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1990/06/22 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 地方行政委員会 第9号
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1990/06/22 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 地方行政委員会 第9号

#1
第118回国会 地方行政委員会 第9号
平成二年六月二十二日(金曜日)
   午前十時四十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二十一日
    辞任         補欠選任
     野村 五男君     鳩山威一郎君
 六月二十二日
    辞任         補欠選任
     鳩山威一郎君     野村 五男君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         渡辺 四郎君
    理 事
                竹山  裕君
                松浦  功君
                渕上 貞雄君
                諫山  博君
    委 員
                井上 章平君
                岩崎 純三君
                大塚清次郎君
                後藤 正夫君
                須藤良太郎君
                野村 五男君
                岩本 久人君
                佐藤 三吾君
                篠崎 年子君
                常松 克安君
                神谷信之助君
                高井 和伸君
                秋山  肇君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    奥田 敬和君
   政府委員
       警察庁長官    金澤 昭雄君
       警察庁長官官房
       長        浅野信二郎君
       警察庁交通局長  関根 謙一君
       自治省税務局長  湯浅 利夫君
       消防庁次長    島崎  実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹村  晟君
   説明員
       総務庁長官官房
       参事官      鈴木 光男君
       通商産業省機械
       情報産業局自動
       車課長      鈴木 孝男君
       運輸省地域交通
       局自動車業務課
       長        山下 邦勝君
       労働省労働基準
       局監督課長    氣賀澤克己君
       建設省都市局都
       市再開発課長   安達常太郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(渡辺四郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 道路交通法の一部を改正する法律案及び自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○常松克安君 冒頭からではございまするが、去る六月二十一日に発生いたしましたイラン地震に関しまして、我が国といたしましても本年より国際防災十年と銘打って全世界に宣言をいたしました。今や地球規模における我が国に対する防災というものに非常に関心を深くされているさなかでございます。多くの方々、お聞きいたしますと、一万人以上の死傷者が出たかのように報道関係から耳にいたしました。これについては、もうすぐさま今ありますところの国際消防救助隊というものの出動、あるいはまた警察庁におきましても、これよりまた国内におけるこういうふうな問題をどのようにさばいていくか、非常に経験を深くしていかなきゃなりません。これまたあわせて、人道的にすぐさまイラン回教共和国にこれらの方々の派遣をすべきであると、このように御提言をいたしたいわけでございますが、各所管の方々のこれに対するお答えを願いたいと存じます。
#4
○国務大臣(奥田敬和君) 大変いい御提言をいただきました。国際緊急援助隊の派遣の法的整備はもう既に終わっておるわけでありますけれども、ちょうどけさ三時ごろですか、夜中ですけれども、外務省を通じましてイラン政府から正式にこういった緊急レスキュー隊の派遣要請があったわけであります。したがって、直ちに態勢を組みまして、きょうじゅうにまず第一陣六名を一応派遣する、消防庁の職員を一人長にいたしまして、全国でレスキュー隊大体五百名以上登録してある中から選抜いたしまして、第一陣六名を直ちに派遣する。それで、第二陣以下、現地の状況を見た上で、百二十名くらい今待機をさせる指令を出したところでございます。もちろんヘリコプターや必要な資器材の集積の準備もございますから、そういった形で即応したわけであります。警察庁も同様の要請をいただきまして六名、これもきょうの夜中出発いたします。
 そういうことで、今先生の御指摘がございましたように、国際的にこういった形に貢献できる国として、こういった法律の趣旨も生かしましてそういった対応を整えたところでございますので、御報告を兼ねてお答えにいたします。
#5
○常松克安君 一つ老婆心ながらつけ加えさせておいていただきますが、災害特別委員会でも私提言申し上げております。つまるところ、サンフランシスコあるいはアルメニア、いろいろな経験を踏まえまして、日本でなくてはならないという一つの救助のあり方、すなわち一番何が大事か。警察犬をもって瓦れきの下に人命を助けようといたしましても、悪臭で二日間でその犬の臭覚が失われます。そのときに人間の温度感知器、これは日本から持ち込んでいかれたそうです。あるいは二十メートルから成るファイバースコープ、このことによってサンフランシスコでは百五十名の負傷者を救助したと、もう世界でも非常に高い御評価。
 これは現地の方々にお任せするといたしましても、今までどちらかといいますと、地震がある、要請を受ける、しかしそれがどう、ああこうと縦割りで対応できずして遅くなっていく。遅くなって一週間おくれたら一週間返りが遅くなる。人の人命を救うということが、治療が長くかかるということがあるようでございます。
 そういうことで、そのように早速決意、決断なさいましたることは、これはもう大臣の決断に敬意を表するものでありますが、世界のありがたみで、非常にヒューマニティーに五十トン百トンから成るブルドーザーを飛行機でどんどん空輸していく。日本のはどこにおるかというと、その辺に、あっちゃこっちゃに十名、二十名というふうな非難もあるいは受けてきたかのように聞いております。どうかその六名、六名にかかわりませず、被害状況、現地の探索におきましてそれ以上のすべての手を打って、ここに日本が地球規模における人道に対応できる国であるということも一つの新たな世界の貢献の道かと存じます。そういうふうなお考えであっていただきたいことを付しておきます。
 さて、当委員会に付託されました二法案に関係するものの中で質問をさせていただきます。
 まことに唐突な言い方でございますが、警察庁長官、デンバー・ブーツという言葉を御存じでしょうか。――通告しておりませんからいけませんわな。後ほど御説明いたします。これは局長も御存じございませんでしょうね。――後ろに座っていらっしゃるどなたでも結構。――だめですか、結構です。後ほど御説明をこちらからいたします。
 まず一つは、通産省にお伺いいたします。こういうような車社会というふうになった。大臣のお言葉をおかりいたしますと、よもやこんなにまでスピード、高齢化社会どころの話じゃないと。もう五年十年前からするとこのような車洪水といいますか、こういうふうに社会の位置づけがなってきたし、あるいは国民の皆さんも生活の足として、これはもう避けることのできない必要なものとして、そういうふうな中で、ユーザーが自力で車庫が持てないならば、メーカーが、ディーラーが安く広い土地を確保して、そうしてそういう人たちに提供していくという考え方が車の生産のスタートの中からあってしかるべきだと。どんどんとつくることに専念は結構だけれども、そういうふうなユーザーの立場における駐車場までフォローするという、これがすなわち製品に対する責任というものであるという声もあります。
 さて、今日になりまして社会にどう還元していくか、これから検討じゃなく、それを具体的にどう還元していくか、まずこれをお尋ねします。
#6
○説明員(鈴木孝男君) お答えいたします。
 通産省といたしましても、現在の車社会をどう考えるか、大変私どもも深刻に認識しておりまして、実は昨年機械情報産業局長の私的諮問機関としまして、二〇〇〇年までの自動車に関する政策を検討した委員会がございますが、そこでも社会的ニーズ、いわゆる環境とか交通安全とかあるいは狭い日本にどういうふうな形で車社会を築くかとか、そういうようなことの検討もいたしました。
 そういった形で私どもとしましても、メーカーあるいはディーラーに、車をつくる、あるいは売る立場から、どういう形で車を使われるのか、そういうことも日々認識したらどうかというようなことも心がけております。大変難しい問題もありますし、またメーカー、ディーラーもこれはいわゆるマーケットに応じたものをやるんだという形もありますが、先生今御指摘のような民間の駐車場をどう整備するか、そういう中でこれから公的駐車場の整備と民間の駐車場整備のいろいろな関係はあるかと思いますが、メーカーなりディーラーが、できるだけそういう駐車場整備に心がける。その中で、例えば自分たちが持っております資産を有効に活用して、民間駐車場の拡大に資するかどうか、この辺につきましても、十分私どももこれから検討してまいりたいと思っております。
#7
○常松克安君 これから検討じゃ、それを一つの責任のある立場という責任を明確にしてないと一緒であります。そうじゃなくして、具体的にと私、申し上げておるんです。これから検討するんじゃないんです。大変なことになっているという認識は十分おありでございましょう。
 例えば、これは提言でございますが、今ある自動車販売、いろいろ場所、ございます。どうしてもこれは広い場所にいろんな車を置いておかなきゃならないとか、これはもう商業上やむを得ない。こういうところに一部を、地下三階地上十階、こういうふうな駐車場をメーカー自身が社会に還元するんだと、こういうことにおいてやっていくというお考えはございませんか。
#8
○説明員(鈴木孝男君) 現在、政府全体としましても、建築基準法の問題を含めまして、どういう形で民間の駐車場整備を進められるか、そういったことも検討しておりますので、そういう中で私どもは、メーカーの団体あるいはディーラーの団体などとも十分相談いたしまして、そういう高層化を含めました駐車場整備につきまして検討をしてまいりたいし、またその検討ということは、前向きに取り組むということでございますので、なかなかメーカー、ディーラーの意識の改革というのも時間がかかると思いますが、そういう方向で通産省としても検討してまいりたい、こういうことでございます。
#9
○常松克安君 そういうときには通産省さん、まことにいい御提言ですからと頭にちゃんと入れるんだよ。そっちはそっちの考えがあり、私は私でもうそんなこと以上に考えておる。
 じゃ建設省にお聞きします。今何か聞きますと、そういうのを建てようと思ったら建築基準にひっかかるみたいな言い方をされましたが、どうですか、それは。規制ありませんか。――じゃいいです。さようなことは通告受けておりませんので聞いておりませんと言うんでしょう。じゃ、もう方向を変えます。もう少し何を聞かれてもいいようにしておいてくださいね。これ大変な問題なんですから。
 警察庁にお伺いいたします。これが一つ社会問題になった車庫飛ばしですけれども、これは今後ともどんどん摘発をいたしますか。私の言いたいのは、全国のディーラーを全部調べましたか。なぜか、こういうところに車を預かる。コックをあけっ放し、水をどんどん下へあふれさせておいてから、どこに原因があるんだといったら、なるだけそういう痛みの触れぬ触れぬところへ行こうとする。そしていいと思ってノーハウ教えてもらって買ったユーザーが困っちゃう。
 いま一つ。その車庫飛ばしがあったときに、罰則規定として一年間営業停止をするだけの御覚悟はありますか。
#10
○政府委員(関根謙一君) 車庫飛ばしは、一番被害をこうむりますのは、車庫飛ばしによって車を買われたユーザーの方でございます。そこで、そのような車庫飛ばしというような方法で車の売買が行われることのないように、これからも取り締まりに努力してまいりたいと存じます。
#11
○常松克安君 罰則、営業停止。
#12
○政府委員(関根謙一君) 罰則は今回改正をしていただきますれば、この自動車の保管場所の確保等に関する法律第十七条の規定によりまして、虚偽の届け出ということになるとすればこれは十万円以下の罰金ということで、従来の三万円以下の罰金から引き上げられるということになります。あわせて刑法の規定、公正証書原本等不実記載の問題でございますとか、幾つかの規定の適用があり得る場合がございます。そのような規定の適用を考えているところでございます。
#13
○常松克安君 いや、私が御質問申し上げておりますのは会社のことを言っているんです、車庫飛ばしした会社。全国にはまじめな人も多いんですよ。しかし、中にはそういうノーハウを、ぎりぎりいっぱいの法律、法律の中を手繰った結果、こういうふうなある事態になったということは指摘されているわけですね。そういう摘発があったときに、個人の責任じゃなく、会社に対して営業停止処分をする、こういう罰則のお考えはございますかと聞いておるんです。個人じゃない。
#14
○政府委員(関根謙一君) 企業に対しましては、刑罰の適用というところで、両罰規定の適用で企業の責任を問うということはございますが、その営業の停止等の行政処分的な内容のものは考えておりません。
#15
○常松克安君 じゃ済みません、建設省の方、突然なことを言いまして。後ほどまたそれにひっかかっての問題がございますので、ちょっと今からでも、時間がございますからお調べになっておいてください。
 先ほど本当に冒頭から失礼な、聞きなれぬことを申し上げました。デンバー・ブーツといいますのは、今皆さんがお使いになっているホイールクランプのことです。なぜかならば、今あるホイールとタイヤをガチャッとはめ込んで動かないようにしてしまう。このもとはどこから出たかというと、デンバーで開発された。そして、それからデンバー・ブーツと、こう言っておるんです。こういうふうなものをこれから駐車違反に対して、非常にロンドンでは効果を上げているかの御指摘もございますが、使用されていくお考えはございませんでしょうか。
#16
○政府委員(関根謙一君) ブーツの問題は私どもも今回検討をしたところでございます。
 しかしながら、現在は駐車違反の場合には刑罰によってその違反の責任を問うという形をとっておりますので、仮にそのブーツをはめて動かせないようにするということにいたしますと、特に駐車禁止とされている場所に駐車をされている、そこで動けないようにするということの本来のねらいはどこにあるかということを考えますと、やはりその車をとめた人の出頭を確保するということになるんじゃなかろうかということになってまいります。そこで、私どもこのような刑罰をやめまして、行政制裁金というような仕組みを仮にとることができたとしたら、その場合に、特にパーキングメーター等が設置されている場所等、本来車をとめてもいいような場所で料金を支払わないために違反になるような人に対してその料金支払いを確保するような仕組みとしてそのブーツというものが考えられないかということで検討をしたところでございます。
 しかしながら、今回の検討過程で行政制裁金の仕組みを導入するということになりますと、いろいろなシステムの大きな変更を伴うということがわかってまいりましたし、その他若干まだ検討すべき課題があるということがわかってまいりましたので、その行政制裁金の制度を導入するということを見合わせたところでございます。これに伴いましてブーツの使用ということも今回は見送ることにしたということでございます。
#17
○常松克安君 じゃ、角度を変えてお尋ねいたしますが、瞬間的に駐車違反は十八万台、これは航空写真を撮って勘定されたのか。いただいた資料によりますと、調査員が出かけて瞬間的に見た、まあ瞬間的というのは十八万台よう捕まえたと。じゃ、何名の調査員で十八万台を捕捉されたんですか。
#18
○政府委員(関根謙一君) 人数の方はちょっとはっきりしないのでございますが、平成二年四月二十五日、午後二時から午後五時までの間、都内の幅員四・五メートル以上の一般道路延べ一万一千キロ余りのところでそれぞれ数えたということ、データがございます。したがいまして、同じ車がその三時間内に別のところに行ってまたとまっているというのもあり得るという考えでございます。
#19
○常松克安君 決して他意あって申し上げているんじゃございません。ほとんどこういう調査はコンサルタント会社だとか外注されまして、カチャカチャカチャカチャ、いろいろな方法はあると思うんです。私の聞きたかったのは、その二時から五時まで捜査員の方が一万ぐらい出られて、この目でしっかりと確かにきちっとここは駐車違反なのかどうなのか調べたのか。
 例えて申します。東京都内にPという駐車してもいいという掲示板というようなものは、探したって実にない。目につく標識は全部駐車禁止、一方通行、禁止というものばっかりであります。そうして考えますと、調査するときにそこがとめていい場所なのかいい場所でないのか、素人の人にはわからぬような調査であってはならぬと思う老婆心でこれ申し上げておるんです。十八万ということならその資料は、調査は信頼してちょうだいしますが、それだけの能力というものがあって、この警察庁の駐車違反というものは物すごい、火中の栗を拾うことになるんです。大変なことになるんです。
 ロンドンは日本のデータと同じような込みようでありましたが、このブーツ一件できれいになっているんです。なっている原因はお調べだと思います。それは、そのブーツをはめ込むのは警察官じゃない民活に任せたんです。民活は、一台かぎ閉めたら何ぼやと思うてせっせっせっせと片っ端からみんなかけてしまったんです。それを今度は錠を外すにはその管轄の署へ行って罰金を払うて、刑事罰じゃないんです。罰金を払うて、これは静的なもんです。動と静と違反は二つあるんです。動の方じゃなくて静でありますからできる、やる気ならできるんです。そして、立ち会いの上で警察官がかぎをあげる。ところが困りました。警察が万歳しちゃった。なぜ、そんなことが次から次から、民活はかぎかけたら幾らと払うもんですから、そうしたら警察も対応できないんですよ。そして民活の業者とタイアップして一日何台という協定を結ぶ、そして今日に至っている。
 そういうふうなことも調査の上であるから検討は後ほどというなら非常に説得力があるんです。ところが今の答弁は、もう役人用語でだあっと言っているけれども、全然ぴいっと骨の髄にまでしみ込むような納得性、説得性というのが欠けておるわけです。ですから、私は例として申し上げた。その後に来るこの駐車違反という問題でございます。
 この問題について、そういうこともありますから、本当にこれは警察庁はやる気だな、懲らしめるんじゃないですよ、いじめるんじゃないですよ、これはやる気なんだ、私たちもこれは守らにゃいかぬ。片方は駐車違反どんどんどんどん、何をおいても工事は始まってきておる。建設省の基準は変わってきた。附置義務は厳しくなってきた。いろいろな情勢の中で、やはり法案を責任を持って出していらっしゃるのは警察庁なんですから。警察庁は本当にいかぬことはいかぬのだという姿勢を示さぬことには、法案ができて、法案が勝手に侍風に歩いてしまって、後何の効果もない。三次、四次の交通安全対策というものが目的を果たすことできずに、それは金がなかったから、それはこっちの縦割りやとまた御託を並べるようなことでは、もう第五次のその対策は失敗するのは火を見るよりも明らかである、こうなってしまう。そういうことで申し上げているんですから、もう一度そのクランプについてのお考えを短くて結構ですからお知らせください。
#20
○政府委員(関根謙一君) 行政制裁金の制度を含めまして、クランピングにつきましても前向きで検討を進めたいと考えます。
#21
○常松克安君 それでは今度は第二点目でございまするが、総務庁いらしておられましょうか。
 東京大学の越先生を中心にしていろいろ提言を受けていらっしゃいます。この受けられました中で、即刻にでもこれは対応せにゃいかぬというふうな決意のほどの条項がございましたらお示しください。
#22
○説明員(鈴木光男君) お答えいたします。
 趣先生を中心といたします懇談会の方から、総務庁長官に対しまして先般、懇談会の意見を取りまとめた報告がございました。
 その内容は、非常に広範にわたる部分がございますけれども、総務庁に関係する分野といたしまして、交通事故の分析の総合的な充実あるいは交通安全運動の的確な実施、総合調整機能の強化、こういったものがございました。これらにつきましては、特に越先生の強調されておりましたのは、交通安全対策の出発点である交通事故の分析体制の充実について早急に検討すべきであるということでございますので、こういう交通事故の分析体制の充実につきまして、当庁といたしましても関係省庁と協議しながら、早急にその推進を図ってまいりたい、かように考えております。
#23
○常松克安君 こういう答弁になろうかと存じまして、これは国家的な大問題の法案であるから、委員部にできる限り各省庁の局長にこの会議に臨んでいただきたいことの要請をいたしましたが、非常に向こうの方がお忙しいようで、行かれへんと聞かされました。もう一度申し上げます。これは警察庁とも関係ございますんでちょっとお聞きください。
 これは大臣の御答弁の中にも、これからの時代はもうコンピューター、テクノロジー、これに関するものをどんどんどんどん取り入れていきたい、こうおっしゃるんですが、果たして警察庁にそのノーハウを蓄積した電気、工学、電子学科を上がった、経験を踏まえた、そういう人が何人いらっしゃるんだろうかな、まず一つ。
 今後これが各都道府県に行きますと、そういう方々はあるかないかという状況の中でこれをやられますと、これは警察庁じゃございませんよ、別に例がございまして。それを一々一々捜査して、実験して、そしていい方法を編み出すという、こういうふうな方策があるかのようなお話も伺ったわけです。どういう意味か。大体五十キロやったら夜間でこのぐらい行こうか、八十キロやったらこれ流れがいいか、そんなことで交通センターでカチャカチャカチャカチャやられて、ドライバーが一々一々、きょうの信号はえらい短いの長いのなんというようなことになったとしたら、これは交通整理しておるんじゃなくて混乱をしておる。
 私のこれ実際の体験ですけれども、東京駅に着きまして地下鉄で赤坂見附へ行く。あすこは三つ渡らにゃあかんのですよ、徒歩で。スムーズにいくときもあるんです、時間によっては歩行者優先で。ところが、ある時間帯になったらころっと変わるんですよね。私は足短いんですよ。それでいつも小走りで走るんですよ、信号に間に合うように行こうと思って。ある時間帯になったらというのは私の推測ですがね。
 こういうふうに交通センター一つ取り上げて、そのノーハウということをされるということに対しては、これから大臣の意向を受けて各都道府県がこれに対応する、いろいろな問題、今富山県とかいろんな各都道府県で実験的にいいデータ出していただいております。さぞかしその人はノーハウを蓄積した人だと思います。ですからもう一度、そういう意味でお聞きをいたします。警察庁にそういう専門官が、何ていう方がいらっしゃるんだろうかな、各都道府県にはそういう方々が数多くいらっしゃるんだろうかなと。お願いします。
#24
○政府委員(金澤昭雄君) 能力の点について申し上げますが、私どもの方には通信関係の技術者がたくさんおります。通信関係は全国で四千人以上、これはすべて警察庁の職員という身分でやっておりますが、技官で特に管制の技術、いろいろなテクニックを開発し、それを過去から現在に至るまで多くの都道府県の管制センターの実現ということで今までやってきたわけでございます。今お話しありましたように、細かな点につきましてはなお研究の余地がもちろんあると思いますが、一番新しいハイテク技術の導入をしてそれをどうこなしていくかということにつきましては、これはもう世界的水準というようなことで我々力があるというふうに自負をいたしております。また、その警察庁の技官の出先が各都道府県警察の通信部、また交通部の中に置かれておりますので、警察庁の方とタイアップしながら第一線の方のレベルアップに努めていきたいと思います。
#25
○常松克安君 それでは任せ切れぬとして越先生は指摘していらっしゃるわけです。そうですな総務庁、この越先生の主張をおっしゃってください。
#26
○説明員(鈴木光男君) 先生御指摘の件は交通安全対策に関する懇談会の報告と考えてよろしゅうございましょうか。
#27
○常松克安君 もう結構です。
 すなわち外注してはどうかという提言をしていらっしゃるんです。ということは、なるほどという一面もあるんです。偉い方々は転勤転勤でころころかわりなさる。これから土日閉庁といいながら、現場はそんなわけにいかぬけれども、管理職になるとそれはタイアップできぬ。そういうふうなことを考えると、確かに専門であるけれどもどうしてもそこは内々の世界になってしまうから、もっと大きな国民のコンセンサスのとれるようなノーハウであるべきである、こういうような御指摘の御提言でありますから、研究材料の中へ入れておいていただければ結構でございます。
 それじゃ次に行きます。
 その次は、非常に端的にお聞きして申しわけございませんけれども、他人に車を貸した人あるいはレンタカーあるいはまた車を買ったときに月賦で払う、まあ割賦と言っていますけれども、このときは全部支払いが終わるまでその会社の所有権になっているわけですな。個人のものになっていないわけですよね。こういうふうなことになってきた場合、使用者の責任を問うという段階で法的な流れが非常に心配される向きもあるものですから、どうお考えでしょうか。
#28
○政府委員(関根謙一君) 割賦販売で未払いの場合は、所有権は買い主に移っておりませんで売り主の方でございます。したがいまして、道交法上の扱いは、所有者が売り主、使用者が買い主という立場になります。つまり割賦販売で完済はしておりませんために所有権は移転しておりませんが、しかし事実上その車を使用して運行管理する、何らかの権限を持たれて使用されているわけでございますので、道路交通法上の扱いの使用者は買い主ということになります。
 それからレンタカーの場合でございますが、これは使用者はレンタカーを貸す方、多くの場合会社形態をとっておると思いますが、その企業の方が使用者で、それを借りている人は運転者という立場に立とうかと存じます。
#29
○常松克安君 そういうふうに一つ一つこれが実際に政令だとか規則の中でされる場合は、どうかここでの先生方の論議を外さないようにしていかないといけない。ここさえ通ってしまえばいい、実務のできたその中には意見を指摘したのも入っていない、また変わった動きになることだけは警告いたしておきます。そうしないとこの論議というものが、結局通しさえすればいい、だから急ぐのか、何でこんな重要法案というものがどんどんどんどん行き過ぎるのか。提案者である大臣並びに長官が何ぼ運の強い男か知らぬけれども、出したものは皆通るというわけにいかねえぞなんというようなおしかりの声も聞こえてくるものですから、この辺のところはよほど慎重にお聞き願わないと。
 レンタカーだとか、そういうところはもう違ったことを言うんです。違反された場合にはこれ当方も法的にひっかかってきますので前金をいただかなきゃいけませんとか、そんなことが、まだ法案を一生懸命審議しておるのにもう取り越し苦労でいろんなことが出るんです。ディーラーの方も頭使うて、こんなもの一々駐車違反で所有権やというようなことを言うて、法的にいけば今の答弁は少し疑義があるんですよ。法制局に問い合わせていけば。こういうふうなところの精査というものをきちっとしておかないと、いざというときに問題になっては傷がついてはならぬから老婆心ながら申し上げておるわけです。
 それで、くどいようでございますが、こういうところは非常に大事な車社会なものですから、もう一度答弁を確認いたします。間違いございませんですね。
#30
○政府委員(関根謙一君) 先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、当委員会での先生方の御意見を初めといたしまして、今まで賜りました数々の御意見をすべて前提にして誠実に、もしこの法律をつくっていただきましたならば、私ども謙虚に誠実にお考えを実現させていくように努力いたします。
#31
○常松克安君 次は方向を変えまして、渕上先生の昨日の質問を聞いておりましてやはり非常にわかりにくいなと思いますのは、この活動推進委員の件でございます。どうも説得性がない。答弁の内容だけを聞いておりますと、むしろこんなものなくたっていいんじゃないかと。違うんだ、どうしてもこれは必要なんだということをお話しなさる機会を与える意味でもう一度確認をしていきますけれども、このつくり上げた理由というのは何なんでしょうか。なぜ必要かという理由を手短に、一つ何、二つ何、三つ何、以上、こうやってください。
#32
○政府委員(金澤昭雄君) それでは、要点について御説明いたしますが、まずその必要な理由でございますが、これは現在問題になっております駐車を含めての道路の使用の問題、これはもう地域ぐるみで解決をしなければならないということが一つでございます。警察、役所側だけの力では到底そういう問題は解決できませんので、地域ぐるみで解決をしようということで、その地域のこの関係、こういうモラル向上の運動の推進役となってもらうためにこの推進委員制度というものを御提案をしている、これが一つでございます。
 それから、どういう効果かというようなことでございますが、いろいろ考えられますけれども、端的に申し上げますと、まず一つは法的な裏づけを与えることによりまして、推進委員になった御本人が非常に意識が高まるということがこれは必ずあると思います。それからもう一つは、受ける側の地域の方々の方から見ますと、今までボランティアがおやりになっておったことが法的裏づけを持ってそういう推進活動が行われるということですと、その活動に対する認識が今までとは違った意味で住民の方が受けとめていただけるということで、両々相まってこの制度というものは非常に生きてくるだろう、こういうふうに考えておるわけでございます。
#33
○常松克安君 それでは今連発されましたこういう人たちに与える法的な裏づけ、まあ言うならばそういう人が現場へ例えば作業に行きましたと、ボランティアの方と民間と一緒に。ところが駐車していることを注意したら向こうがばか者といって食ってかかって殴りかかった。そういうときに公務執行妨害罪を適用する権限を持たせるという法的根拠は何でしょうか。
#34
○政府委員(関根謙一君) 基本的にはただいま先生言われましたような個々具体的に注意、指摘するといったような活動は考えておりません。ただいま長官が御答弁申し上げましたように、地域住民の方々の駐車問題についての意識を高めていただき、モラルを向上させていただく運動の推進役ということを考えております。
 ただ、公務執行妨害の関係でございますが、そのような推進運動をしようということで、例えば住民集会の開催かなんかを提案するのを故意に暴行等を加えて妨げたというような場合にはあるいは公務執行妨害ということもあり得るかもしれないと存じますが、ちょっと考えにくいような事態であるという認識を持っております。
#35
○常松克安君 じゃ、角度を変えまして、公務執行妨害罪というふうなそういう人たちに権限を与える考えはない、こういうことですね。そういたしますと、このボランティアの人が一生懸命やって殴られたときはどうなるんですか。
#36
○政府委員(関根謙一君) 純粋に民間の方でありますと、民法の不法行為の規定による損害賠償の請求権があるということになろうかと存じますが、この方々につきましては非常勤の地方公務員という性格を持たれることになろうと存じますので、地方公務員の災害補償法の規定に基づきまして条例で定める補償を受け得る地位を持たれるということになろうかと存じます。
#37
○常松克安君 この辺のところがややこしくなってきたんです。そうしますと、そのボランティアの人に、おっしゃらんとするところは、特別地方公務員制度という条例の規約があるんです、地方自治法の中に。そういうふうなものの枠で身分というものをきちっと約束をしてあげる。そうすると地方議会の議決が必要になってきます。そうなってきますと、その人たちの実費弁償というのはどうなるんだと、予算が伴いますよと。しかしきのうの説明を聞いておりますと、今度は逆なんですな。この推進委員の人は現場も行きません、集まって啓蒙してやるだけです。ところがきのうの答弁の中には駐車違反という。するとそういう現場へもややこしいところは立ち寄らぬ、冷暖房のきいた涼しい暖かいところで議論するだけの要員をわざわざ各都道府県の公安委員会規則の中に置いてそれをそういうようにしていくのか。私たちこれ最初一本化だと思っていました。ところが上の方は国家公安委員長の委嘱というんでしょうかね、何というんでしょうか。
 そしてこれは全国に各署、何々署何々署、約十名とおっしゃった。そうしたらこれは警察署全国で何ぼあるのか。きのうはたまさか答弁の中で、その人たちの実費弁償は見ます、こうおっしゃった。ところが法的にいきますとこれがまたややこしいんです。その実費弁償なる中には、あっちもこっちも研究に行きますとおっしゃる。そうしたら旅費どうするんだ。手当は出しません。そうしたら日当はこの法律に一体どう兼ね合いするんだ。非常にその辺のところの条項というものが複雑になってくるんですが、逐条的にこれは明快にさせておいていただかないと都道府県が混乱するんです。そうしないと、駐車だとかそういうもの、そんな名ばかりつくって、やるのは警察官がやっぱりやるんですなと。こういう方々はただビラ配ったりシール張ったり、ひとつ駐車違反に気をつけましょう、ここはだめですという呼びかけで、こういう今の火中にクリを拾うようなこの駐車問題に対しては我々がどんな泥をかぶってでもこの車社会を改革するんだという法案に非常になじみにくいものになります。よくこの辺のところを精査していただかないと困るんです。
 ボランティアは地方自治法の第何条でどうするんだ、費用弁償はどうするんだ、予算化はどうするんだ。推進活動もそうです。中央で国家公安委員長。各都道府県。そうなった場合、第何条第何項の費用弁償のその対応はどう考えているんだ。こういうふうに非常にこれはそれほどえらい苦労なすって汗かいて一つの署で十名ぐらい。全国で警察署何ぼあるか知りませんよ、これからお伺いしますけれども。それだけの大量の人数の人たちに実費弁償の予算化というと、じゃ後で自治省はそれを交付税で面倒見るのか、こうなっちゃう。
 ですから、もう一度聞きます。全国で警察署は何署あるんでしょうか。
#38
○政府委員(関根謙一君) 千二百四十八署でございます。
#39
○常松克安君 一署について十名とすると一万二千名です。これの実費弁償ときのうおっしゃった。法的にはそうじゃない、別の語句になっているんですよ。実費弁償として予算はどのくらい要ると思いますか。
#40
○政府委員(関根謙一君) まだその額を精密に計算しておりませんので、今後検討してまいりたいと存じますが、根拠は地方自治法の二百三条の三項でございまして、この三項及び五項の規定によりまして非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例が各都道府県で定められていると存じます。その規定によって実費、旅費、日当等でございますが、支給することができるようにこれから仕組みを考えてまいりたいということでございます。
#41
○常松克安君 やっぱりもうちょっと精査をした方がいいですね。
 じゃもう一度聞きます。ボランティアの人たちの資格は一体どこの第何条の法的根拠をもってお考えになっているんですか。
#42
○政府委員(関根謙一君) 地方公務員法の三条三項の三号にございます嘱託員、これに該当しようかと存じます。
#43
○常松克安君 そうです。
 これは、大臣にこんな話の中でお伺いするのはどうかと存じますけれども、やはり警察庁なんでしょうか、法案をつくるということに対してはちょっと苦手なところがあるんじゃないでしょうか。先の先の先まで考えてこれを起こさないと、各都道府県がこれは条例に、各地方の議会議決にまで及ぶものなのであります。そうしますと、これは予算を使わずにただ言葉だけ言っている間はまだ済むんですけれども、さあ予算化となりますとこれは大変大きな問題。ということは、この予算に対してそんな国の法律でこれ違法駐車を取り締まることができるのか、一体この法の目的というものは支えられるのか、こういうふうなことになりはしないか、こういうふうに私は感ずるわけです。
 特に、その中でもボランティアの人、民間の人たちの地位を特別職地方公務員、第三条にゆだねて与える。それで片方の上の方は、国家公安委員会、県公安委員会、全然なじまない、スタートが違うわけです。一本化ならわかる。そして、上の人は現場へ行かぬ、下の人たちが現場へ行く。地方公務員制度に当てはめるからには、ここにこそ公務執行妨害罪というような枠を決めてあげないと、三ナンバーなんて道のど真ん中にとめてなかなか取り締まらぬのです、怖い兄さん方の車は。こういうふうなときに、一生懸命まじめにそれをやって事を起こしたときにボランティアの人たちには何もない。こういうことで、ただ啓蒙運動の時代はもう過ぎ去っているんです。あとは実行、実践あるのみと言われる大臣の御決意からしますと、こういう問題は、私最初から失礼な言い方しましたが、これはもうない方がいいんじゃないか、そこが的確性を少し欠いているんじゃなかろうか。済みませんが少し大臣のお考えをお聞かせください。
#44
○政府委員(金澤昭雄君) その前に、先ほどもお答えをしましたとおり、この推進委員の制度は現在はボランティアというふうなことで行われておるわけです。したがいまして、特別な権限を持って特別な摘発活動というようなことを考えておるものではございませんで、先ほど申しましたようにモラルの推進役ということで現在のボランティア活動がよく行われておりますけれども、そういう人たちに法的な裏づけを与えて地域住民の方の認識、それからそのボランティアの人のやる気、そういう意欲を高めるという効果をねらったものでございます。したがって、法律に定める関係上特別職の公務員ということになりますけれども、実費といいましてもその旅費、日当というようなことで、遠くへ行くわけでもございませんし、それぞれの警察署の中での問題地域についてのいろいろな調査であるとか啓蒙活動であるとかということをやりますから余り旅費というようなこともありませんし、日当ということも特別な場合を除いては余り考えられない。したがって、これから詰めてまいりますけれども、どの程度の予算的な措置が必要になるかというのは、これから具体的な問題を詰めていく上で一つ一つ解決していきたい、こういうふうに考えております。
#45
○常松克安君 ちょっと警察庁は後にいたしまして、建設省せっかくお出かけでございますから端的に聞きます。時間があと六分しかなくなってきました。
 三十八年改正以来の附置義務がなぜ二十七年間も放置されて、放置と言ったら失礼な言い方ですが、これの改革のお気持ちはあっても、いずれにしても二十七年間この附置義務というものがなされなかった、この原因を数点挙げてください。
#46
○説明員(安達常太郎君) お答えいたします。
 昭和五十四年に実は基準の改正が行われておりまして、都市における駐車需要及び建築物における附置義務駐車施設の利用実態を踏まえまして、大きく言って二つでございますが、地方都市における附置下限の引き下げと大規模建築物に対する附置義務の緩和、まあ低減と言っておりますけれども、これを行っております。
 今回は先生御指摘のとおり大きな改正でございまして、これは一つは、自動車保有率の予想以上の伸びということでございまして、六十三年度から二カ年をかけまして基準の見直しの検討を行ってきたところでございます。その成果を受けまして、今月の十一日に附置義務条例の改正について通達したところでございます。
#47
○常松克安君 大臣、少し御意見をちょうだいしたいと思います。もう二点に絞ります。
 もう法的だ、ごたごたを抜きにしまして、まず一つは、例えば今生活が大変だ、弱者の方々は大きなところにそれは住みたいけれども、やはり基準を一番安いところというふうにして生活設計を支えていらっしゃる方がたくさんいらっしゃるわけなんであります。そういう方々が今度はこの保管場所、駐車場の確保、こうなってきますと今から胸を痛めていらっしゃる方も何人かはいらっしゃると思うんです。そして五百メートルが二キロになった。けれども自分は法を守らなきゃいかぬというまじめさからそれを探し歩いた。やっと見つかった家でも一カ所を探すのに百年待っておるとかいう報道がございました、一つの駐車場に入れるのに。その思いをしてやっとこ探し当てて五万。安い住宅料金は三万、五万。それ以上一台の車には要る。それでならずで二キロ外れてもっと遠いところへ行ってやっと安いところを探し当てた。仕方ない、駐車場から単車で家に通った。通ったら、家主さんからその単車の駐車代を今度出せと言われて、もう嫌になって車を放したとか、いろいろ例というものは人間の生きざまによってたくさんございます。
 こういうふうな中で、万々一にも、そんな駐車違反一台ひっかけたら検挙率が上がった、最近検挙率が落ちているからこれを上げろ、そんなこと絶対になさいません、長官は。もうせんだって長官の温かい胸のうちを聞かせていただきました。しかし、その住宅に置く力のある人は一つ見つけ、あっちに見つけて、これでいいんですけれども、最後の最後までそれさえすら、子供もあるし今大変な生活の中でいますと、いつか自分が夜中にたたき起こされてこれ駐車違反でやられぬだろうかという心配をされている、こういうお気持ちを持っていらっしゃる方が少なからずあると思うんです。この不安を大臣の英知で、何とか運用の妙たるものでこれをやっていただく以外に今のところはない。もしくは、もう一遍真剣にこの法を考え直される。都会に駐車場がどんどんできた、例えば都営住宅の地下に三階の層になってそこに駐車できるようになった、それくらいこれ考えられまいか。行くところもなし、マルPの駐車の場所もない、そして見つけたら金が要る、それもでき得ない、そして取り調べられるというふうな、被害妄想かもしれませんが、常にこういう法というのは裏腹で、力のある人はそれで生き延びます。しかし、力のない人は法が一日日付が変わることによって苦しまざるを得なくなってしまう。またそんな人ほどまじめに法を考える人が多うございます。これが一点でございます。
 あともう一つは、もう何回も論議されております。民間に駐車場を託すには、その税金、税制対策。これも固定資産税か事業所税か、きのうも御答弁なさいましたけれども、当然このあり方については、税制措置というものに対して固定資産税というものをというとらまえ方で考えていかないことには、これは民活の新しい駐車場は、きのうの答弁は陰りが出てきたとおっしゃいました。時間が迫っての答弁で申しわけございませんが、よろしくお願いいたします。二点でございます。
#48
○国務大臣(奥田敬和君) 率直に申しましてここまでの、先生は洪水という形容をなさいましたけれども、そのまま使わさせていただきますけれども、これだけ大都市部における車洪水という状態になったという現実、それで行政の対応、例えば駐車場一つ、公的であれ民間であれ、あるいはオフィスを持つ人であれ、まあ附置義務者も含めて対応がおくれおくれになってきて今日の状態を生んできたという事実、こういった点を踏まえてそれではこれの対応を、手おくれの状態になってからの問題点でございますけれども、これに対してこのまま放置していいのかとなれば、みんなが求めた車によって恩恵を受けてきた利便社会が逆に害を受けるような状態に立ち至ってきたときに、今これに手をつけなければ大変なことになる。
 しかし現状は、今言われたようにもう車庫飛ばしの知恵を出す人、そしてまたそれに乗っかってそれが当たり前だと思って現在保有されている人、こういった実態が他方にあるということも事実です。この実態の人たちに急激にこの法を厳しく運用していく形で問題が解決するかということになるとなかなかそうはいかない。大事ななけなしの資金をためて車を買ってもなかなか車庫が思うように手に入らなくて、心に苛責を感じながらもやっぱり青空駐車以外にないという形でおられる方も大勢おられることは知っています。現実にもう千五百万台という数字が軽自動車だけでもなっておる。しかもこれが全然今まで保管場所義務も、精神規定はあったとしても罰則規定はなくて野放しにされておったという実態。
 私は青空駐車がいいと言うんじゃないですよ。これは今建設省にも、道路管理者にも協力していただいておりますし、また総務庁を陣頭にして附置義務の見直しも含めて、もう公的民的の駐車施設もやろうという形で協力をいただきつつ、法案化に努力して各省庁ともやっていただいておるわけです。
 新車を購入したときに、保管場所が必要ですよ、届け出義務できちっとチェックされますよ、一台の車を持てば必ず車庫の保管場所の義務が課せられますよという形を新しい車の購入からこれを義務づけしていこう。私はドライバー経験はありませんけれども、車を持った人の気持ちになってみると、青空駐車していた人たちにすぐ車を廃棄しなさい、あなたは持つ資格ありませんという形じゃなく、現状を踏まえたら、車を持つ人にはそれだけのコストと、それだけの社会的責任と、車社会に生きていくための最低の負担とモラルが必要なんだということで、保管場所を持っておるというシール張りをするのも新しい車購入からにしたというのは、これはまあ私自身がその気持ちに立ってやったんです。私がこう言うと、じゃ今持っているのは青空でいいんだということになりますからそこまで言えませんけれども。
 しかし、駐車違反というのは放置しておいていいということは言えないですよ、違法相手に。危険、迷惑、そういった形の違法放置行為に対しては厳しく、そのかわり今建設省にもお願いしているんですけれども、路上においての一部交通状態をよく勘案していただいて駐車施設をふやしてもらう、一時駐車の場所も、無料有料であれふやしてもらう、あるいは国道に限らず県道、市町村道にも将来はいくと思いますけれども、とりあえず東京を考えた場合には国道なり主要地方道に関してのそういった形の知恵も出していただこう、激変を緩和しようと。東京、大阪にしたのも、名古屋なんか調べますと違法駐車はしているけれども、車庫を持っている人はもう八〇%、九〇%近い数字、要するにまだ余裕があるということです。金沢なんかはもう一〇〇%に近いくらい保管場所はみんな当然持っておる、これは中都市でありますから。土地の異常騰貴した地域というのは、三割しか車庫を持っていないというような実態というのは東京、大阪です。ですから、大体のめどを五年くらいに置いて、この法律の実効がしっかりした形になってくる。もう車を買われる人はまず保管場所を確保してから車を買うくらいのモラルを持っていてくれるくらいになっていただきたいなと私は思っておるわけでございます。
 それと固定資産税の問題、これはまた政府委員から補足させますけれども、私は今日のような状態になって駐車場施設に自分の持てる土地を提供しようとか、あるいは立体駐車場であれ何であれやられるという形においては、事業所税は、もう現に減免措置と申しますか、青天のところはこれはもうないわけですけれども、駐車場に、立体駐車の簡易な形に関してもいろいろな便宜的な形を地方団体と御相談申し上げにゃいかぬと思っておりますし、また現実にはほとんどの大都市部の自治体は軽減措置を今講じているわけですけれども、先生のその御趣旨を生かして、駐車場を進んでやっていただける、まあ公共性のある形で土地を生かそう。そういった方たちに対してはこれから自治体とよく相談をして、そういった形の軽減を図っていくという方向で努力してみたいなと思います。
 現状については……
#49
○常松克安君 いえ、もう十分です。以上です。
#50
○委員長(渡辺四郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後三時まで休憩いたします。
   午前十一時四十八分休憩
     ─────・─────
   午後三時開会
#51
○委員長(渡辺四郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、道路交通法の一部を改正する法律案及び自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#52
○諫山博君 今度の改正案の特徴の一つは放置車両というような新しい取り締まり概念を導入する、さらに全体として重罰主義をとる、こういう特色があると思います。昨日来の大臣答弁あるいは警察庁長官の答弁にもありましたように、取り締まりだけで現在の交通問題を解決することは難しい、これはもう明らかです。やはりさまざまな交通事故あるいは違法駐車の問題が生まれるについてはそれなりの社会的、政治的な背景があります。
 例えば無秩序な大都市への人口の集中、この問題を放置して都市交通問題は解決できないと思います。あるいはモータリゼーションの抜本的な解決、都市公共交通網の整備、地域交通網の整備、こういうことが交通問題の解決のためにどうしても必要です。さらに、モータリゼーションを助長するような高速自動車道路重点主義から、住民の利便を第一とする生活道路重点に切りかえる、私たちはこのことを主張しています。交通安全施設の整備も急がれています。こういうことが交通対策の基本でなければならないと思います。
 今度の法律改正で国民が大変懸念しているのは、この重罰主義の採用によって取り締まりが途端に厳しくなってくるのではないかということです。第一線の警察官が、交通問題は自分たちが解決するんだというような気負い立った気持ちから、とにかく罰則も強化されたんだからもっと取り締まりを厳しくするというようなことになればさまざまな弊害が出てくることは明らかです。私たちは全体として今度の法律案には賛成したいと思いますけれども、この点が大変懸念されていることの一つです。
 重罰主義の導入によって警察の取り締まりが途端に強化されてくるのではないのかという心配に対して、警察庁長官と自治大臣の御答弁をお願いします。
#53
○政府委員(金澤昭雄君) 重罰主義ということで取り締まりの点が懸念されるというお話でありますが、私どもの方の取り締まりの基本方針は、これまでにも申し上げておりますように、悪質、危険、迷惑、こういったことに重点を置きまして、その要素を満たすような違反の取り締まりに重点を置くということにしております。したがいまして、今回罰金、反則金の引き上げということが起きましたのは、これは罰金、反則金の引き上げによる違反の抑止効果ということをねらったものでありまして、額が引き上げられたからといって取り締まりの方に影響するといったものではこれはございません。取り締まりは取り締まりの方として、前から私どもとっております重点主義によりますめり張りのきいた取り締まり、こういうことでやっておりますので、その御懸念はないかと思います。
#54
○国務大臣(奥田敬和君) 今ほど長官も答えたとおりでございますけれども、先生も御指摘のように、単なる取り締まりで今日の問題が解決するとは思いません。人口の都市集中もございますし、また御指摘されたように公共の輸送機関の充実という大事な問題もございますし、これまでとってきた土地やビル政策そのもので、やはりいろいろな今日の放置車両をせざるを得ないような都市実態の現実を認めなきゃならぬと思います。しかし、かといって今はもう生活の中に入ってしまった車と我々は何とか調和した生き方を考えなきゃいかぬわけでございます。したがって取り締まりも悪質な駐車に、今めり張りきいたということですけれども、こういった形で臨みたい。特に企業なんかでも自営の車庫、いわゆる保管場所を二台ほどしか持っていないのに七十台も八十台も営業させておるというような実態も事実あります。こういった形は運転者だけの責任に帰するというのには余りにも酷な問題点もございます。
 いずれにしても、売る人もつくる人も乗る人も、そしてまた我々も含めて取り締まりの側においても、こういった実態を招いたという現実を直視しながら、先ほど常松先生もおっしゃいましたけれども、お互いに痛みを感じ合って、そして自分たちの何としても秩序のとれた、マナーとモラルの充実した、そういった方向に一歩でも近づいていきたいというのがこの法案をお願いしている本当の気持ちでございます。
#55
○諫山博君 今度の改正案で、放置車両あるいは放置行為という概念が取り入れられています。この放置行為というのと現行の道交法にある違法駐車というのは、同じようなものなのか違うのかさっぱりわかりません。団地の中で違法に車両が放置されている、だれもこれに乗っていないというような行為は、違法駐車でもあるようだし同時に放置行為でもあるように聞こえるんですけれども、この二つは同じものかどうか。違うとすればどこが違うのか説明してください。
#56
○政府委員(関根謙一君) 放置車両と私どもこの御提案を申し上げております法律で定義をしておりますのは、五十一条の三のところでございます。これは、車両の運転者が車両を離れて直ちに運転することができない状態にする行為であって、それが駐車違反に該当する場合を放置行為と定義をいたしまして、その放置行為に係る車両を放置車両と、このように定義をしたところでございます。
 駐車違反は、運転者が乗っていてもいなくても駐車違反は駐車違反でございます。駐車禁止場所で駐車をした場合に駐車違反になります。ですから、タクシーの場合に客持ちで駐車違反ということもあり得るわけでございますが、放置車両はそのような駐車違反の形態を外しまして、車から運転者が離れて、関係者がその車を動かしてもらいたいと願っているときに直ちにそれに応ずることができないような迷惑性の高い駐車違反の形態を放置行為と名づけたところでございます。
 ただいま先生が挙げられました事例でございますが、これは団地内の道路が駐車禁止となっている場合に、そこで自動車を放置したという場合と、それから一般道路で駐車禁止の場所で自動車を放置した場合の比較でございますが、いずれも放置行為に該当するものと考えます。
#57
○諫山博君 私は、定義を聞いているんじゃなくて、同じ概念か違う概念かということです。今私が挙げた例が放置行為に該当することはわかりました。駐車違反にも該当しますか。
#58
○政府委員(関根謙一君) 駐車違反に該当いたします。
#59
○諫山博君 そうすると、今挙げた例は放置行為にもなるし駐車違反にもなるということになりますね。そうすると、一つの行為で二つの罪名に触れる行為ということになるんですか。
#60
○政府委員(関根謙一君) これは罰則の関係の御質問かと存じます。
 罰則につきましては、現在の駐車違反の規定は百十九条の二というところでございますが、これを百十九条の三の方に移しまして、今回百十九条の二でこの定義にありますような放置行為のみを取り出して、放置行為に該当する駐車違反については十五万円以下の罰金、それから放置行為に該当しない駐車違反につきましては百十九条の三ということで従前どおり十万円以下の罰金、このように分けておりますので、一個の行為で二つの罰条に該当するということにはならないかと存じます。
#61
○諫山博君 警察庁長官にお聞きしますけれども、今の説明は違うんじゃないですか。駐車違反にもなる、放置行為にもなる、こういう場合は一つの行為で二つの罪名に該当する。したがって重きに従って処断するというのとは違うんですか。
#62
○政府委員(金澤昭雄君) 局長が答弁しましたとおり、駐車違反の状態で、人のいない、運転者のいない状態が放置車両ということで今回そういう定義をしたわけでございますから、団地にしても道路にしても駐車禁止の場所に車が置かれておって、これは違法駐車の状態、そこで人がいない場合には放置車両ということで十五万円以下の罰金、こういうことで定義をしておるわけでありますから、人がいる場合には違法駐車ということになります。別に特におかしいことはないと思いますが。
#63
○諫山博君 ここは議論する場ではありませんけれども、今の説明は違いますよ。私が聞いているのは、駐車違反にもなるし放置行為にもなる。この場合に駐車違反の処罰規定が適用されずに放置行為の処罰行為だけが適用されるという説明のようですけれども、これは違っている。恐らく後世の人から批判を受けるということだけを指摘して次の問題に移ります。
 首かしげておられますけれども、もし私の議論が違うのなら、二十五日に訂正してください。私が言っているのは、一つの行為で二つの罪名に触れるから重きに従って処断するということになるのではないかという指摘です。後で検討してください。
 安全推進委員が常松委員の指摘で随分議論されました。安全推進委員が地方公務員法上の嘱託員だということはわかりました。したがって、公務災害の適用を受ける地方公務員であるということも午前中説明されました。しかし、公務執行妨害罪で保護されるべき公務員であるのかどうか、この点については明確な答弁がなかったと思います。地方公務員であっても刑法上の公務員ではない場合があるということは我々の常識だと思います。
 例えば団藤重光氏の教科書にはこう書いてあります。現業のように、単に機械的、肉体的な労務に従事するにすぎない者は刑法上の公務員ではない。つまり地方公務員法上の公務員ではあるけれども、刑法第七条あるいは刑法第九十五条の公務員ではないという指摘がされているわけです。
 そこで、推進委員が刑法上の公務員になるかならないかというのは、どういう業務を行おうとしておるのかということで分かれます。繰り返しますけれども、単純な肉体的、機械的労働をするだけであれば公務員ではないというのが最高裁判所の判例です。そこで、今つくられようとしている安全推進委員は、刑法上の公務員に当たりますか、ずばり答えてください。
#64
○政府委員(関根謙一君) 刑法第七条に規定しております「本法ニ於テ公務員ト称スルハ官吏、公吏、法令ニ依リ公務ニ従事スル議員、委員其他ノ職員ヲ謂フ」とありますが、この「委員其他ノ職員」、場合によっては「委員」に該当するのではないかと考えております。
#65
○諫山博君 場合によってはというような表現はこの委員会では通用しませんよ。刑法上の公務員であるのかないのか、答えは一つです。
 そこで、今のあなたの答弁だとすれば、安全推進委員は単純な肉体的、機械的な労働だけをするのではないという趣旨に受けとっていいですか。
#66
○政府委員(関根謙一君) 御指摘のように、刑法上の公務員、委員に該当するものと考えます。
#67
○諫山博君 質問に答えてください。私が聞いているのは、今安全推進委員という制度がつくられようとしているけれども、この人は単純な肉体的、機械的な労働だけをするのではないという意味ですか。
#68
○政府委員(関根謙一君) 御指摘のとおりでございます。
#69
○諫山博君 そのことがこの改正法の中のどこに書かれていますか。書かれていないでしょう。
#70
○政府委員(関根謙一君) 百十四条の五第二項に地域交通安全活動推進委員の職務内容が規定されております。内容は「道路における適正な車両の駐車及び道路の使用の方法について住民の理解を深めるための運動の推進その他の地域における交通の安全と円滑に資するための活動で国家公安委員会規則で定めるものを行う。」、こういう規定でございますが、地域の道路の使用の方法、駐車の適正なあり方について住民の理解を深めるための運動を推進される事務は単純な業務ではないと考えます。
#71
○諫山博君 推進委員がどういう仕事をするかというのは、具体的には国家公安委員会規則で定める、こうなっているわけですよ。法律で定めるんじゃないんです。今後、公安委員会でどういうことを決めるかによって刑法上の公務員であるかないかが分かれてくるという仕組みになっております。
 そこで、これとの関連で聞きますけれども、似たような制度に少年指導委員というのがあります。風営法に基づくものですね。国家公安委員会の規則を読みますと、少年指導委員は公安委員会の指導を受けるものとするという規定があります。推進委員も公安委員会の指導を受けることになりますか。
#72
○政府委員(関根謙一君) 少年指導委員につきましては、「少年を補導し、少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止し、その他少年の健全な育成に資するための活動で、国家公安委員会規則で定めるものを行う。」とされておりまして、この少年に関しましてその秘密に関与することもあり得るということから、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の三十八条三項におきまして、少年指導委員は、職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない旨の規定がございます。今回、私どもが考えておりますこの地域交通安全活動推進委員につきましては、他人の秘密にわたるような事柄でありますとか、そういうものは一切行わないという前提で考えておりますので、そのような規定を盛っておりません。
 ただ、その職務内容につきましては、地域における駐車問題についてモラルを高めていただくような活動の推進でございますので、今回御提案申し上げております改正法案の第百十四条の八で、この推進委員の方につきましては、都道府県の道路使用適正化センターが研修を行うこととすることでありますとか、地域交通安全活動……
#73
○諫山博君 そんなことは聞いていないでしょう。私が聞いたのは簡単です。推進委員は国家公安委員会の指導を受けるのか受けないのか、これが質問です。答えてください。
#74
○政府委員(関根謙一君) こういう事務の性格から考えまして、多かれ少なかれ公安委員会の方で指導をすることになろうかと存じます。
#75
○諫山博君 そうしたら公安委員会は、あるいは警察官は、推進委員に対して命令とか指示とか要求をすることができるようになりますか。
#76
○政府委員(関根謙一君) そのようなことは一切ないと考えます。
#77
○諫山博君 整理しますよ。推進委員は公安委員会の指導を受けることはあるけれども、命令、指示、要求を受けることはないと聞いていいですか。
#78
○政府委員(関根謙一君) 先生のただいま御指摘をされましたとおり私どもも考えております。
#79
○諫山博君 なぜこの問題に議論が集中するかといいますと、とにかくボランティア活動でさまざまなことが行われている。この人たちを法律に基づいて地方公務員にしようとしている。さらに、公務執行妨害罪の対象としようとしている。こういうことになりますと警察の言いなりになる国民が一万人ぐらいつくられるのではないか、権力的な行為を行うのではないか、これが心配です。公務執行妨害の対象になるかならないかというのは、権力行使の末端を担うか担わないかという問題が懸念されるからです。この点は交通局長ではなくて、そういう懸念はしなくてもいいのであれば、長官から答えてください。
#80
○政府委員(金澤昭雄君) 先ほどから申し上げております趣旨からして、そういう御心配はないというふうに申し上げます。
#81
○諫山博君 わかりました。
 次に、道路交通法の運用における点数制度の問題について聞きます。
 道交法の違反行為、あるいは反則行為には点数制度が導入されています。違反行為の内容によって減点するという措置がとられておりますけれども、これは「当該違反行為に係る累積点数」という言葉、あるいは「反則行為となるべき事実」に対する点数という言葉が法律で使われていることで明らかなように、違反行為、反則行為がないのに減点をすることは許されないと思いますけれども、局長、いかがですか。
#82
○政府委員(関根謙一君) 全くそのとおりであると考えております。
#83
○諫山博君 問題は、警察の方では違反行為があったという主張をするけれども、運転者の方で自分には違反行為はないはずだと言って争う。これが検察庁に回り、裁判所に回るという例がしばしば出てきます。検察庁で不起訴になる、裁判所で無罪になるというような件については警察は反則金を科することはできないし、減点扱いすることは許されないと思いますけれども、どうですか。
#84
○政府委員(関根謙一君) ただいまの御指摘の事例でございますが、裁判所で無罪となった事例であって、その際の考え方として、その無罪の理由がそのような事実がなかった場合でありますとか事実誤認であったというような場合でありますれば、行政処分をする根拠を欠いておりますので、これは行政処分をする理由は全くないものと考えます。
 しかしながら、例えば先生今お挙げになりました検察官が不起訴とした事例の場合でございますと、いろいろ理由があろうかと思いますが、例えばそういう事実はあったけれども別の理由で不起訴にしたというような場合には、刑事の判断と行政処分の判断との違い、つまり過去の違反行為について責任を問うという形のものと、その人に将来運転をさせることが危険かどうかということの判断との違いがございますので、そのような場合には、将来その方に運転をさせることが危険であるという判断がなされる場合には不起訴であっても行政処分をするということはあろうかと存じます。
#85
○諫山博君 違反行為がなかったとして無罪になれば減点はしてはならない。これははっきりしました。
 不起訴の場合に、違反行為がなかったから不起訴という場合と、違反行為はあったけれども別な理由で不起訴という場合があると思います。違反行為はなかったから不起訴という場合には減点してはいけないでしょう。どうです。
#86
○政府委員(関根謙一君) 全くそのとおりかと存じます。
#87
○諫山博君 一つ提言しますけれども、これで大変現場ではもめているわけですよ。自分が争って無罪になった。ところが、減点だけは残っている。一生これがつきまとう。一生かどうか知りませんけれども、とにかくつきまとう。これは幾ら警察に言っても是正してくれないんですよ。そこで、運転者が違反行為を法律上争うという態度が明確になったら、減点という措置は見合わせるべきではないか、違反行為が司法上明らかになるまでは減点の措置はとらない方がいいと思いますけれども、どうですか。
#88
○政府委員(関根謙一君) 行政処分の場合には、その点数を付しますと、一定の取り消し、停止の基準に達する場合に聴聞等を行いまして、その取り消し、停止等の行政処分を行うわけでございますが、その場合に刑事裁判で今客観的事実の存否について争っているということがわかりました場合には、多くの場合処分を保留するということをしているかと存じます。
#89
○諫山博君 それはわかりました。
 次に問題を変えます。
 交通事故を根本的に解決するためには、タクシー労働者、トラック労働者の長時間労働を解消する、労働条件を改善するということがどうしても必要です。日本のタクシー労働者の長時間労働、トラック労働者の長時間労働というのは驚くべき実態です。タクシー労働者とトラック労働者の長時間労働の実態がどうなっているか、労働省、説明してください。
#90
○説明員(氣賀澤克己君) お答えいたします。
 労働省の毎月勤労統計調査によりますと、平成元年におきます道路旅客運送業の年間の総実労働時間を見ますと二千四百六十六時間、それから道路貨物運送業につきましては同じく二千六百十六時間となっておりまして、最近は短縮の傾向にはございますけれども、全産業の二千八十八時間に比べますと依然として相当長い状況にございます。
 また、労働省の賃金構造基本統計調査、これは昭和六十三年六月実施のものでございますが、これによりまして職種別に見ますと、営業用の大型貨物運転者、これは男子でございますが、その月間の総実労働時間を見ますと二百四十二時間、それから営業用の普通小型自動車の運転者、これも男子でございますが、これが二百三十六時間、タクシー運転者の男子が二百二十五時間となっておりまして、全産業の男子の月間二百時間に比べましてやはり長いという状況になってございます。
#91
○諫山博君 よく引き合いに出される西ドイツとかフランスの労働時間に比べるとどうなりますか。
#92
○説明員(氣賀澤克己君) 労働時間の実情を諸外国と比較するということになりますと、統計調査の方法ですとか、あるいは定義というようなものが国によりまして大変異なっておりますので、なかなか比較が困難であるという実情にごさいまが、できる限りデータの基準をそろえまして比較いたしますと、この場合には製造業の生産労働者についてしか比較ができないのでございますが、年間の総労働時間、これを一九八八年時点で試算をしてみますと、我が国の場合には二千百八十九時間となっておりますのに対しまして、西ドイツでは千六百四十二時間、フランスでは千六百四十七時間ということになっております。なお、これら西ドイツとかフランスは主要先進国の中では最も労働時間は短い国々でございます。
#93
○諫山博君 運輸一般という労働組合がトラック労働者の長時間労働の実態を調査しております。そうしますと、年労働時間が三千時間を超す企業が四社に一社ある。一カ月のうちに二十日以上家に帰れない人が二五%いる。深夜の高速道路を走るときには、運転者の六〇%が時速百キロ以上で居眠り運転をしている。これが労働組合の調査です。そして、この調査が決して誇張でないということは、今の労働省の長時間労働の実態の説明から見て十分裏づけられていると思います。
 そこで、タクシー労働者、トラック労働者の長時間労働を解消するためにどういう努力をしていますか。
#94
○説明員(氣賀澤克己君) 自動車運転者の労働時間につきましては、ただいま申し上げましたように、ほかの産業の労働者に比べまして相当長い実態にあるということでございまして、労働省といたしましては従来から自動車運転者の拘束時間あるいは休息時間というような労働時間管理の適正化を図っていくという観点で監督指導を重点的、計画的にやってきているところでございます。
 特に、昨年二月には、中央労働基準審議会の中で自動車運転者労働時間問題小委員会というのがございまして、そこで関係労使も入って御検討いただきました結果を踏まえまして、新たに労働大臣の告示として自動車運転者の労働時間等の改善のための基準というものを策定いたしました。現在、それに基づいて監督指導を実施いたしてきているところでございます。
 労働省といたしましては、今後におきましてもこのような長時間労働の一層の改善を図っていくというために、関係の行政機関とも連携をとりながら、改善基準告示の周知徹底ですとか、労働時間適正化のための監督指導というものに一層努めてまいりたいというふうに考えております。
#95
○諫山博君 労働省、ありがとうございました。もういいです。
 今度は、タクシー労働者の賃金問題について質問します。自交総連の調査資料によりますと、全産業の男子常用労働者の年収が四百四十万一千四百円、ハイタク労働者の平均年収が三百十五万三千円、その差が百二十四万八千四百円です。タクシー労働者が非常に長時間の労働を強いられている反面、賃金が非常に安いということが統計的にあらわれております。
 そこで、運輸省に質問しますけれども、タクシー運賃の値上げはいつも労働者の労働条件の向上を主たる理由として申請されてきました。運輸省は労働条件の向上に資することを期待しつつ、あるいはそれを条件として運賃値上げを認めてきました。しかし、実際には運賃値上げが必ずしも労働条件の向上と結びつかなかった、これがしばしばです。私は福岡市に住んでいますけれども、福岡県を調べますと、運賃の値上げが行われるたびにタクシーの経営者はスライドダウンを押しつけてくる、労働条件の向上のためにはほとんど使われない、こういうところがありました。運輸省に対しては労働者の労働条件を向上するから運賃値上げを認めてくれ、こう言いながら、運賃値上げが認められると余り労働者のために使わない。まさにこれはペテンです。
 そこで、ことしの五月、東京でタクシー運賃が引き上げられました。ことしの三月十四日に自交総連東京地連と業者団体との間で確認書が結ばれています。内容は、一、運賃料金改定による増収分については、すべて、全従業員の賃金労働条件の改善に充当する。二、賃下げなしの労働時間短縮を実施する、こういう内容です。これは、運賃値上げを申請した理由、あるいは運輸省が運賃値上げを認可した理由に照らして極めて適切なやり方だと思います。東京の例に見られるように、運賃値上げを認めるとすれば、それによる増収分はすべて労働条件の改善に充てらるべきだと、これが正しいやり方ではないかと思いますが、政府の見解はどうですか。
#96
○説明員(山下邦勝君) 今御指摘がございましたように、タクシー運転者の労働条件が時間の面、賃金の面、こういう両面にわたりまして改善を要する状態にあるということは私どもも認めておるところでございまして、今回東京の改定を行いますときにはそういったことが確実に行われるような行政側としても確認行為を行いまして認可をしたところでございます。全国的にいろんな地域の実情がございますでしょうから、東京のやり方がすべてそのまま当てはまるとは思いませんけれども、基本的には運賃改定というのは恐らく現状では労働条件の改善ということがほとんどの理由になろうかと思いますので、そういった面については私どもも向上の努力をさらに推進していきたいと思っております。
#97
○諫山博君 東京の確認によりますと、運賃料金改定による増収分についてはすべて賃金、労働条件の改善に充当する、こうなっていますけれども、これは運輸省の方針に沿ったものだと理解していいですか。
#98
○説明員(山下邦勝君) 基本的にはそのとおりだと思います。
#99
○諫山博君 問題は、これが現場でどのように履行されていくかということです。この問題について関東運輸局の通達というのを私は見せてもらいましたけれども、東京を例にとりますと、運賃値上げの増収分がすべて労働条件の向上に充てられるというやり方をどのように指導、監督していくつもりですか。
#100
○説明員(山下邦勝君) 今委員から御指摘になりました通達というのは、五月十八日の認可をいたしましたときに関東運輸局長から業界関係者に出されたものと思いますが、それによりますと、労働条件につきましては、「今回運賃・料金改定の申請の趣旨にのっとり、運賃改定による増収を労働時間の短縮を含む労働条件の改善に確実に充当し、労働条件の改善を図ること。」ということを強く要請しておるところでございまして、この改善状況につきましては、各事業者ごとにその実施状況を本年の八月末及び来年の四月末までに報告するということにいたしております。
#101
○諫山博君 関東運輸局の通達で私が特に注目したのは、労働条件の改善に充当するという言葉ではなくて、労働条件の改善に「確実に」充当するという言葉が使われているわけですね。そして、協定ではすべて労働条件の改善に充てるということになっているわけで、これを具体的に今後運輸省としては指導されるわけでしょうけれども、これに従わないような業者があればどうされますか。
#102
○説明員(山下邦勝君) 今申し上げました調査を行いました結果、そういうことがあってはならないと思うんですが、今回の趣旨に反するような事業者が出ました場合は、強い指導を行いますとともに、その背景その他について監査等を通じまして詳細な調査を行いたいと思っております。
#103
○諫山博君 監査を行うということですけれども、企業がなぜ運賃値上げによる増収分をすべて労働条件向上に充てられないのか、本当に充てることができないような客観的な条件があるのかないのか、こういう問題を経営の中身に入って監査するという趣旨でしょうか。
#104
○説明員(山下邦勝君) そういった点も含めまして、いろんな労働条件、特に時間の問題でございますとか、走行距離の問題でございますとか、そういった点を総合的に監査をしたいということでございます。
#105
○諫山博君 運賃値上げが認可されるとすれば、これは労働条件向上のためのものだということが指摘されましたし、私はこの立場が全国的に貫かれることを希望いたします。しかし、各地の実情は必ずしもそうなってないんですよ。
 例えば福岡市を例にとって説明します。福岡市の会社は一〇・四%の運賃値上げを申請するだろうといわれています。現在、多くのタクシー会社は五十二万円の運収で二十五万円の賃金という水準になっています。運賃値上げが実施されるとすれば、会社側はこう言うんです。一〇・四%上げた運収がないと二十五万円の賃金を払わない。つまり運賃値上げの増収分というのは労働条件の向上に充てるのではなくて、基本的に会社の懐に入るというような提案を福岡市の業者は既に要求しております。たくさんの企業がその要求を飲まされています。福岡市の自交総連はこのやり方をはねつけまして、運賃値上げで増収になった分は労働条件に回すということを確認させているわけですけれども、タクシー会社の中ではまだ多数とは言えないわけですね。私は、こういう状態は東京の水準に比べても余りにもひど過ぎるし、運輸省の立場にも反すると思います。
 そこで、福岡市を例にとって二つのことをお願いいたします。
 一つは、福岡市で自交総連との間にそういう協定が結ばれています。問題は、これが実行されるかどうかです。関東運輸局が通達を出しているような徹底したやり方でこの覚書なり協定が貫徹されるように指導していただきたいということが第一。
 もう一つは、会社に押し切られて違った解決を押しつけられているような企業については抜本的に改めさせるという指導をお願いします。
 二点についてお答えください。
#106
○説明員(山下邦勝君) ただいまの第一点につきましては、これは基本的には全国同じような考え方をとっていきたいと思っております。まあ地域による若干の差はあろうかと思いますが、基本的には同じような考え方でございます。
 それから、二番目の問題につきましては、これはいろいろ御議論があるところと思います。労働条件そのものはいろんな労働組合によっても考え方が違っておりますし、労使で話し合うべきことについて運輸省がいろいろ口を挟むことは差し控えたいと思っておりますが、やはり全体として労働条件の改善、この方向へ向けるということについては、我々もそういった指導をしていきたいと思っております。
#107
○諫山博君 二つお聞きします。福岡市で、そういう協定が結ばれたことは御存じかどうか。もう一つは、東京の場合は監査まで考えていると言われましたけれども、それは福岡県の方でも行うつもりかどうか。以上です。
#108
○説明員(山下邦勝君) 福岡の件につきましては、現在まだ審査が終了いたしておりません。したがいまして、どういったやり方をとるかということについては運輸局とこれから最後の詰めを行いたいと思っておりますが、今おっしゃいましたように、福岡につきましても労働条件が必ずしもよくないということは事実でございますから、そういった点を踏まえた指導をしていきたいと思っております。
#109
○諫山博君 今月二十日の朝日新聞に、九州で大きな勢力を持っている第一交通の黒土始社長の談話が載っております。「値上げ分を、どう配分するかで頭が痛い」、こんなことを言っているんです。「値上げ分はできるだけ従業員対策や高級車の導入に使うつもり。」。頭が痛いというのは、本来あってはならないことなんですね、労働条件に充当するというのが精神ですから。高級車の導入に使うつもりだというのは言語道断です。こういうやり方は厳しく戒めて改めさせるべきではないでしょうか。
#110
○説明員(山下邦勝君) 今の新聞記事自体は私どもが直接お聞きしたわけでもございませんので、そのこと自体のコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、申請の趣旨が、おっしゃいましたように労働条件の改善ということを主たる理由として挙げておるわけでございますから、そういった線に沿った改善を行うべきことは当然のことかと思っております。
#111
○諫山博君 運輸省は終わりました。
 次に交通局長、道交法九十五条二項は警察官が運転手に免許証の提示を求めることができる場合を限定しています。特定の違反行為についてだけ運転免許証を提示しなければならないと規定しているわけですけれども、すべての交通違反に運転免許証の提示を規定するのではなくて、なぜ特定の違反行為についてのみこういうことを決めたんでしょうか。法律の説明は結構ですから、立法の趣旨だけを説明してください。なぜ特定の行為についてだけ運転免許証の提示ということを決めたのかということ。
#112
○政府委員(関根謙一君) 九十五条は六十七条を援用しておりますが……
#113
○諫山博君 なぜだけを答えてください。
#114
○政府委員(関根謙一君) 無免許運転の疑いがある場合に運転免許証の提示を求めるというのが基本にあるのではないかと考えます。
#115
○諫山博君 わかりました。警察官が運転免許証の提示を求めることができるのは、法律で定めた四つの場合に限る、このことをぜひ第一線の警察官に徹底してもらいたいと思います。
 そこで、提示というのはどういうことなのか。私は交通法令実務研究会の逐条道路交通法という本を持ってまいりました。これは第一線警察官の利用に供するためにつくった本だと書かれています。そして提示とは、一般に他人に差し出して見せることだと、提出とは異なる、警察官に強制権限を認めるものではない。相手が拒絶した場合に強制的に取り上げることはできない。これが警察官相手に書かれた逐条解釈です。
 もう一つ、道路交通法事典という本を持ってきました。東京地方検察庁交通部研究会が編集したものです。これには、提示というのは文字どおり差し示すことであるから、必ずしも警察官に手渡す必要はない。少なくとも警察官がその内容を十分に認識できる程度にこれを示すことが必要である。これが解釈ですけれども、この解釈は警察庁の見解と一致しますか。
#116
○政府委員(関根謙一君) 私どもは、運転者が有効に取得した免許証であることが確認できる程度にまで差し示す必要があると考えておりますが、内容はほとんど一致しているという理解でございます。
#117
○諫山博君 ほとんど一致しているんじゃなくて完全に一致しているんでしょう。そうでなければこの教科書は警察庁と違った方針を書いているということになるし、あなたの見解は東京地方検察庁の見解とも違うということになるわけです。完全に一致しているはずです。
 確認しますよ。運転免許証の提示というのは、相手方に手渡さなくてもいいんだ、警察官に読めるように見せればいいんだ、これでいいですか。
#118
○政府委員(関根謙一君) 御指摘のとおりかと存じます。
#119
○諫山博君 したがって、運転免許証の提示義務違反というのは九十五条の場合以外には生じない。例えば免許証の保管という規定がありますね。これは、運転者がこの法律の罰則に触れる行為をしたと認めるときは、その現場において、免許証の提出を求めこれを保管することができるとなっているんです。これが乱用されるわけですよ。ここで免許証の提出を求めるというのは、逐条道路交通法の解説によると、「任意の提出を求めるということであるから、相手方が拒絶した場合にこれを強制的に差し出させることではない。」、こうなっていますけれども、これは警察庁の見解と完全に一致しますか。
#120
○政府委員(関根謙一君) 保管をする場合について、ちょっと今条文を探しておりますので……
#121
○諫山博君 百九条の一項です。
#122
○政府委員(関根謙一君) これは先生御指摘のとおりかと存じます。
#123
○諫山博君 確認しますよ。百九条の一項では、警察官が運転免許証の提出を求めることができると書いているけれども、運転者が嫌だと言ったらこれは強制してはならないものだ、こう聞いていいですか。
#124
○政府委員(関根謙一君) 御指摘のとおりかと存じます。
#125
○諫山博君 警察庁長官にお聞きします。
 交通取り締まりをめぐる紛争が非常に多いんです。私は調べて驚きました。その中の半分ぐらいは運転免許証を見せろ見せないでもめているんです。
 警察官が運転免許証を見せろと要求することができるのは特定の交通違反に限る、交通違反があったからいかなる場合でも運転免許証を見せろという権限はない、これが第一に確認されました。
 もう一つは、運転免許証を見せろと言ってみてもこれには強制力は伴わない。運転免許証を見せる義務が付与されている場合には見せなければ罰則があります。しかし、強制的に運転免許証を無理やり見せろと言うことはこれはできないんだ。まして、警察官が運転免許証を渡せというようなことは法律で許されていない。この点はぜひ第一線の警察官に徹底してもらいたいと思いますけれども、長官から見解を聞かせてください。
#126
○政府委員(金澤昭雄君) 法律的な御説明はただいま局長から申し上げたとおりですが、第一線の現場におきましては、免許証の提示を求め、それを任意という形で内容を確認するということで無免許であるかどうかというそういう職務執行の仕方をしておると思います。
 ただ、今のような法律関係でございますから、その辺をよく踏まえた上で、トラブルの起きないようにこれは今後とも指導していきたいというふうに考えます。
#127
○諫山博君 最後に、交通局長に一点だけ質問します。
 この提示をめぐって警察の本と検察庁の本で共通に取り上げられているのは、運転免許証を見せろと言われたときに運転者が窓ガラスをあけずにガラス戸越しにぴたっと運転免許証を示した、それが運転免許証を提示したことになるかどうかです。これをめぐってまたもめているんですよ。
 ところで、警察庁の方の、警察庁というのは語弊がありますけれども、警察時報社が発行した逐条道路交通法によると、ガラス越しにちらちら見せるだけでは提示にはなるまいと書いてるんですけれども、反面からいえば、ちらちら見せるんじゃなくて、ぴたっと見せれば提示になるという言い方です。検察庁の方で書いた道路交通法事典では、ドアのガラス越しにちらちら見せるのは提示にならない。なかなか苦しい説明ですね。つまりガラス戸越しにぴしゃっと読めるように免許証を見せればこれは提示になる。これが警察庁と検察庁の共通した見解ではないかと思いますけれども、どう考えますか。これは純粋の法律解釈の問題として聞きます。それがエチケットに反するかどうかというのは別問題です。
#128
○政府委員(関根謙一君) 先ほども御答弁申し上げましたように、私どもはその運転者が有効に取得した運転免許証であることが確認できる程度にまで示していただければ結構だという考えでございますので、内容がはっきりわかって、それが真正に作成された免許証でその方のものであるということが確認できれば、どのような示し方でも結構かと存じます。
#129
○諫山博君 ガラス戸越しでも読めれば提示に当たるという答弁だと理解して、質問を終わります。
#130
○高井和伸君 まず、道交法改正につきましてお尋ねしますが、放置車両に対する使用者責任の追及というテーマで今度の改正がなっております。他方、通称車庫法の中身を見ますと、保有者に対する措置というようなことになっております。これの大きな落差はどう理解したらいいのか、ちょっと教えてください。
#131
○政府委員(関根謙一君) 道路交通法は自動車の管理に関与する人として所有者、使用者、運転者という規定の仕方をしております。所有者は所有権を持っている人というほどの意味でございますし、使用者はその自動車の使用について所有権なり賃借権なりの権限を持って運行を管理する人というほどの意味でございます。運転者は直接に運転をする人というほどの意味でございます。これに対しまして、この保管場所の確保等に関する法律でありますとか自賠責の保険法等では、保有者という規定をしております。現在の保管場所法は、自動車損害賠償保障法第二条第三項に規定する保有者を保有者と定義してございます。
 そこで、大きな違いでございますが、基本的にはこの保有者はその自動車の所有者その他自動車を使用する権利を有する者で、自己のために自動車を運行の用に供する者をいうと解釈をされておりますが、使用者と保有者の大きな異なる場合というのはリースの場合でございまして、リース会社が借りる人に自動車を貸したという場合にはリース会社が保有者で客が使用者ということで保有者と使用者が異なる、こういう例がございます。あとは大部分使用者と保有者は一致するという理解でございます。
#132
○高井和伸君 法律を読む人は素人でございますから、素人がわかりやすい概念としては、今のお話を聞いていますと、保有者と使用者は基本的には一緒だと言うんですが、いろんな過去の法令の制定の仕方の流れの中から、従前の流れの規定をパラレルに使って立法なさったというふうに理解するんですが、ちょっと細かい話ですが、今のリースの場合、本来リース会社が持っているのは担保権であって、格好は所有権なんですが、保有しているものは担保権であって、本来的な使用権というのか所有権という概念では割り切れない中途半端な概念なんですが、今の答弁は間違いないんですか、要するに保有者にリース会社が入るというのは。
#133
○政府委員(関根謙一君) 自動車損害賠償保障法の規定による保険に入るべき人が保有者でございますが、それは会社の方ということでございます。
#134
○高井和伸君 わかりました。そうしますと、ちょっと車庫法に行ってしまいましたんですが、車庫法で処罰を受ける場面においては、リース会社のリースをして使わせている車、普通月賦販売とほとんど変わらないんですが、そうすると処罰を受ける人は保有者ですからリース会社である、このような理解でよろしいわけですか。
#135
○政府委員(関根謙一君) そのとおりでございます。
#136
○高井和伸君 これは先ほどの道交法の中の所有者と使用者の落差と同じだろうと思いますが、そこで道交法の方の使用者にペナルティーを科すという法律体系と、車庫法になると途端にそうじゃないんだというこの落差はちょっと奇異に感じておりますが、これはリースで借りている所有者的な使用者に本来ペナルティーを科すべきじゃないかと思ったりするんですが、そこまで細かく分け入って立法できなかったというのか、世の中の制度が複雑過ぎてついていけぬというのか、どっちなんでしょうか。
#137
○政府委員(関根謙一君) 道路交通法の使用者の責任を問います場合は、多くの場合、行った先に駐車場がないことを承知していてそれで放置行為をして、なお仕事をしてきなさいというようなことを言う場合でございますから、運転者に対して直接運行の管理について責任を持たれる方が使用者ということで、その方の責任を追及するという考えでございますが、他方、保管場所法の方につきましては、その出発地において保管場所を確保しておいていただきたいということが趣旨でございます。そこで、保管場所を持たれる方、つまり保管場所を確保する責任を負われる方ということで保有者という理解でございます。
#138
○高井和伸君 そうすると、リース会社から建設会社がダンプカーを借りてきました、きっと「わ」のナンバーだと思いますが。建設会社がさらにそれを現場へ持っていく。現場で車が車庫の問題でトラブった場合は、やはりそのリース会社の方に基本的に車庫があるかないかということでいろんな場面が処理されるという理解でよろしいんですね。
#139
○政府委員(関根謙一君) 保管場所法の方の場合には、その使用の本拠の位置から一定のところに保管場所を持っていただきたいという理解でございます。そこで、借りた方のところが使用の本拠ということになりますと、その辺に会社が車庫を持っていただくということになるのではなかろうかと存じます。
#140
○高井和伸君 そうするとますますおかしくなるんですが、そうしますと、リース会社から借りた建設会社は場所を変えましたという変更届けを自分の車でもないのにやらなきゃいけないということになりますね。その理論はおかしいから、結局はリース会社が貸した先のところに場所を変えましたと、車庫を変えましたというような手続をするべきだということなんですね。
#141
○政府委員(関根謙一君) 先生御指摘のように理解をしております。
#142
○高井和伸君 私、誠実に法案の中身を一生懸命検討したつもりですが、頭がこんがらがってしまっていろいろなところでわけのわからぬことを言っておりまして失礼いたしております。
 もとへ戻りまして、道路交通法の中身の五十一条の三についてちょっと詳しくお尋ねしたいと思います。ここでは放置車両に係る指示ということで、公安委員会が使用者に対して必要な措置をとることを指示することができるというふうになっております。それでもう一つ、今度の改正された中身で五十条の二の新条文の中で、違法停車に対する措置ということで、警察官等は車両の運転者に対して必要な措置的な移動するようなことを命ずることができるというようなことになっております。
 この二つの対比の中でちょっと幾らか細かいことを聞きながら全体の話にしていきますが、まず五十条の二のこの立法の趣旨は簡単に言うとどういう趣旨になるんでしょうか。
#143
○政府委員(関根謙一君) 違法停車の場合について、違法停車がある場合には直ちに刑罰ということだけで現在対応するようにしておりますが、それのみでは交通の邪魔になりますので、邪魔にならないように停車が禁止されている場所から移動すべき旨を警察官が命じることができるような仕組みを設けたいということでございます。
#144
○高井和伸君 停車と駐車の概念は長いのが駐車で短いのが停車と、このような一般的な理解で間違っていないと思うんですが、なぜにここに違法駐車に対する措置というような立法にならずに停車に対する措置というふうになってしまったのか、そこの落差をちょっと解説してください。
#145
○政府委員(関根謙一君) 違法駐車につきましては、現行の五十一条の規定によりまして警察官が移動すべきことを命ずることができる旨の規定がございます。停車についてなかったわけでございますが、例えば貨物の積みおろし等で駐車とは……
#146
○高井和伸君 わかりました。結構です。
 そうすると、この停車に対しても臨機応変な措置を早目にとろうという趣旨で立法なさったということになりました。そうすると、この五十条の二の中の「警察官等は、」という「等」はだれを指すんでしょうか、どこかの条文見ればあるんでしょうけれども。
#147
○政府委員(関根謙一君) 交通巡視員を指します。
#148
○高井和伸君 そこで、交通巡視員について先取り的な質問になりますが、後ほど質問しようと思っていたんですが出たところで質問しますが、地域交通安全活動推進委員と名前としてはかなり性格的にも似たところの立場にあるんじゃなかろうかと推測するんですが、もちろんこれはかなりの権限をお持ちのようなものでございますが、地域交通安全活動推進委員との違いを簡潔に教えていただけませんか。
#149
○政府委員(関根謙一君) 交通巡視員は交通違反の取り締まり等を行う公権力の行使に当たる公務員でございます。他方、地域交通安全活動推進委員は、いわばボランティアの方々に法的な地位を持っていただくために非常勤の地方公務員として委嘱をする方々でございまして、いかなる意味でも公権力の行使に当たるような事務を担当するものではございません。でございますから、性格は全く異なるものと理解をしております。
#150
○高井和伸君 それでは、道路交通法五十条の二に戻りまして質問いたしますと、停車に対して場所を移動するなどのことを命ずることができると。命ずることができるわけですから、それに対して罰則があって三月以下の懲役、五万円以下の罰金というようなかなり重いところで規定されております。
 この条文が現実的に発動する場面というのは、非常に短時間のうちにいろんなことが行われて、いろんなクッションを入れるような場面が本来ないだろうと一応予想するわけですが、この条項から罰則を考えた場合、これによって処罰される人はほとんどないと一応推測しますが、処罰されなくても規定があるとないとじゃ大違いだと思うんですが、立法担当者としてお考えの世界ではこれによって処罰される人は現実的にあるとお考えでしょうか。
#151
○政府委員(関根謙一君) めり張りのある取り締まりということでございますが、余り露骨に申し上げるのもいかがかと思いますが、装甲車みたいな形態の自動車で主要交差点等で停車をしておられる方々に対しまして、警察官が早く移動しなさいという指示をしても動かない場合というのはあり得ると存じます。そのような場合にはこの規定は働くものと存じます。
#152
○高井和伸君 私の質問の大体のスタンスは、普通の市民ないしは商売屋さんが通常の道具として使っている車両について質問しているわけでございますので、余り考えられない世界だということでございますが、私が心配するのは、こういう規定を見ると普通の人はびっくり仰天してしまって、そこらのところへちょっととめたらお巡りさんがおられて、一々はいそこどきなさいどきなさいで、ちょっと聞かなかったらこれによってもうえらい処罰が出てくるというようなことになります。その段階において、この条項の罰則は通常の交通反則通告制度の対象になる罪名でございますか。
#153
○政府委員(関根謙一君) 反則制度の対象になっておりませんので、通常の刑事手続でこの罰則を適用することになるかと存じます。
#154
○高井和伸君 そうしますと、具体的にこれの条文で処罰するとなりゃ大変な捜査記録をつけて、事実認定を裁判所で受けられるだけの立証証拠をずらっと並べないことにはこの五十条の二によって処罰される場面は余りないと。したがって先ほどのような例で、警察当局も構えておられるような場面に、あらかじめ予想されるような場面においてのみ適用されそうな条文であるというふうに市民として理解できるという条文でございますね。
#155
○政府委員(関根謙一君) 私どももそのように理解をしております。
#156
○高井和伸君 それでは戻りまして、五十一条の三の本論の方に入りますと、ここでは主体が、公安委員会が使用者に対して必要な措置を指示するということになります。この公安委員会という機関が抽象的に書いてありますが、具体的にはどんな方法で、文書で書いて渡すのか、それとも定型的な切符みたいなもので渡すのか、それともがちゃっとかぎでかけてそれで告知するのか、具体的には口頭でやるのか、後々処罰のことを考えたりなんかしますと、実効性のある制度にするためにはかなり込み入ったことをやらないことにはこの五十一条の三は実効性がないだろうと、こう考えるわけですが、具体的に今イメージされている公安委員会の使用者に対する必要な措置の指示はどんなふうなイメージなんですか。
#157
○政府委員(関根謙一君) これは放置行為を何度も繰り返した運転者に係る放置車両につきまして、使用者が放置行為を防止するため必要な運行の管理を行っていると認められないような場合に、公安委員会が指示をすることができるということでございますが、この指示を受けますと、その効果といたしまして七十五条の二の規定に連動してまいりまして、指示を受けた後一年以内に放置行為が行われ、かつ、一定の要件に該当する場合には公安委員会は政令で定める基準に従い、その自動車を一定の期間運転し、または運転させてはならない旨を命ずることができるという規定に連動してまいります。
 そこで、これはいわばこういう処分の前提となる一つの独立した行政行為という理解でございまして、もちろん書面でその指示の具体的内容を明確に定めますとともに、この指示に不服がある場合には行政不服審査法の規定による不服申し立てをすることができる旨教示する必要がある処分であると考えております。
#158
○高井和伸君 そうしますと、その書面というのはどこそこの何番地の場所にあなたが使用している何番のどんな車がいつからいつまで放置されておる、これを速やかに移動しなさいというようなことを書くわけですか。ちょっとそこのところをイメージとして聞いているわけです。
#159
○政府委員(関根謙一君) その指示の中身でございますが、これは一定の期間、駐車についての記録をつくってくださいということでありますとか、運転者には駐車料金を持たせてくださいとか、それから駐車マップみたいなものを持たせてくださいとかいう極めて具体的な中身を指示事項とすることを考えているところでございます。
#160
○高井和伸君 そうしますと、今のお話を聞くとますます七十五条の二へ持っていくためには、そういった駐車料金を持たせてくださいだとか駐車場の地図を、どこへとめたらいいか、そういう地図を持たせてくださいだとかということの履行条項が、そんなに軽やかに事実認定としてこの七十五条の二へ持っていくには大変な膨大なことをやらないことにはとても証拠が整わず、立件送致なんというようなことはできないように思うんです。むしろ私の質問は、これはもちろん規定どおりやればやり切れることは当然だと考えておりますけれども、立法者の目的は五十一条の三項のこの指示、それ自身にかなりウエートを置かれて、制度的に何もない七十五条の二まで行かない前の段階で物事が改善されれば最高であるというところで、七十五条の二を本気になって発動しようというところまではまだ頭がいっていないというふうに理解してよろしいんでしょうか。
#161
○政府委員(関根謙一君) 先生御指摘のとおり、私どもは、七十五条の二というのはいわば伝家の宝刀とも言うべきものでございまして、これを発動する場面というのはかなりまれな事例であろうと予想しているところでございます。
#162
○高井和伸君 よくわかりました。
 それで、最後の伝家の宝刀のところへいきまして、七十五条の二のところでございまずが、この七十五条の二の規定が三カ月を超えない範囲で期間を定めて、その自動車を使わせないように命ずることができると、この命令違反に対しては刑罰が来るということに装置としてはなっているわけでございますが、先ほど言った「指示を受けた後一年以内に放置行為が行われ、かつ、当該使用者が当該自動車を使用することが著しく交通の危険を生じさせ又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めるときは、」という非常ながちがちのアンドで結ばれた要件でやってあるわけですから、そんなに適用されることはないと思うんです。
 私の知りたいのは、ここで三カ月というかなりのペナルティーを科すことができるようになっているという側面とともに、もう一つ、その前の条項の七十五条の二項で六カ月の範囲で運転させないことを命ずることができるということになっていますが、この七十五条の二項と七十五条の二とどういうふうに読み分けるのか、適用するのか。片方は前からある条文、片方は新設条文、その力点の置きどころをちょっと解説願えませんか。
#163
○政府委員(関根謙一君) 七十五条の規定は、これは自動車の使用者がその業務に関して自動車の運転者に対して法律違反をすることを命令し、または法律違反をすることを容認する場合に運転者を罰するほか、その命令をした使用者も罰しますとともに、その使用者が使用する自動車も一定期間使用制限をするという考えでございます。
 これに対しまして、この五十一条の三と七十五条の二の仕組みで考えておりますのは、業務に関しての自動車の使用の形態ではございませんで、一般的に運転者と使用者が異なる場合に、その運転者に対して支配的力を持っている方がその運転者が常に放置行為をすることを知りながらなかなか改めないということが明確になった場合の規定でございます。
#164
○高井和伸君 わかりました。
 地域交通安全活動推進委員についてちょっとお尋ねいたします。
 これもイメージとして描いていただきたいという質問になりますが、今までの質疑の中で聞いておりますと、一警察署について十名程度というようなことで、ここに道路における適正な車両の駐車などというような言葉がありましたし、その委嘱されるべき要件が、非常に社会的信望の高い人である、時間も余裕があって生活も安定して元気であるというような人に委嘱するということになっています。私のイメージするところは、商店街の長老格のもう子供に店を譲ったようなお年寄りの方、商店会の会長をやったようなそういうような人を選んで、交通規制や駐車違反だとか駐車場の設置だとか、いろんな場面で啓蒙するというようなところの役割を一応私はイメージするわけですが、大体そんなものでございますか。
#165
○政府委員(関根謙一君) 先生のお考えのような方ももちろん該当しようかと存じます。しかしながら、この地域交通安全活動推進委員の資格要件の第一は「地域における交通の状況について知識を有する者であつて」というところでございます。でございますから、地域における交通の状況について知識を有する方々はまだほかにもたくさんおられると思います。この資格要件に該当する方は多いのではないかと考えております。
#166
○高井和伸君 警察にお勤めになって引退なさった方などなどがまた一つ要件に加わるというような御説明だと考えておりますが、この中で、先ほどからいろいろ委員の性格の問題で出てきておりましたけれども、百十四条の五の三項、「名誉職とする。」というこの一項は、私の方で言えばある意味ではこういった御苦労なさった方に対して、実費程度のことで国家の交通行政の一翼を担っていただくということだけで済まされるものとは思われないわけですが、給付に対する反対給付という言葉で申しわけないんですが、単なる実費報酬程度のもの以上のもの、例えばある意味では国家に対する貢献ということで勲章授与のある程度の資格要件になるだとか、そんなようなことがなかったらとてもやる人はいないんじゃないかと思うんですが、そこらの型を変えた反対給付という言葉を取引の世界に持ち込んでしまって申しわけないんですが、どんなことをお考えなのか、お教えください。
#167
○政府委員(関根謙一君) 私どもは純粋にボランティアの方々を念頭に置いているわけでございまして、ただいま先生は警察OBも念頭に置かれているのではないかとのことでございますが、私先ほどいろいろ幅広い方々がおられると思うと申し上げましたのは、例えばプロのドライバーであった方々等を念頭に置いて申し上げたところでございます。そういうことでございまして、この「名誉職とする。」というのは俸給給与を支給しない職というほどの意味で使わせていただいているところでございます。それから実費と申しましても、地域が警察署単位ぐらいの広さを前提としておりますので、実費もさほどはかからないであろうということで理解をしているところでございます。
#168
○高井和伸君 もう少しイメージをわかせますと、交通巡視員という方々の規定を見ますと、制服だとか帽子だとか腕章だとか、そんなものの貸与が義務づけられて、外形上も先ほどおっしゃられたとおり公権力の行使的な側面がございますから、身なりもそれなりにやっておられるということになりますが、この方々は名誉職でございますから何もないというふうに考えますけれども、対外的な場面には出てこられないんですが、やはり推進委員の方々の仕事の内容が百十四条の五の二項によれば「住民の理解を深めるための運動の推進」ということでございますから、対外的に私は推進委員でございますと、こう何らかの格好でアピールできるような体制になかりせば、これは説得力が、格好も幾らか、馬子にも衣装といういろいろございますが、そこらのことは具体的には何らかの方策は国家公安委員会規則で決められるかとも思っておりますが、御予定はあるんでしょうか。
#169
○政府委員(関根謙一君) 身分を示す標章は必要であろうかと存じます。そこで、身分証明書でありますとかバッジといったようなものは必要であろうと考えているところでございますが、それ以外のものは考えておりません。
#170
○高井和伸君 続きまして車庫法について質問いたします。
 これも具体的にイメージをわかせて答弁をお願いしたいんですが、軽自動車という言葉がこの車庫法の中に出てくるのでございますが、これはどこかで概念規定があるんでしょうか。質問をきちっといたしますと、車庫法の新五条の頭に「軽自動車である自動車を」云々と書いてありますが、これの概念規定はどこかにあるんでしょうか。
#171
○政府委員(関根謙一君) これは道路運送車両法の施行規則で定義がございますが、道路運送車両法そのものを……
#172
○高井和伸君 引っ張っておる条文があるんですかということでございますね。何かひとり浮き上がっている感じがする。
#173
○政府委員(関根謙一君) あったはずでございます。第二条の一号でございますが、自動車の定義で「自動車 道路運送車両法第二条第二項に規定する自動車(二輪の小型自動車、二輪の軽自動車及び二輪の小型特殊自動車を除く。)をいう。」というところで軽自動車というのは裸で出てまいります。
#174
○高井和伸君 出てきておりませんね。そこでは自動車だけの概念規定じゃありませんか。
#175
○政府委員(関根謙一君) 道路運送車両法の第三条に、「この法律に規定する普通自動車、小型自動車、軽自動車、大型特殊自動車及び小型特殊自動車の別は、自動車の大きさ及び構造並びに原動機の種類及び総排気量又は定格出力を基準として運輸省令で定める。」とされておりまして、その運輸省令が道路運送車両法施行規則でございます。これをそのまま使ったものでございます。
#176
○高井和伸君 しかしながら、自動車保管法の二条の自動車の規定の援用している条文は、「第二条第二項に規定する自動車」といっているわけでございまして――じゃいいのかな、はい、わかりました。という迂遠なことをしないと出てこないということでございますね。
 途中のところでございますが、大臣に私の意見だけ言っておきますので聞いておってくだされば結構です。
 この道路交通法など、素人さんが一番ぱっと見なきゃいけない法律が、とてもいろいろな条文の引用だとか、あっちこっちの寄せ集めのような引用の条文になっておりまして、国民に道交法を守れというような場面においては、私どもが一生懸命読んでもわからないような条文に基本的にはなってしまって、この冊子を見ただけでも大変読みづらく、現行の生きておる規定と死んでおる規定、現行の死んでおる規定を旧法と新法とで見ますと、全然さわらないところはみんなよけてしまって載せてあったりしまして、これで審議しろというのはもう無理難題の話でございまして、道交法、車庫法というような法律をぜひとも易しい言葉で書きかえて、同じような概念規定が出てきたら、何度も同じ言葉を繰り返して使うようなそういう立法をぜひとも、取り締まるばかりが能じゃないと思うので、そこらのことを道交法で一度、市民生活に非常に直結しておる法律を変えていただくような方向を今のやりとりの中でぜひとも察知していただいて、でかい視野で、これは国家的な事業だろうと思いますが、刑法だとかいろいろそういう試みがなされておりますが、道交法ぐらいからやるべきじゃなかろうか。これがこんなに複雑になっておる社会において非常に重要なことじゃなかろうかというふうに考えて要望しておきます。
#177
○政府委員(金澤昭雄君) 全くお話のとおりだと思います。社会の状況、車の状況に対応して、その都度改正をしてまいったという関係上大分複雑多岐にわたっておりますので、なるほど一般ドライバーの方にも非常に難解な法律になっております。適当な時期に全面的見直しというようなことで、わかりやすいものにしていきたいというふうに考えております。なかなか全部の見直しに時間がかかりますので、そう簡単ではないと思いますけれども、できるだけ早い機会に行っていきたいと思います。
#178
○高井和伸君 そのように希望いたします。
 続きまして、車庫法の具体的な条文についてお尋ねしますが、一番今軽四を持っておられる方が、今まで売っておいていきなり車庫を持てとはけしからぬということじゃありませんが、それは禁反言じゃないかというようなせりふが出てくるわけでございます。それは経過措置の中でしかるべき措置はとっております。しかし、今まで国民の皆さんが持たれてました軽四に対するイメージからいうと保管場所を届け出るという行為が新たに加わったわけでございます。その届け出るという行為に対してちょっと逆に言って届けたことに伴う効果としては、あなたのこの車には適正な保管場所がありますよという標章、ぺたんと張るやつだと思いますが、標章を交付してこの車はちゃんと保管場所が届けてありますよと、届け出ることによってこういうふうな効果が生ずるというふうに感じますが、それだけですか。
#179
○政府委員(関根謙一君) 届け出たことが客観的に明らかになるということのほかに、心理的な保証といたしましてその届け出た場所に必ず車庫を持たれるようになるであろうというところの効果も期待しているところでございます。
#180
○高井和伸君 結果的にはこれに対する届け出懈怠というか怠ること、それから場所変更の届け出を怠ることに対するある種の制裁がないわけでございますから、今言ったとおりぺたんと張っておくことによって、この車に乗っている人はちゃんと車庫を持って運転している人で、日本国民としては立派な人であるというような心理的な満足以外には何もない。刑罰的な面での威嚇という言葉はおかしいんですが、それはしていないということに尽きるというふうに理解しております。違っていたら後でお答えください。そのことについて殊さらこれ以上言いません。
 そこで私のお尋ねしたいのは、次は本格的な登録自動車の車庫証明です。これはナンバープレートをもらうための要件であるというふうなことで条文ができておりますが、そこで私がお尋ねしたいのは、車庫証明というものはナンバープレートをもらうとき以外に、例えばほかに、車を持っている人が何らかの行為をするときに必要な場面というのはあるんでしょうか。
#181
○政府委員(関根謙一君) 同じ所有者の場合に、使用の本拠の位置を変えたときにまた登録をしていただくことになりますが、その際に新たな保管場所の証明が必要でございます。それから所有者が変わったときでございますが、これも新しい所有者の方から新たに登録をしていただくことになりまして、その場合には新たな車庫証明が必要でございます。
#182
○高井和伸君 それからあとは、車庫証明を出すときに今度は、標章という言葉は難しいんでワッペンと言いますが、きっとワッペンと同じようなものができると思うんですが、今車検が終わりますと数字の入った色がついたのを車のフロントガラスに張りますね。あれと大体同じようなイメージをわかせればよろしいわけですか。
#183
○政府委員(関根謙一君) あのような大きさのものであろうかと存じますが、それぞれの地域ごとに形を変えるということについての検討もしております。ただ、その中身としては、保管場合の所在行政区とそのシールを発行いたしました警察署の名称程度を明らかにするようなものという考えでございます。
#184
○高井和伸君 国家公安委員会規則でそれが詳細に制定されるというふうに立法がなっておりますのですが、いろんな取り締まり上の便宜のために今のようなことをおっしゃったんだろうと理解しております。
 それで、今度はもとへ戻って、基本的なことで警察庁長官にちょっとお尋ねしますが、普通世間の常識が、車を売っておいて今さら車庫をきちっとしろというのはそれはひどいじゃないかと、こういう考えが一方にあります。車というのは生活の上で便利だし、これなかりせば日本の経済もこんなに発展しなかったろう、車庫に余りうるさく言うのはけしからぬじゃないかという発想が一つともに、逆に車に余り乗らない人は、車というものはちゃんと車庫を持っていて初めて一人前の車であると、そういうふうに感ずるわけでございます。
 今度のこの立法において世間でいろんな雑音めいたものがあちらこちらに聞かれて、新聞記事にもこの委員会における本法律案の審議の最初の質問の中にもございましたけれども、やはり車と車庫というものに関する二つの関係の哲学というか公理というか、数学で言う二点間を結ぶ一番短い線は直線であるというぐらいの基本的な公理として、この車庫法の三条の基本的な、これは改正にならない古い条文ですが、これが私としては基本的な一番太いところであらねばならぬわけでして、あとの厳罰主義はいかぬだとか売っておいて何だだとか経済発展のために尽くしたものを見捨てる気かだとか、いろんなことは、これがまず優先されるべきじゃないかというふうに考えますが、警察庁長官の御方針はいかがでございますか。
#185
○政府委員(金澤昭雄君) 私も全く同じような考えでございます。この車庫法の第三条、これにもう原則は尽きるものというふうに考えておりますが、ただ現実の姿としましては、今お話しのようなことでまだ車庫を持っていない車が現実にはおる、その現実の車がいろいろな意味で社会生活上の非常に不便をもたらすといいますか、事故の点やら消防とか緊急自動車の点やら、いろいろと社会生活に支障を及ぼしておりますので、今回もう一遍原則を改めて見直してその履行といいますか実行を期するように持っていきたいというのが今回のねらいでございます。原則そのとおりでございます。
#186
○高井和伸君 車庫法の条文の中で中心になる条文が八条から始まるというふうに理解しておりますが、この八条で警察署長が通知をいたします。公安委員会に対して、保管場所標章が表示されていないことその他の理由により、道路上の場所以外の場所に保管場所が確保されていないおそれがあるものと認めたときは、警察署長が公安委員会に通知すると、こうなっております。私の知りたいのは、公安委員会でこういった通知を受けてどのような情報処理をするのか、コンピューターで一つの車ごとにいろいろデータをインプットして、入力しておいて、いつでも探したいときは、ぱかぱかっとやれば公安委員会のコンピューターが動いてそういったデータがぱっと拾い出せるんじゃなかろうか。これは九条へつながる問題ですが、ここら辺の具体的な実際の運用はどのように予定されているのか、そこらの点をお尋ねします。
#187
○政府委員(関根謙一君) まず、路上に長時間駐車されていた場合でありますとか道路を車庫がわりに使っていた場合に刑罰の適用がございます。そのような場合に、警察がその事件を検挙いたしますと、この八条の規定にあります、道路上の場所以外の場所に保管場所が確保されていないおそれがあるものと認められると思います。そのような場合に、刑罰とは別に公安委員会、都道府県公安委員会でございますが、こちらにその旨を報告をするということでございます。そこで公安委員会の方で聴聞等の手続を経まして、本当に保管場所を持っていないのかどうか確認した上で、保管場所を持っていない場合には持たれるまでの間運行供用を制限する旨の処分をすると、こういうことを考えているところでございます。
#188
○高井和伸君 したがって、簡単に、先ほど難しい条文を読みましたけれども、車庫がないという車はさっき言ったワッペンで識別するということが最大のワッペンの効果だろうと、このように考えております。
 そこで、あと第十条の聴聞のところに今お話が及びました。本人に通知するんだけれども、通常この通知はどういう方法で通知されるんでしょうか。私の予想しているのは特別送達というような手続なのか、単なる書留郵便なのか。これ届かなかったときの制裁の効果が、こういった車庫なしの車というのは、わりかし所有者だとか保有者だとかそういった人が基本的にはおかしな方々が多い、事件物の車が多かろうと。そうなりますと、この通知は私がいろいろ調べたところ交通反則通告制度の中の告知の場面と同じような雰囲気の条文になっているふうに理解しておりますけれども、この通知を受け取れなかった人に対しての制裁が後でかかってくるわけでして、この通知というのはかなり重要な位置にあるというふうに理解しているわけですが、この通知を具体的にはどうなさるつもりなのか、わかったら教えてください。
#189
○政府委員(関根謙一君) 聴聞を開始する場合に、命令をしようとする理由並びに聴聞の期日及び場所を期日の一週間前までにその処分を受けようとする者に通知し、かつ、聴聞の期日及び場所を公示しなければならないということが第十条第一項に規定してございますが、この処分を受けようとする方に対する通知は、一般の行政処分の事前聴聞の場合の通知の方法と全く同じでございます。
#190
○高井和伸君 そうすると、一般の場合と同じということは書留郵便でやるんですか。また後で教えてください。
 十条の二項によりますと、その通知が届かない場合であってもいろんな場面の要件を満たした場合は聴聞を行わないで前項前段に規定する命令をすることができるというようなことになりますものですから、私にすればこの通知というのは非常に重要であり、慎重にやっていただかないとおかしなことになってしまって不服だらけの制度になってしまうんじゃなかろうかと、このように考える次第でございます。
 続きまして、最後に、今までこの車庫法の罰則規定をよくよく見ますとかなり心理的効果をねらった制度、さらに道交法においても放置車両という概念を持ち込んでかなり心理的効果をねらった措置であるということをこの質疑の中で理解してきたわけでございますが、しかしそのうちにしり抜け法案なんということが見破られちゃうとかえってまたおかしなことになりかねぬのじゃないかというふうに私恐れる面もあります。いろんな今までの審議の中で、もともと駐車場というものの器がないのに車がたくさんあり過ぎると、駐車場行政に対する不満、そして道路行政、交通行政いろんな面でのしわよせを道交法ないしは車庫法における厳罰主義で臨むのはよくないという意見も出てきておりました。私が一番さらりとかわしていろんな場面でうまくいくというのは、前回から問題になっているような、今回取り入れなかった一種の行政罰的な方法によるペナルティーの方がいいんじゃないか、刑罰でがんがん押していくのはやはり非常におかしい。
 結局は今のように聞いていますと、刑罰におけるのは威嚇だけであって、中身としては本当に刑罰に行くのは少なそうだ、やはり秩序罰的な行政罰的な二万円ぐらいの、駐車しているなら写真でぱっぱと写して使用者、所有者、登録票で見られるところにぱっとこう送りつけて、それで前回質問の中で幾らか問題が残っているからすぐにはできそうもありませんけれども、むしろそっちの方向をぜひともやってもらった方が私としてはくされ縁がなくていいんじゃなかろうかというふうに考えます。お金さえ払えばいいだろうという、最後は慰謝料という言葉があります、心の痛みはお金でしか解決できないという面がありますが、ある面ではそういった面での方向を目指してもらいたいという希望があります。先ほどから答弁の中でめり張りのきいたことをやっていきたいという話でございましたけれども、その意味も私なりに理解できました。
 最後に、本当に細かいことで申しわけありませんけれども、駐車違反を確認するときタイヤと道路にちょこっとチョークを引いて、ぴゃっと横に引いて何時何分と書くやつですね。あれが落ちないんですよ、後で洗おうとしても、タイヤにつけられたのは。私は器物損壊罪だと、警察に。やっぱり格好いい車のタイヤにちょこちょこいっぱいついていたんじゃ乗っている人の品格が非常に落ちる。それが先ほどいろいろ心理的効果と同じ効果はあると思うんですが、他人様の持ち物に対して落ちないようなチョークでつけるのは、何か二、三回こすれば落ちるような工夫をしていただきたい。そういうような気のきいた取り締まりが国民との関係で、いろいろな場面でいい関係を持っていくんじゃなかろうか。ただひたすら、悪いことをやっているからそんな落ちないマジックみたいなものでつけてもいいだろうというようなことは、結局はボディーをコインで傷つけるような行為と似たような行為になります。
 ちょっとお尋ねしますが、チョークは何でできているんですか。
#191
○政府委員(関根謙一君) 私が聞きましたところでは、警視庁が使用しているチョークの成分は、主成分がパラフィンワックスというろうで、これにチタンと炭酸カルシウムが混合されているとのことでございます。
#192
○高井和伸君 それを二、三回こすれば落ちるような方向にぜひ改良を希望いたしておきたいと思います。これは、やっぱり車に乗っている人もいろいろな都合で置かざるを得ない側面があるわけで、反省するときにこんちくしょうと思い過ぎないように、素直に反省できるように、洗い落とすときに、ああこれは悪かったなと思いながら洗い落としたらきれいになるということをぜひ心がけていただきたい。これは私が冗談めかして言っているわけじゃなくて、やっぱり非常にいろいろな場面で抵抗感が強いものだというふうな理解でございます。
 あと一つだけ申し上げたいことは、こういった今回の改正は公布後一年と半年という施行日までの期間でございますが、この間における周知徹底をぜひとも力強くやっていただいて、国民の生活、経済生活に混乱を及ぼさないように希望をして、もし答弁があればいただいて終わりにしたいと思います。
#193
○政府委員(関根謙一君) 私どもの担当しております道路交通警察行政は、国民各位の御了解をいただき、コンセンサスを得ながら謙虚に行うべき性質の事務でございます。
 そこで、法令の内容も十分に知っていただく必要が当然にございます。施行日までの期間、関係団体機関、業界、あらゆる各層の方々に御理解をいただくために最大の努力をする所存でございます。
#194
○委員長(渡辺四郎君) 両案に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時散会
ソース: 国立国会図書館
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