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1990/06/14 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 商工委員会 第5号
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1990/06/14 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 商工委員会 第5号

#1
第118回国会 商工委員会 第5号
平成二年六月十四日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十一日
    辞任         補欠選任
     広中和歌子君     白浜 一良君
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     合馬  敬君     大鷹 淑子君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     大鷹 淑子君     合馬  敬君
     白浜 一良君     広中和歌子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         倉田 寛之君
    理 事
                中曽根弘文君
                福間 知之君
                井上  計君
    委 員
                合馬  敬君
                下条進一郎君
                前田 勲男君
                松浦 孝治君
                向山 一人君
                大渕 絹子君
                梶原 敬義君
                庄司  中君
                谷畑  孝君
                吉田 達男君
                広中和歌子君
                三木 忠雄君
                市川 正一君
                池田  治君
                今泉 隆雄君
   国務大臣
       通商産業大臣   武藤 嘉文君
   政府委員
       通商産業大臣官
       房長       熊野 英昭君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   関   収君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        山本 貞一君
       通商産業大臣官
       房審議官     横田 捷宏君
       通商産業大臣官
       房審議官     合田宏四郎君
       通商産業省立地
       公害局長     岡松壯三郎君
       通商産業省機械
       情報産業局次長  坂本 吉弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 博行君
   説明員
       大蔵省国際金融
       局国際資本課長  北村 歳治君
       文部省高等教育
       局学生課長    喜多 祥旁君
       文部省学術国際
       局研究助成課長  伊藤 博之君
       労働省職業安定
       局業務調整課地
       域雇用対策室長  青木  功君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○地域産業の高度化に寄与する特定事業の集積の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○商品取引所法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(倉田寛之君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 地域産業の高度化に寄与する特定事業の集積の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これにより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○谷畑孝君 それでは、頭脳立地法についての質問をしていきたいと思います。
 いわゆる頭脳立地法が施行されて、昭和六十三年の六月に施行されたわけでありますけれども、まだ二年しかたっていない状況の中で今なぜこの時期にその改正が必要なのか、そのあたりの背景あるいは必要性、その点を一つお聞きしたいと思います。とりわけ和歌山だとか鳥取だとか、そういうところにおいてはことしの三月に指定をされたということもありまして非常にまだそのやさきである、こういうような状況でありますので、その点ひとつ大臣の方からお聞きをしたいと思います。
#4
○国務大臣(武藤嘉文君) 御指摘のとおり、二年前にこの法律が制定されまして、全国十二カ所でいわゆる研究所であるとかソフトウェア産業であるとか、そういう頭脳部分を一定の地域になるべく集積をして、そしてその地域の発展と国全体のバランスのとれた産業の発展というようなことを考えてできたわけでございますけれども、ここへ参りまして、いわゆる東京一極集中と申しますか、東京にもうそれこそあらゆる産業の分野が集中してきていると言ってもいいくらい非常に集中をいたしてきております。現実にちょっと数字を申し上げますと、東京において情報関連のサービス産業の事業所数が六十三年度にはその前年の六十二年度に比べて倍増をいたしておりまして、全国シェアでも一〇%という大変な伸びをいたしておるわけでございます。もちろんこれだけが一極集中の原因ではございませんけれども、いろいろの観点から一極集中がなされておりまして、少なくとも今東京一極集中を排除しようという動きの中で、せっかくこのようないわゆる促進法――集積を促進してやっていこうという地域が十二カ所あるのに、この東京にあるものをできればひとつそういうところへ移転をしていただくのがよりプラスではないかという考え方から、政令で指定するとなっておりますけれども、大体その考え方は東京二十三区を考えておるわけでございまして、そこにある研究所あるいはソフトウェア産業、こういったようなものを全国に今指定されております十二のいわゆる承認集積促進地域へ移転をしていただいたら、よりこの法律の効果が発揮できるのではなかろうか、より目的が達成されるのではなかろうかということで改正案を今回お願いいたしておるということでございます。
#5
○谷畑孝君 今大臣のお話の中でも、とりわけ東京における一極集中という問題が非常に大きなウエートを占めておる、だからその結果、頭脳立地法をさらに改正をして地方分散といいましょうか、産業の地方分散を進めていきたい、こういう答弁であったと思います。
 そこで、私も過日土地対策特別委員会で初質問をさせてもらったわけでありますが、その委員会でも一番大きな問題でありましたのは、やはり東京の遷都をしない限りは土地の高騰を抑えることができない、とりわけ地方分権が大事だ、こういうお話がもう各委員から、ほとんど全員そういうような認識であったと思います。
 そこであえてもう一度、通産省の基本的立場といいましょうか、東京一極集中に伴う弊害をどのように認識して対策をどういうようにしてとられようとしておるのか、どなたでも結構ですので、そのあたりの基本的な立場をひとつお答え願いたいと思います。
#6
○国務大臣(武藤嘉文君) 結果において、先ほどもちょっと触れましたけれども、経済、金融、文化あるいは政治、行政、あらゆる分野においてだんだん東京にいろいろの権限が集中しているということもございまして、最近は本当に東京においては人口急増に伴って地価は上がりますし、地価が上がると、住宅を建てたい、あるいはどこかへ入りたいと思ってもなかなかそれもできない、あるいは一方においては産業廃棄物がどんどん出てくる、空気も悪くなる、そんなようなことで非常にこの弊害がこのごろは云々されてまいりまして、今のお話のように、場合によれば遷都をした方がいいんじゃないかという声まで出てきておるわけでございます。
 私どもといたしましては、なかなか一役所で遷都というところまではまいりません。そこまでなかなか私どもは言う権限もございませんが、いずれにしても私どもが関係いたしております経済関係においては、できるだけやっぱり各企業が地方に分散をしていただくということが大変いいのではないかという考え方で、従来もございます工業再配置促進法にいたしましても、あるいは今度のこの改正案にいたしましても、そういう考え方でより企業が地方に分散していただけるように私どもはお願いをしていきたい、そのような指導をしていきたい、こう考えておるわけでございます。
#7
○谷畑孝君 やっぱり一極集中、東京を含めてのそういうことがますます強くなってきているわけでありますけれども、そのほかで考えられますのは、確かに政府自身、土地の問題だとか、あるいは産業だとか金融だとかさまざまな状況で分散をしていこう、とりわけ通産省においては頭脳立地もそのうちの一つでありますし、一極集中から大いに分散していく施策をしていこう、こういう移転の努力もわかりますし認められるわけであります。しかし非常に大事なことは、やっぱり何と申し上げましても、行政分野における一極集中の集中ということ自身が私は基本的な問題だと思うわけであります。とりわけ許認可の権限の問題がやはり行政の強い形の中で東京を含めて中央省庁に集中している、こういうことが大きな一つの問題である、こういうように私は実は思っているわけであります。
 そこで、行政分野における権限集中ということについて、とりわけ通産省として行政分野における地方への委譲を含めてどのような現在状況になっておるのか、その点について少し御質問をしたい、こういうふうに思います。
#8
○政府委員(関収君) 先生御指摘のとおり、私どももいろいろな行政につきまして地方の実情に即した形で処理することが適しているというケースもだんだんふえておるかと思っておりまして、そういった観点から日ごろから許認可関連の事務につきまして見直しを行いつつ、地方への権限委譲に努めているところでございます。
#9
○谷畑孝君 どうですか、通産省の許認可のもう少し具体的な数字はわかりませんか。
#10
○政府委員(関収君) 通常、許認可と言われておりますものにつきましてもさまざまな形態がございまして、どの範囲を許認可と見るかということでまたいろいろ議論があることも事実でございますが、総務庁の方で毎年実施しております許認可等の統一的把握という資料がございます。これは、いわゆる狭い意味での許可認可以外にも法律上求められております届け出あるいは申告、提出、報告といったようなものも含む事項でございますが、これらを総合して総務庁の資料に即して御報告申し上げますれば、通産省関係は、保安関係でありますとかあるいは電気、ガスといった公益事業に対する規制、あるいはまた中小企業の粗合の設立認可に関する規定等々、千九百項目に上っておると承知をいたしております。
#11
○谷畑孝君 先ほどの質問も前回にしておりますように、やはりそういう産業だとかさまざまな形で地方分散ということは非常によくわかるわけですけれども、何と申し上げましても、行政という分野において許認可を含めてやはり中央に集中しているということであれば、メリットという形の中で一極集中のところに事業をする方が必ず情報が得られるし、いいんだ、こういうことだと思うんですね。だからその点について、行政分野における権限集中ということと産業の分散ということ等のかかわりといいましょうか、通産省は一体どういう基本的な考え方を持たれるのか、しつこいようですけれども、もう一度。
#12
○政府委員(関収君) 今先生まさに御指摘のとおり、東京一極集中の是正の処方せんの一つといたしまして地域の活性化ということが大きな課題になっておると思うわけでございますが、地域の活性化を考えます場合に、まさに今いわば画一的な時代からそれぞれの地域の特色を生かし、またそれぞれの地域の事情も加味した形でやることが一番有効であると私ども考えております。その意味で、行政手続に関する事項につきましても、物によりましてはそれぞれの地域の事情を十分加味して対応することが適しているというケースもこれからふえてまいると思う次第でございますし、私どももそういう気持ちでやってまいりたいと思うわけでございます。
 ただしかし、一つお断り申し上げなければなりませんのは、今申し上げました各種の行政上の手続につきましても、全国的に画一的といいますか、統一的な基準でやらなければいけないものあるいは全国的な公平性を確保しなければいけないようなもの、このようなものにつきましてやはり全国的視点での取り扱いというのは今後もある程度必要になろうかと思いますが、地域の振興という角度を強める上では、先生御指摘のとおり、なるべくそれぞれの地域の実情を反映した形で行政事務が行われ、またそれらを踏まえて産業の振興が図られるということが非常に望ましい姿ではないかと私どもも考えておる次第でございます。
#13
○谷畑孝君 例えば過日の質問のときに、大店法の通達ということで私もそのときに質問させてもらったわけであります。この大店法の通達を一つ見ても本来ならもう少しそこに消費者がおる現場といいましょうか、そこにおける末端の行政機関といいましょうか、そういうところにもっとゆだねるべきだと、こういうことで私は前回質問させていただいたわけでありますけれども、そういう通産省のおひざ元ですら片一方では頭脳立地のように産業を分散していかなきゃいかぬという方向を持ちながら、もう一方では権限とか許認可とかそういうものがますます通産省に対するやはり集中をさせていこうと、こういう傾向にあるようにしか思われない。どうしてもそういうように思われるということで質問しているわけであります。
 次に、内閣の諮問機関である臨時行政改革推進審議会が昨年十二月に国と地方等に関する答申を行って、「特に、地域の活性化という観点から地方の果たす役割が増大している今日」云々ということで「地域の主体性を強化し、地域における多様な行政の実現を目指し」、「このような観点に立って、国から地方への権限委譲や国の地方行政に対する関与等の改善を今後とも積極的に進めるべきである。」と、このように臨時行政改革推進審議会が昨年十二月述べておるわけでありますけれども、この行革審の答申の精神とあわせて通産省の基本的な考え方ということをもう一度お聞きしたいと思います。
#14
○政府委員(関収君) たびたび御説明申し上げましたとおり、これからの地方における各種の行政を的確に遂行する上で、それぞれの地域の実情を十分に反映した形であることが極めて重要であると私ども認識をいたしております。その意味から、もちろん国と地方とがいろいろ協力をしながら進めていく分野も多々ございますが、許認可その他の手続につきましても地方通産局あるいは都道府県知事のところで処理ができるようにすることが望ましいと基本的に考えておるわけでございます。
 昨年十二月の臨時行政改革推進審議会におきましてもそういった基本的な指摘をいただいておりますし、同時に幾つかの項目につきましては私ども通産省の所管にかかわる事項につきましても具体的な御指摘をいただいておるところでございます。私どもはこの行革審の答申を十分尊重させていただきまして、その趣旨に沿って今後とも対応させていただきたいと考えておる次第でございます。
#15
○谷畑孝君 わかりました。
 いつも答えを聞いておりまして、それなりでもどかしさを感じるわけでありますけれども、やはり具体的にこれは目に見えて、これだけの通産省自信の許認可があったものを地方行政に対してこれだけ委譲しておるんだと、三年前のこういう数だったけれども、これだけ二倍にふえておるんだと、これからもっと地方自治団体と住民とその一番現場のところにもっと力を入れていくんだと、こういう回答が実は欲しいんですけれども、常に努力している、やっていると、こういうことで終わってしまうので非常にもどかしさを実は感じておるわけであります。
 一極集中についての最後の質問ということで締めくくっていきたいと思います。
 最近、先ほども言いましたように都会におけるやはり通勤の混雑さあるいは土地の高騰、住宅の住みにくさ、緑を失ってくる状況だとか、そういうことでさまざまな分野で一極集中というのが非常に大きな弊害になった、こういうことが全体の国民的な世論としても形成をされてきております。
 そこで、例えば私の地元の大阪におきましても、大阪府知事が分権と広域行政、そういう提言があったり、例えば道州制への移行だとかあるいは地方庁の設置と、こういうことで財界なりあるいは学者からも根強くそういう提案が実はなされております。確かに私どもも、例えば関西というところを見ておりますと、大阪から一時間電車に乗ればもう和歌山でありますし、そしてまた、大阪から一時間少し乗りますと、そこに前田先生がおられますけれども、和歌山も近い。そして一時間で奈良へ実はもう着いてしまう。そうしたら、働きに来るのは大阪で住むのは奈良であったり和歌山であったり、ともかく一時間半もかからないというのか、そういう状況の中で近隣の都道府県が皆一緒にやはり暮らしている、こういうことですから、もう本当に狭くなってきたということにも思います。
 そういう意味では、それらがもう少しそれぞれお互いの機能を発揮しながら、住宅地は住宅地として発揮しながら、工業地は工業地で発揮しながら、やはり一つにまとまっていくようなそういうような行政態度が必要じゃないか。大阪などは水は琵琶湖からいただいておる、滋賀県からこれはいただいておるわけでありまして、だからそういう点もなぜ大阪の水を滋賀県からもらうのかということで滋賀県からはいろいろと異議が出てくるだろうし、また、そういう排水の垂れ流しの状況もやはり琵琶湖の問題に出てくるという、そういうことから見たら今日非常に大事な発言ではないかと、こう思います。
 その点は通産省の管轄なのかどうか、ちょっとわかりませんけれども、通産省としてそういう道州制の今行われている問題、発言だとかそういうことについての基本的な考え方がありましたら教えていただきたいわけであります。
#16
○政府委員(岡松壯三郎君) 先ほど先生からもお話がございましたように、岸大阪府知事が先ごろ近畿圏構想という構想を発表されたりいたしておりますところから見ましても、昨今の経済、産業活動は非常に広域化しております。したがいまして、県、市町村といったような単位を超えた対応が行政ニーズとして求められているということを十分認識しておるところでございます。
 通産省といたしましては、従来からブロックごとに置かれております通商産業局を中心にいたしまして行政ニーズに対応してきたわけでございますが、今後とも地域行政ニーズに的確に反映していくように関係省庁あるいは都道府県との密接な連携をとりつつ着実に進めてまいりたいというふうに思っております。
 道州制の問題につきましては、行革審の答申もあるわけでございますが、先ごろまとまりました産業構造審議会の地域振興と環境政策小委員会の中間報告におきましても触れられているところでございまして、これらの指摘を踏まえながら当省といたしましても慎重に検討してまいる所存でございます。いずれにいたしましても、現在の枠組みの中で関係機関がよく連携強化を図っていくということが大事ではないかというふうに思っておりまして、行政ニーズの流れを的確にとらえながら最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#17
○谷畑孝君 一極集中についての質問はそれぐらいにしておきたいと思うんですけれども、いずれにしても頭脳立地を含めて産業が地方分散していくに当たっては、それを表裏一体としてやっぱり行政の委任を含めて地方に委譲していくということが同時進行していかないとなかなか成功したり実現をしていかない、こういうように実は今私は考えております。
 次に、頭脳立地に関してでありますけれども、現在までに十二地域が集積促進地域として承認されておるわけでありますけれども、もう二年たっておるわけでありますから、当初期待したような成果が二年の状況を見ていく中で成果が上がっておるのかどうか、その点を少しお聞きしたい。
 それから、対象業種が十六業種になっておるわけでありますが、そこでどの地域に何社が移転をしておるのか、しかもその中身自身が、本社機能そのものが移転をしておるのか、あるいは支店、営業所なのか、あるいはまた研究機関なのか、現在の十二地域における集積促進地域としての現状といいましょうか、そのあたりを掌握しておられる範囲で結構ですので、ひとつ教えていただきたいと思います。
#18
○政府委員(合田宏四郎君) 現在までに承認されました全国十二の承認集積促進地域につきましては、それぞれの地域の集積促進計画に従いましてソフト団地の造成でございますとか、あるいは産業高度化施設整備法人の設立等着実に事業が進められておるところでございます。
 より具体的に申し上げますと、団地の造成事業の進捗状況でございますが、現在まで既に団地の造成が終わっております地域が二地域ございます。それから団地の造成を現在やっております地域が二地域でございます。残りの八地域は、団地の造成に向けて詳細設計等の準備中の地域が八地域でございます。いずれにいたしましても団地の造成期間は大体三年ぐらいかかることを想定いたしておりまして、今後着実に団地造成事業が進展するものと期待いたしております。
 それからまた、産業高度化施設の整備の問題でございます。研究開発とかあるいは研修を行う産業高度化施設の整備につきましては、既存の施設で対応する一地域ございますが、それを除きますと残りの十一地域につきましては新たな施設の整備を行う計画を持っておりまして、その十一地域の中身でございますが、施設の整備主体で見ますと、第三セクターをつくりまして行いたいという地域が九地域でございまして、残りの二地域につきましては県が単独で事業主体となっておるような状況でございます。なお、既存施設で対応する一地域を除きました十一地域につきましては現在施設の設計準備が進められておりまして、その十一地域のうちの一地域につきましては既に建設作業まで入っておるという状況でございまして、今後とも地方自治体や民間事業者の方々がお互いに連携をとりながら計画の実施に努められることを期待いたしております。
 それから、後段の御質問の移転の実績はどうかと、その中身いかんということでございますが、承認後一年を経過して先行いたしております四地域の企業の立地状況について見ますと、承認から本年四月までに十数社が立地をいたし既に操業を開始いたしておりますし、二十社近くが立地の決定をいたしておるところでございますが、何分にも制度発足後まだ日が浅いわけでございまして、その成果について十分な評価を行うには今後さらに時間がかかるものだというふうに考えております。
 地域別にどういうふうな立地状況かという御質問でございますけれども、先ほど申し上げました企業のうち、既に立地いたしまして操業を開始しておりますのは全体で十五社ございますが、その地域別の内訳は、浜松に五社、富山に九社、八戸に一社でございます。それから、まだ操業は開始しておりませんけれども立地を決定いたしました企業が十九社ございまして、その地域別内訳を申し上げますと、浜松が十四社、富山が二社、徳島が二社、八戸が一社、こういう状況でございます。
 それから、今申し上げた三十数社の中身でございますけれども、御質問になりました本社機能なのかあるいは本社機能の移転なのか、あるいは支店、営業所なのかという点の区別につきましては、自治体からの報告からは必ずしも明らかではございませんけれども、本社が集積促進地域の外からそこへ企業立地したのかという点で見ますると、十八社が集積促進地域の外から立地をいたしておりますし、本社がその集積促進地域の中にある企業の立地のケースというのは残りの十六社ということでございます。
 それからもう一点、業種別の内訳について御質問がございましたけれども、研究所が十三社、ソフトウェア業が十三社、情報処理サービス業が五社、エンジニアリング業が二社、その他が一社というような内訳になっております。
#19
○谷畑孝君 一九九五年をその中間目標の年としてこれを制定されておられますけれども、その目標というのは大体どういうようなことを制定されておるのか。それと、特定業種、例えばいろんな地域によって、さらに十六業種以外に拡大をしてほしいという、そういう要望があるのかないのか。あるいは今後とも推移していくに当たって十六業種の拡大というものも考えておられるのかどうか。その点少しありましたら教えていただきたいと思います。
#20
○政府委員(岡松壯三郎君) まず、目標の決め方でございますが、各地域ごとに集積促進計画を決めます中に、目標年次における特定事業の従業員数をもって指標と定めるという形をとっております。特定事業の中の従業員数――特定事業の中をごらんいただきますと、比較的サービス業という関係で人的な事業が多いわけでございますが、その意味で従業員数を目標として集積度を図っていくというのが適当ではないかということでこれを目標に置いておるわけでございます。
 そこで、どのようにしてこの十六業種を選んだかということでございますが、法律の趣旨に沿いまして当該事業を置くことが周辺の産業の集積に役立つようなものという考え方から指定しておるわけでございまして、産業の高度化に寄与するものは何かということで産業分類に従いまして検討いたしました結果、現在指定しております十六業種を挙げておるわけでございます。
 しからば、今後この十六業種を見直すつもりはないかという点でございますが、将来新たな業種が出てくる、あるいは提供されるサービスの高度化等の変化が生じた場合には、必要に応じまして適切に業種を見直す所存でございますが、現時点ではその必要が生じているということは考えておりませんし、また御質問のその希望があるかという点でございますが、特に希望は寄せられておりませんので、今までのところ見直しを行う予定はございません。
#21
○谷畑孝君 先ほど目標ということで、それでお聞きをしたわけでありますけれども、その目標から見たら、現在二年経過してきた中で、十二地域の指定の中で頭脳立地というこの法律を武器にしながら、本社なりあるいは研究所なりウェアなり含めて、先端技術のサービス部門、そういうものがその目標から見て大きく成功しておると思うのか、あるいはまだこれからの方向の推移なのかということ。
 もしもまた、その目標から見たら思うようにうまくいっていないということであれば、やっぱりそういう産業が一極集中の地域におる方がメリットがある、いや地方に行った方が土地が安いし、安い労働力も含めて確保できる、こういう一つのメリット、どちらがメリットがあるかということだと思うので、結局はメリットがある方が宣伝しなくても高ければ高いほどそこへ行こうかということになるわけでありますから、やはり先ほどもお話ししましたように、一極集中のところの方が情報はあるし交通は便利だし労働力はたくさんあるし、多少高くついてもそれの方がメリットがあるんだとこう思いますと、融資があるとかあるいは租税で優遇するんだということで市町村が挙げて頑張っておるんだ、こういうことでそれが成立するかどうかということのように私は思いますので、その点はどうですか。
 まだ二年でありますから、その目標から見てそういう今のその推移がうまくいっていると思われるのか、やっぱりそういうメリットというのが大きく出ておるという判断をされておるのか、その点ひとつシビアにお願いしたいと思います。
#22
○政府委員(岡松壯三郎君) この法律は二年前に制定されたところでございまして、また十二カ所指定されておるわけでございますが、そのうちの八カ所は今年に入ってからの指定ということもございます。また、先ほど御指摘のございました目標年次も九五年に置かれているということから御理解いただけますように、まだ今の時点で成功したということを評価するには早計かもしれませんが、集積の方向に向かいつつあるという事実は認められるわけでございます。
 具体的には、研究所の動向などを見ますと、従来は研究所の単独立地が東京地方において行われるということがあったわけでございますが、最近の動向を見ますと、東京都区部において研究所だけの単独立地というものは見られなくなってきておりまして、何かと付随して横に研究所を置くという形の立地しかなくなってきたという事実を見ましても、やはり地方展開へ向けて潜在的な志向は高まっているし、このような法律を設けることによりまして、この潜在的なニーズを顕在化させていくように後押しをしていくということが有効であるというふうに考えておる次第でございます。
#23
○谷畑孝君 やっぱりメリットとデメリットという点で企業は判断をする。もちろん企業というのは利潤を追求しなければならぬということもあって、当然のことだと思うんですね。ところが、産業政策から見たら、そういうメリット、デメリットじゃなくて、やはり日本の社会全体のバランスとか状況から見たら、そういう頭脳立地法という優遇措置をつくって、それの促進、誘導をもっとしていきたいというのがここにおける一つの状況だとも思うんです。
 そこで、例えば国土庁の調査ということの中でこういうことが言われておるんですけれども、研究所立地に当たって重視した条件として、自社の本社、工場との距離を重視したという結果が国土庁の調査から得られているわけでありますが、つまり東京の企業の研究機関はやはり東京ないしは東京圏といいましょうか、埼玉だとか、東京から多少時間がかかっても東京圏のところにおる方がメリットがある、こういうふうなことだと思うんですね。そうなりますと、なかなかこれは頭脳立地の指定地域にしてもその目標に達してこないというふうにも実は思うわけです。そのことが一つ。
 二つ目は、この頭脳立地ということがあっても、実際にそれに該当するところでもそういう法律を知らないというか――もちろん商工会議所なり業種なりそういうところでは、頭脳立地法というものが改正されていきますと、これ自身の周知というのはそれぞれのところにあると思うんですけれども、それでも本当に頭脳立地の対象となる十六業種の企業が、全体の企業がそういう制度があるということでまたその気になっていくという、そのためにもやっぱり同時に宣伝といいましょうか、どういうようにもっと伝達していくか、そういうことも含めて非常に大事じゃないかな、こう思うんです。
 それと、もう一度整理しますと、そういう宣伝とメリットとデメリットということでうまくいかなければ、それだけ頭脳立地法に対してメリットがなかった、こういうことになろうかと思います。なかったならば、さらにメリットをつけなきゃいかぬじゃないかということと、それと周知徹底の宣伝、こういうふうに実は私思うわけでありますが、その点ひとつ宣伝なりその認識というのをちょっと教えていただきたいと思います。
#24
○政府委員(岡松壯三郎君) 全体の流れといたしまして、一部には既に都会における、先生のお言葉でございますと、デメリットが非常に大きくなってきているというところから、地方への移転を考えているということを申している企業があるわけでございます。
 私どもが持っておりますアンケートによりますと、東京に本社を置くとやはり事務所の賃料が非常に高い、あるいは事業拡大に応じてスペースを確保することが難しいといったような答えがございますし、また本社機能の中でもその機能を割ってみると、本当に東京に置いておかなきゃならないものと、やはり地方移転が可能な分野というのがあるというふうに、本社機能という中を割ってみて検討を始めているところがございます。具体的には研究開発部門でございますとか、情報処理部門、商品開発部門といったようなところは地方移転が可能であれば進めたい、それだけに何らかの助成措置を期待するという答えが出てきておるわけでございます。
 そのようなところから見まして、今回の法律で盛り込みましたように、過度集積地域から承認集積促進地域への移転をするに当たって低利融資という道を開いていただきたいということと、特別償却制度をさらに乗せるということによりまして、このような潜在的な動きというものを顕在化させるように後押していきたいというふうに考えておるわけでございます。何とかそのデメリットをとらえて、移転することがメリットとなるように切りかえていきたいというふうに思っておるわけでございます。
 しからば、このようなことが事業者に周知徹底するかというのが第二の御指摘の点でございますが、頭脳立地法、今回の法改正が成立いたしました暁には、東京都の中におります特定事業の事業者に対しまして説明会を開催する等の広報活動、すなわち、こういう形で政府としても施策を用意しているんだということを周知徹底してまいる所存でございます。
#25
○谷畑孝君 ぜひそのあたり宣伝もよくしていただいて、非常に使いやすいように、そしてまた手続も非常に簡単であるというのが一番効果が上がる、こういうように思うんです。
 次に、十二地域の具体的に指定を受けた、また指定を受けておる地方自治団体が、今聞きますと、第三セクターで団地を造成して運用したり、あるいは地方自治団体が直接したり、こういうことが実はあるわけでありますが、とりわけ私はその中で地方自治体の財政負担、こういうことについてちょっとお聞きをしたいと思っております。
 というのは、現在、展開されているテクノポリスにおいては構想が発表されると非常に大きな人気も呼んでテクノポリスと、こういうことでいち早く三十八カ所も地域が名のりを上げて熱い期待の中で行われてきたわけであります。しかし聞きますと、そういうようにしてもてはやされてテクノポリスということで造成をしたけれども結局は失敗をして、団地をもう違った方向で考えざるを得なかった。長崎県などではそういう状況があったというようなことも聞くわけでありますが、もしも失敗すると、そういうときにおける地方自治団体の財政というものはやっぱりそれなりの大きな負担を強いられますし、そういうことにもなろうかと思いますので、その点もう少し政府支出といいましょうか、もう少し地方自治団体の負担を軽くしていく、あるいは勇気を持ってそれを推進していこうと、こういうやっぱり受け入れるところと施策を出していくところとがドッキングをして、一致しながら進めていかないとなかなかこれは進まない、こう思いますので、そこらの点ひとつ思い切った施策が必要だと私は思うんですけれども、どういうふうに思われるか、少しお聞きしたいと思います。
#26
○政府委員(岡松壯三郎君) 頭脳立地計画の推進に当たりましては、どれだけ財政負担が地方自治体にかかるかということでございますけれども、この計画の内容あるいは各地域の状況に応じましてその当該地域においてこれは決定されるわけでございます。基本的には、その計画の策定は地方自治体が主体的に決めることということであるわけでございますが、政府として用意しております施策は、御存じのように中核的業務用地の整備を地域振興整備公団で行う道が開かれているということと、それからその中核的な設備でございます産業高度化施設についての整備のために必要な出資機能を同じく公団で用意しているということがあるわけでございまして、地元地方公共団体の財政負担が過大にならないように十分注意しているところでございます。
 また、これより前に施行されておりますテクノポリス法につきまして、テクノポリス構想につきましてもお触れになりましたが、テクノポリスにつきましては、同じようにやはり地元の主体性を重視して進めておるわけでございます。これにつきましては二十六カ所が指定され、私どもといたしましてはそれぞれの地域で地域の活性化に役立ち、効果が上がりつつあるというふうに思っておるわけでございますが、さらに、過去五十八年にテクノポリスがスタートして以来積み上げられてきた地元の努力というものを支援するために、政府といたしましても新たな助成の道を開いたわけでございます。
 それは、平成元年度の補正予算におきまして、テクノポリスに蓄積されました技術を活用して地場産業の振興を図っていく、企業をそこで育てていくというために、地域産業活性化基金というのを県から支出する場合にはその補助を行うということで、総額七十億の補正予算をつけていただいたわけでございます。さらに、今年度につきましても、別途補助金の制度を開く等、テクノポリスにつきましてもそれが実現していく方向で政府としての助成措置も用意いたしておるわけでございまして、自治体に過大な財政負担の強いられることはないというふうに今考えておる次第でございます。
#27
○谷畑孝君 産業の再配置ということの中で頭脳立地だけが独立して発展するということでは決してないと思うんですね。テクノポリスといいましょうか、製造部門もテクノポリスもやっぱりある程度地方で根づいて、その関連の中でまた頭脳立地と言われるところのサービス部門も結合していく。それと同時に、工業再配置政策というものがそういうことの中で大きく実を上げていく。これは実は表裏一体のものであって、非常に大きく関連のあるものであると私は思っておるわけでありますけれども、それらを上手にもっともっと関連を密にさせながら、そういう一極集中ということと是正ということとを対峙させた形でこそ成功するのではないかと、こう思いますので、もう一度工業再配置政策、テクノポリス政策、それと頭脳立地政策、そういうものがどのようにしてかみ合い連動しておるのか、そこらのことについてお聞きしたいと思います。
#28
○政府委員(岡松壯三郎君) 通産省の産業立地政策は、従来から国土の均衡ある発展ということを目指し、産業の適正配置を考えておるわけでございますが、先生御指摘の工業再配置の促進といいますものは、昭和四十年代から起こってまいりました過疎過密というものが同時に発生している、これを解決していくために全国的に工業分散を進めていく必要があるということで、新全総といわれます新全国総合開発計画、これは四十四年に策定されたものでございますが、この辺からこの考え方が出てきたわけでございます。これを受けまして、通産省といたしまして工業再配置促進法を制定して過疎過密の同時解消を図るべく政策を展開してきたわけでございます。
 具体的な成果といたしましては、工業出荷額で見ますと工業の地方分散というものは必ずしも十分に進展しているとは言いがたい状況ではございますけれども、工場の立地動向をとらえてみますと、地方におきます工場の新設というものが全国の七、八割はもう地方で行われるようになってきているということでございまして、工場の地方分散の方向というものはこういうものを契機に定着しつつあるというふうに理解しておるわけでございます。
 この後、時間の流れといたしましては、オイルショックが起こるわけでございますが、つまりここから低成長時代に入ってくるということで従来の重厚長大型と言われる産業構造から知識集約型への転換が起こってくる。また、国民の意識も変化が生じまして、全国総合開発計画で言いますと三全総と言われるようなものにおきましては定住圏構想という考え方が打ち出されてくるわけでございます。これを受けまして、通産省といたしましては先端技術産業を中心とした新しい町づくりという考え方からテクノポリス構想というものを打ち出したわけでございます。
 具体的には、この結果二十六の地域を指定したわけでございますが、六十一年までに承認いたしました二十地域について見ますと、それ以前の状態に比べまして立地件数は一・六倍にふえている、あるいは敷地面積では二倍以上にふえているというところから見まして、この動向が地方への定着というものを促進するのに大いに効果があったというふうに思っておるわけでございます。
 また、当該地域におきまして研究開発機関の整備が進められる一方、地域の産官学の共同研究事業あるいは地域企業による新製品、新技術の開発も活発化しておりまして新しい技術の芽も生まれつつあるということでございまして、テクノポリス建設というものもおおむね着実に進展しているというふうに思っておるわけでございます。
 これを先ほど申し上げました昨年度の補正予算における助成、さらに本年度以降進めてまいります当該地域だけでなしに周辺地域への技術の波及政策というもので進めてまいるわけでございますが、これらを合わせまして東京の一極集中を一方で是正するとともに、地域の振興を図っていくという政策をこの頭脳立地法ともあわせて進めてまいりたいというのが大きな流れかと存じます。
#29
○谷畑孝君 それに関連しているんですけれども、先ほど申しましたように三つの工業再配置政策、テクノポリス政策、それから頭脳立地政策、そういうものが上手にかみ合っていかなきゃならぬというのを私今発言させてもらったわけでありますけれども、実際問題、テクノポリスは全国の中で二十六カ所が指定をされておるし、頭脳立地におきましては十二カ所、これは一言で言いまして、やはりばらばらじゃなくて一定程度連係を持って指定をしておるのか、もっと違った角度からいえば頭脳立地の十二カ所がテクノポリスの二十六カ所に近づくのか、もしくはテクノポリスと結合した形の中でそれを拡大をさせていこうとするのか、それともそれぞれがばらばらで指定になるのか、そこらをもう少し連携性を持った形で行われておるのか、その点だけもう一度ひとつお聞きしたいと思います。
#30
○政府委員(岡松壯三郎君) テクノポリス政策と申しますのは、高度技術に立脚した工業の開発を進めていくという考え方ででき上がっておるわけでございます。また頭脳立地の方は、ここで御審議いただいておりますように、核となる産業の頭脳部分というものを当該地域に持っていって周辺の産業の高度化を図っていこうということをねらっておるわけでございまして、その意味ではやはり追う目的が違いますが、それぞれの要件を満たす限り同じ地域が承認を受けるということはあるわけでございまして、現在までのところテクノポリス二十六地域、頭脳立地十二地域が承認されておりますが、その十二地域の頭脳立地承認のうちの半分、六地域がテクノポリスと重なっているというのが事実でございます。
 今後これらを一致させるべきかどうかということでございますが、やはり両施策というものは相補完し合いながら進めていくということでございまして、要件に合致する限り地域の重なり合うものは出てくる可能性もあるし、それぞれ補完し合って地域の発展に寄与すべきことを期待しておるところでございます。
#31
○谷畑孝君 次に行きたいと思います。
 東京一極集中ということで情報の発信がとりわけ東京に集中する、情報の発信数という中で九〇%を占めておる、非常に強い集中力を実は持っているわけであります。そういう意味では、立地法に基づいて地方分散ということでいかれる場合、大きな企業にとってみたら、通信といいましょうか、電話であったり、あるいはファックスであったり、さまざまなそういうものがあるわけです。
 頭脳立地法というのは、やっぱり移転に対する融資だとかあるいは租税に対する優遇だとか、そういうことによってメリットをつくっていこうということでありますけれども、そこへプラスアルファとしては一番の大きな情報を得るための仕事に特にサービス部門の仕事がありますから情報がもう命であると私は思うんですが、そういうことに対して、あとプラスアルファのメリットをつける方法はないのかどうか。また、そんなことを考えておられるのかどうかということもお聞きしたいと思います。
#32
○政府委員(岡松壯三郎君) 御指摘のとおり情報化社会と言われる現代において情報というものが企業の経営判断にとって非常に重要なウエートを占めてきているということは事実でございますし、またそれだけに情報をやりとりするためのコストがどうかということが新しい企業としての立地に当たっての判断基準になっているということは、私どもさまざまなアンケート調査を通じて認識しておるところでございます。
 地方に立地する産業にとりまして、その意味で通信あるいは交通手段がどれだけ利用しやすいか、インフラが整備されているかということが極めて重要であるわけでございまして、具体的には遠距離通信料金がどういう形になっているかというのが大きな問題であろうかと思います。
 郵政省の電気通信審議会の答申におきましても、この遠距離通信料金を初めとする通信料金の低廉化を進めていくことは極めて重要な課題というふうに述べられておるところからいたしましても、またNTT自身が九五年には遠距離料金をさらに引き下げる方針ということを打ち出しておるところから、この通信料金の低廉化に向けての努力が進められているということは大変重要なポイントであろうというふうに思っておりますし、私どももこれらの政策が進むように今後とも見守ってまいりたいというふうに思っているところでございます。
#33
○谷畑孝君 時間が来ましたので最後の質問をしたいと思います。
 今まで一連の発言をしてきたわけでありますが、やはり一極といいましょうか、東京なり、あるいはそれに匹敵する中核都市、関西でいえば大阪だとかあるいは九州を含めての中核都市、そういうものがやっぱり東京と対置してもっと強くなって、もっともっとシェアを大きくして、そういうものがまた一つの核になって関西全域を引っ張っていくものになるだろうし、あるいはまた九州全体を引っ張っていくものになるだろうし、そういうことによって頭脳立地指定地域であろうとテクノポリス指定地域であろうと非常に大きな関連性が出てくる、そういうように私は思うわけです。だから、東京があり地方都市の中核があり、そういうことによって進んでいっている、こういうふうに私は思います。
 そこで、私の住んでおる関西などを見ておりましても、最近は二十四時間の新関西空港が国際空港ということで非常に大きく内需ということの中で活気も大きく出てきておる。また、花の万博ということもありまして、都度都度関西圏のシェアがそれなりに大きく出てきておる、こう言われるんですが、しかし常に東京といろいろなものを比較してみて、そうはいってみても関西圏の全国シェアというのは数字としてはやっぱり年々下がっていく、どうしても東京一極集中のところに負けていくという、大阪ですらそういう状況である。これはかえって私の今の発言から見ると逆流しているわけで、むしろ東京に対抗させ得る大きな中核都市がやっぱり地方にもっともっと大きな勢いでシェアが伸びていかなきゃならぬ、そんなことを実は思うんです。
 例えば関西新空港でも、本来、国自身が直轄で金も出しつくらなきゃならぬところですけれども、成田空港は政府自身がやっておるわけであります。それが関西などは若干の地元負担、第三セクターにおける負担だ、こういうことに実はなっておるという、ここにもやっぱり行政におけるそういう弱さというのか、集中をしていくところの方法というのは変わらないという状況があるんじゃないか。また、聞くところによりますと、関西新空港でも滑走路を今一つ予定をしているけれども、せっかく二十四時間でありますから、地元の人はもう少しふやしてほしいといってもこれも財政その他の問題においてなかなか許可されない。こういうことになっておるわけであります。
 最後に、そういう関西圏のシェアの低下ということについて、通産省として中核都市を育てる意味でどのような認識を持っておられるのかということを御質問して、終わりたいと思います。
#34
○政府委員(岡松壯三郎君) 大阪圏のシェアの低下というお話がございましたが、確かに人口統計あるいは製造業の出荷額、また商都と言われる大阪における卸売販売額などを見ましても年々低下傾向にあるということは事実でございまして、今後国土の均衡ある発展ということを考えていく場合に、やはり四全総で大阪が位置づけられておりますように、二十一世紀に向けた独創的な産業と文化を創造する中枢圏域を形成するという位置づけのもとに、大阪圏の発展が図られていくということが大事ではないかというふうに認識しておるわけでございます。
 通産省といたしましても、昨年、全国九ブロックにございます通産局単位で各地域のビジョンの検討を行ったわけでございますが、近畿圏につきましては、大阪ベイエリア活性化構想それからアジア・太平洋トレードセンター構想あるいは大阪繊維リソースセンター構想といったようなものを含めまして、数々のプロジェクトの提案が行われております。このような構想を今後実現していくように、これは大阪圏を含めまして国土全体の均衡ある発展を図っていくという意味で、地域の経済、産業、文化の振興に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#35
○谷畑孝君 もう一度。やはり頭脳立地だとかあるいはテクノポリシー、その地域のさまざまな形を発展させるためにも、それを支える周辺の中核都市を大きく仕上げていくことが非常に近道である、こういうことを申し上げまして、もう時間が来ましたので質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#36
○吉田達男君 大臣に質問いたします。
 住めば都という句がございますが、これについて大臣はどういう見解をお持ちでございますか。
#37
○国務大臣(武藤嘉文君) 人間だれもがやはり郷土愛というものがあるんじゃないかなと思いますね。自分の住んでいるところというのはやっぱりいいものだということじゃないかと私は思います。
#38
○吉田達男君 やっぱり大臣は大正時代だと思いますね。住めば都というのは、言われるように、オリジナルではその意味でございますが、このごろのヤングに聞くと、住むならば都だと、これが住めば都という意味でございます。特に地方におけるヤングは、住めば都というのはまさに東京志向でございます。それが現実でございます。
 そこで、東京一極集中が問題になっているんですが、この東京一極集中は何で起こったかということについて、大臣の分析的な御見解をちょうだいいたしたいと思います。
#39
○国務大臣(武藤嘉文君) 社会構造が大変複雑になってきておりますし、そういう面からまいりますと、行政面においても、先ほどもいろいろ御議論がございましたが、いろいろ権限が絡まってきているというか、非常にいろいろの権限がふえてきているということは事実だろうと思います。
 一方、産業面で見ますと、産業の構造がだんだん進んできて情報化であるとかあるいはソフト化であるとか、いろいろ産業構造が変わってきていることは事実でございます。そうすると、情報というものを一日も早く的確につかみたいというのが経済活動をしておられる方の当然これは考え方だろうと思います。これもやっぱり東京が一番情報が的確に早くつかみやすいということがあるだろうと思います。あるいはまた金融、特に国際金融、為替、資本その他金融の自由化に伴って、しかも日本の大きなジャパンマネーという観点からいって、国際的な金融機関がだんだん東京に進出をしてきているということで金融面においてもやはり東京というのは一つの中心になってきている。
 また一方、文化の面、教育の面、こういう面でも大学が一番東京に集中している。そうするとそれに関連して、例えば大学の先生は大学で講義をする一方、著述ということをおやりになる方が多いんですけれども、そうなると出版関係などもこれは東京に集中してきているということ、あるいは交通、通信、これもやっぱり東京を中心に、新幹線だってやっぱり東京から出ているということになってきておる。
 結局、いろいろ考えると、東京ということに集中してきているものがすべてそういうことに絡んできてしまって、現在いろいろ弊害も出てきておるこの東京一極集中という現実の事態になってきているのではないかというふうに私は認識をいたしております。
#40
○吉田達男君 東京一極集中の問題についての大臣の御見解は伺いましたし、先ほど谷畑議員の質問にもございまして、要するに単純ではない、多くの要素が相乗的に今日の情勢をつくっている、こういうことだと思うんです。しかし、これは日本として解決をしなければならぬという大目標に進まなければならぬと思いますが、時間もなんですから、大臣がやがて総理になられたときにこちらが質問するか、そちらが野党に、野党が与党になるか、日暮れて道遠しですが、楽しみにして次の質問をいたします。
 そういう情勢の中で大臣は、工場再配置促進法とかテクノポリスとか、こういうことで地方に産業を分散しよう、こういう御努力をなさっていらっしゃいます。所管するこれらの法律について実施をなさった今日の実績あるいはその評価、どういうふうにお持ちでございましょうか。
#41
○国務大臣(武藤嘉文君) 細かいことは事務当局からお答えをさせていただくといたしまして、工業再配置促進法(工配法)もあるいはテクノポリスの関係においても、それはそれなりにこの法律がなかったよりはやっぱりあったがために、それぞれ地域の産業の振興に貢献をしたということは事実あるわけでございまして、効果が一〇〇%その最初の法律をつくったときのように上がっているかどうかという点は私は多少問題はあるかと思いますけれども、少なくともこういう法律ができたことによって地域の産業の振興に役立ち、国全体の産業のある程度バランスのとれた配置が多少なされていることにプラスしているということだけは否めない事実ではないか。
 しかし、一〇〇%最初の効果が上がったかどうかという点においてはいろいろやっぱりまだまだ問題があるというのは、先ほどのような一極集中の問題とかいろいろほかの要因が出てきておりまして必ずしも十分所期の目的が一〇〇%達成できているとは私も思いませんが、この法律ができたことによってそれ相応の効果は上がっているというふうに自分としては感じておるわけであります。
#42
○吉田達男君 工業再配置、テクノポリス、頭脳立地と続いているんですが、若干数字的な実績を含めて担当の方から御報告いただきます。
#43
○政府委員(岡松壯三郎君) 工配法につきましては四十年代後半からの過疎過密を同時解消するというねらいで制定されたわけでございますが、確かに工業出荷額で見ますと工場の地方分散はまだ必ずしも十分進んでいるというふうには言いがたい状況にございます。しかしながら、工場の立地動向で見ますと、地方における工場の新増設というものが全国の新増設の七、八割を占めているというところから見まして、工場の地方分散の方向はこの工配法によって定着しつつあるというふうに見ているわけでございます。
 また、オイルショック後の知識集約化産業への転換という時期をとらえ、定住圏構想というものと裏腹をなしながら打ち出しましたテクノポリス施策でございますが、これを具体的な動向で見ますと、企業立地につきまして六十一年までに承認した二十地域について見ますと、五十九年から平成元年までの六年間の年平均の立地件数はそれ以前の三年間、すなわち五十六年から五十八年までの三年間の年平均に比べますと一・六倍になっている、また敷地面積で見ますと二・一倍に増加しているということが見られ、明らかにこのテクノポリスへの立地が加速しているということが見られます。また、各地域におきましてもこの研究開発機関の整備が進められると同時に、地域の産学官の共同研究事業も進んでおりますし、またその地域における特色を生かした新製品、新技術を開発するための新しい技術の芽というものも生まれつつあるというところから見て、テクノポリスの建設はおおむね着実に進展しているというふうに認識しておるわけでございます。
 しかしながら、一方で、東京都におけるこの頭脳立地法に言うところの特定産業の従業員数は全国のシェアで見ると三十数%に上るというところから見て、東京への一極集中傾向が依然として続いているというのも事実でございまして、これらの施策や本法における頭脳立地政策につきまして、他の関連施策とも有効な連携を図りながら引き続き積極的に地域への産業の分散というものを進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#44
○吉田達男君 実績の数字等はお示しいただけませんでしたが、若干の資料を私は受けておりますが、概して言えば、工業再配置法等々によって国内の産業の公平化を図ろうとした努力に対して、集積しておるところから誘導地域に進出したケース、また、企業そのものが成長期における発展過程として進出をしたというか誘導地域に出たケース、つまり追い出しではないけれども、そういう過度集積の地域から出たケースと、新たに団地等の誘導政策をもってしてそこに立地したところを比べてみると、要するに追い出し――過度集積のところからの転出はさほど成果が上がっていない。しかし、誘導しておるところについては相当な成果が上がっている。このように私は思いますが、その評価は通産省の評価ではありませんか、違いますか、見解をお伺いしたい。
#45
○政府委員(岡松壯三郎君) 先生御質問のデータずばりのデータではございませんが、平成元年度の工場の立地件数を見ますと、石油ショック以降非常に落ち込んでいたわけでございますが、昨年の数字を見ますと初めて四千件台に復活してきているということでございますし、また敷地面積も非常にふえてきているということから見て、工場の立地件数が最近非常にふえてきているという事実がまずございます。また、それらの立地の地域につきましては次第に地方への分散化が進んでいるという事実もあるわけでございまして、この点につきましては先ほど触れさせていただきましたが、工配法の例で見ますと、六十年の実績で誘導地域までの工場立地件数で六七%が誘導地域に立地をしているという事実がございまして、目標としたのは七割程度を目指したのでございますが、六七%ということですから、立地件数で見る限り、かなり工配法に基づく計画の目標に向かって進んできているということが言えるのではないかというふうに思っております。
#46
○吉田達男君 経済も発展しておりますし、通産省の施策も努力のかいあって実るわけでありますから、工場立地はふえていく、当然だと思いますが、片方の過密地域における転出、この辺についてはどうなんですか。
#47
○政府委員(岡松壯三郎君) 工場移転の目標といたしまして、移転促進地域における敷地面積を減らすという目標を持っておったわけでございますが、六十年におきまして、四十九年に対して一五%移転促進地域の工場面積が減少しているという事実がございます。
 それから、先ほど誘導地域における立地件数が六七%と申し上げましたが、これは敷地面積の間違いでございまして訂正させていただきますが、この二つを重ねてみますと、移転促進地域の工場面積が減少し、それから誘導地域における工場敷地面積がふえているという動向から見て、この工場再配置計画に沿った工場移転が進みつつあるという事実は認めることができるというふうに思っております。
#48
○吉田達男君 要するに、移転促進しようというところは計画の一五%進んでいる、しかし受け入れの方の誘導は六七%進んでいる、こういうことだから私の言った見解は間違いないと思うんですが、何となくそういう返事をしないで努力のところをおっしゃっておられまして気持ちはわかりましたけれども、見解は合致すると思うんです。それ以上言わなくてもいいんですが、そうだと思うんです。
 頭脳立地法の現在の承認地域の状況について、十二あったと報告がありましたが、ちょっと地域をおっしゃっていただけますか。
#49
○政府委員(合田宏四郎君) 頭脳立地法に基づきまして現在までに集積促進計画が承認されました地域は御指摘のとおり十二地域でございまして、地点名を申し上げさせていただきますと、昨年の三月に計画が承認されましたのが浜松、富山、徳島、八戸の四地域でございます。それから、本年に入りまして二月に甲府、鹿児島、石川、岡山の四地域が承認されまして、本年三月に和歌山、鳥取、北九州、広島、この合計十二地域が承認されたところでございます。
#50
○吉田達男君 今承認を受けられた地域を見ますと、概して東日本はブランクが多いんですね。西日本が大変多くなっている、こういう状況であろうと思います。
 法律が一九八八年にできて二年たって今日の状況でありますが、この法律の企図するところは、要するに全国に国土の均衡ある発展を目指してハードな工場もやったけれどもソフトな工場も配置しよう、こういうことを目途にした今の法律の施行であります。
 ところが、考えてみますと、今までの全国の工場の配置に係る方策というものは国の指針がはっきりしておった。新産都市において拠点をとって七つやるとか、あるいは新全総では、中核的な都市を情報や炭鉱や産業の基地としてそのネットワークを全国に及ぼすという基本的な構想が理念となってその法律を施行した。そして、それぞれの評価はありましょうが、それなりの成果を上げて、国土の均衡ある姿を求めてきた。今日の頭脳立地法で張りついている状況を見ると、関東以東は一県じゃないですか、あとは関西でしょう。こういうことでいくと、今日、法律の趣旨が生かされた頭脳立地法の運営になっていないんじゃないでしょうか。
#51
○政府委員(岡松壯三郎君) 頭脳立地法の一つの目的といたしまして「産業の配置の適正化」ということを掲げておるわけでございまして、集積促進計画の承認に当たりましても当然のことながら、御指摘のように、全国的な配置のバランスということを考慮しているところでございます。
 ただ、現在のところ確かに北海道、東北地域というところをとってみますと、先ほど御説明申し上げましたように八戸地域だけになっております。これは本法の立て方が、各県が計画をつくって国がこれを承認するということでございまして、県がまず承認申請を行わなければ国から指定をするという形はとり得ないわけでございます。しかしながら、全国バランスをとるという意味で、東北、北海道地域、東京より北の地域につきましても、現実には複数の道県におきまして集積促進計画の策定、検討が行われているという事実がございます。
 したがいまして、本法の目的でございます産業配置の適正化あるいは地域住民の福祉の向上というものを実現すべく、法の運用に当たりましては遺漏なきを期してまいりたいというふうに考えております。
#52
○吉田達男君 大臣、これは基本的なことでございますから、大臣の見解を承りたいと思うんです。
 今私が質問をし、担当局長から答弁がありましたが、現実に施行後二年の情勢はまさに国内の均衡ある状況になって承認申請がなされていない。こういう点について第一条の目的には「国民経済及び国土の均衡ある発展に寄与することを目的とする」と、この趣旨にのっとれば、主務大臣として、運用に当たって今後に処していっていただかねばならぬ理念があろうかと思うんです。このことについて、大臣のお考えを伺っておきたいし、また若干技術的といいますか、想定でいけば、これの件数といいますか、大体何件ぐらいまで承認して指定をいつごろまでにやるか、こういう考え方を伺いたいと思います。
#53
○国務大臣(武藤嘉文君) まだ法律ができて先ほどから言われておるように二年でございますし、実際問題、八カ所は本年度に入ってから承認をしているというようなことでございまして、まだこれからだと思うのでございます。数をふやすだけが私はいいとは思いません。やはり今せっかくできた十二の地域をとにかく充実をさせていくということがまず第一だろうと思うのでございます。
 今御指摘のように、ある程度全国的にバランスのとれたようなことを考えるべきではないかという考え方も私は十分理解をするわけでございまして、今後はとにかく十二カ所をできるだけ早くひとつ軌道に乗せていただくような方向で公団にもお願いをして御努力していただくと同時に、将来においてはもう少しバランスのとれた形でこの十二地域以外にも私は指定をさせていただいたらどうかと思っております。
 しかし、それにはやはりその指定をさせていただく地域あるいは地元の県の御協力というか、理解が私は大変必要だと思いますので、そういう点では、これからそれぞれの地方の県とよく打ち合わせをさせていただきながら、そしてこの十二カ所の充実度がどのくらい進んでいくかを見きわめながら箇所数はふやしていかなきゃならぬと思っております。最終的には二十カ所以上になるのではないかというふうに考えております。
#54
○吉田達男君 このたびの法律改正を見ると、過度集積の東京二十三区から立地をして促進地域に導入される場合に、減価償却の割り増しというか特別償却を認めたり、あるいは融資に恩典を与えたりする、こういういわば事業促進条項が提案されておるわけでございます。可なりと思うのでございますが、この過度集積を東京二十三区に限って提案があるわけでございます。
 私は関西の鳥取でございますが、今まで仕事を多少しながら工場誘致について関与してきましたが、関西の方は大体工場進出は東京から来ないんです。これは大阪から来るんです。実感としては、東京二十三区に恩典を与えても全国にそれが均等に配慮するところが及ぶのかどうかということを思うと、私は過度集積を東京二十三区に限定するというよりも、なおその基準を低めて、低いレベルでも設定をして、現実的に頭脳立地が配置促進されるような措置をなすべきではないかと思うのでございます。私の見解についてはいかがお考えなんですか。
#55
○政府委員(岡松壯三郎君) この法律で予定しております過度集積地域につきましては、政令で東京都の特別区――保存する地域、つまり二十三区を指定することを考えておるわけでございます。それは特定事業の従業員数の地域別の集積状況の統計を見てみますと、御指摘の大阪府は一〇%程度であるのに対しまして、東京都では全国シェアの三三・九%というぐあいに、全国の三分の一以上が東京都にいるという状態になっておりますし、さらにこれを二十三区内に限定してみますと、この東京都のうちの九割がこの二十三区にいるということでございまして、この二十三区の突出ぶりというのは相当際立っているということでございます。
 しからば、将来とも二十三区のままかという点でございますが、やはりこれはその集積度という実態をとらえて考えてみるべきであるということは御指摘のとおりでございまして、特に著しく高い地域というものがこの二十三区以外に出てきた場合には、必要に応じて機動的に過度集積地域として追加するということは可能であるというふうに考えております。
#56
○吉田達男君 高度頭脳産業の従業員の三三%に及ぶものがそこに集中しておるということを端的にお示しの上、それが大きい根拠とされておるんですが、法律によるところは十六特定業種でございます。今のは平均値から相対的におっしゃったんだろうと思うのでございますが、例えばデザインとか、あるいは機械修理業とかいうように十六業種のうちの幾つかを拾ってみると、東京と大阪圏と比べると約半分に近いような大阪圏の集積度の業種もあるんですね。そういうことを思うと、十六業種合わせた人数が三三%に及ぶという大づかみのことでは、その法律の恩典が全国に及ぶということになりにくいんじゃないか。やはり現実的にやるべしで、これはあずかり方としては法律よりも法律の委任による省令に任せられるようなことでございますけれども、積極的にお考え願いたい。それは相対的なこともあろうけれども、せっかく挙げた特定業種、その中における占有等々を見れば判断も柔軟にいくのではないかと思うので、もう一度答弁をお願いいたします。
#57
○政府委員(岡松壯三郎君) 先ほど申し上げました数字は、御指摘のとおり十六業種の従業員トータルで判断をいたしておるわけでございます。これはそのトータルの数字しかないわけではございませんで、十六業種につきまして大ぐくりではございますがそれぞれの数字を持っておりまして、先生御指摘のデザイン業、機械修理業というものについての大阪圏の数字も持ち合わせておりますが、これも東京と比べまして、東京圏あるいは東京都というのをとってみますとやはりそちらの方が集積度が高いという数字で、現時点におきましては、これは六十一年の統計でございますが、そのような実態にございます。
 先ほどの繰り返しになるわけでございますが、ここで必ずしも二十三区に将来とも限定するということではございませんで、やはり法の趣旨に沿ってこの集積促進地域というのは定められるべきでございますので、今後ともその動向を見きわめながら必要に応じて追加指定するということの可能性はあるわけでございます。今後ともこの動向はよく私どもとして注意してまいりたいというふうに思います。
#58
○吉田達男君 将来に期待いたします。
 誘導促進地域については、これはまた地域の積極的な働きの中で実現をしなければならぬという前提が努力としてなされなければなりませんが、問題の東京から過度集積だから追い出すということについては、今の恩典を加えたから企業が積極的に出るというところの決定版には、動機にはなるかわかりませんが、私はなかなかならぬと思うんです。むしろそこまで積極的にやるならば、工配法等のときに検討されていたような追い出し税をかけてみるとか、あるいは産業配置補助金ですか、法律を改正しましたが、工場再配置促進の張りつけ補助金を出してきましたですね、そういうようなことをなお積極的にフォローするという面で東京から出す、こういう策がなされなければならぬのじゃないかと思うんですが、そういう積極策についてはいかがお考えですか。
#59
○政府委員(岡松壯三郎君) 東京における過度集積の背景につきましては冒頭に大臣からも御説明したところでございますが、東京の中にいる企業もこの過度集積の弊害というところからかなり負担がふえてきている、事務所の賃料がふえてきているといったような事実がございますし、また本社機能の中でも、できる部門は地方に移していきたいということを申しておるわけでございます。
 またさらに、どういう施策を講ずれば出ていくことが可能かというアンケートもいたしたわけでございますが、そのアンケートを見ますと、税制、金融面での優遇措置等政策的な支援が必要である。逆に言えば、そういう支援があれば出ていこうというような企業があるというところから見ますと、今回ここでお願いしております公団からの低利融資あるいは特別償却制度の二つによって、潜在的ニーズの顕在化を図ってまいりたいというふうに思っておるわけでございますが、さらにやはり必要なことは、地方の状況というものをやはり魅力あるものにしていくということが誘引効果として非常に大事であるというふうに思っておるわけでございます。
 その意味で、頭脳立地の集積地域を振興していく、盛られた集積促進計画を実施し、企業から見て魅力のある地域が地方にあることを示していくということもまた大事であろうというふうに思っておるわけでございます。そのような政策をあわせ行いながら、大都市からの分散化を進めていくという政策を進めてまいりたいというふうに考えております。
#60
○吉田達男君 この本法の十五条には、地方公共団体が承認を求めて集積促進計画を出したことについて必要な事業を承認の上、いわば指定をなさった以降、実施にわたって「助言、指導その他の援助の実施に努めるものとする」こういう規定になっております。
 現在、承認をなさっている地域は、それぞれ努力して、今後その団地等あるいは頭脳センター等々の実績を上げなければならぬ時期にあり、先ほどの御答弁によれば、なおかつ承認を求められて積極的な計画が出れば、これに対応するお考えも示されたのでございますが、国の方の助言、指導、援助、これは具体的にどういうことでございますか。内容をお示しいただきたいと思います。
#61
○政府委員(岡松壯三郎君) 法第十五条に述べております「国の援助等」というところでございますが、国あるいは地方公共団体が集積促進指針あるいは集積促進計画を踏まえまして、国あるいは地方公共団体が持っている各種の情報、ノウハウ、知見等を活用いたしまして、業務用地、施設の整備事業に関する技術的な助言、指導を行いますし、また特定事業の立地の促進、育成等に関する情報提供の支援を行うということも考えているわけでございます。
 また、今後この新しい第十条の二の規定の新設に伴いましてこの助言、指導に加えまして、こういう機会を活用いたしましてさらに移転の促進につき特別な配慮をしてまいりたいというふうに思っております。また具体的には、全国九ブロックの通産局があるわけでございますが、こういうところで説明会を開き、この趣旨の徹底を図っていくというのも重要な助言、指導に当たるというふうに考えておりまして、これらも実施してまいりたいというふうに思っております。
#62
○吉田達男君 こういう指導、助言をなさるという大きい柱は、方法として今お示しいただきましたが、やっぱり地域産業の高度化の促進といいますか、そういうことに目的はなろうかと思うんです。こういうことをめぐって、各申請をなさったところは特徴を持ってやろうとなされておる。そこの指導体制といいますか、今一般的にお示しになったのですが、若干各論的に、人材とかあるいはそういうような交通のアクセスとかいうような点について、主務官庁は通産省であると同時に、また建設、農業、国土、四省が主務官庁となっておると、こういうことでありますから、その辺の連携体制の中で、今おっしゃった指導がどのように有機的に実を結ぶのか。成功させるためには、一般的なことではなくて、もう少し突っ込んだ措置がなされてしかるべきだと思いますが、その辺についてはどのように対策を進めていらっしゃるのか、お伺いいたしたいと思います。
#63
○政府委員(岡松壯三郎君) まず、計画の申請に当たりまして、参考に供するために集積促進指針というものを法律で定めることになっておるわけでございますが、この指針はいわば計画に記載します事項のガイドライン的な性格を持っておりまして、ここに先ほど先生のお触れになりました情報の集積とか物流可能な流通面の措置について具体的な指針が書いてございます。
 例えば道路について申し上げますと、「高速自動車国道のインターチェンジ、空港及び新幹線鉄道の停車駅のうちいずれかの施設が集積促進地域内に存在すること、又はインターチェンジ等が集積促進地域の中心から既存の交通施設によつておおむね三十分以内に到達することができる地域に存在すること。」といったような要件も加えておるわけでございます。また、具体的に各県が策定をいたしますときに、できるだけその独自性を生かすようにという方向で指導しておるわけでございますし、また人材云々というお話がございましたが、この計画の実施に当たって必要な研究開発、人材育成の確保等のソフト面もまた重要でございまして、この法律には主務省庁として通産省以外に建設省、農水省、国土庁が入っているわけでございますが、それらが密接な連携をとりながら、建設省でございますと道路、住宅等の公共施設の整備についてこの計画が達成できるように協力をしていただきますし、農水省で申し上げますならば、円滑な農地の転用等の面で緊密な連絡をとりながら進めていくという形で、各省それぞれの所管に応じましてこの集積促進計画がうまく進むように協力をし合いながら進めておるところでございます。
 今後とも御趣旨を体しましてうまく進むように協力をしてまいりたいというふうに考えております。
#64
○吉田達男君 手続において四省に指針があって、その指針をクリアした計画を承認を求めて出しておると。その結果、審査をされて承認するということをお決めになって今日ができたという過程においてその指針を各省が示されたものについてクリアしている以上、その前提となった指針は各計画において各省が実施をするものなりと、こういうことになるわけでございますね。そうでなければその指針を示した各省の意味がないんですから、若干の私の知るところによれば今なお他の省にかかわってそれは実現していないけれども、この頭脳立地が有機的に動く段階では計画が実現をしておるというような内容のものも含めて承認計画がなされ、それをもって指針をクリアしたような承認になっているケースも伺っておる。そのことを見ると、各省ともこの指針を遵守する以上この計画の中に織り込まれたものは実施すると、こういうことだと思う。
 主務官庁は四省あっても所管省は通産省ですから、責任を持ってその点については連携をとって、これを成功させるために出ておるものの計画は他の省にわたっても間違いなく実現させると、このことについて約束というか、御見解を伺いたい。
#65
○政府委員(岡松壯三郎君) 集積促進につきましての指針を法律第四条に基づいて定めておるわけでございますが、これは先ほども申し上げましたように、あくまでも県が申請を出すときに、すなわち計画の案をつくるときのガイドラインであるわけでございまして、それに沿って申請が出てくる、それに対しまして関係省庁相談をしながら協議の上で承認をするわけでございます。したがいまして、承認を受けた計画というものは、関係省庁がこれを実現に向けて協力していくということを認めたわけでございますので、この承認計画が実施されるよう関係省庁間が連携をとっていく、その場合に通産省が中心的な役割を果たすというのは御指摘のとおりでございます。
 今後とも通産省といたしましては、関係省庁の協力を得ながら、承認を得た集積促進計画が実現されるよう努力をしてまいることを約束申し上げます。
#66
○吉田達男君 ちょっと地元のことを言って申しわけないんですが、私のところは鳥取で、承認を受けて第三セクターによる会社をつくって積極的にやろうとしておるんですが、その内容は、乾燥等特殊環境下の植物の有用機能を生かした生存環境科学技術に関する研究というようなテーマでもあったりしまして、つまり砂丘における乾燥農業を一つのきっかけとして、さらにそれをハイテクをもって事業化しようという内容でございます。
 ここで、私は今言ったことをもう一度復習するんですが、それにかかわってこのテーマを地域として一番育ててもらったのは文部省でございます。四省でないんです。こういうふうに地域によってそれぞれまた特徴的に及ぶところは、四省以外に及ぶところもあろうかと思う。そういう点についての協力もなければならない。事業内容がそこで育ったものを頭脳センターとして一定のものに仕上げてパテントを取って、そのパテントを進出する企業に事業化させることをもってまた頭脳センターが経営される、こういう事業内容で進んでいるわけでありますから、特にそういうこともかかわりがある。
 この前も特許についてこの委員会で熱心な審議がなされたんですが、なかなかそのもとに及ぶところの協力がなくて意見、指摘が出ると困難なこともあり得るので、主務省庁ということとあわせて関連省庁について十分これもまた配慮なされなければ、産業という有機的な事業の内容において緒につきかけたこの事業が将来に向かって難しいこともあろうかと思って、陳情かたがたその辺の関係省庁についての配慮についてどう考えておられるか、伺いたいと思います。
#67
○政府委員(岡松壯三郎君) 本法の主務大臣は、先ほど申し上げましたように、通産大臣、建設大臣、農水大臣、国土庁長官というふうになっておるわけでございますが、まずこの指針を策定する段階で自治大臣その他関係大臣と協議しなければならないという規定が第四条に入っております。また、計画の承認に当たりまして「関係行政機関の長に協議しなければならない」という規定が入っているわけでございますが、先ほど御指摘のように大学との連携を図る必要がある。したがって、文部省との協議の必要があるというケースにつきましては、当然文部省ともよく連絡をとりながら進めていくことが法律でも予定されておるわけでございまして、今後とも関係行政機関間でよく協議をしながら、その計画の遂行に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#68
○吉田達男君 質問時間についても促進法がかかっているようでありまして急ぎたいと思いますが、この事業を成功させるために関連公共事業をぜひとも成功させなければならぬ、成就させなければならぬ、これが前提でございます。
 時間がありませんので、建設省関係はきょうはおいでいただいておりませんが、特に鳥取における津ノ井バイパスあるいは姫路―鳥取線の高速道路の早期完成、これらが前提になっておりますれば、これは担当を通して、ちょっと格調が低いんですが、建設省の方にこの事業成功のために格別な質問があったことをお伝え願いたいと思います。
 促進法に基づいての質問は、これで終わりたいと思います。
#69
○委員長(倉田寛之君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#70
○委員長(倉田寛之君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地域産業の高度化に寄与する特定事業の集積の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#71
○広中和歌子君 通産省は、戦後一貫して日本におきますところの国土の均衡ある発展のため、産業立地の地方移転政策をとってこられたわけでございますが、今回の地域産業の高度化に寄与する特定事業の集積の促進に関する法律、これ以前にも産業分散を図るさまざまな政策をとってこられたわけでございます。その結果、地方への企業誘致がうまくいった場合もあれば、必ずしもそうでないケースもございました。せっかく宅地造成をしたものの企業誘致がうまくいかなくなった市町村もあり、私もそうした例を知っております。
 戦後四十年、産業構造もさまざまに変化してきたわけでございますが、その中にあって地方での企業誘致、産業振興が成功する要素は何か、御体験を踏まえてお話しいただきたいと思います。このテーマだけで一冊の本が書けるぐらいのものでございますので、大変恐縮ですが、手短にお話しいただければありがたいと思います。
#72
○政府委員(岡松壯三郎君) 大変広範な御質問でございますが、基本的なことは、やはりその土地土地の歴史に根差し、かつまた土地の文化、資源に根差していることというのが第一の要件だろうと思います。
 また次に、事業を進めるに当たりましては、どうしても必要な人材を確保することが大事でございまして、人材を確保する道があるかどうかということが大事であろうと思います。
 それからもう一つは、やはり企業が立地するということになりますと、それをめぐる流通の問題が出てまいりまして、その交通体系が完備されているかどうかというのが次に大きな条件ではないかと思います。
 我が国における企業ということをさらに加えて考えてみますと、新しい時代に応じた産業構造の中で位置づけられるような技術的基盤を持っているかどうかというのが、やはり今後の企業立地ということを考えてみた場合、あるいは過去の企業立地動向というものを振り返ってみた場合に大きなファクターになるのではないかというふうに考えております。
#73
○広中和歌子君 ただいま関連産業というんでしょうか、その地元の環境とか流通制度、交通の問題などおっしゃいましたけれども、経団連の調査によりますと、近年、金融面での優遇政策などのそうしたさまざまな保護政策よりも、従業員の住宅とか子弟の教育など住環境というんですか、生活環境及び人材確保ができるかどうかにその成否がかかっていると、そういうふうに言われておりますけれども、今回の十二地域の基盤整備計画のうち、教育、住環境の整備はどうなっているかお伺いいたします。
#74
○政府委員(岡松壯三郎君) 御指摘のとおり、企業の立地に当たりましては、住環境あるいは教育施設等の完備が行われていて、そこに企業に働く人たちが魅力を感ずるような町づくりといいますか、そういうのが行われることは大事であるというのは御指摘のとおりでございます。
 この頭脳立地法の集積促進計画を定めるに当たりまして、地域の特性を生かしたすぐれた居住環境が整備されるように配慮することとされておりまして、特に住宅につきましては目標年次までに新たに必要な住宅の供給量あるいは整備の概要等を明らかにすることといたしまして、住環境の整備に留意しておるところでございます。また、やはりそこに働く者といたしまして子女の教育というのは重要な課題であるわけでございまして、周辺における教育環境というものが十分整っていることというのも重要なテーマでございまして、これについても整備計画の中にそれらの必要な検討を行うように指針において示しておるところでございます。
#75
○広中和歌子君 この頭脳立地法、そういう計画がなされてからまだ二年と日も浅いわけでございますけれども、これと関連するテクノポリス構想についてお伺いいたします。
 これはもう既に発足して十年以上たっているわけですが、その発展の形についていろいろ分析もされているのではないかと思います。テクノポリス構想によれば、産学住が一体となって潤いある町を建設するということになっておりますけれども、進捗状況について御報告ください。一部午前中お話があったわけですが、重なることがあっても結構でございます。
#76
○政府委員(岡松壯三郎君) テクノポリス構想に基づきまして地域の指定が行われておりますところは二十六地点ございます。これらの地域におきましては、先端技術の導入を促進することと地域企業の技術の高度化の促進が図られるように計画を決めたわけでございますが、その線に沿って進みつつあるというふうに考えておる次第でございます。
 また、これらの地域におきまして必要な進出企業と地元企業との交流が行われるということも大事でございますし、ここにございます研究開発機構の中でその地元の特色を生かした技術開発が行われているという例もあちこちに見られるわけでございます。それらの技術を生かしてこれを起業のレベルにまで持っていくこと、起業化することが必要だというふうに考えまして、前年度の補正予算といたしまして、百四十億全国で考えられております地域産業活性化基金に対し七十億の補助を補正予算で講じていただいたわけでございますが、さらに今年度におきましてこの技術をテクノポリス地域だけじゃなくて周辺地域に波及させるというための指導、研修事業等を行う補助金制度を設けたわけでございますが、これらを通じましてそこに育ってきた技術の芽を周辺に広げていく、あるいはその技術の芽を生かして起業、業を起こしていく形でこれを進めてまいりたいというような政策をとっておるところでございます。
 テクノポリスにつきましては、五十八年制定以来時がたつわけでございますが、さらに昨年度、今年度、今申し上げましたような政策を講ずることによりまして、その施策のさらなる充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
#77
○広中和歌子君 私もこの二十六地域あるうちの幾つかでそのテクノポリス構想について図面を見せていただいたり構想を伺ったりしたわけですけれども、この二十六地域中既に技術系の大学あるいは技術系の学部を持った総合大学があるのかどうか、そしてそのほか専修学校など、どちらかというとこれは大都会に集中しているような印象を持つのでございますが、こうした専修学校なども地域に分散して始めているのか、特にこのテクノポリスで指定されている地域を中心に分散が図られつつあるのかお伺いいたします。文部省の方にもいらしていただいているんですが、よろしくお願いいたします。
#78
○政府委員(岡松壯三郎君) それでは、全般的な点を私から御説明させていただきたいと思います。
 二十六地域ございますテクノポリスにおきましてさまざまな大学がこの周辺に存在するようになってきておりまして、各地域それぞれ大学を持っておりますので、大学名をここで申し上げるのは控えさせていただきますが、これらの対策を進めるためには御指摘のように産学官協同して進めていくということがねらいでございますし、そのための共同研究プロジェクトには研究開発機構の中に委員会組織を設けて、そこに地元の学者の方あるいは地元の工業試験場、センターのようなところから技術者が参加をするというような形で進めておるわけでございまして、産学官の協力がうまく実りつつあるというふうに思っております。
 また、第二点の分散がうまく進んでいるのかという点でございますが、六十年度までに承認をいたしました地域について見ますと、五十九年から平成元年度までの六年間の年平均の立地件数がそれ以前の三年間の年平均の立地件数に比べまして一・六倍になっている、また敷地面積で見ると二・一倍に増加しているというところから見ましても、このテクノポリス地域に対する企業の集積は進みつつあるということが申し上げられると存じます。
#79
○説明員(伊藤博之君) それぞれの地域におきます大学等の対応でございますが、例えば北海道の函館地区でございますと北海道大学とか、あるいは宮城県の仙台北部地域でございますと東北大学等々、それぞれの大学が対応する形で御協力を申し上げている次第でございます。それから、過去におきますこの地域の新しい大学等の設置でございますけれども、これまで六校ほど国立、公立、私立大学という形で新設されておりまして、そのほかにも学部につきましては、三校におきまして学部を創設するということでございます。また、学科につきましても多数ございまして、そういう形でこの地域におきます国立大学、私立大学、公立大学等の多様な形での展開を図っているという状況でございます。
 ただ、ただいま御質問ございました専修学校の展開につきましては、恐れ入りますが手元に資料がございませんので、また後日御報告申し上げたいと思います。
#80
○広中和歌子君 そういう連係プレーというんでしょうか、そういうことをなさっていて大変結構だと思いますけれども、これは何も二十六地域に限らず技術系大学の卒業生の数はふえているのでございましょうか。
#81
○説明員(伊藤博之君) 専門分野別の入学者数の個々の比較の数値で御説明を申し上げたいと思います。
 五十年と平成元年度の対比で見てみますと、理学系が比率でいきますと五十年当時が二・八%に対しまして、元年度で三・三%の比率構成の増となっております。それから工学におきましては、五十年当時が一九・五%の比率構成に対しまして、元年度で一九・二%という傾向をとっております。それから農学でございますが、五十年の比率構成として三・五%に対しまして、平成元年度では三・三%といったような比率構成となっております。
#82
○広中和歌子君 理学系、工学系、農学系、大体二五%ぐらいでしょうか、そういう比率は妥当だとお思いになりますか。それとも今後ともそういった分野で、日本は技術立国として立っていこうとしているわけでして、また人材不足など言われているわけですが、こうした傾向をもうちょっとふやしていこうと思われているのかどうか、お伺いいたします。
#83
○説明員(喜多祥旁君) 文部省といたしましては、情報、バイオ等の先端技術分野の人材育成の充実を図りますために、大学の工学部、農学部あるいは短期大学、高等専門学校におきます学科の改組、新設等を積極的に進めてまいるというところでございまして、また大学院レベルにおきましても関連分野の研究科等の整備充実、あるいは御案内と思いますが、北陸先端科学技術大学院大学の創設などを進めておるところでございます。
#84
○広中和歌子君 大変結構なことだと、期待しております。
 しかしながら、必ずしもこうした技術系、理学系、農学系の大学生が製造業に就職しない、または研究分野に残らないという傾向で、最近は金融、いわゆるサービス産業の方に就職するということもあると聞いておりますが、実態はどうでございましょうか。
#85
○説明員(喜多祥旁君) 六十三年度の数字でございますが、全国平均で見てみますと、就職いたしました者のうち金融・保険業等に参りましたのは二・二%でございます。ただ一部の大学、例えば東京大学、東京工業大学などを見てみますと、東京大学の場合でございますと六十三年度は二一・五%、東京工業大学ですと二三・八%が金融・保険等に就職をしている、そういう実態でございます。
#86
○広中和歌子君 次に、労働省の方にも来ていただいておりますので、雇用面についてお伺いいたします。
 特に地方におきましては人材確保の面で非常に苦慮しているということを聞いておりますけれども、こうした地方分散計画の結果、地方での雇用促進につながったのかどうかということ、どちらにお伺いしたらいいのかわかりませんけれども、まずその点についてお伺いいたします。
#87
○説明員(青木功君) お答え申し上げます。
 こういった地方の産業の高度化の過程で現実に雇用の数字がどれだけ上がったかただいま持ち合わせておりませんけれども、全国の有効求人倍率でございますが、昨年の四月が一・一八でございました。それがことしの四月で一・三四ということで、これは全国的な数字でございますが、押しなべて求人倍率が上がっておりまして、いわゆる人手不足というふうな向きも出ておるようでございます。
#88
○広中和歌子君 もしわかりましたならば、今数字がなければ後で結構でございますけれども、大都市圏と地方の雇用のバランス、特にその推移がわかりましたら教えていただきたいんです。
 さらに、労働省に続けてお伺いいたしますけれども、人材のUターン化を助けるための何らかの政策をとっていらっしゃいますか。また、地方での雇用の場があるかどうかということを都会の人間がどのように情報をキャッチすることができるか、その情報のソースについてお伺いいたします。
#89
○説明員(青木功君) 先生の前の御質問に関しましては後ほど御報告を申し上げたいと思います。
 それから、地域へのいわゆるUターン問題でございますけれども、確かに地域におきまして産業が高度化する過程で、それを担う高度な技術や知識を持った方々が不足しているということは、時々私ども聞いておるところでございます。また、首都圏で働く方々の中にはそういった技術をできれば地方に帰って生かしたいと思っている方も相当いるように聞いております。そういったことにかんがみまして、昨年度から労働省といたしましては人材地方還流促進事業という事業を開始いたしまして、東京都内に人材Uターンセンターという施設を設けまして、ここにおきましては主として首都圏に在住する高度な技術や知識をお持ちの方々に対しまして、各都道府県それから地域の実情について私どもの職業安定機関のネットワークを通じまして情報を集積いたしまして、それで御相談――直接出てこられる方もいらっしゃいますし、電話等で御相談の方がございますが、そういう方々に情報を提供しております。
#90
○広中和歌子君 民間でヘッドハンター的な傾向というのは出ておりますか。
#91
○説明員(青木功君) 民間の方々がどういうふうに動いているかというのはなかなかつまびらかではないわけでありますが、地域のそういった人材を求める企業の方々、こういった方々への情報提供につきましてもこのセンターでやっておりまして、これはいわば人材Uターンセンターに御相談して登録をした方々等につきまして、御本人の了承が得られれば、こういった方々がおられるというようなことを地域の企業にお伝えする仕組みもございます。
#92
○広中和歌子君 日本の終身雇用というのも大変結構なものだと思いますけれども、やはり同時に人材が自由に交流するといったような形も将来の雇用形態ではなかろうか、そんなふうに思いますので、積極的な対策そして対応をなさいますことをお願いいたします。どうもありがとうございました。
 続いて、大蔵省の方にいらしていただいていますので、ちょっと伺わせていただきます。
 海外に企業進出する我が国の直接投資、それが非常に盛んだと伺いますが、大中小企業の直接投資の推移、なかんずく過去昭和五十八年以降、海外進出企業の数を報告していただけませんか。
#93
○説明員(北村歳治君) 対外直接投資の内容につきましては届け出ベースでございまして、大企業、中小企業の区別はございませんので、対外直接投資の地域的な動向につきまして大まかな流れを申し上げたいと思います。
 対外直接投資の地域的な動向でございますけれども、これはこれまでの届け出を単純に合計いたしました届け出の累計額で見ますと、北米が半分近いシェアを占めておりまして四三%でございます。次いで、欧州一八%、アジア一六%という順になっております。これに対しまして、アフリカ、中近東などのシェアは極めて低いというものになっているわけでございます。こういうふうな累計額で示されますシェアに比べまして、最近の対外直接投資の地域的動向をもう少し詳しく見ますと、北米は昭和六十年度以降累計額のシェア四三%を上回って推移してきているわけでございます。また、欧州につきましても、ここ数年累計のシェア一八%を上回って推移してございます。アジアにつきましては、この累計のシェアを下回っているわけでございますが、しかしながら着実に増加しているというのが最近の状況でございます。
 このような最近の十年間の対外直接投資の動きの中で、特に最近数年間の動きを見ますと、地域的な分布状況は北米が高い比重を占める一方、欧州への投資も非常に活発化している、こういう特徴がございます。
#94
○広中和歌子君 つまり、先進国への投資がふえているわけで、そういう点ではちょっと技術移転という点では余り発展途上国に貢献していないのかなと思いますけれども、総枠というんでしょうか、企業数ではわかりますか。つまり、過去十年ぐらいどのような推移でふえているのか、むしろ減る傾向にあるのかということでございます。
#95
○説明員(北村歳治君) 件数は、ちょっと今資料が手元にございませんけれども、最近の三カ年程度につきましては、今資料がございますが、例えば平成元年度で申し上げますと、新規に対外直接投資の届け出を行いました件数は六千五百八十九件でございます。一年前になります昭和六十三年度が六千七十七件、その前の昭和六十二年度が四千五百八十四件でございます。
#96
○広中和歌子君 今後もこうした対外直接投資はふえていくものというふうに予想していらっしゃいますか。
#97
○説明員(北村歳治君) なかなか将来の見通しを申し上げるのは難しい問題でございますけれども、要因といたしましては、企業がコストの低下を目指す場合、それから貿易摩擦を迂回する場合、それから最近のように企業がグローバル化することに伴いまして、海外進出する場合といろいろな要因があるわけでございます。
 金額の推移につきまして、正確な見通しを立てることは非常に難しいわけでございますが、平成元年度は届け出ベースで六百七十五億ドルと極めて高い水準の対外直接投資の届け出があったわけでございます。このような水準がどの程度今後推移するか、ちょっとお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
#98
○広中和歌子君 直接投資は必ずしも悪いわけではございませんけれども、通産省のお立場といたしまして、今後もこうした海外投資が続き、しかも量として、金額にして、また件数にいたしまして、こうした企業の海外進出が通産省のテクノポリス構想など、またこのたびの頭脳立地法と競合しないのかということについて、どのようなお考えをお持ちか、お伺いいたします。
#99
○政府委員(横田捷宏君) 今後の海外投資の見通しにつきましては、今大蔵省の方からお話があったとおりでございますけれども、そのうち製造業につきまして、通産省の産業構造審議会で昨年アンケート調査等で検討をいただきまして、今後年平均一〇%以上の伸びが続いていくのではないかということでございます。しかしながら、これが内外の生産の比率、いわゆる海外の生産のウエートがどの程度までいくだろうかという観点から見ますと、八八年、八九年、そのころでは五、六%ぐらいが海外生産、これが例えば九五年には八%とか二〇〇〇年には一三%ぐらいという見通しが審議会の報告の中であるわけでございますけれども、諸外国、アメリカ、ヨーロッパ等と比べますと、西ドイツでは一五%ぐらい、アメリカは二〇%を超えておるというようなこともあるわけでございまして、今国内の地方への立地との競合等という御論議がございましたけれども、国内のいわば空洞化ということ含めまして、必ずしも心配する状況ではないんではないか。
 特に国内の最近の設備投資等々の状況も見てまいりますと、今のような経営資源の国際的な広い場での活用という意味の海外投資は進んでおりますけれども、他方、国内でも活発な商品開発、事業展開が行われているという側面もあるわけでございまして、特に活発な内需を背景にいたしましてそのような事業活動が今後とも行われていくものと期待いたしております。
#100
○広中和歌子君 今海外進出の比率を伺いましたけれども、五%が将来一三%ぐらいにふえる、しかしながら欧米、特にアメリカなどは二〇%で日本の方がまだ今のところ少ないし、日本の国内における産業への投資も活発であるということで、恐らく産業空洞化の心配はないというふうに思っていらっしゃるのじゃないかと思いますけれども、どのくらいをもって空洞化と言うのでしょうか、その心配をしなければいけないか。つまり、日本の雇用に響いてきたり、そのほか生産能力の低下につながるといったような危機感を持つべき数字というのでしょうか、そういうものはございますか。
#101
○政府委員(横田捷宏君) 今先生御指摘のような意味でのいわゆる危機ライン的な数字というものは持ち合わせておりませんが、今後の日本の産業界の内外への活動全体を見まして、また政策展開よろしきを得ればその心配はないのではないかということでございます。量的な面もございますけれども、むしろ質的に新しい分野への産業の進出が活発に行われているかどうか、あるいは多角化が積極的に進んでいるかどうか、こういった質的な側面もあるわけでございまして、最近いわゆる頑張れ製造業、魅力ある職場づくりということが言われております。そういった政策、民間の努力と相まった見通しを考えていくべきだと思っております。
#102
○広中和歌子君 先ほど大蔵省の御報告で、先進国、アメリカとかECへの直接投資が最近ふえていると伺いました。今後また東ヨーロッパへの投資もさらにふえていくだろうと思いますけれども、そうした中で特に輸出産業の海外投資、例えばエレクトロニクスとか自動車、そういったものの海外現地生産活動が非常に目立つわけでございますが、企業側のこうした現地生産をする動機というのでしょうか、理由は何なのでしょうか。そして、御自身は産業の空洞化をどのように受けとめていらっしゃるのか、お伺いいたします。
#103
○政府委員(横田捷宏君) ただいま輸出産業についてのお話がございましたが、例えば電気機械、輸送機械等見ましても、現在海外生産比率一〇%程度までこの業種はなっておるようでございますが、他方、先ほど申し上げましたように、国内でも大変活発な商品開発あるいは事業展開が行われておるわけでございます。民間企業におかれましての海外投資の動機は、先ほど大蔵省の方からもお話がございましたが、基本的には世界経済が相互依存で進んでいく中で、先進国、発展途上国、あるいは今後の東欧等問わず、それぞれの市場におきます顧客ニーズの適切にこたえていくとか、あるいは世界的規模で経営資源を有効活用するという観点が基本であろうと思います。それに加えまして、いわゆる為替の問題なり保護主義傾向にある国への対応とか、あるいは製造業以外では海外の資金需要等々の動向もあると思っております。
 この辺、民間企業の調査あるいは産業構造審議会等々でも十分な調査をいたしておりますけれども、先ほど申し上げましたように、日本経済が世界市場における力をつけて活性化していく、また国際的にも貢献していく、こういう格好で展開されているものと理解いたしております。
#104
○広中和歌子君 国内における産業の均衡ある分散、そして発展を願うとともに、国内産業と海外直接投資とのバランスも願わざるを得ません。と同時に、日本企業の海外直接投資が相手国の産業発展に寄与し、そして雇用を助けると同時に現地の環境保全、人々の安全にも配慮することが非常に大切のことではないかと存じます。
 それでなんですが、日本の自動車産業でございます。国内でも非常に活発にしておりますけれども、現地生産も盛んでございます。アメリカで売られている日本車あるいは現地生産されている日本の車は、日本において必要とされている安全基準よりもより高い基準を求められ、それを遵守していると聞いておりますけれども、これは事実でございますか。
#105
○政府委員(坂本吉弘君) ただいま御指摘のように、自動車の安全基準につきましてはそれぞれの国で基準を決めてございます。したがいまして、アメリカでつくられる車は、また日本から輸出される車はアメリカの安全基準を適用されることになっております。安全基準の内容につきましてそれぞれどちらが厳しいかといった点は、それぞれのチェック項目によりまして一概には比較できないのでございますけれども、例えばアメリカの連邦自動車安全基準で定められておりますサイドドアの強度といったものにつきましては、日本の道路運送車両法上の基準にはございませんので、こういう点についてはアメリカの方が厳しいということは言えるかもしれません。
 いずれにせよ、各国の実情において定められております安全基準を、その国において走る自動車がその場でつくられるものであろうと輸入されるものであろうと、それぞれその基準を満たすべきである、こういう考え方でやっております。
#106
○広中和歌子君 一方、アメリカへ輸出されている車あるいは現地生産されている車の排ガス基準でございますが、日本で生産され使われている車、我々が使う車でございますね、それよりも低いと伺っていますが、これも事実でございますか。
#107
○政府委員(坂本吉弘君) 排ガス基準につきましては、実はその基準をつくります際の測定のモードと申しますか、前提となる条件をどういうふうに設定するかということによって実はいろいろ変わり得るのでございます。しかし、御指摘のように、一般的に考えますと我が国の排ガス基準というのは世界で最も厳しいものであるというふうに考えてよろしいかと思います。その意味でただいま御指摘の点は事実だと考えております。
#108
○広中和歌子君 それぞれの国の安全基準、そして環境基準に従うということでございますけれども、どちらの場合にしても、つまり日本のユーザーにとってもアメリカのユーザーにとりましてもちょっとアンフェアじゃないかなという気がいたします。つまり、日本国民は安全性の低い車を使わされている。他方、アメリカの国民は低い排ガス規制のもとでつくられた車を買わされている。技術的に不可能であるというなら別ですけれども、よりよいものをユーザーに提供するのが国境を越えても望ましいことではございませんか。
#109
○政府委員(坂本吉弘君) 御指摘の点はごもっともと存ずる次第でございますけれども、それぞれの安全基準、排ガス基準につきましては、それぞれの社会の直面している問題あるいは国民意識、そういったようなことによって今日までいろいろな経緯を経て定められてきたという事情も一方においてございます。おっしゃるとおり、世界の共通の基準がつくられるのがいいかどうかという点でございますけれども、実は安全基準、排ガス基準とも運輸省において所管をしておられるんですけれども、その点につきまして運輸省におかれましても自動車に関する基準の国際調和ということに向けて、例えば自動車安全公害専門家会議というものにオブザーバーを出されるとか、そういったことでできるだけ国際調和に努めていこうというふうにしておられるというふうに伺っておるところでございます。
#110
○広中和歌子君 日本は技術立国でございます。高い技術が世界じゅうから評価され、特に安全面、環境面での指導的役割を発揮することが期待されているわけでございます。安全対策、環境保全での技術面のリーダーシップを発揮しようとする日本にとって、国境を越えた、可能な限り高い水準で物を輸出する、そしてまた海外での企業活動を行う、そうすることがこれからの日本に求められていることではないでしょうか。最後に大臣の御所見を伺わせていただきたいと思います。
#111
○国務大臣(武藤嘉文君) 今御指摘のとおりで、やはりこれだけ技術立国と言われ、特に公害対策の技術は世界的にもナンバーワンと言えるほどの技術はでき上がってきたと私は思うのでございます。そういう点を考えれば、今たまたま自動車のお話がございましたけれども、自動車の排ガス規制にいたしましてもあるいは安全基準の問題にいたしましても、やはり世界で一、二のレベルを確保していくような車――今次長からも答弁がございましたように確に所管は運輸省ではございますが、自動車の製造はこれは通産省の所管でございまして、そういう面からいけばやはり今後の自動車産業のあり方としては、いわゆる安全基準にいたしましてもあるいは排ガス基準にいたしましても、当然一番高い厳しい基準をつくっていくということが、これはやっぱり世界に対して日本が信頼を増すことになると私は思うのでございます。
 できる限り今後はそのような方向で努力をしていきたいと思いますし、あるいは海外へ進出する企業におかれましても、やはりそれぞれの地域で日本の進出した企業が公害をばらまくというようなことだけは少なくとも言われないように、これからは十分気をつけていかなければならない、そのような指導をしてまいりたいと思っております。
#112
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
#113
○市川正一君 まず、総論的に大臣にお伺いいたしますけれども、通産省は三全総を受けて工業再配置計画を制定し、産構審の八〇年代ビジョンを受けてテクノポリス法を制定してまいりました。そして、四全総を受けて二年前に研究機関、人材育成機関、情報サービス業など特定事業を地方に移転を促進させるためのいわゆる頭脳立地法を制定されました。私もここに会議録を持ってまいりましたが、その頭脳立地法の際にも問題点をいろいろ指摘いたしました。そして、結論として反対の態度をとりました。その後の経過は、この指摘点が決して杞憂でなかったということを私は明らかにしてきたと思うんです。
 ところで、今回の改正は、東京二十三区内の過度集積地域から総合リース業、ソフトウェア業、自然科学研究所などの特定事業を十二地域の集積促進地域に移転させるために、移転企業に対して地域振興整備公団が特利で跡地見返り資金、運転資金を融資すること。また、建物、機械等の取得に対して、二割増の特別償却を認める優遇措置をとること。おおむねそういう内容であると理解いたしておりますが、そういうことでよろしゅうございましょうか。
#114
○政府委員(岡松壯三郎君) 今回の改正の趣旨は、二年前に制定した頭脳立地法がねらいとした頭脳業種――特定業種の地方分散を意図したわけでございますが、その後も東京都への集中が進んでいるという事実をとらえまして、これをいかにして地方に分散を図っていくかという考え方から、先生御指摘の二つの新たな政策手段を用意し、これを地方に分散促進していこうという考え方に立つものでございます。
#115
○市川正一君 ならば確認をいたしたいんですが、現行法によっても集積促進地域の企業の移転に対して、建物については一五%、機械などの備品に対しては三〇%の特別償却が認められております。ということは、これだけでは特定事業が十二地域に移転しない、思うように進まないということなんでしょうか。
#116
○政府委員(岡松壯三郎君) 先生が挙げられました租税特別措置法の特別償却制度は、二年前の本法が制定されたときに設けたわけでございますが、それにもかかわらず東京都への集中が進んでいる。もちろん指定いたしました集積促進地域十二地域への移転は進むと考えられるのでございますが、東京都への集中を避けるためにはさらにこの特別償却についての上乗せを図る必要がある、また融資の道を開く必要があるというのが今回のねらいでございまして、その意味では、現行制度では考えているほどにはならないということでございます。
#117
○市川正一君 それでうまいこといっておらぬのですよ。だから、こういう措置をとるわけでね。
 それなら伺いたいんですけれども、今回の改正の優遇措置の実施で、確実に東京二十三区内の企業が現在集積促進地域として指定されている、例えば浜松、例えば富山、例えば徳島等々そういう地域に移転するという保証はあるんですか。また、その根拠はあるんですか、お伺いしたい。
#118
○政府委員(岡松壯三郎君) 東京に立地しております企業に対しさまざまなアンケートが行われているわけでございますが、その一つの調査によりますと、東京に本社を置く企業の中でやはり六割以上の企業が東京における集積の弊害を述べているということが一つ。
 それから、本社機能の中でどういう部門が今後地方への移転を考えているかという問いに対して、研究開発部門でありますとか、情報処理部門でございますとか、商品開発部門でございますとか、私どもがここで特定事業としてとらえております部門につきまして地方移転が可能であると答えた企業が六割以上あるということ。
 また、東京から移転するに当たっては、企業が税制、金融面での政策的な支援が必要だというような答えを寄せていること。
 このような形態を踏まえ、かつ研究所の立地について最近の動向を見ますと、過去東京都へ立地が見られたのでございますが、六十二年を境としてそれ以降、単独の研究所の立地というものは見られなくなっておりまして、他のものと付随しての立地が見られる動向になってきているというような動きをとらえまして、このような政策を講ずることによって地域への転換の民間の動きを後押しすることができるのではないかというふうに考えた次第でございます。
#119
○市川正一君 誤解のないように申し上げたいんですが、私は東京二十三区への集中を解決していくことに反対しているんじゃないんです。多極分散をしていくことに異論を唱えているわけじゃないんです。ただ、今までのようなやり方、今回のようなその延長線上としてのやり方ではうまくいくだろうかという問題を大臣に提起しているわけであります。
 そこで、今データにお触れになったんですが、私の方もデータを提供したいんです。最近の研究所の立地動向を見ますと、関東臨海部また関東内陸部で去年で四九・二%、この三年間で五二・四%。そして、東海、近畿臨海、内陸を合わせますと、昨年が七二・九%、この三年間で七四・一%、こういうふうに首都圏など大都市圏への集中立地の傾向がやはり顕著なんです。
 経団連がこういうアンケート調査をやったのは御存じだと思うんですが、今後十年間に東京二十三区外に移転する計画がないとしている企業百十五社にアンケート調査を行いました。それによりますと、東京に立地していることで享受しているメリットとして、業界・他社情報が得やすいからというのが六十二社、市場・顧客情報が得やすいというのが六十五社、技術情報が得やすいというのが七十七社となっております。私は、これを決して是とするという意味じゃなしに、しかしここに触れている問題は大事な問題が含まれていると思うんです。ですから、通産省が今度改正案をお出しになっているからには、やはりこの措置によって移転するという具体的なデータや見通しをお持ちなのかどうだろうかということを懸念するんです。今の経団連のデータは御承知だと思うんですが、こういうこととかみ合っていかがでしょうか。
#120
○政府委員(岡松壯三郎君) 先生御指摘のデータ、今手元に見ておりますが、確かに技術・研究開発部門につきまして御指摘のような答えが寄せられているわけでございます。ただ、その同じアンケート調査で、今後十年間に東京二十三区から東京圏以外の地域に移転を行うに当たって実施が望まれる行政的措置は何かという問いに対しまして、この情報処理部門、技術開発部門につきましては、多くの企業が税制上の優遇措置を講じてほしいという答えを寄せておるわけでございまして、このような企業の動向というものを生かしていくための法律改正を取り上げているというふうに御理解いただきたいと存じます。
#121
○市川正一君 そういう優遇措置によって、じゃ一体だれがしわ寄せを受け、だれがいわばそれによってメリットを受けるのかという問題が以下の議論で私は触れたい核心です。
 大臣にもぜひ御見解を賜りたいと思うんですが、例えば今回実施する跡地見返り資金、そして移転運転資金融資、これは工業再配置法、いわゆる工配法で実施されている優遇措置と同じであります。この工配法による措置は、北九州市など産業、工業が集積している都市はこの対象地域から除外しております。
   〔委員長退席、理事中曽根弘文君着席〕
ところが、今回のこの改正による措置は工配法で除外しているこれらの地域への移転をも対象としていると私は思うのでありますが、そういうことになるんでしょうか。
#122
○政府委員(岡松壯三郎君) 工配法で促進しております工場移転促進のための融資制度におきましては、その制度の趣旨から、移転促進地域から誘導地域へ移転する工場に対して講じている融資でございます。今回頭脳立地法でとっております特定事業の移転促進融資で考えておりますのは、頭脳立地法の考え方から見て特定業種をある集積促進地域に置いた場合に、その地域の産業の高度化が図られるということをねらいとするわけでございまして、この集積促進地域がさきの工配法の白地地域に属するとしても、その地域の高度化を図る必要がある場合には、これが二十三区から出ていった場合にはこれについて融資の対象にするという考え方になるわけでございまして、その意味では、白地地域に行った場合にも、それが集積促進地域に当たる場合には、融資対象になるという制度でございます。
#123
○市川正一君 要するに、産業の種類が違うからということになるんですが、私はやはりこういう手厚い優遇措置をあえてとるというところに不自然さがあると思うんです。
 大臣も御承知のように、私ここに一覧表を持ってまいりましたが、地域の活性化あるいは地域の振興について政府は施策の中でそれなりに重視してやってこられました。通産省サイドの実施している施策をとってみても、例えばテクノポリス法があります。地域ソフト法があります。民活法に基づくりリサーチコアがあります。ニューメディアコミュニティー構想があります。特定地域法があります。特定産業円滑化法があります。リゾート法等々、こういうものが次から次へやられてきておるわけですね。そこでは、指定地域を定めて地域の振興を目指し、地方に技術、サービス、ソフト産業などをシフトするという対策を講じていることになっているんですね。しかし、にもかかわらず現実には地域に産業が分散しない、結局首都圏に集中している。こういう措置をとってきたにもかかわらず、なぜそれが打開されないのか、その原因を大臣ほどこにあるというふうにお考えなんでしょうか。
#124
○国務大臣(武藤嘉文君) やはり一つは、今の日本の経済が非常に世界的な規模の経済になってまいりました。経済活動をする方々は、そうなりますと当然世界の情報をできるだけ的確に迅速に受けたいということになるのは当然だろうと思います。
   〔理事中曽根弘文君退席、委員長着席〕
 今の日本を見ておりますと、将来は例えば光ファイバーあたりがどんどん発達をいたしまして、どんな地方にいても東京と全く同時に情報の提供が受けられるということになれば別でございましょうけれども、残念ながら今のところはやはり情報のキャッチというのは東京が一番早いということは事実でございます。あるいはまた文化面を見てまいりましても、先ほども申し上げましたが、大学にいたしましても、その他いろいろの教育文化関係、大学があればそこにやっぱり出版会社がその周りに当然ある、出版会社があればまたその周りに印刷工場があるといったような形で文化面においてもこれは東京一極集中の傾向が非常にあると思いますし、あるいはまた鉄道にいたしましても新幹線、すべて東京を起点として出ていこうとしているということは、やっぱりこれは交通も東京が中心ではないか。
 いろいろ考えてみますと、もちろんそれ以外に立法府のこの国会、あるいは行政の官庁、すべて東京に集中いたしておるわけでございまして、いろいろの法律をやってみましてもなかなかそれが思うような効果が一〇〇%上がっていかないというのは、どうもその辺にあるのではないか。しかし、この法律、今御指摘のあったいろいろな法律をもしやっていなければもっともっと国土のそれこそ不均衡な発展になっていたんじゃないか。私は、決して一〇〇%すべてうまくいっておるとは思いませんけれども、そういうことがあったなればまだ多少はよかったんじゃないかなと、そういうふうに思っておるわけでございます。
#125
○市川正一君 私は、論理的に言って、政府自身がやっておられる、またやってこられた政策そのものの中に東京首都圏への一極集中の実は最大の要因があると、一方ではそれを緩和するとおっしゃっているんな手を打ってこられた、もしそれなかりせばということは、それはきょうは本論ではありませんから置いておきますけれども、結局最大の原因、最大の責任というのは、ほかならぬ政府の政策そのものの中にあるということを私は指摘いたしたいのであります。
 実際に今進めていらっしゃるのは東京湾横断道路とかあるいは東京臨海部開発とか、こういう首都圏の大プロジェクトが推進されているんですね。そして、これは通産省の諮問機関であります産構審が先日、五月二十五日に中間報告を発表しております。この中には、研究基盤施設建設などの国家プロジェクトは地方で優先的に実施し、東京での大規模プロジェクトへの「国の支援措置について一定の歯止めを検討すべきである」こう述べております。言いかえれば、今の政府の施策そのものが、こういう国家的プロジェクトそれ自身が東京首都圏への一極集中になっていることを是正する必要があるということをほかならぬ産構審が指摘しているわけです。総務庁の八八年度の行政監察の報告がここにございますが、これを見ましても、民活法などによる民活プロジェクト件数の五八・二%、金額にして八四・八%が三大都市圏に集中しているということを指摘しております。
 ですから、大臣がおっしゃったように、東京へ情報とかあるいは先端産業がますます集中するような仕組み、そういう施策が国の政策として一方ではやっぱり進んでおるんです。他方で、別に罪滅ぼしと言うつもりはありませんが、いろんなことをやってはしり抜けになっているというのが私は偽らざる図柄だと思うんですが、大臣、ここに問題の核心があるとはお思いにならぬでしょうか。
#126
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほど来申し上げておりますように、今までやってまいりましたことが、決して悪かったわけではなくて、それはそれ相応の効果を出していると私は思うのでございますが、ただ正直、それよりも時代の流れの方が速いということは、私は事実だろうと思うのでございます。
 そういう面で、今行政改革をまた引き続いてお願いするわけでございますけれども、私はやっぱり政府のいろいろの行政機能をもう少し思い切って分散するというのも一つの方法ではなかろうか。民間の方々にお願いをして、これだけいろいろの法律をつくり、これこれの優遇措置をやってもなかなかうまくいかないとなれば、やはり行政機能そのものがもう少し地方へ分散していくことの方が、かえって私はより促進をするのではないかなという感じも正直いたしておるわけであります。
#127
○市川正一君 そこで、その地方の問題なんですが、自治体の負担の現状を私この機会に調べてみました。
 新産都市、テクノポリス、それがどういう地方自治体の負担になっているのか。この点では優等生と言われている大分、富山などがございますが、金沢大学の佐々木助教授が研究論文を発表いたしました。これによりますと、大分の新産都市の場合、大分市では結局財政のバランスシートが四十七億円の赤字だった。富山・高岡新産都市の場合には、全体で四百八十九億円の赤字だった。そして、主役の住友アルミが八六年に円高で撤退して、結局新産都市特別会計の債務は百三十七億円になっていると言われております。さらにテクノポリスでは、大分県が五百六十一億、富山県では八百九十六億の公共投資を実施しておりますけれども、結局、テクノや頭脳立地が自治体と住民に大きな負担を強いているというのが実態であります。
 そこで、私最後にお伺いいたしたいのは、鳴り物入りで実施したテクノポリス法は現在二十六地域を指定しております。そのうち二十地域がことし目標年度を迎えますが、その進捗状況は、八七年度までのデータによると、工業出荷額で三一・四%、工業付加価値額で一八・九%、工業従業者数で八・八%という当初よりかなりおくれた到達点にあります。
 頭脳立地法がテクノポリス法のハード部分における高度技術工業の頭脳部門の集積促進に対して、ソフト部分の研究所、デザイン業など産業の頭脳部分の集積を促進するものとして、テクノ建設をソフト面の産業で支援、促進する、こうされておりますけれども、テクノポリス二〇〇〇構想で来年から、今までのやり方を見直してよりソフト面の充実を図ろうとする。二年前の頭脳立地法制定のときにもこのテクノ法と頭脳立地法が重複し一体不可分のものになっていくということを私は指摘いたしましたが、まさにそのように進行しているというふうに認識いたしますが、通産省はいかがでしょうか。
#128
○政府委員(岡松壯三郎君) テクノポリス地域の状況につきましては、制定以降、企業の立地がそれ以前に比して急速に進んでいるという事実がございます。しかし、このプロジェクトは、基本的には二十一世紀へ向かっての長期的な展望のもとで進めておりますだけに、十分な評価を行うにはさらに時間を要する問題ではないかというふうにも思うわけでございます。
 今後このような構想を進めるに当たってはソフト面が重要になるのではないかという先生の御指摘でございますが、確かにこのテクノポリスを進めるに当たってそのような面、特に技術開発、人材育成といったようなものが大事な点というのは御指摘のとおりでございまして、今後のあり方につきましては、現在さまざまな検討を行っております。特にテクノポリスの中心的な機構である研究開発機構のあり方あるいは今回からスタートいたします地域産業活性化基金の活用の問題等を含めながら、そこで生まれてきた技術をいかに周辺にこれを実際の起業化していくというところで活用していくこと、さらにそれを盛り上げていく人材育成あるいは研究開発というものをこの研究開発機構等で進めていくことが大事でございますし、またこれを成功させるためには、やはり魅力ある町づくりが行われなければいけないわけでございます。
 時代に即して国際化への対応というのも新しい重要な課題になってくるというふうに考えておるわけでございまして、今後とも各テクノポリス地域が地元の主体的な取り組みによりまして所期の目的が達せられるよう期待いたしておりますし、私どももこれについて必要な指導、助言をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#129
○市川正一君 かみ合いませんが、問題を指摘したということで、時間が参りましたので終わります。
#130
○池田治君 地域産業の高度化に寄与する特定事業の集積の促進に関する法律、この法律はどういうあれかといろいろなところへ聞いてみましたら、どこもわからなかったですね。そして、頭脳立地法だよと言ったら、ああ、あれかというのが皆さんの御意見です。通産省だけがわかっていて、ほかの者がわからないというような法律の名前をつけるのもいかがなものかと思いますが、この点はどうですか。
 ほかの法律は、少なくとも漢字の三つ四つは同じ法律の名前をとって略称をやっておりますが、頭脳立地という頭もなければ脳もなければ立地もないですね。こういうものを略文字で使っておる、それが通り相場になっておる、こういうところにこの法律の長ったらしい名前をつけるそもそもの理由がどこにあるか。意味内容を聞いてみますと、やっぱり頭脳部分ですから、地域産業の高度化特定事業、これは頭脳部分を移転する法律だという意味はわかるんですよ。しかし、文字にもあらわれていない、この意味内容を判断しなきゃわからぬような略文字を使って、これが通り相場になっているというのも、これは法律の名前としてはいかがなものかと思うんですが、御見解をひとつお願いします。
#131
○政府委員(岡松壯三郎君) 法律の題名をどうつけるかという議論をいたしますときに、やはり法律を読んで、それによって法律のねらうところ、法目的がわかるような名称であることというのが私ども立案に当たって心がけているところでございまして、そういたしますと、どうしても説明調の法律名になるということも事実でございます。その意味で、この法律が地域産業の高度化に寄与する特定事業というものをとらえまして、これの集積を促進する法律ということであるわけでございますが、この特定事業というのは何かということで考えてみますと、あの十六業種にあらわれておりますように、産業活動のいわば頭脳部分ではないかというところから、略称として頭脳立地法という言葉を使い始めておるわけでございます。確かに、この法文からそのあれは出てこないのでございますが、意を酌み取りましてこのような略称で言わせていただいているわけでございます。
 昨今の法律の他の例を見ますと、やはりその法文名から法目的がわかるような説明調の法案名となっている事例が、俗称民活法と言われているようなもの、あるいは融合化法と呼ばれているようなものなどにもありますように、比較的長文の法案名になっているのはそのような理由からではないのかというふうに考えております。
#132
○池田治君 この法律の名称論をやるわけではございませんのでこの程度で議論はしませんけれども、次からもっとわかりやすい法律の題名をつけていただきたい、これをお願いしておきます。
 さて、本論に入りまして、テクノポリス承認地域を取り巻く経済社会の環境がここ二、三年大きく変化してきたと思うのであります。先端技術産業の進展、情報化の地域経済への浸透、経済のソフト化、サービス化の進展、地域への国際化の影響、こういう経済の変化が生じてきております。今後のテクノポリスの建設とその充実においても、新しい環境に対応した施策が必要だと思いますが、昭和六十一年度までに承認された先発二十のテクノポリス地域は、当面の目標年次を今年度としており、来年度以降の開発計画のあり方について一定の方向づけを行わねばならない時期に来ていると思いますので、テクノポリス二〇〇〇構想検討委員会での議論も含めて、今後のテクノポリス建設の基本方向について通産省の所見をお伺いいたします。
#133
○政府委員(岡松壯三郎君) 御指摘のとおり、六十一年までに承認いたしました三十の地域につきましては、当面の目標年次を平成二年度というふうにいたしておるわけでございます。この二十地域につきましては、地域の主体的な取り組みによりまして、これまでおおむね着実にテクノポリス建設が進められているというふうに考えておるわけでございますが、目標年次に到達するわけでございますので、これまでの成果、進捗状況その他、その後の社会経済環境の変化等を織り込みまして、三年度以降のテクノポリス建設にかかわる新しい開発計画の検討を始めるべき時期に来ているというふうに考えております。
 具体的にどういうふうに考えていくかということでございますが、これは現在検討中でございますけれども、おのおののテクノポリスに置かれております開発機構がその中核的推進母体として技術開発あるいは人材育成を進めておるわけでございまして、今後さらにこの機能の強化を図っていくというのが一つのポイントであろうと思いますし、またそこで生まれてきている技術を実際の業に移していく、産業化していくというのが大きなポイントであろうというふうに思っておるわけでございます。
 その意味で、さきの元年度補正予算におきまして御承認いただきました七十億の補助金をもって、全体百四十億で地域産業活性化基金というものをこの開発機構の中に設けたわけでございますが、これらの助成措置を生かしながら、各地域の個性を重視し、しかも地域間の連携、交流を強化するといった方向で魅力ある町づくりをしていく、また御指摘のように、国際化の時代に対応できるような新たな課題を解決できるようなテクノポリス建設を今後進めていく方向で検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
#134
○池田治君 今度は少し格調を落としまして、我が県のことを申して恐縮でございますが、愛媛県ではテクノプラザ愛媛というビルを建設中でございまして、このビルの完成後にはこれをテクノポリスの中核施設として利用したい、こう言っております。この施設建設に当たっては、初め県は民間活力を導入して企業とともに第三セクターでやりたいという意図を持っていたようでございますが、なかなか民間企業の協力が得られない。得られないということはやっぱりもうからぬから得られないんじゃなかろうか。また愛媛の方の遠距離離れた田舎ではなかなか東京から出ていく企業も少ない、こういうことも加わりまして、今では県の単独事業として整備を行っている様子でございます。
 このように地方自治体に多大な財政負担をもたらすのがこのテクノポリス構想ではないだろうか、かように思っておりますが、通産省はいかがお考えですか。
#135
○政府委員(岡松壯三郎君) テクノポリス構想につきましては、基本的には地元の主体性を重視して進めておるわけでございまして、テクノポリスの建設のための具体的な内容、すなわち研究開発機構のあり方でございます。そういうものにつきましてもすべて県の判断が優先されてきておるわけでございまして、テクノポリス法に定められました要件の範囲内で主体的に決定し推進されておるわけでございます。
 国といたしましてはこれに対して地方の取り組みを支援するための措置を用意しているわけでございますが、具体的には、税制でございますとか融資の道を開いておるのに加えまして、そこに前年度末の補正予算でさらに具体的な技術を育成する方向での支援措置を用意したということ、さらに、今年度以降そこで生まれた技術の波及のための補助金も用意をしたということでございまして、あくまでも地元の主体性を尊重しながら、それを横からサポートする支援措置を用意しているという体系でございまして、テクノポリス構想が決定された県に多大な負担をもたらすことにはならないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、先ほど具体的なケースでの御質問でございますが、やはりこのテクノポリスといいますのは、先ほど申し上げましたように、二十一世紀へ向かっての技術、産学住の定住化ということをねらっておるわけでございまして、少し長い目でまた判断をしていくことが必要ではないかというふうにも考える次第でございます。
#136
○池田治君 大臣、ちょっとお尋ねしますが、大臣は岐阜県の御出身だったですね。ここはテクノポリス地域にも入っていないし、また頭脳立地法による指定にもなっていない。これはやっぱりもうからぬから、県の負担が多いから指定されていないんじゃないかと、うがった見方をすればそうとれますが、いかがでございますか。
#137
○国務大臣(武藤嘉文君) 私は県がどう考えているのかまでは承知をいたしておりませんのであれでございますが、岐阜県というところは幸い愛知県に隣接をいたしておりまして、案外民間企業それぞれ活発な経済活動をやっておりまして、例えばトヨタの自動車などは相当それぞれ自分のところで研究所を設けて国の力もかりないでどんどんやっているわけでございますし、そういう点の恩恵が割合ある企業が多いものでございますから案外独自でそれぞれ技術開発もやっておりますので、県があえてこういうものをやらなくてもやれるということで、私は、そういう計画の策定を県がしていないのではないか、こう思っております。しかし、例えば航空宇宙産業のあの辺が将来は中核となっていく可能性もございますので、そういうことになりますと、こういう制度を活用するということが私は将来においては必要になってくる場合もあり得るのではないか、こういうふうに見ておるわけでございます。
#138
○池田治君 これで安心しました。ほかの県ばかり負担を強いて自分の県だけ負担させないのかと心配しておりましたのです。
 次にお尋ねしますが、頭脳立地法では今日までに全国で十二の地域が承認を受けています。そのうち六カ所はテクノポリスの承認もあわせて受けておると今お伺いしましたが、また我が県で恐縮でございますが、今後愛媛県が頭脳立地法による承認を受けるためには県としてほどのような施策が必要で、どのような負担を負わねばならないのか、計画によっても違うと思いますけれども、概略をお教え願いたいと思います。
#139
○政府委員(岡松壯三郎君) 集積促進計画によりまして特定事業を地域に集積させることによって地域の高度化を図っていこうということになりますと、まず特定地域において地域の高度化すべき産業の特色に応じた特定事業の集積を考えなければいけないということでございまして、ちょっと回りくどく言いましたけれども、それぞれの地域に応じてどういう特定事業の企業を呼んでくるのが適当かということを判断する必要があるわけでございます。
 そのような考え方に立って県、市町村、あるいは財団法人、あるいは産業高度化施設整備法人等が研究開発、人材育成・確保、情報提供等のソフトの事業を分担して行うことが必要でございますし、また県、市町村が業務用地、道路、住宅といったような周辺環境についての整備を行うことが必要になってまいります。その際、地元自治体が新たに産業高度化施設あるいは業務用地の整備を行う場合には、その費用は自治体の負担となるわけでございますが、既存の施設、用地を活用することも認められておりますし、また先ほど来お話が出ておりますように産業高度化施設あるいは業務用地につきましては地域振興整備公団が整備する道も開かれておるわけでございまして、地元の負担が過大にならないように配慮をいたしておるところでございます。
#140
○池田治君 さきに通過しました補正予算につきましては地域産業活性化基金制度ができました。これで先端技術とかふるさとの文化とか、人的物的資源を結びつけた新事業を促進しよう、そして地域産業に尽くそうという基金をつくったということでございますが、これはまだ基金ができたばかりでございますので実績はないと思います。その過程でまた平成二年度においては地域技術波及促進事業が新規に予算に組み入れられておりますが、これらの制度はどういう機能を有して、どのような効果を期待されるのか、お伺いします。
#141
○政府委員(岡松壯三郎君) まず、平成元年度の補正予算で創設されました地域産業活性化基金でございますが、これはテクノポリスで蓄積されてまいりました有用な技術を地元の中小企業において起業化していこうということをねらいとするものでございまして、元年度の補正予算で七十億を計上していただきまして、これを全国のテクノポリス開発機構における総額百四十億の基金の創設補助に充てたものでございます。
 また、今年度からスタートすることとさせていただきました地域技術波及促進事業補助金という制度は、テクノポリスに蓄積された技術をテクノポリス以外のその周辺地域にも波及させていこうということをねらっておるわけでございまして、そのためにテクノポリス開発機構が行います技術に関する指導研修事業あるいは交流事業に対し補助を行おうというものでございます。
 これらによりまして、テクノポリスで生まれてまいりました技術を最大限に活用いたしまして、新たな地域産業の開発あるいは内発的な地域経済の活性化を図っていくということを期待しておるわけでございます。
#142
○池田治君 その期待どおりになることを私も祈っております。
 産業立地政策で問題になるのは、企業の地方への進出が通産省が考えておられるような計画どおりにはなかなか浸透しないということ、そしてまた進出しても生産技術などが必ずしも地元の中小企業へ波及していない、地元経済の活性化につながらない、こういうことがあろうかと思っております。
 そこで、進出企業と地場産業、地元産業の交流について通産省はどのような細かい政策をお持ちなのかお伺いいたします。
#143
○政府委員(岡松壯三郎君) 先生御指摘のとおり、テクノポリス地域に進出する企業、これは中堅以上の企業が多いわけでございますが、それらの企業が持っております技術をまた地元の中小企業に波及させていくということが大事な政策になるわけでございます。そのためにこのテクノポリス開発機構という場を使いまして両者の交流を図るということ、あるいはさらに地元の学者、研究者に加わっていただきまして共同研究を進めるということも図っていく、さらにまた、リサーチコアがある場合にはここの交流施設を活用して交流を図っていくというようなところを考えておるわけでございます。
 通産省といたしましては、進出企業とそれから地元にある企業との交流を通じまして、地域企業の技術の高度化あるいは新たな地域産業の展開によって内発的な地域経済の活性化が図られることを期待しておるところでございます。
#144
○池田治君 二回目に大臣にお伺いしますが、東京一極集中主義の是正とか地域の産業の活性化の助成というようなことはもう各界、各先生からいろいろな意見が言われましたので、私のような者が今さら言う必要もございません。あとは政府が実行できるものから順次実行していくことが必要だと思っております。
 そこで、頭脳立地法に関連するものだけでも農水省も関係すれば建設省も関係する、国土庁も関係するということでございますが、まだほかにございましたら、科学技術庁なども集まって、防衛関係閣僚会議というようなものと同じように、仮称、産業分散閣僚会議という名前にでもしまして、通産大臣が音頭をとって閣僚会議をして、産業の地方分散化へ旗を振るというようなことは考えられませんでしょうか。海部内閣総理大臣もこの前の予算委員会では、一極集中主義を排して首都機能を地方に移すような遷都論も真剣に考えねばならぬ、こう言っておられましたので、ひとつ閣僚中の有力な閣僚である通産大臣に一言発言をお願いします。
#145
○国務大臣(武藤嘉文君) 今御指摘のとおり、海部総理自身が遷都については前向きともとれる答弁をいたしておるわけでございますし、一昨年私どもいわゆる第四次の全国総合開発計画を策定をいたしたわけでございまして、この全国総合開発計画はとりもなおさず実は一極集中排除であり、地方の地域社会の発展を図って、いわゆる国土の均衡ある発展の中でゆとりと豊かな国民生活を実現していくとうたっておるわけでございます。実は、この所管は私どもではなくて、これは国土庁が所管しておりますので、正直、国土庁長官が中心となってこれからの地域振興を図っていかなきゃならないと思っておりますし、私どもももちろんそれに関連をいたしておりますので、そのような会議におきましては、積極的と申しますか、イニシアチブをできるだけとって努力をしていきたいと思っております。
#146
○池田治君 ちょうど時間となりました。ありがとうございました。
#147
○今泉隆雄君 この間も申し上げましたけれども、最後になりますと皆さんが全部聞いてしまうので、今度一度ぐらいは質問時間の少ない方からやらせていただけないか、これは冗談でございますけれども。
 テクノポリスは、さっきからもう何回もお聞きしていまして、二十六地域あります。現在、頭脳立地法で地域指定になっているのはまだ十二しかない。それで、国民の経済及び国土の均衡ある発展の実現ということを目指していらっしゃる今度の法律で、特に北海道、東北が全く置き去りにされて八戸一カ所しかありませんが、それはどういうお考えなのか、お伺いしたいと思います。
#148
○政府委員(岡松壯三郎君) 頭脳立地法の目的に、先生御指摘のとおり「産業の配置の適正化」ということを挙げておるわけでございまして、その計画の承認に当たっても、当然のことながら全国的な配置、バランスについて考慮しているところでございます。ただ、現在の時点で切りますと、御指摘のように、承認されている十二地域のうち北海道、東北地域は八戸のみとなっておるわけでございます。
 これは、そもそも本法のスキームが各県が計画を作成して国がこれを承認するという形をとっておりますので、各県が促進計画を策定してこの承認申請が行われなければ、国の方から能動的に計画承認を行うということが行えないわけでございます。しかしながら、私どもの把握しておりますところでは、東北、北海道地域におきましても、複数の道県におきまして現在集積促進計画の策定検討が行われているというふうに承知いたしておりまして、いずれこれらの地域からも申請が出てくるというふうに考えております。
 今後とも、御指摘の点を踏まえまして、本法の目的でございます産業配置の適正化、地域住民の福祉の向上ということを実現すべく、法の運用に遺漏なきを期してまいりたいというふうに存じます。
#149
○今泉隆雄君 先ほど吉田先生もおっしゃいましたとおり、やはり国の助言、指導というのが非常に必要だと思いますので、ぜひそれはよろしくお願いしたいと思います。
 次の質問です。
 産学住を発展させて、地域活性化をつくろうというお考えは非常にいいと思うんですが、テクノポリスの場合も言えるんですけれども、研究成果が地元企業になかなか普及しないで、地域全体の産業構造の高度化につながらないという指摘をかなり私も耳にしたんですが、同じようなことが今度の場合も起きるんじゃないかというふうに思いますが、通産省のお考え、そしてテクノポリスの成果と問題点、そういうものを含めてお答えいただけるとありがたいと思います。
#150
○政府委員(岡松壯三郎君) テクノポリス構想につきましては、法律が五十九年三月に制定されて以来二十六地域の承認を行ったわけでございます。これらの地域におきます成果といたしましては、具体的には企業立地の動向がそれ以前に比して明らかに増加をしているということが一つ。
 また、各地域におきまして研究開発機構等の整備が進められる一方、地域の産学官の共同研究事業等を通じて、地域企業による新製品、新技術の開発が進められておるわけでございまして、かなりの地域におきまして新しい技術の芽が生まれているということも私ども承知をいたしております。今後これらの技術をどのように定着させていくからということが課題であるわけでございますが、その意味でさきの元年度補正予算で認められましたところに従いまして、各テクノポリスに地域産業活性化基金というものを設けまして、この技術を産業、企業として定着させるという方向に進めてまいりたいというふうに思っておりますのが一つ。
 また、テクノポリス開発機構というものが中核的な推進母体として技術開発、人材育成の役割を果たしてきたわけでございますが、今後さらにこの機能の強化を図りまして、地域企業の技術の高度化を通じた内発的な開発の強化をしていく必要があるというふうに考えているわけでございます。
 今後のテクノポリス建設に当たりましては、やはり各地域の個性を重視していくということが大事でございますし、また地域間の連携、交流ということを図りまして、魅力ある町づくりをしていくということと、国際化という経済の動向にもマッチしたものにしていくということが大事ではないかというふうに考える次第でございます。
#151
○今泉隆雄君 ありがとうございました。
 次の質問なんですけれども、こういう話を聞きました。いろいろ通産省の方でお考えいただいているんだけれども、地方ではなかなか市場がない、東京の方が商売がやりやすい。だから結局一極集中が起きてしまうんだというような話を聞きましたが、その市場の確保、営業についてどういうふうにお考えになっているかお聞きしたいと思います。
#152
○政府委員(岡松壯三郎君) 確かに、開発されました技術を企業化していくプロセスで、市場があるということが大事であるわけでございます。その意味で、先ほど触れさせていただきました新たにできます地域産業活性化基金の中で、生まれてきた技術がどのように市場に適合するかどうかということを調査するための予算としても使えるように考えておりまして、そのような過程を通じて、市場とその技術、すなわち製品をつなぎ合わせて活力ある地域企業の育成を図っていけるように考慮しているところでございます。
#153
○今泉隆雄君 これもさっきから、人材の問題が何回か言われておりますけれども、一極集中の原因は情報が得やすいとか人材の確保が容易とか言われておりますが、この間NHKのテレビを見ておりましたらば、テクノポリスにより大学に新しく工学部ができたという、これはもちろん地方の大学でございますけれども、その大学の学生にテレビがアンケートをとっておりました。その学生たちはみんな、卒業したら東京に行きたい、卒業したら阪神地区で働きたいと言っているのをテレビでやっておりましたが、こういう傾向にあると思います。こういう人材の確保に対して、具体的にどういう対策をお考えになっていらっしゃいますか。
#154
○政府委員(岡松壯三郎君) 先生御指摘のテレビの報道は私も拝見いたしましたが、確かに地域において人材を確保していくというのが大きな課題であるわけでございます。そのためには、大学をつくる、県あるいは公立の試験所をつくっていくということもあるわけでございます。また、今回の措置で拡充されました研究開発機構の中で、さまざまな共同研究プロジェクトを実施いたしておりますが、こういうものを通じてやはり地元の人々の技術レベルを上げていくという努力が必要ではないかというふうに思います。
 また、新規の学生の確保ということも大事でございますが、一方ではやはりUターンしてくるという動きもあるわけでございまして、当該地域から他の地域、大都市へ就職している人たちに対しまして、地域に魅力のある企業が出てくれば、またそこに新しい流れも出てくるわけでございまして、そのような政策を通じ、またそういう場を提供することによって、人材の確保に向けて地域としても今後とも努力をしていくことを期待しておりますし、私どもも側面からこれを支援してまいりたいというふうに考えております。
#155
○今泉隆雄君 次の質問に移ります。
 立地公害局の報告書を読ませていただきまして、高度な産業、文化の集積、交流推進に対する国の支援策という中で、大規模な資金の集中投資というふうにも書かれておりますが、これは非常に抽象的に書かれておりますのでよくわかりませんが、絵にかいたもちじゃなくて、どのようなことをお考えになっていらっしゃるのか、具体的な数字は結構でございますけれども、お答えいただけるとありがたいのですが。
#156
○政府委員(岡松壯三郎君) さきに、産構審の九〇年代政策部会の地域振興と環境政策小委員会におきましてさまざまの議論をいたしました。その中で、どのようにしたら魅力ある地域社会の形成ができるかというのが大きな課題でございましたし、また本日御議論いただきました、東京への一極集中をどのようにして是正していくかというのも大きなテーマであったわけでございます。ここで決められておりますように、地域における産業の振興のためには県を越えて、あるいは市という領域を越えた広域的な計画をつくっていくことも必要であるし、また魅力のある町づくりを進めていく必要があるということを述べておるわけでございまして、具体的な政策につきましては、今後この答申を受けて私どもとしても煮詰めてまいりたいというふうに考えている段階でございます。
#157
○今泉隆雄君 最後の質問です。
 どちらかというと、この法律を進めるということに対しては私はそれほど反対でもないんですが、やはり問題が非常に多いんじゃないかと思っております。
 その中でもこの頭脳立地法というものは、東京的な非常に不遜な考え方があるんじゃないかという気も私はするわけですね。これは私個人の独断と偏見の思想ですけれども、やはり東京も一地方であるという考え方じゃないかと思うんですけれども、そういう中で地方は、さっき池田委員もおっしゃいましたけれども、地方に既にある同業種の方が迷惑だというふうにお考えの方もいらっしゃるんじゃないかと思うんです。これはテクノポリスも含めてなんですけれども、やはり農地が非常に少なくなるとか、それから電力が不足するからまたそこに原発がふえていくとか産業廃棄物が出るとかいろんな問題、自然環境破壊とかハイテク汚染とか、そのほかの公害問題が起きてくると思うんですが、そういうものに関してどのような対策をお考えになっていらっしゃいますか。
#158
○政府委員(岡松壯三郎君) 頭脳立地を進めるに当たりまして各県から承認計画が出てくるわけでございますが、そのガイドラインとして法第四条に基づきまして集積促進指針というものを示してございます。その中に「環境保全についての配慮」、今先生御指摘の「公害の防止、自然環境の保全、文化財の保護、産業廃棄物の適正な処理等環境の保全に十分配慮すること。」という一項が入ってございますが、この頭脳立地の承認計画をつくるに当たりましては、地元地方公共団体においてこれらの点も含めて構想をまとめていただくように指導をいたしておるところでございます。
#159
○今泉隆雄君 ありがとうございました。質問終わります。
#160
○委員長(倉田寛之君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。
#161
○市川正一君 私は、日本共産党を代表して、地域産業の高度化に寄与する特定事業の集積の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。
 反対する理由の第一は、現在でも税制、金融上の優遇措置や特定事業の移転資金、立ち上がり資金に対する産業基盤整備基金の債務保証など、大企業へのさまざまな支援措置が実施されているにもかかわらず、さらなる優遇措置を講ずるものであるからであります。
 頭脳立地法は、研究開発等ソフト部門を地方に移転して振興を図ることを目的にしたものであります。ところが、研究機関の首都圏集中は、改善されるどころか、逆に集中を強めております。
 それは、東京湾臨海部開発に見られるような首都圏における大規模プロジェクトを推進する政府の施策を転換しないまま助成措置を積み上げても、研究施設は移転しないばかりか、真の地方経済の振興につながらないことは明白であります。にもかかわらず、今回の改正は、工業再配置法ですら対象除外にしている産業集積地域である北九州市などの大都市への移転も助成対象にするなど、大企業への支援策を一層拡大しているからであります。
 その第二は、大企業に対する優遇措置の一方で、地方自治体と住民に大きな犠牲と負担を強いるものになるからであります。
 大企業の研究所などを受け入れるために自治体は、用地の確保、道路、住宅などの社会資本の整備を優先的に進めなければならず、過大な負担になっております。
 それにもかかわらず、審議でも触れた住友アルミの撤退などに見られるように、自治体が厳しい財政の中で巨額の予算を投じて支援策を必死で講じても、進出する企業の方は、条件がよければ進出するし、合わなければ進出しない。たとえ進出しても企業の都合だけで撤退あるいは生産拠点の移転も自由勝手となっております。
 結局、大企業の地域経済に対する社会的責任を明確にさせなければ真の振興にはつながらないということを指摘し、以上、反対討論を終わります。
#162
○委員長(倉田寛之君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地域産業の高度化に寄与する特定事業の集積の促進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#163
○委員長(倉田寛之君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#164
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#165
○委員長(倉田寛之君) 次に、商品取引所法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。武藤通商産業大臣。
#166
○国務大臣(武藤嘉文君) 商品取引所法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年、貿易・金融の自由化等を背景に、経済活動を行う上で、リスク回避のための手段の必要性が強く認識されるようになっており、世界的に商品先物取引の役割が重視されてきております。この法律案は、このような状況にかんがみ、委託者保護の充実を図りつつ、商品市場をめぐる内外の経済的環境の変化に対応するための措置を講ずるものであります。
 次に、法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一は、我が国商品市場の健全な発展及びその国際化を図ることであります。
 すなわち、商品取引所において指数先物取引及びオプション取引等の新たな先物取引を導入するとともに、商品市場の開設を一定期間に限って認める試験上場制度を創設し、円滑に商品市場の開設が行われることといたします。さらに、外国法人にも商品取引所の会員資格を付与することができるよう、必要な規定を整備することとしております。
 第二は、委託者保護の一層の充実を図ることであります。
 すなわち、先物取引に類似する取引をするための施設の開設を禁止して、その取引による被害の防止を図ることとするほか、委託者保護のための所要の措置を講ずることとしております。
 なお、衆議院において、商品市場における取引の受託のため風説を流布し、または偽計を用いた者などを刑罰の対象とする旨の修正がなされておりますので、申し添えます。
 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#167
○委員長(倉田寛之君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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