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1990/06/12 第118回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第118回国会 税制問題等に関する調査特別委員会 第3号
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1990/06/12 第118回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第118回国会 税制問題等に関する調査特別委員会 第3号

#1
第118回国会 税制問題等に関する調査特別委員会 第3号
平成二年六月十二日(火曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 山崎  拓君
   理事 加藤 紘一君 理事 工藤  巌君
   理事 関谷 勝嗣君 理事 中西 啓介君
   理事 中村正三郎君 理事 佐藤 敬治君
   理事 村山 富市君 理事 和田 静夫君
   理事 渡部 一郎君
      井奥 貞雄君    伊吹 文明君
      大石 正光君    奥野 誠亮君
      金子 一義君    小泉純一郎君
      小杉  隆君    佐藤 敬夫君
      鈴木 俊一君    鈴木 宗男君
      田原  隆君    高鳥  修君
      鳩山由紀夫君    平沼 赳夫君
      吹田  ナ君    藤井 裕久君
      町村 信孝君    村井  仁君
      村上誠一郎君    村田 吉隆君
      村山 達雄君    柳沢 伯夫君
      山村新治郎君    大木 正吾君
      嶋崎  譲君    須永  徹君
      鈴木喜久子君    筒井 信隆君
      戸田 菊雄君    中沢 健次君
      早川  勝君    武藤 山治君
      安田 修三君    渡辺 嘉藏君
      井上 義久君    小谷 輝二君
      日笠 勝之君    矢追 秀彦君
      山田 英介君    正森 成二君
      吉井 英勝君    中井  洽君
      江田 五月君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 橋本龍太郎君
 出席政府委員
        大蔵大臣官房総
        務審議官    篠沢 恭助君
        大蔵大臣官房審
        議官      西村 吉正君
        大蔵省主計局次
        長       藤井  威君
        大蔵省主税局長 尾崎  護君
        国税庁次長   岡本 吉司君
 委員外の出席者
        議     員 伊藤  茂君
        議     員 神崎 武法君
        議     員 中野 寛成君
        議     員 菅  直人君
        議     員 森井 忠良君
        議     員 宮地 正介君
        議     員 中村 正男君
        議     員 元信  堯君
        地方行政委員会
        調査室長    渡辺  功君
        大蔵委員会調査
        室長      兵藤 廣治君
    ─────────────
委員の異動
六月十二日
 辞任         補欠選任
  笹川  堯君     大石 正光君
  林  義郎君     鈴木 俊一君
  山村新治郎君     井奥 貞雄君
  武藤 山治君     須永  徹君
  山田 英介君     矢追 秀彦君
同日
 辞任         補欠選任
  井奥 貞雄君     山村新治郎君
  大石 正光君     笹川  堯君
  鈴木 俊一君     村田 吉隆君
  須永  徹君     武藤 山治君
  矢追 秀彦君     山田 英介君
同日
 辞任         補欠選任
  村田 吉隆君     林  義郎君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 消費税法を廃止する法律案(伊藤茂君外七名提出、衆法第四号)
 消費譲与税法を廃止する法律案(伊藤茂君外七名提出、衆法第五号)
 地方交付税法の一部を改正する法律案(伊藤茂君外七名提出、衆法第六号)
 税制再改革基本法案(伊藤茂君外七名提出、衆法第七号)
 消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)
     ────◇─────
#2
○山崎委員長 これより会議を開きます。
 伊藤茂君外七名提出、消費税法を廃止する法律案、消費譲与税法を廃止する法律案、地方交付税法の一部を改正する法律案及び税制再改革基本法案並びに内閣提出、消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 本日は、特に、伊藤茂君外七名提出の各案について質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤紘一君。
#3
○加藤(紘)委員 消費税につきまして、私たちももちろん政府・与党として案を出す、そして野党の方も案を出す、それが両方同時にこの場で審議されるというのは、衆議院の歴史の中で非常に新しいいい方向であろうと思っております。ですから、できるだけ建設的な、お互いに合意のできるような討論を我々これからできればと思っておりますので、そういう趣旨でお答えいただき、また討論いただければありがたいと思っています。
 ところで、きょうは六月十二日なんです。これは十年前大平総理大臣が亡くなられた日でございます。私は、大平さんに育てられた政治家みたいなものですから、個人的には特別の感慨があります。しかし、ここで自分の個人的な感慨や感傷というようなものを云々している場面ではないと思っています。しかし、大平さんという方は、私もそばで見ておりましたけれども、税制のために命をなくされたと思っております。人はそれぞれ運命というのがあって、寿命というのがあってと、こうよく言われますけれども、私は、大平さんが一般消費税というものを提起しなかったならば、あのような四十日抗争とかその後の苦境に立たなかったし、心労にもならなかったしという気持ちがございます。
 個人的な話ですけれども、大平さんの御長男は正樹さんといって、二十五歳で若くして世を去られました。次男の裕さん、この方が大平家を今継いでいるようなものですけれども、非常に大平さんに風貌も似て、発想も似た方です。今から五日ほど前、日本経済新聞の文化欄にその裕さんがちょっとした文章を書いておられますけれども、それを読んでみますと、「父は一般消費税の導入を打ち出したものの、結局、受け入れられなかった。が、十年たって、消費税として結実した。総選挙に敗北し、その後のいわゆる四十日抗争で疲れ切り、道半ばにして倒れたものの、今、ようやく理解されてきたのはうれしい限りだ。」こう息子さんとして書いておられるのですね。
 私は、全くそのとおりだと思っているのです。一人の政治家が税制のために死んだ。私は、当時大平さんのもとで官房副長官というのをしておりましたから、それをずっと見ていて、そして大平さんが死んだ後外国に行きましたら、特にアメリカの国会議員ないしジャーナリストから口をそろえて言われたのは、大平さんのやったことはポリティカルスイサイドじゃないか、政治的自殺じゃないか、選挙の前に一般消費税を、大型税制を打ち出すということが本当にあり得るのかね、誠実だということもいいけれども、それは政治的に見れば非常にロマンチスト過ぎる話だったんではないかというように言うわけですね。私は、その言葉を政治家としてよくわかります。しかし、大平さんはそういう話を言われると、いや国民に話せばわかってくれる、理解してくれる、日本の国民のレベルは高いんだということを言い続けながらこの税制を提起したわけであります。
 今でも私覚えておりますけれども、五十四年九月、我々の総選挙がありました。そのときに、総選挙が近くなりますと、大平さんが一般消費税を言っておるものですから、多くの人から、選挙は危ない、やめろやめろ、多くのブレーンの方、側近の代議士の方が大平さんをいさめました。しかし大平さんは、やるんだと言ってそのいさめを拒否されて、そして力強くリーダーシップを発揮されようとした。一番典型的なのは、告示が九月十七日でしたけれども、九月の二十一日、選挙期間中の閣議がありました。閣議が形式どおり終わって、みんなが散会したその丸テーブルの大平さんのそばに金子一平大蔵大臣が来られて、口論されておるのですね。私は何だと思って行きましたら、大平さんが、君がそんな弱気でどうするのだ、国民はわかってくれます、堂々としていなさい、こう言っていました。金子大蔵大臣は、余りにも反発の強さに一般消費税をトーンダウンしましょうと言ったに違いないのです。そのような感じでした。その金子大蔵大臣の言葉が、大蔵省事務当局の意向を代弁したものなのか、政治家金子一平さんとして政治判断されておっしゃったのか、これは私も今なぞなんです。
 しかし、そういう大蔵大臣に対し総理は、頑張っていこうじゃないかと言いました。しかし、反発はますます強くなって、それから五日の後、九月の二十六日、大平さんは新潟市のホテルで記者会見をし、ついに後退発言をしました。そこで、一般消費税によらないで財政再建の実を上げてみたい、一般消費税については仕組みに問題があり、相当きつい反対がある、こう言って、無念の気持ちで多分記者会見をされたと思います。しかし、事はもう動いておりました。選挙において自民党は大敗を喫します。自民党内には猛然たる反発が当然来ます。犠牲者も多かったのです。私も自分で大平さんの側近のつもりでしたから、最後の五人か六人まで残って一般消費税の必要性を説き、自分の予想より一万七千票ぐらい少なかったな、これは厳しいものだな、こう思いました。それで大平さんは、敗北になって弱気になりまして、多分総裁としての責任を感じたのだと思います。
 それからもう一つ弱気の原因には、私は、国民はわかってくれるはずだと思って言ったのにわかってくれてなかったのか、この気持ちがあったと思います。その後四十日抗争になって、ある日、党本部で福田さんと対決をされるという日に、私はなぜか大平さんの世田谷の自宅から車に乗って一緒に党本部に向かったのです。環八から入っていくときに大平さんは、国民はわかってくれているのだ、しかしあの大雨でこうなったのだということを言いました。私は、国民に拒否されたのになぜ大平さんはわかってくれるということを言い続けるのか、やはりその信念を崩したくなかったのだと思いますね。語りかければわかるはずだと。
 それからもう一つ大平さんは重大なことを言っていたと思うのです、今から見れば。消費税は将来の高齢化社会のために温めてきた発想である、その仕組みである。しかし、それを財政再建、赤字解消に我々は使おうとした、そこを国民が見て反発したのであろうか、こういうこともぼつっと車の中で言っておりました。
 そこで、それから十年たちまして、私はこの消費税論議をするときにお聞きしたいのですけれども、これは大蔵大臣にもお聞きしたいと思います。
 それは、新たな税制、特にこのような大型な新税を含むような税制改正をやるときに、国会で国民に向かって直接語りかけて、そして理解してもらえるものであろうか。それとも、やはり国民というのは新たな税というのはしょせん拒否するのだ、嫌なのだ、だから税制を提起するのは与党の責任であって、与党が泥をかぶって、時にはいろいろな手練手管を使いながらやっていかなきゃならぬものなのだ、そういう厳しいものなのだ。政治をダイナミックに考える人、マキャベリスティックに考える人はそう言うかもしれません。伊藤さんは、どちらの道をとられますか。
#4
○伊藤(茂)議員 加藤さんの方から、非常に身近の関係にございました大平さん、十年前にちょうどきょう亡くなられた、感慨を込めたお話がございました。私も、大平さんは本当に誠実な、立派な政治家だったと思います。あの後発刊をされました「近代を超えて」、上下二巻の長いものですが、丹念に読まさせていただいたりいたしております。また、大平プロジェクトと言われましたさまざまなレポートがございます。私は、正直言いまして、あれを読みますと、無味乾繰な臨調レポートよりはずっとおもしろいんじゃないかというような気持ちでいるわけでありますが、そういう感慨を込めながらお話がございました。
 私は、この十年間を振り返って思うのでありますけれども、一般消費税が挫折をした。特にあのときに税と政治、そしてまた信頼の得られる税制というのはどうしたらいいのだろうかということを特に与党・政府におかれまして真剣にお考えいただくということが大事だったのではないだろうか。それがなかったためにあれから十年間、何か提案をしては国民から拒否されるという歴史が続いたのではないだろうかというふうに思うわけであります。
 加藤先生に私が申し上げる必要もないと思いますけれども、まさに近代国家、近代民主主義は、負担と税制の公平からスタートをした。これは世界の議会制度の歴史が示すところでありまして、そういう意味で、昨日の趣旨説明の中でも「税制は政治の顔」と申し上げさせていただきました。この十年間を振り返りながら、本当にやはり国民の皆様に御信頼いただける税制をどうするのかということを真剣に議論しなければならないというのが、まさに今であらうというふうに思うわけであります。そういう意味から申しますと、加藤さんおっしゃいましたが、新税というのは国民から御納得いただけない、難しい。まあ与党の皆さんはよく、個人的には新税は悪ととらえられるというお話も伺うわけであります。私は、それが根本的に違っていると思います。どういう負担でどういう社会をつくるのかということを国民の皆様にお願いをして、説得をして、合意のもとに公平な負担でよりよい社会をつくっていこうということを形成するのがまさに税制であろうと思います。それがまた近代国家で最も重要な問題であろうと思います。
 そういう意味で、税制というのは最もベーシックな、最も社会の基本的な税制であると考えておりまして、私も十年余り大蔵委員会に在籍をしていろいろな勉強をさせていただきましたが、個別の具体的な問題ではなくて、それが税制の基本なんだ、信念なんだということを実は一番勉強をしたわけであります。そういう気持ちで申しますと、公約違反、国民の怒り、こういう状態を変えなければならないという趣旨で私ども四法案を提出をさせていただいている次第でございます。
#5
○加藤(紘)委員 内容がよくてプロセスがしっかりしていれば新税は必ずしも悪税ととらえない、国民に働きかければ大丈夫なんだと、こういう御趣旨、御答弁だと思っておりますが、大蔵大臣、いかがでございますか。
#6
○橋本国務大臣 第一次大平内閣の閣僚として、今加藤委員が述べられました、非常に厳しい状況の中でついに大平総理が持論を撤回するに至られた経緯を閣内で見ておりました者として、今改めてその当時を思い起こしております。その上で今の委員の御質問にお答えするとすれば、私は二通りの答えになると思います。
 現在、衆参両院において与野党の勢力はいわゆる逆転現象と言われる状況にあり、国会全体としての与野党の力関係というものはバランスをしておると思います。この以前の状況、すなわち与党が衆参両院において圧倒的な多数を持っておりました時期、私は、その新税を考える責任、推進していく責任、これは大きく政府・与党の責任であったと思います。しかし、その時期におきましても、政府がどういうプロセスをとってその案を取りまとめました場合でも、最終的には国会における国民を代表する議員の審議というもので国民の意思を問うてまいりました。
 しかし、今日のように参議院においては野党の力が圧倒的に強い、衆議院は与党が強いと言い条、国会としてはその力関係がバランスをしているとき、私は、その責任は必ずしも政府・与党のみが負える状況ではなくなっている。そして、野党の方々にも現実的な対応をお願いをすると同時に、政府・与党としてもまた十分に野党の意見というものに対して耳を傾けて、合意を形成する責任は生ずるもの、私はそのように今感じております。
#7
○加藤(紘)委員 お二人とも話し合いでその道はあるはずだという点では一致しておると思いますけれども、しかし現実に政治をやっている人間にとりましては、新しい税制改革、特に負担増になるような場合は非常に厳しい結果をもたらすことは、何度も我々経験しているところです。特にそこまで負担増がいかなくても、今度のようにレベニュー・ニュートラルで、組みかえと言ってもやはりある部分は新しいわけですから、それは生活保守主義の感覚に根差した場合には抵抗が非常に強い。
 例えばよく言われる説ですけれども、新鋭というのは、必ず大型の場合は戦争のときか何か異常なときでないと導入できないんだという説がありますけれども、例えば今アメリカで財政再建で苦しんでおられるけれども、あのガソリンに一ガロン五セントとか十セント課税すれば一挙にすぐ直ってしまう。ところがブッシュさんにしてもデュカキスさんにしても、選挙のときは本当にもごもご言いながら選挙をやりましたね。この新税は必ずある種の特別な状況でなければ導入できないのだという説について、どう思われますでしょうか。
#8
○伊藤(茂)議員 新税は異常なとき、それから平時ではどうできるのかという趣旨のお話がございました。加藤さんも私も当然でございますが、異常な時期が、あるいは戦時があってはならないわけでありますから、やはり平時と申しましょうか、民主的な、あるいは発展をする日本の中で民主的な手続を経てよりよき税制をつくっていくというために、お互いにこれは努力をしなければならない、当然のことであろうと思います。
 そういう意味で申しますと、今までのこの消費税問題、その前の売上税問題を含めましてこの経過というのは、手順においても内容においても間違っていた。そこから今日の国民の皆様のやはり大きな反撃を受けたというのが、率直に言って経過ではなかったかというふうに思うわけであります。
 私は、アメリカのレーガン前大統領の税制改革とよく比較をするわけでありまして、彼が税制改革の議会における大統領演説のときに、好きな言葉ですから暗記して覚えておりますが、我がアメリカ合衆国は不公平な税制に対する戦いの中から誕生した。今、形は違うが、深く静かにそれが進行している。公平な税制をつくろうではないか、そして公平なアメリカをつくろうではないかという趣旨の発言、提案をなさいました。私は、税制という場合に、本来そうあるべきものであろうというふうに実は思うわけでありまして、それとは非常に違った形で、初めに大型間接税ありき、数の力で強行するというのが、たしかこの議場でやられたわけでありますが、経過であったろうというふうに思うわけであります。
 そういう経過から考えまして、加藤さんもおっしゃいましたが、本当にやはり民主時代における平時の中での改革をやろうというふうに思うならば、また社会の将来を考えるならば、一たんやはり白紙に戻して、改革を精力的にやり直すという道しかないであろうというふうに考えております。
#9
○加藤(紘)委員 今提案者のおっしゃったことは、手順と内容がしっかりしていれば、これは国民に語りかけて、そして新たな新税の導入もあり得るんだということをおっしゃったと僕は受けとめます。それは、仮に国民に負担増をお願いする場合でもあり得ますか。そこをお聞きします。
#10
○伊藤(茂)議員 私は、これからの社会を考えますと、高齢化社会の進行、二十一世紀時代、大きな課題でございますから、国民の皆様に御負担がやや上がることをお願いをするという場面もあるであろうと思います。私が申し上げましたのは、そういう税制をどのような政治の責任で、責任感を持って論ずる気なのか。一つは手順がございます。公約違反、数の力ということで国民は納得するはずはございません。これが一つであります。
 もう一つは、内容であります。私どもは昨年、一昨年も四野党の政審会長で、なるべく野党のヤと言わないように四党でというふうに言っておりますが、提案を幾つかさせていただきました。税制国会でも消費税国会でもこの場でも議論をされました。反対するだけの主張は私どもはしたくない、正論を主張するような野党としての努力をしようではないかということで、基本法に表現をされておりますが、幾つかの手順を言わしていただいたわけであります。例えば、公約違反ではないフェアな国民への約束からスタートをしましょう、あるいは国民の皆様が一番不安を持っている不公平是正を徹底的にやりましょう、特に資産課税、土地問題あるいはまた税金の使い道、生きて使われるようにこれからの財政計画などをきちんともう一度洗いましょう、福祉と負担についてどういう関係があるんですか、現在の制度のもとで十年後、二十年後、三十年後、どういう数字になるのかというふうな安直な計算ではないように勉強をしようではないか、その上に立って直接税、間接税を含めました納得いただけるようなことを考えようではないかということを実は申し上げたわけであります。
 私は、手順の面でも内容の面でもそのような方向に進んでいればもっと建設的な議論が行われたのではないだろうか、この数年間あるいは十年を振り返ってみましても、そう思うわけでございます。
#11
○加藤(紘)委員 今後のこの税制特別委員会またはその後のいろんな過程の中で、非常に重要な御答弁を私個人としてはいただいたと思います。
 とにかく手順と内容さえしっかりすれば、国民に負担増になることも国民に語りかけて成立する可能性があるし、四党としてもそう思うし、また、その方向で建設的な努力をしてみよう、こうおっしゃったものとして理解してよろしゅうございますですか。伊藤さん以外にほかの四党の方もお願いいたします。
#12
○伊藤(茂)議員 私の方から一言お答え申し上げます。
 加藤さん、何かその負担増の方にえらく力点を置いて言っておられますけれども、私はそうではないだろうと思います。やはり今日サラリーマン層が置かれている状態というのは、これからも工夫をして負担にならないように、むしろ負担が軽減されるような努力というものをしなければならないというふうに思います。あるいは土地問題を見ましても、何か一部の者が非常に得をしている、大多数の国民は泣いているという状況ですから、それらについての公平性も図らなければならないというふうに思うわけでありまして、負担増という視点だけではない、やはり出発点は公平ということをあくまでもベースに置いて議論をなさるべきであろうと考えております。
#13
○加藤(紘)委員 いや、私が申したのは、もちろん公平、手順、すべての内容をいろいろ精査して、そして納得できたならば、例えば高齢化社会の場合には負担増を国民にお願いしなきゃならぬ場合がある、そういったケースのときには、やはり野党としてもそれはやむを得ないこととして国民に提起する場合があるかということをお聞きしているのです。もちろん、その前に不公平感を排除し、いろんなことをやって、その上で非常にいい案ができたら負担増を国民に提起する場合、その勇気が野党におありになりますかということをお聞きしているのです。
#14
○伊藤(茂)議員 一般論として負担増をお願いする場合があるということは否定をいたしません。ただ申し上げたいのは、今日の国民負担率、それと福祉の予算の状況などなどを考えますと、そういう発想を今まず前面に出すというときではないのではないかと考えております。
#15
○加藤(紘)委員 そこで、どうやった手順をとればいいのか、どうやった内容をつくればいいのか、これはもう大変な議論があって、そして延々と続くのかと思います。しかし、私は、大平さんが消費税導入をして失敗して、そしてその後五十四年の十二月、いわゆる財政再建に関する決議をいたしますですね。そして、一般消費税(仮称)は国民の理解を十分得られなかった、したがって、財政再建はそれによらず、行革、税負担公平の確保、既存税制の見直し、こういうのでやっていくんだ、それが将来の国民福祉充実に必要な歳入の安定的な確保を固めるための目標である、こういうような趣旨のことを言ったわけですね。
 これはさっき私が言いましたように、大型間接税というものを温めてきた。しかし、それを財源不足に使おうということを国民が見てとって反発したのかなという大平さんの反省等に基づいて、その後与野党で話し合われて、とにかく赤字というのは行革等でやろう、こうなって大変な努力をそれから七、八年やってきたと思います。その路線をスイッチして、その路線に行って行革をし続けた日本の政治というのは、私は誇りを持っていいと思っております。アメリカなんかの財政再建の道、レーガノミックスの道なんかよりもずっと厳しい道をみずから逃げないで立ち向かってきたのが日本の姿じゃないかなと私は思っています。ある意味では、日本の国会議員はアメリカの下院議員よりもずっとステーツマンシップがあると僕は思っているんです。十年、これだけのドラマ、努力を続けてこられて、そして行革もかなりの成果を上げてきたと思うのですね。しかし、どうしてもそこでいろいろ野党の方からも納得いただけない。
 一つ、単純にお聞きします。確認したいのですけれども、皆さんが今いろんな法案に、自民が提案するものに反対されるのは、野党だからゆえに反対されているんではないということは確認してよろしいですか。伊藤さん、どうぞ。
#16
○伊藤(茂)議員 当然でございますが、私どもも常にアンチテーゼを立てるだけの野党みたいなことは全然考えておりません。常に国民の声に基づいて、多くの国民の意見をどう反映をさせるのかという立場から政治家として対応してまいりたい、そういう立場から今日税制についても私どもは厳しく御意見を申し上げているわけであります。
#17
○加藤(紘)委員 与党となれば財政の現実に今責任をとらなきゃならぬという部分が出てくるのです。対外関係からいろいろやらなきゃならぬことも出てきます。しかし、野党であれば、その部分は与党御苦労さまですねというような感じで見ているケースというのはなきにしもあらずだと私は思いますが、神崎さん、そういうケースは一つもないと胸に手を当てて自信を持って言われますか。
#18
○神崎議員 野党の責務の一つとして、与党のいろいろな行為をチェックする、これが野党の重大な責務の一つであると私は思います。その意味においては、与党がやろうとしていることを常に批判的にチェックをしていく、こういう姿勢というものは野党に求められておると考えます。
#19
○加藤(紘)委員 自民党与党というのは、みんなそれぞれ大臣になったり政務次官になったりするだろう。だから、それだけの責任感というのがあるんだ。もう一回繰り返しますけれども、自民党与党というのはそういう部分頑張って泥をかぶってやっていきなさい、そういう感じで、少し野党としてはのんびりした感じを心の中に一回も持ったことはないか。中野さん、どうでしょう。
#20
○中野議員 お答えいたします。
 政府・与党の場合に、ある意味では国民に受け入れがたい問題について、一つの信念を持って、将来を展望をして、ある意味では泥をかぶってその施策を推進をするということがあるであろうと思いますし、そしてまた、野党も同じ気持ちで、責任野党としての心構えを持って、本当のことを本音で語るという姿勢を持ち続けなければいけないと思います。ただ、自民党与党が衆参両院において過半数をとっているときには、言うならば採決において政府・与党が腹をくくれば、それは成立をするわけであります。そのようなときに、野党サイドから、言うならば一つの問題提起を申し上げる、言うならば野党が修正をする、修正の要求をする、提案をする。それが残念ながら多数の与党によって受け入れられないときに、一つの注文をつけて、そして反対をするというケースも多かろうと思いますし、また今日までそのケースが多かったと思います。
 しかし、野党がこぞって反対をした場合に、現在のような衆参両院のねじれ現象の中でそれがつぶれてしまうとするならば、言うならば注文をつけて、そして反対をしておくというゆとりはないわけでありますから、当然そこには野党もまた一つの修正を要求をし、よりよいものをつくる努力をしつつ、それが受け入れられれば賛成をするという政治判断もまたしなければならないであろうと思います。そのときには、与党も国会の地図を見ながら野党の修正要求におのずから真剣に耳を傾け、検討をせざるを得ない、また受け入れざるを得ないという環境も生まれてまいりましょう。その政治地図の中における高度な政治判断をしてこそ政治家であろうと考えております。
#21
○加藤(紘)委員 若干それぞれニュアンスが違う御答弁であったように思いますけれども、話を極端に具体的なレベルの話にしますと、自分で去年からことしにかけて選挙で苦労してみて、消費税問題で国民、選挙民の人の反発を感じながら説得してみて、意外に厳しかったのがお酒の税金なんです。
 消費税の話は、まあ高齢化社会だから仕方がないんでしょうみたいな感じだけれども、先生、どうしても許せないことがある。スコッチウイスキーの税金下げて、二級酒上げたね。あれはどう考えたって金持ち優遇、貧乏人いじめだ。しかし、あれは消費税の話というより外交問題なんですよと。竹下さんがサッチャーさんに会って、日本はイギリスに物を売るだけでイギリスの製品を買わないじゃないか、スコッチの税金が高いじゃないか。いや、しかしそれは高級品だから高いのだと言ったら、スコッチがなぜ高級品ですと。イギリスでは庶民が全員スコッチウイスキーを飲んでいる。これは当たり前ですね。スコットランドへ行くとみんなスコッチ飲んでます。これは当たり前ですね。
 ですから、理屈になかなか窮した。それにガットのパネルの判決があった。したがって、どうしてもあれは税率を変えなきゃいけなかった。外交問題だったと思うのですね。ところが、そこはなかなか説明できないし、野党の方は、見ろ、あれが自民党の姿だと。一般庶民の二級酒の税金を上げてスコッチの値段を下げたと演説されましたね。これは効きましたですよ。二級酒とスコッチのチャンポンというのはよく効くんだなと思いました。足をとられてふらふらしたというのが本当じゃないかと思うのですよ。
 現に、今の議論は一般庶民がやっている議論じゃないのです。社会党の有力議員が予算委員会で今と同じ議論をしているのです。それは一般庶民、社会党の県会議員が、自民党のやっていることはこんなことだということを言うのは当たり前だと思いますよ。
 つまり、そこでお聞きしますけれども、皆さんが与党だったら、スコッチの値段を下げた、二級酒を上げたというあの変化をけしからぬと言いますか。それとも、あれは仕方のなかったことだとおっしゃいますか。
#22
○伊藤(茂)議員 加藤さんから、お酒の税金についての国際的な経過、苦労された経過を伺いました。何もこれは与党だけではございまぜんで、私どもの方にも欧米のさまざまな業界の皆さんお見えになりまして、長年にわたる等級制度など日本の制度というものに対してさまざま論議を、また論争も私どもいたしました。ですから、国際的な関係を含めた酒税に関する問題意識というものにつきましても、私どもも十分承知をいたしておるところであります。
 今日、国際化時代でありますから、国内においてやはり合理的な制度であるということをまずきちんと前提に持たなければならないと思います。そういう上に立ってさまざまの国際摩擦の問題も解決をしていくということもしなければならない、一般的には私どももそう考えております。したがいまして、今回私どもが提出をしている法案に関係をいたしましても、先般の税制改革という中で、酒税のうち、これまでの酒税制度における不合理、矛盾を改善をするというものについては、これを継承していくという立場をとっております。具体的には従量、従価の併用とか等級制度などございますが、幾つかの点につきましてはそのような対応をしてまいりたい。やはり筋はきちんと通しながらも、いつも常に私どもは現実を踏まえているというふうに考えております。
#23
○加藤(紘)委員 手短にお答えください。
 そうしたら、この間の酒税の税金の変更は、国際関係上やむを得なかったと社会党等四党も認める、したがって、あの二級酒の税金を上げたのは庶民いじめだと今後言わないということをお約束してくださいますか。
#24
○伊藤(茂)議員 ただいまは先ほど申し上げましたような経過でございまして、私どもは何か棒をのんだように主張だけしているというわけではありません。外交的なさまざまのかかわり合いその他の議論も私どもはいたしました。その上に立ちまして、申し上げましたように、国内の税制としては筋が通ったものを基本にしなければならない、同時に国際的な調整というものについても真剣に考えていくということで対応してまいりましたし、今申し上げましたような内容でも判断をしているわけであります。
#25
○加藤(紘)委員 神崎さん、御答弁願います。
#26
○神崎議員 酒税の改正につきましては、私どもが問題にいたしておりますのは、消費税を課している点でございます。その他の点につきましては、政府・自民党の考え方を私どももこれは十分参考にしてまいりたいと思います。
#27
○加藤(紘)委員 中野さん、庶民いじめの改正ではない、外交上仕方のなかったことだというふうにお感じになりますか。
#28
○中野議員 しょうちゅう、二級酒を引き上げることについての庶民感覚との乖離については、私どもとしてはやはり十分国民の皆様の納得が得られる時間と手法が必要であろう。しかしながら、現在の国際情勢の中においてあの措置を検討をされたことにつきましても、私どもとしては一つの理解を持たなければならない、そちらの方については、洋酒につきましては。そういう気持ちは十分持っております。
 ただ、その手法につきましてはもう少し検討の余地があったのではないかと思いますのと、今回消費税廃止に伴います代替財源案の中に、酒税につきましては既に実行をされております、今日までの政府が行っておりますもの、その採決の段階において私どもが反対したという経緯は別にいたしまして、既に実施されているものについて、それを大幅に変更しようとする方式は、財源につきましてはとらなかった。そういう考えでございます。
#29
○加藤(紘)委員 伊藤さん、もう一度お聞きします。
 我々自民党としても政府・与党としても、二級酒の値段を上げてスコッチを下げる、それも選挙前の改正で、それはつらいです。しかし、与党となれば、ガットのパネルで審決の出たものについてそれをやらないわけにいかない。そういう中で、こういう細かいところに与党だからという部分と野党だから楽な演説をするという部分が具体的に出ちゃうのです。あの二級酒を上げたことは庶民いじめではなかった、そういう結果は少しあったとしてもそれは外交上しようがなかったと、その部分だけ、一言だけ伊藤さん言ってください、はっきりと。
#30
○伊藤(茂)議員 社公民それぞれ、神崎さん、中野さん、私、御答弁を申し上げましたが、同じような私どもの態度でございまして、国内のルール、それから国際関係含めて政府としてやむを得ざる措置としてとったということだと思いますが、手順とかその他についてもっといろいろな努力があってよかったのではないだろうかということを私どもは振り返って思っております。
#31
○加藤(紘)委員 内容は認めるということだと思っております。(発言する者あり)
#32
○山崎委員長 御静粛に願います。
#33
○加藤(紘)委員 さて、与野党で議論をやっていったら、お互いに合意しなければならぬところは合意しなければならぬことというのはあると思うのです。
 例えば売上税を提起した今から三年前、四年前のとき、今でも覚えていますけれども、政府案としては、売上税を導入します、そのかわり所得減税します、一般サラリーマンの一番生活の、子供の教育にお金がかかる部分について減税を強くきくようにしますといって、そのとき一般サラリーマンというのは年収どれくらいだろうと考えて、当時大蔵省は六百万、七百万、八百万をイメージした。しかしその後、当時の政策推進労組会議の山田精吾。さんを初めいろいろな方から、ちょっと待ってください、一般サラリーマンといったら四百万前後ですよ、また一戸当たりから見れば四百五十万か五百万かもしれませんよというので、その後減税のスケールを直しましたですね。それは、野党の指摘を僕らちゃんと聞いたから与党はしっかりと直したのです。ですから、直すところは直すのです。ですから、お互いにそういうところを歩み寄らなければこの税制審議というのは進まないし、私は、政府も直すべきところは直すという気持ちでいると思うのですけれども、もう一度その辺、大蔵大臣に態度をお聞きいたします。
#34
○橋本国務大臣 今、酒税から例示で入られたわけでありますけれども、私は最初に申し上げましたように、与党衆参両院絶対多数の時代と、両院の勢力比に差異が生じ、結果としては与野党の力関係がバランスのとれた状態においては、双方がやはり努力をしなければならない分野がふえたと考えております。政府としても、合目的に納得のできる御指摘を受けたものに対し、それを拒否するということは許されないと思います。
#35
○加藤(紘)委員 その点からいいますと、前回の社会党等四党の廃止法案の中で、よく「国民の合意」という言葉が何カ所かに使われていて、大論争になったのですね。今度の廃止法案の中には、この「国民の合意」という言葉が全部抜けています。我が方、自民党参議院の先生方の憲法論議、議会制民主主義とその代表機能の論争、そういうものを受け入れられて「国民の合意」という言葉を今度の案から外されたのだと思うのですけれども、もし率直にそうでしたと言っていただければ、これまた一つの進歩なんですね、お互いに。我々も減税部分のどこに重点を置くかということを直しました。おたくも我々の方の指摘を受けたらそれを直された。だとするならば、これは進歩なんですね。「国民の合意」を落とされた経緯についてお答えいただきたい。
#36
○中野議員 お答えをいたします。
 この「国民の合意」という文言につきましては、参議院審議の際に随分と激しい御議論を集中していただきました。一つは、「国民の合意」という精神は、租税民主主義の立場に立って大変必要なことだと気持ちの中で私ども思いまして、そのことを主張をいたしてまいりましたけれども、残念ながら今日までの法制の経緯を見ますと、「国民の合意」という文言が必ずしも法律用語としてなじんでいないという経緯があることもその後の御審議の中でわかったわけでありまして、この衆議院における改めての提出の段階において私どもは、言うならば、その文言の解釈で余計な時間を空費するというふうなことがないように、その精神的なバックボーンを変えたわけでは全くありませんけれども、法制化になじむ言葉、なじまない言葉等もございますので、私どもとしてはそのことを勘案して、今回別の用語にさせていただいた。例えば「広く国民の理解と協力を得る」という筋道等、別の文言に変えさせていただき、平素使いなれております法律用語とさせていただいた、こういうことでございます。
#37
○加藤(紘)委員 お互いに税制というのは、仮に国民に負担をお願いするようなことがあったとしても、その手順と内容と公平さをしっかりやるとするならば、国民はわかってくれるはずだし、また与野党でも合意ができるはずだという、そういう趣旨で御答弁をいただいたと私は思っております。
 これは重要なことなんですけれども、最後に一つどうしても気になることがあるのです。それは、例えば私たちの方の海部総理大臣、橋本大蔵大臣が、どんなことがあったって政府案のとおり断固やるんです、一切我々は妥協しません、断固やるんですと言ったら、これは非民主的だね、こう言われますね。ですから、新たな中では与野党の話を聞くのです、こういう新たな情勢に応じてそれは合意をしなければならぬと思っていますと海部さんも橋本先生もおっしゃる。ところが、一人、だめなものはだめとおっしゃっている人がいるのですね。これは正確におっしゃっているかどうか。例えば去年の高知の街頭演説でも、だめなものはだめです・廃止と言ったら廃止です。これじゃ論争にならぬわけですね。これは論議の土台になるかどうか。もっとも、今言ったのは当然のことながら土井さんですけれども、土井さんが本当にだめなものはだめと正確に言っているかどうか。よくそう言っているよという話は聞くのですけれども、だめなものはだめというようなことをおっしゃっていますか、おっしゃっていませんか。そこをお聞きします。
#38
○伊藤(茂)議員 今加藤さんおっしゃったような言葉が広くさまざま報道され、また市民に知られているということは御案内のとおりでございます。
 私は思うのですが、一番大事なことは、感覚的に国民の皆様にわかりやすい、そういう内容と結論をどうつくるのかということではないだろうかというふうに実は思うわけでありまして、そういう意味から申しましたら、先ほど来加藤さんからも大蔵大臣の御答弁の中でも、与党、野党でお互いに合意を発見するという趣旨のお話がございました。私も、それが本当の新しい国会ルールとして大事なことであろうと思います。しかし、今日では、公約違反でやったこと、あるいはまた選挙で多数になったから信任される言葉などがあるわけでありまして、そういう意味では、本当の意味で私はやはり率直な反省に基づいた態度をとっていただきたい、それが合意の出発点ではないだろうかというふうに考えております。
#39
○加藤(紘)委員 そこは今重要なことなんですよ。広く言われておりますという、社会党の三役の方が自分のところの委員長がそう言っているということを認められたとするならば、これはちょっと大変なことですよ。与党側は、今も私はだから確認したのです。自民党としては、政府としては問題があったら直しますか、譲る気持ちがありますかと言ったら、大蔵大臣は、こういう新たな与野党逆転の中でそうやっていかなければならぬと思っています、そうおっしゃった。
 ところが、野党の方は、四党の中で一番重要な方は、四党の中で一番重要な働きをするのは社会党でしょう。それはそうです。その中で党首といえば、土井さんですよね。その方が、とにかくだめなものはだめ、廃止以外はだめということであれば、議論にならないわけです。やはりもう一回聞きます。土井さんは、だめなものはだめ、廃止でなければだめということを、あくまでも今でも強くおっしゃっていますか、おっしゃっていませんか。そこをお聞きします。
#40
○伊藤(茂)議員 一番私どもにとって大事なことは、国民の皆様に、いいことはきちんと言い、悪いことはだめ、そういう結論をつけながら、国民の御理解が得られるような結論を得ていくということが、これは私どもの党首がどうという意味ではなくて、政治家として、国会として一番大事なことではないだろうか。それで合意を見出していきたいと思います。
#41
○加藤(紘)委員 そこをはっきりしないので、例えば土井さんにここの委員会に出てきて答弁してもらうというのは受け入れられませんか。というのは、一番その問題について委員長がだめなものはだめとおっしゃっていたら、政審会長としてやりきれないと思うのですよ、それは。だから、これは案外基本的なところなんですよ。廃止以外、廃止と言っています。廃止以外にノーと言ったらノーです。
 それは、過去の経緯はいろいろあります。両方とも完璧じゃないでしょう。しかし、そういう中でお互いに過去の経緯はいろいろ、選挙も何回かやって、そして私たちだって今度の選挙で多数とったのだから、それが民意だと言えば言えるわけです。一〇〇%絶対大丈夫なんだと。しかし、それでも話し合おうとしているわけです。そういう中で、片方の党首がだめなものはだめと言っていたら、議会制民主主義の否定じゃないですか。議論なんかできないじゃないですか。土井さんに来てもらおうじゃないですか。
#42
○伊藤(茂)議員 加藤さんに申し上げますが、党首の発言のどうこうの評論ございましたが、私どもは今四党一致して廃止、再改革、白紙に戻してやり直そう、私どもは一番これがわかりやすいけじめだという気持ちで共同で実は提案をしているわけであります。そういうものを通じてやはり事の是非を明らかにしていくというのが政治家としての、また議会としての使命ではないだろうか、そういう気持ちで私どもは共同でやってまいります。
#43
○加藤(紘)委員 時間がありますからもうやめますけれども、これじゃ土井さん自身に出てきていただかなければとても答弁が大変だと思いますよ、そちら。出て発議者の中に加えるかどうか、これは技術的な論議があるのですけれども、その辺を参考人に来ていただくか、どうですか。来ていただくということに同意されませんか。
#44
○伊藤(茂)議員 私どもは今、廃止、再改革の四法案を提出いたしております。これが私は、この数年間、さらには加藤さんおっしゃったように大平さん亡き後、この十年間にわたるところの最大のきちんとしたけじめと国民の信頼の道であろうというふうに考えているわけでありまして、何かさまざま言われていることにつきまして党首の発言がどうこうというふうなことは、私は問題ではないと思います。私どもの法案を議論していただきたい。
#45
○加藤(紘)委員 ちょっと今伊藤さん、我々の党首の発言はどうということないということを一党の政審会長がおっしゃっちゃいけません。それは党首の発言は重要なことです。したがって、これは委員会、理事会にお任せしますけれども、私はやはり一党の党首が、我々こうやって合意を求めようとしているときに、廃止と言ったら廃止、だめと言ったらだめ、こういうことでは論議にならないと思います。この辺の扱いを理事会にお任せして、私の議論を終わります。
 ありがとうございました。
#46
○山崎委員長 加藤紘一君の申し出につきましては、理事会で検討いたします。
 伊吹文明君。
#47
○伊吹委員 今、いろいろ議論を聞いておりましたが、私は、政党や政治家にとって一番大切なことは、やはり国民のために歴史の流れを見きわめて現実的な改革をするということだろうと思います。個別の利益や、あるいはそうした方が党に有利であるかどうかということではなくて、全体の利益を優先をしなければならないと思います。したがって、基本的な哲学がなければなりませんし、また党是の筋を通していただく必要が私はあると思います。党利党略とか選挙に有利だとかという判断で問題を扱ってはならないと思います。
 さて、この税の導入の経緯については、先ほど党首の発言などは関係がないという御発言もありましたが、我が党も率直に言って、党首の発言に端を発していろいろ反省すべきことが選挙の際にあったことは、私は率直に認めます。そして、そのことについて多くの批判をしてこられた野党の方々も、また自分の党首の発言について関係のないという発言は慎んでいただきたいと思います。
 さて、国民のために安定した、しかも日本社会の活力を失わない税制を確立するために、ここでお互いに私は知恵を絞り合う場だと思います。したがって、私は枝葉末節のことを伺うつもりはありません。また、事務的なミスをあげつらって揚げ足を取るようなことはいたしませんから、どうぞ政治家として堂々と発言をしていただいて、あのテレビに皆さん方がどうおっしゃっているかということを国民の方々にお示しをいただくいい機会だと私は思うのであります。幾つかのことをお尋ねをいたしたいのですが、まず、私の質問を三点に分けてお尋ねをいたしたいと思います。
 まず第一点は、今も議論になりましたけれども、野党の方々のとってこられた姿勢が、野党であるからとってこられたのか、それとも本当に国民のために消費税を廃止し、新しい税制をつくろうとするためにとってこられたのか。これを私はいろいろな事案について、これが今やじにあったように本当に愚問かどうかを個々の事案についてお尋ねをしてみたい。そして、その中から国民が、野党の皆さん方がとってこられた姿勢というものが本当に一貫性があって、今回の提案者として信頼できるという判断をしてくださるかどうか、これが私のお聞きしたい第一点であります。
 そして、既に昨日の本会議の質問やあるいはまた新聞で報道されております、私は必ずしも新聞の報道がすべて正しいとは思いませんが、したがってその内容についてもお伺いしたいのでありますけれども、民社党や公明党の委員長や首脳の御発言は、廃止法案を四党共同提案で、しかも税制改革協議会をつくってという法案を提出しておられる政党としては、ややばらけておるのではないか、率直にそう思います。四党が今の時点で本当にこの提案を一致して出しておられて、そしてその考え方をずっと通していかれるのかどうか、これを私は尋ねたい。これが第一点の質問であります。
 第二点は、先ほど来公平という言葉がいろいろお話しになりました。しかし、この公平という言葉は人それぞれによって違います。私たちは自分の公平感を人に押しつける前に、国民のばらばらの公平感を議会制民主主義という場で国の公平感として一つに統一をするために、一生懸命今つらい努力を私はしておると思うのです。その中にあって野党の皆さんの公平感はどういうものなのかということを、テレビを通じて国民の皆さんに率直に私は明らかにしてもらいたい。そしてそれがいいのか、あるいは自由主義の原則に立っている私たちの公平感がいいのか、これをテレビで私は判断をしていただく機会だろう。これが第二点であります。
 第三点は、やはり政治家はおのおの政治責任を持たねばなりません。国家の運営について責任があります。今、幸いこの前の総選挙で私どもは勝たせていただきましたけれども、しかしながら参議院では皆さん方が多数を占めておられるということを率直に認めねばなりません。したがって、我々の提案についてそれをぶち壊す力を皆さん方は持っておられます。そういう中で整合性があり、現実性がある対案になっておるかどうか、これを私はお伺いしたい。これが第三番目のポイントであります。
 そこで、民意というものは、まず私はいろいろあると思います。福岡の選挙では我が党が負けました。衆議院では我々が安定多数をとらせていただきました。参議院では残念な結果になりました。選挙はいろいろなポイントで戦われております。必ずしも消費税だけでは戦われておりません。しかし、社会党は選挙の期間中に、この選挙は消費税を廃止するかどうかの国民投票だ、こうおっしゃいました。もし消費税廃止ということが本当に民意にあらわれているのならば、私はまず神崎さんと中野さんにお伺いしたいのですが、皆さん方の選挙公報も消費税廃止ということが書いてありましたが、公明党と民社党はこの衆議院選挙にお勝ちになりましたか。
#48
○神崎議員 今回の選挙におきまして、私どもは四十六議席にとどまったわけでございますけれども、議席が減ったのは、何よりも私ども公明党自身の努力が足らなかった、支持者の方々の熱心な御支援にこたえることができなかった、その点に私どもの責任かある、このように考えております。
#49
○中野議員 お答えをいたします。
 大変に酷な御質問でございます。残念ながら私どもは惨敗をしたと反省をいたしております。しかしそのことが、消費税廃止を唱えたから負けたというふうには受けとめておりません。ほかの要因があったでしょう。私どもの努力不足がまず第一に挙げられるだろうと思いますけれども、しかしながら場合によっては、消費税の廃止に対する姿勢が疑われたのかもしれないという一面もあろうと思います。そういう意味では、今後の税制改革のあり方について、私どもとしては責任政党としての立場を堅持しながら、今後ともその方法、手順等を含めまして前向きの姿勢で臨んでまいりたいと考えております。
#50
○伊吹委員 ありがとうございました。そうだろうと思います。我々も、消費税を擁護したから私どもは勝ったとは思っておりません。いろいろな要素があったと思います。選挙というのはまさにそういうものでありますから、選挙結果をとらえて、一つの政策について国民が支持をしたとかしないとかということについては、もう少し私どもはやはり謙虚であるべきだということさえ確認できれば、私は結構であります。
 伊藤提案者にお伺いをいたしますが、今回提案をしておられる四つの法案の構成であります。これは国民の方々によく理解しておいていただかねばなりませんので、まず最初にその構成を確認いたしますが、現行の消費税を廃止する、そしてその地方財源への配賦の各法律の効力を停止する、そしてその後は国民税制改革協議会を設けてそこで協議をしてもらう、そういう理解、構成でよろしゅうございますか。
#51
○伊藤(茂)議員 そのとおりでございます。
#52
○伊吹委員 そうすると、これはまた後ほどお伺いをいたしたいわけでありますが、まず確認をしておきたいのですが、国民税制改革協議会で成案を得るまでの間、これは皆さん方一年程度、こう言っておられますね、その間は、この消費税を廃止した六兆六千五百億円の財源はどういうことになるのでしょうか。
#53
○神崎議員 消費税廃止後のいわゆる代替財源につきましては、原則といたしまして、昨年参議院に提出いたしました代替財源法案を踏襲いたすことといたしております。消費税を廃止いたしました場合、平年度六兆三千九百億円の代替財源が必要でございます。この減収の補てんは、法人税の課税ベースの拡大、キャピタルゲイン課税の見直し、個別間接税の復元等を行うことによりまして、税制再改革検討期間の財源補てんは十分可能であると考えます。
 具体的に代替財源の規模について試算をいたしますと――その点は省かせていただきますけれども、平成二年度は十月からの半年分、法人税につきましては三年度の税収分は約半分となりますけれども、そのフレームについては、平成二年度の予算組み替え要求の中でフレームをお示ししているところでございます。
#54
○伊吹委員 そうすると、予算の組み替え要求をお出しになった中で附属資料としてお出しになったもの、あれがつなぎの財源案だと、こう理解してよろしいわけですね。――わかりました。
 それじゃ、この問題についてはちょっと後で詳しくお伺いをいたしたいと思いますが、まず最初に、消費税に対して野党が今までずっととってこられた姿勢に一貫性があるのかどうかということを伺いたいと思います。
 これは先ほど我が党の加藤委員がお伺いいたしたことにも関係をいたしますが、私たち政府をお預かりしている者は、先ほどの酒税の問題でもそれが端的にあらわれておりますけれども、日本全体をうまくやっていくためには、つらいけれども今一部の人が反対があったこともやらねばなりません。それから、長い目で見てプラスになることで、今有権者には受け入れられないこともやらねばなりません。しかし、野党の皆さんの率直な私どもの受ける印象は、いや、それはそうじゃなくて、自分たちは政府の提案するものには常に反対をしておけばよかったという姿勢が、少なくとも参議院で多数を占められるまであった。これは皆さん方の責任ではありません。私は、自民党サイドにも大きな責任があったことを率直に認めます。
 しかし、今やそうじゃないんだということを考えた上で、さてこれからどうしていくかということを考えるときに、皆さん方がやはり国民の皆さん方に筋が通って、これからも筋を通していかれる政党だということを示さねばならぬと思いますから、まず最初に、大変不幸なことで導入の経緯がありまして、廃案になりました六十二年の中曽根内閣当時の売上税法案のときの議長裁定というものがありました。これを今私はここに持っておりますが、これを読んでみますと、この心に「直間比率の見直し等今後できるだけ早期にこれを実現できるよう各党協調し、最大限の努力をはらうこと。」ということが書いてございます。そして共産党の方は、この議長裁定をのまれたあるいはのまれない、いろいろ議論があるように聞いておりますけれども、しかし社公民そして進民連の皆さん方はこれをのまれて、そしてあの売上税は結果的に廃案になりました。
 私は、売上税については大変不幸な経緯があったので十分な、公平な議論が行われてなかったと思いますけれども、この議長裁定をおのみになった皆さんからすれば、消費税を廃止するということと、直間比率の見直し等につき今後できるだけ早期にこれをということとの間には、どういう政治的判断をしておられますか。これは代表して、伊藤提案者にお伺いいたします。
#55
○伊藤(茂)議員 いわゆる議長裁定につきましてのお話でございます。
 私どもは、あの議長裁定の小身というのは、一つは国会の混乱を収拾するために、売上税法案を廃案とするというために行われた、これが基本であるというふうに考えております。その際、あの文書の中に直間比率という言葉がございます。私どもは、あの最終協議のときにも野党サイドから確かめたようでございますけれども、それは野党が主張する不公平税制の是正などをまず議論するということが前提ではないかということで、そのとおりでございますというやりとりがあったように伺っております。
 したがいまして、議長裁定に基づきまして協議会が設定をされました。税制改革協議会が設定をされまして、私も参加者の一人でございましたが、まず不公平是正について十分な議論をしようではないかということで、約十回ほど議論をしたという経過を記憶をいたしております。残念ながらマル優問題などで途中で中断をされた、座長中間報告で中断をされたというのは、大変遺憾な経過でございました。
#56
○伊吹委員 そうすると、売上税を廃止するためにあの文章は書いたけれども、この文章については公党としての拘束力、責任は村たなくていいというお考えですか。
#57
○伊藤(茂)議員 さまざまな検討、その中の一つではあろうと思います。ただしかし、申しましたように、私ども非常に重要な点ですから確認をいたしまして、まず、国民の八割もが不公平だと言っている悲しい日本の状況、こういうものからまずやろうではないか、それは結構ですという形でさまざまな協議のスタートに立ったというのが経過でございます。
#58
○伊吹委員 ですから、そのときそのとき、国民が嫌なもの、あるいはつらいもの、これについては国民の方々の世論というものは反対に出てまいります。しかし、先ほど加藤委員が申し上げたように、やらねばならないことはやはり泥をかぶっても政治家はやっていく、そういう例は過去にもいろいろあります。安保条約のとき、どうだったでしょうか。あるいは吉田内閣の単独平和のとき、どうだったでしょうか。そういうことを考えてみれば、売上税を廃止するための文章だというのは、大変私は不見識な席じゃないかと思います。
 では、次に伺いましょう。
 それでは六十三年の十一月、今の現行消費税であります。この現行消費税が採決をされるときに、まあこれは審議拒否がずっとありまして、本当に公平かどうかという根本的な議論が行われなかった。自民党にも私は責任があると思います。野党の皆さんと一緒に私は立派な議会運営をこれからはやっていくべきだと思いますが、その際に、消費税を採決をする、それについて公明党と民社党からいろいろな申し入れがあって、その申し入れについて私どもは協議をして、公党間でお互いに代表者が、それではこうしましょう、ああしましょうということについてサインをし合ったと思います。例えば六カ月間の弾力条項を入れてほしいとおっしゃったのは、民社党じゃなかったでしょうか。しかし、本来消費税というものを認めていないんならば、それがその運用について弾力的にやろうではないかという提案は、私は筋が通らないと思います。もし本来消費税を認めていないんならば、いいことではないと思いますが、私は社会党さんの方が筋が通っているんじゃないか、あのときはですよ。しかし私は、本当に議会制民主主義を守っていく立場からいえば、民社、公明の皆さんがおやりになったことの方がはるかに私は立派だったと思っております、このことに関しては。
 そして、ここで確認をしておきたいのですが、消費税導入を前提として高齢者の対策をしてほしいとか、あるいは転嫁をきっちりやれるような措置を講ずるべきであるとか、あるいは見直し条項を入れるとか弾力条項を置けとかいうお申し出があって、そしてお互いにそれを納得し合ったという経緯は確認していただけますか。神崎先生、どうぞ。
    〔委員長退席、関谷委員長代理着席〕
#59
○神崎議員 ぜひこれは御理解をいただきたい点でございますけれども、私ども公明党は、一昨年の税制国会におきまして、一貫して消費税法案に対しては反対の姿勢を貫いてきたところでございます。確かにこの税制改革法の修正に応じたわけでございますけれども、それはあの税制国会におきまして、消費税が自民党の圧倒的な多数によりまして成立必至、そういう状況の中にありまして、私は消費税の持つ低所得層あるいは年金生活者等に対する逆進性を緩和させる、政党としてはそのために真剣に努力をする、それは私は政党としてやらなければならないことだったと思うわけでございます。
 その意味におきまして、この税制改革法の修正につきましては、政府の原案どおりの成立という最悪の事態を回避するためのもので、消費税の持つ構造的欠陥を見直しによって是正しようとしたものでございます。我々が税制改革法案の修正に賛成いたしましたことは、消費税が成立した場合に国民生活を守ろうとするものでありまして、消費税反対を貫いたことと相入れないものではないと考えますし、寝たきり老人等にかかわる扶養控除額の引き上げ、八十万円から百二十万円、さらに三十年勤務の場合の退職金減税、三十年勤続で非課税額一千万円から一千五百万円への引き上げ、さらに総合課税への移行などについて、公平な税制を確立する大きな基盤となると考えるわけでございます。
 これら所得税法案の修正につきましては、本院におきますこれまでの議論におきましても、さきの税制改革における所得税減税というのは評価をされてきておるところでございますし、その修正は私どもはサラリーマンの生活に大きく寄与したと自負をいたしているところでございます。
#60
○伊吹委員 中野提案者も同じようなお立場だったと私は思うのです。まさに今おっしゃったことが、これは見直しの議論なんですね。見直し議論そのものなんですよ。そして、皆さんがおやりになったことは、私は決して間違ってなかったと思います。議会制民主主義を守っていく上で、多数は自民党にあるけれども、その中で我々はこうしたいということを勇気を持っておっしゃった。私は、このことについては高く評価をいたします。
 しかし、その後選挙になりました、総選挙に。そうすると、これは中野提案者も神崎提案者もそうでありますが、また公党の委員長の言ったことは意味がないということになるのかもわかりませんけれども、当時の永末委員長や石田委員長も、そこで見直しの議論に一歩突っ込んだにしては、選挙に非常に有利とお考えになったのか、消費税反対、消費税廃止という御発言がずっと続いてきております。このあたりは新聞で拝見するところでは、民社党の中も路線的にいろいろお考えがあるようですが、中野提案者、いかがですか。
    〔関谷委員長代理退席、委員長着席〕
#61
○中野議員 お答えをいたします。
 先ほど伊吹先生は、消費税導入を前提として私どもが修正の話をしたというふうにおっしゃられましたけれども、私どもは消費税導入にはあくまでも反対をいたしました。しかし、私も議運の理事をいたしておりましたけれども、あの段階において自民党単独で強行採決をしようという構えが明確に提示をされたときに、最悪の事態を避けたい、原案どおり強行採決をされてしまうという最悪の事態を避けるために、導入を前提としてではなくて、私どもが審議に入るということを前提にして、弾力的運営や税率の歯どめや納税コストの軽減措置や見直し規定等々について条件を付したわけであります。ゆえに、その修正部分については賛成をいたしましたけれども、消費税の導入という原案については明確に討論をし、反対をしたことはだれしも御存じのとおりであります。しかし、それでさえも、消費税成立に民社党が公明党とともに手をかしたかのごとく誤解をされ、大きな犠牲を払ったこともまた先生御存じのとおりであろうと思います。
 その後の経緯につきまして、私どもは、ゆえに消費税導入については明確に反対をしているわけでありますし、私どもがせっかく修正をして、その修正を審議入りを条件としてかち取ったものの、しかし消費税の基本的な矛盾や弊害や国民の怒りというものは何ら解けるものではありません。最悪の事態を若干避け得たとしても、基本的な問題は解決されていないわけでありますから、その後消費税の廃止等を主張したことは当然筋が通った行為であったと考えております。
#62
○伊吹委員 弾力条項というのは本体が存在しなければあり得ないことですから、これについては国民の皆さん方が、今のお話は筋が通っているかどうか、どう判断されるかは別ですが、私は見直しの話に踏み込んで、最悪の事態に議会制民主主義の中でどう行動するかという立場からいえば、皆さん方の行動に私は敬意を表したいと思っております。
 さてそれで、いよいよ参議院で自民党が残念ながら大敗を喫して、そして廃止法案が参議院に出されました。これは当然多数のことでありますから、参議院を通ったわけであります。そして、私も当時もこの委員会の委員をしておりましたのでよく覚えておりますが、当時の林委員長が何度もここで審議をしようじゃないかと呼びかけられました。委員会や国会というのは、国民と国会をつなぐ唯一の、私は唯一と言っては言い過ぎかもわかりませんが、窓口だと思います。そこで、自分たちの主張を堂々と提案者は述べて、そしてお互いに言っていることをどちらが正しいか、間違っているかを国民の方々に御判断いただく、これが私は議会制民主主義の第一歩だと思うのですが、残念ながら参議院の提案者は、この部屋です、待てど暮らせどお見えになりませんでした。
 衆議院と参議院は院が違いますが、公党としては少なくとも私は同じ政党であると思うのです。伊藤提案者は、社会党全体の政審会長でいらっしゃいますね。そして当時の久保提案者は、社会党の今副委員長さんでいらっしゃる。どうしてお呼びかけいただけなかったのですか。どうぞ、伊藤先生。いやいや、伊藤先生、答えてください。
#63
○伊藤(茂)議員 質問者に恐縮でございますが、私ども四党統一答弁、統一見解、チームプレーで結束をいたしておりまして、ただいまの答弁につきましては、一体関係でございますので、中野答弁者から答弁させていただきます。
#64
○中野議員 お答えいたします。
 少し経過を申し上げないとおわかりいただけないかと思います。できるだけ簡単に申し上げますが、昨年参議院での法案の可決、通過を受けまして、衆議院では十二月十二日、本会議において趣旨説明、質疑が行われました。そして、衆議院税特委では法案の趣旨説明は行われたものの、その後委員会は開かれないまま終わった、そのことを指しておられると思います。
 これは、自民党の方が完全ドント方式による質問時間の割り当てを要求し、テレビで放映される各党一巡の質問においても五時間の質問を要求されたわけであります。しかもその中で、審議ストップすることを示唆されたと聞いております。自民党のねらいは、会期末も終わりほんのわずかとなっており、テレビで野党案の問題点を国民に一方的に宣伝する一方、審議ストップによって野党に反論の機会を与えないこと、また野党に自民党の消費税見直し案を批判する機会を与えないという戦術をおとりになられた、そういう状況を判断し、社公民三党は国対委員長、税特委の理事、そして参議院の発議者と連絡をとり合いながら対応を協議し、あのような経緯になったというふうに聞いております。
#65
○伊吹委員 さて、つまり廃止法案の問題点を国民の前に浮き彫りにされるという自民党の意図があったと今おっしゃいましたが、やはり欠陥があるということはお認めになっているわけですか。それは非常に残念なことですね。自信を持ってお出しになっていると思いますが、このことはつまり今国民の皆さんもテレビでごらんになっているとおり、どうも選挙の前にいろいろなことを浮き彫りにされるのが嫌だとみずからおっしゃったから、これ以上のことは私は申し上げません。
 さて、それじゃ、この国会になりまして特別地方消費税というのがありましたね。料飲税等、これを減税しようという法案を地方税法の中に自民党が含めて出してまいりました。これについて、野党の皆さんはいろいろな理屈があったようでありますが、国会の議事録がここにありますけれども、これを見てみますと、やはり消費税ということを定着させるというのは非常にまずいのじゃないかというような御判断があって、結局いろいろお考えはあったけれども、これには反対をされた。したがって、旅館やレストランやファミリーレストランで週末、家族で団らんをしたいという気持ちの人たちが払う特別地方消費税は、残念ながら野党の皆さん方のために減税されなかったわけですよ。これも皆さん方の一つの御判断ならばそれはそれで結構だと思いますが、その後、地方交付税の問題が出てまいりました。地方交付税は、これまた消費税が算定の基準の中に入っていることは御存じですね。であるとするならば、特別地方消費税のときは反対をされたけれども、地方交付税のときは消費税が同じく算定の中に入っておるのにどうして反対をされたのでしょうか。ちょっとよくわからない。(発言する者あり)
#66
○中野議員 お答えいたしますが、その前に、先ほどの私の答弁に対しまして、野党も欠陥があることを認めているのか、問題点について指摘されるのを恐れたのかと言われましたけれども、そうではございませんで、テレビの放映時間というのは一定の限界があるわけであります。その中で、自民党さんの方で五時間を要求され、そしてそういう中で、実際上国会運営に当たっている人はその要求がどれだけむちゃなものであるかはよくわかっているはずでございます。そういう中で、見直し案に対する審議や野党の審議の時間が確保される保証がない状況下に置いておって、それで野党が何かを恐れたのかと言われますと、これは極めて不本意でございますし、国民の皆さんが見ておられるわけでありますから、明確にそのことは誤解を解いておきたいと思います。
 続きましての御質問については、伊藤さんの方から御答弁をいたします。
#67
○伊藤(茂)議員 お答えいたします。
 特別地方消費税に関連をしてお話がございましたが、問題は、私たちが消費税の決着がついてからこの改正部分について審議すればいいということでございまして、過去の例にかんがみまして、特別地方消費税改正点のみ残して他の部分を先に審議、制定すべきと私どもは主張いたしました。
 経過を聞きますと、これに対しまして自民党は、出先の皆さんは一度了解したようでございましたが、党本部においてこれを覆した。それを求めた結果、お話がありましたとおりに修正削除となったという経過であろうと思います。また、考えてみますと、自民党は政府・与党としてみずから提案した法改正についての削除を承知で提案したものである、この姿勢は業界へのサービスと言えるものでありましょう。もともと特別地方消費税改正につきましては、与党内、政府内にも反対の声があったものと聞き及んでおります。野党の姿勢が一貫していないのではなくて、国会の変化に与党が対応できなかったということではないかと思います。
 さらに、地方交付税法改正案に賛成した理由ということに関連してお話がございました。
 私どもは、自治体を非常に大事にする立場であります。そうしてまた、分権型の税財政という制度に行かなければならないと思います。そういうことを基本にしながら、そうしてまた廃止法案を提出する立場でございますから、それに対する筋をきちんとしていきたい。あるいは、長年にわたってこれに反対をしてきたのは国と地方との税財源のあり方についてでございますから、それらについてもやはりこの際、与野党一致、特別決議として意思表示をすべきではないだろうかということを考えてきたわけであります。そういうわけでございまして、社公民、進民連も含めまして、自民党と四会派はこの修正内容に共同の責任を持っている。自民党に責任がないと言うなら、責任政党にあるまじきことと言わざるを得ないと思います。
 修正内容は、御承知のとおりに附則第五項におきまして、「消費税に係る今回の税制改革に当たっては、平成二年度及び平成三年度以降において、地方交付税法の趣旨に基づき、地方財政の円滑な運営に資するため地方交付税の総額の安定的な確保が図られることとする。」という加筆修正でございます。また、別途申し上げましたような決議も行われたところであります。私どもは、やはり筋をきちんとしながら、自治体を大事にするということで御判断をさせていただきました。
 済みません、ちょっと一言だけなんですが、先ほど来加藤さんの御質問、伊吹さんの御質問を通じまして、何か私が委員長発言を否定したかのようなお話でございまして、私が先ほど申し上げましたのは正確にお聞きをいただきたいと思います。
 今ここで審議をしているのは、廃止関連四法案をどうするのかということを一致して私どもは提案をしているわけでありまして、委員長の御発言を私が否定するというふうな気持ちも態度も私はございません。あえて言うならば、だめなものはだめといいましょうか、だめなもの、すなわち消費税はだめですというのが私どもの気持ちである。きちんと御理解をいただきたいと思います。
#68
○伊吹委員 今の伊藤提案者の答弁は、私の質問に答えておられません。まあ、それはもうテレビで国民の皆さんが御判断をなすっていることですから、党の事務局が書かれたものをお読みになったと思いますが、私の質問しておるのは、地方特別消費税は消費税というものに関連をして、消費税というものがそのことによって固定化されるから反対をしておられるのならば、なぜ交付税の算定基礎に消費税が入っているのに反対をされたのか、一つ一つの――賛成をされたのか、一つ一つの事案について筋が通ってないということを伺っただけであります。
 さて、委員長の発言がいいか悪いかは、そんなことは知らないということはおっしゃったかおっしゃらないかは別として、少なくともここで消費税や税制改革の法案を審議をしている限り、それについて党の責任ある人が発言をされたことは、当然この審議の場で取り上げられて当たり前のことであります。
 さて次に、皆さん方は公平という言葉をよくお使いになります。神崎提案委員も、選挙公報の中で公平という言葉を使っておられる。消費税を廃止し、公平な税制を確立するという言葉を使っておられます。まず、伊藤提案者、伊藤先生の公平というのはどういうことでしょう。
#69
○伊藤(茂)議員 公平ということが、国民の最大の、まず前提の関心事であろうと思います。そしてまた、不公平感をなくすることが税制改革の私は第一歩、前提条件であろうと思います。長くその内容を御説明はいたしません。
 御案内のように、一昨年も私ども四党政策審議会長で、不公平是正に関する十項目提案というものをさせていただきました。その後さらに土地問題など、より重要性が高まっている問題があると存じております。それらのことを国民が不公平と思っていることを丹念に一つずつ打開をしていくというのが、政治、また私どもの責任ではないだろうかと思っております。
#70
○伊吹委員 今の答弁は、私の質問に答えておられないのですよ。伊藤先生の公平感というものはどういうことですかと伺っておるのであって、国民が公平と思うもの、不公平と思うものということは、私は何も聞いておらぬのです。だから、いろいろ想定問答かつくってあるかもわかりませんが、私の聞いたところの想定問答をあげて答えてくださいよ。そうしないと困っちゃう。
 もう少しそれじゃ具体的に伺いましょう。
 では、税負担の公平と言った場合に、皆さん方の提案をされたこの四法案について衆議院の大蔵委員会の事務局がまとめてくれた文書を読んでみますと、応能原則を中心として、そして応益もそれをカバーしていく。つまり、収入のある人からきちっと取って、それでもって公共サービスをやっていくのだけれども、場合によっては公共サービスを受ける人の対応によって取っていってもいいんだ、こういうことも書いてあるわけですね。神崎提案委員、どうですか。公平と言っておられるのだから、どういう公平を考えておられるのですか。
#71
○神崎議員 私どもが申し上げております税の公平、垂直的公平あるいは水平的公平という言葉がございますけれども、平等原則の税負担の分野におきますあらわれでございまして、税の負担を課するに当たりまして、財産、所得、消費などを尺度として図られます担税力その他の点で、同機の状況にある者は同機に扱われるべきである、異なる状況にある者は異なった扱いをされるべきである、こういう原則が税の公平である、このように考えます。
#72
○伊吹委員 では、大蔵大臣おいでいただいておりますが、大蔵大臣として大蔵省がどう考えておるかは別として、政治家橋本龍太郎の税の公平感というものはどういうものですか。
#73
○橋本国務大臣 先ほど来の御議論を拝聴しておりまして、応益負担、応能負担の双方をお認めになっておられる上での御議論だと思います。
 しかし私は、実は税の公平感というものについてはいろいろな議論は成り立つと思います。そして、一つの主観的な公平感というものをごり押しすることがいいことだとは思いません。そういう意味では、従前、改正前の我が国の税制の中において、どちらかといえば応能主義の面が強くなり過ぎたのではないだろうか。そういう意味では、応益主義というものを考え方としてまぜていく必要というものは当然あるだろうと思います。これは考え方の問題でありますから、それぞれの差はあろうかと思いますが、一面のみの公平感が正しいと言い切れるものではない、そのように思います。
#74
○伊吹委員 政治家橋本龍太郎は大変謙虚なお答えをなすっておるわけですが、私は公平感というのは十人十色だと思うのですね。おのおのの生い立ちやこれまでの人生や、いろんなことから公平感が違うと思います。
 一例を挙げますと、例えば町内会費を集めましょう。十軒のお宅があったとします。十軒から一軒五千円ずつ町内会費を集めるという集め方もありますし、間口の広さに応じて幾らずつこの五万円をどう分けていくかという分け方もあります。どっちが公平なんだろうと聞かれても、これは私答えられないと思うのですね。それはどういうところでそれが答えになってくるかというと、じゃ町内会費を一体何に使ってくれるんだねということによって決まってくると思います。一軒一軒同じように町内会報をお渡しして、そして年末に余ったお金で例えばおもちを十個ずつ配っていくというやり方をいたしますと、間口の広いところからたくさん集められているお宅からは、当然、不公平だという非難が出てくると私は思うのですよ。逆に、じゃ町内の前の道路をきれいにするためにこの五万円で人を雇って掃除をしてもらおうということになったら、一軒お幾らずっという集め方をしておれば、当然、間口の狭い小さなお宅の方からは不公平な集め方だという御非難が出てくると思うのです。
 つまり、日本の財政をこういう形で振り返ってみると、移転支出、つまり年金、福祉、こういうもののウエートが非常に高まってきた場合に、従来どおり応能原則だけでこれを貫き通していくのが果たして公平なのか、それともここに若干の、応能原則をカバーするものとして、お金持ちもそうじゃない人も物を買ったときには同じ税金を取られる、ただしたくさんお金を持っている人はたくさん買えば当然たくさん取られますが、同じ金額を支出した場合には同じ税金を取られる、こういう形のものを入れていった方が公平じゃないかという議論も、当然私は出てくると思うのです。このことによって同時にまた、どんどん移転支出がふえてきたのを直接税だけに頼っておれば、働いたものをほとんど取られちゃうのかという心配も出てくるでしょう。それなら働かずにだれかの納めた税金でうまくやっていきたいという人たちが出てくることも、また私は当たり前だと思うのですよ。
 そして世界の趨勢として、社会保障支出の多い国は、当然のことながら移転支出の多い国は間接税のウエートが高い。だから、アメリカのように直接税のウエートが非常に高い国は、連邦政府の社会保障支出のウエートが低い。これはつまり一部の人から持ってきて、それを社会保障支出という形で均等的に配分をした場合に所得のねじれができて不公平だという、そこに言葉が安易に使われて社会がうまくいかない、こういうことに私は原因があると思うのですね。
 だから、消費税を入れるときに、社会党さんや公明党さんや民社党さんや進民連さんは、我々が代表している国民の公平感はこういう公平感だということをおっしゃり、我々自民党はこういう公平感だということを申し上げて、お互いに国民が一億三千万いれば一人一人がみんな違う公平感を持っているけれども、その公平感を国の公平感として統一をしながら、先ほど加藤委員が説明をされたように、そのときその公平感に合わない人はつらい思いをいたしますよ、当然。そうじゃない人はおれの公平感に近いから満足をするかもわからないけれども、そこを互いにまとめながら、長い目で見て日本が繁栄をしていくという、その公平感をつくり出すのが我々の立場じゃないでしょうか。だから審議拒否をしたり、そういうことをせずにお互いによく話し合う、こうして政治家として話し合えるのは、私は非常にいいことだと思いますよ。
 そういう点からいうと、今もしも、後から伺いますが、国民税制改革協議会ができて、そして先ほど神崎提案者がおっしゃったような暫定的な、一年か二年かどうなるかわかりませんが、こういう暫定的なものができて、そしてその後どういう形の税制ができるのか、これが我々の公平感だということをお示しになって、そして我々は所得税、法人税、相続税を減税をして、間接税をこういう形で入れていくのが我々の二十一世紀に向けての公平感だということをお示ししたわけですから、これと税制改革協議会後の皆さん方の意見を言わなきゃ議論はかみ合わないのですよ。どうですか。
#75
○伊藤(茂)議員 二つお答えを申し上げたいと思います。
 一つは不公平感、不公平というものをどうとらえ、特にどうしていくのかという問題であります。いろいろ伊吹委員のお話がございました。私は思うのですが、応能、応益ということについての考え方もございましょう。そうしてまた今日の不公平感を考える場合に、不公平と言われて指摘をされてきたさまざまの税目がございます。一体これらをどうやったら改革できるのか、スローガンではありませんから現実の努力をしなければならない。これも私どもの責任であります。
 同時に、私は思うのですが、大変な不公平感が発生をしている。政府の、総理府の統計でも世論調査でも八割以上が不公平と言っている。非常に寂しい状態であります。私は、そういう中には税制の決め方、税の執行と申しましょうか、何か不透明と申しましょうかというものがあって、本当の意味での社会的な相互理解と透明性が進んでいない。いろいろな側面があって、巨大な不公平感が負担率はそう高くないのに形成をされていくということではないだろうか。こういうことにつきまして、六十二年の税制協議会におきましても、六十三年の与野党の政策担当者会議でも議論をいたしました。若干の前進はございました。しかしまだ全体として半煮えの状態になっているわけでありまして、ぜひこれらは打開をしてまいりたいというふうに考えているところであります。
 それと同時にまた、今後の設計図をどうするのか、私どもも大きな責任は持っていると考えております。いろいろな勉強も私どももさせていただいております。ただ、今日までの消費税問題、売上税問題を含めまして経過を考えますと、初めに大型間接税ありきということで数の力で強行、そういう状況を国民の皆様はそうだというふうに思っておられる、これが今日までの不幸な経過であったろうと思います。やはり大事なことは、国民の皆様に御納得をいただけるためには、その経過、努力のプロセス、それを大事にするということが必要ではないだろうかというふうに考えているわけでありまして、一年余りの短い期間でありますけれども今までの努力の積み上げがございますから、それらの努力を真剣にやって、納得性のある税制に持っていきたいと考えております。
#76
○伊吹委員 伊藤提案者は全然質問に答えておられないのですよ。国民の皆さんもよくおわかりだと思いますが、自民党は、応能原則が余りにも行き過ぎてしまって、収入や所得や努力をしている人たちからこのままどんどん取り上げるということは、やはり自由主義、自己努力の原則からいってまずいのじゃないかという考えのもとに応益原則的間接税を入れるということが、我々の公平感であります。この公平感にのっとって私たちはこの税制改革を与党としてもバックアップいたしておりますという、我々の哲学を申し上げているのです。
 しかし伊藤提案者は、国民が不公平があると思っている現状は非常に残念なのでということはおっしゃるが、皆さんが、この税制改革協議会の後考えている国民に示せる本当の基本哲学は何だ、そしてその哲学のもとに応じた自分たちの税制はどういうものだということを言っていただいてないのですよ。これはしかし、もうお答えにならぬでしょう、それはないから。そしてしかも、法律の構成がそうなっているから。代替財源案を参議院で出したときに、代替財源案についていろいろな質疑があって、その結果かどうか、先ほどいろいろおっしゃったけれども、衆議院で待っていたときに出てきていただけなかったあの愚は二度と犯すまいというお気持ちもあったでしょう。それはまあ結構です。
 ただ、最後に私は、大蔵大臣に伺っておきたい。大蔵大臣は、今のような税の体系が、応益原則を入れずに応能原則にずっとウエートが高まってきたような形で、これから二十一世紀に向けて日本の経済運営の責任者として、国際関係であるとか、国民間の、階級間のお互いの調和を持ってうまくやっていけるだとか、社会の安定だとか、経済の活力だとか、こういうことを含めてどう思われます。
#77
○橋本国務大臣 大変難しいテーマを、しかも長期にわたってお答えをしなければならないわけでありますが、まず言葉の定義だけ最初にはっきりさせたいと思います。
 私は、応能負担あるいは応能原則と言われるものは、負担能力に応じて負担をしていただきたいという考え方である、そう定義をさせていただきます。また応益原則と言われますものは、もたらされる便益の程度に応じて負担をすべきであるという考え方ととらえさせていただきます。
 私は、どちらに偏り過ぎましても、財政運営としてはさまざまな問題を生じる。それは負担の公平というものがさまざまな角度で組み合わせられ、つくり上げられております中で、やはり偏りを防止するという考え方は当然必要であると思います。そして、それが本院におきましてもしばしば御論議になりました直間比率の問題等に連動するものでありましょう。
 しかし、私の立場から一番申し上げたいことは、財源の空白が生じました場合に一体国政の運営はできるかということであります。そして、その財源の空白が、将来に一定の方向が示されておりますならば、それでも対応のしようはあろうかと思います。しかし、その将来の方向も全く明らかでないままにその空白に耐えると言われますなら、我々としてはそういう財政運営はできません。殊に、ようやく私どもは赤字公債依存体質というものから脱却はいたしましたけれども、公債残高は年末には百六十四兆になろうとしております。今、累積債務国の債務すべてをトータルにいたしまして一兆三千億ドルと言われている、ほぼそれと見合う国債の残高を我々は持っている。そして、二度と赤字公債に依存したくない、そして後世に対する負担を少しでも減らしたい、そう考えておりますときに、基本的な財源が空白のままで国政の責任をとれと言われましても、これは我々としてできることではございません。
#78
○伊吹委員 公平ということは、私たちはいろいろな国民の公平感があると思うのです。これから、どうでしょう。伊藤先生や神崎先生や皆さん方、よくテレビで国民の皆さんが見ているわけですから、お互いに話し合って、そして、ばらばらであるけれどもこの公平感を国家の公平感としてつくり上げていかなければ、物事を判断する基準ができません、私たちは。だから、まあ審議拒否だとかいろいろなことはせずに、よく話し合って、そしてこれからすばらしい国民の公平感を私はつくっていきたい。
 夏目漱石が「道草」という小説の中で言っているのですね。神でない以上公平は保てない。だから、私たちはどんなに公平だと思って政治家がやっても、やはり国民お一人お一人は不公平だと思われることが多いと思います。しかしながら、それは政治家の宿命であって、自分たちが公平だと思ってやっていることは必ずしも国民は公平と思っておられない。先ほど伊藤先生がおっしゃったとおり、世論調査をすれば現行税制は必ず不公平と出てくると私は思いますよ、税というものは取られるものである限りは。しかし、そこはお互いに政治家として、つらいけれども、苦しいけれども、かぶっていかねばならないと私は思います。
 今、大蔵大臣がおっしゃったことが私は非常に気になったので、その次の質問に移りたいと思うのですが、国民税制改革協議会、これは先ほど一番最初に伊藤提案者に御確認をさせていただいたように、現行消費税を廃止して、それに伴う地方財源の手当てをする法律が、手当てというか地方財源への譲与もしくは配賦をすることを法律的にできなくする法案が二本、そしてその後のことは国民税制改革協議会で約一年をめどに協議してもらう、こういう構成になっている、こういうことでした。それで御確認をいただきました。
 としますと、まずここで私は二つ問題があると思うのですよ。国民税制改革協議会で審議を一年をめどにということなんですが、これは審議が始まった時点ですね。この審議が始まった時点というのは、皆さん方のこのいろいろな資料を見てみると、消費税法案が廃止になった時点、こういうことだと思いますね。そこから、それが何月かわかりませんが約一年かけて審議をして、そして結論が出てくればその結論を受けて、やはり議会制民主主義というものがあるわけですから、きちっと法律の形にこれをしなければなりませんね。そして法律の形にして、そしてそれが実際歳入が入ってくるためには、大蔵大臣も何かさっき心配で心配で仕方かないというようなことを言っておられるわけなんだけれども、税務署員だとか何かを、新しいのか変わるのか何かわからないけれども、ともかく税法になれるように、執行がうまく国民の皆さん方との間にトラブルが起こらないように、なれの期間を何年か、一年なら一年、半年なら半年置かないといけないと仮にしましょう。これはまさに民社党さんが消費税のときにおっしゃった弾力条項というのはそういう考えたと思うのですよ。
 そうしますと、これは私かなり時間がかかると思う。この間、一体どういう税制でつないでいくのだということを伺ったら、先ほど神崎提案者は、これはこの前の組み替え要求のときに出したもの、あるいは前回参議院の見直し法案で出したもの、大体これでカバーしているのだというふうにおっしゃっているのだけれども、これについては随分問題があります。それはそうだと理解しますよ、先ほどおっしゃったんだから。であるとするならば、この代替財源案の中に含まれている、例えば租税環境の整備だとかあるいは自然増収だとか、いろいろなことが書いてあります。これは午後から専門家の我が党の町村委員が詳しくお伺いしたいと思うのだけれども、随分問題がある。果たしてこれだけの税収が入ってくるかどうかということは、私は大問題だと思うのです。
 それ以上にさらに問題なのは、既に提案者のお一人である、中野先生の所属しておられる民社党の代表の伊藤先生がきのう本会議で質問されている。この内容を見ると、物品税復活への疑問を述べたり消費税の福祉利用を明確にさせるなど、既にもう現行消費税の見直しという議論に一歩踏み込みながら話をしておられるのですよ。集めた税金が入らないとか、いろいろ。ということは、そこに座っておられる皆さん方も、この二年か三年の間、まあ一年かもわかりませんね、一年か二年か三年、この間のつなぎ税制については、私は全く呉越同舟だと思わざるを得ない。
 それから、さらに困ることは、それでは税制改革協議会でどういう税制が将来決まるのか。これは先ほど申し上げました国民の公平というものをどう理解するかによって税体系が決まってきます。この税体系について、少なくとも政治家というものは、国民の皆さん方の公平がどうだろうとか不公平がどうだろうかということを言うだけではなくて、我が党の党是あるいは我が党の今までの流れからいけばこういう税制が恒久的なものであるということを示されるのが、私は政治責任を持っている政党のおやりになることだと思いますよ。
 本来、主客転倒して皆さん方がもしこちらに座っておられるのなら、この税制改革協議会ができた後の何年かの暫定の財源が決まってない、それからその後の税制改革協議会でどういう税体系ができるか決まってない、こんな欠陥税制は審議はできませんと言って私は審議拒否をする、多分皆さん方とここをかわっておれば。皆さん、そうされたでしょう。そして、理事がみんなここへ来て大問題になっていたはずだ。こんなずさんなものを出しておいて、もしこのまま行ったら大蔵大臣、それはこの法案が通るときは橋本先生は大蔵大臣ではないかもわからないが、大蔵大臣として、この今私が申し上げたような状況で経済運営の責任者として責任が持てますか。
#79
○橋本国務大臣 私は、先ほど申し上げましたように、税収の大きな柱の一つが廃止をされ、しかもそれにかわる恒久的な財源案が示されず、そして仮に示されたといたしましても、それがいつまで存続するのかわからないような状況の中で我が国の経済運営の責任をとれと言われましても、到底私の能力においては無理なお話であると申し上げざるを得ません。
 そして、今委員が御指摘になりましたように、私どもは、例えば土地税制にいたしましても、幾つかの原則を示しながら国会で御答弁を申し上げておりますが、なおそれに対して将来像を野党の皆さんから求められ、御答弁を申し上げながら今日まで参っております。我々が将来の考え方を示さずに無条件で対応した場合には、多分、院としては極めて厳しい対応をされるでありましょう。
#80
○伊吹委員 最後に、伊藤先生にお伺いをしたいと思いますが、今経済運営の少なくとも現時点においては、国民の信託を受けて大蔵大臣になっておる我が党の橋本大蔵大臣が、こういう税制では少なくともこの二年間のつなぎの財源対策がよくわからない、そしてまた、その後国民税制改革協議会でどういう案が出てくるのかよくわからないという面では非常に不安だということを言っておられる。現実的には、やはり税制というのはつないでいかなければ、商売も国民生活もできないのですね。
 そういうことからいうと、私は、民社党や公明党の委員長がいろいろな場で言っておられることと社会党の委員長が言っておられることが、後の対応について若干違うと思うのです。民社党の委員長は、税制協議会でいずれ――税制協議会というのは皆さん方が考えておられるようなものじゃないのですよ。これは議員の集まりなんですね。議員の集まりなんです。公明党さんも、まあそういうことでも動きによってはやむを得ないな、こう思っておられるような発言が新聞には書いてある。本当かうそかわからないが、新聞に書いてある。しかし、社会党はどうもそういうところについて、やはりこの法律どおりきちっと運んでいきたいというふうに考えておられるように思う。どうですか。
 最後にそこをお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#81
○山崎委員長 時間が参りましたので、この答弁は午後一時から再開の際に行ってもらいます。
 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時一分休憩
     ────◇─────
    午後一時開議
#82
○山崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、先ほどの伊吹文明君の質疑に対する答弁を求めます。菅直人君。
#83
○菅議員 午前中、伊吹委員の方からいろいろと野党の提案している法案についての御質疑がありまして、最後のところで、野党は恒久的にはどういう税体系を考えているのかという趣旨の御質問がありました。
 私どもは、まず第一に申し上げておかなければいけないのは、先ほど加藤委員の御質疑にもありましたように、内容と手順という二つの問題がありまして、私どもは、この税制再改革基本法の中では、内容の骨格も提示をし、同時に、その手順についても提示を申し上げているわけであります。ですから、すべてをかちっと決めてしまってそれを押しつけるというようなことは、それはまさに消費税の二の舞になると思っておりますので、そういうやり方をとらないということが前提になっております。
 その上で、我々の再改革基本法の中では、御承知のように、所得、消費、資産への適正な課税ということを基本といたしておりまして、先ほど来の公平の考え方で申し上げますと、まずは垂直的公平を確保するためには、総合的な課税を基本として、応能負担を基本とする直接税を主とする、これは御存じのように、累進課税によってそういった垂直的公平が確保されるものと考えております。そして、水平的な公平についてもいろいろ議論がありましたけれども、私どもは、クロヨンと言われるようなものを初めとして、そういった不公平なものを是正をして、総合課税によってそういうものを是正をしていくという考え方をとっております。
 さらに資産課税について、これは政府・自民党の方も非常におくれている。私どもは、一昨年土地基本法を野党の方から先に提案をしたことでもおわかりのように、この問題にも大きな不公平があると考えていて、それに沿っての課税についても検討を進めなければならない。
 以上のような問題を基本として、この法案の中で基本骨格を明確に国民の前に示している、そのように認識をいたしております。
#84
○伊吹委員 終わります。
#85
○山崎委員長 質疑を続行いたします。町村信孝君。
#86
○町村委員 私は自由民主党の町村信孝でございます。
 私は、これで三年ぐらい、四年ぐらい前からでしょうか、自民党の税調の中でも、売上税あるいは消費税の導入の必要性を唱え、あるいは所得税減税、法人税の減税というものを唱えて、要するに税制の抜本改革を今やらなければならない、こういう主張を一貫して繰り広げてきたものでございます。先般の選挙でも、少し消費税のことばかりを言ったものですから票が一万票方減りましたが、それでも当選をさせていただいた、地元の方々はありがたいなと実は感謝をしているところでございます。
 私は今、午前中に加藤議員あるいは伊吹議員がお話しになったように、対立点ばかりを今ここで明らかにしてもしようがない、できるだけ共通点を見つけ出して、そして前向きの建設的な議論をするのが今の国会の使命だ、こう考えております。ただ、さはさりながら、法案が出されております以上、私どもは、野党の具体性のない無責任なこの法案というものは、やはりその無責任さというものを明らかにした上できちんと採決に持っていく、こういう意味で幾つかの質問をさせていただきたい、こう考えております。
 まず第一に、私は、野党四党の四つの法案が出されているわけですが、その基本的な姿勢について伺わせていただきたい。別の言葉で言うならば、本気で消費税廃止を通す気があるのですか、こういうことなんですね。
 四月十九日に四野党の予算の組み替え共同要求が出され、あるいは代替財源に関する統一的な見解というのが出され、十月一日から消費税を廃止する、そしてその代替財源も必要であろう、物品税の復活など必要であろうということをこの統一見解の中で述べておられるのです。しかし、もう会期末まできょうから数えてあと二週間しかない、そういう状態の中で、今やっと消費税廃止法案の審議が始まったところで、なおかつ代替財源法案が出されていないというのは、これはどういうことなんだろうかと、その熱意について私どもは疑わざるを得ない。
 少なくとも参議院の場合は、昨年の秋、きちんと消費税廃止法案、税制再改革法案、そして代替財源法案、三本柱で出した。今回はその代替財源の法案が出ていない、二本柱でしかない。これは明らかな政策的な後退である。少なくとも参議院の皆さんの方が責任感あふるる行動をとっていた、こう私どもは思わざるを得ないのでありますし、現に発議者たる参議院の久保議員は、法案化できるものはできるだけ法律案としてお示しすることが、これが国会の論議を尽くす上で重要である、国民に対する責任だとまではっきり述べておられるのに、何で今回皆さん方はそれを出されないのか。
 伊藤提案者は、代替財源法の提出により政権担当能力を示す、累次の発言でそう述べておられる。今回お出しにならないということは、やはり政権担当能力は我らにはないな、こうみずからお認めになったに等しいのではないか、こう考えますが、いかがですか。
#87
○伊藤(茂)議員 お答えいたします。
 最初に、本気で廃止法案を通すつもりがあるのかというお言葉がございました。私は、国民の本当の合意といいますか、御質問者も今合意の形成が大事であると言われましたが、国民の皆様に責任を持って本当に合意を得ようとするならば、今日の消費税の状況はやはり国民不信の税制であろうと思います。やはり白紙に戻してやり直すというのが最も国民の合意にふさわしい行動ではないだろうか、そういう気持ちで提出をさせていただいているわけでございます。
 財源対策案のことでございますが、実は、昨年参議院に財源対策関連の法案を提出をいたしました。これも私たち四党の政策責任者相集いまして作成をいたしまして出したわけでありまして、その内容その他は私ども十分全部知悉をいたしているわけであります。
 ただ、考えてみますと、昨年参議院の審議でも何か極めて細かいことばかり質問があって、作成した私どもとしては非常に残念であったわけであります。なぜもっと大所高所の税制のあり方論ができなかったのだろうかというふうな気持ちがいたしておりますが、今度の審議に当たりましては、それらの気持ちもさまざま踏まえまして、基本になる四法案、廃止と再改革、廃止は前提であります、やり直すことが本番の大事な中身だと思います。そういう意味で提出をさせていただきました。
 そういうことでございますので、本会議の提案のときにもわざわざそのことについても言及をさせていただきまして、昨年参議院に提出をしたその骨格は踏襲をしていきたい、そしてまた、平成二年度予算についての代替財源につきましても予算の組み替え案としてフレームは提出をさせていただいた、平成三年についても同じようなフレームの御質問がございましたら議論をしてまいりたいというふうに考えております。
 そう考えますと、私は思うのですが、政府の見直しについても代替財源は、見直し案の発表のときにも本年度予算関連でも提出をされておりません。やはりお互いに一番肝心なことを議論し合うという気持ちで対応してまいりたい、そういう気持ちで措置をとらせていただきました。
#88
○町村委員 何か参議院の審議がえらく低次元の代替財源に関する議論であったかのごとき御発言があった。これは参議院にちょっと失礼じゃございませんか。それから、大所高所とこうおっしゃいますけれども、これは租税は法定主義というのがありまして、細かいところまですべて国民に義務を課すわけですから法律で決める、その細かい議論をやるのは当然のことであって、それを回避して皆さん方無責任な、代替財源法案を出さないということの理屈にはなりませんよ。
 それから、代替財源、皆さん方のはとにかく大規模なことを考えておられる、平年度ベースで七兆円近いものの穴があくわけです。歳入欠陥になることが目に見えている。それについて代替財源の提案をしないということがどうして許されるんですか。これほど無責任な話はないと私は断定せざるを得ませんが、何か御意見がございますか。
#89
○伊藤(茂)議員 参議院のことを軽視して申したのではございません。参議院でも立派な御審議がございまして、そうして廃止関連九法案が成立をするという画期的な状況があったということは、高く評価をいたしているわけであります。
 ただ、しかし、今回この衆議院で議論するに当たりましては、一番大事なことは、どうやったら国民の皆様に御理解のいただける税制にできるだろうか、その大きな道筋を必死でここで真剣に議論し合うというふうに考えたわけであります。
 代替財源法案につきましては、そのような意味で、政府も出していないから我が方もというふうな考えではございません。いずれにいたしましてもフレームは提供してございます。そして、議論については十分たえ得るベースでやれるのではないだろうかと考えているわけでありまして、御理解いただきたいと思います。
#90
○町村委員 ということは、代替財源法案はもう既に書き物になってでき上がっている、もうあしたにでも出せる状態にある、各四党みんな合意されている、こういう状態にあると理解していいんですか。
#91
○伊藤(茂)議員 あるべき姿は私どももたゆまず勉強はいたしておりますが、しかし、代替財源の正式の取り扱いにつきましては、この廃止法案を成立をさせていただきまして、そうして政府、与野党の責任できちんと可決をするという措置をとっていただきたいと思います。
#92
○町村委員 まあ、要するに準備不足であるということを今みずから告白されたに等しいと思います。
 先に進みますが、今国民合意ということをおっしゃられた。先ほどその点については、午前中同僚議員からその基本的な考え方についてもう質問があったところですが、例えば選挙の結果、これは何といっても自民党が現状維持をしたということからして、国民世論というものは消費税の見直しでいこう、こういうことになった。いろんな世論調査の結果を見てもそうです。確かに昨年の参議院の選挙のころは半数ぐらいの国民の方々が廃止を言っておられた。ここ三月、四月の世論調査を見ると、大体三割前後と著しくその比率が下がる反面、見直しあるいは現状維持というのが六割から七割近くなっている。これは各マスコミの調査結果どおりであります。
 こうしたことから見て、私は、皆さん方もいつまでも廃止ということにこだわっていたんではやはり国民の意向に沿わないだろう、こう考えざるを得ません。
 同時に私は、この消費税が導入されるに当たっていろいろ懸念があった。物価が上がるんじゃないか、あるいは個人消費が減退するんじゃないか、転嫁がうまくいかないんじゃないか、いろいろな懸念が示されましたが、それらについては、これも既にいろいろな形で報告されておりますとおり、物価は確かに、一過性のもので現在は安定をしておりますし、転嫁はほとんど、製造業者に至ってはもうほぼ一〇〇%転嫁が進んでいる、そういう状態にありますし、個人消費も極めて堅調を維持している、こうした消費税の定着状況というものが私が今言ったような世論調査の結果にあらわれている、こんなふうに考えるわけでございます。事業者間取引では極めて消費税は今円滑に推移をしております。
 ただ、一般消費者に対しての受けとめられ方はどうかというと、やはり三割前後の方々が廃止を望んでおられるというその結果から見ても、まだまだそれは理解を求め、そして必要な見直しはしていくということをやっていかなければいけないんだろう、こう思うわけであります。
 皆さん方の大スポンサーであります連合の山岸会長でさえも、もういつまでもそんなかたいことを言ってないで具体的な見直し案の検討に着手したらどうか、こういうことを連合の山岸さんさえ言っている、そういう時世であります。
 どうでしょうか、伊藤発議者の御見解を伺います。
#93
○神崎議員 初めに、選挙後のさまざまな世論調査の結果につきまして、ただいま町村議員の方から、見直しをすべきという世論調査の結果が多いではないか、こういう御指摘の点がございました。この点につきまして、私の方から御答弁をさせていただきたいと思います。
 確かに一部の世論調査の結果を見ますと、選挙後、見直しをすべきという意見の方が廃止論よりも多いという世論調査の結果が出ていることは私どもも承知をいたしております。しかしながら、それとは反対に、別の世論調査におきましては、依然として消費税を廃止すべきであるという強い結果があることもまた事実でございます。
 具体的に申し上げますと、朝日新聞の三月二十五、二十六日実施の世論調査によりますと、自民の安定多数は消費税見直し支持と見るかどうか、こういう問いに対しまして、そうとは思わないというのが五六%あるわけでございます。支持されたと答えたのは三六%でございます。そういう結果もございます。さらにまた、読売新聞の三月十、十一日実施の世論調査によりますと、新内閣の取り組むべき課題のトップは消費税などの税制改革であるとするのが五六・二%でございます。消費税の扱い方につきましては、廃止すべきとするのが二八%、現行のままはわずかに七・五%、見直し案に賛成というのが一五・六%でございます。
 このように、二つの世論調査の結果があるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、現行の消費税に対しては国民の厳しい批判があるということは今日もなおそのとおりである、このように認識をいたしております。
#94
○町村委員 もういいです。ちょっと先に進みます。――まあ山岸さんの意見はいいでしょう、皆さん方はきっと重く受けとめられておられるんだろうから。
 そこで、具体的に税制再改革基本法案、この内容について少し伺っていきたい、こう思います。これがやはり基本であろうかと思います。
 私ども自由民主党は、既に税制改革の法案を出し、国会で成立をさせ、さらにその見直し案というものを出し、必要ならばその再々見直しもまた考えよう、ステップ・バイ・ステップ、一歩一歩着実によりよいものをつくり上げていこうという極めて現実的なアプローチをとっており、具体的にこういう形の税制改革が必要ですよということで国民の前にお示しをいたしました。
 これに対して、野党の皆さん方のこの再改革法案、タイトルは立派ですが、中身を見ますと、その「趣旨」でありますとか「環境整備」「基本原則」「基本方針」、これは全部総論なんですね。総論なんです。さっき菅提案者があたかも具体的であるかのような錯覚を与える答弁をされましたが、これはただ総論を述べているだけにすぎない。具体的な内容について全く触れていない。そして、すべてこれは国民税制改革協議会なるものにゆだねて一年後に先送りをする。これが現在の皆さん方のスタンスで、これが私の言うところの極めて無責任な対応だ、こう断ぜざるを得ないのであります。どうして自民党の、具体的な消費税その他いろいろ出しました、その具体的な提案に対して皆さん方は具体的なものをお出しにならないんでしょうか。
 きのう本会議でどなたかが、具体的な提案をしないことが意義があるんだという発言があって、私は唖然といたしました。政党が、政策がなくていいんだ。それならば政党人であることをおやめになったらどうでしょう。政党たるもの常に政策を掲げ、その政策を実現することに努力をする、これが我々国会議員の務めでしょう。具体的な案を示さないのがあたかもいいことだと言わんばかりの発言、ちょっと私は尊敬する方の御発言とは正直言って思えないのであります。
 考えてみると、野党の皆さん方が何か具体的に今まで提案をしたことがあるだろうか。さっきの加藤議員のお話のように、もう十年以上前から議論が始まっているにもかかわらず、一度として野党から具体的な内容についての提言が今までない。一度もない。強いて言うならば、いいですか、この選挙中に、選挙の告示の翌日だったと思いますけれども、この「パート・ツー」というのを社会党が出された、まあこのくらいなんですね。こんなに長い間我々議論をしていながら、皆さん方は一度として出していない。
 しかるに、今度この再改革法案によれば、一年間の協議会で答えが出ると、こうおっしゃるんですね。昨年の参議院の議論では、二年間でも難しいかもしれないけれども努力いたしますという答弁を久保議員がしておられた。今度は一年ですよ。いいですか、あと一年。ということは、この一年間あるいは半年の間に相当何か詰めが行われて、何か議論の前進が皆さん方の中であった、こう考えざるを得ないのですね。どうでずか、この半年、一年の間で、皆さん方何か議論をやって少し煮詰まった点があるのでしょうね。あるからこそ二年の審議時間というのを一年に短くしたのですから。具体的にどういう詰めが行われたのか。昨年の参議院の議論との比較において、こういうところが少しは議論がまとまりましたという具体的な詰めの内容をこの場で明らかにしていただきたい。
#95
○菅議員 今、町村議員の方から野党は具体的な提案が一度としてないというのは、私はよほど各党の政策をごらんになっていないのじゃないかと思うのですね。
 例えば、昨年の自民党がやられたという税制改革の中の大きな目玉が所得税減税にあったわけです。私たち野党は例年所得税減税については強く要求をし、特に昨年までの数年間、調整減税的なものも行われないために実質増税になってきて、それを予算要求の中で常に提案をしてきたことは、もう皆さんもよく御承知のとおりなわけです。それをやっとおくればせながら盛り込んだものが、一番目玉と皆さんがされている所得税減税という形で一部実現したと私どもは受けとめているわけです。
 また、特に資産課税の問題の中でも私どもの提案が一部受け入れられて、例えば株の原則課税ということになったというふうに受けとめておりますし、特に土地税制については、先ほども申し上げましたけれども、いろいろな共同提案を四党で既にし、いろいろと提案をしてまいっております。特に土地基本法については、一昨年私どもが提案をして、そして、それが契機になって政府がおくればせながら法案を提出をし、それが昨年の暮れに通った。これは与野党逆転の起きる前に、野党四党は既に資産課税についての基本的な考え方を法案という形で出してきていたわけです。
 まさに今議論をしている消費税の中身についてこそ大きな見解の隔たりがあって、見直しで行くのか、それとも私どもの言う廃止が国民的に納得されるのかという議論をやっているわけでして、そういった意味で、まさに町村議員の方こそ、我々野党が何か一つも案を出してないがごとく国民の皆さんに誤解を与えるような、そういう質疑の仕方というのは必ずしもフェアではない、このように申し上げておきたいと思います。
#96
○町村委員 そうやって部分的に、所得税減税に賛成しましたとか、あるいは土地税制はちょっと言ってみました、部分的にはいいですよ。トータルとしての税のあり方をどう考えるのかということについて、一度として建設的な提案かないということを私は申し上げているのであって、そうやって部分部分についてはそれぞれ言っているでしょう。部分部分で言っているだけであって、全体の税制のあるべき姿は一度として出されていないということははっきりしているわけであります。
 では、さきに「消費税廃止プログラム・2」というのを土井委員長がお出しになった。これについてきのうも塩川議員の質問の中で出されまして、提案と、こう出されましたけれども、実際には、いや、あれはちょっと言い過ぎた、どうも内容が不十分だということで、たたき台というふうに格下げされたようでありますけれども、この社会党の土井委員長の意見によれば、特に私はこの消費課税、間接税のあり方について絞って伺いますが、大型間接税ではない物品、流通に対する個別限定列挙方式の間接税の導入というのをうたっておられますね。それはお認めになりますね。
 伊藤議員、どうですか。
#97
○伊藤(茂)議員 土井委員長がそのような記者会見をされたのは事実でございます。
#98
○町村委員 土井委員長の個人的見解ですか、社会党の正式な見解ですか、どっちですか。
#99
○伊藤(茂)議員 委員長が御発表になる委員長の御発言は党全体を代表するものでございまして、もちろんですが、私も当然かかわってそれらに当たっているということでございますが、質問の中でも御指摘ございましたように、私どもはそれを唯一のものとして押しつけたり、あるいはそれを強行したりという考え方は全然持っておりません。四党あるいは国民税制改革協議会、いろいろな場で協議をする一つの提起としてさせていただいたというわけであります。
#100
○町村委員 もとより政策というのは、一党の政策が全部そんなに各党に押しつけられるとかいう性格でないのは当たり前のことなんですよ。当たり前のことを余り言わないでいただきたいですな。
 この個別限定列挙方式は非常に問題があると私どもは考えるのですね。個別限定列挙方式、それではどういうものに税をかけるのかかけないのか、その個別限定列挙方式なるものの考え方を伺いたい。どうもあの文章によりますと、奢侈品と一定の普及度を持つもので分けていくんだ、こういう内容がありましたが、それは事実ですね。
#101
○中村(正男)議員 担当でございますので、私の方からお答えをいたします。
 この個別限定列挙方式という問題については、確かにまだ詳細な具体案は提示をされておりませんが、一つの消費税を廃止をした後の間接税の考え方として、四党協議のたたき台として提案をさせてもらっております。
 そこで、具体的な個別間接税の中身についてお答えをしたいと思います。
 私どもは、個別間接税というのは、それぞれの担税力に応じて課税できるなどすぐれた面がある、また、逆進性の問題についても緩和ができる、このように考えております。したがって、個別間接税をおくれた税制とは思っておりません。ただ、現行のといいますか、消費税が廃止をされるまでの個別間接税におきましては、矛盾があったこともこれは事実でございます。しかし、矛盾があるからといって、より多くの矛盾を抱えますこの大型間接税に飛躍をするというふうには考えておりません。
 そして、この矛盾が多いという問題を考えてみますと、これこそまさに自民党政府が三十七年間も愛し続けてこられたその結果、この個別間接税というものの矛盾が拡大をしたというふうに私どもは認識をいたしております。個別間接税が物品、サービス間の負担の公平を阻害するというのであれば、そのことこそ、自民党政府が三十七年間もこの矛盾を拡大したことをこの時点でまず反省があってもいいのではないだろうかというふうに指摘をしたいと私は思います。
 そこで、代替財源案の一つの形として、今回この物品税の復元を提案をいたしております。しかし、混乱を避けるために課税対象品目については見直しをせずに、従来の物品税対象品目をそのまま復元をしたいということであります。ちなみに数字について申し上げますと(発言する者あり)いえいえ、申し上げておきます。――そうですか。はい、わかりました。
 したがいまして、私どもは、あくまでも今あるべき個別間接税の姿ではなしに、一年間かけて国民合意の上に立った新たな個別間接税というものを検討していただきたい、このように考えておる次第であります。
#102
○町村委員 物品税について問題があったから、私どもはそれを廃止して消費税に変えたわけです。それをまた、代替財源、短期間の暫定措置で全面的に復活する。しかし、私が言いたいのは、この土井さんの提案では、つなぎ措置じゃないのですよ、税制再改革の中の「間接税の改善」という、いわば基本的な今後の恒久税制の中でこの個別限定列挙方式というものを皆さん方は掲げているわけですよ。だから、これはつなぎの措置のことを言っているのじゃないのですよ。税制再改革の中でもやはり個別限定列挙方式を言っているのです。
 では、具体的に言いましょう。私ども寒冷地の北海道では、毛皮なんというのは大変必需品なんですね。これはぜいたく品ですか、どうですか。あるいは沖縄におけるクーラーはぜいたく品ですか否かですか、生活必需品ですか、どうぞ答えてください。そして課税するのかどうか。
#103
○中村(正男)議員 物品税そのもののスタートは、御案内のように戦時中の立法がもとでございまして、その後、奢侈品に対する課税ということでこの物品税が今日まで拡大をしてきたわけであります。その拡大の過程は、今いみじくも委員が指摘をされましたような矛盾を拡大をしてきた。それはむしろ自民党・政府であるというふうに我々は考えておるわけです。したがいまして、先ほど申し上げておりますように、私どもは個別間接税というのは必ずしもすべて悪いと否定、そのように限定はいたしておりません。(発言する者あり)ですから問題は、その物品税を当初の奢侈品からここまで拡大をしてきたその責任を自民党どう考えるのか、そういうことであります。――まだ答弁中であります。
 この物品税が今日まで拡大をしてきたのは、物品税の持つ担税力を、自民党は財源の中でそれを大いに活用されてきた。それがまた同時に、物品税が当初起こってきた、その奢侈品から、矛盾をさらに拡大をさせてきた、そのように私どもは受けとめておるわけであります。
#104
○町村委員 答弁になってないじゃないですか。答弁になってない。大体、同じことの繰り返しをしないでもらいたい。
 もう一度聞きますよ。寒冷地における毛皮はぜいたく品として課税するのか、沖縄におけるクーラーは課税するのか、どうですか、答えてください。
#105
○山崎委員長 的確に答弁してください。
#106
○中村(正男)議員 消費税は、食料品も毛皮も三%であります。私どもは、そういう面からするならば、いわゆる消費者が選択できる商品に応じた個別間接税というのは決して間違った税ではない、このように思っております。
#107
○町村委員 そんなことは聞いてないのですよ。私の端的な二点の質問に、課税をするのかどうか、そういうまじめな答弁をしてください。極めてふまじめですよ。そんな一般論は聞いてないんだから。はっきり答えてください。
#108
○伊藤(茂)議員 お答えをさせていただきます。
 例示に挙げられましたクーラーとか毛皮とかいうものにも私は担税力はあると思います。ただ私どもは、よくダイヤモンドと大根なんて町では言われますけれども、単一税率というのは世界に例がないであろう。やはり社会の常識で、奢侈品、ぜいたく品、例えば一生のうちに一遍か二遍しかお買い物をしないような高価なものとそれから日常品、これは差があるべきであろうと考えております。
#109
○町村委員 単一とか複数とか、どっちでもいいんです。私の質問に答えていただきたい。
 北海道にとって必需品の毛皮に課税をするのかどうか。イエスかノーかだけ、それを言ってください。
#110
○伊藤(茂)議員 さっき申し上げたとおりでございまして、担税力があり、課税をいたします。
#111
○町村委員 わかりました。
 それでは、順次質問させていただきますが、例えばサービス、いろいろなサービスが今ありますね、奥さん方のカルチャーセンター、エステティック、あるいはお子さん方の学習塾とか進学塾とかおけいことか。今私はちょっと四つ例示を挙げましたが、課税しますか、しませんか、それだけお答えください。
#112
○伊藤(茂)議員 私どもの基本法の中で述べました趣旨をもう一度やはりぜひ御理解いただきたいと思います。
 私どもは、それは、内容について初めに大型間接税ありきとか初めに結論があるという形では、プロセスと国民的な合意の努力の意味がないと思います。そういうことを、各界の意見を出し合って極力合意を形成する努力こそが、税制改革にとって今大事なことではないだろうかと思っております。
#113
○町村委員 全く具体的に答える気がない。いかに野党の皆さん方が税制というものに対して無理解であり、かつ、個別の詰めが何にも行われていないかということをいみじくも今証明をしていただいたと私は受けとめるのであります。
 それでは、別のこと、別の表現で伺いますよ。大型間接税はやらないというこういう御発言ですね。大型の定義を言ってください。一言でどうぞ。大型の定義を一言でどうぞやってください。大型間接税という大型の定義をどうぞ言ってみてください。
#114
○伊藤(茂)議員 大型間接税の典型は、多段階で幅広く網羅的に投網のようにかけるというのが大型間接税であろうかと思います。
#115
○町村委員 皆さん方の提案の中には、サービス、流通に対する課税というのが書いてありますね。サービス、流通、この再改革法の中に書いてあります。サービス、流通に対する一般的な課税と消費税とどこがどう違うのか、お答えください。
#116
○中村(正男)議員 お答えいたします。
 私どもは、消費税が廃止をされますとサービス、流通課税がほとんどなくなるわけでございまして、それにかわる課税の問題として、一年間をかけて国民税制改革協議会で大いに検討をしていただこう、こういうふうに考えておるわけでございます。したがいまして、どのような課税するのか、この流通、サービスについて、課税のあり方についてはその論議を待って結論を出すべきだ、こういう認識であります。
 流通の概念というのは、私は、物の流れ、いわゆる製造から卸、卸から小売というものと、それからソフトとソフトの間の情報の流れ……(発言する者あり)いや、御質問がサービス、流通に対する課税をどう考えておるかという御質問でございますから、そのことにお答えをしておるわけであります。
 したがいまして、単に流通といいましても、物の流れだけではなしに、いわゆる情報の流れというものも新たな問題として出てきておるわけでございますから、この段階で、私はかくあるべきものがサービス、流通の課税だということは、あくまでも論議を待っての結論だというふうに申し上げておきます。
 ただ、一般的には、流通税というのは所得税それから収益税によって捕捉し得ない所得に課税をする、こういう認識に立っておることを改めて申し上げておきます。
#117
○町村委員 要するに、簡単に言えば、いろいろ矛盾のあった物品税をとにかく若干のサービスも加えてやりましょうと、それがどうも具体的な内容のようでありますが、世界の趨勢でそうはなっていない、個別物品税は全部世界的にも廃止されてきている。そういう世界の流れを無視し、かつ、これまでの物品税の矛盾をさらに拡大させて導入しようというのが皆さん方のお考えであるということが大体わかりました。
 そこで、消費税の導入のいろいろな議論の中で、たしか伊藤政審会長はテレビの中で、七対三ぐらいということを御発言されましたね。中野政審会長は六対四ぐらいに持っていきたい、こういう御発言をされましたね。これは確認いただけると思います。しかし、今のように広く薄くでなく、特定の物品、サービスにかけよう。今私ども、消費税を導入しても直接税の比率がもう七割から下手すると八割まで行っちゃうかなというのを、辛うじて七割程度に食いとめる、直接税が主、間接税が従という、そういう考えなんです。そういう中で、もし皆さん方がおっしゃるように消費税をやめて特定の物品、サービスに課税をし、かつ、それを七、三の現状維持、あるいはさらに間接税の比率を高めて六、四に持っていこうというためには、結局、何のことはない、あけてみたらば、結果的にはかなり幅広いものに課税をするか、あるいは旧物品税の品目を拾っても、今までの税率よりもうんと高いものにしなければ、三割とか五割とか、そんなものにしなければ、今おっしゃった七、三とか六、四とかいう数字を達成することはできないはずなんですね。論理的にそういうことになる。どういうふうにお考えですか、伊藤さん。
#118
○伊藤(茂)議員 たしか、いつかのテレビの番組で質問がございまして、七、三程度、二、三年間ぐらいはというふうな意味のことを申した記憶がございます。そのとき私が考えましたのは、たしか渡辺元大蔵大臣とかが大蔵委員会の議論などの中でこの質問に答えられまして、五、五ぐらいとかというふうな話があったことを伺っております。そんなことになりますと、例えば消費税にした場合にたちまち二けたになるでありましょう。大体現状の直間比率程度というのがしばらくの間は適切ではないだろうかいうことで、大まかに七、三程度ということを申し上げさせていただいた。
 直間比率についての私の基本的な考え方は、アプリオリに何対何ぼがいいかというふうな考え方は間違いで、結果であろう、これは竹下元大蔵大臣が大蔵委員会で私の質問にお答えになりました内容でありまして、この点だけは訂正しますが、この点につきましては竹下元大蔵大臣の言われたことが、私ども同感、正しいと思っております。
#119
○町村委員 そんな経緯論を私は聞いているのではない。全然あなたは質問に答えようとしない、いつも過去の経緯ばかり言おうとする。いいですか、個別の物品、サービスに対する個別間接税でやろうとすれば、相当品目数を数多く持っていって、結局消費税と同じになるか、あるいは個別の物品、サービスに対する税率をうんと高くしなければ七、三という数字すら維持できない、まして六、四なんて不可能ではないですかと、この点を論理的にお答えくださいと聞いているので、過去の経緯は聞いていない。今の点についてお答えください。
#120
○伊藤(茂)議員 私が申し上げました根拠というか、イメージは、大体現状でございますから、前の物品税が存在していた時代あるいはほぼ同じようなという程度で間接税を考えているというイメージで思いました。
#121
○町村委員 非常に論理的な伊藤さんらしからぬ極めて非論理的な御答弁を今されておられます。
 中野先生に伺いますが、民社党はこの二月、当時永末委員長は個別間接税には反対だ、こう発言をされました。大きく報道されました。また、御党の寺崎議員は、参議院で十一月十七日、物品税に反対をする理由を明確に述べられ、また昨日の伊藤英成議員も、物品税に対して、物品税の復活について、あるいは個別間接税に重大な疑義ありと御発言をされました。今の伊藤発議者と民社党とは大分お考えが違うようですが、いかがですか。
#122
○中野議員 お答えをいたします。
 私どもは、個別物品税の導入を恒久財源として考えることにつきましては、今日までの物品税の矛盾等を考えますときに、決していい方法ではないであろうというふうに考えております。ただ、国民税制改革協議会をつくりまして論議をしております期間、ノーハウがあります物品税を、税率を下げ、消費税の範囲の中で一時期復活させることにつきましては、苦慮した上でやむを得ないものと判断した経緯は既に御存じであろうと思います。
 ただ、その改革後の内容につきましては、私どもはそういう考え方を持っておりませんので、そういう意味では別の方途を考えなければならない。ただ、具体的にと言われるかもしれませんけれども、私どもはまさに税制改革協議会において、例えば先ほどの御質問がありました公平感の問題でありますとか、そしてまた税のバランスの問題でありますとか、そういうものを一つ一つ国民の皆さんとともに議論をして積み重ねていく過程を大切にしたい、こういうふうに考えているわけでありまして、その過程の中では、福祉ビジョンであるとか、それから行政改革でありますとか財政改革でありますとか、そして将来の国民負担のあり方でありますとか、それらのことについて一つ一つ論議を重ねる中でそれらの方途を生み出していくという方途が正しいであろう、こう考えているところでございます。
#123
○町村委員 確認をさせていただきますと、そうすると、暫定期間はともかくとして、恒久税制の中で個別間接税を導入することに民社党は反対をされる、こういうことですね。
#124
○中野議員 単純な個別物品税について導入することについて、私どもは現在賛成する考えはございません。
#125
○町村委員 非常に明確な御答弁をいただきました。これと伊藤発議者との御発言には相当な開きがある。どうしてこれが共同発議者としてその同じところに座っておられるのか、私は甚だ疑問を感ずるのであります。また、社会党の中にも、私どもが大変尊敬をしております堀議員、六十三年の十月、読売新聞でEC型付加価値税導入の必要性というのを二回にわたって非常に緻密な論文を載せておられる、こういう社会党の中にも議論があるわけでありまして、社会党の中にもこれだけの開きがあり、かつ社会党と民社党でこれだけの開きがある。どうして四野党で共同発議できるのか、私は、この四野党の共同発議というものが極めていいかげんな野合にしかすぎないとさえ言いかねまじき状況にあるということを、この際、間接税に関連をして指摘をしておきたいと思います。
 時間がなくなりましたので、次に、税負担の不公平の問題について議論を移らさせていただきます。
 先ほど、この不公平につきましては、何が公平であるか否かという点につき同僚の伊吹議員から非常に網羅的な、かつ考え方にわたる御質問がありましたので、私はひとつ具体的にこれも御質問させていただきます。
 例えば平成二年度の租税特別措置減収額一兆二千三百億、この中で最大の減収項目はお年寄りに対するマル優制度五千六百三十億、これは不公平税制とお考えですか、伊藤さん。イエス、ノーだけお答えください。
#126
○中野議員 伊藤提案者を御指名でございましたが、割り当てがございますので私の方からお答えを申し上げます。
 端的に申し上げまして、今御指摘の部分につきまして私どもは不公平税制とは考えておりません。――少しだけ説明させてください。老人マル優については必要な措置であると考えており、整理合理化をするという対象には考えておりません。住宅についてはよろしいですね。
#127
○町村委員 はい、結構です。要するに、租税特別措置に書いてあるからといって全部不公平だということではないということがこの一点だけでまずわかりました。
 この皆さん方の例示の中に四つありますね。まず、いわゆる医師税制について伺いたいと思います。
 これについては、医は算術ではなくて仁術だ、そして非営利性、公共性というものがある、こういうことで、私どもは社会保険診療を行うお医者さんに対する税金の計算を簡単にして医業に専念してもらおう、こういうことで概算経費率というものを持ち出し、やってまいりました。実際には、大きなビルを構えているようなお医者さんについては、例えば五千万以上の社会保険診療収入がある場合には、まあこれは税理士さんなんかも雇うことができるだろうということで五千万以上は外した、これは私どもがつい先般とった措置であります。この結果として何が起きたかというと、特例適用の対象割合が六割から四割に減りました。それから特例適用が適用される収入の割合も四割から三割に減り、減収額も九百六十億から三百四十億と三分の一近くに減りました。こういうようなことで、私どもなりにこれまでも努力してきたし、これからもまたやっていこう、こう思っているわけですね。
 仮に皆さん方のおっしゃるようにこれを全廃するということになりますと、例えば僻地、山間、離島で頑張っておられるお医者さん、あるいは町で奥さんと二人で一生懸命小さな診療所をやっておられるようなお医者さん方にも全部税負担がかかるということになりますが、そういう形でこの社会保険診療報酬の特例を全廃しようというお考えなのかどうなのか。
#128
○森井議員 社会保険診療報酬の問題につきましては、もう私から申し上げるまでもありませんが、不公平税制の見本のように今まで指摘をされてまいりました。でありますからこそ、今、町村委員が御指摘になりましたように、与党自民党でも改善をしなければならぬということで、五千万円以上の所得について一定の改善をされました。これは、その部分につきまして私どもと同じ考え方でございます。
 もともと社会保険診療報酬の特例措置ができましたのは、制度がまだ未成熟なころに、何としてもこれを普及させたいということで税制上の優遇措置を図った、これが始まりでございます。しかし、もう委員御承知のように、最近、毎年毎年所得の番付が発表されますと、その十人のうち八、九人まではお医者さんというふうなことが出てまいりました。何しろ、基本的には七二%を必要経費と認め、二八%について課税をすればいいという形になっておるわけでございますから、どうしてもこれは改善をしていかなければならない、そういうふうに私どもは考えております。
 なお、御指摘のように、山村僻地等で献身的な診療をしていらっしゃるお医者さんもたくさんございます。これを放置してもいいのかということになるわけでありますが、これは税の制度は税の制度としてそのまま適用させていただきまして、むしろ山間僻地で頑張っていらっしゃる方々には、地方自治体やあるいは場合によっては国も援助をして、そういった方々がさらに立派な診療ができるようにむしろ措置を講じていくべきである、このように考えております。
#129
○町村委員 要するに、一つの措置をやめてまた別の措置をつくろう、こういうことですな。余り変わりませんね。
 それから、このほか、みなし法人課税、公益法人課税、企業課税、全部で四つ皆さん方から指摘があります。時間が余りなくなりましたので、これはどなたに聞いたらいいのでしょうか、尊敬する神崎さんに伺いましょうか。
 公益法人の課税の特例、宗教法人等がこの中には含まれます。ところで、この公益法人課税の一体どこが悪いとお考えなのか。私ども、人の気持ち、宗教心、こういう神様に対する気持ち、こういうものに対して税金をかけている国は世界じゅうどこにもないのですね。本来的なそういう公益法人の収入に税金をかけている国はどこもない。他方、民間のやっているような収益事業、競合するようなものについては軽減税率二七%というのを私どもは適用しております。そして、この収益事業の範囲も適宜見直しをしております。(発言する者あり)金融収益ですね。まさにそうなんです。財テクがいかぬ、こうおっしゃりたいのでしょう。しかし、この金融収益があって初めて、例えば奨学金を出しているようなそういう研究法人、団体もありますし、あるいは奨学金を出したりという、その金融収益によって初めて成り立っているような団体も幾つもあるのですね。どうやってそれを皆さん方、それじゃ金融収益がいかぬと言うのなら、こういう団体は金融収益は非課税だけれどもこういう団体は金融収益を課税にすると区分がつきますか。この点についてお答えをいただきたいと思います。
#130
○神崎議員 ただいまのお尋ねにお答えを申し上げます。
 租税の不公平の一掃によります国民の税制に対する信頼の確立のためには、各種特別措置等の抜本的な整理合理化が大きな課題でございます。この観点から、公益法人につきましても、国民世論の動向等を踏まえまして課税の適正化を図る必要があると考えます。
 なお、今御指摘の基金等の運用益で公益事業活動を行っている法人につきましては、その存立基盤を脅かすような課税は好ましいとは考えられませんので、その運用益に対する利子課税等は行うべきでないことは明らかだと考えております。
#131
○町村委員 今適正化という言葉を言われましたが、もうちょっと具体的に言っていただけませんか。どういうふうにして公益法人に対する課税の適正化を図るのですか。
#132
○神崎議員 この点につきましては、今御指摘の点を含めまして国民税制改革協議会で検討を重ねていきたいと考えます。
#133
○町村委員 いいですか、全部これです。全部国民何とか協議会で任せよう。いかに御自分の考えがないかということを今いみじくも言われました。
 それでは四番目、企業に対する課税の特例等租税特別措置の抜本的整理合理化、この点について伺いますが、もう時間がありませんから端的に伺いましょう。
 いろいろな措置があります。例えば、税額控除、一番減収額が大きいのが試験研究費の税額控除、九百八十億ですか、これは日本の科学技術の振興、研究の振興のために必要でございます。これは不公平税制か否か、それだけお答えください。――だれですか、担当者はどなたでしょうか。
#134
○山崎委員長 御答弁願います。
#135
○町村委員 増加試験研究費の税額控除は不公平税制か否か、それだけお答えください。
#136
○中野議員 お答えをいたします。
 本来、私どもがお答えする内容は、それぞれの不公平税制や租税特別措置について一つ一つその税制改革協議会において洗い直しましょう、しかしこのことは、皆さん誤解をされているかもしれませんけれども、それによって、洗い直すことによって、または廃止することによって財源を生み出しましょうという意図で申し上げているのではありません。また、私どもの提出をいたしております基本法案についても書いておりますように、財源対策としてそれらを書いておるものではございません。一つ一つのことについて、その必要性等について、例えば医師の問題でもそうであります、社会保険診療報酬の問題もそうであります、また中小企業対策もそうでありますし、今の御指摘の問題もそうであります、その必要性の度合い等に対して、必要なものは特別措置などと言わないで本来の措置として吸収するなど具体的な方途を講じるべきであろうということで、洗い直しを提言をしているわけであります。
#137
○町村委員 一般論を聞いているのではなくて、増加試験研究費の税額控除が、これは何しろあなた約一千億近い減収額なんですよ。一番大きな所得の項目なんです。だからこれを例示に取り上げて、これを不公平と考えるか否か、その一点だけ答えてください。不公平だ、不公平でない、どちらですか。
#138
○中野議員 お答えをいたします。
 その必要性は私どもも認めておりまして、単に不公平と論ずるわけにはまいらないと思います。
#139
○町村委員 わかりました。
 こうやって本当は一つ一つ全部伺いたいのですが、時間がありませんので、これは後ほど理事会にお諮りいただきたいが、何十項目かある租税特別措置の一項目ずつについて、それぞれ不公平であるか否か、皆さん方の統一見解をいただきたいと思いますが、これは後ほど理事会においてひとつ委員長、お諮りをいただきたいと存じます。それがなければ、企業関係の措置は全部皆さん方十把一からげで不公平であると、こういう議論をやりますから、そんなことはありませんよという今一つの端的な例でお伺いしたところ、これは不公平でないというお答えがありましたから、それでは全部この際に、後ほどまとめて資料としてお出しをいただきたい。租税特別措置法に基づくものが全部不公平だとは言わないということだけは少なくともはっきりいたしました。
 最後に、法人税の問題について伺います。
 これは基本税制、基本の問題であると同時に、暫定の問題でもあります。皆さん方の御提案では、既にことしから三七・五に下がったものを四〇に上げる、こういう御提言であります。これは皆さん方が昨年の秋参議院で議論したときには、四〇%のまま一年間もうちょっと据え置いて、それから下げるのだから経済に悪影響がない、こうおっしゃった。今回は下げたものを上げる、増税をやろうと皆さん方は明らかにおっしゃっているわけですね。増税をやろう。この問題点につきましては、きのう伊藤英成議員が本会議場において極めて明確にその問題点を指摘されましたが、この法人税率を上げることは、経済の国際化という皆さん方が法案の中にも述べていることにも極めて反するようなことをやろうとしているのかどうなのか、お伺いをいたします。
#140
○山崎委員長 ただいまの町村君の資料要求は、理事会において検討いたします。協議いたします。
 伊藤茂君。
#141
○伊藤(茂)議員 法人税率でございますが、私どもは、御指摘ございましたように四〇%とする暫定措置をとりたいと思います。あくまでもこれは暫定措置でありまして、やがてなるべく早く三七・五に戻していくというふうに考えているわけであります。これは再改革期間の暫定措置でございまして、この措置をとることは、今日の景気、経済動向などを考えますと、企業の内外の活動に差しさわりは発生しないというふうに考えております。
#142
○町村委員 時間が終了しましたので、これで終わります。どうも御苦労さまでした。
#143
○山崎委員長 村山富市君。
#144
○村山(富)委員 私は、質問に入る前に委員長にお願いしておきたいと思うのですけれども、この委員会の運営と審議の進め方について、先ほど来お話がございますように、この審議を通じて政府の提出をいたしておりまする見直しの中身、それから野党四党が提出をいたしておりまする廃止法案、四法ですね、現行の消費税のどこに問題点があるのか、あるいは政府の言う見直しの中身は一体どういうものなのか、十分国民の期待にこたえられるような中身になっておるのかどうか、あるいは野党が出しておる法案は消費税を廃止した後に心配はないのか、今まで議論されているような問題についても十分解明をして、そして国民の皆さんの納得を得ることが必要である。また、その納得を得て正しい理解を持っていただくことが、これから税制改革を進めていく上で、合意を得るために大事なことだというふうに思いますから、いついつまでに採決をして決着をつけるというようなことを先に決めるのではなくて、十分審議を尽くしてもらうということを前提にしたこの委員会の運営をやらなければならぬ。私は理事会でもそういう意見を申し上げておりますけれども、賢明な委員長の十分な配慮をひとつお願いしたいと思うのです。
 これは単に議事の引き延ばしをするとかそんなものではなくて、あくまでもお互いに合意が得られるような審議を尽くすということのために、ぜひひとつ、この委員会は注目をされている委員会ですから、先ほどお話がございましたように、こういう形で法案が提出をされて、そして両方並列でどうなのかといったような審議ができるというのは、これはまさに画期的な委員会ですから、それだけに注目をされておると思うのですね。そういう委員会の審議ができますように、ぜひひとつ特段の配慮をお願い申し上げておきます。
 さて、いろいろ御苦労されておりまする提案者の皆さんに心から敬意を表します。これは、やはり昨年七月の参議院選挙、それからことし二月の衆議院選挙、こういう選挙の中で表明された国民の意思を真摯に受けとめて、そしてお互いに選挙のときに公約した公約は誠実に守るという前提に立ってこの廃止法案が提出をされておるというふうに私は思うのです。そういう意味で、政府や与党と違ったハンディを克服して、四党が協力し合ってここに成案を得て提出をされた、本当に皆さん方の御努力と御苦労に対して心から敬意を表する次第でございます。
 私は、予算委員会の中でもたびたび申し上げてまいりました、先ほど来お話もございましたように、やはり税金というのは、特に新しい税をつくる場合には何よりも手順が大事だ、手順を間違えますと相当国民の反撃も受けるだろう。したがって、その手続が大事だ。あくまでも民主的な、お互いに合意と納得が得られるような筋道を立ててやっていくことが大事だ。同時に、内容もある程度お互いに合意ができるような内容にする必要があるというふうに思うのですが、そういう意味から申し上げますと、この消費税は、手順も間違っておるし中身も悪い。だから、これはもう思い切って廃止をして出直す以外にないんだ、こういうことも私はたびたび申し上げてきたところでありますけれども、そういう問題点については、この審議の中でさらに明らかにされていくと思うのです。また明らかにされていかなければいかぬというふうに思うのです。
 まず提出者にお尋ねしたいのは、こういう場を通じて、やはりできるだけ国民の皆さんの納得も得られるようなお話をしていただく必要があるというふうに思いますからね。参議院で提出をして慎重審議の結果、可決をされたのです。そしてこれは、衆議院では残念ながら自民党が多数を握っていますから審議未了、廃案にされたわけでありますけれども、総選挙を経た上で再びこの委員会に提出をした。これは本会議でも質問がありまして皆さんの御答弁もございましたけれども、この際重ねて、そういう経過を踏まえて廃止法案を提出した理由は一体どこにあるのかということを、わかりやすくひとつ御答弁をいただきたいと思うのです。
#145
○山崎委員長 御答弁の前に、村山理事に申し上げます。
 当委員会の運営につきましては、理事会の決定どおり行ってまいりましたし、今後ともそのように行います。
 神崎武法君。
#146
○神崎議員 消費税廃止法案を再提出した理由についてのお尋ねでございます。
 私どもは、この消費税導入につきましては、その手続面及び内容面において大きな問題があると考えております。
 手続の上では、第一に、選挙公約に違反して消費税を導入したということでございます。第二に、自民党の強行採決で議決されたということでございます。
 内容の点では、第一に、低所得者ほど負担が重くなる逆進性が強いという点であります。第二に、消費者が納税した税金が国庫に入らないという不公正を生んでいることなどでございます。
 税というものは、国税庁がお書きになっている書物等を拝見いたしますと、受けたサービスに対する会費のようなものである、このように解説をいたしておるわけでございますけれども、強制力を持って国が国民から税金を徴収するわけでございますから、国民の理解と納得を得られないものであっては断じてならないという性格のものであろうかと私は思うわけでございます。国民の理解も納得も得られない導入の手続であり、しかも内容的に極めて問題のある税であると考えるわけでございます。
 先ほど町村議員の御質問の中で、個別間接税等のお尋ねもございました。私はその際に、政府税調でこれまでさまざま御論議をいただいてまいりましたけれども、大型間接税導入についての諮問、これは売上税と消費税についての答申を除いて、いずれも政府税調では大型間接税については否定的な答申がこれまで行われてきたということも御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 例えば、昭和三十六年十二月の政府税調の答申では、
 大型間接税の逆進的性格は、課税対象の選定などによって緩和されるとしても、本質的性格を変えることはできない。個別間接税の大型間接税と決定的に異なる点は、担税力との照応関係の点から、課税対象を限定でき、税率、免税点等についても配慮できることにある。したがって、租税理論上、負担の公平という見地から見ると、個別間接税の方が大型間接税よりもすぐれていると言える。
  諸外国で大型間接税、付加価値税が創設された経済的背景を見ると、第一次、第二次の世界大戦の戦費調達、一九二九年の世界的恐慌時の不況対策のための財源確保の必要から新設されたものであって、我々を取り巻く経済的環境とはほど遠いものであったと言える。
  我が国の税体系としては、大型間接税を創設せず、直接税を中心として、これに個別間接税を配する現在の体系の方が負担の公平上、より合理的であるとの結論に達した。
と明記されているところでございます。
 このような消費税でございます。消費税の実施以来、一年余り経過いたしましたけれども、その消費税の構造的な欠陥は全く解消されておらず、政府・自民党の見直し案によっても問題点は解消されていないのでございます。したがいまして、消費税は廃止し、税制改革をやり直すほかないと考え、再び廃止法案を提出した次第でございます。
 本委員会におきまして御審議をいただきまして、廃止関連四法案を御可決いただきますよう、提出者としても全力を尽くしてまいる所存でございます。
#147
○村山(富)委員 よくわかりました。
 そこで、午前中の審議で大分お話もありましたけれども、やはりその手順というものが大事だというので、今導入されております消費税の持ち込みがいかに手順が誤っておったかということをある程度明らかにする必要があるというふうに私は思いますから、これからお尋ねをしたいと思うのです。
 昨年七月の参議院選挙で、全国の有権者は、与野党逆転というまさに歴史的な政治状況をつくってくれたわけです。これはどういう背景があるかといいますと、やはり消費税が強引に導入されたということが最大の課題だと思うのですけれども、しかし、よく分析してみますと、あれだけリクルート事件が問題になったわけですよ。リクルート事件に関係をしておった政治家が、その汚れた手で、そのリクルートのけじめもつけないままに新しい税を持ち込んで導入する、全く民主主義を踏みにじっておる、国民の意にも反しておる。こういう形で持ち込まれた消費税に大きな反撃が出て、今申し上げましたような逆転という状況がつくられた、私はこう思うんですよ。
 これは、選挙が終わった後で金丸自民党元副総理も明確に言っていますよ。この選挙は、明らかに消費税は国民からリコールされた、私は、この言葉にすべてが尽くされていると思うのです。公約は守るべきだ、数の力でもって押し切るような暴挙は許さない、こういう国民の強い怒り、その怒りをやはりお互いに体して、そしてその国民の悲痛な声にこたえなければならぬ。これが国会に与えられた任務であるし、我々の責任だというので、参議院では、苦労をされて消費税を廃止するという九法案を出したわけです。延々八十四時間に及ぶ慎重な審議をされたんですよ。そして参議院では可決をされたわけです。
 私は、このことはやはり重要に、重大に受けとめておく必要があると思うのです。本当に国民の声が選挙に反映された。その反映された国民の気持ちを素直に受けとめて、そして国会ではその気持ちが実現できるように、十分な慎重審議を尽くして、そして可決をされておる。この事実は、私はやはり大事に受けとめなければいかぬと思うのです。ある意味から申し上げますと、失われつつある議会制民主主義を国民の手によって取り戻された。その国民の期待にこたえて参議院ではやはりあれだけの成果を上げていただいた。私は、この事実はやはり十分重く受けとめていかなければならぬというふうに思うのです。
 しかし、さっき言いましたようにこの衆議院では自民党が多数を握っていますから、その可決された法案は衆議院ではついに廃案になったわけです。私に言わしてもらいますならば、そういう状況の中で直ちに衆議院を解散をして、そして是非を国民に問う、こういう手だてを講ずることがやはり私は憲政の常道だというふうに思うんですね。しかし、政権をとっておる自民党が、今選挙をやったんでは不利だというので、態勢を立て直すために時間を稼いで、そして年が明けて二月に総選挙をやったわけですよ。その総選挙をやった結果を踏まえて、自民党が安定多数をとった、だからもう消費税は、あるいは見直しは信任されたんだ、こういうふうに言っていますよね。果たしてそうだろうか。私はそうは思わないのです。
 なぜならば、自民党は極力消費税を選挙の争点にすることを避けたんですよ。ですから、総理以下一番大きく掲げましたのは、社会主義か自由主義か、体制の選挙にすりかえたんですよ。そして選挙をやったんですよ。ですから、これもたびたび問題になりましたけれども、自民党の候補者の中に、消費税は反対です、凍結する、こういう公約をして選挙をやった議員もおりますよ。この予算委員会では、そこに座っている閣僚に対して、選挙公報に消費税について一言半句触れなかった議員がおるけれども、これはどう見ますか、ここにも座っておられる議員が聞かれましたよね。いろいろ弁解していましたよ。そういう状況を考えた場合に、明らかに消費税を選挙の争点にすることを避けたということは、もうはっきり言えると思うんです。
 ですから、総選挙で安定多数を握ったから、もう消費税、見直しは信任されたんだというのは早計に過ぎるんじゃないでしょうか。これは、海部さんがうまいことを言っていますよ。海部総理はこう言ったんですよ。参議院選挙は、リクルートもあった、消費税もあった、農政問題もあった、だから必ずしも消費税だけでこういう結果になったんではないんだ、だから消費税がだめだとは思いませんという意味のことを言ったんですよ。ところが総選挙の結果を見たら、これで信任されたと言うんでしょう。こんな理屈の合わない手前勝手な解釈はないですよ。
 私はそういう意味で、なお重ねて言わしてもらいますれば、つい二日前に福岡で参議院の補欠選挙があったじゃないですか。我が党の三重野候補ははっきり、消費税は廃止する、皆さんどうですかと訴えて選挙をやっていますよ。それで選挙を隣たしてもらったんです。この福岡県の有権者の気持ち、考え方というのは、恐らく全国の有権者の共通した気持ちだと思うのですよ。
 私はそういう意味で、もう少し自民党の皆さんも謙虚に選挙の結果を受けとめて、素直にやはり対応してもらう必要があるというふうに思うのですが、こういう一連の経過と働きを見て、果たして自民党・政府が言うように、消費税は信任された、あるいは見直しは信任されたというふうに受けとめることができるかどうか。このことは、これから見直し案やらあるいは廃止法案を審議する過程の上で大事なことだと私は思いますから、この点はやはりお互いに明確に正しく受けとめて理解しておく必要があるというふうに思いますから、御答弁をいただきたいと思うのです。
#148
○中野議員 お答えをいたします。
 ことしの総選挙直後に、私ども政審会長がNHKのテレビに出演をいたしておりました際に、電話において視聴者に対して、その選挙結果と消費税の関係についてのアンケートがとられました。その際、約七四%だったと記憶をいたしておりますけれども、それだけの方々が、選挙の結果、自民党が過半数を確保したけれども、そのことによって消費税を国民が容認したというのではない、これは一致するものではないということをお答えになっておられるわけであります。これは極めて象徴的なアンケートの結果であったというふうに思っております。
 また、あの総選挙において、今、村山議員御指摘のように、野党は消費税廃止を強く訴えました。そしてまた、自民党の皆様方は、ある意味では体制論にその争点をすりかえる傾向が極めて強くあったと思っております。そういう中で、体制を維持しようということを強くお考えの方々は、例えば民社党支持者であっても、あの段階においては一つの危機意識の中で自民党に投票された方もいらっしゃいましょう。また、消費税を何としても廃止したいという怒りを強くお持ちの方々は、ある意味では最も大きな野党にその力を結集する道を選ばれたかもしれません。
 そういう意味で、ある意味では自民党対社会党という、今はやりの言葉で言えば究極の選択という状況の中で、残念ながら私ども中間政党が敗北を喫したといういきさつがあると思います。もちろん、それだけであるというふうに思い上がった気持ちはありません。ほかにもいろいろ要素があったであろうと思いますが、昨年の参議院選挙の結果や、そしてまた、先ほどの福岡における参議院の補欠選挙の結果等な見ますときに、消費税に対する怒りを抜きにしてその結果を判断することは不可能であろうと思います。
 そういう意味で、国民の皆さんの怒りは、体制論等を別にいたしまして、今、税制や暮らしの問題の中で何が一番怒りを覚えるかといえば、消費税の問題であるということを、多くの国民の皆さんがはっきりと表示をされたということであろうと思います。そういう意味では、私なりのうがった見方かもしれませんけれども、衆議院選挙において体制はある意味では確保された、ゆえに次はひとつ消費税の問題だと判断をされた、例えば自民党支持者の皆様の中にも、衆議院選挙で体制は守られた、ゆえに次は消費税問題であるという御判断の中で、福岡において自民党ではない候補者に投票された方もいらっしゃるかもしれません。それらの集積が今日のあの結果を迎えたものであろうというふうにも思うわけであります。
 また、世論調査の結果を一部では都合のいいように解釈をされて、そして廃止を唱える人は約三〇%台ではないか、五〇%を切ったじゃないかとおっしゃる方がいらっしゃいます。しかし、消費税、現状でいいという方はまだ一けた台でございましょう、パーセンテージにして。政府・自民党の見直し案を支持される方は、これまた十数%あるかなしかでございましょう。多くの方々は抜本的見直し、廃止といかないまでも抜本的見直しというふうにおっしゃっておられる。これを合わせますとまさに七〇%台になるであろうと思います。抜本的見直しは、一たん廃止しませんと整合性を持った新しい組み立て方はできないだろうというふうなことを考えますと、その抜本的見直しを論じられる方々も、結果として廃止論ということにならざるを得ないのではないかというふうにも思うわけでありまして、先ほど来るる御指摘をいただきました国民の皆さんのお気持ちは、そういう意味で、結果的に申し上げますと、まず一たん廃止して、それから税制改革をやり直そうではないかというのが国民大多数の皆様方の御意思であると判断をいたしております。
#149
○村山(富)委員 私は、やはり政治家として、選挙に表明された国民、有権者の気持ちをどう理解し受けとめるかということは大事なことだと思いますから、そのことは大変結構な御答弁であると思います。
 それから、これから私どもがやはり議会のあり方、正しい議会制民主主義というものを追求していかなければならぬ。そういう意味から申し上げますと、この消費税に関連をして、いかに消費税の導入の仕方が間違っておったか、先ほどもお話がありましたけれどもね。私は、そういう意味では、消費税が導入された経過というものを議会制民主主義に照らして一遍やはり考えてみる必要があるというふうに思いますから、その点についてお尋ねをしたいと思うのです。
 これは、今公約違反という話もございましたけれども、一九八六年七月のダブル選挙、これは皆さん記憶に新たなところであると思うのですけれども、はっきり当時の中曽根総理は、大型間接税は導入しない、私の顔がうそをつく顔に見えますか、そこまで言って約束をしたのですよ。ですから、当時の自民党候補者の選挙公約を見たら、皆書いてありますよ、ほとんどの人が。これが公約なんですよ。そして選挙が終わって三百以上の議席を確保したら、手のひらを翻して売上税をやろうとしたんですよ。だから国民は憤激したのです。公約は守れ、うそをつくなといって国民の怒りが爆発して、さしもの中曽根さんもやはり売上税は断念せざるを得なかったのです。
 ところが、その中曽根さんの後を竹下さんが引き継いだわけです。これは選挙をやって信任をされて引き継いだのならいいですよ。選挙をしないまま、言うならば派閥のたらい回しみたいな格好で引き継いだんですね。そしてその竹下さんは、今度は売上税を消費税に名前を変えて持ち込んできたんですよ。いいですか。この竹下内閣を構成している議員の皆さんは、消費税は導入しない、間接税は入れないということを公約をして当選された議員なんです。選挙の洗礼を受けてないわけですから、私は、公約違反であることについては間違いないというふうに言わなければならぬと思うのです。
 ですから、今でも記憶に残っていますけれども、全国の商店街の横断幕に書いてありましたよ。自民党はうそをつくな、公約を守れと書いてありましたよ。当然ですよ、これは。そして、今でも記憶に新たですよ、この委員会ですよ、第一委員会室ですよ。この第一委員会室で、全野党の反対を押し切って自民党が単独で強行採決やったんですよ。そのときに委員長席に座っておったのは現海部総理です。これが消費税を導入したやり方なんですよ。暴挙なんですよ。
 これは、税金というものは国民が負担をして納めるのですね。消費税というのは、読んで字のごとく消費者が負担するんですよ。その負担をする国民やら消費者が余りよく納得もしていない、理解もしていない、もちろん合意を得るはずはありませんよ。午前中の質疑の中では、新税を導入して増税することについてはなかなか苦しい、厳しいというお話もございました。それはそうかもしれませんよ。ですから、全部の国民がすべて快く受け入れるとは限りませんよ。だけれども、やはりある程度の理解と納得もいただいて、これならしょうがないんじゃないかというぐらいの形でもって税制改革をやるというのは、私は当然の筋道だと思うんですよ。ところが、今申し上げましたような暴挙もやって多数の力で押し切ってしまったのです。私は、選挙公約というのはやはり議会制民主主義の根幹に触れるものなんですよ。やはりもっとお互い政治家は公約を重く受けとめなければならぬと思うのですね。
 そういう観点から考えて、この一連の消費税が導入された経緯について、提出者の皆さんはどういうふうにお考えになっておるか、御見解をお尋ねしたいと思うのです。
#150
○菅議員 今、村山委員の方から、消費税導入のあり方が、議会制民主主義に照らしてみて大変その民主主義に反するのではないかという趣旨の御質問がありました。私どもも全く同感であります。特に、先ほど加藤委員の方からもありました話を村山委員も触れられましたけれども、まさにこういった税の問題はもちろんのことですけれども、内容とその手続、いわゆるプロセスの問題が大変重要になるわけです。
 しかし私は、これまでの政府そして長年政権の座におられる自民党の皆さんのやり方というのは、先ほどの強行採決という話に象徴されますように、実は手順というよりは結論を先に用意をする、結論を用意する段階では、ほとんど、特に国会の審議などを必ずしも経ないまま、党内の論議とかあるいは一部の審議会の論議などで内容を固めて、そして内容が固まってしまうと、それはもう最終案だ、賛成か反対かだけを示せば国会はいいんだと言わんばかりの姿勢で論議に臨まれてきた。
 これは必ずしも消費税だけに限らず、すべての法案について、いわゆる国民の皆さんから見てよくわからない、中身の議論がわからないまま国会の経過が進んでいくというのは、これはもちろん野党の方にも一切責任がないとは申しませんけれども、やはり提案をする与党自民党の中に、自分たちが出したときはもう最終案なんだ、あと野党は賛成か反対かだけ言ってくれればいい、そうすれば自分たちは多数だから衆参で必ず通るんだからもうそれでいいんだ、問答無用なんだと言わんばかりの姿勢があるために、私どもも、必ずしも望ましいことではないかもしれないけれども、審議というものが正常に行われないこともあったというふうに思っております。
 そういった意味で、私はこの一年間の国会のあり方というのは、ある意味では議会制民主主義というものが生き返る一つのチャンスを国民の皆さんが我々にといいましょうか、国会に対して与えてくださったというか、つまりは、参議院における与野党逆転というのは、もし今新たに消費税がこの国会に出されたとすれば、幾ら自民党が衆議院で多数であるからといって参議院でこれが否決をされれば成立をしないわけですから、つまりここで初めて本格的な内容の議論に、与党自民党もこういう形で真剣に参加をするということになったという意味では、私はこの一年間の国民の皆さんの選択というのは議会制民主主義を生き返らせる一つの大きな意味があったというふうに思っております。
 そういったことを含めて、今回の消費税の議論は、本来、先ほど村山委員の方からも話がありましたように、当初の公約違反あるいは強行採決あるいはリクルート疑惑の多くの問題を抱えた皆さんの、例えば政府税調での討議など非常に国民的に信頼を得ることのできない要素が余りにも多いわけですから、まずは廃止をすることによって国民の信頼を回復をして、その中で、私どもが提案をしているようなプロセスに従って、国民の皆さんが見る中で新しい抜本的な税制の再改革を行うべきだ、このように考えております。
#151
○村山(富)委員 今、菅さんの答弁を聞いていまして私もつくづくそう思ったのですが、やはり国会というのはこれは立法府ですから、政府が提出した法案に対して質問をする、政府・与党は一体となって提出した法案を守る、そしてもう数で押し切って通す。野党はさっきから具体的な提案がないじゃないかとか政策がないじゃないかとかというような言葉もありましたけれども、それはそんなことはない、いろいろな委員会に野党はそれなりの野党案を議員立法で出していますよね。出しているけれども、全然審議の対象にならなかったのですよ。もうさらしたままですよ。ですから、本当の意味における立法府の役割を、私は、私どもも含めて反省しなきゃならぬと思いますけれども、果たしてなかったと思うのですよね。それが、さっきお話がございましたように、参議院の与野党が逆転をした、いや応なしに、やはりこれは審議を尽くして合意を得るような筋道を通らにゃいかぬというので、ある意味では議会制民主主義が生き返ったのですよ。その反映として、今この委員会でやっと野党が提出した法案が俎上に上って共通の場で審議をされているわけですよ。
 私は、この審議の中でやはり十分お互いに議論を尽くして、そしてそれは野党の案が完璧で完全なものではないかもしれません、しかしそこはやはりお互いに理解し合うて、そして国民のためにいい結論を出していく。ぜひひとつこういう国会運営、委員会運営というものを考えていく必要があるのではないかというふうに思いますから、提出者の皆さんも、与党自民党の皆さんも、ひとつ十分御協力をいただきたいというふうに思うのです。
 そこで、先ほど来お話がありますように、この国会に提出をされておりまする政府の消費税見直しの中身について、これから若干皆さん方の御見解も聞いていきたいというように思うのです。この閣法はあした集中的に審議がされるということになっていますから、細かな主な問題はあしたに譲るにいたしましても、基本的な問題に触れる点だけは明らかにしていきたいというふうに思います。
 この見直しの大綱は、昨年の十二月一日に自民党が発表したわけですね。その大綱が出たときに、私は当時の新聞をひもといて、その大綱に対して国民の皆さんがどういう反応を示しているかということを、マスコミを通じての声を拾ってみたのです。端的に言われている言葉の中に、小手先だけの選挙対策であり消費者をばかにしているという言葉がありました。それから、これは逆に混乱を招くだけだ、こういう業者の声もありました。不公平を拡大するだけだ、こういう声もあったのですよ。私は、この三つの言葉にある意味では言い尽くされているのじゃないかと思うのです。
 そこで、具体的に中身を考えてみますと、例えば食料品は、流通段階は一・五%の軽減税率にした。小売は非課税になっておるわけでしょう。流通段階にかけられておる一・五%の軽減税率の消費税というものは、一体小売価格に転嫁ができるのかできないのか、転嫁がしにくくなったではないか、こういう声もあるでしょう。それから、当然小売は非課税ですから、下がらなければならぬのですね。だけれども、今申し上げましたような内容も含んでいますから、果たして下がるんだろうか、何のために小売は非課税にしたのかというような結果が生まれてくるのではないか、こういう疑念もあります。
 逆に、そういうことも含めて便乗値上げの方便に使われるのではないか、こういう心配を持っている方もありますよ。小売は非課税になったからといって、その分小売価格が下がるということは期待できないだろう、こういう声が強いですね。それから、小売店の皆さんの意見も聞いてみますと、食料品で課税をされるのと非課税になる分とどういう仕切りをつけるんだろうか、区分けは一体どうしたらいいんだろうか、困っていますよ。あるいはまた両方の商品がセットになっているものもあります。ギフトセットもあります。こういうものの扱いは一体どうしたらいいんだろうか、こういう心配を持っている方もあります。もうそれはややっこしくてレジでは計算がしにくいと言ってみんなこぼしています。こうした意見や苦情が大変多いと私は思うのです。
 これが果たして消費者や業者の意向を酌んだ見直しと言えるかどうか。――言えないということがあるでしょう。いや、それはもう自民党の皆さんに聞いても、それは困ったものだ、こんな見直しならもうしない方がよかったという声もあります。――廃案にしたらいいんだ。
 私は、そういう意味で、まじめな意味で、今度出しておりまする政府の見直し案に対して、廃止を主張されておる皆さんの立場から見てどういうふうに受けとめておられますか、どういうふうにお考えになっていますか、その見解を聞きたいと思うのです。
#152
○伊藤(茂)議員 村山さんにお答えをさせていただきたいと思います。
 御質問の中でもございました指摘、一々私も同感でございます。実はこの見直しにつきまして、昨年の暮れに、いろいろ紛糾した末に自民党で基本方針が決定をされました。そのときに、私ども野党の政策責任者が集まりまして共同の見解を発表したわけであります。その共同の見解で指摘をいたしました内容が、そのまま今日提出をされている政府提案の閣法の内容の問題点になっているのではないかと存じているわけであります。
 ちなみに申しますと、社会党、公明党、民社党、社民連、それぞれ政審会長及び連合参議院政審会長と五人で共同の談話を発表いたしました。先ほど来の与党の御質疑の中でも、何か社公民か、社会党と民社党、直間比率の問題で何かえらく違うではないかというようなお話がございましたが、まあ違う政党ではあり、また若干の違いはございましても、やはり野党としてまとまってこういう見解を発表する、まとまって法案を出している、小さな違いよりも大きな一致点の方を今日政府としては御注目をしていただぎたいというふうに思っているところであります。
 実は、この内容を検討いたしまして共同の見解を出そうではないかとみんなで議論をいたしましたら、十何項目かのたくさんの項目がございまして、これも言い出したら切りがないくらい問題があるわけであります。ただ、それらを整理をいたしまして、十項目にこれをまとめたわけであります。
 簡単に御紹介をさせていただきますと、一つには、まずこの経過を見ましても、二重の公約違反ではないか。一つは、消費税そのものが公約違反から大型間接税が生まれたという経過がございます。さらに引き続きまして、選挙最中に、思い切った見直しとか大胆な見直しとかいう言葉が政府の首脳からたくさん語られました。ところが出てまいったものは、御質問の言葉にもございましたが、まさに小手先の見直しという中身でありまして、まさに二重の公約違反ではないかというのが第一であります。
 それから第二に、一番目玉とされた食料品非課税という問題でございますけれども、その構造を見ますと、世界に例のない複雑な食料品税制であるというふうに指摘せざるを得ません。全食品に対する小売段階非課税という構造になるわけでございますけれども、これは余り世界に例のない構造でありまして、しかも複雑でわかりにくい。消費者にはごまかし、業者には複雑さ、煩雑さ、あるいはまた生産者にはコスト転嫁の困難さというものを押しつけるのではないかということを指摘をいたしました。
 それから第三に、消費者の立場を尊重してということがございますけれども、政府、大蔵省が申しますような値下がりという状況には恐らくならないであろう、これは私どもだけではなくて広く指摘をされているわけであります。まあ、せいぜい一%程度安くなるかどうか。それに加えまして必然的に内税化になる、本当に値下がりするかどうかの保証がない、まあ、場合によりましてははっきりわからないということになってしまうのではないだろうか。
 さらに四つ目には、小売業者にしわ寄せが厳しく起こってくるという問題であります。言うならば、食料品につきものの包装とか配達とかの経費などは三%課税のままであります。そうしてまた、価格に転嫁できるかどうかの不安もますます高まってくるということになろうと思います。また、小売の定義などといういろいろと難しい問題も起きてくるということを指摘をいたしました。
 また五番目には、生産者、農漁民の不安がある。農漁民の皆さんはさまざまの必要な経費のもとに生産をなさっているわけでございますけれども、農機具、肥料など必要な経費につきましては三%の課税である。包装、輸送などの問題もある。そうして農産物には軽減税率により一・五%ということになる。これは非常に不安が発生をするということではないだろうかという問題。
 六番目には、やはり税金が見えなくなるという問題でありまして、内税化で税金を見えなくする、痛税感をなくする、あるいは複数税率の導入で将来税率引き上げをしやすくする仕組みをつくるのではないかという問題点も指摘をいたしました。
 また七番目には、先ほども答弁の中で申し上げましたが、補てん財源の問題、野党に対してさまざまの御批判を含めました御質問がございました。約一兆三千億に平年度上ると言われるところのこれらの見直しの補てん財源について何ら説明がなされていないということになるわけでありまして、これらについて単年度あるいは平年度の指数なども出されておりません。これも、野党に言うまでもなく、政府としてもこれは無責任ではないかという問題であります。
 八つ目には、これも御質問の中にございましたが、国民の皆様が一番やはり消費税について憤慨している問題、払った税金が国庫に入らないという問題であります。まあ、見直しの中で若干の、今後の政令事項への移転とかいうような制度が入っておりますけれども、その中身が具体的にどうなるのかということは判然といたしておりません。やはり払った税金が国庫に入らないなどという税制上の基本的な矛盾がこの見直しでは解決がされないという問題であります。
 さらに、九番目になりますが、福祉目的ということを法文上明記をする、あるいは予算総則などに強調するなどが説明をされております。しかし、これは不当表示ではないだろうか。前に私が当委員会で橋本大蔵大臣に御質問を申し上げましたときにも、大臣の答弁は、いや、これは一般財源でありますという御答弁であります。ということは、福祉に使うということを法律のどこかに書き込んだにせよ、本当に福祉のために使われているのかということの実証は、政府もだれにもできないということになるわけでありまして、まさに不当表示そのものではないだろうか。さらにはまた、政府・与党でも、分娩費、入学金などなどの改善と言われておりますが、こういうことは世界じゅうどこの国もそもそもやっていることなんで、改善という、何か自慢するようなことではないであろうという問題。
 最後に、十番目には、わずかの歳出では弱者は救われない。さまざまの社会政策的配慮の充実をするというようなことも申されているわけでございますけれども、しかし今日、平均世帯で消費税負担が年額数万円という状況の中で、二万円かその程度の措置をとるということでは意味がないんではないか、やはり逆進性や弱者いじめの構造は変わらない。
 さまざまございましたが、十点ほど指摘をさせていただきました。
 私は思いますけれども、これはやはり野党が指摘をしている、私どもがまた指摘をしているということだけではなくて、各界から言われている問題ではないだろうか、また、多くの国民がこの見直しなるものの中身について指摘をされていることではないだろうか、多くの国民が思われていることであろうと思います。
 与党の御三方の御質問がございました。それぞれ謙虚な気持ちを持ちながら合意を図っていきたいというお話がございました。私は、お互いに真剣に議論して合意を図っていくということは、国民に対する議会の責任として、あるいは議会人の責任として非常に大事なことであろうというふうに思います。しかし、その方向にやはり合意をするためにも、あるいはまたこれらの問題点を、国民的な問題点を打開するためにも、やはり指摘された問題について抜本的な打開を明快にするということが、私は、まず前提ではないだろうか。そういたしますと、同じ提案者仲間から先ほども御発言、御答弁の中でございましたけれども、やはりこれらの経過を白紙に戻して、もう一遍精力的に、そう長い時間をかけないでやり直すということが国民と国の将来のために最善の努力ではないだろうかと思っている次第でございます。
#153
○村山(富)委員 私も全く同感であります。今政府が出している見直し案、これがいいのか悪いのか、それから今残されている消費税がいいのか悪いのか、こういう点がはっきりしないと廃止をすることになりませんからね。私は、そういう意味で検証する必要があると思うのですね。
 そもそも、今お話もございましたけれども、消費税の持っている最大の欠陥というのは、構造的な欠陥というのは、見直しではだめなんですね。どこにあるかといいますと、これは言われますように、やはり逆進性が強いということでしょう。所得の高い者も低い者も、全然所得のない子供さんだって、同じ物を買えば同じ税率で税額は払わなければいかぬのです。同じ金を払わなければいかぬのです。だから、これほど弱い者いじめの税金はないというのが、もうこれは定評ですよね。こういう弱者いじめの、逆進性の強い欠陥というのは、今度の見直しの中では直っていませんよ。
 例えば、分娩費は非課税にしました、これは当たり前の話ですよ。保険を使ってお産をすれば非課税、そうでなければ消費税がかかります。こんな扱い方というのはないですよ。赤ちゃんがおぎゃあと生まれた、はい消費税、こんなばかな話がありますか。これは当然の話ですよ。だから当然の話を当然に直しただけですよ、私に言わしたら。教育費だって同じですよ。授業料は非課税ですよ、入学金は課税ですよ、同じ教育費で。こんなばかな話があるかと言うの。だから、これは見直しに値しませんよ。当然の話を当然に手直ししたにすぎないんですよ。今言いましたような逆進性なんというものは全然直りませんよ、改善されませんよ。
 これは、そうは言っても、できるだけ逆進性を緩和するというために今度の見直しをされた、こう言っているわけですが、これをちょっと調べてみますと、例えば静岡大学で分析をされたものがありますけれども、今の消費税の年収別負担率では、最も所得の低い年収二百九万以下の層で一・四九%ですね。最も高い年収千三百四十万円以上の層で〇・六三%です。これが今度の見直しの中でどういうふうに変わってくるかということを検証しているわけですけれども、最も低い層で一・二一%、最高所得層で〇・五一%、その差は二倍以上ある。ですから、ほとんど改善をされていないという結果が出ておるわけです。私は、こういう意味から申し上げまして、先ほど来申し上げておりますように、今度の見直しではこの逆進性というものはほとんど改善を見られないというふうに言っても過言ではないというふうに思うのです。
 さらに、先ほど来ずっとお話もございましたように、この消費税の持っている構造的、本質的欠陥というのは、やはり簡易課税方式をとったとか、あるいは免税点が高過ぎるとか、あるいはまた限界控除制度を採用したとか、こういうところに問題があって、先ほども答弁の中にもございましたけれども、消費者が負担をした税金が国庫に入らない金が五千億くらいあるというふうに言われているわけですよ。これではやはり国民が納得するわけないですよ。こんな問題は全然解消されてないですよ。
 ある業者の意見を聞いてみましたら、価格に転嫁できないと言うのですよ。価格に転嫁しましたらこう言われたと言うのです。おたくは年間売り上げ何ぼありますか、こう聞かれましたから、いやまあ家族一生懸命働いて二千五百万から二千万ぐらいです、こう言ったら、ああそうですか、それでは免税業者ですね、免税業者で何で消費税を取るんですか、こう言われたら、いえそれは、商工会議所の方も通産省の方も、仕入れに税金がかかるんだから転嫁してもいい、こういう指導を受けています。指導は指導かもしれぬけれども、私から取った消費税はあんたはどこに持っていくんですか、こう聞かれたらもう答弁ができぬものですから、いや、もうお客さん、結構ですと言っていただかなかった。こうして困っている業者もおるんですよ。第二事業税になるというふうに言っている業者もありますよ。
 そうかと思いますと、これは、制度の運用によってもうかる、得をする業者もあるんです。預かった消費税を運用することによって、無利子の資金として使えるわけですからね。また、うまく使えば運用益が生まれてきますよ。これは新聞に書いてありますけれども、半年間で十億円の売り上げがあると仮定しますと、三千万円の運転資金があるわけです。逆に言えば、こんないいものはないということだって言えるわけですよ。もっと売り上げの高いものについては、もっと何億と言われるような運用資金もあるわけです。それを運用したら、運用益だってそれは大したものですよ。
 こう考えてまいりますと、これは消費者の立場はもう完全に無視されておる。業者の立場に立って考えてみても、この消費税が導入されたことによって得をする業者もあるんですよ、率直に言って。因っている業者もあるんですよ。こんな不公平を拡大するような消費税はないと思いますよ。
 私は、ここで率直に申しますけれども、私のところに手紙が来ているのです。これはきのう届いた手紙ですから、ちょっと読んで紹介しますけれども、これは商売をされている方です。
  私は、年間売上高七千五百万円(七月決算見込み)、従業員はパートを含んで七人の小々企業(一九八八年一月法人化)で、魚の養殖と食堂を経営しています。売上げの内訳は成魚の販売五千五百万円、食堂での売上げ二千万円です。
ですから、七千五百万ですね。
  当然、売上高によって課税業者となりますので、簡易課税制度の適用を選択しました。消費税実施前に自分なりに試算してみました。単純な計算方法で恐れ入りますが、基本的な内容は変らないと思います。
  総売上高に対して消費税をとれば七千五百万円掛ける三%で二百二十五万円となり、仕入れ等で支払う消費税対象経費二千五百五十万円掛ける三%は七十六万五千円、簡易課税による納税額七千五百万円掛ける〇・六%は四十五万円で、実際に納税する額は、七十六万五千円プラス四十五万円で百二十一万五千円となり、
こういう制度がなければ、二百二十五万円に百二十一万五千円ですから、この制度を取り入れますと百三万五千円差益が残ると言うのです。私の商売でもこれだけ残りますと言うのです。これは大変良心的な業者でしょう。
  そこで私は、成魚の販売では三%の消費税はいただくけれども、食堂での売り上げについては消費税はいただかないということにしました。
これだけ差益が残るわけですから、取っちゃ気の毒だというので取らないことにしたと言うのです。成魚の販売による消費税が五千五百万円掛ける三%で百六十五万円です。それから、食堂の売り上げによる二千万円は、これは消費税を取らぬわけですからゼロですね。そして、仕入れに係る支払い二千五百五十万円掛ける三%は、先ほど言いましたように七十六万五千円です。簡易課税による納付は七千五百万円掛ける〇・六%で四十五万円です。こういうふうにして、食堂で売り上げた売り上げには消費税は取らないということにしてみましても、百六十五万円マイナス七十六万五千円マイナス四十五万円で、四十三万五千円が残ると言うのですよ、こういう方式をとっても。この程度と言っては失礼だけれども、七千五百万円程度の売り上げしかない業者でも、この制度を運用することによってこれだけのものが残るのですよ。ですから、この人はこう言っていますよ。
  消費者から預った消費税を商売人が自分のふところにしまいこむ。現存の制度としては当然かも知れませんが、自らも消費者としての立場にたてば到底許されるべきことではありません。
  消費税の逆進性は申すに及びませんが、全く合理性と消費者無視の消費税は絶対に廃止させて、合理的でしかも情の通った新しい税制の確立に向けて頑張ってください。
こういう手紙ですよ。私は、この手紙に、今、消費税の持っている欠陥というのは端的に証明されておると思うのです。
 そこで、お尋ねしたいと思うのですけれども、こういう欠陥というのは、これはもう今の見直しの中では全然問題になりませんね。これはやはり廃止するよりないのではないか。そして、やり直すということ以外に是正の方法はないのではないかというふうに思うのですがね。同時に、先ほども話がありましたけれども、福祉に使うのだ、高齢化社会に備えるのだ、こういうお話もございましたね。今の消費税の税収、将来の福祉政策の費用等を考えた場合に、とてもじゃないけれども、これは届きませんよ。そうしますと、これは外国の例に見るまでもないと思うのですが、いずれにしても、この三%という税率は必要に応じてやはり引き上げていかなければならぬ、こういう性格のものだというふうに思いますけれども、今お話し申し上げましたような一連の今の消費税の持っている欠陥、そして税率はどうなっていくかという予想等々に対して、どういう見解をお持ちですか。
#154
○神崎議員 税率の引き上げの可能性についてのお尋ねでございますが、その前に、村山議員が先ほど御指摘をされました、このような議員同士で議論をする、また徹底的に両法案を審議する、これは本院にとって画期的であるという御指摘がございましたが、私も提案者の一人として全く同感でございます。こういう機会を通して、本来ならば、立法府でございます、これまでほとんど内閣提出の法案を審議するのが国会でございましたけれども、本来の立法府としての役割というもの、使命というものを私ども果たす格好の機会になったのではないかと思うわけでございます。
 ただいまの将来の税率の引き上げの可能性についてのお尋ねでございますけれども、私は、御指摘のとおりの懸念が十分あると考えるわけでございます。
 政府は、消費税は高齢化社会に対応した税である、このように主張をいたしております。この主張におきましても、従来、大型間接税を導入する理由としては、安定した税収の確保あるいは財政再建、そしてまた今、高齢化社会への対応というように猫の目のようにくるくる変わってきたわけでございます。したがって、政府が、高齢化社会に本当に対応する税という形できちんとした将来のビジョンを明らかにした上でこの消費税の導入というものを国民に示している、そういうものでは決してないわけでございます。
 政府が示しております給付と負担のこの推計からいたしましても、この消費税の税率三%では到底賄い切れないわけでございます。さらにまた、今回の見直し案で政府が言うように平年度におきまして八千五百億円の減収となるということでございますと、旧物品税との税収差は微々たるものとなりまして、高齢化社会の財源たり得ないことは明白となるのでございます。
 結局、政府が主張しております消費税が高齢化社会の財源として充足される唯一のものは、大幅な税率の引き上げ以外には考えられないわけでございます。事実、ヨーロッパ諸国のEC型付加価値税の税率引き上げの経緯を見ましても、この付加価値税の引き上げと所得税の減税がセットされているわけでございます。つまり、所得税の減税がこの消費税率の引き上げがなければ実施されない、そういう形でセットされて、ずっとその後、当初の、導入当時の税率から大幅に引き上げられているわけでございます。その点にもまた私どもは懸念を有しているところでございます。
 高齢化社会にありましては、先ほども申し上げましたように、まず高齢化社会の全体像、ビジョンというものを政府が国民の前に明らかにすべきでございます。その上に立って、あるべき税制改革の内容を国民の前に示すのが筋ではないかと考えられるわけでございます。そうでなければ、租税負担率、国民負担率はこの高齢化社会という名目で引き上げざるを得ませんし、また消費税率も引き上げざるを得ない、そのように思うわけでございます。
#155
○村山(富)委員 これまでの売上税から消費税、消費税が施行されてから見直しというこの経過を振り返ってみますと、ある意味ではやっぱり妥協の産物みたいなものですから、だからどうしようもない構造的なものがあると思うんですよね。それは、売上税であれだけ業者の反撃を食らって、そして消費税に名前を変えた。業者から反対しにくいようにするためには、こういうメリットがあるじゃないですかと言って業者をなだめて、そしてつくったという経過がありますからね。ですから、なかなかやっぱり手のつけられない内容のものがあるということは私もよくわかるんですよ。
 それから、今度の見直しだって、当初はやっぱり食料品は流通段階すべてで、多段階で非課税にする、こういう話だったんですよ。ところが、農協さんあたりを中心にして、それでは肥料やら農薬やら生産にかかってくる消費税は一体どうなるんだ、こういう声が出まして、それはそうだ、生産コストにかかる上がった分はやっぱりどこかで転嫁してもらわにゃいかぬというので、それじゃもとに戻そうか、いやそうでなくて、それは別の意味で農政対策で金をやったらいいじゃないか、こういう話もあったことは聞いていますよ。そうすると、今度はその金をもらう農家もあればもらわぬ農家もある、それは不公平じゃないかというようなことになって、それはもうやめたんですよ。だけれども、せっかく非課税にすると言ったものをもともと三%にまた戻したんじゃこれは筋が通らぬというので一・五%にしたんでしょう。だから、なぜ一・五%なのかという根拠も何もないと思いますよ、私は。
 そういう中身のものですから、これはもう最初からのボタンのかけ違えなんですよ。だから、幾ら手直ししてみたって、見直してみたって、ボタンのかけ違えは直らないんです。だから、もうボタンのかけ違えはもとに戻して、やり変える以外にないんですよ、私に言わしたら。そういうものだと思うのです。やっぱり今までの議論を通じて、これからの審議でまた一層明らかになると思いますが、今までの御答弁も聞いて、一層この消費税は廃止する以外にないということが明確にされたと私は思います。
 そこで、消費税が廃止をされた後一体どうなるのかということは、皆さん共通してやっぱり心配されていることだと思うんです。きょう自民党の皆さんから出された意見もそういうところに集中していました。私は聞いていまして随分無理なことを言っているなという気持ちで受けとめたものもありますよ。実際問題としてありますよ。そういう問題も含めて、これから廃止した後どうなるのかといったような問題について若干質問していきたいと思うのです。
 これはやっぱり、私は冒頭に申しましたように完璧なものはないと思うんですよ。だけれども、お互いに苦労して国民の期待にこたえられるような、国民の意に沿えるような、納得と理解の得られるものを、そういう税制をつくっていこうではないかという過程における審議ですからね。ですから、私は、ざっくばらんに、ありのままにお互いに審議し合うということはいいことだと思いますから、聞かなければならぬことだけはぎちっと聞いて、解明すべき点はぎちっと解明するという立場でこれから質問をしていきたいと思うのです。
 先ほども問題になっておりましたけれども、この廃止法案によると、廃止後国民税制改革協議会というものを設置をして、そして国民的な合意を得るような形でもって税制改革を進めていきたい、この定義については、この発想については全く私は同感です。ただ、この国民協議会というのはどういう構成でどういう役割を持った形で設置をされるのか。同時にあわせてお聞きすれば、今ある政府税制調査会との関係というのは一体どうなっていくのか、こういう問題についてやっぱり若干の疑問があると思いますから、お答えをいただきたいと思うのです。どうぞ。
#156
○山崎委員長 御答弁願います。
#157
○宮地議員 村山委員にお答え申し上げます。
 消費税が廃止後、この第八条によりまして税制改革協議会、これをまず設置をいたしまして、一年を目途としてその調査審議を行うわけでございます。この点につきまして、特に一年間というこの期間、これは非常にこの税制改革の結論において難しいのではないか、こういう議論があるわけでございますが、先生御存じのように、我が国のこれまでの税制論議というものは、先ほど加藤委員からお話ありましたように、約十年間にわたりまして議論をしてまいりました。また、昨年の参議院におきましても約八十四時間という審議をいたしておるわけでございまして、決して今初めて審議をするわけではございません。
 特に昨年の参議院におきまして二年から一年に短縮いたしましたことにつきましては、現在の社会経済の状況、あるいは消費税導入のときの政府税調の例を見ますと、約半年で諮問から答申をしているわけでございます。先生御存じのように、消費税導入のときには税調への諮問は六十二年の十二月二日でございました。その最終答申は半年後でございまして、六十三年の六月の十五日、そしてその後、法案の提出が一カ月後であった。六十三年七月二十九日には消費税の法案が提出をされまして、ちょうど諮問から一年後に、六十三年十二月に成立、その後三カ月後にいわゆる施行、こういうことでございまして、政府税調でも六カ月の答申ということでございますので、決してこの一年を目途とすることは私どもは不可能ではない、このように考えております。
 特に今回のこの税制改革協議会は、先生御存じのとおり、これは国家行政組織法の第八条に基づいて行う組織でございまして、政府税調の内閣総理大臣の諮問機関とは異なった、国民のまず広くまた非常に多くの専門知識を得た方々がメンバーになりまして、国民の理解と御協力をいただくにふさわしい、そういう組織になっているわけでございます。
#158
○村山(富)委員 やはり廃止後は、この協議会の持っている任務、役割というのは大変大きいものがあるわけですね。先ほど来この質問も随分ありましたけれども、私は質問を聞きながら随分無理な質問をしているなと思いましたのは、政府に聞きます、いろいろ質問をしますね、すると政府も言うのです、今は政府税制調査会に答申を求めています、予断を与えることはいけないと思いますから御答弁は勘弁させてもらいますと、これは答弁しないのだから。さっき質問を具体的にこれはどうかこれはどうかと聞いていましたけれども、そういう個々の問題について、お答えできるところはいいですよ、しかしお答えできないところがあって当然だと私は思うのですよ。なぜかといいますと、これは協議会にかけて十分あらゆる点からそこで精査してもらって、そしていい答えを出してもらおうというふうに考えているわけですから、ある意味では当然の話だろうというふうに私は思うのです。
 そういうことも踏まえてこれからお答えをいただきたいと思うのですが、この税制再改革の中心になっておりますのは、提案をしている案によりますと、所得税の総合課税化をねらっていますね。この所得税の総合課税化というのは、やはり正しく公平に実施するためには、言われますような納税者背番号制というものがある意味では必要になる。これは、提出された案を見ますと、取り入れるということが書いてありますね。しかし、課税の公平に資するという意味では大変大きな役割を持つと思うのですけれども、この背番号制にはプライバシーの問題等も含めていろいろ懸念される意見もあるわけです。
 したがって、こうしたある意味では大変重大な制度改革を一年ぐらいで果たしてやれるんだろうかという心配がありますし、同時にまたプライバシーの問題等についてはどういう配慮をしているんだろうかという疑念もありますから、そういう心配や疑念に対して的確にお答えをいただきたいというふうに思うのです。
#159
○中野議員 お答えをいたします。
 公平な税制のあり方の場合に、所得間格差もありましょう、また同じ所得のレベルでも、所得の推移、その所得の内容でありますとか形によって不公平が生ずることがあります。これらをやはりきちっと把握して、そしてまさに公平な税制を確立しようとすれば、どうしてもこの今御指摘の総合課税方式、そしてその裏づけとしての納税者番号というのは必要になってくるわけであります。
 そういう意味で、私どもは納税者番号制度の導入を不可欠の要因だと考えまして、いろいろな検討をさせていただきました。個人の収入、支出、財産といったものもプライバシーの一部であることは当然でありますから、そういう意味では保護されるべきプライバシーの範囲は自動的、一義的に決まるのではなくて、その目的等の関連性や社会通念によって決まってくるものと考えられるわけでありまして、慎重に検討していかなければなりません。
 国民の公平な税を求める要求は大変強うございますし、提案者としては、国民の信頼に基づく税制の確立こそが税制再改革の原点である。このことは今、村山議員も一番大切なことだということでお触れになりました。そういう意味で、国民の合意を得るようにこの納税者番号の問題につきましても十分な努力をしてまいりたい、こう思っておりますし、国民の皆様が一番心配されますプライバシー保護に最大の注意を払っていかなければならないとも考えているところでございます。
 そのプライバシー保護の具体的な要因として考えられますことは、使途を、その使い道、これを課税事務に限定をする、また官庁間においても守秘義務を課して、本人への告知、公開、訂正の権利を保障した制度を構築する等の配慮が必要であると考えているわけでございまして、そういう意味では大変慎重に、しかしながら、総合課税のために、それはひいては公平な税制のために必要不可欠であることを国民の皆さんに御理解をいただける努力を今後とも続けてまいりたい、こう思っている次第でございます。
#160
○村山(富)委員 今申し上げましたようなことを十分やはり配慮して、本当に国民が納得できるような形でもってやっていただきたいということを特に期待しておきます。
 ずっと一貫をして意見にございましたように、一体公平とは何かというようなお話もありましたね。私は、やはり税制改革に当たってまず最初に手をつけなければならぬことは、不公平の是正だと思うのです。その不公平の是正に全然手をつけなくて新しい税を入れると言ったって、それは無理ですよ。そこで、政府が消費税を導入する段階における議論でも随分不公平税制の問題が問題になったわけです。これは与野党、さっき問題になった決議の中にも冒頭にあるわけですからね。
 私は、当時宮澤さんが大蔵大臣でしたから、宮澤さんにお聞きしたのですよ。一体今政府で検討されている不公平税制の中身は何ですか、どういう課題が検討されていますか、こう聞きましたら、なかなか言わなかったのですね。なぜ言わないかといいますと、さっき言いましたように、今政府税調で検討してもらっていますから、予断を与えてはいけませんから遠慮させてもらいます、こう言ったのですよ。それじゃ審議にならぬと言ったら、何項目か書いて出しました。しかし、結果的に見ましたら、何項目か書いてある項目の中で手をつけられたものはほとんどないのですよ。それじゃ私はいかぬと思うんだね。やはりやると言った以上は、国民が納得できるような税制、不公平の是正をするということが大事なことだと思うのですよ。
 そこで、この中身を見ましても、例えば、さっきもお話がございましたけれども、税制再改革基本法案の中で、社会保険の診療報酬の課税の特例とか、それからみなし法人課税あるいは公益法人課税の特例、企業課税における各種の特例などの租税特別措置等の抜本的な整理合理化をやる、こう書いてあるわけですね。これは、さっき言いましたように、私どもが消費税を導入する前段における不公平税制の議論のときにもこういうものはやはり一応課題に上がっておったのですよ。だから、ある意味では、見直しをして全然やめてしまうというものもあるかもしれませんし、あるいは必要によってこれはこの程度残した方がいいのではないかというようなものも私はあると思うのですよ、検討した結果は。だけれども、やはりこれだけ批判の声があるわけですから、全然手をつけずにこのままほおかぶりでいくというのはよろしくないというように思いますから、そういう意味で、具体的にこうした問題についてはどのような取り組みをするつもりですか、そういう見解を聞いておきたいと思うのです。
#161
○中野議員 お答えをいたします。
 税制のあり方について不公平をなくす、公平であるということは最大の要諦であろうというふうに思います。また、御指摘のように、現在不公平税制と指摘をされているものの中に、しかし本当は不公平ではなくて、しかもその存在が社会的価値を持つものであって意味があるものというものも実はたくさんあると思います。また、誤解されているものもあると思います。例えば、よく医師の優遇税制と言われますが、お医者さんもみんなと同じように所得税をお払いであるわけでありまして、医師の優遇税制という言葉は慣用語としてはよく使われますけれども、必ずしもそれは正しい言葉の使い方でないことは最近よく知られ始めたことだと思います。社会保険診療報酬については一部まだ優遇措置が残っておりますが、それにも一つの存在の意味があります。しかし、それも不公平として指摘をされるわけでありまして、そうすると、当事者の皆さんからすれば極めて不本意なことであろうというふうに思うのであります。
 その不公平と指摘されておりますものを一つ一つ洗い直す、言うならば今この基本法案に入れました「社会保険診療報酬課税の特例、みなし法人課税、公益法人課税の特例、企業に対する課税における各種の特例等の租税特別措置等の抜本的な整理及び合理化が図られ、税負担の不公平が是正されていること。」を要求しているわけであります。
 しかし、先ほども申し上げましたけれども、これらを是正することによって何かがなくなる、なくなることによって税収がふえて代替財源になりますなどというふうに短絡的に私どもは結びつけて考えているわけではありません。国民の皆さんの気持ちの中にある不公平感をいかになくすか、いわゆる税に対する信頼感をいかに取り戻すかということが今問われているというふうに思うのでございまして、私どもとしては、これらのものを、指摘されているものはそれこそ不公平であろうとなかろうと、不公平の一つの例のように取り上げられるものはすべてピックアップして洗い直すということが国民の意識を改革するためにも大切であろうというふうに思って、今のような御提案を申し上げているということでございまして、御理解をいただきたいと思います。
 それから、先ほど来の納税者番号の問題も、所得間格差がある、また同じ所得がありましてもその所得の種類によっていろいろな不平等がある、これも直さなければいけない。また、そういう垂直的公平、水平的公平を確立していきますと、いわゆる応能負担のみならず応益的負担の考慮もできるようになってくる、これもある意味では公平感からくる国民の一つの納得でございましょう。言うならば、単に租税特別措置の洗い直しだけではなくて、その税体系全体を国民の公平感をもう一回取り戻すために洗い直すということもあわせて必要であろう。そういう意味では、この不公平を是正するということは公平感を確保するという意味で二面性があるというふうに考えておりまして、総合的に、文字どおり広範な立場に立って税制改革協議会において論議すべきものだというふうに考えているわけでございます。
#162
○村山(富)委員 よくわかりました。そういう視点が大事だと思いますね。これは一遍全部洗い直してみて、そして、どこから考えてもこれは税制上不公平だというものについてはやはり直す必要がある。同時に、これは税金で減税措置をとるがいいか、そうでなくてほかの面で助成するがいいかというような性格のものがあると思うのですよ。こういうものもすべて洗い直してみて、要は、公平、公正、簡素という原則に立って、やはり国民の皆さんが納得できるような是正を図る必要があるというふうに思いますから、ぜひひとつそれは実現できるように頑張っていただきたいというふうに思います。
 それから次に、土地の問題について若干お尋ねしたいと思うのですけれども、ここ数年土地の異常な暴騰がありましたね。もう今大都市ではサラリーマンは一生働いたって自分の家は持てませんよね。現に、これはよく言われますけれども、東京二十三区の土地の値段で、価額で、アメリカ合衆国の本土が買えるというのですから、まさにこれは異常ですよ。これはやはり何とかしなければならぬのじゃないかというので、今、政府税調も小委員会をつくって検討もされているようですけれども、土地の譲渡所得課税とか土地保有課税といったようなものに対してどういう見解をお持ちになっていますか。
#163
○菅議員 土地の税制についてのお尋ねにお答えをいたします。
 まず、基本的に、この再改革基本法案の中に、私ども「土地基本法に定める土地についての基本理念にのっとり、」こういった課税についても考えていくということを明確にいたしております。
 先ほど来の議論の中でもありましたように、所得、消費、資産というものが税制の基本的な柱であるということは、与野党基本的な枠組みとしては共通だと思いますけれども、この間、今、村山議員のお話にもありましたように、資産課税、特に土地課税については政府・与党の方の対応も非常におくれてきているというふうに見ております。特に、従来、政府税制調査会においては土地税制というものを常に土地政策における補完的な役割というふうに限定をいたしてきまして、そのために何か土地税制を議論をすることをちゅうちょしてきたような傾向がありました。しかし、今開かれております税制調査会の小委員会で最近五月二十九日に出されました基本的課題の中では、土地税制というものをかなり積極的な意味づけを確認をされておりまして、そういった意味ではこの土地税制も、ある意味では私たち野党四党が当初提案をした土地基本法、そしてその後政府が提案をし成立をいたしましたそういう考え方に沿って議論が進められているというふうに理解をいたしております。
 そこで、野党四党としてのこの問題に対する見解でありますけれども、これも先ほど村山委員御自身がおっしゃったように、最も早急に国民税制改革協議会で議論をする課題というふうに基本的に位置づけております。
 しかし、それと同時に、この間野党四党で土地問題について何度か議論をし、その都度基本的な問題についての提案をいたしておりますので、その点について二、三だけ触れておきたいと思います。
 今問題となっております保有税、特に法人につきましては、現在個人が所有する場合の土地よりも一般的に法人が所有する土地の方が有利ではないかという議論が出ております。それは、相続税が個人にはあるけれども法人にはないとか、あるいは法人の場合は赤字補てんという形で売却すれば実質上譲渡益課税がかからない、黒字の法人は売却をしないで借り入れればいいといったような面などがその中心になると思います。
 そこで、法人の所有する土地については、例えば、一つには遊休地というものに対して着目をして課税するという考え方もありますし、またもう一つの考え方としては、これはシャウプ勧告の中にも本来盛り込まれております再評価というものを理念として、それを緩やかな形で再評価するという形での保有税というものも十分検討に値するのではないか、このように考えております。それ以外にも、先ほど言いましたように土地の譲渡益課税、いわゆるキャピタルゲインについては、企業の場合は、赤字になった企業以外は売らないということになりますと、事実上、先ほどおっしゃった二十三区の大変な膨大な価額、これがかなりの部分法人の含み益という形で内在化しているわけですから、それの保有に保有税をかけると同時に、売却の場合には、売却益を他の収益とは分離する形で、あるいは損金とは分離する形で課税するということも十分検討に値するのではないか。これらの問題を国民税制改革協議会の中でできるだけ早急に議論を煮詰めていただきたい、このように考えている次第です。
#164
○村山(富)委員 それは国民が多く期待しているところですから、ぜひひとつやってもらいたいと思うのです。今答弁の中の個人と法人との大変な違い、不公平というものはもう申し上げるまでもないわけですから、そういう点も含めてやはり十分検討して、適正な対策を立ててもらうということが必要だと思います。
 それから、先ほど質問の中でも大変問題になっておりました流通、サービス等に対する課税ですね、これはやはり問題になるところだと思うのですよ。これは一体どういうような間接税というものを考えてやろうとしておるのか。
 自民党の皆さんがおっしゃるように、野党は消費税廃止後、物品税を復活させるとかあるいは流通、サービスに課税をするんだ、間接税を導入するんじゃないか、同じことじゃないか、こう言って鬼の首でも取ったようにわあわあ騒いでおりますけれども、これは私は大変な誤解だと思うのです。やはりこの基本法の中にも書いてありますように、直接税が中心です。間接税は補完するものとして存在していくものだ。だから、これがすべて悪いのだというふうに決めつけることは、これは私はやはり間違っているのじゃないかと思うのです。だから、ある意味では合理的な、本当の意味で税の均衡を保つためにやはり間接税は考えていい、私はそう思いますよ。あってしかるべきだ。そういう観点からお尋ねをしたいと思うのです。
 具体的に、今申し上げましたような観点に立ってこの物品税の問題やらいわゆる個別間接税というような問題についてはどういうふうにお考えになっておるのか、考え方だけでもお聞かせいただきたいと思うのです。
#165
○中村(正男)議員 村山委員にお答えをいたします。
 まずサービス、流通課税についての考え方でございますが、委員御指摘のように、私どもが提案をいたしております税制再改革基本法第五条第二号のニで、「サービス、流通等に対する適正な課税の在り方について検討を加え、その結論を得ること。」こういうふうに規定をいたしております。消費税が廃止になりますとサービス、流通課税のほとんどがなくなることになるわけでございます。しかし一方では、全消費支出の中に占めるサービス、流通の部門が非常に大きくなっております。したがって、これには何らかの形の課税というものを検討する必要があるのではないか、こういう立場でこの第五条二号のニで指摘をしておるわけであります。ただ、これはこれからの国民税制改革協議会の御論議にまつわけでございますが、一般的な課税とするのか、例えば入場税だとかそういった個別のサービスに対する課税をしていくのか、それらを含めて今のところ全く白紙で、ぜひひとつ具体的な結論を検討して出していただきたい、こういう立場でございます。
 ただ、現行の国税では、流通税としては有価証券取引税、取引所税、とん税のように直接流通自体をとらえる財産流通税というのと、印紙税、登録免許税のように流通の附属ないし補助行為に対して課税をする価格流通税とに分類がされております。そういったこともあわせて御検討をお願いしたいと思っております。
 次に、個別間接税の問題でありますが、先ほども申し上げたのでございますけれども、私どもは決してこの個別間接税すべてがおくれた税制だとは認識をいたしておりません。その第一は、それぞれの課税対象品目には担税力があるわけでございますし、その課税品目に対応して異なった税率を課税ができる、消費税のように一律に三%課税ということではないわけでございまして、そういうよい面も持っておるわけでございますが、反面、矛盾もまた多くございます。しかし、矛盾があるからといいまして、その矛盾をさらに大きくするような大型間接税に飛躍をするということは私どもは考えておりません。
 間接税は大綱的に二つに大きく分けられると思います。一つはこの個別間接税、例えて言いますと、課税物品の消費に示される担税力に対応する税、これは物品税に代表されると思います。それからいま一つは消費に広く負担を求めるもの、単段階におきましては製造売上税あるいは卸売業の売上税、小売業の売上税、こういったものがございますし、多段階では付加価値税あるいは取引高税がございます。したがいまして、消費税が廃止をされた後、今委員御指摘の直接税を補完する意味合いにおける新たな個別間接税としてぜひひとつ結論を出していただきたい、今このように考えております。
 以上です。
#166
○村山(富)委員 よく理解できます。やはり、何といいますか、薄く広くやっている今の消費税は逆進性が解消されぬわけですよ。だけれども、担税力を緩和しながらそれに見合った個別間接税というのは、やはり今の消費税よりはよほど逆進性というのは緩和されると思うのです。そんな意味で、私は十分検討に値するというふうに思うのですけれどもね。
 先ほど来お話がありましたように、政府は、自民党の皆さんは、何か今ある物品税がもうすべて悪いような、時代にそぐわないような話をしていましたね。例えばコーヒーと紅茶は課税されるものとされぬものと、おかしいじゃないかとか、あるいはテニス用具とゴルフ用具と、同じような球だけれども一方は課税されて一方は課税されない、これもおかしいではないか。私は、物品税というのはやはり時代の変化やら生活態様の変化に応じてその都度見直しをして是正をしなければならぬものだと思うんですよ。それを是正されないまま放任してきたのは一体だれですか。それを棚に上げて、何か消費税を導入したいばっかりに、今ある物品税はすべて悪いんだ、悪いんだ、こういうやり方というのは私はやはり間違っておると思うのだ。
 この点はやはり明らかにする必要があるというふうに思いますから申し上げておきたいと思うのですけれども、先ほど来お話がございましたように、そういう意味で、個別間接税を検討することは、税全体のバランスから考えてもあるいは均衡を保つためにも、公平を期すためにも十分検討に値するものだというふうに私は思っておりますから、これは遠慮せずに自信を持ってやっていただきたいというふうに思うのです。
 ただ、所得と資産と消費という三つに対してバランスをとったような形でもって課税することがいいという意見は随分ありますね。今皆さんがお考えになっておるような形でもって仮に実現した場合に、その税収の比率というのは一体どういうふうになるようにお考えになっていますか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
#167
○神崎議員 まずこの所得、資産、消費課税の現状につきまして御説明いたしますと、平成二年度予算でまいりますと、所得課税が四十一・一兆円、六七・五%、それから消費課税が十四・五兆円、二三・八%、資産課税が五・三兆円、八・七%、合計六十兆八千億円でございます。この資産課税の割合は、昭和六十一年度が一〇・二%、六十二年度が一一・三%、六十三年度が一一・四%、平成元年度八・九%、平成二年度八・七%、このようにずっと下がってきているのが現状でございます。
 私どもが考えております所得、資産、消費についてのバランスという点でございますけれども、応能負担原則など総合課税主義等を基本といたしまして公平な税体系を実現することでございます。
 そのために、この三つの点に分けて申し上げますと、所得課税につきましては、さらなる簡素化、勤労所得中心の税負担軽減を図りますとともに、プライバシー保護に十分留意いたしまして、国民が合意し不安を感じない納税者番号制度の導入等により、総合課税への移行を推進いたしたいと考えております。総合課税の再構築は、公正、公平な税制を確立するために不可欠でございます。また同時に、国際化、経済構造に合わせました法人課税の適正化、合理化も行いたいと考えております。
 次に、資産課税につきましては、利子配当課税の見直し、株、土地等の値上がりによりますキャピタルゲインに対する有価証券譲渡益及び土地譲渡益課税の適正化を行い、さらに土地基本法に基づく保有課税の見直しなど、小規模宅地の負担軽減に十分配慮しつつ課税の適正化を進めたいと考えております。
 次に、消費課税につきましては、個別間接税の整備改善を推進いたしますとともに、サービス、流通への課税を検討し、適正化を図る。これらによりまして、結果として所得、消費、資産のバランスのとれた税体系を目指す、これがこの税制再改革基本法におきます私どもの考え方でございます。
#168
○村山(富)委員 よくわかりました。
 次に、これまた自民党の皆さんの質問の中にもございました直間比率の問題です。
 政府が、日本の税は直接税中心で直間比率が余りにもアンバランスだ、諸外国に比べて直接税は多過ぎる、高過ぎる、こういう宣伝をして消費税導入の口実に使ったのです。これはもう事実ですね。しかし私は、単純に直間比率がどうあればいいのかというような問いかけというのは、これは意味がないと思うのです。誤っていると思うのですよ。やはり税というものは、先ほど来審議されておりますように、直接税が中心であって、間接税はバランスをとる意味で補完をするものだというふうに位置づけて考えることが正しいと思うのですね。
 そういう意味から申し上げますと、結果として直間比率がどうなるのかということが問われるにしても、それ以上のものであってはならぬというふうに私は思っています。だから、ここで皆さんにそのことをお聞きしても余り意味はないと思うのですね。意味はないと思うのだけれども、先ほど来問題になっていましたから、皆さんがお考えになっておる直間比率というのはどういうふうにお考えになっていますか。その見解をちょっとここで聞いておきたいと思うのです。
#169
○中野議員 お答えをいたします。
 まず先に直間比率ありきというのはおかしいというのは、まさに先生御指摘のとおりだと思います。今回の税制再改革基本法案は、税の公平の確保を最大の理念の一つに掲げ、その実現のため総合課税を大原則としております。この総合課税が可能なのは直接税だけであります。間接税では能力に応じた応能負担は実現することができない。したがって、公平な税制を目指すためには直接税が中心となり、間接税がこれを補完する税体系を堅持する必要があると判断をしたわけであります。
 最近の直間比率の推移を見ておりますと、昭和四十年度には六対四だったものが五十年度にはほぼ七対三となり、元年度の補正後では直接税が七三・五%、間接税が二六・五%となっております。このような直間比率の数字は、適切な減税、不公平税制の是正等の実施を怠ってきた、言うならば取りやすいところから取るという考え方、そういう考え方によるあくまで結果でございまして、直接税の比率の高まりが直ちに国民の不公平感を生んだものではないと思います。直間比率の数字のみによって税制度の公平性等を判断するのは誤りであるというふうに考えているわけでございます。したがって、直間比率は、直接税を主、間接税を従とした公平な税制度の実現の結果出てくる数字でございまして、現在我々が共通して想定しているという数字はございません。
 ただ、逆説的に申し上げまして、言うならば水平的公平や垂直的公平が確保されて、そして社会保障制度のナショナルミニマムが確立をされて、そして多くの国民が応能負担のみならず応益負担もたえられるという環境が生まれた場合には、例えば間接税の比率を上げることが可能になってまいります。そういたしますと、間接税の比率が七対三から六対四になるということもあるでしょう。そういう意味では、国民の所得や資産が公平になれば間接税をふやすことが可能になってくるという意味で、七対三より六対四にできるような社会をつくりたいなという目標値として使うことは可能であろう。言うならば、これを先に何対何と決めるのではなくて、何対何にできるような環境づくりをいたしましょう、平等な公平な社会をつくるように努力いたしましょうという目標値として掲げることは可能であろうというふうに思っておりまして、時々、七対三を八対二にするのがいいのか、六対四にするのがいいのかと質問をされますと、一つのそういう社会環境をつくる目標値として答えることは可能であろうというふうに思っているわけでございます。
    〔委員長退席、関谷委員長代理着席〕
#170
○村山(富)委員 それもよくわかりました。
 そこで、次に、これもまた随分自民党さんの質疑の中で問題になった点ですけれども、代替財源の問題です。
 代替財源のフレームとして示されたものの中に、さっき問題になりました法人税率の引き上げがありましたね。これはよく法人税率について、法人税率は高いけれども税金は安いという言い方があるのですよ。私はいろいろな資料を調べてみましても、やはりなるほど外国に比べて法人税率は高い面はありますよ、だけれども課税ベースが狭いのです、日本の場合には。さっきから問題になっておりますような減税措置があらゆる面から講じられていますから、課税ベースが狭くなっているのです。だから、言われますように、税率は高いけれども税金は安い、こういう評価もされているわけです。ですから、私はある意味で法人税率は検討することは大事なことだというように思いますが、ただ、景気の先行きが心配されているような状況の中で果たして税率を上げることが今の経済なり経営にどんな影響があるのだろうかというようなことも検討してみる必要があると思いますし、やはり先行き経済見通しの中でこの法人税率をどうしたらいいのかということも検討されなければならぬと思うのですね。
 そういう意味で、そうした関連においてこの法人税率というものについてどのようにお考えになっておるのか、あるいはその再改革後はまた法人税率というのはもとに返すのか、そこらの点について見解を承りたいと思うのです。
#171
○菅議員 お答えいたします。
 法人税率については、消費税廃止後確かに引き上げるという提案になっております。しかし、これは消費税廃止に伴うあくまで暫定的な措置でありまして、四〇%の税率を長期にわたって継続するということは考えておりません。
 つい最近まで法人税率が四〇%であったことを考えますと、このことによって企業経営に重大な支障をもたらすことはないというふうに考えております。つまり、法人税というのは、所得課税、いわゆる法人の利益に対する課税でありますから、経済環境がもし悪化して経営状態が悪くなり、利益が出ないときにはもちろん課税はされないものであるわけです。そういった意味からも、この税率を暫定的に若干引き上げたからといって、現在の日本企業の国際的な競争力などがそれによってすぐに支障を来すようなことになるとは考えていない、つまり経済に対してそれほど悪影響はないものと考えている次第です。
#172
○村山(富)委員 次に、これはキャピタルゲイン課税について、有価証券取引課税については先般〇・五%のものが〇・三%に引き下げられたわけです。それをこの野党案によりますと〇・四%に引き上げる。さらに、譲渡益課税のみなし課税ですね、この税率を売却額の一%から一・四%に引き上げる、こういう案になっているわけです。ことしの初めごろから株が大分暴落していますね。したがって、この株の暴落に対して、取引課税の税率を上げたり譲渡益課税に対するみなし課税の税率を上げたりすることは株の暴落とどういう関係が生まれてくるのか、そういうことに対する心配はないのかということについて懸念をする向きもありますから、この際ひとつ明らかにしておいてもらいたいと思うのです。
#173
○森井議員 まず結論を申し上げますと、我々の案によりまして株価が暴落することは絶対にないというふうに考えております。
 御存じのように、現行のキャピタルゲインというのは、株を売りますとその譲渡額の五%を利益と見てそれの二〇%の課税、したがって売却額の一%を納めればいいというわけでありますが、これを、五%というのはいかにも低過ぎるというので、二%引き上げまして七%、それの二〇%の課税でありますから一・四%の税率、こういうことになるわけでありまして、そう無理はございません。また、有価証券の譲渡に関する税金につきましても、言われましたように〇・三を〇・四にわずかに〇・一%引き上げただけでありまして、支障はないというふうに思っております。
 もともと、株価が形成される要因といたしましては、金利あるいは為替、物価、景気、個々の企業の業績等さまざまなファクターがあるわけでありまして、それから成り立っておりますが、この中には株式に対する税制も含まれるかもしれませんが、我々といたしましても、税制は極力中立を守っていかなければならないというふうに信じておるわけでございます。将来、総合課税を進める際には、庶民のささやかな株取引にまできつい税金をかけるのかという問題があるものですから、そのような庶民のささやかな願いにつきましては別途考慮する必要があると存じますが、最終的には国民税制改革協議会で十分議論をしていただきたいというふうに思っておるわけでございます。
#174
○村山(富)委員 大分時間が迫りましたが、最後に、地方自治体と消費税との関連について若干お尋ねをしておきたいと思うのです。
 今の制度から申し上げますと、消費税収入額の五分の一は消費譲与税で地方にやりますね。それから、消費税収入額からその譲与税を差し引いた残りの二四%、これを地方交付税で交付することになっていますね。これは相当の財源になっておるはずです。試算を見ますと、平成二年度が、消費譲与税が五千四十四億円、それから交付税が四千八百四十二億円、平成三年度も計上されておりますけれども。消費税が廃止されるとこれだけのものがなくなるわけですよね。仮になくなった場合でも、この地方財源に影響はないのか、心配はないのか、どういうふうに考えておるのか。あるいはまた、税制再改革の中で地方税財政の拡充、これは私は、やはり地方自治体の基盤を強化していくためには税財政というものは十分見直す必要があると思うのですよね。そういう観点から、どういうふうにお考えになっておるか、そういう点について若干お答えをいただきたいと思うのです。
#175
○元信議員 お答えを申し上げます。
 結論から申しますと、消費税を廃止いたしましても地方財政の運営には全く支障はない、かように考えております。
 数字については今委員御指摘のとおりでございますが、我々は既に政府の税収試算に基づき試算をしておるところでございますが、既にお示しをしてございます代替財源案、すなわち地方間接税の復元及び国税改正及び現在の税収動向を考えますれば、平成二年度及び三年度の地方財政の財源については何ら心配がない、かように考えているところであります。
 私どもは、地方財政に最大の混乱をもたらしておるのは消費税の導入である、こういう立場で考えておりまして、まずこれを廃止をする、そうして国民税制改革協議会において新たな地方財源の枠組みについては御審議をいただく、その間の経過処理につきましては、今申しましたとおり交付税の総額は十分確保できるというふうに思っております。
 なお、平成二年度の交付税につきましては、さきの交付税法の審議におきまして、自民党及び野党四会派共同で、附則に加筆修正をいたしました。「消費税に係る今回の税制改革に当たっては、平成二年度及び平成三年度以降において、地方交付税法の趣旨に基づき、地方財政の円滑な運営に資するため地方交付税の総額の安定的な確保が図られることとする。」かような加筆修正を加えているところでございまして、この点から考えましても何ら問題はないということを申し上げることができると思います。
 したがいまして、消費税廃止ということになれば、これに伴う財源措置については、今の修正あるいは決議の趣旨から申しまして、与野党それぞれ共同して対処すべきものである、かように考えているところでございます。
#176
○村山(富)委員 消費税廃止をされた後、やはりいろいろな課題がありますからね。そういう課題についていろいろな角度から疑念が持たれ、心配されている向きもある。そういう問題をできるだけ克明に議論をし合いながら、国民の皆さんが安心して、ああこれなら廃止しても心配がない、やっていけるじゃないか、こういう審議をこの審議を通じて十分尽くしていく必要があるというふうに思うのでいろいろお聞きをしたわけですけれども、皆さんの説得力のある答弁で、今のこの消費税がいかに欠陥を持っているか、それから、出されておる見直しがいかにいいかげんなものか、本当に国民の期待にこたえられる見直しではないということも明らかになったと私は思うのです。
 それだけに、先ほど来申し上げておりますように、かけ違えたボタンというのはやはりもうもとに戻してかけかえる以外にないのですよ。これはどんなに手を尽くしてみても、かけ違えたボタンというのは直らないのですよ。それと全くこの消費税は同じだと思うのです。したがって、私は、きょうの皆さんの答弁を聞きながら、やはり消費税というものはもう廃止していただくしかない、廃止した後も心配はないということの確信を持ちましたが、ひとつこれから野党協力して、自信を持って、この廃止に向けて、そして廃止後は心配ないというだけのものをつくっていくという決意を最後にお聞きして、私の質問を終わりたいと思うのです。
#177
○伊藤(茂)議員 励ましを込めました御質問をちょうだいいたしまして、まことにありがとうございます。
 やはり、村山さんのお話にございましたけれども、今まさにもう政治の決断であろうと思います。やはり、納得いかないという気持ちを持ったまま日本の税制が延々と続いていく、これは国民的な不幸であろうと思います。そうしてまた、日本が本当のデモクラシーの国であるということが証明されないゆえんであろうと思います。ある意味では、政治改革問題も含めまして、政治は三流というレッテルを返上する、そういう努力をするほかない、それのあかしとして、ぜひとも私どもの提案している法律を御可決いただきますように、改めてお願いしたい気持ちでございます。
#178
○村山(富)委員 冒頭に申し上げましたように、まさにこれは画期的な委員会ですよ。私の経験からしても、こういうふうに野党が共同で出した案と政府案が並立で審議をされる、どこに問題があるのか、どっちが正しいのかということを国民から御判断をいただく、これは画期的な委員会ですからね。したがって、私は、別にこだわりがなくて、とらわれなくて、そしてやはり真摯な気持ちでお互いに議論をし合う、そして国民の期待におこたえできるような結論を出す、これが私どもに課せられたこの委員会の責任だというふうに思っていますから、与党の皆さんもひとつそういうお気持ちで御審議に参加をしていただきますように、心から皆さん方の御協力もお願いいたしまして、私の質問を終わります。
    〔関谷委員長代理退席、委員長着席〕
#179
○山崎委員長 矢追秀彦君。
#180
○矢追委員 提出者の皆さん、長時間大変御苦労さんでございます。
 私は、この消費税導入に当たります経緯につきまして、まず最初に、大きな問題をはらんでおる、こういうことを指摘をせざるを得ません。
 まず第一番に、昭和五十四年の消費税導入をしないという国会決議を無視したこと。その次には、野党、国民の反対する中、強行採決をやったこと。さらに、その前に、再三言われておりますような公約違反という重大な政治的な責任のあることをやりました。さらに、成立してからも、強行に昨年の四月から実施をしたわけでございます。そして、このように強行に次ぐ強行をやった政府・自民党の責任は大変に重いものがある、私はこう思う次第でございます。
 そして、参議院選挙におきましては、国民の消費税に対する批判が爆発をいたしまして、自民党の過半数割れという事態になりました。そして、野党四党共同いたしまして、昨年、消費税廃止法案は参議院において可決をしたわけでございます。この参議院における可決ということは、国の最高機関であり、二院制をとっておる我が国といたしましては、大変な重みであったと思います。しかるに、それを衆議院においては、たった一日、本会議で代表質問をやったのみで審議未了、廃案という暴挙に出たわけでございます。私は、昨年一年間、またことしの前半において行われましたこのことは、大変反国民的であり、遺憾であると申し上げたいわけでございます。
 そして今回、総選挙において確かに自民党は過半数を制しました。しかし、それは定数是正をやらない選挙制度の中で、しかもまた争点をそらし、そうしてようやくこの過半数を制したわけでございまして、先ほど来も議論に出ておりましたように、消費税を国民は容認したものでは決してございません。その証拠に、既に自民党は見直し案を宣伝をしてきたわけでございます。また、それに飽き足りない一部の議員は、公約の中におきまして消費税凍結あるいは消費税廃止をうたった自民党の議員さんもいらっしゃったわけでございまして、この一連の今日までの状況を見ましたときに、私はまず指摘をしたいこと、提出者にお伺いしたいことは、このような経緯を経てきた消費税、これは一番国民が不満があり反対があるものである、しかも税というのは議会制民主主義の根幹にあるものである、私はこう思うわけでございますが、まずこの消費税導入、また今日に至る経緯、しかも最近、日本国民は勤勉であります、まじめであります。悪法といえども法律として通った、それは従わなければならないということで我慢をして、私は、毎日毎日特に主婦の皆さんは一円玉をたくさん持って買い物に行っていらっしゃると思うわけでございます。こういった点について、まず提出者の御意見をお伺いしたいと思います。
#181
○伊藤(茂)議員 矢追さんの御質問にございましたように、私は、やはり税というのは民主主義の表現ということであろうと思います。税制が民主的でなければ、その社会もその国もデモクラシーの国とは言えないということであろうと思います。
 御質問ございましたように、この数年間の異常な経過であります。そして、多くの国民の皆さんが怒り、立ち上がったわけでありまして、これは私はやはり民主主義の、国民の健全な意識のあらわれであろうと思います。そうしてまた、納得できない税制は許せないという国民の良識のあらわれということであろうと思います。やはりこの間の経過における政府・自民党の責任は極めて大きいというふうに思うわけであります。
 そうして、今現在、総選挙が終わった後どうするのかということでこの議論が行われているわけでございますけれども、私は思いますが、総選挙での自民党安定多数が消費税支持であるという声が依然としてこれは与党の中にも存在をするわけでありまして、やはりここから考え直していただくことが合意の税制への道ではないだろうかというふうに思うわけであります。確かに私どもも、消費税の国民投票という意味での総選挙ということも申し上げました。しかし、残念ながら自民党が多数をとることになった。しかし経過を見ますと、消費税隠しもございましたし、あるいはまた私どもも指摘をしております金権選挙という事態もございました。そうして選挙が終わった後、自民党は多数を占めたが、それは消費税信任を意味しないというのが多数の世論という構造になっている。他の提出者からも御答弁申し上げたとおりであります。そうしてまた、さまざまな世論調査にもそれがきちんとあらわれているということであろうと思います。
 それらを考えますと、やはりこのような現実の世論の状態と、十年前からかあるいは特にこの数年間かこの経過に対して、政府・与党が謙虚な気持ちをお持ちになるということが私は大前提であろうと思います。何かそこのところで我々は消費税も含めて信任されたのだというおごりの姿勢をとったのでは、これは日本の税制が本当の意味での国民合意にも、あるいはまた国民の御納得できる税制をつくり上げていく道にもつながらないというふうに実は思うわけであります。矢追さんの御質問にございましたが、御質問ございました内容と私も全くそのとおりであろう、そういう意味での重要な判断が今問われている。やはり社会の、日本の将来に向けて合意のできる、納得できる税制をつくるためには、白紙に戻して精力的にもう一度やり直しましょうという以外にないと私どもは確信をいたしております。
#182
○矢追委員 今もお話ございましたように、今回のこの消費税の強行導入というものは余りにも拙速過ぎたわけでございまして、それによって何が生まれたか。これはやはり税に対する国民の不信、また政治に対する国民の不信ということが高まったと私は思います。伊藤委員も指摘をされましたように、税こそは民主主義の根幹であると私は思います。
 ところが、これは大蔵省が中心となって編さんをした「私たちの税金」という本でございますが、この中には税金というのはどういうことかと書いてありますかというと、「税金は、民主主義国家の国民にとって、共同社会を維持するための、いわば会費であるということができるでしょう。」要するに会費、こういう考えをとっておるわけでございますが、これは私はおかしいと思います。泉さんという大蔵省出身の租税の専門家はこのように言われております。租税とは、国家・公共団体からの一般的経費を支弁する目的で、財政権により一般人民より強制的に徴する財である。このように言われておるわけでございまして、会費であればその会を気に入らないと言ってやめれば払わなくていいわけでございますが、税金の場合は、もし日本で税金が嫌だと思えばその方は日本国民をやめるしか手がないわけでございまして、やはりここに言われているように、ある程度は強制的に取られるものと私は理解をいたします。
 したがって、税制というものはこういうものでありますだけに、国民の合意と信頼の上に税制がつくられなければならないわけであります。かつてフランス革命は、やはり税に対する不満が導火線となってあの革命が起こったわけでございますし、またアメリカの独立戦争もやはり税に対する不満から始まったわけでございます。したがいまして、議会制民主主義、議会政治の母と言われるイギリスにおきましても、立憲君主制の中でやはり議会というものでいわゆる税というものをいろいろ協議をする、こういう形がとられてきたわけでございまして、まさしく民主主義また議会制民主主義の根幹にかかわるのが税制である、私はこのように思うわけでございます。
 したがいまして、やはり国民に納得のできるそういった税制を一日も早くつくり上げなければならない。消費税はそういった観点から見た場合、私は甚だ、その内容の是非は別といたしましても、その導入の手続等によりまして大変問題があった、こう私は重ねて指摘をするわけでございます。したがいまして、今廃止法案を提案されておりますが、この廃止法案を一日も早く通す、そしてあの廃止法案の中に盛られております国民税制改革協議会、これを一日も早く発足をさせ、今まで税は、どちらかというと政府税調がつくられる、それと自民党の税調が話し合いをして政府提案として出てきたのが今までのずっと長い間続いた、これはもちろん自民党が多数をとってきたということがあるでしょうけれども、こういった手法がずっと来たわけでございまして、そういった意味で画期的なことであり、これによって国民から信頼と合意の得られる税制が生まれると私は確信をしておるわけでございますが、その点についての御意見をお伺いしたいと思います。
#183
○中野議員 お答えをいたします。
 税は決して自治会やクラブ活動のサークルの会費と同じものではない、日本人である限り強制的に、それが国や公共団体の一般経費として、またその中には当然公共サービスも含まれておるとはいえ、強制的にその対価なしに取られるものが税であるという御指摘は、まさにそのとおりであるというふうに思うわけであります。それだけに、強制力を持っているだけに、それを決める過程においていかに民主的に、そしておっしゃられましたように、国民の信頼と合意のもとにそれが決められるかということが極めて重要であるということも、また御指摘いただいたとおりであろうと考えておる次第でございます。
 しかも、今回は、シャウプ税制以来四十何年ぶりにという修飾語がつくほどでございまして、言うならば日本の税制改革が四十年ぶりに行われる。先ほど、野党は税制の全体の改正案の構想を示したことがあるかなどということを自民党の質問の中に触れられましたけれども、自民党さんだって四十年ぶりにお出しになったんでありまして、言うならば野党にその質問を問う資格はないはずでございます。
 言うならば我々は、今御指摘いただきましたように、税制再改革基本法に基づいて協議会をつくり、そして広く広範に国民の皆さんの御意見を聴取しながら、国民の皆さんと一緒になって、本当の抜本的税制改革を行っていくという基本的な姿勢が今まさに必要であろうというふうに思っているわけでありまして、ましてこれから高齢化社会、二十一世紀に向かっていろいろな税制改革の必要性が説かれております。そういう重要な意味を持つならば持つほどに、国民の皆さんとともに協議をし、そして国民の信頼と合意のもとに税制改革をやるという基本的な姿勢が必要である。誤ったときに正すことを恐れてはならないと思います。私どもは、国民の多くの皆さんが今日この消費税を批判しておられるわけでありますから、一たん消費税を廃止をして、改めて私どももみんなが謙虚な気持ちになって国民の皆さんとともに税制再改革をやっていく、そういう基本姿勢を持つことが大切であろうと思うのでございまして、御指摘の点、全く同感でございます。
#184
○矢追委員 私も、この信頼と合意を回復するためにも、今問題となっておる消費税は一たん廃止をして、新しい税制をつくる以外にない、このように思っております。
 今、中野提出者の方から、先ほど来の自民党の議員の方の指摘についてお話がございましたので、その点について少し申し上げたいのでございますが、税制の問題について野党は案を出していない、こう言われますが、我々は毎年毎年党大会で政策を出してきておるわけでございまして、これはどこの野党も同じだと思います。私たちは税制の政策を持っていない、これは大変な的外れであると私は思います。特に我が公明党は、既に昭和五十一年、今から十四年前に福祉トータルプランというものを発表いたしました。これは総合性、いわゆる整合性のある、財政の裏づけを持った、実現可能性のある「生きがいとバイタリティーのある福祉社会トータルプラン」、さらに五十三年には、これを経済の動向の変更によって一部改編をいたしました。そして、昨年は新しく「二十一世紀トータルプラン」というものも私たちは発表しておるわけでございまして、この中にははっきり消費税は廃止ということも入れた上での二十一世紀へ向けての人間的福祉社会をつくっていこう、こういう七大改革、五十提案、二百五十政策という具体的な現実味のあるものでございまして、私は、野党に政権担当能力がない、あるいはまた野党は無責任で何もビジョンを言わない、こういった指摘は当たらない、こう確信をするわけでございます。
 また、法律案につきましても、私どもも公明党提案の法案を随分出してまいりました。私個人もたくさんの法案をその中で手がけてまいりましたが、今まで一度も審議をしていただいたことはございません。私も参議院に十八年おりまして、幾つかの法案を出しました。趣旨説明まではやらしていただきましたけれども、実際、質疑応答は実現したことはゼロ。いつもぶら下がったままで継続審議になるか廃案になるか、そういうのをずっと私自身二十五年近く苦い思いをしてまいりました。もし自民党が本気になって考えていただくならば、堂々と議論をしていただいて、その中から実現できるものは実現する、あってしかるべきだと思いますが、どうも今まで野党の出したそういう法律案は全部無にして、そしてその中のいいところだけをいつの間にか政府が取り入れて、政府提案として出してこられる、そういうのが今までの大体の過程であった、このように私は承知をしておるわけでございます。
 それと同じような考え方でこの消費税も、野党の出したものだからこれはだめなんだ。じゃ自民党の見直し案も、自民党が出されたんじゃありません。政府の提案です。私は、こういうところでやっぱりきちんと議論をすることこそ議会であると思います。アメリカは議員立法が多うございます。日本は、残念ながら政府提案がほとんどです。議員立法が少ない。これは野党が勉強をしないからだとよく言われてまいりました。しかし、私は、それは当たらない、むしろ自民党がそうしてきた、こう指摘をしたいわけでございまして、そういった意味において、私は、今回の消費税廃止法案、じゃ具体的な税制の姿が見えていないのか、そんなことは決してないと思います。廃止法案の中の第四条、第五条、税制再改革の中できちんと、基本的な原則は二つちゃんと明示されておるわけでございまして、あとそれを、じゃ税率はどうするのか、どういうものを物品税としてやるのか、あるいはどれをどうするのかということを決めればいい。あとはすぐに数字として計算ができて、税制改革の法案として提出は一年もあれば十分にできると私は思っておりますが、その点いかがでございますか。
#185
○菅議員 今矢追委員からも、野党が提出をする法案についての質疑が本当にこれまで行われてこなかったという御指摘がありました。私も全くその点についても同感でありまして、先ほど村山委員との質疑の中でも申し上げましたけれども、やはりこれまでの国会というのは、野党にも全く責任がないとは申しませんけれども、政府・与党、特に長年政権の座にあり続けている与党自民党の国会軽視であったというふうに言っても決して差し支えないと思うのです。つまりは、政府案というものができるまでがいわば自民党の議員の皆さんの勝負どころで、政府案ができてしまえば、それはもうとにかく国会対策か何かで何とか早く修正がなく通ればいい。そこでの議論というのは、いわば自分たちにとっては議論が終わったものであって、後は数で最後は押し切ればいい。ですから、強行採決といった問題も、もちろんこれは野党の審議拒否ということが片方にあったという御指摘もありますけれども、全体で見れば、今まさに矢追委員からおっしゃられたように、野党が提案したものは一切取り合わない、自分たちが提案したものは最終的には数で押し切るという全体の姿勢の中から、野党の立場としてそういった対決という形にならざるを得なかったということを、私自身も同じ思いをいたしているところです。
 そういった意味で、先ほどの議論でも申し上げましたけれども、私は、この一年間の大きな国会の変化というものはまさに日本の国会を生き返らせてきている、そういう意味があるのではないか。それだけに、まさにきょうの質疑を含めて野党提案、そして政府提案の法案が国民の前で議論をされていくということは本当に画期的なことであろう、このように思っております。そういった意味で、先ほど、当初、加藤委員の方からも手順と内容、いわゆる内容とプロセスという議論がありましたけれども、消費税についてはまさにそういったプロセスをきちんと経ないどころか、従来のやり方と同じように、もう政府の案が決まった時点ではこれでいくんだ。つまりはプロセスと内容といっても、内容が固定してしまって、あとはプロセスだけという考えでは、これは手順にもプロセスにもならないわけで、自分たちはこれがいいと思うけれどもどうですかというところで初めて手順の問題が意味を持つわけですけれども、従来のやり方であれば、内容はもうこれが一番いいものだから、あとはこれでしかその内容は変更はできないんだという従来の政府・自民党のやり方が、こういった消費税に対する国民の大きな反発を招いてきたものだと私ども思っております。
 そういった意味で、先ほど来の議論にもありますように、本当に税の問題は、世界の歴史を見ても委員御指摘のように、多くの国々で場合によっては革命の引き金にもなっているというようなことを考えれば、やはり一たん消費税を廃止をした上で、その中でのまさに国民の信頼と合意を形成して新たな税制改革を行っていくことが日本の民主主義の一層の発展の上でも必要なことだ、このように受けとめております。
#186
○矢追委員 今のは一年ぐらいでちゃんとできるかということ。
#187
○神崎議員 一年間の国民税制改革協議会の中で議論がまとまるであろうかという御指摘ですけれども、これも先ほど来の他の提案者からもお話がありましたように、これまでまさにこの消費税をめぐりまして、さきの参議院における消費税廃止法案あるいは再改革基本法案の長時間の質疑などを踏まえておりますので、私どもとしてはそういった質疑を踏まえ、そして今回のこの国会質疑を踏まえて精力的に議論を進めれば、一年以内でのまとまりというものは十分可能であろう、このように受けとめております。
#188
○矢追委員 先ほど来も自民党の議員から指摘のございました個別の問題については少し後に譲らせていただくといたしまして、現行消費税はもとより今回の政府の見直し案、ともにこれは問題がたくさんございます。だから廃止法案が出てきておるわけでございますけれども、根本的な問題というのは、一つは逆進性、もう一つはやはり国民の納めた税金が国庫に入らない、十分に入らない、この大きな二つが根本的な構造的な欠陥と私は思います。
 先日も、補正予算の審議のときに私も大蔵大臣に質問をいたしました。そうすると大蔵大臣の答弁は、一つは、逆進性を緩和した。食料品を非課税にした、あるいは身障者の物品を非課税にした、そういうようなことで逆進性の緩和をした。それから、税は税一つだけ取り上げて、消費税だけではだめなんで、税全体として取り上げるべきなんだ。もう一つは、歳出の面。要するに、いわゆる福祉の推進十カ年計画、こういったものを持ってきて、そういう逆進性も緩和した。歳出でも面倒を見ました。だから、逆進性は認めつつも、その見直しで十分でございますというのが大蔵大臣の答弁でございました。
 しかし、私は、これではちょっと問題がある。やはり根本的な構造的欠陥というものは、今特に逆進性につきましては、見直しにおいてもこれは解消されていない、こう思うわけでございますが、まず第一番にこの点についてお答えいただきたいと思います。
#189
○神崎議員 政府提出の見直し案によっては消費税の持つ構造的欠陥が解消されていないのではないか、こういうお尋ねでございます。
 矢追議員御指摘のように、消費税には構造的な欠陥がございます。一つは、逆進性でございます。低所得者ほど重い税負担がかかるという点でございます。もう一つは、ただいま御指摘の消費者が納めた税金が国庫に正しく納められていないという点でございます。さらにまた、税率を引き上げない歯どめがないというような、そういう点も指摘されているところでございます。まさしく竹下元総理が、消費税には九つの懸念がある、このように述べておられますけれども、この九つの懸念というものがこの消費税では是正されていないままになっているわけでございます。構造的な欠陥があるからでございます。
 今回の政府の見直し案、これを拝見いたしましても、この消費税が本来持つところの構造的欠陥を是正できるものではございませんし、現実に是正されていないところでございます。特に問題となっております逆進性の緩和という点につきましても、ほとんど緩和がなされていないというふうに私どもは評価をいたしておるところでございます。選挙の前には、大胆な思い切った見直しなすると政府・自民党の方々はおっしゃられたわけでございますけれども、実際の提出になった見直し案を拝見いたしますと、国民の多くは、政府・自民党の方々が言われるように、大胆な思い切った見直しがなされるのではないかという期待をされていたと思いますけれども、その期待が見事に裏切られた内容になっていると言わざるを得ないわけでございます。総選挙を前にして小手先の策を弄したと言っても過言ではない、このように考えるものでございます。
#190
○矢追委員 もう一つの、国民の払った税金がすべて国庫に入らない、いわゆる簡易課税あるいはまた限界控除制度等は、今回の政府の見直し案では触れておられませんけれども、この問題についてはどのようにお考えでございますか。
#191
○神崎議員 たしかアダム・スミスの「国富論」の中でも、税の四つの原則が言われている中に、明確性ということがうたわれていたかと思います。国民の納める税金というもの、これが明確に国庫に入っている、そういうことがない限り――もちろん、四つの原則の中には徴税コストの問題あるいは公平の原則等も言っておりますけれども、明確の原則というものを言っているわけでございます。その意味におきまして、この消費税、消費者が納めました税金が国庫に納められていない、そういう構造的な欠陥を持っているわけでございます。今回の政府見直し案を拝見いたしましても、この点については全く是正がされていない。次の段階、再見直しの中でやるということを政府関係者も御答弁しているようでございますけれども、この見直し案の中では全くなされていないのが事実でございます。
#192
○矢追委員 今アダム・スミスの明確ということをおっしゃいましたが、それと捕捉率の問題とは直接のあれはないかと思いますが、やはりこれも明確の中に入るかと私は思いますけれども、今特にサラリーマンの方の不満は、一つは中堅所得層の方の重税感、これは減税をある程度はやったわけでございますけれども、それよりもやはりクロヨンあるいはトーゴーサンと言われるように、サラリーマンは全部把握されてしまう。これに反して、やはり把握されてないものがある。脱税の方も、一生懸命税務当局も脱税の摘発はやっておられまして、新聞紙上私たちが見てびっくりするような脱税がたくさんあることもございますけれども、やはりそういうのは捕捉されにくいという、そういうような面が非常にあるわけでございまして、そういうふうな不満というものがこの公平、公正という面あるいは明確、そういった問題に出てくると思いますが、そういった点も何か消費税の中にはちょっと残っているような感じ、それが今の国庫に納まらないという問題と絡んでくるのではないか。私は、国民の税に対する不満の一つは、公平である、公平でない、あるいは公正でないというところに何かごまかしがどこかにきいているんじゃないか、サラリーマンは損してしまっている、こういう声を非常にサラリーマンの方からは聞くわけでございまして、その点についてはいかがお考えですか。
#193
○元信議員 不公平税制の是正をいかになすべきか、こういう御質問でございましたが、私どもは税制再改革基本法案の中で、再改革を行うための基本方針として、不公平税制を最優先の課題としなければならない、こういうふうに考えています。第五条では「税制再改革の基本方針」を定めまして、一号、二号で具体的に述べております。一号では、「社会保険診療報酬課税の特例、みなし法人課税、公益法人課税の特例、企業に対する課税における各種の特例等の租税特別措置等の抜本的な整理及び合理化が図られ、税負担の不公平が是正されていること。」とされております。国民の税に対する不満の大部分が不公平税制にあることは、何度も申し上げられておりますとおり、総理府の税制に関する世論調査や各種報道機関の世論調査などからも明らかであります。この不公平税制を是正することが、国民の税制に対する信頼を回復するため、最も重要かつ緊急不可欠のものであると考えているところであります。
 不公平税制是正の具体案は、国民税制改革協議会で検討されることにいたしておりますけれども、消費税の廃止そのものが不公平税制是正の最大のものであると考えておるところでございまして、昨年、我々四党が代替財源案で示しましたキャピタルゲインの課税の強化、法人課税における貸倒引当金、賞与引当金の圧縮、受取配当益金不算入割合の圧縮、外国税額控除制度の改正などは、不公平税制是正の一環と考えているところでございます。
#194
○矢追委員 先ほども自民党の議員の方から指摘がございました租税特別措置の問題でございますが、今、公平税制を目指す、不公平をなくすと言われました。この租税特別措置法というのは、やはり不公平の一つの大きな問題としてずっと議論をされて、年々租税特別措置については見直しが行われ、いろんな改廃が行われてきたことはもう御承知のとおりでございます。
 しかし、先ほども何か租特そのものを我々は全部悪として全部なくしてしまう、そういうような極論的な質問であったかのように思いますが、しかし基本的には、私は租税特別措置というものはやはり公平ではない。もともとシャウプ勧告は、一つは総合課税であったはずです。それでずっと来たわけです。この廃止法案の中にも書かれておりますように、第四条の中にありますように、やはり総合課税というものを基本とすべきである、これがやはり一番大事なことであると私は思います。この総合課税を基本とした上で、そのシャウプ勧告の総合課税がいつの間にやら分離課税、分離課税でだんだん骨抜きにされてしまった。また、租税特別措置というのがどんどん出てきて、優遇されてきて、何か企業の特権のようになってしまった。もちろん企業が企業活動をする上において、いろいろな時代時代に応じて何か必要なこともあるでしょう。それを税で見るのも一つの考え方、また違った形で見る考え方もある。なるべく私は、そういったものは税で見ない、いわゆる租税特別措置をしない上で何らかの知恵を出した方がいいのではないか。もちろん、やむを得ないといいますか税で見るべきだということで、ある程度私は完全否定はしないわけでございますが、やはり公平ということを考えた場合、まずシャウプ勧告の基本的な原理に戻った総合課税、そしてそういった粗特というものをなるべく減らしていく、こういうことで、新しい税制の姿もその中でつくらなければならぬと私は思うのでございますが、その点はいかがでございますか。
#195
○中野議員 お答えをいたします。
 租税特別措置といいますと、どうしても今日までは不公平税制の典型のように言われてまいりました。特別措置というよりも、本来はその政策目的にかなうように租税特別措置のいろいろなテーマを俎上に上げて検討をし直した上で、今日なお政策課題としてそれが必要なものは残す、そして既に役割を果たしたものはそれを徐々にやめていくというふうな取捨選択も必要であろうと思います。しかし、取捨選択するためには、まずそれをすべて俎上に上げて検討し直さなければわからないことでございますから、私どもとしては、それをすべて俎上に上げましょうという提言をいたしたところでございます。
 もう一つは、特別措置という考え方ではなくて、それは国民生活のために本来必要な措置であれば、それぞれの法律の本来の目的の項に書き入れるなど、もう少し国民の皆様方から理解されやすい手法をとるべきであろうというふうに考えておりまして、お説まことにごもっともだと思います。
#196
○矢追委員 今回の政府の見直し案は、食料品を非課税にするということでございます。しかし、流通、卸段階は一・五%の軽減税率、こういうことになるわけでございますけれども、こうなりますと大変ややこしい問題も出てまいります。静岡大学の試算によりますと、六百万円の平均のサラリーマンの家庭では、年収六百万で月に千百円しかこの見直しによって下がらないと言われておりますが、現実には物価もどんどん上がってきておりますから、食料品が非課税になったからといって、食料品全体がなかなか安くなるというふうには私は思わないわけでございますが、それは別といたしまして、まずどれだけ安くなるか。
 それからもう一つは、非常に複雑になってしまいます。この点も御承知と思いますが、こういうふうに何か批判があったから消費税の、最初にも申し上げたように消費税そのものが悪いんですから本当は廃止をしなければならぬのですが、食料品は反発が強いから、奥さん方は毎日毎日買いに行くから、だからこれは非課税にしておこう、これが一つ。
 もう一つは、出産あるいは埋葬、それから入学金といったものを非課税にするということになっておりますけれども、私もこれは大変な、言われたからやる。大体、言われたからじゃなくて、もともとかけるのがおかしいわけです。しかし、消費税というのは本来全部かけるわけでしょう。非課税はないのが大体の、本来のものであったはずですが、余りにも批判が多いので、食料品をやめ、それからまた今度はお産もやめてしまう。お産は消費なんて聞いたことないですよ、私は。私も医者の端くれですけれども、お産は消費とは医学辞典に書いてないわけでして、埋葬料は、やはり死者を弔う。死者を弔うものは、何ですかこれ、埋葬は消費じゃありませんよ。こんなのかけるのがおかしいのですよ。そうでしょう。だから、そういうことで本来おかしいものまでやったのですよ。だから消費税はだめなわけです。
 そこで、もとへ戻って伺いますが、まず食料品を非課税にしたからといって、私は、混乱も起こるし、決して安くならない、かえってまた内税方式でおかしくなってしまう、こう思うのですが、いかがですか。
#197
○神崎議員 今回の政府の見直し案によりまして食料品の小売価格が引き下がる保証があるのかないのかというお尋ねでございます。
 今回の消費税の見直しに当たりまして、海部総理は、消費者の立場に立って見直すということを述べてきたわけでございますけれども、政府が国会に提出してまいりました見直し法案によりますと、生産、流通段階での軽減税率、小売段階非課税の採用によりましても、値段が下がる保証はなく、消費税の持つ構造的欠陥であります逆進性の解消とはならないと考えます。
 なお、矢追議員から、今回の小売段階非課税は食料品を内税にするためのものであるというふうに御指摘がございました。私も全く同感でございます。食料品と課税品目を一緒に扱っております小売店では、レジの区分が難しいため、小売段階非課税、総額表示の指導によりまして、内税化が進むことも十分予想されるのであります。実質的には消費税隠しになりかねない、そういう危険性があると考えます。また、複数税率の導入にょって事業者の事務負担が増大し、結果、将来税率が引き上げられることの懸念は強いものでございます。また、消費税の導入による国民の税への不信、不満は解消されておらず、今後さらに不安、不満を増すことが明らかであると考えます。
 橋本大蔵大臣は、昨年十二月四日の税制特別委員会で、二%程度、あるいはそれに多少上積みされる程度食料品の価格は引き下げられると考えられている、このような見解を明らかにいたしておりますけれども、本当にこのように値下がりをするかどうか保証がないわけでございます。消費税は、構造上見直しによって欠陥に欠陥を重ねるものでございまして、消費税の見直しは不可能であり、租税民主主義の大前提である国民の理解と納得に逆行する消費税につきましては一たん廃止して、公平、公正な税制の確立を目指すべきであると考えます。
#198
○矢追委員 先ほどの非課税の中にも、今回の見直しで身障者用の用具のことが入っておりますが、これも私は昨年の大蔵委員会におきまして、たしか三月二十三日と記憶をしておりますが、今まで物品税がかからなかった身障者用の自動車にも消費税はかかる、こんなことはよくないんじゃないか、これはやめられないのかと盛んに言いました。大蔵当局、大蔵大臣は、それは別の方法でやる、これはやはり消費税から外すわけにはいきません、こういう答弁であったことを記憶をしておるわけでございますけれども、やはりいろいろ評判が悪いということに気がついて、こういうことに今回はやってきたわけです。
 こうなりますと、私が問題にしたいのは、先ほど来も何か物品税は諸悪の根源のように言われまして、先ほど北海道の毛皮と沖縄のクーラーと大変的外れな比較をされましたけれども、これの中身について一々反論はいたしません。消費税と物品税は、それはもちろん全然違います。税の持つ性格とか仕組みが違うことは私も承知をしておりますが、いわゆる末端といいますか、消費者が買うときは同じですよね。物品税が何%かかっているか、消費税が三%かかっている、同じですよね。そういうことになりますと、いや、お産もやめました、入学金もやめました、身障者もやめました、食料品もゼロにしました。じゃ、今度はこれ、どこかの業界とかどこかから三%きついからやめてくれ、何だかんだ言ってきたら、結局は物品税と同じようなことになってしまうじゃありませんか。だから、消費税の見直しをして、これだけを非課税にしたから逆進性がなくなった。じゃ、もっとやれと言われたらどうするんですか。じゃ、将来は税率を調整するんですか。
 今フランスだっていわゆる一八・六を、高いものと低いものと分かれておりますよね。そうなってきたら、何か物品税がやってきたことと同じじゃありませんか。それはもちろん仕組みは違います。だから、物品税が全部悪い、消費税でなきゃだめなんだ。今消費税が、もともとあった消費税よりも、今度は見直しで相当減ってきたわけです。それは軽くなることはいいことでしょう。だけれども、そうやってどんどんやってきたら、やはり消費税はない方がいいじゃないですか。なくなった上での公平税制、これを考えるべきだと私は思うのですが、こうやってどんどん非課税品目をふやしていくことは、そのこと自体はいいでしょうけれども、根本的な税制のきちんとしたものをこれからやるためにはだめであると私は言いたいんですけれども、いかがですか。
#199
○森井議員 御指摘のように、今回の政府提出の見直し案では、出産費それから埋葬・火葬手数料、それから入学金、身体障害者用物品など、八品目が追加をされております。これらの中身を見ますと、消費税導入のときに私どもがその審議の過程で課税は絶対いけないと既に指摘をしているものばかりでございます。
 例えば出産費は、去年の参議院選挙でも大きなポイントになりました。お産でも消費税をかけるんですよ、こんな理不尽な税金がありますか。これは恐らく与党自民党を除く各党の皆さんが選挙でお使いになった言葉だろうと思うわけでございます。しかし、この出産とて単に出産だけじゃないのです、国民の要求というのは。赤ちゃんが生まれますと、哺乳瓶が要るんです。産着も要るんです。ベビーベッドも要るでしょう。赤ちゃんが要る品物については欠かすことはできないんだから、したがってこれらも非課税にしろという要求の代名詞として出産が挙げられただけでありまして、私どもそういうふうに判断をしております。
 それから、身体障害者用の物品につきましても、なるほど身障者の方々の物品が非課税になるということは結構なことです。しかし、身障者の皆さんが一番に困っておるのは何かといいますと、限られた収入で細々と暮らしていらっしゃる方々が、生活必需物資がすべて消費税の対象になる、身障者の皆さんはここが耐えられない、そういうふうに考えていると私どもは考えておるわけでございます。
 こう考えていきますと、矢追委員は物品税に近くなるとおっしゃいましたが、考えてみますとこれはむしろ売上税に近くなるんですね。売上税のときは、非課税品目、当初五十一品目非課税で出してまいりました。しかし、御指摘がありましたように、各業界からそれ以外に非課税品日を広げるという要求が無数に出てきておったことは事実であります。今度の、言葉が悪うございますが、小手先の一部非課税品目の見直しだけでは国民の納得は絶対に得ることはできない。非課税を広げていけば、これは限りなく廃止に近づくんです。廃止をしなければ納得してもらえない、こういうことになるんです。
 あるいは、今、年金で暮らしていらっしゃいます先輩の例をとりますと、例えばこれも公約に違反をいたしましてマル優が廃止をされましたが、六十五歳以上の方のマル優は存続をされました。お年寄りに特別の配慮があったわけでございます。ならば消費税についても、年金で暮らしておる者は消費税は取るな、これが当然出てくると私は思うわけでございます。
 したがって、非課税品目の拡大、一部手直しが政府によって出されておりますけれども、繰り返し申し上げますが、限りなく広げていけば廃止になる、廃止以外にない、こういうふうに考えております。
#200
○矢追委員 あとわずかになりましたので、次に申し上げたいことは、この消費税はあくまでも、政府の見直し案にもはっきり書いてありますが、「消費税の収入については、別に法律で定めるところによるほか、毎年度、社会福祉、社会保障その他の国民福祉のための経費に優先して充てるものとする。」このように言っております。現在、福祉予算は約十一兆円。消費税で約五兆円。到底足りないわけでございまして、こういうことをやっていくと、いずれは高齢化社会であるというふうなことでもっとお金が要る。こういうような事態になったときに、今の三%が五%あるいは一〇%、こうなる可能性を秘めておる問題だと私は思います。
 消費税が即福祉、まあ福祉目的税という議論もございます。私もそういった意味では承知をしておりますが、福祉は何もすべてが税金ではありません。健康保険には、健康保険のいわゆる保険税といいますか、保険料というものである程度賄われております。もちろん、税の方からも行っておるでしょうけれども。もっと総合的に福祉の負担とそれからそのいわゆるあり方、こういったもの、給付と負担のあり方をどうするのか、あるいは福祉の計画は今後どうやっていくのか、やはりそういう青写真、それは確かに推進十カ年計画は出されたでしょうけれども、いわゆる負担と給付というものの国民の合意というものをやはり得なければならぬ。私たちは既に十四年前にそういうことはちゃんとトータルプランで言っておるわけです。それは今の負担よりも多くなることもあるでしょう。しかし、国民に医療はこう、あるいは年金はこう、そういうことがきちんとなった上で合意を得られたならば、私はその負担も、ある程度の負担増も国民はわかっていただけると思います。しかし、今、消費税三%をとって五兆円しか入らない。これで十一兆円も要る。これはもう次上がるに決まっているという、これまた不信であり不満です。こういうことが私は起こってくると思います。
 そういった意味においても、私はこの消費税を廃止して、そうして国民税制改革協議会でしっかり議論をしていただいて、そうして野党も政権担当能力あり、国民も安心して消費税は廃止しても大丈夫、こういった税制なら納得のできる、そしてこれから二十一世紀へ向けて高齢化社会、国際化の社会、情報化社会に対応できる、そういった総合的なプランの中で、税制はこうあるべきである、あるいは負担はこうあるべきである、こういうことをやっていただきたいと私は強く要望を申し上げまして、提出者の御意見を伺って終わりたいと思います。
 以上です。
#201
○宮地議員 矢追委員にお答え申し上げたいと思います。
 今委員おっしゃいましたように、今回の政府が提出しておりますところの消費税の見直しの一つといたしまして、消費税の収入につきましては、「別に法律で定めるところによるほか、毎年度、社会福祉、社会保障その他の国民福祉のための経費に優先して充てるものとする。」こう規定をしているわけでございます。消費税の使途の明確化を掲げているわけでございますが、今お話しのとおり、これは一般財源でございまして、決して特別会計になっているわけでもございません。また、福祉目的に使うと言いながらあいまいになっているわけでございます。今委員がおっしゃいましたように、現在の日本の福祉の財源は十一兆円必要でございます。消費税約六兆円のうち国税分は六割でございますから約三兆六千億、こうなりますと到底この十一兆の福祉財源を賄うことができません。そうなりますれば、当然現在の消費税の税率が、三%が今後高くなっていく可能性は十分あるわけでございまして、この点については大変我々も危惧をしているところでございます。
 特に高齢化社会の国民負担率の問題についてもお触れになったわけでございますが、やはりまず日本型の福祉をどう決めるか、これがまず第一ではないか。アメリカなどにおきましては、御存じのとおり自助努力型であります。北欧におきましては高福祉高負担型、こういう形になっておりまして、大蔵大臣、政府等も日本型を模索しているのは事実でございます。この国民負担率につきましては、私どもはぜひ四〇%台の前半に抑え込んでまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
#202
○矢追委員 終わります。
#203
○山崎委員長 吉井英勝君。
#204
○吉井(英)委員 一昨日の福岡県の参議院の補欠選挙で、その結果というものは、国民の皆さんの意向が今日も消費税廃止である、このことをはっきりと示したもの、改めて示したものであるというふうに思います。この点で、消費税の廃止三法案が共同して提出されておりますが、これは当然のことでありますし、消費税廃止を公約に掲げて選挙を戦った者として、私どもはこれに賛成をするものであります。
 ところで、今、私、若干のマスコミ報道等を最近のをずっと見ておりまして、例えば、この国会で消費税廃止法案も見直し法案も廃案にした上で、与野党間の税制協議の場を設けて政府見直し案の見直しぐらいで決着をさせるというような水面下の動きと申しますか、そういう報道なども見られますし、中には、衆議院の方では審議未了、廃案というよりも、むしろ衆議院で廃止法案の否決の方が後の協議が何とかというふうな水面下の動きなども報道にはあるわけでありますが、私は今、国民の皆さんの政治不信の声というものは、これはリクルートなどに見られる金権腐敗の問題、それから公約違反、消費税の強行、これもありますが、同時に、やはり今政治が国民に見えにくい、こういう問題も国民の皆さんの政治不信の一つに大きくあると思うわけです。
 こういう点では、水面下ではなくて、公式のこの場で消費税廃止の選挙の公約はしっかりと守り抜くんだということを約束されるかどうか、まずこれを最初にお伺いしたいと思うのです。
#205
○森井議員 私どもは、きのう本会議、きょういよいよ消費税の見直しか廃止か、審議が始まったばかりでございます。しかも、委員けさほど来ずっとお聞きのように、終始熱心な議論が現在続いているさなかでございます。先の先まで何か御心配のようでございますけれども、私どもは、八名が四会派を代表して先般の選挙の公約であります消費税廃止法案を国会に提出をしたわけでありまして、私どもの目標は、この委員会を通じてただいま御審議いただいております消費税廃止法案四法案の成立でありまして、それに全力を傾注する決意であります。
#206
○吉井(英)委員 そこで、民社党の提案者の力にお伺いしたいと思うのですが、総選挙の後、二月二十三日の朝日などでは、民社党塚本元委員長から、消費税廃止という選挙公約は失敗した、誤りたったという御発言とか、二十七日付ではちょうど中野提案者の発言が日本経済新聞に載っておりました。これは、消費税廃止法案は共同して提出するが、そこから先は、これは四党に縛られるものじゃないというお話であるとか、また、これは四月の二十七日の読売新聞ですが、「今後消費税問題への対応などさまざまな局面で、「国家、国民の利益のため」を大義名分に、自民党との連立への糸口を模索することも予想される。」などという観測の記事と申しますか、こういうものも載っているわけでありますが、私は、この廃止法案を本当にこれを実現していくためにも、消費税廃止の公約はしっかり守り抜くんだ、こういうことを約束されるかどうか、この点をお伺いしておきたいと思います。
#207
○中野議員 お答えをいたします。
 私どもは、先ほどの提出者が答弁をいたしましたように、現在廃止法案を提出をし、御論議をいただいているところでございます。ただ、非公式の場やマスコミの世界の中でインタビューをお受けをいたしましたときに、将来の展望について一政治家としてどういう状況になるであろうかを問われることは多いわけであります。
 さきの衆議院選挙において自民党が過半数を獲得をした、これは事実であります。ゆえに、私どもは今自民党の皆さんの御理解もいただいて、そして消費税が廃止されることを願って今この審議を行っていただいているわけでありますけれども、どうしても自民党の皆さんが廃止は嫌だということで我々の法案に最後まで反対をされますと、残念ながらこの国会においては私どもの廃止法案は否決されることに結果としてなってしまいます。
 その後のことについて前もってお答えをすることはいかがかと思いますけれども、順序立てた経緯からいたしますと、私どもとしては、もし否決をされるという前提に立った御質問を受ける場合には、その場合にはやはり一歩でも二歩でも、国民の皆さんにお約束した廃止に一歩でも二歩でも近い、できる限り、まさに限りなく廃止に近い修正等を求めて努力をするというのも一つの手法であろうというふうに考えたわけでございまして、そういう意味では、私どもは、誤解をされてはなりませんけれども、それはあくまでも仮定の話でございます。現段階におきましては、この消費税廃止法案の成立に向かって精いっぱい努力をし、そして、自民党の皆さんが過半数は握っておられますけれども、翻意されて賛成してくださることを願いつつ、この審議を進めていることを御理解いただきたいと思います。
#208
○吉井(英)委員 竹下内閣の時代、大型間接税は導入しないというあの選挙の公約というのは、売上税の廃案によってクリアされたんだというふうな論理が展開されていったりとかありました。やはり政治家の公約、政党の公約というのは、次の選挙までその実現を目指して誠実に公約を果たすということがかなめでありますから、この点では、公約を実現するという立場で、国民に責任を負うという立場で頑張らなければならない問題だと思います。
 次に、廃止三法案はこれはいいわけでありますが、廃止という国民の一致する課題と別に、廃止法案と本来関係のない税制再改革基本法案も提案しておられます。その中では、例えば「所得、消費、資産等に対する課税を適正に行う」という問題、「サービス、流通等に対する適正な課税の在り方について検討を加え、その結論を得ること。」などということが挙げられております。これはちょうど竹下内閣のときに、消費税を提案するに先立っての六十三年六月二十八日の閣議決定、「所得・消費・資産等の間で均衡がとれた安定的な税体系を構築する観点から、」消費税の創設をする、こういうことが決定されているわけでありますが、これは非常に同じ表現なのですね。ここに私は、この税制再改革基本法案のこの部分というのは、これは大型間接税を容認する税の体系に踏み込むおそれがある、この点を指摘しておきたいと思うわけです。
 その根底にはやはり直間比率見直し論というものがあると思うわけです。午前中、自民党の委員の方から、かつての議長裁定の問題が挙げられました。この議長裁定の中で、「直間比率の見直し等今後できるだけ早期にこれを実現できるよう各党協調し、最大限の努力をはらうこと。」そして協議機関を設置することというこの議長あっせん案を受け入れたということ「これが指摘されておりました。
 念のため申し上げておきたいのですが、そのときに何か日本共産党についてはこれを受け入れたか受け入れないかはっきりしないようなお話がありました。これはここでもずばり明確にしておきたいと思いますが、御存じのように、我が党は、この議長あっせん案を受け入れることは大型間接税の復活に火種を残すんだということで、明確に反対をいたしました。自民党の方もそれは覚えていらっしゃると思うのですが、そのことを申し上げておきたいと思います。
 この議長あっせん案の中で言われている「直間比率の見直し」ということ、これが今回のこの文言にやはりつながってきているというふうに私は思うわけですよ。そして、これは昨年の九月四日の日経でありますが、伊藤提案者は、新間接税は中型だ、こういうふうなお話もありました。それはまた後ほどお伺いしたいと思いますが、直間比率は七対三だということを主張もしていらっしゃるのですね。導入前というのは七三・二対二六・八、消費税を導入し、見直しを含めた今年度の見通しで七〇・九対二九・一、まあ七一対二九ということになりますが、そうすると、七対三ということでいくとさらにこれを縮めることになるのですね。
 実は、これは昨年の十一月二十七日の参議院の税制特での梶原議員の御答弁でありましたが、「直間比率は少し締まれば縮まった方がいい」、これは自民党の委員の力に対する御答弁であったわけです。それならば、「直間比率が近づいた方がいいというのは、余り所得税に中心を置き過ぎてもいかぬということですね。」ということに対して、「基本は大体同じ。」こういう一連の御答弁などを見ていると、これはやはり、場合によっては自民党の見直し案よりさらに踏み込んで、税制再改革基本法案の中で間接税をふやしていくことになるのではないか、こういうことがうかがわれるのですが、この点はいかがなんでしょうか。
#209
○神崎議員 直間比率の問題でございますけれども、税制再改革基本法案におきまして私どもが考えております直間比率の考え方は、あらかじめ直間比率を決めて、それから税制再改革を行うという立場ではございません。あくまでも公平、公正な税制改革を行うことによって、その結果として出てくるものが直間比率である、このように理解をいたしておるところでございます。
 私どもは、税制再改革基本法におきまして、直接税を主とし、間接税を従とすることを堅持し、所得、資産、消費等に対する課税について均衡ある税体系の構築を図ることと規定いたしておりますけれども、税体系全体の中でバランスのとれたものにしたい、このように考えているところでございます。御指摘の懸念は全くないと考えております。
 また、確かに租税弾性値を考えますと、直接税の力が租税弾性値が大きい「間接税の方が低いわけでございますから、あらかじめ直間比率を何対何と規定をいたしますと、直接税の税収の伸びとのバランスをとるために必然的に間接税の税率を引き上げざるを得ない、そういう懸念も出てくるわけでございます。私どもは、先ほど申し上げましたように、アプリオリにこの直間比率を決めるのではなく、所得、消費、資産の税体系のバランスをとったその結果として出てくるものが直間比率である、このように考えております。
#210
○吉井(英)委員 今おっしゃった所得、消費、資産のバランス論ですね、これは同時に直間比率見直し論と一体のものとして、ずっと二年前の税制審議の中で出てきた話ですね。実は、この消費に着目というところに、新たな消費税にも道を開く、踏み込んでしまう、そういう問題があるということを指摘しておきたいと思うのです。
 特に昨年秋の参議院の税制特で、提案者の一人である梶原氏は、サービス、流通課税として相当課税ベースの広いものを考えているのかという自民党の方の具体例を挙げての質問ですね、ここに会議録を持ってきておりますが、その中で、例えば散髪、パーマ、タクシー、ハイヤー、電話、ファックス、弁護士、税理士、公認会計士、レンタルなどなど、こういうものを考えているのかというのに対して、それらはみんな検討するものだというお話であります。我が党の吉岡委員に対しては、単段階の課税を考えておるという答弁もありました。これは、課税ベースが広くて単段階課税となりますと、庫出税もそうですし、卸売上税あるいは小売売上税、そうした、つまりまさに大型間接税にならざるを得ないわけですね。
 そこで、伊藤氏の中型間接税というお話ですね。この中型間接税というのは一体何を意味していらっしゃるのか。結局この中型間接税発言などは、まさにこういう点では、消費税を廃止すると言いながら中型間接税を考えていくということは、これは明らかに矛盾を来すものではないかと思うわけですが、いかがですか。
#211
○伊藤(茂)議員 中型間接税という何かお話がございまして、実は私、我が党としても、また党の政策責任者としても、そのような政策的規定を設けまして発表したりあるいは議論したりしたことはもちろん一遍もございませんで、大型間接税にはもちろん反対でございますけれども、じゃ、中型、小型があるのかと、まあこれも税制論議としてはまことに科学的なお話ではございませんので、何か、大型に反対、じゃ中か小はどうなんですかと雑談か何かあったのが、たまたまどこかの新聞に報道されたというふうなことであろうと思います。したがいまして、中型間接税という意見と政策は「私も私どもの党も持っておりませんので、御了解をお願いをしたいと油います。
 考えておりますのは、やはり一つは、税制再改革基本法を出させていただいております。やはり多くの国民の皆さんは、消費税は公約違反で欠陥ですから廃止しましょう。同時に、それでは後どうしましょうか、これは国民の皆さんみんながやはりお考えになっていることであろう。そうしてまた、いきなりそういうふうに結論を出すのではなくて、皆さんと一緒に精力的に議論をして民主的な結論を見たいという趣旨で出しているわけでありまして、いずれにいたしましても消費税のような大型間接税は想定をしていないというのが第一であります。
 同時に、直接税を主とし、間接税を従とする、あるいは所得、消費、資産等に対する課税が適正に行われることという条件を挙げてございます。吉井さん御承知のように、言葉では何か政府も同じように言っているじゃないかという面がございます。しかし、私どもは、例えば資産というものの負担のあり方、今日の土地税制などにつきましては政府と激しく論争をしているというふうな姿でございまして、中身の見解などについては政府・与党と大分違いまして、今議論を激しくやっているというふうな考え方になるわけであります。
 先ほど来申し上げておりますように、それでは将来の間接税はどうするのか、党として個人としていろいろな勉強をするのは当然でございますけれども、やはり国民合意のプロセスを大事にするという意味で、国民税制改革協議会で議論していきたいと考えております。
#212
○吉井(英)委員 再改革基本法案のやはり大事な一つに、先ほども御答弁にありました、言葉としてはこちらの文章とはちょっと違って、所得、消費、資産のバランスのとれたというお話がありましたが、しかし、そこにやはり新しい大型間接税の税体系に踏み込んでいく、そういう問題があるのだということを一つ指摘しておきまして、次の問題点に入っていきたいと思います。
 次は、納税者背番号制です。
 今、コンピューターの管理でプライバシー侵害が相次いで出ております。私の大阪の方でも、セントラルファイナンスという信販会社へ警察の犯歴データが漏えいしたという問題がありました。それから、最近報道されたところでは、旧三井銀行、太陽神戸三井銀行預金者リストの流出など、今、プライバシーの保護という点からしますとゆゆしき問題が出ておりますが、これは大蔵省の方で調査をしておられると思いますが、簡単にその結果を御報告ください。
#213
○西村政府委員 銀行の関係についてお答え申し上げます。
 関係金融機関からの経過報告によりますと、現在、関係金融機関において、顧客名簿の作成段階、輸送段階あるいは配付先の営業店段階等のそれぞれの段階におきまして流出の事実がないか及び情報管理体制に問題がなかったかについて調査しているところでございます。なお、関係金融機関におきましては、既に全店に情報管理の徹底についての通達を発出し、その徹底を指示したと聞いております。
 本件につきましては、関係金融機関の調査結果を踏まえまして、具体的な問題点の存在が明らかになれば、関係金融機関等に対しその是正措置を講じ、再発防止に万全を期すよう厳正に指導してまいりたいと考えております。
 なお、金融機関は、預金者、融資先等の顧客情報につきましては、顧客のプライバシー保護の観点から慎重な配慮が必要であることは当然でございまして、今般の顧客情報リストが外部に流出するという極めて遺憾な事態が発生したことにかんがみ、全銀協等の各金融団体に対しまして、顧客情報の取り扱いについてより一層厳正な対応を行うよう指導するということにしております。
#214
○吉井(英)委員 このせんだっての漏えいの問題についても、実際のところまだ解明し切れていないし、ただ通達を出したというだけのところなんですね。
 実は「プライバシーが筒抜け」という、これは馬場恭子さんの書かれた本で、「テクノロジー社会・アメリカからの警告」ということで出ております。読まれた方もいらっしゃるかと思いますが、例えばその中で、アメリカの税関庁に間違ったデータがインプットされてしまって、一人の若い御婦人が麻薬に関係しているのじゃないかということで、たびたび服も下着も全部はぎ取られてしまって調査をされるというふうな、何で自分がこんなひどいことに遭うのだろうかと思ったら、インプットされたデータが、全く違うデータがインプットされていた。このコンピューターの問題というのは、そういうプライバシー侵害その他でたくさん問題を起こしております。
 また、これはNHKで放映されたわけでありますが、「アメリカの場合」というので、これは本にもなっておりますが、「世界の中の日本 なぜ税が問われているのか」、この中でも、コンピューターによる自動督促システムというのが開発されて、自動的に、あなたは税金を払っていませんよと、いろいろなデータを全部持っているものですから、借金してでも払いなさい、あなたはまだ借金できますよと、恐るべきことが進んでいるのですね。
 ですから、そういうふうなプライバシーの侵害というものが進んでいる中で、今納税者番号制度については、一昨年三月二十八日の日本経済新聞社の一万人調査、反対が四七・四%、賛成が三六・一%ですね。読売の昨年十一月四日は、反対が四二・三%、賛成は四〇・七%と、反対の方がうんと多いわけですね。なお、朝日は一昨年三月二十九日に、ちょうど税制審議の時代ですが、反対が三〇%で賛成が三二%と賛成は少し多いのですが、ただし、このほかに名寄せで十分だという答えが二一%あるわけですね。
 ですから、大事なことは、これは既に国会でも国税庁の次長の答弁もありますが、証券会社、銀行などに名寄せに協力を求めれば、キャピタルゲインなどを含めた総合所得の捕捉は十分できるのだ、これが国会での答弁なんですね。なぜあえて国民の世論を二分するようなそういう提案をわざわざこの再改革基本法案で盛り込んで、そういう国論を二分するような、そういうものを提案として出してこられるのか、これはどういうふうにお考えなのか、簡単に伺っておきたいと思います。
#215
○中野議員 税の公平性を確保するためには総合課税が必要であろう、その総合課税のためにはどうしても納税者番号が名寄せのために必要である。ただ、銀行等々における名寄せでも済むではないかというお話もございますが、そうなりますと、利子や配当所得中心になってしまいまして、トータルとしての所得を完全に把握というわけにもまいりません。そういう意味で、我々としては、総合課税のためには納税者番号制度がどうしても不可欠の要素になる。
 しかし、今御心配のように、プライバシーの問題は、これは最大の注意を払わなければなりません。銀行や証券会社等の協力を求めるだけで済むではないかという御提案の一方、先ほど来銀行等におけるプライバシー、秘密の漏えいの問題を最初にお取り上げになられたわけでありまして、こういう問題につきましては、言うならば、犯罪を構成するということをいたしましても、意図的に犯罪を構成することを承知の上でやりますとこれは防ぎようがないということはございます。しかしながら、細心の注意を払って納税以外の事務にこれらが使われることがないように歯どめをかけつつ、公平な税制を確立するための一つのやむを得ない措置として納税者番号制度というものの導入も考えざるを得ないものと私どもは考えた次第でございます。
#216
○吉井(英)委員 この納税者番号制度というのは、プライバシー問題にかかわって極めて重大な問題でありまして、しかも、政府答弁によりましても、それはなくてもできるんだということは既に明らかにされております。この再改革法案には、このほかにも、不合理な部分を突いたクロヨン論で最大の不公正である大企業優遇から目をそらせてしまうような、そういう弱点も含まれておりますし、その他問題ありますが、私は、やはり国民の世論を広げて、そして団結や共同を前進させて、本当に主権者である国民の声が消費税廃止を実現していくために、国民の中で一致しない問題を含めたそういう部分については、これは提案されない方がいいんだということを申し上げておきたいと思うわけです。
 一九四九年に取引高税廃止法が成立したときには、代替財源案も再改革法案なども当時はもちろん出されておりません。二年前の国会で、当時の竹下総理は、売上税が廃案となったときに、与野党間の税制協がつくられ直間比率の見直しを進めるということになって、大型間接税は導入しないとの公約問題は済んだんだ、こういう趣旨の主張がありました。それから、八七年の十月二日の、これは公明新聞に裁っておりますが、当時の公明党矢野委員長は、税制協は結局マル優廃止に事実上利用された、このままでは今度は大型間接税導入に使われてしまうということを、これは幹部研修会で語っておられますが、報道されておりました。
 先日、六月九日の鹿児島にふける民社党の大内委員長の御発言によると、「消費税問題の決着の場として与野党間で非公式に話し合いが進められている協議機関について「今国会の会期末までにはスタートさせなければならない」」「同機関から共産党は排除すべきだ」「密室政治という声が一部にあるが、」という後、「協議そのものを公開の場で行う必要はない」などといろいろな発言があるわけですね。私は、やはりこうした密室での決着のつけ方というものが、これは過去においてはまさに提案者の党の幹部の方も、あれはまずかったということを御発言もしておられることでありますし、また、そういう密室での決着のっけ方に国民の皆さんは不信を持っているわけですよ。そういう働きを懸念しているわけでありますし、やはり国民の目に見える形、そういうふうにするということを約束されるかどうか、このことを伺っておきたいと思うわけです。
 中曽根、竹下内閣の公約違反への国民の怒りは政治を動かしましたね。衆議院、参議院とも自民党が多数の時代であっても、一般消費税、売上税はつぶしたわけです。今は参議院で野党が多数の時代です。主権者国民の世論と結んで努力するならば、廃止を実現するという条件はずっといいわけでありますから、廃止のすべての勢力は一致して取り組むという立場に立つか、気に入った者だけで他は排除の立場かという、そういう大事な点が今問われているときです。
 日本共産党は、公約した消費税廃止というこの立場を本当に実現するために、誠実に努力をしていきたいということを明らかにして、私の質問を終わりたいと思うのですが、最後に、国民の目に見えるようにされることだけ伺っておきたいと思います。
#217
○菅議員 現在、オープンなまさにこの場で廃止法案を審議をいただいているわけですから、徹底的にこの場で審議をお願いをして、それを可決いただきたいというのが私たち八名の一致した意見であります。
#218
○山崎委員長 中井洽君。
#219
○中井委員 提出者の皆さん、本当に御苦労さまでございます。先ほどからお話ありましたように、画期的な論議、大変有意義にお聞かせをいただきました。これから長丁場になられますけれども、ひとつ十分御健闘いただきますよう、お祈りを申し上げます。
 私は、共産党を除く野党四会派提案の廃止法案に賛成、政府提出の見直し案に反対の立場で質問をいたします。ただ、少し時間がずれ込んでおりまして、江田先生のテレビの時間が狂うといけませんので、口早く御質問いたしますので、簡単にお答えをいただきたい、このように思います。
 最初に、提出者として、政府提出の見直し案について、どういったところが欠点とお考えであるかお尋ねをいたします。
#220
○神崎議員 見直し案の問題点といたしましては、第一に、生産、卸段階で一・五%、小売段階非課税と言っておりますけれども、流通過程の運送代、包装代などのコストは今までどおり三%の消費税がかかるわけでございます。三%丸々価格が下がるわけではありませんし、また、軽減された税が流通の過程で吸収されてしまう可能性が強く、軽減された分だけ値下がりするという保証が全くないということでございます。
 第二に、複数税率の導入によりまして事業者の事務負担量が増大し、外食産業の場合、その場で食べると消費税を取られ、持ち帰ると課税をされないなどという、非常に紛らわしくなるのではないかという点であります。
 第三点は、消費者が支払った税が正しく国庫に入らないという問題が見直し案では全く触れられていないという点であります。
 第四点は、消費税の税額表示方法については、消費税の内税化につながりかねず、将来の税率の引き上げを容易にするという点でございます。
#221
○中井委員 先ほどからいろいろお話ありましたように、国民の一番関心の深い、また国会にとっても一番大事な税制について堂々と論議が行われる、このことは常に大事なことだと考えております。消費税の導入に際してそういった論議が十分行われなかったこと、また同時に、今回のこの見直し案についても実は十分論議がされて国会に提出をされたかどうかということについて、国民は大いに不満を持っていると私は考えております。
 現実に、あれだけ強引に導入をされた消費税、ところが、政府・自民党は導入後三カ月足らず、六月の二十八日、参議院選挙の最中に既に税調に対して見直しを勉強する、こういう要請をいたしております。自民党内においても九月に行われる、そして十一月に骨子が出る、この骨子でもって実は選挙戦が戦われた。大幅な見直しということで、国民にある程度何とかなるんじゃないかという夢を与えて選挙をお勝ちになった。選挙後初めて見直し案が三日に出てきた。しかし、出された見直し案の中で簡易課税方式、国民の一番不満の多い、あるいは不平等のもとになっておると言われておる簡易課税方式については政令にする、そして納付が一巡終わった段階でこの政令でもって見直しをするんだ、こういう形にされておる。
 私は、このやり方を見ると、どうも政府はこの見直し案そのものも十分論議をして国民に出す、こういう姿勢が足りないように思うのであります。自民党の方、あるいは一部業界の方、役人さんだけで議論をしてやってしまう、そこらに国民の税に対する、あるいは税制改革に対する不信がある。同時にそのことは、ごく一部の人たちだけでの論議になるから、自民党の方でも実は消費税の導入後でも消費税のことがわからないときがある。例えば、去年の参議院の選挙最中、私の郷里三重県へ応援に米られたある大臣の方は、消費税四%にしたら一円玉が要らなくなるんだ、こういうことを公然と演説されて、国民の失笑を買ったわけであります。
 私は、この委員会を通じて、あるいはこれからの国会論議を通じて、常に税制改革というものを、あるいは税制その他の法案も含めて堂々と論議される、こういった風潮がなければならないと考えます。その点について、大臣のお考えをお尋ねをしたい。
 そして同時に、私はぱらぱらと読ませていただきましたある大蔵省の高官の方の文章を読みますと、このみなし税率を政令事項に直しておけば、国会に法案を提出して、その成立を図ってというような手続を要さずに、政令の改正だけで、タイムラグが短くて済むということから、この今の八割、九割というものを政令マターにすることにしました、こう書いておるのであります。私は、こういう発想、これをお書きになった方、よく知っておりますから、本気でこういう思いでおやりになったとは思いませんが、この消費税の見直し案あるいは廃止案、二つとも堂々と国民の前で論議をしていく、し尽くす、そういう姿勢が必要だと思いますが、大臣いかがですか。
#222
○橋本国務大臣 今委員から御指摘がありましたけれども、私はまず第一に、現在提案をいたしております、政府の提出しております見直し案、これが拙速なものだとは考えておりません。少なくとも、私は昨年お手紙をいただきたいという国民に対しての呼びかけをし、一方九千通近い方々からのお手紙をいただきました。そしてその中には、もちろん反対もありましたし、賛成もありましたし、見直し部分について具体的な御意見をくだすった方もたくさんありました。そうした方々の声の中から、私どもはそれを全部検討の対象にしながら今回の見直し案をまとめてきたわけであります。
 そして今、委員は、みなし仕入れ率を政令にしたことについて問題があるという御発言でありましたけれども、私は、やはり今まで本院において行われた御議論からまいりましても、みなし仕入れ率というものをより実態に合った努力をすることを政府として心がけることは当然であると思っておりますし、その意味において、政令にしたことが間違いだとは考えておりません。
 と同時に、誤解のないようにこのテレビを見ておられる皆さんに知っていただきたいことは、ほかに免税点の問題あるいは簡易課税の問題について、いろいろな御意見を私どもはいただいてきました。そして、それについては一昨年末の衆議院の本会議において、まさに議員修正で追加されました税制改革法第十七条三項において、納税者の事務負担、消費税の円滑かつ適正な実現状況を踏まえて見直すことが定められているわけであります。そして政府としては、この五月末まで申告・納付が続いておりましたその消費税の一巡した状況を、これから全税務署から資料として微取し、そしてそれを七月末までかけて分析をし、その検討の結果に基づいて、この簡易課税や免税点については政府としての見解をお示ししようとしているわけであります。
 私どもとしてはできる限り、この消費税が定着をしてまいりますために、今国民に御理解をいただくべく努力をしているところでありまして、どうぞこうした点も十分御勘案をいただいて御審議をお願いをいたしたい、そのように思います。
#223
○中井委員 きょうは野党案の審議の日でありますし、あした政府案の審議に際しまして、我が党の同僚議員がまた詳しくこの点等を含めて論議をいたしますので、野党の提出者の皆さん方に、法案についてお尋ねをいたします。
 先ほどから、消費税を廃止したら財源がどうなるのだ、財源を出していないのは無責任じゃないか、こういう声がございました。これに対して提出者の方々はいろいろなお考えをお述べになったわけでありますが、私は幾つかの点から財源について短期的に賄っていけるのではないか、こういった観点を含めて論議をさせていただきたいと考えております。
 昭和六十二年度に税の自然増収というのは五兆六千億円ありました。六十三年度には五兆七千億円の税の自然増収であります。また昨年も、まだ統計が出ておりませんけれども五兆円を上回る税の自然増収がありました。今年も大変な好景気に支えられて、また税の増収というものが生まれてくる、このことは間違いないことであります。政府は予算編成に際して弾性値というものを一・一という形で計算をなさっておるから、こういう莫大な金額が自然増収として出てくる。これを一・三という形で計算をしていけば、消費税、全部とは言いませんけれども、廃案という形になっても、私は大きな財源というものは出てくる、このように考えますが、提出者の方は、本年度の自然増収というものについてどのような見通しをお持ちか。また、自然増収で消費税の財源を大きく賄っても構わないじゃないか、こういう私の意見に対してどのようにお考えか、お答えをいただきます。
#224
○宮地議員 中井委員にお答え申し上げます。
 御存じのように、日本経済は現在内需主導の拡大傾向を続けておりまして、この五月で岩戸景気と並ぶ四十二カ月連続上昇を記録いたしました。最近のトリプル安の状況にあっても、個人消費は堅調に推移し、設備投資も増勢を続けており、企業収益も増加を続けております。民間研究機関などの見通しでも、今後景気は順調に伸び、イザナギ景気の五十七カ月を超える勢いであると見通しているところでございます。したがって、かなりの税収が期待できるものと我々は考えております。
 元年度の税収調べが六月末に発表されますが、補正予算の五十四兆二千二百七十億円をさらに一兆五千億円程度上回ることがほぼ確実であるとされております。こうした数字を発射台にいたしまして二年度税収を試算いたしますと、私たちが予算組み替えの際に示しましたとおり、消費税を廃止しても財源は十分に確保できるものと考えております。
#225
○中井委員 先ほどからの御議論の中で、自民党の方からは、与党の責任、苦労というものを野党はわかっていない、こういう強い御指摘がございました。与党には与党としての御苦労がおありなこと、私どもは十分承知をいたしております。しかし、この税制改革ということに関して、私は自民党の方々に一つ御注文がある。それは、自民党さんと大蔵省との関係か何かわかりませんけれども、どうも大蔵省ペースで少し税制改革というのは運ばれ過ぎるんじゃないか。大蔵省の方は大変厳しい財政状況の中をやりくりされてこられましたから、一つの税を減税したら、一つの税金をなくしたら、その分をどこかで必ず見つけなければならない、こういう発想に立たれて自民党と話し合いをなさる。そしてそれにいつも自民党が、仕方なしかどうかは知りませんがお乗りになる。
 先ほど加藤先生からお酒の話がございました。私は一族が酒屋だから文句を言うわけじゃありませんけれども、あの酒の税金だって、特級や一級を下げたら二級も下げればいいのです。何でもないことです。ところが、お酒の税金でこれだけ取るんだ、これだけなければだめなんだ、こうやっちゃうから、特級と一級を下げたら二級としょうちゅうを上げなければならないのであります。これだけ税が豊かなときに、発想を変えて(発言する者あり)いやいや、違います。特級を、あるいは一級を国際的な要求で下げなければならないなら、それに続いてしょうちゅうも、あるいは二級酒も下げればいい。幾らでも発想の転換をしていけばいいと私は思うのであります。
 そういう発想の転換の中で、私どもは過去行政改革を常に主張し、求めてまいりました。今まで自民党さんも行政改革をやってこられた。私はそのことは認めます。また、私どもも賛成してNTT、国鉄改革、思い切った行政改革をやりました。同時にまた、毎年の予算でゼロシーリング、あるいは経常経費の一〇%減、大変な御努力をされておることも知っております。そして自民党の方は、そういう行政改革をやってきたけれども、もうこれ以上無理だ、行政改革ではお金が出てこないとおっしゃるけれども、発想を変えて、自民党的じゃない行政改革のやり方、こういったものは幾らでもある。国民は、増税をする前に行政改革幾らでもあるじゃないか、むだ遣い幾らでもある、それをやってないじゃないか、このようにすべて感じておられるのであります。
 この行政改革については、提案者の中でお答えにくい党もあるやにお聞きをいたしております。したがいまして、同じ党同士で申しわけありませんが、行政改革を常に主張している中野民社党提案者としてどのように行政改革を進めるべきだとお考えか、お尋ねをいたします。また同時に、行政改革でどういう形での財源が出てくるとお考えか、お尋ねをいたします。
#226
○中野議員 お答えいたします。
 行政改革については、いろいろな手法があると思います。例えばNTTの民営化、また国鉄のJRへの民営化、そのことによって多くの財政再建といいましょうか、これらもなし遂げられてまいりました。NTTの株の売却は、これまた国債発行、国の債務を解消するために一つの大きな役割を果たしております。これも行政改革でありましょう。NTT株は、目下株の動向を見て、様子を見ている状況にございますけれども、これも国債返却のために、追ってこれはやはり売却をされていくものというふうにも考えております。
 そのほか、行政改革を私どもが主張してまいりましたものとしては、第一に行政改革五カ年計画の策定を提唱いたしまして、その中で、一つ、補助金制度の改革、二つ、公務員制度の改革、三つ、現在補助金や特殊法人などについて一部適用されている組織及び事務事業の開始に当たって存続期限を設定する、いわゆるサンセット制度を組織、制度の全般に拡大をするというやり方、第四に、中央省庁の地方出先機関を現業部門を除き原則的に廃止すること等々を主張をしているところでございますし、また、全国三千三百の地方公共団体におきましても、我が党の地方議員を通じまして地方行革という形で主張をさせていただいているところでございます。
 いずれにいたしましても、行政改革を通じて経費のむだを省き、そして国債の返却等に充てることによって、ある意味では消費税にかわる財源を生み出すということにもつながるわけでありまして、私どもとしては、まず消費税の前に行革ありきという姿勢を政府にも強く望んできたところでございます。
#227
○中井委員 私どもは、私自身は、消費税にかわる財源として、自然増収あるいは行政改革、または今お話のありましたNTTの株売却、こういったことをやっていけば短期的に十分賄える、このことを強く主張するものであります。特にNTTの株売却につきましては、今環境的にまずいということで、去年もことしも見送られるということであります。しかし、売るという予定で財政が組まれておったことも事実、予算が組まれておったことも事実であります。その売らなかった分、ほかで賄えるだけ財源があったということでもあろうか、このことを強く訴えたいと思います。
 同時に、私はこの国会に出てまいりまして、消費税の論議よりも、国会でいろいろな論議を聞いておりますと、土地税制についての論議が非常に強く、幅広く行われた、このことに大変賛意を表するものであります。土地税制は大変難しいものであり、土地というものを税制だけでコントロールする、こういうわけにもまいりません。また、土地税制を新しく考える場合には、土地の投機を抑え込む、同時に土地の供給を増加せしめるような税制を考えるべきだ、土地で財源とかあるいは土地で税の増加というものを考えるべきじゃない、こういう御議論もあることも承知いたしております。
 しかし、政府も、あるいは提出者の皆さん方も、所得、消費、資産、この課税のバランスということを常に言われている。大体、国会共通の問題意識じゃないか、このように考えます。その中で、現在土地の資産額というものは日本じゅうで約二千兆円ぐらいあると言われております。GNPを簡単に四百兆円としたら、五倍の実は金額でございます。しかも、ここ四、五年の土地の資産の高騰というのはすさまじいものがあります。現行では土地神話というのがなかなか崩れない。そして、土地を資産として持っておれば有利だという税制もあります。国民の、土地を持っている者と持たない者、大都会に持っている者と持たない者、この資産格差に対する怨嗟の声、また不公平だという声は大変大きなものがあります。
 提出者の皆さん方は、今後の税制改革の中で、土地に対する資産課税を含めて土地税制というものをどのようにお考えか、また土地に対する税制を財源として御判断になる、このように御理解をしていいかどうか、お尋ねをいたします。
#228
○菅議員 今の土地税制についての考え方でございますけれども、これも再改革基本法案の中にも述べておりますように、土地基本法の考え方に基づきまして保有税などの導入を議論すべきだ、そのように考えております。その場合の内容については、まだ具体的な土地税制の中身についてまで――これは国民税制改革協議会にお願いをすることになっておりますけれども、今政府税調などを含めて次第にコンセンサスになりつつありますのが、何らかの土地保有税の導入が必要であろう。それはもちろん小さなうちにまでかけろというのではなくて、企業などがかなり大規模な土地を必ずしも有効に使わないまま持っている、そういったものについて導入することが何らかの形で必要であろう、こういう方向では次第にコンセンサスになりつつあると思います。
 今中井委員の方からありましたように、二千兆円あるいはそれに近い評価が日本の土地の総額であるとすれば、例えば単純過ぎるかもしれませんが、固定資産税の一・四%をそれに掛ければ二十八兆という金額になって、現在の二兆ちょっとに比べますと十倍以上の金額になる。あるいは含み資産だけでも数百兆と言われておりますから、そういうもとの金額を勘案しますと、少なくとも数千億単位よりは超える数兆円単位の財源というものが制度の仕細みのあり方においては十分に可能かというふうに思っております。
 また、それをどういう目的に使うかについては、やはり住宅そのものの確保とか、あるいは公園や下水道などの社会資本の充実などに振り向けるということも考えなければならないというふうに思っておりますけれども、今中井委員御指摘のような、財源としても十分検討に値するものと私どもも思っております。
#229
○中井委員 時間がありませんので、次は二つ一緒にお尋ねをしてお答えをいただきたいと思います。
 十日の日に人口動態統計というのが発表されました。これによりますと、出産率がどんどん低下して、予想しておったよりも高齢化のピークが早く来る。行革審の答申では、二〇二〇年をピークにして、そして国民の公的な負担率を、五〇%をその当時で下回ることを目標にする、こういう答申を出されております。現行、四〇%であります。そして、二十一世紀初めでは四〇%半ばを超えないようにしなさい、こういう答申を出されました。しかし、この高齢化のピークというのは予想しているよりかもっと早く来る。これに対してどういう負担をしていくか、このことを私どもは当然のごとく考えて論議をしていかなければなりません。
 同時にまた、今、日米構造協議が行われております。アメリカから、十年間にわたって一説では五百兆円に及ぶ社会資本の投資を行え、あるいはGNp比率何%の公共投資を行え、こういった要求が出てまいっております。私どもは、アメリカがいろいろ言ってくること、感情的には思いはありますけれども、生活先進国をつくれ、こう主張しております民社党としては、社会資本の充実、当然のことだ、もっと急いでやっておって当たり前だ、このように考えております。
 高齢化社会に備える、あるいはこういう日米構造協議の日本側の返事に備えて、大変な財源というものを頭の中へ入れていかなければなりません。先ほどから大蔵大臣は、恒久的な財源確保、このことを言われてまいりました。私どもは、先ほどの私の議論で、短期的には消費税を廃止してもやっていける、しかし長期的に本当にやっていけるのかどうか、このことを国民の前に明らかにしていかなければならないと思うわけであります。その点について提案者はいかがお考えでしょうか。
#230
○中野議員 短期的な面と長期的な面と問われました。まさに高齢化ピーク二〇二〇年は国民負担率五〇%に近づいていくのではないか。何とか五〇%に抑えなければという行革審の答申もございました。これから私どももそういう時代を迎えるに当たって、税制改革は必要であろうということを考えて、改めて改革協議会の提言をしているわけでありまして、我々提案者といたしましても、決して税制改革が不必要だとは考えていないということを御理解いただきたいと思います。
 まずは国民の理解を得るために、中井委員御指摘のように、行革、そしてまたその他の自然増収のこと等を勘案しながら、短期的な財政対策を講じ、そしてその間に消費税を含めての、廃止を前提としつつも、今後の税制改革問題について真剣な論議をしていく、そのことが高齢化社会に対応する道、また日米構造協議を問われるまでもなく、生活先進国等をつくるための、言うならば公共事業費を確保するための一つの道でもあろうというふうに考えているわけでありまして、御指摘の精神を踏まえて我々も努力をしたいと考えているわけであります。
#231
○中井委員 大臣にもう一つお尋ねをいたします。
 参議院やあるいは衆議院の本会議場において総理からもお答えはありましたけれども、先ほどから、この税制対策特別委員会の質疑とは別に、結論が出た後、与野党協議で税の問題、消費税の問題を話し合っていこう、こういう話がいろいろな観点から言われております。大臣として、与野党協議という形での消費税の問題、あるいは長期的な税制改革の問題について十分話し合う用意がある、このようにお考えですか。
#232
○橋本国務大臣 前もって申し上げたいのは、政府としては責任を持って見直し案を提出しておるところでありまして、この通過、成立に全力を尽くしたいという意欲を持っておることは申すまでもありません。しかし同時に、私は、院の中において各党が本当に合意のもとにおいて、消費税の問題ばかりではなく、誠心誠意忌憚のないお話をされるということに対して政府が異論を申し述べる立場ではない、そのように思います。
#233
○中井委員 提案者の中の社会党さんにお尋ねをいたします。
 私どもも、この廃止法案が自民党さんの理解を得て成立することを心から望むものであります。しかし同時に、今の議会制政治の中で、各党、採決というものを政党に縛られている以上、衆議院において審議を尽くしてもこの廃止法案は否決をされる、参議院においては見直し案が否決をされる、このことはもう周知の事実であります。私どもは従来の反省に基づいて十分な審議をしていく。同時に、結論が両者相打ちになったときに残るのは、私どもが一番情けない、国民不信を食らった現行消費税であります。したがいまして、現行消費税が残らないように知恵を出していこう、こういう考えに対してどのように社会党さんは御応対をなされますか。
#234
○伊藤(茂)議員 御指摘ございましたように、私ども提案者八名は、私どもが提案しました廃止関連四法案をぜひとも成立させていただきたいということで、共同で取り組んでいるわけであります。それから先の仮定のことについては申し上げる立場にはございませんが、私の気持ちからするならば、あらゆる場を通じて、国民の代表たる国会の正式な場で行われるべきであろうと考えております。
#235
○中井委員 終わります。
#236
○山崎委員長 江田五月君。
#237
○江田委員 提出者の皆さん、長丁場御苦労さんでございます。しかし国民の大変な期待を担って消費税廃止関連法が今審議をされている。しかも、きょうはその審議の初めの日でございまして、ひとつ頑張っていただきたいと思います。
 私の質問時間は十分ということなんですが、きょうテレビで放映されておって、その時間はあともう五分少々になった。そこで冒頭、きょうは終日大変御苦労さんでございましたが、国民の皆さんにこういう姿を一日テレビで見ていただいている。このことの意義を提出者の皆さん、どうとらえておられるかということをまず伺っておきたいと思います。
 参議院選挙が終わって、参議院で消費税廃止関連法を出された。参議院は通過をいたしました。しかし衆議院でこれが廃案になりました。その後、いやその前からでしょうか、野党のすき間風とか、足並みが乱れているとか、いろいろ言われました。一体野党はどうなるのか。もちろん党が違いますから、意見の違いはいろいろある。だけれども、野党はしっかり腕を組んで頑張るんですよと。こういう国民的な課題について、きょうも恐らく、例えば答弁の仕方についても、それは皆さん自分の党の意見をそのまま出せばというのはおありでしょう。しかしそういうことでなくて、しっかり足並みを整えられて、自民党の方からもすき間風を、あるいは野党の一部からも足並みの乱れをそれぞれ突いてくる質問をそれでもなお何とかかわしながら、野党はしっかりまとまっていくんだという姿を見せておられる。しかも、私は堂々としていらっしゃると思う。大臣はお帰りになりましたが、皆さんの中からだれが大臣になってもすぐ大臣ができる。そういう姿を今ここで国民の皆さんに見ていただいているというこの野党の結束は非常に重要な、非常の意義のあることだと思いますが、どう認識をされておるか、まず伺っておきます。
#238
○伊藤(茂)議員 私どもきょう初めてこの答弁の場に座りながら、江田さんおっしゃいましたが、テレビを見ておられる多くの国民の皆さんは、恐らくは、野党結束して頑張ってください、力を合わせて頑張ってくださいというお気持ちでごらんをいただいている方々が本当に多いのではないだろうか、それにこたえなければならないということであろうと思います。そうして、今政権交代が現実のときになるときでありますから、私ども野党の政治家としては生涯の最大の夢でありますから、一歩でも進んでいくように、そんな気持ちを持ちながら答弁をさせていただきました。
#239
○江田委員 社会党の伊藤さんに答弁をいただいたわけですが、神崎さん、中野さん、菅さん、同じだと思いますが、よろしいですね。その点、そごはありませんね。
 そこで次へ行きますが、日本における間接税というのを一体どうするのか。これは、きょうは冒頭加藤委員が大平さんの例から話をお出しになりました。随分長い議論を続けてきたと思います。あるいはまた諸外国でも、それぞれの国がいろいろな形で間接税についてのさまざまな取り組みをされておる。私は、我が国でもこの間接税、今までの、先般の税制改革以前のあり方には随分ゆがみがあって、これを何とか改めていかなければならぬという、そういう国民的な議論は次第次第に前へ進んできていたと思うのですよ。それが公約違反あるいは強行採決、こういう大変な政治的なゆがみで今日の消費税ということになってしまっておる。この消費税を公約違反、強行採決で導入をした自民党政府の責任は、私はこれは万死に値すると実は思っております。
 こういう政治のゆがみを一度正して、そしてそのためには廃止をまずして、そしてもう一度政治の軌道をもとへ戻そうじゃないか。そのために私ども、私どもといいますか提出者の皆さんのお出しになっている法案では、所得と消費と資産の間のバランスのとれた税制というものを考えていくんだ。しかも、そのバランスということを考える場合には、例えば土地の問題なども、あるいはサービスや流通についての適正な課税のあり方も、決して逃げるのでなくてきちっと議論をしていくんだ。こういう方向で提案をされているので、私は、これからの税制改革のあり方、九〇年代から二十一世紀の日本の税制改革というのは、この消費税廃止、そしてもう一度再改革をするというやり方しかないと思っております。
 その点で、きょうは四人の、四党の政審会長さん方がここにそろっておられまして、皆さんの御努力を本当に高く評価をし感謝を申し上げるのですが、さらに進めて、税制についてもここまで皆さんが御努力をくださる、税制以外でも、今国民が悩んでいる問題はいっぱいある。そういうことについてもひとつ、きょうは政審会長さんおそろいですからぜひ腕を組んでいただきたいということをお願いをしたいと思うのですが、例えば今参議院は与野党が逆転をしている。参議院の野党多数というこの姿を政治的にもっともっと有効に活用していく、いい政治のあり方をつくっていく一つの大きな契機になると思うのですね。
 きょう、実は私は、朝、情報公開についての四党の協議に、連合参議院も含めてですが参加をしてまいりました。情報公開ということもあるでしょう。土地税制といったこともあるでしょう。育児休業あるいは被爆者援護とかいろいろな課題がありまして、今国民は参議院の野党多数を一体野党はどう活用するのか注目をして見ているところだと思いますが、こうした課題について野党四党結束して頑張る、こういう決意を聞かしていただければ大変ありがたいのですが、ひとつこれは四人の政審会長さん方順次、そうですね、小さい会派の方からひとつ……。やはり大きい方ですか。いや、どちらでも結構ですが、どうぞお譲り合いにならなくて、では伊藤さんひとつお願いします。
#240
○伊藤(茂)議員 一言で気持ちを申し述べたいと思います。
 やはり江田さんおっしゃいましたように、世界は飛ぶがごとく大きく変わる。そういう中で、やはり新しいさまざまの設計が求められているのが今日の時点であろうと思います。そういうことを政治としてはしっかり胸に持ちながら、本当に国民の理解できる決断をこの税制についてもしなければならないというのが今日の時代であろうと思います。
 そういう中で、ぜひ私どもも力を合わせて頑張っていきたいと思います。特に社会党は、連合時代の一つのかなめの党としての役割を担っているわけでございますから、力を尽くした努力をいたしてまいりたいと思っております。
#241
○神崎議員 参議院の逆転状況を十分生かしまして、この消費税問題を試金石として、国民の期待にこたえられるよう頑張ってまいりたいと存じます。
#242
○中野議員 消費税廃止のための共闘は、我々野党にとりましても大変貴重な体験でもあると思います。
 そのほか、税制のみならず、例えば土地の問題等野党のみならず、場合によっては与野党が謙虚に胸襟を開いて協議をし、国民のために役に立つということを判断基準にしながら、これからの新しい政治のあり方をつくり上げていくという考え方を持っていいのではないだろうか。そういう意味では、御趣旨を広げてより一層努力をしてまいりたいと思います。
#243
○菅議員 現在の衆参の状況についてねじれという表現がよくされますけれども、私は二人のパイロットがいなければ飛ばない飛行機ではないかというふうに思います。そういった意味で、これまでは自民党という一人のパイロットだけで国会が飛んでいたと思うのですけれども、今度は野党の結束をしたパイロットが参議院に乗らない限りは法案は通らないわけですから、その中で、今江田さんのおっしゃったような育児休業法あるいは土地税制などを含めて国民の皆さんが強く求められて、これまでは必ずしも十分に政府・与党に組み入れられなかった問題について、特に協力をし合って頑張っていきたい、そのように思っております。
#244
○江田委員 参議院で野党が多数という状況の中で、野党もまた責任を持って政治にかかわっていく、しかも野党協力していく、そういう御趣旨の発言をいただきまして、大変ありがとうございました。
 終わります。
#245
○山崎委員長 次回は、明十三日水曜日午前十時委員会、正午理事会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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