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1990/06/20 第118回国会 参議院 参議院会議録情報 第118回国会 本会議 第17号
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1990/06/20 第118回国会 参議院

参議院会議録情報 第118回国会 本会議 第17号

#1
第118回国会 本会議 第17号
平成二年六月二十日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十七号
  平成二年六月二十日
   午前十時開議
 第一 地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第二 簡易郵便局法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 放送法及び電波法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第五 船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第六 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局埼玉陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件(衆議院送付)
 第七 商品取引所法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(土屋義彦君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。保利文部大臣。
   〔国務大臣保利耕輔君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(保利耕輔君) 生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 国際化、情報化、高齢化など大きな変化の中にあって、二十一世紀に向かい、我が国が創造的で活力のある社会を築いていくには、学習に関する国民の自発的意思を尊重するよう配慮するとともに、国民の多様化、高度化した学習に対する需要に対応し、生涯にわたる学習が円滑に行われるよう、国及び地方公共団体を通じて生涯学習の振興のための体制の整備を図ることが必要となっております。
 今回の法律案は、中央教育審議会の答申の提言を受け、生涯学習の振興のための施策の推進体制及び地域における生涯学習に係る機会の整備を図るために、国及び地方公共団体を通じて必要な措置を定めることをその内容といたしております。
 今回の法律案の概要は、次のとおりであります。
 第一は、生涯学習の振興に資するための都道府県の体制の整備についてであります。
 今日、生涯学習の振興を図るためには、都道府県における学校教育及び社会教育に関する学習並びに文化活動の機会について、一、これらの機会に関する情報を収集し、整理し、及び提供すること。二、住民の学習に対する需要及び学習の成果の評価に関し、調査研究を行うこと。三、地域の実情に即した学習の方法の開発を行うこと。四、住民の学習に関する指導者及び助言者に対する研修を行うこと。五、地域における学校教育、社会教育及び文化に関する機関及び団体に対し、これらの機関及び団体相互の連携に関し、照会及び相談に応じ、並びに助言その他の援助を行うことなどの事業を推進するための体制を整備することが求められてきております。このため、都道府県の教育委員会は、これらの事業を相互に連携させつつ推進するために必要な体制の整備を図りつつ、一体的かつ効果的に実施するよう努めるものとし、これらの体制の整備に関し、文部大臣が望ましい基準を策定することといたしております。
 第二は、地域生涯学習振興基本構想についてであります。
 都道府県は、交通条件及び社会的自然的条件等から見て生涯学習に係る機会の総合的な提供を行うことが相当と認められる特定の地区において、当該地区及びその周辺の相当程度の広範囲の地域における住民の生涯学習の振興に資するため、社会教育に係る学習及び文化活動その他の生涯学習に資する諸活動の多様な機会の総合的な提供を民間事業者の能力を活用しつつ行うことに関する基本的な構想を作成し、文部大臣及び通商産業大臣の承認を申請することができることとし、必要な事項を定めることといたしております。さらに、基本構想の円滑な実施を促進するための文部大臣及び通商産業大臣の必要な援助について定めるとともに、民間事業者の能力の活用のために、民間事業者に対する資金の融通の円滑化その他の業務を行う基金を設け、基金に対する負担金について損金算入の特例の適用があるものといたしております。
 第三は、生涯学習審議会についてであります。
 生涯学習の振興のための施策の推進体制の整備のために、文部省に生涯学習審議会を置くこととしております。生涯学習審議会は、文部大臣が内閣の承認を経て任命する二十七人以内の委員で組織することとし、この法律及び社会教育法の規定によりその権限に属させられた事項を調査審議するほか、文部大臣の諮問に応じ、学校教育、社会教育及び文化の振興に関し、生涯学習に資するための施策に関する重要事項及び社会教育一般等に関する事項を調査審議することといたしております。さらに、生涯学習に資するための施策に関する重要事項に関し必要と認める事項を文部大臣または関係行政機関の長に建議し、関係行政機関の長に対し、資料の提出、その他必要な協力を求めることができることといたしております。
 また、都道府県に都道府県生涯学習審議会を条例で置くことができることとし、都道府県の教育委員会または知事の諮問に応じ、生涯学習に資するための施策の総合的な推進に関する重要事項を調査審議するとともに、これらの事項に関し必要と認める事項を都道府県の教育委員会または知事に建議することができることといたしております。
 なお、市町村については、生涯学習の振興に資するため、関係機関及び関係団体等との連携協力体制の整備に努めるものとすることといたしております。
 第四に、関係法律の改正等所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(土屋義彦君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。森暢子君。
   〔森暢子君登壇、拍手〕
#7
○森暢子君 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律案につきまして、総理大臣、文部大臣及び関係各大臣に対し質疑を行います。
 現在、科学技術の高度化や情報化、国際化の進展、産業構造、就業構造の急激な変化、さらには高齢化といった大きな社会変化の中において、従来の学齢期に限定された学校教育中心の教育体系にはおのずと限界が出てまいりました。したがって、生涯にわたって学習機会を確保、保障していくという生涯学習の理念の重要性が一九六〇年代後半になってから強く指摘され始めました。
 すなわち、国際的には一九六五年、パリで開催されましたユネスコ第三回成人教育推進国際委員会において、生涯教育という理念が初めて提唱されました。その後、一九七三年にはOECDのCERIがリカレント・エデュケーションの考え方を打ち出しました。さらに、ユネスコでは一九七六年の第十九回総会で成人教育の発展に関する勧告を行うとともに、一九八五年の第四回国際成人教育会議においては学習権の重要性を高らかに宣言したのです。
 このような国際的な動きにいわば追随する形で、我が国においても中央教育審議会、臨時教育審議会等で検討が重ねられ、今回の法案の基礎になった中央教育審議会の本年一月の答申へと結びついていったのです。この答申については、生涯学習の理念が明確でない、各省庁の施策の調整については具体策がない、生涯学習体系のもとにおける学校教育や社会教育の位置づけがあいまいである等々の批判が相次いでいます。
 そこで、総理にお伺いいたしますが、ユネスコを中心とした国際的な生涯学習の考え方と中央教育審議会答申の生涯学習の考え方とどう違うのか、まず明らかにしていただきたいと思います。
 次に、本法律案は、国際的な視点あるいは国内の批判などから十分とは言えない内容の答申を土台に政府は法案作業に取りかかったわけですが、その過程で各省庁間の調整がなかなかつかなかったことは周知のとおりです。つまり、法案で最も大切な部分の生涯学習の理念、各種の生涯学習の振興策の位置づけや連携の具体的方針等の調整ができないまま、国会に提出されてきたのが実情だと思います。実にそれは提出予定から二、三カ月もおくれた五月十一日でした。さらに、衆議院から参議院に送付されてきましたのは、会期をわずか一週間しか残されない六月十九日なのです。
 私たちが生涯学習制度のあり方を考えるに当たっては、明治以来百十余年も続いてきた、学齢期に限定された学校教育中心の教育制度から百八十度転換して、生ある限り学べる社会をつくること、そして二十一世紀を展望し、それにふさわしい教育制度を模索することだと思います。私たちに求められているこれが大きな政治の課題ではないかと思います。したがって、国民全体で考え、国民の合意を得た上で実施に踏み切ることが当然であり、その確立こそが私たちの責務であると思います。
 総理は、今国会の施政方針演説の冒頭に、国民的合意を目指して全力を傾けると政治的姿勢を強調されました。この謙虚で慎重な態度こそが、国家百年の計とも言うべき教育制度の改革には特に求められる姿勢であると思います。しかし、残り一週間足らずの会期で参議院で処理せよというやり方には納得いきません。審議の軽視ではありませんか。これでは総理の政治信条に合わないのではないでしょうか。およそ教育問題の論議にはふさわしくありません。総理の御所見を伺います。
 私たちも生涯学習の重要性については十分認識しています。その意味では共通の土俵にのれるわけですから、急がないで、二十一世紀に通用する、次の世代に誇れる、そして世界に誇れる生涯学習振興法をこれからつくっていけるのではないかと思いますが、これも総理、いかがお考えでしょうか。
 さて次に、生涯学習社会への移行に伴い、国民が要望している事項が各種のアンケートの調査で明らかになっております。それは、学歴偏重社会の是正、育児休業制度及び有給教育休暇制度の確立、完全週休二日制の取り組みと学校五日制の実施、学習機会の地域格差の是正、女性の生涯学習の機会を保障するための保育体制の整備などが挙げられています。これらの要望事項は、いずれも生涯学習の機会を確保するために前提となる基本的条件であり、その実現が必要です。本法律案でこれらの要望事項がどのように具体化されているか、あるいは施策としてどう実現していくつもりか、総理大臣及び関係大臣から具体的御答弁をいただきたいと思います。
 次に、法案の内容について数点お伺いいたします。
 第一は、生涯学習の目的と理念についてです。
 この法律案は、生涯学習に関する我が国初の法律となるべく提案されているにもかかわらず、生涯学習とは何かという基本的な定義、理念が抜けています。そのために、各省庁のどのような施策が本法で言う生涯学習に該当するのか、民間事業者のどのような事業が生涯学習の振興策に組み込まれるのか、学校教育や社会教育を初めとした各省庁の諸施策がどのような連携、協力をすることによって生涯学習体制を形成していくのか、これらの基本的な事項が不明確になってしまうのです。したがって、地方公共団体や教育関係者、それから国民のだれもが生涯学習のイメージを持つことができません。
 生涯学習体系への移行は、二十一世紀に向けての我が国の教育改革の最大の課題だと思います。したがって、憲法と教育基本法は則して生涯学習についての明確な定義と理念を確立し、我が国の教育の進むべき方向を示すいわば指針となる格調の高い法案でなければならないと考えます。
 第二は、学習者の自発性、自主性の尊重の必要性であります。
 学習の目的や課題は各人さまざまであり、学習者みずからが最も通した学習の機会や方法を選択し、自主的に学習を進めることが生涯学習の基本原則であることは言うまでもありません。本法律案においても、国民の自発的意思の尊重という抽象的な言葉が挿入されておりますが、具体策を見ますと、そのようになっていないのです。すなわち、都道府県の生涯学習推進体制の整備に関しては、文部省が望ましい基準を定めることとしています。さらに、都道府県が定める生涯学習振興基本構想についても、文部、通産両大臣の定める承認基準等に基づいて国の承認を受けることが義務づけられているのです。
 このように、国が生涯学習振興策の方向性を示すことは、中央集権的文教政策をそのまま地方の生涯学習振興に持ち込むということになり、自発的で自主的な学習の機会を保障することにはならないと思うのですが、文部大臣いかがお考えでしょうか。
 第三は、都道府県が作成する特定地区における生涯学習振興基本構想には、民間事業者の能力を活用することが義務づけられているということについてです。
 生涯学習を振興するに当たって重要な視点の一つとして、地域の文化格差、学習機会の格差を是正することがあります。ところで、民間事業者がある地域に進出するか否かを判断する最大の材料は、経営採算上の観点であることは当然です。したがって、民間事業者は大都市など人口密集地には経営に乗り出しますけれども、過疎地を初めとした経営条件の悪い地域には進出しないことが予想されます。これでは文化あるいは教育学習条件の地域格差を是正するどころか、むしろ助長するものと言わざるを得ないのです。
 また、本来、生涯学習を各地区において適切に振興するためには、国や地方公共団体が公として果たすべき役割、事業内容、それから民間事業者に依存する部分、それぞれが明らかにされる必要があると思います。しかし、本法律案においてはそれらの点が不明確なため、民間事業者主指導型も予想されます。さらに、こうした民間事業者の活用により、特定民間事業者を優遇するなど、官と民との癒着構造も懸念されます。これら諸点について、文部大臣、通産大臣、いかがお考えでしょうか、お伺いいたします。
 第四は、生涯学習審議会についてであります。
 文部大臣もお触れになりましたが、この生涯学習の振興は、学校教育、社会教育、文化政策といった文部省所管事項のみならず、職業能力の開発であるとか向上、そして社会福祉施策など、労働省や厚生省などとの連携、協力、調整などが重要になってまいります。確かに関係大臣にも建議する権能は与えられておりますが、組織上この審議会は文部省に置かれることになるため、他の省庁との関係などについて十分の調査それから審議、建議ができないのではないかと憂慮しております。
 したがって、私は、審議会を内閣直属のしかも独立性を保障した新たな機関とすること、委員についても国会の承認を必要とするなど、権威のある審議会にする必要性を痛感していますが、総理及び文部大臣の見解をお伺いいたします。
 最後に、生涯教育に伴う財政の確立の必要性であります。
 本法律案には、国の財政的援助措置については何らの規定も置かれていないのです。国が地方の生涯学習振興策をリードしたりコントロールしたりする援助措置は好ましくありませんが、しかし地域格差是正の立場等からの学習条件の整備、情報提供事業の拡充等、地方の自主性を尊重した形での財政措置は不可欠です。生涯学習社会の形成に向けてどのように財政的措置を拡充していくおつもりか、大蔵大臣、お聞きしたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(海部俊樹君) 森議員にお答えをいたします。
 だれもが、いつでも、どこでも自発的意思で学習できる社会のため、その推進体制の整備を目指すこの法律案は、国会審議の手順を踏み、御相談を行いながら御審議願っておるものと理解をいたしております。
 この法案につきましては、地方公共団体の関心も高く、また生涯学習の充実という時代の要請にこたえるため、当面実現可能な、また実現すべき諸施策を規定したものでありまして、将来における生涯学習の推進のための先導的役割を果たそうとするものでございます。生涯学習の振興のための取り組み、推進の上からも、御審議をいただき、早期成立させていただくことを心から期待いたしております。
 また、生涯学習の推進に当たりましては、御指摘のように、働く方々にそのための時間を確保していくことが重要な問題であると私も認識をいたしております。このため、助成制度の活用等によって有給教育休暇の普及促進を図りますほか、法定労働時間の段階的短縮等により週休二日制の普及を図っていかなければならないのは当然のことであります。また、育児休業制度についても、その確立に向けてさらに一層の普及促進に取り組んでまいりたいと考えます。
 国民のすべてが、いつでも、どこでもそれぞれの自発的な意思で学習することができる社会をつくることば極めて重要な課題であります。そのために、多様化、高度化しました国民の学習要求、学習需要を背景にして、各人の生涯にわたる自己の啓発、充実のため適切な学習機会が整備されなければならないという、学習者の視点に立った理念に基づく生涯学習体制の整備が必要であると私は考えております。
 残余の質問につきましては関係大臣より御答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣保利耕輔君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(保利耕輔君) 森議員の御質問にお答えを申し上げます。
 第一に、ユネスコを中心にした国際的な生涯学習の考え方と中教審答申の生涯学習の考え方との差異についてでございます。
 ユネスコを中心にいたしました国際的な生涯学習の基本的な考え方は、学習に関する人々の自発的意思を尊重しつつ、人生の若い一時期の学校教育のみではなく、人の一生と社会の生活全体にわたるさまざまな学習が重要であり、これらの学習を支援していこうとするものと考えられ、中央教育審議会答申の生涯学習の考え方と基本的には同趣旨のものと思われます。
 次に、学歴社会の是正、学校週五日制や学習機会の地域格差の是正についてでございますが、学歴偏重の弊害を是正する一つの方途は、人々が生涯にわたって随時学習することを尊重し、その学習が正当に評価される生涯学習社会を築くことであり、本法律案の施策の実現により学歴社会の是正に大きく貢献するものと確信をいたしております。
 また、学校週五日制の問題につきましては、生涯学習とも関連のある事柄でございまして、現在、教育水準の維持や学校運営のあり方、国民世論の動向などにも配慮しながら、その対応について調査研究を行っているところでございます。およそ平成三年度末までには一応の結論を得る予定となっております。
 さらに、本法案における施策の実施に当たっては、特に学習機会の地域格差の是正に努めるとともに、社会教育など従来の施策においても十分配慮してまいります。
 次に、国が地方に対し基準等を示すことについてでございます。
 今回の法律案の趣旨は、二十一世紀に向かい我が国が創造的で活力のある社会を築いていくには、学習に関する国民の自発的意思を尊重するよう配慮しつつ、国及び地方公共団体を通じて生涯学習の振興のための体制の整備を図るものでございます。各地方公共団体におきましては、地域の実態を十分に踏まえつつ、住民のニーズにこたえる施策が展開されるものと期待いたしております。地方の施策や国民の学習の支障になるものではないと承知いたしております。
 次に、民間事業者の活用についてでございます。
 国や地方公共団体が行う事業以外にも、民間の創意工夫により、教育、スポーツ、文化に関する魅力的な学習機会が提供されており、人々の学習需要に柔軟に対応するため、民間事業者の能力の活用も大切でございます。国や地方公共団体の行う公的な生涯学習機会の整備を一層推進すべきことはもちろんでございますが、これらが広く活用されることを期待いたしております。
 なお、民間事業者活用についての御指摘の諸点についてでございますが、御懸念のようなことがないよう、都道府県とも十分密に連絡をとりながら努力をしてまいりたいと存じております。
 最後に、生涯学習審議会を文部省に置くこととした理由についてでございますが、学校教育や社会教育の振興などの各施策は、それにより国民の生涯にわたる学習の場が提供されるとしても、これらは必ずしも各人の人生のあらゆる時期にわたって適切な学習機会が整備されるという観点に立つものであるとは限らないことから、今後、生涯学習の視点に立ち学習者の立場に立った施策を講ずるに当たっては、既に行われている既存の行政施策・制度について何らかの整合性を持たせていくことが必要でございます。したがって、学校教育、社会教育及び文化の振興を所管し、生涯学習振興の中心的役割を果たす文部省に、生涯学習に資するための施策に関する重要事項を調査審議するため、本審議会を設置することといたしたものでございます。
 これらの点を踏まえ御審議をいただき、御賛成いただきますよう御期待申し上げているところでございます。(拍手)
   〔国務大臣津島雄二君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(津島雄二君) 森議員の私に対する御質問は、生涯学習社会への移行に対応し保育体制の整備はどうなっているかという点でございます。
 保育対策につきましては、保育ニーズの多様化に対応いたしまして、乳児保育、延長保育等の充実、一時的保育事業の創設などを図ってきたところでございます。今後とも、女性が生涯学習社会に参加するとともに、子供を安心して育てられる環境の整備をするために、保育対策の一層の充実に努めてまいる所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣武藤嘉文君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(武藤嘉文君) お答えをいたします。
 地域生涯学習振興基本構想では、文部省は教育、文化の振興の観点から、私の方の通産省は民間事業者の能力の活用の観点から、共管省として協力しながら幅広く多様な生涯学習の振興に取り組んでいくものと承知をいたしております。
 また、この構想は、政令で定める特に生涯学習機会の集積の著しい地域を除いて、地方公共団体が中心となりまして、その周辺地域への波及効果を考慮しながら公的な事業の一層の推進を図るとともに、民間事業者の能力をも活用して生涯学習の機会の提供がより深く行われることを期待しており、その推進のために民法法人を設けることとしております。
 さらに、この構想の円滑な実施のために、必要な場合には、全国三千三百余りの市町村にございます地域コミュニティーの核である商工会議所あるいは商工会にも協力を要請する等、支援を行っていきたいと思っております。
 いろいろ御指摘はございましたけれども、そのような御懸念のないように地方公共団体と連絡を密にしながらやってまいります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(橋本龍太郎君) 森議員から私へのお尋ねは、地域格差是正の立場などからの学習条件の整備や情報提供事業の拡充など、地方の自主性を尊重した形での生涯学習振興上不可欠な財政措置についてのお尋ねでありました。
 そして、その前提に、国が地方の生涯学習振興策をリードしたりコントロールしたりするような援助措置は当然好ましくないという前提を置かれておりますが、その前提は私もそのとおりだと思います。国としても、地方公共団体の自主的な取り組みを尊重しながら、公立社会教育施設の整備や各種の生涯学習関連事業に対する補助など、所要の諸施策を講じてまいりました。今後とも、現下の財政事情なども勘案しながら、生涯学習の振興に配意してまいりたいと思います。(拍手)
#13
○議長(土屋義彦君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#14
○議長(土屋義彦君) 日程第一 地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長渡辺四郎君。
   〔渡辺四郎君登壇、拍手〕
#15
○渡辺四郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、地方公務員の災害補償制度につきまして、国家公務員の災害補償制度についての改正との均衡を考慮して同様の措置を講じようとするものでありまして、年金たる補償の額の算定の基礎として用いる平均給与額について、年度ごとの四月一日における国の職員の給与水準の変動に応じて計算すること、長期療養者の休業補償の算定の基礎となる平均給与額について、年齢階層ごとの最低限度額及び最高限度額を設定することを主な内容とするものであります。
 委員会におきましては、政府より趣旨説明を聴取した後、過労死と公務災害認定、地方公務員災害補償基金の業務運営、休業補償の平均給与額への最高限度額の設定等の諸問題について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して諫山委員より反対の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対しましては、災害の予防及び職業病の発生防止のため一層努力すること等を内容とする附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#17
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。
     ─────・─────
#18
○議長(土屋義彦君) 日程第二 簡易郵便局法の一部を改正する法律案
 日程第三 放送法及び電波法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長青木薪次君。
   〔青木薪次君登壇、拍手〕
#19
○青木薪次君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 まず、簡易郵便局法の一部を改正する法律案は、大都市において郵便局の設置が著しく困難になってきている社会経済情勢の推移にかんがみ、経済的に郵政事業の役務の一層の普及を図るため、郵政窓口事務を委託することができる場合を拡大するとともに、受託者の資格を追加すること等を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、簡易郵便局の設置方針、郵便物増加に伴う業務運行対策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、松前理事より三項目から成る附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決しました。
 次に、放送法及び電波法の一部を改正する法律案は、テレビジョン放送の受信障害対策の円滑な実施に資するため、受信障害対策中継放送に関する規定を整備し、あわせて、ファクシミリ方式によるテレビジョン多重放送の実用化に伴い、テレビジョン多重放送に関する規定を整備しようとするものであります。
 委員会におきましては、受信障害の現状及び解消方策、受信障害対策中継放送の導入目的、多重放送の動向等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#20
○議長(土屋義彦君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#21
○議長(土屋義彦君) 総員起立と認めます。
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     ─────・─────
#22
○議長(土屋義彦君) 日程第四 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長板垣正君。
   〔板垣正君登壇、拍手〕
#23
○板垣正君 ただいま議題となりました法律案につきまして御報告申し上げます。
 本法律案は、人事院の国会及び内閣に対する本年三月二十三日付の国家公務員災害補償法の改正に関する意見の申し出にかんがみ所要の改正を行おうとするものでありまして、その主な内容は、年金たる補償の額について年度ごとに四月一日における職員の給与水準の変動に応じて改定するとともに、長期療養者の休業補償に係る平均給与額について年齢階層ごとの最低限度額及び最高限度額を設定しようとするものであります。
 委員会におきましては、公務災害認定の現状及びその審査手続のあり方、過労死の実態とその認定問題等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑終局後、日本共産党の吉岡委員より、休業補償に係る平均給与額について年齢階層ごとの最高限度額を設定する規定を削除する修正案が提出されました。
 次いで、採決の結果、修正案は否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し全会一致をもって附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#25
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ─────・─────
#26
○議長(土屋義彦君) 日程第五 船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 日程第六 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局埼玉陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件(衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長中野鉄造君。
   〔中野鉄造君登壇、拍手〕
#27
○中野鉄造君 ただいま議題となりました法律案及び承認案件につきまして、運輸委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 まず、船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案は、日本船舶への外国人船員の導入が実施されるなど我が国船員をめぐる環境の変化を踏まえ、外国船への配乗を促進する等日本人船員について海上職域を確保し、その雇用の一層の促進と安定を図るため、船員雇用促進センターが新たに船員労務供給事業を実施できるようにするとともに、当該事業の適正な運営を確保するための措置並びに当該事業に従事する船員の職業及び生活の安定を図るため、関係法律の特例適用等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、我が国外航海運の位置づけ、内航船員の労働条件の改善、新マルシップ混乗船の今後の見通し、今後の外航船員の確保・育成対策等各般にわたる質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党小笠原委員より反対の意見が述べられ、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し田渕理事より、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合の五会派共同提案に係る七項目の附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局埼玉陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件は、埼玉県の南東部地域における自動車の検査及び登録事務の現状にかんがみ、埼玉県春日部市に関東運輸局埼玉陸運支局春日部自動車検査登録事務所を設置するため、国会の承認を求めようとするものであります。
 委員会におきましては、採決の結果、本件は全会一致をもって原案どおり承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#28
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 まず、船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#29
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局埼玉陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件の採決をいたします。
 本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#30
○議長(土屋義彦君) 総員起立と認めます。
 よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。
     ─────・─────
#31
○議長(土屋義彦君) 日程第七 商品取引所法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長倉田寛之君。
   〔倉田寛之君登壇、拍手〕
#32
○倉田寛之君 ただいま議題となりました商品取引所法の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、商品価格変動リスクの増大とリスクヘッジの必要性の高まり、海外における先物取引の発展等に適切に対応するため、私設先物市場の開設禁止規定の整備、受託に係る財産の分離保管制度の導入等委託者保護の一層の充実を図りつつ、我が国商品市場が国際的に通用する先物市場の整備に必要なオプション取引等新種の取引の導入、試験上場制度の創設、外国法人への会員資格付与等の措置を講じようとするものであります。
 なお、衆議院におきまして罰則の該当事項に商品取引市場における取引の受託を加える修正が行われております。
 委員会におきましては、委託者財産の分離保管の適正運用、不当な勧誘行為と罰則のあり方、新型取引が及ぼす市場機能への影響、商品取引員協会設立とその運営のあり方等の諸問題について熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本共産党市川委員より反対の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、委託者保護の充実が図られるよう商品取引所制度の適正な運営に一層努めること等五項目の附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#33
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#34
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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