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1990/06/19 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 内閣委員会 第9号
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1990/06/19 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 内閣委員会 第9号

#1
第118回国会 内閣委員会 第9号
平成二年六月十九日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十五日
    辞任         補欠選任
     片山虎之助君     大島 友治君
     谷本  巍君     八百板 正君
 六月十八日
    辞任         補欠選任
     八百板 正君     森  暢子君
 六月十九日
    辞任         補欠選任
     大島 友治君     合馬  敬君
     永野 茂門君     藤田 雄山君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         板垣  正君
    理 事
                大城 眞順君
                高橋 清孝君
                山口 哲夫君
                吉川 春子君
    委 員
                合馬  敬君
                岡田  広君
                田村 秀昭君
                名尾 良孝君
                藤田 雄山君
                村上 正邦君
                翫  正敏君
                角田 義一君
                野田  哲君
                三石 久江君
                森  暢子君
                中川 嘉美君
                吉岡 吉典君
                星川 保松君
                田渕 哲也君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 坂本三十次君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  塩崎  潤君
   政府委員
       人事院総裁    弥富啓之助君
       人事院事務総局
       職員局長     大城 二郎君
       総務庁長官官房
       長        山田 馨司君
       総務庁人事局長  勝又 博明君
       総務庁行政管理
       局長       百崎  英君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        原   度君
   説明員
       人事院事務総局
       公平局長     丹羽清之助君
       労働大臣官房総
       務課長      征矢 紀臣君
       労働省労働基準
       局補償課長    内田 勝久君
       自治省行政局公
       務員部給与課長  嶋津  昭君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○臨時行政改革推進審議会設置法案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(板垣正君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る六月十五日、谷本巍君及び片山虎之助君が委員を辞任され、その補欠として八百板正君及び大島友治君が選任されました。
 また、昨十八日、八百板正君が委員を辞任され、その補欠として森暢子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(板垣正君) 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は、前回既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○三石久江君 人事院にお尋ねいたします。
 国家公務員災害補償法の一部改正について質問いたしますが、現在国家公務員で傷病補償年金、障害補償年金または遺族補償年金を受給している方はそれぞれどれだけおりますか、お尋ねいたします。
#5
○政府委員(大城二郎君) 御質問のありました年金関係の件数でございますが、六十三年度の数字で申し上げますと、傷病補償年金五十九件、障害補償年金四百六十四件、遺族補償年金千三百三十六件でございます。
#6
○三石久江君 次に、過去数年間における国家公務員の死亡者数はどれだけですか、死因別に実数と割合をお示しいただきたいと思います。
#7
○政府委員(大城二郎君) 死亡者数について六十一年度の数字を申し上げたいと思いますが、一般職の国家公務員、非現業の死因調査結果でございますが、死亡者数七百七十七名、そのうち死因として主なものは、がん三百五十一人、脳血管疾患七十五人、虚血性心疾患等九十三人という数字でございます。
#8
○三石久江君 次に、過去五年間においても脳・心臓疾患がかなり多いようですが、いわゆる一般に言われている過労死として公務上の災害と認定された件数と申請件数を六十一年度から年度別に挙げていただきたいのです。
#9
○政府委員(大城二郎君) 脳・心臓疾患によりまして死亡した者で公務上の災害と認められた者の数でございますけれども、昭和六十一年度五人、六十二年度七人、六十三年度七人という数字になっております。
#10
○三石久江君 申請はどれだけですか。
#11
○政府委員(大城二郎君) これは具体的に申請認定という形が制度的にできているわけではなくて、私どもは各省庁実施機関が認定する際に協議を受けたということから把握した数字でございますが、そういう意味で申請認定という形になっておりませんけれども、協議のあったもののうちおおむね半数程度が公務上の認定を受けているというふうに御理解いただいてよろしいかと思います。
#12
○三石久江君 それでは、脳・心臓疾患の公務上の認定は五年間を平均すると審査対象の年平均件数と、うち公務上災害の認定をお知らせいただきたいと思います。
#13
○説明員(丹羽清之助君) 人事院に公務上外の認定の審査申し立てが出てまいりました数で申し上げますと、脳疾患につきましては六十年度以降四件審査申し立てが出てきております。それから心臓疾患につきましても、六十年度以降四件審査の申し立てが出てきておりまして、そのうち脳疾患につきましては、公務上と私どもが認定いたしましたのは四件のうち一件、それからなお一件は係属中でございます。それから心臓疾患につきましては、先ほど申し上げましたように四件審査の申し立てがあるわけでございますが、そのうち一件が公務上の認定をいたしております。残り三件に
つきましては公務外であるというふうになっております。
#14
○三石久江君 これは五年間の平均ですか。
#15
○説明員(丹羽清之助君) 五年間の実数でございます。
#16
○三石久江君 そこで、補償の実施に関する審査の申し立て制度に基づいて審査申し立てがあったものと思いますけれども、その審査申し立て件数、うち公務上と認定した件数はどれだけですか。
#17
○説明員(丹羽清之助君) ただいま申し上げましたように、過去五年間につきまして申し上げますと、これは脳疾患及び心臓疾患のうちいわゆる私ども過労死と考えられるものの数字でございますが、それを申し上げますと、過去五年間におきまして過労死と考えられる脳疾患、心臓疾患の審査申し立ては、先ほども申し上げましたように八件でございます。そのうち公務上と認定いたしました件数は二件でございます。それから公務外と認定いたしました件数は五件、それから係属中が一件でございます。
 以上でございます。
#18
○三石久江君 ところで、最近いわゆる過労死が問題になっているのは、一見健康そうに見えるサラリーマンが働き過ぎや過度のストレスによって突然倒れるケースが多くなって社会問題になっていること、そのような突然死を労働災害として労災認定を要求しても労災補償がなかなか認められないところにあると思うわけです。「現代用語の基礎知識」によれば、昭和六十二年の過労死と見られる申請が四百九十九件に上っているのに、労災補償が認められたのは五%、わずか二十一件であります。国家公務員の場合でも先ほどのように五件と七件と七件、まことに少ない。そこに問題があると思うわけです。
 労働省は昭和六十二年十月、新認定基準、脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準を通達し、人事院もまた国家公務員について同様の認定指針を出しております。旧の基準は昭和三十六年の労働基準局長の認定基準で、発病直前の一日に特に激しい労働をして精神的、肉体的に大きい負担のあった場合とし、いわゆる災害主義でありました。新基準の最も大きい変革は、一定期間の継続的な精神的、肉体的疲労の蓄積が死をもたらすのが常道であることに着目し、過重負担を受けてから症状が顕在化するまでの時間的間隔を考慮して発病前一週間以内、場合によっては一カ月以内に特に過重な仕事についた場合にも認定されることになったわけですね。
 このように従来の災害主義の基準が新基準では過労死の労災認定の幅を広げたことは大変評価いたしますが、認定基準が一見幅を持たせたようになって緩やかに改正されたようではありますが、実質は旧基準と余り変わることなく、相変わらず過労死の問題はボランティアによる過労死一一〇番の開設などに見られるようにますます社会問題化しているわけです。
 そこで、新聞の切り抜きを見ますと、六月十八日の朝日新聞に、「天声人語」欄に、「弁護士や医者が東京、大阪などで始めた。千五百件を超える相談があった。その八割以上が「過労で倒れたが、労災適用の可能性はあるか」というもので、うち七割は死亡した例だったという。いまやローマ字で「カロウシ」と海外にも報道される過労死。」です。また、六月の十七日、毎日、「過労死一一〇番」、それによりますと、過労死弁護団全国連絡会議は「全国一斉電話相談を実施し、二百七十九件の相談を受け付けた。」。また、六月十七日の読売にも、「この日の相談件数は全部で二百七十九件、昨年の三百九件に比べると三十件減ったものの、一家の柱を失った遺族からの相談は百四件に上った。」というふうに、静岡新聞でも、いろいろな新聞に書かれております。
 それは認定基準に問題があるのではないか。特に公務と死因との因果関係の証明、過重負荷の認定にかなり困難を伴うのではないか。また、殊に遺族自身が過労死を証明しなければならないところにあると思いますが、いかがですか。
#19
○政府委員(大城二郎君) いわゆる過労死の問題が社会的に大きくクローズアップされてきておることは御指摘のとおりでございますが、私ども、お話にございましたような労災と時期を同じくしていわゆる認定基準を定めまして、その中でお話にありますような公務における過重負荷が発症に結びつくという点をとらえまして、公務上の災害認定をしていくということでやってきているわけでございます。
 これにつきましてはやはりお話しのように具体的な認定には非常に難しい問題がございます。その過重の程度をどういうふうに判断するか、量的、質的な問題が絡んでまいりますので、それをどうやって判断するかということが非常に難しいわけでございます。その際に、やはり勤務の実態から、どういう勤務内容、どういう点に過重性があるかということと、それが医学的に発症に結びつけられるようなものであるかどうか、これらさまざまな要素を総合的に判断いたしまして公務上か外かを認定しているということでございます。
 個別にいろいろなケースがございます。そういうケースにつきまして私ども各省庁から協議を受けまして、いわゆる専門家の方、お医者さんなどの専門家の方々の御意見も参考にしながらその適正な認定に努めているという状況でございます。
#20
○三石久江君 遺族自身が過労死を証明しなければならないところにあるということではいかがですか。
#21
○政府委員(大城二郎君) 認定に当たりましては、単に遺族がどうこうということではなくて、実態としてそういう過重負荷が認められるかどうか、その辺についてさまざまな実態調査を行いまして決定をいたしておりますので、家族の方の御努力も、もちろんそれは大いに評価いたしますけれども、それだけで決まるというものではございません。
#22
○三石久江君 私は思いますけれども、過労ということで人事院の方の窓口というのがないとよく聞かれているんですけれども、その窓口の対応というものをつくっていただけないかと思うわけです。
#23
○政府委員(大城二郎君) 窓口というお話の意味が必ずしも十分に理解できませんが、国家公務員の災害補償に関しましては、いわゆる実施機関、各省庁がそれぞれその補償を実施するという意味では、そちらがまず第一次的ないわゆる窓口になるかと思います。そして、今問題になっておりますような脳・心臓疾患等に関するケースでございますと、その認定にいろいろな問題が伴いますので、そういうものについては私どもで、公務上と認められるかどうかについて、問題になる点について御協議をいただくということで、それについては私ども職員局の中に補償課という担当課が設けられまして認定関係の担当官がそれを担当しておりますので、どこで何を処理するかという点での問題は特段ないかと思います。
#24
○三石久江君 それではその次に、その新認定基準の骨子を説明していただきたいと思います。
#25
○政府委員(大城二郎君) この新認定基準の主な内容といたしましては、脳・心臓疾患発症の原因として新たに過重負荷の考え方を採用いたしまして、過重負荷により発症することが医学的に認められている脳血管疾患及び虚血性心疾患等を列挙して明確化し、その認定指針を示したものでございます。
 公務上の災害として認定するための要件といたしましては、従来、発症の直前または当日に職務上の災害的出来事が存在することを主としていたのを改めまして、原則として一週間以内の職務について発症の原因とするに足りる精神的、肉体的過重負荷を受けていたこと。なお、それ以前については過重性の負荷的要因として考慮するということにいたしております。それから、過重負荷を受けてから症状が顕在化するまでの時間的間隔が医学上妥当と認められること、なお、疾病によっては過重負荷を受けてから症状が顕在化するまでに数日を経過する場合があるということを明示しております。
 それから、列挙した疾病以外の脳・心臓疾患等この指針によりがたいものについては、これまで必ずしも協議方法が明確ではなかったわけでございますが、個別事案ごとに人事院担当課に事務的に協議してもらうことといたしました。
 こういったことが新認定指針の主要な内容でございます。
#26
○三石久江君 そこで、一つお聞きしたいんですが、過重負荷、過重負荷という言葉を今聞いたんですけれども、その過重負荷というものを御説明いただきたいんですけれども。
#27
○政府委員(大城二郎君) 過重負荷ということの実態的な説明はなかなか難しいわけでございますけれども、一つは、先ほどのお話にもございましたが、従来のように災害主義といいますか、何か突発的な出来事、そういうものがあって、それが発症に結びついたというケースと、それから日常の職務に比較して特に質的にあるいは量的に過重な職務に従事したことによりまして、いわゆる精神的または肉体的な負荷が生じてそれが発症の原因と認めるに足り得ると、そういうケースについてこれを過重負荷による発症として公務上の災害と認定するということを定めているものでございます。
 具体的にどういうものが過重であるかどうかというのは、業務の量的な内容あるいは質的な要素等を考慮してそれぞれ個別に判断するということになります。
#28
○三石久江君 過重負荷についてはわかりました。
 次に、重ねて申し上げますが、新認定基準は改善されたとはいえまだ極めて不十分ではないかと思うわけです。発症前一週間または一カ月前の過重な労働を評価しようとしておりますが、さらに長期間の疲労蓄積による過労が原因の場合は対象外になるおそれがあります。例えば三月は残業が多く、四月は少なくなって発症した場合、過重な労働が続いて疲れたので早く家に帰り始めてから発症した場合などであります。新認定基準は過重な労働の真っ最中に倒れるということに主眼があると思うわけです。
 また、所定外労働で倒れた場合は認めるが、所定内労働の継続は対象外とされている。所定内労働自体が過重な精神的、肉体的負担を生じさせる業務、例えば夜勤――深夜勤務、農林業作業については所定外労働の有無にかかわらず過重負荷と認定すべきである。例えば病院看護婦の場合、このいただきました資料の実態認定実例集の中にもありますけれども、日常の勤務そのものが過重と言われておりますが、一年以上の経験者であれば所定内の労働の継続として労働災害に認められないのは不当ではないかと思うわけです。また、肉体的、精神的にも個人差があって、周囲の同僚と同じ労働に従事していても過重負担になる人もあるので、一律に所定内労働と判断できないこともあるのではないでしょうか。いかがですか。
#29
○政府委員(大城二郎君) 職務の過重性について所定内、所定外というようなことでお話がございましたけれども、この点は先ほど指針の内容として申し上げましたように、日常の職務に比較して特に質的または量的に過重な職務ということの解釈に係るわけでございまして、そういう意味では一般的には非常に超過勤務が多いというようなケース、例えば月に百時間を超えるような超過勤務が行われているというようなケースにつきましては、そもそもその時点で量的に過重性があるのではないか、そういう考え方がある程度できるかと思います。
 単にそういう時間数だけで判断できるものでないことはお話のとおりでございまして、そのときに所定内であるとかあるいは深夜であるとかそれぞれその仕事の内容によりまして、いわゆる過重性というのはどういうところにあるかということをやはり判断要素として考えざるを得ない。したがって、単純に時間的にどうこうというようなこと、あるいはその時間がどういう時間であるかということだけでは判断はできないというふうに考えられる。要するに、過重性を総合的にいろいろな勤務実態等の状況を勘案して判断するというふうにお答えすることになろうかと思います。
#30
○三石久江君 ですから、やはり新認定基準の中に幅をもっと持たせてほしいなと思うわけです。
 例えば具体的に申し上げますと、私の夫は大学に勤めております。管理職でありました。その毎日毎日というのが研究者ですからすごい過労なんです。そして、その過労が続いて心筋梗塞一歩手前ということで心臓バイパス手術というのを受けたんですけれども、そのときに、きょうはどうも調子が悪そうだな、どうもおかしいなと私は少し気がついたわけです。それで、何とかして病院に連れていきたい。ところが、きょうは会議だ、教授会だ、研究会だということでなかなか病院には行けないんです。
 そしてまたその病院というのが、大きい病院でなければそれを調べるという病院がないわけです。その病院へ行くと今度は待たされるわけです。待たされた上に今度はカテーテル検査とかいろいろな検査でもってまた待たされるわけです。その待たされたあげくに、たくさん入院患者がいる、次にしてくださいというようなことがありましたけれども、私は大変強引な女性なものですから、何とかということで強引に申し込んだわけです。そうしたら、そうですか、それなら随分ひどそうですから検査しましょうということで心臓外科の方に行きましたら、即手術というんです。その手術というまでには相当痛い目もしましたけれども、その手術という際でも、相当たくさんの人が待っている中でやるわけで、過労の方が随分来ているということなんです。その病院自体がすごい人なのでなかなか検査を受けられないで亡くなってしまうという人がいる。それはやはり過労死ではないかなという経験を持っております。
 そういうことで、次にお伺いしたいんですが、突然死をしたときの労災認定の手続はどのようになっていますか。各所属機関、省庁の担当係官のみの判断で認定手続が開始されるのか、人事院との協議は、人事院内での協議はどのようにされているのか。地方公務員では審査機関があるとのことですが、国家公務員の場合は第三者機関の審査があるのか。要は、公平な審査が行われているのかを知りたいのでお尋ねいたします。またちまたに、公務員には過労死に対する補償はないから申請できないとか、一たん決定が下されると申し出ができないとか、誤った説明で審査をあきらめることがあると聞いていますので、詳しく御説明をいただきたいと思います。
#31
○政府委員(大城二郎君) 労災というふうなお話がありましたが、国家公務員の災害補償ということでお話をさせていただきたいと思いますが、いわゆる過労死ということで問題にされていることにつきましては、先ほど来申し上げておりますような脳血管疾患あるいは虚血性心疾患等に関する認定の指針なるものを私ども出しまして、それに基づいて各実施機関が認定する、その際に問題のある点につきましては私どもに御協議いただくということで、国家公務員の災害補償に関しましてはそういう制度の一貫した運用がなされているわけでございます。したがって、国家公務員だからほかの民間労働者の労災と違ってそういう補償がないというようなことは全くございませんので、それははっきり申し上げておきたいと思います。
 それから、そういう補償の手続に関連いたしまして、私どもは今申し上げましたように各省庁から協議を受けるということで、これについては私どもの職員局の中に補償課という担当課が設けられておりまして、そこに認定にかかわる専門官を配置しておりますので、そういう専門官が事務的な担当はいたしますが、問題はその医学的な判断がかなり大きな要素になるわけでございます。これにつきましては、私どもいわゆる外部の専門家の方々を健康専門医としてお願いしておりまして、医学的な問題についてはそういう方々の御意見を承る、それを参考にして判断するということで認定の適正化に努めております。
 なおかつ、そういうことで判断いたしました結果として公務外であるというふうな判断がされた
ものにつきましては、それに御家族の方なり関係の方が不服があるということであれば不服申し立ての制度ができておりまして、それは私ども公平局においてその審査事務を担当する、災害補償審査委員会においてその案件を申し立てに基づいて審査するという形が既に制度的に確立しておりますので、そういう意味でその制度の適正な運用に私どもは努めているということでございます。
#32
○三石久江君 ただいまの不服申し立てということですけれども、不服申し立ての件数はどれだけあって、どれだけ認定されましたか。
#33
○説明員(丹羽清之助君) 先ほど申し上げましたのでございますけれども、不服申し立て、特に過労死に関係しまして過去五年間におきまして私ども公平局の方に審査申し立てがございましたのは八件でございます。そのうち公務上と認定しました件数は二件、公務外と認定いたしました件数は五件、係属中は一件でございます。
#34
○三石久江君 そこでもう一つ聞いておきたいんですけれども、新認定基準による認定件数はどれだけでしょうか。
#35
○政府委員(大城二郎君) 新認定基準ということで、六十二年から新認定基準による認定事務を行っているわけでございまして、そういう意味では六十三年度の数字を申し上げるのが適当かと思いますが、先ほど申し上げましたとおり七件ということでございます。
#36
○三石久江君 大変少ないなと思うわけです。
 そこで、最初に述べましたように、過労死は現代の産業社会では紛れもない事実であり、脳血管・心臓障害が公務上の過重負担によって発症する場合のあることは疑いのないことで、今後もますます増加の傾向にあると思います。さらに、このような突然死に対し労働災害が認められるのが少ないのが現状であります。民間の過労死一一〇番ができたのもこのためです。したがって、これら循環器系統の疾病予防に努めることはもちろんではありますけれども、不幸にして発症した場合には十分な療養あるいは補償が受けられるよう一層の考慮がなされるべきであると思うわけです。公務員が後顧の憂いなく思い切って勤務につけるよう運用面で弾力性を発揮するとともに、認定基準のさらなる見直しと思い切った運用の改善を行うべきではないかと思うわけです。そこで、人事院総裁の決意を伺いたいと思います。
#37
○政府委員(弥富啓之助君) ただいまるる御質問のありましたように、過労死問題につきましては、現代非常に、二、三日前にもテレビで特集したぐらいでございまして、私もそれをよく承りました。
 六十二年に公務上の災害の認定についてという新認定基準を出しております。この中でいろいろと細かく規定をされております。ただ、これはやはり一般的に基準をつくったわけでございまして、いろいろお一人お一人のそういう脳・心臓疾患の場合に、それを具体的、妥当な解決をどういうふうにするか、これはやはりいろいろと医学の進歩もこれあるわけでございまして、日進月歩の問題もございます。十分に認定基準にもとを置きまして、しかも具体的の問題につきましては十分に適当な判断をいたしたい、かように存じておる次第でございます。
#38
○三石久江君 ありがとうございました。
 この過労死の問題は私が思いますには、家族の方が亡くなったというとてもつらい思いなんですね。そこに、先ほども申し上げましたけれども、一家の柱が亡くなった、その後どうやって生活しようかな、どうやって子供たちを育てようかなというような問題が大変大きいと思うんです。そういうことを考慮してやはり認定基準というものをもっと幅広くつくっていただきたい、それが私の願いですので、今後もよく考えて運営をしていただきたいと思います。
 私の質問はこれで終わります。
#39
○山口哲夫君 過労死の問題については通告しておりませんけれども、今の質疑の中で二、三質問しておかなければならないような問題が出てまいりましたので、質問してみたいと思います。
 労働省で持っている過労死に対する基準と、それから人事院が持っている基準、これは同じものですか。
#40
○政府委員(大城二郎君) 考え方の基本は同じであるというふうに考えておりますが、個々の認定についてはそれぞれさまざまなケースがございますので、全く同じかという意味では必ずしも全部が全部同じというふうには申し上げかねるかと思います。
#41
○山口哲夫君 個々の場合いろんなケースがありますから、しかも認定する専門の方々の考えもあるでしょうから結果として違ってくるのは当然だと思うんですけれども、一応の考え方は同じだということですね。
 それならばお聞きしますけれども、人事院の場合、過労死として発症前日の業務というのは三倍くらいの過重負荷というんですか、そういう労働、それから一週間前でとった場合、これは通常業務の大体二倍くらい、こういうような基準は人事院では持っておりませんね。
#42
○政府委員(大城二郎君) そういうような基準のようなものは持っておりません。
#43
○山口哲夫君 労働省いらしてますか。――労働省のマニュアル、これは一説には、今言ったように過重負荷というんですか、過労死の発症前で計算すれば大体通常業務の三倍だと、それから一週間の継続で計算すれば大体二倍、そういう基準をおたくの方はマニュアルとして持っていたわけですね。それを全国の基準局長会議の中で資料として説明したんですけれども、そういう基準は今ありませんね。
#44
○説明員(内田勝久君) お答え申し上げます。
 私ども六十二年に認定基準を改定したわけでございますが、その際いわゆるマニュアルというものをつくってございます。これは私の今手元にありますこういうものでございますが、これは認定基準の中身を解説すると同時に、医学的な問題、それから調査実施要領等を記載したものでございます。
 今先生御指摘のいわゆるマニュアルというものにつきましては、一部の報道でマル秘のマニュアルがあるというような報道がなされたわけでございますが、そのマニュアルと言われるものはいわゆるいろんなケースを図にしたものであるというふうに承知しております。あの図そのものは、実は六十三年の一月に全国の認定担当者会議の席におきまして担当者が説明の素材としてつくり、配付をしたものでございまして、いろんなケースを図にあらわしたものでございまして、マニュアルと言われるようなものでは決してないわけでございます。
 いずれにいたしましても、認定基準そのものに、過労死と言われるいわゆる脳・心疾患の認定につきましては、労働時間のみならず業務内容、作業環境等を総合的に調査し、判断の上で認定するということになってございまして、労働時間のみで、例えばそれが二倍であるとか三倍であるとか、そういった格好で認定しているわけでは決してございません。
#45
○山口哲夫君 認定する専門官を対象に基準の資料としてそういうものを出したことはあるわけですね、今お話しされたように。その図の中には今言ったように発症前日であれば三倍、一週間の範囲内であれば二倍、こういう図にしたものを配ったわけですね。そうすると、認定の専門官にしてみると、本省の方でこういう一つの基準というものがあるんだというふうに当然考えるのが当たり前だと思うんです。それに基づいてみんな認定していくわけです。だから、おたくの方でそういう誤解を招くようなものを資料として配付したところに問題があるんです。そういうものは撤回しますね。
#46
○説明員(内田勝久君) 先生御指摘のように、あの図がそういったことでいろいろ誤解を生んだことに対しましては私ども反省をしているところでございまして、実は先般、全国に対しまして、労災認定に当たりましては認定基準にのっとって、労働時間のみならず作業内容あるいは作業環境等
さまざまな点から調査をして認定すべきであるということを重ねて通知をいたしました。そういうことで御了解いただきたいというふうに思います。
#47
○山口哲夫君 その通知をしたときに、今まで配付していた参考資料という図面、それは今後ないものと考えろという、そういうことは言っておりますか。
#48
○説明員(内田勝久君) 特にその点撤回するとか廃棄するとかというような文言は使ってございませんが、趣旨としてはそういうふうに御理解いただいて結構だと思います。
#49
○山口哲夫君 趣旨としてはそういうことだと言うんですけれども、それは私に言う言葉であって、実際の現場の人たちには、そういう図面は出したけれどもそれはないものと考えろということをきちっと言わなければ意味がないんじゃないですか。
#50
○説明員(内田勝久君) 実はあの図そのものにつきましては、作成をいたしました当人にも、現在も労働省におるものですからよく事情を確かめたわけでございますが、その図の説明のときにも、あれは労働時間のみをあらわしたものではなくて業務過重性全体を図にあらわしたものであるというようなことでよくよく説明をしたというふうに言っておりまして、またこの図そのものが通達、内簡等で出ているものじゃございませんで、私どもといたしましては、あの図そのものがそういった誤解を招いたということを反省いたしまして、改めて全国に通知を出したわけでございます。そういったことで実質上あの図そのものは廃棄されたというふうに御理解いただいてよろしいか、かように思います。
#51
○山口哲夫君 こだわるようですけれども、実質上廃棄されたものと考えてもいいと言うんですけれども、受ける現場の方では、説明資料としてきちっと出されて、これはないものと考えなさいと言われない限りはどうしたってあれじゃないですか、基準そのものがまるっきり変わったというんなら別ですけれども、特に基準の根幹となるものがまるっきり変わってないわけですから、そういう附属資料が一番大事なんですから、現場としては。こういうふうに考えて認定していかなければならないんだなという一番肝心の図面として出されたものがそのまま残されていたんでは、現場で混乱すると思うんですよ。当然こういうものはないものと考えなさいという破棄の通知をするべきでないんですか。
#52
○説明員(内田勝久君) 私どもこの図そのものが通達等で出ておれば当然破棄という格好で改めて通達を出すということになりますが、そういうことではございませんが、重ねて申し上げるようで恐縮でございますが、その図そのものにつきましてそういった大変誤解を与えたということは深く反省しておりまして、平成二年の五月十四日付をもちまして全国にその認定に対する心構え等について改めて通知をいたした次第でございます。
#53
○山口哲夫君 それじゃ、その通知の中に今言ったようなことは書かれているんですか。前に資料として出したものについては誤解を招くから今後は使わないようにという、そういう文言が出ておりますか。
#54
○説明員(内田勝久君) 先ほども申しましたが、特に廃棄するとかあるいは撤回するとかという文言は使ってございませんが、その中身をごらんになりますればそのように御理解いただけるんではないかというふうに思っております。
#55
○山口哲夫君 六月十五日にこの問題について記者会見をやっているはずですね。そのときに出席した労働省の幹部というのはあなたですか。
#56
○説明員(内田勝久君) 職業病認定対策室長でございます。
#57
○山口哲夫君 その席上あなたは出席しておりますか。
#58
○説明員(内田勝久君) 出席しておりません。
#59
○山口哲夫君 それじゃ、その出席した幹部が記者会見で、こういう資料については廃棄いたしますということをきちっと述べているわけですね。
#60
○説明員(内田勝久君) 実質上廃棄をしたということにつきましては私も今申し上げましたが、その陳情の席でも申し上げているというふうに考えます。
#61
○山口哲夫君 これは事実上廃棄したと同じだという言い方は、これは中央で幾ら叫んでみたって意味がないんで、現場の人たちを集めた段階で、こういった資料というものは誤解を招くから今後はそういうものはなかったように考えてもらいたいということを何らかの場で話をするべきだ、そういうふうに思います。
#62
○説明員(内田勝久君) 先生御指摘の方向で検討させていただきます。
#63
○山口哲夫君 ぜひ誤解のないようにやっていただきたいと思います。
 人事院ではこういった図示した図面のようなものは出しておりませんね。
#64
○政府委員(大城二郎君) 特段出しておりません。
#65
○山口哲夫君 労働省が出されたマニュアルが非常に誤解を招いて混乱しているわけでございますので、今後そういったものは使わないように現場の人たちにもぜひ通達をするというか、そういうことを今おっしゃっておりましたので、人事院においてもそういう誤解を招くことのないようにこれからの配慮をお願いしておきたいと思います。
#66
○政府委員(大城二郎君) ただいまの点は労災の関係と私どもやや事情を異にしておりまして、個別案件を私どもの方に御協議いただくということで大部分が処理されるわけでございますから、私どもでそういう点では統一的な処理ができるということで、もちろん各省には徹底してまいりますが、そういう御心配はそうないのではないかと思います。
#67
○山口哲夫君 それでは、通告に従って質問をしていきたいと思いますけれども、地方公務員の災害補償につきましては、法の十一条に運営審議会というのをつくっておりまして、使用者代表、労働者代表、公益代表、三者で構成していわゆる基金が行う災害補償業務の運営に参画をしております。それから労災保険の方は、これは法第四条におきまして労働者災害補償保険審議会というのをつくりまして、これは使用者、労働者、公益代表、おのおの六名ずつという構成で労災保険のこれまた運営に参画をしているわけでありますけれども、国家公務員の災害補償法にはこれに該当するものがないんですけれども、その理由を聞かせてください。
#68
○政府委員(弥富啓之助君) ただいま委員がおっしゃいましたように、国家公務員災害補償法にはそのような機関を設置する旨は規定されていないところでございます。これは人事院が、御承知のとおり発足当初からいたしまして、むしろ労使間の調整機能を果たす機関というよりも、国家公務員法により定められました職員の利益の保護、これを含めて人事行政に関する中立的専門的機関と、それで、国家公務員災害補償法につきましてもそのような性格の機関として同法の完全な実施の責に任じられているというところによるものと考えております。
 なお、人事院といたしましては、従来からでございますが、内閣及び国会に対する意見の申し出に当たりましては、専門的、技術的な事項につきまして、その内容に応じてその都度医師等の専門家の意見を徴するほか、職員団体等関係の各方面からも広く意見を聴取しているところでございまして、今後そのように努力をしてまいりたいと存ずる次第でございます。
#69
○山口哲夫君 それはこれから先にお聞きしようと思っていたことなんですけれどもね。運営審議会のようなものがない理由を聞いていたんです。今までの衆議院の答弁なんか読んでみますと、それは災害補償は使用者自身が実施するんだからあえてつくることはないんだというふうに答えているわけですね。そういう解釈でいいんですか。
#70
○政府委員(大城二郎君) ただいま総裁からお答えがありましたように、人事院の場合には、人事院が人事行政に関する中立的専門的な機関である
ということで、いわばほかから専門家といいますか、あるいは技術的な問題について意見を聞くのとは別にいたしまして、そのこと自体について諮問機関的なものから意見を受けてということよりは、人事院自身が専門的な判断をみずから示すという役割を与えられているのではないか。そういう意味で、特段そういう審議会等の規定は設けられていないという形になっているのであろうというふうに理解しているわけでございます。
#71
○山口哲夫君 人事院がそういう役割を果たすべき機関だということはわかりますけれども、同じ国家公務員という立場にあることもまた事実なわけですね。ですから、地方公務員の場合とか労災の場合は第三者の意見というものをできるだけ尊重して運営に公平を期さなければいけないなということから入ってきたものだと思うんです。ですから、同じ国家公務員の中でやることですから、人事院はむしろそういう任務を持っているんだからいいじゃないかと言うけれども、しかし誤解は招かざるを得ないんでないかと思うんですね、同じ国家公務員同士がやることですから。だからなおさらのこと、やっぱり私は第三者の方々を入れて運営に公平を期すようなことは考えた方がいいんでないかと思うんです。それをやったら運営に支障を来すというなら別ですけれども、第三者から見れば非常に公平にやっているなという信頼感が出てくるわけですから、かえってそういうことをやった方がいいんじゃないんでしょうか。
#72
○政府委員(弥富啓之助君) ただいまの御意見は従前からあった御議論でございまして、国家公務員災害補償申し立てにつきましては、ただいま申し上げましたように、補償業務や医学の専門家等から成る災害補償審査委員会を設けまして、これはもう本当に専門的な立場から審査を行って、その意見を付した調書に基づきまして、それで人事院が院議をもちましてこれを判定を行っているわけでございます。
 それで、災害補償審査委員会の審査手続の過程におきましては、申立人や代理人やそれから実施機関等の関係者について十分な調査を行い、その段階で関係ある御意見、主張も聴取をしてきておるところでございまして、人事院院議の判定段階における場合に参与を置くことはただいまのところは考えておりませんが、制度というものはこれは常に見直しをしていかなければならない面もございます。将来、人事院の災害補償審査委員会の審査のやり方等につきましてはいろいろと御意見を承りながら部内で話し合ってみることもこれは必要ではないか、かように私自身は考えております。
#73
○山口哲夫君 今総裁の答えた審査と運営の問題とは別な問題として考えるべきだと思うんです。審査はこれから聞きますけれどもね。制度全体をどういうふうに運営していくかという問題です。だから、そういうものに対して第三者を入れるということは、これは一向運営にマイナスになることではなくして、むしろ非常に公平にやっているなというふうにとられるわけでございますから、私はこういった使用者側、労働者側、公益代表三者を入れて、やはり地方公務員とか労災のように制度全体の運営について審議をするようなことを法の改正を今後行ってやられる方がいいんじゃないかなと思いますので、ぜひ検討してみてほしいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#74
○政府委員(大城二郎君) ただいまお話しの三者構成というようなことは、やはりそれぞれの利害の調整を図るような観点からそういう方の御意見を入れて公正公平な制度の運営を図るという御趣旨であると思いますが、私ども人事院の性格という観点から申しますと、先ほど申し上げたわけでございますが、中立的専門的な機関ということでそもそも人事院として既に公正中立な立場で業務を執行しているということで社会全体の御理解をいただきたいと思っているわけでございます。
 ほかの方の意見を幅広く聞くという意味ではもちろんそういう面の必要性はいろいろございますので、それはそれで、先ほど総裁からもお答えいただきましたように、関係方面のいろいろの御意見を承りながら私どもも公正中立な運営に努めているということでございまして、さしあたりそういうことで御理解がいただけるのではないかというふうに考えております。
#75
○山口哲夫君 それでは、法律改正しなくても今私が言ったようなことは一つの制度として第三者を招いて運営について協議をする、そういった場は設けるということですね。
#76
○政府委員(大城二郎君) 確定したそういう意見を聞く場ということでは従来やっておりません。今までも各方面の意見をいろいろな形で聞いております。そういう形で十分に私どもとしてはこれまでも幅広く意見を聞くということをやってきておりますので、そういう方向をこれからも続けるということでよろしいのではないか。現時点においてはそういう形をつくってどういうふうな意見をどういう方面から聞くということを予定しているということはございません。
#77
○山口哲夫君 それは当然個々の問題についてはいろんな専門家の意見を聞くというのは当たり前のことなんだ。ただ、それだけでは外に見えないわけでしょう。やはりみんなが安心して任せられるという、そういう形というものは、こういう協議機関を一年に一回ぐらいは開いていろんな方の意見を聞いてみたいというような一つの制度的な組織というものをやっぱりつくっていかなければ、なかなか信頼はされないんじゃないんでしょうか。どうしてそこまで、つくることについては考えないという固執しなきゃならない理由があるんでしょうか。検討する余地は全然ないですか。
#78
○政府委員(大城二郎君) 考える余地がないというわけではございませんで、従来から幅広く聞いてきておりますので、そういうことの中で十分カバーされているのではないかということを申し上げたわけでございます。そういう意味で、よりよくそういう意見を聞くというやり方についてはもちろんこれからも十分考えてまいりたいと思います。
#79
○山口哲夫君 総裁、今局長がおっしゃったように、これからもひとつ考えてみたいというので、一度検討してみてくれませんか。
#80
○政府委員(弥富啓之助君) ただいまの局長からの方のお答えのように、事実上いろいろ参与とか制度的にどうなっているのか私は今ちょっとあれですが、いろいろと意見を聞く場をつくっております。それでも先生の御意見でございます、いろいろとこれからは人事行政というものはやはり人事院だけでやっていくというようなものではもちろんございませんので、これはもう皆様の御意見を十分に尊重してお聞きしながらそういうふうにやっていくのが本筋の話でございますので、どういうふうなことができるであろうか、これから部内でいろいろと話し合ってみたい、そういうことは考えております。
#81
○山口哲夫君 ぜひひとつ部内で話し合って、外に見えるようにそういった協議機関というものを一年に一回でもいいからきちっと開いてぜひ運営そのものについても検討していただきたい。お願いしておきたいと思います。
 それから、この災害補償について不服のある場合、これは地方公務員の場合には地方公務員災害補償基金審査会というのが学職経験者でつくられております。労災保険の場合には同じように労働保険審査会というのが学職経験者でつくられております。要するに第三者の公平な審査を願ってのことだと思うんですけれども、国家公務員についても先ほど総裁がそういう審査会というのはちゃんと持っているんだと、こういうふうにお答えになったわけでございますけれども、それを見ますと、五人のうち四人が国家公務員なんですね。だからやっぱり第三者を中心としてやるべきであって、国家公務員の審査をするのに国家公務員だけでやるというのは私はこれも誤解を招くと思うんです。もう少し一般の学職経験者を入れてみたらいかがでしょうか。
#82
○説明員(丹羽清之助君) ただいまのお話は災害補償審査委員会、いわゆる認定に当たりましての調査機関であります災害補償審査委員会について
のメンバーのお話かと思いますが、これは人事院総裁が任命いたします五名の委員で構成されておりまして、その委員は人事院の職員二名のほか、医学専門家二名、及び災害補償制度に熟知しました学識経験者一名となっております。
 先生がおっしゃいましたのが医学専門家につきましても国家公務員が入っているじゃないかというお話かと思いますけれども、一般の職員につきましては人事院職員二名でございますけれども、医師につきましては確かに先生おっしゃるように国家公務員が一名入ってございますけれども、そういう意味では三名かと思います。
#83
○山口哲夫君 地方公務員の場合にはまるっきり関係ない方々ばかりですよね。医師だとかそれから大学の先生とか、ほとんど地方公務員に関係のない、関係あるとすれば地方公務員の共済組合連合会の理事長が一人入っているわけですね。それから労災の方は、これこそまるっきり直接関係している人は入っていない。
 ところが、国家公務員の災害補償審査委員会の方は、あなた今そうおっしゃっていましたけれども、現職の国家公務員が二人ですよね。これは人事院の幹部です。それからもうお一方は元人事院の職員局長です。そして日本人事試験研究センター理事長、まあ準公務員のようなものでしょうね。それから、その次も元国立病院長ですからあえて言えばやっぱり国家公務員ですよ、そして国立病院医療センターの名誉院長ですね。あとのお一人だけでないですか、関東労災病院健康管理センター所長、これは民間のお医者さんです。だから、ずっと前歴等を見てまいりますといずれも国家公務員。確かにお医者さんであることは間違いない。
 だからこういう方々が不公平なことをやっているとは言っていませんよ。当然公平に審査しているんでしょうけれども、ほかの二つの審査会を見ると誤解を招かないように全くの第三者機関でつくっているわけです。やっぱり国家公務員の場合にもそういう誤解を招かないような第三者を入れてやった方がみんな信頼するんじゃないですか。さっきから過労死の問題が出てますけれども、何か身内でやっているんじゃないかなんていうふうに思われたんじゃ、やっている方だって、せっかく公平にやっているのにたまったもんじゃない。だから、外から見てなるほど公平にやっているなと思われる形というのはやっぱりつくっておくことが大事なのではないんでしょうか。もう少し人事配置というんですか、構成について考えてみる余地は全然ないですか。
#84
○説明員(丹羽清之助君) 委員の構成につきましては、おっしゃいますように公平局長が一名でございます。これは審査申し立てを審理する担当の局の職員ということ。それから職員局の審議官につきましては、災害補償制度を担当する局の職員が対象ということでございます。あと三名でございますが、そのうちの二名は、審査に当たりましては医学的な見地からの非常に専門的な高度な判断が必要だということから二名の医師の専門家になっておるわけでございますが、あと一名につきましては、やはり災害補償制度に熟知した学識経験者ということで先ほど先生おっしゃいました方にお願いしておるわけでございます。
 なお、考えてみますと、公務上外の認定につきましては、やはり公務そのものとの因果関係ということがあるかないかということも非常に重要な点でございまして、そういう点から、先生おっしゃるような傾向に見えるかもしれませんけれども、やはり国家公務員の行政的な見地からも非常に熟達した委員の識見というものが必要である、そういうような観点から、ただいまのように医師二名以外は災害補償制度に熟知した者、あるいは先ほど申しましたような公平局長、職員局の審議官というような者をもって構成して万全を期していると思っておるわけでございます。
#85
○山口哲夫君 行政の経験というものをやっぱり大事にしていかなきゃならないことはわかります。しかし、そういう方が審査会の委員に直接ならなくたって、そういう専門の話というのは参考人なら参考人として出席していただいて十分お話を聞いたっていいと思うんです。だから、具体的に判定を下す人たちの人事構成というものは、だれが見ても、ああ、公平だなと言われる方々にするべきだと思うんです。そういう方が入らなければ専門的な論議ができないということにはならないわけですからね。もっとやっぱり第三者が見て、外から見て、ああ、公平にやっていると思われるような人事配置は考える余地ないですか。
#86
○説明員(丹羽清之助君) 具体的に判定を下しますのは人事院でございまして、災害補償審査員会はそのもとにあります調査の段階を担当するものでございまして、裁決する機関と調査機関とはやはり峻別しておいてよろしいんじゃなかろうかと思っております。
#87
○山口哲夫君 そのとおりです。私が間違いました。判定を下す機関じゃないですね。判定を下すのは人事院だ、それに対して意見具申する。
 しかし、その意見具申というのは極めて専門的にやってくるわけでしょう。そして、公平に見て、これは災害なら災害補償の認定にした方がいいな、あるいはこれはする必要はないんじゃないかという一つの意見として具申するわけですよね。ですからその段階で、一番やっぱりそれが基準になるわけですから、基礎になるわけですから、だれが見てもこういう人たちが意見具申をしたと、それが大体ほとんど通るわけでしょう、最後の人事院でもってそれこそ却下してしまうなんということはほとんどないわけですからね。だから私は、だれが見てもこれは本当に公平にやっているなと思われるような人事配置をしていた方がそれこそこういった災害補償の政府全体の運営に対する、あるいは審査そのものに対する信頼感というのが生まれてくると思うんで、ぜひひとつこれは検討してみてほしいなというふうに思うんです。
 それに合わせまして、参与という制度がありますね。地方公務員の場合、それから労災保険の場合、これは労使代表を参与として指名しているわけです。やはりなお一層その審査に公平を期したいということから、使用者と労働者と両方の意見をきちっと聞いて審査の対象にしていこうという考え方だと思うんです。二つの労災の方についてはそこまで神経を使っているんですけれども、国家公務員の場合にはこの参与制度がないんですね。これはなぜでしょうか。
#88
○説明員(丹羽清之助君) 人事院の災害補償審査委員会につきましては、先ほど申し上げましたように、災害補償の審査におきましてその災害の性質とかあるいは災害と公務との因果関係等につきまして医学等の見地から検討を進めておるわけでございまして、そこにおきまして職員を現地に派遣いたしましていろいろとその災害の諸般の情勢等を調査してまいります。災害補償審査委員会ではさらにその調査等をもとにいたしまして審理を尽くしまして、そしてその意見を付して人事院の方にその調査の結果を提出するという形になっております。
 その災害補償審査委員会は先ほど申し上げましたように専門的な調査機関でございますが、その調査の過程におきまして申立人あるいはその代理人の方々から、例えば労働者側の意見等につきましてはその主張、意見等を十分聴取しておるということになっております。したがいまして、労使双方から成るような形での職員代表は委員会の方には加えておりませんけれども、十分に労働者側の意見もそこに反映している、審査の過程でお聞きしているということになっております。
#89
○山口哲夫君 あなた方はそういう労働者側の意見も十分聞いているんだから公平を期しているんだと。確かに公平を期しているんでしょう。しかし、第三者から見るとそうは見えないんです。あなた方は一生懸命やっているんだと言ったって、やっぱりきちっとそういう労働者側の意見を聞くような場というものが法的につくられてなければ、本当に聞いているのかなという疑問を感じる方が当然でないんでしょうかね。それは人事行政というのは公平を旨としているわけですから、人
事院の皆さんは、おれたちは公平にやっているんだという自負心が先に立っちゃって、それは結構なんだけれども、しかしせっかくそれだけ真剣にやっているんであれば、皆さんに本当に公平にやっているなということが見えるようにどうしてそういう機関つくらないんですか。どうですか。
#90
○説明員(丹羽清之助君) それではもう少し具体的に委員会のやっておりますやり方についてちょっと御説明申し上げたいと思います。
 委員会では、委員会が指名します職員を現地に派遣いたしまして申立人から直接事情を聞きますとともに、上司、同僚その他の関係職員あるいは診療を受けました医師、さらにはその申立人の家族の方々等から平素の業務の内容あるいは疾病の発症の状況、各医療機関における診療、診査の状況等について詳細に事情聴取を行っておるわけでございます。例えば申立人からはその申し立ての理由なり趣旨なりを十分お話し願いまして、それを記録いたしまして、その記録をまた御本人にお見せいたしまして、御納得を得られましたならばそれに対して署名捺印をしていただきまして、それをまた委員会に付託するというようなことで、十二分に関係者の御意見、御主張等は私ども承っておるつもりでございます。
#91
○山口哲夫君 それじゃ聞きますけれども、労働組合の代表から直接聞いていますか。制度として労働組合の代表の意見は必ず聞くという立場をとっていますか。
#92
○説明員(丹羽清之助君) 制度としてと申しますか、申立人あるいはその代理人、この代理人の場合に、代理人は職場の同僚あるいは労働組合の方々の意見というようなものが多うございます。
#93
○山口哲夫君 ほかの制度は割合労働組合の組織を代表する人を入れるんですよ。組合員の権利とかそういうものをきちっとやっぱり守る立場にある責任ある人を入れて、そして自由に発言できるようにしているわけです。同僚の意見聞くのはいいですよ。しかし、同僚といったって同じ職場の仲間でしょう。なかなかそれはもう思い切って言いづらいこともあるでしょうし、上司の意見なんて聞いたらなおさら、これは上司が少し働き過ぎさせたんじゃないのかというような、そういうあれだって持つわけでしょう。だから、やっぱりそういうことを考えて、あえて制度をつくって、そしてその道をきちっと代表する労働組合なら労働組合の代表、使用者なら使用者の代表、そういう人たちを入れるというのはそこに意味があると思うんです。
 だから、人事院もやっぱり同じように労働者の代表として組合の代表なんかも参与に入れて堂々と意見聞いたらいいんじゃないですか。そうすると、人事院がやっていることがますます公平だということが天下に明らかになるんじゃないですか。そういうことを考える余地ないですか。もしないとすれば、私の言っているような公平に対して若干のやっぱり曇りを持って見ざるを得ないということです。
#94
○説明員(丹羽清之助君) 審査の申し立てに対します認定につきましては、先ほども申し上げましたように人事行政に関する中立的専門的機関としての人事院が当たる、その判断のもとになります調査につきましては災害補償審査委員会が当たるということでございまして、先ほど来恐縮でございましたが申し上げておりますように、労働者側の意見といたしましては、申立人あるいはその代理人から十分御意見は伺える仕組みになっておると私どもは考えております。
#95
○山口哲夫君 総裁、私の言っている方が無理ですかね、全然考える余地ないですか。私は決して無理なことを言っているつもりはない。地方公務員の場合も、労災の場合もちやんと労働組合の代表を委員として入れて公平を期す、そういう形をとっているんです。やっぱりこういう形をとるということは大事なことだと思うんです。全然そういう余地はないですか。もしないとすれば、やっぱり人事院は幾ら言っても公平を本当に旨としていないな、そういうふうに私は考えざるを得ません。
#96
○政府委員(弥富啓之助君) ただいま公平局長の方から申し上げましたとおり、人事院規則によりまして災害補償の実施に関する審査申立ての中に、「審理の方式」といたしまして「審査の申立ての審理は、書面による。ただし、審査申立人の申立てがあったときは、委員会は、審査申立人に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。」というような規定もございます。
 しかし、確かにいろいろ審査手続自体、一切それを改正してはいけないというような理想的な万全なものであるというふうに考えられるかどうか、それはいろいろの御議論があるところだと思います。その点、ただいまるる申し上げましたように、人事院の性格からいきまして災害補償審査委員会のやり方一つというものもある程度いろいろ限界は、私も任務が長いわけではございませんので、いろいろ限界があるとは思います。
 そのやり方自体については、先ほど申し上げましたように絶えず制度というものは振り返って見なければならないことが多々あるものでございます。そういう努力をすることは当然のことでございますので、そういう意味におきまして今後一般的に研究調査というものを絶えずやっていきまして、人事院は今はもう本当に公平中立にやっておりますけれども、なお委員の言われるような趣旨も勘案いたしながら、先ほど申し上げておりますように研究と申しますか、部内で十分にこれからのことはどうあるべきかということを検討してみることもぜひ必要ではないか、かように私は思っております。
#97
○山口哲夫君 ぜひ検討してみてください。
 それから、単身赴任者の任地から自宅までの往復時における労災認定の問題であります。今度単身赴任手当が新設されましてまあ結構だと思うんですけれども、その性格について給与局の給与第三課の方が人事院月報の三月号にいろいろと書いてありますけれども、その中に、時間がないから省略しますけれども、帰宅経費という言葉が出てくるわけですね、帰宅経費。だから、要するに帰宅に関する経費なんだから、とするならば任地から自宅までの往復する間の労災認定も当然入ってくるだろうというふうに思うんですけれども、そういうふうに解釈してよろしいですか。
#98
○政府委員(大城二郎君) 単身赴任中の職員が家族の居住する自宅と勤務官署との間の往復行為中に受けた災害が通勤災害になるかどうかという問題でございますが、当該家族の居住する自宅が通勤災害保護制度上の住居、すなわち本人の勤務のための拠点として認められるかどうかということにかかわるわけでございます。一般に本人の勤務のための拠点は本人の生活の本拠である勤務先近くの住居というふうに解されるわけでございます。家族の居住する自宅は一般的には勤務のための拠点と認められないというふうに考えられますけれども、距離、所要時間、反復継続性などから見まして社会通念上勤務のための拠点に準ずる場所として認められる場合には、その間の往復行為に起因する災害についても通勤災害に該当し得るものというふうに考えております。
 ただ、単身赴任中の職員が自宅に帰宅する往復行為の形態はさまざまでございますので、こうした基本的な考え方に照らして個々の具体的事情に応じて判断されるべきものと考えております。具体的には、いわゆる土帰月来行為で通勤災害に該当するというふうに認められた例もございます。一般的に申し上げるわけにはいかないんですが、今申し上げたような考え方で個別の事情に応じて判断するということでございます。
#99
○山口哲夫君 そうすると、今私が言ったようなことは認めないというんではなくして、基本としては当然頭に入れておいて個々の判断でもって考えていく必要があるということですね。
#100
○政府委員(大城二郎君) 今先生のおっしゃったような趣旨でお考えいただいていいと思いますが、個別的にはどういうような距離でどういう程度の往復をしているかというようなそういう事情を個別的に判断して、先ほどのような考え方で果たして通勤災害と認められるかどうか、それを個
別的に検討していくということでございます。
#101
○山口哲夫君 そういう取り扱いについて何か文字に書かれたものがあるわけですか。
#102
○政府委員(大城二郎君) 特に通達等に書いてあるわけではございませんが、解釈としてやっております。
#103
○山口哲夫君 五月二十五日の衆議院の社会労働委員会で野崎労働基準局長が、災害補償保険上単身赴任者の土帰月来行為時の災害の取り扱いが現在のところ十分明らかになっていないが、公務員等についてはかなり明らかになっており妥当な取り扱いがなされているので、公務員の取り扱いを参考にしまして基準を明確にしたい、こう書いてあります。だから、労災の方は余り明らかになっていないけれども、公務員の場合には非常に明らかになって参考になるから公務員を参考にしてやっていきたいというふうに言っているものですから、何か取り扱いのきちっとしたものがあるのかなと思って聞いたんですけれども、ないということでございますので、今局長がお話しされたような考え方でやっていきたいというふうに解釈をいたします。ぜひそういう考え方でできるだけ拡大できるような範囲で、方法で考えていただきたいものだなというように思います。
 その次は、国家公務員の生命や健康を保護するというのは一体何のためにやっているんでしょうか。極めて抽象的ですけれども、公務員の健康を守る、命を守る、そういうことは一体何のためにやっているんですか。
#104
○政府委員(大城二郎君) 非常に難しい御質問でございますけれども、一つは、やはり職員の福祉という観点、あるいは公務に関連いたしましては能率という観点、そういうような要素からやはりこれを守るということが極めて重要な問題であるというふうに考えております。
#105
○山口哲夫君 あなたの解釈はこの法律第七十三条の解釈に余り正しくないんじゃないですか。私の考えから言わせれば、あなたの考えの方が正しいです。今言った、公務員の福祉を守る、先に出てきます。それが能率増進にもつながる、そう解釈すべきだ。
 第七十三条「能率増進計画」を読んでみましたら、「内閣総理大臣及び関係庁の長は、職員の勤務能率の発揮及び増進のために、左の事項について計画を樹立し、これが実施に努めなければならない。」、そして職員の保健の問題、レクリエーションの問題、職員の安全保持の問題、職員の厚生問題。これを読んでみますと、職員の勤務能率を高めるためにやっているんですね、この健康診断は。職員の人権を守って職員の健康、今あなたがおっしゃったように、職員の福祉を高めていくんだという、そういう考え方というのはないんですよ。
 実はここに岡山地裁津山支部のある事件に対する判決文の解説があるんですけれども、こういうふうに書いてある。津山の税務署の職員である原告は、「当該税務署長の実施したいわゆる一般定期健康診断を受け、その際結核の予防、発見等のための胸部X線間接撮影については、右署長の嘱託する保健所で受診した。この間接撮影フィルムには原告が結核にり患していることを示す陰影があったが、これは看過され、原告のり患が発見されたのは、翌年六月の定期検診においてであった。そこで原告は、右り患を早期に発見せず、適切な事後措置を講じなかったのは、税務署長、国税局長及びこれらの補助者の故意又は過失によるものとし、そのために長期療養を余儀なくされた損害として国に対し金七四〇万円を請求した。」、これは請求者側の請求した内容を解説したものなんですね。
 これに対しまして、ここが問題なんですが、「これに対し、国は、定期検診は、国が職員の勤務能率の発揮、増進のためにするものであって、職員が自己の疾患を早期に発見できる利益を得たとしても、それはいわゆる反射的利益にすぎないから、個々の職員との間で不法行為を構成する余地はないこと、」「国がその責任を負うべきいわれはないことなどを主張して争ったが、本判決は右主張をいずれもしりぞけて原告の請求を認容した。」。
 簡単に言いますと、健康診断を受けたら結核だったのが、それが見過ごされてしまった、それで非常に結核が重くなってしまった、どうしてくれるんだ、損害賠償せいと、こう言ったわけですね。そうしたら国がこの裁判で、それは定期健診というのは職員の勤務能率の発揮、増進のためにするものなんだ、職員の人権を守ったり、あなたが言った福祉を守るためにやるんじゃなくて、職員の能率を向上させるためにやるんだ、だから健康診断の結果、たまたまそういう病気だということが発見できたとしても、それは反射的利益にすぎない。大変難しい言葉ですけれども、要するに、僕の言葉で言えば、そんなものは附属的なものなんだ、目的は違うんだということなんですね。こういう考え方を当時の国側は持っていたということが歴然としているわけです。
 どうですか、こういう今の文言、ずっと聞いて感想を聞かせていただけませんか。
#106
○政府委員(大城二郎君) 感想と言われると困るわけでございますけれども、確かに御指摘にございましたように、国家公務員法の能率という部分にこの安全保持等が出てまいります。それを直接的に引用した形で言えば、根拠は直接的にはその規定であり、そういう観点、能率という観点が出てくるというのはある意味で当然だと思いますが、私が福祉と申し上げましたのは、その能率を図るためにやる健康診断等のそういう健康管理の措置等は、それはいわば一体の表と裏の関係で、同時に職員の福祉につながるものでもある、職員の福祉を確保するということは、また裏返せばそれは能率の増進にもつながることである、そういう趣旨で申し上げたつもりでございます。
 おっしゃいますように、国公法の中ではそういう意味で福祉というのが直接的に規定の上では余り出てこない。強いて言えば、人事院の責務の中に職員の利益の保護ということもありますので、そういうものに含まれるかとは思いますけれども、直接的に確かにそういう規定が出てこないことから、おっしゃるようなことが現実問題としてあったのではないかと思いますが、私個人の考え方としては今のように表と裏の関係で、いわば一体的なものとしてこの健康保持等の施策の運用に努めたいと思っております。
#107
○山口哲夫君 この裁判に対して被告側に立った国の、何というんですか、考え方が述べられているわけですね、私は裁判における法律用語はわかりませんけれども。この国の考え方というのは決して担当している職員だけの判断で書いたものじゃないと思うんです。税務署で起きた事件ですから、当然国税庁の決裁を得てこういう申し立てをしていると思うんです。申し立てというんですか、何というんですか、専門弁護士さん。――そういう国側の意見というものは当然ちゃんと国税庁の決裁を得て出ている。そうすると、当時の政府の考え方というものは、七十三条の解釈というのはやっぱり能率増進が主なんです。この考え方というのは国全体の考え方だったと思うんです。
 そうすると、我々の考え方から言うならば、健康診断というのはその職員の健康管理、要するにあなたの言葉をかりれば福祉の増進ですよね、そういうことが主たる目的なんです。そのことによって職場の勤務の能率の向上にも役立つのだということでなければならないと思うんです。職員を使う側としては、当然使っている職員の人権を守るということが最優先にならなければいけないと思うんです。これは本末転倒しているんです。どうですか、総裁、法律の改正を考えてみる余地はありませんか。
#108
○政府委員(弥富啓之助君) そのような御質問にすぐお答えする用意は果たしてあるかどうかじくじたるものがございますけれども、裁判につきましては私も全然知っておりませんので、批判するとか考え方を述べるとかということは別にいたしまして、ただいま局長が申しましたように、国家公務員法におきましても第一条におきましては「この法律は、国家公務員たる職員について適用
すべき各般の根本基準(職員の福祉及び利益を保護するための適切な措置を含む。)を確立し、職員がその職務の遂行に当り、最大の能率を発揮し得るように、民主的な方法で、選択され、」云々、こういうふうになっておりまして、昔の戦後すぐのときはやはり無定量の義務とか、いろいろなことを官吏はやるべきであるというふうに教育をされてきた私たちが最後のころの人間でございます。
 しかし、現在は、やはり時短の問題、それから週休二日制の問題、いろいろとこれは公務員につきましても一般の労働者よりも優先してやるというような意見さえあるぐらいでございまして、まず職員が福祉あるいは健康、それを保持するということがひいては国家の国務、公務を遂行する上において重大なあれであるということで、それは裏腹というふうに今職員局長非常に私も聞いて感心したようなことを言いましたけれども、まずやはり人間としての公務員というようなことはまず第一に考えていくべきではないかな、これは私のいわば半個人的な考え方でございます。
#109
○山口哲夫君 今総裁がおっしゃったような考え方でいかれるのであれば、当然この七十三条の文言というのは改正をしなければならないことになると思います。あくまでも職員の人権を尊重する、人間として尊重していかなければならない、そのとおりであります。そのために健康診断等をやる、厚生、保健の仕事もやる、それがひいてはその職場における能率の向上にもつながっていくんだと。それが七十三条が全然逆の書き方になっておりますからあえて私は問題提起したわけでございますので、総裁の答弁のような考え方に立って将来この七十三条をぜひ改正していただくように心から要請いたしまして私の質問を終わります。
#110
○吉川春子君 まず最初に、海部総理の周辺の株取引疑惑に関してお伺いいたします。
 海部首相の側近である公設第二秘書の株取引が問題になっておりますけれども、官房長官、昨日も通達を出されたと報道されていますが、この問題をどのように認識されておられるでしょうか。
#111
○国務大臣(坂本三十次君) やはり閣僚とか政務次官とか、これは選挙によって選ばれた政治家で、そういう意味で、国民の信頼をしっかり保つためにみずからやはり申し合わせをして自粛しておるということは御承知のとおりです。
 秘書の立場になりますると、国民から選ばれて、そして最終権限を有する立場にあるというものではありませんけれども、秘書は政治家と非常に身近なところで仕事をして支えておるわけですから、その秘書個人のプライバシーとか経済活動というものは常識の範囲ならば差し支えないと思いますけれども、しかしいろいろ誤解を招くような、疑いを招くようなことがあっては、ひいては政治に対する信頼を損なうことがあってはいけませんので、そういう意味でこの問題について私から各大臣や政務次官に対して、秘書の行為といえども誤解を招くようなことのないようによく注意してくださいと、こういうふうに連絡をしたわけです。
#112
○吉川春子君 自民党の選挙制度調査会では、昨年の五月十九日に自民党政治改革大綱を発表しておられます。それによりますと、「株取引の規制」ということで「政治資金を株取引など投機的取引のために使用することは禁止」というふうにうたって、「インサイダー取引規制を厳守することは当然」というふうにも述べられています。また、リクルート疑惑があれだけ問題になって、第一次海部内閣のとき取引の自粛をしようと申し合わせたはずです。そして、八八年夏以降のリクルートからの献金の問題があるとして、関係ある人は閣僚にしない、こういう方針で海部内閣はクリーンなイメージで売ってきた内閣だということも言えると思うんです。ですから、今回の問題は非常に重要な問題だというふうに思うわけです。
 この公設の第二秘書は海部首相の金庫番と言われた側近であるというふうにも報道されているわけなんです。そういたしますと、総理の秘書ですから当然政治経済のいろんな情報が秘書のもとに集まってくるわけですね。そして今度のメイテックも短期間に株が急騰して、そして大変なもうけを上げた、もうけが確実の株であったわけなんです。こういうことを考えるとインサイダー取引としての疑いを持たれても仕方がないのではないかと私は思うわけです。
 それで、徹底的にこの問題について調査をして国会、国民にその結果を発表されるべきだ、こういうふうに考えるわけですが、官房長官の御見解はいかがでしょうか。
#113
○国務大臣(坂本三十次君) これは、総理から秘書当人にただしましたところ、当該秘書は個人の立場で行ったことがはっきりしております。閣僚等の秘書が個人の立場で株式取引を行うことは閣僚などの株式取引自粛の申し合わせに触れるものではなく、今回の件では誤解を招くようなことがあったと言われることは残念であるとは言えますが、内閣としては調査するようなことではないと考えております。個人の立場で行った株式取引は個人の経済活動の問題であり、プライバシー保護の観点から、これを調査して国会に報告するということはいかがかと思っております。
#114
○吉川春子君 総理の公設秘書なわけですから、個人の立場といってもそういうことでは通らない。だから、今度は官房長官も秘書であっても注意するようにという、そういう通達をお出しになったと思うんです。
 いずれにしても、非常に重大な問題であるので、これを国民の前に明らかにするのが内閣の責任ではないか、総理にかかわる問題ですから、そういうことを私は強く申し上げておきたいわけですけれども、調査して報告するという意思は全くないんですか。それとも、そういうことはやってみたい、こういうふうにお考えですか。
#115
○国務大臣(坂本三十次君) 先ほども申し上げましたように、やはり政治家と秘書の間ですから、そこはやはり、自分は純粋なポケットマネーで、純粋な自分の財産で株取引をするというようなこと、これまで禁止するというわけにはまいりませんでしょう。しかし、やっぱりどなたに聞かれてもはっきりすきっとした返事ができるようなことは常に心がけておらなけりゃなりません。誤解や疑いを受けるというようなこと、そういうことがないように自分の経済活動もすっきりとして、つまり李下に冠を正さずという姿勢でやっていくと私はそれで目的は達せられるのではないかなと思っておるわけです。特にその秘書のやった経済活動を全部これはおかしいというような目で見て、全部調査して国会に報告するというようなことは、これはやっぱりいかがかなと。賛成できませんですね。
#116
○吉川春子君 秘書の経済活動をすべて国会に報告せよと私は申し上げているのではなくて、金庫番と言われて株でお金も大変もうけられた、政治団体に使われた疑いもあるということで、これはよく調査して国民の前に明らかにせよということを私は再び要求して、この問題については質問を終わりたいと思います。
#117
○委員長(板垣正君) 官房長官、御退席いただいて結構です。
#118
○吉川春子君 国公災の改正案に対して質問を行います。
 まず最初に人事院にお伺いいたしますけれども、民間の災害補償法定外給付制度について調査をされていますけれども、その法定外給付を行っている企業の数、給付額については最も多かったもの、それについて報告をしていただきたいと思います。
#119
○政府委員(大城二郎君) 民間企業の法定外給付の状況でございますが、六十三年十月一日現在のデータで申し上げますと、いわゆる業務災害に関しまして法定外給付の制度を持っております企業が五九・五%、通勤災害が同じく四四・四%となっております。
 それから給付額でございますが、これは企業によって非常に差がございます。それを五百万円刻みで階層別の企業割合ということで見てまいりますと、業務災害、通勤災害とも一千万円以上千五
百万円未満の額としている企業の割合が業務災害で三一・一%、通勤災害で三三・三%というのが一番割合の高い階級でございます。
#120
○吉川春子君 私が拝見した資料によりますと、その給付額、一律定額制、最多のものは一千万以上千五百九十九万以下三五・五%、平均給付額千二百八十三万円、一律定率制で千日分以上千五百九十九日分以下七五・七%で、平均給付日は千八十五日と、こういうことですね。
#121
○政府委員(大城二郎君) 先生のお話の数字、私どもちょっと今チェックできないんですが、時点が少し違うのではないかと思いますが、私の申し上げましたのは六十三年十月一日現在の数字で、給付額の階層別の企業割合として申し上げましたのは今お話の一律定額制の企業についての割合でございまして、一千万から一千五百万未満のところが業務災害で三一・一%、通勤災害で三三・三%、この部分の割合が一番高いというふうに申し上げました。
#122
○吉川春子君 自治省お見えでしょうか。――お伺いいたしますが、地方公務員の場合、その補償額の上積みを行っているところが多いわけですけれども、幾つの自治体で公務災害見舞い金制度が設けられているでしょうか。また、その給付の内容はどうなっていますか、簡単で結構ですが、説明してください。
#123
○説明員(嶋津昭君) 職員の公務上の災害に対しまして公務災害補償制度以外の形で付加的な給付を行っている地方団体は、沿革的な理由もございましてございます。大体都道府県あるいは市町村におきまして全国、六十三年四月一日現在でおおむね一割程度の団体でそういうような付加的な給付が行われております。
 その理由なり内容につきましては千差万別でございまして、賞じゅつ金なり見舞い金あるいは退職手当の付加給付というような趣旨でやられておりまして、その金額も大きなところでございますと二千五百万円、小さな団体ですと一万円というような、そんなような内容になっております。
#124
○吉川春子君 先ほどの人事院の調査の結果、そして今の自治省のお答えを見ましても、そういう法定外給付ということが行われているところもかなりあると、ところによってはかなり額も大きいわけなんです。
 国家公務員の場合は、民間の法定外給付に対応するものとして遺族特別援護金、障害特別援護金制度、こういうものが設けられております。この金額を見ますと、民間や地方の公務員と明らかに格差があるというふうに思われるんですけれども、こういう格差についてどういうふうにしていかれるのか、人事院にお伺いします。
#125
○政府委員(大城二郎君) 今御指摘のありましたように、民間企業の法定外給付との単純な比較では確かに額に差があるわけでございますが、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、民間企業の場合実はその給付状況に企業による差が非常に大きいわけでございます。したがって単純に平均をとるということで、それと官の、国の制度を対比するということで果たしていいのかどうかという問題があるわけでございますけれども、私どもとすれば、かなりの企業で高い額が出ているというようなことも考え合わせると、なるべくこれは改善すべきところは改善していきたいということで改善に努力してきているつもりでございます。
 なお、もしできることであるならば、もう少し民間企業の実態というのを的確につかまえる、そのつかまえた実態になるべく近づけるという、そういう努力を今後もしていきたいというふうに考えております。
#126
○吉川春子君 ぜひ努力をして引き上げて改善をしていっていただきたいと思います。
 それから続きまして、職員厚生経費の問題についてお伺いいたしますけれども、国家公務員の厚生費のうちの健康診断について過去五年間の予算額と実績を対比して報告していただきたいと思います。
#127
○政府委員(勝又博明君) まず、職員厚生経費予算額の経緯でございますが、昭和六十一年度は職員厚生経費総額で三千五百十円、以下、三千五百十円、六十三年度が三千九百円、平成元年度も同様でございまして、二年度は四千百六十円でございます。
 なお、実績についても述べよということでございますが、私ども、実績についての把握が非常に難しいこともございまして、十分な資料を持ち合わせておりません。
#128
○吉川春子君 実績についてはつかんでいないということですか。つかんでいるけれども国会には資料が出せないということですか。どっちですか。
#129
○政府委員(勝又博明君) 実績につきましては私どもなりの方法である程度の傾向値はつかんでおりますが、必ずしも正確なものとは言いがたいというふうに考えております。今後、具体的に調査方法等考えまして実績についても正確な把握に努めてまいりたいというふうに思っております。
#130
○吉川春子君 じゃ、正確につかんだら国会に出してくださいね。いいですね。
#131
○政府委員(勝又博明君) 実績額の把握方法について勉強いたした上で実績額を正確につかむべく努力し、その上で国会に必要があればお出ししたいと思います。
#132
○吉川春子君 つかんでないとか出さないとかと言っているけれども、国会以外には資料を出しているじゃないですか。私はそれに基づいて質問しますよ。どうして国会に出さないのか。それは大変不当だということを指摘します。
 同時に、これを予算額と実績額で見ますとかなり実績額の方が多くなっているわけです。つまり赤字になっているんですね。この赤字の分はどこで埋めているんですか。
#133
○政府委員(勝又博明君) 各省によっていろいろ事情は異なるかと思いますが、一般的に申し上げれば、共済組合からの支出分あるいは厚生経費以外の既定の予算で処理しているというふうに承知しております。
#134
○吉川春子君 予算を組んで足りないからといって共済の方から出すというのは大変問題だと思うんですよ。
 総務庁長官、お伺いいたします。特に今国家公務員の健康を守るためのいろいろな健診、そういうことが非常に重要になってきているんです。予算が少ないために、国家公務員の場合はVDT作業の影響について健康診断項目に加えたのも八八年になってからなんですね。それで、OA化は大変進んでいますし、ことしは国勢調査が行われまして統計局なども大量なコンピューターあるいは末端のディスプレー作業がふえるわけですけれども、非常にこれは、特に女子が流産しやすいとか、あるいは疲労が激しいとか、こういう報告も外国からもあるわけなんです。
 同時に、改正された労働安全衛生規則、これが昨年十月から実施されておりまして、新たに貧血の検査あるいは血中脂質検査、心電図検査、こういうものが行われることになるわけなんです。労災というのは防げれば一番それがいいわけですから、国家公務員の健康診断を万全にして予防をする必要があると思うんです。そのためには予算が、今お聞きのように、不十分だから足りないものを共済の方から出して使っているんです。そういうことは大変好ましくないと思うんです。それで、概算要求の時期も近づいていますが、国家公務員の健康を守るためにこの健康管理の予算、健康診断の予算を十分大蔵省に要求して計上していただきたいと思いますが、長官のその点についての御意見をお伺いしたいと思います。
#135
○政府委員(勝又博明君) 私から一言申し上げます。
 職員厚生経費につきましては、御承知のように統一要求という形でやっておるわけでございますが、統一要求額をまとめるに当たりましては、各省庁の実情をいろいろ調べまして、例えば共通性のあるものを要求としてお出ししているわけでございます。その中で、時世の変化等に応じまして各種の検査項目の拡大などにも努めておるわけでございますが、今後ともそのような姿勢をもちま
して、職員厚生経費の統一要求につきましては私どもとして最大の努力を払ってまいりたいというふうに思っております。
#136
○国務大臣(塩崎潤君) 今人事局長があのように、実績をこれからつかむ努力をしていくという御報告もありましたが、私といたしましては健康診断は大変大事なことだと思いますので、予算の点については努力をしていきたいと思っております。
#137
○吉川春子君 労働災害といえば、日本の資本主義の初期の時代については、細井和喜蔵の「女工哀史」、あるいは山本茂実の「あ々野麦峠 ある製糸工女哀史」などに書かれていて、こういう本は涙なしには読めないわけです。現代は、資本主義が高度に発達した結果、もっと複雑にもっと大量の労災が発生して、長時間、超過密労働による過労死は、先ほども論議になりましたけれども、社会問題になっているし、ジャパニーズ過労死としてアメリカの週刊誌が大々的に取り上げる、国際的にも有名になっているわけなんです。
 国家公務員の災害補償法の第一条には、「公務上の災害又は通勤による災害を受けた職員の社会復帰の促進並びに被災職員及びその遺族の援護を図るために必要な施設を行い、もつて被災職員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。」と、こういうふうに書かれているんですけれども、実態はなかなかこのとおりにいっていないのではないかと思うわけです。
 そこで人事院にお伺いいたしますけれども、毎年公務に伴う災害は相当発生していると思われますが、そのうち公務上の災害と認定されなかった件数、最近五年間においてそれぞれどれくらいありますか。
#138
○政府委員(大城二郎君) 公務災害あるいは通勤災害において、いわゆる外ということで上認定のされなかったという件数について五十八年度から申し上げますと、公務災害について外となったものは、五十八年度の二百七十七件から、二百四十七、二百十七、百六十六、百七十、二百三十四というような状況になっておりまして若干減少、ほぼ二百七十から二百三十という間で推移している、こういうことでございます。一方通勤災害では、五十八年度の三十四件から、三十一、四十四、十九、三十五、四十ということで、三十から四十の間で推移しているというふうに申し上げられると思います。
#139
○吉川春子君 それで、公務外となった者から審査を申し立てている者が五十件とか二十件とか、そういう数なんですけれども、さらにそれが容認される者は一けたの、しかも五以下なんです、五未満なんですね。だから私は、職権探知主義で、申請に基づいて認定するというんじゃなくて積極的に探して認定するというその制度そのものはいいと思うんですけれども、実際には今示された数字のように公務外というふうに認定されちゃうものが結構あって、救済されないわけなんです。
 しかも、これは一応数に上ってきたものですけれども、その前の段階で使用者たる当局が申請の手続を嫌がる、そもそも無理ということで、一つでも救うんだという姿勢に立たないで、もうそこから葬ってしまうというような事例もあるわけです。本来公務災害であるのにそういうふうに認定されないというようなことはゼロにしなきゃならないと思うんです。そのためのいろいろな制度的な保障が必要になってくると思うんです。
 労働省お見えでしょうか。――民間の労働者の労災の場合ですけれども、保険給付に対する決定についての不服の場合、労働者災害保険審査官に審査請求ができますし、またさらに審査請求もできるような制度が設けられています。ここには労働者を代表する参与がそれぞれ意見を述べて、それを尊重しなければならない、こういうような制度も設けられていますけれども、これは大変重要な制度で、労災認定に当たっても一定の役割を果たしていると思いますけれども、お考えはどうですか。
#140
○説明員(征矢紀臣君) 先生御指摘のように、労働保険審査官及び労働保険審査会法におきましては、同法が制定されました昭和三十一年から、都道府県労働基準局あるいは都道府県労働保険審査会ごとに関係労働者及び関係事業主を代表する者をそれぞれ参与として指名し、労働保険審査官あるいは労働保険審査会に対し意見の陳述等を行うことができることといたしております。
 この参与制度につきましては、労働保険審査官あるいは労働保険審査会の取り扱う事案が、御承知のように民間のさまざまな産業における複雑なあるいは多様な労働関係の中で、いろいろな形での事故、労働災害が発生し、それに対する保険給付等の処遇を中心とするものでございますので、その決定に際しまして労使代表の方々の専門的知識を活用すること等によりまして、公正妥当な結論を下すことを目的といたしているものでございます。
#141
○吉川春子君 自治省、地方公務員の場合もこういう制度がありますが、それはどういう役割を果たしていますか。
#142
○説明員(嶋津昭君) 地方公務員災害補償制度におきましても、本部の審査会あるいは支部の審査会におきまして参与制度を設けておりまして、学識経験者、いわば職員の代表及び任命権者を代表するという形で、本部では各四名、支部におきましては各二名の代表の方が参加してそれぞれ審査を行うということになっているわけでございます。
 地方公務員災害補償の場合には、任命権者ではない公務災害補償基金の本部と支部がございまして、そこで認定するということの仕組みをとっております関係上、これらの参与の方が出て審査会で御発言をしていただくことが被災者のいわば最大限の救済をするという制度の趣旨に向かってプラスになっているものというふうに考えております。
#143
○吉川春子君 総務庁長官にお伺いいたします。
 今お聞きのように、公務上の災害が発生しても実際は労災が認定されないというようなことは絶対あってはならないわけなんです。一度けられても、それをまた救う制度というのがそこで必要になってくるんで、国家公務員の場合もその制度はあるんですね。ただその場合に、より公平を期すために労働者の代表もそれに参加させて、その意見を聞いて、その意見を尊重しなければならないという制度が、民間の場合も、それから地公の場合もあるわけなんです。ところが、さっきるるお答えがありましたように、人事院が中立公正な機関だからということでそういう制度が国家公務員の場合だけないんです。つまり、国家公務員は労働者の意見を聞くということが制度化されていないんです。もちろん一生懸命いろいろ各方面にわたって聞いていますという御答弁は人事院からありましたが、それが制度として設けられていないんです。
 私はこの点についての人事院の果たす役割は大きいと思うんですけれども、何よりも総務庁がこういう問題についていろいろ検討したり、新たな制度を設けたりする法的な権限を持っていますので、私はそれで総務庁長官にお伺いするんですけれども、ぜひ国家公務員の場合も救済が十分行われるようにそういう制度を設けて、労働者の代表をちゃんと入れて意見を聞くと、こういうことを検討して実現していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#144
○国務大臣(塩崎潤君) 先ほど時間を相当かけられまして山口委員と人事院総裁あるいは人事院の局長さんの御論議を私はずっと聞いておりました。今、吉川委員もほぼ同じような観点から国家公務員についても公平な、何と申しますか、判定機関といいますか、このようなものを設けるという御主張であったと。この点につきましても人事院総裁がお答えをされましたし、私どもにとって人事院というものは、公務員の任用上の問題を含め、あるいは待遇上の問題を含め公平中立に判断していただける機関でございますので、この人事院の御意見を私はぜひとも尊重してまいりたいと考えております。
#145
○吉川春子君 人事院は人事院としての役割があ
るんですけれども、総務庁も国家公務員のそういう制度について企画し、検討するという権限を持っていますので、私は総務庁においてもこういう問題について一つの課題として検討していただきたいと、人事院の意見を尊重するなと言っているんじゃないんですけれども、総務庁としても独自に検討していただける余地があるんではないかと思うんですけれども、その点について大臣に再度お願いして終わりたいと思います。どうですか。
#146
○政府委員(勝又博明君) 中立的な第三者機関でございます人事院が災害補償の審査につきましても公平な立場で当たっておられるわけでございまして、そのような中で問題になっておりますような参与制度というものがなお必要かどうか、これはあくまで専門的な機関である人事院において御判断いただくべきものと思います。政府がそういうものを設けるべきかどうかというようなことを申し上げるということは逆に人事院に対して失礼なことになるんじゃないかというふうに思うわけでございますので、私どもといたしましては人事院の御判断にお任せすべきものというふうに思っております。
#147
○吉川春子君 時間ですからやめます。
#148
○中川嘉美君 まず、公務災害一般について伺いたいと思います。
 公務災害の中には、社会環境の変化とかあるいはテクノロジーの発展によって減少する災害もあれば、新たに生み出される災害もあると思います。これら災害の内容の推移について政府としてどのように分析をし、またどのような認識を持っておられるか、特にここ数年の災害の特徴としてどのような点が挙げられるか、お答えをいただきたいと思います。
#149
○政府委員(大城二郎君) 最近の公務災害の動向でございますけれども、実施機関である各省庁が公務災害として認定した件数について申し上げますと、昭和六十三年度は一万三千五百四十六件でございまして、十年前の昭和五十三年の一万五千六百六十件と比較しましてほぼこの十年間は横ばいといいますか、そう大きな変動はないわけでございますが、長期的に見れば減少傾向にあるというふうに考えてよろしいかと思います。
 事由別に見てまいりますと、いわゆる負傷については昭和六十三年度は一万二千十六件、昭和五十三年は一万四千五百九十七件で、これはかなり減少をしているわけでございますが、疾病については昭和六十三年度は千五百三十件、昭和五十三年度は千六十三件ということでございまして、比較いたしまして疾病についてはやや増加という状況にあるように思われます。ただ、この疾病については若干特殊な事情がございまして、いわゆる肝炎の予防措置が療養補償として認められるというようなことがございまして、そういう予防的な意味の件数が入っておりますので、いわゆる疾病の状況として非常に悪化したというふには必ずしも私ども判断しておりません。
 全体的に見ますとそういう状況で、これの中身については、ただいまお話しのようないろいろ社会情勢の変化あるいは公務の環境の変化に伴うものがいろいろ含まれていると思います。ただ、その中で私どもとしてはその災害の減少に努力をしてきているというふうにお答えをしたいと思います。
#150
○中川嘉美君 今、疾病については増加をしているという御答弁の中に説明がありましたけれども、最近のOA機器の普及に伴ってその作業に従事する人々に健康異常が生じている、こういうわけですけれども、このことに関しては昨年日本眼科医会または労働省などで調査が行われたようでありますけれども、公務員を対象として同様の調査を行ったことがあるかどうか。もしあるとすればその概略を御説明いただきたい。もしなければ、今後その調査を行うつもりがあるかどうか、お答えをいただきたいと思います。
#151
○政府委員(大城二郎君) いわゆるOA機器の導入が公務部門においても進んできているわけでございますが、これに関連いたしまして昭和六十一年にいわゆるVDT作業に関する指針を私ども出しております。「VDT作業従事職員に係る環境管理、作業管理及び健康管理の指針」というものを出しまして各省庁の指導に努めているわけでございますが、この指針によりまして、各省庁ではVDT従事者の健康診断を実施する際、目などの自覚症状の有無の調査など健康管理に関する点の把握をしているわけでございます。
 そういう中で、これまでのところこのVDTの関連で特に大きな問題が生じてきているというような話は各省庁から今のところ聞いておりません。したがって、特にどういう点についてどういう調査をするというようなことを今のところでは考えておりません。これから先さまざまな問題が起こり得るわけでございますけれども、それについては情勢の変化に応じて対処をしていきたいと考えております。
#152
○中川嘉美君 ここにきていろいろな情勢の変化が出ているわけですが、OA機器による健康被害の症状、これは例えば視力の低下であったり、首とか肩、腕、こういったものの筋肉症、あるいは頭痛、こんなものがあるわけです。まだいろんな症状がありますけれども、私はこういった症状は当然公務災害と認定されるべきであると考えます。
 そこで三点ほどここで伺っておきたいのは、現在の規定の中でOA症状を公務災害と認定することができるかどうか。第二点は、今までに認定した例があるかどうか。三番目は、できないのであれば新たにOAによる健康被害を公務災害と認定するための基準を策定する考えがあるかどうか。この三点についてお答えいただきたいと思います。
#153
○政府委員(大城二郎君) VDT作業に関連いたしましてはまだ医学的な研究が十分に進んでいないというふうに考えられます。いわゆる視覚障害等につきましてもその発病に関連するいわゆる発症の機序と申しますか、そういうものが十分に解明されていないというような状況にあるというふうに考えておりまして、それに関連いたしましていわゆる認定基準等を設けるというところまで至っておりません。
 また、そういう災害に関連する申し立てが実施機関に対して行われたというふうなこともまだ聞いておりません。仮にそういう目の異常とか何かが公務災害であるというような申し立てが出てくるとすれば、それはそれで個別的なそういう事案として私ども判断をいたしてまいりたいと思います。そういうものが非常に数多く出てくるとすれば、それはいわゆる認定基準をつくるというようなことが必要になるかもしれませんが、現在のところではそういう個別案件の個別的な判断で対応できるものというふうに考えております。現在までのところそういう例はございません。
#154
○中川嘉美君 どちらかというと災害内容の推移であるとか特徴であるとか、こういうことに対する政府の関心度というものが必ずしも高いものじゃないような気がするわけです。特に時代の推移とともに新たに生み出されるいわゆる災害等に対して、現状についての御答弁はありましたけれども、十分な関心をこれからさらに抱いていただきたい、こう思うわけです。
 このように最近においては、先ほど来たびたび御論議がありましたけれども、過労死であるとかあるいはOA機器による健康被害であるとか、いろんな新たな問題が生じてきているわけですが、公務災害の訴えに対する認定作業、これも大変煩雑になってきていることは間違いない、こう思いますけれども、公務災害の訴えの未処理状況、これはどのようになっているか。先ほど来御論議の中に出ているかもわかりませんが、そうでない場合はいま一度御答弁をいただきたいと思います。
#155
○政府委員(大城二郎君) 公務災害または通勤災害の認定についての未処理の状況ということでございますが、全実施機関における上外認定の処理について、昭和六十三年度についてでございますが、その年度中には認定できないで、結論が次年度以降に繰り越された件数というのは六百一件、そういう数字が出ております。これは、年度末に
発生した災害は年度内に処理することは困難であることが考えられ、昭和六十三年度の繰り越し案件について四カ月後の平成元年七月末の時点でその処理状況を調査したところ、依然として未処理となっていたものが百五十件で、うち一年以上処理がおくれていたのは六十三件、そういう数字でございます。
 いわゆる年度の数字として取り上げますと、年度の途中あるいは年度末に発生しましたものが年度末までに処理できないということで、繰り越し件数として挙がるというものがございますけれども、私どもとしてはその迅速処理に努めてきているつもりでございまして、今後とも未処理についてはできるだけ早く処理できるように考えたいと思っております。
#156
○中川嘉美君 公務員以外の労働者の災害、いわゆる労災ですね、これについては最近の過労死等の訴えの増加によって未処理件数がふえたことに関連をして労働省の労働基準局内に審理室を設置するというふうにも聞いているわけですが、公務災害についても同じような措置を考えておられるかどうか、考えておられるとしたら、具体的な計画をお聞かせをいただきたい。
#157
○政府委員(大城二郎君) 労働省の方はそういう組織体制の整備を考えられたようでございますが、私ども国家公務員の災害補償関係については、職員局内に補償課という担当課がございまして、そこでの体制の整備を考えているということでございます。必要な増員等は私どももお願いをしてまいりたいと思っておりますが、特に組織的に室を設けるというような段階ではまだないというふうに考えております。
#158
○中川嘉美君 必要に応じて当然そういったことの御検討もぜひひとつ進めていっていただきたい、このように思います。
 次に、年金たる補償の額の改定についての完全自動給与スライド制、これは他の公的年金等のスライド方法を勘案したものであって、一応評価できるわけですが、いま一歩進めて、毎年度の給与改定に合わせたスライドができないものかどうか。つまり、その年度のベースアップをその年度に反映させる改定、すなわち四月に遡及して改定させることをするべきじゃないだろうかと思いますが、人事院の御見解を伺いたいと思います。
#159
○政府委員(大城二郎君) スライドの改定につきましては、今お話しのような遡及してということはしておらないわけでございますが、これはやはり技術的な問題といたしまして、給与改定が給与法の改正で確定するというのを待って実施するということで、それの実施は翌年の四月からというのが、制度としてはそうするのが筋であろうかと思います。また、それはほかの各種の年金のスライドの取り扱いについてもそういう扱いが一般的に行われているということを勘案しまして、現時点ではそういう処理をしようというふうに考えているわけでございまして、さかのぼってということは現在のところ考えておりません。
#160
○中川嘉美君 一応御答弁として伺っておきますが、年金たる補償とかあるいは休業補償について最低限度額を設けたということ、これは若年で災害を受けた者にとっては改善であると思いますけれども、余りにもその額が低過ぎる。次の最低限度額まで最高で五年間待つことになるわけですけれども、もしも公務災害を受けなければ昇給であるとか昇格をして給与がアップしていたはずですね。そこで、昇格までとは言わないまでも、少なくとも定期昇給を加味した平均給与額を算定の基礎とすることはできないものかどうか、また検討されるつもりはないか、御意見を伺いたいと思います。
#161
○政府委員(大城二郎君) 年金の額の改定について、今お話しのように、いわゆる年齢スライドと申しますか、そういう形での改定をしてはどうかという御意見が従来からございます。大きな検討課題であるというふうに考えておりますけれども、やはり将来的な昇給と申しますか、昇格と申しますか、そういうようなものを織り込んで補償するということが果たして可能なのかどうか。いろいろ技術的な問題もございますので、今すぐにそういう形の年金額の改定方式を取り入れるということは難しいのではないかと思います。そういう意味で、最低補償額の設定というのがいわばそのぎりぎり最低レベルのところの確保という意味で機能するわけでございます。
 それについては、ただいまお話ございましたが、年齢区分を五歳刻みにしております。したがって、最低補償の額については、年齢区分の間、つまり五年間の間はその適用ということになるわけでございますが、ただこの最低限度額そのものは毎年、労災の方の御検討によるわけでございますが、賃金改定が行われてその年齢階級の賃金水準が上がるということがあれば、それは毎年改定されるわけでございますから、最低限度額が五年間全然固定されるという趣旨のものではございません。同じ階級、一つの五歳刻みの階級に属するとすれば、その階級の限度額の適用を受けるという意味では同じでございますけれども、その最低限度額そのものの改定というのは、給与改定が行われればそれを労災の方のデータで改定が行われ、それを受けて国公災の限度額の設定というのを私どもの方式でやるという意味の改定が行われることにはなりますので、その点は申し添えさしていただきます。
#162
○中川嘉美君 もう時間がありませんので、最後にいきますが、この年金たる補償の支給時期、これは三月、六月、九月、十二月と、この四回になっているわけですが、受給者が被災前においては月々の給与で生活をしていたということ、あるいはまた公的年金の支給回数が年六回になっていることを勘案しますと、年金たる補償の支給時期というものも年六回にすべきじゃないかな、こう思いますが、この点どうですか。
#163
○政府委員(大城二郎君) 年金の支給時期について、お話のような御意見も私ども承っておりますが、まだそこまで私ども国公災については踏み切っておりません。これは主として労災との均衡を考えておりまして、労災の方がまだそういう措置を取り入れていないということで、私どもまだそこまで進めていないということでございます。
#164
○中川嘉美君 最後に長官に御意見を伺っておきたいと思いますが、いろいろ質問を展開してみたわけですが、先ほどちょっと触れましたように、災害内容というのが最近ずっと変わってきているわけです。そういうものに対するやはり政府の関心度ということを先ほど申し上げましたけれども、そういったことを踏まえて、新たに生み出される災害といいますか、こういったものに対する対応というのはきちっとしておかなければならないんじゃなかろうかと思います。こういったことに対して将来どのように取り組んでいかれるお考えを持っておられるか、最後に御答弁をいただきたいと思います。
#165
○国務大臣(塩崎潤君) 中川委員の御指摘は私は全くごもっともな御意見だと思います。新しい災害因子が出てまいりますことは当然予想されるところでございます。私どもは、そのような方向について十分注目をしながら職員の健康管理について充実するように努力をしていきたいと考えております。
#166
○中川嘉美君 終わります。
#167
○星川保松君 人事院からいただいた統計資料によりますと、公務員の災害補償法の対象となる国家公務員の人員は昭和六十三年の七月一日現在で約百八万人であるということであります。その中身については一番多いのが郵政省で三十一万人、次が文部省の二十三万人、それから厚生省の七万人、国税庁の六万人、法務省の五万人、その他二十三万人と、こういうふうになっておるわけでございます。
 今度は、災害の認定件数で見て一番多いのが郵政省一万二十二件、それから二番目が林野庁千二百六十七件、文部省が九百三十三件、厚生省が三百七十八件、法務省が三百五十九件、その他五百八十七件というふうになっておるわけでございますが、この認定の方で二位になっております林野庁は、対象人員の中で見ますと、いわゆる常勤職
員の方は入っておらないということになりますと、これは全部非常勤職員ということになるんでしょうか。
#168
○政府委員(大城二郎君) 内容はいろいろございまして、いわゆる非常勤職員とそれから基幹職員と申しますか、常勤的な形のもの、そういうものを含めての数字というふうに御理解いただいてよろしいかと思います。
#169
○星川保松君 そうしますと、常勤職員の方はこのその他の方に入っておるということなんですね。
#170
○政府委員(大城二郎君) そのとおり御理解いただいてよろしいと思います。
#171
○星川保松君 そうしますと、各省庁ごとのいわゆる災害の認定件数が比率にしてどういうふうになっておるか、どこの職場が一番危険かというようなことを知りたいわけでありますが、ありましたらお願いします。
#172
○政府委員(大城二郎君) 特に比率ということでは出しておりませんのでちょっと数字のお答えはできませんけれども、やはりどういう業務を実施するかでそれぞれいろいろ、特に現業関係では現場でいろいろな作業が出てくるということに関連しまして、それに伴う負傷等の事故が多いと、こういうことが影響していると思われます。特に、省庁によってそういう意味で安全対策等で差があるとかそういうことではないというふうに考えられるわけでございますが、やはり業務による違いが一番大きなものではないかというふうに思われます。
#173
○星川保松君 私ども常識的に見ますと、例えば建設省のようなところが災害の発生が多いのではないか、こういうふうに思うわけでございますけれども、郵政省が一番で、林野庁、これは山仕事などがあるから多いということだろうと思いますが、文部省が三番目だというのもちょっと不思議に思うわけでございます。その次が厚生省で、五番目に法務省がきておるというのもちょっと考えられないことなわけでございますけれども、これらそれぞれの発生件数の中の特徴的な、どういう職場でどういう災害が発生しやすいかということをお知らせ願いたいと思うんです。
#174
○政府委員(大城二郎君) それぞれさまざまな職場でいろいろな業務が行われておりますので、一概に特徴的なことを申し上げるのは難しいかと思いますが、いわゆる機械関連と申しますか、機械を扱うような仕事、それに伴う事故があるというようなケースとか、あるいは個別に人が手で作業をするということに伴う業務では、そういう小さな事故が起こりやすいとか、そういうことはいろいろあろうかと思います。
 それから、省庁別のお話の中では、例えば文部省というようなお話ございましたが、これは大学の附属病院というようなことで病院関係でそういうことが出てくる、あるいは法務省では刑務所における矯正業務、あるいはその中でいろいろ武道訓練などをやっている際の事故とか、そういうものもございまして、それぞれその省庁の業務内容に即してさまざまなものがやはり出てくるというふうに考えられます。
#175
○星川保松君 これは、例えば郵政省の場合は配達の仕事などに多いということだろうと思いますけれども、この補償費の方で見ますと、今度は順序が違ってまいりまして、一番に林野庁が上がるわけですね。それで二番に郵政省と、その後は大体同じような順序でありますけれども、こうなりますとやはり林野庁の災害の場合が重いということに起因しているんでしょうか。
#176
○政府委員(大城二郎君) これは補償の中身にかかわりますので、例えばそういう意味で補償としては非常に多額な補償をするような重いケースと、それからある程度長期的な補償が必要になるとか、要するに長期間の療養、休業が必要になるとか、そういうものの要素が組み合わされた結果としてお話のような状況が出ているものというふうに考えられます。
#177
○星川保松君 そうすると、各省庁ごとの発生の多少といいますか、こうした順序、順位といいますか、それから補償の額の多い少ないの順序等は大体変わらずにこのような推移をしておるんでしょうか。
#178
○政府委員(大城二郎君) 特に大きな変化はなく、大体同じような傾向が続いているように理解しております。
#179
○星川保松君 ただ、ここの統計によりますと、前年対比でいって郵政省が八百五十件の増になっていますね。あとは林野庁が八十七の減、文部省が百九十五の減、厚生省も百十三の減、法務省も十の減と、こういうような形になっておりますが、これは前年対比としてこの年に生じた特異な現象でしょうか、それともやっぱりこういうことで続いておりますか。
#180
○政府委員(大城二郎君) 郵政省関係で公務災害認定件数が増加しているというのは、確かに数字としてそういうふうに出てまいりますが、その中身について私ども詳しいことは余りよくわかっておりません。私どもが統計的に調べる区分ですと、職務遂行中の災害と、こういう区分の中に全部入ってきてしまいまして、その具体的な中身ははっきりわかりませんが、郵政省等からお聞きしている限りにおいては、いわゆる職務遂行中の軽微な負傷、それによる補償の請求が出てくる、こういうことのように伺っております。詳しい実態は私ども必ずしも把握できておりません。
#181
○星川保松君 やはり災害が起きないような対策を強めていかなければならない、こういうふうに思うわけでございます。それには、やはりいつも多いところ、そういうところに重点的に発生しないような対策を強めて打ち出していかなければならないと思いますが、それについて所見をお伺いして終わります。
#182
○政府委員(大城二郎君) いわゆる職員の安全確保に関しましては、私ども人事院規則で「職員の保健及び安全保持」という規則を設けておりまして、これによって安全管理基準を定めるなどいたしまして、各省庁に対しましてその周知徹底に努め、基準が遵守されるよう必要な指導を行っているわけでございます。
 ただ、今のようなお話で各省庁に対する指導ということに関連いたしますと、今お話に出ました省庁の中で郵政省とか林野庁はいわゆる現業関係の職員がいるわけでございまして、これは私どもの範囲というよりは一般の労働行政の方の労働安全衛生法の適用があるという形で、そこは法律の適用がやや違っておりますので、直接的には私どもはそこに対して指導するという関係にはないわけでございますけれども、公務全体としては私どもこの規則を中心にしましてこれからも安全の確保に努めていくように努力したいというように考えております。
#183
○星川保松君 終わります。
#184
○委員長(板垣正君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#185
○委員長(板垣正君) 御異議ないと認めます。
    ─────────────
#186
○委員長(板垣正君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、大島友治君及び永野茂門君が委員を辞任され、その補欠として合馬敬君及び藤田雄山君が選任されました。
    ─────────────
#187
○委員長(板垣正君) 本案の修正について吉岡君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。吉岡吉典君。
#188
○吉岡吉典君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由とその概要を御説明申し上げます。
 本修正案は、お配りしました文書のとおり、政府提出の国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案で、療養開始後一年六カ月を経過した職員の休業補償に係る平均給与額について、年齢階層ごとの最高限度額を設けることとしているのを削除しようとするものであります。
 その理由を申し上げます。
 年金たる補償の額の完全自動給与スライド制への移行及び休業補償に係る平均給与額への年齢ごとの最低限度額を設けることについては、被災職員に対する補償を改善するものであり、我が党も賛成いたします。
 しかし、最高限度額を設けることは、被災職員に対する給付を制限するものであります。したがって、これが施行されますと、国家公務員災害補償法で休業補償として支給することとなっている職員の平均給与額の百分の六十に相当する金額を支給できない場合が生じます。これは、国家公務員災害補償法実施件数並びに休業補償実施件数が増加傾向にあり、過労死さえ起こっている現在の国家公務員の職場の実態に照らしても問題であり、特に、他に収入を得る手段の少ない高齢の職員に経済的な不利益を与えることは重大です。
 このような改正は、「被災職員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。」と規定した国家公務員災害補償法の目的に背くものであります。
 これらのことから、休業補償に係る平均給与額への年齢階層ごとの最高限度額を設けることを削除すべきと判断しました。
 これが本修正案を提案する理由であります。
 委員各位の御賛同をお願いしまして、私の趣旨説明を終わります。
#189
○委員長(板垣正君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。――別に御発言もないようですから、これより直ちに国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、吉岡君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#190
○委員長(板垣正君) 少数と認めます。よって、吉岡君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#191
○委員長(板垣正君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 大城君から発言を求められておりますので、これを許します。大城眞順君。
#192
○大城眞順君 私は、ただいま可決されました国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、日本共産党、公明党・国民会議、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一 災害の予防及び職業病の発生防止のために、なお一層努力するとともに、公務災害の審査及び認定については、現在懸案中のものを含め、その作業を促進して早期処理に努めること。
 一 社会全体の高齢化の進展にかんがみ、重度障害者等に対する介護に係る補償のあり方を含め、被災職員の介護施策について、積極的に検討すること。
 一 職務に起因する脳・心疾患による突然死を予防する観点から、職員の健康管理に一層留意するとともに、脳・心疾患に係る突然死の公務上外の認定については、医学的知見の動向を踏まえ、適切な運用に努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#193
○委員長(板垣正君) ただいま大城君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#194
○委員長(板垣正君) 全会一致と認めます。よって、大城君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、塩崎総務庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩崎総務庁長官。
#195
○国務大臣(塩崎潤君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を踏まえ、人事院とともに検討いたしてまいりたいと存じます。
#196
○委員長(板垣正君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#197
○委員長(板垣正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#198
○委員長(板垣正君) 次に、臨時行政改革推進審議会設置法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。塩崎総務庁長官。
#199
○国務大臣(塩崎潤君) ただいま議題となりました臨時行政改革推進審議会設置法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 これまで、政府は、行政改革を国政上の最重要課題の一つとして位置づけ、臨時行政調査会及び二次にわたり設置された臨時行政改革推進審議会の答申等を最大限に尊重しつつ、累次にわたる行革大綱に沿って、三公社の民営化、財政の赤字国債への依存からの脱却等、逐次、具体的方策を実施してきたところであります。しかしながら、国際的調和、国民生活の質的向上などのための公的規制の緩和、行政運営の透明性、公正の確保などを初めとして引き続き行政改革の推進が要請されている現下の情勢にかんがみ、新たな決意で幅広い観点から思い切った改革に取り組む必要があります。
 そのためには、各界有識者の御意見を聴取しつつ諸般の施策を推進することが重要かつ有益と考える次第であります。
 去る四月十九日をもって存置期限を迎え、解散した第二次の臨時行政改革推進審議会も、その最終答申において、今後とも国民の協力を得つつ行政改革の推進を図る観点から、政府は新たに行政改革推進のための審議機関を設置する必要がある旨を提言しているところであります。
 そこで、政府といたしましては、現在、国政上の最重要課題の一つである行政改革の主要課題の達成を推進するため、今般、総理府に改めて第三次行革審ともいうべき臨時行政改革推進審議会を設置することとし、ここに、この法律案を提出した次第であります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 今般設置しようとする臨時行政改革推進審議会は、行政改革に関し臨時行政調査会の行った答申並びにこれまで二次にわたり設置された臨時行政改革推進審議会の述べた意見及び行った答申を受けて講ぜられる行政制度及び行政運営の改善に関する施策に係る重要事項について調査審議し、その結果に基づいて内閣総理大臣に意見を述べるほか、内閣総理大臣の諮問に応じて答申することを任務としており、審議会の意見または答申については、内閣総理大臣はこれを尊重しなければならないこととしております。
 審議会は、行政の改善問題に関してすぐれた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命する委員九人をもって組織することとしております。
 また、審議会は、行政機関の長等に対して資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができることとしているほか、特に必要があると認めるときは、みずからその運営状況を調査することができることとしております。
 なお、審議会は臨時の機関として設置されるものであり、政令で定める本法律の施行期日から起算して三年を経過した日に廃止されることとしております。
 このほか、関係法律について所要の改正を行う
こととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#200
○委員長(板垣正君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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