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1990/03/06 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 本会議 第3号
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1990/03/06 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 本会議 第3号

#1
第118回国会 本会議 第3号
平成二年三月六日(火曜日)
   午前十時二分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三号
  平成二年三月六日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(土屋義彦君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 去る二日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。赤桐操君。
   〔赤桐操君登壇、拍手〕
#4
○赤桐操君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、さきに行われた海部総理の施政方針並びに外交、財政、経済に関する各大臣の演説に対し、質問を行います。
 まず、激動の世界情勢と我が国の政治のあり方について伺いたいと思います。
 昨年からことしにかけ、世界は文字どおり激動の年であり、だれも予測できなかった事件が続発をいたしております。特にその中で象徴的な出来事は、東西対立のベルリンの壁が取り壊されたこと、そして東欧諸国を巻き込んだ民主化のうねりに加え、ソ連の政治改革の機運が最高潮に達したこと、さらにはマルタ島での米ソ両首脳による、第二次大戦後の対立に終止符を打ち、協調と支援を確認し合ったことなどであります。
 マルタ島の会談は、長期にわたる米ソの対立、冷戦が相互不信と憎しみを増幅させ、核軍拡、宇宙軍拡へと際限なく広がり、一瞬の間違いが地球と人類を滅亡させること、またその軍拡競争で米ソ両大国の経済疲弊がその極に達したこと、こうした軍事、経済両面の行き詰まりに両国がようやく目覚めたことだと思うのであります。
 今、世界は新たな緊張緩和の時代が幕をあげ、新しい世界秩序の構築に向かって速い速度で進んでおると存じますが、総理の見解を伺いたいと思います。
 こうした世界情勢の変化の中で、海部内閣の認識と行動は、吉田内閣以来の枠組みを一歩も出ていないばかりか、対応は大変スローであると言わざるを得ません。
 米ソ二大超軍事大国の協調路線への大転換、すなわら新デタント情勢にもまともに対応しようとせず、戦後保守党の安保防衛の基本である脅威論にしがみつき、米ソ対立の緩和はヨーロッパでのことと過小評価をいたし、平成二年度予算では四兆円の大台に防衛費を乗せ、何が何でも中期防の完成を行うことといたしております。どう見ても世界の緊張緩和に逆行し、世界情勢を忘れた政治姿勢と批判せざるを得ないのであります。ことしに入って、立場の違いを超えて多くの人々が安保解消の可能性を論じておりますが、政府はこうした情勢の変化をどのように受けとめておられますか。
 今こそ我が国は、戦後一貫して我が党が主張し続けてまいりました新憲法が指し示す戦争放棄と戦力不保持によって、全世界に正義と秩序が打ち立てられるよう世界の先頭に立つべきだと思いますが、総理の見解をただしたいと思います。
 世界情勢とも大きく関連する日米経済摩擦問題で伺いたいと思います。
 総理は、国会の施政方針演説もそこそこに、米大統領の要請でカリフォルニアのパームスプリングスでの首脳会談に臨まれました。総理は出発前に、個別問題はなく、一般的協力要請と大所高所の意見交換と述べておられましたが、大統領との二回の会談は個別問題が焦点で、構造協議の大規模小売店舗法の改廃、独禁法の強化、公共投資の拡大、市場開放等で、総理の見通しと認識の甘さ及び日米間の摩擦緊張度合いの落差を露呈しております。そうした中で、構造協議の四月の中間評価に実りある成果を約束されましたが、総理は成算あってのことでありましょうか。
 構造調整の課題は、産業経済政策にかかわる重要な問題で、国内での体制整備が不可欠でありますが、それはほとんど進んでおりません。その努力を怠ってきた政府の責任は重大でありまするし、海部総理自身も昨年九月の訪米の折に日米経済摩擦解消の約束をされていたはずでありますが、その後総理が先頭に立って努力をされたとも思われません。総理は四月の中間評価までに体制整備の自信がおありかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
 総理は、米国大統領から政治的指示を要請され、海部内閣の最重要課題の一つとして取り組むと約束をされましたが、これは解決の手順が逆でありまして、外圧を利用し、これをてこに国内調整をやろうというのはいただけません。懸案解決の腹構えも手順もないままに政治的指示を約束しては、米国側に過大期待を持たせ、反面、国内では関係者のいら立ちを高め、決して好結果を生まないのではないかと思いますが、いかがでありましょうか。
 戦後の我が国の経済運営は、国民生活を二の次に、企業の国際競争力強化を主力にしてきたことは否めません。今こそ消費者、生活者を中心に据えた一大政策転換が内外から求められておりますが、総理は不退転の決意でやり抜く方針か否か、承りたいと思います。
 次に、政治姿勢並びに政治改革についてお伺いをいたします。
 過般行われた総選挙で自民党は安定過半数の議席を獲得されましたが、この陰には、まさになりふり構わない金権政治と企業ぐるみ選挙があったことは周知のとおりであります。総理はたしか金のかからない政治を総理就任時に国民に約束されましたが、今回の選挙で財界等から三百億もの金を集めたことは国民との約束の裏切りではありませんか。これまでたび重なる保守党の汚職や疑獄事件は、総選挙等々の金集めに端を発し、必ずその見返りを期待していたことを考えると、海部総理はこの悪政の温床培養をみずから行ったと言われてもいたし方ないと存じます。清潔な政治とか金のかからない政治などと言う資格なしと断ぜざるを得ません。
 また、総理は、さきの百十六国会並びに今回の施政方針演説におきましても「対話と改革の政治」を掲げ、これに取り組む決意を述べられました。まず、総理ほどの程度この政治目標を実践され、その成果はどうであったのか、ネックになるものが存在したとしたらそれは何であったか、総理御自身の率直な評価を伺いたいと思うのであります。
 国民の大多数は、「対話と改革の政治」が進められたとは思っておりません。対話については、新聞などを通じて見ても、特に国民大衆の中に裸で飛び込んで悩みや訴えを聞き、その一つでも解決に骨を折っていただいたという姿には接することができませんでした。総理が政治の目標とされた対話とは、どんな手法で何をやろうとしていたのかはっきりお示しをいただきたいのであります。
 さらに、百十六国会の消費税廃止法案の審議では、衆議院で自民党の横車によって論議を棚上げされてしまいましたが、この経過を踏まえ、国会内の対話に総理はどのような考えをお持ちであるか、あわせて伺いたいと思います。
 次に、総理の改革の政治でありますが、総理は今日までにどんな改革をなされましたか。リクルート事件に自民党各派閥の幹部がほとんど汚染されたためにあなたが総理に登場されたことについては、事の経緯を見れば明らかであります。したがって、国民は、総理の提唱はこのリクルート事件関係の政治的けじめ、大掃除を宣言したものと受けとめ、大変な期待も持ちましたが、この期待にこたえられたでありましょうか。
 リクルート事件で刑事訴追を受けた人以外、どんな政治的けじめを総理はおつけになりましたか。国民の強い要求であり、自民党内良識派の声でもあったリクルート未公開株関係議員の辞職問題は、議員みずからの判断にまつと逃げ、また党のけじめ案に従って対処していると言い逃れ、何一つけじめがつけられないではありませんか。リクルート関係者がそろって堂々と派閥の先頭に立って、自派勢力の拡大に走り回っているではありませんか。閣僚にさえ起用しなければあとは何でもいい、これが海部総理のけじめのつけ方でありましょうか。日本の政治が三流政治と言われる根本原因はここにあり、ここを直すことができない限り、改革の政治など絵にかいたもちも同然と言わざるを得ません。
 自民党は昨年七月の参議院選挙の公約で、みずからの血を流す覚悟で政治改革をやるとうたっていましたが、総選挙を通じこれが空手形であったことが明らかにされたのではありませんか。歴代保守党の疑惑や汚職問題の処理で何か一つでも血を流して改革を断行したものがありましたか。あったならば国民が納得できるように御説明をいただきたいと思います。
 私は、今こそ我が国の政治を抜本的に改革しなければならないと信ずるのであります。昨年の参議院選挙での与野党逆転が象徴いたしておりまするように、国民は長期にわたる自民党一党支配の政治の転換を渇望しております。
 今回の総選挙で衆議院では自民党は多数を獲得しましたが、参議院では現状に何ら変化はございません。新聞等では衆参のねじれ現象などとこれを言っております。昭和三十年の保守合同以来の国会を見てみますると、両院を通じて自民党が多数を得たときは、数の論理がすべてとばかり、国会審議を尽くさないまま、強行突破で一方的に強引に政府・与党の主張や政策を押しつける弊害が目立っております。政府・与党の独断専行ができることを政治の安定などと考えることは、これは民主政治を破壊するものであります。
 そうした経緯を踏まえると、憲法が規定する二院制による議会制度がよりよく機能するのは、両院の異なる状態のもとで十分な審議が尽くされたとき、むしろ本当の国民の声が議会に反映されるというのが議会史の教えるところではないかと思いますが、総理の見解を承りたいと思います。
 私は、百十六国会で日本の議会史上初めて野党提出の消費税廃止法案の審議が粛々と行われ、議決されましたが、こうした政党中心に議員相互の主張と論議を戦わせた上で結論を出すあり方こそ議会制民主主義の真髄だと確信しております。総理の見解を承りたい。
 今回の総選挙では、昨年の参議院選に引き続き消費税の存廃が最大の争点であったことは申すまでもありませんが、自民党が過半数を制したからといって、国民が消費税の存続を進んで認めたと総理が認識されているとしたならば、それは大きな間違いであります。自民党の首脳が消費税の再見直しの必要性を殊さら強調し、国民に期待を抱かせたり、自民党の候補者の中には消費税の凍結や廃止を訴えていた者もあり、議論を混乱させていたことを十分に反省すべきだと思います。
 本院では、昨年の臨時国会で消費税廃止関連九法案が可決され、成立、実施手続上大きな問題を抱え、逆進性という根本的な欠陥を持ち、公平公正な税制に反する消費税は廃止しなければならないと決定しております。
 社会党は他の野党と共同し、選挙公約を履行すべく消費税廃止関連法案を衆議院に提出する準備をしておりますが、政府・自民党は衆議院での多数におごることなく、参議院の意思を十分に尊重し、正々堂々と消費税問題や税制改革論議を行う責務があると言わなければなりません。
 消費税廃止を期待している声はまことに多く、国民の信頼を得られる税制を構築しなければならないと私ども決意を新たにいたしておりますが、無用な混乱を避けるためにも、総理は、消費税を廃止し、税制改革論議をやり直す決断をすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、財政問題で伺います。
 五十年代を通じ、我が国財政は特例国債依存体質からの脱却に何度も失敗を重ねてきましたが、平成二年ようやく財政再建という目標が達成されようといたしております。政府は、この特例国債依存体質からの脱却をあたかも政府の政策努力によって達成されたかのごとく宣伝をいたしておりますが、これは我田引水も甚だしいものでありまして、実態は、政府の政策努力というよりも、景気拡大を見通すことができず、税収を異常に過小見積もりする一方、歳出は相変わらずマイナスシーリングをとり続けるという逆立ちの財政運営を行ってきた結果にあると思うのであります。まさにひょうたんからこまの財政再建目標の達成だと言わざるを得ないのであります。
 憲法が定めた財政状況の報告義務、また毎年度予算の作成義務等にかんがみ、財政民主主義の上からも財政運営上見過ごすことのできない大きな問題を残しており、政府の責任は極めて重大であると言わなければなりません。
 ここで指摘しなければならないのは、財政運営の大前提である適正な税収見積もりについてであります。
 政府は、六十一年度二兆四千億円、六十二年度で七兆四千億円、六十三年度は七兆七千億円もの巨額の税の見込み違いを犯しております。わずか一年先の税収見積もりですら七兆円もの見込み違いをいたしておるのでありまするから、今後の財政運営も極めて心もとないと言わなければなりませんが、平成二年度の税収に間違いはありませんか。今年度から、年度内自然増収を使ってシーリングの穴埋めの補正を批判されるような財政運営はしないというお約束いただけるかどうか。
 続いて、特例国債発行脱却後の財政運営について伺いたいと思います。
 百六十兆円の国債残高を初め、なおも残っているいわゆる隠れ借金、さらには年間の利払いが一兆五千億にも達する旧国鉄債務等々について、政府はこれらの債務、借金をどのように処理しようと考えておられますか。
 また、国債残高の問題については、米国型の借りかえ中心の方式をとるのか、それとも、できることなら繰り上げ償還等を含む残高削減の道を進めるのか、特例公債依存体質からの脱却が実現されようとしている今日、次の財政運営の基準をどのようにお考えになるのか、明らかにしていただきたいと思います。
 また、財政の実態を直視いたしまするならば、財政法の原則とは違った巨額の国債を抱え、今後とも建設国債の発行に依存しようとしているようでありますが、財政法が示す財政原則と財政の実態との乖離を今後どのように修正あるいは克服しようとされるのか、海部内閣の財政方針を伺いたいと思います。
 なお、将来の国民負担率の見通しをあわせて御答弁願います。
 加えて、あと十年と迫った二十一世紀には確実に訪れる超高齢化社会とともに、ますます加速度をつけてくる経済社会の国際化、国際経済協力などの問題に財政はどのように対応するのか、非常に難しい課題でありますが、グローバルで、かつ長期展望に立った我が国財政運営の根本理念を伺いたいと思います。
 次に、経済問題について伺います。
 我が国経済は、六十一年十二月に景気拡大に転じてから四十カ月目となり、戦後最も長かった五十七カ月のイザナギ景気に迫るほどの好調にあると言われております。柔軟な対応力を持つ我が国の産業経済は、かつての重厚長大産業の衰退で言われた構造不況を克服し、次いで円高不況を乗り切り、今日では外需依存型から内需型経済へと構造転換を進め、三年連続五%程度の成長達成と経済大国を築きました。その背後には、勤勉で優秀な労働者と国際競争に打ち勝つ経営者の努力があったことを忘れてはなりません。
 しかし、中曽根内閣当時の緊縮一本やりの経済運営が尾を引いて、政府は我が国の経済成長の実力を過小評価し、ここ数年経済成長率は年度途中で上方修正を余儀なくされておりますが、我が国経済の展望を伺いたいのと、さきに政府が策定いたしました経済運営五カ年計画は実質成長率三・七五%となっており、潜在成長力自体を見誤っているのではありませんか。私は、政策運営さえ誤らなければ潜在成長力は実質四ないし五%の実力を持っており、またこの程度の成長を図ることが国内的にも国際的にも我が国に課せられた責任であろうとの考え方に立ち、東欧情勢等内外の状況が大きく異なっている今、新しい経済計画を策定されるよう提案いたしたいと存じますが、総理の見解を伺います。
 さて、順調に拡大しているかに見える日本経済で、長期にわたる低金利と超緩和の金融政策が引き金となって資産格差インフレを惹起させ、経済成長の担い手である国民大衆を苦しめる結果となっている政府の失政は許されないと思います。
 政府は、我が国が自由世界第二位のGNPになったとか、国民所得も米国を抜いたなどと宣伝いたしておりますが、政府の説明に反比例して、国民の多くは生活の豊かさを肌で実感できないというのが現実であります。しかも、その度合いは過去何回かの日本経済の成長期の比ではありません。その元凶は、資産格差インフレを放置してきた政府の政策にあると思います。
 経済企画庁調べでは、六十三年末の国民資産は約六千兆円と米国の一・二倍に達しておりますが、その中身は、土地が千八百四十兆円、株式だけでも六百七十兆円とGNPのほぼ二倍である。さらに、この一年間の値上がり分は、土地百六十兆円、株式百七十七兆円と、この二つで増加額の五割を占めております。経済大国、資産大国といっても、実は水膨れの大国ではありませんか。私は、資産増加の本筋は、国民が働いて得た付加価値増加分から形成される資産が中心でなければならないと存じます。その額は六十三年度わずか三百兆円にすぎません。
 資産値上がりによってつくられる資産増加は社会の健全性をゆがめるのであります。
 まず第一に、持つ者と持たざる者との間の格差、不公平を拡大します。今、東京のサラリーマンで親譲りの土地、住宅を持つ人とそうでない人の生涯設計は、天国と地獄の差が起きております。
 第二に、戦後日本社会は、企業所得が増大すればそれに応じて勤労者の所得もそれなりに増大するという経済成長の循環の中で、平等な社会、中産階級意識、勤勉性、そして帰属意識をつくり上げ、あるいははぐくみ、これらを基礎にして社会の繁栄、発展を続けてまいりました。しかし、資産インフレが猛威を振るっている今回の景気拡大は、今までと異なり、これまで日本経済の発展を支えてきたこれらもろもろの社会の安定構造の基盤を根底から覆し、音を立てて崩れ、取り返しのつかない不平等へと転落しつつあります。こうした弊害をどう解決されるか、伺いたいと思います。
 また、値上がり資産を担保に財テクと称して巨額の資金を自由に転がせる者はますます肥え太ることになり、さらに、我が国のように株式の企業間持ち合いが高い国は世界にありませんが、この点では、大企業及び銀行を中核とする企業集団が株の値上がりで一番利益を得ているという構造ではないでしょうか。こうした構造でどうして豊かさを実感できるのか、伺いたいのであります。
 経済が成長しようが資産大国が実現しようが、国民大衆と国民生活が犠牲にされたり、格差が拡大するようでは無意味だと断ぜざるを得ませんが、政府はなぜこの事態を放置しているのか、総理の答弁を求めます。
 さらに、個人の責任に帰することのできない資産格差インフレをよもや総理も容認されるとは思いませんが、ならば格差解消に具体的にどのような施策、政策を実行されるか、伺いたいと思います。
 私は、サラリーマンが一生働いても自分の家が持てないというのは典型的な一例で、実はこの資産格差インフレは、例えば固定資産評価額のアップによって家持ちの負担を増加させ、中小企業者は財産税の負担に耐えられなくて商売を息子に継がせることができない。さらに、地域間の地価格差は府県の経済力、財政力の格差を異常に拡大させるなど、日本列島全域に解決困難と思われる重大問題が拡大再生産されております。政府の責任は重大であります。どのようになさいますか、しかと承りたい。
 次に、農業問題について伺います。
 我が国の農業は、政府・自民党のもとで進められてきた減反政策と農産物の輸入拡大による場当たり、なし崩し農政によって、今や米の自給体制の維持さえも危うくなっておるのであります。さきの総選挙の最中に、米の市場開放を認めるべきだとする閣僚発言や、新行革審の中で食管制度の廃止が話し合われているということは、貿易摩擦、食糧の輸入圧力をいいことに、一挙に我が国農業の合理化を図ろうという政府・自民党のもくろみをそこに見ることができるのであります。
 減反政策は二十年間も行われ、今なお拡大され続けて、しかも転作作物が定着せず、水田の荒廃を招いております。それは減反政策が米をつくらせないというだけに終わっていた結果であり、その責任はこれまた重大であります。かつて福田元総理は、だれよりも農民、農業を愛すと言い、また池田元総理は、生産性の向上で他産業と均衡ある発展を目指すと約束してきたわけでありますが、この言動が全くうそであったということであります。
 私は、我が国農業の育成と再生を図っていくため、基盤整備事業を国が責任を持って実施し、技術開発を積極的に推進し、また生産の協業化や耕作規模の拡大でコストの低減を進めていくべきだと考えますが、政府の見解を承りたい。
 あわせて、私は、さきの総選挙で各党が米の市場開放に反対すると公約してきたことを実行する一つとして、米の完全自給、農業生産基盤の整備に関する国会決議を行うべきであると考えますが、いかがでありましょうか。海部内閣として、米の市場開放に反対し、ウルグアイ・ラウンドの中で各国が基礎的食糧の完全自給など輸入制限を行うことをやり切る決意があるかどうか、明確な御答弁をいただきたいと思います。
 次に、住宅問題について伺いたいと思います。
 我が国は今や世界最大の対外資産を持ち、世界第二位のGNPを生み出す経済大国となったと政府は誇示いたしておりますが、この経済大国をつくり出したのは一億国民であり、額に汗して働いてきた勤労者であることは論をまたないのであります。しかるに、最近の地価の高騰で首都圏では、勤労者の年収の八倍から十倍も出さなければ住宅を取得できない異常な状況となっております。これでは勤労者が幾ら額に汗して働いても住宅を取得することは不可能であり、勤労者の働く意欲を失わせてしまうのであります。
 その一方で、大手不動産会社による億ションと言われる超高級住宅やマンションが売り出され、金持ちや企業の投機対象となっており、ますます勤労者から住宅取得を遠ざける結果となっているのであります。
 この際、政府は、従来とってきた民間依存の住宅政策を改めて、勤労者が安心して入居できる公共賃貸住宅中心の住宅政策に転換すべきであると考えますが、総理の御所見を伺いたいと思います。
 総理は施政方針演説で、東京圏において勤労者が良質な住宅を確保できるよう、今後十年間に百万戸を目標に新たな住宅供給を行うと述べておられますが、これが空約束に終わることなく、百万戸住宅の供給が確実に実現可能となるよう、具体的な供給方法や年次別の住宅建設予定戸数を明らかにすべきであります。総理及び建設大臣の答弁を求めます。
 今日の深刻な住宅問題の背景には、東京を中心とした大都市地域における地価の異常な高騰がありますが、土地問題の解決のためには、歴代自民党政府がとってきた所有権絶対の考えを改めて、我が党が主張してまいっておりまする公共の福祉優先の原則を推し進める必要があります。幸い、さきの国会で我が党の意見を入れた土地基本法が成立しましたが、これだけでは不十分でありまして、今後、土地基本法に基づく各般の具体的な施策をどこまで打ち出せるか、土地問題解決の成否がかかっていると言っても過言ではありません。土地税制の改正を初めとしてどのような具体策を御用意されているか、明らかにされたい。
 私は、かねてから、宅地供給の円滑化を図るためには農地の宅地化や宅地並み課税のみでは困難であって、宅地原価の大半を占める宅地開発に伴う公共負担や金利を大幅に引き下げることによって勤労者が取得できる価格での宅地供給が可能となると考えており、国による関連公共施設整備促進費の大幅な増額と宅地関連の公的融資の金利の大幅引き下げを要求してまいりましたが、これに対する総理及び大蔵大臣の御所見を伺いたいと思います。
 さらに、勤労者住宅問題の解決のためには、企業から従業者給与の一%相当額の拠出を求め、三%以内の低利で勤労者に融資するフランスの一%住宅制度など、西欧各国の勤労者住宅制度を参考とすべきだと考えますが、総理及び建設大臣の御所見を伺いたいと思います。
 いずれにしても、このままでは勤労者の住宅確保を不可能とするばかりか、経済の自由な活動を束縛し、二十一世紀に向けて我が国社会経済の発展を阻害する最大の要因となることは明らかであります。抜本的な住宅・土地政策の強力な展開が必要と考えますが、改めて総理の御決意を伺いたいと思います。
 次に、労働問題について伺います。
 絶好調の景気拡大の陰で不安材料があるとすれば労働力の不足問題と言われるほど、我が国の労働力不足は日に日に深刻化いたしております。特に建設、土木等の作業現場での技能労働者不足、また、俗に三K、四Kと言われる業種や職域での著しい労働力不足が続いておりますが、この労働力不足は、景気拡大による一時的なものと見るべきか、それとも経済社会の構造的変化に伴う長期的なものと見るべきか、政府はどのような見解を持ち、それに一体どう対処しようと考えているのか、お答えをいただきたいと思います。
 また、労働力不足の裏返しの問題として、今、東南アジア各国を中心とした外国人労働者の流入が物すごい勢いで増加しております。人手不足に頭を痛める企業が、流入してくる外国人を不法と知りつつ雇用している事実があることも率直に認めなければなりません。今はまだ外国人労働者の流入が大きな社会問題として表にあらわれてはいないものの、潜在的には極めて大きな問題を抱えていることは事実であります。外国人労働者の受け入れについて政府はどのように対応しようとしているのか。
 もはや、技能労働者のみを受け入れるというきれいごとだけでは建前と現実の乖離はますます拡大するばかりであり、現実をしっかりと見据えた対応策を打ち出すべき時期に来ていると思いますが、いかがでありましょうか。
 国内でも雇用条件が大きく異なる常用雇用、臨時・パート雇用という単純化した区分をそのまま外国人労働力利用に拡大適用することでは、問題の傷口を広げることにはなっても、解決にはならないと考えます。流入し続ける外国人労働者を水際だけでは防ぎ切れなくなっている今こそ、内外人を区別しない同一労働、同一賃金の原則を初め、労働許可制度等のルールを早急に確立するとともに、外国人労働者の人権を保障し得るような受け入れ体制の整備を進めるべきであります。総理、いかがでありましょうか。
 次に、我が国の対外経済について伺います。
 東欧諸国の民主化の動きの中で、経済の役割はいよいよ高まり、それに伴って国際化と各国の相互依存関係は一段と深まっております。しかし、我が国の対外政策は木を見て森を見ずであり、さらには黒船論を利用して対外圧力をてこに使い、政府は困っているとの姿勢で、みずからの方針や政策を示さず、逃げ回っているのが現状ではないでしょうか。近年激しさを増している対米貿易摩擦の交渉ぶりを見ると、繊維、鉄鋼、カラーテレビは言うまでもなく、自動車や半導体に至るまで、輸出自主規制という名の自主的管理貿易を行っているのが実態だと思いますが、いかがでありましょうか。
 その上、米国の内需拡大の要求をうのみにし、金融の超緩和と超低金利政策をとり続けてきたことが我が国の経済、国民生活に取り返しのつかない大きな禍根を残したことは、西独の対処の仕方と比較すれば明白であると言わなければなりません。すなわち、世界経済史上初めてという超低金利を二年半もの長期にわたってとり続けたことと、だぶだぶの超緩和の金融政策で金余りを引き起こし、地価暴騰、異常株高、ひいては今日の円安の原因となっていることは間違いありません。米国の要求を無制限に受け入れてきたことが、米政府高官の我が国の企業設備投資は多過ぎるなどという支離滅裂な発言や、公共投資の拡大要求につながっていることを知るべきであります。
 こうした政府の誤った政策が、昨年九月から始まった日米構造協議の雲行きを怪しくし、米国内にも、しょせん行き着く先は管理貿易しかないとの見方すら出されているのではありませんか。かつて絶賛された日本的経営は影を潜め、日本市場閉鎖論が流布され、日本異質論が展開されておりますが、これに対し政府は今後どのように対応していくお考えでありましょうか。
 政府の対外経済政策失敗の責任の所在を明らかにしていただきたいのと同時に、世界経済の上に大きな影響を持つようになったアジアNIES、ASEAN諸国との経済及び技術交流についてどのような展望を描いておられるのか。さらに進んで、米加自由貿易協定やEC統合とは違ったアジア・太平洋経済圏構想に日本としてどこまで踏み込む考えでおられるのか、総理及び関係大臣のお考えを伺って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(海部俊樹君) お答えいたします。
 最初に、世界情勢についての見識はどうかとおっしゃいましたが、先生御指摘のように、東西の対立、対決という関係が冷戦時代の発想を乗り越えて、特に欧州においてその劇的な変化が目に見えてきております。私は、この世界の大きな流れというものは、ただ単に欧州にとどまらず、アジア・太平洋地域にもそれを定着させる。同時に地球的規模全体で、対立、対決より対話と協調へと進んでいかなければならないと、私もそう考えております。
 したがいまして、マルタ会談における成果を踏まえて、日本としてはその世界の新しい枠組みづくりの中にどのような立場で参画をしていくことができるのか。今日まで持ってきた技術力とか経済力とか、あるいは日本の持っておるいろいろな経験とか体験を通じてそれらの国々にふさわしい協力体制ができるならば、世界の枠組みづくりに積極的に貢献をしていかなければならない、こう考えておる次第でございます。
 また、現在多くの人が安保問題について情勢の変化をどう受けとめるか、こういうことでございますが、私は、去年の夏においても、さらに今般もブッシュ大統領から、ソ連とアメリカとのマルタ沖会談における基本的な物の考え方についても説明を受けたわけでありますけれども、もう力の対決ではないということはわかっております。そして、それにふさわしい世界の軍備管理・軍縮へ向けて努力をしていこうというのが頂点の話し合いであることもよく承知いたしております。地域問題についてもそれらの考えを推し進めていくべきであるという考えは、全くそうだと思います。
 ただ、アジア・太平洋は経済的にはすばらしい安定と発展を遂げつつありますが、アジア・太平洋に限って見ると、いまだ戦闘の続いておるカンボジアがございます。軍事力の対立を続けておる朝鮮半島もあります。西側との間に解決を残しておる中国もございます。また、ソ連との間には、領土問題を解決して平和条約を立てて、それから安定した関係が構築できると、いろいろ個々別々の問題も不安定な要素として、不確実な問題としてアジアには存在しております。私は、これらの問題一つ一つにそれぞれ積極的に我が国も参加をして、安定するように、アジア全体にもそういった安定と繁栄がきちっと確立されるように、これからは積極的に努力をしていくべきだと考えております。
 ただ、東西のこういった緩和、世界歴史の流れができたのは、西側諸国の同盟による結束の強化というものが今日のこういう歴史の流れをつくったのだという側面も、これは事実としてあるわけでございますので、私は、日米関係の基礎というものを大切にして、相互の政策協調、行動をともにしながら世界的規模の安定と平和に寄与していかなければならない、こう考えておるわけであります。したがいまして、我が国は、今の日本の憲法のもと、平和を守るという気持ちに強く徹しておりますので、このような立場から世界の大きな変化をとらえて、民主主義と市場経済のその方向へ歴史の流れが軸足を変えてきたときに、日本は、今日までは力による世界の秩序に対する御協力はできなかったし、言うべきでもなかったけれども、今は技術力や経済力やその他の問題でやるべき時期が来たのだという判断を私はしておりますから、積極的に協力をしていきたいと考えております。
 また、日米首脳会談において個別問題について話し合ったのではございません。今度は交渉事でもございませんし、問題の取り決めでもございません。世界的規模でどのような協力をするかということで、欧州の問題や日ソの問題やアジア・太平洋の問題や中米の問題やアフリカの問題、いろいろお話もしてまいりました。日米二国間関係においては、安全保障の問題や経済問題についても率直な意見の交換をいたしました。アメリカが、日米経済摩擦の解消がないと経済面でこの大事な日米関係が取り返しのつかないようなことになってはいけないから、みんな取り組んで努力をしていこうということを話したことも、これはお互いの立場としては一致しておりました。
 私は、かの前川レポートのとき以来、日本の国民生活の豊かさと質の向上を真に求めていくためには、日本の経済構造も変えていかなければならぬという認識に立って今日まで数年間積極的に努力も続けてまいりましたし、また現に世界と日本との間の貿易の不均衡というものはどんどん改善されてきておるのに、アメリカと日本との関係は、改善されたといってもまだ四百九十億ドルの対米黒字を日本は持っておるという現状等もありますから、さらに一層これは取り組んでいかなければならない問題だと心得、従前にも増して国民生活の質の向上のためにも自主的な努力を続けていかなければならない。そして、今日までも実務者間において協議は進んでおりますが、四月中間的評価、七月には最終報告という期日もありますから、そこへ向かっての一層の努力を進めていかなければならないと考えております。
 ただ、構造協議に入るもっと前から自主的にやっておりました我が国の内需拡大政策というものは、御承知のとおり、既に三十九カ月を超えて景気拡大が続いており、これは内需による景気の下支えであり、外需によってその内需の伸びを抑えるような努力、輸入をどんどん拡大していくというお約束は、そのまま数字としてもあらわれ進行しておるさなかでもありますから、これに加えて、規制の緩和とかあるいは努力をしてきた問題が国内的にもたくさんありますので、自主的な努力を通じて結果として構造摩擦の問題が解消されるように、内閣は最重要課題と心得て努力を続けていく決意でおります。
 また、戦後の我が国の経済運営は、国民生活よりも企業の国際競争力強化に主力を置いてきて、消費者、生活者を中心とした経済運営になっておらぬではないかと、この御指摘でありましたが、我々は一生懸命今日までも努力をしてまいりましたけれども、結果として居住水準が低い、労働時間が外国と比べてまだ長い、あるいは内外価格差調査をしてみますと生計費に対してもまだ内外の差がある、いろいろ国民の生活実感との間に差があることが見られることも、これは御指摘いただいたとおりでございます。
 したがって、「世界とともに生きる日本」という経済計画を私どもは打ち立てて、経済発展の成果を国民生活の質的向上の中に結びつけていくことが必要である、こう考えまして、政府としては、この計画の考え方を踏まえて引き続き消費者の視点に配慮しつつ、土地対策、労働時間の短縮、内外価格差是正などの面で思い切った我が国の経済構造の調整の推進を図っていかなければならないと考えております。それによって国民生活の質が高まるわけであります。
 また、総選挙において三百億円のお金を集めたとの報道について、そのような報道があったことはこれは承知しておりましたけれども、今回の選挙では、現行制度にのっとってそれぞれ対応したわけでありまして、報道のような巨額な企業献金を財界から求めたとか、あったということはこれは承知いたしておりません。
 リクルート事件のけじめにつきましても、それぞれの選挙区において有権者の審判は選挙の結果として厳粛に受けとめるべきものだと私は考えます。
 けれども、それは選挙区においてそれぞれの議員が洗礼を受けられたということであって、私たちは、リクルート事件のけじめをつけるということは、政治改革を行って国民の皆さんの信頼を取り戻すことにありと考えておりますから、政治改革に全力を挙げて取り組んでいかなければならないと思っております。
 また、私は、昨年八月政権を担当させていただいたとき以来「対話と改革」ということを政治の旗印に掲げてまいりました。あらゆる機会を通じて国民各層の皆さんと対話を行うとともに、国会における対話、これも徹底した御議論をお願いし、御協力をいただかなければならないと考えております。そうして政治改革、消費者の視点からする政策に重点を置くなど、各種改革の努力を進めてきたところでありますが、公職選挙法の一部改正とか土地基本法とか年金法の一部改正法等が実現されましたことは、これは各党の皆さんの真剣な御論議の結果生み出された成果でありまして、私は心から感謝をいたしておる次第であります。
 引き続き「対話と改革」の理念に基づいて内外の問題解決に取り組んでまいる決意でございますから、どうぞ皆さんの御理解と御協力をお願いいたしたいと思います。
 政治改革を進めていくことが内閣の最も緊要な課題であるということはさきにも申し上げましたが、公職選挙法の改正は高く評価されるものであり、これが平成の政治改革第一歩ととらえておりますが、現在、さらに選挙制度審議会にお願いして、定数是正の問題とか政治と政治資金の関係であるとか、あるいは選挙制度そのものについて精力的に御審議をいただいておるところでございます。ことしは時あたかも国会開設百年という記念すべき年に当たっておりますし、同審議会の御答申も春にはいただけるわけでありますから、その御趣旨を尊重した改革の実現に向けて不退転の気持ちで取り組んでいく決意をいたしております。御理解をお願いしたいと思います。
 また、リクルート事件について血を流す覚悟の改革をしたかという御説でございましたが、リクルート事件につきましては、最高指導者として当時の竹下総理がみずから責任をとって退陣、中曽根元総理の党籍離脱も御本人の決断によるものでありました。また、いわゆるリクルート問題に関係する議員は、刑事訴追を受けたか否かにかかわらず、党はけじめ案で対処をし、世の御批判を全体の問題として受けとめながら政治改革大綱をまとめて実行に入っておるところであります。
 いずれにせよ、二度とこのような事件を繰り返さないためにはどうしたらいいかという、制度そのものの根本にさかのぼった改革を真剣に考えていかなければならない大切なときであると考えております。
 議会制民主主義のあり方について、現在の国会は、御指摘のとおり、衆議院と参議院の間でいわゆるねじれ現象があるのは事実でございます。しかし、ねじれ現象と言われることがあっても、だから衆議院で通った法案は参議院では全部だめだということになってしまったのでは、議会政治というものは一体何のためにあるのだろうかということにも相なります。私は、前回の国会の各党皆さん方の御協議による政策の前進ということに、先ほど具体的な法案名を挙げて敬意を表しましたけれども、これからもいろいろ御議論をいただきながら進めていくというのが本当の議会政治だと思いますので、皆様方の御協力もお願いをするとともに、私どももいろいろな問題について積極的にお願いをさせていただこうと思います。
 その意味で、消費税の廃止、税制改革論議をやり直せという御意見でありますけれども、これは、消費税につきましては将来の高齢化社会を支えるために必要なものであるということ、同時に、今のままの税制でほうっておきますと、今後生まれてくる子供さんや孫たちが将来極めて多い税負担に苦しむような状況になってはいけない。また現在、現実にクロヨンとかトーゴーサンとかいろいろ言葉が出るように、税の不公平についての言葉すら出ておったわけでありますから、これらの不公平をなくして、社会に必要な費用は、皆さんがともに生きる社会ですから、皆さんで浅く広く負担をしてもらうという必要から行った税制改革であったわけでありますから、税はなしでいいというわけにはまいりません。
 ただ、さきの選挙を通じて、あるいはその後の世論を通じて、国民の皆さんの中からは消費税に対するいろいろな不満や御指摘をいただいたこともこれは事実でございましたから、謙虚にこの点を顧みて、思い切って、世論の動向等も見きわめながら、我々は、例えば家賃とか福祉に関係するものとか教育に関するもの、あるいは食料品の小売段階では非課税で流通段階では半額とかいろいろなことを考え、問題になった、人間の尊厳に触れるような出産から税を取るのもいけないという御意見も謙虚に受けとめて、見直し案を具体的にまとめて国会に提出をし、また、去る選挙中も私は、街頭演説でも党首討論会でも、あるいはどんなところでも税の話は申し上げて、お願いすること自体もう非常に愉快な話ではありませんが、ぜひお願いしなければならぬことですから、おわかりいただきたいと言って国民の皆さんには率直に税のお願いもし続けてきたりもりでございます。
 したがいまして、選挙中聞こえてきました野党のいろいろな御意見の中にも、今度の選挙は消費税の存廃をめぐる国民投票だというような御意見もございましたが、結果として国民の皆さんは我が党に過半数を超える議席をお与えいただいたというこの事実も謙虚に受けとめさせていただきまして、我々の立場で考えたものをお示しいたしますから、どうぞ、選挙中に皆様方の御提示になった、間接税は必要である、個別物品税の制度もあるという御提言もあったわけでありますから、それをお示しいただいて、どこかで接点はないだろうか、どこかで交わるところはないだろうか、真剣に国民の皆さんと将来のために御議論を闘わせていただきますように、ここで重ねてお願いを申し上げさせていただきます。消費税を廃止する気持ちはございません。
 また、資産格差インフレによる不公平という点の御指摘につきましては、近年の地価暴騰により、一般に資産格差が拡大しておることはそのとおりでございます。ですから、政府といたしましては、総合土地対策要綱に沿って土地対策については各般の施策を遂行してまいります。
 また、米にもお触れになりましたが、我が国における米及び稲作の格別の重要性にかんがみ、これまでの国会における御決議等の趣旨を体して、国内産で自給するとの基本方針で対処しているところでございます。
 農業基盤整備につきましては、これまでの農林水産委員会における附帯決議を踏まえつつ、その重要性にかんがみて着実に推進しているところであり、今後ともこれらの国会決議の趣旨を体して対処してまいる考えでおります。
 ウルグアイ・ラウンドにおきまして基礎的食糧の問題については、私は、ウルグアイ・ラウンド農業交渉において、食糧安全保障の観点から、基礎的食糧については所要の国内生産水準を維持するために必要な国境調整措置を講じ得るよう日本が提案を行っているところであります。今後の交渉において我が国の考え方が適切に反映されますよう取り組んでまいるつもりであります。
 住宅問題についてお触れになりましたが、住宅政策の基本は、国民のニーズにこたえながら居住水準の向上を図ることにあると認識をいたしております。したがって、今後とも公庫融資等の民間住宅建設促進策と公共賃貸住宅等の借家対策をバランスよく展開していくことが必要であると考えます。需給両面にわたる各般の施策をより一層強力に推進するとともに、土地政策につきましては、当面の具体的施策として、昨年の十二月二十一日に開催された土地対策関係閣僚会議において申し合わせました今後の土地対策の重点実施方針に従い、大都市地域における住宅宅地供給の促進、土地税制の総合的見直し等について特に重点的に実施を図っていくつもりでおります。
 土地税制につきましては、基本理念である土地基本法の精神にのっとり、土地に関する施策を踏まえ、税負担の公平の確保を図りながら、税制調査会の検討をも踏まえ、平成二年度中に成案を得て所要の法律案の提出を図ることにしたいと考えております。
 我が国の経済力にふさわしい豊かさを国民が実感できるためには、住宅政策の充実を図ることが極めて重要なことは御指摘のとおりであります。土地基本法に基づいて、大都市地域においても一般の勤労者が良質な住宅を確保できるよう総合的な住宅対策を講じて、国民の住生活の向上に全力を挙げて取り組んでまいります。
 また、最近の中小企業を中心とした人手不足についてお触れになりましたけれども、基本的には持続的な景気の拡大によるものであると私は認識をいたしておりますが、一方に、年齢間、地域間あるいは職種の間における雇用機会の格差というものも存在すると考えます。こうした状況の中で労働力不足を解消するためには、いわゆる労働力需給のミスマッチを解消することが肝要であり、このため、中小企業への対応を重点として、職業紹介機能の強化、魅力ある職場づくりに向けた指導援助、不足している面の技術者の育成などに政府は努力をしていく考えでおります。
 外国人労働者の受け入れの問題につきましては、このような労働力のいろいろな事情等を踏まえながら、さきの国会において、専門的技術・技能・知識を有する外国人については可能な限り受け入れる方針のもとに、法改正も行われたところでありますが、いわゆる単純労働者の受け入れ問題につきましては、労働市場を初めとし、我が国社会の各般に及ぼす影響も大きいわけでありますから、国民的合意がまだ得られていないのではないかと考えます。多様な角度から慎重に検討をさせていただきます。
 なお、その場合、外国人労働者の労働条件等の確保については、労働関係法令に基づき、また外国人労働者に対する制度等、受け入れ体制の整備についても適正に対処をしていく考えでおります。
 近年の対米貿易摩擦の交渉ぶりを見ると、輸出自主規制という名の自主的管理貿易を行っているではないかとの御指摘でございましたが、これは、我が国は自由貿易を貫くというのが基本的な原則でございます。幾つかの品目について規制措置を自主的に業界が行っていることは事実でありますけれども、これは、米国産業の現状にかんがみまして、輸出について一定の秩序が維持されることによって、米国の方が過激な保護主義貿易を導入することを回避し、結果として自由貿易体制の維持につながるものである、こういう見地から眼時的な輸出自主規制を行っておるものでございまして、経済実態をこれに一致させようというような、いわゆる管理貿易的な発想とは本質的に異なっておるものと考えております。
 また、最近、アメリカで日本市場閉鎖論が流布され、日本異質論が言われているが、政府ほどのように対応していくかというお尋ねでございます。
 私は、市場原理が機能しないのが日本だといったような一部の誤解に基づく意見が米国に存在することは承知しております。かかる考えの背景には、日米両国に改善傾向はあるものの、依然として大幅な対外不均衡が存在していること、そのことへのいら立ちがあるのではないかと思われます。また、逆にアメリカでは、日本とアメリカとの関係はそういうものではない、いろいろな別の角度の議論や意見が存在していることも事実でありまして、私も昨年九月の訪米の折には、アメリカの学問都市と言われるボストンへ行って、数十名の大学教授や作家や評論家にも集まっていただいて、日本の努力等を積極的に説明して、日本異質論というようなそういったことだけで問題を拡大されると一番大切な両国の基本関係というものにもひびが入るので、正確な御理解を願いたいというので、今後ともに各出先機関等を通じては、日本の行っておる政策や現状や、特にまた最近一千品目を超える工業製品の関税を撤廃しておる問題等、これらのことを十分に周知徹底させながら、日本の態度、日本の努力も今後とも説明をし、誤解を招かないようなことを続けながら、同時にやるべきことはやって、異質論を取り除いていくような構造改善の努力も、従来の努力に増して一層取り組んでやっていきたいと考えておりますので、どうぞ先生の御理解と御協力もあわせてお願いを申し上げます。
 最後に、アジアについての問題でありますが、アジア・ASEAN地域は、最近世界の経済成長率の平均をはるかに上回るスピードで伸びております。二十一世紀には、このアジアの存在、あるいはアジア地域の経済的活力というものは相当なものになってくるのであろうと世界からも注目を集めておるところでございます。
 アジアの一員としての日本は、貿易やあるいは投資を通じてこれらの国々との関係強化に今日までも尽くしてまいりました。我が国への製品輸入も拡大をしております。内需主導型の経済運営の中で、アジア地域との経済技術交流はますます今後発展をさせていくつもりでございます。
 ただ、経済だけが発展しても、さきに少し触れましたように、政治的な安定という面においてはいろいろ不安定な不透明感が残っておる地域でもありますので、それらの問題についても積極的に日本が努力を続けていかなければならないのは当然のことであろうと考えております。
 なお、最後の御質問のアジア・太平洋経済圏構想についてでありますけれども、世界に開かれた自由貿易体制こそがこのアジア地域の発展を可能とする基礎であると認識をし、昨年十一月に開かれましたアジア・太平洋経済協力の第一回閣僚会議においても、参加各国が市場の一層の開放、ウルグアイ・ラウンドの成功等に向けて協力を進めていくことを確認いたしました。
 我が国は、かかる協力を通じて域内各国との信頼関係の増進に努めることは、外交的にも大きな意義を有するものと認識しており、世界経済の一層の発展のために寄与することを今後とも考えながら、大いにこの地域の外交に力を注いでまいらなければならない、このように考えております。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(橋本龍太郎君) 赤桐議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず最初に、財政運営関係各般からのお尋ねがございました。
 政府といたしましては、これまで各年度におきまして概算要求基準を設定しながら、これを出発点として、各種の制度改革や徹底した歳出の節減合理化を行うことにより、財政改革を強力に推進してきたところであります。その結果、平成二年度予算におきまして、財政改革の第一段階でありました特例公債依存体質からの脱却を実現することができるようになりました。また、平成元年度の補正予算におきましては、歳入面において年度当初には予見し得なかった税収増等を計上すると同時に、歳出面におきまして、平成二年度特例公債依存体質脱却というものを目前に控え、財政体質の改善を図るとともに、最近における諸情勢の変化に適切に対応するために、特に緊急性を要する経費を計上しているところであります。
 補正予算につきましては、これまでも法律等に基づく義務的な経費を補う場合や、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となりました経費の支出を行う場合などに編成してきているところでありまして、今後ともその本来の考え方に従って適切な財政運営に努めてまいるつもりであります。
 次に、国債残高あるいは旧国鉄の債務等についての御質問がございました。
 平成二年度予算におきまして、今申し上げましたように、特例公債依存体質から脱却をすることはできたわけでありますが、これまでの連年にわたります公債発行により、公債残高は平成二年度末におきまして百六十四兆円に達する勢いでありまして、国債費が歳出予算の二割を超え、他の政策的経費を圧迫する状況にあるほか、財政支出の繰り延べ的な措置や国鉄清算事業団長期債務の処理問題などに対処していく必要がある点、御指摘のとおりであります。
 特例的な歳出削減措置、いわゆる隠れ公債につきましては、平成元年度の補正予算におきまして、平成二年度特例公債依存体質脱却を目前に控えておりますことから、それぞれの制度、施策をめぐる状況やこれまでの考え方を踏まえながら、返済や返済見合い財源の確保など、その処理に努めてまいりました。残る措置につきましても、今後それぞれの制度、施策をめぐる状況、また、これまでの考え方を踏まえ、適切に対処していく必要があると考えております。
 国鉄清算事業団の債務の処理につきましては、先般、債務の償還などに関する具体的処理方針が閣議決定をされまして、土地及びJR株式の早期かつ有利な処分方法、及びこれに取り組みます政府の方針が明らかにされたところでありまして、今後は、長期債務などの処理がいわば金利との競争でありますことを考慮しながら、この方針に従って諸般の施策を速やかに推進する必要があると考えております。
 また、特例公債依存体質脱却後の中期的な財政運営のあり方につきましては、先般の財政制度審議会の御報告に沿いながら次のように考えてまいりたいと思います。
 すなわち財政は、今後、高齢化、国際化の進展などに伴う財政需要に適切に対応しながら、本格的高齢化社会が到来いたします二十一世紀を見据えて効率的な資源配分を行っていく必要があること、しかし、一方で我が国の財政は、先進国中最高水準の国債残高を抱えており、極力本格的高齢化社会到来時までに大きな負担を残さないようにすることがぜひとも必要であり、また特例公債再発行という事態は二度と生じさせてはならず、そのためには弾力的な財政構造を確立すべきである。したがって、今後の中期的な財政運営に当たりましては、まず公債依存度の引き下げを図り、あわせて特例公債の早期償還に努めることにより、国債残高が累増しないような財政体質をつくり上げることに全力を傾けてまいりたいと思います。
 そこで、議員が御指摘になりました建設国債の問題でありますが、確かに、御指摘のように、社会資本整備の財源としてすべて建設国債を充てる財政運営は、財政法の非募債主義の原則との関連で決して正常なものとは言えません。先般の財政制度審議会の報告にも指摘をされておりますけれども、このままでは、一たび景気、税収の変動が生じますと、再び特例公債の発行という事態に陥るおそれがありまして、景気調整機能が十分発揮できないなどの問題がございます。また、建設公債といえども、元利償還の負担は後世代が負うことになるわけでありまして、その発行は将来の国民負担率の増加要因となります。
 将来の国民負担率の水準につきましては、究極的には国民が必要とする公共サービスの水準と裏表の関係にあるものでありまして、受益と負担のバランスを眺めながら、そのときどきの情勢のもとで国民的な選択が行われるべき事項でありますけれども、来るべき高齢化社会に多大の負担を残さないように、その上昇を極力抑制していくことが必要であります。
 今後の中期的財政運営に当たりましては、今申し上げましたような点を踏まえ、対処してまいりたいと考えております。
 また、国際社会が急速に変貌しつつある中にありまして、我が国は、国際協調を図りながら、その高い経済力を活用して経済、文化、科学技術など多方面にわたり積極的に貢献することが求められております。したがって、このような観点からも、今後は、国債残高の累増の抑制を図り、国債費の比率を低下させる方向での財政運営を行うことにより、時代の要請に適切にこたえてまいりたいと考えております。
 また、住宅宅地関連公共施設整備促進事業につきましては、三大都市圏などの住宅宅地供給の円滑化のために有効な制度であると認識をいたしておりまして、平成二年度予算におきましても必要な予算額の確保を行ってまいりました。
 宅地関連の公的融資の金利に関しましては、例えば住宅金融公庫によります公的機関に対する融資の場合、公庫の調達コスト、すなわち資金運用部の預託金利並みの水準に金利を設定いたしておるところでありまして、他の金利とのバランスや公庫の収支に与える影響などを考えてまいりますと、既に十分優遇した水準になっておると考えております。(拍手)
   〔国務大臣相沢英之君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(相沢英之君) 企画庁に関連する三点につきまして御答弁を申し上げます。
 最初に、ここ数年経済見通しは年度途中で上方修正をされておりますが、今後の我が国経済の見通しいかんという御質問でございます。
 六十二年度の経済成長は、当初見込みが三・五で実績が五・四、それから六十三年度の経済成長も、見込みが三・八で実績が五・三、それから平成元年度、これは見込みが四・〇で実績見込みが四・六でございますが、そういう過去の実績から見ますと、確かに当初見通しを上回った実績ないし実績見込みになっていることは事実であります。その背景は必ずしも一様ではございませんが、いずれの年度も内需が予想を上回る好調を示しているということで、内需主導型の好ましい成長となっているのであります。
 平成二年度の見込みについてもどうだろうという意味での御質問だと思うのでありますが、今後についても、外需は引き続きマイナスに寄与する一方、内需は個人消費、設備投資等を中心に引き続き堅調に推移することにより、全体としては着実な経済成長が持続すると考えているのであります。こういうことから、政府の経済見通しでは平成二年度の実質経済成長率を四%程度と見込んでいるのであります。経済見通しの策定に当たっては、今後ともこれを実態に即するものになるように努力を続けてまいりたい、このように考えております。
 それから第二点は、経済運営五カ年計画では実質経済成長率が三・七五%となっているが、これは日本の潜在的成長力自体を見誤っているのではないか、国内的にも国際的にも状況が大きく異なっている現在、新しい経済計画を策定すべきではないか、こういう御質問でございました。
 現在の経済運営五カ年計画は、昭和六十三年度から平成四年度にわたるものでございます。最近の我が国の経済は、先ほど申し上げましたように、実績におきまして昭和六十三年度が五・三%、それから平成元年度は、これは見込みでありますけれども四・六%程度、そして平成二年度は四%程度の実質経済成長率と見込んでいるのでございます。
 ただ、今後の経済動向を中期的に見た場合に、物価安定基調のもとで、内需については引き続き着実な伸びを期待し得るのでありますけれども、設備投資その他のいわゆる循環要因などから見ますと、最近のような伸びが今後も続くというふうに予想することは難しいのでありますし、また外需につきましても、海外の景気拡大速度の鈍化等によりまして弱含みに推移することが予想されるのであります。こういうような点から見まして、今後適切な政策対応を図ることによりまして、現在の内需を中心とした堅調な成長を当分の間持続することが可能と考えられますけれども、これまでのような高い成長を持続すると見ることばなかなか難しいのではないかと思います。
 また同時に、日本が直面する大きな問題といたしましては、内需主導型経済構造への転換、定着を進めるということだけではなくて、経済力に見合ういわゆる国際貢献を進めていくことが大切なのであります。こういう認識のもとに、先ほど総理の答弁にもございましたように、「世界とともに生きる日本」という経済計画の考え方では、思い切った経済構造調整を推進していくことといたしております。
 この計画の進捗状況を見ますと、産業・雇用分野の構造調整はこれまでかなりの進展が見られておりますけれども、御承知のように、地価の適正化、労働時間の短縮、内外価格差の是正というような面、つまり国民生活に関連する分野では必ずしも十分な成果があらわれておりません。また、国際貢献につきましても内外の理解が十分に得られていない面もございます。そういう意味におきまして、今後、本計画を踏まえて制度と仕組みの変革を強化し、これらの課題の実現を図っていくことが大切だと考えております。
 それから第三点でありますが、資産インフレによりまして資産格差、不平等が拡大しているのではないか、これをどう考えるのかという御質問でございます。
 経済企画庁が行いました昭和六十三年度国民生活選好度調査、この調査によりますと、その格差に対する国民の意識としては、個人の選択や努力などによる格差、例えば、一生懸命働いた人が多くの収入を得ることによって生ずるような格差についてはこれを容認する度合いが強いのでありますけれども、したがって格差があることは一概に悪いとは考えていない。ただ、近年の資産格差の拡大は、地価高騰のような個人の力が及ばない外部的要因によるところが大きいので、個人の選択や努力の結果が正当に評価されなくなるということになりまして、これが国民の不公平感につながるということを認識しているのでございます。
 政府は、先ほど総理から答弁ございましたように、総合土地対策要綱の推進等によりまして、特に地価対策についての施策の推進を関係各省庁間の協力を得て推進したいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思うのであります。(拍手)
   〔国務大臣山本富雄君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(山本富雄君) 赤桐議員の御質問にお答え申し上げます。
 我が国農業の健全な発展を図るためには、生産性の向上を進め、農業経営の安定を図りつつ、国民の納得し得る価格での食糧の安定供給に努めることが基本であると考えております。
 このため、進取の気性に富み、すぐれた技術と経営力を有する担い手の育成確保を図るとともに、農業基盤整備事業の着実な推進、経営規模の拡大や機械の共同利用、農作業受委託の促進、バイオテクノロジーなどを活用した新技術の開発普及等、各般にわたる施策を推進してまいる所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣綿貫民輔君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(綿貫民輔君) 大都市圏におきます住宅宅地の供給策につきましては、これを強力に進めるために広域的な住宅宅地供給方針の策定あるいは低未利用地の有効・高度利用等を内容といたします新たな施策を目下鋭意検討中でございまして、この中で今御指摘の首都圏におきます百万戸住宅建設の問題も明らかにしてまいりたいと考えておる次第であります。
 なお、勤労者向け住宅につきまして、フランスの制度等を導入してはどうかという御質問でございますが、歴史的背景とかいろいろ状況も違いますので、直ちにこれを導入するということには問題があろうかと存じますが、今後そういう問題についても十分検討させていただきたいと考えております。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(土屋義彦君) 平井卓志君。
   〔平井卓志君登壇、拍手〕
#11
○平井卓志君 私は、自由民主党を代表して、当面する内外の重要課題について、総理ほか関係大臣に質問を行います。
 このたびの総選挙は、世界の歴史的大転換の中で二十一世紀の国のかじ取りと消費税、政治改革を中心とした重要課題について国民の厳粛な審判を求めたものでありましたが、我が党は厚い信任をいただきました。我々は、この負託を謙虚に受けとめ、自由と民主主義の旗のもとに、国民のよりよい幸せを目指して一層前進いたすものであります。
 思えば、総理、あなたは昨年八月自由民主党総裁に選任されました。本院創設以来初めて与野党逆転し、内外ともに多事多難、結党以来の危機の中よりスタートしたのでありますが、今回の選挙により、国民はあなたの「対話と改革の政治」に期待し、政治の安定を求めて引き続き政権を託したのであります。
 今日、我が国は、政治改革を初めとして税制改革、農業政策、福祉政策、土地問題、経済構造問題などの根本的解決を迫られております。このためには現行制度への大なたが必要であり、既得権との摩擦や痛みが生じかねません。対話で国民の意見を聞くに当たっては、どうか事態を国民に十分に説明し、国民の創意を生かし、納得を得るとともに、国民と政治をつなぐパイプは通りのよいものとし、強いリーダーシップを発揮していただきたいのであります。あわせて、特定の利害や一部の思惑に偏することのなきよう、公正な政治を目指していただきたい。
 総理は、政治の転換期に立って、今回の国民負託をどう受けとめ政権を担当する決意か、まず伺いたい。
 さて、本年は、明治二十三年議会開設以来百年という記念すべき年を迎えました。今日見る豊かで平和な日本の誕生は、まさしく、先人が築いた議会制民主主義のもと、国民の英知と活力によるものと信じます。衆議院は我が党が安定過半数を制しましても、参議院は過半数割れという厳しい状況となっております。かつて政党間の泥仕合いにより国会が混乱に陥り、国民の信頼をなくした教訓を我々は厳しく受けとめ、国会が国権の最高機関として与野党協調し、国民の信頼を得ることを肝に銘ずべきと考えます。
 かのフランス革命の理論家シエイエスは、そもそも上院は何の役に立つのか、それは、もし下院と同意見を持つならば無用な存在であるし、下院と反対の意見を持つならば有害である、かように申しております。時代の経過はあっても、今日でも通ずる含みのある言葉であると受けとめております。
 両院における与野党勢力が、ねじれ現象のもとで与党も野党も自己主張に固執すれば国民生活に密着する法律案は通りません。我が党としては、野党の皆さんと真摯に話し合いを行い、合意を求めて政策協調することにやぶさかでありません。そして、参議院の使命に照らし、国民サイドに立って徹底した審議を通じて国民にわかりやすい国会を目指していく覚悟であります。さきに我が党の提唱により、今後の参議院の運営の円滑化を図るため、社会、公明、連合参議院、民社の各会派の代表者会議をお願いしたところであり、今後とも合意の政治を求めつつ、国民生活の安定向上と参議院の権威高揚に努めるものであります。
 総理も演説において、議会政治における対話と協調の重要性について触れられましたが、改めて参議院の議会運営にどう対処していくのか、その決意を伺いたい。
 今、我が党に強く求められているものは、長期政権の惰性を反省し、金のかからない政治を目指して自己革新を行い、公党としての倫理を確立することであります。
 このため、我が党では既に政治改革大綱を取り決め、これに基づき、公職選挙法改正案が既に成立、施行されていますほか、政治資金の運用の限定、パーティーの自粛等を定めた政治資金規正法の改正案及び行為規範の強化や全議員の資産を公開する立法を提案したところであります。これらの三法律案がセットで成立して初めて実効が上がるものと存じます。未成立の二法案については、与野党間で内容に少々差がございますが、これらを乗り越えて成立させることが政治の信頼回復の第一歩と存じます。
 「信なくんば立たず」の三木精神の流れをくむ海部総理、あなたが今政治改革を断行しなければ今後はなかなか難しいと思います。政治改革こそ、一内閣一仕事としてこの内閣が背負っている最大の命題であります。海部内閣としてこれにどう臨むのか、決意を伺いたい。
 私は、金のかからない政治、選挙を早急に確立することが政治改革の原点と考えます。
 金のかかる政治の最大の根源は、現行の衆議院の中選挙区制にあるのではないでしょうか。同一の選挙区内にあって同一政党の候補者同士の対立、抗争にはまことに激しいものがあります。今回、公職選挙法が改正され、寄附行為が厳しく制約されることになっても、地元へのサービス、利益誘導は旧来のままであり、後援会による多額の資金集めは依然として続くものと思われます。
 現在、選挙制度については、第八次選挙制度審議会で検討中のことでありますが、私は、少数意見も反映できるよう、比例代表制を併置した小選挙区制がベターと考えます。総理の見解を伺いたい。
 次に、外交問題について伺います。
 昨年来、国際情勢は劇的に変化しました。ソ連のペレストロイカに端を発する改革の動きは燎原の火のように東欧諸国へと波及し、多くの国で共産党の独裁体制が放棄されるなど、国内改革が急激に進展しております。こうした動きは、まさに自由と民主主義及び市場経済という価値を守り、これらの価値を共有する先進民主主義国の一員としての外交を進めてきた戦後の我が国の選択の正しさを証明するものであったと言えましょう。
 また、ソ連、東欧諸国での改革の動きを背景として、米ソを中心とする東西関係は、対決から対話と協調へと変化しつつあり、今や冷戦時代の発想を超えた新しい国際秩序を築くための努力が開始されています。
 このように大きく変化する国際社会において、経済力や技術力を背景とした我が国の影響力と責任が高まっているのではないでしょうか。国際秩序の主要な担い手として、我が国は、新しい国際秩序を建設するため、経済的役割のみならず、政治的役割をも積極的に果たしていかねばなりません。
 総理は、今後の国際情勢をいかに展望し、我が国が新しい国際秩序の構築にいかに貢献していくべきと考えているのか、所見を伺いたい。
 総理、国会日程の慌ただしい中、ブッシュ大統領との首脳会談、まことに御苦労さまでありました。日米両国は、世界の二大経済大国として、インフレなき持続的成長と対外不均衡の是正を促進するために緊密に協力していく必要があると考えます。
 日米関係で焦眉の課題は構造問題協議であることは申すまでもありません。本件協議は、日米の協力と共同作業により、日米の貿易不均衡の調整の上で障壁となっている構造問題を識別し、日米双方がおのおのの構造問題と取り組んでいくことを目的として、これまで三回の会合が行われました。経済構造の調整は、日米貿易不均衡の是正の観点からばかりでなく、経済の効率化を高めるとともに、国民生活の質の向上等、我が国自身のより豊かな将来に資するとの観点から構造調整努力を積極的に行っていくことば不可欠であります。
 今回の日米会談において、独占禁止法の運用強化、大規模小売店舗法の撤廃、公共投資の拡大、投資市場の開放などについて中間報告に向けて首相の政治決断の要請がありましたほか、為替相場の安定へ向けた政策協調、日米欧三極の対話の重要性の確認、日米安保条約の再確認等について忌憚のない意見の交換が行われたようでありますが、その具体的内容と今後我が国としてこれに取り組む決意を伺いたいのであります。
 最近の日米経済摩擦は、今や貿易戦争と言われています。これを日米二国間の貿易収支で見ると、昨年は四百四十九億ドルの米国の赤字となっています。対日赤字が一向に減少しないことに対するいら立ちから、米国内ではスーパー三〇一条の発動や日本にマーケットシェアを要求すべしとの声も高まっています。米国ではこのような要求を正当化するための根拠として、日本社会の特殊性、異質性を強調し、日本は市場原理が機能しない国である等の主張が勢いを得ていると聞いております。
 私は、このような議論は経済の実態を反映していないと考えますが、こうした米国内の動きに対し、我が国としていかに対処すべきか、総理の所見を伺いたい。
 いずれにしても、我が国外交の基軸である日米関係の重要性にかんがみ、問題解決に向けて国を挙げての一層の努力に期待したいと思います。
 さて、総理はこの一月、ポーランド、ハンガリーを含む欧州八カ国を歴訪されました。まさに激変の東欧情勢のただ中にあって、共産主義の一党支配の終えんを目の当たりにし、列国首脳と忌憚のない意見の交換をなし得たことば、東欧の改革を支援し、米欧とともに世界の平和と発展に努める我が国の姿勢を示すものとして大いに意義があったと思います。
 東欧の民主化は、ひとり欧州だけにとどまらず、アジアへ波及し、世界の平和と安定に影響を及ぼすものと思います。それだけに、今回我が国として総額十九億五千万ドルの経済支援を中心として、技術協力の実施や青年海外協力隊の派遣など、単に資金のみでなく、技術や経営のノーハウを支援することは、新しい世界外交へ日本が踏み出したものとして評価できるものであります。
 現在、東欧諸国で進行中の改革の動きがやがて東西欧州の融和から大ヨーロッパへ、さらには東西ドイツの統合へと戦後の国際秩序の基本的構造に影響を与えるものと思いますが、政府は、今回の変化をどう受けとめ、これら諸国の再建にどう協力していくのでありましょうか。
 また、これらの東欧情勢の急激な変化及び米ソ・マルタ会談に象徴される東西関係の変化は、当然ながらアジア情勢にも影響を及ぼすことば必至であろうと思われます。その影響をどう認識されていますか。
 さきに中山外務大臣がタイ及びマレーシアを訪問した際、両国より我が国の対東欧援助の開始がASEAN諸国への援助の減少を引き起こすのではないかとの危惧が表明されたと承知しております。アジア諸国に生じつつあるこのような不安に対し、我が国のアジア重視の姿勢は今後とも不変であることを明らかにしていくことが肝要と考えられます。この点についての政府の考えを伺いたい。
 さて、ソ連は大きくさま変わりしつつあります。ゴルバチョフ書記長のもと新思考外交が展開され、先般のマルタでの会談を初め、米ソ関係を中心とした東西関係は対立から対話の方向へ向かっており、国内的には一党独裁体制をみずから放棄し、大統領制の導入を目指しております。
 他方、ソ連のアジア・太平洋地域における外交に目を転じれば、対中関係の正常化、カンボジア問題への積極的取り組み等の新しい政策展開は見られるものの、アジア・太平洋の平和と安定を強化していく上で最も重要な日ソ関係においていまだ新思考が発揮されていないのが現実であります。
 こうした折、さきに我が党の安倍元幹事長は訪ソし、ゴルバチョフ・ソ連最高会議議長と会談、来年同議長の来日を確認したほか、北方領土について、安倍氏が英知をもって解決するしかないと述べたのに対し、よく考えて善処したいと答えがありました。私は、日ソ間に横たわる北方領土問題を解決して平和条約を締結すべきものと考えております。そのためにも、新思考に基づく外交政策が対日関係にも反映されるよう粘り強い努力を続けていくことが重要と考えます。
 対ソ外交はシェワルナゼ外相の来日により本格的な展開が期待されますが、総理は、現在ソ連で展開されている改革路線をどう評価し、その中でいかに北方領土問題の解決を図り、対ソ外交を進められようとしておられるのか、所見を伺いたい。
 次に、今後の我が国の安全保障政策について伺います。
 さきにも述べたように、現在国際情勢は大きく動いており、東西冷戦の象徴とも言うべきベルリンの壁が崩壊したことを初めとして、米ソの軍縮交渉の進展が図られるなど、歴史的な変化が生じています。大いに歓迎すべきことであります。しかしながら、戦後の世界を振り返ってみれば、これまで米ソを中心とする力の均衡により大きな武力紛争が抑止され、平和と安定が保たれてきたことはよく御承知のとおりであります。このような枠組みが今後どのように変化して新しい東西関係が図られるのか、現在それを見通すことは非常に困難ではないでしょうか。
 私は、我が国の安全保障、防衛政策を進めるに当たっては、少なくとも我が国周辺、すなわち極東地域の軍事力の現状を十分把握するとともに、欧州地域の変化が今後どのような影響をもたらすかについて慎重に見きわめていく必要があると思います。私は、東西両陣営の軍事力が依然として非常に高いレベルにあること、また、膨大な極東ソ連軍が引き続き航空機や艦艇の質的近代化を図っていること、欧州と極東地域では地理的、政治的に事情が異なることに着目すれば、我が国周辺が緊張緩和と呼べる状況になるのはまだまだ先のことではないかと考えます。
 このようなことから、私は、今後の不透明かつ流動的な国際社会の中において日本が平和と安全を確保していくには、単に平和ムードに流されることなく、国際情勢の動きを見きわめながら日米安保条約を堅持し、引き続きみずから着実な防衛努力を行うとともに、西側諸国の結束を図っていくことが大切であると考えます。
 総理は我が国の安全保障政策を今後どう確立していくのか、所見を伺いたい。
 次に、当面の経済問題について伺います。
 我が国は、飛躍的な経済発展により、GNPで見た経済規模では世界経済の一割を超えるシェアを占め、また一人当たり国民所得も世界最高の水準に達しております。しかしながら、こうした経済力は必ずしも国民一人一人の生活に生かし切れておらず、高い物価、高い地価、長い労働時間といった点に見られるように、国の経済力の高さと国民の生活実感との間には依然としてギャップが見られるのもまた事実であります。国の経済力の高さに見合った豊かさが国民生活に実感できない現状を政府ほどのように受けとめ、今後対応されるのか。
 特に、豊かさが実感できない理由の一つとして、物価動向の安定的な推移に対して我が国の生計費が国際的に見て割高であるといったいわゆる内外価格差の問題に国民の関心が高まっていると思います。総理は、新設した内外価格差対策推進本部長として内外価格差の是正に努める旨表明されましたが、具体策をどう考えているか、所見を伺いたい。
 次に、財政問題について伺います。
 平成二年度予算の特色は、十五年ぶりに赤字国債依存体質からの脱却を図ったこと、また昭和五十七年度補正予算以降中止していた国債整理基金への定率繰り入れを復活したことであり、さらに本予算と一体をなす平成元年度補正予算において、厚生年金国庫負担金繰り延べ分についていわゆる隠れ借金を圧縮し、返済のめどをつけたことは、本格的な国際化、高齢化社会を迎えて財政再建へ着実に一歩を進めるものとして極めて時宜を得た措置として評価いたすものであります。これもひとえに我が党・内閣が絶えず歳出の節減合理化を中心とした思い切った行財政改革に真剣に取り組んできた成果であると思います。
 しかしながら、確かに平成二年度において赤字公債の発行がゼロとなるとしても、来年度末には百六十四兆円という巨額の国債発行残高を依然として抱えており、その利払いや償還のための資金が必要であることには変わりはありません。また、さきにも触れましたが、これまでの財政支出の繰り延べ等の隠れ借金がまだかなり残存しているほか、旧国鉄の債務を引き継いだ清算事業団の債務処理が残っていること等を考え合わせるならば、財政再建の正念場はこれからと思います。
 政府は、赤字公債脱却後の新しい財政再建の理念、目標をどのように考えているか、隠れ借金の返済方法、国債の繰り上げ償還、建設国債発行の抑制を含めて伺いたい。
 私は、財政が放漫になるような不用意な拡大はぜひ避けるべきではありますが、さりとて何が何でも緊縮すればよいという考えを持つものではありません。シーリングによる一律削減ではなく、政策の優先度に応じた選択を行って、政策にめり張りをつけるべきと考えます。シーリング方式のあり方についてどうお考えになっていますか。
 本年初頭、経済企画庁は「平成元年経済の回顧と課題 長期拡大と不均衡縮小をめざす日本経済」を発表し、住宅、下水道などを中心に社会資本の計画的整備を指摘しています。また、さきの日米構造協議においても、米側より公共投資の増額要求が出されています。こうした内外の要請をまつまでもなく、日本の社会資本の整備が先進諸国に比べておくれていることは事実であり、今こそ住宅、道路、都市公園、下水道等の生活環境社会資本の整備が急務と思います。
 その際、公共事業を急速に拡充することにより、物価を初め地価の上昇や環境公害を招くことのなきよう十分考慮して行うべきことは当然でありますが、問題は、公共事業の過去の配分実績を踏襲した硬直的なものでなく、発想を転換して、巨大都市圏の住宅・交通事情や多極分散型の国土利用等を十分踏まえるべきと存じます。これとともに、民間であり余っている資金はまず国内でこうした部門に優先して使われるべきと存じますが、これら社会資本の充実と、これに当たって公共事業の資金配分及び民間資金の活用について政府はどう考えておられましょうか。総理、大蔵大臣の御見解を伺いたいのであります。
 次は税制問題であります。
 総選挙の結果、消費税見直し定着は新しい民意であると断言できるのであります。我が党・政府は、先般の税制改革においては、働き盛りの中堅所得者層を中心とする重税感や不公平感を解消するため、所得税、住民税について思い切った減税を行うとともに、消費の大きさ、すなわち生活の規模に応じて広く薄く御負担いただく消費税を創設いたしました。この消費税については、国民の皆様の御協力により日常生活に定着しつつありますが、何分にも我が国にとって全く新しい税でなじみがないため、国民の皆様に十分御理解いただいていない面があることもまた事実であります。我が党としては、消費税についての理解を深めていただき、その一層の定着を図る観点から、今回消費税を見直すことといたしました。
 見直しに当たっては、消費税をめぐる国民の皆様の声に謙虚かつ真摯に耳を傾け、懸命にその不満の所在を探求しつつ、消費者の立場を十分考慮し、国民にとって真に有益な見直しとは何かについて真剣な議論を重ねました。
 見直し案においては、まず食料品についてその負担軽減や非課税化を望む国民の声にこたえるため、消費者が購入するすべての飲食料品を非課税とするとともに、事業者間の円滑な取引を確保するとの観点から、生産から卸売までの事業者間取引については税率を従来の半分である一・五%とする特別低税率制度を設けることといたしました。また、借家住まいの方々にとって食費と並んで大きな比重を占める住宅家賃を非課税とすることにより、その負担を大幅に軽減するとともに、同じく要望が多かった出産費や入学金、教科書等を非課税とし、また社会的に弱い立場の方々に対する配慮として身体障害者用物品、第二種社会福祉事業、ホームヘルパー等、老人に対する在宅サービス等についても非課税とすることとしております。
 水平的公平に資する消費課税が所得に対して何がしかの逆進性を有することば、いわばこの種の税の固有の性質であります。しかし、逆進性の緩和という要請は、一つの税金だけではなく税制全体、さらには歳出面における措置を含め、財政全体で考えるべき問題であることば言うまでもありません。
 今回の見直し案においては、こうした観点から消費税そのものの中で可能な限りの手当てを講じたほか、所得税や住民税の分野においても年金生活者に対する一層の減税を実施するとともに、歳出の分野においては高齢者保健福祉推進十カ年戦略を策定し、強力にその対策を推進していくことといたしております。私は、この見直しを通じ、国民の皆様に消費税というものをより深く御理解いただき、この税が国民生活により一層溶け込んでいくことを心より願うものであります。
 総理並びに大蔵大臣から、今回の消費税の見直しを含め、消費税の定着に向けての決意を伺いたい。
 さて、総選挙の期間中社会党の発表した「消費税廃止プログラム2」で示された間接税再改革案は、一体何でありましょうか。消費税の廃止のみ強調し、代案を示さないことによる批判に抗し切れず、物品、流通、サービスを対象に個別間接税を提案したのでありましょうが、全くの場当たり的発想で現実性がなく、無責任きわまるものであると受けとめております。政府はこの土井提案をどう受けとめておられましょうか。
 総理、総選挙で認知された我が党のひたむきな見直し案について、賢明な野党諸君が新しい国民動向を踏まえてこれに十分なる御理解をいただけるならば、さすが良識ある参議院の本領を発揮するものとして評価されるのでありますが、野党諸君がこれまでの立場に固執していつまでも突っ張り、不毛の議論を重ねていては解決の糸口が見出せず、打開の道は開かれません。迷惑するのは国民自身であります。さきにも述べたように、我々としては今後とも各会派との真摯な話し合いを通じて一層の御理解をお願いする決意でありますが、野党各党におかれても、国民の全体的、長期的利益の観点から、ぜひとも建設的な対応を図られるよう切望するものであります。
 総理はこの消費税をめぐる先行きをどう見通して対処していくのか、胸中を明らかにされたいのであります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 次は農業問題であります。
 我が党は、昨年夏の農政不信の原点を厳しく受けとめ、農こそ国のもととして、国際化で岐路に立つ日本農業の育成強化に努めてまいりました。改めて申すまでもありませんが、我が国の農業は、国民生活にとって不可欠な食糧の安定供給のほか、活力ある地域社会の形成、国土・自然環境の保全など、多面的で重要な役割を果たしてきました。また、自然環境との調和を図りながら、汗を流して働くことを通じて勤勉な国民性を培うとともに、日本人の文化、生活習慣を形成してまいりました。今日の日本、日本人があるのも、昔から農業が基幹産業として国民の生活を支えてきたからにほかなりません。これら農業の果たす多面的な役割の重要性とともに、現在、農家世帯が四百万戸を数え、地域経済にとって農業生産の占める割合が非常に高いことなどを考え合わせれば、我が国経済社会の健全な発展のためには、今後とも農業の発展を図っていくことが不可欠であると私は考えます。
 しかしながら、現在、我が国農業を取り巻く状況が急速に変化している中で、農家の方々は農業の将来に対し大きな不安を抱いております。今後、農業の一層の発展を期するために自民党、政府のなすべきことは、このような農家の方々の不安を払拭し、安心して農業を営めるような長期展望を提示し、積極的な農政を展開していくことだと考えます。
 先日、政府において農産物の需要と生産の長期見通しを策定されたわけでありますが、これを踏まえ、今後どのように農政を展開されるのか、農政の基本方向について総理に伺います。
 今日、農家にとって最大の関心事は米の自由化であります。米国は依然として市場開放を求める姿勢を見せております。さきの五カ国農相会議において我が国の主張した食糧安全保障に関する提案に関し、食糧安全保障の重要性については各国の理解を得られたものの、食糧安全保障と我が国の米の自給政策との関係については、輸出国であるその他の参加国からは異論が示されたと聞いております。
 申すまでもなく、米は我が国国民の主食であり、また我が国農業生産の三割を占める最も基幹的な農作物であります。さらに、稲作は地域経済にも大きな比重を占め、水田は国土環境保全等の面でも重要な役割を果たしております。また、米は既に国内で生産過剰となっており、関係農家は水田の三割近くについて減反を行うとともに、稲作の一層の生産性向上へ向けて懸命に努力しているところであります。
 私は、このような状況に思いをいたせば、米の格別の重要性を踏まえ、米の輸入自由化は断じて行うべきではないと思うものであります。この問題についての総理及び農林水産大臣の決意を伺いたい。
 次に、中小企業対策について伺います。
 我が国経済が内需主導型の均衡ある発展を維持していくためには、東京等からの企業誘致による地域産業の振興とあわせて、中小企業による各地域に根差した技術、文化、観光資源等を生かした新たな産業起こしを図らねばなりません。実際に、全国各地において中小企業による地域に密着した個性ある産業起こしを目指した動きが見られております。しかしながら、こうした動きが成功裏に事業化されるケースは極めて限られており、仮に事業化されても十分な販路を確保できず、経営が行き詰まるなど、開拓された貴重な産業起こしの芽が地域振興に結びつくことなく埋もれてしまっている場合が多いのが実情であります。
 このような現状を踏まえ、地域産業の活力ある発展を図るためには、産業起こしの芽を事業化に結びつけるための総合的な中小企業施策を実施すべきであると考えますが、政府としていかがお考えでありましょうか。
 我が国の好景気は、現在三年を超える長きにわたり継続しておりますが、その好景気にも陰の側面があることを忘れてはなりません。それは、人手不足倒産件数が平成元年は前年の四倍以上にも増加するなど、中小企業の健全な発展にとり大きな阻害要因となっております。こうした人手不足等の背景には、労働時間、福利厚生等の労働環境が大企業と比べて著しく劣っているという問題があると思われます。しかし、中小企業の中には、魅力ある職場を提供したくても大企業と比べて企業としての体力がない、つまり経営が苦しい、合理化、省力化あるいは環境整備がおくれている等の理由で対応したくてもできないところがたくさんあります。このような現状を踏まえ、中小企業が魅力ある職場を提供できるように、労働時間短縮、福利厚生施設整備等の労働環境改善を支援したり、また人手不足に対応するための省力化設備の導入、自動化技術の開発を支援するなど設備の近代化を図らねばなりません。
 これらについて政府としていかに対応していくのか、以上、総理及び通商産業大臣の決意を伺います。
 次に、高齢化社会に対する社会保障について伺います。
 我が国は、昭和四十五年に高齢者の全人口に占める割合が七%を超えて以来、欧米諸国に例を見ない速さで急速に高齢化が進行しております。平成二年では五・一人で一人の老人を支えておりますが、平成十二年には三・七人で一人、高齢化のピークである平成三十二年には二・三人で一人の老人を支えねばならない超高齢化社会になってまいります。このような超高齢化社会を明るい活力にあふれたものになるよう、社会保障制度の再構築を進めるだけでなく、社会経済システムや国民の意識をも変革を進めていくことが二十一世紀までに残された十年間の最大の課題であると考えております。
 このため我が党・政府は、昭和六十一年六月に人生八十年時代にふさわしい経済社会システムの構築を目指して長寿社会対策大綱を閣議決定し、総合的な対策を進めてまいりましたし、昭和六十三年十月には、「長寿・福祉社会を実現するための施策の基本的考え方と目標について」と題する社会保障分野のビジョンを公表いたしております。さらに昨年末には、我が党の要請に基づき、政府は、高齢者保健福祉推進十カ年戦略として、高齢者の保健福祉分野における公共サービスの基盤整備を推進することを決定し、これを受けて平成二年度予算編成においても大幅な福祉予算の拡充が図られております。
 このように、我が党の努力により将来の社会保障のビジョンは次第に明らかにされるとともに、着実に高齢者福祉の充実が進められてきておりますが、二十一世紀に向けて社会保障制度を今後どのように充実していかれるのか、総理の所見を伺います。
 さて、高齢者保健福祉推進十カ年戦略では、ホームヘルパーの大幅増員等在宅福祉サービスの充実が図られることになっていますが、これらの事業の中心になるのは何といっても市町村であると思います。私は、十カ年戦略を実効あるものにするためには、まずもって実施主体である市町村の取り組み姿勢が変わらなければいけないと信じます。そのためにも、市町村について事業を計画的に行う権限と責務を明らかにするとともに、事業を推進しやすいような福祉サービスの実施体制づくりについて、従来の発想にこだわることなく、大胆に見直しを進め、必要な財政的支援を惜しんではならないと思います。総理の所見を伺います。
 最後に、土地問題について伺います。
 東京への一極集中は、都市を中心として土地高騰を招き、国民生活を直撃しております。今回の土地の高騰は、単に国民の住宅取得を困難にしただけではなく、社会資本の整備や良好な都市環境づくりに大きな支障を及ぼしており、さらに持てる者と持たざる者との資産格差による不公平感を増大させるなど、我が国経済の円滑な運営と社会の安定にとって重大な問題を引き起こしております。
 最近、東京圏では、東京都や神奈川県を中心に全体としては地価の鎮静化が見られるようでありますが、予断を許しません。依然として高値安定であります。大阪圏や名古屋圏においてほかなりの上昇が見られており、さらには地方の主要都市等においても地価の上昇が目立っております。特に好景気を反映し、民間の金余り状況が続いていることを考えれば、今後とも地価対策を初めとする土地対策を強力に推進していく必要があります。
 さきの国会において参議院では、土地問題の重要性を強く認識し、与野党を超えて土地基本法をスピーディーに成立させました。政府は、これを受けて今後総合的な土地政策をどう進めるのか、地価高騰の歯どめ策を具体的にどう考えているのか。
 私が強く指摘いたしたいことば、公共的な機関である金融機関等は、土地投機のための融資は厳に慎まれたいのであります。依然として過剰な資金をバックに不動産金融が増大しております。政府の指導は手ぬるいとの指摘がありますが、いかがでありますか。現状の詳細説明と今後の決意を伺いたいのであります。
 「GNP陰で支えて家持てず」、これは経済大国日本の都市サラリーマンの悲哀をあらわした川柳であります。申すまでもなく、良質な住宅は豊かさを実感できる国民生活の前提であります。大都市におけるサラリーマンにとりて、一生働いても家が持てないのでは何のための人生かと、希望が持てません。
 我が党では、東京圏における百万戸住宅供給作戦を展開する方針でありますが、政府として、大都市地域における勤労者の住宅問題にどう臨むのか。
 特に私は、土地税制について、資産格差の是正、土地への投機の防止の上からそのあり方を早急に正すべきと思います。農地の宅地並み課税、法人の遊休土地や含み資産等保有、譲渡について今後土地税制をどう見直すのか、その基本的な考えを総理より明示願いたいのであります。
 以上、私は当面する重要政策について政府の姿勢をただしてまいりました。いずれの政策も、その解決に当たっては国民の理解と支持、特に議会における与野党間の合意形成が必須の条件であります。与党と野党がともに自説を固執する限り話し合いは実りません。我々は、国民負託の原点に立って、お互い相手の立場を知り、異なった意見にも十分耳を傾ける寛容さが必要と思います。対話と協調により与野党の信頼関係を確立し、建設的な妥協を行うことは民主政治の行動原理ではないでしょうか。
 参議院が正念場を迎えた今日、右の精神を踏まえ、議会運営の改善と活力ある審議を全うすれば、参議院はまさに良識の府として必ずやその真価を発揮し、国民の負託に十分こたえるであろうことを信じまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(海部俊樹君) 総選挙による国民の負託をどのように受けとめて政権を担当する決意かとのお言葉でありますが、私は今回の選挙は、世界の大きな流れに取り組む日本の対外的な姿勢、同時にまた、新しい世界の平和と安定の新しい秩序づくりに対して日本がどう参画していくか、あるいは国内の政治の問題につきましては、政治改革を断行して信頼を取り戻すと同時に、公正な社会づくりをしていく、そして高齢化社会に対応する、土地問題に対応をする、いろいろな問題を政策として掲げて訴えてきたことに対して、国民の皆さんが自民党しっかりやれといって厳粛な審判の結果を与えていただいたものと謙虚に受けとめさせていただいております。今後は、選挙中に申し上げました内外に対応していく諸政策を掲げて、国民的合意を求めながらその政策の実現に向かって邁進をしていかなければならない、こう考えております。
 議員御指摘のように、結党以来の危機と言われる中でスタートした内閣でありましたが、これからもあのときの原点を厳しく思い起こしながら、謙虚に政策努力を続けてまいります。御理解と御協力をお願いいたします。
 また、現在の国会運営で、衆議院ではおかげさまで安定過半数をいただきましたが、参議院では与野党逆転という状況のもとでどうするかというお尋ねであります。
 私は、基本的には国民の皆さんのために議会というところは議論を深め、より建設的な政策立案に邁進していくところであると信じておりますから、議会で各党の皆様方の建設的な御議論と、そしてその御努力によって、衆参の議席数の違いというものは、例えばこの前の国会でも公職選挙法の一部改正案や土地基本法は成立を見ることができたわけでありますので、接点を求めて真剣な御議論を続けていただきたいということを心からお願い申し上げる次第であります。
 なお、政治改革を進めるに当たっては、政治の信頼を確立することが何よりも必要だというのはお説のとおりであります。政治倫理の確立とともに、金のかからない政治活動や政策中心の選挙の実現を目指していかなければなりません。根本的な改革が必要になってまいります。
 そのために、選挙制度審議会でただいま政治資金や選挙制度すべてを含むいろいろな角度からの御論議を続けていただいておりますので、答申をいただいたならば、国会開設百年という記念すべき年でありますので、審議会の答申の趣旨を十分に尊重しながら、不退転の決意で取り組んでまいりたいと考えております。
 金のかからない選挙をするためには、比例代表制を併置した小選挙区制の導入はどうかと、このような御指摘でございます。
 私は、選挙制度にはいろいろございますけれども、欧米先進工業国のやっておる選挙制度、そういったものと日本の選挙制度、それらを比較検討しながら、さらにまた日本には日本独自のいろいろなお考えもおありでしょうから、ただいま選挙制度審議会においての答申を待って、その原案で各党各会派いろいろと御議論をしていただきたいものと考えておる次第でございます。先生の御指摘の案も一つの案である、このように受けとめさせていただいておきます。
 今後の国際情勢をどのように展望するかとおっしゃいましたが、今は歴史的な変化の中にありまして、確実にこうなるという見通しが断言できない不透明性と不確実性はまだ残っておるわけでありますけれども、しかし欧州において、今、冷戦時代の発想を乗り越えて、平和と安定が固まりつつある。その姿がアジア・太平洋にも世界にも広がっていかなければならぬと私は考えて、今後とも先進民主主義国の主要な一員として、アジア・太平洋のことはもちろんのこと、その他の地域に対しても日本の今日までの経験を生かして、持てる経済力、技術力を生かし、新しい国際秩序の枠組みに向けて積極的に役割を果たして、真の平和と安定を地球的規模でつくり上げていかなければならないと考えております。
 また、日米首脳会談におきまして、私は、経済構造協議の問題とかグローバルの問題とか地球的に平和と安定をどうしたらつくられるか、いろいろな話し合いをさせていただいてまいりました。今、アメリカには、御指摘のように、極めて日本に対するよくない感情が出てきておる。これは誤解に基づくものや、あるいはそうでないものもあるかもしれません。この日米の経済問題に端を発した経済問題を離れたところのいらいらや不信感というものは、ぜひ何とか話し合いによって解決していかないと、肝心の日米関係にもひびが入ってはこれはいけないことであります。
 私は、今回首脳会談に臨むに当たって、こういった日米両国の基本的な信頼関係、基本的な友好関係というものを再確認するとともに、経済問題の違いの目立つところだけを取り上げて厳しく議論するのではなくて、もっと力を合わせて合意していかなければならぬ別の大きな地球的規模の問題についても十分の議論をし、ブッシュ大統領とこの点で意見の一致を見たことば有意義でありたと考えております。
 経済構造問題に関しては、国民生活の質の向上、消費者重視という観点に立って、数年前から、議員も御承知の前川レポートの精神、方向に従っていろいろの政策努力を行ってきておるところであります。このことについてはいろいろ成果も上がっておることば両国とも認めておりますけれども、まだまだ不十分であり、まだまだ構造改革に取り組んでいかなければならぬ問題を、日本側からは米国に大きく分けて七項目、米国からは日本側に大きく分けて六項目提示をし、今、実務者レベルで協議が続けられておることは御承知のとおりでございますが、それらのすべてを含めて話し合いを促進させ、前向きに解決していくことが日米間にとって極めて大切なことである。米側としても、財政赤字の削減、貯蓄の増大、投資の促進、教育制度の改革、商品の品質向上等について取り組んできておるということば、実務者レベルのお話でも十分伺ってまいりました。
 ただ、今度の首脳会談では、今御指摘になったように、具体的個々別々の内容に踏み込んで、独禁法の問題とか大店法の問題とか、公共投資の問題とか投資市場の開放の問題とか、そういう個々の問題について首脳会談のテーマにはなりませんでしたが、為替相場の協調の問題とか日米欧三極対話の重要性の問題とか日米安保条約の問題については、これは首脳会談で協議の対象とさせていただきました。いずれにしても、経済問題については全体としてとらえ、これの解決を目指していかなければならないというので、最重要課題として取り組ませていただこうと思っております。
 次に、東欧諸国の変化をどう受けとめるかとおっしゃいましたが、私は、東欧諸国の変化は、結論を言いますと極めて望ましい変化だと思っております。あそこで力で対決をして、軍事力を背景に対立をしておる状況は平和にとって好ましくありません。したがって、新しい世界秩序の模索が始まっているときには、東欧が分断状態から平和共存の状態に入っていこうとしておるのでありますから、日本もこれらの国々に対してなし得る支援を積極的に表明したわけでありますが、ポーランド、ハンガリー以外の東欧諸国にも民主化の動きが出てき、先進諸国が協調体制を組むときには、我々も積極的に参加をしてまいる決意でございます。
 そして、その東欧、西欧間の望ましい関係はアジア・太平洋地域へも押し及んでこなければならないのは当然のことであると私は考えております。そのためにソ連における改革路線も、北方領土問題という大きな問題が前提にございます。平和条約を締結しなければ平和的な真の安定関係はできないということは御承知のとおりでありますけれども、しかし最近のソ連のペレストロイカ路線については、いろいろ市場経済的要素の導入など、正しい方向と目的があり、ソ連からもまた我が国に経済改革調査団を既に派遣をして、我が国の実情等も調査をして帰っておるわけでありますから、今後ソ連と日本とのいろいろな面の話し合いをさらに進めることによって、来年のゴルバチョフ議長の訪日に向けて安定した均衡のとれた日ソ関係を樹立していくべきである、こう考えて努力を続けてまいります。
 我が国の平和と安全の確保はどうかと、この角度の御質問でありますが、最近の国際情勢の変化の中にあって、まだ不透明な不安定なところはありますが、我が国が効果的な抑止の確保と積極的な対話の展開によってみずからの平和と安全を確保しつつ、広くアジア・太平洋地域の安定と発展を図っていくためには日米安保体制が不可欠であり、安保条約の円滑な運用のため尽力していくのは御説と同じでありまして、西側諸国の結束を図ることが重要との御指摘も私は同感でございます。
 また、戦後の経済発展の結果、一人当たりの国民所得は上昇してまいっておりますが、長い労働時間、低い住居水準、高い生計費などにより、生活の豊かさが実感できておるかどうかという点の御疑問に対しては、私もさらに一層の努力をしなければならないとお答えをさせていただきます。そのため、豊かさを実感できる多様な国民生活の実現を重点課題として、相対的におくれておる問題と取り組み、閣議決定の線に従って努力を重ねてまいります。
 また、内外価格差対策にもお触れになりましたが、私は、内外価格差を是正して物価問題に真剣に取り組んでいくということば、これは国の安定的な景気の拡大にも物価の安定は役立つわけでありますし、御家庭の経済にも物価の安定ということは大きな影響を与えるものであります。政府は、内外価格差対策について五十二項目にわたるものを決定し、実態調査とその報告、また、公表あるいは各種の規制の緩和、独占禁止法の厳正な運用等による競争条件の整備、予算、税制、関税などによる輸入促進の政策、これらを取り上げて今後とも内外価格差の是正には全力を尽くしてまいる決意でございます。
 なお、赤字公債脱却後の財政運営につきましては、高齢化社会に多大な負担を残さず、再び特例公債を発行しないことを基本として、公債依存度の引き下げ等により、財政体質をつくり上げていくことに全力を挙げていくつもりでございます。
 また、シーリングの問題についての御議論もございましたが、各種の制度改正や徹底した歳出の削減合理化を行うことにより財政改革を強力に推進します。しかし、今後の具体的な概算要求基準については、これまでシーリングが財政改革の推進に果たしてきた役割を考えてみますと、やはりそのときどきの財政事情や経済情勢を勘案して慎重に対応していくべきものであると考えますので、今後検討をさせていただきます。
 また、生活関連社会資本の充実についてお述べになりましたが、豊かさを実感できる国民生活を実現するためには、その基盤としての社会資本整備を推進することが重要であるということは全く同感でございます。
 今回の消費税の見直しを含めて、定着にどう決意をするか、この角度の御質問でありますが、私は、去年の四月の消費税というのは、他の所得税減税とか資産課税とを加えながら、公平に社会に必要な費用は広く負担していただくという、そういった気持ちを持って不公平是正も織り込みながら行った税制改革でございました。消費税はその中の一環でございます。けれども、消費税については、いろいろの国民の皆さんからの御指摘や国会における御議論等もありました。世論調査の結果等も踏まえて、私は思い切って見直しをして、見直し案を国会に提案させていただきます。
 選挙中に野党の皆さんも、個別間接税に関連する新しい間接税のあり方等についての発表等もされたわけでございますが、私はそれを検討させていただくときに、どこかでこうすれ合う接点が出るのではないだろうか。直接税だけではなくて、直間比率の中でも、今行われておるような比率が野党の幹部の発言の中にも出てきておったことば選挙中の報道で明らかなところでありますので、その辺のところもどこかに接点が出るのではないだろうか。私は、各党間の御議論を心から御期待申し上げますとともに、政府といたしましては、与党と検討の結果決定した見直し案であります。いろいろな細かい配慮をしてきた案でございます。どうか御議論の上、御理解をいただいて、未来を支える税制としての国会の御論議を高めていただきますように心からお願いを申し上げておく次第でございます。
 農政についての御議論がございましたが、私は、やはり農家の方が誇りと希望を持って農業を営める環境をつくり上げることが大切であると考えております。戦後、土に親しみながら食糧生産に打ち込んでいただいた農家の皆さんに対しては、私は率直に感謝の気持ちを表明するところから政策は始めなければならぬと考えております。
 このため、先般、農産物の需要と生産の長期見通しを閣議決定いたしました。私は、これを指針として、農業後継者の担い手の育成、生産基盤の整備、バイオテクノロジーなど技術の開発普及、いろいろな施策を強力に展開し、これらを通じて農業経営が安定されるように、一層の生産性の向上を進めながら国民の納得のできる価格での安定的な食糧供給を図ってまいる所存でございます。どうぞ御理解をお願いしたいと思います。
 米につきましては、我が国における米及び稲作の格別の重要性にかんがみ、国会における決議の御趣旨を体して、今後とも国内産で自給するとの基本的な方針で対処をしてまいります。
 中小企業の活性化については、地域経済と中小企業の活性化はともに密接不可分のものでありまして、おのおのの地域における技術の集積及びふるさとの文化、資源を活用して、中小企業が地域経済の牽引力として産業起こしを推進することが極めて大切でございます。その意味において、積極的な起業化事業に対して、そのニーズを十分に踏まえ、ハード面、ソフト面両方からの総合的な施策を講じてまいる所存であります。
 社会保障につきましては、御指摘のように、二十一世紀には国民の四人に一人が高齢者という超高齢化社会が到来するわけであります。健康で生きがいと喜びを持って過ごせるような明るい長寿福祉社会を築かなければなりません。このために、「生涯はつらつ、生涯しあわせ」を基本理念とする新しい人生設計計画とも言うべき構想を推進することにし、例えば高齢者保健福祉推進十カ年戦略を既に決定し、これを強力に推進していこうといたしておりますし、年金、医療の長期的安定、次代を担う児童を健やかに産み育てるための環境づくり、障害者の福祉の充実などに将来取り組んでいかなければならないと考えております。
 その実現のためには、御指摘のとおり、住民に最も身近な行政主体である市町村が、都道府県との適切な役割分担のもとに、積極的、総合的な取り組みを進めていただくことが極めて重要と思いますので、これらの方面に対する御協力の働きかけも一層努めていきたいと考えておる次第であります。
 最後に、土地政策についてお触れになりました。
 土地高騰に対しては、これまでも総合土地対策要綱に従い、監視区域制度の運用、不動産、金融機関等に対する指導、税制上の措置など各般の対策を推進してきたところでありますが、昨年、皆様の御理解と御協力で土地基本法を制定していただき、土地に対する理念が示されております。
 私は、この具体的施策として、土地対策関係閣僚会議において今後の重点実施の方針を定めておりますから、大都市地域における住宅宅地供給の促進や土地税制の総合的見直しについて特に重点的にその実施を図っていく所存であり、ここでお触れになりましたように、投機的土地取引に対する不適正な融資を厳に排除するとの観点から各種の通達は出しておりますが、個別の融資案件にまで踏み込んだ特別ヒアリングの実施などを通じて今後厳正に指導を続けてまいりたいと思っております。
 大都市の住宅問題の解決のためには、一般勤労者が良質な住宅を確保できるよう、今後十年間に百万戸を目標に新たな住宅供給を行うことを初めとし、広域的な住宅宅地供給方針を策定し、未利用地、低利用地の有効利用の促進、高度利用の促進等を内容とする新たな政策を早急に検討して実施に移してまいります。(拍手)
   〔国務大臣中山太郎君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(中山太郎君) 平井議員からお尋ねのございました、東欧諸国の変化をどのように受けとめ、これら諸国の再建にどのように協力していくのか、また、東欧情勢の急激な変化及び米ソ・マルタ会談に象徴される東西関係の変化がアジア情勢にどのような影響を及ぼすと認識しているかというお尋ねは、既に総理からお答えがございましたので重複を避けさせていただきたいと思います。
 我が国の東欧諸国への援助によりASEAN諸国への援助は減少するのではないかという不安に対して、我が国のアジア重視の姿勢は今後とも不変である旨を示すべきという考え方があるかどうかというお尋ねがございました。
 我が国は、御承知のようにアジアの一国でございます。アジアの平和と安定の維持推進、これら諸国との友好関係の推進は外交の重要な柱と私どもは認識をいたしておりまして、政治、経済、文化面での交流を積極的に今後とも続けてまいりますが、アジア地域の各国には多大な資金のニーズがございまして、我が国は二国間のODAの六割から七割をアジアに重点的に配分しているということも御理解をいただきたいと思います。
 今年初頭、タイ、マレーシアを訪問いたしました際に、相手国の総理からこの点につきましても確認がございましたが、私の方といたしましては、自由民主党の政権が続く限り、ここ数年間の日本の経済は実質成長率四%と政府は計算をしておると。そういう中で、今日までのいわゆる対外経済協力の枠組みはそのまま維持をしていっても、なお大きくなる経済のパイの中で東欧支援の金額等は十分吸収されていくということを御理解いただいて、アジア諸国に対しては、何らの不安も持っていただく必要はない、従来どおり日本政府は協力を続けるということを申し上げてまいったということを御報告申し上げておきたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(橋本龍太郎君) 平井議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、赤字公債脱却後の新しい財政再建の理念、目標等からお答えを申し上げますが、特例公債依存体質脱却後の中期的な財政運営のあり方につきましては、先般の財政制度審議会の報告の趣旨に沿い、次のように考えてまいりたいと思っております。
 すなわち、財政は、今後高齢化、国際化の進展などに伴います財政需要に適切に対応しながら、本格的高齢化社会が到来する二十一世紀を見据えて効率的な資源配分を行っていく必要があること。しかし一方で、我が国の財政が先進国中最高水準の国債残高を抱えており、極力本格的高齢化社会到来時に大きな負担を残さないようにすることが必要であること。また、特例公債再発行という事態は二度と生じさせてはならず、そのため弾力的な財政構造を確立すべきであること。したがいまして、今後の中期的な財政運営に当たりましては、まず公債依存度の引き下げを図り、あわせて特例公債の早期償還に努めることにより、国債残高が累増しないような財政体質をつくり上げることに全力を傾けてまいる所存であります。
 なお、その際、財政支出の繰り延べ措置などにつきましても、法律に基づき計画的に処理することとされているものにつきましてはきちんとその処理を進めるなど、その内容、緊要性等に応じながらできるだけ速やかに処理することを基本としてまいりたいと考えます。
 また、概算要求基準につきましてのお尋ねがございました。
 概算要求基準は各省庁の要求の総枠を示したものであり、各省庁がその枠内で各政策の緊要性等を考慮し、優先的な選択を行うことはもう議員がよく御承知のとおりでございます。
 平成二年度の予算におきましては、ようやく特例公債依存体質から脱却することができましたが、連年の公債発行によりまして公債残高は平成二年度末には百六十四兆円にも達するものと見込まれております。国債費が歳出予算の二割を超えて他の政策的経費を圧迫している状況にございます。また、国鉄清算事業団の長期債務の処理などに対応していく必要もございます。また、再び特例公債を出さないような財政体質、財政構造に改善していく必要があること等を考えますと、なお財政事情は厳しい状況にあると申し上げなければなりません。今後とも引き続き歳出を中心に財政全般を見直してまいる必要がございます。
 また、特例公債依存体質脱却後の具体的な財政運営のあり方につきまして、先般財政制度審議会からいたださました御報告の中には、概算要求基準につきまして、「国の歳出の規模は拡張的になりやすい傾向があるので、時代の要請に応じて効率性の高い歳出構造としていく努力が引き続き必要であり、そのためには、今後とも概算要求基準の設定により、概算要求段階から制度改革、歳出の節減・合理化を進めるべきである。」という御指摘をいただいております。今後具体的にどのような概算要求基準を設けるかにつきましては、このような財審の報告の考え方とか、また先刻議員のお述べになりましたような御意見等も踏まえながら、そのときどきの財政事情や経済情勢を勘案しながら慎重に検討してまいりたいと考えております。
 また、公共事業の事業別配分に当たりましては、これまでも経済社会の動向、おのおのの社会資本の整備状況などを踏まえながら適切に対応してきたところでありますが、平成二年度の予算におきましても、NTT株式売り払い収入に係る無利子貸付事業を活用しながら生活環境の向上に資するように、下水道、公園、再開発などの事業に特に配慮してまいりました。今後ともに国民生活基盤をより一層充実させるために、御指摘の点を踏まえて引き続き国民生活に重点を置いた社会資本の整備に努めてまいりたいと思います。
 なお、我が国の将来にわたる経済社会発展のためには、議員が御指摘になりましたように、行財政改革を推進しながら民間活力を最大限に発揮させていくことが引き続いて必要でありまして、公共事業の分野におきましても、民間の主導的な役割が期待される都市再開発事業などにつきまして民間活力の活用を図ることとしておるわけであります。
 また、消費税についてのお尋ねをいただきましたが、先般の抜本的な税制改革というものは、それまでの税制が持っておりましたさまざまなゆがみ、またサラリーマン層を中心とする重税感を是正すると同時に、高齢化の進展を踏まえた安定的な税体系を確立することを目的として行われたものでありますが、このうち昨年四月に導入をされました消費税は、その後の経済動向や円滑な申告、納税などの状況を見ましても、着実に日々の生活に溶け込んできておると思われます。
 しかし一方、消費税につきましては国民各層からさまざまな御意見や御指摘をいただいてまいりました。消費税の一層の定着を図るという観点から、御指摘をいただきました点はすべて検討の対象とし、現時点で最善と確信する消費税の見直しを行うこととしたわけであります。
 総理からもお述べになりましたけれども、今回の見直し案は、国民から一番強い御要望のありました食料品に対する特例措置に加えまして、住宅家賃や出産費、入学金、福祉関係などの非課税化等によりまして、逆進性の緩和及び社会政策的配慮の充実を図りますとともに、消費者の立場から御指摘のありました運用益などの問題の是正等、現時点でできる限りの措置を講じた次第であります。また、歳出面におきましては、消費税の使途の明確化とともに、高齢化に対応いたしました公共福祉サービスの充実を図ることにしてまいりました。
 こうした見直しを通じまして、二十一世紀を展望したこの新しい税というものが、国民各位に御理解をいただき、名実ともに我が国の経済社会の礎となり、一層定着するように今後とも最大限の努力を傾けてまいりたいと考えております。
 また、総選挙の際、野党の一部から御提案のありました個別限定列挙方式について御意見を求められましたが、細部がよくわかりませんので、報道等で伝えられました範囲で感じたことをそのまま申し上げます。
 従来の物品税などに代表される個別間接税とほぼ同様のものと思われるわけでありますが、これらは、昨年本院で御審議のありました消費税廃止法案に伴う代替財源として、二年間のつなぎ財源として御提案になりましたこととの関係が分明ではございません。また、もしその二年間のつなぎ財源ということで御説明のありました内容と基本的に同様のものでありますならば、これが恒久的な間接税制度の基本として採用されるということはさまざまな論議を呼ぶものであろうと存じます。
 また同時に、個別間接税そのものが持ちます税負担のアンバランスというものはしばしば以前から御指摘を受けてまいりました。この点について、このアンバランスを復活させると同時に、国際的な摩擦を惹起する懸念がある、こうした点も懸念の種でございます。
 また、二年に一度個別限定列挙方式の中での見直しが行われるということでありますが、これは二年ごとに関係者の利害調整を必要とし、国民生活に混乱を生ずるということにつながりはしないかとの懸念も持っております。(拍手)
   〔国務大臣山本富雄君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(山本富雄君) 平井議員の御質問にお答え申し上げます。
 農業問題各般にわたりましては、総理から既に答弁がございました。私からは特に米の自由化の問題について申し上げます。
 議員御指摘のとおり、米は日本国民の主食であり、かつ我が国農業の基幹をなすものであります。また、水田稲作は国土や自然環境の保全、地域経済上不可欠の役割を果たしております。
 このような米及び水田稲作の格別の重要性にかんがみ、国会における決議等の趣旨を体し、今後とも国内産で自給するとの基本的な方針で対処してまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣武藤嘉文君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(武藤嘉文君) 平井議員にお答えをさせていただきます。
 私に対する質問は中小企業問題でございまして、第一点のいわゆる各地域の中小企業の皆さんが一生懸命御努力なさっている産業起こしの芽がなかなか実際の本格的な事業に結びつかない。これについては今総理からも御答弁がございましたが、総理からはソフト面、ハード面、総合的にやっていくんだと、こういうことでございました。
 少し具体的に私からお答えをさせていただきたいと思うのでございますが、ハード面につきましては、既にそれぞれの地域の中小企業の技術開発あるいは商品開発に対する産業起こしの基盤をしっかりやろうということで施設ができて、それに対しての助成をいたしておりますが、これを平成二年度ではもっと充実をしていきたい、これがハード面でございます。
 ソフト面については、平成二年度で新たにそれぞれの産業起こしの芽をしっかりと事業に結びつけていくために、例えば商品開発とかデザイン開発とかあるいは市場開拓とか、いろいろの全国の情報をキャッチしようとか、そういうソフト面の事業に対しても助成をさせていただこうと。
 それから、いま一つはやはりテクノポリスで、いろいろ各地域にテクノポリスがこのごろできてまいりました。そこでいろいろしっかりした技術も考えられております。これをやはり結びつけるためのいろいろの助成策、しっかりやろうという中小企業の皆さんにはいろいろの、まあ直接はなかなか難しいのでございますが、各県を通じてなり助成策を考えていきたいと思っております。
 いま一つの御質問は、労働力の不足からくる中小企業の倒産が多いのではないか、こういうことでございまして、確かに御指摘のとおり、平成元年度は昭和六十三年度と比べますと四倍ほどの倒産があったわけでございまして、これに対しては御指摘のとおり、従来の福利厚生施設の充実にあわせて、これからはやはり労働時間も短くしていかなければならない。しかし、そうなれば、より多くの人を雇うというわけにもなかなかまいりませんので、やはり省力化、自動化、こういう面の設備を充実していかなければならない。そのための助成を、やはりこれも予算面また金融面両方からひとつ一生懸命努力をしていきたい、こう考えておりますので、よろしくお願いをいたします。(拍手)
#17
○副議長(小野明君) 質疑はなおございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○副議長(小野明君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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