣は再三にわたって答弁をされました。にもかかわらず、まだ改革が行われて数年しかたっていないのにもう譲渡問題が緊急の課題になってしまう。あなたたちがあの法案をこれは最善の法案だといって自信を持って我々に審議させておきながら、まだ三、四年たたぬうちに朝令暮改でころころ方針が変わる。これはどういうことなんでしょうか。
 私は、新幹線の譲渡問題が抱える余りにも矛盾に満ちた新幹線保有機構制度というものを、保有機構の存在を含めて抜本的に見直す必要があるんじゃないか。なし崩し的にちょいちょい国会が開かれるたびに手直しをしていくということじゃなくて、そもそもこの制度はかなり無理をしてつくっている。無理してつくっているものですから、次から次に朝令暮改で変えていかなきゃならぬと思いますが、そこのところはどう思いますか、あなたは。
#63
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほど申し上げましたように、現在検討している過程で先生御指摘のとおり新幹線保有機構のあり方も含めて抜本的な検討を行いたいと思っております。
#64
○安恒良一君 なぜかというと、四年前には三十年たったら検討すると言ったんだよ。三十年たったら検討すると言ったのが、もう四年目には今あなたは一生懸命検討していると言っているんだよね。だからあのときとこの四年間でなぜそんなに変わるのか。あのときは三十年たったら国民感情を十分勘案して有償か無償で譲ります、何回聞いても言うたんだ。ところが、もう四年目になったら今言ったように抜本的に検討。なぜそんなことになったんだろうか、どこに問題があったと思いますか、これは。
#65
○政府委員(大塚秀夫君) 一つは、輸送量の見通しを二年ごとに改めて行ってリース料を決めるというように新幹線の今後の輸送量の見通しも十分立たなかったということでございますが、発足後輸送量、収益力がある程度固定できるのではないかというので、昨年夏に御審議いただきました新幹線保有機構法の改正によって当面リース料の配分率を固定するということになったわけでございます。そういう固定ということから新幹線保有機構の本来の収益調整の必要性が乏しくなったということが一点。
 それから、上場前に財務体質を改善するということで総合的に今検討しましたところ、特にJR東海を中心として財務体質の改善上、上場前にそのような問題を抜本的に検討しなければならないというような必要性が生じて、その双方から、確かに短期間での検討、改革ではございますが、今我々鋭意総合的に検討しているところでございます。
#66
○安恒良一君 今あなたが言ったようなことは、
その当時考えられなかったことじゃないんですよ。株式の上場というのはできるだけ早くやりたいと、それぞれ年次のめどまであわせて議論したんじゃないですか、あわせて。それを何か今あなたの話を聞いていると急にそんな条件が、あなたたちのやっぱり悪い癖は、自分たちの方針の間違いがあったら間違いがあったように認めないと、いかにももっともらしい説明をすればするほど墓穴を掘るんだよ、これ。今あなたが言われたことも一つの墓穴だよ。株式の上場というのはその当時我々は議論しているんだからね。しかし、いやそうじゃありませんと、やはり株式の上場は上場、私たちはこれをやって三十年後に国民感情とよく相談をして考えたいと、再三再四。あなたはそのときは審議官じゃなかったけれども、林審議官以下当時の橋本さんはそう答弁しているんだからね。だから、やはり自分たちがその当時よかれかしとやったことについて誤りがあれば、認めないと論議がかみ合いませんね。それを御注意申し上げたい。
 そこで私は、JR三社が株式を上場するときに、今あなたがおっしゃったように新幹線施設の譲渡問題を放置したままではできないと思うのです。それはなぜかというと、譲渡の仕方次第ではJRの財務体質が一変するんです。そうしますと、JR各社と国の問題であると同時に、問題を先送りしますと今度はそのJRの株を買った株主という第三者の利害関係者とかが絡んできて本当に国民のためになるような結論が出し得るかどうか大変疑問があります。それはなぜかというと、一番いい例はNTTの経営形態の見直しと株の放出の状況ですよ、国が売った株ががあんと今下がって大変怒っている、あとは売れないというのが今のNTTの状況でしょう。そういうふうにこれまたなりかねないのですね。
 ですから、私は株の放出は事業団がやるといってももしくはJR各社がやるといっても、これは国がやることと同じですよね、これは。国がやることと同じです。ですから、将来の経営に重大な影響が出るような問題は決着をつけた上で株を上場すべきと考えますが、この点は運輸省の考え方はどうですか。
#67
○政府委員(大塚秀夫君) 先生御指摘のとおりでございまして、運輸省として今後上場前に総合的に慎重に検討をして結論を出したいと思っております。
#68
○安恒良一君 そうしますと、保有機構法第二十一条の四項では貸付期間が終了したときしか譲渡できないことになっていますが、あなたたちのお考えで貸付期間終了前に譲渡するということになればこれの法改正が必要ですね。どうですか。
#69
○政府委員(大塚秀夫君) 当然法律改正が必要だと考えております。
#70
○安恒良一君 それじゃ、今度は具体的に譲渡の仕方について少し議論をしてみたいと思いますが、報道では運輸省は売却価格八兆一千億、二十六年分割払い。これは私は国民の立場からいうと余りにも会社にとって都合のよい案と言わざるを得ません。また余りにも安過ぎると思います。ですから、新聞で見る限り大蔵省がクレームをつけているということですが、運輸省のこれがもしもこのとおりの案であるとするならば、現在のリース料の負担と全く同じで二十六年後にはこの膨大な施設を無償で各会社に渡すと同じことになってしまうと思います。
 予想以上にJRの経営が順調に推移しています。ところが一方、長期負債の処理は穐山委員が質問したとおりに全く進んでいない、逆に雪だるま式に膨らんでいる、その上十三兆八千億という、試算では国民負担というものをどうさせるか全く結論が出ていない。ですから、私は運輸省のようなこういう無償と同じようなやり方で果たして――当時国民感情を十分考慮してと言われたのですが、国民感情がこういうことを許すと思われますか。私は、法律で定めた貸付期間終了前に譲渡を決定する必要があるということですから、それならば現在時点で再評価をし直して譲渡価格を決定すべきだと思いますが、その点はどうですか。
#71
○政府委員(大塚秀夫君) まず最初に、最近新聞にいろいろ報道をされておりますが、私ども何もまだ決定しておりません。新聞の予測記事でございます。そういう問題も含めて今後検討するというふうに思っております。
 新幹線の譲渡価格を検討する際には先生先ほど御指摘いただきましたように財務に非常に大きな影響を与えます。その際に新幹線の譲渡額と財務内容、上場の際の財務内容によって株価にどういう影響を与えるか。これは株はできるだけ適切な価格で処分してそれが長期債務の返還に充てられるということでございますし、新幹線の譲渡も長期債務に関連がございますので、そういうものを総合的にいろいろ有識者の意見も聞いて検討したいと考えております。
#72
○安恒良一君 あの新聞報道は事実じゃなくて迷惑しているというならそれはそれとして受けとめておきましょう。
 そこで、私は少し中身をまだ進めてみたいと思いますが、JRの平成二年度の決算、これはJR三社は二千五百十九億の経常利益が出ております。私は事業経営が順調に推移しておることはいいことだと思いますし、またきちんとした減価償却を行って財務体質を強化していくことも、これはひいてはそのことは安全輸送につながりますし、また安易な運賃値上げ防止という観点からも非常に私は重要なことだと思います。そのことはいいことだと思う。しかしながら、一方においては長期債務の国民負担分と言われる部分をどうするのかというのが全く見通しがついてないわけですね、これ。そうしますと、私は長期債務の返済にもできる限りJR各社も協力すべきである、そして国民の負担をできるだけ少なくする、こういうやはり姿勢を持たなきゃならぬ。おかげで非常に会社が努力し、働いている労働者も協力して、当初予想したよりも大きな利益が出ている、これはいいことです。減価償却もきちっとする、これもいいことです。しかし、一つ忘れてはならぬのは、国民に対する負担についても会社の経営がよくなったならばやっぱりそれは協力する、この姿勢をJR各社が持たなければ国民から批判をされる。そういう点について、少なくとも国民負担の減少のために譲渡するならば、再評価と言いましたが、現行のリース料以上に負担をさせる、この基本的な考えがなければならぬと思いますが、この点どうですか。
#73
○政府委員(大塚秀夫君) 先生の御指摘も踏まえて今後慎重に検討させていただきたいと思いますが、繰り返しになりますが、JRの財務内容をできるだけよくするように私ども現在指導しておりますのは、財務内容、純資産額や各年度の利益額によって株価というものが一つ決まるということもございますので、株価が適切な範囲で高くなることが、高く処分できることが長期債務の処分にもなる、そういうことを総合的に検討していきたいと思っております。
#74
○安恒良一君 これ身内の財産じゃないんだよ、これ国民の財産だからね、そこのところを間違えぬようにやらないと。運輸省とJR各社では困るわけだ。中にはまた運輸省から次天下り行くからねということで身内に考えてはいけませんよ、あなたたち身内の考えがあるから。あの財産というのは国民の財産ですから、そこを間違えぬようにあなたたちの頭の中できちっとしておかないと大きな過ちを犯す。それはなぜかというと、国鉄改革の当時、当時の再建監理委員会と運輸省の試算によって私たちはJRの経営に支障を来さない範囲で国鉄の長期債務を引き継がせることにしました。ですから、国民共有の財産と言える国鉄の財産を何十年前かの帳簿価格で引き継がせ、それに見合う程度の長期債務しか負担させておらないのです。実際には私は監理委員会と運輸省の試算は非常に過ちがあった、わかりやすい言葉で言うとちょっといいかげんなところがあったのじゃないかとこんな感じがする。
 なぜかというと、検証的に言いますと、改革初年度からJR東日本では試算の五倍、JR東海で
は七倍の経常利益を上げていますよ。ですから、平成元年度でも三・四倍と九・五倍の経常利益が上がっているわけです。経営が好調な理由としていわゆる景気の追い風とそこで働いている従業員の努力、これは私は認めます。非常に努力されていることは認めます。しかし、どうも最大の理由は、こんなに九倍も違ったり七倍も違ったりするというのは私は当時の監理委員会と運輸省のあなたたちの試算にミスがあったんではないか。もしくは悪口言う人から言うと意図的な過小評価があったんじゃないか、こんなことを言う人もあります。
 ですから、そういう状況を考えますと、新幹線の施設の譲渡問題はそういうことを十分考えて、国鉄改革当時に根拠として国民に示した政府の数字と全く事実上違っている以上、それを修正し調整する、そしてその上で譲渡するものは譲渡するというふうにしなければ、私は国民は納得をしないと思いますが、どうですか、そこの点。
#75
○政府委員(大塚秀夫君) 先生御指摘のとおりでございまして、私どもとしてはJRだけの問題ではなしに、長期債務償還の観点からいろいろな諸問題を今後検討していかなければならないと考えています。JR株式の処分にしましても、これはJRの経営上の立場からの適正な価格という考え方もあるでしょうが、私どもは長期債務の償還財源としてこれを取り扱っていきたいということで今検討しているところでございまして、他の問題も同様でございます。
#76
○安恒良一君 そこで、これは償却の観点からちょっと考えますと、現在保有機構で毎年四百億に近い償却が実施されていますね。これを一括譲渡した場合、JR三社のこれは償却分になるのか。さらに、これまで新幹線施設分として償却してきた九千七百二十七億はどうなっているのかということをお聞きしたいのです。
#77
○政府委員(大塚秀夫君) これは、今後償却についてはいろいろ専門家の意見も聞かなければならないと思っておりますが、償却の際の取得価格をもとに、これは定率法によるか定額法によるかは各社の判断でございますが、残存期間に応じて償却するということで、その辺は今後さらに詰めていかなければならない問題だと考えております。
 いずれにしましても、大きな償却資産でございますので、相当償却がふえることは事実でございます。
#78
○安恒良一君 いずれにしましても、今この問題について株式を上場する前に結論を出す必要があるということについても私は異論がございません。しかし、現在までのあなたたちの進め方を見ていると、国鉄改革時にはJR三社に新幹線の償却をやらせると経営が成り立たない。そこで保有機構をつくってやっておきながら、ふたをあげてみたら今度は利益が出過ぎる。そこで今度は償却をふやして内部保留させる。こういうふうに会社の都合ばかり考えてあなたたちはやっているんじゃないか。国鉄改革というものはトータルで見れば国民一人当たりに最終時には十万円以上の負担をしてもらわなきゃならぬという前提で成り立っていることを忘れてはいけない。四年前に運輸大臣が答弁したように、国民感情を十分考えた上で新幹線の譲渡問題を検討していくということを答弁されたんです。
 運輸大臣、最後に申し上げますが、新幹線の譲渡問題を研究していくときに、以上のことを忘れないようにきちっとやってもらいたいと思いますが、運輸大臣の見解を承りたいと思います。
#79
○国務大臣(大野明君) 今先生と政府委員とのやりとりを聞いて、また四年前のお話もるる触れられたわけでございますけれども、私は先ほども申し上げましたように、何としてもやはりこれは国民のものであるということは十分認識しておりますからこそ、先ほども国民の負担を少なくしたい。こういう気持ちで今後ともすべての面においてやっていく所存であります。
#80
○安恒良一君 次に、今回の営団地下鉄出資持ち分の評価方法について、これは穐山さんも聞かれたらしいですからダブってはいけませんので僕も簡単に聞いていきますが、今回の営団地下鉄出資持ち分の再評価の考え方について説明してもらいたいんです。
 というのは、再評価額は九千三百七十二億円で、総資産から総負債を差し引いて、そして純資産を基本ベースに算出したと言われるが、総資産、総負債、純資産、それぞれ幾らになっているかということ。それからいま一つは、営団地下鉄の出資持ち分の再評価を出資額面の三・九一倍と決定していますが、この倍率が妥当かどうか、つまり適正な評価はどのようにあなたたちは検証されたのか。ここまでやりましょう。
#81
○政府委員(大塚秀夫君) 営団出資持ち分の評価につきましては、まず六十二年の九月に資産処分審議会の答申におきまして、営団というものが当分の間その出資持ち分について一般に売却を予定されておりませんので、実体財産の裏づけがあり、かつ将来の経済情勢の変化によって影響されるところの少ない安定性の高い方式でございます純資産価額方式によることが適当としまして、この方式によって六十二年一月一日の公示地価をもとに、出資一口当たり二千二百八十四円、事業団持ち分全体で七千八十八億円と評価したわけでございます。
 今回の評価につきましては、最近の首都圏における地価の上昇といった事情を踏まえまして、この答申による評価方法に準拠してもう一度営団の資産を再評価し直したわけでございます。その結果、総資産につきましては六十二年……
#82
○安恒良一君 それ、長かったら後で資料下さい。資料でいいです。
#83
○政府委員(大塚秀夫君) はい、わかりました。
 そういうことで評価しまして、全体として出資一口当たりの純資産四〇%上昇ということで、一口当たり三千百九十七円と再評価しまして、その結果残っております出資持ち分を九千三百七十二億円としたわけでございます。
#84
○安恒良一君 それじゃ、正しいということですから、具体的な資料を後でいただくということで時間を省略したいと思います。
 それで、一つだけ聞いておきたいのですが、営団地下鉄の出資持ち分の譲渡を受けた一般会計は、営団の民営化というのが今後進んでいくんですが、そのときはこれをどう処理するつもりですか。それから、民間にもしもこれを売却した場合、営団が民間会社になっていきますから、その売却益はどういうふうにされる考えですか。これは大蔵当局になりますか、この質問は。運輸省ですか、どちらがお答えになりますか。
#85
○政府委員(大塚秀夫君) 営団地下鉄につきましては、臨時行政改革審議会の答申で将来民営化するという方向が出されておりますが、現時点において将来の民営化に際してどのように政府保有持ち分を処分していくか検討されておりませんので、将来の売却益が出るかどうか、それをどうするかということは現在はまだ何ら検討していないわけでございます。
 いずれにしましても、私どもとしましては、今回の譲渡に際して適正価格で評価されて譲渡されたということでございますので、一応将来の保有持ち分の処分は大蔵省でお考えいただくことだと思っております。
#86
○安恒良一君 大蔵省、今答えられますか。まだ将来のことだから検討しますか、どうしますか。
#87
○説明員(堀田隆夫君) 今お話がございましたように、まだ相当将来の話でございますので何も考えておりませんけれども、国としては一般会計におきまして、その債務とあわせましてこの出資持ち分を承継したわけでございますので、この持ち分が将来売却される暁には次の問題としては一般会計の何と申しますか、一般的な収入として一般会計に帰属すべきものであろうと思っております。
#88
○安恒良一君 これはまたそのときになったら議論しましょう、一般会計に入れた方がいいのか、借金返済に充てた方がいいのか。
 それじゃ、東日本の社長の住田さんと常務の松田さんに参考人で来ていただいていますので、こ
の問題について質問をしたいと思います。
 実は松田さんが、五月十六日、JR総連地方議員団会議第二回全国会議が目黒のさつき会館において行われております。そのときにあなたが記念講演をされているんですが、それの抜粋があります。それからなお、これについては当時テープをとった人がおりまして、その人にはいろいろ圧力がかかって、私はできればそのテープをここに持ってきたかったんですが、本人が病気で入院をされていると聞いております。そこでその中身について少しお聞きしたいんですが、いろいろなことをしゃべられています。
 まず、清算事業団からの採用について、東海の無制限採用は全く理解できない、けしからぬ、JR東日本としては四回目については断った。これは、私ども社会党は田邊副委員長を頂点にしまして、できれば四月一日前にもう一回採用してもらいたいということを、強い要請を受けて、大野運輸大臣もわかったということで一生懸命努力をしてくれまして、東海と西日本がやったのを、よそのことまで、東海が無制限にしたのは全く理解ができない、けしからぬと。手前の会社が大臣から言われてやらぬ方がけしからぬのであって、そんなことをよくぬけぬけと言ったなと思います。これが一つ。
 さらに、非常に私は憤慨でならぬのは、社会党の安恒議員は全くけしからぬ、連合に加盟をしている私鉄総連が何で国労と結託をしてJRをいじめるのか。JR関連企業の労働組合で現在私鉄総連に加盟している組合が数多くあるが、私はみんな私鉄総連を抜けてJR総連に加盟するように言っている、関連の企業の方に対してもそう言っている、こんなことは不当労働行為でも何でもない。全く不当労働行為じゃないですか。安恒はけしからぬというのは何でけしからぬのですか。少なくともあの法律を制定したときのことを思い起こしてください。三塚さんが中曽根総理の代行として、橋本さん、そして杉浦さん、そして現在の事務次官。自民党の諸君もここにおる。感謝されこそすれ、けしからぬなんて言われる覚えはない。衆議院では乱闘騒ぎの中で通ってきた法案を、私たちは公明党さんとも民社党さんとも話し合いをして、反対はしたけれどもきちっと直すものは直して上げたつもりです。
 その後、ことしの三月三十一日まで清算事業団に残った人の雇用についても全力を挙げて、組合にただすところはただし、間違っているところは間違っているといって、誠心誠意努力してきたつもりです。このことは歴代運輸大臣に聞いてもらっても、歴代総理に聞いてもらっても、安恒がけしからぬなんという話はない。ここに伊江さんもおるけれども、自民党でもこの問題について安恒がけしからぬなんという評価を受けた覚えは全然ない。にもかかわらず、こういうことをあなたたちはぬけぬけと言っている。これはどういうことですか。
 いま一つ聞きましょう。あなたたちが長野県地労委に平成元年二月十六日付で最終陳述書を提出されています。その中にこうあるんです。
 当時の橋本運輸大臣、林審議官が私どもに答弁した内容が、「「承継法人の職員の具体的な選定作業は設立委員などの示す基準に従って国鉄当局が行うわけでありますが、この国鉄当局の立場と申しますものは、設立委員などの採用事務を補助するものとしての立場でございます。法律上の考え方で申しますならば、民法に照らして云えば、準委任に近いものと云えますから、どちらかといえば代行と考えるべきではなかろうかと考えております。」とあり、採用は国鉄が設立委員に代わって行った、また一体となって行ったという見方もこれによっているもののようである。」。
 これに対して、こういうコメントがついています。「法律の解釈に当たり、立法者の意思は解釈の資料となるものではあるが、これは通常政府委員の説明や起草委員の解説書を中心としてなすものであり、大臣答弁は一般的な理解を助けるための便宜な表現を用いることもあるから、解釈の基準とすることは殆どない。」、何ということを言うんだ。今も私は大野さんに最後に、要所要所は国会議員と担当大臣と話をして一つ一つけりをつけている。この説明から言うと、これから法律を決めるときは大臣答弁なんかは全然だめだ、政府委員とやらなきゃだめなんだ、こういう書き方になっている、こういう文書を出している。これは中労委もびっくりしているよ。私のところに中労委のある委員から、安恒さん、国会はそんなものですか、大臣というのはそんな軽いものですかと。そんなばかげた文書をあなたたちは出している。
 以上の二点についてお二人から考え方を聞かせてください。
#89
○参考人(松田昌士君) 五月十六日に御指摘のようにJR総連の大会が開かれて、その勉強会に私は招かれまして、当社の現状と持っている課題及びこれからのそれの処理の方法、いろいろなことについて一時間十分ほどお話をしたのは事実でございます。経営問題ですから全般にわたっておりますが、その中で、当然労務担当もしておりますので労働問題、今の労働委員会の問題、それから中労委の問題及びこの三月末の清算事業団の雇用問題、これについての経緯もできるだけわかりやすく御説明を申し上げたつもりであります。
 その過程の中で、私は安恒先生を中傷したこともなければ誹謗したこともございません。これはいろいろな過程で、先生は先生のお立場でいろいろな動きをされ、いろいろな案を出された。私どもも、しかしそれを検討いたしましたけれども、私どもの立場としてそれに従うことができなかった理由を述べたわけであります。例えば、今御指摘の私鉄総連の問題についても私は、JR総連の勉強会でありますから、JR総連も私鉄総連のように社会的に大きな力を持つようにきちっと育ってほしいということは申し上げたと思いますけれども、ここに書いてありますように、例えば我が社の関連企業で私鉄総連に加盟している企業は一つもございませんから、そこから抜けてというようなことは全くこれは意味のない言葉であります。
 したがいまして、その後一部の人から文書が流れまして、先生今お持ちと思いますが、こういうものを見ましたときに私もびっくりいたしまして、お話をした相手の半分以上が現職の社会党の県会議員の皆さん、市会議員の皆さんがいらっしゃるわけでありますから、できるだけ多くの方にこういう文書のような印象を持たれたのかどうかというのを聞いていただきました。私のところに寄せられております回答では、こういう先生を中傷、誹謗したとか、私鉄総連を誹謗したとかというふうに受け取っている方は一人も今のところおられません。ただ、こういう私がしゃべったことを契機として非常に御不快の念を与え、あるいは私の表現に至らざるところがあったのかという点は私は深く反省をしております。と同時に、先生に御不快の念を与え、あるいは関係者の皆様に誤解を与えたという点は私が契機となっているということでありますので、この席をかりて心からおわびを申し上げたい、こういうふうに思います。
 それから長野の問題でございますが、これは長野の地労委に私どもの訴訟代理人であります宮下さんが準備書面として提出をした中に書かれているものでございます。私どもの係争中のものではございますが、今中労委に上がっておりますが、この問題というのは、私からいいますと別にそんなに特別のことを書いたわけではないと思っております。といいますのは、一般的に国会での議論というものと立法趣旨の議論というものと、それから法律が成立したときの条文解釈というものは、立法過程の議論は重大な参考意見ではありますけれども、それだけがすべての解釈を決めるものではないということを単にここで述べているその部分だと私は考えております。
#90
○安恒良一君 安恒はけしからぬと言ったことはないなんと言っても、テープがあるんだからね。もしも出てきたら大臣、やめてもらいますよ。
 私が住田さんと話したときには住田さんは、い
ろんな話の中に何かあったかもわからぬと言うから、いろんな話じゃわからぬと言ったんだ。いろんな話じゃわからぬからいろんな話を聞いた。松田君は全く否定しているんです。あなたは、もしもそういうことが出てきたときは、ここでこれだけ言ったんだから責任をとりますね。あなたは今度は副社長になる予定だから、そういうのは東日本の副社長としては不適任である。
 それからもう一つ言っておこう。あなたが今度しゃべったのが十月二十二日、JRの常務であるあなたが、神奈川地労委の命令が出たときに何ということを言っているのか。いいですか。私は神奈川県地方労働委員会は気が狂ったのかと言っているんだが、それを新聞は見出しに書いてくれない、もしくは、あれほど支離滅裂な命令を出す地方労働委員会なんて知らない、神奈川県地方労働委員会というのは左巻きであるといううわさは前から聞いておりますが、あそこにかかったものは七割から八割みんな負けているんですよと。
 松田君、君の思い上がりもいいところだよ。そんなことをやって経営がこれから円満にできると思っているのか、君は。思い上がりもいいところだよ。あなたがしゃべったものは何ぼでもあるんだよ、ここに。そして言ったら、いやおれは言っていない、おれが聞いた範囲でそんなことは県会議員も言っていないと。私のところにこの文書を出してきたというのも県会議員から来たんだよ。来たからわかっているからやっているんだよ。もう少し謙虚になったらどうなんだい。
 それから、今言ったところ、大臣のところなんか全く君の解釈は間違っておる。これはどういうことなんだい、「大臣答弁は一般的な理解を助けるための便宜な表現を用いることもあるから、解釈の基準とすることは殆どない。」、それじゃ国会のこれからの大臣の答弁はどうなるんだ。今これから私は大臣の答弁を聞くけれども、大臣の答弁よりも君たち政府委員の答弁の方が上回るのか。そういう書き方になっているじゃないか。これを、私は正しいと思うとよくぬけぬけと言ったな。橋本さんを呼んできてこれを橋本さんに見せてやる。おい橋本さん、松田はこんなばかなことを言うとるぞ、おまえの答弁は「解釈の基準とすることは殆どない。」、こう言い切っている、これでいいのかと言ったときに橋本大蔵大臣が何と言うか。きょうはいないからおる場でやってやる、橋本氏と並んだ予算委員会でおれはやってやるけれどもね。
 こういう点についてどうですか、住田さん。あなたは社長としてどう結末をつけるんですか。万が一テープが出てきたときに、言っていたときには責任をとるな。あそこまで言っておるんだ。その点だけはっきりしてくれ、テープを持ち出して起こすから。
#91
○参考人(住田正二君) 幾つかの問題があるわけでありますけれども、長野の地労委の問題は、私どもがお願いしている顧問弁護士が書いた文書であります。したがいまして、これは法廷技術の話だと思うわけです。この内容も正確にお読みいただければ、大臣答弁が、「一般的な理解を助けるための便宜な表現」を用いている場合という条件がついているわけであります。
 私も長い間政府委員でここで答弁させていただいたことがあるわけでありますけれども、大臣答弁を政府委員が違います、大臣が適法であると言っているのを政府委員が違法である、大臣の解釈は間違っていますということは絶対にあり得ない話だと思います。これはあくまで、弁護士が最終陳述において自分の主張を言うための説明として言っているにすぎないことだと思います。
#92
○安恒良一君 責任逃れだよ。何を言っておるか、君のところの代理人じゃないか。答弁になっていない。
 いいですか。代理人は、弁護士は君のところから頼まれてやっているんでしょう、あなたの名前が入っているんだよ、これ。そういうことを責任逃れと言うんだ。やはりこれは十分でありませんでしたとか、書き足りませんでしたとか、素直に言うべきじゃないの。あなたのは責任逃れだよ。いや、あれはおれのところの頼んだ弁護士が書いたんだからおれは知らぬ、そういう君の態度が思い上がりというんだ。あなたの名前がここに入っているんだよ。やはりこれは誤解を与えましたとか、文章の表現が足りませんでしたとか、そういうことがあっていいんじゃないの。何だね君は、そんな思い上がりで社長が勤まるか。もう少し世の中というのは謙虚になるべきだ。代理人が犯したことでも、あなたの名前が入っている以上、これは表現が不適切でありましたとか、こういうところについて十分な、いわゆる舌足らずがありましたとか、御迷惑をかけましたとか、そういうことを言っていいんじゃないの。
 それから、万が一テープが出てきたとき、はっきりしたときは責任とるかどうかということの質問には答えてないじゃないか。どうするんだよ。
#93
○参考人(住田正二君) 私どもの顧問弁護士ですから、お願いしている以上私ども関係あるわけでございますけれども、何分、百数十件という大変数の多い案件が今出ているわけであります。一々私ども事前にチェックしているわけではございませんし、また時間がありませんので、御本人の弁護士と打ち合わせをする時間もなかったわけであります。
 ただ、ここで書いてありますことを読みますと、大臣答弁が全く意味がないということをこの陳述書の中で言っているわけではないわけであります。一定の条件のもとに解釈基準となることがほとんどないという表現でございますので、大臣答弁が無意味だということをこの弁護士が言っているわけではないと思います。
 それから先ほど来松田常務の講演の内容につきまして御指摘ありますけれども、私ども、まだ内容を全部周知しているわけではございませんので、十分調べた上で対応を考えたいと思います。
#94
○安恒良一君 大臣、今、以上のやりとりを聞いて、この結末はどうつけますか。私は、あそこまで言い切るならテープを持ってきてこれ白黒をつけざるを得ないと思う、白黒を。しかし、その前に、あなたは今JR各社全体を監督するその責任者なんですから、私が申し上げたようなことについて、私はこれではいけないと思う。運輸大臣としてこの点については十分調査をして白黒つけてくれますね。これは引き続きずっとこれからやりますよ。引き続きやりますよ、この問題がはっきりするまでは。本人は、全くおれはそんなこと言ったことない。わびもしない、わびもしない。大臣どうですか、この点。
#95
○国務大臣(大野明君) いずれにしても、講演の内容等も私もつぶさに存じ上げているわけではございませんので、そういうことがあったとするならばこれは本当に遺憾なことであると考えております。すべて今やりとりを聞いておりまして、十分調査してそうしてまた御返答申し上げたいと、こういうふうに考えております。
#96
○安恒良一君 これ時間がありませんから、大臣は大臣として調査をして処断を、やはりきちっとした処置をしてもらいたい。と同時に、私はそのテープの提出等も求め、さらにこの問題については引き続き、きょうは私の時間は十二時二分までしかありませんから引き続きこのことは議論をしていきたいと思います。そして、こういう問題は白里をつけておかなきゃいけません、おれは全く言わないのだと、そんなこと。安恒けしからぬという言葉が全く出ないでけしからぬと、こういうことにならぬのですよ、安恒けしからぬと。ですから、その意味からいうと、私はこの問題は引き続いて白里をはっきりさせなきゃならぬ、そういうふうに思います。そういうことでひとつ後で理事会でも御相談をしてもらいたい。
 きょうは時間がありませんから、改めて私はこの問題の白黒はどうしてもつけたい。つけて問題をはっきりしたい、こういうふうに思いますが、よろしゅうございますか。
#97
○委員長(中野鉄造君) この件につきましては、後刻理事会において協議いたすことにいたします。
#98
○安恒良一君 終わります。
#99
○委員長(中野鉄造君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時から再開いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#100
○委員長(中野鉄造君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成二年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#101
○片上公人君 法案審議に入る前に、午前中もお話がありましたけれども、大臣がきのう朝早くから交通地獄を体験してきたということでございまして、感想も述べられておりまして、この通勤通学時の混雑について若干お聞きしたいと思います。
 交通の大変なところの解消の決め手というのはやはり輸送力を増強するしかない、これが一番の決め手だと思います。そういう意味では新線をつくるとか複々線云々ということになりますけれども、特定都市鉄道整備積立金制度というのも創設しまして複線化を推進しているわけでございますけれども、最近の都市の地価の高騰などによりまして用地取得難は大変なことでございますから整備がおくれております。抜本的な対策はいまだほど遠い状態でございますし、努力は当然必要でございますけれども、即時的な効果はこれは期待できません。そこで、ソフト的な解決の対応策として朝夕の混雑のピーク時に輸送の需要量を平準化する、そういう意味で時差通勤あるいはフレックスタイムの導入、これは大きな効果をもたらすのではないかと、このように言われております。
 そこで総務庁にお伺いしたいんですが、時差通勤の推進につきましては総務庁の交通対策本部が中心となって時差通勤通学推進計画を定めて推進しているわけでございますけれども、この現状はどうなのかまず伺いたいと思います。
#102
○説明員(堀才大君) 時差通勤通学の対策につきましては現在東京、大阪それから名古屋、福岡、仙台、この五地区で実施されております。協力目標人員等をそれぞれの地区について定めまして、今年度は最終年度に当たりますが、来年度からまた五カ年間の時差通勤通学推進計画を策定していきたいと考えております。
#103
○片上公人君 現状は事業者団体、学校団体への意識啓蒙にとどまっておるぐらいですね。一年を通しての時差通勤通学の具体的な協力要請というのは各鉄道事業者の各駅長に任せる内容になっているんですが、これでは実態的にも推進とはほど遠いと考えますが、その点について。
#104
○説明員(堀才大君) 先生今御指摘のように、実質的には駅長さんにかなり頑張っていただいておるわけでございますが、時差通勤通学推進計画を策定するに当たりまして、私ども関係省庁、地方公共団体、運輸事業者団体、民間事業者それから学校を含めまして、中央で時差通勤懇談会それから時差通学懇談会を開催いたしております。また、地区ごとに地区の時差通勤懇談会、地区の時差通学懇談会を開催いたしましてそれぞれ調整を図っているところでございます。
#105
○片上公人君 この計画は、先ほども話がありましたように、だれがやるのかというと各駅長がやるということしかないわけですね、読みますと。駅長というのは本来の仕事はどうなるのか。時差通勤をおたくの会社やりませんかと言って回るだけが駅長の仕事じゃないと思うんですよね、大変忙しいし。果たして駅長に任してこれは進むのかなと思いますけれども、その辺どうですか。
#106
○説明員(堀才大君) 全体的な中央での懇談会それから地方で懇談会をやっておりますので、それぞれ地方公共団体、運輸事業者団体、民間事業者それから学校関係につきましてはいろいろなルートを通じまして協力依頼をいたしております。したがいまして、実質的には駅長さんがいろいろ要請をしていただいておると私言いましたが、中央でも地区レベルにおきましてもそれぞれ代表者の団体から成る懇談会を開きまして協力依頼をしておるというところでございます。
#107
○片上公人君 その懇談会というのは、みんな何とか混雑を緩和したいと思うからいい意見も言うと思いますよ。だけれども、具体的に時差通勤をするようにちゃんと言うのは駅長さんであるというような書き方ですわな、ある意味では。
 聞きますけれども、例えばそういうふうに駅長さんが仕事して、おたくの学校は、おたくの会社は一年間時差通勤しますよとか、具体例、できたような具体例がありますか。
#108
○説明員(堀才大君) 例えば学校の例で申し上げますと、文部省、地方公共団体それから市町村、そのルートから学校関係について協力依頼を具体的にいたしております。
#109
○片上公人君 そういうふうなルートで何ぼやっても効果が出ない。しかも駅長さんも忙しいから、こんにちはと言って回るわけにいかないというような形で、みんなそう思いながら何にも進んでいないのが私は現状じゃないかと思います。
 そこで通勤通学の時差の問題については、今お話もありましたように、国、地方自治体、各種事業者団体、学校団体、それらが本気でどれだけ協力できるか、一体的にこれは強力に推進しないと実効が上がらないと思います。それについて強力な推進をしていただくような要請とか何か今やっておられるんですか。
#110
○説明員(堀才大君) 先ほど申し上げましたように、次回の時差通勤通学推進計画につきましては来年度から始まるわけでございます。具体的な協力といいますと、地区の懇談会におきまして目標を例えば定めますときに、東京ですと百七十二万の協力目標人口を定めるわけでございますが、その定める過程においてそれぞれの団体に協力依頼をするという形でございます。
 先生御指摘の点につきましては、来年度から始まる計画につきまして、ことし調査研究を進めるという準備をいたしておりますので、その中で御検討させていただきたいと思います。
#111
○片上公人君 全面的に見直して実効あるものになるようにやっていただきたい。そういう意味では、それぞれの立場というんですか役割を明確にするような計画にお願いしたいと思います。
 そこで、こういうふうに時差のことを言うんですけれども、そういうことをやろうじゃないか、やれと言っている例えば総務庁並びに総務庁の下部機関、あるいは運輸省も含めまして役所で既に始めておるところもありますね、言っている自分のところはどれくらいやっておりますか。
#112
○説明員(堀才大君) 国家公務員の時差通勤につきましては、昭和四十年でございますが、交通対策本部で「時差通勤通学対策について」ということで決定をいたしております。その昭和四十年から既に全省庁におきまして時差通勤を実施いたしております。それから地方公共団体につきましては、時差通勤通学推進計画の対象となるわけでございますが、これもすべて御協力いただいておるというところでございます。
#113
○片上公人君 鉄道営業法の第二十六条には、「鉄道係員旅客ヲ強ヒテ定員ヲ超エ車中ニ乗込マシメタルトキハ三十円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス」、こういう規定があるわけでございますが、この法律は明治三十三年のもので、現在では状況が大きく変わりまして完全にこれは死文化しておるのじゃないか。しかし、この法律に示されておるところの乗客中心の思想は非常に大事なのではないかと思います。
 また、鉄道事業法の第五条、いわゆる免許基準のところでは、「その事業の供給輸送力が輸送需要量に対し不均衡とならないものであること。」と規定されておりまして、また第二十三条では、「運輸大臣は、鉄道事業者の事業について利用者の利便その他公共の利益を阻害している事実があると認めるときは、鉄道事業者に対し、」「旅客又は貨物の安全かつ円滑な輸送を確保するための措置を講ずること」を命ずることができる、こういうふうになっております。
 しかしながら、現在大都市の各鉄道の多くが二
〇〇%を超える混雑率となっておるし、路線によりましては二七〇を超えておる。そういう状態にありながら、乗客の安全の観点から最低限守るべき混雑時の上限すら決められていないのが実態でございます。国として快適通勤のために必要な混雑時の上限を示すべきであると思いますが、これはどうでしょう。
#114
○政府委員(早川章君) 先生今御指摘の混雑時の上限ということが、これ以上混雑してはならないというような意味でございますとちょっと違うのでございますが、例えば目標としている混雑率、せめてこの程度にまでは持っていきたいという混雑率につきましては一八〇%というような目標を定めまして、現在鉄道整備に当たりまして、例えば東京圏につきましては東京圏の鉄道計画をつくる際に一八〇%ぐらいの混雑になるように持っていきたい、こういう考え方のもとで現在の計画をつくっている、こういう実態がございます。
#115
○片上公人君 総務庁、結構です。ありがとうございました。
 先ほどの「三十円以下ノ罰金」というこの規定がある二十六条でございますが、これは改める必要があるのじゃないですか。どうでしょう。
#116
○政府委員(早川章君) この二十六条の解釈につきましては、もちろん現行法ということで解釈いたしますと、「強ヒテ定員ヲ超エ車中ニ乗込マシメタル」ということでございまして、係員が旅客の意思に反してその車に乗り込ませる、逆に言いますと、乗客みずからの意思でそのような込んでいる車に乗り込みたいという際にこれを援助するという場合は含まないというふうに考えているところでございます。
#117
○片上公人君 みんな乗らぬと会社におくれるから後ろから駅員が押すというのは、物理的にはこれは強いているんですよね。気持ちの上では強いてじゃないとなるのかもわかりませんけれども、ちょっとおかしいなという感じはあります。
 強いて聞きますけれども、この三十円以下の罰金を科せられた例は今までありますか。
#118
○政府委員(早川章君) ないそうでございます。
#119
○片上公人君 本当はもっとこういう解釈の方法はありますけれども、定員を超えて実際は強いて乗らざるを得ないようにしておるわけですね。常識で考えると、全員が毎日三十円ずつ罰金を取られなきゃいかぬ、毎日毎日鉄道の係官は三十円ずつ取られなきゃいかぬというのが本当じゃないかと思いますけれども、むしろこういうことよりもそういうことがなくて済むようにするいうのが一番だと思うわけでございます。
 それから、こういうことにつきまして国が自治体、鉄道事業者、旅客事業者の守るべき共同責務を規定して、先ほどお話はちょっと違うという形でありましたけれども、混雑の上限を超える路線につきましては各社が協議して抜本的対策を実施すべきであると私は考えますが、この点についてはどうですか。
#120
○政府委員(早川章君) ラッシュ時の鉄道の混雑率というのは大変難しい対応が必要だと考えております。といいますのは、ある非常に限られた時間帯に、どうしてもその時間帯にお乗りになりたいというお客様に対する対応でございますから、上限を定めてお客をお乗せしないという対応がなかなか難しいことになるんだろうというふうに考えております。
 私どもといたしましては、そういうことを考えに入れながら、一八〇%という目標値は言ってみますと混雑しているタイミングでも一八〇%程度になるように、したがって車内で新聞等についてもある程度読むことができるんじゃないかというような率を考えてつくっているわけでございます。そういうような輸送力整備に当たりまして、国はもちろんその計画をつくるときに地方自治体、鉄道事業者の団体あるいは個別の事業者といろいろ御相談をし、計画につきましてはそれらの御意見を入れながらつくっているものでございまして、十分な連携を保ちながら事業を推進してまいりたいと考えておるところでございます。
#121
○片上公人君 現在、駅舎等におきましては建築基準法が適用されておりません。運輸省の定めました普通鉄道構造規則によっていると聞いておりますが、この規則の三十二条には、「駅には、旅客又は貨物の取扱量等に応じ、プラットホーム、貨物積卸場その他の旅客又は貨物の取扱いに必要な相当の設備を設けなければならない。」、また三十三条では、「プラットホームの幅は、旅客の流動に支障を及ぼすおそれのないものとしなければならない。」と規定されております。
 大都市におきますところの駅ホームでは混雑が大変著しくて、ラッシュ時にはホームから人がいつ落ちても不思議でないような危ない駅が各地に見受けられておるわけです。路線乗りかえ駅ではラッシュでほとんど進めない、乗りかえに時間がかかり駅としての機能はほとんど麻痺状態となっておる、そういう駅がある。構造規則が全く無視されておるのではないか。したがいまして、運輸省はまず大都市鉄道駅の混雑状況を早急に総点検すべきじゃないか、そして乗客の安全確保を図る観点から危ない駅を指定しまして、その駅の構造改良や移転等の対策を求めるべきである、こう思いますが、いかがでしょうか。
#122
○政府委員(早川章君) 先生御指摘のとおり、東京等の大都市圏では沿線で極めて急ピッチな都市の開発が進むというふうなことで、そのために、いろいろと事業者が輸送力増強やホームの延伸などの利便の向上等を行いましても、なお予想を上回るいわゆる需要の増あるいは輸送人員の増等のために十分な対応ができていないという実態が露呈している駅がないということではない、おっしゃるとおりいろいろあると思います。
 そういうような駅につきましては、便宜的に各種のとりあえずの措置を講ずることはもちろんでございますが、プラットホーム、コンコース等の構造改善につきましては大工事、大改良になることも多いものですから、中長期的な計画を事業者につくっていただきまして、もちろん我々もヒアリングを行い、あるいは私どもいわゆる保安監査というような措置をとっておりまして、あるインターバルでもって各事業者の各施設はみんな見に行くわけですが、そういったときにも状況を見せていただく。もちろん、きょう大丈夫だ、あした急に非常にひどくなるということじゃなくて、徐々に輸送人員がふえるものですから、そういうお客様の状況等については事業者もそれぞれ対応を図りながら、この場合でいけば、もうじきどうしようもなくなるぞというふうなことを事業者も認識をし、また私どもの方にも御相談がある。
 こういうような形のものを通じまして、現在のところ駅等の危険な状態については、改良が進むまでは例えば人員を配置するとかロープで仕切るとか、そういう措置もとりながら対応を図っておりまして、危険のないように措置をしつつ可及的速やかな改良に向かうようなことをやっておりますので、一応先生の御趣旨のようなことは事実上行われている、こういうふうに御理解いただけるんじゃないかと思います。
#123
○片上公人君 確かに総点検、言わぬでもわかっておるんだと思います、危ないということも知っておると思うんです。しかしながら、これは具体的に手を打っていかないと、何か起こってからしか動けないようなところがありますけれども、起こらぬのが一番ですから、前もっていろいろ手を打ってもらいたい。その対策の実施に当たりましては、例えば国の助成措置を行うとともに、国、鉄道事業者、駅所在の自治体等で協議する機関を設置したり、具体的な推進策を検討する必要があるのじゃないかと思いますが、この点についてはどうでしょうか。
#124
○政府委員(早川章君) 特にこういう場合の問題点といたしまして、例えば乗りかえ駅ということが先ほどございましたけれども、事業者間で、用地等の所有が分散いたしておりまして、入り組んでおりまして協議がなかなか調わないとか、あるいは駅前広場等との関係からの混雑の処理の問題が絡んでくるとかということがあるかと思うんです。そういうケースにつきまして、もしお話し合いが難航するようなケースについては私どももい
ろいろ具体的に両者のお話を聞きながら十分な措置をとってきているところでございまして、関係者間の話し合いの促進、そしてまた必要に応じて私どもの指導という措置を取り入れてきているところでございます。
#125
○片上公人君 運輸省の大都市交通政策によりますと、先ほどから話していますように、首都圏、中京圏、近畿圏の三大都市圏の通勤通学者は約一千三百九十一万人で我が国の人口の約一割にも達しておる。あるいは首都圏主要鉄道の約六割が二〇〇%以上の混雑率。山手線、京浜東北線では混雑率は二七〇%にも達しておる。東京区部の輸送力というのはニューヨークやパリと比べてほぼ同じである。輸送力は同じだけれども通勤通学者の数は約二倍にもなっておる。また、混雑している車中ではあばら骨が折れた人とかガラスが割れてけがをしたという事故も発生しておるし、また降車駅でおりられなかったり、新聞も読めない、痴漢にも遭った等大変不愉快な現象も多発しておる。このような通勤通学時の混雑問題に対しまして、これまで鉄道事業者は輸送力増強のための諸対策は講じてきたわけでありますが、先ほど話がありましたが、ふえ続ける旅客の輸送量に対応ができなかった。もはや鉄道事業者独自では解決できない限界の状態になっておるのではないか。
 ゆとりある社会ということが今しきりに実現を求められておるわけでございますけれども、混雑は当たり前というようなこういう発想から、今こそ乗客の側に立って通勤通学の混雑の解決に政府は本気で取り組むべきときが来ておる。そういう意味で、きのう大臣はしんどい目して朝から行かれたわけでございますから、混雑に対する基本的な姿勢を伺いたいと思います。
#126
○政府委員(早川章君) 先生御指摘のとおり、大都市における鉄道混雑と申しますか通勤混雑というのは大変厳しいものがございまして、しかし一方、輸送力増強を図ってもなかなか混雑率の具体的あるいは効果的な減少に結びつかないぐらいまたお客さんがふえてくるという実態にあることは御指摘のとおりでございます。それにも増してもう一つ問題がございましたのは、鉄道整備につきまして十分なる助成と申しますか、政府側あるいは関係者の応援というものができないできて、これは先生先ほどございました特定都市鉄道整備積立金制度等でお客様から運賃を先取りして対応するという措置はとってきておりますが、地下鉄等についての補助金の繰り延べ等の措置をとらざるを得なかったような国の財政事情もございまして十分な対応ができていない、こういう点が多々あると思います。
 私どもといたしましては、先般来も御議論がございましたところでございますが、今後の国のこういう鉄道整備等に対する助成のあり方等につきましては、現在運輸政策審議会の地域交通部会というのを大都市鉄道問題とそれから地方の問題、二つ分けますが、大都市鉄道問題として取り上げております。言ってみますと、それぞれ個別のいろんな具体的に問題となっている線、新線あるいは線増等にどのような対応策が必要なのかというようなことも議論をしながら、的確な対応が図れるようなことを勉強もし政策としても打ち出したい、またそういうことが打ち出せる時期に来ているのではないかと、大臣なんかの御判断です、そういう時期に政府側も来ているんではないかというふうに考えておりますので、今後一生懸命やらせていただきたいと思っているところでございます。
#127
○片上公人君 次に、法案の方でございますけれども、まずJR株式の売却問題について伺っておきたいと思います。
 現時点では経営が順調と言われておるJR東日本、東海の上場が先行するようなことが予想されておりますけれども、西日本、貨物の上場につきましてはどのように考えていらっしゃるのかまず伺いたいと思います。
#128
○政府委員(大塚秀夫君) 今先生御指摘いただきましたように、JR東日本とJR東海につきましては、個々具体的な審査内容はともかく、主な財務上の基準はことし三月、元年度の決算でクリアしておりますが、JR貨物につきましては、利益の額がいまだ基準達成に至っておりませんし、JR西日本については、純資産の額それから各年度の利益の額、いずれも基準を達成しておりません。できるだけ早期に両者とも上場が可能となるよう一層の経営努力を期待しているところでございます。
#129
○片上公人君 JR株式の売却に当たりましては、安定株主対策等の観点から政府に一定比率を保有させるべき、こういう意見もございますけれども、清算事業団が保有しているすべての株式を売却すべきであると思います。NTTの株の売却のときのように一定比率を政府が保有するような考えがあるのかどうかということを伺いたいと思います。
#130
○政府委員(大塚秀夫君) NTTは法律上政府保有の比率が定められておりますが、JRにつきましてはそのような規定がございませんし、国鉄の改革の趣旨からしましてすべて全額を放出する、処分するというつもりでございます。
#131
○片上公人君 JR三社の株主対策に絡んで、放出株数の五〇%以上を機関投資家など安定株主向けに配分することを求めているようでございますけれども、運輸省はこれにどのように対応する考えか伺いたい。
#132
○政府委員(大塚秀夫君) JRの業務の公共性にかんがみて安定株主対策は大変重要な課題であると考えておりますが、これを具体的にどのように実現していくかにつきましては、今後有識者等の御意見も聞き、そのような方向で、またJR自身の努力も必要だと思いますが、遺憾のないように考えていきたいと考えます。
#133
○片上公人君 このJR株式の売却の見込み、これはどのように考えていらっしゃるのか御見解を伺いたいと思います。
#134
○政府委員(大塚秀夫君) これは上場の際の当該JR株式会社の経営状況、またその時点での株式市況、景気動向、総合的なところから株価というものは決まると思いますので、私ども今の時点で本当のところ予想が困難でございますが、このJR株式というものが清算事業団の抱えます膨大な長期債務の償還財源として最も有力なものでございますので、適切な価格で処分するように努力するつもりでございます。
#135
○片上公人君 次に、土地売却の問題について伺いますけれども、これまでの旧国鉄用地売却の実績を当初計画との対比で示していただきたい。さらに、公開と随契の別についても内訳、それぞれの面積、金額ベースで報告をお願いします。
#136
○参考人(石月昭二君) 昭和六十二年度の計画が三千億円の土地処分を予定いたしましたが、実績は千三百二十九億円でございまして、六十三年度は計画三千億円に対しまして実績二千四十一億円、平成元年度三千五百億円の計画に対しまして実績二千七百億円程度の見込みでございます。
 面積は、六十二年度が二百七十一ヘクタール、六十三年度が九百六十七ヘクタール、元年度が四百六十ヘクタールの見込みでございます。
 なお、三年間を集計いたしますと金額で六千七十億円になりますが、随意契約により地方公共団体等に売却いたしましたものが八七%を占めております。
#137
○片上公人君 当初予定の土地売却金額と実績との間には大変大きな格差があるわけですが、この原因は何だったのか。そして、土地売却の本来大原則であったところの公開競争入札の比率が少なかったということについてこれは大変問題ではないかと思いますけれども、この点について。
#138
○政府委員(大塚秀夫君) 事業団の用地処分につきましては、国会審議も踏まえまして、公正さを確保するとともに、事業団の抱えます長期債務をできるだけ償還させるためにも公開入札により適正な価格で処分することを原則としてきたわけでございますが、その後の地価の高騰により公開入札というのが大変制限されて、土地処分が予定どおり行われなかったというのが実情でございます。しかし、今後とも地価に悪影響を及ぼさない
地域に存在する用地については公開競争入札の方法によって処分していくよう努力したいと考えております。
#139
○片上公人君 確かに地価の高騰への影響を配慮したとの背景があったことは私もよくわかっておりますが、三年間で六千億の実績というのでは、大量の土地売却に準備がかかる関係でやむを得ない面もあったかもしれませんが、借金の一年分の利払い分一兆二千億円にもこれは満たない。国鉄用地というのは貴重な国民の財産でありますから、その処分に当たりましては公平性の観点というところから、また国民負担軽減の視点から公開競争入札の実施によって最大の努力をすべきではないかと思いますが、どうでしょうか。
#140
○政府委員(大塚秀夫君) 地価に影響を及ぼさざるを得ないような地域あるいは大規模な用地につきましては、地価を顕在化させない処分方法等も検討しますが、公開競争入札についても今後できるだけその拡大に努めるよう清算事業団を指導していきたいと考えております。
#141
○片上公人君 旧国鉄用地の処分は公開競争入札か随意契約による売却しか従来なかったわけですが、最近努力されまして地価を顕在化させない土地処分の方式が大きく導入されようとしています。特に二年前から不動産変換ローンが導入されるということでございますが、これは地価高騰への配慮というにしきの御旗のもとに進められてきたわけでございますが、その処分方法等につきまして概要の説明をお願いしたいと思います。
#142
○政府委員(大塚秀夫君) いわゆる不動産変換ローン方式は、事業団が出資します子会社が事業団用地を購入しまして、都市計画に沿った効果的な開発計画に基づいて、その上物、建物を開発することによって全体的な資産価値を高め、一定期間管理運営した後に処分する方式でございます。その資金を償還時にはその不動産の共有持ち分権に変換できる予約権を付することによって、当初に低利の長期借り入れを行う、ローンを行って調達する、そういう仕組みでございます。
 この方式は、土地と建物を一体的に開発処分すること、また現時点における処分でないこと、後々の開発利益を含めての資金調達であるというような点で地価に影響を与えるものでないと考えております。
#143
○片上公人君 今回の不動産変換ローンによる地価を顕在化させない土地処分のあり方については、その趣旨はわかるのでございますけれども、一つ懸念として残るのは、外部からその土地処分の価格が妥当かどうか、つまり公正さ、公平さということが確保されたかどうか非常にわかりにくい。それが本当に安値で払い下げられても外部からなかなかチェックはできないのではないかということでございますが、土地取引の公平性、透明性というようなことからどう担保されるか、この点を明確にしていただきたいと思います。
#144
○政府委員(大塚秀夫君) 不動産変換ローンは、先生御指摘のように、多額な資金を調達するという点で、ローン契約の相手方の選定に当たっては公正さを保たなければならないと考えております。その際、借入額と金利について不特定多数から選びまして、最も有利な条件を提示したものを選定するという方式をとるべく関係機関等と現在検討を進めているところでございまして、結果的に対外的に公正さを十分確保したいと思っております。
#145
○片上公人君 事業団用地の評価額は九・九兆円と聞いておったわけでございますが、その後どうなっておるか。評価は変わっているんじゃないかと思いますが。
#146
○政府委員(大塚秀夫君) 現在清算事業団におきまして、ことし一月の地価公示額をもとに、また今後の都市計画等による開発に基づく開発利益といいますか付加価値も含めて再計算をしておりますので、少なくとも九・九兆円よりは大きな試算が出るのではないかと考えておりますが、まだ試算中でございます。
#147
○片上公人君 事業団用地を処分するに当たりましては特に大規模な用地の処分を促進させることが重要であると考えますけれども、この点に関しまして汐留開発の進捗状況はどのようになっておるのかお伺いしたいと思います。
#148
○政府委員(大塚秀夫君) 汐留地区は、特に二十二ヘクタールに及ぶ東京の都心に残された貴重な都市空間であるとともに、清算事業団の中でも最も処分価値の高い資産でございますので、この開発については、東京都等の参加を得まして土地利用に関する基本計画を昨年二月に定め、現在その計画に基づいて必要な公共施設の整備についての都市計画手続等を行っておるところでございます。近く臨海部と結ぶ新交通システムに関する都市計画決定がなされると思いますが、今後逐次東京都等と調整を重ね、公共施設を整備した上、容積率等も検討してなるべく早い時期に処分を開始したい所存でございます。
#149
○片上公人君 この汐留跡地の開発処分は大変皆注目しておるし、地価を上昇させない仕組みが必要だと考えますけれども、この点についてはどのように考えていらっしゃいますか。
#150
○政府委員(大塚秀夫君) 汐留地区につきましては、不動産変換ローンの対象となる中規模用地等に比べてもその処分価格が大変膨大なものになりますので、資金調達もできるだけ国民一般から行いたいと考えております。そのために現在検討しておりますのが株式変換予約権付の事業団債方式でございます。
 これは、汐留について現物を出資した子会社をつくり、この子会社が汐留を開発した段階においてその子会社の株式に転換する予約権付の事業団債券を売り出すという方式でございます。これによりましてできるだけ多くの範囲から資金が調達できるとともに、将来、先ほど申しましたいろいろな公共施設が整備され、都市の一地域として整備が行われた後において、価値が高くなったその汐留を対象とした子会社の株式に転換されるという点で地価を顕在化させない方法であり、またできるだけ適切な価格で資金が調達できるものと考えております。
#151
○片上公人君 今回の法案で講じられました措置によって得られるところの具体的な効果はどれくらいなのか伺いたいと思います。
#152
○政府委員(大塚秀夫君) 今回、営団の政府への一括譲渡で適正な価格として再評価した結果、九千三百七十二億円というものに相当する有利子債務が一般会計で承継されるわけでございますが、そのほかに、今後その有利子債務から発生する金利も総計で約六千億近く一般会計が負担するという点で、この両方の合計額が清算事業団にとって債務の軽減につながるものでございます。
#153
○片上公人君 長期債務残高がなかなか減少しない状況になっておるわけでございますけれども、国鉄改革の枠組みの中では十三・八兆円が国民負担とされておりましたけれども、現時点ではどの程度の金額が国民負担額となると考えていらっしゃるかお伺いしたいと思います。
#154
○政府委員(大塚秀夫君) 十三・八兆円というのは、当初資産の方の価値としまして土地売却収入を七・七兆円見込み、株式売却収入を営団が再評価しました七千八十八億円、それからJR株式については売却価格の予測が難しいので一応額面の四千五百九十五億円ということを前提にして、債務と資産を差し引いて十三・八兆と出しておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、土地売却収入の見積もり、土地全体の価格の見積もりが既に九・九兆円ということで約二・二兆円増加していますが、これが現在再計算中でさらにふえると思います。
 それからもう一つは、株式売却収入につきましては、先ほど申しました七千八十八億円の営団の出資持ち分が今回九千三百七十二億円に再評価されたわけでございますが、問題は、JR株式の四千五百九十五億円という額面のものが市場でどれだけで売れるかということによって国民負担がすっかり変わってまいります。そこで、現在なかなかその予測が難しゅうございますが、我々としては十三・八兆というような国民負担にならないように、極力これをなくすという方向でJR株式
についても適切な価格で処分するように努力している最中でございます。
#155
○片上公人君 考えてみたらこの清算事業団というのは非常にしんどいことをしておるところでございまして、いろいろな借金を全部集約してやっておる。みんなにぼろくそに言われて仕事をする。大変なところだと思います。この借金を減らそうと思って、ようけ土地あるから売ろうかいなと思えば地価高騰で売れない。売ったらあかんとみんなで言う。売らずに借金がどんどんふえていくと、どないしたんやと言われる。責められるばっかりで大変なところだ。考えてみたら地価高騰でも普通の民間であれば売ってもいいんですよ、本当は。それでもうけた金で借金を払えばいいんだけれども、それができない立場だ。だれが地価高騰させたんやという問題になると、いろいろ追及していったら、やっぱり土地転がしに金を貸すことを許しておった大蔵省と違うかという意見も出ていますよね。だから大蔵省はもっと本気になって取り組まんかいという意見もあるわけでございます。
 最後に、政府としまして今後いかなる方針で清算事業団の債務の処理の推進を図ろうとしているのか、大臣の御見解をお伺いして質問を終わります。
#156
○国務大臣(大野明君) 政府としては、昨年十二月十九日の閣議決定に基づきまして、先ほど来政府委員が答弁いたしましたように、今鋭意努力しておることを、土地の処分にしてもあるいは株式の処分にいたしましても、速やかに社会情勢に対応しながらやっていく所存でございます。
#157
○片上公人君 終わります。
#158
○小笠原貞子君 それではまず最初に、具体的に緊急な問題について伺いたいと思います。国鉄の分割・民営化に伴う問題なんです。
 建設省と自治体が行う河川工事に起因して生じるJRの橋梁改良工事の財政負担等について運輸省と建設省との間に協定が結ばれております。その橋梁部分の改良工事の負担割合について国鉄時代は国鉄と河川管理者とが半々ずつの分担でございました。ところが民営化されてその負担率が変わりました。すなわちJRの負担は大幅に減ることになったわけでございますが、この取り決めが運輸省と建設省との間で決定されたのはいつでございましょうか。
#159
○政府委員(大塚秀夫君) 運輸省と建設省は、国鉄が新しい経営形態に移行するに当たりまして、工事に関する事務処理の円滑な実施を図るための指針としまして昭和六十三年十二月に、河川工事に起因して生じる鉄道工事に関する運輸省・建設省協定を締結したわけでございます。
#160
○小笠原貞子君 それじゃ伺います。
 今おっしゃったように六十三年十二月二十八日に決定されました。今日までこの協定に基づいて工事に着手した例は幾つございますか。同時に、民営化された六十二年四月以降から協定ができるまでと二つに分けて、何カ所あるか教えてください。
#161
○説明員(矢野洋一郎君) お答え申し上げます。
 河川の拡幅に伴う既設のJR橋梁のかけかえ工事につきましては、昭和六十二年四月以降全国で四カ所着工いたしておりまして、着工に当たりましてはそれぞれ費用負担等必要な事項についての協定を締結して実施しております。また、このほかに河川の放水路等の新設に伴うJR橋梁の架設工事で協定を締結して着工しているものが三カ所ございます。これらのうち、昭和六十二年四月以降昭和六十三年十二月二十八日の間に締結をいたしたものは二カ所でございます。
#162
○小笠原貞子君 今おっしゃった中で四カ所とおっしゃいましたけれども、六十三年にこの協定が締結された、そして今日までこの協定に基づいて工事に着手したというのは二カ所ですね。その二カ所のうち一つは協議が調っていて、一つはまだ調わないというふうに伺ったんですけれども、そのようでございますか。
#163
○説明員(矢野洋一郎君) 一つは今の建運協定ができる前に締結をしておりますので、暫定協定といいますか、暫定的に協定を結んで着工いたしまして、協定の締結と同時にこの協定にのっとって協定を組み直したといいますか、それをしたものが一橋、それから現在この新協定に移行すべく調整中のものが一橋でございます。
#164
○小笠原貞子君 今伺いまして、大変少ない、はっきり言えばほとんどやっていないと同じじゃないかというふうに感じました。
 そこで具体的にまた伺いますけれども、平成二年度で工事着工のための予算がついているというのは全国で何件ございますでしょうか。
#165
○説明員(矢野洋一郎君) 全国で正確に申し上げますと、JR橋梁をかけかえもしくは新設に当たってこの建運協定に基づいて通知をすることになっております。そのうち今御指摘の平成二年度に予算のついている橋梁が五十二橋梁です。
#166
○小笠原貞子君 いろいろ調べてみますと、河川管理者側は早く工事をしたいと思っているんです。だけれどもなかなかできないというような状態なんですね。それでなお民営・分割化されてずっとまだ実際にやられていない。なぜ予算もついててそれが着工できないというような問題が起こってくるのか、その点について運輸省はどういうふうに見ていらっしゃいますか。
#167
○政府委員(大塚秀夫君) 各地で現在JRと河川管理者で協議を進めているところでございますが、JRと河川管理者の負担割合について合意が得られないケースがあり、着手に至っていないと聞いております。
#168
○小笠原貞子君 建設省はその辺どういうふうに見ていらっしゃいますか。
#169
○説明員(矢野洋一郎君) この協定の締結については鋭意私どもとしても、河川改修等の治水対策は国民生活の基盤を守るという点で極めて重要な課題であるというふうに認識をしてきておりまして、このJR橋梁のかけかえ工事についても円滑な実施が図られるように個別協定の早期締結に努力をしているところでございます。ただ、負担割合についての調整が必ずしも進んでいないというふうな状況でございます。
#170
○小笠原貞子君 それで私具体的にちょっと指摘して伺っていきたいと思うんです。全国五十二の予算をつけてありますね、その中で幾つかを取り上げてみたいんです。
 まず、私の地元で私もしょっちゅう行っていろいろ問題を知っているんですけれども、苫小牧の室蘭本線が通っております小泉の沢川という川がございます。ここは大変集中豪雨があるところで被害も出しているところなんで、地元としてはこれを一日も早く建設してほしい、こういうわけです。
 いろいろ経過ございますけれども、その経過の主な点を申しますと、昭和六十年の五月に、当時は国鉄ですが、国鉄総局から小泉の沢川改修緊急性により着手をオーケーしているわけなんです。六十年には国鉄はオーケーしたんです。ところが次の年の六十一年七月になりますと、オーケーした国鉄総局が現在の建設省それから運輸省の協定で財政的な問題から応じることは不可能だと言って、一たんオーケーしたんだけれども六十一年七月にだめということを言ってきているわけです。そして六十二年の四月にはJRとなって誕生するわけです。六十二年四月に民営化になりまして、そしてそのときはどういう態度をとったかというと、この協定にかわる新たな協定、国鉄と違ってJRとそれから建設省との新たな協定が締結されていないからこれは工事に同意するわけにはいかないと、ここで待ったがかかってきているわけなんです。
 それで、先ほどおっしゃったように六十三年の十二月になって運輸省と建設省との協定が結ばれた、こういうことに経過はなるわけなんですね。ここで協定は結ばれたけれども一向に建設が現在まで進んでいない。さっき建設省もおっしゃいました、これは非常に住民の要求としても生活を守る上で大変だと、そのとおりなんです。
 この間にどういうことが起こっているかといいますと、何回もあるんですけれども、大きく報道
されたのは、六十二年八月二十六日に二百ミリの雨が降ってそして被害が二億二千万。テレビでもどんどんやられました。そして次の年の六十三年、これまた同じ日なんだけれども八月二十六日、次の月の九月十二日にこれまた大変な被害を出しているわけです。私たちも行きましてその被害が非常に大きいということを体で知っているわけなんです。
 つまり、せっかく協定ができてJRがうんと言えば着手して、この六十二年の被害額は二億二千万という被害額なんです。そして工事費は幾らだと調べてもらったら一億三千七百万なんです。JRの負担分というのはわずか二百万なんですよ。だから、それをJRが何だかんだと言って先延ばししているからこういう被害が大きくなって、そしていまだに予算枠組みとしてつけてもらっているんだけれども、JRがうんと言わないから河川が拡幅できないで、かけかえの橋もできない。この一つの例を見ましてもこれは大変なことなんですね。住民にとっては非常に被害が起こります。
 これは私北海道だけ言うんじゃなくて長野の方も調べてみましたら、信越線の成沢川というのもまだ全然協議でJRがうんと言わないというのでできないわけですね。それからこれは大臣の地元だそうですが、高山本線にもあるんですよ。常泉寺川というところでもJRとの協議が整わないということで、これも全然そのままになっているということです。また兵庫県からもいろいろ実情を聞きましたら、結局先ほどおっしゃったように、なぜ進まないのかといったら負担割合が一致できない、こういうわけなんですね、原因は。
 そこで、私はこの負担割合というのはどういうふうに進めなければならないかということなんです。一致しない一致しないと、なぜ一致しないか。先ほどから言う河川工事に起因して生じる鉄道工事に関する運輸省・建設省協定、この協定の第六条に出ているんですけれども、当該資産の耐用年数というものが決められているわけです。これは大蔵省で耐用年数というのが決められている。だから決められたとおりにかけかえればこれはすぐ進んで、さっき言ったように二カ所のうち一カ所は協定どおりに進んだ、こういうことですよね。そうすると、大蔵省の耐用年数が決められているのにこれを無視して何だかんだと言ってやらないというところに分担の一致がないという結果になるわけでしょう。
 そこで私ははっきり言いたいんだけれども、耐用年数というのは大蔵省の省令で決められているということ、このことをやっぱり前提として事は運ばれなければならないと思うんですけれども、その辺についてどういうふうにお考えですか。
#171
○政府委員(大塚秀夫君) 運輸省・建設省協定によりますと、原則としては先生御指摘のように法定耐用年数を基準としておりますが、法定耐用年数というのは税法上のもので、実際の橋梁というのはその建設の形態等でもっと長くもつものもございます。この協定でも、実情に応じてこの耐用年数に適正な補正をするとなっておって、この適正な補正をめぐってなかなか話がつかないというのが今までの実情でございました。
 そこで、私ども積極的にJRを指導するとともに、建設省との間で適正な補正の運用基準を定めることによって今後の協議が円滑に進むようにということで話を進めておりまして、先ほど御指摘になりました苫小牧の小泉の橋梁については近々協定が結ばれることになると思っております。今後は円滑に進むような方向に努力させていただきます。
#172
○小笠原貞子君 たまたま北海道が近々協定が結ばれる、それじゃよろしいと喜んでいるわけじゃないんですよ。これができても、あとの問題全部聞いてみたら兵庫なんかでも、私すごく報告を聞いて腹が立ったんだけれども、こういうふうに言っているんです。JRとしてはまだ十分の強度があると見ているので改築費は原因者である河川管理者が全額支払うのが当然である、こういうことを言っているわけなんですよ。
 私があくまでここではっきり言ってもらいたいことは、耐用年数というのが大蔵省令によって決まっているんだ、これがまず原則ですよね。これがまず原則で、そしてたまたまもう通る数が少ないとかなんとかというようなときに、六条の中に「なお、実情に応じて」というようなことがありますけれども、本当は大蔵省令で決められた耐用年数に従う、そして「なお」というのはたまたまのことだと、そういうことの認識がきちっとしていないから拡大解釈して、まだ大丈夫なんだからやりたいところが全額負担すればいいなんという発言にまでなっているということは私は大変困る。今後ともたくさんそういう問題が起こってくる、そう思うからここでしつこく言うわけですよ。建設省としても、こういう大蔵省の省令で決められた耐用年数というのが本当は基準なんだ、「なお」というのはそれはもう本当に特別な場合というふうな位置づけでなければ、勝手にまだ大丈夫だなんということになるんではないか。
 その辺のところはどういうふうに認識していらっしゃるでしょうか。
#173
○説明員(矢野洋一郎君) 基本的にはただいま先生御指摘のとおりでございまして、大蔵省令に掲げる年数をあくまで標準として考えるというのが私たちの基本的な考え方でございます。
#174
○小笠原貞子君 そこで大臣、ちょっと前半お聞きいただけてなかったんですけれども、これはもう大変な被害が起こるわけですよ。そしてJRが負担分をうんと言わないために何年も放置されたままきている。このままでいくとまた何年も放置されるということになるんですね。また雨の時期にもなりましたしね。
 やっぱり原則としては大蔵省で決められた耐用年数というものを踏まえて、そしてそういう被害が起きればこれは物心とも大変な住民に苦労をかけるわけです。だからそういう点を踏まえて、既に五十二件予算はついているわけなんですから、JRがああだのこうだのと言うことでずるずるということのないように、私は緊急にそういう意味でこういう箇所の解消のために勇断を持って、今まで遅過ぎたんだからもう早急に御指示いただきたいというふうにお願いいたしますが、いかがでございますか。
#175
○国務大臣(大野明君) 私いつも申し上げておるように、本当に交通機関というのはすべての面で安全が一番大切ですから、今のお話を聞いておりまして、我が方ばかりでなく建設省もございますしいたしますが、現在も事務当局は一生懸命やっておりますけれども、それ以上に強力にやるように督励もしたいと考えております。
#176
○小笠原貞子君 予算もついているんです。だから、JRがきちっとその耐用年数というそれを踏まえてやると言ったら一遍に解決する問題なわけでございますから、今大臣おっしゃいましたようにぜひ具体的に、もうここでしっかりと、引き延ばして被害を出さないように重ねてお願いをして、次の質問に移っていきたいと思います。
 さて、国鉄の分割・民営三年になります。国鉄再建の最大の課題、長期債務をどう解決するかというのが本法案に関しての問題になるわけですけれども、いろいろ言われているけれども、いずれにしてもこの債務の問題というのは直接国民にはね返ってくる問題でございます。我々は国が責任を持って債務の解決に当たるべきだと考えているわけです。
 政府の債務償還の財源対策としてJR株式売却収入が見込まれているというのは先ほどからいろいろ出ました。このJRの株式上場の前提に新幹線売却問題がにわかに出てきたということで私はちょっとびっくりしているわけなんです。新幹線については三十年間でリース料を払ってその終了の後譲渡するという規定になっているのに、この時期に新幹線を売却しないとならないのか。大変不可解でございます。その点簡単にお考えを伺いたいと思います。
#177
○政府委員(大塚秀夫君) 新幹線につきましては、新幹線のそれぞれの各線が抱えております債務とそれぞれの新幹線の収益に大きな差があるために、新幹線保有機構が一括保有して収益に応じ
たリース料を取るということで今日まで参りました。また、そのもう一つの目的が輸送量、収益の見通しを二年ごとに見直してリース料を変えていくということでございましたが、改革後三年たちましたが、新幹線の収益見通しというのがある程度各線ごとに固定化してまいったということで、昨年、ここでも御審議いただきました新幹線保有機構法の改正によりリース料が固定されたわけでございます。
 そういうことから、新幹線保有機構の一つの目的の必要性が乏しくなったということが言えると同時に、上場に当たりまして、これは相当前から問題点としては指摘されていたんですが、JR東海等特に償却資産の少ないところで償却費を計上するために新幹線の譲渡をしてほしいという要望が出てまいりましたので、私どもそういうことを総合的に勘案し、またJR株式の上場にどういう影響を与えるかも含めて今検討している最中でございます。
#178
○小笠原貞子君 先ほどからの御答弁でそちら様のおっしゃることはよくわかったわけです。
 またちょっと言いたいんだけれども、JRの株を売却するというのは早くから決まっていることです。それから減価償却を積めないという問題点についてもわかっていたわけです。そのことがわかっていながら、先ほども言われたけれども、三十年が終わって譲渡するというふうになっておりましたですよね。その譲渡のとき有償にするのか無償にするのかと決まるはずだったんだけれども、今急にこの問題が出てまいりました。
 譲渡ということなんだけれども、結局のところ無償譲渡ということになっていくんじゃないか。今言われているように八兆何ぼというお金が言われているけれども、それぞれのJRが今まで払っていたリース料と同額でそれが譲ってもらえるわけですからね。リース料だったら何ぼ払っても自分のものにはならない、だけれども今度はリース料と同じだけのお金で自分のものになっちゃうわけですからね。だからどっちに転んでもJRにとってはすごいいいことだなと、随分有利な条件になっている。逆に言えば我々国民にとっては随分損をさせられちゃうな、こういうことを言わざるを得ないんです。もう今までのリース料で結局無償で自分のものになる、しかも減価償却を積んで内部留保することもできる。余りにもJRの立場に立って、国民の財産だと先ほどから言われているけれども、そういうことをちっとも考えられない、うまいことを考えていらっしゃるなというふうに言わざるを得ないんです。
 それは素直な考え方だと思いますので、その辺のところ、やっぱり余りにも勝手じゃないかと言いたいんです。
#179
○政府委員(大塚秀夫君) この譲渡問題は決して私どもJRの立場に立って考えているのではございませんで、JR株式を上場したときに財務基盤が確立していて、JR株式ができるだけ高くといったら語弊がありますので、適切な価格で処分でき、それが長期債務の償還財源になるというまさに国民負担軽減の立場に立って検討しておりますので、先生の御指摘もございまして、そういう疑いのないように十分検討さしていただきたいと思います。
#180
○小笠原貞子君 最後に大臣に一言。
 本当にこれ考えたら何てうまいぐあいになっているんだろう、こう言わざるを得ないんです。JRというのは国民の財産をもらって、長期債務は棚上げにしちゃって、もうかるような仕組みになっちゃって、ここでまた一もうけしようというのは余りにもちょっと虫がよ過ぎるのではないか。回り回って国民の負担を軽減しますって、風が吹いたらおけ屋がもうかるような話で、やっぱり国民としては素直にこれいいとは言えないんです。そういうのが本当の感情だと思いますので、これからいろいろ問題を処理なさるときに大臣としてもしっかりとその辺のことを考えて対処していただきたいということを最後にお願いしたいと思います。
#181
○国務大臣(大野明君) いろいろ考え方もありますが、いずれにしても疑惑を招かないようにしたい。そして、株の売却時も間近でございますので、今懇話会を持って勉強をさしていただいておるところでございます。
 そういうような経緯でございますので、はっきりと御返事はできませんが、いずれにしても、冒頭申し上げましたように、疑惑を招かない方法が一番大切、こういうふうに考えております。
#182
○粟森喬君 まずお尋ねをします。
 事業団が今抱えている負債が全部で二十七兆有余になっているわけですが、このうち借入金となっているそれぞれの類別の金利を明らかにしてほしい。大まかなところで申しますと、一つは大蔵省の資金運用部、簡易保険局、民間借入金、債券の利率などについて明確にしてください。
#183
○参考人(石月昭二君) お答え申し上げます。
 まず全体を申し上げますと、長期債務全体で二十二兆円ございます。そのうち有利子債務が十五兆円でございます。全体で十五兆円の有利子債務につきましては、平成元年度末で利率は六・三二%でございます。無利子債務を含めますと四・八三%になります。
#184
○粟森喬君 これは資料としても要求したのですが、もう少し中身を詳しく言ってもらわないと。特にこの間のいわゆる利子分がふえたという分が多いわけですから、もうちょっと具体的に説明してください。
#185
○参考人(石月昭二君) では具体的に資金別、年度別に申し上げます。
#186
○粟森喬君 資金別でいいです。
#187
○参考人(石月昭二君) 資金別でよろしゅうございますか。
 資金運用部資金でございますが、六十二年度の引き継ぎ時には七・一五%でございました。六十二年度末の平均金利は七・〇三%でございます。六十三年度は七・〇二%でございます。平成元年度末は七%でございます。
 次に簡易保険の資金でございますが、引き継ぎ時は七・六一%でございました。六十二年度末は七・五九%、六十三年度末は七・五八%、平成元年度末も七・五八%となっております。
 次に民間借入金でございますが、引き継ぎ時は六・〇六%、六十二年度末は五・〇九%、六十三年度末は五・二九%、平成元年度末は五・二八%となっております。
 次に債券でございますが、引き継ぎ時が六・九二%、六十二年度末が六・四八%、六十三年度末が六・一七%、平成元年度末が六・〇五%でございます。
#188
○粟森喬君 今の話を聞いておって率直に意見を申し上げます。
 最近金利が公定歩合も含めて上がっていますが、この金利の高さというのはどこに原因があるんですか。この間公的な資金の利回りを見ても、国鉄債務についてこれほど高い金利を払って、結果として二十五兆円が二十七兆円になって、途中で土地も多少売ったと言いながら、こんな高い金利でいることを認めたというのは何が原因なんですか。
#189
○政府委員(大塚秀夫君) 現在清算事業団の抱えております長期債務というのは国鉄等から引き継いだものでございますので、当時の高金利時代のものが相当ウエートを占めている結果として全体を平均しても高い金利になっております。ただ、償還期限の来たものを借りかえているようなものは最近の安い金利で借りかえていますので、その面が若干プラスには影響しておりますが、これは他の政府関係金融機関も同様でございますが、低金利になったからといって前に借りた高金利を繰り上げ償還するということはどうしても国の財政投融資の仕組みを乱すことにもなりますので、なかなか難しいのが現状でございます。
#190
○粟森喬君 これは大蔵省の財投融資のやり方にも問題があると思うんですが、少なくとも長期で借りたら市中金利は四%、五%台が存在した。にもかかわらず、このような金利に運用したということについて、財投融資の枠を変えるわけにいかないというだけで問題の本質の解決になるのかと
いう意味では、ここはかなり私どもは意見があるということを明確にしておきます。
 次に、この際だからもう一度確かめたいんですが、さっきのいわゆる営団地下鉄の出資持ち分の評価の仕方と、大蔵省といいますか、国が買い上げるというんですか、持っていく、これは株で言えば、現在はこれは民間になっていないから売れないから、評価としては今説明いただいたことが一つの方法論だと思うけれども、含みを見たって、これほど安く評価をして、これは安く買ってもらおう、そして金利だけはやたらに高い、こういう債券の処理状況というのは果たして本当に適当なのかどうかということになるとかなり問題があるんじゃないですか。
 営団地下鉄のこの資産評価の仕方も有識者の意見を先ほど質問をしたとき聞いたというけれども、これは有識者との問題ではない。少なくとも政府間における受け方の問題として整理をしなければいかぬし、それから今の債務の状況を見ても、一般会計の中で無利子の場合、例えば今回の問題に関して言うならば、これ以上の評価はできないとしても、この際資金運用部からの借入金利を変動にして低く抑えるとか、それが私は一つの政策だと思うんですよ、ポリシーだと思うんですよ。
 そういうことを明確にし得なかった経過についての政府の見解、それから大臣ちょっと調子悪そうだから余り聞くのぐあい悪いんですが、大臣としてこのことについて大蔵との折衝の中で何らかの発言をされたかどうか、それだけをお聞きしたい。
#191
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほど申し上げましたように、繰り上げ償還によって安い金利のものに変えるということが大変難しい問題ではございますが、今回一括営団の出資持ち分を有利子債務に充てるため、政府に譲渡するに際して、九千三百七十二億円分の有利子債務というのは金利の高いものから、それから償還期限の長いものからということで七・五%以上のものから、これは全体で資金運用部資金が今五・一兆円ありますから、その中で金利の一番高いものから充てたわけです。そういう意味では、今粟森先生が言われましたようなことをこの法律の実施に当たってある程度実施したということが言えるんじゃないかと思います。
#192
○粟森喬君 普通、清算事業団とかが清算をするときに、基本は金利なら金利をかなり低利にしたり棚上げにして、そしてその間に返済のやり方をやる、それで返済のときに、言ってみれば剰余金が出たときにそれを金利棚上げした分、もらった分に充てるというのが世の中の、例えば会社が倒産したときだとか会社が次の新しい経営形態をとるときの一つの方法なんです。それから見ると政府のやり方というのは、結構高い利息で金を借りて、そして株を、これまた後でもう一遍質問しますが、できるだけ高く売る。
 私は株の問題を含めて意見を申し上げておきたいと思うんですが、株の額面より以上に売ることにかなり執念を燃やすというか、熱心にやるというのはこれは適切ではない。本来株というのは、NTTの失敗でもあったように、そのときの売り方と買い方の問題で決まるわけですから、基本的にはこの種の債務の処理の方法について言うならば、少なくともこの時点で決めたことについて相当見直しをやっていかないと、ましてやこれから高金利時代になりますから、また土地がいつ処分できるかという経過もかなり時間がかかりますから、こういうやり方になると結局金利が金利を生んでしまうような結果になりますから、やっぱり何らかの格好で見直しをすべきではないか、こういうふうに思うんですが、どうでしょう。
#193
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほど申し上げましたように、清算事業団の有利子債務というのは過去の長期債務を受け継いだものでございますが、先ほど理事長御説明申し上げましたのは有利子のものについて申し上げまして、そのほかに国鉄時代からそういう金利のついた借金をするのに対して無利子貸し付けというのを何度かやっておりまして、その無利子貸し付けが五・四兆円ございます。だから、それと合わせますと金利というのは相当低くなるわけでございますが、そういうものも含めて、無利子貸し付けというものを今回は五年間さらに据置期間を設けたというのも、金利負担をできるだけ軽減するという意味で先生の御趣旨に合っている一つの方策じゃないかと考えております。
#194
○粟森喬君 ここは見解の違いかもしれませんが、私どもの立場から見れば、できるだけこの金利負担を低く抑えるときのあり方として、どう考えても今のやり方では納得できないところがございます。
 したがって、今後の問題も含めまして、大臣きょうはちょっと調子悪い、健康上ちょっと悪いみたいな感じがしますので、答弁は必ずしも適当ではないと思いますが、何らかの格好でこれを見直してやっていかないと、後で株を上げるとか土地が高く売れればいいという仮説だけではこれは問題です。やっぱりこの種の処理のあり方で基本的に金利負担分をどうしたのかというのが重要な問題でございますから、ある程度その点について行政のサイドで見直しをする条件をつくってほしい、こういうふうに思います。
#195
○政府委員(大塚秀夫君) 今後も土地や株式の処分収入が当年の要償還額を超えて入ってきた場合に、先生御指摘のような問題が出てまいりますが、そういうものをあわせて研究させていただきたいと思います。
#196
○粟森喬君 その上で、まず土地の処分の仕方の問題です。
 三通りの提案がありまして、これを私どもが見たときに、確かに土地をそのままそこで坪というか、平米当たり幾らで売るのから見れば、価格がわからないという意味では多少そういう意味のあれがありますが、最終的に競争の原理だけで言えば、今政府全体が土地に対して監視区域を設けたり、余り高く売るなということで、この二つのやり方は相対立するというか矛盾する関係にあると思うんです。できるだけ高く、適正化と言われる言葉の中には、政府の決定したいわゆる土地抑制との関係でどういうふうに適正化という言葉をお使いになっているか。
#197
○政府委員(大塚秀夫君) 地価の高騰にはいろいろな原因があると思いますが、私ども現実に見ておりますと、需要者の弱みにつけ込んで不当に高く売るというのが周りの地価を引き上げているんじゃないかと思います。そういう点で、旧国鉄用地を持っております清算事業団が適正な価格、つまり周りの地価を不当につり上げるものでない限りは、適正な範囲内で高く売ってもそれはむしろ良質な土地を供給するという面で決して地価に悪影響を及ぼさないんじゃないか。そういう意味合いで私ども適正化といいますか適切な処分ということを考えております。
#198
○粟森喬君 今度は貸借対照表上のことを多少お尋ねします。
 日本国有鉄道清算事業団の土地の評価が毎年動いているわけです。多少処分をしておりますから引き算になるんならわかりますけれども、プラスになっている経過について説明願いたいと思います。
#199
○参考人(石月昭二君) 貸借対照表上の土地の価格が先生御指摘のように六十三年度から元年度、元年度から二年度というぐあいに金額がふえております。
 その理由は、一つは、清算事業団の持っております土地は鉄道用地でございますのですぐそのまま売るわけにはいかない。線路を取り外すとか、場合によりましては道路をつけるとかというような付加価値を高める基盤整備工事というものをやっております。その基盤整備工事の費用というものをここにオンをしておるというのが第一点でございます。
 それから第二点は、鉄道建設公団がっくりましたいわゆる地方交通線でございますけれども、これらが第三セクターの鉄道に供されましたとき、または鉄道公団が線をつくることで買っておきま
した土地を、これをつくらないということで保留線として決めましたときには私どものところに来ることになっております。そのときの価格をこの土地の価格、有形固定資産の価格にオンをしておりますので、その結果貸借対照表上金額が少しずつふえているわけでございます。
#200
○粟森喬君 その上で、特にさっきの株式の話にもう一度戻ります。
 今、最終的な負債処理をやるときにできるだけ株を高く売りたいという発想が運輸省なりにかなりあると思うんです。これは普通の民間と違って、少なくとも公的に売り出そうとする立場の者が、価格操作とは言わないが、できるだけ高く売るために、例えば新幹線保有機構も場合によってはやってもいいんだというやり方、もちろん株を民間に全部売るという前提ですから、その瞬間から国の財産は、今まで旧国鉄の財産として持っていた分は全部なくなるわけです。そのやり方を考えたときに、できるだけ高く売ればいいというだけで果たしていわゆる国民の財産というか、国の財産というものの処分の仕方として適当だと思っているのかどうかお尋ねをしたいと思います。
#201
○政府委員(大塚秀夫君) これは土地と同様に、株についてもできるだけ高くというのは語弊がございます。NTTの場合のように、後々株主に御迷惑をかけるようなことは避けたいと一方で考えておりますが、この株式の処分益というものは長期債務の償還に充てられ国民負担を軽減するものでございますから、もしこれを実際の実力より安く売り出して後で高くなったら、これを購入した株主だけがもうかることになる。それよりも、後で下がって株主が不当な打撃を受けるのは決して適切でございませんけれども、適正な価格で売り出して株主よりも国民負担を軽減するということがこの株式処分の第一の目的じゃないかと私ども考えておるわけでございます。
#202
○粟森喬君 このことについて、売り出す前にさらに私どもの意見を言う機会があると思いますから、改めて申し上げたいと思いますが、国民負担を軽減するという名のもとにすべてを律することは必ずしも適切ではないと考えている意見だということを申し上げておきます。
 その次に、新幹線保有機構のことですが、これは私どもも改めてただしておきたいと思います。
 といいますのは、当時の事情は多少知っていますが、少なくともあれは三十年間リースにしてやるという前提、それは各社に単にリースしていくという問題だけでなくて、将来の整備新幹線の問題と新幹線の保有機構というのは非常に私は関係があると思います。といいますのは、今整備新幹線のことについて、国鉄のえらい高い利子を払っていることを思ったら、整備新幹線の進捗状況というのは非常に悪いわけです。その上、これからの整備新幹線の財源の問題を考えたときに、新幹線保有機構の持っている新幹線をJR各社に売るというのは、その含みを含めてすべて売ってしまうことにつながらないか。もちろんこれは一〇〇%株を出してしまうんですからね。結局そうするとその会社のものになってしまうというのは、全国あちこちで整備新幹線をつくってくれという意見の中で、この財産処分の問題と全く無関係に考えているのかどうか、そこを尋ねたいと思います。
#203
○政府委員(大塚秀夫君) 新幹線保有機構と整備新幹線の整備とは直接関係ございませんが、昨年新幹線鉄道保有機構法の一部を改正していただいた際に、新幹線保有機構の金利差を整備新幹線の財源のうちJR負担分に充てるというようなこともあり、そういう問題は当然念頭に置いてこの新幹線譲渡問題は検討していかなければならないと思います。
 いずれにしましても、北陸新幹線を初め整備新幹線も基本スキームに従って着実に整備していかなければならない我々の方針でございますので、直接間接に関係あるかどうかは別としまして、新幹線保有機構がそういう点についてマイナスにならないような配慮は十分いたしたいと思います。
#204
○粟森喬君 ここは制度上として関係ないという考え方はわかりますが、私は今日の新幹線の運行状況、運営状況から見たら、非常に財産を持っているが、例えば今あれを幾らで同じものをつくろうとしようというふうに考えたかと聞いたら、減価償却とか当初かかった財政規模なんかじゃとてもじゃないが計算できないぐらい新しい利益を生み出す機構だと思っているんです。それをいかなる理由があるにせよというか、今のJRの各社にそれを売却することによって株を上げることに使うというのは決して適切ではない。むしろこの種のものは将来の公共交通網全体の中でどうあるべきかということと結合して考えなかったら……。
 特にこれは念を押しておきますが、JR各社の役員の方々というのはほとんど元運輸省とか元国鉄OBとかそういう関係があるわけでしょう。その値段の決め方、やり方、含めたときに、公的に所有をしていかなければならないものを、さっきややこしいことないんだろうなという話が多少あったように、この問題に関して言うなら、かなり厳密な意味で制約をつけて売るということについて私はかなり否定的な見解の立場でございますが、一定の制約と条件を持って内部検討も始めてもらいたい。今までは我々が具体的なことを言うと、勉強しますとかいろいろ言ってなかなかやらないけれども、これだけかなりはっきり言ったということはかなり内部検討をやっているんじゃないかというふうに私は憶測するんです。適当ではないと思うので、改めてそのことについて答弁をお願いしたいと思います。
#205
○政府委員(大塚秀夫君) 先生が今いろいろ御指摘されたことも当然新幹線の譲渡問題を検討する際の課題でございます。明確にお答えできるほど内部検討をやっていないということで、これからやるということでございますので、決して今まで検討して結論が出ているわけではございませんので、御了解いただきたいと思います。
#206
○粟森喬君 最後の質問と意見をちょっと申し上げますが、労働委員会の問題でございます。
 先ほど安恒委員からの指摘にもあったように、労働委員会をつくられた法律が現実に存在するわけですね。このことを、JRの幹部が法を無視するがごとく、例えば労働委員会に今任しているから言えないとか、労働委員会に意見を言うということは結構だけれども、少なくとも労働委員会設立の法律の経過から見て、いわゆる発言に当たってその存在を否定するがごとき発言は絶対に慎んでもらいたい。これだけ念を押しておきますが、いかがですか。
#207
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほどの件につきましては、内容について私ども十分承知しておりませんので、JRの方で調査すると思いますが、もしそういうことがあったとしたら大変遺憾なことだと思います。
#208
○粟森喬君 終わります。
#209
○寺崎昭久君 まず、清算事業団の長期債務の問題についてお伺いします。
 報告によりますと、このままの状態が続けば債務の累増は避けられない状況にあるということが報じられているわけでありますけれども、今後の債務処理を考える場合に、少なくとも今よりは債務をふやさないという努力、工夫が必要なんだろうと思います。最終的に国民が負担すべき債務がどれぐらい残るのかなかなか明らかにされないわけでありますけれども、先日いただいた調査室の資料によりましても、その資料でおよそ前提を置いての計算をしましても、四兆円とか五兆円とか巨額な金額が残るわけであります。
 そうした中で、平成二年度については今論議になっている措置を講ずること、また一兆円ばかりの土地売却をするということでありますが、これによってどれぐらい債務が軽減されるのか。また、今後平成三年度以降債務をふやさないための工夫がどのように行われているのか。長期的に見れば、毎年毎年債務は総額で減っていくというように考えていいのか。それをお伺いしたいわけであります。
 私は一日も早い債務弁済をするべきだという立
場から、土地の売却あるいは株式の売却、適切なタイミングを見て適切な価格で処分をしてもらいたいと思っているわけでありますが、先ほど来見解を何度か述べられておりますので、簡潔にお願いいたします。
#210
○政府委員(大塚秀夫君) 従来累増しておりました清算事業団の長期債務について、平成二年度において特別措置を講ずることによって債務の減少の第一歩としたいということで、今の営団の出資持ち分の政府への一括譲渡九千三百七十二億円に関する法律案を御審議いただいておるわけでございますが、この一括譲渡の特別措置とともに、土地処分につきましても今年度から従来にないいろいろな処分方法を導入して一兆円を見込んでおります。こういうものと、従来からの新幹線保有機構からの収入、国庫助成等を含めまして平成二年度末には二十六・二兆円初めて債務が減少すると思います。
 その後、平成三年度からはJR株式の処分を開始し、また土地については引き続き大規模用地も処分を開始する方向で検討いたしておりますので、先生御指摘のように、平成二年度からさらに三年度以降債務を大幅に減少させていき、最終的に国民負担をできるだけなくす方向で努力したいと思っております。
#211
○寺崎昭久君 今JR株の売却のお話が出ましたけれども、この三月、そしてまた六月ごろですね、この株価が幾らになるのかということに関して運輸省それから清算事業団の幹部の方の発言がございます。新聞によりますと、東日本旅客鉄道の住田社長は、株式上場したときの株価は五倍以内であるべし、それが妥当であると。また運輸省の林次官は、もっと高値になる見通しだというような発言をされているように新聞が報じております。
 こういうのを拝見しておりますと、本当に旧国鉄の赤字の責任というのはだれが負っているのか、そういうことを疑いたくなるような気持ちにもなりますし、また今の段階で予断を与えるような発言というのは厳に慎しむべきではなかろうかと思っているんですが、御見解を伺いたい。
#212
○政府委員(大塚秀夫君) 全く先生の御指摘のとおりで、したがいまして私ども具体的にどのぐらいと言ったことはございません。ただ、JRの経営者が経営者の立場からそういうことを言うのも不適切だと思いますが、そういう空気が伝わるのが困りますので、私どもとしてそれは否定しているということでございます。
#213
○寺崎昭久君 NTT売却時の混乱を再び起こさないような慎重な配慮をお願いしたいと思います。
 それから、六十三年の閣議決定、すなわち償還基本計画によりますと、債務の本格的処理のための必要な新たな財源措置は、雇用対策とか土地処分の見通しがおよそつくと考えられる段階で歳入歳出の全般的な見通しをあわせて決定するというようになっているわけであります。雇用対策につきましても現状では一段落したかなというように考えられますし、土地についてもこれからいよいよ売却を始めるという段階になりましたので、この本格的処理につきましていつまでにどのような手順で計画されて、また発表するつもりなのか、固めるつもりなのか、お考えを聞かせていただきたいと思います。
#214
○政府委員(大塚秀夫君) 本格的処理というのは、今後の債務償還の見通し、償還財源の処分額の見通しというものがある程度立たなければいけないわけでございますが、今申し上げましたように、株価を現在予測することも困難でございますし、また土地の価額についても現在再計算しておる、そして平成三年度に新たに株式の処分を開始する、土地についても大規模用地についても処分を開始する方向で検討しているという時期でございますので、そのような新たな財源措置によって債務の本格的処理を定めるという時期はもう少し先ではないかと考えております。
#215
○寺崎昭久君 債務の総額がどういうふうに推移するのか、結局国民が負担しなければならない債務がどれぐらい残るのかということもなかなか確定されない中で、国民の側から見るといつまでこの負担を考えなければいけないのかというのがいつも話題になるわけであります。
 今回の措置も将来の軽減負担に向けての一つの措置だと私は評価しているわけでありますけれども、今お話にございましたような本格的処理の案というのはなるべく早く固めるべきだと思いますし、それをもとに国民の合意も得なければいけないと思うんです。したがって、いつできるかというのが第一の問題なのでありますけれども、こういう計画につきましては、できた段階でしかるべき場所で政府がきちんと説明し、また論議も行うということが大事だと思いますけれども、その点いかがお考えでしょうか。
#216
○政府委員(大塚秀夫君) そのように努力したいと存じます。
 ただ、先ほどから申し上げておりますし、先生御指摘のとおり、JR株式も土地と並ぶ貴重な償還財源でございますが、これがどの程度処分できるかというのは予測することも適切でございませんし、また現実に株式市況の動向もございますので、予測が困難でございますので、その辺の見通しがつけばある程度先行き極力国民負担をなくすというその内容も明らかにできるんじゃないか。まだ相当時期がかかるんではないかと思っております。
#217
○寺崎昭久君 そういう計画がなかなか出てこないと、結局国民の側から見るとなし崩しにやられているという印象しか持てないと思いますので、格段の御努力をお願いしたいと思います。
 それから、先ほどの論議の中で営団地下鉄が民営化された段階でその売却収入をどう使うのかという論議がございました。これをどう使うにしろ、適正な評価を受け適正な価格で売却されることが好ましいわけでありますので、以下若干営団地下鉄の経営上の問題について質問をいたします。
 平成二年度の行革大綱では、「平成三年を目途に可及的速やかに特殊会社への改組を図るため、引き続き条件整備を進めつつ、その具体的措置について検討する。」という報告がされておりますけれども、現在の検討状況を御説明願います。
#218
○政府委員(早川章君) 平成二年度に講ずべき措置というところにおきますところの帝都高速度交通営団の案にかかります行政改革の実施ということにつきまして、今先生の御指摘のような表現で閣議決定がなされております。この背景は、御承知と思いますが、昭和六十一年に臨時行政改革推進審議会が行いました答申をバックにして、それを実現していくべく政府側で決めた、毎年いわゆる閣議決定をいたしているわけですが、行革大綱として進めております。
 その答申の中には、「地下鉄のネットワークがほぼ概成し、路線運営が主たる業務となる時点において、公的資本を含まない完全な民営企業とする。」、その過程で、これは六十一年の答申でございますが、「五年以内に可及的速やかに特殊会社に改組し、」、その特殊会社につきましては、三つほど条項ございまして、「財政投融資の対象とするなど資金調達について十分配慮されたもの」でなければならない。それから「業務範囲については、公益上支障のない限り大幅にこれを認め、弾力的投資活動を行わせる」、それから「順次、民間資本を導入し、民営的性格を強めていく」というような形で、そのあり方が言われているわけでございます。
 私どもは、そのような臨時行政改革推進審議会の答申に基づきまして現在この特殊会社のあり方というのを議論しているわけでございます。その際、先ほどのようないわゆる基本的に示された方向と、それから実はその後も東京圏につきましては人口の集中が続いております、また当時予想もしなかったほどの地価の高騰が出てきている、こういう中で地下鉄の整備を巨額の資金をもって進めるという形のものの特殊会社、一方でそのような巨額な投資を営団の改組いたしました特殊会社を通じて行いつつ、かつ組織体としてこれに対す
る規制というのは極力緩やかなものでなければならない、そのような形の特殊会社のあり方というものがどのような形をとれば最も適切かというところが実は検討の主たるポイントでございます。現在そのような点につきまして検討を進めているところでございます。
#219
○寺崎昭久君 今の検討につきましては固まったところでまたお聞かせいただきたいと思います。
 ところで、営団地下鉄の営業成績というものについて少しお伺いします。
 六十二年度にたしか営団地下鉄の累損が一掃されたと記憶しておりますけれども、最近の報告を見ておりますと平成元年度、二年度はいずれも赤字見通しであるというような予想がされているわけでありますけれども、平成二年度以降の若干の期間を含めて損益状態がどういう推移をすると予想されているのかお聞かせいただきたいと思います。
#220
○政府委員(早川章君) 先生今御指摘のとおり、営団地下鉄につきましては六十二年度をもって従前から繰り越してまいりましたいわゆる損失というのは解消いたしました。平成元年度につきましても、いわばほぼわずかな金額でございますが、赤が当期としては出ましたけれども、利益積立金等の処理によりまして赤字は出ていない形で推移している。平成二年度ということになりますと、いろいろまだこれから不確定な要素がございますが、人件費とか諸経費、それから実は金利が最近上昇しておりますための支払い利息などの増加というような要素がございます。もう一つ、この十一月には半蔵門線の蛎殻町―三越前の区間が開業いたしますが、そうなりますと従来建設仮勘定に置いていたものを償却費の対象にするという形で、償却負担がふえるというような形で、二年度は前年度に比べて悪化するということを予想しているわけでございます。
 そこから先でございますが、これは実は設備投資のテンポと申しますか額と申しますか、そういうものが非常に大きな要素でございまして、これから私どもが六十年に出されました運政審の答申というものを極力速やかに実現するように推進させていくといたしますと、相当な赤字というような形が再度予想されてくるという事態もあり得る、こういうふうに考えておるところでございます。
#221
○寺崎昭久君 赤字予想のままで仮にこれを民営化した場合に株を売り出したって高く売れるわけはありませんので、これは何とか黒字努力をしなければいけないと思うんです。そういう中でどうもちらちらと値上げの話が聞こえてくるわけでありますけれども、そういう検討が具体的に行われ、近々そういうことが提案されると考えていいんでしょうか。
#222
○政府委員(早川章君) 営団につきましては、経理の担当者が運輸省の記者クラブ等で決算の発表をいたしましたときにも、従前から、値上げはどうなんだと、こういうことにつきましては、勉強しているというような形で、念頭にないということはないというふうに、一昨年の決算についてもそんな御説明をしたと思いますが、実際には値上げが行われるというような、申請に至るというようなことはなかったわけであります。
 今度の記者会見、記者に対する発表の際も、検討していないわけではないというようなたしか表現だったと思いますが、申し上げましたが、具体的に私どもが、営団が値上げをしたいと考えているとか準備に入っているとかということを聞いたことはございません。
#223
○寺崎昭久君 すぐ値上げということにならないのはユーザーから見れば大変幸いなことでありますけれども、いずれ値上げを検討するというような時期も将来はあり得るんだと思うんですが、私はそういうことを検討するに当たってまずひとつ整理をしておいてもらいたいことがあるんです。
 と申しますのは、地下鉄の補助金でありますけれども、この数年のマイナスシーリングの関係で、公営地下鉄分としては一千億を上回る繰り延べが行われてまいりました。この分については平成元年度補正予算において処理されたわけでありますけれども、依然として営団については放置されたままになっているわけであります。なぜ営団の方を放置しているのか。放置しながら赤字でございますといってもなかなか理解が得られないんではないか。政府としてやるべきことをやらないで赤字を云々する、その上に立ってもし値上げなどを検討されるということになりますととんだ誤解を与えるんではないかと思いますので、その辺の見解を含めてお聞かせいただきたいと思います。
#224
○政府委員(早川章君) 先生御指摘のとおり、公営の地下鉄に対しましては平成元年度の補正という形で今まで繰り延べさせていただいた一千二十四億という金額をお払いさせていただく、こういうようなことでいたしましたが、営団につきましては公営地下鉄に比べまして相対的ではございますが経営状態がいい。公営地下鉄につきましてはトータルでございますが七千億余の累積赤字があるというような実態がある、そして元年度に入りましてからの収支も結果といたしましてはそれほど予想されたよりも悪くならなかった、こういうようなことから、補正理由と申しますか、補正をする緊急の必要性という意味で補正予算の対象にはならなかった、こういう経緯がございます。
 しかしながら、私どもといたしましては、営団も公営地下鉄もいわゆる私どもが繰り延べさせていただいた補助金を回復しなければならないという必要性があるということについては同じ立場におありになるというふうに認識しておりまして、これもまた先ほど述べさせていただいたとおりでございますが、二年度にはいろいろ新線の開業等で収支状態が悪化するというふうなこともございますから、一応二年度の予算の中では営団に対する繰り延べのごく一部でございます十億円余を回復させていただいた。まだ二年度には二百八十七億円というような繰り延べ補助金が残っているわけでございますが、そういうものにつきましても早急に回復するようできるだけの努力はいたしてまいりたいと考えているところでございます。
#225
○寺崎昭久君 残余の繰り延べ分は三年度以降にまたがるということでしょうか。
#226
○政府委員(早川章君) 私どもが今後三年度以降の予算要求を通じてこれらのいわば留保額といいますか、そういうものを返させていただく措置をとるよう努力してまいりたいということでございます。
#227
○寺崎昭久君 営団地下鉄にかかわる問題として、営団地下鉄の持ち分というのは東京都がたしか四七%と伺っております。そういう背景もあって東京都は営団地下鉄と都営地下鉄を統合したらどうかという考えを持っているようでありまして、これはたしか何かの審議会のときにも参考人意見ということで述べられていると承知しております。こういう統合論に対して運輸省はどういう見解を持っておられるのかお聞きしたいと思います。
#228
○政府委員(早川章君) 現在、閣議決定等で、行革大綱で決められました方向で特殊会社化あるいは将来の完全民営化というようなものにつきまして、これは先ほど申し上げましたが、ベースになっております昭和六十一年の臨時行政改革推進審議会の答申が、最終的に公的資本を含まない完全な民営会社とするというふうに申しておりますので、私どもとしては、これからの、いわば営団が最終的に完全民営化になるまでのプロセスの間で都営と統合するというようなことはいわゆるこの考え方に反するものだというふうにまず基本的に理解をしているところでございます。
 私どもは、いわゆる営団の地下鉄と都営の一元化論というものに対しては従来から、統合すれば都営の累積赤字を営団が部分的であるが負担することになるとか、それから営団と都営との間には現時点でも生産性、効率性の点で相当な格差がありますから、一元化するとむしろ効率性の低い方に引きずられると申しますか、そういった形の問題もあるのではないか、したがってそれが逆に営団の利用者の運賃アップにつながるというような
問題にもなるのではないか、東京圏の地下鉄の整備に非常に巨額の資金を要するという立場からいきますと、いわば資金調達の二元化ということもそれなりに十分な意義があるのではないか、こういうような観点から基本的に一元化は適当でないという立場に立っております。
 先ほど申しましたように、今いろいろ議論されているプロセスとして、今後の組織体のいわゆる展開としては、基本的に最終段階で公的資本を含まない完全な民営化でございますから一元化はないものだと、こういうふうに考えているところでございます。
#229
○寺崎昭久君 最後の質問になると思いますので、JRの運賃について見解を伺いたいと思います。
 将来JRの株式が適切な価格で売却されるためにもぜひここの点は考えていただきたいんですが、改めて指摘するまでもなくて、JRの運賃というのは民間鉄道との競合路線で比較しますと、普通運賃で約二倍、定期運賃では約三倍とか四倍という格差が生じております。このところJRの努力もあってと思いますが、収益も好調に推移しているというようなことを考えますと値下げしてもいいんじゃないかとか、格差を縮めるべきではないかとか、いろんな声が出てくると思うんです。私は必ずしも値下げするべしと、それだけに限定する必要はないと思うんですけれども、何らかの格好で、目に見えるような格好で利用者に収益を還元するということを考えるべきではないかと思うんですが、この格差の問題と収益還元について見解を伺いたいと思います。
#230
○政府委員(大塚秀夫君) JRに対しては今後も営業努力によってできるだけ現在の堅調な経営状況を維持させ、一年でも長く現行運賃を据え置くように指導していきたいと思います。それによって徐々に民鉄との格差が是正されるのではないかという考えでございます。
 それからサービス改善、これは鉄道事業として当然のことでございますが、特に車両の改善、それから安全も最大のサービスでございますが、安全への投資、こういうことについては事業計画等を通してJR各社に対して強力に指導しているところでございます。
#231
○委員長(中野鉄造君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#232
○委員長(中野鉄造君) 御異議ないと認めます。
 ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#233
○委員長(中野鉄造君) 速記を起こしてください。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#234
○小笠原貞子君 日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成二年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案に対し、日本共産党を代表し、反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、国鉄再建の最大の課題であった長期債務の処理について、いまだに抜本的解決策のないまま放置されていることです。過大な設備投資を借金政策によって国鉄経営を破綻させ、莫大な債務を国民に押しつけ、その債務も解消するどころか、国鉄時代と全く変わらずふえ続けているのです。その一方、JRは国鉄が抱えていた構造的赤字要因のしがらみから解放され、利益優先の仕組みを着々とっくり上げています。
 反対理由の第二は、債務を軽減するかのような措置をとりながら、実は債務を国鉄清算事業団から一般会計に移しかえただけにすぎないからです。この措置により事業団の債務が形式的に約一兆円減少することになります。しかし、実際は一般会計から毎年負担し、肩がわりになるだけであります。このことは清算事業団の債務が増加し続け、その非難をかわすための措置と言えるものです。
 反対理由の第三は、無利子債務五兆四千億円を繰り延べる措置についてもその場しのぎの場当たり的措置で容認できないことです。無利子債務を五年間返済を繰り延べるこのような措置は、国鉄時代や八六年度の国鉄分割・民営化直前にも行われてきたもので、いまだに解決策を見出せないことを示したものであり、政府の無責任さを実証しているものと言わざるを得ません。
 反対理由の第四は、帝都高速度交通営団の出資金を譲渡することは、帝都高速度交通営団の完全民営化を一層促進するための既成事実化を図るものだからです。既に臨調答申は、帝都高速度交通営団を民営化するために、国鉄清算事業団保有の帝都交通営団の出資金を政府に譲渡し、政府は株式にして民間に売却することを打ち出しています。今回の改正案はそれを具体化することであり、容認できません。
 以上の点を指摘し、反対討論を終わります。
#235
○委員長(中野鉄造君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成二年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#236
○委員長(中野鉄造君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#237
○委員長(中野鉄造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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