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1990/06/07 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 本会議 第13号
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1990/06/07 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 本会議 第13号

#1
第118回国会 本会議 第13号
平成二年六月七日(木曜日)
   午後零時三十六分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十三号
  平成二年六月七日
   午後零時三十分開議
 第一 国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第二 天皇陛下御即位記念のための十万円の貨幣の発行に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第四 簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第五 簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第六 工業所有権に関する手続等の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第七 国民健康保険法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、平成二年度一般会計予算
 一、平成二年度特別会計予算
 一、平成二年度政府関係機関予算
 一、日程第一より第七まで
 一、平成二年度一般会計予算外二件両院協議会の協議委員の選挙
 一、平成二年度一般会計予算外二件両院協議会参議院協議委員議長報告
     ─────・─────
#3
○議長(土屋義彦君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 平成二年度一般会計予算
 平成二年度特別会計予算
 平成二年度政府関係機関予算
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長林田悠紀夫君。
   〔林田悠紀夫君登壇、拍手〕
#5
○林田悠紀夫君 ただいま議題となりました平成二年度予算三案の予算委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 平成二年度予算の内容につきましては、既に橋本大蔵大臣から財政演説において説明されておりますので、これを省略させていただきます。
 平成二年度予算三案は、二月二十八日国会に提出され、三月七日橋本大蔵大臣より趣旨説明を聴取し、衆議院からの送付を待って五月十一日から審議に入りました。自来、本日まで審査を行ってまいりましたが、この間、五月二十四日に公聴会を開き、また委嘱審査及び集中審議をそれぞれ二日間行うなど、終始慎重かつ熱心な審査を行ってまいりました。
 以下、質疑の主なもの若干につき、その要旨を御報告申し上げます。
 まず、海部内閣の政治姿勢につきまして、「リクルート事件の反省に立って政治改革を進めることが海部内閣の重要な課題であるが、具体的にどう取り組むのか。」との質疑に対し、海部内閣総理大臣から、「一昨年の一連の不祥事件を厳しく反省し、国民から不信を招いている政治と政治資金の関係について透明性を確保し、金のかかる選挙や政治を改めることが大切である。夏ごろには選挙制度審議会から答申が出るので、強い決意で政治改革に取り組んでいきたい。」との答弁がありました。
 外交、防衛問題につきまして、「ソ連、東欧諸国の民主化の動きや米ソ首脳会談における冷戦構造の終結など、国際情勢の劇的な変化並びにアジア情勢を政府はどう認識しているか。ソ連の我が国に対する軍事的脅威はなくなったのではないか。米ソの軍事費削減に対応して我が国の防衛力整備を拡大から縮減に方向転換すべきではないか。」などの質疑があり、これに対し、海部内閣総理大臣並びに関係各大臣から、「ヨーロッパの劇的な変化は、冷戦時代の発想を乗り越えて軍事レベルを必要な程度に下げていこうとするもので、こうした路線が変わらないことを願っている。ただ、この際、アジアにおいてはなお不透明、不安定な問題が現存していることを認識する必要があるが、韓ソ国交正常化の合意やカンボジア和平会議の開催など、アジアの平和と安定にとって好ましい状況も出始めており、こうした状況がさらに前進することを望んでいる。以前に比べ、ソ連の潜在的脅威は薄まりつつあるが、なお存在していると認識している。我が国の防衛力は、憲法で定められた専守防衛に徹する中で基盤的防衛力を整備しているもので、米ソの軍備管理交渉が成立した後においても防衛力整備の大綱に基づく整備を進めていきたい。」との答弁がありました。
 財政問題につきましては、「特例公債依存脱却達成後の財政運営の課題は何か。公共投資拡大要求など内外からの財政需要圧力が高まる一方で、財政の対応力を回復するという厳しい財政運営をどう進めていくつもりか。公共投資の配分比率を産業基盤重視から国民生活重視に転換すべきではないか。」などの質疑があり、これに対し、海部内閣総理大臣並びに関係大臣から、「平成二年度においてようやく特例公債脱却の第一目標を達成できた。しかし、財政は百六十四兆円の公債残高を抱えており、その累増の防止やいわゆる隠れ借金、国鉄長期債務処理の問題もあり、依然として厳しい状況にある。一方において、公債依存度を五%以下に引き下げ、特例公債の早期償還を求める財政審答申もあり、財政健全化に向けた課題が山積している。今後は建設公債の発行をできるだけ引き下げ、財政の対応力を回復する一方で、社会資本整備充実等の財政需要に対応しなければならない。公債の早期償還は、決算剰余金の全額、年度内財源に余裕が出た場合のほか、NTT株売却益の一部などで対応したい。公共投資の配分は大きな変化は見られないが、長い期間で見るとそれなりに時代の要請にのっとった配分が行われたものと思う。内外の諸情勢に十分配慮し、今後は一層国民生活重視に向けて豊かさを実感できる社会資本をふやすよう、公共事業十カ年計画策定に向けた調整を行っていきたい。」との答弁がありました。
 消費税問題について、「政府の消費税見直しは現行消費税に欠陥があることを認めたためではないか。消費税の納税事務負担軽減のため導入した免税点や簡易課税制度は、税の公平性、信頼性を損なっているが、なぜこれを見直し法案に入れなかったのか。この際、消費税を凍結して議論をすべきではないか。」との質疑があり、海部内閣総理大臣並びに橋本大蔵大臣から、「消費税は昨年四月から税制度の改革の一環として実施しているものであるが、実施後における食料品課税撤廃等の国民の声に十分耳を傾け、要望を受けとめて見直し法案を国会に提出しているのであって、欠陥があるから見直すというものではない。免税点や簡易課税については、帳簿方式のもとで可能な限りの公平性と事務負担の簡素化を図り、多少正確を欠く点は割り切って制度を組み立てているものである。間もなく導入後一年が経過するので、その結果を集計し、分析を行い、一定の結義を得たならばまた改正について論議をお願いすることになろうが、凍結して議論していく考えには賛成できない。」との答弁がありました。
 経済問題につきまして、「景気動向は、金利高、株価水準の下落などから設備投資が慎重になっており、十月ごろから転換点に差しかかるのではないか。東西ドイツの通貨統合により西ドイツにインフレが起きる危険性はないか。西ドイツが公定歩合を引き上げれば我が国もそれに追随することになるのではないか。最近の外国為替市場の円高転換の背景は何か。我が国の経常収支黒字幅の縮小は急激で、今後の資金援助等を考えると問題が残るのではないか。政府は黒字幅の適正水準をどこに置いているか。」との質疑があり、これに対し、関係各大臣並びに三重野日銀総裁より、景気の動向は、為替、債券、株式のトリプル安の影響を慎重に検討する必要はあるが、国際収支、物価及び生産の各部門のファンダメンタルズはしっかりしており、先行指標もこのところ持ち直すなど、基調的には大きな変化はない。先行き心配ないとは言わないが、まず大丈夫なのではないかと思っている。東西ドイツの通貨統合が一対一で行われることで西ドイツにインフレ懸念があることは事実であるが、西ドイツ通貨当局はそうした心配は生じないことに自信を持った発言をしている。いずれにせよ、我が国の金融政策は国際経済や景気、物価等を総合的に判断して自主的に運営する方針に変更はない。円レートについては、基本的には、先進国の中で最もバランスがとれた経済発展を続けている日本経済のもとで円安になる理由はない。しかし、投機資金はファンダメンタルズを離れて動くため、これが円安をもたらしてきた。最近、日米金利差の縮小などで円が見直されるとともに、行き過ぎた円安が修正に向かいつつあると見ている。経常収支の黒字幅は着実に減少傾向にあるが、なお巨額の貿易黒字を出している我が国は、日米構造協議においても、引き続き着実に輸入を拡大しながら我が国経済を内需中心に発展させていく責務を負っており、黒字縮小努力が必要である。経常収支黒字の好ましい水準は一概に言えないが、我が国が負っている国際的責務と国内の経済運営に支障が生じないよう、両者の調和のとれた水準をめどとして考えていくことに尽きるのではないか。」との答弁がありました。
 日米構造協議問題について、「さきの中間報告の内容は米国の厳しい要求に一方的に譲歩したものではないか。米国は日米合意の実施状況を監視する機関の設置を求めていると聞くが、どう対応するのか。大規模小売店舗法の運用改善は、通産省通達でなく法律に明文化すべきではないか。中小小売商に対する救援措置を考えているか。」との質疑があり、海部内閣総理大臣並びに武藤通商産業大臣から、「構造協議は日米双方がそれぞれの国の経済運営上の諸問題について率直に意見を交換し合う場で、押しつけられたとか一〇〇%満足できたとかいう性格のものではない。日米の努力の積み重ねによって相互の協調性を深めるとともに、日本としては、市場を開放し、内外価格差を是正することによって国民生活の質的向上に役立つことになる。監視機関の設置について具体的な話はないが、双方とも実行に責任を持ち、フォローアップすることは当然の方向だと思う。大店法の出店調整処理期間を一年半以内に短縮することとしているが、従来の通達などの運用でわかりにくい点は法律か政令に明記するという考え方で取り組んでいる。中小小売商に対してはより思い切ったいろいろの振興策を検討して、中小小売商の方々が努力さえすれば十分に経営が成り立つように考えていきたい。」との答弁がありました。
 最後に、社会保障問題について、「政府が福祉政策の目玉としている高齢者保健福祉推進十カ年戦略は既存施策の羅列ではないか。この戦略の実現はマンパワーの確保にかかっているが 求人難の折、目標達成は可能か。」との質疑があり、海部内閣総理大臣並びに津島厚生大臣から、「高齢者保健福祉十カ年戦略は、今年度から十年間に二十一世紀に超高齢化社会を迎えても不安のない体制をつくるために打ち出したもので、その内容は七つの柱から成っている。全体を貫く精神は、本格的な高齢化に備えて国民の意識改革を行うとともに、地域の創意工夫を国が育て上げて日本型福祉を定着させようとするもので、決して個別政策を羅列したものではない。ホームヘルパー十万人の確保は計画推進にとって一番難しいが、待遇の改善、勤務形態の工夫などのほか、介護士制度の拡充、社会福祉協議会への委託なども考えていかなければならないと思う。」との答弁がありました。
 質疑はこのほか広範多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局した後、委員長から、政治倫理確立に関する委員長見解を申し述べ、これに対し、深谷郵政大臣並びに海部内閣総理大臣からこれに対する発言がありました。
 次いで、討論に入りましたところ、日本社会党・護憲共同を代表して安恒委員が反対、自由民主党を代表して伊江委員が賛成、公明党・国民会議を代表して白浜委員が反対、日本共産党を代表して吉岡委員が反対、連合参議院を代表して池田委員が反対、民社党・スポーツ・国民連合を代表して足立委員が反対の旨、それぞれ意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、平成二年度予算三案は賛成少数をもっていずれも否決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(土屋義彦君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。平井卓志君。
   〔平井卓志君登壇、拍手〕
#7
○平井卓志君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました平成二年度一般会計予算外二件について賛成の討論を行うものであります。
 昨年七月、参議院選挙で与野党が逆転するという立党以来のどん底の中からスタートした海部内閣は、政治改革に命運をかけ、日米構造協議問題など各般の重要政策に真剣に、ひたむきに取り組んだことが国民的に期待、評価され、さきの衆議院総選挙では我が党が圧倒的な支持を受けました。そして、内閣及び党の支持率も就任以来日増しに上昇し、これまでにない高い評価を受けておりますことは欣快にたえないところであります。
 さて、国際情勢はまさに激変が続いております。ソ連のペレストロイカに端を発した改革の動きは、社会主義の独裁体制の崩壊とともに、ソ連、東欧において民主化に向けての著しい変化が生じております。東西ドイツの統一の進展を初めとして、米ソもかつての冷戦の発想を乗り越えて、対話と協調から軍縮の新しい世界秩序の構築を進めており、今やこれまでの世界の政治、軍事の枠組みが大きく変わりつつあります。こうしたときこそ、我が国は世界のために経済的役割のみならず、進んで政治的にも大いに貢献しなければなりません。
 一方、国内経済は引き続き絶好調でありまして、昭和六十一年十二月から始まった景気拡大は今月で四十三カ月続いております。我々は、こうした内需を中心としたインフレなき自律的拡大を今後とも確保し、国民一人一人が真に経済の豊かさを実感できるよう、国民生活の質的な向上に努めるべきであります。
 平成二年度予算は、こうした内外状況を十分踏まえ、二十一世紀を展望して編成したものでありまして、高く評価でき、賛意を表するものであります。
 以下、その賛成する理由を申し述べたいと存じます。
 まず、賛成する第一の理由は、懸案でありました特例公債依存からの脱却が図られたことであります。
 思えば、特例公債が導入されたのが昭和五十年度の補正予算でありますから、まさに十五年、この特例公債からの脱却は我が党及び歴代内閣の悲願でありました。確かに近年の好調な税収に支えられたという側面はありましょうが、これは我々の血のにじむような財政改革の努力のたまものでありまして、御同慶の至りであります。しかしながら、これらはあくまでも財政再建の第一歩でありまして、決して楽観は許されるものではありません。公債残高はこの二年度末には百六十四兆円にも達し、これから生じる国債費が歳出予算の二割を超え、依然として厳しい状況にあることに変わりはなく、引き続き財政改革に取り組まねばならないことは申すまでもないことであります。
 賛成する第二の理由は、限られた一般歳出予算の中で、国民生活に直結する政策の優先度に応じて予算を重点的に効率的に配分していることであります。
 まず、社会保障については、給付と負担の公平を図ることにより、高齢化社会においても長期的に安定的に機能するように、国民健康保険制度や老人保健制度の基盤安定化のための措置を講じておりますほか、すべての国民が安心して老後を送れるよう、十年間で総事業費六兆円に上る高齢者保健福祉推進十カ年戦略を策定しておりまして、国民に身近な福祉施設にきめ細かい配慮をいたしております。
 これら社会保障予算は一般会計中最大の伸び率六・六%を示し、総額十一兆六千百四十八億円と福祉優先の政策をとっておりますことは、二十一世紀に向かって活力ある福祉社会を形成するものとして適切な措置であります。
 次は、経済協力の問題であります。
 世界経済の一五%を占める我が国が国際社会で貢献することは、世界の中の日本としての使命であります。その観点から政府開発援助は外交施策の重要な柱であり、今回、世界最大の総額一兆四千億円の事業規模を決定したことは、世界の相互依存関係を深めつつ繁栄に寄与するものとして高く評価できるものであります。願わくは、経済協力は真に相手国に役立つものに使われることが肝要ですので、現地の実態を十分把握され、実施や評価体制の充実を図るとともに、単に資金のみならず、技術や経営のノーハウを支援して新しい経済援助の方策を確立していただきたい。
 その他、平成二年度予算には公共事業の充実を初め、中小企業、農林水産、文教及び科学技術などの重要部門に思い切った予算措置を講じており、評価できるものであります。
 賛成する第三の理由は、国民の声を謙虚に受けとめて消費税の見直しを行っていることであります。
 さきの衆議院総選挙において、野党の皆さんはたしか消費税の存廃を決する国民投票であると主張されたはずであります。投票の結果としてそこにあらわれた民意を一体どう見ているのでありましょうか。国民の意思ははっきりいたしました。しかるに、国民の審判を無視し、将来の我が国にとって必要な消費税をかたくなに拒否し、廃止を主張することは、消費税の存続を前提にその改善を求める国民の意思と期待を踏みにじるものと言わなければなりません。
 既に消費税は着実に定着しつつあります。我々は、消費税について国民各層からの指摘や意見を謙虚に受けとめ、真摯に検討して最善の見直し案を国会に提出しております。どうか野党の皆さんは、単に廃止一辺倒で突っ張るのでなく、総選挙にあらわれた民意に十分耳を傾け、現実を踏まえ建設的に対処していただきたい。我々は、消費税は豊かで活力にあふれた日本社会を築いていくために欠くことのできない税制と認識いたしており、その一層の定着を図る見地から、ぜひ見直しを行う必要があると考えるものであります。
 最後に、安全保障について申し上げます。
 マルタ会談における冷戦終結宣言に引き続き、さきの米ソ首脳会談において戦略核兵器削減条約の基本合意が決定したことは、軍縮による新しい国際平和の展開の第一歩として歓迎いたすものであります。問題は、第二次世界大戦以来最大の軍事的変化の時代を迎え、我が国としてこれをどう分析し対処していくのかということであります。私は、ヨーロッパとアジアとでは冷戦構造の状況にかなりの差があると認識し、我が国を取り巻くアジアの安全保障環境は依然として不確実であると見ております。例えば、我が国周辺での思い切った軍備削減は行われていないこと、極東ソ連軍が軍備の質的強化を図っていること、及びアジアでは南北朝鮮の対立やカンボジア問題を抱えている事実などを想起すれば、我が国周辺が果たして完全に緊張緩和したと言えるのか、極めて疑問のあるところであります。
 こうした不透明さを考えるならば、日本の平和と安全を確保していくには、引き続き我が国が日米安保を堅持し、中期防衛力整備計画に従って自衛のための必要最小限の防衛力を整備することは当然のことではないでしょうか。すなわち、治にいて乱を忘れずの精神が重要であります。しかし、我が国としても国際緊張緩和の流れを十分頭に入れ、少なくともアジア諸国が軍事大国日本の台頭に懸念を抱くことのないように、今後の防衛費のあり方については慎重に配慮願いたいのであります。
 以上、予算三案に賛成する主な理由を申し述べましたが、そのほか日米構造問題協議、土地問題、内外価格差など国民生活の観点から緊急を要する課題が山積いたしております。政府は、これらの解決に国民本位の立場から、どうか勇断を奮っていただきたいことを強く要望して、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#8
○議長(土屋義彦君) 矢田部理君。
   〔矢田部理君登壇、拍手〕
#9
○矢田部理君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となっております平成二年度総予算三案に対し、反対の討論を行います。
 昨年末のマルタ島での米ソ首脳会談は、戦後四十年の長さにわたって続いてきた東西の冷戦に終止符を打ち、本格的な緊張緩和と軍縮の時代を切り開きました。さらに、今年六月の再度の米ソ首脳会談は、戦略核の半減、海の核削減など大幅な核軍縮を現実のものにする歴史的な第一歩を踏み出しました。それはヨーロッパだけのものではなく、アジア・太平洋を含めた全地球的な規模のもので、まさに世界は新しい時代の幕あけを迎えております。しかるに政府は、世界の新しい潮流を積極的に理解しようとせず、旧態依然たるソ連脅威論から脱却できないまま、今なお軍事力の増大を目指しております。今や我が国は世界有数の軍事大国として、アジア諸国のみならず米国においてさえ日本脅威論が叫ばれ始めています。
 また、かつての侵略と植民地支配についての真摯な反省と謝罪こそが日本の平和外交の基礎となり、原点となるべきであります。しかし政府は、決して自発的に反省と謝罪を行おうとせず、常に近隣諸国や国民の強い批判と要求に押されて、やむを得ずこれを認めるという態度に終始してきました。それがまた、日本に対する不信の念を払拭できない理由ともなっているのであります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 また、国内に目を転ずれば、国民を欺き、議会制民主主義のルールを根底から否定した一昨年の消費税強行導入と、史上空前の汚染の広がりと規模を持つリクルート疑獄の噴出は、国民の間に深刻な政治不信を引き起こしました。昨年の参議院選挙の結果は、そのような政府・自民党に対する国民の厳しい審判でありました。にもかかわらず、政府・自民党は、消費税廃止という国民の声を無視し、財界の顔色をうかがうのに忙しく、海部総理の公約であった思い切った見直しすらも、ほとんど実効性の期待できないまやかしの修正にすぎません。しかも、これまでの政府の消費税をめぐる態度は、あわよくば見直し案と廃止案とを相打ちにし、このまま消費税を存続させようとするものであり、国民を愚弄するのも甚だしいと言わなければなりません。
 リクルート疑獄に関しても、政府・自民党は政治的、道義的責任を何一つ明らかにせず、真相究明にふたをし、さきの衆議院選挙でみそぎは終わったとする態度や、司直の手にゆだねればすべて終わりとする姿勢こそが我が国で政治腐敗が根絶できない最大の理由となっているのであります。
 深谷郵政大臣にまつわる疑惑についても同様であり、全く解明を行わず、逆にこれをかばう内閣の姿勢は厳しく糾弾されるべきであります。予算審議を終えるに当たり予算委員長が述べられた見解を厳しく受けとめ、その政治的、道義的責任をみずから明らかにすることを求めます。
 また、金権選挙や政治腐敗の根を断つ努力をせず、政治に金がかかるのは選挙制度のせいであるとして問題をすりかえ、小選挙区制導入をもくろむのは、本末転倒も甚だしく、党利党略以外の何物でもありません。
 一方、国内の景気は、金利の急上昇や株価の暴落に見舞われたものの、史上まれに見る長期の好況を続けておりますが、その裏では地価の暴騰による資産インフレのあらしが吹き荒れ、持てる者と持たざる者との資産格差は今や天と地ほども開いております。首都圏の住宅価格が平均的サラリーマンの年収の実に十倍を超えるという異常な状態は、全く改善の見通しが立っておりません。その原因は、政府の土地無策の上に金融機関の土地に対する過剰融資、大企業の土地投機の容認、そして無責任な民活路線による地価高騰への拍車などが重なったものであり、まさに政治災害とも言うべき事態であります。
 このように、国政の重要な諸課題に対する政府の態度と政策は、時代の要請に完全に背を向け、国民の暮らしと期待を全く裏切るものであることを明らかにした上で、以下、順次平成二年度予算に対する反対の理由を申し述べます。
 反対理由の第一は、国民がこぞって反対する消費税が本年度予算に組み込まれていることであります。
 一昨年、政府・自民党は、大型間接税は導入しないという公約を踏みにじり、議会制民主主義のルールを無視した強行採決を乱発して消費税の導入を行ったのであります。しかし、昨年の参議院選挙においては、国民は消費税は廃止すべきであるとの明確な意思表示を行いました。この国民の意思を尊重するなら、消費税は一たん廃止することが当然なのであります。
 にもかかわらず、政府が本院の意思をも無視してその消費税を予算に計上しているのは、政府のおごり以外の何物でもありません。政府がいかに逆進性は中和したと強弁しようと、消費税が一般大衆いじめの欠陥税制であるという本質はぬぐい去ることができません。世界でもまれに見る、食料品から人間の命にかかわる諸経費にまで課税するだけではなく、消費者の支払った税金がそのまま国庫に納められず、簡易課税制度、限界控除制度等を利用して業者が金もうけをすることができる仕組みまでがつくられているのであります。本来、税の仕組みを利用して不当利得ができるなどという税制は前代未聞であり、税に対する信頼を著しく失墜させるものであって、絶対にこれを認めるわけにはまいりません。
 このような消費税は、所得税の最高税率引き下げによる高額所得者の優遇やマル優廃止と相まって、取りやすいところから税を取るという弱い者いじめの税制の典型であります。それは、税の公正公平の原則である応能負担の原則を全く無視した哲学なき税制と言わざるを得ず、このような消費税を組み込んだ予算には強く反対するものであります。
 反対理由の第二は、国民生活関連予算が抑えられている一方で、防衛費の突出が相変わらず続けられていることであります。
 今、世界は本格的な緊張緩和と軍縮という歴史的な変化のただ中にあります。このときに日本が担うべき国際的な責務は、アジアにおける緊張緩和と軍縮の開始に率先して取り組むことであります。そのためには、米ソ等の軍事大国に一層の軍縮を促す地域的な軍縮のテーブルづくりに全力を挙げ、具体的な信頼醸成措置を積み上げて、みずからは世界第三位にも膨張した防衛費を削減、抑制することが何よりも必要なのであります。
 しかし政府は、依然としてソ連脅威論と対米軍事協力という冷戦構造の枠組みから一歩も出ない外交・防衛政策にしがみついております。我が国の国是である非核三原則を空洞化させ、核搭載の疑惑の強い米国の空母や艦船の寄港は事実上野放しであります。また、そのような核能力を持つ米国艦船との合同演習リムパックにも継続的に参加するなど、憲法と非核三原則に対する重大な逸脱行為が続いております。その一方で、今日強く求められている軍縮あるいはその第一歩としての信頼醸成措置については、具体的な行動はもとより、明確な方針すらも示しておらないのであります。
 こうして、防衛費に関しても、一九八三年度を一〇〇とした場合、今年度予算では実に一五五・六%、五六%も伸びることになります。これに対して社会保障関係費は一一七%、文教及び科学技術振興費に至ってはわずか六%しか伸びず、軍事優先、国民生活軽視の姿勢は明らかなのであります。
 また、総額十八兆四千億もの中期防衛力整備計画は今年度には満額達成されることになっており、さらに次期防へと飛躍的に拡大する意図を捨てておらないのであります。これでは、日本は世界平和に貢献するどころか、アジアにおける新たな軍事的脅威となる方向をたどっていると言わざるを得ないのであります。
 反対理由の第三は、政府の税収見積もりが極めてずさんに行われていることであります。
 政府は、この間の自然増収の発生を株価や地価の上昇という一時的、特殊的な要因と説明しておりますが、これは我が国の経済構造の本質的変化を見落とした重大な誤りであります。このため、税収の過小見積もりは八六年度二兆四千億、八七年度五兆六千億、八八年度五兆七千億という巨額なものとなり、これに八七年度、八八年度に行われたそれぞれ一兆八千億、一兆九千億の減税分を加えると、両年度は実に七兆四、五千億円という空前の税収の見込み違いを犯したことになるのであります。
 かつて竹下元首相は、蔵相時代に一%は誤差のうちとの見解を示しましたが、近年の誤差率は実に六、七%という高率を示しております。今年度もまた、景気そのものには大きな変化は見られず、再び相当の過小見積もりとなる可能性は極めて高いと言わざるを得ません。過小見積もりなら許されるという錯覚と誤った観念によって、政府は取り過ぎの税金を減税に回さず、また補正で厳しい概算要求編成方針のしり抜けを策するなど、どれだけ我が国の財政をゆがめてきたかを知るべきであって、このような予算を断じて認めるわけにはまいりません。
 反対理由の四番目は、政府の見通しをはるかに上回って国民負担率が急上昇していることであります。
 国、地方を合わせた租税負担に社会保障負担を加えた国民負担率は、一九七五年度の二五・八%から八〇年度三一・三%、八五年度三五・三%、そして今年度は四〇・四%となり、この十年間で実に九・一%という猛烈なスピードで上昇をいたしております。その結果、八八年に政府が示した二〇〇〇年の国民負担率見通しに十年も早く達してしまい、このままの上昇が続けば、十年後には五〇%を超えるおそれすらあるのであります。
 政府は、国民に対する増税なき財政再建の公約に従い、異常に上昇した国民負担率を是正するために思い切った減税を実施すべきであります。減税もせず、将来の福祉社会の明確なグランドデザインも示さず、なし崩しに実質的増税である負担率の引き上げを図ることは、国民に対する欺瞞であり、これまた容認できないものであります。
 反対理由の第五番目は、政府の予算書及び国会提出資料が全く審議する立場に立ってつくられていず、国民に対する情報の公開がほとんど前進していないことであります。
 そもそも予算とは、各項目ごとにそれぞれの単価と数量が基礎にあり、その積み上げの上に成り立っているものであります。にもかかわらず、予算書はおろか、各目明細を見ても、単価や数量が明示されている項目はほとんどありません。これらを明らかにしないまま六十六兆円余もの予算の是非を審議せよというのは、事実上の予算審議権の否定にほかならないのであります。
 例えば、世界最大の援助大国になったと言われるODA予算につきましても、その総額はわかっても、どの国のどの分野にどんな形で配分する方針なのかは何一つ明らかにされず、個別プロジェクトについては、事前はもちろん事後においても、相手国政府の立場や企業秘密を口実にほとんどがブラックボックスとなっているのであります。これでは、人道主義とか南北協力とかいう看板は空語に等しく、ODAが引き起こす環境の破壊や腐敗は防止することが極めて困難で、国民の理解と協力は前進するはずがありません。
 政府が行う行為、支出する予算は、原則としてすべて国民が知ることができ、その是非を具体的に吟味、批判することができて初めて民主主義は正しく機能し、国民は主権者たり得るのであります。これに照らせば、今日の政府の態度は、依然として知らしむべからず、よらしむべしという姿勢が強く、情報の公開という民主主義の基礎に対する認識の欠如は憂うべきものがあります。
 最後に、実に三十五年ぶりという暫定予算の補正という異常事態を余儀なくされました。これはかかって政府、海部内閣の責任にあることは明白でありまして、厳しく批判をしておきたいと考えます。
 また、以上のように重大な欠陥と問題を持つ本年度予算は、本院で否決されることは必至であります。これは、憲政史上初めてのことであり、事実上、海部内閣に対する本院の不信任決議に等しいものであります。政府はこの事態を深刻に受けとめ、本院の意思を正しく理解して今後の政局運営に対処されるよう強く求めて、私の反対討論を終わります。(拍手)
#10
○副議長(小山一平君) 太田淳夫君。
   〔太田淳夫君登壇、拍手〕
#11
○太田淳夫君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となっております平成二年度総予算三案に対し、反対の討論を行います。
 昨年八月に発足した海部内閣は、消費者を重視する政治を掲げていました。ところが、平成二年度予算案は、こうした姿勢が全く見られないばかりか、むしろ逆に消費者軽視と言わざるを得ない内容であります。
 国民に不満の強い消費税は、小手先の見直しによって存続させようとしております。
 地価の異常な高騰は、都市サラリーマンからマイホームの夢を打ち砕き、持てる者と持たざる者との資産格差をますます拡大させているにもかかわらず、政府は実効ある具体策を全く提示しておりません。また、諸外国に比べて著しく高い物価水準についても、その是正策は何ら見当たらないのであります。こうした一方で、世界的な軍縮に逆行し、防衛費の伸び率を本年度も突出させ、四兆円台に乗せてしまったのであります。
 我が国の当面する最大の課題は、世界一級の経済大国となりながら、国民生活は豊かさを感じることができないという矛盾をどう解決していくかにあります。総理が消費者重視の政治を唱えるならば、この問題に真正面から取り組まなければならないはずであります。私は、平成二年度予算案は生活者、消費者不在の予算と言わざるを得ないのであります。
 以下、反対する主な理由を申し述べます。
 反対の第一の理由は、本予算の歳入に消費税収入五兆三千二百億円が計上されていることであります。
 消費税につきましては、昨年十二月十一日、廃止法案が本院において可決されております。衆議院選挙において自民党が過半数を獲得したとはいうものの、消費税については厳しい批判が表明されたのであります。事実、総選挙後の世論調査においては、自民党の安定多数は消費税見直し支持と見るかとの問いに対して、そうは思わないという回答が過半数を超えているのであります。
 衆議院において、我が党を初め野党四党は消費税廃止関連四法案を提出し、来週からいよいよその審議が始まろうとしております。我々は、消費税廃止をあくまで求め、二十一世紀を展望した国民合意の税制改革を目指すものであります。
 反対の第二の理由は、本予算案の税収見積もりに疑義があることであります。
 すなわち、政府は、昭和六十一年度から六十三年度までの間に、年度途中の減税分をも含めれば当初予算に対しておよそ十六兆五千億円もの自然増収を生じさせ、平成元年度においても既に補正予算で三兆二千百七十億円の税収の増額補正がなされております。にもかかわらず、政府はこの四年連続の税収の見積もり違いへの反省もなく、租税及び印紙収入予算の説明を見る限り、十年一日のごとき手法で税収を見積もっております。しかも、その見積もりのベースとなる平成元年度補正の税収見積もりが、決算時においてはさらにそれを上回ることが予想されているのであります。本予算案における税収は明らかに過小見積もりであり、そして税収の過小見積もりは財政民主主義の原則に照らし極めて問題があると言わざるを得ないのであります。
 反対する第三の理由は、生活者重視の歳出予算となっていないことであります。
 政府は、我々の従来からの指摘を顧みず、生産、産業重視の予算を組み、公共投資については本年度においても固定的な事業費の配分を行ってきました。ところが、近時、日米構造協議でアメリカより生活者重視の公共投資の拡大を求められるや、政府はにわかに従来の手法を改める方針を打ち出しました。このように、外国から指摘されてようやく重い腰を上げる政府のあり方は問題であります。我々は、本予算案における住宅、下水道、都市公園等の生活関連部門での歳出予算の増額を求め、また今後策定される公共投資計画においても、生活関連部門を重視した計画とするよう政府に要求するものであります。
 反対する第四の理由は、本予算案においても防衛費が突出をしていることであります。
 本予算案の防衛費は、対GNP費こそ一%台を下回っておりますが、前年度比伸び率は六・一%という非常に高いものであります。今、世界の情勢に目を向けますれば、米ソ、韓ソ両首脳会談、カンボジア東京会議に見られますように、緊張緩和への努力がなされております。東欧の民主化等々、まさに東西の冷戦構造が大きく変化し、地球に住む人々の願いである軍縮が世界の潮流となっているのであります。現にストックホルム国際平和研究所の発表によれば、八九年の世界の軍事支出は二%減り、今年もソ連は軍事費を八・二%減らし、米政府も九七年度は実質二・六%減らす方針であります。
 防衛費の増額は、世界の潮流に逆行し、アジアの緊張を高めるばかりでなく、国民の防衛に対する理解を失うことになるのであります。我が党は、防衛費をまず平成元年度予算額で凍結し、デタント時代にふさわしい防衛構想と防衛のあり方を検討するよう強く要求するものであります。
 最後に、特に申し上げておきたいのであります。
 今回、元年度補正予算に始まり本予算まで計四予算案が本院で否決されることになります。このことは、政府予算案が全く国民を無視したものであり、まさに国民不在のものであることを端的に物語っております。政府はこのことを真剣に受けとめ、国民が真に豊かさを実感できる、国民生活本位の予算編成に取り組むことを強く要求して、私の反対討論を終わります。(拍手)
#12
○副議長(小山一平君) 諫山博君。
   〔諫山博君登壇、拍手〕
#13
○諫山博君 私は、日本共産党を代表して、平成二年度の予算三案に対して反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、本予算案が国民世論に逆らって消費税を定着させ、国民に一層の負担を押しつけるものだからであります。
 本年度の予算で政府がまずやらなければならなかったのは、消費税廃止を願う国民の声に耳を傾け、それを誠実に反映することでありました。消費税は本来、無条件に廃止すべきものです。しかるに政府は、ごまかしの見直し案を国会に上程し、それが本院で成立しないことを十分承知の上で押し切ろうとしています。このような政府のやり方は断じて容認できるものではありません。
 反対理由の第二は、世界の流れに反し、軍事費を異常に突出させていることであります。
 先日の米ソ首脳会談では、戦略兵器削減交渉で基本的な合意が成立し、年内調印の運びとなりました。合意の完全実施が七年後に先送りされるとか、完全実施されても巨大な核戦力が残るなど、幾つかの問題点はありますが、核兵器の一定の削減が実現できることは歓迎すべきことであります。唯一の被爆国日本の政府としては、今こそ核兵器の禁止、廃絶を緊急の課題として掲げ、その実現の先頭に立つべきであります。
 本予算案で軍事費の額は初めて四兆円を突破しました。しかも、それはP3C対潜哨戒機、F15戦闘機など正面装備の驚くべき強化を内容としています。しかも、アメリカ政府はわざわざ法律までつくって、我が国の軍事費とODAの合計額を三年間にNATO並み、すなわち現在の三倍に引き上げることを要求しています。前代未聞の内政干渉と言わなければなりません。ところが、海部内閣はこれにできるだけの努力を約束しているのであります。
 これらの根源に対米従属の日米安保条約があることを我が党は一貫して指摘してきました。これはソ連を仮想敵国とし、外部の侵略から日本を守ることを唯一の口実として結ばれた軍事同盟です。しかし、当のアメリカが対ソ接近政策をとって、ソ連の脅威は戦後最低だと言っています。政府が固執しているソ連脅威論の実体のなさはますます明らかになってきました。虚構の上に積み上げられた膨大な軍事予算を到底認めることはできないのであります。
 私は、軍事予算を二兆円以上削減し、その財源で福祉や教育の充実強化を図ることを要求します。新軍拡計画の策定作業は直ちに中止すべきです。安保条約上何の義務もない在日米軍への思いやり予算は全額削除すべきであります。
 反対理由の第三は、空前の大もうけをしている大企業には大盤振る舞い、国民には依然として生活破壊の予算を押しつけていることであります。
 今年三月期の大企業の決算は鉄鋼大手六社で経常利益約六千億円、前期に比べて九・四%増と、史上最高を記録しました。大手総合商社九社の売上額はおよそ三十兆円、これまでの最高を三二・一%も上回りました。ところが、これらの大企業には法人税の基本税率を四〇%から三七・五%に引き下げ、資本金十億円以上の大企業は合計一兆円の減税を受けることになっています。さらに、新設される製品輸入促進税制によって初年度だけで六百五十億円の減税を認めようとしています。
 反面、労働者は過労死という言葉に象徴されるように、耐えがたい長時間、超過密労働を強いられています。社会保障関係費は、当然増と国庫負担繰り入れ再開などの経費を除けば実質マイナスにされています。しかも、公約違反の消費税によって、国民は四人家族一世帯当たり年間十万円以上の新たな負担を余儀なくされているのであります。
 さらに、政府は金権政治に対する国民の怒りを逆手にとって、小選挙区比例代表制を導入しようとしています。これは、四割台の得票で八割の議席と言われるように、自民党一党独裁の政治の永続化をねらったものであります。選挙制度で基準としなければならないのは、国民の声がいかに正確に議席に反映されるかです。そのために必要なのは、既に国会決議にもなっている議員定数の速やかな是正であります。小選挙区制と一体のものとして提起されている政党法は、結社の自由を踏みにじり、国家権力による政党への介入を許すもので、反対党禁圧の危険さえはらんでいます。絶対に認めることはできません。
 最後に、私はリクルート疑惑の解明に関して一言申し上げます。
 予算委員会では、深谷郵政大臣に対して猛省を促すとともに、引き続き全容の解明と政治的、道義的な責任をとることを求める委員長見解が各党の合意のもとに示されました。海部内閣と深谷郵政大臣は、委員長見解を厳粛に受けとめ、我が党が要求していた証人喚問を初め資料の提出など、疑惑解明に積極的な姿勢を示し、政治的、道義的責任をとるべきであります。我が党は、今後とも引き続きこの問題を厳しく追求していくことを明らかにしておくものであります。
 以上、私は本予算案に強く反対の意思を表明して、討論を終わります。(拍手)
#14
○副議長(小山一平君) 粟森喬君。
   〔粟森喬君登壇、拍手〕
#15
○粟森喬君 私は、連合参議院を代表して、平成二年度予算三案に対して反対の討論を行います。
 私ども連合参議院は、今回初めて当初予算の審議に参加をいたしました。また、海部内閣にとっても初めての予算作成でもあります。その海部内閣の作成した元年度大型補正予算は、選挙向けとしかとれない、あるいは財政法上の疑義が多く指摘されています。その後も長期暫定予算、さらにその上に暫定予算の補正という極めて変則的なものばかりでございました。しかも、平成二年度予算は、総選挙前に出した原案とほとんど同じものを再提出したのであります。総選挙が民意の反映だとするならば、幾つかの修正を行うのが当然の道理であります。予算三案は生活福祉の充実を求める国民有権者の期待と信頼にこたえたものになっていないのであります。
 以下、次のとおり予算に反対する理由を申し上げます。
 まず第一の理由は、歳入、とりわけ消費税存続を前提にした税収のあり方の不可解さであります。
 平成元年度補正予算及び二年度暫定予算の提出に当たって、所得税税収の増額修正を行いました。私どもは決して消費税を認めるわけではありませんが、当時の竹下内閣は消費税強行導入に当たって、その見返りに大幅所得税減税を公約したのであります。ところが、平成元年度の源泉所得税の税収見込みをとっても、当初の見込みより一兆五千億円以上の増収になろうとしているのであります。源泉所得者などへの税率変更などによって減税はしたのですが、裏腹に総額で増税ということは納得できません。経済の好況という他動的な要素があったとしても、多くのサラリーマンにとって減税の実感がない大きな要因になっているのであります。
 所得税減税を公約したのですから、例えば源泉所得税の増収になった分はサラリーマン、勤労者へ何らかの形で戻し減税を実施すべきであります。ところが、予算審議を通じての政府の見解は、言を左右にして、国債発行残高が百六十四兆円に上ることと特例公債脱却を持ち出して、減税に対しては終始否定するだけでありました。国民多数のサラリーマン、勤労者は名目上の減税では納得しておりません。勤労者所得減税を強く求めるものであります。
 この際、国債発行残高についても言及をしておきます。
 本問題は、政府・自民党の長期にわたる財政運営の誤りと、自民党の支持基盤に対する租税特別措置の乱用によるものが大きな原因であります。本問題に対する反省と政治責任をあいまいにしたまま、平成二年度予算を成立させようとするやり方には到底承服できません。
 歳入に関連して、消費税について改めて意見を申し上げます。
 過ぐる総選挙で政府・与党は消費税見直し案が支持されたから自民党が勝利した、そのような主張をしていますが、決してそうではございません。初めに消費税ありきの自民党が争点隠しをしたからであって、消費税が認知されたという手前勝手な解釈を認めるわけにはいきません。予算編成に当たって、歳入の重要項目である消費税の取り扱いをあいまいにしたままの予算編成は、見直し案の既成事実化であり、到底容認できないことを改めて申し上げます。
 第二の反対の理由は、国民生活、福祉の充実が歳出面で極めて不十分なことであります。
 平成二年度予算では、老人福祉を柱とする在宅福祉への転換と充実が強調されています。在宅福祉政策の趣旨には賛成であります。ところが、予算での視点でとらえると、お年寄りを初めハンディ、障害を持った人々への経済的な負担をそれぞれの家庭と地方自治体に結果としてしわ寄せしようとしているとしか思えません。高齢化社会へ向けてより論議を深めるべきですが、政府の対応は、深めるのではなく、逃げの姿勢としか映りません。高齢者だけではなく、ハンディを持つすべての人々が地域社会で生きるための政策の確立と歳出は十分ではありません。このような福祉への政府予算編成に反対し、改めて反省を求めるものであります。
 第三の反対の理由は、防衛費予算であります。
 総理を初め海部内閣の皆さんは、世界の中の日本とか国際化時代とよく言われます。東西ベルリンの壁の崩壊や韓ソ国交樹立に象徴されるように、世界は軍縮と緊張緩和に向かっています。平成二年度予算の防衛費は、五年前の対ソ脅威、緊張を前提とした中期防衛計画に基づいたものであります。五年前と今日では国際情勢は大きく変化しているのであります。平成二年度防衛費はシーリング枠を突破し、四兆円を超えるものであり、到底認めることはできません。
 第四の反対の理由は、住宅政策を初め国民生活への配慮が不十分であることにあります。
 本予算審議を通じて、かなりの論議が住宅政策に集中しました。それにもかかわらず、本問題は資産格差、税制問題に一つの問題提起にはなりましたが、大都市を中心とするサラリーマンの住宅への夢や要望が、予算、政策のいずれからも具体化していません。これからの論議に一定程度期待する気持ちもありますが、基本は政府・自民党の土地政策の誤りにあることを念頭に置き、改めて問題提起する決意を申し上げておきます。
 そのほかに、日米構造協議によって生ずる消費者保護政策の欠落、整備新幹線、通勤地獄など公共交通政策への歳出の不十分さ、ODA関係予算に対する不明朗さも予算案に反対する理由であります。
 今度の予算審議を通じて、直接的、間接的に重要な問題が論議をされました。
 その一つは、深谷郵政大臣をめぐるリクルート疑惑についてであります。各党各会派からの疑問に対して何らの解明にもなっていません。知らない、わからないですべてを済まそうとする深谷郵政大臣を初め政府・自民党は、政治倫理とは何か、リクルート問題がもたらした本質とは何かについて全く理解をしていないと断ぜざるを得ません。政治家の倫理とは、特に金にかかわる疑惑はみずから進んで積極的に解明すること、解明できない場合は責任をとるのが筋であり、モラルだと思います。我々は裁判をやっているのではありません。疑惑をただし、倫理を求めているのであります。自民党のけじめとはいかにいいかげんであるか、本問題を通じて明らかになったと思います。
 最後に、この間の国会のあり方について意見を申し上げます。
 日本国憲法は二院制度を明文化しています。二院制度では、衆議院と参議院で与野党議席が異なることを想定しています。本予算三案の審議が議了すれば、いよいよ関連法案の審議が本格化します。私ども連合参議院は、予算に反対した趣旨と経過を大切にして、これまでの両院協議会のあり方を問い直し、法案審議を行う決意であります。参議院だけに議席を持つ会派として、その存在意義を明確にして対応する決意を申し上げます。
 以上、予算三案に反対する理由と今後の決意を申し上げて、反対討論を終わります。(拍手)
#16
○副議長(小山一平君) 寺崎昭久君。
   〔寺崎昭久君登壇、拍手〕
#17
○寺崎昭久君 私は、民社党・スポーツ・国民連合を代表し、ただいま議題となっております平成二年度予算三案に対し、反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、国民の生活向上や消費者の利益より供給者側の権益を優先させた従来からの硬直的、固定的な予算編成が踏襲され、今日的課題の解決にはほど遠い予算案となっていることであります。
 我が党は、夢と希望のある二十一世紀を切り開き、国民一人一人が自分らしいライフスタイルと生きがいを求めていけるような豊かな社会を創造するために、生活先進国型予算を編成するよう強く求めてまいりました。すなわち、インフレ防止と内需主導の実質五%経済成長の確保、住環境改善等の社会資本整備、資産格差の是正、文化・教育・スポーツ政策の充実と労働時間の短縮などに資する政策を講じるよう強く求めてまいりました。
   〔副議長退席、議長着席〕
 しかるに本予算案は、旧来の陋習や前例にこだわり、社会の変化や国民のニーズを無視した数字のつじつま合わせにとどまり、到底国民の期待にこたえ得るものになっておりません。とりわけ、歳出項目の中核をなす一般公共事業費の配分に至っては、政府・自民党の時代認識のずれと政策立案能力の問題点を端的に示しております。すなわち、この数年、各省庁間の配分の割合は一定で、全く変わっていないのであります。
 ところで、もし民間企業であって、部門ごとの営業費や設備投資額の比率を一定不変とする経営方針をとっている企業があるとしたら、それはどんな命運をたどるでありましょうか。経営者に進取の気性が乏しく、顧客のニーズに鈍感で、技術革新や開発を怠り、新しい事業の展開に意欲を示さず、ただ古い慣行やのれんだけにしがみついていたとすれば、その企業が危殆に瀕することは明白であります。これでは経営とは言えません。この民間企業ではあり得ないことが自民党政府内では当たり前のこととしてまかり通っていることを厳しく指摘しなければなりません。
 信なくとも立つという幻想と錯覚を持ち続け、国民の幸せより利権温存、利益誘導を優先させ、旧態依然とした予算案を編成している歴代自民党内閣に対し、強い憤りをあらわしたいわけであります。これでは、日米構造協議で社会資本整備の着実な推進を図るという我が国政府の対応も、全く説得力を持たないものになってしまいます。
 政府は総額四百兆円にも上る公共投資十カ年計画の策定に取り組んでおりますが、これまでのやり方を踏襲すれば国民の膏血をむだにしてしまうおそれさえあります。とりわけ、権限が各省庁にまたがる土地問題や内外価格差問題については、それぞれの省庁が省益に抵触しない範囲でほどほどに首を突っ込んでいるというのが実態であり、事態は一向に改善いたしておりません。
 総理大臣の指導性とは一定何なのでありましょうか。国家、国民の利益を守るため、また国際社会に向かって我が国の主張を貫くため、時には省庁のエゴを抑え、みずからの理想を強力に実現することも総理に課せられた重要な責務ではないでしょうか。この際、私は海部総理のリーダーシップに大いなる疑問を呈さざるを得ないのであります。
 反対の第二の理由は、行財政改革促進策がほとんど盛り込まれていない点であります。
 これまで政府・自民党が着手した行革の中で評価できるものといえば、電電公社、国鉄、専売公社の民営化くらいのものであります。しかも、海部内閣に至っては、近年の好景気を隠れみのにして行革から完全に手を引いてしまっているかのごときありさまであります。もはや自民党は行革の意欲を失ったと言わざるを得ないのであります。唯一我が国における行政改革を主張している民社党として、劇的な行政改革の断行を強く求めるものであります。
 まず、政府・自民党がつくり上げてきた物・金万能、官僚主導の経済社会構造を改め、小さな政府、民間主導、そして額の汗が正しく報われる公平、公正な社会を再構築すべきことを強調したいのであります。そのためには、まず各省庁の許認可権を徹底的に圧縮し、既に役割を終えたものを中心に補助金を抜本的に見直し、政官財癒着を根絶すべきであります。また、二重行政のもととなっている地方出先機関の非現業部門を廃止し、中央官庁の役割・機構を見直し、特殊法人を整理合理化することが何よりも求められております。
 行政に新風を吹き込むため、キャリア、ノンキャリア別、各省庁別採用を改め、公務員の共同採用方式を導入し、同時に省庁間異動を行い、もって適材適所の人事を行い、さらには民間からもどんどん有為な人材を登用すべきであります。
 また、地方に権限と財源を大幅に移譲し、国が地方行政に口出ししない体制をつくることを求められております。
 財政再建についても、平成元年度赤字国債脱却以降の明確な目標が定められておりません。隠れ借金を含めた国の債務の返済計画を早急に策定し、政府保有の株や土地などの売却益を優先的に国債返還に充てるべきであります。
 以上の視点に立った行財政改革五カ年計画を策定し、直ちに実行に移すことを海部内閣に強く要求するとともに、長期暫定予算を編成するなど与党の無為無策により予算案の審議日程が大幅におくれた問題を指摘し、私の反対討論を終わります。(拍手)
#18
○議長(土屋義彦君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#19
○議長(土屋義彦君) これより三案を一括して採決いたします。
 表決は記名投票をもって行います。三案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#20
○議長(土屋義彦君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#21
○議長(土屋義彦君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#22
○議長(土屋義彦君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百四十一票
  白色票            百十票
  青色票          百三十一票
 よって、三案は否決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百十名
      青木 幹雄君    井上 吉夫君
      井上 章平君    井上  孝君
      井上  裕君    伊江 朝雄君
      石井 一二君    石井 道子君
      石川  弘君    石原健太郎君
      石渡 清元君    板垣  正君
      岩崎 純三君    上杉 光弘君
      遠藤  要君    小野 清子君
      尾辻 秀久君    大河原太一郎君
      大木  浩君    大島 友治君
      大城 眞順君    大鷹 淑子君
      大塚清次郎君    大浜 方栄君
      岡田  広君    岡野  裕君
      岡部 三郎君    長田 裕二君
      加藤 武徳君    狩野 明男君
      鹿熊 安正君    梶原  清君
      片山虎之助君    鎌田 要人君
      川原新次郎君    木宮 和彦君
      北  修二君    久世 公堯君
      沓掛 哲男君    熊谷太三郎君
      倉田 寛之君    木暮 山人君
      後藤 正夫君    佐々木 満君
      斎藤栄三郎君    斎藤 十朗君
      斎藤 文夫君    坂野 重信君
      山東 昭子君    清水嘉与子君
      下稲葉耕吉君    下条進一郎君
      陣内 孝雄君    須藤良太郎君
      鈴木 省吾君    鈴木 貞敏君
      世耕 政隆君    関口 恵造君
      田沢 智治君    田代由紀男君
      田中 正巳君    田辺 哲夫君
      田村 秀昭君    高木 正明君
      高橋 清孝君    竹山  裕君
      谷川 寛三君    名尾 良孝君
      中曽根弘文君    中村 太郎君
      仲川 幸男君    永田 良雄君
      永野 茂門君    成瀬 守重君
      西田 吉宏君    野沢 太三君
      野村 五男君    長谷 川信君
      服部 安司君    初村滝一郎君
      鳩山威一郎君    林田悠紀夫君
      原 文兵衛君    平井 卓志君
      平野  清君    福田 宏一君
      藤井 孝男君    藤田 雄山君
      二木 秀夫君    前島英三郎君
      前田 勲男君    松浦  功君
      松浦 孝治君    宮崎 秀樹君
      宮澤  弘君    向山 一人君
      村上 正邦君    本村 和喜君
      守住 有信君    森山 眞弓君
      柳川 覺治君    山岡 賢次君
      山崎 竜男君    山本 富雄君
      吉川  博君    吉川 芳男君
      秋山  肇君    野末 陳平君
      星野 朋市君    沢田 一精君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      百三十一名
      会田 長栄君    青木 薪次君
      赤桐  操君    穐山  篤君
      一井 淳治君    糸久八重子君
      翫  正敏君    稲村 稔夫君
      岩本 久人君    上野 雄文君
      小川 仁一君    及川 一夫君
      大渕 絹子君    大森  昭君
      梶原 敬義君    粕谷 照美君
      菅野  壽君    喜岡  淳君
      北村 哲男君    久保  亘君
      久保田真苗君    日下部禧代子君
      國弘 正雄君    栗村 和夫君
      佐藤 三吾君    櫻井 規順君
      清水 澄子君    篠崎 年子君
      庄司  中君    菅野 久光君
      鈴木 和美君    瀬谷 英行君
      田渕 勲二君    竹村 泰子君
      谷畑  孝君    谷本  巍君
      種田  誠君    千葉 景子君
      対馬 孝且君    角田 義一君
      田  英夫君    堂本 暁子君
      西岡瑠璃子君    西野 康雄君
      野田  哲君    野別 隆俊君
      浜本 万三君    肥田美代子君
      深田  肇君    福間 知之君
      渕上 貞雄君    細谷 昭雄君
      堀  利和君    前畑 幸子君
      松前 達郎君    松本 英一君
      三上 隆雄君    三石 久江君
      村沢  牧君    村田 誠醇君
      本岡 昭次君    森  暢子君
      矢田部 理君    安恒 良一君
      安永 英雄君    山口 哲夫君
      山田 健一君    山本 正和君
      吉田 達男君    渡辺 四郎君
      猪熊 重二君    及川 順郎君
      太田 淳夫君    片上 公人君
      刈田 貞子君    黒柳  明君
      木庭健太郎君    白浜 一良君
      高木健太郎君    高桑 栄松君
      常松 克安君    鶴岡  洋君
      中川 嘉美君    中西 珠子君
      中野 鉄造君    針生 雄吉君
      広中和歌子君    三木 忠雄君
      峯山 昭範君    和田 教美君
      諫山  博君    市川 正一君
      上田耕一郎君    小笠原貞子君
      神谷信之助君    沓脱タケ子君
      近藤 忠孝君    高崎 裕子君
      立木  洋君    橋本  敦君
      林  紀子君    山中 郁子君
      吉岡 吉典君    吉川 春子君
      粟森  喬君    井上 哲夫君
      池田  治君    磯村  修君
      乾  晴美君    笹野 貞子君
      新坂 一雄君    高井 和伸君
      中村 鋭一君    古川太三郎君
      星川 保松君    山田耕三郎君
      足立 良平君    井上  計君
      勝木 健司君    小西 博行君
      三治 重信君    田渕 哲也君
      寺崎 昭久君    山田  勇君
      今泉 隆雄君    喜屋武眞榮君
      下村  泰君    西川  潔君
      宇都宮徳馬君    紀平 悌子君
      小山 一平君
     ―――――・―――――
#23
○議長(土屋義彦君) ただいまの結果、平成二年度一般会計予算外二乗について、本院は衆議院から両院協議会を求められることになります。
     ─────・─────
#24
○議長(土屋義彦君) 日程第一 国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会(の加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第二 天皇陛下御即位記念のための十万円の貨幣の発行に関する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長藤井孝男君。
   〔藤井孝男君登壇、拍手〕
#25
○藤井孝男君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案は、開発途上国に対する開発援助機関である国際金融公社及び国際開発協会への出資の額がそれぞれ増額されることとなるのに伴い、我が国が、国際金融公社に対して二千三百七十三万八千ドルの追加出資を、また、国際開発協会に対して約四千三百三十一億円の追加出資を行い得るよう所要の措置を講じようとするものであります。
 なお、この追加出資により、国際金融公社に対する我が国の出資シェアは第五位から第二位に引き上げられることとなります。
 次に、天皇陛下御即位記念のための十万円の貨幣の発行に関する法律案は、天皇陛下の御即位を記念して、特別に十万円の貨幣を発行できることとするとともに、本貨幣については、通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律の関係条文を適用し、その素材、量目、発行枚数等を政令で定める等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、IMF等国際機関への出資シェア上昇に伴う我が国の役割、援助対象国の実情に即した援助のあり方、金貨偽造事件の概要と捜査の状況、記念金貨を法定通貨とすることの適否等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して近藤忠孝委員より両法律案に対し反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、両法律案を順次採決の結果、いずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律等の一部改正案について附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#26
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 まず、国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#27
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 次に、天皇陛下御即位記念のための十万円の貨幣の発行に関する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#28
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ─────・─────
#29
○議長(土屋義彦君) 日程第三 簡易生命保険法の一部を改正する法律案
 日程第四 簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第五 簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長青木薪次君。
   〔青木薪次君登壇、拍手〕
#30
○青木薪次君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、簡易生命保険法の一部を改正する法律案は、加入者に対する保障内容の充実等を図るため、郵便年金制度を簡易生命保険制度に統合するとともに、保険金及び年金の保障を一体として提供する簡易生命保険の制度を創設する等の改正を行おうとするものであります。
 次に、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案は、加入者の利益を増進するため、簡易生命保険及び郵便年金特別会計の積立金をもって取得した債券を金融機関等に貸し付けることができるようにするものであります。
 次に、簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案は、簡易保険郵便年金福祉事業団の適切かつ能率的な業務の遂行に資するため、同事業団の委託によりその業務の一部を行う事業に同事業団が出資することができるようにするものであります。
 委員会におきましては、三法律案を一括して審査し、簡易生命保険と郵便年金の果たす役割、生涯保障保険の創設の意義、簡保と郵便年金の加入限度額の引き上げ、積立金の運用制度の改善、債券貸し付けの安全性、新型加入者ホームの入居基準等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案について、日本共産党を代表して山中委員より反対の旨の意見が述べられました。
 続いて、採決を行ったところ、簡易生命保険法の一部を改正する法律案については全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案については多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案については全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#31
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 まず、簡易生命保険法の一部を改正する法律案及び簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#32
○議長(土屋義彦君) 総員起立と認めます。
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。
 次に、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#33
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ─────・─────
#34
○議長(土屋義彦君) 日程第六 工業所有権に関する手続等の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長倉田寛之君。
   〔倉田寛之君登壇、拍手〕
#35
○倉田寛之君 ただいま議題となりました工業所有権に関する手続等の特例に関する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 最近、我が国におきましては、技術水準の飛躍的な向上等を背景に、工業所有権に関する出願件数が増大し、その出願の内容も高度化かつ複雑化してきており、そのために特許、実用新案の審査などに要する期間が長期化しております。
 本法律案は、こうした状況に対処し、いわゆるオンラインシステムの使用等により工業所有権に関する手続の円滑な処理及び情報の利用の促進を図るため、工業所有権関係四法の特例を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、従来の書面出願の取り扱い、電子出願に必要な機器の開発と普及、特許特別会計の収支状況、審査官等の増員及び待遇改善、ペーパーレスシステムとその安全対策、工業所有権をめぐる国際情勢等の諸問題について熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、書面による出願に要する費用の低減に努めること等八項目の附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#36
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#37
○議長(土屋義彦君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ─────・─────
#38
○議長(土屋義彦君) 日程第七 国民健康保険法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長浜本万三君。
   〔浜本万三君登壇、拍手〕
#39
○浜本万三君 ただいま議題となりました国民健康保険法の一部を改正する法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、国民健康保険制度が構造的に抱えている低所得者問題について、国、都道府県、市町村が協力して財政援助を行う仕組みを確立するとともに、国庫助成の強化等により、制度運営の安定化を図ることを目的とするものであります。
 その主な内容は、第一に、昭和六十三年度以降二年間の暫定措置として実施されてきた保険財政基盤安定制度を恒久化することとし、市町村は一般会計から低所得者に係る保険料軽減相当額を国民健康保険特別会計に繰り入れ、国はその二分の一、都道府県はその四分の一をそれぞれ負担すること。
 第二に、国は、保険財政基盤安定制度に係る負担とは別に、療養の給付等に要する費用の五〇%を負担すること。
 第三に、老人保健医療費拠出金に対する国庫負担を老人以外の被保険者に係る給付費に対する国庫負担率の水準に変更すること。
 第四に、高額医療費共同事業については、引き続き国及び都道府県の助成を行うこと等であります。
 委員会におきましては、医療保険制度の一元化、国民健康保険制度の財政安定化対策、国庫負担のあり方、高医療費市町村の医療費適正化、保険料負担の平準化等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党沓脱委員より本案に反対である旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#40
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#41
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 これにて休憩いたします。
   午後二時二十八分休憩
     ─────・─────
   午後三時二十一分開議
#42
○議長(土屋義彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 先ほど衆議院から、平成二年度一般会計予算外二案について、国会法第八十五条第一項の規定により、両院協議会を求められました。
 これより、平成二年度一般会計予算外二案に関する両院協議会の協議委員十名の選挙を行います。
#43
○菅野久光君 両院協議会協議委員の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
#44
○及川順郎君 私は、ただいまの菅野君の動議に賛成いたします。
#45
○議長(土屋義彦君) 菅野君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、平成二年度一般会計予算外二案に関する両院協議会の協議委員に穐山篤君、菅野久光君、鈴木和美君、矢田部理君、安恒良一君、太田淳夫君、白浜一良君、吉岡吉典君、池田治君及び足立良平君を指名いたします。
 これより直ちに両院協議委員の正副議長を選挙されることを望みます。
 両院協議会の結果の報告を待つため、暫時休憩いたします。
   午後三時二十三分休憩
     ─────・─────
   午後五時三十一分開議
#47
○議長(土屋義彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 平成二年度一般会計予算外二件両院協議会参議院協議委員議長から報告書が提出されました。
 この際、報告を求めます。協議委員議長矢田部理君。
  〔矢田部理君登壇、拍手〕
#48
○矢田部理君 平成二年度一般会計予算外二件両院協議会の経過及び結果について御報告申し上げます。
 本院協議委員は、先ほどの本会議におきまして議長より指名せられました後、直ちに協議委員議長及び副議長の互選を行い、その結果、協議委員議長に私、矢田部理が、副議長に太田淳夫君がそれぞれ選任されました。
 なお、衆議院側におきましては、越智伊平君が協議委員議長に、近藤鉄雄君が副議長に選任されました。
 両院協議会の初会の議長はくじにより決することとなっておりますので、開会に先立ち抽せんを行いました結果、参議院側協議委員議長の私、矢田部が議長に当選いたしました。
 協議会におきましては、まず、衆議院側佐藤信二君から、平成二年度予算三案は、現状において編成し得る最良、最善の予算であって、特例公債依存体質からの脱却という財政再建の第一目標を達成したこと、社会保障関係費の拡充を初めとして国民生活の充実等、時代の要請に的確に対応した予算となっていること、我が国が経済大国として国際社会で積極的に貢献する予算となっていること、消費税の見直しが行われていること等の理由で賛成、次に、本院側安恒良一君から、平成二年度予算三案には、国民が撤廃ないし凍結を求めている消費税は、一たん撤廃ないし凍結すべきであるにもかかわらず、これを歳入歳出に組み込んで予算を編成していること、最近における政府の税収の過小見積もりは異常であり、連年の異常見積もりをベースにした平成二年度の税収見込みは適正さに疑問があること、適正な国民負担率実行の構想がなく、公正な税制確立の手順が示されないこと、国際軍事情勢が対決から協調へ劇的に変化する一方で、豊かさを実感できる国民生活への対応が必要となっているとき、防衛費突出、国民生活軽視の予算となっていること、国会審議並びに議決の対象として政府が提出している予算書及び租税収入見込みの中身が国会審議にふさわしい内容となっていないこと等の理由によって反対と、それぞれ議決の趣旨の説明が行われました。
 次に、協議に移りましたところ、種々の意見の交換がありましたが、その詳細は両院協議会会議録をもって御承知願いたいと存じます。
 最後に、両院を代表して、参議院側から、両院協議会として、参議院側が指摘した予算三案に反対する理由として掲げた諸事項を除去することによって平成二年度予算が成立できるよう衆議院側に協力を要請する旨の意見が述べられました。また衆議院側から、平成二年度予算は、国民生活にとって不可欠な極めて重要なものばかりであり、原案どおり成立することが望ましい旨の意見が述べられました。結局、意見の一致を見るに至らず、成案が得られませんでした。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#49
○議長(土屋義彦君) 平成二年度一般会計予算外二案につきましては、両議院の意見が一致いたしませんので、憲法第六十条第二項の規定により、衆議院の議決が国会の議決となります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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