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1990/06/18 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 本会議 第16号
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1990/06/18 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 本会議 第16号

#1
第118回国会 本会議 第16号
平成二年六月十八日(月曜日)
   午後零時六分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十六号
  平成二年六月十八日
   正午開議
 第一 スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、老人福祉法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 一、臨時行政改革推進審議会設置法案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(土屋義彦君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 老人福祉法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。津島厚生大臣。
   〔国務大臣津島雄二君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(津島雄二君) ただいま議題となりました老人福祉法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 二十一世紀を十年後に控え、人口の高齢化が急速に進行する今日、国民が健康で生きがいを持ち安心して生涯を過ごせるような明るい活力のある長寿福祉社会をつくり上げていくことは、我が国の当面する最大の課題となっております。
 また、国民の生活水準の全般的な向上、核家族化及び都市化の進行に伴う家族及び地域社会の扶養機能の低下、生活の質や精神的な豊かさへの国民意識の志向等社会福祉を取り巻く環境は大きく変化しており、これに応じてきめ細かな福祉行政を展開することが求められてきております。
 こうした状況を踏まえ、高齢者、身体障害者等の福祉の一層の増進を図るため、在宅福祉サービスと施設福祉サービスとを地域の実情に応じて一元的かつ計画的に実施する体制づくりを進めることとし、この法律案を提出した次第であります。
 なお、この法律案により改正しようとする法律は、老人福祉法、身体障害者福祉法、精神薄弱者福祉法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、社会福祉事業法、老人保健法及び社会福祉・医療事業団法の八法律であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、特別養護老人ホーム等及び身体障害者更生援護施設への入所決定等の事務の町村への移譲であります。
 住民に最も身近な市町村において在宅福祉サービス及び施設福祉サービスが一元的に提供されるようにするため、老人及び身体障害者について、現在町村部において都道府県が老人福祉法または身体障害者福祉法に基づいて実施している施設への入所決定等の事務を町村に移譲することとしております。また、市町村は、要介護老人及び身体障害者がその心身の状況、環境等に応じて最も適切な処遇が受けられるよう、在宅福祉サービス及び施設福祉サービスの総合的な実施に努めることとするものであります。
 第二は、在宅福祉サービスの推進であります。
 市町村は、居宅を訪問し介護を行うホームヘルプ事業、日帰りの介護サービスを提供するデイサービス事業、特別養護老人ホーム等の施設に短期滞在を行うショートステイ事業等の在宅福祉サービスの積極的な推進に努めることとするものであります。
 第三は、老人保健福祉計画の策定であります。
 老人福祉法に基づく福祉の措置及び老人保健法に基づく機能訓練、訪問指導等について、市町村においてはその実施に関する計画を、都道府県においてはその実施に必要な体制の確保に関する計画を策定することとしております。
 第四は、地方公共団体の福祉の事務の再編であります。
 老人及び身体障害者に対する施設への入所決定等の事務を町村に移譲することに伴い、都道府県及び市町村の事務並びに福祉事務所の事務を再編するものであります。
 第五は、社会福祉事業の追加等であります。
 在宅福祉サービスの提供体制を整備するため、老人福祉法、身体障害者福祉法等に定める在宅福祉サービスを社会福祉事業に追加するとともに、精神薄弱者福祉ホーム、精神薄弱者通勤寮、視聴覚障害者情報提供施設を経営する事業等を社会福祉事業に位置づけるものであります。
 第六は、社会福祉協議会及び共同募金の活動の推進であります。
 地域における民間の福祉活動の推進を図るため、共同募金の配分規制の緩和等を行うとともに、市町村及び指定都市の区の社会福祉協議会は社会福祉を目的とする事業の企画及び実施に努めることとするものであります。
 第七は、社会福祉・医療事業団における基金の設置であります。
 高齢者、身体障害者の在宅福祉の充実と生きがい対策の推進等を図るため、社会福祉・医療事業団に基金を設け、民間の創意工夫を生かしたきめ細かな在宅福祉事業に対する支援を行うこととするものであります。
 以上のほか、身体障害者更生援護施設への入所決定等の事務の町村への移譲に伴う身体障害者更生相談所の市町村に対する技術的支援等の実施、精神薄弱者福祉行政における大都市特例の設定、有料老人ホームの設置について事前届け出とすること等の改正を行うこととしております。
 なお、この法律の施行期日は平成三年一月一日としておりますが、社会福祉・医療事業団に基金を設置する事項等は公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から、社会福祉協議会及び共同募金に関する事項等については平成三年四月一日から、特別養護老人ホーム等及び身体障害者更生援護施設への入所決定等の事務の町村への移譲、都道府県の福祉事務所等の事務の再編並びに老人保健福祉計画の策定に関する事項については平成五年四月一日から施行することとしております。
 以上が老人福祉法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(土屋義彦君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。日下部禧代子君。
   〔日下部禧代子君登壇、拍手〕
#7
○日下部禧代子君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました老人福祉法等の一部を改正する法律案につきまして御質問させていただきます。
 この改正案は、日本の在宅福祉の著しい立ちおくれと、寝たきりあるいは寝かせきりといった現象が先進国の中で日本独特のものであるという反省の上に立って提案されたものと受けとめております。
 私は、初めて日本の特別養護老人ホームを訪れたときの胸の詰まるような大きな衝撃をいまだに忘れることができません。昼間なのに寝巻き姿でベッドにじっと横たわっているお年寄りの群れ、それは見なれていたヨーロッパの老人ホームの光景とは余りにも違い過ぎていたからなのであります。寝たきりのままではお年寄りの体の機能は低下するばかりです。やがて、ぼけへとつながってまいります。日本よりはるかに高齢化が進んだ国々において、どうして寝たきり老人が見当たらないのでしょうか。イギリスの政府通達文書を調べているとき、次のような言葉を見つけて、その疑問を解くかぎの一つに出会ったような気がいたしました。老人ホームの責任者はホテルの支配人であるべきだというのです。
 このようなヨーロッパの状態と比べますと、日本の場合、サービスを提供する側の都合が余りにも優先され、したがって利用する立場の高齢者や障害者が数々の規則に拘束されるばかりではなく、惨めな思いに耐えているのが実情ではないのでしょうか。寝たきりゼロ作戦を成功へと導くためには、何よりもまず利用者の立場から福祉サービスのシステムをつくり変える、いわば利用者主権の視点が必要とされるのではないでしょうか。
 海部総理、総理はまだお若いし、また、老人ホームに入所なさるとか、その他の福祉サービスを利用なさることはよもやないとは存じますが、利用なさいました場合を仮定しながらお答えをいただきとうございます。
 ヨーロッパでは、住みなれた場所でできる限り自立した生活を続けたい、このような願いをかなえるためにこそ社会福祉が存在いたします。ところが日本では、その支えの役割を長い間、家族、とりわけ女性が果たしてまいりました。しかし、日本の家族の状況は今急激に変化しております。世帯規模の縮小、ひとり暮らしや老夫婦のみの世帯の増加によって、家族機能の脆弱化が確実に進んでおります。社会の支えがなければ、親子共倒れ、家族崩壊の危機は目に見えております。高齢者や障害者の自立を社会的に支えることによって、初めて家族の一員として、あるいは地域社会の構成員として尊重され、個性的な生活を築くことができるようになると思うのです。それが真の福祉社会への道ではないのでしょうか。
 財政主導の行政改革が旗印とする自立自助の発想を今転換しない限り、かえって社会的経費がかさみ、社会の活力を失わせることになるのではないでしょうか。自立のためには社会保障が不可欠だとお考えになるのかどうか、総理の御見解をお伺いしたいと存じます。
 次に、福祉財政のあり方についてお尋ねいたします。
 御承知のとおり、日本の社会保障は給付の九割近くを医療と年金が占めており、また社会保障予算に占める社会福祉関係費はわずか二割にすぎません。これは諸外国と比べ、介護など福祉サービスの費用が極端に少ないためでございます。
 そこで大蔵大臣、この改正案は、社会保障給付費及び厚生省予算のいずれの面でも、福祉サービスを医療、年金と並ぶ三本目の柱として拡充していく第一歩と理解してよろしいのかどうか、まずお尋ねいたします。
 さらに、いわゆる施設福祉と在宅福祉のコストをどのように比較しておられるかということも重要な問題だと思うのです。日本のように、施設もまだ十分でないばかりか、住宅、生活環境、その他の関連制度やサービスが極めて貧弱な現状では、在宅福祉を実施してもその機能は空回りすることにもなりかねません。したがって、日本の現状では各種社会資本の整備と連動して在宅福祉を確立することが必要となります。このため、在宅福祉の整備に当たっては、むしろ施設福祉よりよほど高くつくことを覚悟なさった上で、大胆な社会資源の投入を決断なさるべきではないでしょうか。
 ところで、この改正案が市町村から見て大きな財政上の問題を抱えていることは明らかであります。つまり、積極的に福祉サービスを推進する自治体ほど超過負担が大きくなるという矛盾をどう断ち切るのか、大蔵大臣と自治大臣に明らかにしていただかねばなりません。
 また、市町村に対して責任と権限を移譲する方向を徹底させるからには、この際、自治体の自主財源を確保できるような行財政システムを新たに構築すべきではないでしょうか。この点もあわせて両大臣にお答えいただきたいのでございます。
 この改正案の趣旨が生かされ、在宅福祉サービスが効果を上げるためにはさまざまな条件が満たされなければなりません。その条件を集約して、私は次の三つの原則を御提案したいと思うのです。
 その第一は、利用者の生活を全体的にとらえたサービスであること、いわばトータルな全人性であります。第二は、多様なサービスを利用者の生活の場において結合させること、いわば連携性であります。第三は、社会システム全体を高齢者や障害者に適応させること、いわば普遍性であります。
 このような観点から、厚生大臣にまずお伺いしたいのは、福祉と医療との連携、在宅福祉と施設福祉との連携など、包括的、有機的なネットワークをどのようにおつくりになるのでしょうか。また、その必要性が叫ばれてから既に久しいにもかかわらず、いまだその実現を見ていないのは一体どこに原因があるとお考えでいらっしゃいますか。
 なお、在宅者の医療を担うかかりつけの医師及び訪問着護婦を確保し、在宅福祉との連携を図るための政府方針も、これとあわせて御説明いただきたいと思います。
 そもそも、目標数字を並べただけの十カ年戦略がわかりにくいのは、以上のような立体的な関係が不明確であり、声はすれども姿は見えずという印象が強いからだと思います。厚生大臣、十カ年戦略の目標が達成されますと、介護が必要な在宅のお年寄りや障害者にとって、日常利用できるサービスの質と量が一体どう変わるのでございましょうか。例えば、大臣はホームヘルパーの訪問回数が現在の週に一ないし二回から四ないし六回にふえるとおっしゃっていますが、それはどのような前提と根拠で推計なさったのでございましょうか。
 この改正案は、以上で私が指摘いたしましたように、幾つかの重要な前提条件が満たされる必要があり、もしそれが充足されるならば、ノーマライゼーション及び自治と分権への確実な第一歩になるという画期性を持っていると思うのです。このように、いわば未知への船出を意味する法案であるからこそ、例えば五年後に十カ年戦略の実施状況を評価するとともに、再改正を含めた見直しの必要があるのではないでしょうか。基本的な問題でございますので、総理に御答弁いただきたいと存じます。
 さて、ついにベルリンの壁が崩されました。このことが象徴するように、世界史のうねりは、どんな政治形態をもってしても人間としての自発性や主体性を押しつぶすことができないという明らかな証拠に満ちあふれています。また、いよいよ二年後にはEC統合によって加盟国の間の国境もなくなってしまいます。このように、世界は人と人、国と国との間を分け隔てる壁をなくそうという時代を迎えているのでございます。
 今、日本は世界一の経済的な繁栄を謳歌していると言われています。しかしながら、これまでの日本の政治や社会のあり方が人と人との関係をゆがめ、ハンディキャップを持つ人々の生活を孤立させてきたということも紛れもない事実であります。社会全体のシステムを優しさとゆとりの方向へ改革する必要を強く訴え、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(海部俊樹君) 日下部議員にお答えをいたします。
 福祉サービスの展開について、利用者の立場から福祉サービスのシステムをという視点を基本に据えよと、こういう御提案でありますけれども、私は、そのような国民の期待にこたえて、全国どの地域でもだれもが気軽に福祉サービスを利用できる体制を築くことが必要であると認識いたしており、今回の法改正もこのような観点に立って行おうとしておるものでございます。
 また、今日の社会保障施策は、かつての救貧という考え方から国民のさまざまな自立自助努力に対する支援とサービスの提供へと転換してきているところでありまして、したがって両者は、お尋ねでありますが、私は、二者択一の関係ではなく、自立自助にとって社会保障が不可欠であると同時に、社会保障の健全な発展のためにも自立自助の原則が欠かせないというように、相互に補完し合って個人の尊厳と国民生活の安定に寄与するものと考えているところでございます。
 最後に、十カ年戦略及び関連法の五年後の見直しについてお触れになりましたが、十カ年戦略の見直しにつきましてはまず目標の達成に最大限の努力を払うつもりでありますが、今回の改正法案そのものにおいては、在宅福祉サービスの位置づけについて、平成五年度以降に供給体制の確保の状況などを総合的に勘案し、改めて検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずることとしておるところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
 残余の御質問については関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
   〔国務大臣津島雄二君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(津島雄二君) 日下部議員の私に対する御質問は四点ございました。簡明にお答え申し上げます。
 第一点は、福祉と保健・医療、在宅福祉と施設福祉との連携についてのお問い合わせでございました。
 福祉と保健及び医療あるいは在宅福祉及び施設福祉との連携につきましては、組織間や職種間の連携や施設を拠点とする在宅サービスの実施など、具体的な実践を通じて実現できるものと考えております。そのような条件が整備できる段階に至った今日、在宅福祉、施設福祉を通ずる市町村の一元的な実施体制を確立するとともに、老人保健福祉計画を策定することとしたものでございます。
 第二点は、在宅患者の医療を担う医師、看護婦の確保についての御質問でございました。
 在宅医療の推進にはこれを担うマンパワーの確保が重要でございます。このため、在宅医療ほ必要な資質を備えた医師、看護婦の養成確保に努めているところでございますが、引き続き必要なマンパワーの確保に取り組み、福祉との連携を図りながら在宅医療の推進に努力してまいりたいと思います。
 第三点は、十カ年戦略の目標が達成されると在宅の要介護者がどういうふうに変わっていくかという御質問でございました。
 十カ年戦略達成後の状況につきましては、ホームヘルパー、デイサービス、ショートステイ、訪問指導などを適切に組み合わせて総合的に提供することにより、高齢者が介護を要する状態になっても安心して、できる限り自立した生活を送れるような条件が整うものと考えております。
 第四点は、例えばホームヘルパーの訪問回数が週に四―六回になると言うが、その算定根拠いかんという点でございます。
 ホームヘルパーの訪問回数につきましては、昭和六十年時点における寝たきり老人などの人数を前提といたしまして、平成十二年における必要数を推計し、これにより算定したものでございます。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私へのお尋ねは四点であります。
 まず第一点は、年金、医療と並んで福祉サービスを三本目の柱として拡充するのかというお尋ねであります。
 私は、従来からも本院における御質問等に対し、社会保障の中で医療保障、所得保障、そして公共福祉サービスはそれぞれの分野における柱であるということを申し上げてまいりました。今後におきましても、年金や医療保険などの制度を将来とも揺るぎなく安定させていく努力とともに、公共福祉サービスについてのきめ細かい充足を図ってまいりたいと考えております。
 また、第二点目に、在宅福祉サービスは施設福祉より安上がりだから推進するのか、それより高くつくことを覚悟で取り組むのかというお尋ねがございました。
 本年五月十四日の参議院予算委員会におきまして私は、
 在宅福祉というものを充実しようとすれば、私は社会的なコストはむしろ現在よりも高くなることをある程度考えておくべきだと思います。しかし、それでも私は世代間同居志向の強さという日本人の特質というものは日本型の福祉社会というものをつくる上で考慮に入れてしかるべきものだ、そのように考えております。
という御答弁を申し上げました。安上がりで済むというような発想でこうした問題に取り組めるものではございません。私は、むしろお互いがコストの増というものを計算に入れながら在宅福祉の充実に取り組むべきと、そのように考えております。
 また、自治体の超過負担についてお触れになりましたが、福祉施策に関する国の補助の基本額につきましては、それぞれの補助対象の範囲内におきまして、その目的に即して合理的に設定された規模・規格水準で地方公共団体が能率的に事務を執行された場合の標準的な経費を基礎として算定をいたしております。いわゆる超過負担問題というものにつきましては、毎年度の予算編成に際しまして、物価動向その他の経済事情などを勘案しながら適正な補助単価の設定に努めてまいりました。今後の福祉施策の推進に当たりましても、地方による事業の実施に支障が生じないように努力していきたいと思います。
 また、自治体の自主財源について御論議がございました。
 しかし、国と地方の財源配分につきましては、国税と地方税の税源配分、地方交付税、さらに国庫支出金などさまざまな制度のあり方に係る問題でありまして、今後とも国と地方の機能分担、費用負担のあり方の見直しや国と地方の財政状況などを踏まえながら、幅広い見地から検討を行うべき課題であると考えております。
 しかし、いずれにいたしましても今御指摘のような問題に対応してまいりますためには、今後とも引き続き毎年度の地方財政計画の策定を通じ、地方財政の円滑な運営に支障が生じないように配慮していくつもりであります。(拍手)
   〔国務大臣奥田敬和君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(奥田敬和君) 日下部議員にお答え申し上げます。
 まず、福祉サービスに係る地方負担についてのお尋ねでございました。
 地方団体にとってきめの細かい福祉サービスの充実は最大の使命でございます。したがって、政府としては高齢者保健福祉十カ年戦略の推進に当たりまして、地方団体に対して超過負担が生じないよう所要の国庫補助負担金を確保することは当然でございますし、地方団体の単独の福祉施策を含む地方の所要財源につきましても、地方交付税の算定等を通じて、ただいまも大蔵大臣が話しましたように、適切な措置を講じてまいります。
 次に、地方自治体の自主財源の確保についてのお尋ねでございました。
 地方団体が地域の実情に即して福祉施策を実施していくためには、地方への権限移譲とあわせまして、所要の財源確保はもちろん必要でございます。地方の自主財源であります地方税の充実とあわせまして、地方交付税等一般財源の充実強化を図って、地方自治体に支障のないように措置してまいりたいと考えております。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(土屋義彦君) 木庭健太郎君。
   〔木庭健太郎君登壇、拍手〕
#13
○木庭健太郎君 私は、公明党・国民会議を代表し、ただいま趣旨説明のありました老人福祉法等の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 私たち公明党は、新しい時代の福祉とは何かを常に問い続け、その新しい日本の指針づくりに着手してきました。年齢的、身体的に、また経済的に弱い立場の人々に最低生活を保障し、そのための予算をふやし、制度を充実させることは当然のことであります。しかし、政治はそこにとどまらずに、ハンディキャップを負う方々でも、その一人一人の個性や生き方、価値観、人生観を最大限に尊重し、多種多様な生き方、人生コースを選択できる社会の仕組みをつくり上げることを日本の大きな国家目標に据えるべきであります。そのために、現行のあらゆる社会システムにノーマライゼーションの理念を徹底し、すべての人が力を発揮できる社会を構築しなければなりません。
 そういう意味で、今回の改正案の趣旨は、市町村が責任を持って在宅福祉・保健サービスと施設福祉サービスを総合的に住民に提供しようというものであり、それは戦後四十数年続いた福祉施策の体系を抜本的に変えることでもあり、一応の評価をいたしております。しかし、責任を持つということは、それだけ市町村の負担が経済的にも人的にも増すことであり、国の責任の肩がわりを市町村がするということであって、裏腹の問題でもあります。
 このように、今回の改正案は、評価できる点もありますが、今後の大きな課題や問題点になる部分も種々ありますので、問題点に絞って質問いたします。
 第一に、今回の改正で市町村がホームヘルプ、ショートステイ、デイサービス等の在宅福祉サービスを積極的に推進するとありますが、その経済的負担はどこが責任を持つのか、大蔵大臣及び自治大臣に伺いたい。
 第二に、それぞれの市町村の在宅福祉サービスの取り組み方によっては福祉施策の水準に大きな差が出てくるという問題であります。
 現在においても都道府県や市町村によって大きな格差があるのに、今回の改正ではそれが是正されないどころか、さらに格差が拡大するのではないかという懸念があります。格差是正のためナショナルミニマムを設定すべきですが、政府はどのように取り組まれるのか、具体的に見解を求めたいと思います。
 第三は、在宅サービスの市町村の位置づけについてであります。
 厚生省は、当初、在宅福祉サービスを市町村の必須事務としておりましたが、結果的には努力義務規定になりました。果たしてこのような措置で在宅福祉を推進できるのかどうか、また、将来義務化を考えているのであればいつごろを目途としているのかを伺いたい。
 第四は、特別養護老人ホーム等の入所決定権の町村への移譲についてであります。
 これらの町村への移譲は平成五年四月から施行されることになっていますが、なぜ平成五年まで引き延ばすのか、その理由について明らかにしていただきたい。
 また、精神薄弱者援護施設や児童福祉施設等も早急に入所決定権を町村へ移譲すべきでありますが、厚生大臣及び自治大臣の見解を伺いたい。
 第五は、在宅ケアを担当する窓口の問題です。
 市役所や町役場にはこの専任の窓口がなく、民生課等の職員がかけ持ちで担当しているところも少なくありません。これから在宅ケアは行政の最も重要な仕事となるので、この窓口をきちっと設けるとともに、最低何人の担当職員を配置しなければならないという人員配置基準を早急に策定すべきでありますが、厚生及び自治大臣の見解を伺いたい。
 第六は、福祉サービスにおける事務手続の簡素化についてであります。
 福祉サービスについては、総理も先ほどおっしゃいましたけれども、いつでも、どこでも、安心して、しかも気軽に受けられるということが大切です。しかし、現行の福祉サービスを受けるに当たっては事務手続が複雑で利用しづらいという現場の声があります。例えば、ショートステイ利用券を発行して、利用者が複雑な手続をすることなく気軽にサービスを受けられるようにしている自治体も実際にございます。(「山口県はやっているぞ」と呼ぶ者あり)そうです。このような制度は国がもっと音頭をとって普及すべきでありますが、厚生大臣の見解を伺いたい。
 次に、今回の法改正の具体的計画である高齢者保健福祉推進十カ年戦略について何点か質問いたします。
 第一は、計画の見直しについてであります。
 十カ年の計画を少なくとも前期、中期、後期等に分けて、それぞれの節目において実績と照らし合わせて見直す等の措置をとることが必要であると思いますが、厚生大臣の御見解を伺いたい。
 第二は、マンパワーの問題についてであります。
 本計画の最終年度においてホームヘルパーを十万人にするという目標ですが、果たしてそれだけの人を確保できるかどうか心配されております。また、過疎化、高齢化が進んだ地域においてはマンパワーの確保が特に困難でありますが、どのように確保されるのか、具体的に明らかにしていただきたい。
 第三は、介護対策についてであります。
 これからはホームヘルパー等の在宅三本柱対策を推進すると同時に、家族介護者の負担軽減策を早急に検討する必要があります。我が党は、寝たきり、痴呆等の状態を高齢期障害として在宅介護障害年金の創設、有給介護休暇の法制化を提言しております。これらについて政府も前向きに検討していただきたいと思いますが、厚生大臣及び労働大臣の御見解を伺いたい。
 第四は、都市部における施設対策であります。
 都市部においては、昨今の地価高騰を考えると施設の建設が非常に困難となっています。国有地、公有地の優先利用は当然のことでありますが、その他政府の抜本対策について大蔵、自治大臣の考えを伺いたい。
 第五は、この計画の財源についてであります。
 現在、政府は総額約四百兆円を超える公共投資十カ年計画をつくろうとしておりますが、それに比べて高齢者保健福祉推進十カ年計画の総予算六兆円という規模は余りに情けなく、見劣りすると言わざるを得ません。福祉優先の政治を具体的に示す意味において予算を大幅に増額すべきでありますが、総理の前向きな答弁を求めたい。
 以上、私は法案の内容と高齢者保健福祉推進十カ年計画の問題点をただしてまいりましたが、最後に総理にお伺いしたい。
 今後、福祉社会の建設のためには、高齢者及び障害者雇用の促進、年金の充実、福祉機器の開発、高齢者が安心して住める町づくりと住宅の改善等のさまざまな諸問題が山積しております。これらの諸問題は国が総力を挙げて取り組まなければなりません。今後どのような方針で取り組まれるのか、具体的にお答えいただきたい。
 総理並びに関係大臣の誠意ある御答弁を期待し、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(海部俊樹君) 木庭議員にお答え申し上げます。
 高齢者保健福祉推進十カ年戦略は、高齢者の保健福祉の分野で今世紀中に実現を図るべき十カ年の具体的な目標水準を示したものでありまして、平成二年度は施設福祉や在宅福祉について従来のペースを大きく上回る拡充を図り、新規施策も盛り込むなど、ゴールドプランの初年度にふさわしい予算措置を講じておるところでございます。十カ年の総事業費については、厚生省において大まかな試算をしたところ、約六兆円となる見込みでありますが、その目標の実現に向けて全力を挙げていく考えでございます。
 二十一世紀の高齢化社会を真に長寿を喜べる福祉社会としていくためには、御指摘なさったように、社会保障のみならず、雇用の面でも住宅の面でも町づくりの面でも、いろいろ研究開発などの施策において必要な対策が総合的に講じられるべきものであると、私も意見を一にいたします。
 このため政府におきましては、昭和六十一年六月に総合的な長寿社会対策大綱を閣議決定し、これに沿って各省において対策を講じているところでありますが、今後とも、長寿社会対策関係閣僚会議を中心として総合的な各般の長寿社会対策の推進に努めてまいりたいと考えております。
 残余の点については関係大臣が答弁いたします。(拍手)
   〔国務大臣津島雄二君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(津島雄二君) 木庭議員の私に対する御質問、数点ございますが、できるだけ簡潔にお答え申し上げます。
 まず第一に、今回の改正によりて市町村の福祉施策の水準に格差が出るのではないか、ナショナルミニマムを設定すべきではないかという点でございます。
 在宅福祉サービスは地域の実情に応じてきめ細かく提供される必要がありますから、今回の改正法案におきましては、新たに在宅福祉サービスの積極的な実施や老人保健福祉計画の策定というような規定を設けて、その推進を図ることにしているわけでございます。これらにより、高齢者保健福祉推進十カ年戦略の実施と相まちまして、全国の市町村を通じて必要な在宅福祉サービスが確保されるものと考えております。
 第二点は、在宅福祉サービスの必須事務化についてでございます。
 在宅福祉サービスの位置づけについては、今回の改正案では、市町村における実情等を総合的に勘案しつつ、現実的な対応に配慮して在宅福祉の推進を図ることとしたものでありますが、平成五年度以降に総合的な検討を行いまして、なお一層の推進を図ることを考えております。
 第三点は、特別養護老人ホーム等の入所決定権の町村への移譲をなぜ平成五年まで引き延ばすかという点でございますが、特別養護老人ホーム等の入所決定権の町村移譲に当たりましては、地方公共団体の組織変更や新たな事務手順の設定等、相当の準備期間が必要となりますので、平成五年四月一日施行として御提案したものでございます。
 次に、精神薄弱者援護施設や児童福祉施設等も早急に措置権を町村へ移譲すべきではないかという御質問でございますが、この点につきましては、将来的には実施体制の整備を進め、権限の移譲を目指してまいりたいと考えております。
 また、児童の施設入所措置につきましては、児童が成長過程にあること等から、今後とも児童相談所で総合的な判断を行うことが適切であるという考え方を持っておるものでございます。
 次に、市役所や町役場に在宅ケアを担当する窓口をきちっと設けるべきであるという御質問でございますが、市町村職員の研修を積極的に行うなど、市町村の福祉サービスの窓口が十分機能するように努めてまいらなければならないと思っております。市町村において在宅福祉サービスを担う職員について、今新たに一律の配置基準を定めることは考えておりません。
 次に、在宅福祉サービス等における事務手続の簡素化についての御質問がございました。
 本年度から新たに設置する在宅介護支援センターを通じまして円滑な在宅福祉サービスの適用を図るとともに、議員が御指摘になりましたような利用券方式など簡素な手続の普及にも努めてまいりたいと考えております。
 次に、十カ年戦略の年次ごとの見直しが必要でないかという御質問でございますが、十カ年戦略の実施につきましては、毎年度の予算編成におきましてこれから具体的に実施計画をさらに細かく策定し、その実現を図っていく所存でありますので、今のところ見直しの考えは持っておりません。
 次に、ホームヘルパー十万人を初めとしたマンパワーの確保についての御質問がございました。
 ホームヘルパーの確保については、処遇の改善、社会的評価の向上、就労形態の多様化などを積極的に進め、政府としては全力を挙げて目標の実現に努めてまいりたいと思います。
 また、お話のございました過疎地等につきましては、地域の実情に応じ、多様な対応策を工夫してまいりたいと思います。
 次に、在宅介護障害年金の問題でございますが、この点につきましては、定型的な金銭給付を行う年金制度に要介護状態という個別なニーズに対応した給付がなじむかどうかというまず問題がございます。それから、在宅介護障害年金のための新たな多額な費用をどのように確保するかという問題もございまして、困難な問題が多いというふうに認識をいたしております。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私に対するお尋ねは二点であります。
 まず第一点でありますが、住民に身近な在宅福祉サービスは地方公共団体の事務として、その責任のもとに推進されるものではございますが、国としても支援のための財政的な裏づけを明確にする観点から、今回の法改正案におきまして国庫補助規定についての整備を行っております。いずれにせよ、これらの在宅福祉サービスの推進につきましては、きめ細かく重点的な配慮を払うという基本的な考え方に立ち、財政当局としても今後とも各年度の予算編成におきまして適切な対応を図ってまいりたいと思います。
 また、特別養護老人ホーム等福祉施設の適正配置、特に都市部における特別養護老人ホームの確保は極めて重要な問題であると認識をいたしております。この都市部の施設整備の問題につきましては、従来からさまざまな努力が重ねられておりますが、今後ともに御指摘の公有地の優先的な活用のほかに、他の用途の施設、例えば福祉施設でありますとか医療施設あるいは教育施設などとの合築複合化など、用地の確保のための事業実施面での積極的な工夫を進めて、さらにこれを促進していくべきものと考えております。(拍手)
   〔国務大臣奥田敬和君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(奥田敬和君) 木庭議員にお答え申し上げます。
 まず、在宅福祉サービスに係る経費の負担についてのお尋ねでございました。
 さきの日下部議員からの同様趣旨の御指摘もございましたが、この経費は国と都道府県そして市町村がそれぞれ負担し合うことを原則としておりますが、在宅福祉サービスが円滑に実施できるよう国においては所要の国庫補助負担金を確保するとともに、その地方負担額に対しましては地方交付税等により所要の地方財政措置を講じていく所存でございます。
 次に、精神薄弱者援護施設や児童福祉施設等も早急に措置権を市町村に移譲すべきだと思うがどうかという御指摘でございました。
 これに関しましては、大変難しい問題点は、入所判定基準等に大変複雑な要素がございまして、現在のところ、直ちに市町村に措置権を移譲するということば、特に町村においてはちょっと困難じゃなかろうかなと聞いております。自治省といたしましては、一般的には住民に身近な行政は市町村で処理することが適当であると考えておりますが、事務の特性や市町村の能力等も勘案する必要がありますので、今後関係省庁とも十分に話し合ってまいりたいと考えております。
 第三点目は、在宅ケアのための市町村窓口の設置等についてのお尋ねでございました。
 市町村が在宅ケアの大幅な充実を初め、これからの高齢化社会に対応していくためには、窓口の明確化など組織面においても適切な対応を図っていくことが御指摘のとおり重要であります。ただ、人員をどう配置するかなどの各市町村ごとの具体的な対応については、地域事情に応じたきめ細かな配慮が必要であると思います。国において一律的な基準を設けるより、市町村が自主的、主体的に判断していく方がより適切な対応が図られるものと考えております。
 最後の問題でありますが、土地対策についてでございました。
 土地問題解決のためには、行政・経済諸機能の地方分散、住宅宅地政策、金融措置、土地利用計画等各般にわたる総合的な土地施策が必要でありますが、自治省としても、土地基本法を踏まえまして、今後の土地対策の重点実施方針に基づきまして、土地税制の見直し、固定資産税評価の均衡化、適正化、公有地の利活用など、土地対策の効果的推進が図れるように適切に対処してまいります。
 なお、御指摘のように、ゴールドプラン達成の上での土地対策の重要性については、議員の御指摘の趣旨は十分理解できるところでございます。地方団体においても、適切な公有地があれば同戦略遂行に資するよう配慮していただきたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣塚原俊平君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(塚原俊平君) 有給介護休暇につきまして、木庭先生から御質問をいただきました。
 人口が高齢化をいたしまして、それで核家族化して、それから女子の就業の増加が大変進展をいたしまして、年をおとりになりました親御さんあるいは御家族で病気になられた方々に対する家族介護の負担というものは、働く方々にとりまして大変に大きな問題になっております。今後、介護休業制度の必要性が高くなるということを認識いたしております。同制度の普及促進に精いっぱい努力をいたしてまいりたいと考えております。(拍手)
    ─────────────
#19
○議長(土屋義彦君) 勝木健司君。
   〔勝木健司君登壇、拍手〕
#20
○勝木健司君 私は、民社党・スポーツ・国民連合を代表いたしまして、ただいま議題となりました老人福祉法等の一部を改正する法律案につきまして、総理並びに関係大臣に質問を行うものであります。
 まず、我が国の高齢化は短期間のうちに、しかも急速に進んでおりまして、欧米諸国の二ないし五倍の超スピードで超高齢化社会へ向かっております。しかも、先日の厚生省の人口動態統計に見られますように、戦後最低と言われるような極端な出生率の低下は、長寿と出生率の低下の同時進行によりまして、高齢化の問題をより深刻化させ、扶養能力の著しい低下を来すおそれがあると思うのであります。また、出生率の低下は、単に人口問題であるだけでなく、雇用、年金等を初めといたします経済問題でもあります。そして、何よりも我が国の活力にかかわる最も基本的で、かつ重大な問題であると思いますが、総理並びに厚生大臣の御所見をお伺いいたします。
 さらに、私は、本格的な高齢化社会と言われる二十一世紀に向けまして、今、早急に求められていることは、国民の生活の質を豊かなものにするための、各省庁の枠を超えたあらゆる分野の政策の見直しを行うことであると思いますが、総理の御所見をお伺いいたします。
 次に、年金、老人医療と並びまして、老人福祉サービスは高齢者の福祉を左右する重要な政策であります。
 一昔前までは、老人福祉サービスは社会福祉あるいは社会事業の一部としてとらえられており、年金、医療に比較いたしまして関心も乏しかったのでありますが、現在は人口の高齢化、核家族化、婦人就労率の増加、ひとり暮らしあるいは夫婦の老人世帯の急増等に伴い、老人の介護問題は大変身近な、また切実な問題となっております。
 政府は制度的には我が国の社会保障制度はほぼ欧米並みになったと自負いたしておりますが、事老人福祉サービスにつきましては制度面でも予算面でもまだまだ不十分ではないかと考えますが、総理は現状をどのように認識しておられるのか、お伺いいたします。
 次に、高齢者保健福祉推進十カ年戦略についてお伺いいたします。
 高齢者保健福祉推進十カ年戦略につきましては、政府は大々的に宣伝をいたしておりますが、本質的には既存の施策の羅列であり、また消費税導入の趣旨を踏まえと言っておりますが、私は、この程度の施策は必要最小限の基礎的ニーズにこたえるものであり、消費税導入と関係なく、公的責任において当然に行うものであると思うのであります。この十カ年戦略は、福祉施設、在宅サービスについて十年間の目標値を数字で示したものにすぎません。昔から千里の道も一歩からという言葉がありますが、十カ年戦略も一年一年の計画的な積み重ねによって初めて達成されるものであります。そうであるならば、例えば三年ごとのように、明確に段階的な実施計画を財政的な裏づけとともに国民の前に明らかにすべきであると思いますが、総理並びに厚生大臣より御答弁をいただきたいのであります。
 それでは、以下、数点の具体的な問題につきましてお尋ねいたします。
 まず、今回の改正は、従来、制度全般を見直し、高齢化社会に耐え得る福祉制度の構築を目指すものと言われてきましたが、基本的には現行制度を維持するものとなっており、やや高齢者に重点を置いてはありますが、制度全般の大改正というにはほど遠いものであると思います。そこで、私は二十一世紀を展望した我が国福祉のマグナカルタとも言うべき福祉基本法の制定を痛感するのでありますが、いかがなものでありますか。
 また、国際障害者年もあとわずかで終わりますが、障害者対策につきましては、我が国においてもアメリカ障害者法に見られますような抜本的な法改正が必要であると思いますが、総理並びに厚生大臣の御答弁を求めます。
 次に、市町村への権限の移譲についてであります。
 地域住民に身近なサービスは市町村が行うのが一番自然なことであり、極めて大切なことであります。しかしながら、地域によりましては、福祉の必要性は十分に認めていても財政事情等からなかなか福祉に手が回らないところもあるいはあると思うのであります。福祉サービスに極端な地域格差を生じさせてはならないと思います。私は、まず何よりも地域のやる気、情熱を喚起させることが最も大切なことであり、そのためには国は情報、ノーハウ等はもちろんのこと、最大の支援策は財源対策をきっちりと行うことであります。新たな地方の超過負担にならないように十分なる財政対策が必要であります。市町村への権限の移譲が断じて国の責任逃れになるようなことがあってはなりません。総理並びに厚生大臣、自治大臣の御答弁を求めます。
 次に、大切なことは、マンパワーの養成、確保の問題であります。
 今回の改正の実効性は、ひとえにこのマンパワーの確保にかかっていると言っても過言ではありません。例えば、ホームヘルパーを例にとりますと、スウェーデンでは六十五歳以上人口十万人に対し五千八十六人でありますが、我が国におきましては十カ年戦略を達成いたしましても四百七十人にすぎません。また、今後の要介護老人の増加を考えますとホームヘルパーの質の向上が求められると思いますが、マンパワーの養成、確保のための具体的な構想、計画をお示し願いたいのであります。
 次は、公共、民間、個人の役割の明確化についてであります。
 高齢化社会における福祉政策におきましては、政府や地方公共団体だけを福祉の供給者とするのではなく、公的分野と市場に任せる分野、そして家庭、地域社会、労働組合、企業、ボランティアなどの協力にゆだねる分野、この三つの役割を明確化するとともに、これらを有機的に結合させ、それを通じて人間的な触れ合いを重視する社会をつくるべきであると私どもは主張いたしております。そこで、政府はこれらの役割の明確化についてどのように考え、また具体的にどう取り組まれるのか、厚生大臣の御答弁を求めます。
 高齢化社会の進展とともに、福祉サービスの受け手は一部の人々の問題ではありません。私たちだれでもが受け手になる問題なのであります。高齢化社会における費用負担の増加は避けては通れない問題ではありますが、公的分野で保障すべき福祉サービス、医療、年金等にかかわる費用負担のあり方については、もちろん国民の納得と合意を得ることが大切であります。
 政府は、我が国の福祉のあり方について、北欧型でもない、アメリカ型でもない、日本型福祉社会を目指すといたしておりますが、国がどこまで責任を持って国民の生活を保障するのか、いま一つはっきりいたしません。社会保障関係予算の推移を見ましても、従来、福祉の分野は医療、年金に比べて著しく比重が低いのであります。我が国の現在の社会保障政策は財政主導型であり、財政状況のいかんによっては日本型福祉の内容もその都度変わる可能性があり、これでは到底国民の信頼を得ることはできないと思うのであります。
 私どもは、高齢化社会の福祉ビジョンを策定し、その中でこれからの我が国の福祉の進むべき方向、明快な姿を、そして国が提供する福祉の水準とそれに必要な費用及びその負担のあり方につきまして、国民の前に明らかにすべきであると思います。そのことが税制改革を論議する際の大前提となると考えるのでありますが、総理の御見解をお尋ねいたします。
 今や、我が国は世界から経済大国と言われるようになりました。今日の繁栄はまことに国民の皆さんの汗と努力のたまものであります。私は、このように一生懸命働いた国民が、老後を健康で、生きがいを持ち、安心して生活できるようにするのは国の責務であると確信するものであります。私は、我が国に住むすべての人々が、文化的で明るく、そして活力ある長寿社会を快適に過ごさなければならないと思うのであります。
 私ども民社党・スポーツ・国民連合は、国民の生活の質を高め、精神的にもゆとりのある、豊かな心のぬくもりの感じられる社会を創造するために今後とも力いっぱい邁進することを申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(海部俊樹君) 勝木議員にお答え申し上げます。
 最初に、出生率の低下は児童自身の成長に対してのみならず、雇用、年金の問題、社会経済全体の活力の低下など、我が国の将来にさまざまな問題を投げかけるものとして問題提起がございました。
 私は、このために、二十一世紀を担う児童が心身ともに健やかに生まれ、たくましく、心豊かな人に育っていくための効果的な環境づくりを進め、若い人々の子供を持つ意欲を積極的に支えていかなければならないと考えております。
 老人福祉サービスの現状認識についてお述べになりました。
 私は、老人福祉につきましては、今後の急速な高齢化の進展に対応し、その質も、その量も、両面において格段の拡充を図っていかなければならないものと認識をいたしております。政府としましては、高齢者保健福祉推進十カ年戦略によって高齢者の福祉、保健サービスの飛躍的な拡充を図るほか、安定した社会保障制度の確立に今後とも一層努力しなければならないと考えております。
 また、財源対策についてお触れになりましたが、今回の改正案においては市町村における一元的かつ計画的な老人福祉サービスの提供体制を整えることが大切でありまして、これに伴って必要な地方団体の財源につきましては、その確保に努めていきたいと考えます。
 また、高齢化社会における福祉の水準と国民負担を示す具体的な福祉ビジョンを明らかにせよとのお求めでありますが、今後の高齢化社会に対応していく上での施策の展望につきましては、昭和六十一年に長寿社会対策大綱を閣議決定いたしました。その後、御党の御要請もあり、昭和六十三年三月に社会保障の給付と負担の将来推計をお示しをし、また六十三年十月にはいわゆる福祉ビジョンをお示ししてきたところであり、ただいま御議論いただいております、十カ年戦略として具体的な目標水準を示した福祉ビジョンも明らかにしたところであります。今後は、これらの着実な実施を図りながら、国民の皆様の一層の御理解を賜るよう努力してまいりたいと考えております。
 残余の御質問については関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
   〔国務大臣津島雄二君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(津島雄二君) まず最初に、勝木議員から出生率の低下について私の所見も求められております。
 出生率の低下につきましては、総理からもお答えがございましたが、児童自身のみならず経済社会全般にわたり我が国の将来に影響を与える大問題であるということについては、委員の御指摘のとおりでございます。このため、家庭に対する支援対策、地域における児童健全育成対策、保育対策、母子保健対策など、二十一世紀を担う子供たちが心身ともに健やかに生まれ、心豊かな人に育つための環境づくりを関係省庁と連携を図りつつ進めてまいりたいと思います。
 次に、高齢者保健福祉推進十カ年戦略について段階的な実施計画を立てるべきではないかという御質問でございましたが、この戦略の実施につきましては、毎年度の予算編成において具体的に実施計画を策定し、その実現を図っていくという考え方でございまして、今、別に段階的な実施計画を作成することは考えておりません。
 次に、福祉基本法の制定というような基本的な施策を打ち出したらどうかという御提案でございます。
 議員の御指摘は理解できるところでございますが、私は、むしろ我が国の福祉の現行の法体系の充実を図りながら、明るく活力に満ちた長寿福祉社会を実現していきたいと考えております。
 米国の障害者法制定の動きにつきましては高く評価しているところでございますが、我が国においては、心身障害者対策基本法がございますので、これを柱といたしまして障害者対策が総合的に推進されており、今後とも、この体系で障害者の完全参加と平等の理念の実現を目指して全力を挙げてまいりたいと思います。
 次に、権限移譲に伴う財源対策についての御質問でございました。
 権限移譲に伴う財源の手当てにつきましては、平成五年四月一日の法施行までの間に関係省庁とも協議しながら、その確保に万全を期してまいりたいと考えております。
 次に、マンパワーの養成、確保についての御質問でございます。
 ホームヘルパー等マンパワーの養成、確保につきましては、介護福祉士制度の普及や計画的な研修の実施、従事者の処遇の改善や就業形態の多様化、そして社会的評価の向上など、あらゆる努力と工夫を行ってまいりたいと存じます。
 最後に、福祉政策における公共、民間及び個人の役割分担を明らかにせよという御指摘でございました。
 この御指摘は理解できるところではありますが、国民の基礎的ニーズについてはまず公的施策をもって対応し、それ以外の多様なニーズについては民間部門が創意工夫を生かして、その特性を発揮しながら対応するという基本的な考え方でございます。特に、さまざまな福祉の供給主体が、それぞれの役割を適切に果たしながら有機的、効率的に連携し合うことが重要と考えておりますが、今後具体的に経験を積み重ねながら、おのおのの役割を明らかにしてまいりたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣奥田敬和君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(奥田敬和君) 勝木議員にお答え申し上げます。
 地方団体の財政負担についてのお尋ねでございました。特に、福祉の水準に格差が生じないように財源対策に万全を期せという御提議でございました。
 さきの日下部、木庭両議員にも御答弁申し上げたと同じ内容になりますが、入所措置権の町村移譲に伴いまして生ずる町村の財政負担につきましては、所要の国庫補助負担金を確保することは当然でございます。と同時に、地方負担額に対しまして、地方交付税等により的確に地方財源措置を講じていく所存でございます。(拍手)
#24
○議長(土屋義彦君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#25
○議長(土屋義彦君) この際、日程に追加して、
 臨時行政改革推進審議会設置法案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。塩崎国務大臣。
   〔国務大臣塩崎潤君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(塩崎潤君) 臨時行政改革推進審議会設置法案について、その趣旨を御説明します。
 これまで、政府は、行政改革を国政上の最重要課題の一つとして位置づけ、臨時行政調査会及び二次にわたり設置された臨時行政改革推進審議会の答申等を最大限に尊重しつつ、累次にわたる行革大綱に沿って、三公社の民営化、財政の赤字国債への依存からの脱却等、逐次、具体的方策を実施してきたところであります。しかしながら、国際的調和、国民生活の質的向上などのための公的規制の緩和、行政運営の透明性、公正の確保などを初めとして引き続き行政改革の推進が要請されている現下の情勢にかんがみ、新たな決意で幅広い観点から、思い切った改革に取り組む必要があります。
 そのためには、各界有識者の御意見を聴取しつつ諸般の施策を推進することが重要かつ有益と考える次第であります。
 去る四月十九日をもって存置期限を迎え、解散した第二次の臨時行政改革推進審議会も、その最終答申において、今後とも国民の協力を得つつ行政改革の推進を図る観点から、政府は新たに行政改革推進のための審議機関を設置する必要がある旨を提言しているところであります。
 そこで、政府といたしましては、現在、国政上の最重要課題の一つである行政改革の主要課題の達成を推進するため、今般、総理府に改めて第三次行革審ともいうべき臨時行政改革推進審議会を設置することとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明します。
 今般設置しようとする臨時行政改革推進審議会は、行政改革に関し臨時行政調査会の行った答申並びにこれまで二次にわたり設置された臨時行政改革推進審議会の述べた意見及び行った答申を受けて講ぜられる行政制度及び行政運営の改善に関する施策に係る重要事項について調査審議し、その結果に基づいて内閣総理大臣に意見を述べるほか、内閣総理大臣の諮問に応じて答申することを任務としており、審議会の意見または答申については、内閣総理大臣はこれを尊重しなければならないこととしております。
 審議会は、行政の改善問題に関してすぐれた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命する委員九人をもって組織することとしております。
 また、審議会は、行政機関の長等に対して資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができることとしているほか、特に必要があると認めるときは、みずからその運営状況を調査することができることとしております。
 なお、審議会は臨時の機関として設置されるものであり、政令で定める本法律の施行期日から起算して三年を経過した日に廃止されることとしております。
 このほか、関係法律について所要の改正を行うこととしております。
 以上が臨時行政改革推進審議会設置法案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#28
○議長(土屋義彦君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。角田義一君。
   〔角田義一君登壇、拍手〕
#29
○角田義一君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました臨時行政改革推進審議会設置法案につき、総理並びに関係各大臣に対し御質問いたします。
 昭和五十六年に設置された臨時行政調査会、いわゆる第二臨調以来九年間の行政改革最大の目的は、政府の肥大化を阻止し、ロッキード事件に象徴された行政の腐敗を一掃し、国民のための清潔、公正な行政を確立することにありました。しかし、その臨調行革は、国民のための清潔、公正な行政を確立するどころか、いわゆる中曽根民活に姿を変え、規制緩和に名をかりて政界、官界、財界を巻き込んだ戦後我が国政治史上最大の汚点であるリクルート疑獄という新たな政治、行政腐敗を発生させたのであります。
 特に、今国会においても深谷郵政大臣にかかわる政治献金等の疑惑解明のために、我が党は他の野党の皆さんとともに懸命の努力を重ねてまいりました。その結果、林田予算委員長は、去る六月七日、予算委員会において、深谷郵政大臣にかかわる政治献金等の問題はいまだ十分な資料提出も行われておらず、深谷郵政大臣の態度はまことに遺憾、同君並びに内閣に対して猛省を促し、国会に不正確な報告を行い、全容解明に支障を来した政治的道義的責任をとることを求める。また、内閣総理大臣は、政治倫理綱領にのっとり、政治不信を招く公私混交を絶ち、清廉を持し、かりそめにも国民の非難を受けないよう政治腐敗の根絶と政治倫理の向上に努め、内閣としての政治姿勢を明確にすべきであるとの異例の委員長見解を述べられたのであります。総理は、よもやこのことをお忘れになってはいないでありましょう。
 そこで、まず総理にお伺いしますが、この林田委員長見解に基づき、総理、あなたは内閣としていかなる政治姿勢をとられるのか、また、どのような政治的道義的責任をとられる御所存か、明確に御説明願いたい。
 昭和五十六年、第二臨調が設置される際、当時の鈴木内閣は、第二臨調の期待として、国民と行政、官業と民業、国と地方の関係などの基本的問題のあり方が解決されることが求められてきたのであります。また、当時の中曽根行政管理庁長官は、行革は政策形成システムの民主化であるべきという我が党の主張に対し賛成の意を表明されるとともに、行政管理の効率化と清潔化という問題もあるとされたのであります。しかし、昭和五十六年以来今日までの九年間、第二臨調、旧行革審、そして新行革審がこうした行革の課題にこたえてきたでありましょうか。総理はどのような御見解をお持ちか、お伺いしたいのであります。
 まず第一は、第二臨調以来行革の基本的姿勢であった増税なき財政再建を政府がいとも簡単に破り、消費税を導入したことであります。
 「増税なき財政再建」は、第二臨調発足以来の行政改革のスローガンでありました。ところが政府・自民党は、大型間接税は導入しないとの公約を踏みにじり、議会制民主主義のルールを無視した強行採決を乱発して、消費税の導入を強行したのであります。これに対して、国民は昨年の参議院選挙で明確に消費税は廃止すべきとの意思表示を行い、当院は国民の意思に基づく新しい構成のもとで消費税廃止法案を可決いたしたのであります。
 さらに、去る六月十日に行われた福岡における参議院補欠選挙において、我が党の三重野栄子さんが大勝させていただきました。私どもは、この勝利は単なる日本社会党だけの勝利だとは思っておりません。消費税は何としても廃止してもらいたい、自民党の一党支配を何とか崩したいという福岡県民の良識の勝利であり、民の声、天の声だと思うのであります。
 総理は、この結果をどう受けとめておられますか。この際、勇断を持って消費税問題に対処すべきであると存じますが、所信を承りたいと存じます。
 ところで、新行革審は、増税なき財政再建という公約を踏みにじる政府・自民党の行為に対して何らの意思表明もせず、大蔵省の財政再建至上主義に手をかしたのであります。御承知のとおり、国、地方を合わせた租税負担に社会保障負担を加えた国民負担率は、一九七五年度の二五・八%から本年度の九〇年度には四〇・四%となり、この十五年間で実に一四・六%という猛烈なスピードで上昇し、国民の負担のみが増大の一途をたどっているのが実態であります。これは、消費税を初め国民に大増税を押しつけ、年金、医療、社会保険料等を引き上げてきた結果にほかなりません。政府が社会保障の全体像、具体的な計画も示していないにもかかわらず、新行革審は、二〇二〇年における国民負担率について五〇%を下回ることを目標とするのみで、政府の怠慢な姿勢について何ら言及していないことば、その実体が政府の代弁機関であったと批判されても反論の余地はないでありましょう。総理の御見解を承りたい。
 第二は、行革において防衛費を聖域扱いにしたことであります。
 一九八〇年度を一〇〇とした場合、防衛費はことしの九〇年度では一八六と実に八六%も伸びているのであります。ところが、社会保障関係費は四一%、文教及び科学技術振興費に至ってはわずか一三%の伸びにとどまり、中小企業予算に至ってはマイナス二〇%、食糧管理費はマイナス五九%と激減しているのであります。これはまさに軍事優先、国民生活軽視の政府の姿勢を如実にあらわしたものと言えるのではないでしょうか。
 今、世界は、米ソ両超大国を中心に急激かつグローバルに緊張緩和、軍縮の方向に大転換を遂げつつあります。このことは、一九八五年以降の米ソ両国首脳のたび重なる会談の成果もあって、戦後長く続いてきた東西対立の冷戦構造に終止符が打たれ、対話と協調を基調とする軍縮、平和の時代へと新しい世界秩序が創出されつつあることを意味するのであります。世界のこのようなデタントへの大転換は、後戻りが許されない決定的な平和と軍縮の時代の始まりであり、今や体制のいかんを問わず、軍備の拡大より経済の充実発展による人間生活の豊かさとゆとりこそ人類共通の指標となりつつあります。
   〔議長退席、副議長着席〕我が党は、このような新しい国際社会の大変革に伴って、今後の我が国の安全保障と防衛力整備のあり方を再検討しなければならないと考えております。
 この際、政府が一貫して進めてきた対ソ脅威論を基調とした防衛力増強、日米の軍事協力体制の強化などに徹底的なメスを入れ、国際的デタントに見合う新しい安全保障のあり方を真剣に検討すべきであります。残念ながら政府には今日の新しい時代に対応して我が国の安全保障の確立を図っていく姿勢がなく、旧態依然として対ソ脅威論にしがみつき、防衛力増強路線を堅持しようとしていることは極めて遺憾であります。今こそ、アジアにおける緊張緩和と軍縮の開始に率先して取り組むべきではないでしょうか。
 そこでお尋ねいたします。
 一、国際的デタントに対応して我が国の安全保障政策の転換を図り、関係諸国が参加するアジア・太平洋平和保障機構、アジア・太平洋軍縮会議などの設置の実現を目指すこと。
 一、防衛力整備の水準を現状でひとまず凍結し、防衛力全般について抜本的な再検討をするとともに、防衛費の凍結、削減を進めること。
 行財政改革において聖域扱いしてきた防衛費並びに防衛庁の機構等の実態を総点検し、防衛の行財政改革を断行すること。そのための第三者機関の設置を行うことであります。
 防衛庁は、従来の攻勢的な戦略に基づいて既に次期防策定に着手し、新たな正面の重装備の取得を計画しております。これは、平和と軍縮への流れと国民の期待に背くものであります。少なくとも空中警戒管制機、空中給油機、多連装ロケットシステム、イージス艦の追加建造などなどの新規装備の取得は取りやめることを求めます。
 防衛庁は、ソ連のペレストロイカの行方を心配するのではなく、防衛庁自身のペレストロイカこそを国民が強く求めていることを認識すべきであります。総理並びに防衛庁長官の見解を承りたい。
 第三は、ODAの基本姿勢についてお伺いいたします。
 言うまでもなく、開発途上国に対する援助は被援助国の国民生活の向上と民生の安定に寄与するものでなければなりません。かつて、我が国のフィリピンへの援助がマルコス前大統領の巨額の蓄財と民衆抑圧の独裁政権延命に手をかしたことは否定することばできないのであります。また、逆にマルコス前大統領からブラックマネーが日本の国内に還流し、一部の政治家に渡ったのではないかという疑惑が持たれたことは記憶に新しいところであります。
 我が国の援助が発展途上国の深刻な環境破壊や住民生活破壊をもたらし、我が国の政府開発援助の欠陥は既に内外から強く批判されてきたところであります。この際、我が国ODAの質的欠陥を是正して、その効果的運用を確保するためには、まず経済援助実施体制の抜本的改革が必要であります。
 私は、途上国の自立的発展と民主化、開放による共生を目指す援助理念を確立し、ODA縦割り行政を是正するとともに、予算執行のプロセスを可能な限り明らかにして、個別プロジェクトに関して環境保護の視点を含む事前事後の評価を尽くし、国民の理解と協力のもとに、効果的に途上国の自立的発展に寄与するODA基本法の制定を強く求めるものでありますが、総理の所信を承ります。
 次に、総務庁長官に伺います。
 既に、百七十八の地方自治体が情報公開制度を実施しているのであります。国としても一日も早い情報公開制度を確立すべきだと考えますが、一体、長官にこの制度を確立するための情報公開法の制定を期する熱意があるのかどうか、私はお伺いしたいのであります。
 次に、土地問題についてお伺いします。
 かつて新行革審は、地価高騰の原因は、土地投機の先兵となった一部の不動産業者と、安易な不動産融資によりこれを助長する結果を招いた一部の金融機関の行動は、その本来の社会的責務に照らし厳しく批判されなければならないとの答申を提出いたしました。私に言わせれば、第二臨調、旧行革審、そして新行革審こそが土地高騰の源流であったということであります。
 つまり、中曽根元総理は、民間の活力の導入、発揮をお題目に、土地に関する規制を緩和し、国民の貴重な財産である国有地を払い下げ、放漫なる金融政策のもと、土地を投機の対象とさせてきたことは紛れもない事実であります。その結果、首都圏の地価、住宅価格が平均的サラリーマンの年収の十倍を超えるという異常事態をつくり出し、一方、地価高騰で利益を得た典型的企業がリクルートであり、そのリクルートから政治献金や株券をもらったのが政府・自民党の政治家たちだったのではありませんか。これでは国民が浮かばれません。
 このまま土地政策の無策、不在を続けるならば、土地の高騰による持つ者と持たざる者との資産格差はますます拡大し、健全な国民の意識をゆがめ、人心の荒廃が進み、ひいては政治そのものに対する信頼が根底から崩壊することを私は憂えるのであります。開発利益の社会への還元、遊休地に対する課税の強化、土地評価の一元化を初め、土地制度の抜本的改革に今すぐ待ったなしに取り組まなければならないと存じますが、総理の所信を伺いたい。
 最後に、最終答申によると市場開放が強く求められております。しかし、特に農業問題について言えば、これまで政府は牛肉、オレンジ、乳製品など、外圧に圧倒されてこれら市場の開放をしてまいりました。そのために、我が国農業者の血と汗を無残にも切り捨ててきた悲しい過去があることを決して忘れてはならないのであります。農民の信頼を裏切り続けてきた罪は深いと言わざるを得ません。またもや最後には、我が国の生命線とも言うべき米の市場まで開放されるのではないかという農業者の不安と不信は募っております。国際化時代にあって、産業として自立し得る農業の確立が最終答申で求められておりますが、米の自由化との関連で農林水産大臣の所信を承りたいと存じます。
 以上、総理並びに関係大臣の御見解と決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#30
○国務大臣(海部俊樹君) 角田議員にお答えを申し上げます。
 私は、お触れになりました予算委員長の見解を謙虚に受けとめまして、政治倫理のさらに一層の確立に努めるとともに、不退転の決意で政治改革を断行してまいる決意でございます。
 臨調以来、変化への対応、総合性の確保、簡素化・効率化、信頼性の確保の四つの観点から、行政について聖域なき見直しが行われ、幅広い改革方策が提言されてきているところでございます。官民の役割分担や国と地方の関係はもとより、個人情報の保護、行政手続の整備、行政情報の公開、オンブズマン等行政監視救済制度の整備などにつきましても具体的な提言が行われてきておるところであります。さらに、去る四月の第二次行革審の最終答申では、行政改革の主要課題の一つとして、行政運営の透明化、公正の確保が掲げられておるところであります。
 政府は、逐次、具体的施策を実施してきておりまして、臨調及びこれまでの行革審は極めて大きな役割を果たしてこられたと、私はこう受けとめております。
 先般の福岡補選の結果については、私は率直にこれは受けとめております。今後とも、一層各般にわたる国政の重要課題に全力を挙げる考えでおります。
 消費税の問題についてもお触れになりましたが、見直し法案と廃止関連法案が提出されておりますが、これらの法案につきましては、国会において十分な審議が行われ、それぞれの考え方を国民の皆様の前に明らかにした上で、議会制民主主義の原則にのっとってしかるべき取り扱いが決定されることになるものと考えておりますが、政府といたしましては見直し法案の成立を心から願っており、最後まで最大の努力を続けていきたいと考えております。
 新行革審の実態は、この三年間の精力的な審議を通じて、さきにも申しましたように、土地対策、規制緩和、いろいろ貴重な処方せんを政府に提言していただきました。これらの提言は審議会みずからの見識に基づいて提出されたものであり、御指摘のような政府の代弁機関との御批判は当たらないと私は考えます。
 また、アジア・太平洋平和保障機構についてお触れになりましたが、一般的に申しますと、適切な政治的環境が存在する地域において、域内諸国の総意によって安全保障や平和に関する保障機構を設置することは、同地域の平和と安定に資するものとして長期的には重要な問題であると私は認識しております。ただ、今足元を短期に見ていただくと、アジア・太平洋地域は、朝鮮半島における南北の対立、日ソ間における北方領土問題及びカンボジアの問題など、依然として地域諸国の間の政治的な対立や紛争や未解決な問題があり、さらに中ソ問題、中越紛争、印パ紛争等も存在しておって、同地域の多くの諸国は経済発展の途上にもあり、国内政治上も多くの困難を抱え、不安定性を内蔵しておるのであります。
 したがって、このような機構を直ちに設置する環境が整っているとはいまだ言えない状況でありますので、この構想を推進するためには、まずそれぞれ一つ一つの問題解決に向かい努力していくことが最も重要と私は考えておりまして、今般のカンボジア東京会談の実現を初め、我が国自身も、本件地域の諸問題の解決のために二国間及び国連等で外交努力を行ってきたところであり、同地域の平和と安定を図るため、今後ともできる限りの環境整備を続けてまいりたいと考えております。
 最近の国際情勢は、御指摘のように、今回の米ソ首脳会談等を通じて、米ソを中心とする軍備管理・軍縮交渉の進展など、望ましい変化が生じていることは事実でありますが、しかし、さきに申したように、いろいろ不透明、不安定な面もございます。大綱は昭和五十一年に策定されたものであり、これは、米ソ両国の関係を中心に国際関係安定化のための努力が続けられているとの認識のもとに、憲法の許容する自衛のための必要最小限度の範囲内において、我が国が平時から保有すべき防衛力の水準を示し、整備してきたものでございます。
 平成三年度以降の防衛力の整備につきましては、これらの点も考慮し、昭和六十三年十二月の安全保障会議における討議を踏まえて、その具体的内容について、大綱の取り扱いを含め、国際情勢及び財政経済事情等を勘案しつつ安全保障会議を中心とする適切な文民統制のもとに検討を続けていきたいと考えておりますが、いずれにいたしましても、憲法及び専守防衛等の基本的防衛政策に従うとともに、昭和五十一年の閣議決定の節度ある防衛力の整備を行うという精神を引き続き尊重することは言うまでもないことでございます。
 ODAについてお触れになりましたが、経済協力の一層の効果的、効率的実施のためには、現行の関係法令等の枠内で運用改善を図ってまいりたいと考えております。
 土地制度につきましては、昨年末に成立した土地基本法において公共の福祉優先等基本理念をお示しいただきました。その基本理念のもとに、土地対策の基本的な展開方向として、社会資本の整備に関連する利益に応じた適切な負担、土地に関しての適正な税制上の措置、公的土地評価の適正化などが示されておるところでありまして、これらを踏まえた具体的措置として、今後の土地対策の重点実施方針に掲げられた各般の施策の実現に向けて努力しておるところでありますが、特に土地税制の見直しについては税制調査会において今精力的に審議が行われているところであり、今後とも、土地を持っておればもうかるという土地神話を打破し、土地問題を解決するため必要な制度改正も含めて政府一体となった取り組みを展開していきたいと考えております。
 残余の問題については関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
   〔国務大臣塩崎潤君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(塩崎潤君) 角田議員にお答えいたします。
 まず、政府といたしましては、行政に対する国民の信頼を確保する観点から、これまで行革大綱等に基づいて行政情報の公開に努めているところであります。一方、情報公開法の制定等法律によりますところの制度化の問題につきましては、我が国において新たな事柄でありますので検討すべき課題も多く、引き続き調査研究を進めてまいる所存であります。(拍手)
   〔国務大臣石川要三君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(石川要三君) 角田議員にお答えいたします。
 平成三年度以降の防衛力整備につきましては、もう既に総理からも述べられましたわけでございますが、さらに私に対しましては具体的な装備の導入等についてのお尋ねがございましたので、その点に限ってお答えをさせていただきたいと思う次第でございます。
 平成三年度以降の防衛力整備は、ただいまも総理からもお答えがございましたように、一昨年の十二月の安全保障会議を踏まえまして、国際情勢、軍事技術の動向、あるいは経済財政事情等を勘案いたしまして、安全保障会議を中心とする適切な文民統制のもとに、政府全体として総合的検討を行った上で決定をされる問題でございます。
 したがって、御質問にございますような具体的な装備の導入につきましては、現段階におきましては防衛庁として確たることを申し上げる段階ではございませんので、その点御了承をいただきたいと、かように思います。(拍手)
   〔国務大臣山本富雄君登壇、拍手〕
#33
○国務大臣(山本富雄君) 角田議員の米の輸入問題に関する御質問にお答え申し上げます。
 米は日本国民の主食であり、かつ我が国農業の基幹をなすものであります。また、水田稲作は、国土や自然環境の保全、地域経済上不可欠の役割を果たしております。
 このような米及び水田稲作の格別の重要性にかんがみまして、国会における決議等の趣旨を体し、今後とも国内産で自給するとの基本的な方針で対処してまいりたいと考えております。(拍手)
    ─────────────
#34
○副議長(小山一平君) 吉川春子君。
   〔吉川春子君登壇、拍手〕
#35
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、臨時行政改革推進審議会設置法案につきまして質問を行います。
 臨時行政改革推進審議会、つまり第三次行革審が、第二次行革審の最終答申を受けて、その後継機関として設置される以上、これまでの臨調、行革審の役割、すなわち臨調行革が何をもたらしたかを振り返ってみなければなりません。
 第二次行革審の最終答申は、臨調、行革審の九年間の成果を大いに誇っています。しかし、この九年間の実際は、国民が求めた民主的行政改革、すなわち行政の全分野からむだと浪費をなくし、汚職、腐敗を一掃することとは正反対のものでした。
 第一に、この臨調、行革審は、最大の浪費である大軍拡を進め、駐留米軍経費の大幅な負担増などでアメリカを満足させ、国家安全保障会議の設置など戦時即応態勢の国家体制の強化を推進してきました。また、民間活力導入の名のもとに、国民の共有財産を大企業に丸ごと提供したり、一連の規制緩和や大減税で大企業には巨大な利益を保証する反面、国民には深刻な犠牲を押しつけてきたのです。軍事費やアメリカの世界戦略を補完ずるODAの大増強を行う一方、命を脅かす医療、年金制度の改悪や教育、地方財政、中小企業、農業などあらゆる分野で国民に犠牲を強いてきました。これは予算の内容を見れば明らかではありませんか。総理の明確な答弁を求めます。
 こうした国民収奪の総仕上げが消費税の導入です。臨調は「増税なき財政再建」といううたい文句を掲げながら、答申では直間比率の見直しや所得、資産、消費の間に適切な課税のバランスを確保することを提起し、逆進性の強い最悪の大衆課税である消費税導入を推進したのです。
 この九年間の出来事で特に強調しなければならないのは、民活路線推進の結果、土地の異常な暴騰によって大都市圏ではマイホームの夢が奪われ、また一連の規制緩和の結果、環境破壊が全国に広がり、深刻な社会問題になったことです。国有地の処方においても、有償三分割方式によって地方自治体の公共用地取得を困難にする一方、民間への払い下げで地価高騰をあおってきました。総理、よもや土地高騰や環境破壊が臨調・行革路線とは無関係だとは考えておられないと思いますが、明確な答弁を求めます。
 さらに、行革審の土地答申が提唱している都市再開発の推進、大規模開発プロジェクトの推進が新たな土地高騰を呼び起こすことにはならないと断言できますか。お答えください。
 第二に強調しなければならないことは、この間、汚職、政治腐敗の一掃という国民が行政改革に寄せた願いを全く裏切って、リクルート事件や明電工事件、パチンコ疑惑に象徴される政治腐敗と政治疑惑が絶えず、国民の大きな怒りを買ったことです。今国会でも、深谷郵政相のリクルート疑惑をめぐって、予算委員会は政府と深谷郵政相に重大な警告を発したばかりです。そして、今も政治家の関与する国際航業事件がマスコミをにぎわしています。
 総理、リクルート事件を初め、こうした一連の政治疑惑が続出したにもかかわらず、それでもあなたはこの九年間の臨調、行革審は成功したと誇るのですか。それとも、国民の期待するところの行政改革によるきれいな政治への願いにこたえられなかったと反省されるのでしょうか。お答えください。
 次に、第二次行革審最終答申への態度についてです。
 最終答申では、これまでともかく掲げてきた増税なき財政再建の旗印もおろしてしまいました。八〇年代初めには約三〇%であった国民負担率が、現在は約四〇%に上昇しています。加えて行革審の最終答申は、これをさらに約五〇%に引き上げ、国民に新たに大幅な負担を押しつけようとしており、国民に痛みを伴うことを覚悟するよう要求しています。
 総理、このような答申を尊重するという政府は、この痛みや負担増をだれにどのような形で求めようとするのですか。明確にお答えください。
 こうして国民犠牲を一層進めるとともに、最終答申は、新たに行政改革の範囲をはるかに超えて、戦略援助としてのODAの強化や日米経済摩擦対策など国際的課題、財政投融資債の発行など、およそ財政再建に反する新たな大企業奉仕の政策と国民負担率の増大など、九〇年代から二十一世紀にかけての内外にわたる重大な課題を提起しています。
 さらに、「急激に変化しつつある内外環境の下で、行政の目標や在るべき姿」の検討といった国策の基本問題まで提起しています。そして、「世界に日本がよく融合し、」「市場開放を徹底し、制度・慣行を国際的に受け入れられるものに改革」することなどを提案、「内外無差別の公正な社会でなければ世界に受け入れられない。」とまで強調しているのです。まさに、アメリカ側が構造協議の目的が究極的には日米経済の統合にあると露骨に言っているのに対応する立場を日本側が示し、これまで以上にアメリカの対日要求に全面的にこたえる方向を示しています。
 このように、最終答申は行政改革の課題をはるかに超える日本の国政の基本問題まで示しています。政府は、この最終答申を尊重して臨時行政改革推進審議会を設置し、こういう日米構造の問題の推進にも当たらせようというのですか。そうなれば、第三次行革審は日本の行革審ではなく、国策推進。監督機関とも言うべきものになるではありませんか。
 最後に、審議会政治そのものについてです。
 この九年間の臨調、行革審の果たした役割は、制度上は総理府の一附属機関であるにもかかわらず、歴代自民党内閣がこれを国会も政府も超越した最高の国策決定機関であるかのように扱い、国策の優先順位を初め、重要な国政問題の決定をここに任せてきました。そして、密室政治で決めたアメリカと財界の要求に沿った答申なるものの最大限の尊重が政府や国会の義務であるかのように唱え、実行に移してきました。これは憲法が規定する国権の最高機関である国会を軽視する議会制民主主義の形骸化にほかなりません。こうした審議会政治は、第八次選挙制度審議会に自民党の政治改革大綱の内容を引き写した小選挙区制、政党法導入の答申を打ち出させたやり方にもあらわれているではありませんか。
 本法案は第二次行革審の最終答申尊重を義務づけていますが、総理はなぜ国権の最高機関である国会のほかにこのような審議会を設置するのですか。明確に答弁していただきたいと思います。
 我が党は、二十一世紀まで国民に大きな犠牲を強いる最終答申推進のための事実上の最高の国策決定推進機関とも言うべき役割を果たすこの第三次行革審の設置に強く反対することを表明して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#36
○国務大臣(海部俊樹君) 吉川議員にお答え申し上げます。
 臨調路線は大軍拡、大企業優先で国民に犠牲を強いるとおっしゃいましたけれども、臨調は、活力ある福祉社会の建設、国際社会に対する積極的な貢献という二つの目標を掲げて、二十一世紀を展望した広範な改革方策を提言していただいたものであり、その後の行政改革は臨調答申を基軸に行われてきておりますが、行政改革は、行政を取り巻く内外の環境の変化に対応し、活力ある経済社会を構築していくために行うものであり、今日まで特例公債依存体質からの脱却という財政再建の第一段階の達成、三公社の民営化など大きな成果を上げてきておりますので、御批判は当たらないのではないでしょうか。
 また、今や民間部門は大きな経済力、情報力、人的資源等を持つに至っており、これからの新しい社会の発展を担う原動力になるのではないでしょうか。公的規制の緩和を通じて民間が活力を発揮し、国民生活の質の向上、産業構造の転換、地域の活性化及び開かれた市場の形成を目指していくことは、今後の我が国経済社会の発展にとって不可欠の課題であると私は考えております。このようなところから、臨調以来、公的規制の緩和と民間活力の活用に努めてきたところでありますが、これらは第二次行革審の最終答申においても今後の行政改革の主要課題とされており、引き続きその推進に努めてまいりたいと考えております。
 なぜそのようなものを置くかとおっしゃいますが、行政改革の一層の推進を図るためには、各界有識者の御意見を聞いて、それを重要かつ有益と考え、それを尊重していくことが第三次行革審設置法案を御提案したその目的でございます。
 なお、行政改革に関連する施策のうち立法措置を要する重要な制度改正等につきましては、その都度国会に法律案を提出して御審議をお願いするのは当然のことでございます。
 残余の質問につきましては関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
#37
○副議長(小山一平君) 塩崎国務大臣。
   〔国務大臣塩崎潤君登壇、拍手〕
#38
○国務大臣(塩崎潤君) 吉川議員にお答え申し上げます。
 まず第一に、国民負担率に関するお尋ねでございます。
 まず、租税負担と社会保障負担とを合わせた国民負担の今後のあり方につきましては、究極的には国民が必要とする公共支出の水準と表裏をなすものであります。受益と負担とのバランスを眺めながら、そのときどきの情勢のもとで国民的な選択が行われるべき事柄であると考えます。
 今後、高齢化社会の進展等に伴い、国民負担率は長期的にはある程度上昇するものと考えられますが、臨調答申は、その場合であっても、その水準をできるだけ低位にとどめるよう提言しており、今回の第二次行革審最終答申においても、これを踏まえ、高齢化のピーク時二〇二〇年ごろにあっても、これを五〇%を下回る水準にとどめるよう、その努力を政府に求めたものと理解しております。
 政府としては、今回の最終答申の趣旨を踏まえ、その上昇を極力抑制すべく今後とも努力を払ってまいる所存であります。
 第二に、日米構造協議の推進を第三次行革審に求めるかとのお尋ねにお答え申し上げます。
 第二次行革審の最終答申は、二十一世紀を展望し、我が国行政の目指すべき二大目標を掲げるとともに、行政改革の主要課題とその改革の基本的方向を示したものであります。最終答申の中には、日米構造協議で取り上げられております規制緩和や土地対策などについても提言されているところであります。規制緩和の推進や土地対策は、これまで臨調や行革審の答申等でも指摘されておりますように、それぞれ行政改革の重要な課題の一つであると認識しているところであります。
 第三次行革審で何を取り上げるかというお尋ねでございますが、審議会の発足後、政府側から行政改革全般の進捗状況を聴取願い、その後、審議会において御協議いただくことが適当であると考えており、現在具体的なことは申し上げられないことを御理解願いたいと思います。(拍手)
#39
○副議長(小山一平君) 答弁の補足があります。海部内閣総理大臣。
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#40
○国務大臣(海部俊樹君) 土地が高騰したことと臨調の答申との間に関連性があるのではないかという角度からの御指摘に対して、私の答弁漏れがあったという御指摘でございました。
 私は、土地高騰の問題にはそれぞれいろいろな要素が重なっておるものと考えておりますので、臨調の答申と直接の関係があるものとは考えておりません。(拍手)
    ─────────────
#41
○副議長(小山一平君) 星川保松君。
   〔星川保松君登壇、拍手〕
#42
○星川保松君 このたびの臨時行政改革推進審議会設置法案の提案につき、私は連合参議院を代表し、以下の点について御質問をいたします。
 政府は、いわゆる今回の第三次行革審の設置に当たり、四つの目標を掲げております。それは、一つに国際的調和、二つに国民生活の質的向上等のための公的規制の緩和、三つに行政運営の透明性、四つに公正の確保であります。これら四つの目標のそれぞれの内容は余り明確ではありませんが、私なりに推測しながら御質問をしたいと思います。
 まず、総務庁長官は第三次行革審を臨調以来の行政改革を集大成する意気込みでやりたいと言っておられるそうでありますが、この四つの目標がその集大成とどのような関係になっているのかを御説明願いたいと思います。
 次に、さきの行革審、つまり第二次行革審の最終答申の最大の特徴は、土光臨調以来の行財政改革の基本理念、つまり増税なき財政再建というこの基本理念との決別であると言われております。これは本年度当初予算編成で赤字国債発行がゼロとなったため、財政再建の第一段階が達成できたとの認識に立ったものでありますが、やはり今回の行革審の目標にも増税なき財政の再建は入っておりません。
 赤字国債を含む国債発行総残高は、本年度末で今なお百六十四兆円もの巨額に達し、その利払い費だけでも年間十一兆円に上ります。これは、毎年国民が納める税金の約二割が過去の借金の利払いに充てられている勘定になります。本年度に赤字国債発行ゼロを達成したのは、好調な景気により税の自然増収が見込めるからにすぎず、綱渡り財政運営が解消されたわけではありません。さきの行革審委員の一人であります宮崎さんのように、国債発行残高がゼロにならない限り財政再建は未達成という認識に立って、増税なき財政再建路線を堅持しながら行政改革に取り組むべきではないかと思いますが、この点、総理にお尋ねをいたします。
 次に、国際的調和についてでありますが、これは、政府が日米構造協議の中間報告で、米側の要求にこたえ、公共投資の大幅拡大を約束したこと等も含まれていると思います。国債の発行を抑えながら公共投資をふやすならば、税負担を重くしなければなりません。そうでなければ再び国債の大量発行に逆戻りをして、結局後代にツケを回すことになりますが、公共投資を大幅にふやして国際的調和を図りながら、どうやって財政改革を進めていこうとなさるのか、総理にお尋ねをいたします。
 次に、国民生活の質的向上というのは、消費者、生活者重視の行政を目指すということであろうと思いますが、そのためには、まず委員の人選が極めて重要であろうと思います。臨調、第一次行革審、第二次行革審のメンバーは、いずれも経済界の重鎮を並べてきました。これでは財界主導、つまり生産者重視の運営になるのは当然で、生活者、消費者重視の行政改革を目指すならば、それにふさわしい人選をしなければならないと思います。総務庁長官は、第三次行革審委員は清新な人を選びたいと発言されたそうでありますが、それも含めて、その方針を承りたいと思います。
 また、さきの新行革審は、その最終答申が全会一致ではなく、委員七人の採決に持ち込まれた結果、五対二の多数決で決まったということであります。最初の臨調から通算して九年、この間に政府に提出した答申は十九件に上りますが、多数決によったのはこれが初めてだと聞いております。常に全会一致という方がおかしいのであって、米国の各種委員会等では賛否分かれるのが常であり、我が国のように全会一致のための根回しなどというのはないそうですが、この点につき総務庁長官のお考えをお尋ねいたします。
 次に、行政運営の透明性ということをうたっておりますが、政府みずから行政の運営に不透明な面があることを認める、その勇断は大いに買いたいところであります。ただ、行政を透明にするには、そう難しいことではないと私どもは思っております。それは、政府が持っている情報を思い切って公開することであります。総理はよく、それは議会で十分御審議くださいとおっしゃいますが、行政府が情報を握ったまま国民の代表の立法府に十分御審議をと言っても、無理なことではないでしょうか。情報を公開しないで、しかも行政の透明度を高めるウルトラCを行革審に諮問するおつもりでしょうか、総理にお尋ねをいたします。
 次に、公正の確保ということも挙げられておりますが、行政における公正の確保は極めて重要なことであります。しかし、余りにも普遍的な概念で理解が困難であります。特にどういう行政の公正確保にウエートを置かれるつもりなのか、総務庁長官からお示しをいただきたいと思います。
 次に、政府は掲げてはおりませんが、目下の急務とすべき課題があります。それは行政の東京一極集中の弊害であります。
 中央集権から地方分権へと言われながらも、一向に改善の兆しが見られません。これはかけ声だけで、国が地方への権限移譲を渋っているのが最大の原因であると言われております。地方では、道路一本、保育所一つつくるにも、何度も中央に出かけて陳情を繰り返さなければなりません。その時間と費用の浪費は膨大なものであります。こうした陳情行政の改革について総理はどのようなお考えをお持ちでしょうか、お尋ねいたします。
 次に、さきの行革審では、一万件を超す許認可、さらには行政指導による規制など国民生活の隅々まで張りめぐらされた公的規制の廃止や緩和と取り組んだけれども、業者と役所の許認可権限が密接に結びつき、強い抵抗に遭ったと伝えられております。このようなことのために、みずからの改革をなし得ず、他国から構造改革を迫られる醜態を繰り返してはならないと思いますが、この点、総理はいかに対処なさるおつもりか、お伺いをいたします。
 最後に、私は、かつて地方の一首長として国とともに行政改革と取り組んだことがあります。節約をしては、住民からけちだと言われました。課を減らしては、課長昇任の機会を減らしたと幹部職員から憎まれました。人を減らすなと組合にはしかられました。ところが、気づいてみますと、一緒に改革を進めてきたはずの国も県も一向に行財政の改革が進んでおらず、何やらだまされたような気がいたしました。
 行政改革を推し進めようとするとき、力の強い者はこれをはねのけて既得権を守り、結局は力の弱い者に大きくしわ寄せされてしまうおそれがあります。行政の公正は、ここにおいても十分配慮されるべきだと思いますが、総理の御所見をお尋ねし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#43
○国務大臣(海部俊樹君) お答えをいたします。
 増税なき財政再建をてことするこれまでのたゆまぬ改革努力によりまして、財政再建の第一段階である特例公債依存体質からの脱却を実現いたしましたが、平成二年度末には百六十四兆円にも達する国債残高がございます。依然として厳しい状況でありますので、引き続き行財政の改革が必要であると考えております。去る四月の第二次行革審の最終答申においては、増税なき財政再建が目指しました簡素にして効率的な政府とするため、高齢化のピーク時においても国民負担率が五〇%を下回ることを目標として、そのため、行財政全般にわたり思い切った改革を進めていくとともに、将来において赤字国債の再発行に陥らないよう公債依存度の引き下げなどを進めていくべき旨が指摘されておりまして、政府としてもその方向に沿って今後とも行財政改革に努力をしていく覚悟でございます。
 御指摘の財政は、今後高齢化、国際化の進展に伴って非常にたくさん必要になってまいりますが、その財政需要に適切に対応しながら、本格的高齢化社会が到来する二十一世紀を見据えて着実に社会資本整備の充実を図るなど、効率的な資源の配分を行っていく考えであります。
 また、情報公開の問題につきましては、臨調答申や行革大綱等に基づき、今日まで文書閲覧窓口を置き、閲覧文書を逐年拡大するなどにより、行政情報の公開に努めてきておるところであります。行政運営全般についてその透明性、公正を確保することば、去る第二次行革審の最終答申においても今後の行革の主要課題に挙げられており、その具体化は今後の重要な課題の一つと認識し検討を続けてまいりますが、新しい行革審においても御審議をいただくことが適当であると考えております。
 地方への権限の移譲の問題は、政府は従来から行政の簡素化、効率化及び地方自治の尊重の観点から、また多極分散型国土形成の観点からも、住民に身近な行政は住民に身近な地方公共団体において処理できるよう、臨調答申等に沿って権限移譲等に努めてきたところであります。昨年十二月に、第二次行革審が地域の活性化を図るなど幅広い観点から四十七項目の権限移譲など、国と地方との関係について各般の改革方策を提言していただきました。政府としましては、この答申に沿って国から地方への権限移譲に積極的に取り組んでまいる考えでございます。
 今後の公的規制緩和の取り組みについては、規制の緩和は重要な緊急な課題であると認識しており、一昨年の第二次行革審の規制緩和答申は今後の我が国の経済社会の発展のために必要、貴重な御意見と評価をし、政府はこれを直ちに最大限に尊重して規制緩和推進要綱を策定し、物流二法の改正など着実にその実施に努めてきておるところであります。さらに、去る最終答申で行革の主要課題の一つとして公的規制の廃止、緩和と民間部門の活用が挙げられておるところでありますので、規制緩和の推進には今後とも積極的に取り組んでまいります。
 また、行政改革を進める上で既得権の打破、行政の公正に配慮すべきとの御指摘でございます。
 臨調以来、変化への対応、総合性の確保、簡素化・効率化、信頼性の確保という四つの観点から、行政については聖域のない見直しが行われ、幅広い改革方策が提言されてまいりました。政府はこれらに沿って各般の具体的施策を実施してきたところでありますが、なお、今後行政改革の推進に当たっては国民の理解と協力が不可欠でございます。今後とも、各界の皆さんの御意見を十分に聞きながら、行政全般にわたり強い新たな決意で改革を進めてまいりたいと考えております。
 残余の質問につきましては関係大臣から答弁をいたします。(拍手)
   〔国務大臣塩崎潤君登壇、拍手〕
#44
○国務大臣(塩崎潤君) 星川議員にお答え申し上げます。
 まず第一に、第三次行革審にかける意気込みに関するお尋ねでございます。
 行政改革は、これまで三公社の民営化、特例公債依存体質からの脱却を初めとして、大きな成果を上げてきましたが、いまだ多くの課題が残されているところであります。国際的調和、国民生活の質的向上などのための公的規制の緩和、行政運営の透明性、公正の確保などを初めとして、引き続き行政改革の推進が要請されている現下の情勢にかんがみ、新たな決意で幅広い観点から思い切った改革に取り組む必要があります。
 そこで、国政上の最重要課題の一つである行政改革の主要課題の達成を推進するため、第三次行革審設置法案を提出したところであります。集大成する意気込みという意味は、まさにそのような気持ちで行政改革の目標に取り組むという私の決意を述べたものであります。
 第二に、第三次行革審の委員の人選についてお答え申し上げます。
 委員の人選につきましては、行政改革の一層の推進を図るためには各界有識者の声を広く聞き、行政改革に関する世論の結集を求めることが必要であり、清新な人材を広く各界から登用することが重要ではないかと考えられます。
 なお、今後の行政改革の推進に当たりましては、国民生活の質的向上や消費者の視点を重視した観点からも取り組むことが重要になると考えており、委員の人選に当たってもこのようなことを踏まえてお願いする必要があると考えております。
 第三に、新行革審における最終答申の決定手続に関するお尋ねであります。
 新行革審におかれましては、最終答申の作成に当たり、各委員とも真剣に御論議を尽くされ、可能な限り全委員の一致した答申となるよう努力も払われたところであります。しかし、今回については全委員の意見の一致が得られず、議事規則に従い、出席委員の三分の二以上の多数によって決定されたものと承知しております。もとより、このような手続をとることは合議機関としてその意思を決定する上で当然のことであり、これにより答申の意義はいささかも薄れるものではないと考えているところであります。
 第四に、行政の公正確保に関するお尋ねであります。
 去る四月の第二次行革審の最終答申は、二十一世紀を展望した行政改革の基本的方向と主要課題として六点を挙げ、その一つに行政運営の透明性、公正の確保があり、その内容として、行政手続法制の統一的整備、国民の意見、要望を制度運用の改善へ反映する方策の充実の二点を指摘しております。
 この中では、既に政府部内で相当の成果が蓄積されていること、第二に、国際化の進展に対応して我が国の行政手続をわかりやすいものとすることは緊要の課題であることなどから、政府としてはまず行政手続法制の統一的整備に向かって前向きに取り組んでまいりたいと考えております。(拍手)
#45
○副議長(小山一平君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#46
○副議長(小山一平君) 日程第一 スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。環境特別委員長大森昭君。
   〔大森昭君登壇、拍手〕
#47
○大森昭君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、スパイクタイヤの使用を規制し、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止を図ろうとするものであって、その主な内容は次のとおりであります。
 第一は、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する国民並びに国及び地方公共団体の責務を定めるものであります。第二は、スパイクタイヤ粉じんに関し、住民の健康保護と生活環境の保全が特に必要な地域を指定地域として環境庁長官が指定し、指定地域内の舗装道路の積雪または凍結の状態にない部分においては原則としてスパイクタイヤの使用を禁止し、その違反者については十万円以下の罰金に処するものであります。
 委員会におきましては、本法におけるスパイクタイヤ使用の禁止の趣旨、地域指定の指定基準と手続、代替タイヤの普及啓発と安全運転教育、大型車に対する規制の適用等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、日本共産党より修正案が提出されました。採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が全会一致をもって付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#48
○副議長(小山一平君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#49
○副議長(小山一平君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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