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1990/06/26 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 外務委員会 第11号
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1990/06/26 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 外務委員会 第11号

#1
第118回国会 外務委員会 第11号
平成二年六月二十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二十五日
    辞任         補欠選任
     鳩山威一郎君     後藤 正夫君
     山本 富雄君     井上 章平君
     稲村 稔夫君     田  英夫君
 六月二十六日
    辞任         補欠選任
     井上 章平君     岡野  裕君
     久保田真苗君     清水 澄子君
     矢田部 理君     松前 達郎君
     太田 淳夫君     黒柳  明君
    ─────────────
   委員長の異動
 六月二十六日山東昭子君委員長辞任につき、そ
 の補欠として岡野裕君を議院において委員長に
 選任した。
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山東 昭子君
    委員長         岡野  裕君
    理 事
                久世 公堯君
                宮澤  弘君
                竹村 泰子君
                松前 達郎君
                中村 鋭一君
    委 員
                井上 章平君
                大鷹 淑子君
                岡部 三郎君
                後藤 正夫君
                関口 恵造君
                原 文兵衛君
                久保田真苗君
                清水 澄子君
                田  英夫君
                堂本 暁子君
                肥田美代子君
                矢田部 理君
                太田 淳夫君
                黒柳  明君
                中西 珠子君
                立木  洋君
                猪木 寛至君
   国務大臣
       外 務 大 臣  中山 太郎君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       大島 友治君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房審議官    石田 寛人君
       科学技術庁原子
       力局長      緒方謙二郎君
       外務大臣官房審
       議官       太田  博君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        向 準一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        辻  啓明君
   説明員
       科学技術庁原子
       力局動力炉開発
       課長       佐藤 征夫君
       科学技術庁原子
       力局核燃料課長  結城 章夫君
       科学技術庁原子
       力局原子力バッ
       クエンド推進室
       長        広瀬 研吉君
       科学技術庁原子
       力安全局原子炉
       規制課長     服部 幹雄君
       科学技術庁原子
       力安全局核燃料
       規制課長     大森 勝良君
       科学技術庁原子
       力安全局保障措
       置課長      柴田 治呂君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○千九百七十二年二月二十六日に東京で署名された原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とフランス共和国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○在日韓国人の法的地位と待遇の安定に関する請願(第二三九号)
○「子どもの権利条約」の批准に関する請願(第一八七〇号外二件)
○継続調査要求に関する件
○理事の辞任及び補欠選任の件
    ─────────────
#2
○委員長(山東昭子君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十五日、稲村稔夫君、鳩山威一郎君、山本富雄君が委員を辞任され、その補欠として田英夫君、後藤正夫君、井上章平君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山東昭子君) 千九百七十二年二月二十六日に東京で署名された原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とフランス共和国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○竹村泰子君 日仏原子力協定について質問をさせていただきたいと思います。
 プルトニウムは極めて毒性が強く、核兵器にも使えるため重大な危険性を持っております。プルトニウムは現行の基準によっても、人はたったの四千万分の一グラム、つまり目にも見えないような一つの微粉すら取り込んではならないという、発がん作用も非常に強い猛毒物質であります。このような物質の大量生産と大量使用に依拠するような社会にしてしまってはならないと思うのですけれども、プルトニウムについては軍事利用も平和利用も今や世界的に否定される時代になっているのではないかと思います。
 日本の原子力委員会は、増殖炉「常陽」と「もんじゅ」のための核燃料製造に伴い一九九二年には国内のプルトニウムの在庫が底をつき、その結果九二年秋までにプルトニウムの輸送が必要であると、最近日本原子力産業会議も同様な結論を出したというふうに伝え聞いておりますが、果たしてそうなのでしょうか。
 先日、来日いたしましたアメリカの核管理研究所のポール・レーベンサール所長は、もし日本が熱中性子炉のための混合酸化物燃料(MOX)の大規模な商業用開発を続けないならば、ヨーロッパからプルトニウムをこれ以上輸送しなくても大量に国内で余剰が生じるだろうと言っております。日本もまた、世界の教訓に学んで、プルトニウムの大量精製と使用の計画を思いとどまるべきだし、今決断しさえすれば間に合うというふうに指摘をしておられます。外務大臣、科技庁長官、このことをどのように認識しておられますでしょうか。――大臣に聞いております。大臣にお聞き
しております。
#5
○政府委員(石田寛人君) それに先駆けまして一言申し上げます。
 先生おっしゃいました日本原子力産業会議がプルトニウムの使用につきまして否定的な見解を出したということにつきましては、私ども聞いていないところでございます。
 それから、プルトニウムの危険性でございますが、もちろんプルトニウムは十二分に心して扱うべき物質であると認識しておりますが、そういたしますならば、確実に我々の貴重なエネルギー源として使用可能なそういうエネルギー源であろうかと思っておるところでございます。
 それから、ポール・レーベンサールの見解でございますが、これにつきましては確かにそういうようなことも言っておられるようでございますけれども、私どもといたしましては、高速増殖炉「常陽」、「もんじゅ」に使うのみならず、新型転換炉にも使っていく、それから全体プルトニウム利用の技術体系を確立していく、そういうことでその利用の展開を進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
#6
○国務大臣(大島友治君) ただいまの御質問に対しましては、使用済み燃料を再処理して回収されるプルトニウムは貴重なエネルギー資源でありまして、我が国としてはこれを積極的に利用するということが方針になっていることは御承知だろうと思うのでございます。この方針に従いまして、動燃事業団はプルトニウム利用にかかわる技術開発を積極的に進めているところでございます。動燃事業団では、現在運転中の高速実験炉「常陽」及び新型転換炉の原型炉の「ふげん」でプルトニウムを使っておりまして、さらに現在建設中の高速増殖炉の原型炉「もんじゅ」の運転のためのプルトニウムを必要としておるのでございます。
 これらに必要なプルトニウムにつきましては、動燃事業団が現在保有しているプルトニウムと東海再処理工場で今後回収されるプルトニウムをそれに充てることとなるのでございますが、東海再処理工場が今後予定どおりに操業した場合においても、国内のプルトニウムに不足が生ずることは避けることができないという私どもの見通しになっておるわけでございます。こういうために一九九二年秋ごろまでにはプルトニウムの返還輸送を実施することが必要である、こう考えて現在実施しておるのでございます。
#7
○竹村泰子君 外務大臣、いかがですか。
#8
○国務大臣(中山太郎君) 今科学技術庁長官が御答弁されたとおりでございます。
#9
○竹村泰子君 そういうことをお聞きしているんではなくて、私が今お聞きいたしましたのは、プルトニウムはもう軍事利用も平和利用も世界的には否定される時代になっている。それを無視してというか、見ないようにして日本も世界の教訓に学んでプルトニウムの大量精製と使用の計画を思いとどまるべきではないか。その世界の情勢を見て見ぬふりをして暴走をしているような感じがしてならない。これから後私いろいろと申し上げますけれども、プルトニウムが必要なエネルギー源だと大島長官はおっしゃいましたけれども、それが必要だと思っている人が国民の果たしてどれだけいるでしょうか。国民はむしろプルトニウムが必要だということよりも、プルトニウムと聞いたら、やめてほしい、何とか思いとどまってほしい、こう思う人の方がずっと多いのではないでしょうか。そういった状況について、私は長官と外務大臣の御所見をお伺いしたわけでございますけれども、外務大臣、御感想を一言お願い申し上げます。
#10
○国務大臣(中山太郎君) どのような核燃料を利用するかということにつきましては、これは法律に基づいて国会で承認された原子力委員で構成する原子力委員会で日本の原子力政策を議論して決定をしているということでございまして、私は原子力委員会の判断というものを尊重いたしたいというふうに考えております。
#11
○竹村泰子君 レーベンサール所長はまた、ウランの価格が少なくとも五倍にならない限り、プルトニウムの平和利用は成り立ち得ないと指摘をしています。一体、日本政府はウラン価格が五倍以上にもなる事態を予想しておられるのでしょうか、明確に答えていただかねばなりません。
 同僚の三上隆雄委員の求めによって先日国から提出されました資料によっても、プルトニウムを使用する原発は発電コストが非常に高くなる、このことは明らかであります。フランスのスーパーフェニックスIは百二十万キロワットという大型炉でありながら、発電コストは軽水炉の二・五倍にもなっているではありませんか。だからこそスーパーフェニックスIIの建設計画を中止せざるを得なくなったのではありませんか。これらのことについてどうお考えになりますか。建設中の日本の「もんじゅ」も、同様に推定発電コストは軽水炉の三倍以上にも見積もられているではありませんか。経済性のあり得ないこと、これは火を見るよりも明らかではありませんか。いかがですか。
#12
○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。
 先生御承知のように、原子力発電所と申しますか、原子炉の開発は実験炉から原型炉、それから実証炉を経まして実用炉と、そういう段階を踏みますこと御承知のとおりでございます。現在プルトニウムを利用しておる原子炉、今ほど先生がお挙げになりました各種の原子炉はいずれも原型炉または実証炉の段階にあるものでございまして、したがいまして、もちろん基数もそれ一基あるいは類似のものはそれより小さいものがあるだけという、そういう状態下にあることは御承知のとおりでございます。そういう原型炉あるいは実証炉であるということ、すなわちごく大ざっぱに申しますと、研究開発段階にある原子炉、そう申し上げてよろしいかと思います。そういう性格を持っておる関係上、実用化いたしております軽水炉の発電コストそのものを比較すれば、研究開発段階にある分だけコストが高いことにつきましてはやむを得ないことと御了解いただけるものと思うわけでございます。
#13
○竹村泰子君 実験研究用の炉だから、あるいは小型の炉だから割高になる、実用炉はずっと割安になるはずだという、こういう気休めはこれについては成り立ちません。スーパーフェニックスIがそうでありましたように、危険性の余りにも大きい高速増殖炉は大型化することによって新たに困難な問題が生まれるため、割安になるどころかかえって割高になってしまうおそれすらあるからです。
 「もんじゅ」の建設費も当初の見込みよりはどうですか、高くなっているのではありませんか。この計画が登場したときの当初の予算では建設費は幾らと想定されていましたか。現在では全体の建設費は幾らになる見込みですか。
#14
○説明員(佐藤征夫君) 動燃事業団で建設を進めております高速増殖炉「もんじゅ」の総建設費は、昭和五十九年度予算におきまして建設費を初めて計上しました時点で総額約四千億円と見込まれておりました。しかし、その後、着工までのスケジュールのおくれによるエスカレーション、それから環境審査に基づく炉心位置の移動等の変更及び安全審査指針、基準類の改正に伴う設計変更等の要因により、現時点におきましては建設費は総額約六千億円と見積もられております。
#15
○竹村泰子君 そうですよね、二千億円もオーバーをしているわけです。
 それから、青森県大間町に建設予定の実証炉、これは一九九九年運転予定の新型転換炉ですね。これが低濃縮ウランで運転されるのであれば日本はプルトニウムの相当な過剰を抱えることになると思いますが、いかがですか。既に日本に運ばれてきているプルトニウムはどのくらいの量ですか。
#16
○説明員(結城章夫君) まず、最後の点からお答え申し上げますと、これまでに日本に輸送されておりますプルトニウムは合計一・三トンになっております。
 それから大間のATRでございますが、これはプルトニウムを使う前提の炉でございまして、私どもとしてはプルトニウムを燃料として使いたいと思っておりますが、仮に大間のATRでプルトニウムを使わないといたしましても、動燃事業団
は三つの原子炉を持っております。つまり運転中の「ふげん」と「常陽」及びただいま御説明のありました建設中の「もんじゅ」でございますが、この三つの炉で必要といたしますプルトニウムは平均的に申し上げまして年間〇・七トンほどになります。これに対しまして国内で生産できますプルトニウムは、東海の再処理工場の運転から見まして、平均的に申し上げまして年間〇・四トンでございます。ということで、国内の三つの炉と東海村の再処理工場ではプルトニウムの自給が足りないわけでございまして、平均的に年間〇・三トンずつの不足が生ずるということでございまして、プルトニウムが余るという事態はあり得ないというふうに考えております。
#17
○竹村泰子君 既に運ばれてきたプルトニウムは一・三トンとおっしゃいましたよね。これはこれまで七〇年、七二年、七三年、航空輸送された分、海上輸送された分、それから日米原子力協定対象分、購入プルトニウム、全部合わせて一・三トンですか。
#18
○説明員(結城章夫君) 一・三トンと申しますのは、我が国の使用済み燃料を再処理して回収されたプルトニウムを持ち帰った分が八百五十キロでございまして、このほかに外国から新たに買い入れたものが四百八十キロございます。これを合わせて千三百三十キログラム、約一・三トンというふうになっております。
#19
○竹村泰子君 今私たちは、日仏原子力協定でプルトニウムの輸送ということが改めてもう一度ここで大きく取り上げられて、プルトニウムのような危険なものを空にしろ海にしろ運んで、もちろん日本が再処理に出しているものだけれども、しかし、それだからといって国民の合意を得ないで運んできていいのだろうかということで、改めてまたプルトニウムの輸送のことを考えさせられているわけだと思いますけれども、もう既に一・三トン分もが空輸及び海上でプルトニウムは日本に運ばれてきているわけです。こういうことを日本の国民はよほどよく気をつけて新聞を見ていないと、一々きょうプルトニウムが何キロ着港いたしました、入港いたしましたとか、そういうことは出ないわけですからわからないんです。ですけれども、このようにして私たちの頭上を、あるいは海上を危険なプルトニウムが走っているという事実、これは大変なことであると思いますが、この原子力協定が結ばれれば、これはもっと大量に運ばれてくる。一回一トンぐらいの予定ですね、運ばれてくるわけです。
 そのプルトニウムの過剰の問題でもう少しお伺いしたいと思うんですけれども、フランスはまた過剰なプルトニウムの増殖が事実上発生しないようにスーパーフェニックス増殖炉を改良すると発表するとともに、熱中性子炉におけるプルトニウムの効率的な使用が困難にぶつかっていると公表しています。また、西ドイツはバッカースドルフの再処理計画を破棄し、カルカールの実証用増殖炉の運転を無期限に延期してしまいました。そして、西ドイツはフランスとの再処理計画の中に、不可抗力による契約履行免除規定条項というのを設けているわけです。もしドイツの国家政策が使用済み燃料の再処理から長期貯蔵へと、つまり要らなくなったときには契約破棄が認められております。このようなことが起こり得る可能性を見込んでいるわけです。リスクとかコストとかいろいろなことから考えてこういうことは起こり得ることなのではないですか。日本では、もしもこのプルトニウムが必要でなくなった、あるいは再処理の国内処理が必要でなくなった、こういうことは考えているんでしょうか。
#20
○説明員(結城章夫君) ただいまの西ドイツと英仏との再処理契約の件でございますが、科学技術庁といたしましては、外国の間の契約でございますから、その契約条件等を知り得る立場にはございませんので、その内容については承知いたしておりません。
 なお、我が国の電力会社が英仏の再処理会社と契約を結んでおりますけれども、この契約の中では政策変更による解除条項があるというふうには聞いておりません。
#21
○竹村泰子君 専門官であるあなたが、西ドイツやフランスのこういった状況、これは新聞に出ていることですよ、それを知りませんというふうに言えるんですか。すごい情報収集能力の不足だと申し上げなければならないと思いますが、知りませんと言えるんですか。
#22
○説明員(結城章夫君) 報道等におきましてそういうことが報ぜられたのは承知しております。ただ、私どもはそれを確認する手段がないということで、その内容を承知しておらないというふうに申し上げた次第でございます。
#23
○竹村泰子君 これはきのうきょう新聞に出たんじゃないですよ。ずっと報道されています。それを確認する暇がないんですか。お仕事をする意思がおありになるんですか。大変失礼な言い方ですが。
#24
○説明員(結城章夫君) 外国の会社同士の契約でございますから、その契約の内容を問いただすといいますか、そういうことは適当でないと考えておりまして、新聞報道等でそういうことが述べられておるのは知っておりますけれども、それ以上の調査はしておりませんでした。
#25
○竹村泰子君 私、そういうことをお聞きしているんじゃないんです。フランスがスーパーフェニックスの増殖炉を改良すると発表する、また西ドイツはバッカースドルフの再処理計画を破棄した、カルカールの実証用増殖炉の運転を無期限に延期してしまった、こういうこと全部これ新聞に小さくですけれども載っておりました。そして西ドイツは、今私がお聞きしたのは、再処理計画がドイツの国内で必要なくなったときには、契約履行免除規定条項というのを設けていて、再処理から長期貯蔵へと変換をする、契約破棄が認められているということですね。これはもちろん今の結城さん、あなたのおっしゃり方によると、フランスと西ドイツの間のことでございます、あるいはイギリスとの間のことでございますとおっしゃるのかもしれないけれども、専門官でいらっしゃる、あるいは専門の省庁である科技庁がこういうことを知らないで、新聞に堂々と出ていて一般の人が知っていることを知りませんでした、チェックもいたしませんでしたということで済むんですか。どうなんでしょう。
#26
○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。
 重ね重ね核燃料課長が申し上げておりますように、報道としては認識はしておったところでございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたように、西ドイツとそれからイギリス、フランスの間の契約でございますので、その契約内容について直接確かめる手段がなかったということを申し上げておったところでございます。
 なお、先ほど先生が御質問になりましたフランスの実証炉スーパーフェニックスの増殖に関することでございますが、これは先ほど御質問になりましたように、現在増殖比は一・二〇でございますけれども、それを一・〇に引き下げるという、そういう計画を持っておるようでございます。ただ、これはスーパーフェニックスを担当いたしておりますNERSAというジョイントの会社でございますが、によりますと、現段階ではプルトニウムの備蓄量が十分であって、純粋に経済的な理由のためであるということを承っておるところでございまして、将来における増殖の可能性を放棄したわけではないということを私ども聞いておるところでございます。
#27
○竹村泰子君 ここで押し問答しても仕方がありませんけれども、私がもしも科技庁のお役人だとすると、西ドイツとフランスとの再処理計画の中に不可抗力による契約破棄の条項があるのではないかというようなことが伝わってきたら、すぐにああそうですかと聞いてみると思うんですよね。もうこの日仏原子力協定が国会の中で審議されるようになってから一カ月以上たっています。そしてこのことがきょうあることはもうずっとわかっていたわけでしょう。皆さんは一生懸命この日仏原子力協定のために苦労してこられたわけですから、そういうことはやっぱりきちんと情報は情報
で、新聞には出ておりましたけれども、私どもは知りませんなんて、そんな無責任なこと言わないでいただきたいと思うんですよね。どうですか。
#28
○説明員(結城章夫君) 西ドイツのバッカースドルフの再処理工場の建設が昨年中止になったことは、私ども大変関心を持って調べておりまして、ただ、この背景といたしましては、今後のEC統合等がございまして、主に経済的な理由でやめたものであるというふうに私どもは理解しております。それでドイツ自体もフランス、イギリスに再処理を委託するという方針を変えておらない。つまり委託して再処理を行うという方針は変えておらないというふうに理解いたしております。
 ただいまの契約の内容につきましては、相手国の民間同士の話でございますから、どの程度調べられるかはやってみないとわかりませんけれども、可能な範囲でこれから調べてみたいと思います。
#29
○竹村泰子君 お願いします。
 バッカースドルフの工場が経済的な理由で中止をしたと今おっしゃいましたね。その経済的理由というのは、再処理コストが採算に合わなくなったということなんでしょう。それをお認めになったわけですね。
 アメリカとスウェーデンもそれぞれ商業的なプルトニウムの回収計画と増殖炉計画を破棄しています。フランスでは現在軽水炉におけるプルトニウムの商業的規模でのリサイクル、つまりプルサーマルが増殖炉計画の深刻なとんざによって生じたプルトニウム余剰の増大を活用する手段として使われていると思います。
 もし日本の増殖炉計画が実験炉「常陽」や原型炉「もんじゅ」の運転だけに限られれば、ヨーロッパから既に輸送してきた一トン余のプルトニウムと東海村の再処理工場からの生産量だけで十分でしょう。もし日本が増殖炉の計画をもっと先に延期してヨーロッパの、またアメリカやスウェーデンの教訓に倣うならば、青森県六ケ所村での商業規模の再処理工場の建設を進める必要は全くなくなります。そうではありませんか。一体なぜこんなものを莫大な費用をかけて運んでくる必要があるのか、はっきりとお答えいただきたい。長官、いかがですか。長官、お答えください。
#30
○政府委員(緒方謙二郎君) 先ほど先生、西ドイツのバッカースドルフの再処理工場中止の理由は、再処理をするコストが非常に高いので西ドイツとしてあきらめたのであろう、こういう御意見をお述べになりましたが、私どもはそうは思っておりませんで、再処理工場を西ドイツの国内につくるのと、フランスにある再処理工場に委託して再処理させるのとどちらが経済的かという比較をした結果、自国の中に建設するよりはフランスに委託をして再処理させた方が安い、こういう判断を西ドイツがいたしまして、その結果、自国内での再処理工場の建設はやめた、こういうことだと思っております。
 したがいまして、先ほど審議官も答弁しましたように、西ドイツ政府としては、西ドイツ国内で使用した使用済みの核燃料を再処理するという方針は変えておりません。国内でやらずに外国でやるという方針を決めたわけでございます。日本に置きかえれば、六ケ所村で、今外国に委託をしておりますのを国内で工場をつくるわけでありますが、そこのところの判断に影響してくるところかと思いますが、日本の場合には日本の国内で建設をするという判断をしている、政策決定をしているわけでございます。
#31
○竹村泰子君 緒方原子力局長、あなた今おかしな答弁していらっしゃるんですよ。バッカースドルフは要らなくなったんですね。フランスで再処理させる方が安上がりだと思ったからそうしたんですね。それじゃ、六ケ所村もそう考えて、フランスで再処理させればいいんじゃないですか。
#32
○政府委員(緒方謙二郎君) フランスと西ドイツの関係と、日本とフランスあるいはイギリスの関係を考えますときに、これはもう言うまでもないことでありますが、フランス、ドイツというのは同じECのメンバーでございますし、そのECが一九九二年には完全に統合されるという状況にあります。また、地理的にも陸続きの隣国でございます。そういうものと日本と遠く離れたフランスあるいはイギリスというものの関係というものを比較をしていただきますと、そこに政策の差があるのは当然のことではないかというふうに思います。
#33
○竹村泰子君 全然理屈に合わないですよ、それは。フランスとドイツは非常に近いから、ECの仲間だから、同盟国だから、いろんな理屈でそれはお互いに再処理し合えばいい。じゃ、日本は東洋の島国で遠く離れているから、そしたら日本の場合は政策が全く別でございますというのですか。それだけプルトニウムを遠くまで運んでこなきゃならないんですよ、莫大な費用をかけて。近いとすぐ行くわけですよ。全く反対のこと言っていらっしゃるんじゃないですか、それは。
#34
○政府委員(緒方謙二郎君) 今まさに先生お述べになりましたように、距離が近いので運ぶのも簡単なわけでございますね。日本とヨーロッパの場合には、先ほど来ずっと危険性を御指摘いただいておりますが、私どもその危険がないように十分配慮して輸送するつもりでおりますけれども、やはり遠く海路あるいは空路で運ぶことについていろいろ、それよりは国内でやった方が総合的な面で安全性、いろんな意味でのセキュリティーが高いということで、日本の国内で再処理するという方針を決めているわけでございます。
#35
○竹村泰子君 よくわからないですね。先日、矢田部委員の質問に対して大島長官は、空輸の計画も消えてしまったわけではないとお答えになりましたね。アメリカのマコウスキー上院議員が提案した法案で、空輸用のキャスクの実験が成功しなかったため、空輸をあきらめて海上輸送に変更されたわけですよね。一、二年に一回一トン、合計三十トンのプルトニウムを運ぶための海上輸送コストは一体幾らの計算なのか。私たちの再三の資料請求にもこれはまだお答えいただいておりません、一体幾らかけて運んでくるんですかということ。二百億円をかけて護衛船を建造するということですが、輸送船はどうするんですか。その予算も方策も全然お聞きをしておりません。
 しかし、既に十二億円の予算をかけて空輸のための調査準備をしたわけですね。この上一体どれだけの税金を使うつもりですか。一トンのプルトニウムを運ぶのにどれぐらいの費用がかかるのか国民に明らかにできないで空輸だ海上だと、やれああだこうだと両てんびんかけて一体どういうつもりですか。国民を愚弄するのもいいかげんにしていただきたい。強い怒りを持って私は今お尋ねをいたします。
#36
○説明員(結城章夫君) 一九九二年に行いますプルトニウムの海上輸送の費用でございますけれども、これから動燃事業団が具体的な輸送計画を詰めてまいるわけでございます。具体的にどういう輸送船を使うか、それからその輸送船を核物質防護のためにいろいろ改造を要するわけですけれども、どういう改造を行うか、さらにはその輸送ルートがどういうふうになるかといった点、具体的な点がまだ決まっておりませんので、現段階におきまして次回の輸送にかかる費用を算出することは非常に困難であるということをぜひ御理解いただきたいと思います。
 なお、御参考に一九八四年に動燃が行いました輸送、これはフランスから大西洋を通りましてパナマ運河経由、太平洋、日本というルートをとったわけですけれども、この輸送費用は合計五億円かかつております。
#37
○竹村泰子君 これまで航空輸送されましたね、海上輸送もされましたね、一・三トン分。それはどんな形で行われたんですか。
#38
○説明員(結城章夫君) これまでの輸送でございますが、一九七〇年から始まっておりまして、最後は一九八四年までかかっております。一九七五年以前は大体航空輸送を行っておりました。その後は海上輸送でございます。
#39
○竹村泰子君 そういうことを聞いているんじゃないですよ。どういうふうな形でどうやって護衛
して、容器とか、どういうふうにして国民の合意も得ずしてひそかにと言っちゃしかられるかもしれないけれども、お運びになったんですか。
#40
○説明員(結城章夫君) ただいま申し上げました過去の輸送の一番最後の輸送、一九八四年に行いました輸送は動燃がフランスから運んだものでございまして、これは晴新丸という貨物船を使いまして運んでおります。それ以前のものは外国の事業者がやっておりまして、これは受取手は主に動燃でございますが、動燃が外国の事業者に運んでいただいて日本の港なりで受け取ったということになっております。
#41
○竹村泰子君 容器とか詳しいもっと具体的な運び方を教えていただきたいんです。
#42
○説明員(結城章夫君) それでは、一九八四年のフランスから持ってまいりましたプルトニウムの海上輸送の状況を御説明申し上げます。
 このときは動燃事業団が日本の電力会社、これは関西電力ですけれども、フランスのCOGEMA社で再処理をして回収されたプルトニウムを関西電力から買い取りまして、量といたしましては百九十キログラムでございます。これを晴新丸という一万四千トンの船で運んだわけでございます。これは専用輸送船ということで、それ以外の荷物は運んでおりません。これだけのために運んだわけでございます。
 一九八四年の十月五日にフランスを出港し、先ほども申し上げましたが、大西洋を通り、パナマ運河を経由して太平洋を通って東京港に到着いたしております。東京港から同日直ちに東海村の動燃の事業所に運び、これは陸上で運び込まれておるということでございます。
 それで、この際の核物質防護措置でございますけれども、当時の国際的な基準がございまして、これはIAEAの勧告などでございますが、それに基づきまして動燃事業団は必要な核物質の防護措置をとっております。
 これは具体的に少し申し上げますと、例えば輸送船の一部を特別に改造する、これはクレーンの能力を除去するとか、追加の無線設備を設置するといったことを行いました。それから、輸送船はフランスから日本まで、途中パナマ運河を通っておりますけれども、全く無寄港で航行いたしております。さらに輸送船との通信連絡等の体制を整備し、輸送船の位置や状況を常時把握できるようにいたしました。さらに輸送船の警備、点検のために、核燃料物質の取り扱いや核物質防護といったことの専門家を警備員として乗船させております。さらに科学技術庁は海上保安庁に対しまして、この輸送船への海上保安官の警乗等について協力を要請しておりまして、海上保安庁の方では四名の海上保安官をこの輸送船にフランスから日本まで警乗させていただきましたし、我が国の近海及び東京湾内では巡視船を配備していただいて所要の警戒に当たっていただいた次第でございます。
#43
○竹村泰子君 護衛船はなしですね。
#44
○説明員(結城章夫君) 日本はこのための護衛船を派遣いたしておりません。
#45
○竹村泰子君 そのときの費用がさっき幾らとおっしゃいましたか、コストは。
#46
○説明員(結城章夫君) この輸送に動燃が使いました経費がトータルで五億円でございます。
#47
○竹村泰子君 今度はもっと数量が多いわけですね、今度運ぼうとしていらっしゃるのは一トンですから、おおよそ。そうしますと、大体その五億円から考えてどのぐらいのコストになるとお思いになりますか。
#48
○説明員(結城章夫君) プルトニウムの輸送量がふえますと、例えば輸送容器はそれに応じてたくさん手配しなければいけませんが、輸送船は十分な能力がございますので、プルトニウムの量が五倍になったからといって費用が五倍になるというものではないというふうに考えております。
#49
○竹村泰子君 それはそうでしょうけれどもね。ですけれども、私たちの資料要求に対して何もお答えをいただけないというわけでして、二年後ですよ、二年後と見越しておられるんでしょう。私たちはもう二年後でも三年後でも十年後でも運ばれない方がもっといいわけですけれども、二年後と見越しておられるのにいまだに輸送船どうするか、巡視船は二百億円かけておつくりになるということですけれども、そのぐらいしか数字としては出てきていないんですね。これで国会でこれを通せと言われても本当は無理な話なんです。このぐらいかかりますが、いかがでございましょうかと言ってくださるのが普通じゃないでしょうか。これはできるだけ早く見積もっていただきたいと思います。
#50
○政府委員(石田寛人君) 三上先生から資料要求がありまして、私ども一生懸命に輸送費用等検討したわけでございます。ただ、今核燃料課長が申しましたように、まだ一体いかなる船でどういう格好の改造をするか決まっておりませんので、実際具体的な輸送費用を申し上げられないことは御了解賜れると思います。
 それで、前回晴新丸で運んだときのコストを御参考までに申し上げて、ただこのコストとの相関関係につきましては、今ほど核燃料課長が申しましたように、なかなか難しいところがございます。ただ、私ども知り得る範囲におきまして申し上げたということにつきましては御了解賜りたいと存じます。
#51
○竹村泰子君 では、次の質問に移ります。
 「もんじゅ」の発電コストは、軽水炉の三倍にとどまらなくなる可能性が大きいはずです。しかも大型化すればもっと高くなる可能性すら大きい。この恐るべき危険性を持った増殖炉において、経済性を成り立たせるために安全性を犠牲にする形をとっても無理やり大型原発の建設に猪突猛進しようというのですか。スリーマイルアイランド原発も、チェルノブイリ原発も、福島第二原発三号機もすべて百万キロワット級ですね。軽水炉や黒鉛炉どころではない、危険性のはるかに大きな高速増殖炉で将来は大型の実証炉や営業炉をつくることを想定するなどということは、ちょっと常軌を逸しておりませんか。
#52
○説明員(服部幹雄君) お答え申し上げます。
 先生御承知のように、FBRは軽水炉と比較いたしまして基本的に中性子を、そして熱中性子のかわりに高速中性子を使用してございます。さらに冷却材として水のかわりにナトリウムを使用すること、さらに燃料としてウランのかわりに主としてプルトニウムを使用すること、さらにプルトニウムを使った燃料は出力密度及び燃焼度を高くできることなど、軽水炉と異なる点を幾つか有してございます。
 このような特徴を有します高速増殖炉につきましても、これは他の軽水炉を初めといたします原子炉施設と同様、いわゆる多重防護の考え方、すなわち異常の発生を未然に防止することはもちろんのこと、仮に異常が起こりましてもその異常が事故にまで拡大しないこと、さらに周辺公衆に放射線障害を及ぼさないようにすることというような十分な事故防止対策を講じるという多重防護の考え方によって安全確保が図られることになろうかと考えてございます。
 これらの安全確保を図るために、施設の設計、建設、運転という各段階におきまして原子炉等規制法に基づく審査、検査等を実施いたしまして……
#53
○竹村泰子君 わかりました、わかりました。そういう御説明聞いてももう仕方ありませんから。
#54
○説明員(服部幹雄君) 以上のような施策を講じてまいりたいと考えてございます。
#55
○竹村泰子君 スリーマイルもチェルノブイリも福島も事故が起ころうと思って起こったわけじゃないですよね。みんな多重防護していたでしょう。安全チェックを随分やっていたでしょう。でも事故というのは起こり得るんです。人間のやることですから起こるんですよ。だから、絶対ということはあり得ないんですよね。
 この六ケ所村の再処理工場の建設予定地は、すぐ近くの陸地や海底はおろか主要施設の直下にも大きな活断層が横たわっております。時として大地震が発生しているところです。地盤も決して強
固なところではありません。地盤も脆弱なところだし、弾性波速度の小さい、比較的やわらかくて脆弱な堆積岩の地帯でございます。上空は三沢基地の米軍航空機が演習のため頻繁に飛び交い、時々墜落したり模擬爆弾を落としたりする特別管制区下にあるんです。この種の再処理工場があるところといえば、フランスのラ・アーグとイギリスのセラフィールドしかありませんけれども、一体そこには活断層はあるんでしょうか。大地震が発生したことがあるんでしょうか。空軍や海軍航空機の演習場があるでしょうか。この点についても明確に答えていただきたいと思います。科技庁長官。
#56
○説明員(大森勝良君) ラ・アーグ及びセラフィールド再処理施設周辺におきまして活断層並びに軍事施設の状況がいかがであるかということについて詳細には承知しておりませんけれども、外国の状況と我が国の安全審査をいかにやるかということの関係について申し上げたいと思います。
 六ケ所再処理施設の安全審査に際しましては、我が国において最初の商業用再処理施設であるということから、広く海外の再処理施設におきます安全規制の状況等を参照して審査を慎重に行うという観点から、規制情報に関します交換等を行いまして英仏の審査関係の情報も入手に努めているところでございます。
 軍事基地及び活断層という御指摘でございますが、まず軍事基地という観点からいたしますと、これは航空機が施設に仮に事故を起こしたような場合にどのような問題があるかといった問題だというふうに考えておりますけれども、こうしたことにつきまして、英仏の状況についてはその審査におきましてどのような考え方をとっているかということを参照し、我が国におきましてもそうした航空機等の事故、飛来物によっても安全確保上支障がないことを確認するというふうにしております。
 活断層についての御指摘でございますが、これにつきましては航空機の問題と多少状況が違っております。地質、地盤につきましては地球上でかなりの差異がございまして、日本列島とそれからヨーロッパの大陸とでは条件がかなり異なっており、これは残念ながら参考にはならないという状況でございまして、我が国は原子力発電所と同じように、活断層等そこで非常に活動性の高い断層につきましては、それが地震の発生原因になるかもしれない、そういう場合であっても、耐震設計でもって耐えられるようにしなければいけないという考え方に立ちまして、厳しい耐震性を要求するという考え方で対処しております。
 いずれにつきましても、原子力施設の安全審査ということでございますが、各国の状況、それぞれの中でそれぞれの国民の安全確保を図るという観点で実施しております。
 以上でございます。
#57
○竹村泰子君 ちょっと待ってください。そんな説明を私くどくどとお聞きしている時間はないんですよね。もちろん地球のどこもみんな同じ条件であるなんて考えていませんから、そんなことを教えていただかなくてもわかっていますよ。ただ、セラフィールドやラ・アーグに活断層は通っていると思いますか、海軍航空機や空軍の演習場がありますか、地震国ですか、そういうふうに私が問うた場合に何とお答えになりますかというのを科技庁長官に私はお聞きしているんですよ。何もそんな、課長にくどくどと説明を聞くことはありませんので、長官お答えください。どうお思いになりますか、こういう日本の状況を。
#58
○国務大臣(大島友治君) 委員の六ケ所村に関する各種の問題についての御指摘をいただいておることは、もう本日ばかりでなく、かねてより地元においてそうした問題点のあることは十分踏まえておりまして、私もそのつもりで今日までやってきているわけでございますが、さりとてこの問題について委員の言われるように直ちにこれをやめるとかストップするとかということは、私の立場でそれは明言することはまだ絶対に私としてはできない事情にあるわけでございます。
 そこで、今御心配になっている問題につきましては、私もいろいろ検討させたりまた検討しまして、そして安全性ということにつきましては、法律にもちろん十分基づいて、そして慎重な安全審査を実施して、そして安全委員会のダブルチェックを受けた上でこの事業を実施していくというふうに、私は絶対安全性ということの前提においてこれを進めていきたいと、こう考えております。
#59
○竹村泰子君 大島長官、あなたは六ケ所村へいらっしゃいましたよね。そのようなお話を地元でお聞きになりませんでしたか。それから、あなたにはお孫さんがいらっしゃると思いますけれども、子々孫々にまで責任をとれますか。プルトニウムを私がこうやって運んできたんだよ、そのおかげでこんな事故が起きて日本はこんなに全滅をしそうになったんだよという事故が起きた場合、どうなさいますか。
#60
○国務大臣(大島友治君) 私ただいま申し上げましたけれども、確かに六ケ所村に行ってまいりましたけれども、必ずしも一方的なお話ばかりでなく、両面からのお話も承ってまいりましたことは事実でございます。
#61
○竹村泰子君 だから、活断層が走っているとか、空軍基地があるとか、爆撃機がいつも上空を飛び交っているとか、そういうことはお聞きになりましたね。
#62
○国務大臣(大島友治君) そういう問題もお聞きしましたけれども、それに対してはかくかくの措置をとっていくんだという話もまた聞いておりますから。
#63
○竹村泰子君 あなたは今、科技庁長官という、私が言及できることではありませんとおっしゃったけれども、あなたは責任者でいらっしゃるんです、最高の。あなたがやめようと思えば……、あなたでなきゃできないこともあるんです。そうお思いになりませんか。
#64
○国務大臣(大島友治君) 現段階におきまして私がその断定を下す立場に私の心境はなっておらないことだけは申し上げておきます。
#65
○竹村泰子君 有害無益な再処理などは一日も早くやめるべきだと私は思いますけれども、東海再処理工場でできてしまった高レベル廃棄物については、外になど持ち出すのではなく、その敷地内にきちんと保管すべきです。フランスのマルクールでも示されているように、そのために必要な面積はさほどではなく、東海村の敷地で十分間に合うのではありませんか。一体、高レベル廃棄物のガラス固化体の冷却を待つ一時貯蔵を自国の再処理施設から遠く離れた場所に求め、できたばかりの余りにもホットなガラス固化体をわざわざ国内の遠方の地に運ぶなどという例が世界のどこにあるでしょうか。あるなら具体的に示していただきたい。
#66
○説明員(広瀬研吉君) お答え申し上げます。
 我が国と同様に使用済み燃料を海外に再処理を委託しております国といたしましては、西ドイツ、スイス、オランダ、イタリア及びベルギーがあるわけでございますが、英仏の再処理事業者は、基本的には再処理によって生じた高レベル放射性廃棄物のガラス固化体につきましては、我が国に対すると同様に、これらの国々に返還することになっていると承知してございます。
#67
○竹村泰子君 大臣は、国民や市民の意思ということについてどういうふうにお考えでしょうか。両大臣にお聞きしておりますけれども。動燃事業団の幌延計画については北海道民は明確に拒否をしているんですよ。知事選挙でも道議会選挙でも国政選挙でも、また各新聞社の世論調査でもこのことは明確になっています。だからこそ横路知事も、幌延計画は受け入れられないとしているのです。この道民の明確な意思を尊重しようとしないのですか。両大臣にお聞きしたいと思います。
#68
○国務大臣(大島友治君) 貯蔵工学センター計画に対しまして地元にいろいろと不安なりあるいは疑問があるということについては、私も話は聞いて承知はしております。このために動力炉・核燃料開発事業団は本計画の内容とともに、地元の疑問や不安に答えるための調査の結果について説明
してきたところでございますが、今後ともなお一層地元や知事の御理解と御協力が得られるように努力することが一番大事なことであるというふうに心得ておるわけでございます。
#69
○国務大臣(中山太郎君) 外務大臣といたしましては、いろいろと御意見ございますが、所管外のことでございますので発言を遠慮させていただきたいと思います。
#70
○竹村泰子君 外務大臣、所管外のことでとおっしゃいますけれども、今、日仏原子力協定を審議しているわけでございまして、これはあなたの所管のことでございます。運ばれてくるプルトニウムや、それから再処理から出される高レベルの廃棄物や、これはそれではどこへ持っていけばいいとお思いになっておられますか。
#71
○国務大臣(中山太郎君) 原子力のいわゆる核物質の扱いにつきましては、原子力委員会、原子力安全委員会、この両委員会が国家のいわゆる認められた一つの行政機関として存在するわけでございますので、この委員会で御審議をされることが最も適当ではないかと考えております。
#72
○竹村泰子君 中山外務大臣はベテランの政治家であり、私は大変尊敬をしておりますけれども、あなたの一人の人間としてあるいは政治家として、これまで行われてきたこれらの科学技術の進歩、そして日本の原発政策、そのようなことについて今こういう状況が国民の間に深刻に、プルトニウムの輸送という、あるいは高レベル廃棄物の処理ということで深刻に迫られてきているわけですけれども、御感想を一言お聞きしたいと思います。
#73
○国務大臣(中山太郎君) この運ばれてくる核燃料というものが、プルトニウムというものが、平和利用が厳守されて、いわゆる核兵器の製造等に一切これが利用されないということが原則であり、しかるべき危険の防護措置というものが十分行われるという中において、このエネルギーの再生利用というものにこれが使われるということについては、私は原則的にそんなに大きな間違いではないというふうに考えております。ちなみに私は外務大臣という立場を離れて申し上げれば、いわゆるあの石油ショックのときに電気料金が一番安定していたのは関西電力でございました。九電力あります中で関西電力の電気料金が一番市民のために安く供給されておりましたけれども、それはやはり関西電力が極めて早く原子力発電を導入したという結果であるということをその当時いろいろな調査をしてわかりましたけれども、これからのエネルギー政策というものは相当難しい問題もはらんでおります。それなりに行政機関あるいは国会等において御審議をいただいて、我々の非核三原則を原則にとらまえながら、我々としてはこの日本のエネルギー確保というものに努力をしなければならない。もちろん安全というものを確保することが極めて重大な前提条件であると私は認識をいたしております。
#74
○竹村泰子君 北海道民も幾ら理解を求めると言われても、理解すればするほどますます強く反対するほかはない。北海道を植民地のように思っておられるのか。幌延に高レベル廃棄物処理施設を着々と準備、実行しておられる、このことから考えまして。
 また、既に青森県民も昨年の参議院選挙とことしの総選挙において、再処理工場を初めとした核燃料サイクル基地の建設を明確に拒否しております。日本がプルトニウムに依存する社会へ突入することは、青森県民のみならず全国民、いや地球的規模において取り返しのつかない事態を招かずにはおかないでしょう。日本がかっての軍部のような猪突猛進の誤りを繰り返さないためには、今日本政府は英断を持って再処理工場などの建設計画を中止する必要があります。この必要性を政府は一体どのように認識しておられますでしょうか。
#75
○国務大臣(大島友治君) ただいまの御質問でございますが、私の方といたしましても、再三繰り返すようでございますが、現在この青森県の六ケ所村で進められている核燃料サイクル施設の計画というものは、我が国が自主的な核燃料サイクルを確立するために必要な、しかも不可欠の課題でもありまして、エネルギー政策及び原子力政策上極めて重要な課題であるというふうに私認識しておるものでございます。このために、政府としては安全の確保を大前提にいたしまして、これらの計画について地元の一層の御理解と御協力が得られますように今後とも全力を傾注してまいる私の考えでございます。
#76
○竹村泰子君 これまでいろいろ御答弁をいただきましたけれども、到底納得できるものではありません。ここで改めて明確な答弁を求めます。
 青森県に計画されている使用済み核燃料の再処理工場や低レベル放射性廃棄物処分場も、また北海道に計画をされている高レベル放射性廃棄物の一時貯蔵施設なども、当該市町村や隣接市町村の住民はもとより、青森県民や北海道民が合意しない限り、決して計画を進めたり強行したりしないことを約束してください。いかがですか。
#77
○国務大臣(大島友治君) ただいま最初の御質問に対しまして六ケ所村の施設に対する考えというものを申し上げましたわけでございますが、同時に、ただいまの北海道の幌延の問題でございますか、この幌延町で計画が進められております貯蔵工学センターにつきましては、我が国の原子力の開発利用を進める上で極めて重要なプロジェクトであるというふうに心得、そして原子力委員会の原子力開発利用長期計画、これは昭和六十二年の六月につくっておりますが、これにのっとりましてその着実な推進を図ってまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 また、この貯蔵工学センターの立地については、地元や知事の理解と協力を得て進めるということが基本であるというふうに認識しておるものでございまして、たびたびそういうお答えをいたしているわけでございますが、私もそういう考えをあくまでも貫きたいという気持ちで地元の御理解と御協力を得たいというふうにこれ努めてこの問題を進めてまいりたい、こう考えております。
#78
○竹村泰子君 もう一度ちょっと確認したいのですが、地元の市町村や隣接市町村の住民はもとより、青森県民や北海道民が合意しない限り、決して計画を進めたり強行したりしないことを約束してくださいますね。イエス、ノーで結構です。どちらかで結構です。イエスかノーかで結構です。約束をしてくださいますねとお聞きしております。
#79
○国務大臣(大島友治君) 私は私なりの考えがございますので一言だけ申し上げておきたいと思います。
 この貯蔵工学センターの立地に当たっては、地元や知事の理解と御協力をどうしてもいただくということにまず全力を注いで、しかる後に措置をしてまいりたいというのが私の心境でございます。
#80
○竹村泰子君 ですから、地元住民や県民や道民や隣接市町村や知事や、そういった人たちの合意が得られない限り、計画を進めたり強行したりはしませんねと言っているのです。
#81
○国務大臣(大島友治君) 私といたしましては、再三繰り返すようでございますけれども、御理解と御協力を得るための手だてを尽くさずには進めるわけにはいかない、あらゆる手段を講じましてそして御理解と御協力を得て進めるということを今考えているわけでございます。
#82
○竹村泰子君 外務大臣にお伺いいたしますが、最後に、イギリスやフランスから返還される予定のプルトニウムについてはきな臭いにおいも取りざたされておりますが、護衛に当たっては日本国憲法を遵守して、決して自衛隊を派遣しないことをお約束してくださいますね。
#83
○政府委員(太田博君) 昨年十二月十九日のプルトニウム海上輸送関係閣僚打合会において、「海上における犯罪の予防及び鎮圧は第一義的に海上保安庁の任務であるので、プルトニウム海上輸送の護衛船として海上保安庁の巡視船を派遣するものであり、このため、平成元年度補正予算において、巡視船の建造に必要な予算措置を講ずること
を検討する。」との申し合わせが行われまして、平成元年度補正予算において巡視船建造費の一部について先般国会の承認をいただいたところでございます。
#84
○国務大臣(中山太郎君) 政府といたしましては、本件輸送につき海上保安庁の巡視船を護衛船として派遣するものでございまして、海上自衛隊の自衛艦による護衛については検討しておりません。
#85
○竹村泰子君 ありがとうございました。
 私どもこの日仏原子力協定について非常に長時間にわたって審議を続けてまいりました。私どもはこのことが日本政府の手によって実行されることを非常に遺憾に思い残念に思います。そして、あくまでもこのことに反対をし続けてまいりました。ですけれども、私たちはやはり議会政治の中におり、数の力ではどうすることもできません。今回、この条約を通すに当たりましてやはり私たち国民の意思を十分酌み取っていただきまして、そして今の御確認いただいたあるいはお約束をいただいたこれらのことをしっかりと守っていただきたい。
 と同時に、一つだけ最後に申し上げたいことは、私たちは原発の政策について知りたい、わかりたい、もっと知らなければ審議ができないじゃないか、国会の中にすら資料を提出しないということはどういうことだと随分言ってまいりました。時間があれば、私フランスの情報公開のあり方を少しお話をしようと思ったんですけれども、もう時間がなくなってしまいました。もっともっと私たちは情報公開をこれから請求していきたいと思っております。そして、それに対して本当に出し得るものをすべて国民の前に出していただきたい。今私は思うんですけれども、こうやって抱え込んでおられることがなお反原発の人たちを怒らせ、恐れさせているということにお気づきにならなければいけないと思います。私たちはこういう政策で原発政策を進めていきたいのです、そういうことをしっかりと国民の前に出していただきたい、このことを強く御要求申し上げて質問を終わらせていただきます。
#86
○立木洋君 先日来、使用済み核燃料の再処理の技術的な安全性がまだ未確立であるという問題が大きな問題になってきました。
 最初にお伺いしたいんですが、日本ではこの再処理工場というのは東海村で十二年余り稼働してきたわけですが、その実際の状況を見ますと、年間の処理能力が百二十トンだと言われるので十二年間とすると千四百四十トン、しかし現実には四百四十トンの処理状況だというんですから約三分の一ですね。その間、故障等によって運転が行われていない等々その他の事情による未運転というふうな状態があったと思うんですが、この東海村の再処理工場で事故、故障というのはどれくらいあったのか、それから同時に、それがどういう原因によるもので、その安全性、問題がないということが確認されているのかどうか、それからこの十二年余りの間に未運転だった時間、時間帯はどれぐらいになるのか、まずそれらの事実関係について。
#87
○説明員(佐藤征夫君) まず東海再処理工場の今までの事故、トラブルの件数についてお答えいたしますが、東海再処理工場におきまして昭和五十二年に使用済み燃料を用いたホット試験を実施して以来、事故、故障等として原子炉規制法に基づき報告されたものにつきましては十四件でございます。また、法令上報告を要さない非常に軽微なものにつきましては六十七件でございます。
 その間の事故、トラブルでございますが、酸蒸発回収缶あるいは溶解槽、そういったところの腐食あるいは剪断した後の目詰まり、そういったものが多々ございました。
#88
○政府委員(石田寛人君) ちょっとつけ加えて申し上げますが、ということがあったわけでございますけれども、このプラントにつきましては、先生御承知のように、我が国再処理実需要にこたえるためのプラントであると同時に、再処理のパイロットプラントであったという、そういう性格につきましては御了解賜りたいところでございます。
 それから、今動力炉開発課長が申し上げました趣旨のトラブル、これは確かにトラブルには見舞われたわけでございますけれども、その都度運転をとめまして原因を究明し、克服いたしまして、おかげさまで現在九十トンベースの運転ができるような状況になってきているということを御報告させていただきます。
#89
○立木洋君 きのうも述べたんですけれども、去年の九月まで十五カ月間運転が停止されて、再開したところが放射性沃素が直ちにまた排出するというふうな事態があるわけですね。これは技術的に見ても、問題は今度の六ケ所村の再処理工場というのは世界最大の規模だと言われていますし、この処理能力からいえば七倍近くの能力を持っている。しかもこの今までの東海村で使用していない新たな施設設置等々も、パルスカラムだとか、連続式の溶解槽だとか、あるいは遠心清澄機だとか、さまざまなものがあるということを聞いているわけですが、これらの未経験からくる問題ということも決して少なくはないだろう。事故というのは、トラブルが発生し、それが重なることによって問題が重大な事故にまで、過酷事故にまでいったというのがこれまでの経験ですから、こういう問題点を見るならば、やっぱり安全性が未確立だというふうに指摘されることは当然だろうと思うんです。あなた方が今進めておられるこの東海村の再処理工場は安全が保証されているという根拠を明確に示すことができるわけですか。
#90
○説明員(佐藤征夫君) 東海再処理工場は、我が国における再処理技術を確立するという目的とともに、国内再処理需要の一部を賄うということで運転してきているわけでございますが、その再処理技術を確立するという観点で操業当初種々技術的課題がございましたが、それらを克服いたしまして昭和六十年から年間七十トンベースの運転を行いまして、さらに昭和六十三年六月からは剪断機の部品の更新、パルスフィルターの無系列化等の改良工事を経まして、昨年九月からは年間九十トンベースの運転を行っております。
#91
○立木洋君 いや、経過はいいんですよ。根拠があるなら示してください、絶対に故障が起こらない、安全が保証できるという、確立されているという。
#92
○説明員(佐藤征夫君) 東海再処理工場は、今申し上げましたとおり……
#93
○立木洋君 東海再処理工場じゃない、今度の。
#94
○政府委員(石田寛人君) 先ほど立木委員おっしゃいました六ケ所村の再処理工場と理解して申し上げますと、委員おっしゃいましたように、六ケ所村の再処理工場におきましては、連続式溶解槽あるいはパルスカラム等々を使いますこと、先生御指摘のとおりでございます。これらの施設につきましては、一部フランスでももちろん用いているものでもございますし、我が国におきましては確証試験ということをやりまして、実際動く、ちゃんと動くということを確認しながら一歩一歩進んでいくということをやりたいと思っております。事実そういう計画で進めております。そういうこともあり、なおかつ動力炉・核燃料開発事業団が東海再処理工場で蓄積しました貴重な経験を六ケ所村に生かすことによりまして、六ケ所村再処理工場につきましても安全な運転が可能なものと考えておるところでございます。
#95
○立木洋君 あなた、動くことを確認してから動かすというのはそれは当たり前ですよ。動かぬものをどうして動かすことができるんですか。機械が動くからといって安全だと限っていないと私は言っているんです。動くことを確認してから動かすのは当たり前なことです。それは安全の保証にはならない。運転している中で事故が、トラブルが起こるからこそそれが事故になるわけですから。そのトラブルが重なるからこそ過酷事故にまで至る、炉心溶解にまでなるわけですから。そういう問題点もこれまでの原子炉の中では示されてきたわけです。東海村での今までの経験を生かすとおっしゃいましたけれども、それ以外の不安要
素というのが多分にあるではないか。しかも、これは国際的に見るなら、アメリカだって再処理工場についてはもうとっくに民間の処理工場は建設をやめましたでしょう。いろいろな計画の事情がありますけれども、アメリカの場合には技術的、経済的な要因によって再処理工場の建設を打ちとめたということになっている。あそこの場合には軍事用の再処理工場というのはもちろんありますけれども、しかし民間用ではそれを打ちとめた。技術的に建設を打ち切ったという理由を御承知でしょうか、アメリカで。
#96
○政府委員(石田寛人君) 先生御指摘の、アメリカの再処理工場の運転をあるいは建設を取りやめた技術的な理由を知っておるかという、そういうお問い合わせかと存じます。これにつきましては、アメリカも一時民間の再処理事業を推進していた時期は御承知のとおりあるわけでございますけれども、全体、アメリカといたしましては、そのときに発生いたしましたトラブルで安定な運転が見込めなかったという、そういう事情はあろうかと存じます。他方それに加えまして、アメリカは日本と全然核燃料の事情が違っておるということがむしろアメリカの再処理路線をとらなくなった大きな理由であろうかと認識しておるところでございます。
#97
○立木洋君 あなた、前置きが大分長いですね。最後の一言おっしゃっていただけばいいんです。
 運転していて安全が確認できなかったから建設を取りやめたんですよ。日本は違うなどとあんたおっしゃったってだめなんです。今、国際的に言ったって、再処理工場を本格的に推し進めるという体制をとっているのは日本だけじゃないですか。きのうの鈴木さんのお話によってもそういうことが確認されているわけです、参考人の方のお話もお聞きしますと。こういう安全性が未確立な状態なのに、国際的にもそういう本格的な再処理工場を進めるという状況がストップされているにもかかわらず、なぜ日本だけがそういうことをしなければならないのか。しかも、その問題というのは、安全性の問題についてその根拠というのはただいま検討中である、さらにそれを研究してまいりますと。だから、未確立だということは明白なんです。データを出していただきたいと言えば、それは核防護の上から、あるいは企業秘密の上からと言って資料は提供されない。そして、国民の声を聞いて十分に対応するのかというと、そうはならない。防災の対策の問題についてだって、それを積極的に宣伝すれば、危険がたくさんあるということを宣伝するようなことになるからというふうな説明さえおっしゃっている方も庁の中にはおられるということになってきますと、一体国民というのはどこに物を申して、自分たちの安全性を守るために主張すればいいのかということにさえなってこざるを得なくなるわけです。
 そういう問題点については明確に申し述べておきたいわけですが、もう一点、今ウラン、プルトニウムの混合酸化物の貯蔵施設については、最大貯蔵能力が六十トンで、プルトニウムとウランの構成割合が一対一だということは明らかにされております。しかし、この貯蔵施設に保管する場合の、粉末缶と言われる缶に詰めて保管をされるわけですけれども、この缶の重さだとか、容量だとか、混合酸化物の内容量の概要については、これはブランクになって説明されていないわけですね。これはどういう意味でしょう。簡単に。
#98
○説明員(柴田治呂君) 原子力分野におきましては、もちろん公開の原則というものを尊重しているわけでございますが、核物質防護という点につきましては、これに関する詳細な情報が明らかになりますと核物質防護の効果が非常に減退する、これは大変な問題になるということで、核物質防護にかかわる情報は慎重に取り扱うということを原則に置いております。
#99
○立木洋君 あなた、核物質防護の措置の協定がきちっと結ばれて実施されたというのは一九八八年ですよ。いいですか。東海村の再処理工場での粉末缶の処理が開始されたのは一九七七年ですよ。十年前からもうやっているんですよ。核防護の問題が問題になっていない前から、そのことをあなた方公開していないんですよ。今、核防護に理由を求めて非公開だなんていうふうなことは理屈にならないんです。問題は、そういう形で、法的な根拠もないのにもかかわらず、そういう根拠を持ち出してきて核防護の内容というのを拡大して解釈するというのは、私としては何としても納得できない。
 この点で、もう時間がなくなりますので、私は最後に外務大臣にお尋ねしておきたいんですが、先ほども申し上げましたように、安全性は未確立なんです。しかも公開の要求、必要性については、企業の秘密その他の要素によって措置がされない、公開されない。そして、国民の声は十分に受けとめられるという形で行政が進められていないという点に大きなやっぱり問題があるだろう。諸外国においても安全性が未確立な場合にはやっぱり建設を中止するという措置をとった国々もあるわけです。もちろん、燃料の問題については、日本は資源が不足しておるということは、外務大臣が今まで再々おっしゃったから、私はその点わからぬわけではありませんが、そのことで一言申し上げるならば、例えば石油ショック、エネルギーショックを受けたとき、あの十年前を考えるならば、やはり日本に合った自前の石炭をなぜ山まで崩して埋めて、そしてメジャーに言われてエネルギーを石油に変えたのかということをまた一つ問われなければならないだろうと思うんです。ですから私は、エネルギーの問題というのはやはり自前でなければならない。そうするならば、今最も重要なことは、エネルギーの開発にどれだけの研究費とお金を投じてそれを開発していくかということにやっぱり全力を注ぐ、そういうエネルギー政策を進めなければならないんだ。そして本当に必要ならば、原発の問題についても、安全が完全に保証できるならば何も私は反対ではない。今の軍事利用がされているという状況の中で、安全性がまだ保証されていないという状態のもとでは、やっぱりよく検討しなければならない人類にとっての重大な危害をもたらすことがあり得るのだということを政府の責任ある立場では考えなければならない。そういうエネルギー政策を進める点について、国務大臣のお立場として今後のエネルギー政策について、今安全性の問題、公開性の問題、そして将来自前の自主的なエネルギー政策のあり方の問題等々を指摘したわけですが、簡単に最後に御感想をお伺いして私の質問を終わります。
#100
○国務大臣(中山太郎君) 大変御見識のあるお話を承りまして、政府としてもこれから原子力の平和利用のためには自主、民主、公開という三原則を永久に堅持していくという姿勢がなければならない、私はそのように考えております。
 先ほど委員が石炭も自前の石炭を掘れというお話でしたが、石炭の採掘について、一日八時間労働のうち坑夫の方々が現場まで行くのに片道二時間ずつ所要時間が要るということで実質労働時間は四時間しかなかった。それによってトン当たりの単価が非常に高くなって、国際的に市場の価格が国内産ではやっていけないという現実を直視しての決断ではなかったかと私は記憶いたしております。そのような意味で、石炭の利用は日本ではもうできなくなってきた。そういう観点から、海外での石炭の権利を確保するということも政府としては考えておりましたが、いずれにいたしましても、今日の御議論をいただいているエネルギーの問題につきましては、党派を超えて、国民全体の問題でございますから、政府としては、御指摘のように、安全性を確保の上で自主技術の開発にさらに努力をしなければならない、このように考えております。
#101
○立木洋君 終わります。
#102
○委員長(山東昭子君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#103
○委員長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願
います。
#104
○肥田美代子君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、日仏の新原子力協定に反対する討論をいたします。
 五日間にわたる本委員会での質疑を通じて、この原子力協定は国民にとって必要でないばかりか、極めて危険なものであることがより明確となりました。
 第一に、今や世界的にプルトニウムは、軍事利用のみならず、平和利用も否定される方向に大きく歩み出しているときに、ひとり日本はプルトニウムの本格的な利用に突入しようという協定であるからであります。いわゆる機微な技術として使用済み核燃料の再処理技術を導入し、大きな再処理工場をつくるなどということは、あらゆる観点から見て不経済な無用の長物であるばかりでなく、国民の生命と健康にとって極めて危険な事態を招くことになります。
 第二に、フランスに委託されている再処理についての日仏の契約内容が公開されないばかりか、日本に建設が予定されている再処理工場についてさえ企業機密の名のもとに、国会での求めにもかかわらず、必要な審議のための資料がさっぱり提出されないのは憂うべき事態だと言わねばなりません。莫大な資金を投じ、再処理工場を建設しようとしているにもかかわらず、そのプルトニウムの生産コストすら国民に知らされないなどということが許されてよいはずはありません。しかも電気料金という公共料金に直接かかわる燃料の生産コストなどが、民間企業の問題だからとして、国会での求めも拒否されているのであります。
 第三に、ほかに類を見ないほどの猛毒物質であるプルトニウムは、また絶えず軍事利用と背中合わせにある物質であり、公開の原則が厳守されなくてはその軍事利用さえ防止することが困難になります。他国への核拡散も促進されるおそれがあります。これは世界の動向に逆行するものであります。
 第四に、同僚の三上委員の要求に対して辛うじて提出された資料によっても、プルトニウムを燃料とする高速増殖炉の発電コストは、フランスのスーパーフェニックスが軽水炉の二・五倍、日本の「もんじゅ」は軽水炉の三倍以上になっております。これだけ見ても、プルトニウムの利用は単に危険性が大きいだけでなく、経済性が全く成り立たないものであることは明らかであります。
 第五に、私たちはこの協定を見直し、プルトニウム利用社会への突入は英断を持って中止することを訴えます。
 六ケ所村の再処理工場建設予定地は、すぐ近くの陸地や海底はおろか、主要施設の直下にも大きな活断層が横たわっており、時として大地震が発生しているところであります。また、地盤もやわらかくてひ弱な堆積岩の地帯でもあります。さらに、上空は三沢基地の米軍航空機が演習のため頻繁に飛び交い、時には墜落事故を起こしたり、模擬爆弾や模擬ミサイルを落としたりする軍事演習用としては日本唯一の特別管制区であります。このような場所に大量のプルトニウムや爆発的に燃焼する大量の有機溶媒などを抱えた再処理工場が設置されている例は世界じゅうどこを探してみても一つもありません。
 既に青森県民は、昨年の参議院議員選挙、ことしの二月の総選挙において再処理工場を初めとした核燃料サイクル基地の建設を明確に拒否しております。それにもかかわらず、プルトニウムに依存する社会へ日本が突入することは、青森県民のみならず、地球的規模において取り返しのつかない事態を招かずには済まないでしょう。
 バッカースドルフの使用済み核燃料再処理工場の建設を中止した西ドイツの例もあります。私たちは今輝かしい未来を担うべき子供たちに何を残し、何を残すべきでないのかをいま一度心静かに問うてみる時に来ている、そんな気がしてなりません。私たち大人が地球を我が物顔に支配していこうとするならば、未来の犯罪者とのそしりを免れないことでしょう。
 以上、本協定に強く反対せざるを得ない理由の幾つかを述べ、私の反対討論を終わります。
#105
○久世公堯君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、賛成の討論を行います。
 豊かな暮らしと経済社会の健全な発展にとって、エネルギーの安定確保は不可欠の条件であります。このような観点から、エネルギー資源の乏しい我が国にとりまして、二度の石油ショックで明らかなように過度の石油依存を減らしていくことが必要です。その際、石油代替エネルギーの中核として、供給安定性、経済性、地球環境に与える影響等の面で他のエネルギーに比してすぐれている原子力は極めて重要な位置を占めるものであります。原子力発電は、既に総発電電力量の約三割を占めるまでになっておりますが、基軸エネルギーとして今後とも一層その利用を推進していかなければならないと考えます。
 もとより、原子力発電の安全性の向上を目指して努力していくべきであることは言うまでもありません。
 我が国は、フランスより核燃料の供給、ウラン濃縮役務、使用済み核燃料の再処理委託、東海再処理工場の建設等、種々の面で多大な協力を得てきており、さらに今後は、自主的な核燃料サイクルの確立の一環をなす六ケ所村再処理施設建設等の面でも協力を得ていくこととなるのであり、今後とも原子力利用を推進していくことを踏まえるならば、長期的に安定した我が国とフランスとの間の協力を確保するための法的枠組みを整備することとなる今回の改正議定書の締結は重要な意義を有するものであります。
 また、米ソの核軍縮が進展を見せている反面で、新たに核武装をしようとする国も登場してきていると伝えられる今日、原子力利用の先進国である日仏両国が、現行協定締結後の核拡散防止に係る国際的な動向を踏まえ、現行協定の改正をすることは、日仏両国の核不拡散への努力を世界に表明するものであり、世界の核不拡散体制の強化にも貢献するものであります。
 以上に述べましたような理由から、私は、今回の日仏原子力協定改正議定書を締結することについて、これを承認することに賛成するものであります。
#106
○立木洋君 私は、日本共産党を代表して、本議定書に対する反対の討論を行います。
 本件改正点である核兵器の不拡散措置の強化については当然のことであり、これに反対するものではありません。
 反対する第一の理由は、現行日仏原子力協定それ自体が東海村に使用済み核燃料の再処理工場を建設し、またフランスへの再処理を委託するなど、危険性が指摘されている原発を推進する役割を果たしていることであります。使用済み核燃料の再処理は世界的にも安全性が未確立であります。規模も再処理能力も東海村に比べてはるかに大きい六ケ所村の再処理施設が危険なことは言うまでもありません。今回の改正がこうした六ケ所村の再処理施設の建設推進と深く結びついていることを見過ごすことのできない問題として指摘するものであります。
 第二に、フランスから提供される公開の情報の範囲が改正によって狭められる可能性が生まれたということであります。
 今重要なことは、米国のスリーマイル島原発事故やソ連のチェルノブイリ原発事故等からの教訓を生かし、我が国の原子力開発政策を、安全優先の立場から自主的な政策へ根本的な転換を図り、民主的規制を強めることが極めて重要であるということを指摘して、反対討論を終わります。
#107
○委員長(山東昭子君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○委員長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 千九百七十二年二月二十六日に東京で署名された原子力の平和的利用に関する協力のための日本
国政府とフランス共和国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#109
○委員長(山東昭子君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○委員長(山東昭子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#111
○委員長(山東昭子君) 請願の審査を行います。
 第二三九号在日韓国人の法的地位と待遇の安定に関する請願外三件を議題といたします。
 まず、専門員から説明を聴取いたします。辻専門員。
#112
○専門員(辻啓明君) 御説明申し上げます。
 今国会、当外務委員会に付託されました請願は、お手元の表のとおり、全部で四件でございます。
 まず、二三九号の請願は、日韓両国政府間で行われている在日韓国人の法的地位と待遇に関する協定の再協議において在日韓国人の居住実態に即した法的地位と待遇の向上を図るよう要請するものでございます。
 次に、一八七〇号外二件の請願は、昨年十一月の国連総会で採択された「子どもの権利条約」の批准を直ちに行うよう要請するものでございます。
 以上でございます。
#113
○委員長(山東昭子君) 以上で説明は終わりました。
 これらの請願につきましては、理事会において協議いたしましたところ、第二三九号在日韓国人の法的地位と待遇の安定に関する請願は採択すべきものにして内閣に送付するを要するものとし、第一八七〇号「子どもの権利条約」の批准に関する請願外二件は保留とすることに意見が一致いたしました。
 この理事会の協議のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#114
○委員長(山東昭子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#115
○委員長(山東昭子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#116
○委員長(山東昭子君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際情勢等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(山東昭子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#118
○委員長(山東昭子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本会議散会後まで暫時休憩いたします。
   午前十一時三十五分休憩
     ─────・─────
   午後二時十七分開会
#119
○委員長(岡野裕君) ただいまから外務委員会を再開いたします。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 先刻の本会議におきまして本委員会の委員長に選任されました岡野裕でございます。
 ふなれではございますが、委員の皆様方の御鞭撻、御協力によりまして、本委員会の公正、円滑な運営を心がけてまいる所存でございます。皆様方の格段の御支援を心からお願い申し上げまして、簡単ではございますが、ごあいさつとさせていただきます。
 よろしくお願いいたします。(拍手)
 山東前委員長からごあいさつがございます。山東昭子君。
#120
○山東昭子君 ごあいさつを一言申し上げます。
 私が委員長在任中は、皆様方に格別の御協力をいただきまして、おかげさまで無事に職務を全うすることができまして、本当にありがとうございました。心から厚く御礼を申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#121
○委員長(岡野裕君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、矢田部理君、久保田真苗君、太田淳夫君、井上章平君が委員を辞任され、その補欠として松前達郎君、清水澄子君、黒柳明君及び私、岡野裕が選任されました。
    ─────────────
#122
○委員長(岡野裕君) 次に、理事の辞任についてお諮りいたします。
 竹村泰子君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#123
○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#124
○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に松前達郎君を指名いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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