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1990/03/26 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 本会議 第5号
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1990/03/26 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 本会議 第5号

#1
第118回国会 本会議 第5号
平成二年三月二十六日(月曜日)
   午後五時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第五号
  平成二年三月二十六日
   午後三時開議
 第一 国家公務員等の任命に関する件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、新議員の紹介
 一、日程第一
 一、平成元年度一般会計補正予算(第2号)
 一、平成元年度特別会計補正予算(特第2号)
 一、平成元年度政府関係機関補正予算(機第2号)
 一、租税特別措置法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 一、平成元年度一般会計補正予算(第2号)外二件両院協議会の協議委員の選挙
 一、平成元年度一般会計補正予算(第2号)外二件両院協議会参議院協議委員議長報告
 一、住宅金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 一、地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 一、厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 一、農林漁業金融公庫法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
     ─────・─────
#3
○議長(土屋義彦君) これより会議を開きます。
 この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。
 議席第五番、比例代表選出議員、星野朋市君。
   〔星野朋市君起立、拍手〕
#4
○議長(土屋義彦君) 議長は、本院規則第三十条により、星野朋市君を農林水産委員に指名いたします。
     ─────・─────
#5
○議長(土屋義彦君) 日程第一 国家公務員等の任命に関する件
 内閣から、
 人事官に石坂誠一君及び弥富啓之助君を、
 臨時脳死及び臓器移植調査会委員に井形昭弘君、宇野收君、梅原猛君、金平輝子君、木村榮作君、齋藤明君、永井道雄君、萩原太郎君、早石修君、原秀男君、平野龍一君、三浦知壽子君、森亘君、山岸章君及び山下眞臣君を、
 また、日本銀行政策委員会委員に両角良彦君を任命することについて、それぞれ本院の同意を求めてまいりました。
 まず、人事官及び日本銀行政策委員会委員の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#6
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、いずれも同意することに決しました。
 次に、臨時脳死及び臓器移植調査会委員の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#7
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、これに同意することに決しました。
     ─────・─────
#8
○議長(土屋義彦君) この際、日程に追加して、
 平成元年度一般会計補正予算(第2号)
 平成元年度特別会計補正予算(特第2号)
 平成元年度政府関係機関補正予算(機第2号)
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長林田悠紀夫君。
   〔林田悠紀夫君登壇、拍手〕
#10
○林田悠紀夫君 ただいま議題となりました平成元年度補正予算三案の委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 一般会計予算の補正は、歳出について、災害復旧等事業費、給与改善費、厚生年金等給付改定実施期日の繰り上げ等、予算作成後に生じた事由に基づき緊要となった事項について措置することとし、歳出の追加総額は六兆六千五百八十二億円となっております。
 他方、既定経費の節減、予備費の減額によって七千六百五億円の修正減少を行っております。
 歳入につきましては、最近までの収入実績を勘案し、租税及び印紙収入三兆二千百七十億円の増収を見込むとともに、前年度剰余金二兆三千三百六十三億円の受け入れ等を計上し、公債金については建設公債六千五百億円の追加発行を行う一方、特例公債を同額減額することとしております。
 本補正の結果、平成元年度補正後予算の総額は、歳入歳出とも当初予算に五兆八千九百七十七億円を追加し、六十六兆三千百十九億円となっております。一般会計予算の補正に関連して、交付税及び譲与税配付金特別会計等十七特別会計予算と国民金融公庫等三公庫の政府関係機関予算について所要の補正が行われております。
 補正予算三案は、二月二十八日国会に提出され、三月七日大蔵大臣より趣旨説明を聴取し、衆議院からの送付を待って、三月二十三日及び二十六日の二日間、海部内閣総理大臣並びに関係各大臣に対し、国政全般にわたり熱心な質疑が行われました。
 以下、質疑の若干につき、その要旨を簡単に申し上げます。
 「政府は、ここ数年度にわたり税収の過小見積もりを犯しており、財政運営上問題であるばかりか、本補正がまれに見る大型となった一因でもある。税収見積もりが狂う原因は何か。五十三年度に行った税収の年度所属区分改正をもとに戻すことは税収の適正見積もりに必要ではないか。この補正予算で芸術文化振興基金を初め、六つもの基金をつくるのは異常であり、これら基金の対象事業は重要な政策課題であって、短時日の補正審議になじまないし、財政法第二十九条の緊要性から見ても疑問がある。また、基金の新設は政府の行政改革方針にも反するものではないか。厚生保険特別会計への繰り入れ一兆五千億円が計上されているが、年金勘定に繰り入れずに業務勘定に繰り入れようとしているのは筋違いではないか。これでは、厚生年金国庫負担の繰り延べ分は返済したことにはならないのではないか。」との質疑があり、これに対し、海部内閣総理大臣並びに関係各大臣より、「税収の見積もり違いについてはおわびをする。過去の税収動向から手がたく見積もったことのほか、円高、株高、土地高に原油安、金利安という三高二低の一時的な要因が税収増に寄与し、これらを見通すことが困難であった。今年度も経済活動の好調に支えられ、昨年末、政府経済見通しが上方修正されたことも影響しているが、今後は、情報の収集や推計方法の改善を行うなど適正な税収見積もりを行うべく努力したい。基金造成のための経費の計上は、内外の諸情勢の変化に対応するため、福祉、文化、農業等特に緊要となったものである。これらの施策を毎年度予算に計上するか、特定年度に基金をつくって行うかは、諸般の条件を勘案して適切に行うこととしたい。また、基金は、新たな特別会計や組織をつくるものではなく、既存組織を使用して創設するもので、行政改革に反するものとは考えていない。来年度に老人保健拠出金の加入者按分率が一〇〇%に移行するので、被用者保険の拠出金負担増の緩和措置が緊急に必要となったが、一兆五千億円の財源を業務勘定で運用し、その運用益を充てることとした。これで厚生年金国庫負担分の過去の繰り延べ分の返済見合い財源を確保したという意味合いで一歩前進である。厚生省の立場は、厚生保険特別会計に繰り入れられた返済見合い財源を年金財政の運営に支障を来さないよう早期に返済をしてほしいと考えている。」旨の答弁がありました。
 質疑は、このほか総選挙後の国内の政治経済の諸問題、消費税、リクルート問題、対米経済摩擦等、国際的な諸課題など広範多岐にわたって行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局したところ、矢田部委員から、日本社会党・護憲共同を代表して、平成元年度補正予算三案中、一般会計補正予算及び政府関係機関補正予算の修正案が提出されました。
 次いで、補正予算三案並びに修正案の討論に入りましたところ、日本社会党・護憲共同を代表して稲村委員が修正案に賛成、政府提出の補正予算三案に反対、自由民主党を代表して石原委員が修正案に反対、補正予算三案に賛成、公明党・国民会議を代表して白浜委員が修正案並びに補正予算三案にいずれも反対、日本共産党を代表して吉岡委員が修正案並びに補正予算三案にいずれも反対、連合参議院を代表して池田委員が修正案に賛成、補正予算三案に反対、民社党・スポーツ・国民連合を代表して井上委員が修正案並びに補正予算三案にいずれも反対の旨、それぞれ意見が述べられました。
 次いで、採決に入り、まず、日本社会党・護憲共同提出の修正案を採決いたしましたところ、賛成少数で否決されました。
 次に、政府提出の平成元年度補正予算三案を一括して採決いたしましたところ、いずれも賛成少数をもって否決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#11
○議長(土屋義彦君) 三案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。村沢牧君。
   〔村沢牧君登壇、拍手〕
#12
○村沢牧君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました補正予算案に対して反対の討論を行います。
 この補正予算案は、総選挙を前に提出されたものと全く同じ内容であり、今までになく大型になっており、自民党の総選挙目当ての事業費が大幅に盛り込まれていることは周知の事実であります。
 総選挙の結果、自民党が過半数を占めることになったことは、従来を上回る金権選挙、企業ぐるみの選挙が行われたこと、そして重要な選挙争点であった消費税について、自民党首脳が再見直しを公言したり、廃止や凍結を公約した自民党候補者もいたりして、消費税反対の逆風を詭弁によって巧みに逃げたことなどが指摘できますが、それと同時に、選挙目当ての本年度補正予算案、来年度の予算案が票集めのために寄与したことは明らかであります。
 衆議院では自民党が安定勢力を確保したといっても、参議院では与野党が逆転していることには変わりないのであります。衆議院と参議院とのいわゆるねじれ現象は、自民党にとっては不都合な事態かもしれませんが、二院制をとっている我が国憲法の原理からすれば、その目的にかなった極めて正常な歓迎すべき状態と言えるのであります。
 こうした国会の現状の中で、政府が真に対話と協調を重視しようとするのであれば、総選挙で多数を制するに至ったからといってそれにおごらず、消費税問題やゆがんだ予算編成について十二分に反省をし、予算案組み替えに対する我が党の主張を真剣に受けとめ、選挙前の予算案を抜本的に見直して提案すべきであったと言わなければなりません。
 ところが、我が党の主張に耳をかさないのみならず、自民党の党利党略によって補正予算案の審議を混乱、空転に陥れ、海部総理はこの間何らのリーダーシップも発揮し得ず、議会制民主主義を踏みにじったことは許しがたいことであります。補正予算案とその関連法案の一括処理を押しつけ、衆参両院の予算委員会で決定された審議日程を強引に中断させ、公務員給与の分割支給、災害復旧のおくれなどを来した政府・自民党の政治的社会的責任は極めて重大であります。
 また、海部総理は政治改革を唱えていますが、第二次海部内閣で総理を初め七人の閣僚がリクルート社から政治献金の提供を受けており、さらに本院予算委員会で我が党議員の追及によって新たに深谷郵政大臣がリクルート社から多額の政治献金を受けていることが判明いたしました。総理、クリーンな政治の看板はどこへ行ってしまったんですか。
 総理や自民党は総選挙によるみそぎ論や洗礼論で切り抜けようとしていますが、これこそ国民の声を踏みにじり、国民感情を逆なでするものであり、リクルート事件の政治的けじめがついたなどとまじめに考えている国民は一人もいないことを強く申し上げておきます。
 次に、補正予算案に反対する理由を具体的に申し上げます。
 まず第一に、政府は、近年、税収見積もりを当初予算編成時に意図的とも言われるほど低く見込んで、シーリングと称する予算編成を行いながら、補正予算で政府・自民党にとって都合のよい政策経費を大幅に織り込んだ政治的な予算を計上していることであります。
 特に、提案されている補正予算案は、税収の増加を財源にして、さきに指摘したように総選挙目当ての大型予算であります。その中身は、昨年の参議院選挙での自民党離れをターゲットにした人気取り事業や消費税隠しの手当て、また補正でなくて本予算に計上すべきものが数多く含まれており、こうした経費が今なぜ補正予算で緊急対策や特別対策として必要なのか。政府の説明では理解できないばかりか、一体どれだけ年度内に有効に使われるか極めて疑わしく、このようなこそくな手段とその経費を絶対に認めることはできません。
 反対理由の第二は、本補正予算案には財政法第二十九条に違反していると思われる経費が数多く含まれていることであります。
 財政法第二十九条は、「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出」と補正予算の編成要件を規定しているにもかかわらず、海部総理のお声がかりと言われる芸術文化振興基金などを初め多くの基金の設立が予定をされているほか、各種機関、特殊法人への出資金が多数計上され、しかもこれらの多くが、政府がその発行を極力抑制したいと主張している建設国債を増発してまで行うとしていることは、従来の方針と矛盾するばかりか、反行革的行為でもあります。また、予算案には、我が党が修正案で指摘をしたように、新年度当初予算で対処すべき政策経費が多く含まれています。
 このように本補正予算案の内容は、緊急性に欠け、財政法第二十九条の趣旨に違反するものが多くあり、まさに財政紊乱そのものであり、到底容認できるものではありません。
 反対理由の第三は、相変わらず大幅な税収の見込み違いを犯し、本補正予算案でも多額の自然増収を計上し、しかも国民の反対する消費税をそのまま存続させていることであります。
 税収等は、一昨年は五兆六千億円強、昨年度は五兆七千億円強も当初見積もりを決算が大きく上回っているのであります。さらに一昨年度、そして昨年度は当初の段階では予定をされなかった一兆八千億、二兆円程度の減税がそれぞれ行われているために、当初見積もりを上回る超過額は実質七兆数千億円にも上ることになります。本年度も補正予算案で三兆二千百七十億円の増額補正が行われており、さらに二兆円程度ふえるのではないかとさえ言われております。このように毎年の税収過小見積もりは意図的と言われても仕方のない事態であり、ずさんきわまりないと断ぜざるを得ません。
 また、本補正予算案において増額補正を行おうとする三兆円余は、消費税導入の当初見込み額に相当し、このような自然増収があれば消費税の導入は不要であったし、本院では昨年の第百十六国会で消費税廃止法案が可決をされており、この時点で消費税は凍結されるべきであったにもかかわらず、そのまま存続させていることは国民の意思をじゅうりんするものであります。我が党は、本特別国会で速やかに消費税を廃止することを強く求めるものであります。
 第四に、プルトニウム海上輸送に伴い、航空機購入と大型巡視船建造の国庫債務負担行為が追加されていますが、我が党がかねてから指摘をしているように、プルトニウムの海上輸送には大きな問題点があります。武装した航空機や巡視船を海外に派遣するようなことは絶対に反対であります。
 以上、補正予算案に対する反対の理由を述べましたが、予算は政府の顔であります。この予算案を通じて見る限り、海部内閣の顔は大きくゆがんでいます。
 すなわち、消費税を導入しながら当初では抑制型の予算を編成し、防衛費を突出させる反面、国民生活を圧迫し、政権に都合のよい経費を補正予算で措置をするという、財政法の精神及び財政の節度を踏みにじったゆがんだ予算を絶対承認できないことを重ねて強調し、本院議員各位の多数の御賛同をいただいて本補正予算案は否決されることを期待いたしまして、私の補正予算案に対する反対の討論を終わります。(拍手)
#13
○議長(土屋義彦君) これにて討論は終局をいたしました。
    ─────────────
#14
○議長(土屋義彦君) これより三案を一括して採決をいたします。
 三案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#15
○議長(土屋義彦君) 少数と認めます。
 よって、三案は否決されました。(拍手)
 ただいまの結果、平成元年度一般会計補正予算(第2号)外二案について、本院は衆議院から両院協議会を求められることになります。
     ─────・─────
#16
○議長(土屋義彦君) この際、日程に追加して、
 租税特別措置法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。橋本大蔵大臣。
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、租税特別措置について、当面の政策的要請に対応するとの観点から、土地対策、住宅対策、輸入促進策等早急に実施すべき措置を講ずるほか、租税特別措置の整理合理化等を行うものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、土地税制につきましては、超短期所有土地等に係る譲渡益重課制度等の適用期限を延長するほか、土地譲渡益重課制度の対象となる土地を事業用資産の買いかえ特例の適用対象資産から除外する等の措置を講ずることといたしております。
 第二に、住宅取得促進税制につきましては、国民の持ち家取得を一層促進する見地から、税額控除期間を六年間に拡充する等の措置を講ずるとともに、その適用期限を二年延長することといたしております。
 第三に、総合的な輸入促進策の一環として、製品輸入促進税制を創設することといたしております。
 第四に、企業関係の租税特別措置等につきましては、平成二年度におきましても、政策目的と政策効果との観点から、既存の租税特別措置の整理合理化を図る等必要な改正を行うことといたしております。
 その他、特別国際金融取引勘定に係る利子の非課税、中小企業の貸倒引当金の特例、住宅取得資金の贈与を受けた場合の贈与税額の計算の特例等適用期限の到来する特別措置について、その適用期限を延長する等の措置を講ずることといたしております。
 以上、租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
    ─────────────
#19
○議長(土屋義彦君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。前畑幸子君。
   〔前畑幸子君登壇、拍手〕
#20
○前畑幸子君 私は、日本社会党・護憲共同を代表しまして、ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に対し質問をいたします。
 まず最初に、橋本大蔵大臣の訪米について伺います。
 ブレイディ米財務長官との会談の主要テーマは、為替問題と日米構造協議の焦点である公共投資の拡大問題であったと報道されています。円安問題については、米通貨当局が市場介入に積極姿勢を示す期待は望み得ないと考えられるのですが、どのように評価されていますか。また、公共投資拡大の目標を最終報告で示すことにしたとの報道がありますが、GNP一〇%というアメリカの要求をどのようにクリアしようとしていられるか、お尋ねいたします。
 税制をめぐる昨今の状況を見るとき、税制に対する国民の関心が非常に高まっているというのが大きな特徴であると思われます。税制に関心が持たれるということは歓迎すべきことでありますし、民主主義の発展を意味するとも言えます。しかし、現状は、公約に反して政府・自民党によって強行実施されるに至った消費税という大型間接税の導入を契機としていることを考えますと、評価できる状況ではありません。
 こうした現状のもと、ここでもう一度税制を原点に立ち返って検討する必要があるのではないかと考えます。まず、税制がどうあるべきかを考えるときの基本視点、税負担を求めるに際して最も根本的な考え方についてお尋ねいたします。
 申すまでもなく、税負担というものは経済主体に求められるべきであります。我が国のように、利潤追求を目的とした企業が経済を動かす主体となり、重きをなしている社会では、当然そこに主たる税負担を追求していかなければならないと思います。経済活動に見合った税負担を求めることは、大企業いじめと非難されるのではなく、税制上の原則であります。総理の御見解を承ります。
 次に、行財政改革の美名のもと、自助努力や受益者負担が強調され続け、税制そして財政の基本的な機能である所得再分配機能がなし崩しにされてきております。
 政府税制調査会は、消費税の導入について、消費すなわち生活の規模に応じて負担を広く薄く求めることにより、従前の税制が抱えていたさまざまなゆがみやひずみを是正し、負担の公平を確保し、さらに本格的な高齢化社会の進展や経済社会の国際化に対応しようとするものであると大変誇らしげに説明しておられます。
 しかし、生活の規模に応じた税負担といっても、消費税が生活の規模に対応して累進的に負担を求める税でないことは明らかであり、消費に対して一律に広く薄く課税することが公平を確保することになるとは考えられません。税の所得再分配機能を弱めることが高齢化社会の進展や経済社会の国際化への対応につながるとはどうしても思われませんが、総理はどうお考えでしょうか。
 次に、租税特別措置法の趣旨、目的についてお伺いいたします。
 昭和六十一年の税制調査会の「税制の抜本的見直しについての答申」を拝見しました。それによりますと、「租税特別措置は、特定の政策目的を実現するため税負担の公平その他の税制の基本原則をある程度犠牲にして講じられているものである。」と定義されております。それならば、租税特別措置法の中に、政策目的を達したらできる限り早く廃止しますと、趣旨、目的を明らかにされたらいかがでしょう。
 租税特別措置法についてどのようにお考えか、趣旨規定をきちっとうたって国民の納得を得るおつもりはないか、お伺いします。
 また、その租税特別措置の目的による効果測定はどのようになっているでありましょうか。その減収額試算は毎年国会に提出されていますが、平成元年分で申し上げますと九千六百九十億円となっていますが、交際費課税の特例がプラスされておりますので、減収額自体は総計一兆八千億円になります。政策目的として税の公平を害してまで行っています以上、これの追跡調査を行って、見積もりだけをするのではなく、この決算額の実績をきちっと公表すべきだと思います。国民の理解を得た上で、政策目的のためにやむを得ないという国民の合意を得たならば、この政策効果を実績をもって示すことが大変必要なことと考えますが、大蔵大臣、お答えください。
 次に、議題となっています法案の内容について質問いたします。
 まず、土地・住宅税制について、その基本的あり方について伺います。
 地価高騰の全国への波及、それに伴って住宅取得難、そういうことから本法律案でも土地税制、住宅税制の改正が大きな項目として提案されております。しかし、その内容は基本的には従来の対策の継続であって、一見して有効な画期的な対策の印象を得ることはできません。後手後手に回っている対策ではなくて、問題を前向きに、今日の地価高騰の原因をいかに抑えるかにあるのではないでしょうか。
 政府は日米構造協議の中でもかなり踏み込んだ土地政策を明らかにする考えを持っていると報道されております。総理も施政方針演説の中で、地価の高騰は社会的公正感を揺るがせ、国民の住宅確保の夢を奪っている、土地基本法の成立を踏まえ、総合的な土地・住宅対策を強力に展開していく、土地税制は総合的に見直し、平成二年度中に成案を得ていくと述べられておりますが、これについての考え方、具体的な方針をお聞かせください。
 次に、相続税についてお伺いいたします。
 地価高騰によって庶民の生存権的財産であるわずかばかりの居住用財産に対する固定資産税が急増し、また、被相続人が苦労して取得したマイホームすらが相続税の急増によって相続人が継承できないという事態が起こっております。これは、現行税法が固定資産税、相続税等について画一的な課税のあり方を決めているためにあらわれているものです。応能負担原則からいえば、固定資産の所有の実態、相続の実態を類型化して、それぞれ各類型にふさわしい課税の仕組みを規定すべきだと考えます。
 毎年、相続税の路線価が発表されます。ことしも一月十九日、平成二年分の発表がありましたが、引き上げ率は前年対平均二八・七%と上がり、八〇%を超えているところもあります。数年前まではよほどの大金持ちでない限り相続税などという心配はありませんでした。昭和六十三年には相続税の課税最低限がやっと倍に上がりましたが、評価額のアップに追いつける数字ではありません。
 ところで、農地等の生前一括贈与については納税猶予というものが租税特別措置法の中にあります。高齢化社会対策をお考えになっているならば、一生をともにし、お互いの努力によって築いた居住用財産については、一方の死亡による相続をもう一方の配偶者の死亡まで納税猶予するという租税特別措置の法案の提言をしたいと思います。
 また、住宅取得促進税制の拡充は結構なことでございますが、持ち家世帯に配慮するだけで借家住まいの世帯に対する優遇措置を放置するならば、かえって格差の拡大を助長することになりはしないかと危惧いたします。持ち家志向が宅地の高値を手助けする結果になったという側面を十分考慮されて、家賃控除や住宅手当の非課税措置なども取り上げていただいてはいかがかと提案いたします。大臣のお考えをお聞かせください。
 次は、輸入促進税制についてお尋ねいたします。
 この税制は日米間を中心とした貿易摩擦の緩和を目的にしていると思われますが、この特別措置で果たして貿易摩擦を解消ないしは緩和できるとは到底考えられません。むしろ、また税制をゆがめるだけに終わるのではないかと心配をいたします。貿易摩擦は、税制を考慮するようなことではなく、経済社会のより根本的なところから起こっていることを考えていただきたいと思います。
 そこでお尋ねいたしますが、初年度六百五十億円、平年度八百七十億円の減税が見積もられておりますところの製品輸入促進税制によってどれほどの対象品の輸入がふえると考えられるのか、お聞きしたいと思います。減税額が出ているのですから、具体的数字で明らかにして説明をいただきたいと思います。
 最後に、企業関係の特別措置についてお尋ねいたします。
 昨年末の政府税制調査会の「平成二年度の税制改正に関する答申」でも、租税特別措置等の整理合理化が取り上げられているにもかかわらず、今回もまた企業関係の特別措置での廃止は四つにすぎません。そして、新たに輸入促進税制等が設けられることにより、八十二項目の特別措置が現存するわけでございます。どうしてもこれらの特別措置が必要不可欠であるというのであるならば、当然その効果のもたらすものの検討がされていると思いますので、その点を御説明いただきたいと思います。
 以上、本法案に関係する主要な点について質問いたしましたが、最後に政府の明快な御答弁を求めて、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(海部俊樹君) 前畑議員にお答えをいたします。
 税制の基本的なあり方につきましては、負担の公平、経済への中立性、制度の簡素さを挙げたところでありますが、いかなる税目も、長所を持つと同時に、反面問題点も有するものでありますから、単一の税目によっては税制に求められる各種の理念を十分に果たすことは困難な点もございます。したがって、所得、資産、消費に対する課税を適切に組み合わせ、全体としてバランスのとれた税体系とすることが肝要であると私は考えております。
 消費税は所得再分配の機能を弱めるのではないかと、こういう御指摘でありますが、税の所得再分配機能を一つの税目のみを取り上げて判断すべき問題ではないのではないか。所得税を含めた税制の全体、さらには社会保障制度など歳出面を含めた財政全体で判断すべき性格のものであると私は考えております。
 したがって、消費税の導入に当たりましては、他方で大幅な所得税減税や真に手を差し伸べるべき方々に対する各種の配慮もあわせ行ってきたところでございますので、消費税というものは、社会共通の費用を広く、薄く、公平に分かち合う仕組みを創設することにより、高齢化社会に備えた安定的な収入構造の構築を図るものであり、また国際的にも批判を受けてきた従来の個別的間接税制度を改めるものでもありますので、どうか全体をごらんいただいて、ぜひ御理解をいただきたいと思っております。
 土地基本法の問題につきましては、昨年末の土地基本法の制定を踏まえて、今後は、この法律に示された土地についての基本理念や土地対策の展開方法に基づきまして、需給両面にわたる各般の施策を推進してまいります。「今後の土地対策の重点実施方針」に従い、大都市地域における住宅宅地供給の促進や土地税制の総合的な見直しなどについて、特に重点的にその実施を図ってまいる考えでおります。
 また、去る二十三日に開催した土地対策関係閣僚会議において、監視区域等の的確な運用などの緊急対策と抜本的な対策の取りまとめを指示したところであります。
 住宅問題についてもお触れになりましたが、大都市において一般の勤労者が良質な住宅を確保できるよう、首都圏などでこの十年間に百万戸を目標に、具体的には広域的な住宅宅地供給方針の策定、低・未利用地の有効・高度利用の促進などの施策を総合的に推進してまいる考えでございます。
 家賃控除制度についてもお触れになりましたが、家賃は食費や被服費と同様、典型的な生計費であることから、家賃だけを取り出して特別の控除を設けることには基本的な問題があると考えますが、我が国の住環境の現状を踏まえた社会政策的な配慮から、借家住まいの方々のために消費税の見直し案では家賃を非課税とすることにもいたしておるところであります。
 また、住宅手当を非課税とすることにつきましては、いわゆる住宅手当は、扶養手当等と同様に、生活上の支出等を考慮して支給される給与そのものでありますので、税制上非課税とすることは適当ではないと考えております。
 残余の質問につきましては関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(橋本龍太郎君) 前畑議員にお答えを申し上げます。
 まず、去る二十三日、国会の御了承を得てロサンゼルスで行いましたブレイディ長官との会談につきまして、議員からは為替の問題と構造協議のうちの公共投資について重点が置かれたという御指摘でありましたが、事実問題として申し上げますと、欧州の情勢の大きな変化の中でこれに対する日米双方の対応、さらに欧州会議の問題等が一番時間的には多くかかったテーマでありました。そして、それに続くテーマが今御指摘になりました為替問題を含めました日本の証券市場、債券市場等に関連する問題でございます。
 そこで、その際、為替市場における協力を含めました経済政策協調につきまして両国間のコミットメントの再確認を行いました。この共同声明につきまして、今議員から御指摘がございましたけれども、実はアメリカ財務長官は、ここしばらくの間にG7各国の大蔵大臣と次々に会談を続けておられます。そして、それぞれの場合に、その内容には相当深刻な問題も含めておられたようでありますけれども、共同声明の発出という状態にはなりませんでした。今回共同声明が出されましたという事実をお考えいただきますときに、現在の為替相場につきまして日米ともに積極的に協調していく、また対処していくという姿勢が確認されたものと私は受けとめております。
 また、公共投資の問題についてお触れをいただいたわけでありますが、実は今申し上げました二つのテーマに非常に時間をとりまして、実際一時間会談を延ばす結果になりましたが、その中で構造協議の問題というものは、双方が原則を述べ合うという形で時間的にも終始をいたしました。特別に突っ込んで議論をしたという状況にはございません。
 ただ、よく数字的な目標が論議になるわけでありますが、毎年度の予算編成の進行過程あるいは進行管理というものを行ってしまうような数字が出ました場合には、インフレでありますとか景気過熱というものを回避するために弾力的かつ機動的な経済運営を行う点からいきますと、非常に問題を生じることでございます。しかし、日本自身、私どもの足元を眺めてみますと、社会資本整備の必要性というものは我が国自身の問題として十分今後努力をしていかなければならない問題でもございます。
 これらの問題につきましては、なお私ども精力的に両国間で話し合いをし、相互の立場を理解した上でよりよい結論が出るために努力をしてまいりたい、そのように考えております。
 次に、租税特別措置法につきまして何点かの御指摘をいただいたわけでありますが、租税特別措置は住宅・土地対策あるいは福祉対策、中小企業対策、エネルギー対策といった国民生活や企業活動に関連する各種の政策目的を達成するために講じられたものでありますから、個々の措置につきましては必要に応じて適用期間を定め、社会経済情勢の変化に即応して所要の見直しを行っているところであります。
 また、租税特別措置による減収額につきましては、従来から国会の御審議の参考に資するために、租税特別措置による減収額試算として、減収規模の概算をお示ししてまいりました。その試算に当たりましては、最新時点までの課税資料や関連統計などを幅広く活用して、一定の仮定は置いておりますが、できるだけ実態に即したものになるように努めてまいったところであります。
 租税特別措置によります減収額の実績値というお話でありましたが、従来から国税庁の会社標本調査結果報告などによりまして実績の判明いたしましたものにつきましては、法人企業の租税特別措置に関する調べとして国会に提出させていただいてきておるところでありまして、この考え方を今後もきちんと守ってまいります。
 また、総理が先ほど御答弁になりました土地税制につきまして多少補足をさせていただきたいと思います。
 私どもは、この四月にも税制調査会において小委員会を設けて本格的な土地税制についての御検討をいただこうと思っております。そのときに、私どもからその小委員会にお考えをいただきたい基本的な考え方の二点についてぜひ御理解を賜りたいと思うのであります。
 一点は、土地の価格高騰というもののために、国民の中に持てる者と持たざる者との不満というものが本当に拡大してしまいました。そして、その資産格差というものに着目しての課税の公平を求める声が大変強くなっております。一点はこの点に考慮をしていただかなければなりません。
 しかしもう一点は、そんな難しい話より、とにかく一生懸命まじめに働けば大都市でも住宅が、自分の家が持てるということにするためには、土地政策全体の中で税制はどういう役割を果たせばその希望がかなえられるのか、そういう視点からの御検討をぜひお願いいたしたいと考えております。
 平成二年度中にそのお答えをいただき、我々としてはその後の対応をしてまいりたいと思うところであります。
 また、居住資産につきまして先ほど御指摘がございました。特に、配偶者の生活の安定に一層の配慮の観点から御指摘をいただいたところでありますが、先般の税制改革におきまして、相続税におきましては、相続税収の約四〇%に当たる七千億円に上る大幅な減税を行ったわけであります。殊に、御指摘のように、配偶者の生活安定への一層の配慮の観点から、遺産額のうち配偶者の法定相続分までを非課税とすると同時に、最低保障額を八千万円に引き上げたほかに、近年の地価高騰に配意をし、小規模な居住用宅地につきましては通常の評価額から減額する割合を三〇%から五〇%へという引き上げも行い、居住の安定への配慮を行ってまいりました。
 私どもといたしましては、議員のせっかくの御指摘でありますけれども、相続税の課税上、十分配慮しているということを御理解いただきたいと思うのであります。
 また、企業関係の租税特別措置につきましての御指摘がございましたが、中小企業対策にいたしましても、技術の振興、エネルギーあるいは地球環境対策、地域振興策、住宅政策など、いずれも我が国にとって重要な政策課題であります。企業関係租税特別措置は、これらの政策目的を達成するための一つの手段として重要な役割を果たしております。
 なお、企業関係租税特別措置は、従来から社会経済情勢の変化に即応しながら不断の見直しを行ってまいりました。今後とも実情に即した見直しを続けてまいりたい、そのように考えております。(拍手)
   〔国務大臣武藤嘉文君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(武藤嘉文君) 私への質問は、製品輸入促進税制の実施によりましてどれだけ対象品の輸入がふえるかと、こういうことでございますが、製品輸入促進税制を含めまして、今般私どもは、機械類を中心といたしました工業製品の関税率の引き下げ、また輸入拡大予算の大幅な拡充など総合的な輸入拡大策を講じようといたしておりまして、これの具体的な効果につきましては、いろいろの経済情勢もございますし、また相手の輸出国側の輸出努力にも負うところが多いわけでございますが、いずれにいたしても相当の効果が上がるものと期待をいたしておるわけでございます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(土屋義彦君) 峯山昭範君。
   〔峯山昭範君登壇、拍手〕
#25
○峯山昭範君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となっております租税特別措置法の一部を改正する法律案並びに当面する税制の重要課題について、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 まず最初に、消費税についてお伺いします。
 昨年の税制国会において我が党を含む野党四会派が提案した消費税廃止関連九法が本院で可決された歴史的事実、そしてその審議途中でようやく明らかにされた自民党の消費税見直し案なるものは、逆に税制を複雑かつあいまいなものとし、中小零細企業の納税事務負担を増大させるものであり、逆進性を解消するにはほど遠いものであるだけでなく、税の国庫不納付分の解決には全く手がつけられていないなど、消費税の基本的、構造的な欠陥を取り除くには消費税を廃止する以外に道はないことが審議を重ねるに従って明らかにされたことはいまだ記憶に新しいところであります。
 消費税は今日の最大の政治課題であります。これは昨年の参議院選挙に引き続き、さきの衆議院選挙と相次ぎ二度の国政選挙の最大の争点となるということからも明らかであります。この消費税については政府から見直し案が提出されており、また近く野党も消費税廃止法案を提出する予定であります。衆参両院の選挙の争点になった重要議題について、国会は徹底審議を行わなければなりません。衆議院では自民党が多数を占め、参議院では逆転している現在の政治状況では、見直し案も廃止案も成立する可能性はないのであります。総理はこのような状況をどのように考えているのか、初めにお伺いしたい。
 今日の政治の混乱をもたらした原因は、大多数の国民が反対する消費税を強引に導入したことによるものであります。いわばボタンのかけ違いによるものであることは明らかであります。混乱を収拾するには、もはや消費税は廃止し、再改革を行う以外にないと考えるものであります。総理は消費税問題の解決にどう取り組んでいくのか、お伺いしたいのであります。
 また、政府の見直し案では、増減税差し引き平年度で八千五百二十億円の減収となることが明らかにされております。他方、消費税の税収は既存の間接税廃止等を差し引いたネットの一般会計分は二兆円足らずであり、これから見直しによる減収分を差し引くとわずか一兆円程度ということになります。この税収をもって迫りくる高齢化社会に対応できるのでしょうか。わずか一兆円の税収のために、年金生活者や母子家庭を初め一般家庭が何ゆえに負担の逆進性に苦しみ、日常生活の不便にあえぎ、税への不信感を高めなければならないのでしょうか。このような消費税をもって高齢化社会に対応しようとする限り、今後税率を現在の三%から二倍にも三倍にも引き上げざるを得ないのは明らかであります。
 二十一世紀を展望した税制改革を進めるためには、まず消費税を廃止し、高齢化社会での社会保障政策のビジョンを明確にした上で、国民の合意を得て税制の再改革を進める以外にないと思うのでありますが、総理、大蔵大臣、そして厚生大臣の所信をお尋ねしたいのであります。
 さて、租税特別措置は、言うまでもなく、税のあり方を定めたそれぞれの法律について税負担の公平という最も重要な側面を犠牲にしつつ、そのときどきの経済社会情勢に即応した政策を時宜適切に織り込むべき特例法であります。それだけに、制度のあり方については常時その政策効果を見きわめ、行き過ぎたものはないか、政策目的を終えてなお存在しているものはないかの見直しが必要であります。このため、毎年度その改正案が提案されているのでありますが、私は改正案提出のあり方に大きな疑問を持っております。
 それは、関税定率法等改正案などと同機に、いわゆる日切れ法案扱いとされ、何が何でも年度末までに成立させなければならないとの立場に追い込んで、国会での審議権を大きく制約していることであります。もちろん、国民生活関連あるいは中小企業関連の特別措置のうち、なお特例が引き続いて必要であるものについて、これが期限切れとなるため政策上の継続性を持たせる意味からも日切れ扱いとして処理しなければならないものがあることは十分に理解できます。しかし、このような種類のものでなく、税負担公平の見地から廃止すべきもの、あるいは大幅に整理縮小すべきものが数多く存在していることを我が党はかねてから主張してまいりました。
 ところが、このようなものまでも国民生活や中小企業経営に直接関係あるものとひっくるめて日切れ扱いとなり、十分な審議を行い得ないまま成立の運びとなるのが例年のパターンではありませんか。そして今回もまた同様であり、さらに補正予算の審議日程が自民党のいわゆる一括方式の提案によっておくれ、その結果、重要法案として位置づけられるべき本案の審議時間が大幅に割愛される状況に立ち至っております。まことに遺憾であります。このため、国家公務員給与の分割支給というかつて例を見ない事態を引き起こすとともに、日切れ法案の審議時間を圧縮させたのであります。
 公平の原則を犠牲にして定められている租税特別措置法改正に当たって、このような状況が許されるものかどうか、総理並びに大蔵大臣に納得のいく説明を求めたいのであります。
 そこで、私は、租税特別措置法改正に当たって、かかる時間的制約を回避するため、国会提出の時期を大幅に早めることを提案したいと思いますが、大蔵大臣の責任ある答弁を求めます。
 次いで、法案の内容にもかかわる土地・住宅政策についてお伺いします。
 国土庁は平成二年の地価公示価格を公表しました。それによると、大阪圏の住宅地にあっては対前年度比五六%という上昇率を示したのを初め、地価高騰の波が全国へ波及している実態が如実にあらわれています。今回の公示価格公表を受けて、地価監視区域の指定が後手に回らないようにするとともに、規制区域の指定、土地関連融資規制など指定と指導を強化したいと総理は述べたと伝えられておりますが、国土計画法の改正の用意も含め、総理の所信をお伺いしたい。
 今回の公示価格公表の結果から、来年評価がえを迎える固定資産税の負担増が国民生活に及ぼす影響が重大となることは明らかであります。固定資産税については、生活権を保障するために一定規模以下の居住用宅地等に対する減免措置をさらに充実すべきだと思いますが、総理のお考えをお伺いしたい。
 また、サラリーマンの住宅問題について政府は思い切った対策を講じるべきであります。政府・自民党は現在の所得控除で対応しているとか住宅政策が先であると言いますが、現実は、現在の諸控除、住宅供給ともに不十分であります。家賃控除制度の創設、住宅取得促進税制の大幅な拡充を図るべきであり、住宅税制を内需拡大策という面から考えるのではなくて、住宅ローン軽減という生活者の立場からとらえ直すべきであると考えますが、その所信をお伺いしたい。また、こうした措置を講じないとすれば、それにかわり得る具体的な施策を示していただきたい。
 最後に、日米構造協議への政府の姿勢と製品輸入促進税制についてお伺いします。
 日米構造協議は、もはや待ったなしで迫られる我が国の基本政策にかかわる問題であり、世界経済に与える影響も無視できません。これまで三回にわたる協議を通じて米国の要請は、日米間の貿易収支の不均衡縮小にあるのか、米国の主張してやまない日本の不公正取引慣行や市場の閉鎖性の改善にあると見ているのかの認識と、四月にまとめられるという中間報告にどのように対応しようとされるのか、お伺いしたい。
 また、今回の製品輸入促進税制の創設によって貿易収支に及ぼす影響をどのように見ているのか。さらに、最近内需拡大による輸入の増加、輸出余力の低下等による大幅な出超額の減少が続いております。また、産業界からは促進税制を創設しても、対象品目、数量に制限があることや、海外に買いたい製品がないなどの声があります。
 政府は、このような現状から、輸入促進税制の効果について具体的にどのように考えておられるのか、お伺いしたい。
 以上、本法案並びに関連する当面の重要課題について質問いたしました。関係大臣の明確な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(海部俊樹君) 峯山議員にお答えを申し上げます。
 総選挙中におきまして、私たちは消費税の問題を率直に国民の皆さんにお訴えをしてまいりました。選挙中の野党の御意見の中には、今回の選挙は消費税の存廃をかけた国民投票であるというものもあったわけであり、その意味では総選挙の結果は謙虚に受けとめさせていただいておるところであります。国民各位のさまざまな御指摘や世論の御意見を踏まえて、政府は消費税について見直すべき点は思い切って見直し、最善と信ずる消費税の見直し案を提出したところであります。
 野党の皆さんも選挙中には、間接税の必要性はお認めになった上で、個別間接税制度といった考え方も提言されたわけでありますので、その具体案も示されて、その上で国民の皆さんに長期的、全体的な利益を追求するという観点から議論を重ねていただきますことを心から期待する次第でございます。
 政府といたしましては、見直し法案が国会で十分審議が尽くされ、一日も早く成立しますことを心から期待させていただいております。
 先般の抜本的な税制改革は、来るべき高齢化社会を展望し、すべての人々が社会共通の費用を公平に分かち合うとともに、税負担が給与所得に偏ることなどによる国民の重税感、不公平感をなくすことを目指したものであります。私は、この改革によってもたらされる脱体系こそが安心して暮らせる福祉社会をつくる基礎となると確信をいたしておりますので、税制改革全体は正しい選択であったと考えております。
 おっしゃったように、それなれば、社会保障政策のビジョンを明確にした上で税制再改革を行うべきではないかとの御指摘でございましたが、今後の長寿社会対策の指針といたしましては、政府は、昭和六十一年六月に長寿社会対策大綱を閣議決定いたしておりますし、またさらに、具体的に今般高齢者保健福祉推進十カ年戦略を策定し、高齢者の保健福祉の分野で今世紀中に実現を図るべき十カ年の目標を掲げておるところでございます。
 なお、御指摘の消費税の税率を上げるかどうかという問題は、結局は将来そのときの財政需要と税負担について、将来の国民がそのときどきに与えられた条件のもとで選択される問題だと考えております。いずれにしましても、私の内閣としては税率の引き上げを行う考えは持っておりません。
 租税特別措置法の審議について、例年不十分ではないかという御指摘でございました。
 政府は、毎年度の予算編成に当たり、そのときどきの経済情勢や財政事情を踏まえて、歳入歳出全体を一体として展望しながら予算編成を行っておるところであります。こうした予算編成の結果必要な毎年度の税制改正については、国会における御審議が十分にいただけるように、その法律案を予算案提出後速やかに国会に提出しておるところでございます。十分な御審議の上、一日も早く成立することを期待させていただいております。
 ただ、国会の日程についてのいろいろな御指摘がございましたが、国会の日程は公党間の御議論によって決定されるのが議会政治にとって重要と考えておりましたので、政府としてはその状況を見守っておったところでございます。
 地価高騰に対しては、私はまず監視区域制度の的確な運用によって対処することが望ましいと考えております。監視区域への取り組みが後手に回ることのないよう関係地方公共団体を強力に指導する考えでありますが、しかしながら最近の一連の地価高騰の状態は異常であります。私は、監視区域制度の運用強化によってもなお地価の急激な上昇を抑制することが極めて困難な場合には、規制区域を指定することをも念頭に置いて対処していくこととしており、先般この趣旨を関係閣僚に申し述べたところであります。
 土地関連融資につきましては、かねてより通達を出し、特別ヒアリングの実施等を通じ、投機的土地取引に係る不適正な融資を排除すべく厳正に指導してきたところであります。この指導の趣旨は各金融機関に浸透しているものと認識をいたしますが、今後とも土地関連融資の適正化が図られますよう適切に対処をしていく考えでおります。
 なお、家賃控除制度の創設と住宅取得促進税制の拡充についてお触れになりましたが、住宅取得促進税制につきましては、平成二年度税制改正において控除期間を五年から六年にするなどの拡充措置を講ずることといたしておりますし、家賃控除の創設については、家賃は典型的な生計費であることから、家賃だけを取り出して特別の控除を設けることには基本的な問題があると考えております。
 なお、消費税の見直し案においては、借家住まいの方々のために家賃を非課税とすることとしておるところでありますし、また住宅費負担の軽減については、融資、税制の活用などにより賃貸住宅供給コストの低減にも努めてきており、今後ともこれらの施策の充実に努力をしていく考えでおります。
 次に、日米構造協議問題についてお触れになりましたが、これは、日米間にございます対外不均衡是正に向けての経済政策協調努力を補完するものとして、日米それぞれが抱える構造問題について話し合ってきておることは御承知のとおりでございます。本件協議が日米両国の構造調整の推進につながりますよう米側と十分に話し合い、相互努力をするとともに、我が国としては国民生活の質の向上及び消費者重視という観点からもできる限りの努力を行っているところであります。
 日米構造協議の進展は、我が国にとって最も重要な二国間関係である日米関係の維持発展にとって極めて重要であるばかりではなく、我が国の国民生活の質の向上にも役立つ意義のあるものと考えます。このため、現在、四月の中間評価及び夏の最終報告を控えて内閣の最重要課題として取り組んでおります。
 残余の質問につきましては関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(橋本龍太郎君) 峯山議員に対し、ただいま総理が御答弁をされました部分の補足を私の方からさせていただきます。
 今の総理の御答弁に私の方から補足をさせていただきたい一点は、租税特別措置法改正案の審議の時間的制約というものを回避するために国会提出の時期をできるだけ早くすることを考えろという御指摘でありました。これにつきましては、私どもも従来できるだけ早くこれを提出するように努力をしてまいりましたが、今後ともにその努力を続けてまいりたいと考えております。
 また、土地関連融資につきまして総理から御答弁がございましたが、その御答弁にありましたような努力をしてまいりましたにもかかわらず、最近の地価動向というものは全く容易ではない状況にあります。この地価抑制という視点から、金融面でこれまでの措置に加えてどのような措置がとり切れるのか、今鋭意検討を続けておるところでありまして、回答を得次第できるだけ早く対応したいものと考えております。
 また、住宅家賃の控除問題につきまして、基本的な部分を総理からお答えになりました。
 私は、議員が御指摘になるお気持ちというものも理解できないものではありません。しかし同時に、限界税率の高い高額所得者、あるいはより高額の家賃を払っておられる方がより大きな恩典を受けることになる反面、非納税者につきましてはその恩典が及ばないということを考えてみなければならないのではなかろうかと思います。また同時に、大都市圏の土地・住宅問題の観点から考えました場合に、仮に家賃控除制度を創設いたしますとかえって大都市圏への人口の集中を助長するのではないだろうかという懸念を私はどうしてもなかなか否定できません。こうしたことから、家賃控除の創設というものはやはりなかなか難しいのではないか、私はそのように感じております。
 消費税の見直し案におきまして、借家住まいの方々のために家賃を非課税にする制度をつくりましたのは、まさに従来から御指摘を受けておりますそうしたものも頭に置きながら考えたことであります。
 また、住居費負担の軽減という視点からは、融資、税制の活用などによりまして賃貸住宅の供給コストを低減させることにも努めておりまして、こうした点からの努力もしてまいりたい、そのように考えております。
 また、日米構造協議につきましては総理からお答えがございましたけれども、これに関連をいたしまして、輸入促進税制というものにつきましても御論議がございました。
 今、我が国の経常収支の黒字は縮小傾向にあるとは言いながら、なお高水準でございます。こうした状況は、我が国の経済運営、また世界経済の調和ある発展という観点から見て必ずしも望ましいものとは言えません。我が国としては、経常収支の黒字削減のためにも引き続き内需主導型の持続的な経済発展を遂げていく責任がありますし、構造調整、一層の輸入拡大にも努めてまいらなければなりませんが、その一環として、特に製品輸入の拡大に資するために製品輸入促進税制の創設に踏み切ったわけであります。この税制は、輸入を拡大した企業に対して税額控除等の恩典を与えるものでありますから、今後とも我が国の輸入拡大の潮流を定着させる上で役立ってくれるものと私どもは期待をいたしております。(拍手)
   〔国務大臣津島雄二君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(津島雄二君) 峯山議員の私に対する御質問は、税制の改革と関連して高齢化社会での社会保障政策のビジョンを明確にすることが肝要ではないかという点で所信を述べよということでございました。
 この点については、既に基本的な考え方を総理からお述べになりましたが、今後の高齢化社会対策につきましては、政府は、昭和六十一年六月に長寿社会対策大綱を閣議決定し、さらにそれを踏まえまして昭和六十三年十月に国会に提出したいわゆる福祉ビジョンにおいて、年金、医療、福祉等につき、さらに具体的に掘り下げたものをお示ししたところでございます。さらに今般、その展開といたしまして、高齢者の保健福祉の分野で今世紀中に実現を図るべき十カ年の目標を掲げ、これらの事業の強力な推進を図ることとするゴールドプラン、すなわち高齢者保健福祉推進十カ年戦略を策定いたしましたところでございます。
 今後、これらに基づき、各年度において着実に実施のための施策を積極的に講じてまいる所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣奥田敬和君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(奥田敬和君) お答えいたします。
 私に対する御質問は、明年評価がえを迎える固定資産税について、生活権保障の立場から、一定規模以下の居住用宅地の減免措置をさらに充実すべきではないかという御指摘でございました。
 議員御案内のように、居住用住宅に対する固定資産税の負担軽減につきましては、住宅政策の観点から、既に二百平米までの新築住宅について一定期間税額を軽減する特例措置を講じております。また、住宅用地については二百平米までは四分の三、それを超える部分についても二分の一を軽減する措置を既に講じているところであります。
 したがって、評価がえに当たりまして、先生御指摘のように、生活権重視の見地から一定規模以下の居住用宅地等に配意することは当然でありますが、これ以上の軽減措置については、負担の公平及び市町村財政への影響をも考え、慎重に検討してまいりたいと存じます。(拍手)
#30
○議長(土屋義彦君) これにて質疑は終了いたしました。
 これにて休憩いたします。
   午後六時二十四分休憩
     ─────・─────
   午後七時一分開議
#31
○議長(土屋義彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 先ほど、衆議院から、平成元年度一般会計補正予算(第2号)外二案について、国会法第八十五条第一項の規定により、両院協議会を求められました。
 これより、平成元年度一般会計補正予算(第2号)外二案に関する両院協議会の協議委員十名の選挙を行います。
#32
○菅野久光君 両院協議会協議委員の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
#33
○及川順郎君 私は、ただいまの菅野君の動議に賛成いたします。
#34
○議長(土屋義彦君) 菅野君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、平成元年度一般会計補正予算(第2号)外二案に関する両院協議会の協議委員に穐山篤君、菅野久光君、鈴木和美君、矢田部理君、安恒良一君、太田淳夫君、高木健太郎君、吉岡吉典君、池田治君及び足立良平君を指名いたします。
 これより直ちに両院協議委員の正副議長を選挙されることを望みます。
 これにて休憩いたします。
   午後七時三分休憩
     ─────・─────
   午後十時二分開議
#36
○議長(土屋義彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 平成元年度一般会計補正予算(第2号)外二件両院協議会参議院協議委員議長から報告書が提出されました。
 この際、報告を求めます。協議委員議長矢田部理君。
   〔矢田部理君登壇、拍手〕
#37
○矢田部理君 平成元年度一般会計補正予算(第2号)外二件両院協議会の経過及び結果について御報告申し上げます。
 本院協議委員は、先ほどの本会議におきまして議長より指名せられました後、直ちに協議委員議長及び副議長の互選を行い、その結果、協議委員議長に私、矢田部理が、副議長に太田淳夫君がそれぞれ選任されました。
 なお、衆議院側におきましては、野田毅君が協議委員議長に、近藤鉄雄君が副議長に選任されました。
 両院協議会の初会の議長はくじにより決することとなっておりますので、開会に先立ち抽せんを行いました結果、参議院側協議委員議長の私、矢田部が議長に当選いたしました。
 協議会におきましては、まず、衆議院側佐藤信二君から、本補正予算は災害復旧等事業費、国家公務員の給与改善費、地方交付税交付金、厚生保険特別会計への繰り入れなど特に緊要となった事項に措置を講じているもので、国民生活にとって極めて重要なものである等の理由で賛成、次に、本院側安恒良一君から、本補正予算三案には、財政法第二十九条の趣旨から見て必ずしも計上すべきか否か疑問とも言える経費があること、本補正予算には、税の過小見積もりに伴う税収増を歳出拡大に充て、本来税の取り過ぎは減税等に回すべきなのにこれがなされていないこと、三兆二千億円の税の自然増収がありながら公債発行額の縮減が十分に行われていないこと、消費税を撤廃ないし凍結して国民合意の税制改革を進めることは最重要課題であるのに、その配慮がなされていないことなどの理由によって反対と、それぞれ議決の趣旨の説明が行われました。
 次に、協議に移りましたところ、参議院側から、両院協議会として参議院側が指摘をした補正予算三案に反対する理由として掲げた諸事項を除去することによって、本補正予算が成立できるよう衆議院側に協力を要請する旨の意見が、また、衆議院側から、本補正予算は国民生活にとって極めて重要なものであり、原案どおり成立することが望ましい旨の意見がそれぞれ述べられましたが、結局、意見の一致を見るに至らず、成案が得られませんでした。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
     ─────・─────
#38
○議長(土屋義彦君) この際、日程に追加して、
 住宅金融公庫法の一部を政正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長対馬孝且君。
   〔対馬孝且君登壇、拍手〕
#40
○対馬孝且君 ただいま議題となりました住宅金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、住宅金融公庫の財政の健全化を図るため、公庫の昭和六十三年度までの特別損失を平成元年度において交付金の交付により一括して整理するとともに、平成二年度から平成六年度までの各年度の特別損失について平成十二年度までに交付金を交付して整理する措置を講じようとするものであります。
 委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#41
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#42
○議長(土屋義彦君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ─────・─────
#43
○議長(土屋義彦君) この際、日程に追加して、
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長渡辺四郎君。
   〔渡辺四郎君登壇、拍手〕
#45
○渡辺四郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、今回の補正予算により地方交付税が一兆五千九百五十九億円増加することに伴い、さきの給与改定費に加え、補正予算による地方負担の増加、地方債の縮減、地域振興基金の設置、財源対策債償還基金の積み立て等に要する額九千八百六十三億円を平成元年度分の地方交付税として地方公共団体に交付し、残余の額六千九十六億円を交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金の減額に充てることとし、このため、平成元年度分の地方交付税の総額について特例を設けることとするほか、地方債の縮減等に伴い必要となる財源を措置するため、単位費用の一部を改定するとともに、平成元年度の基準財政需要額の算定に用いる費目として地域振興基金費を設けること等を主な内容とするものであります。
 委員会におきましては、政府より趣旨説明を聴取した後、地域振興基金費の算定、交付税特別会計借入金返済の是非等の諸問題について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論の後、採決を行いましたところ、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#46
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#47
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ─────・─────
#48
○議長(土屋義彦君) この際、日程に追加して、
 厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長藤井孝男君。
   〔藤井孝男君登壇、拍手〕
#50
○藤井孝男君 ただいま議題となりました厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、平成元年度補正予算において、厚生保険特別会計に一般会計からの繰入金により、特別保健福祉事業資金を設置し、その運用益を老人保健制度の基盤安定化の措置に充てることができるようにするとともに、この資金を過去における厚生年金保険国庫負担繰り延べ措置についての将来の返済のために用いることができるよう、所要の法的措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、厚生年金保険へのいわゆる隠れ借金の返済と本法律案との関係、平成二年度に予定している特別保健福祉事業の内容、資金及び基金設置の基準とその概要等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して近藤忠孝委員より、本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#51
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#52
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ─────・─────
#53
○議長(土屋義彦君) この際、日程に追加して、
 農林漁業金融公庫法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長仲川幸男君。
   〔仲川幸男君登壇、拍手〕
#55
○仲川幸男君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 本法律案は、最近における農業をめぐる諸情勢の変化にかんがみ、農林漁業金融公庫の業務として、特定の農業部門における農業経営の規模の拡大とその効率化を総合的かつ計画的に推進するのに必要な資金及び農業の生産条件が不利な一定の地域の農林畜水産物の加工の増進等を図るのに必要な資金の貸し付けを加えるとともに、これに関連して、農林漁業信用基金が行う農業信用保険に付することができる資金の範囲を拡大する等所要の措置を講じようとするものであります。
 なお、衆議院におきまして施行期日を平成二年四月一日とする修正が行われております。
 委員会におきましては、新たに創設される資金の意義、中山間地域として地域指定を行う際の基準、農林漁業金融公庫の貸付対象者の範囲の拡大、農業信用保証保険制度の今後のあり方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑終局の後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し五項目にわたる附帯決議を行いました。
 以上、御報告いたします。(拍手)
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#56
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#57
○議長(土屋義彦君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後十時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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