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1990/03/26 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 地方行政委員会 第1号
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1990/03/26 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 地方行政委員会 第1号

#1
第118回国会 地方行政委員会 第1号
平成二年三月二十六日(月曜日)
   午後七時十八分開会
    ─────────────
  委員氏名
    委員長         渡辺 四郎君
    理 事         竹山  裕君
    理 事         松浦  功君
    理 事         渕上 貞雄君
    理 事         諫山  博君
                井上 章平君
                岩崎 純三君
                加藤 武徳君
                斎藤栄三郎君
                須藤良太郎君
                高木 正明君
                野村 五男君
                岩本 久人君
                栗村 和夫君
                佐藤 三吾君
                篠崎 年子君
                常松 克安君
                神谷信之助君
                高井 和伸君
                秋山  肇君
    ─────────────
   委員の異動
 三月六日
    辞任         補欠選任
     斎藤栄三郎君     大塚清次郎君
     高木 正明君     後藤 正夫君
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     栗村 和夫君     山田 健一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         渡辺 四郎君
    理 事
                竹山  裕君
                松浦  功君
                渕上 貞雄君
                諫山  博君
    委 員
                井上 章平君
                岩崎 純三君
                大塚清次郎君
                加藤 武徳君
                後藤 正夫君
                須藤良太郎君
                野村 五男君
                岩本 久人君
                佐藤 三吾君
                篠崎 年子君
                山田 健一君
                常松 克安君
                神谷信之助君
                高井 和伸君
                秋山  肇君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    奥田 敬和君
   政府委員
       警察庁長官官房
       長        浅野信二郎君
       警察庁刑事局長  中門  弘君
       自治政務次官   中馬 弘毅君
       自治大臣官房長  小林  実君
       自治大臣官房審
       議官       紀内 隆宏君
       自治大臣官房審
       議官       小島 重喜君
       自治省行政局長  森  繁一君
       自治省財政局長  持永 堯民君
       自治省税務局長  湯浅 利夫君
       消防庁長官    木村  仁君
       消防庁次長    島崎  実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹村  晟君
   説明員
       厚生省健康政策
       局指導課長    澤  宏紀君
       建設省住宅局建
       築物防災対策室
       長        山中 保教君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○小委員会設置に関する件
○地方行政の改革に関する調査
 (長崎屋尼崎店の火災に関する件)
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(渡辺四郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る三月六日、高木正明君及び斎藤栄三郎君が委員を辞任され、その補欠として後藤正夫君及び大塚清次郎君が選任されました。
 また、本日、栗村和夫君が委員を辞任され、その補欠として山田健一君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(渡辺四郎君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、地方行政の改革に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
#5
○委員長(渡辺四郎君) 次に、小委員会の設置に関する件を議題といたします。
 風俗営業等に関する制度及び運用につきまして調査、検討のため、小委員七名から成る風俗営業等に関する小委員会を設置したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、小委員及び小委員長の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、小委員に竹山裕君、松浦功君、渕上貞雄君、常松克安君、諫山博君、高井和伸君及び秋山肇君を指名いたします。
 また、小委員長に松浦功君を指名いたします。
 なお、小委員及び小委員長の辞任の許可及びその補欠選任、並びに小委員会から参考人の出席要求がありました場合の取り扱いにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○委員長(渡辺四郎君) この際、奥田国務大臣及び中馬自治政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。奥田国務大臣。
#10
○国務大臣(奥田敬和君) このたび自治大臣、国家公安委員会委員長を命ぜられました奥田敬和でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 地方行政委員会の委員各位におかれましては、かねてより地方自治行政並びに警察行政の推進に格段の御尽力をいただき、厚く御礼申し上げます。
 申し上げるまでもなく、地方自治は我が国の民主主義の根幹をなすものでありますが、選挙制度の改革を初め、ふるさと創生や地方分権の推進、地方財政の健全化など解決しなければならない多くの課題を抱えております。
 また、国家社会存立の基盤であります治安の維持につきましても、内外の諸情勢はまことに厳しく、現在の治安水準を低下させることなく国民の安全を確保していくためには、今後一層の努力が必要であります。
 なお、本年十一月に予定されております即位の礼、大嘗祭に伴う警衛、警備につきましては、今後とも諸対策を推進し、その万全を期することといたしております。
 私は、今後とも、これら地方行財政の諸問題の解決と治安の維持に最大限の努力を傾注してまいる所存でありますので、委員各位の格別の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げます。
#11
○委員長(渡辺四郎君) 中馬自治政務次官。
#12
○政府委員(中馬弘毅君) このたび自治政務次官を命ぜられました衆議院議員の中馬弘毅でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 地方行政委員会の委員各位におかれましては、豊富な御経験と高い御見識を持って、我が国地方自治の進展のために常日ごろから並々ならぬ御尽力をいただき、まことにありがたく存ずる次第であります。
 今日の地方行財政を取り巻く情勢には大変厳しいものがありますが、奥田大臣を補佐し、これら諸問題の解決に精いっぱい努力いたす所存であります。
 今後とも先生方の御助言、御指導を賜ることをお願い申し上げまして、私のごあいさつといたします。
    ─────────────
#13
○委員長(渡辺四郎君) 地方行政の改革に関する調査を議題といたします。
 長崎屋尼崎店の火災に関する件について政府から発言を求められておりますので、これを許します。木村消防庁長官。
#14
○政府委員(木村仁君) お手元の長崎屋尼崎店火災概要によりまして御説明を申し上げます。若干順番が飛びますので、番号を申し上げますから、御参照いただきたいと思います。
 出火建物でありますが、一に書いてありますように、長崎屋ビッグ・オフ尼崎店、これは阪神電鉄尼崎駅の近く、山手の商店街にございますスーパーマーケットであります。
 建物の概要は、八に書いてございますが、鉄筋コンクリートづくり地下一階、地上五階建て。建築面積が八百十四平方メートル。延べ床面積が五千百四十平方メートル。四十五年から使用いたしておりまして、地下一階から四階まで売り場、五階は一部ゲームコーナーで公衆が出入りをいたしますが、あとは事務室、社員食堂と倉庫となっております。
 出火場所及び出火時刻、六番のところにございますが、現在調査中でございます。今までに得た知識によりますと、四階南側の寝具等の売り場の奥にありました見本のカーテンが燃え上がったという情報が確実のようでございます。現時点における情報では十二時三十分を過ぎたころ発火しておるようであります。出火原因についてはなお調査中であります。
 消防機関の覚知時間は十二時三十七分、従業員からの一一九番通報によって覚知をいたし、十二時四十一分に現場に到着いたしまして救助活動を始め、十四のところでありますが、五階で逃げおくれた二十一人のうち四人を隣のビルからはしごをかけて救出いたしております。
 消火活動としては、北面に二台のはしご車、東側駐車場にはしご車二台を配置して開口部から注水いたしますとともに、はしご車で屋上に進入し、階段を利用して五階、四階に進入して消火に当たりましたほか、南側にはアーケードがありますが、その上からも消火活動に当たっております。
 十三番にありますが、出動人員、車両は、職団員合わせて三百人、車両等総計五十七台であります。鎮圧時間が十五時五十二分、火災の鎮火が十七時六分でございます。
 損害と死傷者は、四階部分八百十四平米を全焼いたしましたが、五階は焼損は全くございません。五階で逃げおくれました従業員十二名とゲームコーナーで遊んでおりました男子子供三人が死亡いたして十五名でございます。五階から煙に追われ、男の人一人と男の子供一人が飛びおりて重傷を負いましたほか、従業員四名が煙に巻かれて重軽傷を負っております。
 消防用設備の状況等につきましては、十に書いてございますが、法規に従った設備が整えられております。なお、スプリンクラーでありますが、延べ床面積が六千平方メートルを切れておりますし、また各階の床面積が千平方メートルを切れておりますので設置義務がございません。
 防火管理の状況につきましては、十一にありますように、防火管理者の選任、消防計画の策定、訓練の実施、消防用設備等の点検は適切に行われておりますが、昨年十二月三十日の立入検査では防火戸の閉鎖障害となる物品の防去を命じ、直ちにそれに従って除去されていると聞いております。
 消防庁といたしましては、当日係官一名を現地に派遣しますとともに、翌早朝、審議官ほか二名を現地に派遣して調査、指導等を行っております。
 出火等における避難誘導あるいは初期消火の状況について若干申し上げますと、これは詳細について現在なお消防本部、警察において調査中でありますので、あくまで中間的に把握された事柄にすぎませんが、十二時三十分を過ぎたころ四階売り場南部分から発火いたしまして、自動火災報知器が五階の事務室でも各階でも鳴り、四階に火点がある旨を表示いたしましたので、そこにおりました従業員が四階の従業員に火事であるかどうかを確かめ、火事であるということがわかりましたので直ちに避難放送をいたしますとともに、守衛を呼び、かつ隣にあります従業員食堂に火事が四階で起こったということを通報いたし、もちろん直ちに一一九番いたしております。食堂におりました職員一人は四階の担当でありましたので、直ちに四階におり、客とともに避難をいたしております。
 初期消火につきましては、守衛を中心として消火器、屋内消火栓をもって初期消火を試みた形跡がありますが、果たさず避難をいたしております。防火扉が南と北側の階段にそれぞれ四階、五階についておりますが、五階北側の防火扉が物品の放置により閉鎖されていないという状態でございました。それから五階食堂等にいた従業員が煙で閉じ込められ、一部が救助されましたが、十五名が亡くなるという悲惨な結果に終わっているわけでございます。
 以上が概要でございます。
    ─────────────
#15
○委員長(渡辺四郎君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。奥田自治大臣。
#16
○国務大臣(奥田敬和君) ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 今回の補正予算により平成元年度分の地方交付税が一兆五千九百五十九億円増加することとなりますが、地方財政の状況にかんがみ、さきの給与改定に伴い必要となる額四百八十二億円に加えて、普通交付税の調整額の復活に要する額五百八十八億円、補正予算による地方負担の増加に伴い必要となる額二百三十七億円、地方債の縮減に伴い必要となる額千五百億円、地域振興基金の設置等に要する額二千五百億円、財源対策債償還基金の積み立てに要する額三千九百六十四億円及び特別交付税の増額に要する額五百九十二億円、合わ
せて九千八百六十三億円を平成元年度分の地方交付税として地方公共団体に交付することとし、残余の額六千九十六億円を交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金の減額に充てることといたしております。
 このため、平成元年度分の地方交付税の総額について特例を設けることとするほか、地方債の縮減等に伴い必要となる財源を措置するため、単位費用の一部を改正するとともに、平成元年度の基準財政需要額の算定に用いる費目として地域振興基金費を設ける等所要の改正を行うことといたしております。
 以上が地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#17
○委員長(渡辺四郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#18
○岩本久人君 私は持ち時間が一時間でありまして、大きく分けて二点のことについて質問いたします。一つは、先ほど消防庁長官から概要説明がありました長崎屋尼崎店の火災の問題であります。他の一つは、ただいま自治大臣からお話がありました地方交付税法等の一部を改正する法律案についてであります。よろしくお願いいたします。
 まず最初に、去る三月十八日、兵庫県尼崎のスーパーで起きました火災の問題、国民全体が大変大きないろんな意味でショックを受けたことであり、極めて遺憾なことであることは論をまちません。亡くなられた方の心からの冥福を祈りながら、また負傷されました方に一日も早い回復を祈念いたしましてまず質問に入りたいと思いますが、最初にこの火災について奥田自治大臣の基本的な見解を承りたいと思います。
#19
○国務大臣(奥田敬和君) 最近にない大変な痛ましい火災事故でございまして、白昼の火事であったにもかかわりませず死者が十五名という多数にわたりましたことに対して本当に心からお悔やみを申し上げると同時に、私の立場としては、消火作業をするに当たりましても防火戸がうまく作動しなかったとか、あるいはマル適の施設に対しては、資格を与えておっても、常時点検の面においても、現実、いついかなる事故にも対応するそういった態勢が長崎屋さん自体においても常時なされておったかどうか、大変な多数の死傷者が出た火事だけにいろいろ反省さるべき面も多々あると私は思っております。したがって、この火災事故以来、不特定多数のお客さんを擁するこういった事業体に対して厳しく今後あるべき対応の仕方について検討、対策をするようにということで、直ちに委員会を設置させまして検討を今命じているところでもございます。
 いずれにいたしましても、国家公安委員長の立場からいたしますと、この原因究明に関しては、いろいろな不審な面もございますので、今徹底的に捜査を命じておるところでございます。消防を預かる立場またこれらの不審火に対する原因追及の責任ある立場として、この問題の解決、そして将来の対策、また、亡くなられた方々の補償の面についても注目してまいりたいと心からそう感じております。
#20
○岩本久人君 ありがとうございました。
 次に、消防庁長官に伺いますが、先ほどはいわゆる事柄の概要を述べられただけだと思うんですが、長官として基本的にいわゆるこのようなことの今後の防止のための防災対策で何が一番重要だと思われますか、お伺いいたします。
#21
○政府委員(木村仁君) 問題点が幾つかあろうかと思いますが、何よりもまず火災が起こらないような予防対策を完全に行うことが必要であろうと存じます。それから、火災の初期の段階で初期消火が行われなかったという点に大きな問題があろうかと考えております。
 それから第二点は、煙が非常な勢いで四階から五階へ拡散いたしましたが、防火扉等の機能に問題があったという消防設備の整備管理に問題が残されております。
 第三点に、避難がおくれた。これは五階だけでございますが、従業員を中心として、また客も含めて避難がおくれたという点に問題があろうかと思います。
 これらを十分に反省をいたしまして総合的な防火安全対策を講じていく必要があろうと存じております。
#22
○岩本久人君 関連いたしまして警察庁に伺いますが、一部マスコミでは、これは放火だというふうに報じておりますが、その点を含めどのように現在考えておられるかお伺いいたします。
#23
○政府委員(中門弘君) 今回の火災につきましては、兵庫県警察におきまして、火災発生直後、事態の重大性にかんがみまして、警察本部長以下が現場に急行いたしまして、死傷者の救出、保護あるいは身元の確認等の初動措置を行いましたほか、直ちに捜査本部を設置いたしまして、発火原因が何であるか、また初期消火、避難誘導等について問題がなかったかどうか等を明らかにするために火災現場の検証や関係者からの事情聴取等所要の捜査を推進しているところでございます。
 お尋ねの放火が原因ではないかということについてでございますが、現在、発火場所であります四階フロアーを中心に発火状況とか燃焼の状況、また四階フロアーにおられました人の動きなどにつきまして検証及び事情聴取を進めているところであります。現在までのところ、この火災が放火であると断定できるだけの資料の入手には至っておりませんけれども、発火場所が火の気のないところである、また現場にいた従業員等の供述も火の回りが大変早いというふうなことからいたしまして不審な点も見られますので、放火である可能性を含め徹底した捜査を推進しているところでございます。
#24
○岩本久人君 それでは今後の予防の問題で消防庁長官に二、三質問したいと思うんです。
 第一に重要なこととして初期消火の問題を先ほど挙げられましたが、やはりその重要なポイントはスプリンクラーの設置だということだと思うんです。しかし、このお店も規模的な問題等でその設置義務がなかったということが非常に重要な意味を持つ、こう思っております。
 振り返ってみると、昭和五十五年の川治温泉の例の火災で初めてマル適マーク制度というものを採用いたしました。それから、六十二年の東村山の特養の松寿園の火災でも、そのときを契機にして、その後、規模の小さいものも含め、ほとんどの特養にスプリンクラーの設置というものを国として義務づけたということで、大変大きな成果を今挙げているわけです。そういったことを考えた場合、今回のこのことを契機にして、消防法の見直しあるいはスプリンクラーの設置基準を引き下げるということを基本的に考えていく必要がある、このように思っているんですが、その点についてまず伺いたいと思います。
#25
○政府委員(木村仁君) 御指摘のように、初期消火におけるスプリンクラーの効用は極めて大きなものがございます。したがいまして、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、それらの問題を検討いたしますために、物品販売店舗等における防火安全対策検討委員会を設置いたしました。この中の検討事項の一つとしてスプリンクラー設備の設置基準の見直しも積極的に検討をし、結論を得たら対応してまいりたいと考えております。
#26
○岩本久人君 それはいつごろをめどに検討結果が出るんでしょうか。
#27
○政府委員(木村仁君) これは現地における消防機関、警察の調査の結果等とも関連いたしますが、私どもといたしましては、こういった事柄は数カ月のうちに終えるというつもりで始めているもので、数カ月と申しますと三カ月とか四カ月とか、そういうスパンで結論を出したいと考えております。
#28
○岩本久人君 そうすると一応盆ごろがめどと、こういうことですね。わかりました。
 そこで、いわゆる法の基準以下ならいいのか悪いのかという議論ですが、スーパーとかデパート
というのは現在どういうことになっているかというと、例えば学校とかホテルとかというのはどちらかというと利用者が特定される。ところがデパートとかスーパーといったようなところは乳幼児を含めた子供さんの遊び場所になっている、それから今の世相を反映してお年寄りの皆さんのサロン的な意味合いも持つものに今なっているということを考えてみた場合、スーパーとか百貨店といったようなものは法律の基準をクリアしているからいいんだというようなことではなかろう、それで行政の責任がオーケーだということにはならぬじゃないかと思います。その意味で、法の基準以下の問題についてさまざまなことももっともっと特段の配慮を、いろんな法的な制約も含めてやっていくということが極めて緊急に望まれる、このように私は思っているんですが、そのことについてどのように思っておるのか。
 それから、現段階で同じような火災等が次の新たな手を打つまでに出たときに困るということから聞くんですが、現段階で現行の基準を超えているのにスプリンクラー等を設置していない施設がどの程度あるか、あるいはその基準を満たしていないところでどの程度スプリンクラーの設置がなされているかということについてお伺いしたいと思います。
#29
○政府委員(木村仁君) 消防庁といたしましては、この設置義務のない施設につきましても、スーパーマーケット、百貨店等は自主的にスプリンクラーを設けていただくことが必要である、こういうことで自主的な設置をお願いをいたし、指導をいたしておりまして、大手スーパー等ではそういう努力を続けておられるところでありますが、それ以外のまだ設置していないところにおきましては、消防用設備等の設置、それからそれの適正な管理等総合的な防火体制を指導しているところでございます。例えば初期消火につきましては、消火器、屋内消火栓等の有効活用、その訓練等が極めて必要でありますし、また何よりも客、従業員も含め適切な時期における避難誘導体制の確立を図ることが必要である、こういうことから防火計画に基づく避難訓練、初期消火訓練等に力を入れていただくよう指導をしている段階でございます。
 それから、現在スーパー等においてスプリンクラーの設置状況はどうなっているかというお尋ねでございますが、設置義務のある施設は現在全国で二千四百七十八件ございます。そのうち違反をして設置していないものが二十二件ございます。これは、例えば一階の床面積が千平方未満で設置義務はなかったんだけれども、いつの間にか窓を閉ざして陳列しているということになりますと違反になります。そういうものもかなり含まれておりますので、現在鋭意その解消に、指導に努力をしているところでございます。
 スプリンクラー設置の義務がない物品販売店舗等で百五十平方メートル以上というところ、これは便宜的な規模でございますが、これ以上のものを調べておりますが、全国で八万五千九百三十七件ございます。先ほど申しましたように、大手のチェーンストア等から次第に自主的な設置が進んでおりますが、残念ながら現状は十分に把握しておりません。
#30
○岩本久人君 わかりました。
 それで、今回の問題で極めて重要なことは、マル適マークがあるのにこういう状況になったということでありますから、現行のマル適マーク制度そのものに問題があるんではないか、こう思うんですが、その点についてだけ簡単にお願いします。
#31
○政府委員(木村仁君) 私どもは、マル適マークのチェック項目はおおむね今日においても適当ではないかと考えております。しかし、マル適マークを付与したにかかわらず何かの違反を繰り返し起こすような場合にマル適マークを撤回するとかいうような手続は一応ございますが、若干不完全な点がございますので、検討委員会で検討して、必要であれば修正をしてまいりたいと考えております。
#32
○岩本久人君 その問題では、私は罰則がほとんどあってないようなものだというところが非常に重要な問題だと思っています。その点は一応私の意見を言っておきます。
 それから、今回の問題で、五階は収容人員の基準に達しないために救助用の避難袋が設置されていなかったとか、パートの職員等に対する避難訓練がなされていない、教育がなされていないといったような、大変現在のこの法律上しり抜けになっている部分が山積している、そこに象徴的にあらわれたということでございます。したがって、違法駐車の問題等も含め、今後どのように対応されるかということをお伺いしたいと思っております。
#33
○政府委員(木村仁君) この建物には、三階及び屋上には救命袋が設置されていたのでございますが、五階は収容する人員が非常に少ないということで設置義務がなかったようで、残念ながら設置されていなかったようでございます。避難は避難階段を十分に活用してするというのが大前提ではございますが、今後、避難施設の整備にもさらに検討を加えてまいりたいと考えております。
 なお、違法駐車で警防活動が阻害されたという報告は今回は受け取っておりません。
#34
○岩本久人君 職員の防災教育の問題とかいろいろありますが、またこの次ということなんで、きょうは基本的な問題だけでやめます。次に譲ります。
 次は、今言われました設備の問題で、建築基準法の問題について建設省に伺いたいんですが、建物の構造上の問題はなかったのかどうか。先ほど私が言いましたように、全くもって不特定多数の方が自由に出入りするところであるということを思ったときに、本来扉が閉まっていればそのようなことはなかったといったところで現実にそういう事故が起きたということを思った場合、二重三重に担保をするための設計が当然この種の建物にはあってしかるべきだ、こう思うんです。そういう意味で、消防用あるいは避難用に屋上にヘリポートをつくるとか、隣の棟へはしごをつけるとかといったような通路を新たに建築基準の段階でチェックをする、ある程度義務づけるというようなこと、あるいはバルコニーをつくるとか外壁に避難用の通路をつくるとかといったようなことを当然考えていく必要があると思うんですが、今回建築基準法上問題がなかったかどうかということも含めて、今私の提案についてどのように思われるかお伺いしたいと思います。
#35
○説明員(山中保教君) 物販店店舗等の在館者の避難対策等といたしまして、建築基準法では建築物の規模等に応じまして避難のための階段の数でございますとかあるいは位置とか構造等について安全確保上の基準を設けております。
 このスーパーにつきましては、階段の構造につきましては基準法に適合いたしておったわけでございますが、その他の部分につきましては現在調査中でございます。
 ただいま先生から御指摘がございました、この上さらにバルコニーを設置してはどうかというふうな御提案でございますが、こういうことにつきましては建築主に過重な経済的負担を課すことになるとともに、建築の外観等、設計面での制約を課すこととなりますので、現時点ではこれを義務づけるということは適切ではないというふうに考えております。
 また、本火災につきましては防火管理上の問題が先ほど来指摘されているところでありまして、まずは建築基準法上求められております防災設備が的確に働くよう指導を徹底することが肝要と考えておりますが、このことを含めまして有効な安全対策について省内に調査委員会を設置し検討してまいりたいというふうに思っております。
#36
○岩本久人君 今私が言ったヘリポートの問題とか隣棟への問題は。
#37
○説明員(山中保教君) ヘリポートの問題につきましては、基準を一月につくりまして設置の行政指導をいたしておるわけでございますが、それは高さ三十一メートルを超える建物についての指導をいたしておるわけでございます。
 それから、バルコニー等の……
#38
○岩本久人君 バルコニーじゃない。隣への……
#39
○説明員(山中保教君) 通路でございますね。その通路も含めまして新しく負担を課すということになりますので、現時点ではこれを義務づけるということは適切ではないんではないかというふうに考えております。
#40
○岩本久人君 いずれにしても物すごい数の施設がある中で、そのたくさんある数のどこにもそういった危険がいっぱいだということであります。行政がそれを求めるということになれば、勢いそこの職員がそれだけ過重労働を強いられるということになるわけでありますから、ひとつ消防庁長官、人的な体制を含めた強化対応を含めて、総合的に検討されるときにはひとつお願いしたいと思いますが、そのことについての決意をまず伺っておきたいと思います。
#41
○政府委員(木村仁君) 先ほど来申しておりますように、この火災を通じて指摘されましたいろいろな問題につきまして総合的に検討をし、的確な対応を図ってまいりたいと考えております。また、消防体制等につきましても、予防行政の充実を含め対応してまいりたいと考えております。
#42
○岩本久人君 時間がありませんので、次に地方交付税法等の一部を改正する法律案について伺いたいと思っております。
 まず第一点は、今回の補正で結局一兆五千九百五十九億円の増額になる、こういうことであります。しかし、そのうちの六二%を地方自治体に交付する、残りについては返済とかその他に充てる、こういうことでありますが、地方交付税法の趣旨から見てそのような原資が具体的に出た場合には当然全額地方に配分すべきもの、このように解しますが、大臣の見解を伺いたいと思っております。
#43
○国務大臣(奥田敬和君) 今回の補正措置を講ずるに当たりまして、まず必要な、はっきり言うと給与改定にすぐ必要な額とか、あるいは地方債の縮減等に要する形で一千五百億円ほど措置いたしておりますけれども、あるいは交付税の新しい費目として地域振興基金二千五百億、あるいは今までのツケ返しになりますけれども、財源対策債というものを地方自治団体にお願いしていた分の返済として約四千億等々講じたわけでございます。
 委員御指摘のように、トータル一兆円はそういう形で講じてありますけれども、あと残った六千億という形についての御意見であろうと思いますけれども、まあはっきり言ってもう措置するものは全部措置した。それで借金は、そのかわり中期的な地方財政の健全化に役立つような形で、借金の分は借金で返すという形で措置したわけでございますので、そういった意味においてはぜひ御理解賜りたいわけでありますが、必要な額は地方財政の需要に応じて、まあこれなかなか知恵を出して地域振興基金なんかをつくって、それで各自治体に配分をした上で、なおかつ将来における地方財政の健全化を図る見地から特例的に交付税特会の借入金返済に充てたということで御理解賜りたいと思います。
#44
○岩本久人君 私が質問いたしました基本的な趣旨は、予想以上に地方の団体の公債費負担比率が高いということから言ったわけです。現在一五%以上のところが大体五割を超えている、また、危険ラインと言われる二〇%を超えたところが二割以上あるということを思ったときにその辺の配慮はどうされるのかということなんでありまして、そういった公債費負担比率緩和のための対策はどのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。
#45
○政府委員(持永堯民君) 公債費負担は大変高まってきておるわけでございまして、特に六十一年度がピークだったわけでございますが、今お話しございましたように、公債費負担比率が二〇%以上という団体が三分の一ぐらいあったということでございます。その後、幸いにしまして、一般財源が最近増加傾向にもございますので、六十三年度では公債費負担比率が二割以上の団体というのが全体の二割程度に減ってくるような傾向になっております。しかし、依然としてまだ公債費負担が高いところもあるわけでございますので、そこで、今回お願いしておりますようなことで、一つは、実質的に公債費負担を軽減するという趣旨から財源対策債の償還基金を何とかひとつ措置をしようということを考えております。
 もう一点は、個別の団体に対しましては自主的にこの公債費負担を軽減するための計画をおつくりいただきまして、その計画に従って公債費負担を軽減していこうという場合におきましては、その計画期間中の利子につきまして交付税で一部補てんをするというような措置を講じてきておるところでございます。
 今後とも、各個別の地方団体の財政構造につきましても健全化が図られますように意を用いてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#46
○岩本久人君 今言われた趣旨でいくならば、今回のこの措置でも、財源対策債の償還基金にもっともっと、特会の借入金を返済するより以上のものを措置されてもよかったんじゃないか、このように思うんですが、このようになった、なぜそういう判断をされたかという理由と、今回の措置によって財源対策債の残高はどの程度あるか、年度ごとの発行残高を含めて説明してもらいたいと思うんです。
#47
○政府委員(持永堯民君) 確かにこの措置をする場合に、財源対策債の償還基金と交付税特会の借入金とどういうふうに仕分けをするかという一つのポイントになる問題があるわけでございますが、財対債の償還基金を措置する場合におきまして、これは平成元年度においても同じでございますけれども、やはり借入年度ごとに整理をしていくというやり方が事務的にも非常に望ましいという考え方に立ちまして、そこで今回は、昭和五十六年度に発行をした財対債についての償還基金を措置する、こういうことにしたわけでございます。仮にその次の年の、五十七年度は実はなかったわけでございまして、五十八年度分まで、五十六、五十八と措置をいたしますと、それだけで一兆三千億ぐらいの金がかかりますので、今回の財源ではちょっと対応できないというようなこともございまして、そういった意味から今回は五十六年度分を対象にして財源対策債償還基金を積む、こういうことにしたわけでございます。
 それから、その結果財対債の残額でございますけれども、今回の補正前の状態におきましては約三兆一千億円の残高であったわけでございますが、この補正が成立いたしますと、平成元年末の残高が二兆六千六百五十二億円になる予定になっております。
#48
○岩本久人君 今回とられた方法というのは財源対策債の償還基金を積み立てるという方法になっておるんですが、わかりやすく言えば、それなら繰り上げ償還をしてはどうかということになるんではないかと思うんですね。地方団体の側からいえばその方が有利だというふうに思うんですが、その点どういうことになるんでしょうか。
#49
○政府委員(持永堯民君) でき得ることであれば、おっしゃるように、繰り上げ償還を現実にするということの方が地方団体としても、名実ともに債務が減るわけでございますから非常に望ましいということは御指摘のとおりだと思います。ただ、現実問題として、既に発行しました地方債といいますのは、地方債証券という形でいわゆる債券の流通市場で転々とあっちこっち動いておりまして、銀行が引き受けをした場合におきましても、それが例えば機関投資家である共済組合に行ったり、あるいは農協に行ったり、転々と動いております。そうしますと、その転々と動いております状態の中で繰り上げ償還をいたしますと、やはりその債権者の利益、期待利益といいましょうかに反するという問題が出てまいりまして、そういう繰り上げ償還につきましては現状ではなかなか難しい、債権者保護という観点からいたしましても流通市場で非常に問題になるだろうということもございます。
 そのことがひいては今後発行する地方債につきましていわば不信感といいましょうか、そういう
ことになりますので、地方債の発行条件が非常に不利になってくるという心配もあるわけでございまして、そういうことから現実にはなかなか繰り上げ償還は難しいというのが実態でございます。ただ、一部、流通するような証券じゃなくて、いわゆる証書によって借りているような場合には、これは可能な場合もございますけれども、一般的にはなかなか難しいというのが現実でございます。
#50
○岩本久人君 今の問題は、債権者の利益を考えた場合難しいということのようですが、私が言ったように、対住民の利益からすればどちらがいいのかということもありますので、またひとつ知恵を出してもらいたい、検討してもらいたいということを言っておきたいと思っております、今後の問題としてですね。
 次に参りますが、改正案の単位費用の改正部分を見ると、この償還基金の測定単位が五十三年から五十五年までとなっているのが今回これを五十六年まで、こういうことにしたわけですね。そうした場合、単位費用というのは六百六十円ということで全然変わってないわけでありますが、それでいいのかどうか。また、なぜ六百六十円ということになるのか、その算定根拠を教えてもらいたいと思います。
#51
○政府委員(紀内隆宏君) 少し技術的にわたりますので、細かくなるのは御容赦いただきたいと思います。
#52
○岩本久人君 簡単にひとつ。
#53
○政府委員(紀内隆宏君) 現在、平成元年度の当初算定におきまして五十三年から五十五年までの分を措置しておりまして、これが六百六十円になっております。その六百六十円というのは、昭和五十三年度に許可されたもののうち、発行額に対して残高が幾らあるかというのが六六%になっていると、こういうことでございます。これは五十三年度発行の政府資金分についてでございます。実は五十四年度分につきましては、五十三年よりも一年後に出ていますから、残高はより大きいわけです。それからまた、資金の種別によって、政府資金であるか民間資金であるか、それによって発行条件が違いますから償還の条件も違うということで、残高の状況はそれぞれ違い得るわけです。
 したがって、理屈からいいますと、発行年度ごとあるいは資金の区分ごとに測定単位を別にして、それで測定単位の数値、単位費用もそれぞれ別につくっていくことができるわけでございますけれども、実際には理論計算をいたしますと、例えば政府資金が五十三年六百六十円であれば、そのときの民間資金では残高がどれぐらいの割合になるかとか、あるいは五十四年度発行分だったらそれに対する割合はどうなるか、こういうふうに計算できます。したがって、個別に測定単位をつくり、単位費用をつくっていくという非常に事務が煩雑になりますものですから、この際、五十三年度の政府資金分を基本といたしまして、これに対するそのほかの資金区分あるいは発行年度別の比率というものを出しまして、これによって補正をする、こういう扱いをとっております。計算の結果は全く同じになります。
 今回の五十六年度債につきましても、同じような手法によりまして、財源対策債償還基金費という同じ費目でございますので六百六十円と固定している。ただし、五十六年度発行分はまだ償還が進んでおりませんから残高が大きいわけですね。だから、これに対する比率を計算して補正する、こういう仕方をとっております。
#54
○岩本久人君 次に、交付税特別会計における借入金のうち、今回総合判断をされて六千九十六億円を返済されておるということになっておるわけですね。そこで、この返済計画によると、平成三年度から平成十二年度までとなっているわけでありますが、これだけ返せるということからすると、その期間がなぜ十年なのかという疑問があるんですが、なぜ十年にしたかということの根拠と今後における年度ごとの返済額はどのような考え方で決められてきたのか、お伺いしたいと思います。
#55
○政府委員(持永堯民君) 借入金の返済の計画につきましては、実は昭和五十九年度に全般的に見直しをいたしまして、そして平成三年度から十年間で返す、こういうことにいたしたわけでございます。
 なぜ十年かという点でございますが、理論的に十年でなきゃならないという絶対的な意味はございませんけれども、やはり相当大きな借入金の額でもございますし、毎年度の償還の負担というものがそれほど大きくならないようにある程度の期間をもって返済していこう、こういうことでございます。
 それから、今回期間の見直しをしてないということでございますけれども、これは実は返済計画を決めます場合に、例えば五十四年度借り入れた分あるいは五十五年度借り入れた分ということで、それぞれ各年度ごとの借入金について十年間にわたってどういうふうに返すかというのを決めているわけでございますが、今度六千億ばかり返還いたしますものは、従来と同じようなことでございますけれども、古く借りた方から順番に返していくというやり方をしておりまして、今回六千億返しますものは昭和五十四年度に借り入れた分の一部を返すことにいたしているわけでございます。したがって、五十五年度以降に借りた分については手をつけておりませんから、その分の償還計画は変更はないということでございまして、これはあらかじめ決めましたように、やはり十年間で返すというような形をとっているわけでございまして、そういったことから償還期間について変更はいたしていないという事情でございます。
#56
○岩本久人君 この説明によりますと、「平成元年度国の補正予算による地方負担の増二百三十七億円」というのがあります。これは中身は何ですか。
#57
○政府委員(持永堯民君) この中身でございますが、地下鉄の建設費に対する地方の一般会計負担、まあ地下鉄会計に対する地方の補助というものの財源措置でございまして、これはそのよって来るゆえんを申し上げますと、今回の国の補正予算におきまして、国においても地下鉄の補助を出しておるわけでございますが、これが今まで財政事情が非常に厳しいということで、いわば繰り延べをしてきたわけでございます。それが国の分は約一千億でございますけれども繰り延べをしてきた。それを今回の補正でいわば借金を始末をするという措置を国の方でも講じようとしているわけでございます。そこで、それに対応して地方が持つ分についても同様にこれまで繰り延べた分を今回一般会計から地下鉄会計に助成をしようという意味のものでございまして、その分が交付税ベースで二百三十七億円必要があるというような内容のものでございます。
#58
○岩本久人君 それの具体的な措置の方法はどうなっているんですか。
#59
○政府委員(紀内隆宏君) お尋ねの趣旨は、単位費用に影響がないのにもかかわらず、何でその需要が変わるんだと、こういう御質問だと思います。
 実は、地下鉄の建設事業にかかる補助金の地方負担分というようなものを取り扱いますときに普通交付税で非常に扱いにくい点がございます。というのは特別の団体にしか需要がない。しかも、その特別の団体でも年ごとに事業費が非常に変動しやすいので、地方負担額を標準化してとらえにくいということがございます。したがって、このようなものにつきましては、地下鉄は道府県分と市町村分両方ございますけれども、それぞれの費目におきまして事業費補正という方式で算入いたしております。
 事業費補正は法律の十三条四項三号に態容補正の一つとして決まっているわけでございますけれども、具体的な算出方法は省令で決めております。
 今回も補正予算に伴って需要が増加するわけでございますけれども、それはその事業費補正の補正係数を算出する過程で地方負担額を置きかえるということによって算入ができるということになっておりまして、特段の法令改正を今回要しないということでございます。
#60
○岩本久人君 いや私が言ったのは、それならそ
れで、じゃこの中身は今回関係議員に配ったこれのどこに書いてあるか、それが全くないではないかということを私は言いたいんですよ。それを当然参考資料として配るべきではないか、これはここに入っていますと。こういうことについてどうですか。
#61
○政府委員(紀内隆宏君) 説明の資料につきましては工夫の余地があったと思っております。
 なお、御心配の向きで、関係の地方公共団体につきましては数も少ないことでございますし、また、この事業費補正による方式は習熟しておりますので、彼らは十分にわかる、このような仕掛けになっております。
#62
○岩本久人君 彼らがわかっても我々がわからぬでどうするんですか。
#63
○政府委員(紀内隆宏君) 確かに説明資料については工夫の余地があったと反省をしております。
#64
○岩本久人君 今の関連ですが、新規の建設分の助成について自治体の一般会計からの出資比率を官庁速報等を見ましたら、今後は一〇%から二〇%に引き上げるということのようですが、この理由、どうしてこうなるのかということですね。
 それから、この負担割合は平成二年度から五カ年間ということのようですが、この五カ年を過ぎた後はどのように今後なるのかお伺いいたします。
#65
○政府委員(小島重喜君) 先生御案内と思いますが、地下鉄は大変金がかかりまして、経営状況も苦しいということになっております。現在、いわゆる政令指定都市を中心にいたしまして事業をしておるわけでございますけれども、これは公営企業である以上、やはり自己資本というものを企業としても持っていただかなきゃいかぬということだと思います。
 従来一〇%となっておりましたのは、ちょうど昭和四十五年にこういう制度ができたんですが、そのときにいわゆる民間鉄道の自己資本比率というのは一〇%をちょっと超えておりました。今回は、見てまいりますと一八%ぐらいなものですから、やはり地下鉄の経営基盤の強化という点から民間のそういう自己資本比率等も参考にいたしまして二割ということにいたしております。
 それから、こういう地下鉄の助成制度は昭和三十七年以来ですかやっておるんですが、徐々におおむね五年くらいごとに制度の見直しを実はやっておりまして、私どもといたしましても、今後五年くらいの間にさらに地下鉄の経営のあり方、あるいは五年後の地方財政なり国の財政の状況等を見ながら経営基盤が強化するような方向で改善をしていく必要がある、かように考えておりまして、そういう意味で五年間ということに区切ってございます。
#66
○岩本久人君 この説明によりますと、「平成元年度分地方債の縮減千五百億円」とありますが、なぜ千五百億円なのかお伺いいたしたいと思います。
#67
○政府委員(持永堯民君) 地方債を縮減いたしますのは財政の健全性を確保する観点から非常に重要なことだと思っております。
 そこで、千五百億とした理由でございますけれども、何せ年度の途中でこういう措置、つまり財源の振りかえ措置を行うわけでございますので、現実に各地方団体の財政運営にも支障がないような形でやらなきゃならないという大前提があるわけでございます。
 そこで、現実に地方団体の状況を見ますと、地方債の発行を予定しているとか、あるいは既に地方債を発行してしまった、つまり借り入れをしてしまったというところもあるわけでございまして、そういったもろもろのことを勘案いたしますと、結局道路の地方債について千五百億円が限度かなと、こういうことで千五百億円としたわけでございます。
#68
○岩本久人君 今の点は、実はいろいろ私も意見を持っていますが、またこの次のときにします、きょうは時間がありませんので。
 それと、いわゆる起債の充当率ですね、これが毎年の地方財政計画が発表されるときに初めて出てきて、率直に言って、それが異動するごとにそれぞれの地方公共団体は右往左往、大変な騒ぎになるわけですが、この率というのは、何の根拠に基づいてどのようにして決められているのかということを伺いたいと思います。
#69
○政府委員(持永堯民君) 地方債の充当率でございますけれども、決めるに当たりましては、それぞれの事業の性格でございますとか、あるいはその事業について世代間の負担の公平をどう考えるかというそういった観点から決めていくという問題が一点ございます。
 それから、今ございました毎年くるくる変わるというお話は、確かに昭和五十年代においてそういうことがあったわけでございますが、これは主として公共事業の裏負担についての地方債の充当率が非常に変わったという現実があるわけでございます。
 そのうち公共事業の関係について申し上げますと、これは事業の性格ということもございますけれども、むしろ毎年度の地方一般財源の状況、つまり公共事業の裏負担を一般財源と地方債でどういうふうに仕分けをして措置をしていくかというそういうことが基本でございまして、一般財源が多いか少ないかによってかなり変わってくるということでございます。したがいまして、昭和五十年代におきましては毎年度のように財源が不足をいたしまして、しかもその不足の額が多くなったり少なくなったりということでございましたものですから充当率が非常に変わったという現実があったわけでございますが、財源不足の状態がない、最近あるいは昭和四十年代におきましてはかなり充当率も安定をしておったということでございます。
 それではどういう形で決めるかということでございますが、これは毎年度、地方債の発行総額については地方財政計画なり地方債計画で決めるわけでございますけれども、その際にあわせて充当率も決めていくということでございまして、形式的には地方債計画の決定、これは自治大臣の決定でございますが、によって決まるわけでございますけれども、その問題と非常に裏腹な関係にあると申しますか、密接に関係をしておる地財計画は国会に御提出を申し上げておりますし、また地方債で見ない部分、つまり逆に言いますと一般財源で見る部分については地方交付税法の御審議をいただいて法律で決めさせていただいておる、こういうようなことになっておるわけでございます。
#70
○岩本久人君 つまり充当率の決定は地方交付税法の審議をにらみながら、そこで意見を聞きながら自治大臣が決定する、こういうことですか。
#71
○政府委員(持永堯民君) 順序から申しますと、地方財政対策なり地財計画をつくる段階で決まってまいりますので、国会で御審議いただくのはその後になると思います。
#72
○岩本久人君 ということになると、そのことは自治大臣に一〇〇%の権限があるということになるわけですか。
#73
○政府委員(持永堯民君) 現在の制度上はそういうことになっております。
#74
○岩本久人君 また勉強しました。
 自治大臣にお伺いいたしますが、地域振興基金二千五百億円というのがありますが、この目的と二千五百億円というその額の根拠は何ですか、お伺いいたします。簡単に、時間がありませんから。
#75
○国務大臣(奥田敬和君) これは頭を絞ったところなんですけれども、結論からいうと、普通交付税の算定費目として今度この二千五百億円を設けた、府県分に対して千五百億、市町村分に対して一千億ということですけれども。地域振興は即地方自治の本当にかなめの問題ですから、地方振興に役立つ事業あるいは福祉活動を推進する事業ということになりますともう地方自治全般、どんな名目でも使えるという形の一般交付税と同じ形の財源措置でございます。人口比に案分して、自主的に運用していただきたいということで設けた費目でございます。
#76
○岩本久人君 二千五百億円というその数字は逆算で出したということですか。
#77
○政府委員(持永堯民君) 数字の問題でございますから私からお答えいたしますが、この二千五百億を決めました理由と申しましょうか、経緯でございますけれども、やはり一つには今回の補正財源で出てまいりました全体の交付税の総額というものをにらみながら決めたということもございますし、もう一方では、例えば都道府県について申し上げますと、ある程度まとまった基金が必要だろうということから、およそ一つの県、小さな県でもまあ二十億なり三十億程度のものが行く規模が必要だろうということも考えまして、そういった両面から県について千五百億を決め、そしてそれとの兼ね合いで市町村については一千億という規模を決めたわけでございます。
#78
○岩本久人君 この受け皿はどういうことになるんですか。
#79
○政府委員(持永堯民君) 受け皿と申しますと地方団体での扱いの問題かと存じますが、これは私どもの方の基準財政需要額の算定の考え方としては、先ほど大臣が申し上げましたような趣旨で基金費ということで算定をいたすわけでございます。その点については地方団体の皆さんも御理解をいただいてそういった方向でお使いいただけば非常にありがたいと思いますけれども、これは一般財源でございますから、どういう形でお使いになるか、これは最終的には地方団体の判断によるべきものということでございます。
#80
○岩本久人君 単位費用が書いてあるから計算すればわかるんですが、大まかにいって大体各県にどの程度、各市町村にどの程度か。またその他の事情を参酌して補正するというのが附則四項にありますが、そのことを含めて説明してください。
#81
○政府委員(紀内隆宏君) この地域振興基金費の算定に当たりましては、道府県分につきましては人口の多少の段階に応じて単位当たりの経費に差があるということに着目しまして段階補正を適用しようと考えています。それから市町村分につきましては、この段階補正を適用すると同時に、人口に対する老人の割合、それを勘案して密度補正を適用していきたい、こういうふうに思っております。
 団体別の算定額のお尋ねがございましたが、大体の感じを申し上げますと、市町村の場合ですと、人口一万人の団体で大体二千万円程度であろう。それから人口十万人の標準団体レベルになりますとおおむね一億円程度であろうかと。それから、極端に小さい場合、人口が二百人とか三百人とか、そういうふうな場合には二百五十万円程度になろうかな、こう見ております。
#82
○岩本久人君 先ほどもちょっと話がありましたが、この使途については全く白紙なんですね。ちょっとそれを確認しておきたいと思います。
#83
○政府委員(持永堯民君) 使途につきましては先ほど申し上げましたとおりでございまして、その基準財政需要額を算定した考え方は私どもは持っております。その考え方についてはなるたけ御理解はいただきたいという気持ちは持ってございますが、最終的に使途をどうするかは地方団体の判断で決まるということでございます。
#84
○岩本久人君 特別交付税の問題について入りたいと思うんですが、今回もまた六%で五百九十二億が計上されている。その結果、七千八百六十億円というんですから、実に八千億という大変な額になっている。まず、特別交付税という性格からして、平成元年度のこの額そのものの評価をどのようにされているか、自治大臣に伺いたいと思います。
#85
○国務大臣(奥田敬和君) 交付税対象は、災害等のような特別の財政需要や地域的特殊性に基づく財政需要という形で配付するわけですけれども、今回の場合は国税収入が非常に順調な伸びを示しましたし、交付税財源も比較的潤沢でございますからこういった数字になったわけでございますけれども、これはもう大変地方にとってはありがたいことだということで、私たちもきっと喜んでいただけると思っております。
#86
○岩本久人君 時間が来ましたので最後になると思うんですが、私が今質問をさせていただいた趣旨というのは、地方の方は喜んでもらえるだろうということですが、いわゆる地方交付税というものの立法の精神から見て、普通交付税というのと特別交付税というのがある。これは昭和三十三年からその率というのは八%というものが六%になったということですね。定率ですから、規模が上がればだんだん上がってくる。恐らく来年かごく近い将来には一兆円ということになるのかもしれないということを考えてみた場合、普通交付税の場合は細かな細かな単価表によって、オーバーに言えばだれが考えてみても公平にその配分がなされるということが期待できる。
 しかし特別交付税の場合は、それぞれの条文その他を見てみるとルール分と準ルール分というものがあって、その準ルール分というのは例えば小学校、中学校で経費がかかり過ぎるとか、あるいは特殊土壌地帯があるため特別の財政需要があるとか、あるいは除害施設に要する経費が多額であるとか、何々に多額な需要があるからとかといったような極めて不明確な基準でもってこの配分がされる。そういうものはできたらできるだけ少ない方がいいというのが私の考えなんです。
 前回の渡部自治大臣とのやりとりでも、選挙のときにはお互いさまとはいいながら、政権政党の方が何をやるか、ここを必ずつかまえて、やっぱり直結しておらぬとだめだよというようなことが現実になされているというようなことを踏まえた場合、やはりその原資というのは国民の一人一人が文字どおりつめに火をともすような苦しい中から積み上げたものであるから、その配分はできるだけ公正に配分されるべきであるという趣旨からいくと、かつては八%から六%に落とされたという経緯があるということを踏まえた場合、それ以後既にまた三十二年たっておるというようなことを考えた場合に、この特別交付税の税率の見直しというものもやっぱり考える時期に来ているんではないかと思うんです。
 その一つの方法としては、三十三年の段階で言われたように、現在特別交付税のルール分の中にあるものでも毎年同じようにそう改正してないわけです。そういうようなことを考えてみた場合には、その特別交付税の項目を普通交付税の方の項目に入れさえすればそれなりに措置できる。そのことによって特別交付税の率を少なくしてより公正な行政が期待できるというように思うわけですが、地方交付税制度というものと特別交付税の割合をこの際見直すべきじゃないかというこの私の考え方について自治大臣の基本的な見解を賜りたいと思います。
 ちょうど時間になりましたので終わりたいと思います。
#87
○国務大臣(奥田敬和君) 先生の御指摘は交付税の六%が特別交付税、特交という形で配付されるという形について、より公正を期するためにこの六%を減らしてもう交付税分に回したらどうかという御意見だと思うんですけれども、それで間違いありませんか。
#88
○岩本久人君 大体そういうことです。
#89
○国務大臣(奥田敬和君) いや、ですけれども、普通交付税に移す、六%をこれを切れと言われると、これは……
#90
○岩本久人君 ゼロにしろとは言ってないですよ。
#91
○国務大臣(奥田敬和君) 大変困難な事情があると思うんです。ということは、先生も政治家の同じ立場として、地方自治体、公正も大事ですけれども、ハンディキャップが余りつき過ぎて、富裕自治体と財政的に非常に困っておる自治体等々のこともありますし、特別な災害時に対するそういった手当てもございますから、私はこの六%というのは妥当な線じゃなかろうかと思っておるわけです、ふやせという意見もあるんですから。先生のようにもうこういう時期になったから六%の特交比率を少し減らせという御意見も今承りました。
 ただ、私その御意見の中でちょっと聞いておると、公正を欠くとかいうことを言われますけれども、これ決して恣意的に決めるんじゃありません。私も自治大臣になって、特交資金は結構いじれる
というようなそんな横着なことは一つも思いませんし、これはちゃんと算定の基礎というのはしっかりしておりますから、そういった意味においては、はっきり言って特交配分に関して何か政権与党として自分勝手するんじゃないか、そういうことは一切ございませんから、六%の貴重な特交財源というものを公正に配分していくということに十分心がけてやっていくつもりでございます。
#92
○岩本久人君 ちょうど時間になりましたのでこの次また続きをやりたいと思います。よろしくお願いをいたします。
#93
○常松克安君 大臣、三千三百有余のあすに向かっての地方自治体は大臣の就任をどれほど待ちわびたことか。先輩から聞かされまして、今度就任なすった大臣は筋を通す大臣である、新しい自治をつくっていくにふさわしい方である、だから謙虚に御指導を受けるように、こういうふうなお言葉をちょうだいいたしました。どうかよろしく、お世話になります。
 残念ながら十分間でございますから、本日大臣に御答弁をいただくこともございませんので、意見をお聞きになっておいてください。
 私は終始一貫、救急医療の充実について改めて御質問をいたします。端的に、率直に申し上げますので、答弁も端的にしていただければ幸甚かと存じます。
 まず一つ、消防隊員及び救急隊員の待遇という問題でございますが、出場手当というものが今日どういうふうになっておるのか、あるいはまたこれに対して改善というものがどういうふうになっておるのか。まあちなみに平成元年は消防は三百円。それで新しい今議題になっておりますのは三百八十円。それから救急については元年度は百八十円、平成二年度には議題として二百四十円、運転手のみについては三百円、こういうふうにあります。
 あるいはまた、東京消防庁はやはり財政規模が違うという点もございまして、一時間以内は幾ら、一時間超過するごとに幾ら、こういう決め方、いろいろさようさまざまであります。大体地方には地方交付税から入っておりまするが、なかなかその二百四十円とお定めになったものが行かない。地域格差という、行政格差と申しましょうか、こういうのがございます。
 第二番目。たくさんな基金を見せていただきました。しかし、あすの命ということに関して一番大事な救急基金についてはびた一文ここには導入されていない、なぜだろうか。少なくともここに救急基金というものがスタートされて数年間たって、約百億円基金が定着しておるならば、パラメディックにしても、救急隊員の百三十五時間を五百時間、一千時間の計画立案をお持ちです、そちらが。これに対しても十二分に災害医療あるいは救急医療という問題はもっと大きくできるんではないだろうか。こういうふうな考えを一にいたします。
 第三番目。やはり高齢化社会というふうな問題で前回もその点を申し上げましたけれども、消防庁に平成元年度の救急隊の出動はいつとれるかと聞いたら、はい、それは大体五月に都道府県から集まりましてコンピューターにかけまして秋口にできますと。本当に気の長い、何を考えて、計算にそんな難しくかかるのか。これは東京消防庁はもう出した。ここから見ますと、三十七万八千二百五件、救護した人三十五万六千八百五十七人。前年度に比べますと、これはもう一二・一九一%増加しておる。増加したのは満六十五歳より以上の方々、こういうふうな方々がこれから大きな救急医療という問題に遭遇するでありましょう。
 厚生省来ていますね。非常に平素から救命救急センター設置、第一次、第二次、第三次、御苦労さまです。しかし、御苦労さまという裏には、まだまだ内容にそぐわない問題がいろいろございます。
 その中で具体的に例として申し上げておきますが、宮城県古川市、二十万人の人口の場所です。今回JC会頭さんを先頭にいたしまして、市民の二万名の陳情、請願をとって、この市に救急センター設置への働きをもう県の方にお出しになっていらっしゃるとか、こういうふうな現況を聞かされるについて、まことにこれは私がいつも申し上げているように上からの問題じゃなくて、第三次を百万人単位で一カ所、二百万人県でありますと二カ所の救命救急センターというものが法によって上から行政指導される、そうじゃなくて、これは地元から、二万という方々の運動展開から救急センター、救命救急じゃないですよ、救急センター設置、ああ、この二十万の都市にも救急センターさえすらなかったのかなというふうな、これは一つの例えでございます。
 こういうふうな問題で、これよりどのようにしてこういうふうな充実を図っていかれるか、以上三点まとめてお伺いします。
#94
○政府委員(木村仁君) 御指摘のように、救急隊員の出場手当につきましては条例で定められておりまして、全国的にかなりばらつきがございます。そして、概して申しますと交付税で算入されている単価よりは低目でございますので、私どもはいろんな機会をとらえて消防職員、特に救急職員も含めて消防職員の待遇改善ということを指導いたしております。交付税算入でございますから、そのとおりの金額にせよとは言えないわけでございますが、そういうことも参考にして実情に合った十分な手当が支給されるよう努力をするようにと指導をいたしているところでございます。今後もそのような努力を続けます。
 それから、救急基金につきましては、御指摘のように極めて急速に救急の業務がふえておりますし、市町村の最も基本的な行政サービスでもありますから、ちゃんと地方公共団体の、地方財政の賄うところであるべきだとは思いますが、民間の篤志家も数多くいらっしゃいますので、昭和六十一年に消防科学総合センターに救急基金というものを設置したのでございますが、残念ながら、大変努力をしておりますけれども、現在まで一億六千万円の御寄附を各方面からいただき、いろいろな救急に関する調査研究や、それから救急自動車十九台の寄附等を行っている程度でございまして、今後もさらに努力を続けてまいりたいと思います。
 それから、統計を急げということにつきましては精いっぱい努力をさせていただきます。
#95
○説明員(澤宏紀君) 救急医療対策につきましては、昭和五十二年度以来、特に休日、夜間における救急医療の確保のため、初期、二次及び三次の救急医療施設並びに救急医療情報センターから成る体系的な整備を計画的に推進してきた結果、初期及び二次の体制につきましてはおおむね基本的な整備水準は達成してきたところでございます。しかしながら、なおその整備充実の必要がありますので、それぞれの都道府県の実情を踏まえながら、今後とも救急医療体制の整備充実に努めてまいりたいと思います。
 なお、現在の救急医療体制の充実とあわせまして、二十一世紀に向けた我が国の救急医療体制のあり方について平成元年度及び二年度において検討を続けることとしているところでございます。
#96
○常松克安君 あとはもう大臣、これだけ聞いておいてください。
 私は、現場調査なくして発言なし、現場に知恵ありという主義で六年間お世話になります。よって、東京の池袋消防署へ行ってまいりまして、現場の声を聞きました。
 リングカッター、これも消防署の行政サービスになっておる。リングカッターといいますのは、婚約指輪をはめる。小さいものは抜けなくなっちゃう。こういうものでさえすら消防署の行政サービスなんだ。
 第二番目。自動車投身自殺します。あちらこちら手足がばらばらになります。救急隊員の方はビニールを持ってその破片の肉をビニールの中に拾って集められるんです。こういう現場なんです。
 第三番目。一番お困りになっていらっしゃるのは何か、それは浮浪者なんです。行き倒れなんです。救急隊に病院が、どちらさんですか、職業はと皆聞かれますが、住所不定の場合は病院は受け付けないです。どうしますか。そして、病院に行っ
て、看護婦さんと一緒にふろ場へ行って、三年、四年もふろに入っていない人をふろ場で洗うんです。それでなきゃ診察台に乗っけないんです。
 こういう第一線の救急隊員あるいは煙に巻かれていらっしゃる消防隊員の待遇改善というものを頭の隅にどうか置いてあげておいていただきたいことを要望して質問を終わります。
#97
○諫山博君 三月の二十日に、私は尼崎のビル火災の現場を調査してきました。ああいう場所でどうして十五名もの人が命をなくさなければならなかったのかということで、痛恨のきわみです。もっと法律が整備されていたら、あるいは法律がきちんと守られていたらこの事故は避けられたはずだ、これが私の結論です。
 三月二十日の閣議終了後の記者会見で自治大臣は次のように語ったと報道されています。「スプリンクラーがあったり、煙を遮断する扉が適切に作動すれば防げた事故だ。」。全く私は同感です。この問題について「スプリンクラー 基準見直し自治相表明」、これが朝日新聞の見出しです。神戸新聞の見出しは「スプリンクラー設置基準見直しへ 奥田自治相」。つまり奥田自治大臣が率先してスプリンクラーの設置基準は見直すべきだという見解を表明されたと思われますけれども、そう理解していいでしょうか。
#98
○国務大臣(奥田敬和君) 今先生御指摘のように、あの事故の報を聞いた、そしてその後のいろいろな情報が入ってまいりましたそのときに、私は、失礼ですけれども、消防庁の長官以下幹部に厳しい形で自分の意見を述べました。それは、仮に法的にマル適マーク設置場所であったとしても、現実に事故が発生したときに、防火戸の前に荷物を積んであったり、そして、何百平米以上でなきゃ設置基準がないからということでスプリンクラー設置がなかった、これも法的にはクリアしている問題ではあると思いますけれども、不特定多数の人が常に多数出入りする、こういった形は、単に一般的な平米数の展開だけでいいんだろうか、それはやっぱりもうちょっと厳しく指導なり規制の見直しもすべきじゃないか等々の意見を申し述べたことは事実でございます。
 それで、それに基づいて直ちに先生方によく御議論をしていただいて、見直し基準を変えるなり、そうした形の対応というものを直ちにやりなさい、もう十五人の死んだ皆さんは帰ってこないけれども、しかし二度とこれを起こさないという形のときには、具体的な行動によって、そういった二度と起こさないという形を口先だけで言ってるんじゃなくて、形と実行でもうきちっと気合いを入れてやれということははっきり申し伝え、今でもその気持ち、単にもう消防基準に合致しているからといって、訓練度も含めて、きちんと点検、視察を怠っていなかったかどうかという点も含めて、私たちにも反省する点が多々あると思っておることは事実でございます。
#99
○諫山博君 自治大臣がぜひその立場で設置基準の見直しをリードしていただきたいと思います。このことが罪なくして亡くなった十五名の人に対する最大の供養だと思います。
 そこで消防庁にお聞きします。
 消防庁は過去六年間に十三回防火壁が完全に維持されているかどうかを査察した、ところがそのうちの九回は防火壁の周囲に品物が置かれてうまく作動していなかった、こういう状況だったと聞いていますが、間違いありませんか。
#100
○政府委員(木村仁君) いろいろ資料の出所であるいは違うのかもしれませんが、私どもが尼崎消防局の記録を調べましたところでは、過去六年に十一回立入検査を実施した中で、防火シャッター付近の物品の除去を指示したことが五件あったというふうに理解しております。
#101
○諫山博君 防火扉が設置されていなければこの建物は建設されていないはずです。これは建設省、そのとおりでしょう。
#102
○説明員(山中保教君) そのとおりでございます。
#103
○諫山博君 防火扉が設置されていなければこの建物は存在していなかった、防火扉はこれほど重大なものです。ところが過去五回も防火扉が機能しない状態があった、消防署はそれを知っていた、改善を指導した、なおかつこの問題が起こったというところに重大性があると思います。
 そこで、建築基準法の立場から建設省の方でもこの点は報告を求められたことがあるんじゃないでしょうか。
#104
○説明員(山中保教君) 建築基準法の十二条に基づきまして定期的に建物を調査して、それを特定行政庁に、この場合は尼崎市でございますが、報告する制度がございます。本件の場合には三年ごとに報告をすることにいたしておりますが、一番直近のものは昭和六十二年十月二十二日に尼崎市役所に報告されております。そのときの報告では、防火関係の階段防火戸の前に備品等の蓄積がありとの報告がございましたので、排除するように行政指導を行ったというふうに報告を受けております。
#105
○諫山博君 防火扉が機能しない状態であったことを建設省も消防局も承知していた。改善を指導していた。ところが市の指導が貫徹をされていない、これが今度の事故の決定的な直接の原因になっているわけです。これは改善を指導するだけではなくて措置命令まで出すことができるはずですけれども、そこまでやりましたか。
#106
○政府委員(木村仁君) 改善を指導いたしますと、これは比較的簡単でございますのですぐ撤去をして十分に機能するようにする、こういう状態が何回も繰り返されていたようでございまして、極めて遺憾でございます。通常、いろんな入念な手続を経て措置命令を出してその徹底を図るわけでございますが、この場合はそこまではいたしていなかったと承知しております。
#107
○諫山博君 このビル火災を契機に、尼崎の消防局は尼崎市内の商業ビルについて一斉に防火扉が機能する状況になっているかどうかを検査した、ところがその七割は防火壁が機能しない状況であったと報道されていますが、間違いありませんか。
#108
○政府委員(木村仁君) 尼崎消防局ではこの機会に一斉点検を行ったのでございますが、ほぼ七割の店で何らかの管理不十分な点があったという報告を受けております。
#109
○諫山博君 大臣にお聞きします。
 お聞きのとおりです。防火扉があったら今度の死亡事故は避けられた、この点で私の認識と大臣の認識は一致しております。防火壁、防火扉はあった。ところが一斉検査をしたところ七割は機能喪失の状態であったと。今度の長崎屋のビルも同様です。これは指導が貫徹されていない。口では改善指導をしておりますけれども、この指導を貫徹していないわけですね。どうお考えですか。
#110
○国務大臣(奥田敬和君) 私も先ほど、この痛ましい事故の原因究明に当たって、消防庁の立場も含めて、大変反省を要する痛ましい事件であると申し上げたところでございます。
 その理由の一つは、先ほども申し述べましたけれども、マル適マークで設備が一応整っておるとか、あるいは防火戸施設は建築基準上、消防、そういった規則上つくられておるとか、そういった形は形式的には整っておったとしても、日ごろの避難訓練、そして常に作動するような状態におかれておったかどうかという形に対して、日々綿密な点検、そして指導を適切に完全に行っていたかどうかという点においては、大変遺憾な面もあるんじゃなかろうか。こういった面も含めて、先ほど来検討委員会を設けて、形式的な消火体制ということではなくて、より積極的な体制で、今後とも二度と起こしちゃならないという形で指示したところでございます。
#111
○諫山博君 私はこの問題で具体的な提案をします。
 尼崎市の消防局がこの火災を契機に一斉に市内を調べたところが七割が不完全だったというわけですから、恐らく日本全体で同様な状況が存在しているのではないでしょうか。尼崎だけが例外とは思われません。この事故を一つの教訓にして、全国的に一斉に点検をしてこの指導を厳しく貫くということを要望したいですけれども、いかがで
すか。
#112
○国務大臣(奥田敬和君) 消防庁の長官からも話があると思いますが、それらの問題も含めて今検討委に対策を命じておるところでありますが、今先生の御指摘のように、単にこれは尼崎だけの問題じゃなくて、全国のこういったスーパー、大型店舗を持っておるどこの都市にも起こり得る、また可能性のある事態でございますから、全国一斉にこれらの綿密な点検をやるという形を、私としては今先生の御質問に答えて指示したいと思っております。
#113
○諫山博君 もう結構です、ちょっとほかの問題を聞きますから。
 防火扉は以上で終わりますけれども、排煙設備が現地では大変議論されております。私の聞いたところでは、昭和四十六年以後につくられたビルは排煙設備の設置が義務づけられている。本件ビルは昭和四十五年四月から使い始めたもので、排煙設備の設置は義務づけられていないというふうに聞きましたが、そのとおりですか。
#114
○説明員(山中保教君) そのとおりでございます。
#115
○諫山博君 いろいろ法の不備を整備するという努力がされているようですけれども、要望したいのは、新しくできるビルに新しい基準を適用するだけではなくて、既存のビルについても新しい基準を適用する、これが今非常に求められております。今度の長崎屋のビルは、新しい基準ができるよりか一年前に建てられたばかりに排煙設備の義務づけがないわけですね。私は、基準の見直しなどが行われるとすれば、これは過去のビルにもさかのぼって適用する、こういう措置を要望したいですけれども、大臣いかがでしょう。
#116
○国務大臣(奥田敬和君) 政令か何か法的な整備も必要だと思いますけれども、私も今お話をお聞きして、まあ一年くらいの差のことで既存ビルがそれを怠っているということになりますと、これは本当に不幸な結果を招く原因でもあろうかと思いますので、そういうビルにも適用でき得るように関係省庁と検討いたしてまいりたいと思います。
#117
○神谷信之助君 交付税法の改正案について質問しますが、この問題が起こりますとたびたび議論してきているんですけれども、こういうやり方を繰り返していれば交付税制度の根幹にかかわるというように私は思いますので、この機会にもう一遍、短い時間ですけれども若干の議論をしたいと思います。時間がありませんから、答弁はひとつ、最初の方は経過、具体的な問題ですから、財政局長の方でイエスかノーかということで答えてもらうようにしたいと思います。
 本法案は交付税特別会計借入金の返済及び財源対策債償還基金費の計上などを主な内容としておりますが、そもそもこの借金は地方自治体の放漫経営が原因だということになるのかどうか、この点イエスかノーでお答えいただきたい。
#118
○政府委員(持永堯民君) 原因は、主として昭和五十年代に入りましてからの経済の停滞による税収の減収等によるものでございます。
#119
○神谷信之助君 そうすると、昭和五十年度以降、今おっしゃったように交付税特会の借入金の総額が今十一兆九千七百二十一億円、国庫負担分が五兆八千二百七十七億円で残り六兆一千四百四十三億円は地方負担、現在なお残額が一兆五千七百四十億円。それから五十一年度以降六十二年度までの財源対策債の発行総額が十兆一千七百三億円。これまで返してきて残が今まだ三兆五千九百八十五億円、こうなっています。そうすると、国の政治のやり方、それが原因でそういう借金が生まれてきたとすると、これは自治体自身には関係ないわけですから、したがってしばしば議論をしてまいりましたように、交付税法の六条の三の二項、これを厳正に守っていくといいますか、実行しておったらこういう借金は生じなかったということになると思うんだけれども、その辺はどうお考えですか。
#120
○政府委員(持永堯民君) 六条の三第二項との関係のお話でございますけれども、御承知のように、この六条の三第二項との関係で申し上げますと、昭和五十二年度にまず単年度の措置として借入金の二分の一を国が負担するという制度をつくりました。また、五十三年度にはそれを当分の間という措置に変えました。また、五十九年度には借り入れをいつまでもやるのも問題があるということで特例措置をするということにいたしたわけでございますが、いずれもこうした措置は国の大変厳しい財政状況の中で、あるいは経済が非常に不安定な状況という中でとられたやむを得ない措置であったと思っておりますし、そのことにつきましてはこの六条の三第二項に言うところの制度改正に該当する制度の改正ということで、それぞれの都度国会で御審議をいただいて法律をおつくりいただいて措置をとってきた、こういう経緯でございますので、御理解いただきたいと思います。
#121
○神谷信之助君 その点については後でまた意見を申し上げたいと思うのです。
 そこで今回、先ほどもちょっと議論がありましたが、六千九十六億円を交付税特会に返済する。本来、国税三税分の交付税総額、これは全自治体に配付すべきものなんです。それを勝手に交付税特会に返済をする、こういうことが許されるのかどうか。法定化しなければできないということ自身、先ほど局長が言ったようにですね。国税三税分はこれは全部自治体に配分すべきものだということ、これがこの交付税法やあるいは交付税制度そのものから由来するものではないのか、こういうように思うんですが、この辺はいかがですか。
#122
○政府委員(持永堯民君) 地方交付税法の本則といいましょうか、本来の姿から申し上げますと、おっしゃるようなことで国税三税の一定率は当然地方団体に配分すべきもの、こういうことでございますけれども、一方におきましては現に借入金が残高がございましてこれを返済していかなきゃならないという事態でございますので、借入金の返済のためにこの交付税の総額についての特例を設けていただくように現在法案の御審議をお願いしているわけでございますし、また、かつて借入金をすることによって交付税をふやしたときにおきましても、逆の意味での特例措置ということで法律でお決めいただいてそういう措置をとってきたわけでございますから、今回返す段階におきましても特例措置を講じていただいて返済をさせていただきたい、こういうことでございます。
#123
○神谷信之助君 その点で言うと、私はそもそも交付税制度がどういう趣旨でつくられてきたのかという根本問題をやっぱり考えてみなきゃいかぬと思うんですよ。シャウプ勧告で昭和二十五年度からいわゆる地方財政平衡交付金制度というのができました。このときは交付金総額を各自治体の財源不足額の積み上げ合算額として国の一般会計から交付する、これによって強い財政調整機能と景気変動による地方税収減退を補てんする機能、あるいは中央政府の独断的な決定と干渉を排除した客観的、合理的算定と自由財源であることの保障、それからメンバーの過半数を自治体代表とする地方財政委員会による運営など、弱点もありますよ、ありましたけれども、こういった点では民主的ですぐれた長所を持っていたと思う。
 しかし、もちろんこの点で財源不足額の積み上げ額と政府が出す総額との関係でいろいろ毎年のように紛争が起こる。そういう状態が起こりましたから、したがって今のように国税三税にリンクをする、こういう交付税制度に変えてやってきたわけです。しかし同時に、この地方財政委員会が持っていたところの内閣に対する平衡交付金の計上勧告権、予算原案提出権に準じた権限というのはもうほとんどないに等しい。名前は同じ地方財政委員会もありますよ、現在もね。だけれども、それはメンバーは過半数が自治体代表だと。そういった具体的ないろいろな自治体の財源不足額の実態に基づいたそういったものを基礎にしてどうのこうのというそういう状態ではなくて、まさに交付税制度運営権自身が自治大臣に集中する、こういう状況になってきています。
 そういう今の交付税制度に変わりましても、しかし地方自治を否定しない限り交付税制度は強い財政調整機能とそれから財源保障機能というもの
を持ち、何よりも地方自治を財政的に強化するものでなきゃならぬ、そういう認識は地方の団体においても歴代の自治大臣においても、本院の当地方行政委員会の与野党を問わず一致して認識をしていたところだと思います。したがって、これまでもしばしば我が党を初め社会党、公明党、民社党の皆さんも含めた野党各党が交付税法六条の三の二項を厳格に実施するように、交付税率の引き上げ、あるいは制度の改革あるいは臨特の交付、こういったことをするように要求をしてきたし、そういう趣旨を盛り込んだ修正案もしばしば出してきました。衆議院の地方行政委員会で二回ぐらい修正案が可決されたこともありましたね、まあ本会議ではこれは否決されましたけれども。そういうこともある。
 それから、それだけではなしに、単に野党側からそういう修正要求を出すというだけではなしに、当委員会の附帯決議として与党の皆さんも含めて全会一致でこういう趣旨の決議をしばしば行ってきた。したがって、交付税制度が本当に自治体の共有財産であり、一般財源として自由に使えるものとして、そしてその不足分については政府がそれを保障していく。憲法九十二条の地方自治の本旨にのっとった財政制度、財源の確保、これを目指してきて、財政能力の違いをお互いにカバーし合いながら自治体が自主的に仕事ができるという状況をつくるというところに根本問題があったと思うんです。
 今度のように、国税三税の総額のうちからもうぱんと特交の会計に返済金六千億円余りを出した、それで残りを分けてやる、こう言うんです。皆さんの説明は、全部配って余りましたからこっちに入れましたという言い方をさっきもなされています。そうじゃないんです。だって、各自治体にはこれだけ減すってこっちに入れますという相談をしたこともないでしょう。
 だから、私はそういう根幹にかかわる問題なんで、これこのままやっていけば、本当に何のために交付税制度があるのか。法律の改正さえすれば何をしてもいいということにならない。憲法九十二条に基づく地方自治の本旨実現を貫徹するための財源保障として交付税法があり、それで交付税制度をつくっている。このことは交付税法の第一条の目的のところにも明確になっているわけでしょう。だから、そういう立場からこれからの地方自治体の財政運営というのを考えてもらわないと、どんどん勝手に法律さえつくればいいでしょうという御都合主義でやられたんじゃたまったものじゃない、こういうふうに思うんですが、これは最後に自治大臣の見解だけお聞きして終わりたいと思います。
#124
○国務大臣(奥田敬和君) 地方自治の本旨、これは民主主義の根幹をなすものだという認識においてでございますけれども、はっきり言いまして、財政の厳しいとき、財政需要額を満たすことができなくて地方に借金を肩がわりをお願いして、随分自治体に迷惑をかけたことは事実でございます。
 今先生の御指摘された六条の三二項に基づいても二年続いて三年目からというこういった形での厳しい措置規定があるにもかかわりませず、随分長い期間にわたって御迷惑をかけてきたことも事実でございます。しかしながら、この交付税措置そのものというのは、もう地方自治にとっては大変大切な財源でございますし、他方、できるだけ中央の権限を自治体に移譲することによって自主的な財源の確保ということもあわせて緊要であろうと思っております。
 今後ともこれらの施策を中心にいたしまして、地方自治の自主性、自律性を発揮していただくようにできるだけお手伝いをさせていただきたいなと思っておる次第でございます。
#125
○高井和伸君 私の質問時間は十分でございますので、よろしくお願いします。
 それで、まず私の方が財政局長さんの方にいろいろお尋ねいたしますので、最後に大臣からそのやりとりの結果を踏んまえた御答弁をいただきたい。
 そのテーマは、補正予算における地方財政の健全化の方策はいかにあるべきかという論点から聞きます。私の結論は、やはりこういった自然増収、税制の増収があった場面において借金返済に充てるのが筋じゃないか、もっと単純に充てるべきじゃないかという論点からお尋ねします。
 そこでまず第一に、地方交付税法において返さなきゃいけない借金の残高、これをお尋ねいたしますが、地方債の残、それから財源対策債の残、借入金の残、幾らでしょうか。アバウトで結構です。本件補正予算が成立した後の数字で結構です。
#126
○政府委員(持永堯民君) 今回の補正が成立した後の数字で申し上げますと、特別会計の借入金の残高が二兆九千八百四十六億でございます。それから財源対策債の償還残高は二兆六千億ばかりでございます。それからそのほかの地方債も含めたいわゆる全体の借金は、いろんな計算の仕方はございますけれども……
#127
○高井和伸君 地方交付税の負担でやらなければいかぬものです。
#128
○政府委員(持永堯民君) 直接的に地方交付税の負担でやるのは以上でございます。ただ、厳密に申しますと、過疎債とかあるいはほかの災害の起債でございますとか、そういうものについて交付税で措置するという仕組みにはございますけれども、いわゆる借金といいますか、財源が足りないためにこういう手当てをしていかなくちゃならないというのは以上二点でございます。
#129
○高井和伸君 ただいまの答弁で約五兆六千億ぐらいの数字になりました。そうしますと、そういった場面において、これからのこういった補正予算の段階でどのような措置をするべきかというところで、先ほどの地方債の縮減の場面では、年度途中だから技術的な面が多いというようなことで、アバウトの数字で一千五百億だというようなことをおっしゃっておられましたけれども、理念的にはこれはどのように考えたらよろしいんでしょうか。
#130
○政府委員(持永堯民君) 理念的には、詳しく申し上げますと時間がかかりますから簡単に申し上げますが、やはりまず新しく発行する地方債を縮減するのが先かなという考え方を持っております。あと特会の借入金と財対債につきましては、両方の残高等をにらみながら考えていくべきものかな、こういうような考え方を持っております。
#131
○高井和伸君 それから財源対策債の数字の算出については借り入れ年度ごとにやるというようなことで数字をつくったというお話でございましたけれども、これは例えば利子の高いものから返すとか、そういう発想はできないんでしょうか。
#132
○政府委員(持永堯民君) 今回、五十六年度分について措置をすることにいたしておりますが、特に利子の高いものという考え方ではございませんで、やはり古いものから順番に返していくというやり方を前からしております。
 ただ、結果的には、今詳しく承知しておりませんけれども、多分五十六年度あたりが利子もピークではなかったろうかという感じは持っております。
#133
○高井和伸君 それから借入金の返済については、先ほど自治大臣の御答弁では、差し引き残で残ったものを特例的に措置したということでございました。この特例的にという意味合いが私はひっかかるのですが、借入金の返済については基本的には毎年度、十年計画というようなことが昨年度の答弁でも出ておりましたけれども、どのような観点からこの借入金を返していくのか、どのような観点から考えて対処するのかという点をお尋ねします。
#134
○政府委員(持永堯民君) 借入金の償還計画につきましては交付税法で一応決めていただいておりますが、毎年度の財政状況をにらみながら、財政事情が許せばなるたけ早く返還していくという措置をとっているわけでございます。
#135
○高井和伸君 今のお話ですと、なるべく早く借金返しをしたいというような話でございました。
 そうしますと、やはり地方交付税を算出する場面において私が考えるのは、地方の財政がある意
味では一定率毎年要る、不足財源も措置しなければいけないけれども、このような好調なときに、私からすれば余りよそに使わずに借金を返していくのがまず先にありきじゃなかろうか、こう思うわけですよ。ところが、先ほどの自治大臣の御答弁ではまずいろんなものに充てて、必要経費があるからと思いますが、優先順位の発想の考え方において、借金返しがまず先にありきという概念がとれないのかどうか。もし、そういったものがとれないとするならばいろいろ問題が出てくるわけでございまして、結局は先ほどの質問の中にもありましたけれども、六条一項の税率の変更を求めるほどの措置は考えられないのかという点についてお尋ねします。
#136
○政府委員(持永堯民君) まず、借金の返済を最優先にすべきであるというお考えでございますが、基本的には私どもも借金は当然事情が許す限り早く返していくべきものと思っておりますけれども、やはりそうは言いながら、一方では毎年度の地方団体の財政需要というものを的確に捕捉して、必要な交付税は措置をしていくということが必要でございますので、両方の調和を図りながら両方の面で対応していく、こういう基本的なスタンスでございます。
#137
○高井和伸君 補正予算についても同様なんですか。今のは一般予算の点なんですか、補正予算ですか、両方つながるんですか。
#138
○政府委員(持永堯民君) 補正予算についても基本的には同様な考え方で対応いたしておるところでございます。
#139
○高井和伸君 そこで、大臣に最後にお尋ねいたしますけれども、これ国の借金も含めまして、ある意味では国が対処しなきゃいかぬ借金がたくさんあるということは、対外的な国の信用という問題におきましても非常に大きな問題になろうかと思うわけです。一般的な財政需要があるという問題はこれ際限のないものでございまして、ある程度価値判断を下さないことにはそれは割り振りができないということは理の当然でございますけれども、国の借金百六十数兆円という問題を初めといたしまして、国の力を蓄えるという意味で、こういった補正予算における余ったときの使い方が例外的な措置で借金を六千九十六億円返すというような発想ではなくて、もう少しばんとした骨太の国政の財政、地方財政運営をやってしかるべきじゃないか、私はそのような感想を持っているわけでございますが、その点についてお答えいただいて私の質問を終わります。
#140
○国務大臣(奥田敬和君) 今回の場合は、本当に国税の増収に支えられてのこういった補正措置になっておるわけでございますけれども、私たちは今度必要なものは地方自治体にとって大体基準的な財政需要に応じた、それ以上に、福祉なり、地方地域振興ということにも役立てる形で交付税費目を算定したり、あるいは今までの基金を積み立てたり、あるいは財源対策債で府県に肩がわりしていただいた分のうちの公債返還、借金返済に回したり、あるいは特会借り入れの返済にも相当額、六千億強のお金を回したわけでございますけれども、はっきり言って、やっぱり借金も返さにゃいかぬ、かといって地方自治体の渇望している要望にもこたえにゃいかぬ。
 今度の場合は、地方要望にも十分こたえた、その上で中期の地方自治体の財政健全化に資するという大きな見地から借金も返したということで、ぜひ御理解賜りたいと思うわけでございます。
#141
○秋山肇君 私は固定資産税に関連して二、三お聞きをいたします。
 固定資産税の決め方というのが不透明だということをよく耳にするわけですね。確かに、現行の制度上では課税台帳は原則として所有者本人にしか閲覧ができないわけですから、自分が納めた税金が適正かどうかほかの人と比べるということもできないわけであります。固定資産税評価について基準地等に係る路線価の公開を予定しているが、その趣旨及びどのような方法で公開するのか、またその際、個人のプライバシーの保護についてどのような配慮をされるのか、お伺いしたいと思います。
#142
○政府委員(湯浅利夫君) 固定資産税の評価額等につきましては、個人のプライバシーの関係からこれを公表するということは問題があるということで、御指摘のとおり従来からこの点については公開ということはやっていなかったわけでございます。しかしながら、この固定資産税の評価額につきましても評価の適正な確保を図るという問題と同時に、納税者の固定資産税評価に対する理解を促すというためにも、基本的にはやはり路線価を公開することが必要ではないかと考えているわけでございます。
 そのために昭和六十三年の六月に閣議決定をいたしました総合土地対策要綱におきまして、「個人のプライバシーの保護に配慮しつつ、評価の適正の確保に資するため、基準地等に係る路線価の公開を行うなど適切な措置を講ずるよう地方公共団体を指導する。」、こういうことがこの総合土地対策要綱で決められたところでございます。この実施に当たりましては、平成三年度の評価がえにおきまして、この閣議決定に基づきまして、逐次公開をしてまいりたいということで、現在そのやり方あるいはどの程度の公開ができるかという点につきまして、地方公共団体等といろいろと御相談をしながら現在やっているところでございます。
 いずれにいたしましても、明年の四月の評価がえからは、基準地等につきましての路線価の公開を何らかの形で実施していくように、これから一年かかりまして地方公共団体と御協議をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#143
○秋山肇君 固定資産税というのは課税台帳主義ですから、評価が不当であれば課税側が立証しなければならないというわけですけれども、先ほど予算委員会で大臣にも御要望しておきましたけれども、どうも課税台帳主義ですから、税金の取れるところだけしか台帳を持っていないというわけですね。宗教法人だとか公益法人、国が使っているなら国が使っているでいいから、全部台帳というのは地方自治体で管理するものは地方自治体でしっかりと把握していくべきだと思うから、先ほど大臣に御要望しておいたんですけれども、この点について大臣のお考えというかその辺をちょっとお聞きをして私の質問を終わりたいと思います。
#144
○政府委員(湯浅利夫君) 大臣の御答弁の前に私から申し上げたいと思うわけでございますが、たしか前回も秋山先生からは、この課税をしていない宗教法人等についての土地の概要等についても課税当局で捕捉をしておくべきではないかという御議論がございましたが、私どもの現在の立場といたしましては、いわば課税権というものは行政の中でも一番強い権力行為の一つに当たると思うわけでございます。ですから、そういう課税権に基づいていろんな調査をするということは最小限にとどめるというのがこの行政権限を行使するときの考え方でなけりゃいかぬのじゃないかという基本的な考え方がございます。
 そういう点から考えまして、課税できるものに対しましてはその調査を十分することは当然でございますが、もともと課税できないというものにつきましての調査権というものはそれなりにやはり限界があるのではないか、課税権という観点から見た権限の行使というものにつきましてはそれなりに限界があるのではないかということで、この問題につきましてはもう少し私どもとしては検討させていただきたい、こういう感じがしているところでございます。事務的にはそういうふうに考えますので、御了解賜りたいと思います。
#145
○秋山肇君 それは、私も毎回言ってますけれども、固定資産税の評価の公開をすべきだというのと同じことで、全体どことどこが課税をされているかという、やっぱり税の公平ということからするとどうも不公平感が強いと思うんですよ。私はいつも言うんですけれども、学校法人なら学校法人、教育本来に使われておるところとそうじゃない部分とをどうするのかというのは何回もお聞き
していると思うんですね。宗教法人も同じだと思うんですが、そういうことを主にして言っているんで、その点を踏まえて大臣のお考えを、先ほど私が御要望を申し上げておいたことも含めてお考えをお聞きしたいと思います。
#146
○国務大臣(奥田敬和君) 今税務局長の意見を聞いておって、それは当然なことじゃないかなと。先生の今御指摘のいわゆる評価の台帳公開あたりは、それは不公平是正のためにも当然必要だし、それで、先ほど来御質問いただいた遊休地あたりの、何というか、原則といいますか、そういったものもはっきりしなきゃいけませんし、法人には特定なその上の積み上げの税制措置はあるけれども、今言われたような法人等に対しては免税の措置があって、それもどこにあるか、それがどういう形態になっておるか。遊休地一つとってみても、そういったいろいろな形態があるんだと思っております。
 そういう面で、今先生の御指摘された点は、あくまでも税の公平公正な負担という形を通じての問題点であろうと思いますから、そういった評価の台帳問題も含めて自治体にどう対応した方がいいのか、先生の御指摘を踏まえて勉強させていただいて、その方向に沿うように努力してみたいと思っております。
#147
○委員長(渡辺四郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#148
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#149
○諫山博君 私は、日本共産党を代表して、地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、地方自治体共有の財源である地方交付税を、本来国が負担しなければならない交付税特別会計借入金の返済や、財源対策債の償還基金費に充てていることであります。
 オイルショックを契機に昭和五十年から地方財政は毎年巨額の財源不足を生じましたが、本来、これらの借金は地方交付税法第六条の三第二項に基づき、交付税率の引き上げ、または地方行財政制度の改正によって財源不足を補てんすべきものでありました。だからこそ、本委員会でもたびたび地方交付税法の審議に当たって、交付税率の引き上げや臨時地方財政特例交付金の交付を求める附帯決議や、野党共同提案による修正案が提出されてきたのであります。
 しかるに、政府・自民党は、国の財政事情の悪化を理由に交付税率の引き上げを拒否したばかりでなく、財源不足の穴埋めを交付税特別会計の借入金と財源対策債の増発で行い、地方自治体に借金を押しつける政策をとり続けてきたのであります。
 したがって、これらの借金の返済は政府の責任において行うべきものであり、地方自治体共有の財源である地方交付税をもって充てるべきではありません。
 反対理由の第二は、本来自由な一般財源であるべき地方交付税の性格をゆがめ、特定財源化をさらに強めていることであります。
 本改正案の主たる内容である交付税特別会計の借入金の返済と財源対策債の償還基金費は、借金返しという形で交付税の使途を特定し、それを地方自治体に強要するものにほかなりません。ふるさと創生一億円事業においても、交付税の特定財源化の問題を指摘してきましたが、今回の措置も、交付税法第三条第二項の趣旨に反し、事実上交付税の使途を制限するものと言わざるを得ません。
 以上、本改正案は、憲法第九十二条に規定する地方自治の本旨及び交付税制度の根幹にかかわる問題を含んでおり、反対であることを表明して、私の討論を終わります。
#150
○委員長(渡辺四郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#151
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#152
○委員長(渡辺四郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#153
○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後九時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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